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金融業界(その9)(グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか、地銀再編に暗雲…山口FGのお家騒動で“天皇”吉村猛会長が突如 解任された全内幕、みずほに“解体”案まで浮上…今年6度目システムトラブルで強まる坂井社長の経営責任論、三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務 税理士法に違反) [金融]

金融業界については、本年7月20日に取上げた。今日は、(その9)(グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか、地銀再編に暗雲…山口FGのお家騒動で“天皇”吉村猛会長が突如 解任された全内幕、みずほに“解体”案まで浮上…今年6度目システムトラブルで強まる坂井社長の経営責任論、三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務 税理士法に違反)である。

先ずは、7月26日付け東洋経済オンラインが掲載した一橋大学名誉教授の野口 悠紀雄氏による「グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/441941
・『グーグルが「Plex」と呼ぶ新しい金融サービスを開始した。いずれ日本でも導入されるだろう。これは、「組み込み型金融」と呼ばれるもので、銀行APIを通じてグーグルと既存銀行が共同作業を行う。 そこで得られるマネーの取引データを用いて信用スコアリングを行えば、送金・決済コストをゼロにすることが可能だろう。それは、銀行ATMに壊滅的な打撃を与える可能性がある。 昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第48回』、興味深そうだ。
・『グーグルが新しい銀行サービスPlexを開始  しばらく前から、「シリコンバレーの大手IT企業が銀行業に進出する」と言われてきた。 最近、そのように見える動きが活発化している。 2020年11月、グーグルがPlexと呼ぶ新しい金融サービスを発表した。アメリカでは、2021年から正式導入された。 普通・当座預金の口座開設、デビットカードの発行、グーグルPay決済、個人間の送金、利用データ分析に基づくサービスなどが、1つのアプリで利用できる。 家計管理のパーソナル・ファイナンシャル・マネジメント(PFM)機能が付属しており、スマートフォンで撮影した領収書やGmailに送られたレシートを自動的に読み込み、カテゴリー別に家計簿にまとめてくれる。さらに、10万超の飲食店でアプリ経由の注文ができる。3万超のガソリンスタンドで給油が可能だ。毎月の口座手数料などはかからない。 日本では、スマートフォン決済の「pring」をグーグルが買収することが話題になっている。いずれ日本でも同種のサービスを提供するのだろう。 以上のことを表面的に見ると、確かに、IT巨大企業が、銀行業務に参入している。 では、これは、銀行業にとっての「黒船来航」なのだろうか? 実は、そうではない。 なぜなら、これはIT企業が独自で提供するサービスではなく、金融機関との共同作業だからだ。 グーグルPlexの場合、シティグループなど11の銀行が提携している。そして、銀行業務を担当する。 この仕組みの核になっているが、「オープンバンキングを知らない人に伝えたい基本」(2021年7月11日)で説明した銀行APIだ。これを通じてPlexは銀行口座にアクセスし、そのデータを利用する。 これは、組み込み型金融(または「埋め込み型金融」、エンベデッドファイナンス)と呼ばれるものだ。) グーグルと銀行は、お互いに自分が強いサービスを提供している。 銀行は、銀行業の免許を持っている。そのため、グーグルは、銀行の業務免許を持たないで金融サービスを提供できる。 他方で、グーグルは、非常に広い顧客との接点がある。全世界に数十億人という顧客を持っている。だから、金融機関から見れば、顧客を大幅に広げることができる。 支店を通じてではなく、グーグルを通じて銀行サービスを提供することになる。これは、銀行が銀行機能を外部の業者に提供するバンキング・アズ・ア・サービス(BaaS)の一形態であると考えることができる』、「金融機関から見れば、顧客を大幅に広げることができる。 支店を通じてではなく、グーグルを通じて銀行サービスを提供することになる。これは、銀行が銀行機能を外部の業者に提供するバンキング・アズ・ア・サービス(BaaS)の一形態」、とはいっても、「グーグル」が他の銀行とも提携していれば、「顧客」はそれほど広がらない可能性もある筈だ。
・『「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」  これは、ビル・ゲイツが1994年に言ったとされる有名な言葉だ。 BaaSでは、外から見る限り、銀行以外の主体によって銀行サービスが提供されるわけだ。ビル・ゲイツの予言が実現しつつあると言える。 以上を考えると、本稿の最初で「大手IT企業が銀行業に参入」と言ったのは、正確でないことがわかる。正確に言うと、「IT企業が銀行のライセンスを持たなくても、持ったのと同じようなことになる」ということである。 したがって、グーグルが日本でPlexを提供する場合には、銀行ライセンスを持った銀行と組む必要がある。どこを選ぶかが、今後の大きな課題となるだろう』、邦銀も「グーグル」に日参しているのだろう。
・『アップルやフェイスブック、アマゾンの動きは?  埋め込み型金融サービスは、シリコンバレーの巨大IT企業によって、すでに行われている。グーグルの進出は、遅いとも言える。 アップルは、2014年にアメリカの銀行であるグリーン・ドットと提携してApple Payを開始した。2019年にはゴールドマン・サックスと提携して新型クレジットカードApple Cardの提供を開始した。 フェイスブックは、2019年11月に、「フェイスブックペイ」を開始した(これはディエムとは別の事業だ)。 アマゾンは、2020年6月に、ゴールドマン・サックスと提携して、アマゾンに出店する販売事業者に融資枠を設定するプログラムを開始した。) 仮にグーグルが日本で銀行振り込みのサービスを提供するとして、その料金がいくらになるかは、もちろん、まだわからない。 ただ、それをゼロにすることは不可能ではない。 なぜなら、マネーのデータを用いて収益をあげることができるからだ。 グーグルはPlexを発表した際の声明で「第三者へのデータ販売、ターゲティング広告のためにユーザーの取引履歴を共有したりすることはありません」と表明している。 しかし、「ビッグデータとして利用しない」とは言っていない。 マネーのデータを用いると、信用スコアリングを行うことができる。それを用いて融資事業を行えば、膨大な収入をあげることができる。 これは、中国の電子マネー、アリペイがすでに確立しているビジネスモデルだ。 そこからの莫大な収入があるので、顧客に手数料を求めなくても済む。仮にゼロにしなくても、従来の手数料よりは大幅に下げることが可能だろう。 個人情報保護との関係はどうか。匿名あるいは仮名情報とすれば、ビッグデータとしての利用は可能と思われる』、「匿名あるいは仮名情報とすれば、ビッグデータとしての利用は可能」、上手い手だ。
・『グーグルはデータに貪欲  これまでグーグルは、貪欲にデータを求めてきた。 グーグル傘下のサイドウォーク・ラボが2017年に発表した、トロントのウォーターフロント地区再開発プロジェクトが、その典型例だ。 あらゆるデータをサイドウォークが集め、そのデータを活用して、都市を運用することを計画した。個人情報は、もちろん厳格に保護される。公共の場で収集したデータは、匿名化して、個人を特定できないようにする。第三者へのデータの販売は絶対に行わない。 もっとも、このプロジェクトは、2020年5月に断念を余儀なくされた。「カナダはグーグルの実験マウスではない」とか、「監視資本主義の植民地化実験用」だなどと、データの利用について不安に思う人が、増えてきたからだ。 しかし、サードパーティークッキーの廃止など、これまでのビッグデータビジネスが行き詰まりをみせているいま、新しいビッグデータ源の開発はグーグルにとって喫緊の課題であるに違いない。そのグーグルが、金融サービスに参入しながらそのデータを活用しないことなど、およそ考えられないことだ。) このような形態の金融サービスが現れると、既存の銀行には多大な影響を与えるはずだ。 とくに問題なのは、ATMを使った振り替えだ。 口座振り替えの手数料がかなり高い中で、料金がゼロ、あるいは非常に低い送金・決済が可能になる。しかも、スマートフォンの操作だけでできるので、銀行窓口やATMの所在地まで出向く必要もない。だから、ATMの利用者は激減するだろう』、「非常に低い送金・決済が可能になる」のであれば、「ATMの利用者は激減する」のは確かだ。
・『コンビニ銀行には大きな影響  既存の銀行にとっても大きな影響があるが、とくに問題となるのは、ATMの送金手数料を収入源としてきた銀行だ。セブン銀行やローソン銀行、イオン銀行などがそれにあたる。 セブン銀行は、2001年に設立された。そして、従来の日本の銀行の基本的なビジネスモデルである「預貸金利鞘モデル」とは異なるビジネスモデルを確立した。店舗にあるATMの手数料を基本的な収入源としたのである。 このビジネスモデルは成功し、高い収益率を上げた。そして、低金利により伝統的な銀行のビジネスモデルであった「預貸金利鞘モデル」が、金利の低下で破綻しつつある中で、銀行の新しいビジネスモデルとして成長が期待されてきた。 そして、実際に、これらの銀行は成長した。経常利益を見ると、前述の銀行はすべて黒字である。セブン銀行は地銀トップ5に入る水準であり、ほかも地銀中位行に匹敵するレベルの利益水準を確保している。 ところが、最近になってこのビジネスモデルの環境が大きく変化している。 数年前から、手数料収入の伸びが鈍化しているのだ。 そして今後は、上述のような巨大な競争相手に直面することになる。グーグルPlexのようなサービスが広く使われるようになると、ATMを使う人は極めて少なくなってしまうかもしれない。ATM収入に依存する銀行が生き残るのは至難の業となりかねない。 グーグルPlexの影響はあまりに大きい。 アメリカのバイデン大統領は、7月9日、大企業による寡占の弊害を正すための大統領令に署名した。その中には、「大手IT企業による消費者金融参入の影響の調査」も含まれている。アメリカでは今後、Plexのようなサービスは規制されるのかもしれない。 しかしそれは同時に、消費者が利用料の安い金融サービスを利用できなくなることを意味する』、「カナダ」で「このプロジェクトは、2020年5月に断念を余儀なくされた。「カナダはグーグルの実験マウスではない」とか、「監視資本主義の植民地化実験用」だなどと、データの利用について不安に思う人が、増えてきたからだ」、日本はこんな毅然とした態度は取れないかも知れない。

次に、8月23日付けデイリー新潮「地銀再編に暗雲…山口FGのお家騒動で“天皇”吉村猛会長が突如、解任された全内幕」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/08231325/?all=1
・『菅総理の肝煎りで進められてきた「地銀再編」に大打撃を与えかねない事態である。全国の地銀関係者がいまだに動揺を隠しきれないのは、山口銀行を傘下に擁する「山口フィナンシャルグループ(以下、山口FG)」の吉村猛前会長(61)が突如解任された「お家騒動」だ。 日銀のマイナス金利政策の長期化や、地方に顕著な人口減少によって、かねてより地銀経営は苦境が伝えられてきた。そうした状況下にあって、地域商社の設立、IT企業との連携といった独自の手法を次々と導入し、評価を高めてきた吉村氏。そんな「地銀改革の旗手」を襲ったのは、実績の不透明な外資コンサルタントへの高額報酬や、女性問題を指弾する「内部告発文書」だった。 吉村氏のグループ最高経営責任者(CEO)と会長職からの解任が発表されたのは6月25日――。 この日の夕刻に始まった山口FGの椋梨敬介社長の記者会見には、多くの地元メディアが詰めかけた。だが、椋梨氏は社内調査が進行中であるとして、吉村氏の解任理由については「社内合意を得ないまま新規事業を進めた」という要領を得ない説明を繰り返すにとどまった。同日午前に行われた株主総会では、吉村氏は99%の株主からの賛成を得て続投を任されていただけに、会長解任はまさに寝耳に水の出来事である。 だが、山口FG幹部によれば、 「株主総会後に開かれた取締役会で、会長の続投に賛成したのは吉村本人だけだった」 吉村氏は山口銀行徳山支店長を皮切りに、常務取締役東京本部長、山口FG傘下のもみじ銀行、北九州銀行の取締役や山口銀行の会長などを歴任し、山口FGの「中興の祖」と呼ばれる人物で、地元選出の安倍晋三前総理とも懇意とされる。 長年、山口FGに君臨し続けた「天皇」の解任劇は、今年4月、吉村氏を除く取締役や幹部行員に届いた一通の内部告発文書に端を発する。 この文書には、吉村氏が2016年に会長・CEOに就任する以前から、特定の女性行員を愛人として囲っていることや、架空の投資話で顧客から約19億円を集めた第一生命の元社員の女性と徳山支店長時代に極めて親密だったことに加え、東京の外資系コンサル会社「オリバーワイマングループ」に実態不明の多額のコンサル報酬を支出していることなどが指摘されていた。 「ただの怪文書にしては内容が詳し過ぎる。内部の支店長以上の人間が書いたものだ」と事態を重くみた取締役らは、即座に社内調査チームを立ち上げた。その結果、第一生命の女性や、愛人とされる女性行員との関係は傘下銀行の資金の流れからは立証できなかったが、実態不明のコンサル会社への支出、約5億円については確認された。この時点で、社外取締役は吉村氏の会社の私物化を強く疑うこととなったのである。 だが、当の吉村氏は自分に厳しい視線が注がれているのを知ってか知らずか、5月に臨時取締役会を招集。しかも、お膝元の山口県下関市ではなく、なぜか東京で開催し、一部の取締役はオンラインでの参加となった。先の関係者は、「吉村が取締役会の席上で、なんの根回しもなくいきなり“新銀行”の設立案を打ち出したので驚愕してしまった」と振り返る』、「株主総会」後の「取締役会」では、シナリオは出来ていたのだろう。
・『なんじゃ、このふざけた提案は……  吉村氏の突然の提案は、消費者金融大手アイフルと協力し、リテール(個人向け融資)に特化した新銀行を設立する構想である。社外取締役が衝撃を受けたのは、その内容に他ならない。くだんのコンサル会社の元代表が“新銀行”の頭取に就任し、報酬も数千万円以上と既に決められていたのである。有価証券報告書や関係者によると、山口FGの社外取締役らの報酬は数百万円。その場に居合わせた取締役たちは一様に、「この報酬額は法外過ぎる。なんじゃ、このふざけた提案は……」と呆れたという。 結局、この案は賛同が得られずお蔵入りとなったが、吉村氏とこのコンサル会社には「度が過ぎた蜜月関係にある。このまま吉村にトップを続けさせるわけにはいかない」という空気が取締役らに強く共有される。コンサル会社の元代表は地銀経営に関する著作があり、吉村氏と密接な関係だったが、その助言が山口FG傘下の銀行で業績に影響した形跡は確認できていない。 吉村氏の新銀行構想に関しては、金融機関を監督する金融庁の耳に入り、「コロナ不況で多くの国民が苦しんでいるなか、サラ金業者と個人向けローンに特化した銀行を設立するとは何事か!」と怒りの声が噴出したという。 山口FGは目下、吉村氏とこのコンサル元代表の関係を中心に調査しており、秋ごろに調査結果を記者会見で説明する方針だとみられる。 ただ、金融庁や東京証券取引所、山口FGの一部には株主や傘下の行員、取引先に対する説明責任を果たすには「第三者委員会」での調査が適切という意見も根強い。一方で、ある金融庁OBは、 「金融庁が“優等生”扱いしてきた山口FGに強く言いにくい雰囲気はあったかもしれない。森信親元長官が、あんなに褒めていたスルガ銀行がかぼちゃの馬車をめぐる不正融資で大炎上したことは記憶に新しい」 と指摘する。現段階では、金融庁は「自浄作用に期待する」とのスタンス。山口FGに特別検査が入り、業務改善命令を発出する可能性は低いとみられるが、社内調査でどんな爆弾が飛び出すのかは現状では誰にも分からない。 有力地銀のトップはその県では絶大な力を持つことから「殿様」と呼ばれる。豪腕で知られた吉村氏の転落劇の行く末に、全国の「殿様」が気を揉んでいるかもしれない』、「金融庁が“優等生”扱いしてきた」、「山口FG」、「スルガ銀行」が軒並み問題を起こすとは行政の限界を示しているのかも知れない。「山口FG」の「社内調査でどんな爆弾が飛び出すのか」、注目したい。

第三に、8月26日付け日刊ゲンダイが掲載した経済ジャーナリストの重道武司氏による「みずほに“解体”案まで浮上…今年6度目システムトラブルで強まる坂井社長の経営責任論」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/293843
・『みずほの「ニューノーマル」――金融界ではこう揶揄されているらしい。システムトラブルがもはや「新常態」と化しているというわけだ。 みずほフィナンシャルグループ(FG)が先週20日、再びシステム障害を引き起こした。みずほ銀行とみずほ信託銀行の全店で窓口での入出金や振り込みなどの取引が一時できなくなったもので、今年に入って5度目のトラブル。復旧が遅れた外国為替取引では11件の送金に遅れが生じ、当日中の処理ができなかったという。 しかも2~3月に起こした4度の障害を受けて再発防止策を6月公表。危機管理体制やITシステム統制力の強化などに取り組んでいたさなかでのトラブルだけに「タチが悪い」(金融当局筋)。そのうえ23日には6度目の障害だ。 こうなると強まってくるのが坂井辰史社長の経営責任論だろう。みずほ内部ではこれまでトラブルを連発させながらも「(坂井社長の)留任はグループ全体の意思だ」などとして辞任を促すような動きは生じていなかった。坂井社長自身も20日の会見で「再発防止をしっかりやることが私の責任」と強調。退陣に否定的な考えを示している。 ただ金融筋の間では「ここまでくると坂井社長の求心力低下は免れず、辞任は不可避」との見方が支配的。今井誠司執行役副社長や菊地比左志執行役らの名前が後任候補に挙がるほか、外部からのトップ招聘の可能性を取り沙汰する向きも少なくない。 そんな中、当局内の一部で囁かれているとされるのがみずほ“解体”案。みずほ銀をかつてのようにリテールとホールセール部門に切り分けた上、リテールをりそな銀行に、ホールセールは新生銀行に引き継がせるという仰天プランで、新生銀にいまだ2100億円超残る公的資金の「全額回収にメドをつけるきっかけにもなる」と事情通。 日本興業銀行・第一勧業銀行・富士銀行の旧3行間で内部抗争を繰り返し、過去に幾多の醜聞を世にさらしてきたみずほ。旧行意識は上層部では今も「根強くはびこっている」(関係者)とされている。 そんな企業風土やしがらみを断ち切り、預金者と決済機能を守り抜くには「荒療治」しかないということか』、「リテールをりそな銀行に、ホールセールは新生銀行に引き継がせるという仰天プラン」、旧富士・第一勧銀、旧興銀にとっていずれも「格下」の「りそな銀行」、「新生銀行」に「引き継がせる」、というのは、プライドからもあり得ない考え方だ。

第四に、8月23日付けデイリー新潮「三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務 税理士法に違反」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/08270557/?all=1
・『無資格の者が税理士業務に携わる「ニセ税理士事件」。時折警察当局が摘発して報道もされるが、日本を代表する大企業が深く関わったケースは、おそらく過去に類例がないのではないか。気をつけろ、三菱UFJ銀行本店で「ニセ税理士」が堂々と働いている――。 西川美和監督の映画「ディア・ドクター」の主人公は、笑福亭鶴瓶が演じるニセ医者・伊野治である。山間部の寒村にある村営診療所で働くただ一人の医者として村民から慕われていた伊野は、ある出来事をきっかけに失踪。その後、彼が医師免許を持たないニセ医者だと判明するが、それでも伊野を悪く言う村民はほとんどいなかった……。そんなストーリーの映画が公開されたのは平成21年(2009年)。一方、令和の現実世界に“発覚”したニセモノ騒動の舞台は、世界第5位の総資産額を誇る三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行である。なんとその本店で堂々と「ニセ税理士」が働いているというのだから、事実は小説より何とやら、だ。 問題の人物はKPMG税理士法人から三菱UFJ銀行本店に出向している30代前半の男性社員、西田公介氏=仮名=である。ちなみにKPMGは世界四大会計事務所(BIG4)の一角を占める多国籍企業だ。 「18年12月頃に出向してきた西田さんは三菱UFJ銀行本店のソリューションプロダクツ部ソリューションフィナンシャルグループに所属しており、同部署の職員はもちろん、同グループの職員も、彼のことは税理士だと思っています」 そう語るのは三菱UFJ銀行関係者である。 「その彼が実は“ニセ税理士”だと気づいたのは先月のことです。ある日、たまたまKPMGの関係者と話す機会があり、西田さんの話題になった時、その関係者が“西田さんは税理士ではない”と言うのです。彼が社内外で配っていた名刺にははっきりと『税理士』とありますし、本人も税理士を名乗っていたので最初はそんなことはあるはずがないと、信じられずにいました。しかし……」 この関係者が半信半疑で日本税理士会連合会のHPにある税理士情報検索サイトに彼の名前を打ち込んでみたところ、「該当するデータはありませんでした」とのメッセージが。「念のため、連合会には電話でも問い合わせましたが、“その名前の税理士の登録はない。彼の職場での行為は税理士法違反にあたる”と言われました。最初は銀行に告発しようと考えました。しかし、もし銀行も組織ぐるみで関与していたとしたら……。大きな組織ですし、隠蔽されてしまったり私自身が不利益を被る可能性もあります」(同) そこで、本誌(「週刊新潮」)に情報提供するに至ったわけである。本誌も独自に日本税理士会連合会に問い合わせたが、やはり彼の名前での税理士登録はなかった。 「税理士名簿に名前のない者は税理士業務を行うことはもちろん、税理士を名乗ることも許されません。税理士法第52条では税理士でない者の税理士業務が禁止されており、これに抵触する場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。また第53条では税理士でない者が税理士を名乗ることを禁止しており、これに反すると100万円以下の罰金を科されます」(連合会の担当者) 実際、無資格の者が税理士業務を行う「ニセ税理士事件」は過去に何度も摘発されており、悪質だとして逮捕されたケースもある。 ちなみに税理士試験の科目には会計学科目と税法科目の2種類があり、会計学科目2科目、税法科目3科目の計5科目をパスすると合格となり、晴れて税理士に。西田氏は一部の科目をすでにパスしている「科目合格者」ではあるが、 「科目を一部パスしていても税理士業務はできないし、税理士と名乗ることも許されません」(同) 一体なぜ日本を代表するメガバンクで「ニセ税理士」が働いているのか――』、信じ難い事件だ。空いた口が塞がらない。一般には「会計士」試験の方が「税理士」試験より難しいと言われているが、「西田さん」の名刺には、「会計士」の表示もないが、そんな人物がKPMGに存在するのも不思議だ。
・『不自然な言い訳  名刺に「税理士」と書かれていることについて西田氏本人に聞くと、 「僕はそれは分かんないです。上の……上の判断なので。僕は知らないです」 三菱UFJ銀行にも取材を申し込んだところ、文書で回答が寄せられた。 「ご指摘を受けて調査したところ、名刺の肩書に税理士の表記があることが判明致しました。当行顧客又は第三者に対して税務アドバイス等の業務は提供しておらず、税理士法52条違反に当たるとの認識はございません」 事情を知るMUFG関係者によると、 「彼が税理士資格を有していないことは受け入れ時には分かっていたのですが、彼の前にKPMGから出向してきた人が全員税理士さんだったので、勘違いして、前任者の名刺の名前と連絡先だけを変えたものを作ってしまったようです」 KPMG税理士法人は、 「出向中の業務は税理士業務に該当しないことを確認しております」 揃って「税理士業務はしていない」と強調する両社。しかし、彼の名刺には「税理士」と記載され、彼が銀行内外で「税理士」として振る舞っていたことは紛れもない事実。その彼が税理士業務に携わっていないとは、いかにも不自然な言い訳だ。 先の三菱UFJ銀行関係者はこう話す。 「彼は銀行内で税務の相談に乗るだけではなく、社外の人のいる席にも同席していたはずです」 そもそも、無資格者が税理士と名乗るだけでも税理士法違反になることは前述した通り。 「それは詐称であり、刑法上の問題に問われる可能性もあります」(税理士の浦野広明氏) さらに奇妙な事実がある。西田氏の知人によると、 「彼は17年頃にKPMGに入っているのですが、その前にも会計や税務を扱う会社で働いていました。その時にはすでに自分は税理士だと言っていましたよ」 そんな彼が三菱UFJ銀行に出向してきた際、“誤って”名刺に税理士と記載される――。驚くべき偶然と言う他ないが、あるいは、その裏に事の真相が隠れているのだろうか。 「彼はどんな席などでも仕事を聞かれたら税理士と答えていました。だから彼の友人は皆、当然のように本物の税理士だと思い込んでいました」 西田氏の地元の知人男性はそう語る。 「ただ、それが嘘だったとしても、“彼ならやりかねないな”としか思いません。彼の実家は会社を経営しているお金持ちで、小さい頃から欲しいものは何でも手に入る環境で育った。そのせいかワガママな性格で、自分の思い通りにするためなら平気で嘘をつくようなところがあるのです」 その私生活も決して褒められたものではなく、 「彼女がいるのに新しい女を探して乗り換え、さらに女を物色する、といったことを繰り返しており、女性を騙してトラブルになったことも。それでいて“子育て中の女性の活躍をサポートしたい”と語るなど、二面性を持っています」(同)  冒頭で触れた映画「ディア・ドクター」の予告編には、「人は誰もが何かになりすまして生きている」という言葉が出てくる。西田氏は自身のインスタグラムでセレブのような生活を自慢していたという。本誌が彼に取材した直後、そのインスタは非公開となった』、KPMGがよりにもよって「税理士」資格のない「西田氏」を出稿させたのかも疑問だ。「三菱UFJ銀行」としても、出向受け入れ時に、従来とは違って「「税理士」資格のない」人間が来たら、どういう問題が生じるか理解していた筈だ。それなのに、何故、このような混乱を生じさせる「出向」を受け入れたのか、説明する義務がある。
タグ:(その9)(グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか、地銀再編に暗雲…山口FGのお家騒動で“天皇”吉村猛会長が突如 解任された全内幕、みずほに“解体”案まで浮上…今年6度目システムトラブルで強まる坂井社長の経営責任論、三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務 税理士法に違反) 東洋経済オンライン 野口 悠紀雄 「グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか」 「金融機関から見れば、顧客を大幅に広げることができる。 支店を通じてではなく、グーグルを通じて銀行サービスを提供することになる。これは、銀行が銀行機能を外部の業者に提供するバンキング・アズ・ア・サービス(BaaS)の一形態」、とはいっても、「グーグル」が他の銀行とも提携していれば、「顧客」はそれほど広がらない可能性もある筈だ。 邦銀も「グーグル」に日参しているのだろう。 「匿名あるいは仮名情報とすれば、ビッグデータとしての利用は可能」、上手い手だ。 「非常に低い送金・決済が可能になる」のであれば、「ATMの利用者は激減する」のは確かだ。 「カナダ」で「このプロジェクトは、2020年5月に断念を余儀なくされた。「カナダはグーグルの実験マウスではない」とか、「監視資本主義の植民地化実験用」だなどと、データの利用について不安に思う人が、増えてきたからだ」、日本はこんな毅然とした態度は取れないかも知れない。 デイリー新潮 「地銀再編に暗雲…山口FGのお家騒動で“天皇”吉村猛会長が突如、解任された全内幕」 「株主総会」後の「取締役会」では、シナリオは出来ていたのだろう。 「金融庁が“優等生”扱いしてきた」、「山口FG」、「スルガ銀行」が軒並み問題を起こすとは行政の限界を示しているのかも知れない。「山口FG」の「社内調査でどんな爆弾が飛び出すのか」、注目したい。 日刊ゲンダイ 重道武司 「みずほに“解体”案まで浮上…今年6度目システムトラブルで強まる坂井社長の経営責任論」 「リテールをりそな銀行に、ホールセールは新生銀行に引き継がせるという仰天プラン」、旧富士・第一勧銀、旧興銀にとっていずれも「格下」の「りそな銀行」、「新生銀行」に「引き継がせる」、というのは、プライドからもあり得ない考え方だ。 「三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務 税理士法に違反」 信じ難い事件だ。空いた口が塞がらない。一般には「会計士」試験の方が「税理士」試験より難しいと言われているが、「西田さん」の名刺には、「会計士」の表示もないが、そんな人物がKPMGに存在するのも不思議だ。 KPMGがよりにもよって「税理士」資格のない「西田氏」を出稿させたのかも疑問だ。「三菱UFJ銀行」としても、出向受け入れ時に、従来とは違って「「税理士」資格のない」人間が来たら、どういう問題が生じるか理解していた筈だ。それなのに、何故、このような混乱を生じさせる「出向」を受け入れたのか、説明する義務がある。
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