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政府のマスコミへのコントロール(その19)(武田真一氏が『クロ現』降板。「やり残したことがある気もします」無念さ滲ませる【動画】、NHK有馬キャスターが起こした退任の挨拶事件 6月人事は国際部長として処遇か、自民党がBPO使ったメディア介入に虎視眈々 報道規制の発想はプーチン大統領と変わらず) [メディア]

政府のマスコミへのコントロールについては、昨年3月9日に取上げた。今日は、(その19)(武田真一氏が『クロ現』降板。「やり残したことがある気もします」無念さ滲ませる【動画】、NHK有馬キャスターが起こした退任の挨拶事件 6月人事は国際部長として処遇か、自民党がBPO使ったメディア介入に虎視眈々 報道規制の発想はプーチン大統領と変わらず)である。

先ずは、昨年3月19日付けHUFFPOST「武田真一氏が『クロ現』降板。「やり残したことがある気もします」無念さ滲ませる【動画】」を紹介しよう。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/takeda_jp_6053fa57c5b66a80f4e6a07e
・『自民党の二階俊博幹事長へのインタビューで「菅政権の怒りを買った」のが原因と見る週刊誌報道も。NHK放送総局長は「誰かに何か言われたからということは一切ない」と圧力の影響を否定している。 2017年から4年間、NHKの報道番組『クローズアップ現代+ 』の司会を務めてきた武田真一(たけた・しんいち)アナウンサーが、3月18日の放送で降板した。同日、番組の公式Twitterに掲載されたメッセージ動画の中で武田アナは「やり残したことがある気もしますが、あとは若いキャスターに引き継いでいきたいと思います」と無念さをにじませた。 放送の最後でも武田アナは同様のあいさつをしたが、「やり残したことがある気もしますが」という台詞は入っていなかった。 武田アナの降板をめぐっては、自民党の二階俊博幹事長へのインタビューで不興を買ったのが原因とする週刊誌報道が出ていた』、「インタビューで不興を買った」、とは何があったのだろう。
・『二階幹事長が不快感をあらわにしたことも  指摘されている放送は1月19日の『クローズアップ現代+』。武田アナは二階氏に新型コロナ対策について聞いた。「政府の対策は十分なのか。さらに手を打つことがあるとすれば何が必要か」と質問すると、二階氏は「いちいちそんなケチをつけるもんじゃないですよ」と不快感をあらわするシーンがあった。 武田アナのNHK大阪放送局への異動が発表されたのは、その1カ月後の2月10日。『週刊文春』2月25日号では、二階幹事長へのインタビューが「菅政権の怒りを買った」のが理由とみる局内の声を報じている。 一方、NHKの正籬聡放送総局長は「公共メディアとして自主自律は生命線。誰かに何か言われたからということは一切ない」と圧力の影響を否定した。 武田アナは、4月2日からスタートする全国放送の新番組「ニュース きん5時」(金曜午後4時50分)でキャスターを務める予定だ』、「新型コロナ対策について・・・「政府の対策は十分なのか。さらに手を打つことがあるとすれば何が必要か」と質問すると、二階氏は「いちいちそんなケチをつけるもんじゃないですよ」と不快感をあらわするシーンがあった」、「武田アナのNHK大阪放送局への異動が発表されたのは、その1カ月後の2月10日」、これはどうみても自民党からの圧力があったとみるのが自然だ。
・『武田真一キャスターの動画メッセージ全文  4年間、本当に有り難うございました。この4年、私の心に刻み込まれたのは、社会の中で懸命に生きている皆さまの声です。それは決して希望に満ちた声ばかりではありませんでした。 大切な人を亡くした。明日の暮らしが見えない。災害や新型コロナで思いがけず人生を狂わされた。私たちの周りには多くの課題があることを思い知らされてきました。私に何ができるんだろうか?ずっと自問してきました。 せめて皆さまの声を私の心に深く浸して、分かろうと努力しよう。皆さんの声を私の心と共振させて、さらに大きな波紋にして社会に伝えよう。それが何かの糸口になるのではないか。 そう考えてきましたが、いかがだったでしたでしょうか。やり残したことがある気もしますが、あとは若いキャスターに引き継いでいきたいと思います。現代の断面をクローズアップし、よりよい未来の材料を見つけてプラス。「クローズアップ現代+」はこれからもひるまずに伝え続けていきます。新年度は3月30日からのスタートです。是非ご覧ください。 ■武田アナの直筆メッセージ(『クローズアップ現代+』の公式Twitterでは武田アナから番組視聴者に向けた直筆メッセージも掲載している(リンク先参照)』、それにしても、露骨な報道への介入だ。

次に、4月8日付けデイリー新潮「NHK有馬キャスターが起こした退任の挨拶事件 6月人事は国際部長として処遇か」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04081100/?all=1
・『ウォッチ9のキャスターを4年(3月いっぱいでNHKニュースウオッチ9のキャスターを交代した有馬嘉男氏(55)。菅義偉首相へのインタビューがその神経を逆なでし、官邸からクレームがNHKに来て、その圧力に屈した結果の降板劇とも報じられたが、6月内示の人事では意外にも国際部長として処遇される見込みだという(注)。そして先日、有馬氏が報道局の幹部が集まる会議で退任の挨拶を求められた際に、「無言の抵抗」をしていたとの話も。 NHKのある幹部局員によると、 「1990年入局の有馬さんはウオッチ9のキャスターを4年務めました。注目度の高かった大越(健介)さんでも5年でしたから、かなり長い方だと思います。有馬さんはお茶の間の人気者というわけではなかったですが、安定感があって特段変える必要もなく、そうこうしているうちに番組の編集責任者の面々は年下ばかりになってしまった」 昨年春にも、交代の話が出ていたが、 「桑子(真帆)アナと和久田(麻由子)アナを朝と夜の間でシャッフルするというアクロバティックなことをやったせいで、有馬さんまで一気に変えられないと、ポジションにとどまることになりました」 余人をもって代えがたかったのかその辺りは判然としないが、その後もキャスター職にとどまり、菅義偉首相が就任直後には番組でインタビューも行った。 その内容に官邸がクレームを付けてきたと報じられ、NHKはその圧力に屈した結果、有馬氏を降板させた、というようなニュースも流れた』、私は偉ぶった「大越」よりも気さくな「有馬」の方が好きだった。(注)有馬氏はヨーロッパ副総局長(Wikipedia)になったようだ。
・『忖度したとは捉えられたくない  「基本的に、新年度以降のキャスターをどうするかについては、前年の秋以降に委員会が開かれ、そこで決まります。官邸からの圧力が報じられた時期とタイミングが多少重なってはいますが、それとは無関係に有馬さんの降板は事実上決まっていたと思います。報道局長が近く交代するので、有馬さんの異動の件もまだ流動的ではありますが……」 少し話はそれるが、新しく報道局長に就く予定の山下毅氏は籾井会長時代に政治部長を務めていたが、たった1年で熊本放送局長に異動させられており、左遷ではないかとみられていた。 「政治部長を1年だけというのは異例ですね。熊本に左遷されるきっかけになったのは、山下さんとあまり相性のよくなかった岩田明子さん(政治部記者兼解説委員)がなんらかの動きを見せたからだと指摘する声がありました。しかし、今回の復権で岩田さんの力もなくなったと言われています。安倍さん(前首相)や今井さん(前秘書官兼補佐官)との蜜月ぶりから、他を圧倒する独自報道を連発してきた岩田さんですが、菅さんとの関係はうまく行っていないんですよね。希望していたワシントン支局行きや日曜討論の司会は却下されたようです。ウチは去年1月に新会長を迎え、人事面で大きな変革が始まっているということも、岩田さんの件に関係していると思います」 話を有馬氏に戻そう。 「ウチとしてはそういう官邸圧力報道は気にしていて、官邸に忖度したとは捉えられたくないし、その結果、懲罰で降板という見方を打ち消したいということで、きちんと有馬さんを処遇する姿勢を見せたいということなのでしょう」 囁かれている国際部長のポジションは、それなりの処遇だ、というのが内部の見方ではある。が、それに有馬氏が満足しているかは不明だ。 4月1日、報道局幹部が集まる会議で、こんな事件が起こった』、実際には、栄転の「国際部長」ではなく、前述の通り、ヨーロッパ副総局長だ。
・『政治部出身の人間が  「通常なら有馬さんが呼ばれる席ではなく、編集主幹や編集責任者が出席して当日の放送の流れを確認する場です。今回は退任の挨拶のために呼ばれたようですが、順番が回ってきて口にしたのは、“ありがとうございました。これからもよろしくお願いします”のみ」と、別の幹部。 「有馬さんによる無言の抗議などと言われています。その後に同じ経済部出身の報道局長がねぎらいの言葉をかけなければ、ずいぶん気まずい感じになっていたことでしょう」 有馬さんの本音を斟酌してもらうと、 「そういう会議の場でそれなりの挨拶をしても無意味だという、諦めの気持ちがあったのかもしれません。また、可能ならもう少しキャスターをやりたかったというのもあったでしょうし、それ以上に、経済部出身の有馬さんとしては、政治部出身の人間が経営を仕切っていて、それがNHKを歪んだ方向にもっていっているという思いが強く、これまでも厳しい口調で批判することもあったようです」 かねて有馬氏は「安倍官邸」に批判的だったという。 「有馬さんのスタンスがリベラルなんで、安倍官邸のやり方にはフラストレーションが溜まっていたみたいですね。会社の近くの居酒屋でそういったことをよく話していたと言います。酒場での有馬発言を聞きつけた人たちが、今回の降板騒動に絡めて、経費がどうのとか女性関係がこうだとか、真偽のほどはよくわからない話が出回っていたことは事実です」 有馬氏自身が思いのたけをぶちまける日が来たら、それはそれで面白いが――』、新ポストは前述の通り、国際局長ではなく、ヨーロッパ副総局長だ。「有馬」氏のために新設したようで、到底、栄転とはほど遠いポストで、官邸の顔も立てたようだ。

第三に、3月16日付け日刊ゲンダイ「自民党がBPO使ったメディア介入に虎視眈々 報道規制の発想はプーチン大統領と変わらず」を紹介しよう。
・『ウクライナに侵攻したロシアの国内では、リベラル系メディアの解散や放送休止など、厳しい報道規制が敷かれている。報道の自由擁護を掲げる国際非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」などがプーチン大統領を非難する声明を発表したが、日本だって他人事ではない。自民党は、メディアへの介入を強めようと虎視眈々だ。 自民党の「情報通信戦略調査会」は9日、民放連とNHKの専務理事を呼んでBPO(放送倫理・番組向上機構)やテレビ各局の番組審議会の活動状況について質疑を行った。 日本テレビなどの報道によれば、出席議員からは「不祥事を起こした政治家が不快な表情をする映像が流れていることに対しBPOは注意しないのか」といった質問が出たという。それは不祥事を追及されて嫌な顔をする側の問題であって、放送倫理上の問題ではない。自分たちに不都合なことを報道するなというのは、プーチン大統領と変わらない発想だ。 しかも、佐藤勉調査会長は会議後、「BPO委員の人選に国会が関われないか提起したい」なんて言っていた。ただでさえ、大メディアがロクに政権批判をしない現状なのに、さらに統制を強めようというのか。第2次安倍政権で息のかかった人物をNHKの経営委員会に送り込み、支配下に置いただけでは飽き足らず、民放にも手を突っ込もうというのである』、「出席議員からは「不祥事を起こした政治家が不快な表情をする映像が流れていることに対しBPOは注意しないのか」といった質問が出た」、のには心底驚かされた。厚かましいにもほどがある。確かに「BPO」を通じて「民放にも手を突っ込」むことを狙っているのだろう。 
・『「不勉強」「稚拙」と猛抗議  これにはさすがに、普段はおとなしい民放も抗議の声を上げ<放送法について、一から学びなおすべきでしょう> <民主主義社会の基盤となる言論・表現の自由を脅かすような論議が政権与党内で行われていることに対して、私たちは放送で働く者として、強く抗議します> 主張はごもっとも。だが、自民党をここまで増長させたのは、政権に忖度して口をつぐんできた大メディアの責任でもある。そこは忘れないで欲しい。た。14日、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)が声明を発表。情報通信戦略調査会の議論について、珍しく厳しい言葉で糾弾したのだ。 <今回明らかになった議論では、政治家の映像の使用に関わる意見など、自らの都合のいいように放送番組を左右しようという稚拙な発想もうかがえます>』、「普段はおとなしい民放も抗議の声を上げ」たのは当然だ。「自民党の「情報通信戦略調査会」」のメンバーは「情報通信」のプロであるにも拘らず、このようなお粗末な認識で議論しているとは、恥ずかしい限りだ。一般のマスコミももっと批判的に紹介すべきだろう。   
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