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日韓関係(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感) [外交]

日韓関係については、昨年10月18日に取上げた。今日は、(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感)である。

先ずは、本年5月20日付け東洋経済オンラインが掲載したスタンフォード大学講師のダニエル・スナイダー 氏による「アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/590592
・『就任してから初めてアジアを訪問するアメリカのジョー・バイデン大統領は、日本と韓国と5日間かけてめぐる、検討課題満載の日程を組んでいる。 ロシアの侵略、中国の大国主義、北朝鮮のミサイルや核実験などに直面し、同盟関係の深化や抑止力の強化について多くの議論を交わす見込みだ。今回はまた、アメリカが経済的関与をないがしろにしているという印象に対処するための緩やかな新しい構想である、インド太平洋経済枠組みの発足も予定されている。 さらに、来訪の最後は、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの準同盟である「クワッド」の首脳が日本で行う首脳会談で締めくくられる予定だ』、確かに「検討課題満載の日程」のようだ。
・『「世界連合をまとめた」と主張できる  元ブッシュ大統領国家安全保障顧問で、ジョージタウン大学のマイケル・グリーン教授は、「大統領の訪問を成功させるための体制は整っている」と話す。 「ウクライナに対応しながら、インド太平洋に注力できる政権であることを、今回訪問することだけでも誇示することができる。そればかりか、ウクライナに侵攻したプーチンに対して、経済的、地政学的、外交的に実に前例のない結果をもたらした世界的連合をまとめ上げることができたのは、アメリカだけだったと主張することもできる」 しかし、バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、同氏が今回訪問するアメリカの2つの同盟国、日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復することだ。 韓国の政権が保守派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に移ったことで、関係の悪化に歯止めをかける機会は生まれている。尹大統領は日本との関係を優先させると公言しており、最初のうちは積極的な交流があった。より重要なことは、尹大統領が、バイデン政権が形成した世界と地域の枠組みに沿って、韓国を再配置しようと動いていることだ。 チャンスはあるとアメリカの高官らは考えているが、アメリカを含むすべての関係諸国がそれを生かすために十分な行動をとるかという疑問は残る。 サプライチェーンの回復力から北朝鮮の脅威まで、ほかの領域では多くの利益を共有しているにもかかわらず、韓国における戦争の歴史と日本の植民地支配の負の遺産という問題は、依然として難しい障壁となっている。日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えているのだ』、「バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、・・・日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復すること」、「日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えている」、これでは難しそうだ。
・『日韓関係の悪化はアメリカにもマイナス  日本と韓国が正常な関係を回復できないことは、インド太平洋においてアメリカがいる場で価値主導の意図を主張しようとするアメリカの努力を損なうものだ。 同盟国の2カ国が協力できないことで、「日米豪印戦略対話」をより広範な同盟に昇格させることであれ、日本の「自由で開かれたインド太平洋」の構想であれ、この戦略が損なわれてしまう。それによって、中国やロシアにアメリカとその同盟諸国の関係を悪化させるチャンスを与えかねない。 ロシアがウクライナに侵攻したことで、アメリカとヨーロッパが世界中の、特にアジアの同盟諸国を共通の大義に結集しようとしている中、こうした課題の緊急性が一層高まっている。もし、これが民主主義と権威主義の間の闘いであるならば、この日韓の目に見える隔たりは明らかな問題だ。 日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった。 ここ最近ではアメリカ、日本、韓国の3国間の協力関係の重要性を強調する発言や政府関係者の会合が相次ぐようになっている。しかし、いまだ韓国と日本は戦時中からの負の遺産を克服できておらず、そのことにアメリカ政府関係者は強いフラストレーションを感じており、愚痴を耳にすることもよくある。 バイデン政権には、オバマ政権での要職経験者が多く参画している。中には安倍政権および朴政権の初期に韓日関係の悪化が始まった際に、その関係改善に取り組んだ者もいる。 そして、当時繰り広げられた議論の一部が今また繰り返されている。政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正面から取り組んでいくことなくして成功は覚束ないというように考える関係者もいる』、「日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった」、(米国)「政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正面から取り組んでいくことなくして成功は覚束ないというように考える関係者もいる」、米国側の姿勢も一枚岩ではないようだ。
・『楽観的観測が持たれる状況に  今回、韓国に保守政権が誕生したこと、そして、日本では外務相にワシントン通の林芳正氏を擁する岸田文雄政権に政権運営が移行したということもあり、一部で多少なりの楽観的観測が持たれる状況を生んでいる。 北朝鮮でミサイル発射実験が活発化してきており、さらに核実験再開の準備が着々と進んでいるという状況、そしてウクライナ戦争という世界的に緊迫した情勢が組み合わさることで、日本と韓国が両国の関係を改善し、アメリカを含めた3国間の安全保障協力関係を緊密化していこうとする機運が醸成されることになっているように思われる。 だが、バイデン政権の幹部の中にはーーこれには以前に深く関与した経験を有する者も含まれるのだがーー関係正常化は係争となっている歴史問題についてアメリカの積極的関与、といってもこれは必ずしも仲介を意味するわけではないが、それがなくとも起こりうるものであり、まして和解となればなおさら起こりうるものであるとして、この案に反対する者もいる。 筆者が最近参加した日米関係に関するある非公開の会合で、バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」と述べている。 この幹部は、オフレコを条件に、日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆した。 「アメリカに可能なことのうちで最も重要なことを1つ挙げるとすれば、それは両国関係の本物の改善が実現するよう支援することである。これは高貴かつ重要な努力であり、われわれはこうした努力を払うことを避けて通るべきではない」この幹部は話す』、「バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」」、「日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆」、この「幹部」が「日韓関係」をここまで重視しているとは驚かされた。
・『アメリカが圧力をかけない理由  だがこれまでのところ、今回の歴訪においてバイデン大統領が取り組む予定の1つに加えようとする試みが目に見える形でなされている形跡はまったくない。 それどころか、強調されているのはアメリカが有する計画のうちの別の分野であって、日本と韓国がもしかしたら協力するかもしれないことである。例えば、サプライチェーン(供給網)の強靭さを高めることやインド太平洋におけるデジタルサービス枠組の合意といったこととなっている。 アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない。 日本の公式見解は、最初の一歩を進める責任は韓国にあるというものだ。日本政府は、韓国が植民地時代及び戦時期に強制労働をさせられた韓国人に補償するため、日本企業の資産を接収する旨の裁判所の判決の執行をたとえ中止させないとしても、遅らせるよう要求している。 日本の政府高官は韓国政府に対し、2015年の両国間合意を復活させることも望んでいる。その合意とは、日本側の資金により基金を創設し、第二次世界大戦中、旧日本軍によって性的奴隷状態に置かれた韓国女性の生存者に補償金を支払うというものだ。 以前の文在寅・前大統領が率いる革新系政権は事実上、この合意を破棄してしまった。結果として、両国による報復措置の連鎖が生じた。この措置には、日本側による韓国向け半導体素材の輸出規制強化が含まれる』、「アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない」、なるほど。
・『国内問題で大変な尹大統領  尹大統領率いる新政権はすでに、2015年の日韓合意がなお有効であるとの立場を表明している。そして現在、日本企業の資産の差し押さえを阻止する努力が行われていることは明らかだ。ただ、尹大統領は、韓国国民の声を考慮し、日本政府側からの明確な意思表示がないままで、こうした問題に深入りする姿勢は示していない。 同大統領は早くも、野党が多数を占める国会から提起されている重要課題に直面しており、世論調査における大統領の支持率は50%を切っている。この数字は新大統領としては異例の低さであり、6月1日に行われる地方選では大きな試練を迎えることになる。 アジア問題の専門家で、安倍元首相の伝記の著者でもあるトバイアス・ハリス氏は、尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」 日本政府はなお、文政権との苦い経験を引きずっている。「日本国民は、うまく騙されたと感じている」。この問題に詳しい人物で、バイデン政権に近いアメリカの元高官はこのように話す。そして、「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言している。 岸田首相は自民党内部から批判を受けている。首相は党内において、主に、外相時代の2015年に日韓合意の交渉に携わった自身の役目により「親韓派」とみなされてきたのだ。 4月末にドイツのオラフ・ショルツ首相が訪日した際、ベルリンにある「慰安婦」の被害者を記念する銅像の問題を、首相が異例ながら提起する決定を下した背景には、そうした事情があるのかもしれない』、「尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」」、「「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言」、「尹大統領」がそんなに苦しい立場にあるとは初めて知った。そうであれば、「岸田首相」からのアクションの方がカギになりそうだ。
・『アメリカからの「圧力」が必要か  「日本の右派は、日本にとって韓国は必要でないとすでに腹を決めている」とハリス氏は言う。「岸田首相が韓国との協力が重要だと考えているのであれば、それ相応の明確な説明をしなければならないだろう」。 ところで日本の政治指導者らはこれまで、韓国との関係改善というリスクを取るにあたり、特に戦時中の歴史的問題に対処する際にはしばしば、アメリカからの明白な圧力を必要としてきた。バイデン大統領は、この問題に関して個人的な経験を有している。自身が副大統領であった時代、当時の安倍首相と朴大統領との仲裁において主要な役割を果たしたのだ。 今回の訪韓の中で「日韓の歴史問題が再優先課題として議論されることを示唆するものはなにもない」とハリス氏。しかし、水面下で実際の行動が取られる可能性はあると、同氏は言う。「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」』、「バイデン大統領は、この問題(戦時中の歴史的問題)に関して個人的な経験を有している」、「水面下で実際の行動が取られる可能性はある」、「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」、「水面下」とはいえ、「歴史問題が大きな比重を占め」る「可能性」があるのだろうか。

次に、6月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したビジネスライターの羽田真代氏による「駐日韓国大使に“知日派”内定も、慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304175
・『韓国・尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代駐日大使に内定した尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は、知日派として知られる国際政治学者だ。尹錫悦政権では日韓関係の改善が期待されるが、中でも大きな課題である慰安婦問題と徴用工問題について、尹徳敏氏が語ったこととは……。 韓国・尹錫悦政権の駐日大使に内定している尹徳敏氏は“知日派”と言われる人物だ。就任前であるが、彼の発言がにわかに物議を醸している。尹徳敏氏とはどんな人物なのか、彼の経歴を踏まえつつ、問題の発言について見ていきたいと思う』、興味深そうだ。
・『専門は政治学。米国で修士号、日本で博士号を取得  まずは、彼の経歴についてざっくりと紹介しよう。尹徳敏氏は1959年12月生まれの62歳、ソウル出身だ。ソウル市内にある徐羅伐(ソラボル)高校、韓国外国語大学政治外交学科を卒業。その後は、米国のウィスコンシン大学で学んで政治学修士号を、慶応義塾大学で法学博士号を取得した。彼が“知日派”と言われる理由がこれだ。日本語も堪能だといわれている。 彼は、外交安保研究院安保統一研究部で教授を歴任し、国立外交院が開設された後も教授職として再任された。2013年5月から2017年7月まで、朴槿恵(パク・クネ)政権下で第2代国立外交院長を務めた経験もある。 国立外交院長退任後は、母校である韓国外国語大学LD(Language&Diplomacyの略。言語と外交、国際外交について学習する学科)学部の碩座教授(せきざ、正式に採用された教授ではなく、寄付金などで研究活動をするよう大学が指定した教授)として在任している。 尹錫烈氏の大統領選挙キャンプ政策諮問団で活動し、外交政策樹立に関与した。4月下旬に日本に派遣された「韓日政策協議代表団」の7人のメンバーのうちの1人でもある』、文字通りの「“知日派”」だ。
・『日韓関係悪化は日本のせい?  物議を醸した尹徳敏氏の発言は、5月26日に東京の帝国ホテルで開かれた国際交流会議「アジアの未来」の場で出たものだ。彼はこの会議にオンラインで出席し、約30分講演している。 慰安婦問題について話題になった際、彼は「責任のある日本側が、『カネですべての問題を解決した』というような発言をしたことから、世論が大きく悪化して状況が変わった」と、日韓関係悪化を日本のせいにした。謝罪と補償の両方が解決のためには必要なのに、日本側は補償金を払ったのだから問題は解決しただろう、という態度だというのだ。 さらに徴用工問題については、「強制徴用現金化問題に対し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が現金化は望まないとの発言をしたが、尹錫悦政府はどのように見ているか」という質問に対し、「ここ数年、さまざまな解決案が出てきたが、実行しなかっただけ」と、徴用工問題が解決に向かっているかのような発言もした。 確かに、韓国側で救済案がいくつか出ていたことはメディアでも報じられた。2019年にはこれが日本政府にも提示され、救済案を提示する南官杓(ナム・グァンピョ)元駐日大使の発言を遮って「韓国側の提案はまったく受け入れられるものではない、と以前に韓国側に伝えている。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼だ」と、怒りを露わにした河野太郎元外相の姿が話題になったほどだ。 解決案が出ていたというのは韓国内だけの話で、日本が納得できる案など一つもなかった。だから「実行しなかった」ではなく、正しくは「実行できなかった」のはずだ』、「国際交流会議「アジアの未来」の場で出た」、「尹徳敏氏の発言は」確かに極めて問題が多く、失望させるものだ。
・『“知日派”在日大使は、日韓関係向上に貢献するか  知日派と言われる人物であってもこの程度の認識だ。尹錫烈政権下で日韓問題を完全に解決することは、日本が再び妥協しない限り難しいだろう。 ただ、尹徳敏氏は朴槿恵政権時の国立外交院長だった人物だから、2015年の日韓慰安婦合意を否定できず、苦し紛れに日本に責任転嫁をして、韓国民からの批判を避けた可能性はある。就任前から国民に批判されていては、駐日大使の就任が危うくなるからだ。 彼の腹の内は彼本人にしか分からないが、それでも大使就任前からこのような発言をしているようでは、日本に良い影響をもたらす人物でないと思われる。 そういえば、知日派の駐日大使といわれていた人物の中に、現大使の姜昌一(カン・チャンイル)氏という人がいた。彼は2021年5月、正式に駐日大使に就任したが、韓国国会議員だった時の反日言動が影響して、就任から1年がたった今でも、日本の首相どころか外相にすら面会できていない。駐日大使史上、最も日韓関係向上に貢献しなかった大使と言えるだろう。 新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ。なぜなら、岸田首相や林外相は関係改善に前向きで、韓国側の要人と面会することに拒否感を示さないからだ』、「新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ」、喜ばしいことだ。
・『日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる  筆者は「日韓問題を解決させないことが、日韓の関係改善につながる」と考えている。 日本と韓国の間に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約/1965年締結)」しかなかった頃、徴用工問題・慰安婦問題・竹島問題など、実際にはさまざまな問題があったが、それなりに良好な関係を築いていた。 日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい。 韓国人にとっての問題解決とは、日本が韓国の要求に文句を言わずに応じることだ。だが、1965年の日韓請求権協定でも、2015年の日韓慰安婦合意でも彼らは満足しなかった。 朴槿恵元大統領が「被害者の立場、千年不変」と発言したことが日本でも話題になったが、その言葉が示す通り、大多数の韓国人は「日本は韓国に対して半永久的に補償・謝罪を繰り返さなければならない」と考える。 このような韓国人の主張がまかり通れば、日韓間の合意など何の効力も発揮しない。締結したところで無効にされるのなら、国際法などないに等しい。それならば、これ以上の要求は聞き流すべきだ。韓国側の言い分を聞き入れることは、すなわち日本が対等な関係を放棄したことになる』、「日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい」、これで「日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる」との逆説的主張が理解出来た。
・『尹徳敏氏が駐日大使に就任後、やるべきこと 尹徳敏氏が駐日大使に就任すれば、悪化した日韓問題を解決しようと慰安婦問題や徴用工問題を持ち出して日本に妥協を迫るだろうが、岸田政権はこれを受け入れないはずだ(と信じたい)。 尹徳敏氏が動きだすことによって、収まりつつある韓国人の反日感情に再び火がともる可能性がある。もしかすると、日本製品不買運動が再開するかもしれない。 それなら、互いに関与しない方がお互いのためだ。韓国人の中には日本旅行をしたい人がたくさんいる。6月以降の航空券が飛ぶように売れているのだ。不買運動が再開すれば、2019年の時のように、再び周囲に隠れて日本旅行しなければならなくなるだろう。 韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう』、「韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう」、その通りだ。

第三に、6月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した北送在日コリアン協会会長の李 泰炅氏による「在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304080
・『Apple TV+で独占配信されているオリジナルドラマ「Pachinko パチンコ」が、海外で大評判となっている。イ・ミンホ、ユン・ヨジョン、チョン・ウンチェといった韓国の実力派俳優のほか、南果歩、澤井杏奈(アンナ・サワイ)といった俳優も出演している。原作の同名小説は2017年の全米ベストセラーになったほか、バラク・オバマ元大統領も推薦した話題作で、著者は韓国系米国人、イ・ミンジン氏である。 1910~1989年まで、4世代の在日韓国人一家を描いたこの物語の中では、戦中・戦後の日本での在日コリアンの暮らしがいかに厳しく、日本人からの差別がどれほど激烈だったかが描かれる。しかし、在日コリアンとして日本で生まれた李泰炅(イ・テギョン)氏は、このドラマに違和感を覚えるし、もっと知ってほしい“差別”がある、と話す』、「もっと知ってほしい“差別”がある」とはどういうことだろう。
・『大ヒット小説&ドラマ「パチンコ」に対する世界の反応  「パチンコ」の主人公ソンジャは、当時、日本の植民地であった釜山の影島で1910年代に生まれ、歴史の荒波にのまれた後、日本に定着する。「パチンコ」は、朝鮮人という“二等国民”として、民族差別の中で孤独や苦難を乗り越えてきた彼女の生涯を骨子にした、小説およびドラマである。 1923年9月の関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった。この悲惨な物語に、米国だけでなく世界中が感動しているという。確かに、良心をひとかけらでも持っている者なら、植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう』、「関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった」、「植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう」、なるほど。
・『日本で暮らす在日コリアンの苦しさ  歴史的に日本は、地震、大雪、火山、津波など、数多くの自然災害に遭い、被害を受けてきた。それだけでなく、狭い平地に多くの人が住み、山が多く、耕作に適した農地が少なく、昔から必死で働かねば、生きることが難しい国であった。弱肉強食と適者生存の手本のような土地だといえるかもしれない。 もし、世界中に散らばった朝鮮民族の人々が集まって、移民生活の経験を語りあうとしたら、おそらく在日コリアンの生活が一番大変だったということになるだろう。土地が広く、人口密度が低いアメリカやロシアに比べ、いや中国に比べても、在日コリアンの生活は厳しかったし、差別もまた激しかったという。今でも日本で暮らす在日コリアンは、市民権を持たない特別永住者、外国人登録証を所有する脱北者、そして韓国国籍者として暮らしている(最悪の場合は無国籍で暮らす者もいるようだ)。彼らは、韓国および朝鮮国籍なので就職も難しく、社会生活では差別を受けている。それゆえに外国の同胞社会で、在日コリアンは民族という血を中心にし、一つになってこそ暮らせるのだ。彼らは自立意識が強く、さらに理念によって、北朝鮮系の「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)」と大韓民国系の「民団(在日本大韓民国民団)」に分かれている。 「パチンコ」は、植民地時代と敗戦後の日本を舞台にして、在日コリアン社会、アメリカへの移民、1980年代の日本社会などの背景を網羅した物語である。4世代にわたり、それぞれの人生で、差別や蔑視に対抗し、力強く生活を切り開いてゆく。日本という一種独特な社会と、韓国人に対する差別意識を、パチンコを通して、赤裸々につづる。100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ』、「100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ」、なるほど。
・『在日3世が「パチンコ」を見た感想は……  ただ、私の友人の在日3世は、ドラマの8話(シーズン1の最後)まで見て、物語の背景にある日本社会の演出には違った感想を持っていた。彼は1965年(昭和40年)に日本に生まれ、現在は韓国に住んでいるが、生まれた時には親がパチンコ店を3軒経営していた。ドラマでは日本のパチンコ店の多くは在日コリアンが経営していることになっているが、「1970~80年代当時、韓国系パチンコ店は全国の5%もなかったはずだ」と彼は話す。 その他にもツッコミどころは満載だが、特に「祖国に帰りたい」という望郷の心情を演出する部分に引っかかったという。「我々在日にとっては意味が違う。故郷(韓国)の家族、親戚には会いたいが、それは決して『帰りたい』という意味ではない」というのだ。 なぜ彼は望郷の念はあっても、「帰りたいとは思わないはず」というのか。その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だという。特に彼は、文(ムン)前政権のこの5年間を韓国で過ごしたから、たまらないはずである。 彼に限らず私の多くの在日コリアンの友人たちは、特別永住権を持っていることが前提ではあるが「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという』、「帰りたいとは思わないはず」、「その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だ」、「「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという」、現在は1人当たりGDPは韓国の方が上だが、自由さは日本の方が上なのかも知れない。
・『日朝共同の帰国事業で、大勢の在日コリアンが北朝鮮へ送られた  小説とドラマを合わせれば、世界各地の数千万人もの人々が「パチンコ」に感動し、在日コリアンへの差別について知ったことになるだろう。しかし実際には、日本に暮らした同胞だけが苦労したわけではない。ここからは、「北へ送還された在日コリアン」の、決して話すことができない心情について話したい。 北へ送還された在日コリアンとは、1959~1984年の間に朝鮮総連の口車に乗せられ、日本政府も後押しした帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアンのことだ。私もその一人で、1960年、7歳のときに帰国事業で北朝鮮に渡った。 在日コリアン1世である私の両親と在日コリアン2世の我々兄弟は、北へ送還されたその瞬間から、朝鮮民族が蹂躙(じゅうりん)されたという日本を懐かしがり、死ぬ前に一度でいいから母国である日本に行きたいと、それを一生の願いとして、胸に刻んで生きてきた。「パチンコ」の主人公ソンジャが、4世代にわたって差別されたという、がめつく険しい日本を、そのように懐かしがってきたのだ。 1960~80年代に日本でソンジャが体験したという、民族的差別と不平等は北朝鮮にもあった。加えて、北朝鮮金氏王朝の独裁と粛清、飢餓と死、出身成分(編注:北朝鮮独特の身分制度)による弾圧、移動の自由と生命権まで奪われ、まさに奴隷のような生活を送っていた「北へ送還された在日コリアン」の一生を想像してみてほしい。 日本で体験したという民族的差別より、もっと深刻な、死ぬほど劣悪な生活。生きても生きても終わりがない絶望、殺しても殺しても終わりがない粛清、国中どこへ行っても息の詰まる監視と独裁……こうした北朝鮮の暮らしをもし皆さんが経験したら、おそらく血の涙を流さずにはいられないだろう』、「帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアン」は確かに悲惨だ。
・『移動の自由もない、首領様の命令には絶対服従の北朝鮮生活  まさに「パチンコ」で描かれているように、他国である日本でも、在日コリアンは差別や蔑視に耐えながら力強く生き抜き、パチンコ業界で成功をつかむことができたし、小さな食堂も持つことができた。 しかし、韓民族の住む祖国だといわれ、誘拐されるように渡ってきた北朝鮮の地では、党が定めた場所で暮らさなければならず、首領様という王の命令には絶対服従であった。(北朝鮮国民ではなく)北へ送還された在日コリアンなので、航海漁船(外国に行くことができる漁船)に乗ることはできなかったし、党幹部にもなれず、志望する大学にも行けなかった。北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある。 日本は他国なので在日コリアンは差別され、いじめに遭ったというのならば、同じ韓民族であり同胞である北朝鮮で、なぜ差別と弾圧に苦しまねばならなかったのだろうか? 母国である日本と、故郷である韓国への自由な往来と移動は、夢見ることすらできなかった。故郷が懐かしく、自由と人権の願いを成就するために脱北しようとすれば、「反逆者」として粛清された。) ▽死ぬ前に、一度でもいいから日本に行きたい(北朝鮮は「祖国に早く来い、歓迎する」と言っていたのに、実際には、内臓をすべて溶かされ殻だけになったさなぎのように、人権はもちろん、身体と意識までも奪われた“植物状態”にさせられた。死にたいほどつらい弾圧を受けた北朝鮮で、我々は、腹いっぱいに食べることができ、差別すら自由意思に基づいている日本を「死ぬ前に一度でも行きたい」と夢に見て、本当に一生の願いとして胸に刻んで生きていたのだ。 私の母は亡くなる直前に、痩せこけて真っ白になった弱々しい手で、私の手を握ってこう言った。「テギョンよ! もしもの話だ。もし、未来に、外国に出て行くことができる機会が来たなら、必ず日本に行きなさい!」。今でも、虫の息で語った母の最期の言葉は、私の耳から決して離れることはなく、胸の中に永遠に刻み込まれている。「自由を勝ち取りなさい!」と』、「北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある」、その通りだ。
・『厳しい身分制度、在日コリアンに対する差別と蔑視  ドラマ「パチンコ」を見た人たちが、100年余りの在日コリアンの差別の歴史に涙を流したのだとすれば、北へ送還された在日コリアンが、日本でソンジャが受けた差別と蔑視の歴史に加えて、北朝鮮で味わわされた粛清、弾圧、奴隷の歴史を知ったなら、世界は血の涙を流すことになるだろう。 北朝鮮政府は、古代インドのカースト制度のような、金氏王朝式による成分制度によって、北へ送還された在日コリアンを公的に差別した。結果、志望する大学も、望む就職も、真の愛で成り立つ結婚も、党が関与した。一挙一動を監視される北朝鮮では、行動と意識まで統制される「操り人形」にならなければならなかった。北朝鮮の子どもは、皆、生まれてすぐ洗脳される。子どもたちは、世界はすべてそうなのだと信じ込み、「忠誠ロボット」となる。「苦痛だ」と一言でも話せば、少しは慰安を受ける自由がなければならないはずなのに、暗黒の北朝鮮では、そんな小さなうめき声も許されることはなく、反動的な言葉を言ったとして、政治犯収容所へ消えていった人々も多かった。) 北へ送還された在日コリアンは、「パチンコ」の主人公のソンジャ世代が民族的な差別と蔑視を受けた時期の日本が良かったと回想する。日本では、在日コリアンが差別された、蔑視されたと、安心して話せる。そんな自由が懐かしいのだ。 北へ送還された在日コリアンこそ、ソンジャの言う民族的な差別と蔑視に加えて、北朝鮮金氏王朝の弾圧、独裁、粛清、奴隷生活を合わせて受けた、まさに「虫けら人生」だ。在日コリアンの北への送還は、1959年12月14日から1985年3月25日まで、合計186回行われ、9万3340人を積み出した。あたかも昔の米国で黒人奴隷が売られたように、「地上の楽園」という偽りの文句で日本から北朝鮮へと誘拐されたのだ。 作家イ・ミンジンが、米国ではなくもし北朝鮮に移住していたら、小説「パチンコ」では、金氏王朝の独裁と窓のない監獄で、殺し、殺され、生き馬の目を抜く北朝鮮社会が描かれたのではなかろうか? 世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである』、「世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである」、「北朝鮮」への「帰還」を促した日本政府も罪作りなことをしたものだ。
タグ:(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感) 日韓関係 東洋経済オンライン ダニエル・スナイダー 氏による「アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか」 確かに「検討課題満載の日程」のようだ。 「バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、・・・日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復すること」、「日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えている」、これでは難しそうだ。 「日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった」、(米国)「政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正 「バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」」、「日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆」、この「幹部」が「日韓関係」をここまで重視しているとは驚かされた。 「アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない」、なるほど。 「尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」」、「「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言」、「尹大統領」がそんなに苦しい立場にあるとは初めて知った。そうであれば、「岸田首相」からのアクションの方がカギになりそうだ。 「バイデン大統領は、この問題(戦時中の歴史的問題)に関して個人的な経験を有している」、「水面下で実際の行動が取られる可能性はある」、「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」、「水面下」とはいえ、「歴史問題が大きな比重を占め」る「可能性」があるのだろうか。 ダイヤモンド・オンライン 羽田真代氏による「駐日韓国大使に“知日派”内定も、慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋」 「国際交流会議「アジアの未来」の場で出た」、「尹徳敏氏の発言は」確かに極めて問題が多く、失望させるものだ。 「新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ」、喜ばしいことだ。 「日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい」、これで「日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる」との逆説的主張が理解出来た。 「韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう」、その通りだ。 李 泰炅氏による「在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感」 「もっと知ってほしい“差別”がある」とはどういうことだろう。 「関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった」、「植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう」、なるほど。 「100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ」、なるほど。 「帰りたいとは思わないはず」、「その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だ」、「「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという」、現在は1人当たりGDPは韓国の方が上だが、自由さは日本の方が上なのかも知れない。 「帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアン」は確かに悲惨だ。 「北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある」、その通りだ。 「世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである」、「北朝鮮」への「帰還」を促した日本政府も罪作りなことをしたものだ。
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