飛行機(航空機)(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション) [産業動向]
飛行機(航空機)については、2018年10月22日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション)である。
先ずは、昨年9月7日付けMerkmal「福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か」を紹介しよう。
https://merkmal-biz.jp/post/47860
・『最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、興味深そうだ。
・『「門限」問題再び 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である。 前回大きな問題となったのは2023年2月で、羽田発福岡行きのJAL機が「門限」によって福岡空港に着陸できず、関西空港に回航、結局東京の羽田空港に戻された。 今回は国際線で、北九州空港にダイバート(目的地変更)したが、入国できず、出発地のマニラに戻らなければならなかった。乗客にとっては災難としかいいようがない。 9月4日、フィリピンの格安航空会社(LCC)セブパシフィック航空は、福岡空港の混雑で上空旋回を余儀なくされた結果、燃料不足が懸念され、北九州空港に着陸したと報じられた。このため、福岡空港の「門限」に抵触し、マニラへ引き返した。この間、乗客は機内に11時間も閉じ込められた。 ここでまず疑問になるのは、燃料不足の恐れがなぜ生じたのかということだ。通常、航空機のフライトを計画する際、ディスパッチャー(運航管理者)とパイロットは目的地の空港の状況をきちんと把握し、上空旋回の可能性があれば、燃料を多めに搭載するはずである。 特に福岡空港は滑走路が1本しかなく、混雑時には長時間の上空旋回を余儀なくされることが予想される。燃料不足の恐れがあったとはどういうことか。燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない」、これは大いに問題だ。
・『着陸可否の見極め必要 一方で、福岡空港の混雑が「門限」を守ることを難しくしているのも事実だ。2024年に新しい第2滑走路が建設され、供用が開始されれば、混雑度は改善されるだろう。しかし当面は、観光需要の急速な回復とそれにともなう離着陸便の増加により、福岡空港の離着陸遅延がますます深刻化することを覚悟しなければならない。そうなれば、「門限」の問題は今後も繰り返されるだろう。 国内線については、北九州空港の受け入れ環境が整備された結果、問題は緩和されたが、国際線の「門限」問題については、改めて深く検討する必要があることが、今回のケースで明らかになった。 前述したように、CIQの職員は国家公務員であるため、そう簡単に増員することはできないし、今回のような状況を踏まえて増員すれば、逆に2024年の福岡空港の新滑走路供用開始時に余ってしまう可能性もある。 当面は、福岡空港を出発する時間帯に、福岡空港への着陸の可否を慎重に見極め、少なくとも21時までには到着するスケジュールで便を設定するしかない。それ以降に福岡空港に到着したい場合は、特に国内線では新幹線の利用を促すべきだ。これは、環境負荷を減らすために需要を航空から鉄道にシフトさせるというヨーロッパの政策にも合致する。 そして何よりも「パッセンジャー・ライト(乗客の権利)」を考えることである。これは以前の記事(「JAL機の福岡空港「門限破り」 既出報道に欠けていた「乗客の権利」という視座、航空需要回復の今後このままでいいのか?」、2023年3月11日配信)でも触れたことだが、欧米のLCCでパイロットに成果主義が導入された際、悪天候で飛べそうもないフライトでも、なんとか飛ばそうと乗客が長時間機内に留め置かれ、結局フライトは失敗に終わった。その結果、乗客が大きな精神的・肉体的苦痛を被ったことから生まれた乗客の権利概念である。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「福岡空港」では「「門限問題」が深刻であるにも関わらず、「(LCC)セブパシフィック航空」が利用を申し込んでいたとは不思議だ。継続的利用ではなく、スッポット的利用なのかも知れない。さらには、「第二滑走路」完成で混雑が緩和されることを先読みしている可能性がある。
・『乗客補償の採用 ロイター通信は8月28日、米運輸省がアメリカン航空グループに対し、旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則に違反したとして、410万ドル(約6億610万円)の罰金を科したと報じた。このうち半分の205万ドルは、地上にとどまることを余儀なくされた』、日本でも「旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則」の導入を検討すべきだ。
・『「乗客への補償」 に充てられる。 報道によれば、2018年から2021年にかけて、アメリカン航空は合計43便において、乗客に降りる機会を与えずに地上にとどまらせたことが判明している。そしてそのなかには、乗客に水や食料を提供する義務が果たされていないケースもあったとしている。 日本もこの考え方を採用する必要があるだろう。これにより、航空会社が最近の遅延増加による問題に対して、より真剣な対策を採るようになることが期待される』、日本でもアメリカのように「乗客に降りる機会を与え」たり、「乗客に水や食料を提供する義務」を課したりすべきだ。
次に、昨年9月7日付けFNNプライモンラインが掲載した「機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン」を紹介しよう。
https://www.fnn.jp/articles/-/582568
・『4日午後8時ごろ、福岡空港で撮影されたとある映像。 フィリピンのマニラから来た航空機が、着陸を試みるが…、機体は上昇。 マニラにUターンすることを余儀なくされたのだ。 一度着陸を試みたものの、再び上昇していくマニラからの航空機(福岡空港 4日午後8時ごろ)乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった』、「乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった」だけでなく、「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる』、「「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる」、その通りだ。
・『乗客「言われた瞬間、絶望。反応する元気もなかった」 マニラに戻る航空機の中で、撮影された映像がある。 乗客の女性が、タガログ語で「初めての経験です。日本に着いたばかりなのに、再びマニラに飛び立ちます」と話している。 機内は照明が落とされ、外も真っ暗だ。 イット!の取材に、乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」と当時の心境を明かした』、「乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」、心から同情する。
・『原因は?給油と目的地・福岡空港の“門限” なぜ、着陸しないまま、マニラに引き返すことになったのか。 答えは、目的地である福岡空港の“門限”だ。 福岡空港は市街地と隣接していることから、午後10時を過ぎると着陸できない。 着陸できなかったのは、フィリピンの格安航空会社「セブ・パシフィック航空」の航空機。 国土交通省・福岡空港事務所によると、航空機は4日午後4時半ごろ、マニラの空港を離陸した。 そして午後8時ごろ、航空機は着陸態勢に入った。 管制が着陸を促すと、「燃料が足りなくなるおそれがある」と連絡があったという ところが、何らかの理由で上昇。 管制が再び着陸を促したところ「燃料が足りなくなる恐れがある」と連絡があり、航空機は北九州空港に代替着陸し、給油した。 北九州空港では入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー。 マニラへと引き返すことになったのだという』、「北九州空港」に「代替着陸し、給油」したが、「入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー」、さんざんだ。
・『結局、福岡空港の“門限”を過ぎ、出発地に引き返すことに… 約11時間機内にいた乗客は、航空会社の対応にも疑問を抱いていた。 約11時間機内にいた乗客:次の便の予約をしてもらったんですけど、そのカウンターも1つしかなくて、そこでもめっちゃ待たされて。体力的に休めなかったので、きつかったですね。 航空機は、他の空港に行くことはできなかったのだろうか。 元日本航空機長で、航空評論家の小林宏之氏に話を聞いたところ、入国手続きができず、すでに“門限”をオーバーた。(「イット!」9月6日放送より)』、こんな場合には、格安航空は、不利だ。特に、「格安航空会社「セブ・パシフィック航空」」の対応は余りにお粗末だ。
第三に、6月22日付け東洋経済オンラインが掲載した元航空管制官・航空専門家のタワーマン氏による「航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/764535
・『2024年1月2日、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故では、管制官とパイロットの交信が注目されました。事故原因はまだ究明されていませんが、航空管制が空の安全において非常に重要な位置を占めていることは間違いありません。 航空管制の世界は、意外に思えるほどに「人と人のコミュニケーション」によって成り立っています。ひとつのミスも許されないなか、管制官とパイロット、さらには管制官同士で、どのような交信を行なっているのか? 元・航空管制官で現在、航空評論家であるタワーマン氏の著書『航空管制知られざる最前線』から一部を抜粋し、間断ない離陸・着陸を捌くプロフェッショナルの舞台裏に迫ります』、興味深そうだ。
・『世界中の管制官が英語で交信を行なう理由 管制官は、安全かつ効率的に航空交通を管理するのが仕事です。しかし、実際に飛んでいるのはパイロットで、管制官は管制室またはレーダー室の内部にいます。管制官がコントロールできる方法は、無線によるパイロットとの交信のみ。つまり、コミュニケーションこそ、管制官の「最大の武器」なのです。 パイロットとの交信は、基本は英語で行ないます。国際航空機関であるICAO(国際民間航空機関)はもちろんのこと、日本の管制の〝バイブル?である「管制方式基準」にも「管制用語は英語または母国語を原則とする」と記されています。なぜ、英語なのか。その理由は2つあると私は考えています。 1つは、当然ですが「共通言語が必要」だということ。世界中、さまざまな国で航空機が行き来し、パイロットの国籍もさまざまです。やはり共通語となると英語が適当でしょう。では、国際線が発着しない国内線専用の空港ではどうかというと、やはり英語が原則です。ただし、中国のように国内パイロットの便に限って、母国語を使っている国もあります。) ある日本人パイロットから聞いた話ですが、彼が中国の空港に行ったとき、別の飛行機のパイロットが管制官と何を話しているのかが理解できず、大きな不安を覚えたそうです。 管制官がパイロットに指示しているのか、地上車両の運転手に情報を出しているのかさえもわからなかったといいます。 管制官が何かの指示を出していることは理解できるのですが、その内容が不明なので、別の飛行機がこちらに機首を向けて動き出したりはしないかと疑念が抜けなかったそうです。パイロットの状況認識もまた、航空交通の安全には欠かせないものです。たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います』、「たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います」、その通りだ。
・『「誤解を生まないため」に英語を使う 交信に英語を使うもう1つの理由、それは、「誤解を生まないため」です。管制で使う言葉は英語を基本としていますが、日常英語そのものではありません。より誤解を生まないように定義されています。そのことについては後述しますが、まず、ふだん使い慣れた言葉(私たちにとっては日本語)が、本当にもっとも誤解を生まないコミュニケーション手段なのかどうかを考えてみましょう。 たとえば、「○○はないですよね?」という質問に「はい」と答える場合、日本語では「はい、あります」「はい、ありません」と後ろに続く言葉しだいで2つの可能性があります。「はい」だけでは意味を持たない(判断できない)こともあるでしょう。 また、日本語は表意文字で漢字を使うため、読むときにはわかりやすいのですが、耳で聞くときには同音異義語が多いのも気になります。たとえば、「こうか」は「降下」なのか「効果」なのか。「たいき」は「待機」なのか「大気」なのか。文脈を読めば間違えることはまずなさそうですが、それでも曖昧さは残ります。) 誤解をなくすうえでいちばん重要なことは、耳で聞いただけで、明確にこの言葉とこの言葉は違うと区別できることです。ふだん使い慣れている母国語であるために、かえって曖昧さを許容してしまったり、微妙に違う意味に捉えてしまうこともあるでしょう。 管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです』、「管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです」、なるほど。
・『聞き間違いを防ぐ「フォネティックコード」とは 管制で使う英語は、誤解を生じないように定義されていると述べましたが、その例をいくつか挙げておきましょう。 たとえば、「Yes」「No」は基本的に使いません。「Yes」と答えたいときは「affirm」「No」は「negative」といいます。それぞれ音節が短く聞き取りにくい、ほかの言葉と区別しにくいというのがその理由です。 とくに「No」は「Know」と音が同じでまぎらわしく、また「All」など「O(オー)」の音に似た母音を含む単語が多いのも理由だといわれています。アルファベットも、やはり短くて聞き取りにくいため、「A(エー)」「B(ビー」)「C(シー)」とは発音しません。誰しも日常的に、B、D、E、P、Tなどは、聞いたときにどれなのか迷ってしまい、相手に確認した経験があるのではないでしょうか。 ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう。 これらは、航空管制官など航空保安職員の教育訓練を行なう航空保安大学校で叩きこまれるので、頭に染みついています。私もふだんの英会話で、うっかり「9」を「ナイナー」といってしまった経験があります』、「ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう」、なるほど。
・『現場でもっとも使われるフォネティックコード((出所)『航空管制 知られざる最前線』より フォネティックコードが管制の現場でもっとも使われるのは、誘導路の指示です。ターミナルビルと滑走路のあいだには網の目のように誘導路が走っており、駐機場から滑走路に誘導するときに、どの誘導路を通っていくのかを管制官がパイロットに指示します。 この誘導路が「A-1」「A-2」「B」「C」などとなっていることが多いのですが、これをパイロットが聞き間違えて、さらに管制官も復唱の間違いをスルーすると、「道間違い」が発生します。 そのリカバリーは大変ですし、タイミングによってはヘッドオン(鉢合わせ)や接触など、重大な出来事につながりかねません。そこで、「アルファー・ワン」「ブラボー」「チャーリー」などとフォネティックコードを使うルールになっているのです。) また、パイロットとの交信中に聞き慣れない言葉が出てきたときにも、フォネティックコードで確認する場合があります。よくあるのが、機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます』、「機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます」、確かに便利そうだ。
・『羽田の管制塔は「トーキョータワー」? 航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります。 個人用や社用のビジネスジェットなども、すべてアルファベットのコールサインがあり、面白いものだと日産は「NI55AN(ノベンバー、インディア、ファイブ、ファイブ、アルファ、ノベンバー)」というコールサインの機体を持ちます。数字の「5」が「S」に似ていることから、そのような登録名を使っているようです』、「航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります」、なるほど。
・『航空管制 知られざる最前線 (KAWADE夢新書 S 452) ちなみに管制塔のコールサインは「タワー」。羽田の管制塔は、正式名称である東京国際空港から取って、「トーキョータワー」と決められています。 重大な聞き間違いを防ぎたいときも、フォネティックコードは便利です。たとえば、到着機や出発機に旋回を指示する場合、右旋回なら「ライト・ターン」、左旋回なら「レフト・ターン」といいます。 ところが、意外に思うかもしれませんが、「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます』、「「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます」、確かにこれなら確実だ。
先ずは、昨年9月7日付けMerkmal「福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か」を紹介しよう。
https://merkmal-biz.jp/post/47860
・『最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、興味深そうだ。
・『「門限」問題再び 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である。 前回大きな問題となったのは2023年2月で、羽田発福岡行きのJAL機が「門限」によって福岡空港に着陸できず、関西空港に回航、結局東京の羽田空港に戻された。 今回は国際線で、北九州空港にダイバート(目的地変更)したが、入国できず、出発地のマニラに戻らなければならなかった。乗客にとっては災難としかいいようがない。 9月4日、フィリピンの格安航空会社(LCC)セブパシフィック航空は、福岡空港の混雑で上空旋回を余儀なくされた結果、燃料不足が懸念され、北九州空港に着陸したと報じられた。このため、福岡空港の「門限」に抵触し、マニラへ引き返した。この間、乗客は機内に11時間も閉じ込められた。 ここでまず疑問になるのは、燃料不足の恐れがなぜ生じたのかということだ。通常、航空機のフライトを計画する際、ディスパッチャー(運航管理者)とパイロットは目的地の空港の状況をきちんと把握し、上空旋回の可能性があれば、燃料を多めに搭載するはずである。 特に福岡空港は滑走路が1本しかなく、混雑時には長時間の上空旋回を余儀なくされることが予想される。燃料不足の恐れがあったとはどういうことか。燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない」、これは大いに問題だ。
・『着陸可否の見極め必要 一方で、福岡空港の混雑が「門限」を守ることを難しくしているのも事実だ。2024年に新しい第2滑走路が建設され、供用が開始されれば、混雑度は改善されるだろう。しかし当面は、観光需要の急速な回復とそれにともなう離着陸便の増加により、福岡空港の離着陸遅延がますます深刻化することを覚悟しなければならない。そうなれば、「門限」の問題は今後も繰り返されるだろう。 国内線については、北九州空港の受け入れ環境が整備された結果、問題は緩和されたが、国際線の「門限」問題については、改めて深く検討する必要があることが、今回のケースで明らかになった。 前述したように、CIQの職員は国家公務員であるため、そう簡単に増員することはできないし、今回のような状況を踏まえて増員すれば、逆に2024年の福岡空港の新滑走路供用開始時に余ってしまう可能性もある。 当面は、福岡空港を出発する時間帯に、福岡空港への着陸の可否を慎重に見極め、少なくとも21時までには到着するスケジュールで便を設定するしかない。それ以降に福岡空港に到着したい場合は、特に国内線では新幹線の利用を促すべきだ。これは、環境負荷を減らすために需要を航空から鉄道にシフトさせるというヨーロッパの政策にも合致する。 そして何よりも「パッセンジャー・ライト(乗客の権利)」を考えることである。これは以前の記事(「JAL機の福岡空港「門限破り」 既出報道に欠けていた「乗客の権利」という視座、航空需要回復の今後このままでいいのか?」、2023年3月11日配信)でも触れたことだが、欧米のLCCでパイロットに成果主義が導入された際、悪天候で飛べそうもないフライトでも、なんとか飛ばそうと乗客が長時間機内に留め置かれ、結局フライトは失敗に終わった。その結果、乗客が大きな精神的・肉体的苦痛を被ったことから生まれた乗客の権利概念である。) 最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である』、「福岡空港」では「「門限問題」が深刻であるにも関わらず、「(LCC)セブパシフィック航空」が利用を申し込んでいたとは不思議だ。継続的利用ではなく、スッポット的利用なのかも知れない。さらには、「第二滑走路」完成で混雑が緩和されることを先読みしている可能性がある。
・『乗客補償の採用 ロイター通信は8月28日、米運輸省がアメリカン航空グループに対し、旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則に違反したとして、410万ドル(約6億610万円)の罰金を科したと報じた。このうち半分の205万ドルは、地上にとどまることを余儀なくされた』、日本でも「旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則」の導入を検討すべきだ。
・『「乗客への補償」 に充てられる。 報道によれば、2018年から2021年にかけて、アメリカン航空は合計43便において、乗客に降りる機会を与えずに地上にとどまらせたことが判明している。そしてそのなかには、乗客に水や食料を提供する義務が果たされていないケースもあったとしている。 日本もこの考え方を採用する必要があるだろう。これにより、航空会社が最近の遅延増加による問題に対して、より真剣な対策を採るようになることが期待される』、日本でもアメリカのように「乗客に降りる機会を与え」たり、「乗客に水や食料を提供する義務」を課したりすべきだ。
次に、昨年9月7日付けFNNプライモンラインが掲載した「機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン」を紹介しよう。
https://www.fnn.jp/articles/-/582568
・『4日午後8時ごろ、福岡空港で撮影されたとある映像。 フィリピンのマニラから来た航空機が、着陸を試みるが…、機体は上昇。 マニラにUターンすることを余儀なくされたのだ。 一度着陸を試みたものの、再び上昇していくマニラからの航空機(福岡空港 4日午後8時ごろ)乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった』、「乗客125人は、出発から11時間もの間、缶詰となった」だけでなく、「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる』、「「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる」、その通りだ。
・『乗客「言われた瞬間、絶望。反応する元気もなかった」 マニラに戻る航空機の中で、撮影された映像がある。 乗客の女性が、タガログ語で「初めての経験です。日本に着いたばかりなのに、再びマニラに飛び立ちます」と話している。 機内は照明が落とされ、外も真っ暗だ。 イット!の取材に、乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」と当時の心境を明かした』、「乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」、心から同情する。
・『原因は?給油と目的地・福岡空港の“門限” なぜ、着陸しないまま、マニラに引き返すことになったのか。 答えは、目的地である福岡空港の“門限”だ。 福岡空港は市街地と隣接していることから、午後10時を過ぎると着陸できない。 着陸できなかったのは、フィリピンの格安航空会社「セブ・パシフィック航空」の航空機。 国土交通省・福岡空港事務所によると、航空機は4日午後4時半ごろ、マニラの空港を離陸した。 そして午後8時ごろ、航空機は着陸態勢に入った。 管制が着陸を促すと、「燃料が足りなくなるおそれがある」と連絡があったという ところが、何らかの理由で上昇。 管制が再び着陸を促したところ「燃料が足りなくなる恐れがある」と連絡があり、航空機は北九州空港に代替着陸し、給油した。 北九州空港では入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー。 マニラへと引き返すことになったのだという』、「北九州空港」に「代替着陸し、給油」したが、「入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー」、さんざんだ。
・『結局、福岡空港の“門限”を過ぎ、出発地に引き返すことに… 約11時間機内にいた乗客は、航空会社の対応にも疑問を抱いていた。 約11時間機内にいた乗客:次の便の予約をしてもらったんですけど、そのカウンターも1つしかなくて、そこでもめっちゃ待たされて。体力的に休めなかったので、きつかったですね。 航空機は、他の空港に行くことはできなかったのだろうか。 元日本航空機長で、航空評論家の小林宏之氏に話を聞いたところ、入国手続きができず、すでに“門限”をオーバーた。(「イット!」9月6日放送より)』、こんな場合には、格安航空は、不利だ。特に、「格安航空会社「セブ・パシフィック航空」」の対応は余りにお粗末だ。
第三に、6月22日付け東洋経済オンラインが掲載した元航空管制官・航空専門家のタワーマン氏による「航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/764535
・『2024年1月2日、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故では、管制官とパイロットの交信が注目されました。事故原因はまだ究明されていませんが、航空管制が空の安全において非常に重要な位置を占めていることは間違いありません。 航空管制の世界は、意外に思えるほどに「人と人のコミュニケーション」によって成り立っています。ひとつのミスも許されないなか、管制官とパイロット、さらには管制官同士で、どのような交信を行なっているのか? 元・航空管制官で現在、航空評論家であるタワーマン氏の著書『航空管制知られざる最前線』から一部を抜粋し、間断ない離陸・着陸を捌くプロフェッショナルの舞台裏に迫ります』、興味深そうだ。
・『世界中の管制官が英語で交信を行なう理由 管制官は、安全かつ効率的に航空交通を管理するのが仕事です。しかし、実際に飛んでいるのはパイロットで、管制官は管制室またはレーダー室の内部にいます。管制官がコントロールできる方法は、無線によるパイロットとの交信のみ。つまり、コミュニケーションこそ、管制官の「最大の武器」なのです。 パイロットとの交信は、基本は英語で行ないます。国際航空機関であるICAO(国際民間航空機関)はもちろんのこと、日本の管制の〝バイブル?である「管制方式基準」にも「管制用語は英語または母国語を原則とする」と記されています。なぜ、英語なのか。その理由は2つあると私は考えています。 1つは、当然ですが「共通言語が必要」だということ。世界中、さまざまな国で航空機が行き来し、パイロットの国籍もさまざまです。やはり共通語となると英語が適当でしょう。では、国際線が発着しない国内線専用の空港ではどうかというと、やはり英語が原則です。ただし、中国のように国内パイロットの便に限って、母国語を使っている国もあります。) ある日本人パイロットから聞いた話ですが、彼が中国の空港に行ったとき、別の飛行機のパイロットが管制官と何を話しているのかが理解できず、大きな不安を覚えたそうです。 管制官がパイロットに指示しているのか、地上車両の運転手に情報を出しているのかさえもわからなかったといいます。 管制官が何かの指示を出していることは理解できるのですが、その内容が不明なので、別の飛行機がこちらに機首を向けて動き出したりはしないかと疑念が抜けなかったそうです。パイロットの状況認識もまた、航空交通の安全には欠かせないものです。たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います』、「たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います」、その通りだ。
・『「誤解を生まないため」に英語を使う 交信に英語を使うもう1つの理由、それは、「誤解を生まないため」です。管制で使う言葉は英語を基本としていますが、日常英語そのものではありません。より誤解を生まないように定義されています。そのことについては後述しますが、まず、ふだん使い慣れた言葉(私たちにとっては日本語)が、本当にもっとも誤解を生まないコミュニケーション手段なのかどうかを考えてみましょう。 たとえば、「○○はないですよね?」という質問に「はい」と答える場合、日本語では「はい、あります」「はい、ありません」と後ろに続く言葉しだいで2つの可能性があります。「はい」だけでは意味を持たない(判断できない)こともあるでしょう。 また、日本語は表意文字で漢字を使うため、読むときにはわかりやすいのですが、耳で聞くときには同音異義語が多いのも気になります。たとえば、「こうか」は「降下」なのか「効果」なのか。「たいき」は「待機」なのか「大気」なのか。文脈を読めば間違えることはまずなさそうですが、それでも曖昧さは残ります。) 誤解をなくすうえでいちばん重要なことは、耳で聞いただけで、明確にこの言葉とこの言葉は違うと区別できることです。ふだん使い慣れている母国語であるために、かえって曖昧さを許容してしまったり、微妙に違う意味に捉えてしまうこともあるでしょう。 管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです』、「管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです」、なるほど。
・『聞き間違いを防ぐ「フォネティックコード」とは 管制で使う英語は、誤解を生じないように定義されていると述べましたが、その例をいくつか挙げておきましょう。 たとえば、「Yes」「No」は基本的に使いません。「Yes」と答えたいときは「affirm」「No」は「negative」といいます。それぞれ音節が短く聞き取りにくい、ほかの言葉と区別しにくいというのがその理由です。 とくに「No」は「Know」と音が同じでまぎらわしく、また「All」など「O(オー)」の音に似た母音を含む単語が多いのも理由だといわれています。アルファベットも、やはり短くて聞き取りにくいため、「A(エー)」「B(ビー」)「C(シー)」とは発音しません。誰しも日常的に、B、D、E、P、Tなどは、聞いたときにどれなのか迷ってしまい、相手に確認した経験があるのではないでしょうか。 ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう。 これらは、航空管制官など航空保安職員の教育訓練を行なう航空保安大学校で叩きこまれるので、頭に染みついています。私もふだんの英会話で、うっかり「9」を「ナイナー」といってしまった経験があります』、「ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう」、なるほど。
・『現場でもっとも使われるフォネティックコード((出所)『航空管制 知られざる最前線』より フォネティックコードが管制の現場でもっとも使われるのは、誘導路の指示です。ターミナルビルと滑走路のあいだには網の目のように誘導路が走っており、駐機場から滑走路に誘導するときに、どの誘導路を通っていくのかを管制官がパイロットに指示します。 この誘導路が「A-1」「A-2」「B」「C」などとなっていることが多いのですが、これをパイロットが聞き間違えて、さらに管制官も復唱の間違いをスルーすると、「道間違い」が発生します。 そのリカバリーは大変ですし、タイミングによってはヘッドオン(鉢合わせ)や接触など、重大な出来事につながりかねません。そこで、「アルファー・ワン」「ブラボー」「チャーリー」などとフォネティックコードを使うルールになっているのです。) また、パイロットとの交信中に聞き慣れない言葉が出てきたときにも、フォネティックコードで確認する場合があります。よくあるのが、機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます』、「機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます」、確かに便利そうだ。
・『羽田の管制塔は「トーキョータワー」? 航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります。 個人用や社用のビジネスジェットなども、すべてアルファベットのコールサインがあり、面白いものだと日産は「NI55AN(ノベンバー、インディア、ファイブ、ファイブ、アルファ、ノベンバー)」というコールサインの機体を持ちます。数字の「5」が「S」に似ていることから、そのような登録名を使っているようです』、「航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと呼び出すことが可能です。ちなみに、「THY」はトルコ航空のことで、コールサインは「ターキッシュ」となります」、なるほど。
・『航空管制 知られざる最前線 (KAWADE夢新書 S 452) ちなみに管制塔のコールサインは「タワー」。羽田の管制塔は、正式名称である東京国際空港から取って、「トーキョータワー」と決められています。 重大な聞き間違いを防ぎたいときも、フォネティックコードは便利です。たとえば、到着機や出発機に旋回を指示する場合、右旋回なら「ライト・ターン」、左旋回なら「レフト・ターン」といいます。 ところが、意外に思うかもしれませんが、「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます』、「「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます」、確かにこれなら確実だ。
タグ:(その2)(福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ もはや“金銭補償”が必要か、機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン、航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション) 飛行機(航空機) Merkmal「福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か」 「燃料を可能な限り少なくしてコストを最小限に抑えるというLCCの方針が、このような状況でも貫かれているとすれば、「安全軽視と受け止められても仕方がない」と批判を覚悟しなければならない」、これは大いに問題だ。 「福岡空港」では「「門限問題」が深刻であるにも関わらず、「(LCC)セブパシフィック航空」が利用を申し込んでいたとは不思議だ。継続的利用ではなく、スッポット的利用なのかも知れない。さらには、「第二滑走路」完成で混雑が緩和されることを先読みしている可能性がある。 、日本でも「旅客機内に乗客が閉じ込められたまま滑走路に長時間滞留することを禁止する規則」の導入を検討すべきだ。 日本でもアメリカのように「乗客に降りる機会を与え」たり、「乗客に水や食料を提供する義務」を課したりすべきだ。 FNNプライモンライン 「機内に約11時間“缶詰”…乗客「戻ると言われ絶望」福岡空港“門限”に間に合わずマニラにUターン」 「「マニラにUターン」による「乗客」の怒りはさぞやと思われる」、その通りだ。 「乗客の一人は「もうマニラに戻るって言われた瞬間、絶望的すぎて。疲れが勝ちすぎて、反応する元気も出なかった」、心から同情する。 「北九州空港」に「代替着陸し、給油」したが、「入国手続きができず、すでに“門限”をオーバー」、さんざんだ。 こんな場合には、格安航空は、不利だ。特に、「格安航空会社「セブ・パシフィック航空」」の対応は余りにお粗末だ。 東洋経済オンライン タワーマン氏による「航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション」 「たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います」、その通りだ。 「管制でよく使う言葉に「指示」「許可」「承認」があります。この3つは似て非なる言葉で、管制方式基準ではそれぞれ明確に定義されています。しかし、その定義をしっかり認識していないと、母国語であるがゆえにそれぞれが勝手に意味を読み取って、解釈が分かれてしまう可能性もあると私は考えています。 実際、英語を母国語とするアメリカではコミュニケーションエラーは少ないのかというと、そんなことはありません。管制を母国語で行なったからといって、ミスやエラーが減るわけではないのです」、なるほど。 「ABCは、それぞれ、「A(Alfa:アルファ)」「B(Bravo:ブラボー)」「C(Charlie:チャーリー)」。日本語でも、電話などで発音しにくい文字を説明するときに「アジアのア」「イロハのイ」などというのと同じです。これを「フォネティックコード」といいます。) 管制では、便名、空港名、航空路の名称など多くの記号を使用します。これらを無線の音声のみでやりとりする際、B、D、E、P、Tをそれぞれ「ブラボー=B」「デルタ=D」「エコー=E」「パパ=P」「タンゴ=T」などといえば、判別しやすいわけです。 フォネティックコードは数字にも設定されています。「3」を「トゥリー」と発音するのは、「th」の発音が「s」と似ているため、「9」を「ナイナー」というのは、ドイツ語の「nein:いいえ」と発音が同じなどといった理由もあるでしょう」、なるほど。 「機内で急病人が出たケース。管制官は必要に応じて、具体的な病名を確認することがあります。 たとえば、「てんかん」の発作で倒れた、という場合、てんかんは英語で「epilepsy」です。管制官はいくら英語が堪能だとはいっても、病名などの単語までは把握できていないこともあります。そんなときは、フォネティックコードを使って「エコー、パパ、インディア……」とつづりを伝えてもらうことで理解できます」、確かに便利そうだ。 「航空会社のコールサインにも、フォネティックコードを使うことがあります。無線で交信する際は、最初にコールサインで呼びかけます。航空会社のコールサインはアルファベット3文字で、JAL(日本航空)なら、「JAL(ジャパン・エア)○○便、こちら管制塔」と交信を始めます。「ジャル」でも「ジャパンエアライン」でもなく、「ジャパン・エア」としか呼んではいけません。 しかし、ときどきチャーター機など、聞き慣れない会社の便が来ることがあります。そんなときには「THY(タンゴ、ホテル、ヤンキー)○○便、こちら管制塔」などと 「「ライト・ターン」の指示に対して、パイロットが「レフト・ターン」と復唱してくることもあります。音声の単純な聞き間違いのケースが多いですが、「通常、この飛行経路ならレフト・ターンだ」と思いこんでいるため、意識が引っ張られた結果、そう聞こえてしまっているのではないか、とも考えられます。 このような場合も、ライトの頭文字である「R」を強調して、「ロミオ・ターン」と言い換えることで、間違いを正すことができます」、確かにこれなら確実だ。