医療問題(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) [生活]
医療問題については、9月24日に取上げた。今日は、(その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方)である。
先ずは、9月25日付け東洋経済オンライン「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/376169
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第4回』、「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、まさに異常な「精神病院天国」だ。
・『いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた 「本当に怖かったですよ。それこそ普通に誘拐じゃないですか。まるでSF小説のような出来事が、まさか現在の日本であるとは信じられませんでした」 都内在住の元大学教員Aさん(52歳男性)は、今でもそのときのショックが忘れられない。2012年12月、たまたま実家に泊まった翌朝8時過ぎ、階下が騒がしく目を覚まして寝間着のまま階段を降りかけると、駆け上がってきた見知らぬ男2人に、両脇と足を押さえられ、家から無理やり連れ出されそうになった。 恐怖からAさんは柱や玄関の開口部を手でつかんで必死に抵抗したが、もう1人の男も加わり3人に引きはがされて抱えられたまま、家の前に停められたワゴン車に押し込められた。 「名乗りもせず、連れ出した理由もどこに行くのかも、まったく伝えられませんでした。車から降りて初めて、精神科病院に連れてこられたとわかりました」 移動中の1時間超の間も解放するよう求めて必死に抵抗したが、男たちに腕や腰を押さえつけられた。その結果、病院の診断書によれば、「加療2週間の頚部打撲および頸椎捻挫、全治3日間の頭部外傷および顔面外傷、眼球打撲傷」の傷害を負った。 事の発端は思いもかけないことだった。実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ。その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断されている。 家を出る時点では無傷だったのに、病院には顔と体が傷だらけで到着したと知ったAさんの父親が、この業者に詳しい報告を求めると、届けられた報告書にはこう結論付けられていた。 「弊社としては、本件については正当な業務行為であり、対応としても安全などの確保の観点から必要最小限の対応をしたものであると認識しております」 連れて行かれた精神科病院でのAさんのカルテには、この業者のことを「民間救急」「民救」と表現していた。本連載の第3回「夫の策略で『強制入院3カ月』妻が味わった悪夢」(2020年4月1日配信)でも触れたが精神科病院への移送を担うこれらの業者は、いったい何者なのだろうか。 精神科特有の強制入院の1つ「医療保護入院」(同制度については、連載第2回「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇」【2020年3月1日配信】で詳報)のための患者の移送については、1999年の精神保健福祉法の改正で、都道府県知事が公的責任において行う制度が新設された。Aさんのように家族等の依頼を受けた民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたためだ。 ところが、この公的移送制度は活用されていない。厚生労働省の調査によれば、施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている。年間18万件を超える医療保護入院の届出数(2018年度)からすると、ほとんど機能していない。 厚労省は実績の少ない理由として、適用の判断の難しさ、実施体制の確保の難しさなどを挙げるが、移送の実行までに自治体による事前調査や精神保健指定医の診察を要するなど、要は入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ。 その結果、法改正で排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている』、せっかくの「公的移送制度」は殆ど利用されず、「民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用」、というのはやはり問題だ。使い勝手をよくするなどの工夫の余地があるのではないだろうか。
・『移送の中心担うのは警察官OB 「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性はそう振り返る。男性は10年間でおよそ200人の移送を経験した。案件の内容によって3~5人でチームを組み、同社ではチームのリーダーは警察OBが担うことがほとんどだったという。 「精神科への移送業務には、警察官のノウハウが満載だ。移送は決まって早朝に行われたが、抵抗されにくい寝起きを狙うのは警察のガサ(家宅捜索)と一緒。硬軟織り交ぜて説得するのも取り調べ経験からお手の物だし、元警察官2人に両脇を抱えられたら身動きが取れないのも当然だ」(男性) 移送は移動時の安全確保を目的とした身辺警備(第4号警備業務)の1つという位置づけだ。そのため、「『きっちり契約書を取り交わしており、警備業法で規定のある業務である』と言われると、たとえ警察を呼ばれても問題となりにくいのでは。また警察官はOBに弱い。実際10年間で一度も警察沙汰になるようなことはなかった」(男性)とされる。 先のAさんも連れ去られるときに110番通報して警察官も到着したが、必死に抵抗して「助けてくれ」と頼んでも何もしてくれなかったという。 男性によれば、精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場だという。Aさんのケースでも父親は計21万円を支払っている。高額な分だけ融通が利くというわけだ。 その一方、公的移送制度と異なり条件の制約などもないため、悪用されるケースも当然少なくない』、「「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性」、「精神疾患のある方は2割ぐらい」、少なさに驚かされた。「精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ。
・『財産目当てで精神科病院送りに 「見知らぬ男たちに羽交い締めにされて、宇都宮ナンバーのワゴン車に連れ込まれた。財布や携帯電話などもまったく持ち出せなかった」 北陸地方で介護関連施設を経営していた70代男性のBさんは、精神科移送業者の対応について憤りをあらわにして語った。Bさんに精神疾患の既往歴は一切ない。 元警察官のBさんは定年退職後、退職金を元手に看護師の妻と一緒に介護事業を立ち上げた。経営が軌道に乗り出した頃、それまで20年近くほぼ音信不通だった長男から、自分も介護施設を経営したいと打診された。Bさんの会社名義で銀行から融資を受けたが、長男の事業構想は暗礁に乗り上げてしまった。「事件」が起きたのはそんなさなかだった。 2018年12月ある日の午前6時45分。Bさんがいつものように施設で利用者の朝食を準備していると、長男が男4人を連れて厨房に踏み込んできた。「認知症だからこれから病院に連れていく」と告げると、精神科移送業者の男たちは有無を言わせず、足と脇を抱えてBさんを引きずっていった。 やり取りを目にした施設利用者が騒ぎ出し、妻は「お父さんには認知症なんてない」「看護師だからわかるが、認知症と診断されるわけはない」と強く主張したが、問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った。 「車中では5時間半の間、ジャンパー姿の屈強な男たちに囲まれて連れていかれた。パーキングエリアでトイレ休憩した際も、自分だけは外出が許されず尿瓶の利用を強要された」(Bさん) 結局Bさんは、自宅から遠く離れた栃木県宇都宮市内の精神科病院で1カ月強の入院を余儀なくされた。 Bさん同様、遠方からの「患者」を多数受け入れている、この宇都宮市内の精神科病院で起きていることについては、今後の連載で取り上げる予定だ。 「精神科病院に入院させてしまえば、肩代わりした事業資金のこともうやむやにできるとでも考えたのだろう。それにしても、本当に認知症で大変なら妻から病院に相談があるはず。それにまったく取り合わず、一緒に住んでもいない長男の言い分のみで、こんな拉致・監禁がまかり通るとは」(Bさん) その後、長男とは再度、音信不通状態だという』、「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ。
・『難しい責任追及 実際、こうした精神科移送業者の行為に対し、賠償責任が認められたケースもある。2013年、大阪地方裁判所は離婚訴訟を有利に進めるために、医師に虚偽の説明をして元妻を精神科病院に強制入院させた元夫に損害賠償の支払いを命じた。同時に元妻の意に反する移送をしたうえ、加療を要する傷害を負わせたとして、移送業者も損害賠償責任を負うとした。 だが、精神科移送業者が表立って責任を問われることは極めてまれだ。こうした相談を何件も受けたことがあるという、内田明弁護士は「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんどで、証拠が乏しく責任追及することは現実的には難しい」と話す。 冒頭のAさんの言葉を借りれば、「まるでSF小説のような出来事」がまかり通っているのが、現代日本の精神医療の現実だ。(第5回に続く)』、「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ。
次に、12月11日付け東洋経済オンライン「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393818
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第7回』、興味深そうだ。
・『統合失調症と診断された彼が服用していた薬 曜日ごとに服用する薬が入れられたピルケースは、「水曜日」の分までが空になっていた――。このピルケースを使っていたのは、プロボクサーの武藤通隆さん(享年28)だ。通隆さんは2016年4月14日の木曜日、自宅のマンションから飛び降りて亡くなった。残されたピルケースは、通隆さんが亡くなる前日まで医師の指示通りにきちんと薬を飲んでいたことを物語っていた。 それまで一度も精神科病院にかかったことがなかった通隆さんは、統合失調症と診断されてわずか2カ月後に亡くなった。精神科病院を退院し自宅で療養中のことだった。 連載第6回「自殺した28歳ボクサーの父が精神病院と闘う訳」(2020年11月20日配信)で報じたとおり、退院前日に身体拘束を受けるほどの興奮状態にあった通隆さんだが、主治医の判断で当初の予定通り退院した。退院後、入院前にはなかった衝動的な言動が多くなり、父親や通隆さんが病院に再入院を求めたが、主治医からは「病院の経営上の理由」として認められなかった。 父親は、退院時に十分な検討を怠り、再入院を認めなかったとして病院を提訴。裁判で開示された病院のカルテによって、通隆さんが入院中に受けていた治療が初めて明らかになった。退院前日、暴れた通隆さんは入院中で最大量の薬が投与されていた。これは父親も知らされていない事実だった。 統合失調症は、自殺に至るリスクが高い病気として知られている。裁判では、退院のタイミングと、再入院をさせてもらえなかった点が争点になっている。しかし、通隆さんの父親は「本当の(自殺の)原因は薬だったのではないか」という疑問を拭えない。 通隆さんは2016年2月、記憶がなくなったり、同じ動作を繰り返したりする異変が起こり、精神科病院を受診した。主治医からは統合失調症の可能性があると告げられ、即日入院となった。診察室で、統合失調症の治療薬である抗精神病薬であるセレネースの筋肉注射を受けた。その日から抗精神病薬のロナセンの服薬も始まった。 父親は言う。 「統合失調症の主症状は妄想や幻聴だという知識はありましたが、息子にはそんな症状は一切ありませんでした。症状について尋ねようとすると、『統合失調症はなんでもありだから、個々の症状はあまり意味がない』と質問を遮られました。患者の具体的な症状を軽視するような態度に違和感を持ちましたが、専門家の判断に任せるしかないと思いました」 病院のカルテによると、入院中、通隆さんの薬の量は徐々に増加していた。ロナセンが増加される一方、同じ系統の抗精神病薬であるリスパダールも状態が悪化したときに使われていた。入院5日目からはベンゾジアゼピン系睡眠薬のレンドルミンも常用していた。 そして退院前日、薬の投与量は急激に増加した。身体拘束を受けた通隆さんは、普段飲んでいた抗精神病薬や睡眠薬に加え、入院時に打たれた抗精神病薬のセレネースの筋肉注射を再度受けた。さらに、抗不安薬のワイパックスと抗パーキンソン病薬のアキネトンが投与された。ただ、翌日の退院当日は、ロナセンとレンドルミンのみの服用に戻っていた』、本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ。
・『薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」 埼玉県の精神科病院に勤務する薬剤師は、「退院前日に薬の量が急激に増えている。体が薬に適応した状態から、一気に薬が抜けると離脱症状(薬が急に減ることによる症状)が起こる。薬を減らすならば経過を慎重に見る必要があった」と指摘する。 通隆さんは退院後、再び抗精神病薬の量が増加されていった。退院から5日後の3月1日、「死にたい」と言うなどの通隆さんの興奮状態を心配した父親が電話で主治医に相談すると、抗精神病薬のロナセンを増量するように指示された。3月3日に通院した際には、診察中に退院前日と同じセレネースを注射された。さらに、服用として同系統の抗精神病薬のリスパダールも追加された。 抗精神病薬の多剤併用処方が問題になっている日本では、抗精神病薬の量が適正かどうかの目安を知るために「クロルプロマジン換算」という方法がある。クロルプロマジンという最も古い抗精神病薬に、さまざまな抗精神病薬を換算することで、その人が内服しているおおよその抗精神病薬の量を把握する方法だ。 この換算によると、通隆さんが3月3日の通院時に投与された1日の抗精神病薬の量は900mgになる。クロルプロマジン換算では300~600mgが適正な量とされるため、通隆さんの投与量は適正量を超えていた可能性がある。 父親は、通隆さんの様子を正確に医師に伝えるために、通隆さんが入院する直前から症状や服薬量について詳細なメモをとっている。メモによれば、通隆さんは退院後、入院前にはなかった「死にたい」という発言や、ベランダから飛び降りようとするなど、衝動的な行動を取るようになったという。父親は退院後の通隆さんの様子についてこう話す。 「午前中はいつもボーとしていて、意識があるのかないのか、わからないような状態でした。午後になると、足がむずかゆいと言って部屋中を歩き回り、苦しそうに足踏みを繰り返していました」 この足踏みを繰り返す動作は、「アカシジア」と呼ばれる抗精神病薬の副作用の一種だ。じっとしてはいられない焦燥感に襲われ、足踏みをしたり動き回ったりする症状が表れる。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」には、アカシジアについて「あまりに苦しくて衝動的に自分を傷つけたり、自殺したいとさえ感じ危険な行為に及ぶ場合さえもあります」と記されている』、「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ。
・『「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き 薬の添付文書によると、抗精神病薬のロナセンとリスパダールは、重要な使用上の注意として、「自殺念慮(死にたいという願望)のある患者への投与は、症状を悪化される恐れがある」と記されている。 また、入院直後から服用し続けていた睡眠薬のレンドルミンは、依存性があるのに加え、添付文書には副作用として、「不穏や興奮が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと」と記されている。 厚生労働省は2017年発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で、レンドルミンを含むベンゾジアゼピン受容体作動薬について、「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと」と、注意喚起を行った。 しかし、こうした薬の副作用について父親は病院から説明を受けていなかった。 「統合失調症には自殺のリスクがあることや、処方した薬の副作用を家族である私に教えてくれていていれば、自殺を防げていたのではないでしょうか」。父親は無念でならないという。そしてこう続ける。 「入院中のカルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」。 父親の代理人である大前治弁護士はこう話す。「精神科の治療は薬物療法だけではなく、カウンセリングや生活技能訓練、さらには家族および地域社会を含めた支援体制の構築などの心理社会的療法も重要となってくる。生活上の悩みを聞くことも治療の本体部分だ。精神科治療の現場で薬剤処方ばかりが偏重されていないか、点検が必要だ」 病院側は裁判の中で、薬の副作用(アカシジア)に対しては、「アキネトン(錐体外路症状止め)の薬を追加投与するなど、対処していた」としている』、「カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」、薬漬けに対する痛烈な批判だ。
・『処方した薬を飲むしかない 抗精神病薬や睡眠薬など、向精神薬の副作用に苦しむ患者は多い。通隆さんのように、抗精神病薬だけでも2種類以上を併用されるケースはざらにある。日本は、単剤ではなく複数の薬を併用する傾向が国際的にみて高いことはかねて指摘されてきた。多剤併用は大量処方にもつながりやすく、治療効果よりも副作用が強まる可能性も高い。しかし、こうした薬の副作用やリスクについて、患者や家族への情報提供は積極的に進められてはいない。 精神障害の当事者と支援者で作る「YPS横浜ピアスタッフ協会」に所属する当事者の堀合研二郎さんは、「医療者側が薬物療法以外の選択肢を持っていないため、それに頼りがちになっている」と訴える。堀合さんは、20代のとき統合失調症と診断され、向精神薬の副作用に苦しんだ経験がある。 「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」 堀合さんは、症状が安定していた時期にもかかわらず、医師に薬を飲んでいないという疑いをかけられ、再び入院をさせられた経験がある。「処方された薬を飲むしかないため、患者側には自由はない」(堀合さん)。 病院への収容か、大量処方された薬を飲むか――。どちらも患者の意思は置き去りにされたままだ。(第8回に続く)』、「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」、厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して
いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ。
第三に、12月6日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医・作家の樺沢 紫苑氏による「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382852
・『日本では現在、100万人以上の人がうつ病で治療を受けています。うつ病(気分障害を含める)の生涯有病率は6.7%。つまり、15人に1人はうつ病になる可能性があるわけです。 ここに追い打ちをかけて、新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。「大切なのは、うつ病の手前の段階で症状を食い止めること」と精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は言います。 今回は、著書『ブレイン メンタル 強化大全』から、科学的にうつを予防する方法を紹介します。 うつ病は、「心の風邪」といいますが、それは早期発見、早期治療した場合の話。こじらせると非常にやっかいで、職場復帰、社会復帰するのに数年かかる場合も珍しくありません。心の風邪というよりは、「心の骨折」。再発率は約50%ともいわれ、一度かかると極めてやっかいな病気です。 健康だった人が、ある日突然、うつ病になるということはありません。「前うつ」「軽うつ」と呼ばれる「予備軍」の状態を経て、数カ月かけて、うつ病に至ります。 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります』、「日本では・・・15人に1人はうつ病になる可能性がある」、予想以上に割合は高いようだ。「うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります」、「うつ予備軍」の段階で「治す」のが重要なようだ。
・『大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと 「うつ予備軍」とは「風船がはちきれそうな状態」で、「うつ病」とは「風船が破裂した状態」。予備軍の段階で膨らんだ風船の空気を抜くのは簡単ですが、破裂した風船を完全に修復してもとに戻すのは極めて難しいのです。 つまり、予備軍の段階で、きちんと対応すればうつ病には進行しません。うつ病は、予備軍の状態で必ず治す。これだけは、覚えておいてほしいです。 うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」です。私は、「睡眠・運動・朝散歩」こそが、「究極のうつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」と考えます。ですから、元気なときから、つまりメンタル的になんの問題もないときから、「睡眠・運動・朝散歩」を当たり前の習慣にしてほしいのです。 うつ予備軍の状態から、健康の状態に戻す方法もまた、「睡眠・運動・朝散歩」です。「飲酒・喫煙」も重要なメンタルの悪化因子。そして、「休養」「ストレス解消」も必須です。「休養」とは、頭の中を空っぽにすることです。 家に帰っても、「会社での失敗」「会社での人間関係」「不安なこと」を考えていては、休養にもリラックスにもなりません。「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」を、普段からの習慣にしてください』、私は、「「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」」のうち、「禁煙」も最近踏み切ったので、全てやっていることになる。
・『「うつ予備軍」の3つの兆候 明らかにうつ病になる前に、うつ予備軍の状態で発見したい。私の経験から導かれた、予備軍の兆候を3つお伝えします。 ①ミスが増える(「ミスが増える」というのは、非常に多いです。会議の予定をすっぽかす。書類の提出を忘れていた。電車の棚にカバンや荷物を置き忘れる、というのも多いです。 ミスが増えるというのは、うつの兆候というよりは、脳が疲れている「脳疲労」の兆候です。ここで、きちんと睡眠、休息をとって脳の疲れを回復すれば、うつ病への進行を食い止められます。 ②朝、起きるのがつらい(朝、起きるのがつらい。午前中の調子、気分が悪い。これらの兆候は、セロトニンが低下している兆候です。これが何カ月も続くと、うつ病に進行する可能性もあります。また、「ぐっすり眠れない」「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」という睡眠障害も、うつ病の前兆の可能性があります。 ③全身倦怠感などの身体症状(身体が重だるい。全身倦怠感。睡眠で疲れがとれない。慢性的に疲労がたまった感じがするのも同様です。それらが局所的に現れると、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりという訴えも多い。 うつ病患者の6割は、最初に精神科ではなく内科などの身体科を受診します。そこで一通り検査をして異常がない場合は、メンタルが疑われます。 うつ病というのは「精神症状」への影響がメインと思われるかもしれませんが、「精神症状」と「身体症状」が半々で、後者が初発症状として出る場合が多いのです) 以上の3つの症状に当てはまる人は、非常に多いのではないでしょうか。いずれも脳疲労や身体的疲労がたまっている状態で、うつ病に限らず、多くのメンタル疾患や生活習慣病の予備軍の症状にも通じます。 ということで、これらの兆候が見られた方は、「睡眠、運動、朝散歩、節酒・禁煙、休養、ストレス発散」。6つの生活習慣改善を徹底して行ってください』、現役時代は、「朝散歩」「禁煙」は出来てなかったので、「予備軍の兆候」のうち、①、②が時々出現した。ただ、「予備軍」のままで終わったのはラッキーだった。
・『「朝15分の散歩」をするだけで予防できる 睡眠や運動などの生活習慣を変えるのは大変かもしれませんが、最もてっとり早く取り入れられておすすめなのが「朝15分の散歩」です。 朝、太陽の光を浴びながら散歩をすると、セロトニンが活性化します。セロトニンは、私たちの心と身体の健康のために不可欠な脳内物質です。 セロトニンは、「心の安定」「癒やし」「やすらぎ」のもととなる静かな幸福物質。脳内物質の指揮者ともいわれ、ドーパミンやノルアドレナリンなどを調整し、気分や感情を安定させます。ストレスに対する緩和作用もあり、セロトニンが十分に出ていれば、多少のストレスで動じることもありません。ノルアドレナリンとともに集中力にも深く関与しており、集中力やパフォーマンスを高めて、バリバリ仕事をするためにも必須の物質です。 「本当にたった15分の散歩で、そんなに効果があるの?」と半信半疑の方も多いと思います。しかし私の元には +適応障害がよくなり再就職できた +仕事のパフォーマンスが2倍になった +うつ病が改善した +朝散歩で劇的に体調が変わった などの体験談が多く寄せられています。 医師としてのこれまでの経験から、薬を飲んでもうつ症状がよくならない人には「夜型生活」「昼夜逆転の生活」を送っている人が非常に多いことがわかっています。 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです。だまされたと思って試してみてください。数日続けると、体と心が軽くなっていくのが実感できるはず。 もしそれでも効果がなく、「気分の落ち込み」「何をしても楽しくない」「意欲の低下」などうつ病の症状が見られる場合は、すぐに精神科を受診してください』、「朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです」、同感だ。体内時計も「朝日」でセットされるので、夜中には眠くなるのだろう。
先ずは、9月25日付け東洋経済オンライン「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/376169
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第4回』、「精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める」、まさに異常な「精神病院天国」だ。
・『いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた 「本当に怖かったですよ。それこそ普通に誘拐じゃないですか。まるでSF小説のような出来事が、まさか現在の日本であるとは信じられませんでした」 都内在住の元大学教員Aさん(52歳男性)は、今でもそのときのショックが忘れられない。2012年12月、たまたま実家に泊まった翌朝8時過ぎ、階下が騒がしく目を覚まして寝間着のまま階段を降りかけると、駆け上がってきた見知らぬ男2人に、両脇と足を押さえられ、家から無理やり連れ出されそうになった。 恐怖からAさんは柱や玄関の開口部を手でつかんで必死に抵抗したが、もう1人の男も加わり3人に引きはがされて抱えられたまま、家の前に停められたワゴン車に押し込められた。 「名乗りもせず、連れ出した理由もどこに行くのかも、まったく伝えられませんでした。車から降りて初めて、精神科病院に連れてこられたとわかりました」 移動中の1時間超の間も解放するよう求めて必死に抵抗したが、男たちに腕や腰を押さえつけられた。その結果、病院の診断書によれば、「加療2週間の頚部打撲および頸椎捻挫、全治3日間の頭部外傷および顔面外傷、眼球打撲傷」の傷害を負った。 事の発端は思いもかけないことだった。実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ。その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断されている。 家を出る時点では無傷だったのに、病院には顔と体が傷だらけで到着したと知ったAさんの父親が、この業者に詳しい報告を求めると、届けられた報告書にはこう結論付けられていた。 「弊社としては、本件については正当な業務行為であり、対応としても安全などの確保の観点から必要最小限の対応をしたものであると認識しております」 連れて行かれた精神科病院でのAさんのカルテには、この業者のことを「民間救急」「民救」と表現していた。本連載の第3回「夫の策略で『強制入院3カ月』妻が味わった悪夢」(2020年4月1日配信)でも触れたが精神科病院への移送を担うこれらの業者は、いったい何者なのだろうか。 精神科特有の強制入院の1つ「医療保護入院」(同制度については、連載第2回「精神病院から出られない医療保護入院の深い闇」【2020年3月1日配信】で詳報)のための患者の移送については、1999年の精神保健福祉法の改正で、都道府県知事が公的責任において行う制度が新設された。Aさんのように家族等の依頼を受けた民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたためだ。 ところが、この公的移送制度は活用されていない。厚生労働省の調査によれば、施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている。年間18万件を超える医療保護入院の届出数(2018年度)からすると、ほとんど機能していない。 厚労省は実績の少ない理由として、適用の判断の難しさ、実施体制の確保の難しさなどを挙げるが、移送の実行までに自治体による事前調査や精神保健指定医の診察を要するなど、要は入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ。 その結果、法改正で排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている』、せっかくの「公的移送制度」は殆ど利用されず、「民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用」、というのはやはり問題だ。使い勝手をよくするなどの工夫の余地があるのではないだろうか。
・『移送の中心担うのは警察官OB 「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性はそう振り返る。男性は10年間でおよそ200人の移送を経験した。案件の内容によって3~5人でチームを組み、同社ではチームのリーダーは警察OBが担うことがほとんどだったという。 「精神科への移送業務には、警察官のノウハウが満載だ。移送は決まって早朝に行われたが、抵抗されにくい寝起きを狙うのは警察のガサ(家宅捜索)と一緒。硬軟織り交ぜて説得するのも取り調べ経験からお手の物だし、元警察官2人に両脇を抱えられたら身動きが取れないのも当然だ」(男性) 移送は移動時の安全確保を目的とした身辺警備(第4号警備業務)の1つという位置づけだ。そのため、「『きっちり契約書を取り交わしており、警備業法で規定のある業務である』と言われると、たとえ警察を呼ばれても問題となりにくいのでは。また警察官はOBに弱い。実際10年間で一度も警察沙汰になるようなことはなかった」(男性)とされる。 先のAさんも連れ去られるときに110番通報して警察官も到着したが、必死に抵抗して「助けてくれ」と頼んでも何もしてくれなかったという。 男性によれば、精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場だという。Aさんのケースでも父親は計21万円を支払っている。高額な分だけ融通が利くというわけだ。 その一方、公的移送制度と異なり条件の制約などもないため、悪用されるケースも当然少なくない』、「「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」 元警備会社勤務の40代の男性」、「精神疾患のある方は2割ぐらい」、少なさに驚かされた。「精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ。
・『財産目当てで精神科病院送りに 「見知らぬ男たちに羽交い締めにされて、宇都宮ナンバーのワゴン車に連れ込まれた。財布や携帯電話などもまったく持ち出せなかった」 北陸地方で介護関連施設を経営していた70代男性のBさんは、精神科移送業者の対応について憤りをあらわにして語った。Bさんに精神疾患の既往歴は一切ない。 元警察官のBさんは定年退職後、退職金を元手に看護師の妻と一緒に介護事業を立ち上げた。経営が軌道に乗り出した頃、それまで20年近くほぼ音信不通だった長男から、自分も介護施設を経営したいと打診された。Bさんの会社名義で銀行から融資を受けたが、長男の事業構想は暗礁に乗り上げてしまった。「事件」が起きたのはそんなさなかだった。 2018年12月ある日の午前6時45分。Bさんがいつものように施設で利用者の朝食を準備していると、長男が男4人を連れて厨房に踏み込んできた。「認知症だからこれから病院に連れていく」と告げると、精神科移送業者の男たちは有無を言わせず、足と脇を抱えてBさんを引きずっていった。 やり取りを目にした施設利用者が騒ぎ出し、妻は「お父さんには認知症なんてない」「看護師だからわかるが、認知症と診断されるわけはない」と強く主張したが、問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った。 「車中では5時間半の間、ジャンパー姿の屈強な男たちに囲まれて連れていかれた。パーキングエリアでトイレ休憩した際も、自分だけは外出が許されず尿瓶の利用を強要された」(Bさん) 結局Bさんは、自宅から遠く離れた栃木県宇都宮市内の精神科病院で1カ月強の入院を余儀なくされた。 Bさん同様、遠方からの「患者」を多数受け入れている、この宇都宮市内の精神科病院で起きていることについては、今後の連載で取り上げる予定だ。 「精神科病院に入院させてしまえば、肩代わりした事業資金のこともうやむやにできるとでも考えたのだろう。それにしても、本当に認知症で大変なら妻から病院に相談があるはず。それにまったく取り合わず、一緒に住んでもいない長男の言い分のみで、こんな拉致・監禁がまかり通るとは」(Bさん) その後、長男とは再度、音信不通状態だという』、「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ。
・『難しい責任追及 実際、こうした精神科移送業者の行為に対し、賠償責任が認められたケースもある。2013年、大阪地方裁判所は離婚訴訟を有利に進めるために、医師に虚偽の説明をして元妻を精神科病院に強制入院させた元夫に損害賠償の支払いを命じた。同時に元妻の意に反する移送をしたうえ、加療を要する傷害を負わせたとして、移送業者も損害賠償責任を負うとした。 だが、精神科移送業者が表立って責任を問われることは極めてまれだ。こうした相談を何件も受けたことがあるという、内田明弁護士は「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんどで、証拠が乏しく責任追及することは現実的には難しい」と話す。 冒頭のAさんの言葉を借りれば、「まるでSF小説のような出来事」がまかり通っているのが、現代日本の精神医療の現実だ。(第5回に続く)』、「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ。
次に、12月11日付け東洋経済オンライン「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393818
・『精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の第7回』、興味深そうだ。
・『統合失調症と診断された彼が服用していた薬 曜日ごとに服用する薬が入れられたピルケースは、「水曜日」の分までが空になっていた――。このピルケースを使っていたのは、プロボクサーの武藤通隆さん(享年28)だ。通隆さんは2016年4月14日の木曜日、自宅のマンションから飛び降りて亡くなった。残されたピルケースは、通隆さんが亡くなる前日まで医師の指示通りにきちんと薬を飲んでいたことを物語っていた。 それまで一度も精神科病院にかかったことがなかった通隆さんは、統合失調症と診断されてわずか2カ月後に亡くなった。精神科病院を退院し自宅で療養中のことだった。 連載第6回「自殺した28歳ボクサーの父が精神病院と闘う訳」(2020年11月20日配信)で報じたとおり、退院前日に身体拘束を受けるほどの興奮状態にあった通隆さんだが、主治医の判断で当初の予定通り退院した。退院後、入院前にはなかった衝動的な言動が多くなり、父親や通隆さんが病院に再入院を求めたが、主治医からは「病院の経営上の理由」として認められなかった。 父親は、退院時に十分な検討を怠り、再入院を認めなかったとして病院を提訴。裁判で開示された病院のカルテによって、通隆さんが入院中に受けていた治療が初めて明らかになった。退院前日、暴れた通隆さんは入院中で最大量の薬が投与されていた。これは父親も知らされていない事実だった。 統合失調症は、自殺に至るリスクが高い病気として知られている。裁判では、退院のタイミングと、再入院をさせてもらえなかった点が争点になっている。しかし、通隆さんの父親は「本当の(自殺の)原因は薬だったのではないか」という疑問を拭えない。 通隆さんは2016年2月、記憶がなくなったり、同じ動作を繰り返したりする異変が起こり、精神科病院を受診した。主治医からは統合失調症の可能性があると告げられ、即日入院となった。診察室で、統合失調症の治療薬である抗精神病薬であるセレネースの筋肉注射を受けた。その日から抗精神病薬のロナセンの服薬も始まった。 父親は言う。 「統合失調症の主症状は妄想や幻聴だという知識はありましたが、息子にはそんな症状は一切ありませんでした。症状について尋ねようとすると、『統合失調症はなんでもありだから、個々の症状はあまり意味がない』と質問を遮られました。患者の具体的な症状を軽視するような態度に違和感を持ちましたが、専門家の判断に任せるしかないと思いました」 病院のカルテによると、入院中、通隆さんの薬の量は徐々に増加していた。ロナセンが増加される一方、同じ系統の抗精神病薬であるリスパダールも状態が悪化したときに使われていた。入院5日目からはベンゾジアゼピン系睡眠薬のレンドルミンも常用していた。 そして退院前日、薬の投与量は急激に増加した。身体拘束を受けた通隆さんは、普段飲んでいた抗精神病薬や睡眠薬に加え、入院時に打たれた抗精神病薬のセレネースの筋肉注射を再度受けた。さらに、抗不安薬のワイパックスと抗パーキンソン病薬のアキネトンが投与された。ただ、翌日の退院当日は、ロナセンとレンドルミンのみの服用に戻っていた』、本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ。
・『薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」 埼玉県の精神科病院に勤務する薬剤師は、「退院前日に薬の量が急激に増えている。体が薬に適応した状態から、一気に薬が抜けると離脱症状(薬が急に減ることによる症状)が起こる。薬を減らすならば経過を慎重に見る必要があった」と指摘する。 通隆さんは退院後、再び抗精神病薬の量が増加されていった。退院から5日後の3月1日、「死にたい」と言うなどの通隆さんの興奮状態を心配した父親が電話で主治医に相談すると、抗精神病薬のロナセンを増量するように指示された。3月3日に通院した際には、診察中に退院前日と同じセレネースを注射された。さらに、服用として同系統の抗精神病薬のリスパダールも追加された。 抗精神病薬の多剤併用処方が問題になっている日本では、抗精神病薬の量が適正かどうかの目安を知るために「クロルプロマジン換算」という方法がある。クロルプロマジンという最も古い抗精神病薬に、さまざまな抗精神病薬を換算することで、その人が内服しているおおよその抗精神病薬の量を把握する方法だ。 この換算によると、通隆さんが3月3日の通院時に投与された1日の抗精神病薬の量は900mgになる。クロルプロマジン換算では300~600mgが適正な量とされるため、通隆さんの投与量は適正量を超えていた可能性がある。 父親は、通隆さんの様子を正確に医師に伝えるために、通隆さんが入院する直前から症状や服薬量について詳細なメモをとっている。メモによれば、通隆さんは退院後、入院前にはなかった「死にたい」という発言や、ベランダから飛び降りようとするなど、衝動的な行動を取るようになったという。父親は退院後の通隆さんの様子についてこう話す。 「午前中はいつもボーとしていて、意識があるのかないのか、わからないような状態でした。午後になると、足がむずかゆいと言って部屋中を歩き回り、苦しそうに足踏みを繰り返していました」 この足踏みを繰り返す動作は、「アカシジア」と呼ばれる抗精神病薬の副作用の一種だ。じっとしてはいられない焦燥感に襲われ、足踏みをしたり動き回ったりする症状が表れる。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」には、アカシジアについて「あまりに苦しくて衝動的に自分を傷つけたり、自殺したいとさえ感じ危険な行為に及ぶ場合さえもあります」と記されている』、「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ。
・『「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き 薬の添付文書によると、抗精神病薬のロナセンとリスパダールは、重要な使用上の注意として、「自殺念慮(死にたいという願望)のある患者への投与は、症状を悪化される恐れがある」と記されている。 また、入院直後から服用し続けていた睡眠薬のレンドルミンは、依存性があるのに加え、添付文書には副作用として、「不穏や興奮が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと」と記されている。 厚生労働省は2017年発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で、レンドルミンを含むベンゾジアゼピン受容体作動薬について、「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと」と、注意喚起を行った。 しかし、こうした薬の副作用について父親は病院から説明を受けていなかった。 「統合失調症には自殺のリスクがあることや、処方した薬の副作用を家族である私に教えてくれていていれば、自殺を防げていたのではないでしょうか」。父親は無念でならないという。そしてこう続ける。 「入院中のカルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」。 父親の代理人である大前治弁護士はこう話す。「精神科の治療は薬物療法だけではなく、カウンセリングや生活技能訓練、さらには家族および地域社会を含めた支援体制の構築などの心理社会的療法も重要となってくる。生活上の悩みを聞くことも治療の本体部分だ。精神科治療の現場で薬剤処方ばかりが偏重されていないか、点検が必要だ」 病院側は裁判の中で、薬の副作用(アカシジア)に対しては、「アキネトン(錐体外路症状止め)の薬を追加投与するなど、対処していた」としている』、「カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが……」、薬漬けに対する痛烈な批判だ。
・『処方した薬を飲むしかない 抗精神病薬や睡眠薬など、向精神薬の副作用に苦しむ患者は多い。通隆さんのように、抗精神病薬だけでも2種類以上を併用されるケースはざらにある。日本は、単剤ではなく複数の薬を併用する傾向が国際的にみて高いことはかねて指摘されてきた。多剤併用は大量処方にもつながりやすく、治療効果よりも副作用が強まる可能性も高い。しかし、こうした薬の副作用やリスクについて、患者や家族への情報提供は積極的に進められてはいない。 精神障害の当事者と支援者で作る「YPS横浜ピアスタッフ協会」に所属する当事者の堀合研二郎さんは、「医療者側が薬物療法以外の選択肢を持っていないため、それに頼りがちになっている」と訴える。堀合さんは、20代のとき統合失調症と診断され、向精神薬の副作用に苦しんだ経験がある。 「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」 堀合さんは、症状が安定していた時期にもかかわらず、医師に薬を飲んでいないという疑いをかけられ、再び入院をさせられた経験がある。「処方された薬を飲むしかないため、患者側には自由はない」(堀合さん)。 病院への収容か、大量処方された薬を飲むか――。どちらも患者の意思は置き去りにされたままだ。(第8回に続く)』、「患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい」、厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して
いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ。
第三に、12月6日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医・作家の樺沢 紫苑氏による「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382852
・『日本では現在、100万人以上の人がうつ病で治療を受けています。うつ病(気分障害を含める)の生涯有病率は6.7%。つまり、15人に1人はうつ病になる可能性があるわけです。 ここに追い打ちをかけて、新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。「大切なのは、うつ病の手前の段階で症状を食い止めること」と精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は言います。 今回は、著書『ブレイン メンタル 強化大全』から、科学的にうつを予防する方法を紹介します。 うつ病は、「心の風邪」といいますが、それは早期発見、早期治療した場合の話。こじらせると非常にやっかいで、職場復帰、社会復帰するのに数年かかる場合も珍しくありません。心の風邪というよりは、「心の骨折」。再発率は約50%ともいわれ、一度かかると極めてやっかいな病気です。 健康だった人が、ある日突然、うつ病になるということはありません。「前うつ」「軽うつ」と呼ばれる「予備軍」の状態を経て、数カ月かけて、うつ病に至ります。 うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります』、「日本では・・・15人に1人はうつ病になる可能性がある」、予想以上に割合は高いようだ。「うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります」、「うつ予備軍」の段階で「治す」のが重要なようだ。
・『大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと 「うつ予備軍」とは「風船がはちきれそうな状態」で、「うつ病」とは「風船が破裂した状態」。予備軍の段階で膨らんだ風船の空気を抜くのは簡単ですが、破裂した風船を完全に修復してもとに戻すのは極めて難しいのです。 つまり、予備軍の段階で、きちんと対応すればうつ病には進行しません。うつ病は、予備軍の状態で必ず治す。これだけは、覚えておいてほしいです。 うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」です。私は、「睡眠・運動・朝散歩」こそが、「究極のうつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」と考えます。ですから、元気なときから、つまりメンタル的になんの問題もないときから、「睡眠・運動・朝散歩」を当たり前の習慣にしてほしいのです。 うつ予備軍の状態から、健康の状態に戻す方法もまた、「睡眠・運動・朝散歩」です。「飲酒・喫煙」も重要なメンタルの悪化因子。そして、「休養」「ストレス解消」も必須です。「休養」とは、頭の中を空っぽにすることです。 家に帰っても、「会社での失敗」「会社での人間関係」「不安なこと」を考えていては、休養にもリラックスにもなりません。「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」を、普段からの習慣にしてください』、私は、「「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」」のうち、「禁煙」も最近踏み切ったので、全てやっていることになる。
・『「うつ予備軍」の3つの兆候 明らかにうつ病になる前に、うつ予備軍の状態で発見したい。私の経験から導かれた、予備軍の兆候を3つお伝えします。 ①ミスが増える(「ミスが増える」というのは、非常に多いです。会議の予定をすっぽかす。書類の提出を忘れていた。電車の棚にカバンや荷物を置き忘れる、というのも多いです。 ミスが増えるというのは、うつの兆候というよりは、脳が疲れている「脳疲労」の兆候です。ここで、きちんと睡眠、休息をとって脳の疲れを回復すれば、うつ病への進行を食い止められます。 ②朝、起きるのがつらい(朝、起きるのがつらい。午前中の調子、気分が悪い。これらの兆候は、セロトニンが低下している兆候です。これが何カ月も続くと、うつ病に進行する可能性もあります。また、「ぐっすり眠れない」「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」という睡眠障害も、うつ病の前兆の可能性があります。 ③全身倦怠感などの身体症状(身体が重だるい。全身倦怠感。睡眠で疲れがとれない。慢性的に疲労がたまった感じがするのも同様です。それらが局所的に現れると、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりという訴えも多い。 うつ病患者の6割は、最初に精神科ではなく内科などの身体科を受診します。そこで一通り検査をして異常がない場合は、メンタルが疑われます。 うつ病というのは「精神症状」への影響がメインと思われるかもしれませんが、「精神症状」と「身体症状」が半々で、後者が初発症状として出る場合が多いのです) 以上の3つの症状に当てはまる人は、非常に多いのではないでしょうか。いずれも脳疲労や身体的疲労がたまっている状態で、うつ病に限らず、多くのメンタル疾患や生活習慣病の予備軍の症状にも通じます。 ということで、これらの兆候が見られた方は、「睡眠、運動、朝散歩、節酒・禁煙、休養、ストレス発散」。6つの生活習慣改善を徹底して行ってください』、現役時代は、「朝散歩」「禁煙」は出来てなかったので、「予備軍の兆候」のうち、①、②が時々出現した。ただ、「予備軍」のままで終わったのはラッキーだった。
・『「朝15分の散歩」をするだけで予防できる 睡眠や運動などの生活習慣を変えるのは大変かもしれませんが、最もてっとり早く取り入れられておすすめなのが「朝15分の散歩」です。 朝、太陽の光を浴びながら散歩をすると、セロトニンが活性化します。セロトニンは、私たちの心と身体の健康のために不可欠な脳内物質です。 セロトニンは、「心の安定」「癒やし」「やすらぎ」のもととなる静かな幸福物質。脳内物質の指揮者ともいわれ、ドーパミンやノルアドレナリンなどを調整し、気分や感情を安定させます。ストレスに対する緩和作用もあり、セロトニンが十分に出ていれば、多少のストレスで動じることもありません。ノルアドレナリンとともに集中力にも深く関与しており、集中力やパフォーマンスを高めて、バリバリ仕事をするためにも必須の物質です。 「本当にたった15分の散歩で、そんなに効果があるの?」と半信半疑の方も多いと思います。しかし私の元には +適応障害がよくなり再就職できた +仕事のパフォーマンスが2倍になった +うつ病が改善した +朝散歩で劇的に体調が変わった などの体験談が多く寄せられています。 医師としてのこれまでの経験から、薬を飲んでもうつ症状がよくならない人には「夜型生活」「昼夜逆転の生活」を送っている人が非常に多いことがわかっています。 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです。だまされたと思って試してみてください。数日続けると、体と心が軽くなっていくのが実感できるはず。 もしそれでも効果がなく、「気分の落ち込み」「何をしても楽しくない」「意欲の低下」などうつ病の症状が見られる場合は、すぐに精神科を受診してください』、「朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです」、同感だ。体内時計も「朝日」でセットされるので、夜中には眠くなるのだろう。
タグ:①ミスが増える ③全身倦怠感などの身体症状 排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、今も精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている 15人に1人はうつ病になる可能性がある 「朝15分の散歩」をするだけで予防できる 大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1~2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります 「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」 ブレイン メンタル 強化大全 「うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方 」 いきなり見知らぬ男たちに連れて行かれた 都道府県知事が公的責任において行う制度が新設 実はAさんの様子を心配した親族がよかれと思って病院に相談したところ、こんな事態になってしまったのだ 移送の中心担うのは警察官OB 施行された2000年度から2014年度までの15年間で、公的移送件数は1260件にとどまっている 民間警備会社が強制的に行うなど、人権上問題視される事例が発生していたため その後、Aさんは精神疾患ではなく、電磁波過敏症と診断 1999年の精神保健福祉法の改正 精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占める 入院をさせたい側にとって使い勝手が悪いためだ 朝起きて、しっかり朝日を浴びて、近所を散歩する。たったこれだけでうつを予防できると思えば安いものです 本来は問診、カウンセリングから始まる筈だが、いきなり投薬というのは乱暴な薬漬けだ 「通常は被害にあっても業者すら特定できないケースがほとんど」、少なくとも「業者」には家族に対し、連絡先を通知するよう義務づけるべきだ 統合失調症と診断された彼が服用していた薬 難しい責任追及 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場」、結構おいしい商売のようだ 財産目当てで精神科病院送りに 「死にたい願望のある患者への投与」への注意書き 「退院」前後の投薬は信じられないような増減が目立つ 薬剤師「一気に薬が抜けると離脱症状が起こる」 「心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的」 精神科移送業務の料金は警備員1人当たり1日5万円程度が相場 カルテを見ると薬は処方しているけど、カウンセリングなどの心理社会的療法をした形跡がありません。退院後の診察でも、医師が本人の気持ちは聞こうとはしませんでした。薬を出すことだけが精神科医の治療だとすれば、治療をしていると言えるのでしょうが…… 処方した薬を飲むしかない 「問答無用とばかり妻に行き先も告げないままワゴン車は施設から走り去った」、息子に指示されたとはいえ、配偶者にまで「行き先も告げない」、というのはやはり問題だ 自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は2割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた 患者は、何かしらの心理的な要因や環境的な問題があって心を病んでいる。しかし、医師はそちらへの働きかけをしないまま、薬によって解決しようとする。副作用が出るとそれを止める薬は出してくれるが、その薬にも副作用がある。医師は病気の再発を防ぐことを優先して減薬しようとしない。飲まなくなったら、同じ状態になると脅される。もっと個々人の副作用や当事者の生活に目を向けてほしい 樺沢 紫苑 厚労省は精神科医や医薬品業界に忖度して、こうした日本の精神医療の問題点を放置して いるのだろうか。精神科医も恥を知るべきだ ②朝、起きるのがつら 「うつ予備軍」の3つの兆候 医療問題 (その26)(ある朝 精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態、心を病む人を「薬漬け」にする精神医療への懐疑 患者や家族への副作用やリスクの説明は消極的、うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方) 「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験 「まるでSF小説」が蔓延する精神科移送業の実態」 東洋経済オンライン