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半導体産業(その8)(ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した 技術力がニコン・キヤノンの躓きの石、日本の半導体が「凋落」を経て決断した新たな戦略 挽回 推進 布石の3ステップで巻き返せるか、世界のTSMCが触手 日本の圧倒的な「半導体技術」 日本企業がいなければインテルのCPUも動かない、サムスン電子とTSMCの決算比較で 半導体市況の変化の兆しが丸わかり) [イノベーション]

半導体産業については、2月8日に取上げた。今日は、(その8)(ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した 技術力がニコン・キヤノンの躓きの石、日本の半導体が「凋落」を経て決断した新たな戦略 挽回 推進 布石の3ステップで巻き返せるか、世界のTSMCが触手 日本の圧倒的な「半導体技術」 日本企業がいなければインテルのCPUも動かない、サムスン電子とTSMCの決算比較で 半導体市況の変化の兆しが丸わかり)である。

先ずは、2月20日付け現代ビジネスが掲載した一橋大学名誉教授の野口 悠紀雄氏による「ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した 技術力がニコン・キヤノンの躓きの石」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/92525?imp=0
・『1990年代中頃まで、半導体露光装置で、キヤノンとニコンは世界を制覇した。しかし、その後、オランダのASMLがシェアを伸ばし、現在では、EUVと呼ばれる半導体製造装置の生産をほぼ独占している。日本のメーカーは、なぜASMLに負けたのか?』、「キヤノンとニコン」が「半導体露光装置」で完敗した要因とは興味深い。
・『ASMLとは何者?  オランダにASMLという会社がある。時価総額2642.2億ドル。これは、オランダの企業中でトップだ。オランダのトップ企業はフィリップスだと思っていた人にとっては驚きだ。「そんな会社、聞いたこともない」という人が多いだろう。 実際、ASMLは、歴史の長い企業ではない。生まれたのは1984年。フィリップスの1部門とASM Internationalが出資する合弁会社として設立された。フィリップスのゴミ捨て場の隣に建てたプレハブで、31人でスタートした。 しかし、いまの時価総額は、日本のトヨタ自動車2742.5億ドルとほぼ同じだ。世界第678位のフィリップス(293.5億ドル)の10倍近い。世界の時価総額ランキングで32位。29位のトヨタとほぼ並ぶ。 ASMLの2020年の売上は160億ドル(約1兆8000億円)、利益(EBIT)は46.3億ドルだ。トヨタの場合には、売上が2313.2 億ドル。利益(EBIT)は169.9億ドルだ。売上に対する利益の比率は、ASLMが遙かに高い。 しかも従業員数は28000人しかいない(2020年)。トヨタ自動車(37万人)の7.6%でしかない。 ASMLは、最先端の半導体製造装置を作っている。極小回路をシリコンウエハーに印刷する極端紫外線リソグラフィ(EUV)と呼ばれる装置だ。この技術は、 ASMLがほぼ独占している。 年間の製造台数は50台ほどだ(2020年度は31台。2021年は約40台、2022年は約55台の見通し)。1台あたりの平均価格が3億4000万ドル(約390億円)にもなる。大型旅客機が1機180億円程度と言われるので、その2機分ということになる。 主なクライアントは、インテル、サムスン、TSMCなどだ』、「1984年」、「フィリップスのゴミ捨て場の隣に建てたプレハブで、31人でスタートした」のが、いまや「時価総額は、日本のトヨタ自動車2742.5億ドルとほぼ同じだ。世界第678位のフィリップス(293.5億ドル)の10倍近い」、「利益(EBIT)は46.3億ドル」。「トヨタ」「169.9億ドル」、「従業員数は28000人」とトヨタ自動車(37万人)の7.6%」、凄い超優良企業だ。
・『かつてのニコン、キヤノンの優位をASMLが崩した  半導体露光装置は、もともとは、日本の得意分野だった。ニコンが1980年にはじめて国産化し、1990年にはシェアが世界一になった。 キヤノンも参入し、1995年ごろまで、ニコンとキヤノンで世界の70~75%のシェアを占めた。 ASMLの最初の製品は、やはり半導体露光装置だった。しかし、この時代、キヤノンやニコンは、ゴミ捨て場に誕生した会社のことなど、歯牙にも掛けなかっただろう。 しかし、ニコン・キヤノンのシェアは、90年代後半に低下していった。その半面で、1990年には10%にも満たなかったASMLのシェアは、1995年には14%にまで上昇、2000年には30%になった。 2010年頃には、ASMLのシェアが約8割、ニコンは約2割と逆転した。そして、キヤノンはEUV露光装置分野から撤退した。ニコンも、2010年代初頭に、EUV露光装置の開発から撤退した』、「日本の得意分野」が20年強で「撤退」を余儀なくされるとは情けない限りだ。
・『日本メーカーの自社主義がASMLの分業主義に負けた  ASMLとニコン、キヤノンの違いは何だったのか? それは、中核部品を外注するか、内製するかだ。 ASMLは中核部品を外注した。投影レンズと照明系はカールツァイスに、制御ステージはフィリップスに外注した。自社で担当しているのは、ソフトウェアだけだ。 製造機械なのに、なぜソフトウエアが必要なのか? 半導体露光装置は「史上最も精密な装置」と呼ばれるほど複雑な機械であり、安定したレンズ収差と高精度なレンズ制御が重要だ。装置として完成させるには、高度にシステム化されたソフトウエアが不可欠なのだ。 自動車の組み立てのように人間が手作業で作るのではなく、ロボットが作業するようなものだから、そのロボットを動かすためのソフトウェアが必要なのだと考えれば良いだろう。 それに対して、ニコンは、レンズはもちろんのこと、制御ステージ、ボディー、さらに、ソフトウェアまで自社で生産した。外部から調達したのは、光源だけだ。 このように、ほとんどを自前で作ったため、過去の仕組みにこだわるという問題が生じたと言われる。 また、レンズをどう活用して全体の性能を上げるかというよりは、どうやってレンズの性能を引き出すかが優先されるというような問題が発生したといわれる。 結局、日本型縦割り組織を反映して全てを自社で内製化しようとする考えが、負けたということだ』、「ASMLは中核部品を外注・・・自社で担当しているのは、ソフトウェアだけだ」、「ニコンは、レンズはもちろんのこと、制御ステージ、ボディー、さらに、ソフトウェアまで自社で生産した。外部から調達したのは、光源だけだ。 このように、ほとんどを自前で作ったため、過去の仕組みにこだわるという問題が生じた」、「結局、日本型縦割り組織を反映して全てを自社で内製化しようとする考えが、負けたということだ」、ここまで完敗する前に、軌道修正できなかったのだろうか。
・『核になる技術を持っていたことで躓いた  キヤノンもニコンも核になる技術、つまり「レンズ」を持っていた。それに対してASMLは、部品については、核になる技術を持っていない。レンズすらも外注しているのだ。他社が作っているものを、ただ寄せ集めているだけのようにさえ見える。 しかし、それにもかかわらず、売上の3割という利益を稼ぎ出すことができるのだ。このことは、ビジネスモデルに関する従来の考えに反するものだろう。 いままでは、企業は核になる技術を持っていなければならず、その価値を発揮できるようなビジネスモデルを開発することが重要だと言われてきた。しかし、ASMLは、このルールには当てはまらない。 部品について、ASMLは製造者ではなく購入者であったため、品質評価が客観的であったと言われる。 また、多くの技術を他社に依存する必要があったため、他社と信頼関係を築く必要があった。そして、顧客であるTSMCやサムスン、インテルなどと連携して、技術と知識が蓄積された。それが成功につながったと言われる。 それに対して、技術力が高いニコンは、他社と協業するという意識が低かった。それが開発スピードを低下させ、開発コスト負担増を招いたというのだ』、「企業は核になる技術を持っていなければならず、その価値を発揮できるようなビジネスモデルを開発することが重要」といった経営学の常識が覆された例だ。「ASML」は「多くの技術を他社に依存する必要があったため、他社と信頼関係を築く必要があった。そして、顧客であるTSMCやサムスン、インテルなどと連携して、技術と知識が蓄積された。それが成功につながった」、「技術力が高いニコンは、他社と協業するという意識が低かった。それが開発スピードを低下させ、開発コスト負担増を招いた」、やはり日本側には慢心もあったのではなかろうか。
・『ASMLの時価総額は、キヤノンの10倍、ニコンの60倍  現在のキヤノン、ニコンはどのような状態か? キヤノンは、時価総額が255.9億ドル、世界第759位だ。2007年には784 億ドルだったのだが、このように減少した。 ニコンは、時価総額が41.8億ドルで、 世界第 2593位だ。 2007年には126億ドルだった。 2007年には、ASMLの時価総額は126億ドル程度で、ニコンとほぼ同じ、キヤノンの6分の1だった。しかし、いまでは、キヤノンの10倍程度、ニコンの60倍程度になってしまったのだ。 こうした状態では、日本の賃金が上がらないのも、当然のことと言える』、この格差は「キヤノン、ニコンの従業員」によりもたらされたというよりも、経営者の怠慢によりもたらされたと見るべきだろう。
・『もしデジタルカメラを生産しなかったら  日本企業敗退の原因は、自社主義だけではない。 もう一つは、ビジネスモデル選択の誤りだ。つまり、カメラという消費財に注力したことだ。 もし、2000年代の初めに、キヤノンやニコンがデジタルカメラに注力するのでなく、半導体製造装置に注力していたら、世界は大きく変っていただろう。 2010年頃、日本では、円高などが6重苦になっているといわれた。そして、「ボリュームゾーン」を目指した戦略を展開すべきだと言われた。これは、勃興してくる新興国の中間層をターゲットに、安価な製品を大量に供給しようというものだ。ASMLとは正反対のビジネスモデルだ。 そして、日本ではこの方向が受入れられ、企業の経営者もそれを目指した。その結果が、いまの日本の惨状なのだ。 もちろん、将来がどうなるかは分からない。半導体の微細化をさらに進めるために、3次元の回路を作るということも考えられている。そうした技術が実用化された時に、はたしてASMLが生き残れるかどうかは、誰にも分からない。 日本企業が再逆転してほしいが、果たしてできるだろうか? 奇跡が起こることを祈る他はない』、「ビジネスモデル選択の誤り」は致命的だ。「「ボリュームゾーン」を目指した戦略を展開」、というのは、日本企業の得意技ではあるが、「カメラ」事業自体がそれほど収益性のあるものではない点で「選択の誤り」は明らかだ。

次に、6月23日付け東洋経済オンライン「日本の半導体が「凋落」を経て決断した新たな戦略 挽回、推進、布石の3ステップで巻き返せるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/598732
・『自動車向けなど用途の拡大で活況を呈する半導体。その安定調達は経済安全保障に直結するとして国も本腰を入れて支援に乗り出している。 「量子コンピューターやAI(人工知能)を実装するために、次世代半導体の実用化に大胆にチャレンジしていかなければならない」。 5月13日、岸田文雄首相は次世代半導体の強化を話し合った車座会議の冒頭でこう述べた。アメリカからはIBMシニアバイスプレジデントのダリオ・ギル氏、国内からは理化学研究所理事長の五神真氏らを総理官邸に招き、1時間にわたって意見を交わした。 桁違いの計算性能を持つ量子コンピューターが2030年代に実用化されると、現在のコンピューターでは事実上不可能な、膨大な組み合わせの中から最適解を探す計算処理が可能になる。医薬品開発にかかる計算時間が劇的に短縮できるなど、非連続的な社会変革さえ起こるといわれる』、「岸田文雄首相」が「次世代半導体の強化を話し合った車座会議」で重要性を学んだことは意義深そうだ。
・『次世代半導体の重要性は岸田首相にも伝わった  「量子コンピューターは新しい社会インフラになる。社会実装に向けたレースはまだ始まっておらず、日本が存在感を発揮できる可能性がある。その実用化段階でどうしても必要なのが、回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の最先端の半導体だ」 経済同友会副代表幹事でJSR名誉会長の小柴満信氏はそう話す。小柴氏も車座会議に出席。量子コンピューターと次世代半導体の重要性は岸田首相に十分伝わったと感じる。 将来ますますキーパーツとなる半導体について、強化策を主導しているのが経済産業省だ。経産省は有識者や産業界の関係者を集めて、2021年3月から「半導体・デジタル産業戦略検討会議(半デジ会議)」を開いている。 同会議で経産省が示したのが、「我が国半導体産業復活の基本戦略」と題された3つのステップだ(次ページ表)。内容を要約すると、半導体生産能力の「挽回」、次世代半導体開発の「推進」、将来技術への「布石」となる。 ステップ1では、半導体の製造拠点を国内に確保する。 その第一手となったのが台湾TSMCの工場の国内誘致だ。TSMC、ソニーグループの半導体事業子会社、デンソーの3社合弁による熊本県での半導体工場設立計画を認定し、最大4760億円の補助金を国が支給する。) 自動車など日本の基幹産業にとって、TSMCから調達するロジック(演算用)半導体は今や欠かせない重要部品だ。ソニーグループが得意とし、スマホカメラで「目」のような役割を果たすCMOSイメージセンサーにもロジック半導体が用いられるが、調達の大部分をTSMCに依存している。 台湾に対する中国の政治的圧力が高まる中、TSMCの台湾拠点に調達を依存する状態はリスクを伴う。「半導体は食糧やエネルギーと同様に社会を支える基盤。国家戦略として安定確保していく必要がある」。半デジ会議で事務方を務める経産省情報産業課の西川和見課長はそう強調する』、「我が国半導体産業復活の基本戦略」は経産省らしいビジョンだ。
・『「将来技術」が産業の競争力を左右する  ステップ2は次世代半導体技術の確立を目指す。 次世代品の一例が「ビヨンド2ナノ」の製品だ。半導体では電子回路を細かく作るほど性能が上がる。現在の最先端半導体は回路線幅が3ナノメートルのものだが、さらに小さい回路線幅を実現するための技術開発が各国で行われている。 ステップ1と同様に自前主義にとらわれず、海外の「同盟国、友好国全体で強化していく」(西川氏)のが特徴だ。5月23日の日米首脳会談では、次世代半導体開発に向けた共同タスクフォースの設置が決まった。 ステップ3は、量子コンピューターをインフラとして広く提供することや、超低消費電力と高速データ処理を同時に可能にする新技術の実現をグローバル連携で目指す。完全自動運転の自動車では、搭載されているAIがスマホ数百台分の電力を消費するといわれる。2030年代にはこれら将来技術が人々の社会生活や産業競争力を左右するとみられる。 これら経産省による振興策を政治が後押しする。自民党内の「半導体戦略推進議員連盟(半導体議連)」は5月24日、「今後10年間で官民合わせて10兆円の投資を行うべき」と決議。党の政務調査会や総務会などで議論を深める方向だ。) 議連事務局長の関芳弘議員は、「(10兆円という)半端でない投資額と羅針盤を示して、民間企業の経営者の背中を押すのがわれわれの役割だ」と話す。現在、先端半導体の工場設立には1兆円程度の投資が必要とされる。巨額投資に二の足を踏む民間企業の経営者の不安を解消したいとの考えだ。 議連の会長は甘利明前幹事長、最高顧問は安倍晋三元首相や麻生太郎副総裁が務める。議連の決議の影響力は無視できない。 半デジ会議は2022年4月までに5回開かれた。メンバーの1人である東京理科大学の若林秀樹教授は、「ステップ1は80点をつけられる」と及第点を与える。ハードルが高いと思われた熊本へのTSMC誘致を実現し、日本の産業で必要とする半導体の確保に道筋をつけたからだ。 2021年3月の第1回会合は政府の本気度に対して懐疑的なメンバーもいたという。だがTSMC誘致の成功により、「『政府もやるな』と雰囲気が一変した」(若林氏)』、「TSMC誘致の成功により、「『政府もやるな』と雰囲気が一変した」」、には疑問も感じた。
・『重要なことは「次世代半導体」をどう使うのか  日本の半導体産業が世界市場で占めるシェアは、1988年の約50%から2019年には約10%にまで下がった。 この著しい「凋落」の原因はいくつか挙げられるが、その1つが「日の丸自前主義の落とし穴」だ。自前主義にこだわったことで、世界の流れに遅れをとった。その点、今回はTSMCをはじめ海外勢の力を当初から活用しており、大きく前進している。 問題はここからだ。ステップ2も現状は「誰がどのようにやって、いくら投じるのかもわからない」(若林氏)。また、次世代半導体をどう作るのかだけでなく、それがどう使われるのかという視点も重要となる。 「日本の半導体産業は、大手電機企業の一部門だった経緯から顧客企業に製品仕様を決めてもらい発注を待つ『部品屋』の色彩が濃い。しかしそれでは、グーグルやアマゾンのデータセンター用AI半導体などへと、半導体の需要先が変わっている時代についていけない」 製造業に強いコンサルティング会社、アーサー・ディ・リトルの赤山真一パートナーはそう指摘する。半導体における海外先進企業は、企画力やマーケティング力を発揮し需要先のニーズを先回りして新製品に落とし込む。今後の市場ニーズもみすえて次世代品を開発しないと、無用の長物になりかねない。 30年以上にわたって半導体産業をウォッチしてきたジェフリーズ証券の中名生(なかのみょう)正弘シニアアナリストも同様に、「メタバースや自動運転といった最終需要あっての半導体」と述べる。次世代半導体の需要を新たに生み出すIT企業やスタートアップ企業を育てる政策が並行して必要となる。 中名生氏は「需要家の要望を半導体の設計に落とし込み、実際に工場で生産するところまでの間をつなぐ人材が不足している」とも指摘する。需要と供給の両サイドをうまく橋渡しするには、技術も理解しておかなければならない。そのような技術者を育成する政策が求められるというわけだ。 「本当の勝負はこれからだと思っている」――。 萩生田光一経産相は6月17日、TSMC熊本工場への補助金支給の決定に際し、そうコメントした。将来にわたって半導体産業だけなく経済社会を発展させていけるのか。まさに第一歩となる』、「TSMC熊本工場への補助金支給」が「将来にわたって半導体産業だけなく経済社会を発展させてい」く「第一歩」となってほしいものだ。

第三に、6月24日付け東洋経済オンライン「世界のTSMCが触手、日本の圧倒的な「半導体技術」 日本企業がいなければインテルのCPUも動かない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/598732
・『巨額の設備投資でしのぎを削る半導体。そうした中、日本勢が強みを持つ「後工程」に追い風が吹いている。 6月24日、茨城県のつくば市に施設を構える産業技術総合研究所の一角に、日本政府関係者や企業幹部、学者らが一堂に会する。 その目的は「TSMCジャパン 3DIC研究開発センター」の開所式だ。日本政府が主導して半導体製造の世界チャンピオン・台湾TSMCを誘致し、2021年2月に3DIC研究開発センターの設立が発表された。TSMCと日本の産学が共同し、半導体の「後工程」に関する研究開発を同センターで進める』、興味深そうだ。
・『参画企業は「オールジャパン」の顔ぶれ  ディスコや芝浦メカトロニクス、日立ハイテクなどの半導体製造装置メーカーや、イビデン、新光電気工業、東京応化工業といった半導体材料メーカーの計約20社がパートナー企業として参画する。TSMC以外は産総研、東京大学なども含め「オールジャパン」の顔ぶれだ。 パートナー企業の1社は、「研究段階から入り込むことでTSMCに自社の装置が採用されれば、量産に至ったときに大きな受注が手に入る」と期待をあらわにする。ほかの企業も「国内だと人の行き来がしやすい。TSMCとのビジネス拡大を狙いたい」と意気込む。 TSMCは半導体受託製造(ファウンドリー)分野で世界シェアの半分を占める。特に先端半導体の製造は同社への依存が高まっており、世界の電機・半導体メーカーが「TSMC詣で」をするほどの存在だ。 そのTSMCが半導体の「後工程」、しかも日本企業と共同研究開発を行うのには理由がある。 400~600と長い半導体の製造工程は大きく2つに分けられる。 1つは「前工程」だ。半導体を作る土台となる直径20cmや30cmのウエハに電子回路を描く。もう1つが、ウエハからチップを切り出し、パッケージで包み、検査する「後工程」だ。 半導体の性能は、電子回路をいかに細かく作るかに大きく左右される。微細にすればするほど、1つのチップにたくさんの回路を描き込むことができるため、処理速度や電力効率が上がる。ただ、その微細化が物理的な限界に近づきつつあり、「終わり」が意識され始めている。 そこで注目されているのが「3次元実装」と呼ばれる手法だ。ロジック(演算用)やメモリーなどの半導体チップを縦に積み上げることで、横に並べたときよりも面積が小さくなる。半導体チップ同士を結ぶ配線も短く済む。処理能力や電力効率が上がる次世代半導体の実現につながる』、「注目されているのが「3次元実装」と呼ばれる手法だ。ロジック(演算用)やメモリーなどの半導体チップを縦に積み上げることで、横に並べたときよりも面積が小さくなる。半導体チップ同士を結ぶ配線も短く済む。処理能力や電力効率が上がる次世代半導体の実現につながる」、なるほど。
・『「後工程」で日本の装置・材料は高シェア  「3次元実装」の実用化に向けては、製造装置メーカーや材料メーカーの協力が欠かせない。そして「後工程」の分野では日本メーカーしか持っていない技術がある。 ウエハを精緻に切断し、チップに分ける「ダイシングソー」では、日本のディスコが72%の市場シェアを持つ。切り分けたチップを保護するパッケージ基板(サブストレート)は「ミルフィーユのような複雑な構造」ともいわれ、最先端品では日本のイビデンと新光電気工業の2社寡占に近い。 「前工程」の微細化競争は半導体進化の一丁目一番地だ。そのため年間で兆円単位に上る巨額の研究開発投資を続けてきたTSMCのような企業に、半導体メーカーは製造を委託してきた。 一方、「後工程」はこれまで付加価値が低いとされ、人件費の安い東南アジアの企業などへ組み立てと検査が委託されてきた。それらの企業に代わって、日本の製造装置や材料メーカーに技術やノウハウが蓄積された。 後工程は進歩の余地が大きく、半導体の進化のカギを握っているといっても過言ではない。その中で、ひときわ存在感が大きいのがイビデンだ。 同社はパソコンやサーバーに搭載されるCPU(中央演算処理装置)向けにパッケージ基板を供給。アメリカのインテル向けが売上高の43%を占める。大げさに聞こえるかもしれないが、「イビデン製品がなければインテルのCPUは動かない」。TSMCが実用化を目指す「3次元実装」においてもパッケージ基板が重要技術となる。 「世界最先端の微細化をしているTSMC、トップランナーの材料メーカーと情報交換して、次世代の技術が習得できるのはありがたい」。イビデンの青木武志社長は、つくば市でのTSMCとの共同研究開発に期待感を示す。 岐阜県大垣市にある同社の大垣中央事業場。記者が訪れたのは日曜夕刻だったが、多くの車が出入りしており、繁忙を極めていることをうかがわせた。青木社長によると、足元の爆発的な半導体需要拡大に伴い、パッケージ基板のすべての工場が定期修繕以外24時間365日フル稼働だという』、「「後工程」はこれまで付加価値が低いとされ、人件費の安い東南アジアの企業などへ組み立てと検査が委託されてきた。それらの企業に代わって、日本の製造装置や材料メーカーに技術やノウハウが蓄積された。 後工程は進歩の余地が大きく、半導体の進化のカギを握っているといっても過言ではない」、大げさな感じもあるが、本当だろうか。
・『増産に向けて東京ドーム約3個分の土地を確保  もはや供給量は上限に達し、新たに工場を建てなければ顧客の要望に答えられない。そこでイビデンは年間売上高の約半分にあたる1800億円を投じ、河間(がま)事業場(岐阜県大垣市)を建て替えて増産する。 さらに、近隣の岐阜県大野町では過去最大となる15万㎡の土地を取得し、2026年度以降の増産を目指す。「河間事業場の建て替え後もすでにフル稼働が見通せているため、新たな土地を買った」と青木社長は説明する。 取得した土地の広さは東京ドーム約3個分、河間事業場の敷地面積の3倍弱にあたる。総投資額は数千億円規模に上るもようだ。現在、2023年夏の土地引き渡しに向けて多数の重機が土ぼこりを上げて整地作業を進めている。 新工場が立地する大野町は歓喜に沸いている。工場1棟あたり約1000人の人手が必要になるため、人口約2万2000人の大野町にとってはかなり大きなインパクトだ。 大野町では2007年から人口減が続いているが、「大規模な雇用が生まれることで、町外に流出する人口を食い止められる」(産業建設部建設課の後藤崇課長)との期待がかかる。新工場には最新鋭の高額な設備を導入するため、町に入る固定資産税も多額になりそうだ。 「クリティカル(死活的に重要)な材料は切り替えるコストが高くつく。サプライチェーンを維持して品質を保証し、必要なときに必要な量を供給する実績を長年積んできた日本勢に強みがある」 JSRの名誉会長で経済同友会副代表幹事の小柴満信氏は、日本の後工程技術の優位性をそう分析する。後工程の一部に必要な化学材料を手がけるJSRは、つくば市でのTSMCとの研究開発センターにも参画している』、「総投資額は数千億円規模」、「工場1棟あたり約1000人の人手が必要」、とはインパクトが大きそうだ。
・『予定通り人材を集めることができるのか  日本勢の完成されたサプライチェーンに一日の長があるとはいえ、人材確保が成長のボトルネックになりかねない。イビデンの青木社長は、「核になる技術者が足りない。最先端の半導体パッケージに関する技術は入社して2、3年で勉強できるものではなく、適した人材はそう多くない」と打ち明ける。 イビデンは新工場の立ち上げに向けて、地元に限定せず全国を対象に採用をかけるが、半導体関連の技術者をめぐる争奪戦は激しさを増す。予定通り増産するには早めの人材確保が欠かせない。 世界のTSMCも着目する日本の後工程技術。つくば市での研究開発の成果は、日本勢が次世代半導体を牽引する突破口になるかもしれない』、「つくば市での研究開発の成果は、日本勢が次世代半導体を牽引する突破口になるかもしれない」、とは楽しみだ。

第四に、7月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「サムスン電子とTSMCの決算比較で、半導体市況の変化の兆しが丸わかり」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306792
・『2022年4~6月期の半導体業界は、メモリ半導体を主体として収益を得ている半導体メーカーの業績拡大ペースが鈍化した。台湾TSMCと韓国サムスン電子の連結決算を比較すると、それがよく分かる。ポイントは、ビジネスモデルの違いと営業利益だ』、興味深そうだ。
・『メモリ半導体市況は調整色が強まる ロジック・車載用半導体の不足は続く  足元の半導体市況を見ると、車載用の半導体などは依然としてタイトであるものの、代表的なメモリ半導体であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)の需給は緩み始めている。それに伴い、台湾積体電路製造(TSMC)などの台湾勢、韓国のサムスン電子など大手半導体メーカーの収益状況は変化し始めている。 今後、メモリ半導体市況は調整色が強まる可能性が高い。ただ、精密度の高いロジック半導体や車載用半導体の不足は続くとの見方が有力だ。特に、最先端のロジック半導体の需給は、かなりタイトな状況が続くことが想定される。 そうした状況下、有力メーカーの存在感はさらに顕著になっている。一つの例は、ファウンドリ分野におけるTSMCのシェア拡大だ。また、半導体製造装置分野では、現在、最先端の生産に必要な露光装置(ステッパー)を、世界で唯一製造できるオランダASMLの存在感が一段と増している。 世界の半導体産業は、製造技術や経営体力などの総合力がモノをいう時代を迎えた。最先端の製造技術に磨きをかけることができるか否かが、大手半導体メーカーの優勝劣敗に決定的影響を与える。わが国の企業はそうした状況に追いつく努力をしないと、世界の半導体市場で生き残れなくなることが懸念される』、「世界の半導体産業は、製造技術や経営体力などの総合力がモノをいう時代を迎えた。最先端の製造技術に磨きをかけることができるか否かが、大手半導体メーカーの優勝劣敗に決定的影響を与える。わが国の企業はそうした状況に追いつく努力をしないと、世界の半導体市場で生き残れなくなることが懸念される」、由々しい事態だ。
・『TSMCとサムスン電子の決算比較 ビジネスモデルの特徴と営業利益は?  2022年4~6月期の半導体業界は、メモリ半導体を主体として収益を得ている半導体メーカーの業績拡大ペースが鈍化した。TSMCとサムスン電子の連結決算を比較すると、それがよく分かる(サムスン電子は速報)。 ビジネスモデルの特徴として、TSMCは5ナノや次世代のロジック半導体の生産能力に磨きをかけている。それによってTSMCはアップルやエヌビディアなどの顧客が設計・開発したチップの製造を多く受託し、急成長した。 一方、サムスン電子はスマホなどに加え、メモリ半導体に強みを持つ。近年はTSMCとの差を縮めるため、ファウンドリ分野での設備投資が積み増された。 4~6月期のTSMCとサムスン電子の連結決算のポイントは、営業利益だ。TSMCの営業利益は2621億台湾ドル(約1兆2000億円)で、12年来の過去最高を更新。前年同期と比べると79.9%も増加した。 他方、サムスン電子の営業利益は同11%増の14兆ウォン(約1兆4500億円)で、増益率は20年1~3月期以来の低水準だった。半導体事業はサムスン電子の営業利益の6割を稼ぐ。特に、メモリ半導体は稼ぎ頭だ。サムスン電子の世界シェアはNAND型フラッシュメモリで約34%、DRAMで約42%に達する。 世界のメモリ半導体業界は、在庫調整局面にシフトした。それが、サムスン電子のメモリ半導体事業の成長鈍化につながった。TSMC経営陣も、在庫調整が進むとの認識を示した。 メモリ半導体の需要が減少した一因は、中国経済の急速な減速だ。ゼロコロナ政策は人流・物流を寸断した。個人消費の急減によってスマホなどの需要が低下し、メモリ半導体需要を押し下げた。テレワーク拡大の一服もあり、世界全体でパソコン需要が減少し始めている。 そうした結果、メモリ半導体は値下がりし、サムスン電子の営業利益は伸び悩んだ。メモリ半導体の受託製造を手掛ける台湾の力晶積成電子製造も、需要減少に直面している。メモリ大手の米マイクロンでは、6~8月期の収益見通しが市場予想を下回ってもいる』、「TSMCは5ナノや次世代のロジック半導体の生産能力に磨きをかけている。それによってTSMCはアップルやエヌビディアなどの顧客が設計・開発したチップの製造を多く受託し、急成長した。 一方、サムスン電子はスマホなどに加え、メモリ半導体に強みを持つ。近年はTSMCとの差を縮めるため、ファウンドリ分野での設備投資が積み増された」、「世界のメモリ半導体業界は、在庫調整局面にシフトした。それが、サムスン電子のメモリ半導体事業の成長鈍化につながった」、なるほど。
・『最先端ロジック半導体は増加基調 TSMCは約6兆円の設備投資計画を維持  こうした状況下、TSMCは自社の競争優位性に自信を示している。背景には、「最先端のロジック半導体の需要が増加する」との見方がある。世界経済のデジタル化は、回路線幅3ナノや2ナノなど消費電力量が少なく、より高速なデータ処理を可能にするチップ需要を押し上げる。 ビッグデータの収集と分析の増加によって、最先端のロジック半導体需要は多少の変化を伴いつつも、増加基調となるだろう。そうした展開を予想してTSMCは400億~440億米ドル(約5.5兆~6兆円)の設備投資計画を維持している。 今後、競合他社が設備投資計画を下方修正した際、TSMCが投資計画を引き上げるか否かが見ものだ。他の大手半導体メーカーも最先端のロジック半導体生産体制の強化を急ぐ。米インテルはかつて10ナノレベルの生産ライン立ち上げにつまずき、遅れを取り戻すために、TSMCの製造技術に頼らざるを得なくなった。 また、サムスン電子は3ナノの量産体制を確立したと発表した。サムスン電子の微細化の実力に関してはさまざまな見方があるが、いずれにせよ、DRAMの需要急減をカバーするために、ロジック半導体の生産体制強化は急務だ。 また、TSMCやインテル、サムスン電子、台湾UMCなどが相次いで値上げを実施した。それだけ、最先端分野のロジック半導体の需要が強いということだ。インフレによる原材料価格の高騰も値上げの一因だ。 汎用型の生産ラインを用いて生産されるマイコンやセンサなど、車載用半導体も不足している。想定以上に事態は深刻で、トヨタ自動車は7月の追加減産を発表した。車載半導体分野でのシェア拡大を急ぐインテルは、「来年・再来年も半導体不足が続く」と予想している。 7月の米半導体イベント「SEMICON West 2022」において独フォルクスワーゲンは、「自社で半導体分野の取り組みを強化する」と表明した。世界全体で車載用半導体の供給が需要に追い付いていない。電動化や自動運転技術の実用化などによって、自動車に搭載される半導体点数が急増しているからだ。また、ウクライナ危機と中国のゼロコロナ政策が供給制約を深刻化させたことも大きい』、「世界経済のデジタル化は、回路線幅3ナノや2ナノなど消費電力量が少なく、より高速なデータ処理を可能にするチップ需要を押し上げる・・・そうした展開を予想してTSMCは400億~440億米ドル(約5.5兆~6兆円)の設備投資計画を維持」、「サムスン電子は3ナノの量産体制を確立したと発表した。サムスン電子の微細化の実力に関してはさまざまな見方があるが、いずれにせよ、DRAMの需要急減をカバーするために、ロジック半導体の生産体制強化は急務だ」、なるほど。
・『半導体メーカーの優勝劣敗は鮮明に これまで以上に経営体力が問われる  今後、世界の有力半導体メーカーの優勝劣敗は鮮明となるだろう。同じことは半導体の製造装置、部材メーカーにも当てはまる。これまで以上に企業の経営体力が問われる。 メモリ半導体の一角で、急速に需給は緩んでいる。しかし、それが半導体市況全体の大きな調整につながるとは考えづらい。特に、これまであまり半導体が使われてこなかった製品に、より多くのチップが搭載されるようになっている。スマート家電、スマートホームのように、スマホやITデバイスで家電や住宅設備を操作する機会が急増している。 製造業分野ではメタバース技術によって生産ラインが、自宅などでバーチャルに再現される。デジタル化の加速が、新しいチップ需要を創出する。 脱炭素にも同じことが言える。蓄電池やスマートグリッドなどの利用は増加する。それが電流の管理などを行うパワー半導体の需要を生み出す。すでに、その兆候が出ている。 7月に入り、物価高騰や供給制約など世界経済の先行き懸念が高まる中、米クアルコムはスタートアップのセルワイズを買収した。高速通信に対応したチップ開発を加速するためだ。EUV(極端紫外線)を用いた製造、検査装置のニーズも増える。「23年の半導体製造装置の世界販売は4年連続で過去最高を更新する」と国際団体のSEMIは予想する。 半導体メーカーは、新しい取り組みを強化し続けられるか否かが、優勝劣敗に直結する。わが国の半導体関連企業は、競合他社に見劣りしない規模で設備投資を積み増すことが不可欠だ。 特に、超高純度のフッ化水素やレジストなどの半導体部材、半導体の製造と検査装置で本邦企業は競争力を維持している。汎用型の車載用やパワー半導体分野でも、国内企業は一定のシェアを持つ。 成長加速のために、各社は事業運営の効率性を飛躍させつつ、研究開発や設備投資を積み増す必要がある。それができるか否かが、不安定な半導体産業で生き残りをかけた決定打となるはずだ』、「半導体メーカーは、新しい取り組みを強化し続けられるか否かが、優勝劣敗に直結する。わが国の半導体関連企業は、競合他社に見劣りしない規模で設備投資を積み増すことが不可欠だ。 特に、超高純度のフッ化水素やレジストなどの半導体部材、半導体の製造と検査装置で本邦企業は競争力を維持している。汎用型の車載用やパワー半導体分野でも、国内企業は一定のシェアを持つ。 成長加速のために、各社は事業運営の効率性を飛躍させつつ、研究開発や設備投資を積み増す必要がある」、日本の「半導体」関連産業の生き残りを期待したい。
タグ:「TSMCは5ナノや次世代のロジック半導体の生産能力に磨きをかけている。それによってTSMCはアップルやエヌビディアなどの顧客が設計・開発したチップの製造を多く受託し、急成長した。 一方、サムスン電子はスマホなどに加え、メモリ半導体に強みを持つ。近年はTSMCとの差を縮めるため、ファウンドリ分野での設備投資が積み増された」、「世界のメモリ半導体業界は、在庫調整局面にシフトした。それが、サムスン電子のメモリ半導体事業の成長鈍化につながった」、なるほど。 「世界の半導体産業は、製造技術や経営体力などの総合力がモノをいう時代を迎えた。最先端の製造技術に磨きをかけることができるか否かが、大手半導体メーカーの優勝劣敗に決定的影響を与える。わが国の企業はそうした状況に追いつく努力をしないと、世界の半導体市場で生き残れなくなることが懸念される」、由々しい事態だ。 「「後工程」はこれまで付加価値が低いとされ、人件費の安い東南アジアの企業などへ組み立てと検査が委託されてきた。それらの企業に代わって、日本の製造装置や材料メーカーに技術やノウハウが蓄積された。 後工程は進歩の余地が大きく、半導体の進化のカギを握っているといっても過言ではない」、大げさな感じもあるが、本当だろうか。 「注目されているのが「3次元実装」と呼ばれる手法だ。ロジック(演算用)やメモリーなどの半導体チップを縦に積み上げることで、横に並べたときよりも面積が小さくなる。半導体チップ同士を結ぶ配線も短く済む。処理能力や電力効率が上がる次世代半導体の実現につながる」、なるほど。 東洋経済オンライン「世界のTSMCが触手、日本の圧倒的な「半導体技術」 日本企業がいなければインテルのCPUも動かない」 「半導体メーカーは、新しい取り組みを強化し続けられるか否かが、優勝劣敗に直結する。わが国の半導体関連企業は、競合他社に見劣りしない規模で設備投資を積み増すことが不可欠だ。 特に、超高純度のフッ化水素やレジストなどの半導体部材、半導体の製造と検査装置で本邦企業は競争力を維持している。汎用型の車載用やパワー半導体分野でも、国内企業は一定のシェアを持つ。 成長加速のために、各社は事業運営の効率性を飛躍させつつ、研究開発や設備投資を積み増す必要がある」、日本の「半導体」関連産業の生き残りを期待したい。 「世界経済のデジタル化は、回路線幅3ナノや2ナノなど消費電力量が少なく、より高速なデータ処理を可能にするチップ需要を押し上げる・・・そうした展開を予想してTSMCは400億~440億米ドル(約5.5兆~6兆円)の設備投資計画を維持」、「サムスン電子は3ナノの量産体制を確立したと発表した。サムスン電子の微細化の実力に関してはさまざまな見方があるが、いずれにせよ、DRAMの需要急減をカバーするために、ロジック半導体の生産体制強化は急務だ」、なるほど。 半導体産業 真壁昭夫氏による「サムスン電子とTSMCの決算比較で、半導体市況の変化の兆しが丸わかり」 「つくば市での研究開発の成果は、日本勢が次世代半導体を牽引する突破口になるかもしれない」、とは楽しみだ。 ダイヤモンド・オンライン 「総投資額は数千億円規模」、「工場1棟あたり約1000人の人手が必要」、とはインパクトが大きそうだ。 「TSMC熊本工場への補助金支給」が「将来にわたって半導体産業だけなく経済社会を発展させてい」く「第一歩」となってほしいものだ。 「TSMC誘致の成功により、「『政府もやるな』と雰囲気が一変した」」、には疑問も感じた。 「我が国半導体産業復活の基本戦略」は経産省らしいビジョンだ。 「岸田文雄首相」が「次世代半導体の強化を話し合った車座会議」で重要性を学んだことは意義深そうだ。 東洋経済オンライン「日本の半導体が「凋落」を経て決断した新たな戦略 挽回、推進、布石の3ステップで巻き返せるか」 「ビジネスモデル選択の誤り」は致命的だ。「「ボリュームゾーン」を目指した戦略を展開」、というのは、日本企業の得意技ではあるが、「カメラ」事業自体がそれほど収益性のあるものではない点で「選択の誤り」は明らかだ。 この格差は「キヤノン、ニコンの従業員」によりもたらされたというよりも、経営者の怠慢によりもたらされたと見るべきだろう。 「企業は核になる技術を持っていなければならず、その価値を発揮できるようなビジネスモデルを開発することが重要」といった経営学の常識が覆された例だ。「ASML」は「多くの技術を他社に依存する必要があったため、他社と信頼関係を築く必要があった。そして、顧客であるTSMCやサムスン、インテルなどと連携して、技術と知識が蓄積された。それが成功につながった」、「技術力が高いニコンは、他社と協業するという意識が低かった。それが開発スピードを低下させ、開発コスト負担増を招いた」、やはり日本側には慢心もあったのではなかろう 「ASMLは中核部品を外注・・・自社で担当しているのは、ソフトウェアだけだ」、「ニコンは、レンズはもちろんのこと、制御ステージ、ボディー、さらに、ソフトウェアまで自社で生産した。外部から調達したのは、光源だけだ。 このように、ほとんどを自前で作ったため、過去の仕組みにこだわるという問題が生じた」、「結局、日本型縦割り組織を反映して全てを自社で内製化しようとする考えが、負けたということだ」、ここまで完敗する前に、軌道修正できなかったのだろうか。 「日本の得意分野」が20年強で「撤退」を余儀なくされるとは情けない限りだ。 「キヤノンとニコン」が「半導体露光装置」で完敗した要因とは興味深い。 「1984年」、「フィリップスのゴミ捨て場の隣に建てたプレハブで、31人でスタートした」のが、いまや「時価総額は、日本のトヨタ自動車2742.5億ドルとほぼ同じだ。世界第678位のフィリップス(293.5億ドル)の10倍近い」、「利益(EBIT)は46.3億ドル」。「トヨタ」「169.9億ドル」、「従業員数は28000人」とトヨタ自動車(37万人)の7.6%」、凄い超優良企業だ。 野口 悠紀雄氏による「ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した 技術力がニコン・キヤノンの躓きの石」 現代ビジネス (その8)(ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した 技術力がニコン・キヤノンの躓きの石、日本の半導体が「凋落」を経て決断した新たな戦略 挽回 推進 布石の3ステップで巻き返せるか、世界のTSMCが触手 日本の圧倒的な「半導体技術」 日本企業がいなければインテルのCPUも動かない、サムスン電子とTSMCの決算比較で 半導体市況の変化の兆しが丸わかり)
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