夫婦別姓(その2)(別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ 多様な夫婦への対応は急務、中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因) [社会]
夫婦別姓については、1月8日に取上げた。今日は、(その2)(別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ 多様な夫婦への対応は急務、中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因)である。
先ずは、5月1日付け東洋経済オンライン「別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ、多様な夫婦への対応は急務」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/425750
・『夫婦の2人が結婚前の姓を名乗ることを認める、「選択的夫婦別姓制度」の議論に一石を投じる判決となるか――。 アメリカで別姓のまま結婚した日本人夫婦が、日本の法律においても婚姻関係にあることを認めるよう国に求めていた裁判の判決が4月21日、東京地方裁判所で下った。東京地裁は婚姻関係を戸籍へ記載できることの確認といった請求を却下・棄却した一方で、アメリカで成立した2人の婚姻関係は国内でも有効であると認めた。 原告の映画監督の想田和弘さんと映画プロデューサーの柏木規与子さんは、1997年にアメリカ・ニューヨーク州の法律に基づいて結婚した。日本人同士が外国で結婚した場合、その婚姻関係を日本の戸籍に登録するため、大使館などに報告のための婚姻届を提出することが求められている。それに基づき、2人は2018年に千代田区役所で別姓のまま届け出をしたが、夫婦同姓を定める民法や戸籍法に違反するとして受理されなかった』、「千代田区役所で別姓のまま届け出をしたが・・・受理されなかった」、「区役所」レベルではやむを得ない。
・『同姓規定を満たす必要はあるのか 戸籍によって婚姻関係を公的に証明できなければ、税や相続の問題などでさまざまな不利益を被りかねない。そこで2人は、それぞれの戸籍に結婚相手を記載することで婚姻関係の証明を受けられることの確認や、法の不備で被った不利益に対する国家賠償を1人当たり10万円ずつ求めていた。 争点となったのは、外国で婚姻した日本人同士の婚姻関係が日本でも成立するには、「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」という日本の夫婦同姓規定を満たす必要があるのかどうかだ。 原告側は、夫婦同姓規定は2人の婚姻関係が日本で成立するために必要な条件ではなく、2人は日本でも法律上の夫婦であると主張。対する国は、外国で結婚した場合でも夫婦同姓規定は婚姻の要件であり、別姓のままの2人の婚姻関係は成立しないと反論した。) 東京地裁は、婚姻関係の戸籍への記載可否については、家庭裁判所への不服申し立てのほうが適切だとして判断を示さず、国家賠償についても退けた。一方で、前提となる婚姻の成否については国の主張を否定し「婚姻自体は有効に成立している」と明確に認めた。これにより、別姓の2人の婚姻関係が日本の法律において成立していると証明された。 原告代理人の竹下博將弁護士は、「戸籍や相続の実務に照らせば当然の判断だと思っているが、この点が争点となって正面から判断されたのは初めてだ」と話した。不服申し立てをするのかどうかは今後検討する。 想田さんと柏木さんは判決後の会見で「わたしたちは法律婚であると明確に述べていただいたので、実質的な勝訴だと受け止めている。別姓でも夫婦になれると示してもらったので社会的意義もある」(想田さん)、「当たり前のことだと思っていたが、認められないのではないかと不安もあった。このような判決がくだって本当にうれしい。選択的夫婦別姓制度の実現に向けた大きな第一歩だと思う」(柏木さん)と笑顔を見せた』、「米国で」「夫婦別姓」で婚姻が成立したのを、日本でどう扱うかが争点だ。
・『遅々として進まない夫婦別姓の議論 これまで、日本における選択的夫婦別姓の実現に向けた動きは茨の道を歩んできた。 1980年代以降、氏を変えることによってアイデンティティーの喪失感を抱く、仕事上の不利益を被るなどの理由から、同姓でなければ結婚できない夫婦同姓制度への批判が強まった。1996年には法務省法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を提言する答申を行い、法務省が改正法案を準備。2010年にも改正法案を準備した。しかし、保守派議員が「家族の絆が危うくなる」などとして反対し、国会への提出には至らなかった。 2011年に夫婦同姓を定める民法規定は違憲だとして男女5人が提訴した「第一次夫婦別姓訴訟」では、最高裁が合憲と判断しつつ「国会で論ぜられるべきだ」と議論を国会に委ねたが、これも審議されてこなかった。2020年末に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画からは、自民党内の反発をうけ「選択的夫婦別姓」の記述が削除された。) 海外では夫婦別姓制度の導入が進み、法務省によると法律で夫婦同姓とするように義務づけている国は日本だけだ。日本は、国連の女性差別撤廃委員会から法改正の必要性を繰り返し勧告されている。 早稲田大学法学部棚村政行研究室と選択的夫婦別姓・全国陳情アクションが2020年に全国の20~59歳の7000人に行った合同調査の結果、別姓を選べないために法律婚を諦めた人が1.3%いた。夫婦別姓の議論が始まって40年近く、1996年の民法改正案の答申から25年が経つ中、夫婦別姓を望む人々は不安定な状態におかれ続けている。 選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの井田奈穂事務局長は、「望まない改姓をしてアイデンティティーを毀損した状態で亡くなる人や、(選択的夫婦別姓が法制化されるまで)待つと言って、30年来事実婚を続けてきた人もいる。事実婚のまま年を重ねてきたことで、配偶者の医療合意ができないのではという不安が高まる、介護施設で同じ区画に入ることを断られるなど、30年前には想定されていなかった問題が起きている」と訴える』、「法律で夫婦同姓とするように義務づけている国は日本だけだ。日本は、国連の女性差別撤廃委員会から法改正の必要性を繰り返し勧告されている」、自民党右派のこだわりは常軌を逸している。
・『ビジネスシーンでの混乱も招きうる 経済界でも、選択的夫婦別姓の法制化を切望する声があがっている。「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」の共同呼びかけ人の1人、サイボウズの青野慶久社長はこう話す。 「これだけ女性が当たり前に働き続けるようになり、海外出張や海外赴任もするようになって、社内で困り事があることを経営者も認識するようになっている。(選択的夫婦別姓を認めず)法的根拠のない旧姓の通称使用を拡大することは、どの名前がどこまで使えるのかといった二重管理の問題などでビジネスの現場でさらなる混乱を生む」 現在、4組の事実婚夫婦が夫婦別姓の婚姻届の受理などを求め2018年に提訴した「第二次夫婦別姓訴訟」のうち3件について、最高裁大法廷で審理されることが決まっている。 今回の訴訟は、選択的夫婦別姓制度に関する議論を大きく前進させた。 竹下弁護士は「2015年の最高裁では、婚姻の成立要件に関する細かい議論に入っていなかった。今回の判決を受けて、『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」と話す』、「『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」、当然である。
・『戸籍制度は時代に追いつけるか さらに、判決は戸籍制度の不備を明らかにした。本来、戸籍制度の目的は夫婦関係や親子関係を記載し身分関係を把握することだが、想田・柏木夫妻のように別姓のまま法律上成立している婚姻関係を、同姓を前提とする現行の戸籍制度でどのように把握するか検討してこなかったからだ。 竹下弁護士は「海外で別姓のまま結婚することができる法律になっているのであれば、その夫婦関係を別姓のままでも戸籍に記載できるようにすることが戸籍制度の本来の目的にかなう」と指摘する。「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」(同)と立法府の動きも期待する。 身分関係を証明する戸籍制度が現状の多様な夫婦のあり方に対応できずに、個人や社会に不利益をもたらしていることは重要な社会課題だ。選択的夫婦別姓制度の実現に向けた法整備について、早急に議論することが求められる』、「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」、同感である。
次に、11月26日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの池上 彰氏による「中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/52120
・『国会議員と国民の意識が離れている」海外ではほとんどの国が夫婦別姓を認め、結婚時に姓を選択できるようになっている。さらには「同性婚」を認める国も増えている。一方、日本はどちらについても議論すら進んでいない。ジャーナリストの池上彰さんは「夫婦別姓は中国や韓国でも認められている。このままでは日本は世界から取り残されてしまう」という――。※本稿は、池上彰『これが日本の正体! 池上彰への42の質問』(大和書房)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『夫婦別姓に合憲の判断を下した日本の最高裁 2015年と21年、最高裁判所は2度にわたって、民法の夫婦同姓を定めた規定について、「合憲」であるとの判断を示しています。憲法には違反していないということです。 ただし、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」としてその是非を国会にあずける形になっています。つまり、いまの規定は憲法違反ではないが、夫婦別姓を実現したければ国会で、そういう法律を作りなさい、と宣言したわけです。 選択的夫婦別姓については、法務省の法制審議会によって幾度となく答申されていますが、いまだ与党からの法案の提出に至っていません。その最大の理由は自民党の保守派議員の反対によるもので、彼らは「家族の一体感が損なわれる」「子の姓の安定性がなくなる」と言っています。要は、家制度の崩壊につながるから、ということなのですが、夫婦が別姓を選択したからといって家族がバラバラになったりするでしょうか。 安倍元首相の「秘蔵っ子」と呼ばれ、防衛大臣を務めた稲田朋美議員は、以前は夫婦別姓に反対していました。ところが賛成を表明した途端、保守議員の支持団体である「日本会議」は距離を置くようになり、稲田議員は神道政治連盟の国会議員団体の事務局長も更迭されました。 2021年には、自民党の国会議員有志50人が、選択的夫婦別姓制度に賛同する地方議員に対し、慎重な検討を求める文書を送っていたことが発覚しました。この有志には高市早苗、片山さつき、丸川珠代といった女性の閣僚経験者も名を連ねています。つまり自民党の保守派として後ろ盾を失わないためにも、「夫婦別姓」に反対しようという意図が見えます。 こういった保守政治をとりまく古い意識と環境のために、なかなか前進できないでいるのが現状です』、「稲田朋美議員」の影が薄くなった印象なのは、「夫婦別姓」、に「賛成を表明した途端、保守議員の支持団体である「日本会議」は距離を置くようになり」、「神道政治連盟の国会議員団体の事務局長も更迭」、なるほど右派に弓を引いたためのようだ。
・『中国や韓国は「一周遅れのトップランナー」 海外ではほとんどの国が夫婦別姓を認め、結婚時に姓を選択できるようになっています。欧米にはファーストネーム(名)とラストネーム(姓)の間にミドルネームをつける習慣があります。ミドルネームは洗礼名や祖先の名前が多いのですが、女性の場合旧姓をミドルネームとして残すこともできます。現在は別姓が認められているため、夫の姓か自分の姓か、あるいはミドルネームとして両方を名乗ることが可能になっています。 アジアでは、中国や韓国が夫婦別姓になっています。しかしこれは、女性の立場を考えて導入された制度ではありません。どちらも歴史的に「男の家」制度が顕著だった国で、女性は結婚しても「男の家」の戸籍に入れてもらえなかったんですね。女性が家系に連なることを拒まれた結果夫婦別姓となり、そのまま現在の制度になっています。 日本に先んじているようにも見えますが、私に言わせれば「一周遅れのトップランナー」です。ただそれでも、この問題において、日本より前にいることは間違いないでしょう』、「中国や韓国が夫婦別姓になっています」、これは「歴史的に「男の家」制度が顕著だった国で、女性は結婚しても「男の家」の戸籍に入れてもらえなかったんですね。女性が家系に連なることを拒まれた結果夫婦別姓:、なるほど。
・『芸能人の「入籍会見」はおかしい よくタレントが「入籍会見」などと結婚の報告をしますが、あれは間違いです。入籍というのは、基本は夫の戸籍に入ること。戦前の言い方です。現在は結婚と同時に夫婦で新しい籍をつくるわけですから、入籍ではなく、「新しい戸籍をつくりました」と言うべきところです。 そのとき、夫でも妻でも、本来はどちらの姓を名乗ってもいい法律になっています。でも大半が夫の姓を名乗るので、結果的に女性が不便を強いられる事態になっています。 過去の世論調査においても「家」が重視された時代は夫婦別姓に反対する意見のほうが多かったのですが、最近では賛成が圧倒的に多く、反対派は24%ほどにとどまっています。「男女共同参画基本計画」なるものを政府が示している以上、国民の意見を聞き、選択的夫婦別姓の議論を前進させるべきではないでしょうか』、「過去の世論調査においても「家」が重視された時代は夫婦別姓に反対する意見のほうが多かったのですが、最近では賛成が圧倒的に多く、反対派は24%ほどにとどまっています」、そうであれば、確かに「選択的夫婦別姓の議論を前進させるべき」。
・『「家系を絶やさない」家制度のもとの結婚 同性婚も日本では夫婦別姓と同様に、「家制度」が尾を引いているといえるでしょう。結婚は親が決めるものであり、家系を絶やさないために男女がするもの。そしてここにはLGBTQに対する大きな偏見と差別が存在していました。 戦後になり、憲法によって自由な結婚が保障されるようになりました。日本国憲法第24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とあります。従来の解釈では、「両性」とは男性と女性のことであるから、男女同士以外の結婚は認められないということになっています。 近年、世界的にLGBTQなどのセクシャルマイノリティの人権を守る運動が高まり、日本の憲法学者の間でも、議論されるようになっています。 憲法学者の木村草太氏は、この条文は親の同意などが求められた旧民法に対し、両当事者の意思を尊重する意味で「両性」という言葉を用いたのであって、同性婚を禁止したものではないと述べています。本人同士で結婚を決めていいんだよ、という趣旨でできた条文なんだから、「両性」は男同士でも女同士でもいい。そういう解釈は可能だということです。 一方で、「両性」はあくまでも男と女であるから、同性婚を認めるには、憲法を変えなくてはならない、という学者もいます』、「両性」についての「木村草太氏」の解釈は余に広すぎるような気がする。
・『パートナシップ制度は人権保護の第一歩 国として議論が進まないなか、パートナーシップ制度を導入する自治体が増えています。 同性パートナーシップ証明制度は、2015に東京都の渋谷区と世田谷区でスタートし、2021年7月までに、全国で110の自治体が採用しています。基本的には同性のパートナーが自治体に書類を提出し、それに対する証明書が与えられて、異性のカップルと同等の権利が認められるのです。 例えば、カップルのどちらかが入院して「家族以外は面会できません」となった場合、パートナーである公的な証明があれば、面会が許されたりします。それ以外にも、公営住宅の入居が認められたりなど、実質的な不利益を被らないようにするのが目的です。しかし、このパートナーシップ制度には、法的拘束力はありません。法律婚ではありませんから、配偶者控除は適用されませんし、遺族年金も適用対象外です。さらには、共同での親権を持つこともできません。 パートナーシップ制度が全国に広がれば、同性婚を認めなくてもいいだろう、という声もありますが、この制度はあくまでも、性的マイノリティの人権を守るための第一歩であることを理解しなくてはなりません』、「パートナーシップ制度」は「性的マイノリティの人権を守るための第一歩」でしかなく、「法的」なものではないようだ。
・『アメリカで起きた保守派の揺り戻し 2015年、アメリカの連邦最高裁判所は、同性婚を認める判断を示しました。これにより、現在アメリカでは、同性婚が可能になっています。ところが、これを「とんでもないことだ」と思っている人も多くいます。その一人がトランプ前大統領で、その支持者の多くも同性婚に反対でした。 2020年9月、連邦最高裁判所のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が亡くなりました。性差別を許さないリベラルな判事として名をはせていましたが、大統領選挙の1カ月半前にこの世を去りました。するとトランプ大統領はすかさず、同性婚や妊娠中絶に批判的なエイミー・コニー・バレット判事を最高裁判事に指名。共和党が多数の議会上院がこれを承認しました。これにより、今後同性婚をめぐる裁判が起きた場合、はたしてそれを認めるかどうかが注目されています』、「トランプ」の「負の遺産」がいまだに地方議会に残っているようだ。
・『世界の潮流は同性婚容認へ 2020年の大統領選挙で民主党の候補に名乗りをあげた、ピート・ブティジェッジ元サウスベンド市長は同性愛者であることを公表しています。バイデン政権では運輸長官に指名され、アメリカ史上初の同性愛者を公表している閣僚となっています。 またアイスランドでは、女性のヨハンナ・シグルザルドッティル元首相が、女性作家のパートナーと結婚しています。さらにルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は、ベルギー人のパートナーと一緒になりたいために、同性婚を認める法改正に積極的に協力し、改正法ができると真っ先に結婚しました。EU加盟国の首脳として初めての同性婚者となりました。 世界では、とりわけ先進国では、同性婚を認めるようになってきています。 2021年3月、三重県で、性的マイノリティの人への差別や偏見をなくし、安心して暮らせる社会をつくるための条例が県議会で可決されました。ここでは、個人の性的指向を本人の了解を得ずに暴露する「アウティング」の禁止が、条例としてはじめて盛り込まれました。さらには「カミングアウト」の強要も禁止しています。 パートナーシップ制度もあわせ、性的マイノリティの人権を守る動きは日本の各地で広がりつつありますが、まだ地方自治体の条例の段階です。法律として認めるために国が動くようになるのは、夫婦別姓の問題と同様に、国会に保守的な議員が多くいる限り、もう少し時間がかかりそうですね。 同性婚を認めている海外の国(2020年) ※英国は2014年3月にイングランドとウェールズ、2014年12月にスコットランド、2020年1月に北アイルランドでそれぞれ同性婚が認められた。 国名 法律施行日 国名 法律施行日 1 オランダ 2001年4月1日 2 ベルギー 2003年6月1日 3 スペイン 2005年7月3日 4 カナダ 2005年7月20日 5 南アフリカ 2006年11月30日 6 ノルウェー 2009年1月1日 7 スウェーデン 2009年5月1日 8 ポルトガル 2010年6月5日 9 アイスランド 2010年6月27日 10 アルゼンチン 2010年7月22日 11 デンマーク 2012年6月15日 12 ブラジル 2013年5月16日 13 フランス 2013年5月18日 14 ウルグアイ 2013年8月5日 15 ニュージーランド 2013年8月19日 16 英国 2014年3月29日(※) 17 ルクセンブルク 2015年1月1日 18 メキシコ 2015年6月22日 19 米国 2015年6月26日 20 アイルランド 2015年11月16日 21 コロンビア 2016年4月28日 22 フィンランド 2017年3月1日 23 マルタ 2017年9月1日 24 ドイツ 2017年10月1日 25 オーストラリア 2017年12月9日 26 オーストリア 2019年1月1日 27 台湾 2019年5月24日 28 エクアドル 2019年6月12日 29 コスタリカ 2020年5月26日 30 スイス 2022年7月1日 出典・参照:NPO法人 EMA日本を参考に作成)』、「パートナーシップ制度もあわせ、性的マイノリティの人権を守る動きは日本の各地で広がりつつあります」、保守的な国はともかく、まずは地方中心に今後広がることを期待したい。
先ずは、5月1日付け東洋経済オンライン「別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ、多様な夫婦への対応は急務」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/425750
・『夫婦の2人が結婚前の姓を名乗ることを認める、「選択的夫婦別姓制度」の議論に一石を投じる判決となるか――。 アメリカで別姓のまま結婚した日本人夫婦が、日本の法律においても婚姻関係にあることを認めるよう国に求めていた裁判の判決が4月21日、東京地方裁判所で下った。東京地裁は婚姻関係を戸籍へ記載できることの確認といった請求を却下・棄却した一方で、アメリカで成立した2人の婚姻関係は国内でも有効であると認めた。 原告の映画監督の想田和弘さんと映画プロデューサーの柏木規与子さんは、1997年にアメリカ・ニューヨーク州の法律に基づいて結婚した。日本人同士が外国で結婚した場合、その婚姻関係を日本の戸籍に登録するため、大使館などに報告のための婚姻届を提出することが求められている。それに基づき、2人は2018年に千代田区役所で別姓のまま届け出をしたが、夫婦同姓を定める民法や戸籍法に違反するとして受理されなかった』、「千代田区役所で別姓のまま届け出をしたが・・・受理されなかった」、「区役所」レベルではやむを得ない。
・『同姓規定を満たす必要はあるのか 戸籍によって婚姻関係を公的に証明できなければ、税や相続の問題などでさまざまな不利益を被りかねない。そこで2人は、それぞれの戸籍に結婚相手を記載することで婚姻関係の証明を受けられることの確認や、法の不備で被った不利益に対する国家賠償を1人当たり10万円ずつ求めていた。 争点となったのは、外国で婚姻した日本人同士の婚姻関係が日本でも成立するには、「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」という日本の夫婦同姓規定を満たす必要があるのかどうかだ。 原告側は、夫婦同姓規定は2人の婚姻関係が日本で成立するために必要な条件ではなく、2人は日本でも法律上の夫婦であると主張。対する国は、外国で結婚した場合でも夫婦同姓規定は婚姻の要件であり、別姓のままの2人の婚姻関係は成立しないと反論した。) 東京地裁は、婚姻関係の戸籍への記載可否については、家庭裁判所への不服申し立てのほうが適切だとして判断を示さず、国家賠償についても退けた。一方で、前提となる婚姻の成否については国の主張を否定し「婚姻自体は有効に成立している」と明確に認めた。これにより、別姓の2人の婚姻関係が日本の法律において成立していると証明された。 原告代理人の竹下博將弁護士は、「戸籍や相続の実務に照らせば当然の判断だと思っているが、この点が争点となって正面から判断されたのは初めてだ」と話した。不服申し立てをするのかどうかは今後検討する。 想田さんと柏木さんは判決後の会見で「わたしたちは法律婚であると明確に述べていただいたので、実質的な勝訴だと受け止めている。別姓でも夫婦になれると示してもらったので社会的意義もある」(想田さん)、「当たり前のことだと思っていたが、認められないのではないかと不安もあった。このような判決がくだって本当にうれしい。選択的夫婦別姓制度の実現に向けた大きな第一歩だと思う」(柏木さん)と笑顔を見せた』、「米国で」「夫婦別姓」で婚姻が成立したのを、日本でどう扱うかが争点だ。
・『遅々として進まない夫婦別姓の議論 これまで、日本における選択的夫婦別姓の実現に向けた動きは茨の道を歩んできた。 1980年代以降、氏を変えることによってアイデンティティーの喪失感を抱く、仕事上の不利益を被るなどの理由から、同姓でなければ結婚できない夫婦同姓制度への批判が強まった。1996年には法務省法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を提言する答申を行い、法務省が改正法案を準備。2010年にも改正法案を準備した。しかし、保守派議員が「家族の絆が危うくなる」などとして反対し、国会への提出には至らなかった。 2011年に夫婦同姓を定める民法規定は違憲だとして男女5人が提訴した「第一次夫婦別姓訴訟」では、最高裁が合憲と判断しつつ「国会で論ぜられるべきだ」と議論を国会に委ねたが、これも審議されてこなかった。2020年末に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画からは、自民党内の反発をうけ「選択的夫婦別姓」の記述が削除された。) 海外では夫婦別姓制度の導入が進み、法務省によると法律で夫婦同姓とするように義務づけている国は日本だけだ。日本は、国連の女性差別撤廃委員会から法改正の必要性を繰り返し勧告されている。 早稲田大学法学部棚村政行研究室と選択的夫婦別姓・全国陳情アクションが2020年に全国の20~59歳の7000人に行った合同調査の結果、別姓を選べないために法律婚を諦めた人が1.3%いた。夫婦別姓の議論が始まって40年近く、1996年の民法改正案の答申から25年が経つ中、夫婦別姓を望む人々は不安定な状態におかれ続けている。 選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの井田奈穂事務局長は、「望まない改姓をしてアイデンティティーを毀損した状態で亡くなる人や、(選択的夫婦別姓が法制化されるまで)待つと言って、30年来事実婚を続けてきた人もいる。事実婚のまま年を重ねてきたことで、配偶者の医療合意ができないのではという不安が高まる、介護施設で同じ区画に入ることを断られるなど、30年前には想定されていなかった問題が起きている」と訴える』、「法律で夫婦同姓とするように義務づけている国は日本だけだ。日本は、国連の女性差別撤廃委員会から法改正の必要性を繰り返し勧告されている」、自民党右派のこだわりは常軌を逸している。
・『ビジネスシーンでの混乱も招きうる 経済界でも、選択的夫婦別姓の法制化を切望する声があがっている。「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」の共同呼びかけ人の1人、サイボウズの青野慶久社長はこう話す。 「これだけ女性が当たり前に働き続けるようになり、海外出張や海外赴任もするようになって、社内で困り事があることを経営者も認識するようになっている。(選択的夫婦別姓を認めず)法的根拠のない旧姓の通称使用を拡大することは、どの名前がどこまで使えるのかといった二重管理の問題などでビジネスの現場でさらなる混乱を生む」 現在、4組の事実婚夫婦が夫婦別姓の婚姻届の受理などを求め2018年に提訴した「第二次夫婦別姓訴訟」のうち3件について、最高裁大法廷で審理されることが決まっている。 今回の訴訟は、選択的夫婦別姓制度に関する議論を大きく前進させた。 竹下弁護士は「2015年の最高裁では、婚姻の成立要件に関する細かい議論に入っていなかった。今回の判決を受けて、『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」と話す』、「『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」、当然である。
・『戸籍制度は時代に追いつけるか さらに、判決は戸籍制度の不備を明らかにした。本来、戸籍制度の目的は夫婦関係や親子関係を記載し身分関係を把握することだが、想田・柏木夫妻のように別姓のまま法律上成立している婚姻関係を、同姓を前提とする現行の戸籍制度でどのように把握するか検討してこなかったからだ。 竹下弁護士は「海外で別姓のまま結婚することができる法律になっているのであれば、その夫婦関係を別姓のままでも戸籍に記載できるようにすることが戸籍制度の本来の目的にかなう」と指摘する。「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」(同)と立法府の動きも期待する。 身分関係を証明する戸籍制度が現状の多様な夫婦のあり方に対応できずに、個人や社会に不利益をもたらしていることは重要な社会課題だ。選択的夫婦別姓制度の実現に向けた法整備について、早急に議論することが求められる』、「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」、同感である。
次に、11月26日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの池上 彰氏による「中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/52120
・『国会議員と国民の意識が離れている」海外ではほとんどの国が夫婦別姓を認め、結婚時に姓を選択できるようになっている。さらには「同性婚」を認める国も増えている。一方、日本はどちらについても議論すら進んでいない。ジャーナリストの池上彰さんは「夫婦別姓は中国や韓国でも認められている。このままでは日本は世界から取り残されてしまう」という――。※本稿は、池上彰『これが日本の正体! 池上彰への42の質問』(大和書房)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『夫婦別姓に合憲の判断を下した日本の最高裁 2015年と21年、最高裁判所は2度にわたって、民法の夫婦同姓を定めた規定について、「合憲」であるとの判断を示しています。憲法には違反していないということです。 ただし、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」としてその是非を国会にあずける形になっています。つまり、いまの規定は憲法違反ではないが、夫婦別姓を実現したければ国会で、そういう法律を作りなさい、と宣言したわけです。 選択的夫婦別姓については、法務省の法制審議会によって幾度となく答申されていますが、いまだ与党からの法案の提出に至っていません。その最大の理由は自民党の保守派議員の反対によるもので、彼らは「家族の一体感が損なわれる」「子の姓の安定性がなくなる」と言っています。要は、家制度の崩壊につながるから、ということなのですが、夫婦が別姓を選択したからといって家族がバラバラになったりするでしょうか。 安倍元首相の「秘蔵っ子」と呼ばれ、防衛大臣を務めた稲田朋美議員は、以前は夫婦別姓に反対していました。ところが賛成を表明した途端、保守議員の支持団体である「日本会議」は距離を置くようになり、稲田議員は神道政治連盟の国会議員団体の事務局長も更迭されました。 2021年には、自民党の国会議員有志50人が、選択的夫婦別姓制度に賛同する地方議員に対し、慎重な検討を求める文書を送っていたことが発覚しました。この有志には高市早苗、片山さつき、丸川珠代といった女性の閣僚経験者も名を連ねています。つまり自民党の保守派として後ろ盾を失わないためにも、「夫婦別姓」に反対しようという意図が見えます。 こういった保守政治をとりまく古い意識と環境のために、なかなか前進できないでいるのが現状です』、「稲田朋美議員」の影が薄くなった印象なのは、「夫婦別姓」、に「賛成を表明した途端、保守議員の支持団体である「日本会議」は距離を置くようになり」、「神道政治連盟の国会議員団体の事務局長も更迭」、なるほど右派に弓を引いたためのようだ。
・『中国や韓国は「一周遅れのトップランナー」 海外ではほとんどの国が夫婦別姓を認め、結婚時に姓を選択できるようになっています。欧米にはファーストネーム(名)とラストネーム(姓)の間にミドルネームをつける習慣があります。ミドルネームは洗礼名や祖先の名前が多いのですが、女性の場合旧姓をミドルネームとして残すこともできます。現在は別姓が認められているため、夫の姓か自分の姓か、あるいはミドルネームとして両方を名乗ることが可能になっています。 アジアでは、中国や韓国が夫婦別姓になっています。しかしこれは、女性の立場を考えて導入された制度ではありません。どちらも歴史的に「男の家」制度が顕著だった国で、女性は結婚しても「男の家」の戸籍に入れてもらえなかったんですね。女性が家系に連なることを拒まれた結果夫婦別姓となり、そのまま現在の制度になっています。 日本に先んじているようにも見えますが、私に言わせれば「一周遅れのトップランナー」です。ただそれでも、この問題において、日本より前にいることは間違いないでしょう』、「中国や韓国が夫婦別姓になっています」、これは「歴史的に「男の家」制度が顕著だった国で、女性は結婚しても「男の家」の戸籍に入れてもらえなかったんですね。女性が家系に連なることを拒まれた結果夫婦別姓:、なるほど。
・『芸能人の「入籍会見」はおかしい よくタレントが「入籍会見」などと結婚の報告をしますが、あれは間違いです。入籍というのは、基本は夫の戸籍に入ること。戦前の言い方です。現在は結婚と同時に夫婦で新しい籍をつくるわけですから、入籍ではなく、「新しい戸籍をつくりました」と言うべきところです。 そのとき、夫でも妻でも、本来はどちらの姓を名乗ってもいい法律になっています。でも大半が夫の姓を名乗るので、結果的に女性が不便を強いられる事態になっています。 過去の世論調査においても「家」が重視された時代は夫婦別姓に反対する意見のほうが多かったのですが、最近では賛成が圧倒的に多く、反対派は24%ほどにとどまっています。「男女共同参画基本計画」なるものを政府が示している以上、国民の意見を聞き、選択的夫婦別姓の議論を前進させるべきではないでしょうか』、「過去の世論調査においても「家」が重視された時代は夫婦別姓に反対する意見のほうが多かったのですが、最近では賛成が圧倒的に多く、反対派は24%ほどにとどまっています」、そうであれば、確かに「選択的夫婦別姓の議論を前進させるべき」。
・『「家系を絶やさない」家制度のもとの結婚 同性婚も日本では夫婦別姓と同様に、「家制度」が尾を引いているといえるでしょう。結婚は親が決めるものであり、家系を絶やさないために男女がするもの。そしてここにはLGBTQに対する大きな偏見と差別が存在していました。 戦後になり、憲法によって自由な結婚が保障されるようになりました。日本国憲法第24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とあります。従来の解釈では、「両性」とは男性と女性のことであるから、男女同士以外の結婚は認められないということになっています。 近年、世界的にLGBTQなどのセクシャルマイノリティの人権を守る運動が高まり、日本の憲法学者の間でも、議論されるようになっています。 憲法学者の木村草太氏は、この条文は親の同意などが求められた旧民法に対し、両当事者の意思を尊重する意味で「両性」という言葉を用いたのであって、同性婚を禁止したものではないと述べています。本人同士で結婚を決めていいんだよ、という趣旨でできた条文なんだから、「両性」は男同士でも女同士でもいい。そういう解釈は可能だということです。 一方で、「両性」はあくまでも男と女であるから、同性婚を認めるには、憲法を変えなくてはならない、という学者もいます』、「両性」についての「木村草太氏」の解釈は余に広すぎるような気がする。
・『パートナシップ制度は人権保護の第一歩 国として議論が進まないなか、パートナーシップ制度を導入する自治体が増えています。 同性パートナーシップ証明制度は、2015に東京都の渋谷区と世田谷区でスタートし、2021年7月までに、全国で110の自治体が採用しています。基本的には同性のパートナーが自治体に書類を提出し、それに対する証明書が与えられて、異性のカップルと同等の権利が認められるのです。 例えば、カップルのどちらかが入院して「家族以外は面会できません」となった場合、パートナーである公的な証明があれば、面会が許されたりします。それ以外にも、公営住宅の入居が認められたりなど、実質的な不利益を被らないようにするのが目的です。しかし、このパートナーシップ制度には、法的拘束力はありません。法律婚ではありませんから、配偶者控除は適用されませんし、遺族年金も適用対象外です。さらには、共同での親権を持つこともできません。 パートナーシップ制度が全国に広がれば、同性婚を認めなくてもいいだろう、という声もありますが、この制度はあくまでも、性的マイノリティの人権を守るための第一歩であることを理解しなくてはなりません』、「パートナーシップ制度」は「性的マイノリティの人権を守るための第一歩」でしかなく、「法的」なものではないようだ。
・『アメリカで起きた保守派の揺り戻し 2015年、アメリカの連邦最高裁判所は、同性婚を認める判断を示しました。これにより、現在アメリカでは、同性婚が可能になっています。ところが、これを「とんでもないことだ」と思っている人も多くいます。その一人がトランプ前大統領で、その支持者の多くも同性婚に反対でした。 2020年9月、連邦最高裁判所のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が亡くなりました。性差別を許さないリベラルな判事として名をはせていましたが、大統領選挙の1カ月半前にこの世を去りました。するとトランプ大統領はすかさず、同性婚や妊娠中絶に批判的なエイミー・コニー・バレット判事を最高裁判事に指名。共和党が多数の議会上院がこれを承認しました。これにより、今後同性婚をめぐる裁判が起きた場合、はたしてそれを認めるかどうかが注目されています』、「トランプ」の「負の遺産」がいまだに地方議会に残っているようだ。
・『世界の潮流は同性婚容認へ 2020年の大統領選挙で民主党の候補に名乗りをあげた、ピート・ブティジェッジ元サウスベンド市長は同性愛者であることを公表しています。バイデン政権では運輸長官に指名され、アメリカ史上初の同性愛者を公表している閣僚となっています。 またアイスランドでは、女性のヨハンナ・シグルザルドッティル元首相が、女性作家のパートナーと結婚しています。さらにルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は、ベルギー人のパートナーと一緒になりたいために、同性婚を認める法改正に積極的に協力し、改正法ができると真っ先に結婚しました。EU加盟国の首脳として初めての同性婚者となりました。 世界では、とりわけ先進国では、同性婚を認めるようになってきています。 2021年3月、三重県で、性的マイノリティの人への差別や偏見をなくし、安心して暮らせる社会をつくるための条例が県議会で可決されました。ここでは、個人の性的指向を本人の了解を得ずに暴露する「アウティング」の禁止が、条例としてはじめて盛り込まれました。さらには「カミングアウト」の強要も禁止しています。 パートナーシップ制度もあわせ、性的マイノリティの人権を守る動きは日本の各地で広がりつつありますが、まだ地方自治体の条例の段階です。法律として認めるために国が動くようになるのは、夫婦別姓の問題と同様に、国会に保守的な議員が多くいる限り、もう少し時間がかかりそうですね。 同性婚を認めている海外の国(2020年) ※英国は2014年3月にイングランドとウェールズ、2014年12月にスコットランド、2020年1月に北アイルランドでそれぞれ同性婚が認められた。 国名 法律施行日 国名 法律施行日 1 オランダ 2001年4月1日 2 ベルギー 2003年6月1日 3 スペイン 2005年7月3日 4 カナダ 2005年7月20日 5 南アフリカ 2006年11月30日 6 ノルウェー 2009年1月1日 7 スウェーデン 2009年5月1日 8 ポルトガル 2010年6月5日 9 アイスランド 2010年6月27日 10 アルゼンチン 2010年7月22日 11 デンマーク 2012年6月15日 12 ブラジル 2013年5月16日 13 フランス 2013年5月18日 14 ウルグアイ 2013年8月5日 15 ニュージーランド 2013年8月19日 16 英国 2014年3月29日(※) 17 ルクセンブルク 2015年1月1日 18 メキシコ 2015年6月22日 19 米国 2015年6月26日 20 アイルランド 2015年11月16日 21 コロンビア 2016年4月28日 22 フィンランド 2017年3月1日 23 マルタ 2017年9月1日 24 ドイツ 2017年10月1日 25 オーストラリア 2017年12月9日 26 オーストリア 2019年1月1日 27 台湾 2019年5月24日 28 エクアドル 2019年6月12日 29 コスタリカ 2020年5月26日 30 スイス 2022年7月1日 出典・参照:NPO法人 EMA日本を参考に作成)』、「パートナーシップ制度もあわせ、性的マイノリティの人権を守る動きは日本の各地で広がりつつあります」、保守的な国はともかく、まずは地方中心に今後広がることを期待したい。
タグ:池上 彰 「中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因」 「パートナーシップ制度」は「性的マイノリティの人権を守るための第一歩」でしかなく、「法的」なものではないようだ。 「トランプ」の「負の遺産」がいまだに地方議会に残っているようだ。 「パートナーシップ制度もあわせ、性的マイノリティの人権を守る動きは日本の各地で広がりつつあります」、保守的な国はともかく、まずは地方中心に今後広がることを期待したい。 「過去の世論調査においても「家」が重視された時代は夫婦別姓に反対する意見のほうが多かったのですが、最近では賛成が圧倒的に多く、反対派は24%ほどにとどまっています」、そうであれば、確かに「選択的夫婦別姓の議論を前進させるべき」。 「両性」についての「木村草太氏」の解釈は余に広すぎるような気がする。 「中国や韓国が夫婦別姓になっています」、これは「歴史的に「男の家」制度が顕著だった国で、女性は結婚しても「男の家」の戸籍に入れてもらえなかったんですね。女性が家系に連なることを拒まれた結果夫婦別姓:、なるほど。 「稲田朋美議員」の影が薄くなった印象なのは、「夫婦別姓」、に「賛成を表明した途端、保守議員の支持団体である「日本会議」は距離を置くようになり」、「神道政治連盟の国会議員団体の事務局長も更迭」、なるほど右派に弓を引いたためのようだ。 興味深そうだ。 PRESIDENT ONLINE 「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」、同感である。 「『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」、当然である。 「米国で」「夫婦別姓」で婚姻が成立したのを、日本でどう扱うかが争点だ。 「千代田区役所で別姓のまま届け出をしたが・・・受理されなかった」、「区役所」レベルではやむを得ない。 「別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ、多様な夫婦への対応は急務」 東洋経済オンライン 「法律で夫婦同姓とするように義務づけている国は日本だけだ。日本は、国連の女性差別撤廃委員会から法改正の必要性を繰り返し勧告されている」、自民党右派のこだわりは常軌を逸している。 夫婦別姓 (その2)(別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ 多様な夫婦への対応は急務、中国、韓国も夫婦別姓を認めているのに…日本が世界の潮流から取り残される根本原因)