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金融関連の詐欺的事件(その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは) [金融]

金融関連の詐欺的事件については、2019年12月17日に取上げた。今日は、(その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは)である。

先ずは、昨年11月26日付けNHKクローズアップ現代+「追跡!あなたを狙う“闇バイト”」を紹介しよう。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4488/index.html
・『全国で相次ぐ「持続化給付金」の不正受給や、詐欺、強盗・・・。今“手軽に稼げる”ことをうたう“闇バイト”に「つい手を出す」若者が急増している。取材班は若者たちや、闇バイトを斡旋する人物を追跡。すると、SNSを通じて簡単に“仕事”が紹介される“スピード感”が、コロナ禍で困窮する若者をひきつけていく実態が見えてきた。「金に困る若者は狙い目」と語り、若者たちを取り込んでいく“ネット犯罪の最前線”は、何を投げかけているのか? 出演者 高橋暁子さん (ITジャーナリスト) NHK記者 武田真一 (キャスター)』、興味深そうだ。
・『19歳 コロナ禍で仕事失い…“受け子”に  私たちはまず、犯罪と知りながら闇バイトに手を出し、逮捕された若者に話を聞くことにしました。 闇バイトをして逮捕された少年 「“高単価バイト担当になります”“おいくつで、どちらにお住まいでしょうか?”って。」 19歳の少年です。4月、新型コロナウイルスの影響で建設現場の仕事を失いました。大好きなバイクを買った際に借りた、15万円の返済のめどが突如、立たなくなりました。友人から闇バイトの存在を聞き、SNSで探したといいます。 少年「『闇バイトをやってみたら?』『もうやるしかないんちゃう、お金返されへんのやったら』って。“闇バイト”で調べて、特に何も怖いなとは思わず、わりと軽い気持ちで。面接とかなしで身分証を出して、やるかやらないかだけ言えば、あした、あさってからなので、むしろいいんじゃないかなって。」 紹介されたのは、高齢者からキャッシュカードをだまし取る“受け子”の闇バイトでした。報酬は30万円。十分に借金を返済できる額です。最初は疑ったものの、説明を聞くうちに引き受けることにしたといいます。 少年「(相手は)『全然大丈夫です、簡単です』って、『絶対捕まらない、リスクほぼゼロです』『捕まった人はいません』みたいな感じで連絡来るので。とにかく今、お金がないと追い込まれている状況だったんで、わかってても、みたいな。リスクは背負いたくないですけど、もうやるしかないかな、みたいな感じで。」 言われるがままに銀行員になりすまし、指定された家を目指した少年。ところが、玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得されました。その日のうちに少年は逮捕されました。 少年「相手もうすうす気付いている感じで、『交番行こうや』って感じで言われて、もう無理かなってなったんで。そのとき冷静に判断をしていたら、大丈夫だったのかもしれないですけど、冷静な判断ができていないんで簡単に信じ込んで…。そのまま捕まった感じですね。」』、「玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得」、未遂だったので、刑は軽くなるが、何ともお手軽な犯罪だ。「銀行員」らしい髪型にしたのだろうか。
・『“給付金不正受給” 大学生に忍び寄る誘い  今、SNSを通じて大学生が違法に金を稼ぐ犯罪に手を出し、逮捕される事件が相次いでいます 9月に都内で起きた強盗傷害事件。大学生らが消防機器の点検を装って住宅に押し入り、現金などを奪おうとしました。供述によると、きっかけはSNSでの募集でした。 さらに、新型コロナの感染拡大を受けて広がる、持続化給付金の不正受給。全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます。 取材からは、SNSを使ったことば巧みな勧誘が、学生に及んでいる実態が見えてきました。 不正受給に手を染めようとした、沖縄の大学生の男性です。突然、見ず知らずの相手からメッセージが届きました。 “学生でも最大で100万円もらえます。” 相手はそれと引き換えに、高額の手数料を要求してきました。当初、男性は警戒したといいます。 給付金不正受給に誘われた大学生「ちょっと怪しいのかなと思いましたし、やっぱり学生という身なので、これで通るのか、お金がもらえるのか疑問に思いました。」 男性は勧誘を無視していましたが、1か月後、再びSNSで申請書の記入例とメッセージが送られてきました。男性は、やり取りを重ねるうちに、犯罪なのではという疑念が薄れていったといいます。 大学生「質問しても『みんながやってるから大丈夫』とか、『税理士がついているので心配しなくていい』という形で。生活、引っ越しとかいろいろあったので、そのタイミングが重なって、やっぱりお金が必要だなと思って、そこで給付金をもらおうかなという形で。」 男性は相手を信用し、申告書にうその収入や職業などを書いて、申請に必要な手続きを済ませました。しかし、その後みずからの行為が犯罪に当たる可能性があると気付き、受給の一歩手前で、申請を取り下げることにしたのです。 大学生「対面も何もしていないので、このLINE上だけでことが進んで、結果的に詐欺になってしまうという形だったので。誰でも被害にあう確率はあると思う。」』、「持続化給付金の不正受給」では、確かに「全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます」。
・『「メッセージが消える」あるツールが犯罪に…  さらに、若者たちが犯罪に関わる敷居を下げる、“あるツール”の存在も浮かび上がってきました。岡山県内の少年院。闇バイトの経験がある少年たちが「使用した」と口々に語ったのはあるアプリの名でした。 19歳の少年「犯罪は全部『テレグラム』だった。」 17歳の少年「警察も『テレグラム』の存在は知っているけど、お手上げって感じでした。」 19歳の少年「こっちが送ったメッセージが消えるっていう仕組みがあって。」 ロシアで開発された通信アプリ「テレグラム」。プライバシーが守られる安全なコミュニケーションツールとして開発され、世界で4億人が使用しているといいます。 その機密性の高さから、香港の民主化運動では、デモに参加する若者たちの連絡手段として使われました。特殊詐欺に関わって逮捕された19歳のこの少年は、犯罪手口のやり取りに「テレグラム」を使っていました。 少年の元には「テレグラム」を通じて、詐欺や強盗に入る住所など、具体的な指示が伝えられていました。 このアプリには時間を設定しておけば、それまでのやり取りが自動で消去される機能がついています。消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません。 この少年は「テレグラム」でのやり取りは、警察に追跡されるおそれがほとんどないため、リスクを感じずに犯罪に加担したといいます。 19歳の少年「電話もできますし、普通に文章も送れる、みたいな。LINEと大差ないっちゃないですけど、“身内”は全員、電話もテレグラムで電話。メッセージ送ってくるのも、全部テレグラムで送ってくるみたいな形でした。無理なんです、警察は。だから全部かたい意味で、テレグラムで連絡を取り合おうってしてました。」』、「テレグラム」は「消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません」、犯罪集団にとっては格好のツールのようだ。
・『“スピード”“手軽さ”巧妙な手口とは?  実際、若者たちを闇バイトにどう引き込んでいくのか。その手口をさらに取材することにしました。 「高収入とか」 ツイッターで闇バイトと検索すると、募集は分刻みで投稿されていました。目を引く高級車や高級腕時計。札束の写真。中には、思わぬキーワードも。 「『鬼滅の刃』がついに上映開始ですね。」ハッシュタグには「鬼滅の刃」など、闇バイトとは無関係なことば。はやりの検索ワードをあえて載せることで、より多くの若者を闇バイトに導くねらいがあるとみられます。 「仕事に興味がある」とメッセージを送り、闇バイトをあっせんする人物にコンタクトを取ることにしました。 林雄大記者(NHK名古屋)「返信がすぐきましたね。『あしたからの勤務可能でございます。内容は“受け出し”になります。』、“テレグラム”を相手が指定してきました。」 私たちは、仕事の内容を聞き出すことにしました。 記者「さっきツイッターで連絡した者なんですけれど。」 (電話)闇バイトの指示役「よろしくお願いします。さっそくなんですけど、こういったお仕事のご経験とかってありますか?」 記者「いや、こういうの初めてで。」 指示役「全然、初めてでも特に問題ないんで。」 未経験だと知ると、相手は具体的な内容を話し始めました。 指示役「簡単に言いますと、スーツ着て銀行員を装っていただくんです。簡単に、ピンポン押して、お客様が出てきて、2分くらいで終わっちゃう作業なんですけど、こちらのほうで『キャッシュカードの確認に行く』ってお話してるんですね。お客さんっていくのは、信じているんで。本当に銀行員だって信じているんで、そういう人は残高とか暗証番号を全部言うんですね。そのままコンビニに行って(お金を)おろしてもらう。」 終始丁寧な口調。まるで、普通のアルバイト説明のような語り口で、話し続けます。 指示役「週に何回とか、どれくらい希望してますかね?」 記者「どれくらいやれるんですか?」 指示役「基本的には平日は週5、毎日埋まってますし、土曜日もやってるんですよ。今、場所とか決まって、あした10時に着けますかね?」 最初に連絡を取ってから、わずか4時間余り。翌日の仕事が伝えられました。それでも不安だと告げてみると…。 指示役「全然大丈夫です。何回も何回も教えますので、覚えるまでは。じゃあ、今すぐテレグラムで送るので、よろしくお願いします。」 電話を切って10分後。 記者「やりとりの台本が送られてきました。」 送られてきたのは詐欺の受け子のマニュアルでした。誰でも簡単にできるよう玄関先でのやり取りが分かりやすく書かれています。このスピード感と手軽さが若者の警戒心を解いているとみられます』、「スピード感と手軽さが若者の警戒心を解いている」、とは困ったことだ。
・『「抜け出せない」増殖する“組織”  さらに私たちは、若者を犯罪へといざなう人物たちの実態に迫ろうとしました。 記者「実は私、NHKの記者をしていまして、それで直接、話を聞けないかなと。」 (電話)「ちょっと無理ですね。」 記者「これまで(テレグラム)でやりとりをしていた、メッセージの内容が消されてしまいました。」 複数の相手に交渉を続けると、「T」と名乗る36歳の男が「テレグラム」でのやり取りを条件に、取材に応じました。 記者「何でSNSで募集するんですか?」 指示役『T』「1番、手っとり早いからじゃないですか。簡単だし、全国的にもできるし、身バレする心配も無いじゃないですか。労働者をとりあえず、今、集めているという段階ですかね。現場に出る人間というのは、数いればいるだけ、いいことはいいので。」 「T」によると、所属しているのは半グレや暴力団をトップとする、ピラミッド構造の組織。みずからは若者などの実行役を取りまとめる、指示役だといいます。実行役が奪った現金は、指示役を経由してトップに流れ、みずからの月収は手取りで200万円だといいます。 記者「逮捕された人って、どれくらいいるんですか?」 指示役『T』「現場に出る子たちが捕まるというのは、頻繁に情報として上がってきますけど、我々(指示役)の立ち位置で捕まったというのは、聞いたことないですね。」 記者「若い人たちというのは、使い捨てみたいになっているという一面がある?」 指示役『T』「『使い捨てみたいな感じ』というか、ぶっちゃけ正直、最初から『使い捨て』ですよ。」 一度、組織にとらわれると、若者たちが抜け出すのは困難であることも分かってきました。少年院で取材した19歳の少年。闇バイトでミスしたことがきっかけで、組織から抜け出せなくなった仲間を、目の当たりにしていました。 19歳の少年「けじめつけないとあかん。『お前はこれ(失敗を)やったから100万払えよ』って。でも100万払う能力がないってなったら、『俺がこれ(失敗の)面倒見てやるから』、例えば“かけ子”やったり、詐欺のリクルーターやったり、っていうのをやらされるパターン。もうずっと抜け出されへん。」 冒頭で紹介した、コロナ禍で仕事を失い、闇バイトに手を出して逮捕された少年です。実は1度だけ、指示役に闇バイトを辞めたいと告げたことがありました。しかし、みずから運転免許証の写真を渡していたことで、かなわなかったといいます。 闇バイトで逮捕された少年「やめたいんですけどって言ったら、『いや、もう無理やから』みたいな。身分証も持ってるから、勝手に連絡切るようなことしたら、『家まで行くで』って、脅しって感じで逃げられない。『1件だけ成功したら、やめていいから』って言われて、最悪でも絶対1回はやることになる。確実に、絶対捕まる。どれだけお金に困っていても、それだけには手を出さないでほしい。」 さらに、組織を抜け出せない若者たちが、次々と新たな若者を引き込んでいく実態も見えてきました。指示役「T」は、「若者を集めてきた者が、昇給する仕組みがある」と明かしました。 記者「応募する人を集めてきたら出世できる?」 指示役『T』「集めただけではダメなんですけど、実際、集めた方たちが定期的に出てくれて、ちゃんと仕事もしっかりこなすというのをある程度の期間やれば、昇給のほうはどんどんしていく形にはなっています。」 「T」によると、抜け出せなくなった若者は、捕まるリスクの少ない指示役に回ることを目指すといいます。新たな若者たちが勧誘され、組織はおのずと増殖を続けているといいます。 指示役『T』「完璧に1個の三角形じゃなくて、三角形が2個も3個もあるような感じですかね。請負業者みたいな形ですかね。」 記者「今、コロナで若い人たちがお金に困っていたりしますけど。」 指示役『T』「結構、狙い目ではあります。基本的に、お金に困っている子が多いんで。」 私たちは、「T」の行為を改めて問いただしました。 記者「受け子とか出し子とか、10代とかもいると思うが、その点は?」 指示役『T』「どう思っているかというと、正直、特に何も思っていないです。」 記者「だましたお金じゃないですか?」 指示役『T』「正直、最初は罪悪感がありますよ。ただ、こういう仕事していると、マヒしてきますよね。」 記者「やめるつもりはない?」 指示役『T』「表でまじめにやってる人と、裏でずっと生きている人の違いなんじゃないですか。自分でいうのもあれですけど、たぶん感情壊れているはずなんで、誰かをおとしめるという面に関しては、特に罪悪感とか持っていないので。」 通話を終えたその瞬間、テレグラムのやり取りはすべて消えました。 SNSに広がる闇バイトに簡単に引き込まれる若者たち。それは社会に何を投げかけているのでしょうか』、「指示役」クラスでも「月収は手取りで200万円」、とは儲かるようだ。
・・『手を出さない 身を守るために  武田:罪悪感もない、使い捨てとまで言い切る指示役のことばに、憤りを感じます。ほかにも若者たちを闇バイトに誘う、巧みな手口があるそうですね。 林雄大記者(NHK名古屋):そうなんです。私が感じたのは、とにかく徹底的に若者の警戒心を解こうとしてくるというところです。 例えば私が詐欺の指示役にコンタクトをとった際に、「犬が苦手だ」と伝えてみたんですが、相手はすぐに「犬がいる家には派遣しない」と答えました。終始、こちらが何を不安に思っているのかを探りながら、警戒心を解こうとしているように感じました。さらにこちらの境遇も周到に探ってきます。彼らはさまざまな犯罪を用意していて、「なぜ困っているのか?」とか、「いくら欲しいのか?」など、さまざまなことを探ってきて、場合によっては“たたき”と呼ばれるような、強盗のような仕事を勧められるようなこともありました。 武田:なぜ若者が引き込まれてしまうのか。ITジャーナリストの高橋さんが考えるキーワード、まずは「困ったときにすぐそばにいる」。そして若者は「顔が見えなくても信用」してしまう。こんなことがあるそうです。 さらに今、コロナで家にいる時間が長くなったことで、「SNSを見る時間が増えた」という人が3割に上っていることも影響しているということなんですが、どういうことなんでしょうか? ゲスト高橋暁子さん (ITジャーナリスト)高橋さん:若者は、ふだん使いなれているSNSで、どんなことも検索してしまうんです。また、スマホでお小遣い稼ぎをすることも当たり前ですので、このような、もうけ話に乗ることも抵抗がないのかなと思います。また若者世代は、ネットのみでの、会ったことのないお友達が多い世代なんです。ネットでやり取りをしたときに、親切だったり丁寧だったりすると、それだけで相手のことを信用してしまう傾向にあります。またこのような投稿を多数見ることによって、「エコーチェンバー現象化」して、それによってこのようなことが、当たり前だとか大丈夫と思い込んでしまう傾向にあると思います。 武田:「エコーチェンバー」というのは、自分たちだけの世界で完結してしまうというふうなことですね? 高橋さん:そうです。このようなものが当たり前、そういうものばかりが耳に入って、それが当たり前と感じてしまう傾向のことです。また、情報をSNSのみでとる若者が非常に多く、ニュースサイトなどを見ません。このようなことで逮捕されるというようなことが耳に入っていないので、警戒しない傾向にあることも拍車をかけているかと思います。 武田:そして、「考える間もない」とありますが、高橋さんも実際に経験されたそうですね? 高橋さん:このようなものに応募してみたんですけれども、返事がすぐに返ってきました。若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います。 武田:組織を抜け出せないようにするということもありました。これ極めて悪質だと思いましたけれども、どんな実態があるんでしょうか。 林記者:私がコンタクトをとった相手は一様に、まず運転免許証などの証明書と自分の顔を一緒に並べたものを撮影して、写真を提出するように求めてきました。闇バイトを拒んだ場合にはおどされて、その写真がネット上にばらまかれるケースもあるようです。丁寧な勧誘で引き込まれていくうちに、いつの間にか相手に弱みを握られて身動きが取れない状態になっているんです。 武田:さらにコロナ禍の影響で、こうした闇バイトに引き込まれる若者が、今後増えていくおそれがあるというんです。 中京大学の大内裕和教授によりますと、コロナ禍で親の失業などによって、学費を学生自身が急きょ支払うことになってしまったという相談が続いているそうです。学生にとって、短期間に数十万円の学費をアルバイトで賄うことは不可能に近い。このことが、闇バイトに結びつく一つの要因になっているという見方もあります。 この闇バイトが若者たちを引き込んでいる実態を見てきましたが、どうすれば防ぐことができるんでしょうか? 高橋さん:このような災害時は、不安感につけ込むような募集が非常に増える傾向にあります。弱っているときには手を出したくなるんですけれども、手を出しても収入は得られないですし、逮捕されて終わってしまいます。このようなときに、もし心が引かれても、必ず周囲の信頼できる大人に相談したり、また信頼できるニュースサイトや検索サービスなどでしっかり検索をして、このような闇バイトに手を出したらどうなるのかということをしっかり調べた上で、引っ掛からない対策をしっかりしていただけたらと思っています。 武田:もし、そのニュースサイトなどを検索すれば…。 高橋さん:事件になった、逮捕されたという情報が得られると思います。 武田:なんとか、その一歩手前で踏みとどまる。 高橋さん:踏みとどまってしっかり情報を得て、相談してその先に行かないということが大事ですね。 林記者:指示役への取材からは、詐欺で銀行員などのふりをさせるために、見た目にも普通の若者を引き込もうとしていることが感じられました。 闇バイトを巡っては、きのう(25日)もガス点検を装って川崎市の住宅に押し入ったとして、25歳の男が逮捕されるなど、若者が手を染めるケースがあとを絶ちません。そして、闇バイトに引き込まれる若者が増えれば増えるほど、さらに多くの高齢者などが、詐欺や強盗などの被害に遭うことになります。闇バイトへの入り口は、私たちのすぐそばにあります。しかしこれは犯罪ですので絶対に手を出してはいけません。 武田:とにかく、何か心引かれたら、一歩手前で踏みとどまってください』、「若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います」、闇組織にとっては好都合なようだ。当面、徹底した取り締まりの強化で、抑え込んでいく他ないのかも知れない。

次に、12月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京経済東京支社情報部の井出豪彦氏による「金融のプロもだまされた、「スゴ腕詐欺師」の正体」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258310
・『12月3日、ファクタリング会社(債権買い取り会社)に架空債権3億円を買い取らせた詐欺容疑で「INI」(東京都台東区)というイベント企画会社社長の色川渡容疑者(45)が警視庁捜査2課に逮捕される事件があった。ちょうど東京地検特捜部がドン・キホーテ前社長を金融商品取引法違反(取引推奨)容疑で逮捕したのと同じ日だったため、新聞紙面の扱いはやや割を食った感があるが、ファクタリング会社という金融のプロをだます、いわば「超プロ詐欺師」の存在が垣間見えたという意味で信用情報の業界は決してスルーできない重要な事件といえる。果たしてその手口とはどういうものだったのか』、「超プロ詐欺師」とは興味深そうだ。
・『金融のプロをだます超プロ詐欺師を逮捕  だまされたファクタリング会社は「H.I.F.」(東京都新宿区)という。2017年11月に「H.I.S. Impact Finance」の社名で設立され、今年2月に社名を変更した。 代表の東小薗光輝氏は、旅行大手HISの創業者、澤田秀雄会長兼社長が主宰する「澤田経営道場」の2期生で、澤田氏から才覚を認められ、オフィスをHISの本社がある西新宿の「住友不動産新宿オークタワー」内に置いて事業を開始した。18年3月と19年6月にHISなどから合計4億2500万円の出資を受け、同年7月からHISの金融事業の連結子会社となった。今年2月にはMBOで独立し、IPO(新規株式公開)を目指していた。MBO後もHISは約30%の出資比率をキープしていたようだ。 昨年6月の増資時には伊藤忠商事系の信用保証大手「イー・ギャランティ」(東証1部)と資本提携し、5000万円の払い込みを受けていたほか、「GMOあおぞらネット銀行」も株主に加わった。さかのぼって同年3月にH.I.F.は同行を所属銀行とする銀行代理業の許可を関東財務局から取得したほか、同年5月にはHISを含めた3社で金融業務に係る包括的業務提携に向けた覚書を締結していた。 さらに今年1月にはGMOあおぞらネット銀の親銀行である、あおぞら銀行と上限50億円の融資枠を契約し、機動的に債権を買い取れる資金力を備えたほか、3月には「帝国データバンク」とも企業与信管理分野で業務提携。帝国データはイー・ギャランティの大株主でもある。このように業界の専門家が集結し、ファクタリング事業を拡大する準備は万端かにみえた』、一流どころの役者は揃った感じだ。
・『被害額は十数億円で債務超過に陥る恐れ  ところが今回、色川容疑者の逮捕を報じた記事によれば、INIは19年以降、複数の有名企業に100件以上の債権があるように装ってH.I.F.への売却を繰り返し、約45億円を詐取したという。 色川容疑者はH.I.F.に売掛債権の売却話を持ち込む際、実在する大手企業への請求書などを偽造して取引があるかのように見せかけ、H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応。H.I.F.から詐取した金を支払いに充てる一方、H.I.F.に架空債権を売り続けるという、「ポンジ・スキーム」と呼ばれる詐欺に似た自転車操業の手口を行ってきた。 詐欺が発覚した時点で、詐取した約45億円のうち約30億円はH.I.F.に還流させていたが、差額の十数億円についてH.I.F.は回収不能となる見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大でINIの資金繰り悪化に拍車がかかりポンジ・スキームが行き詰まったとされる。イー・ギャランティが5000万円の出資金を全額特損計上すると発表したのは今年7月30日なので、そのタイミングではすでに詐欺被害を認識し、警察に相談していたのだろう。 H.I.F.の昨年9月期末の純資産は5億円余り。十数億円の損失を今年9月期決算で認識すればこれまで払い込まれた資本は全て溶け、債務超過に陥る可能性がある。同期中の増資は行われていない。IPO計画も仕切り直しだろう。 代表の東小薗氏は経済的に苦しい母子家庭で育ち、大学進学を断念し、陸上自衛隊を経てHISに入社した。「自分と同じような家庭環境の子供が、金銭的な理由で夢や目標を諦める事がないような世の中を作りたい」(ホームページより)との志をもって起業したという。実際、今年3月には母子・父子家庭30世帯に月額1万円を支給する「H.I.F.ベーシックインカム」という制度を作るなど理想社会の実現に向けて動きだしていた。 その理想とファクタリングがどう関係するのかと思われるかもしれないが、中小企業やその経営者家族が取引先の倒産で焦げ付き、奈落の底に落ちるような思いをさせたくないということだろう。ホームページには自社のサービスについて「顧客の請求業務を格安で代行することにより、請求業務にかかる人件費などコスト削減に寄与する他、売掛債権の保証を行うことで、債権回収リスクのない、安全な取引を実現いたします」との説明がある。 善意に満ちたこの若者を奈落の底に突き落とした詐欺師には怒りを禁じえないが、筆者のようにこの業界に長くいる身には既視感がある光景ともいえる。詐欺師は常に「志が高く(≒ナイーブで)、気前のいい」金融会社を物色しているのだ』、「H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応」、そんな不自然な細工は、せいぜい2,3回程度しか続かず、やがて発覚する筈だが・・・。
・『金融機関の新規開業時は詐欺師の標的になりやすい  石原慎太郎東京都知事(当時)が選挙公約に基づき「新銀行東京」を開業したのは05年だった。石原氏には、既存の銀行は「経営基盤が弱い中小企業へ貸し渋りを行っている」、「担保のないベンチャー企業は有望な技術があっても相手にしない」などの問題意識があり、その解決のために都が自ら1000億円を出資して新銀行を立ち上げた。 結果は悲惨だった。その1000億円を目がけて有象無象が群がり、あっという間に新銀行は資本不足に陥り08年には400億円の追加出資と大幅な事業縮小による再建計画の策定に追い込まれた。その年には元暴力団組員が新銀行東京の元行員らと共謀して、決算書の偽造で融資金を詐取したとして逮捕される事件も起きた。ちなみにその後、新銀行東京は東京都民銀行、八千代銀行との経営統合に合流し、現在は「きらぼし銀行」として生まれ変わっている。 この一件は重要な教訓を残した。 不謹慎なたとえかもしれないが、もしあなたが強盗ならば、もっとも「ハイリスクハイリターン」のミッションは銀行強盗であることは異論がないだろう。カネが大量にあるのは間違いないが、その分防御態勢も半端ない。 それと同じで、もしあなたが詐欺師ならば、金融機関をハメるのがもっとも「ハイリスクハイリターン」のミッションだ。金融機関はカネを出すのが仕事。特殊詐欺でこまごまとしたカネを集めるよりはるかに効率よく大金をゲットできる。 ただし、その分金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要がある。しかも経営者はたいがい「困っている人に金融サービスを提供する」というナイーブな理念を掲げていることもハメやすい理由だ。 INIの設立は15年2月。小社のデータベースでは16年1月の時点で、とあるファクタリング会社に買い取りを打診し否決されている。その後もあちこちのファクタリング会社を渡り歩きながらしのいできたようだが、昨年春ごろに転機が訪れる。事情通によれば、今年IR汚職の証人買収事件で起訴されたことでも注目された松浦大助氏率いる「新橋グループ」に出入りする人物がINIの資金調達の相談に乗り、別のやり手の金融フィクサーも経営に介入をしていたとされる。 「早く事業を軌道に乗せてIPOを実現したい、恵まれない家庭へのベーシックインカムも拡大したい」。東小薗氏のはやる気持ちを連中が逆手に取ったことは容易に想像がつく。このフィクサーは決算書の粉飾はお手の物。どうすれば金融機関の審査が通るのか知り尽くしている。しかも自分の手は汚さず、逮捕されるのは代表だけ。INIは他のファクタリング会社への申し込みに際し20億円程度の年商があるという決算書を出していたようだが、ほとんどのファクタリング会社が怪しいとみていた。 筆者は12月21日にINIの本社を訪問してみた。都営大江戸線とつくばエクスプレスの新御徒町駅出口の真上のビルの5階にまだ入居しているようだった。当然インターフォンに反応はなく、ハイリスクハイリターンの大仕事を終えた「空箱」だけが残っていた』、「金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要」、確かに「新規開業時」は審査が甘くなりがちだ。それにしても、「澤田秀雄」氏には直接の責任はないとはいえ、間接的には責任がありそうだ。どうするのだろう。

第三に、1月25日付け東洋経済オンライン「解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/406695
・『トラブルが後を絶たなかった「サブリース」にメスが入った。国土交通省は2020年12月、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」のうち、サブリースに関連する規制を先行して施行した(通称:サブリース新法)。サブリースに関する不当な勧誘や誇大広告の禁止、契約前の賃料減額などのリスク説明を義務づけた。 マンションやアパートなどに投資する場合、ほとんどのオーナーは購入後の管理を業者に任せている。1つは入居者からの家賃徴収を一任する「集金代行」だ。清掃・修繕の手配や入居者からのクレーム処理など付帯サービスが付く場合も多い。 もう1つが渦中の「サブリース」だ。業者がオーナーから部屋を借り上げ(マスターリース)、別の入居者に転貸する(サブリース)。万が一転貸先の入居者が決まらなくとも、業者が毎月家賃を支払うためオーナーの収入は安定する』、なるほど。
・『トラブルの多いサブリース  サブリースをめぐっては、業者とオーナーとの間でトラブルが相次いでいた。 「家賃を2000円ほど下げます」。都内に住む男性は5年前、業者から送られてきた手紙の内容を見て困惑した。 男性は東京・渋谷区内にマンション1戸を保有している。手紙の差出人は、男性のマンションを借り上げて別の入居者に転貸する「サブリース」を請け負っていた業者だった。いわく、周辺相場の下落を理由に、男性に支払う家賃を月約9万5000円から9万3000円へと引き下げるという。 「相場は本当に下がっているのか?」。周辺の似たようなマンションの募集家賃を調べても、自分より高い金額で貸している部屋はたくさんある。不審に思った男性は、業者とのサブリース契約の解約を申し出た。業者は抵抗したものの、契約書の不備を指摘し解約をもぎ取った。 一般的なサブリース手数料は家賃の1割が相場だが、業者は男性から月9万5000円で借り上げたのち、入居者に11万5000円で転貸していたことが判明した。家賃減額の根拠としていた周辺相場の下落についても、「業者は割安な部屋を意図的に抽出していただけで、そのような事実はなかった」と男性は憤る。 この男性のように、空室時にも業者が家賃を支払うと謳ったにもかかわらず、保証したはずの家賃を一方的に減額されたり、家賃そのものが支払われなかったりするトラブルが後を絶たない。全国の消費生活センターに寄せられたサブリースに関する相談件数は、年間450件を超えている。サブリース新法の制定にはこうした背景がある。 では、サブリース新法によって問題はすべて解決したのか。新法で規制されたのは、サブリース業者と契約を結ぶいわば「入口」の部分。だが、サブリースを解約しようとする「出口」でのトラブルは、積み残されたままだ。 とくに家賃収入が中心のアパートとは異なり、ローン返済途中でも頻繁に売却がなされるマンションにおいて、売却時にサブリースが解約できないことが問題となっている。 サブリース付きの物件は売却時の評価が低い。一般的に物件価格は年間の賃料を期待利回りで除した収益還元法で決まる。家賃が月10万円で期待利回りが5%なら、年間家賃収入120万円を5%で割った2400万円が目安となる。問題は、10万円で賃貸できる部屋をサブリース業者が9万円で借り上げている場合だ。オーナーの手取り家賃は9万円のため、収益還元法で割り戻した価格は2160万円と、家賃同様1割減になる。 サブリース付きの物件が割安になる背景には、金融機関のサブリースに対する評価が芳しくないこともある。業者は転貸先の入居者属性や家賃水準を開示しないため、部屋を反社会的勢力に貸し出されたり、突然家賃を減額されキャッシュフローが悪化し、収益還元法の前提が狂ったりするリスクがくすぶる。融資否決や減額要因になりかねず、物件の流動性(売りやすさ)に響く。こうした理由から、売却時にサブリースを解約しようとするオーナーは少なくない』、「新法で規制されたのは、サブリース業者と契約を結ぶいわば「入口」の部分。だが、サブリースを解約しようとする「出口」でのトラブルは、積み残されたままだ」、過度な期待は禁物のようだ。「サブリース付きの物件は売却時の評価が低い」、オーナーは「サブリース」のデメリットにも目を向けるべきだ。
・『解約を渋る業者たち  ところが、サブリースの解約は極めて難しいのが実態だ。「家賃保証の売り文句につられて契約したものの、後で後悔するオーナーは少なくない。再販業者も購入に慎重で、市場で売れ残っているのはサブリース付きの物件ばかりだ」と、都内で投資用マンションの売買を行う業者は打ち明ける。 ある業者のサブリース契約書には、解約条件として「6ヵ月前までに書面で解約を通告すること」を設けている。別の業者の契約書には「違約金として賃料の半年分を支払えばすぐに解約できる」とある。一見容易に解約ができそうだが、落とし穴が潜んでいる。「契約書に記載がなくとも、解約には『正当事由』が必要だ」(投資用マンションの販売業者)。 サブリースの解約を拒む業者は、2003年に下された最高裁判所の判例を盾にする。裁判の争点はサブリースの解約ではなく保証家賃減額だったが、最高裁が「サブリース業者は借地借家法で保護される」と認めたことで、正当事由が無い限りサブリース業者を追い出すことができなくなった。冒頭の男性のように、サブリースの解約をもぎとった例は少ない。 正当事由が認められるハードルは高く、単に「高く売りたいから」「業者の対応が気に入らないから」というだけでは認められない。別の投資用マンション販売業者の担当者は、サブリースを解約したいオーナーとともに「奇策」に出た。オーナーと担当者が夫婦役を演じ、「貸しているマンションに自分たちで住みたい」とサブリース業者に打診。さすがの業者も折れて解約に応じた』、「最高裁判所の判例」により「正当事由が無い限りサブリース業者を追い出すことができなくなった」、とは困ったことだ。
・『消費者庁も注意喚起  むろん、業者側にもおいそれと解約に応じられない事情がある。サブリース業者は転貸先の入居者から受け取る家賃と、オーナーに支払う家賃の差額が収入となるが、「それだけでは到底赤字だ」と業者は口をそろえる。彼らの本丸は清掃や原状回復工事の受注、礼金の受領といった入退去に付随する収入だ。サブリースを解約されると、転貸の利ざやのみならず周辺の収益機会まで丸ごと失うことになる。 「10年前ならすんなりと解約できた。業者がサブリースの解約を渋るようになったのは、この5年間くらい」と、前出の投資用マンション販売業者は語る。近年は不動産価格の上昇に伴い、含み益を実現するべく物件を売却するオーナーが増えている。売買によってオーナーが変われば、集金代行やサブリースを担う業者も変えられてしまうことが多い。サブリースの解約に抵抗する業者が出現した裏には、売買の増加によって管理物件が奪い合いとなっている実情がある。 サブリースの解約については消費者庁などが注意喚起を行うものの、サブリース新法の規制対象とはなっていない。国土交通省は「サブリースの解約に関するトラブルが発生していることは認識しているが、解約を認めるには借地借家法自体を変える必要がある」とし、現状では規制が難しいとする。 サブリース新法は契約前のリスク説明を業者に義務づけるものであり、サブリースそのものを禁じてはいない。規制が難しい現状、オーナー側も入居者管理の手間と空室リスクから解放されるメリットばかりに気を取られず、家賃の減額や売却時の評価が下がるデメリットにも目を向けたい』、「サブリース新法」でカバーされるのはごく一部、殆どの問題は残る以上、オーナーも安易に依存すべきではない。
タグ:金融関連の詐欺的事件 (その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは) NHKクローズアップ現代+ 「追跡!あなたを狙う“闇バイト”」 「持続化給付金」の不正受給 SNSを通じて簡単に“仕事”が紹介される“スピード感”が、コロナ禍で困窮する若者をひきつけていく実態 19歳 コロナ禍で仕事失い…“受け子”に 「玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得」、未遂だったので、刑は軽くなるが、何ともお手軽な犯罪だ。「銀行員」らしい髪型にしたのだろうか “給付金不正受給” 大学生に忍び寄る誘い 持続化給付金の不正受給」では、確かに「全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます」 「メッセージが消える」あるツールが犯罪に 「テレグラム」は「消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません」、犯罪集団にとっては格好のツールのようだ “スピード”“手軽さ”巧妙な手口とは? 「スピード感と手軽さが若者の警戒心を解いている」、とは困ったことだ 「抜け出せない」増殖する“組織” 「指示役」クラスでも「月収は手取りで200万円」、とは儲かるようだ 手を出さない 身を守るために 「若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います」 闇組織にとっては好都合なようだ。当面、徹底した取り締まりの強化で、抑え込んでいく他ないのかも知れない ダイヤモンド・オンライン 井出豪彦 「金融のプロもだまされた、「スゴ腕詐欺師」の正体」 ファクタリング会社(債権買い取り会社)に架空債権3億円を買い取らせた詐欺容疑 「超プロ詐欺師」 金融のプロをだます超プロ詐欺師を逮捕 被害額は十数億円で債務超過に陥る恐れ 「H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応」、そんな不自然な細工は、せいぜい2,3回程度しか続かず、やがて発覚する筈だが・・・ 金融機関の新規開業時は詐欺師の標的になりやすい 「金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要」 「澤田秀雄」氏には直接の責任はないとはいえ、間接的には責任がありそうだ。どうするのだろう
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バブル(最近)(その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か) [金融]

バブル(最近)については、昨年11月22日に取上げた。今日は、(その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か)である。

先ずは、昨年12月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/257337
・『筆者は現在、株価が「バブル形成過程にある」と考えており、現在の株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。そして、このバブルが崩壊する局面では、「社債市場」のトラブルが原因になるだろうと見る。その理由を解説しよう』、どういうことだろう。
・『将来株価のバブル崩壊が起きたとき「示唆的だった」と振り返るべき記事  「日本経済新聞」12月13日朝刊の1面トップに『債務不履行 世界で倍増 今年223社 経済に潜在リスク』という記事が載った。同紙の電子版の読者は記事のPDFを保存しておくといいだろうし、紙の読者はいわゆる「写メ」でも撮っておくことをお勧めする。将来株価のバブル崩壊が起きたときに「示唆的だった」と振り返ることが目的だ。 筆者は、2週前の本連載の記事『2021年に株価バブルは破裂?山崎元が「まだ」の一票を投じる理由』に書いたとおり、「バブルは、まだ破裂しない(だろう)」と考えている。ただ、現在は「バブルの形成過程にある」とも考えている。そしてバブルが崩壊する局面では、特に米国の社債市場のトラブルが原因になるだろうと見ている。 詳しくはぜひ日経新聞の記事本文を見ていただきたいが、記事は、債務不履行を起こす企業数が世界的に増えていること、社債の(国債に対する利回りの)スプレッドが低下しているのもかかわらずデフォルト(債務不履行)率が上昇していること、支払い能力に懸念のある企業が増加していることなどを伝えている。 さて、昨今は何を語るにも「新型コロナウイルス」に触れないわけにはいかないが、社債のスプレッドが低下しているのは、信用リスクにまで介入するコロナ対策としての金融緩和政策の効果である。一方、エネルギーや消費財などの業種に偏りを持ちつつも、コロナによる実物経済の不調によって存亡の機に瀕する企業が増加していることが同時進行している。 そして今や、コロナ対策による株価バブルも進行中だ。コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている』、「コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている」、というのは確かだ。
・『社債型バブルとコロナバブル 株価バブル「2つの生成メカニズム」  現在、筆者が形成中だと思っている株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたものだ。 実は、今をさかのぼること約1年前のコロナ問題が顕在化する以前の段階で、米国では次の流れで株価が上昇していた。 (1)信用力が不十分な会社も含めて社債で資金を調達する (2)社債をパッージング(注)した証券化商品を金融機関が販売する (3)低金利環境下で運用難の金融機関が証券化商品を購入する (4)資金を調達した企業はこれを自社株買いに振り向けて株価を上昇させ、株主と経営者(ストックオプションを持っている)が富を得る  当時から、特に社債市場に対する懸念を指摘する向きがあったが、(2)(3)(4)の利害関係者にとって好都合なメカニズムなので、このバブル生成は継続するかに見えた。仮にこれを「社債型バブル」とでも名付けよう。 ところが、新型コロナの感染が世界的に広がり、特に米国に大きな影響を及ぼすに至ると状況は一変。社債の信用リスクが大きな懸念となって、形成中だったバブルはいったん崩壊し、次には金融的な危機の到来が心配され、株価は大きく下がった。 すると、リーマンショックから教訓を得た政府と中央銀行は、未曾有の規模の金融緩和とこれを後押しする効果を持つ財政的な対策を行った。この過程で、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が信用リスクのある社債も含めて社債を大規模に購入する政策に踏み切り、社債市場を下支えした。 そして、その後、(1)金融・財政政策が最悪期に対応した異次元の規模である一方で経済活動が再開されて実体経済が最悪期から回復したこと、さらに、(2)コロナの感染が続いていることにより金融・財政両面からの対策の継続が予想されることから、株価は日米ともに高値圏にある。現在は、(2)の効果が優勢であるように見えるが、このコロナ対策によるバブルを「コロナバブル」とでも名付けておこう。 そこで現状はどうなのかというと、「コロナバブル」の影響が圧倒的である一方、対国債利回りにおける社債の利回りのスプレッドが低下しているということは、「社債バブル」もまだ崩壊していない、という状況にある。また、英・米でワクチンの接種が始まったとはいえ、コロナ問題は現在も継続中だ』、「株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたもの」、「社債型バブル」、「コロナバブル」などが混在しているようだ。
(注)社債をパッージング:意味不明。様々なトランシュに分けるパッケージングの誤りかも。
・『コロナが消えると何が起こる? それが「今」だとすると危ない  では、将来コロナ問題の解消が見えてきた場合に、何が起こるだろうか。金融・財政的な政策の後退が起こると「コロナバブル」の継続が期待できなくなり、「社債バブル」的なメカニズムが維持されるかどうかが問題になる。 仮にそれが「今」だとすると、危ない。先の日経新聞の記事にあったように、社債のデフォルトや債務返済に不安のある企業の数が増えているのだから、社債市場に対する政策的な支えがなくなると「社債バブル」も崩壊する可能性が高い。もちろん、今すぐにはコロナ問題は片付かないのでこの心配は現実的ではない。 一方、前述のように「社債バブル」は、企業経営者にも金融機関にも運用機関にも好都合な仕組みになっている。社債市場が政策的に支えられていて、社債が発行しやすい状況が続くと、今後株価のバブルが大きく膨らむ可能性がある。これを株価の引き上げに使おうとする企業経営者の行動が、「コロナバブル+社債バブル」の形となり得るからだ。潜在的に進む社債バブルの動向は、今後生じるかもしれない株価バブルのスケールに大きな影響を与える要因になるだろう。 また、コロナ後の企業のバランスシートがどのような状態になっているかが、バブル崩壊時の株価の下落率に大きく影響するだろう。 前々回の拙稿のように、筆者は、株価のバブルは2021年に「まだ」崩壊しないと予想している(極めて頼りない予想であることをお断りしておく)。ただ、バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう』、「バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう」、なるほど。
・『バブルの発生・崩壊に対して投資家にできることは限られている  バブルの発生と崩壊のメカニズムに関心を向けると、投資家は「何かしなくてはいけない」という気持ちになりやすい。 しかし、バブルに乗ってもうけるべく追加で投資したり、あるいはあらかじめバブル崩壊を避けようとして投資額を減らしたり、という投資のタイミングをはかる行動を的確に行うことは簡単ではない。 多くの投資家にとって現実的な戦略は、自分にとって適切な大きさの投資リスクを長期的に保有し続けることだ。「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう。もちろん、こうした「長期投資」を効果的に行うためには、幅広い対象への「分散投資」を行ってリスクを低下させることと、手数料の低い運用商品を選ぶ「低コスト」の心がけが重要だ。合い言葉は、常に「長期、分散、低コスト」だ。 バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う』、「投資家にとって現実的な戦略は」「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう」、「バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う」、かくなる上は、「鈍感力」に期待することにしたい。

次に、本年2月4日付け日経ビジネスオンラインが掲載した独立系投資ファンドのさわかみ投信社長の澤上 篤人氏らによる対談「異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/020200154/?P=1
・『もはや、いつ大暴落が起こってもおかしくない──。コロナ禍が長引く中、高値更新が続く株式市場。しかし、空前の低金利や日銀の株式ETF(上場投資信託)買いを受けた“バブル相場”には、崩壊リスクも高まっている。もし、金融バブルがはじけたら、どう行動すべきなのか。『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』の著者であるさわかみ投信の澤上篤人会長と草刈貴弘最高投資責任者、それぞれに要諦を聞いていく。 金融バブルがはじけると、世界の債券市場や株式市場が収拾のつかない投げ売りの修羅場となる可能性があり、それを引き金に、あらゆる金融商品が崩れ落ちて瓦礫(がれき)の山と化す。それはやがてインフレを巻き起こす。財政赤字や債務問題を抱える各国政府や中央銀行に歯止めを利かせる余力は残っていない。結果、人々の生活はズタズタにされる──。 そんなバブル崩壊のシナリオに備えて、どうすればしっかりと身の回りを固められるのか。今回の記事では、澤上会長インタビューの第1回をお届けする。古今東西の歴史を振り返って「バブルの仕組み」を冷静に分析し、経済の本質を知り、自分の頭で考えることが肝要だと語り始めた。(Qの聞き手はクロスメディア編集部長 山崎良兵、経営メディア局編集委員 藤田宏之) Q:株価が上がり続け、バブル期超えという水準まで見えてきている状況の中、最新刊『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』はかなりショッキングなタイトルですが、どのような思いから執筆されたのでしょうか? 澤上篤人氏(以下、澤上氏):まず、申し上げておきたいのは、おどろおどろしい話で読者を脅かすような気持ちは全くありません。しかしながら長期投資を手掛けている立場から言うと「健全な経済」こそが大歓迎なのです。その視点で見ると、今はあまりにも異常な状態になっています。 ただ、こうした異常な状態が永久に続くことはないのもまた道理です。そして、今起こっている金融バブルが壊れた時が怖い。異常な状態が長く続けば続くほど、事態は深刻になります。できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります。 もはや、いつ崩れてもおかしくない状況なので、それに備える姿勢を投資家はもちろん一般の生活者にもお伝えしたいというのが、執筆のきっかけです。 Q:マグマがたまればたまるほど、その反動は深刻なものになると。 澤上氏:落差がどんどん大きくなります。実体経済はいつも変わらず、動き続けています。その傍らで、金融バブルが何十倍にも膨らんでいます。でも、中身がありませんから、崩れた後には何も残りません。そのことが、実体経済の一部に大きな悪影響をもたらすのです。社会や経済がガタガタになる部分も出てくる。だから、一刻も早くバブルから抜け出たほうがいいのです。 Q:バブルが崩れる時、どのようなシナリオ、崩れ方をするとお考えですか? 澤上氏:正直言って、全く分かりません。そもそも、今なぜここまで相場が上がっているかも分からないのですから。だから、崩れるきっかけも当然予想できない。 Q:リーマン・ショックの時は、投資銀行の破綻がきっかけとなりましたが…。 澤上氏:実は、2008年のリーマンショックの時は、それ以前に兆しはありました。例えば、2007年にフランスの商業銀行BNPパリバが新規契約をストップ。思えば、それが兆候でした。そして翌2008年9月に米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが破綻。それから2~3カ月くらいかけてだんだんと経済が悪化し、年末にかけて、一気に崩れたという印象です。 私は1971年のニクソン・ショックの頃から投資の世界に身を置いてきていますが、あのときは、米国の双子の赤字が問題になり、同時に日本の貿易収支の黒字も膨らみ、日本バッシングも始まっていました。それがどういう風に経済に現れるかな、と思っていたら、ニクソン大統領によるドルと金との交換停止、そして変動相場制への移行という発表となり、経済が大混乱に陥りました。今回は、そうした兆しさえ見えない。ある意味、「完璧なバブル」と言えるでしょう』、「今はあまりにも異常な状態になっています」、「できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります」、その通りだ。「ニクソン・ショック」は実体経済の歪みが顕在化したもので、「バブル崩壊」とは別物だ。
・『音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない  Q:今暴落したら、どれくらいのインパクトがあると予測しますか? 澤上氏:個別企業や個人への影響は、バランスシートで考えてみればいいでしょう。株を買いまくって売っていないのですから、資産勘定が異常に膨れ上がっている状態です。バブルが崩壊した時には、売ろうと思ってもなかなか売れません。だから、巨額の投資損失とともに負債勘定だけがまるまる残る。バブルで踊った全ての人に降りかかってくる悪夢です。バブル相場を利用してレバレッジを効かせて借金を増やしているような会社は、厳しい状況に追い込まれます。なんとなくはわかっていても、誰もブレーキをかけようとしない状況と、私には見えます。音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない、と。 Q:一方で実体がしっかりしている企業は大丈夫だということでしょうか。 澤上氏:内部留保をしっかり確保するなど財務体質がしっかりしていたり、消費者の生活に密着した事業を展開し、本業で日銭を稼いだりできるような企業にとっては、株価が若干下がること以外には影響はない、とも言えます。むしろ、株価的には追い風が吹くこともある。過去のバブルを見ていると、崩壊後でも生き残った投資マネーは、バブルとは関係なく健全な経営をしてきた普通の会社に流れます。どんなときでも行き先を探して動き続けるのがマネーの本質でもありますが、いわゆる見直し買いが起こるのです。 Q:相場英雄さんの新刊『Exit イグジット』でも、出口が見えない日本の金融政策の危うさを描いています。政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です。どうすればいいと思われますか? 澤上氏:経済というのは、もともと自助努力です。バブルがはじけようがはじけまいが、本来関係ない。だから、生活密着型の企業からは新しい動きが出てきます。 何が起ころうとも、人々の暮らしは続くのですから。私は若い人には、「大河小説を読もう」と勧めています。たいがい主人公とその家族が激動の歴史に巻き込まれる物語が多いのですが、同時に、その背景で一般庶民の生活は何も変わらずに営まれている姿も描かれています。そっちを見る感覚を忘れるな、と』、「政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です」、極めて危険な状態だ。
・『金利ゼロ、やはりこれはおかしい  Q:グローバリズムが進展してきたこれまでの歴史で、日本企業もスリム化、海外展開を積極的に進めてきています。その現状で、生活密着型の企業を見つけるのは大変なのでは? 澤上氏:真逆です。生活に身近な企業でも十分なのです。例えば、税引き前利益率が10%の会社で考えてみましょう。利益の4割を税金で支払い、残りの6割の半分を配当と内部留保にする。これを毎年続けていけば純資産は積み上がり投資価値は着実に高まる。実生活の速度に則した投資でも十分にリターンは出る。これが投資の本質なのです。 物価上昇率が3%くらいだとすれば5、6%の利回りで十分と考えるのが、元来、投資なのです。それが、1980年代くらいから大きく変わってしまいました。年金など機関投資家が運用実績という数字を追い回すようになった結果、いろいろおかしなことが普通になってしまいました。一例を挙げれば、金利ゼロ。これはやはりおかしい。金利というのは、経済活動のインセンティブです。冷静に考えれば、金利なしに経済が回るわけがありません。 Q:今の金融マーケットの状況を肯定して、それを新常態と位置づけるのはおかしいというわけですね。 澤上氏:はい。もう少し落ち着いた価値判断で行動できる人たちが出てきてもいいのだと思います。昔の資本家やバンカー(銀行家)のように。彼らが今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました。ところが、いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います。 次回は金融バブルが崩壊するリスクに備えて何をすべきなのか、実際に株価が大幅に下落したらどのような行動を取るべきなのかなどについて話を聞きます』、「昔の資本家やバンカー(銀行家)・・・が今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました」、「いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います」、その通りなのだろう。

第三に、 2月6日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で 慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か」の4頁目までを紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410414
・『株価の乱高下が続いている。 ただし、2月にはいってからは、アメリカの株価は1月末の急落から回復基調にあり、ナスダックなどは再び史上最高値を更新した』。
・『「ロビンフッダーの反乱」が今後もたらすものとは?  この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら 確かに、下がる要因はすべて消え去った。理由は少なくとも4つある。第1に、「ロビンフッダーたちの反乱」は鎮圧された。第2に、この反乱によって、多くの空売りをするヘッジファンドは窮地に追い込まれ、もはや空売りをする力がなくなった。 第3に、同様に、アクティビスト(いわゆる物言う株主)のように、企業投資が悪い企業などについての空売りレポートで有名なシトロン・リサーチがこの種の空売りレポートはもうやらないと表明した。第4に、安いときに買い、割高になったら売るという、ごく普通の「ロングアンドショート戦略」をとる長期運用ファンドまでもが打撃を受けた。こうした戦略のファンドは縮小し、「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ。 なぜなのか、改めて説明しよう。 まず、ロビンフッドとロビンフッダーから。ロビンフッドとはご存じの通り、アメリカの新興系のネット証券会社である。手数料は無料であり、個人投資家、それも初心者を中心に口座をかき集めた。これらの個人投資家がロブンフッダーだが、彼らは、少額で投資ギャンブルを楽しむため、初めて株を買うのに、個別株オプションなどを中心に取引する。少額で一攫千金の可能性があるからだが、これはギャンブルゲームそのものだ。 新型コロナショックで、給付金がこの取引に回っているといわれているが、いずれにせよ、ロビンフッダーは急増し、ロビンフッドは収益も取引も急拡大させた。 ロビンフッダーたちは、業績の悪い企業の株式、いわば「くず株」のような株式に対する投資をしていた。その1つが、ゲームストップ株だったのである。業績は低迷、先行きの見通しも薄く、値下がり(低迷)を続けていたが、一連の買いで価格が上昇していた。これに目をつけたヘッジファンドが空売りをして、素人の火遊びを食い物にして儲けようとしていた』、「「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ」、どうしてなのだろう。
・『アメリカではよくある話、日本のライブドアブーム彷彿  この状況に対し、ロブンフッダーたちは、彼らがよく使うSNSを利用して、逆襲を呼びかけ、買いを集めて、空売りをしていたヘッジファンドを締め上げ(ショートスクイーズ)た。買い戻しを余儀なくさせ、ヘッジファンドなどに大きな損失を負わせた。この結果、ゲームストップ株は、急騰し、16倍前後にもなった。これを面白がってやっていたのがロビンフッダーたちである。 しかし、取引が急増したことにより、その取引注文を受けていた証券会社ロビンフッドは当局から、何十億ドルもの「供託金」を要求されることになる。これが払えないので、ロビンフッドは資金調達に奔走した。そうこうしているうちに、さらに取引が急増、株価も乱高下、供託金要求額も急増、同社はゲームストップ株などの取引を一時停止したのである。この結果、ヘッジファンドサイドが息を吹き返し、株価は失速。ロビンフッダーたちは、取引停止により損失を被り、ヘッジファンドサイドは破綻を免れたのである。 これに対しては、メディアは「ドナルド・トランプ前大統領による政治の分断に続いて市場も分断されている」「ウォールストリートと大衆投資家の対決だ」などと囃しているが、それは「nothing new」であり、いつも起きていることだ。 また、いまどきの日本の個人投資家たちは「日本では考えられない」などとコメントしているようだ。だが、彼らは経験不足すぎて知らないようだが、2000年代前半、日本で起きた「ライブドアブーム」とは、まさにまったく同じような現象だった。 ネット証券が発達し、1990年代末の金融危機からの経済危機で大混乱するなか、アメリカのネットバブルが日本にも波及した。その後、2001年の世界同時多発テロやエンロン事件などで株式市場全体が暴落するなか、若い個人投資家のネットトレーダーたちが株式に群がり、新興株を中心にネット株バブルを作り上げていた) 彼らは、「祭り」と称して、面白そうな株に群がった。「IPO(新規株式公開)バブル」「株式分割バブル」、そして「くず株バブル」などもあった。足利銀行株で大儲けをしたトレーダーが、東京タワーから一万円札をばら撒いたのは、この流れだった。 彼らのくず株取引は、もう破綻、上場廃止が決まっている銘柄、監理銘柄に群がり、最低になると1円で、その下はないから、1円でみんな買って、面白半分に2円にする投資家が出てくるのを待ち、2円になると、祭りが盛り上がって、それが12円ぐらいになることもあり、大騒ぎをしていたのである。 実はこのころ、ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が、想定外の値動きが続き、音を上げて「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼が入ったことがある』、「ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が」「「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼」、とは「小幡 績氏」の面目躍如だ。
・『個人投資家が「祭り」が好きなワケ  この辺は、拙著『ネット株の心理学』に詳しいが、要は、個人投資家は「祭り」が好きなのである。なぜか。「祭り」は儲かるからである。 では「祭り」とは何か。すなわち、人が集まることだ。何かの祝いごと、何かの決めごとで、1カ所に集まる。つまりは、バブルの発生源である。 個人投資家がバブルを作り、「機関投資家をやっつける、あるいは一時的に力を持つ」のはよくあることだ。1980年代末の日本株バブルもそうした状況に似ていた。厳密に言えばやっつけたわけではないが、日本の狂った状況に投資家、個人も企業も金融機関も巻き込まれた。「日本人はクレージーだ」と指をくわえてバブルをみていたのが、当時の外国人投資家である。 過去をさかのぼれば、18世紀の「南海泡沫バブル」も、「ミシシッピーバブル」も同じである。大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである。本当のプロなら「烏合の衆ほど恐ろしいものはない」とよく知っている。そして、現在が「烏合の衆の時代」であることは、賢明な現代人なら誰でも知っている。 したがって、今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである。普通の投資対象がバブルで上がりすぎて買うものがなくなり、くずに群がるぐらいしかない』、「大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである」、「今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである」、さすが「デイトレーダー経済学者」らしい。
・『「祭り」はいよいよ最後のステージに入った  なぜなら、まだ上がっていないものは、くずぐらいしか残っていないのである。だからバブル末期には、普段人気のないものがバブルになる。そういうものはもともと価格水準が低いから、上げ余地が大きく、激しいバブルになりやすい。まともな投資対象の株式では、それは日本株だろう。このところ世界で出遅れていた日本株が上がってきたのは、そういうことだ。宴、祭りは「最後のステージ」に入った。 一連のロビンフッド騒ぎが「バブルの断末魔の叫び」であることは、バブルの最終段階のアナウンスメントだが、ロビンフッドのおかげで、さらにバブル崩壊の条件はそろってしまった。それは、売り方をすべて壊滅させたことである。もう買い手しかない。売り手がすべてギブアップした。もう上がるしかない。 では、むしろこれからバブルは加速するのでは?と思われるだろう。 そのとおりだ。だからこそ、崩壊するのである。 ここから買うのは、狂った投資家、いや正確な言い方をすれば異常に強気の投資家しかない。売り手はいないから、出来高が少ないまま、ハイスピードで上がっていく。売る人がいない、ということは、この商いが成立するためには、誰かが売りに回らなくてはならない。それは誰か。今まで買ってきた人であり、今買っている人である。彼らが売れば、下がる。下がると、今買っている人である。バブルのピークとうすうす感じながら買った人が損失を抱えれば、パニックになって売る。 まさに、最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである。 ゲームストップ株の姿は、今後のアメリカ大型株と同じであり、数カ月後の運命なのである(本編はこれで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである」、今回の「ゲームストップ株」騒動は思いの他、深い意味があったようだ。
タグ:バブル (最近) (その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か) ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 「株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説」 バブルが崩壊する局面では、「社債市場」のトラブルが原因になるだろうと見る 将来株価のバブル崩壊が起きたとき「示唆的だった」と振り返るべき記事 「日本経済新聞」12月13日朝刊の1面トップに『債務不履行 世界で倍増 今年223社 経済に潜在リスク』 コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている」、というのは確かだ 社債型バブルとコロナバブル 株価バブル「2つの生成メカニズム」 「株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたもの」、「社債型バブル」、「コロナバブル」などが混在しているようだ コロナが消えると何が起こる? それが「今」だとすると危ない 「バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう バブルの発生・崩壊に対して投資家にできることは限られている 「投資家にとって現実的な戦略は」「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう」 「バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う」、かくなる上は、「鈍感力」に期待することにしたい 日経ビジネスオンライン 澤上 篤 「異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい」 もはや、いつ大暴落が起こってもおかしくない 最新刊『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』 「健全な経済」こそが大歓迎なのです。その視点で見ると、今はあまりにも異常な状態になっています できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります。 いつ崩れてもおかしくない状況なので、それに備える姿勢を投資家はもちろん一般の生活者にもお伝えしたいというのが、執筆のきっかけ バブルが崩れる時、どのようなシナリオ、崩れ方をするとお考えですか? 澤上氏:正直言って、全く分かりません 「ニクソン・ショック」は実体経済の歪みが顕在化したもので、「バブル崩壊」とは別物だ 音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない 政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です 昔の資本家やバンカー(銀行家)のように。彼らが今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います 東洋経済オンライン 小幡 績 「いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か」 「ロビンフッダーの反乱」が今後もたらすものとは? 「ロビンフッダーたちの反乱」は鎮圧された この反乱によって、多くの空売りをするヘッジファンドは窮地に追い込まれ、もはや空売りをする力がなくなった 第3に、同様に、アクティビスト(いわゆる物言う株主)のように、企業投資が悪い企業などについての空売りレポートで有名なシトロン・リサーチがこの種の空売りレポートはもうやらないと表明した 第4に、安いときに買い、割高になったら売るという、ごく普通の「ロングアンドショート戦略」をとる長期運用ファンドまでもが打撃を受けた。こうした戦略のファンドは縮小し、「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ ロビンフッダーたちは、業績の悪い企業の株式、いわば「くず株」のような株式に対する投資をしていた。その1つが、ゲームストップ株 「「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ」 アメリカではよくある話、日本のライブドアブーム彷彿 、ロビンフッドは資金調達に奔走した。そうこうしているうちに、さらに取引が急増、株価も乱高下、供託金要求額も急増、同社はゲームストップ株などの取引を一時停止 ヘッジファンドサイドが息を吹き返し、株価は失速 ロビンフッダーたちは、取引停止により損失を被り、ヘッジファンドサイドは破綻を免れた 「ウォールストリートと大衆投資家の対決だ」 「nothing new」 「ライブドアブーム」とは、まさにまったく同じような現象 若い個人投資家のネットトレーダーたちが株式に群がり、新興株を中心にネット株バブルを作り上げていた) 彼らは、「祭り」と称して、面白そうな株に群がった。「IPO(新規株式公開)バブル」「株式分割バブル」、そして「くず株バブル」などもあった 足利銀行株で大儲けをしたトレーダーが、東京タワーから一万円札をばら撒いた ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が、想定外の値動きが続き、音を上げて「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼が入ったことがある 個人投資家が「祭り」が好きなワケ 大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである 「今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである」、さすが「デイトレーダー経済学者」らしい 「祭り」はいよいよ最後のステージに入った 「最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである」 今回の「ゲームストップ株」騒動は思いの他、深い意味があったようだ
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問題閣僚等(その12)(吉川元農相が議員辞職 鶏卵疑惑「司法取引」が成立したか、「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満、アキタフーズ<上>2人の元農相に多額献金した養卵“西の雄”、アキタフーズ<下>秋田前グループ代表の政治力で急成長した) [国内政治]

問題閣僚等については、昨年2月8日に取上げた。今日は、(その12)(吉川元農相が議員辞職 鶏卵疑惑「司法取引」が成立したか、「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満、アキタフーズ<上>2人の元農相に多額献金した養卵“西の雄”、アキタフーズ<下>秋田前グループ代表の政治力で急成長した)である。なお、タイトルから「安倍内閣の」をカットした。

先ずは、昨年12月22日付け日刊ゲンダイ「吉川元農相が議員辞職 鶏卵疑惑「司法取引」が成立したか」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283002
・『「鶏卵汚職事件」への関与が取り沙汰され、逮捕もあるのか――と騒がれていた自民党の吉川貴盛元農相(70)が、21日、議員辞職すると表明した。 議員辞職する理由について吉川氏本人がコメントを発表している。慢性心不全のため入院中と改めて説明し、「近日中に除細動器の埋め込み手術を受けることが決まった」と報告。そのうえで「術後は日常生活に気を付けなければならない。国民の負託に応える十分な活動ができなくなる」と記している。あくまで体調悪化が、議員辞職の理由だとしている。 しかし「鶏卵汚職事件」が、議員辞職の引きガネになったのは間違いない。吉川氏は大臣在任中、鶏卵大手の「アキタフーズ」の前代表から大臣室などで計500万円の現金を受け取っていた。鶏の飼育に関する国際基準が、日本の業者の不利にならないよう依頼されたと疑われている。「アキタフーズ」サイドは、東京地検に対して、500万円の授受を全面的に認めているという。農水大臣は職務権限があるだけに、金銭授受と依頼が事実なら贈収賄が成立する。 いったい、なぜこの時期に議員辞職したのか。 「司法取引が成立したのではないか」と臆測が飛んでいる。議員辞職し、地検特捜部に“恭順の意”を示すことで、立件を免れたのではないか、という見方だ。支持率が下落している菅政権も「政治とカネ」の問題は年内に幕引きするつもりでいる。やはり、もう逮捕はなくなったのか。 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏はこう言う』、「大臣室などで計500万円の現金を受け取っていた」、とは悪質だ。
・『逮捕はなくなった  「地検特捜部の捜査は、あくまで容疑者を逮捕し、立件するのが基本です。ただし、体調が悪くて勾留に耐えられず、容疑事実を全面的に認めた場合は、逮捕せずに在宅起訴とするケースがあります」 入院と手術を理由に議員辞職した吉川氏は、逮捕もされず、在宅起訴で済まされておかしくない。しかし、捜査はこれで終わらないとの情報も流れている。 「アキタフーズは、誰と会ったか、いくら渡したかを“裏帳簿”と“裏手帳”に詳細に記していた。そこには、あっと驚く大物議員の名前があったと言われています。特捜部が狙う“本命”は、その大物議員だとみられている。もし、立件されたら政界に激震が走る。すでに特捜部は“裏帳簿”と“裏手帳”を手に入れているようです」(政界関係者) 吉川氏の在宅起訴だけで終わったら、国民の検察不信が再燃しそうだ』、「あっと驚く大物議員」にまで捜査対象になるとすれば、面白くなりそうだが、検察がそこまで腹をくくったとも思えない。

次に、本年1月20日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/260200
・『東京地検特捜部は15日、農相在任中に業者から現金500万円の賄賂を受領したとして、収賄罪で吉川貴盛被告(70)(※「吉」は正式には上が「士」でなく「土」、以下同じ)を在宅起訴した。しかし「逮捕・起訴」という手続きではなかったため、SNSなどインターネット上には「また出た、上級国民への忖度(そんたく)」「逮捕されないのは池袋暴走事故と同じ理由」などと批判する投稿が相次いだ。では、逮捕しなかったのは本当に「上級国民への忖度(そんたく)」なのだろうか』、「逮捕しなかった」大義名分はあるのだろうか。
・『元農相が現金受領し業界に便宜  吉川被告を巡る汚職事件の概略は以下の通りだ。 起訴状によると、吉川被告は家畜を快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア(AW)」の国際基準に反対する意見を取りまとめるなど、業界への便宜を図ってもらいたいという趣旨と知りながら、2018年11月21日に東京都内のホテルで200万円、19年3月26日と同8月2日に大臣室でそれぞれ200万円と100万円を鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの秋田善祺元代表(87)=贈賄罪で在宅起訴=から受け取ったとされる。 AWとは「家畜を工業製品のように扱うこと」への批判から発生した英国発祥の理念で、公益社団法人「畜産技術協会」は「家畜の快適性に配慮した飼養管理」と定義。「動物福祉」と表現されるケースもある。 国際獣疫事務局(OIE)は採卵鶏に「巣箱」「止まり木」の設置を義務付けるなど、国際的な基準作りを進めているが、安価で安定した鶏卵を供給する日本の業界は「費用がかかり、国内の実情に合わない」と反発。農水省を通じて要件緩和を求め、義務化は見送られた。 ほかにも、鶏卵価格が下落した際に業者の損失を補填(ほてん)する鶏卵生産者経営安定対策事業(以下、事業)の対象を大規模生産者に拡大したり、需給調整のために鶏を処分した業者への奨励金を増額したりする改変が実施された。 全国紙社会部デスクによると、秋田被告は業界団体「日本養鶏協会」の役員として実質的に運営。同「日本国際養鶏協議会」代表理事としても、AWや事業を巡り吉川被告ら農水族議員や農水省幹部に働き掛けをしていた。 平たく言えば、秋田被告が鶏卵生産業界のために便宜を図ってもらうため現金を渡し、見返りとして吉川被告が農水相としての職務権限を行使して便宜を図ったということだ』、「業者」寄りの「行政」を目一杯進めたようだ。
・『消去法で「元院長」と表記  一方、冒頭の「池袋暴走事故」は19年4月19日、東京都豊島区東池袋の都道で、飯塚幸三被告(89)=自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で公判中=の乗用車が赤信号の横断歩道に突っ込み、自転車の女性(当時31)と娘(同3)を死亡させ、9人に重軽傷を負わせた事故だ。 警視庁は飯塚被告を任意で捜査し、書類送検。東京地検は在宅起訴し、昨年10月8日に初公判が開かれた。検察側はアクセルとブレーキを踏み間違えて暴走したと指摘したが、飯塚被告は「車に異常が発生した」として無罪を主張している。 事故の数日後、飯塚被告が旧通産省(現経産省)の技官トップである工業技術院の元院長で、15年には瑞宝重光章を受勲した人物だったことが判明。警察が逮捕せず、新聞やテレビが「さん」という敬称や「元院長」と肩書で報じたことから、ネットに「忖度」「配慮」があったに違いないという批判が殺到した。 全国紙社会部デスクによると、どう表記するかについては社内でもかなり議論があったらしい。 警視庁は当初、飯塚被告の実名と年齢を明らかにし、職業は「無職」と発表。飯塚被告は病院に搬送され、そのまま入院。警察は事故処理に、メディアも事故の状況を伝えるのに精いっぱいで「87歳(事故当時)男性」の経歴などには気が回らなかった。 その後、飯塚被告の素性が判明するわけだが、逮捕されたわけではないので「容疑者」ではない。呼び捨てにもできない。そうかといって「11人死傷」という実刑もあり得る重大事故を起こした人物について「さん」もなじまない。消去法で「元院長」という表現に落ち着いたのはご理解いただけるだろう』、「消去法で「元院長」と表記」、とは「メディア」の苦肉の策のようだ。
・『逃亡と証拠隠滅の恐れなし  では、なぜ東京地検は吉川被告を、警視庁は飯塚被告を逮捕しなかったのか。 結論から言えば、「逮捕の必要がないケース」だったからだ。 こうしたことが話題になるたび思うのだが、ネットなどに「逮捕マダー」「逮捕ハヨ」などと投稿する方々は、もしかしたら逮捕を刑事罰と誤解しているのではないだろうか。 実は「逮捕」というのは、刑事訴訟法における単なる司法手続きで、同法199条1項は「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状によりこれを逮捕することができる」と規定。 一方、同2項は「明らかに必要がないと認められるときは逮捕できない」とも定めている。どういうことかというと(1)被疑者が逃亡する恐れがない、(2)罪証(証拠)を隠滅する恐れがない――場合は逮捕できないのだ。 吉川被告については昨年12月2日、現金授受が疑惑として報道され、同22日には体調不良を理由に衆院議員を辞職。数日後、東京都内で持病の慢性心不全の手術を受け、現在は入院しているとされる。この際、ネットでは「体調不良」「手術・入院」は逮捕から逃れるための方便だと決めつける投稿も見られた。 しかし、前述の社会部デスクによると、吉川被告は本当に体調が優れず、疑惑が発覚する前から手術・入院は既定路線だったらしい。 そこに疑惑が報道されて、潮時と感じて身を引いた可能性もある。検察側にも体調面は折り込み済みで、逮捕という選択肢はなかったとみられている。 いずれにしても、特捜部は同25日に吉川被告の議員会館事務所や札幌市の自宅など関係先を捜索し、資料を押収。入院中で症状も重いことから逃亡の恐れはなく、既に証拠も押収しており隠滅の恐れもないことから、「逮捕の必要はない」と判断したわけだ』、なるほど。
・『刑事罰とは無関係な「逮捕」  飯塚被告の場合はどうか。 これも刑事訴訟法の規定だが、逮捕した場合、48時間以内に送検するか釈放するか判断しなければならない。取り調べできない入院中の逮捕は無意味で、むしろ時間的な制約がない「任意」の方が捜査としては適切なのだ。 よくテレビのニュースで「○○容疑者をその場で現行犯逮捕しました」と耳にしているため、刑事的なペナルティーとして身柄を拘束しているイメージがあるのかもしれない。 もちろん、飲酒運転事故で一緒に飲んだ相手に「酒量を偽って証言してくれ」などと依頼する“証拠隠滅”を防ぐ目的の場合もあるが、重大事故で取り乱したり精神的に不安定になったりしているため、落ち着かせるための配慮という意味合いもある。 過去には帰宅後に良心の呵責(かしゃく)に耐え切れず、自殺してしまったケースもあったから、裁判所に逮捕状を請求しなくても済む「現行犯逮捕」を適用している側面もある。いずれにしても交通事故は逮捕しても当日か翌日、よほどのことがない限り数日中には釈放される。 池袋暴走事故の後、ネットでは「飯塚被告が携帯電話で息子に連絡し証拠隠滅を図った」という噂(うわさ)が広まった。だから「逮捕すべきだった」という理屈のようだったが、筆者が調べた限り、そのような事実は出てこなかった。前述のデスクも首をかしげていた。 もし、飯塚被告にけががなく、現場で「私に過失はない。車が勝手に暴走した」と供述していたら、現行犯逮捕だったかもしれない。いずれにしても車を押収し、解析することが可能なのだから、当日か翌日には釈放される。 待望論が久しかった「逮捕」は、刑事罰という側面においては無関係であり、無意味だったということだ。 逮捕は公権力の行使によって身体の自由を拘束する行為であり、乱用されるべきではないというのが司法の基本的な原則だ。ネットの発達により市民目線で司法手続きが適正に行われているか監視できるようになったのは、望ましいことと思う。 交通事故などで「逮捕」はいつ、自分の身に降りかかるか分からない。冤罪(えんざい)による逮捕だって、絶対にないとは言い切れない。逮捕という手続きについて、本稿で少しでも知っていただけたら幸いである』、「逮捕は公権力の行使によって身体の自由を拘束する行為であり、乱用されるべきではないというのが司法の基本的な原則だ」、同感である。

第三に、1月20日付け日刊ゲンダイが掲載したジャーナリストの有森隆氏による「アキタフーズ<上>2人の元農相に多額献金した養卵“西の雄”」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/284074
・『東京地検特捜部と広島地検は昨年7月4日、元法相で衆院議員の河井克行被告(自民党を離党)と、妻で参院議員の案里被告(同)を支援していた鶏卵生産会社、アキタフーズを家宅捜索した。 東京都港区にある東京本社から午後4時すぎ、係官がおよそ20箱の段ボール箱を2台の車に分けて積み込んだ。広島県福山市の福山本社では午後9時前、敷地内の駐車場に止めてあったトラックに大量の段ボール箱を押収した。 アキタフーズは参院選公示前の2019年6月末、案里被告の支援集会を開催した。克行被告が支部長を務めていた自民党広島県第3選挙区支部に対し、社名変更前のアキタの名義で18年に計262万円を寄付。16~17年も多額の献金をしていた。 19年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件に関連して家宅捜索を受けたアキタフーズは昨年8月5日、創業家の秋田善祺グループ代表と長男の正吾社長が辞任した』、どうも事件の発端は「河井」「案里」の選挙違反事件のようだ。
・『この家宅捜索を突破口に、2人の元農相の現金授受疑惑が浮上。元農相で元内閣官房参与の西川公也・元衆院議員は「18年以降に現金数百万円を受け取っていた」と報じられた。 内閣官房参与は非常勤の国家公務員。西川氏は17年10月の衆院選で落選後、安倍晋三政権で首相のアドバイザー役の内閣官房参与に就任した。昨年9月に発足した菅義偉内閣でも再任されたが、同12月8日、不正を否定した上で「一身上の都合」を理由に辞任した。 西川氏には、現金を受け取っていた疑惑だけではなく、「アキタフーズが所有するクルーザー船上で20年7月3日に接待を受けていた」と報道された。 この船は全長約40メートル、日本最大級の高級クルーザーで、鶏卵業界関係者らを接待するのに使われていた。報道によると「西川公也・元農相、本川一善・元農林水産事務次官、大野高志・元畜産部長らは、広島県福山市のマリーナからこの船に乗り、尾道市に向かい高級リゾートホテルに宿泊した。当日のホテル代はアキタフーズが負担した」という』、「日本最大級の高級クルーザー」で「「西川公也・元農相、本川一善・元農林水産事務次官、大野高志・元畜産部長らは、広島県福山市のマリーナからこの船に乗り、尾道市に向かい高級リゾートホテルに宿泊した。当日のホテル代はアキタフーズが負担」、豪勢な「接待」だ。参加した「本川一善・元農林水産事務次官、大野高志・元畜産部長ら」は、お咎めなしなのだろうか。
・『東京地検特捜部が任意で事情を聴いていた吉川貴盛・元農相は同12月22日、慢性心不全により入院加療中で近く手術を受けるため、「国会議員の職責を果たすのは難しい」として議員を辞職した。吉川氏とアキタフーズの関係が結ばれたのは克行被告の紹介によるものだった。 吉川氏は衆院議員秘書や北海道議を経て1996年の衆院選で初当選し6期目。18年10月~19年9月に農相を務めた。吉川氏は農相在任中、アキタフーズの秋田グループ代表(当時)から、18年11月に都内のホテルで200万円、19年3月に大臣室で200万円、同年8月には大臣室で100万円の計500万円を受け取っていた、とされる。 吉川氏は15~18年の大臣就任前にも9回計1100万円、19~20年の農相退任後に2回計200万円を受領。秋田氏側から合計1800万円を受領したことになる』、「吉川氏とアキタフーズの関係が結ばれたのは克行被告の紹介によるもの」で、「秋田氏側から合計1800万円を受領」とは、大きな金ヅルを「紹介」されたようだ。
・『現金の授受があった時期には、家畜をストレスのない状態で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」を巡る議論がなされていた。日本で主流の鶏をケージに入れる手法に否定的な国際獣疫事務局(OIE)が提唱する国際基準案に日本の養鶏業界は反対していた。業界のリーダーだった秋田氏はOIE案の見直しを吉川氏に働きかけ、農水省は19年1月と同7月、OIEの基準案の一部に反対する意見を表明した。 鶏卵の取引価格が下落した際に基準価格との差を補填するよう政府系の日本政策金融公庫から鶏卵業界への融資拡大を要望。吉川氏の在任中に業界の要望を踏まえた形で融資の拡充が決まった。 東京地検特捜部は西川氏については、「職務に関する賄賂と認定するのは困難」と判断し、収賄罪での立件を見送った。 他方、吉川氏については、大臣在任中に受け取った500万円について、「職務に関する便宜供与を期待された賄賂」と認定し、収賄罪で1月15日に在宅起訴した。吉川氏は心臓の手術をして入院中であることを考慮。証拠隠滅や逃亡の恐れは少なく、身柄拘束の必要はないとしたという。 アキタフーズの秋田善祺前グループ代表も、贈賄罪などで同日、在宅起訴された』、「日本で主流の鶏をケージに入れる手法に否定的な国際獣疫事務局(OIE)が提唱する国際基準案に日本の養鶏業界は反対」、確かにストレスなく育てるとコストは嵩むが、肉は美味しく安全なものになる筈だ。業者の立場からは、潰したので、一安心といったところだろう。
・『鶏卵「きよら」ブランド  鶏卵業界は、「森のたまご」のイセ食品(本社・埼玉県鴻巣市)と「きよら」ブランドのアキタフーズが東西の2強である。 鶏卵業界のドンとして、農水族の族議員に気前よくカネをばらまいた秋田・前グループ代表とは何者なのか』、下をみてみよう。

第四に、この続きを、1月21日付け日刊ゲンダイ「アキタフーズ<下>秋田前グループ代表の政治力で急成長した」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/284129
・『世界のレストランランキングで4年連続、第1位に輝いたデンマークの「noma」が2015年1月、期間限定で「ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」として日本に初出店した。世界初の海外展開の拠点として東京が選ばれた。 デンマークの店舗は一時休止し、シェフから皿洗いまで、すべてのスタッフが東京にやって来た。本店と同様、その土地の食材を使うという原則を貫き、日本の食材で腕を振るった。このとき、アキタ(現・アキタフーズ)はブランド卵「きよらグルメ仕立て」を供給する契約を結んだ。 創業家出身でグループ前代表の秋田善祺(87)は1934年、岡山県浅口市生まれ。52年、高校卒業後、父・秋田実が営む孵卵場を継ぐ。58年、秋田種鶏場として独立。マイクロバスを運転して岡山から長崎まで顧客を送迎する型破りの営業方法で経営を軌道に乗せた』、経営センスは優れていたようだ。
・『64年、鶏の輸入が自由化された。病気に強く卵を多く生むハイライン鶏の存在を知る。都道府県ごとに1軒と決められた特約孵化場の権利の獲得競争になった。このとき31歳。単身東京に乗り込み、総代理店と交渉を重ねて広島県でのハイライン鶏の販売権を手に入れ、業界人をあっと言わせた。 65年、米国の養鶏ビジネスを視察したが、しばらく仕事が手につかないほどのショックを受けた。給餌、集卵、除糞など日本では手作業が当たり前のルーティンの作業が米国では機械化されていた。 66年、株式会社秋田種鶏園(その後アキタ)を設立して代表取締役に就任。ヒヨコから卵まで、全段階を管理する完全直営一貫生産をめざすことを決意する。60年代後半から種鶏農場、孵卵工場などを次々に建設。78年、飼料工場、90年には研究所を完成させた。 社長の秋田は2012年、国際鶏卵委員会から鶏卵業界人として最も名誉である「デニス・ウェルステッド賞」をアジア人として初めて受賞した。種鶏から親鶏の育成、採卵、そして製品の出荷・流通に至るまで直営一貫生産を行うシステムが世界で認められた』、「米国の養鶏ビジネスを視察したが、しばらく仕事が手につかないほどのショックを受けた。給餌、集卵、除糞など日本では手作業が当たり前のルーティンの作業が米国では機械化されていた」、これが「秋田種鶏園」での「完全直営一貫生産」につながったのだろう。
・『現在、全国6カ所の採卵養鶏農場で鶏700万羽を飼育する。グループ売上高は698億円(18年12月期)。グループ従業員は977人。 山あいの小さな孵卵場を、抜群の行動力と決断力で、養鶏業界の「西の横綱」と呼ばれる企業群に育て上げた養鶏業界の立志伝中の人物なのである。 年号が平成から令和に変わった19年、社名をアキタからアキタフーズに変更。社長の椅子を息子の秋田正吾に譲り、グループ代表に就いた。 日本養鶏協会筆頭副会長、日本鶏卵生産者協会政策代表などの要職を歴任した秋田は「養鶏業界の政治部長」と呼ばれていた。地元を地盤とした亀井静香・元金融相のスポンサーとして知られ、亀井が引退後は河井克行・衆院議員のつてを生かし政界に人脈を築いていった』、並外れた経営手腕をもっていたようだ。「亀井が引退後は河井克行・衆院議員のつてを生かし政界に人脈を築いていった」、なるほど。
・『新社長は丸紅の大物OB  だが、政界工作が命取りとなった。贈収賄工作が明るみに出たことから、いったんは表舞台から姿を消さざるを得なくなった。 そこで、20年8月5日、秋田は引責辞任した。長男の正吾も社長を退き、岡田大介という総合商社・丸紅の元常務の大物を新たな社長に迎えた。 岡田は伊藤忠商事と丸紅の創業者である伊藤忠兵衛の末裔。丸紅の“穀物マフィア”の中心人物で、常務だった13年、約2700億円の巨費を投じて米穀物大手、ガビロンを買収したことで勇名を馳せた。 岡田は丸紅の次期社長候補と目されていたが、15年、ガビロンが巨額損失を出すと、傘下の日清丸紅飼料に飛ばされ、19年、日清丸紅飼料の取引先であるアキタフーズに招かれ、会長に。吉川貴盛・元農相の収賄容疑に関連してアキタフーズが家宅捜索された直後に、岡田は社長になった。 ガビロンの“巨額損失事件”で岡田を“とかげの尻尾”よろしく、切り捨てた丸紅の新旧経営陣の間からは「岡田による意趣返し」を懸念する声が上がっている、という。 岡田新社長の使命は秋田善祺が掲げてきた「飼育鶏1000万羽」を実現することである。=敬称略』、「岡田新社長の使命は秋田善祺が掲げてきた「飼育鶏1000万羽」を実現すること」、であれば、「丸紅の新旧経営陣」の懸念は杞憂に終わる可能性もあるのではなかろうか。
タグ:問題閣僚等 (その12)(吉川元農相が議員辞職 鶏卵疑惑「司法取引」が成立したか、「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満、アキタフーズ<上>2人の元農相に多額献金した養卵“西の雄”、アキタフーズ<下>秋田前グループ代表の政治力で急成長した) 日刊ゲンダイ 「吉川元農相が議員辞職 鶏卵疑惑「司法取引」が成立したか」 「大臣室などで計500万円の現金を受け取っていた」、とは悪質だ 逮捕はなくなった 「あっと驚く大物議員」にまで捜査対象になるとすれば、面白くなりそうだが、検察がそこまで腹をくくったとも思えない。 ダイヤモンド・オンライン 戸田一法 「「上級国民」は逮捕されない?吉川元農相の在宅起訴で噴出する世論の不満」 「逮捕しなかった」大義名分はあるのだろうか 元農相が現金受領し業界に便宜 「業者」寄りの「行政」を目一杯進めたようだ 消去法で「元院長」と表記 「池袋暴走事故」 飯塚幸三被告 「消去法で「元院長」と表記」、とは「メディア」の苦肉の策のようだ 逃亡と証拠隠滅の恐れなし 刑事罰とは無関係な「逮捕」 「逮捕は公権力の行使によって身体の自由を拘束する行為であり、乱用されるべきではないというのが司法の基本的な原則だ」、同感である 有森隆 「アキタフーズ<上>2人の元農相に多額献金した養卵“西の雄”」 どうも事件の発端は「河井」「案里」の選挙違反事件のようだ 日本最大級の高級クルーザー」で「「西川公也・元農相、本川一善・元農林水産事務次官、大野高志・元畜産部長らは、広島県福山市のマリーナからこの船に乗り、尾道市に向かい高級リゾートホテルに宿泊した。当日のホテル代はアキタフーズが負担」、豪勢な「接待」だ 参加した「本川一善・元農林水産事務次官、大野高志・元畜産部長ら」は、お咎めなしなのだろうか 「吉川氏とアキタフーズの関係が結ばれたのは克行被告の紹介によるもの」で、「秋田氏側から合計1800万円を受領」とは、大きな金ヅルを「紹介」されたようだ 日本で主流の鶏をケージに入れる手法に否定的な国際獣疫事務局(OIE)が提唱する国際基準案に日本の養鶏業界は反対」、確かにストレスなく育てるとコストは嵩むが、肉は美味しく安全なものになる筈だ。業者の立場からは、潰したので、一安心といったところだろう 鶏卵「きよら」ブランド 「アキタフーズ<下>秋田前グループ代表の政治力で急成長した」 経営センスは優れていたようだ 「米国の養鶏ビジネスを視察したが、しばらく仕事が手につかないほどのショックを受けた。給餌、集卵、除糞など日本では手作業が当たり前のルーティンの作業が米国では機械化されていた」、これが「秋田種鶏園」での「完全直営一貫生産」につながったのだろう。 全国6カ所の採卵養鶏農場で鶏700万羽を飼育する。グループ売上高は698億円(18年12月期)。グループ従業員は977人 秋田は「養鶏業界の政治部長」 並外れた経営手腕をもっていたようだ。「亀井が引退後は河井克行・衆院議員のつてを生かし政界に人脈を築いていった」、なるほど 新社長は丸紅の大物OB 岡田新社長の使命は秋田善祺が掲げてきた「飼育鶏1000万羽」を実現すること」、であれば、「丸紅の新旧経営陣」の懸念は杞憂に終わる可能性もあろう
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個人債務問題(その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは) [金融]

個人債務問題については、昨年1月19日に取上げた。今日は、(その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは)である。

先ずは、昨年12月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したスタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタントの沖有人氏による「国が推進する「残価設定型」ローン、激変する住宅市場」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/257470
・『国土交通省は、「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にも民間の金融機関が参加するモデル事業を始めると発表した。これが実現すれば、住宅市場の未来は激変するだろう。その理由を解説する』、先ずは。「「残価設定型」のローン」とはどういうことなのかみていこう。
・『国策の「残価設定型」住宅ローン、その狙いは?  先日、「住宅に残価設定ローン、返済負担を軽減 官民で開発」という新聞記事があった。最初、「これは誤報だろう」と私は思った。 「残価設定型」住宅ローンは、借入額と将来の住宅価値の差額のみを返す仕組みだ。こうした残価設定型住宅ローンの普及に動き出すというような話は、銀行単体では到底できない。バブル経済時の不動産価格の高騰と貸出によって、銀行が破綻・再編された経緯があるからだ。 しかしこれが国策であれば、非常に大きな可能性を秘めている。ぜひに実現してもらいたいものでもあるし、これがあれば、住宅市場の未来は激変するだろう。 国土交通省は、「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にも民間の金融機関が参加するモデル事業を始めると発表した。これにより、資産性がある住宅は返済負担が小さくなるので、家計に優しく、その分、消費が活性する可能性が高い。ここが、国策の最大の狙い目になる。 問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある。 私が最初「誤報だ」と思ったのは、銀行が買い取ることが事実上、不可能だからだ。買い取ることは不動産会社しかできない。買い取りを不動産会社が行う残化設定型住宅ローンはすでに存在しているのである』、「問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある」、その通りだろう。
・『不動産会社による残化設定型住宅ローンはすでに存在していた  2019年11月に、新生銀行がこの残化設定型住宅ローンの取り扱いを始めている。内容はこうだ。 旭化成ホームズのヘーベルハウスの戸建に限定して、残価設定する(事例では、物件価格6500万円に対して、残価は1400万円[物件価格の23%相当])。そして満期時には旭化成グループが市場で売却するか、買い取る選択肢が示されている。この買い取り保証がなければ、こうした残価設定ローンはそもそも成り立たない。 35年後の売却価格がわからないと判断し、銀行は不動産の価値を無視して、「住宅ローンを完済可能か」を年収だけで審査していたのが実態である。だからこそ、残価は銀行が負えるものではないと私は思った訳だ。 この残価設定型住宅ローンは、実は比較対象がある。「フラット50」、つまり50年の長期で返済する住宅ローンだ。フラット50の金利1.82%に対して、この残価設定住宅ローンは1.5%。 これが安いかといわれれば、「それなら変動金利0.45%で借りるほうが、毎月の返済負担も変わらずに元本返済が進むのでいい」と私なら回答する。残念ながら、現状の商品設計では残価設定が低く、金利が高過ぎる』、我が家も「ヘーベルハウス」だが、定期的メンテナンスの料金はかなり高目だが、高品質を維持することで、「残価」も高目を維持できる体制が整っているようだ。
・『「国策」としての残化設定住宅ローンの意味合いは何か?  現状はこれしかないのだから、差別化された商品の金利設定ということもできるかもしれない。しかし、国策として残価設定型住宅ローンを普及させるならば、参入企業が増え、金利は下がることになる。そのことは、住宅金融公庫中心だった住宅ローン市場に、民間参入を促した後の「金利引き下げ競争」を見ても容易に想像がつく。 国策として残化設定住宅ローンを商品設計するにあたって、重要な論点は「期間の設定」になる。 35年ローンを住み替えせずに、一生住むものとして商品設計するなら、上記の既存商品と同じで、将来の価格変動リスクが残価の低さや金利の高さに現れてしまい、商品としての魅力を結果的に失ってしまう。 35年後にローンを組み直すという選択肢も、年齢的に現実的ではない。なぜなら、30歳で購入したとしても35年後は定年を迎えていて、年収が大幅に下がっているからだ。実際、全国の持家の取得平均年齢は37歳なので、72歳を想定せざるを得ない。収入がない人に多額の残価の負債を背負わせるのは老後の生活破綻者を増やすだけになるかもしれない』、やはり「定年」で完済としたいところだ。
・『残価設定の期間を短期にすれば魅力は100倍増に  35年後の買い取りや売却はどうなっているか、誰にも想像できないからこそ、低くしか残価設定できないので、貸す側・借りる側双方に意味がない。しかし、この期間を5年、10年と短期にするならば、話は違ってくる。 期間が短い分、リスクは軽減され、住宅ローンを組み直すことも現実性を帯びる。つまり、5年後10年後ごとに資産価値を再評価し続ければいいのだ。5000万円借りて、10年後に4000万円の残価を想定していても、10年後に4500万円の市場価値があれば、そのまた10年後は、3000万円ではなく3500万円を想定することで返済額が市場価値と連動して軽減することができる。 もっと短くして1年ごとにすると、住宅ローン商品自体が変貌する。1年後に買い取る相手を毎年決めるようになると、毎月の返済金額は市場価格をさらに反映したものになる。値下がりリスクが低いところでは、購入価格と変わらない1年後の買い取り価格になるところも出てくる。そうなると、返済金額はわずかでいいことになる。 この買い取り価格も、転売業者を対象にすると、転売利益を出すには現状価格の少なくとも1割以上低くなければならない。しかし、自宅を買う人が買い取ることにすれば、転売利益が必要ないので、市場価格で買うことになる。その際は、売り手と買い手がすでに決まっているのだから、仲介手数料は事務手数料並みの価格(例えば、双方から1%)でいいだろう。 つまり、残価を自宅購入者が支える市場を作ってしまえば、住宅ローンは商品設計の根本から変わってしまうことになる』、なるほど、理屈の上では面白い市場が出来そうだ。ただ、売る気がなく、住み続けるのを選択する借り手が多い場合は、現在のローンの方がいいということになるかも知れない。
・『国策の残価設定型住宅ローンは健全な市場形成につながる  私たちは、自宅の資産性においては、売却を伴うことで含み益が実現益になることを説いてきた。マンションの経年での価格変化を数値化し、それが一定の法則性に従って資産性が維持されることを発表したところ、本はベストセラーになり、自宅で稼ぐことができる人を数多く輩出している。資産性を語るなら、売却は大前提なのだ。 そこまでマンションを科学したにもかかわらず、そもそもの問題は、「資産性があるにもかかわらず、住宅ローンの完済を求められること」にある。資産性がある物件は単価が高く、値下がり幅が小さくても、返済額は非常に高額だった。値下がりしにくいからこそ、返済額が少なくなってしかるべきなのに、資産価値を一切見ない金融機関によって、ローン返済を強いられたのだ。 不動産の売買価格は「ローンの付きかた」で決定される。つまり、住宅ローンが潤沢に貸し出されるなら、不動産価格は値上がりしてきた。それがアベノミクスの金融緩和によってマンション価格が上がった最大の理由であった。売買価格においては、需給バランスの影響は軽微で、ローンの影響のほうが圧倒的に強く受けるものなのだ。 ということは、国策の残価設定型住宅ローンが生まれることで、資産性のある不動産はその市場性からさらに値上がりすることになるが、返済額はそれほど増えない。これは、資産をインフレさせて返済能力を高めているのであり、バブルではないため、健全な市場形成ということができる』、なるほど。
・『資産性がある不動産がより安価に手に入る時代へ  国策の残化設定型住宅ローンは、資産性がある不動産には適用されるが、資産性がない不動産には適用されることはないだろう。 この意味で、戸建よりマンションのほうが、地方より都市部のほうが、向いていることは明らかだ。価格変動幅が小さく安定しているので、計算しやすいためである。戸建や地方では、マンションより中古市場での取引量が少ないだけに、次の買い手を見つけるのが難しいという現実がある。つまり、こうした場合は施工会社(上記の新生銀行の場合は旭化成ホームズ)の買い取りという条件が必要になる。 事業者の買い取りを伴うようでは、ローン商品の魅力がないことは説明してきた。結局のところ、残化設定型住宅ローンは資産性がある不動産だけに適用される商品ということになるのだ。 こうなると、より都市部に住むことが住居費を下げるコツになり、人口減少している日本ではコンパクトシティ化を推進することにもなる。これも国策となる。国・不動産会社・銀行などそれぞれの思惑はあるだろうが、国策の残化設定型住宅ローンは、市場の資産価値を反映することでさまざまなメリットがある。今後の動向を大いに期待したいものだ』、「残化設定型住宅ローン」は、テクニカルには面白いが、現実にはそれほどニーズがあるとも思えない。ローン返済期間の30年の間にはライフスタイルの変化も大きい。

次に、12月19日付けダイヤモンド・オンラインが転載したAERAdot「ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020120700071.html?page=1
・『新型コロナウイルスの影響により、企業の減収やボーナスカットが相次いでいる。厚生労働省の調査によると実質賃金は7カ月連続で減少した。収入減は住居費を直撃している。AERA 2020年12月14日号の特集「住居喪失」から』、興味深そうだ。
・『「売るしかないのでしょうか?」  今年9月、マンションの売買の相談に専門家のもとを訪れた40代の夫婦はそう嘆いた。 夫婦は9年前、都心の6千万円の新築タワーマンションを、ほぼ満額分のペアローンを組んで購入した。 「最初の4年は問題なく返済できていました」 月額返済は約17万円だったが、当初は夫婦合わせた世帯実収入が月60万円以上あり、返済してもゆとりがあった。 だが、子どもの中学受験をきっかけに、バランスが崩れた。妻は一度退職し、専業主婦になって受験をサポートした。その後、派遣社員として仕事に復帰し、収入は回復していた。そこへコロナ禍が襲い、3月、雇い止めにあったのだ。想定外だった。 「まさかコロナでこんなことになるとは……」 300万円ほどあった貯金は、中学受験で使い果たしていた。子どもは高校生になったが、学費まわりで月に8万円もかかる。会社員の夫一人の収入では、住宅ローンはとても払えない。9年前に購入したタワマンを売るしかない、と考えたのだ』、「コロナ禍」の影響はともかくも、「中学受験」のサポートはる程度、事前に織り込めた筈だ。生活設計が甘かったと言わざるを得ない。
・『減収が危機に直結する  都心部の物件で買値よりも高値で売れる可能性があり、幸いにして6500万円で売れた。夫婦は持ち家は失ったものの、手元に数百万円の現金が残り、やや郊外の賃貸住宅に転居した。月々の家賃は12万円だ。 ペアローンとは、夫婦や親子など複数の債務者がそれぞれローン契約を行い、お互いに連帯保証人になる方法だ。収入を合算して住宅ローンを組むので、1人で組むより借入額を増やせる、というメリットがある。 だが、専門家からは、ペアローンのあまりに高いリスクを改めて注意喚起された。 「収入が減らないと想定したローンで、離職や雇用形態の変更など、ライフステージによる収入の変化は考慮されていない。組むべきでなかった」(専門家) 減収が、住居喪失の危機に直結する──。そんな事態が起こりつつある。 住宅金融支援機構のデータによると、自己資金なしでマンションを購入する割合は2014年度以降増加し、首都圏では全体の21%にものぼる。住宅ローン返済の余裕を測る「返済負担率」は30%を超えると余裕がなくなるとされるが、リーマン・ショック後の09年度には「返済負担率が30%を超える人」が全体に占める割合が全国で14.6%だったが、19年度は全体の13.1%、首都圏では17.5%だ。 つまり、収入減をきっかけに住宅ローンが破綻する恐れのある人が、10人に1人以上存在するということだ。 そしていま、新型コロナウイルスの影響により、収入減が相次いでいる。厚生労働省が11月25日に発表した毎月勤労統計調査によれば、9月の実質賃金は前年同月比1.1%減の26万9323円と、3月から7カ月連続で減少した。日本生命が10月に約2万5千人を対象に行ったインターネットによる調査では、約23%が給与が「減った」と答え、減少額は平均で約10万円にもなった。コロナ関連による解雇や雇い止めも、厚労省によれば、見込みも含め7万3千人に達した』、借入限度を使いきるのではなく、余裕を持たせて、借入は抑え目にすることが重要だ。
・『外国人客減が大打撃に  実際、住宅金融支援機構でのコロナに起因する返済期間延長やボーナス返済の見直しなどの承認件数は、3月から10月までの間に6531件にのぼった。収入の多寡にかかわらず、住宅ローンを支払えなくなるケースが続出しているのだ。 都内在住の男性(45)も、コロナ禍での収入減がたたり、住居喪失の危機に直面している。 「仕事が見つからなくて、このままだとマンションを売って安いアパートにでも引っ越すことになりかねません」 長年、外国人観光客向けのハイヤーの運転手をしていた。コロナ禍で訪日客が消え、仕事がなくなった。会社から別部署への異動を打診されたが、給与はそれまでの約35万円の半分になるといわれ、退職。月々の住宅ローンの支払いは約10万円で、10年ほど前に35年ローンで買った。 今は、失業給付とパートで働く妻の給与で何とか払っているが、失業給付は年内で切れる。一刻も早く仕事に就きたいと思い、同じハイヤーの職を探すが、求人はゼロだという。 「懸命に働いてきたのに。まさかという思いです」(男性) 収入減でも、家族の未来を守るために削りたくない費用もある。千葉県の会社員女性(42)の場合、それは保育園に通う子どもたちの習いごとだ。 5年前に一戸建てを3500万円で購入した。35年ローンは会社員の夫(43)が組み、月10万円近く支払っているが、夫の会社の業績悪化で給与は月5万円減った。夫は「心配ない」と言うが、会社の業績が回復する保証はない。毎月の支払いには不安しかない。住宅ローンと教育費のために、女性は「本や服、身のまわりのものをネットで売ろうと思っている」という。』、「ネットで売」ったところで、毎月の基本的な不足を賄うことは無理だろう。生活全般の見直しが必要なようだ。
タグ:個人債務問題 (その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは) ダイヤモンド・オンライン 沖有人 「国が推進する「残価設定型」ローン、激変する住宅市場」 「残価設定型」のローン 国策の「残価設定型」住宅ローン、その狙いは? 「残価設定型」住宅ローンは、借入額と将来の住宅価値の差額のみを返す仕組みだ 問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある 不動産会社による残化設定型住宅ローンはすでに存在していた 「ヘーベルハウス」 定期的メンテナンスの料金はかなり高目だが、高品質を維持することで、「残価」も高目を維持できる体制が整っているようだ 「国策」としての残化設定住宅ローンの意味合いは何か? やはり「定年」で完済としたいところだ 残価設定の期間を短期にすれば魅力は100倍増に なるほど、理屈の上では面白い市場が出来そうだ。ただ、売る気がなく、住み続けるのを選択する借り手が多い場合は、現在のローンの方がいいということになるかも知れない 国策の残価設定型住宅ローンは健全な市場形成につながる 資産性がある不動産がより安価に手に入る時代へ 「残化設定型住宅ローン」は、テクニカルには面白いが、現実にはそれほどニーズがあるとも思えない。ローン返済期間の30年の間にはライフスタイルの変化も大きい AERAdot 「ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは」 「売るしかないのでしょうか?」 「コロナ禍」の影響はともかくも、「中学受験」のサポートはる程度、事前に織り込めた筈だ。生活設計が甘かったと言わざるを得ない 減収が危機に直結する 借入限度を使いきるのではなく、余裕を持たせて、借入は抑え目にすることが重要だ 外国人客減が大打撃に 「ネットで売」ったところで、毎月の基本的な不足を賄うことは無理だろう。生活全般の見直しが必要なようだ
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NHK問題(その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?) [メディア]

NHK問題については、昨年8月16日に取上げた。今日は、(その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?)である。

先ずは、2020年12月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256713
・『「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」  先週、内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大学教授が週刊誌のインタビューなどで唱えた「Eテレ売却論」が、マスコミから叩かれた。 たとえば12月3日の『朝日新聞』では、NHKの前田晃伸会長の「教育テレビはNHKらしさの1つの象徴だと思う。それを資産売却すればいいという話には全くならないと思う」という言葉を引用しつつ、嬉しそうに批判の声をかき集めた。 《SNS上では「Eテレが最も公共放送として能力を発揮している」「子育てで何度も助けられたから(売却論は)信じられない」などとの声が相次いでいる》(同上) もちろん、そういう声が存在するのは事実で、SNSでは「#Eテレのために受信料を払っている」「#Eテレ売却に反対します」というハッシュタグがつくられ、「民営化されたらいい番組が見られなくなる」などと、この案への不平不満が次々とつぶやかれている。 筆者もEテレは好きなので、そのような方たちのお気持ちはよくわかる。が、その一方でちょっと気の毒な気もしている。「Eテレ愛」を利用され、まんまとマスコミに踊らされてしまっているからだ。 高橋氏本人が、「『Eテレ売却論』を『番組全廃止』とすり替える、マスコミの『常套手段』」(現代ビジネス12月7日)で解説をしているように、今回注目されている「Eテレ売却」とは、あくまで周波数帯の売却であり、番組制作機能やコンテンツをどこかに売っぱらってしまえ、という話ではない。 NHKは2つの地上波を持っているので、そのうちの1つを明け渡すことで、経営がスリム化して受信料も下がる。良質なEテレのコンテンツは、スマホやネットで視聴できるようになるので、むしろNHKやEテレばかり見るというファンにとってはメリットも多い話なのだ。 「ネットなんて冗談じゃない!テレビはちゃんとテレビで見させろ!」と怒る人もいるかもしれないが、今の地デジテレビはだいたいネットに繋がっている。電波を売っても、テレビでEテレを楽しむ方法はいくらでもあるのだ。」私も「Eテレ」は楽しんでいる。
・『国民を振り回す「扇情報道」 NHKを改革しなかったらどうなるか  ただ、前述の『朝日新聞』をはじめ、マスコミの多くはそういう細かな説明は一切しない。週刊誌でのインタビューや、ネットメディアの記事をベースにした話であるにもかかわらず、そこで語られることは無視して、「内閣参与がEテレ売却を提案」とおいしいところだけ切り取って大騒ぎしている。 「Eテレがなくなるなんてとんでもない」とSNSで不安に襲われている方たちは、そんなマスコミの「扇情型報道」に振り回されている被害者というわけだ。 年間1000万人の感染者が出て、昨年も3575人が亡くなったインフルエンザでは絶対にやらない、「感染者数の積み上げグラフ」を嬉しそうに引っ張り出して、「コロナ感染者数が過去最多!」「もう医療崩壊寸前です!」と朝から晩まで大騒ぎをして、人々の不安を煽り、「コロナうつ」や自殺者を増やしている構造とまったく同じだ。 「わかったようなことを言うな!マスコミの皆さんは我々国民の不安に応えてくれているのだ!」というお叱りの声が飛んできそうだが、残念ながらマスコミのやっていることを客観的に眺めていると、不安を煽ることで現実から人々の目を背けて、やらなくてはいけない変化を潰しているようにしか見えない。 高橋氏の「Eテレ売却」というアイディアの是非はさておき、これくらいの改革をしなければ、待っているのは恐ろしい未来だ。 ご存じの方も多いかもしれないが、実はNHKは総務省の有識者会議で、家庭や会社などに対して、テレビを設置しているかどうかをNHKに届け出ることを義務化するよう要望している。さらに、契約していない人の氏名を、ガスや電力の事業者に照会できるようにする制度の導入も求めた。 つまりNHKとしては、受信料というものをテレビ所有者は決して逃げられない「テレビ税」というくらいの位置付けにしていこうとしているのだ。 「まあ、公共放送だもん、電気やガスと同じようなもんだからしょうがないよね」とEテレをこよなく愛する人たちは思うかもしれない。が、一部の方たちからすれば、こんな不条理な話はない。 世の中には「この1週間、NHKはもちろん、テレビなんか5分も見なかった」という人が山ほどいるからだ。 NHK放送文化研究所は毎年6月に、無作為抽出した全国3600人に対して、全国個人視聴率調査を実施している。その年齢ごとの分布を分析した「メディア多様化時代の20代とテレビ」によれば、2019年に1週間のうち5分以上リアルタイムでテレビを視聴した20代は、73%だった。  つまり裏を返せば、1週間に5分もリアルタイムでテレビを見ない20代が3割もいるということなのだ。 「それは仕事やバイトで録画して見ているのだ」という人もいるかもしれないが、このような傾向が20代で顕著に現れてきたのは、ここ10年ほどである。明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めているのだ』、「明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めている」、確かに「若者」の「テレビ離れ」は顕著だ。
・『「みなさまのNHK」が世代間不公平の温床に  そんな若者のテレビ離れが特に著しいのが、他でもない「みなさまのNHK」だ。同研究所の「テレビ・ラジオ視聴の現況」の最新版には、NHK総合で「最もよく見られている番組」として、連続テレビ小説『スカーレット』の平均視聴率を男女年齢別に分析したものが掲載されているが、70〜60代の男女が29~16%と高い割合を見せる中で、20代の女性は5%、20代の男性にいたっては1%しか見てないのが現実だ。 筆者が何を言わんとしているか、おわかりだろうか。このような「高齢者さまのNHK」が、これからの日本でテレビを持つ者に対して、電気やガスと同じく問答無用で受信料を取り立てていこうとしているのだ。そして、受信料を下げるつもりは毛頭ない。むしろ、これからの日本は急速に人口減少が進行するので、値上げがなされていく可能性の方が高い。 つまり、今のNHKを何も変えなければ、高齢者や子育て世帯、そして一部の教養番組を楽しみにしている人たちのため、ほとんどテレビなど見ない人たちが重い負担を強いられていくことになるのだ。) こういう不平等さを解消するため、高橋氏が言うような「改革」が必要なのである。NHK従業員の平均年収は1000万円オーバーだが、他の放送局もそんなものだということと、「優秀なエリートを集めないと放送の質が低下する」という大義名分があるので、絶対にここは死守するだろう。 番組制作についても、良質なコンテンツをつくるという使命があるので、民放では考えられないほど湯水のように金を使う。そうなると、そのシワ寄せはどこにいくのかというと、われわれ国民だ。「みなさま」の財布の紐を緩めてもらうしかないというわけだ。 国民の負担を減らしつつ、公共放送としての機能も維持するということならば、「現状維持」ではなく、何かを変えなくてはいけない。それが高橋氏私案では「Eテレの電波」だったというわけである。 そういう背景も説明せずに、「内閣参与がEテレ売却をぶち上げた!」と騒ぐのは、報道を名乗る者としてあまりにフェアではない。それどころか、「悪意」すら感じてしまう』、「悪意」とはややオーバーだ。
・『「公平・中立」のはずのマスコミがなぜ偏った報道をしてしまうか  では、なぜ「公平・中立」を念仏のように唱えるマスコミが、こういうゴリゴリに偏った報道をしてしまうのか。いろいろなご意見があるだろうが、筆者の感覚では、マスコミの皆さんが無意識に「現状維持」を求めてしまう癖があるからではないかと思っている。 政治家や企業に対して「変われ!改革だ!」と偉そうに指図をするが、実はマスコミほど「変化」を嫌う世界はない。 わかりやすい年功序列の男社会で、情報源や人脈という極めて属人的なスキルが重宝される世界なので、デジタルトランスフォーメーションなどというものとは最も縁遠い。しかも組織のトップたちは、ビジネスの経験がない「元記者」なども多いので、現状のシステムやインフラを維持することとリストラくらいしかできない。 新聞が売れない、若者のテレビ離れが進んでいるという危機感があっても、大胆な組織改革や、新しい業態への転換に踏み切れない。つまり、自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまうのだ。 「ずいぶん厳しい言い方じゃないか」と思うかもしれないが、べつにこれは筆者がそう思い込んでいるわけではなく、同年代のマスコミの友人たちと飲むたびに、彼らから同じような「グチ」を聞かされている』、「自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまう」、確かに気を付けるべきだ。
・『自社の女性記者が過労死した事件をなぜ公表しなかったか  もちろん、マスコミが「変化」を嫌い、過去の制度にしがみついている例はいくらでもある。わかりやすいのが、NHKの女性記者が過労死をしていた事件だ。 2013年7月、NHK記者として都庁などを担当していた女性(当時31歳)が、159時間にものぼる時間外労働を強いられた果てに、うっ血性心不全で亡くなっていたのである。 労災認定を受けた14年5月以降も、「過労死」の事実を17年秋まで伏せていたNHKは、当初「遺族側の要望で公表を控えていた」と説明したが、女性のお父上は「事実ではない」と否定している。要するに、嘘をついてでもこの話を公にしたくなかったのだ。 女性記者が亡くなる少し前の13年5月、Eテレの「ハートネットTV」では、「ブラック企業に立ち向かえ」という番組を放送していた。Eテレらしい素晴らしい内容だが、そんなご立派な呼びかけをしていた裏で自社の女性記者が過重労働で命を落とし、それを隠していたというわけだ。 言うまでもないが、過重労働はEテレでも扱うほどの社会問題だ。そして、何よりもNHKは「みなさまの」というくらい公共性のある組織なので、そこで働く女性がこのような形で亡くなったことを、社会へしっかりと伝える責任がある。 しかし、今日に至るまで『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』でこの女性記者の死を検証した番組はない。『プロフェッショナル 仕事の流儀』に登場した弁護士の方がこの件に触れたことが放送された程度だ。 では、なぜ「みなさまのNHK」はこの過労死を頑なに隠すのかというと、これがただの過重労働だけではなく、マスコミが長きにわたって「現状維持」に努めてきた「記者クラブ」という世界的にも珍しい情報統制システムによる弊害だからだ。 昭和のマスコミのビジネスモデルは、記者クラブで成り立っていたといってもいい。この中に入れば等しく正確な情報が、政府や公的機関から得られるので、情報にバラつきはない。しかし、一方でどうしてもネタが横並びなので、各社違いを出さなくてはいけない。それが、クラブ記者の「夜討ち朝駆け」だ。官僚の自宅に足繁く通って、酒を酌み交わしたり麻雀卓を囲んだりして懇意になり、自社だけの「特ダネ」をいただくということで競争をしてきた。 この閉ざされた「ムラ」のお陰で、マスコミは安心して企業努力に打ち込むことができたわけだが、そのムラの平和を乱す者が現れる。ネットやSNSだ。 総理大臣も大統領もSNSでつぶやいて、それがニュースになる。記者クラブで触れ回っていることなどは、ネットですぐに入手できる。夜討ち朝駆けなどをして得た特ダネも、すぐに消費されてしまう。ネットやSNSで誰もが自分で情報発信・情報収集できることで、記者クラブという情報のボトルネックを握っている旨味がなくなってしまったのである。 これまで、官僚と懇意にしていればネタが取れたクラブ記者の仕事量は爆発的に増えた。つまり、時代の変化に逆らって、記者クラブという昭和のシステムを現状維持するという無理なことをやっているので、そのシワ寄せで労働環境が急速にブラック化してしまったのだ。事実、この女性記者を死に追いやったのは、家にほとんど帰る暇もないくらいに行われたという「夜討ち朝駆け」だったという。 こういう都合の悪い話が検証されると、記者クラブという時代遅れの制度にメスが入って、権力とマスコミの関係も時代に合わせて変えなくてはいけない。そうなると、困るマスコミ人がたくさん出てくる。だからNHKは、女性記者の死の真相をいまだにしっかりと国民に伝えることができないのではないか。もしそうなら、公共放送が聞いて呆れる』、「記者クラブ」という時代遅れの制度は、やはり思い切って見直すべきだ。
・『時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める  いろいろ言わせていただいたが、NHKには私の親しい友人も勤めているし、Eテレの番組も私は大好きである。ぜひこのまま変わることなく、いつまでも今のNHKであってほしいという気持ちもある。 しかし、そのような時代の変化を無視した「現状維持」を貫くと、どこかにそのシワ寄せがいく。この亡くなった女性記者のように、弱い立場の人が犠牲になるのだ。 「Eテレが好きだから、今のまま続けてほしい」という意見はよくわかるが、マスコミに煽られて「現状維持」を望むのは、実はわれわれ国民が、自分自身の首を絞めることになるかもしれないのだ。「時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める」、というのはその通りだ、

次に、1月15日付け日刊ゲンダイ「NHK世論調査に疑問 政府、五輪組織委、安倍前首相に忖度か」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/283898
・『NHKが今月9~11日に実施した世論調査をめぐり不可解なことがあった。調査結果は、12日夜のニュース(午後7時と9時)で報じられたのだが、「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかったのだ。「五輪」については「開催すべき」が前月比11ポイント減の16%まで下落。「桜を見る会」については「あまり」と「まったく」を合わせ「納得していない」が72%に上った。 調査結果は放送前に政界関係者の一部に出回っていたので、「五輪と桜はなぜ放送されなかったのだろう」といぶかしむ声があった。そこで調べてみると、2項目は翌13日の朝(午前5時半と7時)、放送されていたのだ。 政府や五輪組織委、安倍前首相に忖度して、視聴率の高い夜のニュースを避けたのか? NHK広報局は、「ご指摘のような事実はありません。毎月、夜のニュースと翌日の朝のニュースで放送しています。1月は緊急事態宣言の発出を控えていたことなどから、新型コロナウイルスに関する調査結果を優先して12日の夜のニュースで放送しました」とコメントした。 折しも、組織委の森会長が12日の会見で「なぜコロナの時期にあえて世論調査するのか」とムッとしていた。安倍前首相も「領収書提示を」という野党の要求を拒絶している。 本当に忖度はないのか』、「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかった」、表向き何と言い訳しようと、「忖度」そのものだ。情けない。

第三に、1月30日付けYahooニュースが転載したHARBOR BUSINESS Online:元NHK記者で大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏による「「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fab7328c97d343f37c83e17664a663d829330eb2?page=1
・『NHKスペシャルが収録直前に「放送延期」に  1月15日、金曜日。NHK内に激震が走った。看板番組、NHKスペシャルの収録直前のタイミングで、番組の放送延期が言い渡されたのだ。 問題の番組は、NHKスペシャルの枠で放送されている「令和未来会議」というシリーズ。毎回、さまざまなテーマについて何人もの専門家をネット会議システムで結び、リモートで討論してもらうという、いかにもデジタル化とコロナ禍の今の世の中らしい番組だ。 これまで外国人との共生、コロナ時代の仕事論などをテーマにしてきた。次は、今焦点の東京オリンピックをテーマに、有識者と視聴者を交えて数十人によるリモート討論を行う予定だった。人選は終わり、あとは17日の収録を待つのみという状況で、いきなり2日前に延期が言い渡された。 問題は、なぜ直前になって延期になったのか、その理由も誰の判断かも、現場に明確に知らされていないということだ。ここまで準備を進めてきた大型番組を、理由もなく直前に延期することなどあり得ないし、延期するなら誰の責任で決めたのかを明確にすべきだ。現場が突き上げると、上司からは「こんな状態でやれないだろうと“上”が言っている」という話が聞こえてくる。 こんな状態とは「コロナが広がる中、スタジオがスタッフたちで“密”になるからやれない」ということを言わんとしているようだ。だが、誰もそんなことを信じない。だって緊急事態宣言はずいぶん前に出ているのに、その時には番組延期の話は出なかった。 スタジオが“密”になると言うけど、討論する人は全員リモート参加だから、スタジオには少数のスタッフしかいない。同じようにスタジオで放送する「クローズアップ現代」は今でも放送している。どう考えても理由にならないのである。 そこで現場でささやかれているのは、「テーマ自体が問題視された」という見方だ。コロナ禍でオリンピック是か非かが政治問題となっている状況で、そこをモロに討論する番組はできない。そう言っている経営幹部がいると匂わせる報道局幹部もいる。 政権から圧力があったのではないか? 政権に忖度して上層部が先送りしたのではないか? いずれにせよはっきりした説明がないから、現場には不満がたまる』、「いきなり2日前に延期が言い渡された」、確かに唐突だ。
・『報道局長より上の“誰か”の指示で番組改変!?  同じように政権への忖度を感じさせるできごとが、実は去年にもあった。2020年10月29日、菅首相による日本学術会議の任命拒否問題をめぐる「クローズアップ現代」だ。 会員候補の推薦の責任者だった学術会議の前会長、山極壽一(やまぎわ・じゅいち)氏の初の単独インタビューを、報道局科学・文化部の記者が撮ってきた。山極前会長は政権の判断に批判的だ。NHKは放送にあたり必ずバランスを考慮するので、政権側の政治家にも話を聞いて、双方の立場を紹介する形で映像を編集した。 ところが放送前日になって、突然「百地章(ももち・あきら)氏のインタビューを撮って入れるように」という指示が現場に下りてきた。百地氏は国士舘大学特任教授で、インタビューでは「総理大臣の任命権は、ある程度の自由裁量はある」と、政権をかばうような内容を答えている。 これはなぜ急に決まったのか? ある報道幹部は「山極さんのインタビューがあまりにも撮れすぎているから」と語ったという。つまり、山極前会長があまりにもわかりやすく政権批判をしているから、それを薄めるために百地氏のインタビューが必要だという理屈だ。 だが、この番組の取材制作には報道局の政治部、社会部、科学・文化部の3つの部が参加していて、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという。 それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発したが、「報道局長の責任で決めた」との説明で押し切られた。同じ日に放送されたニュース番組「ニュースウォッチ9」でも、山極前会長と百地氏のインタビューが横並びで紹介された。 放送後、現場の職員たちは報道局長と話し合いの場を持った。今の報道局長は根本拓也氏。経済部出身で、私の同期の記者だ。彼は「誰の指示かわからないのでは納得できないよね。だから自分(報道局長)の責任ということにしました」と述べたという。 つまり、現場の不満にある程度理解を示しながら、結局、本当は誰の指示だったのか明らかにしなかったということだ。だが、局長より上の判断と言ったら理事(役員)しかない。理事の中でもかなり上からの指示だろうという見方が現場に広がっている』、「百地氏のインタビューを入れさせられたが、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという。 それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発」、現場の反発はさぞや大きかったのだろう。
・『NHKの報道担当理事が、内閣官房副長官と今もつながっている  放送直前に、出所のはっきりしない指示で番組内容を変更させられるというのは、私にも経験がある。2018(平成30)年4月、森友事件の公文書改ざんをめぐる「クローズアップ現代」。改ざんをさせられて命を絶った財務省近畿財務局・赤木俊夫さんの話を冒頭で放送せずに、不自然なまでに短く目立たなくさせようとする上層部。社会部のデスクを出演させまいとする謎の判断。現場は反発して大混乱だった。 だから今回も現場の怒りと憤りがよくわかる。NHK上層部の人たち、特に政治部出身の幹部たちは、なぜそこまで政権に気を使うのだろう。そのヒントとなる事実について考えてみたい。 話は30年以上前にさかのぼる。1987(昭和62)年、私はNHKに採用され、記者として山口放送局に赴任した。NHKは全国を地方ごとに区切って管轄局を置いており、山口は中国地方5県を管轄する広島局の管内だった。 その当時、広島管内でもっとも目立っていた記者は、鳥取放送局にいる、私の2年上の先輩だった。全国一小さな県なのに、警察の捜査情報でしばしば全国放送になる特ダネを飛ばし、光り輝いていた。「すごいなあ、あの先輩のようになりたいなあ」と憧れたものだ。名前を小池英夫さんという。 小池さんは力量を買われて政治部へ異動し、そこで順当に出世を重ねて政治部長、報道局編集主幹、さらには全国の報道トップの報道局長になった。その当時、森友事件で私が出した特ダネが気に入らなかったようで、私の上司だった大阪の報道部長に「あなたの将来はないと思え」と言い放った。その後、今は報道担当の理事へとさらに出世している。 新人時代の私の取材ノートを見返すと、鳥取で特ダネが出たことを示す記載がある。もちろん小池さんのことだ。その直前まで約2年間、。警察官僚で、当時鳥取に赴任していた。 今は官僚トップの内閣官房副長官。内閣人事局長も兼務している。日本学術会議の任命拒否問題で、除外された6人を選んだのは杉田氏だと指摘されている。杉田氏は小池さんに今も時々電話をしているようだ。2人はまだつながっているのである。 記者が昔の取材先とつながっているというのは、取材者としてはいいことだ。でも、小池さんはすでに取材者ではないだろう。NHK報道を差配する立場の人が、権力の中枢にいる人物とつながっているということを、視聴者はどう見るだろうか?』、「報道局長」の「小池英夫氏」、「鳥取県警警察本部長だった」「杉田和博氏」、意外な人物がつながる不思議な縁には驚かされた。
・『NHKの報道幹部が首相秘書官にどやしつけられている?  小池さんについては別の話もある。今から数年前、小池さんが、ある親しい人物に携帯のメッセージを見せながら、「俺もいろいろ大変なんだよ」とぼやいたという。その画面には「あの放送はなんだ。ふざけるな」という趣旨の言葉が書かれていた。あまりの上から目線の言葉に、見せられた人は驚いたという。送り主は、官僚出身の首相秘書官。安倍首相(当時)からの信頼が厚いと言われていた人物だ。 この話は人づてなので、どこまで正確かはわからない。だが、NHK内で一部の人たちの間に流布していることは確かだ。本当かどうかは別にして、「NHKの報道幹部が官邸の秘書官から上から目線のメッセージを送りつけられている」という話が、NHK内で広まるだけで、現場に悪い影響を及ぼすことは間違いないだろう。 こう書くと、小池さんについて「役員にふさわしくない」と主張しているように受け止められるかもしれない。でも、そうではない。報道のトップとしてはふさわしくないとしても、他の役職にはふさわしいということだってあるだろう。 例えば営業担当。NHKの営業は受信契約と受信料をいただくのが業務だ。小池さんはかつてピカイチの特ダネ記者だった。これは間違いない。情報をキャッチできるということは、受信契約や受信料だってキャッチできるのではないか? 営業は営業出身者、報道は報道出身者と分けて、局長になっても理事になってもそのまま既得権益のようにポジションを守っているから、組織が縦割りになるし、他の世界が見えなくなる。報道出身者が営業幹部を務めれば、いやでも視聴者と向き合って、官邸目線ではなく、視聴者目線を意識するようになる。 逆に、営業出身者が報道幹部を務めれば、視聴者目線を意識して、視聴者に受け入れられる報道が実現するかもしれない。「政権の犬」はごめんだが、「視聴者に信頼されるNHK」は本来あるべき姿だろう』、現実には「政権の犬」が重用されているようだ。
・『幹部のセクション入れ替えで、縦割り組織の弊害打破を  どのセクションにもその道のプロが大勢いるのだから、少しくらい幹部を入れ替えたってどうってことないだろう。何より、どのセクションだろうと幹部に登用される人たちは一定の能力を備えているから、よその組織にも順応していけるはずだ。そういう人物をこそ登用すべきだろう。 報道や営業だけではない。制作局のトップに技術出身者を据える。技術局のトップにディレクター出身者を据える。そういうクロス人事、あるいはガラガラポン人事があってもいいし、それが真の意味で縦割り組織の打破につながるだろう。採用は職種別に行って専門職を育成する。そのまま一生専門職を貫く道もあるが、部長や局長と昇進していくには、他の部門の経験が不可欠。それが一番ではなかろうか。 この方法のいいところは、組織改革ではなく人事異動にすぎないから、いつでも会長の一存で実施できるということだ。改革断行に強い意欲を示しているという前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい。これこそNHK報道が生き返る道であり、ひいてはNHK全体の信頼回復の道ではないかと感じる次第だ。 最後に、再び職種別採用と一括採用について。最近、マスコミ志望のとある大学3年生の方と話す機会があった。NHKも受けるというので、これまでのクセでつい「どの職種で受けるの? 記者? ディレクター?」と尋ねた。すると……。 「いや~、今年は職種別じゃないんですよ。記者もディレクターも一緒に採用するそうで、エントリーシートもそうなっています。私は本当は記者になりたいんですけど……」 その口調から「これはきっと記者として採用する新聞社などに受かったら、そちらへ行くな」と感じた。「NHKは記者のなり手が少ないらしいから、きっとなれるよ」とは、責任が持てないので言わなかった。NHK、せっかくの職種別採用をやめたことで、お客さん(就活学生)を逃がしているじゃないの。やっぱり採用方法の変更は見直した方がいいよ。 とまあ、NHKを愛する元職員として気になる組織論を書き連ねてきたが、読者の皆さまには「もういいよ」という声もあるだろう。私もそんな気がしてきた。次回は、皆さまの関心が高いであろう、キャスター人事について書くことにする。……あ、これも「政権忖度」話か(笑)。【あなたの知らないNHK 第4回】<文/相澤冬樹> 「前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい」、前田氏に期待し過ぎの印象もなくはない。今後の「キャスター人事」も楽しみだ。
タグ:NHK問題 ダイヤモンド・オンライン 「NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が、袋叩きにされる本末転倒」 (その4)(NHKの理不尽を食い止める「Eテレ売却論」が 袋叩きにされる本末転倒、NHK世論調査に疑問 政府 五輪組織委 安倍前首相に忖度か、「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?) 私も「Eテレ」は楽しんでいる。 窪田順生 国民を振り回す「扇情報道」 NHKを改革しなかったらどうなるか 明らかに若者が、テレビのコンテンツからそっぽを向き始めている」、確かに「若者」の「テレビ離れ」は顕著だ 「みなさまのNHK」が世代間不公平の温床に 「公平・中立」のはずのマスコミがなぜ偏った報道をしてしまうか 「自分たちの骨の髄まで「現状維持」が染み付いているので、高橋氏のような大胆な改革を言い出す人間を反射的に「異分子」と見なして袋叩きにしてしまう」、確かに気を付けるべきだ 自社の女性記者が過労死した事件をなぜ公表しなかったか 「記者クラブ」という時代遅れの制度は、やはり思い切って見直すべきだ 時代の変化を無視した「現状維持」が結局、国民自身の首を絞める 日刊ゲンダイ 「NHK世論調査に疑問 政府、五輪組織委、安倍前首相に忖度か」 今月9~11日に実施した世論調査 「東京五輪・パラは開催すべきか」と「桜を見る会 安倍氏の説明納得度」の2つの項目だけ放送されなかったのだ 表向き何と言い訳しようと、「忖度」そのものだ。情けない yahooニュース HARBOR BUSINESS Online 相澤冬樹 「「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」が“上から”の指示で番組改変!?」 NHKスペシャルが収録直前に「放送延期」に いきなり2日前に延期が言い渡された 報道局長より上の“誰か”の指示で番組改変!? 「百地氏のインタビューを入れさせられたが、社会部と科学・文化部の部長はいずれも「百地さんがなくてもバランスは取れているから問題ない」という見方を示したという それだけに現場は、直前の納得いかない介入に強く反発」、現場の反発はさぞや大きかったのだろう NHKの報道担当理事が、内閣官房副長官と今もつながっている 小池英夫 報道局長に 「報道局長」の「小池英夫氏」 「鳥取県警警察本部長だった」「杉田和博氏」、意外な人物がつながる不思議な縁には驚かされた NHKの報道幹部が首相秘書官にどやしつけられている? 現実には「政権の犬」が重用されているようだ 幹部のセクション入れ替えで、縦割り組織の弊害打破を 「前田会長には、ぜひともこの「トップ人事をガラガラポン」改革を実現してほしい」、前田氏に期待し過ぎの印象もなくはない。今後の「キャスター人事」も楽しみだ
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スガノミクス(その4)(菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」、菅政権が招いた「空白の1カ月」の重罪 コロナ対策より支持率の「甘い見通し」で判断ミス、菅総理と自民党との間で軋轢 官邸も機能不全に 「ポスト菅」候補は、「はしゃぎすぎるな」岸田氏にクギ 五輪に揺れる菅政権に永田町がざわつき始めた《加藤官房長官が機能していない…》 後藤謙次「菅政権失敗の本質」 #2) [国内政治]

スガノミクスについては、1月4日に取り上げた。今日は、(その4)(菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」、菅政権が招いた「空白の1カ月」の重罪 コロナ対策より支持率の「甘い見通し」で判断ミス、菅総理と自民党との間で軋轢 官邸も機能不全に 「ポスト菅」候補は、「はしゃぎすぎるな」岸田氏にクギ 五輪に揺れる菅政権に永田町がざわつき始めた《加藤官房長官が機能していない…》 後藤謙次「菅政権失敗の本質」 #2)である。

先ずは、1月14日付けAERAdot「菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2021011400007.html?page=1
・『後手後手のコロナ対策が批判を浴び、支持率が39%(朝日新聞調べ)まで急落した菅政権。GoToトラベルに固執し、緊急事態宣言の発出が遅れた菅義偉首相の危機管理能力には、多くの国民が失望した。さらに国民を不安にさせたのは、その発信力の弱さだろう。国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――菅首相からは明確なメッセージが伝わってこない。官房長官時代から菅首相と対峙してきた「菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」〈dot.〉」は、記者会見での「悪い癖」も国民不信を高めている要因の一つだ、と指摘する(Qは聞き手の質問)。 Q:昨年11月以降、菅首相のコロナ対応が強く批判され始め、支持率も大きく下落しています。昨年10月までは学術会議問題やGoToトラベル強行などに批判はありつつも、支持率はそこまで落ちませんでした。何がここまで国民の不信を増幅させたと思いますか。 望月:学術会議問題までは菅さんは強気だったと思います。学術会議の体質を問題視することで一部世論の支持も得られていたので、NHKのキャスターにも「説明できることとできないことがある」などと強い口調で反論していた。支持率も高かったので、GoToトラベルも強行できると踏んだのでしょう。しかし、11月の3連休前に政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長が「GoToを見直してほしい」「政府の英断を心からお願い申し上げる」と言ったあたりから、潮目が変わったように思います。それまでの尾身さんは政府寄りの発言が多かったのに、一変した。かたや尾身発言の前日、菅さんは「ぜひ静かなマスク会食をお願いしたい」などと言うだけ。この人は本当に危機感があるのだろうか、と不安になった国民は多かったはずです』、「11月の3連休前に政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長が「GoToを見直してほしい」「政府の英断を心からお願い申し上げる」と言ったあたりから、潮目が変わった」、その後は支持率は低下の一途だ。
・『Q:それ以降も、危機感が薄い発言は続きました。たとえば昨年11月25日の国会では「『トラベル』が主要な原因だというエビデンス(証拠)は存在しない」と答弁したり、12月11日にニコニコ生放送に出演した際には「ガースーです」と緊張感のない発言をして失笑を買ったこともありました。緊急事態宣言に関する記者会見などでも、言葉に感情がこもっていない印象を受けます。 望月:菅さんは本当に演説に自信がないのだなと、ひしひしと感じます。だからいつもは官僚が用意したペーパーを棒読みするだけなのですが、たまに気負って場違いなギャグを言ってしまったりする。裏方で権威を振るってきた人なので、表ではどう振る舞っていいのか戸惑っているのかもしれません。 一方で、官房長官時代に1日2回の記者会見を7年8カ月も続けてきた体験から、記者たちはどうにでもなると思っているようにも見えます。「全く問題ない」「指摘は当たらない」など一言で片付けてきた官房長官会見時の手法が、首相になっても通じると思っている。しかし、コロナ禍の非常時にはそれが完全に裏目に出てしまいました。 顕著だったのは、1月7日に1都3県に2度目の緊急事態宣言を発出することを伝える記者会見の場面でした。記者から「仮に(宣言を)延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問われると、菅さんは「仮定のことについては私からは、答えは控えさせていただきたい」と答えた。官房長官時代から「仮定の質問には答えない」というのはお決まりのフレーズでしたが、この状況で使うことは絶対に避けるべきでした。全国民が明日の生活に不安を抱えながら、菅首相の一挙手一投足に注目しているなかで、1カ月先のことを答えられない、考えていないというのでは、首相として能力が疑問視されて当然です』、「裏方で権威を振るってきた人なので、表ではどう振る舞っていいのか戸惑っているのかもしれません」、「裏方」が長かっただけに、見にしみ込んだクセはなかなか治らないのだろう。
・『菅さんからすれば「今までは批判されなかったのに」と思っているかもしれないが、記者の後ろには国民がいて、その国民が首相の言葉ひとつひとつに神経をとがらせている。その認識が甘かったことが、今の支持率低下、国民の不信感の高まりにつながっていると思います。 Q:今行われているのは、「平時」の官房長官会見ではなく、いわば「有事」の首相会見です。記者の側もそれがわかっているはずなのに、なぜ菅首相に「仮定の話ではない」と突っ込まないのでしょうか。望月さんが会見に出て追及することもできると思うのですが。 望月:昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定されてしまいました。表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的でしょう。そのため、現在、首相会見は基本的に政治部の記者と抽選で選ばれたフリー記者しか入れません。私は社会部の記者なので、政治部が譲ってくれない限り、会見場には入れないのです。) また、会見の進行も司会役の山田真貴子内閣広報官が「1人につき1問」「さら問い(質問を重ねること)は禁止」などのルールを定めて、相変わらず突っ込んだ質問をさせないようにしています。これまで6回あった首相会見で北海道新聞、東京新聞、日本テレビ、ジャパンタイムズの4社は一度も指されていません。ウチ(東京新聞)のように事前に質問を投げることを拒否している社や、厳しい質問をする記者がいる社は避けられているのでしょう。逆に不自然なほど何回も指名されている社もある。菅さんは答えるときに手元にいつも目を落とすので、「この社は事前に質問を投げたな」ということはすぐにわかります。 菅さんはこうしておけば記者会見は乗り切れるとナメていたわけですが、コロナ禍で、多くの国民が生活や仕事で不自由を強いられている中で、視聴者である国民から強い怒りをかうことになりました。今は、多くの国民が首相会見に注目するようになり、「もう会見を打ち切るのか」などと不満をツイートするようになっています。記者は制御したつもりになっても、国民の目はごまかせなかったということです。 Q:最後に、菅首相にはどのような発信力、国民へのメッセージを期待しますか。 望月:ドイツのメルケル首相は、昨年12月の演説で、目に涙を浮かべながら「今年のクリスマスを我慢すれば、来年はおじいちゃんやおばあちゃんと皆でクリスマスが祝えるかもしれない。でも我慢しなければ、最後のクリスマスになるでしょう」と語りました。物理学者であり、普段は冷静沈着なメルケル首相が、時に感情をあらわにしながら、ドイツ国民にメッセージを送った姿には心を揺さぶられました。メルケル首相も手元にメモはあったけれども、それに頼らず、目線はしっかりと顔を上げ国民に向けられていました。 言質を取られないことが首相の仕事ではありません。感情をさらけ出すことを恥じずに、菅さんは言葉に「魂」を込めてほしい。私たちの国のトップが悩んでもがきながらも、未来を切り開いていこうとしていることが伝われば、国民の不安も今よりは少しは軽くなるはずです。(構成=AERA dot.編集部・作田裕史)』、「昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定・・・。表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的」、酷い差別だ。「記者は制御したつもりになっても、国民の目はごまかせなかったということです」、「制御される」「記者」も恥を知るべきだ。

次に、1月20日付けAERAdot「菅政権が招いた「空白の1カ月」の重罪 コロナ対策より支持率の「甘い見通し」で判断ミス〈AERA〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2021011900011.html?page=1
・『感染拡大が止まらない現状を招いたのは、12月15日に菅政権が犯した判断ミスだ。甘い危機管理が生んだ「空白の1カ月」。取り戻すにはあまりに重すぎる。AERA 2021年1月25日号から。 菅政権の遅きに失する「無策」の象徴が、18日から開かれる通常国会で審議される今年度の第3次補正予算案だ。そもそも、この補正予算の内容が閣議決定されたのは昨年の12月15日。官邸が感染防止対策を打ち出した「勝負の3週間」が終わる1日前だった。 当時、菅首相の頭には緊急事態宣言の発出という選択肢はなく、年末年始の感染者数は減少すると見込んでいたことを自ら認めている。今となっては明らかに、最悪の判断ミスだ。12月15日の閣議決定から通常国会が始まる1月18日までの「空白の1カ月」こそが、過去最大の新型コロナウイルス感染拡大の明暗を分けたと言っても過言ではない。 当時、野党4党は「勝負の3週間」では感染拡大が止まらないと判断。臨時国会会期末の12月2日に都道府県知事の権限強化などを盛り込んだ新型コロナウイルス対策の特措法改正案を国会に提出し、補正予算の審議と、成立をさせるための国会会期延長を求めていた。しかし、菅政権は一顧だにしなかった。12月5日に早々と国会を閉じた理由は、コロナ対策とは無縁の、自民党が抱える事情だった。 「この時、すでに菅政権はGoToトラベルの中止に踏み切れない態度もあって支持率が急降下していました。そこに降ってわいたのが、安倍晋三前首相の桜を見る会前夜祭の問題でした。検察が前首相の事情聴取に踏み切るという情報を得て、一日も早く国会を閉じ、なるべく現政権への直接的なダメージを減らそうと考えたのです。その意味では、コロナ対策よりも政権支持率を優先したと言ってもいいでしょう」(官邸関係者) また別の官邸に近い自民党議員は、支持率が降下傾向にあった菅政権にとって、補正予算の閣議決定は支持率浮上の切り札でもあったと語る。 「年度末までに執行しなければならない緊急予算は、第1波、第2波で冷え切った経済を立て直す即効薬として大変有効なはずでした。だからこそ、直近では批判されていても、機能すれば国民に広く支持されるとみてGoToトラベル、GoToイートの予算を上積みしたんです。無論、これは感染者が減少傾向にあることが条件でした。しかし、感染は逆に拡大し、補正予算を閣議決定してからも政権支持率は下がり続けたのです」) 12月15日時点では、1日あたりの新規感染者数の最多は3038人(12月12日)だったが、1月8日には7882人と2.6倍に拡大。「空白の1カ月」の代償はあまりに重い』、「当時、菅首相の頭には緊急事態宣言の発出という選択肢はなく、年末年始の感染者数は減少すると見込んでいたことを自ら認めている。今となっては明らかに、最悪の判断ミスだ」、「年末年始の感染者数は減少すると見込んでいた」、科学的な根拠はなく、主観的な願望に過ぎなかったようだ。
・『6割超「ポストコロナ」  第3次補正予算総額は19兆1761億円と過去最大規模だが、肝心の感染拡大防止策は4兆3581億円で全体の2割ほどにすぎない。 一方、6割超を占めるのが「ポストコロナ」をにらんだ経済刺激策。GoToトラベルに1兆円を計上するなど、緊急事態宣言下の今見ると噴飯ものの内容が並ぶ。菅政権が12月15日の時点で、年始には感染拡大は減少すると安易な想定をしていたことがはっきりと見てとれる。 立憲民主党の福山哲郎幹事長は、18日から始まる通常国会で予算の組み替えを提案する。 「カーボンニュートラルに向けた基金創設(2兆円)なども重要ではあるが、あまりにも今である必要性がない。今は緊急事態宣言によって営業時間が制限される飲食事業者や関連業者、医療機関、医療関係者、困窮世帯の支援を優先すべきです」 さすがに野党の反対もあり、当初1月15日で打ち切られるはずだった「持続化給付金」や「家賃支援給付金」は、直前で1カ月延長が決まった。しかし雇用調整助成金は、2月末には終了される模様だ。補正予算には雇用調整助成金の特例措置の予算が5430億円計上されているが、数字から見ても2月末以降の新規の予算ではない。 まずは直接給付を含む、目の前の生活や事業経営を直接支える支援の拡充が求められる。福山氏は東日本大震災時に官房副長官として緊急事態の最前線に立った経験を踏まえ、現在の菅政権の対応を「最悪のケースが想定されていない安易な危機管理」だと憤る。 「もし、12月の時点で国会を延長して与野党で納得できる内容の補正予算を通せていたならば、緊急事態宣言発令と同時に使える具体的な武器を準備できた。今国会で与野党が協力して迅速に補正予算を組み替えられたとしても、成立は2月初旬。年度末まで、事実上2カ月しか使えないのです」 甘い見通しで感染抑止よりも支持率を優先させた菅政権の無策が、根拠の希薄な精神論以外に具体的な対策を打ち出せない状況を招いているのだ』、「第3次補正予算」のうち、「肝心の感染拡大防止策は・・・全体の2割ほどにすぎない。 一方、6割超を占めるのが「ポストコロナ」をにらんだ経済刺激策」、やはり経済拡大に偏重しているようだ。「甘い見通しで感染抑止よりも支持率を優先させた」、とは罪深い。

第三に、1月22日付けデイリー新潮「菅総理と自民党との間で軋轢 官邸も機能不全に 「ポスト菅」候補は」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01220559/?all=1&page=1
・『日本列島に寒波が押し寄せるなか、永田町では「菅おろし」が猛威を振るい始めた。再びの緊急事態宣言に支持率の急落、党との軋轢、そして、官邸内に響く不協和音――。コロナ禍との戦いに劣勢を強いられる一方、菅義偉総理は政治家としての瀬戸際を迎えている。 政治家にとって言葉は“命”に他ならない。  無論、いまの総理に求められるのは、苦境に立つ国民に寄り添い、希望への道筋を示す言葉だろう。 だが、もともと口下手で知られる菅総理の言葉は、いつまで経っても精彩を欠くと言わざるを得ない。 たとえば、1月7日に開かれた2度目の「緊急事態宣言」発令を表明する会見。菅総理は手元のメモに目を落とし、台本を読み上げるような口調に終始した。 波紋を呼んだのは結びの言葉である。 〈これまでの国民の皆さんの御協力に感謝申し上げるとともに、いま一度、御協力賜りますことをお願いして、私からの挨拶とさせていただきます〉 政治部デスクが嘆息する。 「ただでさえ苦境に喘ぐ国民で溢れるなか、改めて緊急事態宣言への協力を仰いだわけです。それなのに、結婚式に招かれた来賓のスピーチのような言葉で結んでは話になりませんよ」 ハリウッド大学院大学教授(パフォーマンス学)の佐藤綾子氏も苦言を呈す。 「菅総理の発言には“私は”や“私が”といった自分を主語にする表現が極端に少ないので、会見を聞いても主体性に欠ける印象ばかりが残ってしまう。責任逃れのイメージを払拭するためにも“私”という主語を取り入れるべきです」 ドイツのメルケル首相は昨年12月に“今年が祖父母と過ごす最後のクリスマスになってはならない”と情に訴えかけた。また、ニュージーランドのアーダーン首相は“強く、優しくあれ”と命令調で感情を込めて締めくくることが多い。 「自分を主語にして責任の所在をはっきりさせ、情に訴えたり、命令する。菅総理の場合、スピーチにとって重要なこうした要素が抜け落ちているため、国民の心を掴むことができないのです。少なくとも、メモを読み上げるのではなく、カメラに視線を向けながら話をしてもらいたい。総理大臣と国民のコミュニケーションは会見動画を通じて行われるのですから。一方で、杓子定規なやり取りを回避するため、総理の発言に賛同するにせよ、反対するにせよ、質問する記者もきちんとリアクションを示した方がいいと思います」(同) かつての自民党には言葉の力で人心を掌握する政治家が少なくなかった。代表格は、やはり田中角栄元総理であろう。44歳で大蔵大臣に就任した際のスピーチは象徴的だ。最終学歴が高等小学校卒の角栄は、日本を代表するエリート官僚を前にこう言い放った。 〈できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が負う。以上!〉 これを聞いた大蔵官僚が奮い立ったことは想像に難くない。昭和の今太閤と比べると、令和の宰相の言葉は霞んで見える。 同時に、人心掌握の面でも見劣りする現下の総理に対しては、すでに“菅おろし”の突風が吹き荒れ始めているのだ』、「「緊急事態宣言」発令を表明する会見」の「結びの言葉」には、失笑を禁じ得なかった。
・『支持率30%割れも  共同通信が1月9日、10日に実施した世論調査では、菅内閣の支持率は41%。社によっては7割超の数字を叩き出した発足当初と比べれば、その落差は歴然としている。2度目の緊急事態宣言が「遅すぎた」という意見は79・2%を占め、さらに、菅内閣を「支持しない」と回答した人の4割以上が「首相に指導力がない」ことを理由に挙げた。 「国内でも1日の感染者が2千人を超え、GoToキャンぺーンに厳しい目が向けられ始めたことが大きかった。世論や分科会の提言に押し切られる格好で、GoToの一時停止を表明したのが12月14日。菅総理はその晩、二階幹事長に呼ばれ、みのもんた氏らと8人でステーキ会食に臨んでしまった。あの日を境に潮目が変わった印象です。安倍前総理の場合は支持率の30%近くを保守の岩盤支持層が固めていましたが、菅総理にはそれがない。このまま30%台を割り込む可能性も十分に考えられる」(先のデスク) 菅総理に近い自民党議員はこう漏らす。 「このところ、菅さんは周囲の意見を全く聞き入れない。以前から頑固なところはあって、官房長官時代は“ブレない”“強気を崩さない”といった評価に繋がっていた。しかし、最近の令和おじさんはただの頑固おじさんのようになっている。そのせいで党との間にも溝が生まれてしまった」 菅総理と自民党の足並みの乱れを表すエピソードとして、この議員が指摘するのは、昨年末に閣議決定された後期高齢者の「医療費2割負担」を巡る騒動である。菅総理は12月上旬に“年収170万円以上”の高齢者を対象にする方針を打ち出したが、 「この方針のままいけば、対象は520万人にのぼる。党内からは“衆院は全465議席。2割負担になる対象者が自民党離れを起こせば、議員ひとりにつき1万票以上減らすことになる。総選挙が近いことを忘れたのか”という声も上がった。森山裕国対委員長や、連立を組む公明党が先送りを進言したものの、菅さんは頑として方針を撤回しない。結局、公明の山口那津男代表と菅さんのトップ会談で“年収200万円以上”まで条件を緩和することで落ち着きましたが、党内には依然として菅さんに対するしこりが残っています」(同) 長年、菅総理を取材する政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏によれば、 「菅総理は官房長官時代から“やる”と決めたことについては周囲に相談せずに断行するタイプでした。危機管理の観点から情報が漏れることを嫌うのでしょうが、コロナ禍における総理の対応としては問題がある。最近では、加藤官房長官や西村経済再生相ともコミュニケーションが悪化していると耳にします」 “安倍政治の継承”を掲げる菅総理にすれば、官邸主導を崩したくないという思いもあるのだろう。だが、最大派閥・細田派をバックに持つ安倍前総理に対し、菅総理は無派閥。さらに、官邸の陣容にも不安が残る』、「安倍前総理の場合は支持率の30%近くを保守の岩盤支持層が固めていましたが、菅総理にはそれがない」、重要なポイントだ。「最近の令和おじさんはただの頑固おじさんのようになっている。そのせいで党との間にも溝が生まれてしまった」、残念なことだ。
・『立役者・二階幹事長まで…  なかでも懸念されているのは、自民党国対との“かすがい”となるべき、坂井学官房副長官の存在だ。坂井氏は菅総理を慕う無派閥議員グループ「ガネーシャの会」の中心人物だが、自民党関係者が言うには、 「医療費負担の件をはじめ、坂井さんが橋渡し役として機能していないと批判されている。本人は飲み会で“オレは菅総理の右腕だ”と豪語していたようですが、国対幹部は“官邸から逐一報告が上がってこない。坂井はもっと汗をかかないとダメだ”とこぼしていました。坂井氏や総理秘書官をはじめ、いまの官邸スタッフは、菅総理に従順で決して裏切らないタイプ。ただ、正直なところ、それだけが取り柄の人間がほとんどなのです」 官邸の要となる政務担当総理秘書官は、39歳の元菅事務所スタッフ・新田章文氏を抜擢した菅総理。しかし、“若すぎて官邸を仕切れていない”との批判を受けて、今年の元日に電撃解任。財務省出身の寺岡光博氏が後任となった。しかし、就任からわずか3カ月半という異例の交代劇に官邸内には激震が走り、機能不全による混乱が浮き彫りとなった。 政治部記者によると、「寺岡氏は上司にも本音をぶつけるタイプで、政策の統括や総理会見の原稿チェックまで任されています。とはいえ、安倍前総理と今井尚哉内閣参与のように、菅総理と一心同体とは言えない。安倍前総理は今井氏に政局や解散のタイミングまで相談していましたが、菅総理は寺岡氏や最側近とされる和泉洋人総理補佐官に対してもそこまで腹を割っていません」 現在の総理秘書官は、寺岡氏を含め7人中6人を“菅官房長官”時代の元秘書官が占める。とはいえ、 「官房長官秘書官は日々の定例会見で記者からの質問にどう対応するかといったいわば受け身の仕事がメイン。一方、総理秘書官は、国家的な戦略について主体的に提案することが求められますが、いまの官邸スタッフには荷が重い。“菅さんは話を聞いてくれないし、支持率も右肩下がり。この政権は厳しいかもしれない”と嘆く秘書官まで現れる始末です」(同) 党との軋轢に、官邸内の不協和音まで重なれば、吹き始めた“菅おろし”が猛威を振るうのは時間の問題。 「注目は4月に予定される衆院北海道2区と、参院長野選挙区のW補選です。下村博文政調会長は今月5日のBS番組で“自民党が両方負けると政局になる”“補選に合わせて解散総選挙もあるかもしれない”と発言しましたが、明らかに菅おろしに連なる動き。下村氏本人は次の総裁選に出る気満々ですからね。下村ごとき小物に言われたくないということか、この発言に菅総理は激怒していますが、W補選に負ければ菅総理の求心力が低下し、党内から“このままでは選挙を戦えない”という声が止まなくなる」(同) 衆院議員の任期は10月21日までだが、今年は7月の都議選に加え、東京五輪・パラリンピックも控えている。コロナ次第ではあるものの、解散総選挙に打って出るのであれば、4月のW補選と同日か、9月の自民党総裁選の前後くらいしかタイミングがない。 では、ポスト菅として、誰を解散総選挙の顔に据えるのか。鈴木氏が続ける。 「河野太郎行革担当相は菅総理にポストをもらっているため総裁選には出馬しづらい。一方で、安倍・麻生のラインが推すとなれば、岸田文雄元外相以外にありません。下村氏と河野氏を説得して、挙党一致で岸田路線を固めていくはずです。また、気になるのは菅政権誕生の立役者・二階俊博幹事長の動きです。菅おろしが本格化すれば、いち早く菅総理に退陣を迫り、選挙に勝てる候補者の擁立に動くのではないか。具体的には石破茂氏や野田聖子氏です」 先のメルケル首相やアーダーン首相といった女性指導者が評価を高めていることもあり、 「“初の女性総理”という看板はコロナ禍でも話題を呼ぶ。“野田総理”が誕生すれば支持率の7割回復も絵空事ではありません」(同) アフターコロナの前に“アフター菅”が囁かれるのが永田町の怖さ。寒風吹き荒ぶ季節に菅おろしは激しさを増すばかりだ』、「アフターコロナの前に“アフター菅”が囁かれる」、「二階俊博幹事長」が「石破茂氏や野田聖子氏」「擁立に動く」、というのは興味深い。「“野田総理”が誕生すれば支持率の7割回復も絵空事ではありません」、その通りだろう。面白くなってきた。

第四に、2月1日付け文春オンライン「「はしゃぎすぎるな」岸田氏にクギ 五輪に揺れる菅政権に永田町がざわつき始めた《加藤官房長官が機能していない…》 後藤謙次「菅政権失敗の本質」 #2」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/43173
・『昨年9月の政権発足直後、60%台の高支持率でスタートした菅義偉内閣の支持率が30%台にまで急落した。この5カ月間、コロナ対策を最優先に進めてきたはずの内閣はなぜ躓いてしまったのか。遅きに失したGoToトラベル全国一斉停止、緊急事態宣言の再発令、ワクチン配布スケジュールの混乱、そしてオリンピック……。政権内で今一体何が起きているのか。昨年10月、政権発足直後に菅政権の将来を分析した政治ジャーナリストの後藤謙次氏に改めて「菅政権の本質」について聞いた。(全2回の2回目/前編はこちら)』、興味深そうだ。
・『力強い言葉が一向に聞こえてこない、発信力の弱さ  菅義偉内閣の支持率が急落している背景には、首相の発信力の弱さがあると指摘されることがあります。首相としてこのコロナ禍にどう立ち向かうのか。力強い言葉が一向に聞こえてこないというのです。 確かに1月18日に行った国会での「施政方針演説」を聞いていても、菅首相は各省庁がまとめてきた方針を七夕の短冊のように羅列して述べるばかりでした。最後に突然、故・梶山静六氏から言われた「国民の食い扶持をつくっていくのが、お前の仕事だ」という言葉を紹介し、「これらの言葉を胸に、『国民のために働く内閣』として、全力を尽くしてまいります」と結びましたが、そこに魂に響く言葉があったとはなかなかいえないでしょう』、「発信力の弱さ」は、今さらどうなるものでもなさそうだ。
・『官僚答弁が身についてしまったという不幸  首相動静を見ていても、菅首相が、施政方針演説について、専門家と推敲を重ねた形跡は見られません。しかし、政治家にとって「言葉は武器」です。そのことは、二階俊博幹事長の例と比較するとよくわかります。 二階幹事長は国会で代表質問をするとき、まず自民党の専門の職員に下書きをつくらせます。そして、福井照という官僚出身の二階派の議員が、その下書きを二階氏の言葉に合わせて、書き換え、原稿を仕上げていく。そうして完成した原稿をもとに、二階氏は幹事長室で代表質問の練習をしているのです。結局、本番の代表質問では、野党のやじにカッとなってしまって、原稿とは関係がない演説に最後はなってしまいましたが、やはりそこは、政治家として「言葉の一つ一つがいかに重みをもつか」をしっかり理解している。 しかし、菅首相は幸か不幸か、7年8カ月もの長きにわたって、官房長官を務めました。そのことで権力にも近づいた一方、その間巨大な官僚システムの上に立ってきたせいか、答弁そのものも、みずから発する言葉というより、中央省庁の組織全体の整合性の中で話しているような感じが見受けられるようになってしまいました。「官僚答弁」が身についてしまった不幸というのは、ある気がします』、「「官僚答弁」が身についてしまった不幸」、とは言い得て妙だ。
・『孤立する菅首相 介在できる側近がいないという現状  ただし、菅内閣にとって、首相の言葉以上に一番大きな問題は、菅首相自身が「無派閥出身」であることです。首相が無派閥ゆえに、現在のように内閣支持率が30%台にまで落ち込んでしまった緊急事態でも、「殿、大丈夫でしょうか」と自民党内から援軍がなかなか来ない。 菅首相が官房長官だった時は、その援軍が二階俊博氏でした。官房長官という立場なら、党の幹部ともこまめに連絡がとれたのですが、首相という立場になってしまってはなかなか連絡がとれない。本来ならば、安倍政権における菅官房長官と同じ役割を果たす側近がいるべきなのですが、介在できる側近がいないというのが実情です。その意味では、加藤勝信官房長官があまり機能してないともいえるわけです。 ここでもチーム菅が、見えてこないという問題がある。唯一、菅首相のために泥をかぶる覚悟で仕えているのは、森山裕国対委員長ぐらいではないでしょうか。ある自民党幹部は、「森山さんが官房長官だったら一番よかったが、そうだったとすると国対委員長がいない」と言っていました。菅首相には本当の意味での「側近」がいないのです』、「本当の意味での「側近」がいない」、とは不幸だ。
・『当選同期、秋田人脈、神奈川人脈……菅“一族”政権の中身とは  私は「菅“一族”政権」と名づけていますが、菅政権で重用されているのは菅首相の「一族」です。つまり要職についている人たち全員が菅首相と個人的な関係を持っている。たとえば首相の選挙区がある神奈川人脈(小泉進次郎や河野太郎)や出身県である秋田人脈から要職についている議員が多い。また、菅首相が一番いま、頻繁に面会しているのは山口泰明選対委員長や佐藤勉総務会長といった「当選同期組」です。こういう「一族」の人たちが周りにいて、密接に連絡をとってはいるが、トータルとして、党全体に影響力を与える議員と、あまり密接に連絡をとっている節が見えません。 野球に例えるなら、今の自民党はボールを見るだけで立っているだけの選手が多い。普通、強いチームは、守備についた全員が、かかとを上げて、どんな状況でも、膝をやわらかくしてボールが飛んでくるのを待っているものですが、今の自民党はみんなべたっとかかとをつけて立っているだけ。お手並み拝見みたいな空気が強くある気がします』、「今の自民党はみんなべたっとかかとをつけて立っているだけ。お手並み拝見みたいな空気が強くある気がします」、同感である。
・『北海道2区の候補者擁立見送りが今後の火種になる可能性  しかし、だからといって「菅おろし」が始まるわけでもない。今国会での野党の対応を見ていればわかるように、このコロナの中で、「菅おろし」を始めたら、世論の強烈な反発があるのは火を見るより明らかです。自民党は「なにやってんだ」という声が起こることが怖いのです。過去そのパターンで、何度も痛い目にあってきましたから。「身内の嫌気」がいちばん選挙に影響することを彼らは骨身にしみてわかっています。 ただ、「菅おろし」がすぐに活発化することはないにしても、今後の火種としてくすぶってきそうなのは、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農相の議員辞職に伴う北海道2区の衆議院補欠選挙(4月25日投開票)で、自民党が候補者擁立を見送ったことでしょう。 2000年の秋に、春は4月、秋は10月に統一補選を行う方式になって以降、補選で自民党が候補者擁立を見送ったのは2回しかありません。1回目は2000年の小野寺五典氏の議員辞職に伴う補欠選挙。このときに候補者擁立を見送ったのは、議員辞職した小野寺氏の議席をあけておこう、もう一度再起の芽を残そうという理由でした』、「このコロナの中で、「菅おろし」を始めたら、世論の強烈な反発があるのは火を見るより明らかです」、なるほど。
・『「悩みに悩み、断腸の思いだった」候補者見送り  そして2回目が、2016年の宮崎謙介氏の議員辞職に伴う補欠選挙です。この時は自民党の中では候補者を立てるべきという声がとても強かった。小選挙区制度のもとでは、議席を一度明け渡すと、なかなか取り戻せません。宮崎謙介氏の件は個人の不始末だから、まったくスキャンダルとは無縁の候補を立てたほうがいいという声もあったのです。しかし当時の谷垣禎一幹事長が、猛烈に反対して、見送られました。その後、同選挙区は補選で勝った野党の泉健太氏の指定席になりました。 今回の補選でも、候補者は出した方がよいという声が自民党内では圧倒的に多かった。しかし、山口選対委員長が「悩みに悩み、断腸の思いだった」と語り、見送る決断をしました。この決断の背後には菅首相の意向もあったのでしょうが、この「見送りの判断」がのちのち政権運営に影響を与えるかもしれません。それほど今回の候補者擁立見送りは、党内で評判が悪いのです』、勝てる見込みがないので、見送ったのだろう。
・『石破氏、岸田氏ら「ポスト菅」の動き  実際、「ポスト菅」をにらんで具体的な動きも少しずつ出てきています。石破茂氏が緊急事態宣言が首都圏4都県で始まった1月8日に、福岡県内で9人で会食をしていたと報じられましたが、あれは明らかに、多数派工作。いずれ来る総裁選のための推薦人集めだったのではないかと想像がつきます。しかも石破派(水月会)は1月21日の会合で、会長を退いた石破氏を顧問に充てる人事を決めました。顧問というのは、普通は会長を辞めたときになるものです。しかし、このタイミングで慌てて顧問になったというのは、少し永田町がざわついてきたということの証左です。 また、最近では菅首相と昨年総裁選を戦った岸田文雄元外務相が頻繁にテレビに出て、コメントを発信しています。ある番組では司会者に問われる形で「(総裁選について)コロナが最優先だけど、チャンスがあれば出たい」と、早々宣言していました。こうした動きに、あるベテラン議員は「はしゃぎすぎるな」と岸田氏に釘をさしたそうです。 河野太郎氏をワクチン担当相に任命したのも、菅首相が後継者に、と考えた結果だという見方もできます。緊急事態宣言下で、政治家も人と直に会えない状態が続いています。「会食は飯を食うためにやってるわけではない」とまで言っていた二階幹事長ですら、今は幹事長室で一人で弁当を食べているそうですが、実は、みんなそれぞれ、たった一人ろうそくの炎の下で刀を研いでるのです』、「二階幹事長」が「今は幹事長室で一人で弁当を食べている」、ちょっと想像できない姿だ。
・『コロナが下火になったら、菅首相に風が吹くか  今後のポイントは、緊急事態宣言が終わって、コロナがある程度下火になってきた時でしょう。うまくこの医療ひっ迫の状況を乗り切ったら、もしかしたら菅首相に風が吹くかもしれません。 内閣支持率は30%台になりましたが、私は、なにか大きな不始末をしないかぎり、これ以上支持率が下がることはないと思っています。12月に菅首相に会った時にも言ったのですが、総理大臣というのは避雷針です。国民の不満は全部、みんなそこに落ちてくる。しかし、雷(コロナ)がある程度大人しくなれば、避雷針もだんだん安泰になる——。 むしろ、首相が「切り札」と位置付けるワクチン接種が順調に進めば、一気に支持率が上昇に転じる可能性は高いと思います』、「ワクチン接種」にはまだまだ障害があって、「順調に進む」可能性はあまり高くなさそうだ。
・『内村航平の言葉が政権内の合言葉になっている  あとはやはりオリンピックでしょう。国際社会全体の流れに、決定的な影響を与える問題について、菅内閣はどう対応するか。 1月27日に、世界全体でコロナに罹った累計患者数が1億人を超えました。WHOは、アスリートにワクチンを優先することには懐疑的だとも言われています。こういう国際社会の声に対して、どういうメッセージを発するのか。 去年の11月、体操の内村航平選手は国際大会の閉会式のスピーチで、東京五輪について触れ、「“できない”ではなくて、“どうやったらできるか”を皆さんで考えて」と語りました。この言葉が、今、政権内や組織委員会の中でも「合言葉」のようになっているそうです。しかし、一方でオリンピックは止めるべきだという世論も大きい。オリンピックに対する判断が、政権の浮沈を決めるという可能性も今後は出てくるでしょう。 これは、55年体制時代からの、政権運営の「いろは」ですが、「重要問題は、ばらして処理する」ことが鉄則です。重要問題に対する決断の時期が重なると、結局、その決断の重みの中で潰れてしまって、何もできないことがよくあるのです。 今、菅首相が本当にやらなければならないのは、まず大きな重要課題を、一つ一つ切り離して決断していくことです。コロナも、ワクチンも、オリンピックも、衆議院解散も、全部一緒に考えるとしたら、行き詰まってしまう。ここをどう乗り切るかに、今後の政権の行方はかかっているといえるでしょう』、「今、菅首相が本当にやらなければならないのは、まず大きな重要課題を、一つ一つ切り離して決断していくことです」、そこまで政権がもつかが、大きな問題だ。筆者のスタンスが後半から急に菅政権に理解を示すように変わったが、これには大いに違和感を感じた。
タグ:スガノミクス (その4)(菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」、菅政権が招いた「空白の1カ月」の重罪 コロナ対策より支持率の「甘い見通し」で判断ミス、菅総理と自民党との間で軋轢 官邸も機能不全に 「ポスト菅」候補は、「はしゃぎすぎるな」岸田氏にクギ 五輪に揺れる菅政権に永田町がざわつき始めた《加藤官房長官が機能していない…》 後藤謙次「菅政権失敗の本質」 #2) AERAdot 「菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」〈dot.〉」 「11月の3連休前に政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長が「GoToを見直してほしい」「政府の英断を心からお願い申し上げる」と言ったあたりから、潮目が変わった」 「裏方で権威を振るってきた人なので、表ではどう振る舞っていいのか戸惑っているのかもしれません」、「裏方」が長かっただけに、見にしみ込んだクセはなかなか治らないのだろう 昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定 表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的」 「記者は制御したつもりになっても、国民の目はごまかせなかったということです」、「制御される」「記者」も恥を知るべきだ 「菅政権が招いた「空白の1カ月」の重罪 コロナ対策より支持率の「甘い見通し」で判断ミス〈AERA〉」 当時、菅首相の頭には緊急事態宣言の発出という選択肢はなく、年末年始の感染者数は減少すると見込んでいたことを自ら認めている。今となっては明らかに、最悪の判断ミスだ 年末年始の感染者数は減少すると見込んでいた」、科学的な根拠はなく、主観的な願望に過ぎなかったようだ 6割超「ポストコロナ」 「第3次補正予算」のうち、「肝心の感染拡大防止策は 全体の2割ほどにすぎない。 一方、6割超を占めるのが「ポストコロナ」をにらんだ経済刺激策」 「甘い見通しで感染抑止よりも支持率を優先させた」、とは罪深い デイリー新潮 「菅総理と自民党との間で軋轢 官邸も機能不全に 「ポスト菅」候補は」 「「緊急事態宣言」発令を表明する会見」の「結びの言葉」には、失笑を禁じ得なかった 支持率30%割れも 「安倍前総理の場合は支持率の30%近くを保守の岩盤支持層が固めていましたが、菅総理にはそれがない」、重要なポイントだ 「最近の令和おじさんはただの頑固おじさんのようになっている。そのせいで党との間にも溝が生まれてしまった」、残念なことだ 立役者・二階幹事長まで 二階俊博幹事長」が「石破茂氏や野田聖子氏」「擁立に動く」、というのは興味深い。 「“野田総理”が誕生すれば支持率の7割回復も絵空事ではありません」、その通りだろう。面白くなってきた 文春オンライン 「「はしゃぎすぎるな」岸田氏にクギ 五輪に揺れる菅政権に永田町がざわつき始めた《加藤官房長官が機能していない…》 後藤謙次「菅政権失敗の本質」 #2」 力強い言葉が一向に聞こえてこない、発信力の弱さ 官僚答弁が身についてしまったという不幸 「「官僚答弁」が身についてしまった不幸」、とは言い得て妙だ 孤立する菅首相 介在できる側近がいないという現状 本当の意味での「側近」がいない」、とは不幸だ 当選同期、秋田人脈、神奈川人脈……菅“一族”政権の中身とは 今の自民党はみんなべたっとかかとをつけて立っているだけ。お手並み拝見みたいな空気が強くある気がします」、同感である 北海道2区の候補者擁立見送りが今後の火種になる可能性 「このコロナの中で、「菅おろし」を始めたら、世論の強烈な反発があるのは火を見るより明らかです」 「悩みに悩み、断腸の思いだった」候補者見送り 石破氏、岸田氏ら「ポスト菅」の動き 「二階幹事長」が「今は幹事長室で一人で弁当を食べている」、ちょっと想像できない姿だ コロナが下火になったら、菅首相に風が吹くか 内村航平の言葉が政権内の合言葉になっている 「今、菅首相が本当にやらなければならないのは、まず大きな重要課題を、一つ一つ切り離して決断していくことです」、そこまで政権がもつかが、大きな問題だ 筆者のスタンスが後半から急に菅政権に理解を示すように変わったが、これには大いに違和感を感じた
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日本の政治情勢(その53)(桜疑惑で安倍前首相に致命的弱点 “虚偽答弁”を見過ごすな、なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態、菅首相の“愚策”で、じつは“数十兆円”という「国民の税金」がドブに捨てられる…!、菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに) [国内政治]

日本の政治情勢については、昨年12月27日に取上げた。今日は、(その53)(なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態、菅首相の“愚策”で、じつは“数十兆円”という「国民の税金」がドブに捨てられる…!、菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに)である。

先ずは、2月1日付けYahooニュースが転載したエコノミストOnline「なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b536d60808941d2314ecf75faf6178a3ca322e46?page=1
・『Go Toキャンペーン」の推進と停止、「勝負の3週間」のステーキ会食&ガースー発言、緊急事態宣言発令をめぐるドタバタ劇……。 菅政権の混乱ぶりに嫌気がさしたのか、直近の政権支持率は軒並み不支持が支持を上回る結果となった。 なぜ、どうして日本政府はこんなにダメダメになってしまったのか? 官邸の権力争い、経産省の実態、菅政権の「官僚支配」まで、元文科省事務次官として霞が関の表とウラに精通する前川喜平氏に聞いた』(Qは聞き手の質問)、「前川喜平氏」の話とは興味深そうだ。
・『官邸官僚の「エイヤッ!」が愚策を生む  前川 中堅若手の心ある官僚にとっては依然、「受難の時代」が続いています。 安倍前政権と、続く現在の菅政権では、専門的な知見をもった「司司」(※)が、省内のみならず関係省庁や現場とも侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしながら、全体の利益になるよう制度設計をするという、まっとうな政策立案がしにくくなっているからです。 第2次安倍政権になると、外交・財政・農政・教育……と本来、各省が専門的に扱う政策について、官邸や内閣官房、内閣府といった政府中枢にいる「官邸官僚」から、“思いつきレベル”の企画が降りてくるようになった。 しかもそれらは、ほとんど結論が決まっていて、司司はちゃんと検討する余地なく進めることを強いられてきたのです。(※ つかさつかさ。担当分野に精通する各省庁・各部署の官僚。) Q:中枢にいる官僚が思い付きを、ですか? 前川 ええ、彼らは必ずしも、各分野にわたって専門知識や実態、経緯を踏まえているわけではないので、勢い、素人のような筋の悪いことも言い出すのです。 記憶に新しいところでは、コロナ禍を受けて実施した学校の「全国一斉休校」が典型です。 官邸官僚は、思い切った策を打ち出して、当時下落ぎみだった内閣支持率の回復を狙ったのでしょうが、「一斉」なんて、まったくの愚策だったとしかいいようがない。 学校行政の司たる文部科学省の役人なら、ちょっと考えただけでも、 「そもそも安易な休校要請は、憲法26条の教育を受ける権利の侵害だ」 「休校中の子どもの面倒は誰が見るのか」 「休校になって給食がなくなったら、昼食を用意できない貧困家庭の子どもは栄養不足になる」 といった問題に気づくはずです。 それゆえ、「感染例がない地域の学校にまで、むやみに休校要請するのは間違いだ」と判断がつきます。 けれど官邸官僚は、専門的な知見を欠くだけに問題点がみえず、エイヤッとやってしまう。 官邸官僚の代表格で、首相補佐官兼秘書官だった今井尚哉氏が安倍晋三前首相に進言してしまったのです』、「「官邸官僚」は必ずしも、各分野にわたって専門知識や実態、経緯を踏まえているわけではないので、勢い、素人のような筋の悪いことも言い出すのです。 記憶に新しいところでは、コロナ禍を受けて実施した学校の「全国一斉休校」が典型です」「「一斉」なんて、まったくの愚策だったとしかいいようがない」、その通りだ。
・『声は大きいが実は仕事がない? 「経産省」の実態  Q:う~ん、まずいですね。官邸官僚とは、いったいどのような人たちなのですか? 前川 官邸官僚という存在は安倍2次政権で出現しました。それには、2つの系統があったのをまず押えてください。 そのうちの1つが、安倍氏の周りを固めていた経済産業省出身組の「安倍前首相側近系」です。 思い付きで政策を打ち出して、首相に吹き込む一方、各省に「やれ」と指示を出していたのは彼らです。 具体的には、今井氏のほか、首相秘書官だった佐伯耕三氏、首相補佐官兼内閣広報官だった長谷川栄一氏といった面々ですね。 まあ、もともと経産官僚というのは、「他省の仕事に口を出す」体質の人たちなのです。 というのも、産業政策で「日本株式会社」を誘導する時代はもう過ぎ去っているので、それを担っていた経産省の本体って、所帯は大きいままだけど、実は仕事がなくなっているのですよ。 60年代の『官僚たちの夏』のころの“通産省の栄光”はもうない。 すると彼らはどうするか。とかく他の役所の仕事に口を出そうとする。 「産業政策の観点から大学政策を」とか、「産業政策としてスポーツ行政を考える」などと、産業政策という観点にかこつけて他省の領域にからんでこようとするのです。 これは、経産省以外の霞が関の人間なら、異口同音に言うでしょう。 このように口を出すのが習い性になっている経産官僚が、今度は官邸に入って首相の威光を身につけたのです。 こうなるともう、本来各省が立案すべき分野の政策だってどんどん仕掛けてくる』、経産省はかつては、欧米から「悪名高い」との形容詞つきで呼ばれ、日本株式会社の司令塔と思われていた。
・『外交まで仕切ったあげく、首相に恥をかかせる  Q:なるほど。コロナ対策では、先の一斉休校のほか、やはり素人の思い付きのような「布マスク(アベノマスク)の全戸配布」も官邸官僚発でしたね。 前川 はい。それから、一部の知事らが言い出したことに乗っかって、いったんは安倍前首相も前のめりになった「9月入学」もそうでしょうね。 所管の文科省では、臨時教育審議会が1987年の最終答申で9月入学を提言して以来、過去に何度か検討した結果、小中学校の9月入学への移行オペレーションは相当困難だ、と結論が出ているのに、やはりそうした知見を踏まえずに拙速に進めようとした。 幸い、自民党の馳浩氏など、一部のまっとうな文教族議員が党内を慎重論でまとめるなどして話はついえましたが、もし突っ込んでいたら、教育現場はオペレーションを無理にこなさなければならず、悲惨なことになっていたでしょう。 官邸官僚はコロナ以外でも、例えば外交分野で、対米、対露、対韓、対北朝鮮と主要外交を主導し、首相に方針を振り付ける一方、外務省に下受け的な実務をやらせていました。 でも、官邸が看板に掲げた「ロシアからの北方領土返還」も「北朝鮮による拉致問題の解決」も、ともに大失敗に終わった。 首相はへたに振り付けられて、プーチン大統領へは「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」などという台詞を口にしたり、滑稽でさえありました。 この間、外務省のまっとうな官僚は苦々しい思いを抱き続けていたはずです』、「プーチン大統領」への歯の浮くような「台詞」には笑ってしまったが、こんなのは、会談が上手くいった場合の「台詞」で、上手くいかなかった場合にも出すのであれば、物笑いの種になってしまう。
・『学術会議の任命拒否も当然? 人事権はすでに濫用されていた  Q:なぜ各省は、愚策と分かっていても押し返せないのでしょうか。 前川 菅義偉官房長官(当時)と、官邸官僚のもう一方の系統である「菅氏側近系」が、各省幹部の人事権を握って、“強引人事”を行ったからです。 その結果、局長や次官といった幹部が、のきなみ「官邸迎合官僚」「官邸忖度官僚」になっているのです。 従来、官僚の人事は、各省が自律的に決めていたのですが、安倍2次政権発足後の2014年に、審議官以上の幹部人事を一元管理する内閣人事局が内閣官房に設置されました。 この権限もあって、菅氏は、側近の杉田和博・官房副長官(警察庁出身)や国土交通省出身で一匹狼のような和泉洋人・首相補佐官らに支えられて、人事権を振るいまくったのです。 司としての責任感から、政策の問題点を指摘してくるような人間は、「こいつはどうも言うことを聞かない」と、各大臣が了承した人事案でもひっくり返して閑職へはじきだした。 一方で、素直に言うことを聞く人間を、もっと有り体にいえば、「(官邸のために)黒を白といえ」と言えば「白です」と言ってくれる人間を重用していったのです。 このときに特に暗躍したと思われるのが和泉氏です。 霞が関に広く人脈を張っている彼が、官邸のために動いてくれそうな人間を、杉田氏や菅氏に上げていったのだと思います。 そして、菅氏一派は現在も引き続き、人事をグリップしています。(構成・山家圭)前川喜平氏の略歴等は省略』、「和泉洋人・首相補佐官」は厚労省の大坪寛子大臣官房審議官と、コネクティングルームに宿泊で“公私混同”が問題になったが、和泉氏は不問になった。よほど、官邸に使い勝手がいいのだろう。

次に、2月1日付け現代ビジネスが掲載した経済アナリストの中原 圭介氏による「菅首相の“愚策”で、じつは“数十兆円”という「国民の税金」がドブに捨てられる…!」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79555?imp=0
・『菅義偉首相が「国難」の元凶  私は2018年に上梓した『日本の国難』において、日本に将来訪れる国難の原因は「少子高齢化(=人口減少)」と「AI社会での格差拡大」の2つにあるとし、その緩和策を進めるべきだと提案しました。新型コロナの感染拡大が広がる中で、少子化は想定以上に進み、国民の間で格差はますます広がっています。 しかし、今の菅義偉首相の場当たり的な対応しかできない惨状を見ていると、日本の最大の国難は「力量不足な人物が国の舵取りをすること」だと思っています。歴史や科学の見識を無視した結果、経済活動と感染抑止の両方に失敗した責任は甚大です。たった一人の明らかに誤った判断のせいで、生活が脅かされる。国民からすればたまったものではないでしょう。 菅首相が力を入れている政策には、近視眼的で本末転倒なものが目に付きます。合理的な根拠を示さないばかりか、むしろ精神論に近いという欠点が如実に表れているように感じられます。 その筆頭に挙げられるのが、「Go To トラベル」や「Go To イート」といった一連の政策です。中世ヨーロッパで大流行したペストにしても、第1次大戦中に世界中に拡大したスペイン風邪にしても、過去の歴史が教訓として示しているのは、人々の移動の増加が感染症拡大の主たる原因になっているということです。 菅首相は今でも「Go Toトラベルが感染拡大の原因であるとのエビデンスは存在しない」との立場を堅持していますが、歴史の教訓はエビデンスと同等の価値を持っているはずです』、「日本の最大の国難は「力量不足な人物が国の舵取りをすること」、とは言い得て妙だ。「歴史の教訓はエビデンスと同等の価値を持っているはずです」、その通りだ。
・『「人災」としか言いようがない  実際に、新型コロナの全国への感染拡大は10月1日以降、Go Toトラベルに東京が追加されてから広がってしまいました。さらには、東京版Go To イートが開始された後、東京で感染の再拡大が起き、それがGo Toトラベルを通して全国にますます蔓延していくという悪循環を辿っていきました。 その一方で、地方から東京に多くの観光客を訪れ、ウイルスを地元に持ち帰って感染が広がったということもあるでしょう。たしかに、Go Toと感染拡大に因果関係があるとは証明できないものの、Go To政策の推移と感染者数のグラフを見ると明らかに相関関係があります。 それは、Go Toの対象から早く除外された地域(たとえば、北海道や広島など)ほどいち早く感染者数の減少傾向が鮮明になっていますし、昨年末にGo Toを停止した影響が今の全国的な感染者数の減少にもつながっているといえるからです。 そもそも多くの感染症専門家が以前から、空気が乾燥する冬場は感染が広がりやすいと警鐘を鳴らしていたはずです。当然のことながら、大方の国民も同じ懸念を共有していました。それにもかかわらず、菅政権は専門家によるGo To 事業停止の訴えを無視して、昨年の12月初旬には、Go Toトラベルの翌年6月までの延長を決定していたのです。 その挙句に、菅政権は全国での感染拡大第3波を招いたわけですから、これは人災としかいいようがありません。人災の責任の一端は、Go To事業を推進した政治家、推進を後押しした専門家、さらにはGo To事業を囃したテレビなどのメディアにもあるといえるでしょう。 国民の危機意識の希薄化を招いたのは、明らかにGo To事業にあります。政府が旅行や外食に積極的に行くようにお墨付きを与えたことで、多くの国民の意識にそれが刷り込まれ、全国にコロナが蔓延していく下地がつくられていったのです。 それに加えて、今回の第3波の拡大途上では、政治家の大人数での会食など不見識な行動が露見し、国民の中には感染拡大を深刻に受け止めなくなった人々が増えていったのでしょう』、二階幹事長に至っては、全国旅行業協会の会長を務め、強く推進したようだ。「政府が旅行や外食に積極的に行くようにお墨付きを与えたことで、多くの国民の意識にそれが刷り込まれ、全国にコロナが蔓延していく下地がつくられていった」、同感だ。
・『税金で「感染拡大」して、税金で「後始末」という愚  今でも国民の7割程度は自らができる感染対策(3密回避、マスク着用、手洗い消毒)や不要な外出自粛を継続しています。それでも1割程度の人々に気の緩みが生じれば、感染爆発が起きるには十分すぎるほどなのです。というのも、徹底した感染経路の調査が機能するのは感染者が数百人単位が限界であり、千人単位では調査で追い切れなくなるからです。 もとより経済の専門家のあいだでも、経済活動を無理に推し進めれば感染爆発が起きて、経済がかえって想定以上に悪化してしまうという懸念が広がっていました。結局のところ、コロナ対策の大失敗が経済をいっそうダメにしてしまったというわけです。本末転倒とはまさにこのことです。 いずれにしても、Go Toトラベルによって新型コロナが東京都心から全国に拡大したのは、紛れもない事実です。税金を使って感染を広げ、税金を使って後始末をするというのは、あまりに馬鹿げていて滑稽すぎることです(外国人の入国制限の緩和も感染拡大の要因のひとつですが、この記事では触れないのでご了承ください)。 安倍前政権下で感染拡大の第1波に見舞われた際には、実施した対応策の反省すべき点を教訓としてたくさん与えてくれたはずです。 それを将来の政策に生かさなければならないのに、菅政権下ではそういった教訓が生かされている形跡はまったくありません。それどころか、歴史と科学の知見を無視する傾向が強まってしまっているようです(参考記事:『GoToキャンペーン、なぜか止めない菅政権の「反知性主義」という末路 政治の無能さをさらけだした縮図』)』、「税金を使って感染を広げ、税金を使って後始末をするというのは、あまりに馬鹿げていて滑稽すぎることです」、その通りだ。
・『スマホ料金値下げも、国民の利益にならない  そもそも菅首相が取り上げる政策は、本末転倒なものばかりです。私は本サイトでこれまでも菅首相がかねてより推し進めてきた「最低賃金引上げと中小企業再編」の問題(『最低賃金の「引き上げ」で、じつは日本が“米国並み”の「超・格差社会」になる!』)や、「ふるさと納税」の問題(『ふるさと納税、じつは日本人の「格差」を拡大させていた…!』)を批判してきましたが、「携帯料金の値下げ」も目先の国民受けだけを狙った、実に近視眼的な政策です。 なぜなら、携帯キャリア各社は通信機器やネットワークに対して巨額の設備投資を行い続けることで、サービスを提供しているからです。5Gを整備するためのコストは、4Gに比べて段違いにかかるとされているのです。 携帯事業は変動費の動きが小さいため、売上げが減少すると利益も減少するという収益構造になっています。携帯料金の値下げはストレートに利益の減少につながるので、携帯キャリア各社は来期から大幅な減益になるのが既定路線だといえそうです。 厳しい現実として、本物の5Gネットワーク(ミリ波を使ったもの)は東京の一角を除いてまったくといってもいいほど整備されていません。5Gの電波は4Gと異なり直進性が強いため、基地局の密度が4Gの十倍は必要だといわれています。これまでとは基地局の数が桁違いに必要となり、設備投資のコストも急激に跳ね上がるというわけです。 経済・社会のデジタル化が進む中で、5G通信は様々な分野で利用が不可欠となります。たとえば、将来の自動車分野で普及が期待される自動運転なども、5Gが利用できなければ絵にかいた餅になってしまいます。 携帯キャリア各社が料金の値下げによって投資余力を奪われ、5Gネットワークの整備が思うように進まなければ、企業も国民もデジタル社会の恩恵を十分に受けられなくなるのです。 菅首相に従順な総務省の官僚でさえ、今回の官製値下げはタイミングが悪すぎると危惧しています。携帯キャリア各社の本音も、値下げの強要はせめて5Gがある程度普及してからにしてほしかったというものでしょう。経済・社会のデジタル化の足かせとなる官製値下げによって、日本は5Gネットワークの整備が遅れ、米欧中に大きく水をあけられかねません。 おまけに、携帯料金の値下げにともなう通信サービスと携帯端末の分離販売が常態となり、スマホの価格がかつてよりかなり高くなっています。多くの人々がスマホの価格がずいぶん上がったと感じているはずです。これまでスマホを2~3年で買い替えるユーザーが多かったことを考えると、トータルで見た時に本当に国民の利益になっているのかも疑わしいのです』、「最低賃金引上げは、アトキンソン氏が主張しているもので、私も賛成である。「携帯料金」については、「中原」氏に賛成である。
・『記者クラブが容認し続けた「説明責任の放棄」  管首相は一都三県を対象にした緊急事態宣言の発出に際して、いくつかのニュース番組にインタビュー出演しましたが、恥ずかしげもなく「感染拡大は予想していなかった」という見解を披歴しています。先ほども触れましたように、専門家も国民も感染拡大を危惧していたというのに、我が国の首相の先見性の無さには呆れるしかありませんでした。 また、ある番組では「1か月後に事態が改善していない場合、感染対策を強化するのか」と問われ、「仮定のことは考えない」と答えたことも、危機管理能力の欠如を広く世間に露呈した形となりました。 こういった一連の発言で明らかになったのは、官房長官時代に危機管理が万全だったという評価は官邸記者クラブがつくりあげた幻想(嘘)だったということです。 というのも、官邸記者クラブはこれまで菅官房長官(当時)がまともに質問に答えない態度をずっと許してきたからです。 菅官房長官の定例記者会見において、「まったく問題ない」「批判は当たらない」「指摘は当たらない」といった決まり文句は、多くの国民が一度は聞いたことがあるでしょう。これらの言葉だけで済ませるのは、国民に対する説明責任の放棄にほかならず、言い方を換えれば、政治家として説明能力がないことを示しています。要するに、官邸記者クラブが菅官房長官の実力不足を覆い隠してきたのです』、「官房長官時代に危機管理が万全だったという評価は官邸記者クラブがつくりあげた幻想(嘘)だった」、「「まったく問題ない」「批判は当たらない」「指摘は当たらない」・・・。これらの言葉だけで済ませるのは、国民に対する説明責任の放棄にほかならず、言い方を換えれば、政治家として説明能力がないことを示しています」、その通りだ。
・『何十兆円単位の税金が無駄になる  平時ではなく危機時にこそ、政治家の本質がよく見えるものです。日本国民は新型コロナが蔓延する状況下において、「政治主導は政治家が優秀なら機能するが、力不足だと恐ろしく逆効果となる」ことを思い知りました。一国のトップがその資質を有していないと、何十兆円単位の税金の無駄遣いにつながることもわかりました。 「GoToトラベル」「携帯料金引き下げ」、「中小企業再編」「ふるさと納税」など、これらすべての政策は目先のことばかりが重視され、教養と長期的なビジョンが欠如しています。国家の大計を考えるのであれば、日本はもっと歴史や科学、データに強い政治家を増やしていくべきです。その中から優秀なトップが育っていくことが、豊かな日本を取り戻すきっかけになるのではないでしょうか』、同感である。

第三に、2月2日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに」を紹介しよう。
・『通常国会のさなかに発覚した与党幹部議員2人による「銀座の夜遊び」が、菅義偉首相の苦境に追い打ちをかけている。 国民的批判が爆発し、自民、公明の2議員はそれぞれ離党と議員辞職に追い込まれたが、危機管理の甘さも含め、菅首相の「政権運営の欠陥」(閣僚経験者)を露呈することになった』、同感だ。
・『与野党攻防の最中に炸裂した「砲弾」  政府は1日、首都圏や関西圏などに発令した緊急事態宣言を3週間から1カ月間程度延長する方針を固めた。2日に正式決定する。罰則を含めた対応強化のためのコロナ特措法・感染症法改正も2月3日に成立する見通しだ。首都圏は1月8日から、関西圏や福岡県などは同14日から宣言が発令され、1日当たりの新規感染者数も減少傾向にあるが、医療態勢はなお逼迫している。 国民の不信感は根強く、与党幹部議員の不謹慎な行動が菅内閣や自民党への批判を拡大させている。国会論戦で集中砲火を浴び続ける菅首相にとって、まさに泣きっ面に蜂の状況だ。 国会冒頭の与野党攻防がヤマ場を迎えた1月26日午後、週刊新潮と週刊文春が同時に放った“砲弾”が炸裂し、永田町は大騒ぎとなった。標的となったのは自民党の松本純国会対策委員長代理(当時、離党)と公明党の遠山清彦幹事長代理(同、議員辞職)。 両誌は、松本、遠山両氏が国会開会中で、かつ緊急事態宣言下の深夜に銀座の高級クラブに出入りしていたことを暴露。菅首相が国民に不要不急の外出自粛を懇請しているのに、それを無視した2人の行動に批判が爆発。菅首相や公明党の山口那津男代表は平謝りせざるをえなかった。 松本氏と遠山氏が銀座の高級クラブを訪れていたのは、第3次補正予算案の衆院予算委審議やコロナ特措法・感染症法改正での与野党修正協議のヤマ場で国会が緊迫していた最中だった。ネット上では「与党議員は銀座で豪遊し、国民はコロナで刑事罰か」などと憤激する書き込みがあふれた。 週刊新潮や週刊文春によると、松本氏は通常国会が召集された1月18日夜、銀座のイタリア料理店で飲食した後、午後11時過ぎまでお気に入りの銀座のクラブをはしごしていた。一方の遠山氏は、衆参両院での各党代表質問が終わった1月22日夜、有力な後援者との会食後に、深夜まで銀座の高級クラブで過ごしていた。 国対委員長代理だった松本氏は与野党修正協議の当事者で、幹事長代理だった遠山氏も1月25日の衆院予算委で公明党のトップバッターとして質問したばかり。1月27日の参院予算委で野党から厳しい追及を受けた首相は「大変申し訳ない」と陳謝。山口代表も「心からお詫びする」と謝罪した』、「“砲弾”が炸裂」により、「コロナ特措法・感染症法改正での与野党修正協議」での罰則が、野党側の主張に沿って刑事罰をすべて削除し、行政罰としたのは当然だ。
・『秘書のキャバクラ代を政治資金で支出  しかし、松本氏は職務を継続し、遠山氏は秘書のキャバクラ代を政治資金で支出していた事実も発覚。野党だけでなく国民の間にも「議員辞職にも値する」との厳しい声が広がった。国会運営にも影響が出かねない状況となったため、松本、遠山両氏は1月29日午後、それぞれ党執行部に役職辞任を申し出て受理された。ただその後も批判が拡大し、2月1日午前に遠山氏が議員辞職願を大島理森衆院議長に提出。同日午後には松本氏が党執行部に離党届を提出し、受理された。また、銀座のクラブで松本氏と同席していた自民党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣も更迭され、離党した。 松本氏も関与した1月28日の与野党協議ではコロナ特措法と感染症法の政府案について「懲役・罰金の刑事罰をすべて削除し、行政罰としての過料にとどめる」などで与野党が合意した。与党側からは「松本、遠山両氏の無自覚な行動が大幅譲歩の原因」(自民国対)との恨み節も漏れた。 自民執行部が当初、松本氏の処分に及び腰だったのは、菅首相と二階俊博幹事長が2020年12月の銀座での「8人ステーキ会食」で猛批判されていたからだ。政府与党の間では「秘かに夜会食を行う、同じ穴のムジナも少なくない」(自民若手)との声もあり、「厳しい処分をすると前例になる」(自民幹部)ことを恐れたとみられている。 菅首相は1月27日の国会答弁で野党議員から処分を求められると、「幹事長室で(飲食自粛の)通達を出しており、しっかり対応していく」と答弁した。しかし、松本氏はその日午後に開かれた麻生派総会の司会をつとめ、麻生氏が挨拶で「はなはだ不適切」と発言したが、松本氏自身は「どこ吹く風の態度」(派閥担当記者)だったとされる。 一方、クリーンを標榜する公明党の反応は「自民党とは違った」(幹部)。不祥事発覚後、遠山氏は平身低頭で謝罪し、党執行部に進退伺いも出していたとされる。しかし、山口代表らは「こちらが先行して遠山氏を処分して、自民党を困らせるわけにはいかない」(党幹部)との判断から、様子見を続けたとみられている。 第3次補正予算が1月28日に成立し、特措法改正などでの与野党修正協議も29日に合意した。水面下で調整のうえ、同日夕刻に松本、遠山両氏が相次いで役職辞任を申し出る形で幕引きを図った。しかし、批判は収まらず、週明けの2月1日にそれぞれ離党と議員辞職を余儀なくされた』、「山口代表らは「こちらが先行して遠山氏を処分して、自民党を困らせるわけにはいかない」(党幹部)との判断から、様子見を続けた」、ずいぶん遠慮深いようだ。
・『永田町の「マツジュン」と「遠山の金さん」  針のむしろに座る事になった松本氏は、当選7回の閣僚経験者で、所属する麻生派では麻生太郎副総理兼財務相の側近中の側近として知られる。政界では人気タレントに模して「永田町のマツジュン」と呼ばれ、国会対策での実績も持つ有力議員。しかも、菅首相とは初当選同期の親しい仲間で、菅、麻生両氏のパイプ役も務めてきた。 小選挙区となった衆院神奈川1区で1996年に初当選した松本氏は、その後、落選と比例復活を経験するなど、必ずしも選挙基盤は盤石ではない。今回の不祥事とその後の対応の拙劣さから、「次期衆院選では苦戦必至」(自民国対)との声が広がる。 一方、遠山氏は参院議員を経て衆院比例九州ブロックで当選し、次期衆院選では神奈川6区での立候補が決まっていた。党内では「将来の代表候補」との呼び声もあり、こちらも「永田町の遠山の金さん」と呼ばれる有力議員だった。 自らツイッターに投稿した謝罪動画では、「申し訳ありませんでした!」と大声で叫び、画面から姿が消えるくらい深く頭を下げるなど、事態の深刻さに身を縮めていた。遠山氏は週末に議員辞職の意向を固めて2月1日、大島理森衆院議長に議員辞職願を提出した。 遠山氏が出馬を予定した神奈川6区は、前回衆院選で公明党が唯一議席を獲得できなかった小選挙区だ。このため、必勝を期す党執行部が将来のエースと目される遠山氏を落下傘の形で投入していた。 今回の不祥事でも「候補者差し替えはない方針」(公明選対)だったが、「創価学会婦人部を激怒させた」(幹部)こともあって、遠山氏は1日、次期衆院選の立候補を断念した。 そうした中、政府は2月2日に緊急事態宣言の延長を正式に決める方針だ。その時点で全国的に新規感染者が大幅に減少していても、死亡者や重症者数が高止まりしている限り、国民の不安は消えない。当然、下落した内閣支持率も回復せず、今回の2議員らの不祥事で自民、公明両党の支持率低下も避けられない』、既に低下した「支持率」が「今回の不祥事で」「一段と下がる」のは当然だろう。
・『都議選への悪影響は避けられず  7月4日の投開票が決まった東京都議選では、前回惨敗した自民党は議席回復、公明党は前回以上の勢力確保がそれぞれの目標だ。しかし、今回の不祥事で都民がそっぽを向く不安は拭えない。とくに公明党は「選挙への悪影響は確実」(幹部)と嘆く。 1月31日に投開票された千代田区長選では、自公の推薦候補が小池百合子知事が支援した都民ファーストの会推薦の新人候補に敗れた。同日投開票の北九州市議選でも、自民公認候補の現職が6人も落選する事態となった。10月までに必ず実施される次期衆院選までに自公両党への逆風がやむ保証はない。 しかも、横浜市の区分けにより、松本氏の神奈川1区と遠山氏が出馬予定だった同6区は菅首相の神奈川2区を挟む形となっている。「次の選挙では、菅首相も自粛破りと批判されるのは確実」(自民選対)との厳しい見方も出る。 菅首相は、国会質疑で2度目の特別定額給付金の実施を否定した際、政府のセーフティネットとしては「最終的に生活保護がある」と発言して大炎上した。伝家の宝刀となる解散権も、「現状のままでは、抜く力すら失う」(自民長老)との見方も広がる。 菅首相が最後の頼りとするワクチン接種が難航するような事態ともなれば、今回の「銀座の夜遊び」が自民党内の菅降ろしの伏線となり、「新年度予算成立後の4月政変が現実味を帯びる」(同)との不穏な予測も出始めている』、「4月政変」とは面白くなってきた。
タグ:日本の政治情勢 (その53)(桜疑惑で安倍前首相に致命的弱点 “虚偽答弁”を見過ごすな、なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態、菅首相の“愚策”で、じつは“数十兆円”という「国民の税金」がドブに捨てられる…!、菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに) yahooニュース エコノミストOnline 「なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態」 Go Toキャンペーン」の推進と停止、「勝負の3週間」のステーキ会食&ガースー発言、緊急事態宣言発令をめぐるドタバタ劇 官邸官僚の「エイヤッ!」が愚策を生む 「「官邸官僚」は必ずしも、各分野にわたって専門知識や実態、経緯を踏まえているわけではないので、勢い、素人のような筋の悪いことも言い出すのです。 記憶に新しいところでは、コロナ禍を受けて実施した学校の「全国一斉休校」が典型です」 「「一斉」なんて、まったくの愚策だったとしかいいようがない」 声は大きいが実は仕事がない? 「経産省」の実態 経産省はかつては、欧米から「悪名高い」との形容詞つきで呼ばれ、日本株式会社の司令塔と思われていた 外交まで仕切ったあげく、首相に恥をかかせる 「プーチン大統領」への歯の浮くような「台詞」には笑ってしまったが、こんなのは、会談が上手くいった場合の「台詞」で、上手くいかなかった場合にも出すのであれば、物笑いの種になってしまう 学術会議の任命拒否も当然? 人事権はすでに濫用されていた 「和泉洋人・首相補佐官」は厚労省の大坪寛子大臣官房審議官と、コネクティングルームに宿泊で“公私混同”が問題になったが、和泉氏は不問になった。よほど、官邸に使い勝手がいいのだろう 現代ビジネス 中原 圭介 「菅首相の“愚策”で、じつは“数十兆円”という「国民の税金」がドブに捨てられる…!」 菅義偉首相が「国難」の元凶 「日本の最大の国難は「力量不足な人物が国の舵取りをすること」、とは言い得て妙だ 「歴史の教訓はエビデンスと同等の価値を持っているはずです」、その通りだ 「人災」としか言いようがない 二階幹事長に至っては、全国旅行業協会の会長を務め、強く推進したようだ。「政府が旅行や外食に積極的に行くようにお墨付きを与えたことで、多くの国民の意識にそれが刷り込まれ、全国にコロナが蔓延していく下地がつくられていった」、同感だ 税金で「感染拡大」して、税金で「後始末」という愚 「税金を使って感染を広げ、税金を使って後始末をするというのは、あまりに馬鹿げていて滑稽すぎることです」 スマホ料金値下げも、国民の利益にならない 「最低賃金引上げは、アトキンソン氏が主張しているもので、私も賛成である。「携帯料金」については、「中原」氏に賛成である 記者クラブが容認し続けた「説明責任の放棄」 「まったく問題ない」「批判は当たらない」「指摘は当たらない」・・・。これらの言葉だけで済ませるのは、国民に対する説明責任の放棄にほかならず、言い方を換えれば、政治家として説明能力がないことを示しています」、その通りだ 何十兆円単位の税金が無駄になる 東洋経済オンライン 泉 宏 「菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに」 菅首相の「政権運営の欠陥」(閣僚経験者)を露呈 与野党攻防の最中に炸裂した「砲弾」 「“砲弾”が炸裂」により、「コロナ特措法・感染症法改正での与野党修正協議」での罰則が、野党側の主張に沿って刑事罰をすべて削除し、行政罰としたのは当然だ 秘書のキャバクラ代を政治資金で支出 「山口代表らは「こちらが先行して遠山氏を処分して、自民党を困らせるわけにはいかない」(党幹部)との判断から、様子見を続けた」、ずいぶん遠慮深いようだ 永田町の「マツジュン」と「遠山の金さん」 既に低下した「支持率」が「今回の不祥事で」「一段と下がる」のは当然だろう。 都議選への悪影響は避けられず 「4月政変」とは面白くなってきた
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自動車(一般)(その4)(マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える 皆さんはどう思いますか、ホンダ GMとの提携拡大にみた自前主義の限界 収益低迷の「北米の4輪」に大幅なテコ入れ、「脱ガソリン車」を急ぐと 自動車業界が電機業界と同じ轍を踏む理由) [産業動向]

自動車(一般)については、2019年10月21日に取上げた。今日は、(その4)(マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える 皆さんはどう思いますか、ホンダ GMとの提携拡大にみた自前主義の限界 収益低迷の「北米の4輪」に大幅なテコ入れ、「脱ガソリン車」を急ぐと 自動車業界が電機業界と同じ轍を踏む理由)である。

先ずは、昨年9月7日付け現代ビジネス「マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える 皆さんはどう思いますか」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75394?imp=0
・『「好き勝手に書きやがって」「監視するのが我々の役目」。古くから行われてきた、企業とメディアの丁々発止のやり取り。いまここに、日本一の企業の社長が、大きな波紋を投げかけようとしている。発売中の『週刊現代』が特集する』、何があったのだろう。
・『唐突に始まった寓話  「話は長くなりますが、ロバを連れている老夫婦の話をさせていただきたい」 6月11日に開かれたトヨタの定時株主総会の壇上、話題が2021年3月期決算の業績見通しに及ぶと、豊田章男社長(64歳)はおもむろに語りだした。 「ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いていると、こう言われます。『ロバがいるのに乗らないのか?』と。 また、ご主人がロバに乗って、奥様が歩いていると、こう言われるそうです。『威張った旦那だ』。 奥様がロバに乗って、ご主人が歩いていると、こう言われるそうです。『あの旦那さんは奥さんに頭が上がらない』。 夫婦揃ってロバに乗っていると、こう言われるそうです。『ロバがかわいそうだ』。 要は『言論の自由』という名のもとに、何をやっても批判されるということだと思います。 最近のメディアを見ておりますと『何がニュースかは自分たちが決める』という傲慢さを感じずにはいられません」 遡ること1ヵ月ほど前、トヨタが発表した見通しを元に、マスコミ各社は、「トヨタの今期営業利益、8割減の5000億円」(日本経済新聞)、「トヨタ衝撃『8割減益』危機再び」(朝日新聞)と報じていた。 豊田氏の不満は、こうした報道に対して向けられたものだった。 「マスコミの報道について、私も決算発表の当日は、いろんな方から『よく予想を出しましたね』『感動しましたよ』と言っていただきました。 ただ、次の日になると『トヨタさん大丈夫』『本当に大丈夫なの』と言われてしまい、一晩明けたときの報道の力に、正直悲しくなりました」 なぜ「こんな状況でも臆さずに決算予想を発表した」ことを評価せず、「8割減益」というネガティブな報じ方をするのか。豊田氏は、そう言いたかったのだろう。 豊田氏は、社長に就任して以来、幾度となくメディアの「掌返し」を味わってきた。 社長に就任した'09年から'10年にかけて、トヨタでは「大規模リコール」が発生し、一時は「経営危機」とまで報じられた。 ところが、'13年に世界の自動車メーカーで初の生産台数1000万台を超え、'15年3月期決算で日本企業として初の純利益2兆円超えを達成すると、今度は一転、豊田氏の経営を称賛する報道が相次ぐ。 その後も、コストをカットすれば「下請け叩き」と非難されたし、執行役員の数を減らせば「独裁体制」と言われた。 そして今度は、あらゆる企業が苦しんでいるコロナ危機のなかで、トヨタの減益だけがことさら大々的に報じられ―。 何を言おうが、何をしようが、その時々の気分で好き勝手に報じるだけのマスコミの相手はしていられない。今回の決算報道のみならず、積年の思いが込められたのが、「ロバの話」だったのだ』、「豊田章男社長」が「時株主総会」で切り出したとは、よほど腹に据えかねていたのだろう。
・『だからキレてしまった  他の企業の経営者たちは、いったいどのようにこの寓話を受け止めたのだろうか。 「すき家」「ココス」などを展開する外食チェーン大手・ゼンショーホールディングスの代表取締役会長兼社長の小川賢太郎氏は「豊田さんの気持ちは理解できる」と語る。 「民主主義国家である以上、それぞれのメディアが変な忖度をせず、自由に報道すべきなのは大前提です。しかし企業側の感覚からすると、メディアの取材を受けても、『こちらの真意がきちんと伝わった』と思えることはめったにありません。 たとえば、テレビであれば10分の取材を受けても、都合のいい10秒だけが切り取られて放送されることもある。『それは、あまりにもアンフェアだよ』という気持ちは、僕が知っている多くの経営者が持っています。 豊田さんは、日本を代表する企業のトップとして常に矢面に立ってきたから、なおのことでしょう。 企業の責務として山ほど社会貢献をしてもほとんど報じてもらえない一方、ほんの少しでもヘマをすれば、『それ見たことか』と鬼の首をとったように書きたてられる。経営する側も人間ですから、苛立たないほうがおかしいのです」 別の一部上場メーカーの広報担当役員も、大手マスコミの取材手法に対する不満を打ち明ける。 「新聞やテレビの記者さんたちと話していて思うのは、とにかく勉強不足だということ。彼らは頻繁に『担当替え』があるので、業界や企業のことをあまり勉強しないまま取材に来る。 別に、難しいことを要求するつもりはありませんが、ホームページで逐一公開しているIR情報とか、有価証券報告書に記載している基本的な経営事項すら頭に入っていない状態はさすがに困ります。 『そんなことも知らないで、ウチの経営を評価する記事を書くんですか?』と思ってしまいます」 くわえて、前出の小川氏は、メディアの報道姿勢が「結論ありき」になっていることにも疑問を感じているという。 「現場の若い記者さんと話していると、『私の考えとは違うのですが、デスクや次長が話の方向性をあらかじめ決めつけていて、異論を受け入れてくれないんです』と言われることが多々あります。 我々の商売もそうですが、本質は現場の人間が一番わかっているものです。しかし、それを重視せず、会社にいる上司が記事の方向性を決めるというのは時代遅れです」 こうした思いを、豊田氏もずっと感じ続けてきたのだろう。'19年には、豊田氏は自ら肝いりでオウンド(自社)メディア「トヨタイムズ」の運用を開始する』、「彼らは頻繁に『担当替え』があるので、業界や企業のことをあまり勉強しないまま取材に来る。 別に、難しいことを要求するつもりはありませんが、ホームページで逐一公開しているIR情報とか、有価証券報告書に記載している基本的な経営事項すら頭に入っていない状態はさすがに困ります」、同感だ。
・『マスコミを見捨てた  一時期、「編集長」を拝命した香川照之が、テレビ電話で豊田氏に取材するCMがやたらと流れていたので、このサイトの名前を知っている人も多いだろう。 ページを開いてみると、アナウンサー・小谷真生子の司会のもと、豊田氏とスズキの鈴木修会長が語らう対談動画から、先述の株主総会の一部始終を書き起こした記事まで、コンテンツがずらりと並んでいる。 デザインも機能も、大手メディアのニュースサイト顔負けの作りで、トヨタの「本気」が伝わってくる。 トヨタイムズが本格始動して以来、豊田氏は大手メディアのインタビューをほとんど受けなくなった。 決算後の会見も、現行の年4回から、年2回(中間、本決算)に減らすという。代わりに、トヨタイムズの記事や動画には頻繁に登場し、経営の理念や考えを事細かに語っている。 消費者に対し、自前でメッセージを発することのできる環境が整ったのだから、もはや大手マスコミを介する必要はないということだろう。 「ここのところ、大手各社が豊田社長にインタビューを依頼しても、すべて断られる状況が続いています。 7月7日には、めずらしく中日新聞にインタビュー記事が載りましたが、後に、まったく同じ内容が『トヨタイムズ』に掲載された。『あれでは、もはや取材ではなく広告だろう』と言われています」(在京キー局記者) こうしたトヨタの姿勢を、当の大手メディアの記者たちは複雑な思いで見つめている。 「今回の『5000億円の減益』という業績予想だって、客観的な数字を報じているだけで、どの社もトヨタを過剰に批判したり、叩いたりしたわけではありません。 東証一部上場企業であるトヨタは、株主にも、車の消費者に対しても、大きな責任を負っている。それを監視し、情報を提供するのはマスメディアの責務です。 企業の目線で選別された都合のいい情報だけを伝えるのであれば、我々の存在は必要ない」(全国紙経済部デスク)) 元日本経済新聞記者でジャーナリストの磯山友幸氏は、「ロバの話」そのものに異論を唱える。 「なぜロバに自分が乗るのか、なぜ妻を乗せるのか、あるいは、なぜ乗らないのか。あらゆる場面ごとに意図を丁寧に説明して、世の中に納得してもらうことこそが、経営者の仕事でしょう。 そもそも、消費者の側だって、オウンドメディアが企業のPRの延長上にあることくらいわかります。 ひとたび自分たちに都合の良い情報だけしか発信されていないと思われれば、常に眉に唾して読まれる媒体になってしまう。そのことをよく考えなければいけません」 インターネットやSNSの普及と共に、大手メディアの報道を「マスゴミ」「ウソばかり」とこき下ろす流れは、次第に大きくなっている。 「新聞通信調査会が行った調査によれば、『新聞の情報は信頼できますか』という質問に対し、70代以上であれば60%以上の人が『信頼できる』と評価したのに対し、30代になると50%弱、20代になると40%弱まで落ちてしまいます。 企業はそういう状況を見て、『マスコミよりも自分達が直に出す情報のほうが消費者に支持される』と踏んでいるのです。 だから、かつては決して表に出すことはなかったオールドメディアへの不満を露にすることをためらわなくなってきた」(元共同通信社記者で名古屋外国語大学教授の小野展克氏) 世間のメディアに対する不信の目は、今年の5月、東京高検の黒川弘務検事長(当時)と大手新聞2社の記者たちがコロナ禍の真っ最中に「賭け麻雀」をしていたことが発覚したのをピークに、更に広がっている。 「メディアのスタンスが問われているいま、取材対象と身内レベルで懇意になってネタをとるというかつての手法は、読者の理解を得られなくなっている。だからこそ、なおさら企業の意向を忖度するような報道はできません」(全国紙経済部記者) だが、コロナ禍においては、企業トップへの取材が、以前にも増して難しくなっているという。 「多くの企業の会見がオンライン化したため、広報担当者がチャットで事前に記者からの質問をチェックしたうえで、会見に関係のある内容しか、経営者に回答させないようになりました。質問数も各社1問と限定されることがほとんど。 これでは、予想外の質問をして経営者の反応を見たり、追加の質問を重ねて企業の本音に迫りにくい」(前出・全国紙経済部記者)』、「トヨタイムズ」のURL[は、https://toyotatimes.jp/
これによれば、タレントの「香川照之」氏は依然、「編集長」のようだ。お飾りなのだろうが、「トヨタの現在地を確認できた95分間」、「豊田章男が語ったトヨタの未来とは 極秘映像を香川編集長が見た!、などが掲載されている。
・『損をするのは誰か  こうした、報じる側と報じられる側の「相互不信」は、企業報道のみならず、官邸とメディアの間でも顕著になっている。 「一昨年、森友学園問題に関して『私たちは国民の代表として聞いているんですから、ちゃんと対応してください』と官邸に要求した東京新聞の記者に対し、官邸側が『国民の代表は国会議員。あなたたちは人事で官邸クラブに所属されているだけでしょ』と突き放したことがありました。以前の官邸なら、こんな態度に出ることはなかった。 ネットの普及と同時に、『マスコミなんて信用されていないし、取るに足りないものだ』と考える政治家や経営者は、今後どんどん増えていくでしょう」(前出・小野氏) かつて広報部門の責任者を務めた経験もあるキリンホールディングスの磯崎功典社長は「どんな状況でも、企業とマスコミは対等に、誠実にやっていかなければいけない」と語る。 「メディアから厳しく書かれて悔しい思いをすることもあります。でも、それを報じるのが彼らの仕事であり、逃げずに対応するのが我々の仕事。耳が痛い内容であっても、事実であれば素直に耳を傾けることが、状況の改善に繋がります。 一方で、メディアの側も、『見出しありき』の記事が通用する時代ではなくなったと認識する必要がある。 トヨタさんのように、企業が世の中に広く発信することも可能になった以上、結論ありきの報道では読者の支持も得られなくなる。『反目はしないけれど緊張感のある関係』を保っていくことが、一番大切でしょう」 豊田社長の「ロバの話」が図らずも浮き彫りにした問題。書く側にも、書かれる側にもいずれも理はある。しかし、相互不信のまま、不完全な情報公開が続けば、損をするのは受け取る側だ。 皆さんは、どうお考えになるだろうか』、「不完全な情報公開が続けば、損をするのは受け取る側だ」、さらにいえば、企業の株価に占める不確実性リスク・プレミアムが上昇し、企業も損をすることになる。

次に、9月10日付け東洋経済オンライン「ホンダ、GMとの提携拡大にみた自前主義の限界 収益低迷の「北米の4輪」に大幅なテコ入れ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/374627
・『ホンダがアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と提携拡大に踏み出した。 両社は9月3日、北米向けの車両でのエンジンやプラットホームの共通化、部品の共同購買など幅広い分野での包括提携を検討すると発表。ホンダがこれまでの部分的な提携から大幅に深化させる背景には、自前主義の限界が垣間見える。 「新たな協業を通じて、将来のモビリティ技術への投資に向け、最大市場の北米で大幅なコスト効率の向上が実現可能となる」。ホンダの倉石誠司副社長は発表声明の中で、提携拡大の意義を強調した』、「GMと提携拡大」は当然だろう。
・『車の基幹部分にも提携範囲を拡大  1990年代に始まった両社の協業は近年、次世代技術の開発を中心に進んできた。2013年に燃料電池車(FCV)の開発で提携したほか、2018年にライドシェア向けの自動運転車、今年4月には電気自動車(EV)での共同開発を決めるなどしてきた。ただ、あくまで個別の技術分野ごとの協業にとどめてきた。 今回は車の土台に相当するプラットホームやエンジンなどを含め、車の商品力を左右する基幹部分にまで範囲を広げる。先進技術の研究開発全般での協力も模索しており、従来「独立独歩」を信条としてきたホンダにとっては大きな路線転換とも言える内容だ。 提携拡大における最大の目的は、低空飛行が続く4輪事業の収益改善にある。売上高では7割近くを占める4輪事業だが、2019年度の営業利益率は2輪事業が13.9%だったのに対し、4輪はわずか1.5%。高収益の2輪が不振の4輪を支える構図が近年定着している。 その4輪の低迷は、伊東孝紳・前社長の時代に世界販売600万台を掲げて推し進めた急激な拡大戦略が招いたものだ(2019年度は479万台)。身の丈を超えた生産能力が収益を押し下げたほか、モデル数の急増によって現場が混乱して開発効率も悪化した。 こうした事態を受け、2015年に就任した八郷隆弘社長は収益重視の方針に舵を切り、国内や英国などの工場閉鎖や研究開発体制の再編などに取り組んできた。とはいえ、業績面で目に見える成果はいまだ表れておらず、ここ数年は追加の収益改善策を迫られていた。 とりわけ北米は世界販売の4割近くを占める。本来であればホンダの屋台骨であるはずだが、2000年代後半に7~8%だった北米事業の利益率は2019年度には3.7%にまで低下。北米事業へのテコ入れが、そのまま4輪事業の再建に直結することになる。 ホンダはセダンを中心とした中小型車やハイブリッド車、GMはピックアップトラックなど大型車やEVを得意としており、新車開発での補完関係を築きやすい。ホンダ側の部品の現地生産も進んでおり、調達面での連携も比較的容易だ。 4輪事業の再建とGMとの協業深化を進めるのは、自動運転や電動化などCASEと呼ばれる次世代技術の開発競争が活発になっていることが背景にある。ホンダも年間8000億円超の開発費を投じるものの、独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車など業界トップメーカーやIT大手に比べると見劣りする。ホンダはEVなど一部分野では出遅れも指摘されており、巻き返しのためにも協業は欠かせない。 新型コロナウイルスによる事業環境の悪化も提携拡大の背中を押した。ホンダの北米での4~6月期の4輪販売台数は前年同期比で68%も減った。世界の4輪需要がコロナ前の水準まで戻るには3~4年程度要するとの見方が大勢だ。2輪に至っては、主力市場のインドや東南アジアでの感染収束が遅れ、販売回復時期の見通しさえ立たない。苦しいのはGMも同様で、両社とも投資への余力を失いつつある』、「ホンダ」と「GM」は「新車開発での補完関係を築きやすい」、シナジーを大いに生かしてもらいたい。
・『資本提携には踏み込まず  自動車業界ではVWとアメリカのフォードが自動運転などの開発で提携したほか、仏グループPSAとFCAが経営統合を決めるなど、合従連衡の動きが加速。ホンダはこれまで業界の仲間づくりの波に乗り遅れ気味だったが、GMとの提携拡大が実現すれば巨大市場の北米でも有数のアライアンスになる。 「GMと資本関係の議論はまったくしていない」とホンダ幹部が言うように、提携の範囲は拡大しても、あくまで資本の独立は維持するという従来方針に変更はなさそうだ。今回の提携は北米での事業に限られるが、ほかの地域に展開していくことも考えられる。将来的には生産拠点を相互活用する可能性もある。 4輪改革を進めてきた八郷社長には、今回の提携を通じて、目に見える形で成果を出すことが求められる』、「将来的には生産拠点を相互活用する可能性もある」、その場合には「資本提携」も必要になるだろう。

第三に、12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した早稲田大学大学院経営管理研究科教授の長内 厚氏による「「脱ガソリン車」を急ぐと、自動車業界が電機業界と同じ轍を踏む理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256869
・『「脱ガソリン車」の方針を明確化 温室効果ガスのゼロ目標は現実的か(菅政権は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明し、それに向けて2030年代半ばまでに、ガソリン車の国内での販売をやめる方針を打ち出した。 ハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授は、1991年に環境規制に関するポーター仮説を発表し、環境規制が企業に明確な技術開発のターゲットを示すことで、各社がそのターゲットに向けて効率よく技術革新を行うため、こうした環境規制は結果的にイノベーションを促進する、と指摘した。菅政権のガソリン車廃止の方針も、世界的にEV(電気自動車)の開発競争が進む中で、日本の自動車メーカーの開発競争を刺激する起爆剤となる可能性がある。 その一方で、急速なEVシフトには気をつけなければならない点が2つある。EVの早期シフトだけが必ずしも温暖化問題を解決し、日本の競争力向上に繋がるとは限らないからだ。 1つは、日本の技術的優位性の特徴にある。日本の自動車産業は、トヨタ自動車をはじめとする世界を代表するメーカーが高い国際競争力を有していて、その源泉は自動車開発の技術にある。しかしそれは、エンジンやサスペンションといった個々の要素技術が強いからではなく、個々の部品の関係性を上手く調整するノウハウにある。少し難しい話になるが、経営学ではこれを「アーキテクチャ知識」と呼んでいる。 たとえば同じPCでも、デスクトップPCとノートPCを比較すると、デスクトップPCは、部品さえ手に入れれば素人でも組み立てることができる。実際、PC専門店などでCPUやマザーボードなどの部品を購入し、自作PCを組み立てた経験がある人も多いだろう。 しかし、同じ部品から構成されるノートPCを自作する人はまずいないだろう。デスクトップPCは個々の部品と部品のつなぎ合わせが汎用的な規格で標準化され、基本的にはソケットに部品を入れたり、ケーブルをつないだりするだけでPCが完成する。なぜなら、部品同士をつなぐインターフェースが事前に規格化され、標準化されているので、標準的な部品と標準的なケーブルを接続するだけで、製品が完成してしまうからだ。 こうした製品の構成を、モジュール型のアーキテクチャと呼ぶ。モジュールとは、調整なしに組み合わせることができる部品のことを指している。PCとマウスはUSB端子で接続するが、これもUSBという事前に標準化されたインターフェースを使って、PCとマウスをつないでいるので、マウスは独立して開発することができ、どこのメーカーのPCにでも接続することができる。このとき、PCに対してマウスはモジュールであり、マウスをPCに接続するときに専用のカスタマイズなどをする必要はない。 一方、ノートPCは狭い筐体の中に効率よく部品を詰め込み、CPUが発生する熱などを上手く放熱してやる必要があるので、部品と部品の配置や関係性を上手くコントロールしないと、PCとして組み上げることができない。この場合、部品と部品との間のインターフェースは個別にカスタマイズされ、標準的な部品やケーブルなどを組み合わせるだけでは完成させることができない』、なるほど。
・『日系自動車メーカーの強みの源泉 インテグラル型のアーキテクチャ  こうした製品の構成をインテグラル型のアーキテクチャと呼ぶ。インテグラルとは統合の意味で、東京大学の藤本隆宏教授は「すり合わせ」という日本語で表現するが、すり合わせのイメージの通り、部品と部品を一つひとつ調整しながら、カスタマイズしてつなげていくことで製品がつくられる構成が、インテグラル型のアーキテクチャである。 この際、より機能や性能を向上させたり、サイズを小さくしたりするために、部品間の調整を行う知識やノウハウのことをアーキテクチャ知識と呼び、日本の自動車メーカーは自動車をつくるためのアーキテクチャ知識に優れていることが、競争優位の源泉となっている。 たとえば燃費を向上させる、乗り心地をよくするといった性能や機能は、エンジンだけではなくブレーキやシャシー、タイヤなどさまざまな自動車部品を複雑に調整することによって実現される。CPUを取り替えれば処理速度が速くなる、メモリを取り替えれば記憶容量が増えるといった、PCのようなモジュラー型の製品とは異なり、自動車のような一つの機能の実現が複雑な部品間の調整によって成り立っているインテグラル型製品の場合、技術や部品だけを持ってきても新規参入企業が先発メーカーの自動車と同等のクオリティの製品を真似することは、簡単にはできない。 なぜならば、日本車の優位性は個別の要素技術だけでなく、部品と部品を複雑に調整するアーキテクチャ知識によって成り立っているからだ。 アメリカのテスラや中国のEVメーカーが躍起になってEVを開発しているのは、単にガソリンエンジンなどの内燃機関を電気モーターに置き換えようとしているだけではなく、従来のインテグラル型の内燃機関の自動車製品開発を、モジュール型の製品に変えようとしているためだ。 まずEVにすることで部品点数を減らし、アーキテクチャの複雑性を下げるとともに、電気モーターをコンピュータ制御することで、これまで機械的に行われてきた巧みな調整プロセスをなくそうという試みである。EVがモジュール型の製品として確立すれば、日本の自動車産業が持つアーキテクチャ知識を無意味なものにすることができる』、私は「すり合わせ」型はよく見聞きするが、恰好良く言えば、「インテグラル型のアーキテクチャ」となるようだ。
・『ハイブリッド車は技術優位性の延命策だった  トヨタ自動車やホンダといった日本メーカーが、これまでハイブリッド車に力を入れてきた理由の1つは、電気モーターに内燃機関をセットにすることによって、複雑でインテグラルなアーキテクチャを自動車の製品開発に残すという、技術優位性の延命策でもあった。 意外に思われるかもしれないが、そもそもEVとは決して新しい技術ではない。実は、100年以上前のアメリカでは多くのEVが生産されていた。19世紀末から20世紀初頭の自動車の黎明期には、さまざまな自動車の動力源が提案され、ガソリン車の他に蒸気自動車や電気自動車など、さまざまなアイデアの自動車が製品化された。 愛知県長久手市にあるトヨタ博物館には、1902年にアメリカで発売されたベイカー・エレクトリックというEVが展示されている。「1馬力のモーターで時速40キロメートルの走行が可能。走れる距離は80キロメートルだった」という。 しかし、当時の電池やモーターの技術では十分な自動車の性能を引き出すことができず、内燃機関に一日の長があったので、今日までガソリン車やディーゼル車といった内燃機関の自動車が自動車界の主流を占めてきたのである。 その意味で言えば、どの自動車メーカーにとっても、EVは決して見たこともない新しい技術ではなく、かつて一度捨てたアイデアの1つに過ぎない。高容量のリチウムイオン電池や高性能な電気モーターの技術が登場するに至って、初めて内燃機関に並ぶ性能の自動車がつくられるようになった、というだけの話である。 日本の自動車産業にとって怖いのは、急速なEVの普及が自動車の製品アーキテクチャを急速に変化させ、モジュール型の製品にしてしまうことである。デスクトップPCやデジタル家電などはモジュール型アーキテクチャの製品の代表例であるが、どれも標準的な部品の組み合せによって誰でもつくることができる製品になったので、新規参入企業が増え、価格競争が激化し、あっという間にコモディティ化に陥ったのである』、「ハイブリッド車は技術優位性の延命策」、言われてみれば、その通りだ。「電機業界」の「コモディティ化」は、確かに業界構造を一変させた。
・『急速なモジュール化によって強みを奪われてしまった電機業界  日本のエレクトロニクスメーカーが2000年代以降、業績が振るわなくなったのは、急速なエレクトロニクス製品のモジュール化によって、日本が得意とするインテグラル型のアーキテクチャ知識が無意味になったことも一因だ。 エレクトロニクス産業の失敗の轍を踏まないためには、内燃機関からEVへのシフトはある程度慎重に行う必要がある。少なくとも、日本の主要自動車メーカーがEV化しても競争優位を維持できるような体制づくりができるようになるまで、ガソリン車という既存製品のビジネスが「キャッシュカウ」となって利益を出し続ける必要がある。ハイブリッド車という既存のアーキテクチャ知識を必要としながら、電気モーターという新たな潮流を組み合わせたまさに「ハイブリッド」なアイデアは、内燃機関からEVへのソフトランディングを行うための上手い戦略といえる。 また、現在のEVの性能は、かつてに比べれば飛躍的に向上したものの、まだ世界中の自動車をEVに置き換えるほどの性能にまで達しているとは言い切れない。一番の問題は、寒冷地対策だろう。気温が下がるとバッテリーの性能は低下するので、満充電からの連続走行距離は低下する。 さらに、暖房の問題もある。現在のガソリン車の暖房は、エンジンが発する余熱を利用しているので、暖房は燃費に影響しない。冷房の場合は、エアコンコンプレッサーを作動させるためにエンジンの力を必要とするし、送風のために電力も使うので、燃費に影響する。一方のEVは、そもそも熱を発するエンジンがないので、暖房をつけるためにもわざわざ電気を消費する必要があり、さらに走行距離は短くなる。 中国ではEVが急速に普及しているイメージがあるが、南部の沿岸部の比較的温暖な地域でこそ、タクシーはほとんどEVに置き換わっているものの、東北部などではまだまだガソリン車が主力だ。各社がEVにシフトする中で、内燃機関の自動車を必要とする地域が残るとすれば、ガソリン車をつくり続けるメーカーが残存者利益を獲得できるかもしれない。 さらに、Well-to-Wheel(油井から自動車まで)の考え方でいえば、日本でEVを走らせても「ゼロエミッション」にはならない。日本では東日本大震災以降、全ての原子力発電所を止めており、順次再稼働の方向性ではあるが、現在の電力の大半は石油などを燃やしてつくっている(参考URL)。電気は電池に充電する以外は燃料のように貯めておくことができないので、発電しても使われなかった電力や、電線の抵抗による電力のロスなども含めて考えると、発電所で重油を燃やすより、走るときに必要なだけガソリンを消費する方が効率は良い、という考え方もある』、「内燃機関からEVへのシフトはある程度慎重に行う必要がある」、理屈の上ではその通りだが、現実の競争社会では「中国」や「欧米」のライバルに遅れをとるわけにはいかない。「発電所で重油を燃やすより、走るときに必要なだけガソリンを消費する方が効率は良い、という考え方もある」、もっと実証的な論文などで裏付けてほしいものだ。
・『国内のガソリン消費を減らすだけで済む話なのか  もう1つの問題は、ガソリンだけが石油製品ではないという問題だ。ガソリンは原油を精製することによって取り出される石油製品の1つだが、同時に原油からは産業用に使われる重油、ディーゼル車に使われる軽油、家庭の暖房などに使われる灯油、家庭の調理器具やお風呂に使われるLPガス、プラスチックなどの化学製品の原料となるナフサなどが精製されている。 (石油製品の得率のグラフはリンク先参照) ガソリンの消費だけを減らしても、他の石油由来の製品の使用もバランス良く減らしていかなければ、日本国内のガソリン消費量を削減できたとしても、地球全体ではガソリン消費量が変わらないかもしれない。日本では、1970年代頃の公害問題が契機となってディーゼル車規制が強化され、極端にディーゼル車の販売台数が少ない。そのため、日本で原油から精製される軽油は国内消費よりも多くなり、韓国などに輸出されている。 ガソリンでも、同じことが起こるかもしれない。重油やナフサ、LPガスなどを必要とする産業がある限り、原油を輸入し精製するというビジネスは残り続け、これらを精製する過程でガソリンも生産されてしまう。余剰のガソリンを外国に輸出するようになれば、日本国内でガソリン車がなくなったとしても、世界のどこかでガソリンが消費されることには変わらないことになる。 温室効果ガス排出ゼロを実現するためにガソリン車を削減するということであれば、ガソリンが輸出され他国で消費されるのでは意味がなく、原油の消費全体を下げていくことを同時並行で行っていかなければならない。そのためには、重油を使う工場や、ナフサを使う化学メーカーなどが消費している石油由来製品の削減と歩調を合わせて、バランスを取る必要がある。その意味でも、ガソリン車だけを急速に削減することには課題が残る。 長期的な視点で見れば、自動車の大半はEVへシフトしていくだろう。またEVは、温室効果ガス排出量の削減に大きな貢献をすることが期待できる。しかし、自動車単体だけを捉えたガソリン消費削減ではなく、石油製品を使用する産業全体のエコシステムを見直すことが必要となり、また日本の自動車産業の競争優位の源泉を転換させるための時間稼ぎも必要となる。 冒頭に述べたように、政府がEVシフトの具体的な目標を掲げたことは産業界のイノベーション促進にプラスではあるが、目標数値だけが一人歩きしないようにする必要がある。全体のバランスを取りながら、何が地球環境と日本の自動車産業の競争優位にとってプラスなのかを、考えていく必要があるだろう。 また、本気でゼロエミッションを実現するためには、EVを走らせるだけでは意味がなく、動力源の電力の生産も含めてEVのサプライチェーン全体をゼロエミッション化することも必要だ。 サプライチェーン全体のゼロエミッション化では、スウェーデンに本社があるノースボルトという会社の取り組みが面白い。スウェーデンには、リチウムイオン電池の原料となるリチウムなどのレアメタル鉱山があり、ノースボルト社はリチウムの採掘から、EV用リチウムイオン電池の生産までを手がけているのだが、リチウムを細工するために必要なドリルなどの工具も、風力発電などのゼロエミッションエネルギーによって充電された機器だけを利用しているという。同様に、リチウムイオン電池の工場の建設や、生産設備の稼働も、ゼロエミッションエネルギーだけを利用して生産している。 同社の電池工場には、ドイツ政府やドイツの自動車メーカーも注目していて、メーカーとの提携や政府による融資保証などに基づいて、ドイツ国内にノースボルト社のリチウムイオン電池生産のためのギガファクトリー建設が進んでいる』、「全体のバランスを取りながら、何が地球環境と日本の自動車産業の競争優位にとってプラスなのかを、考えていく必要があるだろう」、正論だが、具体的姿を出さずに、筋論だけ主張するのは、問題だ。
・『自動車業界だけでなく各産業の協力が必要に  日本でも、単にEVを走らせるだけでは温室効果ガス排出ゼロは実現しないため、サプライチェーン全体のゼロエミッション化のために、多くの産業の協力が必要であろう。 太陽光発電も期待されるエネルギー源だが、発電量は天候に左右されるという問題があり、さらに森林を切り開いて無秩序に太陽光パネルを設置するような発電設備をつくることにより、景観破壊の問題も指摘されている。地域の景観問題とも両立し得る、高効率で小型化が可能、なしいはデザイン的に自然と調和するような太陽光パネルの新しい技術開発、製品開発も必要だろう。 ガソリン車ゼロの目標を柔軟に活用しながらも、将来的な温室効果ガス排出ゼロを目指して、自動車産業だけではなく各産業の協力が必要だろう。また、そこには新たなビジネスチャンスがあるだろう』、筋論としては異論はないが、そこまで話を広範囲に広げて、どうするつもりなのだろうか。「各産業の協力」、というのも、道義的なものではなく、価格メカニズムを通じたものでなければ、機能しないだろう。
タグ:自動車 (一般)(その4)(マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える 皆さんはどう思いますか、ホンダ GMとの提携拡大にみた自前主義の限界 収益低迷の「北米の4輪」に大幅なテコ入れ、「脱ガソリン車」を急ぐと 自動車業界が電機業界と同じ轍を踏む理由) 現代ビジネス 「マスコミはもういらない…トヨタ社長の「ロバの話」を考える 皆さんはどう思いますか」 唐突に始まった寓話 トヨタの定時株主総会 ロバを連れている老夫婦の話 「豊田章男社長」が「時株主総会」で切り出したとは、よほど腹に据えかねていたのだろう だからキレてしまった 彼らは頻繁に『担当替え』があるので、業界や企業のことをあまり勉強しないまま取材に来る。 別に、難しいことを要求するつもりはありませんが、ホームページで逐一公開しているIR情報とか、有価証券報告書に記載している基本的な経営事項すら頭に入っていない状態はさすがに困ります」、同感だ マスコミを見捨てた トヨタイムズ 「香川照之」氏は依然、「編集長」 損をするのは誰か 不完全な情報公開が続けば、損をするのは受け取る側だ」、さらにいえば、企業の株価に占める不確実性リスク・プレミアムが上昇し、企業も損をすることになる 東洋経済オンライン 「ホンダ、GMとの提携拡大にみた自前主義の限界 収益低迷の「北米の4輪」に大幅なテコ入れ」 ホンダがアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と提携拡大 車の基幹部分にも提携範囲を拡大 「ホンダ」と「GM」は「新車開発での補完関係を築きやすい」、シナジーを大いに生かしてもらいたい 資本提携には踏み込まず 「将来的には生産拠点を相互活用する可能性もある」、その場合には「資本提携」も必要になるだろう イヤモンド・オンライン 長内 厚 「「脱ガソリン車」を急ぐと、自動車業界が電機業界と同じ轍を踏む理由」 日系自動車メーカーの強みの源泉 インテグラル型のアーキテクチャ 私は「すり合わせ」型はよく見聞きするが、恰好良く言えば、「インテグラル型のアーキテクチャ」となるようだ ハイブリッド車は技術優位性の延命策だった 「ハイブリッド車は技術優位性の延命策」、言われてみれば、その通りだ。「電機業界」の「コモディティ化」は、確かに業界構造を一変させた 急速なモジュール化によって強みを奪われてしまった電機業界 内燃機関からEVへのシフトはある程度慎重に行う必要がある」、理屈の上ではその通りだが、現実の競争社会では「中国」や「欧米」のライバルに遅れをとるわけにはいかない 「発電所で重油を燃やすより、走るときに必要なだけガソリンを消費する方が効率は良い、という考え方もある」、もっと実証的な論文などで裏付けてほしいものだ。 国内のガソリン消費を減らすだけで済む話なのか 「全体のバランスを取りながら、何が地球環境と日本の自動車産業の競争優位にとってプラスなのかを、考えていく必要があるだろう」、正論だが、具体的姿を出さずに、筋論だけ主張するのは、問題だ 自動車業界だけでなく各産業の協力が必要に 筋論としては異論はないが、そこまで話を広範囲に広げて、どうするつもりなのだろうか。「各産業の協力」、というのも、道義的なものではなく、価格メカニズムを通じたものでなければ、機能しないだろう
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