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スガノミクス(その9)(東京五輪発の菅政権退陣に現実味 市場が恐れる「2つの巨大リスク」とは?、自民を牛耳る3A+S「今の世の中 右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が日本の姿、菅首相 感染激増で「再選どころではない」窮地に 医療方針を転換、次期選挙は自民過半数割れも) [国内政治]

スガノミクスについては、7月18日に取上げた。今日は、(その9)(東京五輪発の菅政権退陣に現実味 市場が恐れる「2つの巨大リスク」とは?、自民を牛耳る3A+S「今の世の中 右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が日本の姿、菅首相 感染激増で「再選どころではない」窮地に 医療方針を転換、次期選挙は自民過半数割れも)である。

先ずは、7月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「東京五輪発の菅政権退陣に現実味、市場が恐れる「2つの巨大リスク」とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/277289
・『東京オリンピックがまもなく開催する。もともと「開催反対」の意見が多かったことを考えると、大会の運営に一つでもミスがあると菅政権は強い批判を浴びることになるだろう。菅政権の現在の支持率を考えると、あと一つか二つのミスや不運で退陣が十分起こり得ると考えておく必要がある。そのときに株式市場として心配しなければならない二つの大きなリスクとは?』、興味深そうだ。
・『「難しい」東京オリンピック 安全を願うも安心ではない開幕へ  東京オリンピックの開幕が迫ってきた。少なくとも前月までの各種調査では、中止ないし延期を求める世論が優勢であったものの、今や、「反対しても、どうせやるのだろう」という現実的な諦めが広がりつつある。良くも悪くも、おとなしい国民だ。 一方、「無観客」が決まったのが開会2週間前のことだった。大会の主な舞台となる東京都には、緊急事態宣言が発令されている。新型コロナウイルスの感染者が増加中で、病床使用率が上昇しており、医療体制も徐々に切迫しつつある。 アスリートを含む来日関係者のコロナ陽性が既に複数件確認されている。加えて、海外から来日する関係者と一般国民が接触しないようにする「バブル方式」に「15分程度なら自由に外出できる」という謎のような穴が指摘されている。さらには、開会式の週になってから式に使われる曲の作曲者陣の1人に問題が生じて、同人の辞任と楽曲の差し替えが決まったりするなど、準備の状況は全く心許ない。 コロナワクチンの接種は、やっと国民の約3割が1回目の接種を終えた程度の進行状況であり、「オリンピックには間に合わなかった」と言ってよかろう。オリンピックの開催が感染拡大を加速した場合、ワクチンの十分な普及が間に合うまで1〜2カ月の「危険な時期」が生じかねない。 開催される以上、国民の誰もが「安全」であることを願うだろうが、多くの国民にとって少なくとも「安心」ではない状況で迎えるオリンピックだ』、いくら無観客にしたところで、事態は変わらない。
・『菅政権はどの程度「安心」か? 支持率は危険水域へ  一方、菅政権にとっても、状況は「安心」ではないように思われる。 7月4日に投票が行われた東京都議会選挙は、最低勝敗ラインと目された「自民・公明両党で過半数」を獲得することができない惨敗だった。都議選は、国政選挙に対する先行指標だと言われている。 また各種の世論調査でも、NHKの7月の調査で内閣支持率が33%と、これまでの最低に支持率が落ち込んだ(不支持率46%は最高)。また、19日に発表されたANNの調査に至っては支持率29.6%と、30%を割り込んだ。 国民の多くが、菅内閣について「コロナ対策がうまくいっていない」と評価しており、不満が溜まっている。 政権の危機状況を表す経験則として有名な「青木率」(自由民主党の青木幹雄元官房長官の考案とされる)は、内閣支持率と自民党への支持率を合計したもので、これが「50%を割ると政権が保たない」とされる指標だ。現在は50%以上をかろうじて維持しているものの、何か一つ悪材料があれば、50%を割りかねない状況だ。 そして少なからぬ国民が、トーマス・バッハ会長以下の国際オリンピック委員会(IOC)の面々について「横暴で感じが悪い」と思っているので、オリンピック開催に伴って菅義偉首相の露出が増えることがプラスに働くとも思えない。 一つの希望は、コンディションの調整に有利な日本人アスリートが競技で活躍し、いわゆる「メダルラッシュ」がもたらされて世間のムードが明るくなることだ。しかし他方で、コロナの感染は明らかに拡大傾向にあるので、両者のバランスがどうなるかが問題だ。 もともと「開催反対」の意見が多かったことを考えると、大会の運営に一つでもミスがあると強い批判を浴びることになるだろうから、東京オリンピックは菅政権にとっても「安心」なものではない』、「メダルラッシュ」は想像以上だが、世論調査結果は厳しいままだ。
・『菅政権にとっての「2つの安心材料」とは?  ただし、菅政権について特殊なのは、分裂してまとまりを欠く「野党の弱さ」と、安倍晋三前首相が党内のライバルの芽を摘んだことによる「ポスト菅不在」の二つの要素であり、これらは相対的な安心材料だ。どちらも、安倍政権から引き継いだ遺産である。 特に野党は、「政権批判のためには選挙での連携を優先する」という基本ができておらず、主に共産党との関係を巡って愚かな分裂を止められずにいる。さらに、国民に不評だった民主党政権時代の有力者がそのまま党の目立つポジションにとどまっているので、国民の人気を集められない。 ビジネスに例えると、巨額の損失を出した会社が社長交代できないために株価が低迷するような状況だ。あるいは、品質の問題を起こして回収した商品を、名前もパッケージも変えずにまた売り出しているような状況に近い。明らかな「マーケティング的失敗」なので、いい加減に気づくべきだと思うのだが、個々の政治家には簡単に身を引けない事情があるのだろう。 一方の菅首相も、ここまでの選挙の実績や支持率の推移から見て、党内では「選挙の顔にならない」と見られている可能性が高い。与党側も「商品の包み紙」に問題を抱えている。いわば、弱者同士の均衡が存在している』、野党と与党の間に「弱者同士の均衡が存在している」とは言い得て妙だ。
・『デルタ株以外の心配 「菅下ろし」の有無は五輪運営に懸かる  さて、コロナ感染拡大の大きな原因になっている新型コロナウイルス「デルタ株」の感染力は、なかなかに手強い。 ワクチン担当の河野太郎行政改革担当大臣は、ワクチン接種が「10月ないし11月のなるべく早い時期に行き渡る」と述べている。仮にこの通りに進むとしても、オリンピックが終わる8月、さらには9月にはまだワクチンが行き渡っていないので、感染拡大が深刻な状況になる公算が大きい。そのため、その状況が世論的に「オリンピック開催を含めた菅内閣のコロナ対策の失敗」と解される可能性は低くない。 スケジュール的には、9月末が自民党総裁の任期満了で、10月21日が衆議院議員の任期満了だ。 ワクチン接種の進行を考えると、10月21日に解散して総選挙の投票日を11月に持ち込むのが与党にとっては有利だ。総裁選挙を先送りして総選挙に臨む展開が考えられる。しかし、その前に総裁選を行って「党の看板」を替える方がいいという展開になる可能性もある。こうした「菅下ろし」が生じるか否かには、東京オリンピックが無事に運営できるかどうかが大きく関わりそうだ』、首都圏でのコロナ感染爆発は、予想を上回るもので、金融事態宣言をいくら発令しても、焼け石に水だ。
・『株式市場の「心配事」 2つの巨大リスクとは?  新型コロナのデルタ株は株式市場にとっても手強い。7月19日の米ニューヨーク市場の株価(ダウ工業株30種平均)は大幅下落。前日比725ドル安は9カ月ぶりの下げ幅だった。これは、デルタ株による感染再拡大の悪影響を嫌気したものだと解釈されている。また、日本の株価の相対的な出遅れには、ワクチンの接種が海外先進国に遅れている「ワクチンラグ」の下で、デルタ株による感染が拡大している状況が関係している。 加えて、今後、菅政権が揺らぐことが日本の株価に対してネガティブに働くリスクを考える必要が出てきた。 菅首相が交代に至るケースは、(1)総選挙前の総裁選で敗れる、(2)総選挙で大幅に議席を減らして責任を取って退陣する、といった状況だろう。ただ支持率を考えると、あと一つか二つのミスや不運で十分起こり得ると考えておく必要がある。 その場合に問題になるのは、誰が菅首相の後任者になるのかだ。株式市場としては、後任者が(A)緊縮的な財政政策を採るリスクと、(B)2023年の日本銀行の正副総裁の交代人事で金融緩和に積極的でない人物を指名するリスク、という二つの大きなリスクについて心配しなければならない。 過去の言動から考えて、石破茂氏、岸田文雄氏、小泉進次郎氏といった次の首相候補に名前が挙がる人たちは、いずれも(A)(B)の両方で大いに心配があると言わざるを得ない。 特に、23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある。 投資家としては、日経平均株価が2万5000円を割ろうとも、あるいは2万円を割るようなことがあっても、じっと投資を続ける以外に現実的な選択肢はない。とはいえ、株価の大幅下落は気持ちのいいものではないので、心に覚悟が必要だ。 「オリンピックは心配だ」「菅内閣のコロナ対策には不満がある」と思いつつも、「菅内閣の退陣となると後が心配だ」という別のリスクにも気を配る必要がある。 スケジュール的には、9月末が自民党総裁の任期満了で、10月21日が衆議院議員の任期満了だ。 ワクチン接種の進行を考えると、10月21日に解散して総選挙の投票日を11月に持ち込むのが与党にとっては有利だ。総裁選挙を先送りして総選挙に臨む展開が考えられる。しかし、その前に総裁選を行って「党の看板」を替える方がいいという展開になる可能性もある。こうした「菅下ろし」が生じるか否かには、東京オリンピックが無事に運営できるかどうかが大きく関わりそうだ』、「23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある」、確かに重要な指摘だ。
・『株式市場の「心配事」 2つの巨大リスクとは?  新型コロナのデルタ株は株式市場にとっても手強い。7月19日の米ニューヨーク市場の株価(ダウ工業株30種平均)は大幅下落。前日比725ドル安は9カ月ぶりの下げ幅だった。これは、デルタ株による感染再拡大の悪影響を嫌気したものだと解釈されている。また、日本の株価の相対的な出遅れには、ワクチンの接種が海外先進国に遅れている「ワクチンラグ」の下で、デルタ株による感染が拡大している状況が関係している。 加えて、今後、菅政権が揺らぐことが日本の株価に対してネガティブに働くリスクを考える必要が出てきた。 菅首相が交代に至るケースは、(1)総選挙前の総裁選で敗れる、(2)総選挙で大幅に議席を減らして責任を取って退陣する、といった状況だろう。ただ支持率を考えると、あと一つか二つのミスや不運で十分起こり得ると考えておく必要がある。 その場合に問題になるのは、誰が菅首相の後任者になるのかだ。株式市場としては、後任者が(A)緊縮的な財政政策を採るリスクと、(B)2023年の日本銀行の正副総裁の交代人事で金融緩和に積極的でない人物を指名するリスク、という二つの大きなリスクについて心配しなければならない。 過去の言動から考えて、石破茂氏、岸田文雄氏、小泉進次郎氏といった次の首相候補に名前が挙がる人たちは、いずれも(A)(B)の両方で大いに心配があると言わざるを得ない。 特に、23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある。 投資家としては、日経平均株価が2万5000円を割ろうとも、あるいは2万円を割るようなことがあっても、じっと投資を続ける以外に現実的な選択肢はない。とはいえ、株価の大幅下落は気持ちのいいものではないので、心に覚悟が必要だ。 「オリンピックは心配だ」「菅内閣のコロナ対策には不満がある」と思いつつも、「菅内閣の退陣となると後が心配だ」という別のリスクにも気を配る必要がある。「安心」にはほど遠い暑い夏がやって来た』、「23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある」、私としては、当面の株価にはマイナスであっても、金融政策で異次元緩和からの出口を志向する総裁になってもらいたいが、その可能性は残念ながら少なそうだ。

次に、7月23日付け日刊ゲンダイが掲載した元外交官で外交評論家の孫崎享氏による「自民を牛耳る3A+S「今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が日本の姿」を紹介しよう。
・『菅内閣が揺らいでいる。内閣支持率が30%をきり、20%台になると内閣が「危険水域」に入ったとされる。時事通信が最近実施した世論調査では29.3%と30%を切った。この時の世論調査では、内閣支持率よりも衝撃的な数字が出た。それは菅首相に退陣を求める声である。 菅首相に首相を続けてほしい期間を尋ねたところ、「今年9月末の総裁任期まで」が49.4%、「早く辞めてほしい」が17.3%、両者を合わせれば66.7%が菅首相の退陣を望んでいる。 新型コロナウイルスの感染拡大という世界的な危機の中で、その対応に全くの無能さを示したのが菅内閣である。 コロナ対応で、世界の首脳は「人的接触を軽減する」、「ワクチンの接種を行う」のいずれかの政策を取ったが、菅政権ではいずれも不十分のままである。1月の施政方針演説で、菅首相は「夏の東京五輪は、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として(実施する)」――と、寝言の様な台詞を掲げていた』、「66.7%が菅首相の退陣を望んでいる」、とは異常事態だ。「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」、が「寝言の様な台詞」とは痛烈だ。
・『菅首相には情勢を客観的に認識する能力も、事実に基づいて的確な政策を打ち出す能力もない。 できることは、反対する人々に対して報復して黙らせることであり、この手法は菅内閣の「トレードマーク」と言っていい。西村経済再生担当相が、酒類提供店への金融機関の働きかけなどの制限強化策を打ち出したのがその例だ。結局、この策は、ホリエモンこと、実業家の堀江貴文氏が外部講師を務める政治系のオンラインサロン「堀江政経塾」が、<不公平な緊急事態宣言には断固反。秋の総選挙では自民党・公明党以外に投票します>というポスターを飲食店に貼るよう呼び掛けるなどどし、さらに世論の猛反対にあって撤回に追い込まれた。 緊急事態宣言を発令しても、国民は「またか」と新たな自粛を行う気配を見せていない。 感染の中心は64歳以下であるが、この世代へのワクチン接種が進む目途も全く立っていない。つまり、コロナは拡大する。国民の命と健康不安は従来以上に拡大し、経済は停滞するだろう。菅首相には情勢を客観的に認識する能力も、事実に基づいて的確な政策を打ち出す能力もない。 できることは、反対する人々に対して報復して黙らせることであり、この手法は菅内閣の「トレードマーク」と言っていい。西村経済再生担当相が、酒類提供店への金融機関の働きかけなどの制限強化策を打ち出したのがその例だ。結局、この策は、ホリエモンこと、実業家の堀江貴文氏が外部講師を務める政治系のオンラインサロン「堀江政経塾」が、<不公平な緊急事態宣言には断固反。秋の総選挙では自民党・公明党以外に投票します>というポスターを飲食店に貼るよう呼び掛けるなどどし、さらに世論の猛反対にあって撤回に追い込まれた。 緊急事態宣言を発令しても、国民は「またか」と新たな自粛を行う気配を見せていない。 感染の中心は64歳以下であるが、この世代へのワクチン接種が進む目途も全く立っていない。つまり、コロナは拡大する。国民の命と健康不安は従来以上に拡大し、経済は停滞するだろう。菅首相には情勢を客観的に認識する能力も、事実に基づいて的確な政策を打ち出す能力もない。 できることは、反対する人々に対して報復して黙らせることであり、この手法は菅内閣の「トレードマーク」と言っていい。西村経済再生担当相が、酒類提供店への金融機関の働きかけなどの制限強化策を打ち出したのがその例だ。結局、この策は、ホリエモンこと、実業家の堀江貴文氏が外部講師を務める政治系のオンラインサロン「堀江政経塾」が、<不公平な緊急事態宣言には断固反。秋の総選挙では自民党・公明党以外に投票します>というポスターを飲食店に貼るよう呼び掛けるなどどし、さらに世論の猛反対にあって撤回に追い込まれた。 緊急事態宣言を発令しても、国民は「またか」と新たな自粛を行う気配を見せていない。 感染の中心は64歳以下であるが、この世代へのワクチン接種が進む目途も全く立っていない。つまり、コロナは拡大する。国民の命と健康不安は従来以上に拡大し、経済は停滞するだろう。 国民は、世論調査の形で菅政権に「NO」を突き付けた。 本来なら自民党が危険信号を読み取り、首相交代を行うべきだ。しかし、3A(安倍、麻生、甘利)+S(菅)が自民党を牛耳り、新たな流れを作れない。 ならば野党・立憲民主党が政権をとる絶好のチャンスだが、立憲民主もまた明確な方向を示せていない。 昭和の名俳優、故・鶴田浩二氏の「今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が、日本の姿である』、「「菅首相には情勢を客観的に認識する能力も、事実に基づいて的確な政策を打ち出す能力もない。 できることは、反対する人々に対して報復して黙らせることであり、この手法は菅内閣の「トレードマーク」と言っていい」、その通りだ。「西村経済再生担当相」の「酒類提供店への金融機関の働きかけなどの制限強化策」が「世論の猛反対にあって撤回に追い込まれた」のは当然だ。

第三に、8月6日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「菅首相、感染激増で「再選どころではない」窮地に 医療方針を転換、次期選挙は自民過半数割れも」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/446243
・『東京五輪閉幕が迫る中、政府が突然、東京などコロナ感染爆発の状態に陥りつつある地域を対象に、入院治療は原則的に重症患者などに限定する方針を打ち出したことで、国民の不安や不満が爆発している。 コロナ感染者への医療方針の大転換ともなるだけに、関係者の間でも「政府が医療崩壊を認めた」「まさに後手後手」などの批判が噴出。与党の自民・公明両党も政府の方針撤回を要求する異常事態となっている。 菅義偉首相は急きょ、医療関係者に協力を要請するなど、国民の理解を得ようと躍起になる一方、「今回の措置は必要な治療を受けられるようにするため」と方針を撤回しない考えを表明。ただ、今回の方針転換について政府は専門家に相談せず、与党への事前報告もしなかったことも明らかとなり、批判・不満を増幅させている』、政策転換を「専門家に相談せず、与党への事前報告もしなかった」、驚くべき不手際で、その後、事実上「撤回」した。
・『現場から「すでに医療崩壊」の悲鳴  新規感染者は4日、14都府県で過去最多を更新。焦る政府は5日、「桁違いの感染急増で局面が変わった」(西村康稔経済再生担当相)として、まん延防止等重点措置の対象地域に福島、愛知など8県の追加を決定した。都内の自宅療養者は過去最多を更新し続け、現場では「すでに医療崩壊」との悲鳴が相次ぐ。 菅首相は4日のインタビューで「重症化のリスクのある方は入院していただく。悪化したらすぐ入院ができる態勢をつくる」などと国民の理解を求めた。しかし、ネット上では「患者の切り捨てだ」と大炎上し、「菅首相は即時退陣」がトレンド上位となるなど、国民世論が菅政権を窮地に追い込みつつある。 事の発端は政府が2日、感染者が急拡大している地域で、入院は重症患者や重症化リスクの高い人に限定する方針を決めたことだ。これを受けて菅首相は3日、首相官邸で日本医師会の中川俊男会長らと会談し、コロナ感染者の新たな療養方針への協力を要請した。 会談で菅首相は、中等症患者のうち、酸素投与が必要な人や糖尿病などの疾患がある人は入院対象になるとの基準を示した。中川氏は会談後、記者団に「中等症1でも医師の判断で入院させることでいいと確認したので、(国民には)安心していただきたい」と述べ、政府の方針に一定の理解を示した。 しかし、この政府方針に対し、与党や自治体から不満や注文が相次いだ。公明党の山口那津男代表は3日の菅首相との会談で、中等症患者向けの病床や人員の拡充を強く要求。菅首相が期待する「抗体カクテル療法」について、「点滴を行える場所と機会を有効に生かせるようにすべきだ」と指摘した。 同日の自民党の二階俊博幹事長と公明党の石井啓一幹事長の会談では、石井氏が「中等症患者は治療してもらえないのではないかと不安を抱く」と強い懸念を伝え、与党として政府にきちんとした説明を求める方針を確認した。 全国知事会会長の飯泉嘉門徳島県知事も同日、田村憲久厚労相とオンラインで会談。その中で飯泉氏は「中等症で入院対象から外れる場合の客観的な基準を示してほしい」と求め、田村氏は「医師の判断で必要なら入院させて問題ない」と自治体や医師の判断を優先する立場を繰り返した。 こうした状況について、立憲民主党の枝野幸男代表は同日の党会合で、「自宅療養は言葉だけで放棄としか言いようがない。まったく危機対応がなっていない」と厳しく批判。共産党の志位和夫委員長もツイッターに「大きな危険を伴う政策転換だ」と投稿するなど、政府に方針撤回を求めることで足並みをそろえた』、「現場から「すでに医療崩壊」の悲鳴」、そうだろう。与党の「公明党の石井啓一幹事長」からも「強い懸念」を示されるとはお粗末もいいところだ。
・『あふれる「患者切り捨て」との批判  コロナ治療の最前線で奮闘する現役医師では「感染者が増えて受け皿がないから入院させないというのは患者の切り捨てだ」などの批判があふれている。連日のようにテレビ情報番組などに出演している医師は、方針転換を決めた菅首相に対し、「無為無策だ。この人に政治を司る資格はない。すぐ辞めるべきだ」などとツイートした。 国会は8月4、5日、衆参両院の厚生労働委員会で閉会中審査を実施。与野党委員とも政府を追及し、田村厚労相は防戦一方となった。政府コロナ対策分科会の尾身茂会長は、「この件(政府の方針転換)に関して相談、議論したことはない」と明らかにし、委員会室は騒然となった。 尾身発言について田村厚労相は「病床のオペレーションの話なので政府で決めた」と説明。「このままでいくと中等症で入らないといけない方が病床に入れずに在宅で対応できないことが起こる。中等症で呼吸管理している重い方々は入院するが、中等症でも軽い方は(病床を空けることで)重い方が来たときに入れるような状況を作る。国民の命を守るために必要な対応だ」と強弁した。 ただ、方針転換を最終決断した菅首相はこの事実を知らなかったとして、「厚労省は(尾身氏に)必要な相談をすべきだった」と厚労省の対応を疑問視した。田村氏は5日の参院厚労委で「反省している」と述べたが、政府内の混乱を露呈した格好だ。) こうした政府の迷走に、4日の閉会中審査で公明党の高木美智代氏が「撤回を含め、検討し直してほしい」と要求。立憲民主党の長妻昭副代表(元厚労相)は「人災だ」と口を極めて批判した。これを受けて立憲民主、共産、国民民主の主要野党3党の国対委員長は同日の会談で、政府に方針撤回と臨時国会の早期召集を求めることで一致した。 菅首相や政府への批判が渦巻く中、自民党の二階幹事長が3日、菅首相の任期満了(9月30日)に伴う自民総裁選について、「再選が当たり前」と発言したことも批判を増幅させた。二階氏は「現職が再選される可能性が極めて高い。菅首相に『続投してほしい』との声が国民の間にも強い」と菅首相続投支持を明言した』、一時は地位確保が危うくなった「二階幹事長」にしたら、ここぞとばかり「菅首相」に恩を売ったのだろう。
・『尾身氏は感染者数に悲観的見通し  二階氏はさらに、「総裁選は総裁たりうる人が手を挙げる、そういう人が複数あった場合に選挙になる。今のところ複数の候補になる見通しはない」として、現状では菅首相の無投票再選が当然との見方を示した。 この二階氏発言もネット上で大炎上。「二階氏はボケている」「真夏の怪談で失笑の嵐」「(菅首相と)2人でどこか違う国へ行って永遠にやっていれば良い」などと過激で辛辣なコメントがあふれた。 緊急事態宣言発令以降も東京を中心に新規感染者は増え続け、一向にピークもみえてこない。感染爆発の象徴ともなる東京の1日当たりの新規感染者数について、4日の閉会中審査で1万人に達する可能性について問われた尾身氏は、「最悪の場合はそういうこともある。来週ぐらいには6000、7000、8000といういくつかの幅のある中で(増えるが)、急に下がることはない」と悲観的見通しを示した。 自宅療養者はすでに1カ月で10倍をはるかに超えて激増が続く。菅首相が期待するワクチン接種も停滞し、抗体投与も入院患者優先となれば劇的な効果は見込めない。まさに「コロナ禍の現状は、戦後経験したことのない国家的危機」(首相経験者)ともみえる。 8日に閉幕する東京五輪は日本選手の史上最多を大幅に更新する金メダルラッシュでお茶の間を熱狂させている。しかし「この熱狂は政治とは別世界の話で、国民の間には最悪の事態を想定せず、根拠なき楽観主義で医療態勢崩壊を招いた菅政権への怨嗟の声が満ち満ちている」(自民長老)のが実態ともみえる。 4日には東京地検特捜部が公明党衆院議員の絡む不正融資仲介事件で強制捜査に着手したことも与党を動揺させている。選挙アナリストの間では「このままなら次期衆院選で自民の単独過半数(233議席)確保は困難」との予測も出ている。与党内では二階氏の続投支持とは裏腹に、「もはや、再選どころではない」(閣僚経験者)との声が勢いを増している』、せっかくの「金メダルラッシュ」の「熱狂」も、「この熱狂は政治とは別世界の話で、国民の間には最悪の事態を想定せず、根拠なき楽観主義で医療態勢崩壊を招いた菅政権への怨嗟の声が満ち満ちている」、「熱狂」すれば支持率も回復するとの当初の楽観的観測は影も形も残ってないようだ。「東京地検特捜部が公明党衆院議員の絡む不正融資仲介事件で強制捜査に着手したことも与党を動揺させている」、この新たな地雷も要注目だ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン (その9)(東京五輪発の菅政権退陣に現実味 市場が恐れる「2つの巨大リスク」とは?、自民を牛耳る3A+S「今の世の中 右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が日本の姿、菅首相 感染激増で「再選どころではない」窮地に 医療方針を転換、次期選挙は自民過半数割れも) スガノミクス 山崎 元 「東京五輪発の菅政権退陣に現実味、市場が恐れる「2つの巨大リスク」とは?」 「メダルラッシュ」は想像以上だが、世論調査結果は厳しいままだ。 野党と与党の間に「弱者同士の均衡が存在している」とは言い得て妙だ。 首都圏でのコロナ感染爆発は、予想を上回るもので、金融事態宣言をいくら発令しても、焼け石に水だ。 「23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある」、確かに重要な指摘だ。 「23年の日銀総裁人事を首相として誰がどう決定するのかという点は、日本経済の向こう10年くらいの将来に対して甚大な影響力を持っている。そのため、特に投資家は「ポスト菅」をこの点から評価する必要がある」、私としては、当面の株価にはマイナスであっても、金融政策で異次元緩和からの出口を志向する総裁になってもらいたいが、その可能性は残念ながら少なそうだ。 日刊ゲンダイ 孫崎享 「自民を牛耳る3A+S「今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」が日本の姿」 「66.7%が菅首相の退陣を望んでいる」、とは異常事態だ。「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」、が「寝言の様な台詞」とは痛烈だ。 「「菅首相には情勢を客観的に認識する能力も、事実に基づいて的確な政策を打ち出す能力もない。 できることは、反対する人々に対して報復して黙らせることであり、この手法は菅内閣の「トレードマーク」と言っていい」、その通りだ。「西村経済再生担当相」の「酒類提供店への金融機関の働きかけなどの制限強化策」が「世論の猛反対にあって撤回に追い込まれた」のは当然だ。 東洋経済オンライン 泉 宏 「菅首相、感染激増で「再選どころではない」窮地に 医療方針を転換、次期選挙は自民過半数割れも」 政策転換を「専門家に相談せず、与党への事前報告もしなかった」、驚くべき不手際で、その後、事実上「撤回」した。 「現場から「すでに医療崩壊」の悲鳴」、そうだろう。与党の「公明党の石井啓一幹事長」からも「強い懸念」を示されるとはお粗末もいいところだ。 一時は地位確保が危うくなった「二階幹事長」にしたら、ここぞとばかり「菅首相」に恩を売ったのだろう。 せっかくの「金メダルラッシュ」の「熱狂」も、「この熱狂は政治とは別世界の話で、国民の間には最悪の事態を想定せず、根拠なき楽観主義で医療態勢崩壊を招いた菅政権への怨嗟の声が満ち満ちている」、「熱狂」すれば支持率も回復するとの当初の楽観的観測は影も形も残ってないようだ。「東京地検特捜部が公明党衆院議員の絡む不正融資仲介事件で強制捜査に着手したことも与党を動揺させている」、この新たな地雷も要注目だ。
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