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機能性表示食品制度(その6)(小林製薬“猛毒サプリ” 76人死亡でも事件化に立ちはだかる「2つの壁」とは、ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局 悪いのは会社か紅麹か それとも「意図せぬ成分」だったのか、「自然由来」「無添加」でも健康被害が起きるのはナゼ? 小林製薬「紅麹」問題でわかった《サプリ・健康食品》の恐ろしすぎる落とし穴、《小林製薬「紅麹」問題》引責辞任したはずの元会長に「月額200万円」…創業家に“異常な高待遇”を許したのは誰なのか?) [社会]

機能性表示食品制度については、4月27日に取上げた。今日は、(その6)(小林製薬“猛毒サプリ” 76人死亡でも事件化に立ちはだかる「2つの壁」とは、ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局 悪いのは会社か紅麹か それとも「意図せぬ成分」だったのか、「自然由来」「無添加」でも健康被害が起きるのはナゼ? 小林製薬「紅麹」問題でわかった《サプリ・健康食品》の恐ろしすぎる落とし穴、《小林製薬「紅麹」問題》引責辞任したはずの元会長に「月額200万円」…創業家に“異常な高待遇”を許したのは誰なのか?)である。

先ずは、7月17日付け文春オンライン「小林製薬“猛毒サプリ”、76人死亡でも事件化に立ちはだかる「2つの壁」とは」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/72060
・『「今になって何を言い始めてるんだと」 6月28日、武見敬三厚労相(72)が、怒りの矛先を向けたのは、「紅麹」問題で、新たに76件の死亡の疑いを報告した小林製薬である』、「新たに76件の死亡の疑いを報告」とは驚きだ。
・『突然増えた死亡者数  社会部記者が解説する。 今年3月に発覚した小林製薬の『紅麹』問題では、同社が製造した紅麹を原料とするサプリメントを摂取した消費者が、腎疾患などを発症。当初は、5名が死亡した疑いがあるとされていたが、その数が突然、76名に増えたのです」 死亡者数が突如増えたのはなぜか。改めて厚労省健康・生活衛生局に聞くと、 「死亡者数の更新がないため、確認をしたにも関わらず、小林製薬の判断により死亡者数の報告をしなかったことは極めて遺憾です」 と小林製薬を断罪する。 「今後、厚労省は、業務上過失致死傷罪で事件化する可能性もあることから、調査の進捗を管理する方針です」(前出・社会部記者) 業務上過失致死傷罪は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される重罪である。 2000年に起こった雪印乳業(現雪印メグミルク)の集団食中毒事件では、発生当時の社長や工場長が業務上過失致死傷罪などに問われた。社長と専務は不起訴で、工場長ら現場責任者だけが有罪となった』、「業務上過失致死傷罪は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される重罪である」、それにしても「小林製薬」の報告体制はデタラメだ。
・『小林製薬、事件化には2つの壁  だが小林製薬の場合、事件化には2つの壁が立ちはだかるという。まずは、「予見」の壁だ。刑法が専門の園田寿甲南大名誉教授が解説する。 「刑事である業務上過失致死傷罪の適用は、事件を具体的に予見できたかどうかが問題となります。本件はカビが製品に紛れ込んだことによって発生したものとされます。その場合、経営陣や現場の工場長にそれが予見できていた、といえるかは非常に難しい」) ポイントは3月22日の社長会見にあると指摘するのは企業問題に詳しい加藤博太郎弁護士だ。 「雪印の事件では、社長と専務は『予見不可能だった』として不起訴となりました。小林製薬も会見で『未知の成分』という言葉を使っており、健康被害が起こるとは予見ができなかったという点を主張しようとしているのではないか」 2つ目の壁は、死亡疑いの数すらまともに報告しない小林製薬の「隠蔽体質」である。 07年、表示義務のある原料名を表記せずに栄養補助食品を販売していたことが発覚。小林製薬は客からの苦情が出ても調査すらせず放置していたという。発売から5年半ほど経ってから回収に動き、「原因が分からず、対応が遅れていた」と釈明したこともある。 同社の元社員が証言する。 「Kさん(小林一雅代表取締役会長の愛称)が、恐ろしいから、クレームでもなんでも最初は隠してしまうところがある」』、「小林製薬も会見で『未知の成分』という言葉を使っており、健康被害が起こるとは予見ができなかったという点を主張しようとしているのではないか」 2つ目の壁は、死亡疑いの数すらまともに報告しない小林製薬の「隠蔽体質」である」、なるほど。
・『“隠蔽工作”は過去にも  彼が在職中も、“隠蔽工作”が行われたことがあったという。 「1990年代のことですが、当局による税務調査が入ることになった際に、当時の経理部長が、『まだ許可を得ていないものを輸入していたことが分かる書類がある。バレたらまずい』と本社の女性更衣室に隠したこともあった。今回の一件も、『都合が悪いことは黙っておけ』という会社の姿勢の表れではないか」(同前) 小林製薬に、死亡者数や過去の税務調査時の“隠蔽疑惑”などについて質問したところこう回答があった。 「6月13日に厚労省には、報告すべき事案はございませんと回答いたしました。その後、報告・公表のあり方の見直しを加速させ、報告に至りました。(過去の税務調査については)回答を差し控えます」 包み隠さず事実関係を明らかにする姿勢が、あったらよかったのだが』、「「6月13日に厚労省には、報告すべき事案はございませんと回答いたしました。その後、報告・公表のあり方の見直しを加速させ、報告に至りました」、隠蔽体質溢れた姿勢だ。これでは、進展は期待できない。

次に、8月1日付け現代ビジネス「ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局、悪いのは会社か紅麹か、それとも「意図せぬ成分」だったのか」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134786?imp=0
・『小林製薬の「紅麴(べにこうじ)」成分入りサプリメントをめぐる健康被害問題はいまだ深刻な様相を呈している。 7月30日、同社が摂取との因果関係を調査している死者が100人に達したことが判明。厚生労働省によれば、同社による因果関係の調査は8月中までに終えるとしているが、はたして問題の解明に至るのか――。あらためて問題発生当初の状況、そして原因はどこにあるのかについて分析をしていく』、「死者が100人に達した」とは衝撃的だ。
・『小林製薬社外取締役の証言  「最初のニュースリリースを出す前日('24年3月21日)に、『重大事案』が発生したと連絡がありまして、その翌日に臨時取締役会が開かれました。それまで今回の件が議題に上がったことはないので、驚いたし、ショックでした。信頼性に対するダメージは大きいと思いますが、会社は誠意をもって対応していますし、誠実にかつ適時に情報を開示してほしいということは僕も伝えました」 小林製薬の社外取締役を務める、一橋大学名誉教授の伊藤邦雄氏は淡々と語った。 小林製薬が販売したサプリメント「紅麹コレステヘルプ」などに含まれる紅麹成分が、多数の人に健康被害をもたらした問題が深刻化している。 紅麹成分を含むサプリ摂取後に入院が必要になった患者は492人に達し、関与が疑われる死亡事例も93人確認された('24年7月10日時点)。腎疾患で亡くなった一人は、「紅麹コレステヘルプ」計35袋を定期購入し、死亡する今年2月まで約3年間摂取し続けたという』、「社外取締役を務める、一橋大学名誉教授の伊藤邦雄氏」あの「伊藤邦雄氏」が「社外取締役」をしているとは驚いた。
・『「非常に規律意識が高い会社」  小林製薬は「衛生管理をきちんと行ったうえで生産しており、製品を出荷させていただく際には微生物試験などの検査をしていた」(広報・IR部担当者)と説明するが、有害な「意図しない成分」が含まれていたことは事実である。 '24年1月15日に「サプリメントを服用した人に腎疾患がある」と医師の報告を受けてから原因物質の特定に時間を要したというが、最初の発表は3月22日とあまりに遅かった。 小林製薬は1886年に小林忠兵衛が名古屋に創業した老舗。トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」や外用消炎鎮痛薬「アンメルツ」といった大ヒット商品のほか、「サラシア100」「グルコサミンEX」などのサプリメントも販売している。 「無理な成長を目指すよりは、堅実経営が売り。職種や社歴に関係なく全従業員が参加できる『アイデア提案制度』は有名で、風通しの良いアットホームな企業です。不祥事などはこれまで皆無でした」(小林製薬関係者) 会社の経営について、前出の伊藤氏もこう語る。 「同族企業ですけれど、非常に規律意識が高いです。僕が社長に意見を申し上げると、非常に慎重で丁寧に聞いてもらえます。製品をつくっている過程では、瑕疵などないと思ってきました」 しかし、紅麹サプリとの関連が疑われる健康被害と死者の数は今なお増え続けている』、「前出の伊藤氏もこう語る。 「同族企業ですけれど、非常に規律意識が高いです。僕が社長に意見を申し上げると、非常に慎重で丁寧に聞いてもらえます。製品をつくっている過程では、瑕疵などないと思ってきました」、甘過ぎる見方だ。
・『紅麴自体は何も悪くない  問題の紅麹とは、米や麦などの穀類をカビの一種である紅麹菌で発酵させたもの。鮮やかな赤色が特徴的な天然の着色料として、味噌や塩辛、せんべい、紹興酒などに幅広く使用されている。 紅麹菌の中には腎臓の病気を引き起こす有害物質「シトリニン」をつくるものもあり、'14年にはスイスで紅麹を成分とする食品の販売が禁止された。 ただし、紅麹自体を危険なものと考えるのは過剰反応だという。東京大学名誉教授の唐木英明氏が語る。 「小林製薬の紅麹菌はシトリニンを合成する遺伝子がない株を使用しています。今回は、サプリ用の原料のほんの一部に『意図しない成分』が入っており、他社の食品色素用の原料には入っていなかった。通常は起きないことが起きたとしか考えられません。紅麹自体は何も悪くない」 シトリニンは含まれていないが、「意図しない成分」は含まれていた。その理由については、何かしらの微生物や別のカビが混入して毒をつくり出した可能性や、生産工程で何者かが異物を混入した可能性もあるという。 前出の小林製薬担当者は「意図しない成分が何かをいつ発表できるかは未定」とだけ答えた』、「「意図しない成分」は含まれていた。その理由については、何かしらの微生物や別のカビが混入して毒をつくり出した可能性や、生産工程で何者かが異物を混入した可能性もあるという」、なるほど。
・【つづきを読む】・・・紹介省略・・・。

第三に、8月1日現代ビジネス「「自然由来」「無添加」でも健康被害が起きるのはナゼ? 小林製薬「紅麹」問題でわかった《サプリ・健康食品》の恐ろしすぎる落とし穴」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134787?imp=0
・『いまだ完全な原因解明に至っていない、小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題。 前編記事『ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局、悪いのは会社か紅麹か、それとも「意図せぬ成分」だったのか』では、サプリ用の原料のほんの一部に混入していた「意図せぬ成分」の恐ろしさについて触れた。 今回の問題で改めて浮き彫りになったのは、「サプリ・健康食品」自体の怖さである。それは紅麹だけではない』、「今回の問題で改めて浮き彫りになったのは、「サプリ・健康食品」自体の怖さである」、なるほど。
・『審査を受ける必要はありません  紅麹は最近、コレステロール抑制効果のある成分が含まれているとわかり、健康食品の原料として注目されていた。健康に良いとされる成分が含まれるサプリは「機能性表示食品」に分類される。その市場規模は'18年に2153億円だったが、'23年には6865億円に拡大している。 ますます身近になった機能性表示食品は医薬品と異なり、事業者が安全性と機能性に関する科学的根拠などを消費者庁に届け出れば、審査を受ける必要は一切ない。 『病気になるサプリ 危険な健康食品』の著書がある元法政大学教授の左巻健男氏が語る。 「機能性表示食品が健康の維持や増進に役立つかといえば、非常に疑問です。食品や製薬メーカーの責任で裏付ければ良いだけですから。また、摂取量に制限がある医薬品と違って、サプリは食品ですからいくら摂取しても構いません。高齢者にサプリをたくさん買わせて、企業を儲けさせようとしているだけに思えます」 紅麹問題を受けて、3月26日、国は届け出がある全ての機能性表示食品約7000件を緊急点検する方針を表明した。さらに小林製薬は、接種後に死亡した76人について因果関係を確認するため、詳細な調査を始めている』、興味深そうだ』、「「機能性表示食品が健康の維持や増進に役立つかといえば、非常に疑問です。食品や製薬メーカーの責任で裏付ければ良いだけですから。また、摂取量に制限がある医薬品と違って、サプリは食品ですからいくら摂取しても構いません。高齢者にサプリをたくさん買わせて、企業を儲けさせようとしているだけに思えます・・・国は届け出がある全ての機能性表示食品約7000件を緊急点検する方針を表明した。さらに小林製薬は、接種後に死亡した76人について因果関係を確認するため、詳細な調査を始めている」、なるほど。
・『「自然由来」「無添加」でも要注意  サプリは医薬品よりチェックが甘いので、有害成分が含まれている可能性もある。たとえそうでなくとも、機能性表示食品やいわゆる健康食品を摂取して、健康を損ねた事例は数多ある。 たとえば、'04年には肝硬変を患っていた60代女性が粉末ウコンを毎日服用したところ、症状が悪化して死亡した。また、'03年から知人に勧められてクロレラと黒酢を服用していた60代女性は、肝障害を患った。抗がん効果があるとされるアガリクスでも、肝障害を引き起こしたと疑われる事例がある。 「サプリで健康被害が多い部位は腎臓や肝臓です。外部から入ってきた毒を分解したり排出する器官ですから、繰り返し毒にさらされると、傷んでしまうわけです」(左巻氏) 他にもローヤルゼリーでアナフィラキシーショックが起きたなど、健康食品による被害は枚挙にいとまがない。 食品表示アドバイザーの垣田達哉氏が、こう警鐘を鳴らす。 「消費者は自然由来の成分とか無添加という言葉に弱い。サプリや健康食品は副作用もないから、長年摂取しても大丈夫という先入観があります。自然由来の食品といっても、もし異物が微量でも含まれていた場合、体内に多く蓄積されてしまう危険性もあるのです」 サプリさえ飲んでいたら健康を保てると安易に信じてはならない。 【こちらも読む】『グルコサミン、ウコン、マカ、黒酢…「飲んでも効かない」サプリ一覧』 『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2024 vol.3 クスリの新常識と副作用のすべて』は好評発売中! 累計188万部の大人気シリーズが、大幅リニューアルでさらにわかりやすくなりました! 週刊現代の大反響記事を、加筆のうえ、ギュッとまとめた一冊です』、「ローヤルゼリーでアナフィラキシーショックが起きたなど、健康食品による被害は枚挙にいとまがない。 食品表示アドバイザーの垣田達哉氏が、こう警鐘を鳴らす。 「消費者は自然由来の成分とか無添加という言葉に弱い。サプリや健康食品は副作用もないから、長年摂取しても大丈夫という先入観があります。自然由来の食品といっても、もし異物が微量でも含まれていた場合、体内に多く蓄積されてしまう危険性もあるのです」、大いに気を付けるべきだ。

第四に、8月5日付け現代ビジネスが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁 昭夫氏による「《小林製薬「紅麹」問題》引責辞任したはずの元会長に「月額200万円」…創業家に“異常な高待遇”を許したのは誰なのか?」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134993?imp=0
・『小林製薬に抱く大きな違和感  小林製薬が、紅こうじを含んだサプリメントの健康被害問題で混乱している。重要なポイントは、同社の“コーポレート・ガバナンス(企業統治)”の機能が不十分だったことだ。 今回の問題に対する小林製薬の対応には大きな違和感を抱く。 現場が被害を認識した初期段階で、同社の経営陣は消費者への注意喚起や商品の回収を行うべきだった。しかし、そうした対応を取らず、健康被害が報告された時点での初動も遅かった。 7月23日、創業家出身の会長と社長が辞任を発表。しかし、会長は特別顧問、社長は補償担当の取締役として残るようだ。創業家の影響力が強いとの指摘もある中、創業家出身の前経営者が組織に残ったままで、被害者が納得するとは考えづらい。 同社には社外取締役がいる。彼らが反対すれば新しい経営陣の下で抜本的な組織の変革を目指すこともできたはずだが、実現していない。取締役会が、本来期待された機能を果たしているのか疑問符もつく。 このままでは同社は存在意義を失うかもしれない。小林製薬が社会の信頼を回復するには、経営陣がガバナンスの重要性を十分に理解し、新しい企業として生まれ変わる覚悟が必要だろう』、「現場が被害を認識した初期段階で、同社の経営陣は消費者への注意喚起や商品の回収を行うべきだった。しかし、そうした対応を取らず、健康被害が報告された時点での初動も遅かった。 7月23日、創業家出身の会長と社長が辞任を発表。しかし、会長は特別顧問、社長は補償担当の取締役として残るようだ。創業家の影響力が強いとの指摘もある中、創業家出身の前経営者が組織に残ったままで、被害者が納得するとは考えづらい。 同社には社外取締役がいる。彼らが反対すれば新しい経営陣の下で抜本的な組織の変革を目指すこともできたはずだが、実現していない。取締役会が、本来期待された機能を果たしているのか疑問符もつく。 このままでは同社は存在意義を失うかもしれない。小林製薬が社会の信頼を回復するには、経営陣がガバナンスの重要性を十分に理解し、新しい企業として生まれ変わる覚悟が必要だろう」、こんな不徹底な辞任劇を認めるとは、社外取締役は何をしているのだろう。
・『初動があまりに遅すぎた  7月23日に小林製薬が公表した調査報告書から、今回の紅こうじサプリメントによる健康被害がどう発生したかを確認できる。それによると、組織全体が適切に製造ラインの保守や商品の品質管理を実行していなかったようだ。 因果関係は不明であるとしつつ、2022年11月、同社の大阪工場で、製品に用いられる原料の乾燥機が壊れ、紅こうじ菌が一定時間乾燥されないまま放置された。こうじを培養するタンクに青カビが付着していることも、現場レベルでは認識されていた。紀の川工場で適切に換気が行われていなかった恐れがあるとの従業員の認識も報告されている。いずれも、迅速かつ正確な報告が経営陣にされていなかったようだ。 2024年1月15日、同社は医師からサプリを摂取した患者が急性腎不全で入院したとの連絡も受けている。しかし3月22日の問題公表まで同社は健康被害を明らかにしなかった。さらに健康被害が疑われる死亡例も発生したが、6月末まで国に報告を行っていない。 企業としての初動はあまりに遅く、政府への報告漏れも起きている。従業員と経営陣は自社の商品の安全性、そして消費者に対する責任をどう認識し対応を考えていたのか。依然として疑問は尽きず、不明な点も多い』、社内の連絡体制などコーポレート・ガバナンスの基本がまるで出来ていないようだ。
・『取締役会は十分に機能していたか  そもそも企業は、客観的に経営陣の意思決定とオペレーションをモニターし、説明責任を果たさなければならない。そのため不可欠なのがガバナンス体制の構築で、社外取締役の登用はその一つだ。 現在、6名で構成される小林製薬の取締役会は、うち4名が社外取締役だ。しかし同社のこうした体制はほとんど機能していなかったのではないか。 7月23日の臨時取締役会で、創業家出身の小林一雅会長と長男の小林章浩社長は辞任した。ただ、それぞれ特別顧問、取締役として今後も残る。さらに社内規定で顧問報酬は月50万円と定められているにも関わらず、特別顧問に就いた一雅氏に月200万円を支払うというのだ。 創業家出身者が、健康被害に対する謝罪と補償を行うなどの理由はあるだろう。だが世間から理解を得られるかは難しいところだ。そんな状態で問題解明が進むとは考えづらい。 4人の社外取締役が、創業家の影響が残るこうした人事に反対していれば、結果は違ったかもしれない。彼らに求められるのは、企業内部とは異なる感覚や経営陣の合理的な意思決定を支える常識と良識だ』、「4人の社外取締役」のうちの1人はかの有名な一橋大の伊藤邦雄氏だ。なんとだらしないと空いた口が塞がらない。
・『事業継続が困難になる恐れも…  業は社会に必要なサービスや製品を提供し、収益を得る。その一部は従業員の賃金、取引先の利益、株主への配当などに変わる。つまり、収益を得ることと、社会的責任を果たすことは表裏一体なのだ。 問題は、利得を追及する企業側の心理が時として過剰になることだ。そうしたケースはこれまでにも多く発生してきた。経営の意思決定、財務やリスク管理などの専門家を社外取締役に登用し、誤った意思決定を防ぐ必要性は高まっている。 小林製薬の社外取締役は先の臨時取締役会で、創業家出身者を含む経営陣の大幅な入れ替えを提案するべきだったのではないか。ただ、そうした人事が実現していない以上、同社の取締役会そのものが十分に機能を果たしていなかったと考えられる。 政府も同社の対応を批判している。こうした状況が続くと、小林製薬に対する消費者や取引先企業の不信感はますます高まるだろう。状況次第で、事業継続が難しくなる恐れすらある。小林製薬の経営陣は、ゼロから会社を作る覚悟で、公明正大に事業を運営する企業文化、しっかりと機能するガバナンス体制を整備することが必要だ。 ————  【さらに詳しく】『ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局、悪いのは会社か紅麹か、それとも「意図せぬ成分」だったのか』では、社外取締役のひとりが小林製薬社内の状況を語っています』、「こうした状況が続くと、小林製薬に対する消費者や取引先企業の不信感はますます高まるだろう。状況次第で、事業継続が難しくなる恐れすらある」、そこまで追い込まれているとは、初めて知った。社長・会長へへ高級を払うような余裕があるのだろうか。
タグ:機能性表示食品制度 (その6)(小林製薬“猛毒サプリ” 76人死亡でも事件化に立ちはだかる「2つの壁」とは、ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局 悪いのは会社か紅麹か それとも「意図せぬ成分」だったのか、「自然由来」「無添加」でも健康被害が起きるのはナゼ? 小林製薬「紅麹」問題でわかった《サプリ・健康食品》の恐ろしすぎる落とし穴、《小林製薬「紅麹」問題》引責辞任したはずの元会長に「月額200万円」…創業家に“異常な高待遇”を許したのは誰なのか?) 文春オンライン「小林製薬“猛毒サプリ”、76人死亡でも事件化に立ちはだかる「2つの壁」とは」 「新たに76件の死亡の疑いを報告」とは驚きだ。 「業務上過失致死傷罪は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される重罪である」、それにしても「小林製薬」の報告体制はデタラメだ。 「小林製薬も会見で『未知の成分』という言葉を使っており、健康被害が起こるとは予見ができなかったという点を主張しようとしているのではないか」 2つ目の壁は、死亡疑いの数すらまともに報告しない小林製薬の「隠蔽体質」である」、なるほど。 「「6月13日に厚労省には、報告すべき事案はございませんと回答いたしました。その後、報告・公表のあり方の見直しを加速させ、報告に至りました」、隠蔽体質溢れた姿勢だ。これでは、進展は期待できない。 現代ビジネス「ついに死者100人に《小林製薬「紅麹」問題》を振り返る…結局、悪いのは会社か紅麹か、それとも「意図せぬ成分」だったのか」 「死者が100人に達した」とは衝撃的だ。 「社外取締役を務める、一橋大学名誉教授の伊藤邦雄氏」あの「伊藤邦雄氏」が「社外取締役」をしているとは驚いた。 「前出の伊藤氏もこう語る。 「同族企業ですけれど、非常に規律意識が高いです。僕が社長に意見を申し上げると、非常に慎重で丁寧に聞いてもらえます。製品をつくっている過程では、瑕疵などないと思ってきました」、甘過ぎる見方だ。 「「意図しない成分」は含まれていた。その理由については、何かしらの微生物や別のカビが混入して毒をつくり出した可能性や、生産工程で何者かが異物を混入した可能性もあるという」、なるほど。 現代ビジネス「「自然由来」「無添加」でも健康被害が起きるのはナゼ? 小林製薬「紅麹」問題でわかった《サプリ・健康食品》の恐ろしすぎる落とし穴」 「今回の問題で改めて浮き彫りになったのは、「サプリ・健康食品」自体の怖さである」、なるほど。 「「機能性表示食品が健康の維持や増進に役立つかといえば、非常に疑問です。食品や製薬メーカーの責任で裏付ければ良いだけですから。また、摂取量に制限がある医薬品と違って、サプリは食品ですからいくら摂取しても構いません。高齢者にサプリをたくさん買わせて、企業を儲けさせようとしているだけに思えます・・・国は届け出がある全ての機能性表示食品約7000件を緊急点検する方針を表明した。さらに小林製薬は、接種後に死亡した76人について因果関係を確認するため、詳細な調査を始めている」、なるほど。 「ローヤルゼリーでアナフィラキシーショックが起きたなど、健康食品による被害は枚挙にいとまがない。 食品表示アドバイザーの垣田達哉氏が、こう警鐘を鳴らす。 「消費者は自然由来の成分とか無添加という言葉に弱い。サプリや健康食品は副作用もないから、長年摂取しても大丈夫という先入観があります。自然由来の食品といっても、もし異物が微量でも含まれていた場合、体内に多く蓄積されてしまう危険性もあるのです」、大いに気を付けるべきだ。 現代ビジネス 真壁 昭夫氏による「《小林製薬「紅麹」問題》引責辞任したはずの元会長に「月額200万円」…創業家に“異常な高待遇”を許したのは誰なのか?」 「現場が被害を認識した初期段階で、同社の経営陣は消費者への注意喚起や商品の回収を行うべきだった。しかし、そうした対応を取らず、健康被害が報告された時点での初動も遅かった。 7月23日、創業家出身の会長と社長が辞任を発表。しかし、会長は特別顧問、社長は補償担当の取締役として残るようだ。創業家の影響力が強いとの指摘もある中、創業家出身の前経営者が組織に残ったままで、被害者が納得するとは考えづらい。 同社には社外取締役がいる。彼らが反対すれば新しい経営陣の下で抜本的な組織の変革を目指すこともできたはずだが、実現していない。取締役会が、本来期待された機能を果たしているのか疑問符もつく。 このままでは同社は存在意義を失うかもしれない。小林製薬が社会の信頼を回復するには、経営陣がガバナンスの重要性を十分に理解し、新しい企業として生まれ変わる覚悟が必要だろう」、こんな不徹底な辞任劇を認めるとは、社外取締役は何をしているのだろう。 、社内の連絡体制などコーポレート・ガバナンスの基本がまるで出来ていないようだ。 「4人の社外取締役」のうちの1人はかの有名な一橋大の伊藤邦雄氏だ。なんとだらしないと空いた口が塞がらない。 「こうした状況が続くと、小林製薬に対する消費者や取引先企業の不信感はますます高まるだろう。状況次第で、事業継続が難しくなる恐れすらある」、そこまで追い込まれているとは、初めて知った。社長・会長へへ高級を払うような余裕があるのだろうか。
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