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働き方改革(その32)(28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ 寮付き派遣、個人事業主、悪質無低の「負の連鎖」、欧米には日本人の知らない2つの世界がある、外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由 「ジョブ型」雇用で生き残る管理職の条件とは、「テレワーク続ける」24% 利用率低下は何を意味するか) [経済政策]

働き方改革については、4月7日に取上げた。今日は、(その32)(28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ 寮付き派遣、個人事業主、悪質無低の「負の連鎖」、欧米には日本人の知らない2つの世界がある、外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由 「ジョブ型」雇用で生き残る管理職の条件とは、「テレワーク続ける」24% 利用率低下は何を意味するか)である。

先ずは、4月13日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの藤田 和恵氏による「28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ 寮付き派遣、個人事業主、悪質無低の「負の連鎖」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/421240
・『現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく』、底辺を知る意味で取上げた。
・『「どうか助けてください」  ホームレス状態になって2カ月、所持金はついに16円になった。携帯は料金未納で止められている。仕事を探して連日歩きっぱなしだったので、スニーカーの底面には10円玉大の穴が開いてしまった。ここ1週間は公園の水道水で飢えをしのいでいる――。 コロナ禍の中、ここまで追い詰められたレイジさん(仮名、28歳)はようやくSOSを発信した。反貧困ネットワークやつくろい東京ファンド、TENOHASIといった市民団体でつくるネットワーク「新型コロナ災害緊急アクション」に助けを求めるメールを出したのだ。昨年11月、フリーWi-Fiが使えるファストフード店から送ったというメールには次のように書かれていた。 「あちこちさ迷い、仕事を探しながら面接などの前の日だけ漫画喫茶等でシャワーだけ借りて、身だしなみを整えてみたいな生活をしていたのですが、住所無し連絡取れる携帯番号無しなのでどこも雇ってもらえず先週とうとう残金も尽きてしまいました。~中略~就職に必要な履歴書や証明写真を買うお金すら無くなってしまいました。どうか助けてください……」(原文ママ) 20代の若者はなぜここまでの窮地に陥ったのか。なぜもっと早くSOSを発しなかったのか。 レイジさんは神奈川出身。高校卒業後は建設機械メーカーの工場で期間工として働き始めた。期間工を3年満期で雇い止めにされると、系列の派遣会社に登録。今度は派遣労働者として同じ工場で働くことになった。 レイジさんは多くを語ろうとしないが、両親、とくに父親とは不仲だった。派遣になったことをきっかけに1人暮らしをしようと、会社が用意した寮へと引っ越したという。 私が解せないのは、期間工のときには約350万円はあったという年収が派遣労働者になったことで約270万円へと下がったことだ。同じ工場で同じ業務をこなしながら、年収ベースで80万円もの大幅ダウンである。レイジさんは「派遣になってボーナスがなくなったんです」と説明する。しかし、キャリアを積み、スキルを身に付けた労働者を、雇用形態を変えることで安く使い倒すなど、果たして適切な働かせ方といえるのか。 レイジさんはその後も雇い止めになるたびにいくつかの工場で働いた。いずれも寮付き派遣だ。この間フォークリフトやクレーン運転士、有機溶剤を扱うための作業主任者など10近い資格を取ったものの、年収はほぼ横ばい。中には、「ボーナスあり」という約束を反故にされたり、残業代の未払いが常態化していたりといった悪質な職場もあったという。 このまま派遣を続けてもいいのだろうか――。そんなことを考えていた矢先、知り合いから居酒屋の店長をやってみないかと声をかけられた。20代半ば過ぎ、2年前のことだ。 「もともと人と関わる仕事がしてみたかった」と言うレイジさん。二つ返事で転身を決めた。店舗はその知り合いの名義で借りた物件で、厨房などの設備は一通り付いていた。別の友人に声をかけ、2人体制で切り盛りすることにしたという。 住まいのないレイジさんは店舗に住み込み、食事は賄い飯で済ませたので、水道光熱費や食費はゼロ。朝8時から深夜2時まで休みなく働いて週休1日と、体力的には厳しかったものの、売り上げは開店早々、月50万~60万円に達した。家賃など諸経費の支払いに加え、冷蔵庫やフライヤーを買い替えたりしたので、レイジさんが毎月手にすることができた「自由に使えるお金」は5万円ほどだったが、経営は順調だったという』、初めの「高校卒業後は建設機械メーカーの工場で期間工として働き始めた」、高卒は企業が奪い合いといわれる割には、条件が悪いところに行ったものだ。高校の就職指導がお粗末だったのだろうか。
・『コロナ禍で事実上の閉店を告げられた  しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によってすべてがご破算となった。店の売り上げは激減。昨年3月、声をかけてくれた知り合いから「店舗の賃貸契約を解約することにした」と事実上の閉店を告げられた。 レイジさんは「初期投資ゼロで始めさせてもらいましたし、不当に利益を抜かれたわけでもない。知り合いはできるだけのことはしてくれたと思います」と理解を示す。ただ睡眠3、4時間という異常な長時間労働や一方的な閉店通告などを考えると、体のいい“名ばかり個人事業主”だった側面は否定できない。 結局、閉店と同時に住まいを失ったレイジさんはホームレスになった。しばらく「日雇い派遣」で食いつないだ後、ネットで「ホームレス」「支援」などと検索したところ、自立支援をうたう民間施設を見つけた。問い合わせたところ、すぐに施設スタッフが駆けつけ、自治体の生活保護の申請窓口に同行してくれた。申請はすんなりと通り、そのまま施設へと連れていかれたという。 ところが、この施設の住環境がとんでもなく劣悪だった。もともとは1部屋だったものをベニヤ板で仕切っただけの3畳ほどの居室。食事も貧弱。エアコンがないので、毎年夏になると何人かは熱中症で倒れるらしい。さらに毎月の生活保護費10万8000円から、居室費、食費と称して8万4000円をぼったくられた。レイジさんは後になって、この施設が悪質な無料低額宿泊所(無低)であることを知った。 今回のコロナ禍では、住まいを失った生活保護申請者が強制的に悪質な無低に入居させられるケースが、あらためて社会問題となっている。レイジさんは自ら無低に連絡を取ったとはいえ、当事者が貧困ビジネスの食い物にされるのを自治体が黙認するという点で、問題の構図に大差はない。 レイジさんはこの間、10万円の特別定額給付金を受け取るために自治体に何回か問い合わせをした。家族とは音信不通であることも併せて伝えたが、そのたびに担当者は「世帯分離をしないと申請書は送れない」「まずは親御さんと連絡を取って」とけんもほろろの対応。結局10万円を受け取ることはできなかったという。 「無低では自立や就労に向けた支援は一切ありませんでした。高齢者や健康状態の悪い人の中には15年以上、入居している人もいました。ケースワーカーは面談に来ないので、こうした無低の実態は知らないのではないでしょうか」』、「ケースワーカーは面談に来ない」、なぜなのだろう。
・『日雇い派遣で食いつなぐ日々に逆戻り  ここは長くいるところじゃない――。無低入居から数カ月、焦ったレイジさんは再び寮付き派遣に飛びついた。自ら生活保護を廃止し、無低を退去。しかしコロナ禍による影響は依然として大きく、約束していた仕事は派遣会社によってあっけなく反故にされた。レイジさんは再びホームレス状態となり、日雇い派遣で食いつなぐ日々に逆戻りしてしまう。 東京に行けば仕事があるのではと、藤沢や戸塚、横浜といった街に着くたびにフリーWi-Fiを使って日雇い派遣の仕事を探しながら東京に向かってひたすら歩いた。パチンコ店の前を通るたび、店内で無料で配っている飴を食べて空腹を紛らわせたという。 「まさか自分がホームレスや生活保護になるとは思っていなかったので、人目がすごく気になりました。昼間、ベンチでうとうとしていたときに衣類が入った鞄も盗まれてしまって……。知ってました?今公園のベンチって、(座る部分に)手すりやでっぱりがあって横たわることができない作りになっているんです。あれってホームレス対策ですよね。そんなことも自分が路上生活になって初めて知りました」 このままではろくに眠ることもできず、飢え死にしてしまう。でも、生活保護を申請したらまた無低に入れられてしまうのではないか――。迷った末、レイジさんはネットで見つけた新型コロナ災害緊急アクションのメールフォームから助けを求めた。冒頭部分で紹介したメールである。 レイジさんは緊急アクションの担当者とともにあらためて生活保護を申請。担当者が同行したことで、今度は無低ではなく、東京都が一時入居施設として用意したビジネスホテルに入ることができた。 家族の機能不全に寮付き派遣、名ばかり個人事業主、日雇い派遣、無低――。レイジさんはおよそすべての社会の理不尽を経験してきたようにもみえる。ただレイジさん自身はそこまで強い憤りは抱いていないようにもみえた。とくに派遣という働かされ方については「高卒という条件を考えると仕方ないのかなと思います。日雇い派遣って違法なんですか?知りませんでした。でも、そのおかげで食いつなぐことができたわけですし……」と話す』、「無料低額宿泊所」では、「生活保護費10万8000円から、居室費、食費と称して8万4000円をぼったくられた」、確かに悪質だ。しかも、そこへの窓口になっているのが、「新型コロナ災害緊急アクション」である可能性がありそうだ。どうして、きちんとしたNPOがそのように悪用されてしまうのか、謎だ。また、「生活保護」窓口でも、見分けられる筈なのに、つるんでいるのだろうか。 
・『「1カ月くらい長期で働きたい」 それよりも、とレイジさんは言う。「ずるずると生活保護のお世話になるのは申し訳ない。とにかく1日も早く働きたいんです。雇用形態はともかく今度は長期で働けるところを探します」。 長期ってどれくらいですか?と私が尋ねると、レイジさんは「1カ月くらい」と答えた。愕然とした。1カ月は長期とは言わないだろう。しかし、派遣労働をしながら資格を取り、名ばかり店長として働きづめに働いてきたレイジさんにこれ以上、何を言えというのか。 細切れ雇用が当たり前だと思い込ませ、安易な雇い止めで路上に放り出し、生活保護を利用すれば悪質無低にぶち込む。そんな劣悪施設を1日も早く出ようと思ったら、寮付き派遣や日雇い派遣でも働くしかない。でも、不安定雇用だからいつ路上生活に戻ることになるかわからない――。20代の若者にそんな繰り返しを強いて、国や行政は本当にこのままでいいと思っているのだろうか。 新型コロナ災害緊急アクションの担当者と会った日、レイジさんは小口の支援金を受け取り、コンビニでおにぎり3つとサンドイッチ2つを買った。数日後あらためて私と会ったレイジさんが教えてくれた。 「ツナのおにぎり1つしか食べられなかったんですよ。おなかはすごくすいているはずなのに、胸のあたりが苦しくて」 何日も固形物を食べていなかったので、体がのみ込み方を忘れてしまっていたようだと、レイジさんは言うのだ。まぎれもない現代日本を生きる若者の現実である』、貧困者を食い物にする貧困ビジネスは徹底的に取り締まるべきだ。

次に、4月13日付け日経ビジネスオンラインが掲載したニッチモ代表取締役で中央大学大学院戦略経営研究科客員教授の海老原 嗣生氏による「欧米には日本人の知らない2つの世界がある」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00271/031900003/
・『日立製作所や富士通など、日本の大手企業が相次いで「ジョブ型」といわれる雇用制度に移行しています。ジョブ型とは、職務内容を明確に定義して人を採用し、仕事の成果で評価し、勤務地やポスト、報酬があらかじめ決まっている雇用形態のこととされます。一方、日本企業はこのジョブ型に対し、新卒一括採用、年功序列、終身雇用で、勤務地やポストは会社が人事権の裁量で決められる雇用形態を取っており、人事の専門家はこれを「メンバーシップ型」と称してきました。 今、日本企業が進めるメンバーシップ型からジョブ型への移行は何をもたらすのでしょうか。そのジョブ型に対する安易な期待に警鐘を鳴らすのが雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏です。同氏は長年展開されてきた「脱・日本型雇用」議論に対し、独自の視点で疑問を投げかけてきました。 本連載8回目では、4月1日に新著『人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~』(日経BP)を上梓した海老原氏が、日経BPのHuman Capital Onlineで続けている連載から、特に人気の高かった記事をピックアップしてお届けします。 残業が多く休みが取りにくい日本に比べ、欧米はワークライフバランスに優れ、女性も働きやすい。それというのもジョブ型雇用だから――。まことしやかに伝わるこんな話は大間違い。欧州企業にはジョブ型労働者とエリート層の2つの世界が存在し、働き方は全く異なる。 本論に入る前に、欧米と日本の社会構造の違いを知るために、こんな問題をまず考えていただきます。 Q1.欧州では、高学歴のエリートの卵が、入社早々、一般社員の上司になったりするのですか?』、一般論の誤解を解くとは興味深そうだ。
・『本物のジョブ型社会ではキャリアアップは難しい  連載の初回では、日本型の「無限定な働き方」とは、「易しい仕事から始めて、慣れたらだんだん難しくする」というものであることを説明しました。その結果、知らない間に習熟を重ね、給与も職位も上がっていくことになります。まさに無限階段が作られているわけです。 一方、欧米のジョブ型労働は、ジョブとジョブの間の敷居が高く、企業主導で無限階段を容易には作れません。キャリアアップの方法は、原則として 1、やる気のある人がジョブとジョブの間の敷居をガッツで乗り越える 2、一部のエリートが自分たちのために用意されたテニュアコースを超スピードで駆け上る の2つだけ。その他多くの一般人は、生涯にわたって職務内容も給与もあまり変わりません。 その結果、日本と欧米(とりわけ欧州)では、労働観が大きく異なってしまいます。日本では「誰でも階段を上って当たり前」という考え方が、働く人にも使用者にも常識となり、「給与は上がって当たり前。役職も上がって当たり前」(労働者側)、「入ったときと同じ仕事をしてもらっていては困る。経験相応に難易度は上げる」(使用者側)となるわけです。つまり労使とも、年功カーブを前提としているのですね。 このあたりを、具体的な事例でもう少し詳しく見ていきましょう。 例えば、採用面接に来た若者が、経理事務員として伝票処理や仕訳などの経理実務をこなせるとします。その若者を採用する企業はどんなことを考えるか。日本企業であれば「事務は入り口であり、数年したら決算業務をリードし、その後税務や管理会計も覚え、35歳にもなれば、経営管理業務に携わるように育ってほしい」と考えるでしょう。つまり、「経理事務」はあくまでキャリアの入り口であり、決算→税務→管理会計→経営管理と階段を上り、それに伴ってどんどん昇給し、役職も上がっていくと考えます。 一方欧州では、例外的なケースを除けば、事務で入った人は一生事務をやります。彼らの多くはこちらでいうところの高専や短大にあたるIUT(技術短期大学)やSTS(上級技手養成短期高等教育課程)、もしくは大学の職業課程(普通学科とは異なる)を卒業しています。経営管理に関しては、グランゼコールや大学院などで、それを学んだ人が就き、入社したときから「管理職の卵」としての扱いを受けます』、「欧州」でのコース分けは「入社したときから」明確のようだ。
・『欧米エリートこそスーパージェネラリスト?  このように、学歴と専攻に従って、公的な職業資格が与えられ、その資格で定められた仕事をする。つまり、自分の持っている資格に従って「一生事務のまま」「決算担当のまま」、上にも横にも閉じられた「箱」の中でキャリアを全うする。そのさまを、彼らは「籠の鳥」「箱の中のネズミ」と自嘲気味に語ったりします。年収も硬直的で、20代のころ300万円くらいだったものが、50歳になっても350万円くらいになるのがほとんどです。 同じ仕事を長くしていれば熟練度は上がり、同時に倦怠感も高まるという2つの理由で労働時間は短くなります。だから欧州(とりわけ大陸系国)の労働時間は短く、雇用者の年間労働時間が1500~1600時間程度に抑えられる国が多いのです。日本のフルタイマー雇用者の年間労働時間が2000時間程度であるのと比べると、400~500時間も短くなっています。ドイツやフランスでは残業はほとんどなく(もしくは代休を確実に取得させられ)、有給も完全消化します。この欧州型の「300万~400万円」で働く人こそ、本当の意味でジョブ型労働者といえるでしょう。 それを超えたエリート層(仏でいう「カードル」)たちは、昇進していくためには、「マルチジョブ/マルチファンクション/マルチリージョン」の経験が必要といわれ、重要な職務を数多く経験していきます。異動の際には企業から異動指令が出されます。もちろん日本のように強制ではなく、本人に拒否権はありますが、エリートの彼らは、多くの場合指令に従います。日本型の無限定雇用とそんなに違いはないと言えるでしょう。 重要な職務の階段を上る例として「マルチリージョン」を挙げるとすると、最初はフランス本国、続いて欧州内、さらに米国、その後は言葉も通じ、自国の文化も比較的浸透している旧植民地国、最後にアジア、などといった形で、(この通りでなくとも)難易度を徐々に上げていく仕組みになっているところも日本と似ています。 一方、年収300万~400万円のジョブ型労働者は、例えば今の仕事が機械化などで不要となった場合、職業訓練所に通い、新たな職業資格を取ることになります(その間は有給休暇となる)。フランスの公的職業訓練校の取得免許レベルを見ると、99%が「高卒・短大卒相応」であり、1つの「籠」から出たとしても結局、年収300~400万円の別の籠に移るだけの生活を、一生している人が多くなっています』、「欧米エリートこそスーパージェネラリスト」なのは確かだ。「欧州」の「ジョブ型労働者」は「一生」変わりばえのしない「仕事」をさせられるようだ。
・『ジョブワーカーたちが残業しない理由は「おなかが空くから」  こうしたジョブ型「籠の鳥」労働者の生活とはいかなるものでしょうか? 製造や販売、単純事務、上級ホワイトカラーとの端境領域(中間的職務)などを担当している彼らには、全く残業はないに等しく、17時になるとさっと仕事を終えます。銀行やお役所などでお客さんが列を成していても、「はい、ここまで」と窓口を一方的に閉じるのが当たり前。日本じゃありえませんよね。私が取材を申し込むときも、役所や学校などの公的機関であっても、「金曜はダメ」と平気で断られます。週末はもう働く気分ではないのでしょう。 そんな彼らに、私は取材で以下の質問をしたことがあります。 「夜遅くまでの残業は嫌だろうけど、明るいうちに18時くらいまで1時間超過勤務して、残業手当をもらって一杯やりに行く生活の方が良くはないか?」 と。 彼らの反応はどんなものか、皆さん想像できますか? 多くの日本人は欧州に憧れを抱いています。だから多分、「家に帰ると趣味や教養の時間になる」とか、「地域活動や社会奉仕など別のコミュニティーでの時間が始まる」などと、エクセレントな想像をするのではないですか?彼らの答えは全く違います。 「おなかが空くから家に帰る」 というものなのです。「おなかが空いたら、牛丼でもカレーでも食べて仕事をすればいいじゃないいか」と問い返すと、返答はこうです。 「あのね、朝飯でも10ユーロ(1200円)もかかるんだよ。夕飯なんて外で食べるわけないじゃない。外食ディナーなんて、友人が遠くから来たとか、誕生日とかそんなハレの日しかしないよ」 そう、バカ高い物価と低賃金のはざまで、そんな生活をしているのが実情なのです。それでも残業が全くなければ、夫婦共に正社員を続けることが可能です。そうすれば世帯年収は700万円くらいにはなる。欧州の国の多くは大学も無料に近いから、子育てもできる。だから何とか生活は成り立ちます。 さて、では彼らは長いサマーバケーションなどはどう過ごすでしょうか?フランソワーズ・サガンの小説などを読めば、ニースやトゥーロンなど南仏の避暑地でバカンスしているパリジャンの姿が思い浮かびませんか? 実際は、パリ郊外の公園にブルーシートを張ってキャンピングをしていたりします。この「ブルーシートを張ったキャンプ用地」の提供なども地元のお役所がやっています。 こんな状況をフランス研究の専門家、例えば夏目達也先生(名古屋大学)、五十畑浩平先生(名城大学)、永野仁美先生(上智大学)のような方にお話しすると皆、うなずいた後に「想像以上につましい生活をしている」とおっしゃいます。 スウェーデン研究者の西村純氏(労働政策研究・研修機構)はこんな感じで答えました。 「確かにつましいですね。でも、バーにはそれなりに行っているようですよ。ただし、ハッピーアワ―が終わると潮が引くようにスーッと人影がまばらになりますが(笑)」』、「欧州」の「ジョブ型労働者」は、「バカ高い物価と低賃金」であっても、「つましい生活」と「大学も無料に近い」ので何とかなるようだ。
・『「2つの世界」をごっちゃにしている日本人  結局、欧州は完全にエリートと一般ジョブワーカーの2つの世界に分かれており、米国はそこまできれいに分かれてはいませんが、それに類する社会となっているというのが、私の概観です。 エリートと一般ジョブワーカーとの間には大きな格差があるから、欧州の場合、社会全体が格差を是正するような再分配の制度をきっちり敷いている。でもそれによって、この階級分化がより強固に維持されている感があります。米国は、欧州のような職業資格での分断が起きないので、階級分化は「公的なもの」とは言えません。だからこそなかなか再分配政策が進まないのではないか、などと考えています。 この2つの世界の存在が、日本人にはあまり理解できないところで、人事や雇用、キャリアを語る上で大きな誤解を生んでいます。そこで、問題です。 Q2.欧州ではワークライフバランス(WLB)が充実し、休み放題と聞きます。グローバルエリートたちも短時間労働なのですか? 例えば「フランスなどでは午睡の時間があって、家に帰ってランチを食べた後、寝るような優雅な生活をしている」という話がまことしやかにささやかれます。 一方で「欧米のエリートは若くから精力的に働く。日本人の大卒若手のような雑巾掛けはなく、海外赴任やハードプロジェクトなどをバリバリこなしている」という話も、同じように日本では語られます。 どちらも間違っていませんが、指している対象が異なりますよね。そういうことを知らない日本人、しかも国内には2つに分かれた世界がない日本人は、誤解をしてしまうのです。あたかも欧米では、グローバルエリートまでもが午睡をしていると…(ちなみに「家に帰る」理由も「外で昼食を取ると高いから」です)。 ここまでいかなくとも、「2つの世界をごっちゃにした」似たような誤解は多々起こります。「欧米ではエリートでもWLB充実」とか「欧米なら育休を取って休んでも昇進が遅れることがない」なども、2つの世界の錯綜(さくそう)です。 向こうのエリートは夜討ち朝駆けの生活をしている。それは欧米企業の日本法人で「出世コース」にいる人を見れば分かるでしょう(ただし無駄な仕事はしていませんが)。フランスなどではエリート層にあたるカードルでも、男性がフルに育休を採るケースがあると言います。が、彼らは「家庭を選んだ人」と呼ばれ、昇進トラックからは外れていく。 女性実業家で有名なマリッサ・メイヤーはヤフーのCEO時代にこういう趣旨の発言をしています。出世したいと思うなら、育休は2カ月以上取るな。 つまり、WLB充実な生き方とはすなわち「籠の鳥労働者」の世界の話なのです。 この分断は社会問題にもなっていますね。EUでは多くの国で、ネオナチのような右翼・国粋主義的な政党が支持率を伸ばし、40パーセントもの支持を集めている国もあります。こうした問題に対して、世の識者は「移民や域内移動者に仕事を取られた人の不満だ」と解説します。 ですが移民と競合している人たちはどの国でも1割程度しかいません。そうではなくて「籠の鳥」労働者が、この狭い世界に閉じ込められていることで不満がたまった結果が、極右政党の伸長の陰にあると私は読んでいます。 人事や雇用に携わる人はこのことを絶対忘れずに。「欧米型を取り入れる」といったとき、あなたは、2つの世界のどちらの話をしているのか、しっかり考え、それをごっちゃにしないこと。そして、欧米型はつまるところ、2つの世界を生み出してしまうこと。これらを心していただきたいものです』、「欧米型はつまるところ、2つの世界を生み出してしまうこと」、既に非正規労働者と正規労働者の格差が大きくなっている上に、正規労働者も2つに分かれるのだろうか。

第三に、4月19日付け東洋経済オンラインが掲載した人材活性ビジネスコーチの櫻田 毅氏による「外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由 「ジョブ型」雇用で生き残る管理職の条件とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/421815
・『日本の主要企業が続々と「ジョブ型」雇用への移行を打ち出している。求められる人材はどう変わるのか。とりわけ管理職に必要な資質・能力はどう変わるのか。『管理職3年目の教科書』の著者・櫻田毅氏が、「ジョブ型」雇用でも生き残る管理職の条件について解説する』、興味深そうだ。
・『世界標準の「ジョブ型」雇用  日本企業の雇用システムが、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へと移行する兆しがあります。全体から見るとまだ一部ですが、富士通、日立製作所、KDDI、三菱ケミカルなどがその方針を打ち出しています。 背景には、第4次産業革命と呼ばれる技術革新と社会変化において、専門性の高い人材の確保なしには生き残ることはできないという経営者の危機感があります。 これまでの日本企業は新卒一括採用で事後的に配属を決め、その後も異動やジョブ・ローテーションを通じた幅広い経験によって、包括的な視野と社内人脈を築いていく人事政策、すなわち人に仕事を当てはめるメンバーシップ型雇用を採用してきました。 ただしこれは、終身雇用と年功序列とともに、高度成長期における規模拡大の事業戦略に対応した、人材を丸抱えで確保するための日本特有のシステムです。 欧米をはじめとする日本以外の国では、仕事に人を当てはめるジョブ型雇用が一般的です。職種と役職ごとにジョブ・ディスクリプション(職務記述書)で仕事の内容を定義して、その要件に適した人材を新卒、中途の区別なく採用します。採用後も、同一職種内の昇格はあっても、原則として本人の同意なしに他の職種へ異動することはありません。 そういう意味で、一部の日本企業のジョブ型雇用への移行は、環境変化に適応できなくなってきた古い時代の日本特有のシステムが、世界標準へと修正されていると考えることができます。前出の富士通や日立製作所などのグローバル企業の経営者も、「今回の移行は世界標準に合わせるためでもある」と明確に述べています。 さらに、専門性の高い人材を確保するために、中途採用者の増加や能力に応じた報酬体系の大胆な見直しも行われています。NECは新入社員でも高い専門性があれば1000万円の年俸を支払う制度を、富士通は高度なデジタル人材に対して最高で4000万円を支払う制度を導入しています。 いま日本企業に起きているこのような変化をひと言で表すと「専門能力を基準とした人材価値の再評価」です。ジョブ型雇用はその象徴的な例であり、これからは、スタッフか管理職かにかかわらず、全社員が特定分野の高い専門性を有しているスペシャリストであることが求められているのです。) そこで問題となってくるのが、チーム・マネジメントという役割を担っている管理職のあり方です。優秀なプレーヤーであっても管理職に登用されたことで事務的な仕事に時間をとられ、スペシャリストとしての能力が希薄化していく人や、人事ローテーションで不慣れな部署の管理職になったのを機に、専門的なことは部下に任せて、自分は組織マネジメントや他部門との調整、担当役員とのコミュニケーションなどで役割を果たそうと考える人もいます。いわゆるゼネラリスト・マネジャーです。 しかし、最近、専門的なことがわからない上司とどう付き合えばよいのか、という社員の悩みを耳にする機会が増えてきました。ジョブ型かメンバーシップ型に関係なく、すでに現場はゼネラリスト・マネジャーに対する違和感を訴え始めているのです』、ここで「「ジョブ型」雇用」としているのは、第二の記事での「ジョブ型」ではなく、エリートを指しており、定義が違っているのは要注意だ。
・『生き残るのはスペシャリスト・マネジャー  専門能力を基準に人材価値が再評価される時代に求められる管理職は、高い専門性を有して技術的にもビジネス的にもチームを牽引できるスペシャリスト・マネジャーです。 私が勤めていたアメリカ企業の社員たちは、スタッフのときはもちろんのこと、たとえ管理職になっても決してプレーヤーの座を手放そうとはしません。私は役員の1人として経営に携わっていましたが、そのときでも1人のコンサルタントとしていくつかの顧客企業を担当していました。 調査担当の役員も、チームの誰よりも高い調査能力を発揮して質の高いレポートを出していましたし、法務担当役員も、社内で最も高い専門性を有する法律家として自ら契約交渉の場に臨んでいました。 もちろんその理由は、人材価値の源泉である専門能力を維持・向上させるためですが、それに加えて、そのほうがマネジャーとしての役割を、よりしっかりと果たすことができるということもあります。 すなわち、高い能力を有する自分自身がプレーヤーとして参加することがより大きなチームの成果につながり、プレーヤーとしての自分の姿を間近に見せることがメンバーの育成になると考えているのです。さらに、そもそも実務に精通していない人に、マネジャーとしての重要な判断などできるわけがないとも考えています。 彼らはマネジメントと実務を高い質で両立させるために、徹底的に自分自身の生産性を高める努力をしています。大原則は迅速な意思決定と迅速な行動でPDCAを高速回転させることなのですが、私がアメリカ系企業で実際に経験したことを一例として紹介します。 もし、社内で何か新しいアイデアを形にしようと思ったとき、発案者はとりあえず「すぐに」メモを1枚作成して「すぐに」関係者と議論します。その場で内容の妥当性を確認して必要な修正を施して、「すぐに」行動に移すという仕事のスタイルです。 ポイントは、十分な情報がない中で、この最初の1枚をどれだけ早く出せるかです。「何のために、いつまでに、何をやって、その結果何が変わり、ビジネスにどう影響するのか」。これを、経営戦略や業務方針と整合的な内容で箇条書きにします。 不十分な情報やアイデアでも方向性さえ間違っていなければ、ファーストアウトプットを出すことで、必要な情報やアイデアが磁石のように集まってきます。その結果、1枚のメモが短期間で洗練されたアクションプランに仕上がっていくのです。 優秀だと言われている人たちは、アイデアの提案、問題解決策の策定、新規資料の作成、問い合わせへの回答などのあらゆる場面で、この最初の1枚を圧倒的なスピードで出すことに長けていました。 私の実感でも日本企業の数倍のスピード感があるアメリカ企業には、このような「やるからわかる」という企業文化があります。これに対して「わかってからやる」というのが日本企業の文化です。この違いが両者の生産性の差の一因となっているように思います。 仕事の価値は「スピード」と「質」のかけ算で決まります。荒削りでも構わないからファーストアウトプットを迅速に出し、そこに集まってくる情報を取り込みながら修正を重ねて質を高めていく──このほうが、圧倒的に「スピード×質」を最大化できるのです』、「スペシャリスト・マネジャー」としているのは、より一般的にはプレイング・マネジャーと同義なのではなかろうか。
・『専門性とマネジメントは両立させるべきもの  プレーヤーとしての自分の専門性を高めていくこととチーム・マネジメントは、どちらを優先させるかといったトレードオフの関係ではなく、マネジャーとして成果を出すためにも、ビジネスパーソンとしての自分の価値を高めるためにも、お互いにいい影響を及ぼしながら両立させるべきものです。 アメリカの企業のマネジャーが、どれだけ忙しくても部下との定期的な1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングの時間をとっているのも、そのようにして部下の仕事と成長をサポートするマネジメントが、結果的に自分とチームの「スピード×質」を最大化すると信じているからです。 ジョブ型かメンバーシップ型に関係なく、専門能力によって人材価値が再評価されていく流れにおいては、専門性とマネジメントを両立させるスペシャリスト・マネジャーの時代です。ゼネラリストとスペシャリストは役割が違うので両方必要だという日本企業の考え方は、社員を丸抱えしてきた古い時代の会社都合の発想であり、どこでも通用する市場価値の高い人材を育成するものではありません。 日本企業の管理職の皆さんにとってはチャレンジかもしれませんが、いいものを迅速に取り入れて自分たちのものにする日本人の力は、世界的に見ても非凡なものがあります。試行錯誤しながらもその呼吸をつかみさえすれば、単なるプレーヤーとしてではなく、チームとしてより大きな成果を出す力のある人材として、社内に限らず市場での価値も一気に高まっていくことでしょう』、「アメリカの企業のマネジャーが、どれだけ忙しくても部下との定期的な1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングの時間をとっている」、のは、忙しい時には部下とのコミュニケーションを疎かにする日本企業も大いに学ぶべきだろう。

第四に、4月26日付け日経ビジネスオンライン「「テレワーク続ける」24%、利用率低下は何を意味するか」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00281/042300009/
・『緊急事態宣言が2020年4月に発令され、多くの企業が在宅勤務を主としたテレワークで対応した。しかし、都市と地方では温度差があるようだ。 オフィス用具大手のアスクルの調査によると、東京都や愛知県など大都市を擁する地域のテレワーク利用率が高い傾向が分かる。一方、東北や北陸、中国・四国などの地方は「テレワーク制度がない」と回答した企業が8割近い。 利用頻度にも変化がみられる。20年5月と21年4月の調査結果を比較すると、昨年は週5日のテレワーク利用が最も多く25.4%だったが、今年は12.6%まで急減している。代わりに週2日や週1日の利用が増えており、利用率の低下が顕著に表れた。 コロナ禍は依然として収束が見えない状況ではあるが、1年前と比べて出社する従業員が増えている状況がうかがえる。実際、企業もテレワークを制度として導入するか迷っているようだ』、「20年5月と21年4月の調査結果を比較すると、昨年は週5日のテレワーク利用が最も多く25.4%だったが、今年は12.6%まで急減している。代わりに週2日や週1日の利用が増えており、利用率の低下が顕著に表れた」、通勤者数も1年前より増えているようだ。
・『テレワーク制度の実施期間については「恒久的な制度になる予定」と回答した企業が24%に達した。20年5月時点では10.9%だったから、テレワーク推進に前向きな企業が増えているのが分かる。 半面、「まだどちらになるか分からない」との回答は昨年の35.4%から今年は42.1%と6.7ポイント増加しており、制度の恒久化についてはまだ時間がかかるものとみられる。 日本の企業がテレワークに慎重な姿勢を見せる理由は、在宅勤務の長期化によってオフィスで働くよりも生産性が低下すると考えているからだ。 パーソル総合研究所上席主任研究員の小林祐児氏は「テレワークの生産性に関する国際的な調査では欧米に比べて日本は消極的な回答が多い。しかし、これは企業が在宅勤務にお金を懸けていないから。コロナ後に在宅勤務用のIT機器などに支出した金額は主要国で日本が最低だ」と指摘する』、「日本の企業がテレワークに慎重な姿勢を見せる理由は、在宅勤務の長期化によってオフィスで働くよりも生産性が低下すると考えている」、「これは企業が在宅勤務にお金を懸けていないから。コロナ後に在宅勤務用のIT機器などに支出した金額は主要国で日本が最低だ」、その通りなのだろう。
・『実際、テレワーク実施での課題を聞くと「作業環境の整備」や「ハードウエア機器のスペック」を挙げる企業が多い。結果、オフィスと同様かそれ以上の生産性を在宅勤務で担保することが難しいようだ。だが、子育て世代にあたる30~40代の従業員にはコロナ後にもテレワークを希望する層が多い。 パーソル総研の調査ではテレワーク実施中の正社員の78.6%が継続を希望している。 小林氏は「コロナ後は恐らくなし崩し的に出社が増えるが、テレワークは労働者の“権利”になってくるだろう。人材の獲得競争に勝つためには、より広い地域から候補者を募れる居住地の境界を越えるテレワークの導入が欠かせない」と分析する』、「子育て世代にあたる30~40代の従業員にはコロナ後にもテレワークを希望する層が多い。 パーソル総研の調査ではテレワーク実施中の正社員の78.6%が継続を希望している」、子供に仕事を邪魔されたりして、こうこりごりとの回答が多いのではと思ったが、全く逆の結果には驚かされた。何故なのだろう。
タグ:働き方改革 (その32)(28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ 寮付き派遣、個人事業主、悪質無低の「負の連鎖」、欧米には日本人の知らない2つの世界がある、外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由 「ジョブ型」雇用で生き残る管理職の条件とは、「テレワーク続ける」24% 利用率低下は何を意味するか) 東洋経済オンライン 藤田 和恵 「28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ 寮付き派遣、個人事業主、悪質無低の「負の連鎖」」 初めの「高校卒業後は建設機械メーカーの工場で期間工として働き始めた」、高卒は企業が奪い合いといわれる割には、条件が悪いところに行ったものだ。高校の就職指導がお粗末だったのだろうか 「ケースワーカーは面談に来ない」、なぜなのだろう。 「無料低額宿泊所」では、「生活保護費10万8000円から、居室費、食費と称して8万4000円をぼったくられた」、確かに悪質だ しかも、そこへの窓口になっているのが、「新型コロナ災害緊急アクション」である可能性がありそうだ。どうして、きちんとしたNPOがそのように悪用されてしまうのか、謎だ。また、「生活保護」窓口でも、見分けられる筈なのに、つるんでいるのだろうか 貧困者を食い物にする貧困ビジネスは徹底的に取り締まるべきだ。 日経ビジネスオンライン 海老原 嗣生 「欧米には日本人の知らない2つの世界がある」 『人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~』(日経BP) 一般論の誤解を解くとは興味深そうだ。 「欧州」でのコース分けは「入社したときから」明確のようだ。 「欧米エリートこそスーパージェネラリスト」なのは確かだ。「欧州」の「ジョブ型労働者」は「一生」変わりばえのしない「仕事」をさせられるようだ 「欧州」の「ジョブ型労働者」は、「バカ高い物価と低賃金」であっても、「つましい生活」と「大学も無料に近い」ので何とかなるようだ。 「欧米型はつまるところ、2つの世界を生み出してしまうこと」、既に非正規労働者と正規労働者の格差が大きくなっている上に、正規労働者も2つに分かれるのだろうか 櫻田 毅 「外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由 「ジョブ型」雇用で生き残る管理職の条件とは」 ここで「「ジョブ型」雇用」としているのは、第二の記事での「ジョブ型」ではなく、エリートを指しており、定義が違っているのは要注意だ。 「スペシャリスト・マネジャー」としているのは、より一般的にはプレイング・マネジャーと同義なのではなかろうか 「アメリカの企業のマネジャーが、どれだけ忙しくても部下との定期的な1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングの時間をとっている」、のは、忙しい時には部下とのコミュニケーションを疎かにする日本企業も大いに学ぶべきだろう。 「「テレワーク続ける」24%、利用率低下は何を意味するか」 「20年5月と21年4月の調査結果を比較すると、昨年は週5日のテレワーク利用が最も多く25.4%だったが、今年は12.6%まで急減している。代わりに週2日や週1日の利用が増えており、利用率の低下が顕著に表れた」、通勤者数も1年前より増えているようだ 「日本の企業がテレワークに慎重な姿勢を見せる理由は、在宅勤務の長期化によってオフィスで働くよりも生産性が低下すると考えている」、「これは企業が在宅勤務にお金を懸けていないから。コロナ後に在宅勤務用のIT機器などに支出した金額は主要国で日本が最低だ」、その通りなのだろう 「子育て世代にあたる30~40代の従業員にはコロナ後にもテレワークを希望する層が多い。 パーソル総研の調査ではテレワーク実施中の正社員の78.6%が継続を希望している」、子供に仕事を邪魔されたりして、こうこりごりとの回答が多いのではと思ったが、全く逆の結果には驚かされた。何故なのだろう
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