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保険(その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担) [金融]

保険については、2月14日に取上げた。今日は、(その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担)である。

先ずは、3月23日付けデイリー新潮「大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03231132/?all=1
・『保険金の受取人となっていた20代の男性  昨年7月、大阪府高槻市にある一軒家で一人暮らしをしていた高井直子さん(54)が遺体で見つかった事件。カギとなっているのは、彼女に1億5千万円の保険金が掛けられていたという点だ。その受取人である20代養子男性の素顔とは――。 高井さんは水の張られた浴槽に顔が浸かった状態で発見されたが、右手首に結束バンドが巻かれていたことから、府警は事件性を疑って捜査を開始。その後の調べで左手首にも結束バンドの跡が見つかったため、府警は何者かが高井さんの両手を縛り、溺死を装って殺害したと考えて捜査を進めているという。室内に荒らされた様子はなく、居間には70万円入りの封筒や通帳などが残されていたため、物盗りによる犯行の線は早い段階で消えたが――。 「一方で注目を集めたのは、彼女に1億5千万円もの保険金が掛けられていたこと。保険金の受取人は、昨年2月頃に彼女の養子になった、都内在住のAという20代後半の男性でした」(社会部記者) つまり、高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後であることから、彼に疑いの目が向けられているのである。では、一体A氏とはどのような人物なのか』、「高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後」、典型的な保険金殺人事件だ。
・『家賃30万円以上の赤坂のタワマン  A氏は関西の有名私大でアメフト選手として活躍した後、大手コンサルティング会社、外資系保険会社を渡り歩き、現在は退職している。彼の知人によると、現在の住まいは「家賃30万円は下らない赤坂の高級タワマン」で、会社勤めを辞めた後に周囲には「FXで儲けている」と豪語していたという。 「高井さんには2社合計で1億5千万円の生命保険が掛けられていましたが、そのうちひとつは、かつてAが在籍していた外資系保険会社のものでした」(前出の記者) 3月24日発売の「週刊新潮」では、離婚調停中のA氏が抱えていた“慰謝料問題”などと併せて詳報する』、「A氏」は絵に描いたようなエリートサラリーマンだ。通常、「1億5千万円の保険金」程度で殺人を犯すとは考え難いが、“慰謝料問題”があるのであれば、動機になり得る。真相が知りたいところだ。

次に、5月16日付け東洋経済オンライン「マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/588822
・『マニュライフ生命保険による節税効果を過度に強調した営業行為をめぐって、当時主導していた元幹部社員と責任追及に向けた金融庁との攻防戦の幕が開こうとしている。 生命保険を活用した節税指南という不適切な営業行為をめぐって、金融庁がマニュライフ生命保険に対して実施している立ち入り検査が大詰めを迎えている。 監督官庁による立ち入り検査となれば、本来は行政処分が下るか否かに大きな注目が集まるものの、今回はやや様子が異なる。 なぜなら、マニュライフに対する行政処分はもはや必至の情勢とみられているからだ。生保業界の関心は処分の有無をすでに通り越し、旧経営陣など責任追及の範囲がどこまで及ぶかに移っている。 状況を正しく理解するために、まずは検査に至った経緯とその背景から振り返っていこう』、興味深そうだ。
・『金融庁と国税庁が規制を強化  金融庁がマニュライフへの立ち入り検査に着手したのは、2022年2月のこと。きっかけは2021年6月、金融庁と国税庁が「節税保険」に対する規制を強化したことにあった。 マニュライフをはじめとする一部の生保はそれまで、低解約返戻金型の逓増定期という法人向けの保険商品を使い、「名変(名義変更)プラン」と呼ばれる節税効果を過度に強調するような営業を展開していた。 同商品はおおむね契約から5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっている。その仕組みを利用して、契約者は5年目になる直前に契約の名義を法人から役員など個人に変更し譲渡。そうすると返戻金は税制上個人の一時所得として扱われ、役員報酬などと比べて所得税の負担を大きく軽減できるというからくりだ。 節税効果を出すには、法人から個人への名義変更手続きをピンポイントでおこなう必要があるものの、そのからくりを営業職員が何らの資料もなしに、口頭だけで説明し契約者に理解してもらうのは簡単ではない。 そこでマニュライフなどの一部の生保は、節税のスキームを記した「指南書」を内々に作成し、販売代理店などに配布しながら拡販に汗を流していたわけだ) 税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ。 ただその後、2017年に日本生命保険がプラチナ型と呼ばれる新たな法人向けの定期保険を開発。名義変更といった面倒な手続きが不要で、節税効果が高いこともあって、各社はプラチナ型の節税保険の販売に一気に傾注していった。 プラチナ型の節税保険市場は、業界推計で約8000億円にまで膨張するなど一大ブームを巻き起こしたが、業を煮やした金融庁と国税庁が2019年6月に規制強化に踏み切り、通達の改正によってほぼ節税効果が得られないようなかたちになったという経緯がある。 そのとき、最も割を食ったのがマニュライフだった。当時、節税効果(単純返戻率)が最も高いプラチナ型の商品を開発。拡販をまさに進めようとしていた矢先に、規制強化で販売を封じられる憂き目にあってしまったのだ。 ある生保の幹部は「そのときのやり切れない思いが、下火になっていた名変プランに再び目を向けさせ、以降の節税指南の営業推進につながっていったようだ」と解説する』、「税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ」、「「租税回避行為」に近い」とは言い得て妙だ。
・『既契約も規制対象にし生保に鉄槌  その後、マニュライフだけでなく、エヌエヌ生命保険、SOMPOひまわり生命保険、FWD生命保険も、結果として規制強化の網をすり抜けた名変プランに目を付け、営業に力を入れるようになっていった。 事態が大きく動いたのは、2021年6月。節税保険をめぐるイタチごっこに堪忍袋の緒が切れた金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下したのだ。節税保険が実質的に「既契約遡及」となるのは、2006年の長期傷害保険以来、実に15年ぶりのことだった。) そのため金融庁は、さらなる実態調査が必要と判断し、以降は生保各社や販売代理店に対して厳しい調査を進めていった。その中で明るみに出たのが、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」(生保役員)ことだった。 金融庁は、そうした不適切な営業行為の「悪質性、反復性、組織性を鑑みた」(金融庁幹部)うえで、マニュライフへの立ち入り検査に踏み切ったというのがこれまでの流れだ』、「2021年6月・・・金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下した」にも拘らず、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」、というのは当局に対する挑戦に近い。
・『マニュライフ元幹部たちの「逃げ得」  その中で浮かび上がった大きな課題がある。それは、不適切営業における責任の追及範囲だ。実は、マニュライフで逓増定期保険の拡販を陰に陽に進めていた一部の幹部社員たちは、すでに転職してしまっており、金融庁として保険業法などの法律に基づき責任を追及するのが難しくなっているのだ。 マニュライフの旧幹部社員たちの主な転職先の一つが、アフラック生命保険。折しもアフラックは、2019年の「かんぽ不正問題」以来、郵便局を通じたがん保険などの販売が低迷し保有契約件数の純減が続くなど、営業の立て直しが急務になっている。 そのミッションを営業部門の責任者として担っているのが、ほかでもないマニュライフからの転職組だ。社内会議では「2024年までに(新契約年換算保険料をコロナ禍の前水準となる)800億円を達成」とぶち上げるなど、その鼻息は荒い。 足元では新契約獲得のためのドアノック商品として、ペット保険を販売メニューに加えようと、専門に扱う東京都内の少額短期保険業者の買収も検討している。 アフラックのある役員からは「そのうちに手っ取り早く新契約を獲得しようと、医療保険を使った節税指南の推進などと言い出すのではないかと内心ひやひやしている」との声が漏れる。 不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ。  過去の契約についても「期待していた税務上の効果が得られないまま保険料を負担することになってしまい、保険契約者保護という面で生じた問題は大きい」と金融庁幹部が話すように、契約者に“実害”が出てしまうことへの責任は、生保業界が認識している以上に大きいものだった』、「不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ」、「新天地で」の「営業推進」を「不適切」にやっていないか否かをチェックするほかなさそうだ。

第三に、5月18日付け東洋経済オンライン「生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/589045
・『生命保険会社の営業職員の給与は、理不尽なほど少ない。課された営業目標を達成しても、固定給が年を追うごとに下がっていく。 「え?なんでこんなに少ないの……」 2020年から国内の生保A社の営業職員として働くTさん(女性、30代)は、入社から1年数カ月が経ったころ、会社から渡された月額給与の明細表を見て言葉を失った。 固定給と歩合給などを合計した給与(課税対象額)が12万円台で、そこから所得税や社会保険料などを控除した手取り額が約10万円だったのだ。入社から3カ月ごとにある査定(営業成績の評価)は毎回クリアしていた。約30人いる同期入社の職員の中でも営業成績は上位で、通常は2年かかる営業主任にも「飛び級」で昇格した。 それにもかかわらず、初任給を大きく下回る月額給与にまで落ち込んでいた。「時には休日出勤までして、フルタイムで働いているのにこの給与では生活水準が維持できない」とTさんは困惑している。 いったい生命保険会社の営業職員の給与体系はどうなっているのか』、興味深そうだ。
・『ノルマ未達なら雇用契約は打ち切りに  一般的に営業職員の給与は、勤務する地域や職位(役職など)によって決まる固定給と、毎月の営業成績に応じて支払われる歩合給の合計となっている。歩合給は営業成績次第で増減するので、給与総額は毎月変動する。 A生保の場合、入社時の固定給(いわゆる初任給)は月額14万~18万円で、Tさんが勤務する地域の初任給は15万円となっていた。 入社から3カ月間は固定給のみの支払いだったが、徐々に仕事を覚えて保険の契約を順調に獲得できるようになると、販売手当と呼ばれる歩合給の金額も増えていった。月によっては給与が20万円を超えることもあった。 生保会社の営業職員に対しては、おおむね3カ月~半年単位で、成績を評価する査定(「職選」と呼ぶ会社もある)が行われる。会社が定めた期間内に獲得した保険契約の件数や保険料などが基準(ノルマ)に達していれば昇格し、達していなければ現在の職位のままか、降格の憂き目に遭う。ノルマを大幅に下回れば、雇用契約の終了、つまり解雇されてしまう。) TさんはA社による5回の査定を無事にクリアして、新人職員の職位から営業主任へ昇格した。同期の営業職員には新規開拓がうまくできずに辞めていった人や、ノルマ未達で雇用契約終了となった人もいた。 ただ、査定をクリアするたびに固定給は段階的に減っていく。Tさんの場合、15万円でスタートした固定給は1年後に11.5万円となり、今では4.7万円と初任給の3分の1以下に減少した』、「歩合給」が十分にそれをカバーしているのだろうか。
・『営業の必要経費も「個人負担」に  その一方で、獲得した保険契約を販売手数料(歩合給)に換算する割合である「支給レート」は段階的に上がった。だが、固定給の減少分を歩合給で補うには、A社の換算で「1000万基準ポイント」の保険契約を獲得しないと追いつかない。1000万基準ポイントとは、月5000円の掛け捨ての医療保険で月2件、一時払い500万円の外貨建て貯蓄性保険であれば月3件分に相当する。 しかし、この成績は、営業経験がなく入社した2年以内の新人が毎月コンスタントに獲得できる数字ではない。 入社から1年数カ月を過ぎた頃、Tさんの給与は月12万円台で、そこから所得税や社会保険料、労働組合費などを引かれ、手取り額は約10万円となった。「10万円の手取りから、個人で負担する必要経費を差し引くと5万円以下になる月もある。会社からは正社員と言われているのに、営業活動に関わる費用を負担させるのは疑問に思う」(Tさん)。 Tさんが言う「個人で負担する必要経費」とは、顧客訪問の際の交通費やガソリン代、駐車場代、名刺や年賀状、カレンダーなどの経費、顧客との飲食代などのことだ。生保の営業職員は、こうした営業活動に関わる費用を個人が負担する。会社は営業所までの往復の交通費ぐらいしか負担しない。 生保各社は営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている。簡単に言うと、生保の営業職員は「社会保険に加入した個人事業主」というほうがわかりやすい。 Tさんの場合、営業の際の車のガソリン代や駐車場代、顧客への贈答品代・飲食代などの営業費用が毎月5万円程度かかる。中でも馬鹿にならないのが駐車場代だ。毎日通う営業所に併設されている駐車場はA社の管理職専用のものであり、営業職員はみな個人で近くのコインパーキングなどを借りている。 営業所では毎朝、1時間かけて朝礼が行われる。したがって、「営業部長の話が3分で終われば駐車場代も安く上がるのに」というのは営業職員たちの偽らざる本音だ。 さらに、納得がいかないとTさんが語るのが、顧客に出す郵便物の切手代負担だ。例えば、契約者から入院給付金の請求手続きの依頼があった際、給付金請求書などの必要書類を契約者に発送する必要がある。A社では、その場合の郵便代も個人の負担になる。 「郵便局で切手を買って自分でポストに投函しに行く。その手間や費用負担を惜しむなら、『直接書類を届けるように』と会社から言われる。ただでさえ薄給なのに、どこまで私たちにコストを負担させれば気が済むのか」とTさんは憤る』、「営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている」、そうであれば、「切手代負担」もやむを得ないのだろう。
・『保険契約が解約されると手当が減額に  納得できないのはこれだけではない。生命保険会社の場合、大手でも中堅の会社でも、営業職員が獲得してきた保険の契約に対して、「戻入(れいにゅう)」の仕組みを取り入れている。戻入とは、新規で獲得した保険契約が2年以内に解約や減額された場合に、担当営業職員の販売手当が減らされる仕組みのことだ。 Tさんも戻入のペナルティを受けたことがある。ただ、顧客が保険を解約した理由は「コロナによる収入減で保険料が払えなくなったから」であり、Tさんの責任ではなかった。それでも容赦なく戻入金は発生し、営業職員がその責めを負う。戻入については、複数の営業職員から「解約になったら何でも私たちのせいにするのはおかしい」という不満の声が出ている。 今回取り上げたA社の給与体系のように、歩合給は成績によって変動するうえ、獲得した保険契約によって歩合給がいくらになるのか計算式は複雑だ。「毎月の給与は月末にもらう給与明細表を見るまでわからない」(Tさん)という悩みを抱える営業職員は少なくない。 大手生保の中には近年、固定給や歩合給の変動を小さくして給与を安定的に支払う制度への改革を進める会社も出てきている。 例えば、明治安田生命は2022年4月から、前年度の営業成績の評価に基づいて、1年間は定額の月給を支払う体系に変えている。また、第一生命も2022年4月以降に採用する新人営業職員の月額給与を、従来平均で60%アップさせて、入社から2年間はその給与を維持する制度を導入している。) こうした流れを受けて、A社も給与体系を変更しようとしている。まずは入社2年以内の新人の営業職員に対して、2022年4月~2023年3月の1年間の月額給与(額面)は、最低13万~17万円(地域によって異なる)を保障する。ただ1年間の試行実施であり、2023年度以降も継続するかは未定という。 新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ』、「新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ」、なるほど。
・『十分な事前説明なく営業職員を採用  生命保険会社の処遇で一番大きな問題は、このように独特で複雑な給与体系や雇用の形態、査定結果により降格や雇用契約終了もあることなどを十分に説明せずに営業職員を採用していることだ。 東洋経済の取材に対し、複数の営業職員は「採用時には正社員であることや社会保険に加入できることなどのメリットばかり強調されて、デメリットの説明は一切なかった」と口をそろえる。これは大手、中堅とも変わらない。それどころか大多数の営業職員が「ノルマなどはない」「査定はあるが誰でも達成できる」など、事実と異なる説明を受けていた。 「仕事の選択」という人生を左右しかねない重大な局面において、嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている。その活動によって、毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく。 従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない。 【情報提供のお願い】東洋経済では、保険営業の抱える課題を継続的に取り上げていきます。こちらのフォームへ、保険営業に関する情報提供をお待ちしております』、「毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく」、「嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている」、まさにブラックな採用活動だ。「従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない」、同感である。 
タグ:「2021年6月・・・金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下した」にも拘らず、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」、というのは当局に対する挑戦に近い。 「税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ」、「「租税回避行為」に近い」とは言い得て妙だ。 保険 東洋経済オンライン「マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に」 「A氏」は絵に描いたようなエリートサラリーマンだ。通常、「1億5千万円の保険金」程度で殺人を犯すとは考え難いが、“慰謝料問題”があるのであれば、動機になり得る。真相が知りたいところだ。 「高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後」、典型的な保険金殺人事件だ。 デイリー新潮「大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔」 「毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく」、「嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている」、まさにブラックな採用活動だ。「従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない」、同感である。 「新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ」、なるほど。 「営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている」、そうであれば、「切手代負担」もやむを得ないのだろう。 (その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担) 「歩合給」が十分にそれをカバーしているのだろうか。 東洋経済オンライン「生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担」 「不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ」、「新天地で」の「営業推進」を「不適切」にやっていないか否かをチェックするほかなさそうだ。
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維新の会(その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】) [国内政治]

維新の会については、3月24日に取上げた。今日は、(その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】)である。

先ずは、3月16日付けデイリー新潮「日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03161132/
・『「極めて異例」またも、日本維新の会による「おともだち優遇」疑惑が噴出した。維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎしているとみられるのだ。 昨年6月20日と7月11日、大阪市住之江区にある複合施設「オスカードリーム」では、同区にある「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種が行われていた。 「大阪市内には、これ以外にクリニックが独自に大型接種会場を設置した例はありません。東京都内においても、クリニックが大型接種会場を開設した事例はなく、『ただクリニック』の件は極めて異例です」(政府関係者) 何より疑問なのは、規模が決して大きくない「ただクリニック」が、なぜ大型接種会場を開設するほどの大量のワクチンの供給を受けられたのか、という点だ。「ただクリニック」には、市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分されたのだ』、「維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎ」、「「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種」、「極めて異例」、「市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分」、すごい優遇だ。
・『東議員に聞くと……  公益財団法人「政治資金センター」がネット上で公開している東議員の政治資金収支報告書を見ると、「ただクリニック」の多田均院長名義で毎年、寄付がなされており、2020年までの6年間で計33万円。さらに、接種会場となった「オスカードリーム」を運営する不動産会社の代表取締役も19年、20年に合計15万円を東議員に寄付しているのだ。ある地方自治体職員によると、小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という。 そこで東議員に「ただクリニック」へのワクチン大量供給について聞くと、 「まっっっっっったく関係ありません。私に介入の余地はありませんよね」 と答える一方、支援者が運営する施設が接種会場となったことについては、「私は『こういう所がありますよ』と多田さんにアドバイスしたくらいです」と関与を認めた。 医療機関がワクチンを接種すると、接種費用に補助金などを加え、1回につき5070円が支払われるため、「ただクリニック」は約2万回の接種によって約1億円を得た計算になる。 3月17日発売の「週刊新潮」では、食い物にされる「ワクチン行政」の実態について詳報する』、「小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という」、こんな恣意的な行政が公然と行われているとは、世も末だ。維新の会に丸め込まれた大阪のマスコミにも責任がある。

次に、4月23日付け現代ビジネスが掲載した衆議院議員・前新潟県知事の米山 隆一氏による「独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94623?imp=0
・『今だから明かすべきだと私が考えた理由  2012年~2015年の2年間、私・米山隆一は衆議院議員・参議院議員の候補者として日本維新の会(維新の党)に所属していました。 この連載で、私が維新で経験し、感じたことを、可能な限り客観的に書いていきたいと思います。 日本維新の会は、伸長と停滞を繰り返しながら、2021年の選挙で41議席を獲得し、ブームを起こした2012年の結党時の議席に迫りつつあります。 その中で、維新はことあるごとに「身を切る改革」と叫んで自らはお金に対してクリーンであることを喧伝していますが、私は第1回目の衆議院選挙では使いもしないのに100万円の経費を徴収されましたし、2015年の分裂騒動では橋下氏らの大阪組は「政党交付金の国庫返納!」を叫びながら、ひたすらお金に執着し、刑事事件すれすれの事さえして資金を収奪していました。 彼らが見せている姿とその実像は、余りに食い違っています。 今、できるだけ多くの日本の未来に関心を持つ方々に、「維新の実態とはどのようなものか」を事実に基づいて理解してもらうことは、日本の岐路を選択する上で、極めて重要な事だと考え、筆を執ることとしました』、信頼に足る内部告発で興味深そうだ。
・『候補者面接と「内定」  「なかなかな経歴だけど、自民党で2回選挙に落ちているんだね。何が足りなかったと思う?」 2012年10月、大阪市中之島の日本維新の会本部ビルの12階で、関西弁の強い、顔色が悪く皴の多い男性の面接官から尋ねられました。 私は、「選挙自体は私は、いずれも惜敗だったと思います。ただ地域のキーマンへの配慮や対策が足りない部分があったと思います」 と答えました。自民党時代旧知の間柄であった、松浪健太衆議院議員(当時・現大阪府議)からの立候補の勧誘を受けてものだったこともあって面接は和やかな雰囲気のまま進みました。 「分かりました。私からは以上ですが、米山さんから質問はありますか?」 この男性からそう問われ、私は答えました。 「はい、一つだけ質問があります。比例重複立候補の順位は、小選挙区の候補者全員同列の一位という事で宜しいでしょうか? 候補者にとっては極めて重要なことですから」 「もちろんだよ」 面接官はそう答え、私はそれを聞いて安心して部屋を後にしました。その面接官は、後に当時大阪維新の会府議団長であった、弁護士の坂井良和氏であることが分かりました。その数日後に新潟5区からの立候補者として内定する旨の通知を得て、私は日本維新の会に入党しました』、「自民党で2回選挙に落ちている」、なるほど。
・『国政進出前の熱気  この日を遡ること半年、2012年の5月、私は自民党時代に同じ二階派で親しかった松浪氏に声をかけられ、麻布のバーに向かっていました。 瀟洒なビルの3階のドアを開けると、そこには手にグラスを持った多くの男性がおり、ある人は立ち、ある人はソファーに腰かけて、話していました。この中には、衆議院議員で官房副長官まで務めた松野頼久氏、桜内文城氏、小熊慎司氏などがいました。 会では、3年前に政権交代を成し遂げた民主党政権が震災復興と消費増税で迷走するなかで、近く予想される総選挙に向けて橋下徹大阪市長(当時)が率いる地域政党・大阪維新の会の国政進出が話し合われていました。 その会話の中では、第1次安倍内閣崩壊後、谷垣禎一氏が総裁を務める自民党で失意の身だった安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました。 声をかけられて赴いたとはいえ、並みいる議員たちの中で、浪々の身である私は小さくなっていました。それでも、閉塞する日本の政治を変えようという熱気をひしひしと感じました』、「安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました」、「安倍」が「維新」に参加する可能性」があったとは初めて知った。
・『一期生が持っていた星雲の志  同年9月12日、大阪維新の会の代表である橋下氏が「維新八策」を発表し、世の中を覆う閉塞感を打開する新政党への期待が高まり、同年9月28日、日本維新の会が設立されました。 11月には大阪のコンベンションセンターで開かれていた「維新政治塾」の最終講義に呼ばれ、「塾生」達と初めて顔を合わせました。麻布のバーでたむろしていたスーツの男性たちとは違い塾生たちの多くは若くフレッシュで、女性の姿も目立ちました。 この時同席していた仲間に、後に参議院議員となる塩村彩夏氏(立憲民主党)、2017年に衆議院比例近畿ブロックで当選した森夏枝氏、昨年10月の衆議院選挙で初当選した青柳仁士氏(日本維新の会)などがいます。 その後立候補する大阪の市議・府議を含め参加者は一様に講師たちの講義を熱心に聞き、様々な質疑を行いました。休憩時間には連絡先をお互いに交換し、政治にかける思いを語る光景がここかしこで繰り広げられました。 この時集まった一期生の間には確かに、日本の政治を刷新していこうという純粋な、そして燃えるような青雲の志が確かにあったと思います。私はこの時の同期の何人かとは、今でも友人付き合いを続けています』、「一期生が持っていた星雲の志」、は確かなようだ。
・『石原新党との合流  11月16日に衆議院が解散された翌17日、観測が流れていたとはいえ、私を含む多くの人にとっては「突如」、日本維新の会と、石原慎太郎氏率いる太陽の党の合流が発表されました。塾で会った候補者の考え方は多種多様でしたし、そこまで深く意見を聞いたわけでもないのですが、恐らく6~7割方はリベラル寄りであったと思います。 自民党時代、私は党内では最もリベラルな立ち位置でしたから、とても驚きました。私は困惑を感じながらも、維新の主流派はリベラルのままであり、太陽の党の出身議員の発言権はそれほどにはならないだろうと考えて、自らを納得させたことを昨日の事のように覚えています』、「太陽の党」は『吸収」され、「出身議員の発言権はそれほどにはならな」かったようだ。
・『「100万円徴収」で感じた懸念  その後、候補内定者は直ちに大阪中之島の日本維新の会本部のビルに呼ばれ、記者会見と、選挙手続きの説明、橋下氏との写真撮影などが行われました。 ここで驚いたのは、小選挙区と比例区の供託金600万円と合わせて、ポスター作製などの発注業者が指定され、製作費として100万円を振り込むこととされていたことでした。 私は自民党で政治活動をしていた時からなじみの深い業者さんがおり、ポスター作りのコンセプトやコンテンツを共有していました。選挙まで1か月しかない中で、勝手を知らない業者さんと一から話をする時間が惜しいと感じた私は、軽い気持ちで事務局に 「ポスター等は自分で発注して自分で作るので100万円はいいですよね?」と聞いたところ、その答えは 「いえ、自分で作るのは自由ですが、100万円は振り込んでください」というものでした。私はその回答に非常に驚きましたが、党本部と喧嘩するのも得策でないと考え、 「分かりました」と答え本部を後にしました。 後に、同様の申し出をした候補が複数いたことを聞きましたが、いずれも、「ポスター作製代100万円は必須」でした。 そもそもポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません。 作ったばかりの政党ですから資金不足で候補者にカンパを募ることはありうるとして、それならそうと明示すべきで、このような形で資金を徴収すべきではありません。私は早くもこの時、後に痛いほど知ることになる、彼らのお金への執着と、掲げる看板と実態に大きな懸隔の一端を、垣間見たのです』、「ポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません」、その通りだ。
・『他の候補者から漏れ聞こえてきた実情  新潟に帰り、100万円と供託金300万円(当初は比例の300万円も自腹との事でしたが、流石に軌道修正され、比例の供託金は党が負担する事になりました。)を支払い、私は大急ぎで選挙準備を進めました。 私はすでに自民党で2回選挙を戦っていた経験から、選挙運動の勝手がわかっていました。全ての人員をボランティアでそろえるのには苦労しましたが、日々何とか体制が整ってきました。 その中で私は、塾で連絡先を交換した候補者たちと、準備状況をお互いに相談するMLを作りました。私自身選挙準備に追われていたので、他の選挙区での様子を具体的に把握できたわけではないのですが、どの選挙区でも、党本部からのケアはほぼ皆無という状況でした。 今まで一度も選挙活動をしたことがない若者から、最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ、その後はほったらかし。 少なからぬ人が小選挙区では勝負にもならず落選し、供託金も没収となるのは、目に見えていました。政治家は使い捨てとはいえ、随分なものだと、私は思っていました』、「最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ」、費用は結構かかるようだ。
・『「中田宏=比例1位」の困惑  私自身の選挙の勝算は、候補者が多くいる関西、関東と異なり、新潟5区の属する北信越ブロックでは、解散の時点では富山に1人、長野に2人、新潟に私を含めて2人の合計5人の候補者がいるだけ。しかし、世論調査などの維新への支持率から、2~3人の当選が予想され、十分勝機が見込めるというものでした。 ところが私のこの計算は、同年11月30日、前横浜市長中田宏氏を、北信越ブロックの維新比例単独1位で擁立する事を発表したことで早くも崩れました。 「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」という坂井氏の言が、何の説明もなく反故にされたことを知った私は、声をかけてくれた松浪氏を始め、知遇のあった複数の維新の国会議員に「あまりにひどいではないか。中田宏氏をどうしても比例1位で処遇するなら、せめて中田氏も富山1区など小選挙区で立候補すべきだ」と抗議しましたが、聞き入れられることはありませんでした。 12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした』、「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」との約束が簡単に反故にされるのでは、候補者は確かにかなわないだろう。

第三に、この続きを、4月23日付け現代ビジネス:議院議員・前新潟県知事の米山 隆一氏による「約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94625?imp=0
・『かつて維新に籍をおいていた元新潟県知事の米山隆一代議士が見た「維新」の実像とは何か? それは改革を掲げる政党のそれとはとても思えないものだった。前編に引き続き、ありのままの実態を明かす。(この記事は前後編記事の後編です/前編はこちらから)』、興味深そうだ。
・『私の名前をひと言も言わなかった橋下氏  12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした。 演説会は11時00分開始で、橋下代表代行の演説は11時45分からだというのです。応援弁士が、自分の演説開始時間を指定するのは当然ですが、演説会自体は候補者の陣営が開催するもので、応援弁士側が演説会全体の開始時間を指定するは、自民党時代からも一度もなかったからです。 これが自民党であれば地元の県議・市議に応援演説をしてもらえばその場を持たせることは容易だろうと思いますが、当時の日本維新の会は、当然のことながら新潟には一人も地方議員はいませんでした。 私の後援会組織も十分ではなく、ボランティアの応援団はいましたが、橋下氏見たさで多人数の参集が見込まれる中で「前座」で演説ができる度胸のある、経験豊富な政治家はいません。やむを得ず私は、45分間を一人の長演説で繋ぎ、橋下代表代行を迎える事にしました。 心配された私の演説も何とか終わり、橋下氏が現れて演説をしたとき、私はさらに驚きました。橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えたのです』、「橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えた」、「米山」氏はさぞがっかりしたことだろう。
・『納得して寄付?  それだけではありません。橋下氏は演説の中で、誇らしげに 「相手は350億円もかけて選挙をやっているのに、僕ら日本維新の会はお金をかけずにやっているんです。しかもね、立候補者、皆自費で選挙をやっているんです。これが本当の政治家ですよ。 見て下さい、民主党のあの最後のドタバタ劇。民主党は候補者に300万円渡しているんです。これ全部皆さんの税金。300万円だけもらって、逃げちゃった候補者もいたらしいけれども。後で返したらしいですが。日本維新の会は、金を渡すどころか、立候補者から100万円頂いているんです!」 とドヤ顔で話したのです。候補者から100万円を徴収していることが週刊誌で報道されて問題視された故に、「候補者も納得して最初から寄付して貰った」という事にしたのでしょうが、その余りの実態との乖離に、私は眩暈を覚えました(ただしこの部分は動画の記録が残っていなかったので、記憶と千葉における演説を参考に再現しました)』、「米山」氏には腹立たしいだろうが、さすが「橋下氏」らしい収め方だ。
・『私を門前払いにした橋下氏  自民党で応援弁士が応援している立候補者について一言も触れないなどということは一度もありませんでしたし、このような明らさまな欺瞞もありませんでした。もちろん私は一候補者に過ぎませんから、演説の内容に口を出す立場にはありません。私は無事演説会を終えた安堵を感じながらも、失望を禁じえませんでした。 そのあと党本部から「地元の名店を予約するように」と言われていたので、私は名物である枌そばの名店「小嶋屋」を予約しました。 特段会食は設定されていませんでしたが、自民党の応援弁士の方は、大臣クラスでも、時間があれば候補者・後援会スタッフと食事をするなり少なくとも挨拶ぐらいはかわすなりするのが常だったので、私は落選中を含めもう7年間も支えてくれている、地元の名士でもある後援会長と共に、小嶋屋に向かいました。 小嶋屋に入ると橋下氏はすでに個室で食事をしているとの事で、その部屋に後援会長とともに挨拶に行くと、入り口は文字通り黒服のSPが控え、 「現在休憩中だから誰とも会えない」とのことで私と後援会長は、話をするどころか顔を見る事すらない門前払いといっていい対応を受けました』、事前に打ち合わせしておくのが普通だが、「米山」氏が遠慮したのが、結果的にまずくなったようだ。
・『候補者もスタッフもただの「駒」  勿論全国の候補者を応援して回っていた橋下氏が多忙を極めていたのは分かります。又当時の日本維新の会は、橋下氏の人気と知名度に大きく依存しており、氏からは全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろうとも思います。 しかし、いかに橋下氏でも、一人で選挙はできません。政党として国政選挙を戦うには多くの候補者やスタッフが必要で、だからこそ当時の維新は、碌に選挙をしたこともない若者達に自腹で1000万円近くを負担させて、172名もの候補者を擁立していたのです。その候補者やスタッフをまるでごみのように扱うという事は、結局のところその地域もごみのように扱うという事でしょう。 私は、その場で後援会長と共に席を取り、全く味のしないそばを、胸に湧き上がる苦い思いとともに飲み下しました』、「橋下氏」にすれば「候補者もスタッフもただの「駒」、「全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろう」、やむを得ない。
・『次点で落選  公示前からそんな事があったとはいえ、その後私の選挙戦は、自民党時代からの支持者・ボランティアと、数は少ないながら新たに得たスタッフに支えられて、それ相応に順調に進みました。12月16日の投開票日昼頃には、私の陣営のもとには「恐らく比例復活で当選」との報がマスコミから伝えられました。 私は特段、飾りもない選挙事務所で吉報を待とうと考えていましたが、マスコミから「万歳をするのに必要」と言われて即席のひな壇を作り、万歳撮影の際の位置まで、マスコミ各社と打ち合わせました。当然、マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました。 午後8時を迎え、私と支持者は期待を持ち開票速報を見ていました。しかし、北信越ブロックの維新の獲得議席は3議席。私は惜敗率44.38%で維新4位、次点で落選という残念な物でした』、「マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました」、甘いようだ。
・『「え? そんなこと言ったの?」  選挙から1ヵ月ほどたった12月末、「選挙の総括」という事で、落選した候補者が大阪の維新本部に呼ばれました。実質的な代表でありながら、太陽の党との合流で代表代行となっていた橋下氏が総括を述べた後、質疑となり、落選した候補者の多くが、手を挙げて質問し、意見を述べました。維新の選挙サポートのなさを指摘するものも多かったのですが、そういった意見でも全体としてのトーンは今後に生かし、さらに前向きに努力するというものでした。 そんな中、私はどうしても釈然としない思いで、手を上げ、発言の機会を得ました。 私は目の前の橋下氏を見据えて尋ねました。 「このような機会を与えて頂き、大変ありがとうございます。今ほど、多くの皆様らか非常に有益な指摘や、前向きな決意が表明されました。私も今回は落選してしまいましたが、挫けることなく頑張りたいと思います。ただそれに当たって、一つ申し上げたいことがあります。 私は面接のとき、『小選挙区候補者は同列一位ですか』と面接官に聞き、『同列一位だ』と明言されました。私だけではありません。何人かに聞いたところ、複数の候補者が、同じように確認し、同じ回答を得ています。ところが、蓋を開けたら、全てのブロックで、単独比例1位、2位の候補が擁立されました。 私は、維新は、閉塞した自民党政治を打破し、『合理的な正しい政治』を実現する政党だと思っています。その政党が、内部のことであってもこういう不合理な事をしてはいけないと思います。なぜこのようなことになったのかその理由を伺うとともに、次回以降は、比例順位についての党の方針も、きちんと説明していただきたいと思います」 橋下氏は、私の質問が終わるか終わらないかのうちに、いつもの大きな早口で答えました。 「え? そんな事を言ったの? それ誰? 分からない? ああ、でもそういったなら、それは僕のミスです。すみません。しかし候補者の擁立は、高度な政治判断で党執行部が行います。皆さんは自分の力で選挙をするんじゃない、党の力で選挙をするんだから、それは当然です。ただ、今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」 私は、太陽の党との合流を聞いた時から、心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら、 「分かりました。ご回答ありがとうございます」と答えて質問を終えました』、「橋下氏」は「今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」、と一応、謝るところは男らしい。しかし、「心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら・・・」、決別したのだろう。
タグ:現代ビジネス 「小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という」、こんな恣意的な行政が公然と行われているとは、世も末だ。維新の会に丸め込まれた大阪のマスコミにも責任がある。 「橋下氏」にすれば「候補者もスタッフもただの「駒」、「全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろう」、やむを得ない。 事前に打ち合わせしておくのが普通だが、「米山」氏が遠慮したのが、結果的にまずくなったようだ。 「米山」氏には腹立たしいだろうが、さすが「橋下氏」らしい収め方だ。 「橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えた」、「米山」氏はさぞがっかりしたことだろう。 米山 隆一氏による「約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】」 「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」との約束が簡単に反故にされるのでは、候補者は確かにかなわないだろう。 「最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ」、費用は結構かかるようだ。 「ポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません」、その通りだ。 「太陽の党」は『吸収」され、「出身議員の発言権はそれほどにはならな」かったようだ。 「一期生が持っていた星雲の志」、は確かなようだ。 「安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました」、「安倍」が「維新」に参加する可能性」があったとは初めて知った。 「自民党で2回選挙に落ちている」、なるほど。 信頼に足る内部告発で興味深そうだ。 米山 隆一氏による「独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】」 「維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎ」、「「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種」、「極めて異例」、「市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分」、すごい優遇だ。 デイリー新潮「日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側」 「橋下氏」は「今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」、と一応、謝るところは男らしい。しかし、「心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら・・・」、決別したのだろう。 「マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました」、甘いようだ。 (その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】) 維新の会
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情報セキュリティー・サイバー犯罪(その8)(富士通ITシステムの欠陥が引き起こした英史上最大700人近い冤罪事件 企業の社会的責任とは、ライブ配信中「アカウント乗っ取り」驚きの手口 ツイッターのパスワードリセット機能を悪用、日本企業が直面する「サイバー空間の地政学的リスク」 脅威の傾向と防衛策とは) [社会]

情報セキュリティー・サイバー犯罪については、昨年8月11日に取上げた。今日は、(その8)(富士通ITシステムの欠陥が引き起こした英史上最大700人近い冤罪事件 企業の社会的責任とは、ライブ配信中「アカウント乗っ取り」驚きの手口 ツイッターのパスワードリセット機能を悪用、日本企業が直面する「サイバー空間の地政学的リスク」 脅威の傾向と防衛策とは)である。

先ずは、本園3月1日付けYahooニュースが掲載した在英国際ジャーナリストの木村正人氏による「富士通ITシステムの欠陥が引き起こした英史上最大700人近い冤罪事件 企業の社会的責任とは」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20220301-00284481
・『「ポストオフィス・ホライゾンIT公聴会」が始まる  富士通のITシステム「ホライゾン」の欠陥で700人近い民間受託郵便局長(準郵便局長)が全く身に覚えのない罪に陥れられた英史上最大の冤罪事件の公聴会が開かれている。システム導入から20年以上の歳月が過ぎ、自殺者を含め33人が濡れ衣を着せられたまま他界(英大衆紙デーリー・メール)。被害者の肉声に耳を傾けるとDX(デジタルトランスフォーメーション)という流行り言葉以上に企業の良心とは、社会的責任とは何かを改めて考えさせられた。 チャールズ英皇太子と故ダイアナ元皇太子妃の「世紀の結婚式」で有名なセント・ポール大聖堂そばにある国際紛争解決センターで「ポストオフィス・ホライゾンIT公聴会」は開かれ、2月14日から元局長の証言が始まった。 最初の証言者はマレーシア出身で20年以上、銀行で勤務した経験を持つバルジット・セティさん(69)。妻アンジャナさん(67)の父親が準郵便局長だったことから、2人で民間受託郵便局を営むことを思いつく。 1983年、アンジャナさんは英イングランド東部エセックス州で準郵便局長になり、2人は約19年間、何事もなく事業を展開する。手作業で日々の取引を記録して帳簿を作成した。時間はかかったが、現金の過不足が出ることはなかった。 過不足が生じた場合、帳簿を調べるとどこに問題があるのかすぐに突き止めることができたからだ。毎週、帳簿を集計してポストオフィスに送った。 インターネットや電子メールの普及により英国の郵便事業を担うロイヤルメールは2013年に民営化され、株式上場を果たした。それに伴い郵便事業の窓口業務を担うポストオフィスは政府が100%保有する非公開有限責任会社の形で切り離された。準郵便局長はポストオフィスとフランチャイズ契約を結んで民間委託郵便局を経営している。 バルジットさんは7回も郵便局強盗に襲われたが、体を張って1ペニーも渡さなかった。「ポストオフィスのお金を命懸けで守った」と胸を張った。01年ごろ、ポストオフィスからもう一つ民間受託郵便局を経営しないかとしつこく持ちかけられた。 乗り気ではなかったが「儲かるから」と執拗に説得され、長期リースや改装、警備など多額の投資をして2店舗目を持った。総額で15万ポンド(2340万円)近くを投資した』、「2人は約19年間、何事もなく事業を展開する。手作業で日々の取引を記録して帳簿を作成した。時間はかかったが、現金の過不足が出ることはなかった」、事務処理能力は高いようだ。
・『ホライゾンになって毎週1千ポンドの現金不足  2店舗目も1年目は順調だったが、02年ごろからホライゾンによって毎週1千ポンド(約15万6千円)の現金不足が指摘されるようになる。ホライゾンは現金過不足の防止と効率化のため1999年から順次、導入されていた。 バルジットさんは何度もポストオフィスのヘルプラインに連絡しても助けは得られなかった。2人は現金、切手、TVライセンス料など隅から隅まで調べてもホライゾンの勘定より現金が少なくなっていた。経験豊富なバルジットさんはホライゾンを疑った。 不足している現金は約1万7千ポンド(約265万円)に達した。ポストオフィスは突然、不足分を支払わなければ契約を3カ月後に打ち切ると通告してきた。 次の3カ月、不思議なことに現金の過剰が生じるようになり、その額は約4万ポンド(約624万円)に膨れ上がった。契約上、過剰分は懐に入れて良いことになっていたが「正しいことではないと感じた。ホライゾンが正しいとはとても信頼できなかった」という。 02年6月、ポストオフィスが監査に入った時、3万8922ポンド(約607万円)の過剰が生じていた。しかし契約は一方的に打ち切られ、ポストオフィスは差し引きして1万7874ポンド(約279万円)の不足分を支払えと通告してきた。2人は22年間にわたって経営してきた郵便局を失った。 債務超過で任意整理手続きが強制的に始められたため、新しい仕事を見つけることはできなかった。バルジットさんは重い鬱を患うようになり、自殺を真剣に考えたという。 英国の訴訟費用は庶民にとっては心臓が飛び出すほど高い。このためバルジットさんは下院議員や上院議員に相談した。13年になってポストオフィスから1千ポンドの補償で調停が持ちかけられたが、金額が安すぎて断った。 最終的に5千ポンド(約78万円)で泣く泣く折り合った。「50年、懸命に働いてきたのに貯金も生活もビジネスも失い、3人の子供たちの人生も暗転した」とバルジットさんは涙ながらに訴えた』、現金の不足・余剰の額は、1.7万£の不足、4.0万£の余剰、監査時には3.9万£の余剰、最終的な請求額は1.8万£と、どうみても辻褄が合わない。こんないい加減なもので「人生」が「暗転」させられるのでは、全く割に合わない。それにしても、「富士通」ともあろう一流のベンダーにあるまじき不祥事だ。
・『「数千のバグがあるホライゾンはクソの詰まった袋だった」  ポストオフィスは全取引の4割を占める年金など公的給付金支払いの窓口業務が05年までに銀行口座への直接振り込みに移行することを恐れてホライゾンの導入を急いだ経緯がある。 銀行は地方や農村地区の5%にしか存在しないが、地域に密着する郵便局はその60%をカバーしている。ホライゾンを英国の隅々にまで展開すればすべての銀行が郵便局支店をバンキング業務に使うかもしれないという計算も働いた。 しかし、この事件を追いかけているジャーナリスト、ニック・ウォーリス氏は渾身の著書『ザ・グレート・ポストオフィス・スキャンダル』で1998年に富士通に入社した内部告発者の証言を取り上げている。 「建物の中にいた全員があれ(ホライゾン)はクソの詰まった袋だと知っていた。最も深刻で使用不可を意味するカテゴリーAを含むバグが数千もあった。開発チームの8人のうち優秀なのは2~3人で、残りは幼稚園児並みだった」 しかし2000年からホライゾンに基づく不足分の取り立てや準郵便局長の訴追が始まり、有罪判決が量産されるようになる。04年に元準郵便局長の1人が「ポストオフィスの犠牲者」というウエブサイトを立ち上げ、09年に英専門誌コンピューター・ウィークリーが初めてホライゾンに濡れ衣を着せられたとして7人の元局長を取り上げた。 10年にはホライゾン・オンラインに切り替えられ、「ホライゾンは堅牢」との内部報告書が出されている。しかしコンサルティング会社はホライゾンにはバックドアがあり、追跡できないユーザーがネットワーク内を動き回っているとの懸念を指摘していた。 18年に元局長らは大きなリスクを覚悟の上で集団訴訟に踏み切り、19年12月、ロンドンの高等法院でポストオフィスは元局長555人に対し5800万ポンド(約90億6600万円)を支払うことで和解が成立した。和解金の多くは訴訟費用に充てられ、元局長が手にできたのは1200万ポンド(約18億7600万円)に過ぎなかった』、「コンサルティング会社はホライゾンにはバックドアがあり、追跡できないユーザーがネットワーク内を動き回っているとの懸念を指摘していた」、その「指摘」はどう生かされたのか不明だ。
・『2400人が補償申し立て  刑事事件審査委員会でこれまでに72人の有罪判決が取り消された。これを含めて700人近くの有罪判決が取り消される可能性がある。ポストオフィスは1人10万ポンド(約1560万円)を上限に補償に応じる方針で、現在2400人から補償が申し立てられている。 冤罪に陥れられた準郵便局長の中には不足分を埋めるため借金したり、失職してホームレスに転落したり、妊娠中に投獄されたり、結婚生活が破綻したり、子供が学校でいじめられ自傷行為に走ったりしたケースもある。 ポストオフィスは“被害者”であり、捜査官であり、検察官でもあった。だから相互チェックが全く働かなかった。ポストオフィスの監査では元局長はみな一様に「ホライゾンで問題が生じているのはあなただけだ」と説明され、不正会計の罪を認めて不足分を支払えば重い窃盗罪は取り下げると司法取引を持ちかけられていた。 法律扶助制度が日本に比べて十分でない英国では無実であっても元局長らは刑務所に入るのを恐れて司法取引に応じざるを得なかったのだ。 ポストオフィスに与えられた公訴権は不足分を取り立てるための手段と化し、司法取引の条件として「ホライゾンのことは一切口外しない」ことを誓約させられていた。ポストオフィスが英政府と一体であることも真相究明を遅らせた。 ホライゾンの欠陥を明確にし、教訓が生かされているか確かめるため、ボリス・ジョンソン英首相は20年2月に公聴会の開催を約束した。元局長のほかポストオフィス、富士通、英政府関係者が証言台に立つ。 証言者の一人、ダミアン・オーウェンさんの両親も民間委託郵便局を経営していた。オーウェンさんは10年に結婚し、第一子もできた。民間委託郵便局のマネジャーに指名されたが、同年8月の監査の結果、2万4867ポンド(約389万円)の現金不足を指摘された。窃盗罪で起訴され、禁錮8カ月の有罪判決を受けた。3カ月刑期を務めたあと足首に電子タグをつけられて釈放された。 オーウェンさんの事件は新聞の1面で報じられた。情報がメディアにリークされたのは明らかだった。暴力事件が絶えない刑務所の中で神経をすり減らしたオーウェンさんの体重は25キロ以上も減った。オーウェンさんは酒に溺れ、精神状態がおかしくなった。 「小さな支店だったので最も多い時でも1万3千ポンド(約203万円)だった。そんなに大きな穴が出るわけがなかった」と振り返った。ウォーリス記者の取材ではホライゾン導入後、週に10万ポンドの現金過剰が出た元局長もいる』、「ポストオフィスの監査では元局長はみな一様に「ホライゾンで問題が生じているのはあなただけだ」と説明され、不正会計の罪を認めて不足分を支払えば重い窃盗罪は取り下げると司法取引を持ちかけられていた」、「法律扶助制度が日本に比べて十分でない英国では無実であっても元局長らは刑務所に入るのを恐れて司法取引に応じざるを得なかった」、「ポストオフィスに与えられた公訴権は不足分を取り立てるための手段と化し、司法取引の条件として「ホライゾンのことは一切口外しない」ことを誓約させられていた」、「システム」にバグがあるにも拘らず、取り立て・司法取引に持ち込むのは乱暴だ。
・『「富士通にもポストオフィスにも責任がある」  オーウェンさんは富士通の責任について筆者にこう語る。「システムにかなり責任がある。どんなに急いでいても、どんなに早く完成させなければならないというプレッシャーがあったとしても、非常に多くの結果を残した。彼らがプロジェクトに着手した時、システムを構築し始めた時、システムをテストした時、欠陥を発見した時、そしてそれを実行し続けたことに責任がある。それを正すべきだ」 「しかし富士通はこの件から完全に距離を置いている。富士通はポストオフィスを非難し、ポストオフィスは富士通を非難している。それは言い逃れであり、両者とも責任をなすりつけ合うことはできない。誤りがあることを知っていて、それに従っているのだから、どちらにも責任がある。一緒に被害救済に取り組むべきだ」と憤りをぶちまけた。 集団訴訟の裁判官は29個のバグやトラブルを精査した上で「ホライゾンは最初の10年間は完璧には程遠く、バグ、エラー、欠陥が含まれており、その後も問題を抱えていた。ポストオフィスがホライゾンの欠陥を否定することは21世紀において地球が平らであると主張することに等しい」と指弾した。 「富士通の従業員が裁判所に提出したホライゾンのバグやエラー、欠陥に関する証拠の信憑性に重大な懸念ある」と裁判資料を検察当局に送付し、ロンドン警視庁が裁判での偽証の疑いで富士通の元社員2人を2回にわたって事情聴取した。 12~19年までポストオフィスのCEO(最高経営責任者)を務めたポーラ・ベネルズ氏は500万ポンド(約7億8千万円)の報酬を受け取り、ポストオフィスと慈善活動での実績が評価され、勲章を受賞した。「富士通から一貫して受けていたメッセージは、他のITシステムと同様にホライゾンは完璧ではなく、寿命も限られているが、基本的には健全というものだった」と英下院ビジネス・エネルギー・産業戦略特別委員会に説明した。 一方、富士通のロブ・プットランド上級副社長は「準郵便局長の起訴や集団訴訟の遂行に関するすべての決定はポストオフィスが行った。証人の選択、証拠の性質、関連文書など、訴訟のすべての側面を決定したのはポストオフィスだった」と弁解した。 ポストオフィスは富士通との契約を24年まで延長した。元英官僚の1人は富士通のITシステムはポストオフィスだけでなく、英政府の中枢も担っており、切っても切り離せなくなっていると打ち明けた。富士通に手を引かれると英政府は機能マヒに陥る恐れがあるというのだ。 富士通は今回も「将来に向け重要な教訓を得るため、最大限の透明性のある情報を提供することを約束する」と判で押したようなコメントを出した。しかし英史上最大の冤罪事件がなぜ起きたのかという真相は依然として藪の中だ。政府やポストオフィス、富士通は公聴会で正直にすべてを打ち明けるのだろうか。 最大で20年間苦しみ続けてきた元局長らの高齢化は進み、被害救済に一刻の猶予も許されない。企業の良心と社会的責任が問われていると思う。(おわり)』、「富士通のITシステムはポストオフィスだけでなく、英政府の中枢も担っており、切っても切り離せなくなっていると打ち明けた。富士通に手を引かれると英政府は機能マヒに陥る恐れがある」、1社への依存のマイナス面が顕在化したようだ。それにしても、驚くような不祥事が余り日本で報道されてないのは残念だ。

次に、4月21日付け東洋経済オンラインが掲載した成蹊大学客員教授/ITジャーナリストの高橋 暁子氏による「ライブ配信中「アカウント乗っ取り」驚きの手口 ツイッターのパスワードリセット機能を悪用」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/582313
・『ライブ配信が人気だ。YouTube LIVE、17LIVE、Mirrativ、SHOWROOM、ふわっちなどの多くのライブ配信サービスがあり、毎日のように配信する配信者も多い。2020年のライブ配信市場規模は500億円とも言われている。 「ライブ配信中にSMS認証(注)が表示されていたことに気づかなかった。気づいたら、ゲームアカウントが乗っ取られていた」「投げ銭をしてくれるリスナーとDM(注)していたら勘違いされて、最寄り駅で待ち伏せされた。突然、配信者名を呼ばれてゾッとした」 一方、ライブ配信によって、このようにアカウントを乗っ取られたり、ストーカー被害につながる事例が増えている。ライブ配信で起きるリスクと対策について解説したい』、「ゲームアカウントが乗っ取られていた」、「最寄り駅で待ち伏せされた」、恐ろしいことだ。
(注)SMS認証:本人確認のために、ユーザーのスマートフォンや携帯電話にSMS(ショートメッセージ)を送信し、そこに記載された一時的な確認コードをWeb上で入力することで認証する仕組み(アスピック)
(注)DM:ツイッターやFacebookなどのSNSで特定の相手やグループ内だけでメッセージを送受信するダイレクト・メッセージ(The Smart Sales)。
・『SMS認証悪用で不正にアカウント作成  安全のため、多要素認証を設定している人は多いだろう。たとえばID・パスワードに加えて、スマホへSMSで送信された認証番号を入力する必要がある仕組みのことで、セキュリティーが高まるものだ。しかしこれをショルダーハック的に盗み見たうえで、SMS認証が必要なアプリのアカウントを勝手に作成する犯罪が起きている。 ゲーム実況など、自分のスマホ画面を映してライブ配信する人が増えている。2022年3月、神奈川県在住の高1男子生徒(16歳)が書類送検された。ライブ配信者のスマホにSMS認証をして画面に表示させることで、不正にフリマアプリのアカウントを作成。約300回にわたって不正なアカウントの作成を繰り返し、50万円ほど売り上げていたのだ。 昨年4月には、ライブ配信をしていた20代の男性が、悪用した人物に携帯電話の番号を特定されたうえ、勝手にアカウントを作成される被害にあっている。男性が利用していたサービスの運営会社では、同様の手口の被害が70件以上起きているという。 同様の手口で、アカウントが乗っ取られる被害も起きている。 2022年3月、ゲーム実況者の画面にSMS認証を表示させ、他人のアカウントを乗っ取ったとして、不正アクセス禁止法違反の疑いで無職男性(18歳)と男子高校生(16歳)が書類送検された。無職男性は乗っ取った約30個のアカウントで約20万円、男子高校生は約50個のアカウントを乗っ取り10〜20万円を得ていた。 このとき悪用されたのが、Twitterのパスワードリセット機能だ。Twitterのパスワードを忘れた場合、ユーザー名を入力すると、電話番号を設定している場合「末尾が○○の携帯電話にコードを送信」が選択できる。Twitterのユーザー名は公開されており、誰でも把握できる。これを入力することでSMS認証によるパスワードリセット、再設定が可能となり、ゲーム配信画面で確認すればアカウントを乗っ取ることができるのだ。 そのうえで、連携するゲームのアカウントも乗っ取ったというわけだ。アカウントさえ乗っ取れば、アカウント情報から電話番号も確認できてしまう。 なお、SMS認証が必要なサービスには、LINEやTwitter、メルカリやラクマなどのフリマアプリ、ポイントサイトやQRコード決済アプリなどがある。 Twitterなどで「SMS認証代行します」というアカウントを見かけるが、SMS認証は販売されていることがある。このように不正に作成されたアカウントは、マネーロンダリングなどに使われることが知られている』、「ライブ配信者のスマホにSMS認証をして画面に表示させることで、不正にフリマアプリのアカウントを作成。約300回にわたって不正なアカウントの作成をSMS認証は販売されていることがある繰り返し、50万円ほど売り上げていた」、「悪用されたのが、Twitterのパスワードリセット機能」、「SMS認証は販売されていることがある」、全く巧妙な手口だ。
・『「通知オフ」の徹底を、対策済みアプリも  対策として、ライブ配信時に通知が出ないように設定すると安心だ。このためには、いくつかの方法がある。 通知をオフにしようと思っても、忘れてしまうことがある。そこでiPhoneユーザー(iOS 15以降)の場合は、「集中モード」を活用しよう。オートメーションで特定アプリを起動したときには自動的に通知を出さないようにできる。設定→集中モードでアプリを選んで設定してほしい。 通知が出ないようにされているアプリもある。ゲーム実況などで使われるDiscordには配信モードがあり、OBS(配信ソフト)の起動中は自動的に通知が出ないようにできるのだ。 Mirrativでは、配信設定の中に「プッシュ通知隠し」がある。プッシュ通知が飛んできたときには、自動的に画面共有がオフになる仕組みだ。出てしまった通知は、「通知ぼかし機能」で読めなくするなどの対策が施されている。Android端末は「プッシュ通知隠し」をオンにしたうえで、サイレントモードなどを利用するといいだろう。 個別メッセージが配信中に表示されてプライバシーが流出、問題に発展して引退につながってしまった配信者もいる。このようなトラブル対策で多くのサービスが警告を出しているが、トラブルは続いている状況だ。 さらに進んで、プラットフォーム側で配信中はデフォルトで通知オフにしたり、通知を読めなくするなど対策すべきだろう』、こうした「対策」は全てするべきなようだ。
・『距離感を勘違いした故の「ライバー殺人事件」  「『今、後ろにいるよ』とDMがきて振り返ったら、50代くらいのおじさんが笑って立っていた」 これは、NHK「ねほりんぱほりん」のライバー(ライブ配信者)の回で、ライブ配信者の女性が語った恐ろしいエピソードだ。「距離感が近すぎると誤解されるし、よそよそしくしすぎると怒り出す」ので、距離感が難しいという。 ライバーはリスナーと距離が近い。名前を呼ばれたり、人間関係ができるこのような距離感の近さが売りの一つとなっている。しかしそのため距離感を勘違いするリスナーもおり、ストーカー事案に発展することも珍しくない。 2022年1月には、「ライバー殺人事件」も起きている。埼玉県越谷市でライブ配信者の女性が、投げ銭をしてくれていたファンに殺されたのだ。配信者の女性とリスナーの男は事件前に一度しか会っていなかった。男は動機について、「女性にライバーと視聴者の関係に戻ろうと言われた。女性が他の男のものになるなら殺してしまおうと思った」と語っている。距離感を勘違いされたために起きた悲劇だったというわけだ。 「投げ銭をくれるから、ついついリスナーの言うことを聞いて、個別にDMしたり、お願いを聞いたり、直接会ったりしてしまうライバーはいる。でも、個別のやり取りをすると『恋人同士』と勘違いするリスナーが出てきて危険と実感した」と、冒頭で紹介した女性配信者はいう。 専業ライバーなど、生活のすべてをコンテンツ化するライバーは多いが、生活圏で配信するとストーカーされるリスクがある。配信は自室内限定にするなど、居場所や自宅が特定されないような配慮が必要だ。 また、投げ銭をされるとついリスナーに心を許して個別にやり取りしたり、直接会ってしまう配信者もいるが、危険な行動だ。DMやLINEなどの個別のやり取りはせず、コメント欄や配信内など公の場でのやり取りに留めること。くれぐれも直接会ったり、自宅を教えたりしないことが大切だ。 ライブ配信が一般化したことで、悪用する事例や、犯罪被害につながる事例が続いている。個人情報はしっかりと管理し、リスナーとの距離感をうまく保ちながら、安全に配信を楽しんでほしい』、「ライバー殺人事件」は「距離感を勘違いされたために起きた悲劇」、「DMやLINEなどの個別のやり取りはせず、コメント欄や配信内など公の場でのやり取りに留めること。くれぐれも直接会ったり、自宅を教えたりしないことが大切だ」、大いに気を付けたいものだ。

第三に、5月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したコントロール・リスクス・グループ コンサルタントの菊池朋之氏による「日本企業が直面する「サイバー空間の地政学的リスク」、脅威の傾向と防衛策とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/302644
・『現実世界だけでなく、サイバー空間でも地政学的リスクが増大している。サイバー攻撃には特定の国が関与していることも多く、日系企業も十分注意が必要だ。今回は、地政学的リスク分析のプロが、サイバー空間における地政学的リスクを解説する』、興味深そうだ。
・『サイバー空間における地政学的リスクが上昇 日系企業も他人事ではない  2018年以降の米中対立の激化や、22年2月下旬に開始されたのロシアによるウクライナ侵攻により、日系企業が対応をしなければならない地政学的リスクは増大している。こうしたリスクの高まりは、現実世界だけでなくサイバー空間においても現出しており、日本の企業や組織はサイバー空間における地政学的リスクを認識し、適切な予防策と対応策を講じていくことが求められている。 社会のIoT(モノのインターネット)化の進展は年々加速しており、総務省の「令和3年版情報通信白書」では、何らかの形で情報通信技術に接続されているデバイスの数が世界全体で22年に約300億台、20年代中に500億台程度まで増加すると予測されている。 そして、インターネットを利用した国際的な情報通信も増加の一途をたどり、新型コロナウイルスの感染拡大により、さらに加速している。国際電気通信連合(ITU)の報告によれば、新型コロナウイルスによる移動制限、在宅勤務の国際的な普及等により、20年の国際的なインターネット上の通信量を示す越境データ流通量は世界全体で19年から37.7%増加した。18年から19年の越境データ流通量の増加が31.8%であったことを考慮すると、新型コロナウイルスの影響により通常よりも5~6%程度が増加したと考えられる。 前稿『日系企業にとってのロシア・ウクライナ危機、地政学的リスクへの対応力強化が急務』において述べた通り、ロシアによるウクライナ侵攻は、企業・組織にとっての地政学的リスクの不確実性を高めている。IoT化の進展と地政学的リスクの不確実性の高まりは、サイバー空間におけるリスクの影響と蓋然(がいぜん)性の上昇につながっている。サイバーセキュリティーの重要性は本稿において改めて言及するまでもないが、企業や組織はサイバー空間における地政学的リスクの影響を、これまで以上に考慮する必要が生じている。 国境のないサイバー空間が地政学的リスクとの関連性を有している点について、疑問を持たれる方もいるかもしれない。しかし、私たちが想起すべきなのは、サイバー空間を支えるインフラとそのユーザーは必ず地政学的属性を有しているという点である。つまり、通信インフラとしてのケーブルやサーバーなどの各種機器は、物理的な土地(や海中)に設置されており、サイバー空間のユーザーである個人や団体は特定国に国籍や登記として地理的属性を有している。 サイバー攻撃やサイバー犯罪には、一定の政治的思惑や思想信条に基づく要因が含まれ、通信インフラやIoTデバイス利用する施設が設置されている場所の地理的・政治的特性という、地政学的リスクの影響を強く受けることを考慮しなければならない。 (図表:日本におけるサイバー上の脅威アクターの割合はリンク先参照) そして、国家そのものも企業にとってのサイバー空間における、重大な脅威主体となっている。例えば、弊社のサイバー脅威分析チームの調べでは、18~21年に日本国内において確認されたサイバー攻撃の実施主体のうち51%が何らかの国家機関または、特定国家からの支援を受けた組織であるとみられている(右図)』、「18~21年に日本国内において確認されたサイバー攻撃の実施主体のうち51%が何らかの国家機関または、特定国家からの支援を受けた組織である」、なるほど。
・『各国政府がサイバー空間で活動強化 日系企業が備えるべきこととは  各国政府は、サイバー空間における、さまざまな活動を強化させている。例えば、敵対国の外交・軍事機密情報の窃取といった諜報活動、旧来型の軍事活動とサイバー攻撃を組み合わせたいわゆるハイブリッド戦争の能力強化、相手国の技術開発の妨害、フェイクニュースやプロパガンダによる情報操作やSNSの検閲、接続ユーザーのクリアランスなどの制度化が実施されている。こうした、国家のサイバー空間における対外的活動を担う組織の設立や既存組織の強化も各国で進められている。 例えば、サイバー空間での活動を担う国家機関として有名どころでは、中国人民軍の61398部隊、イスラエル国防軍の8200部隊、ロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)、米国の国家安全保障局(NSA)および陸軍情報保全コマンド(INSCOM)などがサイバー空間において公然・非公然の活動を行っている。 また、これら国家の直轄機関以外にも、多くのAPTグループ(サイバー空間上で高度で持続的な脅威となっている特定グループ)が、特定国の支援を受けている組織や非公知組織であるといわれている。さらに米国は、20年に国防総省が「クリーンパス」構想の拡大案を発表し、国内のネットワークから中国など米国と対立関係にあり、米国政府が信頼できないとする国のベンダー機器やサービスの排除を進めている。他方、中国も「自力更生」として、通信分野を含むハイテク分野の対外的依存の脱却を推し進めている。 このように、多くの国家機関や、国家に関係する組織がサイバー空間で活動しているということは、国際政治環境の悪化が、サイバー空間におけるリスク環境の高まりに直結することを示している。敵対的関係にある、相手国の軍事機密情報は重要な諜報対象であり、相手国のインフラシステムへの攻撃により攻撃・防衛能力の阻害が可能となる。また、重要な防衛品目に関係する、研究開発機関や企業の活動を阻害できれば、特定国の軍事的拡張を遅延させることも可能となる。 いうまでもなく、日系の企業や組織も、中国やロシア、北朝鮮などの組織にとっては重要な攻撃対象だ。それらの国と関係するとみられるAPTグループの活動による被害は、国内でも多数報告されている。当社の調査では、日本国内における特定国家と関係を有するサイバー攻撃の実行主体による攻撃の70%超が、何らかの諜報活動に関連するものであり、企業が特に注意すべきなのは、先端技術などの機密情報や顧客情報である。実際にそれらの情報が窃取や、ランサムウェアなど他のサイバー攻撃の被害につながる事例も多数報告されている。 そして、近年増えている被害の一つとして、日系企業の海外子会社が攻撃を受け、最悪の場合イントラシステムから本社のサーバーやシステムに被害が及ぶ事例である。こうしたサイバー攻撃の被害は、研究開発の遅延、社会およびクライアントからの信用失墜、システムやデータ復旧コスト、顧客や取引先の機密情報が含まれていた場合の補償など、多岐に及ぶことを想定しなければならない』、「企業が特に注意すべきなのは、先端技術などの機密情報や顧客情報である。実際にそれらの情報が窃取や、ランサムウェアなど他のサイバー攻撃の被害につながる事例も多数報告されている。 そして、近年増えている被害の一つとして、日系企業の海外子会社が攻撃を受け、最悪の場合イントラシステムから本社のサーバーやシステムに被害が及ぶ事例」、大いに注意すべきだろう。
・『サイバー攻撃発生の予防だけでは不十分 被害が出たときの対策も重要  国内のほぼ全ての企業や組織は、サイバー攻撃に対する何らかの対策・対応を取り、日々強化している。しかし、日系企業のサイバーセキュリティーはファイアウオールの設置などによる、サイバー攻撃を受けないための施策が重視される傾向にある。しかし、サイバー攻撃も組織として対応すべき危機の一つとして、発生を予防するだけでなく、発生を早期に検知し対応を可能にする仕組み・報告体制や、サイバー攻撃を受けた際に被害を軽減するための取り組みも重要である。 さらにいえば、多大なコストと時間をかけた攻撃を実行可能な国家主体によるサイバー攻撃が増加している状況においては、予防策よりもむしろ攻撃を受け、何らかの被害が発生することを前提にした軽減策がより重要であるといえる。 つまり、危機管理の鉄則でもあるが、仮にサイバー攻撃を受け何らかの被害が発生してしまった場合、適切な対応を怠れば被害の拡大要因となる。さらに、一部のサイバー攻撃はどんなに強固な予防措置を取っていたとしても完全に防ぐことは困難である。 仮に、外部からのシステムへの侵入を完全に防ぐシステムを導入していたとしても、自社の導入しているシステム内に、未公表で修正プログラムが提供されていない未知の脆弱性、いわゆるゼロデイを悪意のある組織が先に発見してしまえば、既存のサイバーセキュリティーシステムはほとんど無意味なものとなってしまう。また、重要なシステムを外部のネットワークに接続させずスタンドアローン化し、外部からの侵入を防いでいたとしても、自社の関係者やベンダーが攻撃の入り口になる可能性がある。 例えば、米国政府やイスラエル政府が関与していたとされる(両国政府は否定)、イランの原子力施設に被害を与えた「スタックスネット」は、スタンドアローン化された遠心分離機を制御していたPLC(産業機器の制御システム)に対して攻撃が実施された。この攻撃では、特定PLCのゼロデイ脆弱性を突いた異常作動プログラムが組み込まれた攻撃ウェアを格納したUSBメモリーを、出入りするベンダーに提供することで攻撃が実施されたとされている。この攻撃によりイラン国内の1000基程度の遠心分離機が破損し、イランの核開発は数年単位で遅延したといわれている。 同じような攻撃が日本国内で実施される可能性があり、既に重要な工場やインフラ施設の内部システムに、攻撃用のアクセスルートとなるバックドアが構築され、水面下で攻撃準備が進められている可能性すらも否定できない。そして、国家間関係の対立激化は、国家が主導する予防の困難な高度なサイバー攻撃の脅威の増加に直結するといえる』、「発生を予防するだけでなく、発生を早期に検知し対応を可能にする仕組み・報告体制や、サイバー攻撃を受けた際に被害を軽減するための取り組みも重要である」、「国家間関係の対立激化は、国家が主導する予防の困難な高度なサイバー攻撃の脅威の増加に直結する」、その通りだ。
・『サイバー空間の地政学的リスク 日系企業はどう対応すべきか  では、サイバー空間における地政学的リスクへは、具体的にどのように対応していけばいいのだろうか。リスク管理、危機対応そして地政学的リスク分析の専門ファームとして弊社では下記のようなご支援を提供している。 1. サイバー脅威分析(世界的なサイバー空間上のトレンド(攻撃手法、攻撃主体、対象セクターなど)を収集しサイバー空間における一般的なリスク環境を適切に把握する。その上で、地政学的リスク環境を踏まえて、その企業や組織にとってのサイバー空間上のリスク環境を分析することが求められる。例えば、適切な予防策と検討策を講じるため、攻撃を受ける可能性のあるポイントや情報は社内のどこにあるのか、自社が利用しているサーバーはどこに設置されているのかなどを明確することも重要である。 また、ダークウェブやディープウェブ上などで具体的な脅威情報が検出されないかどうかを確認し、自社が実際に攻撃の対象となっている可能性についても評価することが推奨される。実際に、特定企業のシステムに対するバックドアや脆弱性情報などがダークウェブ上で取引されている事例も多く見られている。 2.サイバーセキュリティー体制評価および強化(現時点でのサイバーセキュリティーに関する施策の実施状況、成熟度を評価し、想定される脅威に対して適切な対応がなされているかを分析する。例えば、サイバーセキュリティマニュアルやITポリシーの整備状況、従業員の順守傾向や理解度、インテリジェンス体制等を評価し、必要な体制強化を行う。 3.サイバー危機管理(上述した通り、サイバーセキュリティーに関連するインシデントは他の危機事象以上に、被害の予防策よりも被害の軽減策が重要となる。特に、国家機関が関与するような攻撃の場合、多くの資金や人員・時間をかけて攻撃が準備されている可能性があり、国際社会の不安定化によって国家が関与するサイバー攻撃が増加することが想定される。つまり、企業や組織は自社も攻撃を受け、何らかの被害が発生することを前提に、サイバーセキュリティーに関連した危機対応プロセス、対応指針、復旧プロセスなどを整備することが推奨される。 4.訓練・教育(適切なサイバーセキュリティー体制が整備されていたとしても、自社の関係者がそれを順守できなければ無意味となってしまう。フィッシングメール訓練やIT教育だけでなく、外部ベンダーの受け入れ環境・手続きの徹底や危機管理訓練も、サイバーセキュリティー体制の強化において重要な要素である。) 新型コロナウイルスや米中対立、ロシアによるウクライナ侵攻によって高まった、サイバー空間における地政学的リスク環境がさらに悪化することはあっても、短期的に改善することは考えにくい。そして、国家のサイバー空間への関与と活動が増加すれば、攻撃手法の高度化がもたらされることも想定される。日本国内で議論が高まっている「経済安全保障」においても、サイバー空間における安全保障の重要性が指摘されており、各企業もサイバーセキュリティー体制を強化することが求められている。 各企業は、自社にとってのサイバー空間上のリスクを、地政学的環境などの他の外部環境に関する知見と統合して分析し、適切な予防策と脅威の検知体制を導入することが望ましい。そして国家の関与するサイバー攻撃は予防が困難であることを自覚し、サイバー攻撃を受けることを前提にした危機管理体制の強化を進め、日進月歩で進む社会のIoT化や業務プロセスのDX化に合わせてサイバーセキュリティそのものの高い柔軟性を維持することが求められている』、「国家の関与するサイバー攻撃は予防が困難であることを自覚し、サイバー攻撃を受けることを前提にした危機管理体制の強化を進め、日進月歩で進む社会のIoT化や業務プロセスのDX化に合わせてサイバーセキュリティそのものの高い柔軟性を維持することが求められている」、その通りだろう。
タグ:情報セキュリティー・サイバー犯罪 (その8)(富士通ITシステムの欠陥が引き起こした英史上最大700人近い冤罪事件 企業の社会的責任とは、ライブ配信中「アカウント乗っ取り」驚きの手口 ツイッターのパスワードリセット機能を悪用、日本企業が直面する「サイバー空間の地政学的リスク」 脅威の傾向と防衛策とは) yahooニュース 木村正人氏による「富士通ITシステムの欠陥が引き起こした英史上最大700人近い冤罪事件 企業の社会的責任とは」 「2人は約19年間、何事もなく事業を展開する。手作業で日々の取引を記録して帳簿を作成した。時間はかかったが、現金の過不足が出ることはなかった」、事務処理能力は高いようだ。 現金の不足・余剰の額は、1.7万£の不足、4.0万£の余剰、監査時には3.9万£の余剰、最終的な請求額は1.8万£と、どうみても辻褄が合わない。こんないい加減なもので「人生」が「暗転」させられるのでは、全く割に合わない。それにしても、「富士通」ともあろう一流のベンダーにあるまじき不祥事だ。 「コンサルティング会社はホライゾンにはバックドアがあり、追跡できないユーザーがネットワーク内を動き回っているとの懸念を指摘していた」、その「指摘」はどう生かされたのか不明だ。 「ポストオフィスの監査では元局長はみな一様に「ホライゾンで問題が生じているのはあなただけだ」と説明され、不正会計の罪を認めて不足分を支払えば重い窃盗罪は取り下げると司法取引を持ちかけられていた」、「法律扶助制度が日本に比べて十分でない英国では無実であっても元局長らは刑務所に入るのを恐れて司法取引に応じざるを得なかった」、「ポストオフィスに与えられた公訴権は不足分を取り立てるための手段と化し、司法取引の条件として「ホライゾンのことは一切口外しない」ことを誓約させられていた」、「システム」にバグがあるにも拘ら 「富士通のITシステムはポストオフィスだけでなく、英政府の中枢も担っており、切っても切り離せなくなっていると打ち明けた。富士通に手を引かれると英政府は機能マヒに陥る恐れがある」、1社への依存のマイナス面が顕在化したようだ。それにしても、驚くような不祥事が余り日本で報道されてないのは残念だ。 東洋経済オンライン 高橋 暁子氏による「ライブ配信中「アカウント乗っ取り」驚きの手口 ツイッターのパスワードリセット機能を悪用」 「ゲームアカウントが乗っ取られていた」、「最寄り駅で待ち伏せされた」、恐ろしいことだ。 (注)SMS認証:本人確認のために、ユーザーのスマートフォンや携帯電話にSMS(ショートメッセージ)を送信し、そこに記載された一時的な確認コードをWeb上で入力することで認証する仕組み(アスピック) (注)DM:ツイッターやFacebookなどのSNSで特定の相手やグループ内だけでメッセージを送受信するダイレクト・メッセージ(The Smart Sales) 「ライブ配信者のスマホにSMS認証をして画面に表示させることで、不正にフリマアプリのアカウントを作成。約300回にわたって不正なアカウントの作成をSMS認証は販売されていることがある繰り返し、50万円ほど売り上げていた」、「悪用されたのが、Twitterのパスワードリセット機能」、「SMS認証は販売されていることがある」、全く巧妙な手口だ。 こうした「対策」は全てするべきなようだ。 「ライバー殺人事件」は「距離感を勘違いされたために起きた悲劇」、「DMやLINEなどの個別のやり取りはせず、コメント欄や配信内など公の場でのやり取りに留めること。くれぐれも直接会ったり、自宅を教えたりしないことが大切だ」、大いに気を付けたいものだ。 ダイヤモンド・オンライン 菊池朋之氏による「日本企業が直面する「サイバー空間の地政学的リスク」、脅威の傾向と防衛策とは」 「18~21年に日本国内において確認されたサイバー攻撃の実施主体のうち51%が何らかの国家機関または、特定国家からの支援を受けた組織である」、なるほど。 「企業が特に注意すべきなのは、先端技術などの機密情報や顧客情報である。実際にそれらの情報が窃取や、ランサムウェアなど他のサイバー攻撃の被害につながる事例も多数報告されている。 そして、近年増えている被害の一つとして、日系企業の海外子会社が攻撃を受け、最悪の場合イントラシステムから本社のサーバーやシステムに被害が及ぶ事例」、大いに注意すべきだろう。 「発生を予防するだけでなく、発生を早期に検知し対応を可能にする仕組み・報告体制や、サイバー攻撃を受けた際に被害を軽減するための取り組みも重要である」、「国家間関係の対立激化は、国家が主導する予防の困難な高度なサイバー攻撃の脅威の増加に直結する」、その通りだ。 「国家の関与するサイバー攻撃は予防が困難であることを自覚し、サイバー攻撃を受けることを前提にした危機管理体制の強化を進め、日進月歩で進む社会のIoT化や業務プロセスのDX化に合わせてサイバーセキュリティそのものの高い柔軟性を維持することが求められている」、その通りだろう。
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終活(死への準備)(その3)(70代残間里江子さん語る終活が必要な理由 残間里江子さん「先を楽しむための心の整理」、医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく 穏やかな最期のために、医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法 跡を濁さない「死に方」は選べる) [人生]

終活(死への準備)については、4月7日に取上げた。今日は、(その3)(70代残間里江子さん語る終活が必要な理由 残間里江子さん「先を楽しむための心の整理」、医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく 穏やかな最期のために、医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法 跡を濁さない「死に方」は選べる)である。

先ずは、1月24日付けハルメクWeb「70代残間里江子さん語る終活が必要な理由 残間里江子さん「先を楽しむための心の整理」」を紹介しよう。
https://halmek.co.jp/life/c/relief/5848
・『自分の「終わり」に向けての準備というと、気持ちが滅入るもの。しかし、プロデューサーの残間里江子さんは、終活とは物やお金の整理だけでなく、心を整理して「これから」に向かう前向きな行動だと話します。終活についての考え方を教えてもらいました』、興味深そうだ。
・『残間里江子(ざんま・りえこ) 1950(昭和25)年生まれ。アナウンサー、雑誌記者、編集者などを経て、現在はプロデューサーとして活躍中。2009年、大人世代のコミュニティ「クラブ・ウィルビー」を設立。著書に『もう一度 花咲かせよう 「定年後」を楽しく生きるために』(中公新書ラクレ)』、典型的なキャリアウーマンのようだ。
・『残間里江子さんが終活を意識し始めたきっかけ  残間里江子さんが終活を意識し始めたのは、2016年にご両親の死後の片付けをした時だと言います。 「小説家志望だった母は、70代後半でシナリオ教室に通うほどの熱量の持ち主でした。介護のために息子と私が住む東京のマンションに呼び寄せた時も本や原稿が多く、全盲になってからも右手を振りかざして宙に文字を書いていました」 お母様が99歳で亡くなった時には、ダンボール350箱分の原稿や大切にしていた文学全集などがあり、その片付けに半年ほどかかったそう。シュレッダーを3つ壊したとか。 「父はその前に亡くなっていましたが、当時も戦友の写真などたくさん出てきて。誰かわからないのですが父にとっては大切な物だったと思うので、一応すべて拝んでから処分しました」』、「「小説家志望だった母は、70代後半でシナリオ教室に通うほどの熱量の持ち主」、「全盲になってからも右手を振りかざして宙に文字を書いていました」、「お母様が99歳で亡くなった時には、ダンボール350箱分の原稿や大切にしていた文学全集などがあり、その片付けに半年ほどかかった」、この娘にして、この「母親」ありだ。
・『終活として自身の片付けを始めた  その後、ご自身の片付けを始めたと残間さんは話します。 「両親の物の片付けがあまりに大変で、今は『息子の目線』で自分の物を片付けるようにしています。私はシングルマザーで、息子が26歳で独り立ちしたとき食器を送ったら。『僕の趣味に合いません』って全部送り返されたんです。シンプルな物が好きな息子に、私自身もあまり好きでなかった派手な有田焼とかもここぞとばかりに送りつけたのもよくなかったんだけど(笑)」 息子は少しシニカルなところがある、そんな息子が捨てないと思われる物だけを残そうと考えた残間さん。そのため残間さんのご両親の物と、残間さんご自身から息子さんに残したいものを、洋服ケース一つ分ずつ選んでいるといいます』、「食器を送ったら・・・全部送り返された」、「シンプルな物が好きな息子に、私自身もあまり好きでなかった派手な有田焼とかもここぞとばかりに送りつけたのもよくなかったんだけど」、当然だろう。
・『物の終活だけでなく、お金の終活にも取り組む(物の終活に加え、お金の終活も始めたという残間さん。 「そろそろ息子に銀行や保険のことなども伝えたいと思って紙にまとめて書きました。息子は毎年3月の私の誕生日と母の日に来てくれます。誕生日に来てくれるというのでその紙を渡そうと思っていたら、息子が何か持っていたんです。どうせお酒か何かだろうと思ったら、なんと猫でした。『猫を飼い始めたから見せてあげるのがプレゼント』と言うのですが、とにかく驚いたし、気が抜けました。 気を取り直して次は母の日にと思っていましたが、また息子は何かを持っています。この前の猫かと思ったらなんと別の猫で、しかも灰色のぼろ布みたいな猫なの。かわいいけれど、また気が抜けてしまいました。30歳になって猫2匹飼い始めてどうするのって」 予想外の展開に渡しそびれてしまった大事なものは、後日ちゃんと渡せました』、「30歳になって」も、恋人ではなく、「猫2匹」とは・・・。
・『終活で大切なのは、力があるときに扉を閉じておくこと  「終活をしなきゃ」と頭ではわかっているものの、自分の死について考えると暗い気持ちにならないものでしょうか。その疑問を残間さんに投げかけてみたところ、「どうせ全員、最期は来ます」とキッパリとした返答が。 「母は最後まで自分の思いを遂げるのに必死で、日々の生活は二の次でしたが、私は必要なことは先にやっておくのが好きな方。何かを残せば周囲に迷惑がかかる。みんなが気を使わなくていいように、手立てを講じておきたいんです」 その手立てとして物やお金の終活をしてきた残間さんですが、「これからの自分が何をするか、すべきか考えること」も大事だと語ります。 「物事を締めくくって、自分がしたいことを考える。一度「閉じる」ことによって、これからの新しい扉を開くエネルギーが出てくるんです。終活を前向きな行動にするのです。 同世代の知人の葬儀に出るたびに『もっと生きたかっただろうな』『死んだらすべて終わっちゃうな』と思います。私は甲状腺や免疫系の病気があり、今も全身湿布だらけです。朝はさっと動けません。熱いお風呂に入っているうちにようやく動けるようになるような調子ですが、まだ外に出られるし、人にも会える。 何はともあれ生きているんだからきれいな花を見ているだけでなくて、もう一度自分の人生にもひと花咲かせたいと思っています。毎日夕方にドラマの再放送を見ているだけとか、なんとなく日々を過ごして本当にしたいことができないのはもったいないですよ」』、「物事を締めくくって、自分がしたいことを考える。一度「閉じる」ことによって、これからの新しい扉を開くエネルギーが出てくるんです。終活を前向きな行動にするのです」、面白い考え方だ。
・『人生の最期に自分らしい花を咲かそう  残りの人生でもう一花咲かせようと思うと、大層なことをやらねばとつい思ってしまいますが、「やりたいこと」は趣味でも旅行でも何でもいいと残間さんは言います。「次の世代や、次の次の世代など、社会の役に立つことだとよりいいですけど。友人の夫は、小学生の通学路の見守りを始めました。いつのまにかそれが楽しみになり、卒業式では子どもたちから表彰状をもらって喜んで部屋に飾っているようです。私は哀しいことに趣味がなく、やりたいことを探している最中。「9」という数字が好きだから、79歳までの間に夢中になれることを毎日考えています」 残間さんは、「終活で大切なのは、次に向かう力があるうちに、あいまいに開いている扉を閉じておくこと」だと表現します。 「誰かに閉じてもらうのではなく、自分の手で閉じておく。そうして最後の日まで何をしたいか考える。物やお金は誰かが片付けてくれるかもしれませんが、自分の心は自分にしか整理できません。ぜひ人生の最期に自分らしい花を咲かせてください」』、「自分の心は自分にしか整理できません。ぜひ人生の最期に自分らしい花を咲かせてください」、その通りだ。
・『今から始めたい「3つの整理」お金の整理 銀行口座や保険を整理しておきましょう。のこされた家族が扱いに困る物がないか 今のうちに見直しを)。 物の整理(不要な物は片づけながら、本当に大切な物は自分がいなくなった後にどうしてほしいか、家族に伝えておきましょう)。 心の整理(明日が最後の日だとしたら、何をしたいですか? 趣味でも仕事でも、本当にしたいことを見つめ、実行しましょう。 ※この記事は、2019年9月号「ハルメク」を再編集しています』、やはり「心の整理」が一番、手強そうだ。

次に、3月27日付け現代ビジネス「医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく 穏やかな最期のために」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/93508?imp=0
・『死は誰にでも平等にやってくるが、一度しか経験できない。そのため、多くの人が納得のいく形で亡くなることができていない。「下手な死」を避け、「上手な最期」を迎えるためには何が必要なのか』、「「下手な死」を避け、「上手な最期」を迎える」、理想ではある。
・『チューブだらけの最期  死ぬ時は眠るように、穏やかに逝きたい—。苦しみながら死んでいくのはごめんだと、誰しも考えているはずだ。 だが、2020年に公開された人口動態統計を見ると、日本人の71・3%が病院で息を引き取っていることがわかる。これは多くの人が死の間際まで延命治療を受けながら、苦痛とともに亡くなっていくことを意味している。医師で小説家の久坂部羊氏が自らの経験を語る。 「40年ほど前、駆け出しの外科医だった私は総胆管結石を患った70代の女性の手術を担当しました。しかし、彼女は手術後に原因不明のけいれんを起こし、肺炎も併発してしまったのです」 この人を死なせるわけにはいかない。久坂部氏は患者に人工呼吸器をつけ、ステロイドや強心剤の投与を繰り返した。だが容態は悪化し、全身に出血傾向が出て多臓器不全にまで陥った。 「この段階でも私は治療を諦めきれず、それまでの治療に加え、輸血も開始しました。女性はすでに意識がなく、手足は浮腫のためどんどん膨らんでいきます。下血もひどく、輸血した血がそのまま出てきてしまうような状況でしたが、強心剤と人工呼吸器のせいで心臓は止まりません。 生きたまま身体が腐っていくような状態が続いたのち、彼女は亡くなりました。患者を救おうと思って行った治療が、患者だけでなく家族にも不安と絶望を与えてしまったのです」(久坂部氏)) この70代の女性は、決して特殊な例ではない。病院で亡くなる場合は、多くの人が人工呼吸器や透析器につながれ、「無理やり生かされた状態」を経て命を終える。 最期の瞬間まで延命治療が続けられる現代では、自然の流れに逆らわず、植物が静かに枯れていくような「きれいな死に方」を実現することは困難になっている。 そもそも人間の死とは「呼吸停止」「心停止」「瞳孔の散大」の3つの条件が揃った時に初めて認められる。これらは何の兆候もなく、突然起こるわけではない。 「事故などによる突然死でない限り、老衰死も病死も昏睡状態に陥ることから始まります。こうなると間もなく下顎を突き出し、口をパクパクと開け閉めしてあえぐように息をする下顎呼吸が始まるのです。 下顎呼吸は呼吸中枢の機能が低下すると発生し、数分から1時間程度で終わり、死に至ります。これが始まった時点でいくら蘇生を試みても、その人が回復することはありえません」(久坂部氏) つまり、本来であれば下顎呼吸が始まった時点で抗うのはやめ、穏やかに見守るべきなのだ。 だが、家族や身近な人に死を目前にした衰弱や昏睡、まして下顎呼吸が始まれば、周囲は取り乱し、少しでも苦しみを軽減させたいと無理な延命治療を選択してしまう。これが死の苦しみを却って増幅させ、苦痛とともに亡くなっていく「下手な死」へとつながる。 延命治療はそのほとんどが家族の希望によってなされている。とすれば、あなたが「上手な最期」を迎えるためには、「死に方の予習」をし、家族ともその知識を共有しておくことが、もっとも重要なのである』、「下顎呼吸は呼吸中枢の機能が低下すると発生し、数分から1時間程度で終わり、死に至ります。これが始まった時点でいくら蘇生を試みても、その人が回復することはありえません」、「本来であれば下顎呼吸が始まった時点で抗うのはやめ、穏やかに見守るべきなのだ」、「だが、家族や身近な人に死を目前にした衰弱や昏睡、まして下顎呼吸が始まれば、周囲は取り乱し、少しでも苦しみを軽減させたいと無理な延命治療を選択してしまう。これが死の苦しみを却って増幅させ、苦痛とともに亡くなっていく「下手な死」へとつながる」、「家族や身近な人」にも自分の意志を明確に伝えておく必要がありそうだ。
・『赤ん坊に戻ってゆくだけ  では、「下手な死」を避け、肉体的にも精神的にも苦痛の少ない「上手な最期」を迎えるにはどうすればいいのだろうか。久坂部氏が語る。 「余計な苦痛を感じずに亡くなるには、死期を迎えた時にはもう何もしないことです。そのためには、病院ではなく家で亡くなることが一番の方法だと思います。 病院に行けば命が助かるというのは、幻想にすぎません。死の間際の点滴は血液を薄め、内臓に負担をかけるだけですし、酸素マスクもただ呼吸の邪魔をするだけです。穏やかな最期を迎えるには、いかに医療から離れるかが重要になるのです」 在宅医としてこれまでに3000人もの患者を看取った、めぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊氏が、死が近づくと身体に起こる自然な変化について解説する。 「死が近づいてくると、今までできたことが徐々にできなくなっていきます。私はこれを『生まれたばかりの赤ん坊に戻る』と説明しています。がんや認知症、老衰などによってその速度は変わりますが、おおむね共通した傾向が表れるのです。 まずは硬いものが食べられなくなり、食事の量が減っていきます。体力の低下に伴って歩ける距離も短くなります」 やがて外出が難しくなり、家の中でも介助なしには移動が困難になる。お風呂やトイレも人の手助けなしには済ませられなくなるのだ。この頃には固形物は口にできなくなり、ほとんど水分だけで過ごす毎日が始まる。 体が弱っていくと、目を閉じて眠る時間が増え、この状態が続くといつ昏睡が起きてもおかしくなくなる。 認知症や老衰の場合、昏睡に陥るまでの時間は、硬いものが食べられなくなり衰弱し始めてから数年ほどかかるが、末期のがんなどの場合は、食事が満足に摂れないようになってから1ヵ月半ほどで昏睡に陥る。 死期が近づくにつれ、痩せ細っていく様子を見て不安がる家族も多いが、これは誰にも起こる自然な現象なのだ。 故人が満足に死を迎えられたかどうかは誰にもわからない。ただ宣告を受け死を受け入れるまでの準備として、どんな段階があるのかは知っておいても損はない。その具体的な事例を後編記事の『医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法』でお伝えする』、「病院に行けば命が助かるというのは、幻想にすぎません。死の間際の点滴は血液を薄め、内臓に負担をかけるだけですし、酸素マスクもただ呼吸の邪魔をするだけです。穏やかな最期を迎えるには、いかに医療から離れるかが重要になる」、「体が弱っていくと、目を閉じて眠る時間が増え、この状態が続くといつ昏睡が起きてもおかしくなくなる。 認知症や老衰の場合、昏睡に陥るまでの時間は、硬いものが食べられなくなり衰弱し始めてから数年ほどかかる」、「数年かかる」というのは私には長い印象だ」、「後編記事」も見てみよう、

第三に、この続きを、3月27日付け現代ビジネス「医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法 跡を濁さない「死に方」は選べる」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/93509?imp=0
・『死は誰にでも平等にやってくるが、一度しか経験できない。故人が自分の死に満足をしたかどうかは誰にも分からないが、死をを迎えるための準備にどういった段階があるのかは知っておいても損はない。 医師としてのキャリアを持ち、人の死に向き合ってきた作家の久坂部羊さんをはじめとする、「上手な最期の迎え方」についてを、前編記事『医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく』でお伝えした。では具体的にどんな心構えや方法があるのか、引き続き明かす』、興味深そうだ。
・『どうしたら開き直れるか  40代半ばから在宅医として訪問診療に従事した久坂部氏には、自宅できわめて穏やかな最期を迎えた、忘れられない患者がいる。 「私がかつて在宅医として担当した60代の男性は肺がんを患っていました。彼は入院による抗がん剤治療の効果があまり表れないと見るや、『最期の瞬間は自宅で迎えたい』と家へと戻る決断をしたのです。 抗がん剤の副作用から解放された彼は、自宅で自由気ままな毎日を過ごしました。そうして徐々に弱っていき、1ヵ月半ほどで寝たきりになり、ある夜ついに昏睡状態に陥ります。 こうなっても、当初の約束通り延命治療はしませんでした。彼は点滴も酸素マスクもなく、自然な姿のまま家族に看取られて布団の上で亡くなっていったのです」 この男性の妻は、夫が息絶えていく様子を見ながら「家で最期を迎えると聞いた時はどうなることかと思ったけど、こんなに穏やかに逝けるなんて……」と打ち明けたという。彼は家族も納得する中、何の医療器具もつけない身体のまま亡くなっていった。 「少しずつできることも減っていきますが、それは悲しいことではない。こう覚悟を決めておけば、本人もその家族も、いざ死を前にした時でも恐怖感を和らげられるはずです」(久坂部氏) 「上手な最期」を迎えるためには恐怖から死を否定せず、何が起こっても良いと命の終わりを意識しておくことが大切だ。これが土壇場での覚悟につながる。 しかし、穏やかな最期を迎えた人が、おしなべて最初から覚悟ができていたわけではない。死を受け入れられるようになるには、気持ちを整理することも必要になる。めぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊氏が語る。 「かつて看取った患者さんの中に、死を間近に控えた40代のお母さんがいました。彼女は『まだ小さい子供たちを残し、なぜ死ななければいけないのか』と理不尽さと苦しさを感じていたのです。 しかし彼女と話し合う中で、限られた命を嘆くよりも、亡くなるまでの間に多くのことを子供たちに伝えようとするほうが大事だと伝えました。 その後、実際に彼女は子供たちに自分の大切にしてきたものについて話し、自分がどんな母親だったのかを積極的に伝えようとし始めました。すると、死を嘆いていた彼女の表情が、別人のように明るくなっていったのです」 死までの間に目的意識を持つことが心境の変化をもたらし、彼女に落ち着きを与えたのである。 これは看取る側も同じだ。最期まで耳は聞こえているという説もあるが、患者が昏睡状態になってから感謝の声をかけたとしても、実際はもう聞こえていない可能性が高いという。そうであれば、まだ意識があるうちに伝えられるだけの感謝を伝えたほうがいい』、「抗がん剤の副作用から解放された彼は、自宅で自由気ままな毎日を過ごしました。そうして徐々に弱っていき、1ヵ月半ほどで寝たきりになり、ある夜ついに昏睡状態に陥ります。 こうなっても、当初の約束通り延命治療はしませんでした。彼は点滴も酸素マスクもなく、自然な姿のまま家族に看取られて布団の上で亡くなっていったのです」、本当に「上手な最期」だ。「患者が昏睡状態になってから感謝の声をかけたとしても、実際はもう聞こえていない可能性が高いという。そうであれば、まだ意識があるうちに伝えられるだけの感謝を伝えたほうがいい」、その通りだろう。
・『目をそらさず考える  一方で、本人が在宅での看取りを希望していたにもかかわらず、看取りに失敗してしまった例もある。久坂部氏が語る。 「70代半ばの前立腺がんの患者でした。彼はがんが骨へと転移してしまったため、治療をあきらめて家へと戻りました。奥様にも延命治療をしない方針を話しており、合意のうえです。 しかし、彼が寝たきりになって誤嚥性肺炎を起こし、いよいよ臨終が近くなった時、その様子を見かねた息子さんに『救急車を呼んでください』と頼まれたのです」 実は、この男性は妻とは死期を迎えた時の対応について話し合っていたが、離れて暮らしていた息子には延命治療を行わない方針を打ち明けていなかった。 肺炎が重症化すると、酸素を取り入れる組織である肺胞が機能しなくなるため、いくら一生懸命息を吸ったとしても苦しみは改善しない。 常に首を絞められているような苦痛の中、大量の痰が絡まり、それを無理やり吸引されながら、場合によっては喉を切開されてボロボロになりながら亡くなっていくこともある。 救急車で病院へと運ばれた男性は、2週間の延命治療を経て、病室の中で息を引き取ったが、その最期は安らかとは言いがたいものだった。 こうならないための周囲との意思の疎通について「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)の考えが参考になる。 「ACPは『最期に向けての事前準備』と訳されます。心肺停止になった時に蘇生処置を受けるのか、食事が口から摂れなくなった時に胃ろうをつけるのかなど、元気なうちにどう死にたいか希望を明確にしておくのです」(久坂部氏) これを家族や看取りに参加する人と共有し、合意を得ておけば、認知症などで意思の確認ができなくなったとしても、病院に運ばれる可能性を下げることができる。 「日本人は戦時中の反動で、現在は命を大切にしすぎていると言えます。これが最期まで医療にすがってしまうことの原因となっています。 ある医師は『高齢者の役目は死ぬところを周りの人に見せることだ』と話していました。自分の最期を家族に見せ、上手に死ぬためにはどうすればいいのか、お手本を示すべきだというのです。これは私も同じ意見です。死から目をそらさず、こういった成熟した考えを持つことのできる人が上手に死んでいくのです」(久坂部氏) 自身や身近な人の死を目前にした時の心構えについて久坂部氏が解説した『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)が発売中だ。死のための「予習」について、より詳細に知りたい方は、この新書もぜひ手に取っていただきたい。 死は誰もが一度しか経験できない。しかし、事前に心構えと準備をしておけば「上手な最期」を実現できる。死の間際に後悔しないため、覚えておきたい』、「「ACPは『最期に向けての事前準備』と訳されます。心肺停止になった時に蘇生処置を受けるのか、食事が口から摂れなくなった時に胃ろうをつけるのかなど、元気なうちにどう死にたいか希望を明確にしておくのです」・・・これを家族や看取りに参加する人と共有し、合意を得ておけば、認知症などで意思の確認ができなくなったとしても、病院に運ばれる可能性を下げることができる」、「ACP」はいい仕組みで、「事前に心構えと準備をしておけば「上手な最期」を実現できる」、詳細は以下を参考に
https://square.umin.ac.jp/liv-will/new1008.html
タグ:終活(死への準備) (その3)(70代残間里江子さん語る終活が必要な理由 残間里江子さん「先を楽しむための心の整理」、医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく 穏やかな最期のために、医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法 跡を濁さない「死に方」は選べる) ハルメクWeb「70代残間里江子さん語る終活が必要な理由 残間里江子さん「先を楽しむための心の整理」」 残間里江子 「「小説家志望だった母は、70代後半でシナリオ教室に通うほどの熱量の持ち主」、「全盲になってからも右手を振りかざして宙に文字を書いていました」、「お母様が99歳で亡くなった時には、ダンボール350箱分の原稿や大切にしていた文学全集などがあり、その片付けに半年ほどかかった」、この娘にして、この「母親」ありだ。 「食器を送ったら・・・全部送り返された」、「シンプルな物が好きな息子に、私自身もあまり好きでなかった派手な有田焼とかもここぞとばかりに送りつけたのもよくなかったんだけど」、当然だろう。 「30歳になって」も、恋人ではなく、「猫2匹」とは・・・。 「物事を締めくくって、自分がしたいことを考える。一度「閉じる」ことによって、これからの新しい扉を開くエネルギーが出てくるんです。終活を前向きな行動にするのです」、面白い考え方だ。 「自分の心は自分にしか整理できません。ぜひ人生の最期に自分らしい花を咲かせてください」、その通りだ。 やはり「心の整理」が一番、手強そうだ。 現代ビジネス「医師が見た「死ぬ直前」に起こること…人はこうして死んでゆく 穏やかな最期のために」 「「下手な死」を避け、「上手な最期」を迎える」、理想ではある。 「下顎呼吸は呼吸中枢の機能が低下すると発生し、数分から1時間程度で終わり、死に至ります。これが始まった時点でいくら蘇生を試みても、その人が回復することはありえません」、「本来であれば下顎呼吸が始まった時点で抗うのはやめ、穏やかに見守るべきなのだ」、「だが、家族や身近な人に死を目前にした衰弱や昏睡、まして下顎呼吸が始まれば、周囲は取り乱し、少しでも苦しみを軽減させたいと無理な延命治療を選択してしまう。これが死の苦しみを却って増幅させ、苦痛とともに亡くなっていく「下手な死」へとつながる」、「家族や身近な人」に 「病院に行けば命が助かるというのは、幻想にすぎません。死の間際の点滴は血液を薄め、内臓に負担をかけるだけですし、酸素マスクもただ呼吸の邪魔をするだけです。穏やかな最期を迎えるには、いかに医療から離れるかが重要になる」、「体が弱っていくと、目を閉じて眠る時間が増え、この状態が続くといつ昏睡が起きてもおかしくなくなる。 認知症や老衰の場合、昏睡に陥るまでの時間は、硬いものが食べられなくなり衰弱し始めてから数年ほどかかる」、「数年かかる」というのは私には長い印象だ」、「後編記事」も見てみよう、 現代ビジネス「医師が教える「上手な最期」の迎え方…「死の直前」に後悔しないための方法 跡を濁さない「死に方」は選べる」 「抗がん剤の副作用から解放された彼は、自宅で自由気ままな毎日を過ごしました。そうして徐々に弱っていき、1ヵ月半ほどで寝たきりになり、ある夜ついに昏睡状態に陥ります。 こうなっても、当初の約束通り延命治療はしませんでした。彼は点滴も酸素マスクもなく、自然な姿のまま家族に看取られて布団の上で亡くなっていったのです」、本当に「上手な最期」だ。「患者が昏睡状態になってから感謝の声をかけたとしても、実際はもう聞こえていない可能性が高いという。そうであれば、まだ意識があるうちに伝えられるだけの感謝を伝えたほうがいい」 「「ACPは『最期に向けての事前準備』と訳されます。心肺停止になった時に蘇生処置を受けるのか、食事が口から摂れなくなった時に胃ろうをつけるのかなど、元気なうちにどう死にたいか希望を明確にしておくのです」・・・これを家族や看取りに参加する人と共有し、合意を得ておけば、認知症などで意思の確認ができなくなったとしても、病院に運ばれる可能性を下げることができる」、「ACP」はいい仕組みで、「事前に心構えと準備をしておけば「上手な最期」を実現できる」、詳細は以下を参考に https://square.umin.ac
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バブル(最近)(その8)(10億円超も続々登場 「ニセコ別荘バブル」の狂騒 観光客は激減も開発目白押し 町は抑制に苦慮、いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味) [金融]

バブル(最近)については、3月25日に取上げた。今日は、(その8)(10億円超も続々登場 「ニセコ別荘バブル」の狂騒 観光客は激減も開発目白押し 町は抑制に苦慮、いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味)である。

先ずは、5月8日付け東洋経済オンライン「10億円超も続々登場、「ニセコ別荘バブル」の狂騒 観光客は激減も開発目白押し、町は抑制に苦慮」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/587221
・『コロナ禍で観光客が激減したにもかかわらず、ホテルやコンドミニアムなど富裕層向け施設開発が活況。北海道のリゾート地・ニセコに何が起きているのか。 北海道倶知安(くっちゃん)町とニセコ町、蘭越町の3町を総称するリゾート地「ニセコ」。コロナ禍での渡航制限によって冷え切った観光熱を尻目に、現地の不動産市場は以前にも増して熱を帯びている。 ニセコの中心部にあたる、倶知安町ひらふエリア。東急不動産ホールディングスグループが運営する大型スキー場の麓に位置し、ゲレンデから滑走した勢いで宿泊施設の玄関までたどり着ける利便性が評判で、高級ホテルやコンドミニアム(分譲ホテル)が林立している。 そんなひらふエリアの中でもとくにスキー場に近い一角で、新たなコンドミニアムの建設が進んでいる。物件の名称は「マティエニセコ」。全114室で、開発主は韓国の財閥系デベロッパーであるハンファホテルズアンドリゾートだ。 不動産会社の資料によれば、399平方メートルの部屋が約14億円で販売されている。45平方メートルという小さな部屋でも価格は1億円超で、坪単価は約780万円。東京都心部の高級マンションとも肩を並べる水準だ。 その目と鼻の先に立つコンドミニアム「スカイニセコ」(2018年末に開業)は、当時坪600万円前後で販売されており、この4年間で売買相場は一段と上昇したことがうかがえる』、「399平方メートルの部屋が約14億円」、「45平方メートルという小さな部屋でも価格は1億円超」、「坪単価は約780万円。東京都心部の高級マンションとも肩を並べる水準」、「この4年間で売買相場は一段と上昇」、凄いバブルともいえる高値だ。
・『コロナ禍でも地価上昇  強気の価格設定にもかかわらず、販売は好調だ。マティエニセコの販売を仲介するリストインターナショナルリアルティの担当者は、「シンガポールや香港など、アジア圏の富裕層がすでに購入している。現在も台湾の富裕層が検討中だ」と話す。 国内のほかのリゾート地と同様、ニセコもコロナ禍によってかつてほどの賑わいはない。ニセコを構成する3町には2019年に423万人もの観光客が訪れたが、2020年は263万人と約6割に目減りした。牽引役だった外国人観光客の流入が途絶したことが響いた。 にもかかわらず、不動産市場は堅調だ。倶知安町の住宅地の地価は、上昇率こそ縮んだものの、2022年に約11.9%上昇した。 地元で不動産仲介や管理を行うニセコアルパインデベロップメンツの橋詰泰治社長は、「価格下落は起こっていない。コロナ禍は一時的な出来事であり、無理に物件を手放す動きは見られない」と話す。 背景にあるのが、ニセコを支える海外富裕層の存在だ。もともとパウダースノーに定評のあるニセコだが、海外に知られるようになったのは2000年代初頭。アメリカの同時多発テロ事件を受け、欧米に代わる治安のいいリゾート地を探していたオーストラリア人がニセコに着目したのが契機だ。 以後、中国やシンガポールなどほかのアジア諸国からも観光客が訪れるようになり、外国人向けの別荘やコンドミニアムの開発が進んだ。 不動産の買い手は「富裕層の中でも上位の『超富裕層』」(リストインターナショナルリアルティの担当者)。立地やサービス水準がお眼鏡にかなえば、利回りを気にせずに買っていく。コロナ禍にも動じず、渡航制限が解除されるまで気長に待つというスタンスだ』、「ニセコを構成する3町には2019年に423万人もの観光客が訪れたが、2020年は263万人と約6割に目減り」、しかし、「不動産市場は堅調だ。倶知安町の住宅地の地価は、上昇率こそ縮んだものの、2022年に約11.9%上昇」、「不動産の買い手は「富裕層の中でも上位の『超富裕層』」・・・立地やサービス水準がお眼鏡にかなえば、利回りを気にせずに買っていく。コロナ禍にも動じず、渡航制限が解除されるまで気長に待つというスタンスだ』、「外国人投資家」の投資意欲は依然旺盛なようだ。
・『コロナ禍で始動した大型開発も  マティエニセコの周辺では、香港系不動産会社の卓越国際が温泉付き高級別荘群「ビューニセコ」の開発に着手した。区画によっては、販売価格が1軒当たり10億円超となる見通しだ。 シンガポール系のSCグローバル・デベロップメンツが手がける総戸数190の大型コンドミニアム「雪(せつ)ニセコ」は、2022年夏に開業を控える。開発当初の分譲価格は坪500万円からといわれている。 取引が盛んなのは、コンドミニアムだけではない。「アパート用地を取得する動きが活発化している」。ニセコで不動産仲介や管理を行う東急リゾートの太田博康営業第四部長は話す。インバウンドの復活を見据え、スキー場やコンドミニアムで働く従業員の宿舎を手当てする動きだという。 コロナ禍で始動した開発もある。不動産開発事業のアセットマネジメントを行うクロスパスアドバイザーズは2021年夏、香港の投資家からひらふエリアでのホテルなど複合開発のアドバイザリー業務を請け負った。 黒田恵吾代表取締役は「総事業費で数百億円規模の大型プロジェクトだ。高級ホテルチェーンを誘致できないか検討している」と話す。 2030年度には倶知安町内に北海道新幹線の新駅が開業する予定で、高速道路の延伸計画も持ち上がる。同じく2030年、札幌冬季五輪の招致が実現すれば、アルペンスキーの会場となるニセコが世界中で中継され、さらなる観光客の増加が見込まれる。 一方、開発熱を複雑な心境で見つめているのが、地元自治体だ。 「8万9000」――。2020年4月、倶知安町が策定した観光地マスタープランの中に、こんな数字が躍った。コンドミニアムやホテル開発に対して何の規制もかけないままでは、ひらふエリアのベッド数は現在の約1万からいずれ8万9000に激増するという試算だ。 欧米の有名スキー場は、リフトの1時間あたり輸送人員とベッド数とが概ね一致している。それをひらふエリアに当てはめると、適正なベッド数はせいぜい1万8000。だが、コロナ禍以前には冬シーズンはリフトの混雑が深刻化しており、観光客の受け入れ能力は早くも限界に達しつつある。 宿泊施設の急増には別の懸念もある。「インフラ整備が追い付いていない」(倶知安町議会議員の田中義人氏)。現状では、宿泊施設までつながる公営の上下水道や駐車場の整備費用が町の負担となっている。「開発事業者や町に居住していないコンドミニアム所有者も、インフラ整備費用を負担すべきだ」(田中議員)』、「コンドミニアムやホテル開発に対して何の規制もかけないままでは、ひらふエリアのベッド数は現在の約1万からいずれ8万9000に激増するという試算だ」、「適正なベッド数はせいぜい1万8000」、「観光客の受け入れ能力は早くも限界に達しつつある」、将来的にこんなにベッド数が増えれば、大混乱だ。
・『町も業者も、問題意識は同じだが  こうした状況を受け、町は2019年より宿泊料の2%を徴収する宿泊税を導入した。富裕層からより多く徴収できる全国初の「定率制」だ。さらにインフラ整備費用を賄うべく、別荘所有者への「別荘税」や開発事業者への「緑化負担税」の導入も議論されている。 町はさらに踏み込んで、開発そのものにも規制の網を敷くことを検討している。ひらふエリアなどスキー場付近に開発を誘導する一方、それ以外の地域では建物の高さ制限の強化や山林造成に制限をかけるといった内容だ。 北海道によれば、2020年末時点で倶知安町内の森林の631ヘクタールを海外資本が取得しており、大規模な宅地造成による物件供給は今後も続く公算だ。規制を理由に開発を止める動きは足元ではみられないものの、一部の不動産会社は「土地の買い手に対し、将来規制が敷かれるリスクを説明している」という。 倶知安町観光協会の吉田聡会長は、「開発のコントロールが必要だという総論には業者も賛成しているが、各論では調整がいる」と話す。コロナ禍が明け外国人観光客の流入が再開した後も、リゾート地としての賑わい維持と開発の抑制・誘導という二兎を追う課題が町にのしかかる』、「宿泊税を導入」、「別荘所有者への「別荘税」や開発事業者への「緑化負担税」の導入も議論」、「開発そのものにも規制の網を敷くことを検討」、過熱をさますための措置は出来るだけ導入すべきだろう。

次に、5月15日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/589208
・『もはや世界中の株式市場のバブルが崩壊したのは、誰の目にも明らかである。認めていないのは市場関係者くらいのものだろう』、「小幡氏」らしい出だしだ。
・『日本株に対する株式アナリストの「6つの間違い」  日本の株式アナリストの間違った議論の例はたくさんある。以下、代表的なものを6つほど挙げ、筆者の見解を示そう。 ① 日本株はアメリカ株に比べて下げ幅が小さく底堅い。だから買うべきだ。 違う。今はドル高円安になっており、ドルベースで見れば、同程度に下がっている。 日本以外の投資家はドルベースで判断する。今後ドル高が進んでドルベースの日経平均株価はさらに下がることが予想されるから、海外投資家はさらに売ってくるはずだ。 ② 岸田文雄首相がロンドンの金融街で「Invest in Kishida(岸田に投資を)」と一席ぶったように、同政権もついに「株式市場フレンドリー」へと政策を切り替える気配が出てきた。「アベノミクスの否定ではなく進化型」という位置づけは、アベノミクスを評価している海外投資家の期待を呼び込む。 ありえない。岸田政権の「新しい資本主義」も「Invest in Kishida」も、中身がゼロであることが唯一の長所だ。アベノミクスは、海外投資家にとっては、今では日本銀行を追い込んだだけの政策という評価か、すでにアベノミクスなど忘れてしまったかのどちらかだ。 ③ 金利差拡大による円安で世間はパニックだが、欧米の年率10%近いインフレと違って、日本はインフレが起きていない。だから、むしろ日本は欧米よりも前途有望だ。 企業収益で見れば、明らかなマイナス。企業物価は、世界と同じ40年ぶりの10%近い水準。それを消費者に転嫁できないから、消費者物価が上がっていないように見えるだけだ。その分、企業収益が減っており、消費者物価が上がるのは時間差でこれから、というだけだ。 ④ 主要国では日銀だけが利上げをしていないし、インフレにもなっていない。それゆえ、日本だけがスタグフレーション(不況下のインフレ)にならない。また、国債とのイールドギャップ(投資利回りから長期金利を引いた差)で見れば、株式の配当利回り・不動産の利回りは有利で、日本株・日本の不動産を買う理由がある。 金融政策の正常化ができないのは最大のリスク。アベノミクスで円安となり、かつ日銀が出口を失い、かつまったく動けない状態になっている。「日本はインフレでなくて、うらやましい」ではなく「インフレにすらならないほど経済は弱く、かつ利上げもできず、日銀は追い込まれている」。 日銀はETF(上場投資信託)の買い入れすら廃止できていない。 円安不安の個人投資家へ、証券会社がアメリカ株式の買いを勧める誘い文句も、市場関係者でない人々の常識からはかけ離れている』、「金融政策の正常化ができないのは最大のリスク。アベノミクスで円安となり、かつ日銀が出口を失い、かつまったく動けない状態になっている」、その通りだ。
・『アメリカ株の調整はまだ済んでいない  ⑤ アメリカ株はこのところの下落により、調整はほぼ済んだ。PER(株価収益率)などで見ても、十分割安といえる領域に入ってきた。そろそろ底打ちで、買いのタイミングが近づいている。 論理的にはありうるが、現実的には間違っている。 ⑥ ナスダックの下落率は大きいが、それこそが将来有望で買い時である証左だ。株価30%の下落は、これまでの企業の平均利益増加率の年15%を維持できれば、2年で取り返せる。長期には、株はつねに買いである。 2000年のITバブル(テックバブル)では、アマゾンやヤフーなどは100分の1程度まで下落した。100のときよりは1のときに買ったほうがよい。今買うよりも来月、あるいは来年買ったほうがましである。 このうち5と6については、今後、バブル崩壊のプロセスがどうなるかを描写する中で、さらにはっきりと間違い(ウソ)であることが明確になるだろう。これからのバブル崩壊のプロセスは、あとで述べよう。 さて、これらの屁理屈、この期に及んでの言い訳がちまたにあふれていることこそが、バブルがすでに崩壊していることを示している。この兆候は、ほかにもはいて捨てるほどあるが、いくつか挙げてみよう。 ①上述のように言っているだけなら罪はないが、それが相場を実際に動かす売買行動になると問題だ。相場操縦に近い。 例えば、どう見ても下がりそうなときにいったん上がる。5月3~4日のFED(アメリカ中央銀行)の政策決定会合FOMC(連邦公開市場委員会)後の動きがそうだ。利上げの見通しは急激かつ確実で、記者会見のジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長も必死だ。 当然、相場は大暴落だと思いきや、4日のアメリカ株価は大幅上昇で、NYダウは前日比932ドル高となった。しかし、翌日の5日には同1063ドル安と、この2年で最大の下落幅となった。これは明らかに主要投資家たちが逃げるために、売り場を5月4日に作っただけだ。 市場関係者は「4日は利上げの見通しが弱まったが、5日は利上げ不安が再度台頭した」などと説明したが、これこそ前述の言い訳の典型例だ。現実には、パウエル議長は翌日何も発言していないし、何の新しいニュースもなかった』、「4日」、「5日」についての「市場関係者」の「説明」は全くのウソで、ここまでするのかと驚かされた。
・『崩れた「GAFAM神話」  ②バブルの際に大きく上がったものほど下がっている。ナスダックの下落はすでに最高値から一時30%超下落した。しかも、最高値はつい先日といっていい、昨年の11月だ。まだ半年も経っていない。 しかも、今のところ、本格反転の気配はない。ナスダックは誰がどう見てもバブルがはじけたのであり、日本のマザーズ市場もいうまでもない。 最初はいわゆるミーム株が大暴落した。ロビンフッダー(もう忘れられた言葉だが)たちが群がった株は、中身どおりに紙くずに近くなった。そして、次には、ユニコーンや赤字のまま期待だけで上場した銘柄たち、バブルの象徴の株がすべて大暴落している。 例えば、ウーバーは今年だけで見ても高値から約半値へ暴落しているし、配車アプリのディディ・グローバル(滴滴出行)はこの3カ月で約3分の1になっている。また、EV(電気自動車)のテスラは最高値から時価総額の約3分の1を失ったが、イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)の奇行により下がっているわけではなく、普通にバブルがはじけただけで、今の下落割合からすれば、まだまだ下がるだろう。 ③「利益が伴っていないものがほとんどの新興株と違って、アップルなどの『GAFAM』は多少高くても企業の中身はしっかりしているから安全。下落時は買いの絶好のチャンス」という神話も崩れている。時価総額が大きいため指数に対する影響も大きいが、投資家全体での損失額も当然大きく、素人個人投資家だけでなく、ほとんどの機関投資家・ファンドが含み損を抱え始めた。 上記のように、アメリカの多くの株が暴落したが、そもそもこれまでの上昇が金融緩和バブルによるものだったから、金融緩和が終われば上昇も終わる。金融市場だけでなく、実体経済を見ても状況は最悪だ。インフレは衰えを見せず、約40年ぶりの水準で、スタグフレーションになるのは必至だろう。 また、ロシアによるウクライナ戦争は日を追うごとに長期化の見通しが強まっており、どちらが優勢だろうが、世界景気にはマイナスで、インフレの長期化にはプラスに働くばかり。つまり最悪だ。 ウクライナを中心とする戦争難民の数も、これまでとは次元が違う。欧州経済は長期にわたって、この先の見通しは暗いままだ。 一方、中国のコロナ禍の再燃で世界の物流は混乱しており、これもインフレ継続要因だ。今後、中国の需要が回復しても、世界を救うまでには至らない。中国の習近平政権の手腕にも、ゼロコロナ政策をはじめ、疑問が噴出してきた。中国さえ将来は不透明だ。 つまり、世界中、プラスの見通しはどこにもない。そもそも、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた約2年半前に金融緩和バブルは崩壊しかけていた(「2020年、意外なところからバブル崩壊は始まる」参照)。 その後、コロナ対応などの名目で、アメリカを中心に世界の主要国が金融・財政政策を「限界以上に」やったことで、バブルは最後の大膨張をしていただけだ。だから、バブルがはじければリスク資産が暴落するだけでなく、実体経済も先送りしてきた損失を現実に受け入れることになる。株式市場の現状は最悪、見通しも最悪、実体経済も最悪だ』、「そもそも、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた約2年半前に金融緩和バブルは崩壊しかけていた・・・その後、コロナ対応などの名目で、アメリカを中心に世界の主要国が金融・財政政策を「限界以上に」やったことで、バブルは最後の大膨張をしていただけだ。だから、バブルがはじければリスク資産が暴落するだけでなく、実体経済も先送りしてきた損失を現実に受け入れることになる。株式市場の現状は最悪、見通しも最悪、実体経済も最悪だ」、確かに長期的に振り返ることも重要だ。
・『「バブルの逃げ場」もなくなった  そして、この最悪状態は長期化必至だ。もはや世界中どこでもそうだから、逃げ場がない。金融市場での逃げ場を失ったマネーが、代替資産の市場に逃げ込めるかというと、それも難しい。すでにそれらの一部は「絶賛崩壊中」だ。例を挙げよう。 ①いうまでもなく、暗号資産の代表であるビットコインは暴落している。昨年11月には6万7000ドル台をつけていたが、一時は3万ドルを割れた。一時的に戻っているが、再度暴落するだろう。 ほかの暗号資産などはさらに悲惨で、マイナーなものは崩壊状態だ。今回の暴落の1つのきっかけは、「ステーブルコイン」と呼ばれる、ドルとの交換を保証している(と称していた)ものが、暴落したことがある。 理由はもちろんドルの裏付けを十分に持たずに、バブルを作っていたからであり、破綻回避のために保有するビットコインを大量に売ったことで、ビットコインの暴落が加速した。今後も、バブル崩壊スパイラルが何重にも起こるだろう。暴落スパイラル、暴落の伝染、投資家の恐怖の伝染は、バブル崩壊時のいちばんの特徴である。 ②メタバース、NFT(非代替性トークン)バブル。そもそもビットコインの価値とブロックチェーン技術とは別問題であり、目新しいもので資産バブルを作ろうとするのは、典型的なバブル末期の症状だ。 通貨になるためには、値動きがほとんどないことが必要で、為替相場が動くのは基本的にマイナスであり(だからユーロが生まれた)、ただの投機用資産であることは明白だ。メタバースをゲームの中で遊びとして利用したり、NFTを使用したりすることは、あくまで技術の利用法である。それらを取引資産とした時点で別物、バブルである。 ③絵画の世界でもバブル崩壊の兆候が現れた。例えば現代アートは、アートの中でも「オークションでついた価格がその作品の価値を決める」という倒錯した市場である。ここで5月9日、現代アートとして最も有名な画家の1人であるアンディ・ウォーホル作の「マリリン・モンロー」が売りに出て、1億9500万ドル(約250億円)で落札された。 これはアメリカ絵画、および現代アートの史上最高額を大きく更新した(これまでは2017年に前澤友作氏が落札したバスキアの作品で1億1000万ドル)。この「事件」を指してメディアは、絵画マーケット、現代アートマーケットは株式市場の混乱を尻目に好調だという解説をしているが、これはまったくの間違いだ。) なぜなら、バスキアのように価格が急上昇をしてきた(前澤氏がさせた)ものとは異なり、ウォーホルのそれは、長年、絵画としての高い評価が確立した最高のものだからだ。 なぜ最高のものを「今」売りに出したのか。売り手はウォーホルのコレクターとして有名な財団であり、売却益は寄付されるという。必要に迫られて売ったわけではない。バブル崩壊の足音を悟ったのだ。 絵画投資家のプロ中のプロも「もはや売り時」と思っているのである。このモンローの本質的な価値は下がらないが、価格が2億ドルか4億ドルかあるいは1億ドルかというのはバブル度合いによる。 実際、オークションを主催したクリスティーズの想定価格は2億ドルだった。通常は、このような二度とマーケットに出てこないようなもの、最高級のものが出てくれば、想定価格の何倍もの値段で決まるものである。 実際、これまでの主要アート中での最高落札額は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」で、2017年に4億5000万ドルだが、クリスティーズの想定価格は1億ドルだった。つまり、相場は崩れ始めた可能性がある』、「「マリリン・モンロー」が・・・1億9500万ドル・・・で落札」、「クリスティーズの想定価格は2億ドル・・・通常は、このような二度とマーケットに出てこないようなもの、最高級のものが出てくれば、想定価格の何倍もの値段で決まる」、「相場は崩れ始めた可能性がある」のは確かだ。
・『バブル崩壊はまだまだ続く  もういいだろう。バブルは全面的に完全に崩壊したのである。では、これからどうなるか。まだまだバブル崩壊は続く。 株式市場の下落はまだ続くだろう。今後の底値のメドは立たない。なぜなら、第1に、バブル崩壊での暴落では価格はオーバーシュートする(行きすぎる)からだ。第2に、ファンダメンタルズ(基礎的条件)の水準がこれから下がるからだ。ではどのように? まず、PER(株価収益率)の水準が下がる。バブル上昇期はアメリカ全体で20倍を超えていた。この「PER20倍」というのは、1株の利益が前述のように年率15%で伸び、5年で2倍になるという裏付けがあった(5年後のPERは10倍)からこそ、許されていた。 だが、成長が止まれば大幅に下がる。利益が伸びないのであれば、PER10倍は10倍のままである。だから、ファンダメンタルズからいっても、今までPER20倍の価格がついていた企業の株価は半分になりうる。 次に、誰もが知っているように、金利はまだまだ上がる。これは割引率の上昇となるから、1株利益が同じでも、株価は大きく下がる。 さらに、実は1株利益自体が伸びなくなるどころか、減少する。なぜなら、ここ数年の収益は実体経済もバブルで膨らんでいたからで、多くの企業で1株利益が減少していく。そうなると、当然ファンダメンタルズからいっても、株価はさらに下落を続けることになる。) また、債券市場の暴落も続く。金利上昇はもちろん国債の価格を下落させるが、最も価格が下落するのはハイイールド債という低格付けの「ジャンク債」市場である。これらはもともと国債の利回りが低すぎたから多くの投資家が買っていただけで、アメリカ債利回りが3%になるなら、極端にいえば不必要になり、買う人はいなくなる。 したがって、債券保有者は投げ売ると一段と暴落してしまうから売るに売れず、「発行体が破綻しなければ元本は戻ってくるから」と塩漬けにしがちだ。 こういう場合、破綻は突然起こる。例えば、債券市場の根本にあるアメリカの10年債の利回りが2%から4%に上がると、リスクプレミアムは、ベースである国債の上昇率を大きく上回って急激に拡大する。そうすると、ジャンク債の利回りは、7%をあっという間に超える。債券で利回りが7%を超えればほとんど買い手はつかないから、売ることはほぼできなくなる』、「株式」や「ジャンク債」の暴落は避けられないようだ。
・『破綻の連鎖がリスク資産市場全体に広がる恐怖  ここで、実体経済が悪化すると、収益が減って返済できない発行体がまず出てくる。次に、収益が減らずとも、ジャンク債の新発市場で買う投資家がいなくなり、借換え債を発行できなくなる主体が多数出てくる。デフォルト(債務不履行)だ。デフォルトが出てくると、これらの債券を投げ売りできずに抱えていたファンドが損失を計上する。 すると、こうしたファンドへの出資者は資金を引き揚げるしかない。よって、好景気時には高いパフォーマンスを誇っていたジャンク債ファンドは、あっという間に破綻に追いこまれる。 ジャンク債市場は投資家も限られているので、破綻は連鎖する。ジャンク債を買っていたファンド側も、借り換えができなくなった発行体も破綻する。負のスパイラルである。この破綻の連鎖は、リスク資産市場全体に広がる。 かつては、株が暴落すれば、資金が「安全資産」である債券の市場に逃げ込んだものだ。今は連想ゲームだけで、実際のカネは動かない。株と債券の投資家は別主体であるだけでなく、行動原理も違うからである。 セクターローテーションをするような投資家は、要はモメンタム投資家(勢いのあるほうにつく)で、次々と新しいモメンタム(要はバブル)に乗っていって、転々としているだけだから、バブルの崩壊が始まれば、次々とすべての市場から撤退して、バブル崩壊を加速させる。 この場合、さらに悪いことに、損失を取り返すために、新しく「買う」のではなく、「新しいモメンタム」、つまり「売り」に乗るので、すべての市場で売り仕掛けが加速する。これが、リスク資産市場全体の暴落スパイラルである。 一連の流れの中では、ゴールド(金)の価格も下がるだろう。最後の拠り所は資源かもしれないだが、価格が上昇すれば実体経済にさらにダメージとなるため、資源市場も暴落する。このように、リスク資産市場全体でレバレッジが急低下し、売りが売りを呼び、暴落はオーバーシュートとなるのである。 そして、今度はリーマンショック後と異なり、量的緩和でこれを救済することはできない。この仕組みを使い切ったうえに、資産縮小を世界中の多くの中央銀行が行っているからである。これが、これから起こることである。(本編はここで終了です。次ページは、競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「リスク資産市場全体でレバレッジが急低下し、売りが売りを呼び、暴落はオーバーシュートとなるのである。 そして、今度はリーマンショック後と異なり、量的緩和でこれを救済することはできない。この仕組みを使い切ったうえに、資産縮小を世界中の多くの中央銀行が行っているからである。これが、これから起こることである」、恐ろしいご託宣だが、「バブル」崩壊にはそれなりの覚悟が必要なようだ。
タグ:バブル(最近) (その8)(10億円超も続々登場 「ニセコ別荘バブル」の狂騒 観光客は激減も開発目白押し 町は抑制に苦慮、いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味) 東洋経済オンライン「10億円超も続々登場、「ニセコ別荘バブル」の狂騒 観光客は激減も開発目白押し、町は抑制に苦慮」 「399平方メートルの部屋が約14億円」、「45平方メートルという小さな部屋でも価格は1億円超」、「坪単価は約780万円。東京都心部の高級マンションとも肩を並べる水準」、「この4年間で売買相場は一段と上昇」、凄いバブルともいえる高値だ。 「ニセコを構成する3町には2019年に423万人もの観光客が訪れたが、2020年は263万人と約6割に目減り」、しかし、「不動産市場は堅調だ。倶知安町の住宅地の地価は、上昇率こそ縮んだものの、2022年に約11.9%上昇」、「不動産の買い手は「富裕層の中でも上位の『超富裕層』」・・・立地やサービス水準がお眼鏡にかなえば、利回りを気にせずに買っていく。コロナ禍にも動じず、渡航制限が解除されるまで気長に待つというスタンスだ』、「外国人投資家」の投資意欲は依然旺盛なようだ。 「コンドミニアムやホテル開発に対して何の規制もかけないままでは、ひらふエリアのベッド数は現在の約1万からいずれ8万9000に激増するという試算だ」、「適正なベッド数はせいぜい1万8000」、「観光客の受け入れ能力は早くも限界に達しつつある」、将来的にこんなにベッド数が増えれば、大混乱だ。 「宿泊税を導入」、「別荘所有者への「別荘税」や開発事業者への「緑化負担税」の導入も議論」、「開発そのものにも規制の網を敷くことを検討」、過熱をさますための措置は出来るだけ導入すべきだろう。 東洋経済オンライン 小幡 績氏による「いよいよ「すべてのバブル」が崩壊しかかっている ウォーホール「モンロー250億円落札」の意味」 日本株に対する株式アナリストの「6つの間違い」 「金融政策の正常化ができないのは最大のリスク。アベノミクスで円安となり、かつ日銀が出口を失い、かつまったく動けない状態になっている」、その通りだ。 「4日」、「5日」についての「市場関係者」の「説明」は全くのウソで、ここまでするのかと驚かされた。 「そもそも、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた約2年半前に金融緩和バブルは崩壊しかけていた・・・その後、コロナ対応などの名目で、アメリカを中心に世界の主要国が金融・財政政策を「限界以上に」やったことで、バブルは最後の大膨張をしていただけだ。だから、バブルがはじければリスク資産が暴落するだけでなく、実体経済も先送りしてきた損失を現実に受け入れることになる。株式市場の現状は最悪、見通しも最悪、実体経済も最悪だ」、確かに長期的に振り返ることも重要だ。 「「マリリン・モンロー」が・・・1億9500万ドル・・・で落札」、「クリスティーズの想定価格は2億ドル・・・通常は、このような二度とマーケットに出てこないようなもの、最高級のものが出てくれば、想定価格の何倍もの値段で決まる」、「相場は崩れ始めた可能性がある」のは確かだ。 「株式」や「ジャンク債」の暴落は避けられないようだ。 「リスク資産市場全体でレバレッジが急低下し、売りが売りを呼び、暴落はオーバーシュートとなるのである。 そして、今度はリーマンショック後と異なり、量的緩和でこれを救済することはできない。この仕組みを使い切ったうえに、資産縮小を世界中の多くの中央銀行が行っているからである。これが、これから起こることである」、恐ろしいご託宣だが、「バブル」崩壊にはそれなりの覚悟が必要なようだ。
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女性活躍(その24)(将棋の「女性プロ棋士」がいまだに誕生しない理由 育児中の女流棋士が語る女性ならではの悩み、なぜ日本の「女性研究者」は先進国で目立って少ないのか 専門家が指摘する「3段階の課題」〈dot.〉、男子サッカー国際試合で「日本人女性審判トリオ」の快挙 主審がたどった軌跡とは) [社会]

女性活躍については、4月15日に取上げたばかりだが、今日は、(その24)(将棋の「女性プロ棋士」がいまだに誕生しない理由 育児中の女流棋士が語る女性ならではの悩み、なぜ日本の「女性研究者」は先進国で目立って少ないのか 専門家が指摘する「3段階の課題」〈dot.〉、男子サッカー国際試合で「日本人女性審判トリオ」の快挙 主審がたどった軌跡とは)dえある。

先ずは、本年4月17日付け東洋経済オンライン「将棋の「女性プロ棋士」がいまだに誕生しない理由 育児中の女流棋士が語る女性ならではの悩み」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/582236
・『将棋界において、厳密な意味で「女性のプロ棋士」は一人もいない。背景にはどんな問題があるのか。2児の母でもある上田初美女流四段に聞いた。 将棋界における「プロ棋士」とは、男女関係なくプロ養成機関の奨励会に入り、四段になった棋士のことを指す。一方、「女流棋士」は別の制度で「女流2級」以上の人のことを言う。 実は、奨励会を経て四段になった女性棋士はまだおらず、厳密な意味で「女性のプロ棋士」は、これまで一人も存在しない。その理由については、「将棋は囲碁以上に戦闘的で男性的なゲームだから」「男女に脳の構造の違いがあるから」など、都市伝説のような言説もある。 実際はどうなのか。上田初美女流四段(33)に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは上田氏の回答)』、興味深そうだ。
・『奨励会の9割以上は男性  Q:将棋界はそもそも、女流棋士が少ない印象です。 A:(将棋のプロ養成機関の)奨励会に入っている人は9割以上が男性です。女性はマイノリティで、そこで戦うのは大変なこと。奨励会にいるだけで、(男性の圧力に)圧迫されるような気分になると聞いている。 将棋に関心を示す人は少しずつ広がってきてはいるが、現実問題として奨励会に入る女性は増えていない。 小学生以下を対象にした「テーブルマークこども大会」などのイベントでは女の子が体感で3割くらい参加する。それが研修会(奨励会の予備校的な機関。女流棋士養成機関でもある)になると女性の割合は2割くらいになる。そこから実力で上にあがっていく人は限られるので、奨励会では女性比率が1割以下になり、最高峰ともいえるプロ棋士はいまだにゼロだ。 Q:女性がプロになるのはかなりハードルが高いと? A:そうです。将棋でプロを目指す女の子は、まず奨励会に入るべきかどうか、そこで悩む。奨励会に行っても女の子はほとんどいないし、悩みを共有することが難しい。 (男女関係ない奨励会とは別の)女流棋士制度を巡って、「男女平等であるべきではないか(女流棋士制度は必要ない)」と言う人もいるが、私は女流棋士の制度があっていいと思う。昔よりも現在は女性ファンも多くなった。女流棋士の存在なくして、女性の将棋人口は増えていかないだろう。 Q:「男性の棋士と女流棋士では実力差がある」と言われることもあります。 A:最近、囲碁界では、上野愛咲美さん(20)や藤沢里菜さん(23)が男女混合の棋戦でも勝つ場面が増えた(編集部注:囲碁では男性を含めた全棋士の中で、2021年の年間最多勝は女流の上野氏だった)。 将棋では「女流が男性棋士に勝てないのはなぜか」と言われることもあるが、奨励会に入った数少ない女性の多くは初段前後になっている。(女流の特別参加枠がある)将棋の公式戦でも、女流棋士は少しずつ実績を残している。限られた人数の中で女性は相当善戦していると感じている。 才能ある棋士は、やはり裾野(女性の将棋人口)が広がらないと出てこない。将棋では(女流二冠の)西山朋佳さん(26)、(女流四冠の)里見香奈さん(30)が活躍しているが、裾野が広ければ広いほど才能ある女性もたくさん出てくるだろう』、「奨励会に入った数少ない女性の多くは初段前後になっている」、今後の活躍が楽しみだ。
・『将棋以外の面で脱落することも  Q:上田さんは男女で棋力の差が出てくる要因として、「生理やPMS(月経前症候群)の有無」を文春オンラインのコラムで指摘しています。 A:女流棋士同士ではお互い様だが、男性に混じっていくとなると、それ(生理やPMS)も含めて戦っていかないといけない。ただ、(生理などで)体調を崩す人と崩さない人がいる。将棋の才能があっても、思春期に入って体調が崩れる、心身が崩れるとなると、将棋以外の部分で脱落することもある。 (上田氏の略歴はリンク先参照) 三段リーグ(三段の奨励会員が四段昇格をかけて戦うリーグ戦。半年で18局を戦い、上位2人がプロ棋士である四段に昇格する)は、とくに過酷だ。半年間18局を好調で続けなければならない。非常に難しいこと。女性は男性に比べて体調を理想的に調整することがとても難しいと感じている。 私が2020年9月にコラムで書いたときにはいろんな反響があった。「体調の問題がありながらも、ほかの業界ではトップを走る女性もいる」といった批判もきた。このような議論が起きることは悪くないと思っている。 後進を育てる人、(将棋を)教えている人の多くは男性で、議論が広がれば女性の弟子が突然不調に陥った際に、可能性の1つとして彼女にそういうこと(生理など)が起きているのでは、と想像することができるかもしれない。 Q:将棋を指すうえで、生理などは具体的にどのような障害になりますか。 A:人それぞれまったく違うと思うが、将棋で最も大変なのは集中力の低下です。多くの人に眠気が出ると思う。低気圧に弱い人が眠くなったり、頭痛が起きたりするが、それに近い。眠気にあらがえない。何かに集中しようとしてもモヤがかかっているような感じがする。 調子がいいときは脳が回っている実感があるが、それがかなり鈍くなる。(生理よりも)PMSのほうがやっかいという人のほうが多いのではないか。これは女性である以上、必ずつきまとう。どう付き合っていくか、個人で抱えると重たい問題なので、何かいい形で付き合っていければいいと考える』、「将棋を指すうえで、生理などは」、「集中力の低下です。多くの人に眠気が出ると思う」、読むだけでつらそうだ。
・『出産後、勝てなくなった時期  Q:女流棋士の中には、上田さんのように出産を経験された方もいます。出産や育児が将棋に与える影響は大きいですか。 A:私も出産した後に、勝てなくなった時期があった。それなりに勝っていたころに戻れないのではないかという不安もあった。 でも、出産して成績が下がるのは当たり前。最初の数カ月は(育児は)すごい修羅場で、自分が寝る間もない。私は「出産後に勝率が落ちるのはしょうがない」と楽天的に考えたが、「勝敗がすべて」という勝負師タイプの女流棋士が出産したら、どうしても休むことになって勝率が落ちるので、大変だろう。 一時期、久保利明九段が「鈍感力」という言葉をよく使っていたが、細かいことを気にしない適当感は、出産や育児をしながら棋士として戦っていくうえで必要だと思う。 Q:夫の及川拓馬七段はプロ棋士ですが、それは子育て面ではプラスですか。 A:2人とも、いわば自営業なので、家にいる時間が多く、融通が利くことはある。女流棋士は特殊な職業で、「17時に(保育所に)お迎えにきてください」と言われても行けないことがある。14時に終局予定でも、「千日手」(同じ手順が繰り返されること。同じ局面が4回現れると無勝負となり指し直しになる)になれば、迎えに行けないし電話もできない。 わが家は夫に迎えに行ってもらうが、仮に激務の会社員の男性と結婚した女流棋士は、揉める原因になるかもしれない。「こっちは大事な取引があるんだよ」「こっちも対局なんだよ」と口論になりがち。ある程度融通が利くパートナーがいなければ、育児との両立は難しい面もある。) Q:子育てと仕事の両立は大変です。夫婦で時間のやりくりはどのようにしていますか。 A:2人とも同時に勝ち進むとけっこうきついが、うちはなぜか片方が勝つと片方が負けるようにできている(笑)。対局は2人の合計で年間100を超えることはない。それでもけっこう大変だ。 最近、仲よくしてもらっているママ友がいて、よく頼って子どもの面倒をみてもらっている。最初は「ママ友は必要なのか」と疑問に思っていたが、子どもが成長していくと、横のつながりが大事なことに気づいてきた。お互いに、子どもを預かったり預けたり、頼ったり頼られたりする存在はとても大きい』、「「17時に(保育所に)お迎えにきてください」と言われても行けないことがある。14時に終局予定でも、「千日手」・・・になれば、迎えに行けないし電話もできない」、「電話」すらできないとは大変だ。
・『棋士としてのキャリアと個人の幸せ  Q:将棋の勉強は、子どもが寝静まってからの夜の3時間になったそうですね。 A:(負け込んでいる時期に)ちょっとやばいと思ったので、意識的に勉強した。将棋は周りに助けてもらうことはあまりなくて、あくまで自分のやる気の問題。コツコツ型の夫は、育児で勉強時間が減ったことで、「ここで勉強しないと絶対に勝てない」と勉強できる時間の希少性を感じて取り組んでいる。私も出産前と比べると、勉強の集中力が格段に上がった。 Q:今後、女性のプロ棋士は誕生してほしいですか。 A:当然、誕生してほしい。ただ、個人の幸せを考えると、複雑な気持ちになる。もし出産を考えるとなると、女性は休まなければならないので、一時的に確実に対局ができなくなる。 20代半ばが女性の出産適齢期と言われるが、棋士の最盛期も20代半ばで、ちょうど出産適齢期にあたる。対局を休めば当然、順位も落ちる。子どもが生まれると、女流棋士は最短4カ月程度は休まなくてはならない。産前産後の経過が悪くなるともっと長くなる。男女まったく同じ条件で戦っていくなら、相当な覚悟がないと難しい道になる』、「20代半ばが女性の出産適齢期と言われるが、棋士の最盛期も20代半ばで、ちょうど出産適齢期にあたる」、これは覚悟の上で「出産」を選択するほかなさそうだ。

次に、5月5日付けAERAdot「なぜ日本の「女性研究者」は先進国で目立って少ないのか 専門家が指摘する「3段階の課題」〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022042800018.html?page=1
・『研究者として活躍する女性が少ない日本社会。対して、海外では女性研究者の活躍が広がっている。その違いにある、女性研究者が置かれた実情を考察してみたい。現在発売中のAERAムック『大学ランキング2023』(朝日新聞出版)より紹介する。  【データ】日本と諸外国、女性研究者の割合はこんなに違う  日本の研究者のうち、女性研究者が占める割合は17.5%(総務省「科学技術研究調査」2021年)。この数値は緩やかに上昇してきてはいるものの、イギリス、アメリカなどの先進各国と比べると目立って低い(グラフ参照)(イギリス38.6%、アメリカ32.9%、ドイツ28.1%)。  背景には、大学院に進学する女性が少ないという事実がある。文部科学省によると、大学生の女子学生比率は45.6%だが、大学院生になるとその数字は32.7%にまで下がるのだ(「2021年度学校基本調査」)。 男女比の偏りが起こる局面は、進学だけではない。教育社会学やジェンダー研究が専門の山形大・河野銀子教授は、「進学」に加え、「採用」「キャリアの中断」という3段階に課題があると分析する。 「研究者の就職先の約6割は民間企業なのですが、企業研究者の男女比はおよそ9:1。企業が女性研究者の採用に積極的でなく、活躍の場が用意されていないと言えるでしょう。さらに、頑張って研究者のキャリアを歩き始めたとしても、出産・育児で数年研究を中断すると知識的なギャップが生じて復帰が困難になり、研究の道をあきらめてしまうケースも多く見られます」』、「企業研究者の男女比はおよそ9:1。企業が女性研究者の採用に積極的でなく、活躍の場が用意されていない」、「出産・育児」による中断を嫌う企業はやはり採用に及び腰のようだ。
・『大学教員に性別分業の傾向評価、昇進の差に  研究者のもう一つの主な就職先は大学だ。ここで日本の大学教員のジェンダー構成に注意を向けると、女性がキャリアを築くことの難しさが浮かび上がる。 「日本の大学は、講師、准教授、教授と階層が上がるごとに、男性の比率が高まり、女性の比率が低くなるという構造になっています。これは、女性が出産・育児を機に仕事を辞めてしまったり、復帰したとしても昇進が遅れてしまったりすることが要因でしょう。また、性別分業の傾向があって、男性は研究者、女性は教育者としての仕事の比重が重くなりがちという側面もあります。学生のケアに尽力しても大学内で評価されにくいため昇進にはつながらず、自身の研究も進めにくくなるというわけです」) (女性研究者の割合は先進各国より低い の図はリンク先参照) 研究者の男女比の偏りは、その分野の発展にどう影響するのか。 「どの分野にも言えることですが、研究者が興味関心を持ったところに課題が見いだされ、解決法が導かれていきます。男性ばかりで女性の視点が入らないと、研究課題や分析方法が単調になってしまい、新しい発見をしにくくなってしまう恐れがあります。実際、男性のみのチームよりも男女混合のチームのほうが特許件数や特許の経済価値が高いというデータも示されています(日本政策投資銀行「調査研究レポート」2016)。近年は日本の研究力低下が叫ばれていますが、背景には研究者の多様性の乏しさが潜んでいるのかもしれません」』、「日本の大学は、講師、准教授、教授と階層が上がるごとに、男性の比率が高まり、女性の比率が低くなるという構造」、「大学」でも「男性」優位とは困ったことだ。
・『「女性の普通の幸せつかんで」 教員から止められた博士進学  分野別の女性研究者の割合を見ると、文学=43%、社会学=39%などに対し、化学=15%、工学=12%など、理系ではとくに割合が小さい日本。文系に進む女子学生が圧倒的に多いのが現状だ。 「大きな問題は、理系のイメージの狭さだと思います。日本では理系というと、化学実験、機械の開発、数式の解明などがイメージされます。しかし、例えばドイツでは、ギムナジウム(中等学校)で原子力について学ぶ時に、発電所の近隣住民が抱える問題について考えてプレゼンするなど、市民生活との関わりも強いそうです。それに対し、日本で理系と呼ばれる範囲は狭いのではないでしょうか」 また冒頭でも示したように、理系に限らず、研究者を志して大学院に進学する女子学生は少ない。なぜなのか。  「本人が研究者になりたいと考えていても、親や親戚から『女性らしくない』『結婚できなくなる』などと言われて、一歩を踏み出せない学生もいます。指導教員に『君には女性として普通の幸せをつかんでほしい』と言われ、修士課程から博士課程への進学を止められたという話も聞いたことがあります。女子学生の周りの大人の『研究は男の世界』という固定観念を払拭することや、職場となる企業や大学が、妊娠・出産、子育てをしながらでも研究を続けられる制度づくりを推進することが求められています」 ) (女性研究者はどこにいるのか の図はリンク先参照) 欧米では1980~90年代から女性研究者の実情に目が向けられ、大学などでは奨学金や助成金を与えるなどの取り組みが進められてきた。教師や保護者の間でも、「女の子は理系や研究職に向いていない」という思い込みを捨て、男女の区別ない教育を提供しようという意識が高まったという。 「女性研究者はすぐには増えません。欧米では何十年も前から長期的な視点の取り組みを続けてきたことが、今になって実を結んでいるのです。日本は大幅に出遅れていますので、行政面からも教育現場からも、迅速に対策を講じることが求められています」』、「「女性研究者はすぐには増えません。欧米では何十年も前から長期的な視点の取り組みを続けてきたことが、今になって実を結んでいるのです。日本は大幅に出遅れていますので、行政面からも教育現場からも、迅速に対策を講じることが求められています」、同感である。
・『多様な分野で求められるジェンダー的な観点  スタンフォード大では、性差分析を多様な研究に取り入れて全ての人のための改革を目指す「Gendered Innovations(ジェンダード・イノベーションズ)」を推進し、ホームページでさまざまな研究事例を紹介している。例えばある研究では、多くの車が男性の体型に合わせて設計されており、その想定に合わない女性などは事故による怪我や死亡のリスクが高くなると指摘されている。さらに、従来のシートベルトは妊婦の体にフィットするよう作られておらず、比較的軽い衝突事故でも胎児に害を及ぼす可能性があるという。  また、妊娠・出産や生理、女性特有の病気などをテクノロジーでケアする新しい分野「Femtech(フェムテック)」も世界的に注目され、これからの成長が期待される。  河野教授は、研究に女性の視点が入ることで、ダイバーシティーが実現されていくのだと話す。  法学分野ではDVやセクシュアルハラスメントに関する法整備、経済学分野では主婦の家事労働が経済に及ぼす価値の分析、情報分野ではAIによる顔認識システムのバイアスの除去、医学分野では男女の体の差をしっかりと踏まえた性差医療の研究……。ジェンダー的な観点は特定の分野ではなく、あらゆる分野で求められています。女性研究者の増加は、誰もが暮らしやすい社会づくりにつながっていくのです。これからは、男女が協働し、分野も融合した複合的な研究開発が世界を変えていくことでしょう」) 研究者という仕事に男女の向き不向きはない。あるのは、女性が働きにくい労働環境と、周囲の大人の偏見だ。研究者を目指す女子学生に向け、河野教授は励ましの言葉を送る。 「日本人の女性には自分の力を過小評価してしまう『インポスター症候群』が多いと言われていて、自分には研究者なんて無理だと考えてしまうケースが多いと感じています。ですが実際にはとても優秀な女性が多く、挑戦もせずにあきらめてしまうのは実にもったいないことです。ぜひ研究者になって興味関心を突き詰め、社会を改革していってください」 (河野氏の略歴はリンク先参照)』、「「日本人の女性には自分の力を過小評価してしまう『インポスター症候群』が多いと言われていて、自分には研究者なんて無理だと考えてしまうケースが多いと感じています。ですが実際にはとても優秀な女性が多く、挑戦もせずにあきらめてしまうのは実にもったいないことです。ぜひ研究者になって興味関心を突き詰め、社会を改革していってください」、同感である。

第三に、5月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの藤江直人氏による「男子サッカー国際試合で「日本人女性審判トリオ」の快挙、主審がたどった軌跡とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/302664
・『日本サッカー界で前例のない快挙が達成された。アジア各国の強豪クラブが頂点を競うAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、山下良美主審、坊薗真琴、手代木直美両副審で構成される女性審判員チームが初めて試合を担当した。特に36歳の山下さんはACLだけでなく、30年目を迎えたJリーグの公式戦でも初めて主審を務めた実績を持っている。男子のトップレベルの試合を裁く女性主審のパイオニアを歩む、山下さんのキャリアと素顔を追った』、「女性主審のパイオニア」とは興味深そうだ。
・『サッカー界の歴史に新たな1ページ 日本人の女性審判員トリオが試合を担当  アジアの頂点を目指し、日本から川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、浦和レッズ、ヴィッセル神戸が参加した今シーズンのACLで、サッカー界の歴史に新たな1ページが刻まれた。 新型コロナウイルス禍が考慮され、ホーム&アウェイ方式ではなく、中東と東南アジアの4カ国で集中開催されているグループステージ。試合会場の1つであるタイ中部、首都バンコクに近いパトゥムターニースタジアムで4月21日、日本人の女性審判員トリオが試合を担当した。 山下主審、坊薗、手代木両副審が割り当てられたのは、メルボルン・シティ(オーストラリア)と全南ドラゴンズ(韓国)が対戦したグループG第3節。前身となる大会を含めて半世紀以上の歴史を持つACLで、山下さんは主審を務めた初めての女性になった。 36歳の山下さんは昨年5月16日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われたJ3リーグのY.S.C.C.横浜対テゲバジャーロ宮崎でも主審を務めている。このときもJリーグの公式戦で史上初となる快挙だった。歴史を塗り替え続けるパイオニアは、どのようなキャリアを歩んできたのか』、確かに「山下さん」は「歴史を塗り替え続けるパイオニア」にふさわしい。
・『選手だった山下さんが審判に きっかけは先輩・坊薗さんの誘い  昨シーズンにJリーグデビューを果たした直後に、山下さんを取材する機会があった。サッカー人生において、審判とはどのような存在だったのか。返ってきたのは意外な言葉だった。 「選手としてプレーしているときは、審判という存在は私の目には入っていなかったんですね。一緒に試合をしているはずなのに、言ってみれば全く興味がない、全く関心がない世界でした」 東京都中野区で生まれ育った山下さんは、兄の影響を受けて幼稚園のときに始めたサッカーに夢中になった。社会人チームでボランチとして活躍しながら、都立西高から進んだ東京学芸大在学中に転機が訪れた。大学の先輩で先のACLで副審を務めた、坊薗さんから審判を頼まれたのだ。) 「坊薗さんに誘われたというか、最初は無理やり試合に連れていかれたというか。全然気が進まなかったんですけど、とにかくやってみよう、と。最初の試合はキックオフの笛を吹いて、時間を計って、試合終了の笛を吹くことしか考えていなかったんですけど、それを終えるともっとこうしたい、という気持ちが芽生えてきて。試合ごとにそういうものが、どんどん積み重なってきた感じですね」 審判員にも魅力を感じ始め、4級から3級、そして日本サッカー協会(JFA)が主催する全国レベルの試合で副審を担当できる2級審判員の資格を取得したときに、社会人チームで続けていた選手との二刀流から1つに絞った。当時の心境を、山下さんは「責任」を介して振り返っている。 「女子のトップリーグに関係できる責任の重さを感じたこともあり、2級審判員になるのであれば、しっかりと審判という仕事に向き合わなければいけない、という気持ちが芽生えてきました」 2012年になでしこリーグの主審を担当できる女子1級審判員の資格を取得した山下さんは、JFAの推薦を受けて15年に国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判員として登録された』、「全国レベルの試合で副審を担当できる2級審判員の資格を取得したときに、社会人チームで続けていた選手との二刀流から1つに絞った」、「15年に国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判員として登録された」、大したものだ。
・『澤穂希の引退試合で主審 女子サッカーの力を感じた  FIFAが主催するU-17女子ワールドカップや女子ワールドカップに加えて、男性がプレーする大会として国内で全国高校サッカー選手権大会、アジアではACLに次ぐ大会となるAFCカップで審判を務めた山下さんは、キャリアを積み重ねた過程で今も忘れられない試合を経験した。 レジェンド澤穂希さんの現役最後の試合となった、15年12月27日の皇后杯全日本女子サッカー選手権決勝。2万人を超える大観衆が駆けつけた等々力陸上競技場で、注目された澤さんの決勝ゴールでINAC神戸レオネッサが頂点に立った劇的な一戦の主審が山下さんだった。「自分の転機になったかといえば違うかもしれませんが、本当にたくさんの方が見に来てくださったあの試合がとにかく印象に残っていて。ピッチに立って周囲を見回したときに、女子サッカーでこれだけの注目を集められるんだ、人の心を動かせるんだ、という力を感じました」 主審という仕事にさらなるやりがいを覚えた山下さんは、それでも「男性の試合も裁こうとは、特に考えなかったんですけど」と苦笑しながら、19年12月のJFA理事会で認定された、Jリーグを含めた男子社会人の試合で主審を務められる1級審判員資格をこう振り返った。 「フィジカル面では維持させるよりも向上させることを常に考えてきましたし、技術面や座学による勉強面も含めて、全てを向上させたい、と取り組んできたその先に男性の試合を担当できる選択肢があったというか。結果として、Jリーグを担当する機会があった感じでしょうか」』、「「フィジカル面では維持させるよりも向上させることを常に考えてきましたし、技術面や座学による勉強面も含めて、全てを向上させたい、と取り組んできたその先に男性の試合を担当できる選択肢があったというか。結果として、Jリーグを担当する機会があった感じでしょうか」、凄い向上心だ。
・『昨年Jリーグの主審に これまで通りのスタイルを貫く  20年は“4部”に当たるJFLで経験を積んだ。迎えた昨年1月。59人からなるJリーグ主審リストに初めて名を連ねた山下さんは、前述した5月16日に歴史の扉を開いた。 もっとも、主審として目指していくスタイルは、資格がどんどん上がっても全く変わらない。決して目立たず、それでいて両チームにストレスを感じさせない秘訣(ひけつ)を山下さんはこう説明する。) 「まずは一生懸命走って、できるだけ近くで見ること。わかりやすく、簡潔に伝えられるようにジェスチャーと表情、あとは笛も含めて使えるものはなるべく使ってコミュニケーションを取れればと思っています」 世界へ目を向ければ、フランス人のステファニー・フラパールさんという先駆者がいる。38歳のフラパールさんはフランス1部リーグに続いて、UEFAチャンピオンズリーグ、カタールワールドカップ出場がかかったヨーロッパ予選と男子選手がしのぎを削る大舞台で主審を務めた。 年齢が近いフラパールさんが切り開いた新たな分野を、山下さんも歩んでいく先に見つめている。何事にも「初めて」と報じられる自身に課された役割を、山下さんは自然体でこう語った。 「今後はJリーグでの機会を続けていくこと、女性審判員が男性の試合を担当することが当たり前になっていくことが、私の目標とすべきところだと思っています。そのためにできることは目の前の試合に全力で取り組むことなので、それを意識して担当していきたい。その上であまり目を留められなかった方々に、審判員という存在を少しでも注目していただけたらうれしいですね」』、「今後はJリーグでの機会を続けていくこと、女性審判員が男性の試合を担当することが当たり前になっていくことが、私の目標とすべきところだと思っています」、なるほど。
・『ジェンダー平等で後れを取る日本サッカー界 山下さんがすそ野を広げ続ける  サッカー界全体で事例が少ないがゆえに、今はまだ男子のトップレベルの試合で笛を吹く女性が注目される。ただ、例えばアメリカでは選手も共用できる託児所がスタジアム内に設けられるなど、審判員という仕事においてもジェンダー平等参画に対する意識が日本よりはるか先に進んでいる。 審判という仕事に憧れる女性のすそ野を大きく広げ、その上で審判員資格を順次取得してステップアップしていく先で、周囲の理解を得ながら可能性が狭まらない社会を作り上げていく。 日本サッカー界の課題には、Jリーグの審判員として生計を立てられる環境も含まれてくる。JFAが認定するプロフェッショナルレフェリー(注)に名を連ねていない山下さんは、実は他に仕事を持っている。多忙を極める日々で、それでも毎日1時間から2時間のトレーニングを欠かさない。 「筋力トレーニングやアジリティーを鍛えるトレーニングは、自分を奮い立たせながらできます。ただ、インターバルトレーニングなど、息が上がるようなトレーニングは一人だときついので、なるべく仲間を見つけて一緒にやるようにしています」 苦笑しながらこう語っていた山下さんは、Jリーグで笛を吹いた実績を「選択肢が増えたことは、とても意義のあることだと思っています」と、サッカー界全体にとってプラスになると歓迎していた。そして今、選択肢に日本国内のJ2やJ1を飛び越えてACLという舞台も加わった。 注目された一戦を終えた後に、山下さんはJFAを通じてこんなコメントを発表した。 「ACLを日本人女性トリオで担当するという機会をいただけたこと、大変感謝いたします。このような機会が続いていくよう今後も一試合一試合、全力で向き合っていきます」 ストレスを感じたときには気分転換としてゲームに興じるか、あるいは「陽気な声を出して」と照れながら明かした山下さんはこれからも気負わず、日本全国の審判員仲間がこれまでに積み上げてきた実績をリスペクトしながら、誰も前にいない道を全力で歩み続けていく』、今後の活躍が楽しみだ。
(注)プロフェッショナルレフェリー:審判員の活動によって主たる収入を得ている人物並びに制度(Wikipedia)
タグ:女性活躍 (その24)(将棋の「女性プロ棋士」がいまだに誕生しない理由 育児中の女流棋士が語る女性ならではの悩み、なぜ日本の「女性研究者」は先進国で目立って少ないのか 専門家が指摘する「3段階の課題」〈dot.〉、男子サッカー国際試合で「日本人女性審判トリオ」の快挙 主審がたどった軌跡とは) 東洋経済オンライン「将棋の「女性プロ棋士」がいまだに誕生しない理由 育児中の女流棋士が語る女性ならではの悩み」 「奨励会に入った数少ない女性の多くは初段前後になっている」、今後の活躍が楽しみだ。 「将棋を指すうえで、生理などは」、「集中力の低下です。多くの人に眠気が出ると思う」、読むだけでつらそうだ。 「「17時に(保育所に)お迎えにきてください」と言われても行けないことがある。14時に終局予定でも、「千日手」・・・になれば、迎えに行けないし電話もできない」、「電話」すらできないとは大変だ。 「20代半ばが女性の出産適齢期と言われるが、棋士の最盛期も20代半ばで、ちょうど出産適齢期にあたる」、これは覚悟の上で「出産」を選択するほかなさそうだ。 AERAdot「なぜ日本の「女性研究者」は先進国で目立って少ないのか 専門家が指摘する「3段階の課題」〈dot.〉」 日本の研究者のうち、女性研究者が占める割合は17.5% イギリス38.6%、アメリカ32.9%、ドイツ28.1% 「企業研究者の男女比はおよそ9:1。企業が女性研究者の採用に積極的でなく、活躍の場が用意されていない」、「出産・育児」による中断を嫌う企業はやはり採用に及び腰のようだ。 「日本の大学は、講師、准教授、教授と階層が上がるごとに、男性の比率が高まり、女性の比率が低くなるという構造」、「大学」でも「男性」優位とは困ったことだ。 「「女性研究者はすぐには増えません。欧米では何十年も前から長期的な視点の取り組みを続けてきたことが、今になって実を結んでいるのです。日本は大幅に出遅れていますので、行政面からも教育現場からも、迅速に対策を講じることが求められています」、同感である。 「「日本人の女性には自分の力を過小評価してしまう『インポスター症候群』が多いと言われていて、自分には研究者なんて無理だと考えてしまうケースが多いと感じています。ですが実際にはとても優秀な女性が多く、挑戦もせずにあきらめてしまうのは実にもったいないことです。ぜひ研究者になって興味関心を突き詰め、社会を改革していってください」、同感である。 ダイヤモンド・オンライン 藤江直人氏による「男子サッカー国際試合で「日本人女性審判トリオ」の快挙、主審がたどった軌跡とは」 「女性主審のパイオニア」とは興味深そうだ。 確かに「山下さん」は「歴史を塗り替え続けるパイオニア」にふさわしい。 「全国レベルの試合で副審を担当できる2級審判員の資格を取得したときに、社会人チームで続けていた選手との二刀流から1つに絞った」、「15年に国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判員として登録された」、大したものだ。 「「フィジカル面では維持させるよりも向上させることを常に考えてきましたし、技術面や座学による勉強面も含めて、全てを向上させたい、と取り組んできたその先に男性の試合を担当できる選択肢があったというか。結果として、Jリーグを担当する機会があった感じでしょうか」、凄い向上心だ。 「今後はJリーグでの機会を続けていくこと、女性審判員が男性の試合を担当することが当たり前になっていくことが、私の目標とすべきところだと思っています」、なるほど。 今後の活躍が楽しみだ。 (注)プロフェッショナルレフェリー:審判員の活動によって主たる収入を得ている人物並びに制度(Wikipedia)
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デジタルトランスフォーメーション(DX)(その2)(【スクープ】セブンで出向社員が出向元へ127億円発注!「DXバブル」の裏でコンプラ違反疑惑、100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体 机を片付けない子供と同じだぞ) [企業経営]

デジタルトランスフォーメーション(DX)については、昨年4月21日に取上げた。今日は、(その2)(【スクープ】セブンで出向社員が出向元へ127億円発注!「DXバブル」の裏でコンプラ違反疑惑、100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体 机を片付けない子供と同じだぞ)である。

先ずは、本年2月7日付けダイヤモンド・オンライン「【スクープ】セブンで出向社員が出向元へ127億円発注!「DXバブル」の裏でコンプラ違反疑惑」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/295251
・『『週刊ダイヤモンド』2月12日号の第1特集は「セブンDX敗戦」です。巨大流通帝国、セブン&アイ・ホールディングスが巨費を投じて進めてきたデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略が水泡に帰しました。一方、セブン&アイによる「DXバブル」を巡って、ITベンダーやコンサルティング会社が繰り広げた激しい受注競争が、法令順守違反の疑惑を生み出していました』、「セブンDX敗戦」とは興味深そうだ。
・『1200億円投資の「DXバブル」ベンダーの受注競争は過熱  セブン&アイ・ホールディングスの“DX敗戦”の柱は、2021年のDX戦略の「司令塔」であるグループDX戦略本部の解体とそのトップだったリクルート出身の米谷修氏の“失脚”、そして目玉のDX施策の白紙撤回である。 それまでセブン&アイでは20年から米谷氏をトップとするDX部門が中心となってグループ横断でDX施策を展開してきた。大型プロジェクトも目白押しで、グループ全体のDXへの投資は総額で1200億円にも上った。これは流通企業の売り上げに対するIT投資の平均的な比率の2倍超にも及ぶ巨大な投資だった。 この「DXバブル」に群がったのがITベンダーやコンサルティング会社である。激しい受注競争はベンダーやコンサルの序列をも大きく変える熾烈なものとなった。 その一方で、激しい「利権争い」が統制不全を招きかねない事態を生んだ。ダイヤモンド編集部が入手した内部資料が明らかにするのは、DXバブルを巡るITベンダーの「やりすぎ」ともいえる案件受注である。 セブン&アイに出向した社員の在籍する部署が、出向元に巨額の発注を繰り返していたのだ』、「グループ全体のDXへの投資は総額で1200億円・・・これは流通企業の売り上げに対するIT投資の平均的な比率の2倍超にも及ぶ巨大な投資」、確かに巨額だ。「セブン&アイに出向した社員の在籍する部署が、出向元に巨額の発注を繰り返していた」、コンプライアンス違反の酷い話だ。
・『出向者が出向元に計127億円発注 内部資料「コンプラリスクを懸念」「DX戦略本部内の統制」 内部資料にはそう題したA4サイズのペーパーが存在する。それは、ベンダーからの出向社員による出向元への発注金額を部門別に示したものだ。 例えば、グループDX戦略本部には、PwCから出向してきた2人が所属。そのPwCに対して案件を発注し、5億7000万円を支払っている。 金額が大きいのが、IT統括部・GMSシステムという部門である。同部門はアクセンチュアから社員1人受け入れており、アクセンチュアに発注することで、60億1600万円も支払っていた。NTTデータから出向で1人を受け入れるITインフラ部という部署は、NTTデータに26億5700万円を支払っていた。 内部資料が示すのは、その驚くべき総額である。計10部門で31人を受け入れており、出向元への支払額を合計すると127億5000万円にも上るのだ。 同じペーパーには、直近の稟議の数と、ITベンダーに対するシステムの導入や業務委託を提案・依頼する際の提案依頼書(RFP)の実施状況が記されている。内部資料の作成時点では、RFPは任意で実施されていたとし、全体の稟議の610件のうちRFPが実施されたのはわずか18件程度としている。その実施率はわずか3%ほどだ。 意味するのは、セブン&アイに出向してきた社員が、出向元のベンダーにRFPのプロセスを経ずに案件を発注できてしまうということだ。内部資料は「コンプライアンス上のリスクが懸念される」と警鐘を鳴らしている。 全体の1割をも占める127億円という数字は、DXバブルが、コンプラリスクを懸念させるほどにITベンダーの競争を過熱させていた事実を如実に表している。取引先にとって、セブン&アイは金払いの極めて良い“上客”だったのだ』、「計10部門で31人を受け入れており、出向元への支払額を合計すると127億5000万円」、しかも「ITベンダーに対するシステムの導入や業務委託を提案・依頼する際の提案依頼書(RFP)の実施状況」は、「実施率はわずか3%ほど」と「出向してきた社員が、出向元のベンダーにRFPのプロセスを経ずに案件を発注できてしまう」、極めて大きな問題だ。
・『セブン「DX敗戦」を極秘資料で解明 経営陣混迷…「DX失敗の教科書」  『週刊ダイヤモンド』2月12日号の第1特集は「セブンDX敗戦」です。実は、2021年秋、セブン&アイのある幹部役員がひっそりとグループを去っています。その幹部役員とは社外から招かれ、グループのDX部門のトップとして戦略を主導した米谷修氏です。まさにDX戦略の最重要人物ともいえる存在です。 しかし、セブン&アイは、役員人事にもかかわらず、その幹部の退任をいまだに公表していません。なぜでしょうか。それは、そのキーマンの退任こそが、大号令をかけて進めてきた同社のDX戦略が瓦解してしまったこと表しているからです。 では、セブン&アイの内部で一体何が起きていたのでしょうか。特集では、ダイヤモンド編集部が入手した社外秘の内部資料や動画を基に、DX戦略を巡る創業家役員も絡む人事や組織の混迷、ITベンダーやコンサルティング会社も巻き込んで繰り広げられた苛烈な暗闘の全容を明らかにしていきます。 今回の“DX敗戦”の主要な柱は、DX部門の解体と部門トップの失脚、そして目玉のDX施策の白紙撤回です。創業家役員によってDX戦略に引導が渡された「見せしめ御前会議」の様子を社外秘の動画を基に完全再現。DX部門がグループ内部から集中砲火を浴びるきっかけになった、グループ内の著しい「待遇格差」についても紹介します。 内部資料からは、改革の“抵抗勢力”によるDX戦略の「解体作戦」の実態も浮かびあがります。セブンの社外秘の内部資料で、宿命のライバル、イオンのDX戦略が「ベタ褒め」されている理由も紹介します。 また、セブン&アイのDX大号令はITベンダーやコンサルにとって千載一遇のチャンスとなりました。特集では、「DXバブル」に沸いたベンダー・コンサルの激しい受注競争で起きた序列の変化や、“恩人”の野村総研を巡り創業家役員が激怒した“大事件”の顛末も取り上げます。 さらに、内部資料には、バブルに群がったベンダー・コンサルの実名と実額がこれでもかとばかりに登場します。NTTデータ、野村総合研究所、アクセンチュア…。特集では、取引ベンダー主要53社の受注額ランキングに加え、ITベンダー人月単価の実額も完全公開します。また、IT業界座談会を緊急開催し、業界で日常的にDXに関わる「インサイダー」たちに「セブンDX敗戦」を読み解いてもらいました。 セブン&アイにとって今回の“DX敗戦” は、ECサイト「オムニ7」、スマホ決済「セブンペイ」に続く「第三の敗戦」になります。特集では、”負の遺産“となってきたオムニ7が23年にも閉鎖するとの特報に加え、デジタル戦略での失敗連鎖の裏にある「二族経営」の呪縛について解説していきます。 “流通のカリスマ”鈴木敏文前会長兼最高経営責任者(CEO)の息子で、セブン&アイでデジタル戦略を主導した鈴木康弘元最高情報責任者(CIO)もインタビューに登場。IT導入を巡る「血みどろの戦い」を生み出すセブン&アイの“病理”を激白しています。 DXブームに沸く中、セブン&アイのDX敗戦は、必読の「DX失敗の教科書」ともいえます。ぜひご一読ください』、「戦略を主導した米谷修氏」「の退任をいまだに公表していません」、信じ難い内向き姿勢だ。「創業家役員によってDX戦略に引導が渡された「見せしめ御前会議」、責任があるのは「米谷修氏」だけなのか、他の役員は責任がないのか、これが流通最大手とは到底思えないようなお粗末さだ。「セブン&アイ」側としても、再発防止のためにも、今回の問題の総括をきちんとすべきだろう。

次に、5月9日付け日経ビジネスオンラインが掲載した日経クロステック/日経コンピュータ編集委員の木村 岳史氏による「100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体、机を片付けない子供と同じだぞ」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00322/042000042/
・『この「極言暴論」やもう1つのコラム「極言正論」を書き続けていることもあり、理想に燃えてDX(デジタルトランスフォーメーション)などの変革に挑んでいる人たちと議論する機会が結構ある。匿名やオフレコを条件に話を聞くのだが、その際に必ず出てくるのが社内の抵抗勢力の存在だ。理想に燃える人たちは抵抗勢力が改革を妨げていることに怒り嘆くのだが、その話を聞けば聞くほど「そりゃ、あなたの認識のほうがおかしいよ」と言ってあげたくなるケースもある。 いや、実際にそう言ったこともある。どこの会社か特定できないようにするために、枝葉の話を省いて書くと次のようになる。要は基幹系システムの刷新を伴う業務改革の話だ。ある意味、DXの王道といってよい。IT部門で改革派を自認するその人は、利用部門の抵抗勢力に手を焼いていた。「利用部門の連中はDXに賛同すると言いながら、自分たちの業務のやり方を変えることにはいろいろ理由をつけて反対するんですよ。けしからん話です」と憤っていた。 私から言わせれば、典型的な駄目パターンである。駄目なのは利用部門じゃなくて、改革派のこの人である。「利用部門が抵抗するのは当たり前じゃないですか」と私が言うと、その人は少しムッとして「木村さんらしくもない。当たり前じゃなくて、それじゃ駄目でしょ!」と力説する。さらに続けて「いいですか。業務プロセスを全体で最適化すれば、利用部門の業務が効率化されて現場の仕事が楽になるのですよ。それを何度言っても理解しようとしない」と嘆いていた。 その人がこの記事を読んでいれば気分を害すのは間違いないが、あえて書く。これは理想に燃える改革派の人が陥る最もアカン発想パターンである。そもそも自分も含めた「人」に対する洞察がなっていない。人はたとえ仕事が楽になると分かっていたとしても、今までの仕事のやり方を変えるのを嫌がるものなのだ。要するに、変えるのが面倒くさい。だから、いろいろと理由をつけてサボタージュしようとするわけだ。 そんな話をこの人にすると、当初は「そんなばかな」と言下に否定していた。仕方がないので「あなたの作業机はいつも片付いていますか?」と聞いてみた。いきなり何を言い出すんだと不審の目を向けられたが、返答は「いいえ、机を片付けるのは苦手です」だった。これはもう説得するチャンスである。「机の上を片付ければ作業効率が上がるのを分かっているのに、なぜ片付けられないのでしょうか。要は面倒くさいからでしょ」と問うと、その人は「うーん」となって何となく納得したようだった。 実は、この問答を契機に私も少し反省した。極言暴論ではDXなどの変革を阻もうとする抵抗勢力の存在を何度も描いてきたが、あまりに強大に見積もり過ぎていたのかもしれない。抵抗勢力の大半は、単なる「面倒くさがり屋さん」にすぎないはずだ。なのに、そんな軟弱な抵抗勢力によって改革が頓挫する。かつてのBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)もそうだったし、ERP(統合基幹業務システム)のビッグバン導入の際もそうだった。この問題はもう少し深く考えてみる必要がある』、「いいですか。業務プロセスを全体で最適化すれば、利用部門の業務が効率化されて現場の仕事が楽になるのですよ。それを何度言っても理解しようとしない」と嘆いていた」、「これは理想に燃える改革派の人が陥る最もアカン発想パターンである。そもそも自分も含めた「人」に対する洞察がなっていない。人はたとえ仕事が楽になると分かっていたとしても、今までの仕事のやり方を変えるのを嫌がるものなのだ」、「抵抗勢力の大半は、単なる「面倒くさがり屋さん」にすぎないはずだ。なのに、そんな軟弱な抵抗勢力によって改革が頓挫する」、「この問題はもう少し深く考えてみる必要がある」、なるほど。
・『くびがかかる米国の抵抗勢力とは本気度が違う  先ほど書いた「抵抗勢力の大半は、単なる面倒くさがり屋さんにすぎない」について、読者の中には「なぜそんなふうに言えるのだ。根拠を示せ」と思う人がいるかもしれない。確かに直接的な根拠を示すのは難しいが、外国企業、特に米国企業や新興国の企業のケースと比較して考えてみるとよいだろう。米国企業などの場合、抵抗勢力は本気で抵抗する。何せ自分の仕事がなくなるかもしれない。つまり、改革の内容いかんによっては失業の危機に直面するからな。 例えば米国企業がかつて続々とERPを導入したのは、一般管理費の削減を狙ったからだ。身も蓋もなく言ってしまえば、リストラによる人件費などの削減だ。主に間接部門の業務のやり方をERPに合わせてしまえば、業務が効率化されて人員を大きく削減できる。ついでに言えば、それまでの独自システムを保守運用してきたIT部員の多くも用済みとなり、解雇に踏み切れる。日本企業はよくERPのライセンス料が高過ぎると不満を言うが、米国企業の経営者からすれば「高過ぎる」料金を支払っても十分に元が取れるわけだ。 一方、リストラ対象となる間接部門の人たちや、ERP導入に汗をかいたら給料アップどころか解雇されかねないIT部員は、おいそれと「ERP導入による業務改革」には賛同しない。転職が当たり前で特定企業で長く働かない米国人とはいえ、会社都合でくびになりたくはない。だから本気の抵抗勢力となる。そんな抵抗勢力を説得したり懐柔したり、あるいは排除したりして改革を実現することが、CEO(最高経営責任者)やCIO(最高情報責任者)らの力量といえる。 そういえば以前、米国企業を買収した日本企業の経営者からこんな話を聞いたことがある。買収後にその米国企業の基幹系システムを、本社が導入しているERPに置き換えることにした。その際、「なぜ何の問題もないシステムを変更するのか」と声高に唱える米国側の経営陣やIT部門の抵抗に手を焼いたそうだ。ただし、この件は大ごとにはならなかった。何せ親会社になったのは日本企業だ。基幹系システムはERPに入れ替えても、リストラしなかったからだ。 ちなみに、ERP導入の効用として日本で言いはやされている「経営(事業)の見える化」なるものはどうだったかというと、米国企業の導入事例でも効果抜群だった。ただし、あくまでもリストラによる一般管理費の削減がERP導入の主たる目的であり、経営の見える化は「おまけで付いてきた」ようなものだ。リストラというと日本では感じが悪いので、この経営の見える化が強調されているが、米国企業の経営者にとっての一番の効用は直接的なコスト削減効果である。 さて、日本企業のERP導入の場合はどうだったのか。大概の企業ではERPを導入する際に、業務改革と経営の見える化を目的に掲げる。で、問題は業務改革のほうで、日本企業でも「現場で創意工夫してカイゼンしてきた業務のやり方をなぜ変える必要があるのか」などといった理屈を立てて、利用部門の多くが抵抗勢力となる。場合によってはIT部門までが「コンサルタントの言うことを真に受けてはいけない」などと訳の分からないことを言って抵抗勢力の一員となったりもする。 こうした日本企業の抵抗勢力たちは、米国企業などのそれと同じくリストラの恐怖におびえているだろうか。もちろん、そんなことはあるわけない。私の知る限り、システム刷新による業務効率化で人員削減に踏み切った日本企業を聞いたことがない。もちろん配置転換などはあるにしても、終身雇用が原則で労働法制上も解雇が難しい日本企業においては、解雇とシステム刷新がリンクすることはあり得ない』、「ERP導入の効用として日本で言いはやされている「経営(事業)の見える化」なるものはどうだったかというと、米国企業の導入事例でも効果抜群だった。ただし、あくまでもリストラによる一般管理費の削減がERP導入の主たる目的であり、経営の見える化は「おまけで付いてきた」ようなものだ。リストラというと日本では感じが悪いので、この経営の見える化が強調されているが、米国企業の経営者にとっての一番の効用は直接的なコスト削減効果である」、「経営の見える化は「おまけで付いてきた」ようなもの」とはその通りなのだろう。
・『過大評価し過ぎた日本企業の抵抗勢力  そんな訳なので、冒頭で書いた通り「日本企業における抵抗勢力は単なる面倒くさがり屋さん」と一般化してよさそうだ。もちろん、中には「うちの部門の業務プロセスは世界一」などと根拠レスに思い込んで変革に反対する人がいるかもしれない。ただ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと外国人におだてられて夜郎自大になっていた昭和の世ならともかく、これだけ日本企業の生産性の低さが笑いものになっている現代において、そんな人はほぼ絶滅したはずだ。 「抵抗勢力は単なる面倒くさがり屋さん」説を裏付ける格好の事例があったな。ある大手製造業では旧システムもERPを導入していたが、利用部門の要求を聞き入れ過ぎて5000本ものアドオンを開発・保守していた。「これではあまりに非効率」ということで、ERPを切り替える際に「アドオンは原則廃止」を打ち出した。ただ、絶対に必要ということならば、その可否を判定する委員会に申請せよ、というルールにしたそうだ。するとあら不思議。申請するのは面倒くさいからか、新たにつくったアドオンは100本で済んだという。 ついでにIT部門が抵抗勢力になる場合も検討しておこう。このケースは、経営者がDXの推進に当たってコンサルティング会社に支援を依頼した際などに発生する。で、コンサルタントは独自の基幹系システムをERPに変え、それに合わせて全社的な業務改革に取り組むことを提案する。まあ、王道の提案だ。IT部門としては、頭越しにERP導入を進言されたことに腹を立てるとともに、新しい技術(=ERP)に対応できるのかと不安になり、先ほど書いた訳の分からない理由で抵抗することになった。 「不安」と書いたが、もちろん解雇される不安ではない。というか、そもそも不安と呼べる類いのものではない。技術者ならば少し勉強すれば新しい技術に対応できるに決まっている。要するに、今までなじんできたCOBOLなどの環境で今までと変わらないやり方で作業をしていたいだけなのだ。新しい技術を勉強するのも面倒くさいし、新しい環境に変わるのも面倒くさいわけだ。IT部門の抵抗勢力も、利用部門と同じく面倒くさがり屋さんなのだ。 要するに、こういうことだ。業務改革にあれこれと理由をつけて反対してくる抵抗勢力は、「机の上が片付いていないほうが作業がはかどる」とか「下手に片付けると必要な物がどこにあるのか分からなくなる」とか、理由にならない理由をつけて机を片付けようとしない人たちと同じなのだ。もう少し言うと、勉強机を片付けられない子供と同じレベルなのだ。そんなとき親はどうするのかといえば、「とっとと片付けないと、今日の晩ご飯は抜き!」と叱るだけ。まさにそれだけの話である。 自分自身の反省も踏まえて書くのだが、DXあるいは単なるシステム刷新の際に反対したりサボタージュしたりする連中を、抵抗勢力と命名することで「過大評価」し過ぎているのではないか。経営者が宿敵の役員のシマである部門に手を突っ込むといった、上層部の権力闘争が絡む案件ならともかく、単に業務をシステムに合わせるだけのことを面倒くさがって嫌がる連中を、抵抗勢力などと「持ち上げる」ものだから、かえってつけ上がるのだ。 駄々をこねて勉強机を片付けようとしない子供と同じなのだから、そんな面倒くさがり屋さんに対しては「やれ!」と言えば済む話である。もしくは、独自のやり方にこだわる理由や言い分を聞いてあげて、誰が見ても確かにその通りだと思えることだけを新システムに組み込めばよい。あるいはシステムに業務のやり方を合わせることで作業が効率化して利用部門の人も楽ができると確信しているのならば、押し通せばよいではないか。後で利用部門から感謝されるぞ。なのに、なぜできないのか。そこが問題なのである』、「旧システムもERPを導入・・・5000本ものアドオンを開発・保守」、「ERPを切り替える際に「アドオンは原則廃止」を打ち出した。ただ、絶対に必要ということならば、その可否を判定する委員会に申請せよ、というルールにしたそうだ。するとあら不思議。申請するのは面倒くさいからか、新たにつくったアドオンは100本で済んだ」、絞る気になれば絞れるもののようだ。「業務改革にあれこれと理由をつけて反対してくる抵抗勢力は、「机の上が片付いていないほうが作業がはかどる」とか「下手に片付けると必要な物がどこにあるのか分からなくなる」とか、理由にならない理由をつけて机を片付けようとしない人たちと同じなのだ。もう少し言うと、勉強机を片付けられない子供と同じレベルなのだ。そんなとき親はどうするのかといえば、「とっとと片付けないと、今日の晩ご飯は抜き!」と叱るだけ。まさにそれだけの話である」、同感である。
・『丸投げ経営者からは「お墨付き」をもらっておけ  例えばこんな話がある。日本の大手製造業が外国企業に買収され、基幹系システムを本社となった外国企業と同じERPに置き換えることになった。先ほど紹介した日本企業が米国企業を買収した話とは、ちょうど逆のパターンだ。で、米国企業のCIOがやって来た際に、日本側のIT部長が現行の独自システムの優位性をプレゼンし、ERPへの移行をやめるように訴えた。IT部長はこの独自システムに思い入れが強く、単なる面倒くさがり屋さんとは違うのでプレゼンには熱が入ったと聞く。 そのプレゼンを熱心に聞いていたCIOは「素晴らしい。皆さんがいかに会社のために貢献してきたのかがよく分かりました」と称賛した。そのうえで次のように言い放ったそうだ。「ただし、私の決定は覆りません。直ちにシステム刷新に向けた準備を始めてください。この議論は以上です」。で、どうなったかというと、気の毒なIT部長が魂の抜け殻のようになったのを別にすれば、大した抵抗も問題も発生せずにERPへ移行できたという。 もう1つ「軽め」の話も紹介しよう。ある小売企業のCIOが話していたが、システム導入に当たって「この機能はこれでよいですか」とお伺いを立てるから、文句を言う人が現れるとのことだ。もちろん基幹系システムの話ではないが、ある意味で本質を突いている。IT部門からそう聞かれれば、利用部門は「うちのやり方にマッチしない」機能などを探し出すわけであり、「ここはこう直してもらいたい」「あんな機能もぜひ欲しい」と言い出すに決まっているのである。 そうではなくて、そのCIOによると「この機能はこれでいきます」と言い切ってしまえば済む話だという。面倒くさがり屋さんたちはいちいち調べて文句を言ってはこない。導入後に「なんでこんな面倒なことをやらないといけないんだよ」といった不平が出るかもしれないが、放置しておいて無問題。やがて使い方に慣れ、本質的な意味で有用なシステムであれば、そのうち「こりゃ便利だ」と喜んで使うようになるという。 結局のところ、やはり人間はたとえ楽になると分かっていたとしても、今までのやり方を変えるのを嫌がる生き物なのである。だからシステム刷新では「現行通り」を要求する。面倒くさいことをやりたくないがために、「うちの業務のやり方は優れている」とか「その機能がないと業務が回らない」などと言い出す。そんな低次元なわがままを深刻に捉え、何とか利用部門のご機嫌を取ろうとするから、50億円、100億円をかけたシステム開発プロジェクトが炎上して破綻する。これが「抵抗勢力問題」の本質である。 じゃあ、どうすればよいのか。経営者がDXや業務改革のためにリーダーシップというか「強権」を発動すれば済む話だ。もしそれをやらずに丸投げするような経営者なら、CIOやプロジェクトマネジャー(PM)が「経営者のお墨付き」をもらっておけばよい。そのお墨付きとは「DXによる全体最適に向け全業務を見直す。その権限をCIO(あるいはPM)に与える」というものだ。それを振り回してはアカンが、面倒くさがり屋さんたちのわがままを抑止するには十分な効果があるだろう。 もちろん、これだけでDXや業務改革が成功するなどと言ってはいないからな。さすがに私はそこまで脳内お花畑ではない。ただ、変えるのが面倒くさい、新しいことをやるのが面倒くさいという人間の本質を頭にたたき込み、対処法を準備しておけと言っているのだ。そうすれば抵抗勢力に振り回されずに、変革に向けた真の課題の解決に集中できるだろう……。えっ、そんな面倒くさいことするより、ご用聞きとして利用部門の言いなりになったほうが楽だって? あらら、面倒くさがり屋さんがここにもいたか』、「丸投げするような経営者なら、CIOやプロジェクトマネジャー(PM)が「経営者のお墨付き」をもらっておけばよい。そのお墨付きとは「DXによる全体最適に向け全業務を見直す。その権限をCIO(あるいはPM)に与える」というものだ」、「面倒くさがり屋さんたちのわがままを抑止するには十分な効果があるだろう」、「変えるのが面倒くさい、新しいことをやるのが面倒くさいという人間の本質を頭にたたき込み、対処法を準備しておけと言っているのだ。そうすれば抵抗勢力に振り回されずに、変革に向けた真の課題の解決に集中できるだろう……」、確かに効果がありそうだ。
タグ:デジタルトランスフォーメーション(DX) (その2)(【スクープ】セブンで出向社員が出向元へ127億円発注!「DXバブル」の裏でコンプラ違反疑惑、100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体 机を片付けない子供と同じだぞ) ダイヤモンド・オンライン「【スクープ】セブンで出向社員が出向元へ127億円発注!「DXバブル」の裏でコンプラ違反疑惑」 「セブンDX敗戦」とは興味深そうだ。 「グループ全体のDXへの投資は総額で1200億円・・・これは流通企業の売り上げに対するIT投資の平均的な比率の2倍超にも及ぶ巨大な投資」、確かに巨額だ。「セブン&アイに出向した社員の在籍する部署が、出向元に巨額の発注を繰り返していた」、コンプライアンス違反の酷い話だ。 「計10部門で31人を受け入れており、出向元への支払額を合計すると127億5000万円」、しかも「ITベンダーに対するシステムの導入や業務委託を提案・依頼する際の提案依頼書(RFP)の実施状況」は、「実施率はわずか3%ほど」と「出向してきた社員が、出向元のベンダーにRFPのプロセスを経ずに案件を発注できてしまう」、極めて大きな問題だ。 「戦略を主導した米谷修氏」「の退任をいまだに公表していません」、信じ難い内向き姿勢だ。「創業家役員によってDX戦略に引導が渡された「見せしめ御前会議」、責任があるのは「米谷修氏」だけなのか、他の役員は責任がないのか、これが流通最大手とは到底思えないようなお粗末さだ。「セブン&アイ」側としても、再発防止のためにも、今回の問題の総括をきちんとすべきだろう。 日経ビジネスオンライン 木村 岳史氏による「100億円のシステム開発を破綻させる抵抗勢力の正体、机を片付けない子供と同じだぞ」 「いいですか。業務プロセスを全体で最適化すれば、利用部門の業務が効率化されて現場の仕事が楽になるのですよ。それを何度言っても理解しようとしない」と嘆いていた」、「これは理想に燃える改革派の人が陥る最もアカン発想パターンである。そもそも自分も含めた「人」に対する洞察がなっていない。人はたとえ仕事が楽になると分かっていたとしても、今までの仕事のやり方を変えるのを嫌がるものなのだ」、「抵抗勢力の大半は、単なる「面倒くさがり屋さん」にすぎないはずだ。なのに、そんな軟弱な抵抗勢力によって改革が頓挫する」、「この問題 「ERP導入の効用として日本で言いはやされている「経営(事業)の見える化」なるものはどうだったかというと、米国企業の導入事例でも効果抜群だった。ただし、あくまでもリストラによる一般管理費の削減がERP導入の主たる目的であり、経営の見える化は「おまけで付いてきた」ようなものだ。リストラというと日本では感じが悪いので、この経営の見える化が強調されているが、米国企業の経営者にとっての一番の効用は直接的なコスト削減効果である」、「経営の見える化は「おまけで付いてきた」ようなもの」とはその通りなのだろう。 「旧システムもERPを導入・・・5000本ものアドオンを開発・保守」、「ERPを切り替える際に「アドオンは原則廃止」を打ち出した。ただ、絶対に必要ということならば、その可否を判定する委員会に申請せよ、というルールにしたそうだ。するとあら不思議。申請するのは面倒くさいからか、新たにつくったアドオンは100本で済んだ」、絞る気になれば絞れるもののようだ。「業務改革にあれこれと理由をつけて反対してくる抵抗勢力は、「机の上が片付いていないほうが作業がはかどる」とか「下手に片付けると必要な物がどこにあるのか分からな 「丸投げするような経営者なら、CIOやプロジェクトマネジャー(PM)が「経営者のお墨付き」をもらっておけばよい。そのお墨付きとは「DXによる全体最適に向け全業務を見直す。その権限をCIO(あるいはPM)に与える」というものだ」、「面倒くさがり屋さんたちのわがままを抑止するには十分な効果があるだろう」、「変えるのが面倒くさい、新しいことをやるのが面倒くさいという人間の本質を頭にたたき込み、対処法を準備しておけと言っているのだ。そうすれば抵抗勢力に振り回されずに、変革に向けた真の課題の解決に集中できるだろう…
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株式・為替相場(その16)(「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる 「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に、「日本人だけが貧しくなっていく」これから日本を襲う"原油価格高騰×円安"のダブルパンチ 「新しい資本主義」を掲げる岸田首相を待つ"猛烈な反撃"、「円安は国益」の評価が一変した真の原因 円安効果の2つの間違い) [金融]

株式・為替相場については、4月1日に取上げた。今日は、(その16)(「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる 「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に、「日本人だけが貧しくなっていく」これから日本を襲う"原油価格高騰×円安"のダブルパンチ 「新しい資本主義」を掲げる岸田首相を待つ"猛烈な反撃"、「円安は国益」の評価が一変した真の原因 円安効果の2つの間違い)である。

先ずは、4月20日付けYahooニュースが転載した東洋経済オンライン、みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト の唐鎌 大輔氏による「「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる 「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d77c99f9f5f9979b404339d518940107eeff6808?page=1
・『約20年ぶりの円安相場が継続中だ。その背景としては日米金融政策格差というオーソドックスな論点に加えて、「円の需給環境」が重要である。 需給環境と一口に言ってもその意味するところは幅広い。象徴的には、①資源高を主因とする貿易赤字拡大であり、②日本企業による対外直接投資の増大も円売り圧力をそうとうに強めている。 ①は毎月経常的に発生する円売り切り、外貨買い切りのアウトライト(単独取引)であるのに対し、②は企業買収時にまとまったボリュームで発生する円の売り切りである。過去10年間では後者の勢いが強まった結果、今や日本の対外純資産残高の半分が直接投資になっている。かつて、多かったのは証券投資だった。 証券投資であればリスク回避ムードが強まった際には手元に資金を回収するため、保有している海外の有価証券を売って円を買い戻す(≒外貨売り・円買いを行う)動きが起きる。 しかし、直接投資として買収した海外の会社を機動的に売却する動きは想像しがたい。「リスクオフの円買い」の迫力が薄れたのは貿易黒字が消滅したこともあるが、中長期的には対外直接投資の増大も大きく寄与していると考えられる。なお、①や②の動きは基礎収支(経常収支+直接投資)の流出として総括されるものでもある』、「今や日本の対外純資産残高の半分が直接投資になっている」、かつての「証券投資」中心から大きく変わったようだ。
・『本当に怖いのは「企業部門による円売り」ではない  対外直接投資が顕著に増加した背景には、人口動態による国内市場の縮小という見通しがある。経済が低成長ないしは縮小する日本よりも成長する海外に活路を見出すという合理的な経営判断があったといえる。それは投資の期待収益率という点で、日本を回避して海外を選んだという意味であり、「企業部門による資本逃避」である。 だが、それでも海外成功が国内経済に還元されることも期待されるため、一概に悪いことばかりではない。現に第1次所得収支黒字(対外債権から生じる利子や配当)が日本の経常黒字を支えていることは周知のとおりだ。また、貿易赤字にしても、資源高で一時的に歪んでいる部分はあるにせよ、理論的には最適な国際分業の結果であり、「黒字が善で赤字が悪」とはかぎらない。 つまり、①や②のような「企業部門による円売り」は必ずしも悪いことばかりではない。これに対し、本当に怖いのはそうした「企業部門による円売り」ではなく「家計部門による円売り」である。 家計部門が円建て資産の保有をリスクと考え始めて海外投資を増やすことは、単なる防衛行為なので、日本経済にとっての恩恵は乏しいものになる。現状、そのような動きがすぐに起こる雰囲気はない。岸田政権の支持率もまだ非常に高い。それは人口動態において大きなボリュームを占める高齢者層に寄り添った政策運営が展開されているからだとの解説は多い。実際、「年金生活者へ5000円支給」などの案が浮上してくるあたり、その見方は的外れとは言えない。 新型コロナ対策に関し、いつまでも新規感染者数に拘泥し、すぐに行動制限に手を付けようとするのも、若年層に比べて行動範囲の限られる高齢者層が多い世の中では決定的な批判にさらされにくいからだろう。政治家にとって高齢者に配慮することは選挙対策上、有利なのである。 現実はその政策が慢性化することで成長率が停滞し、日本銀行が動けなくなり、円安につながっているわけだが、その理解はまだ浸透していない。 現状が続くかぎり、円建て資産の相対的な価値は確実に蝕まれていく。保守的な国民気質なのか、金融リテラシーの欠如なのか、そうした世代が金融資産の大半を握っているせいか、原因は1つではないのだろうが、日本では個人金融資産の95%以上がいまだに円貨性の資産で保有され、50%以上がほぼ何の収益も生まない現預金に留め置かれている』、「日本では個人金融資産の95%以上がいまだに円貨性の資産で保有され、50%以上がほぼ何の収益も生まない現預金に留め置かれている」、しかし、個人が目覚めたらそれだけ変化する余地が大きいことを意味している。
・『家計の外貨建て投資も徐々に増えている  2021年12月末時点で日本の家計金融資産は2023兆円と2000年3月末対比で620兆円も増えている。しかし、その増分の半分以上(343兆円)が円建て現預金である。リスク資産の代表格である株式・出資金の比率は10%前後でほとんど変わっていない。円建て資産の構成を見る限り、NISA導入(2014年)など挟んでも、「貯蓄から投資へ」はまったく奏功していない。 しかし、構成比こそ小さいが、外貨性資産は0.9%から3.4%へ明確に増えており、金額だけで言えば、投資信託は7倍強、対外証券投資は5倍弱増えている。全体の比率の中では円貨性現預金に圧倒されてしまっているが、海外資産への関心は確実に高まっている。 20年ぶりの円安・ドル高、実質実効為替レートで見れば半世紀ぶりの円安、戻らなくなった購買力平価(PPP)、消滅した貿易黒字、対外直接投資の激増などなど、もはや円建て資産を取り巻く客観的事実は10年前とは確実に変わっており、20年前とはさらに違う。これほどわかりやすい環境変化が重なれば保守的だった日本人も動き出すかもしれない。根強いリスク回避性向がいつまでも同じとはかぎらない。) 近年、日本でもアメリカ株投資が1つのブームのように取り上げられ、2021年12月28日付日本経済新聞には『若者の投資は消費感覚』と題した大手ネット証券会社社長のインタビューが掲載されていた。着実なリターンが期待できるからこその潮流と言えるだろう。 対照的に日本株の人気は目を覆いたくなるような惨状にある。1月下旬(2022年1月27~31日)に実施された日経CNBCの視聴者調査では『岸田政権を支持しますか』の問いに95.7%が『支持しない』と答えたことが話題になった。事実として、図表1に示すように、国内株ではなく海外株に流れる国内投資マネーの動きは投資信託における株式売買動向からも明らかである。 今はまだ2000兆円を超える家計金融資産のごく一部にすぎない動きだが、日本の家計部門のリスク回避性向が強すぎると言われていることを思えば、アメリカ株ブームは安全資産への異常な執着が修正される前振れとも理解できるかもしれない。書店に行けば、アメリカ株投資の本が平積みでたくさん並んでいる。このような光景は今まであまり目にしないものだった。当然、すべてではないにしても、そうしたアメリカ株投資は円売りを伴うはずである』、「日本の家計部門のリスク回避性向が強すぎると言われていることを思えば、アメリカ株ブームは安全資産への異常な執着が修正される前振れとも理解できるかもしれない」、その通りだ。
・『円売りは急に走り出す可能性  国際比較をしても日本の金融資産構成は修正される余地が見える。図表2に示すように、40%弱が株式に寄せられているアメリカは極端としても、日本と同様に間接金融が力を持つユーロ圏でも20%弱が株式に割り当てられている。そのユーロ圏の半分程度の日本はやはりそうとうに保守的と言わざるをえず、現預金が50%を超えていることも世界的には異例である。 しかし、年初来3カ月半で円の対ドル相場は10%近く、2021年初めからでは20%近くも下落している。その間、資産をドルで保有していれば、単なる外貨預金であったとしても、その損失はカバーできたことになる。得られる金利も当然、円よりは高い。) もちろん、外貨預金の為替差損益は雑所得なのでそこから所得税も勘案するなど、細かな修正は必要だが、大半の日本人が安全資産の代表格と見ているであろう「円の普通・定期預金」は昨年来、資産防衛の観点からはかなりひどい選択肢だったといえる。 今は日本人の多くは海外資産との比較で自国通貨建ての保有資産の価値を判断しないだろうが、「安い日本」の傾向が強まり、そのことが巷間語られる中、同じものに消費や投資をするにしても、必要な金額は漸増傾向にあるはずだ。 分散投資することなく抱えていた円建て資産は一般物価上昇の中で少しずつ減価していくという構図であり、その度合いがある限度を超えれば、「円の普通・定期預金」が特に安全ではなかったことに気づくのかもしれない。国際経済に組み込まれている以上、必然の帰結である』、「「円の普通・定期預金」が特に安全ではなかったことに気づく」のは時間の問題だ。
・『円預金が10%動くだけで100兆円の円売りに  もちろん、そうした家計部門からの資本逃避(いわゆるキャピタルフライト)ともいえるような動きが早晩加速するという確信はない。しかし、その可能性に警鐘を鳴らす時期には来たと筆者は考えている。そうなるだけの客観的な諸条件が揃い始めていることは、再三、東洋経済オンラインでも論じてきた。日本人は何事も一定の「空気」が醸成されてからでなければ動けないところがあるが、一度定められた方向には皆が走り出し、その展開が非常に早く進む傾向にある。 「円の普通・定期預金」の10%が動くだけでも100兆円規模の円売りになる。それは過去5年平均(18兆円程度)の経常黒字に換算すれば5~6年分に相当する。今の世の中、海外投資はさほど難しいことではなく、十分想定に値する数字だ。 今後「円で保有していること自体が損であり、リスクである」という認識が支配的になった時、家計部門の円売り主導で円相場は一段と値を下げるのではないか。それは最近のロシアで、かつてはギリシャなどで起きたことだ。真の円安リスクはそうした動きであろう』、「日本人は何事も一定の「空気」が醸成されてからでなければ動けないところがあるが、一度定められた方向には皆が走り出し、その展開が非常に早く進む傾向にある。「円の普通・定期預金」の10%が動くだけでも100兆円規模の円売りになる。それは過去5年平均(18兆円程度)の経常黒字に換算すれば5~6年分に相当する。今の世の中、海外投資はさほど難しいことではなく、十分想定に値する数字だ』、こうしたキャピタルフライトの可能性が現実化しつつあるようだ。

次に、4月24日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「「日本人だけが貧しくなっていく」これから日本を襲う"原油価格高騰×円安"のダブルパンチ 「新しい資本主義」を掲げる岸田首相を待つ"猛烈な反撃"」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/55829
・『リーマン後も遅れを見せた日本経済の回復  2008年秋、リーマンショックと呼ばれる金融危機が世界を襲った時、当時の麻生太郎首相は当初「日本への影響は軽微だ」と言い続けてきた。日本はバブル崩壊後の金融危機から立ち直りつつあった頃だったため、世界の金融バブルにはあまり関与せず、問題の金融商品であるサブプライム・ローンなどで損失を被った金融機関も少なかったからだ。 ところが、である。輸出産業を中心に日本企業の売り上げが急減、その余波で国内消費も落ち込んで、日本経済は大打撃を受けた。その後、東日本大震災に襲われたこともあり、日本経済の回復は遅れに遅れた。米国や欧州の経済がその後、急速に戻していったのを横目に、結局、日本経済は世界の先進国の中で最も影響を受けたと言っていいだろう。 それと似たような事が再び起きている。 2020年から世界を揺さぶった新型コロナウイルスの蔓延まんえんでは、まさに世界経済が凍りついた。欧州や米国では感染者や死者が溢れ、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切るなど深刻な状況が続いた。一方の日本は感染者も死者数も欧米に比べれば桁違いに少なく、世界の中でも最も影響が軽微とも言えた』、確かに「サブプライム」問題では、直接の被害を被った日本の「金融機関」は「少なかった」が、その「余波」の影響を強く「日本」は受けた。
・『コロナ禍からの回復で、日本は大きな後れを取った  ところが、である。経済への打撃は予想以上に大きい。米国は2020年4-6月期にGDP(国内総生産)が年率実質で31.4%減と大きく落ち込んだが、7-9月期に急回復。その後も2021年10-12月期まで6四半期連続でプラス成長が続いている。一方の日本は2020年4-6月期に28.6%のマイナスで、7-9月期に急回復したところまでは同じだが、その後、プラス成長とマイナス成長を繰り返す一進一退が続いている。年率換算の成長率だけを見ていると違いがなかなか見えないが、GDPの実額の推移を見てみると、その違いは一目瞭然だ。 米国は2020年10-12月期に新型コロナ前の水準に戻り、その後も成長を続けた結果、2021年10-12月期はコロナ前を10%以上上回る過去最高を更新している。昨年末のクリスマス商戦は活況を呈し、米国では物価が急上昇していた。 一方の日本のGDPの実額は2021年10-12月期になっても、消費税率引き上げ前の2019年7-9月期を超えていない。新型コロナの影響をようやく吸収するかどうか、といったレベルだ。つまり、新型コロナ禍からの回復という観点で、日本経済は米国経済に大きく後れを取っているのだ』、「新型コロナ禍からの回復という観点で、日本経済は米国経済に大きく後れを取っている」、その通りだ。
・『原油価格がさらに上昇したら、政府は打つ手がなくなる  そこに加わったのが、ウクライナ戦争である。ロシアのウクライナ侵攻と共に、西側先進国がそろってロシアへの制裁に踏み切ったこともあり、原油をはじめエネルギー価格は大幅に上昇している。これによって世界的なインフレの火に油が注がれることになった。 日本でもガソリン価格が高騰、政府は巨額の資金を注ぎ込んで、石油元売り会社への補助金を積み増し、小売価格を抑えようと必死になっている。戦局が膠着こうちゃく状態になっていることに加え、OPEC(石油輸出国機構)による増産期待があって、今のところ上昇ピッチは鈍化しているが、「国家」が「市場」をコントロールしようとするのは歴史的にも無謀な試みと言える。さらに本格的に原油価格が上昇した際には「打つ手」がなくなる懸念もある。 懸案になっている「トリガー条項」の凍結解除によって揮発油税にかかっている上乗せ分を撤廃することは、税収減に直結するため財務省が最後の最後まで抵抗しており、財務省の意向を無視できない岸田文雄内閣はなかなか決断しないだろう』、「政府は巨額の資金を注ぎ込んで、石油元売り会社への補助金を積み増し、小売価格を抑えようと必死になっている」、公的資金で「小売価格を抑えよう」というのが愚策の典型だ。
・『現在、日本の電源はLNGに大きく依存している  もうひとつ懸念されるのが電気料金の大幅な上昇だ。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故以来、原発稼働がままならず日本の電源はLNG(液化天然ガス)に大きく依存している。LNG輸入の8%あまりをロシア産に依存しているため、その帰趨きすうが注目される。 ロシアへの制裁では、米国がロシア産原油やLNGなどのエネルギー輸入を禁止したが、依存度の高い欧州は禁輸にまでは踏み切っていない。エネルギー代金を決済するロシアの最大手銀行なども銀行間の国際決済システムであるSWIFTから排除していないのは、ロシアから欧州へのガス供給を止めれば、たちまち西欧諸国の人たちの生活に大打撃を与えることになるためだ。ドイツの場合4割以上をパイプラインを通じたロシア産ガスに依存している。 英エネルギー大手シェルが早々にサハリンでの石油ガス開発事業「サハリン2」からの撤退を表明したが、同様に出資する三井物産と三菱商事は態度を保留している。萩生田光一経済産業相は「利権を手放せば第三国がそれを手に入れるだけで、制裁にはならない」と国会答弁しており、政府としては何とかロシアからのLNG調達を続けたい考え。日本が撤退すれば、中国が利権を獲得するのが関の山というわけだ』、「サハリン2」での「日本政府」の粘りもいつまで続くことやら。
・『輸入食料品・原材料の価格上昇も日本を襲う  だが、ウクライナでの戦争がエスカレートして、ロシアによる民間人への攻撃が激化した場合、さらなる経済政策が必要になり、ドイツなど欧州諸国がエネルギー禁輸にまで踏み切る可能性もある。そうなった時に、日本がサハリン利権を死守できるかどうか。欧米からの圧力もあって、放棄せざるを得なくなる可能性もある。そうなると日本のLNG調達コストはさらに上がり、電気料金も上昇を続けていくことになりかねない。 日本を襲うのはエネルギー価格の上昇だけではない。円安が進めば、輸入物価全体が上昇することになりかねず、輸入食料品・原材料の価格上昇が生活を圧迫することになりそうだ。 3月18日に開かれた日本銀行の金融政策決定会合後の記者会見で、日銀の黒田東彦総裁は、それでも円安を容認する考えを示した。これをきっかけに東京外国為替市場では一時、1ドル=119円台にまで円安が進んだ。黒田総裁は「円安が経済・物価を共に押し上げ我が国経済にプラスに作用している基本的な構造は変わりはない」と、あくまで円安がプラスだ、としたのだ』、「黒田総裁」が「あくまで円安がプラスだ」にこだわるのも困ったことだ。
・『「不景気なのに物価が上がる」スタグフレーションの入口  日本の場合、円安を容認せざるを得ない理由がある。米国で起きているインフレは、経済成長と共に物価上昇が起きているため、金融の量的緩和の縮小を早々に決め、利上げに踏み切る姿勢を鮮明にしている。景気の過熱を抑える金融引き締めという従来の金融政策が機能するのだ。 ところが、日本経済は前述の通り、新型コロナからの回復が遅れ、金融緩和をやめれば景気が失速する懸念もある。金融緩和を続けざるを得ないわけだ。不景気なのに物価上昇が起きることをスタグフレーションと呼ぶが、まさに日本経済はそのとば口に立たされているように見える。 黒田総裁はスタグフレーションではないかという質問に、「そういう恐れが日米欧にあるとは思っていない」と述べて否定していたが、米欧は少なくとも現状ではスタグフレーションではないため、金融引き締めに動けるが、日本は明らかに不景気なのに物価が上昇し始めていることは歴然としている。結局、日本は金融政策の手足を縛られているとみるべきだろう』、「日本」の「金融政策」は、このままでは破綻必至だ。
・『日本が円安政策を続ければ、庶民の生活は一層苦しくなる  世界が猛烈なインフレに襲われる中で、日本が円安政策を採り続けたらどうなるか。見た目の為替レートよりも実質実効為替レートはさらに円安になるだろう。実質実効為替レートは50年ぶりの低水準だと報じられていたが、円安容認政策でさらに円は弱くなり、輸入物価が猛烈に上昇していくことになるだろう。 円安で輸入物価が上昇しても、それで日本企業が潤うわけでなければ、企業業績は改善せず、従業員の給与も上がらない。このままでは庶民の生活は一段と苦しくなるに違いない。 「新しい資本主義」を掲げて「市場」に背を向ける岸田首相は、これから荒れ狂う市場の猛烈な反撃に遭遇することになるだろう。その時、どんな政策を打とうとしているのか。新型コロナの影響が最も軽微で、ウクライナからも遠いはずの日本の経済が最も大打撃を被るとすれば、それは経済政策の無策の結果と言えるのではないか』、やはり「金融政策」を抜本的に見直し、これ以上の「円安」進行を防ぐように大転換すべきだ。「黒田総裁」にも引退してもらうべきだろう。

第三に、5月12日付けYahooニュースが転載したダイヤモンド・オンライン:一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏による「「円安は国益」の評価が一変した真の原因、円安効果の2つの間違い」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d77c99f9f5f9979b404339d518940107eeff6808?page=1
・『円安が加速する中で、日本銀行は「円安は日本経済全体ではプラス」と言い続けているが、人々の受け止めはそうではなくなっている。 円安に対する評価が否定的なものに変わったのは、日本企業の海外生産比率が高まったことや輸出増大効果がなくなったからだという説明がされていることが多い。 だがこの説明には誤解がある。今回の円安局面で円安に対する人々の評価が変わってきているのには、ほかの原因がある』、どんな「原因」なのだろう。
・『なぜ円安に対する評価が 変わったのか?  これまでは、円安が日本の国益だと考える人が多かった。しかし、今回は、日本にとってマイナスだと考える人が多くなっている。 円安が日本にとってマイナスだという認識は正しい。しかし、評価が従来から変わった理由については、奇妙な説明がされている。 それによると、従来は製造業の生産が国内で行なわれていたので、円安になると輸出が増えた。それが日本経済にプラスの効果をもたらした。 ところが、最近では日本企業の海外生産比率が高まったため、この効果がなくなったというのだ。 しかし、この説明は2つの点で間違っている』、どういう間違いなのだろう。
・『海外生産比率は10年前から同じ 最近はむしろ低下傾向  第1の誤りは、海外生産比率が最近時点で高まったかのように言われている点だ。 海外生産比率についてはいくつかの調査がある。その1つの「海外事業活動基本調査」(経済産業省、2020年9月調査)によると、全体で見ても、進出企業ベースで見ても、最近時点で海外生産比率が上昇しているという傾向は見られない。 むしろ緩やかではあるが、低下傾向にある。 2019年度の製造業現地法人の海外生産比率(国内全法人ベース)は23.4%で、前年度に比べて1.7%ポイントの低下だった。 海外進出企業ベースで見ると、19年度は37.2%であり、17年度の38.7%より1.5%ポイント低下している。 これは、アベノミクスによって円安が進んだため、海外生産の有利性が減殺されたためだ。 海外生産比率がいま急に高まったわけではないことは、内閣府のレポート「企業行動に関するアンケート調査報告書」(2022年3月)でも分かる。 これによると、図表1に示すように2021年の製造業の海外現地生産比率は22.3%だ(実績見込み)。 輸送用機器では、海外現地生産比率は40%という高さだ。繊維製品や電気機器でも3割を超えている。 海外生産比率は1980年代から2013年まで、ほぼ一貫して上昇し続けてきた。そして、比率が急激に上昇したのは、この調査でもアベノミクスの直前だ(12年の17.7%から13年の21.6%に上昇)。これは、いまから10年も前のことだ。) アベノミクスが始まった13年には、すでに製造業の海外生産比率は21年とほぼ同じ水準にまで高まっていたのだ。だから、アベノミクスで円安になっても輸出が増えないことは分かっていたはずだ。 アベノミクスで輸出が増えることを期待したのであれば、まったくの間違いだった。 そして、実際、ドル建ての日本の輸出は12年に7986億ドルになってから、それを上回ることはなかった(20年は6413億ドル)』、「海外生産比率については」、「全体で見ても、進出企業ベースで見ても、最近時点で海外生産比率が上昇しているという傾向は見られない。 むしろ緩やかではあるが、低下傾向にある」、再認識させられた。
・『90年代後半から円安のもと 貿易収支は悪化  「円安に対する評価が変わった」理由の説明には、海外生産比率の動向のほかにもう1つの誤りがある。 それは、「これまで円安は輸出を増やしてきたから日本にとって望しかった」という説明だ。 為替レートは、輸出だけでなく輸入にも影響を与える。日本にとっての問題は、輸出がどうなるかでなく、むしろ貿易収支がどうなるかだ。 これについてのデータは、本コラム「日本の経常収支『赤字定着』の危機、円安スパイラル阻止は政治の最重要課題」(2022年5月5日付)で示した。 日本の実質実効為替レートは、1970年代、80年代を通じて上昇を続け、90年代の中頃にピークになった。それ以降は円安方向への動きを続けている。 これによって輸出は増えた。しかし実際は輸入のほうがより大きく増えた。そのために貿易収支が悪化した。 なお、これはまだ日本企業の海外生産比率が10%台だった頃のことだ。だから、貿易収支が悪化した原因は海外移転ではない。原因はそうではなく、工業化に成功した中国に市場を奪われたことだ。 日本の貿易収支は80年代の中頃までは黒字が増加していた。この時期は為替レートが円高になっていった時代だ。 つまり、円高と貿易収支の黒字拡大が同時期に起きており、その後は円安と貿易収支の黒字縮小が同時に起きている。 これは相関関係であって、どちらが原因でどちらが結果かを直ちに判断することはできない。 ただし、円安になれば貿易収支の黒字が増えるという動きは、データではまったく裏付けられていないのだ』、「円高と貿易収支の黒字拡大が同時期に起きており、その後は円安と貿易収支の黒字縮小が同時に起きている」、なるほど。
・『今回の円安局面の特徴は 輸入物価高騰を転嫁できないこと  では、円安に対する人々の評価が今回変わったのは、なぜか? 今回の円安局面が従来と異なるのは、輸入物価の高騰による原材料価格の上昇を、企業が完全には製品価格に転嫁できていないことだ。 これまでは、原価の上昇を製品価格に転嫁し、最終的には消費者に転嫁してきた。つまり、企業は、円建て輸出価格の増加による売上増だけを享受できた。 そのため、利益が増えた。そのために円安が企業にとって望ましいと考えられていたのだ。 しかし今回の円安局面では、輸入価格の上昇があまりに大きいこと、また、消費需要がコロナ禍で弱っていることなどのために、完全に転嫁できないでいる。 一方で家計も賃金が増えない中で物価上昇に対する負担感が強まっている。 こうしたことが人々の円安への評価が変わった原因だ』、「これまでは、原価の上昇を製品価格に転嫁し、最終的には消費者に転嫁してきた。つまり、企業は、円建て輸出価格の増加による売上増だけを享受できた。 そのため、利益が増えた。そのために円安が企業にとって望ましいと考えられていたのだ」、「しかし今回の円安局面では、輸入価格の上昇があまりに大きいこと、また、消費需要がコロナ禍で弱っていることなどのために、完全に転嫁できないでいる。 一方で家計も賃金が増えない中で物価上昇に対する負担感が強まっている。 こうしたことが人々の円安への評価が変わった原因だ」、「今回の円安局面」の特徴がよく理解できた。
タグ:(その16)(「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる 「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に、「日本人だけが貧しくなっていく」これから日本を襲う"原油価格高騰×円安"のダブルパンチ 「新しい資本主義」を掲げる岸田首相を待つ"猛烈な反撃"、「円安は国益」の評価が一変した真の原因 円安効果の2つの間違い) 株式・為替相場 Yahooニュースが転載した東洋経済オンライン 唐鎌 大輔氏による「「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる 「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に」 「今や日本の対外純資産残高の半分が直接投資になっている」、かつての「証券投資」中心から大きく変わったようだ。 「日本では個人金融資産の95%以上がいまだに円貨性の資産で保有され、50%以上がほぼ何の収益も生まない現預金に留め置かれている」、しかし、個人が目覚めたらそれだけ変化する余地が大きいことを意味している。 「日本の家計部門のリスク回避性向が強すぎると言われていることを思えば、アメリカ株ブームは安全資産への異常な執着が修正される前振れとも理解できるかもしれない」、その通りだ。 「「円の普通・定期預金」が特に安全ではなかったことに気づく」のは時間の問題だ。 「日本人は何事も一定の「空気」が醸成されてからでなければ動けないところがあるが、一度定められた方向には皆が走り出し、その展開が非常に早く進む傾向にある。「円の普通・定期預金」の10%が動くだけでも100兆円規模の円売りになる。それは過去5年平均(18兆円程度)の経常黒字に換算すれば5~6年分に相当する。今の世の中、海外投資はさほど難しいことではなく、十分想定に値する数字だ』、こうしたキャピタルフライトの可能性が現実化しつつあるようだ。 PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「「日本人だけが貧しくなっていく」これから日本を襲う"原油価格高騰×円安"のダブルパンチ 「新しい資本主義」を掲げる岸田首相を待つ"猛烈な反撃"」 確かに「サブプライム」問題では、直接の被害を被った日本の「金融機関」は「少なかった」が、その「余波」の影響を強く「日本」は受けた。 「新型コロナ禍からの回復という観点で、日本経済は米国経済に大きく後れを取っている」、その通りだ。 「政府は巨額の資金を注ぎ込んで、石油元売り会社への補助金を積み増し、小売価格を抑えようと必死になっている」、公的資金で「小売価格を抑えよう」というのが愚策の典型だ。 「サハリン2」での「日本政府」の粘りもいつまで続くことやら。 「黒田総裁」が「あくまで円安がプラスだ」にこだわるのも困ったことだ。 ・『「不景気なのに物価が上がる」スタグフレーションの入口  日本の場合、円安を容認せざるを得ない理由がある。米国で起きているインフレは、経済成長と共に物価上昇が起きているため、金融の量的緩和の縮小を早々に決め、利上げに踏み切る姿勢を鮮明にしている。景気の過熱を抑える金融引き締めという従来の金融政策が機能するのだ。 ところが、日本経済は前述の通り、新型コロナからの回復が遅れ、金融緩和をやめれば景気が失速する懸念もある。金融緩和を続けざるを 黒田総裁はスタグフレーションではないかという質問に、「そういう恐れが日米欧にあるとは思っていない」と述べて否定していたが、米欧は少なくとも現状ではスタグフレーションではないため、金融引き締めに動けるが、日本は明らかに不景気なのに物価が上昇し始めていることは歴然としている。結局、日本は金融政策の手足を縛られているとみるべきだろう』、「日本」の「金融政策」は、このままでは破綻必至だ。 やはり「金融政策」を抜本的に見直し、これ以上の「円安」進行を防ぐように大転換すべきだ。「黒田総裁」にも引退してもらうべきだろう。 Yahooニュースが転載したダイヤモンド・オンライン 野口悠紀雄氏による「「円安は国益」の評価が一変した真の原因、円安効果の2つの間違い」 どんな「原因」なのだろう。 どういう間違いなのだろう。 「海外生産比率については」、「全体で見ても、進出企業ベースで見ても、最近時点で海外生産比率が上昇しているという傾向は見られない。 むしろ緩やかではあるが、低下傾向にある」、再認識させられた。 「円高と貿易収支の黒字拡大が同時期に起きており、その後は円安と貿易収支の黒字縮小が同時に起きている」、なるほど。 「これまでは、原価の上昇を製品価格に転嫁し、最終的には消費者に転嫁してきた。つまり、企業は、円建て輸出価格の増加による売上増だけを享受できた。 そのため、利益が増えた。そのために円安が企業にとって望ましいと考えられていたのだ」、「しかし今回の円安局面では、輸入価格の上昇があまりに大きいこと、また、消費需要がコロナ禍で弱っていることなどのために、完全に転嫁できないでいる。 一方で家計も賃金が増えない中で物価上昇に対する負担感が強まっている。 こうしたことが人々の円安への評価が変わった原因だ」、「今回の円安局
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介護施設(老人ホーム)問題(その6)(「終の住処」と思っていた老人ホームを退去せざるを得ない シビアすぎる事情 「看取りまで安心」かと思いきや…、2025年 実は日本から「まともな老人ホーム」が消滅するかもしれない…!、入居金4.5億円でも30人待ち!超高級老人ホーム「サクラビア成城」 極楽生活の羨望実態) [社会]

介護施設(老人ホーム)問題については、2020年8月23日に取上げた。久しぶりの今日は、(その6)(「終の住処」と思っていた老人ホームを退去せざるを得ない シビアすぎる事情 「看取りまで安心」かと思いきや…、2025年 実は日本から「まともな老人ホーム」が消滅するかもしれない…!、入居金4.5億円でも30人待ち!超高級老人ホーム「サクラビア成城」 極楽生活の羨望実態)である。

先ずは、昨年3月29日付け現代ビジネス「「終の住処」と思っていた老人ホームを退去せざるを得ない、シビアすぎる事情 「看取りまで安心」かと思いきや…」を紹介しよう。
・『退去理由の調査をした結果…  24時間見守りがついて、掃除や洗濯を自分でする必要もない。定年退職後、住み慣れた家を売り「終の棲家」として住宅型老人ホームに入る人がいる。入居を決めた時点では、誰もが「これで安心」と胸をなでおろす。 ところがその数年後、当初の計画が大きく狂い、退去を選ばざるをえない人たちもいる。 なぜ、夢にまでみた老人ホームを後にするのか。全国有料老人ホーム協会が、住宅型老人ホームの退去理由を調査している。 1位となったのは、「医療的ケアニーズが高まったから」というものだ。なんと2人に1人、50%の人がこの理由をあげた。 「老人ホームの中には集客のために『看取りまで安心』と謳う施設が多いです。しかし、実際は最後まで面倒を見てくれず、他の施設に移るように促されることも珍しくない」(介護ぷらす代表・山川仁氏) 27・6%で2位となったのは「要介護状態の進行による身体状況の悪化」だ。要介護度3以上が入る特別養護老人ホームとは違い、民間の有料老人ホームは要介護度に関係なく入居を受け入れるところが多い。 施設によっては、介護に対応できる人材や設備が揃っていないところもあるのだ。 退去理由の3位には「経済的な理由」(22・7%)が入った。 入居一時金の平均値は約100万円、月額利用料も約15万5000円にのぼる。さらに介護が必要になれば介護保険の自己負担分や消耗品代がのしかかる。病院への通院をすれば、施設スタッフの付き添い費用も積み重なる。 家を売った資金があるとはいえ、毎月固定の出費があるのは苦しい。支払いが滞れば、恵まれた条件の老人ホームを追い出され、格安の施設を探すことになる。 近所に住む友人との関係も、好きな時に散歩にいける自由も、老人ホームに入れば失われかねない。「ボケ防止」というお題目で、合唱や体操までやらされる。 本格的な介護が必要なわけでもないうちから、わざわざそんな不自由な暮らしを選ぶ必要はない。家にいられる気楽さを、自ら投げ捨ててはいけない』、「なぜ、夢にまでみた老人ホームを後にするのか・・・住宅型老人ホームの退去理由を調査」、「1位となったのは、「医療的ケアニーズが高まったから」というものだ。なんと2人に1人、50%の人がこの理由」、「27・6%で2位となったのは「要介護状態の進行による身体状況の悪化」、「3位には「経済的な理由」(22・7%)」、1位と2位の理由の違いがよく理解できないが、いずれにしても、「身体状況の悪化」が出てきたのであれば、契約上「退去」せざるを得ないのだろう。「本格的な介護が必要なわけでもないうちから、わざわざそんな不自由な暮らしを選ぶ必要はない。家にいられる気楽さを、自ら投げ捨ててはいけない」、同感である。

次に、昨年6月2日付け現代ビジネス「2025年、実は日本から「まともな老人ホーム」が消滅するかもしれない…!」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83485?imp=0
・『職員はもういない  「入所したばかりの頃、親身になって対応してくれた職員はいつの間にかみんな退職してしまい、その後も短期間で職員がコロコロと入れ替わる。今の新人さんは食事の世話も機械的で、入所者の顔と名前も一致していないと思います」 こう嘆くのは、東京都出身の宮田裕一さん(78歳・仮名)だ。宮田さんは3年前、自宅を処分した資金をもとに、千葉県内の介護付き有料老人ホームに入居した。 入居一時金が20万円、月々の料金が14万円と、都内の施設に比べると安価なのが決め手だったが、入居してしばらく経つと、おかしな点がいくつも目についてきた。 「『3食手作り』が売りだった食事も、いつのまにか仕出し業者によるでき合いのおかずが出されるようになりました。 ご飯は施設で炊いているのですが、配膳に時間がかかるのか、我々が食卓につくころには冷めきっている。施設長にクレームを入れても『人手が足りないので』と言うばかりで、状況は一向に改善されません」(宮田さん) いざ介護が必要になっても、入居できる施設が見つからない。やっとの思いで入居にこぎつけても、ロクなサービスが受けられない。 今から4年後、2025年には、こうした事態が、全国にあふれかえることが危惧されている。'25年には団塊の世代が75歳以上となり、「後期高齢者」の数が2200万人を突破するからだ。 厚生労働省の調査では、'25年に介護職員が約253万人必要になるのに対し、供給の見込みは約215万人。およそ、37・7万人の職員が不足する計算だ。 介護職員の不足は、現在でもすでに深刻化している。約7割の介護施設が「職員の数が足りない」という危機感を抱いているのだ。) 職員が不足すると、サービスの低下や料金の値上げなど、利用者の不利益に直結する。 神奈川県内の特別養護老人ホームに入居する藤本裕一さん(74歳・仮名)は、施設の強烈な「臭い」に悩まされている。 「世話をする人が足りず、トイレを後回しにされた入居者が我慢しきれずに、漏らしてしまったりする。夜中もおむつの交換ができないので、常に異臭が漂っています。職員の人数が少なすぎて食事の介助も手が回らず、食べ終わると、さっさと部屋で寝るように促される」 そんな慌ただしいある日、藤本さんと同部屋の70代の入居者男性が、風呂場で右手を骨折した。 「本来はヘルパーがマンツーマンで介護するべきところを、3人の職員が5人をまとめて入浴させていた。すると、スタッフが目をそらした隙に、彼が床のタイルで足を滑らせた。頭こそ打たなかったものの、とっさに右手をついてしまった」 こうした事故で、悪い噂が立てば、入居希望者からは敬遠され、老人ホームの「採算分岐点」と言われる入居率8割を割り込むのは、あっという間だ。 最悪の場合は、施設が倒産に至るケースもある。東京商工リサーチの調べによれば、'16年以降、「福祉・介護事業」の倒産件数は毎年100件超と高止まりしている。 常に人手不足の状況で職員がストレスを溜め込み、入居者への虐待におよぶケースも増え続けている。施設での虐待の相談・通報件数は増加の一途たどり、'19年には2267件に達した。 「終の棲家」にするつもりの施設選びで間違えれば、待っているのは悲惨な未来だ』、「千葉県内の介護付き有料老人ホーム」のケースでは、「『3食手作り』が売りだった食事も、いつのまにか仕出し業者によるでき合いのおかずが出されるように」、一方的にサービスを改悪するのは、不当だが、嫌なら「退去」するといかないのが利用者の弱みだ。
・『安かろう、悪かろう  本格的な介護が必要になってから、慌てて施設を調べるのでは遅すぎる。元気なうちから備えをしておくことが大切だ。とはいえ、「'25年になる前に住宅型の老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入ってしまえばいい」と、考えなしに決めてしまうのは危険だ。 こうした施設は、介護サービスは基本的に外注で、居住とは別に料金がかかる仕組みになっている。介護を頼めばその都度オプションの料金がかかってくる。思わぬ出費によって、後からトラブルになるケースもある。 少なくとも自分で生活できるうちは、自宅で暮らす。これが幸せな生活を送るための「鉄則」だ。そして、「自力でトイレに行けない」「認知症で深夜徘徊してしまう」といった状態、すなわち要介護3を目安に、施設での介護に移る。 だが、いざその時になってから施設を探しはじめても、比較検討や見学を徹底する元気も時間も残されてはいない。入りたい介護施設の候補探しには、今から手をつけるべきだ。 では、どうやって施設を探せばいいのか。 選択肢の一つとして浮上するのは、民間の介護付き有料老人ホームだろう。食事や排泄、入浴などを補助するスタッフが常駐し、24時間介護サービスを利用することができる。 ベネッセやニチイなどの大手企業が運営する施設もあれば、地元に密着したホームもある。 ただし最大のネックとなるのが、利用料の高さだ。入居一時金は数十万円から1000万円程度までとバラつきがあるが、月額利用料は基本的に15万~35万円と高額だ。 2025年問題が加速していけば、利用料が安い施設は先に埋まり、高いホーム以外の選択肢がなくなる危険がある。 人生最後の5年間を過ごすつもりで入っても、介護施設で想定外に長生きする可能性もゼロではない。 年金だけで賄えない介護施設に入って、途中で支払いが滞り、「終の棲家」を追い出されるという最悪の事態に陥らないとは言い切れない。 そこで狙っていきたいのが、特別養護老人ホームへの入居だ。特養は入居の際に一時金などの費用が一切かからず、月額費用もおおよそ7万~15万円におさまる。 そのうえ、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的施設のため、前出の老人ホームのように、突然倒産する心配もない。 しかしこれだけお得ゆえに、人気が殺到しているという問題がある。今ですら、都心部だと入居待機者数が500人、1000人を超える施設はザラにある。ましてや、'25年に向けて介護需要が過熱していけば、特養に入るのはますます困難になる。 ここで必要なのは、発想の転換だ。ほとんどの人は、自分が今住んでいる町や、子どもが住んでいる町に絞って特養を探す。そのため常に待機者が途切れない特養ばかりが目に入り、結局は妥協して有料老人ホームを選んでしまう。 だが、日本全国に視野を拡げてみてほしい。都市部から少し離れるだけで、待機者がほぼゼロの「穴場の特養」を見つけることができるのだ。 では全国に約1万軒もある特養の中から、どうやって具体的な入居先を絞り込んでいけばいいのか。絶対に活用すべきなのが、厚生労働省がインターネット上で提供している「介護サービス情報公表システム」だ。このサイトでは、全国約21万ヵ所の介護事業所の基本情報を、一括で検索することができる。 検索窓に「特別養護老人ホーム」と入力すると、各都道府県内の特養の一覧を見ることができる。 たとえば静岡県なら388軒もの施設が表示される。ポイントは、「空き人数」の順番に並び替えることだ。これで確実に空いている特養を見つけ出すことができる。 とはいえ、人生の最後を迎える場所を選ぶことを考えると、「ただ空いているから入る」というのは、あまりにリスキーだ。入ってみたら一切外出も許されない閉鎖的な環境だったり、食事がどうしても舌に合わずやせ細っていく未来が待ち受けているかもしれない。 入りやすく、かつ満足できる特養はどこにあるのか。 それを知るには、自分自身の足で訪ねて、特養の様子を知っておく必要がある。そのために使えるのが、介護保険のサービスのひとつである「ショートステイ」だ。 「トイレや入浴に一部手助けが必要な『要支援1』から対象になるショートステイでは、連続最高30日間、特養で生活することができます。その間に、施設との相性を確かめる。 食事を介助する職員の様子や入居者のレクリエーションからは、普段の施設の雰囲気を感じ取ることができます。設備面では、居室からトイレや風呂などの共有スペースまでの距離は確認しておきたいところです」』、地方の「特別養護老人ホーム」で「ショトステイ」するためには『要支援1』からが「対象」なので、健常者は無理のようだ。
・『特養入居に裏ワザがあった  こうした特養を3施設程度、目星をつけておく。これまでの常識なら、後は介護施設に入るときまで待って、入居の申し込みをするだけだった。 しかし時代は厳しさを増している。2025年に向かって団塊の世代が特養に流れ込めば、「穴場」だと思っていた施設が埋まってしまう恐れもある。そこで知っておくべきなのが、待機の順番を一気に飛ばして特養に入居する「裏ワザ」だ。 特養の申し込みはケアマネを通して行うと勘違いしている人が多いが、実際は自分で施設に資料を請求し、申込書を記入して提出すべきものだ。この申込書の書き方次第では、何人待機者がいようがごぼう抜きで入居することができる。 「申請書の『申し込み理由』という欄をできるだけ具体的に書くのです。『在宅介護の費用負担に耐えられない』という金銭的な理由、『連れ合いも病気を抱え介護できない』という家族の理由などが詳細に記載されていると、入居の優先順位が上がります」(介護ぷらす代表・山川仁氏) 特養に空きが出たとき、次に誰を入居させるかは、施設長や生活相談員による「判定会議」で決まる。申し込み順とは関係なく「緊急度が高い」と判断されれば、入居を許可してもらえるのだ。 介護の環境が劇化するこの先の時代を生き抜くには、今からできる「備え」と、制度の裏をかく「知恵」が欠かせない』、「特養の申し込みはケアマネを通して行うと勘違いしている人が多いが、実際は自分で施設に資料を請求し、申込書を記入して提出すべきものだ」、私も「勘違い」していたので、大助かりだ。ただ、いくら「制度の裏をか」いても、「特養」の壁は高そうだ。

第三に、本年5月9日付けダイヤモンド・オンライン「入居金4.5億円でも30人待ち!超高級老人ホーム「サクラビア成城」、極楽生活の羨望実態」を紹介しよう。超上級国民向けの世界も参考までに知っておく意味があるとして、取上げた次第である。
https://diamond.jp/articles/-/302377
・『富裕層の絶大な支持を受ける超高級老人ホーム「サクラビア成城」では、門前の桜が咲き誇っていた。保証金100万円を払って10年後、20年後の入居を待ちわびる待機会員が30人以上いるという。特集『絶対安心!老後の住まい』(全9回)の#2では、富裕層も憧れる極楽生活をのぞいてみた』、興味深そうだ。
・『富裕層も憧れる超高級ホーム 入居金だけで4億5000万円も!  桜舞い散る成城学園前駅から続く歩道。富裕層の絶大な支持を受ける超高級老人ホーム「サクラビア成城」でも、門前の桜が咲き誇っていた。 一番安い居室でも入居金は約1億2000万円。高い居室になると4億5000万円台。高い居室ほど人気だという。食費を除いても月の利用料が25万円ほどかかる。それでも、保証金100万円を払って10年後、20年後の入居を待ちわびる待機会員が30人以上いる。 「いつかはサクラビア」。富裕層のネットワークでの高い評判を耳にして、50代、60代のうちに資料を取り寄せ、第一線を退いたら、ここで生活すると決めている人たちだ。 入居時の条件は、70歳以上、要支援・要介護認定を受けていない、身の回りのことを自分でできることなど。要介護状態になったら介護サービスを受けられる自立者向けの有料老人ホームである。ただし、普通のホームとは一線を画す。 レストランは予約不要で、食べたいものを食べたいときに、しかも一流のシェフが作った料理を堪能できる。さらに、ご飯の硬さやお茶の温度まで個人の嗜好に合わせ、食事制限のある入居者には栄養バランスや味付けにも気を配るなど至れり尽くせり。 高齢者ほど、その日の体調によって食べたいものが変わりやすい。だが、一般的なホームでは、食事は外部の給食会社に委託していて1週間前に料理の予約を取ることがほとんどだ』、「入居時の条件は、70歳以上、要支援・要介護認定を受けていない、身の回りのことを自分でできることなど。要介護状態になったら介護サービスを受けられる自立者向けの有料老人ホーム」、「レストランは予約不要で、食べたいものを食べたいときに、しかも一流のシェフが作った料理を堪能できる。さらに、ご飯の硬さやお茶の温度まで個人の嗜好に合わせ、食事制限のある入居者には栄養バランスや味付けにも気を配るなど至れり尽くせり」、「富裕層」は「食事」にはうるさい輩が多いので、こうしたサービスは歓迎されるだろう。
・サクラビア成城には会社に通う元気な入居者も  共用施設が充実し、フィットネスやカルチャーサークルも盛んだ。「人生の最後のステージを、自宅にいたときよりも楽しんでもらう。入居金は年齢による差がないので、早く入った方がお得です。高年齢になると、館内のいろいろなサービスを使い切れません」(運営会社であるプライムステージの齋藤豊取締役)。入居者は事業に成功した富裕層が多く、ここからまだ会社に通っている入居者もいる。 医師が24時間365日常駐していて、万一のときには居室まで駆け付けてくれるので、この上なく安心できる。高齢者だけにいつ急激な体調変化に見舞われるか分からない。 一般的な自立型ホームでは、要介護状態になったとき、それまでの一般居室から介護専用の狭い部屋に移されることがほとんどだが、ここでは一般居室で手厚い介護サービスを受けることができる。介護居室はあるが、容態が悪化したときの一時的な利用にとどまる。 だから、要介護4や5の状態になっても一般居室で過ごす入居者がいる。がんなどを患っていなければ、病院に移ることなく、住み慣れた居室で職員に見守られながら人生の最期を迎えることができる。 個人の体調に合わせコントロールされた食事、適度な運動やサークル活動、万一のときの安心感……。 そのおかげか、サクラビア成城の入居者は元気で長生きである。164人(平均85歳)の入居者のうち、要支援・要介護認定を受けていない自立者は112人。54人が15年以上、20人近くが開設からずっと、つまり30年以上、ここで暮らしている』、「ここからまだ会社に通っている入居者もいる」、完全に自宅代わりのようだ。「医師が24時間365日常駐していて、万一のときには居室まで駆け付けてくれるので、この上なく安心できる」、「一般居室で手厚い介護サービスを受けることができる・・・ だから、要介護4や5の状態になっても一般居室で過ごす入居者がいる」、さすが「超高級老人ホーム」だけのことはあるようだ。
タグ:介護施設(老人ホーム)問題 (その6)(「終の住処」と思っていた老人ホームを退去せざるを得ない シビアすぎる事情 「看取りまで安心」かと思いきや…、2025年 実は日本から「まともな老人ホーム」が消滅するかもしれない…!、入居金4.5億円でも30人待ち!超高級老人ホーム「サクラビア成城」 極楽生活の羨望実態) 現代ビジネス「「終の住処」と思っていた老人ホームを退去せざるを得ない、シビアすぎる事情 「看取りまで安心」かと思いきや…」 「なぜ、夢にまでみた老人ホームを後にするのか・・・住宅型老人ホームの退去理由を調査」、「1位となったのは、「医療的ケアニーズが高まったから」というものだ。なんと2人に1人、50%の人がこの理由」、「27・6%で2位となったのは「要介護状態の進行による身体状況の悪化」、「3位には「経済的な理由」(22・7%)」、1位と2位の理由の違いがよく理解できないが、いずれにしても、「身体状況の悪化」が出てきたのであれば、契約上「退去」せざるを得ないのだろう。「本格的な介護が必要なわけでもないうちから、わざわざそんな不 現代ビジネス「2025年、実は日本から「まともな老人ホーム」が消滅するかもしれない…!」 「千葉県内の介護付き有料老人ホーム」のケースでは、「『3食手作り』が売りだった食事も、いつのまにか仕出し業者によるでき合いのおかずが出されるように」、一方的にサービスを改悪するのは、不当だが、嫌なら「退去」するといかないのが利用者の弱みだ。 地方の「特別養護老人ホーム」で「ショトステイ」するためには『要支援1』からが「対象」なので、健常者は無理のようだ。 「特養の申し込みはケアマネを通して行うと勘違いしている人が多いが、実際は自分で施設に資料を請求し、申込書を記入して提出すべきものだ」、私も「勘違い」していたので、大助かりだ。ただ、いくら「制度の裏をか」いても、「特養」の壁は高そうだ。 ダイヤモンド・オンライン「入居金4.5億円でも30人待ち!超高級老人ホーム「サクラビア成城」、極楽生活の羨望実態」 「入居時の条件は、70歳以上、要支援・要介護認定を受けていない、身の回りのことを自分でできることなど。要介護状態になったら介護サービスを受けられる自立者向けの有料老人ホーム」、「レストランは予約不要で、食べたいものを食べたいときに、しかも一流のシェフが作った料理を堪能できる。さらに、ご飯の硬さやお茶の温度まで個人の嗜好に合わせ、食事制限のある入居者には栄養バランスや味付けにも気を配るなど至れり尽くせり」、「富裕層」は「食事」にはうるさい輩が多いので、こうしたサービスは歓迎されるだろう。 「ここからまだ会社に通っている入居者もいる」、完全に自宅代わりのようだ。「医師が24時間365日常駐していて、万一のときには居室まで駆け付けてくれるので、この上なく安心できる」、「一般居室で手厚い介護サービスを受けることができる・・・ だから、要介護4や5の状態になっても一般居室で過ごす入居者がいる」、さすが「超高級老人ホーム」だけのことはあるようだ。
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高齢化社会(その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?) [社会]

高齢化社会については、昨年10月6日に取上げた。今日は、(その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?)である。

先ずは、2019年7月3日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00030/
・『今回は「塩漬け」について考えてみる。 といっても美味(おい)しいらっきょうの塩漬けやら、白菜の塩漬けの作り方について書こうってわけではありませぬ。 “組織への塩漬け”である。 「お恥ずかしながら、私、この歳になって出社拒否になってしまって。だらしないですよね」 こう切り出した男性は某大手企業の元常務。63歳で定年となり、8カ月後に再就職。これまでのキャリアを買われての就職だったそうだ。 男性の話は実に興味深く、私自身、改めて「社会的地位」「シニア」「再就職」の難しさを痛感したので、みなさんにもご意見をいただこうと思った次第である。 というわけで、まずは男性が直面した“リアル”からお聞きください』、興味深そうだ。
・『定年後、関連会社に再就職できたのだが‥‥  「定年になったらやることがなくなって“定年うつ”になるって脅されていたんですが、私の場合は幸い次が決まってたので大丈夫でした。 息子が海外に留学してるんで女房とゆっくり海外旅行したり、97歳の父親のいる実家に帰ったり。女房も専業主婦なので、私の自由時間に付き合ってくれましてね。 みんな定年になると奥さんともめるっていうのに、まぁ、8カ月ですから。我慢してくれたんでしょう。 再就職先は関連会社です。 以前は、いわゆる天下り先だったんですか、10年くらい前から積極的に同じ業界からシニア採用をしていましてね。私のように定年組や、早期退職してきた人も結構いて、昔の上司が呼んでくれたんです。 受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれると聞いていました。給料は下がりますが、本人の能力次第では70歳までいられるんです。 私は記憶力や体力は低下したけど、気力と仕事の質には自信があった。自分はまだまだできると思っていたので、自分のキャリアを生かしてがんばろうと張り切っていました。 ところが‥‥半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまったんです。 理由ですか? まぁ、色々あります。期待に応えようとすればするほど空回りだったってこともあるし、上司とうまくいかなくてね。パワハラみたいなこともあったりで。やっぱり人間関係は大きいですね。 女房にも言えないから、家では心配させないように振るまったりして。 疲れちゃったんです。 あと‥‥せこい話なんですけど、前の会社のときはタクシーも自由に使えたし、周りも私のことをそれなりに扱ってくれた。ところが、再就職先では行きも帰りも電車だし、私はシニア社員の1人でしかない。 飲み屋ひとつとっても、扱いが変わります。 そんなのは分かっていたことだし、大したことじゃないって思っていたけど、実際に経験すると結構、プライドが傷つくわけです。 私を引っぱってくれた元上司は色々と気にかけてくれたんですが、それも情けなくて。結局、1年ももたずに辞めてしまった。周りに迷惑をかけるからそれだけは避けたかったんですが‥‥、情けないですよね』、「関連会社に再就職できた」、「昔の上司が呼んでくれた」、「受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれる」、どうみても恵まれた職場と思えるが、「半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまった」、「1年ももたずに辞めてしまった」、考察は以下で。
・『分かっていたけれど環境変化に対応できない  私みたいなのを、“塩が抜けない”って言い方をするらしいです(苦笑)。 自分では社外との人間関係があるし、趣味だってある。タコつぼ人間になっているなんて自覚は皆無でした。でも、実際は40年過ごした組織で、しっかり塩漬けになっていたんです。 幸い子どもも自立してますし、家のローンもないので、今は色々と勉強しています。そろそろ動き出さなきゃなぁと思っているので、同じ轍(てつ)を踏まないよう、次は一兵卒として再々就職先探しを始めるつもりです」‥‥以上です。 塩が抜けないーー。「手垢(てあか)がついている」という表現は今まで何度か耳にしてきたけど、言い得て妙といいますか、何といいますか。 同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する。 ちょっとだけ立ち止まって考えれば誰だって分かることなのに、それが知覚できない。過去の経験が目を曇らせてしまうのである。 そもそも私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる。心理学でいうところの「知覚」だ』、「同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する」、「私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる」、その通りだ。
・『心は習慣に大きく影響されている  例えば、知覚の強固さを明らかにしたのが米国の教育心理学者ジェローム・シーモア・ブルーナー博士の「トランプ」を用いた実験である。組織論を語るときにたびたび引用されているので、ご存じの方も多いかもしれない。 この実験はトランプに「赤のスペード」と「黒のハート」を交ぜ、ほんの数秒だけ見せて「何のカードだったか?」を聞くという、実にシンプルなものだった。 普通に考えれば、視覚はきちんと目の前の情報を捉えるはずである。ところが、黒の「ハートの4」は「スペードの4」に、赤の「スペードの7」は「ハートの7」に見えてしまうことが分かった。 「黒はスペード」「赤はハート」という常識が、目を曇らせる。人間には一貫性を好む傾向があるため、過去の常識が見えているものまで変えてしまうのである。 おそらく件の男性は、自分では気づかぬうちに、自分が法律になってしまっていたのではないか。 「人間関係は大きかった」と男性が語るように、塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう。) では、いったいなぜ、塩は抜けないのか? それは「再就職=転職」 という認識の乏しさにあると、個人的には考えている。 「再就職が転職だなんて、当たり前だろ!? 何を言ってるんだ!!」と口をとがらせる人もいるかもしれない。 が、“再就職”という言葉が象徴するように、定年後、あるいは定年前に途中下車した人たちの転職は、「今の延長線上にある」というイメージが強い。 再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物。とても難しいことかもしれないけど、その過去を一掃しない限り適応は無理。一時的でもいいから決別すべきだ。 たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ』、「塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう」、「再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物・・・その過去を一掃しない限り適応は無理・・・たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ」、同感である。
・『再就職での組織社会化はなかなか難しい  それは「組織内における自分の居場所を確立するために、必要な知識や技術を獲得するプロセス」である「組織社会化」を意識し、成功させること。 一般的には組織社会化は新卒社会人に対して用いられるが、実際には昇進や異動などに伴い、改めての組織社会化=再社会化が求められる。 特に、再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい。 ひとつの組織で、長い時間をかけて、1つひとつ手に入れてきた外的なリソースが邪魔してしまうのだ。 とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応(=組織社会化)すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである。では、いったいなぜ、塩は抜けないのか? それは「再就職=転職」 という認識の乏しさにあると、個人的には考えている。 「再就職が転職だなんて、当たり前だろ!? 何を言ってるんだ!!」と口をとがらせる人もいるかもしれない。 が、“再就職”という言葉が象徴するように、定年後、あるいは定年前に途中下車した人たちの転職は、「今の延長線上にある」というイメージが強い。 再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物。とても難しいことかもしれないけど、その過去を一掃しない限り適応は無理。一時的でもいいから決別すべきだ。 たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ』、「再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい」「とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応・・・すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである」、なるほど。
・『権力(power)の働きがシステマティックに埋め込まれた会社組織では、権力者の言動は上司・部下関係のみならず、関連する団体や組織や一般社会にも影響を与え、権力者はそれによって他者からの干渉を免れることが可能となる。 その結果、周りが権力者に黙従せざるを得ないという非対称の人間関係が生まれ、権力者の思い通りに周りが勝手に動くため、自らエネルギーを費やさずとも、周りが勝手に居場所を作ってくれる。件の男性の言葉で言い換えると「それなりに扱ってくれる」のである。 ゆえに、偉い人が、再社会化するのは‥‥チョモランマを制覇するようなもの。極めてハードルが高い作業なのだ。 組織社会化では、 ・自らに課された仕事を遂行する ・良好な人間関係を築く ・組織文化、組織風土、組織の規範を受け入れる ・組織の一員としてふさわしい属性を身に付ける の4点が課題となり、新卒の場合にはこれらを包括的に獲得していくことが求められる。 ところが、熟練したキャリアの持ち主の再社会化には、「良好な人間関係の構築」が最優先課題となる。 なんせ、ただでさえ、注目されてしまうのだ。自分たちの居場所に新規加入した“偉い人”が、 「自分たちを大切に扱ってくれるだろうか?」「自分たちにどんな利益をもたらすのだろうか?」「ホントウに信頼に値する人物なのだろうか?」‥‥etc.etc. と周りは不安になる。) 受け入れる「上司」も例外ではない。 以前、件の男性と同じようなカタチで再就職した人が「シニアがシニアを教育するのは、とても難しい」と話してくれたことがあった。上司となるシニアのほうは「見下されないようにしなきゃ」という警戒心を無自覚に抱いてしまうのだろう。 まさにシニアvsシニア、プライドの戦いである。 いや、それだけではない。 これまたややこしいことに、とりわけ権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ。 もっとストレートに言いますと‥‥、バカにする。 いや、もっと正確に言い換えると、年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである。 ふ??っ‥‥』、「権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ」、「年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである」、全く困った傾向だ。
・『自分から動いて関係を作っていくしかない  書いているだけで切なくなってしまうのだが、「まぁまぁ、常務さん、くつろいでくださいよ?」などとチヤホヤしてくれる人は、新天地にはいないことを、しかと受け止め、自分からアクションを起こし、受け入れる側の不安や警戒心を解きほぐすしかない。 時には「これってどうやるのかね?」と周りに問い、時には「ありがとう」と感謝し、時には「すみません」と頭を下げる。そういった基本的でシンプルかつ、顔の見えるコミュニケーションにより、周りの信頼感が熟成され、適応を手助けしてくれるに違いない。 「結果を出さなきゃ」と前向きな気持ちがあると、つい自分の存在意義を示したくなるのが人間の性癖だが、急がば回れ。1年、いや2年たったときに「あなたに来てもらってよかった」と1人でも言ってくれる人がいたらもうけもんだ!くらいの気持ちで、人間関係作りに専念したほうがいい。) 実はこういった小さなアクションを、現役、すなわち定年になる前からできるようになっておくと、案外スムーズに適応が加速する。専門用語でいうところの「予期的社会化」、平たくいうと「準備運動」である。新入社員の準備運動が「キャリア準備」なのに対し、再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった。そういう人たちは例外なく「名刺が全く役立たないゆるい人間関係」を持っている人だった。 ある人は資格を取るために通った専門学校で。 ある人は町内会で。 ある人はボランティアで。 年齢もバラバラ、会社もバラバラ、性別もバラバラ、のコミュニティの一員になったことで、 ある人は自分がいかに恵まれているかが分かった、と語り、 ある人はそこにいくと自分が若手だった、と笑い、 ある人は何年ぶりかに「ありがとう」と言われた、と顔をほころばせた。 ‥‥自分のことは他人を通じてしか分からない』、「「準備運動」・・・再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった」、やはり「準備運動」がカギのようだ。河合氏の最近の記事は有料になっているので、殆ど紹介できないが、この記事は古く無料だったので、紹介できた。

次に、本年2月22日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹 氏による「仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/500493
・『仕事を辞めた途端、急に老け込む人がいます。なぜ人は労働をやめると、老け込むのか? 精神科医の和田秀樹氏による新刊『70歳が老化の分かれ道』より一部抜粋・再構成してお届けします。 要介護となる時期をなるべく遅らせて、70代以降も元気に過ごすためには、最後の活動期である70代の過ごし方がカギになります。ここでは、70代の人がどのような生活を心がければいいのかをみていきましょう。 定年延長や定年後の再雇用など、高齢になっても働く環境が整備されつつありますが、それでも、70代ともなれば、いままで勤めていた会社を退職している人が多いのではないでしょうか。 70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです。これまで懸命に働いてきたのだから、退職したらもう何もせず家でゴロゴロ過ごしたいと、指折り退職の日を待っている人もいます。 しかし、70歳まで現役で仕事をしていた人が、退職後の生活に何をやるのかを考えることもなくリタイアすると、一気に老け込んでしまうことが多いのです』、「70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです」、その通りだろう。
・『なぜ働くと老けないのか?  働いているときは、デスクワークのような仕事であっても、通勤などで思っている以上に身体を使っているものです。それなのに、退職してから家にこもりがちになってしまうと、70代の人なら1ヵ月もすれば、運動機能はずいぶんと落ちてしまいます。 また、脳機能の面でも、働いていれば、日々、それなりの知的活動や他者とのコミュニケーションがあり、さまざまな出来事にも遭遇することになりますが、ただ家で過ごしているだけでは、そういった脳の活動はなくなり、認知症のリスクが高まっていきます。 特に、前頭葉の老化が一気に進んでしまいます。前頭葉とは、創造性や他者への共感、想定外のことに対処するといった機能をもつ部分です。ここが老化していくと、何事にも意欲がなくなり、活動することがおっくうになって、運動機能の低下と脳の老化にさらに拍車がかかります。見た目の印象でも、はつらつとしたところが失われた、元気のない老人に変貌してしまうのです。) そうならないためにも、退職を迎えたら、これまでの仕事の代わりに次に何をやるのか、準備をしておくことが大切です。退職して、しばらくゆっくりしてから次のことは考えようなどと思っていると、いつの間にか、ダラダラと過ごす生活に流されて、それが習慣になってしまうということもあります。 70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます。歳をとるほど、意欲が低下していくのは自然のことで、そもそも70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です。 現在は年金も少ないですから、何か新しい仕事を始めるということも、ひとつの選択肢でしょう。金銭的な面だけでなく、老化を遅らせるという面からみても、退職後に、また新たな職場で働き始めるということはとてもいいことです』、「70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます」、前頭葉の「老化」が「40代から進んでいます」、とは驚かされた。「70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です」、その通りだ。
・『隠居にはリスクがともなう  歳をとったら隠居生活もいいものだ、と考えている人ももちろんいるでしょう。しかし、70歳を過ぎてそのような生活に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがあることを十分に理解しておいてください。 寿命が延びて、90歳、100歳まで生きるようなこれからの時代は、歳をとったので「引退する」という考え方自体が、老後生活のリスクになります。引退などと考えず、いつまでも現役の市民であろうとすることが、老化を遅らせて、長い晩年を元気に過ごす秘訣です。 たとえば、何かの商店主をやっている人、建築士や税理士など資格をもって70代まで仕事をやってきたような人が、「〇歳を機に仕事を辞める」というようなことがありますが、そのような選択はけっして得策ではありません。 農業や漁業、職人のような仕事もそうですが、自分が辞めると決めない限り、続けられるような仕事であるなら、身体がもつ限り、できる範囲で一生続けることが 老化を遅らせるいい方法です。 勤め人であっても、役職からは年齢によって外されることもあるかもしれませんが、「働く」ということからは、引退する必要などありません。アルバイトや契約社員など、どのような形態であっても、「仕事」を通して社会とのかかわりをもち続けることが、活動レベルを落とさず、若々しくいる秘訣だと私は思います。 退職後も社会とかかわっていくという意味では、もちろん「仕事」がすべてではありません。町内会の役員や、マンションの管理組合の役員、趣味の集まりの役職などでもいいのです。ボランティア活動も、退職後の社会参加としてはひとつの選択肢です。 誰かと協働し、誰かの役に立ったり、誰かに必要とされていると感じることは、いつまでも現役意識を維持することに大いに役立つはずです。 70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です。それが、一気に老け込むことを防いでくれます』、70歳を過ぎて「隠居生活」「に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがある」、「70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です」、同感である。
・『なぜ長野県民は長生きなのか?  働き続けることが、私たちの老化を遅らせ、いつまでも若々しくいさせてくれるとは前述しましたが、そのことはデータでも裏づけられています。 長野県はかつて、都道府県のなかでも平均寿命のデータは下位に位置していましたが、1975年に男性が全国第4位となり、その後上昇しはじめ、1990年以降、全国1位を何度も記録しています。 女性においても、2010年の調査で第1位となり、男女ともに平均寿命の都道府県ナンバーワンになりました。厚生労働省の最新の発表である2015年の調査結果でも、男性が81.75歳で全国第2位、女性が87.67歳で第1位です。 これほどまでになぜ、長野県が長寿県なのか、さまざまな推測がなされました。長野県には、イナゴや蜂の子などの昆虫を食べる習慣があるからだとか、地形的に山間部が多く、山道をよく歩いて足腰が鍛えられているからだといった理由が挙げられたこともあります。 しかし、近年では、昆虫を食べることも減ってきていますし、自動車の普及が進み、山道を歩くことも少なくなってきていますので、この仮説にはあまり説得力がありません。 私は本当の理由は、長野県の高齢者の就業率にあるのではないかと考えています。長野県はこれまで、高齢者就業率において都道府県ナンバーワンを何度も記録しています。 総務省統計局発表の最新のデータでも、2017年10月1日現在、高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています。 家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます。 このことは、沖縄の平均寿命と就業率の関係からも見て取れます。沖縄県は長寿県のようなイメージがありますが、実際は、女性は長寿ですが、男性の平均寿命は全都道府県中30位以降にあり、全国平均を下回っています。) 先ほどの厚生労働省の2015年の調査でも、全国36位という下位に位置しています。一方、女性のほうは全国で7位という好位置にいます。 なぜ、沖縄の男性と女性は、ほぼ同じような遺伝子をもち、同様の気候風土のなかで生活しているにもかかわらず、これほどまで平均寿命が違うのか。私はその理由も、就業率に隠されているのではないかと考えています。 沖縄県の男性高齢者の有業率は、全国最下位なのです。このことが、男性の平均寿命を下げている要因のひとつではないかと見ています。女性の場合は若いときから専業主婦の人もいますし、高齢になっても、家事を一手に担っている場合もあるので、就業率自体が男性ほど寿命に影響を及ぼさないのかもしれません。 しかし、男性においては、働いているかどうかが、平均寿命の長さにかなり影響していると考えられます。 長野県では高齢者1人当たりの医療費が、全国最低レベルという調査結果もあります。つまり、歳をとっても元気な人が多いのです。 働き続けるということが、高齢になっても活動レベルを落とさない手っ取り早い方法なのです。そのことが、身体や脳の老化を遅らせることに役立ち、元気な70代、80代を可能にしてくれます。 ただし、歳をとってからの働き方は、若いときのものとは変えるべきだと私は思います。お金や効率だけを求めるような働き方から、自分の経験や知識を生かして、誰かを助け、社会の役に立つということに価値を置いてもいいのではないでしょうか』、「高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています」、「家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしている」、なるほど。
・『年齢を重ねたからこそやれることがある  失敗学を提唱する東大名誉教授の畑村洋太郎さんは、今後は定年退職した人が就ける本当の意味での「相談役」というポストを企業はつくったらいいと言っていました。現在、相談役というと、取締役を退任した人のポストであり、偉そうにしているだけで、本当の相談相手にはなっていません。そうではなく、本当に相談のできる相談役をつくったらどうかという提案です。 定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません。これは働く人たちのメンタルヘルス的にも、とてもいいアイデアだと私も思いました。 高齢になれば、自分の経験や知識を誰かのために生かすという働き方もあるのです。お金ばかりを求めていても、歳をとれば若いときのような成果を得ることはだんだん難しくなっていきます。思ったように働けないことも増えてきます。そんなとき、自分が無価値な存在になってしまったと落胆する人もいます。 しかし、どれくらい稼ぐかとか、どれくらいの成果を上げるかといったことは、働くということのある一面にしかすぎません。どれくらい社会の役に立っているのかといった視点があってもいいですし、高齢になればそういった価値観に軸足を移して働いてもいいと私は考えます。 どんなことでもいいから、ほんの少しでも社会にかかわったり、何かの役に立つことは、誰にでもできるはずです。そのことに価値を見いだし、高齢になっても働き続けることが、老化防止の最良の薬になるのではないかと私は考えています』、「畑村氏」の「相談役」「提案」、「定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません」、同じ職場では若手が遠慮したり、管理職も遠慮するなど居心地は決して良くないだろう。違う職場であれば、そうしたマイナスはないが、「若手」への「アドバイス」はあくまでも一般的なものに留まってしまう。実際の組織を知らない学者の限界だろう。

第三に、5月8日付け東洋経済オンラインが掲載した 下北沢病院 院長の菊池 守氏による「「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/585066
・『長引くコロナ禍で「歩けない」高齢者が増えつつあります。歩行困難な状況は、単に移動に困るだけでなく、さまざまな健康上の2次被害を引き起こす恐れがあります。大事なのはどんな状況下でも歩く力を衰えさせないこと。日本初の足の総合病院「下北沢病院」の菊池守医師の著書『2万人の足を診てきた名医が教える弱った足でもぐんぐん元気になる!スタスタ体操』より、高齢者の足を守る方法を一部引用・再構成してお届けします』、興味深そうだ。
・『歩かない高齢者の筋力は急速に衰える  「何かにつかまらないと立てない」「歩くとふらついて、バランスをくずす」ご高齢の方からこんな声を聞く機会が増えました。 あなたの親御さんや、親類の方にも同様の悩みを抱える方がいるのではないでしょうか。コロナ前は散歩くらいなら問題なくできていたのに、久しぶりに外に出ようとしたら、思わぬ困難に直面して驚くケースが増えています。 長く続いた外出自粛のせいで、あまり外に出なかった高齢者の足が弱ってしまったせいです。このままでは、歩くことが困難になり、近所のお店に買い物に行くことすらも難しい状況になりかねません。 コロナウイルスに感染しないために、外出自粛はやむをえない措置でした。 ただ、「歩けなくなる」ことは、高齢者の健康にどれだけ大きな影響を与えるのか、一般にはきちんと認識されていないように思います。 「歩くことは健康にいい」という漠然としたイメージはあっても、具体的にどのような健康効果があるのでしょうか。たとえ万歩計を毎日持ち歩いたとしても、いったいどのくらいの距離を歩けば効果があるのかよくわかりません。 そこで、ご紹介したいのが「中之条研究」です。 中之条研究とは、群馬県にある中之条町で2000年から実施されたモニタリング研究のこと。中之条町で暮らしている65歳以上の住民およそ5000人を対象に、日頃の運動の頻度や生活習慣、睡眠時間、食生活など、健康に関する詳細な調査が、15年以上にわたって行われました。 さらにこの調査では、被験者5000人のうち、2000人に対しては血液検査や遺伝子解析を実施し、さらに詳しく健康状態を調査。 そのうち500人には身体活動計を携帯させ、毎日の歩数とそのスピードを365日にわたって記録しています。 世界でも類を見ないこの詳細な研究により、どのような運動をどのくらい行えば健康維持に役立つのかが、具体的に突き止められたのです』、「中之条研究」は初耳だが、どんな結果なのだろう。
・『健康を維持するためには1日8000歩が必要  結論から言えば、健康を維持・増進するためには、1日平均8000歩以上歩くことが理想的。また、ただ歩くだけでなく、早歩きなど中強度の活動が20分以上ふくまれていれば、さらにさまざまな病気に対する予防効果が得られることがわかりました。 ここでいう中強度の活動とは、うっすらと汗ばむ程度の速さで歩くことを意味しています。ウォーキング以外でいえば、雑巾がけやラジオ体操など、多少息がきれてもどうにか他人と会話ができる程度の運動のことです。 たとえば、1日2000歩の歩行量を維持するだけでも、筋肉のおとろえを防ぐことができ、結果として寝たきりになるリスクを軽減することができます。 1日4000歩では、運動による血流促進はもちろん、風景や環境の変化が脳にあたえる刺激がリフレッシュ効果を生み、うつ病予防の効果が認められました。 1日7000歩なら、血流が維持されることによって血管が鍛えられ、ガンや動脈硬化に対する予防効果があります。さらに、鍛えられるのは血管や筋肉だけでなく骨も同様であるため、骨粗しょう症や骨折を防ぐ効果も期待されます。 そして、1日8000歩なら、高血圧症や糖尿病、脂質異常症の予防にまで効果がおよぶと、中之条研究では結論づけられています。) 2022年5月現在はまん延防止等重点措置も解除され、外出する高齢者も徐々に増えつつある状況かと思います。 しかし、「歩きたくても歩けない」ようだと、感染症以外の健康被害がこれから増加する可能性が高いのです。場合によっては、寿命に影響を及ぼす恐れもあります。 高齢者自身も「このままではまずい」と不安に駆られている方が多いのか、とりあえず筋トレを始めたり、部屋を何周も歩くなどの自己流のリハビリを始める方も増えているようです。 そうした努力を否定するわけではありませんが、足の専門医の立場からすると少々効率が悪いようです。 大事なのは「歩く」ことに直接関連する箇所を優先的、かつ集中的にトレーニングすること。それだけで、「歩く」力を保つことができるようになります』、「中之条研究」には触れられてないが、免疫機能も歩数が増えるにつれ強化される筈だ。
・『高齢者が優先的にトレーニングすべき3つの要素  では、それはどの箇所なのか。 それが次の3つです。 ●土ふまずのかたち ●足裏の筋力 ●足首のやわらかさ こうした要素が整うことで、体重が理想的に分散され、足に無理な負担をかけずに歩くことができます。筋肉や関節などが衰えてくると3つの要素のバランスが崩れ、特定の部位に過度な負担が生じて、痛みの原因になったりします。 前述した3つのうち、「土ふまずのかたち」「足裏の筋力」に深く関連するのが後脛骨筋と内在筋という2つの筋肉です。私は歩くことに深く関係する2つを合わせて「スタスタ筋」と呼んでいます。 もちろん、この2つ以外にも歩行にはさまざまな筋肉が複雑に関係しているのですが、少しでも早く歩くことを望むのであれば、まずは「スタスタ筋」を鍛えることを意識してください。 そのうえで、足首のやわらかさを身につけましょう。いわゆる「アキレス腱伸ばし」で、足首のやわらかさは身につくのですが、やり方にコツがあります。体育の授業で皆さんが習ったやり方では不十分です。 筋力と柔軟性を同時に身につけることで、足は「最速」でよみがえります。 拙著では、スタスタ筋を鍛え、足首の柔らかさが得られる1日5分でできる簡単な「スタスタ体操」をご紹介しています。歩行困難であった80代の高齢者が、無事に歩けるようになった事例なども載っています。 コロナの影響で、高齢者の健康が危機的な状況にある今だからこそ、高齢者の足を衰えさせないことに注意を払わなくてはいけないと強く感じます。 これを機に、あなたの周囲にいる、ご高齢の親族の足の健康について、真剣に考えてみてはいかがでしょうか』、「●土ふまずのかたち ●足裏の筋力 ●足首のやわらかさ こうした要素が整うことで、体重が理想的に分散され、足に無理な負担をかけずに歩くことができます。筋肉や関節などが衰えてくると3つの要素のバランスが崩れ、特定の部位に過度な負担が生じて、痛みの原因になったりします」、これまで散歩時には意識してないが、明日から3要素にも気を付けてみよう。
タグ:高齢化社会 (その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?) 日経ビジネスオンライン 河合 薫氏による「“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由」 「関連会社に再就職できた」、「昔の上司が呼んでくれた」、「受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれる」、どうみても恵まれた職場と思えるが、「半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまった」、「1年ももたずに辞めてしまった」、考察は以下で。 「同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する」、「私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる」、その通りだ。 「塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう」、「再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物・・・その過去を一掃しない限り適応は無理・・・たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織 「再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい」「とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応・・・すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである」、なるほど。 「権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ」、「年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである」、全く困った傾向だ。 「「準備運動」・・・再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった」、やはり「準備運動」がカギのようだ。河合氏の最近の記事は有料になっているので、殆ど紹介できないが、この記事は古く無料だったので、紹介できた。 東洋経済オンライン 和田 秀樹 氏による「仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない」 「70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです」、その通りだろう。 「70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます」、前頭葉の「老化」が「40代から進んでいます」、とは驚かされた。「70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です」、その通りだ。 70歳を過ぎて「隠居生活」「に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがある」、「70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です」、同感である。 「高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています」、「家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしている」、なるほど。 「畑村氏」の「相談役」「提案」、「定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません」、同じ職場では若手が遠慮したり、管理職も遠慮するなど居心地は決して良くないだろう。
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