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鉄道(その14)(阪急電鉄「プライベース」乗りたくなる仕掛け ハイグレードの有料着席サービスが7月に開始、実はイギリスにはない?日本の線路幅「狭軌」の謎 世界各国の「軌間」が映し出す国際情勢と歴史、三菱重工、知られざる「鉄道メーカー」の世界戦略 「架線レス」武器に新交通システムで営業攻勢) [産業動向]

鉄道については、本年7月26日に取上げた。今日は、(その14)(阪急電鉄「プライベース」乗りたくなる仕掛け ハイグレードの有料着席サービスが7月に開始、実はイギリスにはない?日本の線路幅「狭軌」の謎 世界各国の「軌間」が映し出す国際情勢と歴史、三菱重工、知られざる「鉄道メーカー」の世界戦略 「架線レス」武器に新交通システムで営業攻勢)である。

先ずは、8月24日付け東洋経済オンラインが掲載した鉄道ジャーナル編集部による「阪急電鉄「プライベース」乗りたくなる仕掛け ハイグレードの有料着席サービスが7月に開始」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/808195
・『鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2024年10月号「満を持して…ハイグレード座席サービス阪急PRiVACE」を再構成した記事を掲載します』、興味深そうだ。
・『鉄道ファン以外の関心も惹き付ける特別感  2024年7月21日、日曜日の営業開始から日の浅い平日、阪急電鉄大阪梅田駅の京都線のりば1号線に立った。頭端式ホームの付け根はPRiVACE(プライベース)の紹介が飾り付けられ、優雅な横断幕は宝塚線・神戸線のホームを含めて天井から吊り下げられている。中ほど4号車の場所に「乗車位置」と案内があり、上方に「座席指定サービス/空席状況」のディスプレイが設置されている。11時発、11時20分発、12時発とも残席わずかの△印が出ていた。 入手した指定席は11時発の京都河原町行き特急11010号の11A。スタートダッシュの時期だから平日日中と言えども席があるか心配になって2日前にネット予約を覗いてみると、案の定、頃合いの時間帯はかなりの席が埋まっており、1人掛け席の残1をなんとか押さえた。事前予約の多くは鉄道ファンと予測していたのだが、当日のそこに立つと、いかにも…の人がいないではないが、女性同士や熟年夫婦、夏休みも始まり小学生を連れた親子などと幅広い。物見高い関西ゆえか、阪急が送り出した特別感をもった座席指定車両は一般の関心も相当に惹き付けている。) この指定券購入は、各自スマホ等を使ってWebページから行うのを基本としている。発売開始は14日前。券売機や事務室での駅売りはない。今や主たる利用層は券売機などに立ち寄らないから、と割り切った。その場で空席があれば乗車列車のアテンダントからの購入もできるが、他の列車は押さえられない。もちろんWeb購入の場合の決済は、必然的にクレジットカード、それかPayPayになる。アテンダントからの購入は交通系ICカードか現金で対応する。 プライベース非連結の10時50分発特急が発車すると、その後すぐに京都河原町発の列車が到着、それが特急11010号となる。今回のプライベースは新形式車両2300系の登場と合わせたものだが、2300系でフル組成の編成はまだ1本だけで、他は既存形式9300系の中間にプライベース2350形を組み込んでいる。現れたのも9300系編成だった。 従前から折り返しの手順は、降車側ドアを閉めて転換クロスシートをバタンと自動で一斉反転させ、乗車側ドアを開いた。しかし、プライベースの回転リクライニングシートでは全席の同時回転は前後で干渉するため、1列おきの2段階アクションが必要になる。そのため操作は他車と別個に、アテンダントが車内確認してから行い、少しだけ時間を要する。だから、ドアは開くも「車内準備中」の札を吊り下げたロープが張られており、簡易な清掃を終えてロープを外して、乗車開始となる』、「事前予約の多くは鉄道ファンと予測していたのだが、当日のそこに立つと、いかにも…の人がいないではないが、女性同士や熟年夫婦、夏休みも始まり小学生を連れた親子などと幅広い。物見高い関西ゆえか、阪急が送り出した特別感をもった座席指定車両は一般の関心も相当に惹き付けている・・・プライベースの回転リクライニングシートでは全席の同時回転は前後で干渉するため、1列おきの2段階アクションが必要になる。そのため操作は他車と別個に、アテンダントが車内確認してから行い、少しだけ時間を要する。だから、ドアは開くも「車内準備中」の札を吊り下げたロープが張られており、簡易な清掃を終えてロープを外して、乗車開始となる」、なるほど。
・『「すごいね」の声も上がる阪急のインテリア  車両真ん中という一風変わった配置のデッキから客室へ踏み込む。全体にブラウン系の落ち着いた空間が広がり、おのずと大声は自制しつつ静かに着席…といった雰囲気ではあるが、それでも「すごいね」との声が聞こえる。細かい観察はこれから行うとして、片側2人掛け、片側1人掛け配置の大きな座席は、濃い茶色の木製フレームと「ゴールデンオリーブ」と称する濃緑のモケットが相まって阪急らしいレトロモダンと言うか、クラシック寄りの重厚さがある。ホワイトベージュの革の枕カバーには、「PRiVACE」とロゴが入っている。) 神戸線特急、宝塚線急行と並んで三複線に滑り出すと、やがて他線の列車をリードして中津を通過、淀川橋梁の渡河となった。客室内は全面的にカーペット敷きのために足の感触が柔らかいとともに、吸音性をもつため、鉄橋を渡る音は心持ち静かだろうか。十三に停車。京都側車室は全席が埋まった。おそらく大阪側の車室も同様と思う。 続いて千里線接続の淡路に停車。大規模な連立化工事が進んでおり高い高架橋がそびえているが、まだ桁が渡っていない部分も残る。以後は京都線特急らしい爽快な足取りとなり、阪急の路線上にあるOsaka Metro堺筋線の東吹田検車場を右に見たのち、続いて過日に報道向け試乗会でも訪れた正雀車庫を構える正雀を通過する』、「片側2人掛け、片側1人掛け配置の大きな座席は、濃い茶色の木製フレームと「ゴールデンオリーブ」と称する濃緑のモケットが相まって阪急らしいレトロモダンと言うか、クラシック寄りの重厚さがある。ホワイトベージュの革の枕カバーには、「PRiVACE」とロゴが入っている」、なるほど。
・『試乗会で伝えられたプライベースの魅力  さてと、試乗会での取材成果を交えながら、プライベースのあれこれに目を向けてゆきたい。 客室は中央デッキを挟んで前後2室。座席番号は大阪側車室が1?7番と若く、京都側は8?14番の数字が続く。 旅行者としては大阪梅田から乗る機会が多いので感覚的に大阪→京都の向きを下りのように捉えがちだが、京阪間の路線はJRは言わずもがな、阪急京都線も京阪電車も京都→大阪方向が下りである。そのため阪急京都線の1号車は大阪梅田方先頭車で、京都行きでは座席番号も数字の若い方が後ろになるわけだ。 大阪側車室は京都行き上り列車において進行右側が1人掛け、京都側車室は左側が1人掛けである。そして、どちらも1人掛け席をA席とし、2人掛け席はBC席となる。つまり前後車室でABCの並びが逆転するので、1人掛け席で好みの車窓を楽しみつつ過ごしたい場合など番号に留意する必要がある。予約時に「座席を選択する」で指定できる。 ドアを中央にして車室を分けた理由は、一つは車両の姿としての差別化、そして乗降口が1か所という構造では片端に寄せるより中央の方が乗降性が高いこと、さらにコンパクトな空間が実現すること?との説明だった。 阪急電鉄において、次期京都線特急車の導入と抱き合わせつつ、座席指定車両の具体的検討を始めたのは2020年の後半だった。今回阪急では、コンセプトを煮詰めることにじっくり1年の時間をかけた。まずは京阪神在住者2千人にWebアンケートを行い、さらに指定席車両の利用意向が高い人々にインタビュー調査を重ねて方向性を見出した。やはりニーズが高いのは混雑する通勤時で、したがってメインターゲットはラッシュ時の通勤客、属性としては20歳代?50歳代の男性、20歳代・30歳代の女性となった。そして今の時代、公共空間の中でも個の空間が欲しいという要求が高いことから、「プライベート感覚」がコンセプトの柱に据えられた。ちょうど開発がコロナ禍の最中だったため、非接触への欲求がとても高まっていたこともある。 その具現化がプライベースなのだ。 試乗会の際、「阪急電車の声の人」こと下間都代子氏は、「プライベースは、”日常の移動時間をプライベートな空間で過ごす自分時間へ”をコンセプトとし、プライベートと、英語で場所を表すプレイスを掛け合わせた名称です。阪急電車らしさはそのままに、お客様に快適な自分時間を過ごしていただけるよう、プライベート感と快適性を兼ね備えた上質な空間づくりを目指したデザインとしています」 と説明。外観やインテリアの特徴を述べ、阪急電車を象徴するマルーンにゴールドラインやステンドグラスをイメージした乗降ドアの窓などで特別感を持たせ、デッキ部の壁面は木目調と大理石調のデザイン、柔らかなダウンライトで上質さを演出したと伝えた。 座席は座面幅と足元を広く取った。リクライニングに加えて周囲からの視線を遮る大きなヘッドレストや2列席にはパーティションを設け、個々にリラックスできる空間を感じてもらえるよう、細部までこだわったそうだ』、「阪急電車らしさはそのままに、お客様に快適な自分時間を過ごしていただけるよう、プライベート感と快適性を兼ね備えた上質な空間づくりを目指したデザインとしています」 と説明。外観やインテリアの特徴を述べ、阪急電車を象徴するマルーンにゴールドラインやステンドグラスをイメージした乗降ドアの窓などで特別感を持たせ、デッキ部の壁面は木目調と大理石調のデザイン、柔らかなダウンライトで上質さを演出したと伝えた。 座席は座面幅と足元を広く取った。リクライニングに加えて周囲からの視線を遮る大きなヘッドレストや2列席にはパーティションを設け、個々にリラックスできる空間を感じてもらえるよう、細部までこだわったそうだ」、なるほど。

次に、9月4日付け東洋経済オンラインが掲載した在英ジャーナリストのさかい もとみ氏による「実はイギリスにはない?日本の線路幅「狭軌」の謎 世界各国の「軌間」が映し出す国際情勢と歴史」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/821098
・『日本に鉄道が走り出してから150年以上が経った。JR在来線をはじめ、日本の多くの鉄道の「軌間」、つまり線路の幅は、国際標準の1435mmより狭い1067mmの「狭軌」だ。 鉄道建設当時、イギリスから派遣された技術者は、山が多く平地も限られている日本で建設に有利であるとして狭軌を導入した。一方、60年前に走り出した新幹線は高速運転のため、国際標準軌を採用した。 日本だけでなく、一つの国の中でも異なる軌間が存在するため列車の直通が困難というケースがあるが、軌間には技術的な理由だけでなく、昔も今も「国際政治」が大きく絡んでいる。どうして複数の軌間が存在することになったのか。世界各国の事情を俯瞰しながら考えてみることにしたい』、「日本だけでなく、一つの国の中でも異なる軌間が存在するため列車の直通が困難というケースがあるが、軌間には技術的な理由だけでなく、昔も今も「国際政治」が大きく絡んでいる。どうして複数の軌間が存在することになったのか。世界各国の事情を俯瞰しながら考えてみることにしたい」、なるほど。
・『日本の「狭軌」はどこからきた?  1825年にイギリスで鉄道が初めて走り出して以降、19世紀後半には各国でレールが敷かれ、鉄道は勃興期を迎える。日本最初の鉄道は1872年、東京―横浜間(現在の新橋―桜木町間)に開業した。この際、イギリスから技師を招いて技術を導入したのはよく知られている事実だ。 【写真】日本の在来線より60cmも広いインドの軌間、ロシアゲージと標準軌が重なるウクライナ、日本と同じNZや南アフリカ…国内の珍しい線路も 一方で軌間について調べてみると、日本の狭軌、1067mm規格で敷かれた鉄道は、実は都市間を結ぶような本格的な鉄道としてはイギリスには存在していない。 なぜこんなことが起きたのか。) イギリスは当時世界各地にあった植民地で、鉄道敷設にかかる面積がより小さく、少ない予算で広範囲に鉄道網が拡大できる「狭軌」を採用していた。そうした経緯の下、イギリスは日本への鉄道技術導入の際、それを応用した。 日本で「狭軌」と呼んでいる1067mm軌間は、海外、とくに英語圏では、日本の鉄道よりも開業は遅かったものの、南アフリカのケープ州で採用された軌間であることから、「ケープゲージ」とも呼ばれている。ケープゲージは、イギリスの植民地支配の影響下にあった国々、例えばオーストラリア(主にクイーンズランド州)やニュージーランドでも用いられている。 イギリス本国でも導入例はあったものの、これら各国のように都市間を結ぶ鉄道ではなく、路面電車やケーブルカーなどだった。 ちなみに「本線級の路線で世界最古の1067mm軌間」を名乗るのは、1865年7月開通のオーストラリア・クイーンズランド州に敷設された鉄道だ。ただ、1862年6月にノルウェーの首都オスロ郊外に1067mm軌間の鉄道が敷設された記録もある。いずれにせよ、日本の鉄道開業前後の時期にはイギリス本国以外、植民地などで採用が広がっていた軌間といえるだろう』、「イギリスは当時世界各地にあった植民地で、鉄道敷設にかかる面積がより小さく、少ない予算で広範囲に鉄道網が拡大できる「狭軌」を採用していた。そうした経緯の下、イギリスは日本への鉄道技術導入の際、それを応用した。 日本で「狭軌」と呼んでいる1067mm軌間は、海外、とくに英語圏では、日本の鉄道よりも開業は遅かったものの、南アフリカのケープ州で採用された軌間であることから、「ケープゲージ」とも呼ばれている」、なるほど。
・『黎明期の試行錯誤が生んだ「超広軌」  一方、イギリス本国では後に「国際標準軌」となる1435mm軌間を採用したが、当時のイギリスはまさに産業革命のさなかで、黎明期にはさまざまな軌間の鉄道が存在した。 その代表格が、1830年代から1840年代にかけて、著名な鉄道・建築技術者イザムバード・キングダム・ブルネルがグレート・ウェスタン鉄道(Great Western Railway=GWR)の建設に採用した2140mmという軌間だ。実に、日本の狭軌の倍もある。 この「超広軌」といえる線路幅は、列車の安定性が増して乗り心地が向上することや、より強力な機関車によって高速での運行が可能になるとして考えられた。この広軌鉄道のために造られた蒸気機関車の動輪直径は、最大で約8フィート(約2440mm)もあったという。 だが、レール間隔が広いため、軌道や橋梁、トンネルなどのインフラ設備を通常より大きく頑丈に造らなければならず、その結果、敷設にかかる建設コストが標準軌に比べて割高だった。乗り入れなど効率的な運行と安全性から標準軌が普及する中、超広軌の路線運営は長続きせず、1893年までに汎用性の高い標準軌鉄道に付け替えられた。 欧州大陸の主要国はイギリスでの成功にならって標準軌を採用し、現在もそれを引き継いでいる。アメリカも同様の軌間を採用した。こうして「国際標準」化したわけだ。) しかし、標準軌がすべての国に受け入れられたわけではない。各国にはそれぞれ異なる事情があったからだ。 軌間の決定に関わる要素はさまざまだが、大きくは鉄道の用途や地形、経済的な背景が影響している。一般的には、高速・長距離の輸送を担う鉄道は列車をより安定して走らせられる標準軌やそれより広い広軌、日本の在来線のように山岳区間が多い国では「狭軌」が採用された例が多い。「氷河急行」で有名なスイスの山岳鉄道も、日本よりやや狭い1000mm(1m)の狭軌だ。 一方でスペインのように、険しい地形でも強力な機関車を走らせられるよう、標準軌より広い1668mmを採用した例もある。ポルトガルも同じ軌間のため「イベリアゲージ」と呼ばれる。 だが、それだけではなく、軍事的、政治的な問題も深く関わっている。鉄道が各国に広まった19世紀や20世紀初頭の国際政治がもたらした結果が、今も引き継がれているのだ』、「2140mmという軌間だ・・・この「超広軌」といえる線路幅は、列車の安定性が増して乗り心地が向上することや、より強力な機関車によって高速での運行が可能になるとして考えられた。この広軌鉄道のために造られた蒸気機関車の動輪直径は、最大で約8フィート(約2440mm)もあったという。 だが、レール間隔が広いため、軌道や橋梁、トンネルなどのインフラ設備を通常より大きく頑丈に造らなければならず、その結果、敷設にかかる建設コストが標準軌に比べて割高だった。乗り入れなど効率的な運行と安全性から標準軌が普及する中、超広軌の路線運営は長続きせず、1893年までに汎用性の高い標準軌鉄道に付け替えられた・・・欧州大陸の主要国はイギリスでの成功にならって標準軌を採用し、現在もそれを引き継いでいる。アメリカも同様の軌間を採用した。こうして「国際標準」化したわけだ。) しかし、標準軌がすべての国に受け入れられたわけではない。各国にはそれぞれ異なる事情があったからだ。 軌間の決定に関わる要素はさまざまだが、大きくは鉄道の用途や地形、経済的な背景が影響している・・・日本の在来線のように山岳区間が多い国では「狭軌」が採用された例が多い。「氷河急行」で有名なスイスの山岳鉄道も、日本よりやや狭い1000mm(1m)の狭軌だ。 一方でスペインのように、険しい地形でも強力な機関車を走らせられるよう、標準軌より広い1668mmを採用した例もある。ポルトガルも同じ軌間のため「イベリアゲージ」と呼ばれる。 だが、それだけではなく、軍事的、政治的な問題も深く関わっている。鉄道が各国に広まった19世紀や20世紀初頭の国際政治がもたらした結果が、今も引き継がれているのだ」、なるほど。
・『軍事や「植民地主義」の影響も  欧州各国と国土を接していた帝政ロシアは、独自の1520mmという軌間を選んだ。実際には定かではないが、これは軍事上の観点により、外国の列車をロシア領に侵入させないようにしたいという思惑があったからだといわれることが多い。 かつて広大な国土を擁していたソビエト連邦では、鉄道網をこの1520mm軌間で敷設した。このため、冷戦終結後に独立した各国は国境で台車ごと交換を余儀なくされるなど、欧州主要国との直通運転で頭を悩ます事態となっている。 そして、今まさに大きな影響を受けているのが、ロシアに侵攻されているウクライナだ。 ウクライナの鉄道網はソ連時代の1520mmで、そのままでは基本的にロシアなど旧ソ連圏の国にしか乗り入れできない。そこで、現在加盟を目指している欧州連合(EU)との経済的な連結強化の一環として、鉄道網の標準軌への改軌を進めている。 すでに西部の国境付近では、標準軌鉄道の建設が進んでいるほか、ポーランドに近い地域では標準軌車両を入れるための路線設計も進んでいるという。こうした動きはEUの支援を受けながら、ウクライナの復興と欧州との経済統合に向けた重要なプロジェクトとして推進されている。) 19世紀末期から20世紀にかけての欧州列強による植民地主義も影響している。前述のようにイギリスが植民地での鉄道敷設用に用いた「ケープゲージ」もその一例だが、現在でも顕著に当時のレール規格が残る例としては、旧フランス領インドシナ、つまり現在のベトナムやカンボジアに敷かれた1m幅の線路がある。 その寸法から「メーターゲージ」と呼ばれるフランスが敷いた線路は、一部が中国国内に延びていた(現在は廃線)。また、フランス植民地ではなかったが、同じ規格の線路がタイ、マレーシアを経て、シンガポールまで延びており、東南アジアでは一般的な軌間となっている。 しかし、軌間が1mとなると、線路設計や地盤を整備しても、運用できる実用的な最高速度は日本の在来線の一般的な速度と同様、おおむね時速120kmほどにとどまる。そこに登場したのが、中国の鉄道技術だ』、「帝政ロシアは、独自の1520mmという軌間を選んだ。実際には定かではないが、これは軍事上の観点により、外国の列車をロシア領に侵入させないようにしたいという思惑があったからだといわれることが多い。 かつて広大な国土を擁していたソビエト連邦では、鉄道網をこの1520mm軌間で敷設した。このため、冷戦終結後に独立した各国は国境で台車ごと交換を余儀なくされるなど、欧州主要国との直通運転で頭を悩ます事態となっている・・・ウクライナの鉄道網はソ連時代の1520mmで、そのままでは基本的にロシアなど旧ソ連圏の国にしか乗り入れできない。そこで、現在加盟を目指している欧州連合(EU)との経済的な連結強化の一環として、鉄道網の標準軌への改軌を進めている・・・現在でも顕著に当時のレール規格が残る例としては、旧フランス領インドシナ、つまり現在のベトナムやカンボジアに敷かれた1m幅の線路がある・・・「メーターゲージ」と呼ばれるフランスが敷いた線路は・・・フランス植民地ではなかったが、同じ規格の線路がタイ、マレーシアを経て、シンガポールまで延びており、東南アジアでは一般的な軌間となっている。 しかし、軌間が1mとなると、線路設計や地盤を整備しても、運用できる実用的な最高速度は日本の在来線の一般的な速度と同様、おおむね時速120kmほどにとどまる。そこに登場したのが、中国の鉄道技術だ」、なるほど。
・『中国「一帯一路」も「軌間」の戦略?  中国は「一帯一路」の名の下に、インフラ輸出の拡大を通じ自国の経済成長を促進したいというお題目を掲げ、東南アジア地域との経済的つながりの強化や、自国領土からインド洋への進出経路の確保といった軍事的目標もあって、メーターゲージより大量かつ高速に輸送できる標準軌鉄道や高速鉄道の敷設を積極的に行っている。 具体的には、2022年12月に開通した「中国ラオス鉄道(LCR)」が顕著な例だ。中国からの乗り入れを前提に、ラオス国内区間も中国の鉄道と同じ標準軌で建設された。 さらに中国は、LCRを延伸する形でタイ、マレーシアとの鉄道リンクの完成を目指し、実際に両国で鉄道敷設工事を進めている。既存のメーターゲージ鉄道との接続を考えない形で建設を進めていることが気になるところだ。 こうして現在も、鉄道の軌間は政治的な思惑と切り離せない関係にある。) 世界各国には、ここまで挙げた以外にもさまざまな軌間が存在する。さらに特筆できるものをいくつか紹介したい。 かつてイギリス植民地だったインドでは、1676mmという超広軌の線路が国土の大部分に張り巡らされている。これは重い貨物の輸送や長大な編成の長距離旅客輸送に適しており、隣接するパキスタンやバングラデシュの一部、スリランカでも採用されている。 インドはメーターゲージや狭軌鉄道も多かったが、1676mmへの改軌を急速に推進。主要幹線はこの軌間となっている。一方、日本の技術支援で建設が進む、いわゆる「インド新幹線」は日本と同じく標準軌を前提に工事が行われている』、「中国は「一帯一路」の名の下に、インフラ輸出の拡大を通じ自国の経済成長を促進したいというお題目を掲げ、東南アジア地域との経済的つながりの強化や、自国領土からインド洋への進出経路の確保といった軍事的目標もあって、メーターゲージより大量かつ高速に輸送できる標準軌鉄道や高速鉄道の敷設を積極的に行っている・・・インドでは、1676mmという超広軌の線路が国土の大部分に張り巡らされている。これは重い貨物の輸送や長大な編成の長距離旅客輸送に適しており、隣接するパキスタンやバングラデシュの一部、スリランカでも採用されている・・・日本の技術支援で建設が進む、いわゆる「インド新幹線」は日本と同じく標準軌を前提に工事が行われている」、なるほど。
・『アイルランドも独自の軌間  標準軌と異なる軌間としてよく挙げられるのは、前述したスペインの1668mm「イベリアゲージ」だろう。隣接する標準軌のフランスとの直通に手間がかかるため、日本では実用化に至っていないフリーゲージ(軌間可変)車両が古くから開発され、運用してきた経緯がある。 高速列車「AVE」などが走る高速新線は標準軌で造られているため、在来線だけが通るローカル都市などへの乗り入れのために国内でも軌間可変車両が使われ、中間駅にそのための基地も設けられている。在来線のほうが高速新線(新幹線)より軌間が広いという、日本とは逆のパターンだ。 このほか、大ブリテン島の西にあるアイルランド島の鉄道ネットワークは、1600mmという独特の軌間が使われている。イギリスやアイルランドの度量衡で5フィート3インチという規格で造ったものだが、たまたまメートル法では1600mmという「ちょうどの数字」となった。 アイルランド島の北側の一部は英領北アイルランドで、線路はそこまで延びているが、「標準軌の故郷」とも言えるイギリスの一部ながら、まったく異なる軌間の鉄道が走っているという事実が興味深い。現在この軌間は「ケルティックゲージ」と呼ばれている。 鉄道の軌間の違いは、単なる技術的選択にとどまらない。各国の政治的戦略や、経済的背景が深く関与していることを改めて意識してみると興味深いものだ』、「スペインの1668mm「イベリアゲージ」だろう。隣接する標準軌のフランスとの直通に手間がかかるため、日本では実用化に至っていないフリーゲージ(軌間可変)車両が古くから開発され、運用してきた経緯がある。 高速列車「AVE」などが走る高速新線は標準軌で造られているため、在来線だけが通るローカル都市などへの乗り入れのために国内でも軌間可変車両が使われ、中間駅にそのための基地も設けられている。在来線のほうが高速新線(新幹線)より軌間が広いという、日本とは逆のパターンだ・・・アイルランド島の鉄道ネットワークは、1600mmという独特の軌間が使われている。イギリスやアイルランドの度量衡で5フィート3インチという規格で造ったものだが、たまたまメートル法では1600mmという「ちょうどの数字」となった」、なるほど。

第三に、10月21日付け東洋経済オンライン「三菱重工、知られざる「鉄道メーカー」の世界戦略 「架線レス」武器に新交通システムで営業攻勢」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/834559?display=b
・『9月24日から27日にかけてドイツ・ベルリンで開催された国際鉄道見本市「イノトランス」では、ドイツのシーメンス、フランスのアルストム、中国中車といった車両製造の大手企業の展示が目立った。 日本勢も車両組み立てから電機品やインフラ製造まで30を超える企業・団体が出展した。日立製作所や三菱電機のように単独で大型のブースを構え、派手なディスプレイを施して客の目を惹きつける企業もあったが、日本鉄道システム輸出組合(JORSA)のパビリオンに共同出展した企業・団体もあった』、「ドイツ・ベルリンで開催された国際鉄道見本市「イノトランス」」は、欧州では鉄道が大手を振るっているだけにさぞ賑やかなのだろう。
・『「AGT」で存在感  JORSAパビリオンは巨大なホールをほぼ丸ごと借り切り、フロアの中央はJORSAの商談スペース。それを取り囲むように16の企業・団体がブースを構える。フロアの制約上、独自ブースのような派手な展示はせずパネル展示にとどまるブースが多かった。 ただ、「イノトランスは新規の顧客獲得よりも既知の顧客との情報交換が主目的である」と話す企業担当者もいて、情報交換だけであればパネル展示で十分という判断なのだろう。 そんな中、パネルの前で足を止めた客に対してその内容をスタッフが一生懸命説明しているブースがあった。 「ブースは小さいが、意気込みではシーメンスやアルストムに負けていません」――。 熱を帯びた口調でこう話したのは三菱重工業の説明員である。同社はJORSAパビリオンに出展した事業者の1社である。 車両は新開発の蓄電デバイスが供給する電力で走行する。駅に停車すると、客の乗降時間内という短時間内に駅で急速充電し、次の駅に向かうための電力を確保する。給電レールが不要になったことも建設コストやメンテナンスコストの削減につながる。駅間が長ければ長くなるほどより多くの電力が必要となり、短時間で十分な電力をチャージできないかもしれないが、都市部や空港のターミナル間であれば駅間も短く問題なさそうだ。 そして、「架線レスによって建設コストを抑えることができるとともに、メンテナンスコストも減ります」と担当者が説明する。これが架線レスの最大のメリットである。 また、同社のAGTは国内、海外ともに軌道の両側の壁に取り付けられたガイドレールに車両の案内輪を押し当て、これに沿って進む「側面案内方式」が多い。この場合はガイドレールが2本ということになるが、今回、中央下部に1本だけガイドレールを設ける「中央案内方式」も新たにラインナップに加えた。 同社では過去に中央案内方式の実績もあり、「海外のお客様から1本のガイドレールシステムのご要望があり、レパートリーに追加した」としている。中央案内方式は軌道を小型化できるメリットがある。架線レスと組み合わせればさらに効果は大きくなりそうだ』、「三菱重工業の説明員である。同社はJORSAパビリオンに出展した事業者の1社である。 車両は新開発の蓄電デバイスが供給する電力で走行する。駅に停車すると、客の乗降時間内という短時間内に駅で急速充電し、次の駅に向かうための電力を確保する。給電レールが不要になったことも建設コストやメンテナンスコストの削減につながる。駅間が長ければ長くなるほどより多くの電力が必要となり、短時間で十分な電力をチャージできないかもしれないが、都市部や空港のターミナル間であれば駅間も短く問題なさそうだ。 そして、「架線レスによって建設コストを抑えることができるとともに、メンテナンスコストも減ります」と担当者が説明する。これが架線レスの最大のメリットである・・・中央下部に1本だけガイドレールを設ける「中央案内方式」も新たにラインナップに加えた。 同社では過去に中央案内方式の実績もあり、「海外のお客様から1本のガイドレールシステムのご要望があり、レパートリーに追加した」としている。中央案内方式は軌道を小型化できるメリットがある。架線レスと組み合わせればさらに効果は大きくなりそうだ」、なるほど。
・『軌道の小型化で採用広がるか  軌道の小型化はほかにもメリットがある。従来の同社のAGTは最小曲線半径が30mだったが、これをさらに小さくできるのだ。 通常、AGTは道路の上などに建設されることが多いため、道路のカーブに合わせてAGTの軌道もカーブする。つまり、よりきついカーブにも対応できるようになるということだ。ブースに掲げられたパネルには「22.5m」という表示があったが、「現在開発段階であり、来年春以降に予定している正式発表の際には数値変更の可能性がある」という。 まだパンフレットもできあがっていない、誕生したばかりのシステムだけに、「営業活動はこれから」とのことだが、従来の鉄道よりも優れた点の多いシステムだけに、同社がAGTで実績をあげていない地域でも展開できる可能性がある。日立や川重といった伝統的な鉄道メーカーだけでなく、三菱重工の動向も要注目だ』、「誕生したばかりのシステムだけに、「営業活動はこれから」とのことだが、従来の鉄道よりも優れた点の多いシステムだけに、同社がAGTで実績をあげていない地域でも展開できる可能性がある。日立や川重といった伝統的な鉄道メーカーだけでなく、三菱重工の動向も要注目だ」、その通りだ。
タグ:鉄道 (その14)(阪急電鉄「プライベース」乗りたくなる仕掛け ハイグレードの有料着席サービスが7月に開始、実はイギリスにはない?日本の線路幅「狭軌」の謎 世界各国の「軌間」が映し出す国際情勢と歴史、三菱重工、知られざる「鉄道メーカー」の世界戦略 「架線レス」武器に新交通システムで営業攻勢) 東洋経済オンライン 鉄道ジャーナル編集部による「阪急電鉄「プライベース」乗りたくなる仕掛け ハイグレードの有料着席サービスが7月に開始」 「事前予約の多くは鉄道ファンと予測していたのだが、当日のそこに立つと、いかにも…の人がいないではないが、女性同士や熟年夫婦、夏休みも始まり小学生を連れた親子などと幅広い。物見高い関西ゆえか、阪急が送り出した特別感をもった座席指定車両は一般の関心も相当に惹き付けている・・・プライベースの回転リクライニングシートでは全席の同時回転は前後で干渉するため、1列おきの2段階アクションが必要になる。 そのため操作は他車と別個に、アテンダントが車内確認してから行い、少しだけ時間を要する。だから、ドアは開くも「車内準備中」の札を吊り下げたロープが張られており、簡易な清掃を終えてロープを外して、乗車開始となる」、なるほど。 「片側2人掛け、片側1人掛け配置の大きな座席は、濃い茶色の木製フレームと「ゴールデンオリーブ」と称する濃緑のモケットが相まって阪急らしいレトロモダンと言うか、クラシック寄りの重厚さがある。ホワイトベージュの革の枕カバーには、「PRiVACE」とロゴが入っている」、なるほど。 「阪急電車らしさはそのままに、お客様に快適な自分時間を過ごしていただけるよう、プライベート感と快適性を兼ね備えた上質な空間づくりを目指したデザインとしています」 と説明。外観やインテリアの特徴を述べ、阪急電車を象徴するマルーンにゴールドラインやステンドグラスをイメージした乗降ドアの窓などで特別感を持たせ、デッキ部の壁面は木目調と大理石調のデザイン、柔らかなダウンライトで上質さを演出したと伝えた。 座席は座面幅と足元を広く取った。リクライニングに加えて周囲からの視線を遮る大きなヘッドレストや2列席にはパーティションを設け、個々にリラックスできる空間を感じてもらえるよう、細部までこだわったそうだ」、なるほど。 さかい もとみ氏による「実はイギリスにはない?日本の線路幅「狭軌」の謎 世界各国の「軌間」が映し出す国際情勢と歴史」 「日本だけでなく、一つの国の中でも異なる軌間が存在するため列車の直通が困難というケースがあるが、軌間には技術的な理由だけでなく、昔も今も「国際政治」が大きく絡んでいる。どうして複数の軌間が存在することになったのか。世界各国の事情を俯瞰しながら考えてみることにしたい」、なるほど。 「イギリスは当時世界各地にあった植民地で、鉄道敷設にかかる面積がより小さく、少ない予算で広範囲に鉄道網が拡大できる「狭軌」を採用していた。そうした経緯の下、イギリスは日本への鉄道技術導入の際、それを応用した。 日本で「狭軌」と呼んでいる1067mm軌間は、海外、とくに英語圏では、日本の鉄道よりも開業は遅かったものの、南アフリカのケープ州で採用された軌間であることから、「ケープゲージ」とも呼ばれている」、なるほど。 「2140mmという軌間だ・・・この「超広軌」といえる線路幅は、列車の安定性が増して乗り心地が向上することや、より強力な機関車によって高速での運行が可能になるとして考えられた。この広軌鉄道のために造られた蒸気機関車の動輪直径は、最大で約8フィート(約2440mm)もあったという。 だが、レール間隔が広いため、軌道や橋梁、トンネルなどのインフラ設備を通常より大きく頑丈に造らなければならず、その結果、敷設にかかる建設コストが標準軌に比べて割高だった。 乗り入れなど効率的な運行と安全性から標準軌が普及する中、超広軌の路線運営は長続きせず、1893年までに汎用性の高い標準軌鉄道に付け替えられた・・・欧州大陸の主要国はイギリスでの成功にならって標準軌を採用し、現在もそれを引き継いでいる。アメリカも同様の軌間を採用した。こうして「国際標準」化したわけだ。) しかし、標準軌がすべての国に受け入れられたわけではない。各国にはそれぞれ異なる事情があったからだ。 軌間の決定に関わる要素はさまざまだが、大きくは鉄道の用途や地形、経済的な背景が影響している・・・日本の在来線のように山岳区間が多い国では「狭軌」が採用された例が多い。「氷河急行」で有名なスイスの山岳鉄道も、日本よりやや狭い1000mm(1m)の狭軌だ。 一方でスペインのように、険しい地形でも強力な機関車を走らせられるよう、標準軌より広い1668mmを採用した例もある。ポルトガルも同じ軌間のため「イベリアゲージ」と呼ばれる。 だが、それだけではなく、軍事的、政治的な問題も深く関わっている。鉄道が各国に広まっ た19世紀や20世紀初頭の国際政治がもたらした結果が、今も引き継がれているのだ」、なるほど。 「帝政ロシアは、独自の1520mmという軌間を選んだ。実際には定かではないが、これは軍事上の観点により、外国の列車をロシア領に侵入させないようにしたいという思惑があったからだといわれることが多い。 かつて広大な国土を擁していたソビエト連邦では、鉄道網をこの1520mm軌間で敷設した。このため、冷戦終結後に独立した各国は国境で台車ごと交換を余儀なくされるなど、欧州主要国との直通運転で頭を悩ます事態となっている・・・ ウクライナの鉄道網はソ連時代の1520mmで、そのままでは基本的にロシアなど旧ソ連圏の国にしか乗り入れできない。そこで、現在加盟を目指している欧州連合(EU)との経済的な連結強化の一環として、鉄道網の標準軌への改軌を進めている・・・現在でも顕著に当時のレール規格が残る例としては、旧フランス領インドシナ、つまり現在のベトナムやカンボジアに敷かれた1m幅の線路がある・・・「メーターゲージ」と呼ばれるフランスが敷いた線路は・・・ フランス植民地ではなかったが、同じ規格の線路がタイ、マレーシアを経て、シンガポールまで延びており、東南アジアでは一般的な軌間となっている。 しかし、軌間が1mとなると、線路設計や地盤を整備しても、運用できる実用的な最高速度は日本の在来線の一般的な速度と同様、おおむね時速120kmほどにとどまる。そこに登場したのが、中国の鉄道技術だ」、なるほど。 「中国は「一帯一路」の名の下に、インフラ輸出の拡大を通じ自国の経済成長を促進したいというお題目を掲げ、東南アジア地域との経済的つながりの強化や、自国領土からインド洋への進出経路の確保といった軍事的目標もあって、メーターゲージより大量かつ高速に輸送できる標準軌鉄道や高速鉄道の敷設を積極的に行っている・・・ インドでは、1676mmという超広軌の線路が国土の大部分に張り巡らされている。これは重い貨物の輸送や長大な編成の長距離旅客輸送に適しており、隣接するパキスタンやバングラデシュの一部、スリランカでも採用されている・・・日本の技術支援で建設が進む、いわゆる「インド新幹線」は日本と同じく標準軌を前提に工事が行われている」、なるほど。 「スペインの1668mm「イベリアゲージ」だろう。隣接する標準軌のフランスとの直通に手間がかかるため、日本では実用化に至っていないフリーゲージ(軌間可変)車両が古くから開発され、運用してきた経緯がある。 高速列車「AVE」などが走る高速新線は標準軌で造られているため、在来線だけが通るローカル都市などへの乗り入れのために国内でも軌間可変車両が使われ、中間駅にそのための基地も設けられている。在来線のほうが高速新線(新幹線)より軌間が広いという、日本とは逆のパターンだ・・・ アイルランド島の鉄道ネットワークは、1600mmという独特の軌間が使われている。イギリスやアイルランドの度量衡で5フィート3インチという規格で造ったものだが、たまたまメートル法では1600mmという「ちょうどの数字」となった」、なるほど。 東洋経済オンライン「三菱重工、知られざる「鉄道メーカー」の世界戦略 「架線レス」武器に新交通システムで営業攻勢」 「ドイツ・ベルリンで開催された国際鉄道見本市「イノトランス」」は、欧州では鉄道が大手を振るっているだけにさぞ賑やかなのだろう。 「三菱重工業の説明員である。同社はJORSAパビリオンに出展した事業者の1社である。 車両は新開発の蓄電デバイスが供給する電力で走行する。駅に停車すると、客の乗降時間内という短時間内に駅で急速充電し、次の駅に向かうための電力を確保する。給電レールが不要になったことも建設コストやメンテナンスコストの削減につながる。駅間が長ければ長くなるほどより多くの電力が必要となり、短時間で十分な電力をチャージできないかもしれないが、都市部や空港のターミナル間であれば駅間も短く問題なさそうだ。 そして、「架線レスによって建設コストを抑えることができるとともに、メンテナンスコストも減ります」と担当者が説明する。これが架線レスの最大のメリットである・・・中央下部に1本だけガイドレールを設ける「中央案内方式」も新たにラインナップに加えた。 同社では過去に中央案内方式の実績もあり、「海外のお客様から1本のガイドレールシステムのご要望があり、レパートリーに追加した」としている。中央案内方式は軌道を小型化できるメリットがある。架線レスと組み合わせればさらに効果は大きくなりそうだ」、なるほど。 「誕生したばかりのシステムだけに、「営業活動はこれから」とのことだが、従来の鉄道よりも優れた点の多いシステムだけに、同社がAGTで実績をあげていない地域でも展開できる可能性がある。日立や川重といった伝統的な鉄道メーカーだけでなく、三菱重工の動向も要注目だ」、その通りだ。
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