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冤罪(その3)(妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立、なぜ草津町長は「ウソの性被害告発」の標的にされたのか?現地取材で見えた「黒幕」たちの思惑) [社会]

冤罪については、2019年11月3日に取上げた。今日は、(その3)(妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立、なぜ草津町長は「ウソの性被害告発」の標的にされたのか?現地取材で見えた「黒幕」たちの思惑)である。

先ずは、2019年6月7日付けデイリー新潮「妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/06071115/?all=1
・『「妻は自殺だった」と一貫して無罪を訴えながらも、一審に続き二審でも殺人罪で懲役11年の有罪判決を受け、上告中の朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(45)の周囲で、新たな動きが起きている。2月、朴被告はこれまで全面的に支援を受けてきた講談社を退社。それからまもなくして、学生時代の友人たちが中心となって「支援する会」が起ち上がり、裁判のやり直しを求める署名活動を開始したのだ。「殺人罪」で有罪とされた友を支援する仲間たちの思いとはどのようなものなのか。会の代表に話を聞いた』、「講談社元次長」は「2月、朴被告はこれまで全面的に支援を受けてきた講談社を退社」、すぐに「退社」としなかったからには、「講談社」へも貢献も大きかったのだろう。
・『2月末に講談社を退職していた  会の名称は「朴鐘顕くんを支援する親族、友人たちの会」(以下、支援する会)。今年1月に東京高裁で控訴棄却の判決が出てから、朴被告の出身である京都大学時代のサークルのメンバーらが中心となり活動を始め、3月に正式に発足した。5月からはホームページやTwitterを起ち上げ、判決文やその問題点を訴える資料をアップし、公正な裁判のやり直しを求める署名を呼びかけている。 講談社の次長職だった朴被告を巡っては、雇用関係を維持してきた会社との関係が注目されてきた。講談社は朴被告が逮捕・起訴され、一審で有罪判決を受けた後も、休職扱いにして支援。広報室長が全公判を傍聴し、朴被告と面会するため拘置所に通い続けるなど、異例の対応を取ってきた。二審判決直後も「社員は上告の意向を表明しており、今後の推移を見守りつつ、社として慎重に対処してまいります」とコメントしていたが、1カ月後の2月末日、朴被告はついに退社したという。 講談社関係者が明かす。 「社員には隠すこともなく『退社』と掲示されていました。解雇ではなく、就業規則に則り退職したという書き方。ただ、これは会社が彼を見捨てたことを意味するものではありません。会社としては無罪を訴える社員を信じるという立場を貫いてきましたが、最高裁で有罪が確定してしまえば、さすがに懲戒解雇せざるを得ない。だから、二審も有罪だった場合は、自主退職させることで話が決まっていたのです」 つまり、退職金が支払われる代わりに、このタイミングで縁を切らざるを得なかったというのだ。 「このような温情ある対応は、ヒットメーカーとして会社に貢献してきた彼の実績も考慮されたと思います。朴被告は、健常者と聴覚障害者との恋愛を描いて映画化もされた『聲の形』や、累計3700万部を超えるファンタジー大作『七つの大罪』などを立ち上げた名物編集者として、会社に莫大な利益をもたらしてきました」(同前)』、「名物編集者として、会社に莫大な利益をもたらしてきました」、なるほど。
・『密室内で起きた事件  事件の発生は5年前に遡る。16年8月9日午前3時頃、東京都文京区の一軒家から119番通報が入った。通報したのは朴被告本人。救急隊員が駆けつけると、玄関近くで心肺停止の状態で倒れている妻・佳菜子さん(当時38)が見つかり、病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。 家の中にいたのは、夫妻と乳児も含む4人の子供たちだけだった。当初、警察の取り調べに対し、朴被告は「妻は階段から落ちた」と供述したが、やがて「首を吊って自殺した」と変遷させた。 検死の結果、死因は窒息死と特定された。1階寝室のマットレスやシーツからは、窒息死した際に出る、失禁した妻の尿や血液が混じった唾液が検出され、警視庁はこれらの証拠をもとに、朴被告が寝室で妻の首を絞めて殺害したと断定。発生から5ヶ月を経た17年1月に逮捕に踏み切ったのであった。 決定的な凶器や目撃証言がないこの事件の裁判では、現場に残されていた血痕や尿班、佳菜子さんの遺体にあった左前額部の挫裂創や、表皮剥脱などの証拠をもとに、「殺人」か「自殺」かで、検察側と弁護側が全面的に争ってきた。 検察側の主張は、朴被告が1階の寝室で佳菜子さんを腕で絞めて脳死状態に陥らせたというものだ。その後、殺人ではなかったと偽装するために、佳菜子さんを階段の途中まで担ぎ上げ、突き落とした過程において、佳菜子さんは息絶えたとされる。 一方、弁護側は、佳菜子さんが生後10カ月の末っ子に乱暴しようとしたことが原因で、1階寝室で朴被告と佳菜子さんがもみ合いになり、朴被告が腕を使って押さえ込んだことは認めつつも、殺していないと主張。押さえ込んだ後、佳菜子さんが一度、静かになったため、朴被告が末っ子の様子を見ていると、佳菜子さんが起き上がって包丁を持っていたので、末っ子を連れて2階の子供部屋に避難した。しばらくして、佳菜子さんも2階に上がってきてドアを開けようとしたが、危険を感じたため開けなかった。数十分後、子供部屋から出ると、階段の手すりに巻き付けたジャケットで首を吊って自死を遂げていた――という「自殺ストーリー」を展開した。 裁判員裁判となった19年3月の一審判決で、東京地裁は「(自殺ストーリーは)不自然な状況を想定しなければ説明できないか、そもそも合理的な説明が困難な事情ばかりが見られ、全体として見ると、現実的にあり得る可能性とは認められない」と弁護側の主張を退け、朴被告が寝室で妻の首を絞めて窒息死させたと認定し、懲役11年を言い渡した』、一審では「朴被告が寝室で妻の首を絞めて窒息死させたと認定し、懲役11年を言い渡した」、なるほど。
・『「親友の言葉を信じたい」  今年1月の東京高裁判決も一審判決を支持し、控訴を棄却。この二審判決がきっかけとなり、朴被告が通っていた京都大学の同級生たちが中心になって、本格的な支援に向けて動き始めたという。呼びかけ人であり、共同代表の佐野大輔さん(44)が語る。 「私は在学中から朴と仲良く、卒業後もお互い東京で仕事していた関係から、家族ぐるみで付き合いがありました。亡くなった佳菜子さんや子供たちのことも知っています。逮捕後は、残された4人の子供たちが心配で、1、2カ月おきに自宅を訪ねて、ご家族の様子を見守ってきました」(同前) 佐野さんは一貫して、朴被告の無罪を信じていたという。 「逮捕前に、直接、彼から当日起きたことを事細かく説明を受けています。親友の言葉を信じる気持ちが揺らいだことはなく、一審で有罪判決が出た後も、二審でひっくり返るだろうと考えていました。ただ、裁判については、講談社が全面的にバックアップしていたので任せきりで、詳しい内容は知りませんでした」(同前) 支援する会を始めるきっかけとなったのが、二審判決後、朴被告を個人的に支援してきた講談社の同僚と出会いだった。 「朴のお母さんの紹介でその方に会ってみると、彼も僕とまったく同じスタンスで、家族のサポートに徹してきた人でした。同僚の方は、『事件のことはよくわからないが、子供たちのためにできることをしてあげたい』、『お父さんの無実を信じている人がこんなにもいると伝えてあげたいという思いで、署名を集めている』と話すのです。それならば私もと思い、OBも参加しているサークルのフェイスブックで声がけをした。すると、同意してくれる仲間たちが次々と集まった。現在、会のメンバーは、サークルのOBが中心に36人。講談社の元同僚や朴の親族も入っています」(同前) 社内では朴被告が所属していた漫画部署などを中心に、今も無実を信じる社員が少なくないという。だが、社員でなくなった以上、これからは会社として支援することはできない。その代わりに、今度は学生時代の仲間たちが立ち上がったという話なのだ。「支援する会」の話に入る前に、事件と裁判の経過をおさらいしておく』、「東京高裁判決も一審判決を支持し、控訴を棄却。この二審判決がきっかけとなり、朴被告が通っていた京都大学の同級生たちが中心になって、本格的な支援に向けて動き始めたという」、なるほど。
・『一審判決にあった事実誤認  いざ正式に会を立ち上げ、活動していくにあたり、朴被告の担当弁護士の協力を得て、膨大な裁判資料を読み込んだという。すると、二審判決の“瑕疵”に気づいたという。 「一審判決では、現場には15カ所、佳菜子さんの血痕があるとされ、その証拠に基づいて『自殺ストーリー』はありえないと退けられたのですが、二審では新証拠によって現場に28カ所の血痕があったことが判明しました。つまり、一審判決には重大な事実誤認があったのです。二審判決はその事実誤認を認めた上で、全く新しい理由をもって、自殺ストーリーを退け、有罪判決を下している」(同前) 血痕は自殺ストーリーが成立するか否かで、裁判で重要なポイントとなっていた。佳菜子さんの左前額部の挫裂創から流れ出たものとされているが、生きているうちのものだったか、もしくは脳死状態の時のものだったのかで、評価が変わるのである。なお、完全に死んだ状態だと心臓が止まり、血は流れない。判決では、この挫裂創は朴被告が佳菜子さんを階段から突き落とした際にできたもので、その時、佳菜子さんは脳死状態だったとされている。 確かに高裁判決には、「原判決の上記判断は、客観的事実及び経験則等に照らして不合理であり、上記のような現場の血痕の状況をもって、自殺ストーリーを排斥する根拠とすることはできない」と、一審の判断の誤りを指摘している箇所がある。 だが、新しい血痕の状況を検証し直し、遺体に血痕が付着していないのは不自然であること、首を括った際に利用したとされる階段の手すりの留め具にジャケットの繊維が検出されていないこと、首を締められた際に出る尿班が階段から検出されていないことなどを合わせ、改めて自殺ストーリーを排斥し、「原判決の判断理由には一部是認できないところがあるものの、本件殺人の事実を認定した原判決の判断は、結論において相当である」とした。 刑事裁判の経験が豊富な弁護士は、次のように解説する。 「一般論として刑事事件の控訴審は、第一審の審理に不十分な点があると考えた場合、その点について自ら審理することも、事件を第一審裁判所に差し戻すこともできます。犯罪の成否自体に関する重要な事項は、本来、第一審で十分に審理すべきことですから、原則として差し戻すべきであり、このことは特に、裁判員裁判の対象となるような重大事件において強く当てはまるといえます。 今回のケースでは、朴被告の妻が自殺をしたという弁護側のストーリーを退けた第一審の判断について、控訴審は、前提事実を誤っているとした上で自ら審理し、自殺ストーリーはやはり排斥できるとしました。差戻しをしなかった理由としては、既に一定程度、自殺ストーリーについて裁判員を含む合議体で審理がされていたこともありますが、結局、結論は変わらないと判断されたことが大きかったと思われます」』、「犯罪の成否自体に関する重要な事項は、本来、第一審で十分に審理すべきことですから、原則として差し戻すべきであり、このことは特に、裁判員裁判の対象となるような重大事件において強く当てはまるといえます。 今回のケースでは、朴被告の妻が自殺をしたという弁護側のストーリーを退けた第一審の判断について、控訴審は、前提事実を誤っているとした上で自ら審理し、自殺ストーリーはやはり排斥できるとしました」、なるほど。
・『1カ月かけて準備したホームページ  佐野さんはこう訴える。 「『市民を有罪にするのは市民の手で』が裁判員制度の大原則である以上、一審の判断に重要な誤りがあったことが判明した時点で、高裁は一審に差し戻すか、無罪判決を言い渡すべきです。一審の有罪理由を棄却し全く新しい理由をもって有罪判決を下すことは、高裁には許されていない。重大なルール違反だと我々は考えています」 こう語る佐野さんたちは、裁判を検証する膨大な資料を作成し、会のホームページにアップした。「朴鐘顕くんの裁判 2審判決文の構造と疑問点」というパワーポイントで作成された資料はA4用紙で18ページ、難解な法律用語などを平易な文章に直し、会の主張をまとめた「私たちが考える朴鐘顕くんの裁判に関しての重要な問題点」は、38ページにも及ぶ。 「みな仕事をしながらでしたので、休日を費やしながらの大変な作業でした。ホームページを立ち上げたのが5月1日。署名は約600通集まっています。ホームページを見て賛同し、電話やメールで署名してくれる人が増えています。6月からは、署名サイト『change.org』を使用した、電子署名も始めました。目標としては、上告趣意書提出に添付するものとして、直筆で1000。もちろん、このような数字が裁判所にインパクトを与えられるものではないことはわかっています。まずは、このような公正ではない裁判の真実を多くの方に知っていただき、世論の動きを作りたいという思いです。お子さんたちもお父さんの無実を信じ、帰りを待っています」(同前)』、「一審の判断に重要な誤りがあったことが判明した時点で、高裁は一審に差し戻すか、無罪判決を言い渡すべきです。一審の有罪理由を棄却し全く新しい理由をもって有罪判決を下すことは、高裁には許されていない。重大なルール違反だと我々は考えています」 こう語る佐野さんたちは、裁判を検証する膨大な資料を作成し、会のホームページにアップした」、なるほど。
・『朴被告の様子は……  このような友人たちの動きを、朴被告はどのように受け止めているのだろうか。二審判決を記者も傍聴したが、朴被告の様子は極めて情緒不安定に見えた。主文言い渡しの後、「えっ、どうして」と叫び、その後も「してない! してない!」、「矛盾しているよ!」などと不規則発言を繰り返し、裁判長からたしなめられていた。 「面会に行っているご家族や同僚によれば、今は落ち着いていると聞いています。最近、僕が受け取った手紙では、拘置所の中で本を読みながら健康的な生活を送っていると書いてありました。会の活動が始まったことについては感謝している様子でしたが、やはり子供たちのことを一番心配していて、とにかく早く家に戻りたい一心のようです。彼の法廷での様子をもって、心象が悪いと評する記事もありましたが、無実の罪によって子供たちの面倒を見られなくなってしまうことを恐れていると考えれば、当然のことでしょう」(同前) だが、一審に続き二審でも有罪判決が下った現実はやはり重い。公判を傍聴してきた司法記者はこう指摘する。 「確かに一審の立証に問題があったのは事実だが、二審で改めて、証拠を精査し直して自殺ストーリーはちゃんと排斥されている。何よりも、一階寝室のマットなどに残されていた唾液混じりの血痕と尿班が、朴被告が妻を窒息死させた決定的な証拠です。弁護側は唾液混じりの血痕について、『歯磨きにより粘膜や歯茎から出血した可能性がある』と主張していますが、荒唐無稽過ぎます」 前出の弁護士も、上告審で覆る可能性については懐疑的だ。 「最高裁は、『重大な事実の誤認』があるなど、高裁判決が著しく正義に反すると判断すれば、これを破棄することはできます。第一審に差し戻さずに排斥された自殺ストーリーについて、『重大な事実の誤認』や『法令の違反』があるとされるかがポイントとなりそうですが、ハードルは低くはないでしょう」 デイリー新潮取材班』、「二審で改めて、証拠を精査し直して自殺ストーリーはちゃんと排斥されている。何よりも、一階寝室のマットなどに残されていた唾液混じりの血痕と尿班が、朴被告が妻を窒息死させた決定的な証拠です。弁護側は唾液混じりの血痕について、『歯磨きにより粘膜や歯茎から出血した可能性がある』と主張していますが、荒唐無稽過ぎます」、「「最高裁は、『重大な事実の誤認』があるなど、高裁判決が著しく正義に反すると判断すれば、これを破棄することはできます。第一審に差し戻さずに排斥された自殺ストーリーについて、『重大な事実の誤認』や『法令の違反』があるとされるかがポイントとなりそうですが、ハードルは低くはないでしょう」、さて「最高裁」の判断が注目される。

次に、本年6月14日付けダイヤモンド・オンラインが弁護士ドットコムニュースを転載した「なぜ草津町長は「ウソの性被害告発」の標的にされたのか?現地取材で見えた「黒幕」たちの思惑」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/345360
・『*本記事は弁護士ドットコムニュースからの転載です。 町長室で町長から性被害にあった――。5年前、草津温泉で有名な群馬県草津町の議員だった女性による告発は、MeToo運動の流れの中で国内外から注目を集めた。 しかし、黒岩信忠町長(77)と性的関係を結んだと虚偽の告発をした元町議の女性ら3人に対して、黒岩町長が名誉毀損で訴えた裁判で、前橋地裁は今年4月、女性らに275万円を支払うよう命じる判決を下した。性交渉はなかったと認定し、町長の名誉を毀損したと判断したのだ。 なぜ、こんなことが起きてしまったのか。現地で取材すると、事件に関わった人たちの思惑と事情が見えてきた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介) (図表1:虚偽告訴事件の流れはリンク先参照)』、よく理解できない事件だ。
・『町長は一貫して否定するも高まる批判  当時、草津町の町議会議員だった新井祥子氏(55)が”性被害”を告発したのは2019年11月。 2015年1月8日に町長室で黒岩信忠町長(77)と肉体関係を強いられたという内容だった。 黒岩町長は当初から一貫して否定していたが、草津町で初めて女性議員となっていた新井氏を議会が除名処分にしたことや、その後の住民によるリコール成立で新井氏が解職されたことに相まって、町全体で性被害者を追い詰める「セカンドレイプの町」などと批判する声が高まった。 黒岩町長が名誉毀損で訴えた民事訴訟で新井氏の告白が嘘だったことが明らかになったが、騒動の発端はあまり知られていない。 告白文書「町長に気持ちが通じた時うれしかった」 最初の“ズレ”は、ライターの飯塚玲児氏(57)がある文書を手にしたことから始まった。) 飯塚氏が書いた告発本「草津温泉 漆黒の闇5」(すでに販売打ち切り)によると、飯塚氏はある時、新井氏本人が「令和元(2019)年8月に書いたもの」と語った告白文書を入手したという。 そこには以下のような記述があった(一部を引用)。 私は草津に来た時からお世話になり、信頼していたG議員に、黒岩町長の悪口を新聞に書く様にや、会話を録音する様にそそのかされ、その様に行っていました> <G議員に言われ、黒岩町長に近づくうちに、黒岩町長を本当に好きになってしまいました> <町長室で2人きりになった時に、私の気持ちが通じた時には本当に嬉しかったです> 飯塚氏はこうした内容が本当であるかを確認するため、2019年9月9日に新井氏にインタビューした。そして、新井氏は文書の内容が事実であると認めたという』、「黒岩町長」はなかなかもてるようだ。
・『ライターの「直感」で飛躍したストーリー  しかし、ここから話が飛躍する。 飯塚氏はこの文書を入手する前から湯治客が集まる話し合いの場で新井氏から直接この告白を聞いていたといい、こう書いている。 <その話し合いのとき、直感的にこう思ったのである。あ、彼女は黒岩町長とも体の関係があるに違いない、と> この「直感的な」見立てのもと、飯塚氏は2019年9月のインタビュー取材に臨んだのだった。 飯塚氏は告発本で、新井氏へのインタビュー時のやり取りを以下のように記している。 飯塚氏 <好意を抱いていた黒岩町長と「二人きりになった時に気持ちが通じた」とあるんですが、これは黒岩町長との間で、肉体関係があった、と推察されるんですが、そういうことでよろしいでしょうか?> 新井氏 <「・・・・・」(目を赤くし、涙ぐみながら、ゆっくりと首を縦に振った)> 飯塚氏 <あまり具体的なことは聞きづらいんですが、その、大人の行為をした場所は、町長公室の中で、ということでよろしいでしょうか?あるいは別の、どこかのホテルなどですか?>  新井氏 <(町長と)お会いするのは、町長の公室がほとんどでしたので・・・・>』、「お会いするのは、町長の公室がほとんど」とはつましいことだ。 
・『インタビュー後に肉体関係を告白する文書  告発本を読むと、この2019年9月のインタビューの際、新井氏の口から明確に“性被害”の証言が語られたわけではなかったようだ。 だがその後、新井氏から飯塚氏宛てに「町長室にて黒岩信忠町長と肉体関係をもちました」と自ら打ち明けた文書が送られてきたという。 そこには新井氏の署名とともに「令和1年10月13日」と書かれていた。 <その文書をみたとき、思わず「来た!」と呟いた> 飯塚氏は告発本にそう書いている。 届いた郵便物には黒岩町長と肉体関係を結んだ前後の経緯が書かれた書類も同封されていたといい、飯塚氏はここで、最初に抱いた「直感」が正しかったと確信するに至ったとみられる』、「飯塚氏はここで、最初に抱いた「直感」が正しかったと確信するに至ったとみられる」、なるほど。
・『町長の言い分を聞かずに出版  実は飯塚氏は、新井氏にインタビューした10日後の2019年9月19日に黒岩町長に取材する機会を得ていた。 しかし、新井氏の“性的関係”や“性被害”について真偽を尋ねることもないまま、2カ月後の11月11日に告発本を出版したのだった。 結果的に十分な裏付け取材をしなかったことが致命的なミスとなり、飯塚氏は名誉毀損が争われた裁判で黒岩町長への損害賠償を命じられることになる。 告発本が出版された後、新井氏は公の場で「黒岩町長から性被害にあったことは事実」などと自ら訴えるようになった。 黒岩町長や草津町に対するバッシングが強まった一方で、発端となった告発本の内容を疑問視する声は目立たなかった。 ここまでの流れをまとめると下の表になる。 (図表2:告発本出版までの経緯 はリンク先参照)』、「飯塚氏は」、「新井氏の“性的関係”や“性被害”について真偽を尋ねることもないまま、2カ月後の11月11日に告発本を出版」、「結果的に十分な裏付け取材をしなかったことが致命的なミスとなり、飯塚氏は名誉毀損が争われた裁判で黒岩町長への損害賠償を命じられることに」、余りにお粗末だ。
・『背景に伝統の入浴法をめぐる対立  草津町で取材を進めると、2019年頃に勃発した草津温泉の入浴法をめぐる町内の対立が告発に影響したという話が通説となっているらしいことが分かった。 ここでまず理解しておきたいのが「時間湯」だ。草津温泉で100年以上の伝統を持つと言われる入浴法のことで、「湯長(ゆちょう)」と呼ばれる人が湯治客の体質や体調にあった入浴の仕方を指導する制度が続いてきた。 医師の治療を受けても皮膚病などが改善しなかった人が時間湯で良くなるケースがあり、昔から湯長を頼りに草津温泉を訪れる湯治客がいるという。 この「湯長制度」について草津町は2019年に廃止を決定。当時の報道によると、黒岩町長は湯長による湯治客への対応が医師法に違反する恐れがあることなどを理由にあげた。 これに対し、伝統的な時間湯を守りたい人たちから反発の声が上がった。 前述した新井氏の告白文書が関係者の間で出回るのは、草津町が湯長制度の廃止を決めた時期と重なることが見えてくる』、「黒岩町長は湯長による湯治客への対応が医師法に違反する恐れがあることなどを理由にあげ」、「廃止を決定」、「これに対し、伝統的な時間湯を守りたい人たちから反発の声が上がった」、こんなのが政争になるとは本当にローカルだ。
・『本出版と引き換え、知事に要望  ここから浮かび上がるのは、湯長制度の廃止を黒岩町長に撤回させるために「町長室での性被害」が作り出されたという可能性だ。 事実、飯塚氏は告発本の前半で、湯長制度廃止の方針を示していた黒岩町長への批判を展開している。そして、その流れで後半に新井氏の告白が盛り込まれている。 また、告発本の冒頭にはこうした記述もある。 <本巻刊行前に、山本一太群馬県知事にメールを送り、本巻の刊行を取り下げるのと引き換えに、黒岩町長に時間湯の復活についての提言をしていただけないものか、という内容を送信した> これについて飯塚氏は、2019年12月27日のブログで、「僕としては、本書の内容が新井元議員の立場を著しく傷つけるものであることから、可能であれば出さないで済ませられれば、という一途な思いから出たことでした」と釈明している』、「本巻刊行前に、山本一太群馬県知事にメールを送り、本巻の刊行を取り下げるのと引き換えに、黒岩町長に時間湯の復活についての提言をしていただけないものか、という内容を送信した」、地方政治は本当にローカルそのものだ。
・『真相を知る2人 取材に応じず  黒岩町長は取材に「時間湯の改革が事件のきっかけになったとは思います」と語ったが、本当のところはどうだったのか。 湯長制度廃止を撤回させるため、新井氏や飯塚氏が黒岩町長のスキャンダルを必要としたのではないか。 真意を確かめたいと思い2人に取材を申し込んだが、次のような理由で断られた。 新井氏「弁護士さんとも相談したのですが、やはり、今回の取材は、お断りしたいと思います」 飯塚氏「現状ではまだ新井さんの裁判が民事・刑事とも決着しておらず、この段階でのコメントは差し控えたい』、「真相を知る2人 取材に応じず」、大人の対応だ。
・『嘘の告発を信じた支援者の今  今振り返ると危うい経緯をたどってきたことが分かるが、新井氏を応援してきた人たちは今何を思うのか。 その一人で草津町の元議員、中澤康治氏(89)に会いに行くと、最初は「ノーコメントで」と言っていたが、立ち話をする中で当時の心境を徐々に明かしてくれた。 中澤氏は2019年に新井氏が告発した直後から記者会見に同席したり、草津町議会で黒岩町長の不信任決議案を提出したりするなど新井氏を最も近くでサポートしてきた。 新井氏と飯塚氏の2人とともに黒岩町長から名誉毀損で訴えられたものの、今年4月の前橋地裁の判決では唯一、損害賠償の支払いを命じられなかった』、「新井氏と飯塚氏の2人とともに黒岩町長から名誉毀損で訴えられたものの」、「判決では唯一、損害賠償の支払いを命じられなかった」、なるほど。 
・『戦後の体験と男社会への違和感が源  まず、新井氏の話が嘘だったことについてどう受け止めているかを聞くと、中澤氏はこう答えた。 「当事者しか分からないことだから外部から想像するしかない。当事者以外はみんな分からないんだから、意見が二つに分かれてもいいと思うんだけどね。どこまでが嘘でどこまでが本当のことか分からないけど、嘘をつかれたことは事実なのでその部分は謝りたい。支援してくれた人をだました格好にもなり、申し訳ないと思っている」 戦前生まれの中澤氏は小学生の頃、朝鮮半島から群馬に来た労働者の子どもが地元の子どもたちに暴力を振るわれていた場面を強く覚えているという。 「朝鮮の人たちがやられていた時に助けてやれなかったことをいまだに後悔している。やっぱり弱い者を守りにいかないとなって」 また、以前から根回しを重視する男社会に違和感があり、女性の政治家を増やしたいと考えてきたという。 性被害を告発した新井氏を支えようと行動してきた裏には、そうした思いや経験があったようだ』、「以前から根回しを重視する男社会に違和感があり、女性の政治家を増やしたいと考えてきたという。 性被害を告発した新井氏を支えようと行動してきた裏には、そうした思いや経験があったようだ」、動機は全うだ。
・『「性被害者が泣き寝入りする世の中になってはいけない」  一連の騒動をめぐって多くの関係者が危惧しているのは、今回の虚偽告訴事件によって性暴力の被害者が声を上げにくくなるのではないか、ということだ。 黒岩町長は「実際に性被害やセクハラを受けている人はたくさんいると思います。一般的に考えれば、女性が声を上げたらそれはほぼ正しいことだと私は思うんですよ」と話す。 実際に、性暴力の被害者は無力感や自己嫌悪に苦しんだり、被害を訴えても信じてもらえなかったりするため、被害自体が表面化しにくいとされる。 黒岩町長は今回の事件を振り返った上で最後にこう訴えた』、「黒岩町長は「実際に性被害やセクハラを受けている人はたくさんいると思います。一般的に考えれば、女性が声を上げたらそれはほぼ正しいことだと私は思うんですよ」と話す」、その通りだ。
・『「性被害の問題では冤罪もあるということを分かってほしいと思います。これだけ大きな事件になったわけですが、世の中にはもっと冷静に見てほしかった。今回の事件によって、本当に性被害を受けた人が声を上げづらくなっているとしたら大変な問題です。これが前例になって本当に性被害にあった人が泣き寝入りする世の中になってはいけません」 弁護士ドットコムニュース(専門家と連携し、法律トラブルや社会問題を独自視点で伝えるニュースメディア』、「今回の事件によって、本当に性被害を受けた人が声を上げづらくなっているとしたら大変な問題です。これが前例になって本当に性被害にあった人が泣き寝入りする世の中になってはいけません」、同感である。
タグ:冤罪 (その3)(妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立、なぜ草津町長は「ウソの性被害告発」の標的にされたのか?現地取材で見えた「黒幕」たちの思惑) デイリー新潮「妻殺害の「講談社元次長」が二審有罪で“自主退職” 大学時代の仲間は「支援する会」を設立」 「講談社元次長」は「2月、朴被告はこれまで全面的に支援を受けてきた講談社を退社」、すぐに「退社」としなかったからには、「講談社」へも貢献も大きかったのだろう。 「名物編集者として、会社に莫大な利益をもたらしてきました」、なるほど。 一審では「朴被告が寝室で妻の首を絞めて窒息死させたと認定し、懲役11年を言い渡した」、なるほど。 「東京高裁判決も一審判決を支持し、控訴を棄却。この二審判決がきっかけとなり、朴被告が通っていた京都大学の同級生たちが中心になって、本格的な支援に向けて動き始めたという」、なるほど。 「犯罪の成否自体に関する重要な事項は、本来、第一審で十分に審理すべきことですから、原則として差し戻すべきであり、このことは特に、裁判員裁判の対象となるような重大事件において強く当てはまるといえます。 今回のケースでは、朴被告の妻が自殺をしたという弁護側のストーリーを退けた第一審の判断について、控訴審は、前提事実を誤っているとした上で自ら審理し、自殺ストーリーはやはり排斥できるとしました」、なるほど。 「一審の判断に重要な誤りがあったことが判明した時点で、高裁は一審に差し戻すか、無罪判決を言い渡すべきです。一審の有罪理由を棄却し全く新しい理由をもって有罪判決を下すことは、高裁には許されていない。重大なルール違反だと我々は考えています」 こう語る佐野さんたちは、裁判を検証する膨大な資料を作成し、会のホームページにアップした」、なるほど 「「最高裁は、『重大な事実の誤認』があるなど、高裁判決が著しく正義に反すると判断すれば、これを破棄することはできます。第一審に差し戻さずに排斥された自殺ストーリーについて、『重大な事実の誤認』や『法令の違反』があるとされるかがポイントとなりそうですが、ハードルは低くはないでしょう」、さて「最高裁」の判断が注目される。 ダイヤモンド・オンライン 弁護士ドットコムニュース 「なぜ草津町長は「ウソの性被害告発」の標的にされたのか?現地取材で見えた「黒幕」たちの思惑」 よく理解できない事件だ。 「黒岩町長」はなかなかもてるようだ。 「お会いするのは、町長の公室がほとんど」とはつましいことだ。 「飯塚氏はここで、最初に抱いた「直感」が正しかったと確信するに至ったとみられる」、なるほど。 「飯塚氏は」、「新井氏の“性的関係”や“性被害”について真偽を尋ねることもないまま、2カ月後の11月11日に告発本を出版」、「結果的に十分な裏付け取材をしなかったことが致命的なミスとなり、飯塚氏は名誉毀損が争われた裁判で黒岩町長への損害賠償を命じられることに」、余りにお粗末だ。 「黒岩町長は湯長による湯治客への対応が医師法に違反する恐れがあることなどを理由にあげ」、「廃止を決定」、「これに対し、伝統的な時間湯を守りたい人たちから反発の声が上がった」、こんなのが政争になるとは本当にローカルだ。 「本巻刊行前に、山本一太群馬県知事にメールを送り、本巻の刊行を取り下げるのと引き換えに、黒岩町長に時間湯の復活についての提言をしていただけないものか、という内容を送信した」、地方政治は本当にローカルそのものだ。 「真相を知る2人 取材に応じず」、大人の対応だ。 「新井氏と飯塚氏の2人とともに黒岩町長から名誉毀損で訴えられたものの」、「判決では唯一、損害賠償の支払いを命じられなかった」、なるほど。 「以前から根回しを重視する男社会に違和感があり、女性の政治家を増やしたいと考えてきたという。 性被害を告発した新井氏を支えようと行動してきた裏には、そうした思いや経験があったようだ」、動機は全うだ。 「黒岩町長は「実際に性被害やセクハラを受けている人はたくさんいると思います。一般的に考えれば、女性が声を上げたらそれはほぼ正しいことだと私は思うんですよ」と話す」、その通りだ。 「今回の事件によって、本当に性被害を受けた人が声を上げづらくなっているとしたら大変な問題です。これが前例になって本当に性被害にあった人が泣き寝入りする世の中になってはいけません」、同感である。
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