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中国情勢(軍事・外交)(その9)(このままではいずれ中国が新興国経済を掌握する……コロナ禍でデフォルト危機の新興国に中国が急接近している理由、パプア政府「中国企業の金鉱採掘権」を強制剥奪 現地裁判所が権益延長を求める訴えを棄却、「中国の夢」実現の折り返し点…中国は変わるのか 変えられるのか) [世界情勢]

中国情勢(軍事・外交)については、8月20日に取上げた。今日は、(その9)(このままではいずれ中国が新興国経済を掌握する……コロナ禍でデフォルト危機の新興国に中国が急接近している理由、パプア最高裁「中国系金鉱採掘会社」の申立却下 上告審は継続。対立の裏で交渉継続探る動きも、「中国の夢」実現の折り返し点…中国は変わるのか 変えられるのか)である。

先ずは、9月13日付けエコノミストOnlineが掲載した在米ジャーナリストの岩田太郎氏による「このままではいずれ中国が新興国経済を掌握する……コロナ禍でデフォルト危機の新興国に中国が急接近している理由」を紹介しよう。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200908/se1/00m/020/033000c
・『過去10年ほどの低金利環境で大量に発行されてきた新興国の国債(ソブリン債)が、新型コロナウイルスの世界的な流行により債務不履行(デフォルト)のリスクに瀕(ひん)している。米論壇では、その影響や解決策をめぐる議論が熱を帯びている。 コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授らは7月31日付の評論サイト「プロジェクト・シンジケート」で、「100以上の低所得および中所得の国が合わせて1300億ドル(約13兆7800億円)のソブリン債返済を迫られている。だが、(感染拡大防止のため)経済活動が大幅に制限され、国庫収入が急減するため、これらの多くの国が債務不履行に陥るだろう。パンデミックの今こそ必要とされている医療や社会プログラムを削って、債権者に対する返済に充てる国が増える。結果として、数千万の人が失業して移民が増加し、世界中の社会に不安定化や暴力をもたらす」との見立てを提示した。 こうした長期的な悪影響を抑える方策としてスティグリッツ教授らは、「1990年代の中南米や、より最近のギリシャ債務危機において効果が確認された、債務国による自主的なソブリン債買い戻しにより、大きな債務放棄を確保し、(民間債権者による、債権を元手にした債務国に対する債務交換の)苛烈な条件を回避することもできる。さらに、恩恵を受ける国々が債務返済に充当するはずであった資金を医療や気候変動対策に回すよう義務付けることもできる」と利点を説明した。加えて、「国際通貨基金(IMF)の保証を付けた上で、出資ができる国や機関から資金を募ればよい」と主張した。 こうした中、コロナ禍で9度目の債務不履行に陥った南米アルゼンチンは8月4日、債権団と650億ドル(約6兆8900億円)の債務再編について、債券保有者が額面1ドル当たり約54・8セントを受け取ることで決着合意した。 しかし、一定割合の債券保有者が承諾すれば債務条件を変更できる集団行動条項(CAC)については見直す方向となり、一部の債権者に有利な結果となった。これについて、カリフォルニア大学のバリー・アイケングリーン教授、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授などが7月9日に連名で「プロジェクト・シンジケート」に寄稿し、「CACの見直しは、条件変更を拒む最も無責任な債権者が、他の債権者の犠牲の下に利益を得ることにつながり、見直しは認められるべきではない」と訴えていた』、「CACの見直し」への「プロジェクト・シンジケート」の反対論は、この説明だけでは理解できない。
・『中国を利する危うさ  一方、カーメン・ラインハート世界銀行副総裁は6月23日に出演したブルームバーグの番組で、「特に低所得の新興国において中国は最大の貸手であり、中国の協力なしには債務国救済が限定的に終わる」と語った。 また、非政府組織である「透明性基金パートナーシップ」のフランク・ボーグル理事長は7月1日付の保守系サイト「アメリカン・インタレスト」で、「民主党政権であれ共和党政権であれ、ソブリン債危機が米ウォール街に波及してほしくない。だが、債務国救済は国民から収奪する新興国政権を利するばかりか、相当の債務カットに応じるであろう中国が、IMFの保証を使った債務国からの残債返済を確保し、最終的な勝者となる可能性がある」と警鐘を鳴らした』、これも残念ながら説明不足で理解困難だ。ただ、「低所得の新興国において中国は最大の貸手であり、中国の協力なしには債務国救済が限定的に終わる」、のは確かなようだ。

次に、10月17日付け東洋経済オンラインが財新 Biz&Tech記事を転載した「パプア最高裁「中国系金鉱採掘会社」の申立却下 上告審は継続。対立の裏で交渉継続探る動きも」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/380179
・『世界有数の金山として知られるパプアニューギニアのポルゲラ鉱山。その採掘権をめぐるパプア政府と採掘会社の争議が混迷を深めている。9月29日、採掘会社のバリック・ニューギニア(BNL)は声明を出し、ポルゲラ鉱山の採掘権延長に関する同社の申し立てがパプアの最高裁判所に却下されたことを認めた。 ここまでの経緯は複雑だ。BNLは中国の金採掘大手の紫金鉱業集団とカナダのバリック・ゴールドの合弁企業で、紫金鉱業が50%を出資している。ポルゲラ鉱山の採掘権はBNLが95%、パプア政府および地権者が5%を所有し、2019年8月にいったん契約期限が切れた後も、パプア政府はBNLの採掘継続を認めていた。 ところが今年4月24日、パプア政府はBNLによる採掘権の延長申請を認めないと突如発表。さらに8月25日、ポルゲラ鉱山の採掘権を国営企業のクムル・ミネラルズ(KMHL)に与えた。これに対してBNLは、パプア政府の決定は違法かつ無効だとしてパプアの国家裁判所に提訴した』、ここでの短い説明だけでは、真相は理解できないが、「パプア政府」は何故、こうした強硬策に出たのだろう。
・『「賠償責任はない」とパプア首相  しかし9月1日、国家裁判所はBNLの訴えを棄却。同社はそれを不服として最高裁に上告するとともに、国家裁判所の判決の執行停止を申し立てたが、最高裁は9月25日にこの申し立てを却下した。BNLは9月29日の声明の中で、今回の最高裁の決定は訴訟の終了を意味するものではなく、上告審はまだ継続中だと説明している。 一方、パプア政府のジェームズ・マラペ首相は9月28日、「BNLは国家裁判所の判決に従わなければならない」と発言した。ポルゲラ鉱山の採掘権の契約期限が切れてから1年間が経過した後は、パプア政府はいかなる費用負担も賠償責任も負わずに鉱山の資産を取り戻す権利があると、マラペ首相は主張している。 双方の対立は修復不能に見えるが、BNLは交渉継続の可能性を捨てていない。 また、ロイター通信の報道によれば、パプア政府から採掘権を与えられたKMHLも鉱山の操業を再開するため、紫金鉱業とバリック・ゴールドを出資者兼鉱山運営者とする長期契約を模索しているという』、「BNL」や「紫金鉱業集団」は、国際司法裁判所に訴えてうないのだろうか。今後の動きを注目したい。

第三に、10月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元外務審議官で日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中 均氏による「「中国の夢」実現の折り返し点…中国は変わるのか、変えられるのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/251780
・『共産党一党独裁体制で大きく台頭してきた中国は日本にとって脅威に映る。 中国がこの地域で覇権を求めるようなことにはあらがわざるを得ない。中国は軍事力も飛躍的に拡大し、日本一国で抗することはできず、米国との同盟関係が今後とも不可欠となる。 しかし日本の経済の今後を展望すれば、中国は貿易・投資・観光などで最大のパートナーであることは変わらないだろう。中国との相互依存関係の維持は不可欠だ。 他方で中国自身も今、大きな岐路にある。中国がコロナ後の国際関係の中でどこへ向かうかは、国際社会にとっても日本にとっても最大の問題であり、今、何をするかが、30年後の世界を決めるということを認識するべきだ』、同感である。
・『「超大国」としての復活が中国ナショナリズムの原点  習近平総書記は「中国の夢」を掲げ、中華人民共和国建国100周年に当たる2049年には「社会主義現代化強国」として豊かな国になる路線(恐らく超大国米国と肩を並べることを意味しているのだろう)を鮮明にしている。 それは中国のナショナリズムを充足させる夢でもある。 中国にとって歴史の屈辱(アヘン戦争で英国に敗れ日清戦争で日本に敗れて、香港や台湾などを失い、大国の座から滑り落ちていったこと)を晴らすことは、ナショナリズムの原点だ。 「中国の夢」を実現させるために必要なのは、第一に国力を充実させることであり、第二に中国が中心に位置する世界を作ることだ』、なるほど。
・『2049年の建国百周年に向け「中国の夢」は実現されてきた  現代中国の礎を築いた故鄧小平氏は経済成長を促進することが先決と考え、改革開放路線の下、資本主義を導入し、国際社会との無用な摩擦を避けるため「大きくなるまで角を矯(た)める」という姿勢(韜光養晦)をとった。 中国は2010年にGDPで日本を追い越し世界第二の経済大国に躍り出た。 コロナ後を想定した推計では、中国のGDPは2021年には米国の75%に達し、2030年までに米国を追い越し世界最大の経済大国となるのではないかといわれる。 すでに2016年の時点で、フォーチュングローバル500のトップ10企業に米国企業が4社入っているのに対し、中国企業は3社が入り企業の規模レベルでも米企業に肉薄する。 軍事能力でも2035年ぐらいまでには米国と並ぶ能力を持つと予想する向きがある』、「韜光養晦」をとってきた頃は警戒心を持たれることもなかった。
・『中国中心の国際秩序の構築 中間地点で大きな岐路に  そして第二の条件である中国が中心に位置する国際秩序の構築も進んできた。 中国は第二の経済大国となったことで、自信は深まり、低姿勢でいる必要はなくなった。そこから積極的に対外関係に打って出た。 「一帯一路」構想の推進や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の創設、環境やエネルギー面での国際協力への積極的参画などで、国際的影響力は飛躍的に高まった。 同時に中国周辺での海洋活動は活発化し、時に攻撃的となった。東シナ海では尖閣諸島周辺での公船の活動を活発化させ、また南シナ海での埋め立て・軍事拠点化の動きは近隣諸国との大きな摩擦要因となった。 さらに香港問題では中国は自らで秩序を作る姿勢を鮮明にした。 本来であれば2047年まで「一国二制度」の基本が維持されるはずだった。 しかし香港の民主化を求めるデモが一向に収まらない事態に、限度を超えたと判断したようだ。 全人代常務委員会が香港の国家安全維持法を立法化し、2020年6月30日より香港に押し付けた。法の適用が恣意(しい)的に行われることが危惧され、香港市民の自由が大きく制約される結果となるのだろう。 改革開放から民主化の動きが生まれながら鎮圧された天安門事件から約30年、そして中国の夢をかなえたいとする2049年まで30年を切った今日、ちょうど中間地点の中国は岐路にある』、「天安門事件から」、「中国の夢をかなえたいとする2049年まで」の「中間地点」、確かにその通りだ。
・『「夢」実現を阻む深刻な悪循環 成長減速が共産党統治への不満強める  共産党一党独裁のまま「夢」をかなえようとする中国は国内、国外双方で深刻な悪循環に逢着している。 共産党政権は強権的な統治をする一方で、高成長を実現しそのパイを国民に享受させることで政治的な不満を抑えてきた。だが経済大国化するほど強権政治との齟齬(そご)が生まれ、それを強権的に抑えようとするほど経済や社会が不安定化することになりかねない。 豊かになるにつれ、成長速度が落ちていくのは必然だが、失業問題が深刻化すれば若年層を中心に不満が蓄積され政府批判につながり得る。 習近平政権は国民の批判を強権で抑え込み、強固な監視社会を構築している。また反腐敗闘争によって共産党内の権力闘争の芽も摘んでいるようにみえる。 また2018年に国家主席の任期を撤廃して以降、習近平総書記に対する権力の集中が図られるとともに、2016年の共産党中央委員会第6回総会(6中全会)で「党の核心」と位置付けられた権威をさらに高める動きも最近、急である。経済の分野においても共産党による企業運営への介入が強化されるのだろう。 だが他方で共産党への権威・権力の集中に対する国民の不満が一層蓄積され、また企業活動が制約を受けることで成長速度が一層鈍るという悪循環が始まるのではないだろうか』、「共産党への権威・権力の集中に対する国民の不満が一層蓄積され、また企業活動が制約を受けることで成長速度が一層鈍るという悪循環が始まる」、その通りなのだろう。
・『国際社会への影響力拡大とともに「戦狼外交」への懸念と反発  国際社会における悪循環も深刻となっている。中国外交は四面楚歌にあるといわれる。 コロナを巡る初動の誤りがもたらした国際社会の反発や「債務の罠」といわれる中国の途上国支援政策への懸念だけでなく、中印国境紛争や南シナ海でASEANとの紛争が起き、香港・台湾問題などを巡って欧州も対中政策の戦略的見直しを始めている。 中国が習近平政権下で対外的に攻勢をかけた結果、確かに中国の資金や中国市場に対する諸国の依存度が高まり、中国の国際的影響力は拡大された。だがそれが故に中国に対する懸念も強くなった。 中国の好戦的な「戦狼外交」は国際社会での中国の立場を大きく損ね始めている。 香港における強権的行動は国際金融センターとしての香港の地位を揺るがす。台湾についてもこれまで中国が示してきた「一国二制度」の台湾への適用は考えられないとして、蔡英文政権は、独立の方向性を強めるだろう。こうした不安定化は中国の「戦狼外交」に起因するところが大きい。 米国のピュー・リサーチ・センターの最近の世論調査によれば、先進国ではおしなべて中国に対し消極的評価が急伸しており中国への見方は厳しい(米、英、独、加においておよそ75%前後が中国に好感を持たないとする。日本ではその数字は86%に上り、先進国中最も中国への評価が低い)』、「米、英、独、加においておよそ75%前後が中国に好感を持たないとする。日本ではその数字は86%に上り」、好感度は日本が最も低いとは、尖閣問題も影響しているためなのだろうか。
・『米中対立はエスカレート 軍事的衝突の可能性否定できず  そして「中国の夢」実現にとって、決定的な要因となるのは米中対立の今後だ。 中国の輸出攻勢に対抗すべくトランプ大統領が中国からの輸入に25%の関税を付加したことに始まった米中貿易摩擦は、貿易摩擦の域を超えハイテク摩擦へと拡大した。 米国によるファーウェイ関連の排除措置や知的所有権の盗窃を理由にした中国の在ヒューストン総領事館の閉鎖、人的交流の制限に加え、ポンペオ国務長官は、7月23日には共産党体制自体を批判の俎上(そじょう)に載せて厳しい中国批判演説を行った。 大統領選挙キャンペーンとしての対中強硬論の色彩が強いとはいえ、根底には構造的対立がある。 米国は一党独裁体制にある中国が米国に代わる覇権国となることを許さないだろうし、中国が路線修正をしない限り、対立は厳しさを増し、究極的には軍事的対立に至る可能性も否定できない。 中国は現段階で米国と正面から対峙(たいじ)して米国を凌駕できるとは考えておらず、全面的な対立は避けようとするのだろう。そこに中国が態度を変える余地が出てくるのかどうかだ』、「中国」は先ずは「米国大統領選挙」の結果を待つだろう。
・『米国の政権交代は変化もたらすか G7協調で国際的包囲網作りに  米国大統領選挙では、このまま進めばバイデン民主党政権が誕生するのだろう。 トランプ大統領は選挙結果を受け入れないだろうといわれており、相当期間、混乱が続くことになるかもしれないが、選挙結果が覆されることはないだろう。 バイデン政権のもとで対中関係は大きく変化するのだろうか。 バイデン大統領はまず多国間協力への復帰を明確にするだろう。パリ協定やイラン核合意、ひいてはWHOへの復帰だけでなく、対中政策についても一方的な関税や制裁措置の導入よりも多国間協調体制に立ち戻ろうとすると考えられる。 しかし米中対立の構造的側面が消えてなくなるわけではない。むしろもともと民主党は香港や新疆ウイグル、チベットでの人権問題には厳しい姿勢を持ち、貿易不均衡問題でも、中国からの輸入超過は失業を生むとしてバランス是正のため管理貿易的な手法を導入しがちだ。 中国が国力で米国を凌駕するという事態は、民主・共和党を問わず米国のDNAからすれば受け入れられるとも思われない。 問題は方法論である。 トランプ政権の姿勢は「アメリカ・ファースト」をかざし独自に行動した。バイデン政権はG7の協調体制を作ろうとするだろう。 香港問題の改善や台湾への中国の圧力の軽減、そしてハイテクについての国家資本主義的行動や知的所有権の盗窃について国際的な包囲網を作ろうとすると考えられる。 主要先進国の間で中国に対する好感度が著しく低下し、中国に対して戦略的に対応する重要性が認識されている中で、必要な範囲内で中国をエンゲージ(注)しつつ、同時並行的に戦略的課題についてしっかりとした国際的包囲網を作ることが恐らく中国を変える唯一の解なのだろう』、ずいぶん難しそうだ。(注)エンゲージ:引き込む(weblio)。
・『中国を変えるには関与政策と圧力のメリハリ必要  ポンペオ国務長官は7月23日の演説で、オバマ政権時代の対中エンゲージメント政策はみじめに失敗し、中国を変えることができなかったと述べた。 確かに、今後も中国を国際社会として受け入れながら変化を促すというエンゲージメント政策だけで中国を変えることができるとは思われない。 肝心の米国自身が近年、国際協調体制から一方的に撤退し、国際的リーダーシップを自ら放棄しているようにもみられている。 国際社会で気候変動や新型コロナ対策に旗を振る中国の方が米国との対比ではより建設的だとみられている節もある。中国自身も米国のリーダーシップからの撤退を機に、自らの影響力を強める機会と考えているような行動に出ており、現実に途上国を中心に中国寄りの国も増えている。 さらにファーウェイの排除をはじめ中国の経済圏を分離しようとする米国の「デカップリング」政策に対応するため、外需によらず内需主導の成長、特にハイテクについても必要な部品を海外に頼らず自国で生産するという方針を打ち出している。 こうした状況では、主要先進諸国は結束して中国の戦略的脅威についての認識を共有し、そのうえで中国に対してエンゲージメントと圧力というメリハリのある政策をとっていかねばならない。 環境やエネルギー、貿易投資などについてのルール順守を中国に求めて中国により大きな責任を負わせることは重要だ。同時に香港や南シナ海問題、さらに知的所有権盗窃やハイテク分野における国家資本主義的なやり方を改善させていくためには先進諸国で一致した国際的圧力がどうしても必要だ。 そうしたメリハリのある政策をとることによって、中国は変わらざるを得なくなるのではないか。 グローバリゼーションの恩恵を享受できるのは、国際的な相互依存体制があるからで、そのことは中国も十分にわかっているはずだ。 実際に、2060年までにCO2排出を実質ゼロにするという習近平主席の国連演説での約束をはじめ、新型コロナのワクチン配布についてのWHOへの協力姿勢や途上国の債務救済への前向きな態度は中国の変化だと論じる人もいる』、「環境やエネルギー、貿易投資などについてのルール順守を中国に求めて中国により大きな責任を負わせることは重要だ。同時に香港や南シナ海問題、さらに知的所有権盗窃やハイテク分野における国家資本主義的なやり方を改善させていくためには先進諸国で一致した国際的圧力がどうしても必要だ」、その通りだが、現実には高度なバランス感覚が求められそうだ。
・『最悪は「第二の冷戦」 どの国の利益にもならない  もちろん中国には国内の強いナショナリズムがあり、国際社会の圧力に屈することをよしとせず、先進民主主義国との相互依存関係から離れて新興国や途上国との連携を目指すことも、今後の中国の選択肢としてはあるのだろう。 しかし、それこそは米国ブロックと中国ブロックが対峙する「第二の冷戦」だ。 しかもこの冷戦はイデオロギーというより利益相反に根付くものであるとともに、台湾などの「ホット・スポット」での軍事的衝突があり得るという意味で米ソ冷戦とは異なる性格を持つ。 この選択肢は世界を縮小均衡に導くという意味で、どの国の利益にもならない。 米中対立の影響を最も大きく受ける日本は、同時に米国と中国双方に強力な働きかけができる立場にある国だ。日本の外交が今後、30年の国際社会を決めるといっても過言ではない。 外交当局者にはその認識を十分に持ってもらいたい』、「外交当局者」はきっとくしゃみをしていることだろう。
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