保険(その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担) [金融]
保険については、2月14日に取上げた。今日は、(その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担)である。
先ずは、3月23日付けデイリー新潮「大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03231132/?all=1
・『保険金の受取人となっていた20代の男性 昨年7月、大阪府高槻市にある一軒家で一人暮らしをしていた高井直子さん(54)が遺体で見つかった事件。カギとなっているのは、彼女に1億5千万円の保険金が掛けられていたという点だ。その受取人である20代養子男性の素顔とは――。 高井さんは水の張られた浴槽に顔が浸かった状態で発見されたが、右手首に結束バンドが巻かれていたことから、府警は事件性を疑って捜査を開始。その後の調べで左手首にも結束バンドの跡が見つかったため、府警は何者かが高井さんの両手を縛り、溺死を装って殺害したと考えて捜査を進めているという。室内に荒らされた様子はなく、居間には70万円入りの封筒や通帳などが残されていたため、物盗りによる犯行の線は早い段階で消えたが――。 「一方で注目を集めたのは、彼女に1億5千万円もの保険金が掛けられていたこと。保険金の受取人は、昨年2月頃に彼女の養子になった、都内在住のAという20代後半の男性でした」(社会部記者) つまり、高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後であることから、彼に疑いの目が向けられているのである。では、一体A氏とはどのような人物なのか』、「高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後」、典型的な保険金殺人事件だ。
・『家賃30万円以上の赤坂のタワマン A氏は関西の有名私大でアメフト選手として活躍した後、大手コンサルティング会社、外資系保険会社を渡り歩き、現在は退職している。彼の知人によると、現在の住まいは「家賃30万円は下らない赤坂の高級タワマン」で、会社勤めを辞めた後に周囲には「FXで儲けている」と豪語していたという。 「高井さんには2社合計で1億5千万円の生命保険が掛けられていましたが、そのうちひとつは、かつてAが在籍していた外資系保険会社のものでした」(前出の記者) 3月24日発売の「週刊新潮」では、離婚調停中のA氏が抱えていた“慰謝料問題”などと併せて詳報する』、「A氏」は絵に描いたようなエリートサラリーマンだ。通常、「1億5千万円の保険金」程度で殺人を犯すとは考え難いが、“慰謝料問題”があるのであれば、動機になり得る。真相が知りたいところだ。
次に、5月16日付け東洋経済オンライン「マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/588822
・『マニュライフ生命保険による節税効果を過度に強調した営業行為をめぐって、当時主導していた元幹部社員と責任追及に向けた金融庁との攻防戦の幕が開こうとしている。 生命保険を活用した節税指南という不適切な営業行為をめぐって、金融庁がマニュライフ生命保険に対して実施している立ち入り検査が大詰めを迎えている。 監督官庁による立ち入り検査となれば、本来は行政処分が下るか否かに大きな注目が集まるものの、今回はやや様子が異なる。 なぜなら、マニュライフに対する行政処分はもはや必至の情勢とみられているからだ。生保業界の関心は処分の有無をすでに通り越し、旧経営陣など責任追及の範囲がどこまで及ぶかに移っている。 状況を正しく理解するために、まずは検査に至った経緯とその背景から振り返っていこう』、興味深そうだ。
・『金融庁と国税庁が規制を強化 金融庁がマニュライフへの立ち入り検査に着手したのは、2022年2月のこと。きっかけは2021年6月、金融庁と国税庁が「節税保険」に対する規制を強化したことにあった。 マニュライフをはじめとする一部の生保はそれまで、低解約返戻金型の逓増定期という法人向けの保険商品を使い、「名変(名義変更)プラン」と呼ばれる節税効果を過度に強調するような営業を展開していた。 同商品はおおむね契約から5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっている。その仕組みを利用して、契約者は5年目になる直前に契約の名義を法人から役員など個人に変更し譲渡。そうすると返戻金は税制上個人の一時所得として扱われ、役員報酬などと比べて所得税の負担を大きく軽減できるというからくりだ。 節税効果を出すには、法人から個人への名義変更手続きをピンポイントでおこなう必要があるものの、そのからくりを営業職員が何らの資料もなしに、口頭だけで説明し契約者に理解してもらうのは簡単ではない。 そこでマニュライフなどの一部の生保は、節税のスキームを記した「指南書」を内々に作成し、販売代理店などに配布しながら拡販に汗を流していたわけだ) 税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ。 ただその後、2017年に日本生命保険がプラチナ型と呼ばれる新たな法人向けの定期保険を開発。名義変更といった面倒な手続きが不要で、節税効果が高いこともあって、各社はプラチナ型の節税保険の販売に一気に傾注していった。 プラチナ型の節税保険市場は、業界推計で約8000億円にまで膨張するなど一大ブームを巻き起こしたが、業を煮やした金融庁と国税庁が2019年6月に規制強化に踏み切り、通達の改正によってほぼ節税効果が得られないようなかたちになったという経緯がある。 そのとき、最も割を食ったのがマニュライフだった。当時、節税効果(単純返戻率)が最も高いプラチナ型の商品を開発。拡販をまさに進めようとしていた矢先に、規制強化で販売を封じられる憂き目にあってしまったのだ。 ある生保の幹部は「そのときのやり切れない思いが、下火になっていた名変プランに再び目を向けさせ、以降の節税指南の営業推進につながっていったようだ」と解説する』、「税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ」、「「租税回避行為」に近い」とは言い得て妙だ。
・『既契約も規制対象にし生保に鉄槌 その後、マニュライフだけでなく、エヌエヌ生命保険、SOMPOひまわり生命保険、FWD生命保険も、結果として規制強化の網をすり抜けた名変プランに目を付け、営業に力を入れるようになっていった。 事態が大きく動いたのは、2021年6月。節税保険をめぐるイタチごっこに堪忍袋の緒が切れた金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下したのだ。節税保険が実質的に「既契約遡及」となるのは、2006年の長期傷害保険以来、実に15年ぶりのことだった。) そのため金融庁は、さらなる実態調査が必要と判断し、以降は生保各社や販売代理店に対して厳しい調査を進めていった。その中で明るみに出たのが、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」(生保役員)ことだった。 金融庁は、そうした不適切な営業行為の「悪質性、反復性、組織性を鑑みた」(金融庁幹部)うえで、マニュライフへの立ち入り検査に踏み切ったというのがこれまでの流れだ』、「2021年6月・・・金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下した」にも拘らず、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」、というのは当局に対する挑戦に近い。
・『マニュライフ元幹部たちの「逃げ得」 その中で浮かび上がった大きな課題がある。それは、不適切営業における責任の追及範囲だ。実は、マニュライフで逓増定期保険の拡販を陰に陽に進めていた一部の幹部社員たちは、すでに転職してしまっており、金融庁として保険業法などの法律に基づき責任を追及するのが難しくなっているのだ。 マニュライフの旧幹部社員たちの主な転職先の一つが、アフラック生命保険。折しもアフラックは、2019年の「かんぽ不正問題」以来、郵便局を通じたがん保険などの販売が低迷し保有契約件数の純減が続くなど、営業の立て直しが急務になっている。 そのミッションを営業部門の責任者として担っているのが、ほかでもないマニュライフからの転職組だ。社内会議では「2024年までに(新契約年換算保険料をコロナ禍の前水準となる)800億円を達成」とぶち上げるなど、その鼻息は荒い。 足元では新契約獲得のためのドアノック商品として、ペット保険を販売メニューに加えようと、専門に扱う東京都内の少額短期保険業者の買収も検討している。 アフラックのある役員からは「そのうちに手っ取り早く新契約を獲得しようと、医療保険を使った節税指南の推進などと言い出すのではないかと内心ひやひやしている」との声が漏れる。 不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ。 過去の契約についても「期待していた税務上の効果が得られないまま保険料を負担することになってしまい、保険契約者保護という面で生じた問題は大きい」と金融庁幹部が話すように、契約者に“実害”が出てしまうことへの責任は、生保業界が認識している以上に大きいものだった』、「不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ」、「新天地で」の「営業推進」を「不適切」にやっていないか否かをチェックするほかなさそうだ。
第三に、5月18日付け東洋経済オンライン「生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/589045
・『生命保険会社の営業職員の給与は、理不尽なほど少ない。課された営業目標を達成しても、固定給が年を追うごとに下がっていく。 「え?なんでこんなに少ないの……」 2020年から国内の生保A社の営業職員として働くTさん(女性、30代)は、入社から1年数カ月が経ったころ、会社から渡された月額給与の明細表を見て言葉を失った。 固定給と歩合給などを合計した給与(課税対象額)が12万円台で、そこから所得税や社会保険料などを控除した手取り額が約10万円だったのだ。入社から3カ月ごとにある査定(営業成績の評価)は毎回クリアしていた。約30人いる同期入社の職員の中でも営業成績は上位で、通常は2年かかる営業主任にも「飛び級」で昇格した。 それにもかかわらず、初任給を大きく下回る月額給与にまで落ち込んでいた。「時には休日出勤までして、フルタイムで働いているのにこの給与では生活水準が維持できない」とTさんは困惑している。 いったい生命保険会社の営業職員の給与体系はどうなっているのか』、興味深そうだ。
・『ノルマ未達なら雇用契約は打ち切りに 一般的に営業職員の給与は、勤務する地域や職位(役職など)によって決まる固定給と、毎月の営業成績に応じて支払われる歩合給の合計となっている。歩合給は営業成績次第で増減するので、給与総額は毎月変動する。 A生保の場合、入社時の固定給(いわゆる初任給)は月額14万~18万円で、Tさんが勤務する地域の初任給は15万円となっていた。 入社から3カ月間は固定給のみの支払いだったが、徐々に仕事を覚えて保険の契約を順調に獲得できるようになると、販売手当と呼ばれる歩合給の金額も増えていった。月によっては給与が20万円を超えることもあった。 生保会社の営業職員に対しては、おおむね3カ月~半年単位で、成績を評価する査定(「職選」と呼ぶ会社もある)が行われる。会社が定めた期間内に獲得した保険契約の件数や保険料などが基準(ノルマ)に達していれば昇格し、達していなければ現在の職位のままか、降格の憂き目に遭う。ノルマを大幅に下回れば、雇用契約の終了、つまり解雇されてしまう。) TさんはA社による5回の査定を無事にクリアして、新人職員の職位から営業主任へ昇格した。同期の営業職員には新規開拓がうまくできずに辞めていった人や、ノルマ未達で雇用契約終了となった人もいた。 ただ、査定をクリアするたびに固定給は段階的に減っていく。Tさんの場合、15万円でスタートした固定給は1年後に11.5万円となり、今では4.7万円と初任給の3分の1以下に減少した』、「歩合給」が十分にそれをカバーしているのだろうか。
・『営業の必要経費も「個人負担」に その一方で、獲得した保険契約を販売手数料(歩合給)に換算する割合である「支給レート」は段階的に上がった。だが、固定給の減少分を歩合給で補うには、A社の換算で「1000万基準ポイント」の保険契約を獲得しないと追いつかない。1000万基準ポイントとは、月5000円の掛け捨ての医療保険で月2件、一時払い500万円の外貨建て貯蓄性保険であれば月3件分に相当する。 しかし、この成績は、営業経験がなく入社した2年以内の新人が毎月コンスタントに獲得できる数字ではない。 入社から1年数カ月を過ぎた頃、Tさんの給与は月12万円台で、そこから所得税や社会保険料、労働組合費などを引かれ、手取り額は約10万円となった。「10万円の手取りから、個人で負担する必要経費を差し引くと5万円以下になる月もある。会社からは正社員と言われているのに、営業活動に関わる費用を負担させるのは疑問に思う」(Tさん)。 Tさんが言う「個人で負担する必要経費」とは、顧客訪問の際の交通費やガソリン代、駐車場代、名刺や年賀状、カレンダーなどの経費、顧客との飲食代などのことだ。生保の営業職員は、こうした営業活動に関わる費用を個人が負担する。会社は営業所までの往復の交通費ぐらいしか負担しない。 生保各社は営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている。簡単に言うと、生保の営業職員は「社会保険に加入した個人事業主」というほうがわかりやすい。 Tさんの場合、営業の際の車のガソリン代や駐車場代、顧客への贈答品代・飲食代などの営業費用が毎月5万円程度かかる。中でも馬鹿にならないのが駐車場代だ。毎日通う営業所に併設されている駐車場はA社の管理職専用のものであり、営業職員はみな個人で近くのコインパーキングなどを借りている。 営業所では毎朝、1時間かけて朝礼が行われる。したがって、「営業部長の話が3分で終われば駐車場代も安く上がるのに」というのは営業職員たちの偽らざる本音だ。 さらに、納得がいかないとTさんが語るのが、顧客に出す郵便物の切手代負担だ。例えば、契約者から入院給付金の請求手続きの依頼があった際、給付金請求書などの必要書類を契約者に発送する必要がある。A社では、その場合の郵便代も個人の負担になる。 「郵便局で切手を買って自分でポストに投函しに行く。その手間や費用負担を惜しむなら、『直接書類を届けるように』と会社から言われる。ただでさえ薄給なのに、どこまで私たちにコストを負担させれば気が済むのか」とTさんは憤る』、「営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている」、そうであれば、「切手代負担」もやむを得ないのだろう。
・『保険契約が解約されると手当が減額に 納得できないのはこれだけではない。生命保険会社の場合、大手でも中堅の会社でも、営業職員が獲得してきた保険の契約に対して、「戻入(れいにゅう)」の仕組みを取り入れている。戻入とは、新規で獲得した保険契約が2年以内に解約や減額された場合に、担当営業職員の販売手当が減らされる仕組みのことだ。 Tさんも戻入のペナルティを受けたことがある。ただ、顧客が保険を解約した理由は「コロナによる収入減で保険料が払えなくなったから」であり、Tさんの責任ではなかった。それでも容赦なく戻入金は発生し、営業職員がその責めを負う。戻入については、複数の営業職員から「解約になったら何でも私たちのせいにするのはおかしい」という不満の声が出ている。 今回取り上げたA社の給与体系のように、歩合給は成績によって変動するうえ、獲得した保険契約によって歩合給がいくらになるのか計算式は複雑だ。「毎月の給与は月末にもらう給与明細表を見るまでわからない」(Tさん)という悩みを抱える営業職員は少なくない。 大手生保の中には近年、固定給や歩合給の変動を小さくして給与を安定的に支払う制度への改革を進める会社も出てきている。 例えば、明治安田生命は2022年4月から、前年度の営業成績の評価に基づいて、1年間は定額の月給を支払う体系に変えている。また、第一生命も2022年4月以降に採用する新人営業職員の月額給与を、従来平均で60%アップさせて、入社から2年間はその給与を維持する制度を導入している。) こうした流れを受けて、A社も給与体系を変更しようとしている。まずは入社2年以内の新人の営業職員に対して、2022年4月~2023年3月の1年間の月額給与(額面)は、最低13万~17万円(地域によって異なる)を保障する。ただ1年間の試行実施であり、2023年度以降も継続するかは未定という。 新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ』、「新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ」、なるほど。
・『十分な事前説明なく営業職員を採用 生命保険会社の処遇で一番大きな問題は、このように独特で複雑な給与体系や雇用の形態、査定結果により降格や雇用契約終了もあることなどを十分に説明せずに営業職員を採用していることだ。 東洋経済の取材に対し、複数の営業職員は「採用時には正社員であることや社会保険に加入できることなどのメリットばかり強調されて、デメリットの説明は一切なかった」と口をそろえる。これは大手、中堅とも変わらない。それどころか大多数の営業職員が「ノルマなどはない」「査定はあるが誰でも達成できる」など、事実と異なる説明を受けていた。 「仕事の選択」という人生を左右しかねない重大な局面において、嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている。その活動によって、毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく。 従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない。 【情報提供のお願い】東洋経済では、保険営業の抱える課題を継続的に取り上げていきます。こちらのフォームへ、保険営業に関する情報提供をお待ちしております』、「毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく」、「嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている」、まさにブラックな採用活動だ。「従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない」、同感である。
先ずは、3月23日付けデイリー新潮「大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03231132/?all=1
・『保険金の受取人となっていた20代の男性 昨年7月、大阪府高槻市にある一軒家で一人暮らしをしていた高井直子さん(54)が遺体で見つかった事件。カギとなっているのは、彼女に1億5千万円の保険金が掛けられていたという点だ。その受取人である20代養子男性の素顔とは――。 高井さんは水の張られた浴槽に顔が浸かった状態で発見されたが、右手首に結束バンドが巻かれていたことから、府警は事件性を疑って捜査を開始。その後の調べで左手首にも結束バンドの跡が見つかったため、府警は何者かが高井さんの両手を縛り、溺死を装って殺害したと考えて捜査を進めているという。室内に荒らされた様子はなく、居間には70万円入りの封筒や通帳などが残されていたため、物盗りによる犯行の線は早い段階で消えたが――。 「一方で注目を集めたのは、彼女に1億5千万円もの保険金が掛けられていたこと。保険金の受取人は、昨年2月頃に彼女の養子になった、都内在住のAという20代後半の男性でした」(社会部記者) つまり、高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後であることから、彼に疑いの目が向けられているのである。では、一体A氏とはどのような人物なのか』、「高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後」、典型的な保険金殺人事件だ。
・『家賃30万円以上の赤坂のタワマン A氏は関西の有名私大でアメフト選手として活躍した後、大手コンサルティング会社、外資系保険会社を渡り歩き、現在は退職している。彼の知人によると、現在の住まいは「家賃30万円は下らない赤坂の高級タワマン」で、会社勤めを辞めた後に周囲には「FXで儲けている」と豪語していたという。 「高井さんには2社合計で1億5千万円の生命保険が掛けられていましたが、そのうちひとつは、かつてAが在籍していた外資系保険会社のものでした」(前出の記者) 3月24日発売の「週刊新潮」では、離婚調停中のA氏が抱えていた“慰謝料問題”などと併せて詳報する』、「A氏」は絵に描いたようなエリートサラリーマンだ。通常、「1億5千万円の保険金」程度で殺人を犯すとは考え難いが、“慰謝料問題”があるのであれば、動機になり得る。真相が知りたいところだ。
次に、5月16日付け東洋経済オンライン「マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/588822
・『マニュライフ生命保険による節税効果を過度に強調した営業行為をめぐって、当時主導していた元幹部社員と責任追及に向けた金融庁との攻防戦の幕が開こうとしている。 生命保険を活用した節税指南という不適切な営業行為をめぐって、金融庁がマニュライフ生命保険に対して実施している立ち入り検査が大詰めを迎えている。 監督官庁による立ち入り検査となれば、本来は行政処分が下るか否かに大きな注目が集まるものの、今回はやや様子が異なる。 なぜなら、マニュライフに対する行政処分はもはや必至の情勢とみられているからだ。生保業界の関心は処分の有無をすでに通り越し、旧経営陣など責任追及の範囲がどこまで及ぶかに移っている。 状況を正しく理解するために、まずは検査に至った経緯とその背景から振り返っていこう』、興味深そうだ。
・『金融庁と国税庁が規制を強化 金融庁がマニュライフへの立ち入り検査に着手したのは、2022年2月のこと。きっかけは2021年6月、金融庁と国税庁が「節税保険」に対する規制を強化したことにあった。 マニュライフをはじめとする一部の生保はそれまで、低解約返戻金型の逓増定期という法人向けの保険商品を使い、「名変(名義変更)プラン」と呼ばれる節税効果を過度に強調するような営業を展開していた。 同商品はおおむね契約から5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっている。その仕組みを利用して、契約者は5年目になる直前に契約の名義を法人から役員など個人に変更し譲渡。そうすると返戻金は税制上個人の一時所得として扱われ、役員報酬などと比べて所得税の負担を大きく軽減できるというからくりだ。 節税効果を出すには、法人から個人への名義変更手続きをピンポイントでおこなう必要があるものの、そのからくりを営業職員が何らの資料もなしに、口頭だけで説明し契約者に理解してもらうのは簡単ではない。 そこでマニュライフなどの一部の生保は、節税のスキームを記した「指南書」を内々に作成し、販売代理店などに配布しながら拡販に汗を流していたわけだ) 税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ。 ただその後、2017年に日本生命保険がプラチナ型と呼ばれる新たな法人向けの定期保険を開発。名義変更といった面倒な手続きが不要で、節税効果が高いこともあって、各社はプラチナ型の節税保険の販売に一気に傾注していった。 プラチナ型の節税保険市場は、業界推計で約8000億円にまで膨張するなど一大ブームを巻き起こしたが、業を煮やした金融庁と国税庁が2019年6月に規制強化に踏み切り、通達の改正によってほぼ節税効果が得られないようなかたちになったという経緯がある。 そのとき、最も割を食ったのがマニュライフだった。当時、節税効果(単純返戻率)が最も高いプラチナ型の商品を開発。拡販をまさに進めようとしていた矢先に、規制強化で販売を封じられる憂き目にあってしまったのだ。 ある生保の幹部は「そのときのやり切れない思いが、下火になっていた名変プランに再び目を向けさせ、以降の節税指南の営業推進につながっていったようだ」と解説する』、「税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ」、「「租税回避行為」に近い」とは言い得て妙だ。
・『既契約も規制対象にし生保に鉄槌 その後、マニュライフだけでなく、エヌエヌ生命保険、SOMPOひまわり生命保険、FWD生命保険も、結果として規制強化の網をすり抜けた名変プランに目を付け、営業に力を入れるようになっていった。 事態が大きく動いたのは、2021年6月。節税保険をめぐるイタチごっこに堪忍袋の緒が切れた金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下したのだ。節税保険が実質的に「既契約遡及」となるのは、2006年の長期傷害保険以来、実に15年ぶりのことだった。) そのため金融庁は、さらなる実態調査が必要と判断し、以降は生保各社や販売代理店に対して厳しい調査を進めていった。その中で明るみに出たのが、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」(生保役員)ことだった。 金融庁は、そうした不適切な営業行為の「悪質性、反復性、組織性を鑑みた」(金融庁幹部)うえで、マニュライフへの立ち入り検査に踏み切ったというのがこれまでの流れだ』、「2021年6月・・・金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下した」にも拘らず、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」、というのは当局に対する挑戦に近い。
・『マニュライフ元幹部たちの「逃げ得」 その中で浮かび上がった大きな課題がある。それは、不適切営業における責任の追及範囲だ。実は、マニュライフで逓増定期保険の拡販を陰に陽に進めていた一部の幹部社員たちは、すでに転職してしまっており、金融庁として保険業法などの法律に基づき責任を追及するのが難しくなっているのだ。 マニュライフの旧幹部社員たちの主な転職先の一つが、アフラック生命保険。折しもアフラックは、2019年の「かんぽ不正問題」以来、郵便局を通じたがん保険などの販売が低迷し保有契約件数の純減が続くなど、営業の立て直しが急務になっている。 そのミッションを営業部門の責任者として担っているのが、ほかでもないマニュライフからの転職組だ。社内会議では「2024年までに(新契約年換算保険料をコロナ禍の前水準となる)800億円を達成」とぶち上げるなど、その鼻息は荒い。 足元では新契約獲得のためのドアノック商品として、ペット保険を販売メニューに加えようと、専門に扱う東京都内の少額短期保険業者の買収も検討している。 アフラックのある役員からは「そのうちに手っ取り早く新契約を獲得しようと、医療保険を使った節税指南の推進などと言い出すのではないかと内心ひやひやしている」との声が漏れる。 不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ。 過去の契約についても「期待していた税務上の効果が得られないまま保険料を負担することになってしまい、保険契約者保護という面で生じた問題は大きい」と金融庁幹部が話すように、契約者に“実害”が出てしまうことへの責任は、生保業界が認識している以上に大きいものだった』、「不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ」、「新天地で」の「営業推進」を「不適切」にやっていないか否かをチェックするほかなさそうだ。
第三に、5月18日付け東洋経済オンライン「生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/589045
・『生命保険会社の営業職員の給与は、理不尽なほど少ない。課された営業目標を達成しても、固定給が年を追うごとに下がっていく。 「え?なんでこんなに少ないの……」 2020年から国内の生保A社の営業職員として働くTさん(女性、30代)は、入社から1年数カ月が経ったころ、会社から渡された月額給与の明細表を見て言葉を失った。 固定給と歩合給などを合計した給与(課税対象額)が12万円台で、そこから所得税や社会保険料などを控除した手取り額が約10万円だったのだ。入社から3カ月ごとにある査定(営業成績の評価)は毎回クリアしていた。約30人いる同期入社の職員の中でも営業成績は上位で、通常は2年かかる営業主任にも「飛び級」で昇格した。 それにもかかわらず、初任給を大きく下回る月額給与にまで落ち込んでいた。「時には休日出勤までして、フルタイムで働いているのにこの給与では生活水準が維持できない」とTさんは困惑している。 いったい生命保険会社の営業職員の給与体系はどうなっているのか』、興味深そうだ。
・『ノルマ未達なら雇用契約は打ち切りに 一般的に営業職員の給与は、勤務する地域や職位(役職など)によって決まる固定給と、毎月の営業成績に応じて支払われる歩合給の合計となっている。歩合給は営業成績次第で増減するので、給与総額は毎月変動する。 A生保の場合、入社時の固定給(いわゆる初任給)は月額14万~18万円で、Tさんが勤務する地域の初任給は15万円となっていた。 入社から3カ月間は固定給のみの支払いだったが、徐々に仕事を覚えて保険の契約を順調に獲得できるようになると、販売手当と呼ばれる歩合給の金額も増えていった。月によっては給与が20万円を超えることもあった。 生保会社の営業職員に対しては、おおむね3カ月~半年単位で、成績を評価する査定(「職選」と呼ぶ会社もある)が行われる。会社が定めた期間内に獲得した保険契約の件数や保険料などが基準(ノルマ)に達していれば昇格し、達していなければ現在の職位のままか、降格の憂き目に遭う。ノルマを大幅に下回れば、雇用契約の終了、つまり解雇されてしまう。) TさんはA社による5回の査定を無事にクリアして、新人職員の職位から営業主任へ昇格した。同期の営業職員には新規開拓がうまくできずに辞めていった人や、ノルマ未達で雇用契約終了となった人もいた。 ただ、査定をクリアするたびに固定給は段階的に減っていく。Tさんの場合、15万円でスタートした固定給は1年後に11.5万円となり、今では4.7万円と初任給の3分の1以下に減少した』、「歩合給」が十分にそれをカバーしているのだろうか。
・『営業の必要経費も「個人負担」に その一方で、獲得した保険契約を販売手数料(歩合給)に換算する割合である「支給レート」は段階的に上がった。だが、固定給の減少分を歩合給で補うには、A社の換算で「1000万基準ポイント」の保険契約を獲得しないと追いつかない。1000万基準ポイントとは、月5000円の掛け捨ての医療保険で月2件、一時払い500万円の外貨建て貯蓄性保険であれば月3件分に相当する。 しかし、この成績は、営業経験がなく入社した2年以内の新人が毎月コンスタントに獲得できる数字ではない。 入社から1年数カ月を過ぎた頃、Tさんの給与は月12万円台で、そこから所得税や社会保険料、労働組合費などを引かれ、手取り額は約10万円となった。「10万円の手取りから、個人で負担する必要経費を差し引くと5万円以下になる月もある。会社からは正社員と言われているのに、営業活動に関わる費用を負担させるのは疑問に思う」(Tさん)。 Tさんが言う「個人で負担する必要経費」とは、顧客訪問の際の交通費やガソリン代、駐車場代、名刺や年賀状、カレンダーなどの経費、顧客との飲食代などのことだ。生保の営業職員は、こうした営業活動に関わる費用を個人が負担する。会社は営業所までの往復の交通費ぐらいしか負担しない。 生保各社は営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている。簡単に言うと、生保の営業職員は「社会保険に加入した個人事業主」というほうがわかりやすい。 Tさんの場合、営業の際の車のガソリン代や駐車場代、顧客への贈答品代・飲食代などの営業費用が毎月5万円程度かかる。中でも馬鹿にならないのが駐車場代だ。毎日通う営業所に併設されている駐車場はA社の管理職専用のものであり、営業職員はみな個人で近くのコインパーキングなどを借りている。 営業所では毎朝、1時間かけて朝礼が行われる。したがって、「営業部長の話が3分で終われば駐車場代も安く上がるのに」というのは営業職員たちの偽らざる本音だ。 さらに、納得がいかないとTさんが語るのが、顧客に出す郵便物の切手代負担だ。例えば、契約者から入院給付金の請求手続きの依頼があった際、給付金請求書などの必要書類を契約者に発送する必要がある。A社では、その場合の郵便代も個人の負担になる。 「郵便局で切手を買って自分でポストに投函しに行く。その手間や費用負担を惜しむなら、『直接書類を届けるように』と会社から言われる。ただでさえ薄給なのに、どこまで私たちにコストを負担させれば気が済むのか」とTさんは憤る』、「営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている」、そうであれば、「切手代負担」もやむを得ないのだろう。
・『保険契約が解約されると手当が減額に 納得できないのはこれだけではない。生命保険会社の場合、大手でも中堅の会社でも、営業職員が獲得してきた保険の契約に対して、「戻入(れいにゅう)」の仕組みを取り入れている。戻入とは、新規で獲得した保険契約が2年以内に解約や減額された場合に、担当営業職員の販売手当が減らされる仕組みのことだ。 Tさんも戻入のペナルティを受けたことがある。ただ、顧客が保険を解約した理由は「コロナによる収入減で保険料が払えなくなったから」であり、Tさんの責任ではなかった。それでも容赦なく戻入金は発生し、営業職員がその責めを負う。戻入については、複数の営業職員から「解約になったら何でも私たちのせいにするのはおかしい」という不満の声が出ている。 今回取り上げたA社の給与体系のように、歩合給は成績によって変動するうえ、獲得した保険契約によって歩合給がいくらになるのか計算式は複雑だ。「毎月の給与は月末にもらう給与明細表を見るまでわからない」(Tさん)という悩みを抱える営業職員は少なくない。 大手生保の中には近年、固定給や歩合給の変動を小さくして給与を安定的に支払う制度への改革を進める会社も出てきている。 例えば、明治安田生命は2022年4月から、前年度の営業成績の評価に基づいて、1年間は定額の月給を支払う体系に変えている。また、第一生命も2022年4月以降に採用する新人営業職員の月額給与を、従来平均で60%アップさせて、入社から2年間はその給与を維持する制度を導入している。) こうした流れを受けて、A社も給与体系を変更しようとしている。まずは入社2年以内の新人の営業職員に対して、2022年4月~2023年3月の1年間の月額給与(額面)は、最低13万~17万円(地域によって異なる)を保障する。ただ1年間の試行実施であり、2023年度以降も継続するかは未定という。 新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ』、「新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ」、なるほど。
・『十分な事前説明なく営業職員を採用 生命保険会社の処遇で一番大きな問題は、このように独特で複雑な給与体系や雇用の形態、査定結果により降格や雇用契約終了もあることなどを十分に説明せずに営業職員を採用していることだ。 東洋経済の取材に対し、複数の営業職員は「採用時には正社員であることや社会保険に加入できることなどのメリットばかり強調されて、デメリットの説明は一切なかった」と口をそろえる。これは大手、中堅とも変わらない。それどころか大多数の営業職員が「ノルマなどはない」「査定はあるが誰でも達成できる」など、事実と異なる説明を受けていた。 「仕事の選択」という人生を左右しかねない重大な局面において、嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている。その活動によって、毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく。 従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない。 【情報提供のお願い】東洋経済では、保険営業の抱える課題を継続的に取り上げていきます。こちらのフォームへ、保険営業に関する情報提供をお待ちしております』、「毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく」、「嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている」、まさにブラックな採用活動だ。「従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない」、同感である。
タグ:「2021年6月・・・金融庁と国税庁は、名変プランによる節税スキームを封じることに加えて、過去の契約についてもさかのぼって規制するという鉄槌を下した」にも拘らず、「マニュライフが昨夏以降も懲りずに、個人年金保険などの商品を使って節税指南をするような営業をしていた」、というのは当局に対する挑戦に近い。 「税制の抜け穴を通すような手法は、節税というよりもはや「租税回避行為」に近いといえるが、そうした営業が横行し始めたのは何もここ1~2年の話ではない。 逓増定期保険の名変プランは、明治安田生命保険が同種の商品を投入した2015年ごろから、業界内ですでに盛り上がっていたというのが実情だ」、「「租税回避行為」に近い」とは言い得て妙だ。 保険 東洋経済オンライン「マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に」 「A氏」は絵に描いたようなエリートサラリーマンだ。通常、「1億5千万円の保険金」程度で殺人を犯すとは考え難いが、“慰謝料問題”があるのであれば、動機になり得る。真相が知りたいところだ。 「高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。さらに、巨額の生命保険を契約した後」、典型的な保険金殺人事件だ。 デイリー新潮「大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔」 「毎年4万人前後の営業職員が新たに誕生するが、入社から5年以内にその8割もの人が失意のもとに会社を去っていく」、「嘘をついたり、本当のことを隠したりして採用活動を行うことが、生保各社で当たり前のように行われている」、まさにブラックな採用活動だ。「従来のビジネスモデルに固執し、働き方改革や女性活躍推進の風潮と逆行する経営を続ける限り、生保会社の営業職員チャネルに未来はない」、同感である。 「新しい給与体系を導入した生保会社の営業職員であっても、一定期間が過ぎれば固定給は下がり、歩合給の比率が高まっていくのは言うまでもない。つまり、常に新規の保険契約を獲得し続けないと営業職員として存続ができない仕組みなのだ」、なるほど。 「営業職員を募集する際に「正社員」とことさらに強調するが、税務上はあくまで個人事業主であり、毎年の確定申告が義務付けられている」、そうであれば、「切手代負担」もやむを得ないのだろう。 (その6)(大阪高槻・54歳女性溺死事件 保険金1.5億円の受取人になっていた“20代養子”の素顔、マニュライフ生命「租税回避」指南に下る厳罰 元幹部社員たちに対する責任追及が焦点に、生保レディ 昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了 経費も負担) 「歩合給」が十分にそれをカバーしているのだろうか。 東洋経済オンライン「生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担」 「不適切営業の中心人物たちが、華麗な転身でその責任からうまく逃れ、新天地でまたぞろ営業推進に汗を流すという不健全な現状に、金融庁がどこまでメスを入れられるか。監督当局としての威信をかけた攻防戦が本格化するのは、まさにこれからだ」、「新天地で」の「営業推進」を「不適切」にやっていないか否かをチェックするほかなさそうだ。