SSブログ

企業不祥事(その27)(吉野家が“牛丼マーケティングの寵児”を電撃解任!「生娘シャブ漬け」発言で、吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない、不祥事の工場が謝罪…東京湾へ猛毒流出「戦慄の真っ赤な川」写真、船橋屋 罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの) [企業経営]

企業不祥事については、4月18日に取上げた。今日は、(その27)(吉野家が“牛丼マーケティングの寵児”を電撃解任!「生娘シャブ漬け」発言で、吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない、不祥事の工場が謝罪…東京湾へ猛毒流出「戦慄の真っ赤な川」写真、船橋屋 罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの)である。

先ずは、4月19日付け日刊ゲンダイ「吉野家が“牛丼マーケティングの寵児”を電撃解任!「生娘シャブ漬け」発言で」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/304161
・『「牛丼マーケティングの寵児」が電撃解任となった。 早稲田大学が16日に主催した「デジタル時代のマーケティング総合講座」の担当講師で参加した際、若い女性客をターゲットにするための手法として「生娘をシャブ漬けに戦略」などと発言したとされる、牛丼チェーン大手「吉野家」の伊東正明常務のことだ。 伊東氏は発言が問題視され、講座の翌日に早稲田大学に謝罪したものの、吉野家は19日、「人権・ジェンダー問題の観点から到底容認することの出来ない職務上著しく不適切な言動があった」として、伊東氏の解任を発表した。 生活用品大手「プロクター・アンド・ギャンブル」(P&G)のバイスプレジデントを経て、18年1月、戦略担当顧問として吉野家に移り、同10月に常務に就いた伊東氏。吉野家がそれまで手薄だった若年層の取り込みに力を入れ、「超特盛」やコラボメニューの「ライザップ牛サラダ」などの新標品を次々に投入。とりわけ、伊東氏がこだわっていたのが「若い女性客の開拓」だったという。 「若年層や若い女性の利用が多いとしてメルカリに目を付け、同社のスマホ決済『メルペイ』を使ったキャンペーンを発表。おじさん客主体だった店雰囲気を変え、女性客が1人でも気軽に入店できるよう知恵を絞っていました。取り組みが奏功し、吉野家の業績は着実に回復。外食業界で伊東氏は『牛丼マーケティングの寵児』とも言われていました」(飲食業界ライター)) しかし、今回の問題発言で会社は早々に伊東氏を解任した。 「シャブ漬け発言は論外ですが、ネット上では『顧客に提供する食事は単なるエサであり、食えりゃ何でもいいとしか思っていなかったのね』といった意見や、『男に高い飯をおごってもらえるようになれば、絶対に(牛丼は)食べない』という伊東氏の別の発言について、『そんなモノを食べさせているワケ?』という意見も増えている。吉野家としても、もはや個人の問題ではなく、企業姿勢が問われると判断したのでしょう」(前出のライター) 好事魔多し』、外資系の「P&G」から来た『牛丼マーケティングの寵児』で、「若い女性客の開拓」を目指していた人物が、このような軽率な発言をするとは、開いた口が塞がらない。特に、「生娘をシャブ漬けに戦略」は余りに酷い。「早稲田大学でのマーケティング総合講座」ということで、気が緩んだのだろうが、本音が出たとみるべきだろう。

次に、この問題に絡んで、4月21日付け東洋経済オンラインが掲載した経済評論家・百年コンサルティング代表の鈴木 貴博氏による「吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/583661
・『吉野家の伊東正明常務取締役企画本部長が早稲田大学で行った社会人セミナーでの不適切発言で解任されました。女性顧客を取り込むマーケティング施策について「生娘をシャブ漬け戦略」とネーミングしたことがSNSで拡散された件で、吉野家も「人権・ジェンダー問題の観点からとうてい許容することのできない」問題だとして迅速に処分に及んだものです。 外資系企業からマーケティングのプロとして鳴り物入りで移籍して、科学的な手法で吉野家の売り上げ増にも一定の貢献をしたプロ経営者が、最後は吉野家ブランドに致命的なダメージを与えて会社を去ったこの事件。世間的にはコンプライアンス(法令遵守や社会的規範・社会道徳、ステークホルダーの利益・要請に従うことなども含んだ概念)の問題だと捉えられていますが私はもう1つ別の重大事にフォーカスをあてるべきだと考えます』、「もう1つ別の重大事」とは何なのだろう。
・『プロ経営者の任命責任  それはプロ経営者の任命責任の問題です。 近年、日本企業にプロ経営者の招へいブームが起きています。もちろん経営者としてきちんと機能して賞賛されるべきプロ経営者もたくさんいらっしゃいます。 しかし同時に会社をダメにするプロ経営者がいる。吉野家の場合は次期社長を狙える常務取締役企画本部長のポジションを伊東氏に託していました。これは解任して終わりではなく、もし解任事案が起きなければ吉野家という伝統ある企業に何が起きていたのかを経営陣が猛省すべき問題ではなかったのか。その観点から問題点をまとめてみます。) プロ経営者というものは日本人から見ると魅力的な人物です。伊東氏の場合、華々しい実績がありました。同時に非常に科学的・論理的にマーケティング戦略を構築する手腕をお持ちです。 こういったプロ経営者は人材としては希少で、それを欲しいと考える日本人経営者は少なくありません。結果としてヘッドハンティングの市場での価値は上がり、高額の報酬と高いポジションを提示されて大企業の経営陣に収まることになります。 もちろん結果も出すプロ経営者はたくさんいらっしゃいます。私が尊敬する経営者の名前を挙げれば、日本航空を再建した稲盛和夫氏や、現サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏はトップランクのプロ経営者です。一方でこれは強い私見と申し上げておきますが、東芝は外部から招聘したプロ経営者によってボロボロにされてしまった典型例です。問題は招へいの段階ではそのどちらに転がるのか、招へいした側がそのリスクを評価できないことです。 何しろプロ経営者は既存の経営陣から見れば魔法のような新しい経営手法を引っ提げて登場します。表現に気をつけて発言させていただくと「経営陣は新経営手法の中毒にする戦略」に巻き込まれてしまって、危険かもしれないその人物をあたかも救世主のように感じてしまう錯覚が起きるのです』、「東芝は外部から招聘したプロ経営者によってボロボロにされてしまった典型例です。問題は招へいの段階ではそのどちらに転がるのか、招へいした側がそのリスクを評価できないことです。 何しろプロ経営者は既存の経営陣から見れば魔法のような新しい経営手法を引っ提げて登場します。表現に気をつけて発言させていただくと「経営陣は新経営手法の中毒にする戦略」に巻き込まれてしまって、危険かもしれないその人物をあたかも救世主のように感じてしまう錯覚が起きるのです」、今回は、「伊東氏」が「常務取締役企画本部長」で、まだ「社長」にはなってない段階で問題が発覚したのは、「吉野家」にとって不幸中の幸いと言えるだろう。
・『危険なプロ経営者を見抜く3つのポイント  では危険なプロ経営者と、信頼して託せるプロ経営者はどう見分ければよいのでしょうか? 私の経験からは危険なプロ経営者には3つの見分けられる悪い兆候が見られます。 それは、1. 商材の強みについてのリスペクト(尊敬)がない 2. 社員力の把握が弱い 3. マウントの手段として会社の文化を壊す の3点です。順番に説明していきましょう。 まず「商品の強みについてのリスペクト(尊敬)がない」ですが、これは今回の吉野家の問題発生直後から私が抱いた違和感でもありました。各社の報道等を総合すると、例の「戦略」の中身として若い女性をターゲットにしたマーケティングを導入する理由を「高い料理をご馳走してもらうようになった後では牛丼のファンにするのは難しい」からだと伊東氏は説明されていたそうです。吉野家ファンである私には高い料理を食べるようになった後だと吉野家の牛丼のおいしさが伝わらないという理屈がわからない。 マーケティングのプロである以上、吉野家の牛丼のブランドコンセプトが「うまい、やすい、はやい」であることは十分に承知されているはずです。ところがご本人は「やすい」は強みだが「うまい」という強みはないと発言されている。これは内部で育った経営陣であれば、すぐに気づくであろう違和感です。 2番目の「社員力の把握が弱い」という点は今回の吉野家のケースについて当てはまるかどうかまではよくわかりませんが、一般的に、危険なプロ経営者の場合は会社の人財というリソースの把握が不十分なことが多いです。これは部外者が短期間に人心を掌握するという必要上、仕方のないことでもありますが、自分の味方になりそうな人材を見極めて周囲を固めて、潜在的な抵抗勢力とどう戦うのか早期に構えなければならないからです』、「「高い料理をご馳走してもらうようになった後では牛丼のファンにするのは難しい」からだと伊東氏は説明」したようだが、「高い料理をご馳走してもらうようになった後で」も、「牛丼」はコスト・パフォーマンスの良さなどそれなりの魅力を持っていると思う。「「うまい」という強みはないと発言」、は確かに違和感がある。
・『古参社員を頼れるかどうか  ただこれは断言できるのですが、外資系企業で欧米流のプロ経営手法を学んできた経営者のいちばんの弱点が、日本企業の持つ人財の把握と掌握・活用が不得手という点です。吉野家のように少なからずの社員がバイトから入って吉野家を好きになり、その中から幹部や役員が生まれるという企業にとっては、人間の力こそが会社の最大の強みであり財産です。この点に詳しくないという弱点をカバーするために古参社員を頼ることができるかどうかでプロ経営者としての差が生まれます。 「いや、それだったら最初から頭を下げて現場の力に頼ればいいじゃないか」 と思うかもしれませんが、プロ経営者にはなかなかそれが簡単ではない別の事情がある。それが3番目の問題と関係します。 外部から招聘される中で、危険なプロ経営者の3番目の問題は「マウントの手段として会社の文化を壊す」という傾向です。 外部から招聘されたプロ経営者が権力を掌握するために「どう既存幹部をマウントするか」が戦術的なカギとなります。その手段の1つとなるのが既存の文化の否定です。 「これまでの経営は科学的ではなかった」 「利益が出るという尺度で見ることが何よりも重要だ」 とプロ経営者が発言すると、なんとなくそれが正しいように思えてきます。 本当は、「数字でみることが科学的なのか、それとも現場が肌で感じた事実のほうが科学的なのか」 「利益を越えた長期的な信頼の方が重要な局面もある。今はどちらなのか」』、なるほど。
・『マウントされた側は平伏してしまうことも  といった視点が重要でも、マウントされた側はそれに気づかずに平伏してしまうことがあるのです。 ここからは一般論ですが、最大の問題は、どんな企業であっても危険なプロ経営者を招き入れてしまうことで、ここで挙げた3つの問題が顧客と株主に波及していくことです。会社の文化を壊し、社員力をないがしろにし、なによりも商品についてのリスペクトに欠けた経営者をトップの座に招き入れてしまうのは、長期的に株式を保有している株主から見れば失策です。それで万が一にも味や価格などが大きく変わるようなことがあれば長年利用している顧客にとっても悪夢でしょう。 一部のプロ経営者から見れば業績は科学であり数字でしかないかもしれませんが、顧客から見れば商品は人生そのものかもしれません。従業員にとってもそうです。 「そんなものをなぜ引き入れてしまったのか?」 吉野家は全社をあげてコンプライアンス教育に力を入れると表明していますが、それよりも経営を誰にどう任せるかということに関した反省会に力を入れてほしいと、50年来の吉野家ファンとしては切に願います』、確かに「コンプライアンス教育」よりも、「経営を誰にどう任せるかということに関した反省会に力を入れてほしい」、同感である。

第三に、8月19日付けFRIDAY「不祥事の工場が謝罪…東京湾へ猛毒流出「戦慄の真っ赤な川」」を紹介しよう。
https://jp.sunnews.site/domestic/2022/08/19/171761.html
・『「近隣住民の皆さま、行政、関係者にご心配とご迷惑をお掛けし、まことに申し訳ございません」 8月18日に日本製鉄東日本製鉄所(千葉県君津市)は千葉県庁で記者会見を開き、谷潤一所長がこう謝罪した。同社が謝ったのは、工場から有害物質シアンが流出したことについて。8月15日までに423回の自主検査を行い、37回の基準超過があったという。 シアンは人間の体内に入れば死に至ることもある、危険な化学物質だ。『FRIDAYデジタル』は、流出直後の不気味な川の様子を取材。今年7月11日に配信した記事を再掲載したいーー。 「家の前を流れる川を見ると、あたり一面が真っ赤に染まり、死んだ魚が浮いていました。原因が、工場から漏れた猛毒のシアンだと聞いたときには恐ろしくて震えました。またいつ同じことが起こるかと考えると、気が気でありません」(周辺住民) 日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)で、6月から毒性の強いシアンが東京湾や周辺の川に相次いで流出している。 「最初に発覚したのは6月18日です。敷地東側の排水口から生産工程で使用する脱硫液が漏れ出し、東京湾に流出。翌19日には敷地南側の排水口からも漏洩し、水路とそこに繋がる小糸川の河口付近が赤く染まり水面には魚が浮きました。 川の水を検査すると猛毒シアンを検出。続く20日には、敷地東側の別の排水口からも排水基準を大きく上回る1リットル当たり0.6ミリグラムのシアンが見つかっています。7月に入っても、シアンが東京湾に流れ出ているのがわかっているんです」(全国紙社会部記者) シアンは人間の体内に入ると呼吸困難に陥り、 数秒で死亡する強い毒性を持つ。致死量は0.06 グラム。千葉県は排水基準を、1リットル当たり0.1ミリグラム未満と厳しく規制している。 「ハッキリした原因はわかっていません。日本製鉄によると、6月18日から20日にかけての漏洩は、工場内にある約3000立方メートルに上る脱硫液を溜めたタンクから。6月30日と7月1日の漏洩は、高炉の集塵関連施設の排水ルートからの流出とされます。 しかし、脱硫液には本来、シアンは含まれていません。混入ルートなど、詳しい原因を調査中です。同工場には全部で17個の排水口がありますが、シアンなど有害物質が検出された場所は閉鎖し水質調査を継続しているそうです」(同前)』、「6月18日から20日にかけての漏洩は、工場内にある約3000立方メートルに上る脱硫液を溜めたタンクからの流出」、「6月30日と7月1日の漏洩は、高炉の集塵関連施設の排水ルートからの流出」、しかし、「脱硫液には本来、シアンは含まれていません」、「詳しい原因を調査中」、信じ難い事故だ。
・『夏場の漁への深刻な影響  7月6日に記者が現地を訪れると、シアンが流れ出た水路や約1.7㎞離れた小糸川の合流地点の水の色は元に戻っていたものの、所々に魚の死骸が浮いていた。 工場周辺の漁港からは心配の声が上がる。 「現在、海の状態を厳重に警戒しています。魚への影響は確認していませんが、再びシアンが流出するようなことがあれば夏場のマコガレイやスズキ漁に影響がでるかもしれません」(富津漁港で働く関係者) 「流出が止まったと思ったら、6月30日と7月1日に木更津側からも漏洩が起きた。魚の汚染や風評被害が出るようだと、補償問題にもなり兼ねない。木更津海岸は7月末まで潮干狩りシーズンですが、不安に感じた人からの問い合わせがきています」(木更津市の漁港関係者) 千葉県などによると、シアンは海水で分解されるため今回の流出による人体への影響は考えにくいとされる。だが県や近隣の市は、同製鉄所近くを流れる水路や小糸川河口付近に近寄らず、同地区の水を飲むことや魚に触れたり食べたりしないよう呼びかけている。 日本製鉄の見解だ。 「近隣の住民と関係者にご心配とご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません。今回の事態を非常に重く受け止め、現在、千葉県や近隣の市、海上保安庁の指導に真摯に対応すると同時に再発防止策を検討しています」(君津地区総務部) 流出したシアンが人体に入れば、取り返しがつかないことになる。原因究明と対策徹底が求められる』、いまだに原因が不明とはどうなっているのだろう。確かに「原因究明と対策徹底が求められる」。

第四に、10月1日付け東洋経済オンラインが掲載したネットメディア研究家の城戸 譲氏による「船橋屋、罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/622998
・『不祥事が起きた時、いかに「炎上」を最小限に抑えるか——。 筆者はネットメディア編集者として、10年近く、あらゆる炎上をウォッチしてきた。その経験から振り返ると、ここ数日話題になっている和菓子メーカー「元祖くず餅 船橋屋」(以下、船橋屋)の事例は、いいケーススタディになりそうだ』、興味深そうだ。
・『船橋屋が炎上に至った経緯  時系列を追って説明したい。各社報道によると、船橋屋の渡辺雅司社長(当時)は2022年8月24日、東京都千代田区内で乗用車を運転中、赤信号に気付かず直進したところ、右折してきた車に衝突した。後に船橋屋から出た発表によると、事故後に警察へ届け出て、すでに和解・示談が成立しているという。 示談が済んだから、それでおしまい……ではなかった。事故発生から1カ月後、衝突された車のドライブレコーダー映像が、インターネットで拡散された。渡辺氏らしき人物が「どっからお前出てきてるんだ、この野郎!」などと怒鳴り散らし、衝突された車のドアを蹴る。そんな様子が9月26日ごろから拡散され、企業トップとしての姿勢を問われることとなったのだ。 今回の特徴的だったのは、炎上の「ハブ」となる人物を介して、拡散が加速した点にある。ドライブレコーダー動画は、9月26日夜に「暴露系」と呼ばれるインフルエンサーによってツイッターへ投稿され、10月1日未明時点で3.7万のリツイート・引用ツイート、7.7万の「いいね」が付いている。ここを発火点として、ネット上には非難の声がこだました。 船橋屋とは、そもそもどんな会社か。公式サイトによると、創業は文化2年(1805年)、東京・亀戸天神のそばに、初代・勘助氏が開いたのが始まりだった。雅司氏は8代目にあたる。土地勘がある人だと「亀戸なのに、なぜ船橋?」と思われるだろうが、初代の出身地が、千葉の船橋なんだそうだ。小麦粉のでんぷん質を、乳酸菌で発酵させた「くず餅」をメインに、和菓子商品を販売している。 200年以上の歴史が揺らぐ「大炎上」。しかしながら、拡散から数日間の動きを見ていると、従業員300人規模の企業としては珍しいほど、しっかりと対応しているように見受けられる。不祥事が発覚してからの「初動の早さ」と「適時の報告」、そして平時からの「消費者との関係性」、これらが十分満たされているのだ。 まずは公式サイトの発表文と掲載日、それぞれの概要をみてみよう。 「弊社代表取締役社長の交通事故に関するインターネット上での書き込みについて」(9月27日) 「無関係な企業と弊社従業員へのインターネット上の書き込みについて」(28日、執行役員で29日に社長に就任した佐藤恭子氏) 「代表取締役社長・渡辺雅司の辞任に関して」(28日) 「代表取締役社長の辞任に関するお知らせ」(29日) 「代表取締役社長選任のお知らせ」(30日) 第一報で事故・現場対応の事実を認め、続いて「今回の事態の責任は、弊社代表取締役社長・渡辺雅司にございます」として、従業員や類似名称の企業への誹謗中傷や問い合わせを控えるよう呼びかける。その後、渡辺氏から辞任の申し出があったと伝え、翌日の取締役会で受理した旨を報告。そして新社長選任を発表——。 中小企業では人的リソースや、ノウハウなどの関係で、対応が後手後手に回るケースが多々あるが、こと今回の事案は、迅速かつ的確に行われている印象を受ける』、確かに手際の良さには感心させられた。危機管理のコンサルタントからアドバイスでも受けたのだろうか。
・『背景には卓越した「SNS発信力」  他の老舗和菓子メーカーと比べて、船橋屋が持っている特徴が、SNSでの発信力だ。ツイッターは10月1日時点で7.8万フォロワー。9月27日以降は公式サイトのプレスリリースをシェアする類いの形式的な投稿ばかりだが、前日までは商品写真や、ゆるい口調のつぶやきばかりだった。 企業ツイッター界隈には「中の人」という文化がある。広報やツイッター担当者が、同業・別業種を問わず、企業アカウント同士で交流したり、消費者と直接コミュニケーションを取ったりするもので、ここ数年、頭角を現していた企業のひとつが、船橋屋ツイッターだった。フォロワーからは批判が絶えないが、「商品や店員さんには罪ないもんね」「中の人大変だと思いますが、頑張ってください」といった声も見られるのは、普段から消費者とのリレーションシップを作ってきたからに他ならない。 船橋屋の「中の人」は2020年12月、日経クロストレンドの記事で、こう語っていた。 「215年のブランドを『中の人』としても大切にすることが、結果的に会社のブランドを守り、炎上対策にもなっているではないかと思います」(原文ママ) もし渡辺氏も「中の人」と同じ精神を持っていたなら、今回のようなことにはならなかっただろう』、「広報やツイッター担当者が、同業・別業種を問わず、企業アカウント同士で交流したり、消費者と直接コミュニケーションを取ったりするもので、ここ数年、頭角を現していた企業のひとつが、船橋屋ツイッターだった」、「フォロワーからは批判が絶えないが、「商品や店員さんには罪ないもんね」「中の人大変だと思いますが、頑張ってください」といった声も見られるのは、普段から消費者とのリレーションシップを作ってきたからに他ならない」、「船橋屋ツイッター」での努力が実を結んだのかも知れない。。
・『ブランド価値に傷がつき、社員たちの努力が…  インターネット上の情報がなかなか消せないことを、スラングで「デジタルタトゥー」と呼ぶ。渡辺氏もまた、過去のインタビューで社員の8割が辞めたと語っていたことが「パワハラ体質」だったとして、掘り起こされている。インターネットの普及によって、これまでの言動がつまびらかになるのだ。 たとえもし今後、上記のインタビュー記事が非公開になったとしても、「ハイ、終わり」とはならない。SNSには削除前のスクリーンショットが出回り、「証拠隠滅ではないか」と、さらなる悪印象を与える。 4月に発生した知床遊覧船事故も、そうだった。あの時波紋を呼んだのは、経営者本人よりも関わっていた経営コンサルタントの発言だったが、注目された末に、記事は公開停止に。のちに再公開されたが、火に油を注ぐ結果となった。 社長辞任をもって、表向きとしては、幕引きとなった。とはいえ、発覚以前のブランド価値が、そのまま回復するわけではない。残された社員達は、負のレガシーを拭いながら、改めて信頼を積み重ねていかなければならない。 そしてなにより、今回の一件を通じて、世間の船橋屋に対する消費者のイメージが悪化し、記憶を上書きされてしまった。上記のような社員たちのこれまでの努力は水の泡……とまでは言わないまでも、決してプラスの出来事ではなかった。 船橋屋は9月29日、執行役員の佐藤恭子(神山恭子)氏が、後継社長に就任したと発表した。なお、先に挙げた5本のプレスリリースは、4本が会社名義だったが、「無関係な企業と〜」は佐藤氏の名義で出されている』、「渡辺氏もまた、過去のインタビューで社員の8割が辞めたと語っていたことが「パワハラ体質」だったとして、掘り起こされている」、「9月29日、執行役員の佐藤恭子(神山恭子)氏が、後継社長に就任」、本当に見事な手際だ。
・『後継社長に感じる「船橋屋への愛」  佐藤氏は、新卒で船橋屋に入社した、たたき上げの社員だ。創業家の、渡辺氏と立ち位置は違えど、老舗企業再建の立役者として、メディアに登場する機会も多い。各社記事を読むと、職人かたぎで旧態依然の企業体質だった入社当初を振り返る場面も多々あり、船橋屋が変わりゆく姿をつぶさに見てきたようだ。採用担当者時代に、ブログに挑戦した張本人だというから、ウェブ戦略の礎を作ったと言ってもいいだろう。 船橋屋の公式note(ブログ)にも8月、佐藤氏へのインタビューが掲載されていた。就職活動中に船橋屋を全店めぐって、レポートにまとめたエピソードから、歴史好きが高じて、社史を調べに国立国会図書館へ通っているなど、端々から「船橋屋への愛」が見受けられる。 「217年の歴史を紐解くために、当主を一代ずつ調べていくと、それぞれが船橋屋の暖簾を守ってきた理由や経緯が段々と分かってくるんです。皆で繋いできた船橋屋をきちんと残していきたいと強く思いますね」 「『文献から新たな歴史を見つける』これを繰り返していくと、しっかり船橋屋の歴史を次世代に残していくことができると思います」 これらの発言を読むと、まるで2カ月後の未来を予見していたかのようだ。自分たちは、あくまで歴史の一部でしか過ぎず、後世へバトンをつなぐのが責務だという、確固たる決意が示されている。 9月30日に公式サイトに掲載された、代表取締役就任あいさつでも「歴史」に触れている。 「217年の歴史に敬愛を持ちつつも、その歴史に甘んじず、心機一転、コンプライアンスを見直し、新体制の構築をして参ります」 不祥事もまた、歴史のひとつ。歴史の重みを誰よりも感じていたのが、創業家ではなく、新卒たたき上げの人物だったのが皮肉だが、歴史とSNS感覚をあわせ持つ新社長であれば、真の意味で「歴史づくり」が期待できるのではないか』、「佐藤氏」は「採用担当者時代に、ブログに挑戦した張本人だというから、ウェブ戦略の礎を作った」、「『文献から新たな歴史を見つける』これを繰り返していくと、しっかり船橋屋の歴史を次世代に残していくことができると思います」、「歴史とSNS感覚をあわせ持つ新社長であれば、真の意味で「歴史づくり」が期待できるのではないか」、新社長の活躍に期待したい。
タグ:外資系の「P&G」から来た『牛丼マーケティングの寵児』で、「若い女性客の開拓」を目指していた人物が、このような軽率な発言をするとは、開いた口が塞がらない。「早稲田大学でのマーケティング総合講座」ということで、気が緩んだのだろうが、本音が出たとみるべきだろう。 いまだに原因が不明とはどうなっているのだろう。確かに「原因究明と対策徹底が求められる」。 「6月18日から20日にかけての漏洩は、工場内にある約3000立方メートルに上る脱硫液を溜めたタンクからの流出」、「6月30日と7月1日の漏洩は、高炉の集塵関連施設の排水ルートからの流出」、しかし、「脱硫液には本来、シアンは含まれていません」、「詳しい原因を調査中」、信じ難い事故だ。 FRIDAY「不祥事の工場が謝罪…東京湾へ猛毒流出「戦慄の真っ赤な川」」 確かに「コンプライアンス教育」よりも、「経営を誰にどう任せるかということに関した反省会に力を入れてほしい」、同感である。 日刊ゲンダイ「吉野家が“牛丼マーケティングの寵児”を電撃解任!「生娘シャブ漬け」発言で」 「「高い料理をご馳走してもらうようになった後では牛丼のファンにするのは難しい」からだと伊東氏は説明」したようだが、「高い料理をご馳走してもらうようになった後で」も、「牛丼」はコスト・パフォーマンスの良さなどそれなりの魅力を持っていると思う。「「うまい」という強みはないと発言」、は確かに違和感がある。 表現に気をつけて発言させていただくと「経営陣は新経営手法の中毒にする戦略」に巻き込まれてしまって、危険かもしれないその人物をあたかも救世主のように感じてしまう錯覚が起きるのです」、今回は、「伊東氏」が「常務取締役企画本部長」で、まだ「社長」にはなってない段階で問題が発覚したのは、「吉野家」にとって不幸中の幸いと言えるだろう。 「広報やツイッター担当者が、同業・別業種を問わず、企業アカウント同士で交流したり、消費者と直接コミュニケーションを取ったりするもので、ここ数年、頭角を現していた企業のひとつが、船橋屋ツイッターだった」、「フォロワーからは批判が絶えないが、「商品や店員さんには罪ないもんね」「中の人大変だと思いますが、頑張ってください」といった声も見られるのは、普段から消費者とのリレーションシップを作ってきたからに他ならない」、「船橋屋ツイッター」での努力が実を結んだのかも知れない。。 確かに手際の良さには感心させられた。危機管理のコンサルタントからアドバイスでも受けたのだろうか。 城戸 譲氏による「船橋屋、罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの」 「佐藤氏」は「採用担当者時代に、ブログに挑戦した張本人だというから、ウェブ戦略の礎を作った」、「『文献から新たな歴史を見つける』これを繰り返していくと、しっかり船橋屋の歴史を次世代に残していくことができると思います」、「歴史とSNS感覚をあわせ持つ新社長であれば、真の意味で「歴史づくり」が期待できるのではないか」、新社長の活躍に期待したい。 「渡辺氏もまた、過去のインタビューで社員の8割が辞めたと語っていたことが「パワハラ体質」だったとして、掘り起こされている」、「9月29日、執行役員の佐藤恭子(神山恭子)氏が、後継社長に就任」、本当に見事な手際だ。 (その27)(吉野家が“牛丼マーケティングの寵児”を電撃解任!「生娘シャブ漬け」発言で、吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない、不祥事の工場が謝罪…東京湾へ猛毒流出「戦慄の真っ赤な川」写真、船橋屋 罵声動画拡散よりもきつい「最大の痛恨」 217年の老舗のブランド以上に傷ついたもの) 企業不祥事 「東芝は外部から招聘したプロ経営者によってボロボロにされてしまった典型例です。問題は招へいの段階ではそのどちらに転がるのか、招へいした側がそのリスクを評価できないことです。 何しろプロ経営者は既存の経営陣から見れば魔法のような新しい経営手法を引っ提げて登場します。 「もう1つ別の重大事」とは何なのだろう。 鈴木 貴博氏による「吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない」 東洋経済オンライン
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感