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携帯・スマホ(その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も) [産業動向]

携帯・スマホについては、3月5日に取上げた。今日は、(その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も)である。

先ずは、5月5日付けPRESIDENT Onlineが掲載した哲学者のマルクス・ガブリエル氏による「「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/45599
・『世界中から注目を集める哲学者マルクス・ガブリエルは、「日本はもっともデジタルインフラに批判が少ない国で、完全にスマホに支配されている。コミュニケーションの仕方も特異だ」と指摘する。若き天才の目に映る日本人の特徴とは――。 ※本稿は、マルクス・ガブリエル著、大野和基インタビュー・編、髙田亜樹訳『つながり過ぎた世界の先に』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです(本稿の一部の翻訳は、大井美紗子氏が担当)』、「マルクス・ガブリエル」氏はNHK番組にもよく出てくるドイツの哲学者で、興味深そうだ。
・『「日本人は共同体を重んじる」はウソ  日本人は先進国の中で最も社会的に孤立しているというデータがあるそうですね(ミシガン大学による「世界価値観調査」)。社会的に孤立するとは、家族、友人、同僚以外の人と会う機会が少ないということです。 日本人を含むアジア人は共同体を、ヨーロッパ人は個を尊重するという悪しきステレオタイプがありますが、この調査結果は、このステレオタイプを否定する社会学的証拠になり得ます。 データによるとドイツは全体で下位から5位、ヨーロッパ全体だと同じく4位のようですね。実際、ドイツ人は(日本人よりも)群れで行動する傾向があると思うのです。ドイツ社会では、人と一緒にお酒を飲んだり、散歩をしたりすることが非常に重要な役割を果たしています。これをドイツ語では散歩を意味するSpaziergangと呼びます。このような文化はドイツ全土に見られます。 また、ドイツ人のソーシャメディアに対する態度は、日本人とはまったく異なります。ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及していると認識しています。 その原因の一つは、東京の住環境と人口の多さでしょう。ある基準によれば、東京は狭い面積に人がひしめく世界一の大都市であるわけです。このような状況が人を孤立化させています』、確かに「ドイツ人」はビアホールなどで大勢で飲むのが好きなようだ。「ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及している」、なるほど。
・『日本はスマホに支配されたサイバー独裁国家  日本はおそらく最もデジタルなインフラに対する批判が少ない国だと思います。中国でもデジタル化が進んでいますが、監視国家が国民にデジタル化を強制しているのであって、国民が自ら望んでいるわけではありません。ところが日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていたのです。 2012年か2013年に、私が初めて日本を訪れたときに最初に感じたことがこれです。「なんということだ、この国は完全なサイバー独裁だ!」と思ったのです。すべての人が完全にスマートフォンに支配され、行動を統制されている。たとえ偶然であっても、他人の体に一切触れてはならないというルールがあるように感じられました』、「日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていた」、「サイバー独裁の最先端」とは大げさとも思うが、「ガブリエル」氏の率直な印象のようだ。
・『冷静に議論ができない日本人  日本人のコミュニケーションの特異な点を、もう一つ挙げましょう。 日本人は互いに意見が対立したとき、他の地域とはずいぶん異なるやり方でマネジメントします。対立の合理的な解消のプロセスや本物のディベートを導入する余地は、もっとあるはずです。日本人の一般的な生活の中に、そういったものを増やすべきだと思うのです。対立を避けようとするのではなく、むしろ対立を増やす、対立にさらされる機会を増やすべきです。そして、しっかりディベートを行うのです。 ユルゲン・ハーバーマスの社会論に、大変いいアイディアがあります。冷静にディベートをしたかったら、ディベートの時間・空間をきちんと設定するべきだというのです。スペースがあれば、対立が起きても完全に個人的な対立にはなりません。物騒な衝突に発展するかもしれないような重要な問題も、冷静に語り合う力強いディベートが必要です。 それには、クラブやメディア、会議、イベントなど、何らかのプラットフォームが必要になります。正反対の意見を持つ二人の人間が同じスペース内で怒声を浴びせ合うのではなく、相反する提案を掲げる二人が、どちらが正しいのかを決めるための対話に入る、そういう理由でディベートは行われるべきです。哲学のディベートは、まさにそのようにして行われます』、確かに、「日本人」は「冷静に議論ができない」、「対立」を極力避け、「ディベート」はやり方すら知らない。
・『「お前のいうことは間違い」という理不尽  私は今、現代の最も興味深く最も素晴らしい論理学者の一人である、グレアム・プリースト(ニューヨーク市立大学特別教授)と共著を作っており、プリーストはドイツに一カ月滞在していました。もしわれわれ二人が、「相手が論理のレベルで何か間違いを犯した」と互いに思ったら、我々の間には対立が生まれます。私は反論するでしょうし、彼も反論してくるでしょう。プリーストが「お前は間違っている」と言い、私は「お前こそ間違っている」と言い返す。 でもわれわれは科学者、哲学者です。そうやって怒鳴り合う代わりに、二人で椅子に腰かけてこうやって話すことができるでしょう。 「さて、君は何と言った? なぜそう思ったんだい? その意見を裏付けるものは? 君が間違いを犯したと僕が思うのは、こういう理由からだよ。裏付けはこうだ」。それから賛否をリスト化して、最後にそれを二人で眺め、合理的な根拠を検討するのです。そのようにして導き出される結論は、お互いの妥協点のどこかに落ち着くでしょう。 彼の信じることには私の見解より優れたところがあるでしょうし、私の信じることにも彼の見解より優れたところがあるだろうからです。それを統合したら、よりよい信念のシステムが生まれます。これが哲学的なディベートの仕組みです。 もし議論がただの反論になってしまったら──例えば「あなたみたいな人たちは、いつも同じことを言う」──こんな言葉は、ディベートの場で出すべきではありません。「あなたみたいな人たち」という時点で、お話にならない。こうしたやり取りは、すべてロジカルな議論の基本法則に基づいて行われなければなりません。 人格攻撃論法は許されるべきではない。人格攻撃というのは、「お前が言うことは間違いだ。なぜならお前が言うからだ」という考え方ですが、それが正しいことは決してありません。ただの誤謬です』、「日本」でも「ディベート」を中学生あたりから本格的に教えてゆくべきだろう。ただ、教える人への訓練も必要になるので、数十年がかりの息の長い取り組みになるだろう。

次に、5月21日付けJBPress「「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65322
・『スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏は「人間の進化の見地」から、スマホによる人間の脳や心身への影響を分析してきた。前作『一流の頭脳』(2016年)はスウェーデンで60万部のベストセラーとなり、世界20カ国以上で翻訳されている。 私たちは1日に平均して2600回以上スマホを触り、10分に1回スマホを手に取っている。3人に1人は(18歳から24歳では半数が)夜中にも少なくとも1回はスマホをチェックする。今やあまりにも当たり前に私たちの生活に入り込んでいるスマホやSNS。しかし、スマホが絶え間なく私たちの気を散らし続けることによって、脳は蝕まれ、睡眠障害やうつ、集中力の低下を引き起こすリスクがある。 スマホが持つ中毒性や依存性、わが子にデジタル・デバイスを与えないIT企業幹部たち、削がれ続ける集中力の保ち方、SNSで低くなる若い女性の自己肯定感、スマホに翻弄されない手段について──。『スマホ脳』(新潮新書)の著者であるハンセン氏に話を聞いた。(Qは聞き手の質問。長野光 シード・プランニング研究員) Q:メッセージのやり取りやSNS、エンターテインメントやゲームなど、たくさんの刺激をもたらすスマホがドーパミンを放出させ、その結果、人間はスマホがないと麻薬が切れたように禁断症状を感じることがある、と本書で述べられています。人間はどれほど強くスマホに依存しているのでしょうか。 アンデシュ・ハンセン氏(以下、ハンセン):人間の脳は、考えたり、心地よいと感じたりするためにあるのではなく「生存のため」にあります。狩猟・採集をしていた時代と現代社会とでは、人間のライフスタイルは大きく違います。しかし、生物学的には人間の脳は変わっていません。私たちの脳は、デジタル社会に適応するようにできていないんです。 私自身もスマホのない生活はできないし、その利便性はよく理解しています。デジタル社会のすべてを否定するつもりはありません。しかし、スマホが一般的になってからのこの10年間、人類の行動やコミュニケーション、お互いを比べ合う手段は非常に大きく変化しています。それは私たちの脳にとって未知の世界です。長期的な影響についてはまだ何も分かっていません。 私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します』、「私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します」、脳内快楽物質の「ドーパミン」まで出てくるのであれば、ヤセ我慢しても無駄だろう。
・『スマホ依存とギャンブルの類似性  「ある音が聞こえたらジュースがもらえる」というマウスの実験があります。マウスのドーパミンレベルは、実はジュースをもらって飲んでいる時ではなく、音を聞いた時に上昇します。さらに、音が聞こえてもジュースが「時々しかもらえない」方が、ドーパミンの量が増えました。 脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます。しかし、この「もしかしたら?かもしれない」という不確かな結果への偏愛は、デジタル社会ではネガティブな影響をもたらします。 例えばSNSに写真を投稿したら、友だちが「いいね」を押してくれているか、何か更新がないか、スマホを手に取って確かめたいという衝動をよりかき立てます。「いいね」が増えたかもしれないから見てみようと思うのは「ポーカーをもう1ゲームだけ、次こそ勝てるはず」というのと同じメカニズムなんです。 スウェーデンだけではなく全世界で、精神的な不調を訴える人は増えています。とりわけ若者に顕著です。WHO(世界保健機関)は、生まれてから最初の数年で脳が大きく発達するので、5歳以下の子供はデジタル・デバイスの使用に注意すべきだと警告しています。 スウェーデンでは、この20年で睡眠障害の若者が11倍に増加しました。ある調査によると若者の約3分の1が、スマホをベッドの中に入れて寝ています。(サイドテーブルに置くのではなく!)生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります。 人間の精神や脳がどう機能しているか。スマホが人間の脳にどう影響するのか。心理的にいかにスマホに取り込まれていくか。デジタルテクノロジーの素晴らしさとともに、その強い副作用についてももっと議論し、理解すべきです。そして、人間の生物性や精神性に適した、依存性の低い技術があればそれを選択していくべきです。 Q:IT企業のトップやスマホやアプリなどの開発者は、人間が快感や刺激に弱いとよく認識していて、スマホに依存するような仕組みを作っている。その一方で、自分たちが生み出したテクノロジーに恐怖を感じ、罪悪感を持っていると本書に書かれています』、「脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます」、初めて知った。「生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります」、その通りだ。
・『自分の子供にiPadの使用を制限したジョブズ  ハンセン:IT企業の開発者は、私たちの関心や注目をいかに引きつけるか、心理学や脳科学を応用して、私たちの脆弱な精神に訴える様々な仕組みを生み出しています。 衝撃的なのは、これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません。 アップルの創業者スティーブ・ジョブズは世の中にiPadの素晴らしさを説きましたが、自分の子供にはiPadに触る時間を厳しく制限し、しかもそのことを黙っていました。マイクロソフト社のビル・ゲイツも、自分の子どもが14歳になるまでスマホを持たせませんでした。アップル社のCEOティム・クックは、「もしあなたが人の目よりスマホを見ている時間が長いなら、それは間違ったことだ」と発言しました。つまりアップル社の製品を使い過ぎるな、と言っているんです。 「いいね」ボタンを開発したジャスティン・ローゼンスタインは、ヘロインに匹敵する依存性があるとして自分のスマホに使用を制限するアプリをインストールしたと明かしています。そして、後悔したようにこう言っています。「製品を作る時には最善を尽くしたが、その思ってもみなかったような悪影響に気づいたのは後になってからだ」と。 テクノロジーに精通している人ほど、そのネガティブな影響を知っています。なんという偽善でしょうか。シリコンバレーのエリートたちは毎学期2万ドル、3万ドルもの学費をかけて、スマホを遠ざけてくれる学校に自分の子どもたちを通わせているのですから。 Q:学校ではタブレット端末の導入など教育のデジタル化が進められています。しかし、学習効果を見ると、手書きの方が記憶しやすく、スマホやタブレット端末はインターネットと繋がっているので勉強に集中しきれないという調査結果を本書で紹介されています』、「これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません」、実にズルイやり方で、許せない。
・『学びの質はデジタルより紙の方が上  ハンセン:同じ文章を紙(本)で読むのと、パソコンやスマホのスクリーン上で読むのでは、紙の方が多くを学ぶことができ、学びの質も高くなります。書かれている内容がシンプルなことであればそれほど違いはないのですが、内容が複雑になるほど紙の方が深く理解できます。 就学前の子供を対象にした調査で、「手で紙に書く」という運動能力が文字を読む能力と深く関わっていると示されています。小さい頃から長時間スマホやタブレット端末を使用している子供は、のちのち算数や理論科目を学ぶために必要な運動技能を習得できていないという警告もあります。 成績が上位の生徒は、学ぶツールにそれほど大きな影響を受けません。しかし勉強で苦労している子たちは、紙とデジタル・デバイスでその学習効果には大きな差がありました。タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています。 Q:人間は複数のことを同時にはできない、マルチタスクは集中力や思考力を奪う。しかしスマホは「ながら」になりやすい。スマホは人間の思考する能力を奪っているのでしょうか。 ハンセン:人間は二つのことを同時に行うことはできません。できていると思っていたとしても、それは一つの行動からもう一つの行動へ移っているだけです。短時間に行ったり来たりするプロセスを繰り返して、前にしていたことに意識を奪われているので、効果的に脳を使っているわけではありません。マルチタスクをこなすことに自信がある、という人もいますが、実際「マルチタスクが得意と答えた人」のほとんどは、集中がかなり苦手だという調査結果があります。 現代社会において価値があるのは「集中力」です。勉強をしながらSNSをチェックしたり、スマホをスクロールしながら仕事をしたりしていては、学ぶために余計な時間がかかり、脳にとっても非効率です。深い思考に辿り着かないし、学ぶ喜びもないし、生きる助けにもなっていません。 邪魔が入ると気が散るのは、人間が生きるための習性です。かつて人間は、現在のように癌や心臓病で亡くなるのではなく、動物に襲われ、感染症にかかり、飢餓や事故、争いによって死にました。寿命も短かった。そういう世界では常に周囲に注意を払う必要がありました。集中力は重要ですが、切れやすいものなのです。私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています。 Q:スマホをたくさん使うほど、なぜ人はうつになるのでしょうか』、「タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています」、「私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています」、なるほど。
・『スマホの負の影響に飲み込まれない方法  ハンセン:睡眠や運動、人と会うことはもっとも重要なことです。だから、寝なくなり、運動しなくなり、実際に人と対面する機会も減ると、不安やうつになりやすくなります。大事なことは「スマホで何をするのか」ではなく、「スマホを使うことによって何をしなくなるのか」なのです。 SNS上で自分と他人を比較することが大きなストレスになります。これはとくに思春期の女性に強い影響があります(男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない)。 SNSには他人と自分を比べる構造的な性質があるので、全世界的にメンタルヘルスを脅かす問題があります。自分がヒエラルキーのどこに位置しているのかという認識は、私たちの精神の健康に大きく関係します。ヒエラルキーの中で下降していると感じると、みんなより自分がだめだと思って不安感やうつ症状が増します。 人間は150人くらいのコミュニティの中の、さらに20~30人との比較の中で生きてきました。しかし、SNSによってヒエラルキーの形成や認識をする対象の人数が激増し、他人の体型や成功、お金、持ち物すべてがあなたを脅かすようになりました。 本当は、それは人生そのものではなく、見かけの一面に過ぎないのですが、それは10代や20代の若い人にはわからないかもしれない。みんなが自分より賢く、美しく、成功しているように感じてしまう。1日に4~6時間もスマホに触れることによって、若者の不安とうつのリスクはより高まっています。 Q:スマホの負の影響についてよく分かりました。しかし、友人や家族とのやり取り、ニュース、情報検索、ネットショッピング、娯楽すべてがスマホの中にあり、なかなか遠ざけることができません。 ハンセン:私自身もスマホなしでは生活できませんが、よく眠り、集中力を高めて、元気に過ごしたい人は、例えば次のようなことをやってみてください。 +自分のスマホの利用時間を把握する +集中したい時は別の部屋に置く +人と会っている時はスマホを遠ざけて目の前の相手に集中する +学習能力が低下するので教室では使わない +寝る時には電源を切る +SNSでは積極的に交流したい人だけフォローする』、「男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない」、とは面白い。その通りなのだろう。
・『「スマホ脳」から脱却するメタ認知のススメ  Q:精神科医として、患者が自分の感情を理解して言語化し、苦しみを言葉にできれば対策が立てられ、治療に繋がると本書で述べられています。スマホやSNSによるストレスを言葉にできれば、スマホに翻弄されないということでしょうか。 ハンセン:不安やうつの症状は、必ずしも病気というわけではなく、人間として正常な反応です。人間が生存し、繁殖するためには、周囲に注意を払い警戒し、事故など悪い出来事が起こるかもしれないと恐れることは非常に重要なことです。時には頭からブランケットを被って隠れることも、生き抜くためには必要です。 メンタルヘルスの治療のゴールは、患者に自分の精神を舞台に上げて、自分で客席から見てもらうことです。自分の感情を一歩下がって客観視し、自分の思考を観察するのです。言葉にしてストレスの理由を見極めて距離をとること、これを「メタ認知」と言います。これは非常に意味のあることなので、ぜひやってみてください。この「メタ認知」を今のデジタル社会に援用すると、一歩下がって「だから私は今スマホを手に取るのだ」と理解することができる。無意識にスマホを弄ってしまうのではなく、自分のドーパミンシステムがスマホに乗っ取られていると自覚することができます(構成:添田愛沙)』、「メタ認知」は一般人でも出来るのだろうか、何か「訓練」が必要となるのではないか。

第三に、5月6日付け東洋経済オンライン「京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可、石鹸で洗える耐久性を追求」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426156
・『マホ時代を迎え、苦しい戦いを強いられてきた日本企業の携帯端末事業が息を吹き返しつつある。京セラとソニーの2021年3月期の携帯端末事業はコロナ禍にあっても採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした。 両社は不採算市場からの撤退や生産体制の見直しで、少ない販売台数でも利益を出せる体制を作ることに成功。多額の設備投資で大量に販売するアップルのiPhoneなどと正面衝突せず、特定用途に特化することでコアなファンをつかむ路線を着実に歩んでいる』、「京セラとソニー」の「携帯端末事業」が、「採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした」とは結構なことだ。
・『スペック以外で差異を追求  電子部品大手の京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている。 2014年に「TORQUE(トルク)」ブランドで販売を開始し、2021年3月には5代目となる機種を投入。京セラのスマホとして初めて5G対応を果たした。対応する半導体が高価なため、投入を見送ってきたが、「世の中に5Gがあって当然という流れが広がってきた」(通信機器事業担当の厳島圭司常務)として対応に踏み切った。 スマホメーカーは軽量や高精細カメラといった性能で勝負するか、中国メーカーのように安さを売りにするかで競争を繰り広げている。だが、トルクは他社のスマホと比べて安価なわけではなく、搭載する半導体なども特別に高性能なわけではない。 代わりにファンにアピールしているのは、スペック表に現れないところでの差異化だ。トルクの事業開発を担当する辻岡正典氏は「他社スマホとのスペック上の比較は商品企画の上でほとんど重視していない」と話す。 例えばバッテリー。他社スマホより充電容量の大きなバッテリーを搭載し、交換しやすい作りにしている。トルクはアウトドア環境で利用されることが多く、ユーザーから「気軽に充電する場所がない」という悩みが寄せられていた。 5代目トルクは、ハンドソープで洗ったり、アルコール除菌シートでふいたりしても壊れないようにした。ハンドソープでトルクを洗うユーザーいるという報告があったためだ。耐久性も、アメリカ国防総省が採用する基準をクリアするほど頑丈で、辻岡氏とともにトルク事業を統括する京セラの湯浅紀生氏は、「これほどまでに厳しい要件を課すスマホはほかにない」と言い切る。) トルクブランドのこれまでの累計販売台数は約140万台と、日本国内だけで年間に1500万台以上売るiPhoneと比べれば、極めて小粒な存在だ。ただ、コアなファン層をがっちりつかむために、ユーザーイベントなどに開発者が直接赴き、ユーザーの意見の取り込みに力を入れている。 京セラが重視しているのがファンコミュニティーの強化だ。2016年には初めてのファンイベントを開催したとき、当初見込みの20倍にもなる1000人の応募があった。「われわれの商品に、コアなファンがついてくれていると痛感した出来事だった」。湯浅氏はそう振り返る。 それ以降は定期的なイベントの開催やオウンドメディアの開設に取り組んだ。法人向けビジネスが主流の京セラは、こうした消費者向けの取り組みに慣れておらず、試行錯誤の連続だったという』、「京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている」、面白い戦略だ。
・『今後は5G技術の活用も視野に  湯浅氏は「ユーザーからの声を聞くと、この製品は本当に愛されていると感じる。実際多くのユーザーはトルクシリーズをずっと使っていて『これ以外のスマホは持てない』と言ってくれる」と話す。 京セラに寄せられるユーザーからのエピソードも独特で、「海の中に落としたけれども呼び出しができて、画面が光ったので救出できた」「バイクで転倒して自分はケガをしたけれど、トルクは無事だった」といった声があがる。 ユーザーからの声重視は他社製品との差異化にもつながっている。バッテリーを取り外せるようにすることはスマホメーカーにとって本来は合理的ではない選択だ。耐久性を高めることも、顧客の買い替えを抑制してしまう。それでもこうした策を採るのはユーザーからの支持があるからだ。 今後追求するのは5Gをはじめとする最新技術の活用だ。すでに、カメラの画面に気温や位置情報などを重ね合わせる「アクションオーバーレイ」という機能を実装した。もともとスマホに備わっているGPSなどのデータを簡単に統合することでアクションカメラとして使える。アウトドア空間ではつながりづらい5G通信が今後、山や海でもつながりやすくなれば、動画配信などの用途が広がると見込む。 京セラの通信機器事業は2020年、30周年を迎えた。かつてはカメラなどコンシューマー向け商品を多く抱えていた。その後、撤退が続き、スマホがほぼ唯一のコンシューマー製品となった。工場の統合などで黒字を生み出せるようになったが、収益性がなければ待ち受けるのは事業売却や撤退だ。 世界に目を向けると、韓国のLG電子が7月でのスマホ事業からの撤退を決めた。ファーウェイがアメリカからの規制で大幅に出荷台数を減らすなどの特殊事情があっても、スマホのコモディティ化と上位企業による寡占化の流れは止まらない。 京セラの湯浅氏が「われわれの製品は万人受けしない。それでも必要な人がいる限り作り続けたい。そのためにはきちんと稼げる体制を作るのは不可欠だ」と語るが、京セラの「トルク」もこの厳しいスマホ事業の例外ではない』、「京セラの「トルクが「厳しいスマホ事業」環境を取り切ってほしいものだ。

第四に、5月7日付け東洋経済オンラインが転載したブルームバーグ「ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も」を紹介しよう。
・『ソフトバンクは6日、楽天グループ傘下の楽天モバイルとソフトバンクから転職した元社員に対し、退職時に営業秘密を持ち出したとして情報の利用停止と廃棄のほか、約10億円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所へ提起したと発表した。 ソフトバンクの有山麻季子広報担当はブルームバーグの電話取材で、今回は楽天モバイルと元社員両者に対する10億円の損害賠償請求だが、1000億円程度まで拡大する可能性があると述べた。 楽天モバイルは、社内調査を実施したが、ソフトバンクの営業秘密を利用していたという事実は確認されておらず、裁判において正当性を主張していくとのコメントを発表した。ソフトバンクは発表資料で、同社が昨年11月から12月にかけ、楽天モバイルに対する証拠保全申し立てを行い、元社員が持ち出した営業秘密の利用停止などを求める仮処分命令申し立てを行ったことを明らかにした。 また、楽天モバイルが不正競争を通じて不当な利益を得て営業上の利益を侵害したと主張。不正競争により建設された基地局等が存在することを今後明らかにすると述べた。 ソフトバンクは今年1月、楽天モバイルに勤務する元社員(45、当時)が不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕されたと発表。不正に持ち出されたのは第4世代通信技術(4G)、第5世代(5G)ネットワーク用の基地局設備や基地局同士を結ぶ固定通信網に関する技術情報などで、民事訴訟提起の可能性を示唆していた。 楽天モバイル転職のソフトバンク元社員逮捕 、情報持ち出し疑い 発表を受けた6日午後の日本株市場で、楽天G株は一時前営業日比5.8%安の1308円まで下げ幅を広げ、終値は4.1%安の1332円と4月23日以来、およそ2週間ぶりの安値となった』、「楽天モバイル」が立ち遅れていたにせよ、「ソフトバンク元社員」を引き抜くという余りにミエミエな手を使ったのには、驚かされたが、訴訟の行方はどうなるのだろう。
タグ:ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も 携帯・スマホ ブルームバーグ 「日本」でも「ディベート」を中学生あたりから本格的に教えてゆくべきだろう。ただ、教える人への訓練も必要になるので、数十年がかりの息の長い取り組みになるだろう。 「京セラの「トルクが「厳しいスマホ事業」環境を取り切ってほしいものだ。 「私たちはスマホを気にしないで1日を過ごすことは、もうできなくなっています。新しいニュースがあるかもしれない、メールやメッセージが来ているかもしれない。自分のスマホがどこにあるか、常に把握しておきたい。ドーパミンは、この「かもしれない」という期待に反応します」、脳内快楽物質の「ドーパミン」まで出てくるのであれば、ヤセ我慢しても無駄だろう。 PRESIDENT ONLINE 「これらの商品を提供しているIT企業の幹部たちが自分たちは非常に注意深く、スマホやタブレット端末を使用しているということです。自分の子供にはスマホを与えていません」、実にズルイやり方で、許せない アンデシュ・ハンセン 「「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善」 JBPRESS (その5)(「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する、「スマホ依存」はどれだけ人間の脳と知性を破壊しているか 子供にスマホを与えなかったジョブズとシリコンバレーの偽善、京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可 石鹸で洗える耐久性を追求、ソフトバンクが楽天モバイルと元社員を提訴 損害賠償請求額は1000億円まで拡大の可能性も) 「楽天モバイル」が立ち遅れていたにせよ、「ソフトバンク元社員」を引き抜くという余りにミエミエな手を使ったのには、驚かされたが、訴訟の行方はどうなるのだろう。 「生まれてからずっとスマホが手元にあるような子供や若者への長期的な影響には特に注意し、心身へのリスクを回避する必要があります」、その通りだ。 確かに、「日本人」は「冷静に議論ができない」、「対立」を極力避け、「ディベート」はやり方すら知らない。 「脳はこの「恐らくもらえるだろう」という状況が好きで、だから「当たるかもしれない、当たる可能性がある」と期待するギャンブルを好みます」、初めて知った。 「京セラは、海や山などのアウトドアや工事現場など厳しい環境下でも使える「タフスマホ」で他社と差別化をはかっている」、面白い戦略だ 「京セラとソニー」の「携帯端末事業」が、「採算性が向上、いずれも大幅に利益を伸ばした」とは結構なことだ 「京セラ「ガラパゴス」スマホがたどり着いた境地 バッテリー交換可、石鹸で洗える耐久性を追求」 東洋経済オンライン 「マルクス・ガブリエル」氏はNHK番組にもよく出てくるドイツの哲学者で、興味深そうだ。 「メタ認知」は一般人でも出来るのだろうか、何か「訓練」が必要となるのではないか。 「男子はSNS利用よりゲームに費やす時間が長いので影響が少ない」、とは面白い。その通りなのだろう 確かに「ドイツ人」はビアホールなどで大勢で飲むのが好きなようだ。「ドイツ人が人との直接の社会的接触を、デジタルな接触に置き換えることは非常に稀です。 一方、日本では様々な理由でデジタルな交流がずっと普及している」、なるほど。 「日本と韓国、特に日本は、常にサイバー独裁の最先端を行っていた」、「サイバー独裁の最先端」とは大げさとも思うが、「ガブリエル」氏の率直な印象のようだ。 「「日本はスマホに支配された異常な国だ」天才哲学者がそう断言する理由 マルクス・ガブリエルは警告する」 「タブレット端末より紙で学んだ方が、成績が上がることが分かったのです。気が散りづらいのでしょう。集中力や記憶力、言語能力については、スマホをやっている時間が短い子供と、睡眠時間の長い子供の方がいい結果が出ています」、「私自身も、集中したい時や読書の時、患者と会う時、原稿を執筆する時は、集中力が削がれないようにスマホを別の部屋に置くようにしています」、なるほど。 マルクス・ガブリエル
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