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高齢化社会(その16)(茂木健一郎氏「年齢で決めつける人の方が“老害”」、高齢者の特別扱いは厳禁 65歳までは全員働くべきこれだけの理由、高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」 歩行速度低下や食べこぼしは危険視号) [社会]

高齢化社会については、昨年7月7日に取上げた。今日は、(その16)(茂木健一郎氏「年齢で決めつける人の方が“老害”」、高齢者の特別扱いは厳禁 65歳までは全員働くべきこれだけの理由、高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」 歩行速度低下や食べこぼしは危険視号)である。

先ずは、本年1月20日付け日刊スポーツ「茂木健一郎氏「年齢で決めつける人の方が“老害”」」を紹介しよう。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202101200000288.html
・『自民党が内規で定める衆院比例代表の「73歳定年制」の是非をめぐり、脳科学者の茂木健一郎氏(58)や作家の乙武洋匡氏(44)らが私見を述べた。 自民党の青年部が二階俊博幹事長ら党幹部に73歳定年制のルール厳守を求めたことが報じられ、ツイッター上でも賛否を呼んでいる。乙武氏は「ベテラン議員が長く居座ると、慣習やしきたりが温存され、新しい手法やアイディアが取り入れられにくくなる」と指摘し、「いまの政治や社会に満足している人はともかく、不満を持っている人は『定年制堅持』に賛同したほうがいい」との考えを示した。 また、元NHK職員で「お笑いジャーナリスト」として活動する芸人たかまつななは、73歳定年制に「私は賛成です」とし、「若い人の意見が通りやすくなりますように。長くやると利権やしがらみもあり、柔軟になりにくい。若手に素敵な議員さんいるのでそういう人が順番待ちしないで早く権限ある役職ついてほしい」とした。 一方、茂木氏は「年齢で人を判断するのはエイジズムだし、若手議員が要望しているというのは利害関係も明白で、このニュースはどうなんだろうと思います。個人差が多すぎて、年齢だけであれこれ言うのは無理」とツイート。「老害と安易に言う人の方がよっぽど『老害』 人を年齢で決めつけるエイジズムにとらわれている人の方が、固定観念に縛られているという意味で『老害』。年齢じゃなくて個人を見ないと」とした。 73歳定年制は、小泉純一郎氏が首相時代の2003年衆院選の候補者選定の際に導入。重鎮の中曽根康弘、宮沢喜一両元首相にも適用し、両者が「議員引退」に追い込まれた経緯がある。昨年6月、自民党のベテラン議員から撤廃するよう求める声が出ていた』、「自民党」の「衆院比例代表の「73歳定年制」」「党幹部に73歳定年制」、の2つが混在しているが、前者はあくまでも「比例代表」の話で、実力がある政治家であれば、選挙区で立候補すればいいので、特に問題はないと思う。後者については、あくまでも「自民党」内の問題だが、「重鎮」にお引き取り頂く仕組みとしては、有効なのだろう。こちらも特に問題ないと思う。

次に、3月12日付け日経ビジネスオンライン「高齢者の特別扱いは厳禁、65歳までは全員働くべきこれだけの理由」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00223/030900012/
・『今年4月から、70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務とする改正高齢者雇用安定法が施行される。労働経済学の大家で、今回の法改正にも関わった慶応義塾学事顧問の清家篤氏は、深刻な少子高齢化労働力不足を踏まえて、「高齢者の就労促進なしに、日本の経済社会の将来はない」と改めて強調した上で、「そもそも、『高齢者』と特別扱いすること自体がおかしい時代になってきている」と話す。女性の就労が当たり前になったように高齢者の就労は当たり前になり、テクノロジーもそれを後押しすると説く清家氏に、高齢者が活躍できる社会について聞いた(Qは聞き手の質問)。 Q:70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務とする改正高齢者雇用安定法が4月から施行されます。ご自身も改正作業に関わられましたが、改正の理由や背景を教えてください。 清家篤・慶応義塾学事顧問(以下、清家氏):日本が世界に類を見ない高齢化を経験していて、これからさらに加速することが確実だからです。2025年には団塊の世代が全て後期高齢者になる。2040年ごろには団塊ジュニアが65歳以上になる。高齢人口比率は、最終的には2060年に40%ぐらいまで上昇しますが、高齢人口の絶対値で見ると2042年ごろに最も多くなり、ピークに達します。 私は労働経済学者なので、少子高齢化をめぐっては、労働力に最も注目しています。労働力人口は現在、6700万人を少し超えるぐらいですが、厚生労働省の雇用政策研究会の推計によれば、何も手を打たないと、2040年には5500万人を割り込むと予測されているわけです。つまり、これから20年ぐらいの間に、労働力人口は1200万人以上も減少していくという予測です。 (関連記事:75歳まで働く社会の現実味、「年齢不問社会」をどうつくる? (清家氏の略歴はリンク先参照) Q:働き手の減少が社会経済に与える影響は甚大ですね。 清家氏:労働力が減るということは、需要と供給の両面で、非常に大きな成長制約になります。モノやサービスを生産する労働者の数が減るということは、生産性がぐんと上がらない限り、あるいは労働時間をぐんと伸ばさない限り、生産量の減少につながります。また、労働者の数が減れば、雇用者所得の総計も減る。従って、消費の減退につながります。 要するに、需給両面で経済成長が鈍化、あるいはマイナスに転じて、一人一人の生活水準も低下しかねません。 さらに、今のままですと、社会保障制度の持続可能性も低下するおそれがあります。社会保障制度は働く人が支えている。つまり働く人とその雇い主が払う社会保険料で基本的には維持されているので、働く人が減ってしまうということは、それだけ支え手が減ってしまう。結果として将来世代にものすごく重い負担がかかることになります』、「労働力人口は現在、6700万人を少し超えるぐらいですが・・・何も手を打たないと、2040年には5500万人を割り込む・・・1200万人以上も減少していくという予測」、「結果として将来世代にものすごく重い負担がかかることになります」、このままでいったら大変だ。
・『外国人頼みでは乗り切れない  Q:高齢になっても働き続けることは不可避だと。 清家氏:高齢者の就労を促進することは、日本の経済社会を持続させるために不可欠です。今は引退している年齢層の高齢者ももっと働き続ける必要があります。 男性の場合、60代前半の労働力率(人口に占める就労意思のある人の割合)は現在でも80%を超えていて、諸外国に比べて高いですが、これを90%程度にまで引き上げる。60代後半についても、現状の50%台半ばを70%ぐらいまでに引き上げる。 こうしたことができれば、労働力人口(15歳以上で就労意思のある人の数)の減少は一定のところで食い止められ、2040年に6200万人ぐらいの規模を維持することも可能です。これであればある程度生産性を高めることで経済成長は可能で、社会保障制度の維持も楽になります。 さらに言えば、現時点で既に高齢者の労働力なしに日本経済はたち行きません。既に、65歳以上の労働力人口は900万人強ですが、これは1000万人強の20代の労働力人口に近い数字です。経済も社会保障も、高齢者に依存せざるを得ない。これが実態で、今後さらに顕著になっていくわけです。 Q:女性の就労促進や移民の受け入れといった手段も有効なのではないですか。 清家氏:女性の就労促進は高齢者と同じように非常に大切です。30代の女性の労働力率は現在70%台半ばですが、これを90%に近づけていく。そのためには子育て支援を強力に進めていく必要があります。 外国人労働者については、日本の人口構造の変化を考えれば、もっと来てもらう必要はあると思いますが、これはそんなに簡単ではない。日本に限らず、中国や韓国など東アジア全体で少子高齢化が進展しています。日本と韓国は既に外国人労働力の確保で競争関係にある。外国人に門戸を開けば、簡単に来てくれるというふうに思うのは、甘い考えと言わざるを得ません。 もちろん条件をしっかりと整えて、海外から人材を受け入れる政策を進めなければいけないとは思いますが、外国人頼みで人口構造の変化をしのぐことはできません。まずは、国内にいる女性や高齢者の就労意欲を喚起する政策を強力に進めていく。そうすれば、自ずと外国人労働者にとっても、魅力ある国になっていくでしょう』、「男性の場合、60代前半の労働力率・・・は現在でも80%を超えていて・・・これを90%程度にまで引き上げる。60代後半についても、現状の50%台半ばを70%ぐらいまでに引き上げる。 こうしたことができれば、労働力人口・・・の減少は一定のところで食い止められ、2040年に6200万人ぐらいの規模を維持することも可能」、「外国人頼みで人口構造の変化をしのぐことはできません。まずは、国内にいる女性や高齢者の就労意欲を喚起する政策を強力に進めていく。そうすれば、自ずと外国人労働者にとっても、魅力ある国になっていくでしょう」、妥当な考え方だ。
・『健康、定年退職、年金がポイント  Q:高齢者の就労意欲を高める上でのポイントはなんでしょうか。 清家氏:私の長年の研究対象は高齢者の労働供給でした。高齢者の労働供給関数を計量経済学的に推計し、その就労を規定する要因は何かということを分析してきました。その結果、はっきり分かったのは3つの大きな要因です。それは、「健康」「定年退職制度」「年金制度」です。 Q:順番に詳しく伺えますか。 清家氏:高齢になっても働き続ける上で最も大きな要因は健康です。健康寿命を延ばす政策をもっと強力に進めていく必要があります。加齢に伴う支障が顕著になってくるのは、やはり健康寿命を超えた頃。個人差はありますが、平均では70代半ば以降からです。加齢に伴う支障が表れる年齢をできるだけ先に延ばすためにも、生活習慣病の予防のような地道な取り組みを積み上げていくことはきわめて大切です。 定年退職と、それに伴う賃金低下も大きな要因です。定年そのものも退職のきっかけになりますし、定年による賃金の大幅な減少も大きな要因になる。今の制度では、60歳定年の後に再雇用になると、賃金が3~4割も減少しますが、これは当然ながら就労意欲を大きく低下させます。定年後再雇用にスムーズに接続できるよう、もう少し早い段階から年功賃金のカーブを緩やかにする必要があります。 Q:年功賃金の見直しは徐々に進んでいますね。 清家氏:厚労省の賃金構造基本調査を見ると、1980年代ぐらいからの定年延長に合わせて、賃金カーブはだんだんフラットになってきています。こうした流れをさらに進めていけばいいのだろうと思います。 参考になるのは中小企業です。中小企業の中には、定年がない、あるいは定年を65歳以上に定めている会社も実はたくさんあります。もちろんその最大の理由は、大企業のように若い人を簡単には採用できないからです。ベテランに活躍してもらわないと会社が回っていかないので、定年を延長したり廃止したりしている。 そして年功賃金の傾きも大企業よりずっとフラットです。これも若い人を集めるためですが、初任給から30歳ぐらいまでは大企業とほとんど差がありません。大企業の場合はその後も年功的に賃金は上昇していきますが、中小企業の場合は40代前半ぐらいでかなりフラット化していくわけです。 このように、中小企業は中高年の人に働き続けてもらってもコストが高くならないような賃金構造になっていると同時に、プレーイングマネジャーが当たり前です。少ない人数で仕事を回しているので、管理職の椅子にただ座って仕事をしているというわけにはいかない。比較的フラットな賃金制度の下で、一人一人の持っている能力を活用し続ける。こういう仕組みの下で、中小企業では60代の雇用も比較的スムーズに進んでいるわけで、大企業も大いに参考にすべきです』、「比較的フラットな賃金制度の下で、一人一人の持っている能力を活用し続ける。こういう仕組みの下で、中小企業では60代の雇用も比較的スムーズに進んでいるわけで、大企業も大いに参考にすべきです」、その通りだ。
・『繰り下げ受給を台無しに  Q:高齢者雇用を規定する3つめのファクターは年金でしたね。 清家氏:年金受給資格を得れば、年金給付で生活できるので、引退する可能性は高まります。年金というのは引退を可能にするための社会保障制度ですから、それは当然です。なんら問題とすべきことではありません。 問題は在職老齢年金制度です。これは働き続けると年金額が減額されてしまう仕組みで、年金制度が働き続けることにいわばペナルティーを課しているようなものです。さらにこの制度は、せっかくの繰り下げ受給の効果も台無しにしているのです。 繰り下げ受給とは、65歳で受給資格を得ても年金を受け取るのを我慢して先に延ばすと、その期間に応じて、月々の年金額が増えるというものです。これは働き続けることへの強いインセンティブになるはずですが、在職老齢年金で減らされた分は加算の対象にはならないのです。せっかくの就労を後押しする仕組みを、在職老齢年金が減殺してしまっているのです。 (関連記事:年金が減るから働きたくない? 制度が定年後の就労意欲そぐ) 税制にも課題はあります。年金は勤労収入ではないので、雑所得扱いになり、しかも公的年金等控除という控除もあります。ケース・バイ・ケースですが、多くの場合、同じ収入であれば、働いて収入を得るより年金で収入を得たほうが有利になる。民間企業に高齢者雇用を進めてもらうためにも、国はまず高齢者の就労を阻害している公的な制度を見直すべきでしょう。 Q:高齢者にどんな仕事をしてもらうのか。頭を悩ませる企業も多いようです。 清家氏:高齢者にしてもらう仕事、という考え方自体すでに少し変ですね。今までやってもらっていた仕事をやってもらえば何も問題はない。高齢者だから、何か特別に仕事を用意するという発想がおかしくはありませんか。例えば企業が今時、「女性にやってもらう仕事がなかなかなくて困っているんですよね」と言ったら、変でしょう。 女性にやってもらう仕事がなくて困るというのは、かつて女性は一般職の事務しかやってもらわない仕組みにしていた時代の話です。高齢者にやってもらう仕事がなくて困るという企業があるとしたら、それは高齢者自身の問題ではありません。年を取ると、管理職になるとか、仕事を限定しているとか、そういった仕組みの問題だと思います』、「民間企業に高齢者雇用を進めてもらうためにも、国はまず高齢者の就労を阻害している公的な制度を見直すべき」、その通りだ。
・『テクノロジーは高齢者に優しくなる  Q:高齢人材ではテクノロジーの進化に対応できないという懸念もあるようですが。 清家氏:テクノロジーの進化はむしろ、高齢者の就労を後押しするのではないでしょうか。例えば、脳外科医。かつては、手の震えや視力の低下のために50代半ばくらいで引退を余儀なくされていたという話ですが、内視鏡の精度の向上や手術支援ロボットの誕生などで、60代でも現役でいられるようになった。パワードスーツなどもそうですね。体力が衰えても、力仕事や介護の現場で楽々と働くことも可能になっています。(関連記事:「老い」から解放? パワードスーツで筋力補完、アバターで若返り) 新しいテクノロジーを使うことで、肉体的な限界で高齢者には無理だろうとされていた仕事でさえできるようになる。 私は、現在進行している第4次産業革命は高齢者雇用とウィンウィンの関係になると思っています。これから高齢者はどんどん増えて、高齢者の就労も進みます。そんな時代に、高齢者が使えないようなテクノロジーは淘汰されていくでしょう。 若い人を中心にテクノロジーも進んでいた時代から高齢者の多くなる時代への端境期には、高齢者が技術変化に遅れて不利になることもあるでしょう。しかし、高齢者が多数になる時代に、利用者の多くを占める高齢者にフレンドリーでない技術が存在し続けるとは、市場経済的には考えづらい。市場が解決してくれるでしょう。 Q:働く高齢者の間では、短時間勤務の希望も多いようです。高齢者雇用が進むと、労働時間の在り方も柔軟になるのではないでしょうか。 清家氏:とても大切なポイントです。高齢者や女性にもっと働いてもらわなければなりませんが、そのためには労働時間の柔軟性を高める必要があります。世界的にパンデミックに対処するため、時差出勤や在宅勤務は一気に増えました。この経験をぜひ生かして、中長期的な視点で高齢者や女性の能力を十分に引き出すための環境整備を進めるべきです』、「新しいテクノロジーを使うことで、肉体的な限界で高齢者には無理だろうとされていた仕事でさえできるようになる」、「これから高齢者はどんどん増えて、高齢者の就労も進みます。そんな時代に、高齢者が使えないようなテクノロジーは淘汰されていくでしょう」、そんなに高齢者に働き易くなるのであれば、改めて就職してもよさそうだ。

第三に、7月2日付けダイヤモンド・オンライン「高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」、歩行速度低下や食べこぼしは危険視号」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/275268
・『高齢者が健康な状態から要介護状態にシフトしていく“中間段階”のことを指す「フレイル(虚弱)」。通常、運動不足や社会活動の減少によってリスクが高まるとされるが、長引くコロナ禍の自粛生活によって、高齢者の健康に与える二次被害として注目を集めている。桜美林大学老年学総合研究所で所長を務める、医学者の鈴木隆雄氏にフレイルの特徴と向き合い方について聞いた』、身につまされる話で、興味深そうだ。
・『歩行速度の低下や食べこぼしは危険なサイン  フレイルの語源は、日本語では「虚弱」や「老衰」と訳される「Frailty(フレイルティー)」。老化によって運動機能や認知機能にトラブルを抱えやすくなった状態であり、放置しておくと認知症などの発症につながり、自立した生活が困難になる。 65歳から74歳までの前期高齢者にはあまり見られないものの、75歳を過ぎると身体活動が次第に減っていくことから、フレイルになるリスクが上昇するという。健常な状態と介護を必要とする状態の間に位置する“移行段階”であり、「適切な対応を取ることによって健康な状態に回復する余地がある」のが特徴だ。 フレイルの症状は身体的要素、精神・心理的要素、社会的要素の3つの側面に表れ、それぞれが強く連関しており、予防のためにはいずれの要素にも配慮する必要がある。鈴木氏にそれぞれの特徴を解説してもらった。 「フレイルの身体的な表れとしては、第一に筋肉量が減少することによって歩行スピードが遅くなり、何かにつまずいて転倒するケースが増えることが挙げられます。他にも、握力が低下することによってペットボトルのふたを開けることができなくなったり、口周りの筋肉が衰えることにより、食事の食べこぼしや蒸せ(むせ)をする機会が増え、滑舌の悪化なども目立つようになる。人によってこれらの症状の一部のみが強く出る場合と、全ての症状が表れる場合があります。いずれにせよ、これらの異変が見られた場合はフレイルの可能性が高く、要介護状態に移行する前に適切な対応を取る必要があるでしょう」 では、上記のような兆候が表れた場合、どのような措置を講じればいいのだろうか。 「脚力が衰えている場合は、週に数回、ゆっくりで構わないので近所を30分間ほど散歩することで、失われた筋力を取り戻すことができます。その際は、自分の脚力が衰えているということを自覚して、無理のない範囲で運動を行うことが大切です。上肢の筋力や握力が衰えている場合は、ダンベル運動を1日に1回行うといいでしょう。鉄アレイの代わりに、手近にある椅子などを使っても構いません。口周りの筋肉に衰弱が見られる人には、発声しながら口を動かす『パタカラ体操』がお勧めです。『パ』『タ』『カ』『ラ』をそれぞれ5文字3回ずつ発音する運動を日常的に行うことで、口腔の筋力を回復させることができます。これらは身体的フレイルの改善策であると同時に予防としても有効です」』、「75歳を過ぎると身体活動が次第に減っていくことから、フレイルになるリスクが上昇するという」、数年先にはやってくるようだ。「これらの異変が見られた場合はフレイルの可能性が高く、要介護状態に移行する前に適切な対応を取る必要がある」、早目に気付いて「適切な対応」を取りたいものだ。
・『社会的な孤立がフレイルを招くケースも  老いに伴う衰弱が身体の異変として表れる場合、高齢者当人も自覚しやすく、周囲の人間が気付く機会も多いため、大事に至る前に対策を講じるのは比較的容易だ。しかし、精神・心理的な面に表れる場合は勝手が異なる。 「精神・心理的なフレイルの特徴として最も顕著なのは、うつ症状です。うつ状態になると喜びの喪失、自責感といった症状に加えて、倦怠感、体重減少といった身体的な異変を伴うこともあります。また、認知機能の低下も特徴です。この場合、今まで問題なくこなせていた簡単な暗算ができなくなったり、買い物に行っても同じものばかり買ってしまうなど、適切な行動プランが立てられなくなります。厄介なのは本人が異変に気付きにくいこと。身体的には健康であっても、精神・心理的なフレイルだけが顕在化する人は多く、改善可能な段階で手を打つことができないまま、認知症の発症など回復余地のない状態に移行してしまうケースも少なくありません」 さらに、身体的なフレイルと精神・心理的なフレイルと並び、「社会的なフレイルも憂慮すべきだ」と鈴木氏は警鐘を鳴らす。 「社会的なフレイルの特徴は、外出頻度や他者との交流の著しい減少、引きこもりといった点が挙げられます。家族と一緒に暮らしている高齢者でも、孤食が多かったり、コミュニケーションの頻度が極端に少ない場合には注意が必要です」 身体的なフレイルは、日常生活に適度な運動を導入するといった自助努力によって予防・改善できる。これに対し、精神・心理的フレイルと社会的フレイルは他者とのコミュニケーション不足に起因する部分が大きく、解決のためには自助だけでは不十分であり、共助、互助といった観点に基づいたアプローチが求められるという。 「高齢者に対し、積極的に周囲とコミュニケーションを取るべきだと口で言うのは簡単ですが、希薄になった人間関係を修復するのは、年を取れば取るほど難しい。そこで大事になってくるのは、各自治体が高齢者の生活状況をつぶさに把握し、孤立させないように包括的なケアをしていくことです。社会的なつながりは個人の努力で容易に作れるものではありませんから、公的な支援が必要なのです」』、「社会的なつながりは個人の努力で容易に作れるものではありませんから、公的な支援が必要なのです」、なるほど。
・『フレイルを予防しながら衰弱と上手に付き合う  身体的要素、精神・心理的要素、社会的要素という3つの領域にわたって表れるフレイルだが、「社会とのつながりを保つことが最も有効な対策だ」と鈴木氏は語る。 「社会とのつながりというと抽象的なので、他者とのつながりと言い換えてもいいでしょう。常日頃からコミュニケーションを取り合う友人や知人がいれば孤独に悩む機会が減り、引きこもり防止にもなります。また、日常的に人と話したり、メールのやり取りをすることは認知機能を正常に保つことにつながり、誰かに会いに出掛けるといったアクションが生じることで、体を動かす機会も増える。フレイルのリスクを下げるためには、他者との関わりを絶やさないことが大事なのです」 対面での交流を図ることが難しいコロナ禍だからこそ、高齢者はオンラインツールを活用して社会とのつながりを保ち、適度な運動を続けることによって、心と体の働きを衰弱させないために配慮する必要がある。一方で、フレイルが高齢者にとって避けては通れない、普遍的な問題であることも忘れてはならない。 「フレイルの予防とは発症リスクの根絶ではなく、あくまで先送りが主眼。つまり年を取るにつれ、いずれは誰もがフレイルと向き合うことになるのです。とはいえ、決して予防を軽視してはいけません。例えば、75歳の時点でしっかり対策をしておけば、80歳や85歳になるまでフレイルと無縁の生活を送ることも十分可能になります。大切なのは、老いに伴う衰弱から目を逸らすのではなく、うまく付き合っていくことなのです」 コロナ禍でクローズアップされるフレイル。一過性の問題では決してなく、今後日本が超高齢化を迎える上で、高齢者のみならずその周囲の人間も含めた国民全員が、根気強く向き合っていくべき課題なのかもしれない』、「75歳の時点でしっかり対策をしておけば、80歳や85歳になるまでフレイルと無縁の生活を送ることも十分可能になります。大切なのは、老いに伴う衰弱から目を逸らすのではなく、うまく付き合っていくことなのです」、私としても「うまく付き合って」いきたいものだ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 「労働力人口は現在、6700万人を少し超えるぐらいですが・・・何も手を打たないと、2040年には5500万人を割り込む・・・1200万人以上も減少していくという予測」、「結果として将来世代にものすごく重い負担がかかることになります」、このままでいったら大変だ。 「男性の場合、60代前半の労働力率・・・は現在でも80%を超えていて・・・これを90%程度にまで引き上げる。60代後半についても、現状の50%台半ばを70%ぐらいまでに引き上げる。 こうしたことができれば、労働力人口・・・の減少は一定のところで食い止められ、2040年に6200万人ぐらいの規模を維持することも可能」、「外国人頼みで人口構造の変化をしのぐことはできません。まずは、国内にいる女性や高齢者の就労意欲を喚起する政策を強力に進めていく。そうすれば、自ずと外国人労働者にとっても、魅力ある国になっていく 「高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」、歩行速度低下や食べこぼしは危険視号」 「新しいテクノロジーを使うことで、肉体的な限界で高齢者には無理だろうとされていた仕事でさえできるようになる」、「これから高齢者はどんどん増えて、高齢者の就労も進みます。そんな時代に、高齢者が使えないようなテクノロジーは淘汰されていくでしょう」、そんなに高齢者に働き易くなるのであれば、改めて就職してもよさそうだ。 「民間企業に高齢者雇用を進めてもらうためにも、国はまず高齢者の就労を阻害している公的な制度を見直すべき」、その通りだ。 「自民党」の「衆院比例代表の「73歳定年制」」「党幹部に73歳定年制」、の2つが混在しているが、前者はあくまでも「比例代表」の話で、実力がある政治家であれば、選挙区で立候補すればいいので、特に問題はないと思う。後者については、あくまでも「自民党」内の問題だが、「重鎮」にお引き取り頂く仕組みとしては、有効なのだろう。こちらも特に問題ないと思う。 「比較的フラットな賃金制度の下で、一人一人の持っている能力を活用し続ける。こういう仕組みの下で、中小企業では60代の雇用も比較的スムーズに進んでいるわけで、大企業も大いに参考にすべきです」、その通りだ。 日経ビジネスオンライン 「高齢者の特別扱いは厳禁、65歳までは全員働くべきこれだけの理由」 高齢化社会 (その16)(茂木健一郎氏「年齢で決めつける人の方が“老害”」、高齢者の特別扱いは厳禁 65歳までは全員働くべきこれだけの理由、高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」 歩行速度低下や食べこぼしは危険視号) 日刊スポーツ 「茂木健一郎氏「年齢で決めつける人の方が“老害”」」 身につまされる話で、興味深そうだ。 「75歳を過ぎると身体活動が次第に減っていくことから、フレイルになるリスクが上昇するという」、数年先にはやってくるようだ。「これらの異変が見られた場合はフレイルの可能性が高く、要介護状態に移行する前に適切な対応を取る必要がある」、早目に気付いて「適切な対応」を取りたいものだ。 「社会的なつながりは個人の努力で容易に作れるものではありませんから、公的な支援が必要なのです」、なるほど。 「75歳の時点でしっかり対策をしておけば、80歳や85歳になるまでフレイルと無縁の生活を送ることも十分可能になります。大切なのは、老いに伴う衰弱から目を逸らすのではなく、うまく付き合っていくことなのです」、私としても「うまく付き合って」いきたいものだ。
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