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電機産業(その6)(日本電産で大量退職 元幹部社員が告白「永守重信会長への過剰な忖度が蔓延している」、日本電産で大量退職 元社員が辟易とした“永守イズム”と「物品購入に5回値切り」等の社内ルール、「バルミューダとパナソニック」失速した根本原因 家電で稼ぐのは至難の業、大手と中堅で温度差) [産業動向]

電機産業については、2022年1月27日に取上げた。今日は、(その6)(日本電産で大量退職 元幹部社員が告白「永守重信会長への過剰な忖度が蔓延している」、日本電産で大量退職 元社員が辟易とした“永守イズム”と「物品購入に5回値切り」等の社内ルール、「バルミューダとパナソニック」失速した根本原因 家電で稼ぐのは至難の業、大手と中堅で温度差)である。

先ずは、本年3月1日付けマネーポストWEB「日本電産で大量退職 元幹部社員が告白「永守重信会長への過剰な忖度が蔓延している」」を紹介しよう。
https://www.moneypost.jp/999170
・『京都・桂川のほとりのプレハブ小屋で日本電産が産声を上げてから今年でちょうど50年。現会長の永守重信氏(78)ら4人でスタートした会社は、いまや売上高2兆円に迫る世界最大手のモーターメーカーとなった。その日本電産で社員の「大量退職」が起きている。彼らはなぜ辞めたのか──会社を去った者たちの肉声をジャーナリストの大清水友明氏がレポートする。【前後編の前編】 日本電産はグループ全体の従業員は11万人を超えるが、本体の社員は2500人あまり。この規模の会社で昨年4月から12月末までに292人の社員が退職。とりわけ冬のボーナスが支給された昨年12月は77人が退社していたことが筆者の取材で分かった。 今年1月24日に行なわれた決算説明会では2023年3月期の連結純利益が前期比56%減の600億円と予測するなど業績にブレーキがかかるなか、足元では人材流出が止まらないのだ。元幹部社員のA氏も昨年、日本電産を退社した一人。 「ひと言で言うなら、時代にそぐわない経営理念について行けなくなったからです」 そう話すA氏は、国内の大手製造業から日本電産に転職した当時から違和感を覚えたと証言する。 「トップへの過剰な忖度が蔓延している企業だと感じました」 彼の言う「トップ」とは日本電産の創業者にして会長の永守氏のこと。入社にあたって永守氏から「売上高10兆円企業を目指そう」と声をかけられた。人を惹きつけるカリスマ性を持った人物に映ったが、困惑したのは入社後に永守氏と食事をした時のこと。 「永守さんの著書に、時間がもったいないから食事では早飯をせよと書いてあったので手早く済ませたのです。永守さんから『おまえ、早いな』と声をかけられましたが、問題は食後。秘書室の社員から『なぜ早く食べたのか』と言われ、『会長が弁当箱の蓋を開けてから蓋を開け、会長が箸を置いてから箸を置くように』と指導された。ここまで細かく言われるのかと驚きました」(A氏) 日本電産では永守氏の存在は絶対である。それを社内に徹底させる存在が秘書室だった。) 「永守さんが私のいた部署を視察することになり、事前に秘書室から注意事項を告げられました。そのなかで驚いたのが、『ブラインドの角度を斜めにしてはいけない』です。永守さんを見下していることになり失礼だというのです」(同前) 日本電産社内の不文律は他にもある。例えば、永守氏への挨拶で「お疲れさまです」は厳禁。元日以外は休まないと公言する疲れ知らずの永守氏に失礼だからだという。代わりに「ご苦労さまです」と声がけするそうだ」(同前)』、「「永守さんの著書に、時間がもったいないから食事では早飯をせよと書いてあったので手早く済ませたのです。永守さんから『おまえ、早いな』と声をかけられましたが、問題は食後。秘書室の社員から『なぜ早く食べたのか』と言われ、『会長が弁当箱の蓋を開けてから蓋を開け、会長が箸を置いてから箸を置くように』と指導された。ここまで細かく言われるのかと驚きました・・・日本電産では永守氏の存在は絶対である。それを社内に徹底させる存在が秘書室だった・・・ブラインドの角度を斜めにしてはいけない』です。永守さんを見下していることになり失礼だというのです」、「ブラインドの角度を斜めにしてはいけない』です。永守さんを見下していることになり失礼」、は理解できない。
・『「休みたい奴は辞めろ」  日本電産では全役員や統括部長らが出席する経営会議が月に2回開かれる。永守氏にそれぞれの事業本部が目標の達成状況を報告するが、業績の思わしくない事業本部の幹部は永守氏から厳しく叱責される。 「特にターゲットになっていたのが車載事業本部です。日産や三菱自動車から移ってきた人たちが多かったのですが、期待した通りの業績をあげられないと、『日産や三菱自動車のような3T企業の感性を早く捨てろ!』と怒鳴るのです」(同前) 3T企業とは、「低成長、低収益、低株価」の企業を指す。車載事業はガソリン車からEVへの世界的なシフトが進むなかで大きく成長が見込まれる分野であるが、中国メーカーとの競争が激しく業績は思うように伸びない。 テコ入れのために2020年にそれまで日産のナンバー3だった関潤氏を社長に招いて車載事業本部の責任者とした。だが、原料高や生産拠点である中国のロックダウンの影響などで低迷が続いた。 永守氏は経営会議の場ばかりか、幹部らへの一斉メールで関氏をはじめとする車載事業本部の幹部らを激しく詰めた。A氏の手もとに残るその一部にはこうある。 〈48年前に自宅で日本電産を創業して、死ぬ想いでここまで持ってきた日本電産を君達のような腐り切った人間に潰されてたまるか! 自動車業界からやってきた社長が、AMEC事業(※編集部注:車載事業)をもっともっと良くしてくれるだろうと期待してきたのに、全く逆にどんどん事業が悪化してきて、遂に名ばかり社長のもとで更に倒産への道を歩み出しているのをみて、怒り狂うどころか悲しくて涙が出て止まらない〉 なお、永守氏の要求への回答は「実現を目指します」や「頑張ります」ではダメなのだという。 「模範解答は『死ぬ気で実現します』です。『死ぬ』というワードが入ると永守さんは喜ぶ」(同前)) 日本電産ではこうした幹部が出席する会議は週末に開かれる。 「しかも土日は永守さんから幹部に一斉メールが次々と送られてくるので、これに即座に回答しなければなりません。精神的に全く休めませんが、永守さんは『代わりはいくらでもいる。休みたい奴は辞めろ』と公言しています」(同前) 社長だった関氏は週末も会議やメールのやり取りに追われる習慣をなくすよう永守氏に進言していたと報じられた。会議に出席する幹部だけでなく、その幹部をサポートするため中間管理職の社員も出社しなくてはならず、疲弊感が全社的に広がっていたからだ。 ところが、関氏の進言を日本電産が長年培ってきた企業文化を崩壊させるものと受け止めた永守氏は、これに激しく反発。車載事業本部の業績低迷もあって、関氏は昨年9月に社長退任へと追い込まれた。 「日本電産の企業文化を守ると言って、私たちのような外部のメーカーから移ってきた人材の提案を受け止めようともしないのです。これだけ外部人材を大量に採用しておきながら、です。関氏の退任騒動を受け、多くの社員は張り詰めた糸がプツリと切れてしまった。その結果が大量退職に繋がった点は否めません」(同前)(後編につづく)』、「しかも土日は永守さんから幹部に一斉メールが次々と送られてくるので、これに即座に回答しなければなりません。精神的に全く休めませんが、永守さんは『代わりはいくらでもいる。休みたい奴は辞めろ』と公言しています」(同前) 社長だった関氏は週末も会議やメールのやり取りに追われる習慣をなくすよう永守氏に進言していたと報じられた。会議に出席する幹部だけでなく、その幹部をサポートするため中間管理職の社員も出社しなくてはならず、疲弊感が全社的に広がっていたからだ。 ところが、関氏の進言を日本電産が長年培ってきた企業文化を崩壊させるものと受け止めた永守氏は、これに激しく反発。車載事業本部の業績低迷もあって、関氏は昨年9月に社長退任へと追い込まれた」、これでは「社員の「大量退職」」は当然だ。

次に、3月2日付けマネーポストWEB「日本電産で大量退職 元社員が辟易とした“永守イズム”と「物品購入に5回値切り」等の社内ルール」を紹介しよう。
https://www.moneypost.jp/999176
・『京都・桂川のほとりのプレハブ小屋で日本電産が産声を上げてから今年でちょうど50年。現会長の永守重信氏(78)ら4人でスタートした会社は、いまや売上高2兆円に迫る世界最大手のモーターメーカーとなった。その日本電産で社員の「大量退職」が起きている。彼らはなぜ辞めたのか──会社を去った者たちの肉声をジャーナリストの大清水友明氏がレポートする』、興味深そうだ。
・競合他社のシェア拡大  日本電産で課長職にいたB氏も昨年退社した一人だった。前職場が他社との経営統合を機にリストラを進めたため転職先を探すうちに日本電産を紹介された。 「採用後に本社で研修を受けましたが、永守イズムとは何かといった精神論が中心でした。研修中に永守会長が考案したPB商品を配られたのですが、ゴミは社外で捨てるよう指示される。以前社内のゴミ箱に捨てられているのを見つけた永守会長が『ワシの商品を捨てるとは何ごとか!』と怒ったからだそう」(B氏) 社員になると、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など永守氏の経営理念をまとめた小冊子「挑戦への道」が配布される。冊子にはシリアルナンバーが振られ、社外に持ち出すことはできない。待っているのはこの小冊子の輪読会だ。 「部署ごとに4~5人で『今日はどこそこのページを読もう』と決めて読んだ後に、感想を発表しあうのです。車載事業本部のように他社からの転職組が多い部署は渋々やりますが、小型モータ事業本部のように古株の社員が多い部署は『永守信者』も多く、熱心にやっていました」(同前) まるで。だが永守氏が新しい著書を出版するたびに役職者以上は購入するよう強く指示され、買ったことを総務部に報告しなくてはならなかった。 困ったのが物品の購買にあたって「5回値切り交渉をする」という社内ルール。徹底的に経費を抑え込むことをよしとする永守氏の考えに基づいたもので、上司の決裁を得るには稟議書に値切り交渉の履歴を添付しなくてはならない。) 「相手先のなかには、日本電産はそういうルールだと承知して最初はわざと高めの価格を提示してくるところもあって、本末転倒です。こうした風土に次第について行けなくなり、退社を決めました」(同前) 続いて証言するC氏も昨年に日本電産を退職した。在職中は課長職にあったが、困惑したのは人事評価の制度である。 日本電産では四半期ごとに社員を5段階で評価する。それも絶対評価でなく、全体の10%に1、20%に2をつけるといった相対評価をしなくてはならなかった。 「1や2の評価が出ると給料やボーナスに大きく影響するため、若い社員が意欲を失って辞めてしまいかねない。そのため管理職は部下に『今回だけだから勘弁して』と言って順繰りに1や2の評価をつけているのが実態です。 職場では常に誰それが転職したとか、あそこの会社が転職の狙い目だといった噂が飛び交っていました。経験のあるベテランが育ちにくく、日本電産では10年勤務すれば『プロパー社員』扱いをするほどです」(C氏) 日本電産がモーター事業で一人勝ちを収める時代は終わった。車載事業の要でもある電動アクスル(EVの基幹デバイス)は、トヨタや日産、ホンダら自動車メーカーを始め欧米企業もシェアを拡大するなど、競合他社がひしめく。 この正念場にあって、古い精神論に拘泥する姿勢は、企業としての成長を阻害し社員を不幸にするばかりではないか。) なお一連の大量退社について編集部から日本電産に質問したところ、 「当社が公表していない人事上の秘密情報に該当する事項を含みますので、回答を差し控えさせていただきます」(代理人弁護士) とのことだった。昨年8月に亡くなった稲盛和夫氏は、日本電産と同じく京都を代表するメーカーの京セラを一代で築いた名経営者だ。 その稲盛氏は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念として掲げた。いま一度、すべての経営者に噛み締めてもらいたい言葉である。 (了。前編から読む)』、「社員になると、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など永守氏の経営理念をまとめた小冊子「挑戦への道」が配布される。冊子にはシリアルナンバーが振られ、社外に持ち出すことはできない。待っているのはこの小冊子の輪読会だ。 「部署ごとに4~5人で『今日はどこそこのページを読もう』と決めて読んだ後に、感想を発表しあうのです。車載事業本部のように他社からの転職組が多い部署は渋々やりますが、小型モータ事業本部のように古株の社員が多い部署は『永守信者』も多く、熱心にやっていました」(同前)」、まるで新興宗教のようだ。「困ったのが物品の購買にあたって「5回値切り交渉をする」という社内ルール。徹底的に経費を抑え込むことをよしとする永守氏の考えに基づいたもので、上司の決裁を得るには稟議書に値切り交渉の履歴を添付しなくてはならない。) 「相手先のなかには、日本電産はそういうルールだと承知して最初はわざと高めの価格を提示してくるところもあって、本末転倒です。こうした風土に次第について行けなくなり、退社を決めました」(同前)・・・この正念場にあって、古い精神論に拘泥する姿勢は、企業としての成長を阻害し社員を不幸にするばかりではないか」、その通りだ。「稲盛氏は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念として掲げた」、自分のことしか考えない「永守氏」とは大きな違いだ。「永守氏」にもその爪の垢でも煎じて飲んでほしいものだ。

第三に、6月3日付け東洋経済オンライン「「バルミューダとパナソニック」失速した根本原因 家電で稼ぐのは至難の業、大手と中堅で温度差」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/757950
・『「デザインでは先駆者だったが、ほかのメーカーのデザインが良くなり、しかも私たちの製品より低価格で提供されている。そしてそれを乗り越えるだけの販売力が維持できていない」 新興家電メーカー・バルミューダの寺尾玄社長は5月10日決算会見で、悔しさをにじませてそう語った。同社は2023年12月期決算で、13億7500万円の営業赤字に転落した。 バルミューダは2015年に発売した、パンをおいしく焼けるトースターが大ヒット。その後も電気ケトルや炊飯器など、従来のイメージを覆すようなおしゃれなデザインや斬新なアイデアで一世を風靡した。 2020年には東証マザーズ市場(現グロース市場)に上場を果たし、コロナ禍では巣ごもり需要を捉えて大幅に売り上げを伸ばしてきた』、「新興家電メーカー」が勢いを維持するのはなかなか困難なようだ。
・『購入層に商品が行き渡った  が、足元は反動減に苦しんでいる。赤字だった2023年度から、2024年度は1億5000万円の営業黒字へ大幅改善を目指しているが、5月10日に発表した2024年度第1四半期(1~3月期)は2億3600万円の営業赤字と水面下。前期から続く旧製品の在庫処理などが響いた。 バルミューダの家電は「売れる数が一般的な製品と比べると少なく、買う人たちが買ってしまうとなかなか次の一巡に入りにくい」(寺尾社長)。コロナ禍の特需で潜在的な購入層に製品が行き渡ってしまい、収束すると急激に販売数が落ちた。) 追い打ちをかけたのは急激な円安だ。バルミューダは工場を持たないファブレスで、中国や台湾など海外を中心に複数の工場へ製造を委託している。円安によって海外で製造している商品の製造原価が上昇し、採算性が悪化した。 そこで値上げに踏み切ると、さらに売り上げが落ちる悪循環に陥った。すでに撤退したスマートフォン事業のために従業員数を増やしていたこともあり、人件費がかさんで大幅な赤字に転落してしまった。 苦戦を強いられているのはバルミューダだけではない。国内家電最大手のパナソニック ホールディングス(HD)は、白物家電事業の一部を収益性の改善が必要な「課題事業」の1つだと明らかにした』、「バルミューダは工場を持たないファブレスで、中国や台湾など海外を中心に複数の工場へ製造を委託している。円安によって海外で製造している商品の製造原価が上昇し、採算性が悪化した。 そこで値上げに踏み切ると、さらに売り上げが落ちる悪循環に陥った。すでに撤退したスマートフォン事業のために従業員数を増やしていたこともあり、人件費がかさんで大幅な赤字に転落」、なるほど。
・『中国家電の”マネシタ電器”に  パナソニックの家電事業は2021年度以降、3期連続の営業減益に沈む。パナソニックHDの楠見雄規社長は「(家電事業会社の)くらしアプライアンス社全体ではそこそこの収益を出しているが、調理家電や空調が期待ほどの収益を出していない。(中略)すでにトップは交代させた」と語る。 2023年12月に新たに家電事業のトップに就任した堂埜茂氏は、収益性の改善が進んでいない理由を「一生使わないであろう機能を取り除けていないのが原因だ」と説明する。 「例えば電子レンジ。1000個ぐらい機能があって多くのセンサーが入っているが、本当に必要なのか。ほとんど移動させない炊飯器にコードを収納できるリールが必要か、と考えていくとシンプルにできる」(堂埜氏)。そして「よくないプライドを捨て、世界で通用する製品を作っている中国メーカーの“マネシタ”電器になる」と続ける。) 大手から新興まで厳しい事業環境に苦しめられる中、気を吐くメーカーもある。炊飯器で国内最大手の象印マホービンだ。調理家電が売上高の約7割を占める同社は、2025年度までの中期経営計画で「調理家電の国内トップブランド確立」をブチ上げた。 2023年11月期の調理家電部門の売上高は586億円。2024年11月期は612億円を計画し、国内外の調理家電が業績を牽引する。 同社の堀本光則・商品企画部長は「性能が高いのは当たり前。お客様が本当に求めている機能は何なのか徹底的に調査し、それをちょうどいい価格で買ってもらえるかどうか」が開発のポイントだと語る。 その一例が炊飯器の最上位モデル「炎舞炊き」だ。競合他社の製品が続々とインターネットと接続できるIoT機能を搭載し、スマートフォンなどと連携させる機能を導入する中、象印はネットへの接続機能をつけていない』、「収益性の改善が進んでいない理由を「一生使わないであろう機能を取り除けていないのが原因だ」と説明する。 「例えば電子レンジ。1000個ぐらい機能があって多くのセンサーが入っているが、本当に必要なのか。ほとんど移動させない炊飯器にコードを収納できるリールが必要か、と考えていくとシンプルにできる」(堂埜氏)。そして「よくないプライドを捨て、世界で通用する製品を作っている中国メーカーの“マネシタ”電器になる」と続ける・・・気を吐くメーカーもある。炊飯器で国内最大手の象印マホービンだ。調理家電が売上高の約7割を占める同社は、2025年度までの中期経営計画で「調理家電の国内トップブランド確立」をブチ上げた。 2023年11月期の調理家電部門の売上高は586億円。2024年11月期は612億円を計画し、国内外の調理家電が業績を牽引する。 同社の堀本光則・商品企画部長は「性能が高いのは当たり前。お客様が本当に求めている機能は何なのか徹底的に調査し、それをちょうどいい価格で買ってもらえるかどうか」が開発のポイントだと語る。 その一例が炊飯器の最上位モデル「炎舞炊き」だ。競合他社の製品が続々とインターネットと接続できるIoT機能を搭載し、スマートフォンなどと連携させる機能を導入する中、象印はネットへの接続機能をつけていない」、「象印マホービン・・・調理家電が売上高の約7割を占める同社・・・「性能が高いのは当たり前。お客様が本当に求めている機能は何なのか徹底的に調査し、それをちょうどいい価格で買ってもらえるかどうか」が開発のポイントだと語る」、なるほど。
・『IoT先駆者がこだわったこと  同社は2001年から湯沸かしポットを利用すると家族の携帯電話に通知が飛ぶ「みまもりポット」を展開するなど、通信機能を搭載した家電の開発では隠れた先駆者だ。 それでもあえて通信機能を入れなかったのは「おいしいご飯を炊くという本質のためには、優先順位が低い機能」(堀本氏)だったから。炎舞炊きではネットにつながる代わりに、ご飯を炊くたびに炊き上がりを評価するボタンが表示され、炊飯器が利用者の好みを学習していく。 デザイン性にも気を配る。「かつては台所と居間が別の住宅が多かったが、リビング・ダイニング・キッチンが1つの空間という住宅が増え、家電製品がつねに目につく場所に置かれるようになった」(堀本氏)からだ。 2022年には17年ぶりにオー ブンレンジの新製品を発売するなど、つまずく大手や新興を尻目に今後もさらに攻勢を強める構えだ。) 人口減少によって国内家電市場が緩やかに縮小していく中、家電メーカー各社の戦略は二分されつつある。 バルミューダや象印のような新興・中堅の家電メーカーは、それぞれが得意とする製品の付加価値を高め、大手メーカーが手薄なマーケットでシェアを伸ばそうとしている。 例えばバルミューダは2023年にホットプレートの新製品を発売した。実勢価格で3.3万円程度の高級機種だが、「中高年の男性を中心に、お金に余裕のある層に受けている」(同社)という。同じ価格帯に既存メーカーの製品がなかったこともあり、発売から1週間で5000台を売り上げた』、「バルミューダや象印のような新興・中堅の家電メーカーは、それぞれが得意とする製品の付加価値を高め、大手メーカーが手薄なマーケットでシェアを伸ばそうとしている」、なるほど。
・『パナソニックはPB受託製造に意欲  一方で、洗濯機や冷蔵庫など大型家電が中心の大手家電メーカーの間では他社との協業や、パートナーを模索する動きが広がっている。 パナソニックは、量販店などの小売業者が展開するプライベートブランド製品の受託製造を開始する構えだ。日立製作所は国内家電事業会社の資本構成変更も含めて、すでにパートナー探しを進めている。 三菱電機は東洋経済の取材に対し書面で「機器単体での販売から家電の使用状況や運転データなどを活用したソリューションを展開していく中で、各社との連携や協業を図る可能性はあり得る」と回答した。 大手企業は海外投資家などから「営業利益率10%以上」といった目標を突きつけられ、半ば強制的に収益性の低い事業の再編を求められている。このまま収益性が低い状況が続けば、将来的な成長性の乏しい国内家電事業は再編の対象となる可能性が高いだろう。 消費者1人ひとりの生活を支える家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡すことになるのか。各メーカーに残された時間は少ない』、「大型家電が中心の大手家電メーカーの間では他社との協業や、パートナーを模索する動きが広がっている。 パナソニックは、量販店などの小売業者が展開するプライベートブランド製品の受託製造を開始する構えだ。日立製作所は国内家電事業会社の資本構成変更も含めて、すでにパートナー探しを進めている」、なるほど。「大手企業は海外投資家などから「営業利益率10%以上」といった目標を突きつけられ、半ば強制的に収益性の低い事業の再編を求められている。このまま収益性が低い状況が続けば、将来的な成長性の乏しい国内家電事業は再編の対象となる可能性が高いだろう。 消費者1人ひとりの生活を支える家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡すことになるのか。各メーカーに残された時間は少ない」、「家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡すことになるのか」、分岐点が近づきつつあるようだ。
タグ:マネーポストWEB「日本電産で大量退職 元社員が辟易とした“永守イズム”と「物品購入に5回値切り」等の社内ルール」 会議に出席する幹部だけでなく、その幹部をサポートするため中間管理職の社員も出社しなくてはならず、疲弊感が全社的に広がっていたからだ。 ところが、関氏の進言を日本電産が長年培ってきた企業文化を崩壊させるものと受け止めた永守氏は、これに激しく反発。車載事業本部の業績低迷もあって、関氏は昨年9月に社長退任へと追い込まれた」、これでは「社員の「大量退職」」は当然だ。 「しかも土日は永守さんから幹部に一斉メールが次々と送られてくるので、これに即座に回答しなければなりません。精神的に全く休めませんが、永守さんは『代わりはいくらでもいる。休みたい奴は辞めろ』と公言しています」(同前) 社長だった関氏は週末も会議やメールのやり取りに追われる習慣をなくすよう永守氏に進言していたと報じられた。 日本電産では永守氏の存在は絶対である。それを社内に徹底させる存在が秘書室だった・・・ブラインドの角度を斜めにしてはいけない』です。永守さんを見下していることになり失礼だというのです」、「ブラインドの角度を斜めにしてはいけない』です。永守さんを見下していることになり失礼」、は理解できない。 「「永守さんの著書に、時間がもったいないから食事では早飯をせよと書いてあったので手早く済ませたのです。永守さんから『おまえ、早いな』と声をかけられましたが、問題は食後。秘書室の社員から『なぜ早く食べたのか』と言われ、『会長が弁当箱の蓋を開けてから蓋を開け、会長が箸を置いてから箸を置くように』と指導された。ここまで細かく言われるのかと驚きました・・・ 日本電産はグループ全体の従業員は11万人を超えるが、本体の社員は2500人あまり。この規模の会社で昨年4月から12月末までに292人の社員が退職。とりわけ冬のボーナスが支給された昨年12月は77人が退社していた マネーポストWEB「日本電産で大量退職 元幹部社員が告白「永守重信会長への過剰な忖度が蔓延している」」 (その6)(日本電産で大量退職 元幹部社員が告白「永守重信会長への過剰な忖度が蔓延している」、日本電産で大量退職 元社員が辟易とした“永守イズム”と「物品購入に5回値切り」等の社内ルール、「バルミューダとパナソニック」失速した根本原因 家電で稼ぐのは至難の業、大手と中堅で温度差) 電機産業 「社員になると、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など永守氏の経営理念をまとめた小冊子「挑戦への道」が配布される。冊子にはシリアルナンバーが振られ、社外に持ち出すことはできない。待っているのはこの小冊子の輪読会だ。 「部署ごとに4~5人で『今日はどこそこのページを読もう』と決めて読んだ後に、感想を発表しあうのです。 車載事業本部のように他社からの転職組が多い部署は渋々やりますが、小型モータ事業本部のように古株の社員が多い部署は『永守信者』も多く、熱心にやっていました」(同前)」、まるで新興宗教のようだ。「困ったのが物品の購買にあたって「5回値切り交渉をする」という社内ルール。徹底的に経費を抑え込むことをよしとする永守氏の考えに基づいたもので、上司の決裁を得るには稟議書に値切り交渉の履歴を添付しなくてはならない。 「相手先のなかには、日本電産はそういうルールだと承知して最初はわざと高めの価格を提示してくるところもあって、本末転倒です。こうした風土に次第について行けなくなり、退社を決めました」(同前)・・・この正念場にあって、古い精神論に拘泥する姿勢は、企業としての成長を阻害し社員を不幸にするばかりではないか」、その通りだ。「稲盛氏は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念として掲げた」、自分のことしか考えない「永守氏」とは大きな違いだ。「永守氏」にもその爪の垢で 煎じて飲んでほしいものだ。 「新興家電メーカー」が勢いを維持するのはなかなか困難なようだ。 「バルミューダは工場を持たないファブレスで、中国や台湾など海外を中心に複数の工場へ製造を委託している。円安によって海外で製造している商品の製造原価が上昇し、採算性が悪化した。 そこで値上げに踏み切ると、さらに売り上げが落ちる悪循環に陥った。すでに撤退したスマートフォン事業のために従業員数を増やしていたこともあり、人件費がかさんで大幅な赤字に転落」、なるほど。 「収益性の改善が進んでいない理由を「一生使わないであろう機能を取り除けていないのが原因だ」と説明する。 「例えば電子レンジ。1000個ぐらい機能があって多くのセンサーが入っているが、本当に必要なのか。ほとんど移動させない炊飯器にコードを収納できるリールが必要か、と考えていくとシンプルにできる」(堂埜氏)。そして「よくないプライドを捨て、世界で通用する製品を作っている中国メーカーの“マネシタ”電器になる」と続ける・・・ 気を吐くメーカーもある。炊飯器で国内最大手の象印マホービンだ。調理家電が売上高の約7割を占める同社は、2025年度までの中期経営計画で「調理家電の国内トップブランド確立」をブチ上げた。 2023年11月期の調理家電部門の売上高は586億円。2024年11月期は612億円を計画し、国内外の調理家電が業績を牽引する。 同社の堀本光則・商品企画部長は「性能が高いのは当たり前。お客様が本当に求めている機能は何なのか徹底的に調査し、それをちょうどいい価格で買ってもらえるかどうか」が開発のポイントだと語る。 その一例が炊飯器の最上位モデル「炎舞炊き」だ。競合他社の製品が続々とインターネットと接続できるIoT機能を搭載し、スマートフォンなどと連携させる機能を導入する中、象印はネットへの接続機能をつけていない」、「象印マホービン・・・調理家電が売上高の約7割を占める同社・・・「性能が高いのは当たり前。お客様が本当に求めている機能は何なのか徹底的に調査し、それをちょうどいい価格で買ってもらえるかどうか」が開発のポイントだと語る」、なるほど。 「バルミューダや象印のような新興・中堅の家電メーカーは、それぞれが得意とする製品の付加価値を高め、大手メーカーが手薄なマーケットでシェアを伸ばそうとしている」、なるほど。 「大型家電が中心の大手家電メーカーの間では他社との協業や、パートナーを模索する動きが広がっている。 パナソニックは、量販店などの小売業者が展開するプライベートブランド製品の受託製造を開始する構えだ。日立製作所は国内家電事業会社の資本構成変更も含めて、すでにパートナー探しを進めている」、なるほど。 「大手企業は海外投資家などから「営業利益率10%以上」といった目標を突きつけられ、半ば強制的に収益性の低い事業の再編を求められている。このまま収益性が低い状況が続けば、将来的な成長性の乏しい国内家電事業は再編の対象となる可能性が高いだろう。 消費者1人ひとりの生活を支える家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡すことになるのか。各メーカーに残された時間は少ない」、「家電で国内メーカーは生き残れるのか。それとも台頭している中国など海外メーカーに市場を明け渡す ことになるのか」、分岐点が近づきつつあるようだ。
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