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知的財産(その2)(無印そっくり?「メイソウ」米国で上場の衝撃度 ユニクロやダイソーにもどこかが似ている、「ヒルドイド」闘争は筋違い?類似商品が不正とは言い切れない複雑事情、電磁鋼板の特許侵害で訴訟に踏み切った 日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない) [産業動向]

知的財産については、2019年7月31日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(無印そっくり?「メイソウ」米国で上場の衝撃度 ユニクロやダイソーにもどこかが似ている、「ヒルドイド」闘争は筋違い?類似商品が不正とは言い切れない複雑事情、電磁鋼板の特許侵害で訴訟に踏み切った 日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない)である。

先ずは、2020年10月21日付け東洋経済オンラインが掲載した 経済ジャーナリストの浦上 早苗氏による「無印そっくり?「メイソウ」米国で上場の衝撃度 ユニクロやダイソーにもどこかが似ている 」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382378
・『「無印良品とユニクロとダイソーを足して3で割った中国ブランド」と揶揄されることもある名創優品(メイソウ、MINISO)が10月15日、ニューヨーク証券取引所に上場、初値は公募価格の20ドルを上回り、24.4ドルをつけた。 かつて、公式サイトで「無印良品、ユニクロ、ワトソンズから『世界で一番怖い競争相手』と称される」と自称していたメイソウは、2013年の創業から7年で、店舗網を80以上の国と地域、約4200店舗に拡大している。 店舗数ではユニクロ(2196店舗、2019年8月期)と無印(1033店舗、2020年2月期時点)を足した数を上回っている。堂々と既存ブランドを模倣し、中国の消費者からも「パクリ」企業と皮肉られてきたメイソウは、なぜ短期間でここまで急成長できたのか』、「店舗網を80以上の国と地域、約4200店舗に拡大・・・店舗数ではユニクロ(2196店舗、2019年8月期)と無印(1033店舗、2020年2月期時点)を足した数を上回っている」、「パクリ」企業にしては急成長だ。
・『意味不明な日本語にもやもやする在中日本人  メイソウ1号店が中国・広州市に出現したのは2013年秋。以降、全国に猛烈な勢いで増殖し、ユニクロを彷彿させる赤いロゴと、ブランド名は無印良品を思わせる「名創優品」に、2014年には在中日本人がざわつき始めた。 ちなみにロゴや商品は「MINISO」「メイソウ」という英語・日本語が使われている。販売する商品は10元の雑貨が多く(約160円、当時)、ビジネスモデルはダイソーだ。 一見日本ブランドのように見えるメイソウだったが、商品名や商品説明の日本語はほとんど意味不明だった。 無印風のボトルに入った化粧液の商品名は「保湿補水乳だった」と意味不明なうえになぜか過去形だ。 洗剤の容器には「強ぃの洗潔剤」、ボディソープには「と皮膚の皮橡擦」「消しゴムのような肌」と記載されている。 本社は東京・銀座、2017年時点で公式サイトには「2013年に中国に進出」と紹介されていたが、日本の出店は2014年秋と中国より後だ。 だが、「変な日本語」が気になって仕方がないのは日本人だけで、無印良品やイケアが「コンセプトの明確なライフスタイル雑貨」という市場を開拓しつつあった中国では、「おしゃれな雑貨をリーズナブルな価格で扱う日本ブランド」はすぐに受け入れられた。2015年には都市部の商業施設や繁華街で普通に見かけるようになり、中国人消費者に日本ブランドの模倣と気付かれた後も、成長は止まっていない。 今では周知の事実だが、メイソウは「日本ブランド」を巧みに模倣した中国ブランドだ。創業後しばらくは日本人デザイナー三宅順也氏を共同創業者に据えて企業の顔としていたが、今は公式サイトでも本当の創業者、葉国富氏が前面に出ている。 また、グローバル展開とともに、ほとんどの商品から日本語が消え、代わりに多言語の商品説明が添えられるようになった(とは言え今も丁寧に探せば、変な日本語を見つけることはできる)。 上場にあたってメイソウがアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した目論見書からは、ベールに包まれていた同社の経営状況も明らかになった。2020年6月期、同社の流通総額は190億元(約3000億円)。売上高はコロナ禍の逆風で前年同期比4.4%減の89億7900万元(約1400億円)、純損益は2億6000万元(約40億円)の赤字だった』、「ユニクロを彷彿させる赤いロゴと、ブランド名は無印良品を思わせる「名創優品」」、「ビジネスモデルはダイソーだ」、「メイソウは「日本ブランド」を巧みに模倣した中国ブランドだ」、なるほど。
・『世界80以上の国と地域に進出している  6月末時点で世界で80以上の国と地域に進出し、店舗数は4222店。内訳は中国で2500店強、海外では1680社強という。今回の上場で調達した資金は新規出店や物流ネットワークの整備、デジタル化に投じる計画だ。 メイソウが短期間で店舗を増やせた要因は、大きく2つがある。1つ目は、創業者の葉氏が雑貨チェーンのノウハウを保有していたことだ。中国メディアの報道によると、貧困農家出身で最終学歴が中卒の葉氏は、2004年に広州市で当時流行していた10元ショップ「哎呀呀(アイヤヤ)」を開店。メイクアップ用品など女性向け雑貨に特化することで、他店と差別化に成功し、2010年には3000店舗を出店、売上高は10億元(約160億円)を超えるまで成長させた。 とは言え、2010年代に入ると10元ショップも競争が激しくなり、さらには無印良品、イケアなど、より高価格帯の海外ブランドも中国で店舗を広げ始めた。 業態の進化を模索する中で、葉氏がヒントを見つけたのは日本だった。 メイソウの公式サイトによると、葉氏は2013年に家族旅行で日本を訪れた際、インテリア雑貨店で売られている「おしゃれで品質がよく、しかもリーズナブル」な商品のほとんどがメイドインチャイナであることに気づいた。 葉氏は、「中国で商品を作れるなら、自身が10元ショップで積み上げたノウハウを生かし、若者受けする雑貨チェーンを展開できる」とひらめき、メイソウの設立に至った。 葉氏はメディアのインタビューに、「無印のようなおしゃれな雑貨を、ユニクロのような手ごろな価格で提供する」と語ったこともある。 目論見書によるとメイソウの商品の95%が50元(780円)以下だ。中国市場は顧客の80%が40歳以下で、30歳以下が60%と若年層に支持されている。新興国ではメイソウもブランド化し、「ユビソウ」など類似ブランドも生まれている。) メイソウが迅速に規模拡大できたもう1つの理由は、同社が日本のコンビニのようなフランチャイズ制を採用していることだ。メイソウが展開する4222店舗のうち、直営店は129店しかなく、その多くが海外店舗という構成になっている。 公式サイトの加盟店募集情報によると、加盟店は最初に75万元(約1200万円)の保証金を納め(返還あり)、年間8万元(約130万円)のロイヤルティーを支払う。商品はメイソウ所有で、店舗売り上げのうち62%をメイソウが、38%(食品は33%)を加盟店が受け取る。 中国のメイソウ店舗は大型商業施設や人通りの多い繁華街に集中しているが、テナント料は加盟店が負担する。また、中国メディアによると販売スタッフの研修費もスタッフもしくは加盟店持ちとなる。 メイソウは2018年12月、「2022年までに100カ国、1万店舗、売上高1000億元体制を実現する」と発表したが、各店舗の経営リスクの多くは加盟店が負うため、メイソウにとっては店舗あたりの経営効率を上げるよりも出店数を増やすほうが手っ取り早い』、「家族旅行で日本を訪れた際、インテリア雑貨店で売られている「おしゃれで品質がよく、しかもリーズナブル」な商品のほとんどがメイドインチャイナであることに気づいた。 葉氏は、「中国で商品を作れるなら、自身が10元ショップで積み上げたノウハウを生かし、若者受けする雑貨チェーンを展開できる」とひらめき、メイソウの設立に至った」、目のつけどころが素晴らしい。
・『海外店舗は4割に達している  また、葉氏は2015年に融資プラットフォーム「分利宝」も設立し、メイソウの加盟店に初期費用なども貸し付けているが、上場申請を控えた8月に分利宝は閉鎖された。 上場申請時に1億ドルを調達予定としていたメイソウは、計画を大きく上回る発行価格がつき、上場初日も好発進した。だが、今後の経営にはリスクもくすぶる。目下直面しているのは、収束の見通しがつかないコロナ禍だ。 目論見書によると、同社の売上高のうち4億1540万ドル(約440億円)が海外店舗によるもので、全体の3分の1を占める。店舗数で見ると、海外店舗は4割に達する。 リアル店舗中心、かつグローバル展開のメイソウは新型コロナによる外出や営業制限の影響をもろに受けた。2020年6月期の中国での売上高は前年比5%減の60億元(約940億円)、さらに海外では店舗の20%以上が撤退したという。 目論見書のリスク開示でも、「サプライヤー、加盟店などパートナーの生存能力やサプライチェーンに問題が生じ、経営が悪化する可能性がある」と記載されている。 また、コロナ禍にかかわらず中国の雑貨店市場はレッドオーシャンであり、メイソウの2019年後半の中国既存店売上高は前年同期比3.8%減だった。 目論見書によると、メイソウは創業者の葉氏が株式の80.8%を保有しているが、2018年に中国IT大手テンセントの出資を受け、同社の出資比率は5.4%となっている。メイソウはすでにスマート店舗などデジタル化を進めているが、今後は10億人超のユーザーを抱えるメッセージアプリWeChatなどテンセントのエコシステムやIT技術との連携をより深めていくようだ』、なるほど。
・『正規ブランドとのコラボも  メイソウにとって成長の源泉でもあった「日本風味」「パクリ」のイメージからいかに脱却するかも課題となっている。 グローバル展開を進める同社は、日本人の三宅氏のほか、フィンランド、デンマーク、韓国からデザイナーを起用しているが、トレンドのいいとこどりなため、何らかの著名ブランドを連想される商品が多い。 2019年の長江商報の報道によると、メイソウは68件の訴訟を抱えており、24件は意匠権と商標権絡みだ。原告にはルイ・ヴィトン、メンソレータムなど世界的な著名企業が名を連ねる。 そして「パクリ」から脱却するため、メイソウが最近最も力を入れているのは、正規ブランドとのコラボだ。アメリカの漫画出版社「MARVEL」やディズニー、ハローキティなど、コラボ相手は17件。 目論見書によると、メイソウは2020年6月期に1億元(約16億円)を超えるライセンス料を支払っている。だが、自社での商品開発力にはまだまだ課題も多い。) さらに、メイソウが上場申請した9月23日、上海薬品監督管理局は化粧品のサンプル調査で、メイソウのネイルから基準の1400倍の発がん性物質を検出したと明らかにした』、「68件の訴訟を抱えており、24件は意匠権と商標権絡みだ」、「最近最も力を入れているのは、正規ブランドとのコラボだ」、「ネイルから基準の1400倍の発がん性物質を検出」、後者はブランド・イメージ悪化につながりかねないだけに、要注意だ。
・『日本風味は世界中に広まっている  メイソウは、中国では「日系風味」の払拭に力を入れており、公式サイトでも2015年以前の沿革を記載しないなど、過去の経営は黒歴史になっている。共同創業者の三宅氏のTwitterアカウントも2014年以降更新されていない。 だが、カンボジア、メキシコ、ロシアなど日本企業が進出しきれていないブルーオーシャンの新興国では今も堂々と、「日本風味」で売っている。日本、中国両消費者に皮肉られている間にも、メイソウは着々と店舗を拡大、アメリカで上場しブルーオーシャンの新興国では今も堂々と、「日本風味」で売っている。日、日本企業の市場を侵食しているのだ』、「中国では「日系風味」」はアピール力を失っているが、「ブルーオーシャンの新興国では今も堂々と、「日本風味」で売っている」、ただ、「日本企業」には有効な対応策はなさそうだ。

次に、本年1月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「ヒルドイド」闘争は筋違い?類似商品が不正とは言い切れない複雑事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261182
・『「ヒルドイド」が「ヒルマイルド」に徹底抗戦の構えをとるのはなぜか  頭痛薬の「イブA錠」と同じ有効成分の「アダムA錠」が、薬局で売られています。あくまで個人的な趣味の話ですが、こういうネーミングは私は好きです。「マキロンs」と似たデザインの傷薬に「マッキンZ」という商品があります。英語風に発音すると「マッキンズィー」。なんとなく経営者のかすり傷に効きそうです。 「イブA錠」の製造販売元のエスエス製薬や「マキロンs」の第一三共ヘルスケアにとって、こうした競合商品のネーミングには、売り上げへの影響以上にイラつくかもしれません。 世の中には、イラつく程度では済まない経営者もいて、そういった場合は訴訟になります。医療用医薬品「ヒルドイド」を販売するマルホが市販薬品「ヒルマイルド」を製造販売する健栄製薬に対して、販売差し止めの仮処分申請を行いました。これに対して健栄製薬は「当社の信用と信頼を著しく傷つけ、損なう行為」と、徹底抗戦の構えを見せています。 そして今回の訴訟問題は、通常の類似商品を巡る争いとは少しビジネスとしての背景事情が異なります。「ヒルドイド」と「ヒルマイルド」を巡る紛争について、まとめてみたいと思います。 今回、マルホが健栄製薬に対して提訴したのは、「不正競争防止法2条1項1号に定める不正競争行為に該当する」という主張がその根拠です。この条項は広く周知されている商品と同一ないしは類似の商品を販売することで、消費者に混同を生じさせる行為を制限するものです。 古い事例ですが1983年に東京ディズニーランドが開業した直後、浦安駅の沿道の露店で「ミツキー饅頭」というお菓子が売られていたことがあります。ミッキーマウスと名前や表情がちょっと違うネズミのキャラクターと、目黒エンペラー(目黒の老舗ホテル)に似た建物がパッケージに描かれていたのですが、名前とキャラが違っても類似性で消費者が間違えて買ってしまう以上はアウトだというのが、この法律の条項です。) ただ、法律に違反するほどの類似商品かどうかは、機械的に線引きができるわけではありません。判断は裁判官によって行われます。そのときの判断基準が、「周知」された「商品等表示」との「類似性」のために消費者に「混同」が起きるかどうかです。 今回は、1954年に発売され全国的に周知されている「ヒルドイド」という医薬品に対して、「ヒルマイルド」のネーミングと商品パッケージが類似しているために、消費者の混同が起きるかどうか」が、司法判断のポイントになるわけです。 過去の判例でいえば、この類似性に関しては、裁判になると本家に有利な判断が下される例が多いようです。多くの場合、メーカーが訴えないから裁判にならないだけで、裁判になった例では、似たパッケージに対して類似性が認められたケースが多いという感じです』、「多くの場合、メーカーが訴えないから裁判にならないだけで、裁判になった例では、似たパッケージに対して類似性が認められたケースが多いという感じです」、なるほど。
・『「ヒルドイド」と「ヒルマイルド」は市場で本当に競合するのか  ただ、今回の訴訟で興味深いのは、論理的には「ヒルドイド」と「ヒルマイルド」は市場で競合しないはずであり、だから消費者の間で混同が起きるはずがない、という争点が存在することです。 ヒルドイドは医師が処方する医療用医薬品です。アトピーで肌が乾燥したり、打撲によるあざを治療したりする際に処方されます。薬局で売られている家庭用医薬品とは、本来市場や使用目的が違う商品のはずなのです。 ところが、主成分の「ヘパリン類似物質」が保湿力に加えて加齢によるしわなどに効能があると口コミで広まり、数年くらい前からアンチエイジングクリーム代わりに利用する女性の数が顕著に増加しました。皮膚科を受診して「ヒルドイドを処方してほしい」と医師にお願いする女性も多いと聞きます。これが医療目的外処方の問題です。 要するに、美容目的で医師にお願いする行為は法律違反なのです。なので、そうならないように阿吽の呼吸が求められます。皮膚科を受診した女性が「私の肌、ヒルドイドで治療したほうがいいでしょうか」と質問し、医師が「そうですね、ヒルドイド、いいかもしれませんね」と処方箋を書くのです。 これならば法律違反ではないので問題ないかというと、そうではありません。理由は医療保険制度を圧迫するからです。) ヒルマイルドは60グラムのクリームで、アマゾンでは税込価格で1650円ですが、ヒルドイドを処方してもらうと健康保険が適用されるため、3割負担の場合は50グラムで355.5円になります。残る7割は保険制度が負担します。つまり「安いアンチエイジングクリームだから、お医者さんに処方してもらおう」という行為自体が、医療費を圧迫する社会問題なのです。 こういった問題が起きたことで、昨年9月、マルホは化粧品目的の消費者に対し、コーセー化粧品との合弁会社、コーセーマルホで「カルテヒルドイド」という医薬部外品の化粧品ラインを立ち上げました。ところがヒルドイドの名称を使うと「医薬品との誤認が起きる」と行政から指摘され、現在では「カルテHD」という商品名に変更したという経緯があります。 この「カルテHD」は40グラムで2530円(税込)です。この商品と消費者が購入を迷う他社商品は、実はカルテヒルドイド発売以前に出そろっています。昨年5月に大正製薬から発売された「アドライズ」という化粧品ラインは、成分的にはカルテHDとダイレクトに競合する商品です。ただこれは、商品表示上の問題はまったくありません』、「数年くらい前からアンチエイジングクリーム代わりに利用する女性の数が顕著に増加しました。皮膚科を受診して「ヒルドイドを処方してほしい」と医師にお願いする女性も多いと聞きます。これが医療目的外処方の問題です。 要するに、美容目的で医師にお願いする行為は法律違反なのです」、「医薬部外品の化粧品ライン」、「「カルテHD」という商品名」立ち上げている。
・『医療目的外処方の解消を目指した「ヒルメナイド」とは  一方でこの市場に、化粧品(医薬部外品)よりも効能が高い第2類医薬品で割って入ることになった先行商品が2つあります。一つが今回問題になっている健栄薬品の「ヒルマイルド」、そしてもうひとつがマツモトキヨシが発売したプライベートブランドの「ヒルメナイド」です。 実は「ヒルドイドについての医療目的外処方の問題」に対する取り組みとしては、マツモトキヨシがいち早く対応をしていて、『ヒルメナイド』は2018年9月に「ヘパリン類似物質含有クリームを本当に必要とする患者さんの不利益になってしまう」ことを避ける目的で発売し、世間の注目を集めたという経緯があります。 そして、その流れに乗るかたちで2020年6月に登場したのが、今回問題になっている「ヒルマイルド」です。King & Princeの永瀬廉さんをCMキャラに起用して、本格的にマツモトキヨシに対抗しようとしていた矢先に、今回の訴訟が起きたわけです。 こうした経緯を踏まえて、野暮を承知で指摘させていただくと、「類似性」によって「混同」して買ってしまう恐れがあるために損害を受ける可能性がある商品は、「ヒルドイド」ではなく、むしろパッケージやネーミングが似ているマツモトキヨシの「ヒルメナイド」のはずなのです。ここが、論理的にはおかしな点ではあります。) ただ現実問題としては、「医師に処方してもらわなくても、ヒルドイドが薬局で簡単に手に入る」と誤認した消費者が「ヒルマイルド」を買うことで、「ヒルドイド」の営業に損害が発生する可能性はあります。ここが裁判で争われることになるのでしょう』、「裁判」が「誤認」をめぐって争われるとは込み入ったことだ。
・『iMac訴訟で思い起こされる「まさか」の判決  本件に関しては、「さて、裁判所の判断はどうなるでしょうか」といった結びになるところですが、実は地方裁判所の判断を見ると、今回と似たようなケースで結構面白い前例があるので、最後にそれを一つ紹介しましょう。 1999年、当時人気だったアップルの「iMac」と外見がよく似たソーテック製の「eOne」というパソコンについて、東京地裁が販売差し止めの仮処分を下しました。 当時のiMacは、本体とモニタが一体化した画期的な外観デザインと奇抜なカラーリングで人気を集めました。ただ難点としては、当時のiOSは圧倒的に市場において少数派だったこと。Windowsユーザーからは「Windowsが使えるiMacのようなパソコンが欲しい」という声が高まり、そこでeOneが発表されたというのが当時の経緯です。 実はこの裁判は、一部のプロの間で「アップルは勝てないんじゃないか?」と言われていました。理由はユーザーの間で「混同が起きるはずがない」からです。iMacを買おうとして、間違えてWindows 搭載のeOneを買う人などいるわけがありません。そうではなく、iMac的なWindowsパソコンが欲しい、比較的ITリテラシーの高いユーザーが買う商品だったわけです。 ところがこの裁判では、「外観の類似性から消費者に混同を与え、メーカーに不利益を与える」として、販売差し止めになったのです。論理的には混同は起きなくても、実質的にiMacに損害を与えることを止めるために、裁判官が非論理的な判決文を書いたという実例です。 その前例から類推すれば、医師に処方してもらわなければ手に入らない医薬品と普通に薬局で手に入る医薬品という、本来混同が起きる可能性がない商品に関しても、裁判所の「画期的な判決」が下る可能性はあるかもしれません。いずれにしても、かなり複雑な経緯がからんだ今回の訴訟、どうなるのか興味深く見守っていきたいと思います』、「論理的には混同は起きなくても、実質的にiMacに損害を与えることを止めるために、裁判官が非論理的な判決文を書いたという実例」、こんな馬鹿な「判決」が出る可能性まであるとは、恐ろしい国だ。無論、上告すれば、「非論理的な判決文」は修正される可能性はあるが、そこまで争う気がなかったのだろう。

第三に、10月27日付け東洋経済Plus「電磁鋼板の特許侵害で訴訟に踏み切った 日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28511#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%89%84%E3%81%AF10%E6%9C%88,%E3%81%AE%E4%BB%AE%E5%87%A6%E5%88%86%E3%82%92%E7%94%B3%E3%81%97%E7%AB%8B%E3%81%A6%E3%81%9F%E3%80%82
・『日本製鉄にとって最重要顧客であるトヨタを特許侵害で訴えた。前代未聞の行動に日鉄を駆り立てたのはいくつかの理由がある。 鉄鋼業界の巨人が、自動車業界の巨人を訴えた。 日本製鉄は10月14日、トヨタ自動車と中国の大手鉄鋼メーカー、宝山鋼鉄を特許侵害で訴えたことを発表した。両社にそれぞれ200億円の損害賠償を請求。トヨタには対象となる電磁鋼板を使用した自動車の製造・販売の差し止めの仮処分を申し立てた。 日本企業が顧客を訴えることは珍しい。まして相手は日鉄にとって最重要顧客のトヨタである。今回の事実が明らかになると、自動車メーカーや鉄鋼メーカーの関係者からは「素材メーカーが取引先まで訴えるのは通常ありえない」「日鉄さんもずいぶんと思いきった」と驚きの声が複数聞かれた。 前代未聞の行動に日鉄を駆り立てたのはいくつかの理由がある。 まず、特許侵害の対象が高効率モーターに使われる電磁鋼板だったこと。電磁鋼板はモーターやトランス(変圧器)などの電気機器の鉄心として不可欠な材料だ。 今回提訴の対象となったのは電磁鋼板の中でも「無方向性電磁鋼板」といわれるもの。日鉄は初代プリウス向けに無方向性電磁鋼板を提供してから、その性能を磨き上げ、トヨタのハイブリッド車を軸とした電動車戦略を支えてきた。 電磁鋼板は脱炭素を支えるキーテクノロジーとして、ハイブリッド車や電気自動車、さらには発電機などへの需要拡大は間違いない。実際、トヨタは2030年には現在の4倍の800万台にまで電動車の生産を増やす計画だ。 他の自動車メーカーも電動車シフトを加速している。トヨタの電動車のモーターにはすべて電磁鋼板が使われている。最大のサプライヤーが日本製鉄であり、この2年で日鉄は約1000億円を投資して生産能力を増強してきた。 近年は電動車の需要増を受け、日本の鉄鋼メーカーの能力が逼迫している。トヨタは調達先を多角化する一環で、宝山製の電磁鋼板を使い始めていた。その中で今回の問題が起きた』、「電磁鋼板は脱炭素を支えるキーテクノロジーとして、ハイブリッド車や電気自動車、さらには発電機などへの需要拡大は間違いない」、「近年は電動車の需要増を受け、日本の鉄鋼メーカーの能力が逼迫している。トヨタは調達先を多角化する一環で、宝山製の電磁鋼板を使い始めていた。その中で今回の問題が起きた」、なるほど。
・『かみ合わない両社の主張  経営コンサルティング会社、アーサー・ディ・リトル・ジャパンの川中拓磨ビジネスアナリストは「電磁鋼板はそんなに簡単に作れるものではない。ただ、鉄鋼製品全般に言えることとして、中国の鉄鋼メーカーの製造の実力は相当上がっている。日鉄は虎の子の技術を守るべく、訴訟に踏み込んだのではないか」と話す。電磁鋼板は収益性が高く、力を増す中国勢に特許侵害があれば見逃すわけにはいかなかったわけだ。 対象となった日鉄の無方向性電磁鋼板の特許は、現状、国内でのみ成立しているため、宝山のみを訴えたのでは実効性が乏しい。日本で使用しているトヨタも対象とすることで圧力を強める狙いだ。 日鉄が最重要顧客であるトヨタまで訴えた背景には、国内生産能力の適正化が進展したこともある。粗鋼を造る高炉は2020年初の15基から足元で11基まで減った。2024年度末には高炉をもう1基休止する。顧客に弓を引いて取引に悪影響が出ることを過度に恐れずにすむようになった。 日鉄による提訴の発表を受けてトヨタは、「本来、材料メーカー同士で協議すべき事案。訴えられたことは大変遺憾。(宝山とは)取引締結前に他社の特許侵害がないことを確認の上契約させていただいている」との声明を出した。しかし、日鉄は「特許を侵害していると判断したため、それぞれ(宝山とトヨタ)と協議を行ってきたが、問題の解決に至らなかった」としており、お互いの言い分はかみ合わない。 トヨタの長田准執行役員は「(日鉄からの指摘を受けて)宝山に確認して特許侵害はないとの回答を得て、日鉄に伝えた。ユーザーのわれわれを訴えたことにビックリしている」と説明する。トヨタの熊倉和生調達本部長は「電磁鋼板の材料の成分をわれわれで測れないこともないが、基本的には材料メーカーの中で確認すべきことだと考える」としている。 一方、日鉄は「特許侵害の事実があれば訴える権利はある」と筋論を展開する。トヨタのサプライヤー関係者からは「電磁鋼板は日鉄にとって極めて重要な技術。一般の資材とは訳が違う。トヨタとしても宝山から調達するに当たり、かなり慎重に検討したはず。なぜこんな問題が起きたのか」と疑問視する声もある。 では、今後の展開はどうなるか。特許侵害が確定的だった場合、トヨタが譲歩を迫られるだろう。ただし、製造が止まる事態は考えにくい。宝山製の電磁鋼板は採用して日が浅く、シェアもわずか。日鉄製に切り替える可能性が濃厚だ』、「特許侵害が確定的だった場合、トヨタが譲歩を迫られるだろう。ただし、製造が止まる事態は考えにくい。宝山製の電磁鋼板は採用して日が浅く、シェアもわずか。日鉄製に切り替える可能性が濃厚だ」、なるほど。
・『揺らぐ自動車メーカーのピラミッド  今夏の鋼材価格の交渉では、日鉄がトヨタとの交渉で供給制限をちらつかせて値上げを勝ち取った。これまで日鉄幹部は「われわれが提供している付加価値が認められていない」と不満を漏らしていた。トヨタOBのサプライヤー幹部も「日鉄とトヨタはいろんな鋼材を共同開発してきた歴史がある。トヨタはグローバルの台数増加で果実を得ているが、日鉄側は(取引価格が安く)十分な果実が取れていなかった」と話す。 しかし、今回の価格交渉と提訴からは、トヨタが圧倒的に優位だった両社の力関係が変わりつつあることが見て取れる。こうした関係変化は、日鉄とトヨタの間だけでとどまらないだろう。自動車の産業ピラミッドが揺らぎ始めているからだ。 多くのサプライヤーにとって自動車向けはは利益率が低いうえ、高い品質と長期間のジャスト・イン・タイムでの納入を求められる厳しい商売だ。それでも他産業向けにはない取引の量と安定性が魅力だった。しかし、電動化により自動車メーカーとの取引は右肩上がりが見込めなくなった。さらに、サプライヤー各社も電動化や脱炭素で多額の投資を迫られている。これまでのように従順ではいられない。 緊張感が高まる中、コロナ禍で供給が需要に追いつかない状況をきっかけに、真っ先に薄利取引に反旗を翻したのが半導体だ。従来ならば自動車向けの量は最優先されていたが、今はそれもなくなってきた。足元では半導体メーカー側からの値上げの動きも出ている。ピラミッドの頂点に立っていた自動車メーカーに対し、声を上げるサプライヤーは増えていくだろう。日鉄による提訴は特殊なケースとはいえ、ほかの自動車メーカーにとって決して対岸の火事ではない。 こうした動きは、自動車メーカーがこれまでどおりの水準で利益を上げにくくなることを意味する。自動車というハードだけでなく、ソフトやサービスで稼ぐビジネスモデルをどう構築できるのか。サプライヤーの変心を受けて、自動車メーカーは収益構造の変革を一段と迫られることになりそうだ』、「ピラミッドの頂点に立っていた自動車メーカーに対し、声を上げるサプライヤーは増えていくだろう」、「サプライヤーの変心を受けて、自動車メーカーは収益構造の変革を一段と迫られることになりそうだ」、今後はどんな「サプライヤー」が「声」を上げるのだろうか。面白い時代になったものだ。
タグ:「ピラミッドの頂点に立っていた自動車メーカーに対し、声を上げるサプライヤーは増えていくだろう」、「サプライヤーの変心を受けて、自動車メーカーは収益構造の変革を一段と迫られることになりそうだ」、今後はどんな「サプライヤー」が「声」を上げるのだろうか。面白い時代になったものだ。 「電磁鋼板は脱炭素を支えるキーテクノロジーとして、ハイブリッド車や電気自動車、さらには発電機などへの需要拡大は間違いない」、「近年は電動車の需要増を受け、日本の鉄鋼メーカーの能力が逼迫している。トヨタは調達先を多角化する一環で、宝山製の電磁鋼板を使い始めていた。その中で今回の問題が起きた」、なるほど。 東洋経済Plus「電磁鋼板の特許侵害で訴訟に踏み切った 日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない」 「論理的には混同は起きなくても、実質的にiMacに損害を与えることを止めるために、裁判官が非論理的な判決文を書いたという実例」、こんな馬鹿な「判決」が出る可能性まであるとは、恐ろしい国だ。無論、上告すれば、「非論理的な判決文」は修正される可能性はあるが、そこまで争う気がなかったのだろう 「裁判」が「誤認」をめぐって争われるとは込み入ったことだ。 「68件の訴訟を抱えており、24件は意匠権と商標権絡みだ」、「最近最も力を入れているのは、正規ブランドとのコラボだ」、「ネイルから基準の1400倍の発がん性物質を検出」、後者はブランド・イメージ悪化につながりかねないだけに、要注意だ。 「多くの場合、メーカーが訴えないから裁判にならないだけで、裁判になった例では、似たパッケージに対して類似性が認められたケースが多いという感じです」、なるほど。 鈴木貴博氏による「「ヒルドイド」闘争は筋違い?類似商品が不正とは言い切れない複雑事情」 ダイヤモンド・オンライン 「数年くらい前からアンチエイジングクリーム代わりに利用する女性の数が顕著に増加しました。皮膚科を受診して「ヒルドイドを処方してほしい」と医師にお願いする女性も多いと聞きます。これが医療目的外処方の問題です。 要するに、美容目的で医師にお願いする行為は法律違反なのです」、「医薬部外品の化粧品ライン」、「「カルテHD」という商品名」立ち上げている。 「中国では「日系風味」」はアピール力を失っているが、「ブルーオーシャンの新興国では今も堂々と、「日本風味」で売っている」、ただ、「日本企業」には有効な対応策はなさそうだ。 「特許侵害が確定的だった場合、トヨタが譲歩を迫られるだろう。ただし、製造が止まる事態は考えにくい。宝山製の電磁鋼板は採用して日が浅く、シェアもわずか。日鉄製に切り替える可能性が濃厚だ」、なるほど。 「家族旅行で日本を訪れた際、インテリア雑貨店で売られている「おしゃれで品質がよく、しかもリーズナブル」な商品のほとんどがメイドインチャイナであることに気づいた。 葉氏は、「中国で商品を作れるなら、自身が10元ショップで積み上げたノウハウを生かし、若者受けする雑貨チェーンを展開できる」とひらめき、メイソウの設立に至った」、目のつけどころが素晴らしい。 「店舗網を80以上の国と地域、約4200店舗に拡大・・・店舗数ではユニクロ(2196店舗、2019年8月期)と無印(1033店舗、2020年2月期時点)を足した数を上回っている」、「パクリ」企業にしては急成長だ。 「ユニクロを彷彿させる赤いロゴと、ブランド名は無印良品を思わせる「名創優品」」、「ビジネスモデルはダイソーだ」、「メイソウは「日本ブランド」を巧みに模倣した中国ブランドだ」、なるほど。 東洋経済オンライン 浦上 早苗氏による「無印そっくり?「メイソウ」米国で上場の衝撃度 ユニクロやダイソーにもどこかが似ている 」 知的財産 (その2)(無印そっくり?「メイソウ」米国で上場の衝撃度 ユニクロやダイソーにもどこかが似ている、「ヒルドイド」闘争は筋違い?類似商品が不正とは言い切れない複雑事情、電磁鋼板の特許侵害で訴訟に踏み切った 日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない)
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