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脳科学(その1)(人は1日に23回逆境を経験する!?脳では何か起きているのか、能率が上がるのは朝か 夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組み、誰でも「いま」より頭がよくなれる…脳科学者・中野信子と精神科医・和田秀樹が語る「脳トレ」の真実 「頭のよさ」には知能面もあれば 感情面もある) [科学]

今日は、脳科学(その1)(人は1日に23回逆境を経験する!?脳では何か起きているのか、能率が上がるのは朝か 夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組み、誰でも「いま」より頭がよくなれる…脳科学者・中野信子と精神科医・和田秀樹が語る「脳トレ」の真実 「頭のよさ」には知能面もあれば 感情面もある)を取上げよう。

先ずは、本年1月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した医学博士の川崎康彦氏による「人は1日に23回逆境を経験する!?脳では何か起きているのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/294601
・『コロナ禍で生活様式が変わり、次々と起こる生活環境の変化にもかかわらず、自分を見失わずに生きていくには、自分で逆境と感じることから逃げずに、向き合う姿勢が必要です。しかし、これは簡単なようで、なかなか難しいのも事実。実際、逆境と向き合うといわれても……という人も少なくないでしょう。ご自身もさまざまな逆境を経験された医学博士の川崎康彦さんは、逆境に「脳科学」という観点からアプローチすることによって、誰もが直面する逆境への対処法を、新たな視点で捉え直しました。逆境に直面したとき、脳の中では一体何が起きているのか、どうすれば、前を向いて一歩踏み出すことができるのか――。そこで今回は川崎さんの新刊『ハーバードで学んだ 逆境の脳科学』(青春出版社)から、逆境において鍵を握る、脳の中の「逆境トライアングル」について抜粋紹介します』、「脳の中の「逆境トライアングル」」とは興味深そうだ。
・『脳は想定外のことを嫌がる  まず、「逆境」とは何か定義しておきたいと思います。 一番かんたんな定義としては「脳の予測がはずれること」。すなわち、脳が当たり前と思っていることと、現実とのギャップです。 逆境指数を提唱したストルツ博士によれば、人は一日に平均23回の逆境を経験するそう。そんなに多いのか?と首をかしげるかもしれませんが、たとえば、こんな事象も逆境にあたるのです。) SNSの「いいね」が思ったより少ない。かけたはずのアラームが鳴らなかった。通勤途中で足をくじいた。上司がなぜか不機嫌でダメ出しばかりする。 こうした日常的な出来事や、仕事上の小さなミス、事件・事故、自然災害に至るまで、ありとあらゆる「予測していなかったこと」が逆境にあてはまるのです。 脳は、物事が予測通りに進んでいる状態を好みます。生きものとして、そのほうが安全、快適だし、楽だからです。いつも通りに物事が運んでいれば、僕たちはいちいち考えて決断する必要もなく、ほぼ自動的に行動できます。 自動的に進んでいくはずの物事の中で、想定外のことや、どことなく違和感があることに出会うと、脳が嫌悪のサインを送ってきます。困惑、恐れ、イライラ、怒り、不安……こうしたネガティブな感情は、脳の想定と現実とのギャップを知らせる「逆境のサイン」でもあります。 逆境のサインが出ると人により、状況により反応は様々ですが、例えばこんな反応があるでしょう。 天敵に襲われた野生動物のように全身に力が入り、手のひらは汗ばみ、心臓の鼓動や脈拍は早くなる過興奮状態。または頭が真っ白になる、唖然となるといったフリーズ状態。 こうした全身レベルの反応だけでなく、脳が認識したギャップに対して、意味不明、理解不能として否定、無視または拒絶して片づけてしまうことも、よく起きます。一般的にいえばめんどうくさいと感じる時がこれに当たります』、「人は一日に平均23回の逆境を経験する」、「逆境」の定義が幅広いとはいえ、結構多いのに驚かされた。「脳は、物事が予測通りに進んでいる状態を好みます。生きものとして、そのほうが安全、快適だし、楽だからです。いつも通りに物事が運んでいれば、僕たちはいちいち考えて決断する必要もなく、ほぼ自動的に行動できます。 自動的に進んでいくはずの物事の中で、想定外のことや、どことなく違和感があることに出会うと、脳が嫌悪のサインを送ってきます」、「脳が認識したギャップに対して、意味不明、理解不能として否定、無視または拒絶して片づけてしまうことも、よく起きます。一般的にいえばめんどうくさいと感じる時がこれに当たります」、「めんどうくさい」まで脳の反応だったとは再認識させられた。
・『逆境こそチャンス、ジャンプ・インを  こうして逆境から遠ざかることはあまりにも、もったいないことです。 逆境のサインをどのように扱い、味わい、自分なりに消化していくのか。それによって、僕たちの生き方はずいぶん違ってくるように思います。 ギャップには、じつはさまざまな可能性、いいかえれば新しい気づきや変化のきっかけが眠っており、チャンスの兆しともなるのです。) そのスタートは、自身の脳について知り、脳内環境を変えていくことにあります。 僕が皆さんに提案したいのは、逆境をうまく切り抜けるためのノウハウではありません。もちろん、逆境の中でじっと耐え忍ぶ力でもない。 むしろ逆境こそ変化のチャンスととらえて、時にはその只中にジャンプ・インするようなやり方を、選択肢の一つとして提案したいのです。 逆境に対して、小手先の対処をしたり、傲慢にねじ伏せるばかりの解決法をとっていると、必ずと言ってよいほど似たような問題に繰り返し襲われます。 必要なのは、自分の中の恐れがどこからくるのか、その恐れが何を引き起こしているのか、勇気をもって向き合うこと。すると、恐れは、ブレーキとして作用するのではなく、あなたの一部となり、次へのステップアップを促すアクセルとして機能しだします。 自分の外側で出会った逆境を、自分の内面の気づきとして落とし込んで、「これにはどんな意味があるのか」と考えられること。変えていく勇気を出すこと。 それができたら、あなたにとって逆境はむしろダイヤモンドのような輝きを放つギフトになっていくのです』、「必要なのは、自分の中の恐れがどこからくるのか、その恐れが何を引き起こしているのか、勇気をもって向き合うこと。すると、恐れは、ブレーキとして作用するのではなく、あなたの一部となり、次へのステップアップを促すアクセルとして機能しだします」、確かに説明されると納得するが、こんなに上手くいくのかとの疑問も残る。
・『脳の秘境「逆境トライアングル」とは  さて、逆境に対面した際には様々な反応が脳内で起きるのですが、逆境という視点から脳を見ていくと、重要な箇所が三つあります。 扁桃体、海馬、前頭前野です。この三箇所を「逆境トライアングル」と呼ぶことにし、それぞれの役目をざっと説明しておきましょう。 「扁桃体」は、恐れ、嫌悪、怒りなどからなるネガティブ感情の中枢です。ギャップが生じた時にこうした感情が逆境の信号として出されるのです。先ほどの体の反応は扁桃体が作動した結果として引き起こされると捉えてもらうとわかりやすいでしょう。 「海馬」は記憶の中枢で、ファイリング作業を行っています。数々の短期記憶の中から、長期記憶として保存しておくべきことを選別して、たとえて言うなら「ショッキングなできごと」「うれしかったこと」といったラベルをつけて参照しやすくします。いわゆる仕分けの場所です。脳の中でもとりわけストレスなどで傷つきやすい器官でもあります。 「前頭前野」は思考の中枢で、高度な情報処理を行う場所です。扁桃体の信号や海馬の行った作業をもとに、前頭前野がいわば「逆境」認定を行います。「戦うか・逃げるか」などのいわば本能的な反応に「待った!」をかけるのも、前頭前野の働きです。この場所は常に私たちの行動の選択に関与します。 ところで、「脳の可塑性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 可塑性とは簡単にいえば、「変わりやすい」という意味で、僕たちが生まれてから成長するに従って、脳は効率的に働くために変化していくのです。 思春期までの間によけいなシナプスを刈り込む「プルーニング」が行われることはよく知られていますね。 反対に感動したことや奇跡的な体験をしたこと、新しい体験で心に響いたことは、神経ネットワークのシナプス結合をより強固にしていきます。これをシナプスの「チューニング」と呼びます。 プルーニングは脳が行う断捨離、チューニングは脳で行われる学習(または新しいシナプスの建設とイメージしてもいいでしょう)として覚えておいてください。そしてこのプルーニングとチューニングを司るデザイナーが皆さん自身であり、そこに成長があり、ユニークさ、自分らしさが形成されていくのです。 このプルーニングとチューニングは一生続きます。たとえ脳の一部が損傷を受けるようなことがあっても、代替する機能を発達させるというように、脳は一生変化・進化を続けるのです。 つまり、逆境トライアングルのネットワークを、輝かせるのも、錆びつかせるのも、僕たち次第というわけです』、「プルーニングは脳が行う断捨離、チューニングは脳で行われる学習」、「このプルーニングとチューニングは一生続きます」、「脳は一生変化・進化を続けるのです。 つまり、逆境トライアングルのネットワークを、輝かせるのも、錆びつかせるのも、僕たち次第というわけです」、自己責任の世界のようだ。
・『「恐怖」で止まらない、使いこなす  逆境に出会った時、恐怖で行動にブレーキをかける代わりに、「恐怖を使いこなす」ことを考えてみましょう。それにはたとえば次のような方法があります。 ・恐れや不安を、具体的な言葉にする ・さまざまな恐れを、ジャンル分けしてみる(人間関係、時間、環境、お金、未来の不安、過去の失敗、今の状況など) ・記憶の中に、同じような恐れを感じた場面を探してみる(本質の発見) ・その恐れがなくなった自分(なりたい自分)をイメージする ・イメージを文章化し、恐れと向き合うことを宣言する ・勇気と強い意志を持って思いきった行動をトライしてみる ・方法を変えて繰り返してみる 以上が、実践の基本です。 恐れを紐解くとそこから、あなたが本当にやりたいこと、やめたいことが明らかになってきます。すなわち、あなたにとって大切なもの、人生の意味が明確になってくるわけです。あなたがこれから行動していくことがより具体的になっていくわけです。 最後が「繰り返してみる」となっているのは、一度でうまくいくことはほとんどないからです。うまくいくまで、何度でもトライしてみる。とはいっても完璧な成功を目指す必要はなく、ちょっとした変化や手応え、自分にとっての学びでもよいのです。 ……それでも、できれば失敗したくない、と思う人は多いでしょう。 プロスポーツ界では、三割の成功率なら成績優秀とされています。トップ選手の証が三割なのですから、僕たちだって10回のチャレンジで3回成功すれば立派なものです。つまり7回失敗しても当然なのです。 ところで失敗には二種類あることをご存じですか?リスクなしでいつも通り行動した際の失敗と、リスクをとって行動した際の失敗です。 前者はルーティン作業などで起きたミスで、注意していれば防げた失敗かもしれません。後者の失敗は、未経験のことに対して全力を出し切った末の失敗です。 勇気を持って行動しただけで、成長の一歩は確実に踏み出しており、目標へのプロセス上にしっかりと立っているということです。決して結果という瞬間に左右されないでください。失敗というプロセスを踏んだ方がドラマチックでハラハラドキドキな経験となり得ますし人に感動をもたらします。この経験は、自分をさらに深く知ってより魅力的な人間になる上で、そして未来をプランニングする上で、大切な情報をもたらしてくれます。 別のどんな方法が考えられるか。(あるいは、別のタイミングを狙ったほうがよいのか。 誤った思い込みに邪魔されていないか。 失敗に見えても、実は達成できている部分があるのではないか。 今後、どんな助けが必要か。 こうやって、さまざまなことを分析し、検証していくことで、普段の生活では見えにくいチャンスを掴んでください。 ◆本コラムの作者・川崎康彦氏の新刊が発売中! あなたは逆境の中で“脳のブレーキ”を外せるか―。 どうしても苦しい状況の中では「やめよう」「もっと楽な道を」と考えてしまうのが普通だが、同じ苦しい中でも「これはチャンスだ」と考えて失敗を恐れずに動ける人もいる。 一体それは何が違うのか。 じつはその違いには脳の環境によるものが大きい。逆境に強い人と弱い人、チャンスをつかめる人とチャンスから逃げてしまう人は“脳のブレーキ”を外せるかどうかにかかっていた。全世界的な逆境の中で、自分はどのように一歩を踏み出していけばよいのか。ハーバード研究員時代に学んだ脳科学的にみた逆境の乗り越え方のヒントが、ここにある』、「どうしても苦しい状況の中では「やめよう」「もっと楽な道を」と考えてしまうのが普通だが、同じ苦しい中でも「これはチャンスだ」と考えて失敗を恐れずに動ける人もいる」、いつも前者を選択すれば、負け犬となるが、後者を選択するのは勇気と覚悟が必要だ。

次に、1月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーライターの鈴木 舞氏による「能率が上がるのは朝か、夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組み」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/294567
・『スポーツが趣味のビジネスパーソンにとって、日々のトレーニングは欠かせない。朝のランニング、仕事終わりのフィットネスやゴルフの打ちっぱなしは充実した時間になる。趣味とはいえ、自己記録更新や大会を目指して努力する人も多いはず。仕事と運動の両立には、時間の使い方に工夫が必要だ。ただし、時間当たりの成果を最適化するためには、トレーニングの内容だけでなく、どの時間帯にトレーニングをするかも重要となる。キーワードとなるのは「サーカディアン・リズム」。書籍『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社)を参考に、サーカディアン・リズムが導く傾向を紐解いていこう』、興味深そうだ。
・『サーカディアン・リズムと4つのクロノタイプとは  サーカディアン・リズムは「概日リズム」とも呼ばれており、地球の自転によって24時間周期で刻まれる体内時計を指す。サーカディアン・リズムは人間だけではなく、地球上の生物が持っている機能だ。哺乳類の体内時計は、脳の視床下部にある視交叉上核に存在することがわかっている。人間のサーカディアン・リズムは24時間でなく、1時間多い25時間であることも解明された。 書籍『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社)では、アメリカでスリーブドクターとして活躍するマイケル・ブルース博士による説を紹介。ブルース博士は、多くの不眠症患者に対応してきた臨床心理士だ。 1998年、ある研究結果が「mPer3遺伝子」(哺乳類時計遺伝子)の発現段階で、サーカディアン・リズムを刻んでいることを発見した。ブルース博士はこの研究とこれまで診てきた不眠症患者の症状を通じ、人間のサーカディアン・リズムは1種類ではないと考えた。人間には生まれつきのサーカディアン・リズムの傾向があり、4つの「クロノタイプ」に分類できると提唱したのだ』、「人間」の「体内時計」が「分類」できる4つの「タイプ」とはどんなものなのだろう。
・『クマ、ライオン、オオカミ、イルカ あなたはどの動物タイプ?  ブルース博士が提唱したクロノタイプは、「クマ」「ライオン」「オオカミ」「イルカ」の4種類。それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになる。 ●クロノタイプ「クマ」 人類の50%を占めるというクマタイプは、基本的に入眠と覚醒が太陽に従って行われる。午前中が最も活動に適した時間帯で、午後の中ごろはややエネルギーの低下を感じる。 ●クロノタイプ「ライオン」 ライオンはいわゆる朝型タイプで、朝に活動するのが向いている。反対に夕方から夜にかけてエネルギーが低下し、就寝時間も早い。人口の15%を占めている。 ●クロノタイプ「オオカミ」 クロノタイプの中で最も夜型なのがオオカミで、人口の15%を占める。夜型というと深夜に活発になるように思えるが、生産性のピークが2つあるのが特徴的だ。深夜のほか、正午から午後2時ごろにかけてピークを迎える。 ●クロノタイプ「イルカ」 睡眠に困難を抱えやすいのがイルカタイプだ。ブルース博士によると、不眠症患者として分類される。高い知性を持つ人や完璧主義者の傾向があり、夜中の長時間を思考に費やしがち。午前の半ばから午後の早い時間までが活動に適している。 この4つのクロノタイプに当てはまるものは、あっただろうか。クロノタイプを参考にするならば、ハイ・パフォーマンスを出すためには最適な時間帯が決まっている。朝型のライオンタイプは夜間にトレーニングをしても、集中力が続かない恐れがある。反対に、夜型のオオカミタイプは朝から運動をしても、体に力が入らないかもしれない。 ブルース博士はさらに、クロノタイプの分類を基に生産性の観察を試みた。24時間のホルモンレベルや身体の生物学的状態を検査し、勤務時間などスケジュールを変えた結果、生産性の上昇が見られたという。つまり、サーカディアン・リズムに従ってトレーニングの時間帯を見直してみると、モチベーションアップや効率性アップが期待できるというわけだ』、「クロノタイプ「イルカ」」の「人口」比は書かれてないが、逆算すると20%となる。「サーカディアン・リズムに従ってトレーニングの時間帯を見直してみると、モチベーションアップや効率性アップが期待できる」、「オオカミ」以外は午前中がほぼ共通するようだ。
・『パフォーマンスをダウンさせる「概日性リズム障害」への対処法  確かにサーカディアン・リズムが乱れると、心身にはさまざまな不調が現れる。「概日性リズム障害」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。 人間の体内時計は25時間であるため、地球の24時間周期とは1時間のずれがある。このずれを修正できずに、睡眠と覚醒のリズムに乱れが生じた状態を「概日性リズム障害」と呼ぶ。日中の眠気、集中力低下、だるさ、頭痛や吐き気、イライラなど心身の不調が主な症状。 概日性リズム障害は、海外旅行や海外出張のための時差ぼけ、シフト制の交代勤務のような昼夜逆転生活を原因として発生することが多い。概日性リズム障害によって眠気や頭痛などの症状が現れていると、ベッドで横になりたくなったり、家で安静にしたくなったりするのも無理はない。 しかし症状改善のためには、朝のうちからカーテンを開けて日光を浴びたり、太陽の下で散歩やウォーキング、軽めのジョギングをしたりするのが効果的だ。なぜならば、サーカディアン・リズムの乱れは日光を浴びるとリセットできることが、研究で解明されているからだ。 「自分は夜型だ」という人でも、サーカディアン・リズムが乱れていれば、夜でも生産性がダウンするものだ。夜型だからと日光を避けた生活を続けていては、サーカディアン・リズムは乱れるばかり。ついには心身の不調を招きかねないだろう。日中の活動に苦手意識がある場合でも、日光浴が健康維持につながることを覚えていてほしい。 リモートワークが浸透し、働き方がますます多様化する中、時間の使い方への意識も高まっている。効率性や生産性を上げるためには、時間帯を見直してみるのもひとつの方法だ。活動の時間帯を変えるだけで、パフォーマンスがアップする可能性がある。ただし哺乳類として生まれたからには、日光を浴びてサーカディアン・リズムの乱れをリセットすることも忘れずに』、「サーカディアン・リズムの乱れは日光を浴びるとリセットできる」、「夜型だからと日光を避けた生活を続けていては、サーカディアン・リズムは乱れるばかり。ついには心身の不調を招きかねないだろう。日中の活動に苦手意識がある場合でも、日光浴が健康維持につながることを覚えていてほしい」、「日光浴」はやはり重要なようだ。

第三に、4月7日付けPRESIDENT BOOKSが掲載した脳科学者・医学博士・認知科学者の中野 信子氏と精神科医・国際医療福祉大学赤坂心理学科教授の和田 秀樹の対談「誰でも「いま」より頭がよくなれる…脳科学者・中野信子と精神科医・和田秀樹が語る「脳トレ」の真実 「頭のよさ」には知能面もあれば、感情面もある」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/56216?page=1
・『脳科学者・中野信子さんと精神科医・和田秀樹さんが共著『頭のよさとは何か』(プレジデント社)を出した。なぜ日本に「バカ」がはびこるのか。「本物の頭のよさ」とはなんなのか。2人の白熱対論の一部を特別公開する──。(第1回/全2回) ※本稿は、中野信子×和田秀樹『頭のよさとは何か』(プレジデント社)の一部を再編集したものです』、第一人者どうしの対談とは興味深そうだ。
・『脳は前頭葉から「老化」する 【和田】僕はこれまで、精神科医として多くの高齢者を見てきました。 ふつうはみなさん、歳をとったら自分も記憶障害や知能障害が起きるのではと不安に感じているものでしょう。でも、臨床的な観察から言うと、これがずいぶん違う。記憶障害や知能障害が起こるはるか以前に、まず脳の前頭葉機能が衰えてしまうんです。 【中野】ということは……。 【和田】意欲だとか新しいことへの対応能力だとか、クリエイティビティとか、そういった能力から先に「老化」してしまうんですね。 それでよく聞かれるのが、「じゃあどうやったら前頭葉を鍛えられるの?」ということ。流行の「脳トレ」だと、「単純計算を繰り返したり、声を出したりするのがいい」なんて言いますよね』、「記憶障害や知能障害が起こるはるか以前に、まず脳の前頭葉機能が衰えてしまうんです」、「意欲だとか新しいことへの対応能力だとか、クリエイティビティとか、そういった能力から先に「老化」してしまう」、そうした能力は確かにいかにも「老化」には耐えられそうもない。
・『「脳トレ」に意味はあるか?  【中野】ご家庭で日常的にできる脳のトレーニングといった類のものって、15年くらい前からある気がしますが、いわゆる「脳トレ」を本当にやっている人は、実際どれだけいるんでしょうか? 【和田】「脳トレ」自体はかなり眉唾まゆつばなところがあるけれど、続けることで脳の血流が増えることは悪いことではないし、前頭葉を使うことになるのは間違いないと思うんだよね。 【中野】血流と神経新生(*)やシナプスの形成に相関があると仮定すれば、血流の増加によって、いわば脳は本当に鍛えられると考えてよいということですか? *神経幹細胞が分裂、分化して、新たな神経細胞が生まれること。 【和田】歳をとっても、日頃から筋肉を使っている人のほうが、使わない人よりも筋肉は落ちにくいですよね。それと同じで、たとえば日本人の高齢者は新聞をよく読むから、意外に側頭葉機能は落ちないと思うんです。前頭葉機能というのも、使っているほうが落ちにくいんじゃないかと、高齢者をずっと見てきた僕としては感じています。 【中野】なるほど』、「「脳トレ」自体はかなり眉唾まゆつばなところがあるけれど、続けることで脳の血流が増えることは悪いことではないし、前頭葉を使うことになるのは間違いないと思う」、「たとえば日本人の高齢者は新聞をよく読むから、意外に側頭葉機能は落ちないと思うんです。前頭葉機能というのも、使っているほうが落ちにくいんじゃないかと、高齢者をずっと見てきた僕としては感じています」、「新聞」の思わぬ効用だ。
・『前頭葉を使わない日本人  【和田】ところが問題があって、日本人というのはなかなか前頭葉を使わないんです。 企業活動もそうですし、政府や自治体の新型コロナ対応などもそうでしたが、日本は前例踏襲型です。そんな環境で長年暮らしていると、ふだんの生活で前頭葉をあまり使わなくなる。そのため、高齢になればなるほど「面白くない老人」が多くなってしまう。 昔は「お年寄りの知恵」というものがありましたよね。いま80代の高齢者の方が20代の頃は、コレラや結核で死ぬ人がたくさんいました。そういう実態を知っていれば、「昔の感染症の怖さはこんなもんじゃなかったよ」「感染症対策はこうすればいいんだ」なんて言ってもよさそうなもの。 ところがいまでは、高齢者のほうがテレビ情報に振り回されて新型コロナウイルス感染症を必要以上に怖がったりしていますから。前頭葉を鍛えていないと意欲が落ちて、脳の老化が早まるだけでなく、危機対応能力とかクリエイティビティに関しても早く落ちてしまうように思えてなりません。 【中野】そうなんですね。SPM(*)の開発者のカール・フリストンが、「自由エネルギー原理」を唱えていますが、これは、脳ができるだけ予測可能性を上げるという原理に従って、認知のみならず行動も変容するという仮説です。 *統計的パラメトリックマッピング。収得された脳機能画像に記録された脳の活動の変化を可視化するための統計的手法。または、その分析を実行するためのソフトウェアの名称。 いわば、能動的推論とでもいうべきものですが、前例に従うというのはある意味、この真逆で、受動的推論といってもいいものかもしれませんね。かえって顕在化しないストレスがたまり、脳機能は衰えそうです。意欲などが落ちるというのは、そのためかもしれません。』、「日本は前例踏襲型です。そんな環境で長年暮らしていると、ふだんの生活で前頭葉をあまり使わなくなる。そのため、高齢になればなるほど「面白くない老人」が多くなってしまう」、「いまでは、高齢者のほうがテレビ情報に振り回されて新型コロナウイルス感染症を必要以上に怖がったりしていますから。前頭葉を鍛えていないと意欲が落ちて、脳の老化が早まるだけでなく、危機対応能力とかクリエイティビティに関しても早く落ちてしまうように思えてなりません」、困ったことだ。
・『AI時代は「頭の使い方」が変わる  【和田】ただ、人間のクリエイティビティが落ちてしまう分は、AI(人工知能)で補うという方法もあるんです。AIとIT(Information Technology)の本質的な違いは何かというと、ITは人間がやり方を覚えないといけません。ところがAIは、人間ができなかったときに、そのニーズをつかんで勝手に動いてくれる代用頭脳だといえます。 【中野】冷蔵庫に足りないものを把握して、勝手に買ってきてくれたり、という技術もまもなく実用化されそうな勢いですしね。 【和田】そうそう。そういうことが可能なのがAIで、これからの「AI時代」は、別に高齢者が機械の使い方を覚えなくても、AIのほうでどんどんやってくれるようになっていくと思います。 自動車の運転がいい例でしょう。あと数年で、完全自動運転が可能な「レベル5」の自動運転が実用化されるともいわれます。それなのに、高齢者が1件大きな自動車事故を起こすと、「高齢者全員から免許を取り上げろ」といった主張が出てきます。はっきり言ってめちゃくちゃだと思います。 一事が万事で、どうも日本人は前頭葉機能がうまく使えない。前頭葉機能というのは、新規のことに対応する能力です。そんな状態だから、AI新時代に対応できない。高齢者だけでなく、日本社会全体が』、「どうも日本人は前頭葉機能がうまく使えない。前頭葉機能というのは、新規のことに対応する能力です。そんな状態だから、AI新時代に対応できない。高齢者だけでなく、日本社会全体が」、その通りだ。
・『注視すべきは「EQ」  【和田】ところで中野先生に聞きたいのですが、「右脳理論」「左脳理論」というものがあるでしょう。僕らが高校生のとき、「受験勉強ばかりしていても左脳しか鍛えられなくて、右脳が鍛えられない」と散々聞かされていました。その理論って、本当のところどうなんでしょう? 【中野】すでに否定する見解が出されていますよね。私も、左右の機能分化はあるものの、左脳が論理で右脳が芸術(?)という理論にエビデンスが乏しく、信用できないと考えています。 【和田】実は、僕もまったく信用してないんです。 僕は、右脳というより、前頭葉の機能とそのトレーニングにむしろ注目しています。前頭葉機能と知能との関係で注視すべきは「EQ(*)」だと思っています。 *Emotional Intelligence Quotientの略。「心の知能指数」と訳される。感情を上手に管理、コントロールする能力を指す。IQが知能の発達を示すのに対し、EQは感情面から仕事に取り組む姿勢や人間関係への関心などを評価する』、「左右の機能分化はあるものの、左脳が論理で右脳が芸術(?)という理論にエビデンスが乏しく、信用できないと考えています」、「右脳というより、前頭葉の機能とそのトレーニングにむしろ注目しています。前頭葉機能と知能との関係で注視すべきは「EQ(*)」だと思っています」、なるほど。
・『前頭葉を損傷して人生が暗転したエリート弁護士  【和田】EQに関して、アイオワ大学のアントニオ・ダマシオ神経学部長の興味深い研究があります。 ダマシオが診察したエリオット(*)という30代の患者は、弁護士として成功した人でしたが、彼は若くして脳腫瘍におかされ、前頭葉が損傷を受けたため、仕事が続けられず廃人同様の生活をしていました。そして脳外科医によって手術が行われ、腫瘍は脳から完全に摘出されました。 *研究では、身元の特定を避けるため職業が改変されている。本当は弁護士ではなく、エリート商社マンだったという説がある。 そこまではいいのですが、なんと彼は、術後に人がまるっきり変わってしまったんです。仕事を途中で投げ出したり、どうでもいいことに妙にこだわるようになったり。 そこでダマシオが、人格が変わってしまったエリオットを改めて検査したところ、前頭葉の表面は無事だったけど、内側がかなり損傷していることがわかったのです。 ダマシオの検査によれば、知能テストではまったく「異常なし」。でも、感情のコントロールが悪くなるわ、弁護士時代は非常に共感能力が高かった人なのに、まったくダメになってしまうわと、恐ろしい結果になってしまったんです』、「若くして脳腫瘍におかされ」、「脳外科医によって手術が行われ、腫瘍は脳から完全に摘出」、「彼は、術後に人がまるっきり変わってしまったんです。仕事を途中で投げ出したり、どうでもいいことに妙にこだわるようになったり」、「知能テストではまったく「異常なし」。でも、感情のコントロールが悪くなるわ、弁護士時代は非常に共感能力が高かった人なのに、まったくダメになってしまうわと、恐ろしい結果になってしまったんです」、「脳腫瘍」の手術はやはり予想外の副作用が出るリスクがあるようだ。
・『EQは前頭葉の働きを示す  【中野】フィニアス・ゲージ(*)のEQ版っていう感じですね。彼も鉄道工事に従事していたときの事故で脳が損傷し、性格がまったく変わってしまったんですよね。 *19世紀アメリカの鉄道作業員。鉄道工事の事故で、大きな鉄の棒が彼の脳を完全に突き抜けて前頭葉に大きな損傷を受けた。にもかかわらず命に別状はなかったのだが、事故後は人格と行動が完全に変わったといわれる。 【和田】そうそう、まさに。ダマシオは、こういった異常を起こす病変の患者がほかにもいることに気づいたんです。 この話が、ダニエル・ゴールマン(*)のEQ解説書で紹介されてから、多くの研究者は、「EQは前頭葉の働きを示すもの」と考えるようになりました。逆に捉えれば、前頭葉の働きをよくできれば、EQは向上させることができる、ということでもある。 *心理学者・科学ジャーナリスト。EQに関する書籍を執筆。『EQ こころの知能指数』など邦訳されている作品も多い』、「19世紀アメリカの鉄道作業員。鉄道工事の事故で、大きな鉄の棒が彼の脳を完全に突き抜けて前頭葉に大きな損傷を受けた。にもかかわらず命に別状はなかったのだが、事故後は人格と行動が完全に変わったといわれる」、先の「ダマシオ」の例と似た事例だ。これで、「「EQは前頭葉の働きを示すもの」と考えるようになりました」、なるほど。
・『頭のよさには知能面、感情面がある  【中野】前頭葉にフォーカスして対談を進めていくのはいい考えですね。 今回、和田先生と私が本を作るということで、どういうテーマがいいかずっと考えていたんです。せっかくですから、「“頭がいい”とはどういうことか」というテーマがいいんじゃないか。いまの話を受ければ、「頭のよさ」には、知能面もあれば、感情面もありますよね。 【和田】なるほど。 【中野】そんなふうに考えたのには、実は個人的な理由もあるんです。 いまの東大と昔の東大は雲泥の差があるとはいえ、まだまだ世間的に関心を持たれている大学ですよね。毎年、東大理IIIにはそれなりの数の人が受かりますが、和田先生はその中でも際立つ存在でした。私は、学生時代に和田先生の本(*)を読んで、「この人の切れ味はすごいな」と驚いたことがあったんです、生意気にも。 *和田氏は1986年に『試験に強い子がひきつる本──偏差値40でも東大に入れる驚異の和田式受験法88』を上梓。その後、多くの受験関連本を刊行している。中野氏は東大受験を目指しているときに和田氏の本を読み、複雑な課題が一本の補助線を引くことで一気に整理されるような爽快感に打たれた、という』、「中野」氏が「学生時代に和田先生の本を読んで、「この人の切れ味はすごいな」と驚いたことがあったんです」、すごい巡り合わせだ。
・『和田秀樹は「システムハック」している  【中野】和田先生の受験本ひとつとっても、「お勉強して、こういうふうに大学に受かりました」というただのノウハウを書いているわけじゃない。“システムハック”をしているな、と思ったんです。 目先の問題解決をするために単純に「やり方」を暗記して使う能力と、たいていの人が無批判に受け入れてしまっている現実の不条理を整理し、問題点を洗いだして、それを解決するために数ある手段から適切な方法を導きだす。いわば、システムハックができる能力。この2つはまったく別物です。 後者が本当の知性というべきものと私は考えていますが、それがないがしろにされているために、多くの問題が起きていると感じます。 「本当の知性」を強化しないとヤバい。これから来る不確実性の時代に生き残っていくことが難しくなります』、「目先の問題解決をするために単純に「やり方」を暗記して使う能力と、たいていの人が無批判に受け入れてしまっている現実の不条理を整理し、問題点を洗いだして、それを解決するために数ある手段から適切な方法を導きだす。いわば、システムハックができる能力。この2つはまったく別物です。 後者が本当の知性というべきものと私は考えています」、「「本当の知性」を強化しないとヤバい。これから来る不確実性の時代に生き残っていくことが難しくなります」、その通りだろう。
・『誰でも「いま」より頭がよくなれる  【中野】「頭がいいとは、いったいどういうことだろう?」という問いは、多くの人に、自分の可能性を揺さぶり起こすためのトリガーとして作用するでしょう。和田先生の思考の鋭さをより多くの人に知っていただけるとも思います。 【和田】こんなことを言うとなんですが……中野先生も僕も、たまたま学歴が東大卒だから、2人で「頭がよくなる」なんて話をすると、読者の方は「とても真似ができない」と思ってしまうかもしれません。 でも、実は僕が目指しているのは、普通の人でも誰でも、いまより必ず頭がよくなることはできる、ということなんです。その意味では、中野先生のおっしゃったことって、まさに僕がこれまでたくさん本を書いて伝えようとしてきたことでもあります。 今回こういう機会を改めて持つことができたのは嬉しいですね。『頭のよさとは何か』を手に取ってくださった読者のみなさんと、「本当の頭のよさ」について一緒に考えていけたらと思います』、「実は僕が目指しているのは、普通の人でも誰でも、いまより必ず頭がよくなることはできる、ということなんです」、嬉しい励ましだ。
タグ:「「本当の知性」を強化しないとヤバい。これから来る不確実性の時代に生き残っていくことが難しくなります」、その通りだろう。 (その1)(人は1日に23回逆境を経験する!?脳では何か起きているのか、能率が上がるのは朝か 夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組み、誰でも「いま」より頭がよくなれる…脳科学者・中野信子と精神科医・和田秀樹が語る「脳トレ」の真実 「頭のよさ」には知能面もあれば 感情面もある) 脳科学 「中野」氏が「学生時代に和田先生の本を読んで、「この人の切れ味はすごいな」と驚いたことがあったんです」、すごい巡り合わせだ。 「19世紀アメリカの鉄道作業員。鉄道工事の事故で、大きな鉄の棒が彼の脳を完全に突き抜けて前頭葉に大きな損傷を受けた。にもかかわらず命に別状はなかったのだが、事故後は人格と行動が完全に変わったといわれる」、先の「ダマシオ」の例と似た事例だ。これで、「「EQは前頭葉の働きを示すもの」と考えるようになりました」、なるほど。 「若くして脳腫瘍におかされ」、「脳外科医によって手術が行われ、腫瘍は脳から完全に摘出」、「彼は、術後に人がまるっきり変わってしまったんです。仕事を途中で投げ出したり、どうでもいいことに妙にこだわるようになったり」、「知能テストではまったく「異常なし」。でも、感情のコントロールが悪くなるわ、弁護士時代は非常に共感能力が高かった人なのに、まったくダメになってしまうわと、恐ろしい結果になってしまったんです」、「脳腫瘍」の手術はやはり予想外の副作用が出るリスクがあるようだ。 「左右の機能分化はあるものの、左脳が論理で右脳が芸術(?)という理論にエビデンスが乏しく、信用できないと考えています」、「右脳というより、前頭葉の機能とそのトレーニングにむしろ注目しています。前頭葉機能と知能との関係で注視すべきは「EQ(*)」だと思っています」、なるほど。 「どうも日本人は前頭葉機能がうまく使えない。前頭葉機能というのは、新規のことに対応する能力です。そんな状態だから、AI新時代に対応できない。高齢者だけでなく、日本社会全体が」、その通りだ。 「日本は前例踏襲型です。そんな環境で長年暮らしていると、ふだんの生活で前頭葉をあまり使わなくなる。そのため、高齢になればなるほど「面白くない老人」が多くなってしまう」、「いまでは、高齢者のほうがテレビ情報に振り回されて新型コロナウイルス感染症を必要以上に怖がったりしていますから。前頭葉を鍛えていないと意欲が落ちて、脳の老化が早まるだけでなく、危機対応能力とかクリエイティビティに関しても早く落ちてしまうように思えてなりません」、困ったことだ。 「「脳トレ」自体はかなり眉唾まゆつばなところがあるけれど、続けることで脳の血流が増えることは悪いことではないし、前頭葉を使うことになるのは間違いないと思う」、「たとえば日本人の高齢者は新聞をよく読むから、意外に側頭葉機能は落ちないと思うんです。前頭葉機能というのも、使っているほうが落ちにくいんじゃないかと、高齢者をずっと見てきた僕としては感じています」、「新聞」の思わぬ効用だ。 「記憶障害や知能障害が起こるはるか以前に、まず脳の前頭葉機能が衰えてしまうんです」、「意欲だとか新しいことへの対応能力だとか、クリエイティビティとか、そういった能力から先に「老化」してしまう」、そうした能力は確かにいかにも「老化」には耐えられそうもない。 第一人者どうしの対談とは興味深そうだ。 中野信子×和田秀樹『頭のよさとは何か』(プレジデント社)の一部を再編集 対談「誰でも「いま」より頭がよくなれる…脳科学者・中野信子と精神科医・和田秀樹が語る「脳トレ」の真実 「頭のよさ」には知能面もあれば、感情面もある」 和田 秀樹 中野 信子 PRESIDENT BOOKS 「サーカディアン・リズムの乱れは日光を浴びるとリセットできる」、「夜型だからと日光を避けた生活を続けていては、サーカディアン・リズムは乱れるばかり。ついには心身の不調を招きかねないだろう。日中の活動に苦手意識がある場合でも、日光浴が健康維持につながることを覚えていてほしい」、「日光浴」はやはり重要なようだ。 「クロノタイプ「イルカ」」の「人口」比は書かれてないが、逆算すると20%となる。「サーカディアン・リズムに従ってトレーニングの時間帯を見直してみると、モチベーションアップや効率性アップが期待できる」、「オオカミ」以外は午前中がほぼ共通するようだ。 「人間」の「体内時計」が「分類」できる4つの「タイプ」とはどんなものなのだろう。 書籍『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社) 鈴木 舞氏による「能率が上がるのは朝か、夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組み」 「どうしても苦しい状況の中では「やめよう」「もっと楽な道を」と考えてしまうのが普通だが、同じ苦しい中でも「これはチャンスだ」と考えて失敗を恐れずに動ける人もいる」、いつも前者を選択すれば、負け犬となるが、後者を選択するのは勇気と覚悟が必要だ。 「プルーニングは脳が行う断捨離、チューニングは脳で行われる学習」、「このプルーニングとチューニングは一生続きます」、「脳は一生変化・進化を続けるのです。 つまり、逆境トライアングルのネットワークを、輝かせるのも、錆びつかせるのも、僕たち次第というわけです」、自己責任の世界のようだ。 「必要なのは、自分の中の恐れがどこからくるのか、その恐れが何を引き起こしているのか、勇気をもって向き合うこと。すると、恐れは、ブレーキとして作用するのではなく、あなたの一部となり、次へのステップアップを促すアクセルとして機能しだします」、確かに説明されると納得するが、こんなに上手くいくのかとの疑問も残る。 「人は一日に平均23回の逆境を経験する」、「逆境」の定義が幅広いとはいえ、結構多いのに驚かされた。「脳は、物事が予測通りに進んでいる状態を好みます。生きものとして、そのほうが安全、快適だし、楽だからです。いつも通りに物事が運んでいれば、僕たちはいちいち考えて決断する必要もなく、ほぼ自動的に行動できます。 自動的に進んでいくはずの物事の中で、想定外のことや、どことなく違和感があることに出会うと、脳が嫌悪のサインを送ってきます」、「脳が認識したギャップに対して、意味不明、理解不能として否定、無視または拒絶して 「脳の中の「逆境トライアングル」」とは興味深そうだ。 川崎康彦氏による「人は1日に23回逆境を経験する!?脳では何か起きているのか」 ダイヤモンド・オンライン 「実は僕が目指しているのは、普通の人でも誰でも、いまより必ず頭がよくなることはできる、ということなんです」、嬉しい励ましだ。
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