恋愛・結婚(その8)(「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ、「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ、作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」、不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?) [人生]
恋愛・結婚については、本年2月23日に取上げた。今日は、(その8)(「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ、「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ、作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」、不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?)である。
先ずは、本年4月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した中央大学文学部教授の山田昌弘氏による「「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/341554
・『生涯未婚率の上昇への対策は日本における喫緊課題の一つだ。結婚することに否定的な意見が一部であるものの、8割の男女は「できたらしたい」と考えている。日本の未婚社会の実態とは。※本稿は、『パラサイト難婚社会』(朝日新書、朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『経済的観点から見ると結婚のメリットは高くない 「未婚」と一口に言ってもその状況は様々です。「おひとりさま」になるのか、「実家同居」になるのか、または「パラサイト・シングル」になるのか「引きこもり」になるのか、十人十色の現実がそこには存在します。 ただし、「経済的自立」と「精神的自立」という分岐が最も無視できない要因となるのは、共通して言えることでしょう。 既婚と未婚の善し悪しを比べているのではありません。手垢がついた表現になりますが、「独身貴族」という言葉もあります。正直、現代日本で「今を豊かに生きる」ためには、「しっかり稼いで自分ひとりで消費する」のが、一番贅沢に過ごせると言えなくもないのです。 仮に年収500万円を稼ぐ男性がいたとして、それをひとりで消費できる独身貴族生活と、「妻と子ども2人」を養い、4人家族で消費する生活とでは、当然前者の方が「経済的」には豊かに生活できます。 住みたいエリアに住み、食べたいものを食べ、着たいものを着て、趣味も娯楽も我慢せず、なおかつ貯蓄もできるでしょう。 でも同じ500万円で家族4人が暮らすとなれば、家族のために購入したマンションや戸建て住宅のローンを払い続け、4人分の食費と光熱費を捻出し、保険に加入し、高額化する教育費にお金をかけ続ける毎日では、自分の好きな服や趣味に回すお金はごくわずかになるでしょうし、貯蓄や投資などの余裕はほとんどないかもしれません。 つまり、単に経済的観点から見れば、「結婚のメリット」は少しも高くないのです。そして、育った子が自分の面倒を見てくれるどころか、成人後もパラサイトされて生活の面倒を見続けるリスクと隣り合わせです。 女性の場合はどうでしょう。仮に年収500万円を稼ぐ女性がいた場合、男性とはまた少し事情が異なってきます。相手も同程度に稼ぐ男性と結婚すれば、年収はシンプルに2倍になり、いわゆるパワーカップル家庭として「経済的」にも「結婚のメリット」はあるかもしれません。ただ、子どもを持つとなると、男性とはまた別の問題が生じてきます。) 日本企業の大部分はいまだに、「働く男性+専業主婦の妻」という大前提で職場環境を維持しています。「女性活躍」「ジェンダー平等」といくら口では言ったとしても、日本の企業戦士たち(既婚男性)が毎日深夜まで働き長期のバカンスも取らずに出世を目指せるのは、家で家事全般をこなし、育児を担ってくれる伴侶の存在があるからなのです』、「単に経済的観点から見れば、「結婚のメリット」は少しも高くないのです。そして、育った子が自分の面倒を見てくれるどころか、成人後もパラサイトされて生活の面倒を見続けるリスクと隣り合わせです。 女性の場合はどうでしょう。仮に年収500万円を稼ぐ女性がいた場合、男性とはまた少し事情が異なってきます。相手も同程度に稼ぐ男性と結婚すれば、年収はシンプルに2倍になり、いわゆるパワーカップル家庭として「経済的」にも「結婚のメリット」はあるかもしれません。ただ、子どもを持つとなると、男性とはまた別の問題が生じてきます・・・日本の企業戦士たち(既婚男性)が毎日深夜まで働き長期のバカンスも取らずに出世を目指せるのは、家で家事全般をこなし、育児を担ってくれる伴侶の存在があるからなのです」、なるほど。
・『日本人が陥っている根本問題 「結婚のメリットって何?」 しかし、同じことを女性が目指したらどうなるでしょう。つまり朝から晩まで時間を気にせず働き、残業も厭わず、休日出勤もして、会社への貢献と、昇進と、自らの成長を全力で目指し続けたとしたら。 特に、課長クラスの「中間管理職」の状況はたいへんです。収入はそれほど増えないのに上に気を使い、部下に突き上げられ、休む暇もありません。日本でも、ワークライフバランスや育児休業などが言われていますが、それも、平社員まで。日本で女性管理職の割合が少ないのも、この中間管理職を会社が「働かせ放題」だからではないでしょうか。 現在の日本社会で、女性がキャリアの仕事と同時に数人の子育てをすることは不可能ではないかもしれませんが、相当の覚悟と労力とコストがかかってくるはずです。 男性が自分に代わって専業主夫をしてくれたり、完全に家事育児を折半できたり、子育てを頼める父母が近くにいたり、あるいは香港やシンガポールのように家事代行サービスをフルタイムでやってくれるメイドさんがいれば話は変わってきますが、仕事にフルコミットしてキャリアを目指しながらの「結婚・育児」の選択は、今の日本社会では至難の業であることは否めません。 「出世」か「子育て」か。残念ながら、多くの日本女性は、いまだこのレベルで足踏みをしているのが現状です。 では、非正規雇用者など低所得層はどうでしょう。年収250万円程度の男性が家庭を持ち、専業主婦と複数の子どもを養う。これも、現実的には厳しいケースです。 実際、妻も働きダブルインカムにならないことには、子どもを持つという選択ができない。となると、それ以前に「結婚」自体のハードルも高いままです』、「仕事にフルコミットしてキャリアを目指しながらの「結婚・育児」の選択は、今の日本社会では至難の業であることは否めません。 「出世」か「子育て」か。残念ながら、多くの日本女性は、いまだこのレベルで足踏みをしているのが現状です」、なるほど。
・『「結婚するメリットって何だっけ?」 結局のところ、こうした根本的な問いに、現代日本人は陥っているのではないでしょうか。 「結婚=イエのため」のものとして、有無を言わさず「万人がするもの」という縛りが解けた近代社会において、昭和時代までは「結婚=生活を豊かにするため」というメリットが存在しました。) 人口が増加して多くの家族がぎりぎりの生活をしていた時代には、実家に「パラサイト」したり、「引きこもり」をしたりもできません。どれほど収入が低くても「ひとりよりは結婚して二人」の方が、男女共により安定した生活を望めたのです』、「「結婚=イエのため」のものとして、有無を言わさず「万人がするもの」という縛りが解けた近代社会において、昭和時代までは「結婚=生活を豊かにするため」というメリットが存在しました。) 人口が増加して多くの家族がぎりぎりの生活をしていた時代には、実家に「パラサイト」したり、「引きこもり」をしたりもできません。どれほど収入が低くても「ひとりよりは結婚して二人」の方が、男女共により安定した生活を望めたのです」、その通りだ。
・『未婚男女8割は「いずれ結婚するつもり」それでもできない理由とは しかしながら今、「結婚しなくても、頼れる実家がある」若者にとって、「結婚」のメリットとは何でしょう。しかも「今貧しければ、将来も貧しいまま」が容易に想像できる社会で、どうして「結婚」をあえて望むでしょうか。 しかも、家庭を新たに築くことが将来にわたりさらに経済的なリスクを負うことが予想される今日の社会においては、ますます「結婚」のインセンティブは低下していくのです。 すると、こんな声も聞こえてきそうです。 結婚したくない人々に、『結婚』をむりやり勧めなくてもいいんじゃない?」 たとえ「未婚」だとしても、その状態に不満足なわけでもないんだろう、と。 ですが、ここに次のようなデータが存在するのです。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、18~34歳の未婚者に実施した調査です。それによると、男性未婚者の81.4%、女性未婚者の84.3%が、「いずれ結婚するつもり」と答えています(2021年実施)。 今なお「独身でいる理由」の最多は、「適当な相手にまだ巡り合わないから」(24~34歳の男女)であり、次いで多い理由が「結婚する必要性を感じないから」「結婚資金が足りないから」なのです。 つまり若年「未婚」者の8割以上が、実際は「結婚」を望んでいるのです。彼らは自ら未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているのです。この母数には既婚者が含まれていないので、結婚した同年齢の人数を加えれば、今でも9割以上の若者が結婚を望んだということになります。 「適当な相手」が見つかり、「結婚する必要性を実感」すれば、そして「結婚資金・生活資金が十分にあれば」、彼らはいつでも「結婚したい」のです。 でも、その状況がなかなか手に入らない。現在同居中の父母が面倒を見てくれる便利で安心な生活を放棄してでも「結婚したい」と思える相手に巡り合わないし、結婚してやっていけると確信が持てるような経済的基盤も得られない。だから結婚しない。それが、日本の「未婚社会」の実態です』、「若年「未婚」者の8割以上が、実際は「結婚」を望んでいるのです。彼らは自ら未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているのです。この母数には既婚者が含まれていないので、結婚した同年齢の人数を加えれば、今でも9割以上の若者が結婚を望んだということになります。 「適当な相手」が見つかり、「結婚する必要性を実感」すれば、そして「結婚資金・生活資金が十分にあれば」、彼らはいつでも「結婚したい」のです。 でも、その状況がなかなか手に入らない。現在同居中の父母が面倒を見てくれる便利で安心な生活を放棄してでも「結婚したい」と思える相手に巡り合わないし、結婚してやっていけると確信が持てるような経済的基盤も得られない。だから結婚しない。それが、日本の「未婚社会」の実態です」、その通りだ。
次に、6月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した社会学者の大森美佐氏による「「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/344598
・『好きな人に「告白」するのは恥ずかしくて勇気がいること。しかし、実は「告白」してから交際するというのは日本特有の文化で、欧米圏では自然と交際が始まるケースが多いという。告白をして恋人同士になり、デート、手をつなぐ、キス……という「恋愛の順序」にわれわれがこだわってしまうのは、なぜなのか?本稿は、大森美佐『恋愛ってなんだろう?(中学生の質問箱)』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです』、「「告白」してから交際するというのは日本特有の文化で、欧米圏では自然と交際が始まるケースが多いという」、初めて知った。ただ、イタリアでの恋人に向けてのセレナーデは明らかな「告白」だ。
・『「告白」を大事にするのは実は日本特有の文化 Q:私はしたことがないんだけど、告白って、すごく勇気がいることだよね。友だちが「告白する!」って決心している姿をみると、すごいなあって思う。 A:相手の気持ちをたしかめることになりますから、とても緊張しますよね。 Q:うん。フラれちゃって、友だちのころのように話せなくなったら嫌だし……。でも、告白をしないと付き合えないんでしょ? A:付き合うには、告白がマストというわけではありません。実は「告白」を大事にするのは、日本特有の文化なんだそうです。フランスやアメリカなど欧米圏では告白をしないことがほとんどで、はっきりと告白をしなくても自然と恋人関係が始まるケースが多いと聞いたことがあります。日本で告白を大事にする文化があるのは、規範、つまり恋愛における「暗黙のルール」のようなものがあるからだと思います。告白してOKしてもらったら恋人になれる、恋人になったら手をつないだり、休みの日に会えたりする、といった共通のルールがなんとなくありますよね。 Q:たしかにそうかも。付き合ったら、いっぱい連絡をとりあって、毎日一緒に帰るとかね。 そして、恋愛において相手と親密な関係になっていくには、ステップ、つまり「恋愛の順序」があると言われています。相手に好意を抱いて付き合いたいと思ったら、告白をして、恋人になって、デートをして、キスをしたり手をつないだり触れ合いができるようになって、性交をする。私が調査をしていた中で感じたのは、日本人はそうした恋愛の順序をきちんと守って、その通りに恋愛を進めていきたいと考えている人が多いということです。なので、「告白」は恋人関係になりたいのなら、絶対に通らなければならない儀式だと考えられているのではないでしょうか。) Q:うん。付き合いたいと思ったら、まずは告白ってイメージがあるもん。 A:そうですよね。異性愛にかぎった話をすると、みなさんの祖父母世代は異性どうしの友情関係がいまとくらべて少なかったので、男の子と女の子が毎日一緒にいると、告白をしなくても自然と互いを特別な関係だと感じ、周りからも「付き合っているのかな」と言われることがあったと言います。ですが、男女共学が増え、異性どうしの交流が盛んになってきたことで、男女ふたりでいても特別なものではなくなってきています。 Q:趣味が合う男の子の友だちと、ときどき一緒に帰るよ。 A:だからこそ、友情と恋愛を区別するために「告白」をすることが、より重要な意味をもつようになってきました。私がおこなった調査では、友だち関係から恋人になる人が増えているようです。なので「友人モードから恋人モードへの切り替え」のために、「告白」をすることがマストだと考えているようでした』、「相手に好意を抱いて付き合いたいと思ったら、告白をして、恋人になって、デートをして、キスをしたり手をつないだり触れ合いができるようになって、性交をする。私が調査をしていた中で感じたのは、日本人はそうした恋愛の順序をきちんと守って、その通りに恋愛を進めていきたいと考えている人が多いということです。なので、「告白」は恋人関係になりたいのなら、絶対に通らなければならない儀式だと考えられているのではないでしょうか」、なるほど。
・『恋人と友だち関係の「大きな違い」とは? Q:友だちとの会話で、「好きな人がいる」って話になると、かならず「告白しなよー」って周りが盛り上げるんだよね。好きな人ができたら、告白しなきゃいけないのかな? A:告白しなきゃいけない、なんてことはないですよ。恋愛に限らず、何事も、自分の気持ちがいちばん大切です。みなさんは、恋人と友だち関係の大きな違いはなんだと思いますか? Q:えー、なんだろう。恋人は手をつないだり、友だちよりもいっぱい連絡とったりするとかかな? もちろん、これも人によって考え方はさまざまですが、一般的によく言われるのは、恋人どうしになったら、キスや手をつなぐなど親密な触れ合いをするようになる、ということです。あとはデートをしたり毎日一緒に登下校したり、ほかの人と異なる特別な関係を望むのなら、告白は関係をはっきりさせるためにいい方法の一つだと思います。でも、ときどき一緒に帰れるだけでも楽しくて、いまの関係に満足しているのなら、無理に告白をする必要はないのかなと思います。 もう一度言いますが、みなさんの気持ちがいちばん大切です。あと、ひとりの時間が好きだったり、友だちとわいわいする時間が楽しかったりして、恋人はいなくても満足している人もいますよね。 Q:その気持ち、すっごくわかる!私は友だちとの時間もひとりの時間も好きだから、付き合って恋人に自分の時間を奪われちゃうのが嫌だ。いつでも相手に合わせて行動しなきゃいけないのかな、連絡もすぐに返さなきゃいけないのかなと思うと、私も「ちょっとめんどくさい派」なのかも。 A:恋人と友だちの中間のような「〇〇フレ」が増えているのも、それぞれにとって心地よい関係性を考えた結果かもしれませんね。ただ、時間が経つにつれて、たとえば嫉妬のような気持ちを抱いたり、相手への想いが変わって「付き合いたい」と思うようになったりするかもしれないので、必ずしも「この人は友だち」「この人は恋人」と、ひとつの関係にずっとしばられなくてもいいと思いますよ。 Q:気がついたら友だちを好きになってたってこと? A:友だちどうしの関係性も、変わっていきますからね。そのときどきで、自分が好きな人と「どういう関係になりたいのか」を考えて、自分で納得した答えを出せるといいですね』、「時間が経つにつれて、たとえば嫉妬のような気持ちを抱いたり、相手への想いが変わって「付き合いたい」と思うようになったりするかもしれないので、必ずしも「この人は友だち」「この人は恋人」と、ひとつの関係にずっとしばられなくてもいいと思いますよ、なるほど。
・『付き合っていても触れ合いたくない人もいる Q:どういう関係になりたいか……。前に、友だちが告白をしたら、相手から「付き合うってなにをするの?」って聞かれたんだって。 A:なるほど。面白い質問ですね。それを聞かれた人は、なんと答えたのでしょう? Q:「たしかに……」って、そこからなにも言えなかったって。それを聞いて、私もわからなかった。だから先生に聞きたかったの。付き合ったら、具体的になにするの? A:多くの人は「親密な触れ合いができるようになること」を想像していると思います。親密な触れ合いというのは、手をつないだりキスをしたり、触れ合いができる間柄になるということ。ですが、付き合ってなにをするのかは、カップルそれぞれで話し合って決めることなので、いちがいには言えません。人によっては「一緒にいたいけれど、触れ合いは嫌だ」という人もいます。 Q:付き合いたいのに、触れ合うのは嫌な人もいるんだね?) めずらしく感じるかもしれませんが、おかしい感情ではまったくないですよ。人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません。 Q:付き合っているんだから、そういうことをするのが当たり前だと思ってた。 そう考えている人も多いと思いますが、実は違うんです。付き合っていても、相手の身体は相手のもの。じっくり話をして、ゆっくりふたりで過ごす時間も、とても愛おしく感じませんか? Q:でもさ、マンガやドラマだと順序なんてすっ飛ばして、とつぜんキスするシーンがけっこうあるよ。 でも、実際の人間関係で想像してみてください。とつぜんクラスメイトにキスをされたり、手をつながれたりしたらびっくりしませんか?好きでもない相手にキスされたら、ショックを受けないでしょうか。 Q:そうかも……。 マンガでは「胸キュン」なシーンとして描かれますが、同意なくとつぜん相手に触れることは、非常に怖い状況だと思います。 Q:それでいうと「壁ドン」とかも怖いかも。なにされるかわかんないし。 ここでみなさんに思い出してほしいのが、恋愛とは「コミュニケーション」という話です。相手の気持ちを尊重して、そのつどお互いに考えていることを確認しながら、関係を深めていく。そういう意味で、「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません。 Q:相手と気持ちをそろえるかあ……。まだうまく想像できてないかも。 友だちどうしでもかまわないので、まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか』、「人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません・・・「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません・・・まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか」、これなら無難だ。
第三に、10月5日付けYahooニュースが転載したコクハク「作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」」を紹介しよう。
https://article.yahoo.co.jp/detail/c6e5aad4176ee2eecba3b8735a7b72c81379221e
・『朝スマホを開くと「またか」と思うくらい、1年に何度も芸能人の不倫ニュースを見かける。いくら有名人とはいえ、特に当人と面識がないにも関わらずここまで不倫が世間的に断罪されるようになったのは、「センテンススプリング」(注)という言葉が世に浸透した頃だろうか』、興味深そうだ。
(注)「センテンススプリング」:発端は週刊文春が3週に渡りゲスの極み乙女。の川谷絵音とタレントのベッキー♪#が不倫している、とのスキャンダル記事を連載したこと(ピクシブ百科事典)
・『それはセンテンススプリングから始まった 本屋に行っても、9時台のゴールデンタイムにテレビをつけても、不倫を題材にした漫画やドラマは珍しくない。時折、純文学のような美しい不倫や、愛の多様性を考えさせられるエンタメを目にすることもあるが、その多くはリアルでおどろおどろしい、報復を目的にした作品ばかりだ。結婚していてもしていなくても、不倫問題を身近に感じる人は増えているのではないだろうか。 9月24日に作家の鈴木涼美氏が出版した書籍『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)では、現代の不倫が客観的に考察されている。 今回は著者である鈴木氏と一緒に、未婚女性・既婚女性問わず広がっている「不倫リスク」を再考していく』、興味深そうだ。
・『未婚でも「不倫リスク」は隣り合わせ 鈴木涼美氏は慶應義塾大学を卒業後、東大の大学院修士課程を経て大手経済新聞社に就職し、退職後に作家としての活動を始めた異色の経歴を持つ。学生時代はセクシー女優として活動していたことも明かしており、作家となってからも夜の街や、性愛に関する発信を積極的に行ってきた印象がある。 しかし今春、40歳となった鈴木氏はSNSで現役ホストとの結婚を電撃報告。そんな彼女がなぜ今、不倫をテーマに一冊の本にまとめたのか。 「私自身はもともと結婚に興味がありませんでしたし、『不倫論』の執筆中は未婚だったわけですが、なぜか近年、不倫に関するコラム執筆の依頼がかなり増えていて、結果、不倫について考える時間が長かったことが大きいですね。それに、身近な人間の不倫話を聞くことも多く、私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました。40年も未婚だった私でも、不倫とまったくの無関係とは言えなかったのです」』、「私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました」、マスコミで活躍するエース女性記者なら、さもありなんだ。
・『不倫が世の中からなくなることはない 確かに、不倫という行為は都会だとか田舎だとか、場所を選ばず日本のそこらじゅうで起きている。それも面識のある人間が当事者でなくても、SNSで夫の不倫を暴露する匿名の「サレ妻」アカウントなど、自分とは全く違う環境で起きているリアルな不倫を数多目にもする。未婚・既婚問わず、いつどこでかかってもおかしくない風邪ほどに身近だ。 「不倫が世の中からなくなることはないと思いますが、結婚制度はもっと早く廃れるんじゃないか、とは考えていました。女性の社会進出が進み、経済的自立が確立されるようになれば、結婚という制度を利用しなくなる女性が増えると思っていたのですが、2024年になってみても、結婚が廃れる気配はありません。 もちろん、不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」』、「不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」、なるほど。
・『気がついたら巻き込まれているもの 『不倫論』では結婚制度の限界についても、深く考察している。日本はもともと1898年まで一夫多妻制で、愛人を二親等と認める妾制度も認められていた。急激な西洋化でキリスト教ベースの貞操観念や人権思想などが流入し、一夫多妻制は廃止され、現在のような一夫一婦制となってから、まだ数百年と経っていない。 「私個人は、愛憎にまみれた不倫の経験はないですし、特に不倫を否定してもいません。ただ、世間の過剰反応には毎回驚いています。不倫って、気づいたら巻き込まれているものだと思うんですよ。始めようと思って始める人ばかりでもないですし、好きになった人から既婚の事実を隠されている場合だってあるわけです。 あるいは、世論に流されて不倫を批判していたのに、いつのまにか自分が不倫の当事者になっていることもある。それに恋愛経験がない人ほど不倫にハマりやすい話もありますし、渦中にいる時は、どれだけのものを失いかねないかが見えなくなってしまう。女として生きているだけで、誰もが不倫のリスクを常に頭の片隅に置くべきではないでしょうか」 不倫、と一口に言ってもケースは色々だ。女性のみが既婚のケースもあれば、男性のみが既婚のケースもある。相手が既婚者だと分かっていて不倫するぶんには自覚的だが、たまたま好きな男が既婚者だったことを後から知った場合、女はある種の被害者とも見える。 前述のサレ妻アカウントのように、結婚しているパートナーが不倫していれば、自分も結局当事者となる。気をつけているだけでは、不倫と無縁の人生を送れるとも限らないわけだ』、「サレ妻アカウントのように、結婚しているパートナーが不倫していれば、自分も結局当事者となる。気をつけているだけでは、不倫と無縁の人生を送れるとも限らないわけだ」、なるほど。
・『言葉とともにカジュアル化する不倫「向いていない女性像」も 加えて昨今、ネットを賑わせたYouTuberの発言によって「女性もセカンドパートナーを持ってもいい」という思考も急激に広まっており、今後は「既婚女性側の不倫」がカジュアル化していくのではないか…とも考えられる。 「日本語って便利ですよね。売春という言葉を、援助交際とかパパ活とか言い換えれば、なぜかカジュアルに聞こえてしまう。浮気や不倫が他の言葉に言い換えられてこなかったのは、世の中にそこまで悪いことという認識がなかったからかもしれません。 結婚制度は私が思っていたほど廃れませんでしたが、女性の生殖リミットが驚くほど伸びたわけではない。もっとも、平均寿命は順調に伸び、結婚50周年の金婚式、60周年のダイヤモンド婚式、70周年のプラチナ婚式なんて言葉も生まれたぐらいです。 60歳を待たずに寿命を迎えていた時代と比べたら、離婚がカジュアルになるのか、不倫がカジュアルになるのか、どっちかしかない…そう考えると、ある意味自然な流れではありますよね」 鈴木氏が話すように、日本の婚姻率は世間が心配していたほど下がっていない。コロナ中も婚姻数はほぼほぼ横ばいで、コロナが明けてからは結婚式を行うカップルも増えてきている。「子を持つ」という未来を見据える以上、女性にとっても未だ結婚は「せざるを得ないもの」と認識され続けている。 「共働き世帯も増えていて、女性も社会に出続けるし、出会いがありますよね。昔ほど、夫との関係も固定化しづらくなってきている。女性にとっての不倫は、今後も今以上に身近なものになっていくと思いますよ」』、「共働き世帯も増えていて、女性も社会に出続けるし、出会いがありますよね。昔ほど、夫との関係も固定化しづらくなってきている。女性にとっての不倫は、今後も今以上に身近なものになっていくと思いますよ」、なるほど。
・『泥沼化しやすい不倫とは? 『不倫論』では、文学作品や映画の中で過去様々に描かれてきた「不倫のありよう」についても語られている。不倫は、作品によって儚く美しい純愛として描かれることもあるし、現実問題としても隣の芝は青く見えるという言葉の通り、他人のものだからこそ美しく見える場合もある。しかし、鈴木氏は「不倫に向いていない女性もいる」と注意喚起をする。 「未婚女性から見た場合の不倫の残酷さは、自分で終止符を打たないと終わりづらい。既婚男性は余暇の遊びとして不倫をしているわけで、別れる必要性も感じない。ホストの色恋営業にも似ているかなと思います。 相手からしたらメリットだらけの関係は、別れを切り出しても簡単に終わらない場合があります。辞め時のタイミングで存在を消せるくらいの決断力がない女性にとっては、不倫は純愛の搾取となってしまう場合がありますね」』、「「未婚女性から見た場合の不倫の残酷さは、自分で終止符を打たないと終わりづらい。既婚男性は余暇の遊びとして不倫をしているわけで、別れる必要性も感じない。ホストの色恋営業にも似ているかなと思います。 相手からしたらメリットだらけの関係は、別れを切り出しても簡単に終わらない場合があります。辞め時のタイミングで存在を消せるくらいの決断力がない女性にとっては、不倫は純愛の搾取となってしまう場合がありますね」、ずいぶん深い考察だ。
・『未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化 鈴木氏によれば、既婚女性×男性の不倫よりも、未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化しやすいという。未婚女性から漏れ聞く不倫が悲恋ばかりなのは、既婚男性との立場のアンバランスさも大きいのかもしれない。関係を続けることにメリットしかないなら、口説き文句もいくらでも出るというものなのだろう。 インタビューの後編では鈴木氏自身の結婚観についても伺っていく。30代を「選択的未婚」として過ごしてきた鈴木氏の現在の心境を聞いてみると、意外な本心も見えてきた。 【後編へつづく:「日本のセックスレス」は文化の問題。不倫は悪なのか?】』、「未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化しやすいという。未婚女性から漏れ聞く不倫が悲恋ばかりなのは、既婚男性との立場のアンバランスさも大きいのかもしれない。関係を続けることにメリットしかないなら、口説き文句もいくらでも出るというものなのだろう」、なるほど。
第四に、この続きを、10月5日付けYahooニュースが転載したコクハク「不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?」を紹介しよう。
https://article.yahoo.co.jp/detail/f770e998b7e202535794b5e327cadb96f087aab3
・『『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)を刊行した作家・鈴木涼美氏とともに、現代女性における「不倫リスクの増加」について考察した前編記事。
・『「日本のセックスレス」は文化の問題。不倫は悪なのか? 後半は、不倫を考えるにおいて欠かせない「夫婦のセックスレス問題」をはじめ、結婚願望がなかったという鈴木氏が結婚を経て、生活や価値観にどんな変化があったのかも掘り下げていく。すると、本の中では語られていなかった鈴木氏自身の「結婚観」も見えてきた。 夫婦のセックスレス問題は、世間で見聞きする不倫のほとんどに関係していると言っても過言ではない。不倫が題材となったエンタメ作品や、ネットで見かける当事者の不倫告発も、決まって夫婦間はセックスレスであるという事実がセットだ。 「もともと西洋化する前の日本は、カップルよりも家族というユニットを大切に考えてきましたし、今もその価値観は残っているでしょう。家族だからこそ性的な目で見づらいとか、夫婦間にセックスがなくとも、不倫があるからこそ家族関係は継続できているという考え方もありますよね。 日本の生涯セックス回数は世界でも最低レベルだと言われ、愛し合う情熱を維持していく意思は強くない。そもそも一つ屋根の下で暮らしながら性関係を維持するなんて、工夫がないと成り立たないものだと思っています」
・『義務教育では教えてくれない 日本の結婚制度のアンビバレンスは、西洋から急激に流れ込んできたキリスト的純愛文化と、この国古来からの家族制度とのブレによるものも大きい、と鈴木氏。確かに、不倫というワードを掘り下げて考えていくと日本に今ある「一夫一妻」の結婚制度や、家族愛と恋愛を分けて考えがちな国民性にも目を向けざるを得ない。 「その割に、義務教育で結婚にまつわるノウハウなんて教えてくれませんよね? 西洋風のラブラブな夫婦像を目指したいのか、日本古来の盤石な家族像を築いていければいいのか、本来なら、当事者同士が結婚前にもっとしっかり話し合うべきなのかもしれません」』、「日本の結婚制度のアンビバレンスは、西洋から急激に流れ込んできたキリスト的純愛文化と、この国古来からの家族制度とのブレによるものも大きい・・・本来なら、当事者同士が結婚前にもっとしっかり話し合うべきなのかもしれません」、なるほど。
・『AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女 周囲に配慮し合う文化が強い日本では、交際相手とですら深い意味で結婚観を話し合うことは簡単ではないのかもしれない。結婚した後のことも2人の関係のことも、未だ結婚に至っていないカップルにとってはかなりセンシティブだ。 「少し主語が大きいかもしれませんが、日本のカップルの多くは、AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女です。どちらにも希望という名の妄想や思い込みがあるので、最初から意見がぴたりと合うわけがない。 文化や思想、価値観の違う男女が家族としてうまくやっていくためには、恋愛感情を外注するのか。それともキリスト教的な純愛を貫くために、お互い切磋琢磨するのか…。はじめから考え方が似ている人と結婚できれば、不倫がきっかけで離婚することはなくなるかもしれませんよね」 コミュニケーションを怠れば、最悪の場合、不倫がきっかけとなって、離婚も含めた将来のすり合わせを行うことになるかもしれない。夫婦にとっては避ける方が難しい不倫やセックスレスで心身を疲弊させないためには、まずは自身が目指す結婚像を明確にして、先に話し合っておくしかない。 ▽「結婚と不倫」に向き合い続けた鈴木涼美の結婚観(しかし実際、3月に結婚したばかりの鈴木氏も、パートナーとあまり深い話し合いをしないままに結婚に至った。 「私の場合は先に妊娠したことが分かって、自分は子育てが得意じゃないだろうし、手伝ってくれる人を見つけないとと思って付き合ってすぐに結婚しました。こんな本を書いているわりに、自分の結婚観が醸成されないままに籍を入れてしまったんですよね」 妊娠が発覚する前は結婚に興味がなかったという。妊娠が先だったとはいえ、結婚に対して不安や迷いはなかったのだろうか。 「35歳くらいまでは、結婚にかなり抵抗感がありました。1人の人生で自分を満たせているのに、結婚したら自由を制限することになるし、子育てにも興味がありませんでした」』、「AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女」とは面白い比喩だ。「日本のカップルの多くは、AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女です。どちらにも希望という名の妄想や思い込みがあるので、最初から意見がぴたりと合うわけがない。 文化や思想、価値観の違う男女が家族としてうまくやっていくためには、恋愛感情を外注するのか。それともキリスト教的な純愛を貫くために、お互い切磋琢磨するのか…。はじめから考え方が似ている人と結婚できれば、不倫がきっかけで離婚することはなくなるかもしれませんよね」、なるほど。
・『独身の醍醐味も味わい尽くした とはいえ100%独身でいい、とも決めきれていなかったとも話す。選択的未婚のつもりで独身を貫いていても、法的な制度があるわけではなく、時と場合によっていつでも結婚することができる。だからこそ、タイミング次第で気持ちは揺らぐものだ。 「38歳を過ぎた頃あたりから、制限のない生活に飽き始めた自分もいました。10年後はクラブで遊んでいないかもしれないし、独身の醍醐味も味わい尽くした感覚があったんです。だからまあ、妊娠が分かった時にチャレンジしてみてもいいのかな、とポジティブに考えられましたね。 それにもし結婚生活がうまくいかなかったとしても、40歳未婚よりは40歳バツイチの方がいいんじゃないかという思いもありました。正直、どんな結婚生活を送りたいとか、具体的なことはあまり考えないままに結婚してしまいましたが、生まれてくる子どものために服を選ぶのも、案外楽しかったり。若い頃、自分のためにギャル服を選んでいた時と同じくらい楽しめるとは思ってもいませんでした」』、「10年後はクラブで遊んでいないかもしれないし、独身の醍醐味も味わい尽くした感覚があったんです。だからまあ、妊娠が分かった時にチャレンジしてみてもいいのかな、とポジティブに考えられましたね。 それにもし結婚生活がうまくいかなかったとしても、40歳未婚よりは40歳バツイチの方がいいんじゃないかという思いもありました。正直、どんな結婚生活を送りたいとか、具体的なことはあまり考えないままに結婚してしまいましたが、生まれてくる子どものために服を選ぶのも、案外楽しかったり。若い頃、自分のためにギャル服を選んでいた時と同じくらい楽しめるとは思ってもいませんでした」」、なるほど。
・『未婚既婚問わず、未来は分からない 『不倫論』の中で現代の結婚制度の限界に言及しながらも、出版前に結婚を発表することになった自らの人生について「数奇なものですよね」と笑う鈴木氏。改めて、不倫や離婚と隣合わせではありながらも、この時代に結婚する意義を聞いてみた。 「日本は海外と比べてもシングルマザー手当が手厚いとは言えないので、子どもを持ちたいのであればやはり、結婚ってアリだよねと考える人は多いのではないでしょうか。私自身、結婚してみて、何でも相談できる相手がすぐそばにいてくれるのは心強いなと感じています。 今の日本の結婚制度に、歪みやたわみがあるのは確かなのだろう。それでも、結婚する未来を選択し、子どもを生んでいく夫婦もたくさんいる。不倫や離婚のない結婚生活は、夫婦がお互いの価値観をすり合わせたり、時に諦めたりしないと成り立たないものなのかもしれない。 「未婚だろうが既婚だろうが、未来がどうなるのか分からないのは同じ。結婚して不倫せずに済んでも、パートナーと早めに死別するかもしれない。未婚のまま過ごしても、いつか既婚男性を好きになるかもしれない。それなら今が楽しい方がいい。そのぐらいラフな考えでもいいのではないでしょうか」』、「未婚だろうが既婚だろうが、未来がどうなるのか分からないのは同じ。結婚して不倫せずに済んでも、パートナーと早めに死別するかもしれない。未婚のまま過ごしても、いつか既婚男性を好きになるかもしれない。それなら今が楽しい方がいい。そのぐらいラフな考えでもいいのではないでしょうか」、ずいぶん達観したものだ。
先ずは、本年4月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した中央大学文学部教授の山田昌弘氏による「「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/341554
・『生涯未婚率の上昇への対策は日本における喫緊課題の一つだ。結婚することに否定的な意見が一部であるものの、8割の男女は「できたらしたい」と考えている。日本の未婚社会の実態とは。※本稿は、『パラサイト難婚社会』(朝日新書、朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『経済的観点から見ると結婚のメリットは高くない 「未婚」と一口に言ってもその状況は様々です。「おひとりさま」になるのか、「実家同居」になるのか、または「パラサイト・シングル」になるのか「引きこもり」になるのか、十人十色の現実がそこには存在します。 ただし、「経済的自立」と「精神的自立」という分岐が最も無視できない要因となるのは、共通して言えることでしょう。 既婚と未婚の善し悪しを比べているのではありません。手垢がついた表現になりますが、「独身貴族」という言葉もあります。正直、現代日本で「今を豊かに生きる」ためには、「しっかり稼いで自分ひとりで消費する」のが、一番贅沢に過ごせると言えなくもないのです。 仮に年収500万円を稼ぐ男性がいたとして、それをひとりで消費できる独身貴族生活と、「妻と子ども2人」を養い、4人家族で消費する生活とでは、当然前者の方が「経済的」には豊かに生活できます。 住みたいエリアに住み、食べたいものを食べ、着たいものを着て、趣味も娯楽も我慢せず、なおかつ貯蓄もできるでしょう。 でも同じ500万円で家族4人が暮らすとなれば、家族のために購入したマンションや戸建て住宅のローンを払い続け、4人分の食費と光熱費を捻出し、保険に加入し、高額化する教育費にお金をかけ続ける毎日では、自分の好きな服や趣味に回すお金はごくわずかになるでしょうし、貯蓄や投資などの余裕はほとんどないかもしれません。 つまり、単に経済的観点から見れば、「結婚のメリット」は少しも高くないのです。そして、育った子が自分の面倒を見てくれるどころか、成人後もパラサイトされて生活の面倒を見続けるリスクと隣り合わせです。 女性の場合はどうでしょう。仮に年収500万円を稼ぐ女性がいた場合、男性とはまた少し事情が異なってきます。相手も同程度に稼ぐ男性と結婚すれば、年収はシンプルに2倍になり、いわゆるパワーカップル家庭として「経済的」にも「結婚のメリット」はあるかもしれません。ただ、子どもを持つとなると、男性とはまた別の問題が生じてきます。) 日本企業の大部分はいまだに、「働く男性+専業主婦の妻」という大前提で職場環境を維持しています。「女性活躍」「ジェンダー平等」といくら口では言ったとしても、日本の企業戦士たち(既婚男性)が毎日深夜まで働き長期のバカンスも取らずに出世を目指せるのは、家で家事全般をこなし、育児を担ってくれる伴侶の存在があるからなのです』、「単に経済的観点から見れば、「結婚のメリット」は少しも高くないのです。そして、育った子が自分の面倒を見てくれるどころか、成人後もパラサイトされて生活の面倒を見続けるリスクと隣り合わせです。 女性の場合はどうでしょう。仮に年収500万円を稼ぐ女性がいた場合、男性とはまた少し事情が異なってきます。相手も同程度に稼ぐ男性と結婚すれば、年収はシンプルに2倍になり、いわゆるパワーカップル家庭として「経済的」にも「結婚のメリット」はあるかもしれません。ただ、子どもを持つとなると、男性とはまた別の問題が生じてきます・・・日本の企業戦士たち(既婚男性)が毎日深夜まで働き長期のバカンスも取らずに出世を目指せるのは、家で家事全般をこなし、育児を担ってくれる伴侶の存在があるからなのです」、なるほど。
・『日本人が陥っている根本問題 「結婚のメリットって何?」 しかし、同じことを女性が目指したらどうなるでしょう。つまり朝から晩まで時間を気にせず働き、残業も厭わず、休日出勤もして、会社への貢献と、昇進と、自らの成長を全力で目指し続けたとしたら。 特に、課長クラスの「中間管理職」の状況はたいへんです。収入はそれほど増えないのに上に気を使い、部下に突き上げられ、休む暇もありません。日本でも、ワークライフバランスや育児休業などが言われていますが、それも、平社員まで。日本で女性管理職の割合が少ないのも、この中間管理職を会社が「働かせ放題」だからではないでしょうか。 現在の日本社会で、女性がキャリアの仕事と同時に数人の子育てをすることは不可能ではないかもしれませんが、相当の覚悟と労力とコストがかかってくるはずです。 男性が自分に代わって専業主夫をしてくれたり、完全に家事育児を折半できたり、子育てを頼める父母が近くにいたり、あるいは香港やシンガポールのように家事代行サービスをフルタイムでやってくれるメイドさんがいれば話は変わってきますが、仕事にフルコミットしてキャリアを目指しながらの「結婚・育児」の選択は、今の日本社会では至難の業であることは否めません。 「出世」か「子育て」か。残念ながら、多くの日本女性は、いまだこのレベルで足踏みをしているのが現状です。 では、非正規雇用者など低所得層はどうでしょう。年収250万円程度の男性が家庭を持ち、専業主婦と複数の子どもを養う。これも、現実的には厳しいケースです。 実際、妻も働きダブルインカムにならないことには、子どもを持つという選択ができない。となると、それ以前に「結婚」自体のハードルも高いままです』、「仕事にフルコミットしてキャリアを目指しながらの「結婚・育児」の選択は、今の日本社会では至難の業であることは否めません。 「出世」か「子育て」か。残念ながら、多くの日本女性は、いまだこのレベルで足踏みをしているのが現状です」、なるほど。
・『「結婚するメリットって何だっけ?」 結局のところ、こうした根本的な問いに、現代日本人は陥っているのではないでしょうか。 「結婚=イエのため」のものとして、有無を言わさず「万人がするもの」という縛りが解けた近代社会において、昭和時代までは「結婚=生活を豊かにするため」というメリットが存在しました。) 人口が増加して多くの家族がぎりぎりの生活をしていた時代には、実家に「パラサイト」したり、「引きこもり」をしたりもできません。どれほど収入が低くても「ひとりよりは結婚して二人」の方が、男女共により安定した生活を望めたのです』、「「結婚=イエのため」のものとして、有無を言わさず「万人がするもの」という縛りが解けた近代社会において、昭和時代までは「結婚=生活を豊かにするため」というメリットが存在しました。) 人口が増加して多くの家族がぎりぎりの生活をしていた時代には、実家に「パラサイト」したり、「引きこもり」をしたりもできません。どれほど収入が低くても「ひとりよりは結婚して二人」の方が、男女共により安定した生活を望めたのです」、その通りだ。
・『未婚男女8割は「いずれ結婚するつもり」それでもできない理由とは しかしながら今、「結婚しなくても、頼れる実家がある」若者にとって、「結婚」のメリットとは何でしょう。しかも「今貧しければ、将来も貧しいまま」が容易に想像できる社会で、どうして「結婚」をあえて望むでしょうか。 しかも、家庭を新たに築くことが将来にわたりさらに経済的なリスクを負うことが予想される今日の社会においては、ますます「結婚」のインセンティブは低下していくのです。 すると、こんな声も聞こえてきそうです。 結婚したくない人々に、『結婚』をむりやり勧めなくてもいいんじゃない?」 たとえ「未婚」だとしても、その状態に不満足なわけでもないんだろう、と。 ですが、ここに次のようなデータが存在するのです。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、18~34歳の未婚者に実施した調査です。それによると、男性未婚者の81.4%、女性未婚者の84.3%が、「いずれ結婚するつもり」と答えています(2021年実施)。 今なお「独身でいる理由」の最多は、「適当な相手にまだ巡り合わないから」(24~34歳の男女)であり、次いで多い理由が「結婚する必要性を感じないから」「結婚資金が足りないから」なのです。 つまり若年「未婚」者の8割以上が、実際は「結婚」を望んでいるのです。彼らは自ら未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているのです。この母数には既婚者が含まれていないので、結婚した同年齢の人数を加えれば、今でも9割以上の若者が結婚を望んだということになります。 「適当な相手」が見つかり、「結婚する必要性を実感」すれば、そして「結婚資金・生活資金が十分にあれば」、彼らはいつでも「結婚したい」のです。 でも、その状況がなかなか手に入らない。現在同居中の父母が面倒を見てくれる便利で安心な生活を放棄してでも「結婚したい」と思える相手に巡り合わないし、結婚してやっていけると確信が持てるような経済的基盤も得られない。だから結婚しない。それが、日本の「未婚社会」の実態です』、「若年「未婚」者の8割以上が、実際は「結婚」を望んでいるのです。彼らは自ら未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているのです。この母数には既婚者が含まれていないので、結婚した同年齢の人数を加えれば、今でも9割以上の若者が結婚を望んだということになります。 「適当な相手」が見つかり、「結婚する必要性を実感」すれば、そして「結婚資金・生活資金が十分にあれば」、彼らはいつでも「結婚したい」のです。 でも、その状況がなかなか手に入らない。現在同居中の父母が面倒を見てくれる便利で安心な生活を放棄してでも「結婚したい」と思える相手に巡り合わないし、結婚してやっていけると確信が持てるような経済的基盤も得られない。だから結婚しない。それが、日本の「未婚社会」の実態です」、その通りだ。
次に、6月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した社会学者の大森美佐氏による「「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/344598
・『好きな人に「告白」するのは恥ずかしくて勇気がいること。しかし、実は「告白」してから交際するというのは日本特有の文化で、欧米圏では自然と交際が始まるケースが多いという。告白をして恋人同士になり、デート、手をつなぐ、キス……という「恋愛の順序」にわれわれがこだわってしまうのは、なぜなのか?本稿は、大森美佐『恋愛ってなんだろう?(中学生の質問箱)』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです』、「「告白」してから交際するというのは日本特有の文化で、欧米圏では自然と交際が始まるケースが多いという」、初めて知った。ただ、イタリアでの恋人に向けてのセレナーデは明らかな「告白」だ。
・『「告白」を大事にするのは実は日本特有の文化 Q:私はしたことがないんだけど、告白って、すごく勇気がいることだよね。友だちが「告白する!」って決心している姿をみると、すごいなあって思う。 A:相手の気持ちをたしかめることになりますから、とても緊張しますよね。 Q:うん。フラれちゃって、友だちのころのように話せなくなったら嫌だし……。でも、告白をしないと付き合えないんでしょ? A:付き合うには、告白がマストというわけではありません。実は「告白」を大事にするのは、日本特有の文化なんだそうです。フランスやアメリカなど欧米圏では告白をしないことがほとんどで、はっきりと告白をしなくても自然と恋人関係が始まるケースが多いと聞いたことがあります。日本で告白を大事にする文化があるのは、規範、つまり恋愛における「暗黙のルール」のようなものがあるからだと思います。告白してOKしてもらったら恋人になれる、恋人になったら手をつないだり、休みの日に会えたりする、といった共通のルールがなんとなくありますよね。 Q:たしかにそうかも。付き合ったら、いっぱい連絡をとりあって、毎日一緒に帰るとかね。 そして、恋愛において相手と親密な関係になっていくには、ステップ、つまり「恋愛の順序」があると言われています。相手に好意を抱いて付き合いたいと思ったら、告白をして、恋人になって、デートをして、キスをしたり手をつないだり触れ合いができるようになって、性交をする。私が調査をしていた中で感じたのは、日本人はそうした恋愛の順序をきちんと守って、その通りに恋愛を進めていきたいと考えている人が多いということです。なので、「告白」は恋人関係になりたいのなら、絶対に通らなければならない儀式だと考えられているのではないでしょうか。) Q:うん。付き合いたいと思ったら、まずは告白ってイメージがあるもん。 A:そうですよね。異性愛にかぎった話をすると、みなさんの祖父母世代は異性どうしの友情関係がいまとくらべて少なかったので、男の子と女の子が毎日一緒にいると、告白をしなくても自然と互いを特別な関係だと感じ、周りからも「付き合っているのかな」と言われることがあったと言います。ですが、男女共学が増え、異性どうしの交流が盛んになってきたことで、男女ふたりでいても特別なものではなくなってきています。 Q:趣味が合う男の子の友だちと、ときどき一緒に帰るよ。 A:だからこそ、友情と恋愛を区別するために「告白」をすることが、より重要な意味をもつようになってきました。私がおこなった調査では、友だち関係から恋人になる人が増えているようです。なので「友人モードから恋人モードへの切り替え」のために、「告白」をすることがマストだと考えているようでした』、「相手に好意を抱いて付き合いたいと思ったら、告白をして、恋人になって、デートをして、キスをしたり手をつないだり触れ合いができるようになって、性交をする。私が調査をしていた中で感じたのは、日本人はそうした恋愛の順序をきちんと守って、その通りに恋愛を進めていきたいと考えている人が多いということです。なので、「告白」は恋人関係になりたいのなら、絶対に通らなければならない儀式だと考えられているのではないでしょうか」、なるほど。
・『恋人と友だち関係の「大きな違い」とは? Q:友だちとの会話で、「好きな人がいる」って話になると、かならず「告白しなよー」って周りが盛り上げるんだよね。好きな人ができたら、告白しなきゃいけないのかな? A:告白しなきゃいけない、なんてことはないですよ。恋愛に限らず、何事も、自分の気持ちがいちばん大切です。みなさんは、恋人と友だち関係の大きな違いはなんだと思いますか? Q:えー、なんだろう。恋人は手をつないだり、友だちよりもいっぱい連絡とったりするとかかな? もちろん、これも人によって考え方はさまざまですが、一般的によく言われるのは、恋人どうしになったら、キスや手をつなぐなど親密な触れ合いをするようになる、ということです。あとはデートをしたり毎日一緒に登下校したり、ほかの人と異なる特別な関係を望むのなら、告白は関係をはっきりさせるためにいい方法の一つだと思います。でも、ときどき一緒に帰れるだけでも楽しくて、いまの関係に満足しているのなら、無理に告白をする必要はないのかなと思います。 もう一度言いますが、みなさんの気持ちがいちばん大切です。あと、ひとりの時間が好きだったり、友だちとわいわいする時間が楽しかったりして、恋人はいなくても満足している人もいますよね。 Q:その気持ち、すっごくわかる!私は友だちとの時間もひとりの時間も好きだから、付き合って恋人に自分の時間を奪われちゃうのが嫌だ。いつでも相手に合わせて行動しなきゃいけないのかな、連絡もすぐに返さなきゃいけないのかなと思うと、私も「ちょっとめんどくさい派」なのかも。 A:恋人と友だちの中間のような「〇〇フレ」が増えているのも、それぞれにとって心地よい関係性を考えた結果かもしれませんね。ただ、時間が経つにつれて、たとえば嫉妬のような気持ちを抱いたり、相手への想いが変わって「付き合いたい」と思うようになったりするかもしれないので、必ずしも「この人は友だち」「この人は恋人」と、ひとつの関係にずっとしばられなくてもいいと思いますよ。 Q:気がついたら友だちを好きになってたってこと? A:友だちどうしの関係性も、変わっていきますからね。そのときどきで、自分が好きな人と「どういう関係になりたいのか」を考えて、自分で納得した答えを出せるといいですね』、「時間が経つにつれて、たとえば嫉妬のような気持ちを抱いたり、相手への想いが変わって「付き合いたい」と思うようになったりするかもしれないので、必ずしも「この人は友だち」「この人は恋人」と、ひとつの関係にずっとしばられなくてもいいと思いますよ、なるほど。
・『付き合っていても触れ合いたくない人もいる Q:どういう関係になりたいか……。前に、友だちが告白をしたら、相手から「付き合うってなにをするの?」って聞かれたんだって。 A:なるほど。面白い質問ですね。それを聞かれた人は、なんと答えたのでしょう? Q:「たしかに……」って、そこからなにも言えなかったって。それを聞いて、私もわからなかった。だから先生に聞きたかったの。付き合ったら、具体的になにするの? A:多くの人は「親密な触れ合いができるようになること」を想像していると思います。親密な触れ合いというのは、手をつないだりキスをしたり、触れ合いができる間柄になるということ。ですが、付き合ってなにをするのかは、カップルそれぞれで話し合って決めることなので、いちがいには言えません。人によっては「一緒にいたいけれど、触れ合いは嫌だ」という人もいます。 Q:付き合いたいのに、触れ合うのは嫌な人もいるんだね?) めずらしく感じるかもしれませんが、おかしい感情ではまったくないですよ。人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません。 Q:付き合っているんだから、そういうことをするのが当たり前だと思ってた。 そう考えている人も多いと思いますが、実は違うんです。付き合っていても、相手の身体は相手のもの。じっくり話をして、ゆっくりふたりで過ごす時間も、とても愛おしく感じませんか? Q:でもさ、マンガやドラマだと順序なんてすっ飛ばして、とつぜんキスするシーンがけっこうあるよ。 でも、実際の人間関係で想像してみてください。とつぜんクラスメイトにキスをされたり、手をつながれたりしたらびっくりしませんか?好きでもない相手にキスされたら、ショックを受けないでしょうか。 Q:そうかも……。 マンガでは「胸キュン」なシーンとして描かれますが、同意なくとつぜん相手に触れることは、非常に怖い状況だと思います。 Q:それでいうと「壁ドン」とかも怖いかも。なにされるかわかんないし。 ここでみなさんに思い出してほしいのが、恋愛とは「コミュニケーション」という話です。相手の気持ちを尊重して、そのつどお互いに考えていることを確認しながら、関係を深めていく。そういう意味で、「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません。 Q:相手と気持ちをそろえるかあ……。まだうまく想像できてないかも。 友だちどうしでもかまわないので、まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか』、「人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません・・・「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません・・・まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか」、これなら無難だ。
第三に、10月5日付けYahooニュースが転載したコクハク「作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」」を紹介しよう。
https://article.yahoo.co.jp/detail/c6e5aad4176ee2eecba3b8735a7b72c81379221e
・『朝スマホを開くと「またか」と思うくらい、1年に何度も芸能人の不倫ニュースを見かける。いくら有名人とはいえ、特に当人と面識がないにも関わらずここまで不倫が世間的に断罪されるようになったのは、「センテンススプリング」(注)という言葉が世に浸透した頃だろうか』、興味深そうだ。
(注)「センテンススプリング」:発端は週刊文春が3週に渡りゲスの極み乙女。の川谷絵音とタレントのベッキー♪#が不倫している、とのスキャンダル記事を連載したこと(ピクシブ百科事典)
・『それはセンテンススプリングから始まった 本屋に行っても、9時台のゴールデンタイムにテレビをつけても、不倫を題材にした漫画やドラマは珍しくない。時折、純文学のような美しい不倫や、愛の多様性を考えさせられるエンタメを目にすることもあるが、その多くはリアルでおどろおどろしい、報復を目的にした作品ばかりだ。結婚していてもしていなくても、不倫問題を身近に感じる人は増えているのではないだろうか。 9月24日に作家の鈴木涼美氏が出版した書籍『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)では、現代の不倫が客観的に考察されている。 今回は著者である鈴木氏と一緒に、未婚女性・既婚女性問わず広がっている「不倫リスク」を再考していく』、興味深そうだ。
・『未婚でも「不倫リスク」は隣り合わせ 鈴木涼美氏は慶應義塾大学を卒業後、東大の大学院修士課程を経て大手経済新聞社に就職し、退職後に作家としての活動を始めた異色の経歴を持つ。学生時代はセクシー女優として活動していたことも明かしており、作家となってからも夜の街や、性愛に関する発信を積極的に行ってきた印象がある。 しかし今春、40歳となった鈴木氏はSNSで現役ホストとの結婚を電撃報告。そんな彼女がなぜ今、不倫をテーマに一冊の本にまとめたのか。 「私自身はもともと結婚に興味がありませんでしたし、『不倫論』の執筆中は未婚だったわけですが、なぜか近年、不倫に関するコラム執筆の依頼がかなり増えていて、結果、不倫について考える時間が長かったことが大きいですね。それに、身近な人間の不倫話を聞くことも多く、私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました。40年も未婚だった私でも、不倫とまったくの無関係とは言えなかったのです」』、「私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました」、マスコミで活躍するエース女性記者なら、さもありなんだ。
・『不倫が世の中からなくなることはない 確かに、不倫という行為は都会だとか田舎だとか、場所を選ばず日本のそこらじゅうで起きている。それも面識のある人間が当事者でなくても、SNSで夫の不倫を暴露する匿名の「サレ妻」アカウントなど、自分とは全く違う環境で起きているリアルな不倫を数多目にもする。未婚・既婚問わず、いつどこでかかってもおかしくない風邪ほどに身近だ。 「不倫が世の中からなくなることはないと思いますが、結婚制度はもっと早く廃れるんじゃないか、とは考えていました。女性の社会進出が進み、経済的自立が確立されるようになれば、結婚という制度を利用しなくなる女性が増えると思っていたのですが、2024年になってみても、結婚が廃れる気配はありません。 もちろん、不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」』、「不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」、なるほど。
・『気がついたら巻き込まれているもの 『不倫論』では結婚制度の限界についても、深く考察している。日本はもともと1898年まで一夫多妻制で、愛人を二親等と認める妾制度も認められていた。急激な西洋化でキリスト教ベースの貞操観念や人権思想などが流入し、一夫多妻制は廃止され、現在のような一夫一婦制となってから、まだ数百年と経っていない。 「私個人は、愛憎にまみれた不倫の経験はないですし、特に不倫を否定してもいません。ただ、世間の過剰反応には毎回驚いています。不倫って、気づいたら巻き込まれているものだと思うんですよ。始めようと思って始める人ばかりでもないですし、好きになった人から既婚の事実を隠されている場合だってあるわけです。 あるいは、世論に流されて不倫を批判していたのに、いつのまにか自分が不倫の当事者になっていることもある。それに恋愛経験がない人ほど不倫にハマりやすい話もありますし、渦中にいる時は、どれだけのものを失いかねないかが見えなくなってしまう。女として生きているだけで、誰もが不倫のリスクを常に頭の片隅に置くべきではないでしょうか」 不倫、と一口に言ってもケースは色々だ。女性のみが既婚のケースもあれば、男性のみが既婚のケースもある。相手が既婚者だと分かっていて不倫するぶんには自覚的だが、たまたま好きな男が既婚者だったことを後から知った場合、女はある種の被害者とも見える。 前述のサレ妻アカウントのように、結婚しているパートナーが不倫していれば、自分も結局当事者となる。気をつけているだけでは、不倫と無縁の人生を送れるとも限らないわけだ』、「サレ妻アカウントのように、結婚しているパートナーが不倫していれば、自分も結局当事者となる。気をつけているだけでは、不倫と無縁の人生を送れるとも限らないわけだ」、なるほど。
・『言葉とともにカジュアル化する不倫「向いていない女性像」も 加えて昨今、ネットを賑わせたYouTuberの発言によって「女性もセカンドパートナーを持ってもいい」という思考も急激に広まっており、今後は「既婚女性側の不倫」がカジュアル化していくのではないか…とも考えられる。 「日本語って便利ですよね。売春という言葉を、援助交際とかパパ活とか言い換えれば、なぜかカジュアルに聞こえてしまう。浮気や不倫が他の言葉に言い換えられてこなかったのは、世の中にそこまで悪いことという認識がなかったからかもしれません。 結婚制度は私が思っていたほど廃れませんでしたが、女性の生殖リミットが驚くほど伸びたわけではない。もっとも、平均寿命は順調に伸び、結婚50周年の金婚式、60周年のダイヤモンド婚式、70周年のプラチナ婚式なんて言葉も生まれたぐらいです。 60歳を待たずに寿命を迎えていた時代と比べたら、離婚がカジュアルになるのか、不倫がカジュアルになるのか、どっちかしかない…そう考えると、ある意味自然な流れではありますよね」 鈴木氏が話すように、日本の婚姻率は世間が心配していたほど下がっていない。コロナ中も婚姻数はほぼほぼ横ばいで、コロナが明けてからは結婚式を行うカップルも増えてきている。「子を持つ」という未来を見据える以上、女性にとっても未だ結婚は「せざるを得ないもの」と認識され続けている。 「共働き世帯も増えていて、女性も社会に出続けるし、出会いがありますよね。昔ほど、夫との関係も固定化しづらくなってきている。女性にとっての不倫は、今後も今以上に身近なものになっていくと思いますよ」』、「共働き世帯も増えていて、女性も社会に出続けるし、出会いがありますよね。昔ほど、夫との関係も固定化しづらくなってきている。女性にとっての不倫は、今後も今以上に身近なものになっていくと思いますよ」、なるほど。
・『泥沼化しやすい不倫とは? 『不倫論』では、文学作品や映画の中で過去様々に描かれてきた「不倫のありよう」についても語られている。不倫は、作品によって儚く美しい純愛として描かれることもあるし、現実問題としても隣の芝は青く見えるという言葉の通り、他人のものだからこそ美しく見える場合もある。しかし、鈴木氏は「不倫に向いていない女性もいる」と注意喚起をする。 「未婚女性から見た場合の不倫の残酷さは、自分で終止符を打たないと終わりづらい。既婚男性は余暇の遊びとして不倫をしているわけで、別れる必要性も感じない。ホストの色恋営業にも似ているかなと思います。 相手からしたらメリットだらけの関係は、別れを切り出しても簡単に終わらない場合があります。辞め時のタイミングで存在を消せるくらいの決断力がない女性にとっては、不倫は純愛の搾取となってしまう場合がありますね」』、「「未婚女性から見た場合の不倫の残酷さは、自分で終止符を打たないと終わりづらい。既婚男性は余暇の遊びとして不倫をしているわけで、別れる必要性も感じない。ホストの色恋営業にも似ているかなと思います。 相手からしたらメリットだらけの関係は、別れを切り出しても簡単に終わらない場合があります。辞め時のタイミングで存在を消せるくらいの決断力がない女性にとっては、不倫は純愛の搾取となってしまう場合がありますね」、ずいぶん深い考察だ。
・『未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化 鈴木氏によれば、既婚女性×男性の不倫よりも、未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化しやすいという。未婚女性から漏れ聞く不倫が悲恋ばかりなのは、既婚男性との立場のアンバランスさも大きいのかもしれない。関係を続けることにメリットしかないなら、口説き文句もいくらでも出るというものなのだろう。 インタビューの後編では鈴木氏自身の結婚観についても伺っていく。30代を「選択的未婚」として過ごしてきた鈴木氏の現在の心境を聞いてみると、意外な本心も見えてきた。 【後編へつづく:「日本のセックスレス」は文化の問題。不倫は悪なのか?】』、「未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化しやすいという。未婚女性から漏れ聞く不倫が悲恋ばかりなのは、既婚男性との立場のアンバランスさも大きいのかもしれない。関係を続けることにメリットしかないなら、口説き文句もいくらでも出るというものなのだろう」、なるほど。
第四に、この続きを、10月5日付けYahooニュースが転載したコクハク「不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?」を紹介しよう。
https://article.yahoo.co.jp/detail/f770e998b7e202535794b5e327cadb96f087aab3
・『『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)を刊行した作家・鈴木涼美氏とともに、現代女性における「不倫リスクの増加」について考察した前編記事。
・『「日本のセックスレス」は文化の問題。不倫は悪なのか? 後半は、不倫を考えるにおいて欠かせない「夫婦のセックスレス問題」をはじめ、結婚願望がなかったという鈴木氏が結婚を経て、生活や価値観にどんな変化があったのかも掘り下げていく。すると、本の中では語られていなかった鈴木氏自身の「結婚観」も見えてきた。 夫婦のセックスレス問題は、世間で見聞きする不倫のほとんどに関係していると言っても過言ではない。不倫が題材となったエンタメ作品や、ネットで見かける当事者の不倫告発も、決まって夫婦間はセックスレスであるという事実がセットだ。 「もともと西洋化する前の日本は、カップルよりも家族というユニットを大切に考えてきましたし、今もその価値観は残っているでしょう。家族だからこそ性的な目で見づらいとか、夫婦間にセックスがなくとも、不倫があるからこそ家族関係は継続できているという考え方もありますよね。 日本の生涯セックス回数は世界でも最低レベルだと言われ、愛し合う情熱を維持していく意思は強くない。そもそも一つ屋根の下で暮らしながら性関係を維持するなんて、工夫がないと成り立たないものだと思っています」
・『義務教育では教えてくれない 日本の結婚制度のアンビバレンスは、西洋から急激に流れ込んできたキリスト的純愛文化と、この国古来からの家族制度とのブレによるものも大きい、と鈴木氏。確かに、不倫というワードを掘り下げて考えていくと日本に今ある「一夫一妻」の結婚制度や、家族愛と恋愛を分けて考えがちな国民性にも目を向けざるを得ない。 「その割に、義務教育で結婚にまつわるノウハウなんて教えてくれませんよね? 西洋風のラブラブな夫婦像を目指したいのか、日本古来の盤石な家族像を築いていければいいのか、本来なら、当事者同士が結婚前にもっとしっかり話し合うべきなのかもしれません」』、「日本の結婚制度のアンビバレンスは、西洋から急激に流れ込んできたキリスト的純愛文化と、この国古来からの家族制度とのブレによるものも大きい・・・本来なら、当事者同士が結婚前にもっとしっかり話し合うべきなのかもしれません」、なるほど。
・『AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女 周囲に配慮し合う文化が強い日本では、交際相手とですら深い意味で結婚観を話し合うことは簡単ではないのかもしれない。結婚した後のことも2人の関係のことも、未だ結婚に至っていないカップルにとってはかなりセンシティブだ。 「少し主語が大きいかもしれませんが、日本のカップルの多くは、AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女です。どちらにも希望という名の妄想や思い込みがあるので、最初から意見がぴたりと合うわけがない。 文化や思想、価値観の違う男女が家族としてうまくやっていくためには、恋愛感情を外注するのか。それともキリスト教的な純愛を貫くために、お互い切磋琢磨するのか…。はじめから考え方が似ている人と結婚できれば、不倫がきっかけで離婚することはなくなるかもしれませんよね」 コミュニケーションを怠れば、最悪の場合、不倫がきっかけとなって、離婚も含めた将来のすり合わせを行うことになるかもしれない。夫婦にとっては避ける方が難しい不倫やセックスレスで心身を疲弊させないためには、まずは自身が目指す結婚像を明確にして、先に話し合っておくしかない。 ▽「結婚と不倫」に向き合い続けた鈴木涼美の結婚観(しかし実際、3月に結婚したばかりの鈴木氏も、パートナーとあまり深い話し合いをしないままに結婚に至った。 「私の場合は先に妊娠したことが分かって、自分は子育てが得意じゃないだろうし、手伝ってくれる人を見つけないとと思って付き合ってすぐに結婚しました。こんな本を書いているわりに、自分の結婚観が醸成されないままに籍を入れてしまったんですよね」 妊娠が発覚する前は結婚に興味がなかったという。妊娠が先だったとはいえ、結婚に対して不安や迷いはなかったのだろうか。 「35歳くらいまでは、結婚にかなり抵抗感がありました。1人の人生で自分を満たせているのに、結婚したら自由を制限することになるし、子育てにも興味がありませんでした」』、「AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女」とは面白い比喩だ。「日本のカップルの多くは、AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女です。どちらにも希望という名の妄想や思い込みがあるので、最初から意見がぴたりと合うわけがない。 文化や思想、価値観の違う男女が家族としてうまくやっていくためには、恋愛感情を外注するのか。それともキリスト教的な純愛を貫くために、お互い切磋琢磨するのか…。はじめから考え方が似ている人と結婚できれば、不倫がきっかけで離婚することはなくなるかもしれませんよね」、なるほど。
・『独身の醍醐味も味わい尽くした とはいえ100%独身でいい、とも決めきれていなかったとも話す。選択的未婚のつもりで独身を貫いていても、法的な制度があるわけではなく、時と場合によっていつでも結婚することができる。だからこそ、タイミング次第で気持ちは揺らぐものだ。 「38歳を過ぎた頃あたりから、制限のない生活に飽き始めた自分もいました。10年後はクラブで遊んでいないかもしれないし、独身の醍醐味も味わい尽くした感覚があったんです。だからまあ、妊娠が分かった時にチャレンジしてみてもいいのかな、とポジティブに考えられましたね。 それにもし結婚生活がうまくいかなかったとしても、40歳未婚よりは40歳バツイチの方がいいんじゃないかという思いもありました。正直、どんな結婚生活を送りたいとか、具体的なことはあまり考えないままに結婚してしまいましたが、生まれてくる子どものために服を選ぶのも、案外楽しかったり。若い頃、自分のためにギャル服を選んでいた時と同じくらい楽しめるとは思ってもいませんでした」』、「10年後はクラブで遊んでいないかもしれないし、独身の醍醐味も味わい尽くした感覚があったんです。だからまあ、妊娠が分かった時にチャレンジしてみてもいいのかな、とポジティブに考えられましたね。 それにもし結婚生活がうまくいかなかったとしても、40歳未婚よりは40歳バツイチの方がいいんじゃないかという思いもありました。正直、どんな結婚生活を送りたいとか、具体的なことはあまり考えないままに結婚してしまいましたが、生まれてくる子どものために服を選ぶのも、案外楽しかったり。若い頃、自分のためにギャル服を選んでいた時と同じくらい楽しめるとは思ってもいませんでした」」、なるほど。
・『未婚既婚問わず、未来は分からない 『不倫論』の中で現代の結婚制度の限界に言及しながらも、出版前に結婚を発表することになった自らの人生について「数奇なものですよね」と笑う鈴木氏。改めて、不倫や離婚と隣合わせではありながらも、この時代に結婚する意義を聞いてみた。 「日本は海外と比べてもシングルマザー手当が手厚いとは言えないので、子どもを持ちたいのであればやはり、結婚ってアリだよねと考える人は多いのではないでしょうか。私自身、結婚してみて、何でも相談できる相手がすぐそばにいてくれるのは心強いなと感じています。 今の日本の結婚制度に、歪みやたわみがあるのは確かなのだろう。それでも、結婚する未来を選択し、子どもを生んでいく夫婦もたくさんいる。不倫や離婚のない結婚生活は、夫婦がお互いの価値観をすり合わせたり、時に諦めたりしないと成り立たないものなのかもしれない。 「未婚だろうが既婚だろうが、未来がどうなるのか分からないのは同じ。結婚して不倫せずに済んでも、パートナーと早めに死別するかもしれない。未婚のまま過ごしても、いつか既婚男性を好きになるかもしれない。それなら今が楽しい方がいい。そのぐらいラフな考えでもいいのではないでしょうか」』、「未婚だろうが既婚だろうが、未来がどうなるのか分からないのは同じ。結婚して不倫せずに済んでも、パートナーと早めに死別するかもしれない。未婚のまま過ごしても、いつか既婚男性を好きになるかもしれない。それなら今が楽しい方がいい。そのぐらいラフな考えでもいいのではないでしょうか」、ずいぶん達観したものだ。
タグ:「未婚女性×男性の不倫の方が泥沼化しやすいという。未婚女性から漏れ聞く不倫が悲恋ばかりなのは、既婚男性との立場のアンバランスさも大きいのかもしれない。関係を続けることにメリットしかないなら、口説き文句もいくらでも出るというものなのだろう」、なるほど。 「私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました」、マスコミで活躍するエース女性記者なら、さもありなんだ。 大森美佐氏による「「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ」 ・日本の企業戦士たち(既婚男性)が毎日深夜まで働き長期のバカンスも取らずに出世を目指せるのは、家で家事全般をこなし、育児を担ってくれる伴侶の存在があるからなのです」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン 「10年後はクラブで遊んでいないかもしれないし、独身の醍醐味も味わい尽くした感覚があったんです。だからまあ、妊娠が分かった時にチャレンジしてみてもいいのかな、とポジティブに考えられましたね。 それにもし結婚生活がうまくいかなかったとしても、40歳未婚よりは40歳バツイチの方がいいんじゃないかという思いもありました。正直、どんな結婚生活を送りたいとか、具体的なことはあまり考えないままに結婚してしまいましたが、生まれてくる子どものために服を選ぶのも、案外楽しかったり。若い頃、自分のためにギャル服を選んでいた時 るほど。 「AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女」とは面白い比喩だ。「日本のカップルの多くは、AVでセックスを覚えた男と、少女漫画で恋愛を覚えた女です。どちらにも希望という名の妄想や思い込みがあるので、最初から意見がぴたりと合うわけがない。 文化や思想、価値観の違う男女が家族としてうまくやっていくためには、恋愛感情を外注するのか。それともキリスト教的な純愛を貫くために、お互い切磋琢磨するのか…。はじめから考え方が似ている人と結婚できれば、不倫がきっかけで離婚することはなくなるかもしれませんよね」、な 「日本の結婚制度のアンビバレンスは、西洋から急激に流れ込んできたキリスト的純愛文化と、この国古来からの家族制度とのブレによるものも大きい・・・本来なら、当事者同士が結婚前にもっとしっかり話し合うべきなのかもしれません」、なるほど。 yahooニュース まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか」、これなら無難だ。 「人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません・・・「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません・・・ 「時間が経つにつれて、たとえば嫉妬のような気持ちを抱いたり、相手への想いが変わって「付き合いたい」と思うようになったりするかもしれないので、必ずしも「この人は友だち」「この人は恋人」と、ひとつの関係にずっとしばられなくてもいいと思いますよ、なるほど。 「相手に好意を抱いて付き合いたいと思ったら、告白をして、恋人になって、デートをして、キスをしたり手をつないだり触れ合いができるようになって、性交をする。私が調査をしていた中で感じたのは、日本人はそうした恋愛の順序をきちんと守って、その通りに恋愛を進めていきたいと考えている人が多いということです。なので、「告白」は恋人関係になりたいのなら、絶対に通らなければならない儀式だと考えられているのではないでしょうか」、なるほど。 (注)「センテンススプリング」:発端は週刊文春が3週に渡りゲスの極み乙女。の川谷絵音とタレントのベッキー♪#が不倫している、とのスキャンダル記事を連載したこと(ピクシブ百科事典) コクハク「作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」」 「もともと西洋化する前の日本は、カップルよりも家族というユニットを大切に考えてきましたし、今もその価値観は残っているでしょう。家族だからこそ性的な目で見づらいとか、夫婦間にセックスがなくとも、不倫があるからこそ家族関係は継続できているという考え方もありますよね。 日本の生涯セックス回数は世界でも最低レベルだと言われ、愛し合う情熱を維持していく意思は強くない。そもそも一つ屋根の下で暮らしながら性関係を維持するなんて、工夫がないと成り立たないものだと思っています」 『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)を刊行した作家・鈴木涼美氏 コクハク「不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?」 「仕事にフルコミットしてキャリアを目指しながらの「結婚・育児」の選択は、今の日本社会では至難の業であることは否めません。 「出世」か「子育て」か。残念ながら、多くの日本女性は、いまだこのレベルで足踏みをしているのが現状です」、なるほど。 でも、その状況がなかなか手に入らない。現在同居中の父母が面倒を見てくれる便利で安心な生活を放棄してでも「結婚したい」と思える相手に巡り合わないし、結婚してやっていけると確信が持てるような経済的基盤も得られない。だから結婚しない。それが、日本の「未婚社会」の実態です」、その通りだ。 「「未婚女性から見た場合の不倫の残酷さは、自分で終止符を打たないと終わりづらい。既婚男性は余暇の遊びとして不倫をしているわけで、別れる必要性も感じない。ホストの色恋営業にも似ているかなと思います。 相手からしたらメリットだらけの関係は、別れを切り出しても簡単に終わらない場合があります。辞め時のタイミングで存在を消せるくらいの決断力がない女性にとっては、不倫は純愛の搾取となってしまう場合がありますね」、ずいぶん深い考察だ。 「共働き世帯も増えていて、女性も社会に出続けるし、出会いがありますよね。昔ほど、夫との関係も固定化しづらくなってきている。女性にとっての不倫は、今後も今以上に身近なものになっていくと思いますよ」、なるほど。 「サレ妻アカウントのように、結婚しているパートナーが不倫していれば、自分も結局当事者となる。気をつけているだけでは、不倫と無縁の人生を送れるとも限らないわけだ」、なるほど。 「不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」、なるほど。 「若年「未婚」者の8割以上が、実際は「結婚」を望んでいるのです。彼らは自ら未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているのです。この母数には既婚者が含まれていないので、結婚した同年齢の人数を加えれば、今でも9割以上の若者が結婚を望んだということになります。 「適当な相手」が見つかり、「結婚する必要性を実感」すれば、そして「結婚資金・生活資金が十分にあれば」、彼らはいつでも「結婚したい」のです。 「「結婚=イエのため」のものとして、有無を言わさず「万人がするもの」という縛りが解けた近代社会において、昭和時代までは「結婚=生活を豊かにするため」というメリットが存在しました。) 人口が増加して多くの家族がぎりぎりの生活をしていた時代には、実家に「パラサイト」したり、「引きこもり」をしたりもできません。どれほど収入が低くても「ひとりよりは結婚して二人」の方が、男女共により安定した生活を望めたのです」、その通りだ。 (その8)(「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ、「好きな人に告白」は日本特有の「恋愛の順序」だった!?欧米と異なる“文化”が根付いたワケ、作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」、不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?) 恋愛・結婚 「未婚だろうが既婚だろうが、未来がどうなるのか分からないのは同じ。結婚して不倫せずに済んでも、パートナーと早めに死別するかもしれない。未婚のまま過ごしても、いつか既婚男性を好きになるかもしれない。それなら今が楽しい方がいい。そのぐらいラフな考えでもいいのではないでしょうか」、ずいぶん達観したものだ。 と同じくらい楽しめるとは思ってもいませんでした」」、なるほど。 『パラサイト難婚社会』(朝日新書、朝日新聞出版) 山田昌弘氏による「「若者の結婚離れ」は大ウソ!未婚男女の8割超が「いずれ結婚するつもり」なのにできないワケ」 「単に経済的観点から見れば、「結婚のメリット」は少しも高くないのです。そして、育った子が自分の面倒を見てくれるどころか、成人後もパラサイトされて生活の面倒を見続けるリスクと隣り合わせです。 女性の場合はどうでしょう。仮に年収500万円を稼ぐ女性がいた場合、男性とはまた少し事情が異なってきます。相手も同程度に稼ぐ男性と結婚すれば、年収はシンプルに2倍になり、いわゆるパワーカップル家庭として「経済的」にも「結婚のメリット」はあるかもしれません。ただ、子どもを持つとなると、男性とはまた別の問題が生じてきます・・ 「「告白」してから交際するというのは日本特有の文化で、欧米圏では自然と交際が始まるケースが多いという」、初めて知った。ただ、イタリアでの恋人に向けてのセレナーデは明らかな「告白」だ。