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メタバース(仮想空間)(その1)(メタバースが「デジタル創作物」のマーケットを作りだそうとしている NFT=非代替性トークンの威力とは、「セカンドライフ」の二の舞は避けられるのか メタバース沸騰が「過去のブーム」とまるで違う点、先駆者clusterが普及に自信を抱く合理的根拠 和製メタバースで「暮らす」「稼ぐ」人と企業の全容) [イノベーション]

今日は、メタバース(仮想空間)(その1)(メタバースが「デジタル創作物」のマーケットを作りだそうとしている NFT=非代替性トークンの威力とは、「セカンドライフ」の二の舞は避けられるのか メタバース沸騰が「過去のブーム」とまるで違う点、先駆者clusterが普及に自信を抱く合理的根拠 和製メタバースで「暮らす」「稼ぐ」人と企業の全容)を取上げよう。

先ずは、昨年12月26日付け現代ビジネスが掲載した大蔵省出身で一橋大学名誉教授の野口 悠紀雄氏による「メタバースが「デジタル創作物」のマーケットを作りだそうとしている NFT=非代替性トークンの威力とは」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/90424?imp=0
・『世界のさまざまな企業が、メタバース構築に向けて走り出した。NFT(非代替性トークン)というブロックチェーンの新しい技術を用いると、メタバース内のデジタル創作物を売買することができる』、興味深そうだ。
・『世界の企業がつぎつぎにメタバース計画に参入  フェイスブックは、2021年8月、仮想空間サービス「Horizon Workrooms」を始めた。利用者が自分のアバターを作り、「メタバース」と呼ばれる仮想空間のなかで人々と交流したり、会議をしたり、買い物をしたりする。 同社は、社名をメタと変え、メタバースの企業になると宣言した。そして、このプロジェクトに100億ドル(約1兆1400億円)という巨額の資金を投入する。開発を加速させるため、今後5年間でIT人材を1万人採用するとしている。 メタバース計画を進めているのは、メタだけではない。 マイクロソフトは「チームズ」に仮想空間で会議などができる機能を加えるとしている。 ドイツのシーメンス・エナジーやスウェーデンのエリクソンは、GPU(画像処理半導体)のトップメーカーである米エヌビディアとメタバースを構築している。 移動体通信技術と半導体の設計・開発を行なうクアルコムは、スナップドラゴン・スペイシーズというAR(拡張現実)開発のプラットフォームを提供し、次世代のヘッドセットやゲーム端末に向けたARアプリの開発をサポートする。 ウォルト・ディズニー、ナイキなども参入の計画だ。 日本では、KDDIが「渋谷区公認バーチャル渋谷」という仮想空間を作っている。20年5月に公開され、これまでクリスマスやハロウィーンの催しが行なわれた。ユーザーが物販やイベントをできる。 このように、多くの人や企業が、メタバースに向けて走り出している。 カナダの調査会社エマージェン・リサーチは、メタバース関連の世界市場は、20年の477億ドル(約5兆5千億円)から年平均43%で伸び、28年には8290億ドル(約95兆円)になると予測している。 メタバースは、昔からあった。2003年にスタートした「セカンドライフ」がそれだ。2007年頃が人気のピークだった。リンデンドルという仮想通貨も発行され、仮想世界の中で使われた。しかし、その後ユーザー数が減少し、いまは忘れられた存在になっている。 任天堂から2020年に発売された『あつまれ どうぶつの森』も、メタバースの一種だとされることがある』、「メタバース計画に参入」は確かにすごいブームだ。
・『75億円の取引例-NFTでデジタルアーツが売買可能に  多くの企業がメタバースに関心を寄せる大きな理由は、仮想空間で経済取引が可能になるだろうという期待だ。 これは、NFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)というブロックチェーン技術を活用するものだ。 ブロックチェーンに取引情報を改竄不可能な形で記録していくことによって、インターネットを通じて経済的な価値を送ることができる。この技術は、すでにビットコインなどの仮想通貨で実証されている。 ところで、仮想通貨の場合には、Aさんの持っている仮想通貨とBさんの持っている通貨は同じものだ(これをFungibleという)。それに対して、NFTでは、一つ一つの個別的な対象を区別して、取引を記録していく。これは、物流管理についてすでに提供されているブロックチェーンサービスだ。 ダイヤモンドについては、2015年に設立されたエバーレッジャー社によって、サービスが提供されている。現在では、食料品などのサプライチェーンにも用いられている。 NFTは、デジタル創作物に、この技術を応用するものだ。売買する時、データと持ち主を、第三者に頼らずに検証できる。これによって、メタバースの仮想空間に作られたデジタル創作物(建物や衣装など)の売買が可能になると期待されている。 NFTを用いたデジタル創作物の取引は、現実の世界ですでに行なわれている。 デジタルアート作家「Beeple(ビープル)」ことマイク・ウィンケルマン氏のデジタル作品「Everydays - The First 5000 Days」が約75億3000万円で落札された。 また、Twitterの共同創業者ジャック・ドーシー氏の初めてのツイートが約3億1600万円で落札された。 日本でも、小学3年生が夏休みの自由研究として作ったドット絵が約80万円で取引された』、「NFTを用いたデジタル創作物の取引は、現実の世界ですでに行なわれている」、「ブロックチェーン技術を活用」することで、多重譲渡を防止する歯止めになるのだろうか。
・『コピーができるのに「唯一のオリジナル」とは?  ところで、ブロックチェーンに記入してあるのは取り引きの情報だ。デジタルな作品自体は、ブロックチェーンの外に保管されている。そして、NFTにはその作品のコピーを防止する機能はない。だから、簡単にコピーできる。 実際、上で述べた作品もウェブで簡単に見ることができる。「初めてのツイート」に至っては、単なる文章に過ぎないので、誰でも簡単に複製できる。 しばしば、「NFTは、デジタル作品が唯一のオリジナルなものであることを証明する仕組みだ」と解説される。しかし、「唯一」とか「オリジナル」ということの意味については、注意が必要だ。 リアルな絵画であれば、オリジナルな作品とその模写とは、詳細に調べれば、違いを見いだすことができるだろう。しかし、デジタルな作品の場合は、オリジナルとコピーに違いは何もない。違いは、創作者が認めた正当な取引を通じて手に入れたというだけのことである。 今後は、コンテンツ自体の複製を不可能にするための方法が開発されるかもしれない。しかし、そうしたことがない現状であっても、上記のように巨額の取引が行なわれているのだ』、「デジタルな作品の場合は、オリジナルとコピーに違いは何もない。違いは、創作者が認めた正当な取引を通じて手に入れたというだけのこと」、見分けは確かに困難だ。
・『ではなぜデジタル作品を買うのか?  デジタル絵画を見て楽しむだけなら、ウエブでタダでできる。それなのに、なぜ75億円もの巨額な支払いをするのか? 2つの理由が考えられる。 第1は、創作者からの正しい手続きを経て権利を獲得したという自覚を持てることだ。それは、「虚栄心を満足させているに過ぎない」といってもよい。 第2は、購入価格よりさらに高値で転売できる可能性があるという期待だ。その意味では、デジタルアーツの価格はバブルであると言える。 現在はもの珍しさで多くの人が参加しているが、そのうちに飽きてしまって、転売が不可能になり、価値がゼロになってしまう可能性も否定できない』、「デジタルアーツの価格はバブルであると言える」、やはりそうかというのが正直な感想だ。
・『新しい法規制を探る  経済産業省は、2021年7月、企業などがメタバース事業に参入する際の法的論点をまとめたリポート「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」を公表した。 仮想空間内での商取引などを巡る法律やルールの整備が課題になるとしている。異なる国の利用者間でトラブルが起きた場合の解決法、詐欺への対応、セキュリティー対策などを含む「メタバース新法」が必要だとしている。 仮想空間における取引が盛んになるのは、望ましいことだろう。しかし、人々が仮想空間で過ごせる時間には限りがある。 そしてわれわれは、リアルの世界から逃げ出すことはできない。人間は、仮想空間だけで生活できるわけではない。 現実の世界を住みよく快適で安全なものにするのは、もっと重要なことだ。そのことを忘れてはならないと思う』、まだ発展途上の技術に対しては、法規制の適用は慎重であるべきだ。

次に、1月13日付け東洋経済Plus「「セカンドライフ」の二の舞は避けられるのか メタバース沸騰が「過去のブーム」とまるで違う点」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29433
・『あっという間に衰退してしまったセカンドライフの時代と現在とでは、いったい何が違うのか。技術や価値観など、さまざまな面から考察した。 にわかに沸騰するメタバース市場。VRデバイスやスマートフォンを通じ、人々が気軽に交流できるようになった仮想世界で今、世界中の種々雑多な企業が新規事業立ち上げや巨額投資に勤しんでいる(詳細は前回記事:熱狂メタバースに突き進む企業それぞれの皮算用)。 もっとも、メタバースブームは今回が初めてではない。 過去のブームの象徴的な存在が、アメリカのリンデンラボが2003年から運営する「セカンドライフ」だ。日本でも一般の個人はもちろん、サントリー、ソフトバンクモバイル(当時)、電通、三越などの大手企業が続々参画。セカンドライフ内に仮想店舗を出したり、マーケティング活動を行ったりと、2000年代初頭から一大ブームとなった。 リンデンラボは自社サービスを指すものとして、当時から「メタバース」という言葉も用いている。さらに空間内ではリンデンドル(空間内の通貨)での取引や、リンデンスクリプト(空間内で創造物を作るための簡易プログラミング言語)を使ったクリエーターの呼び込み・空間の拡張も行っていた。 ところが2007年をピークに、アクティブユーザー数は減少に転じる。セカンドライフ自体は現在も稼働しているものの、企業は相次いで撤退。あっという間に”オワコン”と化した。 今回のメタバースブームも、一時的なものにすぎないのではないか。セカンドライフの時代と現在とでは、何が違うのか。取材を重ねる中で見えてきたのは、当時から大きく事情が変化した3つの点だ』、興味深そうだ。
・『デバイスの発展で「大衆化」  1つ目は、デバイスやネットワークの劇的な進化だ。当時はまだ初代iPhone(2007年発売)の普及前で、メタバースに参加できたのはハイスペックなパソコンなどを所有する一部の消費者のみだった。その状況が、スマホやそれに対応するアプリの普及で一変。若年層も含め、誰もが簡単にメタバースにアクセスできるようになった。 さらに、2020年10月にメタ(当時の社名はフェイスブック)が発売したヘッドセット型のVRデバイス「オキュラス・クエスト2」も、市場拡大の下地をつくるのに一役買っていそうだ。販売実数は公表していないが、「売れ行きも非常に好調」(フェイスブックジャパンの味澤将宏代表)だという。 先代機に比べ処理速度・操作性を改良した一方、価格は下げた(先代機は4万9800円~、新型機は3万3800円~)。「メタバースは没入感のある仮想世界を実際に体験してもらわないと(面白さや利便性が)わからない。オキュラス・クエスト2はそのミッションの達成に向けて、非常にいいスタートを切れている」(味澤氏)。 2つ目の変化は、スマホの普及にも後押しされる形で醸成されたデジタル文化だ。SNSが一般化したことで、人々がリアルと必ずしも同一でないバーチャルのアイデンティティを持つことが当たり前化した。 「女子高生にインタビューすると、学歴よりもインスタグラムのフォロワーがほしいという声をよく聞く。彼女たちにとっては、デジタル世界のアイデンティティがリアル世界のそれより勝るということ。この価値観はアバター(自身の分身となるキャラクター)を介して仮想空間で他人と交流するメタバースと非常に相性がいい」 ブロックチェーン技術を用いたコミュニティサービスなどを展開するベンチャー・ガウディの石川裕也CEOはそう分析する。 「技術やサービスがより洗練されていくことで、あくまでリアルが主でバーチャルが従だったこれまでの価値観が薄れ、バーチャル上の個性や生活が主という時代が来るかもしれない」 そう展望するのは、VRゲームを皮切りにメタバース事業の拡大を志向するベンチャー・サードバースのCEOで、業界を長年眺めてきたgumi創業者の國光宏尚氏。このような価値観の変化も、メタバースの発展に影響しそうだ』、「あくまでリアルが主でバーチャルが従だったこれまでの価値観が薄れ、バーチャル上の個性や生活が主という時代が来るかもしれない」、「バーチャル上の個性や生活が主」というのは私には想像もつかない。
・『個人が「稼げる」新しい仕組み  3点目で最も大きい変化が、ユーザーや企業が「稼げる」機会の拡大だ。セカンドライフの時代には、インターネット上で決済すること自体がまだ一般消費者層まで定着していなかった。が、EC(ネット通販)やサブスクリプションサービスの普及で、スマホやPCでデジタルにお金を払うことは日常化した。 加えて、メタバースを取り巻く経済圏をさらに強力にするのがNFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)だ。これまでは”コピー上等”だったネットの世界に、「本物・偽物」「所有」「資産化」といった、フィジカルなものの価値を保証するのと同じ概念が根付き始めている。 【キーワード解説】NFT Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。「電子証明書」のようなもので、改ざんが難しいブロックチェーン技術を用いて、アートやゲームアイテムなどのデジタルデータに作者の情報などを記載。その作品が唯一無二のものであることを証明する。第三者への転売も可能で、売買金額の一定割合を原作者に還元するプログラムを書き込むこともできる。 実際、世界中の企業がメタバース上でのNFTビジネスに動き始めている。 アメリカのナイキはブロックチェーン技術を用いるバーチャルスニーカー販売の企業を2021年12月に買収。またアメリカでメキシコ料理チェーンを展開するチポトレは、メタバースプラットフォーム「ロブロックス」内に出店。リアル店舗でブリトーと引き換えられる限定コードを配布するなど、リアル・バーチャル横断の取り組みを行っている。 デジタル上の資産を個人でスムーズに売買できるシステムも整い始めた。例えば世界最大のNFTマーケットプレイス「オープンシー」では、ブロックチェーンゲームのアイテムやデジタルアートが、イーサリアムなどの暗号資産を用いて取引されている。 ブロックチェーンを使ったゲームなら、ゲーム内で創造した成果物などに金銭的価値をつけられる。「数年内にはメタバース内で家などを建ててNFTとして販売し、親より稼ぐようになる子どもが続出するだろう。人々はメタバースを通じて、学歴や資格などで決まってきたリアル世界のヒエラルキーから解放されるかもしれない」(サードバースの國光氏)。 リアル世界と遜色ないような稼ぎ口が発展すれば、そこで活躍したいと考える個人や企業がよりメタバースに集まりやすくなるだろう』、「「数年内にはメタバース内で家などを建ててNFTとして販売し、親より稼ぐようになる子どもが続出するだろう」、とあるが、「メタバース内で家など」を購入することにどういう意味があるのだろう。全く理解できない。
・『参入各社の「同床異夢」  セカンドライフ時代との技術や価値観の違いは、確かにありそうだ。ただ、メタバースがマスに定着するかを占ううえでは、拭えない懸念もある。 その1つは、デバイスやVR制作の技術が、かつてより進化したとはいえ未熟だという点だ。またそれらを使う側の企業も、技術の特性や現時点での限界を深く理解しないまま踏み込んでいるケースが少なくない。 法人向けにメタバース関連のコンサルティングや制作支援を行うSynamon(シナモン)の武井勇樹COO(最高執行責任者)は、「顧客企業のアイデアの中には、そのまま実装するとユーザーがVR内で酔ってしまうようなものもある」と話す。 「そういう場合には軌道修正を提案している。細かな調整を怠ると、せっかく時間とお金をかけて行ったイベントなのにユーザー離れを起こしてしまったり、VRそのものに”がっかり感”を持たれてしまう危険もある」(武井氏) もう1つの懸念は、業界内が決して”一枚岩”ではないという点だ。2021年12月には技術・サービスの普及などを目指す業界団体・日本メタバース協会が設立されたが、暗号資産系企業4社が音頭を取る組織構成に対し、業界内外から「当事者不在では」と疑問の声が上がった。 「メタバース=NFTではない。声の大きい人が『これがメタバースの定義だ』と言うと、(一般の理解が)その通りになってしまう。それは業界の健全な発展にとっていいことなのか」(メタバース関連企業幹部) 参入企業が急増しているだけに、メタバースで成し遂げたいビジネスがバラバラになるのはある程度仕方がない。互いの差異に折り合いをつけつつ協力関係を築けるかが、今後の業界発展のカギになるかもしれない』、技術革新が速い業界では、「業界内が決して”一枚岩”ではない」のはやむを得ないとしても、「一般」が理解できない対立は避けてほしいものだ。

第三に、1月18日付け東洋経済Plus「先駆者clusterが普及に自信を抱く合理的根拠 和製メタバースで「暮らす」「稼ぐ」人と企業の全容」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29476
・『コロナ禍が収束してもなお、メタバースの熱狂は収まらないのか。「バーチャル渋谷」で55万人の集客実績を持つベンチャーのCEOを直撃した。 2017年にリリースされたメタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」。スマートフォンやパソコン、ヘッドセット型のVRデバイスを通じ、バーチャル上で音楽ライブなどのイベントに参加したり、ユーザー自ら制作した空間で友人と遊んだりできる。運営主体はサービスと同名の国内ベンチャー、クラスターだ。 イベントや空間活用の支援を行う法人向け事業も展開し、コロナ禍のハロウィーンイベントに数日間で55万人を集めた渋谷区公認の「バーチャル渋谷」など実績は豊富だ。直近で公開している2020年のイベント数は1500件超と、前年の4.5倍だ。2021年はこれをさらに上回った。 クラスター内に「”住み着いている”人もいる」と表現する加藤直人CEO。ユーザーや企業は、クラスターをどう活用しているのか。急速に熱を帯びるメタバース市場で、どんな成長を描くのか。本人にじっくり聞いた(Qは聞き手の質問、Aは加藤氏の回答)』、興味深そうだ。
・『非リアルでもライブチケットは6000円  Q:2017年からサービスを展開する中で、メタバースに興味を持ったり、クラスターに案件を依頼してくる企業の数や属性に変化はありますか? A:最初はやはりエンタメ、とくに音楽ライブで使われることが多かった。 2018年ごろからバーチャルユーチューバーが流行し、彼らの活用法を見たリアルのアーティストもこの市場にやってくるようになった。ライブ需要は今も大きく、お客さんの側も、5000~6000円とか、リアルのライブと遜色ない価格のチケットを買って参加してくれている。 2020年からはコロナ禍に突入し、現実世界ではイベントと名のつくものが全部できなくなった。それらがクラスターに全部入ってきて、ピーク時は半年で1000件以上問い合わせがあった。2021年もイベント数はさらに増え、売り上げは2020年の倍になっている。 最近の傾向としては、エンタメとは別の需要が勃興している。企業が顧客向けに行うカンファレンスや全社会議、内定者研修など、厳かな雰囲気のイベントだ。 Q:こうした法人需要は、コロナ禍の収束後も残るでしょうか。 A:そう思う。なぜなら、リアル開催より圧倒的にコストが安いから。店舗や支店を多く持つ大企業だと、全社会議を行うのに膨大な交通費や宿泊費、会場費がかかる。ビデオ会議を使うケースも多いが、参加者が50~100人を超えてくると、どうしても虚空に向かって話している感じが否めず一体感が出ない。 バーチャル空間で開催すると、お互いのアバターが見えるし、反応も見えるし、集まっている感じがある。空間内で、小さいグループになってしゃべることもできる。こうした利便性から、導入企業の中にはリピーターも多い。 (加藤氏の略歴はリンク先参照) これらの利点はエンタメ系のイベントにも通じる。なんのためにイベントをやるかというと、IP(キャラクターなどの知的財産)の価値向上、つまりもっとファンになってもらうため。公式サイトでの情報発信などで足りない部分を、これまではリアルイベントが担っていた。 でもそれはそれで、運営などのコストが大きい。にもかかわらず、開催地の近郊の人しか来られない。バーチャルなら全国、全世界から人を集めて熱量の高いイベントを行えるし、物理的には実現しにくいギミック(仕掛け)を入れ込むこともできる』、「最近の傾向としては、エンタメとは別の需要が勃興している。企業が顧客向けに行うカンファレンスや全社会議、内定者研修など、厳かな雰囲気のイベントだ」、「大企業だと、全社会議を行うのに膨大な交通費や宿泊費、会場費がかかる。ビデオ会議を使うケースも多いが、参加者が50~100人を超えてくると、どうしても虚空に向かって話している感じが否めず一体感が出ない。 バーチャル空間で開催すると、お互いのアバターが見えるし、反応も見えるし、集まっている感じがある。空間内で、小さいグループになってしゃべることもできる。こうした利便性から、導入企業の中にはリピーターも多い」、なるほど。
・『空間が民主化されてこそメタバース  Q:急激に勃興してきただけに、「メタバース」そのものの定義はまだあやふやな面もあります。加藤さんはどう考えますか。 A:最も重要な要素は、個人のクリエーターが空間作りに参加していること。1社が全部デザインして作った世界じゃなくて、そこにやってきたクリエーターたちの創造物で構成されている世界だ。 われわれも3DCG(コンピューターグラフィックス)を作れるキットを提供していて、開始から約1年で5000以上の創造物がアップロードされた。ユーザーはカフェを作って”飲み会”を開催したり、競馬場を作ってゲームに興じたりしている。1日10時間以上滞在するなど、ここに”住み着いている”人々もいる。 今までだって3D空間で遊ぶオンラインゲームはあったけど、空間が民主化されていて、クリエーターによって提供事業者側とは全然発想の違う物がばんばん出てくる、そういうものこそがメタバースだと思っている。 Q:2000年代にも「セカンドライフ」登場によるメタバースブームがありましたが、あっという間に廃れました。今回は何が違うのでしょうか。 まず、一般消費者の参加ハードルがめちゃくちゃ下がった。当時はそこそこ優秀なパソコンを持っていないと入れなかったので、大衆化へのキャズム(溝)を超えられなかった。それが今は、スマホで3Dがぐりぐり動くようになった。クラスターにもパソコンなんて持っていないような女子高生や小学生が、自分のスマホや親のタブレット端末で遊びに来ている。 クリエイティブツールのハードルが下がったのも大きい。当時はアバターや空間を作るツールがこなれていなかった。ほかにも通信容量やチップの性能など、当時と大きく変わった部分はさまざまある。 もう一つ重要なのが、メタバース上での消費が生まれるようになったこと。以前のブームも(バーチャル店舗を出す、マーケティングに活用するなどの形で)企業のお金は飛び交っていたけど、消費者のお金は流れ込んでいなかった』、「1日10時間以上滞在するなど、ここに”住み着いている”人々もいる」、比喩としても驚かされた。
・『エピックゲームズはもはやアパレル大手?  Q:確かに、デジタル上でお金を払うことは今や当たり前になりました。 A:EC(ネット通販)やデジタルコンテンツ課金の普及で、技術的にも心理的にもハードルが下がった。(メタバースの代表格でもある)エピックゲームズのフォートナイトでは、「スキン」(アバターのコスチューム)が年間30億~40億ドル売れていると言われている。ある意味、世界で最もたくさん服を売っているアパレル企業でもあるわけだ。 加えて、今後はプロが作った物だけでなく、個人クリエーターや、そういう自覚がないような一般の人の作品も消費の対象として台頭してくるだろう。動画の世界で、テレビ番組や映画だけでなくユーチューバーの作品が人気を集めるようになったのと同じだ。 クラスターはまだ、作ったゲームアイテムを売れるような仕組みを備えていないので、このあたりは今後増強していく。世界的にもそこが焦点になるかなと思う。一部のメタバースプラットフォームにはそういう機能が実装されているが、より簡単で便利なサービスを作れるかの勝負はこれからだ。 Q:メタバース上での消費拡大について展望するとき、NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)とセットで語られることが多いですね。 A:NFTはまた別で成長している概念で、メタバースの発展に必要不可欠かというとそうではない。もちろん絡む部分はある。ただ今のところ、NFT界隈の人々とバーチャル世界に”暮らす”人々、それぞれにコミュニティがあって、まだクロスしていない印象だ。 まずは今あるデジタル課金の仕組みで、メタバース上の消費が十分盛り上がっていくのではないか。フォートナイトでのスキンのバカ売れもこの文脈だ。 「NFTあってのメタバースだ!」と主張するのは、事業上、NFTを売りたい人たちなんだろう。かといって「メタバースにNFTは絶対必要ない!」という主張も、あまりに原理主義的だなと感じる。クラスターにもNFTとして購入したアバターで入ってくる人が増えた。メタバース×NFTの面白い体験が、今後いっぱい出てくるはずだ』、私には理解不能な世界だが、「NFT界隈の人々とバーチャル世界に”暮らす”人々」、とも「まだクロスしていない印象だ」。「今あるデジタル課金の仕組みで、メタバース上の消費が十分盛り上がっていくのではないか」、なるほど。
タグ:「デジタルな作品の場合は、オリジナルとコピーに違いは何もない。違いは、創作者が認めた正当な取引を通じて手に入れたというだけのこと」、見分けは確かに困難だ。 「NFTを用いたデジタル創作物の取引は、現実の世界ですでに行なわれている」、「ブロックチェーン技術を活用」することで、多重譲渡を防止する歯止めになるのだろうか。 「メタバース計画に参入」は確かにすごいブームだ。 野口 悠紀雄氏による「メタバースが「デジタル創作物」のマーケットを作りだそうとしている NFT=非代替性トークンの威力とは」 (その1)(メタバースが「デジタル創作物」のマーケットを作りだそうとしている NFT=非代替性トークンの威力とは、「セカンドライフ」の二の舞は避けられるのか メタバース沸騰が「過去のブーム」とまるで違う点、先駆者clusterが普及に自信を抱く合理的根拠 和製メタバースで「暮らす」「稼ぐ」人と企業の全容) メタバース(仮想空間) 「デジタルアーツの価格はバブルであると言える」、やはりそうかというのが正直な感想だ。 まだ発展途上の技術に対しては、法規制の適用は慎重であるべきだ。 現代ビジネス 東洋経済Plus「「セカンドライフ」の二の舞は避けられるのか メタバース沸騰が「過去のブーム」とまるで違う点」 「あくまでリアルが主でバーチャルが従だったこれまでの価値観が薄れ、バーチャル上の個性や生活が主という時代が来るかもしれない」、「バーチャル上の個性や生活が主」というのは私には想像もつかない。 「「数年内にはメタバース内で家などを建ててNFTとして販売し、親より稼ぐようになる子どもが続出するだろう」、とあるが、「メタバース内で家など」を購入することにどういう意味があるのだろう。全く理解できない。 技術革新が速い業界では、「業界内が決して”一枚岩”ではない」のはやむを得ないとしても、「一般」が理解できない対立は避けてほしいものだ。 東洋経済Plus「先駆者clusterが普及に自信を抱く合理的根拠 和製メタバースで「暮らす」「稼ぐ」人と企業の全容」 「最近の傾向としては、エンタメとは別の需要が勃興している。企業が顧客向けに行うカンファレンスや全社会議、内定者研修など、厳かな雰囲気のイベントだ」、「大企業だと、全社会議を行うのに膨大な交通費や宿泊費、会場費がかかる。ビデオ会議を使うケースも多いが、参加者が50~100人を超えてくると、どうしても虚空に向かって話している感じが否めず一体感が出ない。 バーチャル空間で開催すると、お互いのアバターが見えるし、反応も見えるし、集まっている感じがある。空間内で、小さいグループになってしゃべることもできる。こうした 「1日10時間以上滞在するなど、ここに”住み着いている”人々もいる」、比喩としても驚かされた。 私には理解不能な世界だが、「NFT界隈の人々とバーチャル世界に”暮らす”人々」、とも「まだクロスしていない印象だ」。「今あるデジタル課金の仕組みで、メタバース上の消費が十分盛り上がっていくのではないか」、なるほど。
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