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教育(その27)(東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」〈dot.〉、フィギュア記事でよく見る(N高東京)って何? 東大合格者も輩出する2万人高校の秘密) [社会]

教育については、昨年10月28日に取上げた。今日は、(その27)(東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」〈dot.〉、フィギュア記事でよく見る(N高東京)って何? 東大合格者も輩出する2万人高校の秘密)である。

先ずは、本年1月19日付けAERAdot「東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022011900044.html?page=1
・『15日に大学入学共通テストの会場である東京大学農学部の正門前で起きた刺傷事件は、世間に衝撃をもたらした。殺人未遂容疑で逮捕された名古屋市内の私立高校2年生の少年(17)は、東大医学部志望だったと言われている。 少年は警察の取り調べに対して、「医者になるために東大を目指して勉強を続けていたが、1年くらい前から成績が上がらず、自信をなくしていた」「東大を受験する予定だったが、勉強しろとの圧力が強く勉強が嫌だった」などと供述しているとされる。なぜ少年はこれほど追い詰められてしまったのか。医学部志望特有の苦しみやプレッシャーについて、東大医学部出身で精神科医の和田秀樹氏に聞いた。 逮捕された男子高校生は 愛知県内でもトップレベルの進学校に通う2年生。灘高校出身で数多くの受験テクニック本の著書もある和田氏は、超進学校の雰囲気をこう振り返る。 「私の高校でも、医学部を志望する人の多くは(医学部にあたる)東大理科III類(以下、理III)を目標にしていて、最低でも京大医学部といった雰囲気がありました。灘、開成、筑駒といった超進学校では、医学部を目指すなら東大理IIIに行くべきだという刷り込みがあって、そうではないと成功したとは言えないような風潮がある。ですが、いざ医者になってみると、医学部ほど大学名が役に立たない分野はないと感じることは多いですよ」 しかし、進学校の医学部志望の生徒の間では、偏差値第一主義の考え方が根強く残っているという。偏差値順に上から受けていくようなスタイルは、塾による刷り込みも影響しているのではないかとみる。 「偏差値第一主義の傾向は、特に理IIIを多数輩出している塾に顕著です。こうした塾では昔よりも生徒や保護者が、学校より塾の言うことを聞くようになっていると感じます。ですが本来、医者になるのなら特定の大学にこだわるほうがおかしい。私が受験指導をしているときは、志望校と併せて他の医学部との併願を勧めています。ですが愛知県はもともと国公立志向が強く、より偏差値の高い国立の医学部を目指すことがゴールだと思っている子は少なくない。プレッシャーは大きいと思います」 今回事件を起こした少年は、1年後に受験を控えた2年生だ。まだ時間はあるようにも思えるが、「面談で東大は無理という話になって心が折れた」と供述しているように、当人としては自身の成績に絶望していたようだ』、受験競争もくるところまで来たようだ。
・『受験界にはびこる「根性主義」  「中高一貫校では、高2までに高3の勉強を終える学校が多く、高2あたりで一気に勉強内容が難しくなります。そのため、早い段階で行き詰まりやすい。おそらく、この男子生徒はものすごく頑張って努力するタイプで、猛勉強してきたのだと思います。ですが、成績が上がらないまま努力しても、たいていは(悩みの)解決にはつながりません。やり方を変えないまま猛勉強を続けても、どうしても限界があるからです。そんな時、(成績が伸びないのは)地頭やセンスの問題だと思い込んでしまい、『俺はバカなのだ』と自己否定につながってしまう」 和田氏自身、行き詰まった時は受験テクニックで乗り越えた。その後、受験テクニックに関する数々の著書を世に送り出してきたが、最近はかつてと比べるとテクニック本が売れなくなったという。 「テクニックを変えれば受かるかもと思ってくれる受験生がすごく少なくなったと感じます。2005年のテレビドラマ『ドラゴン桜』(1期)の放送時には東大受験ブームが起きましたが、昨年に『ドラゴン桜2』が放送された際には全くと言っていいほど東大受験ブームが起きていないのが象徴的です。今の子たちは、行き詰まったときにテクニックではなく根性で乗り越えようとしてしまう傾向があると感じます。ですが、的外れな努力ではダメ。成績が上がらないのなら、根性よりもやり方を変えたほうがいいという発想がないといけません。今は本やインターネットで受験テクニックの情報がたくさん出ているので、地頭が悪い、センスがないと嘆く前に、別の方法を試すだけ試してほしい」 スポーツなどでは根性論では勝てないことがわかって科学的なアプローチをするようになったものの、受験の分野ではいまだに根性論の考え方が根付いているという。根性論が浸透している限り、精神的に音をあげてしまう学生は後を絶たない』、「今の子たちは、行き詰まったときにテクニックではなく根性で乗り越えようとしてしまう傾向があると感じます。ですが、的外れな努力ではダメ。成績が上がらないのなら、根性よりもやり方を変えたほうがいいという発想がないといけません」、その通りだろう。
・『医者の仕事に大学名はほとんど無関係  「学校や塾も旧態依然としたやり方で指導していては、結果的に子供の自尊感情を傷つけてしまうと思います。努力で勉強を乗り切ろうとさせず、勉強への向き合い方を教えてあげたり、実際の医者の世界について教えてあげたりするなど、広い視野を与えるようなアドバイスが重要だと思います」 そして、改めて「医者ほど大学名が役に立たない分野はない」と強調する。和田氏によると、医療分野における学歴主義からの脱却の転換点となったのは、2004年の「臨床研修制度の必修化」だという。制度の導入前は、東大病院をはじめとする複数の名門病院では、東大卒業生以外が研修医として入るのは難しい状況だった。だが、必修化以降は大学名ではなく、大学の成績が重要視されるようになったのだという。 「結果的に、希望の病院で研修をするためには、偏差値の低い大学のほうが(相対的な成績が高くなり)、かえって有利になることもある。東大理IIIに入れる実力があったとしても、あえて下の大学に行ったほうが得をする可能性もあるのです。その後の病院の出世や大学教授へのなりやすさも、必ずしも偏差値の通りになっていない。ほかの学部なら官僚になりやすい、会社で出世しやすいといったように学歴が有利に働く状況も多少はあると思いますが、医学部の場合は、たとえば東北大や慶応大と比べても、東大出身者が医者として出世できるとは言えません。ある意味で、東大の中では医学部が一番割に合わないと思います」 先を見通す広い視野を持っていれば、人生に絶望することも、過度のプレッシャーを感じることもなかったのではないか。 「ほとんどの医学部受験生たちは入学後の事情を知らず、少しでも偏差値の高い大学に入りたい。保護者も同じで、医者の世界を知らないまま学校名にこだわっている親は多いと思います。理IIIを輩出するような塾では毎日5時間もかかるような膨大な量の宿題が出されることもあり、受験生には世の中のことを知るための時間がない。実際、東大医学部に入る学生たちの多くは、世の中のことを知らないまま勉強をしてきた人が多いと感じます。だからこそ、受験生にはその狭い視野を広げる大人の存在が必要なのです」 事件を起こした少年にそうした大人の存在がなかったのだとすれば、残念に思えてならない』、「ほかの学部なら官僚になりやすい、会社で出世しやすいといったように学歴が有利に働く状況も多少はあると思いますが、医学部の場合は、たとえば東北大や慶応大と比べても、東大出身者が医者として出世できるとは言えません。ある意味で、東大の中では医学部が一番割に合わないと思います」、受験界は、実績作りのため高偏差値学生には「理III」を薦め続けるのだろうが、「受験生」もそろそろ現実に目覚めるべきだろう。

次に、2月12日付けTHE ANSWER「フィギュア記事でよく見る(N高東京)って何? 東大合格者も輩出する2万人高校の秘密」を紹介しよう。
https://the-ans.jp/column/219217/3/
・『昨年度は東大合格者4人を輩出、生徒数は開校1年目から13倍以上に  開校5年目の昨年度は東大合格者4人(現役3人)が出た。京大、一橋大、東京工大などの難関国公立のほか、早慶は計31人(現役26人)。 「さまざまな生徒を受け入れ、それぞれに目標があるなら、進学したい生徒は進学が実現できる学校じゃないと、本物じゃない。残念ながら、まだ大学実績で評価される世の中。ここからは逃げられない」。予備校の第一線の講師を招き、好きなだけ学べる独自の学習アプリ「N予備校」を作った。「うちで勉強したい生徒は“落ちこぼれ”ではなく“浮きこぼれ”。どんどん学びたい生徒が、どんどん先に進んでいける環境を作っていった」と明かす。 「N高はそこまでするの?」。世間がそう思うほど社会的評価を上げていくことで、進学しない生徒も「僕はそういう学校に通っているんだ」と自信につながる。「堂々と『N高等学校に通っている』と言ってもらいたい」との想いこそが、それぞれの生徒の未来にこうも寄り添う理由である。 開校6年で生徒数は1年目から13倍以上となる2万人超え。図らずも「オンライン」という単語が身近になった世の中。これからはどんな道を歩むのか。奥平校長は「オンライン上での高等学校再現をより追求していきたい」と“ネット高校”としての未来を描く。 「今年4月からVRを作った学び方も始めました。もっとオンライン上でこんなこともできるのかということを世の中に示していきたい。それが学校として一つの目標ですし、いろんな生徒に対応できるコンテンツ、そして卒業後の目標達成につながる手助けをまだまだ作り上げないといけない」 大きな使命を持ち、成長を遂げるN高。では、なぜフィギュアスケート選手を受け入れ、彼らを支援するのか。その裏にある想いとは――。(13日掲載の後編に続く)』、「開校6年で生徒数は1年目から13倍以上となる2万人超え」、とは大したものだ。「オンライン」をいち早く取り入れたのも強みになり得る。なお、「後編」はPR臭が強いので紹介は省略。
『■学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校  沖縄・うるま市伊計島に本校がある私立通信制高校。2016年に開設し、生徒数はS高等学校とあわせて20,603人(2021年9月現在)。全国に19のキャンパスを持つ。1800人以上の部員がいるeスポーツと美術部のほか、起業部、投資部、政治部などユニークな部活もある。通学コースには特進クラスもあり、2020年度は東大合格4人(うち現役3人)。東京パラリンピック閉会式でオープニングの映像・音楽制作を担当し、パフォーマンスに参加したSASUKEさんのほか、eスポーツ選手、棋士、アイドルなど多彩な在校生・出身者がいる。スポーツ界ではフィギュアスケート・川畑和愛、紀平梨花、テニス・望月慎太郎ら』、「通信制高校」でも「全国に19のキャンパス」、「通学コースには特進クラスもあり、2020年度は東大合格4人(うち現役3人)」、「eスポーツ選手、棋士、アイドルなど多彩な在校生・出身者がいる」、「スポーツ界ではフィギュアスケート・川畑和愛、紀平梨花、テニス・望月慎太郎ら」、なかなかバライエティに富んだ人材を集めたようだが、それが一般の生徒に与える影響は、「N高」の名声だけで、顔も会わせない以上、限定的だろう。ただ、今後の活動には注目したい。
タグ:教育 (その27)(東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」〈dot.〉、フィギュア記事でよく見る(N高東京)って何? 東大合格者も輩出する2万人高校の秘密) AERAdot「東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」〈dot.〉」 受験競争もくるところまで来たようだ。 「今の子たちは、行き詰まったときにテクニックではなく根性で乗り越えようとしてしまう傾向があると感じます。ですが、的外れな努力ではダメ。成績が上がらないのなら、根性よりもやり方を変えたほうがいいという発想がないといけません」、その通りだろう。 「ほかの学部なら官僚になりやすい、会社で出世しやすいといったように学歴が有利に働く状況も多少はあると思いますが、医学部の場合は、たとえば東北大や慶応大と比べても、東大出身者が医者として出世できるとは言えません。ある意味で、東大の中では医学部が一番割に合わないと思います」、受験界は、実績作りのため高偏差値学生には「理III」を薦め続けるのだろうが、「受験生」もそろそろ現実に目覚めるべきだろう。 THE ANSWER「フィギュア記事でよく見る(N高東京)って何? 東大合格者も輩出する2万人高校の秘密」 開校6年で生徒数は1年目から13倍以上となる2万人超え」、とは大したものだ。「オンライン」をいち早く取り入れたのも強みになり得る。なお、「後編」はPR臭が強いので紹介は省略。
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