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資本市場(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) [金融]

資本市場については、2019年12月8日に取上げた。今日は、(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く)である。

先ずは、本年2月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261895
・『突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは  新手のSNS「クラブハウス」(Clubhouse)の人気が周囲で突如過熱し始めたと感じたのが、私の場合は1月26日でした。使い始めたら、田村淳さんが藤田ニコルさんと会話していたり、箕輪康介さんの声が流れてきたり、与沢翼さんがいらっしゃったり、「いったいここは何なんだ?」という、まさにカオスな世界でした。 Clubhouseは「音声系SNS」と紹介されることが多いようですが、「誰でも配信できるラジオ」といったほうが実情に近いかもしれません。今のところClubhouseのアプリは、iOSでないと使えない(Androidでは使うことができない)という制約があります。何かを話したいと思った人がルーム(番組のことをClubhouseではこう呼びます)をつくって、スピーカー(ゲスト)を招いてルームを開始します。 ルームの設定が「Open」の場合は、主催者とスピーカーの会話を誰でも聞くことができます。私がアプリを使い始めた初日に田村淳さんと藤田ニコルさんの会話を聴くことができたのはそのような事情からで、ラジオ番組のようであり、友達同士の内輪の会話を盗み聞きするような感じでもあり、これは確かにちょっと不思議な体験です。 この1週間のリスナー体験でClubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性があることがわかりましたし、ビジネスでの利用を含めその将来性もいろいろと想像できるようになりました。一方、後で述べる理由からClubhouseは招待制であり、利用できない読者の方も多い状況です。 そこで本稿では、ITとビジネスに関心のある読者のために、Clubhouseの概容と潜在的な可能性について解説してみたいと思います。 Clubhouseは2020年にアメリカでサービスが開始されました。西海岸では5月頃に一度話題になり、音楽系のユーザーがコロナで自粛がちの日々に音楽を提供するような使い道の試行が続いていたようです。 その後も徐々にアメリカの利用者が拡大していく中で、つい先週、突然Clubhouseのユーザー数が拡大しました。そのタイミングは、日本だけではなく中国も同じだったといいます。その引き金になったのが、1月22日に報道された巨額の資金調達でしょう。 これはアプリ系のサービスがビジネスを拡大するときの定石でもあるのですが、小さく始めてサービス内容を微修正しながら、ユーザーの用途がはっきりしてきた段階でそれをアピールして資金を調達し、一気に大きくする段階に来たということです』、「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」、そんなに魅力的なのだろうか。
・『「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景  日本では1月24日頃から、「なんとなくClubhouseはすごいらしい」という話題が増え始めます。しかしClubhouseは招待制で、アプリをダウンロードしても誰か知り合いから招待してもらえないと参加できません。しかも当初の招待枠は利用者1人あたり2枠だけだったため、「Clubhouseに招待してほしい」というニーズが急速に高まりました。いわゆる「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです。 その後、メルカリで招待枠が4000円から1万円くらいで取引される事態となりますが、これはメルカリの規約に違反する出品ということで、今では取引できなくなっています。その間、ツイッターやLINEでClubhouseの招待枠を持っている人と欲しい人がどんどんつながって、利用者数が急増したのが先週の出来事でした。 そして、ツイッターやYouTubeなどで情報発信をするインフルエンサーがClubhouseを試し始めたことで、それ以外のインフルエンサーたちも一斉にClubhouseを試し始めます。これはFOMO(the Fear Of Missing Out)と言われる現象で、有名人ほど新しいブームに自分が乗り遅れることを恐れます。その結果として、なかなかレアな顔ぶれの音声情報配信が始まったのが冒頭のタイミングでした。 Clubhouseが面白い点は、リモートでありながら複数のスピーカーが会話をするのに遅延がほとんど感じられないというストレスのなさです。これはZoom会議と比較してみるとわかる違いです。 4人のスピーカーが話をしているルームにリスナーとして参加していると、Zoomでは会話の間に妙な間が空くのですが、Clubhouseはその間が感じられない。そのうえ、複数の人が同時に話してもClubhouseではちゃんとその音を拾ってくれます。つまり、4人がまるで同じラジオ放送のブースに入って話しているように聞こえるのです。 このあたりは、実は技術的にClubhouseが進んでいるポイントで、スピーカーの音声を拾ってデジタル処理したうえで合成し、リスナーには別のサーバー経由で戻したりしているらしいのですが、その説明はこれくらいにしておきます。 要するにClubhouseは、IT人材のレベルが高くて、さらに資金調達ができたため、日本の需要分もサーバーを増強できたということでしょう。ただ先週時点では、配信中にときどき音が途切れてつなぎ直すといった状況もありました。設備増強よりもユーザーが増加するスピードのほうが激しかったことが想像できます』、「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ。。
・『結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する  では、Clubhouseがこれまでのデジタルツールとどう違うのかを比較してみましょう。まず一番近いサービスであるラジオとの比較です。 そもそもラジオ局から出演を打診されなくても、そのような場で自ら情報配信ができるという点が新しい。しかし、それならばYouTubeも同じかというと、それよりも簡単です。なぜならClubhouseはYouTube配信と違って、出演者が1カ所に集まったり、動画編集をしたりといった手間がかかりません。 さらにラジオと違う点は、アーカイブが残らないこと。昔のラジオに近いと言ったほうがいいかもしれません。生配信の情報はリアルタイムで消えていって跡が残らないので、よりきわどいというか、公共メディアでは話せないような話題もClubhouseなら話すことができそうです。 ちなみに、録音したりメモをとったりするのは規約違反になっているので、たとえば「田村淳さんが何を話していたかは、記事で書いてはいけない」のがClubhouseのルールです。 一方で、ツイッターなどのSNSと同様に、管理者側が配信内容をチェックする体制になっています。ですから非合法なヘイトスピーチなどのルームを開いていると、突然アカウントが停止されるといったことがこれから起きると思われます。 もう1つラジオと違う点は、リスナーが何人くらいいて誰が聴いているのかが「見える化」されている点です。場合によっては主催者がそれに気づいて、リスナーをスピーカーに引き上げたりもできますし、リスナーが自分から挙手して「スピーカーとして話をさせてくれ」とアピールすることもできます。 そういうと逆に緊張してしまうといけませんが、実際はリスナーの99.9%はただ聴いていればよく、しかもいつでもルームから静かに退出することが可能です。 このようにラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができるという点は、SNSメディアとしての新しいポテンシャルを感じさせます』、「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ。
・『収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル  一方で収益モデルがどうなるかは、現在、Clubhouse側の意図はよくわかりません。これもアプリの新サービスを立ち上げるときの常套手段で、まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです。 また当然ですが、ルームに参加できる人は設定で制御できるようになっています。設定は3種類あって、1つは「Open」。これは要するに、誰でも自由に聴くことができるという設定で、今のところ著名人による多数の人向けの配信はこの設定になっています。 2つめが「Social」で、自分がフォローしている人だけが自由に入れます。3つめは「Closed」で、自分が選んだ人だけが入れる設定です。これらによって、Clubhouseはいろいろな使い方ができそうです』、「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど。
・『ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」  さて、このようなClubhouseの特徴を前提に考えると、今後Clubhouseはどのように発展していくと考えられるでしょうか。 1つはインフルエンサーや著名人、文化人などを中心に、簡単な情報発信の手段が1つ増えるということです。私の視点からいえば、アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点です。たとえば本連載のような記事について、本文には書き切れない情報があります。そのような場合に、追加でもう少し詳しく解説する目的でClubhouseを気軽に使う、という利用法はありそうです。 2つめに、オンラインサロン的な活用ができそうです。課金などの仕組みは後からつくられるか、ないしは別の方法でつくっておくとして、Clubhouseの仕組みを使うとごく一部の会員向けのルームをつくることが可能になります。私の場合、noteに「2021年のいつ頃に新型コロナが収束しそうか」といった未来予測レポートをアップしていますが、noteのように後に残るメディアだと、どうしても保守的な未来予測しか書けないという欠点があります。その点、Clubhouseならnoteとは違った話もできそうな気がします。 そして3つめに、これはClubhouse側が想定しているかどうかわからないのですが、企業の業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)にもClubhouseを活用することができそうです。 ClubhouseのCEOによれば、招待制はいずれなくして、早い時期に誰もが使えるSNSに変えていきたいという意向があるそうです。前述のようにClubhouseの利用には、特別な音声処理を行なったり、特別なサーバー経路を用いたりするなど、現状では利用者数を一定量よりも増やせない仕組み上の制約があるということでしょう。いずれClubhouseの設備が拡大増強されれば、もっと利用者を増やして安定運用できるようになるはずです。 その前提で考えれば、たとえばClubhouseを会社の組織内、たとえばグループでのリモート会議に活用することが考えられます。会議よりも簡単な数人での打ち合わせも同様です。ちょっと困ったことが起きて、急いで関係する人4人が集まって社内で相談する。新型コロナ以前であれば社内でそうやっていた業務が、Clubhouseならリモートで安全にできるようになります。 同じような使い方で業務改革と言えるインパクトがあるのは、たとえば3人以上の役員が集まって行う「ひそひそ話」でしょう。組織が大きければ大きいほど、役員はそう頻繁には集まることができない。スケジュールを調整するだけで時間がかかるというのが、これまでの状態でした。しかし5分で話せる緊急案件であれば、将来的にClubhouseを使うことで役員間の意思疎通が劇的に改善する可能性があります。これぞまさしく、業務のDX化というものです。 ちなみに、サンドイッチチェーンのサブウェイの創業者、フレッド・デルーカは、電子メールでの社内連絡が嫌いで、加盟店への一斉連絡には主にボイスメールを使っていました。理由は、電子メールだと怒鳴れないからです。その観点では、社員数10万人規模の大組織でも、Clubhouseを使えば毎朝社長が朝礼で話をすることも可能でしょう』、「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ。
・『企業のDX推進に与える影響は計り知れない?  実は、本稿を書いてみようと思った一番のきっかけは、Clubhouseの未来がどうなるかということよりも、DXにあります。記事の後半でお話ししたようにClubhouseのビジネス用途を考えるということは、すべての読者、すべてのビジネスパーソンにとってDXを考えるトレーニングになるということです。 私はよく「DXをどう行えばいいのか」という質問を投げかけられるのですが、経営者や管理職が考えるべきことは、実はこのように、新しいツールが登場して話題になるたびに一度使ってみて、それを業務に活用できないかを考えてみることだと思います。 その観点でいえば、LINEやTwitterの出現とは別の形で、今回のClubhouseも意外と経営者のツールとして使えるものになるかもしれません。トランプ前大統領が仕事にTwitterを多用したように、Clubhouseを多用する社長が出現してもおかしいとは思いません。 幸いにして、当初2枠だけだったClubhouseの招待枠は今週に入って増えています。まだ使ったことがない読者の皆さんは、周囲で招待枠を持っている人を探して招待してもらい、一度試してみてはどうでしょうか。 ただ、念のためにお話ししておくと、前述の役員3人のひそひそ話、現時点のサービスではClubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っているようなので、その点だけはお気をつけて――』、「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ。

次に、2月7日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの浦上 早苗氏による「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410282
・『「Clubhouseの日本のユーザー数は、2月4日時点で50万人程度だと試算している。初速の勢いがすごかった」 ソーシャル分析ツールを手がけるユーザーローカルの伊藤将雄社長は、アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」のユーザー数の伸びを独自に試算した。 1月23日に日本でもアプリがリリースされ、IT界隈のインフルエンサーがSNSで発信し始めたことで、26日以降ユーザーが急増。芸能人も流入し、1月末にユーザー数が10万人を突破したと伊藤社長は推定している。 Clubhouseは「音声版Twitter」と説明されることが多い。閉鎖空間で1対1で会話することも、ユーザーを限定し音声を公開することも可能だ。使い方によって電話にも、ラジオにも、双方向コニュニティーツールにもなる。音声はリアルタイムで流れ、保存はされない。 「テレワークの浸透やSNSの多様化で、目と手はふさがっているけど耳は空いているという人は多い。Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」と分析するのは、SNSや情報メディアの運営経験が豊富なITジャーナリストの岩崎綾さんだ』、「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ。
・『リリース1週間で20代の34%が認知  「耳を支配するアプリ」がなぜこれほど短期間に広がったのか。最もよく聞くのが、既存ユーザーに招待されないとアプリを使うことができず、ユーザーに最初に割り当てられる招待枠が2枠しかないことで、プレミアム感が出たという分析だ。 招待制、会員制というと日本発のSNS「mixi(ミクシィ)」を思い出す人も多いだろう。同サービスは2004年3月に 正式に始まり、9月16日にユーザー数が10万人、2005年4月3日に50万人を超えた。mixiの勢いもすごかったが、伊藤社長の試算では、mixiが1年かけて獲得した50万ユーザーを、Clubhouseはわずか10日余りでかっさらったことになる。 「コロナ禍で人と会えずコミュニケーションに対する需要が高かった」(岩崎さん)ことや、「Clubhouseに登録した人がFacebookやTwitterで紹介し、その周辺に広がる。既存のSNSに乗っかり、認知度を高めた」(伊藤社長)ことも、雪崩のようなブームを起こした。 メッセージアプリLINEの調査によると、1月30日時点のClubhouse認知度は2割弱。「知っている」と答えたのは20代の34%に対し40代は12%と、世代、業種によってばらつきはある。一方で、局地的に大ブームが起きているため、存在を知っていながら参加していない人の取り残され感は大きい。 Clubhouseは今のところアップルのアプリストアでしかダウンロードできないので、アンドロイドユーザーで、都内のIT企業で働く40代女性は疎外感を感じる日々という。 職場では皆やっているという前提でClubhouseの話題が出る。家庭の方針で『オレたちひょうきん族』を見られず、クラスの話題に入れなかった小学生時代を思い出す」と漏らす。都内の女子大学生は「友達でやっているのは40人くらい。Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」と話した』、「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた。
・『耳は空いていても「脳は支配できない」  Clubhouseの魅力について、さまざまな人から出てきたのが「有名人との距離が近い」という言葉だ。 映像のないClubhouseは複数が話せる「room」を立ち上げるハードルが低い。 リスナーは興味のあるroomに参加し、挙手ボタンを押して指名されれば会話に加わることができる。起業家や芸能人が複数で喋っているroomもあり、「ここだけの話」に触れられる期待もある。 ただし、リスナーが増えていくと著名人にとってはプライベートと仕事との線引きが難しくなるだろう。 岩崎さんは、「今後、roomを有料化する機能が出ると言われており、私はコンテンツの公開範囲や価格を決められる『note』の音声版をイメージしている。配信で収益をあげられるなら、芸能人やインフルエンサーにも会話を公開するメリットが出てくる」と予想する。 伊藤社長は「ITやクリエイター業界で、SNSは早く始めたほうが成功しやすいとの認識が共有されており、とにかくやってみようとの雰囲気になっているのでは」と分析した。 Clubhouseはこの勢いで短期間のうちに市民権を得るのか。岩崎さんは「過熱感はそろそろ薄れる」と見る。 招待枠は一時期メルカリに高値で出品されるほどだったが、1月26日朝アプリを使い始めた岩崎さんは、2月3日時点で招待枠が8つに増えた。頻繁にログインしてroomに入っていると増えると思われ、会員になることの特別感はすでにほとんどなくなっている。 ユーザーからは「ご無沙汰だった人と久々に話せた」「オンラインの人たちが集まって有意義な会話ができた」「仕事をしながら流し聞きできる」などポジティブな評価が多いが、毎日5~6時間ログインし、さまざまなroomに入っている岩崎さんは、「仕事をしながら聞いていると、いつの間にかClubhouseの音声が流れていることを忘れている。耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できないと感じた」と、スピーカーとリスナーの温度差を指摘した』、「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた。
・『DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反  ちなみにClubhouseは以下のような規約を定めている。 +18歳未満は利用できない。 +「本名」での登録が必要。通称がある人は追記できる。アカウント登録後、表示名を変更できるのは1度のみ。 +知的財産権などを侵害するコンテンツは配信できない。 +いやがらせ、差別、脅迫行為などの禁止。 そして、roomでのやり取りの記録は録音だけでなく書き起こし、メモも禁止。記録したければ全員に書面で了承を取る必要がある。Clubhouse側も、roomの稼働中にユーザーから違反行為の通報がない限り、会話を保存しないとしている。 記録を残さない、残させないのは、Clubhouseが「自由に発言できる環境」を優先しているからだろう。 ただし、Clubhouseの運営者がユーザーの規約違反をどの程度チェックし、対応しているかは明らかになっていない。 Clubhouseでは日本人ユーザーによる「DJがお勧めの音楽を配信する部屋」や「フォロワーを増やすための相互フォロー部屋」「Clubhouseでのroomの様子をYoutubeで配信する部屋」ができているが、いずれも規約違反だ。 1月末にはDonald Trump(ドナルド・トランプ)を名乗るアカウントが現れたが、日本人の悪ふざけだったようで、間もなく表示名が変更された(ただし前述したように、変更は1度限りだ)。 岩崎さんは「規約違反は招待した人が4、5代遡って全員アカウントを凍結されるとの話だが、それも確認した人はいない」という。 Clubhouseは2020年3月にアプリをリリースしたばかりのスタートアップで、今年1月に公表された資金調達の目的は、アンドロイドアプリの開発やサーバーの増強、サポート体制の確立のためとしている。 アカウントのなりすまし、名誉棄損に相当する発言、あるいは援助交際や違法薬物取引など犯罪行為をどうチェックし、どう対処するのか。アプリが日本語対応していない中で日本市場のサポート体制は今のところ期待できない』、「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう。
・『会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも  神奈川県座間市で2017年に起きた9人殺害事件。白石隆浩被告はTwitterで犯行相手を物色し、ダイレクトメッセージ(DM)で接触していた。被害者の1人の兄がDMのやりとりに気づきTwitterで情報提供を求めたことで、犯行が露見し逮捕に結びついた。 SNSを介して起きた痛ましい事件だったが、テキストベースで“痕跡”が残っていた故に、犯人も容易に特定できたわけだ。 Clubhouseはアカウントが電話番号と紐づけられ、その点は犯罪の抑止力になるだろうが、犯罪やトラブル、情報漏洩などが起きた場合、「記録を残してはいけない」という規約が調査を難航させる恐れがある。 日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない。ユーザーがいつログインして、どのroomに入っているかは記録しているかもしれないが、規約に書かれている通り音声が保存されていないなら、room内で起きた問題行為の立証のハードルは上がる」と懸念する。 Clubhouseは自由で親密なコミュニケーションを重視し、ユーザーの良心に信頼する制度設計になっているが、規約が機能しているかもわからず、一歩間違えれば「無法地帯」になりうる。 岩崎さんは「他のSNSで起きていることはClubhouseでも起きるだろうが、どうやって身を守るか、何か起きた後にどう処理するかは、現状では自己責任」と話した』、「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう。

第三に、2月10日付け東洋経済オンラインが掲載したconecuri 代表・ライターの高橋 龍征氏による「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410819
・『アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が、日本国内で一気に盛り上がりをみせている。 完全招待制である「レア感」、すべてのroom(部屋)内での会話の記録・複製が利用規約で禁じられており「今、ここでしか聞けない」という特別感。それらが急激にブームになった理由のひとつだろう。 アメリカでは2020年4月にローンチされたが、日本でユーザーが急増したのは2021年1月末から。2月11日現在、iPhoneやiPadのみの対応で、アンドロイドのスマートフォンユーザーは蚊帳の外。にも関わらず、21時以降のピークタイムには、アプリの動作が不安定になるほどアクセスが集中している状況だ。 新型コロナウイルスで長引く外出自粛・会食NGの日々、多くの人が雑談に飢えていたタイミングだったこと、初期から芸能人・インフルエンサーが続々参入したこともアプリの拡大を後押しした。 1月中旬までは、利用者はスタートアップやベンチャーキャピタル関係者が多く、特定層による”身内感”があったが、1月25日に登録したメディアアーティストの落合陽一さんが流れを変えたとも言われる。 アーリーアダプターを中心に「Clubhouse気になる」「招待枠ください」などとSNSに投稿をする人も増えた。27日には元AKB48の小嶋陽菜さんが利用を開始し、芸能人にも一気に広がっていった』、確かに普及は急速だ。
・『約2週間、60回以上利用してわかったこと  筆者は1月24日に登録後、毎日のように友人らとClubhouse上で雑談を楽しんでいる。「(名前だけは知っている)◯◯さんがリスナーに入ってきたから、一緒に話そう」という流れから生まれる、思いがけない出会いもある。アプリを起動すれば、事前に約束しなくても誰かしらが雑談していて、まるでネット上に行きつけの店ができたような感覚だ。 ラジオのように聞くという使い方もできるが、一方通行ではないところも面白い。Clubhouseにコメントやリアクションをする機能はないが、「挙手」機能があり、そのroomを仕切るモデレーターが承認すると、リスナーもスピーカーとして会話に参加することができるのだ。 フリーランス編集者として働く筆者はここ1年以上、在宅で働いている。長引く外出自粛で人恋しい気持ちもあり、このところ平日朝9時から30分間だけroomを立ち上げて、始業前の目覚まし代わりにおしゃべりをしている。トークテーマは漫画やアイドル、好きなファミレスチェーンの推しメニューなど、もっぱら趣味と生活の話だ。 先日、「ハロー!プロジェクト愛を語ろう」という趣旨でアイドルファンの方々と楽しく話していたら、リスナー欄にある元有名メンバーを発見。なんとスピーカーとして、飛び入り参加してくれた。 別の日には「30代が家について語る【賃貸か持ち家か】」というroomを作って、最近マンションを買った友人と不動産情報について会話をしていたら、たまたまリスナーにいた建築士さんが中古物件を買う上での豆知識を披露してくれたこともあった。 このように、軽い気持ちで立ち上げたroomで予想外のことが起こるのも、Clubhouseの楽しさのひとつである』、確かにその道の専門家は案外、身近なところにいるものだ。
・『記録・録音は禁止だが……  カメラなし・音声のみで人と繋がれるため、リラックスして会話できるのもClubhouseの魅力だ。Zoom飲みなどで「顔を出すのも疲れる」と思っていた人にもうってつけだ。 このようにさまざまな利点があるClubhouseだが、じわじわリスクもわかってきた。roomは一般に公開・非公開などと選べるが、気を付けるべきは公開を選ぶ場合。 気心の知れた友人と話していたつもりでも、roomのリスナーにひとりでもフォロワーが多い人が入ってくると、その人のフォロワーに通知されるため、一気に観客が増える。少人数の会話を楽しんでいたつもりが、いきなりカンファレンスのような人数に膨れ上がることもある。オフレコだからと放言するのは危ない。発言には気遣いが必要だ。 うっかり仕事上の機密情報や個人情報について口を滑らせてしまうケースも散見される。 まだマナーとルールが定まらないClubhouse。利用者のリテラシー次第では大事故にもなりかねない。いったい何に気を付ければいいか。以下、初心者向けの注意事項をいくつか記しておきたい』、なるほど。
・『+本人が開示していない個人情報に触れない  社名、家族構成など、相手がインターネット上で開示していない個人情報に触れないことが重要だ。普段から密に連絡をとる間柄であれば、なんとなく相手の温度感や、開示している範囲、インターネットに対する警戒心がわかる。しかし、Clubhouseを介して久々に話す相手との会話だと、うっかり口が滑ることもあるだろう。相手のプロフィール設定を確認してから会話したほうが無難だ。 また、子どもの名前なども要注意。「そういえば◯◯ちゃん、何歳になったんだっけ?」など、悪気なく口を滑らせてしまうこともある。インターネットへの警戒レベルは人それぞれなので、不安があれば事前にお互いのNG事項を聞いておくのもよいかもしれない、+居住エリアがわかる話はしない  「○○ちゃんとは近所仲間で〜」など、具体的な地名が入らなくても、どちらかが最寄り駅を公開していれば居住エリアが推測できてしまう。また、油断しそうなところだと、近所の飲食店の話も気をつけたほうがよさそうだ、 +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難(2021年2月現在は実名登録が原則であるものの、クリエイターなど、本名非公開の人も多く登録している。仮にトーク相手とオフラインで親しい間柄であっても、本名や本名由来のあだ名で呼べば身バレしてしまう。うっかり呼ばない配慮が必要だ』、確かに一定の緊張感を失わずに接する方がよさそうだ。
・『まだまだある「リスク」  +知らない人から招待してもらうのは高リスク  招待を受けるためには、電話番号が必要だ。しかし、招待枠が欲しいからと言って、SNSで「枠が余っていたらください」と呼びかけて、知らない人から枠をもらうのは危険と言わざるをえない。なぜなら、相手が受け取った電話番号情報をどう使うかわからないからだ。まずは、信頼できる知人に声をかけたほうが安全だろう。 +会社員は「自社のルール」を逸脱しない  プロフィール欄に勤め先を明記して使う人も多いだけに、一般社員の利用について、対応に追われている企業もある。 ある企業で広報を担当しているAさんは「本来なら、社名を出してのメディア出演やトークイベントをするには事前申請と広報チェックが必要です。しかし、Clubhouseをオンライン飲み会感覚で使う社員も多いんです。仲間内の話といっても、関係者や取引先が聞いている可能性もある。他社ではすでに公開roomで企業秘密を口をすべらせてしまうケースもあったようで、弊社もガイドラインの作成に追われています」と苦労を語っていた。 Clubhouseは会話のログが残りにくく、海外では「犯罪・ヘイト・デマの温床になっている」という指摘もある。まだ情報が少なく、手探りで使っている人も多いと思われる。まずは慎重に、注意深く利用したほうがいいだろう』、企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう。
タグ:資本市場 (その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) ダイヤモンド・オンライン 鈴木貴博 「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」 突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは 「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」 「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景 「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ 結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する 「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ 収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル 「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」 「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ 企業のDX推進に与える影響は計り知れない? 「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ 東洋経済オンライン 浦上 早苗 「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」 「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ リリース1週間で20代の34%が認知 「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた 耳は空いていても「脳は支配できない」 「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反 「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう 会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも 「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう 高橋 龍征 「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」 約2週間、60回以上利用してわかったこと 記録・録音は禁止だが…… 本人が開示していない個人情報に触れない 居住エリアがわかる話はしない +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難 まだまだある「リスク」 知らない人から招待してもらうのは高リスク 会社員は「自社のルール」を逸脱しない 企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう
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