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海外事業(海外投資)(その3)(ローランドの「脱毛サロン」がマレーシアで大失敗…原因は日本と異なる「意外な事情」のせいだった!、ローランドのマレーシア進出は「甘すぎる」と断言できる「確かな理由」 あらゆる違いを理解していない、「USスチール買収」摩擦は特殊ケース、日本企業の北米投資10兆円はアジア向けの2倍以上) [企業経営]

海外事業(海外投資)については、2021年6月6日に取上げた。今日は、(その3)(ローランドの「脱毛サロン」がマレーシアで大失敗…原因は日本と異なる「意外な事情」のせいだった!、ローランドのマレーシア進出は「甘すぎる」と断言できる「確かな理由」 あらゆる違いを理解していない、「USスチール買収」摩擦は特殊ケース、日本企業の北米投資10兆円はアジア向けの2倍以上)である。

先ずは、昨年8月23日付け現代ビジネスが掲載したフリージャーナリストの片岡 亮氏による「ローランドの「脱毛サロン」がマレーシアで大失敗…原因は日本と異なる「意外な事情」のせいだった!」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114775?imp=0
・『事情が違うマレーシアの「モール」  ホストで実業家のローランド氏が、自身のYouTubeチャンネルで、「完全にやられた…6000万円がパァになった流れ全部公開します」と題する動画を公開、マレーシアの新しいショッピングモールに脱毛サロンを出店しようとして工事費用を出したが、集客の少ない現場を見て断念したという話を伝えた。 独特のキャラクターを売ってタレント活動をしている人物が、動画番組で大きく伝えているという話は正直、どこまでが本当の話か分からないところがある。 だから、この特定のケースそのものについての分析や原因追及をする気はまったくないが、唯一、出店先の新しいモールの集客が弱く、客足以前にテナント数も少ない状態だという部分、これは異常でも何でもない。マレーシアでは普通の光景だという指摘はできる。 筆者は2018年からマレーシアに自宅とオフィスを持ち、日本と往復して取材活動をしているが、5年程度の現地生活でも、そこはハッキリ分かる。 基本的にマレーシアでは、「ソフト・オープニング」とも呼ばれる助走期間を作ることが多いからだ。過去、レストラン開店などの取材でも何度も見てきたし、ほかの新しいモールのほとんどで見られてきた。) 日本では「ショッピングモールが新規開店」と聞くと、最初からテナントがすべて揃って、それを待っていた客が初日に殺到するようなものを想像するだろうが、マレーシアでは違う。 後進国からの急発展で、建築が予定どおり進まない事情から、テナントはオープンから少しづつ増えていく。出店予定のテナントはしばらく広告の壁で覆われた状態になり、当初のオープン予定が3カ月以上も遅れることが珍しくはない。 たとえば、昨年1月、東南アジア初となる日系ショッピングモール「ららぽーと」でも、かなり大規模なスペースながら、開店時にはテナントの半分も開いていなかった』、「マレーシアでは違う。 後進国からの急発展で、建築が予定どおり進まない事情から、テナントはオープンから少しづつ増えていく。出店予定のテナントはしばらく広告の壁で覆われた状態になり、当初のオープン予定が3カ月以上も遅れることが珍しくはない。 たとえば、昨年1月、東南アジア初となる日系ショッピングモール「ららぽーと」でも、かなり大規模なスペースながら、開店時にはテナントの半分も開いていなかった」、ずいぶん日本とは事情が違うようだ。
・『オープンして一年以上たつのに、テナントが入っていないモール  多くは「出店予定」の広告壁になったまま、いずれ揃うことは伝わったが、モール不可欠のフードコートでさえ数店しかオープンしておらず、集客はまだこれからという状態だった。 ローランド氏が、もし最初から完全にテナントが埋まって客が殺到した状態などでスタートすると思っていて、そう説明を受けていたのなら、見通しが甘すぎると言わざるを得ない。 日本とマレーシアのこの違いは、不動産業界でも見られるという。【後編】『ローランドのマレーシア進出は「甘すぎる」と断言できる「確かな理由」』では、それについて詳しく説明し、ローランド氏が失敗した原因をさらに解説する』、「ローランド氏が、もし最初から完全にテナントが埋まって客が殺到した状態などでスタートすると思っていて、そう説明を受けていたのなら、見通しが甘すぎると言わざるを得ない」、後編をさらに見てみよう。

次に、続きを昨年8月23日付け現代ビジネスが掲載したフリージャーナリストの片岡 亮氏による「ローランドのマレーシア進出は「甘すぎる」と断言できる「確かな理由」 あらゆる違いを理解していない」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114776?imp=0
・『ホストで実業家のローランド氏が、自身のYouTubeチャンネルで、「完全にやられた…6000万円がパァになった流れ全部公開します」と題する動画を公開、マレーシアの新しいショッピングモールに脱毛サロンを出店しようとして工事費用を出したが、集客の少ない現場を見て断念したという話を伝えた』、どうも海外投資、特にマレーシア投資の基本的知識の欠如が、致命的な判断ミスを招いてしまったようだ。
・『オープンして1年以上、経つのにテナントが入っていないモール  この失敗は、日本とマレーシアで、テナントがショッピングモールに入るスピード感が異なることが原因だった。マレーシアではモールがオープンしてもすぐにはテナントが埋まらず、日本でイメージされるような「開店と同時に客が殺到する」ことはない。 【前編】『ローランドの「脱毛サロン」がマレーシアで大失敗…原因は日本と異なる「意外な事情」のせいだった!』、「ローランド」氏は余りにも現地事情に疎いようだが、誰かと相談したのだろうか。
・『マレーシアの不動産事情  これは不動産業界でも日本との違いが言われることがある。 たとえばコンドミニアム(分譲マンション)では販売時、1階部分に人気ファストフードやカフェなどが並んで人々が行き交う予想写真が広告に載せられるが、実際の入居時にはテナントがガラ空き状態になっていることが多い。 それは当たり前のことだから、「話が違う!」と怒る人はいない。 「逆にマレーシアの新築マンションは、必ずしも新築時に買うことがベストではないです。新築だと何か不具合があったり、予想外の問題が起きることもあるので、その様子を見てから慎重に買う人々も少なくないんです」(クアラルンプールの不動産エージェント、ジェニファー・リン氏)』、「マレーシアの新築マンションは、必ずしも新築時に買うことがベストではないです。新築だと何か不具合があったり、予想外の問題が起きることもあるので、その様子を見てから慎重に買う人々も少なくない」、なるほど。
・『日本人と違う生活スタイルも考慮しなければならない  そもそもローランド氏が出店しようとしていた7月下旬オープンの「J・バリュー・モール」は特殊な部類で、確実に盛況となるかは断言できない類だ。 クアラルンプールのペタリン・ジャヤという立地は悪くないが、なにしろ「日本のレストランや店が中心の日本専門モール」というコンセプトだからだ。 マレーシアは大の親日国で、アニメや旅行、日本食が大人気ではあるのだが、国民7割のマレー系は、日本人とは違う生活スタイルを持つイスラム教徒。衣類も違うし、食事はハラル限定で、モールに行く理由は日本文化を楽しむためだけではない。 すでにクアラルンプールには伊勢丹が存在するが、あまりに日本色を出しすぎたやりかたで集客に苦戦する失敗例となった。 最近、ドン・キホーテが続々とモール内に出店して人気だが、これも一般的なモール内にある店舗のひとつだから客を集められている面があり、モールが日本一色になると、客層を選んでしまう。日系スーパーマーケットの大手イオンでさえ、日本製品コーナーや弁当を置いてはいるが、決してジャパン色が主体ではない。 もちろん、「J・バリュー・モール」が、新たな日本好きスポットとして人気になる可能性は十分あるが、筆者のマレーシア人の友人たちの間で話題にはなっておらず、むしろ数少ないマレーシア在住の日本人が喜ぶような話題だ。 いずれにしても、海外に出店するならば、最低限、現地の特色は知っておかないと「話が違う!」ということになるのは必然だ。) 人種も文化も習慣もすべて違うのだから、「日本で売れているものだから場所が変わっても売れる」なんて話にはならない。逆にマレーシアで人気のものを、そのまま日本で展開しても成功する確率は低いのと同じだ。 筆者はアメリカで商社マンの経験があり、中国やインドネシアとの取引をした経験があるが、まず徹底したのは市場調査だった。もし、その努力をせず、現地の人から良い話だけを聞き、それを鵜呑みにして「これは儲かるぞ」などと思って手を出したなら、それはあまりにビジネスとしても未熟。 大手ファストフードやレストランチェーンの出店であれば、事前に入念な市場調査をしている。たとえば、アメリカやマレーシアなど多民族がいる国では、ときに店で接客する人の人種まで選ぶ。マジョリティだけでなく、東洋系やインド系など複数の人種を揃えておくと、客が印象的に入りやすくなることがあるからだ。 ちなみに美容関係でも日本との違いがあり、たとえばVIO脱毛はブラジリアン脱毛と呼ぶことが多い。イスラム教徒はアンダーヘアの処理をすることが常識となっているため市場は大きく、すでに日系企業も進出している。 破格の6000万円も出資して本気でマレーシア進出を考えていたならば、「J・バリュー・モール」にこだわらずとも、別の選択はたくさんあり、もっとしっかり現地事情を把握してから乗り出せば「モールに人がいない!」なんて慌てるレベルの失敗はまずないだろう』、「「J・バリュー・モール」は特殊な部類で、確実に盛況となるかは断言できない類だ。 クアラルンプールのペタリン・ジャヤという立地は悪くないが、なにしろ「日本のレストランや店が中心の日本専門モール」というコンセプトだからだ・・・筆者のマレーシア人の友人たちの間で話題にはなっておらず、むしろ数少ないマレーシア在住の日本人が喜ぶような話題だ・・・伊勢丹が存在するが、あまりに日本色を出しすぎたやりかたで集客に苦戦する失敗例となった。 最近、ドン・キホーテが続々とモール内に出店して人気だが、これも一般的なモール内にある店舗のひとつだから客を集められている面があり、モールが日本一色になると、客層を選んでしまう。日系スーパーマーケットの大手イオンでさえ、日本製品コーナーや弁当を置いてはいるが、決してジャパン色が主体ではない」、確かに「「J・バリュー・モール」は特殊な部類で、確実に盛況となるかは断言できない類だ」そうした特殊な「モール」に「マレーシア」の事情を理解せずに出店しようとしたことが間違いの基本だ。傷が深くなる前に早目に撤退したことは、せめてもの幸いなのかも知れない。

第三に、本年4月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した三井住友銀行(ニューヨーク駐在)チーフ・エコノミストの西岡純子氏による「「USスチール買収」摩擦は特殊ケース、日本企業の北米投資10兆円はアジア向けの2倍以上」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342711
・『アジアから再び米国M&Aに勢い 2023年の北米直接投資10兆円超  日本企業による海外企業のM&A(企業の合併・買収)が活発化している。米国にいる筆者も、日本企業のM&Aを通じた米国企業の買収のニュースを頻繁に聞く。最近、最も報道されているのは、やはり日本製鉄による米国の大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収だ。 4月12日にはUSスチールの臨時株主総会が開かれ、投票総数の98%以上が賛成して日本製鉄による買収案が承認された。だが労働組合は強硬に反対し、大統領選挙を控えて政治問題化している。 USスチールの本拠地、ペンシルベニア州をはじめ、大統領選の「激戦区」は、全米鉄鋼労働組合(USW)の組合員も多く、労組票を得ようとする思惑が先行する。 国名「US」を冠にする大企業が他国企業に買収されるとあって、「阻止」を公然と掲げるトランプ前大統領だけでなく、バイデン大統領も「USW支持」の声明を発表。保護主義的な姿勢を強めるバイデン政権や世論との間であつれきを起こしている。 雇用の削減や施設の閉鎖は行わないことなどを条件に交渉は進められているようだが、選挙の年とあって、この買収劇の終幕がどうなるかはなかなか見えそうにない。 だが日本企業の米国投資でこうした難航は極めて例外だ。 2023年の日本から北米向けの直接投資額は10兆1513億円と、中国などのアジア向けを2倍以上になる活況だ。 アジアに一時、偏った投資を再び米国に向ける流れには幾つかの理由がある』、「日本から北米向けの直接投資額が大幅増加しているのはともかく、普段は慎重な「日本製鉄」が「USスチール」買収しようとして壁にぶつかったのには驚かされた。
・『地政学リスクや保護主義 「利回り」低くても安定性を重視  M&Aの動きなどが分かる国際収支統計の直接投資の動きを見ると、直近の23年に記録した日本から北米向けの直接投資額はアジア向けの4兆1630億円を大幅に上回った。22年も北米向けは8兆1724億円で、アジア向けは5兆1330億円だった。 USスチール買収のような巨大企業間のM&Aの事例は注目されがちだが、それ以外にも日本企業は、現地の地場企業や中小企業の買収や、スタートアップ事業への投資を広げている。 追加投資や引き揚げなどの出入りを示す投資「残高」を見ても、22年時点で、アジア向けは72兆379億円に対し北米向けが93兆2264億円と圧倒的に多い。 1990年代終盤からのアジア市場の急拡大により、アジア向け直接投資が増え、その後、米中通商摩擦が強まった2018年以前は、国際展開する日本企業は、中国を中心とするアジアでの事業と米国での事業のバランスをとる例が多かった。 しかし、ここ数年はアジアに偏った投資を今一度、米国に振り向けようとするアセットアロケーションの動きがうかがえる。 北米向け投資が勢いを取り戻してきた一つの理由は、米中対立先鋭化などの地政学リスクの高まりや米国内の保護主義の流れの強まりだ。 トランプ前政権による米中摩擦が加速したことが一つの契機になったが、高い利回りが期待されてきたアジア市場の変調もあって、地政学的リスクの高い地域を避けながら投資先を選別すると米国が選ばれる、ということになっているようだ。 企業にとっては、投資の結果、実際にもうかっているかどうかが肝心だが、直接投資による収益がどれだけ得られているかを地域別・国別に見ると、日本企業が23年の直接投資から得られた収益は、アジアでは9兆1498億円で、うち中国は1兆5930億円だった。それに対して米国は2兆1784億円と、中国を上回っている。 前年(22年)の直接投資残高に占める当期(23年)の投資収益の比率を「利回り」と考えると、中国向けの直接投資の利回りは14.6%だが、米国は8.0%しかない。その前年を見ても中国向けの投資が19.4%に対し米国向けは9.8%と、利回りの水準は中国向けの投資の方が米国向けの投資の利回りよりも高い。 しかし、相対的に利回りが低くても、ここにきて安定性が投資判断において重視されるようになっているようだ。リスクが高まりやすい時代に入ったことで、今一度、リスク分散をすることで安定成長を確保する戦略が垣間見える』、「ここ数年はアジアに偏った投資を今一度、米国に振り向けようとするアセットアロケーションの動きがうかがえる。 北米向け投資が勢いを取り戻してきた一つの理由は、米中対立先鋭化などの地政学リスクの高まりや米国内の保護主義の流れの強まりだ。 トランプ前政権による米中摩擦が加速したことが一つの契機になったが、高い利回りが期待されてきたアジア市場の変調もあって、地政学的リスクの高い地域を避けながら投資先を選別すると米国が選ばれる、ということになっているようだ・・・前年(22年)の直接投資残高に占める当期(23年)の投資収益の比率を「利回り」と考えると、中国向けの直接投資の利回りは14.6%だが、米国は8.0%しかない。その前年を見ても中国向けの投資が19.4%に対し米国向けは9.8%と、利回りの水準は中国向けの投資の方が米国向けの投資の利回りよりも高い。 しかし、相対的に利回りが低くても、ここにきて安定性が投資判断において重視されるようになっているようだ。リスクが高まりやすい時代に入ったことで、今一度、リスク分散をすることで安定成長を確保する戦略が垣間見える」、なるほど。
・『米国経済の力強さ、投資決定を後押し 移民流入などで就業人口増加  さらに、足元の米国経済の強さも投資決定の背中を押している。 コロナパンデミック収束以降の米国経済はFRB(米連邦準備制度理事会)のハイペースの利上げにもかかわらず好調で、毎月の経済指標を見ても消費は堅調で、雇用統計では過去の景気拡大期並みのペースで雇用の拡大が続いている。 移民の流入で就業人口は増え続ける国であり、金利は高いが、市場の拡大や雇用確保などでそれを上回るリターンが享受できる国だという判断から安定的に投資が流入している。 「23年リセッションシナリオ」は杞憂(きゆう)に終わって、FRBの政策運営を批判する声はこのところあまり聞かれなくなった。 実際、米国で事業展開と投資を広げてきた日系企業の幹部らと話をしても、一部の産業を除き悲観的な見方は少ないようにみられる。各社とも、米国経済が拡大の終盤に差し掛かっているという漠然とした感覚は抱いているようだが、実際、どのようなメカニズムで景気が後退に向かっていくかについては、余裕を持ちながら頭の体操をしているにとどまる。 見方が悲観的な方向に傾く産業でいえば、不動産だ。中でもオフィス市場を巡るリスク認識は強い。コロナ禍で外出規制などが行われて以降、米国では、在宅勤務も併用するハイブリッド型の働き方が完全に浸透している。一見、活況にみえる大都市でも、子細にみると大型の商業ビルは空室が目立ち、オフィスに通勤する人を商売の対象としていたレストランなど路面店は廃業が多い。 大都市でのオフィス物件はレガシー物件と称される古いオフィスビルと、環境規制にも対応したニューノーマル型のオフィスビルがあり、空室の高さは前者に集中する。 日本の不動産企業が手掛ける商業施設はニューノーマル型に近く、成功例と見なされることが多いが、全体に警戒感が強まっているのは、07年のサブプライムショック当時と類似した不動産関連の証券化が進み、リスクの所在が判然としない点があるからだろう。 サブプライムショック当時の証券化商品の原資産は住宅ローン(信用度が低い部類)だったが、今回はその原資産はオフィスであり、その家賃収入低下などからオフィス運営企業に融資する中小企業の体力が引き当ての急増で低下していることや、大型投資ファンドが商業不動産から手を引く動きが出ていることが市場の不安をあおっている。 とはいえ商業不動産市場を除くと、米国経済に対し悲観的な見方は少ない。 米国の需要を取り込む上では、輸出も重要だが、大統領選挙でトランプ前大統領が返り咲き、保護主義政策に拍車がかかる恐れや、人件費の安いメキシコでモノを作り、完成品を米国に輸出する動きに制限がかかる懸念など、企業が意識する政治リスクは極めて高い。 それなら米国の企業をM&Aなどで獲得することで、市場シェアを拡大して安定収益を得ようとする企業の戦略は極めて合理的だ』、「商業不動産市場を除くと、米国経済に対し悲観的な見方は少ない。 米国の需要を取り込む上では、輸出も重要だが、大統領選挙でトランプ前大統領が返り咲き、保護主義政策に拍車がかかる恐れや、人件費の安いメキシコでモノを作り、完成品を米国に輸出する動きに制限がかかる懸念など、企業が意識する政治リスクは極めて高い。 それなら米国の企業をM&Aなどで獲得することで、市場シェアを拡大して安定収益を得ようとする企業の戦略は極めて合理的だ」、なるほど。
・『日銀の緩和長く続いて低利で円を調達できる恩恵  さらに日本企業の米国投資への追い風になっているのは、日米の国際収支構造が補完的なことや日本銀行の金融緩和が長く続いてきたことだ。 日本は、経常収支黒字国で投資資金がもともと恒常的に豊富だったことに加え、日銀の超緩和政策が続き低利で円を調達してドルに換え、それで投資を行う動機が働きやすい環境だった。さらに20年のパンデミック後、各国中央銀行が一斉に緩和政策をとったことで、大量に市中に供給されたマネーの一部が「余剰資金」として対外投資につながっていることもある。 対外純資産からの安定収益のフローを確立し、常に再投資と新規投資の機会を探る日本と、経常赤字が定着しており常に他国からのファイナンスに頼らざるを得ない米国は資金バランス上で互いに足りないものを補う関係にある。そこに円の超低金利が米ドルへの投資を促してきたのだ。 日本製鉄によるUSスチール買収のように、政治的な要因で摩擦を起こしてしまっている例は特殊なケースだと考えられ、今後も資金繰りのコストが急激に高まるような金融ショックが起こらない限り、日本から米国に向けた投資は蓄積されていくだろうし、今後、米国の保護主義や対中強硬姿勢が一段と激しくなれば、一層、日本からの投資の振り向け先として米国が重視される流れが強まると考えられる。 米ドル金利の上昇は、理論的には対米投資を制御するはずだが、米国で事業展開や投資を進めている日本企業の多くは、米ドルで投資資金を借り入れてレバレッジを積極的にかけているわけではない。従って米ドル金利の高い低いが投資のモメンタムを決めるわけではなさそうだ。 いわんや、円金利が、日銀の金融政策正常化で今後いくらか上昇することはあっても、米ドル金利のように5%を超える水準にまで上昇する可能性はなく、これも対米投資を左右する要因としては大きくはないだろう。 日本では賃金上昇の機運が強まってきているが、米国に比べると雇用にかかる企業の支払いの増加ペースは低く収まっている。賃金コストの低さからいえば日本企業はメリットを享受できそうだが、そもそも人口が増えない経済では需要の大幅な増加は期待できない。 日本企業は、日本国内では伸びにくいリターンを、米国を中心とした海外で安定的に獲得するビジネスフローを確立しつつあるといえよう。 こうした流れがもたらすリスクとして、「産業の空洞化」が指摘されてきたが、一方で最近では、超微細加工の半導体を日本国内で量産する技術の開発などの動きがあり、政府主導で、「日本のお家芸」と称されるモノづくりを再度、復興させようとしている。 こうして日本が得意とするモノづくりの国内生産をてこ入れする一方、それ以外は国外に資本を振り向けるというすみ分けが定着していくのかもしれない』、「政府主導で、「日本のお家芸」と称されるモノづくりを再度、復興させようとしている。 こうして日本が得意とするモノづくりの国内生産をてこ入れする一方、それ以外は国外に資本を振り向けるというすみ分けが定着していくのかもしれない』、「日本が得意とするモノづくりの国内生産をてこ入れする一方、それ以外は国外に資本を振り向けるというすみ分けが定着していくのかもしれない」、思いがけない興味深い見方だ。
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