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暗号資産(仮想通貨)(その24)(DMMビットコイン「流出482億円」補償の胸算用 自己資本81億円でも「全額補償を即日発表」の背景、サトシ・ナカモトの誤算 ビットコインは通貨ではなくギャンブルに、「絶対ネコババしていない」マウントゴックス元CEOの訴えと 米国当局が特定した「大量のビットコイン」の行き先) [金融]

暗号資産(仮想通貨)については、昨年8月25日に取上げた。今日は、(その24)(DMMビットコイン「流出482億円」補償の胸算用 自己資本81億円でも「全額補償を即日発表」の背景、サトシ・ナカモトの誤算 ビットコインは通貨ではなくギャンブルに、「絶対ネコババしていない」マウントゴックス元CEOの訴えと 米国当局が特定した「大量のビットコイン」の行き先)である。

先ずは、本年6月5日付け東洋経済オンライン「DMMビットコイン「流出482億円」補償の胸算用 自己資本81億円でも「全額補償を即日発表」の背景」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/759174
・『暗号資産(仮想通貨)が数年に一度の上昇相場を迎えている中、流出事件が日本の暗号資産交換所でまた起きた。 DMMビットコインは5月31日、約4500ビットコインが自社ウォレットから流出したと発表した。流出直前のビットコイン価格は約1070万円だったため、流出額は482億円相当に上った。 同社はDMM.comグループ傘下企業。直近で開示されている2022年度時点での顧客口座数は37万、預かり資産は404億円。国内交換所で中堅規模に位置する。 今回の流出規模は、国内だと2018年のコインチェック事件の約580億円に次ぐ。暗号資産業界の自主規制団体である日本暗号資産取引業協会の小田玄紀会長は、「流出は残念に思うが『これだから業界はだめ』というわけではない」と強調する。 (2年ぶりの上昇相場で1000万円の大台にービットコインの円建て価格ーはリンク先参照)』、確かに「ビットコイン」の相場は堅調になったようだ。
・『経験が生きた「補償方針の即日発表」  流出が起きた当日に顧客への補償方針を公表した点では、業界としての経験が生かされたようだ。DMMビットコインは流出相当分のビットコインをグループ会社からの支援を受けて調達し全額補償するとした。 実は小田会長も、2019年当時に社長を務めていたビットポイントジャパンで流出事件を経験している。外部からのハッキングで盗まれたビットコインなどの暗号資産は事件当時のレート換算で約30億円だった。運用保守ルートを通じてハッキングを受けたが、犯人はわかっていない。 このときビットポイントは流出の3日後に、顧客に対する補償方針を示した。被害を受けたのは5万人。口座開設者のほぼ半数に上ったが、解約などの顧客離れは1割未満で済んだという。今回のDMMビットコインはさらに素早く補償の意思を表明した。) 一方、セキュリティ体制の「徹底度」においては、今後課題が見えてきそうだ。 DMMビットコインは現在、被害状況の詳細については調査中としている。ただ、インターネットに接続していない「コールドウォレット」から流出したとみられている。 国内の交換業者には顧客資産の分別管理義務がある。日本円などの法定通貨は信託銀行で管理し、暗号資産は実質的にコールドウォレットで100%管理する、としている。 流出の直接的な原因をめぐっては、ネット上での議論がかまびすしい。取りざたされているのは、故意の内部犯行説やマルウェア(悪意のあるプログラム)感染などの過失説だ。 だがコールドウォレットが、ネットから隔離した専用端末で、複数人による管理が徹底されていたのかなど、そもそもの運用体制から検証されるべきだろう。 小田会長も「いいシステムを入れるなど技術水準もそうだが、さらに大事なのは運用体制だ」と述べる』、「国内の交換業者には顧客資産の分別管理義務がある。日本円などの法定通貨は信託銀行で管理し、暗号資産は実質的にコールドウォレットで100%管理する、としている。 流出の直接的な原因をめぐっては、ネット上での議論がかまびすしい。取りざたされているのは、故意の内部犯行説やマルウェア(悪意のあるプログラム)感染などの過失説だ。 だがコールドウォレットが、ネットから隔離した専用端末で、複数人による管理が徹底されていたのかなど、そもそもの運用体制から検証されるべきだろう」、なるほど。
・『上昇相場への影響は軽微か  流出額の点では、コインチェック事件に次ぐ金額となったが、その時と異なり暗号資産取引市場に及ぼす影響は軽微というのが大方の見方だ。 総合金融業のSBIホールディングス傘下にある交換所・SBI VCトレードの西山祥史アナリストは、過去との違いとして「市場の厚み」を指摘する。 実際、分析サイトの「CoinGecko」(コインゲッコー)のデータを見ると、暗号資産全体の取引高はコインチェック事件前と比べて大きく増えている。コインチェック事件前、1日の取引高は400億ドル前後だった。それが足元では日によって1000億ドルを超える規模となっている。) また、この先は西山アナリストが考える、過去の価格上昇時にみられた「クリプト3条件」もそろうことで一段高が見込まれる。 主要中央銀行が金融緩和傾向であること、株式市場のボラティリティ指数が低水準であること、実質金利が低下傾向であること――が3条件だ。年後半にはアメリカが利下げへと転換すると予想され、年末頃に条件を満たす可能性がある。 さらに機関投資家マネーの本格流入も年後半にかけて予想される。「伝統的な機関投資家の動きとして、新たな金融商品が出たときには6カ月間の投資実績を見る」(西山氏)。 それを前提にすると、アメリカで1月に承認されたビットコイン現物ETF(上場投資信託)に機関投資家が本格的に資金を投じるのは年後半と予想されるわけだ』、「暗号資産全体の取引高はコインチェック事件前と比べて大きく増えている。コインチェック事件前、1日の取引高は400億ドル前後だった。それが足元では日によって1000億ドルを超える規模となっている・・・過去の価格上昇時にみられた「クリプト3条件」もそろうことで一段高が見込まれる。 主要中央銀行が金融緩和傾向であること、株式市場のボラティリティ指数が低水準であること、実質金利が低下傾向であること――が3条件だ。年後半にはアメリカが利下げへと転換すると予想され、年末頃に条件を満たす可能性がある・・・アメリカで1月に承認されたビットコイン現物ETF(上場投資信託)に機関投資家が本格的に資金を投じるのは年後半と予想される」、なるほど。
・『「交換所の事件後」も今回は違う?  流出事件を起こした交換所の「その後」についても、今回は違うのかもしれない。マネックスグループに救済買収されたコインチェックなど、事件を起こした交換所の多くは他社の資本傘下に入った。 その点、DMMビットコインに関してはDMMグループが今後も支えるという意思を示したように取れる。実際、DMMビットコインは、480億円の増資や借り入れによって計550億円をDMMグループから調達することになった。 DMMビットコインの自己資本は今年3月末時点で81億円。自己資本比率規制上、資本として計上できる劣後債務などを加味しても105億円だった。482億円分相当を補償するには、踏み込んだ支援を受けないとできなかった。 そもそもDMMグループがDMMビットコインを売却したいとしても難しいのかもしれない。「追加の補填などの可能性を考えると、DMMビットコインにつけられる値段はよくて10億円、20億円では」(交換所関係者)。それでは手放す動機がない。 DMMビットコインは、補償の具体的な方法や時期を速やかに検討し、今後公表するとしている。 「『ハッキングは起こるもの』と頭のどこかでわかっていても、日常の業務の中で意識が弱くなる。しかしいざ起こると金額が大きく影響は甚大だ」。小田会長はそう語る。交換所の運営に携わる人たちは肝に銘じておいてほしい』、「DMMビットコインにつけられる値段はよくて10億円、20億円では」(交換所関係者)。それでは手放す動機がない。 DMMビットコインは、補償の具体的な方法や時期を速やかに検討し、今後公表するとしている。 「『ハッキングは起こるもの』と頭のどこかでわかっていても、日常の業務の中で意識が弱くなる。しかしいざ起こると金額が大きく影響は甚大だ』、「DMMビットコインにつけられる値段はよくて10億円、20億円では」(交換所関係者)。それでは手放す動機がない・・・DMMビットコインは、補償の具体的な方法や時期を速やかに検討し、今後公表するとしている」、「DMMビットコイン」の今後の出方が注目される。

次に、7月22日付け日経ビジネスオンライン「サトシ・ナカモトの誤算 ビットコインは通貨ではなくギャンブルに」を紹介しよう。
・『この記事の3つのポイント 1.サトシの論文は既存金融システムからの解放を意味 2.ビットコインは通貨ではなくギャンブルの手段に 3.ビットコインの高騰は新たな投機家を引き寄せた 2008年10月、サトシ・ナカモトと名乗る人物がビットコインのアイデアを発表した。ゼイン・タケットはクレジットカードの決済を巡る詐欺被害の経験から、これが銀行や政府の信用を必要としない通貨になると大きな期待を持つ。だがビットコインが実際に取って代わったのは、通貨ではなく「ギャンブル」だった。『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』(マイケル・ルイス著/小林啓倫訳/日本経済新聞出版)から抜粋・再構成』、興味深そうだ。
・『既存の金融システムからの解放  2008年10月下旬、サトシ・ナカモトと名乗る人物(信じられないことに、今日に至るまでその素性は明らかになっていない)が、ビットコインのアイデアを論文で発表した。その大部分は、後に世界初の暗号通貨となるものの技術的な説明で、以下のようなものだ。 ビットコインは「電子コイン」である。「プルーフ・オブ・ワーク・チェーン」と呼ばれる公開台帳の上に存在する。ある人から別の人へと送金されるたびに、その真正性がプログラマーによって検証される。検証したプログラマーが、その取引を公開台帳に追記する。そうしたプログラマーたち――やがてビットコインの「マイナー(採掘者)」と呼ばれるようになる――は、この仕事の報酬として、新しいビットコインを与えられる(興味深いことに、この論文に「ブロックチェーン」という言葉は出てこない)。 ビットコインの仕組みは主に技術者の興味を惹いたが、それが何をもたらすかについては、より幅広い人々が興味を抱くようになった。ビットコインを使えば、一般の人々は既存の金融システムから解放され、金融を動かす人間の誠実さに依存する必要がなくなるだろう。「必要なのは信用ではなく、暗号学的証明に基づく電子決済システムである」とサトシは書いている。 サトシが誰であろうと、信用、もしくは信用の必要性が彼を悩ませていた。論文は2008年の世界的な金融危機については触れていないが、彼の発明がそれに対する反応であることは明らかだ。ビットコインがその目的を達成すれば、銀行や政府はもはや貨幣を管理することができなくなるだろう。 ビットコインの所有や移動には、銀行は必要ない。その価値が政府によって浸食されることもない。もちろんコンピュータープログラムの完全性と設計を除いて、誰も何も信用する必要がない。それは健全な通貨を求めると同時に、不信感に訴えてもいた。金融革新であると同時に、社会的抗議でもあった。暗号通貨は、敵が同じだからという理由でできた友人のようなものだ。暗号通貨に惹かれたのは、少なくとも初期には、大手銀行や政府、および他の組織的権威に対して疑念を抱く人々だった』、「暗号通貨に惹かれたのは、少なくとも初期には、大手銀行や政府、および他の組織的権威に対して疑念を抱く人々だった」、なるほど。
・『ビットコインで大金持ちになったゼイン  ゼイン・タケットはそうしたタイプの典型的な例だったが、ゼインを「タイプ」で考えると、彼の楽しい部分や重要なところを見逃してしまうだろう。ゼインはパイオニアと呼ばれることも多い。2013年4月、ビットコインの価格が100ドル前後で推移していたころ、当時コロラド大学の学生だったゼインは奇妙な雑誌記事を目にした。その記事の筆者は、これから身を隠すと宣言し、自分を見つけた人に1万ドルの賞金を出すというのだ。 その賞金はビットコインで支払われ、ビットコインの支払いには、不可逆的で追跡不可能という利点があるとその筆者は説明していた。ゼインはその記事を読んで、なぜか筆者を探そうとするのではなく、ビットコインが何であるかを知りたいと思った。 彼は最近、詐欺の被害に遭っていた。マイケル・ジョーダンのジャージカードをオンラインで売ったところ、購入者がクレジットカードの決済を取り消し、カードも返そうとしなかったのだ。 金融システムがこの詐欺を許したことに、ゼインは憤慨していた。また、彼は大学生活をあまり楽しんでおらず、大学に留まること以外の人生の選択肢を示す人々に、近しいものを感じた。「僕の祖父は、中国に行って中国語を学ぶべきだと言っていました。なぜなら彼らが世界を支配するだろうから、と」とゼインは言う。 彼はかつてそのアドバイスに従って、高校を卒業してすぐに1年間中国に行き、そのあとコロラド大学に通うために帰国していた。そして今回、彼はいくらかのビットコインを買ってコロラド大学を中退し、北京に移り住んだ。そこで彼は、オーケーエックスという暗号資産取引所に就職した。彼はこの取引所に雇われた最初の非中国人だった。 中国の企業は帝国のような存在で、従業員は貴重な資産というより家臣として扱われた。「従業員はひどい目にも遭います。ひどい目に遭っても、何もできないからです。何の保護もありません」。 彼の祖父は、ゼインが中国語を流暢に話すようになったことを評価したが、両親は彼が何か悪いことに巻き込まれているのではないかと心配した。ゼインはビットコインを増やし続け、ビットコインの価格は上昇し続け、ある日ゼインは大金持ちになった。「僕は面白いカネを手に入れ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で取り上げられ、両親は僕が大丈夫そうだと判断しました」 2016年にはビットコインの価格は400ドルを超え、ゼインは裕福になっただけでなく尊敬されるようになり、様々な暗号資産取引所と契約して世界中どこでも好きな場所で働けるようになった。暗号資産業界の誰もがゼインを知っており、誰もが彼を信頼していた。 彼は西部劇に出てくるガンマンのような名前と体つきをしていて、開拓時代の米西部を放浪したガンマンのように、何にも誰にも縛られず、あちこちを放浪して回った。ある月はインドネシアにいて、翌月はアルゼンチンにいる。ゼインはビットコインのように、場所を持たない存在となった。 原則的に、彼は経済生活のすべてをビットコインで送った。ビットコインで報酬を受け取り、支払いもビットコインだけ。暗号通貨という運動に参加しながら、それを支持する行動を楽しんでいたのだ。「政府からカネの力を奪いたいという気持ちがありました」と彼は言う。ビットコインがコード(プログラム)からできていたように、ゼインにもコード(行動規範)があった』、「彼はいくらかのビットコインを買ってコロラド大学を中退し、北京に移り住んだ。そこで彼は、オーケーエックスという暗号資産取引所に就職した。彼はこの取引所に雇われた最初の非中国人だった。 中国の企業は帝国のような存在で、従業員は貴重な資産というより家臣として扱われた・・・2016年にはビットコインの価格は400ドルを超え、ゼインは裕福になっただけでなく尊敬されるようになり、様々な暗号資産取引所と契約して世界中どこでも好きな場所で働けるようになった。暗号資産業界の誰もがゼインを知っており、誰もが彼を信頼していた。 彼は西部劇に出てくるガンマンのような名前と体つきをしていて、開拓時代の米西部を放浪したガンマンのように、何にも誰にも縛られず、あちこちを放浪して回った。ある月はインドネシアにいて、翌月はアルゼンチンにいる。ゼインはビットコインのように、場所を持たない存在となった。 原則的に、彼は経済生活のすべてをビットコインで送った。ビットコインで報酬を受け取り、支払いもビットコインだけ。暗号通貨という運動に参加しながら、それを支持する行動を楽しんでいたのだ」、なるほど。
・『価格高騰が引き寄せる投機家  2017年には、彼が参加する運動の精神に変化が生じていた。ビットコインの熱狂的なファンは、ビットコインは政府の保証する通貨に取って代わるものと信じていたが、ビットコインが最も簡単に取って代わったのは、政府の保証する通貨ではなくギャンブルだった。 2017年のビットコイン価格の狂乱的な高騰は、新しい世代の投機家を引き寄せた。株式市場と異なり、コンピューターの使い方さえ知っていれば、誰でも世界中から、曜日を問わずいつでも暗号通貨を取引することができた。投機対象としての新たな需要により、何百もの新たな暗号通貨が生まれた。 そうした暗号通貨は一般的に、新たな企業への投資として投機家向けに販売されたが、その企業に実際の価値があることはめったになかった。EOSと名づけられた新たな暗号通貨は、ICOで44億ドルを調達した。EOSの創業者たちは集めたカネの有効な用途を思いつかず、それを「資産運用」に使うと発表した。このカネ集めはゼインを悩ませた。「おいおい、何かプロジェクトを立ち上げると言えばカネが集まって、そのプロジェクトを立ち上げなくてもカネは返さなくていいのか? と思いました」 そうしたカネ集めには、おそらくサトシも困惑しただろう。それは暗号資産取引所という概念についても同様だ。ビットコインのもともとの売りは、金融仲介者が不要になることだった。取引から信用を取り除いたのだ。スイスフランやアップル株、あるいは生きた牛などと異なり、ビットコインは他の人々と直接的に、しかも簡単に取引できる。しかし結局、金融仲介者を排除しようとした人々は、自ら新たな仲介者を創出することになった。2019年初頭には、254もの暗号資産取引所が登場していた』、「ビットコインが最も簡単に取って代わったのは、政府の保証する通貨ではなくギャンブルだった・・・金融仲介者を排除しようとした人々は、自ら新たな仲介者を創出することになった。2019年初頭には、254もの暗号資産取引所が登場していた」、皮肉なものだ。

第三に、7月31日付けYahoo ニュースが転載したダイヤモンド・オンライン「「絶対ネコババしていない」マウントゴックス元CEOの訴えと、米国当局が特定した「大量のビットコイン」の行き先」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ddfa1144ede3b7841defe119b01743cca9673a2?page=1
・『2014年、ビットコイン取引所マウントゴックス社の機密データ保管庫から480億円相当もの大金が消える事件が発生した。警視庁サイバー犯罪課の捜査によって、同社を経営するマルク・カルプレスが逮捕されるも、「自分こそがハッキング犯罪の犠牲者」と主張。これがアメリカ国税庁によって真実だと証明されると、日本の警視庁はなぜか犯人逮捕の協力要請を拒むのだった──。本稿は、ロバート・ホワイティング著、松井みどり訳『新東京アウトサイダーズ』(角川新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。 
・『世界的に注目を浴びた ビットコイン・キングの逮捕劇  東京の犯罪システムに、足跡を残したガイジンの1人、フランス人のマルク・カルプレスは、東京を拠点とするビットコイン取引所、〈マウントゴックス社(Mt.Gox)〉を経営していた。彼によれば、世界のビットコイン取引の80%を請け負っていた時期もあるという。 しかし、カルプレスの会社は、2014年に倒産した。85万ビットコイン──当時の価値で推定480億円相当──が、デジタルヴォールト(機密データ保管庫)から消えてしまったからだ。これに怒った投資家たちが、たちまち暗号通貨の安全性を問う事態に発展した。自分の暗号通貨が消滅したことに抗議するため、はるばるスコットランドから乗り込んできた人物もいた。 カルプレスは2015年、警視庁サイバー犯罪課の捜査により、30歳で逮捕された。〈マウントゴックス社〉の口座の預り金、合計3億4100万円を横領し、電子データを改ざんして、クライアントにダメージを与えた疑いだ。その金を自分の口座に移し、贅沢三昧の生活をするために使った、とされた。 カルプレス自身は、大掛かりなハッキングの犠牲になった、と主張したが、裁判を待つあいだ、拘置所で11カ月過ごし、連日数時間に及ぶ尋問を受けた。 暗号通貨は一般人にとって、比較的新しい金銭取引なので、彼の事件は世界的に注目を浴びた。裁判のあいだ、証言に立った警察官は、カルプレス自身がコインを盗んだ、と信じて調査を開始したこと、そのため彼の自白を望んでいることを認めた。警察はさらに、ハッカー捜しを中止した、とも証言している』、日本の警察は「カルプレス自身がコインを盗んだ、と信じて調査を開始」、など海外捜査機関とは違った見方に固執したようだ。
・『「自分は犠牲者。絶対にネコババ していない」との主張は退けられた  2019年3月15日、カルプレスは東京地裁において、1つの訴因で有罪判決を受けた。その訴因とは、彼が2013年2月から9月にかけて、ダラスのビットコイン取引所の口座に、およそ3350万ドル相当を送金したこと。しかも、自身の個人的コンピューターを使い、会社の帳簿を改ざんして、不正を隠ぺいしたこと。 判決内容を読み上げる中で、裁判官はカルプレスが、顧客の信頼を大きく裏切ったことを指摘した。 しかし特筆すべきは、カルプレスがほかの2つの訴因については、有罪判決を受けなかった事実だ。) 彼が下された懲役2年6カ月(検察は10年を求刑)の判決に、裁判官は執行猶予をつけるべきだと判断した。問題を起こさなければ、刑務所に入らなくてもいい、という意味である。 これは、起訴後の有罪判決率が99%の国、日本で善戦した結果だと言える。 カルプレスは上訴した。彼の弁護団は、 「暗号通貨は、当時の日本でほとんど管理できていなかった。したがって検察側は、暗号通貨が実際にどのように流通しているかを、理解していない」と主張し、 「カルプレスは大掛かりなサイバー犯罪の犠牲者であり、顧客を守ろうとしたに過ぎない」と訴えた。 カルプレス本人は、 「2014年にマウントゴックス社が倒産したとき、消失したクライアントのファンドを、自分は絶対にネコババしていない」 と断言している。しかし、彼の訴えは通らず、地裁判決は、2020年に日本の高等裁判所で支持された』、「カルプレスがほかの2つの訴因については、有罪判決を受けなかった事実だ。) 彼が下された懲役2年6カ月(検察は10年を求刑)の判決に、裁判官は執行猶予をつけるべきだと判断した。問題を起こさなければ、刑務所に入らなくてもいい、という意味である」、なるほど。
・『日本に移住したのち 暗号通貨取引所を買収  マルク・カルプレスは、“典型的なガイジン・タイプ”(そんなのがあればの話だが)ではない。フランスのディジョンで育ち、『PHYS・ORG』誌の経歴によれば、最終学歴はパリの〈リセ・ルイ・アルマン〉。 母親が2017年のドキュメンタリーで語ったところによれば、 「息子はコンピューターの天才で、学校ではほとんど友達がいませんでした。ITや量子物理学について、あの子と対等に会話できる友人が、見つからなかったのでしょう。息子が唯一興味を持ったのは、コンピューター・サイエンスでした」 やがてフランスのテレビ局に採用され、終日、コンピューター・スクリーンの前で過ごした。 プロの世界に入ると、彼は、フランス企業〈リナックス・シベルジュウール〉にうまくなじめないことを知った。 やがて会社はデータに異常を発見し、「自動データ処理システムへの不正アクセス」と「データの不正改ざん」の容疑で、2010年にカルプレスを当局に訴えた。カルプレスはフランスで、欠席裁判の末、執行猶予1年を告げられている。カルプレスは日本のアニメとヴィデオゲームにも強い関心を持ち、何度か日本を訪れたあと、2009年に移住し、ビットコインへの興味を深めていった。) 2011年には、暗号通貨取引所、〈マウントゴックス社〉を買収。 『私はビットコインに魂を売った』と題する、カルプレスに関する本の共著者、ジェイク・エーデルスタインはこう語る。《このプラットフォームはもともと、〈マジック・ザ・ギャザリング〉という人気カードゲームで、カードをトレードするためのものだった。〈ポケモン〉にどこか似ているこのシステムは、暗号通貨を扱うためではなかったから、欠点がたくさんあった。マルクが会社を買収した時点で、すでにかなりのビットコインが紛失していた。》 にもかかわらずビットコインは、〈シルクロード・ウェブサイト〉という、いわば闇サイトで、麻薬や不法商品を買うのに好都合の通貨だと判明。とたんに、人気が急上昇。顧客ベースも急拡大した。マウントゴックス社は驚くほど急成長し、ある時点で、「わが社は全世界のビットコイン取引の80%を支配している」と豪語した。 カルプレスは成功を享受した。月1万1000ドルの豪勢なアパートに住み、ベッドは数万ドルのキングサイズ。日本人女性と結婚し、子供ももうけた』、「麻薬や不法商品を買うのに好都合の通貨だと判明。とたんに、人気が急上昇。顧客ベースも急拡大した」、「日本人女性と結婚し、子供ももうけた」、いずれも初めて知った。
・『カルプレスは被害者だと アメリカ国税庁も認めた  ところが2014年、すべてがガラガラと崩れ落ちた。マウントゴックス社が、カルプレスの主張によると「大規模なハッキングによって」、推定85万ビットコイン(当時の貨幣価値で約5億ドル相当)を失ったからだ。 マウントゴックス社は倒産し、破産による保護を申請。検察当局は、データ改ざんと、顧客の口座から約300万ドル盗んだ疑いで、カルプレスを追及した。 カルプレスは逮捕、再逮捕を幾度か繰り返し、日本の拘置所で合計1年ほど過ごすハメになった。毎日数時間の尋問を受け、デブだった体は、かなりの体重を失った。 続く倒産の審問では、マウントゴックス社は、ビットコイン1個につき483米ドル相当を、債権者に返金するよう命じられた(合計すると、450億6000万円、米ドルで4億ドル)。 幸運なことにカルプレスは、会社に残っていた20万ビットコインを、管財人に預けていた。その価値が、彼の勾留期間中にうなぎ上り。おかげで債権者たちは、破産で失ったよりも高い金額を、手に入れたことになる。) 2017年ごろには、管財人によって、約5万ビットコインが6億米ドルで売り出されたが、残りのビットコインは、今の価値で60億米ドルを超えている。それが2023年に出回り始めているはずだ。 結局のところ、カルプレスが不当に狙われた、と考えられる根拠がたくさんありそうだ。スウェーデンのエンジニア、キム・ニルソンは、マウントゴックス社の倒産でかなりのビットコインを失った1人だが、カルプレスが東京拘置所に入っているあいだに、アメリカの連邦当局と情報を交換し始めた。 アメリカ国税庁の対策本部は、「マウントゴックス社が外部の何者かにハッキングされたことは確かである」と結論づけた。「2011年から2013年後半までのあいだに、何者かが60万以上のビットコインを横取りしたようだ」と』、「幸運なことにカルプレスは、会社に残っていた20万ビットコインを、管財人に預けていた。その価値が、彼の勾留期間中にうなぎ上り。おかげで債権者たちは、破産で失ったよりも高い金額を、手に入れたことになる」、「アメリカ国税庁の対策本部は、「マウントゴックス社が外部の何者かにハッキングされたことは確かである」と結論づけた。「2011年から2013年後半までのあいだに、何者かが60万以上のビットコインを横取りしたようだ」と」、日本の捜査当局より実態を把握していたようだ。
・『カルプレスを陥れた犯人を ついに突き止めて拘束  アメリカ国税庁の特別捜査員、ティグラン・“ブロックチェーン・ウィザード(ブロックチェーン技術の達人)”・ガンバリャンは、ハッカーを逮捕するため、マウントゴックス社のデータをシェアしてほしいと、日本の警察庁と警視庁に、協力を求めた。 断られた。 カルプレスの支持者は、こう分析している──東京の警察は、もしも真犯人が見つかったら、カルプレスに自白させようとした彼らの行為が、いかに残酷で間違っていたかを証明されてしまう、と恐れているに違いない、と。 しかし、先のエーデルスタインは、マウントゴックス社のデータベースのコピーを、サンフランシスコのFBIに、調査資料として持ち込んだ。結果、アメリカ当局は、盗まれた大量のビットコインの行き先を突き止めた。 アレクサンダー・ヴィニクという、ロシア人のビットコイン取引業者だ。 2017年7月25日、アメリカ当局の要請で、ギリシャでヴィニクを拘束。彼はマネーロンダリング21件と、マウントゴックス社の件を含む、ほかの数件の罪状で告訴された。アメリカは、詐欺とハッキング容疑で、ヴィニクの引き渡しを要求。フランスもロシアも、引き渡しを要求した。 彼はフランスに送還され、裁判にかけられて、マネーロンダリングの有罪判決により、懲役5年を言い渡された。 一方カルプレスは、2022年春に新会社〈UNGOX〉を立ち上げた。技術、情報開示性、人事制度、適法性などの重要分野にメスを入れる、暗号通貨取引所の評価や、その関連企業の評価を提供する会社だ』、「ガンバリャンは、ハッカーを逮捕するため、マウントゴックス社のデータをシェアしてほしいと、日本の警察庁と警視庁に、協力を求めた。 断られた」、日本の当局の了見の狭さには改めて驚かされた。「東京の警察は、もしも真犯人が見つかったら、カルプレスに自白させようとした彼らの行為が、いかに残酷で間違っていたかを証明されてしまう、と恐れているに違いない、と。 しかし、先のエーデルスタインは、マウントゴックス社のデータベースのコピーを、サンフランシスコのFBIに、調査資料として持ち込んだ。結果、アメリカ当局は、盗まれた大量のビットコインの行き先を突き止めた」、捜査当局のあり方としては、日本は完敗だ。「アメリカ」には情報が集まり易いのであれば、初めからアメリカ当局と手を結んでおくべきだった。 
タグ:暗号資産(仮想通貨) (その24)(DMMビットコイン「流出482億円」補償の胸算用 自己資本81億円でも「全額補償を即日発表」の背景、サトシ・ナカモトの誤算 ビットコインは通貨ではなくギャンブルに、「絶対ネコババしていない」マウントゴックス元CEOの訴えと 米国当局が特定した「大量のビットコイン」の行き先) 東洋経済オンライン「DMMビットコイン「流出482億円」補償の胸算用 自己資本81億円でも「全額補償を即日発表」の背景」 確かに「ビットコイン」の相場は堅調になったようだ。 「国内の交換業者には顧客資産の分別管理義務がある。日本円などの法定通貨は信託銀行で管理し、暗号資産は実質的にコールドウォレットで100%管理する、としている。 流出の直接的な原因をめぐっては、ネット上での議論がかまびすしい。取りざたされているのは、故意の内部犯行説やマルウェア(悪意のあるプログラム)感染などの過失説だ。 だがコールドウォレットが、ネットから隔離した専用端末で、複数人による管理が徹底されていたのかなど、そもそもの運用体制から検証されるべきだろう」、なるほど。 「暗号資産全体の取引高はコインチェック事件前と比べて大きく増えている。コインチェック事件前、1日の取引高は400億ドル前後だった。それが足元では日によって1000億ドルを超える規模となっている・・・過去の価格上昇時にみられた「クリプト3条件」もそろうことで一段高が見込まれる。 主要中央銀行が金融緩和傾向であること、株式市場のボラティリティ指数が低水準であること、実質金利が低下傾向であること――が3条件だ。年後半にはアメリカが利下げへと転換すると予想され、年末頃に条件を満たす可能性がある・・・ アメリカで1月に承認されたビットコイン現物ETF(上場投資信託)に機関投資家が本格的に資金を投じるのは年後半と予想される」、なるほど。 「DMMビットコインにつけられる値段はよくて10億円、20億円では」(交換所関係者)。それでは手放す動機がない・・・DMMビットコインは、補償の具体的な方法や時期を速やかに検討し、今後公表するとしている」、「DMMビットコイン」の今後の出方が注目される。 日経ビジネスオンライン「サトシ・ナカモトの誤算 ビットコインは通貨ではなくギャンブルに」 『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』(マイケル・ルイス著/小林啓倫訳/日本経済新聞出版) 興味深そうだ。 「暗号通貨に惹かれたのは、少なくとも初期には、大手銀行や政府、および他の組織的権威に対して疑念を抱く人々だった」、なるほど。 ・『ビットコインで大金持ちになったゼイン  ゼイン・タケットはそうしたタイプの典型的な例だったが、ゼインを「タイプ」で考えると、彼の楽しい部分や重要なところを見逃してしまうだろう。ゼインはパイオニアと呼ばれることも多い。2013年4月、ビットコインの価格が100ドル前後で推移していたころ、当時コロラド大学の学生だったゼインは奇妙な雑誌記事を目にした。その記事の筆者は、これから身を隠 と宣言し、自分を見つけた人に1万ドルの賞金を出すというのだ。 その賞金はビットコインで支払われ、ビットコインの支払いには、不可逆的で追跡不可能という利点があるとその筆者は説明していた。ゼインはその記事を読んで、なぜか筆者を探そうとするのではなく、ビットコインが何であるかを知りたいと思った。 彼は最近、詐欺の被害に遭っていた。マイケル・ジョーダンのジャージカードをオンラインで売ったところ、購入者がクレジットカードの決済を取り消し、カードも返そうとしなかったのだ。 金融システムがこの詐欺を許したことに、ゼインは憤慨していた。また、彼は大学生活をあまり楽しんでおらず、大学に留まること以外の人生の選択肢を示す人々に、近しいものを感じた。「僕の祖父は、中国に行って中国語を学ぶべきだと言っていました。なぜなら彼らが世界を支配するだろうから、と」とゼインは言う。 彼はかつてそのアドバイスに従って、高校を卒業してすぐに1年間中国に行き、そのあとコロラド大学に通うために帰国していた。そして今回、彼はいくらかのビットコインを買ってコロラド大学を中退し、北京に移り住んだ。そこで彼は、 オーケーエックスという暗号資産取引所に就職した。彼はこの取引所に雇われた最初の非中国人だった。 中国の企業は帝国のような存在で、従業員は貴重な資産というより家臣として扱われた。「従業員はひどい目にも遭います。ひどい目に遭っても、何もできないからです。何の保護もありません」。 彼の祖父は、ゼインが中国語を流暢に話すようになったことを評価したが、両親は彼が何か悪いことに巻き込まれているのではないかと心配した。ゼインはビットコインを増やし続け、ビットコインの価格は上昇し続け、ある日ゼインは大金持ちになった。「僕 面白いカネを手に入れ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で取り上げられ、両親は僕が大丈夫そうだと判断しました」 2016年にはビットコインの価格は400ドルを超え、ゼインは裕福になっただけでなく尊敬されるようになり、様々な暗号資産取引所と契約して世界中どこでも好きな場所で働けるようになった。暗号資産業界の誰もがゼインを知っており、誰もが彼を信頼していた。 彼は西部劇に出てくるガンマンのような名前と体つきをしていて、開拓時代の米西部を放浪したガンマンのように、何にも誰にも縛られず、あちこちを放浪して回った。 ある月はインドネシアにいて、翌月はアルゼンチンにいる。ゼインはビットコインのように、場所を持たない存在となった。 原則的に、彼は経済生活のすべてをビットコインで送った。ビットコインで報酬を受け取り、支払いもビットコインだけ。暗号通貨という運動に参加しながら、それを支持する行動を楽しんでいたのだ。「政府からカネの力を奪いたいという気持ちがありました」と彼は言う。ビットコインがコード(プログラム)からできていたように、ゼインにもコード(行動規範)があった』、 「彼はいくらかのビットコインを買ってコロラド大学を中退し、北京に移り住んだ。そこで彼は、オーケーエックスという暗号資産取引所に就職した。彼はこの取引所に雇われた最初の非中国人だった。 中国の企業は帝国のような存在で、従業員は貴重な資産というより家臣として扱われた・・・2016年にはビットコインの価格は400ドルを超え、ゼインは裕福になっただけでなく尊敬されるようになり、様々な暗号資産取引所と契約して世界中どこでも好きな場所で働けるようになった。暗号資産業界の誰もがゼインを知っており、誰もが彼を信頼していた 。 彼は西部劇に出てくるガンマンのような名前と体つきをしていて、開拓時代の米西部を放浪したガンマンのように、何にも誰にも縛られず、あちこちを放浪して回った。ある月はインドネシアにいて、翌月はアルゼンチンにいる。ゼインはビットコインのように、場所を持たない存在となった。 原則的に、彼は経済生活のすべてをビットコインで送った。ビットコインで報酬を受け取り、支払いもビットコインだけ。暗号通貨という運動に参加しながら、それを支持する行動を楽しんでいたのだ」、なるほど。 「ビットコインが最も簡単に取って代わったのは、政府の保証する通貨ではなくギャンブルだった・・・金融仲介者を排除しようとした人々は、自ら新たな仲介者を創出することになった。2019年初頭には、254もの暗号資産取引所が登場していた」、皮肉なものだ。 Yahoo ニュース ダイヤモンド・オンライン「「絶対ネコババしていない」マウントゴックス元CEOの訴えと、米国当局が特定した「大量のビットコイン」の行き先」 ロバート・ホワイティング著、松井みどり訳『新東京アウトサイダーズ』(角川新書) 日本の警察は「カルプレス自身がコインを盗んだ、と信じて調査を開始」、など海外捜査機関とは違った見方に固執したようだ。 「カルプレスがほかの2つの訴因については、有罪判決を受けなかった事実だ。) 彼が下された懲役2年6カ月(検察は10年を求刑)の判決に、裁判官は執行猶予をつけるべきだと判断した。問題を起こさなければ、刑務所に入らなくてもいい、という意味である」、なるほど。 「麻薬や不法商品を買うのに好都合の通貨だと判明。とたんに、人気が急上昇。顧客ベースも急拡大した」、「日本人女性と結婚し、子供ももうけた」、いずれも初めて知った。 「幸運なことにカルプレスは、会社に残っていた20万ビットコインを、管財人に預けていた。その価値が、彼の勾留期間中にうなぎ上り。おかげで債権者たちは、破産で失ったよりも高い金額を、手に入れたことになる」、「アメリカ国税庁の対策本部は、「マウントゴックス社が外部の何者かにハッキングされたことは確かである」と結論づけた。「2011年から2013年後半までのあいだに、何者かが60万以上のビットコインを横取りしたようだ」と」、日本の捜査当局より実態を把握していたようだ。 「ガンバリャンは、ハッカーを逮捕するため、マウントゴックス社のデータをシェアしてほしいと、日本の警察庁と警視庁に、協力を求めた。 断られた」、日本の当局の了見の狭さには改めて驚かされた。「東京の警察は、もしも真犯人が見つかったら、カルプレスに自白させようとした彼らの行為が、いかに残酷で間違っていたかを証明されてしまう、と恐れているに違いない、と。 しかし、先のエーデルスタインは、マウントゴックス社のデータベースのコピーを、サンフランシスコのFBIに、調査資料として持ち込んだ。結果、アメリカ当局は、盗まれた 大量のビットコインの行き先を突き止めた」、捜査当局のあり方としては、日本は完敗だ。「アメリカ」には情報が集まり易いのであれば、初めからアメリカ当局と手を結んでおくべきだった。
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