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EC(電子商取引)(その8)(テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視、日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?、物流強化でアマゾン 楽天を追撃 “ヤマトと心中”ヤフーのEC責任者が激白) [産業動向]

EC(電子商取引)については、4月9日に取上げた。今日は、(その8)(テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視、日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?、物流強化でアマゾン 楽天を追撃 “ヤマトと心中”ヤフーのEC責任者が激白)である。

先ずは、4月21日付け日経ビジネスオンライン「テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00128/042100023/
・『楽天グループを巡る「監視」が強まっている。共同通信は20日、楽天が中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)子会社から出資を受けた点について、日米両政府が共同で監視していく方針を固めたと報じた。この一報を受け、21日の東京株式市場では楽天株が一時前日比約6%下落した。 通信事業を営み、莫大な個人情報を持つ楽天に対してテンセント子会社が出資する問題点について、日経ビジネスはこれまでに細川昌彦・明星大学経営学部教授のコラムの記事「政府も身構える『テンセント・リスク』 楽天への出資案が飛び火」や本連載の記事「テンセント出資で『三木谷氏に個人情報守る責任』 自民・甘利氏」などでたびたび指摘してきた。 日本政府はこうした問題提起に対して、きちんと対応する姿勢を見せるべく、共同監視の方針を打ち出したのだろう。ただ、監視といっても日本側が「聞き取り」をして、それを米国と共有するスキームだという。 米国では対米外国投資委員会(CFIUS)に、米国企業の買収や株式取得が安全保障に与える影響を調査する権限が与えられている。だが、日本政府がそれをチェックする手段を持っていない点はこれまでにも書いてきた通りだ。企業が必ず真実を語る性善説のうえに成り立つもので、プレッシャーにはなるものの、本質的な監視になるのか疑問符がつく。 楽天には、もう1つの監視が強まりつつある。 それが、財務の健全性への監視だ。 総務省は14日、高速・大容量通信規格「5G」向けの追加電波を、楽天モバイルに割り当てると発表した。東名阪エリアを除く全国において1.7GHz帯の基地局を開設できるようになる。地方での通信エリア拡大が期待でき、大手3社に比べて脆弱な楽天の通信環境の改善が見込まれる』、「日本政府」は「監視といっても日本側が「聞き取り」をして、それを米国と共有するスキーム」、どうも形をつけただけのようだ。
・『低下著しい自己資本比率  楽天にとっては悲願の割り当てだ。ただ、認可にあたっては12の条件が課せられている。その1つに「設備投資及び安定的なサービス提供のために必要となる資金の確保、その他財務の健全性の確保に努めること」がある。 認可の条件に財務の健全性の確保が明記されているのだ。これは2018年4月に楽天モバイルの参入を認めた際にもついた条件である。モバイル通信はライフラインの1つとなった。インフラ事業を営むにあたり、資金難となって突然サービスを停止されては困るからだ。 財務の健全性を示す指標の1つに自己資本比率がある。楽天の自己資本比率は20年末時点で4.86%だった。金融事業を抱えるため低くなるのは仕方がない部分もあるが、16年末の14.82%や19年末の8.03%と比べると、低下が著しい。楽天はモバイル事業への投資がかさみ、前期に1000億円超の最終赤字となった。今期もモバイル事業での投資を継続し、赤字の公算が大きい。) 楽天は4月19日、外貨建てでの永久劣後債の発行を決めたと発表した。ドル建てが総額17億5000万ドル(約1900億円)。ユーロ建ては10億ユーロ(約1300億円)で、発行総額は約3200億円となる。一度の起債では同社の過去最大規模だ』、「自己資本比率は20年末時点で4.86%」、確かに低過ぎる。「赤字」で軽く吹っ飛びかねない。
・『矢継ぎ早の資金調達  劣後債とは、債務不履行に陥った際に弁済の順位が普通社債より劣るため利率が高くなる。ただ、格付け会社からの格下げリスクは抑えられるメリットもある。また楽天グループは国際会計基準を導入しているため、永久劣後債で調達した資金を全額資本として扱える。自己資本比率の改善にもつながる。 3月には冒頭で扱ったテンセント子会社や日本郵政などから総額2400億円の出資を受け入れた。矢継ぎ早に資金調達に走る背景には、財務の健全性を確保しつつ、モバイル事業のインフラ投資を加速する狙いがある。 シティグループ証券アナリストの鶴尾充伸氏は財務の健全性を確保するための調達を評価する一方で「まだ足りない数千億円をどう調達するかが課題」と指摘する。楽天が非金融事業で稼ぐ営業キャッシュフローよりもモバイル事業の設備投資が大きくなり、その赤字額は「2年で1兆円」と鶴尾氏は見積もる。劣後債の発行や第三者割当増資で6000億円弱を調達したが、その差である4000億円強をどう調達するかが課題だ。 こうした点を格付け会社も注視している。S&Pグローバル・レーティングは2月に、楽天の長期発行体格付けと長期優先債券の格付けを、引き下げ方向の「クレジット・ウオッチ(CW)」に指定。4月9日にもCWを維持すると発表しており、現在の格付けである「BBB-」が引き下げられる可能性がある。 ただ、楽天モバイルは20年4月から今年4月まで、「1年間無料」とするキャンペーンを実施したため、モバイル事業の赤字は続く。この4月からは、1年間無料だったユーザーの期限が終わり、有料へと切り替わるタイミングが始まっている。楽天モバイルの売りの1つが、「いつでも解約、解約金は不要」というものだ。いわゆる「2年縛り」のように、期間中に解約した場合の違約金も発生しない。ユーザーにとってはメリットがあるが、楽天からすればいつでも解約されるリスクでもある。競合が20GBで約3000円という新料金プランを3月に始めており、楽天モバイルの競争優位性は低下している。 楽天モバイルでの収益化が難しい中で、いかに資金を確保するか。鶴尾氏は手段の候補として「保有する海外株式の売却」や「傘下のフィンテック企業のIPO(新規株式公開)」を掲げる。IPOは準備に時間がかかるため容易ではないが、対応策を示さなければ格下げリスクが高まってしまう。 日米政府による監視と財務の健全性の確保。強まる監視網に対し、楽天には丁寧な説明が求められる。 この記事はシリーズ「白壁達久のネット企業盛衰記」に収容されています』、「楽天」はまさに正念場にあり、「丁寧な説明が求められる」のは確かだ。

次に、4月28日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82631?imp=0
・『日本政府が安全保障の観点から楽天グループを監視する方針を固めたとの報道が出ている。中国のIT大手から出資を受けたことが背景だが、中国から出資を受けている企業や、中国との関係が密接な企業は他にもたくさんあり、年金機構から中国に情報が漏洩しているとの指摘も出ている。 データ漏洩を防ぐことは重要だが、楽天に対する監視が、単なる世論対策や政府のアリバイ作りでは何の意味もない。本気で中国リスクを懸念するのであれば、形式的な聞き取り調査ではなく、日本経済の仕組みそのものを変革し、中国依存度を下げる努力が必要である』、興味深そうだ。
・『楽天監視の記事が流された背景  共同通信は2021年4月20日、「日米両政府が楽天グループを共同で監視する方針を固めたことが分かった」と報じた。楽天グループが中国のIT大手騰訊控股(テンセント)グループの出資を受けたことから、日本政府は楽天に対して定期的に聞き取り調査を行い、米当局と情報を共有化するとしている。 正式な発表はなく、記事では情報源が明らかにされていないので、典型的なリーク記事と考えてよいだろう。リーク記事は大抵の場合、情報を拡散したい人(政府関係者や企業幹部など)が特定のマスコミだけに情報を流し、意図的に世論形成を図ったり、社会の反応を見るために実施される。 日米首脳会談が行われたタイミングであることを考えると、日本政府が中国に対する監視を強化していることを米国にアピールしたり、他の日本企業に対して安易に中国と提携しないよう促す目的があるのかもしれない。 政権が国内の世論対策として情報をリークした可能性もある。現在、中国に対しては香港問題やウイグル問題など人権問題が提起されているが、日本政府の中国への対応は曖昧なままである。中国依存を強める財界への配慮があると考えられるが、一部からは政府は何もしていないとの声も出ている。楽天という分かりやすい企業をターゲットに「監視強化」という情報を流せば、政府にとっては、「ちゃんと仕事をしていますよ」という、ある種のアリバイとなる。 いずれにせよリーク記事が出てきたということは、この情報をあえて拡散させたい人が政府内部にいることを示しており、背後には相応の目的があると考えた方がよい。 日本では、政府の正式発表ではないニュースをメディアが勝手に報じることに対して激しい批判が寄せられることが多く、「マスゴミはケシカラン」といった論調で溢れている。だがその理屈でいくと、この記事も根拠の怪しい一方的な報道であり、本来なら激しく批判されるはずである。自分たちが求めている話題ならマスコミの勝手な報道はOKで、望まない話をマスコミが勝手に報道するのはNGということでは、完全にダブルスタンダードだ。 リーク記事を鵜呑みにするのは危険だが、リーク記事ほど情報分析において重要な役割を果たすツールはない。リーク報道をむやみに批判するのは愚の骨頂であり、いかなる内容であれ、リーク報道が出てきた時には、その意図を探るのが基本中の基本である(政権に批判的なリーク記事も、実は政府関係者が流していることも多い)』、「リーク記事を鵜呑みにするのは危険だが、リーク記事ほど情報分析において重要な役割を果たすツールはない。リーク報道をむやみに批判するのは愚の骨頂であり、いかなる内容であれ、リーク報道が出てきた時には、その意図を探るのが基本中の基本である」、その通りだ。
・『年金機構からもデータが漏れている?  仮に今回のリーク記事が、政府のアピールだとすると、どうしても気がかりな点がある。データ漏洩の監視を強化するといっても、どの程度の実効性があるのかという問題である。 楽天は市場に大きな影響力を持つ企業であり、テンセントも中国を代表するIT企業のひとつである。今回の資本提携が世間の注目を集めているというのはその通りだろう。だが、楽天に限らず、日本企業と中国企業の結びつきは水面下で相当なレベルまで進行しており、実はすでに抜き差しならない状況まで来ているとの見方もできる。 日本の貿易総量において中国が米国を上回ったのはかなり前のことであり、とうとう2020年には輸出においても中国が米国を超えた。つまり日本の輸出産業における最大の「お客様」は中国である。つい先日、LINEの利用者情報がシステムの開発を受託している中国企業内で閲覧可能だったことが明らかになっているし、中国事業抜きに業績を継続することは困難であることから、ウイグル問題には目をつぶる日本企業も多い。) 中国企業と密接な関係を構築している日本企業はかなりの数にのぼり、楽天だけに聞き取り調査を行ったところで、データ漏洩を防ぐことなどほぼ不可能である。しかも困ったことに、国会ではマイナンバーというもっとも重要な国民の個人情報が、日本年金機構から中国に流出している可能性まで指摘されている。もしこれが事実であれば、民間企業を監視するどころの話ではなくなってしまう。 実際、今回の日米首脳会談では、中国問題に対する日本側の消極的な姿勢が目立った。国内メディアはあまり報道していないが、ロイターは、「日中の経済・商業上の深いつながりや、菅首相が慎重な対応を取る意向であることは認識している」という米高官の発言を報じている。この記事は、日本経済がすでに相当程度、中国に取り込まれており、米国と同じ行動を取ることは難しいと米国側が当初から認識していたことを示している。 この報道に対して「米国の理解が得られて良かった」と受け止めるのか、「米国はすでに日本を見放しつつある」と捉えるのかで、状況判断は180度変わる。いずれにせよ、多くの日本人が想像している以上に日本経済と中国経済の一体化は進んでおり、米国はその現実について、日本人以上に明確に認識している』、「多くの日本人が想像している以上に日本経済と中国経済の一体化は進んでおり、米国はその現実について、日本人以上に明確に認識している」、その通りなのかも知れない。
・『中国と日本を切り離すためには?  筆者は以前から、日本は輸出主導型経済から消費主導型経済に転換すべきであると主張してきた。輸出主導型経済を維持する以上、顧客となる国が必要であり、それは米国から中国にシフトしている。中国を主要顧客にしている以上、日本は交渉で不利な立場にならざるを得ない。仮に米国と政治的な関係を強化できたとしても、米国は保護主義に傾いており、従来と同じように日本製品をたくさん買ってくれる保証はない。 ITなど次世代産業を基軸とした高度な消費主導型経済を構築できれば、中国への輸出という呪縛から解放され、中国と距離を保つことができる。だが高度な消費主導型経済への転換については、国内では反対意見が多い。しかも困ったことに、そうした反対意見の内容は年々変化しているのが現実だ。 数年前まで筆者の主張に対しては「日本は輸出立国であり、輸出産業を軽視するのはケシカラン」といった批判が圧倒的に多かった。ところが最近では、日本の輸出競争力低下が目に見えて明らかになってきたせいか、論調が変わり、「日本の輸出依存度は低く、日本は中国への輸出に頼らなければならない国ではない」いった意見が目立つようになった。これは完全に現実逃避と言わざるを得ないのだが、マクロ経済における輸出の効果に関する誤認識もあるようだ。 確かに日本の純輸出(輸出から輸入を差し引いた金額)は、限りなくゼロに近づいており、純輸出がGDPに占める割合は低い。だが、輸出主導型経済というのは、貿易黒字で経済を回すという意味ではない。個人や企業では、利益という概念があるが、マクロ経済にはそうした概念は存在せず、黒字の額が経済成長を促すわけではないのだ』、「黒字の額」が二国間の勝ち負けを示すと飛んでもない見解を示したのが、あのトランプ前大統領だ。

第三に、6月5日付け東洋経済Plus「物流強化でアマゾン、楽天を追撃 “ヤマトと心中”ヤフーのEC責任者が激白」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27169?login=Y
・『ネット通販ではアマゾン、楽天の後塵を拝しているヤフー。ヤマト運輸との連携を深める狙いはどこにあるのか。 EC(ネット通販)モール「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」を展開するヤフー。アマゾン、楽天の後塵を拝し、業界内では「万年3番手」と呼ばれる。 そうした中、2020年3月に親会社Zホールディングスが、宅配便首位のヤマト運輸を擁するヤマトホールディングスと業務提携。ヤフーはヤマトとの共同で商品の在庫管理なども含め、受注から宅配までを一括で請け負う「フルフィルメントサービス」を提供している。 2021年3月には同サービスをリニューアルし、全国一律の格安配送で出店者の利用拡大を目指す。ヤマトとの連携強化の狙いは何か。ヤフーでEC事業を統括する畑中基・コマースカンパニー執行役員ショッピング統括本部長を直撃した(Qは聞き手の質問、Aは畑中氏の回答)。 Q:なぜ今、EC物流を強化しているのですか。 A:もちろん物流の重要性はわかっており、かなり前から議論を重ねている。 残念ながらヤフーはECで業界3位。しかも、競合との差は大きく圧倒的な3番手だ。競合に追いつくためには、まず品揃えの強化が必要だった。これが出店料と売り上げロイヤルティを無料化した2013年の「eコマース革命」につながる。出店者の数が増えたことで、「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」には、合わせて約4億商品が掲載されている。 そして、大規模なポイント還元やセールによる割引でお得感をアピールし、ユーザーの定着を図った。ユーザーから好評だった直近の「超PayPay祭」は、とにかくオペレーションが大変だった。出荷量の拡大から物流オペレーションの負荷が増しているのは、どの出店者にも共通する課題だ。 ユーザーが配送に求めるハードルも高くなっている。以前は、お得に商品を買えたのであれば、届くのが多少遅れても許される「寛容さ」みたいなものがあった。今はどうも違うようだ。 Q:というと? A:以前よりも許容範囲が狭くなってきていて、商品の到着が遅いと(次の注文をしなくなるような)機会損失になってしまう。 だから、商品数を増やしてキャンペーンを打っても不十分だと感じていた。物流もやらないといけない。それに、商品価格や送料無料のラインが下がると、出店者はその分のコストをどこかに転嫁せざるをえない。多少はヤフーがコストを負担して、出店者を物流面で支援したいと考えた』、「ユーザーが配送に求めるハードルも高くなっている。以前は、お得に商品を買えたのであれば、届くのが多少遅れても許される「寛容さ」みたいなものがあった。今はどうも違うようだ」、「物流」も大変になってきたようだ。
・『物流の自前化は時間がかかりすぎる  Q:2020年のヤマトとの業務提携はその延長線上にあったと。 A:たとえば、アスクルやZOZOなどのグループ会社が保有する倉庫を活用し、出店者向け物流サービスを提供するとか、小さなことはやってきた。ただ、(配送拠点からユーザーまでの)ラストワンマイルのサービスがないと不十分で、自分たちでは投資負担が大きくてできなかった。 大きな事業者との連携を模索する中、ヤマトさんとの提携が決まった。物流などのオペレーション負荷を軽減し、出店者にはユーザーとのコミュニケーションや商品の宣伝といった「売り」に徹していただける環境を作っていきたい。 はたなか・はじめ/アパレル企業を経て2003年ヤフー入社。「Yahoo!ショッピング」の企画・営業に携わり、2012年に本部長就任。2018年4月に「Yahoo!トラベル」「Yahoo!ダイニング」の営業本部長を兼任、同5月よりスマホ決済サービス「PayPay」の営業責任者、6月にPayPay取締役に就任。2019年よりショッピング統括本部長。写真は2019年(撮影:今井 康一) Q:EC最大手のアマゾンは物流サービスの自前化を進めています。ヤフーは考えていないのですか? 検討はゼロではない。ただ、いつやるのかというタイミングの問題もあるし、事業モデルをどう構築するのか、コストをどう負担するのか、と課題は山積みだ。過去にいろいろと検討したが、どうしても自社化に踏み切る判断が難しかった。そう単純なものではない。 ましてや、楽天やアマゾンなどと比べてヤフーの物流は周回遅れだ。ハコ(倉庫)と足回り(配送)を自分たちでやっていると、かなり時間がかかってしまう。まずは大手事業者と組んだほうがメリットはある。 幸いにも、(ヤマトと共同で提供する)「フルフィルメントサービス」には、出店者から想定を大幅に上回る申し込みがあり、強い手応えを感じている』、「楽天」は携帯事業では前述のように苦戦しているが、ECでは「アマゾン」と並んで「ヤフー」に大差をつけているようだ。
・『ヤフーは何かを強制することはない  Q:今年3月にヤマトと共に打ち出した全国一律の配送サービスはかなり安いです。「楽天スーパーロジスティクス」や「フルフィルメント by Amazon」など、競合の物流サービスの価格を参考にして料金設定したのでしょうか? A:もちろん、勉強させていただいている。おそらく、競合である楽天やアマゾンと比べても価格面で優位にたっているはずだ。 だからといって、出店者を縛るというか、フルフィルメントサービスを使わないといけないというのは、極力排除したい。あくまで、出店者の売り上げと利益が確保できたうえで、よい商売がしたいと考えている。 「優良配送キャンペーン」で送料の一部を出店者にキャッシュバックしたように、われわれがコストを一部負担することがあっても、何かを強制したりはしない。 Q:フルフィルメントサービスが「お値打ち」なのはヤフーがコストを一部負担しているからですか? A:(同席した広報担当者が)フルフィルメントサービスの料金をどのように実現しているかの詳細は公表していません。 Q:「Yahoo!ショッピング」には「優良配送」というタグがあります。これとフルフィルメントサービスの関係は。 A:確実に翌日に届くもので配送遅延率も一定以下の商品に「優良配送」のタグが付く。ユーザーからすれば、いつ来るのかわからない商品よりも、「確実に明日来る・時間指定できる」というのはメリットだ。そのため、人気度や閲覧数と同様、「優良配送」があると商品がサイト内で上位に表示されやすくなる。 商品の出荷状況はヤフーの管理ツールで把握している。ヤマトのシステムとヤフーの管理ツールは、シームレスにつながっている。出店者がフルフィルメントサービスを使っていれば「優良配送」のタグはほぼ間違いなく付く』、なるほど。
・『ヤマトとがっつりと組む  Q:ユーザーの多様なニーズに対応するのであれば、佐川急便や日本郵便を使っている出店者にも同様のサービスが必要では。 A:もちろん、よい話があるならばぜひともやりたい。ヤマトだけと組んで他はお断りということはない。出店者やユーザーにとってよいサービスができるならば、ほかの事業者とも提携する。 少なくともB2Cの配送についてはヤマトがナンバーワンであり、システムやサービスも間違いなく他社に先行している。矢継ぎ早に素晴らしいサービスを提案してくれるので、当面はヤマトとしっかりとサービスを提供することが中心になるだろう。 すでにヤマトとは、リアル店舗の在庫をECサイト上に表示し、店舗から商品を出荷する取り組みも始めている。2021年の2月中旬から3月末の期間中、日比谷花壇とヤマトで実証実験を行った。近隣の店舗から商品を出荷・配送することで、午前中の注文を即日配送できる。 ECとリアル店舗の両方の領域で、出店者にとってよいサービスを提供しないと、すべての在庫をヤフーに預けて可視化させてはくれないだろう。 Q:実店舗での配送のあり方も変わってくると、ヤマトよりも企業間物流を手掛ける事業者や佐川急便のほうがよいのではないでしょうか? A:繰り返しになるが、ヤマト以外との連携をまったく考えていないわけではない。あくまで当面はヤマトとのサービス提供に注力するというだけ。 配送事業者は中小企業も含めて候補はたくさんあって、「マジカルムーブ」や「ピックゴー」のようにソフトバンクグループが出資している事業者もいる。ご縁があればそうした事業者とも連携したい。 でも、しばらくはがっつりとヤマトと組んでいく。それこそ、ヤマトと心中するつもりでやろうと思っている。 Q:心中、ですか? A:それくらい密に連携したいという話です。 ヤマトと一緒に始めたサービスをある日いきなりやめるなんてことはない。経営トップ同士で定期的に話をしており、この関係は揺るがない。 たとえば、ある商品の次にはこの商品が出荷される、といったAIによる需要予測などのデータ利活用についても議論している。 Q:ヤマトへの信頼度がそうとう高いのですね。 A:それはそうでしょう。ユーザーからすれば、ヤマトさんはブランドもサービスレベルも圧倒的。 繰り返しにはなるが、配送の「質」が(提携の)決め手。これまでほぼすべての配送会社と協議している。そうした中でヤマトとの連携を選んだのだから』、「ヤマトと心中するつもりでやろうと思っている」と「ヤマト」はさすがに高い信頼を得ているようだ。今後の、EC3強の展開を注視していきたい。
タグ:EC (電子商取引) (その8)(テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視、日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?、物流強化でアマゾン 楽天を追撃 “ヤマトと心中”ヤフーのEC責任者が激白) 日経ビジネスオンライン 「テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視」 「日本政府」は「監視といっても日本側が「聞き取り」をして、それを米国と共有するスキーム」、どうも形をつけただけのようだ。 「自己資本比率は20年末時点で4.86%」、確かに低過ぎる。「赤字」で軽く吹っ飛びかねない。 「楽天」はまさに正念場にあり、「丁寧な説明が求められる」のは確かだ。 現代ビジネス 加谷 珪一 「日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?」 「リーク記事を鵜呑みにするのは危険だが、リーク記事ほど情報分析において重要な役割を果たすツールはない。リーク報道をむやみに批判するのは愚の骨頂であり、いかなる内容であれ、リーク報道が出てきた時には、その意図を探るのが基本中の基本である」、その通りだ。 「多くの日本人が想像している以上に日本経済と中国経済の一体化は進んでおり、米国はその現実について、日本人以上に明確に認識している」、その通りなのかも知れない 「黒字の額」が二国間の勝ち負けを示すと飛んでもない見解を示したのが、あのトランプ前大統領だ。 東洋経済Plus 「物流強化でアマゾン、楽天を追撃 “ヤマトと心中”ヤフーのEC責任者が激白」 「ユーザーが配送に求めるハードルも高くなっている。以前は、お得に商品を買えたのであれば、届くのが多少遅れても許される「寛容さ」みたいなものがあった。今はどうも違うようだ」、「物流」も大変になってきたようだ。 「楽天」は携帯事業では前述のように苦戦しているが、ECでは「アマゾン」と並んで「ヤフー」に大差をつけているようだ。 「ヤマトと心中するつもりでやろうと思っている」と「ヤマト」はさすがに高い信頼を得ているようだ。今後の、EC3強の展開を注視していきたい。
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