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GAFA(その6)(日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由 投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業、米マイクロソフトの巨大買収にみる、ザッカーバーグの「やられた感」、「巨大テック企業を取り締まる」が世界のコンセンサスになる日、グーグル日本元社長「日本からGAFAは生まれない」 「GAFAはインフラ 警戒しながらうまく使え」) [イノベーション]

GAFAについては、昨年9月11日に取上げた。今日は、(その6)(日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由 投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業、米マイクロソフトの巨大買収にみる、ザッカーバーグの「やられた感」、「巨大テック企業を取り締まる」が世界のコンセンサスになる日、グーグル日本元社長「日本からGAFAは生まれない」 「GAFAはインフラ 警戒しながらうまく使え」)である。

先ずは、本年1月6日付け東洋経済オンラインが掲載した京都大学大学院特任准教授の山本 康正氏による「日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由 投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/478994
・『GAFAの強さの秘密を明かし、その危険性を警告した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は日本だけで15万部のベストセラーになり、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019 総合第1位」「ビジネス書大賞2019 読者賞」の2冠を達成、日本にGAFAという言葉を定着させた。 その著者スコット・ギャロウェイ教授の最新作『GAFA next stage四騎士+Xの次なる支配戦略』がついに刊行され、発売3日で6万部のベストセラーになっている。本書では、コロナ禍でますます肥大化したGAFAと、この4社に匹敵する権威を持つようになる「+X」の巨大テック企業が再び、世界をどのように創り変えていくかを予言している。 本書を「コロナで起きた変化を再点検し、何をすべきか考える本として意味がある」と語るのが、日米のスタートアップに投資をし、京都大学大学院で教鞭をとる山本康正氏だ。「日本はビッグテックに『後回し』にされている」という危機感とともに、解説してもらった』、「日本にGAFAという言葉を定着させた。その著者」の新刊とは興味深そうだ。
・『日本は「後回し」にされている  『GAFA next stage』は、今のタイミングに出版されるからこそ意味があります。今後、コロナが収束した後、「元にもどるから安全だ」と考えるのではなく、この2年間で何が起きたのかを再点検し、それに対して何をすべきかを考えておかなければなりません。 本書には、パンデミックによって2カ月でeコマースの10年分の成長が起きたと書かれています。eコマースに限らず、似たような激変がさまざまな分野で起こっています。しかし日本の普通の大企業に勤めていると、怖いほど、この変化に気づくことができません。 それでも、その変化がソフトウェアの分野なら、すぐに日本にもやってきます。例えば時価総額20兆円超えと報道されるバイトダンスが運営する「TikTok」は、日本の10代の間ではフェイスブックよりも人気です。 同じように「Clubhouse」も、アメリカで流行して、少し低迷したもののドイツで火がつき、その2週間後には日本で大流行していました。海外との時差はほとんどありません。 しかしソフトフェア以外の分野では、日本への波及には時間がかかります。それはつまり、気づいたら海外から取り残されてしまうことを意味します。 かつては、国際市場では「日本を狙え」と言われていましたが、悲しいことに、日本はいま後回しです。それよりも、中国で売ったほうがいいということで、テスラも中国に工場を持っています。日本で購入すれば、おそらく中国の工場から運ばれてくるでしょう。日本は、優先的な市場ではなくなっているのです。 その理由の1つに、日本の規制があります。たとえばテスラの自動運転の機能などは、日本国内での認可については制限されているようです。あえて遅らせて、日本に入りづらくしているわけです』、「パンデミックによって2カ月でeコマースの10年分の成長が起きた」、そんなことが起きていたとは驚かされた。
・『やがて日本にもディスラプションの波はやってくる  しかし、これはただ参入が遅くなるというだけで、いずれ必ず日本にも進出してきます。そのときになって慌てるのではなく、いまから海外の情勢を見極め、先手を打っておiPhoneを思い出してください。初代の機種は2Gでした。あのときは、各国の2Gの仕様が統一されておらず、規格の合っている地域では、一気に初代機種が発売されていました。日本はその年には出ませんでしたが、3Gで世界共通化されたことで1年のタイムラグを経てやってきたわけです。 ただ、当初は「おサイフケータイ」などの機能がなく、充電も長持ちしないなど制約があり、ヒットにはなりましたが、爆発的に売れたのは3GSになって以降です。 要するに、規格の問題で参入タイミングが左右されています。向こうもそれがわかっていますから、「日本にはこのタイミングでこれを出そう」という計画をしています。 iPhone以前は、ガラケーが世界最先端でしたが、わずか3年でひっくり返されました。車については、買い替え年数が長く、スマートフォンより時間はかかりますが、それでも一巡したとき、それが本当に良いものであれば、一気に取って変わられます。 アメリカ自動車大手GMや日本のホンダが資本参加した自動運転ベンチャーのクルーズは実際、2021年11月の初めから、一部の従業員向けに自動運転での送迎を開始しています。法律上、運賃を徴収してロボットタクシーを走らせるということはできていません。従業員を無料で乗せて、サンフランシスコの街を走っているわけです。 つまり、自動運転は、できる、できないではなく、もうできている。あとは、浸透速度をどうするか、そして、法律など規制の問題です。GMクルーズは、2030年までに100万台を投入すると宣言しています。 アメリカでは今、そういったディスラプター(改革を目指す破壊的企業)が続々と生まれています。自分の業界もいずれ食われるかもしれないという危機感は持ったほうがいいでしょう。 保守的な規制が多いために、逆に損をして、危機に気がつけない。これは非常に怖いことです。「まだ来ないから大丈夫」と思っていたのでは、相手の思うツボでしょう。) では、具体的にどんな業界にディスラプションの波が押し寄せるのでしょうか。 『GAFA next stage』では、勃興するディスラプターとして、エアビーアンドビー、レモネード、ネットフリックス、ロビンフッド、スポティファイ、テスラ、ウーバーなどが紹介されています。 単純に投資のリターンを考えれば、そこまで大きくはない企業も出てきます。例えば、スポティファイはアップルミュージックなどの競合との競争激化から、株価の伸びでも顕著とは言えません。著者のスコット・ギャロウェイさんご本人が、ニューヨーク大学のマーケティング畑の方ですから、ブランドストーリーがしっかりとしていて、マーケティングに関して際立つ企業を並べたのかもしれません。 ここからは、私が投資家の視点で注目しているディスラプターをご紹介しましょう。いま盛り上がりを見せているのは、決済・フィンテックです。 私が注目している企業として、金融ディスラプターのストライプがあります。すごい勢いで成長している、とんでもない化け物企業です。ほかに、後払い決済のアファーム、バイナウペイレーターなども急激に伸びています。 これらのディスラプターによって、VISAやMASTERがやられるかもしれないという状況が見えてきていますから、「既存の巨人を倒す」という意味において、注目してよいでしょう』、「私が注目している企業として、金融ディスラプターのストライプがあります。すごい勢いで成長している、とんでもない化け物企業です。ほかに、後払い決済のアファーム、バイナウペイレーターなども急激に伸びています。 これらのディスラプターによって、VISAやMASTERがやられるかもしれないという状況が見えてきていますから、「既存の巨人を倒す」という意味において、注目してよいでしょう」、なるほど。
・『ハイブリッドでは無理、世界はEVへ  ほかにホットなテーマと言えば、エネルギーですね。 最近は、EVのリビアンの話題が大きくなっています。リビアンは、アマゾンが支援するアメリカで人気のピックアップトラックのEVメーカーとして、2021年11月に上場しました。いきなり時価総額8兆円、一時期は10兆円を超えて話題になりました。 トヨタが30兆円、ホンダで7兆円ほどですから、それに匹敵するものがいきなり登場するという、とんでもないことが起きたわけです。リビアンには、日本企業からは住友商事が投資していて先見性を窺うことができます。一方で、ある意味、バブルではないかと言われるほどの過熱を見せています。 脱炭素に関する話は、世界でも頻繁に語られていて、もはや「ハイブリッドでは無理だ」というのが海外におけるコンセンサスです。日本国内では、基幹産業への配慮をしなければならず、言えないところがあるようですが、海外では真っ向からEVです。 電動トラックはリビアンが出していますし、テスラも、2022~23年にはサイバートラックを出すようです。次のモビリティがどうなるのかという点は、いま最大テーマです。 モビリティとエネルギーについては、パイが大きいために期待も膨らんでいます。それもあって、テスラの時価総額は一時100兆円を超えました。 本書では、資本主義の過熱が起きていると指摘されていますが、これは実際に起きていると言えます。スタートアップ業界は、IPOラッシュですが、必ずしも投資リターンに厳しくない事業会社が上場直前のステージで投資をすることによって時価総額を上げており、本来ならば、まだ上場を待ったほうがいい段階でも上場してしまい、上場後に株価が低迷してしまうこともあります。 海外マーケットで頑張る日本企業としては、次世代型電動車椅子のウィルが挙げられます。 ただの車椅子と思いがちですが、例えば、メガネは「目が悪い人がかける」というものから、今は「かけてカッコよくなる、頭が良さそうに見せる」というイメージに変化しましたよね。この発想を狙ったものなのです。 日本よりも海外のほうが売り上げが大きいと推測されるため、時価総額ランキングなどのメディアにはあまり出てきませんが、まだまだ骨があると思います。あまり余計なマーケティングはせずに、プロダクトで勝負しており、彼らの車椅子は、アップルの発表会などにシレッと登場します。 本書にも、プロダクトがしっかりしていればマーケティングはいらないと書かれていますが、その路線です。 実は、それを一番やっているのは、テスラです。彼らは、広告費ゼロ。テスラ車が街を走っていることそのものが広告であり、販売代理店を外して、直営で販売する。ビジネスモデルとしては、いわゆるD2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)というもので、利益率が増加します。 ほかに、海外で頑張っている日本企業と言えば、スマートニュースです。海外では今のところ、積極的に攻めている日本企業の1つです。 他社にタダ乗りして、いろんな情報を吸い取るサービスはたくさんありますが、スマートニュースは、スローニュースという別のサービスも通じて本当に中立な情報や必要なもの、ジャーナリズムとは何かをきちんと考えています。いわゆる、パーパス経営をしているわけです。自分たちは何者であるのかを考えながらサービスを提供しているところに、まだまだこれからも伸びしろがあると感じます』、「プロダクトがしっかりしていればマーケティングはいらない・・・実は、それを一番やっているのは、テスラです。彼らは、広告費ゼロ。テスラ車が街を走っていることそのものが広告であり、販売代理店を外して、直営で販売する。ビジネスモデルとしては、いわゆるD2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)というもので、利益率が増加」、「次世代型電動車椅子のウィル」、「スマートニュースは、スローニュースという別のサービスも通じて本当に中立な情報や必要なもの、ジャーナリズムとは何かをきちんと考えています」、この2社も注目だ。
・『今後の世界を考えるための一冊  日本企業にいると、どうしても変化や危機に気づかなくなってしまいます。本書は、今の資本主義、現行制度について考え直したり、「こんなことがあった」と復習し、今後の社会の反応を考えるきっかけにするにはいい本だと思います。 ただ、ギャロウェイさんは投資家ではないので、本書を見てそのとおりに株を取引したら、大やけどを負うでしょう。 たとえば本書ではテスラについて非常に厳しい見方をしていますが、原著刊行後の2021年11月までに急激に株価が伸びました。もしも原著を信じて株をショート(売り持ち)していたら、大変なことになっていたはずです(笑)。技術の解説もあまり触れられないので、あくまで技術や投資ではなくマーケティングの人として言葉を聞かなければなりません。 この世代や、非技術畑の人はそう思い込みやすい、そういったストーリーが耳に心地よさそうなのだなという参考になります。その点には注意して読むことをおすすめします』、「本書は、今の資本主義、現行制度について考え直したり、「こんなことがあった」と復習し、今後の社会の反応を考えるきっかけにするにはいい本だと思います。 ただ、ギャロウェイさんは投資家ではないので、本書を見てそのとおりに株を取引したら、大やけどを負うでしょう」、欠点も正直に指摘しているので、安心して読めそうだ。

次に、1月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「米マイクロソフトの巨大買収にみる、ザッカーバーグの「やられた感」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/293912
・『マイクロソフトの巨大買収は世界一に返り咲くための戦略  めちゃくちゃ大きな経済ニュースが飛び込んできました。この記事を読み終えていただければ分かると思いますが「グーグルがYouTubeを買収して動画配信時代が来た」とか「アマゾンがホールフーズを買収してリアルな小売業に進出した」ぐらいのレベルの事件です。 米マイクロソフトが18日、米ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザードを687億ドル(約7兆8700億円)で買収すると発表しました。 数字をまるめて日本のメディアでは「8兆円買収」と呼ばれているとおり、マイクロソフトにとって過去最大のM&A(合併・買収)です。もし買収が成立すればマイクロソフトのゲーム事業売上高は中国のテンセント(騰訊)、日本のソニーグループに次いで第3位になります。 しかし、「とはいえ」なのです。アクティビジョン・ブリザード社がいかにゲーム大手とはいえ売上高は約91億ドル(約1兆4000億円、直近12カ月、以下同じ)、純利益26億ドル(約3000億円)の企業を買収して、マイクロソフトが業界第三位(!)になることが、「なぜそれほどの大ニュースになるのか?」と疑問が湧くかもしれません。 実はこのニュースは、マイクロソフトが業界3位になるという視点ではなく、「マイクロソフトがGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)や中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)をはるか下に見る、圧倒的世界一位に返り咲くための戦略が始まった」という視点でこそ捉えるべき話なのです』、「「マイクロソフトがGAFA・・・や中国のBATH・・・をはるか下に見る、圧倒的世界一位に返り咲くための戦略が始まった」、どういうことだろう。
・『米マイクロソフトが巨大買収で手に入れるものとザッカーバーグの「やられた感」  たぶん今回のニュースを目にして一番頭を抱えているのは、メタ(フェイスブック)のCEOのマーク・ザッカーバーグでしょう。アクティビジョン・ブリザードの買収でマイクロソフトが手に入れる三つのもののリストを眺めればザッカーバーグのやられた感が伝わってきます。 (1)「コール オブ デューティ」「オーバーウォッチ」をはじめとするアクティビジョン・ブリザードの人気ゲームタイトル
(2)月間4億人といわれる同社のオンラインゲームユーザー (3)エンジニアを中心とした約1万人のオンラインゲーム開発人材 この三つのアセット(資産)が手に入ることでマイクロソフトの未来に向けたロードマップの先に開けるものが何かというと、それがメタバースです。 フェイスブックが正式社名をメタ・プラットフォームズに変更した戦略意図も同じで、「これからはSNSではなくメタバースにIT企業の主戦場が変わる」ということを意識してのことです。 そして、フェイスブック以外のGAFAもBATHもそのことについては強く意識はしている。しかし今回のニュースで分かったことは、その中でマイクロソフトだけは意識しているだけではなく、メタバースに向けて強烈な一手を打ってきたということです。 さて、ここまでお読みいただいて、「分からない。正直もう無理」とお感じの方、悪いことは言わないので嫌いな野菜を食べるつもりでもう少し先まで読んでみてください。 今回の記事では世界経済がこれからどう動くのか、一番基本的な部分についてできるだけ分かりやすく説明させていただきます』、なるほど。
・『そもそも「メタバース」とは? 概要をざっくり説明  メタバースというのは現実世界とは別の生活を送ることができる仮想空間のことです。アニメが好きな方は細田守監督が『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』などの映画作品でメタバースを題材にしているので、それを思い出せばある程度、未来についてのイメージが湧くかもしれません。 自分とは違う人格やキャラとして、この世界とはまるで違う空想世界で暮らし、そこで友人がたくさんでき、おそらく敵もたくさんいて、現実世界よりもずっとエキサイティングな日々を送ることができる仮想空間です。 メタバースでは鎌倉のシェアハウスで海を見ながら、新しい仲間たちと共同生活を始めるような別の生活が楽しめるでしょう。それだけでなく、イベントではジャニーズやK-POPアイドルのコンサートのステージに一緒に上がってダンスしながらライブを楽しめるかもしれません。ビジネスでは、副業でまったく異業種の企業の商品開発会議に出席して、アイデアを提供する仕事につくようになるかもしれない。 「現実社会ではもう自分のこれからの人生の先々が見えてしまった」という残念な感覚と比較すれば、仮想世界にもう一つの人生を期待する莫大なユーザーニーズが存在することは間違いありませんし、それがイベント、旅行、リアルなビジネスなどさまざまなエリアで経済圏を拡大する未来が予想されています。 概念的には1980年代から提唱されてきたそのメタバースが今、バズワードになっている理由は、技術が追い付いてきたことに加えて、現実にメタバースができはじめていることです。 日本で一番有名な(?)メタバースが何かご存じですか?定義にもよると思いますが、読者のみなさんに一番ポピュラーな存在は任天堂の「あつまれ どうぶつの森」でしょう。これまでの累計販売本数は3000万本を超え、結構な数のユーザーが「あつまれ どうぶつの森」の世界で生活をしています。 「あつまれ どうぶつの森」が発展したことで、実はいろいろな社会問題が起きるようになります。たとえばリアルマネートレードといってゲーム内で手に入れたレアアイテム、ないしはアカウントまるごとを現実の金銭で売買するケースが問題視されるようになりました。 アメリカの大統領選挙では、バイデン候補が「あつまれ どうぶつの森」の中に選挙本部を開設しました。そこまではOKだったのですが、政治家の石破茂さんが「じみん島」で政治活動を始めようとしたところ任天堂からNGが出されました。日本の任天堂の規約では政治活動は禁止されていたのです。 任天堂の現在の規約ではリアルマネートレードも禁止されているのですが、ここはメタバース経済の未来のビジネスモデルにあたって、大きな論点となるでしょう。 参加者の持つ土地やキャラ、アイテムは成功したメタバース経済では億単位の経済価値を持つようになります。そしてそのようなマネーの魅力が、メタバースを広げるための誘因になることも間違いありません。 つまり、ゲームだと考えれば禁止される行為も、メタバースだと考えたら将来的には逆のルールができていくのではないかと私は思います』、「日本で一番有名な・・・メタバース」は「任天堂の「あつまれ どうぶつの森」、なんだ。「政治家の石破茂さんが「じみん島」で政治活動を始めようとしたところ任天堂からNGが出されました。日本の任天堂の規約では政治活動は禁止されていたのです」、さすが「石破茂」、目のつけどころがいい。
・『ゲーム業界で「一大M&A時代」が始まる  いずれにしても、オンラインゲームが現時点で一番有力なメタバースになっています。そして、今回のマイクロソフトによる買収劇は、そのメタバースとしてのオンラインゲームの経営資産を一気に手に入れるという打ち手だったことになります。 さて、そうだとしたら、「ひょっとすると日本のゲーム会社は、これから続々と数兆円単位で買収されていくんじゃないの?」と思われるかもしれません。 確かに19日の株式市場でカプコンの株価が+4.6%、スクウェア・エニックスの株価が+3.7%も値上がりしたのは、この類推からではないかと思われます。しかし、この話はそう簡単ではないのです。 日本人がメタバースとしてイメージするのはソニーのプレイステーション5上で展開される高画質なコンピューターグラフィックの世界ではないでしょうか。 カプコンのモンスターハンターのように「仲間を募ってモンスターを狩りに出かける」、ないしはスクウェア・エニックスのファイナルファンタジーのように「パーティーで冒険を繰り広げる」というのはまさに仮想現実であり、もう一つの新しい人生体験と言えるかもしれません。 しかし、問題はユーザー数であり、ハードウエアの普及台数です。ミリオンセラーとして知られるモンハン(モンスターハンター)の最新作の販売本数は世界で800万本を突破。ファイナルファンタジーは、シリーズによっては世界1000万本を超えています。それはそれですごいのですが、これらの日本製のゲームは「億ゲー」ではないのも事実です。 「億ゲー」とは月間のユーザー数が全世界で1億人を超えるオンラインゲームタイトルで、現時点で世界では10本のソフトが億ゲーを達成したとされています。 そして、今回マイクロソフトが手に入れることになる「コール・オブ・デューティ」はその億ゲーの一角を占めている。ここが今回の8兆円買収の最大の根拠だと私は考えます。 そして興味深いのは今回買収される側のアクティビジョン・ブリザード社のコティックCEOが「われわれの野望を実現するにはパートナーが必要だと気付いた」と言っているという事実です。 億ゲーを達成し、一時的に世界最大級のメタバースを所有することになった会社のCEOが、ここから先はもっと巨大な企業と組まないとメタバースのトップにはなれないと考えているのです。 今、ゲーム機のインフラとして最大なのは、任天堂スイッチでもソニーのPS5でもなく、スマートフォンです。そしてスマートフォンの世界ではアップルとグーグルの2大プラットフォームが流通を抑え、さらにはさまざまな規約でゲーム会社の行動やビジネスモデルアイデアに網をかけています。 フェイスブックのザッカーバーグCEOですら、アップルとグーグルの度重なるルール変更に疲弊して、自社のビジネスモデルがプラットフォーム企業に依存していることに落胆したぐらいです。フェイスブックが社名変更で新しい会社名をメタ・プラットフォームズとしたのは、「メタバースの時代には今度こそプラットフォームの立場を手に入れる」という意気込みが込められているといいます。 期せずしてアクティビジョン・ブリザードも同じ壁にぶち当たり、同じくその解決策を模索した。その解が、メタバースの時代にプラットフォームになりうる怪物企業としてのマイクロソフトの中に収まることだったわけです。 今はスマホが有力なプラットフォームだとしても、将来的にVRゴーグル、ウェアラブルツールや大画面モニター、タブレット端末を統合するような新しいプラットフォームが登場するでしょう。そのOSに相当する部分がアンドロイドやiOSから新しい何かに変わるはず。そこを握りにいくためにアクティビジョン・ブリザードはマイクロソフトという船に乗ることを決断したのです。 日本企業でいえば任天堂にはラブコールが殺到するでしょう。もし距離の近いグーグルと何らかの共同声明など出されれば、メタのザッカーバーグは頭をかかえてもだえ苦しむかもしれません。ないしはそれを超える買収にむけて突っ走ることでしょう。 現在、メタバースをめぐっては100を超える新興ベンチャー企業がしのぎを削って市場開拓を進めています。メタバースの未来という視点でいえば、「これから先はGAFAとBATH、そしてマイクロソフトがそれら100社を奪い合う、一大M&A時代が始まった」、そう考えるべきです。そしてその時代の号砲となったのが今回のニュースだったというわけなのです』、「メタバースをめぐっては100を超える新興ベンチャー企業がしのぎを削って市場開拓を進めています」、「これから先はGAFAとBATH、そしてマイクロソフトがそれら100社を奪い合う、一大M&A時代が始まった」、なにか大変な時代に突入したことは確かなようだ。

第三に、1月20日付けNewsweek日本版が掲載したコロンビア大学法科大学院教授のアヌ・ブラッドフォード氏による「「巨大テック企業を取り締まる」が世界のコンセンサスになる日」を紹介しよう。
・『<EU、アメリカ、そして中国──反トラスト法などを武器に、テック企業への本格規制に乗り出す各国政府のアプローチと課題とは> 今日の地政学的環境では、世界の政治リーダーたちの足並みがそろうことはほとんどない。しかし、巨大テクノロジー企業に対する規制を強化すべきだという点では、ほぼ意見が一致し始めている。 その背景には、テクノロジー企業が大きくなりすぎたという現実がある。巨大テクノロジー企業は、自社のオンラインマーケットで自社製品・サービスを優遇しているとか、消費者データを不適切に利用して競争を有利に進めているとか、脅威になりそうな会社をことごとく買収することで競争を阻害しているといった批判を浴びてきた。 このような行為は、実質的に消費者の選択肢を奪うものに等しい。今日の消費者は、一握りのテクノロジー企業の製品やサービスに大きく依存しているからだ。 巨大テクノロジー企業への規制強化の動きで先頭を走るのはEUだ。この10年間に、EUは反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでグーグルに100億ドル近くの制裁金を科している。 EUの行政執行機関である欧州委員会は現在、グーグルの広告テクノロジーとデータ収集の手法、アップルのアップストアとモバイル決済システム、フェイスブックのデータ収集とデジタル広告モデル、アマゾンのオンラインマーケット運営の在り方について捜査を進めている。 欧州委員会は欧州議会と加盟国政府に対して、「デジタル市場法」という新しい法律の制定を提案している。これは、巨大テクノロジー企業に対する規制の権限を強化することを目的とするものだ。 新しい法律が実施されれば、影響は世界中に及ぶだろう。巨大多国籍企業はしばしば、EUの規制に対処する措置を全世界の事業活動に拡大してきたからだ。この現象は「ブリュッセル効果」と呼ばれる(ベルギーの首都ブリュッセルはEU本部の所在地)。 アメリカは比較的最近まで、EUが反トラスト法を駆使してアメリカのテクノロジー企業への締め付けを強めるのを傍観していた。しかし、風向きが変わり始めた。米議会の下院は、巨大テクノロジー企業の幹部たちをたびたび公聴会に呼び出している。近年、司法省はグーグルを、連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックを反トラスト法違反で提訴している』、「EUは反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでグーグルに100億ドル近くの制裁金」、「欧州委員会は現在、グーグルの広告テクノロジーとデータ収集の手法、アップルのアップストアとモバイル決済システム、フェイスブックのデータ収集とデジタル広告モデル、アマゾンのオンラインマーケット運営の在り方について捜査を進めている」、「欧州委員会は・・・「デジタル市場法」という新しい法律の制定を提案」、「アメリカは比較的最近まで、EUが反トラスト法を駆使してアメリカのテクノロジー企業への締め付けを強めるのを傍観」、「しかし、風向きが変わり始めた。米議会の下院は、巨大テクノロジー企業の幹部たちをたびたび公聴会に呼び出している。近年、司法省はグーグルを、連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックを反トラスト法違反で提訴」、日本は残念ながら話題にもならないようだ。
・『中国政府も脱放任主義へ  バイデン政権も、こうした政策転換を強く支持している。テクノロジー企業への厳しい姿勢で知られる人物を相次いで要職に指名しているのはその表れだ。2021年7月には「米経済の競争促進」を目指す野心的な大統領令に署名。巨大テクノロジー企業などの独占的行為に厳しく対処する姿勢を鮮明にした。) ここにきて中国も巨大テクノロジー企業への姿勢を転換させ始めている。中国共産党は長年、国内のテクノロジー企業を厳しく規制することを避けてきた。自国のテクノロジー産業を成長させ、国際的優位を確立するためだった。中国のテクノロジー産業は、それと引き換えに、ネット検閲への協力など、共産党の求めに応じてきた。 しかし、中国政府は最近、国内の格差を問題視し、自国のテクノロジー企業が国家よりも強大な存在に成長しつつあるのではないかという懸念も強めている。こうした新しい状況の下、中国指導部は、テクノロジー企業に厳しい姿勢で臨むようになっている。 中国当局は21年4月、競争を阻害するビジネス慣行を理由に、電子商取引大手のアリババに28億ドル相当の制裁金を科した。当局は、インターネットサービス大手のテンセント(騰訊)にも制裁金を科し、世界の有力音楽レーベルとの契約により獲得していた独占的な権利を手放すよう命じ、子会社である2つのゲーム動画配信会社を合併させる計画に待ったをかけた。 今後の展開が最も予想しやすいのはEUだ。デジタル市場法が実施されれば、欧州委員会は数々の反トラスト法関連の捜査を進めやすくなる。 不透明なのはアメリカの動向だ。最近の動向を見ると、アメリカの保守的な裁判所は、フェイスブック(現メタ)やアマゾンが独占企業だという主張を簡単に受け入れるつもりはなさそうだ。それに、党派対立の激しい米議会が意見を擦り合わせて有意義な法律を作れるかも分からない。 皮肉なことに、中国政府の規制強化がアメリカでの規制強化に道を開く可能性がある。中国で規制が強化されれば、アメリカの規制強化がアメリカのテクノロジー企業の国際競争力を奪うという主張が論拠を失うからだ。 中国政府がテクノロジー企業への締め付けを強めることは間違いない。問題は、どれくらい規制が強化されるかだ。中国が世界のテクノロジー超大国になるためには、自国のテクノロジー産業を力強く繁栄させる必要がある。しかし、中国政府はそれ以上に、社会の調和も実現したい。 この2つの要素のバランスをどのように取るかは、今後長きにわたって中国当局の重要な課題になるだろう。 いずれにせよ間違いないのは、テクノロジー企業への規制強化の動きが世界の新しいコンセンサスになりつつあることだ。EU、アメリカ、中国だけでなく、オーストラリア、インド、日本、ロシア、韓国、イギリスといった有力国も相次いで規制強化に向かって動いている。 巨大テクノロジー企業と政府の戦いは、長く続きそうだ。そして、その戦いの帰趨は全ての国に影響を及ぼす。 (筆者の専門は、国際・比較法学。EU法、国際通商法、反トラスト法に詳しい。著書に『The Brussels Effect 』〔未訳〕がある)』、「テクノロジー企業への」「主要国の」「規制強化の動き」を今後も注目したい。

第四に、2月10日付け東洋経済オンラインが掲載したアレックス社長/グーグル日本法人元社長の辻野 晃一郎氏による「グーグル日本元社長「日本からGAFAは生まれない」 「GAFAはインフラ、警戒しながらうまく使え」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/508797
・『GAFAの強さの秘密を明かし、その危険性を警告した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は日本だけで15万部のベストセラーになり、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019 総合第1位」「ビジネス書大賞2019 読者賞」の2冠を達成、日本にGAFAという言葉を定着させた。 その著者スコット・ギャロウェイ教授の最新作『GAFA next stage四騎士+Xの次なる支配戦略』が刊行され、発売3日で6万部のベストセラーになっている。本書では、コロナ禍でますます肥大化したGAFAとこの4社に匹敵する権威を持つようになる「+X」の巨大テック企業が再び、世界をどのように創り変えていくかを予言している。 本稿ではグーグル日本法人元社長の辻野晃一郎氏に、「なぜ日本からGAFA+Xが生まれないのか」を聞いた』、「日本からGAFA+Xが生まれない」のは寂しい限りだが、その理由は何なのだろう。
・『不可逆的変化の時代  民主主義や資本主義など、比較的良い仕組みであろうと考えられ、世界の発展のベースにもなってきたものが、いま瓦解しつつあるという危機意識が、世界共通の認識として高まっています。 スコット・ギャロウェイ氏は、『GAFA next stage』の中で、巨大プラットフォーマーや一部の超富裕層の存在が、政治や世の中をどう歪めているのかという点にフォーカスを当て、コロナとも絡めて、現状を整理し、かなり網羅的に書いています。 内容はアメリカの話ですが、日本も似た状況と言えます。特に、政治に対する信頼は地に堕ちています。長期政権の結果、官邸の独断で縁故主義に基づいた悪しきルールブレイクが行われ、森友問題をはじめ、多くの未解決事件が棚上げになっています。コロナ対策も後手後手の対応が目立ちます。 ところが、日本人は、政治に対してなんとなくの現状維持派が多いのか、あきらめているのか、それとも無関心な人が多いのか、先の衆院選の投票率は、史上3番目の低さでした。アメリカ人は、社会問題や政治問題を自分事として考える人が多いのですが、日本人は、どこか他人事で受け身、あまり深く掘り下げて考えようとしません。 今は、不可逆的な変化が続いている時代です。インターネット以前なら10年かけて起きていた変化が1年で起きるようになりました。ギャロウェイ氏も、コロナ禍で変化のスピードがさらに加速して、数年かかる変化が数日~数カ月で起きたとも書いていますが、実際そのとおりです。 変化する世界の最先端にいるのがGAFAです。彼らの力があまりにも強大になり、社会のいろいろな仕組みにひずみが発生し、結果的に格差や分断を助長しているのは否めません。 本来そのひずみを解消していくのが政治の役割なのですが、今は逆に政治もひずみを大きくする方向で機能してしまっています。こういった危機に、もっと多くの人が気づき、行動を起こさなければならないのですが、日本人は、その意識が低いために、問題がより深刻であると感じます』、「変化する世界の最先端にいるのがGAFAです。彼らの力があまりにも強大になり、社会のいろいろな仕組みにひずみが発生し、結果的に格差や分断を助長しているのは否めません。 本来そのひずみを解消していくのが政治の役割なのですが、今は逆に政治もひずみを大きくする方向で機能してしまっています。こういった危機に、もっと多くの人が気づき、行動を起こさなければならないのですが、日本人は、その意識が低いために、問題がより深刻であると感じます」、同感である。
・『日本から「GAFA+X」が出ない理由  ソニーがEVへの参入を、トヨタがスマートシティや車載OSの開発を発表しています。しかし、日本から本書の言う「GAFA+X」が生まれるのかというと、このままではそれは考えにくいと私は思います。 GAFAの時価総額は、4社でおよそ800兆円、マイクロソフトも300兆円規模、テスラは100兆円規模です。一方、ソニーは十数兆円、トヨタでもピークで40兆円程度です。GAFAやマイクロソフト、テスラなどはすべてクラウドとの連携が得意な企業で、基盤とするユーザーベースが桁違いであるとともに、未来へのストーリーを明確に描いています。 イーロン・マスクは、現時点では、すべてがチャレンジの途中で、まだ真に成功させたといえる事業はありません。しかし、世界中から巨大なマネーを引き付ける魅力があります。彼に匹敵する集金力を持つ人物がそうそういるわけではありませんが、ソニーやトヨタにも時価総額を大きく上げるような夢やビジョンを発信してほしいものです。その昔、ソニーはスティーブ・ジョブズがあこがれた企業でもあったわけですから。 私は、グーグルに入る前はソニーにいました。私が知るソニーは、人がやらないことをやる企業でした。トランジスタが発明されて間もないころ、いち早く個人用のトランジスタラジオを発売し、世間をあっと言わせました。今では、スマホで音楽を聴きながら歩くことは当たり前ですが、そのようなライフスタイルは、ソニーの「ウォークマン」から始まりました。一般ユーザーが気づきもしないような潜在ニーズを掘り起こし、他人がこれまで作ったこともないようなものをゼロから作ってきたのがソニーなのです。 ところが、EVは、すでにみんながやっています。自動走行、コネクテッドカー、クリーンエネルギーなどで自動車産業は大変革期を迎えています。アップルも参入するといわれていますし、今後は、中国勢なども圧倒的な存在になっていくでしょう。その中で、ソニーがどこに勝機を見出そうとしているのかは、今のところ私にはわかりません。 発表を見たところ、「車内をエンターテインメント空間にする」という話です。しかし、車のような移動手段にとって最も重要なことは、人を目的地にできるだけ迅速かつ安全に届ける、ということです。車内を本格的なエンターテインメント空間にするのであれば、完全自動運転も前提になるでしょう。 人の命を預かる工業製品を手掛けるということは、もとよりそれだけの覚悟が求められるということでもありますし、もともとソニーが強みとしてきた領域以外のところに多くのチャレンジがあることは間違いありません。) 日本勢は、「いいデバイスを作れば勝てる」という発想に流れがちです。しかし、もうそこは勝負どころではありません。すべてがつながるデジタルの時代は、車だけを見ていてもダメなのです。もはや車も、スマホやパソコンと同じで、クラウドとつながり、他の車とも交信し、ソフトウェアをバージョンアップしながら進化する工業製品へと変化していきます。 車単体でどんなにイケてる斬新な車を作っても、事故を起こしたり渋滞にハマったりでは進歩がありません。デジタル社会全体を大きく俯瞰して、事故や渋滞から解放されたデジタル交通システムの中の1つの構成要素として車を位置づけていくような発想が必要です。そういう意味では、トヨタがスマートシティをやりはじめたことは、間違ってはいないと思います。 現在、地球上にはまだインターネットにつながっていない人々が半分ぐらいいますが、今後、インターネットにつながることは人権のひとつと解釈されるようになるでしょう。 イーロン・マスクやジェフ・ベゾスは、そのような時代を先読みしているかのごとく、宇宙に何千・何万もの小型通信衛星を打ち上げて、全地球をカバーする通信網を作ろうとしています。 一方、日本では、政治が介入して各携帯会社に値下げ合戦を強要しました。国内で携帯料金の値下げによるユーザー獲得合戦をやったところで、携帯大手4社で均等割りしてせいぜい3000万ユーザーです。地球上の79億人を全員インターネットにつなげようとしているイーロン・マスクやジェフ・ベゾスのスケール感とは比べようもありません』、「日本では、政治が介入して各携帯会社に値下げ合戦を強要しました。国内で携帯料金の値下げによるユーザー獲得合戦をやったところで、携帯大手4社で均等割りしてせいぜい3000万ユーザーです。地球上の79億人を全員インターネットにつなげようとしているイーロン・マスクやジェフ・ベゾスのスケール感とは比べようもありません」、同感である。
・『GAFAは競合ではなく「インフラ的存在」と割り切る  日本企業がGAFAやイーロン・マスクとまともに勝負しても、とても勝ち目はありません。GAFAは公共インフラとでも捉えて、彼らの裏の顔に警戒しつつもうまく使い倒すのが、今を生き抜いていくためには大切なことでしょう。 現状、GAFAが強くなりすぎて、彼らを脅かすスタートアップが生まれにくいという問題も起きています。投資家も「GAFAに対抗するなんて無理だ」と考え、GAFA対抗のようなベンチャーには投資しなくなっていますからね。 これまで、GAFAは、自分たちでイノベーションに積極投資してきました。私がいた頃のグーグルもそうでした。GAFAはイノベーションの巣窟であり、世界を変えてきたわけです。 しかし、ギャロウェイ氏が指摘するように、あまりにも強大になりすぎると、その力を維持することのほうにエネルギーを使うようになります。守りに入るわけですね。しかしそれは衰退への道です。 今後、政治的な圧力で、グーグルとユーチューブを分割するなどの動きが起きれば、競争が促進されることはあるでしょう。現在のバランスが崩れたとき、GAFAの寝首を?く企業が現れるかもしれません。ただ、それが日本から出るかというと、やはり難しいように思います。) 日本から世界を変えるイノベーションを起こそうとするのなら、国家としての構想が必要です。短期的なことばかり考える、今の政府のやり方ではダメです。「国家百年の計」と言いますが、どんな国にしていくのか、何で飯を食う国にするのか、広く国民を巻き込んで長期ビジョンを打ち立てて、未来を真剣に考えなければなりません。 いうまでもなく、もっと科学技術に力を入れねばなりません。今は、人工知能も含めたDXや、クリーンエネルギーの分野が特にフォーカスされていますが、それ以外にも医療や防災産業など、さまざまなアイデアがあるでしょう。 民間のムードも盛り上がらねばなりません。しかし、日本人は、小さい頃から受け身体質が染みついてしまっており、周囲を気にして、あまり自分の意見を言いたがりません。為政者にとってはとても御しやすい国民だと思いますね。 教育から変えて、もっとアグレッシブで、能動的な人材を多く育てなければなりません』、「教育から変えて、もっとアグレッシブで、能動的な人材を多く育てなければなりません」、百年河清を待つようなものだ。アメリカには「国家百年の計」などなくても、個々の企業が「国家」とは離れて独自にやっている。国頼みからは脱却すべきだ。
・『「日本から”次のGAFA”が出るべき」という常識を疑う  「日本もGAFAのような企業を生み出さなければならない」という考え方そのものが正しいのかどうか、という視点もあります。GAFAは、アメリカから出てきたものなのですから、日本は、それをうまく利用させてもらう立場でいればよいとも言えるのです。 アメリカや中国のやり方に追従するのでなく、じゃあ日本はどうしようか、と考えることが大切です。例えば、日本には社歴の長い中小企業が多いですが、「売上1兆円規模の企業を作る」ための政策よりも「100億円企業を100社育てる」ための政策のほうが、無理がないかもしれません。 日本人には根深い劣等感があります。日本の近代史には、2つの断層があります。1つは明治維新です。黒船ショックというか、江戸時代までは遅れていた国だと自らをみなし、欧米にならって早く「一等国」にならねばならないと考えるようになりました。 しかし、日本には、日本独特の歴史があり、決して江戸時代がすべての面で劣っていたわけでもありません。なにより平和が300年近くも続いた時代ですし、精神性や文化の面で、欧米よりも優れたものをたくさん育んでいた時代ともいえます。ところが、それらの過去を全否定してしまいました。 もう1つが太平洋戦争です。敗戦でボロボロになって、そこから這い上がり、再び「一等国」になったわけですが、高度経済成長を遂げた後、ずっと沈滞しています。 日本が、アメリカやフランスとは異なる歴史を持ち、2つの歴史の断層を経て今があるということをどう捉えるかです。日本は、アメリカなど新興国にはない、長い歴史が背景にある国です。その時代のつながりの中で育まれてきた日本人の末裔として、歴史への考察を深めたうえで未来を考えることが大切でしょう。 災害大国であることによる学びから世界に貢献することもできるでしょうし、長寿先進国としてもできることがあるでしょう。また、アフガンで殺害されてしまった中村哲さんのように、半生を途上国に捧げ、現地の人々から非常に感謝されている日本人も多くいます。日本人が、グローバルに通用する才能や資質を持っていないわけではないのです。 自分たちの資質や才能をしっかりと棚卸しして、それをどう伸ばし、どの方向を向いて、世界をより良い場にしていくのか。それを考え抜くことが重要です』、「自分たちの資質や才能をしっかりと棚卸しして、それをどう伸ばし、どの方向を向いて、世界をより良い場にしていくのか。それを考え抜くことが重要です」、総論としては賛成だが、各論になれば、甲論乙駁になるだろう。
タグ:(その6)(日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由 投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業、米マイクロソフトの巨大買収にみる、ザッカーバーグの「やられた感」、「巨大テック企業を取り締まる」が世界のコンセンサスになる日、グーグル日本元社長「日本からGAFAは生まれない」 「GAFAはインフラ 警戒しながらうまく使え」) GAFA 東洋経済オンライン 山本 康正氏による「日本人が「次のGAFA候補を知らない」悲しい理由 投資家が教える「日本は後回し」の破壊的企業」 「日本にGAFAという言葉を定着させた。その著者」の新刊とは興味深そうだ。 「パンデミックによって2カ月でeコマースの10年分の成長が起きた」、そんなことが起きていたとは驚かされた。 「私が注目している企業として、金融ディスラプターのストライプがあります。すごい勢いで成長している、とんでもない化け物企業です。ほかに、後払い決済のアファーム、バイナウペイレーターなども急激に伸びています。 これらのディスラプターによって、VISAやMASTERがやられるかもしれないという状況が見えてきていますから、「既存の巨人を倒す」という意味において、注目してよいでしょう」、なるほど。 「プロダクトがしっかりしていればマーケティングはいらない・・・実は、それを一番やっているのは、テスラです。彼らは、広告費ゼロ。テスラ車が街を走っていることそのものが広告であり、販売代理店を外して、直営で販売する。ビジネスモデルとしては、いわゆるD2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)というもので、利益率が増加」、「次世代型電動車椅子のウィル」、「スマートニュースは、スローニュースという別のサービスも通じて本当に中立な情報や必要なもの、ジャーナリズムとは何かをきちんと考えています」、この2社も注目だ。 「本書は、今の資本主義、現行制度について考え直したり、「こんなことがあった」と復習し、今後の社会の反応を考えるきっかけにするにはいい本だと思います。 ただ、ギャロウェイさんは投資家ではないので、本書を見てそのとおりに株を取引したら、大やけどを負うでしょう」、欠点も正直に指摘しているので、安心して読めそうだ。 ダイヤモンド・オンライン 鈴木貴博氏による「米マイクロソフトの巨大買収にみる、ザッカーバーグの「やられた感」」 「「マイクロソフトがGAFA・・・や中国のBATH・・・をはるか下に見る、圧倒的世界一位に返り咲くための戦略が始まった」、どういうことだろう。 「日本で一番有名な・・・メタバース」は「任天堂の「あつまれ どうぶつの森」、なんだ。「政治家の石破茂さんが「じみん島」で政治活動を始めようとしたところ任天堂からNGが出されました。日本の任天堂の規約では政治活動は禁止されていたのです」、さすが「石破茂」、目のつけどころがいい。 「メタバースをめぐっては100を超える新興ベンチャー企業がしのぎを削って市場開拓を進めています」、「これから先はGAFAとBATH、そしてマイクロソフトがそれら100社を奪い合う、一大M&A時代が始まった」、なにか大変な時代に突入したことは確かなようだ。 Newsweek日本版 アヌ・ブラッドフォード氏による「「巨大テック企業を取り締まる」が世界のコンセンサスになる日」 「EUは反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでグーグルに100億ドル近くの制裁金」、「欧州委員会は現在、グーグルの広告テクノロジーとデータ収集の手法、アップルのアップストアとモバイル決済システム、フェイスブックのデータ収集とデジタル広告モデル、アマゾンのオンラインマーケット運営の在り方について捜査を進めている」、「欧州委員会は・・・「デジタル市場法」という新しい法律の制定を提案」、「アメリカは比較的最近まで、EUが反トラスト法を駆使してアメリカのテクノロジー企業への締め付けを強めるのを傍観」、 「しかし、風向きが変わり始めた。米議会の下院は、巨大テクノロジー企業の幹部たちをたびたび公聴会に呼び出している。近年、司法省はグーグルを、連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックを反トラスト法違反で提訴」、日本は残念ながら話題にもならないようだ。 「テクノロジー企業への」「主要国の」「規制強化の動き」を今後も注目したい。 辻野 晃一郎氏による「グーグル日本元社長「日本からGAFAは生まれない」 「GAFAはインフラ、警戒しながらうまく使え」」 「日本からGAFA+Xが生まれない」のは寂しい限りだが、その理由は何なのだろう。 「変化する世界の最先端にいるのがGAFAです。彼らの力があまりにも強大になり、社会のいろいろな仕組みにひずみが発生し、結果的に格差や分断を助長しているのは否めません。 本来そのひずみを解消していくのが政治の役割なのですが、今は逆に政治もひずみを大きくする方向で機能してしまっています。こういった危機に、もっと多くの人が気づき、行動を起こさなければならないのですが、日本人は、その意識が低いために、問題がより深刻であると感じます」、同感である。 「日本では、政治が介入して各携帯会社に値下げ合戦を強要しました。国内で携帯料金の値下げによるユーザー獲得合戦をやったところで、携帯大手4社で均等割りしてせいぜい3000万ユーザーです。地球上の79億人を全員インターネットにつなげようとしているイーロン・マスクやジェフ・ベゾスのスケール感とは比べようもありません」、同感である。 「教育から変えて、もっとアグレッシブで、能動的な人材を多く育てなければなりません」、百年河清を待つようなものだ。アメリカには「国家百年の計」などなくても、個々の企業が「国家」とは離れて独自にやっている。国頼みからは脱却すべきだ。 「自分たちの資質や才能をしっかりと棚卸しして、それをどう伸ばし、どの方向を向いて、世界をより良い場にしていくのか。それを考え抜くことが重要です」、総論としては賛成だが、各論になれば、甲論乙駁になるだろう
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