SSブログ

安心・安全(その1)(東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある、岸田派vs二階派の代理戦争?なぜ富士急ハイランドは山梨県にケンカを売ったのか) [社会]

今日は、安心・安全(その1)(東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある、岸田派vs二階派の代理戦争?なぜ富士急ハイランドは山梨県にケンカを売ったのか)を取上げよう。

先ずは、10月26日付け東洋経済オンラインが掲載した双日総合研究所チーフエコノミストのかんべえ(吉崎 達彦)氏による「東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/310832
・『東京と大阪をしょっちゅう行き来していると、ときどき別世界のようなギャップを感じることがある。関東と関西は、お互いに向こう側で何が起きているかを意外なくらいに知らないのだ。というよりも、単に関心が乏しいと言った方がいいのかもしれない』、興味深そうだ。
・『関東と関西、今年は全く逆のことが起きている  例えば関東の人たちは、昨年の関西が①大阪北部地震(6月)~帰宅難民も発生した、②西日本豪雨(7月)~西日本全体で死者が200人を超えた、③台風21号(9月)~関西国際空港が水没してしまった、というトリプルパンチの自然災害を受けたことを、どれだけ記憶しているだろうか。 まじめな話、昨年は6月から9月にかけて鉱工業生産指数が103.0台でペタッと横に寝てしまったのだが、これは災害に伴って西日本のサプライチェーンが麻痺してしまい、立て直しに手間取ったことが主因であったと筆者はみている。が、そういう認識は東日本においては希薄だったのではないかと思う。 今年はたぶん、それと全く逆のことが起きている。9月の台風15号と10月の台風19号が東日本に与えた被害について、たぶん関西の人たちはよく知らないだろう。房総半島の停電や、千曲川や阿武隈川の氾濫、利根川や荒川は何とかセーフだった、なんてことは所詮他人事である。ちょうど昨年の関東が、西日本の災害に対して無関心であったように。 いや、それは責められるべきことではないのである。東西に細長い日本列島は、自然災害の受け止め方も様々になる。2011年3月11日に巨大地震と津波が東日本を襲ったときでさえ、西日本は東日本ほどには揺れなかったのだ。これは、国土の多様性が意図せずして、巨大災害に対するリスクヘッジになっていると考えればいい。 例えば企業であれば、本社機能を東西に二分しておくことで、いざというときのバックアップ機能を維持することができる。さすがに首都直下型と南海トラフという2つの地震が同時に起きる、なんてことは、可能性は低いはずである。日本列島は国土も気候も東と西ではかなり違っているから、幸いにも一度に全部が悪くはなりにくいのである。) ところが、東西を併せてオールジャパンで見た場合、洒落にならないような事態が進行中である。以下は日本損害保険協会が調べた保険金支払い額の歴代ランキングである 。 もう「数十年に1度」と考えることはできない 〇風水災等による保険金の支払い 1. 2018年台風21号 大阪・京都・兵庫など 1兆0678億円 2. 1991年台風19号 全国 5680億円 3. 2004年台風18号 全国 3874億円 4. 2014年2月雪害 関東中心 3224億円 5. 1999年台風18号 熊本、山口、福岡など 3147億円 6. 2018年台風24号 東京・神奈川・静岡など 3061億円 7. 2018年7月豪雨 岡山・広島・愛媛など 1956億円 8. 2015年台風15号 全国 1642億円 9. 1998年台風7号 近畿中心 1599億円 10. 2004年台風23号 西日本 1380億円 実に歴代トップ10のうち3件が昨年に起きている。そして今回の台風19号は、新たに記録を塗り替えてしまいそうだ。武蔵小杉駅のタワマンから郡山市の工業団地の被害まで、保険金は広範に支払われることだろう。私情を申せば、富山市内に実家がある者としては、30編成のうち10編成が水没してしまった北陸新幹線の車両は特に胸が痛む。 こうしてみると、日本は台風多発時代を迎えてしまったようである。「数十年に1度」の規模の台風が、毎年のようにやってくる。その原因が気候変動問題にあるのかどうか、専門外の筆者には何とも言いようがない。しかし、これだけ巨大台風が連続しているということは、「来年以降もまたあるかもしれない」と考えておくべきだろう』、その通りで、損害保険会社は大変だろう。
・『まことに恐ろしいことに、地震による保険金支払額でも似たような現象が起きている。 〇地震保険による保険金支払い 1. 2011年東日本大震災 1兆2833億円 2. 2016年熊本地震 3859億円 3. 2018年大阪北部地震 1072億円 4. 1995年阪神淡路大震災 783億円 5. 2018年北海道胆振東部地震 387億円 東日本大震災は別格としても、トップ5のうち2件が昨年発生し、もう1件(熊本地震)も直近5年以内である。日本列島は、自然災害の多発時代を迎えつつあるようなのだ』、「自然災害の多発時代を迎えつつある」、とは大変だ。
・『確かに日本は「治安は最高」だが・・・  それではどうしたらいいのか。さあ国土強靭化だ、30年物国債を発行して、公共事業をどんどん増やそう、という声が自民党内から湧き上がってくるのかと思ったら、意外とそうでもないようだ。災害対策も予備費から、などと言っている。10月は消費増税が行われたし、海外経済の減速も目立っている。ここは少し大騒ぎして、大型補正予算を組むくらいの方が良いのではないだろうか。 英エコノミスト誌の関係会社、EIU社が発表しているSafe Cities Index(安全都市指数)という調査がある。 この調査の2019年版では、3年連続で東京が「世界で最も安全な都市」に輝いている 。「サイバーセキュリティ」で1位、「医療・健康環境」で2位、「インフラの安全性」で4位、「個人の安全性」で4位、総合スコアでは堂々の1位である。この調査、大阪も第3位に入っており、なるほど「日本は安全な国」との印象である。 ところが英保険組織のロイズが、ケンブリッジ大学と共同で行っている都市リスクの指標もある。こちらは紛争や災害の脅威を試算しているのだが、この都市ランキングでは東京が第1位、大阪が第6位となっている 。損害保険という「危険を買う仕事」の人 たちの眼には、「東京や大阪は危なっかしい」と見えているらしい』、「日本は安全な国」だが、「損害保険という「危険を買う仕事」の人 たちの眼には、「東京や大阪は危なっかしい」と見えている」、この対比は確かに興味深い。
・『「2つの都市」ランキング 安全な都市ランキング(英EIU) 1位 東京 2位 シンガポール 3位 大阪 4位 アムステルダム 5位 シドニー 6位 トロント 7位 ワシントンDC  8位 コペンハーゲン  9位 ソウル 10位 メルボルン    脅威リスク都市ランキング(英ロイズ) 1位 東京 2位 ニューヨーク 3位 マニラ 4位 台北 5位 イスタンブール 6位 大阪 7位 ロサンゼルス 8位 上海 9位 ロンドン 10位バグダッド 言われてみれば、日本は確かに安全であり、同時に危ない国なのであろう。9月の台風15号では、成田空港が交通アクセス遮断で陸の孤島となり、約1万4000人が空港で足止めを食らった。鉄道もダメ、タクシーもダメ、空港内では水と食料が足りず、しかも携帯の電波もつながらない。もちろん外国人観光客は大混乱だったそうで、まことに気の毒なことながら、そういうリスクは確かにこの国にはある。 そうかと思えば、台風19号の翌日には横浜の日産スタジアムで、ラグビー・ワールドカップのプールA最終戦、日本対スコットランドが行われている。どうやら関係者の必死の努力によって決行となったらしいが、その結果、ブレイブ・ブロッサムズは値千金の勝利を得て、目標だったベストエイト入りした。仮に試合が中止となって、勝ち点2ずつを分け合っての決勝トーナメント進出となっていた場合、何とも気まずい思いをしただろう。というより、「それならむしろ、戦って負けた方がましだ」と大会関係者は考えていたのではないだろうか。 つまり、自然災害に振り回されることもあるし、雄々しく打ち勝つこともある。災害多発列島において、長年生きてきた民族のDNAみたいなものがあるのだろう。 まじめな話、この先の日本が自然災害の多発時代を迎えるとなると、河川や海岸、ダムに堤防といった既存の国土インフラは老朽化が目立つし、少子・高齢化時代においては更新やメンテナンスも容易なことではあるまい。おそらくは気象情報の精度向上や、避難訓練の実施といったソフト面の充実を図っていく必要があるのだろう。 台風一過、株式市場は「災害に売りなし」とばかりに好調さが続いている。しかしわれわれは、リスクの高い国土でこれからどうやって生きていくのかを問われているのではないだろうか。何しろ昨今は、「災害は忘れた頃に」ではなく、「忘れる間もなくやってくる」時代であるようなのだ(本編はここで終了です。次ページでは競馬好きの筆者が週末のレースを予想します。あらかじめご了承下さい)』、「気象情報の精度向上や、避難訓練の実施といったソフト面の充実を図っていく必要があるのだろう」、同感である。「「災害は忘れた頃に」ではなく、「忘れる間もなくやってくる」時代であるようなのだ」、言い得て妙だ。

次に、12月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「岸田派vs二階派の代理戦争?なぜ富士急ハイランドは山梨県にケンカを売ったのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/289982
・『「説明することは何もない」 平行線をたどる富士急ハイランド問題    11月22日、山梨県・富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」(以下、ハイランド)が、「FUJIYAMA」や「高飛車」という複数のジェットコースターを利用した2人の女性が骨折など負傷した発表した。これを受けて、山梨県が来庁しての説明を求めたところ、ハイランド側は「説明することは何もない」と言い放ったという。 これを「不誠実な対応」ととった県は、29日付で怪我人を出したジェットコースターなどの「運行停止」を要請した。場合によっては法的措置も検討するという。 「厳しくない?」と思うかもしれないが、実はハイランドのアトラクション、「発射1.56秒で時速180km!」をうたう「ド・ドドンパ」では、昨年12月から首や背中の骨を折る事故が4件発生していた。しかし、県には今年8月まで報告しておらず立ち入り検査を受けたという「前科」がある。「お前ら、まったく反省してないだろ」という、いら立ちが異例の要請につながったというのは容易に想像できる。 では、山梨観光を牽引する東証1部上場企業は、なぜ役所にケンカを売るようなことをしてしまったのか。 まず、ハイランド側の主張としては、「発表は間違いだった」ということがある。県がブチギレした翌30日夜、富士急ハイランド側はこんなリリースを出していた。 <当社は11月22日に2件の負傷の申し出があった旨をプレスリリースしました。しかし、その後の調査の結果、この2件は当社の遊戯施設の利用によるものと認められませんでした> ケガをしたという申し出があったので慌てて公表をしてしまったが、よくよく調べたらジェットコースターと因果関係はないことがわかり、ご本人たちにもそう説明して納得してもらったのだという。つまり、ハイランドからすれば、「ジェットコースターのせいじゃないって言ってんだから、わざわざそちらに行って同じ話をしても意味ないでしょ」という理由で県庁の訪問要請を断ったというワケだ。 ただ、企業で行政との窓口を担っている人などからすれば、この対応はちょっとモヤモヤしたものを感じてしまうはずだ。 民間企業が国や役所にケンカを売っても、あまりいいことはないということもあるが、それよりも何よりも客観的に見ると、ハイランド側には行政に対して強く出られる「立場」にないからだ』、「ハイランド側」が「行政に対して強く出」た理由は何なのだろう。
・『大観覧車でもドア全開で乗客を乗せてしまった事案も…それでも強気の理由  まず、先ほども申し上げたように、「7カ月未報告」と県のメンツを潰した過去がある。 そして、今回の負傷が施設と無関係だとしても「事実と異なる公表」をして世の中を騒がせたのは、他でもないハイランド自身である。公表を受けて県も対応に追われて、余計な仕事も増やしている。本来ならば、お茶菓子でも持参して、「いやあ、この度は先走った発表でお騒がせしましてすいませんでしたね」と県の担当者に挨拶くらいしてもいいはずだ。 そこに加えて、「安全管理」を県が疑うような事案が起きたばかりだ。ジェットコースター骨折のリリースを出した2日後、高さ50メートルの大観覧車で、乗客2人が乗ったゴンドラがドア全開で1周してしまった。ドアを閉めて施錠を忘れるのではなく、ドアが開けっ放しのまま係員が立ち去ったという。これを受けて岩田大昌社長は記者会見で「信頼回復の最中での事案で深くおわびします」と謝罪した。 つまり、ハイラインドは自他ともに認める「信頼回復の最中」にもかかわらず、県庁からの呼び出しを拒否したワケだ。これは一般的な企業危機管理のセオリーから大きく逸脱している。 では、なぜハイランドは、山梨県との「対立」に踏み切ったのか』、「山梨県」と喧嘩していいことは何もない筈だ。
・『富士急行を興した堀内一族のワクチン担当大臣と県知事の対立  ネットやSNSの“ハイランドファン”の間で支持されているストーリーは、「ジェットコースターの負傷案件を利用して堀内一族を引きずり下ろしたい山梨県知事の嫌がらせに対して毅然とした態度で立ち向かっている」というものだ。 富士急行を興したのは堀内良平氏(1870?1944)で、その子孫の堀内一族が代々企業を引き継いでいる。堀内一族は、まさに安倍晋三氏の「安倍一族」や麻生太郎氏の「麻生一族」などと同じく、明治から続く「支配階級」だ。現在の富士急行社長である堀内光一郎氏の妻、堀内詔子ワクチン担当大臣も堀内家の国会議員としては「四代目」にあたる。 もちろん、この一族支配を支えているのが富士急行グループであることは言うまでもない。選挙区の山梨2区は、富士急行本社をはじめ、ハイランド、ホテル、鉄道、バスなどグループ企業が集中している。そんな「堀内王国」の牙城を脅かしてきたのが他でもない、長崎幸太郎県知事だ。 衆議院議員時代、二階俊博氏の支援を受けて山梨2区でなんと12年、14年と連続で勝利し、堀内詔子氏は比例復活で苦汁をなめてきた。そのため、「堀内王国」内で長崎氏へ向けられる憎悪は年を追うごとに膨れ上がった。怪文書が飛び交うのは毎度のことで、こんな耳を疑うような「陰謀論」までささやかれた。 「事実、実在する暴走族が長崎さんを襲撃するという噂が広まっていて、支援者から『長崎先生にボディーガードをつけたほうがいい』と勧められました」(デイリー新潮2017年11月1日) 17年に堀内氏が選挙区で初勝利を果たし、長崎氏は19年に知事へと転身して選挙区直接対決の構図は終わったものの、今度は「堀内王国vs山梨県」という形で“冷戦”が継続。最近では、岸田首相が二階氏を幹事長の座から引きずり下ろしたことで、二階派(長崎知事)と岸田派(堀内大臣)の「代理戦争」という要素も加わってさらに激しさを増している。 そんな不穏な空気が漂うタイミングで、ハイランドの「安全問題」が次々と発覚すれば、長崎氏側が仕掛けた「工作」だと捉える人たちが現れるのは自然な流れだろう。 「ド・ドドンパ」で首を怪我したと訴えた女性が、SNSで笑顔で日常生活を送っている様子を投稿したところ、「さっさと死ねよ」「売名目的か金目的だろ」などとSNSで誹謗中傷されたことは有名だが、その中にこんな攻撃もあったという。 <なかには、山梨の政治問題と絡めてか『知事から金もらってるんだろ』とか。私は知事も政治家も知り合いにいませんし、そもそも山梨県民でもありません>(文春オンライン8月29日) 「堀内王国」の現実に鑑みれば、「山梨県知事の嫌がらせ」というストーリーがささやかれるのも理解できる』、ただ、「ハイランド」側の対応もお粗末過ぎる。
・『山梨県への報告を嫌がる富士急ハイランドの「行政軽視カルチャー」  ハイランドは富士急行の収益の柱、いわば、「堀内王国」の心臓部である。そんなところが、憎き政敵に呼ばれてホイホイ行けば堀内家の沽券に関わる。しかも、流れ的には平謝りをしなくてはいけない立場だ。こんな屈辱はないだろう。 また、行政が企業に対してよく行う「見せしめ」という公開処刑にされる危険性もある。企業の担当者を県庁に呼び出して説明させる一方で、その時間を意図的にマスコミにリークして取り囲ませるのだ。そこであれやこれやと追及されれば当然、あたふたする。話の辻褄も合わなくなる。そうなると、せっかく「シロ」を訴えているのに、「クロ」のような印象を社会に与えるような印象操作がなされてしまう恐れがあるのだ。 ただ、個人的には、このストーリーにはモヤモヤしたものを感じてしまう。実は富士急ハイランドが、山梨県への報告を嫌がるのは今回が初めてではない。事故の公表や報告に後ろ向きなのは、長崎氏が知事になる前から存在する「企業カルチャー」が関係している可能性があるのだ。 2007年5月14日、「ドドンパ」の走行中に、車体のカバーが外れて乗客の男性の膝を直撃、負傷をした。楽しく乗った後、首が痛くてというようなビミョーな話ではなく、明らかな「事故」。 しかもこの10日前には大阪の「エキスポランド」のジェットコースターが脱輪し、乗客の1人が頭を挟まれて死亡、21人が負傷するという事故が起きて、国の要請で全国のジェットコースターで緊急検査が行われていた。 が、富士急ハイランドがこの事故を公表したのは丸1日経過した翌日。理由は「けがの程度が軽かったため」(読売新聞2007年5月16日)だということで、「おわびをするしかない」(同上)と平謝りだったが、それよりもマスコミが注目したのは、警察と行政への報告のタイムラグだ。) <同社は富士吉田署への通報を「午後3時ごろ」としているが、同署は「連絡があったのは午後6時前」としており、食い違いが生じている。県への連絡は、警察が事故現場を調査した後の午後8時10分ごろ。同社は「事態をある程度把握してから報告しようとした」としている>(同上) 筆者は企業危機管理を生業にしているが、このように「客」が負傷をした場合、ここまでのんびりと時間を使うケースは珍しい。怪我の程度にかかわらず、警察・行政への報告は速やかに行っておくというのが事故発生時の鉄則だからだ。 このような「行政軽視カルチャー」は他の事案からもうかがえる。「エキスポランド」の悲劇を受けて、国が行なった緊急実態調査の結果、2004年10月、ハイランドの「マッドハウス」というコースターを点検していた男性従業員に別のコースターが衝突し、重症を負った事故を県に報告していないことが明らかになったのだ。 <総務省行政評価局によると、ハイランド側は事故を労災事故と判断。富士吉田署などに報告したものの、県には届け出なかった>(読売新聞2007年10月17日) このような話を聞くと、「堀内王国」の人々は、「さっきからハイランドがずさんな安全管理をしているような印象を与える悪い話ばかり。さてはこいつも長崎知事にカネをもらっているに違いない」と思うかもしれないが、まったく逆だ。このように県への報告を怠るのは、「富士急ハイランドがアトラクションの安全管理を徹底している」ことの裏返しだと筆者は考えている』、「「富士急ハイランドがアトラクションの安全管理を徹底している」ことの裏返しだ」、「裏返し」とはどういうことだろう。
・『自社の安全に対する強すぎる自負と整備しておけば安全という「機械信仰」  遊びに行った方ならばよくわかると思うが、富士急ハイランドは乗り物前の注意喚起などもしっかりしているし、スタッフの皆さんの安全に対するも意識も強い。「ド・ドドンパ」で乗客が重症を負った問題を受けて設置された第三者委員会の中間報告でも、点検や整備の不備は確認されていない。 そのように「安全」に対してしっかりと取り組んでいる、という自負が強すぎるあまり、「行政への報告」を軽視している可能性があるのだ。 「現場のことは現場の人間が一番よく知っている」という強烈なプライドがあるので、問題が起きると自分自身で解決に動く。国や行政への報告などより、自分たちの現場判断を優先してしまう。2007年の「ド・ドドンパ」のカバーが外れた事故で、県への報告を後回しにした理由が「事態をある程度把握してから」というのが、このカルチャーを象徴している。 ちなみに、これは、「技術力」をうたう、ものづくり企業や「食の安全」をうたう企業などにもよく見られる。わかりやすいのが、相次いで発覚した、自動車メーカーの検査不正だ。国が定めた基準を満たしていなくとも、自分たちの検査手順が安全をないがしろにしていないという絶対の自信がある。なので、現場判断で「不正」を続けてしまうのだ。 ハイランドと山梨県との対立の裏に「堀内王国vs県知事」というのはストーリーとしては確かに面白い。が、これまでの経緯を冷静に振り返ると、ハイランド側の「安全」に対するプライドの高さ、「県なんかにゴチャゴチャ言われなくても、しっかりやってるよ」というおごりが問題をこじらせている側面もあるのだ。 先ほどの「ド・ドドンパ」の第三者委員会で委員長を務める、上山信一・慶応大教授は「設備や機材さえ整備しておけば安全だという『機械信仰』が組織全体にあった」と分析している。 まったく同感だが、もしかしたら「機械信仰」にとどまらず、「自分たちの安全管理は絶対に間違っていない」という「安全信仰」もあるように感じてしまう。 ハイランドには「ええじゃないか」というジェットコースターがあるが、2007年、2012年とボルトが落下している。国交省社会整備審議会の「山梨県内コースター事故調査報告書」によれば、12年の時は、真下にいた女性が額を負傷している。 そして、このコースターからは2020年7月にもボルトが落下している。2度あることは3度ある。ハイランドを愛する人々のためにも、ジェットコースター問題には真摯に向き合っていただきたい』、「「現場のことは現場の人間が一番よく知っている」という強烈なプライドがあるので、問題が起きると自分自身で解決に動く。国や行政への報告などより、自分たちの現場判断を優先してしまう」、「これは、「技術力」をうたう、ものづくり企業や「食の安全」をうたう企業などにもよく見られる。わかりやすいのが、相次いで発覚した、自動車メーカーの検査不正だ」、「「機械信仰」にとどまらず、「自分たちの安全管理は絶対に間違っていない」という「安全信仰」もあるように感じてしまう」、原発の安全神話にも通じるような話だ。
タグ:安心・安全 (その1)(東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある、岸田派vs二階派の代理戦争?なぜ富士急ハイランドは山梨県にケンカを売ったのか) 東洋経済オンライン かんべえ(吉崎 達彦) 「東京が「世界一危ない都市」と断定されたワケ 治安は「3年連続最高」でも別のリスクがある」 これだけ巨大台風が連続しているということは、「来年以降もまたあるかもしれない」と考えておくべきだろう』、その通りで、損害保険会社は大変だろう。 「自然災害の多発時代を迎えつつある」、とは大変だ。 「日本は安全な国」だが、「損害保険という「危険を買う仕事」の人 たちの眼には、「東京や大阪は危なっかしい」と見えている」、この対比は確かに興味深い。 「気象情報の精度向上や、避難訓練の実施といったソフト面の充実を図っていく必要があるのだろう」、同感である。「「災害は忘れた頃に」ではなく、「忘れる間もなくやってくる」時代であるようなのだ」、言い得て妙だ。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 「岸田派vs二階派の代理戦争?なぜ富士急ハイランドは山梨県にケンカを売ったのか」 「ハイランド側」が「行政に対して強く出」た理由は何なのだろう。 「山梨県」と喧嘩していいことは何もない筈だ。 「「富士急ハイランドがアトラクションの安全管理を徹底している」ことの裏返しだ」、「裏返し」とはどういうことだろう。 「「現場のことは現場の人間が一番よく知っている」という強烈なプライドがあるので、問題が起きると自分自身で解決に動く。国や行政への報告などより、自分たちの現場判断を優先してしまう」、「これは、「技術力」をうたう、ものづくり企業や「食の安全」をうたう企業などにもよく見られる。わかりやすいのが、相次いで発覚した、自動車メーカーの検査不正だ」、「「機械信仰」にとどまらず、「自分たちの安全管理は絶対に間違っていない」という「安全信仰」もあるように感じてしまう」、原発の安全神話にも通じるような話だ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感