働き方改革(その30)(コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント、パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行、パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大) [経済政策]
働き方改革については、昨年9月3日に取上げた。今日は、(その30)(コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント、パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行、パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大)である。
先ずは、12月24日付け日経ビジネスオンラインが掲載したJX通信社も松本 健太郎氏による「コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00067/122100044/?P=1
・『公的統計データなどを基に語られる“事実”は、うのみにしてよいのか? 一般に“常識”と思われていることは、本当に正しいのか? 気鋭のデータサイエンティストがそうした視点で統計データを分析・検証する。結論として示される数字だけではなく、その数字がどのように算出されたかに目を向けて、真実を明らかにしていく。 *文中にある各種資料へのリンクは外部のサイトへ移動します 2020年を振り返って「もっとも大きな変化は何だったか?」を自らに問えば、新型コロナウイルス感染予防のために行動を制限されたことであり、その代表例としてのテレワークを挙げたいと思います。以前からIT業界ではテレワークが浸透していましたが、「withコロナ時代の働き方」として様々な業種に広がりをみせました。 私の場合、緊急事態宣言が発令中の4~5月は毎日がテレワークでしたが、感染がいったん収束するにつれて出社の回数が増えました。第3波を迎えて、再び出社回数は減少したものの、それでも週のうち数日は出勤しています。 出勤している理由として、①飼っている犬がうるさい、②自宅で長時間仕事ができる環境が整っていない、③通勤で切り替えていたメンタルのON/OFFができなくなり、24時間仕事をしている気分で常に緊張状態となる、④日中誰とも会話しないと気分がめいる、⑤会議ラッシュなので、自宅で座り続けて会議をこなすのは身体的につらいなど、挙げればキリがありません。 出勤する際は感染防止対策として、もちろんマスクを着用し、ラッシュ時間は避け、ガラガラの電車の中では換気対策として開いた窓の前に立つなど密は避けるようにしています。ただ、このまま東京で新規感染者数が増え続けるようならば、再び毎日がリモートワークにならざるをえないでしょう。仕方ないですが、そうなると、正直言って憂鬱です。 そもそも、リモートワークは「個人の生産性が上がる」という触れ込みだったはずです。しかし私は一向にそうは感じません。このギャップはどこにあるのでしょうか?』、①、②が該当するのであれば、「生産性が」上がらないのも理解できる。
・『テレワークで生産性、QOL、仕事満足度は上がった? 内閣府の平成30年度年次経済財政報告の第2章「人生100年時代の人材と働き方」や、総務省の令和元年版情報通信白書「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」において、テレワーク導入のメリットが語られています。 1つ目のメリットは「生産性向上」です。テレワーク単体、テレワークと長時間労働是正の組み合わせ、テレワークとフレックス勤務の組み合わせで、労働生産性が有意に向上しているというのです。ちなみに、ここでいう労働生産性とは「付加価値額÷正社員数(常用雇用者数)」で求めたものです。 (柔軟な働き方・ワークライフバランスの取り組みが生産性に与える効果のグラフ リンク先参照)) 経済財政報告では「テレワークを積極的に取り入れている企業は労働時間が減少している」と労働時間に注目しており、労働生産性の向上の理由は、生産量の増大ではなく、時間削減効果によるもののようです。 もっとも、労働時間削減により、プライベートの活動時間が充実し、生活の質の向上につながる可能性もあるでしょう。労働時間が1%減少した場合、正社員が平日、育児、自己啓発、趣味、買い物に費やす時間がどの程度変化するのかも調べられています。これを見ると、特に、育児をする時間が増えるようです。これこそ2つ目のメリットである「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上」です。 (ワークライフバランスの促進は育児、買い物、趣味、自己啓発につながる可能性のグラフはリンク先参照) 3つ目のメリットは「仕事満足度の向上」です。独立行政法人経済産業研究所の森川正之氏による「長時間通勤とテレワーク」によると、日本人約1万人を対象としたサーベイの結果、テレワークを行っている人は仕事満足度が高いとされました。つまり、労働者から見ればテレワークの導入は「歓迎される働き方」だと言えるでしょう。 ただし、これの先行研究においても、いくつかの懸念点が指摘されていました』、「テレワーク」がバラ色でないのは当然としても、どんな「懸念点」があるのだろう。
・『「テレワークは歓迎される働き方」への懸念 1つ目はそもそも当時の調査の対象となった「テレワーカー」自体がそもそも生産性の高い人で、最初から一貫して仕事満足度も高かったという可能性です。つまりテレワークが仕事満足度を高めるのではなく、仕事満足度が高い人がテレワークをしていたという見方です。 2つ目はそもそもテレワークは余力のある企業が実践できるものであり、導入していない企業と生産性を比べても意味がない可能性です。つまりテレワークが生産性を高めるのではなく、生産性の高い企業がテレワークを導入する傾向にあるという見方です。 3つ目は過去の連載で指摘したように、こうした統計で語られる“労働生産性”が「個人のアウトプット(成果)とインプット(かかった時間)のバランスの評価」ではないことにあります。 一般に、労働生産性の向上というと1人当たりの生産能力が向上しているように聞こえますが、実際には労働時間が減っても労働生産性は高まります。その場合、アウトプットが高まらなくても“労働生産性”は向上します。もっとも、労働時間の削減で、「あってもなくても成果につながらない仕事」をする余裕がなくなれば、無駄の削減(=労働生産性の向上)になると言えるかもしれませんが……』、「1つ目」、「2つ目」は大いにありそうだ。
・『新型コロナウイルス後のテレワークは、生産性が上がりにくい? では現実ではどうなのでしょう。日経BP総合研究所イノベーションICTラボが、20年10月に「職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、テレワークでの生産性はどれくらいですか」という調査をしたところ、年代によって傾向は違いますが、「生産性が上がった」と回答しているのは20~45%程度だったと分かりました。
テレワークで生産性は上がったのか 生産性が上がった 生産性が下がった
39歳以下 45.7% 37.1%
40歳代 24.1% 42.6%
50歳代 19.4% 53.7%
日経BP総合研究所イノベーションICTラボ 年齢層が高まるほど「生産性が下がった」とする割合が増え、50代で53.7%となっています。「だから年寄りはダメなんだ」と言いたくなるでしょうが、39歳以下でも3人に1人以上は生産性が下がったと回答しています。ZoomやSlackなどのテクノロジーを活用すれば、職場で仕事するのと同等のアウトプットがあって当たり前、というわけにはいかないようです。 前出の森川氏がまとめた「コロナ危機下の在宅勤務の生産性:就労者へのサーベイによる分析」によると、「あなたがふだん職場で行う仕事の生産性を 100 とすると、在宅勤務の生産性はどのぐらいですか」という質問を20年6月にしたところ、平均値60.6、中央値70という結果でした(n=3324)。 ただし、この数字は以前からテレワークをしていたか否かで大きく変わります。「以前から行っていた人」の平均値は76.8なのに対して、「新型コロナ後に始めた人」の平均値は58.1でした。以下はその分布図です。前者の山は90台にあるのに対して、後者の山は70程度にとどまっています。分布図による差は歴然としています。 (在宅勤務開始時期別の生産性分布のグラフはリンク先参照) Experienced”は新型コロナ前から在宅勤務を行っていた人、“Unexperienced”は新型コロナ後に在宅勤務を始めた人を意味している ちなみにこの調査で、生産性を低くする要因と、高くする要因を調べたところ、設備の問題、環境の問題、加えてコミュニケーションの問題が影響していると分かりました。普段からテレワークに慣れている人は、こうした問題をクリアした上でテレワークに従事していると考えるべきでしょう。 (在宅勤務の生産性を低くする/高くする要因の表 リンク先参照) つまり、従前からいわれていたテレワークによる生産性向上やQOL向上とは、テレワークを実施すれば「即向上」するのではなく、こうした阻害要因を除去できた上で実現できるのではないかと思うのです。例えば、自宅に設備投資をして、通信設備や環境を職場のように整えられるか否かとなると、万人にはなかなか難しいでしょう。 これまでの「テレワークによる生産性向上」をめぐる議論は、それができる環境にある人しか見ていなかった可能性があるのかもしれません。 ロンドンを本拠とするシンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)が発表した「The large and unequal impact of COVID-19 on workers」(Adamsら)では、米国と英国において、自宅で実行できるタスク(仕事)が占める割合を年収別に調査した結果をまとめています。図を見ると年収が高まるほどその割合が高まっていると分かります。すなわち高賃金であるほど、テレワークがしやすい業務であり、またテレワークのための投資ができると見てもよいかもしれません。 (在宅でできるタスクの割合(年収別)のグラフはリンク先参照) この図を見る限り、米国の年収1万ドル以下の層の例外を除き、低賃金であるほど、出社しなければ仕事ができない傾向にあることが分かります。これに対し、高賃金になればなるほど自宅でできるタスクの割合は高まります。収入が高いほど、テレワークに向いた環境にあることが分かります。ただし、これまで述べてきたように、「在宅で仕事ができる」と「職場と同じ生産性で仕事ができる」は全く違う意味であることは理解しておく必要があるでしょう。 テレワークの導入は「さっさとやれ」と圧力をかけるのではなく、玉ねぎの皮をめくるように、デメリットが出る原因を探り、1つ1つ問題を除去しつつ進めることが大事だと思います』、「米国と英国において」、「高賃金であるほど、テレワークがしやすい業務であり、またテレワークのための投資ができると見てもよいかもしれません」、というのは頷ける結果だ。「テレワークの導入は「さっさとやれ」と圧力をかけるのではなく、玉ねぎの皮をめくるように、デメリットが出る原因を探り、1つ1つ問題を除去しつつ進めることが大事だと思います」、その通りだ。
・『テレワークが引き起こすメンタル問題 テレワーク環境において生産性を下げる要因の中でも、筆者が注目しているのはコミュニケーション量です。テレワークになってペットを飼う人が増えたと聞きますが、テレワークがメンタルヘルスに極めて重大な影響を与える可能性があると思っています。 本来なら、政府や自治体がメンタルヘルスに対しても、今までを上回る予算を用意すべきですが、今のところ、そこまで手が回っていないのが現状でしょう。 そうした事態を憂慮して、20年5月13日、アントニオ・グテーレス国連事務総長はCOVID-19とメンタルヘルスへの対応の必要性に関する政策概要の発表に寄せて、「このパンデミックがもつメンタルヘルスへの悪影響の側面に緊急に取り組むべく、私は各国政府、市民社会、保健当局が協力するよう促します。特に政府に対しては、きたる世界保健総会でメンタルヘルスへの意欲的な取り組みを表明するよう求めます」と緊急のビデオメッセージを流したほどです。 この場を借りて強く言いたいのは、無理をしないこと、我慢しないことです。テレワークで期待されるアウトプットが出ないからといって、それは個人だけの問題ではありません。テレワークによって生産性が低下した人をわらう社会こそ間違っています。これまでの説明の通り、テレワークはいろいろな環境を含め、向き不向きの問題であり、従来のテレワークによる生産性向上論は「向いている人だけを調査していたから」にすぎません。ある意味、恵まれた環境にある層を対象にしていたとも言えるでしょう。 無理して心労を来すぐらいなら、出社した方がよいと筆者は考えます。ちなみに筆者自身もテレワークで心労を来たし、万全の感染予防を施して出社している1人です』、「テレワークで期待されるアウトプットが出ないからといって、それは個人だけの問題ではありません。テレワークによって生産性が低下した人をわらう社会こそ間違っています」、同感である。「筆者自身もテレワークで心労を来たし、万全の感染予防を施して出社している1人です」、説得力の根源が理解できた。
次に、1月6日付け日刊ゲンダイが掲載した経済ジャーナリストの真保紀一郎氏による「パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/283461
・『新型コロナウイルスは、日本人の働き方を大きく変えた。昨年の緊急事態宣言下でテレワークに移行した企業の中には、その後も在宅勤務を継続しているところも多い。 これまで多くの人が「顔を合わせることで社内も社外もコミュニケーションが取れる」と信じて疑わなかった。しかし、いざ導入してみると、それほど業務に支障がないことに気づいた。しかも、コストも抑えられる。 コロナ前までは、都心の一等地にオフィスを構えるのが企業のステータスだった。しかしテレワークなら必要ないし、仮にオフィスを置くとしても、借りる面積は今までよりはるかに小さくてすむのだから、今後、本社オフィスを縮小する動きは間違いなく加速する。 その中でも際立つのは、兵庫・淡路島に本部を移転する人材派遣大手のパソナグループだ。2023年度末までに、現在は東京・大手町に勤務する人事、財務経理、経営企画、新規事業開発、グローバル、IT・DXなどに従事する本部機能社員約1800人のうち、約1200人を淡路島勤務にする。パソナの本部は東京駅前の日本ビルヂングにある。このビルはかつて東洋一といわれた巨大ビルだが、間もなく解体され、跡地に日本一の超高層ビルが建つことが決まっている。つまり、どのみち本部を移転しなければならないのなら、一部を淡路島に持っていき、自然との共生を図ろうというわけだ。 この計画が発表されると「本部移転にかこつけた人減らしだ」という批判が起きた。地方勤務を嫌う社員の退職を当て込んでいるという見方だ。しかし、これは正しくない。なぜなら、社員の誰もが「ついにその時が来た」と受け止めているからだ』、「パソナ」は竹中平蔵を会長にして政府にも食い込んでいるいやらしい面もあるが、新しいものに飛びつく機動性はさすがだ。
・『コロナ襲来が後押しか 実は、すでに淡路島には多くのパソナ社員が働いている。パソナは20年ほど前から農業への転職を支援しているが、人材育成のため08年に、創業者であり現在も代表を務める南部靖之氏の故郷・神戸市に近い淡路島に農場を開いた。 その後、パソナは淡路島でさまざまなレストランなど多くの施設をつくり、事業を拡大していく。17年にはアニメパーク「ニジゲンノモリ」をオープンさせた。南部氏自身、今では大半の時間を島で過ごしており、数年前から「いつか本部を淡路島に移す」と言い続けてきた。そこにコロナが襲来した。 コロナは日本経済に大きなダメージを与え続けているが、その一方で社会のデジタル化を一気に促進した。それが冒頭に記した新しい働き方だ。今なら、本部を地方に移転しても社会の理解が得られるだけでなく、むしろ先進的企業としての評価も得られる。 南部氏は一番に手を挙げるのが大好きだ。人材派遣業そのものだけでなく、内外価格差是正や日本版401kにいち早く目をつけ、ビジネスにしてきた。本部の地方移転も、今後の社会のトレンドを読み、いち早く手を挙げたというわけだ。 その意味で、言葉は悪いがパソナはコロナを利用した。そして業績面でもパソナはコロナをうまく利用している。今期(21年5月期)の第1四半期決算からもそれは明らかで、営業利益は前年同期比で約5倍に増えている。 そのからくりを、次回で解説する』、早く「からくり」を知りたい。
第三に、上記の続きを、1月7日付け日刊ゲンダイ「パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/283526
・『新型コロナウイルスは、日本経済を大きく傷つけた。中でもエンタメ、旅行、外食の各業界は、致命的ともいえるダメージを受けた。 しかしその一方で、その恩恵を受ける業界もある。巣ごもり消費を受けて、食品スーパーの業績は好調だし、「あつ森」が大ヒットした任天堂は、昨年3月には3万円台だった株価が、半年後には6万円を超えた。 パソナグループもその一社だ。同社が昨年10月に発表した今期(21年5月期)の第1四半期(20年6~8月)では、本業の儲けを示す営業利益が72億円となり、昨年の同時期より60億円も増えた。 パソナに対する一般的なイメージは、人材派遣大手だろう。利益が伸びたということは、それだけ派遣業務が順調だったのかというとそうではない。決算資料を見ても、派遣部門の売り上げは前年よりわずかだが減っている。それに代わって大きく売り上げを伸ばしているのがBPOサービスという事業だ。 BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、外部の業務をパソナが請け負うことを意味している。では何を請け負ったのかというと、コロナ禍で売り上げを落とした企業・個人事業主に対して政府が支給した「持続化給付金」事業である。 この事業は、まずサービスデザイン推進協議会が769億円で受託、そこから電通に749億円で再委託されたが、ほとんど何の業務もやっていないにもかかわらず、推進協議会が20億円を「中抜き」したと批判された。 それはともかく、再委託された電通はそれをさらに子会社などに再委託、そのうちの約170億円をパソナが受託した。 その結果、パソナの第1四半期にBPOサービスの売り上げは、前年より83億円も増えた。この事業単独の利益は公表されていないが、他事業の売り上げなどから推測すると、50億円以上の利益が出ている。つまり全営業利益の7割が、持続化給付金事業によってもたらされたと思われる』、「BPOサービス」で「50億円以上の利益」とは、元々の「「持続化給付金」事業」の見積もりに問題があったとみるべきだ。「電通」もいいかげんなことをするものだ。
・『株価は600円台から2000円台へ パソナはそれほど利益率の高い会社ではない。前期(20年5月期)決算の営業利益率は3・3%にすぎない。 人材派遣業自体、それほど利益率が高いわけではないが、パソナの場合、不採算事業を抱えているため、さらに利益率を押し下げる。 その不採算事業とは地方創生事業。パソナでは、南部靖之代表の号令一下、地方創生に力を注いでいる。今度、本部機能を移転する淡路島の事業もそのひとつ。それ以外にも京丹後や東北の被災地など、日本各地で事業を行っているが、その多くが赤字事業で、その額は年間18億円にも上る。 それでも南部代表は、「地方創生は日本の重要テーマ」と旗を降ろそうとはしないが、現段階ではトップの道楽事業といっていい。 そんなパソナにとって、持続化給付金事業の受託というコロナ特需が起きた。そのため、コロナの感染拡大初期には600円台にまで落ちた株価は現在、2000円台をつけている。 神風は吹いた。今後は赤字の地方創生事業を黒転させることがパソナにとって最大のテーマだ。淡路島への本部移転はその決意表明ともいえるのだ』、「600円台にまで落ちた株価は現在、2000円台」、とは、ずいぶん乱高下したものだ。それにしても、「赤字の地方創生事業を黒転」まで織り込んでいるのだろうヵ。
先ずは、12月24日付け日経ビジネスオンラインが掲載したJX通信社も松本 健太郎氏による「コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00067/122100044/?P=1
・『公的統計データなどを基に語られる“事実”は、うのみにしてよいのか? 一般に“常識”と思われていることは、本当に正しいのか? 気鋭のデータサイエンティストがそうした視点で統計データを分析・検証する。結論として示される数字だけではなく、その数字がどのように算出されたかに目を向けて、真実を明らかにしていく。 *文中にある各種資料へのリンクは外部のサイトへ移動します 2020年を振り返って「もっとも大きな変化は何だったか?」を自らに問えば、新型コロナウイルス感染予防のために行動を制限されたことであり、その代表例としてのテレワークを挙げたいと思います。以前からIT業界ではテレワークが浸透していましたが、「withコロナ時代の働き方」として様々な業種に広がりをみせました。 私の場合、緊急事態宣言が発令中の4~5月は毎日がテレワークでしたが、感染がいったん収束するにつれて出社の回数が増えました。第3波を迎えて、再び出社回数は減少したものの、それでも週のうち数日は出勤しています。 出勤している理由として、①飼っている犬がうるさい、②自宅で長時間仕事ができる環境が整っていない、③通勤で切り替えていたメンタルのON/OFFができなくなり、24時間仕事をしている気分で常に緊張状態となる、④日中誰とも会話しないと気分がめいる、⑤会議ラッシュなので、自宅で座り続けて会議をこなすのは身体的につらいなど、挙げればキリがありません。 出勤する際は感染防止対策として、もちろんマスクを着用し、ラッシュ時間は避け、ガラガラの電車の中では換気対策として開いた窓の前に立つなど密は避けるようにしています。ただ、このまま東京で新規感染者数が増え続けるようならば、再び毎日がリモートワークにならざるをえないでしょう。仕方ないですが、そうなると、正直言って憂鬱です。 そもそも、リモートワークは「個人の生産性が上がる」という触れ込みだったはずです。しかし私は一向にそうは感じません。このギャップはどこにあるのでしょうか?』、①、②が該当するのであれば、「生産性が」上がらないのも理解できる。
・『テレワークで生産性、QOL、仕事満足度は上がった? 内閣府の平成30年度年次経済財政報告の第2章「人生100年時代の人材と働き方」や、総務省の令和元年版情報通信白書「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」において、テレワーク導入のメリットが語られています。 1つ目のメリットは「生産性向上」です。テレワーク単体、テレワークと長時間労働是正の組み合わせ、テレワークとフレックス勤務の組み合わせで、労働生産性が有意に向上しているというのです。ちなみに、ここでいう労働生産性とは「付加価値額÷正社員数(常用雇用者数)」で求めたものです。 (柔軟な働き方・ワークライフバランスの取り組みが生産性に与える効果のグラフ リンク先参照)) 経済財政報告では「テレワークを積極的に取り入れている企業は労働時間が減少している」と労働時間に注目しており、労働生産性の向上の理由は、生産量の増大ではなく、時間削減効果によるもののようです。 もっとも、労働時間削減により、プライベートの活動時間が充実し、生活の質の向上につながる可能性もあるでしょう。労働時間が1%減少した場合、正社員が平日、育児、自己啓発、趣味、買い物に費やす時間がどの程度変化するのかも調べられています。これを見ると、特に、育児をする時間が増えるようです。これこそ2つ目のメリットである「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上」です。 (ワークライフバランスの促進は育児、買い物、趣味、自己啓発につながる可能性のグラフはリンク先参照) 3つ目のメリットは「仕事満足度の向上」です。独立行政法人経済産業研究所の森川正之氏による「長時間通勤とテレワーク」によると、日本人約1万人を対象としたサーベイの結果、テレワークを行っている人は仕事満足度が高いとされました。つまり、労働者から見ればテレワークの導入は「歓迎される働き方」だと言えるでしょう。 ただし、これの先行研究においても、いくつかの懸念点が指摘されていました』、「テレワーク」がバラ色でないのは当然としても、どんな「懸念点」があるのだろう。
・『「テレワークは歓迎される働き方」への懸念 1つ目はそもそも当時の調査の対象となった「テレワーカー」自体がそもそも生産性の高い人で、最初から一貫して仕事満足度も高かったという可能性です。つまりテレワークが仕事満足度を高めるのではなく、仕事満足度が高い人がテレワークをしていたという見方です。 2つ目はそもそもテレワークは余力のある企業が実践できるものであり、導入していない企業と生産性を比べても意味がない可能性です。つまりテレワークが生産性を高めるのではなく、生産性の高い企業がテレワークを導入する傾向にあるという見方です。 3つ目は過去の連載で指摘したように、こうした統計で語られる“労働生産性”が「個人のアウトプット(成果)とインプット(かかった時間)のバランスの評価」ではないことにあります。 一般に、労働生産性の向上というと1人当たりの生産能力が向上しているように聞こえますが、実際には労働時間が減っても労働生産性は高まります。その場合、アウトプットが高まらなくても“労働生産性”は向上します。もっとも、労働時間の削減で、「あってもなくても成果につながらない仕事」をする余裕がなくなれば、無駄の削減(=労働生産性の向上)になると言えるかもしれませんが……』、「1つ目」、「2つ目」は大いにありそうだ。
・『新型コロナウイルス後のテレワークは、生産性が上がりにくい? では現実ではどうなのでしょう。日経BP総合研究所イノベーションICTラボが、20年10月に「職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、テレワークでの生産性はどれくらいですか」という調査をしたところ、年代によって傾向は違いますが、「生産性が上がった」と回答しているのは20~45%程度だったと分かりました。
テレワークで生産性は上がったのか 生産性が上がった 生産性が下がった
39歳以下 45.7% 37.1%
40歳代 24.1% 42.6%
50歳代 19.4% 53.7%
日経BP総合研究所イノベーションICTラボ 年齢層が高まるほど「生産性が下がった」とする割合が増え、50代で53.7%となっています。「だから年寄りはダメなんだ」と言いたくなるでしょうが、39歳以下でも3人に1人以上は生産性が下がったと回答しています。ZoomやSlackなどのテクノロジーを活用すれば、職場で仕事するのと同等のアウトプットがあって当たり前、というわけにはいかないようです。 前出の森川氏がまとめた「コロナ危機下の在宅勤務の生産性:就労者へのサーベイによる分析」によると、「あなたがふだん職場で行う仕事の生産性を 100 とすると、在宅勤務の生産性はどのぐらいですか」という質問を20年6月にしたところ、平均値60.6、中央値70という結果でした(n=3324)。 ただし、この数字は以前からテレワークをしていたか否かで大きく変わります。「以前から行っていた人」の平均値は76.8なのに対して、「新型コロナ後に始めた人」の平均値は58.1でした。以下はその分布図です。前者の山は90台にあるのに対して、後者の山は70程度にとどまっています。分布図による差は歴然としています。 (在宅勤務開始時期別の生産性分布のグラフはリンク先参照) Experienced”は新型コロナ前から在宅勤務を行っていた人、“Unexperienced”は新型コロナ後に在宅勤務を始めた人を意味している ちなみにこの調査で、生産性を低くする要因と、高くする要因を調べたところ、設備の問題、環境の問題、加えてコミュニケーションの問題が影響していると分かりました。普段からテレワークに慣れている人は、こうした問題をクリアした上でテレワークに従事していると考えるべきでしょう。 (在宅勤務の生産性を低くする/高くする要因の表 リンク先参照) つまり、従前からいわれていたテレワークによる生産性向上やQOL向上とは、テレワークを実施すれば「即向上」するのではなく、こうした阻害要因を除去できた上で実現できるのではないかと思うのです。例えば、自宅に設備投資をして、通信設備や環境を職場のように整えられるか否かとなると、万人にはなかなか難しいでしょう。 これまでの「テレワークによる生産性向上」をめぐる議論は、それができる環境にある人しか見ていなかった可能性があるのかもしれません。 ロンドンを本拠とするシンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)が発表した「The large and unequal impact of COVID-19 on workers」(Adamsら)では、米国と英国において、自宅で実行できるタスク(仕事)が占める割合を年収別に調査した結果をまとめています。図を見ると年収が高まるほどその割合が高まっていると分かります。すなわち高賃金であるほど、テレワークがしやすい業務であり、またテレワークのための投資ができると見てもよいかもしれません。 (在宅でできるタスクの割合(年収別)のグラフはリンク先参照) この図を見る限り、米国の年収1万ドル以下の層の例外を除き、低賃金であるほど、出社しなければ仕事ができない傾向にあることが分かります。これに対し、高賃金になればなるほど自宅でできるタスクの割合は高まります。収入が高いほど、テレワークに向いた環境にあることが分かります。ただし、これまで述べてきたように、「在宅で仕事ができる」と「職場と同じ生産性で仕事ができる」は全く違う意味であることは理解しておく必要があるでしょう。 テレワークの導入は「さっさとやれ」と圧力をかけるのではなく、玉ねぎの皮をめくるように、デメリットが出る原因を探り、1つ1つ問題を除去しつつ進めることが大事だと思います』、「米国と英国において」、「高賃金であるほど、テレワークがしやすい業務であり、またテレワークのための投資ができると見てもよいかもしれません」、というのは頷ける結果だ。「テレワークの導入は「さっさとやれ」と圧力をかけるのではなく、玉ねぎの皮をめくるように、デメリットが出る原因を探り、1つ1つ問題を除去しつつ進めることが大事だと思います」、その通りだ。
・『テレワークが引き起こすメンタル問題 テレワーク環境において生産性を下げる要因の中でも、筆者が注目しているのはコミュニケーション量です。テレワークになってペットを飼う人が増えたと聞きますが、テレワークがメンタルヘルスに極めて重大な影響を与える可能性があると思っています。 本来なら、政府や自治体がメンタルヘルスに対しても、今までを上回る予算を用意すべきですが、今のところ、そこまで手が回っていないのが現状でしょう。 そうした事態を憂慮して、20年5月13日、アントニオ・グテーレス国連事務総長はCOVID-19とメンタルヘルスへの対応の必要性に関する政策概要の発表に寄せて、「このパンデミックがもつメンタルヘルスへの悪影響の側面に緊急に取り組むべく、私は各国政府、市民社会、保健当局が協力するよう促します。特に政府に対しては、きたる世界保健総会でメンタルヘルスへの意欲的な取り組みを表明するよう求めます」と緊急のビデオメッセージを流したほどです。 この場を借りて強く言いたいのは、無理をしないこと、我慢しないことです。テレワークで期待されるアウトプットが出ないからといって、それは個人だけの問題ではありません。テレワークによって生産性が低下した人をわらう社会こそ間違っています。これまでの説明の通り、テレワークはいろいろな環境を含め、向き不向きの問題であり、従来のテレワークによる生産性向上論は「向いている人だけを調査していたから」にすぎません。ある意味、恵まれた環境にある層を対象にしていたとも言えるでしょう。 無理して心労を来すぐらいなら、出社した方がよいと筆者は考えます。ちなみに筆者自身もテレワークで心労を来たし、万全の感染予防を施して出社している1人です』、「テレワークで期待されるアウトプットが出ないからといって、それは個人だけの問題ではありません。テレワークによって生産性が低下した人をわらう社会こそ間違っています」、同感である。「筆者自身もテレワークで心労を来たし、万全の感染予防を施して出社している1人です」、説得力の根源が理解できた。
次に、1月6日付け日刊ゲンダイが掲載した経済ジャーナリストの真保紀一郎氏による「パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/283461
・『新型コロナウイルスは、日本人の働き方を大きく変えた。昨年の緊急事態宣言下でテレワークに移行した企業の中には、その後も在宅勤務を継続しているところも多い。 これまで多くの人が「顔を合わせることで社内も社外もコミュニケーションが取れる」と信じて疑わなかった。しかし、いざ導入してみると、それほど業務に支障がないことに気づいた。しかも、コストも抑えられる。 コロナ前までは、都心の一等地にオフィスを構えるのが企業のステータスだった。しかしテレワークなら必要ないし、仮にオフィスを置くとしても、借りる面積は今までよりはるかに小さくてすむのだから、今後、本社オフィスを縮小する動きは間違いなく加速する。 その中でも際立つのは、兵庫・淡路島に本部を移転する人材派遣大手のパソナグループだ。2023年度末までに、現在は東京・大手町に勤務する人事、財務経理、経営企画、新規事業開発、グローバル、IT・DXなどに従事する本部機能社員約1800人のうち、約1200人を淡路島勤務にする。パソナの本部は東京駅前の日本ビルヂングにある。このビルはかつて東洋一といわれた巨大ビルだが、間もなく解体され、跡地に日本一の超高層ビルが建つことが決まっている。つまり、どのみち本部を移転しなければならないのなら、一部を淡路島に持っていき、自然との共生を図ろうというわけだ。 この計画が発表されると「本部移転にかこつけた人減らしだ」という批判が起きた。地方勤務を嫌う社員の退職を当て込んでいるという見方だ。しかし、これは正しくない。なぜなら、社員の誰もが「ついにその時が来た」と受け止めているからだ』、「パソナ」は竹中平蔵を会長にして政府にも食い込んでいるいやらしい面もあるが、新しいものに飛びつく機動性はさすがだ。
・『コロナ襲来が後押しか 実は、すでに淡路島には多くのパソナ社員が働いている。パソナは20年ほど前から農業への転職を支援しているが、人材育成のため08年に、創業者であり現在も代表を務める南部靖之氏の故郷・神戸市に近い淡路島に農場を開いた。 その後、パソナは淡路島でさまざまなレストランなど多くの施設をつくり、事業を拡大していく。17年にはアニメパーク「ニジゲンノモリ」をオープンさせた。南部氏自身、今では大半の時間を島で過ごしており、数年前から「いつか本部を淡路島に移す」と言い続けてきた。そこにコロナが襲来した。 コロナは日本経済に大きなダメージを与え続けているが、その一方で社会のデジタル化を一気に促進した。それが冒頭に記した新しい働き方だ。今なら、本部を地方に移転しても社会の理解が得られるだけでなく、むしろ先進的企業としての評価も得られる。 南部氏は一番に手を挙げるのが大好きだ。人材派遣業そのものだけでなく、内外価格差是正や日本版401kにいち早く目をつけ、ビジネスにしてきた。本部の地方移転も、今後の社会のトレンドを読み、いち早く手を挙げたというわけだ。 その意味で、言葉は悪いがパソナはコロナを利用した。そして業績面でもパソナはコロナをうまく利用している。今期(21年5月期)の第1四半期決算からもそれは明らかで、営業利益は前年同期比で約5倍に増えている。 そのからくりを、次回で解説する』、早く「からくり」を知りたい。
第三に、上記の続きを、1月7日付け日刊ゲンダイ「パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/283526
・『新型コロナウイルスは、日本経済を大きく傷つけた。中でもエンタメ、旅行、外食の各業界は、致命的ともいえるダメージを受けた。 しかしその一方で、その恩恵を受ける業界もある。巣ごもり消費を受けて、食品スーパーの業績は好調だし、「あつ森」が大ヒットした任天堂は、昨年3月には3万円台だった株価が、半年後には6万円を超えた。 パソナグループもその一社だ。同社が昨年10月に発表した今期(21年5月期)の第1四半期(20年6~8月)では、本業の儲けを示す営業利益が72億円となり、昨年の同時期より60億円も増えた。 パソナに対する一般的なイメージは、人材派遣大手だろう。利益が伸びたということは、それだけ派遣業務が順調だったのかというとそうではない。決算資料を見ても、派遣部門の売り上げは前年よりわずかだが減っている。それに代わって大きく売り上げを伸ばしているのがBPOサービスという事業だ。 BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、外部の業務をパソナが請け負うことを意味している。では何を請け負ったのかというと、コロナ禍で売り上げを落とした企業・個人事業主に対して政府が支給した「持続化給付金」事業である。 この事業は、まずサービスデザイン推進協議会が769億円で受託、そこから電通に749億円で再委託されたが、ほとんど何の業務もやっていないにもかかわらず、推進協議会が20億円を「中抜き」したと批判された。 それはともかく、再委託された電通はそれをさらに子会社などに再委託、そのうちの約170億円をパソナが受託した。 その結果、パソナの第1四半期にBPOサービスの売り上げは、前年より83億円も増えた。この事業単独の利益は公表されていないが、他事業の売り上げなどから推測すると、50億円以上の利益が出ている。つまり全営業利益の7割が、持続化給付金事業によってもたらされたと思われる』、「BPOサービス」で「50億円以上の利益」とは、元々の「「持続化給付金」事業」の見積もりに問題があったとみるべきだ。「電通」もいいかげんなことをするものだ。
・『株価は600円台から2000円台へ パソナはそれほど利益率の高い会社ではない。前期(20年5月期)決算の営業利益率は3・3%にすぎない。 人材派遣業自体、それほど利益率が高いわけではないが、パソナの場合、不採算事業を抱えているため、さらに利益率を押し下げる。 その不採算事業とは地方創生事業。パソナでは、南部靖之代表の号令一下、地方創生に力を注いでいる。今度、本部機能を移転する淡路島の事業もそのひとつ。それ以外にも京丹後や東北の被災地など、日本各地で事業を行っているが、その多くが赤字事業で、その額は年間18億円にも上る。 それでも南部代表は、「地方創生は日本の重要テーマ」と旗を降ろそうとはしないが、現段階ではトップの道楽事業といっていい。 そんなパソナにとって、持続化給付金事業の受託というコロナ特需が起きた。そのため、コロナの感染拡大初期には600円台にまで落ちた株価は現在、2000円台をつけている。 神風は吹いた。今後は赤字の地方創生事業を黒転させることがパソナにとって最大のテーマだ。淡路島への本部移転はその決意表明ともいえるのだ』、「600円台にまで落ちた株価は現在、2000円台」、とは、ずいぶん乱高下したものだ。それにしても、「赤字の地方創生事業を黒転」まで織り込んでいるのだろうヵ。
タグ:働き方改革 (その30)(コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント、パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行、パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大) 日経ビジネスオンライン 松本 健太郎 「コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント」 ①、②が該当するのであれば、「生産性が」上がらないのも理解できる テレワークで生産性、QOL、仕事満足度は上がった? 「テレワーク」がバラ色でないのは当然としても、どんな「懸念点」があるのだろう。 「テレワークは歓迎される働き方」への懸念 新型コロナウイルス後のテレワークは、生産性が上がりにくい? 「米国と英国において」、「高賃金であるほど、テレワークがしやすい業務であり、またテレワークのための投資ができると見てもよいかもしれません」、というのは頷ける結果だ 「テレワークの導入は「さっさとやれ」と圧力をかけるのではなく、玉ねぎの皮をめくるように、デメリットが出る原因を探り、1つ1つ問題を除去しつつ進めることが大事だと思います」、その通りだ テレワークが引き起こすメンタル問題 テレワークで期待されるアウトプットが出ないからといって、それは個人だけの問題ではありません。テレワークによって生産性が低下した人をわらう社会こそ間違っています」、同感である 「筆者自身もテレワークで心労を来たし、万全の感染予防を施して出社している1人です」、説得力の根源が理解できた 日刊ゲンダイ 真保紀一郎 「パソナグループ<上>都心一等地から淡路島へ本部移転を実行」 「パソナ」は竹中平蔵を会長にして政府にも食い込んでいるが、新しいものに飛びつく機動性はさすがだ コロナ襲来が後押しか 営業利益は前年同期比で約5倍に増えている 「パソナグループ<下>BPOサービス“コロナ特需”で業績急拡大」 「BPOサービス」で「50億円以上の利益」とは、元々の「「持続化給付金」事業」の見積もりに問題があったとみるべきだ。「電通」もいいかげんなことをするものだ 株価は600円台から2000円台へ