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広域強盗事件(その3)(なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった 石井光太ルポ、少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について 石井光太ルポ、詐欺総額1000万円「ルフィ」エリート美女が出廷「水着で出勤しろ!」「俺たちはクズだから」寺島春奈(29)を追い詰める“同僚女性”の証言、「トクリュウ」がとうとう近所にやって来た!“狙われる街”に急務の治安対策とは) [社会]

広域強盗事件については、本年5月1日に取上げた。今日は、(その3)(なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった 石井光太ルポ、少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について 石井光太ルポ、詐欺総額1000万円「ルフィ」エリート美女が出廷「水着で出勤しろ!」「俺たちはクズだから」寺島春奈(29)を追い詰める“同僚女性”の証言、「トクリュウ」がとうとう近所にやって来た!“狙われる街”に急務の治安対策とは)である。

先ずは、本年5月30日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクション作家の石井 光太氏による「なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった 石井光太ルポ」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/110989?imp=0
・『20って20万ですか?やりたいです  闇バイトの存在が、日本全国で起きている特殊詐欺や強盗事件とかかわっていたとして、にわかに注目されている。 俗にいう闇バイトとは、SNSを介して主に2通りの方法で行われる。犯罪集団の方がSNSで略語を使って募集する方法と、SNSで家出や自殺願望についての発信をした個人に対して犯罪集団の方がメッセージを送ってリクルートする方法だ。 共通するのは、犯罪集団が何の関係性もない人間を、ある日突然支配できる点だ。だからこそ、彼らはその人間をコマのように扱って乱暴な指示を出したり、簡単に切り捨てたりする。 実際のSNSで行われるリクルートのやり取りが次だ。 〈運びのバイトあります。1回即金で20保障します。年齢地域不問です〉 〈20って20マンですか〉 〈そうです。リスク対策万全です〉 〈やりたいです〉 〈ケータイ番号、住所、身分証の写真を送ってもらえますか〉 〈はい〉 大半の人からすれば、なぜこんなSNSの短い言葉に簡単に騙され、重大犯罪を起こすのかと不思議に思うだろう。その背景には、彼らの語彙のなさ、理解力の乏しさ、コミュニケーションスキルの脆弱さがある。 私は『ルポ 誰が国語力を殺すのか』(文藝春秋)で、少年院に入っている少年たちが抱える子供の問題について詳しく見てきた。犯罪と言葉という観点から、日本のダークサイドで起きていることを考えたい』、「犯罪と言葉という観点から」とは興味深そうだ。
・『女子少年院で私が尋ねたこと  本書の取材で、東日本にある少年院で、特殊詐欺で逮捕された10代の少女と出会った。 彼女は劣悪な環境の家庭から逃げ出したいため、ツイッターにそのことを書いた上、割のいいバイトをしたいと発信した。犯罪集団はそうした書き込みをリアルタイム検索で巡回していたのだろう。すぐにダイレクトメッセージが届いた。) 提案されたバイトは、〈1回につき25万円〉だという。〈1カ月で100万円も夢じゃない〉とも書かれていた。少女はバイトの内容さえ確認せずに飛びついた。そして言いなりになって住所など個人情報をすべて教え、特殊詐欺に加担させられたのである。 女子少年院でインタビューをした際、私と少女との間に次のような会話があった(Qは筆者の質問、Aは少女の回答)。 Q:怪しい仕事だと思わなかった? A:わかんないです。 Q:1回25万円は高額だよね。 A:そう言われたからそうだと思った。 Q:危険を冒してまで家を出たかった? A:たぶん。 常識的に考えれば、こんな割のいい仕事があるわけがない。だが、この言葉からわかる通り、彼女はSNSで届いた言葉を鵜呑みにし、何の疑問も抱かずに言われるままに動き、そして逮捕と同時にトカゲのしっぽのように切り捨てられたのである。 短文でのコミュニケーションは、他の闇バイトの世界でも当たり前のこととして行われていることだ。高額報酬という割には、驚くほどの短文でやりとりし、会話にしたら30秒ほどの内容で、数十万、数百万という単位の闇バイトに引きずり込まれる。 集団自殺の勧誘なども同じだ。相手が誰なのか、なぜ集団自殺を持ちかけたのかといったやり取りすらなく、現場へ向かっていく。 こうした短文でのやり取りに、深い思慮はまったくといっていいほどない。だから、一般的には理解できないほど容易く最悪の事態が起きてしまう』、「高額報酬という割には、驚くほどの短文でやりとりし、会話にしたら30秒ほどの内容で、数十万、数百万という単位の闇バイトに引きずり込まれる・・・こうした短文でのやり取りに、深い思慮はまったくといっていいほどない。だから、一般的には理解できないほど容易く最悪の事態が起きてしまう」、なるほど。
・『十分な語彙を獲得できない  私が本書で明らかにしたのは、なぜこうしたことが起こるのかという点だ。 少年院の法務教官など更生にかかわる多くの人たちが指摘するのが、彼らが劣悪な成育歴から十分な語彙を獲得できず、言葉を使いこなせていないということだ。 本書では、これを「国語力」と呼んでいる。文科省は、国語力について、年齢相応の語彙をつけながら、情緒力、想像力、論理的思考力を育て、それを適切に表現する能力と定義している。 人が生きていくには、言葉によって自分の内面と向き合い、物事を想像し、論理的に物事を思考し、それを表現していかなければならない。それができてはじめて周囲に自分を理解してもらい、様々な壁を乗り越えていくことができる。国語力とは、そんな全人的な力なのだ。) なぜ、闇バイトの犯罪に巻き込まれる若者たちは、国語力が劣っている傾向にあるのか。大半の関係者が、その原因を家庭に求めている。 統計によれば、少年院にいる子供たちは、一般と比べて有意に劣悪な家庭環境の中で育っている。それは男子の場合は4割、女子の場合は7割が虐待を受けて育っていることからも明らかだろう(虐待以外の要素を含めれば、親が依存症だとか、親戚の家をたらい回しにされて育ったなど、9割以上は何かしらの問題家庭で育っている)。 こうした家庭では、子供が国語力を高めることは望むべくもない。 たとえば、虐待親から子供が何の理由もなしに四六時中殴られていたとしよう。 そうすれば子供たちは「なぜ叩かれているのか」を考えることも、「なんで叩くのか」と聞くこともしなくなる。理由を考えても答えが出てこないし、親に聞いても殴られるだけだからだ。 あるいは、親が外で遊び歩いてまったく家に帰ってこなかったとしよう。ネグレクトである。 そうなれば、子供は絵本の読み聞かせや会話のやり取りで言葉を育むことができないし、学齢期になっても夜中まで孤独な時間を過ごさなければならなくなる』、「人が生きていくには、言葉によって自分の内面と向き合い、物事を想像し、論理的に物事を思考し、それを表現していかなければならない。それができてはじめて周囲に自分を理解してもらい、様々な壁を乗り越えていくことができる。国語力とは、そんな全人的な力なのだ・・・虐待親から子供が何の理由もなしに四六時中殴られていたとしよう。 そうすれば子供たちは「なぜ叩かれているのか」を考えることも、「なんで叩くのか」と聞くこともしなくなる。理由を考えても答えが出てこないし、親に聞いても殴られるだけだからだ。 あるいは、親が外で遊び歩いてまったく家に帰ってこなかったとしよう。ネグレクトである。 そうなれば、子供は絵本の読み聞かせや会話のやり取りで言葉を育むことができないし、学齢期になっても夜中まで孤独な時間を過ごさなければならなくなる」、なるほど。
・『見知らぬ人間のDMを信用して  こうした子供たちは、親子関係が良好な家庭で育つ子供たちと比べて、明らかに語彙の量、自分の感情を知覚する力、見知らぬ世界や他者への想像力を広げる力、物事の因果間関係を志向する力が弱まる。つまり、国語力という人間が生きていくのに必要な全人的な力が脆弱になるのだ。 先の女子少年院の少女も同様だ。彼女もまた、親との不適切な関係によって、言葉で物事を感じ、考え、表現する力をつけることができなかった。 それは、幼い彼女にとって家庭での悲しく不条理な日々を生き抜く術だったはずだ。だが、思春期になった時、それは「無思慮」「思考停止」という形として現れ、むしろ社会で生きていく上での足枷となった。 だからこそ、彼女は何も考えずにSNSに不用意な書き込みをし、見知らぬ人間からのダイレクトメッセージをいとも簡単に鵜呑みにし、警戒心を失った状態で指示通りに行動してしまったのである。 こうした人たちは、他人どころか自分すら大切にすることができない。思いやりもまた言葉によって生まれる感情だからだ。ゆえに、彼らはお年寄りをターゲットにし、大金をむしり取り、時には暴力を振るうことにすら無頓着でいられるのだ。 では、こうした国語力の弱さを社会はどうサポートしようとしているのか。非行少年たちの更生の最前線の取り組みについては後篇《少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について》で詳しく述べたい』、「こうした子供たちは、親子関係が良好な家庭で育つ子供たちと比べて、明らかに語彙の量、自分の感情を知覚する力、見知らぬ世界や他者への想像力を広げる力、物事の因果間関係を志向する力が弱まる。つまり、国語力という人間が生きていくのに必要な全人的な力が脆弱になるのだ。 先の女子少年院の少女も同様だ。彼女もまた、親との不適切な関係によって、言葉で物事を感じ、考え、表現する力をつけることができなかった。 それは、幼い彼女にとって家庭での悲しく不条理な日々を生き抜く術だったはずだ。だが、思春期になった時、それは「無思慮」「思考停止」という形として現れ、むしろ社会で生きていく上での足枷となった・・・こうした人たちは、他人どころか自分すら大切にすることができない。思いやりもまた言葉によって生まれる感情だからだ。ゆえに、彼らはお年寄りをターゲットにし、大金をむしり取り、時には暴力を振るうことにすら無頓着でいられるのだ」、不幸なことだ。

次に、この続きを、5月30日付け現代ビジネスが掲載したノンフィクション作家の石井 光太氏による「少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について 石井光太ルポ」を紹介しよう。
・『感情を言語化できない  前篇《なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった》に引き続き、非行少年たちの更生最前線をレポートしよう。 少年院などの更生現場では、犯罪を犯した若者たちに国語力をつけさせるための様々な取り組みを行っている。 『ルポ 誰が国語力を殺すのか』(文藝春秋)で紹介したものが、少年院で使用されている各種カードだ。その1つが、「表情・感情カード」である。 表情・感情カードとは、数十枚のイラストと言葉からなる幼児知育用のカードだ。各カードには、異なるイラストとともに感情を表す言葉が記されている。たとえば、涙を流す女の子のイラストがあり、「さみしい」「こころぼそい」などと書かれている。 少年院の若者たちの多くは、自分の感情を細かく言語化することが不得意だ。ゆえに、何かあれば逐一、表情・感情カードを取り出し、今の自分の感覚が何であるかを探し当て、言語化する訓練をするのである。 本書で、私が話を聞いた法務教官は次のように言っていた。 「たとえば他人と行き違いがあった時、彼らは簡単に『死ね』『ムカつく』『うざい』と言い捨ててしまいます。しかし、それを言えば他人とぶつかることはあっても、うまくいくことはありません。 しかし、きちんと自分の感情に向きあって『さみしい』『こころぼそい』と言うことができたらどうでしょう。ぶつかることは避けられますし、相手もその子を理解しようとしてくれます」』、「少年院で使用されている各種カードだ。その1つが、「表情・感情カード」である。 表情・感情カードとは、数十枚のイラストと言葉からなる幼児知育用のカードだ。各カードには、異なるイラストとともに感情を表す言葉が記されている。たとえば、涙を流す女の子のイラストがあり、「さみしい」「こころぼそい」などと書かれている。 少年院の若者たちの多くは、自分の感情を細かく言語化することが不得意だ。ゆえに、何かあれば逐一、表情・感情カードを取り出し、今の自分の感覚が何であるかを探し当て、言語化する訓練をするのである・・・私が話を聞いた法務教官は次のように言っていた。 「たとえば他人と行き違いがあった時、彼らは簡単に『死ね』『ムカつく』『うざい』と言い捨ててしまいます。しかし、それを言えば他人とぶつかることはあっても、うまくいくことはありません。 しかし、きちんと自分の感情に向きあって『さみしい』『こころぼそい』と言うことができたらどうでしょう。ぶつかることは避けられますし、相手もその子を理解しようとしてくれます」、「表情・感情カード」とは面白い試みだ。
・『言葉のバブル  実際に劣悪な家庭環境で育ってきた若者たちは、怒りを言葉にすることはしても、悲しみを言葉にすることは苦手だ。怒りは他者に向けられるものだが、悲しみは自分を掘り下げるものである。だから、つらいことを思い出さないために、常に怒りの感情だけを外に向けようとする。 表情・感情カードは、幼児教育向けの教材だ。それを、18歳前後の若者たちが、少年院で使用していると聞くと、愕然とする人もいるかもしれない。逆に言えば、家庭環境によって国語力を奪われてきた若者たちは、こういう教育を受けなければ、自身の感情にすら気づけない状態にあるということでもある。 もちろん、こうした取り組みを半年から1年ほど少年院で行っても、必ずしも成果が出るわけではない。だからこそ、少年院を出た子供たちにも似たような教育が必要になる。 福岡には、ヒューマンハーバーという非行少年を多く受け入れている企業がある。ここが運営する更生教育施設「そんとく塾」では、「言葉のバブル」という授業を行っている。 下の図がそれだ。このように喜怒哀楽に関わる言葉を、より詳細な言葉で細かく分解させ、今の自分がどのような感情なのかを適切に理解し、表現することを練習するのだ。 たとえば、その人の身に何か悲しい出来事が起きたとしよう。この時の悲しみの程度が「せつない」くらいなのに、誤って「死にたい」と解釈し、表現したらどうだろう。 あるいは、何か腹立たしい出来事が起きたとしよう。それが「いまいましい」程度なのに、「殺す」と表現したらどうだろう』、「家庭環境によって国語力を奪われてきた若者たちは、こういう教育を受けなければ、自身の感情にすら気づけない状態にあるということでもある。 もちろん、こうした取り組みを半年から1年ほど少年院で行っても、必ずしも成果が出るわけではない。だからこそ、少年院を出た子供たちにも似たような教育が必要になる・・・非行少年を多く受け入れている企業がある。ここが運営する更生教育施設「そんとく塾」では、「言葉のバブル」という授業を行っている。 下の図がそれだ。このように喜怒哀楽に関わる言葉を、より詳細な言葉で細かく分解させ、今の自分がどのような感情なのかを適切に理解し、表現することを練習するのだ。 たとえば、その人の身に何か悲しい出来事が起きたとしよう。この時の悲しみの程度が「せつない」くらいなのに、誤って「死にたい」と解釈し、表現したらどうだろう。 あるいは、何か腹立たしい出来事が起きたとしよう。それが「いまいましい」程度なのに、「殺す」と表現したらどうだろう」、なるほど。
・『言葉があまりにも軽視されている時代に  こうした誤った表現が、無用なトラブルを生むことは目に見えている。だからこそ、自分の内面をきちんと理解し、表現することが必要なのだ。 同塾で言葉のバブルの授業をする原田公裕は語る。 「生きることに困難を抱えている人の大半は言葉に問題を抱えています。その苦労を知らない頭のいい大人たちが、『ちゃんとやれ』と叱っても効果がないんです。それなら、きちんと学び直しの機会をつくり、“考える力”“他者への想像力”“論理力”をつけさせるべきです」 少年犯罪でなくても、同じことは一般の人たちにも当てはまる。学校で、会社で、家庭で、言葉をうまくつかえないことが原因のトラブルは多数発生しているだろう。 どれだけ言葉で自分を理解できるのか。他人や社会を思いやれるのか。言葉をうまく操ることができれば、その人は何倍も生きやすくなるだろう。 つまり、国語力を身につけることは、「生きづらさ」からの脱却になるのだ。 現代の人々を取り巻く国語力の問題や、それを習得するための取り組みについて詳しい事例は、『ルポ 誰が国語力を殺すのか』に書いたので参照していただきたい。 ここで言えるのは、言葉こそが、この複雑で困難な時代をうまく生き抜くために必要不可欠な力の1つであるといことだ。しかし今の社会では、それがあまりに軽視されているように思えてならない。 前篇記事《なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった》もあわせてお読み下さい』、「言葉こそが、この複雑で困難な時代をうまく生き抜くために必要不可欠な力の1つであるといことだ。しかし今の社会では、それがあまりに軽視されているように思えてならない。」、その通りだ。

第三に、10月18日付け文春オンライン「詐欺総額1000万円「ルフィ」エリート美女が出廷「水着で出勤しろ!」「俺たちはクズだから」寺島春奈(29)を追い詰める“同僚女性”の証言」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/74263
・『10月8日、東京地裁716号法廷に現れた色白の美女は両脇を刑務官に囲まれ、無表情で腰を下ろした。丸眼鏡の奥の瞳は、感情を押し殺すように前を見据えている。目鼻立ちは整っているが、くたびれたTシャツは1年半余にわたる勾留の長さを物語っていた。 この日行われたのは、渡辺優樹(40)を頂点とする特殊詐欺組織“ルフィグループ”のメンバー寺島春奈(29)の公判である。 1995年、長野市に3人きょうだいの末っ子として生まれた寺島。祖父、父は共に教員を務めた地元の名士だった。中学時代はソフトテニス部に所属していたが、その生活は次第に荒れていく。不良とつるみ始め、進学した市内の高校を中退すると、キャバクラ嬢として働き始めた。その後、寺島は詐欺グループのメンバーとして犯罪に加担していく』、「祖父、父は共に教員を務めた地元の名士」だったが、「高校を中退すると、キャバクラ嬢として働き始めた。その後、寺島は詐欺グループのメンバーとして犯罪に加担」、なるほど。
・『警視庁の調べに対し犯罪への関与を否定  昨年5月24日午後3時半、フィリピンから成田空港に男女4人が降り立った。胸元に薔薇の花弁が施されたオーバーサイズの黒色パーカーを目深に被った寺島は終始俯き、細く整った眉を時折、不機嫌そうに動かした。 同日、警視庁捜査2課は寺島ら4人を窃盗容疑で逮捕。2019年6月から11月にかけて、警察官らを騙って東京都の女性2人に「口座が不正に残高照会されている」などと嘘の電話をかけ、キャッシュカード計8枚や現金計150万円を盗むなどしたという。その後、寺島は窃盗や詐欺で5回の再逮捕、追起訴を経て、現在東京拘置所に勾留されている。 「逮捕後、彼女は警視庁の調べに対して黙秘を貫き、その後は『事件については知らずに電話をかけていた』と犯罪への関与を否定していました。今回、こうした寺島の主張を崩すため、検察側の証人として呼ばれたのが、現地で一緒に暮らしていた犯行グループの元女性メンバーX子でした」(社会部記者) 開廷から約2分後、囚人服姿のX子が入廷し、証言台の前に置かれた長椅子に座る。2019年、X子は「リゾートのアルバイト」を募集していたツイッターで詐欺グループのメンバーと知り合い、同年11月2日にフィリピンに渡航。時を前後して寺島もフィリピンに渡航していた。詐欺グループの幹部を通じて知り合った2人は同部屋で暮らし、共に詐欺に手を染めてきたという。自戒を込めて語られるX子の証言からは、組織内で美貌の“エリート姫”として寺島が重用され、深く詐欺に傾倒していく様が仔細に浮かび上がった』、「逮捕後、彼女は警視庁の調べに対して黙秘を貫き、その後は『事件については知らずに電話をかけていた』と犯罪への関与を否定していました。今回、こうした寺島の主張を崩すため、検察側の証人として呼ばれたのが、現地で一緒に暮らしていた犯行グループの元女性メンバーX子でした・・・X子の証言からは、組織内で美貌の“エリート姫”として寺島が重用され、深く詐欺に傾倒していく様が仔細に浮かび上がった」、なるほど。
・『「日本で受け子をしていた女だ」幹部から寺島を紹介された  マニラ市内にあるウエスト・マカティ・ホテル。2019年当時、渡辺らが現地の実業家から約7億円で購入する契約を結んだとされる詐欺の拠点だ。渡航当日、同ホテル7階に連れて行かれたX子は「大石」と名乗る幹部を紹介された。不安に苛まれながら「フランスの音楽院に行くためにお金がほしくてやってきた。20万~50万円はほしい」と話すと、大石はこう言い放った。 「それなら、1カ月で稼げる。俺たちは犯罪者だから。クズだから!」 その日、「青木」という偽名を与えられたX子は、その翌日「春日井」と名乗る細身の美女を紹介される。その女性こそ、同時期にフィリピンに渡航した“新入り”の寺島だった。そのとき、X子はメンバーにこう伝えられたという。 「春日井は日本で受け子をしていた女だ。だから、“わかっている”」 階下の殺風景な一室。その日を境に2人は同室で寝食を共にし、昼間は詐欺に手を染めるようになる。 「これは掛け子の業務報告をするためのものだから」 大石から2人に手渡されたのは、秘匿性の高いアプリ「テレグラム」がインストールされた携帯電話だった。細分化された組織の中で、彼女たちが所属していたのは「ST箱」「シークレット担当」と呼ばれていた。支給される生活費は、週5000ペソ(約1万円)。組織の中では「週給費」と呼ばれ、週の始まりに手渡しでメンバー全員に支給されたという』、「「春日井(寺島)は日本で受け子をしていた女だ。だから、“わかっている”」 階下の殺風景な一室。その日を境に2人は同室で寝食を共にし、昼間は詐欺に手を染めるようになる」、「寺島」の扱いは別格のようだ。
・『「うまくいかなかったら水着で出勤しろ!」  X子は証言台で次のように語る。 「私はこれからどういうことをするのだろうとわからなかったので不安になっていたんですが、春日井さんはおおらかにしていた。だから、彼女は『何をやるのか』、わかっているのだろうと思っていました」  翌4日早朝、幹部は掛け子が一堂に会した朝礼で2人をメンバーに紹介した。 「今日から新人として入った青木と春日井だ」 そこでX子と寺島は2台目の携帯電話と共に、紙の束を手渡される。 〈こちらは、警視庁公安課の◯◯です。捕まった犯人の所有物からあなたの銀行キャッシュカードから現金を引き出している形跡がありました〉 掛け子が高齢者に電話をかける際の事例が書かれた詐欺マニュアルである。 「それを見て、高齢者相手に騙しの電話をする仕事なのだと思いました。マニュアルは春日井さんも受け取っています」(X子) その日、X子は詐欺グループ内で寺島が厚遇されている現実を垣間見る。X子に背を向ける形で座って、電話をかける寺島の隣に張り付き、手法を伝授する男。付きっきりで詐欺を仕込み、エリートとして育成していく意図を感じたという。だが、彼女たちは同時に恐怖と金に支配された環境に身を置くことになる。 「明日詐欺がうまくいかなかったら水着で出勤しろ! 成功したら10万円やる」 寺島らの歓迎会を開いた幹部は、そう命じたという。) 寺島は「『一緒に頑張りましょう』という感じだった」 「それが嫌で、私は翌日頑張って初めて詐欺を成功させました。キャッシュカードには1日100万円の出金限度額があるので、1日に引き出せなかったお金は翌朝に引き出すことになる。それを『朝出し』と言っていました」(X子) 掛け子の報酬は、騙し取った金の4%。また、詐欺総額が月1千万円を超えると、全員に50万円のボーナスが配られたという。 「報酬はストックしていって、必要があるときに申請します。大石からテレグラムで『いくら必要か』と聞かれ、日本円で受け取っていました」(X子) 検察から「被告側は『犯罪組織かはわからず、電話していた』と主張しているが」と問われたX子は、次のように証言している。 「彼女は『一緒に頑張りましょう』という感じだった。(犯罪行為を)わかっていた感じです」』、「X子は詐欺グループ内で寺島が厚遇されている現実を垣間見る。X子に背を向ける形で座って、電話をかける寺島の隣に張り付き、手法を伝授する男。付きっきりで詐欺を仕込み、エリートとして育成していく意図を感じたという・・・掛け子の報酬は、騙し取った金の4%。また、詐欺総額が月1千万円を超えると、全員に50万円のボーナスが配られたという。 「報酬はストックしていって、必要があるときに申請します。大石からテレグラムで『いくら必要か』と聞かれ、日本円で受け取っていました」(X子)」、なるほど。
・『マニュアルに書かれていない手法の詐欺も  X子の証言が浮き彫りにするのは、詐欺グループが寺島らに詐欺の“英才教育”を施し、彼女たちが積極的に関与していく様子だった。当時、彼らが得意としていたのが「現金キャッチ」と呼ばれる手法である。 「『キャッシュカードとは別に現金は家にありますか?』と尋ねて『金は偽札である可能性がある』と伝え、R(日本にいる受け子)が現金を持って帰る手法です」(X子)  「現金キャッチ」は、前述したマニュアルに書かれていない。X子と寺島は幹部から「経験者から方法を聞いてこい」と言われ、掛け子の先輩に近付き、電話のやり方を学んだという。日本にいる受け子が現金を受け取る一部始終を目の当たりにすると、大石から「2人もこれができるようにやってほしい」と言われ、報酬を握らされたという。 11月13日午前、ついに寺島は詐欺の月額1000万円を達成。大石が「おめでとう!」と寺島を労っていたころ、ホテル周辺は途端に物々しい雰囲気に包まれた。同日午後、フィリピンの入管当局は特殊詐欺に関わった容疑で日本人36人の身柄を拘束したのだ』、「当時、彼らが得意としていたのが「現金キャッチ」と呼ばれる手法である。 「『キャッシュカードとは別に現金は家にありますか?』と尋ねて『金は偽札である可能性がある』と伝え、R(日本にいる受け子)が現金を持って帰る手法です」(X子)・・・11月13日午前、ついに寺島は詐欺の月額1000万円を達成。大石が「おめでとう!」と寺島を労っていたころ、ホテル周辺は途端に物々しい雰囲気に包まれた。同日午後、フィリピンの入管当局は特殊詐欺に関わった容疑で日本人36人の身柄を拘束したのだ」、「フィリピンの入管当局」による「身柄拘束」のタイミングが偶然に合ったのだろう。
・『掛け子としての黒いキャリアを重ねた寺島  半分の人が拘束された。私と春日井さんは解放されましたが、パスポートは没収されてしまった。その日、春日井さんと一緒にタクシーに乗って(入管当局に)見つからないように南へ向かいました。辿り着いたホテルで1週間何もしないで過ごして、その後『また掛け子をする』というので、店を借り切って掛け子を始めました」(X子) X子は逃亡生活に嫌気が差し、翌2020年2月末に組織を抜け出した。日本大使館に行き、パスポートの紛失を届け出た上、オーバーステイの税金を納付し、同年3月に帰国。成田空港で待っていたのは逮捕状を携えた警視庁の捜査員だった。だが、寺島は詐欺グループを抜けることなく、フィリピンに留まり続け、掛け子としての黒いキャリアを重ねたのだ。 X子がこうした証言をする間、寺島は一度も彼女を見ることはなく、過去の記憶に蓋をするかのように時折目を閉じた。近く予定される被告人質問で寺島は何を語るのか。間もなく裁判は佳境に差し掛かる』、やはり「寺島」は“エリート姫”らしく「X子」のように自発的に自首したりせず、最後までグループの一員であり続けたようだ。

第四に、10月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元週刊文春・月刊文藝春秋編集長の木俣正剛氏による「「トクリュウ」がとうとう近所にやって来た!“狙われる街”に急務の治安対策とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/352571
・わが家は大丈夫か? ひたひたと迫る「トクリュウ」の恐怖  10月16日朝、横浜市青葉区の市が尾駅近くで老人の家が襲われ、窓を割った侵入者に老人が縛られたまま殺されたというニュースが流れました。ああ、例の「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)が、とうとうわが家の近くにまで現れたのです。 青葉区は閑静な住宅地で、東京のベッドタウンとしてどんどん発展しました。ほとんどが東急電鉄の沿線で、宅地開発でも同じ地域を一気に売り出すので、町内に住んでいるのは大体同じ世代になります。つまり、今は子どもが巣立って独居老人や老夫婦だけが住んでいるか、二世帯住宅になっているかという街です。 「トクリュウ」が現れる前から、老人に対する詐欺らしき電話や「押し買い」への注意が回覧板に出るようになっていました。実際、プロ野球横浜ベイスターズや読売巨人軍の選手が近所に住んでいるケースも多く、遠征中(夫の留守がわかっているので)に6人組の強盗に入られた選手の名前を聞いたこともあります。 閑静で安全な住宅地だったはずが、だんだん防犯意識が強い街になり、怪しげな人が道を行き交うと、すぐ噂になります。なぜかわが家はまったく被害に遭っていないので、巡回にきた警官に聞いてみると、「泥棒が入りにくい構造になっているからではないか」と解説してくれました。具体的には次の通りです。
(1)夫婦の寝る時間、起きる時間、仕事に出る時間が違っていて、犯罪者が行動バターンを読みにくい(出版社勤務でよかったです)。
(2)家への出入りを周囲から見咎められやすい構造になっている。
(3)砂利石が敷かれていて、音がする。
(4)買っている犬は小犬だが、吠え声が野太くて、他人には大きな犬が家の中にいるように思える。
 しかし、実はわが家は一つの不安を抱えていました。ドアの鍵を車の鍵のようにカバンに入れたままでも、手でドアに触れるだけで開くというシステムにしたのですが、実はこの鍵が一つ見当たらないのです。基本はカバンの中に入れてあるので、家のどこかにあるはずですが、愛犬の散歩でフンを拾うときに、たまたま落としてしまった可能性もないではありません。 10日ばかり探しましたが、出てきません。もしこれを「トクリュウ」が拾ったら、と思うと気が気ではありません。街中を探し歩きながら、ドアを触ればいいだけですから。妻に目茶苦茶叱られながら、家探しを行い、最近着た服やカバンを毎日漁っていましたが、今日、ついに鍵を変えることにしました。命あってのモノダネです。)「実はわが家は一つの不安を抱えていました。ドアの鍵を車の鍵のようにカバンに入れたままでも、手でドアに触れるだけで開くというシステムにしたのですが、実はこの鍵が一つ見当たらないのです・・・家探しを行い、最近着た服やカバンを毎日漁っていましたが、今日、ついに鍵を変えることにしました。命あってのモノダネです」、賢明だ。
・実際、疑い出すと「黒い服の若い男が、町を徘徊しては様子を見ている」「若い黒人(ただし学生風で理知的な顔立ち)の4人組が、ゴミの缶をビニール袋にいっぱい入れて運んでいたから、資源ゴミ泥棒じゃないか」「自転車に乗った男が、自宅を10分ほどずっと眺めていた」などという、近所の噂話が耳に入ってきます。 「住人同士が挨拶をしている街の家には、まず泥棒は入らない」と元警視総監の講演で聞いたことがあります。昼と夜には町内でパトロールをしているし、ほとんどの家が犬を飼い、門灯もつけ、監視カメラも多い。その意味では防犯意識はしっかりした町なので、生命の危険を感じるようなことはなく、ある意味、コミュニティがしっかりでき上がっており、「挨拶ができる安心な街って、こういうところだろうな」と安心していたのです』、「「住人同士が挨拶をしている街の家には、まず泥棒は入らない」と元警視総監の講演で聞いたことがあります。昼と夜には町内でパトロールをしているし、ほとんどの家が犬を飼い、門灯もつけ、監視カメラも多い。その意味では防犯意識はしっかりした町なので、生命の危険を感じるようなことはなく、ある意味、コミュニティがしっかりでき上がっており、「挨拶ができる安心な街って、こういうところだろうな」と安心していたのです」、なるほど。
・日本の犯罪は別次元に突入 急がれる治安対策の発想転換  しかし、今回の「トクリュウ」は防犯の必要性が別次元に入ったと考えるべきではないでしょうか。たとえば青葉区の殺人は、同一犯と思わる犯罪がどんどん明るみに出て首都圏で15件に及び、他にも栃木と札幌で類似した事件が発生していると判明。埼玉、千葉、神奈川に警視庁と警察庁の合同捜査本部が設置されました。これまでに判明しているのは、強盗致傷が10件、強盗殺人が1件、それ以外は強盗予備、窃盗などだそうです。 私はこのニュースを見た時点で、地域の治安対策を完全に転換しなければいけないと感じました。もう日本を「治安のいい国」などと言ってはいられません。性善説が前提となっており、財布を落としても交番に行けば届けられており、お巡りさんが近所とコミュニケーションをとるような時代ではなくなったのです。政府は防犯カメラ設置への補助や相談窓口の開設などの対策を打ち出しましたが、そんな生ぬるいものでは、今回のような犯罪は根絶などできないと思います。 私は治安対策の抜本的な強化を提案したいと思います。まずは日本の警察を、かつて暴力団を暴対法でほとんど根絶したような強い法的根拠を持つ警察へと、作り直す時期がきているということです。今回も広域捜査本部ができましたが、殺人が10日に発生したのに立ち上げは18日になってから。最初から「トクリュウ」に関わる犯罪は広域であることがわかっているのだから、もっと早くから全国規模で捜査体制を組むか、特別チームをつくるといった対策が必要だったのではないでしょうか』、「今回の「トクリュウ」は防犯の必要性が別次元に入ったと考えるべきではないでしょうか・・・私は治安対策の抜本的な強化を提案したいと思います。まずは日本の警察を、かつて暴力団を暴対法でほとんど根絶したような強い法的根拠を持つ警察へと、作り直す時期がきているということです。今回も広域捜査本部ができましたが、殺人が10日に発生したのに立ち上げは18日になってから。最初から「トクリュウ」に関わる犯罪は広域であることがわかっているのだから、もっと早くから全国規模で捜査体制を組むか、特別チームをつくるといった対策が必要だったのではないでしょうか」、なるほど。
・振り込め詐欺(以前は「オレオレ詐欺」)は、1990年代に社会問題化し始め、2004年に警察庁が「振り込め詐欺」へと名称を統一しました。2004年の振り込め詐欺の被害額は約280億円でしたが、2014年には約565億円に増加。「ルフィ」などの黒幕が海外で逮捕された2024年においても、被害額は約452億円と推定されています。つまり、暴力団は衰弱しても、半グレや暴力団崩れが関与した闇バイト、振込詐欺の受け子など、お金のない若者をテレグラムなどの匿名性の高いシステムを使って動かす組織は存続し続け、元締めがわからない形で犯行を過激化させているという状況ははっきりしています』、「2004年の振り込め詐欺の被害額は約280億円でしたが、2014年には約565億円に増加。「ルフィ」などの黒幕が海外で逮捕された2024年においても、被害額は約452億円と推定されています。つまり、暴力団は衰弱しても、半グレや暴力団崩れが関与した闇バイト、振込詐欺の受け子など、お金のない若者をテレグラムなどの匿名性の高いシステムを使って動かす組織は存続し続け、元締めがわからない形で犯行を過激化させているという状況ははっきりしています」、なるほど。
・「振り込め詐欺」さえ撲滅できない 日本の警察の不安な実情  しかし、旧態然とした組織や法律のままで、「振り込め詐欺」を何十年も解決できないのが今の警察なのです。今の組織や法体系では、これに対抗するのは無理であり、政府はこのリスクをもっと重大視した立法と組織変更を行う必要があるのではないでしょうか。 たとえば、米国は9.11で国家を揺るがすほどのテロ被害を受けましたが、その後、国家情報長官を新設し、テロリスト情報の共有の円滑化や国土安全保障局を使った盗聴を強化し、結果として20年以上にわたって大規模なテロを防止しています。被害の規模は違うとはいえ、イスラム諸国のテロリスト同様、日本の「トクリュウ」には時代背景を見ても出現する理由が存在します。 小泉純一郎、安倍晋三の両内閣で新自由主義的改革が行われ、格差社会が現実となりました。最初は限定されていた派遣社員の範囲がどんどん拡大され、20代の平均貯蓄額は2000年には約131万円だったものが、2020年には約72万円へと減りました。若者が貧乏であることが、裏バイトが増え続ける根源的な原因であり、彼らをリスクなしに利用できる黒幕が生き延び続ける原因です。日本を支える治安という重要なインフラを壊すテロリスト的存在であると「トクリュウ」を認識した上で、新しい組織、法律を考える必要があるのではないでしょうか。 「日本の警察は優秀」と国際的にも評価を受けています。実際、1990年は犯罪数が約250万件に対して検挙率が約60%、2010年は同150万件に対して同30%、そして2020年は同約70万件に対して同約40%となっており、犯罪数、検挙率ともに良好と言えます。 しかし実際には、検挙率は自転車泥棒を取り締まればすぐ増えます。私の取材経験では、警察は現場で事件を追うよりも昇進のための試験に熱心で、市民の訴えをなるべく事件化せずに葬り去ろうという傾向の組織であることも事実なのです。もし今回の事件も広域捜査本部ができなかったら、強盗予備に分類されていた犯罪は「トクリュウ」犯罪と位置付けられていなかったかもしれません。) 本当は「トクリュウ」をマフィア同様の組織と認定し、暴対法の対象にするだけでなく、いわゆる「盗聴法」(正式名:通信傍受法)の対象を拡大し、テレグラムの完全使用禁止やダークウェブまで監視する権限を、警察に与えるべきではないでしょうか』、「旧態然とした組織や法律のままで、「振り込め詐欺」を何十年も解決できないのが今の警察なのです・・・米国は9.11で国家を揺るがすほどのテロ被害を受けましたが、その後、国家情報長官を新設し、テロリスト情報の共有の円滑化や国土安全保障局を使った盗聴を強化し、結果として20年以上にわたって大規模なテロを防止しています・・・20代の平均貯蓄額は2000年には約131万円だったものが、2020年には約72万円へと減りました。若者が貧乏であることが、裏バイトが増え続ける根源的な原因であり、彼らをリスクなしに利用できる黒幕が生き延び続ける原因です。日本を支える治安という重要なインフラを壊すテロリスト的存在であると「トクリュウ」を認識した上で、新しい組織、法律を考える必要があるのではないでしょうか・・・本当は「トクリュウ」をマフィア同様の組織と認定し、暴対法の対象にするだけでなく、いわゆる「盗聴法」(正式名:通信傍受法)の対象を拡大し、テレグラムの完全使用禁止やダークウェブまで監視する権限を、警察に与えるべきではないでしょうか」、なるほど。 
・米国は国家安全保障局(NSA)による「エシュロン」と呼ばれる通信傍受システムで、テロを相当数未然に防ぎました。日本の盗聴法も、2016年の改正でそれまでの薬物・銃器・集団密航・組織的犯罪しか認められていなかった傍受の範囲が拡大され、傷害、爆発物使用、放火、誘拐、監禁、窃盗、詐欺、児童ポルノなどが加えられ、傍受についても「通信会社に出向く」のではなく「警察が必用とする日数分の通話の圧縮データを通信会社から送ってもらい、立会人なしで警察がデータの検証を行える」ように改正されました。 もちろん、個人情報を大事にして人権を養護する団体からは、疑問の声が多く出ましたが、これだけ「トクリュウ」犯罪が過激化し、しかも海外からの指示やお互いを知らない闇バイトメンバーの犯行など犯罪が流動化している現実を見れば、彼らの通信網や連絡網を把握できるよう、即応できる仕組みを考える必用があると思います』、「これだけ「トクリュウ」犯罪が過激化し、しかも海外からの指示やお互いを知らない闇バイトメンバーの犯行など犯罪が流動化している現実を見れば、彼らの通信網や連絡網を把握できるよう、即応できる仕組みを考える必用がある」、その通りだ。
・『過去の日本を取り戻すにはトクリュウ対策を徹底せよ  私は警察を全面的に信用し、権力の濫用を心配しない人間ではありません。しかし、今日のような犯罪の多発化、過激化、単純化は社会情勢の変化と共に起こっているものであり、それには何よりも国民の安全が優先されることが大事です。 たとえば、「トクリュウ」犯罪撲滅の目標を3年以内と警察に決めさせ、3年の時限立法で特別な盗聴許可を出したり、闇バイトで犯罪を唆された人物が警察に事前に名乗り出た場合、報奨金などを出し家族を保護する施設をつくったりすることも検討すべきでしょう。 石破総理は自民党総裁選の立候補演説で、過去の日本についてこう追憶しました。 今ほど豊かではなかったけれど、そこには大勢の人の笑顔がありました。(略)もう一度そういう日本を取り戻したいと思っています。互いが悪口を言ったり足を引っ張ったりするのではなく、共に助け合い、悲しい思いでいる人、苦しい思いでいる人、そういう人たちを助け合うような、そういう日本にしてまいりたいと思っております。日本を守りたい、国民を守りたい、地方を守りたいのです」 まさに「トクリュウ」の撲滅、闇バイト志望者の激減こそ、かつての仲のいい日本人社会を取り戻すチャンスなのではないでしょうか。全身全霊をかけ、全力で警察を叱咤し、必用な法律という武器を与えて、「かつての日本人の笑顔」を取り戻してほしいと考えます』、「「トクリュウ」の撲滅、闇バイト志望者の激減こそ、かつての仲のいい日本人社会を取り戻すチャンスなのではないでしょうか。全身全霊をかけ、全力で警察を叱咤し、必用な法律という武器を与えて、「かつての日本人の笑顔」を取り戻してほしい」、同感である。
タグ:(その3)(なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった 石井光太ルポ、少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について 石井光太ルポ、詐欺総額1000万円「ルフィ」エリート美女が出廷「水着で出勤しろ!」「俺たちはクズだから」寺島春奈(29)を追い詰める“同僚女性”の証言、「トクリュウ」がとうとう近所にやって来た!“狙われる街”に急務の治安対策とは) 広域強盗事件 現代ビジネス 石井 光太氏による「なぜここまで短い言葉で若者たちは闇バイトにはまり込んだか?その理由は絶望的な「国語力」にあった 石井光太ルポ」 「犯罪と言葉という観点から」とは興味深そうだ。 「高額報酬という割には、驚くほどの短文でやりとりし、会話にしたら30秒ほどの内容で、数十万、数百万という単位の闇バイトに引きずり込まれる・・・こうした短文でのやり取りに、深い思慮はまったくといっていいほどない。だから、一般的には理解できないほど容易く最悪の事態が起きてしまう」、なるほど。 「人が生きていくには、言葉によって自分の内面と向き合い、物事を想像し、論理的に物事を思考し、それを表現していかなければならない。それができてはじめて周囲に自分を理解してもらい、様々な壁を乗り越えていくことができる。国語力とは、そんな全人的な力なのだ・・・虐待親から子供が何の理由もなしに四六時中殴られていたとしよう。 そうすれば子供たちは「なぜ叩かれているのか」を考えることも、「なんで叩くのか」と聞くこともしなくなる。 理由を考えても答えが出てこないし、親に聞いても殴られるだけだからだ。 あるいは、親が外で遊び歩いてまったく家に帰ってこなかったとしよう。ネグレクトである。 そうなれば、子供は絵本の読み聞かせや会話のやり取りで言葉を育むことができないし、学齢期になっても夜中まで孤独な時間を過ごさなければならなくなる」、なるほど。 「こうした子供たちは、親子関係が良好な家庭で育つ子供たちと比べて、明らかに語彙の量、自分の感情を知覚する力、見知らぬ世界や他者への想像力を広げる力、物事の因果間関係を志向する力が弱まる。つまり、国語力という人間が生きていくのに必要な全人的な力が脆弱になるのだ。 先の女子少年院の少女も同様だ。彼女もまた、親との不適切な関係によって、言葉で物事を感じ、考え、表現する力をつけることができなかった。 それは、幼い彼女にとって家庭での悲しく不条理な日々を生き抜く術だったはずだ。 だが、思春期になった時、それは「無思慮」「思考停止」という形として現れ、むしろ社会で生きていく上での足枷となった・・・こうした人たちは、他人どころか自分すら大切にすることができない。思いやりもまた言葉によって生まれる感情だからだ。ゆえに、彼らはお年寄りをターゲットにし、大金をむしり取り、時には暴力を振るうことにすら無頓着でいられるのだ」、不幸なことだ。 石井 光太氏による「少年院で使用されている幼児教育向けの「表情・感情カード」がヤバすぎる…犯罪と国語力の関係について 石井光太ルポ」 『ルポ 誰が国語力を殺すのか』(文藝春秋) 「少年院で使用されている各種カードだ。その1つが、「表情・感情カード」である。 表情・感情カードとは、数十枚のイラストと言葉からなる幼児知育用のカードだ。各カードには、異なるイラストとともに感情を表す言葉が記されている。たとえば、涙を流す女の子のイラストがあり、「さみしい」「こころぼそい」などと書かれている。 少年院の若者たちの多くは、自分の感情を細かく言語化することが不得意だ。ゆえに、何かあれば逐一、表情・感情カードを取り出し、今の自分の感覚が何であるかを探し当て、言語化する訓練をするのである・・・私が 話を聞いた法務教官は次のように言っていた。 「たとえば他人と行き違いがあった時、彼らは簡単に『死ね』『ムカつく』『うざい』と言い捨ててしまいます。しかし、それを言えば他人とぶつかることはあっても、うまくいくことはありません。 しかし、きちんと自分の感情に向きあって『さみしい』『こころぼそい』と言うことができたらどうでしょう。ぶつかることは避けられますし、相手もその子を理解しようとしてくれます」、「表情・感情カード」とは面白い試みだ。 「家庭環境によって国語力を奪われてきた若者たちは、こういう教育を受けなければ、自身の感情にすら気づけない状態にあるということでもある。 もちろん、こうした取り組みを半年から1年ほど少年院で行っても、必ずしも成果が出るわけではない。だからこそ、少年院を出た子供たちにも似たような教育が必要になる・・・非行少年を多く受け入れている企業がある。ここが運営する更生教育施設「そんとく塾」では、「言葉のバブル」という授業を行っている。 下の図がそれだ。このように喜怒哀楽に関わる言葉を、より詳細な言葉で細かく分解させ、今の自分がどのような感情なのかを適切に理解し、表現することを練習するのだ。 たとえば、その人の身に何か悲しい出来事が起きたとしよう。この時の悲しみの程度が「せつない」くらいなのに、誤って「死にたい」と解釈し、表現したらどうだろう。 あるいは、何か腹立たしい出来事が起きたとしよう。それが「いまいましい」程度なのに、「殺す」と表現したらどうだろう」、なるほど。 「言葉こそが、この複雑で困難な時代をうまく生き抜くために必要不可欠な力の1つであるといことだ。しかし今の社会では、それがあまりに軽視されているように思えてならない。」、その通りだ。 文春オンライン「詐欺総額1000万円「ルフィ」エリート美女が出廷「水着で出勤しろ!」「俺たちはクズだから」寺島春奈(29)を追い詰める“同僚女性”の証言」 「祖父、父は共に教員を務めた地元の名士」だったが、「高校を中退すると、キャバクラ嬢として働き始めた。その後、寺島は詐欺グループのメンバーとして犯罪に加担」、なるほど。 「逮捕後、彼女は警視庁の調べに対して黙秘を貫き、その後は『事件については知らずに電話をかけていた』と犯罪への関与を否定していました。今回、こうした寺島の主張を崩すため、検察側の証人として呼ばれたのが、現地で一緒に暮らしていた犯行グループの元女性メンバーX子でした・・・X子の証言からは、組織内で美貌の“エリート姫”として寺島が重用され、深く詐欺に傾倒していく様が仔細に浮かび上がった」、なるほど。 「「春日井(寺島)は日本で受け子をしていた女だ。だから、“わかっている”」 階下の殺風景な一室。その日を境に2人は同室で寝食を共にし、昼間は詐欺に手を染めるようになる」、「寺島」の扱いは別格のようだ。 「X子は詐欺グループ内で寺島が厚遇されている現実を垣間見る。X子に背を向ける形で座って、電話をかける寺島の隣に張り付き、手法を伝授する男。付きっきりで詐欺を仕込み、エリートとして育成していく意図を感じたという・・・掛け子の報酬は、騙し取った金の4%。また、詐欺総額が月1千万円を超えると、全員に50万円のボーナスが配られたという。 「報酬はストックしていって、必要があるときに申請します。大石からテレグラムで『いくら必要か』と聞かれ、日本円で受け取っていました」(X子)」、なるほど。 「当時、彼らが得意としていたのが「現金キャッチ」と呼ばれる手法である。 「『キャッシュカードとは別に現金は家にありますか?』と尋ねて『金は偽札である可能性がある』と伝え、R(日本にいる受け子)が現金を持って帰る手法です」(X子)・・・11月13日午前、ついに寺島は詐欺の月額1000万円を達成。大石が「おめでとう!」と寺島を労っていたころ、ホテル周辺は途端に物々しい雰囲気に包まれた。同日午後、フィリピンの入管当局は特殊詐欺に関わった容疑で日本人36人の身柄を拘束したのだ」、「フィリピンの入管当局」による「身 柄拘束」のタイミングが偶然に合ったのだろう。 やはり「寺島」は“エリート姫”らしく「X子」のように自発的に自首したりせず、最後までグループの一員であり続けたようだ。 ダイヤモンド・オンライン 木俣正剛氏による「「トクリュウ」がとうとう近所にやって来た!“狙われる街”に急務の治安対策とは」 「実はわが家は一つの不安を抱えていました。ドアの鍵を車の鍵のようにカバンに入れたままでも、手でドアに触れるだけで開くというシステムにしたのですが、実はこの鍵が一つ見当たらないのです・・・家探しを行い、最近着た服やカバンを毎日漁っていましたが、今日、ついに鍵を変えることにしました。命あってのモノダネです」、賢明だ。 「「住人同士が挨拶をしている街の家には、まず泥棒は入らない」と元警視総監の講演で聞いたことがあります。昼と夜には町内でパトロールをしているし、ほとんどの家が犬を飼い、門灯もつけ、監視カメラも多い。その意味では防犯意識はしっかりした町なので、生命の危険を感じるようなことはなく、ある意味、コミュニティがしっかりでき上がっており、「挨拶ができる安心な街って、こういうところだろうな」と安心していたのです」、なるほど。 「今回の「トクリュウ」は防犯の必要性が別次元に入ったと考えるべきではないでしょうか・・・私は治安対策の抜本的な強化を提案したいと思います。まずは日本の警察を、かつて暴力団を暴対法でほとんど根絶したような強い法的根拠を持つ警察へと、作り直す時期がきているということです。今回も広域捜査本部ができましたが、殺人が10日に発生したのに立ち上げは18日になってから。 最初から「トクリュウ」に関わる犯罪は広域であることがわかっているのだから、もっと早くから全国規模で捜査体制を組むか、特別チームをつくるといった対策が必要だったのではないでしょうか」、なるほど。 「2004年の振り込め詐欺の被害額は約280億円でしたが、2014年には約565億円に増加。「ルフィ」などの黒幕が海外で逮捕された2024年においても、被害額は約452億円と推定されています。つまり、暴力団は衰弱しても、半グレや暴力団崩れが関与した闇バイト、振込詐欺の受け子など、お金のない若者をテレグラムなどの匿名性の高いシステムを使って動かす組織は存続し続け、元締めがわからない形で犯行を過激化させているという状況ははっきりしています」、なるほど。 「旧態然とした組織や法律のままで、「振り込め詐欺」を何十年も解決できないのが今の警察なのです・・・米国は9.11で国家を揺るがすほどのテロ被害を受けましたが、その後、国家情報長官を新設し、テロリスト情報の共有の円滑化や国土安全保障局を使った盗聴を強化し、結果として20年以上にわたって大規模なテロを防止しています・・・20代の平均貯蓄額は2000年には約131万円だったものが、2020年には約72万円へと減りました。 若者が貧乏であることが、裏バイトが増え続ける根源的な原因であり、彼らをリスクなしに利用できる黒幕が生き延び続ける原因です。日本を支える治安という重要なインフラを壊すテロリスト的存在であると「トクリュウ」を認識した上で、新しい組織、法律を考える必要があるのではないでしょうか・・・本当は「トクリュウ」をマフィア同様の組織と認定し、暴対法の対象にするだけでなく、いわゆる「盗聴法」(正式名:通信傍受法)の対象を拡大し、テレグラムの完全使用禁止やダークウェブまで監視する権限を、警察に与えるべきではないでしょうか」、 なるほど。 「これだけ「トクリュウ」犯罪が過激化し、しかも海外からの指示やお互いを知らない闇バイトメンバーの犯行など犯罪が流動化している現実を見れば、彼らの通信網や連絡網を把握できるよう、即応できる仕組みを考える必用がある」、その通りだ。 「「トクリュウ」の撲滅、闇バイト志望者の激減こそ、かつての仲のいい日本人社会を取り戻すチャンスなのではないでしょうか。全身全霊をかけ、全力で警察を叱咤し、必用な法律という武器を与えて、「かつての日本人の笑顔」を取り戻してほしい」、同感である。
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