SSブログ

東京オリンピック(五輪)(その16)(大逆風の東京五輪 「中止カード」を先に切るのは菅首相か小池都知事か、コロナが炙り出す「菅政権のための東京五輪」) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、3月29日に取上げた。今日は、(その16)(大逆風の東京五輪 「中止カード」を先に切るのは菅首相か小池都知事か、コロナが炙り出す「菅政権のための東京五輪」ピック)である。

先ずは、4月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「大逆風の東京五輪、「中止カード」を先に切るのは菅首相か小池都知事か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/269612
・『東京五輪が1番!一般市民は後回しで反発高まる   今から4カ月前の2021年1月、菅義偉首相は東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)について「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証」「東日本大震災からの復興を世界に発信する機会」だと胸を張っていた。しかし、残念ながら今の調子でいけば、苦しむ自国民を見殺しにしながら「負け戦」へとつき進む「日本の狂気」を全世界に見せつけるだけになりそうだ。 アスリートやその家族、関係者、そして五輪ファンの方たちには大変申し訳ないが、東京五輪への「逆風」がシャレにならないところまできている。 まず、槍玉にあげられているのが、緊急事態宣言が、IOCのバッハ会長の来日予定日の前にピタッと終了するといういわゆる「バッハシフト」だ。五輪開催のための露骨な「東京は大丈夫ですよ」アピールに、休業や自粛を余儀なくされている国民の間で批判の声があがっている。 また、「聖火リレー」への疑問の声も少なくない。緊急事態宣言の対象となっている自治体が「命を守るために出かけるな」「外で騒ぐな」「越境するな」と喉を枯らして呼びかけている。にもかかわらず、その横を、聖火をもった著名人が大量のスタッフの引き連れて練り歩くという矛盾を指摘する声が後を絶たない。 既に炎上状態になっているが、さらに灯油をぶっかけた形になったのが、「看護師500人動員」と「選手用病院確保」だ。4月9日、東京五輪組織委員会(組織委)が日本看護協会に「大会にご活躍頂く看護職の確保に関するご協力について」という文書を送って、500人の看護師確保の協力を要請したという。また、JNN(TBS系列のニュースネットワーク)が報じたところによれば、組織委はアスリートが感染した際に収容できる指定病院の確保に動いているというのだ。 国民に対してはさまざまな我慢を強いているにもかかわらず、東京五輪には医療資源をしっかりと動員する。まるで「五輪が1番、医療が2番、3、4がなくて、5に政治家、6、7くらいで国民」というかのようだ。そんな日本社会の「序列」があらためて明らかになったことで、国民の怒りが爆発しているのだ。 東京五輪への風当たりが強くなっていく中で、永田町界隈ではある「暗闘」に注目が集まっている。菅義偉首相と、小池百合子東京都知事のどちらが先に「五輪中止」をぶち上げるのかというバトルだ』、「緊急事態宣言が、IOCのバッハ会長の来日予定日の前にピタッと終了するといういわゆる「バッハシフト」」は見え見えだ。「「看護師500人動員」と「選手用病院確保」」も医療崩壊を一層悪化させるもので、正気の沙汰とは思えない。
・『菅首相と小池都知事、どちらが先に「五輪中止」を叫べるかという競争  4月12日の共同通信世論調査によると、東京五輪について「中止するべきだ」は39.2%。「再延期するべきだ」(32.8%)を合わせると、72%が通常開催に否定的だ。時事通信の世論調査もだいたい同じで65.4%が開催に後ろ向きだという。 これだけ圧倒的な「民意」が存在するということは裏を返せば、国民のフラストレーションが極限まで高まったタイミングで「五輪中止・再延期」のフラッグを掲げた政治家は、圧倒的な支持を得られるかもしれない、ということなのだ。 では、そんな「掟破りの五輪中止カード」を一体誰が切るのかというと、ともに「負けられない戦い」が間近に控え、互いに主導権争いでバトルを展開しているあの2人しかいない。 そう、7月4日に東京都議会議員選挙(都議選)が控えている小池百合子東京都知事と、秋までに衆議院議員選挙をしなくてはいけない菅義偉首相である。  「おいおい、どちらも五輪をゴリ押ししている当事者じゃないか」と思うかもしれないが、政治家というのは選挙のためならどんなモラルの欠いた行為でもできてしまうものなのだ。また、今回は「民意」という強い後ろ盾もある。 実際、政治家にとって選挙がどれほど重要なのかを熟知している、元大阪市長の橋下徹氏も4月27日の「ゴゴスマ」(TBS系)に出演した際、小池都知事が状況を見て「五輪中止」と言い出す可能性を示唆して、下記のように話していた。 「コロナの状況を見ていると出来るのか?とみんな思っている。それが頂点に達したところをとらえて、小池さんはいち早く無理だという発言をされるんじゃないか。そういうのは天才的能力があると思っている」 まったく同感である。さらに言わせていただくと、この五輪中止カードがミソなのは、あくまで「政治利用」なので本当に「中止」をしなくてもいいという点だ。例えば、「国民のために五輪は中止すべき」という公約を掲げて選挙に勝ったとしても、「いろいろ交渉をしましたがIOCとの契約もあるので無理でした」というような感じでウヤムヤにできてしまう。そんな無責任が許されるわけがないと思うかもしれないが、これまでの日本の選挙を振り返ってみるといい。公約やらマニフェストが律儀に守られたケースの方が圧倒的に少ない。 つまり、IOCと「国民の不満が高まっているので一度、中止議論をしますけど、そのままちゃんと開催しますから」という風に、裏で握ってさえいれば、小池都知事にとっても、菅首相にとっても「五輪中止」は支持率爆上げの政治カードになり得るということだ』、「「国民のために五輪は中止すべき」という公約を掲げて選挙に勝ったとしても、「いろいろ交渉をしましたがIOCとの契約もあるので無理でした」というような感じでウヤムヤにできてしまう」、こんな騙しの「政治利用」は願い下げだが、見え見えのトリックに騙されるほど有権者が馬鹿とは信じたくない。
・『「天才・小池百合子」の巧みな戦略  では、いったいどちらが先に「五輪中止」を掲げるのか。大方の予想では、「天才・小池百合子」に軍配が上がると見られている。 これまでも小池都知事は、政府のコロナ対策の「先手」を打つというスピンコントロール(情報操作)で、「頼りにならない政府と比べると、小池さんは頑張っているなあ」というブランディングに成功し、昨年6月時点では7割という高い支持率も得ている。 また、女性蔑視発言で森喜朗氏への国民の批判が高まった絶妙なタイミングで、四者会談を拒否することを表明するなど、小池氏の国民の不満の方向性、ピークを捉える「選球眼」に関しては、その辺の政治家は足元にも及ばない。 例えば、菅政権が「アスリートにワクチンを優先的に接種させるべきか」などとじっくり検討しているうちに、小池都知事が「本日、コロナ感染状況を踏まえて、東京都としては五輪を中止すべきだとバッハ会長に申し上げました」などと不意打ちを喰らわせる可能性はゼロではない。 ただでさえ「感染拡大を防ぐために何もしていない」なんて叩かれる菅政権の評価は地に落ちるだろう。 本当は誰よりも通常開催したいという気持ちがありながらも、国民の命を守るために、苦渋の「英断」を果たした女性リーダーとして小池都知事は評価され、「日本初の女性首相」という野望にまたひとつ近づく。一方、菅首相は「決断できないリーダー」「五輪に固執する既得権益おじさん」というようなネガティブイメージが定着するかもしれない。 そうなれば、実際に五輪が中止になるかどうかはさておき、菅政権の支持率はガクンと落ちる。現時点で有力視されている9月の解散選挙の結果もかなり厳しいものとなり、「菅おろし」がスタート。有力な「ポスト菅」も見当たらないなかで、安倍晋三元首相の「復権」も現実味を増しそうだ』、「菅首相」サイドでも、「小池都知事」に対する「ネガティブ」キャンペーンを張り、泥仕合になる可能性もあるだろう。
・『菅首相が小池都知事に「負けない」ためにはどうすれば良いか  もちろん、このような「菅政権終焉シナリオ」というのは当然、菅首相側も意識している。派閥の後ろ盾もない菅首相が「中継ぎ」で終わることなく延命し、権力の座に座り続けるには、「天才・小池百合子」の裏をかくしかない。 では、どうするのか。 選択肢のひとつとしてあるのは、小池都知事よりも早く「五輪中止」のカードを切って、「国民の信を問う」と解散、都議選とのダブル選である。 今言われているような「9月解散」では正直、菅首相に未来はない。ワクチン接種が劇的に進み、感染が収束するなどの奇跡でも起きない限り、じわじわと支持率を下げたまま衆院選に突入して、過半数は守れたとしても、議席を大きく減らす可能性もある。選挙の弱い総裁を担ぐほど、自民党は優しくない。 だったら、一か八かで逆転の東京五輪中止のカードを切るという可能性もあるのではないか。 実際、それを思わせるような動きが続いている。 4月15日、菅政権の後ろ盾である二階俊博幹事長がTBSのCSの番組で、「これ以上無理ということなら、すぱっとやめないといけない」と与党トップとしてはじめて東京五輪中止の可能性に言及した。しかもこの発言を受けて、丸川珠代五輪相は「ある意味当たり前のことだ」と肯定をしているのだ。 普通に考えれば、これは世論の反応を伺う「観測気球」ではないだろうか。 さらに気になるのは、この5日後、多忙を極める小池氏が二階氏に会いに行っていたことだ。会談内容は、緊急事態宣言とワクチン接種についてだというがタイミング的にも、二階氏の五輪中止発言の真意を探りにいったと考えるべきだ。やはりこれは「Xデー」に向けて、狐と狸のばかしあいが始まっていそうだ。 もちろん、これらはすべて筆者の推測に過ぎない。ただ、一つだけ断言できるのは、もはや東京五輪は、アスリートのためでもなければ、国民のためにもなっていない。ましてや、「平和でより良い社会をつくることに貢献」なんて理念ともかけ離れてしまっている。 なんのための五輪なのか。この原点に立ち戻れば、政治カードにされる前におのずと答えは見えてくるだろう』、確かに「二階氏の五輪中止発言」を考えると、「菅首相側」から「中止」カードを切る可能性もあるが、この場合には本当に中止にしないと恰好がつなかいので、続行させたいIOCとのバトルになるかも知れない。

次に、4月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したデモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員の山田厚史氏による「コロナが炙り出す「菅政権のための東京五輪」」を紹介しよう。
・『3度目の緊急事態宣言下「補選全敗」が示すもの  コロナ禍は、日頃、気付きにくい「弱点」をあぶりだす、という。 ワクチン開発の遅れや医療崩壊に象徴される安心の基盤の脆弱さや、在宅勤務も選べない余裕のない働き方などもそうだが、菅義偉内閣が露呈することになったのは、統治能力の無さと身勝手な五輪利用だ。 東京・大阪など4都府県で3度目の緊急事態宣言が出された25日、北海道、長野、広島県での国政の補欠選挙で与党は全敗した。 異例の事態に首相は、「謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたい」と語ったが、用意された文言を、ただなぞるだけ。 正すべき点とは何か、は語らず、「謙虚に受け止めている」のか疑いたくなるほど心がこもらない発言だった。) 週明けの東京・大阪では、通勤電車は密のまま。宣言が出ても「人流抑制」の効果は薄い。「緊急事態慣れ」と言われるが、人々は政府の言うことなど聞かず、そっぽを向いている』、確かに「緊急事態慣れ」の広がりは、深刻だ。
・『政府は何をしたのか? 感染源対策は「やっているフリ」  新型コロナウイルスによる死者は、26日で1万人を超えた。この2月以降、急ピッチで増えている。 東京では新規感染者が27日は800人を超えた。大阪では1231人。第4波は勢いを増している。感染力が強い変異株へと置き換わり、若年層や子どもの感染も増えている。 この間、政権は何をしてきたのか。 コロナが問題化して1年余り、「3密回避」「ステイホーム」「マスク会食」…。政府は行動を縛ることばかりしてきた。 感染が広がると「緊急事態」を宣言し、人々に不便・不利益を強いる。それが政府のコロナ対策だ。 人々は未知のウイルスを恐れ、言われるまでもなく自粛し、医療の現場や売り上げが蒸発してしまった事業者は命を削るようにして頑張ってきた。 その一方で政治家は夜の街で女性と会食を重ね、まともな対応をしてこなかった。 補選の結果も、緊急事態の空振りも、政権の無策に愛想が尽きた人々の「静かな反乱」ではないか。 感染症対策には、外してはいけない以下の「3原則」がある。 (1)感染源の隔離(徹底した検査で感染者を見つけ収容する) (2)感染経路の遮断(ロックダウンなどで人の接触を減らす) (3)社会的免疫の獲得(ワクチン接種) これらは政府の分科会の報告書に載っている項目だが、実際に政府がやっているのは、(2)「感染経路の遮断」だけだ。 それも自粛するのは国民で、政府は「ベカラズ集」を作って尻をたたくだけだ。 (3)のワクチンはこれから。そして真っ先にやるべき(1)感染源対策は、「体制を整えてやります」と安倍晋三前政権のころから言われているが、できていない。 新型コロナは無症状の感染者がウイルスをまき散らす。病院に来ない隠れた患者を見つけるには、PCR検査や抗体の検査が欠かせない。 感染率の高い地域を中心に一般の人を対象にした大規模な検査をして「隠れ感染者」を探し出し、健康な人と分離することが基本だ。) こうした徹底した感染源対策が、武漢を“制圧”した中国だけでなく、米国でもNYは郵便番号で分けられた地域ごとにモニタリング調査が行われている。 検査で感染実態を掌握することはコロナ対策の一丁目一番地とされ、多くの国では第一に行われている。 3月の国会で、立憲民主党の早稲田ゆき衆院議員の質問に厚労省は、「1日1万件を検査するモニタリング体制を整備中」と答弁した。 前回の緊急事態宣言が終わった後、政府は感染状況を把握するといって11都府県の街頭で検査キッドを配っている。やっと重い腰を上げた、ともいえるが、問題は取り組む姿勢だ。 これまでの検査数を聞かれた政府の担当者の答えは「これまで2万件配布し、回収できたのは1万1500件、陽性反応は7件」だった。まだ「2日分」の検査しかできていない。 西村康稔経済再生(コロナ対策)担当相によると、4月4日までに配布した検査キッドは2万6905件、回収したのは1万8312件、陽性反応が確認されたのはわずか11件だった。 こんな少ないサンプリングで、感染実態をつかめるのだろうか。1年も前から検査の必要性を認めながら「やっているフリ」である』、「1年も前から検査の必要性を認めながら「やっているフリ」である」、腹立しいことだ。
・『指導力がないから失敗を自己修正できない  政府は初期対応を誤った。 政府の専門家会議は当初、新型コロナは8割以上が軽症か無症状、重症化した患者に対応すればいい、と楽観的なことを言った。 検査を増やして陽性反応が出た感染者が病院に殺到したら、ベッドは足らず医療崩壊が起きることを口実に、「検査抑制」へと傾いた。 背景には医系技官や保健所など、従来の保険行政の枠組みのもと、いわば「コロナ村」で感染実態を抱え込んで対応しようとしたことがあるといわれる。 未知のウイルスが相手だ。専門家が判断を誤ることもある。大事なのは、誤りと気づいた時に直ちに修正することだ。バッサリ切り替えるのはリーダーの仕事だ。 ところが安倍・菅政権は、うやむやにした。 「間違えました。これからはPCR検査を徹底してやります。協力お願いします」と言えばよかった。専門家のなかにもPCR検査の徹底を言う人もいたが、政策の失敗と見られることを恐れてか、方針転換ができなかった。 日本の民間企業には、PCR検査が大量にできる機器や一般の人が自分でやれる簡易検査キットなど、世界で使われる優れた製品や技術がある。 だが、国立感染症研究所を中心とする厚労省の医系技官たちは「精度に問題がある」などと理由をつけ、民間の受け入れを阻む方向に動いた。 菅首相は、口では「検査拡充」をかかげたが、結局、リーダーシップを取れず、「感染源を断つ」という責任を放棄してしまった。 その結果、責任を国民に転嫁する「自粛」へと傾斜した。 世界の常識である感染源対策を怠ったため、「人と人の接触を断つ」ことに逃げ込んだ。その限界がいま表れている』、「ベッドは足らず医療崩壊が起きることを口実に、「検査抑制」へと傾いた。 背景には医系技官や保健所など、従来の保険行政の枠組みのもと、いわば「コロナ村」で感染実態を抱え込んで対応しようとしたことがある」、「専門家が判断を誤ることもある。大事なのは、誤りと気づいた時に直ちに修正することだ。バッサリ切り替えるのはリーダーの仕事だ。 ところが安倍・菅政権は、うやむやにした」、「責任を国民に転嫁する「自粛」へと傾斜した。 世界の常識である感染源対策を怠ったため、「人と人の接触を断つ」ことに逃げ込んだ。その限界がいま表れている」、政府の「コロナ対策」の誤りを見事に指摘している。
・『政権の本気度は首相や閣僚の発言ににじみ出る  3回目の緊急事態宣言の発令を決めた23日の記者会見で、菅首相は、「欧米に比べ感染者ははるかに少ないのに医療体制が逼迫(ひっぱく)している。首相がコロナ患者の病床数を増やすといっても増えないのはなぜか」と聞かれた。 だが「現状は(病床数を増やすのは民間病院に)お願い、要請しかできない」としか答えられず、聞かれてもいないワクチンの話をしゃべり出した。 田村憲久厚生労働相はNHKの番組で、「自粛でなくロックダウンなどもっと強い措置は取れないのか」と聞かれ、「国民に強制できる法律がない」と答えた。 首相も担当相も「法的権限がない」ことをできない理由に挙げる。気は確かか、と首をかしげたくなる。 内閣や国会は法律を作るのが仕事だ。必要な政策を進める権限がないのなら法制化して実現するのが首相や閣僚の責任だ。 「権限がない」は言い訳でしかない。 やる気がないのか、国民を説得する自信がないのか。いずれにせよ統治者として自覚と能力に欠けることを白状したようなものだ』、憲法改正に非常事態を入れ込むjため、現在はあえて何もしないのかも知れない。
・『東京五輪開催の思惑で宣言の解除や期間を決めた?  その一方で菅首相が身を乗り出したのは、政局や東京五輪が絡む政治案件だった。 緊急事態宣言の期間や対象業種など、本来なら役人や専門家に任せる課題に首を突っ込んだ。 今回の緊急事態宣言発令でも、専門家が3週間必要と主張した宣言の期間を5月11日までの17日間にしたのは、5月中旬に予定されるIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長の来日を意識したため、とみられている。 前回の緊急事態宣言を感染が収まりきらないうちに解除したのは、聖火リレーのスタートが迫っていたからだといわれる。 検査はしない、強い措置も取らない、病床は確保できない。そんな中で、首相は「東京五輪はやる」と言う。 23日の会見でも「五輪開催はIOCの権限。IOCは既にやると決めている」と、IOCの方針を前面に立てて開催を主張した。 東京五輪組織員会は、入国者に義務づけられている「2週間の隔離」を免除し、その日から練習できるようにすると言う。 小池百合子都知事は、緊急事態宣言で「東京に来ないで」と訴えているが、1万人規模でやってくる五輪選手の水際対策は当然、甘くなる。2週間も隔離されたらベストコンディションで臨めない、と考える選手は少なくないだろう。 通常の検疫体制では参加者は減る、だから甘くして参加しやすくするということのようだ。 入国者に義務づけられている「2週間の隔離」を免除し、その日から練習できるようにするということなのか。東京五輪は、感染対策より上位にあるということなのか』、「入国者に義務づけられている「2週間の隔離」を免除し、その日から練習できるようにする」、「東京五輪は、感染対策より上位にあるということなのか」、酷い話だ。
・『医療人材をひっぺがす五輪 ワクチ接種は「机上のプラン」  組織委は、500人の看護師派遣を日本看護師協会に依頼した。ボランティアとして、選手村の発熱外来などで働いてもらうのだという。医師も日に400人が必要とされている。 だが、医療が逼迫している時、どうやって人繰りをつけるのか。五輪に割かれる人材が医療現場に更なる負担を押し付けるのは明らかだ。 一方で、コロナ対策で唯一希望とされるワクチン情報は、意図的と思えるほど楽観的だ。 根拠のない見通しを意識的に流し、一種の世論誘導をしている。 医療関係者のワクチン接種は3月中に終え、高齢者は4月から始めて6月までに、その後、特定の疾病のある人が接種し、一般への提供も7月中に可能などと、机上のプランがあたかも実現するかのように喧伝(けんでん)されている。 プラン通り進めばオリンピック前に接種は山を超え、多くの人は免疫を獲得し、ひと安心となっているだろう。それなら東京五輪は大丈夫か、と多くの人は思いたくなる。 だが、そうはならない現実が見えてきている。 4月から始まった高齢者の接種はまだ対象者の1%にも満たない(27日現在)。それどころか、医療関係者の接種もまだ終わっておらず、ワクチン接種をできていない医師が接種に訪れる人に対応している。 自民党内部からは「ワクチン接種が完了するのは、来年になってから」などの声も出ている。 担当の河野太郎行革相は「首相が自ら交渉しファイザー社から追加供給のめどが立った。国民全てが接種できる数量が確保された」と言うが、現場にいつ届くのか。円滑な接種が行われる体制を自治体が取れるのか、疑わしい。 現実に、接種の始まった自治体ではワクチン接種券が届いても予約の電話がつながらない混乱が起きている。医療は物流だけでは解決しない。 政府は、自衛隊に出動を要請し、東京などで医官・看護官が大規模会場で接種に当たることをあわてて決めた。東京五輪を前に「背水の陣」ということだろう』、「首相が自ら交渉しファイザー社から追加供給のめどが立った」は、どうもPR臭が強く、実際には具体的約束はなかったようだ。「ワクチ接種は「机上のプラン」」を意図的に流すというマスコミ対策は悪質だ。
・『五輪は「パンとサーカス」か 利害一致の菅首相とIOC  政府の思惑は、感染拡大が和らげば緊急事態宣言を解除しバッハ会長を迎えて、「開催」を世界に発信し一気に突き進むという筋書きだ。 一方でIOCにとっても、無観客で行われたところで米国NBCのテレビ放映権で収入は確保できる。組織を維持するためにも中止はあり得ない。 感染対策や観客受け入れなど面倒な問題は、開催地の責任だ。「非常宣言は関係ない」というバッハ発言は「何をおいても開催」というIOCの身勝手が表れている。 国民が生命の危機にさらされている時、五輪を開催することにどれほどの意味があるのか。 多くの人は「こんな時に五輪か」と考えるが、「こんな時だから五輪で」というのが政権の思惑だろう。 補選で3連敗したことで、政権与党はまますます東京五輪にすがる。 菅首相にとって秋の自民党総裁で再選されることと、その前後にある総選挙で議席を守り抜くことが第一だ。そのために東京五輪は不可欠と考えている。 与党内にも、五輪の熱戦をメディアが連日伝えれば、世の中の気分はいっぺんに変わる、と期待する政治家は少なくない。 ローマの時代から為政者は統治の要諦を「パンとサーカス」と心得ていた。「腹を満たす食べ物」と「心を喜ばす娯楽」を与えられた市民は政治に目をつむると、詩人ユウェナリスは指摘した。 組織維持のため開催を主張するバッハ会長と政権延命のため五輪を必要とする菅首相は、固く結ばれている。 誰のためにオリンピックはあるのか。新型コロナの蔓延(まんえん)は隠れている構造をあぶり出す』、「組織維持のため開催を主張するバッハ会長と政権延命のため五輪を必要とする菅首相は、固く結ばれている」、同感である。いずれにしろ、ワクチン入手に主要国のなかでも大幅に遅れを取り、日本としては安全に運営できる保証がなくなった以上、IOCが米国のTV放映権確保のため開催に固執しても、恥をしのんででも開催中止を申し出るべきだろう。
タグ:(五輪) (その16)(大逆風の東京五輪 「中止カード」を先に切るのは菅首相か小池都知事か、コロナが炙り出す「菅政権のための東京五輪」) ダイヤモンド・オンライン 「大逆風の東京五輪、「中止カード」を先に切るのは菅首相か小池都知事か」 窪田順生 東京オリンピック 「緊急事態宣言が、IOCのバッハ会長の来日予定日の前にピタッと終了するといういわゆる「バッハシフト」」は見え見えだ 「「看護師500人動員」と「選手用病院確保」」も医療崩壊を一層悪化させるもので、正気の沙汰とは思えない。 「「国民のために五輪は中止すべき」という公約を掲げて選挙に勝ったとしても、「いろいろ交渉をしましたがIOCとの契約もあるので無理でした」というような感じでウヤムヤにできてしまう」、こんな騙しの「政治利用」は願い下げだが、見え見えのトリックに騙されるほど有権者が馬鹿とは信じたくない。 「菅首相」サイドでも、「小池都知事」に対する「ネガティブ」キャンペーンを張り、泥仕合になる可能性もあるだろう。 確かに「二階氏の五輪中止発言」を考えると、「菅首相側」から「中止」カードを切る可能性もあるが、この場合には本当に中止にしないと恰好がつなかいので、続行させたいIOCとのバトルになるかも知れない。 山田厚史 「コロナが炙り出す「菅政権のための東京五輪」」 確かに「緊急事態慣れ」の広がりは、深刻だ。 「1年も前から検査の必要性を認めながら「やっているフリ」である」、腹立しいことだ。 「ベッドは足らず医療崩壊が起きることを口実に、「検査抑制」へと傾いた。 背景には医系技官や保健所など、従来の保険行政の枠組みのもと、いわば「コロナ村」で感染実態を抱え込んで対応しようとしたことがある」、「専門家が判断を誤ることもある。大事なのは、誤りと気づいた時に直ちに修正することだ。バッサリ切り替えるのはリーダーの仕事だ。 ところが安倍・菅政権は、うやむやにした」、「責任を国民に転嫁する「自粛」へと傾斜した。 世界の常識である感染源対策を怠ったため、「人と人の接触を断つ」ことに逃げ込んだ。その限界がいま表れている」、政府の「コロナ対策」の誤りを見事に指摘している。 憲法改正に非常事態を入れ込むjため、現在はあえて何もしないのかも知れない。 「入国者に義務づけられている「2週間の隔離」を免除し、その日から練習できるようにする」、「東京五輪は、感染対策より上位にあるということなのか」、酷い話だ。 「首相が自ら交渉しファイザー社から追加供給のめどが立った」は、どうもPR臭が強く、実際には具体的約束はなかったようだ。 「ワクチ接種は「机上のプラン」」を意図的に流すというマスコミ対策は悪質だ。 「組織維持のため開催を主張するバッハ会長と政権延命のため五輪を必要とする菅首相は、固く結ばれている」、同感である いずれにしろ、ワクチン入手に主要国のなかでも大幅に遅れを取り、日本としては安全に運営できる基盤がなくなった以上、IOCが米国のTV放映権確保のため開催に固執しても、開催国として断固として開催中止を申し出るべきだろう。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感