介護施設(老人ホーム)問題(その8)(高級老人ホーム実態4題:入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?、まるでラブホテル…… 見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場、「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」… 入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔、「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた… 超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々) [社会]
介護施設(老人ホーム)問題は、本年5月28日に取上げた。今日は、(その8)(超高級老人ホーム実態4題:入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?、まるでラブホテル…… 見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場、「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」… 入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔、「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた… 超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々)である。
先ずは、本年8月7日付けダイヤモンド・オンライン「【スクープ】入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?甚野博則」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347755
・『一握りの超富裕層だけが入居する、閉ざされた「終の棲家」……。元首相も入居していると言われる“超高級老人ホーム”が、近年注目を集めている。これらを徹底取材したのが、ノンフィクションライター甚野博則氏による『ルポ 超高級老人ホーム』だ。本記事では、発売前から話題となっている本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする』、興味深そうだ。
・『終焉までのカウントダウンが始まる 「聖路加レジデンス」 超高級老人ホームの代表格の一つとして名高いのが「聖路加レジデンス」だ。 「取材は一切お受けしておりません」 本書の執筆にあたって、聖路加レジデンスにも取材依頼の電話をかけたのだが、取り付く島もなく拒否された。 聖路加レジデンスはメディアの取材を受けたがらないことは、これまでの取材で既に関係者から聞いており、予想通りの展開だ。 東京都中央区にあるこの施設は、日本初の予防医療型ケア付きのシニアマンションとしても知られる。過去の新聞記事を調べてみると、1994年に第1期分が完売したことが話題になっていた。 94年といえば、6月にオウム真理教による松本サリン事件が発生し、同月には村山富市内閣も発足。バブルの象徴でもあったジュリアナ東京が閉店した年でもある。 そうした時代の転換期に聖路加レジデンスは、1億4800万円から4億8600万円の間で販売されていたのだ。 「ここは法人契約ができますので、中小企業の社長などが、隣接する聖路加国際病院を受診するときや、人間ドックに合わせてホテル代わりに利用していると聞きます」(介護施設関係者) 現在、ホームページを見ると、入居金総額の例として、一人入居の場合で2億1650万円から6億8925万円と記されている。 企業のオーナーや幹部を始め、元自治大臣や鳩山由紀夫元首相の母が入居していたことでも知られている。 だが、別の関係者が意外な事実を明かす。 「聖路加レジデンスですが、2044年3月には施設を終了する予定です。聖路加国際病院から土地を借りて運営していたようなのですが、その契約を更新しないと決めたとのこと。それ以降についてはまだ決まっていないようです。ただ、現在でも満室状態が続いているんだからすごいブランド力ですよね」 聖路加レジデンスに限らず、超高級志向のこうした施設に共通しているのは、空室待ちの客が多いということだろう。 ある有名施設の担当者は、内情をこう話す。 「中堅クラスの施設では、高額な入居一時金をホームページに掲げているものの、実際には値引きに応じるなどして入居者を集めています。一方、高級な施設で値引きはありません。知人の紹介や、付き合いのある銀行の紹介で入居者が集まる。質のいい入居者を紹介してくれた銀行には契約金の数パーセントをバックしている施設もあると聞きます」 こうして富裕層たちは、表には出ない独自のルートを使って、ステータスの高い施設に入居しようと試みているのだ』、「聖路加レジデンスでは、入居金総額の例として、一人入居の場合で2億1650万円から6億8925万円と記されてい高級な施設で値引きはありません・・・知人の紹介や、付き合いのある銀行の紹介で入居者が集まる。質のいい入居者を紹介してくれた銀行には契約金の数パーセントをバックしている施設もあると聞きます」 こうして富裕層たちは、表には出ない独自のルートを使って、ステータスの高い施設に入居しようと試みているのだ」、なるほど。
・『高級老人ホームに入居するオーナー 薄給で働く現役社員 こうした超高級老人ホームでは中小企業のオーナーたちが多く入居する。その企業を支える社員たちは、彼らをどう見ているのだろうか。 ある会合で偶然出会った中小企業の社員が、私にこう漏らしたことがある。 「うちの会長も、高級老人ホームに入ってますよ」 飲食店を切り盛りするその社員は、吐き捨てるようにこう続けた。 「会長は、高級老人ホームの暮らしは退屈だとか周囲に触れ回っていますが、正直ムカつきます。低賃金で働らかされている我々のことより、自分のことばかりです。ふざけんじゃねえって感じですよ」 ただ、高級老人ホームで暮らす企業オーナーたちが、こうした社員の心の中までは知る由もないだろう。 そうした成功者たちが人生最期の城として選んだ超高級志向の老人ホーム。 その門をくぐってみると、老後を豊かに謳歌していると語るシニアたちの姿があった。ある人は恋が芽生え、またある人は家族との絆を再認識したという。 彼らにとって自由で贅沢な住環境は、まさに最高のステータスに違いない。 だが、果たして彼らの心は満たされているのだろうか――。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の内容を抜粋・再編集したものです) (野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「中小企業の社員が、私にこう漏らしたことがある。 「うちの会長も、高級老人ホームに入ってますよ」 飲食店を切り盛りするその社員は、吐き捨てるようにこう続けた。 「会長は、高級老人ホームの暮らしは退屈だとか周囲に触れ回っていますが、正直ムカつきます。低賃金で働らかされている我々のことより、自分のことばかりです。ふざけんじゃねえって感じですよ」 ただ、高級老人ホームで暮らす企業オーナーたちが、こうした社員の心の中までは知る由もないだろう」、格差社会の重い現実だ。
次に、8月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏による「【独自】まるでラブホテル……。見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場」を紹介しよう。
・『ノンフィクションライター・甚野博則氏による『ルポ 超高級老人ホーム』が発売直後から注目を集めている。入居金が数億を超える「終の棲家」を取材し、富裕層の聖域に踏み込んだ渾身の一冊だ。本記事では、発売前から話題となっている本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする』、興味深そうだ。
・『見た目が第一、中身は二の次 「とにかく真理の丘は見た目が第一。そこばっかり気にしている」 老人ホーム「真理の丘」(仮名)の現役スタッフ、赤山照子さん(仮名)はそう話す。兵庫県内の飲食店で会った彼女は、絶対匿名を条件に施設の内情について滔々と語り始めた。 この施設は関西の富裕層をターゲットとした老人ホームであり、テレビでも施設の“高級感”を押し出して度々取り上げられている。 この施設の特徴といえば、何といっても著名な料理人が監修しているレストラン。館内にあるレストランは一カ所だけでなく、各階に和洋中から鉄板焼きまで揃っているのは極めて珍しいと言えるだろう。その日の気分でレストランを選べるだけに、食事が施設最大のウリになっているのだ。 もちろん体操やフラワーアレンジメント、施設内でのコンサートといったアクティビティーやイベントも、高級と呼ばれる他の老人ホームと肩を並べるほどの充実ぶり。その他、24時間看護師が常駐し、医療施設を併設しているという点も、ラグジュアリーな施設で定番のサービスだ。 だが――。その実態はまるで違うと明かすのが、赤山さんだ。 「理事長や奥さんがブランド好きやからね。床は大理石、300万円ぐらいのソファーも施設に複数置いてます。絨毯や壁紙はラブホテルみたいに奇抜なデザインで、ロビーに胡蝶蘭を飾ったりと、目に付く所だけは豪華にしてます」 常駐ドクターも親族の言いなり(すでに真理の丘を退職した小泉陽子さん(仮名)は、施設でこんな光景も目撃している。 「有名なメーカーの会長さんが、認知症でご入居されています。会長が認知症であることは世間には秘密で、スタッフは写真撮影をしないよう言われています。でも、契約なさっているお部屋は、会長にしては見晴らしのあまりよくないお部屋で、ベッドも備え付けの一番安価な電動ベッド。少しお気の毒なんです」 それだけではない。小泉さんはこう続ける。 「会長の奥様がよく面会に来られるのですが、ある日、玄関にあるソファーで、ご夫妻が並んで座っていました。そこで奥様が、ご主人名義の会社の株を売却するため証券会社かどこかに電話をされていたんです。 株券の名義人本人が認知症に罹患している場合、簡単に株を売却できないと聞いたことがあります。そこで、真理の丘に常駐しているドクターを電話口に出して、『〇〇さんは認知症ではありません』と言わせているのを見てしまったんです」 その後、株を売却できたかまでは不明だ。ただ、施設側の医師がそうした不正行為に加担しているとすれば、大いに問題である。 この翌日、私は真理の丘へ潜入取材をすることになっていた――。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の内容を抜粋・再編集したものです)(甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「「有名なメーカーの会長さんが、認知症でご入居されています。会長が認知症であることは世間には秘密で、スタッフは写真撮影をしないよう言われています・・・奥様が、ご主人名義の会社の株を売却するため証券会社かどこかに電話をされていたんです。 株券の名義人本人が認知症に罹患している場合、簡単に株を売却できないと聞いたことがあります。そこで、真理の丘に常駐しているドクターを電話口に出して、『〇〇さんは認知症ではありません』と言わせているのを見てしまったんです」 その後、株を売却できたかまでは不明だ。ただ、施設側の医師がそうした不正行為に加担しているとすれば、大いに問題である」、その通りだ。
第三に、9月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏による「「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」…。入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔」を紹介しよう。
・『・・・入居金最大2億円超え 関西の“超高級老人ホーム” 「あそこの施設は福祉的な感覚をもった企業とは思えず、今では入居したことを後悔しています」 そう話すのは、老人ホーム「インペリアルテラス関西(仮名)」の元入居者・財前圭子さん(仮名)だ。ここで彼女が見た光景は、誰もが羨むシニアライフとは程遠いものだった。 小高い丘の上に建つインペリアルテラス関西は、老人ホームの中でも「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と呼ばれ、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供する住宅である。 広大な敷地に建つインペリアルテラス関西が一般的な老人ホームと違うのは、親会社が富裕層向けのリゾート事業を展開していることや、開放的な住環境と高級感をウリにしていることだろう。 吹き抜けの天井に広々としたロビー。見晴らしのよい大浴場からは街の夜景が一望できる。露天風呂やプール、大きな窓に囲まれたメインダイニングは、まるでリゾートホテルで優雅なひと時を過ごしているかのような気分に浸れるのが特徴だ。 最も高額な部屋は入居一時金だけで2億円を超える。関西で有数の超高級老人ホームでの暮らしは、財前さんにとって優雅で安心なものになるはずだった。 ところが――。財前さんは次第に施設に対して不信感を抱いていく』、「吹き抜けの天井に広々としたロビー。見晴らしのよい大浴場からは街の夜景が一望できる。露天風呂やプール、大きな窓に囲まれたメインダイニングは、まるでリゾートホテルで優雅なひと時を過ごしているかのような気分に浸れるのが特徴だ。 最も高額な部屋は入居一時金だけで2億円を超える。関西で有数の超高級老人ホームでの暮らしは、財前さんにとって優雅で安心なものになるはずだった」、何があったのだろう。
・『面会後に“即日契約” 財前さんが、インペリアルテラス関西に入居を決めたのは、今から約10年前のこと。 資産家である彼女は独身だ。施設の近くで一人暮らしをしていたものの、大病を患い、どこか安心して住める“終の棲家”はないものかと考えていた。 そんな時、財前さんの目に留まったのが、ある新聞広告だ。“全室南向き”というインペリアルテラス関西を紹介した広告に魅かれ、すぐに問い合わせの電話を入れた。 後日、施設の営業担当者と面会して概要を聞き、その場ですぐに契約書を交わしたという。 「私の場合、入居一時金は億まではしない部屋を契約しました。入居一時金以外には、月々約13万円かかりますが、施設の近くに自宅がありましたので普段は自宅に住み、将来、身体が悪くなったらインペリアルテラス関西に住もうと考えていました」 つまり将来のために部屋をキープしていたのだ。 契約時、営業担当者から強く勧められたのが「インペリアルサロン」という会への入会だったという』、「施設の近くに自宅がありましたので普段は自宅に住み、将来、身体が悪くなったらインペリアルテラス関西に住もうと考えていました」 つまり将来のために部屋をキープしていたのだ」、なるほど。
・『約400万円を追加して“よくわからない”サロンへ インペリアルサロンとは、どういうものかと財前さんに聞くと、「介護棟への入居権です」と答えた。 「入会は任意となっていますが、事実上ほぼ強制されます。当時、サロンに入会していない居住者は私の周りには誰もいませんでしたから。サロンに入会すれば、介護棟に優先的に入れてもらえるのと、コンシェルジュサービスが受けられる。 それにお葬式を特別価格であげることができ、葬儀会場の優待サービスなどもあると説明されました。それならということで、入会金400万円弱のサロンに入る手続きをしました」 入居一時金を安く見せるためか、インペリアルテラス関西のホームページで表示されている金額にはサロンへの入会費用は含まれていないようだ。 「当時の営業担当者に、介護棟へ行った場合、月にどのくらい費用がかかるのか聞いたら、『30万円ちょっとあれば大丈夫です』と説明されました」 そんな財前さんに、施設から契約書の内容について詳細な説明を受けたのかと聞いてみると、「そこまで細かくは」と話した。 そもそも施設とはどんな契約を交わしたのか、賃貸契約なのか、介護棟ではどこまで介護をしてくれるのかなど、財前さんにさまざまな質問を投げかけたが、返ってきた答えの多くは曖昧だった。 もちろん財前さんが施設側の説明を聞き逃していたということも考えられるが、営業担当者が丁寧な説明をせずに契約を結ばせた可能性も否定はできないだろう。 ちなみに、この日、財前さんが介護棟を見学させてほしいと営業担当者に頼んだそうだが、「『今日は介護棟に人がいるから』と言って、見学させていただけなかったです」と付け加えた。 それでも財前さんが同施設と契約したのは、親会社が世間でも知られた企業であるという安心感からだったようだ』、「そもそも施設とはどんな契約を交わしたのか、賃貸契約なのか、介護棟ではどこまで介護をしてくれるのかなど、財前さんにさまざまな質問を投げかけたが、返ってきた答えの多くは曖昧だった・・・それでも財前さんが同施設と契約したのは、親会社が世間でも知られた企業であるという安心感からだったようだ」、なるほど。
・“不平等すぎる”契約内容 即日契約した財前さんが、実際に入居したのは契約から約数年が経った頃。 まず私が契約したときにいた職員さんのほとんどが退職や異動などで、誰も残っていませんでした。それから介護棟での月額費用が約10万円も値上げされるという話が持ち上がっていました。私は自宅に住んでいたので、値上げの話があったことなど全く聞いておらず、とても驚きました」 入居後は、居住者同士の知り合いもでき情報交換をする機会が増えた。情報交換でわかったのは、入居一時金を割引された人がいるなど、人によって販売方法に差異があったことだ。 また、会社は“人生100年時代でも健康を目指す”と掲げ、入居者に認知症予防のサプリメントの購入を無理やり勧誘された人もいると証言した』、「情報交換でわかったのは、入居一時金を割引された人がいるなど、人によって販売方法に差異があったことだ。 また、会社は“人生100年時代でも健康を目指す”と掲げ、入居者に認知症予防のサプリメントの購入を無理やり勧誘された人もいると証言した」、なるほど。
・『介護棟で見た“恐ろしすぎる”実態 知り合いが増えた財前さんは、介護棟に移った知人を訪ねる機会が何度かあった。介護棟の内部を初めて見た彼女は、目を疑ったという。 介護棟の知人が床にご飯を全部こぼしていても、放っておかれていたままでした。その後も介護棟に行く機会が何度かありましたが、すぐに面会はさせてもらえません。暫く待たされた後に居室へ行くと、職員数人が介護をしている雰囲気で、わざとらしいなと感じたこともありました」 財前さんによれば、居住者同士でも施設の運営に疑問を抱いていた者は多いという。 だが、施設に問題点や改善点を求めると、職員から露骨な嫌がらせを受けた居住者が過去にいたという。 結局、平穏に暮らすためには、おとなしく施設側の言いなりになるしかないのだろうと嘆いた。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の著者による書下ろし記事です)(甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「介護棟の知人が床にご飯を全部こぼしていても、放っておかれていたままでした。その後も介護棟に行く機会が何度かありましたが、すぐに面会はさせてもらえません。暫く待たされた後に居室へ行くと、職員数人が介護をしている雰囲気で、わざとらしいなと感じたこともありました」 財前さんによれば、居住者同士でも施設の運営に疑問を抱いていた者は多いという。 だが、施設に問題点や改善点を求めると、職員から露骨な嫌がらせを受けた居住者が過去にいたという。 結局、平穏に暮らすためには、おとなしく施設側の言いなりになるしかないのだろうと嘆いた」、「介護棟」は本当に酷いところのようだ。
第四に、9月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏のよる「「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた…。超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々」を紹介しよう。
・・・・ハムエッグに混入した“異物” 「インペリアルテラス関西(仮名)」は関西地方でも有数の超高級老人ホームだ。 高額な部屋で、入居一時金が2億円を超すだけに居住者は、中小企業の経営者をはじめ、元大手商社マンや不動産業、株投資で富を築いた資産家や、その妻たちが多いという。 一見すると、選ばれし者が集まった邸宅で、セレブなシニアライフを満喫しているかのようだ。しかし、日々の暮らしは決して優雅とは言い難く、さまざまな“事件”が起きている。 「普段から録音機と写真機は常備するべきだと学びました」 そう話すのは居住者の榊原淑子さん(仮名)だ。その理由を「職員と入居者の間でよくトラブルが起こるから」と明かした。一体どういうことなのか。 「以前、この施設に入居していた方の食事の中に、ビニール片が混入していたことがありました。ハムエッグの中に異物が混入していたそうで、その方がスタッフに現物を見せたところ、『確かにビニール片だ』ということになった。ところが、後から出てきたマネージャーや料理長が、『ビニール片ではなく卵の皮が固くなったものだ』との説明を始めたそうです」 どう見てもビニール片としか見えなかった入居者にとって、マネージャーや料理長の説明は納得がいかなかった』、「「以前、この施設に入居していた方の食事の中に、ビニール片が混入していたことがありました。ハムエッグの中に異物が混入していたそうで、その方がスタッフに現物を見せたところ、『確かにビニール片だ』ということになった。ところが、後から出てきたマネージャーや料理長が、『ビニール片ではなく卵の皮が固くなったものだ』との説明を始めたそうです」 どう見てもビニール片としか見えなかった入居者にとって、マネージャーや料理長の説明は納得がいかなかった」、今だったら、スマホで証拠写真をパチリだろう。
・『疑惑の残る“検査結果” そこで施設側は本当にビニール片かどうか検査機関に出すからといって、その場を収めたという。ところが検査結果は、いつまでたっても報告されることはなかった。 約2か月が経った頃、入居者が「あの時、検査機関に出すといっていたが結果は出たのでしょうか」と問い合わせたという。 「施設側は、検査の結果『卵』でしたと答えたそうです。報告が遅れた理由については、『正直に卵だと報告しても、納得されないだろうから、報告しようかどうか悩んでいた。悩むうちに時間が経ってしまった』と言い訳していたと聞きました」 こうした対応に猜疑心を抱いた入居者は、それならば検査結果を見せてくれと施設側に要求してみたという。だが施設はこれを拒否。怪しいと思い、何度か検査結果を見せてほしいと要望すると、渋々書類のコピーを出してきたという。だが――。 「書類には混入物の写真や大きさが表記されていたそうですが、検査機関に提出した混入物が、明らかに別なものだったそうです。この入居者の方は、施設側に中身をすり替えられたと呆れていました。もちろん、当事者同士の事ですから事実はわかりませんが、こうした食い違いのトラブルが、ここではよく起こるんです」』、「施設側は本当にビニール片かどうか検査機関に出すからといって、その場を収めたという。ところが検査結果は、いつまでたっても報告されることはなかった。 約2か月が経った頃、入居者が「あの時、検査機関に出すといっていたが結果は出たのでしょうか」と問い合わせたという。 「施設側は、検査の結果『卵』でしたと答えたそうです。報告が遅れた理由については、『正直に卵だと報告しても、納得されないだろうから、報告しようかどうか悩んでいた。悩むうちに時間が経ってしまった』と言い訳していたと聞きました」 こうした対応に猜疑心を抱いた入居者は、それならば検査結果を見せてくれと施設側に要求してみたという。だが施設はこれを拒否。怪しいと思い、何度か検査結果を見せてほしいと要望すると、渋々書類のコピーを出してきたという。だが――。 「書類には混入物の写真や大きさが表記されていたそうですが、検査機関に提出した混入物が、明らかに別なものだったそうです。この入居者の方は、施設側に中身をすり替えられたと呆れていました」、驚くべき「施設側」の対応だ。
・『口と目を見開いたまま…… 榊原さんは、他にも別な入居者との間で、こんなトラブルを見聞きしたと明かす。 「知り合いの奥様が、介護棟に入っているご主人のもとへ面会に行かれたときのことです。19時頃だったそうですが、介護棟の玄関先で職員から『さっきまで、ご主人様はここで元気に遊んでいらっしゃいましたよ』と声をかけられたといいます」 この女性は普段から介護棟の職員に話かけられることがほぼなかったため、この日、突然話しかけられたことに違和感があったと後に語ったという。女性はそのまま夫の居室へ向かうと、口と目を見開いたままの夫が就寝していた。 「奥様が『貴方、口を閉じなさいよ』と言って、顎のところに手をやるとすでに冷たくなっていたそうです。慌てて職員を呼ぶと、駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」 女性は気持ちが動転しており、頭が真っ白の内に事態が進んでいったという。その後、到着した医者に死亡が宣告された。 「後に奥様から当時の話を聞くと、ご主人は栄養を管で摂っていたのに、管が外れていたそうです。酸素呼吸のマスクもなぜか遠くに置いてあった。不審に思った奥様が1か月ほど過ぎてから施設に事情説明を求めたそうです。 ただ施設側の対応は曖昧で、『さっきまで元気に遊んでいた』と証言した職員も、いつの間にか退職されていました。そもそも普段から寝たきりのご主人が夕食時に玄関で遊んでいること自体がおかしいのです」 もちろん何が事実かはわからない。ただ、職員と入居者の間でこうした類の行き違いが元でトラブルになっているケースが多いと榊原さんは話す』、「「奥様が『貴方、口を閉じなさいよ』と言って、顎のところに手をやるとすでに冷たくなっていたそうです。慌てて職員を呼ぶと、駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」 女性は気持ちが動転しており、頭が真っ白の内に事態が進んでいったという。その後、到着した医者に死亡が宣告された。 「後に奥様から当時の話を聞くと、ご主人は栄養を管で摂っていたのに、管が外れていたそうです。酸素呼吸のマスクもなぜか遠くに置いてあった。不審に思った奥様が1か月ほど過ぎてから施設に事情説明を求めたそうです。 ただ施設側の対応は曖昧で、『さっきまで元気に遊んでいた』と証言した職員も、いつの間にか退職されていました。そもそも普段から寝たきりのご主人が夕食時に玄関で遊んでいること自体がおかしいのです」 もちろん何が事実かはわからない。ただ、職員と入居者の間でこうした類の行き違いが元でトラブルになっているケースが多い』、「駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」、施設側では初めから「警察を呼ぶ」のを避けるため、奥さんによる発見を待っていた加納氏がある。
・『入居者の扱いに“格差” そして、一度、施設や職員に疑念を抱くと、これまで気付かなかったことまで、見えてくるようになる。 「全国的にも有名な某メーカーの会長が買い物帰りに重い荷物を持ってタクシーから降車すると、職員が慌てて近寄って荷物を持ってあげるのを見たことがあります。ですが、腰の曲がった大人しい女性入居者が重い荷物を持っていても見て見ぬふり。人をみているなと感じることは多いです。」 優雅で安心な生活を夢見ていた榊原さんは今、施設の退去を検討しているという。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の著者による書下ろし記事です) (甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、こんなに入居者による差別的な扱いをするような「施設」からは、精神衛生面からも「退去」をお勧めしたい。
先ずは、本年8月7日付けダイヤモンド・オンライン「【スクープ】入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?甚野博則」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347755
・『一握りの超富裕層だけが入居する、閉ざされた「終の棲家」……。元首相も入居していると言われる“超高級老人ホーム”が、近年注目を集めている。これらを徹底取材したのが、ノンフィクションライター甚野博則氏による『ルポ 超高級老人ホーム』だ。本記事では、発売前から話題となっている本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする』、興味深そうだ。
・『終焉までのカウントダウンが始まる 「聖路加レジデンス」 超高級老人ホームの代表格の一つとして名高いのが「聖路加レジデンス」だ。 「取材は一切お受けしておりません」 本書の執筆にあたって、聖路加レジデンスにも取材依頼の電話をかけたのだが、取り付く島もなく拒否された。 聖路加レジデンスはメディアの取材を受けたがらないことは、これまでの取材で既に関係者から聞いており、予想通りの展開だ。 東京都中央区にあるこの施設は、日本初の予防医療型ケア付きのシニアマンションとしても知られる。過去の新聞記事を調べてみると、1994年に第1期分が完売したことが話題になっていた。 94年といえば、6月にオウム真理教による松本サリン事件が発生し、同月には村山富市内閣も発足。バブルの象徴でもあったジュリアナ東京が閉店した年でもある。 そうした時代の転換期に聖路加レジデンスは、1億4800万円から4億8600万円の間で販売されていたのだ。 「ここは法人契約ができますので、中小企業の社長などが、隣接する聖路加国際病院を受診するときや、人間ドックに合わせてホテル代わりに利用していると聞きます」(介護施設関係者) 現在、ホームページを見ると、入居金総額の例として、一人入居の場合で2億1650万円から6億8925万円と記されている。 企業のオーナーや幹部を始め、元自治大臣や鳩山由紀夫元首相の母が入居していたことでも知られている。 だが、別の関係者が意外な事実を明かす。 「聖路加レジデンスですが、2044年3月には施設を終了する予定です。聖路加国際病院から土地を借りて運営していたようなのですが、その契約を更新しないと決めたとのこと。それ以降についてはまだ決まっていないようです。ただ、現在でも満室状態が続いているんだからすごいブランド力ですよね」 聖路加レジデンスに限らず、超高級志向のこうした施設に共通しているのは、空室待ちの客が多いということだろう。 ある有名施設の担当者は、内情をこう話す。 「中堅クラスの施設では、高額な入居一時金をホームページに掲げているものの、実際には値引きに応じるなどして入居者を集めています。一方、高級な施設で値引きはありません。知人の紹介や、付き合いのある銀行の紹介で入居者が集まる。質のいい入居者を紹介してくれた銀行には契約金の数パーセントをバックしている施設もあると聞きます」 こうして富裕層たちは、表には出ない独自のルートを使って、ステータスの高い施設に入居しようと試みているのだ』、「聖路加レジデンスでは、入居金総額の例として、一人入居の場合で2億1650万円から6億8925万円と記されてい高級な施設で値引きはありません・・・知人の紹介や、付き合いのある銀行の紹介で入居者が集まる。質のいい入居者を紹介してくれた銀行には契約金の数パーセントをバックしている施設もあると聞きます」 こうして富裕層たちは、表には出ない独自のルートを使って、ステータスの高い施設に入居しようと試みているのだ」、なるほど。
・『高級老人ホームに入居するオーナー 薄給で働く現役社員 こうした超高級老人ホームでは中小企業のオーナーたちが多く入居する。その企業を支える社員たちは、彼らをどう見ているのだろうか。 ある会合で偶然出会った中小企業の社員が、私にこう漏らしたことがある。 「うちの会長も、高級老人ホームに入ってますよ」 飲食店を切り盛りするその社員は、吐き捨てるようにこう続けた。 「会長は、高級老人ホームの暮らしは退屈だとか周囲に触れ回っていますが、正直ムカつきます。低賃金で働らかされている我々のことより、自分のことばかりです。ふざけんじゃねえって感じですよ」 ただ、高級老人ホームで暮らす企業オーナーたちが、こうした社員の心の中までは知る由もないだろう。 そうした成功者たちが人生最期の城として選んだ超高級志向の老人ホーム。 その門をくぐってみると、老後を豊かに謳歌していると語るシニアたちの姿があった。ある人は恋が芽生え、またある人は家族との絆を再認識したという。 彼らにとって自由で贅沢な住環境は、まさに最高のステータスに違いない。 だが、果たして彼らの心は満たされているのだろうか――。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の内容を抜粋・再編集したものです) (野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「中小企業の社員が、私にこう漏らしたことがある。 「うちの会長も、高級老人ホームに入ってますよ」 飲食店を切り盛りするその社員は、吐き捨てるようにこう続けた。 「会長は、高級老人ホームの暮らしは退屈だとか周囲に触れ回っていますが、正直ムカつきます。低賃金で働らかされている我々のことより、自分のことばかりです。ふざけんじゃねえって感じですよ」 ただ、高級老人ホームで暮らす企業オーナーたちが、こうした社員の心の中までは知る由もないだろう」、格差社会の重い現実だ。
次に、8月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏による「【独自】まるでラブホテル……。見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場」を紹介しよう。
・『ノンフィクションライター・甚野博則氏による『ルポ 超高級老人ホーム』が発売直後から注目を集めている。入居金が数億を超える「終の棲家」を取材し、富裕層の聖域に踏み込んだ渾身の一冊だ。本記事では、発売前から話題となっている本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする』、興味深そうだ。
・『見た目が第一、中身は二の次 「とにかく真理の丘は見た目が第一。そこばっかり気にしている」 老人ホーム「真理の丘」(仮名)の現役スタッフ、赤山照子さん(仮名)はそう話す。兵庫県内の飲食店で会った彼女は、絶対匿名を条件に施設の内情について滔々と語り始めた。 この施設は関西の富裕層をターゲットとした老人ホームであり、テレビでも施設の“高級感”を押し出して度々取り上げられている。 この施設の特徴といえば、何といっても著名な料理人が監修しているレストラン。館内にあるレストランは一カ所だけでなく、各階に和洋中から鉄板焼きまで揃っているのは極めて珍しいと言えるだろう。その日の気分でレストランを選べるだけに、食事が施設最大のウリになっているのだ。 もちろん体操やフラワーアレンジメント、施設内でのコンサートといったアクティビティーやイベントも、高級と呼ばれる他の老人ホームと肩を並べるほどの充実ぶり。その他、24時間看護師が常駐し、医療施設を併設しているという点も、ラグジュアリーな施設で定番のサービスだ。 だが――。その実態はまるで違うと明かすのが、赤山さんだ。 「理事長や奥さんがブランド好きやからね。床は大理石、300万円ぐらいのソファーも施設に複数置いてます。絨毯や壁紙はラブホテルみたいに奇抜なデザインで、ロビーに胡蝶蘭を飾ったりと、目に付く所だけは豪華にしてます」 常駐ドクターも親族の言いなり(すでに真理の丘を退職した小泉陽子さん(仮名)は、施設でこんな光景も目撃している。 「有名なメーカーの会長さんが、認知症でご入居されています。会長が認知症であることは世間には秘密で、スタッフは写真撮影をしないよう言われています。でも、契約なさっているお部屋は、会長にしては見晴らしのあまりよくないお部屋で、ベッドも備え付けの一番安価な電動ベッド。少しお気の毒なんです」 それだけではない。小泉さんはこう続ける。 「会長の奥様がよく面会に来られるのですが、ある日、玄関にあるソファーで、ご夫妻が並んで座っていました。そこで奥様が、ご主人名義の会社の株を売却するため証券会社かどこかに電話をされていたんです。 株券の名義人本人が認知症に罹患している場合、簡単に株を売却できないと聞いたことがあります。そこで、真理の丘に常駐しているドクターを電話口に出して、『〇〇さんは認知症ではありません』と言わせているのを見てしまったんです」 その後、株を売却できたかまでは不明だ。ただ、施設側の医師がそうした不正行為に加担しているとすれば、大いに問題である。 この翌日、私は真理の丘へ潜入取材をすることになっていた――。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の内容を抜粋・再編集したものです)(甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「「有名なメーカーの会長さんが、認知症でご入居されています。会長が認知症であることは世間には秘密で、スタッフは写真撮影をしないよう言われています・・・奥様が、ご主人名義の会社の株を売却するため証券会社かどこかに電話をされていたんです。 株券の名義人本人が認知症に罹患している場合、簡単に株を売却できないと聞いたことがあります。そこで、真理の丘に常駐しているドクターを電話口に出して、『〇〇さんは認知症ではありません』と言わせているのを見てしまったんです」 その後、株を売却できたかまでは不明だ。ただ、施設側の医師がそうした不正行為に加担しているとすれば、大いに問題である」、その通りだ。
第三に、9月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏による「「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」…。入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔」を紹介しよう。
・『・・・入居金最大2億円超え 関西の“超高級老人ホーム” 「あそこの施設は福祉的な感覚をもった企業とは思えず、今では入居したことを後悔しています」 そう話すのは、老人ホーム「インペリアルテラス関西(仮名)」の元入居者・財前圭子さん(仮名)だ。ここで彼女が見た光景は、誰もが羨むシニアライフとは程遠いものだった。 小高い丘の上に建つインペリアルテラス関西は、老人ホームの中でも「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と呼ばれ、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供する住宅である。 広大な敷地に建つインペリアルテラス関西が一般的な老人ホームと違うのは、親会社が富裕層向けのリゾート事業を展開していることや、開放的な住環境と高級感をウリにしていることだろう。 吹き抜けの天井に広々としたロビー。見晴らしのよい大浴場からは街の夜景が一望できる。露天風呂やプール、大きな窓に囲まれたメインダイニングは、まるでリゾートホテルで優雅なひと時を過ごしているかのような気分に浸れるのが特徴だ。 最も高額な部屋は入居一時金だけで2億円を超える。関西で有数の超高級老人ホームでの暮らしは、財前さんにとって優雅で安心なものになるはずだった。 ところが――。財前さんは次第に施設に対して不信感を抱いていく』、「吹き抜けの天井に広々としたロビー。見晴らしのよい大浴場からは街の夜景が一望できる。露天風呂やプール、大きな窓に囲まれたメインダイニングは、まるでリゾートホテルで優雅なひと時を過ごしているかのような気分に浸れるのが特徴だ。 最も高額な部屋は入居一時金だけで2億円を超える。関西で有数の超高級老人ホームでの暮らしは、財前さんにとって優雅で安心なものになるはずだった」、何があったのだろう。
・『面会後に“即日契約” 財前さんが、インペリアルテラス関西に入居を決めたのは、今から約10年前のこと。 資産家である彼女は独身だ。施設の近くで一人暮らしをしていたものの、大病を患い、どこか安心して住める“終の棲家”はないものかと考えていた。 そんな時、財前さんの目に留まったのが、ある新聞広告だ。“全室南向き”というインペリアルテラス関西を紹介した広告に魅かれ、すぐに問い合わせの電話を入れた。 後日、施設の営業担当者と面会して概要を聞き、その場ですぐに契約書を交わしたという。 「私の場合、入居一時金は億まではしない部屋を契約しました。入居一時金以外には、月々約13万円かかりますが、施設の近くに自宅がありましたので普段は自宅に住み、将来、身体が悪くなったらインペリアルテラス関西に住もうと考えていました」 つまり将来のために部屋をキープしていたのだ。 契約時、営業担当者から強く勧められたのが「インペリアルサロン」という会への入会だったという』、「施設の近くに自宅がありましたので普段は自宅に住み、将来、身体が悪くなったらインペリアルテラス関西に住もうと考えていました」 つまり将来のために部屋をキープしていたのだ」、なるほど。
・『約400万円を追加して“よくわからない”サロンへ インペリアルサロンとは、どういうものかと財前さんに聞くと、「介護棟への入居権です」と答えた。 「入会は任意となっていますが、事実上ほぼ強制されます。当時、サロンに入会していない居住者は私の周りには誰もいませんでしたから。サロンに入会すれば、介護棟に優先的に入れてもらえるのと、コンシェルジュサービスが受けられる。 それにお葬式を特別価格であげることができ、葬儀会場の優待サービスなどもあると説明されました。それならということで、入会金400万円弱のサロンに入る手続きをしました」 入居一時金を安く見せるためか、インペリアルテラス関西のホームページで表示されている金額にはサロンへの入会費用は含まれていないようだ。 「当時の営業担当者に、介護棟へ行った場合、月にどのくらい費用がかかるのか聞いたら、『30万円ちょっとあれば大丈夫です』と説明されました」 そんな財前さんに、施設から契約書の内容について詳細な説明を受けたのかと聞いてみると、「そこまで細かくは」と話した。 そもそも施設とはどんな契約を交わしたのか、賃貸契約なのか、介護棟ではどこまで介護をしてくれるのかなど、財前さんにさまざまな質問を投げかけたが、返ってきた答えの多くは曖昧だった。 もちろん財前さんが施設側の説明を聞き逃していたということも考えられるが、営業担当者が丁寧な説明をせずに契約を結ばせた可能性も否定はできないだろう。 ちなみに、この日、財前さんが介護棟を見学させてほしいと営業担当者に頼んだそうだが、「『今日は介護棟に人がいるから』と言って、見学させていただけなかったです」と付け加えた。 それでも財前さんが同施設と契約したのは、親会社が世間でも知られた企業であるという安心感からだったようだ』、「そもそも施設とはどんな契約を交わしたのか、賃貸契約なのか、介護棟ではどこまで介護をしてくれるのかなど、財前さんにさまざまな質問を投げかけたが、返ってきた答えの多くは曖昧だった・・・それでも財前さんが同施設と契約したのは、親会社が世間でも知られた企業であるという安心感からだったようだ」、なるほど。
・“不平等すぎる”契約内容 即日契約した財前さんが、実際に入居したのは契約から約数年が経った頃。 まず私が契約したときにいた職員さんのほとんどが退職や異動などで、誰も残っていませんでした。それから介護棟での月額費用が約10万円も値上げされるという話が持ち上がっていました。私は自宅に住んでいたので、値上げの話があったことなど全く聞いておらず、とても驚きました」 入居後は、居住者同士の知り合いもでき情報交換をする機会が増えた。情報交換でわかったのは、入居一時金を割引された人がいるなど、人によって販売方法に差異があったことだ。 また、会社は“人生100年時代でも健康を目指す”と掲げ、入居者に認知症予防のサプリメントの購入を無理やり勧誘された人もいると証言した』、「情報交換でわかったのは、入居一時金を割引された人がいるなど、人によって販売方法に差異があったことだ。 また、会社は“人生100年時代でも健康を目指す”と掲げ、入居者に認知症予防のサプリメントの購入を無理やり勧誘された人もいると証言した」、なるほど。
・『介護棟で見た“恐ろしすぎる”実態 知り合いが増えた財前さんは、介護棟に移った知人を訪ねる機会が何度かあった。介護棟の内部を初めて見た彼女は、目を疑ったという。 介護棟の知人が床にご飯を全部こぼしていても、放っておかれていたままでした。その後も介護棟に行く機会が何度かありましたが、すぐに面会はさせてもらえません。暫く待たされた後に居室へ行くと、職員数人が介護をしている雰囲気で、わざとらしいなと感じたこともありました」 財前さんによれば、居住者同士でも施設の運営に疑問を抱いていた者は多いという。 だが、施設に問題点や改善点を求めると、職員から露骨な嫌がらせを受けた居住者が過去にいたという。 結局、平穏に暮らすためには、おとなしく施設側の言いなりになるしかないのだろうと嘆いた。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の著者による書下ろし記事です)(甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、「介護棟の知人が床にご飯を全部こぼしていても、放っておかれていたままでした。その後も介護棟に行く機会が何度かありましたが、すぐに面会はさせてもらえません。暫く待たされた後に居室へ行くと、職員数人が介護をしている雰囲気で、わざとらしいなと感じたこともありました」 財前さんによれば、居住者同士でも施設の運営に疑問を抱いていた者は多いという。 だが、施設に問題点や改善点を求めると、職員から露骨な嫌がらせを受けた居住者が過去にいたという。 結局、平穏に暮らすためには、おとなしく施設側の言いなりになるしかないのだろうと嘆いた」、「介護棟」は本当に酷いところのようだ。
第四に、9月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの甚野博則氏のよる「「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた…。超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々」を紹介しよう。
・・・・ハムエッグに混入した“異物” 「インペリアルテラス関西(仮名)」は関西地方でも有数の超高級老人ホームだ。 高額な部屋で、入居一時金が2億円を超すだけに居住者は、中小企業の経営者をはじめ、元大手商社マンや不動産業、株投資で富を築いた資産家や、その妻たちが多いという。 一見すると、選ばれし者が集まった邸宅で、セレブなシニアライフを満喫しているかのようだ。しかし、日々の暮らしは決して優雅とは言い難く、さまざまな“事件”が起きている。 「普段から録音機と写真機は常備するべきだと学びました」 そう話すのは居住者の榊原淑子さん(仮名)だ。その理由を「職員と入居者の間でよくトラブルが起こるから」と明かした。一体どういうことなのか。 「以前、この施設に入居していた方の食事の中に、ビニール片が混入していたことがありました。ハムエッグの中に異物が混入していたそうで、その方がスタッフに現物を見せたところ、『確かにビニール片だ』ということになった。ところが、後から出てきたマネージャーや料理長が、『ビニール片ではなく卵の皮が固くなったものだ』との説明を始めたそうです」 どう見てもビニール片としか見えなかった入居者にとって、マネージャーや料理長の説明は納得がいかなかった』、「「以前、この施設に入居していた方の食事の中に、ビニール片が混入していたことがありました。ハムエッグの中に異物が混入していたそうで、その方がスタッフに現物を見せたところ、『確かにビニール片だ』ということになった。ところが、後から出てきたマネージャーや料理長が、『ビニール片ではなく卵の皮が固くなったものだ』との説明を始めたそうです」 どう見てもビニール片としか見えなかった入居者にとって、マネージャーや料理長の説明は納得がいかなかった」、今だったら、スマホで証拠写真をパチリだろう。
・『疑惑の残る“検査結果” そこで施設側は本当にビニール片かどうか検査機関に出すからといって、その場を収めたという。ところが検査結果は、いつまでたっても報告されることはなかった。 約2か月が経った頃、入居者が「あの時、検査機関に出すといっていたが結果は出たのでしょうか」と問い合わせたという。 「施設側は、検査の結果『卵』でしたと答えたそうです。報告が遅れた理由については、『正直に卵だと報告しても、納得されないだろうから、報告しようかどうか悩んでいた。悩むうちに時間が経ってしまった』と言い訳していたと聞きました」 こうした対応に猜疑心を抱いた入居者は、それならば検査結果を見せてくれと施設側に要求してみたという。だが施設はこれを拒否。怪しいと思い、何度か検査結果を見せてほしいと要望すると、渋々書類のコピーを出してきたという。だが――。 「書類には混入物の写真や大きさが表記されていたそうですが、検査機関に提出した混入物が、明らかに別なものだったそうです。この入居者の方は、施設側に中身をすり替えられたと呆れていました。もちろん、当事者同士の事ですから事実はわかりませんが、こうした食い違いのトラブルが、ここではよく起こるんです」』、「施設側は本当にビニール片かどうか検査機関に出すからといって、その場を収めたという。ところが検査結果は、いつまでたっても報告されることはなかった。 約2か月が経った頃、入居者が「あの時、検査機関に出すといっていたが結果は出たのでしょうか」と問い合わせたという。 「施設側は、検査の結果『卵』でしたと答えたそうです。報告が遅れた理由については、『正直に卵だと報告しても、納得されないだろうから、報告しようかどうか悩んでいた。悩むうちに時間が経ってしまった』と言い訳していたと聞きました」 こうした対応に猜疑心を抱いた入居者は、それならば検査結果を見せてくれと施設側に要求してみたという。だが施設はこれを拒否。怪しいと思い、何度か検査結果を見せてほしいと要望すると、渋々書類のコピーを出してきたという。だが――。 「書類には混入物の写真や大きさが表記されていたそうですが、検査機関に提出した混入物が、明らかに別なものだったそうです。この入居者の方は、施設側に中身をすり替えられたと呆れていました」、驚くべき「施設側」の対応だ。
・『口と目を見開いたまま…… 榊原さんは、他にも別な入居者との間で、こんなトラブルを見聞きしたと明かす。 「知り合いの奥様が、介護棟に入っているご主人のもとへ面会に行かれたときのことです。19時頃だったそうですが、介護棟の玄関先で職員から『さっきまで、ご主人様はここで元気に遊んでいらっしゃいましたよ』と声をかけられたといいます」 この女性は普段から介護棟の職員に話かけられることがほぼなかったため、この日、突然話しかけられたことに違和感があったと後に語ったという。女性はそのまま夫の居室へ向かうと、口と目を見開いたままの夫が就寝していた。 「奥様が『貴方、口を閉じなさいよ』と言って、顎のところに手をやるとすでに冷たくなっていたそうです。慌てて職員を呼ぶと、駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」 女性は気持ちが動転しており、頭が真っ白の内に事態が進んでいったという。その後、到着した医者に死亡が宣告された。 「後に奥様から当時の話を聞くと、ご主人は栄養を管で摂っていたのに、管が外れていたそうです。酸素呼吸のマスクもなぜか遠くに置いてあった。不審に思った奥様が1か月ほど過ぎてから施設に事情説明を求めたそうです。 ただ施設側の対応は曖昧で、『さっきまで元気に遊んでいた』と証言した職員も、いつの間にか退職されていました。そもそも普段から寝たきりのご主人が夕食時に玄関で遊んでいること自体がおかしいのです」 もちろん何が事実かはわからない。ただ、職員と入居者の間でこうした類の行き違いが元でトラブルになっているケースが多いと榊原さんは話す』、「「奥様が『貴方、口を閉じなさいよ』と言って、顎のところに手をやるとすでに冷たくなっていたそうです。慌てて職員を呼ぶと、駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」 女性は気持ちが動転しており、頭が真っ白の内に事態が進んでいったという。その後、到着した医者に死亡が宣告された。 「後に奥様から当時の話を聞くと、ご主人は栄養を管で摂っていたのに、管が外れていたそうです。酸素呼吸のマスクもなぜか遠くに置いてあった。不審に思った奥様が1か月ほど過ぎてから施設に事情説明を求めたそうです。 ただ施設側の対応は曖昧で、『さっきまで元気に遊んでいた』と証言した職員も、いつの間にか退職されていました。そもそも普段から寝たきりのご主人が夕食時に玄関で遊んでいること自体がおかしいのです」 もちろん何が事実かはわからない。ただ、職員と入居者の間でこうした類の行き違いが元でトラブルになっているケースが多い』、「駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」、施設側では初めから「警察を呼ぶ」のを避けるため、奥さんによる発見を待っていた加納氏がある。
・『入居者の扱いに“格差” そして、一度、施設や職員に疑念を抱くと、これまで気付かなかったことまで、見えてくるようになる。 「全国的にも有名な某メーカーの会長が買い物帰りに重い荷物を持ってタクシーから降車すると、職員が慌てて近寄って荷物を持ってあげるのを見たことがあります。ですが、腰の曲がった大人しい女性入居者が重い荷物を持っていても見て見ぬふり。人をみているなと感じることは多いです。」 優雅で安心な生活を夢見ていた榊原さんは今、施設の退去を検討しているという。 (本記事は、『ルポ 超高級老人ホーム』の著者による書下ろし記事です) (甚野博則氏の略歴はリンク先参照)』、こんなに入居者による差別的な扱いをするような「施設」からは、精神衛生面からも「退去」をお勧めしたい。
タグ:甚野博則氏による『ルポ 超高級老人ホーム』 ダイヤモンド・オンライン「【スクープ】入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?甚野博則」 (その8)(高級老人ホーム実態4題:入居金6億円超え、日本を代表する超高級老人ホームはサービス終了へ。セレブ老人たちの末路とは?、まるでラブホテル…… 見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場、「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」… 入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔、「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた… 超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々) 介護施設(老人ホーム)問題 「聖路加レジデンスでは、入居金総額の例として、一人入居の場合で2億1650万円から6億8925万円と記されてい高級な施設で値引きはありません・・・知人の紹介や、付き合いのある銀行の紹介で入居者が集まる。質のいい入居者を紹介してくれた銀行には契約金の数パーセントをバックしている施設もあると聞きます」 こうして富裕層たちは、表には出ない独自のルートを使って、ステータスの高い施設に入居しようと試みているのだ」、なるほど。 「中小企業の社員が、私にこう漏らしたことがある。 「うちの会長も、高級老人ホームに入ってますよ」 飲食店を切り盛りするその社員は、吐き捨てるようにこう続けた。 「会長は、高級老人ホームの暮らしは退屈だとか周囲に触れ回っていますが、正直ムカつきます。低賃金で働らかされている我々のことより、自分のことばかりです。ふざけんじゃねえって感じですよ」 ただ、高級老人ホームで暮らす企業オーナーたちが、こうした社員の心の中までは知る由もないだろう」、格差社会の重い現実だ。 ダイヤモンド・オンライン 甚野博則氏による「【独自】まるでラブホテル……。見た目だけド派手な「ハリボテ高級老人ホーム」でスタッフが目撃した疑惑の取引現場」 見た目が第一、中身は二の次 「「有名なメーカーの会長さんが、認知症でご入居されています。会長が認知症であることは世間には秘密で、スタッフは写真撮影をしないよう言われています・・・奥様が、ご主人名義の会社の株を売却するため証券会社かどこかに電話をされていたんです。 株券の名義人本人が認知症に罹患している場合、簡単に株を売却できないと聞いたことがあります。そこで、真理の丘に常駐しているドクターを電話口に出して、『〇〇さんは認知症ではありません』と言わせているのを見てしまったんです」 その後、株を売却できたかまでは不明だ。ただ、施設側の医師がそうした不正行為に加担しているとすれば、大いに問題である」、その通りだ。 甚野博則氏による「「入居者は施設の言いなり」「約400万円のサロンも入会」…。入居金2億円超えの超高級老人ホームを退去した女性が語る後悔」 「吹き抜けの天井に広々としたロビー。見晴らしのよい大浴場からは街の夜景が一望できる。露天風呂やプール、大きな窓に囲まれたメインダイニングは、まるでリゾートホテルで優雅なひと時を過ごしているかのような気分に浸れるのが特徴だ。 最も高額な部屋は入居一時金だけで2億円を超える。関西で有数の超高級老人ホームでの暮らしは、財前さんにとって優雅で安心なものになるはずだった」、何があったのだろう。 「施設の近くに自宅がありましたので普段は自宅に住み、将来、身体が悪くなったらインペリアルテラス関西に住もうと考えていました」 つまり将来のために部屋をキープしていたのだ」、なるほど。 「そもそも施設とはどんな契約を交わしたのか、賃貸契約なのか、介護棟ではどこまで介護をしてくれるのかなど、財前さんにさまざまな質問を投げかけたが、返ってきた答えの多くは曖昧だった・・・それでも財前さんが同施設と契約したのは、親会社が世間でも知られた企業であるという安心感からだったようだ」、なるほど。 「情報交換でわかったのは、入居一時金を割引された人がいるなど、人によって販売方法に差異があったことだ。 また、会社は“人生100年時代でも健康を目指す”と掲げ、入居者に認知症予防のサプリメントの購入を無理やり勧誘された人もいると証言した」、なるほど。 「介護棟の知人が床にご飯を全部こぼしていても、放っておかれていたままでした。その後も介護棟に行く機会が何度かありましたが、すぐに面会はさせてもらえません。暫く待たされた後に居室へ行くと、職員数人が介護をしている雰囲気で、わざとらしいなと感じたこともありました」 財前さんによれば、居住者同士でも施設の運営に疑問を抱いていた者は多いという。 だが、施設に問題点や改善点を求めると、職員から露骨な嫌がらせを受けた居住者が過去にいたという。 結局、平穏に暮らすためには、おとなしく施設側の言いなりになるしかないのだろ と嘆いた」、「介護棟」は本当に酷いところのようだ。 甚野博則氏のよる「「さっきまで元気に遊んでいましたよ」しかし夫は冷たくなっていた…。超高級老人ホームで闇に葬り去られた事件の数々」 「「以前、この施設に入居していた方の食事の中に、ビニール片が混入していたことがありました。ハムエッグの中に異物が混入していたそうで、その方がスタッフに現物を見せたところ、『確かにビニール片だ』ということになった。ところが、後から出てきたマネージャーや料理長が、『ビニール片ではなく卵の皮が固くなったものだ』との説明を始めたそうです」 どう見てもビニール片としか見えなかった入居者にとって、マネージャーや料理長の説明は納得がいかなかった」、今だったら、スマホで証拠写真をパチリだろう。 「施設側は本当にビニール片かどうか検査機関に出すからといって、その場を収めたという。ところが検査結果は、いつまでたっても報告されることはなかった。 約2か月が経った頃、入居者が「あの時、検査機関に出すといっていたが結果は出たのでしょうか」と問い合わせたという。 「施設側は、検査の結果『卵』でしたと答えたそうです。報告が遅れた理由については、『正直に卵だと報告しても、納得されないだろうから、報告しようかどうか悩んでいた。悩むうちに時間が経ってしまった』と言い訳していたと聞きました」 こうした対応に猜疑心を抱いた入居者は、それならば検査結果を見せてくれと施設側に要求してみたという。だが施設はこれを拒否。怪しいと思い、何度か検査結果を見せてほしいと要望すると、渋々書類のコピーを出してきたという。だが――。 「書類には混入物の写真や大きさが表記されていたそうですが、検査機関に提出した混入物が、明らかに別なものだったそうです。この入居者の方は、施設側に中身をすり替えられたと呆れていました」、驚くべき「施設側」の対応だ。 「駆け付けた職員が『奥様が(死亡を)見つけられたから警察は呼ばなくてよろしいですね』と言ったそうです」、施設側では初めから「警察を呼ぶ」のを避けるため、奥さんによる発見を待っていた加納氏がある。 こんなに入居者による差別的な扱いをするような「施設」からは、精神衛生面からも「退去」をお勧めしたい。