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日本の政治情勢(その57)(日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体、反撃はある?冷や飯組「河野・小泉・石破」次の一手 「次の首相候補」で人気の3人が組んだのに完敗、岸田首相“脱安倍・麻生傀儡”シフト鮮明で…「3A」支配に深い亀裂か、岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも) [国内政治]

日本の政治情勢については、8月18日に取上げた。今日は、(その57)(日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体、反撃はある?冷や飯組「河野・小泉・石破」次の一手 「次の首相候補」で人気の3人が組んだのに完敗、岸田首相“脱安倍・麻生傀儡”シフト鮮明で…「3A」支配に深い亀裂か、岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも)である。なお、スガノミクスもこのなかに統合した。

先ずは、10月10日付け東洋経済オンラインが掲載した双日総合研究所チーフエコノミスト の東洋経済オンライン氏による「日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体」の4頁目までを紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/461327
・『日経平均株価が8営業日連続で下げた。10月7日になってようやく止まったが、8日続落は2009年以来のことである。TOPIX(東証株価指数)に至っては9日連続で下げて、日経平均からさらに1日遅れて8日に反転した』、「岸田」氏にとっては不名誉なことだ。
・『外国人投資家は岸田新内閣に「最低評価」  この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら 日本株がかくも弱いのは、中国の不動産大手、恒大集団の経営悪化、アメリカの債務上限問題、そして原油価格の上昇など、海外の悪材料をいくつも指摘することができる。 とはいうものの、外国株と比べると日経平均の約6%下落は突出している。岸田文雄氏が自由民主党総裁に選ばれた9月29日から、実に2000円も下げているのである。 9月3日の菅義偉前首相の不出馬発言から、一時は年初来高値をつけた日経平均は同月末から反落し、文字どおり「行ってこい」になってしまった。すでにマーケットでは、「岸田ショック」などという言葉も飛び交い始めている。 特に外国人投資家の間では、自民党総裁選挙の結果への失望が強い。彼らの間では、「高市総裁なら女性初の首相誕生となり、それは日本の変革を意味するから買い。河野総裁誕生でも、今後の変化が期待できそうだから買い」という期待があった。しかるに結果は、いかにも現状維持といった感じの岸田氏の勝利であった。 総裁選当日のThe New York Times紙の報道も、こんな風に突き放したトーンであった (The choice for Japan’s prime minister is a party stalwart who lagged in opinion polls.)。 エリートのパワーブローカー(有力者を陰で操る実力者)が世論をねじ伏せ、日本の与党はこの水曜日、岸田文雄元外相を次期首相に選出した。党内穏健派の岸田氏を自民党の総裁に選出することで、党の幹部たちは世論の選択を無視し、去り行く不人気な菅義偉首相(当時)と差別化できないような候補者を選択した。 アメリカのような直接民主主義の国の感覚では、党員票で1位だった河野太郎氏が勝つべきであって、議員票でそれと違う結果が出るのはケシカラン、となるらしい。) とはいえ、日本は間接民主主義であり、自民党総裁選は元来が議員票の戦いであった。1972年の「三角大福決戦」であまりに現金が乱れ飛んだので、あとから党員票という制度を付け加えたという経緯がある。今回の結果は、「岸田氏の圧勝」とみるのが国内的には順当であろう。 ちなみにNY Times紙は「岸田氏は菅氏と大差がない」と言っているが、これは事実誤認と言えよう。真っ先に総裁選に名乗りを上げて、菅首相に勝負を挑んだのが岸田氏であった。出馬宣言自体は確かに高市氏も早かったけれども、恐縮ながらその時点で周囲の見方はまだ懐疑的だった。 逆に菅氏は、河野候補を支援して何とかして勝たせようとしていた。一部には、「河野政権誕生なら、小泉進次郎官房長官、菅義偉官房副長官」などという読み筋もあったとか。何もそこまでワーカホリックにならなくても……、と言いたくなるところだが、真面目な話、前首相の肩入れはむしろ河野氏にとって逆効果となっていたのではないか』、なるほど。
・『金融所得課税の本当の影響はどれだけ?  ともあれ、岸田政権発足に対する海外の見方は散々なようである。というより、「わかってないなあ」と言いたくなるところだ。国内的にはどうかと言うと、10月4日の新内閣発足を受けて行われた世論調査の結果は、以下のように幅が広いものとなった。 日経新聞 支持59%、不支持25% 読売新聞 支持56%、不支持27% 共同通信 支持55.7%、不支持23.7% 毎日新聞 支持49%、不支持40% 朝日新聞 支持45%、不支持20% 各社によって尋ね方が違うので、日経と読売が高めに出て、朝日と毎日が低めに出るのは毎度のことだ。事前の想定よりもやや低め、という感もあるが、不支持率が低いこと、この間に自民党支持が上昇している(日経51%、共同50.8%、読売43%、朝日37%、毎日34%)ことを考えれば、今月31日に控える総選挙を戦うにはまずまずの状況といえるだろう。 マーケットが岸田政権を嫌気する理由として、「金融所得課税強化を狙っている」ことが挙げられる。合計所得1億円以上の人は所得税負担率が低くなる、という「1億円の壁」なるものも注目され始めた。これまで、自民党で税調会長を務めていた甘利明氏が幹事長に転じたので、後任は岸田氏のいとこである宮沢洋一参議院議員になる、と言われている。今年度の税制改正では、金融所得課税が検討課題となる公算が大であろう。 とはいえ、「大金持ち」がそんなに多くはないわが国においては、年収1億円を超えるのは2万人強に過ぎない。しかもこの人たちは、すでに所得税の最高税率45%に住民税や社会保険料などを払っている。仮に現行税率の20%を30%に引き上げたところで、そんなに大きな財源とはなりそうにない。「貯蓄から投資へ」という流れにも逆行するので、金融所得課税の強化が「好手」であるとは考えにくい。 その一方で、株式譲渡益や配当への課税は、国際的に強化される流れにある。また、非居住者である外国人投資家から見れば、本件は文字どおり「どうでもいい話」であろう。確かに「マーケット・フレンドリー」ではないけれども、この問題が「日本株売りの主犯格」と見るのは考えすぎであろう。 宏池会の会長である岸田氏は、自民党においては「20年ぶりのセンターレフト派閥出身の総裁」となる。海外においても、アメリカでは昨年、共和党のドナルド・トランプ大統領を破って民主党のジョー・バイデン政権が誕生した。先月行われたドイツの総選挙では、長らく政権を担ってきたCDUの得票をSPDが上回った。世界的に貧富の格差が拡大し、なおかつコロナが追い打ちをかけている状況にあって、左派政権が増えているのは自然な流れと言えよう』、確かに、主要国では「左派政権が増えているのは自然な流れ」のようだ。「金融所得課税」については期待していたのに、ひっこめてしまったのは残念だ。
・『岸田総裁はファーストペンギン!?  そこで世界各国で、「中間層の復活」や「社会的包摂」(Social Inclusion)といったかけ声が上がるわけだが、これまでのところ何か格差是正の「妙手」が見つかったわけではない。岸田内閣もまた、「新しい日本型資本主義」や「成長と分配の好循環」というテーマを掲げている。とはいえ、具体策はなかなか見えてこないのが実情だ。 この問題について、10月1日に行われた木原誠二官房副長官の勉強会で、甘利明幹事長が「岸田総裁はファーストペンギンだ」と語ったそうである。氷の上で群れているペンギンのうち、最初の1頭が海に飛び込む。海の中にエサとなる魚がいるかどうかは、もちろん氷の上からはわからない。それでも最初の1頭が飛び込むと、あとに続くペンギンが現れる。最初から「できっこない」などと言ってないで、とにかくやってみろ、というわけだ。 10月8日の所信表明演説において、岸田首相は「分配戦略」と銘打って、企業の四半期開示の見直し、下請け取引に対する監督体制の強化、賃上げを行う企業への税制支援、子育て支援、看護・介護・保育などで働く人々の収入を増やす、あるいは財政単年度主義の弊害是正などを訴えた。が、いかんせん新味を感じさせるものではなかったようだ。 とはいえ、岸田内閣が景気を回復させ、株価を再び上昇に向かわせることは十分に可能なのではないか、と筆者は考えている』、なるほど。
・『自民党は大きくは負けず、第2次岸田内閣発足へ  まず、10月31日の総選挙では自民党は大きく負けないだろう。となれば、10日後くらいに特別国会が召集され、そこで第2次岸田内閣が発足する。真っ先に取りかかるのは補正予算である。出馬宣言の直後から、岸田氏は「数十兆円規模」という大胆な言い方をしてきた。これは事前に財務省と何らかの「調整」があったからだろう。だったら話は早い。 バイデン政権の「インフラ投資」予算は、議会の与野党対立の中でほとんど五里霧中であるが、議会制民主主義の日本では予算はちゃんと12月までに成立する。中小事業者や生活困窮者への給付金などが盛り込まれる見込みだ。 そして以前にも当欄で寄稿したように、日本経済には巨額の強制貯蓄がある (日本経済には36兆円もの埋蔵金が眠っている)。2020年度分で計算してみたところ、コロナ下で生じた「意図せざる貯蓄」は実に38.2兆円にもなった。このうち半分でも消費に回ってくれれば、それだけでブームを起こせるはずである。 もちろん年内にもコロナの第6波が到来するかもしれないし、中国経済の減速や資源価格の高止まりなど海外経済の影響を受けるおそれもある。ただし現下のマーケットの反応は、やや慎重になりすぎているのではないかと感じているところである(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)』、「強制貯蓄」を述べた記事を読んでないので、何とも言えないが、「このうち半分でも消費に回ってくれれば、それだけでブームを起こせるはず」、というのは余りに楽観的過ぎるようだ。

次に、10月14日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「反撃はある?冷や飯組「河野・小泉・石破」次の一手 「次の首相候補」で人気の3人が組んだのに完敗」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/461831
・『自民党総裁選で本命視されながら「完敗」したのが河野太郎前規制改革相。最大の敗因は小泉進次郎前環境相、石破茂元幹事長と組んだいわゆる「小石河」連合への、大派閥幹部をはじめとする多くの自民党議員の冷たい視線だった。 9年近く続いた「安倍・菅政権」下での次の首相候補の人気番付でトップを争い続けたのが河野、小泉、石破3氏。「トリオを組めば負けるはずがないとの思い込み」(自民幹部)が、権謀術数渦巻く総裁選での多数派工作の手抜きにつながり、「人気者ゆえの上から目線」(若手)が多くの自民議員を敵に回したのが実態だ。 一敗地にまみれた3氏は、すでにそれぞれの立場で未来を見据えている。河野氏は党7役の末席とされる広報本部長、小泉、石破両氏は実質的に「無役」となり、“冷や飯食い”を余儀なくされる。ただ、党内の見方は3者3様でもある。 河野氏は新政権発足後の世論調査でも次期首相候補ではトップを独走、国民の期待はなお根強い。その一方、小泉氏は人気低落が際立ち、石破氏は「首相候補ではその他大勢のグループ」(若手)に追いやられつつある』、「「トリオを組めば負けるはずがないとの思い込み」・・・が、権謀術数渦巻く総裁選での多数派工作の手抜きにつながり、「人気者ゆえの上から目線」(若手)が多くの自民議員を敵に回したのが実態だ」、その通りなのだろう。
・『露出が減った小泉氏、石破氏は「もう終わった人」  初当選以来、注目され続けた小泉氏は一気にメディア露出が減り、「最強の応援弁士」との評価も失われつつある。「可能性がある限り(総理総裁への)挑戦は続ける」と語る石破氏は、石破派からの離脱者が相次ぐ事態も受けて「もう終わった人」(自民長老)との見方が支配的だ。 そもそも今回の総裁選を振り返ると、政界では「河野氏の自滅」(首相経験者)との指摘が多い。大手紙など各メディアが累次実施してきた世論調査での「次期首相候補は誰」との人気投票における、「小石河」連合3氏の支持を単純合計すれば、1桁の下位に低迷していた岸田氏の10倍以上だったのは事実だ。 だからこそ河野陣営は、一般国民の感覚に近いとされる党員・党友投票で「最低でも7割以上の圧勝」を狙った。「そうなれば、目前に衆院選を控えた国会議員票も河野支持に雪崩を打つ」(河野氏周辺)との思惑からだ。 しかし、総裁選が進むにつれ、最大のライバルだった岸田文雄氏との差がどんどん縮まった。岸田陣営が党員・党友全体の4割近くを占めるとされる職域党員への多数派工作に全力投球したからだ。しかも、保守派のマドンナと呼ばれた高市早苗氏や、河野氏以上の党改革を訴える野田聖子氏への党員・党友の支持も日増しに拡大した。 その結果、9月29日の投開票での党員・党友票の配分は、河野氏169票、岸田氏110票、高市氏74票、野田氏29票となった。河野氏の得票は全体の44%、岸田氏が29%、高市氏と野田氏の合計で27%という結果だ。 その一方で、議員票ではトップの岸田氏が146票、2位が高市氏の114票で、河野氏は86票の3位。その結果、議員票と党員・党友票の合計を争う1回戦では、岸田氏が河野氏に1票差の1位となり、その時点で河野氏の敗北が確定した。 河野陣営は「敗因は党員・党友で圧勝できなかったこと」と肩を落としたが、投開票直前の河野氏の表情はすでに負けを覚悟しているようにも見えた』、私は「河野氏」をもともと評価してなかったが、驕り高ぶっていたことは事実だろう。
・『「広報本部長をよく引き受けた」との揶揄も  そこで注目されたのが、悲願を達成した岸田・総理総裁の党・内閣人事。総裁選中の「他の候補者を重用して挙党体制を築く」との公約も踏まえ、高市氏は党政調会長、野田氏は内閣府特命担当相(地方創生、少子化対策、男女共同参画)・女性活躍担当相、こども政策担当相、河野氏は党広報本部長に起用された。それぞれ一定の要職ではある。 岸田氏は河野広報本部長について「抜群の発信力を生かして衆院選での自民の顔になってもらう」と起用の理由を語った。しかし、岸田氏周辺からは「河野氏は断ると思ったのに、よく受けた」と揶揄する声もあった。 河野氏が所属する麻生派を率いる麻生太郎副総裁は「まず、雑巾がけに徹することだ。それが次につながる」と激励。しかし、「広報本部長は選挙が終わればやることがなくなる」(自民幹部)のが実態で、来夏の参院選以降は存在感が薄れるのは避けられそうもない。 河野氏は10月1日の菅義偉前内閣の最後の定例閣議後の記者会見で「どんな仕事が与えられても全力で務める」と吹っ切れた表情で語った。広報本部長として作成して同11日に公表した衆院選向けのポスターでは、岸田氏の笑顔を大写しにした写真を中央に据え、「新しい時代を皆さんとともに。」と、岸田色を前面に押し出してみせた。 河野氏はこのキャッチコピーについて「総裁の肝いりだ」と解説。「私のポスターも(党本部の)6階に貼ってありますから」と笑顔で付け加えて、存在感もアピールした。 「次」を目指す河野氏にとって、最大の課題は自民党内の信頼獲得だ。衰えない国民的人気をテコに、選挙戦での応援に東奔西走することが、次期総裁選での勝利につながることを自覚しているようにみえる。 一方、2年間環境相を務めた小泉氏は、10月5日の退任時には、目を潤ませながら慣れ親しんだ職場を去った。ただ、菅前首相の退陣表明の際と同様の「涙のパフォーマンス」に、党内からは「本物のリーダーを目指すのなら、涙は禁物、いい加減に受け狙いはやめたほうがいい」(閣僚経験者)との批判も相次ぐ。 環境相として小泉氏の残した「実績」の1つが国民的には極めて不評なレジ袋の有料化だ。ところが小泉氏は菅前首相の退陣表明直後のネットメディア出演で「批判されているが、レジ袋有料化を決めたのは僕ではない」と発言。すぐさまネット上で大炎上し、「誰が決めた決めないではなく、責任者はあなたでしょ」「政治家なのに責任転嫁はありえない」などの厳しい書き込みがあふれた。 小泉氏の後任となった山口壮環境相のもとにはレジ袋無料化を求める声が集中し、桜田義孝元五輪相は「レジ袋無料化を山口大臣に直接相談した」と語るなど、党内でも「選挙向けにすぐ無料化を決めるべきだ」との声が広がる』、「河野氏」は菅内閣ではワクチン担当として、マスコミ露出は極めて多かったが、今後は激減し、国民の支持も低下するだろう。
・『今回の総裁選で完全にメッキははがれた?  初当選以来、将来の総理総裁確実と言われ続けた小泉氏も、「今回の総裁選で完全にメッキははがれた」(閣僚経験者)との声が多い。 岸田首相が人事で小泉氏の陰に隠れていた若手実力者たちを抜擢したことで、「小泉神話は消えた」との見方もある。若手議員の間でも「小泉さんよりもっと能力のある人がいっぱいいる」との指摘が相次ぐ。 これまでの選挙では最強の応援弁士として全国を駆け回った小泉氏だが、今回は地元横須賀に張り付くとの見方も出る。 「当面は雑巾がけに徹するしかない。そうでないと次の総裁選どころか、次の次も怪しくなる」(自民長老)との厳しい声が広がる。 そうした中、4度総裁選に挑み、今回は河野氏の支援に回った石破氏の立場は厳しさが増す。 石破氏は10月1日に地元鳥取で記者会見し「河野さん、小泉さん、私が一致してやっても打ち破れない壁ってのはすごいんだなぁと」と苦笑したうえで、「それにびっくりしてくじけちゃどうにもならん。壁が厚いと認識したら、もっともっと頑張らないと」と再挑戦への意欲をアピールした。 しかし、政界では地元会見の前に「政界引退」や「離党」「派閥解散」などの臆測が飛び交った。自身が率いる石破派から2人が離脱して現時点での勢力はわずか15人。しかも衆院選後にはさらに数が減る可能性もある。 石破氏は会見で「私自身、自民党公認候補として12回目の選挙になる。(石破派の仲間を)一人残らず(国会に)帰ってこられるようにしたい」と語った。しかし、党内からは「もはや石破氏は総理総裁候補たりえず、石破派も存在意義を失った」との厳しい声が多い』、「石破派から2人が離脱して現時点での勢力はわずか15人。しかも衆院選後にはさらに数が減る可能性もある」、のであれば、「石破氏」の今後は余り期待できないようだ。
・『菅前首相、二階前幹事長に対する冷遇ぶりも際立つ  「安倍・麻生忖度人事」との批判が渦巻く岸田新政権の陣容だが、際立つのは「小石河」連合と、総裁選で岸田氏と対峙した菅前首相、二階俊博前幹事長に対する冷遇ぶりだ。そのため、党内の一部には「冷や飯グループの反転攻勢で、菅グループが合流し、小石河連合も取り込む」との噂も飛び交う。 「二階派を菅派に衣替えし、石破派と河野、小泉両氏も取り込めば、細田派に対抗できる巨大な反主流派が結成できる」(二階氏周辺)との構想だ。ただ、そのこと自体が「冷や飯組の置かれた立場の厳しさの表れ」(麻生派幹部)でもある。 もちろん、岸田首相の前途は平坦ではない。「ご祝儀相場で勝てるほど次の選挙は甘くない」(自民選対)のは当然だ。冷や飯組の反転攻勢も含め、衆院選直後の11月には「ポスト岸田への自民党内の戦いが始まる」(自民長老)ことだけは間違いなさそうだ』、選挙結果にもよるが、「自民党内の戦い」がどうなるか、大いに注目したい。

第三に、10月10日付け日刊ゲンダイ「岸田首相“脱安倍・麻生傀儡”シフト鮮明で…「3A」支配に深い亀裂か」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295815
・『8日、自民党の総務会が開かれ、麻生太郎前財務相の副総裁就任が正式に決定した。岸田総裁―麻生副総裁―甘利幹事長のラインが出来上がった。これまで「3A」と称され、自民党を牛耳ってきた安倍晋三、麻生太郎、甘利明の3氏のうち、安倍元首相だけラインから外れた形だ。すでに「3A」には亀裂が生じていると報じられている。新体制によって亀裂が深まる可能性がある。 岸田新政権の人事の特徴は、甘利カラーが前面に出ていることだ。甘利氏に近い議員が次々にポストに就いている。山際大志郎経済再生担当相も、小林鷹之経済安保担当相も、田中和徳幹事長代理も甘利人脈。さすがに、安倍元首相の出身派閥“細田派”からは「これじゃ甘利内閣だ。甘利がやりたいようにやっている」と不満の声が上がっている。 その一方、意向が反映されなかったのが安倍氏だ。「高市幹事長、萩生田官房長官」を求めたが、どちらも蹴られたという。しかも、細田派からも抜擢はされたが、松野博一官房長官も、福田達夫総務会長も、高木毅国対委員長も、安倍氏とは距離がある。「3A」のメンバー甘利氏が幹事長に就いているのに、意向が通らない。安倍氏は一連の人事に苛立ちを募らせているという』、「甘利氏が幹事長に就いているのに、意向が通らない。安倍氏は一連の人事に苛立ちを募らせている」、いい気味だ。
・『「3A」が「1A」と「2A」に  これまで「3A」のタッグは鉄壁だとみられていたが、いったい、なにが起きているのか。 「念願の幹事長に就き、権力を握った甘利さんが暴走しているという見方もあります。ただ、麻生派に所属している甘利さんは、派閥領袖の麻生さんに逆らうことはない。2人は一体でしょう。実際、“甘利人事”によって、麻生派には満点の人事になっている。“3A”が対立しているわけではないでしょうが、岸田政権の誕生によって、立場が1Aと2Aに分かれた。いくら盟友だとしても、麻生さんも甘利さんも、自分たちの利益を削ってまで安倍さん個人のために動くことはない。そもそも、安倍―麻生の結束が固かったのは、二階前幹事長や石破元幹事長など“共通の敵”が存在したからです。でも、二階さんも石破さんも弱体化してしまった。共通の敵がいなくなったことで盟友関係に変化が起こることは十分あり得ることです」(政界関係者) 岸田首相も“脱安倍・麻生傀儡”にシフトしようとしている可能性があるという。 「岸田さんは、本音では安倍さんに恨みがあるはず。安倍さんからの禅譲を期待していたのに、昨年の総裁選ではハシゴを外され、安倍さんは“菅支持”に回った。今回の総裁選でも、安倍さんは“高市支持”で動いた。どう考えても岸田さんを軽く見ている。もともと、安倍さんと岸田さんは、政治信条が百八十度違う。巧妙に“安倍離れ”を画策しても不思議はありません」(自民党事情通) もともと「宏池会」出身だった麻生氏は、「大宏池会構想」を掲げ、岸田派に合併を持ちかけていた。この先、「3A」支配の構図が大きく変わる可能性がある。』、「安倍―麻生の結束が固かったのは、二階前幹事長や石破元幹事長など“共通の敵”が存在したからです。でも、二階さんも石破さんも弱体化してしまった。共通の敵がいなくなったことで盟友関係に変化が起こることは十分あり得ることです」、今後、孤立した「1A」はどうやっていくのだろう。

第四に、10月14日付け日刊ゲンダイ「岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296027
・『岸田首相が14日午後、衆院を解散し与野党激突の選挙戦が事実上スタートした。19日公示・31日投開票の超短期決戦は戦後最短の日程で、早い方が勝てるという岸田自民の思惑が強く反映されている。だが、岸田政権が想定以上に不人気で、よもやの単独過半数割れも囁かれ始めた。 永田町では、自民党が先週末の9、10日に行った全選挙区の情勢調査が出回っている。自民党は現有276議席から21減らし、さらに当落線上の接戦区が20あるとの結果だったという。 「野党候補が一本化されれば、さらに40から50選挙区が激戦区になるとみられています。岸田首相は、超短期決戦なら野党共闘の効果も間に合わないと考えたのでしょうが、この戦術は諸刃の剣になりかねない。岸田内閣の支持率は“ご祝儀相場”もなく、おおむね50%台と発足直後にしては低調ですが、それより特徴的なのは、支持するかどうか『答えられない』『わからない』の回答が多いことです。まだ何も仕事をしておらず、評価が定まっていないからで、そういうときは失言などのミスひとつが致命傷になり、流れが一気に変わる可能性があります。そして、それを挽回する時間もないのが超短期決戦の怖さなのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏) 野党共闘は13日、共産党が22選挙区、立憲民主党が3選挙区で候補者を取り下げることを決め、急ピッチで候補者調整が進んでいる。289選挙区のうち、230近い選挙区で野党候補の一本化が実現することになり、今後さらなる上積みもあり得る』、「岸田氏」も「超短期決戦の怖さ」も考慮した上で、決断した筈だ。
・『自公選挙協力もギクシャク  もし50議席減らして単独過半数(233議席)を割り込めば、岸田首相の進退問題に発展しかねない。そこに大きな影を落とすのが、甘利幹事長の存在だ。 選挙を仕切る幹事長は“党の顔”。公明党との関係が良好だった二階前幹事長、菅前首相に代わってカウンターパートになった甘利幹事長が「政治とカネ」の疑惑を抱えていることもあって、公明との選挙協力がうまくいっていないというのだ。 「選挙の実動部隊になる学会女性部は政治家のカネや女の問題を極端に嫌います。しかも、甘利さんはもともと公明党との関係が良くない。安倍政権で選対委員長を務めていた時、『なぜ公明党に名簿を渡さなきゃいけないんだ』『公明に査定されて候補者が言いなりになる』などと反発を深め、公明党が自民党支持層を奪っていると警戒感をあらわにしていました。2019年参院選の前には、選挙協力の合意文書にわざわざ『与党内部での集票活動の競合につながるような行為は互いに慎む』の一文を入れさせたほどで、学会で選挙責任者だった佐藤副会長とは犬猿の仲でした」(自民党関係者)) 佐藤氏は退任し、当時のような実権は握っていないが、学会側の“選挙のプロ”として影響力を行使しているという。 野党の候補者一本化で与野党接戦区が増えるほど、自公選挙協力の重要性は増し、学会の動きが雌雄を決する可能性も高まるのだが、甘利幹事長のせいで激戦区を落としかねない状況だ。自民の過半数割れも十分、考えられる。 岸田首相は今ごろ、公明党の“甘利嫌い”の大きさに頭を抱えているかもしれない』、「選挙の実動部隊になる学会女性部は政治家のカネや女の問題を極端に嫌います。しかも、甘利さんはもともと公明党との関係が良くない」、「岸田首相は今ごろ、公明党の“甘利嫌い”の大きさに頭を抱えているかもしれない」、自業自得だろう。
タグ:日本の政治情勢 (その57)(日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体、反撃はある?冷や飯組「河野・小泉・石破」次の一手 「次の首相候補」で人気の3人が組んだのに完敗、岸田首相“脱安倍・麻生傀儡”シフト鮮明で…「3A」支配に深い亀裂か、岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも) 東洋経済オンライン 「日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体」 「岸田」氏にとっては不名誉なことだ。 確かに、主要国では「左派政権が増えているのは自然な流れ」のようだ。「金融所得課税」については期待していたのに、ひっこめてしまったのは残念だ。 「強制貯蓄」を述べた記事を読んでないので、何とも言えないが、「このうち半分でも消費に回ってくれれば、それだけでブームを起こせるはず」、というのは余りに楽観的過ぎるようだ。 泉 宏 「反撃はある?冷や飯組「河野・小泉・石破」次の一手 「次の首相候補」で人気の3人が組んだのに完敗」 「「トリオを組めば負けるはずがないとの思い込み」・・・が、権謀術数渦巻く総裁選での多数派工作の手抜きにつながり、「人気者ゆえの上から目線」(若手)が多くの自民議員を敵に回したのが実態だ」、その通りなのだろう。 私は「河野氏」をもともと評価してなかったが、驕り高ぶっていたことは事実だろう。 「河野氏」は菅内閣ではワクチン担当として、マスコミ露出は極めて多かったが、今後は激減し、国民の支持も低下するだろう。 「石破派から2人が離脱して現時点での勢力はわずか15人。しかも衆院選後にはさらに数が減る可能性もある」、のであれば、「石破氏」の今後は余り期待できないようだ。 選挙結果にもよるが、「自民党内の戦い」がどうなるか、大いに注目したい。 日刊ゲンダイ 「岸田首相“脱安倍・麻生傀儡”シフト鮮明で…「3A」支配に深い亀裂か」 「甘利氏が幹事長に就いているのに、意向が通らない。安倍氏は一連の人事に苛立ちを募らせている」、いい気味だ。 「安倍―麻生の結束が固かったのは、二階前幹事長や石破元幹事長など“共通の敵”が存在したからです。でも、二階さんも石破さんも弱体化してしまった。共通の敵がいなくなったことで盟友関係に変化が起こることは十分あり得ることです」、今後、孤立した「1A」はどうやっていくのだろう。 「岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも」 「岸田氏」も「超短期決戦の怖さ」も考慮した上で、決断した筈だ。 選挙の実動部隊になる学会女性部は政治家のカネや女の問題を極端に嫌います。しかも、甘利さんはもともと公明党との関係が良くない」、「岸田首相は今ごろ、公明党の“甘利嫌い”の大きさに頭を抱えているかもしれない」、自業自得だろう。
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