地方自治体(その2)(81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている、「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」、「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由) [国内政治]
地方自治体については、昨年2月7日に取上げた。今日は、(その2)(81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている、「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」、「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由)である。
先ずは、昨年3月14日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/67404
・『「無投票どころか、定員割れもあり得る」 2023年は市町村や都道府県などで首長や議会の選挙が行われる「統一地方選挙」の年である。選挙と言えば、首長や議員になりたい多くの候補者から議員定数の人数だけを選ぶために行うのだが、このところ全国各地で異変が起きている。候補者が定員を超えずに「無投票」で当選者が決まるケースが相次いでいるのだ。 大分県南東部にある津久見市。江戸時代から続く石灰石鉱山の町も、そんな自治体のひとつだ。ご多分に漏れず人口減少が続き、今や1万5896人となった。 「今回も無投票になるのだろうか」。市民は顔を合わせると、そう小声で話す。4月23日に予定される市議会議員選挙に立候補者が集まるのかが懸念されているのだ。 というのも前々回の2015年と前回の2019年は定員14に対して立候補者14人と、2回連続で無投票になった。今回は、その定員を12に減らしたのだが、それでも懸念は消えない。「無投票どころか、定員割れもあり得ます。市議会議員のなり手がいないのです」と地元の有力者はつぶやく』、「このところ全国各地で異変が起きている。候補者が定員を超えずに「無投票」で当選者が決まるケースが相次いでいるのだ・・・前々回の2015年と前回の2019年は定員14に対して立候補者14人と、2回連続で無投票になった。今回は、その定員を12に減らしたのだが、それでも懸念は消えない。「無投票どころか、定員割れもあり得ます。市議会議員のなり手がいないのです」と地元の有力者はつぶやく」、なるほど。
・『「おいしいポスト」の時代は終わった 2022年以降だけでも、奥州市、宇城市、常陸大宮市、知立市、美濃加茂市、瑞浪市などの市議会議員選挙が無投票となった。町村の議会になるとさらに多い。 かつては、「無投票」と言えば、事前の候補者調整や、特定の有力者しか立候補できない暗黙の了解があるケースがほとんどだった。時には立候補調整に金銭授受が発覚、事件化することすらあった。議員は地域の名士たちが代々就く「家業」で、世間相場からすれば高い議員報酬のほか、公共事業に関する利権もある「おいしいポスト」だったのだ。 ところが、昨今の「無投票」の多くはまったく事情が違う。報酬は下がり、公共事業も激減して利権も消える中で、「うまみのないポスト」になったこともあるが、報酬の割には苦労の絶えない仕事になったという面も大きい。 というのも、自治体は今、山積する問題に直面している。少子化による人口減少で税収が減少、財政が悪化して老朽化した公共設備の更新もままならない。一方で高齢化に伴って福祉関連の予算は増える一方だ。かつてのように、議会が増える予算を分配すれば良い時代は議員も気楽だったが、足らない予算を分配しなければならない時代になって議員も苦しい立場に立たされるようになった。特に規模の小さい市町村の場合、議員はまったく魅力のない職業になりつつある』、「かつては、「無投票」と言えば、事前の候補者調整や、特定の有力者しか立候補できない暗黙の了解があるケースがほとんどだった。時には立候補調整に金銭授受が発覚、事件化することすらあった。議員は地域の名士たちが代々就く「家業」で、世間相場からすれば高い議員報酬のほか、公共事業に関する利権もある「おいしいポスト」だったのだ。 ところが、昨今の「無投票」の多くはまったく事情が違う。報酬は下がり、公共事業も激減して利権も消える中で、「うまみのないポスト」になったこともあるが、報酬の割には苦労の絶えない仕事になったという面も大きい。 というのも、自治体は今、山積する問題に直面している。少子化による人口減少で税収が減少、財政が悪化して老朽化した公共設備の更新もままならない。一方で高齢化に伴って福祉関連の予算は増える一方だ。かつてのように、議会が増える予算を分配すれば良い時代は議員も気楽だったが、足らない予算を分配しなければならない時代になって議員も苦しい立場に立たされるようになった。特に規模の小さい市町村の場合、議員はまったく魅力のない職業になりつつある」、なるほど。
・『全国815市の平均報酬額は42万3000円 例えば、全国市議会議長会が2022年8月にまとめた「市議会議員報酬に関する調査結果(令和3年12月31日現在)」によると、全国に815ある「市」の議員報酬の平均額は42万3000円。このほかに期末手当や政務調査費などが支給される。一見、高給取りのようにも見えるが、国会議員と違って秘書や事務員を雇えば自腹である。選挙のビラや印刷物などにも多額の費用がかかる。議員報酬も5万人未満の287の市だと平均は33万4000円。中には北海道夕張市のように月額18万円で、期末手当を合わせても年間461万円というところもある。 地方議会の議員の多くは兼業である。農家や建設業などが多いが、「最近は本業に力を入れたいので議員を辞めるという若手が増えた」と別の過疎地域の議会関係者は言う。 同じ全国市議会議長会がまとめた「市議会活動に関する実態調査(令和3年中)」によると、多くが年に4回の定例議会を開いており、年間平均の88.8日の会期が設定されている。最低、年間の4分の1は議会に拘束されるわけだ。しかも、議会は日中に開かれるのが一般的なので、本業に大きく支障をきたすことになる。そのため「専業」で議員をやっている人も少なくない』、「「市議会活動に関する実態調査(令和3年中)」によると、多くが年に4回の定例議会を開いており、年間平均の88.8日の会期が設定されている。最低、年間の4分の1は議会に拘束されるわけだ。しかも、議会は日中に開かれるのが一般的なので、本業に大きく支障をきたすことになる。そのため「専業」で議員をやっている人も少なくない」、なるほど。
・『「政治は男の役目」という認識が強い しかし、専業となれば、それなりの報酬がなければ生活が成り立たないし、議員としての体面も保てない。「議員報酬をもっと引き上げるべきだ」という声もあるが、財政が厳しさを増す中で、議員報酬の引き上げに賛成する住民は少ない。 2022年12月末。内閣府の地方制度調査会が答申をまとめ、岸田文雄首相に提出した。「多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申」と題したもので、「女性議員が少ない議会や議員の平均年齢が高い議会において無投票当選となる割合が高い傾向」にあるとして、女性や若手など多様な人材が議会活動に参画する必要性を強調している。 地方では今でも、高齢者層を中心に、政治は「男の役目」だという認識が強いところが多く、女性議員へのセクハラ行為やセクハラ発言もしばしばニュースに取り上げられるなど、各地で問題が表面化している。そうした「意識」や「環境」を変えて、女性の立候補を促進すべきだとしている』、「内閣府の地方制度調査会が答申」では、「女性議員が少ない議会や議員の平均年齢が高い議会において無投票当選となる割合が高い傾向」にあるとして、女性や若手など多様な人材が議会活動に参画する必要性を強調・・・地方では今でも、高齢者層を中心に、政治は「男の役目」だという認識が強いところが多く、女性議員へのセクハラ行為やセクハラ発言もしばしばニュースに取り上げられるなど、各地で問題が表面化している。そうした「意識」や「環境」を変えて、女性の立候補を促進すべきだとしている」、なるほど。
・『「家業」化した専業議員が牛耳っている 多様な人材の参画を求める具体策としては、「夜間・休日等の議会開催」や「通年会期制の活用による柔軟な会議日程の設定」などを掲げている。 もっとも前述の「実態調査」によると、2021年中に「休日議会」が開催されたのは山形県上山市や東京都国分寺市などの7議会7回だけ、夜間議会は大阪府大東市の1回だけだった。 欧州の地方議会では、本業を持った市民が議員となり夜間に議会を開催している例が多くある。コミュニティーに直結した問題を解決する議会には「専業」の議員ではなく住民自身が携わるべきだという考えも広く浸透している。そうしたフルタイムで働いている人が議員を兼務しようと思えば、議会の開会は休日や夜間ということになる。 そうした考え方は日本でもかなり前から紹介され、必要性が叫ばれているもの、「家業」化した専業議員が議会を牛耳っていることもあり、議会改革はほとんど進んでいないのが実情だ』、「2021年中に「休日議会」が開催されたのは山形県上山市や東京都国分寺市などの7議会7回だけ、夜間議会は大阪府大東市の1回だけだった。 欧州の地方議会では、本業を持った市民が議員となり夜間に議会を開催している例が多くある。コミュニティーに直結した問題を解決する議会には「専業」の議員ではなく住民自身が携わるべきだという考えも広く浸透している。そうしたフルタイムで働いている人が議員を兼務しようと思えば、議会の開会は休日や夜間ということになる。 そうした考え方は日本でもかなり前から紹介され、必要性が叫ばれているもの、「家業」化した専業議員が議会を牛耳っていることもあり、議会改革はほとんど進んでいないのが実情だ」、「「家業」化した専業議員が議会を牛耳っている」のは、議会改革のガンだ。
・『「パソコン持ち込み可」の市議会は19% 答申ではまた、企業に雇用されているビジネスパーソンなどが立候補するのが難しい現状を変えることが必要だとして、「就業規則において、立候補に伴う休暇制度を設けることや、議員との副業・兼業を可能とすること等について、各企業に要請していくことを検討すべきである」としている。 新型コロナウイルスの蔓延以降、世間ではオンライン会議が一般化しているが、議会にオンライン会議を導入しようという動きはほとんどない。小学校高学年にはタブレット端末が全員分支給されている一方で、市議会でタブレット端末を導入しているのは815市のうち423市で52%に満たない。本会議場に全員がパソコンを持ち込むことが原則になっている市はわずか13。本会議場へのパソコン持ち込みを認めている市議会は155と19%に過ぎない。 そんな状況だから、議会へのオンラインでの出席などはほとんど実現していない。答申でも「議会へのオンラインによる出席」についても触れられているが、リアルで出席しないと出席とは認められないとする意見などと併記する書き方に終始していて、明確にオンライン会議を認めるようには求めていない』、「本会議場へのパソコン持ち込みを認めている市議会は155と19%に過ぎない。 そんな状況だから、議会へのオンラインでの出席などはほとんど実現していない。答申でも「議会へのオンラインによる出席」についても触れられているが、リアルで出席しないと出席とは認められないとする意見などと併記する書き方に終始していて、明確にオンライン会議を認めるようには求めていない」、なるほど。
・『役所幹部の定年後のポストになりつつある このままだと地方議会はどうなっていくのか。 定年退職した高齢者が議員に立候補する傾向がますます強まるという見方もある。定年後の年金受給者ならば、少ない議員報酬でも十分にやっていけるというわけだ。 一方で、有権者も高齢化する中で、議員が高齢者ばかりになれば、若者や女性向けの政策や予算配分が軽視され、なおさら若者や女性が自治体から離れていくことになりかねない。 さらには、「役所幹部の定年後のポストになりつつあります」という声もある。役所の幹部ならば市の政策などに精通しているため、何の障害もなく議員が務まるというのだ。だが、そうなれば、ますます市議会が市民目線から離れていくことになりかねない。 このままでは、民主主義の根幹であるはずの地方自治が、根底から崩れていくことになりかねない』、「(議員が)「役所幹部の定年後のポストになりつつあります」という声もある。役所の幹部ならば市の政策などに精通しているため、何の障害もなく議員が務まるというのだ。だが、そうなれば、ますます市議会が市民目線から離れていくことになりかねない。 このままでは、民主主義の根幹であるはずの地方自治が、根底から崩れていくことになりかねない」、確かに。「(議員が)「役所幹部の定年後のポストに」なることについては、一定の歯止めが必要だ。
次に、昨年4月11日付けFRIDAY「「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」」を紹介しよう。
https://friday.kodansha.co.jp/article/305631
・『人望、資金力、知名度など、その人を構成する要素すべてが判断される選挙。特に、世襲を懸けた選挙ではその一族のすべてが判断されるため、凄まじい政治闘争が見られることになる。 東京都江東区のある一家の存亡を懸けた政治闘争が4月23日に投開票される東京都の区長選挙で行われようとしている。その一族の名前は山崎家。 「60年前、蕎麦屋で働いていた時はオカモチを持つと、身体が小さいからふらふらしながら運んでいた。親父さんは婿に入って苦労をしていた蕎麦屋の時代から知っている。だから、様々な批判があるなかで応援してきた。だけど、イッキは選挙の時、『おにぎりよりもパンが好き』なんて言って自分だけ小洒落たパンを食べてな。東海大学中退で、代替わりするなら、もう山崎家の応援はできん」 江東区で長年、山崎家を支えた長老はそう嘆息する。「親父さん」とは今期で引退を表明した山崎孝明江東区長(79)。「イッキ」とは、区長長男の山崎一輝都議(50)だ。 父が区長を務め、長男が江東区選出の都議で、山崎家は江東区を代表する政治家一族。父の引退後、長男は都議を辞職し、4月16日告示の区長選出馬の準備を進めている。 当初、山崎区長は、’22年11月の江東区議会で5選を目指し出馬する意向を表明していた。自民党東京都連は「原則、多選禁止」を標榜するも、山崎区長への推薦を早々と決めていた。 ところが一転——、 3月27日、江東区内のホテル「イースト21東京」で開かれた決起大会に山崎区長は姿を見せなかった。一輝氏の説明によると、病院に救急搬送され入院し、「区長選には出られない」と本人から連絡があったという。 山崎区長は23区区長会の会長も務める「大物区長」だ。突然の引退騒動で、江東区は蜂の巣をつついたような状況となっている。) 「もともとガンを患い、体調不良で今年も10日ほど入院をし、区長参加の区議会も半分は欠席していた。80歳も目前で健康問題を抱える中、『もう一期やってから一輝に渡す』が区長の願いだった。それが突然、区長選に出馬せず、引退を表明。原因のひとつが、『3万票』と呼ばれる公明党が自主投票に踏み切ったこと。前回の4選でさえ『多選』を理由に公明党は直前まで推薦を出さなかった。今回も様子見をしていたところフライデーデジタルで若洲ゴルフリンクスを親子で私物化した報道が出たことで、公明党は『自主投票』となった」(江東区区議) 「若洲ゴルフリンクス」は江東区内にあり、女子ゴルフ界のレジェンドである岡本綾子氏が監修し、「日本一予約が取りにくい」といわれる人気の都立ゴルフ場。その人気のゴルフ場を山崎親子は『特別枠』で利用していた疑惑を弊誌が報じた。都民が「100回電話してもつながらない」といわれる最中、港湾局の内部資料によれば、月一回程度の使用頻度だった。 右上に「取扱厳重注意」と注意書きのある「若洲ゴルフリンクス利用実績」と題されたその資料には、山崎親子の利用実績がこう記されている。 「令和2年度 山崎孝明区長15回 山崎一輝都議10回(計25回)」 「令和3年度 山崎孝明区長14回 山崎一輝都議13回(計27回)」「令和4年度 山崎孝明区長0回 山崎一輝都議15回(計15回)」 回数については予約をカウントしたもので、実際にプレイした数字とは異なろう。また令和4年度は区長は「0回」であるが、体調を悪化させ、プレイしていないだけだ。 「都民のものである若洲ゴルフリンクスを山崎家で私物化し、区長の座も世襲させるとはとんでもないこと。衆議院議員の世襲ならまだしも、決済権限が段違いにある区長を親子でしたら区の財産の私物化が広がる恐れがある」 江東区議2期、東京都議6期、衆議院議員(東京15区選出)を3期務めた木村勉氏(83)はそう憤る。 木村家も山崎家と並ぶ政治家一家だ。次女の高橋恵海氏は江東区議を務め、21年の都議会議員選挙出馬も次点で落選。落選したが、支えた区議がわずか2人で2万4000票を取ったことで、善戦とみなされている。 今回、長女の木村弥生元衆議院議員(京都3区など・57)は区長選挙に出馬を表明。 4月3日、野田聖子前少子化担当相(62)を応援弁士に招き、江戸資料館で決起集会を行った。2年前の総裁選で野田氏が出馬をした際、木村氏が推薦人に名を連ね、「親友のために」として、「政界は9割が男性」「バランスのとれた社会が望ましい」と木村氏へエールを送った。) 江東区の政治は保守分裂で主役が移り変わった。80年代、中曽根康弘元総理の右腕だった柿沢弘治元外相(故人)が自民党から離れることで、保守系が割れ、木村勉氏、山崎孝明氏が頭角を現した。12年前に木村氏が衆議院議員で敗れ引退すると山崎家が興隆を極めた。 「区長が体調を崩す前までは若洲ゴルフリンクスの土曜日の午前が『区長枠』で、区役所前にバスを止めて町内会長らを乗せて向かっていた。都市伝説の類でしょうが、『山崎さんと知り合いだから保育園にはいれた』という噂が出るほど『澱』がたまっている」(同区議) 21年11月の衆院選の東京15区(江東区)で柿沢弘治氏の長男の未途(みと)氏(52)が当選を果たすと自民党が追加公認し、入党を果たした。ただ、ベルギー生まれで生後3ヶ月から江東区で育った未途氏は東京都連には入れず、遠藤利明総務会長が仲立ちし、山形県連の預かりとなっている。 自民党の東京15区(江東区)の支部長ポストは空白のままで、これも「山崎家と柿沢家の争い」といわれている。木村氏の決起集会に未途氏の後援者や元秘書が顔を出していた。前述の区議はこう語る。 「昭和、平成で覇を競った山崎家、木村家、柿沢家の争いが世代を変えていまも続いている。区長選では保守分裂となりましたが、東京都連は一輝氏を推すことになった。だが、一輝氏と反りが合わない高島直樹幹事長は世襲反対で、都連は一致団結して戦えるのか。選挙で敗れた家は『没落』となる」 日本では、数百年以上前から「おごれる者久しからず」と言われている。区長や区議の権力を利用して好き勝手していた一族がどのような結末を迎えるのかは歴史が示している』、古くからの田舎ではなく、東京都の23区の一角で「山崎家、木村家、柿沢家の争いが世代を変えていまも続いている」とは心底から驚かされた。柿沢未途は江東区長選挙で買収した容疑で逮捕されるという政治家失格といえる事件を起こした。「山崎家が興隆を極めた。「区長が体調を崩す前までは若洲ゴルフリンクスの土曜日の午前が『区長枠』で、区役所前にバスを止めて町内会長らを乗せて向かっていた」という公私混同も、実に低レベルの不祥事だ。買収事件で江東区民が目ざめることを期待したい。
第三に、本年10月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した弁護士・社会福祉士・元衆議院議員・前明石市長の泉 房穂氏による「「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/351950
・『10歳で「明石市をやさしい街にする」と決めたという、前明石市長の泉房穂氏。3期12年にわたる任期において、前例のない子育て改革を打ち出し続けたその功績は「明石モデル」と呼ばれ、全国から注目されてきた。徹底して既得権益に抗い、市民のための政治を貫き続けた泉房穂氏の信念とは。本稿は、泉房穂『日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来』(集英社新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『地方自治体のトップはやる気になればなんでもできる 「トップがやる気になればできる。できないのはトップのやる気がないから」 ツイッターなどで私がよく記す言葉です。この言葉には「明石市にできることは全国どこの自治体でもできる」という意味と、「明石市にできることは国でもできる」という2つの意味があります。 「明石市にできることは全国どこの自治体でもできる」は、文字通りの意味として理解していただいて構いません。明石市程度のことは、やろうと思えばどこでもできる。ただ、市町村ごとに置かれた状況が違う以上、同じことをしたから同じ効果が得られるとは限りませんし、真っ先に取り組むべきこともそれぞれに異なってくるはずです。 明石市はベッドタウンなので、子どもに特化した政策が非常に効果的でしたが、過疎化が進む市町村であれば、推進すべきは子育て支援よりも産業振興や移住支援事業などのほうです。 一方の「明石市にできることは国でもできる」には、こういった意味があります。 かつて、国と地方自治体ではトップの権限に制度上の違いがありました。地方自治は首長制ですから、アメリカの大統領のようにトップは強力な権限を持っています。市長は人事権と予算編成権を持っています。場合によっては「専決処分」を用いて議会の議決を経ることなく、やるべきことを実行することもできます。) しかし、国は議院内閣制なのでトップである総理大臣には、原則として大統領ほどの強い権限はありません。 だからこそ、日本では「派閥政治」が幅を利かせてきました』、なるほど。
・『現在の内閣総理大臣は首長並みの権限を持っている ところが、「人事の天才」と言われた小泉純一郎首相が2001年に登場してから、その流れが劇的に変わっていきました。 2014年には、当時の安倍晋三首相が内閣官房に「内閣人事局」という新しい組織を設け、省庁の幹部の人事をまとめて管理するようになりました。こうして総理大臣は閣僚の罷免権に加え、官僚たちを異動させられる力も持ったため、今や自治体の首長のように予算をシフトすることも可能です。 安倍政権が7年8カ月に及ぶ「最長政権」となったのも、人事権をフル活用して官僚を統治したからに他なりません。 このように、現在の総理大臣は首長並みの権限を持っています。だからこそ、私は「明石市にできることは国でもできる」と方々で事あるごとに発言しているわけです。 問題なのは、その権限を既得権益のために使うのか、国民のために使うのかということ。残念ながら昨今の総理大臣の言動を見るに、権限を「国民のため」に使っているようにはとても思えません』、「現在の総理大臣は首長並みの権限を持っています。だからこそ、私は「明石市にできることは国でもできる」と方々で事あるごとに発言しているわけです。 問題なのは、その権限を既得権益のために使うのか、国民のために使うのかということ。残念ながら昨今の総理大臣の言動を見るに、権限を「国民のため」に使っているようにはとても思えません」、なるほど。
・『人事権を行使している市長はほとんどいない 私が「明石の市長になって冷たい社会をやさしくするんだ」と思ったのは10歳のときでした。その後、より具体的に市長を目指すようになったのは20代になってからです。 権限のない国会議員になっても大きな仕事はできない。それよりも、市長になって世の中が思い込んでいる「できない」を「できる」に置き換えていく。 それが自分の使命であり、私がこの世に生きる意味だと確信していました。一時期、私は国会議員をしていたこともあり、その経験はもちろん今に役立っていますが、市長を目指す気持ちは一貫して持ち続けていました。 市長は人事権と予算編成権という2つの権利を持っています。ところが、全国を見回してみてもその権利を行使している市長はほとんどいません。もしかしたら、この私が全国で唯一の存在だったかもしれません。 私が市長になるまでの明石市の人事権のほとんどは、人事当局(総務局職員室)が握っていました。人事当局が人事をして、最後に判だけ市長に押させる。場合によって市長の要望が受け入れられることもあったようですが、それでも数名が受け入れられれば上出来という状況だったようです。これは明石市だけの話ではなく、他の市町村も似たり寄ったりの状況といえます。 2011年、市長に就任したばかりの私が人事権を行使しようとしたところ、「市長には、人事権は実質的にはありません」と人事当局から激しい抵抗を受けました。) 各部署の部長人事ですら「市長に部長人事権は数名分しかありません」と言われる始末。「えっ、どういうこと?」と聞くと、多くの部署は年功序列ですでに次期部長は決まっているから私の指名する余地はないというのです』、「市長は人事権と予算編成権という2つの権利を持っています。ところが、全国を見回してみてもその権利を行使している市長はほとんどいません。もしかしたら、この私が全国で唯一の存在だったかもしれません。 私が市長になるまでの明石市の人事権のほとんどは、人事当局(総務局職員室)が握っていました。人事当局が人事をして、最後に判だけ市長に押させる。場合によって市長の要望が受け入れられることもあったようですが、それでも数名が受け入れられれば上出来という状況だったようです。これは明石市だけの話ではなく、他の市町村も似たり寄ったりの状況といえます・・・市長に就任したばかりの私が人事権を行使しようとしたところ、「市長には、人事権は実質的にはありません」と人事当局から激しい抵抗を受けました。) 各部署の部長人事ですら「市長に部長人事権は数名分しかありません」と言われる始末。「えっ、どういうこと?」と聞くと、多くの部署は年功序列ですでに次期部長は決まっているから私の指名する余地はないというのです」、なるほど。
・『本来の権限を行使したがる首長は組織内で大反発を食らう 流れ作業で人事が決められるような状況の中、59歳にしてやっと部長になった人が本当に優秀な人材なら私も文句は言いません。しかし、単なる順番待ちで部長になった人に何を期待したらよいのか。 役職にふさわしい志も長期展望もない、退職まであと1年の部長に、10年後の活気あふれる明石市を考える能力、さらにそれを成し遂げる実行力があるとはとても思えません。 予算案にしても各課、各部で若干抑えながら調整されたものが市長のところに上がってきて、市長である私のすることといえば人事と同じく、判を押すだけの状況でした。 要するに人事にしろ、予算にしろ、市長が目にする段階ではすでにすべてが決まっている。市長に口を挟む余地を与えないこういった役所のやり方は、明石市に限らず全国どこでも似たり寄ったりの状況です。) 市長が2つの権限を行使しようとすれば、職員からものすごい反発、抵抗を受けます。ですから、実際にそれを行使したことのある市長は全国でもほとんどいないはずです。でも私は12年の任期の中で、関係部署に抵抗を受けても市民の望むことを実現すべく働いてきました。 抵抗を受けようが、脅されようが、嫌がらせを受けようが、「やさしい街をつくる」という志を貫く一心で、誰にも屈することはありませんでした。 私にできたのですから、他の市町村の首長にも2つの権限を行使することは必ずできるはずです。何度も言いますが、「やる気になればできる」ことなのです』、「役職にふさわしい志も長期展望もない、退職まであと1年の部長に、10年後の活気あふれる明石市を考える能力、さらにそれを成し遂げる実行力があるとはとても思えません。 予算案にしても各課、各部で若干抑えながら調整されたものが市長のところに上がってきて、市長である私のすることといえば人事と同じく、判を押すだけの状況でした。 要するに人事にしろ、予算にしろ、市長が目にする段階ではすでにすべてが決まっている。市長に口を挟む余地を与えないこういった役所のやり方は、明石市に限らず全国どこでも似たり寄ったりの状況です。 市長が2つの権限を行使しようとすれば、職員からものすごい反発、抵抗を受けます。ですから、実際にそれを行使したことのある市長は全国でもほとんどいないはずです。でも私は12年の任期の中で、関係部署に抵抗を受けても市民の望むことを実現すべく働いてきました。 抵抗を受けようが、脅されようが、嫌がらせを受けようが、「やさしい街をつくる」という志を貫く一心で、誰にも屈することはありませんでした。 私にできたのですから、他の市町村の首長にも2つの権限を行使することは必ずできるはずです。何度も言いますが、「やる気になればできる」ことなのです」、なるほど。
・『副市長は市長にとっての最大の抵抗勢力になりうる 市役所には市長を補佐し、時に職務を代行する役割を担う副市長という役職があります。いったん公務員を辞めてから就く特別職です。字面だけ見ると「市長をサポートする人」と多くの方が思われるかもしれません。 しかし、地方自治を構造的に捉えた一般論として話せば、副市長は市長にとっての最大の抵抗勢力にもなりうる存在です。 副市長は市の職員の代表であり、なおかつ議会と市長をつなぐパイプ役、調整の窓口といってもいい。つまり、基本的に副市長は職員の側の人間であり、議会(多数派)の側の人間です。) 簡単にいえば、議会にとって副市長は自分たちの子分のような存在であり、役所職員からすれば自分たちの親分のような存在となります。 議会の多数派が推す人が市長になれば、市長と副市長が対立する構造にはなりません。しかし、私のように支持母体となる集団を持たない(私の支持母体は市民です)人間が市長になると、当然副市長は組織防衛に走ります。とりわけそれまでの市役所のやり方を根底から覆えそうとする私のような市長であれば、組織の抵抗はより激しくなります。 私がもし既得権益のためだけに働き、職員や議員と仲良くしたいのなら、副市長はとても頼りがいのある存在になります。でも、私のように議会より市民を選び、職員より市民を選ぶと、副市長は必ずしも頼りがいのある存在とはいえなくなります。 副市長の選任には、議会の同意が必要です。形式的には市長が「この人を」と提案しますが、実際にそれを許可するのは議会なので「この人にやってほしい」と私がいくら思っていたとしても、抜擢人事を成し遂げるのは難しい。 だから一般論でいう副市長は「庁内の人望のある人。簡単にいえば人事畑のトップ」が就くことが多いのです』、「市役所には市長を補佐し、時に職務を代行する役割を担う副市長という役職があります。いったん公務員を辞めてから就く特別職です・・・副市長は市の職員の代表であり、なおかつ議会と市長をつなぐパイプ役、調整の窓口といってもいい。つまり、基本的に副市長は職員の側の人間であり、議会(多数派)の側の人間です。) 簡単にいえば、議会にとって副市長は自分たちの子分のような存在であり、役所職員からすれば自分たちの親分のような存在となります・・・私のように議会より市民を選び、職員より市民を選ぶと、副市長は必ずしも頼りがいのある存在とはいえなくなります。 副市長の選任には、議会の同意が必要です。形式的には市長が「この人を」と提案しますが、実際にそれを許可するのは議会なので「この人にやってほしい」と私がいくら思っていたとしても、抜擢人事を成し遂げるのは難しい。 だから一般論でいう副市長は「庁内の人望のある人。簡単にいえば人事畑のトップ」が就くことが多いのです」、なるほど。本当に市民のための市政をしようとすると、「職員」、「副市長」、「議会」との対立を覚悟して臨まないといけないようだ。
先ずは、昨年3月14日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/67404
・『「無投票どころか、定員割れもあり得る」 2023年は市町村や都道府県などで首長や議会の選挙が行われる「統一地方選挙」の年である。選挙と言えば、首長や議員になりたい多くの候補者から議員定数の人数だけを選ぶために行うのだが、このところ全国各地で異変が起きている。候補者が定員を超えずに「無投票」で当選者が決まるケースが相次いでいるのだ。 大分県南東部にある津久見市。江戸時代から続く石灰石鉱山の町も、そんな自治体のひとつだ。ご多分に漏れず人口減少が続き、今や1万5896人となった。 「今回も無投票になるのだろうか」。市民は顔を合わせると、そう小声で話す。4月23日に予定される市議会議員選挙に立候補者が集まるのかが懸念されているのだ。 というのも前々回の2015年と前回の2019年は定員14に対して立候補者14人と、2回連続で無投票になった。今回は、その定員を12に減らしたのだが、それでも懸念は消えない。「無投票どころか、定員割れもあり得ます。市議会議員のなり手がいないのです」と地元の有力者はつぶやく』、「このところ全国各地で異変が起きている。候補者が定員を超えずに「無投票」で当選者が決まるケースが相次いでいるのだ・・・前々回の2015年と前回の2019年は定員14に対して立候補者14人と、2回連続で無投票になった。今回は、その定員を12に減らしたのだが、それでも懸念は消えない。「無投票どころか、定員割れもあり得ます。市議会議員のなり手がいないのです」と地元の有力者はつぶやく」、なるほど。
・『「おいしいポスト」の時代は終わった 2022年以降だけでも、奥州市、宇城市、常陸大宮市、知立市、美濃加茂市、瑞浪市などの市議会議員選挙が無投票となった。町村の議会になるとさらに多い。 かつては、「無投票」と言えば、事前の候補者調整や、特定の有力者しか立候補できない暗黙の了解があるケースがほとんどだった。時には立候補調整に金銭授受が発覚、事件化することすらあった。議員は地域の名士たちが代々就く「家業」で、世間相場からすれば高い議員報酬のほか、公共事業に関する利権もある「おいしいポスト」だったのだ。 ところが、昨今の「無投票」の多くはまったく事情が違う。報酬は下がり、公共事業も激減して利権も消える中で、「うまみのないポスト」になったこともあるが、報酬の割には苦労の絶えない仕事になったという面も大きい。 というのも、自治体は今、山積する問題に直面している。少子化による人口減少で税収が減少、財政が悪化して老朽化した公共設備の更新もままならない。一方で高齢化に伴って福祉関連の予算は増える一方だ。かつてのように、議会が増える予算を分配すれば良い時代は議員も気楽だったが、足らない予算を分配しなければならない時代になって議員も苦しい立場に立たされるようになった。特に規模の小さい市町村の場合、議員はまったく魅力のない職業になりつつある』、「かつては、「無投票」と言えば、事前の候補者調整や、特定の有力者しか立候補できない暗黙の了解があるケースがほとんどだった。時には立候補調整に金銭授受が発覚、事件化することすらあった。議員は地域の名士たちが代々就く「家業」で、世間相場からすれば高い議員報酬のほか、公共事業に関する利権もある「おいしいポスト」だったのだ。 ところが、昨今の「無投票」の多くはまったく事情が違う。報酬は下がり、公共事業も激減して利権も消える中で、「うまみのないポスト」になったこともあるが、報酬の割には苦労の絶えない仕事になったという面も大きい。 というのも、自治体は今、山積する問題に直面している。少子化による人口減少で税収が減少、財政が悪化して老朽化した公共設備の更新もままならない。一方で高齢化に伴って福祉関連の予算は増える一方だ。かつてのように、議会が増える予算を分配すれば良い時代は議員も気楽だったが、足らない予算を分配しなければならない時代になって議員も苦しい立場に立たされるようになった。特に規模の小さい市町村の場合、議員はまったく魅力のない職業になりつつある」、なるほど。
・『全国815市の平均報酬額は42万3000円 例えば、全国市議会議長会が2022年8月にまとめた「市議会議員報酬に関する調査結果(令和3年12月31日現在)」によると、全国に815ある「市」の議員報酬の平均額は42万3000円。このほかに期末手当や政務調査費などが支給される。一見、高給取りのようにも見えるが、国会議員と違って秘書や事務員を雇えば自腹である。選挙のビラや印刷物などにも多額の費用がかかる。議員報酬も5万人未満の287の市だと平均は33万4000円。中には北海道夕張市のように月額18万円で、期末手当を合わせても年間461万円というところもある。 地方議会の議員の多くは兼業である。農家や建設業などが多いが、「最近は本業に力を入れたいので議員を辞めるという若手が増えた」と別の過疎地域の議会関係者は言う。 同じ全国市議会議長会がまとめた「市議会活動に関する実態調査(令和3年中)」によると、多くが年に4回の定例議会を開いており、年間平均の88.8日の会期が設定されている。最低、年間の4分の1は議会に拘束されるわけだ。しかも、議会は日中に開かれるのが一般的なので、本業に大きく支障をきたすことになる。そのため「専業」で議員をやっている人も少なくない』、「「市議会活動に関する実態調査(令和3年中)」によると、多くが年に4回の定例議会を開いており、年間平均の88.8日の会期が設定されている。最低、年間の4分の1は議会に拘束されるわけだ。しかも、議会は日中に開かれるのが一般的なので、本業に大きく支障をきたすことになる。そのため「専業」で議員をやっている人も少なくない」、なるほど。
・『「政治は男の役目」という認識が強い しかし、専業となれば、それなりの報酬がなければ生活が成り立たないし、議員としての体面も保てない。「議員報酬をもっと引き上げるべきだ」という声もあるが、財政が厳しさを増す中で、議員報酬の引き上げに賛成する住民は少ない。 2022年12月末。内閣府の地方制度調査会が答申をまとめ、岸田文雄首相に提出した。「多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申」と題したもので、「女性議員が少ない議会や議員の平均年齢が高い議会において無投票当選となる割合が高い傾向」にあるとして、女性や若手など多様な人材が議会活動に参画する必要性を強調している。 地方では今でも、高齢者層を中心に、政治は「男の役目」だという認識が強いところが多く、女性議員へのセクハラ行為やセクハラ発言もしばしばニュースに取り上げられるなど、各地で問題が表面化している。そうした「意識」や「環境」を変えて、女性の立候補を促進すべきだとしている』、「内閣府の地方制度調査会が答申」では、「女性議員が少ない議会や議員の平均年齢が高い議会において無投票当選となる割合が高い傾向」にあるとして、女性や若手など多様な人材が議会活動に参画する必要性を強調・・・地方では今でも、高齢者層を中心に、政治は「男の役目」だという認識が強いところが多く、女性議員へのセクハラ行為やセクハラ発言もしばしばニュースに取り上げられるなど、各地で問題が表面化している。そうした「意識」や「環境」を変えて、女性の立候補を促進すべきだとしている」、なるほど。
・『「家業」化した専業議員が牛耳っている 多様な人材の参画を求める具体策としては、「夜間・休日等の議会開催」や「通年会期制の活用による柔軟な会議日程の設定」などを掲げている。 もっとも前述の「実態調査」によると、2021年中に「休日議会」が開催されたのは山形県上山市や東京都国分寺市などの7議会7回だけ、夜間議会は大阪府大東市の1回だけだった。 欧州の地方議会では、本業を持った市民が議員となり夜間に議会を開催している例が多くある。コミュニティーに直結した問題を解決する議会には「専業」の議員ではなく住民自身が携わるべきだという考えも広く浸透している。そうしたフルタイムで働いている人が議員を兼務しようと思えば、議会の開会は休日や夜間ということになる。 そうした考え方は日本でもかなり前から紹介され、必要性が叫ばれているもの、「家業」化した専業議員が議会を牛耳っていることもあり、議会改革はほとんど進んでいないのが実情だ』、「2021年中に「休日議会」が開催されたのは山形県上山市や東京都国分寺市などの7議会7回だけ、夜間議会は大阪府大東市の1回だけだった。 欧州の地方議会では、本業を持った市民が議員となり夜間に議会を開催している例が多くある。コミュニティーに直結した問題を解決する議会には「専業」の議員ではなく住民自身が携わるべきだという考えも広く浸透している。そうしたフルタイムで働いている人が議員を兼務しようと思えば、議会の開会は休日や夜間ということになる。 そうした考え方は日本でもかなり前から紹介され、必要性が叫ばれているもの、「家業」化した専業議員が議会を牛耳っていることもあり、議会改革はほとんど進んでいないのが実情だ」、「「家業」化した専業議員が議会を牛耳っている」のは、議会改革のガンだ。
・『「パソコン持ち込み可」の市議会は19% 答申ではまた、企業に雇用されているビジネスパーソンなどが立候補するのが難しい現状を変えることが必要だとして、「就業規則において、立候補に伴う休暇制度を設けることや、議員との副業・兼業を可能とすること等について、各企業に要請していくことを検討すべきである」としている。 新型コロナウイルスの蔓延以降、世間ではオンライン会議が一般化しているが、議会にオンライン会議を導入しようという動きはほとんどない。小学校高学年にはタブレット端末が全員分支給されている一方で、市議会でタブレット端末を導入しているのは815市のうち423市で52%に満たない。本会議場に全員がパソコンを持ち込むことが原則になっている市はわずか13。本会議場へのパソコン持ち込みを認めている市議会は155と19%に過ぎない。 そんな状況だから、議会へのオンラインでの出席などはほとんど実現していない。答申でも「議会へのオンラインによる出席」についても触れられているが、リアルで出席しないと出席とは認められないとする意見などと併記する書き方に終始していて、明確にオンライン会議を認めるようには求めていない』、「本会議場へのパソコン持ち込みを認めている市議会は155と19%に過ぎない。 そんな状況だから、議会へのオンラインでの出席などはほとんど実現していない。答申でも「議会へのオンラインによる出席」についても触れられているが、リアルで出席しないと出席とは認められないとする意見などと併記する書き方に終始していて、明確にオンライン会議を認めるようには求めていない」、なるほど。
・『役所幹部の定年後のポストになりつつある このままだと地方議会はどうなっていくのか。 定年退職した高齢者が議員に立候補する傾向がますます強まるという見方もある。定年後の年金受給者ならば、少ない議員報酬でも十分にやっていけるというわけだ。 一方で、有権者も高齢化する中で、議員が高齢者ばかりになれば、若者や女性向けの政策や予算配分が軽視され、なおさら若者や女性が自治体から離れていくことになりかねない。 さらには、「役所幹部の定年後のポストになりつつあります」という声もある。役所の幹部ならば市の政策などに精通しているため、何の障害もなく議員が務まるというのだ。だが、そうなれば、ますます市議会が市民目線から離れていくことになりかねない。 このままでは、民主主義の根幹であるはずの地方自治が、根底から崩れていくことになりかねない』、「(議員が)「役所幹部の定年後のポストになりつつあります」という声もある。役所の幹部ならば市の政策などに精通しているため、何の障害もなく議員が務まるというのだ。だが、そうなれば、ますます市議会が市民目線から離れていくことになりかねない。 このままでは、民主主義の根幹であるはずの地方自治が、根底から崩れていくことになりかねない」、確かに。「(議員が)「役所幹部の定年後のポストに」なることについては、一定の歯止めが必要だ。
次に、昨年4月11日付けFRIDAY「「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」」を紹介しよう。
https://friday.kodansha.co.jp/article/305631
・『人望、資金力、知名度など、その人を構成する要素すべてが判断される選挙。特に、世襲を懸けた選挙ではその一族のすべてが判断されるため、凄まじい政治闘争が見られることになる。 東京都江東区のある一家の存亡を懸けた政治闘争が4月23日に投開票される東京都の区長選挙で行われようとしている。その一族の名前は山崎家。 「60年前、蕎麦屋で働いていた時はオカモチを持つと、身体が小さいからふらふらしながら運んでいた。親父さんは婿に入って苦労をしていた蕎麦屋の時代から知っている。だから、様々な批判があるなかで応援してきた。だけど、イッキは選挙の時、『おにぎりよりもパンが好き』なんて言って自分だけ小洒落たパンを食べてな。東海大学中退で、代替わりするなら、もう山崎家の応援はできん」 江東区で長年、山崎家を支えた長老はそう嘆息する。「親父さん」とは今期で引退を表明した山崎孝明江東区長(79)。「イッキ」とは、区長長男の山崎一輝都議(50)だ。 父が区長を務め、長男が江東区選出の都議で、山崎家は江東区を代表する政治家一族。父の引退後、長男は都議を辞職し、4月16日告示の区長選出馬の準備を進めている。 当初、山崎区長は、’22年11月の江東区議会で5選を目指し出馬する意向を表明していた。自民党東京都連は「原則、多選禁止」を標榜するも、山崎区長への推薦を早々と決めていた。 ところが一転——、 3月27日、江東区内のホテル「イースト21東京」で開かれた決起大会に山崎区長は姿を見せなかった。一輝氏の説明によると、病院に救急搬送され入院し、「区長選には出られない」と本人から連絡があったという。 山崎区長は23区区長会の会長も務める「大物区長」だ。突然の引退騒動で、江東区は蜂の巣をつついたような状況となっている。) 「もともとガンを患い、体調不良で今年も10日ほど入院をし、区長参加の区議会も半分は欠席していた。80歳も目前で健康問題を抱える中、『もう一期やってから一輝に渡す』が区長の願いだった。それが突然、区長選に出馬せず、引退を表明。原因のひとつが、『3万票』と呼ばれる公明党が自主投票に踏み切ったこと。前回の4選でさえ『多選』を理由に公明党は直前まで推薦を出さなかった。今回も様子見をしていたところフライデーデジタルで若洲ゴルフリンクスを親子で私物化した報道が出たことで、公明党は『自主投票』となった」(江東区区議) 「若洲ゴルフリンクス」は江東区内にあり、女子ゴルフ界のレジェンドである岡本綾子氏が監修し、「日本一予約が取りにくい」といわれる人気の都立ゴルフ場。その人気のゴルフ場を山崎親子は『特別枠』で利用していた疑惑を弊誌が報じた。都民が「100回電話してもつながらない」といわれる最中、港湾局の内部資料によれば、月一回程度の使用頻度だった。 右上に「取扱厳重注意」と注意書きのある「若洲ゴルフリンクス利用実績」と題されたその資料には、山崎親子の利用実績がこう記されている。 「令和2年度 山崎孝明区長15回 山崎一輝都議10回(計25回)」 「令和3年度 山崎孝明区長14回 山崎一輝都議13回(計27回)」「令和4年度 山崎孝明区長0回 山崎一輝都議15回(計15回)」 回数については予約をカウントしたもので、実際にプレイした数字とは異なろう。また令和4年度は区長は「0回」であるが、体調を悪化させ、プレイしていないだけだ。 「都民のものである若洲ゴルフリンクスを山崎家で私物化し、区長の座も世襲させるとはとんでもないこと。衆議院議員の世襲ならまだしも、決済権限が段違いにある区長を親子でしたら区の財産の私物化が広がる恐れがある」 江東区議2期、東京都議6期、衆議院議員(東京15区選出)を3期務めた木村勉氏(83)はそう憤る。 木村家も山崎家と並ぶ政治家一家だ。次女の高橋恵海氏は江東区議を務め、21年の都議会議員選挙出馬も次点で落選。落選したが、支えた区議がわずか2人で2万4000票を取ったことで、善戦とみなされている。 今回、長女の木村弥生元衆議院議員(京都3区など・57)は区長選挙に出馬を表明。 4月3日、野田聖子前少子化担当相(62)を応援弁士に招き、江戸資料館で決起集会を行った。2年前の総裁選で野田氏が出馬をした際、木村氏が推薦人に名を連ね、「親友のために」として、「政界は9割が男性」「バランスのとれた社会が望ましい」と木村氏へエールを送った。) 江東区の政治は保守分裂で主役が移り変わった。80年代、中曽根康弘元総理の右腕だった柿沢弘治元外相(故人)が自民党から離れることで、保守系が割れ、木村勉氏、山崎孝明氏が頭角を現した。12年前に木村氏が衆議院議員で敗れ引退すると山崎家が興隆を極めた。 「区長が体調を崩す前までは若洲ゴルフリンクスの土曜日の午前が『区長枠』で、区役所前にバスを止めて町内会長らを乗せて向かっていた。都市伝説の類でしょうが、『山崎さんと知り合いだから保育園にはいれた』という噂が出るほど『澱』がたまっている」(同区議) 21年11月の衆院選の東京15区(江東区)で柿沢弘治氏の長男の未途(みと)氏(52)が当選を果たすと自民党が追加公認し、入党を果たした。ただ、ベルギー生まれで生後3ヶ月から江東区で育った未途氏は東京都連には入れず、遠藤利明総務会長が仲立ちし、山形県連の預かりとなっている。 自民党の東京15区(江東区)の支部長ポストは空白のままで、これも「山崎家と柿沢家の争い」といわれている。木村氏の決起集会に未途氏の後援者や元秘書が顔を出していた。前述の区議はこう語る。 「昭和、平成で覇を競った山崎家、木村家、柿沢家の争いが世代を変えていまも続いている。区長選では保守分裂となりましたが、東京都連は一輝氏を推すことになった。だが、一輝氏と反りが合わない高島直樹幹事長は世襲反対で、都連は一致団結して戦えるのか。選挙で敗れた家は『没落』となる」 日本では、数百年以上前から「おごれる者久しからず」と言われている。区長や区議の権力を利用して好き勝手していた一族がどのような結末を迎えるのかは歴史が示している』、古くからの田舎ではなく、東京都の23区の一角で「山崎家、木村家、柿沢家の争いが世代を変えていまも続いている」とは心底から驚かされた。柿沢未途は江東区長選挙で買収した容疑で逮捕されるという政治家失格といえる事件を起こした。「山崎家が興隆を極めた。「区長が体調を崩す前までは若洲ゴルフリンクスの土曜日の午前が『区長枠』で、区役所前にバスを止めて町内会長らを乗せて向かっていた」という公私混同も、実に低レベルの不祥事だ。買収事件で江東区民が目ざめることを期待したい。
第三に、本年10月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した弁護士・社会福祉士・元衆議院議員・前明石市長の泉 房穂氏による「「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/351950
・『10歳で「明石市をやさしい街にする」と決めたという、前明石市長の泉房穂氏。3期12年にわたる任期において、前例のない子育て改革を打ち出し続けたその功績は「明石モデル」と呼ばれ、全国から注目されてきた。徹底して既得権益に抗い、市民のための政治を貫き続けた泉房穂氏の信念とは。本稿は、泉房穂『日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来』(集英社新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『地方自治体のトップはやる気になればなんでもできる 「トップがやる気になればできる。できないのはトップのやる気がないから」 ツイッターなどで私がよく記す言葉です。この言葉には「明石市にできることは全国どこの自治体でもできる」という意味と、「明石市にできることは国でもできる」という2つの意味があります。 「明石市にできることは全国どこの自治体でもできる」は、文字通りの意味として理解していただいて構いません。明石市程度のことは、やろうと思えばどこでもできる。ただ、市町村ごとに置かれた状況が違う以上、同じことをしたから同じ効果が得られるとは限りませんし、真っ先に取り組むべきこともそれぞれに異なってくるはずです。 明石市はベッドタウンなので、子どもに特化した政策が非常に効果的でしたが、過疎化が進む市町村であれば、推進すべきは子育て支援よりも産業振興や移住支援事業などのほうです。 一方の「明石市にできることは国でもできる」には、こういった意味があります。 かつて、国と地方自治体ではトップの権限に制度上の違いがありました。地方自治は首長制ですから、アメリカの大統領のようにトップは強力な権限を持っています。市長は人事権と予算編成権を持っています。場合によっては「専決処分」を用いて議会の議決を経ることなく、やるべきことを実行することもできます。) しかし、国は議院内閣制なのでトップである総理大臣には、原則として大統領ほどの強い権限はありません。 だからこそ、日本では「派閥政治」が幅を利かせてきました』、なるほど。
・『現在の内閣総理大臣は首長並みの権限を持っている ところが、「人事の天才」と言われた小泉純一郎首相が2001年に登場してから、その流れが劇的に変わっていきました。 2014年には、当時の安倍晋三首相が内閣官房に「内閣人事局」という新しい組織を設け、省庁の幹部の人事をまとめて管理するようになりました。こうして総理大臣は閣僚の罷免権に加え、官僚たちを異動させられる力も持ったため、今や自治体の首長のように予算をシフトすることも可能です。 安倍政権が7年8カ月に及ぶ「最長政権」となったのも、人事権をフル活用して官僚を統治したからに他なりません。 このように、現在の総理大臣は首長並みの権限を持っています。だからこそ、私は「明石市にできることは国でもできる」と方々で事あるごとに発言しているわけです。 問題なのは、その権限を既得権益のために使うのか、国民のために使うのかということ。残念ながら昨今の総理大臣の言動を見るに、権限を「国民のため」に使っているようにはとても思えません』、「現在の総理大臣は首長並みの権限を持っています。だからこそ、私は「明石市にできることは国でもできる」と方々で事あるごとに発言しているわけです。 問題なのは、その権限を既得権益のために使うのか、国民のために使うのかということ。残念ながら昨今の総理大臣の言動を見るに、権限を「国民のため」に使っているようにはとても思えません」、なるほど。
・『人事権を行使している市長はほとんどいない 私が「明石の市長になって冷たい社会をやさしくするんだ」と思ったのは10歳のときでした。その後、より具体的に市長を目指すようになったのは20代になってからです。 権限のない国会議員になっても大きな仕事はできない。それよりも、市長になって世の中が思い込んでいる「できない」を「できる」に置き換えていく。 それが自分の使命であり、私がこの世に生きる意味だと確信していました。一時期、私は国会議員をしていたこともあり、その経験はもちろん今に役立っていますが、市長を目指す気持ちは一貫して持ち続けていました。 市長は人事権と予算編成権という2つの権利を持っています。ところが、全国を見回してみてもその権利を行使している市長はほとんどいません。もしかしたら、この私が全国で唯一の存在だったかもしれません。 私が市長になるまでの明石市の人事権のほとんどは、人事当局(総務局職員室)が握っていました。人事当局が人事をして、最後に判だけ市長に押させる。場合によって市長の要望が受け入れられることもあったようですが、それでも数名が受け入れられれば上出来という状況だったようです。これは明石市だけの話ではなく、他の市町村も似たり寄ったりの状況といえます。 2011年、市長に就任したばかりの私が人事権を行使しようとしたところ、「市長には、人事権は実質的にはありません」と人事当局から激しい抵抗を受けました。) 各部署の部長人事ですら「市長に部長人事権は数名分しかありません」と言われる始末。「えっ、どういうこと?」と聞くと、多くの部署は年功序列ですでに次期部長は決まっているから私の指名する余地はないというのです』、「市長は人事権と予算編成権という2つの権利を持っています。ところが、全国を見回してみてもその権利を行使している市長はほとんどいません。もしかしたら、この私が全国で唯一の存在だったかもしれません。 私が市長になるまでの明石市の人事権のほとんどは、人事当局(総務局職員室)が握っていました。人事当局が人事をして、最後に判だけ市長に押させる。場合によって市長の要望が受け入れられることもあったようですが、それでも数名が受け入れられれば上出来という状況だったようです。これは明石市だけの話ではなく、他の市町村も似たり寄ったりの状況といえます・・・市長に就任したばかりの私が人事権を行使しようとしたところ、「市長には、人事権は実質的にはありません」と人事当局から激しい抵抗を受けました。) 各部署の部長人事ですら「市長に部長人事権は数名分しかありません」と言われる始末。「えっ、どういうこと?」と聞くと、多くの部署は年功序列ですでに次期部長は決まっているから私の指名する余地はないというのです」、なるほど。
・『本来の権限を行使したがる首長は組織内で大反発を食らう 流れ作業で人事が決められるような状況の中、59歳にしてやっと部長になった人が本当に優秀な人材なら私も文句は言いません。しかし、単なる順番待ちで部長になった人に何を期待したらよいのか。 役職にふさわしい志も長期展望もない、退職まであと1年の部長に、10年後の活気あふれる明石市を考える能力、さらにそれを成し遂げる実行力があるとはとても思えません。 予算案にしても各課、各部で若干抑えながら調整されたものが市長のところに上がってきて、市長である私のすることといえば人事と同じく、判を押すだけの状況でした。 要するに人事にしろ、予算にしろ、市長が目にする段階ではすでにすべてが決まっている。市長に口を挟む余地を与えないこういった役所のやり方は、明石市に限らず全国どこでも似たり寄ったりの状況です。) 市長が2つの権限を行使しようとすれば、職員からものすごい反発、抵抗を受けます。ですから、実際にそれを行使したことのある市長は全国でもほとんどいないはずです。でも私は12年の任期の中で、関係部署に抵抗を受けても市民の望むことを実現すべく働いてきました。 抵抗を受けようが、脅されようが、嫌がらせを受けようが、「やさしい街をつくる」という志を貫く一心で、誰にも屈することはありませんでした。 私にできたのですから、他の市町村の首長にも2つの権限を行使することは必ずできるはずです。何度も言いますが、「やる気になればできる」ことなのです』、「役職にふさわしい志も長期展望もない、退職まであと1年の部長に、10年後の活気あふれる明石市を考える能力、さらにそれを成し遂げる実行力があるとはとても思えません。 予算案にしても各課、各部で若干抑えながら調整されたものが市長のところに上がってきて、市長である私のすることといえば人事と同じく、判を押すだけの状況でした。 要するに人事にしろ、予算にしろ、市長が目にする段階ではすでにすべてが決まっている。市長に口を挟む余地を与えないこういった役所のやり方は、明石市に限らず全国どこでも似たり寄ったりの状況です。 市長が2つの権限を行使しようとすれば、職員からものすごい反発、抵抗を受けます。ですから、実際にそれを行使したことのある市長は全国でもほとんどいないはずです。でも私は12年の任期の中で、関係部署に抵抗を受けても市民の望むことを実現すべく働いてきました。 抵抗を受けようが、脅されようが、嫌がらせを受けようが、「やさしい街をつくる」という志を貫く一心で、誰にも屈することはありませんでした。 私にできたのですから、他の市町村の首長にも2つの権限を行使することは必ずできるはずです。何度も言いますが、「やる気になればできる」ことなのです」、なるほど。
・『副市長は市長にとっての最大の抵抗勢力になりうる 市役所には市長を補佐し、時に職務を代行する役割を担う副市長という役職があります。いったん公務員を辞めてから就く特別職です。字面だけ見ると「市長をサポートする人」と多くの方が思われるかもしれません。 しかし、地方自治を構造的に捉えた一般論として話せば、副市長は市長にとっての最大の抵抗勢力にもなりうる存在です。 副市長は市の職員の代表であり、なおかつ議会と市長をつなぐパイプ役、調整の窓口といってもいい。つまり、基本的に副市長は職員の側の人間であり、議会(多数派)の側の人間です。) 簡単にいえば、議会にとって副市長は自分たちの子分のような存在であり、役所職員からすれば自分たちの親分のような存在となります。 議会の多数派が推す人が市長になれば、市長と副市長が対立する構造にはなりません。しかし、私のように支持母体となる集団を持たない(私の支持母体は市民です)人間が市長になると、当然副市長は組織防衛に走ります。とりわけそれまでの市役所のやり方を根底から覆えそうとする私のような市長であれば、組織の抵抗はより激しくなります。 私がもし既得権益のためだけに働き、職員や議員と仲良くしたいのなら、副市長はとても頼りがいのある存在になります。でも、私のように議会より市民を選び、職員より市民を選ぶと、副市長は必ずしも頼りがいのある存在とはいえなくなります。 副市長の選任には、議会の同意が必要です。形式的には市長が「この人を」と提案しますが、実際にそれを許可するのは議会なので「この人にやってほしい」と私がいくら思っていたとしても、抜擢人事を成し遂げるのは難しい。 だから一般論でいう副市長は「庁内の人望のある人。簡単にいえば人事畑のトップ」が就くことが多いのです』、「市役所には市長を補佐し、時に職務を代行する役割を担う副市長という役職があります。いったん公務員を辞めてから就く特別職です・・・副市長は市の職員の代表であり、なおかつ議会と市長をつなぐパイプ役、調整の窓口といってもいい。つまり、基本的に副市長は職員の側の人間であり、議会(多数派)の側の人間です。) 簡単にいえば、議会にとって副市長は自分たちの子分のような存在であり、役所職員からすれば自分たちの親分のような存在となります・・・私のように議会より市民を選び、職員より市民を選ぶと、副市長は必ずしも頼りがいのある存在とはいえなくなります。 副市長の選任には、議会の同意が必要です。形式的には市長が「この人を」と提案しますが、実際にそれを許可するのは議会なので「この人にやってほしい」と私がいくら思っていたとしても、抜擢人事を成し遂げるのは難しい。 だから一般論でいう副市長は「庁内の人望のある人。簡単にいえば人事畑のトップ」が就くことが多いのです」、なるほど。本当に市民のための市政をしようとすると、「職員」、「副市長」、「議会」との対立を覚悟して臨まないといけないようだ。
タグ:地方自治体 (その2)(81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている、「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」、「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由) PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「81%の市議会は「パソコン持ち込み」がNG…地方議員が一般企業で通用しない人材ばかりになる根本原因 まともな人材からは避けられ、「家業」になっている」 「このところ全国各地で異変が起きている。候補者が定員を超えずに「無投票」で当選者が決まるケースが相次いでいるのだ・・・前々回の2015年と前回の2019年は定員14に対して立候補者14人と、2回連続で無投票になった。今回は、その定員を12に減らしたのだが、それでも懸念は消えない。「無投票どころか、定員割れもあり得ます。市議会議員のなり手がいないのです」と地元の有力者はつぶやく」、なるほど。 「かつては、「無投票」と言えば、事前の候補者調整や、特定の有力者しか立候補できない暗黙の了解があるケースがほとんどだった。時には立候補調整に金銭授受が発覚、事件化することすらあった。議員は地域の名士たちが代々就く「家業」で、世間相場からすれば高い議員報酬のほか、公共事業に関する利権もある「おいしいポスト」だったのだ。 ところが、昨今の「無投票」の多くはまったく事情が違う。報酬は下がり、公共事業も激減して利権も消える中で、「うまみのないポスト」になったこともあるが、報酬の割には苦労の絶えない仕事になったとい う面も大きい。 というのも、自治体は今、山積する問題に直面している。少子化による人口減少で税収が減少、財政が悪化して老朽化した公共設備の更新もままならない。一方で高齢化に伴って福祉関連の予算は増える一方だ。かつてのように、議会が増える予算を分配すれば良い時代は議員も気楽だったが、足らない予算を分配しなければならない時代になって議員も苦しい立場に立たされるようになった。特に規模の小さい市町村の場合、議員はまったく魅力のない職業になりつつある」、なるほど。 「「市議会活動に関する実態調査(令和3年中)」によると、多くが年に4回の定例議会を開いており、年間平均の88.8日の会期が設定されている。最低、年間の4分の1は議会に拘束されるわけだ。しかも、議会は日中に開かれるのが一般的なので、本業に大きく支障をきたすことになる。そのため「専業」で議員をやっている人も少なくない」、なるほど。 「内閣府の地方制度調査会が答申」では、「女性議員が少ない議会や議員の平均年齢が高い議会において無投票当選となる割合が高い傾向」にあるとして、女性や若手など多様な人材が議会活動に参画する必要性を強調・・・地方では今でも、高齢者層を中心に、政治は「男の役目」だという認識が強いところが多く、女性議員へのセクハラ行為やセクハラ発言もしばしばニュースに取り上げられるなど、各地で問題が表面化している。そうした「意識」や「環境」を変えて、女性の立候補を促進すべきだとしている」、なるほど。 「2021年中に「休日議会」が開催されたのは山形県上山市や東京都国分寺市などの7議会7回だけ、夜間議会は大阪府大東市の1回だけだった。 欧州の地方議会では、本業を持った市民が議員となり夜間に議会を開催している例が多くある。コミュニティーに直結した問題を解決する議会には「専業」の議員ではなく住民自身が携わるべきだという考えも広く浸透している。そうしたフルタイムで働いている人が議員を兼務しようと思えば、議会の開会は休日や夜間ということになる。 そうした考え方は日本でもかなり前から紹介され、必要性が叫ばれているもの、「家業」化した専業議員が議会を牛耳っていることもあり、議会改革はほとんど進んでいないのが実情だ」、「「家業」化した専業議員が議会を牛耳っている」のは、議会改革のガンだ。 「本会議場へのパソコン持ち込みを認めている市議会は155と19%に過ぎない。 そんな状況だから、議会へのオンラインでの出席などはほとんど実現していない。答申でも「議会へのオンラインによる出席」についても触れられているが、リアルで出席しないと出席とは認められないとする意見などと併記する書き方に終始していて、明確にオンライン会議を認めるようには求めていない」、なるほど。 「(議員が)「役所幹部の定年後のポストになりつつあります」という声もある。役所の幹部ならば市の政策などに精通しているため、何の障害もなく議員が務まるというのだ。だが、そうなれば、ますます市議会が市民目線から離れていくことになりかねない。 このままでは、民主主義の根幹であるはずの地方自治が、根底から崩れていくことになりかねない」、確かに。「(議員が)「役所幹部の定年後のポストに」なることについては、一定の歯止めが必要だ。 FRIDAY「「区の財産の私物化」疑惑の山崎区長が引退…息子が区長選挙に出馬表明も区民の間で広がる「黒い噂」」 古くからの田舎ではなく、東京都の23区の一角で「山崎家、木村家、柿沢家の争いが世代を変えていまも続いている」とは心底から驚かされた。柿沢未途は江東区長選挙で買収した容疑で逮捕されるという政治家失格といえる事件を起こした。「山崎家が興隆を極めた。「区長が体調を崩す前までは若洲ゴルフリンクスの土曜日の午前が『区長枠』で、区役所前にバスを止めて町内会長らを乗せて向かっていた」という公私混同も、実に低レベルの不祥事だ。買収事件で江東区民が目ざめることを期待したい。 ダイヤモンド・オンライン 泉 房穂氏による「「市長には人事権はありません」「えっ、どういうこと?」副市長が市長の〈最大の抵抗勢力〉になる理由」 泉房穂『日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来』(集英社新書) 「現在の総理大臣は首長並みの権限を持っています。だからこそ、私は「明石市にできることは国でもできる」と方々で事あるごとに発言しているわけです。 問題なのは、その権限を既得権益のために使うのか、国民のために使うのかということ。残念ながら昨今の総理大臣の言動を見るに、権限を「国民のため」に使っているようにはとても思えません」、なるほど。 「市長は人事権と予算編成権という2つの権利を持っています。ところが、全国を見回してみてもその権利を行使している市長はほとんどいません。もしかしたら、この私が全国で唯一の存在だったかもしれません。 私が市長になるまでの明石市の人事権のほとんどは、人事当局(総務局職員室)が握っていました。人事当局が人事をして、最後に判だけ市長に押させる。場合によって市長の要望が受け入れられることもあったようですが、それでも数名が受け入れられれば上出来という状況だったようです。 これは明石市だけの話ではなく、他の市町村も似たり寄ったりの状況といえます・・・市長に就任したばかりの私が人事権を行使しようとしたところ、「市長には、人事権は実質的にはありません」と人事当局から激しい抵抗を受けました。) 各部署の部長人事ですら「市長に部長人事権は数名分しかありません」と言われる始末。「えっ、どういうこと?」と聞くと、多くの部署は年功序列ですでに次期部長は決まっているから私の指名する余地はないというのです」、なるほど。 「役職にふさわしい志も長期展望もない、退職まであと1年の部長に、10年後の活気あふれる明石市を考える能力、さらにそれを成し遂げる実行力があるとはとても思えません。 予算案にしても各課、各部で若干抑えながら調整されたものが市長のところに上がってきて、市長である私のすることといえば人事と同じく、判を押すだけの状況でした。 要するに人事にしろ、予算にしろ、市長が目にする段階ではすでにすべてが決まっている。市長に口を挟む余地を与えないこういった役所のやり方は、明石市に限らず全国どこでも似たり寄ったりの状況です。 市長が2つの権限を行使しようとすれば、職員からものすごい反発、抵抗を受けます。ですから、実際にそれを行使したことのある市長は全国でもほとんどいないはずです。でも私は12年の任期の中で、関係部署に抵抗を受けても市民の望むことを実現すべく働いてきました。 抵抗を受けようが、脅されようが、嫌がらせを受けようが、「やさしい街をつくる」という志を貫く一心で、誰にも屈することはありませんでした。 私にできたのですから、他の市町村の首長にも2つの権限を行使することは必ずできるはずです。何度も言いますが、「やる気になれば できる」ことなのです」、なるほど。 「市役所には市長を補佐し、時に職務を代行する役割を担う副市長という役職があります。いったん公務員を辞めてから就く特別職です・・・副市長は市の職員の代表であり、なおかつ議会と市長をつなぐパイプ役、調整の窓口といってもいい。つまり、基本的に副市長は職員の側の人間であり、議会(多数派)の側の人間です。) 簡単にいえば、議会にとって副市長は自分たちの子分のような存在であり、役所職員からすれば自分たちの親分のような存在となります・・・ 私のように議会より市民を選び、職員より市民を選ぶと、副市長は必ずしも頼りがいのある存在とはいえなくなります。 副市長の選任には、議会の同意が必要です。形式的には市長が「この人を」と提案しますが、実際にそれを許可するのは議会なので「この人にやってほしい」と私がいくら思っていたとしても、抜擢人事を成し遂げるのは難しい。 だから一般論でいう副市長は「庁内の人望のある人。簡単にいえば人事畑のトップ」が就くことが多いのです」、なるほど。本当に市民のための市政をしようとすると、「職員」、「副市長」、「議会」との対立を 覚悟して臨まないといけないようだ。