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携帯・スマホ(その8)(格安事業者はもう不要?大手値下げで消滅危機 格安スマホ 「7年で7割減」市場の壮絶生存バトル、ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情 コスト削減大号令 「1000億円以上浮く」試算も、ドコモが大量閉店へ 「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」) [産業動向]

携帯・スマホについては、昨年10月7日に取上げた。今日は、(その8)(格安事業者はもう不要?大手値下げで消滅危機 格安スマホ 「7年で7割減」市場の壮絶生存バトル、ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情 コスト削減大号令 「1000億円以上浮く」試算も、ドコモが大量閉店へ 「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」)である。

先ずは、本年3月22日付け東洋経済オンライン「格安事業者はもう不要?大手値下げで消滅危機 格安スマホ、「7年で7割減」市場の壮絶生存バトル」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/577612
・『契約回線数は7年で7割減する――。格安スマホについてのそんな野村総研の推計が、業界に衝撃を与えた。競争が激化する中、生き残りの道はあるか。 携帯電話料金値下げに一役買ってきた「格安スマホ」事業者が、消滅の危機に直面している。NTTドコモをはじめとする大手キャリアが「格安プラン」の提供を始めたことで、存在意義が宙に浮いてしまったからだ。 実際、足元では通信品質などに優れる大手キャリアへの顧客流出が顕著だ。そんな中、格安スマホを展開してきたMVNO(仮想移動体通信事業者)の契約回線数が「7年で7割減少する」という推計も飛び出し、業界をざわつかせている。 2021年12月にこの推計を発表したのは、国内大手シンクタンクの野村総合研究所。アンケート調査などを基に、MNO(大手キャリア)とMVNO、それぞれの市場動向について独自試算したものだ』、「契約回線数は7年で7割減」とは衝撃的な予測だ。
・『市場縮小を加速する2要因  MVNOとは、大手キャリアから通信回線を借り受けて格安スマホの通信サービスを提供する事業者のこと。大手キャリアがカバーしていなかった低容量・低価格帯のプランを充実させ、節約志向が強い消費者を取り込んできた。 ところが野村総研の推計によれば、MVNOの契約回線数(携帯電話端末)は2019年度にピークアウトし、2020年度末は1351万、2021年度末は958万と急減する。そして2027年度末には456万と、ピーク時の3割程度まで縮小する見立てだ。 大きな要因は2つある。1つは、すでに新規受付を停止したMVNO、楽天モバイルとLINEモバイル(2022年3月1日にソフトバンクに吸収合併)がMNO側に移行している影響だ。 楽天モバイルは「第4のキャリア」として2019年10月に一部の商用サービスを開始。2020年4月の正式ローンチ以降は、従前から営んでいたMVNOの新規受付は行っていない。LINEモバイルもソフトバンクの傘下入りを経て、2021年3月以降は同社のオンライン専用プラン「LINEMO(ラインモ)」への転換を進めている。 かつてはMVNOにカウントされていたこれらサービスがMNO側に移ることで、MVNO側の見かけ上の減りが大きくなるわけだ。 より本質的、かつMVNO勢にとって深刻なのは、2つ目の要因だ。野村総研の澤田和志主任コンサルタントは、「今後は大手キャリアのサブブランドや、昨春から開始した新料金プランへの顧客流出が急増する」とみる。 なぜなら、MVNOのほぼ唯一にして最大の売りであった「価格優位性」が、消滅しかかっているからだ。) ドコモは2021年3月、オンライン専用の新料金プラン「ahamo(アハモ)」を投入した。続いてKDDIは「povo(ポヴォ、2021年9月にpovo2.0にリニューアル)」を、ソフトバンクはLINEMOを投入。楽天もデータ使用量1GB(ギガバイト)以下を無料とする新料金プランの提供を開始した。 積極的な広告宣伝の効果もあってか、大手キャリアの「格安プラン」は消費者から広く支持を集めている。 ahamoは「(2022年2月上旬時点で)200万台の真ん中くらい」(NTTの澤田純社長)、povoは「(1月末時点で)百数十万」(KDDIの高橋誠社長)まで契約回線数が膨れ上がっており、楽天モバイルは2月に550万回線を突破した。いずれもMVNO最大手・インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供する「IIJmio」の約107万回線(2021年12月末時点)を大きく上回る規模だ。 料金プランを比べてみると、MVNOとMNOで大きな差はなくなりつつある。データ使用量が少なければ、むしろMNOのほうが安いケースすらある。 大手MVNO幹部は「キャリアは(携帯料金が0円でも)自社経済圏に顧客を囲い込んで収益化できるが、資金力に劣るわれわれは同じ土俵で戦えない。大手キャリアの0円プランは公正競争上問題ではないか」と恨み節を吐く。 MNO系では新プランに加えて、ソフトバンクの「ワイモバイル」、KDDIの「UQモバイル」といったサブブランドも、足並みをそろえる形の値下げを実施。こうなると、MVNOの優位性はますます薄くなる』、「かつてはMVNOにカウントされていたこれらサービス(楽天モバイルとLINEモバイル)がMNO側に移ることで、MVNO側の見かけ上の減りが大きくなるわけだ。 より本質的、かつMVNO勢にとって深刻なのは、2つ目の要因だ。野村総研の澤田和志主任コンサルタントは、「今後は大手キャリアのサブブランドや、昨春から開始した新料金プランへの顧客流出が急増する」とみる」「MVNOのほぼ唯一にして最大の売りであった「価格優位性」が、消滅しかかっているからだ」、なるほど。
・『「解約率は従前の2倍近くに」  こうした流れを受け、IIJが運営するIIJmioのほか、NTT系の「OCNモバイルONE」、関西電力傘下のオプテージの「mineo(マイネオ)」などの主要MVNO各社も相次ぎ料金プランを引き下げた。 値下げした大手MVNOの幹部は「顧客をつなぎとめるため、利幅を削るしかない」と説明する。中堅MVNO社員も「やむなく値下げ合戦に加わった結果、赤字を深掘りすることになった」とうなだれる。 IIJなどのMVNO大手は現状、かろうじて契約回線数を維持できている。が、業界団体のテレコムサービス協会MVNO委員会の佐々木太志主査は、「キャリアとの競争は厳しく、とくにプランの見直しが遅れている各社は苦戦している」と話す。実際、ある中堅MVNO幹部は「昨春から解約率が従前の2倍近くにハネ上がり、高止まりしている」と嘆く。) 歴史を振り返ると、MVNOの先駆けは日本通信だ。1996年に法人向け携帯電話(通話のみ)のMVNOを、2001年にはDDIポケット(現ソフトバンク)のPHS回線を使ってデータ通信も行えるMVNOを開始した。 総務省は当時、MVNOに対し「大手の寡占で競争が停滞していた携帯市場に風穴を開けることを期待していた」(総務省関係者)。そのため、2007年にはMVNOの新規参入促進などを柱とした「モバイル市場活性化プラン」を策定。側面支援を続けてきた。 2010年代中盤には、楽天モバイルやmineoなどの参入が話題となり、「格安スマホ」という言葉が定着。複数のキャリア回線で使える「SIM(シム)フリー」のスマホ端末が普及したことも、MVNO市場の拡大を後押しした。以降は新規参入事業者が急増。2021年末時点で、全国約1600社を数える。 日本通信の福田尚久社長は「MVNOは低容量・低価格のニーズに加え、タブレット端末などの2台目、3台目SIMのニーズを取り込んできた」と振り返る。 一方、MVNOは舵取りの難しいビジネスでもある。通信網を自社で整備しなくていいとはいえ、とくにスケールメリットの効きにくい中小の事業者にとって回線の仕入れ費用の負担は重い。そのうえ、料金は大手キャリアより安くしなければ顧客にアピールできず、利幅は薄くなりがちだ。 中堅の日本通信の営業利益率は2021年4~12月期決算で約6%だが、これは事業立ち上げ期で営業赤字の続く楽天モバイルを除いたドコモ、KDDI、ソフトバンク(同20~22%)より圧倒的に低い。ある大手MVNOの幹部は「赤字の中小事業者も多いのでは」と推測する』、「MVNOは舵取りの難しいビジネスでもある。通信網を自社で整備しなくていいとはいえ、とくにスケールメリットの効きにくい中小の事業者にとって回線の仕入れ費用の負担は重い。そのうえ、料金は大手キャリアより安くしなければ顧客にアピールできず、利幅は薄くなりがち」、「ある大手MVNOの幹部は「赤字の中小事業者も多いのでは」と推測する」、なるほど。
・『座して死を待つわけじゃない  総務省の調査(2021年3月)では、ニューヨークなど世界主要6都市における携帯料金(20GB)の比較で、東京はロンドンに次いで低い水準となった。国際的に最も高い水準だった2020年から状況は一変しており、「(競争を促進する)MVNOの歴史的使命は終わった」(証券アナリスト)とまで言われている。 だが、MVNO各社は「座して死を待つ」わけではなさそうだ。マイネオを展開するオプテージの福留康和モバイル事業戦略部長は、「MVNOは大手キャリアと比べて(回線数が少なく)小回りがきくため、ニッチな顧客ニーズを実現しやすい。存在意義はこれからもなくならない」と反論する。 挽回に向けた動きも活発化している。大手キャリアの値下げで状況が一変したこの1年で、MVNO各社は「契約することで社会貢献ができる」「キャリア並みの通信品質」などの個性的なプランを相次ぎ投入している。 2021年10月には、ドコモが旗振り役となる異色のMVNO振興策「エコノミーMVNO」も始まった。提携するMVNOのプランを全国のドコモショップで販売するというものだ。ドコモ側にも提携したMVNOを「dポイント経済圏」に囲い込むどの狙いがあるようだ(詳細は3月22日配信記事:ドコモが「敵に塩」?格安スマホ囲い込む策の魂胆)。 安さを売りに一時代を築いた各社は、新たな存在意義を見いだし復権できるのか。MVNO事業者は、生き残りをかけた正念場を迎えている』、「ドコモが旗振り役となる異色のMVNO振興策「エコノミーMVNO」も始まった。提携するMVNOのプランを全国のドコモショップで販売するというもの」、「MVNO事業者は、生き残りをかけた正念場を迎えている」、というのは確かだ。

次に、6月6日付け東洋経済オンライン「ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情 コスト削減大号令、「1000億円以上浮く」試算も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/594399
・『向こう4年で最大3割の店舗を削減へ。NTTグループの全体戦略を俯瞰すると、ドコモがコスト削減に注力せざるをえない事情も見えてくる。 大胆な”店舗リストラ”の背景にはどんな思惑があるのか。 ドコモが全国の「ドコモショップ」の大幅削減に踏み出す。2023年3月期中に100店舗を、2026年3月期までに700店舗を減らし、2022年2月時点(2308店舗)から最大で3割近く削減する見通しだ。 携帯電話の契約数で業界首位のドコモは、店舗数でも現在業界最大規模。だが計画どおりに削減が進めば、単純計算でソフトバンク(2268店舗)やKDDI(2143店舗)より少ない「業界3番手」となる。 大手3社の販売店は、人口減少やオンライン経由の契約の比率が高まったことに伴い、近年微減傾向ではあった。ただ、大胆な削減に乗り出す会社はこれまでになく、新規参入の楽天モバイルはむしろ店舗拡大に積極的。店舗戦略は各社”まだら模様”だ』、「最大で3割近く削減する見通し」、かなり思い切った「削減」だ。
・『コスト削減効果は「1000億円以上」  そうした状況下で、なぜドコモは店舗削減に踏み込むのか。最大の目的はコスト削減だ。 「(700店舗を削減すれば)1000億円以上のコストカットになる」。SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストはこう試算する。 ドコモによると、2022年3月期に代理店へ支払った手数料や支援金など販売関連費用の総額は3266億円。この費用はおおむね店舗数に比例してかかるため、店舗数が3割減れば費用も3割ほど減ると、ざっくり計算できるわけだ。 店舗を削減する分、同社はリモート接客体制を強化するとしているが、リアル店に比べれば大きな負担減となるとみられる。 ドコモは2023年3月期(2022年1月に連結子会社化したNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアを含む)の営業利益を1兆0840億円(前期比1%増)と計画している。が、達成に向けては”綱渡り”状態であるといえ、そのことが今回の店舗削減にも関係している。 主軸の通信事業では2021年3月から投入した廉価なオンライン専用プラン「ahamo(アハモ)」への契約切り替えなどが進み、減収・減益トレンドが続く。これを「dカード」などの金融・決済や法人事業の伸びで補い、かろうじて増益基調を維持しているのが現状だ。 そんなドコモにとって、4年で1000億円におよぶコスト削減効果は極めて大きな意味を持つ。加えて、NTTグループの全体戦略を俯瞰すると、ドコモにはコスト削減に注力せざるをえない別の事情も見えてくる。 持ち株会社のNTTは、2021年10月に修正した中期経営戦略の中で、2024年3月期までに2018年3月期比で固定通信(固定電話など)と移動通信(携帯電話など)の事業にかかるコストを、累計1兆円以上削減する目標をぶち上げている。EPS(1株当たり純利益)を高め、株式市場での評価をさらに上げる狙いがある』、「ドコモにとって、4年で1000億円におよぶコスト削減効果は極めて大きな意味」、「持ち株会社のNTTは、2021年10月に修正した中期経営戦略の中で、2024年3月期までに2018年3月期比で固定通信・・・と移動通信・・・の事業にかかるコストを、累計1兆円以上削減する目標」、なるほど。
・『ショップ削減以外のコスト削減も  あるNTT関係者は「1兆円の内訳のうち、ドコモが半分程度を占める」と明かす。NTTの2022年3月期決算を見ると、ドコモを含む「総合ICT事業」の営業費用は全体の5割を占める。通信値下げ影響で大幅な増収が見込めない中、ドコモ事業の採算改善は急務だった。 ドコモのコスト削減額の内訳については「5割が販売関連費用、4割が基地局関連、1割がその他費用になる計画」(同)。ショップ削減とオンライン化推進は、まさに目玉施策の1つに位置づけられているようだ。 上記の1兆円計画とは別に、ドコモはコム、コムウェアとの統合により2024年3月期までに1000億円、2026年3月期までに2000億円の営業利益を創出することも掲げている。その内訳は増収効果と経費削減で半分ずつという方針で、この面でも各分野のコスト削減圧力は高まりつつあった。 コスト削減の大波はショップなど販売関連以外にもおよんでいる。例えば、NTTグループの中でも高水準とされるドコモ社員の給与水準切り下げ、5G基地局工事の効率化促進などだ。今後も2024年、2026年のそれぞれの目標に向け、追加的に施策を打つ可能性もありそうだ。) 今回明らかになったショップ削減に関していえば、今後の焦点はドコモの店舗削減が計画通りに進むのか、そして他キャリアも追随する形でショップ削減に踏み切るのか、という2点だ。 まず、店舗削減が計画通り進むのか。これに関しては、ドコモ側とショップを運営する販売代理店が協議を重ねているさなかとみられる。 ある大手代理店は「今期減らす分について目下交渉中で、まだ削減店舗を最終的に絞り切れていない」と明かす。将来的に削減する700店舗は「どこの店舗が対象になるのかもまったくわからない」(同)のが実態だ。 代理店にとって、今回ドコモが打ち出した削減方針は自社の存亡にかかわる一大事といえる(詳細は6月6日配信記事:ドコモが大量閉店へ、「ショップの潰し方」の全貌)。今後交渉が難航することも考えられる。 また、社内からは「ドコモショップを通じて販売している『ドコモ光』や『ドコモでんき』の売れ行きが鈍れば(供給元であるNTT東日本など)グループ全体に悪影響が出ないか」(NTTドコモの関係者)と懸念する声も聞かれる。こうした方面から戦略の見直しを迫られる可能性もゼロではない』、「代理店にとって」、「自社の存亡にかかわる一大事」、「今後交渉が難航することも考えられる」、「「ドコモショップを通じて販売している『ドコモ光』や『ドコモでんき』の売れ行きが鈍れば・・・グループ全体に悪影響」、「戦略の見直しを迫られる可能性もゼロではない」、なるほど。
・『ドコモとは事情の異なる他キャリア  他キャリアの追随についてはどうか。KDDIやソフトバンクは廉価なサブブランド「UQモバイル」「ワイモバイル」が近年の契約数増を牽引しているが、いずれも店舗での接客サービスに対応しているのが売りだ。 一方のドコモは、そうしたサブブランドを持たず、伸びているのはオンライン専用で契約時にリアル店舗をほぼ通さないアハモ。ほかの2社とは事情が異なり、各社の店舗戦略については「ドコモは利益追求のために削減、KDDI、ソフトバンク、楽天は契約数拡大のために残存と、違いがより鮮明化するのでは」(冒頭の菊池悟シニアアナリスト)との指摘がある。 とはいえ、他キャリアの動向について「オンライン契約比率がさらに高まっていけば(新規参入組の楽天モバイルを除く)大手2社もいずれドコモに追随するのでは」(中堅販売代理店)とみる向きもある。 ドコモショップ削減の余波は今後、社内外の各方面に出てきそうだ』、「ドコモは利益追求のために削減、KDDI、ソフトバンク、楽天は契約数拡大のために残存と、違いがより鮮明化するのでは」・・・との指摘」、「他キャリアの動向について「オンライン契約比率がさらに高まっていけば・・・大手2社もいずれドコモに追随するのでは」・・・とみる向きも」、当面は「ドコモ」だけが「削減」となりそうだ。

第三に、6月6日付け東洋経済オンライン「ドコモが大量閉店へ、「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/594453
・『来春までに100店以上の大量閉店を目指すドコモ。そのために代理店を“追い込む”施策を行っている。 「ドコモはショップを干し上げて利益を出せないようにしてから『やめるなら今のうちだぞ』と言ってきた。これは脅しだ」。あるドコモ代理店の幹部は、憤りの表情でまくし立てた。 ドコモはショップの経営が厳しくなる条件変更や独自商材・サービスへの制約を一方的に行ったうえで、運営する代理店に対し「申込期限付きの閉店支援金」を提示し、早期の決断を迫っている。ドコモのやり方に対し、有識者からは「優越的地位の濫用に当たる可能性がある」との指摘が出ている』、「ドコモ」としては、「優越的地位の濫用に当たる可能性」との「指摘」が出ることは覚悟の上で、踏み切った可能性がある。
・『一方的に条件を変更  複数の関係者によると、コスト削減を目的にドコモは約2300あるドコモショップのうち、まず2022年度末(2023年3月末)までに「少なくとも100店舗以上」の閉店を進める方針だ。翌年度以降も大量閉店を推し進め、数年内に1500~1600店ほどに絞りたい考えだという。 ドコモが100%子会社を通じて事実上、直営するショップ数は30のみ。98%以上のショップは代理店が運営する。ドコモの社内計画に沿った大量閉店の実現は、代理店に多数のショップを閉めさせなければ不可能だ。もしドコモが合理的な理由がなく代理店に閉店を命じれば、代理店との間で訴訟沙汰になりかねない。 ドコモもそこは認識しているのか、「著しい成績不良などやめさせる名目」がない限り、直接的な閉店命令までは下していない。その代わりにドコモが大量スピード閉店のために行っているのが、「3つのステップ」だ。 まずステップ1は、ショップへのインセンティブ(通信契約の獲得数などに応じた報奨金)や支援金の大幅カット、または廃止だ。インセンティブはドコモが店舗ごとに定めたノルマ(例えば他社からの通信契約の乗り換え獲得数)の達成率などで決まる。 ドコモのインセンティブカットの手法はすでに詳報しているが、目標値はドコモが一方的に決めるため、自由にバーを高くできる。これによって代理店の成績評価を下げ、インセンティブをいくらでもカットできる。) このインセンティブの条件の厳格化を如実に表す数字がある。約370のドコモショップを運営するドコモ最大の代理店・コネクシオの2022年3月期決算(2021年4月~2022年3月31日)の期初計画と、このほど発表された結果との乖離だ。 2021年3月期に営業利益106億円稼いだ同社は、ドコモが2021年3月下旬からオンライン受付専用の割安プラン「ahamo」を投入した影響などの逆風を考慮し、2021年4月に発表した2022年3月期の期初計画で営業利益予想を前年度比9.1%減の97億円としていた。 だが、コネクシオは2022年1月、営業利益予想を期初計画比からは17.5%減、対前年度比では25.0%減となる80億円へと大幅に下方修正し、ドコモの代理店関係者の間で大きな話題になった。結局、4月27日に発表した実際の結果は下方修正とほぼ同じ営業利益80億円強となった。 コネクシオが5月12日に開いた決算説明会で、直田宏社長は当初の見通しとのズレについて「通信キャリア(ドコモ)の手数料体系変更による手数料収入の減少が主な原因だ。条件悪化のスピードと規模感は想定を大きく上回るものになった」と率直に語った』、「ドコモが大量スピード閉店のために行っているのが、「3つのステップ」だ。 まずステップ1は、ショップへのインセンティブ(通信契約の獲得数などに応じた報奨金)や支援金の大幅カット、または廃止だ」、「ドコモ最大の代理店・コネクシオの2022年3月期決算」、「下方修正とほぼ同じ営業利益80億円強となった」、「「通信キャリア(ドコモ)の手数料体系変更による手数料収入の減少が主な原因だ。条件悪化のスピードと規模感は想定を大きく上回るものになった」、やはり「ステップ1」は冷徹に実施されたようだ。
・『代理店の独自商材を制限  ステップ2は、代理店が生き残りをかけて取り組む独自商材・サービスへの制限や介入だ。代理店はインセンティブの減収を補うため、あの手この手で独自の収益を増やそうとしてきた。 代理店が期待をかけていた独自収益の目玉の一つに「ENEOSでんき」という電力小売りの代理販売がある。ショップに来た客の電気契約を「ENEOSでんき」に乗り換えさせれば、ENEOSから手数料がもらえるものだ。代理店関係者によると「1契約の獲得あたり8000円ほどもらえる好条件」という。前出のコネクシオも2021年7月から独自収益の目玉として「ENEOSでんき」の取り扱いを始め、好調だった。 だが、ドコモが2021年12月下旬以降に突如として、2022年3月から「ドコモでんき」を開始して電力小売りに参入することを代理店に通達。ドコモから「ドコモでんき」の販売への注力を求められた代理店は、「ENEOSでんき」の取り扱いを断念せざるをえなくなったという。 代理店関係者によると、「ドコモでんき」の手数料は「ENEOSでんき」の半分程度。だが、「ドコモでんき」はドコモが代理店の成績を総合評価する「統一評価」の査定に組み込まれている。統一評価は、四半期ごとに行われる5段階のランク分けだ。 低評価の「1」か「2」を取るとドコモからの支援金が大幅カットされるほか、連続で「2」以下を取ると成績不振を理由に強制的に閉店させられるという。「ドコモでんき」と競合する「ENEOSでんき」の取り扱いを続ければ、この統一評価に少なからず響くようだ。 「ENEOSでんき」の取り扱いを諦めた代理店関係者は、統一評価に響くだけに「ドコモのほうが完全な『後出し』だが、従うほかに道はなかった。『ドコモでんき』は事実上、強制なのだから」と話す。 さらにドコモは昨春から、ショップによる「端末を購入した来店客の初期設定サポート」など有料の接客サービスにも介入し、高率の手数料を取る。初期設定サポートの場合、ドコモが料金を一律3300円に定めるうえ、3分の1の1100円を手数料として代理店から徴収しているのだ。 代理店関係者は「うちが人件費を払うスタッフが長い時は1時間以上割いて対応するサービスなのに、ドコモから3割以上の手数料を取られるので、メリットは限られる。ドコモの担当者に手数料の根拠を聞くと『看板代だ』といわれた」とこぼす』、「「ENEOSでんき」の取り扱いを諦めた代理店関係者は、統一評価に響くだけに「ドコモのほうが完全な『後出し』だが、従うほかに道はなかった。『ドコモでんき』は事実上、強制なのだから」と話す」、「完全な『後出し』」でも「事実上、強制」するとは、ひどい。。
・『期限付きの閉店支援金  ドコモがステップ1やステップ2で代理店の稼ぎを減らしたり、独自収益の拡大を阻害したりする「兵糧攻め」を行ったうえで、仕上げに行うのがステップ3の「タイムリミット付きの閉店の募集」だ。 代理店関係者によると今春、ドコモは代理店に対し、2023年3月末までの閉店を2022年10月末までに申し出れば「店舗統廃合支援費」を出す方針を伝えている。具体的には、ショップ規模に応じて毎月出している「運営体制支援」「家賃支援」などの支援金を10カ月分支払う条件を提示している。支援費は店舗で異なるが、代理店関係者の試算では1店舗当たりおおよそ1500万~2000万円程度の見込みだという。 だが、ドコモショップを運営する代理店は5年や10年、あるいはそれ以上の賃貸借契約をしているところも少なくない。代理店にとっては予期しなかったタイミングでの撤退となれば、残る賃料負担など不慮の損害が発生しうる。 代理店関係者は「社員の雇用をどうするのかの問題もある。諸々考えれば支援費はかなり少ない」としつつ、「このままショップを続けても、ますますドコモからのインセンティブ条件は厳しくなるだろう。難しい決断だ」と嘆く。 代理店やフランチャイズ問題に詳しい中村昌典弁護士は「ドコモの手法は代理店の同意がない条件変更などで経営的に追い込んでおり、3つのステップをトータルで見て『優越的地位の濫用』にあたる可能性が高い。独自商材・サービスへの介入や制限は、『拘束条件付き取引』として違法になるおそれがある」と指摘する』、「ステップ3の「タイムリミット付きの閉店の募集」だ。 代理店関係者によると今春、ドコモは代理店に対し、2023年3月末までの閉店を2022年10月末までに申し出れば「店舗統廃合支援費」を出す方針」、しかし、「ドコモショップを運営する代理店は5年や10年、あるいはそれ以上の賃貸借契約をしているところも少なくない。代理店にとっては予期しなかったタイミングでの撤退となれば、残る賃料負担など不慮の損害が発生しうる」、「3つのステップをトータルで見て『優越的地位の濫用』にあたる可能性が高い。独自商材・サービスへの介入や制限は、『拘束条件付き取引』として違法になるおそれがある」と指摘」、いくら独禁法上、問題があっても、「公取委」の判断が出るまでには時間がかかり、事実上、適用は難しいのではあるまいか。
・『店舗数は「3割程度減少していく」  ドコモ側に、大量閉店計画に関する一連の問題を尋ねると、「中期的には店舗数は3割程度減少していくと見込んでいる」と回答した。全国2300店の「3割程度」は700店弱。「1500〜1600店に絞る」という冒頭の代理店関係者の話とも合致する。 一方で、インセンティブの一方的な大幅削減や独自商材・サービスへの介入・制約の妥当性については回答がなかった。 ドコモ自身も、通信料金の値下げによって収益力が低下し、岐路に立っているのは間違いない。オンラインシフトを進めている事情もある(詳細は6月6日配信記事:ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情)。 とはいえ、自社の都合を優先するあまり、立場の弱い代理店を3つのステップで追い込み、急速な大量閉店を実現させようとするやり方に、はたして大義はあるのか。公共の通信電波を扱う「インフラ企業」としてのモラルが問われている』、「自社の都合を優先するあまり、立場の弱い代理店を3つのステップで追い込み、急速な大量閉店を実現させようとするやり方に、はたして大義はあるのか。公共の通信電波を扱う「インフラ企業」としてのモラルが問われている」、同感である。
タグ:携帯・スマホ (その8)(格安事業者はもう不要?大手値下げで消滅危機 格安スマホ 「7年で7割減」市場の壮絶生存バトル、ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情 コスト削減大号令 「1000億円以上浮く」試算も、ドコモが大量閉店へ 「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」) 東洋経済オンライン「格安事業者はもう不要?大手値下げで消滅危機 格安スマホ、「7年で7割減」市場の壮絶生存バトル」 「契約回線数は7年で7割減」とは衝撃的な予測だ。 「かつてはMVNOにカウントされていたこれらサービス(楽天モバイルとLINEモバイル)がMNO側に移ることで、MVNO側の見かけ上の減りが大きくなるわけだ。 より本質的、かつMVNO勢にとって深刻なのは、2つ目の要因だ。野村総研の澤田和志主任コンサルタントは、「今後は大手キャリアのサブブランドや、昨春から開始した新料金プランへの顧客流出が急増する」とみる」「MVNOのほぼ唯一にして最大の売りであった「価格優位性」が、消滅しかかっているからだ」、なるほど。 「MVNOは舵取りの難しいビジネスでもある。通信網を自社で整備しなくていいとはいえ、とくにスケールメリットの効きにくい中小の事業者にとって回線の仕入れ費用の負担は重い。そのうえ、料金は大手キャリアより安くしなければ顧客にアピールできず、利幅は薄くなりがち」、「ある大手MVNOの幹部は「赤字の中小事業者も多いのでは」と推測する」、なるほど。 「ドコモが旗振り役となる異色のMVNO振興策「エコノミーMVNO」も始まった。提携するMVNOのプランを全国のドコモショップで販売するというもの」、「MVNO事業者は、生き残りをかけた正念場を迎えている」、というのは確かだ。 東洋経済オンライン「ドコモだけが「店舗大リストラ」に動いた複雑事情 コスト削減大号令、「1000億円以上浮く」試算も」 「最大で3割近く削減する見通し」、かなり思い切った「削減」だ。 「ドコモにとって、4年で1000億円におよぶコスト削減効果は極めて大きな意味」、「持ち株会社のNTTは、2021年10月に修正した中期経営戦略の中で、2024年3月期までに2018年3月期比で固定通信・・・と移動通信・・・の事業にかかるコストを、累計1兆円以上削減する目標」、なるほど。 「代理店にとって」、「自社の存亡にかかわる一大事」、「今後交渉が難航することも考えられる」、「「ドコモショップを通じて販売している『ドコモ光』や『ドコモでんき』の売れ行きが鈍れば・・・グループ全体に悪影響」、「戦略の見直しを迫られる可能性もゼロではない」、なるほど。 「ドコモは利益追求のために削減、KDDI、ソフトバンク、楽天は契約数拡大のために残存と、違いがより鮮明化するのでは」・・・との指摘」、「他キャリアの動向について「オンライン契約比率がさらに高まっていけば・・・大手2社もいずれドコモに追随するのでは」・・・とみる向きも」、当面は「ドコモ」だけが「削減」となりそうだ。 東洋経済オンライン「ドコモが大量閉店へ、「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」」 「ドコモ」としては、「優越的地位の濫用に当たる可能性」との「指摘」が出ることは覚悟の上で、踏み切った可能性がある。 「ドコモが大量スピード閉店のために行っているのが、「3つのステップ」だ。 まずステップ1は、ショップへのインセンティブ(通信契約の獲得数などに応じた報奨金)や支援金の大幅カット、または廃止だ」、「ドコモ最大の代理店・コネクシオの2022年3月期決算」、「下方修正とほぼ同じ営業利益80億円強となった」、「「通信キャリア(ドコモ)の手数料体系変更による手数料収入の減少が主な原因だ。条件悪化のスピードと規模感は想定を大きく上回るものになった」、やはり「ステップ1」は冷徹に実施されたようだ。 「「ENEOSでんき」の取り扱いを諦めた代理店関係者は、統一評価に響くだけに「ドコモのほうが完全な『後出し』だが、従うほかに道はなかった。『ドコモでんき』は事実上、強制なのだから」と話す」、「完全な『後出し』」でも「事実上、強制」するとは、ひどい。。 「ステップ3の「タイムリミット付きの閉店の募集」だ。 代理店関係者によると今春、ドコモは代理店に対し、2023年3月末までの閉店を2022年10月末までに申し出れば「店舗統廃合支援費」を出す方針」、しかし、「ドコモショップを運営する代理店は5年や10年、あるいはそれ以上の賃貸借契約をしているところも少なくない。代理店にとっては予期しなかったタイミングでの撤退となれば、残る賃料負担など不慮の損害が発生しうる」、「3つのステップをトータルで見て『優越的地位の濫用』にあたる可能性が高い。独自商材・サービスへの介 「自社の都合を優先するあまり、立場の弱い代理店を3つのステップで追い込み、急速な大量閉店を実現させようとするやり方に、はたして大義はあるのか。公共の通信電波を扱う「インフラ企業」としてのモラルが問われている」、同感である。
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