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日本の政治情勢(その59)(日本3位「国会議員の報酬」世界30カ国ランキング 年収は軽く3000万円超、居眠りしている場合?、「このままでは維新にこてんぱんにやられる」菅直人元首相 突如の"ヒトラー投稿"の真相 次は出馬しないから怖いものはない、なぜ同級生の菅君は「新しい菅直人」になれなかったのか 残念だった「ヒットラー」投稿) [国内政治]

日本の政治情勢については、昨年12月6日に取上げた。今日は、(その59)(日本3位「国会議員の報酬」世界30カ国ランキング 年収は軽く3000万円超、居眠りしている場合?、「このままでは維新にこてんぱんにやられる」菅直人元首相 突如の"ヒトラー投稿"の真相 次は出馬しないから怖いものはない、なぜ同級生の菅君は「新しい菅直人」になれなかったのか 残念だった「ヒットラー」投稿)である。

先ずは、本年1月17日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・明治大学客員研究員の尾藤 克之氏による「日本3位「国会議員の報酬」世界30カ国ランキング 年収は軽く3000万円超、居眠りしている場合?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/503079
・『第208回通常国会が1月17日に召集されます。本格論戦が期待された昨年末の臨時国会では、月額100万円の「文書通信交通滞在費」の問題が浮上し与野党ともに見直しを主張していました。しかし、与野党間で折り合いがつかず結局は法改正は見送られることに。有権者からは「身を切る改革はどうなった」「経費削減はどうしたのか」など批判的な意見が目立っています』、興味深そうだ。
・『各党は議員報酬に切り込めるのか  2021年10月31日の衆議院選挙後に「満額」が振り込まれたことにより「文書通信交通滞在費」を巡る問題は、連日メディアで報道されました。その後は、与野党ともに「日割り」にするだけで決着をつけようとする姿勢が強く見受けられます。 「文書通信交通滞在費」の問題は日割りではなく「報告・領収書提出義務」がないことです。使途の公開義務まで議論が進まなければ何ら意味はありません。 現在、新型コロナウイルスの感染拡大による国民生活への影響を踏まえて、国会議員の歳費(給与)は2割削減されています。改正歳費法による期間は2022年7月末とされています。しかし、月額129万4000円の歳費から25万8800円が減額されたにすぎません。 年間支給額は約1200万円以上、年2回の賞与(年間約600万円)、先送りされた文通費は年間1200万円、立法事務費は780万円などを加算すると軽く3000万円は超えて4000万円に届く金額になります。 新幹線のグリーン車を含めたJR線はすべて無料、航空券も月に4往復分が無料になります。政党からの支給、役職に応じて黒塗りの車もあてがわれます。さらに、秘書3人を雇用することができ、これにかかる費用も国から支給されます。秘書給与に関する費用は年間2000万~3000万円ともいわれています。 議員会館の賃料は無料、議員宿舎には格安で居住することができます。2014年に賃料引き上げをおこないましたが、周辺相場の2割程度で借りることができます。24時間体制の警備がほどこされセキュリティは万全です。部屋から緊急通報のボタンを押せば数分でスタッフが駆けつけます。) 国会中継を見ていると、居眠りしている議員も少なくありません。夢心地の間にお金を稼ぐことができる仕事はほかにはないでしょう。そのため、議員報酬のあり方や経費のつかい方に違和感を覚える人が多いのです。 また、日本の国会議員は世界最高水準の歳費を受け取っていると言われています。世界的にどの程度のランクにあるのでしょうか。 世界議員報酬ランキング(議員報酬ランキング30位は次のとおりです。イギリスのLOVEMONEY.COM の調査「This is what politicians get paid around the world」を参照しています。調査時期(2019年)は1ドル=110円であることから同水準で算出しています。 1位シンガポール88万8428ドル(約9772万円) シンガポールの議員報酬は世界最高水準です。批判にさらされることもありますが、政治家は政治の質を維持するために必要だと弁明しています。 2位 ナイジェリア48万0000ドル(約5280万円) ナイジェリアの議員報酬も世界最高水準といえます。シンガポールと異なる点は、国民の多くが2ドル/日で生活している点です。 3位 日本27万4000ドル(約3014万円) 改正国会議員歳費法が適用されて2割がカットされていますがそれでも高い水準です。各種手当を含めると世界1位の水準になります。 4位ニュージーランド19万6300ドル(2159万円) 2021年から、アーダーン首相は、全閣僚、官庁の責任者の給与を2割削減しています。それでも、議員報酬は高水準です。 5位 アメリカ17万4000ドル(1914万円) 上院議員、下院議員ともに同額です。しかし、2010年以降、下院議員は昇給に反対票を投じていることから2009年以降も給与水準はかわっていません。 6位オーストラリア14万1300ドル(1554万円) オーストラリアの議員報酬は2016年以降、毎年2%上昇しています。ジチュヒ上院議員はテレビ番組で報酬を高いと思わないと主張し物議を醸したことがあります。 7位 イタリア14万3352ドル(1576万円) 欧州でもっとも議員報酬が高額な国として知られていましたが、2018年に、反体制派のポピュリスト党である5つ星(※)が政治家の年金を標的にして勝利しました。(※)五つ星は、2009年10月に人気コメディアンのジュゼッペ・ピエーロ・グリッロと、企業家・政治運動家のジャンロベルト・カザレッジョによって結党された。 8位 ドイツ13万3279ドル(1466万円) 欧州ではイタリアに続く2位の高額議員報酬です。個人で秘書を雇った場合はその人件費として最大23万9000ユーロ(約3100万円)が支払われます。 9位 カナダ13万0710ドル(1437万円) 上院議員、下院議員ともに同額。上院議員は総理大臣の推薦により任命されます。下院議会議員は、4 年に1度行われる連邦選挙の際に一般市民から選出されます。 10位オーストリア11万7903ドル(1296万円) 欧州では、イタリア、ドイツにつぎ議員報酬が高額です。オーストリアの平均年収は約558万円で議員は国民平均の2.8倍の報酬を得ています。) ~11位以降は国名と金額を記載します~ 11位ノルウェー10万8907ドル(1197万円) 12位アイルランド10万6389ドル(1170万円) 13位オランダ10万4076ドル(1540万円) 14位イギリス10万2364ドル(1126万円) 15位デンマーク10万0587ドル(1106万円) 16位フランス9万8647ドル(1085万円) 17位ベルギー9万7549ドル(1073万円) 18位ロシア9万3330ドル(1026万円) 19位フィンランド8万9317ドル(982万円) 20位スウェーデン8万6556ドル(952万円) 21位南アフリカ7万5280ドル(828万円) 22位ケニア7万3200ドル(805万円) 23位スイス6万6000ドル(726万円) 24位ポルトガル5万5455ドル(610万円) 25位スペイン3万7965ドル(417万円) 26位トルコ3万3630ドル(369万円) 27位ポーランド3万1480ドル(346万円) 28位チェコ3万0884ドル(339万円) 29位ハンガリー2万8000ドル(308万円) 30位中国2万2000ドル(242万円) このランキングでは議員に支払われるものを議員報酬と定義しています。日本の基準(月額歳費+賞与+文通費)にならいました。たとえば、立法事務費780万円は個人ではなく政党に支払われるものですから除外しています』、「 日本は27万4000ドル(約3014万円)で3位」だが、「各種手当を含めると世界1位の水準になります」。IMFによれば2020年の1人当たりGDPは、40,089ドルで24位であるのに比べ、「議員報酬」の高さが目立っている。
・『お手本にしたいイギリスの仕組み  日本はイギリスと同じ議院内閣制ですがウェストミンスター・システムとも呼ばれるイギリスの政治形態は参考になります。上院は貴族院と呼ばれ世襲によって構成されてきましたが現在は大幅に削減され無報酬を踏襲しています。議員は名誉職の位置づけて資産があるため無報酬なのです。 下院は基本給に手当が加わりますが、各議員が実費精算することから内容が異なります。議員1人ひとりの手当や使いみちは詳細に公開され、誰でも閲覧できるようになっています。 過去には、イギリスでも議員の出費が不透明だった時代がありました。2009年に多くの不適切な経費請求が相次いで発覚します。イギリスの新聞、デーリー・テレグラフは、全国の646人の議員のうち、200人以上の不適切な経費請求を明らかにします。議員は国民から強い反発を受けました。 その後、ルールが厳格化され、現在ではすべて公開が義務付けられています。議員がどのように税金を使っているのか厳しく問われるようになりました。 議員は国の代表ですから、相応の報酬があることは然るべきと考えます。しかし、それは国民の血税です。税金によって支払われる以上、議員の仕事に見合うかどうかを国民1人ひとりが注視して吟味すべきではありませんか。日本で、報酬の使いみちがガラス張りになる時代はやってくるのでしょうか』、「日本」でも「議員」への諸手当を含んだ「報酬」の徹底的な開示義務を強化すべきだ。

次に、 2月6日付けPRESIDENT Onlineが掲載した作家の中川 右介氏による「「このままでは維新にこてんぱんにやられる」菅直人元首相、突如の"ヒトラー投稿"の真相 次は出馬しないから怖いものはない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/54367
・『最近ではめったに政治ニュースでも見かけなくなった「菅直人」の3文字が、1月20日前後から、ネット上をにぎわせている。いったい、菅直人元総理は何を始めたのか。菅氏の『原発事故10年目の真実』(幻冬舎)『民主党政権 未完の日本改革』(ちくま新書)などの編集に携わり、40年にわたる親交のある、作家・編集者の中川右介氏が、最近の動向についてリポートする――』、興味深そうだ。
・『最初はそれほど話題になっていなかった  始まりは、1月21日午前11時45分、菅直人元総理(以下敬称略)がツイッターにこう書いたことである(以下、ツイートは正確を期すため、それぞれ全文をそのまま引用する)。 【橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。】 21日時点では、それほど話題になっていなかった。 だが、維新側が過剰な反応を示したために、多くの人が知ることになった。 松井一郎代表のツイッター上でのこの問題への最初の投稿は22日午後6時03分で 【元総理であり現在も立憲の最高顧問の菅さん、貴方何を言ってるか? 解ってるんですか! 民間人と我々をヒットラー呼ばわりとは、誹謗中傷を超えて侮辱ですよね。 立憲は敵と思えばなんでもありという事ですか? 正式に抗議致します。】 一方、名前を出された橋下徹は、23日午後0時57分に 【ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度。こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者。まあ今回は弁舌の巧みさということでお褒めの言葉と受けっておくが。それよりも強い野党を本気で作る気があるなら、大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき。】(原文ママ) と、問題にはするが、撤回や謝罪を求めることはしていない。この問題を大きくしたくない様子だった』、「橋下徹」の反応は大人らしい。
・『「謝罪するつもりはない」大騒動へ…  これらを受けて、ツイッター上では、維新も民主党政権を「ヒトラー以上」と言ったことなどが指摘される。 菅直人の発言は国際的にも問題はないとの声も多く寄せられた。 菅直人はそこまで計算していたわけではなさそうだが、「維新」を問題のある政党だと可視化することになった。菅直人はこの要求に対し、「謝罪するつもりはない」「維新と闘う」と書いて、大騒動となっていく。 24日夜には「#菅直人元首相を支持します」のハッシュタグが登場し、これを付けたツイートは25日昼には3万を超え、トレンドのトップになっていた。 菅直人はこれを受けて、25日午後0時55分に、 【私の維新に関するツイッターに、非常に多くの人から応援のハッシュタグが送られて来ています。応援ありがとう。】とツイートした。たちまち、これへの激励のツイートが寄せられた』、なるほど。
・『なぜ維新批判を始めたのか  維新も黙っていない。26日には馬場伸幸共同代表名義の、立憲民主党の泉健太宛ての抗議文が党本部に届けられた。これに対し、菅直人は同日17時58分に 【私の21日のツイッターに関し、維新から立憲の泉代表に抗議文が届けられた。ツイッターは党の指示ではなく私の一存で発した、私の感想を述べたもの。維新からは私には直接何も言ってきていない。私のツイッターに抗議するなら私にするべき。いずれにしても的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない。】 さらに27日午後8時11分には 【闘うリベラル派宣言 維新との闘いで、リベラル派は軟弱と見られていると痛感。私は改めて「闘う(たたかう)リベラル」であることを宣言する。私は学生時代からのリベラル派。ゲバ棒を持った対立グループに取り囲まれたが、要求された自己批判は断固拒否した。今回の維新の脅しは私には通用しない。】 菅直人は、なぜ、維新批判を始め、維新と闘う姿勢を明確にしたのだろうか。 昨年10月の総選挙で、菅直人は東京18区で勝ち、14回目の当選を果たした。 12月に支持者へ向けた報告会が開かれ、その場で菅は、次の総選挙には立候補しないことを明らかにした。75歳という後期高齢者になったことが最大の理由だろう。 今期限りとなれば、誰もが「後継者は?」と思う。現在、菅直人の長男・源太郎は政策秘書を務めている。彼はこれまでに2回、岡山の選挙区から立候補して落選しているので、「議員になる気」はありそうだと思われても仕方がない。 普通なら、いよいよ息子に譲ろうとなるが、「世襲」批判をしてきたので、そういうわけにはいかない。 その報告会の場で、源太郎が後継者として東京18区から立候補することもないと、明言した。 政治家が引退を決めて表明するのは、ほとんどの場合、選挙の直前である。当選した直後に、「もう次は出ない」と宣言するのは珍しい』、「源太郎が後継者として東京18区から立候補することもないと、明言」、いさぎよいが、早目の「引退」表明の狙いは何なのだろう。
・『怖いものがなくなった  「今期限り」と決めたことで、菅直人は「怖いもの」がなくなった。政治家にとって最も怖いのは「落選」だ。もう選挙に出ないのだから、落選しようがない。 ふっきれたように、「残り2年か3年かわからないが、完全燃焼しよう」と、そういう気分に満ちていた。 2011年に総理を辞めたときも、そうだった。「何年かたてば、また、菅さんに総理を、となる時がきますよ」という半ば社交辞令的なことを言われても、「もう総理大臣はやりません」と明言していた。 そして、「総理を目指さないと決めたからこそ、『原発ゼロ』を堂々と言える」とも言っていた。この先、総理大臣になれるかもしれない若い政治家は、さまざまなところから圧力がかかると思うと、なかなか言えないものらしい。 それは原発に限らない。本当に若い時はずけずけと言いたいことを言っていた政治家が、ベテランになり、内閣や党の要職に就いて総理大臣の椅子が見えてくると、慎重になる例をいくつも見ている。 だが、菅直人はそういう未来を放棄したので、「原発ゼロ」を堂々と言えた。電力会社の労働組合から支援できないと言われても、臆さなかった。 今回は、もう選挙に出ないと決めたので、さらに自由になったのだ』、「もう選挙に出ないと決めたので、さらに自由になった」、なるほど。
・『立憲民主党の敗因を分析した結果…  当選報告会では、やり遂げたい政治課題として、脱原発・再生可能エネルギーの普及と、大学生の奨学金問題を挙げていた。選挙中もこの2点を訴えていた。 だが、年が明けると、「維新との対決」が浮上した。 昨年の総選挙で、菅直人は小選挙区で勝てたが、立憲民主党全体は負けた。なかでも、大阪の辻元清美の落選は菅直人にとってもショックだったようだ。 菅直人は、自分の勝因と辻元の敗因、そして党全体の敗因を分析した。 その結果、「闘う」姿勢の有無が勝敗を分けたのではないかと思い当たったのだ。 菅直人の選挙区、東京18区での対立候補は自民党の長島昭久だったが、もとは民主党にいて、しかも菅の中選挙区時代の選挙区から、菅の全面支援のもと当選した人だ。 選対内では、長島批判はすべきではないとの声もあった。「元総理なんだから、どっしりと構えていればいい」「ネガティブキャンペーンは日本では効果がない」などの意見もあった。 しかし、菅は長島と闘う姿勢を見せることでしか選挙には勝てないと判断し、演説の1割くらいは長島の政治姿勢を問うた。 それだけが勝因ではないだろうが、小選挙区で勝った』、「自民党」に寝返った「長島昭久」を批判するのは当然だ。
・『次の総選挙でこてんぱんにやられる  一般に、「リベラル」な人びとは闘いを好まない。相手の意見も聞こうとする。なんとか対話で一致点を見いだそうとする。まして暴力は使わない。 それはそれでいい。だが、そのために、右翼的な人びとからの攻撃に対しては沈黙するしかなくなる。沈黙は美徳ではあるが、政治の場では負けてしまう。 相手を罵詈ばり雑言して勝った人たちは、敗者に容赦なく罵詈雑言を浴びせる。立ち直れなくするために。 民主党政権が終わってから、どうもそういう風潮が強まっていた。 今回の選挙での維新の躍進を見て、菅直人はこのままでは次の総選挙で、立憲民主党はこてんぱんにやられると直感した。自民党を倒す前に、立憲民主党が維新に倒される。 もちろん、大きな敵として自民党は存在するが、与党なのか野党なのか曖昧な、維新の会こそが当面の敵ではないかと考えた。 次の選挙に出ないと決めたことで怖いものはなくなったが、一方で、残された時間は短い。悔いのない議員生活としなければならない。 立憲民主党の他の議員がやりにくい、維新との闘いを決断した。それが自分の役割ではないかと考えた』、「リベラル」な人びとは闘いを好まない」、には違和感がある。むしろ逆なのではなかろうか。
・『戦後、最も重い決断を迫られた総理  1月19日、菅直人はツイッターで 【「維新」と戦う立憲有志の会の準備をしている。「身を切る改革」をスローガンに支持を伸ばした維新。しかし大坂都構想が「身を切る改革」とは思えない。かつて東京都の23区の区長は任命制であった。それを公選制にして23区が行政区から自治体になった。大阪都構想はその逆をやろうとした失敗した。】(原文ママ) と書いた。いわゆる「ヒトラー投稿」はこの2日後だ。 菅直人はいわゆる「団塊の世代」「全共闘世代」である。自身はセクトには入らなかったが、学生運動はしていたので、セクトとは対峙たいじした。万一、襲撃された時に備え、かまぼこの板とマンガ雑誌で作った防護服を服の下に着て大学へ通っていた。実際、ゲバ棒を持つセクトに取り囲まれたこともあった。 けがや、場合によっては死が、リアルに身近にあったのだ。 さらに3.11では、首都圏を含めた東日本が放射能に汚染される事態を想定し、決断を迫られている。 口では「国のために命をかける覚悟」などと勇ましいことを言う政治家がいるが、戦後、自衛隊や警察・消防をはじめとする公務員に対し、命の危険があると分かっていて現地へ行くよう指示したのは、菅直人だけだ。自衛隊の海外派遣は、建前上は安全な所にいくことになっているが、菅直人は暴走している原発へ行けと指示せざるをえない事態に向き合い、最も重い決断をした。 しかし、それを自慢することはない』、「自身はセクトには入らなかったが、学生運動はしていたので、セクトとは対峙たいじした」、ノンセクト・ラジカルと呼ばれた。「暴走している原発へ行けと指示せざるをえない事態に向き合い、最も重い決断をした。 しかし、それを自慢することはない」、政治家には珍しく大したものだ。
・『維新とは「討論」にならない  27日の「闘うリベラル宣言」の翌日、菅直人に会う機会があったが、「宣戦布告をしたからな」と意気軒昂であった。 維新とは、「公開討論」をしても「討論」にならないと判断している。質問してもはぐらかし、切り返し、まともな議論にならないと踏んでいる。 実際、菅直人が維新の政策にある100兆円規模のベーシックインカムについて財政的に実現可能なのか問うと、音喜多駿議員は説明せず、「公開討論会をやりましょう」と言うだけだ。菅直人はそれに応じる気はない。 いまのところ、維新に対する研究をして、そこでの疑問をツイッターに書き、可視化していく戦術をとるようだ。 また今回の騒動で、菅直人の維新に対する姿勢に賛同している議員も出ているので、連携をとっていくだろう。 2月1日に維新の会共同代表の馬場伸幸が抗議文を持ってやって来ると、同日15時04分、菅直人はこう報告する。 【維新の馬場代表が昼過ぎ、マスコミを連れて私の部屋を訪問。私は馬場氏に橋下氏と維新の関係を尋ねた。馬場氏は橋下氏は維新の創業者だが現在は全く無関係と答えた。その上で橋下氏の発言への私のツイッターに対し抗議。しかし、党と無関係な橋下氏の件で、維新の代表が抗議するのは理解できない。】 敵を知らなければ闘えない。 まだ研究不足・認識不足なのは否定できず、1月19日のツイートでは、大阪都構想についても細かい点では間違った内容を書き、大阪市長と大阪府知事を間違えたこともあった。 馬場共同代表からも「大阪のことを勉強してくれ」と指摘され、「いま一生懸命勉強してます」と答えていたように、本を読んだり詳しい人から聞いたりして、勉強し、その過程もツイッターに書いている。 「俺は何でも知っている」と威張らないのも、いかにも菅直人らしい。 ツイッターでは揶揄するコメントもあるが、元総理でありながらまったく偉ぶらないのが、菅直人なのだ。 馬場代表が帰った後、維新について詳しい、れいわ新選組の大石あきこ議員と会い、情報交換をしている。 大石は同日19時59分にツイッターに 【マスコミ連れてアポ無し凸撃とか、ヤバいですね馬場議員。菅直人議員は毅然と対応されたようですが。強アルカリ浴びたあと強酸で中和したかったのか、なんと先ほど菅直人さん、大石あきこを同じ場所に招いてくれました】と書いている。 闘いは始まったばかりだ』、維新を完膚なきまでに叩きのめしてくれんことを期待している。

第三に、2月9日付けYahooニュースが転載したThe PAGE「なぜ同級生の菅君は「新しい菅直人」になれなかったのか 残念だった「ヒットラー」投稿」を紹介しよう。
・『菅直人元総理が日本維新の会に関連し「ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」とTwitterに投稿した件が物議を醸しています。建築家で、文化論に関する多数の著書で知られる名古屋工業大学名誉教授・若山滋氏は、同級生で、旧知の仲である菅元総理の投稿をどのように受け止めたのでしょうか』、「同級生で、旧知の」友人の見方とは興味深い。
・『バークレイで感じた民族の恨み  カリフォルニア大学バークレイ校で客員研究員をしていたとき、単身赴任だったので、ロックフェラーが創設したインターナショナルハウスに入っていた。 「アイハウス」と呼ばれ、ニューヨークにも同じものがあるから、世話になった日本人は多いはずだ。留学生のための施設であるが研究者も多く、特にこのときはベルリンの壁が崩壊したあとで、東欧の学者が流れてきていた。僕は年の近い彼らとチェスの仲間をつくっていたが、あるコンピューターサイエンスの専門家は、他の専門家から天才といわれ、教授からも一目置かれ、研究奨学金を申請すれば必ずもらえるので、まったく就職する気がなかった。 アイハウスは三食つきだ。大きな食堂で、友人同士で集まって食べる。僕はよく議論をしかけるので「おまえはプロボウカティブ(挑発的)だ」といわれていた。ある議論で、ナチのホロコーストを話題にしたのだが、仲良くしていたポーランド人の比較文学者は「シゲル、どんな文脈でもヒトラーを例えに使うのはやめろ」と注意してくれた。彼はポーランド語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、英語に堪能で、博士論文はフランス語と英語で書いていた。比較文化と文学の中の建築記述を研究していた僕とウマが合ったのだが、実はユダヤ系で、ポーランドにはナチに協力したユダヤ人もいてきわめて複雑なのだ。また東欧からアメリカに渡った学者たちはスターリンに対して似たような感情をもっていたし、オーストラリアからの学者は第一次世界大戦におけるガリポリの戦いで英国の指揮官がオーストラリア兵を無駄死にさせたことに対する恨みを口にした。 日本人はこうした、歴史の底に塗り込められた「民族の恨み」にうとい。そしてその多様な恨みを才能もろともに受け入れているアメリカは懐が深い』、「どんな文脈でもヒトラーを例えに使うのはやめろ」、というのも「ポーランドにはナチに協力したユダヤ人もいてきわめて複雑なのだ」。
・『ボート仲間の青雲の志  こんな経験があったので、菅直人元総理の橋下徹氏と日本維新の会に対する「ヒットラーを思い起こす」 という投稿にはやや驚き哀しい思いがした。 というのも菅直人君とは少なからぬ縁があるからだ。高校と大学の同級生であり、大学入学後すぐの学園祭で、同じ高校出身のボート部員に誘われてフォア(4人)のクルーを組んだのだ。ボート部員がコックス(舵手)で、菅君、のちに南極越冬隊長を経験し国立極地研究所の所長になった藤井理行君、そして僕がオール仲間である。練習の過程で、酒も飲み、議論もし、麻雀もやった。まだそれぞれの専門が決まる前であったが、青雲の志だけは一致していた。 菅君が政治に興味をもっていることを感じたのは、永井陽之助先生の「政治学」の講義でよく質問していたからだ。大学紛争が起きると、彼は過激派学生と大学側のあいだに立つグループを立ち上げた。メガフォンを手にして熱心に演説する姿は不屈の闘志を感じさせ、思想と立場はともかく、僕はその行動力に胸を打たれた。 市民運動家として市川房枝さんを担いでから政治の世界にデビューし次第に頭角を現した。僕らは高校の同級生を中心に応援のグループをつくったが、なぜか当時の菅君とは逆に保守寄りの体育会系の友人が多かった。僕はテレビ朝日のスタッフと親しかったので「ニュースステーション」に出演して彼の活躍を褒めたたえる発言をした。厚生大臣になったときには祝賀会もやった。薬害エイズの問題では男を上げた。総理大臣になったとき、僕は名古屋のテレビ局でコメンテーターをしていたので、思いっきりエールを送った。中日新聞にも期待する趣旨の記事を書いた。与謝野馨氏を経済財政政策担当の内閣府特命担当大臣に一本釣りしたのも見事だった。そんな彼がなぜあんな投稿をしたのか』、確かにこの頃の「菅氏」は光輝いていた。
・『福島第一と巨大タンカー  菅内閣の支持率が下がりはじめてからしばらくして東日本大震災(2011年3月11日)が起きた。福島第一原子力発電所の事故では、原子炉に給水ができず、核爆発の危機にも直面したのだが、さまざまな手段によってなんとか免れた。しかし今度は放射性物質を含む水が海に流れ出すことが問題となった。 僕は汚染水処理にタンカーを使うことを思いついた。かつて株式会社IHI(旧石川島播磨重工)から、廃船になったタンカーの都市利用に関する委託研究を受けたことがあるからだ。日本では30万トン級の巨大タンカーが日常的に廃船されており、解体してスクラップするのにも金がかかる。これを建築として利用できないかというのである。名古屋港の一角に係留して、ホテルとショッピングセンターとレジャーランドを兼ねた設計図を描き、IHIとともに名古屋市に提案したことがある。 その経験からタンカーの構造をよく知っており、汚染水を溜め込むにはうってつけだと考え、IHIの技術者に電話して検討してもらった。何回かの電話のやりとりののち、双方で「行けそうだ」という結論に達したので、首相官邸に電話して秘書官に説明した。秘書官は乗り気になり「必ず上にあげます」と約束してくれた。2011年の3月26日から28日にかけてのことである。 3月30日の朝刊には一斉にこの話が掲載され、NHKはタンカーの模型までつくって解説した。発表者は枝野幸男官房長官(当時)であった。僕は官邸への電話のあと、ツテをつうじて原子炉をつくった東芝と現場に入っていた鹿島建設にも連絡したため、いくつかのルートでこの話が広がったのだが、朝日新聞は「首相官邸を中心に28日に浮上した」と報じた。これが正しいのだ。 結局この案は、タンカーの接岸と上部の遮蔽が難しいことから実現しなかった。 このとき僕は、官邸を実際に切りまわしているのは枝野長官だと感じた。菅総理は周囲を怒鳴りまくっているうちに浮いてしまったのだろうか。応用物理が専門で原子力に関する知識も豊富な彼は、陣頭指揮をとることによる支持率挽回を狙ったのだが、その熱心さがかえって裏目に出たようだ。混乱しているときに総理が被災地を視察することにも批判が多かった。 一方、福島第一の吉田昌郎所長(当時)も同じ大学の後輩でボート部だった。ボート部の友人から「東電に大酒飲みの豪傑の後輩がいるからよろしく」といわれ、その存在を知っていた。吉田所長は、首相官邸と東電本社が海水注入を躊躇したにもかかわらず自分の判断で注水を決断した。総理と社長の命令を無視するというのは簡単にできることではない。まさに豪傑だ。事前に予防措置をしなかったという批判もあるが、結局のところ命がけで日本を救ったのは、彼をはじめとする現場に残った人たちであり、自衛隊、消防隊の協力であり、国民は彼らに感謝すべきである。「病気と事故と直接の関係はない」とされているが、吉田昌郎君は本当に一命を捧げたのだ。 また東日本大震災全般に関して、義援金を送ってくれた国々(中でも台湾)の人々に感謝すべきである。そして一時は80キロ圏外に撤退しながらも「トモダチ作戦」に切り替えて被災地を支援した米軍の機動力は見習うべきである。東京電力本社、経済産業省、原子力安全委員会といった偉そうな連中は、いざというとき何の役にも立たなかった。菅総理に批判が集中したが、本当にダメだったのは日本の中枢組織そのものではないか。とはいえその責任を負うのも総理というものだ』、「本当にダメだったのは日本の中枢組織そのものではないか。とはいえその責任を負うのも総理というものだ」、その通りだ。
・『「新しい資本主義」の時代に「新しい菅直人」  震災のあと、菅君と社会の歯車が噛み合わなくなった。野党に戻ってから、与党の政策を批判するのは当然としても、それが相手を攻撃する悪口に聞こえるのである。今回の発言もそうだ。維新の会の躍進に対する危機感があったのだろう。 小選挙区で落選し比例で復活するようになってから、僕は菅君に「もはや第一線を退いたのだから、かつての三木武吉氏や野中広務氏のように、自分が表に立つのではなく裏方にまわり、他党との調整によって少しでも政策を実現する努力をするべきではないか」と進言した。保守vs革新の時代ではなく国家再生の時代に「新しい菅直人」として役を果たしたらどうかと思ったのだ。政治家としてのキャリアは十分だし、知名度もある。頭もいいし、意志も強く、行動力もあり、突破力もある。このままではもったいない。しかしそう簡単にも変われないようだ。党としての立場もあるだろう。 たとえば最近発行された亀井静香氏の『永田町動物園 日本をダメにした101人』(講談社)という本を読んでみると、政界の裏話を暴露しながらも、最後には他の政治家を誉めている。歯に衣着せぬ直言の裏に、相手に対する信頼と敬意が感じられる。亀井氏の情に厚い人間味が出ているのだ。菅君にこういった人間味を期待するのは無理だろうか。ヒトラーの例えは明らかに不適切だ。「言い過ぎ、書き過ぎ」は誰にでもあるのだから、訂正して「新しい資本主義」の時代の「新しい菅直人」になることを勧めたいが、残念ながら年齢的にも難しいだろう。 折から、橋下氏や亀井氏の盟友だった石原慎太郎氏が亡くなった。この三人は保守系の中でも抜群の論客で、彼らも言い過ぎ、書き過ぎは多い。しかしその政治姿勢に全面賛成ではなくても、その人間性に強い魅力があることを感じる。 今の保守の強みはそこではないか。日本の政治状況が、イデオロギー選択の時代からリーダーの人間味重視の時代に移ったということではないか。その人間味が、選挙区への利益誘導や冠婚葬祭への出席で示されるものならまさに古い政治だが、テレビやSNSから滲み出てくるものなら、形骸化したイデオロギーよりむしろ新しい政治であるのかもしれない。革新系野党はそのことに気づいていない。デジタル化が進めば進むほど、政治家の生の人間性が問われるような気がする。 「煙突のあるところ蔵前あり」といわれ「職工学校」とも揶揄された現場主義の大学から、珍しく政治家が出て、しかも内閣総理大臣にまで上り詰めたのは奇跡であった。残念だ』、「日本の政治状況が、イデオロギー選択の時代からリーダーの人間味重視の時代に移った」、「デジタル化が進めば進むほど、政治家の生の人間性が問われるような気がする」、面白い仮設だが、まだ検証不足の感も拭えない。「「職工学校」とも揶揄された現場主義の大学から、珍しく政治家が出て、しかも内閣総理大臣にまで上り詰めたのは奇跡であった」、同感である。
タグ:日本の政治情勢 (その59)(日本3位「国会議員の報酬」世界30カ国ランキング 年収は軽く3000万円超、居眠りしている場合?、「このままでは維新にこてんぱんにやられる」菅直人元首相 突如の"ヒトラー投稿"の真相 次は出馬しないから怖いものはない、なぜ同級生の菅君は「新しい菅直人」になれなかったのか 残念だった「ヒットラー」投稿) 東洋経済オンライン 尾藤 克之氏による「日本3位「国会議員の報酬」世界30カ国ランキング 年収は軽く3000万円超、居眠りしている場合?」 「 日本は27万4000ドル(約3014万円)で3位」だが、「各種手当を含めると世界1位の水準になります」。IMFによれば2020年の1人当たりGDPは、40,089ドルで24位であるのに比べ、「議員報酬」の高さが目立っている。 「日本」でも「議員」への諸手当を含んだ「報酬」の徹底的な開示義務を強化すべきだ。 PRESIDENT ONLINE 中川 右介氏による「「このままでは維新にこてんぱんにやられる」菅直人元首相、突如の"ヒトラー投稿"の真相 次は出馬しないから怖いものはない」 「橋下徹」の反応は大人らしい。 「源太郎が後継者として東京18区から立候補することもないと、明言」、いさぎよいが、早目の「引退」表明の狙いは何なのだろう。 「もう選挙に出ないと決めたので、さらに自由になった」、なるほど。 「自民党」に寝返った「長島昭久」を批判するのは当然だ。 「リベラル」な人びとは闘いを好まない」、には違和感がある。むしろ逆なのではなかろうか。 「自身はセクトには入らなかったが、学生運動はしていたので、セクトとは対峙たいじした」、ノンセクト・ラジカルと呼ばれた。「暴走している原発へ行けと指示せざるをえない事態に向き合い、最も重い決断をした。 しかし、それを自慢することはない」、政治家には珍しく大したものだ。 維新を完膚なきまでに叩きのめしてくれんことを期待している。 yahooニュース The PAGE「なぜ同級生の菅君は「新しい菅直人」になれなかったのか 残念だった「ヒットラー」投稿」 「同級生で、旧知の」友人の見方とは興味深い。 「どんな文脈でもヒトラーを例えに使うのはやめろ」、というのも「ポーランドにはナチに協力したユダヤ人もいてきわめて複雑なのだ」。 確かにこの頃の「菅氏」は光輝いていた。 「本当にダメだったのは日本の中枢組織そのものではないか。とはいえその責任を負うのも総理というものだ」、その通りだ。 「日本の政治状況が、イデオロギー選択の時代からリーダーの人間味重視の時代に移った」、「デジタル化が進めば進むほど、政治家の生の人間性が問われるような気がする」、面白い仮設だが、まだ検証不足の感も拭えない。「「職工学校」とも揶揄された現場主義の大学から、珍しく政治家が出て、しかも内閣総理大臣にまで上り詰めたのは奇跡であった」、同感である。
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