住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) [生活]
今日は、住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化)を取上げよう。
先ずは、本年1月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したノンフィクションライター・放送大学非常勤講師の高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/78087
・『日本の住宅は先進各国と比べて断熱性能が極めて低い。ノンフィクションライターの高橋真樹さんは「たとえば冬が寒い先進国でアルミサッシが主流なのは日本だけ。日本の建築基準は断熱性能が低く、国際基準を大きく下回っている。こうした寒い家は、光熱費を高め、健康被害ももたらしている」という――。(第1回) ※本稿は、高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『住宅の断熱性能が悪いとなにが起きるのか 日本の住宅の断熱性能は、何が問題なのでしょうか。それによって、どのような損失が生まれているのでしょうか。本稿では、主に健康と経済を中心に考えます。まず、バケツに上から水が注がれている図をイメージしてください。バケツには穴がたくさん空いていて、下から水が漏れ出しています。バケツを水でいっぱいにするためには、A「もっと水を注ぐ」、B「穴をふさぐ」のどちらを選ぶのが良いでしょうか? 正解はもちろん、B「穴をふさぐ」です。子どもにもわかる問題ですが、残念ながら日本社会は、この問いに対してずっとA「もっと水を注ぐ」という解答を選び続けてきました。 このクイズは、住宅とエネルギーとの関係を示しています。日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。合理的に考えれば、住宅の性能を上げる(=穴をふさぐ)必要があるのですが、エネルギーのほうにばかり関心が向けられてきました。 日本のエアコンのエネルギー効率(注ぐ水をつくるための技術)は、世界でもトップレベルです。しかし、建物の断熱性能(バケツの穴)はそのままなので、光熱費ばかりかかって快適にはなりません。日本の住宅では、必要な部屋だけを冷暖房することが一般的です。空調している部屋としていない部屋との温度差が大きく、健康被害が起きています。 さらに経済面でも、バケツの穴から大金が捨てられています。海外から数十兆円かけて輸入した化石燃料を燃やし、そこでつくられた貴重なエネルギーが、住宅の隙間から抜け出しているのです。住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります』、「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。
・『日本は「がまんの省エネ」の国 一般の住まい手も、バケツの穴(=低い断熱性能)をふさぐより、注ぐ水(=エネルギー)を減らすことを意識しがちです。省エネや節電のための行動について、数々のアンケートが行われています。 ほとんどの調査では、「こまめに家電のスイッチを切る」「薄着、厚着でしのぐ」「冷暖房の設定温度を控えめにする」といった回答が上位に挙がります。しかし、このような努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています。 環境省が冬の省エネ対策として推奨する「ウォームシェア」では、イメージキャラクターが「(家の暖房を止めて)旅行や温泉、銭湯に行くのだって、ウォームシェア」と呼びかけます。また、「みんなで鍋を食べて暖まろう」と、全国の鍋レシピが紹介されています。鍋料理で暖まるのは、一時的なものです。旅行に行けば、家庭で省エネした分など比較にならないほどお金とエネルギーがかかります。いずれも、毎日実践する省エネの方法としては、適切とは言えません。 こうした例は、日本が「がまんの省エネ」の国であることを示しています』、「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。
・『無断熱の住宅が3割を占めている 私たちは、省エネについての常識を、根本から変える必要がありそうです。 過度な「がまんの省エネ」は、健康に悪影響をもたらしています。現在、光熱費の高騰などを受けて、暑さ寒さをがまんして冷暖房を控える人(控えざるをえない人)が増えています。それにより体調を崩したり救急搬送されたりする高齢者の方も増えています。 国際的な基準では、暑さ寒さをがまんして消費エネルギーを減らすことを「省エネ」とは呼びません。そんな苦労をせずとも、より効果的に省エネをする方法があります。それが、バケツに空いた穴をふさぐこと。つまり、住宅の断熱気密性能を高めることです。 日本の住宅の断熱性能は、どのようなものなのでしょうか。図表1は、2019年度時点の既存住宅の断熱性能を表したグラフです。 【図表1】既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) まず、まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります』、「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。
・『日本の「最高等級」は世界的には低レベル 最後に、日本の23年現在の省エネ基準に適合している住宅が13%です。 この省エネ基準は「断熱等級4」と呼ばれるグレードで、グラフの中ではもっともよく断熱されています。22年4月までの時点では、断熱等級は低い順から1から4まであり、4が最高等級に位置づけられていました。そのため、断熱等級4の住宅を販売していた工務店やハウスメーカーの中には、「国が定めた最高等級の性能です」と営業する会社もありました。「最高等級」というとすごそうですが、国際的な基準で見ると、そのレベルはまったくすごくありません。 図表2では、日本と他の先進各国との断熱基準の差が示されています。横軸は外気温の寒さの度合い、縦軸は断熱のレベルの度合いです。断熱性能を表す数値をUA値(外皮平均熱貫流率)と言います。UA値は、小さいほど住宅の断熱性能が高くなります。 【図表2】住宅の断熱基準(UA値)の国際比較 住宅の断熱基準(UA値)の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお日本の各地域は、国(国土交通省)により8つの気候区分に分けられています。例えば、寒い札幌(2地域)と、東京(6地域)とでは、同じ室温を保つために必要な断熱材の量は違います。そのため同じ基準(断熱等級4)であっても、暖かい地域と寒い地域とでは、求められる断熱のレベルが異なっているのです。重要なことは、北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低いということです』、「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。
・『外国人が「東京はとても寒い」と語るワケ さらに、他国との決定的な違いがあります。それは、国が断熱レベルを義務化しているかどうかです。 日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています。図表2で示された基準より断熱性能の低い住宅は、建てられません。つまり、この図に載っている国々では、日本でトップレベルの住宅(断熱等級4)は、違法建築となってしまいます。 日本の住宅の性能が、国際社会とこれほど差があるという事実はショッキングかもしれません。しかし、この「断熱等級4」の基準がつくられたのは、いまから25年前の1999年のことです。それが四半世紀も据え置かれたことで、他国との差が開いてしまったのです。個人的な経験ですが、かつてドイツや北欧など、東京より寒い地域から来た友人たちが、東京のアパートで暮らして「東京はとても寒い」と言うのを聞き、不思議に思っていました。しかしこの事実を知り、納得できました』、「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。
・『アルミサッシが主流なのは日本だけ 2022年になって、この日本の断熱に関する制度がようやく見直されることになりました。 まず、これまで「最高等級」だった断熱等級4の上に、断熱等級5から7までが新設されました(22年4月及び10月)。また断熱等級4が、25年からは新築住宅の最低基準として義務づけられることになりました。この2つの制度改正は、これまで大幅に遅れていた日本の住宅政策を前進させるものになります。 日本の住宅の低い断熱性能を象徴しているのが、窓です。住宅の中でもっとも熱が出入りする窓やドアなどの開口部からは、夏は74%の熱が家に侵入し、冬は50%の熱が家から出て行きます(図表3。断熱等級4で、窓がアルミサッシ&ペアガラスの場合)。 【図表3】窓から出入りする熱の割合窓から出入りする熱の割合(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 特に数が多く面積も広い窓は、最重要ポイントです。「うちの窓はペアガラス(複層ガラス)だから大丈夫」と考えている人は要注意です。窓は、ガラスと窓枠(サッシ)の組み合わせでできています。日本ではおなじみのアルミサッシですが、実はこのアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです(図表4)。 【図表4】新築住宅におけるサッシの素材の国際比較新築住宅におけるサッシの素材の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、この図表4の日本のデータは2022年の新築に関してのものなので、既存住宅を含めた樹脂サッシ普及率は全国でこれより大幅に低いと推測されています』、「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。
・『地震が発生した際の倒壊リスクも高まる 他国では何が使われているのでしょうか。 一般的には熱伝導率の低い樹脂製や木製のサッシが主流です。アルミは、樹脂製や木製に比べて1200倍もの熱伝導率があります。そのため、冬の寒さや夏の暑さを、直接、室内に通してしまいます。また、冬にはサッシが冷えやすいことで高確率で結露が起こり、カビが発生します。カビを餌とするダニも増殖します。それが、さまざまなアレルギー症状を引き起こすと考えられています。 断熱性能の高い住宅に転居した人に、転居前後の体調変化を聞くアンケートでは、ほぼすべての人が、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが改善したと答えています(図表5/近畿大学・岩前篤教授の研究より)。しかも、断熱性能が高ければ高いほど、改善率が高まります。理由のひとつには、このカビやダニの問題があります。 【図表5】断熱グレードと健康改善率断熱グレードと健康改善率(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 結露が起きるのは、窓ガラスやサッシだけではありません。窓枠の端は、壁の中に取り付けられています。窓やサッシの表面の結露は拭き取ることができますが、壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです』、「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。
・『先進各国では樹脂サッシがメイン 日本では、窓が結露するのは当たり前と考えられ、ホームセンターなどでは結露対策グッズが大量に販売されています。しかし、住環境のルールが厳しいドイツでは、「人の健康を害する結露が起こるのは誤った設計」という共通認識があり、結露しないのが当たり前です。 もし普通に使っていて結露したりカビが生えたりする窓を取り付けた住宅を販売したり貸し出したら、売ったり貸したりしている側が、裁判に訴えられて負ける可能性があります。それほど、住宅の結露やカビが重大な問題だと捉えられています。 日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています。 中国は30%(2000年時点)ですが、寒冷地ではほぼ普及していると考えられています。また、日本では樹脂サッシを除いた74%にアルミが使われていますが、他の国々(中国を除く)では樹脂以外では木製サッシが多くなっています。 こうした国々では、住宅全体と同様、窓についても性能に関する最低基準が義務づけられています。窓の断熱性能は、熱の伝えやすさを表す「熱貫流率=U値(W/m2・K)」という数値で示され、値が小さいほど高性能になります。ドイツはU値1.3、イギリスは1.8、中国や韓国では、地域にもよりますが、2.5前後を最低基準としています』、「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。
・『日本の断熱基準はドイツの3分の1以下 しかし日本では、窓についても最低基準がありませんでした。 先ほど紹介した8つの気候区分にもとづけば、東京、大阪、福岡など、日本の人口の半数以上が暮らす大都市圏を含むエリアは「6地域」となっています。その6地域で、最高等級だった省エネ基準(断熱等級4)をクリアするために必要な数値は、U値4.65です。これは、ペアガラスとアルミサッシの組み合わせで実現できる数値です。4.65となると、各国の最低基準を大きく上回り、ドイツやデンマークと比べると3倍以上も熱を通しやすく、この図にある国々では販売すらできません(図表6)。 【図表6】世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、いまも既存住宅の多くで使われているガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません。窓の性能の国際比較では、野球にたとえると、現状ではメジャーリーグとリトルリーグくらいレベルが違うことがわかります』、「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。
・『家の断熱性能は窓が握っている ただし、住宅全体のレベルを上げるのと比べて、窓の性能を上げることはそれほど難しいことではありません。サッシをアルミから樹脂に変更すれば、性能は大幅に改善します。ペアガラス(Low-Eガラス)と樹脂サッシの組み合わせでは、U値は1.6から1.9(メーカーにより違いあり)となり、アルミサッシの2倍以上の性能にアップします。これなら、多くの国の最低基準にも適合もしくは近くなります。 また、既存住宅を断熱改修する際も、窓の改修はもっとも簡単にできて、費用対効果に優れた方法です。日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです。 樹脂と聞くと、耐久性を心配する人もいます。プラスチックのバケツや洗濯バサミが、紫外線でボロボロになる様子を思い出す方もいるのではないでしょうか。しかし、樹脂にはさまざまな種類があります。洗濯バサミやバケツなどは、破損しやすい「ポリプロピレン」です。 一方、樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです』、「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。
・『国際基準に適合しない窓を選んではいけない ただ日本では、樹脂の耐久性のなさを根拠に、外側がアルミ、内側が樹脂でできた「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもあります。実は現在の新築住宅で、アルミサッシに代わり、もっとも普及しているのはこの窓です。 断熱性能は、オールアルミサッシとオール樹脂サッシの中間くらいで、あまり良いとは言えません。ところがそのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています。窓のサッシを選ぶ際には、国際基準に適合しないそのような製品を選ばないようにするのが得策です』、「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。
次に、6月26日付け日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/062500548/
・『この記事の3つのポイント 1.2027年末に全ての一般照明用蛍光灯の製造が終了 2.国内のLED照明の普及率は目標から遅れている 3.照明メーカーはLED化促進へ高付加価値化にかじ 照明業界が「2027年問題」に揺れている。国際会議で2027年末までに全ての一般照明用蛍光灯の製造を終了することが決まった。今後は発光ダイオード(LED)照明への移行が急がれるが、日本では業界が定める目標に対してLED照明の普及率が遅れている。メーカー各社も器具交換の手間が少なくて済む技術や、高付加価値のLED照明を開発するなど、LED化を促すために知恵を絞る。 「2027年問題」が顕在化したのは、23年10月末~11月初めにスイス西部のジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議。同条約は水俣病の原因となった水銀を包括的に規制するもので、直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意された。電球形蛍光灯も25年末での製造、輸出入禁止が既に決まっている。28年以降は蛍光灯の使用や在庫品販売は継続できるものの、流通量は大幅に減る見込みだ』、「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。
・『国内のLED普及率、6割止まり 蛍光灯の製造終了によりLED照明への需要は一層高まる見通しだが、現時点で国内のLED照明の普及は伸び悩んでいる。 日本照明工業会によると、24年4月時点の国内のLED照明普及率は59.8%。工業会では元々、30年までにLED照明普及率100%を目指しており、25年までには70%程度の普及率を目標に掲げていた。ただ担当者は「足元の普及状況を見ると25年の目標には届かない見込み」と話す。 普及が遅れている原因として、まず照明器具の交換にかかる手間やコストが挙げられる。基本的にLED照明器具に移行する際は、既設の照明器具の交換が推奨されている。LED照明に対するソケットの絶縁性能が不足していたり、電圧を調整する安定器が劣化していたりすると、発煙や発火する恐れがあるためだ。器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない。 蛍光灯は企業や病院のほか、学校や役所などの公共施設で多く使われている。工事のために業務を一時止めることが難しい施設も多く、特にLED照明への移行が難航する原因となっているもようだ』、「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。
・『照明器具本体の交換不要に LED照明への移行を早めるべく、各メーカーは工夫をこらす。 三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)は既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという。 また同社はLED照明への移行を促すため、照明に新たな価値を付加する取り組みも進めている。代表例が青空を照明で再現した「misola(みそら)」だ。青空の原理であるレイリー散乱の特徴(太陽光線の波長の短い青い光が波長の長い他の色の光よりも強く散乱されること)を応用し、光散乱体を用いたパネルにLED光を照射することで、実際の空の色に近い光を表現した。色の異なる複数のLED光源の発光量を変化させ、青空だけでなく、時間帯によって朝・昼・夜の空色にも変化できる。 越迫博商品企画課長は「窓が少ないような空間を開放的にしたいという用途で、オフィスの会議室や病院の待合室、エレベーターの天井などにも設置するお客様が増えている」と話す』、「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。
・『照明手法の活用で省エネ メーカーが手掛けるのはLED照明の製造だけではない。パナソニックホールディングス傘下パナソニックの社内カンパニー、エレクトリックワークス社はオフィスに応じてLED照明を活用した空間づくりや省エネを支援する「メリハリ照明」を提案している。いわば、照明に関するコンサルティングだ。オフィスでの活動内容に合わせ、必要な部分を必要な分だけ照らし、明るさの強弱をつけた設定を提案することで、節電や電気代削減を促す。また作業場の手元をピンポイントで照らすなど、従業員が集中しやすい環境もつくることができる。ライティング事業部の山中正喜・東日本営業推進課長は「明るさや光の色味を自在にコントロールすることができるLED照明ならではの提案だ」と話す。 27年末に全ての蛍光灯の製造が終了することが決まったが、その認知度はまだ高いとは言えない。環境配慮の観点からも、今ある蛍光灯が切れてからではなく、もっと早い段階で対応していくことが必要だろう』、多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
先ずは、本年1月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したノンフィクションライター・放送大学非常勤講師の高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/78087
・『日本の住宅は先進各国と比べて断熱性能が極めて低い。ノンフィクションライターの高橋真樹さんは「たとえば冬が寒い先進国でアルミサッシが主流なのは日本だけ。日本の建築基準は断熱性能が低く、国際基準を大きく下回っている。こうした寒い家は、光熱費を高め、健康被害ももたらしている」という――。(第1回) ※本稿は、高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『住宅の断熱性能が悪いとなにが起きるのか 日本の住宅の断熱性能は、何が問題なのでしょうか。それによって、どのような損失が生まれているのでしょうか。本稿では、主に健康と経済を中心に考えます。まず、バケツに上から水が注がれている図をイメージしてください。バケツには穴がたくさん空いていて、下から水が漏れ出しています。バケツを水でいっぱいにするためには、A「もっと水を注ぐ」、B「穴をふさぐ」のどちらを選ぶのが良いでしょうか? 正解はもちろん、B「穴をふさぐ」です。子どもにもわかる問題ですが、残念ながら日本社会は、この問いに対してずっとA「もっと水を注ぐ」という解答を選び続けてきました。 このクイズは、住宅とエネルギーとの関係を示しています。日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。合理的に考えれば、住宅の性能を上げる(=穴をふさぐ)必要があるのですが、エネルギーのほうにばかり関心が向けられてきました。 日本のエアコンのエネルギー効率(注ぐ水をつくるための技術)は、世界でもトップレベルです。しかし、建物の断熱性能(バケツの穴)はそのままなので、光熱費ばかりかかって快適にはなりません。日本の住宅では、必要な部屋だけを冷暖房することが一般的です。空調している部屋としていない部屋との温度差が大きく、健康被害が起きています。 さらに経済面でも、バケツの穴から大金が捨てられています。海外から数十兆円かけて輸入した化石燃料を燃やし、そこでつくられた貴重なエネルギーが、住宅の隙間から抜け出しているのです。住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります』、「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。
・『日本は「がまんの省エネ」の国 一般の住まい手も、バケツの穴(=低い断熱性能)をふさぐより、注ぐ水(=エネルギー)を減らすことを意識しがちです。省エネや節電のための行動について、数々のアンケートが行われています。 ほとんどの調査では、「こまめに家電のスイッチを切る」「薄着、厚着でしのぐ」「冷暖房の設定温度を控えめにする」といった回答が上位に挙がります。しかし、このような努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています。 環境省が冬の省エネ対策として推奨する「ウォームシェア」では、イメージキャラクターが「(家の暖房を止めて)旅行や温泉、銭湯に行くのだって、ウォームシェア」と呼びかけます。また、「みんなで鍋を食べて暖まろう」と、全国の鍋レシピが紹介されています。鍋料理で暖まるのは、一時的なものです。旅行に行けば、家庭で省エネした分など比較にならないほどお金とエネルギーがかかります。いずれも、毎日実践する省エネの方法としては、適切とは言えません。 こうした例は、日本が「がまんの省エネ」の国であることを示しています』、「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。
・『無断熱の住宅が3割を占めている 私たちは、省エネについての常識を、根本から変える必要がありそうです。 過度な「がまんの省エネ」は、健康に悪影響をもたらしています。現在、光熱費の高騰などを受けて、暑さ寒さをがまんして冷暖房を控える人(控えざるをえない人)が増えています。それにより体調を崩したり救急搬送されたりする高齢者の方も増えています。 国際的な基準では、暑さ寒さをがまんして消費エネルギーを減らすことを「省エネ」とは呼びません。そんな苦労をせずとも、より効果的に省エネをする方法があります。それが、バケツに空いた穴をふさぐこと。つまり、住宅の断熱気密性能を高めることです。 日本の住宅の断熱性能は、どのようなものなのでしょうか。図表1は、2019年度時点の既存住宅の断熱性能を表したグラフです。 【図表1】既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) まず、まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります』、「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。
・『日本の「最高等級」は世界的には低レベル 最後に、日本の23年現在の省エネ基準に適合している住宅が13%です。 この省エネ基準は「断熱等級4」と呼ばれるグレードで、グラフの中ではもっともよく断熱されています。22年4月までの時点では、断熱等級は低い順から1から4まであり、4が最高等級に位置づけられていました。そのため、断熱等級4の住宅を販売していた工務店やハウスメーカーの中には、「国が定めた最高等級の性能です」と営業する会社もありました。「最高等級」というとすごそうですが、国際的な基準で見ると、そのレベルはまったくすごくありません。 図表2では、日本と他の先進各国との断熱基準の差が示されています。横軸は外気温の寒さの度合い、縦軸は断熱のレベルの度合いです。断熱性能を表す数値をUA値(外皮平均熱貫流率)と言います。UA値は、小さいほど住宅の断熱性能が高くなります。 【図表2】住宅の断熱基準(UA値)の国際比較 住宅の断熱基準(UA値)の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお日本の各地域は、国(国土交通省)により8つの気候区分に分けられています。例えば、寒い札幌(2地域)と、東京(6地域)とでは、同じ室温を保つために必要な断熱材の量は違います。そのため同じ基準(断熱等級4)であっても、暖かい地域と寒い地域とでは、求められる断熱のレベルが異なっているのです。重要なことは、北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低いということです』、「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。
・『外国人が「東京はとても寒い」と語るワケ さらに、他国との決定的な違いがあります。それは、国が断熱レベルを義務化しているかどうかです。 日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています。図表2で示された基準より断熱性能の低い住宅は、建てられません。つまり、この図に載っている国々では、日本でトップレベルの住宅(断熱等級4)は、違法建築となってしまいます。 日本の住宅の性能が、国際社会とこれほど差があるという事実はショッキングかもしれません。しかし、この「断熱等級4」の基準がつくられたのは、いまから25年前の1999年のことです。それが四半世紀も据え置かれたことで、他国との差が開いてしまったのです。個人的な経験ですが、かつてドイツや北欧など、東京より寒い地域から来た友人たちが、東京のアパートで暮らして「東京はとても寒い」と言うのを聞き、不思議に思っていました。しかしこの事実を知り、納得できました』、「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。
・『アルミサッシが主流なのは日本だけ 2022年になって、この日本の断熱に関する制度がようやく見直されることになりました。 まず、これまで「最高等級」だった断熱等級4の上に、断熱等級5から7までが新設されました(22年4月及び10月)。また断熱等級4が、25年からは新築住宅の最低基準として義務づけられることになりました。この2つの制度改正は、これまで大幅に遅れていた日本の住宅政策を前進させるものになります。 日本の住宅の低い断熱性能を象徴しているのが、窓です。住宅の中でもっとも熱が出入りする窓やドアなどの開口部からは、夏は74%の熱が家に侵入し、冬は50%の熱が家から出て行きます(図表3。断熱等級4で、窓がアルミサッシ&ペアガラスの場合)。 【図表3】窓から出入りする熱の割合窓から出入りする熱の割合(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 特に数が多く面積も広い窓は、最重要ポイントです。「うちの窓はペアガラス(複層ガラス)だから大丈夫」と考えている人は要注意です。窓は、ガラスと窓枠(サッシ)の組み合わせでできています。日本ではおなじみのアルミサッシですが、実はこのアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです(図表4)。 【図表4】新築住宅におけるサッシの素材の国際比較新築住宅におけるサッシの素材の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、この図表4の日本のデータは2022年の新築に関してのものなので、既存住宅を含めた樹脂サッシ普及率は全国でこれより大幅に低いと推測されています』、「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。
・『地震が発生した際の倒壊リスクも高まる 他国では何が使われているのでしょうか。 一般的には熱伝導率の低い樹脂製や木製のサッシが主流です。アルミは、樹脂製や木製に比べて1200倍もの熱伝導率があります。そのため、冬の寒さや夏の暑さを、直接、室内に通してしまいます。また、冬にはサッシが冷えやすいことで高確率で結露が起こり、カビが発生します。カビを餌とするダニも増殖します。それが、さまざまなアレルギー症状を引き起こすと考えられています。 断熱性能の高い住宅に転居した人に、転居前後の体調変化を聞くアンケートでは、ほぼすべての人が、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが改善したと答えています(図表5/近畿大学・岩前篤教授の研究より)。しかも、断熱性能が高ければ高いほど、改善率が高まります。理由のひとつには、このカビやダニの問題があります。 【図表5】断熱グレードと健康改善率断熱グレードと健康改善率(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 結露が起きるのは、窓ガラスやサッシだけではありません。窓枠の端は、壁の中に取り付けられています。窓やサッシの表面の結露は拭き取ることができますが、壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです』、「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。
・『先進各国では樹脂サッシがメイン 日本では、窓が結露するのは当たり前と考えられ、ホームセンターなどでは結露対策グッズが大量に販売されています。しかし、住環境のルールが厳しいドイツでは、「人の健康を害する結露が起こるのは誤った設計」という共通認識があり、結露しないのが当たり前です。 もし普通に使っていて結露したりカビが生えたりする窓を取り付けた住宅を販売したり貸し出したら、売ったり貸したりしている側が、裁判に訴えられて負ける可能性があります。それほど、住宅の結露やカビが重大な問題だと捉えられています。 日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています。 中国は30%(2000年時点)ですが、寒冷地ではほぼ普及していると考えられています。また、日本では樹脂サッシを除いた74%にアルミが使われていますが、他の国々(中国を除く)では樹脂以外では木製サッシが多くなっています。 こうした国々では、住宅全体と同様、窓についても性能に関する最低基準が義務づけられています。窓の断熱性能は、熱の伝えやすさを表す「熱貫流率=U値(W/m2・K)」という数値で示され、値が小さいほど高性能になります。ドイツはU値1.3、イギリスは1.8、中国や韓国では、地域にもよりますが、2.5前後を最低基準としています』、「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。
・『日本の断熱基準はドイツの3分の1以下 しかし日本では、窓についても最低基準がありませんでした。 先ほど紹介した8つの気候区分にもとづけば、東京、大阪、福岡など、日本の人口の半数以上が暮らす大都市圏を含むエリアは「6地域」となっています。その6地域で、最高等級だった省エネ基準(断熱等級4)をクリアするために必要な数値は、U値4.65です。これは、ペアガラスとアルミサッシの組み合わせで実現できる数値です。4.65となると、各国の最低基準を大きく上回り、ドイツやデンマークと比べると3倍以上も熱を通しやすく、この図にある国々では販売すらできません(図表6)。 【図表6】世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、いまも既存住宅の多くで使われているガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません。窓の性能の国際比較では、野球にたとえると、現状ではメジャーリーグとリトルリーグくらいレベルが違うことがわかります』、「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。
・『家の断熱性能は窓が握っている ただし、住宅全体のレベルを上げるのと比べて、窓の性能を上げることはそれほど難しいことではありません。サッシをアルミから樹脂に変更すれば、性能は大幅に改善します。ペアガラス(Low-Eガラス)と樹脂サッシの組み合わせでは、U値は1.6から1.9(メーカーにより違いあり)となり、アルミサッシの2倍以上の性能にアップします。これなら、多くの国の最低基準にも適合もしくは近くなります。 また、既存住宅を断熱改修する際も、窓の改修はもっとも簡単にできて、費用対効果に優れた方法です。日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです。 樹脂と聞くと、耐久性を心配する人もいます。プラスチックのバケツや洗濯バサミが、紫外線でボロボロになる様子を思い出す方もいるのではないでしょうか。しかし、樹脂にはさまざまな種類があります。洗濯バサミやバケツなどは、破損しやすい「ポリプロピレン」です。 一方、樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです』、「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。
・『国際基準に適合しない窓を選んではいけない ただ日本では、樹脂の耐久性のなさを根拠に、外側がアルミ、内側が樹脂でできた「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもあります。実は現在の新築住宅で、アルミサッシに代わり、もっとも普及しているのはこの窓です。 断熱性能は、オールアルミサッシとオール樹脂サッシの中間くらいで、あまり良いとは言えません。ところがそのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています。窓のサッシを選ぶ際には、国際基準に適合しないそのような製品を選ばないようにするのが得策です』、「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。
次に、6月26日付け日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/062500548/
・『この記事の3つのポイント 1.2027年末に全ての一般照明用蛍光灯の製造が終了 2.国内のLED照明の普及率は目標から遅れている 3.照明メーカーはLED化促進へ高付加価値化にかじ 照明業界が「2027年問題」に揺れている。国際会議で2027年末までに全ての一般照明用蛍光灯の製造を終了することが決まった。今後は発光ダイオード(LED)照明への移行が急がれるが、日本では業界が定める目標に対してLED照明の普及率が遅れている。メーカー各社も器具交換の手間が少なくて済む技術や、高付加価値のLED照明を開発するなど、LED化を促すために知恵を絞る。 「2027年問題」が顕在化したのは、23年10月末~11月初めにスイス西部のジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議。同条約は水俣病の原因となった水銀を包括的に規制するもので、直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意された。電球形蛍光灯も25年末での製造、輸出入禁止が既に決まっている。28年以降は蛍光灯の使用や在庫品販売は継続できるものの、流通量は大幅に減る見込みだ』、「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。
・『国内のLED普及率、6割止まり 蛍光灯の製造終了によりLED照明への需要は一層高まる見通しだが、現時点で国内のLED照明の普及は伸び悩んでいる。 日本照明工業会によると、24年4月時点の国内のLED照明普及率は59.8%。工業会では元々、30年までにLED照明普及率100%を目指しており、25年までには70%程度の普及率を目標に掲げていた。ただ担当者は「足元の普及状況を見ると25年の目標には届かない見込み」と話す。 普及が遅れている原因として、まず照明器具の交換にかかる手間やコストが挙げられる。基本的にLED照明器具に移行する際は、既設の照明器具の交換が推奨されている。LED照明に対するソケットの絶縁性能が不足していたり、電圧を調整する安定器が劣化していたりすると、発煙や発火する恐れがあるためだ。器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない。 蛍光灯は企業や病院のほか、学校や役所などの公共施設で多く使われている。工事のために業務を一時止めることが難しい施設も多く、特にLED照明への移行が難航する原因となっているもようだ』、「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。
・『照明器具本体の交換不要に LED照明への移行を早めるべく、各メーカーは工夫をこらす。 三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)は既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという。 また同社はLED照明への移行を促すため、照明に新たな価値を付加する取り組みも進めている。代表例が青空を照明で再現した「misola(みそら)」だ。青空の原理であるレイリー散乱の特徴(太陽光線の波長の短い青い光が波長の長い他の色の光よりも強く散乱されること)を応用し、光散乱体を用いたパネルにLED光を照射することで、実際の空の色に近い光を表現した。色の異なる複数のLED光源の発光量を変化させ、青空だけでなく、時間帯によって朝・昼・夜の空色にも変化できる。 越迫博商品企画課長は「窓が少ないような空間を開放的にしたいという用途で、オフィスの会議室や病院の待合室、エレベーターの天井などにも設置するお客様が増えている」と話す』、「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。
・『照明手法の活用で省エネ メーカーが手掛けるのはLED照明の製造だけではない。パナソニックホールディングス傘下パナソニックの社内カンパニー、エレクトリックワークス社はオフィスに応じてLED照明を活用した空間づくりや省エネを支援する「メリハリ照明」を提案している。いわば、照明に関するコンサルティングだ。オフィスでの活動内容に合わせ、必要な部分を必要な分だけ照らし、明るさの強弱をつけた設定を提案することで、節電や電気代削減を促す。また作業場の手元をピンポイントで照らすなど、従業員が集中しやすい環境もつくることができる。ライティング事業部の山中正喜・東日本営業推進課長は「明るさや光の色味を自在にコントロールすることができるLED照明ならではの提案だ」と話す。 27年末に全ての蛍光灯の製造が終了することが決まったが、その認知度はまだ高いとは言えない。環境配慮の観点からも、今ある蛍光灯が切れてからではなく、もっと早い段階で対応していくことが必要だろう』、多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
タグ:PRESIDENT ONLINE (その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) 住宅 高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」 高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書) 「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。 「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。 「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。 「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。 「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。 「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。 「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。 「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。 「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。 「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。 「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。 日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」 「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。 「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。 「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。 多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。