介護施設(老人ホーム)問題(その7)(90代の母親は突然退去を迫られた 高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない、虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」、70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!) [社会]
介護施設(老人ホーム)問題については、2022年5月13日に取上げた。今日は、(その7)(90代の母親は突然退去を迫られた 高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない、虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」、70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!)である。
先ずは、昨年3月17日付けJBPressが掲載したフリーライターの森田 聡子氏による「90代の母親は突然退去を迫られた、高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない」、を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78693#goog_rewarded
・『高齢社会の進展を背景に近年首都圏に増えているのが、裕福な高齢者を対象とした高級老人ホームだ。自立が難しくなった時に備え介護棟を併設する施設も多い。80歳時点の入居でも入居一時金として数千万円がかかるケースが一般的だが、大枚をはたいたにもかかわらず「看取りまでお任せ」が叶わない場合もある。90代の母親を23区内の施設に入居させた男性の実体験から、こうした施設の現実と思わぬ落とし穴を考えてみたい』、興味深そうだ。
・『「安心、健やかなシニアライフを満喫」とアピール 高級ホテルを思わせる広々としたエントランスホール。そこには輸入物のテーブルやソファが置かれ、高い天井では豪華なシャンデリアがまばゆい輝きを放つ。イベントスペースには四季折々の飾りつけが施され、コンサートや講演会などが頻繁に催されている。フロントにはシックな制服に身を包んだコンシェルジュが待機し入居者のサポートに当たる——。 「365日24時間看護師が常駐していて安心して健やかなシニアライフを満喫できる」 「自立が困難になったら併設する介護棟に移って手厚い介護が受けられる」 この施設の最大のアピールポイントだ。 自立したシニアが暮らす居室も最新の分譲マンションのよう。専有面積はワンルーム40m2弱から2LDK60m2強まで、シニアのひとり暮らしや夫婦2人なら程よい広さと言えるだろう。 日々の食事はホテルのメインダイニングのようなレストランで、高齢者の健康や味覚に配慮したメニューが朝・昼・晩と供される。節句や七夕、クリスマス、正月といったイベントには、特別メニューも用意されるという。 最寄り駅までは毎日数本の送迎バスが運行されており、近隣の人気スポットに出かけてランチや買い物を楽しむ入居者も多い』、なかなか優雅な暮らし向きのようだ。
・『入居者は“上級国民”ばかり まさに憧れのシニアライフを体現した格好の施設だ。都内の人気エリアということもあり、入居者は相応の費用負担が必要になる。 居室の広さにもよるが、80歳入居で一時金が3000万円以上(別途月額利用料)、月払いにするのであれば支払いはおよそ40万円以上に上る。60歳入居なら、一時金だけで億を超える。 結果的に入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ。 都内に住む男性Aさんの90代になる母親がこの施設に引っ越したのは、6年ほど前。夫(Aさんの父親)が亡くなった年のことだった。 Aさんの両親は共働きの公務員で暮らしぶりも質素だったため、父親の遺産は1億円近かった。母親にも同程度の資産がある。 Aさんは自宅マンションから2駅ほど離れた閑静な住宅地にこの施設がオープンすることを知り、母親を伴って何度か見学に足を運んだ上で正式に入居を決定した。 「見守りや健康面でのサポート体制と最期まで面倒を見てくれる安心感、そして運営が有名な大手不動産会社のグループ企業であることが決め手になった」』、「居室の広さにもよるが、80歳入居で一時金が3000万円以上(別途月額利用料)、月払いにするのであれば支払いはおよそ40万円以上に上る。60歳入居なら、一時金だけで億を超える。 結果的に入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ」、「入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ」、なるほど。
・『コロナ禍で様相が一変 入居者は単身女性が圧倒的に多く、東京の下町育ちの母親は当初「山の手の奥様方」との付き合いに戸惑っていたという。 それでも、生来の社交性を発揮するうちに親しい仲間ができ、施設での生活を楽しむようになった。Aさんが施設を訪れるたびに、施設であった出来事を面白おかしく話してくれたという。 施設内には当初、遠方から訪れた家族が安価で宿泊できるゲストルームがあったのだが、急遽、居室に改装されることになった。それだけ入居希望者が多かったためだ。 大浴場もあり、母親は毎日入りに行くのを楽しみにしていたのだが、認知機能が低下した入居者が洗い場や浴槽内で粗相をしてしまう事件が頻発し、大浴場通いを止めることにしたそうだ。 はじめの2~3年はそんな他愛もない話題が多かったのだが、コロナ禍に入って様相が一変する。 母親が楽しみにしていた習い事の教室やイベントは次々中止となった。それ以上に「親しいお友達がいなくなったのがつらい」とこぼしはじめた』、「コロナ禍に入って様相が一変する。 母親が楽しみにしていた習い事の教室やイベントは次々中止となった。それ以上に「親しいお友達がいなくなったのがつらい」とこぼしはじめた」、なるほど。
・『ある日突然いなくなる「都落ち」 よくよく聞いてみると、コロナ禍の影響で家業が傾いたり、子供が大幅減収になったりして月払いの利用料が払えなくなり、やむなく他の施設に移っていったのだという。 入居者仲間ではそれを「都落ち」と呼んでいた。 「都落ちする人は本当に、ある日突然いなくなるの。気位の高い人ばかりだから、人にあれこれ言われたくないんでしょうね」と母親は寂しそうに話してくれた。 とはいうものの、当人は内緒にしたくても、この手の話が瞬く間に広がってしまうのがこうした施設の常だ。母親が最もショックだったのは、特に親しかった女性が都落ちした時だという。 そして昨冬、今度はAさんの母親がとんでもない理不尽な事態に遭遇することになった。 母親は以前、腸の病気を患ったことがあり、気をつけていたのだが、突然腸閉塞と腎不全を併発してしまう。一時は生命も危ぶまれるような状態に陥ったが、緊急搬送された大病院で応急処置を受け、一命を取り留める。 その際、栄養の吸収状態が悪いからと医師の勧めで高カロリー輸液を投与するためにCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を装着することになった。 これがその後のトラブルの引き金となる』、「栄養の吸収状態が悪いからと医師の勧めで高カロリー輸液を投与するためにCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を装着することになった。 これがその後のトラブルの引き金となる」、なるほど。
・『「さっさと出て行ってくれということですよ」 幸い母親の体調は順調に回復へと向かったが、退院が視野に入ってきたある日、Aさんに施設から電話がかかってきた。電話の主は施設の看護師だった。 「当施設の規定でCVポートを装着した方は受け入れられません」 突然の通告に驚き、施設に説明を求めたが、数日後、面会した施設長から入居一時金の返還額が書かれた書類が一枚渡されただけだった。 「要は、さっさと出て行ってくれということですよ。でも、おかしくないですか? 最期まで面倒を見るといっておきながら施設の規定でできないというのなら、代替施設くらい紹介してくれてもいいじゃないですか。そもそも、病院は施設のすぐ近くなのに、施設の看護師は一度として病院に足を運んだ様子がない。病院からの退院の打診の電話を受けて、慌てて僕に連絡してきたようなんです」 この申し出には病院側も驚いたようだ。困惑するAさんに担当看護師やケースワーカーが親身になって相談に乗ってくれて、幸運にも2週間後、母親は近隣の別の介護施設に移ることができた。 何軒かの施設を下見する中で、Aさんは気になる話を聞いた』、「幸運にも2週間後、母親は近隣の別の介護施設に移ることができた」、なるほど。
・『大手不動産系は「ハコが立派」とされるが 「大手不動産さん系の施設はハコ(建物や設備)が立派ですから、都会生活に慣れ親しんだ元気な高齢者が暮らすにはいいでしょう。半面、専門外の介護については正直あまりノウハウがないようです」 「あそこの介護棟も最初はCVポートの患者さんを受け入れていたはずですが、輸液量や滴下時間の管理に加え合併症対策にも注意が必要になるCVポートは無理だと判断するようになったんじゃなかったかな」』、「大手不動産さん系の施設はハコ(建物や設備)が立派ですから、都会生活に慣れ親しんだ元気な高齢者が暮らすにはいいでしょう。半面、専門外の介護については正直あまりノウハウがないようです」、これでは肝心の役には立たないようだ。
・『最初はCVポートの患者を受け入れていた? この一言に引っかかりを覚えた男性が入居時の契約書を引っ張り出して確認したところ、確かにCVポートの装着は除外事項となっていなかった。 不審に思った男性が施設に問い合わせたところ、電話に出た看護師は「確かに以前は受け入れていましたが、今はダメなんです」と繰り返すばかり。 「お宅が無理なら、代わりの施設を探す手伝いくらいはしてくれてもいいんじゃないですか」と嫌味を言うと、後日、申し訳程度に数軒の施設名を挙げてきたという。 新しい施設に移った母親は、前の施設で親しくしていた仲間に別れも告げずに転居したことを気にしていた。身動きの取れない母親の代わりに挨拶に向かった先で、Aさんはさらに衝撃的な話を耳にする』、「最初はCVポートの患者を受け入れていた」が、「今はダメなんです」、なるほど。
・『「あそこでは絶対に死にたくない」 もともと夫婦で入居していたその女性は2年ほど前に施設で夫を亡くしていた。医療従事者だった夫は介護棟での対応を嘆き、「あそこでは絶対に死にたくない」と女性の過ごす居室に戻って息を引き取ったという。 人手不足のためか、マニュアルやサポート体制が不十分なためか、原因ははっきりわからないが、結果として、要介護者が望むようなサービスは提供できていなかったようだ。 女性の夫のような医療従事者なら、なおさらその“質”が気になったことだろう。ましてや、そこは年金程度の金額で入れる特別養護老人ホームではない。70代で入居したとすれば、夫だけでも数千万円単位のお金を施設に落としているはずだ。 「だから、あなたのお母様は今出ていって正解だったかもしれないわよ」 そんな女性の言葉に、Aさんは何とも言えない気持ちになったという。 これは決して対岸の火事ではない』、「医療従事者だった夫は介護棟での対応を嘆き、「あそこでは絶対に死にたくない」と女性の過ごす居室に戻って息を引き取ったという」、そこまで元「医療従事者」に言われるとはよほど酷いのだろう。
・『都市部の介護人手不足は深刻さを増す 近年、都内や首都圏の再開発エリアなどに、こうした高所得者層向け高級老人ホームが林立している。 多くは前述のような「ターミナルケアまで対応するから安心」を売りにしているが、巨額の入居金を負担すれば最期まで手厚い介護が受けられると考えるのは早計かもしれない。 介護業界の人材難が叫ばれて久しいが、医療業界と異なり、より人手不足が深刻なのは地方よりもむしろ都市部の方だ。 厚生労働省の資料によると、ホームヘルパーや介護支援専門員、介護福祉士など、介護関係の職種の有効求人倍率は、多くの都道府県が4倍以内に収まる中で、東京(6.97倍)や愛知(6.49倍)の数値が突出している。 出所:社会保障審議会・介護給付費分科会の資料「介護人材の処遇改善について」 背景には、地方ではすでに高齢化が進行したのに対し、人口の集中する都市部はむしろこれから本格化していくことが指摘されている。 2025年には、日本の人口の8%弱を占める団塊の世代(1947~1949年生まれ)が全員後期高齢者(75歳以上)に移行する。そこから、高齢者人口がピークを迎える2040年頃までは都市部で介護難民が頻出する可能性がある。 自宅の近くで親を看取りたいと考えるなら、あるいは、自身が高齢になっても生活利便性の高い都市部を離れたくないのなら、施設任せにせず「我が家の介護プラン」も練っておく必要がありそうだ』、「自身が高齢になっても生活利便性の高い都市部を離れたくないのなら、施設任せにせず「我が家の介護プラン」も練っておく必要がありそうだ」、大作業になりそうだが、手を抜く訳にはいかない。
次に、昨年5月1日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの清水 芽々氏による「虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/109547?imp=0
・『不祥事が起きても… 未曾有の高齢化社会にある日本。2000年に制定された「介護保険法」をきっかけに国内の高齢者施設は増加の一途にあり、もっとも数が多いとされる有料老人ホームは1万3525施設(厚生労働省調べ)。利用目的により、介護型・住宅型と分かれており、入居一時金(初期費用)の平均は介護型で353.8万円、住宅型で73.4万円となっている(ちなみに中央値は介護型で30万円、住宅型で5.8万円)。 用途や設備によってピンキリの老人ホーム。高級と言われる老人ホームには何千万という入居一時金が必要になり、億を越える施設も珍しくない。月額の利用料も当然の如く、数百万円かかる。 ゴージャスな設備に囲まれ、超一流シェフによる料理が味わえ、様々なイベントやアクティビティを楽しめ、クオリティの高いケアを受けられる高級老人ホーム。 当然利用者は富裕層に限られ、個人情報の流出などもってのほか。そのプライバシーは分厚いカーテンで守られているわけだが、その秘匿性ゆえ、不祥事が起きても表沙汰になりにくいという性質がある。 施設の沽券に関わるだけでなく、場合によっては管理責任を問われる、事故や事件などの不祥事。本来ならば闇から闇へ葬られるのだが、 「隠ぺいすることは新たな被害者を生みかねない」「入居を考えている人には内情を知る権利がある」として、守秘義務の掟を破り、告発に立ち上がった介護スタッフがいる。 「高級老人ホーム」での勤務経験を持つ彼らが暴露した驚きの事件の数々。 にわかには信じ難い、その衝撃の告白を紹介する。(*告発者の特定を避けるため、一部内容や名前を改変してあります』、「「隠ぺいすることは新たな被害者を生みかねない」「入居を考えている人には内情を知る権利がある」として、守秘義務の掟を破り、告発に立ち上がった介護スタッフがいる。 「高級老人ホーム」での勤務経験を持つ彼らが暴露した驚きの事件の数々」、大いに参考になりそうだ。
・『スタッフを巻き込んで流血事件 <告発者一人目:野村百合香さん(仮名・29歳) 高級老人ホーム「S」> 私が訴えたいのは風紀の乱れです。私の勤務先は60代後半から70代の方や夫婦で入居されてる方が多いのですが、比較的若いせいか、ヒマを持て余すからなのかわかりませんが、不倫が日常化しています。おとな同士の話ですし、他人が口を挟むことじゃないのはわかりますが、狭い世界の出来事ですので、他の入居者さんの間ですぐ噂になります。 ご主人の不倫が周りに知れ渡ったことで人目を避けるようになり、ひとりで部屋に引きこもるようになった結果、認知症になってしまった60代の奥様がいます。その逆のパターンですと、奥様の不倫を知ったご主人が相手の男性の部屋に押しかけて乱闘騒ぎになったりもしています。 スワッピングっていうんでしょうか、複数のご夫婦が相手を交換して一夜を過ごす例もあり、これが頻繁だったため「公序良俗に反するのではないか?」と他の入居者さんからクレームが来たり「こんな不道徳な場所には居られない」と退居者が続出したこともあります。 施設側としては、騒音など、「集団生活に支障が出る」範囲については注意できてもプライベートに関しては口出しができません。 入居者同士ではなく、スタッフが絡んでしまったこともあります。30代の既婚の女性ヘルパーA子が業務時間外に70代の独身男性入居者Bさんの部屋に出入りしているのが防犯カメラに映り、ふたりの不倫関係が発覚しました。 Bさんの方は厳重注意で済みましたが、A子の方は「業務上の重大なルール違反」があったとして解雇。彼女は「パパ活」みたいな感じでBさんと付き合ってたようなんですけど、Bさんの方が本気になってしまったみたいで、「よくも俺たちの仲を引き裂いたな!」と包丁を持って管理事務所に乗り込んで来たんです。 まっさきに対応した施設長は首を切り付けられ、「あと数センチズレていたら頸動脈が切れて失血死していた」という大怪我をしましたし、Bさんを押さえつけようとした男性スタッフは逆に振り飛ばされて壁に叩きつけられ、手首の骨を折りました。部屋中に血が飛び散るし、悲鳴と怒号が飛び交うという地獄絵図でしたよ。 でも警察沙汰にしていないです。「入居者保護の観点から」とか言ってましたけど、Bさんのご家族の意向とスキャンダルを嫌う入居者の総意みたいです。Bさんのご家族からは施設に慰謝料が支払われたそうですが、その詳細については知らされていません』、「施設長は首を切り付けられ、「あと数センチズレていたら頸動脈が切れて失血死していた」という大怪我をしましたし、Bさんを押さえつけようとした男性スタッフは逆に振り飛ばされて壁に叩きつけられ、手首の骨を折りました。部屋中に血が飛び散るし、悲鳴と怒号が飛び交うという地獄絵図でしたよ」、老人ホームでも男女関係から問題が大きくなるとは困ったことだ。
・『階段から落とされ、浴槽に沈められ… <告発者二人目:佐藤茜さん(仮名・35歳) 高級老人ホーム「M」> 世間では介護職員による高齢者への虐待ばかりがニュースになりますが、その逆のパターン、つまり高齢者による介護職員への虐待というか、加害について告発します。 私のところの施設は介護付きなので認知症の方がけっこういらっしゃいまして、DVのような事件はしょっちゅう起こってます。高齢者といえども、意外と力が強いんですよ。特に認知症の方はコントロールがきかないので、相手をする職員はケガが絶えません。手当だけで済むようなケガならまだマシで、時には命の危険にさらされることもあります。 実例をあげますと、Aさんという80代の男性がおむつ交換中に部屋を出て行ってしまい、それを追いかけた男性ヘルパーともみ合いになった挙句、Aさんが彼を階段から突き落としたことがありました。階段を転がり落ちた彼は打ちどころが悪く、意識不明のまま病院へ搬送されましたが、後遺症で下半身が不自由になってしまいました。 入浴介助中、女性ヘルパーの身体を触ったり、服を脱がせようとした70代の男性入居者Bさんを咎めた男性ヘルパーが逆ギレしたBさんに力まかせに首を掴まれ、浴槽に沈められたこともありました。 ヘタをすればヘルパーが溺死していたかも知れないのに、事件化はされません。入居者によってなんらかの被害を被った職員には、見舞金が支払われて終わりです。見舞金の出所は入居者からの預り金。懐がまったく痛まないこともあってか、施設側も本気で防止策に取り組んでくれません。これが「知られざる現実」なんです。 衝撃の告白を紹介したが、これらはまだ氷山の一角。後編『70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!』で、引き続き告発の声を紹介する』、「Aさんという80代の男性がおむつ交換中に部屋を出て行ってしまい、それを追いかけた男性ヘルパーともみ合いになった挙句、Aさんが彼を階段から突き落としたことがありました。階段を転がり落ちた彼は打ちどころが悪く、意識不明のまま病院へ搬送されましたが、後遺症で下半身が不自由になってしまいました」、こんな悲劇が起こり得るとは驚かされた。
第三に、昨年5月1日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの清水 芽々氏による「70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/109548?imp=0
・『未曾有の高齢化社会にある日本。高齢者施設は増加の一途にあるが、用途や設備によって老人ホームの質はピンキリだ。 高級老人ホームの利用者は富裕層に限られ、個人情報の流出などもってのほか。そのプライバシーは分厚いカーテンで守られているわけだが、その秘匿性ゆえ、不祥事が起きても表沙汰になりにくいという性質がある。 前編『流血事件、入居者からの虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が決死の覚悟で告発する「ヤバすぎる不祥事」』では、「高級老人ホーム」での勤務経験を持つスタッフらが実際に遭遇した不祥事を暴露。その衝撃の告白を引き続きご紹介する。 (*告発者の特定を避けるため、一部内容や名前を改変してあります。)』、興味深そうだ。
・『コントロールが利かなくなって <告発者三人目:吉岡美智子さん(仮名・47歳) 高級老人ホーム「T」> 私が一番許せないのは男性入居者による女性職員へのレイプ事件です。未遂を含めれば年間に5、6件は発生しています。公にアナウンスしてるわけではありませんが、うちの施設は若くてキレイな女性スタッフの在籍が売りなんです。 特に男性入居者を優先して担当します。認知症になると、本能的な部分が強くなりがちで、食事や睡眠、性欲などの欲望がコントロールできなくなることが多いんですが、そういう男性に若い女性を担当させるのが危険だということは誰でもわかります。) 施設の方でも居室に立ち入る時は女性はひとりにせず、なるべく男性スタッフも同行するように指導しているんですが、入居男性の中には、わざと用事を言いつけたりして男性スタッフを部屋から追い出し、女性スタッフとふたりきりになろうと企てる例が腐るほどあります。高齢とはいえ男性の力に女性はかないません。 生々しい話になりますが、高齢男性の場合、レイプに及んだとしても射精まで至る例は稀で、妊娠などの最悪なことにはなりにくいものの、女性にしてみれば精神的なショックははかりきれません。これは未遂でも一緒です。 ある男性経験のない女性スタッフは被害に遭ったことで心を病んでしまいました。被害に遭った女性スタッフには事件を口外しないという誓約書を書かせる代わりに特別休暇&特別手当、もしくは色をつけた退職金が支払われます。うちは条件が良いので求人を出せば若い女性がたくさん集まりますけど、私には生贄にしか見えません』、「男性入居者による女性職員へのレイプ事件です。未遂を含めれば年間に5、6件は発生しています・・・うちの施設は若くてキレイな女性スタッフの在籍が売りなんです。 特に男性入居者を優先して担当します」、こんなフザケタ施設であれば、「レイプ事件」の頻発も頷ける。
・『入居者の死の真相を… <告発者四人目:寺尾和樹さん(仮名:34歳) 高級老人ホーム「X」> 僕の勤めている施設ではコロナ禍の約3年間、コロナ以外の理由で何人もの方が亡くなっていて、そのうち2名の死亡について虚偽の報告がされています。 まず一人目のA子さん。80代の女性で認知症だったんですが、浴室にヘルパーが置き忘れた洗剤を部屋に持ち込んで誤飲してしまったんです。たまたま現場を見ていた男性スタッフ(ヘルパーではありません)が吐き出させようとしたら、A子さんは吐しゃ物をノドに詰まらせてしまったようなんです。 スタッフが慌ててヘルパーや看護師を呼びましたが、生憎みんな手が離せず。A子さんは窒息死してしまいました。でも遺族の方には「誤嚥性肺炎で亡くなった」と伝えています。) 二人目は70代の男性Bさん。 ある寒い冬の晩のことです。徘徊癖のあったBさんは、駐車場に忘れ物を取りに行った職員が鍵を開けたままにしていた一瞬の隙に通用口から外に出て行ってしまいました。うちの施設は24時間警備室で防犯カメラを監視していますが、運の悪いことにBさんが出て行った様子を警備員もたまたま見落としていたんです。 朝の見回りの時にBさんの不在に気付いたスタッフが総出で探したところ、敷地内で凍死しているBさんが発見されましたが、遺族には急性心不全という説明をしていました。 コロナ禍のため、おふたり共遺族と対面したのは荼毘に付された後。解剖でもすれば死因についての真相は究明されるはずなのに、それをする時間がありませんでした。 もともと不都合なことは揉み消すという隠ぺい体質の施設ではありましたが、コロナ禍をきっかけに追い打ちがかかったような気がします』、「一人目のA子さん。80代の女性で認知症だったんですが、浴室にヘルパーが置き忘れた洗剤を部屋に持ち込んで誤飲してしまったんです。たまたま現場を見ていた男性スタッフ(ヘルパーではありません)が吐き出させようとしたら、A子さんは吐しゃ物をノドに詰まらせてしまったようなんです。 スタッフが慌ててヘルパーや看護師を呼びましたが、生憎みんな手が離せず。A子さんは窒息死してしまいました。でも遺族の方には「誤嚥性肺炎で亡くなった」と伝えています・・・二人目は70代の男性Bさん。 ある寒い冬の晩のことです。徘徊癖のあったBさんは、駐車場に忘れ物を取りに行った職員が鍵を開けたままにしていた一瞬の隙に通用口から外に出て行ってしまいました。うちの施設は24時間警備室で防犯カメラを監視していますが、運の悪いことにBさんが出て行った様子を警備員もたまたま見落としていたんです。 朝の見回りの時にBさんの不在に気付いたスタッフが総出で探したところ、敷地内で凍死しているBさんが発見されましたが、遺族には急性心不全という説明をしていました」、コロナ禍がいい言い訳のネタを提供したようだ。
・『「氷山の一角」 好むと好まざるとに関わらず、事件の傍観者になってしまった介護職員たちは贖罪の意味も込めて告発してくれたのだが、長く介護の現場に携わる介護福祉士やケアマネージャーからは「こんなものは氷山の一角」という声も届いている。 「高齢者施設における事件がなかなか表面化しない背景には、高齢者を『金のなる木』としか見ていない悪質な事業者の他に、無関心な家族の存在があります。高齢者が施設に入ったことで、あたかも『厄介払いができた』ように家族が考えてしまうのは大変嘆かわしいことです。高齢者施設は姥捨て山ではありませんし、介護者や職員が犠牲になるような施設は撲滅させないといけません」(ケアマネージャー) 高齢者の人権や尊厳を守りつつ、介護の現場が安心・安全な働きやすいものになるための課題に、この国はもっと真剣に取り組むべきであろう』、「長く介護の現場に携わる介護福祉士やケアマネージャーからは「こんなものは氷山の一角」という声も届いている。 「高齢者施設における事件がなかなか表面化しない背景には、高齢者を『金のなる木』としか見ていない悪質な事業者の他に、無関心な家族の存在があります。高齢者が施設に入ったことで、あたかも『厄介払いができた』ように家族が考えてしまうのは大変嘆かわしいことです。高齢者施設は姥捨て山ではありませんし、介護者や職員が犠牲になるような施設は撲滅させないといけません」、その通りだ。『厄介払いができた』という意味では、「高齢者施設」と同様に障害者保護施設も該当する。家族も責任を持って監視する役割を放棄してはならない。
先ずは、昨年3月17日付けJBPressが掲載したフリーライターの森田 聡子氏による「90代の母親は突然退去を迫られた、高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない」、を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78693#goog_rewarded
・『高齢社会の進展を背景に近年首都圏に増えているのが、裕福な高齢者を対象とした高級老人ホームだ。自立が難しくなった時に備え介護棟を併設する施設も多い。80歳時点の入居でも入居一時金として数千万円がかかるケースが一般的だが、大枚をはたいたにもかかわらず「看取りまでお任せ」が叶わない場合もある。90代の母親を23区内の施設に入居させた男性の実体験から、こうした施設の現実と思わぬ落とし穴を考えてみたい』、興味深そうだ。
・『「安心、健やかなシニアライフを満喫」とアピール 高級ホテルを思わせる広々としたエントランスホール。そこには輸入物のテーブルやソファが置かれ、高い天井では豪華なシャンデリアがまばゆい輝きを放つ。イベントスペースには四季折々の飾りつけが施され、コンサートや講演会などが頻繁に催されている。フロントにはシックな制服に身を包んだコンシェルジュが待機し入居者のサポートに当たる——。 「365日24時間看護師が常駐していて安心して健やかなシニアライフを満喫できる」 「自立が困難になったら併設する介護棟に移って手厚い介護が受けられる」 この施設の最大のアピールポイントだ。 自立したシニアが暮らす居室も最新の分譲マンションのよう。専有面積はワンルーム40m2弱から2LDK60m2強まで、シニアのひとり暮らしや夫婦2人なら程よい広さと言えるだろう。 日々の食事はホテルのメインダイニングのようなレストランで、高齢者の健康や味覚に配慮したメニューが朝・昼・晩と供される。節句や七夕、クリスマス、正月といったイベントには、特別メニューも用意されるという。 最寄り駅までは毎日数本の送迎バスが運行されており、近隣の人気スポットに出かけてランチや買い物を楽しむ入居者も多い』、なかなか優雅な暮らし向きのようだ。
・『入居者は“上級国民”ばかり まさに憧れのシニアライフを体現した格好の施設だ。都内の人気エリアということもあり、入居者は相応の費用負担が必要になる。 居室の広さにもよるが、80歳入居で一時金が3000万円以上(別途月額利用料)、月払いにするのであれば支払いはおよそ40万円以上に上る。60歳入居なら、一時金だけで億を超える。 結果的に入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ。 都内に住む男性Aさんの90代になる母親がこの施設に引っ越したのは、6年ほど前。夫(Aさんの父親)が亡くなった年のことだった。 Aさんの両親は共働きの公務員で暮らしぶりも質素だったため、父親の遺産は1億円近かった。母親にも同程度の資産がある。 Aさんは自宅マンションから2駅ほど離れた閑静な住宅地にこの施設がオープンすることを知り、母親を伴って何度か見学に足を運んだ上で正式に入居を決定した。 「見守りや健康面でのサポート体制と最期まで面倒を見てくれる安心感、そして運営が有名な大手不動産会社のグループ企業であることが決め手になった」』、「居室の広さにもよるが、80歳入居で一時金が3000万円以上(別途月額利用料)、月払いにするのであれば支払いはおよそ40万円以上に上る。60歳入居なら、一時金だけで億を超える。 結果的に入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ」、「入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ」、なるほど。
・『コロナ禍で様相が一変 入居者は単身女性が圧倒的に多く、東京の下町育ちの母親は当初「山の手の奥様方」との付き合いに戸惑っていたという。 それでも、生来の社交性を発揮するうちに親しい仲間ができ、施設での生活を楽しむようになった。Aさんが施設を訪れるたびに、施設であった出来事を面白おかしく話してくれたという。 施設内には当初、遠方から訪れた家族が安価で宿泊できるゲストルームがあったのだが、急遽、居室に改装されることになった。それだけ入居希望者が多かったためだ。 大浴場もあり、母親は毎日入りに行くのを楽しみにしていたのだが、認知機能が低下した入居者が洗い場や浴槽内で粗相をしてしまう事件が頻発し、大浴場通いを止めることにしたそうだ。 はじめの2~3年はそんな他愛もない話題が多かったのだが、コロナ禍に入って様相が一変する。 母親が楽しみにしていた習い事の教室やイベントは次々中止となった。それ以上に「親しいお友達がいなくなったのがつらい」とこぼしはじめた』、「コロナ禍に入って様相が一変する。 母親が楽しみにしていた習い事の教室やイベントは次々中止となった。それ以上に「親しいお友達がいなくなったのがつらい」とこぼしはじめた」、なるほど。
・『ある日突然いなくなる「都落ち」 よくよく聞いてみると、コロナ禍の影響で家業が傾いたり、子供が大幅減収になったりして月払いの利用料が払えなくなり、やむなく他の施設に移っていったのだという。 入居者仲間ではそれを「都落ち」と呼んでいた。 「都落ちする人は本当に、ある日突然いなくなるの。気位の高い人ばかりだから、人にあれこれ言われたくないんでしょうね」と母親は寂しそうに話してくれた。 とはいうものの、当人は内緒にしたくても、この手の話が瞬く間に広がってしまうのがこうした施設の常だ。母親が最もショックだったのは、特に親しかった女性が都落ちした時だという。 そして昨冬、今度はAさんの母親がとんでもない理不尽な事態に遭遇することになった。 母親は以前、腸の病気を患ったことがあり、気をつけていたのだが、突然腸閉塞と腎不全を併発してしまう。一時は生命も危ぶまれるような状態に陥ったが、緊急搬送された大病院で応急処置を受け、一命を取り留める。 その際、栄養の吸収状態が悪いからと医師の勧めで高カロリー輸液を投与するためにCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を装着することになった。 これがその後のトラブルの引き金となる』、「栄養の吸収状態が悪いからと医師の勧めで高カロリー輸液を投与するためにCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を装着することになった。 これがその後のトラブルの引き金となる」、なるほど。
・『「さっさと出て行ってくれということですよ」 幸い母親の体調は順調に回復へと向かったが、退院が視野に入ってきたある日、Aさんに施設から電話がかかってきた。電話の主は施設の看護師だった。 「当施設の規定でCVポートを装着した方は受け入れられません」 突然の通告に驚き、施設に説明を求めたが、数日後、面会した施設長から入居一時金の返還額が書かれた書類が一枚渡されただけだった。 「要は、さっさと出て行ってくれということですよ。でも、おかしくないですか? 最期まで面倒を見るといっておきながら施設の規定でできないというのなら、代替施設くらい紹介してくれてもいいじゃないですか。そもそも、病院は施設のすぐ近くなのに、施設の看護師は一度として病院に足を運んだ様子がない。病院からの退院の打診の電話を受けて、慌てて僕に連絡してきたようなんです」 この申し出には病院側も驚いたようだ。困惑するAさんに担当看護師やケースワーカーが親身になって相談に乗ってくれて、幸運にも2週間後、母親は近隣の別の介護施設に移ることができた。 何軒かの施設を下見する中で、Aさんは気になる話を聞いた』、「幸運にも2週間後、母親は近隣の別の介護施設に移ることができた」、なるほど。
・『大手不動産系は「ハコが立派」とされるが 「大手不動産さん系の施設はハコ(建物や設備)が立派ですから、都会生活に慣れ親しんだ元気な高齢者が暮らすにはいいでしょう。半面、専門外の介護については正直あまりノウハウがないようです」 「あそこの介護棟も最初はCVポートの患者さんを受け入れていたはずですが、輸液量や滴下時間の管理に加え合併症対策にも注意が必要になるCVポートは無理だと判断するようになったんじゃなかったかな」』、「大手不動産さん系の施設はハコ(建物や設備)が立派ですから、都会生活に慣れ親しんだ元気な高齢者が暮らすにはいいでしょう。半面、専門外の介護については正直あまりノウハウがないようです」、これでは肝心の役には立たないようだ。
・『最初はCVポートの患者を受け入れていた? この一言に引っかかりを覚えた男性が入居時の契約書を引っ張り出して確認したところ、確かにCVポートの装着は除外事項となっていなかった。 不審に思った男性が施設に問い合わせたところ、電話に出た看護師は「確かに以前は受け入れていましたが、今はダメなんです」と繰り返すばかり。 「お宅が無理なら、代わりの施設を探す手伝いくらいはしてくれてもいいんじゃないですか」と嫌味を言うと、後日、申し訳程度に数軒の施設名を挙げてきたという。 新しい施設に移った母親は、前の施設で親しくしていた仲間に別れも告げずに転居したことを気にしていた。身動きの取れない母親の代わりに挨拶に向かった先で、Aさんはさらに衝撃的な話を耳にする』、「最初はCVポートの患者を受け入れていた」が、「今はダメなんです」、なるほど。
・『「あそこでは絶対に死にたくない」 もともと夫婦で入居していたその女性は2年ほど前に施設で夫を亡くしていた。医療従事者だった夫は介護棟での対応を嘆き、「あそこでは絶対に死にたくない」と女性の過ごす居室に戻って息を引き取ったという。 人手不足のためか、マニュアルやサポート体制が不十分なためか、原因ははっきりわからないが、結果として、要介護者が望むようなサービスは提供できていなかったようだ。 女性の夫のような医療従事者なら、なおさらその“質”が気になったことだろう。ましてや、そこは年金程度の金額で入れる特別養護老人ホームではない。70代で入居したとすれば、夫だけでも数千万円単位のお金を施設に落としているはずだ。 「だから、あなたのお母様は今出ていって正解だったかもしれないわよ」 そんな女性の言葉に、Aさんは何とも言えない気持ちになったという。 これは決して対岸の火事ではない』、「医療従事者だった夫は介護棟での対応を嘆き、「あそこでは絶対に死にたくない」と女性の過ごす居室に戻って息を引き取ったという」、そこまで元「医療従事者」に言われるとはよほど酷いのだろう。
・『都市部の介護人手不足は深刻さを増す 近年、都内や首都圏の再開発エリアなどに、こうした高所得者層向け高級老人ホームが林立している。 多くは前述のような「ターミナルケアまで対応するから安心」を売りにしているが、巨額の入居金を負担すれば最期まで手厚い介護が受けられると考えるのは早計かもしれない。 介護業界の人材難が叫ばれて久しいが、医療業界と異なり、より人手不足が深刻なのは地方よりもむしろ都市部の方だ。 厚生労働省の資料によると、ホームヘルパーや介護支援専門員、介護福祉士など、介護関係の職種の有効求人倍率は、多くの都道府県が4倍以内に収まる中で、東京(6.97倍)や愛知(6.49倍)の数値が突出している。 出所:社会保障審議会・介護給付費分科会の資料「介護人材の処遇改善について」 背景には、地方ではすでに高齢化が進行したのに対し、人口の集中する都市部はむしろこれから本格化していくことが指摘されている。 2025年には、日本の人口の8%弱を占める団塊の世代(1947~1949年生まれ)が全員後期高齢者(75歳以上)に移行する。そこから、高齢者人口がピークを迎える2040年頃までは都市部で介護難民が頻出する可能性がある。 自宅の近くで親を看取りたいと考えるなら、あるいは、自身が高齢になっても生活利便性の高い都市部を離れたくないのなら、施設任せにせず「我が家の介護プラン」も練っておく必要がありそうだ』、「自身が高齢になっても生活利便性の高い都市部を離れたくないのなら、施設任せにせず「我が家の介護プラン」も練っておく必要がありそうだ」、大作業になりそうだが、手を抜く訳にはいかない。
次に、昨年5月1日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの清水 芽々氏による「虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/109547?imp=0
・『不祥事が起きても… 未曾有の高齢化社会にある日本。2000年に制定された「介護保険法」をきっかけに国内の高齢者施設は増加の一途にあり、もっとも数が多いとされる有料老人ホームは1万3525施設(厚生労働省調べ)。利用目的により、介護型・住宅型と分かれており、入居一時金(初期費用)の平均は介護型で353.8万円、住宅型で73.4万円となっている(ちなみに中央値は介護型で30万円、住宅型で5.8万円)。 用途や設備によってピンキリの老人ホーム。高級と言われる老人ホームには何千万という入居一時金が必要になり、億を越える施設も珍しくない。月額の利用料も当然の如く、数百万円かかる。 ゴージャスな設備に囲まれ、超一流シェフによる料理が味わえ、様々なイベントやアクティビティを楽しめ、クオリティの高いケアを受けられる高級老人ホーム。 当然利用者は富裕層に限られ、個人情報の流出などもってのほか。そのプライバシーは分厚いカーテンで守られているわけだが、その秘匿性ゆえ、不祥事が起きても表沙汰になりにくいという性質がある。 施設の沽券に関わるだけでなく、場合によっては管理責任を問われる、事故や事件などの不祥事。本来ならば闇から闇へ葬られるのだが、 「隠ぺいすることは新たな被害者を生みかねない」「入居を考えている人には内情を知る権利がある」として、守秘義務の掟を破り、告発に立ち上がった介護スタッフがいる。 「高級老人ホーム」での勤務経験を持つ彼らが暴露した驚きの事件の数々。 にわかには信じ難い、その衝撃の告白を紹介する。(*告発者の特定を避けるため、一部内容や名前を改変してあります』、「「隠ぺいすることは新たな被害者を生みかねない」「入居を考えている人には内情を知る権利がある」として、守秘義務の掟を破り、告発に立ち上がった介護スタッフがいる。 「高級老人ホーム」での勤務経験を持つ彼らが暴露した驚きの事件の数々」、大いに参考になりそうだ。
・『スタッフを巻き込んで流血事件 <告発者一人目:野村百合香さん(仮名・29歳) 高級老人ホーム「S」> 私が訴えたいのは風紀の乱れです。私の勤務先は60代後半から70代の方や夫婦で入居されてる方が多いのですが、比較的若いせいか、ヒマを持て余すからなのかわかりませんが、不倫が日常化しています。おとな同士の話ですし、他人が口を挟むことじゃないのはわかりますが、狭い世界の出来事ですので、他の入居者さんの間ですぐ噂になります。 ご主人の不倫が周りに知れ渡ったことで人目を避けるようになり、ひとりで部屋に引きこもるようになった結果、認知症になってしまった60代の奥様がいます。その逆のパターンですと、奥様の不倫を知ったご主人が相手の男性の部屋に押しかけて乱闘騒ぎになったりもしています。 スワッピングっていうんでしょうか、複数のご夫婦が相手を交換して一夜を過ごす例もあり、これが頻繁だったため「公序良俗に反するのではないか?」と他の入居者さんからクレームが来たり「こんな不道徳な場所には居られない」と退居者が続出したこともあります。 施設側としては、騒音など、「集団生活に支障が出る」範囲については注意できてもプライベートに関しては口出しができません。 入居者同士ではなく、スタッフが絡んでしまったこともあります。30代の既婚の女性ヘルパーA子が業務時間外に70代の独身男性入居者Bさんの部屋に出入りしているのが防犯カメラに映り、ふたりの不倫関係が発覚しました。 Bさんの方は厳重注意で済みましたが、A子の方は「業務上の重大なルール違反」があったとして解雇。彼女は「パパ活」みたいな感じでBさんと付き合ってたようなんですけど、Bさんの方が本気になってしまったみたいで、「よくも俺たちの仲を引き裂いたな!」と包丁を持って管理事務所に乗り込んで来たんです。 まっさきに対応した施設長は首を切り付けられ、「あと数センチズレていたら頸動脈が切れて失血死していた」という大怪我をしましたし、Bさんを押さえつけようとした男性スタッフは逆に振り飛ばされて壁に叩きつけられ、手首の骨を折りました。部屋中に血が飛び散るし、悲鳴と怒号が飛び交うという地獄絵図でしたよ。 でも警察沙汰にしていないです。「入居者保護の観点から」とか言ってましたけど、Bさんのご家族の意向とスキャンダルを嫌う入居者の総意みたいです。Bさんのご家族からは施設に慰謝料が支払われたそうですが、その詳細については知らされていません』、「施設長は首を切り付けられ、「あと数センチズレていたら頸動脈が切れて失血死していた」という大怪我をしましたし、Bさんを押さえつけようとした男性スタッフは逆に振り飛ばされて壁に叩きつけられ、手首の骨を折りました。部屋中に血が飛び散るし、悲鳴と怒号が飛び交うという地獄絵図でしたよ」、老人ホームでも男女関係から問題が大きくなるとは困ったことだ。
・『階段から落とされ、浴槽に沈められ… <告発者二人目:佐藤茜さん(仮名・35歳) 高級老人ホーム「M」> 世間では介護職員による高齢者への虐待ばかりがニュースになりますが、その逆のパターン、つまり高齢者による介護職員への虐待というか、加害について告発します。 私のところの施設は介護付きなので認知症の方がけっこういらっしゃいまして、DVのような事件はしょっちゅう起こってます。高齢者といえども、意外と力が強いんですよ。特に認知症の方はコントロールがきかないので、相手をする職員はケガが絶えません。手当だけで済むようなケガならまだマシで、時には命の危険にさらされることもあります。 実例をあげますと、Aさんという80代の男性がおむつ交換中に部屋を出て行ってしまい、それを追いかけた男性ヘルパーともみ合いになった挙句、Aさんが彼を階段から突き落としたことがありました。階段を転がり落ちた彼は打ちどころが悪く、意識不明のまま病院へ搬送されましたが、後遺症で下半身が不自由になってしまいました。 入浴介助中、女性ヘルパーの身体を触ったり、服を脱がせようとした70代の男性入居者Bさんを咎めた男性ヘルパーが逆ギレしたBさんに力まかせに首を掴まれ、浴槽に沈められたこともありました。 ヘタをすればヘルパーが溺死していたかも知れないのに、事件化はされません。入居者によってなんらかの被害を被った職員には、見舞金が支払われて終わりです。見舞金の出所は入居者からの預り金。懐がまったく痛まないこともあってか、施設側も本気で防止策に取り組んでくれません。これが「知られざる現実」なんです。 衝撃の告白を紹介したが、これらはまだ氷山の一角。後編『70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!』で、引き続き告発の声を紹介する』、「Aさんという80代の男性がおむつ交換中に部屋を出て行ってしまい、それを追いかけた男性ヘルパーともみ合いになった挙句、Aさんが彼を階段から突き落としたことがありました。階段を転がり落ちた彼は打ちどころが悪く、意識不明のまま病院へ搬送されましたが、後遺症で下半身が不自由になってしまいました」、こんな悲劇が起こり得るとは驚かされた。
第三に、昨年5月1日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクションライターの清水 芽々氏による「70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/109548?imp=0
・『未曾有の高齢化社会にある日本。高齢者施設は増加の一途にあるが、用途や設備によって老人ホームの質はピンキリだ。 高級老人ホームの利用者は富裕層に限られ、個人情報の流出などもってのほか。そのプライバシーは分厚いカーテンで守られているわけだが、その秘匿性ゆえ、不祥事が起きても表沙汰になりにくいという性質がある。 前編『流血事件、入居者からの虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が決死の覚悟で告発する「ヤバすぎる不祥事」』では、「高級老人ホーム」での勤務経験を持つスタッフらが実際に遭遇した不祥事を暴露。その衝撃の告白を引き続きご紹介する。 (*告発者の特定を避けるため、一部内容や名前を改変してあります。)』、興味深そうだ。
・『コントロールが利かなくなって <告発者三人目:吉岡美智子さん(仮名・47歳) 高級老人ホーム「T」> 私が一番許せないのは男性入居者による女性職員へのレイプ事件です。未遂を含めれば年間に5、6件は発生しています。公にアナウンスしてるわけではありませんが、うちの施設は若くてキレイな女性スタッフの在籍が売りなんです。 特に男性入居者を優先して担当します。認知症になると、本能的な部分が強くなりがちで、食事や睡眠、性欲などの欲望がコントロールできなくなることが多いんですが、そういう男性に若い女性を担当させるのが危険だということは誰でもわかります。) 施設の方でも居室に立ち入る時は女性はひとりにせず、なるべく男性スタッフも同行するように指導しているんですが、入居男性の中には、わざと用事を言いつけたりして男性スタッフを部屋から追い出し、女性スタッフとふたりきりになろうと企てる例が腐るほどあります。高齢とはいえ男性の力に女性はかないません。 生々しい話になりますが、高齢男性の場合、レイプに及んだとしても射精まで至る例は稀で、妊娠などの最悪なことにはなりにくいものの、女性にしてみれば精神的なショックははかりきれません。これは未遂でも一緒です。 ある男性経験のない女性スタッフは被害に遭ったことで心を病んでしまいました。被害に遭った女性スタッフには事件を口外しないという誓約書を書かせる代わりに特別休暇&特別手当、もしくは色をつけた退職金が支払われます。うちは条件が良いので求人を出せば若い女性がたくさん集まりますけど、私には生贄にしか見えません』、「男性入居者による女性職員へのレイプ事件です。未遂を含めれば年間に5、6件は発生しています・・・うちの施設は若くてキレイな女性スタッフの在籍が売りなんです。 特に男性入居者を優先して担当します」、こんなフザケタ施設であれば、「レイプ事件」の頻発も頷ける。
・『入居者の死の真相を… <告発者四人目:寺尾和樹さん(仮名:34歳) 高級老人ホーム「X」> 僕の勤めている施設ではコロナ禍の約3年間、コロナ以外の理由で何人もの方が亡くなっていて、そのうち2名の死亡について虚偽の報告がされています。 まず一人目のA子さん。80代の女性で認知症だったんですが、浴室にヘルパーが置き忘れた洗剤を部屋に持ち込んで誤飲してしまったんです。たまたま現場を見ていた男性スタッフ(ヘルパーではありません)が吐き出させようとしたら、A子さんは吐しゃ物をノドに詰まらせてしまったようなんです。 スタッフが慌ててヘルパーや看護師を呼びましたが、生憎みんな手が離せず。A子さんは窒息死してしまいました。でも遺族の方には「誤嚥性肺炎で亡くなった」と伝えています。) 二人目は70代の男性Bさん。 ある寒い冬の晩のことです。徘徊癖のあったBさんは、駐車場に忘れ物を取りに行った職員が鍵を開けたままにしていた一瞬の隙に通用口から外に出て行ってしまいました。うちの施設は24時間警備室で防犯カメラを監視していますが、運の悪いことにBさんが出て行った様子を警備員もたまたま見落としていたんです。 朝の見回りの時にBさんの不在に気付いたスタッフが総出で探したところ、敷地内で凍死しているBさんが発見されましたが、遺族には急性心不全という説明をしていました。 コロナ禍のため、おふたり共遺族と対面したのは荼毘に付された後。解剖でもすれば死因についての真相は究明されるはずなのに、それをする時間がありませんでした。 もともと不都合なことは揉み消すという隠ぺい体質の施設ではありましたが、コロナ禍をきっかけに追い打ちがかかったような気がします』、「一人目のA子さん。80代の女性で認知症だったんですが、浴室にヘルパーが置き忘れた洗剤を部屋に持ち込んで誤飲してしまったんです。たまたま現場を見ていた男性スタッフ(ヘルパーではありません)が吐き出させようとしたら、A子さんは吐しゃ物をノドに詰まらせてしまったようなんです。 スタッフが慌ててヘルパーや看護師を呼びましたが、生憎みんな手が離せず。A子さんは窒息死してしまいました。でも遺族の方には「誤嚥性肺炎で亡くなった」と伝えています・・・二人目は70代の男性Bさん。 ある寒い冬の晩のことです。徘徊癖のあったBさんは、駐車場に忘れ物を取りに行った職員が鍵を開けたままにしていた一瞬の隙に通用口から外に出て行ってしまいました。うちの施設は24時間警備室で防犯カメラを監視していますが、運の悪いことにBさんが出て行った様子を警備員もたまたま見落としていたんです。 朝の見回りの時にBさんの不在に気付いたスタッフが総出で探したところ、敷地内で凍死しているBさんが発見されましたが、遺族には急性心不全という説明をしていました」、コロナ禍がいい言い訳のネタを提供したようだ。
・『「氷山の一角」 好むと好まざるとに関わらず、事件の傍観者になってしまった介護職員たちは贖罪の意味も込めて告発してくれたのだが、長く介護の現場に携わる介護福祉士やケアマネージャーからは「こんなものは氷山の一角」という声も届いている。 「高齢者施設における事件がなかなか表面化しない背景には、高齢者を『金のなる木』としか見ていない悪質な事業者の他に、無関心な家族の存在があります。高齢者が施設に入ったことで、あたかも『厄介払いができた』ように家族が考えてしまうのは大変嘆かわしいことです。高齢者施設は姥捨て山ではありませんし、介護者や職員が犠牲になるような施設は撲滅させないといけません」(ケアマネージャー) 高齢者の人権や尊厳を守りつつ、介護の現場が安心・安全な働きやすいものになるための課題に、この国はもっと真剣に取り組むべきであろう』、「長く介護の現場に携わる介護福祉士やケアマネージャーからは「こんなものは氷山の一角」という声も届いている。 「高齢者施設における事件がなかなか表面化しない背景には、高齢者を『金のなる木』としか見ていない悪質な事業者の他に、無関心な家族の存在があります。高齢者が施設に入ったことで、あたかも『厄介払いができた』ように家族が考えてしまうのは大変嘆かわしいことです。高齢者施設は姥捨て山ではありませんし、介護者や職員が犠牲になるような施設は撲滅させないといけません」、その通りだ。『厄介払いができた』という意味では、「高齢者施設」と同様に障害者保護施設も該当する。家族も責任を持って監視する役割を放棄してはならない。
タグ:介護施設(老人ホーム)問題 (その7)(90代の母親は突然退去を迫られた 高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない、虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」、70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白!) JBPRESS 森田 聡子氏による「90代の母親は突然退去を迫られた、高級老人ホームで遭遇した「理不尽」とは 入居金1億円超、「看取りまでお任せ」が売り物でも安心してはいけない」 なかなか優雅な暮らし向きのようだ。 「入居者は上場企業の役員経験者や医師、士業のエリートなど、いわゆる“上級国民”ばかりだ」、なるほど。 「コロナ禍に入って様相が一変する。 母親が楽しみにしていた習い事の教室やイベントは次々中止となった。それ以上に「親しいお友達がいなくなったのがつらい」とこぼしはじめた」、なるほど。 「栄養の吸収状態が悪いからと医師の勧めで高カロリー輸液を投与するためにCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を装着することになった。 これがその後のトラブルの引き金となる」、なるほど。 「幸運にも2週間後、母親は近隣の別の介護施設に移ることができた」、なるほど。 「大手不動産さん系の施設はハコ(建物や設備)が立派ですから、都会生活に慣れ親しんだ元気な高齢者が暮らすにはいいでしょう。半面、専門外の介護については正直あまりノウハウがないようです」、これでは肝心の役には立たないようだ。 「最初はCVポートの患者を受け入れていた」が、「今はダメなんです」、なるほど。 「医療従事者だった夫は介護棟での対応を嘆き、「あそこでは絶対に死にたくない」と女性の過ごす居室に戻って息を引き取ったという」、そこまで元「医療従事者」に言われるとはよほど酷いのだろう。 「自身が高齢になっても生活利便性の高い都市部を離れたくないのなら、施設任せにせず「我が家の介護プラン」も練っておく必要がありそうだ」、大作業になりそうだが、手を抜く訳にはいかない。 現代ビジネス 清水 芽々氏による「虐待で命の危険も…富裕層向け高級老人ホームの職員が告発する「ヤバすぎる不祥事」」 「「隠ぺいすることは新たな被害者を生みかねない」「入居を考えている人には内情を知る権利がある」として、守秘義務の掟を破り、告発に立ち上がった介護スタッフがいる。 「高級老人ホーム」での勤務経験を持つ彼らが暴露した驚きの事件の数々」、大いに参考になりそうだ。 「施設長は首を切り付けられ、「あと数センチズレていたら頸動脈が切れて失血死していた」という大怪我をしましたし、Bさんを押さえつけようとした男性スタッフは逆に振り飛ばされて壁に叩きつけられ、手首の骨を折りました。部屋中に血が飛び散るし、悲鳴と怒号が飛び交うという地獄絵図でしたよ」、老人ホームでも男女関係から問題が大きくなるとは困ったことだ。 「Aさんという80代の男性がおむつ交換中に部屋を出て行ってしまい、それを追いかけた男性ヘルパーともみ合いになった挙句、Aさんが彼を階段から突き落としたことがありました。階段を転がり落ちた彼は打ちどころが悪く、意識不明のまま病院へ搬送されましたが、後遺症で下半身が不自由になってしまいました」、こんな悲劇が起こり得るとは驚かされた。 清水 芽々氏による「70代による強姦未遂に事故ごまかし……高級老人ホームで発生した「闇に葬られた大惨事」を職員が告白! 「男性入居者による女性職員へのレイプ事件です。未遂を含めれば年間に5、6件は発生しています・・・うちの施設は若くてキレイな女性スタッフの在籍が売りなんです。 特に男性入居者を優先して担当します」、こんなフザケタ施設であれば、「レイプ事件」の頻発も頷ける。 「一人目のA子さん。80代の女性で認知症だったんですが、浴室にヘルパーが置き忘れた洗剤を部屋に持ち込んで誤飲してしまったんです。たまたま現場を見ていた男性スタッフ(ヘルパーではありません)が吐き出させようとしたら、A子さんは吐しゃ物をノドに詰まらせてしまったようなんです。 スタッフが慌ててヘルパーや看護師を呼びましたが、生憎みんな手が離せず。A子さんは窒息死してしまいました。でも遺族の方には「誤嚥性肺炎で亡くなった」と伝えています・・・二人目は70代の男性Bさん。 ある寒い冬の晩のことです。徘徊癖のあったBさんは、駐車場に忘れ物を取りに行った職員が鍵を開けたままにしていた一瞬の隙に通用口から外に出て行ってしまいました。うちの施設は24時間警備室で防犯カメラを監視していますが、運の悪いことにBさんが出て行った様子を警備員もたまたま見落としていたんです。 朝の見回りの時にBさんの不在に気付いたスタッフが総出で探したところ、敷地内で凍死しているBさんが発見されましたが、遺族には急性心不全という説明をしていました」、コロナ禍がいい言い訳のネタを提供したようだ。 「長く介護の現場に携わる介護福祉士やケアマネージャーからは「こんなものは氷山の一角」という声も届いている。 「高齢者施設における事件がなかなか表面化しない背景には、高齢者を『金のなる木』としか見ていない悪質な事業者の他に、無関心な家族の存在があります。高齢者が施設に入ったことで、あたかも『厄介払いができた』ように家族が考えてしまうのは大変嘆かわしいことです。高齢者施設は姥捨て山ではありませんし、介護者や職員が犠牲になるような施設は撲滅させないといけません」、その通りだ。 『厄介払いができた』という意味では、「高齢者施設」と同様に障害者保護施設も該当する。家族も責任を持って監視する役割を放棄してはならない。