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尖閣諸島問題(その6)(米軍は「尖閣を守る根拠なし」 日米安保条約を巡る初歩的な勘違いと危うさ、「尖閣」陥落は秒読み? とっくに“レッドゾーン”に突入している「日本の安全保障」) [外交]

尖閣諸島問題については、10月4日に取上げた。今日は、(その6)(米軍は「尖閣を守る根拠なし」 日米安保条約を巡る初歩的な勘違いと危うさ、「尖閣」陥落は秒読み? とっくに“レッドゾーン”に突入している「日本の安全保障」)である。

先ずは、11月20日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「米軍は「尖閣を守る根拠なし」、日米安保条約を巡る初歩的な勘違いと危うさ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/254873
・『菅義偉首相は11月12日、バイデン次期大統領と電話会談を行い、「バイデン次期大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があった」とコメントしている。そもそも「5条」の意味するところは何か、それで尖閣が守られるのか』、興味深そうだ。
・『安倍政権や菅政権がこだわる日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用(米国大統領選挙の結果、民主党候補であるバイデン前副大統領が次期大統領に選出されたとされている。「されている」というのは、共和党候補であるトランプ現大統領がバイデン候補の勝利を認めず、「不正があった」として選挙の無効を主張するとともに、法廷闘争に持ち込む可能性を示唆していることによる。 そうした中、菅義偉首相は、11月12日にバイデン次期大統領(便宜上そう記載する)と電話会談を行っている。その詳細な中身は明らかではないが、首相官邸のサイトに掲載された情報によると、以下のとおりとのことである(※カッコ内は筆者追記)。) 「私(菅総理)から、日米同盟は、厳しさを増すわが国周辺地域、そして国際社会の平和と繁栄にとって不可欠であり、一層の強化が必要である。その旨、また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日米で共に連携していきたい、こうした趣旨を申し上げました。 バイデン次期大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があり、日米同盟の強化、また、インド太平洋地域の平和と安定に向けて協力していくことを楽しみにしている旨の発言がありました。 また、コロナ対策や気候変動問題といった国際社会共通の課題についても、日米で共に連携していくことで一致しました。 拉致問題への協力も、私から要請いたしました」 いつまで「日米同盟」という意味不明の呼称を使い続けるのかという点や、その強化とは何を意味するのかこの人は理解できているのだろうか、といった点は脇に置いておくとして、本稿で取り上げたいのは、「日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があり」という部分。 安倍政権においても米国大統領の訪日の際に確認が行われ、それを言ってもらうために貿易協定等において大幅譲歩(というより献上と表現した方がいいか)が行われたようであるが、いずれにせよ、安倍、菅両政権ともこの点を相当重要視しているようである。 加えて、野党からも、例えば国民民主党の玉木雄一郎代表も、この点が確認されたことを積極的に評価している』、「「日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明・・・安倍政権においても米国大統領の訪日の際に確認が行われ、それを言ってもらうために貿易協定等において大幅譲歩・・・が行われた」、これしきの発言を引き出すため、「貿易協定等において大幅譲歩」、とは正気の沙汰とは思えない。「国民民主党の玉木雄一郎代表も、この点が確認されたことを積極的に評価」、情けない話だ。
・『日米安全保障条約第5条の意味するところは?  本件のポイントは、日米安全保障条約第5条の意味するところ、そしてその適用範囲如何である。 まず第5条の意味についてであるが、同条前段は以下のとおり規定されている。 「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」 この条文のこの部分をもって、アメリカに日本防衛義務があるなどと言われることがあり、そのように説明するメディアや政治家は少なくない。 しかし、この条文をよく読めば、「防衛義務」という言葉もなければ、その根拠となりうる記載も見当たらない。あくまでも日米それぞれが、それぞれの国の憲法の規定及び手続きに従って対処するよう行動すると書いてあるだけであり、その中身が米国にあっては日本を防衛する軍事行動、物理的力の行使であることが一義的に明らかなわけでもない。従って単に非難するだけかもしれない。 あくまでもそれを「宣言」しているだけである。 本条約は日英両語で作成されたものがそれぞれ正文(正式な文書)であるので、英文の同じ箇所を抜き出せば以下のとおりである。 「Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.」  「would」が使われていることからしても、いかなる義務も導き出すことは困難である。 つまり、あくまでも各国の国内手続きに従って、「各国の判断で対処するとされているだけである」ということである。それを「日本防衛義務がある」などとするとは、拡大解釈も甚だしく、「妄想幻想の世界」もいいところである』、「「日本防衛義務がある」などとするとは、拡大解釈も甚だしく、「妄想幻想の世界」もいいところである」、というのは確かだ。
・『日米安全保障条約第5条は尖閣諸島に関する限り「空文」と化すことも  次に、適用範囲如何について、焦眉の課題は尖閣諸島への適用如何ということのようであるが、日米安全保障条約では「日本国の施政の下にある領域における」とされている。尖閣諸島については日本の領土である旨、政府はかねてから主張してきており、少なくとも日本の実効支配下にある。従って、当然に日米安全保障条約第5条の適用範囲に含まれると考えるのが適当である。 ただし、曲者なのは「施政下にある」という表現。「領土」や「領海」という表現は使われていない。この点については11月12日午前6時25分公開のBloombergの記事においても次のとおり指摘されている。 「The U.S. recognizes the disputed islands as administered by Japan, rather than saying they are part of the country.」 つまり、米国からすれば、尖閣諸島は日中両国による「係争地」であり、いずれの領土であるとも認識せずに、ただ単に日本の施政下にあるということだけを認識しているということであり、日米安全保障条約第5条における規定もそうした考え方に基づくか、そうした考え方を反映したものであるということである。 ということは、仮に中国軍の艦船なり、中国の海上保安庁に当たる海警の船舶が、間隙を突いて尖閣諸島に接岸し、上陸して実効支配を始めた場合は、日本の施政下からは外れたことになりえるので、日米安全保障条約第5条の適用範囲から外れることにもなりかねない。 そうなった場合、日米安全保障条約第5条は、尖閣諸島に関する限り「空文」と化すことになる。 「そんなことをさせない、そうならないためにも日米安全保障条約第5条の確認なのだ」といった反論が返ってきそうだが、米国に日本防衛義務がない以上、そして「米国の国益」にとってプラスとならないのであれば、米国軍は尖閣諸島防衛のために何ら行動することはないだろう』、「仮に中国軍の艦船なり、中国の海上保安庁に当たる海警の船舶が、間隙を突いて尖閣諸島に接岸し、上陸して実効支配を始めた場合は、日本の施政下からは外れたことになりえるので、日米安全保障条約第5条の適用範囲から外れることにもなりかねない。 そうなった場合、日米安全保障条約第5条は、尖閣諸島に関する限り「空文」と化すことになる」、驚くべきことだが、確かに米国がそのように解釈しても文句は言えないようだ。。
・『「脱ハンコ」や「携帯料金の引き下げ」の方が安全保障よりも優先すべき課題なのか  要するに日本が「自ら何とかするしかない」「自力で守るしかない」ということなのだが、日米安全保障条約の尖閣諸島への適用について確認することに執心する一方で、中国の海警による尖閣諸島海域への侵入が繰り返されているにもかかわらず、何ら具体的かつ積極的な行動を起こしていないのが実態である。 その背景には、緊縮財政で海上保安庁が十分な人員や艦船などの装備が保有できていないことと、その積極的活動を担保する法制が不十分であることがある(本稿の目的は問題点の指摘にあるので、こうした点についての詳細な解説は別稿に譲ろう)。 いつ「絵に描いた餅」に化するか分からない空文に、後生大事にしがみついている暇があったら、海上保安庁の体制強化のための歳出の拡大と、領域警備法等の関連法性の整備を急ぐべきである。 それよりも「脱ハンコ」や「携帯料金の引き下げ」、「インバウンド」に「カジノ」が優先と言うのであれば、菅首相は具体的かつ物理的にわが国の領土を失った戦後最初の首相として、歴史にその名を刻むことになるだろう』、「日米安全保障条約」の重要部分の解釈で国民に嘘をついているとは罪が深い。「海上保安庁の体制強化のための歳出の拡大と、領域警備法等の関連法性の整備を急ぐべき」、同感である。

次に、12月8日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経産省出身の評論家の中野剛志氏による「「尖閣」陥落は秒読み? とっくに“レッドゾーン”に突入している「日本の安全保障」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256426
・『11月24日の日中外相共同記者会見における王毅外相の「尖閣諸島」に関する発言と、その場で反論しなかった茂木外相に対する強い批判が巻き起こったのは当然のことだった。しかし、問題の本質はそこにはない。直視しなければならないのは、中国が爆発的に軍事力を強化した結果、東アジアにおける軍事バランスが完全に崩壊したことだ。アメリカが、東アジアにおける軍事的プレゼンスを維持する「能力」と「意志」を失いつつある今、この10年を無策のまま過ごしてきた日本の「地政学リスク」は、明らかにレッドゾーンに突入した。日本は、あまりに過酷な現実に直面している』、「王毅外相」の発言は、「日本の漁船が絶えず釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺の敏感な水域に入っている」と述べた。日本側が「事態を複雑にする行動」を避けるべきだとも主張」、「先に発言した茂木氏は「中国側の前向きな行動を強く求めた」と強調。「外務省は「ルールとして反論するような場ではなかった」と説明」(日経新聞11月26日)。「中国が爆発的に軍事力を強化した結果、東アジアにおける軍事バランスが完全に崩壊したことだ。「アメリカが、東アジアにおける軍事的プレゼンスを維持する「能力」と「意志」を失いつつある今、この10年を無策のまま過ごしてきた日本の「地政学リスク」は、明らかにレッドゾーンに突入した」、厳しい現状認識だ。
・『すでに絶望的なまでに広がった、日本と中国の「軍事力の差」  2020年は、パンデミックにばかり注目が集まっている。しかし、後世の歴史家は、この年を、東アジアにおける国際秩序の転換点として記録することだろう。 2020年5月、東アジアの軍事情勢研究の権威であるトシ・ヨシハラが、「過去十年間で、中国海軍は、艦隊の規模、総トン数、火力等で、海上自衛隊を凌駕した」とする重要な分析を公表した。 その中で、ヨシハラは、「今日の中国の海軍力は十年前とは比較にならない。中国海軍に対する従来の楽観的仮定はもはや維持不可能である」と指摘した。 ヨシハラは、日中の戦力を詳細に比較しているが、一例をあげると、図のように、中国の軍事費は日本の5倍にもなっている。この結果、中国の政治家や軍の指導者は、自国の軍事的優位に自信をもつに至った。今後、中国は、尖閣諸島など局地的な紛争において攻勢的な戦略を採用するであろうとヨシハラは論じた。 要するに、東アジアの国際秩序を支えてきた軍事バランスが崩壊しつつあるというのだ。 どうして、こうなってしまったのか。先ほどの図を見れば一目瞭然であろう。中国はこの20年間、軍事費を急増させてきたが、日本の防衛費はほぼ横ばいである。これでは、軍事バランスが崩れるのも当然である』、「中国はこの20年間、軍事費を急増させてきたが、日本の防衛費はほぼ横ばいである。これでは、軍事バランスが崩れるのも当然である」、やむを得ないが、日本としての対応はますます難しくなる。
・『この10年の「日本」の過ごし方が、「致命的」であった理由  特に、ヨシハラも言うように、過去10年間が決定的であった。 ちょうど10年前、ヨシハラは、ジェームズ・ホームズ海軍大学教授とともに『太平洋の赤い星』(バジリコ刊)という著作を発表した。 その中で、二人は、中国の戦略研究家たちが鄧小平の「改革開放」以降、海洋戦略家アルフレッド・T・マハンへの関心を強めてきたことに着目した。マハンに学んだ中国の戦略研究家たちは、国際貿易や経済発展のためには海洋進出が必要であり、そのためにはシーレーンの支配が必要だと考え、強力な海軍の建設を目指しているというのである。 冷戦終結後の世界では、グローバル化が進展することで国家は後退し、領土をめぐる国家間の紛争は無意味になるという楽観論が支配していた。日本もこの楽観論を信じた。ところが、中国は、グローバル化が進むからこそ海軍力が必要になるという、日本とはまったく逆の戦略的思考に立っていたのである。 ヨシハラとホームズは、警告を発した。 「今日の西側の研究者たちは、地政学に注意を払わず、グローバル化と相互依存の時代には、絶望的に時代遅れで無関係なものとみなしている。彼らは、国際政治における地理の役割を軽視し、その過程で、自分たちの世界観を他の大国にも当てはめる。しかし、中国の学界の大多数は、まさに正反対の方向に向かっているのは、文献から明らかだ。」 なお、ホームズは、2012年、日中間で尖閣諸島をめぐる軍事衝突が起きた場合のシミュレーションを考察し、日本は、米軍の支援が得られれば、苦戦しつつも勝利するだろうと結論した。つまり、当時はまだ、日本はぎりぎり領土を守れたのだ。 しかし、それから今日までに、中国は軍事費を1.5倍以上にしたというのに、日本の防衛費は微増に過ぎなかった。 この決定的な10年間、日本はいったい何をやってきたのか。 安倍前政権は、TPP(環太平洋経済連携協定)など自由貿易を推進し、集団的自衛権の行使を認める法整備を推進してきた。要するに、グローバル化と日米同盟の強化が、外交戦略の柱だったのだ。 しかし、ヨシハラとホームズが警告したように、中国はグローバル化と共に海軍力を強化していた。したがって、グローバル化は、中国の軍事的な脅威の増大を招くものと認識すべきだった。ところが、日本はその認識を欠き、防衛力の強化を怠った』、「中国はグローバル化と共に海軍力を強化していた。したがって、グローバル化は、中国の軍事的な脅威の増大を招くものと認識すべきだった。ところが、日本はその認識を欠き、防衛力の強化を怠った」、中国に対抗して「防衛力の強化」をするには、膨大な防衛費が必要になるので、「防衛力の強化を怠った」のはやむを得ない。
・『米国に「守ってもらえる」時代は終焉を迎えた  他方で、日本は日米同盟の強化に努めてはきた。しかし、問題は、肝心の米国の軍事的優位が、この10年間で失われたことにある。 10年前、米国の軍事費は中国の5倍あった。それが、今では3倍程度しかないのだ。「3倍もあるではないか」と楽観するのは間違っている。中国は自国の周辺に戦力を展開しさえすればいいが、米国は太平洋を越え、あるいはグアムや沖縄など点在する基地から戦力を投射しなければならない。この地政学的不利を考慮すると、米中の軍事バランスはもはや崩れたと言うべきだ。 実際、2018年、米議会の諮問による米国防戦略委員会の報告書は、もし米国が台湾を巡って中国と交戦状態になったら敗北するだろうと述べている。また、2020年の米国防省の年次報告書は、中国の軍事力がいくつかの点で米国を凌駕したと認め、その一例として、中国が、すでに米国より多くの戦艦等を有する世界最大の海軍国家であると指摘している。 米国は、中国の侵略を抑止する能力だけでなく、その意志も失いつつある。昨年のある調査によると、「近年の中国のパワーと国際的な影響力の著しい増大に対して、米国の対中政策はどうあるべきか」という問いに対して、米国民の57.6%が「アジアの軍事プレゼンスを削減すべき」と回答している。 しかも、2020年は大統領選で国が分断され、政権移行で混乱し、さらにコロナ禍によって現時点で27万人以上もの死者を出している。こんな状態の米国が、尖閣諸島をめぐる日中の軍事衝突が起きた場合に、日本を支援する能力そして意志がどれだけあるというのか。 菅義偉首相は、11月12日、バイデン次期米大統領との電話会談で、日米安保条約が尖閣諸島に適用されることを確認した。しかし、バイデン政権移行チームからの発表には、「尖閣」の文字はなかった。 2020年――。 それは、日本が米国に守ってもらえた時代の終わりが始まった年なのである』、「米国民の57.6%が「アジアの軍事プレゼンスを削減すべき」と回答」、しているような状況では、「日米安保条約」で尖閣奪還してもらおうと期待するのは無理なようだ。日本として、核保有国の中国に如何に対抗すべきかについては、極めて難しい問題なので、今日のところは回答を留保したい。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 尖閣諸島問題 中野剛志 トシ・ヨシハラ 室伏謙一 (その6)(米軍は「尖閣を守る根拠なし」 日米安保条約を巡る初歩的な勘違いと危うさ、「尖閣」陥落は秒読み? とっくに“レッドゾーン”に突入している「日本の安全保障」) 「米軍は「尖閣を守る根拠なし」、日米安保条約を巡る初歩的な勘違いと危うさ」 日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用 日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があり それを言ってもらうために貿易協定等において大幅譲歩 国民民主党の玉木雄一郎代表も、この点が確認されたことを積極的に評価している 日米安全保障条約第5条の意味するところは? あくまでも日米それぞれが、それぞれの国の憲法の規定及び手続きに従って対処するよう行動すると書いてあるだけであり、その中身が米国にあっては日本を防衛する軍事行動、物理的力の行使であることが一義的に明らかなわけでもない。従って単に非難するだけかもしれない。 あくまでもそれを「宣言」しているだけである 「「日本防衛義務がある」などとするとは、拡大解釈も甚だしく、「妄想幻想の世界」もいいところである」 日米安全保障条約第5条は尖閣諸島に関する限り「空文」と化すことも 仮に中国軍の艦船なり、中国の海上保安庁に当たる海警の船舶が、間隙を突いて尖閣諸島に接岸し、上陸して実効支配を始めた場合は、日本の施政下からは外れたことになりえるので、日米安全保障条約第5条の適用範囲から外れることにもなりかねない。 そうなった場合、日米安全保障条約第5条は、尖閣諸島に関する限り「空文」と化すことになる 「脱ハンコ」や「携帯料金の引き下げ」の方が安全保障よりも優先すべき課題なのか 海上保安庁の体制強化のための歳出の拡大と、領域警備法等の関連法性の整備を急ぐべき 「「尖閣」陥落は秒読み? とっくに“レッドゾーン”に突入している「日本の安全保障」」 アメリカが、東アジアにおける軍事的プレゼンスを維持する「能力」と「意志」を失いつつある今、この10年を無策のまま過ごしてきた日本の「地政学リスク」は、明らかにレッドゾーンに突入した すでに絶望的なまでに広がった、日本と中国の「軍事力の差」 「今日の中国の海軍力は十年前とは比較にならない。中国海軍に対する従来の楽観的仮定はもはや維持不可能である」 今後、中国は、尖閣諸島など局地的な紛争において攻勢的な戦略を採用するであろうとヨシハラは論じた 中国はこの20年間、軍事費を急増させてきたが、日本の防衛費はほぼ横ばいである。これでは、軍事バランスが崩れるのも当然である この10年の「日本」の過ごし方が、「致命的」であった理由 中国はグローバル化と共に海軍力を強化していた。したがって、グローバル化は、中国の軍事的な脅威の増大を招くものと認識すべきだった。ところが、日本はその認識を欠き、防衛力の強化を怠った 中国に対抗して「防衛力の強化」をするには、膨大な防衛費が必要になるので、「防衛力の強化を怠った」のはやむを得ない 米国に「守ってもらえる」時代は終焉を迎えた 米国民の57.6%が「アジアの軍事プレゼンスを削減すべき」と回答 「日米安保条約」で尖閣奪還してもらおうと期待するのは無理なようだ 日本として、どうすべきかについては、極めて難しい問題なので、今日のところは回答を留保したい
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日韓関係(その12)(日韓が「歴史問題」でわかり合えない根本理由 議論すべきは「歴史の実証」か「歴史認識」か、韓国の大統領・首相からの書簡を「菅義偉首相」が“スルー”した理由、日韓歴史問題解決の切り札は在韓米軍撤退 米有力シンクタンク 国務省見解を代弁する提言) [外交]

日韓関係については、8月14日に取上げた。今日は、(その12)(日韓が「歴史問題」でわかり合えない根本理由 議論すべきは「歴史の実証」か「歴史認識」か、韓国の大統領・首相からの書簡を「菅義偉首相」が“スルー”した理由、日韓歴史問題解決の切り札は在韓米軍撤退 米有力シンクタンク 国務省見解を代弁する提言)である。

先ずは、8月19日付け東洋経済オンラインが掲載した立命館大学グローバル教養学部教授の前川 一郎氏ら4人の気鋭の研究者による座談会「日韓が「歴史問題」でわかり合えない根本理由 議論すべきは「歴史の実証」か「歴史認識」か」を紹介しよう。
・『慰安婦問題や徴用工問題など、日韓間で幾度も繰り返される歴史認識問題。さらには自国に都合よく歴史を捉える歴史修正主義も蔓延している。 これらの歴史問題が炎上する背景には何があるのか。また、アカデミズム、メディア、そして社会は、歴史問題にどう向き合えばよいのか。このたび『教養としての歴史問題』を上梓した、前川一郎、倉橋耕平、呉座勇一、辻田真佐憲の4人の気鋭の研究者による同書の座談会部分を抜粋してお届けする』、興味深そうだ。
・『歴史修正主義が台頭した背景  前川:まず、歴史修正主義の台頭について、あらためて皆さんの認識を伺わせてください。『教養としての歴史問題』ではそれぞれ異なる角度で論じているわけですが、議論の前提には、1990年代以降に歴史修正主義が社会への影響力を強めてきたことに対する危機感がありました。 倉橋:これは歴史学だけの問題ではないと認識しています。歴史修正主義の問題は、歴史学のなかでのイデオロギーの左右対立の問題と捉えられるのが一般的ですが、そもそも左右というラベル自体がわかりづらくなっているという現状があります。 歴史修正主義には、日本人の誇りに関心があるから史実はあまり重視しないという特徴があります。それが社会に一定の影響力を持っているのは、社会に対する不安や不満を持つ人々の心情と親和性があるからだとも考えられます。 つまり、対立軸は左右のイデオロギーだけが問題なのではなく、階層対立だという可能性です。現状を認識するには、左右の対立に覆い隠されてしまっている、本当の対立軸をすくい取るといった視点が必要だと思います。 呉座:同感です。左右では分けられない問題も多いと思います。倉橋さんの論考で、右派とスピリチュアル系の親和性が指摘されていましたが、一方で左派であるエコロジー・環境問題の運動家のなかにもスピリチュアル系と結び付く人がいますよね。 辻田:右左は、ほとんど「これは右」「これは左」と分類するラベルになっていると思います。対立軸のもと整理することで、複雑な現実をすっきりと見えた気にさせてくれるわけです。 ただ、日々の生活に忙しい人々に社会の問題をわかりやすく発信することは必要ですけれども、やりすぎると互いに相手にラベルを貼り合い、敵と味方を作って終わりという不健全な振る舞いになってしまいます。ですから、社会の捉え方をバージョンアップしていくという意識をつねに持たなければいけません。そうすることで、硬直した左右の対立図式を乗り越える道も見えてくるのではないでしょうか。 前川:そもそも左とは何か、右とは何かが曖昧になってきていますね。私が書いた植民地主義や「歴史認識」の問題に関して言うと、植民地主義の歴史を持つ国々では、それを否定すると現体制の正当性まで問われることになりかねないため、国として「歴史認識」を考え直そうということにはなかなかならないわけですが、もしかしたらそうした国の姿勢に対する距離感で左右が分かれるかもしれません。あえて言うならば、国にべったり寄っているのが右派で、批判的な立場が左という感じです。 辻田:前川さんはイギリスがご専門ですが、イギリスにも左右の対立はあるのですか』、「歴史修正主義には、日本人の誇りに関心があるから史実はあまり重視しないという特徴があります。それが社会に一定の影響力を持っているのは、社会に対する不安や不満を持つ人々の心情と親和性があるからだとも考えられます」、「植民地主義の歴史を持つ国々では、それを否定すると現体制の正当性まで問われることになりかねないため、国として「歴史認識」を考え直そうということにはなかなかならないわけですが、もしかしたらそうした国の姿勢に対する距離感で左右が分かれるかもしれません」、なるほど。
・『イギリスの論壇の基本は中道  前川:政治に関しては曖昧ですね。保守党と労働党の二大政党制ですから、保革の対立のような印象があるかもしれませんが、明らかに右を標榜する国民党などを除けば、保守党も労働党も、左右というよりは基本は中道なんです。あえて言えば、保守党は中道右派、労働党は中道左派といったところでしょうか。ですが、保守党のなかにも左寄りの人はいるし、労働党のなかにも右派的な人はいる。ですから、明確な左右の対立は見えにくい。 (前川一郎氏の略歴はリンク先参照) 政治の対立軸は、左右というより、サッチャー改革の是非として表れています。要するに、新自由主義に対する姿勢です。 最近も、「新自由主義の申し子」と言われたボリス・ジョンソンが、自分が新型コロナウイルスに感染して、国民保健サービス(NHS)をサポートする気になったのか、あるいは何かのパフォーマンスか知りませんが、「社会というものがまさに存在する(there really is such a thing as society)」と発言しましたね。これは、知ってのとおり、サッチャーの「社会なんてものはない(there is no such thing as society)」という言葉、つまりは新自由主義哲学の否定になります。ジョンソンの口からそんな言葉が出てきたのは驚きだと、世間の注目を集めたわけです。その真意はつかみかねますが. 一方、イギリスでは、論壇と言っていいかわかりませんが、例えばタブロイドと言われる大衆紙には右の新聞が見られますし、高級紙は『ガーディアン』紙のような左やリベラルを標榜する新聞があります。でも、私の印象では、左右双方に論壇誌があって鋭角に対峙しているという感じではない。政治の話ではないですが、やはり中道なんですよね。 そこで、倉橋さんに伺いたいのですが、社会学的な視点でいうと、そもそも日本では右と左の概念はどのように受け止められているのでしょうか。 倉橋:一般的な定義として知られるものは、右とか右翼と言われるのは、基本的には国家を中心に考える人たちだと言っていいと思います。日本だと天皇を中心に国家を考えます。さらに非常に復古的なイデオロギーです。保守と言うときには、変革には慎重で、過去から現在へと続いてきた秩序を支持する人たちだと言えます。 一方、左派はドラスティックな改革を進め、社会主義や共産主義を標榜する人たちのことをいう場合が多く、リベラルは革新的で社会を変革しながらいい方向を目指す人々と語られます。ですが、もちろん、左右は相対的な概念で、(いま前川さんがイギリスの状況を説明してくださったように)時代や社会によって概念のなかに入れられる要素は異なります。 辻田さんのご指摘どおり、ラベリングに使われることも多く、例えば、歴史修正主義者は、それに反対する人たちをひとくくりにして、共産主義者だとかリベラル勢力だと批判します。フェミニズムに対しても、マルクス主義だ、コミンテルンだ、とレッテルを貼ります。しかし、実際は、歴史修正主義に反対する人たちにも、左翼や共産主義ではない人も大勢いるわけです。こうしたラベリング的な要素がある以上、反対のことは左派による右派批判にも起こりえます。) 辻田:よく指摘されるように、ソ連が崩壊した後、右左の違いがわかりづらくなったという状況があります。日本の論壇には、右左を分かつ思想的な根拠は見いだしにくく、主張のパッケージというか、何か束のようなものがあって、それが“右”“左”と呼ばれている印象です。 例えば、原発は推進で、基本的に自民党を支持し、女性の社会進出や夫婦別姓、ジェンダー問題などには消極的でといった束が右派や保守で、その反対が左派やリベラルであるというような感じになっている。けれど、例えば、原発に関して、右派であるから賛成なのだという思想的な根拠がかならずしもあるわけではない。もっと言えば、右翼とは「反左翼」で、左翼は「反右翼」でしかなくなっているとさえ思います』、「ジョンソン首相」が、NHSを再評価するような発言をしたとは初めて知った。コロナに感染したことが影響したのだろうか。
・『左派が権威、右が挑戦者という嘘の構図  呉座:左右の対立について、〈左派が日本の歴史認識や社会規範を支配しており、右派は庶民に寄り添ってその権威に対抗しているのだ〉という言説が、右派によってしきりに喧伝されています。つまり、左派は押しつけがましい権威主義的なインテリであって、右派は大衆を代表して左派の知的権威に挑戦しているのだ、という構図です。右派が一定の共感と支持を獲得しているのは、この戦略に拠るところが大きい。 (呉座勇一の略歴はリンク先参照) けれど、左派が権威で右派が挑戦者という構図はかならずしも実態に即しておらず、レッテル貼りのようなところがあります。戦後のほとんどの時期において保守勢力が政権を担ってきましたし、現在も保守派の代表と言える人が長期にわたり首相を務めています。霞が関の官僚や一流企業の社員など社会の上層にも右寄りの考え方の人は多い。 にもかかわらず、左が体制側で右が改革者という図式は信じられてしまっています。辻田さんが指摘されている右派が提示する「物語」とも関連すると思いますが、この辺りも、右派は非常に巧妙だと思います。 辻田:いまの日本では、いかに刺激的な記号を配置して、人々の注目を集め、動員や利益につなげるかというゲームがあちこちで展開されています。歴史修正主義の運動も、そういう時代の流れのなかで捉えたほうがわかりやすいかもしれません。 前川:私も歴史修正主義の問題を右派だの左派だのといった次元で捉えることには違和感があります。歴史修正主義者はいろいろと言っていますが、その動機はさまざまであるにせよ、要するに彼らが口にするのは、戦争や植民地主義などが刻印した過去の「不正」について、「モノ言う弱者」と彼らが思い込んでいる人たちからとやかく責め立てられることへの反発やいら立ちです。「本当の対立軸」ということであれば、その1つは「過去の克服」に向き合うか否かということであって、もとより右とか左とかという話ではありません。) 前川:さて、ここからは視点を変えて、「事実と物語」に関する議論に移らせてください。実証主義に基づく歴史学の視点で見れば笑止としか言いようのない歴史修正主義が、これほど社会に浸透してしまったのはなぜか。これを、「歴史学の敗北」という観点から言うとどうなるか。もっとも、このフレーズ、歴史研究者から見ればちょっとショッキングなわけですが……。 それでも、「歴史学の敗北」と言うとき、そこには、歴史修正主義者の問題提起に対して、歴史学の側が自陣に閉じこもってきたという問題があるんだと思います。呉座さんが指摘されたとおりです。この辺りの問題について、皆さんのご意見を伺いたいと思います。 辻田:歴史修正主義の蔓延を無視していると、最終的に、アカデミズムにも悪い影響を与えてしまいます。例えば、「歴史学会は反日勢力に支配されている」という暴論が売れて、与党の政治家などに支持されてしまうと、人文系学部の予算削減などにつながりかねないわけですよね。実際、そうなっている部分もあるのではないでしょうか。 歴史学者が自分たちは社会とは関係ないと思っていても、そう簡単にはいきません。研究をほっぽり出して社会運動をしてくれと言いたいわけではありませんが、そういう認識は必要だと思いますね』、「左派が権威、右が挑戦者という嘘の構図」、よくぞこんな見えすいた「嘘」が通用するものだ。「歴史修正主義の蔓延を無視していると、最終的に、アカデミズムにも悪い影響を与えてしまいます」、その通りだ。
・『日韓歴史共同研究が挫折する理由  倉橋:前川さんが、歴史修正主義の“物語”が社会に広く受け入れられているという現実は、裏を返すと、国民の歴史や物語の意味を問い直しているのだというようなことを指摘されていますが、それは重要な視点だと思います。 (倉橋耕平氏の略歴はリンク先参照) 歴史学は当然のこととして、歴史で何が、なぜ起こったかを実証的に解明しようとしますが、一方で、その歴史をどのように認識するかという評価も大切なはずです。そこの部分を、学問としては非常にずさんな歴史修正主義にうまくかすめ取られてしまっているという感覚があります。 そこで思い出したのは日韓歴史共同研究です。2002年に日韓で共通の歴史教科書を作ることを目指した日韓歴史共同研究が開始されましたが、結局挫折しました。政治学者の木村幹さんによると、その原因は議論すべき事柄について共通認識が得られなかったからだそうです。つまり、議論すべきは、歴史の実証なのか、歴史認識かという違いです。 歴史認識問題は、戦後私たちが「過去」をどのように議論したり、理解したりしてきたか、に関わる問題であって、歴史学は日韓双方でこの向き合い方が異なったわけです。他方、歴史修正主義は「過去」をどのように議論するかという点に「国民の物語」をすっぽり入れられた。それは実証主義でなくてもよいわけですね、向き合い方なので。ここにも同じ構造がありました。 呉座:よく指摘されていることですけど、ソ連の崩壊によって、マルクス主義の権威が失墜したことで、歴史学は「世界史の基本法則」というグランドセオリーを失ってしまいました。そのため、歴史学は実証主義にアイデンティティーを求めるようになったという問題があります。 日韓歴史共同研究がかみ合わなかったことには、そうした背景があるのだと思います。韓国側に植民地主義を清算するという歴史認識問題が軸にあるのに対し、日本側にはとくに軸はないので実証的に研究するという意識が前面に出る。目的意識が違うので議論がすれ違ってしまう。 一例を挙げますと、日韓併合は韓国側から見れば一片の正当性もない侵略ですが、日本側は道義的には問題があったけれども当時の国際法では合法でした、という論理を組み立てるわけです。韓国側には詭弁に聞こえるのでしょうが、実証主義に立脚した場合は間違っているとは言えない。植民地統治にしても、日本側はイデオロギー的評価を脇に置いて実態を見ていこうというスタンスなので、収奪一色ではなく近代化が進んだ面もある、と指摘したりする。植民地支配を肯定しているわけではありませんが、韓国側にはそう映ることもある。 そういう意味で、日本の歴史学は、物語というか、歴史を概観する大きな見取り図を描けなくなって、日本の歴史はこうだったと、積極的に市民や社会に示すものがなくなってしまったために、どんどん内向きになって、実証主義の職人として学会でアピールするしかなくなっているという問題があると思います。かと言って、実証主義を軽視してしまっては、歴史修正主義と差別化できなくなるので、なかなか悩ましい』、「日韓歴史共同研究」、は始める前から私は失敗すると予想していたが、その通りになったのは当然である。「日本の歴史学は、物語というか、歴史を概観する大きな見取り図を描けなくなって、日本の歴史はこうだったと、積極的に市民や社会に示すものがなくなってしまったために、どんどん内向きになって、実証主義の職人として学会でアピールするしかなくなっているという問題がある」、その通りなのだろう。
・『なぜ「新しい物語」が必要なのか  前川:辻田さんは「新しい物語」が必要だと指摘されていますが、いかがですか。 辻田:市場では歴史に強い需要があって、本も売れますし、テレビ番組もよく見られます。 (辻田真佐憲氏の略歴はリンク先参照) とはいえ、そこで求められているのはかならずしも学知そのものではないわけです。そのため、ある種の「翻訳」をしなければいけないのですが、呉座さんがおっしゃったような事情もあり、それがうまく機能していませんでした。 歴史修正主義者は、その虚をついたところもあったのではないでしょうか。学知だけではなく、それをベースにしたより「まともな」物語が必要だと述べた理由もここにあります。 前川:市場や商業主義に関しては倉橋さんが社会の問題として議論されています。 いきなり大きな質問からになりますが、結局のところ、社会は学知に何を求めているのでしょうか。つまり、社会における知とは何なのでしょうか。そもそも、社会は専門知を必要としているのでしょうか。 倉橋:非常に難しい問題ですけど、もちろん、専門知は社会にとって必要不可欠だと思います。けれど、専門知に対する評価は非常に低くなり、信頼されなくなっているという現状があるのも事実です。その辺りは、トム・ニコルズというアメリカの研究者が深く分析し、一般向けの著書を出版し、専門知が軽んじられる状況を「反知性主義」という言葉で説明しています。彼の分析はかなり悲観的ですが、世界的な災害や危機が生じたとき、その状況はひっくり返る可能性があるとも指摘していました。 その邦訳(『専門知は、もういらないのか』)が日本で発売された半年後にコロナの問題が起こりました。政府が「専門家会議」を作って助言を求める姿が繰り返し報道されています。それで信頼がどの程度回復するかはわかりませんが、「専門知」が見直されるきっかけとはなったのではないでしょうか。歴史学の問題に関しては、呉座さんが「権威」という言葉を使われましたが、それに対する反発が社会には広がっていて、それが専門知を揺るがしているのではないかと考えています。 反知性主義の背景には「平等観」があるのだと思います。すなわち、専門知という権威を引き下げ、俗説を引き上げるというトレンドがあり、知は専門家だけのものではなく、もっとフラットなものなのだという感覚でしょうか。そういう感覚が社会に広がっている。とくにネットのやり取りを見ているとそんな感じがします』、安部・菅政権は「反知性主義」的色彩がみられる。コロナ対応の「専門家会議」も政治家の責任逃れのためという感じが濃厚だ。
・『現代社会の真の対立軸  辻田:現代美術家の村上隆さんが、かつて「スーパーフラット」という言葉を使いました。すべてが真っ平らだというポストモダンの価値観をよく言い表したものだと思いますが、学校だと、教える側も教えられる側もフラットで平等なのだという感覚なのでしょう。 最初に右左の対立軸の話がありましたけども、もし今、本当に対立軸があるとすれば、それは、すべてがフラットだというポストモダン的な価値観の人たちと、社会にはある種の階層や秩序があると考える(近代的な?)価値観の人たちとの間にあるような気がします。これはどちらが一概にいいとは言いにくいのですが……。 倉橋:その点については、私も同感で、危惧していると言ってもいい。実際に現実にも発せられる言語にも権力勾配や権力格差はつねに付きまとい、それがなくなったことなど歴史上一度もないのに、もはや解消したもののように扱われるという知的現象は数多く見られます。 「男性差別」「在日特権」「日本人ヘイト」といったマジョリティーこそ被害者であるといった言説は、平等あるいは立場のフラットをベースにしたところから語られる権力勾配無視の発想があると思います。歴史修正主義者がそうしたフラットな状況を作り出すために「ディベート」のような言論ゲームを持ち出したのもその延長線上にあると思います』、「歴史修正主義者がそうしたフラットな状況を作り出すために「ディベート」のような言論ゲームを持ち出したのもその延長線上にあると思います」、これからの議論をみていく上で、参考になりそうだ。ただ、肝心の日韓関係とはたいぶ離れてしまったようだ。なお、この座談会の第2回、第3回は、9月29日付け「歴史問題13」で既に取上げた。

次に、9月20日付けデイリー新潮「韓国の大統領・首相からの書簡を「菅義偉首相」が“スルー”した理由」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/09201700/?all=1
・『戦後最悪とされる日韓関係。その原因は従軍慰安婦や徴用工などに関する歴史認識問題だ。なぜ歴史認識が日韓で乖離し、対立を生んだのか。その軌跡を、歴史家が丹念に追う。『歴史認識はどう語られてきたか』を書いた神戸大学大学院の木村幹教授に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは木村氏の回答)』、興味深そうだ。
・『「河野談話」もすでに歴史  Q:解決不可能と思えるほど、日韓関係は悪いままです。 A:解決をいう前に、われわれが双方の現代史をきちんと把握し、理解しているのかどうか。歴史認識とは、過去の歴史的事実そのものをめぐる問題というよりも、過去の歴史的事実をそれぞれの時代に生きる人々がどのように考え、どの部分にどのような重要性を見いだすかという問題です。この点が、きちんと理解されていません。 Q:確かに「そうだろう」「そうだったはずだ」といった思い込みで語られがちですね。 A:太平洋戦争中の問題である慰安婦問題を、「当時の人は慰安婦なんて知らなかった」として語る人がいます。戦後75年といいますが、その時間幅は奈良時代(710〜94年)とほぼ変わらず、明治維新(1867年)から太平洋戦争終結(1945年)までに匹敵する「一時代」なのです。でも、現代史なので自分たちから遠くないとの感覚があり、「知ってるよ」と安易に判断して語りがちです。 Q:慰安婦への日本軍の関与を認めた1993年の「河野談話」の是非が問題になることがありますが、その実、河野談話で何が語られたのかは知られていません。 A:27年前のことですが、きちんと理解されているかどうか。河野談話もすでに歴史であり、だからこそきちんと確認して議論する必要があるのですが、多くの人はそうは考えません。1982年の教科書問題や1980〜90年代から広がった慰安婦・徴用工問題は、それぞれの時代でどのように、どういった状況で語られ、あるいは認識されていたのか。そういった歴史の変化を追い、それを残せるか。歴史家は、歴史に振り切られないようにすべきです。 Q:韓国ではとくに、1987年の民主化をはじめ1980年代に激動の時代を迎えました。 (木村 幹氏の略歴はリンク先参照) 日本は海外から「安定した国でいいですね」と言われます。生活が安定し平和であるのはいいことですが、そのぶん対外的な変化に鈍感です。日本の外には激しい変化の生じている国があり、韓国はその1つです。外国とのギャップに、もっと留意すべきでしょう。 例えば安倍晋三前首相は、2015年の慰安婦合意など韓国に対して積極的でした。祖父・岸信介元首相から彼の時代の韓国の話を聞き、それが安倍氏の対韓認識を形成したゆえかもしれません。 しかし、岸氏が在任した1950年代末からはもちろん、安倍氏の在任期間中にも朴槿恵(パククネ)、文在寅(ムンジェイン)政権下で韓国は大きく変化しました。その変化を安倍氏はきちんと読み取れていたでしょうか。もちろん、これは韓国の政権も同じで、この10年間の日本の対韓国世論の急速な悪化は、彼らにとってもついていくのが大変な現象でしたからね』、「戦後75年といいますが、その時間幅は奈良時代(710〜94年)とほぼ変わらず、明治維新(1867年)から太平洋戦争終結(1945年)までに匹敵する「一時代」なのです」、その重みを再認識した。「河野談話で何が語られたのかは知られていません」、「それぞれの時代でどのように、どういった状況で語られ、あるいは認識されていたのか。そういった歴史の変化を追い、それを残せるか」、は歴史家もさることながら、ジャーナリストにも責任があると思う。
・『80年代の変化に日本は気がつかなかった  Q:歴史認識が大きな外交懸案となったのは1980〜90年代以降です。これには、韓国の歴史研究者の世代交代も影響したのですか。 A:植民地時代の歴史研究は、朝鮮半島では日本人研究者が主導しました。韓国人の研究者が本格的に養成されるようになったのは、植民地支配の末期からです。だから、日本支配が終わった当時の歴史研究者の大半はまだ20代で、彼らがそのまま教授として主要大学のポストに就いた。それから約30年間、彼らは退職するまで学界の要職を占め続けました。 1980年代に入り、韓国の経済成長と国際環境の変化などを背景に、従来の研究とは一線を画す歴史研究を主張する研究者が出現しました。日本語で教育を受けた世代が徐々に退場し、「民族史観」が打ち立てられるなど歴史研究の大きなパラダイムシフトが生じました。この変化が、その後の歴史認識問題の下地となるのですが、この大きな変化に当時の日本人は気づきませんでした。 Q:2018〜19年には旭日旗への韓国世論の反発や韓国艦艇による自衛隊機レーダー照射、日本の輸出規制管理強化などの問題が発生して日韓対立がさらに深まりました。 A:慰安婦・徴用工問題とは明らかに違う、韓国発の新たなイシューが頻発しています。とくに旭日旗問題は、従来の慰安婦や徴用工といった問題とは、具体的な当事者がいない点で、性質が異なります。 問題が大きくなったのは、2018年に韓国で予定されていた国際観艦式を前に、参加を予定していた海上自衛隊に対し韓国海軍が旭日旗の使用自粛を実質的に要請したことに海自が反発、参加を取りやめたからでした。背景には、旭日旗は日本軍国主義の象徴であり「戦犯旗」だとの認識がすでに確立していたことがありました』、こうしたことは、第一義的には外務省の韓国担当部署やジャーナリストの責任の筈だ。
・『日本のプレゼンスは韓国で低くなった  この認識が韓国で急速に影響力を持ったのは、人々が歴史の具体的な事実に関心を失い、植民地支配=悪であり違法、とする単純な理解に頼るようになったからです。この植民地支配=悪であり違法、とする考え方は、大韓民国建国上の「建前」でもあり、韓国では誰も抵抗できない。だから例えばインターネットで、他人を批判する際にはものすごく便利だったりします。そして、これに対して大統領など政府要人らもわざわざ火消しに動こうとしない。 かつて、日本との関係が強い時代には国内の対日反発は要人らが必ず抑えようとしました。しかしこの20年間、韓国での日本の政治的・経済的プレゼンスが低下し、相対的に重要性が低くなりました。ゆえに、無理に火消しに走ろうというインセンティブが要人らに生じない。となれば、旭日旗問題のような「建前」に関わる問題が今後も簡単に起こるようになります。 Q:文政権は日本に関心がないとの指摘もよく聞きます。 A:重要性が低いので関心も低くなる。日韓関係での「イデオロギーガバナンス」、国家としての建前に関わるナショナリズムを統制するシステムが利かなくなっています。建前を抑え、関係改善のために「火中の栗を拾う」エリート層がいなくなれば、現場での日本への対応に配慮がなくなります。レーダー照射のような緊張感のない事態が発生しやすくなるでしょう』、日本にとって「日韓関係」はやはり重要なので、日本側から能動的に如何に働きかけてゆくか、真剣に戦略を練り直すべきだろう。

第三に、10月5日付けJBPressが掲載した在米ジャーナリストの高濱 賛氏による「日韓歴史問題解決の切り札は在韓米軍撤退 米有力シンクタンク、国務省見解を代弁する提言」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62365
・『文大統領にとり最高裁判断は「盾と矛」  菅義偉首相は9月29日、韓国の文在寅大統領と首相就任後初めて電話会談した。韓国側の申し入れで行われた。 日韓の最大の懸案になっている元徴用工問題について首相が「このまま放置してはならない」と述べたのに対し、文大統領は従来通りの主張を繰り返した。 「両政府とすべての当事者が受け入れ可能で最適な解決策を共に模索することを望む」 そんな解決策はない。 しかもそうした解決策を自分から率先して模索するのではなく、誰か(つまり日本側が)が模索することを「望む」と、どこまでも第三者的スタンスに終始している。 日韓関係がここまで冷え込んでしまった「元凶」は、2018年、韓国の最高裁が元徴用工訴訟で新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じたことにある。 日本政府は、元徴用工問題は1965年の日韓請求権協定(これは国際法だ)で「完全かつ最終的に解決済み」と主張、一歩も引かない。 文在寅大統領は、この最高裁の司法判断を金科玉条のように尊重する姿勢を崩そうとしていない。 長年にわたり、日韓関係を定点観測してきた米シンクタンクの上級研究員N氏は、ずばり言い切っている。 「その背景には文在寅大統領を選び、支えてきた朝鮮民族第一主義(コリアン・ナショナリズム)があり、それに逆らえば政権が吹っ飛んでしまうからだろう」 「最高裁の判断は、韓国では国際法よりも重要であり、バイブルよりも権威ある存在になってしまっている」 「文大統領にとっては司法判断は自分を守ってくれる盾であり、矛になってしまった」) (韓国から見れば)強硬派の安倍晋三氏が首相の座を降り、「実用主義者」の菅首相が登場したことで「日本側の出方も変化しうる」(李元徳・国民大学教授)と楽観視する向きもあるようだ。 しかし、冒頭の電話会談のやり取りをみる限り、こうした見方は的外れだった。菅政権でも膠着状態は続きそうだ。 しかも日韓関係改善には唯一の「仲介役」になり得るドナルド・トランプ米大統領がついに新型コロナウイルスに感染し、米政治は暗転してしまった。 1か月を切った大統領選がどうなるのか。誰も予測すらできなくなってきた。 米国にとって日韓関係などはレーダーサイトから消えてしまいそうだ。 そうした中、マイク・ポンペオ国務長官が10月4日から6日まで訪日する。対中包囲網構築に向けた日本、オーストラリア、インドとの4か国外相会合に出席するのが主目的だが、菅首相とも就任後初会談する。 当初は韓国、モンゴルも歴訪する予定だったが、トランプ大統領の容体が予断を許さないためキャンセルされた。 新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大してから、日本を訪問するのは初めて。 実務外遊というよりも「国家の危機」に際しても、米国が太平洋地域の盟主であることを中ロに見せつけるシンボリックな歴訪と言えそうだ。 むろん北朝鮮に睨みを利かせる狙いもある。 菅首相との会談では、元徴用工問題がアジェンダとして取り上げられるのは必至だ。 トランプ大統領夫妻の感染が公表されて以降、大統領に同行したり、濃厚接触していた側近や政治家が次々陽性反応を示している。 最側近のポンペオ国務長官は一応陰性反応が出たようだが、まだ予断は許さない。 ▽新進気鋭の女性国際政治学者の予見(コロナウイルス感染が拡大する中で、日韓関係に関する注目すべきメモランダムが公になっている。 (https://www.nbr.org/publication/the-next-steps-for-u-s-rok-japan-trilateralism/) 東アジア専門に調査研究する米有力研究機関、「ナショナル・ビュロー・オブ・アジアン・リサーチ」(NBR)が公表した安倍首相退陣後の日韓関係を予測したメモランダムだ。 その予測とは一言で言うとこうだ。 「対韓強硬派の安倍首相が辞任しても日韓関係は好転はしない」「米国の長期的な軍事コミットメントに対する日韓両国の疑念が強まらない限り、歴史認識をめぐる双方の溝を埋めることはできないだろう」 このメモランダムは、東アジア問題研究で脚光を浴びているダートマス大学のジェニファー・リンド准教授とのインタビューを編集者がまとめたもの。 同准教授は、カリフォルリア大学バークレー校、同サンディエゴ校を経て、MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得。 現在ハーバード大学ライシャワー日本研究所、英チャタムハウスにも特別研究員として籍を置く一方、米国防長官室、国防総省系シンクタンク「ランド研究所」のコンサルタントも兼務している。) 近年、早稲田大学やロンドン大学東洋アフリカ・スクール(SOAS)にも客員研究員として留学、東アジア情勢に関する最新情報を入手している。 高度のアカデミック研究に現実外交の実態分析を加味した同准教授の論文は、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」、「ナショナル・インタレスト」にしばしば掲載され、外交専門家、特に米政府の外交政策立案者の間では高い評価を受けている。 2008年には戦争の記憶がその後の当事国同士の和解に与えるインパクトを分析した『Sorry States:Apologies in the International Politics』を上梓している。 (https://www.amazon.com/Sorry-States-Apologies-International-Politics/dp/0801476283)』、「米国の長期的な軍事コミットメントに対する日韓両国の疑念が強まらない限り、歴史認識をめぐる双方の溝を埋めることはできないだろう」、との「リンド准教授」の見解は興味深い。
・『反日は韓国人のアイデンティティ  今回取り上げたメモランダムで同准教授が指摘したのは以下の点だ。 一、韓国のアンチ・ジャパニズム(反日主義)は、韓国のナショナリズムの重要な要素で日本に対する怒りと屈辱は韓国人のアイデンティティの根幹になっている。 二、日本サイドのリベラル派は歴史認識問題については柔軟性を見せているが、保守派には根強い愛国主義が定着している。従って日本政府が韓国の主張に歩み寄る空気は希薄だ。 三、(米国内の)一部専門家は歴史認識問題を解決したうえで日韓は安保、経済的協力関係を改善するべきだと指摘している。だが私はこうした指摘には同意できない。 四、日韓関係改善に米国が仲介役を果たすべきだという指摘がある。だが米国が仲介するのは困難だ。関係改善するには日韓両国の官民各層が本気で取り組む以外にない。 五、現実的な予測をすれば、日韓関係の現状を打破するには、米国が在韓米軍撤収などで長期的な軍事コミットメントを変更させる以外にないかもしれない。 六、日韓両政府が米国の両国に対する軍事コミットメントを反故にするという疑念を深めた時、共通の脅威に対応するには歴史認識問題をめぐる対立を脇に置いて協力せねばならないという判断をせざるを得なくなるだろう。 リンド准教授の見解はワシントンではどう受け止められているか。 日韓とここ30年付き合ってきた米国務省関係者B氏は筆者にこうコメントしている。 「正直言って、リンド准教授の分析は妥当だ。私も同意する」「国務省はじめ外交国防政策に携わっているエリート官僚のコンセンサスを代弁している。同准教授の東アジア情勢分析は政府部内でも高い評価を受けている」』、「米国が仲介するのは困難」、なのは確かなようだ。やはり、「六、日韓両政府が米国の両国に対する軍事コミットメントを反故にするという疑念を深めた時、共通の脅威に対応するには歴史認識問題をめぐる対立を脇に置いて協力せねばならないという判断をせざるを得なくなるだろう」、が現実的なのだろう。
タグ:日韓関係 東洋経済オンライン JBPRESS デイリー新潮 ジョンソン首相 前川 一郎 (その12)(日韓が「歴史問題」でわかり合えない根本理由 議論すべきは「歴史の実証」か「歴史認識」か、韓国の大統領・首相からの書簡を「菅義偉首相」が“スルー”した理由、日韓歴史問題解決の切り札は在韓米軍撤退 米有力シンクタンク 国務省見解を代弁する提言) 4人の気鋭の研究者による座談会 「日韓が「歴史問題」でわかり合えない根本理由 議論すべきは「歴史の実証」か「歴史認識」か」 歴史修正主義が台頭した背景 歴史修正主義には、日本人の誇りに関心があるから史実はあまり重視しないという特徴があります。それが社会に一定の影響力を持っているのは、社会に対する不安や不満を持つ人々の心情と親和性があるからだとも考えられます 植民地主義の歴史を持つ国々では、それを否定すると現体制の正当性まで問われることになりかねないため、国として「歴史認識」を考え直そうということにはなかなかならないわけですが、もしかしたらそうした国の姿勢に対する距離感で左右が分かれるかもしれません イギリスの論壇の基本は中道 NHSを再評価 左派が権威、右が挑戦者という嘘の構図 左派が権威、右が挑戦者という嘘の構図」、よくぞこんな見えすいた「嘘」が通用するものだ。「歴史修正主義の蔓延を無視していると、最終的に、アカデミズムにも悪い影響を与えてしまいます 日韓歴史共同研究が挫折する理由 日本の歴史学は、物語というか、歴史を概観する大きな見取り図を描けなくなって、日本の歴史はこうだったと、積極的に市民や社会に示すものがなくなってしまったために、どんどん内向きになって、実証主義の職人として学会でアピールするしかなくなっているという問題がある なぜ「新しい物語」が必要なのか 現代社会の真の対立軸 歴史問題13 「韓国の大統領・首相からの書簡を「菅義偉首相」が“スルー”した理由」 木村幹教授 「河野談話」もすでに歴史 戦後75年といいますが、その時間幅は奈良時代(710〜94年)とほぼ変わらず、明治維新(1867年)から太平洋戦争終結(1945年)までに匹敵する「一時代」なのです 河野談話で何が語られたのかは知られていません」、「それぞれの時代でどのように、どういった状況で語られ、あるいは認識されていたのか。そういった歴史の変化を追い、それを残せるか ジャーナリストにも責任 80年代の変化に日本は気がつかなかった 日本にとって「日韓関係」はやはり重要なので、日本側から能動的に如何に働きかけてゆくか、真剣に戦略を練り直すべきだろう 「日韓歴史問題解決の切り札は在韓米軍撤退 米有力シンクタンク、国務省見解を代弁する提言」 文大統領にとり最高裁判断は「盾と矛」 米国の長期的な軍事コミットメントに対する日韓両国の疑念が強まらない限り、歴史認識をめぐる双方の溝を埋めることはできないだろう 反日は韓国人のアイデンティティ 米国が仲介するのは困難 日韓両政府が米国の両国に対する軍事コミットメントを反故にするという疑念を深めた時、共通の脅威に対応するには歴史認識問題をめぐる対立を脇に置いて協力せねばならないという判断をせざるを得なくなるだろう
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日本の外交政策(その8)(「最後は身動き取れなくなった」安倍政権の外交 「トップダウン」が裏目に〈AERA〉、菅外交が早々に迫られるいくつかの「重要な選択」、「外交初心者」の菅首相次第という日本外交の不透明 菅新政権の課題) [外交]

安倍外交については、8月27日に取上げた。今日は、タイトルを変更して、日本の外交政策(その8)(「最後は身動き取れなくなった」安倍政権の外交 「トップダウン」が裏目に〈AERA〉、菅外交が早々に迫られるいくつかの「重要な選択」、「外交初心者」の菅首相次第という日本外交の不透明 菅新政権の課題)である。なお、番号は旧来のものと連続させた。

先ずは、9月9日付けAERAdot「「最後は身動き取れなくなった」安倍政権の外交 「トップダウン」が裏目に〈AERA〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020090800017.html?page=1
・『思わぬ形で終わりを迎えることとなった安倍政権。韓国・北朝鮮関係では当初、「トップダウン外交」を武器に大胆な対応をみせたが、結果は振るわなかった。AERA 2020年9月14日号では、朝日新聞編集委員の牧野愛博さんがその外交手腕を振り返った。 「外交の安倍」を自任した安倍晋三首相の得意技は「トップダウン外交」だった。首相官邸が戦略を決め、首脳外交で合意を演出する。大胆な外交が可能になる半面、しばしば世論に流される結果を招く。韓国や北朝鮮との関係でも、当初は成果を出したが、最後は身動きが取れなくなった。 安倍首相は当初、日韓関係の改善に積極的だった。慰安婦問題の解決にこだわった朴槿恵(パククネ)政権に対し、2015年12月に日韓慰安婦合意を実現させた。合意当日、首相官邸前に右翼の街宣車が押しかけて抗議するなど、本来の支持層の反発を浴びてまでの決断だった。 安倍首相の決断の決め手は「世論」だった。当時、首相周辺は「慰安婦合意を実現すれば、右派に加えて中道左派までの支持を得られ、歴史に名を残す指導者になれます」と言いながら、安倍首相に決断を促したという』、「トップダウン外交」は世界の潮流でもあるようだ。「日韓慰安婦合意」は右派の「安倍首相」にとっては、確かに思い切った決断だったようだ。
・『慰安婦合意がやり玉に  だが、この思い切った外交は、17年5月に登場した文在寅(ムンジェイン)政権によって破壊される。文大統領は日本に強い関心があるわけではないが、韓国内の政治闘争の延長で朴槿恵前政権の政策を全面否定することに奔走した。そのやり玉に挙がったのが、日韓慰安婦合意だった。 文政権は18年11月、合意に基づく日本政府の拠出金でつくられた財団の解散を発表し、合意は崩壊した。 加えて18年10月、韓国大法院(最高裁)が日本企業に対し、元徴用工らへの損害賠償を命じた判決が、安倍首相の日韓関係改善への熱意を完全に消し去った。首相は判決前から、繰り返し、文大統領との首脳会談で、「賠償を命じる判決が出れば、関係の決定的な悪化を招く」と警告し、文氏も「重大な問題だと理解している」と語っていた。 安倍首相は当初、文氏に好感を抱いていたが、判決後には周囲に「文氏は言う事とやる事が全く違う」と漏らすなど、不信感を強めた。トップがやる気を失ったため、日韓外交は動かなくなった。 文政権の度重なる日本に配慮しない政策で、韓国に対する日本世論が極度に悪化したことも影響した。 同じ現象は、北朝鮮との関係でも見られた。 日本人拉致問題の解決を最重要課題に据えた安倍首相は、北朝鮮に接近し、14年に、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を行うなどとしたストックホルム合意を実現した。 ただ、北朝鮮に対する厳しい世論を意識した首相官邸は、北朝鮮が不十分な中間報告を提出することを警戒し、再調査は停滞。結局、日本政府は16年2月、再び独自制裁を決定。北朝鮮は再調査の中止と、拉致問題に関する特別調査委員会の解体を発表するに至った。 安倍首相は、18年に実現した南北や米朝の各首脳会談を受け、得意の「トップダウン外交」を目指したが、不信感を持った北朝鮮側が応じることはなかった。 次期首相が有力とされる菅義偉官房長官は、安倍政権の政策継承を唱える。自民党のベテラン議員の一人は「外交は恋愛とは違う。朝鮮半島に厳しい世論をみて、有権者の支持を得たいという誘惑に駆られる限り、次期政権でも朝鮮半島外交は何も変わらないだろう」と語った』、「次期政権でも朝鮮半島外交は何も変わらないだろう」、というの残念だ。「世論」に迎合的になりすぎるのも問題なのではなかろうか。

次に、9月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元外務審議官で日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中 均氏による「菅外交が早々に迫られるいくつかの「重要な選択」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/248724
・『菅新政権が16日、発足するが、向き合っていかなければならない外交課題も数多い。 コロナ危機により国際構造の変化は加速され、また、11月の米国大統領選挙ではトランプ大統領の再選可能性が低くなってきている。 単純に「安倍外交を継承する」では済まされない重要な選択を、早々に迫られることになる。 日本の国益を守るには大局観に基づく判断と精緻な戦略が必要だ』、興味深そうだ。
・『対米アプローチは見直し必要 「是々非々」でものを言う関係に  安倍外交に対する高い評価の一つはトランプ政権と盤石の関係を築いたことだ。 もちろん、そのためにトランプ大統領を喜ばせる行動に出たことも事実だろう。 ステルス戦闘機F-35の大量購入や、断念することにはなったが新型迎撃ミサイルシステム・イージス・アショアの配備などの膨大な武器の購入、米国がTPPから撤退した後、迅速に日米で貿易合意を締結したことなどについて、米国は安倍首相の努力と配慮を高く評価した。 しかしトランプ政権の対外政策の多くが日本の利益に合致していたわけではない。 TPPだけではなく、気候変動に関するパリ合意やイラン核合意など多国間協力からの撤退や「アメリカ・ファースト」を掲げる一方的行動は決して日本を利するものではない。 現在の情勢から見れば11月の大統領選挙でトランプ大統領が再選される可能性は低い。 コロナ対応に対する国民の一般的評価は低く、経済の急速な回復も望めない。人種差別反対より治安維持に重点を置いたような言動も批判を受けている。 2016年選挙でトランプ氏が勝利した要因の一つは、既成の政治とは縁のない未知の人物に対する期待票だったが、今回の選挙では知り尽くされた人物に対する批判票に直面することになる。 米国内では、コロナ禍での郵便投票の拡大で開票が混乱する恐れのほか、トランプ大統領は郵便投票には不正が伴うとして選挙結果を容易には認めないのではないかとの懸念も強い。 米国が大統領選挙結果を巡り混乱に陥ることは不可避かもしれない』、「大統領選挙結果を巡り混乱に陥ることは不可避かもしれない」、困ったことだ。
・『米国中心の求心力は低下 米国の政策を修正する努力を  トランプ大統領が再選されれば、これまでの日米蜜月的な雰囲気は継続されるだろうが、米国はさらに国際協調主義から遠のいていくだろうし、それは日本にとっても好ましいことではない。 バイデン大統領が選出されれば、伝統的に民主党政権は共和党政権ほど同盟国を重視することはないが、トランプ氏とは異なり、国際協力の道に立ち返るということになるのだろうか。 トランプ氏であれバイデン氏であれ、コロナ後の世界は米国を中心とした西側世界の求心力が低下していく難しい世界となる。 日本の米国への向き合い方も、対米配慮一辺倒というわけにはいかず、コロナ後の新たな情勢の展開に合わせて見直していく必要がある。 その基本は、日米同盟の中で安全保障面を含め日本の役割を増やしつつ、是々非々で米国にものを言い、米国の政策を修正する努力をするといったアプローチになるのではないか。 中でも対中関係が最も重要だ』、「日米同盟の中で安全保障面を含め日本の役割を増やしつつ、是々非々で米国にものを言い、米国の政策を修正する努力をするといったアプローチ」、なかなか難しそうだ。
・『米中対立には精緻な戦略で 守るべき「3つの基本的国益」  中国が新型コロナウイルスの最初の発生地でありながら感染防止にほぼ成功したと伝えられ、ほとんどの国で2020年は10%を超えるようなGDP(国内総生産)の落ち込みがある中で、唯一プラス成長を実現する可能性が高い。 急速に縮まってきた米中の国力の差は一層、縮まることになり、米中間の対立はさらに激化する。 米国の強硬な態度はトランプ再選戦略のための外交だと見る人も多いが、米中の対立は異なる体制間の覇権争いともいうべき構造的問題であり、対立は長く続く。 このまま推移すると、おそらく習近平国家主席が「中国の夢」として世界で突出する強国の実現を目標とする2049年(中華人民共和国創設100周年)に向けて、厳しい米中対峙は続くことになる。 バイデン民主党政権になればトランプ政権がとってきたハイテク分野での中国排除や中国との各種交流に対する制限をいったんは見直しするのだろうが、香港やウイグルでの人権問題に対する意識は高く、総じて対中姿勢が大きく変わることにはならないだろう。 日本にとっての守るべき基本的国益は次の三つだろう。 (1)自由民主主義体制を守るために、米国との同盟関係を通じ中国の覇権的行動を抑止する。 (2)貿易・投資・人の交流など中国との深い経済相互依存関係、並びに中国と密接な経済依存関係があるアジア諸国との経済相互依存体制は日本の繁栄のために失うことができない。 (3)この地域での米中軍事的衝突は日本に波及することは必至であり避けなければならない。軍事衝突の蓋然性が最も高いのは台湾を巡る問題だろう。 これら三つの基本的な国益が相互に矛盾しないよう緻密な戦略がなければならない。 まず必要なことは日本が米、中両国との間断なき戦略対話を行うことだ。 中国は米国との厳しい対立の継続を予想し日本との関係改善を望んでおり、例えば、香港問題では日本が静かに問題提起をし、中国の行動を変えさせていく余地はある。 第二に米中に共通の戦略的利益を見出すことだ。 米ソ冷戦時代に西側諸国と中国との関係が比較的、良好だったのはなぜか。 中国はソ連と国境紛争などを巡り関係が悪化しており、対ソ包囲網を作るうえで中国の存在は西側を利した。 だが現在では米中間には香港、台湾、南シナ海を含め共通の戦略的利益が存在しないことが対立激化の一つの理由だ。 その中で「北朝鮮非核化」は米中だけでなく日・韓・ロの共通利益であり、北朝鮮非核化問題を前進させることが米中対立を緩和させることにもなる』、「北朝鮮非核化」は中国、ロシアにとっては、米国などと「共通利益」と
するが、果たしてそうだろうか。両国が「北朝鮮」をコントロールできるのであれば、自陣営の対西側への対抗力は保持したい筈なのではなかろうか。
・『戦略的なパートナーシップづくりで「中国を変える」ことをめざす  第三に、パートナーシップづくりだ。 日本はASEAN諸国、豪、印、EU諸国などとの戦略的パートナーシップを強化すべきとともに、東アジアサミットやASEANプラス3などの中国を巻き込んだ地域協力を活性化するべきだろう。 もっともトランプ再選となれば米国は東アジアでの地域協力にも消極的な姿勢をとると思われる。 このように日本の戦略はやはり「中国を変える」ことを主目的にすることだ。 中国の成長率は、経済の成熟化や高齢化で今後、低下していかざるを得ず、国際社会との相互依存関係が希薄となっていけば、ますます低下していくことは自明だ。 そこに中国を変えていく鍵があるような気がする。 そのことを考えても、関係国との間断なき協議とパートナーシップづくりを続けることが重要だ』、天安門事件以降、「日本」は「中国を変える」ために、欧米よりソフトに接してきたが、反日教育の開始などで見事に裏切られてきた。同じ過ちを繰り返すのは愚の骨頂だ。少なくとも「中国を変える」などと思い上がった政策は採るべきではない。
・『拉致問題は包括的アプローチで 北朝鮮非核化と「一括解決」  安倍首相が辞任会見で、解決できず「痛恨の極み」と述べた北朝鮮拉致問題や、「断腸の思い」と語ったロシアとの平和条約については改めて考え方を整理する必要がある。 拉致問題については、安倍首相が初期の段階から強い想いを持ち続けた政治家の一人だし、政権のプライオリティとして取り組んできたのは間違いがない。 しかし北朝鮮は諸外国との懸案を自国の生存と関連付けて考えており、日本が拉致問題を核やミサイルという他の重要問題と切り離して解決しようとしても難しい。 一方で北朝鮮が望む経済協力や国交正常化も核やミサイル問題の解決なくしては実現できない。 従って拉致問題に必要なのは「包括的アプローチ」であり、北朝鮮の非核化の過程の中で一括解決するというアプローチをとらざるを得ない。 北朝鮮と恒常的な対話を行い包括的解決の糸口を見つけていかねばならないし、核問題解決のため日本は行動すべきだ。 また北朝鮮との問題を解決していくうえでも、韓国との関係は菅新政権のもとで「新たな出発」をしてもらいたいと思う。 韓国内の革新と保守の分断の激しさや「歴史を巡る反日」が文在寅大統領ほかの革新派の原点的な意味合いを持つが故に、徴用工や慰安婦問題の解決を困難にしている。 また文在寅政権は対北朝鮮融和に走り、日米韓の協力に熱心でない、あるいは中国との連携に走るという傾向がないわけではない。 しかしながら朝鮮半島の安定は日本の死活的利益であり、そのためには韓国との協力を捨象できるものではない』、「拉致問題は包括的アプローチで」、従来の姿勢を継続しろとのことだが、余りに硬直的過ぎて、これでは一歩も進まない。問題を分解して、妥協点を見出していく通常の「アプローチ」に変えることを検討すべきだ。
・『ロシアとは距離をとる必要 領土問題では進展見込めず  ロシアについては少し距離をとるアプローチが必要だ。 ここ数年、日ロの緊密な首脳同士の関係とは裏腹に領土問題についてのロシアの態度は硬化していく一方であり、ロシア側から前向きの姿勢が示されない限り、従来同様のアプローチを続けていくことは再考すべきと思う。 ロシアと欧米についてはサイバーによる選挙介入、ウクライナやベラルーシ問題、プーチン大統領政敵の暗殺を意図したといわれる事件などを通じ、関係は悪化する一方であり、国際社会における立場からいってもロシアにあまり寛容な態度をとるべきではない。 菅新政権はコロナ感染防止と経済回復、中長期的な経済財政構造、そして東京オリンピック・パラリンピック開催問題など山積する多様な国内課題に取り組まなければならないが、対外関係についてもコロナ後の新しい政治経済構造の中で幾つかの重要な選択を行わなければならない。 大局観をもって取り組んでもらいたいと思う』、同感である。

第三に、10月8日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した朝日新聞編集委員の牧野愛博氏による「「外交初心者」の菅首相次第という日本外交の不透明 菅新政権の課題」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/250435
・『菅義偉政権が発足、7年8カ月ぶりの首相交代で、注目が集まっているのが日本外交の行方だ。 「トップダウン外交」を売り物にした安倍政権下では、外務省の影響力は薄れ、結果的に中国やロシアとの外交が迷走する結果になった。 9月21日の米・トランプ大統領との電話会談を皮切りに、中国・習近平国家主席、韓国・文在寅大統領と電話協議などが相次いで行われたが、首相自身の外交ビジョンも含め、米中「新冷戦」や戦後最悪の日韓関係などの状況で菅政権の外交はどうなっていくのか、見えないところが多い』、興味深そうだ。
・『「安倍外交」の残滓が色濃く対中関係は二階氏が影響力?  菅氏は官房長官時代、外交そのものに強い関心を示したことはほとんどなかった。 典型がロシア外交で、安倍政権が北方領土問題の解決に向けてさまざま政策を打ち出しても、菅氏が口を出すことはなかった。 ただ、国内政治との関係から外交政策に意見することがしばしばあったという。 例えば日中関係では、菅氏は安倍政権が進めた日中関係改善の流れをおおむね支持していたという。 政府関係者の1人は「おそらく、企業と二階さんが原因だろう」と語る。 官房長官を務めていた菅氏の元には、多数の日本企業から「日中関係が冷え込んで商売にならない」という陳情が多数届いていたという。一方、二階俊博自民党幹事長は、自他共に認める「親中派」だ。 二階氏は17日、石破派のパーティーで「中国とは長い冬の時代もあったが、今や誰が考えても春」と語り、日本政府が保留している習近平中国国家主席の訪日への期待感を示した』、「二階氏」はやはり「習近平中国国家主席の訪日」を実現させたいようだ。
・『訪中で託した親書 「官邸官僚」が書き換え  もともと、日中接近の道筋は、安倍政権の「トップダウン外交」が描いた作品だった。 2017年5月、安倍首相が、訪中する二階幹事長に習近平主席宛ての親書を託した。外務省は親書を作成するにあたり、中国が推進する「一帯一路」構想について、「自由と民主主義に貢献する一帯一路を支持する」といった「厳格な条件付き賛成」論を展開した。 谷内正太郎国家安全保障局長の決裁を受けたうえで、首相官邸に提出したが、二階氏に親書を託す直前になって、今井尚哉首相秘書官が「総理の思いを十分伝えていない」と、「条件」の部分を大幅に削減してしまった。 外務省が再び案を練る時間もなく、怒った谷内氏と今井氏が激しく論争する場面もあったという。 こうした、官邸官僚の「忖度政治」は、7年8カ月の首相在任中に秘書官をほとんど代えなかった安倍前首相の政治手法の副産物だった。 霞が関の各省庁幹部が安倍氏にブリーフィングを行う場合、今井氏やその政策を担当する首相秘書官らが、横から「それは総理の考えではない」などと口を差し挟み、最後は安倍氏も苦笑するという光景が日常的に繰り返されていたという。 菅氏の場合、官房長官の時は、官邸官僚が忖度をし横からあれこれ口を出したという話はほとんど聞かない。 ただ、菅氏は内閣人事局を通じた各省庁の幹部人事をもとに、霞が関を巧みにコントロールしてきた。総務相時代も、自らが進めていたふるさと納税制度に異論を唱えた局長を外すなどのこわもてぶりは官僚の間で伝わっている。 安倍政権の場合は、官邸官僚が強制的に首相の応答要領や国会答弁などを書き換えることもしていたが、菅政権になると、霞が関の官僚が菅首相の考えを自ら忖度しようとするかもしれない』、「外務省は親書を作成するにあたり、中国が推進する「一帯一路」構想について・・・「厳格な条件付き賛成」論を展開した。 谷内正太郎国家安全保障局長の決裁を受けたうえで、首相官邸に提出したが、二階氏に親書を託す直前になって、今井尚哉首相秘書官が「総理の思いを十分伝えていない」と、「条件」の部分を大幅に削減」、「今井尚哉首相秘書官」は凄い権勢を振るっていたようだ。
・『米中対立のはざまでバランス外交を踏襲か  それに中国に関する外交では、菅氏の政治的な志向は外務省と相通じる点もある。 中国を巡る国際情勢は今、トランプ米政権が11月の大統領選を前に、過激な対中政策を展開している。 従来、日本や欧州諸国など自由主義陣営は「南シナ海などで力による現状変更を迫る中国に反対する」という姿勢で結束してきた。 日本が唱える「自由で開かれたインド太平洋構想」はその象徴だ。だが同時に、経済分野で中国を完全に排除することは、日本も欧州の企業も望んでいない。 このため、外交当局が反対するのは「中国による現状変更」であり、中国共産党の支配や、中国が唱える「一つの中国」政策には異を唱えていない。 ところが、米国の場合、ポンペオ国務長官が7月にカリフォルニアで行った演説で「自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国が私たちを変えるだろう」と語るなど、中国共産党支配を許さないという姿勢を強めている。 9月には米国務省のクラック次官が台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。中国は激しく反発し、台湾海峡で軍事演習を行うなど、対立はエスカレートし続けている。 こうしてみると、米国の過激な政策をなだめ、日本や欧州などが唱える「穏健な中国との対立路線」に引き戻したい外務省の思惑は、もともと、米中の間でうまく立ち回りたい菅首相の考えと一致するところも多いようにみえる。 10月6日には来日したポンぺオ米国務長官が菅首相を表敬、夕方からは日米豪印四カ国による安全保障対話(QUAD)が行われた。こうした外交舞台を皮切りに、菅政権は米中対立のはざまでうまく立ち回る政策を追求していくことになりそうだ。 ただ、近年の日本外交は安全保障政策に大きく左右されるようになった。 日本周辺の安全保障が安定していた時代は、外務省が日本の国際貢献の一つとして、自衛隊の海外派遣を提案し、主導していた。 ところが、第2次安倍政権の時代、中国が大きく台頭し、尖閣諸島を含む東シナ海や台湾海峡、南シナ海などでの軍事的影響力を強めている。 日本も、中国との外交摩擦は覚悟のうえで、2017年から護衛艦を南シナ海に長期派遣するなど、安全保障を優先的に考えざるを得ない状況になっている。 菅政権も、日本の安全保障を守るため、米国により比重を置いた政策を展開せざるを得ないだろう』、その通りなのだろう。
・『対韓関係は厳しい展開に もともとは融和路線だった  一方、厳しい展開が予想されるのが日韓関係だ。 菅氏は当初、韓国に融和的な姿勢を見せており、2015年12月の日韓慰安婦合意についても、安倍首相の政治決断を促す役割を担っていた。 政府関係者によれば、これは当時の李丙琪駐日韓国大使やその後任の柳興洙大使との親交が大きく影響していた。菅氏は李氏や柳氏としばしば食事を共にし、意見を交換していた。 李丙琪氏は駐日大使時代、菅氏に「慰安婦問題を解決しないと日韓関係が改善できない。日韓局長協議をやりたい」と提案し、菅氏も喜んで応じた。 ただ、局長級協議では、安倍首相と朴槿恵大統領の顔色をうかがって原則論を展開する場面が続き、進展が見られなかった。 李氏は国家情報院長に就任した後の2014年秋、韓国の国家安全保障会議(NSC)で「局長級協議では限界がある。高位級に格上げすべきだ」と提案した。 朴大統領はこの提案を受け入れ、菅官房長官と親交があり、国家情報院長のカウンターパートである谷内正太郎国家安全保障局長とも親しい李氏を対日交渉の責任者に指名した。 当時は日韓双方に信頼関係があったため、「日本の法的責任」という言葉を単なる「責任」と置き換えた。 逆に、日本側が元慰安婦1人あたりの事業費を積み上げた総額は10億円に届かない額だったが、李氏が「自分がポケットマネーを出してもいいから、世論に訴えやすい10円にしてほしい’(注:「億」が抜けている)」と訴えたことで、10億円になったという。 こうした外交当局のやり取りを、菅氏は側面から支えていたという』、なるほど。
・『「李・元駐日大使逮捕」で冷淡に 文政権との関係好転の兆し見えず  菅氏の韓国に対する姿勢が変わったのは、2017年11月。韓国のソウル中央地方検察庁が李丙琪氏を、李氏の院長時代に国家情報院が大統領府に秘密資金を提供した疑いで緊急逮捕した事件がきっかけだった。 この時から菅氏の韓国に対する姿勢は明らかに冷淡になった。 外務省が日韓関係に関するブリーフィングをするときも、「韓国案件は聞きたくない」と言い放ったこともあった。 政府関係者の1人は「あれだけ日韓関係に心を砕いた李丙琪氏を逮捕して、刑務所に送った文在寅政権を許せなかったようだ」と語る。 菅氏は、文在寅政権下で2人目の駐日大使となる、南官杓大使とは2019年5月の着任以来、1度しか会食していない。唯一の会食の際も、2人はぎこちない態度に終始し、和気あいあいだった李丙琪氏や柳興洙氏との関係に比べて極めて冷ややかな空気が漂っていたという。 菅氏は自民党総裁選中に日韓関係についての考えを問われ、「1965年に締結された日韓請求権協定が日韓関係の基本だ」と語り、日本企業に元徴用工らへの損害賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決が、請求権協定を破壊することになるという安倍政権からの日本政府の主張を繰り返した。 24日に韓国側の求めで行われたという両首脳の電話協議でも、菅首相は協議後、「このまま放置してならない旨を伝えた」と語っただけだ。 外務省はこの会談結果について「韓国側において日韓関係を健全な関係に戻すきっかけを作ることを求めた」と説明し、「関係改善は韓国の対応次第」とする安倍政権の姿勢を引き継いだ。日韓関係が好転する兆しは見えない。 日本政府関係者の1人は「日本企業の韓国資産を現金化する動きが止まらない限り、菅首相の訪韓はないだろう」と話す。 韓国が議長国となって、年内の実現を目指す日中韓首脳会議の開催は難しいとの認識を示した』、「菅氏の韓国に対する姿勢は明らかに冷淡になった」契機が、「あれだけ日韓関係に心を砕いた李丙琪氏を逮捕して、刑務所に送った文在寅政権を許せなかったようだ」、案外、「菅氏」は情に厚いところがあるようだが、本来、外交には情は禁物な筈だ。
・『影を落とす外務省の凋落 政治にあわせ強硬論台頭  こうしたなか、永田町・霞が関で懸念する声が出ているのが、外務省の凋落だ。 外務省は「官邸トップダウン外交」を標榜した安倍政権下で、存在感を大幅に低下させてきた。 総合外交政策局は本来、日本政府の外交・安全保障政策のとりまとめ役だったが、今では2014年に内閣官房に設置された国家安全保障局の「ご用伺い機関」(政府関係者の1人)になってしまっている。 国家安全保障局が関係省庁から吸い上げた情報をまとめた後、各省庁に問題のない範囲で提供するため、関係省庁による情報共有は進んだが、外務省主導で政策を仕切る場面は格段に減った。 そして、トップダウン外交を掲げた安倍首相と官僚の統率に力を入れた菅官房長官が仕切った安倍政権時代、外務省内にはより政治家の顔色をうかがう風潮が強くなった。 外務省では過去、「我々の仕事は外国との友好関係を維持すること。外国を攻撃するのが仕事ではない」という意識が強かった。 冷戦時代は、この職業倫理の唯一の例外はソ連課だけだといわれた。当時を知る外務省OBは「ソ連課の連中だけは、ソ連をあからさまに嫌っていた。でも他の地域担当課はそんなことはなかった」と語る。 しかし、冷戦後、中国が新たに台頭するなかで政治家の間で「外務省のチャイナスクール(中国語研修を受けた官僚)は、日中友好に傾きすぎる」という声が強まり、チャイナスクール出身者以外を中国課長やアジア大洋州局長に起用するケースが相次いだ。 この傾向が最近は、韓国を担当する北東アジア1課にも及んでいるという。 北東アジア1課内には「文政権とは何を話しても意味がない」という意見がしばしば飛び交うという。 外務省内では定期的に、在外公館に出る幹部らに対して、韓国の市民団体が世界各地に建立している慰安婦を象徴する少女像の問題を含む歴史認識問題についてブリーフィングを行っているが、最近の研修では、韓国を一方的に糾弾する雰囲気が目立つという』、「外務」官僚には特定の国に肩入れすることなく、冷静で客観的な判断が求められる筈だ。
・『道を踏み外しても助言者のいない危うさ  こうした状況からも、菅政権外交の行方は一にも二にも、外交にはそれほど関心がないとされてきた菅首相その人の器量にかかっているといえそうだ。 もし、道を踏み外しても、それを忠告する勇気のある外交官はもはやほとんど残っていない』、「菅氏」がふるさと納税制度に異論を述べた総務省高官を更迭したように、異論を唱える官僚を切り捨て、忖度して言うことをきく官僚を重用するという狭い「器量」のやり方を続ける限り、「道を踏み外しても助言者のいない危うさ」が大いにつきまとうだろう。
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日中関係(その5)(日本が中国の影響工作に警戒せねばならない訳 嫌中感に頼らない耐性を確立することが重要だ、強大高圧中国は天安門事件で日本が育てた―外交文書公開 無残な中身、「親中」政権なら短命に 菅氏が偉大な首相になるための条件とは何か) [外交]

日中関係については、6月30日に取上げた。今日は、(その5)(日本が中国の影響工作に警戒せねばならない訳 嫌中感に頼らない耐性を確立することが重要だ、強大高圧中国は天安門事件で日本が育てた―外交文書公開 無残な中身、「親中」政権なら短命に 菅氏が偉大な首相になるための条件とは何か)である。

先ずは、6月20日付け東洋経済オンラインが掲載したAPI地経学ブリーフィング 上席研究員の大矢伸氏による「日本が中国の影響工作に警戒せねばならない訳 嫌中感に頼らない耐性を確立することが重要だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/371385
・『米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。 独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく』、なるほど。
・『中国の影響工作の広がり  中国の影響工作(Influence Operation)に関心が高まっている。オーストラリアにおける中国の影響に関しては、クライブ・ハミルトン氏が2018年2月に『目に見えぬ侵略』(“Silent Invasion”)を執筆。ブックセミナーでワシントンDCに来た際には、約束していた出版社が中国の圧力で断りを入れてきた話を披露、オーストラリアにおける「侵略」の深刻さを語った。 アメリカに関しては、2018年10月末に、フーバー研究所が『中国の影響とアメリカの国益―建設的警戒の促進―』(“Chinese Influence & American Interests ― Promoting Constructive Vigilance ―”)を発表。議会、メディアから教育、研究機関、シンクタンクまでアメリカ内で広範に中国の影響工作が浸透していると警鐘を鳴らした。 先月末(7月23日)、アメリカの戦略国際問題研究所(CSIS)が『日本における中国の影響』(China's Influence in Japan)という報告書を発表した。著者はニューヨークのカーネギー・カウンシル所属のデヴィン・スチュワート氏。 影響工作には、広報文化外交(public diplomacy)のような「正当な影響」(benign influence)と、隠密(covert)、威圧(coercive)、腐敗(corrupt)の3Cを特徴とする「不適切な影響」(malign influence)の2つがあるが、スチュワート氏はこの両方を分析の対象としている。 結論としては、中国との長い歴史的・文化的関係にもかかわらず、日本における中国の影響はほかの民主主義国に比べて限定的というもの。 日本で中国の影響が限定的である要因としてスチュワート氏は、日本固有の事由と他国も模倣できる事由と2つに分けられる。日本固有の事由については、それを「閉ざされた民主主義」(closed democracy)と総称しつつ、 ①中国との長い紛争(5回の戦争)の歴史で培われた警戒 ②日本の経済・文化的な孤立 ③国民の政治的無関心と実質的な単独政党制 ④厳しく統制されたメディア を挙げる。 後者の他国も模倣できる事由としては (1) 権力の行政府・官邸への集中 (2) 日本自身による対外PR攻勢 (3) 戦略分野への投資規制や外国人の政治献金の禁止といった法整備 を挙げている』、「CSIS」が「日本における中国の影響はほかの民主主義国に比べて限定的」、そうであればいいが、違和感も残る。
・『変動する日本の対中親近感  スチュワート氏の報告書は、多くのインタビューを行い多数の事例を紹介した価値のある報告書だが、分析に疑問を感じる部分もある。とくに、中国の影響が限定的である日本に固有な事由の総称として「閉ざされた民主主義」と指摘するが、日本の民主主義が閉ざされたものとの評価には議論の余地があろう。 また固有な事由の1つとして、長い対立の歴史に基づく中国への警戒を挙げるが、対中警戒感はつねに高かったわけではない。日本の対中世論について言えば、日中国交正常化後は長期にわたり良好だった。しかし、それは天安門事件、尖閣問題を含む対日強硬策の中で大きく悪化した。 世論調査で確認しよう。総理府(現・内閣府)の「外交に関する世論調査」の第1回目が行われた1978年は、日中平和友好条約が締結された年だが、日本人の中で「中国に親しみを感じる」は62.1%と高かった。その後1980年代には、日中友好の雰囲気の中で「親しみを感じる」はさらに高まり70%前後で推移。しかし、1989年6月の天安門事件の影響を受け、同年10月の調査では、「親しみを感じる」は前年度の68.5%から51.6%に急減した。 その後はこの比率はさらに減少、2000年代中頃は40%弱で推移した。1990年代から2000年代にかけての低迷は、中国における愛国主義運動と、それに対応する日本における謝罪疲れの中で「歴史問題」が繰り返されたことも要因であろう。 さらに、尖閣問題での中国の攻撃的姿勢が目立った2010年の調査では「中国への親しみ」は20.0%まで大きく低下(同年の「親しみを感じない」は77.8%に上昇)。その後「中国への親しみ」は現在まで低迷が続いている。 以上を踏まえれば、日本の対中警戒感は天智2年(西暦663年)の「白村江の戦い」以来の歴史に規定された不変のものではなく、時代や状況により変化しうる。したがって、「嫌中感」に頼らないシステムとしての「中国の影響力への耐性」を確立することが重要であろう。 また、日本は貿易や直接投資を通じた中国との経済的結びつきが強く、経済的視点から見た「中国の影響」への脆弱性にも留意が必要である。 2019年の日本の貿易総額に占める中国の構成比は21.3%と第1位で、第2位のアメリカの15.4%を大きく上回る。対中貿易構成比の20.7%(2010年)から21.3%(2019年)への上昇は、対ASEAN構成比の14.6%(2010年)から15.0%(2019年)への上昇よりも高い伸びであった。 また、日本から中国への直接投資は、フローで見れば、2009年69億ドル、2010年73億ドル、2011年126憶ドル、直近の2019年は144憶ドルとむしろ増加してきている。中国の経済規模の拡大を考えれば自然だが、前述のとおり2010年以降の日本の中国に対する親近感が低位にとどまることを考えれば、この「国民世論」と「経済的つながり」の乖離(デカップル)は興味深い。 「経済的つながり」は中国に影響工作の機会を与える。例えば、香港国家安全維持法に対するドイツ政府の反応が慎重な背景には、ドイツの自動車業界にとり中国が最重要市場であることが関係しているとみる識者は多い。日本にとっても日本企業のビジネス機会を考えれば、中国との経済的なつながりを断ち切ることは容易ではなく、また望ましくもない』、その通りだが、それ故の悩ましさもある。
・『自立的な政治・外交判断を制約するリスクも  さらに、「経済的つながり」には戦争抑止というプラスの効果があるとの指摘も以前よりある(ノーマン・エンジェル)。しかし、同時に「経済的つながり」の深さが、理念や価値観に基づく自立的な政治・外交判断を制約するリスクがある点には、つねに自覚的である必要があろう。 コロナウイルスをきっかけに、中国への依存度が高い日本のサプライ・チェーンに関して見直しが必要ではないかとの議論が盛んになった。 日本政府も2020年度補正予算で、中国からと限定はしていないものの、生産拠点が集中する国からの国内回帰や第3国移転を支援するために2435億円を計上した。医療関連品や重要物資など一定の分野で中国からの立地の移転が見込まれるが、日本の製造業全体が中国市場から撤退するという状況は想像しがたい。 とくに、中国市場を狙うために中国に工場を設立している場合には、こうした工場の多くが中国の外に移転する状況とはならないだろう。したがって、「経済的つながり」が残ることを前提としつつ影響工作への耐性を高める工夫が重要となる。 さらに、日本では中国による企業や大学における知財窃取・スパイ活動の検挙がアメリカのように頻繁ではない。この点は、スチュワート氏の指摘のように、「日本の閉鎖性」が中国の影響を防いだ可能性を否定するものではないが、情報管理や防諜体制が不十分で、単に中国の影響工作を探知・発見できていない可能性もある。 とくに、サイバー攻撃の探知・把握に関しては、わが国として早急にその能力強化を図る必要があろう。また、仮に現在の日本への影響工作が限定的に見えたとしても、それは中国が日本で影響工作を行う能力が不十分であることを意味しない、とのグローバル台湾研究所(Global Taiwan Institute)のラッセル・シャオ(Russel Hsiao)氏の指摘は重要であろう』、「日本」での「情報管理や防諜体制が不十分で、単に中国の影響工作を探知・発見できていない可能性もある」、大いにあり得る。
・『今こそ建設的警戒を  中国の影響工作に対しては欧州も警戒を強め、今年6月にEUとしての報告書をまとめた。アメリカにおいても司法省がチャイナ・イニシアチブという名前のもとで産業スパイや研究機関への違法行為への警戒を高めている。ポンペオ国務長官がニクソン大統領図書館で7月23日に行った対中演説でも、少し乱暴な言葉使いではあったが、中国人学生等による情報窃取に言及した。 アメリカでは大学や研究所の研究者を「非伝統的情報収集者」(non-traditional collectors)と位置づけて国益に反する技術情報の流出を防ぐ取り組みを強化している。 コロナウイルスや香港国家安全維持法等による中国への警戒感の世界的な高まりは、短期的には中国の影響工作への逆風となろう。しかし、そうした環境であればこそ、より戦略的で洗練された影響工作が展開される可能性もある。 幸い、日本においては政治指導者等が中国の言いなりとなるような「エリートの虜」(elite capture)現象は限定的と見受けられる。しかしながら、それは中国の影響工作に対して何らの対応も不要ということは意味しない。スチュワート氏も指摘しているが、基地や重要インフラの近接地の土地買収に関する安全保障上のスクリーニングについて、アメリカは法制整備済みだが、わが国ではまだ法制化されていない。 有志国との緊密な情報共有のためにも、政府職員に限定しない民間人もカバーするようなセキュリティー・クリアランス制度の導入も喫緊の課題である。また、秘密特許制度の導入や、防諜能力強化のための議論も必要であろう。中国との互恵的な交流を安定的に続けるためにも、今、建設的警戒(constructive vigilance)とそれに基づく仕組み作りが求められている』、「エリートの虜」はネット検索したが、適切なものは見つからなかった。「建設的警戒とそれに基づく仕組み作り」は確かに必要なのだろう。

次に、10月8日付け現代ビジネス「強大高圧中国は天安門事件で日本が育てた―外交文書公開、無残な中身」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76185?imp=0
・『「わが国の有する価値観」より重視するもの  外務省はこのほど、中国共産党・政府が学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件(1989年6月4日)に関係した外交文書ファイル9冊(計3123枚)の秘密指定を解除した。 このうち事件直後の極秘扱い文書「わが国の今後の対中政策」には、「わが国の有する価値観(民主・人権)」より「長期的、大局的見地」を重視するとはっきりと明記。 別の極秘文書には日本として中国を「息長く温かい目で見守っていく」と記し、流血の惨事の中、人民解放軍の発砲で死傷した市民の人権より、共産党政権に手を差し伸べる外交を優先したことが外交文書で裏付けられた。 事件から31年がたち、共産党は強権指導者・習近平国家主席の体制下で、中国国内の人権派弁護士らへの一斉弾圧のほか、香港市民、ウイグル人の人権問題もより深刻さを増す。 トランプ米政権による対中制裁強化だけでなく、欧州諸国の中国離れも進む中、日本政府は新型コロナウイルス感染で延期となった習氏の国賓訪日に向け再び動き出している。 中国強大化の原点は、皮肉なことに天安門事件にある。日本政府は、対中制裁を強めた欧米西側諸国を説得し、中国の国際的孤立回避に走り、率先して対中政府開発援助(ODA)を再開させた。 そして中国は日本を突破口に国際的孤立から抜け出そうと92年10月には天皇訪中まで実現させた。一方で天安門事件以降、中国の国防費はほぼ毎年2桁の伸び率を続けたが、日本をはじめ西側の開発資金が、軍事拡張路線を続ける中国の高度経済成長を支えた側面が強い。 習氏の国賓訪日を目指す対中外交を突き進む日本政府は、31年前の外交文書から教訓を汲み取る必要があるのではないだろうか』、「中国強大化の原点は、皮肉なことに天安門事件にある。日本政府は、対中制裁を強めた欧米西側諸国を説得し、中国の国際的孤立回避に走り、率先して対中政府開発援助(ODA)を再開させた」、もう少しこの経緯を詳しくみてみよう。
・『流血当日に対中非難は「限界」  外交文書を読んで分かるのは、外務省は流血の惨事を受け、中国情勢の分析や在留邦人の保護とともに、早くも翌月(89年7月)中旬に迫った仏アルシュ・サミット(先進7カ国首脳会議)対応を急いだことだ。事件当日の6月4日、「中国情勢に対する我が国の立場(主に西側向け)」という文書を作成した。こう明記された。 「今次事態は、基本的に我々とは政治社会体制及び価値観を異にする中国の国内問題。従って、我々の対中国非難にも自ら限界あり」「西側先進諸国が、一致して中国を弾劾するような印象を与えることは、中国を孤立化へ追いやり長期的、大局的見地から得策でない。まして、中国に対し、制裁措置等を共同して採ることには、日本は反対」 日本政府内では西側諸国が対中制裁を進める中、前年(88年)8月に訪中した竹下登首相が表明した第3次円借款(90~95年に8100億円)の扱いが焦点となった。外務省は6月21日付の「今後の対中経協(経済協力)政策について」で、第3次円借款を含め対中新規ODAを「当面は延期の姿勢」と決めた。 しかし文書には「政治公約であり、約束違反になるようなことはしない」「慎重対応につき『凍結』『中止』『根本的見直し』等の表現は使わぬように注意」「当面(少なくとも7月中旬のサミットまで)は“wait and see”の状況を維持」と記し、対中配慮の方針を明確にした。 対中ODA政策の基本的考え方として「軍による鎮圧行動、現在進行中の『反体制勢力』の逮捕など人道、人権上の問題を我が国の対中経協政策の基本政策そのものにこれを反映させることは、長期的な対中関係の見地から行き過ぎ」と明記しており、人権問題とODAを切り離した』、「人道、人権上の問題を我が国の対中経協政策の基本政策」と切り離したのは、1つの考え方だ。
・『「性善説」か「性悪説」か  外務省はアルシュ・サミットに向けて「中国問題に対する総理発言案」(7月11日)を作成した。宇野宗佑首相がサミットで米欧諸国をどう納得させるかを記した発言案だ。 「心に留めておくべきは、今の中国は、『弱い中国』であるということである。歴史的に中国は、弱い時には常に強い排外的な姿勢をとって来た。(中略)排外的な中国が、アジア・太平洋地域の平和と安定にとっていかに有害な存在であるかということも、我々はよく知っている」。 対中政策を記載した外交文書にはこのほか、「脆弱な政権故に対外的には強硬な姿勢に出てくる可能性もある」(6月28日)、「中国を冒険主義的対外政策に走らせる可能性すらないではない」(8月10日)という分析が相次いだ。 民主化運動の対応をめぐり中国共産党指導部は2分し、人権問題で国際的批判を受け、共産党は弱体化した。これ以上の圧力や国際的孤立は逆効果であり、このままでは、毛沢東時代の文化大革命以前の中国に戻ってしまう、という懸念が日本政府にはあった。 文革が終わり、1978年から改革・開放政策が始まり、日本のODAが資金面で下支えし、鄧小平や彼の下にいた胡耀邦、趙紫陽両総書記は日本を近代化のモデルにした。両総書記は経済だけでなく政治体制の改革に向けた青写真も描いた。 天安門事件は中国が政治的にも自由かつ民主的な雰囲気の中で起こった悲劇であり、国際社会は、中国という国が、武力弾圧があっても経済成長を果たせば、自由化・民主化に向かうのか、市民に銃口を向けることをためらわない強権国家が本性なのか、難しい判断を迫られた。いわば中国を「性善説」で見るか、それとも「性悪説」でとらえるか、という論争だった』、現時点でみると、「性悪説」が正解だったようだ。
・『米欧説得の裏にある「中国利権」  「孤立化という点では北朝鮮が良い例であり、金日成の下で今や世界で最も過激な国として19世紀のマルクス主義をそのまま信奉している国だが、中国を語るにあたってはこうした点をもにらみつつ中国の開放の動きをサポートすることが重要である」 アルシュ・サミットに臨む三塚博外相が、英外相ジェフリー・ハウに対してこう言って説得する場面が外相宛て電報に記されている。 このまま中国を孤立させれば、中国は北朝鮮になってしまう、と半ば脅すような文言で欧米諸国に迫り、中国の国際的孤立を回避させた。いわば日本は中国を国際社会に取り込むことでその変化を促すという「関与政策」で先行し、欧米諸国もそれに従った。 外交文書を分析して筆者は、果たして日本政府の狙いは、本当に外交文書に書かれていることだけなのか、という疑問を持っている。 つまり、中国は国際的に孤立すれば、排外的な「冒険主義的対外政策」に走り、日本やアジア、国際社会にとってマイナスになるから、サミットの宣言文言に中国を刺激する文言を入れないでおこう、ということなのか、という点である。 これに対して筆者は、日本政府には「中国利権」を守り、拡大したいという思惑があったのではないかと観察している。 天安門事件当時の栗山尚一外務審議官(政務)は生前、筆者のインタビューに対し、中国を追い詰めるアプローチを取らなかった「裏には日本の狭い意味での国益があった」と明かしたが、真意は何なのか。 事件当時に外交の第一線にいたチャイナスクール外交官は、当時を振り返った。 「改革・開放をサポートしてきたのは日本なんだ、という自負があった。その裏にはかつての戦争の贖罪意識や改革・開放路線を壊してはいけないという気持ちもあり、中国を支えていく、支えることが中国にとってもいいし、日本にとっても世界にとってもプラスであるという認識があった。(隣国である)日本は中国のことを最もよく知っているし、まだまだ中国をリードできるのは日本なんだという自信、責任感、気概みたいなものが…」。 外交文書にも日本は中国のことを世界で最もよく知っている、という自負の強さが表れている。さらに1980年代の中国で、日本の存在感は圧倒的で、中国は日本を頼りとし、日本もそれに応えた。 89年9月14日に、北京の日本大使館が外相宛てに発信した「わが国の対中経済協力(意見具申)」という極秘至急の電報の秘密指定も解除された。ここに記された内容は非常に興味深い。 「アルシュ・サミット以降もわが国の対中経済協力の再開が欧米諸国と比べて遅々として進まないことに対して中国側の一部には、わが国が実質的には厳しい経済制裁を実施しているのではないかとの不満がこうじつつあり、(中略)右をこのまま放置すれば、わが国に対するぬきがたい不信感を生じ、動乱後原則問題についてはせっかく適切なる態度をとってきたにもかかわらず、その対中効果をいちじるしく減さつし、対中外交全般に長期的悪影響を及ぼすおそれがある」 現場の日本大使館が東京の本省に対して、早く対中ODAを再開させなければ、欧米諸国に先を越されると危機感を抱いている。ぐずぐずしてすると対日不信が高まり、中国は日本からの経済協力を受け入れなくなると暗に示唆したような書き振りである。 日本大使館は同電報で「本省において対米欧関係を考慮」していることに苦言を呈し、米欧から「日本のODA再開」に批判が強まれば、実は米欧の方が「新規大型借款の如きのものは除き、ほぼ平常通り実施しているのが実情」だと指摘し、誤解を解くべきだと意見具申している。 この極秘電報からは、中国の改革・開放政策をリードするのは日本だけであり、米欧諸国が中国市場に進出し、「中国利権」に首を突っ込むことへの危機意識が読み取れる』、「天安門事件当時」、「980年代の中国で、日本の存在感は圧倒的で、中国は日本を頼りとし、日本もそれに応えた」、現在とは隔世の感がある、いい時代だったようだ。
・『「冒険対外政策」現実に  しかしながら中国が1枚上手だったようである。 当時中国外交を統括した元副首相・銭其琛が回顧したように92年10月の天皇訪中を利用して西側諸国の制裁包囲網を打ち破ると、90年代半ばからは「愛国」「反日」の足音が聞こえてきた。 江沢民国家主席は、天安門事件やソ連・東欧の崩壊で求心力を失った共産主義に代わって人民を団結させるため「愛国教育」を強化した。抗日戦争での日本軍の野蛮さを強調し、屈辱の歴史を前面に、「日本」を利用して被害者ナショナリズムを高揚させた。 このほかにも高度経済成長とともに90年代半ばには地下核実験や台湾海峡へのミサイル演習など、軍事面でも「大国」としての振る舞いが顕著となった。 外務省が天安門事件直後に外交文書で指摘した「冒険主義的対外政策」という懸念が現実のものとなり、事件後に中国を「温かい目」で見守ったチャイナスクール外交官らは、「裏切り」と感じた。 歴史問題をぶちまけた江沢民国家主席の国賓来日(1998年)や小泉純一郎首相の靖国神社参拝(2001~06年)で、日中関係が歴史問題でがんじがらめとなる中、親日指導者・胡耀邦氏のDNAを引き継ぐ胡錦濤国家主席も、インターネット上で膨れ上がる反日のうねりを抑えることはできなかった。 10年の尖閣諸島周辺での漁船衝突事件や12年の尖閣国有化を受け、共産党内部で勢いを増す対日強硬派に揚げ足を取られないよう、逆に民の声を利用して対日圧力を強めた。これが2005年と12年の大規模反日デモに発展した。 日中関係が緊張した12年にトップに就く習近平氏について、当時北京で駐在した筆者は、共産党内部の情報源から「江も胡も過渡期の指導者。革命世代を父に持ち血を引き継ぐ習こそ、毛沢東、鄧小平に次ぐ本格指導者だ」と聞いた。 習氏の真骨頂は、アヘン戦争(1840~42年)以来100年続いた屈辱の近代史を深く頭と心に刻み、「中華民族の偉大な復興」を実現するという強国路線にあり、14年春の欧州歴訪で習氏は「今や中国という獅子は目覚めたのだ」と踏み込んだ。 尖閣諸島を盗み取られたものと主張する共産党の歴史観では日本はターゲットになり、15年頃まで日中関係は緊張を続けた』、「92年10月の天皇訪中を利用して西側諸国の制裁包囲網を打ち破ると、90年代半ばからは「愛国」「反日」の足音が聞こえてきた。 江沢民国家主席は・・・求心力を失った共産主義に代わって人民を団結させるため「愛国教育」を強化した」、日本もなんとお人好しなのだろう。
・『チャイナスクールの中国観変  外務省の伝統的なチャイナスクール外交官の基本的な対中認識は、「日中関係を爆発させず、大局の中で日中間の火種を処理する」ことが重要であり、中国共産党を過度に刺激しない、という発想だ。 天安門事件外交文書で筆者が驚いたのは、武力弾圧直前の89年5月31日に学生らの民主化要求のうねりを目の当たりにした日本大使館の外交官が外相宛て文書でこう報告していたことだ。「わが国としては、或は国民の一部には反感するさえ存在することが明らかになった政府を相手とすることになるかもしれないという意味で、戦後の日中関係上殆ど経験したことのない局面を迎えたということができよう。極論すれば、現政府への支持・協力表明が一部国民からは反感をもって迎えられるという要素も十分考慮に入れつつ進める必要が出てきつつあると言えよう」 1972年の国交正常化以来、日本政府は中国共産党・政府だけを相手とした日中関係をつくりあげたが、政府に不満を持ち民主化を求める市民や学生も相手にしなければならないという発想転換である。 しかし事件後、東京の外務省は「中国における民主化要求の力を過大評価することは誤り」と指摘し、それ以降、共産党・政府だけを相手とし続けた。日中外交は、共産党の嫌がる人権や政治体制の問題を脇に置き、お互いに経済的な実利を追求することで両国関係の安定を維持する構造が固まった。 伝統的チャイナスクール外交官に対し、近年では中国ネット社会において影響力を増す改革派知識人と交流を深め、間接的に中国の民主化や改革を後押しようとするチャイナスクール外交官が登場している。 日中国交正常化から改革・開放、天安門事件世代までの外交官は、戦争への贖罪意識や、共産党体制の「民主化」という期待もあり、中国へのシンパシーや日中友好というウエットな関係が色濃かったが、最近では法の支配を無視した中国の海洋政策には米国など同盟諸国と連携して対抗するという意識を持つ外交官が大勢だ』、「最近では法の支配を無視した中国の海洋政策には米国など同盟諸国と連携して対抗するという意識を持つ外交官が大勢だ」、当然だろう。
・『価値観外交から経済関係重視へ  2012年に発足した第2次安倍晋三政権は当初、民主党前政権下の尖閣国有化の影響で日中が険悪な状態の中で、自由や民主主義、法の支配などを重視する価値観外交を展開し、中国に対して「言うべきことは言う」という姿勢を続けた。 しかし転機が2015~16年にやってくる。日中政治関係は冷え切ったままだったが、大量の中国人が観光で訪日し、インバウンド消費で地方も含めて日本の経済が活性化したことを好機ととらえ、官邸は対中経済関係重視に舵を切った。 17年5月、二階俊博自民党幹事長は北京で広域経済圏戦略「一帯一路」に関する国際会議に出席し、習近平国家主席と会談した。これで関係改善に向けた確固たる流れができた、と中国外務省幹部も認めている。 経済的な結びつけに加え、「米中新冷戦」が日中接近をもたらした状況は、天安門事件後と似ている。 対中経済協力と人権・海洋など懸案のバランスをどう取るか。最近、対中政策を管轄する複数の外務省幹部が口を合わせたかのように同じフレーズを口にする。 「10年後、20年後、30年後の日中関係、中国を考えなければならない」。幹部に共通する認識は、このまま放っておけば10年後、20年後に中国はどうなってしまうか分からない、という危機意識だ。東シナ海や南シナ海での野心的な攻勢だけでなく、一帯一路の下で北極海まで視野に入れ、宇宙戦略も強化している。 外務省幹部は、「中国に言うべきことは言い、コントロールしていかなければならない。是々非々で対応する」と語る』、「価値観外交から経済関係重視へ」への転換には「二階幹事長」の「訪中」「習近平国家主席と会談」がきっかけになった、忘れていた重要事実を思い出すことができた。
・『「利用価値」ある日本  安倍前首相は比較的、対中経済と懸案のバランスを取りながら日中関係を改善させたと評価できるだろう。2019年12月23日、安倍氏は北京の人民大会堂で習主席と笑顔で向き合った。 日本政府関係者によると、会談で安倍氏は、反政府活動が続いた香港情勢を提起し、「大変憂慮している」と述べ、「一国二制度の下で、自由で開かれた香港の繁栄が重要だ」と続けると、習氏は紙を見ながら「中国の内政問題だ」などと冷静に対応したが、安倍氏が次にウイグル問題を取り上げ「透明性をもった説明」を求めると、習氏は緊張した表情に変わった。そして紙も見ず、「テロとの闘いだ」などと反論したという。 習氏は周辺にとってよりセンシティブなのはウイグル問題であり、対外的に公表されることに神経を尖らせたのだ。 さらに中国全国人民代表大会(全人代)が今年5月末、香港統制を強化する国家安全法制導入を決定した際も、秋葉剛男外務事務次官が孔鉉佑駐日大使を外務省に呼び、「深い憂慮」を伝達した。「内政問題」と主張し続ける中国に異例の強い対応に出た。 果たして菅義偉・新首相はどういう対中関係を構築するのか。 日本の政界も世論も、習氏の国賓来日には反対論が強いが、あえて実現させようと突き進むようだ。習近平という強大な指導者を招待し、尖閣への中国公船進入や邦人拘束問題など日中間に横たわる懸案について習氏から直接、責任ある対応を引き出す「チャンス」と判断している。 いわば、ポンペオ米国務長官が、7月末に「失敗」と宣言した対中関与政策を継続するという選択肢だ。 コロナ問題や香港・ウイグルの人権問題、対外的に強硬な「戦狼外交」などで中国は米国との対立が激化するだけでなく、欧州とも溝が深まっている。 こうした中で日本が再び中国共産党に手を差し伸べる習氏の国賓訪日が、31年前の対中外交とだぶって見える。 中国共産党は戦後、一貫して日本には「利用価値」があると認識し、実際に利用してきたという歴史的事実を忘れてはならない』、その通りだ。「習氏の国賓訪日」は延期するべきだろう。

第三に、10月12日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した国際関係アナリストの北野幸伯氏による「「親中」政権なら短命に、菅氏が偉大な首相になるための条件とは何か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/250935
・『総裁選に圧勝し、首相に就任した菅義偉氏。秋田県のイチゴ農家に生まれ、自力で大出世を果たした。菅氏は、これからどうなっていくのだろうか? 正しい方向に進めば、長期政権を実現できるだけでなく、偉大な首相になる可能性もある』、「正しい方向」とはどういうことだろう。
・『歴代首相で見えてくる長期政権の法則  まず「長期政権の法則」について話そう。 歴代首相の「連続在任期間ランキング」を見ると、1位が安倍晋三氏、2位が佐藤栄作氏、3位が吉田茂氏、4位が小泉純一郎氏、そして、5位が中曽根康弘氏、となっている。 彼らに共通点はあるだろうか? そう、「親米政権だった」(太字筆者、以下同じ)ということだ。 1位の安倍晋三氏は、タイプがまったく違うオバマ、トランプ両大統領の親友だった。 2位の佐藤栄作氏は、安倍氏の大叔父で、沖縄返還を実現している。 3位の吉田茂氏は、麻生太郎副総理の祖父で、代表的な親米政治家だ。 4位の小泉純一郎氏は、中国、ロシアとの関係を悪化させ、米国一辺倒の外交を展開した。 5位の中曽根康弘氏は、レーガン大統領の親友だった。「日本は不沈空母」発言はあまりに有名だ。 これらの顔ぶれを見ると、「親米首相は長期政権になりやすい」といえそうだ』、確かにその通りだ。
・『「悲惨な末路」になることが多い歴代の「親中首相」  では、逆に「親中首相」はどうだろうか 歴史を見ると、「親中首相」は「悲惨な末路」になることが多い。 いくつか例を挙げてみよう。 代表的なのが田中角栄氏だ。田中氏は、日中国交正常化を果たしたことで知られる。 彼は1972年7月、首相に就任した。 わずか2カ月後の72年9月には、日中国交正常化を成し遂げてしまった。 同じころ、米国のニクソン大統領とキッシンジャー大統領補佐官も、中国との国交正常化交渉を急いでいた。 結果的に田中氏は、米国を「出し抜いた」形になった(ちなみに、米国と中国の国交正常化は、1979年)。 田中氏の“フライング”にキッシンジャー氏は激怒し、「ジャップは最悪の裏切り者!」と叫んだといわれる。 そんな親中・田中氏は、1974年に辞任。1976年には、ロッキード事件で逮捕されてしまった。 田中派から出た竹下登氏は1987年、首相に就任。1989年、リクルート事件で辞任した。 竹下氏が立ち上げた経世会を引き継いだ橋本龍太郎氏は1996年に首相になり、98年に辞任している。 2004年に日歯連闇献金事件が発覚。政治家を引退せざるを得なくなった。その2年後の2006年、多臓器不全で亡くなっている』、「「悲惨な末路」になることが多い歴代の「親中首相」」、不思議な符合だ。
・『親米政権は長期化しやすく 親中政権は短期で終わりやすい  近年、際立った親中派政治家といえば、小沢一郎氏だろう。09年9月、民主党政権が誕生。この政権は、はっきりとした反米親中で、鳩山首相時代の日米関係は最悪になった。 鳩山政権で黒幕的存在だったのが小沢氏(当時幹事長)だ。 彼は2009年12月、大訪中団を率いて北京に行き、「私は人民解放軍の野戦軍司令官だ」と宣言した。 そのわずか1カ月後の2010年1月、政治資金規正法違反の容疑で、小沢氏の元秘書・石川知裕氏が逮捕される。 そして、同年6月、小沢氏は幹事長を辞めざるを得ない状況になった。同月、鳩山首相も辞任することになった。 これらの事実から、「親米政権は長期化しやすく、親中政権は短期で終わりやすい」という傾向がはっきり見える。 なぜ、そうなのか? 元外務省国際情報局長の孫崎享氏によると、米国からの自立を目指す政治家は米国に潰されるのだという。 同氏は、田中角栄、竹下登、橋本龍太郎、鳩山由紀夫、小沢一郎各氏などを「自主自立を目指した政治家」としているが、筆者は「親中派」だと思う。 米国に潰されるかどうか、その真偽はともかく、親米政権は長期化しやすく、親中政権は短期で終わりやすいのは事実だろう。 もし、菅氏が長期政権を目指すなら、中国に接近しすぎないよう、用心し続けるべきだ。 後述するが、現状「親米」であることは、日本の国益に合致してもいる』、「孫崎享氏」は「戦後史の正体」のなかで、「自主自立を目指した政治家」が米国の情報機関を通じた陰謀で潰されるの様子を描き、説得的だった。
・『菅氏が、「親中首相」という懸念は後退  菅氏が総裁選への出馬を決めた時、筆者は、「菅氏は親中首相になるのではないか」と懸念していた。 親中派のボス、二階幹事長の説得で出馬を決意したと報じられていたからだ。 しかし、その後の動向を見ると、二階氏が菅内閣に「圧倒的影響力を持っているわけではない」ことがわかってきた。 例えば、閣僚の顔ぶれを見ると、親米の細田派が5人で最も多い。 次いで、これも親米の麻生派が3人。 親中派では、竹下派、二階派、共に2人ずつにすぎない。 他に、無派閥4人、岸田派2人、石破派1人、石原派1人、公明1人。 二階氏の影響力は、限定的であることがわかる。 さらに、菅首相の就任後の振る舞いを見ても、希望が持てる。 菅氏が首相に就任すると、習近平・中国国家主席は、真っ先に祝電を送った。 そもそも、国家主席が日本の新首相に祝電を送るのは珍しい(中国の感覚では、元首である国家主席は、日本の天皇と同じ立場。日本の菅首相と同じ立場なのは、中国の李首相である)。 つまり、習近平氏は、菅氏を例外的に優遇したのだ。 ところが、菅氏は、この好意を完全にスルーした。 新首相は9月20日以降、次々と電話首脳会談をこなしていった。 順番は、9月20日、トランプ米大統領、モリソン豪首相。 9月22日、メルケル独首相、ミシェルEU大統領。 9月23日、ジョンソン英首相。 9月24日、文在寅・韓国大統領。 9月25日、モディ印首相、習近平・中国国家主席) 菅首相は、習近平氏の順番を、韓国の文在寅氏の後にしている(ちなみに、ロシアのプーチン大統領との会談はさらに遅く、9月29日だった)。 菅氏は、おそらく意図的に、習近平氏を“冷遇”したのだろう。 これにより、菅氏が、親中派のボス二階氏の“操り人形”ではないこと、習近平氏に忖度する意思はないこと、が見えてきた』、なるほど。
・『安倍政権からの「自由で開かれたインド太平洋」戦略を継承  「日本の首相には戦略がない」と、しばしば言われる。 しかし、安倍氏は、珍しく「戦略のある首相」だった。同氏は2012年12月、「セキュリティーダイヤモンド構想」を発表している。 これは、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国で、インド、太平洋の貿易ルートと法の支配を守るという構想だ。 要するに、「中国の海洋侵略を日米豪印で阻止しよう」という戦略なのだ。 さらに、安倍氏は2016年8月、アフリカ開発会議で、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱した。 この「インド太平洋」という言葉をトランプ米大統領が気に入り、米国政府に採用された。 つまり、日本が提唱した大戦略を、米国政府が採用したのだ。 菅氏は、この戦略を継承しているのだろうか? 継承しているだけでなく、現状を見る限り、むしろ安倍前首相よりも、熱心に取り組んでいるようだ。 既述の電話会談。 菅氏は、トランプ米大統領、モリソン豪首相、メルケル独首相、ミシェルEU大統領、ジョンソン英首相、モディ印首相と、「自由で開かれたインド太平洋戦略」について協議している。 そして、菅首相による初めての「対面外交」は、ポンペオ米国務長官との10月6日の会談だった。 ここでも「自由で開かれたインド太平洋戦略」が話し合われた。 さらに、日本、米国、オーストラリア、インドの外相会議が開かれ、4カ国が「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進していくことが確認された。 日本政府は、この4カ国グループに、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国を引き入れ、中国包囲網を強化拡大していく方針だ』、反安部だった私にとって「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、唯一支持できる政策だった。「菅首相」もこれを継承するのは結構なことだ。
・『ポンペオ国務長官による歴史的演説の意味  世界は現在、「米中覇権戦争」を軸に回っている。 ポンペオ国務長官は7月23日、歴史的演説を行った。 いわく、<21世紀を自由な世紀にすることを望み、習近平氏が夢見る中国の世紀にしたくないなら、中国にやみくもに関与していく従来の方法を続けてはならない。このままではいけないし、後戻りしてもいけない。トランプ大統領が明確にしたように、米国の経済、何よりも生活を守る戦略が必要だ。自由世界は、独裁体制に勝利しなければならない。> これは、自然に読めば、「中国共産党打倒宣言」といえるだろう。 <自由世界が変わらなければ、共産中国が私たちを変える。快適だから、便利だからという理由で、これまでのやり方に戻ることはできない。中国共産党から自由を確実に手に入れることは、この時代の使命であり、米国は、それを主導する用意が完全にできている。> これは、米国が「反中国共産党同盟」を率いる決意を示している。 「中国共産党打倒」の方針は、超党派で支持されていて、すでに国論になっている。 例えば、香港問題やウイグル問題の対中国制裁に反対する議員はまったくいない。 つまり、米中覇権戦争は、親中派といわれるバイデン氏が大統領になっても続いていく可能性が高い(例えば、トランプ氏は一貫して親プーチン、親ロシアである。しかし議会に阻まれて米ロ関係は一向に改善しない。世界最強の権力を持つ米大統領にも、できないことはあるのだ。バイデン氏が、中国との関係を改善しようとしても成功しないだろう)』、「米国」では「「中国共産党打倒」の方針は、超党派で支持されていて、すでに国論になっている」、結構なことだ。
・『中国は国際的に孤立すると日本を利用して危機脱出を計る  こういう状況下で、日本が絶対にしてはならないことは、中国側につくことだ。 中国は、「新型コロナウイルスのパンデミックを引き起こした」「香港の自由を圧殺している」「ウイグル人100万人を強制収容している」などで、極めて評判が悪く、世界的に孤立している。 当然中国は、平和ボケでナイーブな日本を自陣営に引き入れようとするだろう。 1989年、天安門事件で中国が孤立した際、この国は日本を利用して危機を乗り切った。 具体的にいうと、1992年、天皇陛下の訪中を実現させたのだ。 これを見た欧米は、「狡猾な日本が、中国の巨大市場を独占しようとしている」と解釈した。 そして、翌1993年、欧米諸国と中国の関係は改善に向かった。 問題はそこからだ。 中国政府は1994年から、国内では徹底した反日教育、欧米では強力な反日プロパガンダを開始した。 「利用済み」の日本は中国に切られ、今度は「悪魔化」の対象にされた。 当時のクリントン米大統領は、中国のプロパガンダに乗せられ、激しいジャパン・バッシングをしていた。 中国は、日本の恩を仇で返したのだ。 われわれは、歴史から教訓を得なければならない。 教訓は、「中国は国際的に孤立すると、日本を利用して危機脱出を図る」「だが、危機を抜けると、今度は日本を悪魔化してバッシングする」だ』、同感である。
・『菅氏が、「偉大な首相」になる方法  菅首相は現状、正しい方向に進んでいるように見える。 だが中国の工作力、親中派の影響は強力なので油断は禁物だ。 このまま、米豪印と共に「自由で開かれたインド太平洋戦略」を貫徹し、「偉大な首相」として歴史に名を刻んでいただきたい』、私は「菅首相」は評価しないが、「「自由で開かれたインド太平洋戦略」だけは大いに支持したい。
タグ:東洋経済オンライン 日中関係 ダイヤモンド・オンライン 北野幸伯 現代ビジネス 孫崎享氏 API地経学ブリーフィング 大矢伸 (その5)(日本が中国の影響工作に警戒せねばならない訳 嫌中感に頼らない耐性を確立することが重要だ、強大高圧中国は天安門事件で日本が育てた―外交文書公開 無残な中身、「親中」政権なら短命に 菅氏が偉大な首相になるための条件とは何か) 「日本が中国の影響工作に警戒せねばならない訳 嫌中感に頼らない耐性を確立することが重要だ」 中国の影響工作の広がり アメリカの戦略国際問題研究所(CSIS) 日本における中国の影響はほかの民主主義国に比べて限定的 変動する日本の対中親近感 「経済的つながり」は中国に影響工作の機会を与える。例えば、香港国家安全維持法に対するドイツ政府の反応が慎重な背景には、ドイツの自動車業界にとり中国が最重要市場であることが関係 自立的な政治・外交判断を制約するリスクも 「日本」での「情報管理や防諜体制が不十分で、単に中国の影響工作を探知・発見できていない可能性もある」 今こそ建設的警戒を 「強大高圧中国は天安門事件で日本が育てた―外交文書公開、無残な中身」 「わが国の有する価値観」より重視するもの 中国強大化の原点は、皮肉なことに天安門事件にある。日本政府は、対中制裁を強めた欧米西側諸国を説得し、中国の国際的孤立回避に走り、率先して対中政府開発援助(ODA)を再開させた 流血当日に対中非難は「限界」 「性善説」か「性悪説」か 現時点でみると、「性悪説」が正解だったようだ 米欧説得の裏にある「中国利権」 「天安門事件当時」、「980年代の中国で、日本の存在感は圧倒的で、中国は日本を頼りとし、日本もそれに応えた」、現在とは隔世の感がある 「冒険対外政策」現実に 92年10月の天皇訪中を利用して西側諸国の制裁包囲網を打ち破ると、90年代半ばからは「愛国」「反日」の足音が聞こえてきた。 江沢民国家主席は・・・求心力を失った共産主義に代わって人民を団結させるため「愛国教育」を強化した チャイナスクールの中国観変 価値観外交から経済関係重視へ 「利用価値」ある日本 「「親中」政権なら短命に、菅氏が偉大な首相になるための条件とは何か」 歴代首相で見えてくる長期政権の法則 親米首相は長期政権になりやすい 「悲惨な末路」になることが多い歴代の「親中首相」 親米政権は長期化しやすく 親中政権は短期で終わりやすい 菅氏が、「親中首相」という懸念は後退 「戦後史の正体」 安倍政権からの「自由で開かれたインド太平洋」戦略を継承 ポンペオ国務長官による歴史的演説の意味 「米国」では「「中国共産党打倒」の方針は、超党派で支持されていて、すでに国論になっている」 中国は国際的に孤立すると日本を利用して危機脱出を計る 教訓は、「中国は国際的に孤立すると、日本を利用して危機脱出を図る」「だが、危機を抜けると、今度は日本を悪魔化してバッシングする」だ 菅氏が、「偉大な首相」になる方法
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尖閣諸島問題(その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉) [外交]

尖閣諸島問題については、2016年6月26日に取上げたままだった。今日は、(その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉)である。

先ずは、本年8月20日付け現代ビジネス「習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74979
・『南シナ海で起きていること  7月下旬、日本のメディアは久しぶりに尖閣諸島の話題で盛り上がった。原因は、中国海警局の船が尖閣諸島付近の接続水域を連続して100日以上航行したことだ。 連続航行は4月14日から8月1日まで続き110日を超えたが、その同じ期間には、中国海軍のミサイル艇も巡視船に連動して台湾付近に展開していたことを産経新聞が報じた。 この少し前には、やはり中国海警局の船が尖閣諸島付近の海域で日本の漁船を追いかけ回したという報道もあった。直後には中国が「周辺海域での日本漁船の操業は『領海侵入』だ」として「立ち入らせないよう」、外交ルートを通じて要求していたという。日本人にしてみれば、日本の領海や接続水域に侵入しておいて何を言っているのかと言いたくなるような、呆れた言い分だ。 一連の報道を見れば、中国がコロナ禍のなか、尖閣諸島へのプレッシャーを強めてきたとの印象は否めない。これは当節流行の「戦狼外交」のイメージ――これはこれで誤解を与える言葉なのだが――とも重なる。 だが、現実はそれほど単純な話ではない。 その説明のために目線を中国の対外強硬姿勢、とりわけ「戦狼外交」の根拠とされる南シナ海問題に移してみたい。ここは中国と東南アジア諸国・地域で領有権争いが続く海であり、日本での注目度も高い。米中衝突を象徴する海でもある。 南シナ海における中国の振る舞いについて日本人が抱くイメージは、「横暴」の一語に尽きるはずだ。自国の領有権を主張するために、「龍の舌」と呼ばれる「九段線」(9つの線)を引き、そのすべてに領有権を主張し、他の小国を圧迫。ハーグの国際常設裁判所が九段線の法的根拠を否定する裁定を出しても従わない、といったニュースを目にすれば、そうしたイメージを抱くのも当然のことだろう。 その南シナ海でも中国は最近、活動を「活発化」させている、というのが「戦狼外交」の根拠されている。 だが、ここには決定的な一つの情報が抜け落ちている。それは、なぜ中国が活動を活発化させたのか、についての情報だ』、「戦狼外交」「活発化」の背景を知りたいものだ。
・『半年で2000回以上の活動  7月28日、中国外交部の定例記者会で汪文斌報道官は、「今年上半期、南シナ海において米軍機が2000回以上の活動を行った」ことを明らかにした。数字は、中国独自のもの――であっても虚偽の数字であれば米側が反発する――ではなく、米国も認める公開情報だ。 上半期で2000回以上といえば、毎日10回以上の活動を行なっている計算になる。凄まじい頻度だ。中国が活動を「活発化」させるのも当然だ。注意すべきは、われわれが日常的に接する情報が中国の行動のみに焦点をあて、そこから米軍の動きがすっぽり抜け落ちていること、にもかかわらず、そこに何の違和感も抱かないことだ。 同じ疑問は、尖閣諸島の問題にもあてはめられるのである。 冒頭で触れた漁船のケースで考えてみたいのだが、もし当該の日本の漁船が、単に漁のために尖閣諸島に近づき海警の船に追い回されたなら、それこそ一大事だ。だが、同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ。 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる。それに続いて中国が日本側に「(漁船を)管理しろ」と要求したことも同じ文脈だ。根拠は、2008年の日中共同声明で、そこには〈共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする〉との文言がある。 尖閣諸島は日本固有の領土であり、かつ国際法上も編入の手続きに瑕疵はない。だが、そのことと、海で起きた問題を正しく伝えないこととは次元の違う話だ。無用な憎しみを煽れば、最後にそれを制御できなくなり、しなくてもよい争いへとつながるからだ。 領土問題には相手があり、一筋縄では行かない。中国には中国の理屈があり、それをまとめれば分厚い一冊の本にもなり、その中身も一笑に付せるレベルではない。そして多くの中国人が自国の領有権を信じている』、「同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ。 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる」、初めて知った。日本のマスコミも日本政府の発表に沿った対立を煽るような報道は避け、全体像を正しく伝えるべきだ。
・『領土問題は「誰でも火がつけられる」  尖閣諸島周辺はいま、日中の間で合意のないグレーな均衡の上で、なんとか安定を保っている。そしておそらく中国にとってもそれは都合の良いバランスなのだろう。 しかし、バランスが曖昧であるがゆえに崩れやすい状態だ。互いに国民の熱狂を背負っているだけに、両者の緊張は一気に制御の効かないレベルにヒートアップする可能性さえ秘めているのだ。 つまり今回の日本の漁船の動きは、揮発性物質に火種を近づけるような行動だ。領土問題の難しさは、誰でも簡単に火がつけられることにあるのだが、一旦燃え広がった炎を消す術は誰にもないのだ。さらにやっかいなことは、かりに日本が火をつけたとして、現状では、火をつけた日本にとって有利な状況が生まれるとも考えにくいこともある。 思い出されるのは2012年、民主党政権下で行われた尖閣諸島の“国有化”である。発端は当時の石原慎太郎東京都知事が「国が守らないなら尖閣は東京都が守る」と島の買い取りに動いたことだ。 だが、結果は周知の通り。「東京都が守る」どころか、かえって中国公船の頻繁な侵入を常態化させてしまった。石原都知事は一時的に大衆人気を得ることに成功したが、代わりに日本の国益は大きく損なわれた』、「石原都知事」のスタンドプレーが火をつけたおかげで、「日本の国益は大きく損なわれた」、のは確かだ。
・『日本がそう出るなら…  漁船の話に戻せば、中国は8月5日、禁漁期が明けた16日以後「中国漁船が大量に領海に侵入する」と予告してきた。こちらは曲がりなりにも自国の漁船が尖閣諸島付近に近づかないように管理してきたが、日本がそう出るならこちらも放置する、というメッセージがうかがえる。 どうやら漁船の件は共産党が制御したようだが、もし本当に中国が大量の漁船を放置した場合はどうなるだろうか。日本にはそれを押し返すだけの物理的能力はあるだろうか。もし覚悟と戦略がないまま挑発したのだとすれば、結果として、相手に付け入るスキを提供したことになるだろう。 私はかつて、中国が北京オリンピック後に海洋進出を本格化させることを警告し、それを月刊誌『諸君!』で連載。その後『平成海防論』(新潮社)としてまとめて世に問うた。 当時から状況は悪化の一途をたどっているのだが、その原因の一つには、この(たとえば石原氏のような)「個人の利益」と「国益」が相反する問題があると考えられるのだ。 さらに尖閣の問題について、より根本的な問題として指摘されるべきは、日本の「建前と現実のギャップ」である。 尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ。この立場は、ゆえに「尖閣諸島問題を話し合う」こと自体が矛盾となり、中国との対話の可能性を断ってしまっている。いまや、この戦線を後退させることは政治的にも難しくなっている。 ここで問題は、話し合いを拒絶していれば日本側に有利な状況が広がるのかといえば、決してそうではないことだ。中国の経済的台頭の勢いは当面衰えが見えず、資金力を背景とした中国からの圧力は日々強まるばかりだからだ。現場の海上保安庁は、中国海警局の船が年々大型化するプレッシャーとずっと対峙してきた。今後、人口減少と経済規模の縮小が予測される日本がこれに対抗できるとは考えにくいのである。 時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整うとすれば、日本の選択肢は概ね二つ。一つは、中国と話し合うことで、もう一つは覚悟を決めて問題を激化させることだが、そもそも第一の選択肢は難しい。では、激化させるべきなのだろうか。 その選択は残念ながらアメリカの出方次第である。同盟につきものの「みはなされ」が起きれば万事休すだ。他方、日中の戦いを米軍がサポートする事態となれば、中国を押し返せるかもしれない。 だが、その場合にもリスクはつきまとう。第一に、アメリカ国民に認知されていない無名の島のためにアメリカの青年の血が流れたとしたら、その代償がどれほどのものになるのか、という視点は忘れてはならないだろう』、「尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ」、とはいえ、「時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整う」のであれば、頼りにならない「アメリカ」頼みにせず、「中国と話し合うこと」に切り替えるべきだ。
・『“出口”はどこなのか  一方、中国が仮に尖閣諸島へのプレッシャーを収めたとしても、それが恒久的な解決を意味しないという問題もある。いつか中国がアメリカに対抗できる力をつければ問題は再燃するからだ。 本来であれば両者が話し合い解決の道をさぐるのが一番だが、前述のように日本側にはその選択肢はない。海上での安全装置を持とうとする両国の取り組みも完全ではない。 そんななかコロナの影響で一段と強まる中国への不信感が日本にも広がり、政界には国民から「弱腰」とみられないための動きが目立ち始めた。いまのところ打ち出された対抗策は新味に欠けるが、気なるのは彼らの背中を押しているのが「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測だという点だ。 日本はその先にどんな事態を想定し、“出口”をどこに設定しているのか――。慎重の上に慎重を重ねて行動することは、決して「弱腰」などではない』、「「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測」は、大統領選挙は別としても、余りに他力本願だ。やはり、日本側も姿勢を転換して、「両者が話し合い解決の道をさぐる」、べきなのではなかろうか。

次に、8月31日付けプレジデント Digital「中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/38364
・『日中間の諍いが絶えぬ尖閣諸島とその周辺海域。いつ、何をし出すかわからない中国の意図と行動を読む手掛かりは何か』、興味深そうだ。
・『1993年から石油輸入国に転じる  世界各地での中国の傲岸ともとれる行動が止まらない。尖閣諸島周辺に、8月2日までに111日連続で中国公船を送り込み、「中国の領海であり、日本の船は入ってくるな」と日本の実効支配を脅かし続けている。習近平国家主席の国賓来日の協議と同じ時期であったために、多くの日本国民の怒りと戸惑いを呼び、来日は無期限延期となった。 それだけではない。南シナ海のサンゴ礁を埋め立てての軍事基地化、「一帯一路」構想においては、格下の国々を相手に現地プロジェクトへの巨額融資→焦げ付き→借金のカタに港湾などを専有化……という高利貸のような手法を繰り返す。新型コロナウイルスの感染拡大に際し、他国が切望したマスクや検査キット提供をちらつかせて外交を展開する……さながら100年遅れてきた帝国主義国という体である。 そもそも尖閣諸島を含む南西諸島は日本領であり、「領土問題は存在しない」というのが日本の立場だ。1945年の敗戦とともに米軍の管理下に置かれていたが、中国が同諸島を意識し始めたのは1968年、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の海洋調査で、周辺の海底にイラクに匹敵する埋蔵量の石油資源が眠っている可能性を指摘されてから。70年12月、中国が尖閣諸島とセットで「南シナ海の大陸棚に主権を擁する」という主張を開始した。 1993年から石油純輸入国に転じている中国。14億人弱の人口を抱える今、他国の領土内とはいえ目の前にある豊かな資源に、半世紀にわたってこだわり続けるのも無理はない』、「中国が同諸島を意識し始めたのは1968年、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の海洋調査で、周辺の海底にイラクに匹敵する埋蔵量の石油資源が眠っている可能性を指摘されてから。70年12月、中国が尖閣諸島とセットで「南シナ海の大陸棚に主権を擁する」という主張を開始した」、全く一方的主張ではあるが、それなりに時間が経ったことも事実だ。
・『台湾国民を目覚めさせた「同胞に告げる書」  19世紀以降、欧米や日本の帝国主義国群に食い荒らされた被害国。その屈辱のリベンジという側面もあろうが、こうした直情的な行動パターンは、かえって周辺国のみならず世界各国の脅威・反発・警戒心を呼び覚まし、中国自身にマイナスの効果を及ぼしているように見える。それらを圧倒する国力があれば別だが、米国の存在を考えればそうとも言えまい。 なのに彼らの強面外交は、将棋の基本に例えれば「3手の読み」——こう指す、相手がこう来る、そこでこう指す——の3手のうち2手目すら想定していないようにも見えてしまう。 最上の「核心的利益」として最も細心のケアが必要だったはずの台湾に対しては、2019年1月に「一国二制度が望ましい」等を含む恫喝まがいの「台湾同胞に告げる書」を発表したことと、香港への強圧的な介入が台湾人の恐怖心・警戒心を急上昇させ、今年1月の総統選で独立派の蔡英文総統の圧勝・再選を後押ししてしまった』、慎重であるべき中国外交は、一体、どうなってしまったのだろう。
・『世界中で摩擦を引き起こした自業自得  対米関係も同様だ。中国と懇ろに付き合ってきた米国内勢力にトランプ大統領が取って代わり、貿易摩擦の範疇にとどまらぬ大国どうしの覇権争いが勃発した。そこへ今年、新型コロナウイルスのパンデミックが発生。発生初期の隠ぺい疑惑が濃厚な中で、中国のスポークスマンがなんと「米国の軍人がウイルスを持ち込んだ」可能性を示唆した。 これでトランプ大統領がさらなる対中強硬路線を進める契機をつくってしまい、今や自由主義諸国陣営と共産主義的全体主義国との「価値観の争い」という巨大な構図が出来上がりつつある。必然の流れだったといえなくもないが、米国を中心とする中国包囲網の形成は、少なくともあちこちで摩擦を頻発させた中国の自業自得ともといえる。 またオーストラリアにおける中国のスパイ活動の実態が元スパイ? によって告発され、メディアやネットの世論操作、政界・学術界への工作、台湾での世論誘導工作が白日の下にさらされたのも、オーストラリアに反中路線への明確な転換を促し、かつ他の国々にとってもわが身を振り返るタイムリーな契機となったと思われる』、「一帯一路」国の一角、チェコのNO.2の国会議長による台湾公式訪問も、「中国外交」に手痛い一撃だろう。これらは、「世界中で摩擦を引き起こした自業自得」であることは確かだ。
・『大きな契機は10年前の「中国漁船衝突事件」  国外からの干渉には極めつきに鈍感な日本でも、与党の一部議員や野党議員、左派の大手メディアが、中国に利する方向にしばしば足並みをそろえていることが、一般市民レベルでも公然と語られるようになってきた。 その大きな契機となったのはやはり10年前、2010年の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件だったと思われる。 事件そのもののインパクトもさることながら、中国漁船船長の釈放という不可解な政治介入や海上保安官(その後辞職)がYoutube上に掲載した衝突時の動画とで、日本の世論は完全に反中モードへ。さらに2012年9月の尖閣国有化とそれを契機に中国で起きた大規模な反日デモを経て、今に至るまで日本人のマジョリティの対中感情は変わっていない。中国が尖閣諸島を、台湾、チベット、南シナ海などと同等の妥協の余地のない「核心的利益」の1つとして公式に位置づけたのは、その翌年の2013年だった。 しかし居丈高でありながら、それとは裏腹な「本当は何がやりたいんだ?」と頭をひねりたくなるちぐはぐさが、中国の言動には常につきまとう。彼らの行動原理をうまく説明できないものだろうか』、どういうことなのだろう。
・『中国の一省庁の出過ぎた振る舞い  意外にも、中国の海洋進出時の振る舞いは、2000年代前半にはさほど傍若無人ではなかった。南シナ海の近隣諸国との協力関係を進め、ベトナム・フィリピンとは資源の共同開発まで合議しており、ASEAN諸国の“中国脅威論”は一時沈静化されていたという。ところが、2000年代後半になって中国は南シナ海で実効統治を拡大し始めた。スプラトリー諸島で大規模な埋め立てを開始したのも、やはり2013年末からだ。 なぜ、中国は行動をガラリと変えたのか。共産党中枢の心変わりや気まぐれとは言えぬ部分がありそうだ。 昨年11月刊の益尾知佐子著『中国の行動原理』(中公新書刊)によれば、中国の海洋部門の主管部門となってきた「国家海洋局」が、日本でいえば省庁の「庁」レベルの存在ながら政治的な地位を急上昇させ、それが2007年ごろからの海をめぐる緊張を高めた原因となったとしている。要は、国内政治の矛盾や停滞を利用して権益を拡大させた一省庁の出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた、というわけだ』、「国家海洋局」の「出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた」、にわかには信じ難い説だ。
・『党中央の承認得ぬまま尖閣に侵入  「毛沢東時代と同様、海洋をめぐる混乱の過程では、党中央が相矛盾ずる二つの対外方針を採用していた。国内の実務担当者は、どちらを優先すべきかという問題で混乱した。穏健派であった胡錦濤と党中央が、国内的批判を受けて判断に行き詰まり、凝集力を低下させたため、実務部隊は独自行動を強め、自己利益拡大のために海上行動を過激化させた。それが国家海洋局であり、胡錦濤政権(2002~2012年)末期にはかなりの注目を集めた」(同書より) 2008年12月、国家海洋局傘下の中国海警局の海洋調査船2隻が初めて尖閣諸島の領海に侵入。5月に来日したばかりの胡錦濤総書記(当時)はじめ党中央の承認を得ぬままの行動だったという。「弱い指導者と認識されていた胡錦濤政権は、(中略)国際的な係争の存在に目をつぶり、これらの海域は自国の者という前提に立って、実務部隊が力によって海域の実効支配の拡大を図るのを容認した」(同書)。“第2の海軍”ともいわれる中国海警局の船は、2012年の尖閣国有化の後も、たびたび尖閣諸島への領海侵入を行うようになった』、確かに始めのうちは、「国家海洋局」の暴走といった面はあったのかも知れないが、「尖閣国有化の後」の反日大キャンペーンは、「党中央」の決定の筈だ。
・『「行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい」  こうしたいわば“頭”と“身体”の不一致は、中国という大国ではしばしば起こってきたようだ。前出書によれば、「これまで中国の組織については、組織間の連携、特に国家系統と軍系統のそれがきわめて弱く、行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい、という弱点が指摘されていた」という。 2013年に国家主席の座に就いた習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体したという。ただ、ガバナンスの強化を推し進めてきた習近平体制が、こうしたちぐはぐさを克服できたとは言い切れないのは、昨今の振る舞いからも推測できる。 尖閣諸島の海域において、軍事上のバランスが中国側に傾いたとの米国のシンクタンクの報告すらなされている今、最大限の警戒と準備は怠れない。が、中国の傲岸な振る舞いに相対するには、見えざる内部の力学を常に念頭に置き、「それ、ほんとに習近平や党中央の本心なのか?」を的確に探り当てられる人材が、政府内、在野を問わず必須であろう』、「習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体」、しかし、その後も「海洋局」の警備艇が我がもの顔で振舞っており、引き続き緊張状態にある。

第三に、9月10日付けAERAdotが掲載したフリーの軍事ジャーナリストの田岡俊次氏による「「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020090900028.html?page=1
・『最長政権が終わりを迎える。親米のイメージが強い安倍政権だったが、実は中国との関係も重視していたという。AERA 2020年9月14日号では、軍事ジャーナリストの田岡俊次さんが安倍政権の防衛・安保政策を振り返った。 退陣表明した安倍晋三首相は憲法改正への執着や集団的自衛権行使に関する憲法解釈の強引な変更、トランプ米大統領への露骨な機嫌取りなどから「対米追従一筋のタカ派」とのイメージが強いが、実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた。 2006年9月26日に最初に首相に就任した直後、10月8日にまず北京に飛び、胡錦濤主席らと会談し「戦略的互恵関係」の構築で合意。日中の経済関係は急速に拡大したが、翌07年9月に持病のため辞任。民主党の野田佳彦内閣が尖閣諸島を国有地化したことなどで日中関係は一挙に険悪化したものの、12年12月に首相に返り咲くと中国要人と親交の厚い福田康夫元首相らを頼りに日中関係修復をはかり、14年11月10日、北京で習近平主席と約3年ぶりの日中首脳会談にこぎつけた。 合意文書では「双方は尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していることを認識」し、戦略的互恵関係の発展を目指すとした。両方のメンツを保つためのあやふやな言辞だが、「問題は棚上げにして和解をはかる」という外交政策の一致は明白だ。 その後安倍首相は中国の「一帯一路」構想への賛同を何度も表明し、今年には習近平主席を国賓として招いて日中関係が完全に軌道に乗ったことを示す計画だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で頓挫した』、「安部首相」が「実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた」、「「一帯一路」構想への賛同を何度も表明」、確かに言われてみればその通りなのだろう。
・『「尖閣戦闘」は敗北濃厚  その半面、両国は競って巡視船を増強し、日本は陸上自衛隊「水陸機動団」を18年に創設。垂直離着陸輸送機「オスプレイ」や水陸両用装甲車、軽空母、地対艦ミサイルなどを配備して日中戦争に備えようとしている。首尾一貫しないようにもみえるが、近隣諸国との友好を深めて紛争を避けつつ、防衛力を示して他国による安易な攻撃を防止するのは安全保障対策の定石とも言える。 この場合、もし武力衝突になればどうするか、も考えておく必要がある。尖閣諸島で戦闘になれば日本の勝算は低い。航空自衛隊の戦闘機約300機に対し中国空軍は戦闘機・攻撃機約1700機。操縦士の飛行訓練は年間約150時間で、航空自衛隊と等しい。中国にとって最重要の東シナ海を担当する東部戦区には、台湾空軍(約400機)と同等以上の航空戦力が配備され、米国のF15などに匹敵し戦闘の主力となる「第4世代機」は約300機と思われる。 日本は那覇基地にF15を約40機配備しており、九州の基地から空中給油によってさらに20機ほど、計約60機が出せそうだ。早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ。航空優勢(制空権)が相手にあれば、輸送艦やオスプレイなどは容易な標的となり、水陸機動団は海上で全滅しかねない。仮に自衛隊が尖閣に上陸できても、補給が遮断されれば餓死か降伏だ。もし自衛隊が勝ったとしても、それは真珠湾攻撃で対米戦争が始まったと同様、日中戦争の第一幕にすぎない。 米中の対立は今後も続くとしても、98基のICBMを持つ中国と米国が全面戦争になれば米中は共倒れ、日本も惨禍を免れない。安倍首相の後任者は、前首相が唱えた「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策と思われる』、「早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ」、これでは、「「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策」、全く同感である。
タグ:尖閣諸島問題 現代ビジネス 田岡俊次 国家海洋局 AERAdot プレジデント Digital (その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉) 「習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」」 南シナ海で起きていること 中国海警局の船が尖閣諸島付近の接続水域を連続して100日以上航行 中国が「周辺海域での日本漁船の操業は『領海侵入』だ」として「立ち入らせないよう」、外交ルートを通じて要求 戦狼外交 自国の領有権を主張するために、「龍の舌」と呼ばれる「九段線」(9つの線)を引き、そのすべてに領有権を主張し、他の小国を圧迫。ハーグの国際常設裁判所が九段線の法的根拠を否定する裁定を出しても従わない 半年で2000回以上の活動 同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる。それに続いて中国が日本側に「(漁船を)管理しろ」と要求したことも同じ文脈だ 2008年の日中共同声明で、そこには〈共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする〉との文言 領土問題は「誰でも火がつけられる」 今回の日本の漁船の動きは、揮発性物質に火種を近づけるような行動 石原慎太郎東京都知事が「国が守らないなら尖閣は東京都が守る」と島の買い取りに動いた 結果は周知の通り。「東京都が守る」どころか、かえって中国公船の頻繁な侵入を常態化させてしまった。石原都知事は一時的に大衆人気を得ることに成功したが、代わりに日本の国益は大きく損なわれた 日本がそう出るなら… 尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ 時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整う 頼りにならない「アメリカ」頼みにせず、「中国と話し合うこと」に切り替えるべきだ “出口”はどこなのか 「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測 余りに他力本願 日本側も姿勢を転換して、「両者が話し合い解決の道をさぐる」、べき 「中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は」 1993年から石油輸入国に転じる 台湾国民を目覚めさせた「同胞に告げる書」 世界中で摩擦を引き起こした自業自得 チェコのNO.2の国会議長による台湾公式訪問 大きな契機は10年前の「中国漁船衝突事件」 中国の一省庁の出過ぎた振る舞い 出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた 党中央の承認得ぬまま尖閣に侵入 確かに始めのうちは、「国家海洋局」の暴走といった面はあったのかも知れないが、「尖閣国有化の後」の反日大キャンペーンは、「党中央」の決定の筈 「行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい」 習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体 その後も「海洋局」の警備艇が我がもの顔で振舞っており、引き続き緊張状態 「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉 「安部首相」が「実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた 「一帯一路」構想への賛同を何度も表明 「尖閣戦闘」は敗北濃厚 早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ 「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策
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安倍外交(その7)(ボルトンが回顧録で暴露 トランプと“外交のアベ”の嘘八百、日本がインドネシアに500億円の支援を決定 高速鉄道とコロナの裏切りで募る不信感、日本に外交戦略見直しを迫る 香港の中国化・韓国の朝鮮化・ロシアのロシア化) [外交]

安倍外交については、昨年9月17日に取上げた。久しぶりの今日は、(その7)(ボルトンが回顧録で暴露 トランプと“外交のアベ”の嘘八百、日本がインドネシアに500億円の支援を決定 高速鉄道とコロナの裏切りで募る不信感、日本に外交戦略見直しを迫る 香港の中国化・韓国の朝鮮化・ロシアのロシア化)である。

先ずは、本年6月26日付け日刊ゲンダイ「ボルトンが回顧録で暴露 トランプと“外交のアベ”の嘘八百」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275113
・『昨年9月にトランプ米大統領に解任されたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録「それが起きた部屋」が、安倍政権を直撃している。“外交のアベ”のお粗末な実態を次々に暴露しているのだ。 ボルトンが「トランプと最も個人的な関係を築いている」と評する安倍首相は、本の中に100回以上も登場。米朝首脳会談を巡るやりとりにはア然だ。昨年2月のハノイ会談は物別れに終わり、「内閣の最重要課題」に掲げる拉致問題でトランプに支援を求める安倍首相にとっても、気が気でない状況だったはずだが、4月末に訪米した安倍首相はトランプをベタ褒めしていた。 安倍は文在寅とはほぼ正反対の見解をトランプに示した。トランプが「ハノイで席を蹴った評価は高いんだ」と言うと、安倍は「結果は前向きなもの。席を蹴ることができるのはアナタだけ」と同意。「制裁を維持し、安易に譲歩しないことが大切です」と繰り返し強調した。安倍が「時間はわれわれの味方」と言うと、トランプも「その通り」と応じた> 直後の会見で安倍首相は「次は私自身が、金正恩委員長と向き合い、解決する」とお決まりのセリフ。本当に2人は似た者同士。政権浮揚しか頭にないのがよく分かる』、拉致被害者横田めぐみさんの父親が、拉致解放を眼にすることなく亡くなったのは、「時間はわれわれの味方」との認識の誤りを示している。「次は私自身が、金正恩委員長と向き合い、解決する」はまたも空証文だったようだ。
・『1カ月後の5月、令和初の国賓として再来日したトランプは安倍首相に緊張が続くイランとの“橋渡し”を依頼。ボルトンは当時をこう振り返る。 <失敗に終わる可能性が高い役割を安倍に押し付けたのは明らかなように思えた。安倍は注目を高めるため、イラン訪問を大阪G20サミット前の6月中旬と考えていた。トランプ訪日前、一足先に日本で会った安倍は「トランプの頼みでイランに行く。役に立てる見込みがある」と強調した。私はこのアイデア自体がひどいと思っていたが、とても口にできなかった> G20の2週間前、安倍首相は勇んで「41年ぶりの首相訪問」に臨み、最高指導者のハメネイ師と会談したが、「トランプ氏は意見交換するにふさわしい相手ではない」と突っぱねられる大失敗だった』、「私はこのアイデア自体がひどいと思っていたが、とても口にできなかった」、との「ボルトン」発言は、当然としても、外務省は「安倍首相」の積極姿勢を忖度して、「“橋渡し”」成功の可能性について事前レクチャーしてなかったのだろうか。
・『「特攻隊の生き残り」が大好物  トランプは安倍首相の父親の安倍晋太郎元外相が「特攻隊の生き残り」というエピソードを好み、支持者向け集会でもなぜか話題にしている。 ボルトンは<日本人がいかにタフか、とりわけ安倍がタフかを説明するのに使っていた>とし、こう書いていた。 <トランプはある時、「安倍の父親は天皇のための任務を遂行できなくてガッカリしていたんだぞ」と言った。父親がカミカゼ特攻を成功させていたら、安倍がこの世に存在しないことに気が付いていないようだった> なんだか切ない……』、やはり「トランプ」はこの程度の人物のようだ。それに乗せられていた「安部」も同類だろう。

次に、8月25日付けデイリー新潮が掲載した産経新聞出身でマレーシア在住ジャーナリストの末永恵氏による「日本がインドネシアに500億円の支援を決定 高速鉄道とコロナの裏切りで募る不信感」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/08250558/?all=1&page=1
・『7月20日、日本政府はインドネシア政府の要請を受ける形で、20億円の無償資金協力と最大500億円の円借款を決定した。名目は新型コロナウイルスの感染症対策および医療体制支援で、円借款は金利0・01%で償還期間は15年だ。東南アジア情勢に詳しいジャーナリストの末永恵氏は、この“思いやりODA”に疑問を呈する。 8月23日現在、人口およそ2億7000万人のインドネシアのコロナ感染者数は15万1498人、死者数は6594人(新規感染者2037人)。発表値をそのまま信用できないとはいえ、5倍以上の人口を抱える中国の感染者数が8万9645人、死者数4711人であることを鑑みると、アジア地域で最悪レベルを更新中だといえよう。しかもインドネシアのこの公表値は少なく見積もられている指摘もあり、現地有力誌『テンポ』は「(実際の)死者数は約5倍」と報じている。 8月に入っても1500人から2000人を超える勢いで連日右肩上がりで増え続けるコロナの感染者と犠牲者数は、ジョコ・ウィドド大統領(以下、ジョコウィ大統領)政権の最大かつ最も困難な政治課題となっている。現地紙『コンパス』が先月発表した国民アンケートでも、約90%が「政府や閣僚のコロナ対策に不満を抱いている」と答えていた。だからコロナ支援を目的とした日本からの巨額ODAは、政府にとって願ったり叶ったりだろう。対東アジアや東南アジアなどへのODAを審査・担当する外務省国別開発協力第一課の渡邊滋課長は、インドネシアへの支援の意義を次のように筆者に語った。 「感染拡大防止への援助は、インドネシアの社会、経済回復を助けるとともに、日本への感染輸入予防や緩和においても重要だ。今回のコロナの緊急支援による同国への資金協力は、ODAの利率も最低レベルで、ほぼ無償と言っていい。2000社を超える日系企業が展開する同国の経済を下支えすることは、日本経済にとっても有益だ」 今回のODAに関しては、日本が最大出資国であるアジア開発銀行(ADB)との協調融資で、同銀行からもさらに15億ドルが拠出されることになっている。同銀はコロナ支援で、アジア10ケ国への融資を計画しており、インドネシアは正式決定した最初の国になる。 だが、日本とインドネシアの間にはこんな因縁もある』、「“思いやりODA”に疑問」、どういうことだろう。
・『コロナ、鉄道でのしっぺ返し  詳しくは3月30日配信の拙稿「新型コロナの感染源は日本人――インドネシア政府がついた姑息過ぎるウソの顛末」記事を参照いただきたいが、今年3月、ジョコウィ大統領は「国内初のコロナ感染者の感染源が日本人である」との発表を行った。後でまったくのデマであることが判明したわけだが、この政府の嘘により、子供を含めた在インドネシア邦人の多くが、現地でいわれのない差別やハラスメントを受ける被害にあったのだ。 この問題では、在インドネシア日本大使館の石井正文大使が声明を発表したほか、茂木敏充外相が「インドネシア政府に在留法人の安全確保と差別やハラスメントの再発防止を要請した」と衆院外務委員会で発言するなど、外交問題に発展してもいる(なお、インドネシア政府のウソを暴いた私の記事に対して、在日インドネシア大使館から記事の撤回を求める抗議をいただいた)。 因縁はコロナだけではない。日本と中国が受注合戦を繰り広げたジャワ島の高速鉄道建設計画では、「土壇場でちゃぶ台をひっくり返された」(現地の日系企業幹部)形で、2015年に中国案が採用された。しかも「日本がODAの公的資金を投じて行った地質などの調査結果を、インドネシア政府が中国政府に漏洩したという疑惑もある」(先の企業幹部)。 こうしたインドネシアの“親中反日”の動きについてくわしくは、拙稿「『コロナ第一号患者の感染源は日本人』 インドネシアが流したウソの裏に“反日・親中”」(3月31日配信)に譲るとして、高速鉄道計画は中国が受注するも、遅々として進んでいない。今年5月末には地元メディアが「(ジョコウィ大統領が)中国主導の高速鉄道計画に日本を参加させたい意向を表明」と報じている。あれから3か月、日本政府関係者に取材すると「現地の報道後、一度、打診のようなものはあったが、それ以来、要請も何も一切、来ていない」という。 実は“日本へのラブコール”が報じられたと同時に、中国と分担する工事費のインドネシア分の予算が超過されたことも取り沙汰された。日本への要請表明は、日中の二国を天秤にかけることで、中国からさらによい条件を引き出すための「漁夫の利」の画策などではないかと、私は見ている。 もし仮に中国主導の計画に日本が参画すれば、コスト負担だけでなく、日本の技術やテクノロジーが盗まれてしまう懸念もある。また、ジャワ島の高速鉄道は、中国から南シナ海を通り、マラッカ海峡を経てインド洋から欧州大陸へ抜ける一帯一路の「六廊六路多国多港」といわれる重要ルートの一つで、言い換えれば、「一帯一路」の生命線ともいえる重要なプロジェクトだ。中国から中央アジア、さらに欧州に至る陸路の「一帯」と、中国、東南アジア、スリランカ、中東、欧州、東アフリカに至る海路の「一路」からなる世界を中華圏が支配する――習近平主席が掲げるそんな政治的戦略構想に、結果的に日本が協力してしまう恐れもあるのだ。。 いずれにせよ、高速鉄道をめぐる一件は、日本人にインドネシアに対する“猜疑心”を植え付けさせた。“あれだけ巨額の支援をして裏切るのか”というものである。一帯一路の支持を早々に表明し、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも東南アジア諸国で先陣を切って参加を表明したインドネシアを「日中のライバル意識を利用し、最終的に自国に有利な展開にもっていく」(日本政府高官)と評する声もある』、「ジョコウィ大統領は「国内初のコロナ感染者の感染源が日本人である」との発表を行った。後でまったくのデマであることが判明したわけだが、この政府の嘘により、子供を含めた在インドネシア邦人の多くが、現地でいわれのない差別やハラスメントを受ける被害にあった」、酷い話だ。「ジャワ島の高速鉄道建設計画では、「土壇場でちゃぶ台をひっくり返された」・・・形で、2015年に中国案が採用された。しかも「日本がODAの公的資金を投じて行った地質などの調査結果を、インドネシア政府が中国政府に漏洩したという疑惑もある」、こんな中国寄りの「ジョコウィ大統領」に「「“思いやりODA”」を供与するとは、安部政権のお人好しぶりもここに極まれりだ。
・『日本からの資金がもたらした腐敗政治  外務省によると、日本が1958年から実施しているインドネシアへのODAは、累計5兆7134億円におよぶ(2018年度)。内訳は有償資金協力として累計5兆685億円、無償資金協力として2821億円、技術支援協力が3628億円だ。これは日本のODA供与先としては、第2位の巨額援助国となっている(2016年度まではインドネシアが最大援助国だった。現在の1位はインドで、累計6兆150億円)。 たとえ無償を謳う支援であっても、それに見合う見返りがなくては、税金を投じる意味がない。実際、日本のインドネシアに対するODAは、これまで開発援助に参画した日系企業に巨額の利益をもたらした。その一方で、日本からの資金が、1960年代から30年に亘り長期独裁政権を敷いていたスハルト政権の汚職と腐敗を巨大化させる要因の一つにもなった。 スハルト体制は俗に、インドネシア語から由来する「KKN体制(汚職:Korupsi、癒着:Kolusi、縁故主義: Nepotisme)」と呼ばれる。これは、国の富の半分を1%の超富裕層が牛耳る、腐敗政治の象徴的な呼称である。スハルト政権末期の97年時点で、日本のODA供与額は3兆3302億円で、中国の2兆383億円を抜いて、世界一だった(ODA白書)。 KKN体制を日本のODAがいかに支えたかは、たとえばスハルト大統領の長女で社会相を務めた実業家、シティ・ハルディヤンティ・ルクマナ(通称トゥトゥット)氏の生活に見て取れる。彼女は日本のODAで建設されたジャカルタ市内の有料高速道路を管理する民間企業の筆頭株主に就き、長年にわたり、巨額の蓄財を得たとされている。諸外国からの援助資金を独り占めして食い物にしたあげく、インドネシア経済を破綻に導いた「スハルト・チルドレン」の中心的人物の一人だ。 かつては中国も日本からの巨額ODAを受け、今日の世界第2位の経済大国の礎を築いた(日本国民の血税が中国に投じられたわけだが、中国はその資金を“中国からの”ODAとして、アフリカ諸国などに使っていたことは有名だ)。約40年間にわたる中国への供与は18年に終了したが、拠出額も累計で3兆6500億円ほどだったことを鑑みると、これまでいかに日本がインドネシアに手厚い支援を行ってきたか、わかるだろう。そしてそれだけの資金が、腐敗政治の一助となっただけではなく、高速鉄道やコロナの時のような“恩をあだで返す”仕打ちを、インドネシアは行ってきたといえる。インドネシアへこれ以上の支援が必要か、再考の余地は本当にないだろうか』、巨額の「資金が、腐敗政治の一助となっただけではなく、高速鉄道やコロナの時のような“恩をあだで返す”仕打ちを、インドネシアは行ってきた」、日本政府のODA政策は全くのザルだ。
・『既存の支援にも疑問符が  すでに計画が進行している日本の公的支援についても必要性を疑う声がある。 たとえば、西ジャワ州チレボン県で進められている石炭火力発電所拡張計画。過去に丸紅などの出資で建設された発電所の近くに、新たに出力100万キロワットの大型発電所を新規建設するという計画で、インドネシアや韓国の現代建設といった大手企業とともに、最大出資者として丸紅、さらには東京電力グループや中部電力らが参画している。こちらは国際協力銀行(JBIC、財務省が管轄)が資金援助を行っているが、昨年末、地元の知事や現代建設のゼネラル・マネージャーらが、4700万円の贈収賄容疑で逮捕された。ほかに約15億円の用途不明資金疑惑もあり、検察の捜査が進んでいる。 さらに、ODA事業で行われている同州インドラマユ県での石炭火力発電所拡張計画。こちらもやはり、中国資本で建設された既存施設の隣に新たな発電所を計画しているもので、現在、日本の国際協力機構(JICA)を通じ、すでにコンサルなど含む専門的基礎調査などにおよそ7億円(エンジニアリング・サービス借款)が貸与されている。これに加え、計画全体への円借款申請が待たれている状況だ。 オランダのアムステルダムにも拠点を構え、日本のODA開発事業に詳しい国際環境NGO「FoE Japan」の委託研究員・波多江秀枝氏は、こんな懸念を表明する。 「中国主導で進められたインドラマユ県の計画でも、地元の知事が汚職で逮捕されました。海外の援助を受けたプロジェクトがインドネシアで進められるとき、もたらされる資金が現地の汚職の源になりがちです」 スハルト時代の汚職の構造は今日でも健在――ということか。この点、先に登場いただいた外務省国別開発協力第一課の渡辺課長は、 「公的資金が汚職や腐敗に流用されないよう厳選な審査をする。審査次第では、ODA供与は見送る可能性がある」としている。もっとも波多江研究員は、「インドネシア国有電力会社(PLN)は、電力不足に陥ると主張していますが、現在すでに電力過剰の状態であり、また同社の資料を基に分析すると、逆に今後10年ほどは30%から45%の供給過剰になります」と、先の2つの拡張計画が、そもそも不要であるとも指摘。実際、世界的に「脱炭素化」が進む中、大量のC02を排出する火力発電所の建設支援を行うことで日本が世界から批判されており、支援には負の側面もある。またインドラマユ県では、発電所が出す粉塵によって周辺住民の健康被害への懸念が報告され、現地では裁判沙汰になっている。 こうしたODAに“上乗せ”する形で、今回、日本はインドネシアにコロナ支援を行うわけである。が、同時にインドネシアの国営製薬会社ビオ・ファルマは、中国のシノパック・バイオテック社とコロナワクチンの共同開発を進めてもいる。8月4日には、量産体制に入る準備を進めていると、インドネシアの国営企業相が発表した。ここでも日中を手玉にとろうという魂胆が透けて見えないだろうか。 日本がインドネシアにODAを始めて62年。今年7月には世界銀行がインドネシアを上位中所得国として認定した。日本がODA対象の基準にしている一人当たりの国民総所得(GNI)も大幅に上昇しており、そろそろ独り立ちできる頃ではないだろうか。それでも支援するのであれば、高速鉄道の同じ轍を踏まないよう、そしてわれわれの血税をドブに捨てないよう、さらには日中関係の“足元”を見透かされないよう、日本政府や関係各省には肝に銘じてほしい、と願うばかりだ』、同感である。

第三に、7月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元外交官で日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中 均氏による「日本に外交戦略見直しを迫る、香港の中国化・韓国の朝鮮化・ロシアのロシア化」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/243088
・『日本を取り巻く環境の激変 東アジアの安全保障を左右  昨今、日本を取り巻く環境が大きく変わったことに認識があるだろうか。 激変は新型コロナの感染問題はすでに起こりつつあった地殻変動を加速化し、東アジアの安全保障に大きな影響をもたらしている。 日本ではイージス・アショアの配備を断念したことに伴い日本への攻撃に対する「敵基地攻撃能力」の保有問題が議論されているが、あまりに唐突で矮小化された反応だ。 まず日本に必要なことは外交安保戦略の抜本的見直しであり、その前提としての日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わり悪化していることを認識する必要がある。 具体的には「香港の中国化」と米中対立、韓国の「朝鮮化」、ロシアの「ロシア化」、「アメリカ・ファースト」への対応をどうするかだ』、「日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わり悪化」、その通りだ。
・『香港「中国化」で米中対立決定的 国安法はゲームチェンジャー  中国による香港への国家安全維持法の直接導入は、ゲームチェンジャーだと思う。 今後、「一国二制度」の下、高度な自治と自由な資本主義を認められていた香港が急速に中国化していくことが懸念される。 中国政府は相当な覚悟を持ってこの行動に出たのだろう。 昨年、続いた香港民主化を求める大規模デモは強権の介入なく収まらず、また9月に予定される香港立法会の選挙を、民主派が圧勝した昨年の区議会選挙の二の舞とすることはできない、と考え、新型コロナ感染拡大でデモが規制されている今の状況に乗じて一気呵成に国安法導入を進めたと考えられる。 今後、もし国安法が中国国内と同じように運用されれば、国際的にも約束された「一国二制度」は崩壊するだけではなく、法の支配という民主主義の根幹を犯すことともなりかねない。 そして、自由な市場として外国の投資を集め国際金融センターである香港は徐々にその利点を失うことになる。 こうした懸念を持つのは、国安法がコモン・ローに基づく香港の法的枠組みを超え、法解釈の最終権限は中国全人代常務委員会にあることや、法の運用・実施に中国治安機関が関っているからだ。 香港が中国と同じような監視社会となり、法の厳密な手続きによらないで拘束・逮捕が行われるとすれば、自由な資本主義の基盤が損なわれることになる。 こうした香港の「中国化」に米国が強く反応するのは十分理解できる。 多くの人が、トランプ大統領の対中強硬策は自らの再選を助けることになるからではないかとみる。もちろんそういう面はあるが、それ以上に、米国が危機感を強めているのは、ここで民主主義諸国が明確で強力な対抗措置を取らないのであれば、中国の行動を認知してしまうばかりか、今後の中国のさらなる強硬な行動を許してしまうことになりかねないと認識しているからだ。 米国は、今後、どの程度強硬に中国に対峙していくつもりなのか。 7月14日に大統領の署名によって成立した香港自治法で、香港の自治の侵害に関わった中国、香港当局者を特定し、これらの人物と取引をする金融機関にも制裁を科することが可能となった。また大統領令により関税や査証などの面での香港への優遇措置も撤回された。 いずれにせよ今後の展開は、中国が国家安全維持法の運用をどのようにしていくかが鍵となる』、米国の「対中強硬策」は「トランプ大統領」だけでなく、米国議会も含めた全米規模のものなので、「大統領選挙」の結果如何を問わず、当面続くだろう。
・『米国は「中国排除」強める 日本の対中戦略は?  中国の現実の行動次第で米国の制裁の程度は変わってくるだろう。 米国の制裁も一定の準備期間を経て発動され、制裁の程度は香港の立法会の選挙に当局の強権的な介入がどう行われるかにもよるのだろう。 そして、米国の制裁措置に対して中国はさらなる対抗措置を取ろうとするのだろう。 この問題は台湾にも波及する。 台湾は香港への国家安全維持法の導入を「一国二制度」の終焉とみて、ますます独立傾向を強めていくのではないか。 台湾の香港人を受け入れようとする動きに対し、中国は戦闘機を台湾海峡に飛ばし牽制をしている。蔡英文総統は事あるたびに米国との連携の強化を図っていくだろう。 一方で中国は台湾に対しては軍事的な脅しを行うことを躊躇しないだろうし、中台問題は軍事的緊張の拡大に容易につながる。 香港問題や台湾問題は米中関係のホットスポットだが、それを離れても米中対立は今後、一層激化するだろう。 米国は中国の南シナ海での行動は「不法」であると断じ、米国艦隊の活動を強化している。ファーウェイをはじめとする中国ハイテク企業の米国政府調達からの排除に動いており、こうした中国企業と取引を持つ企業も調達から外す措置を取るという。 米国の「中国排除」の動きは中国の対抗措置を招くだろうし、米中間の経済相互依存関係は大きく崩れていく可能性がある。 安全保障を米国に依存し、一方で中国とは経済的な相互依存関係が大きい日本がどのような対中戦略を持つのか。それは日本の将来を左右する。習近平国家主席の国賓訪問を論じる前に考えなければいけない課題だ』、日本の産業界への影響も大きいだけに、難問だ。
・『韓国の「朝鮮化」「反日」噴出、強まる可能性  北朝鮮による開城の南北連絡事務所の爆破は、韓国に対する揺さぶりだったと考えられる。 昨年のハノイで行われた米朝首脳会談での非核化交渉の頓挫以降、制裁緩和などを期待する北朝鮮は米朝交渉の道筋に戻ることを望んだと思われるが、米国は当然のことながら非核化に向けた実務的な詰めなくして進展は図り得ないという従来の方針を変えず、事態は停滞した。 そして北朝鮮では今年初旬から新型コロナウイルスの感染が拡大したと考えられており、中朝国境が閉鎖され物資の流入が途絶えたことで北朝鮮への経済的ダメージは相当なものだったのだろう。 現状打開を目指して打った手が、南北交流の象徴である南北連絡事務所の爆破だった。 北朝鮮の「瀬戸際政策」の常だが、こうした行動に出れば韓国は焦り、米国をとりなす行動に出るとの思惑が北朝鮮にはあったのではないか。 韓国の文在寅政権にとって「南北共存」は一丁目一番地の基本政策だ。文政権の特色は、「86世代」と呼ばれる60年代に生まれ、80年代の民主化運動に関わった左派色の強い進歩派の人々が政権中枢を構成していることだ。 対外関係についても、朝鮮半島は常に大国により脅かされてきたとして「自立」を望む意識が強く、このため潜在的には「反米」「反日」であり、「親北」といえるだろう。 韓国はこれまで北朝鮮との関係が緊迫すると、安全保障を担保する必要性から日米との連携を重視し、米韓同盟を維持する必要性を認識する動きを見せたが、歴史問題を抱える日本に対しては、「反日」の意識が時に過剰に噴出する。 一方で中国については、歴史的にも圧倒的な存在だったことから反中とは言い切れない微妙な意識がある。また、韓国経済にとっての中国の圧倒的重要性からしても中国を阻害するわけにはいかないという意識も強い。 過去、廬武鉉政権が「米中をブリッジする」と提唱し、また文政権の一部高官が「米国か中国かを選ぶことができる」と発言したことからも分かるように、米国と自由民主主義という価値を共有する同盟国でありながら、この点を重視することなく、米国と中国を同列で論じることを躊躇しない。 このような韓国進歩派の考え方は保守派とは相いれず、韓国内の保革分断が、対北朝鮮政策も含めさまざま局面で対外政策の揺らぎをもたらしてきた。 だが総選挙では進歩派が圧勝したこともあって、文政権の対北融和政策は変わっていない。文政権の民族自立の意識は北朝鮮とも相通じるものがある。極論すれば韓国も「朝鮮化」しているということもできよう。 だが「朝鮮化」した韓国は日本にとって扱いにくい存在だ。 北朝鮮との間の拉致問題も日本と北朝鮮の関係をどうしていくのかという大きな絵柄の中で考え、機会をとらえていかないと解決が難しい。拉致問題の解決が最重要である位置付けは変わらないにしても、「重要だ」と叫んで一向に前に進んでいかないのはあまりに空しい』、「米国と自由民主主義という価値を共有する同盟国でありながら、この点を重視することなく、米国と中国を同列で論じることを躊躇しない。 このような韓国進歩派の考え方」、我々には理解し難い点だ。「「朝鮮化」した韓国は日本にとって扱いにくい存在」、困ったことだ。
・『ロシアの「ロシア化」 領土問題解決は遠のく  ロシアは7月初旬に憲法改正を行い、事実上、プーチン大統領が2036年まで大統領の座にとどまることを可能にした。 プーチン大統領は2000年から2期8年大統領職にあり、その後、首相に転じたが、2008年の憲法改正後、1期6年に延びた大統領に2012年に再登板し、2024年までが任期になっていた。 今回の憲法改正で大統領の任期がリセットされ、2024年から最大2期12年、大統領にとどまれることになった。 プーチン大統領にしてみれば首相だった時期に自らへの反対勢力が強くなったことが念頭にあり、そのため今度は“終身大統領”であることをあらかじめ明らかにした上で独裁色を強めるということだろう。 さらに憲法改正では、ロシア領の割譲を禁じることや同性婚を認めないなどの保守色が強い項目が盛り込まれた。ロシアの大国主義が色濃く反映された憲法改正だ。 日本政府はこの動きに対して単に関心の表明にとどめているが、果たしてロシア憲法にある「領土の割譲の禁止」と、日本が求める北方領土の返還が相いれるのかどうかは、はなはだ疑問だ。 ロシアはサイバーでの選挙介入などで欧米諸国との関係は極めて悪化しているし、逆に中国との関係の緊密化は着々と進んでいる。 日本は北方領土問題に何の成果もなく、むしろ交渉に対するロシアの立場が後退しているようにみえる状況でロシアとひたすらに首脳会談を積み重ねていくことがよいのか。 その前に対ロ戦略を見直すべきなのではないか』、同感である。
・『「アメリカ・ファースト」の行方 “トランプ後”に備える必要  こうして東アジアをめぐる状況が一段と変わり始めているなかで、トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト」は日本にとっても、東アジア地域にとっても問題が多い。 トランプ大統領にとって「アメリカ・ファースト」を具現するものは、中国との競争に勝利することに加え、輸出を伸ばして貿易拡大の利益を確保すること、また米国からの武器調達を含め防衛負担の増大を同盟国に求めることであり、これを実現していくために地域多国間の枠組みを離れて二国間の取引に持ち込むことだろう。 トランプ大統領は、これまで中国や日本、韓国との貿易合意、米軍駐留経費について韓国の負担の飛躍的拡大や日本からの巨額の武器調達に成功し、またTPPからの撤退にとどまらずAPEC、東アジアサミットなど地域協力を軽視してきた。 トランプ大統領が再選に成功した場合、このような政策がさらに深掘りされていくことになる。だが、現在の米国国内の状況を見る限り、トランプ再選の可能性は高くない。 日本は民主党のバイデン候補が勝利する場合に備えて対米戦略の練り直しを行うべきだろう。 その際にはこの地域の安全保障環境が大幅に変化している一方で、少子高齢化で大きな成長を望めず中国という巨大マーケットとの相互依存関係が必要なことなどを総合的に勘案することが重要になる。 新型コロナウイルス感染が一刻も早く収束することを願いたいが、コロナ後の日本を待つ情勢は決して容易なものではない。 この4つの要因以外にも日本を脅かす要因はいろいろある。当面は経済回復が最大の課題になるのだろうが、経済の回復を迅速に進める上でも周辺環境の安定は必須になる。 そのための包括的な戦略が重要である』、「日本は民主党のバイデン候補が勝利する場合に備えて対米戦略の練り直しを行うべき」、その通りだ。もはや「安部外交」で浮かれている段階ではない。
タグ:日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 安倍外交 デイリー新潮 田中 均 (その7)(ボルトンが回顧録で暴露 トランプと“外交のアベ”の嘘八百、日本がインドネシアに500億円の支援を決定 高速鉄道とコロナの裏切りで募る不信感、日本に外交戦略見直しを迫る 香港の中国化・韓国の朝鮮化・ロシアのロシア化) 「ボルトンが回顧録で暴露 トランプと“外交のアベ”の嘘八百」 ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録「それが起きた部屋」 「時間はわれわれの味方」との認識の誤り 「次は私自身が、金正恩委員長と向き合い、解決する」 私はこのアイデア自体がひどいと思っていたが、とても口にできなかった 外務省は「安倍首相」の積極姿勢を忖度して、「“橋渡し”」成功の可能性について事前レクチャーしてなかったのだろうか 「特攻隊の生き残り」が大好物 末永恵 「日本がインドネシアに500億円の支援を決定 高速鉄道とコロナの裏切りで募る不信感」 日本政府はインドネシア政府の要請を受ける形で、20億円の無償資金協力と最大500億円の円借款を決定 “思いやりODA”に疑問 コロナ、鉄道でのしっぺ返し ジョコウィ大統領は「国内初のコロナ感染者の感染源が日本人である」との発表 後でまったくのデマであることが判明したわけだが、この政府の嘘により、子供を含めた在インドネシア邦人の多くが、現地でいわれのない差別やハラスメントを受ける被害にあった ジャワ島の高速鉄道建設計画では、「土壇場でちゃぶ台をひっくり返された」 2015年に中国案が採用された。しかも「日本がODAの公的資金を投じて行った地質などの調査結果を、インドネシア政府が中国政府に漏洩したという疑惑もある 日本からの資金がもたらした腐敗政治 日本が1958年から実施しているインドネシアへのODAは、累計5兆7134億円 資金が、腐敗政治の一助となっただけではなく、高速鉄道やコロナの時のような“恩をあだで返す”仕打ちを、インドネシアは行ってきた 既存の支援にも疑問符が 「日本に外交戦略見直しを迫る、香港の中国化・韓国の朝鮮化・ロシアのロシア化」 日本を取り巻く環境の激変 東アジアの安全保障を左右 「香港の中国化」と米中対立、韓国の「朝鮮化」、ロシアの「ロシア化」、「アメリカ・ファースト」への対応をどうするかだ 香港「中国化」で米中対立決定的 国安法はゲームチェンジャー 米国は「中国排除」強める 日本の対中戦略は? 安全保障を米国に依存し、一方で中国とは経済的な相互依存関係が大きい日本がどのような対中戦略を持つのか。それは日本の将来を左右する。習近平国家主席の国賓訪問を論じる前に考えなければいけない課題だ 韓国の「朝鮮化」「反日」噴出、強まる可能性 米国と自由民主主義という価値を共有する同盟国でありながら、この点を重視することなく、米国と中国を同列で論じることを躊躇しない。 このような韓国進歩派の考え方 「朝鮮化」した韓国は日本にとって扱いにくい存在」 ロシアの「ロシア化」 領土問題解決は遠のく 日本は北方領土問題に何の成果もなく、むしろ交渉に対するロシアの立場が後退しているようにみえる状況でロシアとひたすらに首脳会談を積み重ねていくことがよいのか。 その前に対ロ戦略を見直すべきなのではないか 「アメリカ・ファースト」の行方 “トランプ後”に備える必要 日本は民主党のバイデン候補が勝利する場合に備えて対米戦略の練り直しを行うべき
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日韓関係(その11)(韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?、輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下 韓国への企業誘致進む、日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か 徴用工「差押え株式」現金化のツケ) [外交]

昨日の韓国(文在寅大統領)に続いて、日韓関係(その11)(韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?、輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下 韓国への企業誘致進む、日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か 徴用工「差押え株式」現金化のツケ)を取上げよう。なお、前回は7月11日に取上げた。

先ずは、7月15日付けNewsweek日本版が掲載した広告プランナー兼コピーライターの佐々木和義氏による「韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/1-159_1.php
・『<日本政府が韓国向け輸出規制を実施してから1年余り、文在寅大統領は、官民の協力で核心素材を国産化し危機を克服して、「日本とは違う道歩む」と強調した......> 日本政府が韓国向け輸出規制を実施してから1年余りが経過し、2020年7月9日、文在寅大統領は訪問した京畿道利川のSKハイニックスで、日本政府の輸出規制のなか、官民の協力で核心素材を国産化したとし、また、1件の生産支障もなく危機を克服して、「日本とは違う道歩む」と強調した』、「日本政府の輸出規制」は裏目に出ているようだ。
・『半導体関連工場を抱える京畿道は、「脱日本技術独立」を宣言  朝鮮日報は、半導体の重要素材である気体フッ化水素を生産する日本の昭和電工の1年間の営業利益が59%減少した一方、韓国のラムテクノロジーは営業利益が74%増加したなどとして、輸出規制による被害は日本企業の方が大きいと報じた。 同紙はまた韓国の半導体企業が、素材の国産化や調達先の多角化に取り組み、大きな打撃もなく持ちこたえることができたと評価するが、業界は衝撃を最小化できたに過ぎないとみる。 2019年7月1日、日本政府が韓国向け輸出規制を発表すると、韓国の半導体とディスプレイ産業が大きな影響を受けるという見方が広がった。域内に多くの半導体関連工場を抱える京畿道は、「脱日本技術独立」を宣言して道内企業の研究開発支援に着手した。300億ウォン以上の技術開発費を支援し、19年10月からは1500億ウォンの特例保証を行って200社以上の設備や運転資金を支援した。今後5年間でさらに2000億ウォンを投じる予定だ』、「脱日本技術独立」に向け「技術開発費」や「設備や運転資金」を「支援」するとは中期的にも日本へ影響を与えるだろう。
・『日本製フッ化水素は12.5%まで低下  日本政府が最初に輸出を規制したフッ化水素、フォトレジスト(感光液)、フッ化ポリイミドは半導体とディスプレイの核心素材で、日本依存が90%に達していた。また、日本政府が韓国をグループA(旧ホワイト国)から除外して審査が強化された品目のうち、日本の輸出額が100万ドルを超え、かつ韓国の日本依存度が70%以上の品目の56.7%を半導体・ディスプレイ関連が占めている。 半導体メーカーのサムスン電子やSKハイニックス、ディスプレイメーカーのLGディスプレイやサムスンディスプレイが打撃を受けるとみられていたが、1年を振り返ってみて、いずれも大きな支障はなかった。 韓国貿易協会によると、19年1月から4月に輸入されたフッ化水素は日本製が44.7%を占めていたが、20年は12.5%まで低下した。ディスプレイメーカーは、液体フッ化水素を100%韓国製に切り替え、半導体は韓国製や中国から輸入して精製したフッ化水素の使用割合を増やし、日本製は重要な工程のみの使用に切り替えた。また、気体フッ化水素の一部をアメリカ製に替える多角化で対応した。 一方、日本依存が高まった品目も多い。半導体材料のシリコンウエハーは日本製の割合が前年の34.6%から40.7%に上昇した。炭素部品も規制前47.8%だった日本依存が56.7%に上昇するなど、韓国企業が日本から輸入している上位100品目のうち、34品目で日本依存の割合が上昇していた』、「1年を振り返ってみて、いずれも大きな支障はなかった」、「輸出規制」を打ち出した経産省にとっては、拍子抜けだろう。
・『実質的な輸出規制につながらないケースが多かった  経済団体の全国経済人連合会(全経連)は、調査会社に依頼して、金融業を除く売上高上位1000社のうち、日本から素材や部品、装備等を輸入している韓国企業を対象に、輸出規制強化後1年間の変化に関するアンケートを実施した。 23.5%が日本からの輸入で苦労したと答えたが、45.6%が苦労はなかったと回答した。また、68.5%が日本からの輸入を継続し、31.5%は国産など供給元の変更を試みたと回答したが、輸入額ベースでの供給元の変更は3.35%に過ぎなかった。 全経連は日本の措置が実質的な輸出規制につながらないケースが多かったと分析し、韓国貿易協会は輸出規制の実効力が小さいと見る日本政府の追加規制を危惧する。 韓国には日本企業とサムスンやLG等が合弁で設立した工場が多い。半導体素材企業の東京応化工業(TOK)は、サムスン物産と合弁で仁川に設立した工場で、サムスン電子向けフォトレジスト(感光液)を少量生産していたが、7月から本格生産を開始した。サムスン電子が調達先を拡大し、規制前0.4%だったベルギー製の割合が5.8%まで増加した。さらに米デュポン社が韓国工場を建設すると発表したため韓国工場の生産量を増やすことにした。 外国企業の出資割合が50%を超える現地法人の工場は税制優遇を受けられる上、安定供給が容易になる。ま た日本企業は核心技術を渡すことなく、売上げを維持できる。日本企業が韓国に設立した合弁工場は、日本から輸出する原料が規制を受けるが、生産自体は規制を受けないため供給への支障は小さく、数字上は韓国製にカウントされることになる』、「輸入額ベースでの供給元の変更は3.35%に過ぎなかった」、「日本の措置が実質的な輸出規制につながらないケースが多かった」、なるほど。

次に、7月30日付け東洋経済オンライン「輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下、韓国への企業誘致進む」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/365754
・『日本政府が韓国に対し、輸出管理で優遇措置を与えていた「ホワイト国」(グループA)指定から除外し、さらに半導体関連部材を包括輸出許可から個別の許可に切り替えてから1年が経った。これに対し韓国は強く反発し、国民の間では強力な「日本製品不買運動」も起きた。日本政府はこのような措置をとった理由として、1)輸出管理制度を運営するうえで、前提となる日韓間の信頼が喪失したこと、2)韓国の輸出管理で不適切な事案が発生したことを挙げたが、韓国側は元徴用工への賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決をはじめとする徴用工問題への報復と捉えている。この1年間、日韓の貿易はどう変わったのか。韓国経済に詳しい日本総合研究所調査部の向山英彦・上席主任研究員にその変化の軌跡を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは向山氏の回答)』、専門家の見解とは貴重だ。
・『韓国の「脱日本」の動きがはっきりと  Q:2019年の輸出管理措置の変更で、日韓では経済問題が外交問題となり、また国民の間で感情的な対立も生じてしまいました。その中で、日本では「輸出管理強化は韓国企業にダメージを与える」とする見方が多く、これに対抗して韓国政府は「国産化を進めて脱日本を図る」と主張してきました。 A:日本では韓国企業がダメージを受けるという見方が多くあった。輸出管理強化後の動きを、まずはデータで確認してみたい。日本側が包括許可から個別許可に切り替えた品目のうち、フォトレジストとフッ化水素の韓国の対日輸入額を見てみる。 フォトレジストの中で個別許可の対象になったのは微細化に必要なEUV(極端紫外線)向けだが、統計上は区別されない。19年前半のフォトレジストの輸入額は3000万ドル前後で推移していたが、7月の輸出管理強化の直前に駆け込み需要が発生して5000万ドルまで増加した。その後、いったんは2000万ドル超にまで減少したが、同年8月に最初の輸出許可が下り、12月に日韓の特定企業同士の取引に限り、最長3年間の許可を一括して得られるようになったため、現在では措置前の3000万ドル水準に戻ってきている。 Q:フォトレジストは日本企業が世界市場の約9割を占めている品目ですね。 A:そのとおりだ。フォトレジストに関しては、日本企業への依存が依然として続いていると言えるが、注意したいのは「脱日本」の動きが見られることだ。 1つは、サムスン電子が、日本企業であるJSRとベルギー企業との合弁会社からの調達を増やしたことが挙げられる。もう1つは、アメリカからの輸入先だったデュポンが2020年1月、韓国でEUV向けフォトレジストを生産する計画を発表した点が注目される。 顧客の近くで生産することでシェアを増やす狙いがあると思う。こうした状況下、シェアを奪われないために、東京応化工業が最近、仁川工場でEUV向けフォトレジストの量産を開始した』、「フォトレジスト」は「措置前の3000万ドル水準に戻ってきている」とはいえ、「サムスン電子が、JSRとベルギー企業との合弁会社からの調達を増やした」、「」、など今後は競合も激化しそうだ。
・『戻らないフッ化水素の輸入額、韓国の国産化が進む  Q:フッ化水素も、日本が世界で高シェアを占している品目です。またその品質や純度については、日本側から「韓国は絶対に超高純度品をつくれない」という声も聞かれました。 A:韓国にとってフッ化水素の輸入先は、中国が1位、日本が2位だ。半導体製造には500以上もの工程があり、その中でフッ化水素を使用する工程は10%程度を占める。工程ごとに使用する純度が違っており、超高純度のものの多くは日本から輸入していた。日本ではステラケミファと森田化学工業が主要メーカーだ。 データを見てみたい。韓国の輸入額は、輸出管理強化前は月600万~750万ドル規模で推移していたが、規制が本格化した8月以降は100万ドルを切り、現在でも100万ドル前後で推移している。日本企業には輸出許可が19年末に下りたにもかかわらず、フォトレジストとは対照的に、元の水準には到底及ばないレベルだ。 Q:韓国が言う「国産化」の影響でしょうか。 A:その影響がある。輸出管理強化後、韓国は国産化と輸入先の多角化を急ピッチで進め、昨年秋口あたりから国産品への代替が始まった。ディスプレイでは半導体ほど高純度のものを必要としないため、まずLGディスプレイが国産のフッ化水素に切り替えた。サムスン電子も19年9月、半導体製造工程の一部に国産品を投入し始めたと発表した。日本からの調達が難しくなったため、国内企業と協力して国産化に取り組んだ。 従来、日本から輸入していた高純度の液体フッ化水素を用いてエッチング剤を精製していたソルブレインなどの企業が、中国や台湾から液体フッ化水素を輸入し、生産に乗り出した。確かに、純度は日本製よりは低いと思われるが、半導体の生産に支障が出ていないことを考えれば、かなり高純度のものになっていると言える』、「フッ化水素」の「韓国の輸入額は・・・フォトレジストとは対照的に、元の水準には到底及ばないレベルだ」、もはや「高純度」も切り札ではなくなったようだ。
・『官民一体の取り組みで予想以上の成果  Q:韓国政府は、国産化支援や輸入先多角化、海外企業の誘致などの策を相次いで打ち出しました。その効果はどうでしょうか。 A:日本で予想していた以上の成果を上げていると思う。注目したいのは、半導体産業の強化に向けて、官民一体の取り組み体制ができつつあることだ。 市況の波が激しいとはいえ、半導体が将来の成長産業の1つであることは間違いない。中国の急速なキャッチアップに対抗するため、サムスン電子は近年、微細化水準の高いメモリ開発を進める一方、プロセッサやイメージセンサー、システム半導体などの非メモリ事業に力を入れ始めた。また今年6月には、ソウルから南へ1時間ほどの場所にある平澤(ピョンテク)工場にNAND型フラッシュメモリの生産ラインを建設すると発表した。アメリカの経済制裁で中国企業の生産が思うように進まない間に、圧倒的に優位な立場に立つ狙いがあると考えられる。 韓国政府も「システム半導体ビジョンと戦略」を打ち出し、自動車やバイオ・医療、IoTなどの分野で需要創出を図るほか、ファブレス企業の育成や人材育成、研究開発などを支援する計画だ。半導体産業の強化に向けて官民一体の体制が整備されつつある。 Q:韓国の経済構造は財閥をはじめ大企業中心です。日本のような中小企業への裾野拡大が半導体産業で進むのでしょうか。 A:その可能性はある。大企業主導の経済は韓国経済を確かに成長させたが、その弊害も多く生まれた。韓国の歴代政権は中小企業の育成を公約として掲げてきたが、構造問題を解消できず、大企業主導のままだ。ところが、輸出管理強化を契機に国産化が急務となり、大企業と中小企業が協力して開発を進める動きが始まった。この動きが本格化するかどうかは注視すべきことだが、韓国産業界でこれまであまり見られなかった関係が創出されている。この動きを軽視してはいけないと思う。 半導体産業の一段の成長が見込まれる中で、海外企業の韓国での生産も活発になっている。シリコンウエハでは台湾系企業が韓国で増産し、前述したデュポンの動きもある。日本企業でも、東京応化工業や関東電化工業などが現地生産を進めているほか、東京エレクトロンも技術支援センターを設立している』、「韓国」では「半導体産業の強化に向けて、官民一体の取り組み体制ができつつある」、「大企業と中小企業が協力して開発を進める動きが始まった」、など結果的には「韓国産業界」の競争力強化につながってしまったようだ。
・『日韓経済の分業体制は崩れるのか  Q:慰安婦や徴用工問題などの歴史問題で日韓関係が揺れる中、経済面では日韓は緊密な関係を構築・維持し、国際分業ではウィンウィンの関係にあると評価されてきました。そのような関係が崩れるのでしょうか。 A:日韓の経済関係を見ると、企業活動を通じて緊密なサプライチェーンが築かれ、ウィンウィンの関係が構築されてきていた。それが今回の輸出管理強化で揺らいだ。こうした状況下、日本企業は日本からの輸出に加えて、第三国からの韓国への輸出、韓国での現地生産拡大など、サプライチェーンの再編成を進めているのが現状だと言える。 韓国の半導体産業が発展していくのに伴い、今後、日韓だけでなく台湾や中国企業との協業が進む可能性もある。こうした環境変化の中で、日韓の企業は国家間の対立を乗り越えて、より高いレベルでの分業体制へと進んでいくことが予想される』、日本の経産省は韓国への武器になると思って振り回した輸出規制策が、裏目に出たことを真摯に反省するべきだろう。

第三に、8月6日付けプレジデント Digitalが掲載した政経ジャーナリストの麹町 文子氏による「日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か 徴用工「差押え株式」現金化のツケ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/37657
・『GSOMIA失効も迫る8月  史上最悪の関係に冷え込んだ日本と韓国がいよいよ「8月開戦」を迎える。元徴用工への賠償に絡み、新日鉄住金(現日本製鉄)に資産差し押さえの通知が届いたとみなす公示送達の効力が8月4日に発生し、資産売却(現金化)手続きに入ることが可能になるためだ。 安倍晋三政権は繰り返し「現金化は深刻な状況を招く」と警告しているが、韓国の文在寅大統領はここぞとばかりに歴史問題を持ち出し、日本への一斉攻撃を仕掛けている。昨年は自ら拳を振り上げておきながら直前に日和ったGSOMIA(日韓軍事情報保護協定)の「失効リミット」も8月24日に迫る中、今年の夏は「恥知らずな大統領」とのあまりにもダルすぎる戦いを余儀なくされそうだ。 なぜ、かくも愚かで同じ過ちを繰り返すのか不思議でならない。現金化は、韓国の最高裁にあたる大法院が2018年10月に賠償を命じたことに基づき、韓国の裁判所が差し押さえた資産を強制的に売却・賠償する命令を出すことができるというものだが、少なくとも日本人の多くは1965年の日韓請求権協定で「解決済み」であることを知っている。日本政府が「明確な国際法違反だ」と憤るのは当然だろう。 にもかかわらず、韓国政府は「歴史を歪曲している」と反日カードを巧みに操り、国際世論を誘導することを好むようだ。さらに「ここが勝負時!」と見ているのか、最近の動きは常軌を逸している』、「韓国」の「国際世論を誘導」は誠に巧みで、日本政府は一体、何をやっているのだろうと腹が立つ。
・『軍艦島の世界遺産取り消し問題も勃発  「歴史的事実を歪曲し、犠牲者を再び傷つけている」 7月29日、ソウルで開催された世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に関する討論会で、文政権の朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光相は長崎市の端島(通称・軍艦島)などの展示について、このように非難した。同観光相は米ブルームバーグ通信が7月24日配信したインタビューでも、展示内容について「全くのウソだ」「歴史の歪曲だ」と強調した。 「明治日本の産業革命遺産」は、2015年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録され、幕末の1850年代から明治初期の1910年までの23資産で構成。飛躍的な経済発展や文化交流などをうかがうことのできる集合体だ。だが、韓国は軍艦島での朝鮮人労働者への「差別的待遇」が十分に触れられていないとして反発し、遺産登録取り消しを求めている。韓国の大学教授も海外メディアに関連報道を求める書簡を送るなど、その動きは加速している。歴史問題を「国際舞台」にのせていくのは韓国の常とう手段だが、歴史的事実に照らしても国際法上も明らかにわが国固有の領土である竹島を不法占拠しておきながら、「歴史」を持ち出す姿勢には呆れてしまう』、私は「軍艦島の世界遺産」登録は、安部首相の復古趣味を満たすだけで、寝た子を起こすとして反対だった。
・『遺産は「1850年~1910年代」で構成  韓国側の理屈は、2015年の遺産登録の際に「犠牲者を記憶にとどめるための措置」として日本側が「情報センター」の設置を約束したにもかかわらず、6月から東京で一般公開された展示には朝鮮人労働者への「差別的待遇」を否定する証言と資料が含まれている、というものだ。 同観光相は「日本が国際社会との約束を放棄し、強制労働の真実を隠そうとし続けるなら世界遺産の精神と趣旨を否定、毀損きそんするものだ」と非難している。だが、先に触れたように同遺産は「1850年代~1910年」で構成されており、先の大戦とは直接の関係がないものであるのは明らかだ。せめて、人気テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の主人公「ダー子」のようにきれいな展開を見せてから言ってほしい。 日本政府の毅然きぜんとしない対応にも問題がある。菅義偉官房長官は「日本は世界遺産委員会の決議や勧告を真摯しんしに受け止め、約束した措置を誠実に履行している」と説明しているが、こうした「国際世論戦」を挑んでくる相手には配慮は不要で、反論すべきは強く出ていくべきだろう。なにかあるたびに「遺憾砲」ばかりを発するだけで終わりとするから、韓国のみならず中国や北朝鮮などになめられてしまう』、「遺産は「1850年~1910年代」で構成」との日本側の主張は、形式論に過ぎず、国際的にも通用しないだろう。その後の戦中の問題も踏まえて解説すべきだ。
・『暴走する文在寅と鈍感な安倍  実際、文政権による攻勢はエスカレートしている。日本政府は昨年7月、「安全保障上必要」として韓国への半導体材料など3品目の輸出管理厳格化に踏み切ったが、これに反発した韓国は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会の設置を求めて提訴。WTOは7月29日、小委員会設置を承認した。今後は国際機関での対立が続くことになるが、昨年4月には韓国による福島県などからの水産物輸入禁止措置をWTOが容認する判決が出ている。加えて、対日批判を繰り返してきた韓国高官はWTOの次期事務局長選に出馬しており、韓国を「何をしてくるのか分からない国家」として見た場合、貿易摩擦の先行きも怪しい。 最近では、韓国・江原道平昌にある「韓国自生植物園」に慰安婦像の前でひざまずいて謝罪する安倍総理を模した像が設置され、日本国民の感情を逆なでしている。菅官房長官は7月28日の記者会見で「国際儀礼上許されない。日韓関係に決定的な影響を与える」と反発したが、そんなことを言っている場合ではないだろう。2015年12月に朴槿恵政権との間で「最終的かつ不可逆的な合意」に署名したのは、他ならぬ安倍政権ではないか。もはや「地球儀を俯瞰する外交」と称して、強い外交をうたっていた政権とは思えないレベルにあると感じてしまう。巨額の税金を投入して布マスクを配布したり、新型コロナウイルスの感染再拡大時に観光需要喚起策として「Go Toトラベルキャンペーン」を前倒し実施したり、国民の不安や不満にあまりにも鈍感すぎる』、「輸出管理厳格化・・・に反発した韓国は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会の設置を求めて提訴。WTOは7月29日、小委員会設置を承認」、日本は門前払いを期待していただけに、既に一敗である。「韓国高官はWTOの次期事務局長選に出馬」、というほど影響力が強いのであれば、「小委員会」の結論も楽観できない。「韓国」は国連事務総長を出すほど、外交力は日本より遥かに強いようだ。
・『文在寅「焦り」の原因  ここで頭に入れておかなければいけないことがある。それは文大統領の「焦り」だ。1つは国内世論で、韓国の世論調査会社「リアルメーター」が7月30日発表した調査結果によると、文大統領の支持率は10週ぶりに上昇したとはいえ45.6%にとどまり、不支持率は50.1%に上っている。あれだけ時間と費用をかけて、似合わない「ほほ笑み」を浴びせ続けてきたにもかかわらず、北朝鮮実質ナンバー2の金与正朝鮮労働党第1副部長から完全にフラれてしまい、対北朝鮮政策は座礁に乗り上げている。新型コロナウイルス対策も吹聴しているようには奏功していないのが現実だ。 もう1つは、国際世論にある。米国のドナルド・トランプ大統領は5月、先進7カ国(G7)首脳会議が「時代遅れ」として、G7に韓国やロシア、豪州、インドを招待する意向を表明した。中国との摩擦が激しさを増し、対中共闘で手を組むことをにらんだ動きで、米国のマイク・ポンぺオ国務長官も7月末に「欧州全域のパートナー、インド、日本、韓国、豪州」の名を挙げている。韓国にとって「世界を導くリーダー国の仲間入り」をすることは誇らしいことであり、是が非でも参加したい一大イベントになることは間違いない。その舞台として検討されているのが8月下旬の米国での拡大会合だ』、「G7首脳会議」の議長国は米国だが、日本は欧州と手を組んで「枠組みを維持」に注力すべきだ。
・『“8月戦争”を日本政府はどう乗り切るか  だが、日本政府は「G7そのものの枠組みを維持することは極めて重要だ」(菅官房長官)と韓国の参加には否定的だ。G7の正式メンバーになるためには全参加国の同意が必要で、現状のままなら韓国は「不合格」となる。このため、韓国の青瓦台(大統領府)高官は「隣国に害を与えることになれた日本の一貫して反省しない態度にはもう驚きもしない」「恥知らず」と強く批判したと報じられている。安倍政権と同様に「外交」を売りにしてきた文大統領が対北朝鮮だけでなく、この「一大イベント」で失敗すれば韓国内の失望は計り知れないものになるだろう。 さまざまなことが集中する8月に入り、もはや焦りを隠せない文政権を相手に安倍政権は油断も躊躇も配慮もすることなく、毅然として国際世論戦で勝ち残っていくだけの発信力をつけなければならない。それが国益を守ることであり、「ポスト安倍」の条件にもなることは言うまでもない』、「日本」の「外交」力のなさは本当に情けない。「外交」の世界では「沈黙は負け」である。国際会議の場で、ビジョンを持って、弁舌さわやかに主張できるような人材がいないのも寂しい限りだ。
タグ:日韓関係 東洋経済オンライン Newsweek日本版 プレジデント Digital 麹町 文子 (その11)(韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?、輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下 韓国への企業誘致進む、日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か 徴用工「差押え株式」現金化のツケ) 佐々木和義 「韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?」 文在寅大統領は、官民の協力で核心素材を国産化し危機を克服して、「日本とは違う道歩む」と強調した 半導体関連工場を抱える京畿道は、「脱日本技術独立」を宣言 「脱日本技術独立」に向け「技術開発費」や「設備や運転資金」を「支援」 日本製フッ化水素は12.5%まで低下 1年を振り返ってみて、いずれも大きな支障はなかった 実質的な輸出規制につながらないケースが多かった 輸入額ベースでの供給元の変更は3.35%に過ぎなかった 日本の措置が実質的な輸出規制につながらないケースが多かった 「輸出規制が促した韓国の半導体素材「国産化」 日本企業シェア低下、韓国への企業誘致進む」 日本総合研究所調査部の向山英彦・上席主任研究員 韓国の「脱日本」の動きがはっきりと フォトレジスト サムスン電子が、JSRとベルギー企業との合弁会社からの調達を増やした デュポンが」「韓国でEUV向けフォトレジストを生産する計画を発表した 戻らないフッ化水素の輸入額、韓国の国産化が進む 官民一体の取り組みで予想以上の成果 日本で予想していた以上の成果を上げていると思う 半導体産業の強化に向けて、官民一体の取り組み体制ができつつある 輸出管理強化を契機に国産化が急務となり、大企業と中小企業が協力して開発を進める動きが始まった 結果的には「韓国産業界」の競争力強化につながってしまった 日韓経済の分業体制は崩れるのか 「日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か 徴用工「差押え株式」現金化のツケ」 GSOMIA失効も迫る8月 元徴用工への賠償に絡み、新日鉄住金(現日本製鉄)に資産差し押さえの通知が届いたとみなす公示送達の効力が8月4日に発生し、資産売却(現金化)手続きに入ることが可能になる 「韓国」の「国際世論を誘導」は誠に巧みで、日本政府は一体、何をやっているのだろうと腹が立つ 軍艦島の世界遺産取り消し問題も勃発 私は「軍艦島の世界遺産」登録は、安部首相の復古趣味を満たすだけで、寝た子を起こすとして反対 遺産は「1850年~1910年代」で構成 「遺産は「1850年~1910年代」で構成」との日本側の主張は、形式論に過ぎず、国際的にも通用しないだろう 暴走する文在寅と鈍感な安倍 世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会の設置を求めて提訴。WTOは7月29日、小委員会設置を承認 韓国高官はWTOの次期事務局長選に出馬 文在寅「焦り」の原因 “8月戦争”を日本政府はどう乗り切るか
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日韓関係(その10)(「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由 「南北統一を邪魔して回る日本」 韓国高官が次々と批判の声、韓国・文在寅いよいよ日本と本気で喧嘩へ…8月4日 "全面戦争"に乗り出す構え 「準同盟国」から「準敵国」になるのか) [外交]

日韓関係については、昨年11月30日に取上げた。今日は、(その10)(「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由 「南北統一を邪魔して回る日本」 韓国高官が次々と批判の声、韓国・文在寅いよいよ日本と本気で喧嘩へ…8月4日 "全面戦争"に乗り出す構え 「準同盟国」から「準敵国」になるのか)である。

先ずは、本年4月13日付けPRESIDENT Onlineが掲載した文筆家の古谷 経衡氏による「「韓国が大嫌いな日本人」を、世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/34383
・『欧米人に日韓関係の精通者は少ない  欧米人の中で日韓関係に精通している者は残念ながら少ない。 先の大戦で日本が中国大陸を侵略し、その延長線上でパールハーバーをやったことは知っていても、その間、日韓がどのような関係性であったのかを知る者はやはり少ない。ただし戦前・戦後の日韓関係を「フランスとアルジェリアの関係に似ている」と説明すると得心が行く場合がある。 フランスは北アフリカのアルジェリアを伝統的に植民地支配していたが、フランス本国と同じく併合して県を設置し、その扱いを内国と同等とした。日本の朝鮮支配もこれと似ている。朝鮮総督府を最後まで解散することはなかったが、半島全土を1910年に併合したので本国と同じ内国扱いにした。アルジェリアは戦後、独立戦争を経てフランスから独立。 一方朝鮮半島は日本の敗戦によって強制的に独立(実際は連合国軍統治を経る)した。アルジェリアはいくらその扱いが書類上本国と同様だと言っても、植民地支配をされたという被害者の立場から現在でもフランスと精神的しこりがある。朝鮮・韓国もこれと同様である。「戦前・戦後の日韓関係はフランスとアルジェリアの関係と相似的」というのは、欧米人に現下の日韓関係を伝えるのには乱暴ではあるが手っ取り早い』、「戦前・戦後の日韓関係を「フランスとアルジェリアの関係に似ている」」、確かに上手い比喩だ。
・『いわゆる”保守派”のとんだ勘違い  しかし、いわゆる日本の「保守派」は、国際的な認識として、欧米人の中に「韓国嫌い」が存在すると誤解している。とりわけ世界各地で韓国系市民団体が慰安婦像を設置する動きは2010年代から活発になったが、この問題に関して欧米人は日本の主張の味方をしてくれるものだ、と勝手に勘違いしている。日本の「保守派」の中に強固に存在する朝鮮半島の植民地統治への考え方は、「そもそも朝鮮統治は植民地支配ではない」「朝鮮統治は朝鮮人が自ら望んだもの」という1990年代末から出現した歴史修正主義の亜種で、実際には日本の「保守派」以外、この主張を信じている者は誰もいない。 さらに韓国側や韓国系団体が主張する「従軍慰安婦」については、「彼女たちは単なる売春婦で、(日本)軍に勝手についてきただけの追軍売春婦(*注:日本の保守派による造語)なのだから、謝罪や賠償などをする必要はない」というトンデモで、これが国際的に通用すると信じ込んでいる。 一例を挙げよう。2015年、アメリカの韓国系市民団体がサンフランシスコ市で慰安婦像設置を求めた際、同市でこの問題に関する公聴会が開かれた』、「日本の「保守派」」は国際感覚が欠如した「歴史修正主義」者たちのようだ。
・『日本人のヘイトスピーチに「恥を知れ」  日韓双方から発言者が出たが、日本側からはいわゆる草の根「保守」団体の構成員や自称市民が答弁した。曰く「(韓国側の元従軍慰安婦は)単なる売春婦で、嘘うそつきで、証言は捏造ねつぞうである」。まさしく日本の「保守派」が「従軍慰安婦は単なる売春婦で追軍売春婦」というトンデモ主張をそのままトレースして絶叫したのである。 これに対して同市のデビッド・カンポス市議(同委員)は、日本側出席者のヘイトスピーチを「恥を知りなさい」として一喝。日本側出席者はトンデモ論を繰り返すばかりで、かえって欧米人の心証を著しく悪くした。結局、サンフランシスコ市における慰安婦像設置案はそのまま韓国系市民団体の希望のまま通ってしまった。「従軍慰安婦は捏造で実態は売春婦」などという嘘の発言が、欧米人にも通用するものとして勇んで現地入りした日本の「保守派」が、一顧だにされずに逆に説教をされて完全敗北する。これが欧米人にとっての日韓問題に関する常識的な回答なのである』、「日本側出席者はトンデモ論を繰り返すばかりで、かえって欧米人の心証を著しく悪くした」、「日本側出席者のヘイトスピーチを「恥を知りなさい」として一喝」、せっかくの機会を台無しにした「日本側出席者」を選んだ日本側の一方的な手落ちだ。もっと慎重に適任者を選ぶべきだった。
・『朝日の誤報の有無はそんなに関係ない  それでも日本の「保守派」は、従軍慰安婦報道は朝日新聞による捏造で、欧米人はこれに騙だまされているだけ、という手前勝手な主張を展開している。現在も、である。確かに、著述家・吉田清治による済州島における慰安婦強制連行証言は、早い段階から実証史学者の秦郁彦らによって矛盾や捏造が指摘されていた。結局吉田の証言は完全な作話であると朝日新聞も認めるに至るのであるが、欧米人はこの朝日新聞による誤報があろうとあるまいと、日本軍による従軍慰安婦への戦時性暴力を「認定」して、日本が加害者であるという「常識」を崩していない。 国連の戦時性暴力を扱った「クマラスワミ報告書」では、日本軍の従軍慰安婦問題について多くの元慰安婦から膨大な証言を引用しているが、その中で吉田証言の引用はわずかに2カ所だけである。これを以て日本の「保守派」は、「国連が韓国に騙されている」と主張しているが、吉田証言がなくとも同報告書は十分に成立するので、残念ながら欧米人の有識者は日本の「保守派」の主張を「火星の人面岩」と同等にトンデモ扱いしているか、あるいは考慮するに値しないとして無視している』、こんな大失敗をしたのも拘らず、「日本の「保守派」」が主張を変えてないとは驚くばきことだ。
・『日本の保守派の嫌韓に唖然とする台湾の学生  日本の「保守派」が如何に「従軍慰安婦は売春婦で、日本は韓国統治(朝鮮統治)で良いことをしてやった」と叫んでも、欧米人の認識はまったく動かない。そしてこんな理屈が通用するのは、自閉した日本の「保守サロン」だけで、大学の学部レベルですら同じことを論文にしたら「君は馬鹿か」と言われて即時F(不可)をもらうだろう。実際に同じような趣旨をツイッターで叫んで東京大学特任准教授を解雇された例もあるくらいである。 一方アジアに目を向けると、事情は少し違ってくる。落ちぶれたとはいえ日本はアジア第2位の経済大国であり、地域に与える影響はきわめて大きい。当然周辺諸国は日韓の歴史認識の違いや対立については、欧米人よりもはるかに興味をもってその推移を見守っている。しかしここでも日本の「保守派」による「嫌韓」はまったく支持を得ていない。 筆者が台湾の学生(院生含む)と話したとき、彼らは日本による戦前の台湾統治についておおむね肯定的評価で一致していた。ただしそれは「日本による台湾の植民地統治」という前提を是認していることを踏まえている。「日本の一部右翼は、朝鮮半島の統治がそもそも植民地支配ではない、という言説がまかり通っている」というと、皆一様に「信じられない」という反応で、「日本による朝鮮統治が植民地支配ではないのだとしたら何だというのか」と返す』、「台湾の学生」にも理解されない「日本の「保守派」」の主張は、同じ日本人としても恥ずかしい。
・『なぜフィリピンの慰安婦像は撤去されたのか  台湾の青年知識層に対して、日本の「保守派」による身勝手な嫌韓は全くお話にもならないほど低次元のトンデモと受け入れられている。 同じく隣国のフィリピンではどうか。自治領(比コモンウェルス)やマルコス政権時代を含めると約1世紀にわたるアメリカ従属体制を経験した同国では、民族主義的傾向の強い歴史学者が先の大戦での日本軍の戦いを評価する動きもある。しかし、「大日本帝国は朝鮮と台湾を植民地統治していた」という歴史事実は揺るぎがないほど普遍的認識として共有されており、「日本軍による戦時性暴力」についても日本の「保守派」の味方をする気配はない。ただし在比華人団体の支援により2017年にマニラ市に設置した慰安婦像は翌年撤去されている。これは比政府が「従軍慰安婦は単なる売春婦」という日本の「保守派」の身勝手な主張を認めたものではなく、経済的に影響力が強い日本政府の遺憾の意を考慮したものと推察される』、「フィリピンの慰安婦像は撤去された」のは、「日本の「保守派」の身勝手な主張を認めたものではなく、経済的に影響力が強い日本政府の遺憾の意を考慮したもの」、ありそうな話だ。
・『一貫して敗北し続ける「歴史戦」  日本の「保守派」は、2010年代前半から、こういった特に日韓関係における日本側(保守派)の主張を国際社会に受け入れさせることを「歴史戦」という呼称を用いて正当化させようとしている。例えば自民党の杉田水脈代議士は、下野時代この運動の最前線にいたが、ことごとく敗退した。なぜなら日本の「保守派」が唱える「歴史戦」が、あらゆる意味で基礎的歴史事実に基づいていないからである。現在、対日感情が比較的良い隣国である台比両国でも、「朝鮮統治はそもそも植民地支配では無かった」とか「従軍慰安婦は売春婦だった」などのトンデモは論外として全く受け入れられていない。 しかし日本の「保守派」は、日本国内の学部レベルですら論外とみなされる異様な主張を、サンフランシスコやヨーロッパでも壊れた機械のように繰り返し絶叫し、そのたびにファクトを述べる韓国側の主張が皮肉にもあぶり出される格好となり、敗北を続けている。「歴史戦」と自称しているのに、一貫して敗北し続ける戦線も珍しい。欧米人を含めた国際社会に日本の「保守派」による「嫌韓」が共感を持って迎えられる日は恐らく永遠に来ないであろう』、「日本の「保守派」は・・・異様な主張を、サンフランシスコやヨーロッパでも壊れた機械のように繰り返し絶叫し、そのたびにファクトを述べる韓国側の主張が皮肉にもあぶり出される格好となり、敗北を続けている」、反省や自省をせずに「繰り返し絶叫」するとは、とうてい正気とは思えない。自己満足のためとしても、海外で恥を晒すのはいいかげんにしてほしいものだ。

次に、6月15日付け日経ビジネスオンラインが掲載した中部大学特任教授(元・経済産業省貿易管理部長)の細川昌彦氏による「対韓国の輸出管理問題が再燃? 「米中の代理戦争」という誤解」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00036/?P=1
・『韓国に対する輸出管理問題が再燃か?! 韓国は6月2日、日本の韓国に対する輸出管理の厳格化措置について世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを再開すると発表した。この問題になると、なぜか臆測、邪推が飛び交って事実がゆがむ・・・。激化する米中の半導体戦争に影響されて、「米中の代理戦争」だとのコメントもメディアで喧伝(けんでん)される。ストーリーとしては面白いが、事実は異なる』、最適任者の「細川氏」の見解とは興味深そうだ。。
・『真逆の臆測や見立てが飛び交う  簡単に経緯を振り返ってみよう。 2019年7月、日本は韓国に対して半導体関連の3品目の輸出管理を厳格化するとともに韓国を優遇する「ホワイト国」から除外した。韓国はいわゆる元徴用工問題に対する報復だとして同年9月にWTOに提訴。軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄もちらつかせて撤回を求めた。しかし同年11月、米国が韓国に強い圧力をかけてGSOMIA失効を停止させた。韓国はWTO提訴の手続きも中断し、輸出管理の問題は日韓当局間が局長級の政策対話をすることとなった。 当時、ある大御所評論家はテレビでこうコメントした。「米国が日韓双方に圧力をかけて7月以前に戻せということ。すなわち韓国のGSOMIA破棄と日本の輸出管理措置の双方をチャラにさせた」 韓国は国内向けのメンツから、GSOMIAと輸出管理をリンクさせ、米国が日韓双方に調停したように見せようと必死だった。そんな韓国をぬか喜びさせかねないコメントに、私は率直に「邪推だ」と指摘した。その後の日本の輸出管理の動きを見れば、これが邪推であったことは明らかだ。 当時、米国の外交当局が「米中対立のさなかに、日韓があまりいがみ合ってほしくない」との姿勢であったのは間違いない。しかしそこから「日韓双方に圧力をかけた」とするのは飛躍した臆測だ。 そして今度は韓国問題に詳しい論者などから真逆の臆測が飛び出している。 「半導体を巡る米中の激しい争いの中で、米国は韓国から中国への半導体材料の横流しの事実をつかんで、これを抑えるべく、日本に韓国への輸出を止めさせた」というものだ。日韓の輸出管理問題を「米中代理戦争」と断じている。 最近、米国において中国の半導体生産への警戒感が高まっている中で、もっともらしいストーリーとして面白いが、これも事実ではない。当時の輸出管理問題に対する米国の姿勢とは明らかに矛盾する。 「米中央情報局(CIA)などから中国への横流しの事実を伝えられて輸出管理の厳格化に至った」と、まことしやかに語られるが、事実はそうではない。経産省は輸出者への立ち入り検査で輸出者のずさんな管理の実態を把握できる。何でも米国の諜報(ちょうほう)情報に依存していると決めつけるのは間違いだ。 さらに最近の米国による中国ファーウェイ制裁強化の結果、台湾の半導体メーカー・台湾積体電路製造(TSMC)に代わって、韓国のサムスン電子がファーウェイに半導体を供給するとのコメントもある。これも事はそう単純ではない。そもそも米国の規制の網はサムスン電子にもかかり、サムスン電子は米中の板挟み状態だ。しかもファーウェイはスマホ、携帯でサムスン電子にとってライバル企業でもある。単純に「中国の代理」というわけにはいかないのだ。 さまざま論者たちによってこうした真逆の臆測や見立てが飛び交うのは、輸出管理への理解不足から来ているようだ』、世間の「誤解」を解いてほしいものだ。
・『「半導体3品目」と「ホワイト国」を巡る誤解の数々  これまでも、しばしば誤解を解いてきたが、簡単におさらいしよう。 まず日本の措置は半導体関連の3品目を個別許可にした措置と韓国をホワイト国から外した措置の2つあり、分けて考えなければいけない。これらを混同している論者がいかに多いことか。 結論を言えば、前者は輸出者に着目したもので、元に戻るのは輸出者の改善次第で時間の問題だ。他方、後者は相手国に着目したもので、韓国の輸出管理が信頼できると判断するまで当分の間続くだろう。相手国が信頼できなければその輸出管理が信頼できないのは当然だ。 前者に関して、当時「不適切な事案」が発生していたことを覚えているだろうか。日本から韓国に輸出したものがずさんな管理で、そのうち相当量が行方不明になっていた事案が頻繁に発生していたのだ。これらは輸出者に対して立ち入り検査することによって発覚する。中国であれどこであれ、相当量が行方不明になっていることだけで、国際的に輸出管理上「不適切」となる。 逆に輸出者が改善して管理をきっちりした取引が積み上がってくると、元に戻して簡便な手続きの包括許可を認めるのが筋だ。現に着実にそうなりつつあるので、解決は時間の問題だ・・・。 これに対して後者の「ホワイト国」については、相手国の輸出管理が信頼できるかどうかの問題だ。当局者間の意思疎通といった信頼関係があることが不可欠だ。韓国は輸出管理体制の脆弱や法制度の不備といった日本がこれまで指摘していた点について対策を講じてきたのは事実だ。ただしそれだけでは足りない。形だけでなく、運用が実効的かきちっと見極めて、日本が信頼できると評価するかどうかだ。 そして根本的な点は、いずれも日本が輸出国の責任で判断するもので、相手国と交渉する性格のものではないということだ。「韓国に譲る、譲らない」という性格のものではない』、さすがクリアーな説明だ。。
・『韓国はなぜ勝ち目がないWTO提訴に突き進むのか?   茂木敏充外相は6月2日、「当局間で対話が継続してきたにもかかわらず韓国が一方的に発表したことは遺憾だ」と述べた。確かに日韓の当局者間の対話を通じての理解は進んでいた。 しかしいくら日本のカウンターパートと対話して理解が進んでも、文政権はそんなことお構いなしの決定をするのが今の韓国だ。その背景については諸説ある。 4月の総選挙に大勝して、対日政策もより“無謀”になるとの見立てもある。北朝鮮が南北関係の緊張を高め、国内経済の深刻度が増している状況で、国内政治的に「日本に負けない姿」が欲しいのかもしれない。 あるいは、いわゆる元徴用工訴訟でこの夏以降、差し押さえた資産を現金化する手続きが進む可能性が出てきたこととの関連だ。個別許可のままだと、日本から恣意的運用で報復されかねないので、その前に決着しておきたかったというものだ。 またあるテレビ番組では「世界保健機関(WHO)のように、WTOも中国の影響力が強まっているので、それを韓国は期待しての対応だ」と驚きのコメントをする人もいる。WTOの審査の実態も知らずに、このような稚拙な発言まで垂れ流されている。 いずれにしても明らかに“無理筋の決定”だ。(WTO違反にはならないことは「補足解説3:誤解だらけの『韓国に対する輸出規制発動』」を参照)。 「日本に譲歩を迫る戦術」との報道もあるが、脅しにもならず的外れだ。逆に譲歩と見られかねないので、かえって日本は動きづらくなる。せっかく再開した対話も続けにくい。こうした冷静な判断をできないのが今の韓国だ。いずれにしても日本は国際世論対策には抜かりがあってはならない』、「日本は国際世論対策には抜かりがあってはならない」、その通りだが、頼りない気も残る。
・『「半導体産業に大打撃」だったのか?  昨年7月に日本が輸出管理の厳格化を打ち出したとき、“有識者”やメディアは「韓国の半導体産業に大打撃」「個別許可で恣意的運用も」と騒いでいた。こうした日本の報道を受けて韓国が猛反発した面も否めない。こうした報道は厳しく検証されるべきだろう。 これは輸出管理への無理解からくるもので、私は当時から「空騒ぎだ」と指摘してきた・・・。 現に韓国とのまともな取引に支障は出ていない。その結果、韓国の半導体輸出量を見ても、ほとんど影響を与えていない(以下の図を参照)。「韓国に制裁をすべきだ」との思いの人々にとって不満かもしれないが、それが「輸出管理」であり、「輸出規制」ではないゆえんだ。わざわざ「輸出規制」と呼んでいる報道は意図的に事実をゆがめるものだ。 日本による輸出管理の厳格化を受けて、韓国は脱日本依存を掲げて、半導体生産に不可欠な3品目について国産化を急いだ。例えば、これまで日本企業からは高品質のフッ化水素を安定的に供給されていた。こうした高純度品の国産化は難しいので、多少の歩留まりの低下を覚悟して、低純度品でも何とかしのげる生産工程では一部を国産品に切り替えた。さらに日本企業に対しては可能ならば日本以外の工場から供給するよう要請もしている。その結果、日本企業による韓国向けフッ化水素の輸出は減少している。 これらはサムスン電子など韓国企業が経済合理性を犠牲にしてでも、リスク分散を図った結果だ。ただこれをもって「日本の措置は日本企業にしわ寄せがいっただけだ」と評するのは当たらない。問題の一端は、日本企業自らのずさんな管理にもある。引き金になったのは事実だが、韓国はこれまでも脱日本依存を掲げて政策的に国産化を進めようとしてきた。それを加速したかもしれないが、時間の問題ともいえる。大事なことは技術流出を阻止して、高品質なものは日本企業に依存せざるを得ない状況をいかに維持するかだ。 米中対立を背景に、日本も脱中国依存を掲げてサプライチェーンの国内化を進めている。これまで一体化の方向で進展してきた東アジアのサプライチェーンも既に大きく逆方向に回り始めている。日本企業もこれまで通りのビジネスを前提にできない経営環境なのだ』、確かにグルーバル化への見直し、「技術流出を阻止」、「これまで一体化の方向で進展してきた東アジアのサプライチェーンも既に大きく逆方向に回り始めている」、今後の展開を見守りたい。

第三に、6月25日付けJBPressが掲載したジャーナリストの李 正宣氏による「ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由 「南北統一を邪魔して回る日本」、韓国高官が次々と批判の声」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61063
・『米国・国家安全保障問題担当補佐官として至近距離から見守ったトランプ大統領の首脳外交秘話を思いっきり暴露したジョン・ボルトン氏の回顧録『それが起きた部屋』(The Room Where It Happens)に対する韓国社会からの糾弾が絶えない。トランプ大統領とホワイトハウスの政策失敗を批判したのが回顧録の主な内容だが、その中に米朝首脳会談と米韓首脳会談など、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権にとって敏感な内容も多数含まれているためだ。 中央日報によると、本書には文在寅大統領を意味する「MOON」という単語が153回も登場しており、朝鮮半島関連の技術部分ではトランプ大統領に劣らず、韓国の文在寅大統領と鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府安保室長を辛らつに批判しているという』、「ボルトン氏の回顧録」が「韓国」にも波紋を起こしたとは興味深い。
・『ボルトン回顧録で韓国で高まる反日機運  だが韓国で同書が起こした波紋はそれだけではない。回顧録の中身として、米朝首脳会談をめぐる日本の否定的な態度や、米朝間の終戦宣言を安倍晋三首相が引き止めたという内容があると報じられたことで、韓国の与党やメディアは連日、ボルトン氏はもちろん、日本に対する激しい糾弾が続いているのだ。 「ネオコン・ボルトンの手管や日本の妨害によって、70年間の分断を終え、韓半島統一への歴史的転換となる千載一遇の機会が消えたという、実に嘆かわしい真実が残念だ」 「米国のネオコンと日本の主張は一致する。ネオコンや日本と手を組む(韓国内の)土着分断勢力が、韓半島の平和と繁栄を妨害する『三大分断勢力』であることが明らかになった」 朝鮮戦争70周年を翌日に控えた24日、韓国与党の共に民主党の最高委員会議で、金泰年(キム・テニョン)院内代表はボルトン氏と日本をこのように非難した』、ありそうな話だ。
・『「文大統領の半島平和外交を執拗に妨害してきた日本」  さらに国会の外交統一委員長を務める宋永吉(ソン・ヨンギル)議員も21日、自身のフェイスブックで、こう怒りを爆発させた。 「日本は、韓半島の平和よりは政治的・軍事的対立と緊張が、韓国と北朝鮮の統一よりは分断が自分たちの利益と合致し、それのために初志一貫行動していることを、ボルトン元国家安全保障担当補佐官が書いた回顧録で改めて確認した」 「第2次世界大戦の敗戦国である日本が、韓国戦争(朝鮮戦争)で国家再建の基礎を築いたことからも、韓半島の平和が日本の利益と衝突することがわかる」 「ハノイでの北朝鮮と米国の会談の決裂を聞いて欣喜雀躍した日本、やはり韓半島の平和が不満なボルトンらの米国強硬派の画策が、ハノイ会談を破局に導いた」 日本批判の声はまだある。韓国外交通商部(外交部)付属の国策研究機関である「国立外交院」の金俊亨(キム・ジュンヒョン)院長は23日、あるラジオに出演し、「ボルトンもボルトンだが、(回顧録で)日本の実態がそのまま露呈された」と語った。 彼は「これだけではない。私は過去2年間ずっと話を聞いてきた。文在寅大統領が欧州を訪問したらすぐに日本がついてきては『親北朝鮮左派の話に気をつけよ』と言いまわるなど、(韓国に)付きまといながら仲違いしたほどだった」と、日本が文大統領の朝鮮半島平和外交に対して執拗な妨害活動をしてきたと指摘した』、「ハノイでの北朝鮮と米国の会談の決裂を聞いて欣喜雀躍した日本、やはり韓半島の平和が不満なボルトンらの米国強硬派の画策が、ハノイ会談を破局に導いた」、これもありそうな話だ。ただ、「文在寅大統領が欧州を訪問したらすぐに日本がついてきては『親北朝鮮左派の話に気をつけよ』と言いまわるなど、(韓国に)付きまといながら仲違いしたほどだった」、本当だろうか。
・『「日本は南北統一を恐れている」の思いに確信を与えたボルトン回顧録  ニュースエージェンシーの連合ニュース系列のケーブルテレビ局「YTNニュース」は23日、「ソウルの幸福感を破りたかった?・・・日本の組織的妨害」というリポートで、ボルトン氏の回顧録の内容を次のように分析している。 <今日は、ジョン・ボルトン氏の回顧録の中で、日本が韓半島和平体制の構築をどのように妨害したのかという部分を見てみたいと思います> <南北首脳会談、米朝首脳会談の推進で疎外されていた日本としては、北朝鮮と米国の交渉妥結内容に日本の要求をなんとか取り入れたり、交渉が決裂したりするように踏み込もうとしたのです> <ジョン・ボルトンは、韓半島の非核化を大韓民国の仲裁と外交で解きたくありませんでした。北朝鮮のすべての力を奪って、悩みの種を事前に除去し、米国の影響圏に置くのが目標でした> <南北が平和体制に入り、北東アジアで巨大な力を育てることを阻止したかった日本と米国の覇権主義者のボルトンは、そのように意気投合したのです> 多くの韓国人、特に文在寅政権支持勢力は、朝鮮半島の平和に最も邪魔になる存在が日本と考えている。南北が統一を果たし、経済力や国際的地位の面で日本を超えることを日本が恐れ、南北の和解を妨害しているというのが彼らの主張だ。 今回のボルトンの回顧録の内容は、彼らに「自分たちの見解が決して間違っていない」という確信を与えただろう。韓国の保守系マスコミからは、ボルトンの回顧録によって米韓同盟が揺さぶられることを憂慮する見解が多いが、悪化の一途をたどっている日韓関係も、ボルトンの回顧録に少なからぬ影響を受けるものと見られる』、「南北が平和体制に入り、北東アジアで巨大な力を育てることを阻止したかった日本と米国の覇権主義者のボルトンは、そのように意気投合したのです」、地政学的にも納得できる話だが、「日韓関係」をさらに「悪化させる」とすれば、困ったことだ。

第四に、7月10日付けプレジデント Digitalが掲載した政経ジャーナリストの麹町 文子氏による「韓国・文在寅いよいよ日本と本気で喧嘩へ…8月4日、"全面戦争"に乗り出す構え 「準同盟国」から「準敵国」になるのか」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/36921
・『文在寅「日韓8月開戦」へ動き出す  いまや「KY(空気が読めない)大統領」との呼び声高い韓国の文在寅大統領が、いよいよ本気で日本とケンカするつもりのようだ。国内批判が高まった時は歴史問題を巧みに利用した外交に活路を見いだすのがパターンとなっているが、握りしめている今回のカードもそれにはまる。 2018年10月に韓国の最高裁にあたる大法院が新日鉄住金(現日本製鉄)に元徴用工への賠償を命じ、同社に資産差し押さえの通知が届いたとみなす公示送達の効力が8月4日に発生するのを皮切りに「全面戦争」に乗り出す構えだという。韓国の裁判所は差し押さえた資産を強制的に売却し、賠償する命令を下すことができるため、期限まで残り1カ月を切る中で日韓間の緊張は高まっている。 文大統領は「司法の判断」とうそぶいているようだが、そもそも1965年の日韓請求権協定で解決済みの話であるのは言うまでもない。さて、日韓「8月開戦」の行方はどうなるのだろうか。 「関連する司法手続きは明確な国際法違反だ。差し押さえ資産の現金化は深刻な状況を招くため避けなければならず、韓国側に繰り返し指摘している」 日頃は温厚な菅義偉官房長官は6月4日、文大統領による執拗な挑発行為に対し、さすがに強い口調でこう警告した。日本政府内では、仮に韓国が現金化を実行した場合の報復措置として、輸出規制や韓国製品の関税引き上げ、送金制限などに踏み切ることを検討している』、「公示送達の効力が8月4日に発生するのを皮切りに「全面戦争」に乗り出す構え」、やれやれだ。ただ、日本側の「報復措置」は頼りなさそうだ。
・『文政権で日本にとって「準同盟国」だった韓国は「準敵国」に  これまでの言動に対しては「無視」してきた日本政府だが、文大統領の最近の横暴ぶりを見れば報復を検討するのも無理もない。日本が安全保障上の理由から昨年7月に踏み切った韓国への輸出管理強化をめぐり、韓国は世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会の設置を求めて提訴。 今月6日からスイスで始まったWTOの会合で、韓国側は「日本の措置には正当な理由がなく、すべて無効だ」と主張し、小委員会での審理を求めている。竹島に慰安婦、元徴用工……。隣国にいさかいは尽きないものかもしれないが、モグラたたきのように解決しては出てきて、また解決しては出てくるというのではキリがない。 残念ながら文大統領を見る日本の外交・防衛当局者の視線は甘くないようで、2010年から約2年間、駐韓大使を務めた武藤正敏氏は著書「日韓両国民を不幸にする文在寅という災厄」で、文政権をこう評している。『日本にとって事実上「準同盟国」だった韓国を、残念ながら「準敵国」と捉えてもおかしくない存在にした』。 外務省きっての韓国通として知られる武藤氏は、文政権の特徴として①現実無視②二枚舌③無謬性と言い訳④国益無視⑤無為無策の5つをあげ、「見たいことしか見ず、見たくないことは無視してしまう」「時と場合において言うことが違う」などと厳しく批判している。 日本による輸出管理の厳格化に伴い韓国の主要産業である半導体の原材料に影響が出て、不振に陥っていると素直にいえば話し合う場も見つかるというものだが、そこで逆ギレしてしまうのは武藤氏が指摘する「見たいことしか見ず、見たくないことは無視してしまう」という性質のあらわれなのだろう』、「駐韓大使を務めた武藤正敏氏」が「文政権で日本にとって「準同盟国」だった韓国は「準敵国」に」と指摘しているとは深刻だ。
・『韓国の大統領はとにかく前政権を否定する  誤解を恐れずに言えば、これが国際社会の抱いている現実ではないか。かつて日本にも米紙から「ルーピー(愚か者)」と評された民主党政権の鳩山由紀夫総理が誕生し、米軍普天間飛行場の移設問題で日米関係を迷走させたことに国内外の批判が高まったことがある。 日米両国間で積み上げてきた沖縄県名護市辺野古への移設ではなく、県外移設にこだわり、総理退任後にはソウルで朝鮮半島統治をめぐり土下座して謝罪するなど、そのパーソナリティには注目が集まった。ただ、その鳩山氏も最終的には「学べば学ぶにつけ、沖縄の米軍が連携して抑止力を維持している」と軌道修正を図り、県外移設を断念している。 「古今東西、政権交代とはそういうもの」と語るのは簡単だが、5年間の任期という「ワンチャン」に縛られる韓国の大統領はとにかく前政権を否定するところから始まるのだから手に負えない。 文大統領は、前任者である朴槿恵氏が憲法裁判所に罷免され、逮捕されたことに伴い誕生したが、その朴政権時代に日本政府と「最終的かつ不可逆的解決」であると確認し、慰安婦問題の決着を図った国家と国家との合意事項もひっくり返す。竹島についても、いつの間にか領土の話から歴史問題へとすり替えてしまう。そうした言動を繰り返していては、国の「信頼度」が毀損し、あらゆる国から「キワモノ国家」として扱われるのは必然である』、「あらゆる国から・・・」は、「麹町氏」の希望的観測的色彩が濃厚だ。
・『北朝鮮にとって文政権は信頼できない相手  「確実に南朝鮮(韓国)と決別する時が来た」 北朝鮮の朝鮮中央通信が金与正朝鮮労働党第1副部長の「断絶談話」を発表した6月13日以降、文大統領の動揺ぶりはまるで恋人にフラれたかのように痛すぎるものだった。韓国・平昌五輪の開会式で握手を交わして笑顔を見せ、ソウルで北朝鮮芸術団の公演を楽しそうに与正氏と観覧したのはわずか2年半前のこと。互いに国の代表とはいえ、その立場も年齢の差も感じさせないほどのムードに包まれたはずだった。 文大統領は「過去の対決時代に戻そうとしてはいけない」「平和と統一の道を一歩ずつ進まなければならない」と再接近を求めているが、与正氏は「嫌悪感を禁じ得ない」と一蹴。特使派遣も拒絶されるなど、大統領就任後3年あまり費やしてきた融和の道はアッという間に閉ざされてしまった。 諦めきれない様子の文大統領は統一相や国家安保室長、国家情報院長などのポストを刷新して北朝鮮との関係をより重視する姿勢を見せ、7月7日から韓国に「ドラえもん」役である米国のスティーブン・ビーガン国務副長官を招くカードを切ったが、それも北朝鮮側から「未熟」と断じられる始末。北朝鮮からすれば、ジョン・ボルトン前米大統領補佐官が著書で暴露したように対北軍事オプションを米国と協議している文大統領は信頼できる相手とはいえないということだろう』、「北朝鮮側」にとっては、トランプとの首脳会談で、事前に「文大統領」から聞いていたトランプの姿勢が実際には、大きく違っていたため、会談が合意に至らなかったという恨みもあるようだ。
・『同盟国・アメリカの評価も辛辣  過激漫画もびっくりの罵詈雑言を韓国に浴びせる与正氏の語彙力にも注目が集まっているが、同盟国である米国も韓国への評価は辛辣だ。それを端的に示している例としては、ボルトン氏による文大統領批判に加え、バラク・オバマ政権で国防長官を務めたロバート・ゲーツ氏の証言があげられる。ゲーツ氏は著書「イラク・アフガン戦争の真実」で、文大統領が流れを汲む廬武鉉元大統領について「少し頭がおかしいと思った。彼には、アジアにおける安全保障の最大の脅威は米国と日本だと言われた」と明かしている。2019年4月の訪米時、トランプ大統領は文大統領との首脳会談をたったの「2分間」で終わらせたのは記憶に新しい。 文大統領はその一方で、アジアの「ジャイアン」役である中国にはペコペコし、米国への牽制にも一役買ってしまう始末だ。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、さすがに中国人の入国禁止措置を「実効的ではない」と回避した際には「中国の大統領のようだ」などと批判され、大統領弾劾を求める請願に賛同が集まったが、もはやどこを向いて職務を果たしているのか分からなくなる』、「文大統領」が「トランプ大統領」から軽視され、「中国にはペコペコし」、「中国人の入国禁止措置を「実効的ではない」と回避した際には「中国の大統領のようだ」などと批判」、最後の点は初めて知った。
・『文大統領、そろそろ正直者になってみませんか  さて、その文大統領の支持率は下げ止まる気配を見せていないようだ。同国の世論調査会社「リアルメーター」が7月6日発表した調査結果によると、支持率は6週連続で下落し、40%台に落ち込んだ。いまだ4割超の支持があるとはいえ、2017年5月の大統領就任当初は8割を超える高支持率でスタートしており、韓国国民が抱いていた淡い期待は半減した形だ。 南北関係の悪化に伴い開城にある南北共同連絡事務所の爆破や統一相の辞任などが続き、南北融和を進めてきた文大統領への不満が高まっていると見られている。日本からは正論で反撃され、頼みの綱である米国もつれない。だが、その時々で物事をひっくり返す「シーソーゲーム」好きの大統領はなぜ嫌われているのかさえも理解できていないように映る。 文大統領の任期満了まで、あと2年。日本との「開戦」をご希望のようだが、本当にそれを貫く胆力と能力はあるのか。コロナ禍で苦しむ日韓両国の国民のみならず世界中を振り回すパフォーマンスだけは控えた方が良い。大統領の無茶ぶりが韓国に甚大なダメージをもたらすのは自明だろう。「出木杉君」になってほしいとは思わない。せめて、「のび太君」に。文大統領、まずは正直者になるところから出直してみませんか』、同感だが、期待できそうもなさそうだ。
タグ:日韓関係 歴史修正主義 日経ビジネスオンライン JBPRESS PRESIDENT ONLINE 細川昌彦 古谷 経衡 プレジデント Digital (その10)(「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、「韓国が大嫌いな日本人」を 世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」、ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由 「南北統一を邪魔して回る日本」 韓国高官が次々と批判の声、韓国・文在寅いよいよ日本と本気で喧嘩へ…8月4日 "全面戦争"に乗り出す構え 「準同盟国」から「準敵国」になるのか) 「「韓国が大嫌いな日本人」を、世界はどのように見ているのか 一貫して敗北し続ける「歴史戦」」 欧米人に日韓関係の精通者は少ない 戦前・戦後の日韓関係を「フランスとアルジェリアの関係に似ている」と説明すると得心が行く場合がある いわゆる”保守派”のとんだ勘違い 日本人のヘイトスピーチに「恥を知れ」 日本側からはいわゆる草の根「保守」団体の構成員や自称市民が答弁した。曰く「(韓国側の元従軍慰安婦は)単なる売春婦で、嘘うそつきで、証言は捏造ねつぞうである」。まさしく日本の「保守派」が「従軍慰安婦は単なる売春婦で追軍売春婦」というトンデモ主張をそのままトレースして絶叫 同市のデビッド・カンポス市議(同委員)は、日本側出席者のヘイトスピーチを「恥を知りなさい」として一喝 日本側出席者はトンデモ論を繰り返すばかりで、かえって欧米人の心証を著しく悪くした 慰安婦像設置案はそのまま韓国系市民団体の希望のまま通ってしまった せっかくの機会を台無しにした「日本側出席者」を選んだ日本側の一方的な手落ちだ 朝日の誤報の有無はそんなに関係ない 日本の保守派の嫌韓に唖然とする台湾の学生 なぜフィリピンの慰安婦像は撤去されたのか 日本の「保守派」の身勝手な主張を認めたものではなく、経済的に影響力が強い日本政府の遺憾の意を考慮したもの 一貫して敗北し続ける「歴史戦」 異様な主張を、サンフランシスコやヨーロッパでも壊れた機械のように繰り返し絶叫し、そのたびにファクトを述べる韓国側の主張が皮肉にもあぶり出される格好となり、敗北を続けている 「対韓国の輸出管理問題が再燃? 「米中の代理戦争」という誤解」 真逆の臆測や見立てが飛び交う 「半導体3品目」と「ホワイト国」を巡る誤解の数々 韓国はなぜ勝ち目がないWTO提訴に突き進むのか? 「半導体産業に大打撃」だったのか? これまで一体化の方向で進展してきた東アジアのサプライチェーンも既に大きく逆方向に回り始めている 李 正宣 「ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由 「南北統一を邪魔して回る日本」、韓国高官が次々と批判の声」 ジョン・ボルトン氏の回顧録『それが起きた部屋』 ボルトン回顧録で韓国で高まる反日機運 ネオコン・ボルトンの手管や日本の妨害によって、70年間の分断を終え、韓半島統一への歴史的転換となる千載一遇の機会が消えた 文大統領の半島平和外交を執拗に妨害してきた日本 ハノイでの北朝鮮と米国の会談の決裂を聞いて欣喜雀躍した日本、やはり韓半島の平和が不満なボルトンらの米国強硬派の画策が、ハノイ会談を破局に導いた 文在寅大統領が欧州を訪問したらすぐに日本がついてきては『親北朝鮮左派の話に気をつけよ』と言いまわるなど、(韓国に)付きまといながら仲違いしたほどだった 「日本は南北統一を恐れている」の思いに確信を与えたボルトン回顧録 麹町 文子 「韓国・文在寅いよいよ日本と本気で喧嘩へ…8月4日、"全面戦争"に乗り出す構え 「準同盟国」から「準敵国」になるのか」 文在寅「日韓8月開戦」へ動き出す 新日鉄住金(現日本製鉄)に元徴用工への賠償を命じ、同社に資産差し押さえの通知が届いたとみなす公示送達の効力が8月4日に発生 日本政府内では、仮に韓国が現金化を実行した場合の報復措置として、輸出規制や韓国製品の関税引き上げ、送金制限などに踏み切ることを検討 文政権で日本にとって「準同盟国」だった韓国は「準敵国」に 駐韓大使を務めた武藤正敏氏 韓国の大統領はとにかく前政権を否定する 北朝鮮にとって文政権は信頼できない相手 同盟国・アメリカの評価も辛辣 文大統領、そろそろ正直者になってみませんか
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日中関係(その4)(習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由 魂胆は「天皇の政治利用」、新型肺炎から垣間見えた 対中・半導体ビジネスの危うさ「中国製造2025」にどう向き合うか、大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 香港・国家安全法への対処が外交の試金石に) [外交]

日中関係については、2018年11月6日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その4)(習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由 魂胆は「天皇の政治利用」、新型肺炎から垣間見えた 対中・半導体ビジネスの危うさ「中国製造2025」にどう向き合うか、大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 香港・国家安全法への対処が外交の試金石に)である。

先ずは、昨年11月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した国際関係アナリストの北野幸伯氏による「習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由、魂胆は「天皇の政治利用」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/221300
・『来春に予定されている習近平の「国賓訪日」に、反対の声が上がっている。佐藤正久前外務副大臣は11月11日、「香港問題」「邦人拘束問題」「尖閣問題」「日本食品の輸入規制問題」を挙げ、「4つのトゲを抜かないと国賓というわけにはいかない」と述べた。40人の自民党議員が参加する「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事・青山繁晴参議院議員)も、同じ理由で反対を表明した。筆者も、習近平の国賓訪日に反対している。なぜなら、中国は天皇を政治利用した過去があるからだ』、当初は桜の咲く頃としていた「国賓訪日」は、新型コロナウィルス感染拡大により、年内は困難になったようだ。
・『米中戦争の最中に中国に接近する日本  筆者が習近平の国賓訪日に反対する理由は4つある。 1番目の理由は、中国への過度の接近が、同盟国である米国との関係を破壊するからだ。日本人はほとんど意識していないが、世界は2018年から「米中覇権戦争の時代」に突入している。トランプは2018年7月、8月、9月と、連続して中国製品への関税を引き上げた。これで、世界は「米中貿易戦争が始まった」と認識した。 そして、同年10月、ペンス大統領がハドソン研究所で行った「反中演説」後、「米中新冷戦」という用語が世界中で使われるようになった。 問題は日本政府の動きだ。安倍首相は2015年4月、米国における議会演説で、以下のように演説した。(太線筆者、以下同) <米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。米国と日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。希望の同盟――。一緒でなら、きっとできます。> 非常に感動的なスピーチで、結果、日米関係は劇的に改善された。しかし、今となっては、「口だけ」と批判されても仕方ない状況になっている。というのも、米国が中国に「宣戦布告」した直後から、日中関係は「劇的」といっていいほど改善されている。 戦争の最中に、同盟国が敵国に接近する行為を一般的に何というだろう?そう、「裏切り」である。日本は中国に急接近することで、同盟国米国を「裏切って」いるのだ。 それで、米国の日本への態度も変わり始めた。トランプは、大統領就任後封印していた「日米同盟破棄論」や「同盟不平等論」を、再び主張し始めている』、「米国が中国に「宣戦布告」した直後から、日中関係は「劇的」といっていいほど改善されている」、「中国」からすれば当然の行動だ。それにいい気になって、トランプを怒らせたのであれば、如何にもまずい。
・『人権侵害国家のトップと天皇陛下の談笑シーンは悪夢だ  10月22日に行われた天皇陛下の「即位礼正殿の儀」には、世界各国から国王、王妃、大統領、首相などが集結した。しかし、米国が派遣したのは「運輸長官」だった。 もともとペンス副大統領が出席する予定だったが、意図的に「格下」の大臣を送ってきたのだ。日本政府は、米国政府の「シグナル」に気がついて、中国への接近を止めなければならない。 2つ目の理由は、「ウイグル問題」だ。中国は昔から「人権侵害超大国」だった。しかし、米国はこれまで、この国の人権を問題視することはほとんどなかった。「チャイナマネー」が欲しかったからだろう。だが、「米中覇権戦争」が始まったので、中国の人権問題がクローズアップされるようになってきた。 その最たるものが「ウイグル問題」だ。具体的には、中国政府がウイグル人約100万人を強制収容所に拘束していること。これは、米国の対中「情報戦」に利用されているが、「事実」でもある。 <国連、中国政府がウイグル人100万人拘束と批判 BBC NEWS JAPAN 2018年09月11日 中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人を約100万人、テロ取り締まりを「口実」に拘束していると、国連は懸念を強めている。国連人種差別撤廃委員会は8月末、最大100万人のウイグル人住民が刑事手続きのないまま、「再教育」を目的とした強制収容所に入れられているという指摘を報告した。 8月半ばにスイス・ジュネーブで開かれた同委員会の会合では、信頼できる報告をもとに中国政府が「ウイグル自治区を、大規模な収容キャンプのようにしてしまった」と委員たちが批判。> 日本政府は、21世紀の現在、中国でナチスドイツやスターリン時代のソ連のような人権侵害が行われていることを問題視すべきだ。 習近平が訪日する頃、この問題は、もっと盛り上がっているだろう。そして、天皇陛下が、100万人を拘束する国の独裁者と談笑する映像が、世界に配信される。「日本国の天皇は、独裁者と歓談している」と非難されることは容易に想像できる。そうなった時、天皇陛下にはもちろん何の非もない。非難されるべきは、会談を設定した日本政府だ』、「人権侵害国家のトップと天皇陛下の談笑シーンは悪夢だ」、その通りだ。
・『中国政府は昔から天皇を政治利用してきた  しかし、国際社会は、そのようには受け取らず、「天皇が自らの意思で独裁者と談笑している」と理解するだろう。なぜなら、外国人は普通、「天皇に政治的決定権は一切ない」という知識を持ち合わせていないからだ。 第3の理由は「香港問題」だ。習近平は11月4日、上海で、香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会談した。彼は、「中国中央政府は林鄭氏に高度の信頼を寄せている。この暴動を止めること、そして秩序を回復することが、依然として香港で最も重要な任務だ」と述べ、彼女を激励した。 林鄭月娥は、国家主席から直々に「暴動を止めろ」「秩序を回復しろ」と言われ、「どんな手段を使ってもデモを鎮圧する」と決意したことだろう。 この会談後、香港警察はデモ隊鎮圧に実弾を使用するようになり、この原稿を書いている時点で2人の死者が出たと報じられている。習近平が訪日する頃、香港情勢はさらに悪化しているだろう。そして、力を使ってデモを弾圧する中国への風当たりは、さらに強くなっているはずだ。 そんな時期に、天皇陛下は「民主化デモを武力で弾圧する国のトップ」と会談させられる。日本政府は、国際社会がこれをどう受け取るか、熟考するべきだろう。 第4の理由は、中国政府が天皇陛下を政治利用するからだ。これは、にわかには信じがたい話かもしれないから、少し過去を振り返ってみる必要がある。 米中関係は、1970年代にニクソンと毛沢東が和解した後、ずっと良好だった。毛の後を継いだ鄧小平は、日本、米国から資金と技術を思う存分受け取り、中国経済を奇跡的成長に導いた。日米は、中国に「金と技術を無尽蔵に恵んでくれる存在」なので当然、日中、米中関係も良好だった。 しかし、1980年代末から1990年代初めにかけて、2つの理由で米中関係は悪化する。 1つ目の理由は1989年6月4日に起きた「天安門事件」。人民解放軍はこの日、デモを武力で鎮圧した。中国共産党は、犠牲者の数を319人としているが、英国政府は1万人以上としている。これで、中国は国際的に孤立した。 2つ目の理由は、1991年12月の「ソ連崩壊」。そもそも米国が中国と組んだのは、ソ連に対抗するためだった。しかし、その敵は、崩壊した。それで当然、「なぜ我々は、中国のような一党独裁国家と仲良くし続ける必要があるのか」という疑問が、米国内から出てきた』、今日の夕刊によれば、全人代常務委員会は「香港国家安全維持法案」を異例のスピードで可決。香港政府は毎年民主化を求めてデモが起きる香港返還記念日の7月1日にも施行する方針のようだ。
・『天皇訪中に助けられた後 日本を裏切った中国  さて、中国は、この苦境をどう克服したのか? ナイーブな日本政府に接近したのだ。江沢民は1992年4月に訪日し、天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)を中国に招待した。そして1992年10月、天皇皇后両陛下が訪中された。 これを見た欧米諸国は、「日本は、中国市場を独占するつもりではないか」と焦りを感じるようになる。 中国の賃金水準は当時、日米欧の数十分の一であり、将来世界一の市場になることも確実視されていた。だから、欧米は、「金もうけと人権」の間で揺れていたのだ。 中国は、天皇陛下を政治利用することで、日米欧を分断させ、日本だけでなく欧米の態度を和らげることに成功した。 これは、筆者の想像ではない。1988年から10年間外交部長(外務大臣)を務めた銭其シンは、その回顧録の中で、天皇訪中が西側諸国による対中制裁の突破口であったことを明かしている。 話がここで終われば、「中国に一本取られた」程度だった。しかし、問題はここからだ。日本と天皇陛下に救われた江沢民は、恩をあだで返した。どういうことか? 中国政府は1994年、「愛国主義教育実施要綱」を制定。1995年から、徹底した「反日教育」を行うようになった。そして、中国は、世界における「反日プロパガンダ」を強化していく。アイリス・チャンの『ザ・レイプ・オブ・南京』が大ベストセラーになり、「南京大虐殺」が世界中で知られるようになったのは1997年のことだ。同年、江沢民は真珠湾を訪問し、日本の中国侵略と、真珠湾攻撃を非難した。 この動きは一体何だろうか?なぜ、日本に救われた江沢民は、「反日教育」「反日プロパガンダ」を強力に推進したのか?日本を「悪魔化」するためだろう。日本を悪魔化すると、米中関係はよくなる』、「中国は、天皇陛下を政治利用することで、日米欧を分断させ、日本だけでなく欧米の態度を和らげることに成功した」、しかし「日本と天皇陛下に救われた江沢民は、恩をあだで返した」、もう忘れかけていたが、今一度、思い返すべきだ。
・『クリントン政権の本音は「米中で日本を共同支配」  2度の世界大戦の前と戦中、米中関係(当時は中華民国だった)は、日本という「共通の敵」がいて良好だった。そして、1970年代から1980年代末までは、ソ連という「共通の敵」がいて、やはり良好だった。しかし、天安門事件とソ連崩壊後、中国が米国の主敵になる可能性が出てきた。 そこで中国は、「日本を米中共通の敵にしよう」と決意したのだ。 そして、中国の工作は成功した。クリントン時代の過酷な日本バッシングを覚えている人も多いだろう。この件に関連して、米国在住国際政治アナリスト伊藤貫氏の『中国の「核」が世界を制す』(PHP研究所)に驚きの話が紹介されている。 伊藤氏は1994年、当時米国防総省の日本部長だったポール・ジアラ氏と会った。ジアラ氏いわく、<「クリントン政権の対日政策の基礎は、日本封じ込め政策だ。> <クリントン政権のアジア政策は米中関係を最重要視するものであり、日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行う能力を与えないことを主要な任務として運用されている。>(200ページ) 伊藤氏は、米国の政策について、以下のように結論づけている。 <米中両国は東アジア地域において、日本にだけは核を持たせず、日本が自主防衛できないように抑えつけておき、米中両国の利益になるように日本を共同支配すればよい」と考えている。>(113ページ) ここまでをまとめてみよう。 ・1989年、中国は天安門事件で国際的に孤立した。 ・中国は、ナイーブな日本政府に接近する。 ・1992年、天皇皇后両陛下(当時)が訪中された。 ・日本が中国市場を独占することを恐れた欧米は態度を軟化。中国の「天皇利用作戦」は成功した。 ・天皇陛下を利用して包囲網を突破した中国は、「日本悪魔化工作」を開始。 ・日本は、米中「共通の敵」にされてしまい、日米関係は悪化。 ・逆に米中関係は、大いに改善された』、「日本」は「米中」にいいようにやられたようだ。
・『ナイーブな政府が日本を滅ぼす  平成は、1989年1月8日に始まった。同年6月4日に「天安門事件」が起き、中国は世界的に孤立した。 令和は、30年後の2019年5月1日に始まった。中国は今、ウイグル問題、香港問題で孤立している。香港問題を語る際、しばしば「第二の天安門は起こるか?」といった表現が使われている。 30年前、中国は日本政府を操り、天皇陛下を政治利用することで危機を乗り越えた。そして30年後、中国は再び日本に接近し、天皇陛下を政治利用することで、危機を乗り越えようとしている。習近平が来春「国賓訪日」すれば、天皇陛下に「近い将来の訪中」を要請する可能性は極めて高い。天皇陛下は立場上、これを拒否できないだろう。 習近平の国賓訪日に続く天皇陛下の訪中で、日米の亀裂は、さらに深まる。日米同盟を破壊することで、中国は現在の危機を乗り越えるだけでなく、覇権に向かって大きく前進することになるだろう。 日本政府はどうすればいいのか?これは簡単で、平成の間違いを繰り返さないことだ。つまり、習近平の国賓訪日を断り、天皇陛下の訪中、つまり政治利用の可能性を事前に根絶する。口実は、何とでもなる。「邦人拘束問題、尖閣問題、ウイグル問題、香港問題などで、保守派議員の反発が激しい」と言えばいいだろう。 人も国家も間違いを犯す。しかし、優れた指導者は過去の間違いから学び、同じ過ちを2度と繰り返さない。日本政府は今、無意識のうちに30年前の過ちを繰り返そうとしている。安倍内閣が、過去の教訓から学び、賢明な判断を下すことを心から望む』、「国賓訪日」が、新型コロナウィルス感染拡大により、年内は困難になったのは、一安心だ。新型コロナウィルス感染拡大が思わぬ贈り物をもたらしたようだ。

次に、本年2月12日付け日経ビジネスオンラインが掲載した中部大学特任教授(元・経済産業省貿易管理部長)の細川昌彦氏による「新型肺炎から垣間見えた、対中・半導体ビジネスの危うさ「中国製造2025」にどう向き合うか」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00029/?P=1
・『中国の新型肺炎の感染が拡大して、経済への深刻な影響が懸念されている。とりわけ発生源である中国・武漢市は自動車産業の一大集積地で、自動車業界のサプライチェーン(部品供給網)への大きな影響にメディアの関心も注がれている。中国での自動車生産への部品供給や中国からの自動車部品の輸入など、世界の自動車生産体制への広範な影響が懸念されるのは当然のことだ。 しかし、もう一つ忘れてはならないのが半導体産業だ。 半導体産業は「中国製造2025」の最重点産業で、2025年までに自給率7割を目標としている。武漢はその中核拠点と位置付けられ、海外技術を基に巨大工場の建設を進めている。台湾から大量の技術者を引き抜くなどして、中国半導体大手の紫光集団は中国メーカーとしては初めて3次元NAND型フラッシュメモリーの量産に乗り出した。 「中国製造2025」は単なる産業政策ではない。目的に「軍民融合」を掲げて、産業競争力のみならず軍事力の高度化も目指している。米国が強い懸念を有するゆえんだ。中国も海外からの警戒感を避けるために、最近は爪を隠して、この言葉に言及しない方針である。しかし実態は何ら変わっていない。 先日、武漢からチャーター便で日本人数百人が帰国した。そのうち約半数は自動車関連の従事者であったが、残りの大半は半導体関連の従事者だった。日本の半導体製造装置メーカーの技術者がそうした工場の建設とメンテナンスに関わっているのだ。もちろん中国市場を開拓するビジネスとして取り組むのは当然である。現時点でこのこと自体が問題になるものではない。 ただし、今後も同じだと考えていては危険だ。一層の注意を要する。現在、半導体産業がいわゆる“米中テクノ冷戦の主戦場”となっているからだ』、確かに「“米中テクノ冷戦」で流れ弾に当たらないよう細心の注意が必要だ。
・『米中テクノ冷戦の主戦場・半導体  先月、米中貿易交渉の第1段階の合意が署名されたが、こうしたトランプ大統領による関税合戦での取引は表層的なものだ。米議会を中心とする深層部分でのテクノ冷戦(技術覇権争い)はますます激しくなり、中国資本による米国企業への投資規制の強化に続いて、対中輸出管理も抜本的に強化しようとしている。その重要なターゲットの一つが半導体分野である。 半導体は軍事産業の生産基盤となる技術である「基盤技術」の代表格とみなされている。米国の国防権限法においても安全保障上中核的な産業分野として半導体産業が特記されたことは要注意だ。 一方、中国はそうした半導体産業を猛然と育成しようとしている。 2018年4月、中国通信機器大手のZTEが米国の制裁発動によって、米国のインテルとクアルコムなどから半導体の供給を受けられなくなって、主力事業の停止に追い込まれ悲鳴を上げた苦い経験から、中国は半導体の内製化に一層アクセルを踏んだ。 さらに同年10月、中国の国策半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC)が米国の制裁発動によって半導体製造装置の輸出規制を受けて大打撃となったことに懲りたようだ。 2014年からの第1期には2兆円の基金で半導体チップに投資し、2019年10月に発表した第2期計画では3.2兆円の基金で半導体製造装置に投資する。こうした資金力を武器に技術と人材の取り込みを加速している。高度な半導体人材を抱える台湾からは3000人を超える技術者が流出して歯止めがかからないという。 今後も中長期で米中対立が続くことを前提に、中国は米国依存を脱却するために自前生産に躍起となっているのだ。 これに対して、米国が半導体製造に関する技術流出に警戒するのも当然だ。そしてその製造装置は日欧企業が主たるプレーヤーであることから、その協力が不可欠としている。 最近、半導体の性能を高める次世代装置(EUV露光装置)を独占的に供給しているオランダの装置メーカーASMLが中国政府系半導体メーカーSMICへの供給をストップしたのも米国の圧力があったからだといわれている。 また台湾の半導体大手TSMCに対して、米中それぞれが圧力をかけて米国生産、中国生産をさせようと綱引きが過熱しているのもその象徴的出来事だ。TSMCに部材供給している日本企業もその余波を受けるだろう』、「TSMC」は米国の圧力に屈して、「米国生産」を選択したようだ。
・『米国が志向する「部分的な分離」戦略  今、ワシントンでは「部分的な分離(Partial Disengagement)」がキーワードになっている。 米中対立の激化で、世界が米国圏と中国圏に「分断(デカップリング)」されるのではないかとの懸念が広がっている。しかし経済全般の「分断」はもはや不可能で非現実的だ。グローバルな相互依存の経済構造が既に出来上がっているからだ。他方で、安全保障上の対中懸念の現実を考えれば、むしろ安全保障の視点で機微な分野を特定して、部分的に中国を分離していく。それが米国の志向する「部分的な分離」戦略だ。 メディアは制裁関税の影響によるサプライチェーンの揺らぎにばかり注目しているようだ。しかし問題の本質はそこではない。 制裁関税の発動によるコスト増が中国から他のアジア諸国に生産拠点を移管する動きを招き、サプライチェーン再編の波が押し寄せているのは事実だ。こうした現状でどう経営判断するかはもちろん極めて重要である。しかしトランプ大統領による制裁関税は自然災害同様、予測不可能だ。新型肺炎によるサプライチェーンの分断もそうだ。自動車産業を中心に世界経済に深刻な影響を与えているが、これも予測困難だ。そうしたリスクに対して企業はコスト増でもリスク分散して柔軟に対応できるように手を打つしかない。 むしろ安全保障の観点での機微な分野での「部分的な分離」は着実に進展しつつある。しかも中長期的な視点でだ。 日本企業も安全保障のアンテナを高くして、社内の事業分野ごとに仕分けをする作業が必要だ。そして、こうした特定分野における技術の観点で、サプライチェーンの分断を経営リスクと捉える必要があるだろう』、同感だが、こうした感度が鈍い「日本企業」には、よほどの努力が必要だろう。
・『日本企業も要注意、米国主導の“新型の対中ココム”  米国は中国への技術流出を阻止すべく輸出管理の抜本的な強化をしようとしている。輸出管理改革法(ECRA)に基づき、中国を念頭に置いて規制対象範囲を拡大しようとしている。いわば“新型の対中ココム”ともいえるものだ(政府は対外的にこうした呼称を用いることを当然否定するだろうが)。そのうちの1つが、上述の「基盤技術」といわれるもので、半導体製造技術がその焦点になっている。 それと同時に、米国だけが独自に規制しても効果が限定されるため、同盟国との国際連携が必要とされている。日本にも同調が求められるのは明らかだ。そうなると日本企業の企業活動も多大の影響を受けることになる。 また、事実上の禁輸措置につながるエンティティ―・リストへの掲載が相次いでいる。この1年半の間だけでも有名なファーウェイ以外に監視カメラ、スーパーコンピューター、原発関連企業など200社近くがリストに追加されている。こうした企業にも米国は半導体を含む部材供給をストップする。 「買わない」、「使わない」から「売らない」、「造らせない」までに及んでいるのだ』、「「買わない」、「使わない」から「売らない」、「造らせない」までに及んでいる」、ずいぶん徹底しているようだ。
・『日本企業も“利敵行為”は許されない  ここで注意しなければならないのは、日本企業であってもこのエンティティー・リストへの掲載は決して無縁ではないということだ。日本から中国へ輸出する場合であっても米国からの部材などを25%以上組み込んだ場合に、米国の再輸出規制がかかることは大方の日本企業は理解しているが、問題はそれだけではない。 仮に「米中対立はビジネスチャンスだ」として「漁夫の利」を得ようとすれば、違法行為でなくても、米国からは利敵行為とみなされて制裁対象にもなり得るのだ。 日本企業は最低限、法律的なチェックはしているだろうが、それだけでは十分ではない。エンティティー・リスト掲載企業との取引は慎重にすべきであることを経営層は理解しておく必要がある。 米中両国とビジネスで付き合う日本企業にとって、機微な分野の見極めが重要になってくる。AI(人工知能)、量子技術、5G、ドローン、監視カメラのような特定分野については、米国の動きを踏まえた慎重な対応が必要だ。虎の尾を踏むわけにはいかないのは、1987年の東芝機械ココム違反事件を思い出せば明らかである。 日本企業もこうした安全保障の動きへのアンテナを高くしておかなければ、経営の根幹を揺るがしかねない。半導体関連はそうした機微な分野として特に要注意であることを、新型肺炎を巡る動きで思い起こさせられた』、「日本企業もこうした安全保障の動きへのアンテナを高くしておかなければ、経営の根幹を揺るがしかねない。半導体関連はそうした機微な分野として特に要注意」、説得力溢れた主張で、同感である。

第三に、6月20日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 香港・国家安全法への対処が外交の試金石に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/357296
・『日本の外交にとって、中国を相手にすることほど複雑でやっかいなものはないだろう。 アメリカとの間には日米安保条約という強固な基盤があり、時に「対米追随外交」と批判されながら、アメリカに歩調を合わせることで安定した関係を維持してきた。 イギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパ主要国との間にはそもそも国家関係を揺るがすような深刻な問題がない。一方で韓国や北朝鮮、ロシアのように、歴史問題や領土問題などをめぐって真正面から主張が対立している場合は、外交交渉そのものが成り立ちにくいため、自国の主張を繰り返していればいい』、「「大国化した中国に日本はどう向き合うべきか」、確かに悩ましい課題だ。
・『新たな対中外交戦略の時代に  しかし、日中関係はそれほど単純ではない。1972年の国交正常化以降、歴史問題をはじめ何らかの問題を抱えながらも、それなりに良好な関係を維持していかなければならない宿命にあった。 ところが今回、中国が打ち出した香港の国家安全法制定は、これまで両国が維持してきた日中関係を大きく変えてしまいそうな根本的な問題をはらんでいる。中国が大国化したことで日本が個別に中国に向き合って問題を解決できる時代は終わった。国際社会と連携した、新たな外交戦略が必要になったようだ。 国交正常化からの約半世紀を振り返ると、日中関係は劇的に変化してきた。正常化後は日本国内に日中友好ムードが高まり、日中関係は一気に改善した。1980年代には日本が歴史教科書問題や中曽根康弘首相の靖国神社公式参拝などの問題を引き起こし、中国でも1989年に天安門事件が起きた。 このころの日本のGDPは中国の約5倍、国民1人当たりの所得は約30倍で、経済力では中国を圧倒していた。安全保障の面でも自衛隊と在日米軍やアメリカ第7艦隊を合わせた軍事力は、中国の人民解放軍の力が及びもつかないものだった。 こうした状況もあって、日中間の問題に対して日本政府は寛大さを見せる余裕を持っていた。教科書問題では中国の要求を受け入れ、教科書の検定基準を見直した。中曽根首相の靖国神社参拝は中国への配慮から1年で終わった。天安門事件で中国が欧米諸国の批判を浴びて国際的に孤立すると、日本はいち早く円借款の凍結解除を打ち出すなど、関係改善に積極的に取り組んだ。 中国の姿勢も今とはまったく異なっていた。当時の最高指導者である鄧小平が打ち出したのは改革開放路線であり、西側の市場経済システムを積極的に取り入れて中国の経済発展を推し進めた。それを象徴するのが「韜光養晦」という言葉だった。 「才能を隠して、内に力を蓄える」というような意味であり、イデオロギーなどにこだわらず低姿勢で西側諸国に接し、その技術などを導入するという徹底したプラグマティズムだった。実際、1978年の訪日時、鄧小平は「これからは日本を見習わなくてはならない」という言葉を残している。現在の習近平体制の振る舞いとは対極にあった』、確かに「現在の習近平体制の振る舞い」には目に余るものがある。
・『「寛容の外交」から「原則重視の外交」へ  1990年代後半以降になると、経済力を増してきた中国の振舞いは徐々に変化してきた。日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国の調査船による違法な海洋調査が頻繁に行われるようになった。海底資源探査や潜水艦の航路開拓などが目的とされており、日本政府はその都度、中国側に抗議を繰り返していた。 日本周辺での中国海軍の活動が活発化し始めたのも同じころだった。さらに、1995年と1996年には核実験を繰り返した。日中関係は次第にぎくしゃくし始め、日本政府の対応は「余裕と寛容」から「原理原則の重視」に転換していった。 2001年春、台湾の総統を退任した李登輝氏が病気治療を理由に訪日ビザを申請してきた。李登輝氏を台湾独立派とみなしていた中国政府は、李氏訪日を政治活動だとして日本政府にビザを発給しないよう強く求めてきた。 外務省は局長以上を集めた会議で対応を協議したが、驚くことに1人の局長を除き、すべての幹部がビザを発給すべきという意見だった。中国の主張には理がないというのである。森喜朗首相の退陣直前というタイミングだったが、首相官邸は外務省の判断も踏まえて最終的にビザ発給にゴーサインを出した。 森政権ではこのほかに歴史教科書問題が再び起きたが、中国の修正要求を日本政府は「内政問題である」として突っぱねた。1980年代とは様変わりの対応だった。 2010年、日本のGDPはついに中国に追い抜かれ、2019年は3倍にまで差が開いた。中国の軍事費も増え続け、今やアメリカに次いで世界第2位の軍事大国だ。その額は日本の5倍を超えている。習近平国家主席の登場で、鄧小平氏の「韜光養晦」は消え去り、代わりに打ち出されたのは「一帯一路」であり、「中華民族の偉大なる復興」である』、「「寛容の外交」から「原則重視の外交」へ」、力関係の変化を踏まえれば当然の選択だ。
・『多国間枠組みを生かした対中抑え込み  こうしたなか、日本では一時、対中強硬論がもてはやされたが、問題の解決に資することはなかった。日本政府が打ち出したのは、さまざまな国際機関やASEANをはじめとした地域の多国間の枠組みなどを動かし、中国を抑え込むとともに問題を解決していく戦略だった。 日本が前面に出て中国と向き合ったところで交渉進展は期待できない。そこで多くの国を関与させる手法にかじを切ったのだ。 中国が南シナ海の岩礁を埋め立てて領有権を主張するとともに軍事基地化していった問題では、中国に批判的な国に働きかけてこの問題をASEAN首脳会議などで取り上げさせた。中国に批判的なフィリピンが常設仲裁裁判所に仲裁を要請し、2011年に「中国の主張は国際法に反する」という判断が出された。この動きに日本政府も深く関与した。 さらに日米、インド、オーストラリアの4カ国が連携して、他のアジア諸国を巻き込んで地域的な連携の枠組みを作る「インド太平洋戦略」構想も日本がアメリカに働きかけたものだった。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)締結で積極的役割を果たしたことも含め、いずれも中国を強く意識した戦略だった。 ぎらつかない手法での対中政策は、必ずしも十分な成果を上げたとは言い切れないが、中国問題はもはや日本一国で抱えきれる問題ではなくなった以上、やむをえない対応であろう。 そこで今回問題となるのは、香港の国家安全法だ。中国にとって香港の民主化運動は香港独立を目指すテロ行為でしかなく、封じ込めなければ台湾やウイグルなどへ飛び火しかねない。しかし、日本を含む欧米諸国からすれば、自由と民主主義という大原則が崩れてしまう本質的な問題である。 ここで日本政府はどう立ち回ろうとしているのだろうか。 6月18日未明、「香港に関するG7外相声明」が公表されたが、その内容は中国に対してかなり厳しい表現となっている。国家安全法について,「一国二制度の原則や香港の高度の自治を深刻に損なうおそれがある」と批判。さらに、「開かれた討議、利害関係者との協議、そして香港において保護される権利や自由の尊重が不可欠である」と強調したうえで、「中国政府がこの決定を再考するよう強く求める」と要求している』、「多国間枠組みを生かした対中抑え込み」、しか手はないようだ。
・『香港・国家安全法が問う根本問題  外相レベルとはいえ、G7各国が歩調を合わせ、中国の対応を明確に批判した意味は大きい。関係者によると、今回の声明の発表に関して日本政府は水面下でかなり積極的に動いたという。 香港問題は、単純化すれば「自由・民主主義体制」か「権威主義体制」かの選択の問題であり、国家の根本問題でもある。2020年秋に予定されている立法院選挙に向けて香港情勢は緊迫し、昨年同様の混乱は避けられないだろう。また11月の大統領選を控え、トランプ大統領の中国批判がエスカレートし、米中関係も緊張を高めそうだ。 そこで日本がどういう対応をするかは、これまでの領有権問題などとは比較にならない重みを持っている。そこであいまいな態度をとれば、国際社会での日本の存在感はなくなり、当の中国からも軽く見られるであろう。かといって単独で突出した中国批判を展開しても、反発を買うだけで成果を得ることは難しい。 外交には原理原則とともに、いかに問題を解決し、国益を実現するかというプラグマティズムも不可欠であり、両者のバランスをうまくとっていくプロの技が重要だ。 日本に今できることは、TPP構想やインド太平洋戦略構想を提起した時と同様、多くの国を巻き込んだ戦略的取り組みを実現させることであろう。例えば、外相レベルの共同声明に続き、次は香港問題にテーマを絞ったG7首脳によるテレビ会談を呼びかけ、中国にメッセージを発信するという手もある。 中国の姿勢はかたくなで、動きは早い。残された時間はあまりないようだ』、しかし、「中国」は「国家安全法」を前述のように異例のスピードで成立させてしまった。「残された」手はまだあるのだろうか。
タグ:東洋経済オンライン 日中関係 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 北野幸伯 「韜光養晦」 細川昌彦 薬師寺 克行 香港の国家安全法 (その4)(習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由 魂胆は「天皇の政治利用」、新型肺炎から垣間見えた 対中・半導体ビジネスの危うさ「中国製造2025」にどう向き合うか、大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 香港・国家安全法への対処が外交の試金石に) 「習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由、魂胆は「天皇の政治利用」」 「国賓訪日」は、新型コロナウィルス感染拡大により、年内は困難になったようだ 米中戦争の最中に中国に接近する日本 米国が中国に「宣戦布告」した直後から、日中関係は「劇的」といっていいほど改善されている 人権侵害国家のトップと天皇陛下の談笑シーンは悪夢だ 中国政府は昔から天皇を政治利用してきた 全人代常務委員会は「香港国家安全維持法案」を異例のスピードで可決 香港政府は毎年民主化を求めてデモが起きる香港返還記念日の7月1日にも施行する方針 天皇訪中に助けられた後 日本を裏切った中国 1994年、「愛国主義教育実施要綱」を制定。1995年から、徹底した「反日教育」を行うように 「反日プロパガンダ」を強化 日本と天皇陛下に救われた江沢民は、恩をあだで返した クリントン政権の本音は「米中で日本を共同支配」 ナイーブな政府が日本を滅ぼす 新型コロナウィルス感染拡大が思わぬ贈り物 「新型肺炎から垣間見えた、対中・半導体ビジネスの危うさ「中国製造2025」にどう向き合うか」 半導体産業がいわゆる“米中テクノ冷戦の主戦場”となっている 米中テクノ冷戦の主戦場・半導体 米国が志向する「部分的な分離」戦略 米中対立の激化で、世界が米国圏と中国圏に「分断(デカップリング)」されるのではないかとの懸念 安全保障の視点で機微な分野を特定して、部分的に中国を分離していく。それが米国の志向する「部分的な分離」戦略 日本企業も要注意、米国主導の“新型の対中ココム 「買わない」、「使わない」から「売らない」、「造らせない」までに及んでいる 日本企業も“利敵行為”は許されない 日本企業もこうした安全保障の動きへのアンテナを高くしておかなければ、経営の根幹を揺るがしかねない。半導体関連はそうした機微な分野として特に要注意 「大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 香港・国家安全法への対処が外交の試金石に」 大国化した中国に日本はどう向き合うべきか 新たな対中外交戦略の時代に 鄧小平が打ち出したのは改革開放路線 「才能を隠して、内に力を蓄える」 現在の習近平体制の振る舞いとは対極に 「寛容の外交」から「原則重視の外交」へ 多国間枠組みを生かした対中抑え込み 「インド太平洋戦略」構想 香港・国家安全法が問う根本問題
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日韓慰安婦問題(その5)(韓国の慰安婦支援団体が窮地 疑惑続出で崩壊寸前の現状を元駐韓大使が解説、元慰安婦に告発された支援団体は「腐敗しきっていた」 元慰安婦「私ではなく友の話」と暴露、《慰安婦団体内紛でついに死者》明るみに出た尹美香の「セコい財テク術」と「安倍批判記事」) [外交]

日韓慰安婦問題については、昨年8月7日に取上げた。今日は、(その5)(韓国の慰安婦支援団体が窮地 疑惑続出で崩壊寸前の現状を元駐韓大使が解説、元慰安婦に告発された支援団体は「腐敗しきっていた」 元慰安婦「私ではなく友の話」と暴露、《慰安婦団体内紛でついに死者》明るみに出た尹美香の「セコい財テク術」と「安倍批判記事」)である。

先ずは、5月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国の慰安婦支援団体が窮地、疑惑続出で崩壊寸前の現状を元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/238086
・『与党はユン前理事長を切り 政権と正義連を守るのか  元慰安婦の支援団体である正義記憶連帯(以下“正義連”、韓国挺身隊問題対策協議会〈以下“挺対協”〉の後継団体)前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)氏をめぐる不正疑惑は、検察当局が正義連のソウルの事務所に家宅捜索に入るなど、新たな展開が見えてきた。 これまでユン前理事長をかばってきた政府与党も、不正疑惑が深刻化するにつれてユン前理事長に対して厳しい発言をし始めている。 政府与党はこれまで同様、政権内の不正疑惑は断固としてもみ消す姿勢であった。だが、今回は不正を告発したのが元慰安婦の中心的活動家、李容洙(イ・ヨンス)氏であるだけに、勝手が違うようだ。当初、ユン前理事長や正義連に批判的だったのは、保守系の野党とメディアであったが、最近では文在寅政権に近いハンギョレ新聞などもこの疑惑に関して積極的に取り上げるようになっていることも、もみ消しを難しくしている要因だろう。 これを受け、与党内の雰囲気も徐々に変わってきている。事態の推移を見極める必要があるが、正義連を守るためにはユン前理事長を犠牲にせざるを得ないのではないかという見方も出始めている』、「慰安婦支援団体」に超ド級の疑惑が発生とは面白くなってきた。
・『正義連とユン前理事長の態度の変化 イ・ヨンス氏の記者会見に注目  元慰安婦のイ・ヨンス氏の告発に対する正義連の反応はひどいものだった。 最初は「イ・ヨンスさんの記憶が歪曲(わいきょく)された」という人格を否定するようなもので、その後はさらに「大金のために態度を変えた」(ユン氏の夫)と侮辱。最終的には「保守勢力の謀略だ」と開き直った。 しかし、各種会計不正と公金流用疑惑が次々と明らかになると、正義連の反応に耳を貸す国民も少なくなっていった。中でも、最も疑惑が深まった契機が、安城(アンソン)の不動産購入疑惑である。この不動産は元慰安婦の憩いの場という位置付けでありながら、元慰安婦のためにほとんど利用されてこなかった。) そればかりか、挺対協とユン前理事長はこの物件を7億5000万ウォンで買い、1億ウオンの改装費をかけながら、イ・ヨンス氏の告発の翌日、購入価格を大幅に下回る4億2000万ウォンで売却した。 この不可解な不動産売買について、背後に何か隠さなければならないことがあるための隠蔽工作だとの見方が広がった。通常価格を大幅に上回る価格で購入し、売買を仲介した安城新聞代表だった李圭閔(イ・ギュミン)氏との間で裏取引が行われたのではないかとの疑惑へと発展している。 この不動産売買疑惑が発覚して以降、韓国世論の正義連、ユン前理事長に対する見方が大きく変わった。 世論の雰囲気を察知したのか、ユン前理事長の態度も変わってきた。 20日付のハンギョレ新聞では、元慰安婦のイ・ヨンス氏が同日、「(ユン前理事長が私のところに)来て膝をついて許しを乞うているが、いったい何の許しを乞うているのか私には分からなった」と述べたと報じている。 さらに、一部のメディアでは19日、ユン前理事長がイ・ヨンス氏と韓国大邱市(テグ)で面会し、「イ・ヨンスさんが涙を流してユン前理事長を許した」と報じた。だが、イ・ヨンス氏は「(ユン前理事長が)一度抱きしめてほしいというので、一度やってあげた」「そうしたら、年寄りで気持ちが弱くなっているせいか、涙が出てきた。ただそれだけだ」と述べ、ユン前理事長側の「イ・ヨンスさんがユン前理事長を許した」との説明を否定した。 イ・ヨンス氏は25日、記者会見の開催を予定しており、新たに正義連やユン前理事長についての疑惑が出てくるか注目されている』、「元慰安婦のイ・ヨンス氏」を「侮辱」しておきながら、偽の和解場面まで演出して利用するとは、悪どいやり方だ。
・『ユン前理事長に対し韓国政府も関与を始める  そもそも、正義連はイ・ヨンス氏が高齢のせいで記憶が歪曲されていると、イ・ヨンス氏の人格を否定した。そして、ユン前理事長は自分が曺国(チョ・グク)前法務部長官に対するバッシングのような仕打ちを受けていると、被害者のような態度をして開き直っていた。 しかし、ユン前理事長はマスコミの追及が厳しくなり、不正疑惑が広がってくるとイ・ヨンス氏を訪ねて許しを乞うている。 何も悪いことをしていないと開き直るのであれば、なぜ膝をついて許しを乞わなければならないのか。イ・ヨンス氏が「許した」とマスコミに公表しなければ、自分を守ることができないと考えたからではないのだろうか。 陳永(チン・ヨン)行政安全部長官は19日、国会行政安全員会に出席して、「正義連に22日までに証明資料を提出するよう要求した」「違法や不当な場合があれば妥当な措置を取りたい」と述べた。 韓国の法曹界では、告発内容が事実と確認されれば、寄付金・交付金の使用や会計不正に絡む横領容疑と、ソウル郊外の京畿道安城市にある建物の購入に絡む業務上背任行為の2つについて、法的に追及できるとみているようだ』、「京畿道安城市にある建物の購入」、は高値で購入・安値で売却というからには、裏に別の不正行為がある可能性もあろう。
・『ユン前理事長を守るべきなのか 見解が分かれる与党「共に民主党」  疑惑の深まりにもかかわらず、与党「共に民主党」の公式な立場は、依然として成り行きを見守り静観するというものだ。 20日時点でも、同党の姜勲植(カン・フンシク)首席報道官は会見で、「外部による会計監査と行政安全部などによる監査の結果を見て、総合的に判断した上で立場を明らかにする」と述べた。さらに記者団に対して、「(ユン前理事長)本人は、さまざまな方法で説明すべきことを説明すると承知している。事実関係が最も重要であり、それを中心に問題を処理する方針だ」と重ねて静観の姿勢を強調した。 党内では、疑惑について「論争や異論が多いわけではない」としながらも、「事案を重く、厳しく見ている」と述べた。 しかし、党内では危機感が芽生えている。 李洛淵(イ・ナギョン)前首相は「さまざまな問題意識を、責任ある党役員と意見交換した。具体的措置は議論されておらず、党で検討した後、決定するものとみられる」と述べた。 また、ある民主党議員は「先週末を前後して、憩いの場ペンション収益金論争、アパート購入資金論争などが新たに出てきたが、この2種類の疑惑だけはユン氏本人が必ずクリアしない限り、このままやり過ごすことは難しい」と述べた。それだけではなく、別の議員からは「党は、正義連はさておきユン氏個人の不正までカバーするつもりはない」と見放す発言も漏れてきている。 こうした事態を受け、党の最高委員の一人はハンギョレ新聞に対し、「非公開の最高委員会会議で今までの状況報告と最高委員の意見交換があるだろう」と述べ、この問題の収拾に本格的に乗り出す可能性を示唆した。 ただ、すぐに党員権を剥奪するつもりはないようだ。ユン前理事長の処遇決定のカギは、共に民主党の李海チャン代表が握っているというのが多くの関係者の見方である』、「ユン前理事長の処遇決定のカギは、共に民主党の李海チャン代表が握っている」、大統領ではなく、「党代表」に権限があるようだ。ただ、司法当局も「カギ」を「握っている」のではなかろうか。
・『野党は市民団体の構造問題と指摘 与党は市民運動否定を危惧  一方で、この疑惑は「個人の逸脱か、構造的問題か」という論争にも発展している。 共に民主党からは「一人運営体制から出てきた問題」(金鍾民〈キム・ジョンミン〉議員)という主張が出ているが、野党の未来統合党では「聖域化された市民団体の問題」との認識が強い。 実際に、共に民主党の盧雄来(ノ・ウンレ)議員はラジオインタビューで、「正義連の会計不正疑惑が、健全にしっかりとやっている市民社会活動まで根こそぎ否定されたり、蔑まれたりするような状況になってはいけない」と主張し、野党の主張を牽制。他方、野党の未来統合党などは「個人の逸脱やミスとしてだけ見るには難しい」「政府補助金や国民の寄付で維持されている他の市民団体に対しても、大きなビルを購入して資産が大きくなり、大企業でもないのに職員が非常に多い大規模な組織になったものがある」と指摘している。 元慰安婦については、多くの元慰安婦が共同で生活する「ナヌムの家」でも、巨額の後援金を元慰安婦に対して使わず、不動産や現金資産として保有し、今後は曹渓宗のホテル式老人療養院に使おうとしているとの内部告発がなされている。 噴出する告発を耳にすると、正義連関係の不祥事の原因がユン前理事長だけにあると片付けるのは無理があると言わざるを得ないだろう』、「元慰安婦が共同で生活する「ナヌムの家」でも、巨額の後援金を元慰安婦に対して使わず、不動産や現金資産として保有し、今後は曹渓宗のホテル式老人療養院に使おうとしている」、事実とすれば酷い話だ。「不祥事の原因がユン前理事長だけにあると片付けるのは無理がある」のは確かだ
・『文大統領の「被害者中心主義」は欺瞞? 相変わらず責任回避  では、文在寅大統領をはじめとした青瓦台は、この疑惑をどう捉えているのだろうか。 青瓦台は「今後の国政には関係がない」「ユン氏は共に民主党所属なので、立場を表明すべき事案ではない」として関与を避けている。別の青瓦台関係者は「この問題に(大統領と青瓦台を)引き込もうとしないでもらいたい」と、露骨に距離を置く姿勢を明確にしている。 韓国の歴代政権は元慰安婦の問題について迷走を繰り返してきた。それは慰安婦の問題を協議する相手がユン前理事長に一本化されていたため、ユン前理事長の意向を汲んで、しばしば立場を変更してきたからである。日本と非公式に了解した事項でも平気で無効化した。その最たるものが「(2015年の)日韓合意」である。 文大統領は「(2015年の)韓日合意で慰安婦問題は解決しない」として、合意の事実上の無効化を宣言し、「被害者中心主義」を強調した。18年1月に今回の告発をしたイ・ヨンス氏、ユン前理事長を青瓦台に招き、「過去の政権による合意は誤りだった。早期に後続措置を取りまとめてもらいたい」と発言した。 しかし、今に至るまで後続措置については未完のままである。そして今回イ・ヨンス氏が告発した正義連の不正疑惑の解決には、無関心で、解決に乗り出そうとしない。 今年初め、大韓弁護士協会は声明を出し、「政府は日本軍慰安婦問題の解決に積極的に取り組むべきだ」と主張していた。しかし、日本側が慰安婦問題について話し合いなどに応じる見込みは全くなく、元慰安婦に関する後続措置を一方的に述べた文政権に、新たな解決策などあるはずがない。日本との後続措置の交渉は糸口さえ見つけられないはずだ。 正義連をめぐる疑惑は、韓国の国内問題である。これまで歴代韓国政権が行ってきた、元慰安婦について何か問題が起こると矛先を日本に向けて補償や譲歩を引き出すという手法は通用しない。 文大統領が述べた「被害者主義」を貫くのであれば、正義連の疑惑に真摯に取り組み、元慰安婦が得るべき利益を回復するのが筋である。 イ・ヨンス氏は青瓦台の姿勢について何も述べていない。だが、これまでの青瓦台の無関心は責任回避のための行動だと責められて然るべきだ。イ・ヨンス氏含め元慰安婦たちが、これまで文政権の政治的宣伝に利用されたと批判されても不思議ではない。 イ・ヨンス氏が述べた、「だまされるだけだまされた、利用されるだけ利用された」というのは、ユン前理事長に対してだけでなく、文大統領にも当てはまるのではないか』、「だまされるだけだまされた、利用されるだけ利用された」、酷い話だ。「これまでの青瓦台の無関心は責任回避のための行動だと責められて然るべきだ」、その通りだろう。
・『正義連の問題は静観して終わるものではない  文政権に近いハンギョレ新聞は20日付の社説で、次のように戒めている。 「ユン当選者は今の事態が慰安婦の人権運動に対する韓国社会の信頼に直結する問題だという認識を持たねばならない。保守勢力とマスコミが悪意的に問題を歪曲し、政治的に利用していると反駁(はんばく)するだけで解決する問題ではない。(略)慰安婦の人権運動が満身創痍になっている事態を収拾できない。検察の捜査が始まった状況で、これ以上矢面に立つことを恐れてはならない」 正義連とユン前理事長に対する不正疑惑は、これまで元慰安婦の問題に真剣に取り組んできた多くの人々を落胆させている。本来であれば、文大統領自身が立ち上がって不正に取り組むべきだが、文大統領は拙著「文在寅の災厄」で述べたように、都合の悪い問題は避けて通るのが常であり、避け続けようとするだろう。 その場合、与党が対応しなければならないが、それは正義連そのものへの対応ではなくユン前理事長の党籍剥奪、国会議員の辞職という中途半端な処分で幕引きをするのではないだろうか。ユン前理事長を処分することで、正義連への問題波及を防ぎ、野党の未来統合党の構造的問題だという指摘をかわそうとするだろう。 元慰安婦問題は日韓間で解決された問題である。それを正義連、特にユン前理事長は解決されないように妨害してきた。正義連は、戦後の日本政府が行ってきた補償や取り組みについて元慰安婦や韓国世論に正しく伝えず、歪曲してきた。慰安婦問題がここまでこじれ、長期化した背景には、慰安婦問題の市民団体の窓口を挺対協ユン前理事長に一元化してきたことで、元慰安婦の本当の声が届かなくなっていたことが大きな要因である。 ユン前理事長が慰安婦問題の解決よりも、自身の利益を優先させてきたことが明白となった今、韓国国民は元慰安婦がこれまで伝えようとしてきた声に耳を傾け、そのために日韓の歴代政権がいかなる努力を払ってきたか、改めて考え直してほしい』、「慰安婦問題がここまでこじれ、長期化した背景には、慰安婦問題の市民団体の窓口を挺対協ユン前理事長に一元化してきたことで、元慰安婦の本当の声が届かなくなっていたことが大きな要因である」、これを機に「慰安婦問題」が解決に向かってほしいものだが、そうは問屋が卸さないだろう。

次に、6月5日付けプレジデント Digital「元慰安婦に告発された支援団体は「腐敗しきっていた」 元慰安婦「私ではなく友の話」と暴露」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/35946
・『元従軍慰安婦たちを長年支援し、日本のメディアとも共闘してきた韓国の団体が、当の元慰安婦によって不正を告発され、検察の捜査が入る事態に』、面白い展開になってきた。
・『「正体不明の中国人女性を、慰安婦役として“輸入”」  長年、日本軍の韓国人元従軍慰安婦への支援を行う中核となっていた団体を、当の元慰安婦の代表格と目されている李容沫(イ・ヨンス)氏(92歳)が告発、ソウル市内の団体事務所に韓国検察が家宅捜索に入る事態に発展している。 この団体は、「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)。「従軍慰安婦に対する日本政府の謝罪と賠償金」を求めて、ソウルの日本大使館前をはじめ世界各地で慰安婦像を建てるといった数々のキャンペーンの中心となってきた。 だが、5月7日、故郷の大邱で会見を開いた李氏は、約30年もの間ともに行ってきた正義連とその代表の尹美香(ユン・ミミャン)氏を、「騙されるだけ騙された」と痛烈に批判。韓国国内で大きな波紋を呼んでいる。 韓国の各媒体で報じられている李氏の告発の内容は、まさに「何でもあり」である。活動資金である学生たちの寄付について、「使途がわからない」「正義連前理事長の個人口座が、募金に使われていた」などと私的流用を伺わせたり、「正体不明の中国人女性を“輸入”して集会を維持している」「アメリカ人が怖がるように“性奴隷=sex slaveという言葉を使った」というデタラメ行為まで明らかにしてしまった。2015年に日本政府が10億円を拠出することで合意した日韓協定の際も、「10億円が入ることは尹代表しか知らなかった」としている』、「正義連前理事長の個人口座が、募金に使われていた」、「正体不明の中国人女性を“輸入”して集会を維持」、「アメリカ人が怖がるように“性奴隷=sex slaveという言葉を使った」、これまの活動がここまで「デタラメ」だったとは、驚かされた。
・『団体代表が住宅5戸をキャッシュで購入した  「反日」が国是ともいわれる韓国国内で、その批判がずっとタブー視されてきた正義連。尹氏は4月15日の韓国総選挙で与党「共に民主党」から出馬、初当選を果たしたばかりだ。得意の絶頂と思われた次の瞬間、皮肉にも「疑惑の総合商社」と化した状態だ。 聯合ニュース(5月21日付)によれば2012年に現代重工業から受領した10億ウォンを原資に保養施設を相場の3倍の7億5000万ウォンで購入し、近年、半額程度で売却。売買した尹氏の知人と尹氏本人らの背任容疑が捜査の対象だという。1995年から2017年にかけて、尹氏のファミリーがマンションなど住宅5戸をすべてキャッシュで購入した際の資金源も、野党議員に追及されている。 告発した李氏は、1993年に自らの体験を書籍にして出版、韓国国内でも著名な存在であり、2017年に訪韓したトランプ米大統領をハグした光景が報じられたことで、日本でも知られている。李氏の告発が本当なら、正義連は慰安婦という存在をダシにして長年金儲けを続けていたということになる。正義連にしてみれば、日韓関係がこじれて長引くほど“儲かる”わけだから、そもそも活動の動機に疑念を抱かれても仕方あるまい。 それどころか、前身の挺対協について、「日韓分断のために組織された」「日韓・韓米関係を破綻させ、大韓民国を『金氏朝鮮』(北朝鮮)と中国の手に委ねようとした」と断じ、そうなるに至る経緯の詳しい報道も出始めている(Japan‐in Deaph5月26日付『韓国激震、支援団体真の目的』)』、「正義連は慰安婦という存在をダシにして長年金儲けを続けていたということになる。正義連にしてみれば、日韓関係がこじれて長引くほど“儲かる”わけだから、そもそも活動の動機に疑念を抱かれても仕方あるまい」、同感だ。
・『「私は慰安婦ではなかった」  李氏の告発を受けて、正義連は税務申告のミスは認めたものの、「横領はいっさいない」と釈明。「李氏は年を取って記憶が変わった」などと主張した。尹氏本人も、フェイスブックに「李氏は1992年に、電話で蚊の鳴くような声で『私は慰安婦ではなかった。あれは友達の証言です』と証言したときのことを昨日のことのように覚えている」と書き込んだ(朝鮮日報5月8日付)。「李氏はニセモノ」とばかりに反撃するつもりで書きこんだのかもしれないが、オウンゴールに等しい行為に失笑する向きも少なくないようだ。 そもそも、なぜこの時期にこんな騒動が起きたのだろうか。日本国内では、2014年に朝日新聞が慰安婦問題についての一連の報道について誤報を認め、記事を取り消す謝罪会見を開いたが、2017年に発足した文在寅政権は慰安婦像の違法設置を進め、さらに日本側の怒りに油を注ぐかのように「徴用工」問題を蒸し返した。 4月の総選挙にも圧勝した後は、現政権はいわゆる「親日賛美禁止法」まで議会に通そうという勢い。日本からすれば、もう関わりたくないという「韓国疲れ」や、仮に関わっても、日韓間の通貨スワップも含めて、デメリットしか感じられないというのが一般通念のようだ』、「韓国疲れ」とは言い得て妙だ。
・『韓国国内で昨年から続出している「反日」とは逆の動き  ところがその一方、韓国の市井からその流れを引っ張り戻すような動きが昨年からいくつも持ち上がっている。昨年6月5日にはソウル市中心部で、「今日の集会は反日民族主義に公然と反対する史上初めての集会」として、慰安婦の少女の像の設置や韓国の差別主義的な反日活動に反対する集会が開かれた。 また同7月に韓国人教授が、韓国を「嘘つきの国」と断じ、日本統治下で虐げられたという韓国左派の通念とは正反対の事柄を列記した『反日種族主義 日韓危機の根源』を上梓し論議を呼んだ。日本でも翻訳されて(文藝春秋刊)、ベストセラーとなるなど、日韓双方で大きな話題となった。 同10月には文在寅大統領の退陣を求めて、ソウルで20万人! が夜を徹してのデモを行っているし、12月には韓国で製作された徴用工像のモデルが実は日本人であったとして、当の像の作者が名誉棄損の裁判を起こしている。こうした出来事が、日韓関係をよい方に向かわせる力となるのかはわからないが、その行方は日韓2国の関係だけでは見えてこない』、「昨年から続出している「反日」とは逆の動き」、初めて知ったが、勢いを増してほしいものだ。
・『日本・韓国は米中どちら側につくのか?  年初来の新型コロナウイルスの感染拡大と、それに乗じた香港に対する中国の強権発動を機に、米国と中国の対立がいっそう先鋭化している。これは貿易のカネ勘定の争いではなく、2つの超大国の覇権争いであり、民主主義国家とそうでない国との価値観の争いでもある。一時「外交の天才」と称されたという韓国・文在寅政権も、当然「どちら側」につくかの選択を余儀なくされよう。 世界各地で強権的な「コロナ外交」を展開する中国との「断絶宣言」を行ったトランプ米大統領は台湾にエールを送り、英国・イタリア・ドイツ・インド・オーストラリアなど8カ国が計100兆ドル(約1京1000兆円)超の損害賠償を求めるなど、対中包囲網が敷かれている。もっとも日本は、安倍首相がコロナ発生地として中国を名指しにはしたものの、今のところこの輪には加わらず、習近平を国賓として招く予定も消えていない。 韓国はどうだろう。そもそも2015年には中国・北京に赴いた朴槿恵大統領(当時)が習近平・中国国家主席、プーチン露大統領らと並んで「抗日戦争勝利・世界ファシズム戦争勝利70周年記念式典」の貴賓席に並んでいたが、文大統領も昨年のGSOMIAの一件でとうとう米国にも愛想をつかされ、日本に対しても、中国に近づきすぎることへの恐怖感と、日韓通貨スワップ協定の締結という本音は抱きつつも、昨年来の輸出規制措置や徴用工訴訟の件を蒸し返し、関係改善のそぶりを表立っては見せていない。 このままなら、韓国は日米との数十年来の縁を解消し、中国の勢力圏入りする可能性は大きい。日韓の関係はお互いの国民感情以前に、すでに米中関係に規定されているようだ。ここまでの流れは必然で、慰安婦問題をはじめとする日韓間の数々の衝突はそれを強力に後押しした格好だ。今回の告発騒動も、その動きに際してのハレーションに過ぎない可能性もある。 正義連と連動して日本政府批判を延々繰り返してきた日本国内の慰安婦支援団体や朝日新聞ほか主要メディアは、この一連の出来事をどうとらえているのだろうか。仮に「日本と韓国の離反」「韓国を北朝鮮・中国に差し出す」という正義連の目的が本当なら、長年にわたる宿願が達成され、「思惑通り」とほくそ笑んでいるのだろうか』、米中の対立が激化するなかで、「韓国」が「中国の勢力圏入りする」とすれば、韓国の半導体産業や自動車産業には大打撃だろう。日本としては、韓国財界と手を組んで、「中国の勢力圏入り」を阻止すべきだろう。

第三に、6月14日付け文春オンライン「《慰安婦団体内紛でついに死者》明るみに出た尹美香の「セコい財テク術」と「安倍批判記事」」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/38411
・『「私が死ぬところを撮影しようと待っているのか!」 6月8日午後、韓国ソウル市の汝矣島にある国会議員会館530号室でこんな怒声が響いた。 声の主は、今年4月の総選挙で初当選した韓国与党・共に民主党の尹美香(ユン・ミヒャン)議員(55)。慰安婦支援団体・正義記憶連帯(正義連)の前理事長だった彼女は、慰安婦問題とカネを巡る数々の疑惑で韓国メディアを騒がしている渦中の人物だ。 その前々日、6月6日の夜10時50分頃には、ソウル市麻浦区にある慰安婦休養施設のソン・ヨンミ所長(60)が自宅で死んでいるのが発見された。死因は縊死と見られている。 尹氏とソン氏は、長く行動をともにしてきた間柄だ。尹氏は、ソン氏の死の翌日、休養施設を訪れた後、検察の捜査とメディアの取材がソン氏を死に追いやったかのように非難する文を自身のフェイスブックに投稿。そして8日に登院すると、議員会館の事務室前に集まった取材記者たちに声を荒げたわけだ』、「慰安婦休養施設のソン・ヨンミ所長」が死んだのは初めて知ったが、責任感が強かったのだろう。
・『せせこましいスキャンダル  一連のスキャンダルが噴出したのは、今年5月7日から。元慰安婦女性・李容洙(イ・ヨンス)氏(91)が記者会見やインタビューを通じ、元慰安婦女性の処遇や不透明なカネの流れなどについて尹氏を公然と批判したのが発端だ。これにともなって正義連と尹氏のカネにまつわる疑惑がいくつも浮上し、尹議員は初登院の前から検察の調査を受けることになった。 正義連の前身・韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が発足したのは1990年。やがて閣僚経験者や国会議員が名を連ねる有力な圧力団体に成長し、一民間組織でありながら日韓の慰安婦問題で絶大な影響力を振るうようになった。 2015年の慰安婦問題の日韓合意でも、韓国外交部(外務省に相当)が事前に協議内容を挺対協に漏らしていた疑惑がある。だがそうした大きな存在感の割に、疑惑の多くは尹氏の身内が絡んだせせこましい内容ばかりだった』、「せせこましいスキャンダル」とは言い得て妙だ。
・『取り沙汰される「カネをめぐる5大疑惑」  今回浮上した主な疑惑は5つ。1つめは、元慰安婦女性の憩いの場としてソウル郊外の安城市に用意された施設の転売問題だ。 挺対協はこの建物を2013年に相場の倍近い7億5000万ウォン(約6700万円)で買い入れた後、今年4月に4億2000万ウォン(約3750万円)で売却したという。韓国では不動産の転売で差益を稼ぐのが財テクの常道であり、団体に大損をさせた不自然な取引の真意が詮索されているわけだ。またこの施設の管理費名目で尹氏の父親に7580万ウォン(約680万円)支給していたことも、人々を呆れさせた。 2つめの疑惑は、正義連=挺対協に対する後援金などの振込先が尹氏個人の銀行口座だった問題だ。尹氏は「金額さえ合っていれば問題ないと思ったが、安易な行動だった」と謝罪。だが当然ながら私的流用の疑いは拭い切れていない』、高値購入、安値売却の裏には別の取引が隠されている可能性もありそうだ。
・『正義連のニュースレターを夫の会社に発注  残りの疑惑は、どれも尹氏の個人的な金銭問題だ。3つめは、尹氏夫妻が1995年から2013年まで、自宅や賃貸用と思われるセカンドハウスを現金で計7回も売買していた問題。尹氏は購入資金について辻褄の合わない説明をしてすぐ言葉を翻すなどしており、その出所に疑惑の目が向けられている。 今月5日にはまた、尹氏の義妹名義になっていた住宅も実質的な所有者が尹氏夫妻ではないかとの疑惑が提起された。  4つめは、尹氏の夫、キム・サムソク氏が絡んだ疑惑だ。キム氏は1994年に北のスパイ容疑=国家保安法違反で懲役4年の判決を受けた経歴の持ち主。後の再審請求を経て2018年に一部無罪が認められたが、「反国家団体と接触して工作資金を受け取った」点については有罪とされた。 キム氏はこの間の2005年にソウル近郊の水原市でローカル紙「水原市民新聞」を刊行、ウェブ版とともに運営を続けている。この「水原市民新聞」に対し、正義連はニュースレターの編集とデザインを発注し続けてきた。正義連は入札を経ていると主張するが、同団体への寄付金や政府の補助金が「水原市民新聞」を通して尹氏の身内に還流している構図は否めない。 いっぽうでキム氏の新聞は、身内の宣伝にも余念がないようだ。疑惑発覚後の今年5月12日にはウェブ版に「安倍が最も憎む国会議員、尹美香」と題した外部からの寄稿を掲載し、尹氏を「日本の軍国主義復活のための平和憲法改正に最も邪魔になる人物」と紹介して、妻の立場を擁護。また2016年2月には、ピアノをたしなむ娘のリサイタルの告知に紙幅を割いている。 2015年9月には挺対協の欧州キャンペーンを伝える記事で、読者に募金を呼びかけた。掲載された振込先は、上述の通り尹氏の個人口座だ。この問題については今年5月25日、韓国の市民団体が、尹氏の個人口座を振込先にして寄付金の私的流用に加担したのは問題だとして、ソウル西部地検に告発。同時にキム氏は実在しない「幽霊記者」の名義で作成した記事をポータルサイトに提供、その業務を妨害したなどの容疑でも告発を受けている』、「安倍が最も憎む国会議員、尹美香」には苦笑せざるを得ない。いずれにせよ、これらは「せせこましいスキャンダル」だ。
・『変転する娘のUCLA留学費用の説  最後は、娘の留学に関する疑惑だ。ピアノを学んでいる娘は2016年から米イリノイ大、2018年から米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)音大の2年課程に在学している。 韓国紙「毎日経済」によるとイリノイ大の学費は年間4万ドル(約430万円)、またUCLAでは2018年9月から今年3月までに8万5000ドル(約910万円)の学費を要したとされる。これに対して尹氏の夫キム氏の年収は、本人の申告を元に野党議員が算出したところによると約2500万ウォン(約223万円)だ。 生活費なども加えた高額な留学費用について、尹氏は当初「全額を奨学金で賄える大学を探した」と説明していた。 だがUCLAが留学生に全額奨学金を支給しないことが分かると、夫が再審で一部無罪を勝ち取った際の2億4000万ウォン(約2140万円)の賠償金を充てたと言葉を翻した。しかし前述の通りキム氏の再審の結果が出たのは2018年であり、2016年からそれまでの留学費用をどうしたかは説明されていない。 当の娘は、疑惑が浮上した後にSNS上での活動を中断。だが母親の尹氏が正式に国会議員の身分となるのを待っていたかのように、6月上旬に卒業記念写真を投稿して韓国メディアの注目を集めていた』、釈明のお粗末さには呆れ果てた。
・『ソン氏の死を巡っても渦巻く疑惑  死亡したソン氏について尹氏自身が綴ったところによると、2人が知り合ったのは2004年。慰安婦休養施設の担当者を探していた尹氏は月給80万ウォン(約7万1000円)しか提示しなかったが、ソン氏は誘いに応じた。2004年当時、韓国の大卒初任給は178万7000ウォン(約15万9000円)だ。ソン氏はそれから3カ月の間に3回も辞表を書いたが、尹氏は泣きながら引き止めたそうだ。 そのソン氏を巡っても今月12日、元慰安婦女性の口座を使ってマネーロンダリングしていたという疑いが報じられている。現地大手紙「朝鮮日報」によると疑惑を提起したのは、ソウル市麻浦区の慰安婦休養施設で暮らしていた元慰安婦女性の孫娘だ。孫娘がソン氏に電話して、祖母の口座から多額の現金を引き出したことを問いただしてほどなく、その死が知らされたという。同じく「国民日報」はまた、孫娘が問題の「背後にいるのは尹氏だろう」とコメントしたとも伝えている。 「朝鮮日報」は同じ日、ソン氏が最後に電話で話した相手が尹氏だと確認されたとも報じた。尹氏の秘書が「ソン氏がいる自宅に人の気配がない」と消防に通報したのは、最後の通話から約12時間後の夜10時33分のことだ。 ソン氏の死についても野党は追及の勢いを強めているが、真相が明らかになる日は来るのだろうか』、「消防に通報したのは、最後の通話から約12時間後」、極めて不自然だ。検察がこれらの疑惑を明らかにしてほしいものだが、「文」政権から横ヤリが入る可能性もありそうだ。いずれにしても、韓国が「慰安婦問題」を切り出し難くなったとすれば、結構なことだ。
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