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ハラスメント(その25)(「「ゆるすぎる…」いなば食品への世間の対応、なぜ騒動がくすぶったまま放置されているのか?、「ぶん殴ってやりたい」背任で逮捕された「夢グループ」元企画宣伝部長(49)が壮絶パワハラで部下を退職に追い込んでいた、「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由、旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」…国連は「救済措置が不十分」と指摘) [社会]

ハラスメントについては、本年4月30日に取上げた。今日は、(その25)(「「ゆるすぎる…」いなば食品への世間の対応、なぜ騒動がくすぶったまま放置されているのか?、「ぶん殴ってやりたい」背任で逮捕された「夢グループ」元企画宣伝部長(49)が壮絶パワハラで部下を退職に追い込んでいた、「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由、旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」…国連は「救済措置が不十分」と指摘)である。

先ずは、5月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元週刊文春・月刊文芸春秋編集長の木俣正剛氏による「「「ゆるすぎる…」いなば食品への世間の対応、なぜ騒動がくすぶったまま放置されているのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/344116
・『くすぶり続ける「いなば食品」 監督官庁は動かないのか  「いなば食品」の新卒内定者大量辞退問題が、くすぶったまま放置されていると感じるのは私だけでしょうか。一般職の女性社員の9割が内定辞退。それも、募集要項にあった給与22万6000円が、入社してみると19万6450円と約3万円も低く、さらに「社宅完備」という募集要項にも偽りがあり、実際にはボロ家での集団生活というものでした。 「いなば食品」は従業員約5000人規模の大企業。普通は考えられない失態なのに、業務改善の発表も関係機関による正式な調査情報もありません。 まず考えられる理由が、この事実をテレビがあまり報じないからです。なにしろ、大量のCIAOチュールのCMが流れている状況では、「お得意様の悪口は報じない」というテレビお得意の報道機関としての使命を忘れた行動が、親会社のスキャンダルを抑え込んでいるからでしょう。 しかし、これは報道機関として見逃すべきことでは絶対にありません。内定辞退者は女性ばかり。しかも、新卒の内定者は社会的弱者として、労働法上も最大限の権利を保障されているのに、監督官庁が動いたというニュースもありません。 辞退者の1人は「総合職」として試験を受けたのに、内定してから「一般職」採用と説明され、だから給与が低いと説明されています。今回辞退した内定者は女性ばかりということは、総合職として求人しながら女性だけを一般職に回して給料も低くしたという、明らかに意図的な女性差別による人事が行われたことを意味します。大手就活サイトの告知を見ても、「いなば食品」の採用はすべて総合職となっており、これは明らかに違反行為と言わざるを得ません。男女差別、社会的弱者に対する一般職虚偽採用、社宅に関するあまりの誇大広告……先進国・日本の大企業がすべきことではありません』、「一般職の女性社員の9割が内定辞退。それも、募集要項にあった給与22万6000円が、入社してみると19万6450円と約3万円も低く、さらに「社宅完備」という募集要項にも偽りがあり、実際にはボロ家での集団生活というものでした・・・辞退者の1人は「総合職」として試験を受けたのに、内定してから「一般職」採用と説明され、だから給与が低いと説明されています。今回辞退した内定者は女性ばかりということは、総合職として求人しながら女性だけを一般職に回して給料も低くしたという、明らかに意図的な女性差別による人事が行われたことを意味します」、信じ難いような酷い話だ。
・『就活サイトの「ゆる~い現状」 誤解を招きかねない募集情報  大手就活サイトをそれぞれ見比べたところ、確かにあるサイトの2026年版(26年卒、現在の大学3年生向け)では、いなば食品の募集要項は掲載されていません。一方別のサイトでは、「昨年版の採用情報を紹介」と断り書きがあり、「今年の条件は確約されない」とした上で、その情報を就活の参考にするよう勧める書き方となっています。あれだけの不祥事を起こした企業への対応としては、随分ゆるい印象を受けます。 ちなみに就活サイトの中には、いなば食品の前年の例として「基本給26万4000円+地域手当4000円+家賃補助6万円(平均)で合計32万8000円」「新卒者以降独身者全員に対し、会社指定の社宅に限り発生家賃の80%を補填(例外あり)」といった内容を紹介しているものもあります。世間のニュースに疎い学生は、いなば食品問題がクローズアップされる以前の情報を信じて、就職活動に入ることも懸念されます。 今まさに就活真っ只中である2025年卒向けに、いなば食品のセミナー情報やES(エントリーシート)提出の〆切日などを紹介していると思しきサイトもあります。  こんないい加減な情報の扱い方では、「総合職のはずが内定したら、一般職で給料も低かったと」泣く新卒学生が、またもや出てこないとも限りません。そもそも就活において、企業の採用情報はどのように公示され、確認されているのか。ある就活エージェント会社に聞いてみました。 まず、新卒就活への支援会社には3種類あることを踏まえておきましょう。いわゆる全国区の有名な就活サイトは、実際は就活広告サイトであり、基本的に企業から資金をもらって、サイトを訪れる学生たちに対してその企業への就活促進活動を行います。 一方、就活エージェントは、相談に来た学生に本人の希望にマッチする企業を紹介した上で、学生をその企業に入社させた場合にもらう成功報酬が収入源となります。そして公的機関としては、ハローワークだけが新卒採用情報を大学に提供できる仕組みとなっています。 学生はテレビCMなどで名が売れている企業に殺到する傾向があるため、直接消費者と接触しないBtoBの会社(部品や原料の供給などを主体とする会社)は、応募してくる学生が少なく、地域密着で小回りの利く地方の就活エージェントに学生集めを頼る傾向があります。そうした業者は企業の内情にも一番詳しいと考え、ある就活エージェントの社長に学生募集の仕組みと業界の対応の遅れについて事情を聞いてみました。 その幹部によると、「企業情報に関しては、就活サイトも地方の就活エージェントも情報取得の方法は変わりません」ということでした。双方とも厚生労働省が作成した「青少年雇用情報シート」に各企業が書き込んだ情報で企業の採用情報を知り、それを基に自社のHPを作ります。) 厚生労働省の「雇用情報シート」における企業への要求は、後述するように相当細かく、たとえば以下のようなものです。 (1)募集・採用に関する情報 新卒者等の採用者数/離職者数など (2)平均継続勤務年数 。 参考値として、記入日時点での平均年齢も記入 (3)採用区分(例:総合職/一般職)、学歴別(大卒/高卒)や事業所別、職種別などの情報 (4)給与、残業手当、社宅や住宅補助の金額  以下、正社員以外の情報や平均所定外時間労働、有給休暇の平均取得日数、育児休暇取得数、役員などの女性比率、 研修や自己啓発支援の有無など、かなり細かい項目が続きます。しかも男女差別をなくすため、育児休暇や有給休暇など働き方改革に乗っ取った運営をしているか、計算基準まで示して数値化することが要求されています。 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000184082.pdf』、「 新卒就活への支援会社には3種類あることを踏まえておきましょう。いわゆる全国区の有名な就活サイトは、実際は就活広告サイトであり、基本的に企業から資金をもらって、サイトを訪れる学生たちに対してその企業への就活促進活動を行います。 一方、就活エージェントは、相談に来た学生に本人の希望にマッチする企業を紹介した上で、学生をその企業に入社させた場合にもらう成功報酬が収入源となります。そして公的機関としては、ハローワークだけが新卒採用情報を大学に提供できる仕組みとなっています・・・厚生労働省の「雇用情報シート」における企業への要求は、後述するように相当細かく、たとえば以下のようなものです」、なるほど。
・『企業が出す情報を丸呑み 就活エージェント関係者が語る実態  就活エージェントも就活サイトも、まずこれを見て、その数値をそのまま自社のHPに掲載し、学生の相談資料に入れることになります。つまりは企業の自己申告に頼っているのが、この制度の大きな欠点と言えるでしょう。 ただ、労働基準監督署からはその後指導があり、就活エージェントが就職をサポートした学生に対しての半年後調査が義務づけられています。定着率はどうか、給与などの条件面に相違がなかったかなどの調査をして、報告することになっています。 「いなば食品」の場合、このような騒動が起きたため、エージェントや就活サイトも内定辞退者に対してフォローをするとともに、「いなば食品」に対しても改善の状況を問い質すべきです。しかし現状では、とりあえず広告を停止するか、あるいは「去年の情報を見て個人で判断してくれ」という、かなりいい加減な情報提供をしていると考えられます。 本来は、直接問い質して、その内容次第では、今後就職に関する求人広告の掲載や採用サポートに協力しないという措置を、とるべきなのです(実際には、いなば側の結論が出ていないので、どう処理していいのかわからないのが本音でしょう)。 前出の就活エージェントの社長はこのように語りました。 「すでに、2025年卒業生の新卒採用は山場となっているにもかかわらず、昨年同様の告知を行っている就活サイトは、『いなば食品』に以前から広告料金をもらっている以上、監督官庁の調査を待つしか方法がないのかもしれません。しかし、やはりこれからの時代に求められる『働き方改革』のすべてに逆らっている、このような告知違反を行う会社を、私はとても安心して紹介し続けることはできません」 と説明した上で、こう断言しました。 「ウチの場合、『いなば食品』はもともとリストに入っていませんが、これから学生から相談がきても、推薦しないことにしています。我々は東海地区中心のエージェントですが、今までの経験から言っても、今回の一件は大企業とは思えない、いや中小企業でもやらないような、信じられないアンチモラルな行動だったので、正直、紹介しないのがエージェントとしての義務だと思います。 たぶん、すべての就活エージェントの考えもそうでしょうが、広告料金をもらっている大手はサイトとしての運用面で苦慮しているはずです。女帝の存在など、週刊誌の記事を見る限り、『いなば食品』の内部が変わらないと、なかなか告知通りの就職はできないように思います。この時期に、新卒採用に関わるすべての役所がまだ動いていないのが不思議です」 また、今回いなば食品は採用において「労働条件通知書」を出していないとも報道されています。労基法によって、労働条件通知書には必須記載情報があります。それは労働契約期間、更新基準、就業場所、就業時間、賃金・昇給など、法律で文書として発行が義務付けられているものです。しかし実際には、労働条件通知書を発行せず、口約束や面接時の口頭説明のみしかしていない企業もよくあります。「いなば食品」ほどの大企業でも通知書を発行していなかったとすれば、コンプライアンスに重大な疑義がつき、今後、関係各社から忌避される可能性は十二分にあるでしょう。  すでに、テレビアニメ『わんだふるぷりきゅあ!』(テレビ朝日系)は、4月26日に公式サイトで、いなば食品とのコラボ企画「いなばWanちゅ~る・いなばCIAOちゅ~る×『わんだふるぷりきゅあ!』画像投稿キャンペーン」の中止を発表しました』、「「いなば食品」に対しても改善の状況を問い質すべきです。しかし現状では、とりあえず広告を停止するか、あるいは「去年の情報を見て個人で判断してくれ」という、かなりいい加減な情報提供をしていると考えられます。 本来は、直接問い質して、その内容次第では、今後就職に関する求人広告の掲載や採用サポートに協力しないという措置を、とるべきなのです・・・実際には、労働条件通知書を発行せず、口約束や面接時の口頭説明のみしかしていない企業もよくあります。「いなば食品」ほどの大企業でも通知書を発行していなかったとすれば、コンプライアンスに重大な疑義がつき、今後、関係各社から忌避される可能性は十二分にあるでしょう」、なるほど。
・『「いなば食品」へのゆるい対応は日本の汚点を海外にも広めかねない  実は、それ以外にも重大な問題が発生しつつあります。「いなば食品」は、チュールで有名になった日本の企業というだけではありません。大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地であるドジャー・スタジアムに広告を出す契約までとった会社です。 ロサンゼルス市は毎年5月17日を「オオタニ・ショウヘイ・デー」と決めました。これは、1843年に初めて日本人移民が米国に到着したことから、5月を「アジア太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間」と定めてスタートした企画です。そんな栄光と未来に完全に反する「男女差別と乱れたガバナンス企業」が世界的に有名なスタジアムに広告など出す権利がないことを、関係各官庁はドジャース関係者に早急に伝える必要があります。 このままいくと、「いなば食品問題」は世界に日本の汚点をさらす危険さえ秘めているのです。 (木俣正剛:元週刊文春・月刊文芸春秋編集長)) (それだけではなく、青少年雇用情報シートへの記入には罰則規定もあります。また、ハローワークも同様の構造になっていますが、違反があった場合は求人広告の掲載を中止するという罰則もあります。 問題は、基本が企業の自己申告であるため、労働基準監督署に対して個人ないしは大学が抗議をしないと、なかなか監督官庁が調査や改善に動いてくれないという欠点があることです。しかし、「いなば食品」は静岡の大企業。現在、静岡は「天下分け目の決戦」といわれる川勝知事の辞任による補選が戦われています。与野党の候補者には、この問題がどうなっているのかを監督官庁に聞き、県民に対しても説明する義務があるはずです』、「「いなば食品」は、チュールで有名になった日本の企業というだけではありません。大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地であるドジャー・スタジアムに広告を出す契約までとった会社です・・・「男女差別と乱れたガバナンス企業」が世界的に有名なスタジアムに広告など出す権利がないことを、関係各官庁はドジャース関係者に早急に伝える必要があります。 このままいくと、「いなば食品問題」は世界に日本の汚点をさらす危険さえ秘めているのです」、これは大変だ。厚労省ももっと真剣に取り組むべきだ。

次に、6月28日付けダイヤモンド・オンラインが弁護士ドットコムニュースを転載した「「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/346107
・『自動車を運転する人なら避けて通れないのが、運転免許の更新です。 手続きは全国の免許更新センターや警察署でおこないますが、どういうわけか高圧的な態度の利用者に遭遇するケースがあります。 弁護士ドットコムニュース編集部の記者が更新に訪れると、高齢男性が職員に「立って謝罪させる」現場を目撃しました。 そこで、さらに情報を集めてみると、カスハラ行為の目撃談が多数集まる結果に。免許更新の現場では「カスハラ」が慢性的におこなわれているのでしょうか。 一方で、態度に問題のある職員の目撃談も複数寄せられる結果となっています』、「免許更新センター」で「カスハラ」とは意外だ。
・『声荒げる高齢男性「謝れ!立って謝れ  免許センターの取材を始めたきっかけは、記者自身の体験です。 今年4月末、更新にやってきた府中免許試験場(東京都府中市)。 「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由 廊下の長椅子に並んで座った高齢男性が男性職員に問いただしていました。ただならぬ雰囲気で声を荒げているため、周囲の人たちも注目しています。 「いつも高齢者にそんな態度なんだろ!謝れ!立って謝れ」) それまでのやりとりの流れがわからず、どこまで職員側(施設側)に非があるかわかりません。だとしても、「立って謝罪しろ」はやり過ぎだと感じます。 実際に職員は立ち上がり、頭を下げて謝っていました。 この出来事を編集部内で話すと、江東運転免許試験場で数週間前に免許を更新した同僚も「ビデオ視聴の時に机に寝そべっていた50代ぐらいの男性が講師役の職員から注意され、『黙れ!どけ!』と怒鳴っていた」との目撃談を教えてくれました。 SNSなどを検索してみると、免許更新に訪れた施設で「怒鳴る人を見た」「クレーマーのせいで行列ができた」といった趣旨の投稿が数多く存在するのがわかりました。 人が怒鳴られているのは、見ている側からしても不快です。 免許試験場は各地の警察が運営しています。警察ではどんなカスハラ対策を講じているのでしょうか』、「SNSなどを検索してみると、免許更新に訪れた施設で「怒鳴る人を見た」「クレーマーのせいで行列ができた」といった趣旨の投稿が数多く存在するのがわかりました」、例外的事象ではなく、かなり一般的になっているようだ。
・『取材に警視庁は「東京都のカスハラ条例の動向を踏まえて検討を」  福岡県では、全国の警察に先んじて、警察職員へのカスハラ対処マニュアルを1年前の2023年5月に策定しました。 適切な対応をしている警察職員に対して「過剰なクレーム」「暴言・威嚇・脅迫行為」「過度な謝罪の要求」「長時間の居座り」「SNSへの誹謗中傷」などのいわゆる『カスタマーハラスメント行為』があった場合、対応の打ち切りや退去を求めるとしています。 東京都では現在、カスタマーハラスメント対策のための条例が作られようとしています。 (「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由) 府中試験場を運営する警視庁に「免許試験手続きにおけるカスハラ」の取材を申し込むと、「カスタマーハラスメントに関しては、これまでも個別具体的な状況に応じて適切に対応しているところですが、東京都におけるカスタマーハラスメントに関する条例化の動向を踏まえつつ、必要な検討を進めてまいります」と回答がありました。 当事者である職員の声を直接聞かせてほしいとの要望も送りましたが、今回は実現しませんでした』、「警視庁」としては権威を汚すような「カスハラ」には冷淡なようだ。
・『免許更新におけるカスハラ目撃談  続いて弁護士ドットコムニュースでは独自に、免許関連施設におけるカスハラの情報を募集しました。 職員へのカスハラにあたりうる言動の目撃談が複数寄せられました。いくつか紹介します。(メッセージは内容を損なわない範囲で編集しています) ・女性職員に怒鳴る中年男性 「昨年冬に、愛知県の●●警察署で女性職員へのあからさまなカスハラを目撃しました。運転免許更新の際、必要な書類が揃っていなかったらしく、中年男性が女性職員に『そのくらい融通きかせてくれてもいいだろう!』と何度も怒鳴っていました。そのうちマッチョな男性職員が出てきたら、そのおじさんはすごすごと帰っていきました」(60代女性) ・アプリでピカピカに加工した写真を拒否されて泣きわめく女性(「数年前に中部地方の運転免許試験場で目撃しました。アプリで修正した写真を免許証に使いたいと泣きわめいてる女性がいて、職員さんはドン引きされてました。あまりに加工が過ぎると、証明書には使えないですよね。その後、女性はその顛末をSNSに投稿していました」(40代女性) ・「税金で暮らすデクノボー」暴言連発の男性が警察に連行されていった(「10年ほど前でしょうか。岡山県の運転免許試験場で更新手続きをしていたら、私の前にいた50代後半から60代前半に見える男性が、『何だよ!またかよ、そんなの払わなきゃいけないのか?オレらの払った税金でメシ食ってるクセに、エラそうに言うな!』と職員に激怒していました。任意である交通安全協会費の協力を頼まれて、気に入らなかった様子です。職員はお断りできる旨も丁寧に説明していたので、言い過ぎだと思いました。『お前らはドロボーだ』税金で暮らすデクノボー』ガソリン代が高いのもお前らのせいだ』などと難癖をつけ続け、他の警察官に連行されました。男性が数分間占領していたので、窓口の列が長くなっていました」(50代女性)』、「運転免許更新の際、必要な書類が揃っていなかったらしく、中年男性が女性職員に『そのくらい融通きかせてくれてもいいだろう!』と何度も怒鳴っていました」、書類の不備に対し「そのくらい融通きかせてくれてもいいだろう!、マッチョな男性職員が出てきたら、そのおじさんはすごすごと帰っていきました」とは傑作だ。
・『「職員だって態度が悪い」こんな意見も  一方で、職員に対する不満も散見されます。 「10年前くらい、●●の免許センター。警察官が並んでいる全ての人に、『お前はなんでこんなに遅いんだ』と1人1人に怒鳴りつけていた」(50代女性) 「数年前に免許の更新のための交通違反者講習の際に、スマホを見ていた受講者に対し、教習員が『貴様!出ていけ!』と、大声で怒鳴ったことがありました。静かな講堂での出来事だったので、非常に驚きました。(60代男性) どうやら運転免許の試験場などでは、やはりカスハラにあたりうる言動を見聞きした人は少なからずいるようです』、「職員だって態度が悪い」、その通りだ。
・『運転免許センターでカスハラが起こりやすいと言えるのか?  なぜこのような施設でカスハラは起こるのでしょうか。 地方公共団体や行政機関などで不当要求対応やカスハラ対応について講師をつとめている河西邦剛弁護士に聞きました(Qは聞き手の質問、Aは河西弁護士の回答)。 Q:運転免許試験場等における“カスハラ”を見聞きした人がいました。どのように受け止めますか。 A:メディアで高齢ドライバーの事故や免許返納が盛んに取り上げられる中で、不満を溜めている層があるかと思います。 そうした高齢者だけでなく、違反に納得できない運転手や試験に不安な人など、運転免許試験場は利用者にストレスを感じさせやすい施設と思われます。 「高齢者にそんな態度はないだろう」「税金でメシ食ってるクセに」「偉そうに言うな」 不満が重なって激昂したときに普段抑えている本音が飛び出してくることがあります。自分たちの税金や交通違反の罰金で運営される施設だと思えば、なおさら怒りを目の前の職員にぶつけてしまうのではないでしょうか。 民間の施設であれば、「契約自由の原則」があり、迷惑行為に及ぶ客を入店拒否できますが、公共の施設では基本的にそうした措置を取れません。刑法上の違法行為をされた場合に警察を呼ぶのが最終手段になります。 全国に先駆けて公的施設におけるカスハラを防止するための都条例が制定される見込みです。免許試験場でもカスハラに対応する動きが出てくるでしょうか。 今回の都条例ではカスハラに該当するとしても罰則は設けられず実効性を疑問視する声があるのは事実です。 しかし、役所や都庁においては、カスハラに該当すると判断したので接客対応を打ち切るという手法を取りやすくなります。さらに、それでも執拗に対応を迫られた場合には、現状の刑法にある強要罪・脅迫罪や威力業務妨害罪に該当しやすくはなるでしょう。 運転免許の手続きをする施設でも、威圧的な態度の利用者には公平でありながらも毅然とした対応を取るようになる可能性は考えられます』、「刑法上の違法行為をされた場合に警察を呼ぶのが最終手段になります」、「免許試験場」は「警察」がやっている割に、「カスハラ」が横行しているのは、「警察」が権力の行使に慎重なためなのだろうか。

第三に、6月28日付け日刊ゲンダイ「旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」…国連は「救済措置が不十分」と指摘」を紹介しよう。
・『スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれた国連人権理事会の「ビジネスと人権」に関する作業部会が26日、旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)の性加害問題などを含む、日本の人権問題についての調査結果を報告した。報告では創業者であるジャニー喜多川氏による性加害問題について「性加害を受けた数百人もの元タレントらへの救済措置が不十分だ」と指摘した。 これを受け、スマイルアップの東山紀之社長(57)は「指摘事項を真摯に受け止め、改善や徹底に誠心誠意努めてまいります」とのコメントを発表。スマイル社の「救済措置」について、作業部会は被害者らへのアクセスの欠如があり、緊急に対応する必要があるなどとした。 作業部会はまた、スマイル社が被害者に弁護士費用を自己負担させていることを「容認しがたい」としたが、東山社長は「被害者救済委員会においては、弁護士によるサポートを受けるために要する費用を含む諸般の費用も考慮した上で補償額を評価している」と反論コメントを出した。 報告書は5月に公表されており、スマイル社に対し「被害者の救済に向けた道のりは長い」「依然として深い憂慮が残る」といった内容が明らかになっていた。それもあり、対応する時間は十分にあったのだろう』、「国連人権理事会」の「作業部会」が「ジャニー喜多川氏による性加害問題について「性加害を受けた数百人もの元タレントらへの救済措置が不十分だ」と指摘」、全く日本としては恥ずかしい限りだ。
・『「被害者たちが完全に救済されるまでスマイル社の責任と業務は終わらない」  同社HPには、《被害補償の進捗状況について》として、こう続けている。 《被害補償の申告者数合計996名のうち、被害者救済委員会が補償額を通知した方の人数は合計499名になります。被害者救済委員会又は弊社の代理人弁護士からの連絡に対してご返信をいただけていないためにお手続を進めることができていない207名の方を除くと、被害補償の申告者996名のうち、いまだお手続中の方は145名となっております》 補償額の算定基準もブラックボックスで、さらに交渉内容も口外しないよう通達し、不満を持つ被害者は少なくない。にもかかわらず、補償手続きが進んでいることで、この問題への取り組みは順調で、しかもすでに峠は越えたとの認識がスマイル社の言い分からは透ける。 「スマイル社は被害者補償に特化し、それが完了したときに廃業するとしていたのが、一般社団法人『マインドフル』を設立するなど別の方向に動き出しています。ジャニー氏の姪で、ジャニーズ事務所を引き継いだ藤島ジュリー景子氏は『社員』として名を連ねた。この『社員』とは株式会社の株主みたいなもので、今後もジュリー氏が牛耳っていく体制が続いていくということではないか」(某芸能プロ社長) 藤島氏は昨年、経営への関与をやめ、すべての関連会社の代表の座からも降りるとしたが、先日までうち3社の会長職にとどまっていた。それが批判されて、近く退任すると発表したが、報道も批判もなければ、いまもその座に居座りたいのが本音ではないか。作家で「当事者の会」元代表の平本淳也氏は社団法人設立に関し、こう言った。 「『マインドフル』は解散するスマイル社の意思を継ぐ組織と言っていいでしょう。性犯罪被害者の支援環境の整備への取り組み、社会貢献への姿勢も、そのうたい文句通りであるのであれば、歓迎すべきものと思います。しかしながら、性暴力に加えて精神疾患や誹謗中傷にも苦しんでいる被害者たちが完全に救済されるまでスマイルアップの責任と業務は終わりません」 現在も補償対応をめぐって、不満を募らせている被害者が少なくない。 《1人たりとも被害者を漏らすことなく、ケアしていきたいと思っております》 そんな声明文を発表したジュリー氏は現在、どう思っているのだろうか。 理事会の会合後のイベントで、被害者の一人、元ジャニーズJrの二本樹顕理氏はこう訴えた。 「多くの被害者が性的暴行や誹謗中傷で今も苦しんでいます。子どもたちは、未来の希望であり、子どもたちから性的搾取をするということは人権侵害なんだという意識が芽生えてほしい」
 多くの賛同と拍手が送られたのも当然だろう。東山社長の予定調和コメントへの反響とは対照的である』、「被害補償の申告者数合計996名のうち、被害者救済委員会が補償額を通知した方の人数は合計499名になります。被害者救済委員会又は弊社の代理人弁護士からの連絡に対してご返信をいただけていないためにお手続を進めることができていない207名の方を除くと、被害補償の申告者996名のうち、いまだお手続中の方は145名となっております》、「手続中の方」がまだまだ多いようだ。早目の解決を期待したい。
タグ:ハラスメント (その25)(「「ゆるすぎる…」いなば食品への世間の対応、なぜ騒動がくすぶったまま放置されているのか?、「ぶん殴ってやりたい」背任で逮捕された「夢グループ」元企画宣伝部長(49)が壮絶パワハラで部下を退職に追い込んでいた、「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由、旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」…国連は「救済措置が不十分」と指摘) ダイヤモンド・オンライン 木俣正剛氏による「「「ゆるすぎる…」いなば食品への世間の対応、なぜ騒動がくすぶったまま放置されているのか?」 「一般職の女性社員の9割が内定辞退。それも、募集要項にあった給与22万6000円が、入社してみると19万6450円と約3万円も低く、さらに「社宅完備」という募集要項にも偽りがあり、実際にはボロ家での集団生活というものでした・・・辞退者の1人は「総合職」として試験を受けたのに、内定してから「一般職」採用と説明され、だから給与が低いと説明されています。今回辞退した内定者は女性ばかりということは、総合職として求人しながら女性だけを一般職に回して給料も低くしたという、明らかに意図的な女性差別による人事が行われたこ 「 新卒就活への支援会社には3種類あることを踏まえておきましょう。いわゆる全国区の有名な就活サイトは、実際は就活広告サイトであり、基本的に企業から資金をもらって、サイトを訪れる学生たちに対してその企業への就活促進活動を行います。 一方、就活エージェントは、相談に来た学生に本人の希望にマッチする企業を紹介した上で、学生をその企業に入社させた場合にもらう成功報酬が収入源となります。そして公的機関としては、ハローワークだけが新卒採用情報を大学に提供できる仕組みとなっています・・・ 厚生労働省の「雇用情報シート」における企業への要求は、後述するように相当細かく、たとえば以下のようなものです」、なるほど。 「「いなば食品」に対しても改善の状況を問い質すべきです。しかし現状では、とりあえず広告を停止するか、あるいは「去年の情報を見て個人で判断してくれ」という、かなりいい加減な情報提供をしていると考えられます。 本来は、直接問い質して、その内容次第では、今後就職に関する求人広告の掲載や採用サポートに協力しないという措置を、とるべきなのです・・・実際には、労働条件通知書を発行せず、口約束や面接時の口頭説明のみしかしていない企業もよくあります。「いなば食品」ほどの大企業でも通知書を発行していなかったとすれば、コンプ ライアンスに重大な疑義がつき、今後、関係各社から忌避される可能性は十二分にあるでしょう」、なるほど。 「「いなば食品」は、チュールで有名になった日本の企業というだけではありません。大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地であるドジャー・スタジアムに広告を出す契約までとった会社です・・・「男女差別と乱れたガバナンス企業」が世界的に有名なスタジアムに広告など出す権利がないことを、関係各官庁はドジャース関係者に早急に伝える必要があります。 このままいくと、「いなば食品問題」は世界に日本の汚点をさらす危険さえ秘めているのです」、これは大変だ。 厚労省ももっと真剣に取り組むべきだ。 弁護士ドットコムニュースを転載した「「立って謝れ」と職員にキレる高齢者も…運転免許センターがクレーマーの標的にされ始めた理由」 「免許更新センター」で「カスハラ」とは意外だ。 「SNSなどを検索してみると、免許更新に訪れた施設で「怒鳴る人を見た」「クレーマーのせいで行列ができた」といった趣旨の投稿が数多く存在するのがわかりました」、例外的事象ではなく、かなり一般的になっているようだ。 「警視庁」としては権威を汚すような「カスハラ」には冷淡なようだ。 「運転免許更新の際、必要な書類が揃っていなかったらしく、中年男性が女性職員に『そのくらい融通きかせてくれてもいいだろう!』と何度も怒鳴っていました」、書類の不備に対し「そのくらい融通きかせてくれてもいいだろう!、マッチョな男性職員が出てきたら、そのおじさんはすごすごと帰っていきました」とは傑作だ。 「職員だって態度が悪い」、その通りだ。 「刑法上の違法行為をされた場合に警察を呼ぶのが最終手段になります」、「免許試験場」は「警察」がやっている割に、「カスハラ」が横行しているのは、「警察」が権力の行使に慎重なためなのだろうか。 日刊ゲンダイ「旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」…国連は「救済措置が不十分」と指摘」 「国連人権理事会」の「作業部会」が「ジャニー喜多川氏による性加害問題について「性加害を受けた数百人もの元タレントらへの救済措置が不十分だ」と指摘」、全く日本としては恥ずかしい限りだ。 「被害補償の申告者数合計996名のうち、被害者救済委員会が補償額を通知した方の人数は合計499名になります。被害者救済委員会又は弊社の代理人弁護士からの連絡に対してご返信をいただけていないためにお手続を進めることができていない207名の方を除くと、被害補償の申告者996名のうち、いまだお手続中の方は145名となっております》、「手続中の方」がまだまだ多いようだ。早目の解決を期待したい。
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就活(就職活動)(その11)(気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」、「次は居酒屋を始めたい」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が考える「意外なワケ」、「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと、訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」) [社会]

就活(就職活動)については、昨年2月16日に取上げた。今日は、(その11)(気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」、「次は居酒屋を始めたい」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が考える「意外なワケ」、「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと、訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」)である。

先ずは、本年5月17日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・人間関係コンサルタント・テレビ解説者の木村 隆志氏による「気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/753498
・『もはや、この時期特有の五月病によるものではなく、社会現象と言っていいかもしれません。ゴールデンウィーク前から現在にかけて退職代行サービスを使う人が続出し、テレビやネットでその詳細が報じられ続けています。 特にテレビでは「連日どこかの番組が扱っている」という状態。朝から夕方までの情報番組に加えて、夜の「報道ステーション」(テレビ朝日系)や「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)、さらには地方局やBS局までがこの話題を扱っています』、興味深そうだ。
・『すでに100社以上ある退職代行の活況  「すでに100社以上」と言われる退職代行サービスの中で、最もメディアにピックアップされているのが、ユニークなネーミングの「モームリ」。 利用料が正社員2万2000円(税込)という同サービスは、依頼者に代わって勤務先に退職の意向を連絡するほか、必要な手続きも代行。2名の弁護士が監修し、労働環境改善組合と提携していることもあって、4月だけで過去最多の1397件(うち新卒208人)の依頼があり、連休中や連休明けも数百件単位での問い合わせがあるようです。 退職代行サービスそのものは2010年代後半あたりから何度かSNSやメディアで話題になっていましたが、今回の動きはそれを大きく上回るものと言っていいでしょう。もちろん同サービスの利用者は、まだ一部の人々に過ぎないものの、「退職のスタンダードになっていく」という見方もあります。 現在ネット上の記事やSNSは、退職代行サービスについて「便利」「合理的」「需要がある」などの肯定的な声から、「ずるい」「マナー違反」「ありえない」などの否定的な声まで、さまざまなコメントが飛び交っている状態。しかし、そのどちらでもなく、「危うい」と思わせられるいくつかのポイントがあるのです。) まず退職代行サービスを利用する人の主な退職理由からあげていきましょう。 最も多いと言われているのが、人間関係、仕事内容、待遇の3つ。 人間関係は「上司や同僚と合わない」「ハラスメントを受けた」、仕事内容は「希望の部署ではなかった」「やりたい仕事ではなかった」、待遇は「給与が低かった」「残業が多く休日が少なかった」などの理由が退職代行サービスを利用する理由として語られているほか、悩み相談のコンサルをしている私のもとにも同様の声が届いています。 このように退職理由が「思っていたものと違った」「聞いていたものと違う」という不満にもとづくものだからこそ、勤務先への嫌悪感がある。あるいは、上司に打ち明けて口論になることを避けるために、退職代行サービスを利用するのでしょう。 その他でも、「上司に言いづらい」「辞めさせてもらえない」「説得されるくだりが無駄」なども退職代行サービスを利用する理由。逆に上司や同僚としても、急に辞められることに対するネガティブな感情はあっても、「退職代行サービスを使ってもらうほうが気楽でいい」という人もいるようです。 しかし、入社から日が浅い人は、まだキャリアにつなげられるほどのスキルや経験を得られておらず、「転職のカードが少ない」という状態での就職活動を余儀なくされるのがつらいところ。また、自分が「入りたい」と思うような企業は新卒中心の採用で、「募集があるのは同じように誰かが早々に辞めた企業になりやすい」という現実があります。 “売り手市場”という言葉に惑わされず、自分の市場価値を冷静に見極められているか。退職代行サービスが手軽に使えるものだからこそ、退職の時期を選ぶ判断力や、それに向けた準備力が問われているのです』、「「すでに100社以上」と言われる退職代行サービスの中で、最もメディアにピックアップされているのが、ユニークなネーミングの「モームリ」。 利用料が正社員2万2000円(税込)という同サービスは、依頼者に代わって勤務先に退職の意向を連絡するほか、必要な手続きも代行。2名の弁護士が監修し、労働環境改善組合と提携していることもあって、4月だけで過去最多の1397件(うち新卒208人)の依頼があり、連休中や連休明けも数百件単位での問い合わせがあるようです・・・退職理由が「思っていたものと違った」「聞いていたものと違う」という不満にもとづくものだからこそ、勤務先への嫌悪感がある。あるいは、上司に打ち明けて口論になることを避けるために、退職代行サービスを利用するのでしょう。 その他でも、「上司に言いづらい」「辞めさせてもらえない」「説得されるくだりが無駄」なども退職代行サービスを利用する理由。逆に上司や同僚としても、急に辞められることに対するネガティブな感情はあっても、「退職代行サービスを使ってもらうほうが気楽でいい」という人もいるようです」、なるほど。
・『世間は狭く同業種はつながっている  さらに問題なのは、「就職活動のときに退職代行サービスを利用したことが知られてしまう」というケースがあること。つまり、その後のキャリアに影響を及ぼすかもしれないのです。) これまでの取材経験上、人事担当者たちの中には「退職代行サービスの利用を快く思っていない」という人が少なくありませんでした。時間とお金をかけて採用し、先行投資する形で育成していたのですから、人事担当者がそう思ってしまうのは当然かもしれません。 また、「話を聞く余地なく辞めてしまう」ことを問題視しているうえに、社内で人事担当者の評価が下がったり、叱責されたりという事態が起こりうることも理由の1つでしょう。 「人事担当者には横のつながりがある」のは当事者間では知られた話ですし、特に同業種では「ネガティブな情報として共有されてしまう」というリスクを無視できません。どんなに売り手市場だとしても選ぶ権利は両者にあり、退職代行サービスを使って自分が相手との関係を絶った分、次の相手からも関係を絶たれやすくなってしまうところがあるのです。 企業側としては、退職代行サービスを使って辞める人が増えると、「退職者が増える→人手不足になる→労働環境が悪化する→ますます退職者が増える→ますます人手不足になる→ますます労働環境が悪化する」という悪いループにはまりかねないリスクがあるだけに、警戒されてしまうのは当然なのです。 「ブラック企業なら自業自得」というところもあるでしょうが、はたして本当に企業側だけが悪いのか。いずれにしても、退職のハードルが下がりすぎることは、「働きづらい企業が増え、世の中の活動が停滞してしまう」という危うさと紙一重なのです』、「企業側としては、退職代行サービスを使って辞める人が増えると、「退職者が増える→人手不足になる→労働環境が悪化する→ますます退職者が増える→ますます人手不足になる→ますます労働環境が悪化する」という悪いループにはまりかねないリスクがあるだけに、警戒されてしまうのは当然なのです」、なるほど。
・『LINEの「ブロック」の感覚で使用されている?  退職代行サービスを利用する理由の中で、もう1つ大きいのは、「スパッと辞められる」こと。 「辞意を伝えてから退職までの間、気まずい雰囲気の中で働かなくていい」「退職の挨拶まわりや、お礼のお菓子を買うなどをしなくていい」。自ら「ここまで」と線を引くようにスパッと辞めたい人が多いようなのです。 そもそも「モームリ」への依頼は約9割がLINEで行われ、対面や電話は少ないとのこと。その行動パターンとしては、プライベートで「誰かのLINE IDをブロックする」「LINEグループから退会する」、あるいは、恋人への別れもLINEでする。人間関係リセット症候群にも似た行動パターンと言っていいでしょう。) ふだんこれらの行動パターンを取っている人であれば、退職代行サービスの利用に躊躇がなくて当然かもしれません。ただ、LINEのブロック、退会、別れ、リセットが繰り返しやすく、一度行うとハードルが下がるのと同じように、退職代行サービスの利用もハードルが下がるきらいがあります。 たとえば、まだ迷っている段階なのに、退職代行サービスを使って辞めてしまう。少し納得がいかないことがあるだけで、「退職代行サービスを使おう」と思ってしまう。 やっかいなのは、退職することのハードルが下がり、引いては「『合わない』と感じたものや嫌なものから条件反射的に逃れる」という行動がクセになってしまうこと。その結果、「自分に合う仕事、職場、上司や同僚などが見つからず、スキルも経験も積み上げられないまま、気づけば年齢だけ重ねていた」という事態につながりかねません。 本来、仕事に関しては「お金を稼ぐためには、これくらいはやったほうがいいのかな」「最低限、同僚や取引先に迷惑をかけないようにしよう」などの潜在意識があり、それが生きていく力として必要な耐性を養うことにつながっていきます』、「やっかいなのは、退職することのハードルが下がり、引いては「『合わない』と感じたものや嫌なものから条件反射的に逃れる」という行動がクセになってしまうこと。その結果、「自分に合う仕事、職場、上司や同僚などが見つからず、スキルも経験も積み上げられないまま、気づけば年齢だけ重ねていた」という事態につながりかねません」、なるほど。
・『辞め方によっては損害賠償の請求も  しかし、早期退職を気軽につづけ、耐性が養われない人は、プライベートでも苦労しかねないのが怖いところ。たとえば、家族、友人、恋人との関係性、健康や買い物などにおける耐性にも欠けてしまい、「危機を乗り越えられなかった」という人が少なくないのです。実際、筆者の相談者さんにも、「転職を繰り返し、恋愛・結婚もうまくいかない」という人は数え切れないほどいました。 さらに、一定の耐性がない人は、感情的になりやすくストレスを抱えやすいだけでなく、その状態が続くことで「生きていくことがつらい」「自分には本当の味方がいない」などと落ち込む傾向があるのも苦しいところ。もし大半の人が退職代行サービスを利用する時代になったら、個人は人と向き合えず耐性の足りない人が増え、企業は現場や人事などの課題改善という機会を逃しかねないでしょう。少なくとも、繰り返し退職代行サービスを利用する人は、「別のところで耐性を身につけよう」という意識が必要なのかもしれません。 そしてもう1つ、忘れてはいけないのが、「辞め方によっては企業から損害賠償請求を受ける」というケースもあり得ること。その場合、退職代行サービスがすべて対応してくれるとは限らず、「自分で弁護士を探して依頼した」という話を聞いたことがあります。) もちろん退職代行サービスの利用自体は悪いことではなく、それだけで訴えられることはないでしょう。しかし、必要な引き継ぎなどを行わず、急に投げ出した結果、売り上げを大きく下げてしまった。重要な取引先を失ってしまった。企業や商品のブランドを傷つけてしまった。機密情報を持ち出したまま無断欠勤を続けたなど、実害が出たケースは要注意です。 逆に「退職代行サービスを利用したことで、企業から未払い給与や退職金をもらえなかった」というトラブルも聞いたことがあります。「これらの事態が起きたときに対応できる退職代行サービスなのか」「その場合、労働組合や弁護士のサポートは受けられるのか」は事前に確認しておいたほうがいいでしょう。また、「こじれた結果、しばらく退職できなかった」というケースもまれに起こりうるため、退職代行サービスを利用するとしても、やはり辞め方は大事なのです』、「必要な引き継ぎなどを行わず、急に投げ出した結果、売り上げを大きく下げてしまった。重要な取引先を失ってしまった。企業や商品のブランドを傷つけてしまった。機密情報を持ち出したまま無断欠勤を続けたなど、実害が出たケースは要注意です。 逆に「退職代行サービスを利用したことで、企業から未払い給与や退職金をもらえなかった」というトラブルも聞いたことがあります」、なるほど。
・『辞める側と辞められる側は紙一重  最後に誤解なきよう書いておくと、退職代行サービスそのものに問題があるというわけではありません。むしろ、不適切な労働環境によって心身ともに追い込まれた人が「退職代行サービスで命を救われた」という話をいくつか聞きましたし、その社会的意義は明確です。 さらに、「ブラック企業への注意喚起を促す」「転職のハードルを下げられる」などの意味でも、ポジティブなサービスと言っていいでしょう。厚生労働省の調査では、大卒3年以内の離職率は32.3%(2020年)と「3人に1人は早期退職」する時代であり、今なおジワジワと増えている点も含め、時代に合うサービスであることに疑いの余地はないのです。 それでも退職代行サービスを利用する人に忘れてほしくないのは、「自分が上司や同僚と向き合わずに辞める立場なのか」、それとも「自分が上司や同僚の立場で『なぜ直接言ってくれなかったのか』と驚き、悲しみ、怒る立場になのか」は紙一重であること。組織で勤めていれば当然どちらの立場にもなりますし、もし起業しても誰かを雇用するときは「突然、第三者からの連絡のみで去られてしまう」という苦しみを味わうかもしれません。 そしてもう1つふれておきたいのは、「今、仕事で悩んでいる」「退職代行サービスを使わずに辞めた」という人について。 「今、仕事で悩んでいる」という人は、今回の「退職代行サービスの利用者が急増している」というニュースを聞いて、「自分は頑張れている」「何とか踏み留まっている自分は偉い」と自己肯定感を上げればいいのではないでしょうか。また、「退職代行サービスを使わずに辞めた」という人は、企業と担当者と向き合って対応できたことを自分の誇りにしてもいいでしょう。 退職代行サービスを使う人ばかりにならず、両者のような人が存在することが、社会にとって大事なのです』、「「今、仕事で悩んでいる」という人は、今回の「退職代行サービスの利用者が急増している」というニュースを聞いて、「自分は頑張れている」「何とか踏み留まっている自分は偉い」と自己肯定感を上げればいいのではないでしょうか。また、「退職代行サービスを使わずに辞めた」という人は、企業と担当者と向き合って対応できたことを自分の誇りにしてもいいでしょう。 退職代行サービスを使う人ばかりにならず、両者のような人が存在することが、社会にとって大事なのです」、確かにその通りだ。

次に、6月14日付け現代ビジネスが掲載したライターでブラック企業元社員の佐藤 大輝氏による「「次は居酒屋を始めたい」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が考える「意外なワケ」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/131808?imp=0
・『いま話題の退職代行、各メディアはこぞって「退職代行を利用する是非」にスポットライトを当てがちだが、私が気になって仕方なかったのは「そもそも、なぜ創業者は退職代行を始めたのか」だった……。これまで1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」を運営する、株式会社アルバトロス代表取締役・谷本慎二氏(35歳)へ話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは谷本氏の回答)。 聞き手:佐藤大輝(ブラック企業を2回訴えたヤバイ人)』、「聞き手」が「ブラック企業を2回訴えたヤバイ人」とは面白そうだ。
・『自分自身が「辞めます」と言いづらかった  Q:まずは、谷本さんのキャリアについて教えてください。 A:神戸学院大学を卒業後、接客サービス業(東証一部上場企業)に新卒入社。店長職として、仕事漬けの毎日を過ごしました。20代後半でエリアマネージャーに昇格し、これまで以上に仕事漬けの生活を送りました。自分の人生はこのままでいいのか……。32歳を迎えた頃、勇気を出して退職。在職中は長期休暇がなかなか取れなかったので、1年ぐらいノンビリ過ごそうと思ったんですけど、マイカーでドライブ中に「モームリ」のアイディアが降ってきたんです。離職から半年後、気が付いたら会社を立ち上げてました。 Q:起業の「経緯」と「想い」について教えてください。 A:僕自身もそうだったのですが、やっぱり会社に対して「辞めます」とは言い辛い。メンタルの強い弱いは人それぞれなので、代行サービスが社会に広まったら便利だろうなって。とはいえドライブ中に「モームリ」というユニークな名前を思い浮かばなければ、たぶん事業を開始していなかったと思います。 Q:思ってたより依頼が来ないなど、創業時に苦労した点はありますか? A:ご依頼の件数など、とくに苦労はしていないんですよね。モームリを立ち上げた初日に、さっそく1件のご依頼をいただいて、初月(稼働日数は約15日)だけで20名ほど退職を確定させました。集客についても、今みたいにモームリの知名度がなかったので、SNSで情報拡散しました。自社の情報をオープンに投稿することで、このサービスを知ってもらえたようです。 Q:退職代行を利用することに対して「社会人として不誠実だ」と感じる方は多いと思うのですが、この点いかがですか? A:僕も退職代行を使わず、直接自分の口で伝えるのがベストだと思います。一方で、この仕事を始めてみて、まだまだ日本社会に「正真正銘のブラック企業」が存続している事実に気が付かされました』、「モームリを立ち上げた初日に、さっそく1件のご依頼をいただいて、初月(稼働日数は約15日)だけで20名ほど退職を確定させました。集客についても、今みたいにモームリの知名度がなかったので、SNSで情報拡散しました。自社の情報をオープンに投稿することで、このサービスを知ってもらえたようです」、なるほど。
・『新事業は「居酒屋の経営」?  Q:10件の依頼があるとしたら、どれくらいの割合でブラック企業が混じってるのですか? A:ブラック企業が1社、ホワイト企業が1社、普通の会社が8社のイメージですかね。仮に支店や営業所はブラックであったとしても、本社自体は普通の対応をしてくださることがほとんどです。 サービス残業の強制や、陰湿なパワハラなど、ヤバイ会社から逃げる一つの手段として、退職代行はアリだと思います。ただし建前ではなく、僕はいつの日か、退職代行が消える社会が来てほしい。ここだけの話、未来を見越して少しづつ、準備を始めてたりします。 Q:新しいビジネスの話ですか?詳しく教えてください。 A:居酒屋の経営をやろうかなって。 A:はい!? A:僕、お酒が好きなんですよ。人生は1回限りですし、興味のあることにドンドン挑戦していきたいなって。実はウチの会社は退職代行だけでなく、コインランドリー事業もやってます。僕個人としては、すぐにでも居酒屋を始めたかったのですが……、大変ありがたいことに、モームリの仕事が絶好調のため、居酒屋に回せる人的余力がない。そこで無人でも始められるコインランドリー事業で、店舗型集客のノウハウについてまずは学ぼうと考えたんです。初期投資額は約1000万円で、黒字化にはもう少し時間がかかりそうです。 Q:今後、退職代行とは関係のない業種を攻めるわけですね。 A:業種は異なりますが、シナジー効果は生まれると考えています。退職代行って胡散臭い業者が多いと思われがちなんです。実店舗がなかったり、看板を出してなかったり……。なので、リアルな店舗が複数あることを知ってもらうことで、ご依頼者様の安心感につながると考えています。 また退職代行業の中でモームリは後発なので、他社のやってないサービスを積極的に展開していきたい。弊社は対面での退職代行相談や、転職支援サービスも行っています。退職から転職まで、すべてをサポートする「退職のコンサルタント」を目指し、最終的には「退職のスペシャリスト」と呼ばれるようになりたいです。 Q:なるほど! A:多角的に事業を展開している背景には、社長として、従業員の生活を守りたい想いもあります。弊社は現在、37名の従業員を抱えているのですが、「ご依頼の電話が急に減って、退職代行の事業が上手くいかなくなったらどうしよう」といったプレッシャーを常に抱えています。だからこそ、まずは足元を固めることを意識しつつ、ベンチャー企業としての「攻めの姿勢」も忘れないでいたいのです。 * * * 谷本氏と筆者は年齢が1つしか変わらないが、話を聞けば聞くほど「人間力」の差に驚かされる……。後編〈「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと〉では引き続き、株式会社アルバトロス代表・谷本慎二氏に、自社の社員の退職をどう考えるかなど直撃する』、「32歳を迎えた頃、勇気を出して退職。在職中は長期休暇がなかなか取れなかったので、1年ぐらいノンビリ過ごそうと思ったんですけど、マイカーでドライブ中に「モームリ」のアイディアが降ってきたんです。離職から半年後、気が付いたら会社を立ち上げてました・・・弊社は対面での退職代行相談や、転職支援サービスも行っています。退職から転職まで、すべてをサポートする「退職のコンサルタント」を目指し、最終的には「退職のスペシャリスト」と呼ばれるようになりたいです」、なるほど。

第三に、6月14日付け現代ビジネスが掲載したライターでブラック企業元社員の佐藤 大輝氏による「「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/131809
・『10年間勤めた上場企業を辞め、退職代行業を始めたと思ったら、今度はコインランドリー事業にも挑戦し、居酒屋を始める計画も……。〈1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「次は居酒屋を始めたい」と言う意外なワケ〉では、退職代行モームリを運営する、株式会社アルバトロス代表取締役・谷本慎二氏にそのキャリアや事業展開についてインタビューした。本稿では引き続き、日本社会に退職代行旋風を巻き起こした1人である谷本慎二氏に話を聞いていく。 聞き手:佐藤大輝(ブラック企業を2回訴えたヤバイ人)』、興味深そうだ。
・『基本は「すぐに辞めないほうがいい」  Q:依頼者とのやり取りで感動した、あるいは反省したエピソードがあれば教えてください。 A:僕たちが電話した時、誠実な対応をしていただける企業様に巡り合うと、やっぱり感動します。企業様によっては真剣な口調で「今後、うちの会社がより良くなるためにアドバイスをくれないか」と質問いただくケースもありました。 反省エピソードですと起業したての頃、アルバイトの方の退職代行をした際、ご依頼者様の所属する店舗ではなく本社に電話してしまったことがあって……。現場の混乱を生んでしまった反省を生かし、正社員の退職手続きと混同がないよう、以降は徹底してます。 Q:業務を通じて、Z世代の特徴や傾向について感じる点はありますか? A:各メディアは「Z世代はけしからん」みたいに叩く傾向がありますけど、言うほど「今の子たちは弱くも悪くない」という感覚はあります。SNSがこれほど発展したこともあり、昔に比べて「職場環境の比較」は容易になったわけですし、より良い環境を目指していくのは悪いことではないのかなと。 A:たしかに今の子は「辞める勇気」があるとも表現できますよね。その上で、私が新卒入社した時代は「最低3年間は働かないと転職が不利になる」といった価値観がありました。私と谷本さんは同世代ですが、この点どのように感じてますか? 僕も同じで、普通の会社なら、そんなにすぐに辞めないほうがいいと思います。僕は新卒入社した会社で10年間働きましたが、あの時の経験が、間違いなく今の自分を作っています。当時はお酒を飲みながら愚痴ることもありましたが、振り返ってみると、本当に貴重な経験だった。前職には感謝しかありません。 一方で、日本にはたくさんのブラック企業が存在しているのも事実です。その場合はできるだけ早く「逃げる」という決断をしたほうがいい。そのお役に立てればと思いながら、モームリは今日も活動しています』、「普通の会社なら、そんなにすぐに辞めないほうがいいと思います。僕は新卒入社した会社で10年間働きましたが、あの時の経験が、間違いなく今の自分を作っています。当時はお酒を飲みながら愚痴ることもありましたが、振り返ってみると、本当に貴重な経験だった。前職には感謝しかありません」、なるほど。
・『退職代行はメンタルを削られる  Q:ブラック企業から「逃げる」のではなく「戦う」という選択についてはどうお考えですか? A:会社を訴えるのってすごく大変ですよね。お金も時間もエネルギーも必要で、勝てるかどうかもわからない。(今回のインタビュアーの)佐藤さんのように、大企業と長時間裁判を戦えるような人は珍しいはず。僕は「戦う」よりも「逃げる」ほうがいいのかなと考えてます。 Q:退職代行業務をやっていて「これは辛いな」と感じるシーンはありますか? A:企業様から電話をガチャ切りされたり、カスハラみたいな対応をされる時は、やっぱりメンタルを削られますね。 ただ、ご依頼者様の中にも困った人がいて……。例えば料金を支払ってくれなかったり、急に連絡が取れなくなったり、退職が確定した瞬間に態度が変わってしまう方もいるんです。ただし、ほんとに少数ですけどね。ほとんどのご依頼者様からは感謝の言葉を頂いており、僕たちが仕事をする上での「やりがい」になっています。 Q:働く従業員から「モームリ」と言われないために心掛けていることはありますか? A:1万人以上の退職を成功させてきたので、どういう理由で会社を辞めてしまうか、参考にさせていただいている部分はあります。弊社の具体的な取り組みとしては、頑張ってくれた社員にインセンティブを支給したり、これまで以上に快適なオフィスで働いてもらおうと考え、事務所の移転も行いました。看板犬の「コリオ」も、みんなを癒すために日々頑張ってくれています。 Q:直球でお伺いしいますが、貴社の離職率ってどれくらいなんですか? A:アルバイトの方を含め、4人に1人ほどの割合で離職しています。ただ、つい2、3年前までは自分1人だけだったことを考えると、現在の従業員数(37名)には感慨深いものがあります。37名中、約20名が正社員雇用です。バイトから正社員になった社員も多く、今後も増えていくと思います』、「つい2、3年前までは自分1人だけだったことを考えると、現在の従業員数(37名)には感慨深いものがあります。37名中、約20名が正社員雇用です。バイトから正社員になった社員も多く、今後も増えていくと思います」、順調なようだ。
・『「去る者は追わない」ワケ  Q:も し貴社の従業員が退職代行を使った場合はどうされますか? A:去る者は追わずの精神で、引き留めはしません。企業側からすると「お世話になったんだから、せめて最後くらい直接挨拶しに来い」といった考えになりがちですが、本人はお世話になったとは考えていないケースもあるわけです。直接対面で言われた場合も、面談はしますが、引き留めはしません。 ちょっと厳しい言い方になりますけど、その方が労働者にとっても使用者にとっても、絶対に得だと思うんです。仕事を辞めたがっている社員に無理して働いてもらっても、長い目で見た時、お互いのためになりません。もちろん社員に辞めてほしくない想いはあるので、複雑な心境ではあるのですが……。 Q:最後の質問ですが、谷本さんは過去、ご自身のブログのタイトルを「脱サラダメ男の奮闘ブログ」に設定してます。失礼ですが、ダメ男なんですか? A:実はあまり社交的な人間ではなかったりする部分もあるんです。1ヶ月くらい家に引き籠っていたいなって考えたり、お酒も毎日のように飲んでいるので……。 Q:なぜかモルモットを飼い始めたり、小型船舶免許を取得したり……。ご興味が向く方は、谷本さんが恥ずかしがってブログを消してしまう前にご閲覧ください。本日はありがとうございました! *     *     * つづく記事〈訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」〉では、退職代行のリスクについて見ていこう』、「仕事を辞めたがっている社員に無理して働いてもらっても、長い目で見た時、お互いのためになりません。もちろん社員に辞めてほしくない想いはあるので、複雑な心境ではあるのですが……」、なるほど。

第四に、6月4日付け現代ビジネス「訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/130656?imp=0
・『退職代行という選択肢  「いまは興味のない仕事に就いていると思うかもしれないけど、3年も働けば希望している部署に異動できるだろうから、一緒にがんばろう!」 4月に新卒で中堅システム会社に就職した伊藤康介さん(22歳・仮名)は、上司との面談でそう言われて「絶望」した。 まずは石の上にも三年―当たり前のことのようにも思えるが、いまの若者たちは、その3年をムダな時間としか考えない。たとえ興味のない仕事であっても、とりあえずやってみれば何か得るものがある。そう考えて仕事に邁進してきた日本人の価値観に、大転換が起きているのだ。 伊藤さんの話に戻ろう。伊藤さんは、本来は開発部門での仕事を希望していたが「最初は営業」という慣習のため営業部署に配属された。上司との面談ではひたすら励まされるだけ。「このままここにいてはダメだ……」そう思っていた時に、ネットで見つけた「退職代行」を使うことにしたという。 まだ何の仕事も成し遂げていないのに、「やりたくない」というだけで会社を辞める。昭和生まれの大人からすれば、それだけで小さからぬ違和感を抱くが、令和の新入社員はそれにとどまらない。「退職」という人生の一大事さえ、他人任せにしてしまうのだ。 退職代行とは、本人の代わりに会社に退職の意思を伝え、これまで面倒を見てくれた会社や上司と一切の連絡を断つ、いわば”縁切り請負業者”だ。まるでネットショッピングで買ったものを返品するかのように「やっぱり辞めます」というのは、不義理にも思えるが、いまこの退職代行への依頼件数はうなぎ上りである。 退職代行には、「モームリ」「やめたらええねん」「OITOMA」など、いくつかの業者がある。基本的にはLINEのみでやり取りが完了し、登録から30分もあれば、「退職」できてしまう。 「即日退職OK!」「勤務先情報を入力すれば、すぐに退職通知をします!」―実際に、記者が業者のLINEに登録すると、こんなメッセージが送られてきた。「正社員かどうか」「いつ退職したいのか」「会社からの貸与物はあるか」などの質問に回答し、会社名、所属部署、退職を伝える上司の名前などを記載する。最後にクレジットカードか銀行振込などで、二万数千円の依頼費を払ったら、退職代行業者が会社に電話をかけて退職完了だ。この間、誰かと話すことはない』、「退職代行には、「モームリ」「やめたらええねん」「OITOMA」など、いくつかの業者がある。基本的にはLINEのみでやり取りが完了し、登録から30分もあれば、「退職」できてしまう」、なるほど。
・『上司と話すのは「コスト」  退職代行大手「モームリ」代表の谷本慎二氏はこう語る。 「弊社ではこれまで1万人以上の退職を代行してきました。いままでは月に200〜700人程度の依頼数でしたが、この4月は約1400人と、以前の倍以上に急増しています。さらに、5月に入ってからは五月病もあってか、ゴールデンウィーク明けの段階で1000人を超えました」 もちろん、利用者は前出の伊藤さんのように、「なんとなく辞めたい」という若者だけではない。理不尽な激務・薄給に苦しんでいる人や、病気などのっぴきならない事情を抱えた人もいる。 「たとえばきついノルマや上司からのパワハラに苦しんでいたり、あるいは看護師や介護士などの方で、勤務時間や夜勤が多すぎる、などの理由で辞める方もいらっしゃいます」(谷本氏) だが中には、「辞める理由がはっきりしない人もいるのが実情」だという。 退職代行業者がこれほど盛況となっているのは、上司、つまり昭和世代と、若者たちの間に「絶望的なまでの価値観のズレ」が生じているためだ。 金沢大学教授で『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)などの著書がある金間大介氏が言う。 「そもそも今の若者は上司等とのコミュニケーションを『コスト』と捉えています。ましてや、『まずは3年』と言ってきかない上司に『あなたの考えは、私には合っていません』と伝える労力はムダでしかない。 どうせ辞めるのなら、退職を伝える時に発生する説得や説教をあらかじめ回避したほうが、お互い時間を失わなくて済むじゃないか。そういうふうにも考えるのです」』、「「そもそも今の若者は上司等とのコミュニケーションを『コスト』と捉えています。ましてや、『まずは3年』と言ってきかない上司に『あなたの考えは、私には合っていません』と伝える労力はムダでしかない。 どうせ辞めるのなら、退職を伝える時に発生する説得や説教をあらかじめ回避したほうが、お互い時間を失わなくて済むじゃないか。そういうふうにも考えるのです」」、なるほど
・『会社から訴えられることも  かつては、就職とは人生を会社に預けることと同義だった。一生を捧げる代わりに、一生面倒を見てもらう―。ところが、日本が経済大国の座から滑り落ちつつあるいまはそうではない。若者たちは安月給で会社に尽くすことも、上司にへつらうことも、「割に合わないバカバカしい行為」としか思っていない。だからこそ、顔も合わせず退職できる代行業者をこぞって利用しているのだ。 だが彼らは、知らず知らず大きなリスクを背負っていることに気づいていない。佐藤みのり法律事務所代表弁護士の佐藤みのり氏はこう警告する。 「依頼者の退職の意思を会社に通知するだけであれば問題ないのですが、退職日の確定や引き継ぎ、退職金の支払い、残業代、有給の消化など、会社とやり取りが発生する場合は『交渉』にあたります。これを弁護士ではない人がやると『弁護士法第72条』が禁止している『非弁行為』に該当し、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となります」 依頼者に罰則はないものの、会社が退職代行業者を非弁行為で訴えた場合、退職通知は無効となることも。そうなると、退職できないまま非弁行為を巡る争いの結果を待つこととなり、いつまでも会社を辞められない。 「さらに、会社貸与のパソコンを家に持ち帰ったままだったり、重要な書類を自宅に保管したりした状態で退職代行を使って退職してしまうと、後に損害賠償請求の対象となり、会社から訴えられる可能性もあります」 いくら時代が変わっても、世の中そんなに甘くはない。お客様気分で会社を「返品」したがる若者に明るい未来が待っているとは思えないのだが』、「「依頼者の退職の意思を会社に通知するだけであれば問題ないのですが、退職日の確定や引き継ぎ、退職金の支払い、残業代、有給の消化など、会社とやり取りが発生する場合は『交渉』にあたります。これを弁護士ではない人がやると『弁護士法第72条』が禁止している『非弁行為』に該当し、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となります」、「会社とやり取りが発生する場合は『交渉』にあたります。これを弁護士ではない人がやると『弁護士法第72条』が禁止している『非弁行為』に該当」、「弁護士法」が壁になっているとは初めて知った。
タグ:就活(就職活動) (その11)(気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」、「次は居酒屋を始めたい」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が考える「意外なワケ」、「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと、訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」) 東洋経済オンライン 木村 隆志氏による「気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」」 「「すでに100社以上」と言われる退職代行サービスの中で、最もメディアにピックアップされているのが、ユニークなネーミングの「モームリ」。 利用料が正社員2万2000円(税込)という同サービスは、依頼者に代わって勤務先に退職の意向を連絡するほか、必要な手続きも代行。2名の弁護士が監修し、労働環境改善組合と提携していることもあって、4月だけで過去最多の1397件(うち新卒208人)の依頼があり、連休中や連休明けも数百件単位での問い合わせがあるようです・・・ 退職理由が「思っていたものと違った」「聞いていたものと違う」という不満にもとづくものだからこそ、勤務先への嫌悪感がある。あるいは、上司に打ち明けて口論になることを避けるために、退職代行サービスを利用するのでしょう。 その他でも、「上司に言いづらい」「辞めさせてもらえない」「説得されるくだりが無駄」なども退職代行サービスを利用する理由。逆に上司や同僚としても、急に辞められることに対するネガティブな感情はあっても、「退職代行サービスを使ってもらうほうが気楽でいい」という人もいるようです」、なるほど。 「企業側としては、退職代行サービスを使って辞める人が増えると、「退職者が増える→人手不足になる→労働環境が悪化する→ますます退職者が増える→ますます人手不足になる→ますます労働環境が悪化する」という悪いループにはまりかねないリスクがあるだけに、警戒されてしまうのは当然なのです」、なるほど。 「やっかいなのは、退職することのハードルが下がり、引いては「『合わない』と感じたものや嫌なものから条件反射的に逃れる」という行動がクセになってしまうこと。その結果、「自分に合う仕事、職場、上司や同僚などが見つからず、スキルも経験も積み上げられないまま、気づけば年齢だけ重ねていた」という事態につながりかねません」、なるほど。 「必要な引き継ぎなどを行わず、急に投げ出した結果、売り上げを大きく下げてしまった。重要な取引先を失ってしまった。企業や商品のブランドを傷つけてしまった。機密情報を持ち出したまま無断欠勤を続けたなど、実害が出たケースは要注意です。 逆に「退職代行サービスを利用したことで、企業から未払い給与や退職金をもらえなかった」というトラブルも聞いたことがあります」、なるほど。 「「今、仕事で悩んでいる」という人は、今回の「退職代行サービスの利用者が急増している」というニュースを聞いて、「自分は頑張れている」「何とか踏み留まっている自分は偉い」と自己肯定感を上げればいいのではないでしょうか。また、「退職代行サービスを使わずに辞めた」という人は、企業と担当者と向き合って対応できたことを自分の誇りにしてもいいでしょう。 退職代行サービスを使う人ばかりにならず、両者のような人が存在することが、社会にとって大事なのです」、確かにその通りだ。 現代ビジネス 佐藤 大輝氏による「「次は居酒屋を始めたい」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が考える「意外なワケ」」 「聞き手」が「ブラック企業を2回訴えたヤバイ人」とは面白そうだ。 「モームリを立ち上げた初日に、さっそく1件のご依頼をいただいて、初月(稼働日数は約15日)だけで20名ほど退職を確定させました。集客についても、今みたいにモームリの知名度がなかったので、SNSで情報拡散しました。自社の情報をオープンに投稿することで、このサービスを知ってもらえたようです」、なるほど。 「32歳を迎えた頃、勇気を出して退職。在職中は長期休暇がなかなか取れなかったので、1年ぐらいノンビリ過ごそうと思ったんですけど、マイカーでドライブ中に「モームリ」のアイディアが降ってきたんです。離職から半年後、気が付いたら会社を立ち上げてました・・・弊社は対面での退職代行相談や、転職支援サービスも行っています。退職から転職まで、すべてをサポートする「退職のコンサルタント」を目指し、最終的には「退職のスペシャリスト」と呼ばれるようになりたいです」、なるほど。 佐藤 大輝氏による「「去る社員は追いません」1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」社長が「辞めていく人」に思うこと」 「普通の会社なら、そんなにすぐに辞めないほうがいいと思います。僕は新卒入社した会社で10年間働きましたが、あの時の経験が、間違いなく今の自分を作っています。当時はお酒を飲みながら愚痴ることもありましたが、振り返ってみると、本当に貴重な経験だった。前職には感謝しかありません」、なるほど。 「つい2、3年前までは自分1人だけだったことを考えると、現在の従業員数(37名)には感慨深いものがあります。37名中、約20名が正社員雇用です。バイトから正社員になった社員も多く、今後も増えていくと思います」、順調なようだ。 「仕事を辞めたがっている社員に無理して働いてもらっても、長い目で見た時、お互いのためになりません。もちろん社員に辞めてほしくない想いはあるので、複雑な心境ではあるのですが……」、なるほど。 現代ビジネス「訴訟の可能性も…「退職代行」で会社を辞める新入社員が知らないうちに背負っている「大きなリスク」」 「退職代行には、「モームリ」「やめたらええねん」「OITOMA」など、いくつかの業者がある。基本的にはLINEのみでやり取りが完了し、登録から30分もあれば、「退職」できてしまう」、なるほど。 「「そもそも今の若者は上司等とのコミュニケーションを『コスト』と捉えています。ましてや、『まずは3年』と言ってきかない上司に『あなたの考えは、私には合っていません』と伝える労力はムダでしかない。 どうせ辞めるのなら、退職を伝える時に発生する説得や説教をあらかじめ回避したほうが、お互い時間を失わなくて済むじゃないか。そういうふうにも考えるのです」」、なるほど 「「依頼者の退職の意思を会社に通知するだけであれば問題ないのですが、退職日の確定や引き継ぎ、退職金の支払い、残業代、有給の消化など、会社とやり取りが発生する場合は『交渉』にあたります。これを弁護士ではない人がやると『弁護士法第72条』が禁止している『非弁行為』に該当し、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となります」、「会社とやり取りが発生する場合は『交渉』にあたります。これを弁護士ではない人がやると『弁護士法第72条』が禁止している『非弁行為』に該当」、「弁護士法」が壁になっているとは初めて知った。
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イーロン・マスク(その2)(Twitter→Xの変更も失敗を想定?マスクが「9割失敗」と思いながらテスラを起業したワケ、Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」、イーロン・マスクはなぜトランプを支持するのか? 問題児2人の不思議な「蜜月関係」) [イノベーション]

イーロン・マスクについては、昨年8月30日に取上げた。今日は、(その2)(Twitter→Xの変更も失敗を想定?マスクが「9割失敗」と思いながらテスラを起業したワケ、Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」、イーロン・マスクはなぜトランプを支持するのか? 問題児2人の不思議な「蜜月関係」)である。

先ずは、昨年9月1日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・ポッドキャスターのジュリア・ガレフ氏と英日翻訳者の児島 修氏による「Twitter→Xの変更も失敗を想定?マスクが「9割失敗」と思いながらテスラを起業したワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/327732
・『Twitterを「X」に名称変更したイーロン・マスク。彼が成功に導いた電機自動車メーカーのテスラは、20年で時価総額世界第9位にまで成長した。しかし、彼は意外にも「自分の会社は失敗するのではないか」と考えていたという。成功の確率をわずか1割だと見積もったにもかかわらず、起業に踏み切った背景には、イーロン・マスク流の「価値ある賭け」への見極め方があった――。 ※本稿は、全世界17言語で翻訳されたジュリア・ガレフ著『マッピング思考 人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」』(東洋経済新報社)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『“突拍子もない夢”を追い求めるイーロン・マスク  イーロン・マスクは、宇宙飛行会社を設立すると決意したとき、友人たちから頭がおかしくなったと思われた。 マスクは、自身が手がけた2番目の事業である「ペイパル」の売却によって手に入れたばかりの1億8000万ドルの多くを、後の「スペースX」となる会社に投じようとしていた。 「きっと失敗する。せっかくペイパルを売って稼いだ金が、ごっそり消えてしまうぞ」と周囲は忠告した。 ある友人は、ロケットが爆発する映像をつなぎあわせた動画を編集し、マスクに「頼むからこれを見てくれ。バカな真似はよせ」と伝えた。 ちまたによくある“突拍子もない夢”を追い求めた成功者の物語では、ここで「だが、彼は思いとどまったりはしなかった。心のなかで、自分を疑う人たちが間違っているのを知っているからだ――」という展開になるはずだ。 しかし、マスクの場合はそうはならなかった。友人たちから「きっと失敗する」と言われたときも、こう答えている。 「ああ、僕もそう思う。おそらく失敗するだろうね」 実際、マスクはスペースXの宇宙船が宇宙飛行を成功させる確率を、1割程度と見積もっていた。 2年後、マスクはペイパルを売却して得た残りの資金を、電動自動車の「テスラ」に投じると決めた。マスクはこのときも、成功の確率は1割程度と見積もっていた。 本人が自身のプロジェクトが成功する確率を低く見積もっていることに、周囲は首をかしげた。 2014年にテレビ番組の『60ミニッツ』に出演した際にも、そのロジックを理解しようとするインタビュアーのスコット・ペリーから、次のように尋ねられている。 マスク「テスラが成功するとは思っていませんでした。おそらく失敗するだろう、と」 ペリー「成功しないと見込んでいたのに、なぜ挑戦したんです?」 マスク「挑戦するだけの価値があるのなら、やってみるべきだと判断したからですよ」 マスクの成功に対する期待値の低さは、周りを困惑させた。 なぜなら、人は「誰かが何かに挑むのは、成功する可能性が高いから」と考えるからだ。 しかし、マスクのような人は、必ずしも「これは成功する」と思っているから行動するのではない。彼らは「賭ける価値がある」という考えによってモチベーションを高めるのだ。) 誰でもある程度は、目の前の行動を取るかどうかを「賭ける価値があるかどうか」という基準で判断しているものだ。 簡単な例として、一般的な6面体のサイコロを振る賭けをする場合のことを考えてみよう。この賭けでは、6が出れば200ドルの賞金がもらえるが、それ以外の目が出た場合は10ドルを失うことになっている。 賭ける価値があるだろうか。 (サイコロを振る賭けに価値はある? はリンク先参照) そう、これは賭ける価値があるといえる。 この賭けにどれくらいの価値があるのかは、「期待値」を計算することで具体的に知ることができる。 期待値とは、その賭けを際限なく行った場合に平均的に得られる値のことだ。賭けの期待値は、各結果の確率と価値を掛け、その結果を合計することで導ける。この賭けでは、次のようになる。 {(勝つ確率=1/6)×200ドル}+{(負ける確率=5/6)× -10ドル}=33.33ドル - 8.33ドル=25ドル  つまり、この賭けを際限なくり返した場合、平均の獲得額は約25ドル。サイコロを振っただけで得られるのなら、悪くはない額だ。 負ける確率は6分の5と高いものの、十分に「賭ける価値がある」賭けだといえるだろう』、「マスクのような人は、必ずしも「これは成功する」と思っているから行動するのではない。彼らは「賭ける価値がある」という考えによってモチベーションを高めるのだ。) 誰でもある程度は、目の前の行動を取るかどうかを「賭ける価値があるかどうか」という基準で判断しているものだ・・・この賭けにどれくらいの価値があるのかは、「期待値」を計算することで具体的に知ることができる」、なるほど。
・『「たとえ『テスラ』が失敗しても…」  とはいえ、起業のような対象を賭けにして正確な確率を導こうとするのは、より複雑で主観的な試みになる。 その価値には、お金以外のさまざまな要素も含まれている。 たとえば、「会社を経営することで、どれだけの楽しみが得られるか?」「たとえ失敗したとしても、その後で役に立つ人脈やスキルを手に入れられるか?」「自分の時間がどれだけ奪われるか?」「社会的な信用度(または汚名)はどれくらい得られるか?」といったことだ。 とはいえ、たいていの場合、大まかな見積もりをすることならできる。 これまで見てきたように、イーロン・マスクはテスラが成功する確率を1割、失敗する確率を9割と見積もっていた。) それでも、成功して得られる価値はとてつもなく大きいと思えた。電気自動車という(当時は)夢物語のような概念を実現することは、現代社会が化石燃料依存から脱却するための大きな一歩になる。 (マスクのテスラとスペースXへの賭け はリンク先参照) マスクは、たとえ失敗したとしてもテスラは価値あることを少なくとも1つ成し遂げられる、と考えた。 「“電気自動車はゴルフカートのように格好悪くて、遅くて、退屈なものだ”という人々の誤った認識を変えられると思ったのです」と語っている。 マスクがスペースXを立ち上げた理由もこれに似ている。 マスクはテスラのときと同じようにスペースXが成功する確率を1割、失敗する確率を9割と見込んでいた。だが、成功したときに得られる価値は計りしれない。  安く宇宙飛行ができる手段を開発すれば将来的に人類が移り住めるようになるかもしれないし、地球上で起こり得る壊滅的なリスクから人類を守れるかもしれない。 また、仮にスペースXが失敗したとしても、宇宙飛行技術を少しでも進歩させられるのなら、それはまったくの無駄にはならないはずだ。 わずかであれボールを前に動かせるのなら、たとえ僕たちの会社が倒産したとしてもどこかの会社がバトンタッチしてそのボールをさらに前に運んでくれるかもしれない。だとすればなおさら挑戦する価値はある』、「「“電気自動車はゴルフカートのように格好悪くて、遅くて、退屈なものだ”という人々の誤った認識を変えられると思ったのです」と語っている・・・マスクはテスラのときと同じようにスペースXが成功する確率を1割、失敗する確率を9割と見込んでいた。だが、成功したときに得られる価値は計りしれない。  安く宇宙飛行ができる手段を開発すれば将来的に人類が移り住めるようになるかもしれないし、地球上で起こり得る壊滅的なリスクから人類を守れるかもしれない。 また、仮にスペースXが失敗したとしても、宇宙飛行技術を少しでも進歩させられるのなら、それはまったくの無駄にはならないはずだ。 わずかであれボールを前に動かせるのなら、たとえ僕たちの会社が倒産したとしてもどこかの会社がバトンタッチしてそのボールをさらに前に運んでくれるかもしれない。だとすればなおさら挑戦する価値はある」、その通りだ。
・『「就職、起業、投資、人間関係 あらゆることに応用可能」  全体としてみれば、テスラもスペースXも、失敗する可能性は高かったものの、マスクにとってはいい賭けだったようだ。 期待値は、その賭けを何度もくり返すことを想像することによってもとらえやすくなる。そのとき、成功によって得られる価値は、失敗によって失う価値を上回るだろうか? イーロン・マスクのようなスケールの大きな起業家なら、一生のうちにテスラやスペースXのような会社を10社はつくる時間と財力があるだろう。 もしその10社のうち9社が失敗するのだとすれば、最大の問題「1回の大きな成功と引き換えに、9回失敗する価値はあるか?」ということになる。) 現実的には、まったく同じ賭けを何度もくり返すことはめったにない。それでも、人生にさまざまな賭けをする機会があるのはたしかだ。 就職や企業、投資はもちろん、他人を信頼する、難しい頼みごとをする、安全地帯から抜け出してなにかに挑戦する、といったことまで含めれば、賭けの機会は無数にある。 そのなかで、期待値を正しく見極めて賭けをすればするほど、ここの賭けに失敗したとしても、全体としては利益が得られるという確信が持てるようになる』、「就職や企業、投資はもちろん、他人を信頼する、難しい頼みごとをする、安全地帯から抜け出してなにかに挑戦する、といったことまで含めれば、賭けの機会は無数にある。 そのなかで、期待値を正しく見極めて賭けをすればするほど、ここの賭けに失敗したとしても、全体としては利益が得られるという確信が持てるようになる」、なるほど。
・『覚悟のうえで、運命に任す  「自信があれば成功できる」という発想でモチベーションを高めようとする人たちは、失敗の可能性を認めれば、やる気が削がれ、リスクを取ろうとしなくなると見なす。 そして「絶対に失敗しない」と固く信じることが、最大限の努力をして成功を目指す秘訣だと考える。 だが現実には、それとは逆であることが多い。 つまり、事前に失敗の可能性を受け入れるからこそ、さまざまな縛りから解放されて、目標に向かって邁進できるようになるのだ。 「失敗する可能性だってある」とわかっているからこそ、臆病ではなく大胆になれる。必要なリスクを取る理由が得られる。 マスクは「他人がクレイジーだと思うような会社を恐れずに起業した」と称賛されると、「実は、強い恐怖を感じている」と答えている。 恐怖を感じていないのではなく、失敗の確率とうまく折り合いをつけることで、その恐怖を手なずける術を学んだだけだ、と。 「それが運命だと思えば、気が楽になります。」失敗の確率を納得して受け入れれば、恐怖心は薄れます。スペースXを立ち上げたときも、成功率は1割以下だと思っていました。当然、すべてを失うかもしれないと覚悟のうえで』、「マスクは「他人がクレイジーだと思うような会社を恐れずに起業した」と称賛されると、「実は、強い恐怖を感じている」と答えている。 恐怖を感じていないのではなく、失敗の確率とうまく折り合いをつけることで、その恐怖を手なずける術を学んだだけだ、と。 「それが運命だと思えば、気が楽になります。」失敗の確率を納得して受け入れれば、恐怖心は薄れます。スペースXを立ち上げたときも、成功率は1割以下だと思っていました。当然、すべてを失うかもしれないと覚悟のうえで」、なるほど。

次に、昨年12月8日付けForbes「Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」」を紹介しよう。
https://forbesjapan.com/articles/detail/67803
・『:あまり大げさなことを言いたくはないが、イーロン・マスクが先日、Xから広告を引き揚げた企業を「くたばれ」と罵倒したことは、かつてツイッターと呼ばれたプラットフォームの棺桶に最後の釘を打ったようなものだと、筆者は思っている。 筆者がしばしば「お気に入りのソーシャルメディア・アプリ」と呼んできたものから、先週より大手の広告主が次々と逃げ出している。事の発端は、イーロン・マスクが反ユダヤ主義的なツイートに賛同したことだった。そのツイートを正当化し、その過程で明らかにツイッターを葬り去ろうとしたマスクの破壊衝動については、他のライターや本の著者がすでに書いているので、ここでは詳しく分析しようとは思わない。 とはいえ、私はこれが悪い方向に向かっているという事実を嘆いている。反ユダヤ主義的なツイートと広告主からの予想通りの反撃の後に、マスクは暴言を吐いた。一部の報道によれば、この暴言は取り返しのつかないダメージをXの事業に与えたという。 私たち全員がマスクに問うべきは、「なぜ自分の会社を潰そうとするのか?」という質問だが、私はその答えを知っているつもりだ。 多くのオピニオン記事や、マスクに関する最近の書籍(ウォルター・アイザックソンによるやや肯定的な伝記や、あからさまな暴露本でかなり面白い『Breaking Twitter』など)を読んだ筆者は、このソーシャルメディアで初期の頃から自身が経験したことを振り返った結果、マスクは自分を制御できないのだという結論に達した。彼はトラブルに首を突っ込むのが好きなのだ。首を突っ込んだために、彼はツイッターの買収で440億ドル(約6.5兆円)を失った。 『Breaking Twitter』の著者が書いたように、Xの収益の90%は広告主からのものだという主張が正しければ、すべてが塵と消えるのは時間の問題だ。Twitter Blueや他のサブスクリプションは、確かに何の助けにもならないだろう。マスクはつい最近、会社の倒産をほのめかした。アイザックソンが著書で詳しく説明しているように、マスクは破壊的な衝動を精神の中に抱えている。 また、『Breaking Twitter』を読めば、著者が(著作に書いている人物と同様に)どこまで本気なのかは定かではないものの、マスクが全人類を大規模なシミュレーションの一部に過ぎないと考えているフシがあることがわかる。マスクは、現実世界を『グランド・セフト・オート』のようなゲームだと考えているのかもしれない。ルールに従って、決められたコースを進むことができる一方で、完全にレールから外れて走り回り、物を破壊しまくることもできるのだ』、「イーロン・マスクが先日、Xから広告を引き揚げた企業を「くたばれ」と罵倒したことは、かつてツイッターと呼ばれたプラットフォームの棺桶に最後の釘を打ったようなものだと、筆者は思っている・・・マスクは自分を制御できないのだという結論に達した。彼はトラブルに首を突っ込むのが好きなのだ。首を突っ込んだために、彼はツイッターの買収で440億ドル(約6.5兆円)を失った・・・マスクはつい最近、会社の倒産をほのめかした。アイザックソンが著書で詳しく説明しているように、マスクは破壊的な衝動を精神の中に抱えている」、天才的な能力を持った半面で、「破壊的な衝動を精神の中に抱えている」とは困ったことだ。
・『すべてはゲームの中の出来事  マスクは、そのうちの後者をやっているようだ。すべてがシミュレーションに過ぎないのであれば、たとえ会社を破壊し、その過程で何十億ドルもの損失を被ったとしても、いずれにせよ何の問題もない。 「有名なブランドで本当に間違った決断を繰り返し、そのブランドが完全に崩壊してしまったらどうなるだろう? クールだろ?」マスクはそう語りかけているように見える。NPC(プレイヤーが操作しないキャラクター)はソーシャルメディアのフォロワーのようなもので、消耗品だ。マスクは彼らのことをそれほど気にかけていない。 しかし、問題は、それがクールなんかではないことだ。彼の発言によってXの社員は、次に何が起こるかわからないというギリギリの状態で毎日を過ごしている。広告主は何百万ドルも費やし、それがすべて無駄だったことに気づく。筆者にとっては、Xを使い続ける意味が徐々に失われていることを意味する。だからといって、良い代替品もあまり見当たらない。 Xはどのように最期を迎えるのだろうか? すぐにゲームオーバーの画面が見られるかどうかは分からないが、マスクの破壊計画が最終段階に入ったことは確かなようだ。それはとても残念なことだ。(forbes.com 原文)』、「Xはどのように最期を迎えるのだろうか? すぐにゲームオーバーの画面が見られるかどうかは分からないが、マスクの破壊計画が最終段階に入ったことは確かなようだ」、悲劇的なのはXの社員なのではないだろうか。

第三に、本年6月22日付けNewsweek日本版「イーロン・マスクはなぜトランプを支持するのか? 問題児2人の不思議な「蜜月関係」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/06/post-104889.php
・『<環境技術の旗手だったはずのイーロン・マスク。パリ協定からのアメリカの離脱を受け、一度はトランプと決別したはずだった。そんな二人が今、急速に距離を縮める> ウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月末、テスラやスペースXのCEOを務めるイーロン・マスクと、ドナルド・トランプ前米大統領との関係が深まっていると報じた。 2人の親密さは「月に何度も電話で話をする」ほどで、大統領への返り咲きを狙うトランプの選挙運動や、「次期」トランプ政権の下でマスクが手にできるかもしれないビジネスチャンスについて語り合っているという。 再選された暁には政策顧問にならないかとトランプがマスクに打診したともウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている(マスクは否定)。確かに最近のマスクの振る舞いは、甘い汁を吸うためにトランプの歓心を買おうとしている一部の人々とまるで変わらない。 トランプが不倫の口止め料をめぐる裁判で有罪評決を受けた際の、マスクのX(旧ツイッター)への投稿がいい例だ。 セコイア・キャピタル(シリコンバレーの有力ベンチャーキャピタル)の幹部が、評決の直後に30万ドルをトランプ陣営に寄付したことをたたえたり、「(評決は)アメリカの司法システムへの社会の信頼を大きく傷つけた」と主張したり。 右派風刺メディア「バビロン・ビー」がこの評決をネタにした記事へのリンクを投稿すると、爆笑の絵文字と共にリツイートもした。 インターネットで目立つのが大好きで、おまけに世界は自分を中心に回っていると考えがちな2人が手を組んだのは、状況を考えれば当然の成り行きだったのかもしれない』、「インターネットで目立つのが大好きで、おまけに世界は自分を中心に回っていると考えがちな2人が手を組んだのは、状況を考えれば当然の成り行きだったのかもしれない」、なるほど。
・『トランプ不倫裁判の表決を受けてのマスクの投稿  個人としても選挙資金としても喉から手が出るほどカネを欲しているトランプ。あからさまな人種差別や極右的な陰謀論への肩入れがやめられないマスク。 両者の間では、個人的にもビジネス面でも人的ネットワークの重なる部分が広がっている。トランプは大口献金を狙って、有罪評決に反発する富豪たちに擦り寄っているからなおさらだ。 トランプとの関係強化により、マスクの実業家として、そして著名人としてのアイデンティティーの根っこにあったものは行き場を失った。マスクは今後の自分のブランディングや行動をどうしていくかという点で、明らかな転換点に立っている。 マスクが「政治家や企業経営者らに顔が利くテクノロジー業界の超大物」として世界に名をとどろかせるとともに、ベンチャー企業の創業で巨万の富を得た他の人々とは一線を画する存在になったのは、アメリカの産業を気候変動との戦いにおける武器にするという一見不可能な使命に向けて熱意を持って取り組んだ故だった』、「ウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月末・・・イーロン・マスクと、ドナルド・トランプ前米大統領との関係が深まっていると報じた。 2人の親密さは「月に何度も電話で話をする」ほどで、大統領への返り咲きを狙うトランプの選挙運動や、「次期」トランプ政権の下でマスクが手にできるかもしれないビジネスチャンスについて語り合っているという。 再選された暁には政策顧問にならないかとトランプがマスクに打診したともウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている(マスクは否定)」、「トランプ」にとっては、政治資金の面でも心強いスポンサーなのだろう。ただ、Xなどメディアに近い会社を保有する者としては、もっと中立性を維持してほしいものだ。
タグ:(その2)(Twitter→Xの変更も失敗を想定?マスクが「9割失敗」と思いながらテスラを起業したワケ、Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」、イーロン・マスクはなぜトランプを支持するのか? 問題児2人の不思議な「蜜月関係」) イーロン・マスク ダイヤモンド・オンライン ジュリア・ガレフ氏 児島 修氏による「Twitter→Xの変更も失敗を想定?マスクが「9割失敗」と思いながらテスラを起業したワケ」 ジュリア・ガレフ著『マッピング思考 人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」』(東洋経済新報社) 「マスクのような人は、必ずしも「これは成功する」と思っているから行動するのではない。彼らは「賭ける価値がある」という考えによってモチベーションを高めるのだ。) 誰でもある程度は、目の前の行動を取るかどうかを「賭ける価値があるかどうか」という基準で判断しているものだ・・・この賭けにどれくらいの価値があるのかは、「期待値」を計算することで具体的に知ることができる」、なるほど。 「「“電気自動車はゴルフカートのように格好悪くて、遅くて、退屈なものだ”という人々の誤った認識を変えられると思ったのです」と語っている・・・マスクはテスラのときと同じようにスペースXが成功する確率を1割、失敗する確率を9割と見込んでいた。だが、成功したときに得られる価値は計りしれない。 安く宇宙飛行ができる手段を開発すれば将来的に人類が移り住めるようになるかもしれないし、地球上で起こり得る壊滅的なリスクから人類を守れるかもしれない。 また、仮にスペースXが失敗したとしても、宇宙飛行技術を少しでも進歩させられるのなら、それはまったくの無駄にはならないはずだ。 わずかであれボールを前に動かせるのなら、たとえ僕たちの会社が倒産したとしてもどこかの会社がバトンタッチしてそのボールをさらに前に運んでくれるかもしれない。だとすればなおさら挑戦する価値はある」、その通りだ。 「就職や企業、投資はもちろん、他人を信頼する、難しい頼みごとをする、安全地帯から抜け出してなにかに挑戦する、といったことまで含めれば、賭けの機会は無数にある。 そのなかで、期待値を正しく見極めて賭けをすればするほど、ここの賭けに失敗したとしても、全体としては利益が得られるという確信が持てるようになる」、なるほど。 「マスクは「他人がクレイジーだと思うような会社を恐れずに起業した」と称賛されると、「実は、強い恐怖を感じている」と答えている。 恐怖を感じていないのではなく、失敗の確率とうまく折り合いをつけることで、その恐怖を手なずける術を学んだだけだ、と。 「それが運命だと思えば、気が楽になります。」失敗の確率を納得して受け入れれば、恐怖心は薄れます。スペースXを立ち上げたときも、成功率は1割以下だと思っていました。当然、すべてを失うかもしれないと覚悟のうえで」、なるほど。 Forbes「Xを破滅に追いやるイーロン・マスクの「破壊衝動」」 「イーロン・マスクが先日、Xから広告を引き揚げた企業を「くたばれ」と罵倒したことは、かつてツイッターと呼ばれたプラットフォームの棺桶に最後の釘を打ったようなものだと、筆者は思っている・・・マスクは自分を制御できないのだという結論に達した。彼はトラブルに首を突っ込むのが好きなのだ。首を突っ込んだために、彼はツイッターの買収で440億ドル(約6.5兆円)を失った・・・ マスクはつい最近、会社の倒産をほのめかした。アイザックソンが著書で詳しく説明しているように、マスクは破壊的な衝動を精神の中に抱えている」、天才的な能力を持った半面で、「破壊的な衝動を精神の中に抱えている」とは困ったことだ。 「Xはどのように最期を迎えるのだろうか? すぐにゲームオーバーの画面が見られるかどうかは分からないが、マスクの破壊計画が最終段階に入ったことは確かなようだ」、悲劇的なのはXの社員なのではないだろうか。 Newsweek日本版「イーロン・マスクはなぜトランプを支持するのか? 問題児2人の不思議な「蜜月関係」」 「インターネットで目立つのが大好きで、おまけに世界は自分を中心に回っていると考えがちな2人が手を組んだのは、状況を考えれば当然の成り行きだったのかもしれない」、なるほど。 「ウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月末・・・イーロン・マスクと、ドナルド・トランプ前米大統領との関係が深まっていると報じた。 2人の親密さは「月に何度も電話で話をする」ほどで、大統領への返り咲きを狙うトランプの選挙運動や、「次期」トランプ政権の下でマスクが手にできるかもしれないビジネスチャンスについて語り合っているという。 再選された暁には政策顧問にならないかとトランプがマスクに打診したともウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている(マスクは否定)」、 「トランプ」にとっては、政治資金の面でも心強いスポンサーなのだろう。
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メディア(その35)(フジテレビに「いわく付き女性官僚」が天下り 「高額接待を受け半年で広報官を辞任」、伊藤詩織さん「勝訴」 連れ込む山口記者の姿を目撃…控訴審でカギを握る「ドアマンの供述調書」、伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…) [メディア]

メディアについては、本年4月19日に取上げた。今日は、(その35)(フジテレビに「いわく付き女性官僚」が天下り 「高額接待を受け半年で広報官を辞任」、伊藤詩織さん「勝訴」 連れ込む山口記者の姿を目撃…控訴審でカギを握る「ドアマンの供述調書」、伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…)である。

先ずは、本年6月8日付けデイリー新潮「フジテレビに「いわく付き女性官僚」が天下り 「高額接待を受け半年で広報官を辞任」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/06081056/?all=1#goog_rewarded
・『開局以来、視聴率競争で“振り向けばテレ東”などと万年最下位を揶揄されてきたテレビ東京が、フジテレビを抜いたのは今年3月。予期せぬ事態にフジテレビは、意外な人事でテコ入れを図っている。 テレビ担当記者の解説。 「テレ東は開局60年目での快挙。一方のフジは、業界内でもうわさになっていた凋落傾向を数字で突きつけられた格好です」 今年の1月クール(1月1日~3月31日)の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)のゴールデンタイム(19~22時)において、テレ東は5.48%を記録した。それに対してフジは5.41%。わずか0.07%ながら及ばなかった。 「焦りを募らせるフジは6月の株主総会で、かねて次期社長の有力候補とされていた大多亮専務(65)を関西テレビの社長に転出させる人事を決定する予定です」』、「次期社長の有力候補とされていた大多亮専務(65)を関西テレビの社長に転出させる人事を決定する予定」、なぜだろう。
・『“都落ち”の理由  その大多氏は、1980年代から90年代にかけて、「君の瞳に恋してる!」(89年)を皮切りに「東京ラブストーリー」(91年)、「101回目のプロポーズ」(同)、「ひとつ屋根の下」(93年)など、都会で暮らす男女の恋愛模様や世相を描いた大ヒットドラマを手がけ、世間に“トレンディードラマ”なる言葉を定着させた名物プロデューサーである。 「文字通り、フジテレビの黄金期を築いた立役者の一人です。制作現場を離れた後は順調に出世し、クリエイティブ事業局長を経て常務取締役に。2年前には番組編成などを担当する専務に就任しました。社長の椅子は十分、射程内に入っていたはずなのですが」 一方で、港浩一社長は続投する。港氏は72歳と高齢で、フジ社内でも、7歳年下の大多氏への交代は既定路線とみられていた。 フジテレビ関係者がそっと明かす。 大多さんのドラマ制作における辣腕ぶりは、いまでも社内の語り草ですが、フジテレビドラマを象徴する存在のあの人が“都落ち”させられるのは、視聴率の低迷が主な理由とされています。数年来の不振の責任を取らされた形です」 確かにスマホの普及と比例するように、ここ数年は若者世代を中心とした“テレビ離れ”が加速している。 「スマホの普及によって視聴習慣が変化し、世帯視聴率は以前ほどには重視されなくなっています。とくに10代から20代は自分の生活スタイルに合わせて、見たい映像コンテンツを好きなタイミングで見ています。そんな個人視聴率の掘り起こしも急務ですから」』、「大多さんのドラマ制作における辣腕ぶりは、いまでも社内の語り草ですが、フジテレビドラマを象徴する存在のあの人が“都落ち”させられるのは、視聴率の低迷が主な理由とされています。数年来の不振の責任を取らされた形です」、「社長」が留任とは驚かされた。
・『いわく付きの人物が取締役として天下り  そのフジは、バラエティーやお笑い番組で80~90年代のテレビ界をリードし“楽しくなければテレビじゃない”とまで豪語するほどわが世の春を謳歌していた。 経営陣をはじめ、50代以上の幹部たちは当時の記憶を捨て切れない。最下位転落が分かった直後の会見でも、港社長は“真摯に受け止めて反転攻勢を練っていきたい”としながらも、自身の責任には触れませんでした。“夢よ再び”と、本気で信じているからです」 他方で注目を集めているのが、3年前に不名誉な話題で知名度を上げたキャリア官僚の再就職だ。 先のテレビ記者が言う。 「山田真貴子元内閣広報官(63)が取締役として天下ることになっています」 山田氏は総務審議官だった2019年、菅義偉総理(当時)の長男が勤務する東北新社からステーキや海鮮料理など7万円以上の接待を受けていたことが発覚し、わずか半年で広報官を辞任したいわく付きの人物だ。 「辞職後は中堅証券会社の社外取締役などに収まっていました。が、局内で“天皇”“偉大な老害”とささやかれ、いまだ絶対的な権力を握る日枝久相談役(86)が、不遇を託(かこ)つ山田氏を救済する意味合いで声をかけたとか」、「日枝久相談役(86)が、不遇を託(かこ)つ山田氏を救済する意味合いで声をかけた」、いまだに「日枝」氏が力を持っているとは、驚かされた。

次に、12月18日付けデイリー新潮「伊藤詩織さん「勝訴」 連れ込む山口記者の姿を目撃…控訴審でカギを握る「ドアマンの供述調書」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12181700/?all=1
・『“総理ベッタリ記者”こと山口敬之元TBSワシントン支局長、そして彼に「レイプされた」と主張する伊藤詩織さんとの間で係争中の損害賠償訴訟の判決が言い渡された。山口記者の主張を全面的に退け、詩織さんに330万円の支払いを命じる勝訴。闘いは控訴審に持ち込まれた。そこでカギになる、葬られていた「ドアマンの供述調書」とは――。 山口記者は、今年2月、詩織さんを相手取り、「名誉を毀損し、プライバシーを侵害した」として、1億3000万円の損害賠償を求めた。詩織さんは2017年9月、「支局長の立場に乗じ、就職斡旋をチラつかせ、レイプした」と、山口記者に1100万円の損害賠償を請求していたから、彼は「反訴」したことになる。 今回の結果を受け、山口記者側の控訴は必至。控訴審での帰趨を決するのが、ある陳述書の存在だ。陳述書の作成者は、事件のあった東京・白金のシェラトン都ホテルに勤務し、事件当夜の15年4月3日、ドアマンとしてエントランスに立っていた人物である。 ドアマンは、陳述書を提出した理由について、 〈裁判所から何の連絡もないまま、もうすぐ結審するというニュースを知り、このままでは私の見たことや私の調書の存在は表に出ることなく葬り去られてしまうと考え、9月末に伊藤詩織さんを支える会に連絡をし、ようやく伊藤さんの代理人に連絡が取れ〉たからだと綴っている。 もっとも、裁判は10月7日に結審してしまっていたため、弁論再開の手続きを求めたが、認められず。つまり、今回の裁判官の判断に、ドアマンの陳述書は1フレーズも考慮されていない。 ここで、事件当日から係争に至る経緯を駆け足で振り返っておこう。 15年4月3日、TBSのワシントン支局長だった山口記者が一時帰国した折、TBSに働き口を求めていた詩織さんと会食。山口記者のホームグラウンドである東京・恵比寿で2軒目までハシゴしたところから意識を失った彼女は、その後タクシーに乗せられた。タクシーはシェラトン都ホテルへ。山口記者の部屋へ連れ込まれ、翌日未明、性行為の最中に目が覚めた。 4月30日に警視庁高輪署が詩織さんからの刑事告訴状を受理。捜査を進めた結果、裁判所から準強姦容疑で逮捕状が発布。6月8日、アメリカから日本に帰国するタイミングで山口記者を逮捕すべく署員らは成田空港でスタンバイ。しかし、その直前に逮捕は中止。捜査員は目の前を行く山口記者をただ見つめることしかできなかった。中止の命令は、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3・官房長の中村格氏によるもので、彼自身、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と週刊新潮の取材で認めている通りである。中村氏は菅義偉官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得てきた。総理ベッタリ記者逮捕の中止命令をする一方、安倍首相元秘書の子息が仕出かした単なるケンカに捜査一課を投入するという離れ業もやってのけている。 官邸絡みのトラブルシューター、守護神・番犬たる部長。その命を受け、捜査の仕切り直しを担った警視庁本部からの書類送検を受けた東京地検は、ほぼ1年後の16年7月に不起訴を判断。詩織さんは17年5月、検察審査会に審査申し立てを行なったものの、9月に「不起訴相当」の議決が出ている。 高輪署からドアマンに、「本件で話を聞きたい」とアプローチがあったのは、事件から少し経った頃だった。まだ逮捕状は出ていない。やってきたのは高輪署の強行犯係の刑事ら二人だ。 ドアマンの頭に当日の光景が生々しく蘇ってきた。聞かれもしないのに山口記者の風采を話し出した彼に捜査員は虚を衝かれたことだろう。 「記憶力があまり良い方とは言えない」――。ドアマンは自身を分析し、捜査員にこう打ち明けている。そんな彼がどうして「15年4月3日のこと」を詳細に覚えているのか。それは、「ドアマン生活の中でも忘れられない出来事だったから」だ』、「『女性が不本意に連れ込まれていると…」というのでは、確かに「「ドアマン生活の中でも忘れられない出来事だったから」だ。通常は、「ドアマン」は職業上で守秘として、口は固いのだが、事件の臭いが余りに強かったからだろう。
・『女性が不本意に連れ込まれていると…  二人が乗ったタクシーがホテルの玄関前に滑り込んできた時、ドアマンは後部座席の左側のドアの方へ出向いた。陳述書にはこうある。 〈その時に手前に座っていた男性と目が合い、怖い印象を受けました。そして、奥に座った女性に腕を引っ張るようにして降りるように促していた〉 詩織さんは運転手に「近くの駅まで」と言ったが、山口記者は「部屋を取ってある」と返し、タクシーは彼の指示に従ってここまでやってきたのだ。 〈女性の方は(中略)「そうじするの、そうじするの、私が汚しちゃったんだから、綺麗にするの」という様なことを言っていました。当初、何となく幼児の片言みたいに聞こえ、「何があったのかな」と思っていたら、車内の運転席の後ろの床に吐しゃ物がありました〉 山口記者は詩織さんの腕を引っ張って、無理やり車外へ連れ出そうという動きを取る。 〈女性は左側のドアから降ろされる時、降りるのを拒むような素振りをしました。「綺麗にしなきゃ、綺麗にしなきゃ」とまだ言っていたので、座席にとどまって車内を掃除しようとしていたのか、あるいはそれを口実に逃げようとしているのか、と思いました。それを、男性が腕をつかんで「いいから」と言いました〉 〈足元がフラフラで、自分では歩けず、しっかりした意識の無い、へべれけの、完全に酩酊されている状態でした。「綺麗にしなきゃ、綺麗にしなきゃ」という様な言葉を言っていましたが、そのままホテル入口へ引っ張られ、「うわーん」と泣き声のような声を上げたのを覚えています〉 〈客観的に見て、これは女性が不本意に連れ込まれていると確信しました〉 山口記者が主張する“合意の上だった”とは真っ向から対立する証言だ。 詩織さんは裁判後の会見でこう語った。 「ひとつのピリオドをつけられたと思います。しかし、勝訴したからといって私が受けた傷はなかったことにはなりません」 12月19日発売の週刊新潮では、控訴審でカギを握る陳述調書のより詳しい内容を報じる』、第一審は「勝訴」、「控訴審」も「詩織さん」有利に展開するのだろう。

第三に、12月22日付けデイリー新潮「伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12221132/?all=1
・『2019年12月18日に判決が下った総理ベッタリ記者・山口敬之元TBSワシントン支局長(53)とジャーナリスト・伊藤詩織さん(30)との名誉棄損訴訟で、山口記者に330万円の支払いが命じられた。詩織さんが検察審査会に審査を申し出て、顔を出して実名で会見をしたのが2017年5月29日。それ以前に山口記者はある社の顧問として、家賃・月200万円の金満レジデンスで生活し、菅官房長官の口添えで別の社の顧問も務めてきたという。(17年6月15日号&19年7月18日号掲載記事を編集のうえ再掲載) 東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急である。日枝神社の小高い杜は星の眺めが美しいことから「星ヶ岡」と呼ばれてきた。北大路魯山人主宰の「星岡茶寮」があったのもここだ。ホテルと銘打ってはいるが、このなかに「ザ・キャピトルレジデンス東急」と呼ばれる賃貸フロアがあり、山口記者はここで生活してきたという。彼は周囲に「親戚が持っている部屋を使わせてもらっている」と説明していた。 金丸信元自民党幹事長のパレロワイヤル永田町、竹下登元首相のTBRビルや、十全ビルヂングなど、国会の庭先に事務所を構えるのは大物政治家のステータスとされてきた。もっとも時は流れ、2013年に小沢一郎・自由党代表が赤坂の事務所を閉じるなど、そのトレンドが変化したのだろうか、今や総理ベッタリ記者がここで暮らす時代になっているのだ。 ザ・キャピトルホテル東急は地下1階から地上3階がレストランなどの施設で4〜13階がオフィス、客室が18〜29階となっていて、その間の15〜17階が賃貸住宅にあたる。コンセプトは「ナチュラルな上質感」で、都心のプライベートな隠れ家であるとホテルは謳っている。16階には二十四節気の草花が楽しめる空中庭園が設えられており、それを眺め、首相官邸を睥睨するようにして入浴することができる。パンフレットには、「住まう人の審美眼に応える、高感性な住空間」「スパ&プールがすぐ下にある幸せ」などと、歯の浮くようなポエム、いや惹句が並んでいる。専有面積は82平方メートル〜300平方メートル弱まで、月額賃料にして68万〜240万円。戸数が14と極めて少ないから、「審査はとても厳しい」とホテル関係者が打ち明けるのもむべなるかな。この中で山口記者は、上から数えて2番目の月200万円の部屋で生活してきた。部屋の間取りなどは追い追い紹介する。 山口記者は事件が報じられる直前の17年4月の1カ月だけで4局8番組、延べ47回のテレビ出演をこなしており、その売れっ子ぶりは認めるが、テレビ局員によると、「文化人枠ですからギャラは5万円程度でしょう」 と、所詮は電波芸者。バブルが続くはずもなかっただろうから、カネの出所を詮索する声があがっていた。実際は、 「齊藤さんがスポンサーだったんですよ」 と明かすのは、永田町関係者。齊藤さんとは、2010年に半導体開発会社「ペジーコンピューティング」を創業した齊藤元章氏のこと。同社製のスパコン「菖蒲」は世界のスパコン省エネランキングで3期連続1位を獲得したこともある。未上場だが、関連会社を含め、その企業価値は1000億円とも……。というよりはむしろ、17年12月5日、東京地検特捜部に助成金詐欺容疑で逮捕された「齊藤さん」と言った方が通りは良いだろうか。齊藤社長の関連会社には、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から約40億円の助成金、「科学技術振興機構(JST)」から60億円弱の無利子融資が注ぎ込まれている。いずれも国立の研究開発法人だ。 業界に明るい関係者によると、 「1968年生まれの齊藤さんは新潟大医学部を卒業し、東大大学院時代に起業。それから海を渡って米国で医療機器ベンチャーを立ち上げました。“スパコンは2番では絶対ダメ”と業界で台頭する中国への対抗意識を燃やす、半導体ベンチャー業界で注目の人物だったんですよね」 先の永田町関係者によると、「山口さんはTBSにいるころから齊藤社長と知り合いで、去年5月に会社を辞める時に顧問のポジションを用意されたと聞いています」 顧問の肩書は名刺を参照いただくとして、齊藤社長はこんなセールストークを展開していた。 「人工知能が進化してそれが人類を超える点(シンギュラリティ)が来る。スパコンさえあれば衣食住はタダ、カネは不要、犯罪も事故もない、少子高齢化問題やエネルギー枯渇の懸念が解決される社会が実現する」 とはいえ、「しょっちゅうシステムエラーを起こしてしまう。稼働しない時間が長い」 と、“欠陥部分”を指摘する専門家もいた。 ある程度ハッタリは奏功してきたのだろうが、経営者から容疑者へ転落。その後、詐欺や法人税法違反などで起訴され、19年12月、懲役8年を求刑された。 他方、山口記者はというと、 「特捜検察の捜査の過程で、顧問料200万円、そして家賃として200万円が齊藤から山口に毎月支払われていることがわかりました」 と、社会部デスク。家賃とは先に触れた「ザ・キャピトルホテル東急」内の「レジデンス」使用料だ。広さは約239平方メートルになる。 改めて図面を見てみると、出入り口のある16階はゲストルームで中の階段を下りた15階がメインルームだ。北から西へ大きく開かれた窓からは日枝神社、国会議事堂。40畳のリビング、18畳の寝室、冷蔵庫や食洗機付キッチン、洗濯乾燥機が置かれたバスルーム。ハウスキーパーによる週2回の無料清掃、サロンにスパ&フィットネス。一介の記者が、スパコン会社顧問が、毎月家賃として200万円の支給を受ける真っ当な理由など、そうあるものではない。 「カネ集めの舞台装置ですよ。国家権力を睥睨するロケーション、安倍・麻生との蜜月を描いた山口自身の著書『総理』。これを武器に、“錬金術”に勤しんでいた様子が窺えます」(同) 総理ベッタリだからこそなせる業だったということになる。結果、前述の国からの100億円に加え、民間から200億円ほどを調達することに成功していたとされる。 「齊藤や山口は2人揃って、あるいは各自で、人脈を辿ってスパコンの売り込みに力を入れていた。1台4億とか8億とか。“開発資金はご心配なく”と齊藤は話していたよ。例えばスパコンは暗号通貨の“採掘”作業に使えたりするので、齊藤はそんなことを手掛けている会社にもプレゼンして回っていたね」 とは、ベンチャー関係者。 ベッタリ記者とベンチャー創業者との二人三脚は17年5月から暗転した。見果てぬ夢だったのか――。 山口記者の“資金源”は、これだけではない』、「ベッタリ記者とベンチャー創業者との二人三脚は17年5月から暗転した」、今後どうなりそうなのだろう。
・菅長官が“山口にカネを払ってやって”  以下は、菅長官の口添えで回ってきた顧問の役職について。 【顧問委託契約】と題されたその書類には、あたたかく優しい文言が並んでいた。 ・原則として月1回、意見交換を行なう ・顧問料として月額42万円を振り込む ・必要と認める範囲で交通費その他の経費を支払う  総理ベッタリ山口敬之(ノリユキ)・元TBSワシントン支局長は、こんな契約で“雇用”されてもいる。 「山口に資金提供しているのは、東京の有楽町にあるNKBという会社です。ここは交通広告の代理店で、JRの中吊りなどを扱っています。オーナー兼会長は滝久雄と言って、飲食店検索サイトの『ぐるなび』を1996年に開設した人として有名です」 と、広告代理店関係者。 NKBの源流を辿れば、滝会長の父が創った交通文化事業株式会社に行き当たる。取締役には、五島慶太(東急総帥)や小林一三(阪急創業者)、加賀山之雄(国鉄第2代総裁)らが名を連ねていた会社で、滝会長は父親の死後、これを継承した。 「この滝会長と菅さんが仲良しなんです。山口がTBSを辞めた後に、菅さんが“山口にカネを払ってやってくれないか”と滝会長に依頼したそうです。具体的には月42万円で、実際に払っているのは横浜にあるNKBの子会社。本体の方が業績がよくないので、そうなったということですが、子会社の経営陣は不満を抱えていたようです。“会社と何の関係もない山口に、ちゃんとした人を1人雇える額をなんで払わなきゃいけないのか”と」 山口記者がTBSを退社したのは16年5月。顧問契約はその年の11月に始まっている。 「NKB以外にも五つ程の会社が山口に小遣いを支払っていると聞いています。ただ、新潮の告発記事が17年の5月に出ると、“さすがにこれはヤバい”となって、支払いをストップした。一度も会社で見かけたことがないらしい山口に300万円くらいは流れてしまったわけで、経営陣はとにかく憤懣やるかたない様子だったようです」(同) 山口記者は、今年2月1日、「レイプされた」と主張する伊藤詩織さんを相手取り、「名誉を毀損し、プライバシーを侵害した」として、1億3千万円の損害賠償を求めた。詩織さんは2017年9月、「支局長の立場に乗じ、就職斡旋をチラつかせ、レイプした」と、山口記者に1100万円の損害賠償を請求していたから、彼は「反訴」したことになる。 先の契約書は、その「山口反訴状」から図らずも捲(めく)れ出た内容である。要は、彼女の告発のお蔭で、月額42万円の企業など、顧問先を二つ失った。1億3000万円の請求額にその逸失利益も含まれるというわけだ。そこには菅義偉官房長官の関与が見え隠れする。 ここで改めて、「事件」から係争に至る経緯を駆け足で振り返っておこう。 15年4月3日、TBSのワシントン支局長だった山口記者が一時帰国した折、ニューヨークで知り合い、TBSに働き口を求めていた詩織さんと会食した。山口記者のホームグラウンドである東京・恵比寿で2軒目までハシゴしたところから意識を失った彼女は、その後タクシーに乗せられた。車中で彼女は嘔吐しつつも、タクシーは港区内のホテルへ。山口記者の部屋へ連れ込まれ、翌日未明、性行為の最中に目が覚めた。 詩織さんの刑事告訴を受け、警視庁高輪署は捜査を開始。その年の6月、準強姦容疑での逮捕状を携えた高輪署の捜査員が、機上の人となっていた山口記者を逮捕すべく成田空港でスタンバイしていた。しかし、その直前に逮捕は中止された。それは、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3の官房長・中村格(いたる)氏が、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と本誌(「週刊新潮」)の取材に認めている通りである。中村氏は菅官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得ており、総理ベッタリ記者の逮捕中止命令は官邸への忖度ではという疑問が、世の中に今もなお燠(おき)のように燻(くすぶ)っている。捜査を引き継いだ警視庁からの書類送検を受けた東京地検は、ほぼ1年後の16年7月に不起訴と判断。詩織さんは17年5月、検察審査会に審査申し立てを行なったものの、9月に「不起訴相当」の議決が出た。19年公開の映画「新聞記者」製作のきっかけはこの「準強姦逮捕状」握り潰し事件にある、と映画関係者は語っている』、「高輪署の捜査員が、機上の人となっていた山口記者を逮捕すべく成田空港でスタンバイしていた。しかし、その直前に逮捕は中止された。それは、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3の官房長・中村格(いたる)氏が、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と本誌(「週刊新潮」)の取材に認めている通りである。中村氏は菅官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得ており、総理ベッタリ記者の逮捕中止命令は官邸への忖度ではという疑問が、世の中に今もなお燠(おき)のように燻(くすぶ)っている」、酷い犯罪の隠蔽だ。
・『美味しい政権とのベッタリ  実際、山口反訴状では、詩織さんに準強姦被害を訴え続けられ、ジャーナリストとしての社会的生命を絶たれたなどとして営業損害1億円を挙げている。テレビ番組出演などの営業収入1400万円ほどに加え、顧問料が2社で約750万円あったのに、18年度は無収入に陥った。名誉回復して従前通りの収入を得るための時間を見積もって、約2千万円×5年=1億円の計算になるという。2社の顧問料だけでサラリーマンの平均年収を凌駕するほど、政権中枢とのベッタリはことに美味しい。 先の滝会長は昨年、母校・東工大に30億円を寄付し、滝夫妻の名を冠した「Hisao & Hiroko Taki Plaza」が建設中だ。母校愛が高じ、背伸びをしたシワ寄せが子会社に回ったのだろうか。山口記者へのお小遣いについて滝会長に質すと、会社を通じ、 「伊藤詩織氏と山口敬之氏との間の民事裁判に関しまして、弊社は一切関係がありません」 と、答えにならない回答。「Hisao & Hiroko Taki Plaza」にその名が並ぶ、滝会長の妻・裕子(ひろこ)さんにも聞いてみると、 「ウチではねぇ、私が喋るくらいで主人は仕事のことは一切話さない人なんですね。(菅さんとの関係は)そんな5、6年なんて話じゃなくて、昔からの知り合いだと思います」 他ならぬ滝会長夫人の証言である。菅長官と会長の浅からぬラインは存在する。他方、長官と山口記者の関係については、山口記者がものした自身の礼賛本『総理』に、こんな件(くだり)がある。 「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」 安倍晋三氏が自民党総裁選に勝利した12年9月、菅氏から、こう謝辞を述べられたのだった。それは、山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果だという。つまり、山口記者が今に至る「安倍一強」の生みの親とも言えるわけで、お小遣いの手配のため、長官が“犬馬の労”を取っても不思議ではなかろう。 ある日の早朝、惰眠を貪る赤坂をスーツ姿の一団がことに足早にウォーキング中だ。胸板が厚く、見るからに屈強なSP2人を引き連れた菅長官を直撃した。 Q:おはようございます、17年の話で恐縮なんですけど……。 A:「いや、もういい」 Q:毎月、山口敬之さんは顧問料を支払ってもらって。それは、長官が滝会長に依頼をされた……という話だったんですが。 A:「ちょっと、今……」 Q:山口敬之さんからお願いされたんですか? 顧問料を支払えというのは? どういった経緯かだけでも。 A:「ちょっと、悪いけど、ちょっと。私、関与してないです」 Q:とはいえ、その……。 A:「それ以上言えない。関与してない」 それ以降は、「プライベートですから、だめ」「だから答えているじゃない」と続き、「失礼だよ、私のプライベートなんだから!」と、“24時間365日稼働”をもって鳴る菅長官には残念な“激おこ”で終わった。先の代理店関係者に改めて聞くと、 「会社の事業内容とは関係ない新潮の記事で送金を止めたということは、会社にとって山口がいかに不要な人材だったかを物語っている。つまり、どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然。繰り返しますが、山口は一度も会社に来なかったようですし、『山口顧問』の存在など、ヒラ社員は知る由もないんです」 週刊新潮WEB取材班)』、「「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」 安倍晋三氏が自民党総裁選に勝利した12年9月、菅氏から、こう謝辞を述べられたのだった。それは、山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果だという。つまり、山口記者が今に至る「安倍一強」の生みの親とも言えるわけで、お小遣いの手配のため、長官が“犬馬の労”を取っても不思議ではなかろう」、「山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果」、確かにここまで「山口記者」が「安倍氏」に食い込んでいたとは初めて知った。「安倍政権」にとってのこまでの恩人だからこそ、「伊藤詩織さん」レイプ事件を握り潰したのだろう。闇は深いようだ。
タグ:メディア (その35)(フジテレビに「いわく付き女性官僚」が天下り 「高額接待を受け半年で広報官を辞任」、伊藤詩織さん「勝訴」 連れ込む山口記者の姿を目撃…控訴審でカギを握る「ドアマンの供述調書」、伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…) デイリー新潮「フジテレビに「いわく付き女性官僚」が天下り 「高額接待を受け半年で広報官を辞任」」 「次期社長の有力候補とされていた大多亮専務(65)を関西テレビの社長に転出させる人事を決定する予定」、なぜだろう。 「大多さんのドラマ制作における辣腕ぶりは、いまでも社内の語り草ですが、フジテレビドラマを象徴する存在のあの人が“都落ち”させられるのは、視聴率の低迷が主な理由とされています。数年来の不振の責任を取らされた形です」、「社長」が留任とは驚かされた。 「日枝久相談役(86)が、不遇を託(かこ)つ山田氏を救済する意味合いで声をかけた」、いまだに「日枝」氏が力を持っているとは、驚かされた。 デイリー新潮「伊藤詩織さん「勝訴」 連れ込む山口記者の姿を目撃…控訴審でカギを握る「ドアマンの供述調書」」 「『女性が不本意に連れ込まれていると…」というのでは、確かに「「ドアマン生活の中でも忘れられない出来事だったから」だ。通常は、「ドアマン」は職業上で守秘として、口は固いのだが、事件の臭いが余りに強かったからだろう。 第一審は「勝訴」、「控訴審」も「詩織さん」有利に展開するのだろう。 デイリー新潮「伊藤詩織さん「勝訴」!敗訴の「山口敬之」 TBS退社後を支えた美味しすぎる“顧問契約” 菅官房長官の口添えも…」 「ベッタリ記者とベンチャー創業者との二人三脚は17年5月から暗転した」、今後どうなりそうなのだろう。 「高輪署の捜査員が、機上の人となっていた山口記者を逮捕すべく成田空港でスタンバイしていた。しかし、その直前に逮捕は中止された。それは、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3の官房長・中村格(いたる)氏が、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と本誌(「週刊新潮」)の取材に認めている通りである。 中村氏は菅官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得ており、総理ベッタリ記者の逮捕中止命令は官邸への忖度ではという疑問が、世の中に今もなお燠(おき)のように燻(くすぶ)っている」、酷い犯罪の隠蔽だ。 「「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」 安倍晋三氏が自民党総裁選に勝利した12年9月、菅氏から、こう謝辞を述べられたのだった。それは、山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果だという。つまり、山口記者が今に至る「安倍一強」の生みの親とも言えるわけで、お小遣いの手配のため、長官が“犬馬の労”を取っても不思議ではなかろう」、 「山口記者が「あの夜」に菅氏に電話を入れ、出馬を渋る安倍氏本人の口から聞き出した心境を伝えた結果」、確かにここまで「山口記者」が「安倍氏」に食い込んでいたとは初めて知った。「安倍政権」にとってのこまでの恩人だからこそ、「伊藤詩織さん」レイプ事件を握り潰したのだろう。闇は深いようだ。
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飛行機(航空機)(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション) [産業動向]

飛行機(航空機)については、2018年10月22日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション)である。

先ずは、昨年9月7日付けMerkmal「福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か」を紹介しよう。
https://merkmal-biz.jp/post/47860
・『最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、興味深そうだ。
・『「門限」問題再び  最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である。 前回大きな問題となったのは2023年2月で、羽田発福岡行きのJAL機が「門限」によって福岡空港に着陸できず、関西空港に回航、結局東京の羽田空港に戻された。 今回は国際線で、北九州空港にダイバート(目的地変更)したが、入国できず、出発地のマニラに戻らなければならなかった。乗客にとっては災難としかいいようがない。 9月4日、フィリピンの格安航空会社(LCC)セブパシフィック航空は、福岡空港の混雑で上空旋回を余儀なくされた結果、燃料不足が懸念され、北九州空港に着陸したと報じられた。このため、福岡空港の「門限」に抵触し、マニラへ引き返した。この間、乗客は機内に11時間も閉じ込められた。 ここでまず疑問になるのは、燃料不足の恐れがなぜ生じたのかということだ。通常、航空機のフライトを計画する際、ディスパッチャー(運航管理者)とパイロットは目的地の空港の状況をきちんと把握し、上空旋回の可能性があれば、燃料を多めに搭載するはずである。 特に福岡空港は滑走路が1本しかなく、混雑時には長時間の上空旋回を余儀なくされることが予想される。燃料不足の恐れがあったとはどういうことか。燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない」、これは大いに問題だ。
・『着陸可否の見極め必要  一方で、福岡空港の混雑が「門限」を守ることを難しくしているのも事実だ。2024年に新しい第2滑走路が建設され、供用が開始されれば、混雑度は改善されるだろう。しかし当面は、観光需要の急速な回復とそれにともなう離着陸便の増加により、福岡空港の離着陸遅延がますます深刻化することを覚悟しなければならない。そうなれば、「門限」の問題は今後も繰り返されるだろう。 国内線については、北九州空港の受け入れ環境が整備された結果、問題は緩和されたが、国際線の「門限」問題については、改めて深く検討する必要があることが、今回のケースで明らかになった。 前述したように、CIQの職員は国家公務員であるため、そう簡単に増員することはできないし、今回のような状況を踏まえて増員すれば、逆に2024年の福岡空港の新滑走路供用開始時に余ってしまう可能性もある。 当面は、福岡空港を出発する時間帯に、福岡空港への着陸の可否を慎重に見極め、少なくとも21時までには到着するスケジュールで便を設定するしかない。それ以降に福岡空港に到着したい場合は、特に国内線では新幹線の利用を促すべきだ。これは、環境負荷を減らすために需要を航空から鉄道にシフトさせるというヨーロッパの政策にも合致する。 そして何よりも「パッセンジャー・ライト(乗客の権利)」を考えることである。これは以前の記事(「JAL機の福岡空港「門限破り」 既出報道に欠けていた「乗客の権利」という視座、航空需要回復の今後このままでいいのか?」、2023年3月11日配信)でも触れたことだが、欧米のLCCでパイロットに成果主義が導入された際、悪天候で飛べそうもないフライトでも、なんとか飛ばそうと乗客が長時間機内に留め置かれ、結局フライトは失敗に終わった。その結果、乗客が大きな精神的・肉体的苦痛を被ったことから生まれた乗客の権利概念である。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「福岡空港」では「「門限問題」が深刻であるにも関わらず、「(LCC)セブパシフィック航空」が利用を申し込んでいたとは不思議だ。継続的利用ではなく、スッポット的利用なのかも知れない。さらには、「第二滑走路」完成で混雑が緩和されることを先読みしている可能性がある。
・『乗客補償の採用  ロイター通信は8月28日、米運輸省がアメリカン航空グループに対し、旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則に違反したとして、410万ドル(約6億610万円)の罰金を科したと報じた。このうち半分の205万ドルは、地上にとどまることを余儀なくされた』、日本でも「旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則」の導入を検討すべきだ。
・『「乗客への補償」  に充てられる。 報道によれば、2018年から2021年にかけて、アメリカン航空は合計43便において、乗客に降りる機会を与えずに地上にとどまらせたことが判明している。そしてそのなかには、乗客に水や食料を提供する義務が果たされていないケースもあったとしている。 日本もこの考え方を採用する必要があるだろう。これにより、航空会社が最近の遅延増加による問題に対して、より真剣な対策を採るようになることが期待される』、日本でもアメリカのように「乗客に降りる機会を与え」たり、「乗客に水や食料を提供する義務」を課したりすべきだ。

次に、昨年9月7日付けFNNプライモンラインが掲載した「機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン」を紹介しよう。
https://www.fnn.jp/articles/-/582568
・『4日午後8時ごろ、福岡空港で撮影されたとある映像。 フィリピンのマニラから来た航空機が、着陸を試みるが…、機体は上昇。 マニラにUターンすることを余儀なくされたのだ。 一度着陸を試みたものの、再び上昇していくマニラからの航空機(福岡空港 4日午後8時ごろ)乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった』、「乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった」だけでなく、「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる』、「「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる」、その通りだ。
・『乗客「言われた瞬間、絶望。反応する元気もなかった」  マニラに戻る航空機の中で、撮影された映像がある。 乗客の女性が、タガログ語で「初めての経験です。日本に着いたばかりなのに、再びマニラに飛び立ちます」と話している。 機内は照明が落とされ、外も真っ暗だ。 イット!の取材に、乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」と当時の心境を明かした』、「乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」、心から同情する。
・『原因は?給油と目的地・福岡空港の“門限”  なぜ、着陸しないまま、マニラに引き返すことになったのか。 答えは、目的地である福岡空港の“門限”だ。 福岡空港は市街地と隣接していることから、午後10時を過ぎると着陸できない。 着陸できなかったのは、フィリピンの格安航空会社「セブ・パシフィック航空」の航空機。 国土交通省・福岡空港事務所によると、航空機は4日午後4時半ごろ、マニラの空港を離陸した。 そして午後8時ごろ、航空機は着陸態勢に入った。 管制が着陸を促すと、「燃料が足りなくなるおそれがある」と連絡があったという ところが、何らかの理由で上昇。 管制が再び着陸を促したところ「燃料が足りなくなる恐れがある」と連絡があり、航空機は北九州空港に代替着陸し、給油した。 北九州空港では入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー。 マニラへと引き返すことになったのだという』、「北九州空港」に「代替着陸し、給油」したが、「入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー」、さんざんだ。
・『結局、福岡空港の“門限”を過ぎ、出発地に引き返すことに…  約11時間機内にいた乗客は、航空会社の対応にも疑問を抱いていた。 約11時間機内にいた乗客:次の便の予約をしてもらったんですけど、そのカウンターも1つしかなくて、そこでもめっちゃ待たされて。体力的に休めなかったので、きつかったですね。 航空機は、他の空港に行くことはできなかったのだろうか。 元日本航空機長で、航空評論家の小林宏之氏に話を聞いたところ、入国手続きができず、すでに“門限”をオーバーた。(「イット!」9月6日放送より)』、こんな場合には、格安航空は、不利だ。特に、「格安航空会社「セブ・パシフィック航空」」の対応は余りにお粗末だ。

第三に、6月22日付け東洋経済オンラインが掲載した元航空管制官・航空専門家のタワーマン氏による「航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/764535
・『2024年1月2日、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故では、管制官とパイロットの交信が注目されました。事故原因はまだ究明されていませんが、航空管制が空の安全において非常に重要な位置を占めていることは間違いありません。 航空管制の世界は、意外に思えるほどに「人と人のコミュニケーション」によって成り立っています。ひとつのミスも許されないなか、管制官とパイロット、さらには管制官同士で、どのような交信を行なっているのか? 元・航空管制官で現在、航空評論家であるタワーマン氏の著書『航空管制知られざる最前線』から一部を抜粋し、間断ない離陸・着陸を捌くプロフェッショナルの舞台裏に迫ります』、興味深そうだ。
・『世界中の管制官が英語で交信を行なう理由  管制官は、安全かつ効率的に航空交通を管理するのが仕事です。しかし、実際に飛んでいるのはパイロットで、管制官は管制室またはレーダー室の内部にいます。管制官がコントロールできる方法は、無線によるパイロットとの交信のみ。つまり、コミュニケーションこそ、管制官の「最大の武器」なのです。 パイロットとの交信は、基本は英語で行ないます。国際航空機関であるICAO(国際民間航空機関)はもちろんのこと、日本の管制の〝バイブル?である「管制方式基準」にも「管制用語は英語または母国語を原則とする」と記されています。なぜ、英語なのか。その理由は2つあると私は考えています。 1つは、当然ですが「共通言語が必要」だということ。世界中、さまざまな国で航空機が行き来し、パイロットの国籍もさまざまです。やはり共通語となると英語が適当でしょう。では、国際線が発着しない国内線専用の空港ではどうかというと、やはり英語が原則です。ただし、中国のように国内パイロットの便に限って、母国語を使っている国もあります。) ある日本人パイロットから聞いた話ですが、彼が中国の空港に行ったとき、別の飛行機のパイロットが管制官と何を話しているのかが理解できず、大きな不安を覚えたそうです。 管制官がパイロットに指示しているのか、地上車両の運転手に情報を出しているのかさえもわからなかったといいます。 管制官が何かの指示を出していることは理解できるのですが、その内容が不明なので、別の飛行機がこちらに機首を向けて動き出したりはしないかと疑念が抜けなかったそうです。パイロットの状況認識もまた、航空交通の安全には欠かせないものです。たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います』、「たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います」、その通りだ。
・『「誤解を生まないため」に英語を使う  交信に英語を使うもう1つの理由、それは、「誤解を生まないため」です。管制で使う言葉は英語を基本としていますが、日常英語そのものではありません。より誤解を生まないように定義されています。そのことについては後述しますが、まず、ふだん使い慣れた言葉(私たちにとっては日本語)が、本当にもっとも誤解を生まないコミュニケーション手段なのかどうかを考えてみましょう。 たとえば、「○○はないですよね?」という質問に「はい」と答える場合、日本語では「はい、あります」「はい、ありません」と後ろに続く言葉しだいで2つの可能性があります。「はい」だけでは意味を持たない(判断できない)こともあるでしょう。 また、日本語は表意文字で漢字を使うため、読むときにはわかりやすいのですが、耳で聞くときには同音異義語が多いのも気になります。たとえば、「こうか」は「降下」なのか「効果」なのか。「たいき」は「待機」なのか「大気」なのか。文脈を読めば間違えることはまずなさそうですが、それでも曖昧さは残ります。) 誤解をなくすうえでいちばん重要なことは、耳で聞いただけで、明確にこの言葉とこの言葉は違うと区別できることです。ふだん使い慣れている母国語であるために、かえって曖昧さを許容してしまったり、微妙に違う意味に捉えてしまうこともあるでしょう。 管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです』、「管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです」、なるほど。
・『聞き間違いを防ぐ「フォネティックコード」とは  管制で使う英語は、誤解を生じないように定義されていると述べましたが、その例をいくつか挙げておきましょう。 たとえば、「Yes」「No」は基本的に使いません。「Yes」と答えたいときは「affirm」「No」は「negative」といいます。それぞれ音節が短く聞き取りにくい、ほかの言葉と区別しにくいというのがその理由です。 とくに「No」は「Know」と音が同じでまぎらわしく、また「All」など「O(オー)」の音に似た母音を含む単語が多いのも理由だといわれています。アルファベットも、やはり短くて聞き取りにくいため、「A(エー)」「B(ビー」)「C(シー)」とは発音しません。誰しも日常的に、B、D、E、P、Tなどは、聞いたときにどれなのか迷ってしまい、相手に確認した経験があるのではないでしょうか。 ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう。 これらは、航空管制官など航空保安職員の教育訓練を行なう航空保安大学校で叩きこまれるので、頭に染みついています。私もふだんの英会話で、うっかり「9」を「ナイナー」といってしまった経験があります』、「ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう」、なるほど。
・『現場でもっとも使われるフォネティックコード((出所)『航空管制 知られざる最前線』より フォネティックコードが管制の現場でもっとも使われるのは、誘導路の指示です。ターミナルビルと滑走路のあいだには網の目のように誘導路が走っており、駐機場から滑走路に誘導するときに、どの誘導路を通っていくのかを管制官がパイロットに指示します。 この誘導路が「A-1」「A-2」「B」「C」などとなっていることが多いのですが、これをパイロットが聞き間違えて、さらに管制官も復唱の間違いをスルーすると、「道間違い」が発生します。 そのリカバリーは大変ですし、タイミングによってはヘッドオン(鉢合わせ)や接触など、重大な出来事につながりかねません。そこで、「アルファー・ワン」「ブラボー」「チャーリー」などとフォネティックコードを使うルールになっているのです。) また、パイロットとの交信中に聞き慣れない言葉が出てきたときにも、フォネティックコードで確認する場合があります。よくあるのが、機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます』、「機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます」、確かに便利そうだ。
・『羽田の管制塔は「トーキョータワー」?  航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります。 個人用や社用のビジネスジェットなども、すべてアルファベットのコールサインがあり、面白いものだと日産は「NI55AN(ノベンバー、インディア、ファイブ、ファイブ、アルファ、ノベンバー)」というコールサインの機体を持ちます。数字の「5」が「S」に似ていることから、そのような登録名を使っているようです』、「航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります」、なるほど。
・『航空管制 知られざる最前線   (KAWADE夢新書 S 452) ちなみに管制塔のコールサインは「タワー」。羽田の管制塔は、正式名称である東京国際空港から取って、「トーキョータワー」と決められています。 重大な聞き間違いを防ぎたいときも、フォネティックコードは便利です。たとえば、到着機や出発機に旋回を指示する場合、右旋回なら「ライト・ターン」、左旋回なら「レフト・ターン」といいます。 ところが、意外に思うかもしれませんが、「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます』、「「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます」、確かにこれなら確実だ。
タグ:(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション) 飛行機(航空機) Merkmal「福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か」 「燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない」、これは大いに問題だ。 「福岡空港」では「「門限問題」が深刻であるにも関わらず、「(LCC)セブパシフィック航空」が利用を申し込んでいたとは不思議だ。継続的利用ではなく、スッポット的利用なのかも知れない。さらには、「第二滑走路」完成で混雑が緩和されることを先読みしている可能性がある。 、日本でも「旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則」の導入を検討すべきだ。 日本でもアメリカのように「乗客に降りる機会を与え」たり、「乗客に水や食料を提供する義務」を課したりすべきだ。 FNNプライモンライン 「機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン」 「「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる」、その通りだ。 「乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」、心から同情する。 「北九州空港」に「代替着陸し、給油」したが、「入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー」、さんざんだ。 こんな場合には、格安航空は、不利だ。特に、「格安航空会社「セブ・パシフィック航空」」の対応は余りにお粗末だ。 東洋経済オンライン タワーマン氏による「航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション」 「たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います」、その通りだ。 「管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです」、なるほど。 「ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう」、なるほど。 「機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます」、確かに便利そうだ。 「航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと 「「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます」、確かにこれなら確実だ。
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高齢化社会(その27)(「高齢だから運転は危ない」は根拠なし!精神科医が教える免許返納の正しいタイミングとは?、精神科医・和田秀樹が教える、健康長寿の人がやっている「2つの習慣」とは?) [社会]

高齢化社会については、本年6月4日に取上げたばかりだが、今日は、(その27)(「高齢だから運転は危ない」は根拠なし!精神科医が教える免許返納の正しいタイミングとは?、精神科医・和田秀樹が教える、健康長寿の人がやっている「2つの習慣」とは?)である。

先ずは、本年6月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医の和田秀樹氏による「「高齢だから運転は危ない」は根拠なし!精神科医が教える免許返納の正しいタイミングとは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/344689
・『「コレステロールの高い食事は避けよ」と医者は言い、「そろそろ免許返納したほうがいいんじゃないの?」と家族は言う。しかし、高齢者を気遣ってかけられる言葉を鵜呑みにしてやりたいことを我慢するのは、いい余生を送ることへとつながるのだろうか?本稿は、和田秀樹『老いたら好きに生きる 健康で幸せなトシヨリなるために続けること、始めること、やめること』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『好きなものを我慢しない  食欲があることは幸せの証し  コレステロールや塩分など、高齢者に限らず健康のために摂りすぎないよう気をつけている人はいるでしょう。しかし、コレステロールは男性ホルモンの材料になるもの。摂取量が減ってしまえば、意欲の低下や記憶力の衰えなどにつながります。高齢者はとくに注意です。 「コレステロール値が高いので、脂っこい食事は控えたほうがいいですね」 大抵の医師はそう言いますが、その言葉を鵜呑みにして、好きなものや美味しいものを我慢していたら、人生の楽しみが半減してしまいます。 私は人に幸福感をもたらしてくれるものの中で、美味しい食事はかなり上位に入ると信じています。たとえ、100歳まで生きるとしても、70歳、80歳と年齢を重ねていけば、残された食事回数はどんどん減っていきます。少ない回数なら、好きなものを食べたほうがいいに決まっています。食べたいもののことを思い浮かべて、お腹が空いてくるというのは元気な証拠ですし、食欲があるというのは幸せなことです。 それなのに、血圧を下げようとして塩分の少ない薄味のものばかり食べる羽目になったらどうでしょう。果たしてそれは幸せといえるのでしょうか。 医師が血圧や血糖値、コレステロール値などに注意を払うのは動脈硬化などの血管障害を予防するためです。脳梗塞や心筋梗塞は動脈硬化が原因で起こりますので、医師の立場では言わざるを得ないのかもしれません。 ただし、血管は年をとれば誰でも硬くなります。心配なら、同時に血液をサラサラにするといわれる食材を多めに摂る、水分を多めに摂る、運動を欠かさないなど、必要な予防策をとればいいだけです。それすら行わず、コレステロールだけを危険視するのは間違いです。 高齢者にとってコレステロールは不可欠なものですので、罪悪感など持たず美味しく食べていいのです』、「心配なら、同時に血液をサラサラにするといわれる食材を多めに摂る、水分を多めに摂る、運動を欠かさないなど、必要な予防策をとればいいだけです。それすら行わず、コレステロールだけを危険視するのは間違いです。 高齢者にとってコレステロールは不可欠なものですので、罪悪感など持たず美味しく食べていいのです」、私も健康診断で「コレステロール値」の高さを指摘されているが、確かに和田氏が主張する通りだ。
・『車の運転はできる範囲で続けて 自信がなくなればやめたらいい  高齢者が高速道路で逆走したり、交差点や駐車場でブレーキとアクセルの踏み間違いをしたりなどの事故を起こせば、マスコミは大きく報道します。そのたびに、高齢者の運転は危険だ、運転免許は返納すべきだとの声が高まります。) しかし、高齢になれば事故を起こす確率が高くなるというデータなどありません。確かに高齢者、中でも75歳以上の事故は多いですが、それでも16~24歳の事故件数のほうがずっと多いのです。その現実から目を背けて、高齢者の運転は危険だと決めつけ、免許を返納させるのは間違いです。 「高齢の人は認知機能が衰えているから車の運転は危ない」というのは、根拠のない決めつけで差別です。 そもそも、普段は車の運転で暴走や逆走をしない人が不自然な事故を起こすのは、薬による意識障害が原因ではないかと私は考えています。 高齢になると複数の薬を常用している人が多く、代謝も低下していることから副作用が出やすくなり、低血圧や低血糖、低ナトリウム血症などになると意識障害も起こしやすくなります。事故を起こした運転手がそのときの状況を「よく覚えていない」と言うことがありますが、これも認知症より意識障害を疑っていい証言でしょう。 そして、75歳以上の高齢者の起こす死亡事故の4割は自爆といわれる、ものにぶち当たって自分が死ぬというものです。これだって、意識障害が原因のことが少なくないはずです。 70代、80代は自由な時間を楽しみ尽くすことが人生最大のテーマです。そのためにも、移動手段の選択肢を減らしてはいけません。とくに外出の手段が限られる地方に暮らす高齢者ほど、車の運転をやめてはいけません。 週に1度の買いものや通院に車を使っているような人は、免許を返納したら動きが取れなくなります。生活の自由度が大きく低下して、老いを一気に加速させます。 自分の用事のために誰かに車を出してもらうのは気が引ける、などと遠慮しながら暮らすことになれば、家に閉じこもりがちの生活になり、運動機能も脳機能も衰えていきます。高齢者が免許を返納すると、「偉い」「賢明な判断ですね」などと褒められますが、実際には老化を加速させることにつながります。) 運転をやめることで外出の機会が減り、人と会ったり話したりすることも減ると、活動量もどんどん減っていきます。免許返納は、維持できるさまざまな機能や楽しみや意欲を自分から手放すことになりかねないのです。 免許返納は要介護になるリスクが高いということを、ぜひ覚えておいていただきたい。免許は返納せず車の運転はできるかぎり続ける。もし、運転する自信がなくなったらやめる、それでいいと私は思います』、「確かに高齢者、中でも75歳以上の事故は多いですが、それでも16~24歳の事故件数のほうがずっと多いのです。その現実から目を背けて、高齢者の運転は危険だと決めつけ、免許を返納させるのは間違いです。 「高齢の人は認知機能が衰えているから車の運転は危ない」というのは、根拠のない決めつけで差別です」、我が家でも女房や子供たちによる「免許返納」への圧力は強い、その度に、和田氏の記事を富ませることで抵抗している。
・『できないことを嘆くよりできることを続ける努力を  ここまで70歳、80歳を過ぎても続けてほしいことを書いてきました。最後にひとつだけアドバイスを付け加えさせてください。 それは「できることを減らさない」ということです。残念ながら、高齢になればなるほど体の機能は少しずつ衰えていきます。それは誰も避けることはできません。ただ、すべてのことができなくなるというのは、本当の末期状態になってからの話です。寝たきりになっても話はできることが多いし、人を楽しませるような面白い話ができれば人も集まってきます。 認知症になっても、初期段階であれば車の運転も含めてほとんどのことができますし、かなり重度になっても、できることは残るものです。 私は介護する家族の方に、できなくなったことを嘆くより、今何ができるかを見てそれを大事にしてあげてくださいとアドバイスしています。運転ができるのに免許返納などもってのほか。実際、筑波大学の研究では運転をやめた高齢者は6年後に要介護になるリスクが2.2倍になるとされています。 今、歩けるなら散歩を続ける。今、料理ができるなら作り続ける。 前頭葉の刺激にはならないかもしれませんが、今、できていることが減らなければ、少なくとも今のADL(日常生活動作)のレベルは、かなりの期間にわたって保たれるのです。可能なら新しいことにチャレンジしてほしいと思いますが、できないことも増えていくでしょう。それでも必要以上に落ち込まず、今できることに感謝してそれを続ける努力だけは重ねてほしいと思います』、「今、できていることが減らなければ、少なくとも今のADL(日常生活動作)のレベルは、かなりの期間にわたって保たれるのです。可能なら新しいことにチャレンジしてほしいと思いますが、できないことも増えていくでしょう。それでも必要以上に落ち込まず、今できることに感謝してそれを続ける努力だけは重ねてほしいと思います」、その通りだ。

次に、6月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医の和田秀樹氏による「精神科医・和田秀樹が教える、健康長寿の人がやっている「2つの習慣」とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/344690
・『うつ病というと心の病というイメージが先行するが、高齢者がうつ病になると、食欲不信や脱水を起こしたり、免疫機能が低下するなどして、からだの疾患リスクへと直結してしまうという。うつ病予防に有効なセロトニンの分泌を促す習慣を、“高齢者専門”精神科医が解説する。本稿は、和田秀樹『老いたら好きに生きる 健康で幸せなトシヨリなるために続けること、始めること、やめること』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『メンタルヘルスを良好に保てばがん細胞が減って長寿につながる  私の本業は、高齢者を専門とする精神科医です。 アンチエイジングや内科診療について書いたり話したりすることもありますが、アンチエイジングは自分の老化予防のため、内科はあまりに高齢者に対する治療がステレオタイプで、ひどいと思うので勉強を続けていますが、本職はあくまでも精神科医です。 精神科医として高齢者の心の問題を取り上げているのは、高齢になるほど心と体の結びつきが強くなるためです。要するに高齢になるほど、心が弱ると体も弱りますし、逆に体が弱ると心も弱ってしまうのです。 うつ病に罹患して亡くなる際の原因は、若い人の場合、自死がほとんどですが、高齢者の場合、体力の低下が原因で亡くなってしまうということも珍しくありません。なぜなら、高齢者がうつ病になると食欲不振になり、簡単に脱水を起こしてしまうからです。 脱水というのは血液中の水分が足りなくなる状態で、血液濃度が高くなるため脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなりますし、脱水症状があると免疫機能も落ちて肺炎も起こりやすくなります。その結果、最悪死に至ることもあり得るというわけです。 精神神経免疫学という分野において、かなり前から、心の状態が悪くなると免疫機能が低下することは問題になっています。 たとえばシドニー・ジズークという精神医学者(現・カリフォルニア大学サンディエゴ校精神科教授)の研究では、うつ病になるとNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が半分程度に下がるとされています。 このNKというのは体内にできた出来損ないの細胞を掃除してくれる免疫細胞で、この細胞の活性が高ければがんになりにくいとされています。ところが順天堂大学医学部特任教授の奥村康先生らの研究では、この活性が40代になると20代の半分、70代になると10分の1に落ちるというのです。 もともと免疫活性が低い高齢者ほど心の具合が悪くなることは危険です。免疫活性がさらに下がり、そのダメージは大きいからです。 アメリカのように死因の第1位が心臓病ではなく、がんで亡くなる人が多い日本では、メンタルヘルスを良好に保つことががん細胞を減らし、確実に長寿につながると私は信じています』、「うつ病に罹患して亡くなる際の原因は、若い人の場合、自死がほとんどですが、高齢者の場合、体力の低下が原因で亡くなってしまうということも珍しくありません。なぜなら、高齢者がうつ病になると食欲不振になり、簡単に脱水を起こしてしまうからです。 脱水というのは血液中の水分が足りなくなる状態で、血液濃度が高くなるため脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなりますし、脱水症状があると免疫機能も落ちて肺炎も起こりやすくなります。その結果、最悪死に至ることもあり得るというわけです・・・うつ病になるとNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が半分程度に下がるとされています。 このNKというのは体内にできた出来損ないの細胞を掃除してくれる免疫細胞で、この細胞の活性が高ければがんになりにくいとされています。ところが順天堂大学医学部特任教授の奥村康先生らの研究では、この活性が40代になると20代の半分、70代になると10分の1に落ちるというのです。 もともと免疫活性が低い高齢者ほど心の具合が悪くなることは危険です。免疫活性がさらに下がり、そのダメージは大きいからです」、なるほど。
・『75歳を過ぎたら認知症よりも「老人性うつ病」の方が危険  メンタルヘルスの重要性について、もう少しお話しします。 日本に限らず、世界中の統計で年をとるほど自殺率が上がっていることが知られています。仕事を失うこと、親や配偶者との死別、自分がなんらかの障害(脳梗塞の後遺症など)を抱えることが増えるなど、高齢者には次々とストレスフルな状況が押し寄せますが、さらにいうと、年をとるほど神経伝達物質が減るのでうつ病になりやすいのです。 世界各地の住民調査によると、うつ病は成人人口の5%程度の有病率ですが、65歳以上になるとそれが10%に上がります。 前述したように、高齢者は心と体の結びつきが強くなるため、心が弱ると体が弱るように、体が弱ると心も弱ってしまいます。 私が以前勤務していた高齢者専門の総合病院、浴風会病院で経験したことですが、高齢者の一般科(精神科以外)の入院患者の2割程度がうつ病に陥っていました。当時の浴風会病院は300床の入院病棟に対して、精神科の常勤医が4人もいましたので、ちょっと心の具合が悪くなると精神科医が併診(内科や整形外科の主治医のほかに診療)していました。高齢者をきちんと診る体制があれば、入院患者の2割程度にうつ病が見つかるのです。 アメリカのいくつかの研究でも、高齢者が入院すると2割程度の患者がうつ病になるとされています。 ということで、うつ病というのは高齢者にとっては身近な病気なのですが、その怖さは意外に知られていません。うつ病が自殺につながることもあります。自殺は65~69歳では死因順位の7位です(2022年)。年をとるほどほかの病気で死ぬことが増えるので、70歳以上では死因順位のベスト10からはずれますが、自殺の死亡率はほかの年代より実は高いのです。 自殺に至らなくても、意欲などがなくなってしまい、足腰が弱り、容姿もすっかり老け込むことが珍しくありません。さらに記憶力も落ちるので、すっかりボケたようになってしまうのです。 うつ病になると悲観的になり、自分が人に迷惑をかけているという罪悪感に苦しむことが多いものです。また体がだるく、食べるものも味がしないという症状も続きます。高齢者を長年診てきた私が、実は今後、最もなりたくないと恐れている病気がうつ病なのです』、「アメリカのいくつかの研究でも、高齢者が入院すると2割程度の患者がうつ病になるとされています。 ということで、うつ病というのは高齢者にとっては身近な病気なのですが、その怖さは意外に知られていません・・うつ病になると悲観的になり、自分が人に迷惑をかけているという罪悪感に苦しむことが多いものです。また体がだるく、食べるものも味がしないという症状も続きます。高齢者を長年診てきた私が、実は今後、最もなりたくないと恐れている病気がうつ病なのです」、なるほど。
・『太陽の光を浴びることが「うつ」の予防に有用  うつ病になったら脳内のセロトニンを増やす治療を行うことから、うつ病になる前からセロトニンを増やしておくのは、うつ病の有用な予防といえるはずです。セロトニンの材料はトリプトファンという「必須アミノ酸」ですが、肉や魚、大豆製品、乳製品、バナナなどに多く含まれています。これらの食品を多めに摂ることで、ある程度うつ病の予防ができると考えられています。 コレステロール値が上がることを心配し、肉類を敬遠する人がいますが、それが逆にうつ状態を悪化させると考えられます。実はコレステロール値が高い人のほうが、うつになりにくいことも明らかにされているのです。コレステロールにはセロトニンを脳に運ぶ役割があるとされていて、高齢になれば動脈硬化の予防より心の健康を優先させたほうがいいという考えから、私は肉を食べることをすすめています。 もう一つ重要なのは、太陽の光を浴びることです。 欧米では日照時間が少ない冬場(太陽が顔を見せない地域さえある)にうつ病が増えるといわれますし、高照度の光を当てる光療法という治療もあります。それほど人間の体にとって太陽の光は重要なものなのです。 太陽の光を浴びるとセロトニンの分泌が促されることは、もはや定説になっています。さらにいうと、セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料になるものですので、日光を浴びると眠りの質もよくなるとされています。 もうひとつ、セロトニンを増やすとされているのが、リズミカルな運動です。体を一定のリズムに合わせて動かすことに意味があり、動かす場所は咬筋と呼ばれる口の横の筋肉や、横隔膜など呼吸をする際に動かす呼吸筋など、どこでも大丈夫。リズミカルな呼吸や咀嚼がセロトニンを増やすのです。 本当にうつ病になってしまったら、このレベルのセロトニン増加法では不十分で、薬を飲んだほうがいいわけですが、予防の面でいえば、日常生活でセロトニンを増やすよう心がけることは、メンタルヘルスによい影響を与えるはずです』、「実はコレステロール値が高い人のほうが、うつになりにくいことも明らかにされているのです。コレステロールにはセロトニンを脳に運ぶ役割があるとされていて、高齢になれば動脈硬化の予防より心の健康を優先させたほうがいいという考えから、私は肉を食べることをすすめています。 もう一つ重要なのは、太陽の光を浴びることです。 欧米では日照時間が少ない冬場(太陽が顔を見せない地域さえある)にうつ病が増えるといわれますし、高照度の光を当てる光療法という治療もあります。それほど人間の体にとって太陽の光は重要なものなのです。 太陽の光を浴びるとセロトニンの分泌が促されることは、もはや定説になっています。さらにいうと、セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料になるものですので、日光を浴びると眠りの質もよくなるとされています。 もうひとつ、セロトニンを増やすとされているのが、リズミカルな運動です。体を一定のリズムに合わせて動かすことに意味があり、動かす場所は咬筋と呼ばれる口の横の筋肉や、横隔膜など呼吸をする際に動かす呼吸筋など、どこでも大丈夫。リズミカルな呼吸や咀嚼がセロトニンを増やすのです」、なるほど。
・『高齢者には「引き算医療」ではなく「足し算医療」を  うつになったら薬など効かないと思われがちですが、高齢者では薬が効果を発揮することが一般的です。 診察をしていると、脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、手も震え、配偶者を亡くし、「私はもう生きすぎました」などと嘆く高齢者を前に言葉を失うことがありますが、うつ病と診断し、薬を処方すると「年をとるというのは、こんなものなのでしょうね」と笑顔も戻り、食欲も復活して驚くことがあります。 新潟県の旧松之山町(現十日町市)では、新潟大学医学部精神科が中心になって自殺予防活動を行ってきました。うつ病の程度についてスクリーニング検査をしたあと、診療所の医師や保健師からも情報を得て、うつ病の可能性のある人に面接を行い、診断を下します。うつ病と診断された高齢者の治療方針、処遇は精神科医が決定し、保健福祉的ケアを保健師が担当しました。 すると以前は10万人当たり434.6人であったこの町の高齢者の自殺率が、10年間の活動後には123.1人と激減したのです。つまり、うつ病と診断されても、きちんと治療を受ければ自殺が7割以上も減るのです。 実は、このうつ病という病気は若い人ほど心理的問題がからむとされ、薬が効きにくいといわれています。日本うつ病学会でも25歳までは薬よりカウンセリングによる治療を推奨しています。しかし、高齢になると脳内の神経伝達物質であるセロトニンが減少していくためか、薬が効きやすいのです。 最近の研究では、うつ病を放置し、脳内のセロトニン不足が続くと、神経細胞に変性が起こりやすくなり、認知症にもなりやすくなるとされています。 私は高齢になるほど検査の異常値を叩いてその値を落とす「引き算医療」より、ホルモンやビタミンなど体に足りないものを足していく「足し算医療」をすすめるようにしているのですが、脳内のセロトニンを増やすことは最も重要な足し算医療のひとつだと考えています』、「最近の研究では、うつ病を放置し、脳内のセロトニン不足が続くと、神経細胞に変性が起こりやすくなり、認知症にもなりやすくなるとされています。 私は高齢になるほど検査の異常値を叩いてその値を落とす「引き算医療」より、ホルモンやビタミンなど体に足りないものを足していく「足し算医療」をすすめるようにしているのですが、脳内のセロトニンを増やすことは最も重要な足し算医療のひとつだと考えています」、私の場合、コレステロール過多を注意されるが、反面、うつにはなり難い体質であることを知って一安心した。
タグ:高齢化社会 (その27)(「高齢だから運転は危ない」は根拠なし!精神科医が教える免許返納の正しいタイミングとは?、精神科医・和田秀樹が教える、健康長寿の人がやっている「2つの習慣」とは?) ダイヤモンド・オンライン 和田秀樹氏による「「高齢だから運転は危ない」は根拠なし!精神科医が教える免許返納の正しいタイミングとは?」 和田秀樹『老いたら好きに生きる 健康で幸せなトシヨリなるために続けること、始めること、やめること』(毎日新聞出版) 「心配なら、同時に血液をサラサラにするといわれる食材を多めに摂る、水分を多めに摂る、運動を欠かさないなど、必要な予防策をとればいいだけです。それすら行わず、コレステロールだけを危険視するのは間違いです。 高齢者にとってコレステロールは不可欠なものですので、罪悪感など持たず美味しく食べていいのです」、私も健康診断で「コレステロール値」の高さを指摘されているが、確かに和田氏が主張する通りだ。 「確かに高齢者、中でも75歳以上の事故は多いですが、それでも16~24歳の事故件数のほうがずっと多いのです。その現実から目を背けて、高齢者の運転は危険だと決めつけ、免許を返納させるのは間違いです。 「高齢の人は認知機能が衰えているから車の運転は危ない」というのは、根拠のない決めつけで差別です」、 我が家でも女房や子供たちによる「免許返納」への圧力は強い、その度に、和田氏の記事を富ませることで抵抗している。 「今、できていることが減らなければ、少なくとも今のADL(日常生活動作)のレベルは、かなりの期間にわたって保たれるのです。可能なら新しいことにチャレンジしてほしいと思いますが、できないことも増えていくでしょう。それでも必要以上に落ち込まず、今できることに感謝してそれを続ける努力だけは重ねてほしいと思います」、その通りだ。 和田秀樹氏による「精神科医・和田秀樹が教える、健康長寿の人がやっている「2つの習慣」とは?」 「うつ病に罹患して亡くなる際の原因は、若い人の場合、自死がほとんどですが、高齢者の場合、体力の低下が原因で亡くなってしまうということも珍しくありません。なぜなら、高齢者がうつ病になると食欲不振になり、簡単に脱水を起こしてしまうからです。 脱水というのは血液中の水分が足りなくなる状態で、血液濃度が高くなるため脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなりますし、脱水症状があると免疫機能も落ちて肺炎も起こりやすくなります。その結果、最悪死に至ることもあり得るというわけです・・・ うつ病になるとNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が半分程度に下がるとされています。 このNKというのは体内にできた出来損ないの細胞を掃除してくれる免疫細胞で、この細胞の活性が高ければがんになりにくいとされています。ところが順天堂大学医学部特任教授の奥村康先生らの研究では、この活性が40代になると20代の半分、70代になると10分の1に落ちるというのです。 もともと免疫活性が低い高齢者ほど心の具合が悪くなることは危険です。免疫活性がさらに下がり、そのダメージは大きいからです」、なるほど。 「アメリカのいくつかの研究でも、高齢者が入院すると2割程度の患者がうつ病になるとされています。 ということで、うつ病というのは高齢者にとっては身近な病気なのですが、その怖さは意外に知られていません・・うつ病になると悲観的になり、自分が人に迷惑をかけているという罪悪感に苦しむことが多いものです。また体がだるく、食べるものも味がしないという症状も続きます。高齢者を長年診てきた私が、実は今後、最もなりたくないと恐れている病気がうつ病なのです」、なるほど。 「実はコレステロール値が高い人のほうが、うつになりにくいことも明らかにされているのです。コレステロールにはセロトニンを脳に運ぶ役割があるとされていて、高齢になれば動脈硬化の予防より心の健康を優先させたほうがいいという考えから、私は肉を食べることをすすめています。 もう一つ重要なのは、太陽の光を浴びることです。 欧米では日照時間が少ない冬場(太陽が顔を見せない地域さえある)にうつ病が増えるといわれますし、高照度の光を当てる光療法という治療もあります。それほど人間の体にとって太陽の光は重要なものなのです。 太陽の光を浴びるとセロトニンの分泌が促されることは、もはや定説になっています。さらにいうと、セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料になるものですので、日光を浴びると眠りの質もよくなるとされています。 もうひとつ、セロトニンを増やすとされているのが、リズミカルな運動です。体を一定のリズムに合わせて動かすことに意味があり、動かす場所は咬筋と呼ばれる口の横の筋肉や、横隔膜など呼吸をする際に動かす呼吸筋など、どこでも大丈夫。リズミカルな呼吸や咀嚼がセロトニンを増やすのです」、なるほど。 「最近の研究では、うつ病を放置し、脳内のセロトニン不足が続くと、神経細胞に変性が起こりやすくなり、認知症にもなりやすくなるとされています。 私は高齢になるほど検査の異常値を叩いてその値を落とす「引き算医療」より、ホルモンやビタミンなど体に足りないものを足していく「足し算医療」をすすめるようにしているのですが、脳内のセロトニンを増やすことは最も重要な足し算医療のひとつだと考えています」、私の場合、コレステロール過多を注意されるが、反面、うつにはなり難い体質であることを知って一安心した。
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小池都知事問題(その12)(ドッチラケだった都知事候補4人討論会…顔ぶれ中途半端、公平性担保でむしろアンフェア、「小池vs蓮舫」の都知事選"何でもあり"の異常事態 売名目的も多数で候補者56人、掲示板に継ぎ足し、都知事選に出馬する蓮舫氏の実態 「親共産、反自民、非小池都政」【佐藤優】、《都知事選「ほぼ裸ポスター」問題》自らの“みだら写真”を貼った女性は迷惑防止条例違反にあたるのか 弁護士の見解は) [国内政治]

小池都知事問題については、本年6月13日に取上げた。今日は、(その12)(ドッチラケだった都知事候補4人討論会…顔ぶれ中途半端、公平性担保でむしろアンフェア、「小池vs蓮舫」の都知事選"何でもあり"の異常事態 売名目的も多数で候補者56人、掲示板に継ぎ足し、都知事選に出馬する蓮舫氏の実態 「親共産、反自民、非小池都政」【佐藤優】、《都知事選「ほぼ裸ポスター」問題》自らの“みだら写真”を貼った女性は迷惑防止条例違反にあたるのか 弁護士の見解は)である。

先ずは、本年6月20日付けdmenuニュースが転載した日刊ゲンダイ「ドッチラケだった都知事候補4人討論会…顔ぶれ中途半端、公平性担保でむしろアンフェア」を紹介しよう。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nikkangendai/life/nikkangendai-1051491
・『予想通り、消化不良だった。東京都知事選の告示前日の19日、日本記者クラブで行われた候補者の公開討論。呼ばれたのは、学歴詐称疑惑の再燃をものともせずに3選を目指す小池百合子知事(71)、「反自民党、非小池都政」を掲げる前参院議員の蓮舫氏(56)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)の4人。セットされたのは1時間だけ。議論はちっとも煮詰まらず、ドッチラケだった。 今夏の首都決戦には史上最多の50人ほどが名乗り。これまで過去最多だった4年前の22人から倍増だ。そうした事情もあって、討論に「どこまで呼ぶか」でひと悶着あったという。 「今回の構図は小池氏と蓮舫氏による事実上の与野党対決。小池氏が逃げ切るか、蓮舫氏が追い上げるか。三つ巴の戦いは想定されていません。有権者の投票行動に資することを第一に考えれば、2人の1対1討論で問題点をあぶり出すべきだという意見があった。一方で、候補者に対する公平性を担保するため、首長経験のある石丸氏らも呼ぶべきだとの声もあり、網が広げられた」(大手紙記者) 田母神氏は「普通の保守系の都民が投票する人がいない」という理由で2度目の挑戦。もっとも、2014年の選挙をめぐり、公職選挙法違反(買収)で有罪が確定し、5年間の公民権停止を食らっている。だったら、知名度のあるタレントの清水国明氏(73)はなぜはじかれたのか。災害支援活動を生かした減災政策の充実を訴えている。陣営関係者は「勝敗に絡む得票数が見込めないと軽く見られたのでしょう」と寂しげだ。 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。 「このクラブ討論はむしろフェアじゃない。争点のひとつと言っていい小池氏の公選法違反(虚偽事項公表罪=学歴詐称)疑惑を深掘りさせないために、人数を増やしたのではないか。そんな印象が拭えません。小池氏を応援する自民党や公明党の支持者は高齢者が多く、NHKなどの大手メディアしか見ていない人が少なくないですから、今回も小池氏にまんまとだまされてしまうかもしれない。カイロ大の元幹部が学歴詐称を打ち消すために表に出てきたり、イカサマのにおいがますます強まっている。小池3選を許せば、民主主義の根幹をなす選挙は台無しです」 蓮舫はこの4人による討論会の継続開催を求めていたが、どうなるか』、「「今回の構図は小池氏と蓮舫氏による事実上の与野党対決。小池氏が逃げ切るか、蓮舫氏が追い上げるか。三つ巴の戦いは想定されていません。有権者の投票行動に資することを第一に考えれば、2人の1対1討論で問題点をあぶり出すべきだという意見があった。一方で、候補者に対する公平性を担保するため、首長経験のある石丸氏らも呼ぶべきだとの声もあり、網が広げられた」(大手紙記者) 田母神氏は「普通の保守系の都民が投票する人がいない」と・・・「政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。 このクラブ討論はむしろフェアじゃない。争点のひとつと言っていい小池氏の公選法違反(虚偽事項公表罪=学歴詐称)疑惑を深掘りさせないために、人数を増やしたのではないか。そんな印象が拭えません。小池氏を応援する自民党や公明党の支持者は高齢者が多く、NHKなどの大手メディアしか見ていない人が少なくないですから、今回も小池氏にまんまとだまされてしまうかもしれない。カイロ大の元幹部が学歴詐称を打ち消すために表に出てきたり、イカサマのにおいがますます強まっている。小池3選を許せば、民主主義の根幹をなす選挙は台無しです」 蓮舫はこの4人による討論会の継続開催を求めていたが、どうなるか」、「本澤二郎氏」の解釈は説得的だ。それにしても、「蓮舫氏」が「この4人による討論会の継続開催を求めていた」とは残念だ。本来の「与野党対決」に持ち込むべきなのに、すっかり小池側の手のなかにあるようだ。まだまだ未熟のようだ。

次に、6月20日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「「小池vs蓮舫」の都知事選"何でもあり"の異常事態 売名目的も多数で候補者56人、掲示板に継ぎ足し」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/764944
・『都民だけでなく全国民が注目する東京都知事選が6月20日に告示され、56人という過去最多の立候補者による多彩な選挙活動がスタートした。7月7日投開票の「七夕決戦」となり、「その結果は、支持率低迷にあえぐ岸田文雄首相の政権運営にも大きな影響を及ぼす」(政治ジャーナリスト)ことは間違いない。 話題満載の首都決戦の“主役”は、やはり3選に挑む小池百合子知事(71)と立憲民主党参院議員だった蓮舫氏(56)という「政治家としての知名度や実績が群を抜く二人の女傑」(政治ジャーナリスト)だ。ただ、“脇役陣”もこれまで以上に多士済々で、「巨大都市・東京」の次の顔を巡る選挙戦は、「異例づくめで、異様さも際立つ展開」(同)が想定される。このため、岸田首相をはじめ、与野党首脳らはそれぞれの立場から「固唾をのんで結末を見守る」(自民幹部)ことになりそうだ』、どうもマスコミには、「二人の女傑」の争いを他の多くの候補者にかまけて薄めようとの狙いがありそうだ。
・『注目集める「似た者同士」の闘い  告示前から、主要メディアが「どちらが勝つか」と煽り立てている「小池vs蓮舫」だが、そもそも、「首相とも比肩される都知事が“女の闘い”となるのは史上初」(自民幹部)となる。しかも、小池、蓮舫両氏は「いずれも民放テレビのキャスターを経て中央政界に華々しくデビューし、主要政党の党首も経験して初の女性首相候補と目されてきた似た者同士」(政治ジャーナリスト)だけに、「注目度の高さは過去最高」(選挙アナリスト)とみる向きが多い。 その一方で、今回都知事選には、前安芸高田市長・石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長・田母神俊雄氏(75)、有名タレント・清水国明氏(73)らが参戦。さらに、先の衆院東京15区補欠選挙での度を超えた他候補攻撃で警視庁に公職選挙法違反容疑で逮捕され、現在も拘置中のつばさの党代表・黒川敦彦氏(45)も立候補している。) これら知名度の高い各候補は、黒川氏以外は政党色のない無所属で、メディアや各関連団体の「候補者討論会」にはそれぞれの立場で参加する構えだ。その一方で、近年急速に拡大しているいわゆる「SNS選挙」として、ネット上でも独自のアピールを展開する候補も多く、選挙アナリストの間では、「ネット選挙がどれだけ得票に結びつくかを検証できる絶好のチャンス」(有力アナリスト)とも言われている。 さらに、今回の「小池vs蓮舫」の政治的位置づけでは、両氏とも無所属での出馬だが、小池氏は自民、公明両党と地域政党「都民ファーストの会」に加え、連合や国民民主党が支持する構え。対する蓮舫氏は、立憲民主、共産、社民の各党が前面に出て支援する方針のため、「事実上の保革対決の構図」(選挙アナリスト)となっている。 東京都選挙管理委員会によると、19日現在の選挙人名簿登録者数は1153万3132人。前回都知事選の告示日前日に比べ約6万4000人多い。その上、「巨大都市・東京はその経済規模でも欧州の中堅国会に比肩する」(政治ジャーナリスト)こともあり、「世界でも例の少ない空前の大都市選挙」(同)であることは間違いない』、「事実上の保革対決の構図」が候補者乱立のため、「「主要4氏」が候補者討論会で舌戦」と形を変えたのは「蓮舫氏」には不利に作用したようだ。
・『「主要4氏」が候補者討論会で舌戦  こうした状況を踏まえ、告示前日の19日夕刻には、多くのメディアが「主要候補」と位置づけている小池、蓮舫、石丸、田母神の4氏が、恒例の「日本記者クラブ候補者討論会」で舌戦を展開。NHKの完全中継だけでなく、民放各局も定時ニュースや情報番組などで「ハイライト」として報じた。また、ネット上でも各媒体が生中継し、X(旧ツイッター)での書き込みでも「候補者討論会」がトレンド上位となった。 討論会は合計1時間余と短かく、候補者同士の質疑応答と、クラブ側からの代表質問の二部構成で進行。冒頭には4氏がボードで「政治屋の一掃」(石丸氏)、「首都防衛・大改革3.0」(小池氏)、「若者の手取り増・ガラス張りの都政」(蓮舫氏)、「結果を出す政治」(田母神氏)と掲げて所信を熱い口調でアピールした。) さらに、代表質問を軸に、少子化対策、原発とエネルギー政策という重要課題から、神宮外苑の再開発の是非や小池氏の学歴詐称疑惑まで、多岐にわたる論戦を展開。4氏とも20日からの選挙戦本番での街頭演説や各種討論会でも連日相まみえることになりそうだ』、「多くのメディアが「主要候補」と位置づけている小池、蓮舫、石丸、田母神の4氏が、恒例の「日本記者クラブ候補者討論会」で舌戦を展開。NHKの完全中継だけでなく、民放各局も定時ニュースや情報番組などで「ハイライト」として報じた。また、ネット上でも各媒体が生中継し、X(旧ツイッター)での書き込みでも「候補者討論会」がトレンド上位となった。 討論会は合計1時間余と短かく、候補者同士の質疑応答と、クラブ側からの代表質問の二部構成で進行。冒頭には4氏がボードで「政治屋の一掃」(石丸氏)、「首都防衛・大改革3.0」(小池氏)、「若者の手取り増・ガラス張りの都政」(蓮舫氏)、「結果を出す政治」(田母神氏)と掲げて所信を熱い口調でアピールした」、主要メディアはすっかり小池氏の狙いに乗せられたようだ。
・『半世紀前の「美濃部vs石原」と同様の競り合いか  そこで、改めて都知事選の歴史などを振り返ると、現職が立候補した場合はすべて勝利しており、もし小池氏が敗れれば史上初の事態となる。また、投票率の推移をみると、1971年の72.36%が最高で、1987年の43.19%が最低。小池氏が出馬した2016年は59.73%、2020年は55.00%と近年では高率となっており、「話題性が高い今回は60%を超える可能性がある」(選挙アナリスト)との指摘も多い。 そうした中、今回と対比されるのが、現職と新人の大接戦となった1975年の美濃部亮吉知事(3選出馬)と石原慎太郎前参院議員(いずれも当時)の対決。結果的に美濃部氏268万余、石原氏233万余の得票で美濃部氏が3選に成功したが、「史上初の200万票台の競り合いという構図は今回にも当てはまる」(同)との見方も少なくない。 その一方で、注目度が高い都知事選だけにこれまでも「売名目的の立候補者の多さ」(同)が話題となってきたが、今回の立候補者数は、過去最多だった前回2020年の22人を大幅に上回る56人に激増。このため都内各所に設置される候補者の選挙ポスターを貼る掲示板も前回の倍以上となる大きさの48人分を用意していたが、それでも8人分不足し、都選管は49人目以降の届け出候補者分については当該各候補者にクリアファイルなどを支給し、それぞれが自ら掲示板に固定するよう求めることにした。こうした一連の作業のあおりで本来の都選管の業務遂行にも支障が出る事態ともなった。) さらに、政治団体「NHKから国民を守る党」(立花孝志党首)がなんと24人もの候補者を立て、現行の公職選挙法の“抜け穴”を突く形で、掲示板の占拠部分を“販売”して資金調達するという「狡猾な手法」(同)も表面化した』、「政治団体「NHKから国民を守る党」(立花孝志党首)がなんと24人もの候補者を立て、現行の公職選挙法の“抜け穴”を突く形で、掲示板の占拠部分を“販売”して資金調達するという「狡猾な手法」(同)も表面化した」、こんな「現行の公職選挙法の“抜け穴”を突く形で、掲示板の占拠部分を“販売”して資金調達するという「狡猾な手法」」を許すべきではない。
・『「何でもありのカオス」にどう対応?  こうした選挙の本質とかけ離れた騒動は「次回以降もさらに拡大するのは確実」(都選管)で、その先駆けとして「今回都知事選はすべて異例ずくめで、しかも、選挙の在り方自体が問われかねない、まさに何でもありのカオス」(選挙アナリスト)となり、関係者の頭痛の種は増すばかりだ。 このため、政界関係者の間では「今後の国政選挙や地方選挙のルールの歪みを正すため、政府や与野党が早急に公選法改正などに取り組む必要がある」(自民選対)との声が高まっている。 ただ、「基本的人権の1つである立候補の自由とどう折り合いをつけるか」(選挙アナリスト)など難題が多く、1年後の次期参院選や2025年秋までには確実に実施される次期衆院選までに法改正などにこぎつけられるかどうかは極めて不透明だ』、「まさに何でもありのカオス」(選挙アナリスト)となり、関係者の頭痛の種は増すばかりだ。 このため、政界関係者の間では「今後の国政選挙や地方選挙のルールの歪みを正すため、政府や与野党が早急に公選法改正などに取り組む必要がある」(自民選対)との声が高まっている」、なるほど。

第三に、6月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・元外務省主任分析官の佐藤 優氏による「都知事選に出馬する蓮舫氏の実態、「親共産、反自民、非小池都政」【佐藤優】」を紹介しよう。
・『6月20日に告示、7月7日に投開票が行われる今回の都知事選挙には40人以上が立候補の意向を表明。蓮舫氏は国政レベルでの政権交代を目指している?今回の都知事選は、共産党を含む政治勢力が都の権力を握ることの是非が争点に…。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が読み解く』、興味深そうだ。
・『今回の選挙で鍵を握る日本共産党は、蓮舫氏の支持を表明  東京都の小池百合子知事(71)がようやく、3期目を目指して出馬することを明らかにしました。6月20日に告示、7月7日に投開票が行われる今回の都知事選挙には40人以上が立候補の意向を表明、過去最多だった前回の22人を大きく更新する見通しです。 しかし事実上、現職の小池知事と、無所属で立候補する立憲民主党参議院議員の蓮舫氏(56)、広島県安芸高田市の石丸伸二・前市長(41)らの間で争われることになります。 蓮舫氏は、5月27日に立候補の記者会見を開きました。同日の「日本経済新聞」電子版は、こう伝えています。 〈「反自民党政治、非小池都政の姿勢で都知事選に臨みたい」と明言した。 自民党派閥の政治資金問題を受け、衆院3補欠選挙で立憲民主党が3勝し、26日投開票の静岡県知事選でも立民が推薦した候補が勝利したと強調した。「国民の声ははっきりしている。自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットしてほしい。その先頭に立つのが私の使命だ」と強調した』、「立憲民主党」が前面に立つのは当然だ。
・『共産党との共闘は国の体制転換にまで関わる  大企業の利益を代表する経団連は、共産党だけは絶対に支持しません。立憲民主党の有力な支持母体である連合傘下に労働組合を持つ企業も、ほとんどが経団連に加盟する大企業です。 共産党との共闘をここまで明確にした蓮舫氏を、連合はどこまで支持してくれるのか。連合の芳野友子会長は「連合は共産党とは考え方が全く違う。そこの考え方を再度、立憲民主党には申し上げることになる」と述べています。 前回の都知事選で、連合東京が小池知事を支持したことも忘れてはなりません。蓮舫氏は共産党を除いて“反自民”だけ打ち出した方が、よほど票になったのではないでしょうか。 蓮舫氏の姿勢を、マスメディアは「反自公、非小池都政」と表現しています。しかしこれでは、最重要事項が隠れてしまいます。実態は「親共産、反自民、非小池都政」なのです。 ようやく、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が5月31日に、「共産党と連携する人が東京の知事では困る」と述べましたが、今回の都知事選は、共産党を含む政治勢力が都の権力を握ることの是非が争点になります。 ここまでけんかを売られた以上、自民党は小池知事を応援せざるを得ません。見返りとして、都知事選と同じ日に行われる八つの都議の補選で、小池知事側の支援を得たいという思惑もあります。公明党の支持母体である創価学会も、蓮舫氏を都知事にしないために全力を挙げます。 その上で蓮舫氏が国政レベルでの政権交代を目指していることは、以下の発言から明白です。 〈(蓮舫氏は)「日本の政治の行方と都民の命、暮らしがかかった大事な選挙だ」と強調。「首都東京から日本の政治の流れを変え、岸田自公政権に審判を下していく」と述べました。 小池(晃)氏は「同時に小池都政は財界の目先の利益だけを最優先にしている自民党政治そのものだ。2期8年間の小池都政の転換を実現するという立場で選挙戦に臨み、必ず勝利したい」と語りました〉(5月27日「しんぶん赤旗」) 東京都には都政独自の課題があり、都民の生活を良くしてくれる知事を選ぶために行われるのが都知事選です。にもかかわらず蓮舫氏は、「首都東京から日本の政治の流れを変え、岸田自公政権に審判を下していく」と述べました。都知事になることは手段にすぎず、真の目的は自公連立政権を打倒することだと述べたのです。 筆者の臆測が現実にならないことを願うばかりですが、ここで参院議員を辞任して都知事選に出馬し、仮に落選したならば次は衆議院選に打って出て、総理の座を目指す。そんな考えがあるとしたら、東京都民を愚弄していることになります。 しかし一般の新聞を読んでいるだけでは、そんな臆測もできません。ここに紹介したように蓮舫氏の発言を最も詳しく説明している「しんぶん赤旗」を丁寧に読まなければ、真意はつかめないのです。 一連の発言からみて、「蓮舫氏は共産党を、未来の政権のパートナーとして考えている」というのが筆者の受け止めです。共産党の田村智子委員長も同調するように、5月29日に「蓮舫さんを全力で応援する。都政を変え、国政を大きく転換する流れを東京から全国へ広げていきたい」と宣言しました。 どうやら今回の都知事選は、国政並みの意味合いを帯びてきたようです。政権交代どころか、国の体制転換まで内包した大きな選挙になったといえます。) 今回の選挙で鍵を握るのが、日本共産党です。共産党は早々と、蓮舫氏への支持を表明しました。5月27日の「しんぶん赤旗」は、次のように報じています。〈(共産党初期局長の)小池(晃)氏は選定委後の記者会見で、蓮舫氏が都知事選への立候補を表明したことについて「最強・最良の候補者が名乗りを上げてくれた。日本共産党として、勝利のために全力を尽くしたい」と表明しました〉 蓮舫氏も、共産党との協力に意欲的です。出馬会見で、支援を受ける意思を明確にしました。 〈これまでの市民と野党の共闘をベースに「反自民、非小池都政のオール東京の枠組みで支援いただきたい」と述べ、「共産党も含めた野党共闘をやらなければ勝てないのでは」という記者の質問に対して「いまおっしゃった方たちとの信頼関係ももちろん大事にしていきたい」と答えた〉(同前)
 29日には都議会の共産党控室を訪れ、「一緒に明るい温かな東京をつくらせていただきたい」とあいさつして、大山とも子・都議団長から花束を受け取っています。 蓮舫氏は、共産党の組織票を計算しているはずです。しかし、人気がないだけの立憲民主党と違い、共産党に対しては忌避反応を示す個人や組織がどれだけ多いかを、考えているでしょうか』、「共産党」はここは一歩引いて、「蓮舫氏」を裏面から支持する形とすれば、「連合」や「国民民主党」も「蓮舫氏」を支持し易かった筈だ。「蓮舫氏」も残念ながら考えが浅いようだ。

第四に、6月21日付けNEWSポストセブン「《都知事選「ほぼ裸ポスター」問題》自らの“みだら写真”を貼った女性は迷惑防止条例違反にあたるのか 弁護士の見解は」を紹介しよう。
・『東京都知事選(7月7日投開票)が6月20日に告示され、過去最多となる56人もの立候補者が出たことが話題となっている。都内各地に設置されたポスター掲示場では、「NHKから国民を守る党」が大量に同一のポスターを貼っていることなどが騒ぎとなっているが、そうした中で異例の動きがあったのが「ほぼ裸」の女性の姿を大写しにしたポスターの問題だった。 白塗りメイクで“ジョーカー議員”を自称する河合悠祐候補(43)が貼ったもので、「子どもが見る場所にこんなものを貼るな」と批判が殺到。警視庁にも苦情が寄せられた。 これを受けて警視庁は告示当日の夜に河合候補を呼び出し、東京都迷惑防止条例違反(ひわいな言動)に当たるとして口頭で警告。みだらな姿の女性の裸体が強調されていることが条例違反に当たる可能性があると指摘されたという。 同候補は警視庁前で報道陣の取材に応じ、「都迷惑防止条例に違反する可能性があるということで警告をいただいた。速やかに剥がすように求められた。それに従って剥がしていく」と語ったうえで、「合法の範囲だと思っていた」「性的な表現の自由も強く保障するべきと思っている」とも主張した。 問題となったポスターの上部には「モデル:桜井MIU」と記されており、実際に彼女が河合候補と一緒にポスター掲示場に貼る場面もSNSで拡散された』、全く呆れ果てるほどの悪ノリだ。公職選挙法の改正も検討すべきだろう。
タグ:dmenuニュース (その12)(ドッチラケだった都知事候補4人討論会…顔ぶれ中途半端、公平性担保でむしろアンフェア、「小池vs蓮舫」の都知事選"何でもあり"の異常事態 売名目的も多数で候補者56人、掲示板に継ぎ足し、都知事選に出馬する蓮舫氏の実態 「親共産、反自民、非小池都政」【佐藤優】、《都知事選「ほぼ裸ポスター」問題》自らの“みだら写真”を貼った女性は迷惑防止条例違反にあたるのか 弁護士の見解は) 小池都知事問題 日刊ゲンダイ「ドッチラケだった都知事候補4人討論会…顔ぶれ中途半端、公平性担保でむしろアンフェア」 「「今回の構図は小池氏と蓮舫氏による事実上の与野党対決。小池氏が逃げ切るか、蓮舫氏が追い上げるか。三つ巴の戦いは想定されていません。有権者の投票行動に資することを第一に考えれば、2人の1対1討論で問題点をあぶり出すべきだという意見があった。一方で、候補者に対する公平性を担保するため、首長経験のある石丸氏らも呼ぶべきだとの声もあり、網が広げられた」(大手紙記者) 田母神氏は「普通の保守系の都民が投票する人がいない」と・・・「政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。 このクラブ討論はむしろフェアじゃない。 争点のひとつと言っていい小池氏の公選法違反(虚偽事項公表罪=学歴詐称)疑惑を深掘りさせないために、人数を増やしたのではないか。そんな印象が拭えません。小池氏を応援する自民党や公明党の支持者は高齢者が多く、NHKなどの大手メディアしか見ていない人が少なくないですから、今回も小池氏にまんまとだまされてしまうかもしれない。カイロ大の元幹部が学歴詐称を打ち消すために表に出てきたり、イカサマのにおいがますます強まっている。小池3選を許せば、民主主義の根幹をなす選挙は台無しです」 蓮舫はこの4人による討論会の継続開催を求めていたが、どうなるか」、「本澤二郎氏」の解釈は説得的だ。それにしても、「蓮舫氏」が「この4人による討論会の継続開催を求めていた」とは残念だ。本来の「与野党対決」に持ち込むべきなのに、すっかり小池側の手のなかにあるようだ。まだまだ未熟のようだ。 東洋経済オンライン 泉 宏氏による「「小池vs蓮舫」の都知事選"何でもあり"の異常事態 売名目的も多数で候補者56人、掲示板に継ぎ足し」 どうもマスコミには、「二人の女傑」の争いを他の多くの候補者にかまけて薄めようとの狙いがありそうだ。 「事実上の保革対決の構図」が候補者乱立のため、「「主要4氏」が候補者討論会で舌戦」と形を変えたのは「蓮舫氏」には不利に作用したようだ。 「多くのメディアが「主要候補」と位置づけている小池、蓮舫、石丸、田母神の4氏が、恒例の「日本記者クラブ候補者討論会」で舌戦を展開。NHKの完全中継だけでなく、民放各局も定時ニュースや情報番組などで「ハイライト」として報じた。また、ネット上でも各媒体が生中継し、X(旧ツイッター)での書き込みでも「候補者討論会」がトレンド上位となった。 討論会は合計1時間余と短かく、候補者同士の質疑応答と、クラブ側からの代表質問の二部構成で進行。 冒頭には4氏がボードで「政治屋の一掃」(石丸氏)、「首都防衛・大改革3.0」(小池氏)、「若者の手取り増・ガラス張りの都政」(蓮舫氏)、「結果を出す政治」(田母神氏)と掲げて所信を熱い口調でアピールした」、主要メディアはすっかり小池氏の狙いに乗せられたようだ。 こんな「現行の公職選挙法の“抜け穴”を突く形で、掲示板の占拠部分を“販売”して資金調達するという「狡猾な手法」」を許すべきではない。 「まさに何でもありのカオス」(選挙アナリスト)となり、関係者の頭痛の種は増すばかりだ。 このため、政界関係者の間では「今後の国政選挙や地方選挙のルールの歪みを正すため、政府や与野党が早急に公選法改正などに取り組む必要がある」(自民選対)との声が高まっている」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン 佐藤 優氏による「都知事選に出馬する蓮舫氏の実態、「親共産、反自民、非小池都政」【佐藤優】」 「立憲民主党」が前面に立つのは当然だ。 「共産党」はここは一歩引いて、「蓮舫氏」を裏面から支持する形とすれば、「連合」や「国民民主党」も「蓮舫氏」を支持し易かった筈だ。「蓮舫氏」も残念ながら考えが浅いようだ。 NEWSポストセブン「《都知事選「ほぼ裸ポスター」問題》自らの“みだら写真”を貼った女性は迷惑防止条例違反にあたるのか 弁護士の見解は」 「ほぼ裸」の女性の姿を大写しにしたポスターの問題 全く呆れ果てるほどの悪ノリだ。公職選挙法の改正も検討すべきだろう。
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食品一般(その1)(崩れたXmasケーキ騒動で高島屋が「原因の特定不可能」は結論急ぎすぎ? むしろ潔い?、「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違い…日本がレッドブルを生み出せなかった残念な理由とは?) [産業動向]

今日は、食品一般(その1)(崩れたXmasケーキ騒動で高島屋が「原因の特定不可能」は結論急ぎすぎ? むしろ潔い?、「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違い…日本がレッドブルを生み出せなかった残念な理由とは?)を取上げよう。

先ずは、昨年12月28日付け日刊ゲンダイ「崩れたXmasケーキ騒動で高島屋が「原因の特定不可能」は結論急ぎすぎ? むしろ潔い?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/334041
・『「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」──。ネット上でこんな声も聞かれるなどした、大手百貨店「高島屋」がネット販売した冷凍のクリスマスケーキが崩れた状態で購入者に届けられた問題。 問題のケーキは埼玉・羽生市の菓子メーカーが製造。「高島屋」が通販限定商品として税込み5400円で約2900個を予約販売。ヤマト運輸が22~25日に配送したのだが、直後から、SNS上では《ケーキがぐちゃぐちゃ》《ケーキが崩れてイチゴが散乱している!》といった投稿が続出していた。 この事態を受けて27日に会見を開いた「高島屋」によると、販売した2879個のうち、ケーキが崩れた状態で届いたのが807個(26日夜時点)だったという。 1年に1度のクリスマスの日を迎え、さあケーキを食べようとワクワクした気持ちで箱を開けたら潰れてイチゴが散乱していた、となれば購入者はさぞ落胆したに違いない』、「販売した2879個のうち、ケーキが崩れた状態で届いたのが807個(26日夜時点)だった」、「ケーキが崩れた」のはかなり高い割合だ。
・『「原因の特定は不可能」で炎上必至かと思いきや…  会見で「原因の特定は不可能」と発言した「高島屋」の横山和久代表取締役専務に対し、SNS上では《原因が分からなければ再発防止策できないのでは》《結論を出すのが早すぎる》《まだ何かあるのではないか》との声もあり、騒動はさらなる炎上必至かと思いきや、「高島屋」の姿勢に好印象を受けたという投稿も。) 《高島屋は「生産から流通を含め、商品を客の手元に届けするまでが販売者」「原因を特定できるような管理体制を構築できなかったことも会社の問題」と。全責任は高島屋にあると言い切った。くどくど言い訳しない姿勢が良かった》 《こういうケースの会見だと、あれこれ言い訳しつつ、第三者委員会を作ると言って時間稼ぎし、ほとぼりが冷めた頃に再発防止策が公表される。でも、高島屋はメーカーなどに責任を押し付けることなく、私たちが悪い。全責任を取ると。これが不祥事が発生した時の危機管理だろう》 果たして「原因の特定不可能」の結論は急ぎ過ぎか、それとも危機管理対応なのか』、「高島屋」が「原因の特定は不可能」としつつも、「くどくど言い訳」せず、「「原因を特定できるような管理体制を構築できなかったことも会社の問題」と。全責任は高島屋にあると言い切った」のは、大したものだ。危機管理のお手本だ。

次に、本年/6月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違い…日本がレッドブルを生み出せなかった残念な理由とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/345800
・『「24時間戦えますか?」のキャッチフレーズで一世を風靡した第一三共のリゲインの主力商品が今年4月で出荷を終えました。栄養ドリンク市場は縮小している一方で、エナジードリンク市場は世界的に成長しています。「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違いとは?日本がレッドブルを生み出せなかったのには理由があるのです』、興味深そうだ。
・『栄養ドリンク市場は縮小 エナジードリンク市場は成長、違いは?  「24時間戦えますか?」のキャッチフレーズで一世を風靡した第一三共のリゲインの主力商品が今年4月で出荷を終えました。30年以上にわたって約20種類を販売してきましたが、今後はドリンク剤としては100ミリリットルのMJ-リゲインという商品のみの販売になります。 栄養ドリンク市場は2000年をピークに市場縮小傾向が続いているようです。私も20代から30代にかけては激務の毎日の中で、残業時間によく栄養ドリンクを飲んだものです。ただ管理職になったころから、24時間戦わなくなったせいでしょうか、栄養ドリンクはすっかり飲まなくなりました。 あくまで個人の振り返りですが、市場が縮小しているということは日本全体で似たような現象が起きているのかもしれません。 栄養ドリンク市場が縮小する一方で、世界的に市場拡大が続いているのがエナジードリンク市場です。 このふたつの市場、何が違うのかから説明する必要があるかもしれません。 栄養ドリンク市場の売れ筋商品の代表例はリポビタンDです。一方のエナジードリンク市場の代表格といえばレッドブルということになります。 ではこのふたつの製品の違いは何なのでしょう?実はこの説明はなかなか興味深い論点があるのです』、どう違うのだろう。
・『「分類」が違うことから売り方が大きく異なる  まずは公式説明から入りましょう。リポビタンDのような栄養ドリンクは医薬品ないしは医薬部外品に分類されます。一方のレッドブルなどのエナジードリンクは清涼飲料水に分類されます。 そのため、栄養ドリンクは疲労回復の効能をうたうことができます。一方でエナジードリンクは効能をうたうことはできず、なんとなく元気が出るようなイメージを訴求することしか法律では許されていません。 つぎに非公式な説明をしますと、レッドブルはもともとタイで圧倒的なシェアを持っていたリポビタンDに対抗する製品として地場の会社が発売したドリンクがルーツです。 その後、エナジードリンクの可能性に目をつけたオーストリアの企業がタイのレッドブルのグローバル市場での販売権を獲得します。 このオーストリアの企業がとにかくマーケティングがうまかったのです。味や成分を改良し、広告宣伝も果敢に投資して欧米市場で製品を売り込みます。 結果、世界中にエナジードリンク市場が生まれ、モンスターなど対抗ブランドも出現し、いまではエナジードリンク市場が世界の飲料の重要なセグメントにまで発展しています。 つまり非公式な説明によれば、もともと同じような競合商品だったのだけれども、売り方がうまいレッドブルが世界市場を制したという話でもあるのです』、「レッドブルはもともとタイで圧倒的なシェアを持っていたリポビタンDに対抗する製品として地場の会社が発売したドリンクがルーツ・・・オーストリアの企業がタイのレッドブルのグローバル市場での販売権を獲得します。 このオーストリアの企業がとにかくマーケティングがうまかったのです。味や成分を改良し、広告宣伝も果敢に投資して欧米市場で製品を売り込みます。 結果、世界中にエナジードリンク市場が生まれ、モンスターなど対抗ブランドも出現し、いまではエナジードリンク市場が世界の飲料の重要なセグメントにまで発展」、なるほど。
・『オロナミンCが国民的ドリンクになれた理由 リポビタミンDにはない「強み」とは?  実は非公式な栄養ドリンクの歴史にはもうひとつ面白い先行事例があります。 オロナミンCは「医薬品ないしは医薬部外品が栄養ドリンク」という定義に当てはまらない製品だということをご存じでしょうか? 大塚製薬のヒット商品であるオロナミンCも日本の栄養ドリンク市場を拡げようという野望から生まれた商品です。当時大塚製薬ではキングシローなどの栄養ドリンクを発売していたのですが、苦戦を強いられていました。 当時の開発陣が苦心をした結果、編み出したのがそれまで市場になかった「おいしいドリンク剤を開発する」というアイデアでした。1965年のことです。炭酸を加えることでオロナミンCはそれまで市場になかったおいしさを手にいれたのです。 ところがここで厚生省(当時)から待ったがかかります。「炭酸入り飲料は医薬用ドリンク剤として認めることはできない」というのです。 炭酸を抜いて医薬品とするか、炭酸入りで清涼飲料水として発売するか。当時の経営陣は悩んだすえに、オロナミンCをおいしいままで発売することに決めました。だからオロナミンCは清涼飲料水なのです。 当時のこの経営判断はもうひとつ別の未来を拓きます。医薬品でなくなった結果、大塚製薬はオロナミンCを一般の小売店で流通させることを決めるのです。当時の社長は、薬局よりも食料品店は10倍も多いのだから、これはチャンスだと社員にはっぱをかけたというエピソードも残っています。 結果的にオロナミンCはリポビタンDとは違う形で国民的な愛用ドリンクとなりました。 大村崑さんのCMと「元気ハツラツ」という効能をうたえないキャッチフレーズが日本中に浸透して、国民的に飲まれるようになったのです。 さて、ここまでの公式および非公式な歴史解説からみなさんはこの市場についてどうお感じになるでしょう。 リポビタンDが日本国内で圧倒的な地位を占める一方で、世界市場はレッドブルにとられてしまった。そして、そのやり方が有効なことは実はオロナミンCが日本国内で過去に証明していた。 そう考えると栄養ドリンク市場の縮小と、エナジードリンク市場の拡大については、ある種、感慨深いものがあります』、「炭酸を加えることでオロナミンCはそれまで市場になかったおいしさを手にいれたのです。 ところがここで厚生省(当時)から待ったがかかります。「炭酸入り飲料は医薬用ドリンク剤として認めることはできない」というのです。 炭酸を抜いて医薬品とするか、炭酸入りで清涼飲料水として発売するか。当時の経営陣は悩んだすえに、オロナミンCをおいしいままで発売することに決めました。だからオロナミンCは清涼飲料水なのです・・・医薬品でなくなった結果、大塚製薬はオロナミンCを一般の小売店で流通させることを決めるのです。当時の社長は、薬局よりも食料品店は10倍も多いのだから、これはチャンスだと社員にはっぱをかけたというエピソードも残っています。 結果的にオロナミンCはリポビタンDとは違う形で国民的な愛用ドリンクとなりました」、なるほど。
・『エナジードリンクは「清涼飲料水」だが問題点もある  栄養ドリンクとは少し違う話になるかもしれませんが、歴史という観点ではサプリメントについても触れておいたほうがいいかもしれません。 今の若い方はご存じないでしょうけれども、1980年代まではビタミン類は医薬品で、価格もかなり割高でした。 それがこの頃から日米貿易摩擦が激しくなり、アメリカ側の強い圧力があってサプリメントを医薬品ではなく食品として流通できるように制度が変わり、現在に至るのです。 その当時からアメリカはサプリメント大国でしたから、アメリカから安く輸入されたビタミンなどのサプリメントはあっという間に日本市場を席捲します。 アメリカでシェアが高かったネイチャーメイドのサプリメントの日本での販売権を大塚製薬が獲得したのですが、当時、アメリカから輸入したものをそのまま売っただけで日本市場では圧倒的に価格が安くなると大塚製薬の役員の方がおっしゃっていたのを思い出しました。 ビタミン剤が食品になったぐらいですから、その頃に、栄養ドリンクの分類も見直しておいたら、今頃、世界の栄養ドリンク市場の業界地図も変わっていたかもしれません。 さて、ここまでの説明ですと一方的にエナジードリンク市場拡大を礼賛しているようにも読めるので、バランスの意味でエナジードリンクの問題点も挙げておきます。 医薬品ないしは医薬部外品である栄養ドリンクは効能説明ができる一方で、適切な使用量も明記されます。しかし清涼飲料水であるエナジードリンクには適正な使用量の表記はありません。 実は健康的にはこのことが問題を引き起こす可能性があります。というのもエナジードリンクは元気になることを実感させるためにカフェインを多めに配合する傾向があるのです。 カフェインはたばこやアルコールと並んで適法な嗜好物・刺激物のひとつですが、取り過ぎが体に悪影響を及ぼすのはたばこやアルコールと同じです。 カフェインの場合、適量ならば意識がしゃっきりして、仕事がはかどります。朝、コーヒーを飲むと目がよく覚めるのと同じです。 しかし過剰に摂り過ぎるとカフェイン依存症のリスクが高まります。重症になると海外では死亡例も出るくらい注意が必要です。 一般にエナジードリンク1本にはコーヒー2杯分程度のカフェインが入っています。中毒を起こすにはエナジードリンクを1日7本ぐらい飲むレベルだといいますから、普通の飲み方ならば問題ないはずです。 ただ、たとえば仕事の追い込みで徹夜を乗り切ろうとしてエナジードリンクに頼ると、夜明けごろには気づくとそれくらい飲んでしまうかもしれませんね』、「1980年代まではビタミン類は医薬品で、価格もかなり割高でした。 それがこの頃から日米貿易摩擦が激しくなり、アメリカ側の強い圧力があってサプリメントを医薬品ではなく食品として流通できるように制度が変わり、現在に至るのです。 その当時からアメリカはサプリメント大国でしたから、アメリカから安く輸入されたビタミンなどのサプリメントはあっという間に日本市場を席捲します・・・エナジードリンクの問題点も挙げておきます。 医薬品ないしは医薬部外品である栄養ドリンクは効能説明ができる一方で、適切な使用量も明記されます。しかし清涼飲料水であるエナジードリンクには適正な使用量の表記はありません。 実は健康的にはこのことが問題を引き起こす可能性があります。というのもエナジードリンクは元気になることを実感させるためにカフェインを多めに配合する傾向があるのです・・・たとえば仕事の追い込みで徹夜を乗り切ろうとしてエナジードリンクに頼ると、夜明けごろには気づくとそれくらい飲んでしまうかもしれませんね」、やはりリスクも相応にあるようだ。
・『「カフェイン強化+高齢者向け」の飲料市場が広がるかもしれない  さて、この記事の最後にもうひとつ、あるアイデアについてお話をしたいと思います。 私はレッドブルの成功は極めてマーケティング的な成功だったと考えています。元気が出る飲料を手軽な缶入りにしてコーラと同じ場所で売り始めたら世界でバカ売れしたわけです。 それに気づかなかった反省から考えると、リポビタンDにもオロナミンCにもリゲインにも、これまでの主要市場とはまた別の、年々拡大する市場機会があるように感じます。 実は、私の家族で圧倒的に栄養ドリンクを消費していたのは私の父でした。20年近く前の話です。 当時、70代に入った頃から、父はとにかく元気が出ないという症状に悩んでいました。私も最近、同じ悩みを持っていますが、人生の中で初めて高齢者になるという経験をすると、それまでできたことができなくなることが増えてきます。元気でいるというのもそのできなくなることのひとつです。 それで父の家に遊びにいったときに「リポビタンDを買ってきてほしい」と言われたのです。親孝行としては安上がりだったので、行きに薬局でひと箱買って持っていったらずいぶんと喜ばれました。 家が近所なので訪ねるたびに買っていくようになり、年齢が上がるたびにリポビタンDではなく、タウリンが3000mgのものや、晩年はタウリン4000mgのものを喜ぶようになってきました。 そういう私も、当時の父よりはまだずいぶんと若いはずですが、何をしていても疲れが早く来るようになりました。それで当然ですがいろいろなものを試しています。 ビタミンのサプリメントは日常的に飲んでますし、骨や筋肉量を落さないようにカルシウムやプロテインも口にしています。そしてこれはあくまで個人の感想ですが、仕事中にしゃきっとするにはエナジードリンクが即効性がいいようです。たぶんカフェインのおかげでしょう。 その観点で振り返ると、少なくとも日本市場での現在のマーケティングにおいては栄養ドリンクもエナジードリンクも筋肉がマッチョな若者向けのイメージばかり目につきます。 私は経済の専門家なのでそういったマーケティング情報は無視してエナジードリンクや栄養ドリンクで疲れやすい日常をカバーしていますが、私の同世代から見れば今の栄養ドリンクのマーケティングは逆に情報バイアスになってしまっているのではないでしょうか。 マーケティング的に思考すれば、中身は似ていても売り方はまったく違う製品がこのジャンルに出現して、5年後の高齢者市場をそのようなドリンクが席捲する未来がくるかもしれません。 カフェイン強化な高齢者向けの手軽な飲料が、「おーい、元気?」とか「京都・五右衛門」「禿鷹」みたいな商品名で売り出されるようなイメージの話です。 リゲインの販売終了から「日本人が24時間戦わなくなった」ことが示唆される今日この頃ではありますが、24時間戦わなくなった日本人も、夜7時頃からの睡魔と戦っているのは事実です。 しゃきっと元気になりたい高齢者向けの市場も、世界市場の潜在規模は大きいと思いませんか?』、「マーケティング的に思考すれば、中身は似ていても売り方はまったく違う製品がこのジャンルに出現して、5年後の高齢者市場をそのようなドリンクが席捲する未来がくるかもしれません。 カフェイン強化な高齢者向けの手軽な飲料が、「おーい、元気?」とか「京都・五右衛門」「禿鷹」みたいな商品名で売り出されるようなイメージの話です。 リゲインの販売終了から「日本人が24時間戦わなくなった」ことが示唆される今日この頃ではありますが、24時間戦わなくなった日本人も、夜7時頃からの睡魔と戦っているのは事実です。 しゃきっと元気になりたい高齢者向けの市場も、世界市場の潜在規模は大きいと思いませんか?」、「日本人も、夜7時頃からの睡魔と戦っているのは事実です。 しゃきっと元気になりたい高齢者向けの市場も、世界市場の潜在規模は大きい」、その通りだ。 
タグ:食品一般 (その1)(崩れたXmasケーキ騒動で高島屋が「原因の特定不可能」は結論急ぎすぎ? むしろ潔い?、「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違い…日本がレッドブルを生み出せなかった残念な理由とは?) 日刊ゲンダイ「崩れたXmasケーキ騒動で高島屋が「原因の特定不可能」は結論急ぎすぎ? むしろ潔い?」 「販売した2879個のうち、ケーキが崩れた状態で届いたのが807個(26日夜時点)だった」、「ケーキが崩れた」のはかなり高い割合だ。 「高島屋」が「原因の特定は不可能」としつつも、「くどくど言い訳」せず、「「原因を特定できるような管理体制を構築できなかったことも会社の問題」と。全責任は高島屋にあると言い切った」のは、大したものだ。危機管理のお手本だ。 ダイヤモンド・オンライン 鈴木貴博氏による「「オロナミンC」と「リポビタンD」の決定的な違い…日本がレッドブルを生み出せなかった残念な理由とは?」 どう違うのだろう。 「レッドブルはもともとタイで圧倒的なシェアを持っていたリポビタンDに対抗する製品として地場の会社が発売したドリンクがルーツ・・・オーストリアの企業がタイのレッドブルのグローバル市場での販売権を獲得します。 このオーストリアの企業がとにかくマーケティングがうまかったのです。味や成分を改良し、広告宣伝も果敢に投資して欧米市場で製品を売り込みます。 結果、世界中にエナジードリンク市場が生まれ、モンスターなど対抗ブランドも出現し、いまではエナジードリンク市場が世界の飲料の重要なセグメントにまで発展」、なるほど。 「炭酸を加えることでオロナミンCはそれまで市場になかったおいしさを手にいれたのです。 ところがここで厚生省(当時)から待ったがかかります。「炭酸入り飲料は医薬用ドリンク剤として認めることはできない」というのです。 炭酸を抜いて医薬品とするか、炭酸入りで清涼飲料水として発売するか。当時の経営陣は悩んだすえに、オロナミンCをおいしいままで発売することに決めました。 だからオロナミンCは清涼飲料水なのです・・・医薬品でなくなった結果、大塚製薬はオロナミンCを一般の小売店で流通させることを決めるのです。当時の社長は、薬局よりも食料品店は10倍も多いのだから、これはチャンスだと社員にはっぱをかけたというエピソードも残っています。 結果的にオロナミンCはリポビタンDとは違う形で国民的な愛用ドリンクとなりました」、なるほど。 「1980年代まではビタミン類は医薬品で、価格もかなり割高でした。 それがこの頃から日米貿易摩擦が激しくなり、アメリカ側の強い圧力があってサプリメントを医薬品ではなく食品として流通できるように制度が変わり、現在に至るのです。 その当時からアメリカはサプリメント大国でしたから、アメリカから安く輸入されたビタミンなどのサプリメントはあっという間に日本市場を席捲します・・・ エナジードリンクの問題点も挙げておきます。 医薬品ないしは医薬部外品である栄養ドリンクは効能説明ができる一方で、適切な使用量も明記されます。しかし清涼飲料水であるエナジードリンクには適正な使用量の表記はありません。 実は健康的にはこのことが問題を引き起こす可能性があります。というのもエナジードリンクは元気になることを実感させるためにカフェインを多めに配合する傾向があるのです・・・たとえば仕事の追い込みで徹夜を乗り切ろうとしてエナジードリンクに頼ると、夜明けごろには気づくとそれくらい飲んでしまうかもしれませ んね」、やはりリスクも相応にあるようだ。 「マーケティング的に思考すれば、中身は似ていても売り方はまったく違う製品がこのジャンルに出現して、5年後の高齢者市場をそのようなドリンクが席捲する未来がくるかもしれません。 カフェイン強化な高齢者向けの手軽な飲料が、「おーい、元気?」とか「京都・五右衛門」「禿鷹」みたいな商品名で売り出されるようなイメージの話です。 リゲインの販売終了から「日本人が24時間戦わなくなった」ことが示唆される今日この頃ではありますが、24時間戦わなくなった日本人も、夜7時頃からの睡魔と戦っているのは事実です。 しゃきっと元気になりたい高齢者向けの市場も、世界市場の潜在規模は大きいと思いませんか?」、「日本人も、夜7時頃からの睡魔と戦っているのは事実です。 しゃきっと元気になりたい高齢者向けの市場も、世界市場の潜在規模は大きい」、その通りだ。
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情報セキュリティー・サイバー犯罪(その10)(パスワードを盗み取る「ショルダーハック」の脅威 カフェや電車内でも「壁に耳あり障子に目あり」、個人情報5ドルで売買 「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク、作家も悲鳴 KADOKAWA「サイバー攻撃」の深刻度 ニコ動は復旧に1カ月 損失はどこまで膨らむ?) [社会]

情報セキュリティー・サイバー犯罪については、本年1月29日に取上げた。今日は、(その10)(パスワードを盗み取る「ショルダーハック」の脅威 カフェや電車内でも「壁に耳あり障子に目あり」、個人情報5ドルで売買 「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク、作家も悲鳴 KADOKAWA「サイバー攻撃」の深刻度 ニコ動は復旧に1カ月 損失はどこまで膨らむ?)である。(Qは聞き手の質問、Aは森井氏の回答)。

先ずは、ライターの宮内 健氏による「パスワードを盗み取る「ショルダーハック」の脅威 カフェや電車内でも「壁に耳あり障子に目あり」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/737594
企業のリモートワーク環境が整備され、従来のオフィスに加えサテライトオフィスや自宅、カフェなど、ワークプレイスが拡大している。この働く自由度の高まりと裏腹に被害の増加が懸念されるのが、「盗み見」でパスワード等の情報を窃取するという古典的な手法だ。その対策について、神戸大学大学院の森井昌克教授に話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは森井氏の回答)』、興味深そうだ。。
『狙った企業や個人の情報を探し出す「ゴミ箱漁り」も   Q:サイバーセキュリティに関連して、「ソーシャルエンジニアリング」という言葉をよく耳にします。これはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法です。 ハッキングというと高度なIT技術を駆使して他人のコンピューターやネットワークに侵入し、情報を盗んだり破壊活動を行ったりするイメージがありますが、ソーシャルエンジニアリングはそれとは異なり、セキュリティの専門家は「泥臭い手法」と言っています。 代表的な手法なものは、狙った企業や個人のゴミ箱を漁って情報を探し出す「ゴミ箱漁り」。これは捨てられたゴミの中に、メモに書かれたパスワードやそれに近い情報はないかと探す手口です。 あるいは郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです』、「「ソーシャルエンジニアリング」・・・とはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法」、具体的には「「ゴミ箱漁り」、郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです」、なるほど。
・((企業のリモートワーク環境が整備され、従来のオフィスに加えサテライトオフィスや自宅、カフェなど、ワークプレイスが拡大している。この働く自由度の高まりと裏腹に被害の増加が懸念されるのが、「盗み見」でパスワード等の情報を窃取するという古典的な手法だ。その対策について、神戸大学大学院の森井昌克教授に話を聞いた。『狙った企業や個人の情報を探し出す「ゴミ箱漁り」も  Q:サイバーセキュリティに関連して、「ソーシャルエンジニアリング」という言葉をよく耳にします。これはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法です。 ハッキングというと高度なIT技術を駆使して他人のコンピューターやネットワークに侵入し、情報を盗んだり破壊活動を行ったりするイメージがありますが、ソーシャルエンジニアリングはそれとは異なり、セキュリティの専門家は「泥臭い手法」と言っています。 代表的な手法なものは、狙った企業や個人のゴミ箱を漁って情報を探し出す「ゴミ箱漁り」。これは捨てられたゴミの中に、メモに書かれたパスワードやそれに近い情報はないかと探す手口です。 あるいは郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです』、「「ソーシャルエンジニアリング」という言葉をよく耳にします。これはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法」、具体的には「「ゴミ箱漁り」、郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです」、なるほど。
・『ソーシャルエンジニアリングの例 はリンク先参照) Q:ショルダーハックにはどんな手口があり、どんな場面で起こりやすいですか。 A:対象者の肩越しに覗き見をすることからショルダーハックという名前が付けられていますが、手口はそれだけに限りません。隣の席の人のパソコン画面やキータッチが見えればパスワードを盗めるわけで、要は盗み見して機密情報を取得する手法全般がショルダーハックとされています。 盗み見ですから昔からある手口で、いろんな場面で危険があります。例えば、電車の中でパソコンやタブレットを開いて資料を見ている人がよくいます。 森井氏の略歴はリンク先参照) おそらく周囲には自分や自分の会社とは関係のない人しかいないと思い込んでいるのでしょうが、隣にライバル会社の社員がいないとは限りません。そういう人にたまたま見られてしまい、知られてはまずい情報が流出してしまうケースがあります。 盗み見の恐れがあるのは電車だけでなく、自社内で部下や同僚に見られてしまうケースもあるでしょう。また、最近はカフェやシェアオフィスなど、さまざまな人が出入りする場所で仕事をする機会が増えています。そうした場所では盗み見のほか、ウェブ会議に参加して大声で話すために周りの人に内容が筒抜け、ということもあります。 ちょっと離席する際に画面をロックしないままの人がいますが、これも危ない。情報を盗み見されるだけならまだよいのですが、USBを差し込むだけで簡単にウイルスやマルウェアに感染させられるからです。スマホでも同じ方法で危険なアプリをインストールできるので、パソコンやスマホを放置してはいけません』、「ちょっと離席する際に画面をロックしないままの人がいますが、これも危ない。情報を盗み見されるだけならまだよいのですが、USBを差し込むだけで簡単にウイルスやマルウェアに感染させられるからです。スマホでも同じ方法で危険なアプリをインストールできるので、パソコンやスマホを放置してはいけません」、なるほど。
・『リモートワーク普及で家庭もセキュリティの脅威に  Q:なぜ、ショルダーハックをはじめソーシャルエンジニアリングの問題がクローズアップされるようになったのですか。 子どもも含め、ほぼすべての人がパソコンやスマホを使うようになり、スマホ1台あればどこかに行かなくても何でも買えるようになり、いろいろな人と連絡を取れるようになりました。 この利便性を守るために使われるのがパスワードですが、この大切な情報が古典的なショルダーハック等で簡単に盗まれてしまう、というのが問題になっているわけです。) Q:被害が生じた事例にはどんなものがありますか。 A:スーパーマーケットで、アルバイトの高校生が買い物客約80人分のクレジットカード番号を盗み見て、約1000万円の不正利用をして逮捕された事件があります。また、消防署の職員が上司のパスワードをショルダーハックし、端末に不正アクセスして人事情報が漏洩した事件もありました。 また、リモートワークの普及で自宅にパソコンを持ち帰って仕事をする機会が増え、「最大の脅威」といわれているのが家族です。パスワードの設定が甘く、あるいは子どもが親のパスワードをショルダーハックしてパソコンに侵入し、ゲームで遊んでしまう。 そこで終わればよいのですが、悪気なく危険なサイトを閲覧してウイルスやマルウェアに感染する事例も発生しているのです。こうした被害はあまり表沙汰にされませんが、企業からいろいろな話を聞くことがあります。 ほかにも店舗のQRコード決済で、順番待ちの間にQRコードを表示した客のスマホがショルダーハックで撮影されて不正決済されたり、店員の隙を突いて店側のQRコードを張り替え、利用者に読み取らせて別のところと決済させたりする手口があります』、「店舗のQRコード決済で、順番待ちの間にQRコードを表示した客のスマホがショルダーハックで撮影されて不正決済されたり、店員の隙を突いて店側のQRコードを張り替え、利用者に読み取らせて別のところと決済させたりする手口があります」、なんとも恐ろしい時代になったものだ。
・『監視カメラを見ている人が悪事を働かないとも限らない  Q:ショルダーハックの被害を防ぐために、企業はどんな対策が必要ですか。 A:基本的な対策は公共の場や不特定多数の人がいる場所で重要な情報を見ないようにすることで、企業はそれを従業員に周知、徹底する必要があります。電車の中でスマホを見るのは構いませんが、重要な情報をさらして仕事をしてはいけない、ということです。 「壁に耳あり障子に目あり」と昔から言いますが、さらに現在は誰もがカメラの付いたスマホを持ち、あらゆるところに監視カメラが取り付けられています。 いくらパスワードを素早く打ち込んだところで録画されたらすぐバレてしまいますし、監視カメラを見ている人が悪事を働かないとも限りません。もっと個人も企業も、情報の扱いに気を付けるべきでしょう。 そもそも企業の経営幹部層はデジタルネイティブではない40代から60代の人が多く、ソーシャルエンジニアリングに限らずサイバー攻撃への危機感が薄いと感じることが多いです。 サイバー攻撃は物理的には見えませんが、いざ被害が生じると巨額の損失が発生します。ランサムウェアの被害にあったデンマークの海運会社は、300億円以上の対応コストがかかったと報じられています。 企業の経営層には、もし、自社がサイバー攻撃で被害が生じたらどれくらいの損害が発生するのか、まずはきちんと見積もっておくことをお勧めします』、「企業の経営層には、もし、自社がサイバー攻撃で被害が生じたらどれくらいの損害が発生するのか、まずはきちんと見積もっておくことをお勧めします」、その通りだ。

第二に、3/月9日付け東洋経済オンラインが掲載した: ITジャーナリスト・ライターの中尾 真二 氏による「個人情報5ドルで売買、「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク」を紹介しよう。
・『「ダークウェブ」という言葉を聞いたことはあるだろうか。インターネットの世界には、GoogleやBingなど検索エンジンの結果をたどってアクセスできる部分と、そうでない部分がある。つまり、一般的なパソコン、スマートフォン、ブラウザではアクセスできないサイトやコミュニティが存在するのだ。 当然、そのような裏社会のネットワークでは、犯罪やサイバー攻撃に関する情報がやり取りされていることもある。実際、サイバー犯罪者や犯罪組織のインフラとして機能している事実もあるが、もちろん合法的な情報のやり取りもされている。複雑な国際情勢において、裏だから悪と、単純に表裏・善悪に分類できないとも言えるだろう。 ダークウェブの情報は、サイバーセキュリティに役立つために、専門家が情報収集に使うことも多いが、個人はもちろん企業でも決して安易にアクセスすべきではない。その点をしっかり確認したところで、どんな世界なのか解説していきたい』、興味深そうだ。
・『サーフェスウェブ、ディープウェブ、ダークウェブとは  いわゆるアンダーグラウンドの世界だが、技術的な分類はもう少し複雑だ。 ウェブの世界では「検索されなければ、それは世の中に存在しないと同義だ」という言説がある。人に認知、アクセスしてもらうという視点ではそのとおりだが、ウェブ全体でみれば、検索でたどり着ける範囲は極めて小さいとされる。ただインターネットの利用は、検索エンジンだけに頼るものではない。) 例えば、企業や学校のネットワーク、業務システムなどのウェブサイトは、社員や生徒しかアクセスできず、その内容はインターネットの検索からも遮断されているのが普通だ。 SNSの多くも、メンバーの投稿内容を検索エンジンには公開していないし、スマホアプリのサイトやシステムも、通常PCやブラウザからアクセスできない。最近では、AI(人工知能)によるインターネットからの学習を制限する動きもある。 Google、Bing、ヤフーなどの検索エンジンでアクセス可能な部分は「サーフェスウェブ」、これらではたどり着けない部分を「ディープウェブ」。そして、ディープウェブのうち、さらにアクセスが制限されていたり匿名性が高い仕組みで運営されているサイト群を「ダークウェブ」という。 (ダークウェブとは はリンク先参照)  世界中のウェブコンテンツの比率では、サーフェスウェブが4%、ディープウェブが90%、ダークウェブが6%と類推されている。インターネットで公開されている情報のうち、普段われわれが目にしているのは全体のわずか4%、ごくわずかだということだ』、「Google、Bing、ヤフーなどの検索エンジンでアクセス可能な部分は「サーフェスウェブ」、これらではたどり着けない部分を「ディープウェブ」。そして、ディープウェブのうち、さらにアクセスが制限されていたり匿名性が高い仕組みで運営されているサイト群を「ダークウェブ」という・・・世界中のウェブコンテンツの比率では、サーフェスウェブが4%、ディープウェブが90%、ダークウェブが6%と類推されている。インターネットで公開されている情報のうち、普段われわれが目にしているのは全体のわずか4%、ごくわずかだということだ」、なるほど。
・『ダークウェブは特殊なアクセス方法が必要  ディープウェブにアクセスするには、ChromeやEdgeといった標準的なブラウザが利用できるものの、会社や学校のアカウント、SNSなど特定サービスのアカウントが必要になる。アカウント情報による認証を経てサイトやシステムにアクセスする形だ。 一方、ダークウェブにアクセスするには、専用の特殊ブラウザや接続方式、高度な認証が必要になる。専用ブラウザとは、「Tor(トーア:Transmission Control Protocol)」「I2P(Invisible Internet Project)」などの匿名で閲覧できるネットワークを使う。 見た目は普通のブラウザだが、接続先までのネットワーク経路を複雑にして、追跡や逆探知を困難にする機能が備わっている。) ちなみに、Torのような専用ブラウザは、それ自体は合法であり一般の人でも入手、インストールすることが可能だ。もちろん、Torから企業ホームページやサービスサイトなどのサーフェスウェブへのアクセスもできる。 サーフェスウェブとディープウェブの区別は、検索エンジンのデータベースに登録(インデックス)されているか否かが基準になる。一方、ディープウェブとダークウェブの境界は、技術的にあいまいな部分がある。ダークウェブは、ディープウェブの一部だからだ。 アクセス方法や認証方法の違いで区別することはできるが、会社の内部システムにログインするのと、ダークウェブのコミュニティに参加(ログイン)する手順に大きな違いはなく、技術的な違いも少ない。 では、目的や利用法で区別することは可能か。犯罪に関する情報がやり取りされているものの、犯罪者のためのネットワークかというとそうでもない。 ▽ダークウェブ上のアンダーグラウンド情報とは(確かに、ダークウェブ上には、マルウェアや麻薬などを販売するECサイトや、ハッキング情報、犯罪情報を交換するSNSのようなコミュニティサイト、ファイル交換サービス、最近ではランサムウェアサービスサイトなどが存在する。 実際にアンダーグラウンドのECサイトにアクセスしてみると、クレジットカード情報、マルウェア、麻薬などジャンルごとに無数の業者が出店しているのがわかる。 中には、DDoS(ディードス)攻撃のトラフィック量を示して攻撃の請負をする業者もいる。DDoS攻撃とは、複数のコンピューターからウェブサイトやサーバに大量のデータを送付して負荷をかけるサイバー攻撃の1つだ。海外では、ライバルのゲームサイトやサービスに対してDDoS攻撃を仕掛ける事例はそれほど珍しくない。 ダークウェブ上のアンダーグラウンドマーケットで売買されているもの(<ECサイト> ・マルウェア ・麻薬・違法薬物 ・児童ポルノ ・個人情報(各種アカウント情報・カード情報・銀行口座情報・与信情報・個人IDなど) ・銃器・爆発物 ・サイバー攻撃受託 ・ボットネット・ボットアカウント <ファイル交換サイト> ・漏洩アカウント情報 ・企業秘密(財務情報・特許技術・ソースコード・組織図・名簿) <ランサムウェアサービスサイト> ・RaaS(Ransomware as a Service)運営者がランサムウェア、課金システム他をセットでライセンス販売し、アフィリエイターに利用させランサムウェア攻撃を行う。身代金が支払われるとその一部をアフィリエイターに還元する) 企業から盗んだ顧客のアカウント情報、カード情報などは、数千から数万、数十万件の単位で販売されている。 ダークウェブ 漏出させたデータをそのまま販売するものから、複数の漏洩事件のデータをまとめたもの、その中から高値がつくカード番号や暗証番号(CVV)を抽出したもの、SSN(Social Security Number:日本ではマイナンバーに相当)などの国民IDと紐づいたものなど多種多様である。 価格はカード番号の名前など基本的なものは1件あたり5ドルくらいから売られている。暗証番号や住所、電話番号、職業、年収などとセットになると数十ドルから100ドル以上の値がつくこともある』、「ダークウェブ」上のデータの「価格はカード番号の名前など基本的なものは1件あたり5ドルくらいから売られている。暗証番号や住所、電話番号、職業、年収などとセットになると数十ドルから100ドル以上の値がつくこともある」と千差万別のようだ。
・『サイバー犯罪のインフラとしてのダークウェブ  ログインIDとパスワードの組み合わせだけを、何十万件とリスト化したものもある。こうしたリストは、総当たり攻撃、リスト攻撃と呼ばれる攻撃に利用できる。 ファイル交換サイトでは、このような闇サイトで成立した大量のカード上などのやりとりに使われることがある。ハッカー同士の情報交換、データ交換の場としても利用されており、専門家がアンダーグラウンドのファイル交換サイトをチェックすると、漏洩した企業データやアカウントデータベースを発見できることもある。 ランサムウェアの中には、データを暗号化するだけでなく、コピーを公開する、アンダーグラウンドにばらまくという脅迫を行うものがある(暴露型ランサムウェア)。このとき盗んだデータの公開先として、アンダーグラウンドのECサイトやファイル交換サイトが利用される。) ダークウェブは、犯罪組織やサイバー犯罪者のインフラとして機能している事実もある。2021年に物議を醸したアメリカのコロニアルパイプライン社へのランサムウェア攻撃は、「DarkSide」と呼ばれるハッカー集団のRaaS(Ransomware as a Service)が関与したとされている。 この攻撃ではアメリカ東海岸の石油供給に影響が出るとされ、ガソリンスタンドに行列ができるといった騒ぎに発展した。FBIはロシア政府にも働きかけ、身代金の回収と実行犯の検挙に動いた。 「REvil」というランサムウェアもRaaSを利用した攻撃で、アメリカの大手ITプロバイダーKaseyaの被害をはじめ世界中で猛威を振るった。2022年に実行犯の逮捕とREvilのランサムウェアサイトの解体が宣言された。 長年猛威を振るっていた別のRaaSプラットフォーム、LockBitも国際的な捜査連携による実行犯の逮捕やサイトの解体がニュースになった。 すでにこれらは、実行犯が逮捕され、サイトの閉鎖はされているものの、運営の主体、もしくはランサムウェア開発者は逮捕されておらず、類似または同名のランサムウェアの被害は完全にはなくなっていない』、「ランサムウェア」では、「実行犯が逮捕され、サイトの閉鎖はされているものの、運営の主体、もしくはランサムウェア開発者は逮捕されておらず、類似または同名のランサムウェアの被害は完全にはなくなっていない」、なるほど。
・『ダークウェブの約半分は合法的な情報のやりとり  ダークウェブ上のコンテンツや情報のうち、約半分は合法的な情報のやりとりであって、犯罪やテロ、サイバー攻撃にかかわるものは半分を切っているという分析もある。 例えば、ニューヨーク・タイムズやBBCは、自社報道が検閲されたり制限されたりしないように、正規のニュースをTorネットワークからアクセスできるようにしている。 世界にはロシア、中国などインターネットは国が管理して統制すべきという立場と、EUやアメリカなどのインターネットは自由な空間であるべきという立場がある。香港の民主化運動ではTorブラウザやTelegramが活躍した。) 独裁国家では自由な発言のために当局の統制下にない通信手段が必要だ。Telegramは運営者が、暗号鍵を管理しない暗号通信が可能なメッセンジャーである。 開発者はロシアのエンジニアとされていて、イラン、パキスタン、中国などは利用を禁止しており、ロシアでも利用が禁止されていた時期がある。つまり、犯罪者が利用しているからといって、一律に規制・禁止すればいいというものではないということだ』、「ダークウェブ上のコンテンツや情報のうち、約半分は合法的な情報のやりとりであって、犯罪やテロ、サイバー攻撃にかかわるものは半分を切っているという分析もある・・・独裁国家では自由な発言のために当局の統制下にない通信手段が必要だ。Telegramは運営者が、暗号鍵を管理しない暗号通信が可能なメッセンジャーである・・・犯罪者が利用しているからといって、一律に規制・禁止すればいいというものではないということだ」、なるほど。
・『専門家はセキュリティ対策や情報収集に活用  だが、ダークネウェブやTor、Telegramが合法だからといって、むやみにアクセスする必要はない。とくにアンダーグラウンドのECサイトや掲示板、コミュニティサイトへのアクセス、参加者へのコンタクトは、軽はずみに行っていいものではない。 すぐにウイルスに感染するとか情報が抜き取られるといったことはないが、理由や目的がなければ、わざわざ犯罪者の中に入っていくべきではない。セキュリティの専門家でも、ダークウェブへのアクセスは慎重を期す。 ダークウェブの情報は、時としてサイバーセキュリティに役立つ。ハクティビスト(ハッキングやサイバー攻撃を伴う活動家)や犯罪者コミュニティの情報を調べることで、彼らがどんな攻撃対象に興味を持っているのか、どの企業(国)を攻撃する計画を持っているのかがわかることがある。漏洩した情報がアップロードされている場所、新しいマルウェアの情報を知ることができるかもしれない。 インターネットや実社会の公開情報、ダークウェブの情報を使って、セキュリティ対策に生かすことを「脅威インテリジェンス」といい、大手セキュリティベンダーが対策ソリューションとして展開している。脅威インテリジェンスでの情報収集は、プログラムやAIを使って高度に自動化することがメインだが、研究者が人力でダークウェブなどから情報を収集する場合もある。 ただ、安易に脅威インテリジェンスを行うと、情報が得られないばかりか、報復のサイバー攻撃を受けるかもしれない。また、軽はずみに犯罪者と接触すると犯罪の幇助や教唆の罪を問われる可能性もある。接触方法や入手した情報の利用方法によっては、不正アクセス禁止法、個人情報保護法など関連法に触れる可能性もある。個人はもちろん、企業でも安易に行うべきではない』、「インターネットや実社会の公開情報、ダークウェブの情報を使って、セキュリティ対策に生かすことを「脅威インテリジェンス」といい、大手セキュリティベンダーが対策ソリューションとして展開している。脅威インテリジェンスでの情報収集は、プログラムやAIを使って高度に自動化することがメインだが、研究者が人力でダークウェブなどから情報を収集する場合もある。 ただ、安易に脅威インテリジェンスを行うと、情報が得られないばかりか、報復のサイバー攻撃を受けるかもしれない・・・安易に脅威インテリジェンスを行うと、情報が得られないばかりか、報復のサイバー攻撃を受けるかもしれない。また、軽はずみに犯罪者と接触すると犯罪の幇助や教唆の罪を問われる可能性もある。接触方法や入手した情報の利用方法によっては、不正アクセス禁止法、個人情報保護法など関連法に触れる可能性もある。個人はもちろん、企業でも安易に行うべきではない」、大いに気を付けるべきもののようだ。

第三に、6月18日付け東洋経済オンライン「作家も悲鳴、KADOKAWA「サイバー攻撃」の深刻度 ニコ動は復旧に1カ月、損失はどこまで膨らむ?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/763552?display=b
・『「ユーザー、読者、クリエイター、作家、取引先、投資家、関係各所の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることをお詫び申し上げます」 6月14日、YouTubeの「ニコニコ公式チャンネル」に投稿された1本の動画。出演した出版大手・KADOKAWAの夏野剛代表執行役社長CEOは神妙な面持ちで、グループで発生しているシステム障害について謝罪した。 6月8日早朝、KADOKAWAグループの複数のサーバーでアクセス障害が発生し、子会社のドワンゴが運営する動画配信サイト「ニコニコ動画」などが利用できなくなった。その後の社内調査で、KADOKAWAグループのデータセンター内のサーバーが、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)を含む大規模なサイバー攻撃を受けたことが判明した。 サイバー攻撃は執拗に繰り返され、KADOKAWA側が遠隔でサーバーをシャットダウンした後も、さらに遠隔からサーバーを起動させて感染拡大を図る動きもみられたという。そのため電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に引き抜き、サーバーを封鎖する事態にまで追い込まれた』、かなり執拗な攻撃を受けたようだ。「KADOKAWA側が遠隔でサーバーをシャットダウンした後も、さらに遠隔からサーバーを起動させて感染拡大を図る動きもみられたという。そのため電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に引き抜き、サーバーを封鎖する事態にまで追い込まれた」、大変だ。
・『実質的にシステムを1から作り直し  「バックアップは当然用意しており、セキュリティ対策もさまざまに実施してはいたが、想定を超えるレベルの状態になってしまった」。ドワンゴニコニコサービス本部の鈴木圭一CTO(最高技術責任者)は、6月14日に公開した動画でそう説明した。 サイバーセキュリティ問題に詳しい川口設計の川口洋代表によると、一般的に大きなシステムを持つ企業は、リモートでのメンテナンスやバックアップ取得のために、多くのサーバーを一元管理する仕組みを構築している。 KADOKAWAが受けた被害について川口氏は、「現時点で詳細はわからないが、この『全体のシステムを管理する仕組み』そのものに不正アクセスが到達してしまった可能性がある」と指摘する。 ニコニコ動画を運営するドワンゴでは今後、サーバーからデータを救出し、安全な環境下でシステムを再構築する。「実質的にはシステムを1から作り直すような規模の作業が必要」(鈴木氏)となり、復旧には1カ月以上の期間を要する見込みだ』、「今後、サーバーからデータを救出し、安全な環境下でシステムを再構築する。「実質的にはシステムを1から作り直すような規模の作業が必要」(鈴木氏)となり、復旧には1カ月以上の期間を要する見込みだ」、「KADOKAWA」ともあろう大企業が、ここまでの大損害を被るとは、サイバー攻撃の恐ろしさを再認識させられた。
タグ:情報セキュリティー・サイバー犯罪 (その10)(パスワードを盗み取る「ショルダーハック」の脅威 カフェや電車内でも「壁に耳あり障子に目あり」、個人情報5ドルで売買 「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク、作家も悲鳴 KADOKAWA「サイバー攻撃」の深刻度 ニコ動は復旧に1カ月 損失はどこまで膨らむ?) 宮内 健氏による「パスワードを盗み取る「ショルダーハック」の脅威 カフェや電車内でも「壁に耳あり障子に目あり」 「「ソーシャルエンジニアリング」・・・とはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法」、具体的には「「ゴミ箱漁り」、郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです」、なるほど。 「「ソーシャルエンジニアリング」という言葉をよく耳にします。これはどのようなものですか。 A:一般的な言い方をすれば、あまり高度な技術を使わずにパスワード等の情報を盗み取るハッキング手法」、具体的には「「ゴミ箱漁り」、郵便物を盗んだり、なりすましがニセ電話をかけて聞き出したりする方法もあります。重要な情報を入力している画面やキータッチを覗き見て情報を盗む「ショルダーハック(ショルダーハッキング)」もソーシャルエンジニアリングの1つです」、なるほど。 「ちょっと離席する際に画面をロックしないままの人がいますが、これも危ない。情報を盗み見されるだけならまだよいのですが、USBを差し込むだけで簡単にウイルスやマルウェアに感染させられるからです。スマホでも同じ方法で危険なアプリをインストールできるので、パソコンやスマホを放置してはいけません」、なるほど。 「店舗のQRコード決済で、順番待ちの間にQRコードを表示した客のスマホがショルダーハックで撮影されて不正決済されたり、店員の隙を突いて店側のQRコードを張り替え、利用者に読み取らせて別のところと決済させたりする手口があります」、なんとも恐ろしい時代になったものだ。 「企業の経営層には、もし、自社がサイバー攻撃で被害が生じたらどれくらいの損害が発生するのか、まずはきちんと見積もっておくことをお勧めします」、その通りだ。 東洋経済オンライン 中尾 真二 氏による「個人情報5ドルで売買、「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク」 「Google、Bing、ヤフーなどの検索エンジンでアクセス可能な部分は「サーフェスウェブ」、これらではたどり着けない部分を「ディープウェブ」。そして、ディープウェブのうち、さらにアクセスが制限されていたり匿名性が高い仕組みで運営されているサイト群を「ダークウェブ」という・・・ 世界中のウェブコンテンツの比率では、サーフェスウェブが4%、ディープウェブが90%、ダークウェブが6%と類推されている。インターネットで公開されている情報のうち、普段われわれが目にしているのは全体のわずか4%、ごくわずかだということだ」、なるほど。 「ダークウェブ」上のデータの「価格はカード番号の名前など基本的なものは1件あたり5ドルくらいから売られている。暗証番号や住所、電話番号、職業、年収などとセットになると数十ドルから100ドル以上の値がつくこともある」と千差万別のようだ。 「ランサムウェア」では、「実行犯が逮捕され、サイトの閉鎖はされているものの、運営の主体、もしくはランサムウェア開発者は逮捕されておらず、類似または同名のランサムウェアの被害は完全にはなくなっていない」、なるほど。 「ダークウェブ上のコンテンツや情報のうち、約半分は合法的な情報のやりとりであって、犯罪やテロ、サイバー攻撃にかかわるものは半分を切っているという分析もある・・・独裁国家では自由な発言のために当局の統制下にない通信手段が必要だ。Telegramは運営者が、暗号鍵を管理しない暗号通信が可能なメッセンジャーである・・・犯罪者が利用しているからといって、一律に規制・禁止すればいいというものではないということだ」、なるほど。 「インターネットや実社会の公開情報、ダークウェブの情報を使って、セキュリティ対策に生かすことを「脅威インテリジェンス」といい、大手セキュリティベンダーが対策ソリューションとして展開している。脅威インテリジェンスでの情報収集は、プログラムやAIを使って高度に自動化することがメインだが、研究者が人力でダークウェブなどから情報を収集する場合もある。 ただ、安易に脅威インテリジェンスを行うと、情報が得られないばかりか、報復のサイバー攻撃を受けるかもしれない・・・ 安易に脅威インテリジェンスを行うと、情報が得られないばかりか、報復のサイバー攻撃を受けるかもしれない。また、軽はずみに犯罪者と接触すると犯罪の幇助や教唆の罪を問われる可能性もある。接触方法や入手した情報の利用方法によっては、不正アクセス禁止法、個人情報保護法など関連法に触れる可能性もある。個人はもちろん、企業でも安易に行うべきではない」、大いに気を付けるべきもののようだ。 東洋経済オンライン「作家も悲鳴、KADOKAWA「サイバー攻撃」の深刻度 ニコ動は復旧に1カ月、損失はどこまで膨らむ?」 かなり執拗な攻撃を受けたようだ。「KADOKAWA側が遠隔でサーバーをシャットダウンした後も、さらに遠隔からサーバーを起動させて感染拡大を図る動きもみられたという。そのため電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に引き抜き、サーバーを封鎖する事態にまで追い込まれた」、大変だ。 「今後、サーバーからデータを救出し、安全な環境下でシステムを再構築する。「実質的にはシステムを1から作り直すような規模の作業が必要」(鈴木氏)となり、復旧には1カ月以上の期間を要する見込みだ」、「KADOKAWA」ともあろう大企業が、ここまでの大損害を被るとは、サイバー攻撃の恐ろしさを再認識させられた。
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