SSブログ

キシダノミクス(その8)(池田大作氏ヨイショで炎上!旧統一教会をつぶす岸田首相は「創価学会」につぶされる、「日韓トンネル建設を推進」岸田文雄首相の後援会長は「統一教会」関連団体の議長《旧統一教会系トップと面会報道》、官邸記者団が追及しない「岸田首相の論理破綻」…岸田政権に突き刺さるブーメランと安倍派の「逆襲」) [国内政治]

キシダノミクスについては、本年7月30日に取上げた。今日は、(その8)(池田大作氏ヨイショで炎上!旧統一教会をつぶす岸田首相は「創価学会」につぶされる、「日韓トンネル建設を推進」岸田文雄首相の後援会長は「統一教会」関連団体の議長《旧統一教会系トップと面会報道》、官邸記者団が追及しない「岸田首相の論理破綻」…岸田政権に突き刺さるブーメランと安倍派の「逆襲」)である。

先ずは、本年11月23日付けダイモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「池田大作氏ヨイショで炎上!旧統一教会をつぶす岸田首相は「創価学会」につぶされる」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/332845
・『創価学会は岸田政権の「アキレス腱」  「国内外で、平和、文化、教育の推進などに尽力し、重要な役割を果たされ、歴史に大きな足跡を残されました」――。 新興宗教「創価学会」の池田大作名誉会長が亡くなったことを受けて、岸田文雄首相がSNSに投稿をした哀悼コメントが「政教分離はどこいった?」と炎上している。 ただ、個人的には、岸田首相が旧統一教会を「社会的に問題が指摘される」ことを理由に政治決断で解散命令請求を下した時点から、創価学会との関係で炎上することはわかりきっていた。「いよいよ“終わり”のはじまりだなあ」くらいの感想しかない。 なぜわかりきっていたか。ちょっと長いが、その理由を一言で言ってしまうとこうなる。 「自民党は、さまざまな宗教団体の支援を取り付けて、“政教分離”をなあなあにすることで大きくなってきた政党なので、どこかの宗教を切り捨てればそのロジックがそのまま特大ブーメランになって突き刺さる」 手前みそで恐縮だが、筆者は1年以上前から以下のような記事で、岸田政権にとって「創価学会」がアキレス腱になると予想してきた。 《創価学会へ統一教会批判が飛び火!それでも被害者救済法が「骨抜き」にされそうな訳》(22年11月10日) 今、旧統一教会が指摘されている高額献金や宗教2世などの問題は、創価学会をはじめ、あらゆる宗教団体にあてはまる普遍的な問題だ。うそだと思うなら、「創価学会 被害者 高額献金」などでググってみればいい。旧統一教会の「被害者」と同じく、「人生をめちゃくちゃにされた」と訴える被害者が出てくるはずだ。 つまり、政治が旧統一教会との関係を清算するのなら、同じく「被害」を訴える人が存在している創価学会との関係も清算しなくては、筋が通らないのだ』、「政治が旧統一教会との関係を清算するのなら、同じく「被害」を訴える人が存在している創価学会との関係も清算しなくては、筋が通らないのだ」、その通りだ。。
・『解散命令請求で「バンドラの箱」を開けてしまった  関係を見直さなければいけないのは、創価学会だけではない。 「自民党と旧統一教会の蜜月関係が問題だ!」と怒っている人たちはあまりご存じないだろうが、自民党に選挙応援をしている宗教団体など日本中に山ほどある。党内の保守系議員は、日本全国の神道系の宗教団体からなる「神道政治連盟」や「日本会議」の支持を受ける。他にも仏教系団体や、ローカル新興宗教に応援されている議員もいる。そして、ここが大事なポイントだが、そういう宗教団体の中には、元信者や信者のその家族が「だまされた」と訴えている「社会的に問題が指摘されている団体」もある。 これらの宗教団体は、ちゃんと政策に影響を与えている。 例えば、政府与党が選択的夫婦別姓に消極的だったり、LGBT法案を「骨抜き」にしたのは、神道系団体がこれに反対をしていることが影響している。ネットやSNSの陰謀論者の間では、すべて旧統一教会の仕業ということになっているのだが、団体の多さ、すなわち選挙や政治への影響力からいってありえない。旧統一教会の政治団体は、無数にある自民党支持の保守系政治団体の中の「ワン・オブ・ゼム」に過ぎないのだ。 ということは、旧統一教会と同じようなことを主張して、同じように蜜月関係で、同じように自民党議員が会合に参加したりする神道系の宗教団体についても、マスコミは「宗教汚染」「ズブズブ」とメスを入れなくてはダブルスタンダードになってしまう。 旧統一教会を「政教分離に反する」と切り捨てるということは、政府や自民党は創価学会や神社本庁ともしっかりと距離を置かなければいけない。それができなければ、「二枚舌メガネ」などと叩かれて炎上するのも当然なのだ。 そんな「宗教ブーメラン」にさらに破壊力をもたせてしまったのが、「解散命令請求」だ。『解散命令請求背景に岸田首相の強い意志 選挙もにらむ』(産経ニュース10月13日)という報道からもわかるように、岸田首相にとってこれは「カルトをこらしめて国民の溜飲を下げて支持率V字回復」という狙いがあった。 しかし、それは目先の利益しか見ておらず、中長期的には岸田政権どころか自民党まで崩壊させてしまう「バンドラの箱」を開けてしまったと言わざるを得ない。解散命令請求時、この政治決断の問題点を指摘した箇所を再掲しよう。 《理屈上はあらゆる新興宗教をターゲットにできる。反政府運動にも利用できる。自民と連立を組む公明党の支持母体・創価学会の被害を訴える「元信者」をたくさん集めて民事訴訟を起こして、政府に迫れば連立も解消させられる。「社会的に問題がある団体」とは関係を断つと岸田首相が宣言している以上、自民党は「問題」を指摘された団体はすべて切らなくてはいけない》(10月12日)』、「『解散命令請求背景に岸田首相の強い意志 選挙もにらむ』・・・という報道からもわかるように、岸田首相にとってこれは「カルトをこらしめて国民の溜飲を下げて支持率V字回復」という狙い・・・それは目先の利益しか見ておらず、中長期的には岸田政権どころか自民党まで崩壊させてしまう「バンドラの箱」を開けてしまった」、「目先の利益」に囚われて、「中長期的には」ダメージとなる「「バンドラの箱」を開けてしまった」、とは岸田首相の判断ミスだ。
・『創価学会との蜜月関係にも厳しくなった民衆の目  これまで説明してきたように、自民党の議員はそれぞれの選挙区で、さまざまな宗教団体の支援を受けている。その中には“被害者のいる宗教団体”もある。そういうところの信者が、選挙ボランティアをしてくれるし、名簿づくりを手伝ってくれたりもする。だから、自民党議員としては、ギブ・アンド・テイクでそれらの宗教団体の会合があれば顔を出す。頼まれたらスピーチもするし、教祖やら幹部との記念写真もたくさん撮影する。 それが政治の世界では「常識」だったが、これからはすべて「アウト」になる。そして、ここが大事なポイントだが、野党や反政府運動をする人々はそこを戦略的につけば、自民党をガタガタに崩壊させることができるということだ。 今、旧統一教会の「被害」を訴えている人々の話が大体20年、30年前の話だということからもわかるように、宗教というものは、「信仰を失った人々」にとって長く憎悪と敵意の対象になる。それは裏を返せば、元信者や家族に水を向ければ、「○○教の被害者」などいくらでも見つけることができるということだ。そういう「被害者」をまとめて民事訴訟を起こせば、ほとんどの宗教団体は「社会的に問題を指摘される団体」にできる。 そして、もし筆者が反自民の人間なら、このスキームで狙うのは、やはりもっとも自民党と蜜月である「創価学会」だ。 ご存じのように、この宗教団体の信者は、自民党と連立を組んでいるので、大臣や政務三役になっている。しかも、政策に影響力がある。岸田政権でも公約になかった「18歳以下を対象にした10万円バラまき」が強行されたのは、公明党、つまりは創価学会からの強い要望を受けたからだ。そんな政権のコントロール力を公明党側も隠さない。 《公明党は「小さな声を聴く力」を生かし、子育て支援やバリアフリーを大きく拡充させてきました。また、経済再生にも成果を上げています。近年の国政選挙を見ても、掲げた公約を着実に実現しています。参院選では、各党が公約を掲げて支援を訴えていますが、日本を前へ進めることができるのは公明党です》(公明党ホームぺージより) 「日本を前に進める」というのは内政だけではない』、「宗教というものは、「信仰を失った人々」にとって長く憎悪と敵意の対象になる。それは裏を返せば、元信者や家族に水を向ければ、「○○教の被害者」などいくらでも見つけることができるということだ。そういう「被害者」をまとめて民事訴訟を起こせば、ほとんどの宗教団体は「社会的に問題を指摘される団体」にできる。 そして、もし筆者が反自民の人間なら、このスキームで狙うのは、やはりもっとも自民党と蜜月である「創価学会」だ。 ご存じのように、この宗教団体の信者は、自民党と連立を組んでいるので、大臣や政務三役になっている。しかも、政策に影響力がある」、なるほど。
・『旧統一教会より創価学会の方がよほど問題では?  山口那津男代表は22日、中国の北京を訪問して、岸田文雄首相からの親書を携えて習近平国家主席ら要人との会談を打診している。日本産の水産物の輸入停止措置を解除するよう求めるという。日本政府は「親中」で知られる創価学会のコネクションに依存して、中国外交をしているのだ。 ここまで世話になっているならば、その献身に対して自民党が創価学会へ何かしらの「見返り」を用意しているのではないかと考えるのも当然だ。 この1年半ほどマスコミは「旧統一教会が政教分離に反する」と大騒ぎをしていたが、創価学会の方がよほど問題のような気がする。 ジャーナリストの櫻井よしこ氏がフジテレビの報道番組で「旧統一教会は6万票から8万票ですよ、創価学会は600万票から800万票ですよ」と述べていたが、旧統一教会と創価学会では集票力も資金力も雲泥の差だということは、政治を取材してる人間ならば「常識」だ。 旧統一教会が「創価学会に比べて大したことのない影響力」だということは政策を見てもわかる。旧統一教会を母体とする反共団体「国際勝共和連合」が掲げている政策も「憲法改正」や「選択的夫婦別姓反対」「LGBT法案反対」など他の神道系政治団体の政策と丸かぶりだ。旧統一教会の教祖・文鮮明氏が提唱していた「日韓トンネル」(日本と韓国を海底トンネルで繋ぐ構想)を安倍政権が成長戦略に入れたとかの事実があれば、「日本を裏で支配するカルト」という主張にも納得だが、そういう話もない。 また、安倍元首相とズブズブだったおかげで、やりたい放題の悪事ができたとか主張をするような人もいるが、事実は逆で、安倍政権は2018年に消費者契約法を改正して、「霊感商法」のような詐欺商法にひっかかっても、お金を取り戻せるような法整備をした。ストーリーがあまりに「雑」なのだ。 このように、選挙的にも政策的にもそれほど大きな影響力があったと思えない旧統一教会が「巨悪」として解散命令請求をされている中で、櫻井氏の言葉を借りれば、100倍の集票力があり、中国の国家主席ともパイプのある創価学会と自民党との蜜月関係を「政教分離に反さない」というのはさすがに無理があるのではないか』、「それほど大きな影響力があったと思えない旧統一教会が「巨悪」として解散命令請求をされている中で、櫻井氏の言葉を借りれば、100倍の集票力があり、中国の国家主席ともパイプのある創価学会と自民党との蜜月関係を「政教分離に反さない」というのはさすがに無理があるのではないか」、その通りだ。
・『その場しのぎの「二枚舌」は炎上する  事実、歴史をひも解けば自民党は「公明党」の存在そのものを政教分離に反すると認めていなかった。 1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件を受けて、「カルト宗教問題」が大きな社会テーマになり、翌96年に自民党が「宗教問題ワーキングチーム」を立ち上げて、「宗教法人基本法案」の骨子をまとめた。 『自民党が検討している「宗教法人基本法案」(仮称)の骨格が四日までに固まった。宗教団体の政治活動の「政教分離」に関する憲法二〇条の政府解釈を見直し、宗教団体の政党創設を禁じたほか、靖国神社への首相、閣僚の公式参拝も事実上、禁止している。また、「信者の脱会の自由」や「霊感商法の禁止」などの規定を盛り込んでいるのが特徴だ』(読売新聞1996年1月5日) これを聞くと、驚くだろう。実はこの時代、自民党は社会党、新党さきがけと連立を組んでいた。公明党は分裂して、その一部は小沢一郎氏率いる新進党と手を組んでいた。要するに自民の「敵」だったのだ。 だから、この時期の国会では亀井静香氏や島村宜伸氏らが、今の旧統一教会への批判がかわいく思えるほどの創価学会バッシングを展開した。亀井氏にいたっては、池田大作名誉会長から公明党に指示があるのかなどを確認するため、池田氏の国会招致を請求。学会員の皆さんから「仏敵」などと憎まれていたのだ。 そんな自民党の「宗教団体の政党創設禁止」という案はほどなくして闇に消えた。先ほども述べたように、自民党は当時からもあまたの宗教団体から支持を受けており、その方面からクレームが入ったからだ。 そして、もう二度とこのような法案が自民党から出ることはなくなった。公明党と連立を組んだからだ。 何が言いたいのかというと、自民党と宗教団体との関係における「政教分離の解釈」なんて、こんな程度だということだ。宗教によって自分たちが「損」しそうになれば、容赦なく切り捨てるし、「得」になればズブズブの共生者となってヨイショもすれば祝電も送る。 ただ、そういう節操のないことをしていると「因果応報」ではないが、自分自身も必ず同じようなひどい目に遭うだろう。 旧統一教会という特定の宗教団体にすべての「罪」を押し付けてその場しのぎで延命できても、これまで宗教団体と同じようなズブズブの関係を続けてきたのだ。その「二枚舌」はいつか白日のもとにさらされて大炎上する。 「人を呪わば穴ふたつ」ではないが、「宗教をつぶした政治家は、宗教によってつぶされていく」ということかもしれない』、「自民党と宗教団体との関係における「政教分離の解釈」なんて、こんな程度だということだ。宗教によって自分たちが「損」しそうになれば、容赦なく切り捨てるし、「得」になればズブズブの共生者となってヨイショもすれば祝電も送る。 ただ、そういう節操のないことをしていると「因果応報」ではないが、自分自身も必ず同じようなひどい目に遭うだろう。 旧統一教会という特定の宗教団体にすべての「罪」を押し付けてその場しのぎで延命できても、これまで宗教団体と同じようなズブズブの関係を続けてきたのだ。その「二枚舌」はいつか白日のもとにさらされて大炎上する」、同感である。

次に、12月5日付け文春オンラインが掲載した「「日韓トンネル建設を推進」岸田文雄首相の後援会長は「統一教会」関連団体の議長《旧統一教会系トップと面会報道》」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/67429
・『岸田文雄首相が自民党政調会長だった2019年10月、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の友好団体のトップと自民党本部で面会していたことを、朝日新聞が複数関係者の証言とともに報じた。 実は「週刊文春」は、昨年8月、岸田首相の後援会長を務める人物が「統一教会」関連団体の議長に就任していたことを報じていた。以下、当時のスクープ速報を再公開する(初公開:2022年8月23日、年齢・肩書きは当時のまま)。 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係性を踏まえ、内閣改造に踏み切った岸田文雄首相(65)。自身の後援会長が、統一教会の関連団体で議長を務めていることが「週刊文春」の取材でわかった。首相はこれまで「私個人は教団と関係はない」としていた。
・『岸田首相の後援会長とは  岸田首相は8月10日の記者会見で、内閣改造にあたり、「国民の疑念を払拭するため、閣僚に対し、当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを言明し、それを了解した者のみを任命した」などと述べていた。 「野田聖子地方創生相をはじめ、統一教会との関係性が指摘された7人の閣僚を退任させました。ただ、以降も教団との関わりがあった閣僚や副大臣の存在が相次いで判明しています」(政治部デスク) 岸田首相の後援会長とは、崇城大学(熊本市)の中山峰男学長。2020年7月31日に発足した「熊本岸田会」会長を務めている。 地方での知名度不足が課題だった岸田氏にとって、総裁選で勝利するには、党員票の掘り起こしは急務だった。中でも熊本は重点県だったという。岸田派議員を複数抱える一方、弱点でもある保守層が強い地域だからだ。中山氏は後援会長として、党員票集めに奔走していたという。) 「2021年9月の総裁選では、後援会結成の成果が現れました。全国的に党員票をリードしていたのは、“人気者”の河野太郎氏でしたが、熊本では岸田氏が6109票に対し、河野氏は6012票。97票差ながら、岸田氏が上回ったのです。両者の一騎打ちとなった決選投票では、熊本の貴重な『1票』が岸田氏に投じられました。結果、自民党総裁選に就任し、首相の椅子に座ることになりました」(同前)』、「2021年9月の総裁選では、後援会結成の成果が現れました。全国的に党員票をリードしていたのは、“人気者”の河野太郎氏でしたが、熊本では岸田氏が6109票に対し、河野氏は6012票。97票差ながら、岸田氏が上回ったのです。両者の一騎打ちとなった決選投票では、熊本の貴重な『1票』が岸田氏に投じられました。結果、自民党総裁選に就任し、首相の椅子に座ることになりました」、「熊本」が重要なキャスティングボードを握っていたとは初めて知った。
・『2016年には韓鶴子総裁が来日 日韓トンネルを視察  一方、中山氏は2011年から、「日韓トンネル推進熊本県民会議」の議長を務めていた。 日韓トンネル構想とは、統一教会の教祖・文鮮明氏が提唱したプロジェクト。統一世界実現のため、日本と韓国をトンネルで結ぶという壮大な計画だ。全長は200キロで、総工費は10兆円に及ぶとされる。 実際、佐賀県唐津市では1986年に調査斜坑が起工された。ただ、現在までに500メートル程度の長さのトンネルが掘られたに過ぎない。 「それでも、2009年には『一般財団法人国際ハイウェイ財団』が設立され、徳野英治氏ら教団の会長経験者が評議員として名を連ねてきた。2016年には韓鶴子総裁が来日し、トンネルを視察するなどしています」(社会部記者)』、「日韓トンネル構想とは、統一教会の教祖・文鮮明氏が提唱したプロジェクト。統一世界実現のため、日本と韓国をトンネルで結ぶという壮大な計画だ。全長は200キロで、総工費は10兆円に及ぶとされる。 実際、佐賀県唐津市では1986年に調査斜坑が起工された。ただ、現在までに500メートル程度の長さのトンネルが掘られたに過ぎない。 「それでも、2009年には『一般財団法人国際ハイウェイ財団』が設立され、徳野英治氏ら教団の会長経験者が評議員として名を連ねてきた。2016年には韓鶴子総裁が来日し、トンネルを視察」、「一般財団法人国際ハイウェイ財団」は実態があるのだろうか。
・『熊本岸田会も最初はお断りしていた  県政関係者が言う。 「統一教会の教義は、エバ国の日本がアダム国の韓国に対し、悔い改めなければいけないというもので、“反日”的な面が色濃い。ただ、その教義とは裏腹に、日韓トンネルは表向き、日韓友好を掲げてきました。関係者には政治と近い面々も多い。中山氏はこうした政界人脈を通じ、岸田氏の党員票獲得に動いてきたと見られます) 中山氏に話を聞いた。 「日韓トンネルは発起人に入っている市議に会長(議長)になってほしいと言われ、引き受けた。私が出ているのは、年に一度の総会くらい。韓国では日韓トンネルをやっているのは、旧統一教会系と聞いたことがあります。だけど、熊本でそういう人が関わっている印象は全くありません。 熊本岸田会も最初はお断りしていたけど、どうしてもということで引き受けた。岸田さんと最初に会ったのは、2019年12月。話も聞いてくれる好人物と思った。こっちは、総裁選で岸田さんに入れてくれる党員を増やそうという目的で。目標は達成できましたね」』、「「日韓トンネルは発起人に入っている市議に会長(議長)になってほしいと言われ、引き受けた。私が出ているのは、年に一度の総会くらい。韓国では日韓トンネルをやっているのは、旧統一教会系と聞いたことがあります。だけど、熊本でそういう人が関わっている印象は全くありません。 熊本岸田会も最初はお断りしていたけど、どうしてもということで引き受けた。岸田さんと最初に会ったのは、2019年12月。話も聞いてくれる好人物と思った。こっちは、総裁選で岸田さんに入れてくれる党員を増やそうという目的で。目標は達成できましたね」、なるほど。
・『自らと統一教会については「関係はない」としてきたが…  岸田首相に事実関係の確認を求めたところ、以下のように回答した。 「ご質問の会議(日韓トンネル推進熊本県民会議)については存じ上げませんし、同会議がご指摘のような関係があること(統一教会の関連団体であること)について知りません。関係について会長に確認したところ、会長もご存じないようでした」 そして、「週刊文春」の取材では、地元広島で選対責任者を務める県議や、強力に推して広島県から国会議員に当選させ岸田派入りさせた前県議も、統一教会の関係団体と親密な関係があることがわかった。 岸田首相は、閣僚に対し、統一教会との関係を厳正に見直し、関係を断つよう求めた。一方、自らと統一教会については「関係はない」としてきた。ただ今回、岸田首相自身も統一教会と関係の深い人物が、後援会長や選対責任者など岸田氏の政治活動を支える中枢幹部だったことが判明したことで、どのような説明を行うのか、注目される。 「週刊文春 電子版」では、岸田首相と中山氏との詳しい関係や日韓トンネル構想の実態のほか、岸田首相の選対責任者が統一教会系団体の議長を務めている問題、萩生田光一政調会長を支援してきた文鮮明氏の親戚、教団との関係性を否定する秋葉賢也復興相が登場していた教団系新聞など、岸田政権と統一教会の関係を徹底検証している』、「今回、岸田首相自身も統一教会と関係の深い人物が、後援会長や選対責任者など岸田氏の政治活動を支える中枢幹部だったことが判明したことで、どのような説明を行うのか、注目される」、ただ、現在は安倍派での自民党のパーティ券裏金問題が火を噴き、統一教会問題の優先度は下がったので、当面、塩漬けだ。

第三に、12月15日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの長谷川 幸洋氏による「官邸記者団が追及しない「岸田首相の論理破綻」…岸田政権に突き刺さるブーメランと安倍派の「逆襲」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/120796?imp=0
・『総理の座にしがみつく「支離滅裂」  自民党のパーティ券裏金問題で、岸田文雄首相は14日、安倍派の閣僚4人と副大臣5人を更迭した。だが、岸田派にもパーティ券収入の過少記載問題が浮上している。同じ疑惑で大臣を更迭しながら、自分は総理の座にしがみつくのであれば「支離滅裂」と言わざるをえない。 まず、一連の経過を確認しよう。 岸田首相の人事断行方針は、11日には報じられていた。この時点では、政務官を含めて、安倍派を政府の役職から一掃する方針と伝えられた。その後、NHKが12日、岸田派のパーティ券収入過少記載疑惑を報じた。 首相は13日、首相官邸で開いた記者会見で「(政治)改革は、これから確認される事実に基づいて明らかにしていく」と語った。一方で「国政に遅滞を来すことがないように」という理由を挙げて「速やかに人事を行う」と宣言し、翌14日に更迭人事を断行した、という展開である。 当初は6人の政務官も含めて更迭する方針と報じられたが、直前になって変わり、政務官は1人を除いて留任になった。 以上をどうみるか。 そもそも「疑惑の事実関係が明らかでない段階で、マスコミ報道だけに基づいて、閣僚を4人も更迭する」という決定自体が異例だ。マスコミが報じたら、本人が認めず、捜査当局が本格的に動き出していなくても、大臣のクビを切る、という前例を作ってしまった。 これには、東京地検特捜部も驚いたのではないか。「オレたちがこれから調べる、と言っているのに、総理は、もうクビを切ってしまったのか」と唖然としているかもしれない。それとも、特捜部は内々に官邸に捜査情報を伝えていたのだろうか。そうだとしたら、それはそれで大問題である』、「そもそも「疑惑の事実関係が明らかでない段階で、マスコミ報道だけに基づいて、閣僚を4人も更迭する」という決定自体が異例だ。マスコミが報じたら、本人が認めず、捜査当局が本格的に動き出していなくても、大臣のクビを切る、という前例を作ってしまった。 これには、東京地検特捜部も驚いたのではないか」、急ぐ様子はまさに異常だった。これまで、アクションが遅いので有名だったのに、今回は違ったようだ。
・『政治の重大局面で重要なのは…  それはさておき、問題は岸田首相本人である。岸田派も疑惑が報じられたのだから、首相は自分自身も更迭しなければ、話の辻褄が合わない。つまり、内閣総辞職だ。私は「岸田首相は潔く、自ら総理を辞すべきだ」と思う。いわば、これは「自分が撒いたタネ」なのだ。 辞めた閣僚のうち、宮下一郎農相は明確に裏金受領を否定している。宮下氏は辞表提出後、記者団に「私の政治資金は法に則って、適正に処理されているが、総合的に判断した」と無念そうに語った。 もしも、同氏がシロだったとすれば、岸田首相はシロの閣僚も更迭しながら、自分自身に関わる疑惑は不問に付して、首相の職に居残っている形になる。派閥の資金であっても、つい最近まで、自分が領袖だったのだから、言い訳にはならない。 これでは「国民の信頼回復に向けて党の先頭に立って闘っていく」(首相発言)どころか「自分だけが必死に逃げ回っている」ようなものではないか。こういう展開になったのも「疑惑が明らかでないのに、大臣のクビを切る」という無茶な決定をしたからだ。 政治は重大局面を迎えたときほど「道理=物事の道筋」が重要になる。 筋道が通らない話は結局、破綻する。今回で言えば「疑惑が指摘された大臣は辞めてもらう」のであれば、同じロジックを自分にも適用しなければならない。そうしないなら、首相の対応はその場しのぎで、まったく道理がない話になる。岸田首相は、政治で一番大切な道理をわきまえていないのである。 岸田首相は、かねて「国家観も使命感もなく、やりたいのは人事だけ」と言われてきた。突然のスキャンダルに動揺するあまり、政治の道理も手順にも頭が回らず「人事を一新すれば、しのげる」と思い込んでしまった。その挙げ句、自分に火の粉を招いている。 まさに自爆としか言いようがないが、おそらく、いまでも首相は、そういう事態と認識していないのではないか。少しでも認識する力があれば、これほど、お粗末な話にはならない。助言する側近もいなかったのだろう。 首相の記者会見を聞いていて、もう1つ、呆れたのは、「首相の論理破綻」は明らかなのに、誰1人として、その点を追及した記者がいなかった点である。わずかに「人事の後で閣僚に疑惑が出た場合、どう責任をとるのか」という質問が出た程度だ』、「岸田派も疑惑が報じられたのだから、首相は自分自身も更迭しなければ、話の辻褄が合わない。つまり、内閣総辞職だ。私は「岸田首相は潔く、自ら総理を辞すべきだ」と思う。いわば、これは「自分が撒いたタネ」なのだ・・・これでは「国民の信頼回復に向けて党の先頭に立って闘っていく」(首相発言)どころか「自分だけが必死に逃げ回っている」ようなものではないか。こういう展開になったのも「疑惑が明らかでないのに、大臣のクビを切る」という無茶な決定をしたからだ。 政治は重大局面を迎えたときほど「道理=物事の道筋」が重要になる。 筋道が通らない話は結局、破綻する。今回で言えば「疑惑が指摘された大臣は辞めてもらう」のであれば、同じロジックを自分にも適用しなければならない。そうしないなら、首相の対応はその場しのぎで、まったく道理がない話になる・・・首相の記者会見を聞いていて、もう1つ、呆れたのは、「首相の論理破綻」は明らかなのに、誰1人として、その点を追及した記者がいなかった点である」、なるほど。
・『政権が生き延びるのが難しい「3つの理由」  岸田首相は、うろたえた様子で「そうした懸念が生じないように、諸課題にどう対応していくのか、そのための体制はどうあるべきか、を真剣に追求していく」と答えた。まるで答えになっていなかったが、記者団から2の矢、3の矢の質問はなかった。こんな官邸記者団だから「権力のポチ」と言われるのだ。 岸田政権は、このまま生き延びられるだろうか。 私は、3つの理由で「難しい」とみる。 事件の展開は予断を許さず、政治資金規正法違反で済むのか、それとも脱税事件にまで発展するのか、も見通せない。だが、いまや問題は法律的な次元をはるかに超えてしまった。国民は「政治家だけが裏金で甘い汁を吸っている」実態に怒りをたぎらせている。 物価高で数十円単位で節約している普通の国民から見れば、百万、千万単位はもちろん、数十万円単位の裏金だって許せない。そこへ「信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立つ」などというシラジラしい首相の言葉が、火に油を注いでいる。この国民の怒りが、1番目の理由だ。 次に、指摘した首相の論理破綻がある。疑惑だけで大臣のクビを切った以上、更迭のロジックは必ず、ブーメランになって首相に戻ってくる。派閥のカネだったとしても、首相は今回の問題が起きるまで、派閥トップの座を降りなかった。自分だけが居残って「信頼回復」などできるわけがない。 安倍派閣僚の更迭によって、政権基盤も大きく揺らいでしまった。 安倍派の萩生田光一自民党政調会長は安倍派パージに先んじて、自ら辞任の意向を表明した。「こんな総理にクビを切られるくらいなら、こちらから三行半を突きつけてやる」という話だろう。怒り狂った安倍派が今後、「岸田降ろし」の急先鋒に回るのは確実だ。これが、3つ目の理由である』、「物価高で数十円単位で節約している普通の国民から見れば、百万、千万単位はもちろん、数十万円単位の裏金だって許せない。そこへ「信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立つ」などというシラジラしい首相の言葉が、火に油を注いでいる。この国民の怒りが、1番目の理由だ・・・疑惑だけで大臣のクビを切った以上、更迭のロジックは必ず、ブーメランになって首相に戻ってくる。派閥のカネだったとしても、首相は今回の問題が起きるまで、派閥トップの座を降りなかった。自分だけが居残って「信頼回復」などできるわけがない・・・怒り狂った安倍派が今後、「岸田降ろし」の急先鋒に回るのは確実だ。これが、3つ目の理由である」、なるほど。
・『「岸田憎し」で団結  一部には「安倍派は崩壊」などという観測も出ているが、私は、逆ではないか、と思う。絶対的なトップの不在が派閥の求心力を弱めているのはたしかだが、今回のパージで安倍派全体に「岸田憎し」の思いが強まって、かえって団結していく可能性が高い。自民党内権力闘争のロジックで言えば、「敵は岸田派」なのだ。 新しい官房長官に親中派で知られた林芳正元外相を充てたのも、求心力を高める効果がある。このままでは「岸田政権が親中路線に一段と傾斜し、日本の国がおかしくなる」という思いは、多くの自民党内保守派に共通している。 岸田首相は結局、政策は霞が関任せ、政局運営は道理知らず、人事もトンチンカンで、とても1国の総理が務まるような人物ではなかった。 世界はウクライナとイスラエルで戦争が続き、戦後最大の大激動を迎えている。このままでは、日本は危うい。内閣支持率の急落に加えて、この有様では、とても衆院解散などできない。岸田首相は内閣総辞職すべきである。 ーーーーー 12月11日に公開したYouTube番組「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は、高橋さんと2人で「安倍派パージで得するのは誰か」を議論しました。 12日には、同じく「ポスト岸田は誰か」を2人で議論しました。 13日には、私の1人語りで「会見も人事も支離滅裂な岸田首相」を解説しました。 いずれも、ぜひご覧ください。ーーーーー』、「岸田首相は結局、政策は霞が関任せ、政局運営は道理知らず、人事もトンチンカンで、とても1国の総理が務まるような人物ではなかった。 世界はウクライナとイスラエルで戦争が続き、戦後最大の大激動を迎えている。このままでは、日本は危うい。内閣支持率の急落に加えて、この有様では、とても衆院解散などできない。岸田首相は内閣総辞職すべきである」、強く同意する。
タグ:キシダノミクス (その8)(池田大作氏ヨイショで炎上!旧統一教会をつぶす岸田首相は「創価学会」につぶされる、「日韓トンネル建設を推進」岸田文雄首相の後援会長は「統一教会」関連団体の議長《旧統一教会系トップと面会報道》、官邸記者団が追及しない「岸田首相の論理破綻」…岸田政権に突き刺さるブーメランと安倍派の「逆襲」) ダイモンド・オンライン 窪田順生氏による「池田大作氏ヨイショで炎上!旧統一教会をつぶす岸田首相は「創価学会」につぶされる」 「政治が旧統一教会との関係を清算するのなら、同じく「被害」を訴える人が存在している創価学会との関係も清算しなくては、筋が通らないのだ」、その通りだ。。 「『解散命令請求背景に岸田首相の強い意志 選挙もにらむ』・・・という報道からもわかるように、岸田首相にとってこれは「カルトをこらしめて国民の溜飲を下げて支持率V字回復」という狙い・・・それは目先の利益しか見ておらず、中長期的には岸田政権どころか自民党まで崩壊させてしまう「バンドラの箱」を開けてしまった」、「目先の利益」に囚われて、「中長期的には」ダメージとなる「「バンドラの箱」を開けてしまった」、とは岸田首相の判断ミスだ。 「宗教というものは、「信仰を失った人々」にとって長く憎悪と敵意の対象になる。それは裏を返せば、元信者や家族に水を向ければ、「○○教の被害者」などいくらでも見つけることができるということだ。そういう「被害者」をまとめて民事訴訟を起こせば、ほとんどの宗教団体は「社会的に問題を指摘される団体」にできる。 そして、もし筆者が反自民の人間なら、このスキームで狙うのは、やはりもっとも自民党と蜜月である「創価学会」だ。 ご存じのように、この宗教団体の信者は、自民党と連立を組んでいるので、大臣や政務三役になっている。しかも、政策に影響力がある」、なるほど。 「それほど大きな影響力があったと思えない旧統一教会が「巨悪」として解散命令請求をされている中で、櫻井氏の言葉を借りれば、100倍の集票力があり、中国の国家主席ともパイプのある創価学会と自民党との蜜月関係を「政教分離に反さない」というのはさすがに無理があるのではないか」、その通りだ。 「自民党と宗教団体との関係における「政教分離の解釈」なんて、こんな程度だということだ。宗教によって自分たちが「損」しそうになれば、容赦なく切り捨てるし、「得」になればズブズブの共生者となってヨイショもすれば祝電も送る。 ただ、そういう節操のないことをしていると「因果応報」ではないが、自分自身も必ず同じようなひどい目に遭うだろう。 旧統一教会という特定の宗教団体にすべての「罪」を押し付けてその場しのぎで延命できても、これまで宗教団体と同じようなズブズブの関係を続けてきたのだ。その「二枚舌」はいつか白日のもとにさらされて大炎上する」、同感である。 文春オンラインが掲載した「「日韓トンネル建設を推進」岸田文雄首相の後援会長は「統一教会」関連団体の議長《旧統一教会系トップと面会報道》」 「2021年9月の総裁選では、後援会結成の成果が現れました。全国的に党員票をリードしていたのは、“人気者”の河野太郎氏でしたが、熊本では岸田氏が6109票に対し、河野氏は6012票。97票差ながら、岸田氏が上回ったのです。両者の一騎打ちとなった決選投票では、熊本の貴重な『1票』が岸田氏に投じられました。結果、自民党総裁選に就任し、首相の椅子に座ることになりました」、「熊本」が重要なキャスティングボードを握っていたとは初めて知った。 「日韓トンネル構想とは、統一教会の教祖・文鮮明氏が提唱したプロジェクト。統一世界実現のため、日本と韓国をトンネルで結ぶという壮大な計画だ。全長は200キロで、総工費は10兆円に及ぶとされる。 実際、佐賀県唐津市では1986年に調査斜坑が起工された。ただ、現在までに500メートル程度の長さのトンネルが掘られたに過ぎない。 「それでも、2009年には『一般財団法人国際ハイウェイ財団』が設立され、徳野英治氏ら教団の会長経験者が評議員として名を連ねてきた。 2016年には韓鶴子総裁が来日し、トンネルを視察」、「一般財団法人国際ハイウェイ財団」は実態があるのだろうか。 「「日韓トンネルは発起人に入っている市議に会長(議長)になってほしいと言われ、引き受けた。私が出ているのは、年に一度の総会くらい。韓国では日韓トンネルをやっているのは、旧統一教会系と聞いたことがあります。だけど、熊本でそういう人が関わっている印象は全くありません。 熊本岸田会も最初はお断りしていたけど、どうしてもということで引き受けた。岸田さんと最初に会ったのは、2019年12月。話も聞いてくれる好人物と思った。こっちは、総裁選で岸田さんに入れてくれる党員を増やそうという目的で。目標は達成できましたね」、 なるほど。 「今回、岸田首相自身も統一教会と関係の深い人物が、後援会長や選対責任者など岸田氏の政治活動を支える中枢幹部だったことが判明したことで、どのような説明を行うのか、注目される」、ただ、現在は安倍派での自民党のパーティ券裏金問題が火を噴き、統一教会問題の優先度は下がったので、当面、塩漬けだ。 現代ビジネス 長谷川 幸洋氏による「官邸記者団が追及しない「岸田首相の論理破綻」…岸田政権に突き刺さるブーメランと安倍派の「逆襲」」 「そもそも「疑惑の事実関係が明らかでない段階で、マスコミ報道だけに基づいて、閣僚を4人も更迭する」という決定自体が異例だ。マスコミが報じたら、本人が認めず、捜査当局が本格的に動き出していなくても、大臣のクビを切る、という前例を作ってしまった。 これには、東京地検特捜部も驚いたのではないか」、急ぐ様子はまさに異常だった。これまで、アクションが遅いので有名だったのに、今回は違ったようだ。 「岸田派も疑惑が報じられたのだから、首相は自分自身も更迭しなければ、話の辻褄が合わない。つまり、内閣総辞職だ。私は「岸田首相は潔く、自ら総理を辞すべきだ」と思う。いわば、これは「自分が撒いたタネ」なのだ・・・これでは「国民の信頼回復に向けて党の先頭に立って闘っていく」(首相発言)どころか「自分だけが必死に逃げ回っている」ようなものではないか。 こういう展開になったのも「疑惑が明らかでないのに、大臣のクビを切る」という無茶な決定をしたからだ。 政治は重大局面を迎えたときほど「道理=物事の道筋」が重要になる。 筋道が通らない話は結局、破綻する。今回で言えば「疑惑が指摘された大臣は辞めてもらう」のであれば、同じロジックを自分にも適用しなければならない。そうしないなら、首相の対応はその場しのぎで、まったく道理がない話になる・・・首相の記者会見を聞いていて、もう1つ、呆れたのは、「首相の論理破綻」は明らかなのに、誰1人として、その点を追及した記者がいなか った点である」、なるほど。 「物価高で数十円単位で節約している普通の国民から見れば、百万、千万単位はもちろん、数十万円単位の裏金だって許せない。そこへ「信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立つ」などというシラジラしい首相の言葉が、火に油を注いでいる。この国民の怒りが、1番目の理由だ・・・疑惑だけで大臣のクビを切った以上、更迭のロジックは必ず、ブーメランになって首相に戻ってくる。派閥のカネだったとしても、首相は今回の問題が起きるまで、派閥トップの座を降りなかった。自分だけが居残って「信頼回復」などできるわけがない ・・怒り狂った安倍派が今後、「岸田降ろし」の急先鋒に回るのは確実だ。これが、3つ目の理由である」、なるほど。 「岸田首相は結局、政策は霞が関任せ、政局運営は道理知らず、人事もトンチンカンで、とても1国の総理が務まるような人物ではなかった。 世界はウクライナとイスラエルで戦争が続き、戦後最大の大激動を迎えている。このままでは、日本は危うい。内閣支持率の急落に加えて、この有様では、とても衆院解散などできない。岸田首相は内閣総辞職すべきである」、強く同意する。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本の政治情勢(その69)(東京地検特捜部が忖度なしの「自民党潰し」に動いた…パー券キックバックで常態化した「裏ガネづくり」に本格メス、「ポスト岸田」が「自民党キックバック大崩壊」で浮上…誰だ誰だ 裏を引くのは結局「霞が関」なのか、【安倍派】裏金疑惑の根底にある資金基盤の弱さ モリカケ、五輪汚職から旧統一教会問題まで 裏の「票と金」に頼る黒歴史、岸田首相の人事刷新は難航確実 安倍派の政務三役15人クビ切り画策も 後任打診にNO続出か) [国内政治]

日本の政治情勢については、11月30日に取上げたばかりだが、事態が急進展している今日は、(その69)(東京地検特捜部が忖度なしの「自民党潰し」に動いた…パー券キックバックで常態化した「裏ガネづくり」に本格メス、「ポスト岸田」が「自民党キックバック大崩壊」で浮上…誰だ誰だ 裏を引くのは結局「霞が関」なのか、【安倍派】裏金疑惑の根底にある資金基盤の弱さ モリカケ、五輪汚職から旧統一教会問題まで 裏の「票と金」に頼る黒歴史、岸田首相の人事刷新は難航確実 安倍派の政務三役15人クビ切り画策も 後任打診にNO続出か)である。

先ずは、12月7日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの伊藤 博敏氏による「東京地検特捜部が忖度なしの「自民党潰し」に動いた…パー券キックバックで常態化した「裏ガネづくり」に本格メス」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/120350?imp=0
・『常態化した裏ガネづくり  東京地検特捜部が自民党に、猛禽のように襲いかかっている。 臨時国会が閉会する12月13日以降は、派閥パーティー券の裏金疑惑で各派閥の会計責任者、会長・事務総長経験者、キックバックを受け取った所属議員、パーティー券を購入した側の政治団体幹部などの事情聴取が、いよいよ本格化する。 疑惑の中心は最大派閥の安倍派だ。所属議員に当選回数やポストに応じてパーティー券販売のノルマを与え、ノルマを超過した議員に対してはその分をキックバック。派閥も議員側も報告書に記載していないので完全な裏ガネだ。判明しているだけで10人以上が裏ガネに関与し5年間(18~22年)でその総額が1億円以上という。 悪質さに軽重はあるものの、既に二階派の不記載も判明しており、特捜部の捜査は5派閥全てを視野に入れたものになる。 そもそも摘発のきっかけは、5派閥が18~21年の収支報告書にパーティー券収入を約4000万円少なく記載していたとして昨年11月に『しんぶん赤旗』日曜版がスクープし、それを受けて調査した神戸学院大学の上脇博之教授による告発だった。 受理した特捜部の捜査によって、「常態化した裏ガネ作り」が判明。無申告の脱税事件でもあり過少記載から局面は変わった。 自民党に対する23年分の政党交付金は約159億円。国民にそれだけの負担をさせながら、なおも派閥ぐるみで裏ガネを捻出する自民党政治とは何なのか――。 検察は全国から応援検事を集めて捜査する体制を固めており、安倍派を中心に全派閥を捜査。証拠と供述によっては未公開株が政界を浸食したリクルート事件なみの展開となる可能性がある。それだけ自民党政治家は政治資金規正法をなめていた』、「判明しているだけで10人以上が裏ガネに関与し5年間(18~22年)でその総額が1億円以上という。 悪質さに軽重はあるものの、既に二階派の不記載も判明しており、特捜部の捜査は5派閥全てを視野に入れたものになる」、なるほど。
・『検事総長人事介入問題との関係  端緒を開いた上脇氏は、政治資金問題に粘り強く取り組んでおり、02年に市民団体「政治資金オンブズマン」を立ち上げて以降、これまでに100件を超える告発を行った。政治資金絡みの不正はそれだけ常態化していたわけだが、それを受けた特捜捜査が今回、深みを持つに至ったのは、別の事件が関係しているからだ。 「官邸vs検察」といわれた安倍晋三政権下における検事総長人事介入問題である。奇しくも、その余波ともいえる公判が12月1日、行われて当時、事務方トップの法務省事務次官でその後、仙台高検検事長を務めた辻裕教氏が法廷に立った。 この裁判の原告となったのも上脇氏で、20年に東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年を半年間延長することを決めた閣議決定をめぐり、国が「法解釈を変更した関連文書を開示しないのは違法だ」として訴えた。 こうした行政文書の不開示決定取消訴訟において「天皇の認証官」である高検検事長が出廷するのは前代未聞。徳地淳裁判長ですら「辻さんというかなり上の方より実際の実務、実情を知る人が適切じゃないですか」といったほど。だが国は、「証人尋問の必要性はありません」と拒否し、その結果、大阪地裁は「辻尋問」を決めた。 この一連の過程に、検察が自民党派閥政治を壊しかねない捜査に踏み切った遠因がある。まず振り返るべきは、検事総長人事への官邸の介入がどのような形で行われたである。 14年の内閣法改正で国家公務員幹部人事を一元的に管理する内閣人事局が設置され、安倍政権の政治主導が確立した。それが官僚の政権への過剰な忖度を生んだが、唯一、人事に介入させなかったのが検察だ。 安倍官邸は東京高検検事長に就くまでに、法務省官房長、法務省事務次官と「政界窓口」を7年半もの長きにわたって務め、「官邸の代理人」と呼ばれた黒川氏を次期検事総長に就けようとした。ところが検事長定年は63歳で、黒川氏を検事総長にするには、これまで検察官には適用されなかった国家公務員の規定を適用し、20年2月に63歳を迎える黒川氏の定年を延長しなければならなかった』、「まず振り返るべきは、検事総長人事への官邸の介入がどのような形で行われたである。 14年の内閣法改正で国家公務員幹部人事を一元的に管理する内閣人事局が設置され、安倍政権の政治主導が確立した。それが官僚の政権への過剰な忖度を生んだが、唯一、人事に介入させなかったのが検察だ。 安倍官邸は東京高検検事長に就くまでに、法務省官房長、法務省事務次官と「政界窓口」を7年半もの長きにわたって務め、「官邸の代理人」と呼ばれた黒川氏を次期検事総長に就けようとした。ところが検事長定年は63歳で、黒川氏を検事総長にするには、これまで検察官には適用されなかった国家公務員の規定を適用し、20年2月に63歳を迎える黒川氏の定年を延長しなければならなかった」、思い出した。
・『「官邸の代弁者」をさらしものに  その後、黒川氏は知り合いの記者らと賭け麻雀をしていたことが発覚して検事長を辞職した。その結果、人事介入はなかったが、上脇氏は「法解釈を変更した経緯」にこだわった。 だが、出廷した辻氏は、「定年延長は黒川氏のために行ったわけではない」「文書決裁は特になかった」と、「官邸主導による解釈変更での黒川氏の定年延長」という見方を否定した。ただ、徳地裁判長も納得しなかったようで、最後にこう質問した。 「第三者的に観ると、2月8日の黒川氏の定年に合わせるように急いだと見えなくもない」 だが、辻氏はこう繰り返した。 「特定の検察官の定年延長を目的にしたわけではありません」 検察は大阪地裁の反応から実務者を出さなければ辻尋問が行われるのを承知していた。そういう意味で辻氏を「さらしもの」にした。辻氏は証人尋問が決まった直後、高検検事長を辞めて弁護士となった。 一時は検事総長候補だった辻氏だが、国家公務員法の規定の適用といった“裏技”で黒川氏の定年延長を画策するなど、OBを含む検察総体から「官邸の代弁者」と見なされた。それが“失脚”の原因である』、「「特定の検察官の定年延長を目的にしたわけではありません」 検察は大阪地裁の反応から実務者を出さなければ辻尋問が行われるのを承知していた。そういう意味で辻氏を「さらしもの」にした。辻氏は証人尋問が決まった直後、高検検事長を辞めて弁護士となった。 一時は検事総長候補だった辻氏だが、国家公務員法の規定の適用といった“裏技”で黒川氏の定年延長を画策するなど、OBを含む検察総体から「官邸の代弁者」と見なされた。それが“失脚”の原因である」、なるほど。
・『もはや忖度する幹部はいない  官邸は当時、黒川人事を正当化するように政府の裁量で検察首脳の定年を延長できる規定を盛り込んだ検察庁法改正案を上程していた。これに検察OBらが反発、次のような意見書を政府に提出した。 <今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に添わない検察の動きを封じ込め、検察の力を削ぐことを意図していると考えられる> 世論も法改正に反発、「#検察庁法改正案に抗議します」というツイッターには、小泉今日子ら著名人を含めて1日で700万件もの投稿があった。マスメディアも反対の論陣を張るなか、官邸は検察庁法改正案の成立見送りを決めた。 ただ、安倍氏には一連の騒動を経ても、「検察人事」への不満は残ったままだった。ベストセラーとなった『安倍晋三回顧録』(中央公論新社)には、検察OBらの人事介入批判について次のような苦言を呈している。 <検察OBは、政治が我々の領域に入ってくるな、と言いたかったんでしょ。役所のOBはどこも、人事は自分たちで決める、とはき違えていますから。そもそもトップの検事総長や最高検の次長検事、全国8カ所の高検検事長の任命権は、内閣が持っています> こうした対立構図を安倍派と検察は抱えており、官邸配慮の黒川、辻の両氏を検察は排除した。そこに飛び込んできたのが、派閥のパーティー券収入をごまかしていたという「上脇告発」であり、安倍派ぐるみで行なわれていた「裏ガネ作り」である。 もはや政権に忖度するような検察幹部はいないし、穏便に済ませる必要もない。むしろ国民感情のうえでも、自民党ぐるみで行なっていたパーティー券利用の裏ガネ作りは徹底解明すべき事案となった』、「こうした対立構図を安倍派と検察は抱えており、官邸配慮の黒川、辻の両氏を検察は排除した。そこに飛び込んできたのが、派閥のパーティー券収入をごまかしていたという「上脇告発」であり、安倍派ぐるみで行なわれていた「裏ガネ作り」である。 もはや政権に忖度するような検察幹部はいないし、穏便に済ませる必要もない。むしろ国民感情のうえでも、自民党ぐるみで行なっていたパーティー券利用の裏ガネ作りは徹底解明すべき事案となった」、今回の「パーティー券利用の裏ガネ作り」は「検察」にとって、「徹底解明すべき事案となった」、そんな因縁があったとは驚いた。
・『全ての環境が整った  むろん検察が安倍派を返り討ちにした、というレベルの話ではない。今年1月、特捜部は政治資金パーティーの収入を虚偽記入していたとして、薗浦賢太郎元衆議院議員を政治資金規正法違反罪で略式起訴した。 虚偽記入の総額は自由民主党千葉県第5選挙区支部と薗浦元代議士の政治団体を合わせて約5000万円。こうした捜査を通じて、「パーティー券の闇」の認識は検察に蓄積されていた。 またパーティー券を大量に捌くことによって政界に食い込む政商の問題も指摘されており、こちらの水面下の捜査も進んでいる。 今回検察は、政界圧力のない捜査環境、熟練の技を持つ上脇氏の告発、裏ガネ作りに疑問を感じない自民党代議士の感覚麻痺、政治資金パーティーの摘発に練度を上げた特捜捜査など、全ての環境が整ったところで自民党派閥政治に襲いかかったのである』、「今回検察は、政界圧力のない捜査環境、熟練の技を持つ上脇氏の告発・・・政治資金パーティーの摘発に練度を上げた特捜捜査など、全ての環境が整ったところで自民党派閥政治に襲いかかったのである」、検察捜査のインパクトが極めて強い理由が理解できた。

次に、12月11日付け現代ビジネスが掲載した大蔵省出身で嘉悦大学教授の髙橋 洋一氏による「「ポスト岸田」が「自民党キックバック大崩壊」で浮上…誰だ誰だ、裏を引くのは結局「霞が関」なのか」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/120577?imp=0
・『「キックバック」の背景にあるもの  自民党政権を揺るがす事態が起きているーー。 12月13日、臨時国会閉会後、東京地検特捜部による政治資金規正法の捜査が本格化するとみられている。政局に与える影響は計り知れない。 当初、自民党5派閥のパーティー券問題について、自民党の5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入について2018~21年分の政治資金収支報告書に計約4000万円分を過少記載したとする告発状を受け、東京地検特捜部が各派閥の担当者から任意で事情を聴いているという程度だった。 しかし、12月になると、政治資金パーティー収入について議員へのキックバックが裏金化していた疑いがあるとして、東京地検特捜部が捜査を進めていると報じられている。 これまでの経緯は、先週12月4日付け本コラム「事実上の「キックバック」まで…自民党「政治資金パーティー問題」が勃発した「そもそもの理由」をご覧いただきたい。今回は、その政治的な背景について、考えたい。 この問題は、11月13日付け本コラム「岸田首相、打つ手なし…!財務省の「ハシゴ外し」で支持率回復どころか「党内分裂」へ」に遡ってみないと全体像が見えてこない。 岸田首相が「増税メガネ」と呼ばれて所得税減税を謳い出し、岸田首相に「自我」が芽生えたために、財務省がハシゴ外しを目論んだというストーリーについて触れている。なお、減税を言い出したのは、党内では安倍派であるので、岸田首相に「自我をつけた」のは安倍派と財務省には見えただろう。 岸田首相は宏池会のプリンスだった。宏池会は、池田勇人元首相が創始者で、その次に大平正芳元首相、鈴木善幸元首相、宮沢喜一元首相と迸出した名門派閥だ。池田氏、大平氏、宮沢氏は元大蔵官僚であり、宏池会と財務省の関係は深い。岸田首相も、宮沢家と姻戚関係にあり、二人の妹さんの旦那は大蔵官僚だ。 したがって、宏池会の系譜としての「血筋」はいい』、「岸田首相は宏池会のプリンスだった。宏池会は、池田勇人元首相が創始者で、その次に大平正芳元首相、鈴木善幸元首相、宮沢喜一元首相と迸出した名門派閥だ。池田氏、大平氏、宮沢氏は元大蔵官僚であり、宏池会と財務省の関係は深い。岸田首相も、宮沢家と姻戚関係にあり、二人の妹さんの旦那は大蔵官僚だ。 したがって、宏池会の系譜としての「血筋」はいい」、その通りだ。
・『大蔵官僚だった筆者が思っていたこと  「増税メガネ」と言われたからとはいえ、首相が減税を言い出したのは、国民経済から見ればもまっとうであるが、財務省ファミリーとしては考えられないことだ。 財務省ファミリーならば、国民は「短期的な快楽」のために減税を求めるが、それは浪費であり、今の厳しい財政状況を考えると将来のためにならない、と真顔で語る。 かつて財務省ファミリーの一員だった筆者も、大蔵省入省当初はそう思っていた。 内心本当かと思っていたが、今から30年ほど前に、当時の財政投融資批判など大蔵省への批判に対抗するために、どうしても国の財政状況を正確に言うために国のバランスシートを作らざるを得なくなった。 その当時、それができるのは筆者に限られていたので、バランスシートを作ったら、それまで大蔵省が主張していた借金が大きいから財政危機という話はウソで資産があるので危機ではないことがわかった。 17年前に退官するまでは、対外的には黙っていたが、小泉政権と第一安倍政権では、きちんとしたバランスシート分析では財政危機でないといい、それに基づく政策(埋蔵金の発掘・活用など)も政府内で実現してきた。 本コラムでも、2015年12月28日付け「「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…」や2018年10月15日付け「IMFが公表した日本の財政「衝撃レポート」の中身を分析する それでも消費増税は必要ですか」をご覧いただきたい。 筆者の「高橋洋一チャンネル」は、登録者数104万人(2023年12月現在)であり、この話題を何度も取り上げているので、流石に筆者の周りでは「常識化」しつつある。) ▽官僚機構の中にある力学(また、政治家の中にもこれまで財務省の言う財政危機を信用してきたが、そうでないと思い始める人も多くなった。例えば、故安倍晋三首相はその一人だ。 元財務次官の矢野康治氏が、月刊文藝春秋2021年11月号で書いた財政論については、故安倍元首相は、月刊WiLL2021年12月号において会計論などで強烈に批判している。また、かの安倍晋三回顧録の中でも、同旨の批判をしている。 ここで書かれているように、100兆円コロナ対策でもそのための増税がないのは、正しいバランスシート論に基づくものだ。 率直にいえば、岸田首相が、安倍派からの提言でもあった減税を言い出さなければ、まだ財務省は岸田首相のハシゴを外さずに、それなりの政権支持率も維持できただろう。 ここにきて、検察も岸田政権の落ち目を見て動き出したのが「パーティー券騒動」だ。それが、安倍派の狙い撃ちになっているので、自民党内力学から言えば、岸田派には余裕でもある。野党が弱いので、所詮自民党内力学で政治が動いているとみれば、岸田派、麻生派、茂木派も、実質的には余裕だ。 財務省としても、安倍・菅政権で煮え湯を飲まされ続けたので、検察の安倍派叩きは悪くない。 もちろん、こうした大掛かりの政局は、官僚機構だけで仕掛けられるものでない。財務省のバックには、麻生派がいる。 麻生派としては、財務省や検察が安倍派、二階派を叩くのは好都合だ。また、大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている。これが、官僚機構の背景にある「自民都内派閥力学」だ』、「当時の財政投融資批判など大蔵省への批判に対抗するために、どうしても国の財政状況を正確に言うために国のバランスシートを作らざるを得なくなった。 その当時、それができるのは筆者に限られていたので、バランスシートを作ったら、それまで大蔵省が主張していた借金が大きいから財政危機という話はウソで資産があるので危機ではないことがわかった。 17年前に退官するまでは、対外的には黙っていたが、小泉政権と第一安倍政権では、きちんとしたバランスシート分析では財政危機でないといい、それに基づく政策(埋蔵金の発掘・活用など)も政府内で実現してきた・・・財務省としても、安倍・菅政権で煮え湯を飲まされ続けたので、検察の安倍派叩きは悪くない。 もちろん、こうした大掛かりの政局は、官僚機構だけで仕掛けられるものでない。財務省のバックには、麻生派がいる。 麻生派としては、財務省や検察が安倍派、二階派を叩くのは好都合だ。また、大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている。これが、官僚機構の背景にある「自民都内派閥力学」だ」、「大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている」、なるほど。
・『マスコミの後押しで  これを政策論から見れば、財務省としても麻生派から、減税をしない首相が出ればいいだろう。時折、鈴木俊一財務相がポスト岸田で浮上するのは、財務省の野望でもあろう。鈴木財務相は、麻生派であるが、宏池会の鈴木善幸氏の息子であり、麻生太郎氏の義弟でもあるので、財務省としてはベストだろう。 自民党内派閥力学、財務省や検察の官僚機構の動きだけで十分だが、それを後押しするのが、反安倍のマスコミだ。安倍・菅の長期政権で、反アベのマスコミは出番がなかったが、ここにきてついに出番と意気込んでいる。 こうした動きの結果、岸田おろしになっても、大宏池会の中での政権回し、安倍派排除という形の政局に動くだろう。松野官房長官(安倍派)は既に交代が決定的で、その後任には加藤勝信(茂木派)、田村憲久(岸田派)らの名前が出ている。萩生田光一政調会長(安倍派)、西村康稔経産大臣(安倍派)の交代もありえる。 ただ、岸田政権は既にレームダック化しており、早ければ来年度政府予算を決定する年内、遅くとも来年度予算成立か来春の渡米までしかもたないだろう。 安倍派もこのまま排除されるだけなのか、激しい抵抗が水面下で行われるのではないか』、「岸田政権は既にレームダック化しており、早ければ来年度政府予算を決定する年内、遅くとも来年度予算成立か来春の渡米までしかもたないだろう。 安倍派もこのまま排除されるだけなのか、激しい抵抗が水面下で行われるのではないか」、さすが「髙橋 洋一氏」らしい説得力に富んだ鋭い分析だ。

第三に、12月12日付けNEWSポストセブン「【安倍派】裏金疑惑の根底にある資金基盤の弱さ モリカケ、五輪汚職から旧統一教会問題まで、裏の「票と金」に頼る黒歴史」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20231212_1926607.html?DETAIL
・『自民党の最大派閥「清和政策研究会(安倍派)」の裏金疑惑は、“令和のリクルート事件”と呼ばれて政権を揺るがしている。安倍派がこうして“裏金”に頼らなければならなかったのには訳がある。それは派閥の歴史を紐解いていくとわかる。保守傍流で業界団体などの利権を他派閥に奪われていた安倍派が編み出した“集金システム”の全貌とは──』、興味深そうだ。
・『最大派閥にもかかわらず弱い“集金力”  安倍派の裏金疑惑の捜査はいよいよ所属議員に及び、東京地検特捜部が秘書たちの事情聴取を開始すると、派内にはパニックが広がっている。同派中堅議員の秘書が焦った口調でこうぶちまけた。 「はっきり言って、うちは派閥から資金の面倒を見てもらっていない。毎年、上納する金のほうが多いくらいですよ」 所属議員99人を抱え、自民党最大派閥として権勢をほしいままにしてきた安倍派だが、実は、集金力は弱い。 派閥が盆暮れに議員に配る「氷代」「モチ代」と呼ばれる活動資金の金額を比べるとよくわかる。 各派の政治資金収支報告書(令和4年度)によると、5大派閥のうち茂木派、岸田派、麻生派、二階派は盆と暮れに約100万円ずつ、合計約200万円をほとんどの所属議員に配っているが、安倍派は約50万円ずつの合計約100万円。他派の半分なのだ。 「派閥に納める会費は若手議員が年60万円、大臣経験者は120万円。さらに当選回数によってパーティー券の販売ノルマが若手は50枚(100万円)、ベテランになると100枚(200万円)などと決まっていて、売れなくてもその分の代金を上納しなければならない。会費とノルマで若手でも160万円を派閥に納めるから、盆暮れに合計100万円もらっても赤字になる」(同前)』、「所属議員99人を抱え、自民党最大派閥として権勢をほしいままにしてきた安倍派だが、実は、集金力は弱い。 派閥が盆暮れに議員に配る「氷代」「モチ代」と呼ばれる活動資金の金額を比べるとよくわかる。 各派の政治資金収支報告書(令和4年度)によると、5大派閥のうち茂木派、岸田派、麻生派、二階派は盆と暮れに約100万円ずつ、合計約200万円をほとんどの所属議員に配っているが、安倍派は約50万円ずつの合計約100万円。他派の半分なのだ」、「安倍派」の「集金力は弱い」とは初めて知った。
・『“隙間”の業界が資金源  派閥の領袖は多くの議員を養うことで力を持つ。そのためにカネとポストの面倒を見る。どの派閥も、大臣を経験して資金力がついた幹部からは資金を上納させ、議員に配る仕組みをとってきた。 だが、安倍派は伝統的に自民党の主要派閥の中で資金基盤が弱く、議員を養うために無理をしてきたのだという。そのことが今回の裏金問題につながっている。 安倍派の歴史に詳しい政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。 自民党で保守本流と呼ばれる宏池会(岸田派)は官僚出身議員が多く、伝統的に財界主流をスポンサーにしてきた。田中派の流れを汲む平成研(茂木派)は多くの族議員を抱え、建設業界、医師会、歯科医師会、農業団体、特定郵便局長会といった業界団体に強かった。 しかし、傍流だった清和会(安倍派)は有力な資金源と集票マシンを保守本流派閥に押さえられて手を出せなかった。影響力があった業界は文教関係と運輸業界ぐらい。そこで新興企業など“隙間”の業界に資金源を求めたわけです。その一方で旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との結びつきを強めることで弱い集票力をカバーしてきた」) 安倍長期政権下でも懐事情はあまり変わらなかった。 「安倍政権時代に多くの業界の陳情窓口となっていたのはもっぱら二階俊博・元幹事長だった。安倍派は最大派閥にはなったものの、多くは資金基盤の弱い安倍チルドレン。幹部にも業界を仕切れるような実力者はほとんどいない。近年の安倍派がらみのスキャンダルを見ても、森友学園問題、加計学園問題、五輪汚職など、安倍派が伝統的に影響力を持っていた文教・スポーツ関係が目立つ。他の業界には資金パイプが広がっていないのでしょう。 そのうえ、安倍派では派閥の人数が増えたから100人もの議員にモチ代、氷代を他派並みの200万円配るだけで2億円の資金がいる。だからなりふり構わぬカネ集めをする必要があったのではないか」(野上氏)』、「宏池会(岸田派)は官僚出身議員が多く、伝統的に財界主流をスポンサーにしてきた。田中派の流れを汲む平成研(茂木派)は多くの族議員を抱え、建設業界、医師会、歯科医師会、農業団体、特定郵便局長会といった業界団体に強かった。 しかし、傍流だった清和会(安倍派)は有力な資金源と集票マシンを保守本流派閥に押さえられて手を出せなかった。影響力があった業界は文教関係と運輸業界ぐらい・・・安倍派では派閥の人数が増えたから100人もの議員にモチ代、氷代を他派並みの200万円配るだけで2億円の資金がいる。だからなりふり構わぬカネ集めをする必要があったのではないか」、確かに説得力がある。
・『「秘密後援会」の手口  その過程で編み出されたのがキックバックという手法だとみられている。所属議員にノルマを課して派閥のパーティー券を売らせ、ノルマを超えた分の代金は議員に“裏金”として戻す。 パーティー券のキックバックの仕組みは他の派閥にもあるとされるが、安倍派の裏金の金額が突出しているのは、最大派閥で資金力のない若手議員を多く抱えているという事情があった。そのため、議員たちに「パー券販売」を競わせることで派閥資金を太らせるしかなかったのだ。 前出の安倍派中堅議員の秘書が言う。 「要するに領袖や幹部たちでは派閥を資金的に支えきれないから、氷代、モチ代は自分で稼げというわけです。いまや派閥は議員の互助会。それでも、ノルマを達成しないと、人事でいいポストをもらえないからパー券を売るしかない。営業力のある幹部たちは、ノルマ以上を売ってキックバックを稼ごうとする。最大派閥の実態は歩合制の『パー券営業マン』の集団になった」 こうした“裏金づくり”のスキームの原型を辿ると、本誌・週刊ポストが2006年に報じた安倍晋三・元首相の秘密後援会「安晋会」の手口に行き着く。 安晋会は2003年、有力なベンチャー企業経営者などを集めて盛大な安倍氏の幹事長就任パーティーなどを開催していた団体で、その一部を安倍氏に“キックバック”していたとされる。ところが、安倍氏の関連政治団体として届けられておらず、本来は政治資金パーティーを開催できない任意団体だった。) 安晋会代表幹事の会社経営者S氏が別に設立した政治団体から安倍氏の資金管理団体「晋和会」への寄附が、キックバックの一部だったとされるが、S氏の政治団体は1度も政治資金収支報告書を提出していなかった。 安晋会が集めたパーティー券収入は幹事長就任パーティーだけで少なくとも1000万円以上とみられていたが、どこに流れたか不明なまま完全に闇に消えた。 政界の裏金づくりの闇は深い。 その全貌を解明するには、検察は過去5年分だけではなく、さらに遡って捜査を進めなければ見えてこないはずだ。 ※週刊ポスト2023年12月22日号』、「政界の裏金づくりの闇は深い。 その全貌を解明するには、検察は過去5年分だけではなく、さらに遡って捜査を進めなければ見えてこないはずだ」、国会が閉会された後は「検察」はスピード感をもって、捜査し、酷いケースでは起訴すべきだろう。

第四に、12月12日付け日刊ゲンダイ「岸田首相の人事刷新は難航確実 安倍派の政務三役15人クビ切り画策も、後任打診にNO続出か」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333261
・『15人の穴を埋められるのか。はたして、まともにメンバーを集められるのか──。 自民党最大派閥・安倍派の政治資金パーティー裏金疑惑を巡り、岸田首相が安倍派所属の閣僚、副大臣、政務官計15人を全員交代させる方向で調整に入った。一斉にクビを切られる安倍派内では、どよめきが広がっている。 「総理は本気で15人全員を交代させる気なのか。少なくとも、総務大臣の鈴木淳司さんは『キックバックを受けていない』と明言している。なのに、なぜ切るのか。皆、怒っていますよ。これでは、安倍派というだけで白い目で見られてしまう。総理は、安倍派99人を敵に回したも同然です」(安倍派関係者) 岸田首相は国会が閉会した後の13日にも人事を行うとみられている。しかし、15人もクビを切って、短期間でマトモな後任を用意できるのか。ロクに“身体検査”をせずに改造すれば、またぞろ「辞任ドミノ」に発展しかねない。 実際、ロクでもない議員まで重要閣僚候補として名前が挙がっている。菅内閣で官房長官を務めた加藤勝信衆院議員、田村憲久元厚労相、小泉進次郎元環境相の3人に加え、コロナ禍に官邸で昼食会を開いて批判を浴びた坂井学元官房副長官まで、官房長官への起用が囁かれている。浜田前防衛相と梶山幹事長代行の名前も浮上している。 「今回、安倍派が派閥ぐるみで裏金づくりに手を染めていたことで『派閥政治』への批判が高まっています。だから、総理周辺は政治資金パーティーとは無縁の無派閥議員を中心に起用すべきと考えているようです」(官邸事情通)』、「岸田首相が安倍派所属の閣僚、副大臣、政務官計15人を全員交代させる方向で調整に入った・・・15人もクビを切って、短期間でマトモな後任を用意できるのか。ロクに“身体検査”をせずに改造すれば、またぞろ「辞任ドミノ」に発展しかねない」、なるほど。
・『「打診が来ないことを願うしかない」  しかし、ただでさえ内閣支持率がボロボロで、岸田内閣は“泥舟”状態。政務三役や党幹部に手を挙げる無派閥議員がいるのか。ある無派閥議員はこう言う。 「この状況で大臣を引き受けるのはリスクが大き過ぎる。正直言って、やりたかないですよ。あれこれ、マスコミに身辺を洗われるだろうし、内閣総辞職で短命大臣に終わる可能性もある。無派閥議員は70人以上もいるわけですから、とりあえず自分に打診が来ないことを強く願うしかありませんね。それに、無派閥の中には総理の“政敵”である菅前首相に近い議員も多い。菅さんに相談して『入閣はやめとけ』と言われたら、打診を断る議員もいるでしょう。結局、総理は15人のクビを切ると言いながら、軒並み断られて、何人かは留任させることになるんじゃないですかね」 このままでは、岸田首相は立ち往生しかねない。身内の岸田派で固めるしかなくなる可能性がある。 「岸田派からは、小野寺元防衛相や根本元復興相の名前が挙がっている。ただ、国民にとって目新しさはないでしょう」(官邸事情通=前出) 支持率回復など夢のまた夢だ』、「ある無派閥議員はこう言う。 「この状況で大臣を引き受けるのはリスクが大き過ぎる。正直言って、やりたかないですよ。あれこれ、マスコミに身辺を洗われるだろうし、内閣総辞職で短命大臣に終わる可能性もある。無派閥議員は70人以上もいるわけですから、とりあえず自分に打診が来ないことを強く願うしかありませんね」、泥船にはあえて乗ろうとしない議員も多いようで、やはり岸田政権は末期症状のようだ。 
タグ:「まず振り返るべきは、検事総長人事への官邸の介入がどのような形で行われたである。 14年の内閣法改正で国家公務員幹部人事を一元的に管理する内閣人事局が設置され、安倍政権の政治主導が確立した。それが官僚の政権への過剰な忖度を生んだが、唯一、人事に介入させなかったのが検察だ。 「判明しているだけで10人以上が裏ガネに関与し5年間(18~22年)でその総額が1億円以上という。 悪質さに軽重はあるものの、既に二階派の不記載も判明しており、特捜部の捜査は5派閥全てを視野に入れたものになる」、なるほど。 伊藤 博敏氏による「東京地検特捜部が忖度なしの「自民党潰し」に動いた…パー券キックバックで常態化した「裏ガネづくり」に本格メス」 現代ビジネス (その69)(東京地検特捜部が忖度なしの「自民党潰し」に動いた…パー券キックバックで常態化した「裏ガネづくり」に本格メス、「ポスト岸田」が「自民党キックバック大崩壊」で浮上…誰だ誰だ 裏を引くのは結局「霞が関」なのか、【安倍派】裏金疑惑の根底にある資金基盤の弱さ モリカケ、五輪汚職から旧統一教会問題まで 裏の「票と金」に頼る黒歴史、岸田首相の人事刷新は難航確実 安倍派の政務三役15人クビ切り画策も 後任打診にNO続出か) 日本の政治情勢 「今回検察は、政界圧力のない捜査環境、熟練の技を持つ上脇氏の告発・・・政治資金パーティーの摘発に練度を上げた特捜捜査など、全ての環境が整ったところで自民党派閥政治に襲いかかったのである」、検察捜査のインパクトが極めて強い理由が理解できた。 もはや政権に忖度するような検察幹部はいないし、穏便に済ませる必要もない。むしろ国民感情のうえでも、自民党ぐるみで行なっていたパーティー券利用の裏ガネ作りは徹底解明すべき事案となった」、今回の「パーティー券利用の裏ガネ作り」は「検察」にとって、「徹底解明すべき事案となった」、そんな因縁があったとは驚いた。 「こうした対立構図を安倍派と検察は抱えており、官邸配慮の黒川、辻の両氏を検察は排除した。そこに飛び込んできたのが、派閥のパーティー券収入をごまかしていたという「上脇告発」であり、安倍派ぐるみで行なわれていた「裏ガネ作り」である。 「「特定の検察官の定年延長を目的にしたわけではありません」 検察は大阪地裁の反応から実務者を出さなければ辻尋問が行われるのを承知していた。そういう意味で辻氏を「さらしもの」にした。辻氏は証人尋問が決まった直後、高検検事長を辞めて弁護士となった。 一時は検事総長候補だった辻氏だが、国家公務員法の規定の適用といった“裏技”で黒川氏の定年延長を画策するなど、OBを含む検察総体から「官邸の代弁者」と見なされた。それが“失脚”の原因である」、なるほど。 安倍官邸は東京高検検事長に就くまでに、法務省官房長、法務省事務次官と「政界窓口」を7年半もの長きにわたって務め、「官邸の代理人」と呼ばれた黒川氏を次期検事総長に就けようとした。ところが検事長定年は63歳で、黒川氏を検事総長にするには、これまで検察官には適用されなかった国家公務員の規定を適用し、20年2月に63歳を迎える黒川氏の定年を延長しなければならなかった」、思い出した。 髙橋 洋一氏による「「ポスト岸田」が「自民党キックバック大崩壊」で浮上…誰だ誰だ、裏を引くのは結局「霞が関」なのか」 「岸田首相は宏池会のプリンスだった。宏池会は、池田勇人元首相が創始者で、その次に大平正芳元首相、鈴木善幸元首相、宮沢喜一元首相と迸出した名門派閥だ。池田氏、大平氏、宮沢氏は元大蔵官僚であり、宏池会と財務省の関係は深い。岸田首相も、宮沢家と姻戚関係にあり、二人の妹さんの旦那は大蔵官僚だ。 したがって、宏池会の系譜としての「血筋」はいい」、その通りだ。 「当時の財政投融資批判など大蔵省への批判に対抗するために、どうしても国の財政状況を正確に言うために国のバランスシートを作らざるを得なくなった。 その当時、それができるのは筆者に限られていたので、バランスシートを作ったら、それまで大蔵省が主張していた借金が大きいから財政危機という話はウソで資産があるので危機ではないことがわかった。 17年前に退官するまでは、対外的には黙っていたが、小泉政権と第一安倍政権では、きちんとしたバランスシート分析では財政危機でないといい、それに基づく政策(埋蔵金の発掘・活用など)も政府内で実現してきた・・・財務省としても、安倍・菅政権で煮え湯を飲まされ続けたので、検察の安倍派叩きは悪くない。 もちろん、こうした大掛かりの政局は、官僚機構だけで仕掛けられるものでない。財務省のバックには、麻生派がいる。 麻生派としては、財務省や検察が安倍派、二階派を叩くのは好都合だ。 また、大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている。これが、官僚機構の背景にある「自民都内派閥力学」だ」、「大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている」、なるほど。 「岸田政権は既にレームダック化しており、早ければ来年度政府予算を決定する年内、遅くとも来年度予算成立か来春の渡米までしかもたないだろう。 安倍派もこのまま排除されるだけなのか、激しい抵抗が水面下で行われるのではないか」、さすが「髙橋 洋一氏」らしい説得力に富んだ鋭い分析だ。 NEWSポストセブン「【安倍派】裏金疑惑の根底にある資金基盤の弱さ モリカケ、五輪汚職から旧統一教会問題まで、裏の「票と金」に頼る黒歴史」 「所属議員99人を抱え、自民党最大派閥として権勢をほしいままにしてきた安倍派だが、実は、集金力は弱い。 派閥が盆暮れに議員に配る「氷代」「モチ代」と呼ばれる活動資金の金額を比べるとよくわかる。 各派の政治資金収支報告書(令和4年度)によると、5大派閥のうち茂木派、岸田派、麻生派、二階派は盆と暮れに約100万円ずつ、合計約200万円をほとんどの所属議員に配っているが、安倍派は約50万円ずつの合計約100万円。他派の半分なのだ」、「安倍派」の「集金力は弱い」とは初めて知った。 「宏池会(岸田派)は官僚出身議員が多く、伝統的に財界主流をスポンサーにしてきた。田中派の流れを汲む平成研(茂木派)は多くの族議員を抱え、建設業界、医師会、歯科医師会、農業団体、特定郵便局長会といった業界団体に強かった。 しかし、傍流だった清和会(安倍派)は有力な資金源と集票マシンを保守本流派閥に押さえられて手を出せなかった。影響力があった業界は文教関係と運輸業界ぐらい・・・安倍派では派閥の人数が増えたから100人もの議員にモチ代、氷代を他派並みの200万円配るだけで2億円の資金がいる。だからなりふり構わぬ カネ集めをする必要があったのではないか」、確かに説得力がある。 「政界の裏金づくりの闇は深い。 その全貌を解明するには、検察は過去5年分だけではなく、さらに遡って捜査を進めなければ見えてこないはずだ」、国会が閉会された後は「検察」はスピード感をもって、捜査し、酷いケースでは起訴すべきだろう。 日刊ゲンダイ「岸田首相の人事刷新は難航確実 安倍派の政務三役15人クビ切り画策も、後任打診にNO続出か」 「岸田首相が安倍派所属の閣僚、副大臣、政務官計15人を全員交代させる方向で調整に入った・・・15人もクビを切って、短期間でマトモな後任を用意できるのか。ロクに“身体検査”をせずに改造すれば、またぞろ「辞任ドミノ」に発展しかねない」、なるほど。 「ある無派閥議員はこう言う。 「この状況で大臣を引き受けるのはリスクが大き過ぎる。正直言って、やりたかないですよ。あれこれ、マスコミに身辺を洗われるだろうし、内閣総辞職で短命大臣に終わる可能性もある。無派閥議員は70人以上もいるわけですから、とりあえず自分に打診が来ないことを強く願うしかありませんね」、泥船にはあえて乗ろうとしない議員も多いようで、やはり岸田政権は末期症状のようだ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

大阪万博(その2)(大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻、大阪万博で膨らむ国庫負担…新たに837億円判明で会場建設費と合わせて1600億円超のムダ遣い、維新馬場代表「万博は絶対やめない」の二枚舌 国会では“貴重な血税1円も無駄にしない”何度も発言、参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない) [国内政治]

大阪万博については、2018年11月30日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻、大阪万博で膨らむ国庫負担…新たに837億円判明で会場建設費と合わせて1600億円超のムダ遣い、維新馬場代表「万博は絶対やめない」の二枚舌 国会では“貴重な血税1円も無駄にしない”何度も発言、参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない)である。

先ずは、本年9月5日付け東洋経済オンライン「大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/699259
・『「お盆休み前(の忙しいタイミング)なのに、無理矢理、説明会に参加させられた」。中堅ゼネコンの幹部はため息をつく。 この幹部の言う説明会とは、日本国際博覧会協会(万博協会)が建設業者向けに開いた会合のことだ。2025年4月に開催予定の「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)は、海外参加国のパビリオンの建設が大幅に遅れている。 この状況を受けて、運営主体の万博協会は8月7日、大阪府咲洲庁舎(大阪市住之江区)の2階にあるホールで、建設への協力を呼びかけようと説明会を実施した』、「万博協会」が「大阪府咲洲庁舎」で「建設への協力を呼びかけようと説明会を実施」、なるほど。
・『「やけど程度では済まない」と吐き捨てる関係者も  会場には、100社を超える建設業者が詰めかけた。当日、万博協会は「参加国の準備状況やパビリオン建設に関する情報提供を行った」(中堅ゼネコンの幹部)という。 だが、海外パビリオンに対するゼネコン関係者の見方は冷ややかだ。 「儲からないであろう仕事に、社員や職人をつっこむわけにはいかない」(準大手ゼネコンの首脳)。「万博の海外パビリオン工事については、ゼネコンはどこもやりたがっていない」(ゼネコン各社と取引のある建設テックの社長)。 中には、「万博の工事には手を出さない方がいい。やけど程度では済まない」(中堅ゼネコンのベテラン社員)と吐き捨てる関係者もいる。ゼネコン業界では、海外パビリオンの工事について、もはや「総スカン」と言っても過言ではない状況なのだ。) 各国の技術や文化を紹介する展示施設で、万博の華となる「海外パビリオン」については、工事の進捗遅れが深刻だ。 大阪・関西万博には、これまでに153の国と地域が参加を表明している。この中で、参加国が自ら費用を負担して自由に設計・建設するパビリオン「タイプA」について、「基本計画書」(設計図や工程表をまとめたもの)を大阪市に提出したのは韓国、チェコ、モナコなど4カ国しかない(9月4日現在)。ゼネコンとの工事契約締結後に大阪市から得る「仮設建築物許可」に至っては、本申請が一件もない。 パビリオンの建物本体の工事は2024年7月までに終え、2025年1月までに内装など展示関係の工事を完了することが目安とされていた。だが、このままでは、多くの海外パビリオンは、開催までに竣工が間に合わなくなる』、「会場には、100社を超える建設業者が詰めかけた」、しかし、「海外パビリオンに対するゼネコン関係者の見方は冷ややかだ。 「儲からないであろう仕事に、社員や職人をつっこむわけにはいかない」・・・「万博の海外パビリオン工事については、ゼネコンはどこもやりたがっていない」・・・中には、「万博の工事には手を出さない方がいい。やけど程度では済まない」・・・確かに「冷ややか」だ。
・『簡易パビリオン「タイプX」への関心も薄い  状況を打破すべく、万博協会は協会側が長方形の箱型の建物を建てて引き渡す簡易なパビリオン「タイプX」を参加国に提案。しかし、8月末の申請締め切りの時点で、タイプXに関心を示したのは5カ国だけだった。万博協会は「この後2週間をメドに、参加国などに再度、意向の確認をしていきたい」とする。 運営主体側の焦りは相当なものがある。8月3日には、経済産業省の大臣官房商務・サービス審議官から国土交通省へ、「海外パビリオン建設に関する建設業界への協力要請」を通達。そして、国交省から建設業界の主要団体に対して、8月3日と8月9日に協力要請の書簡を送っている。 8月9日の書簡には、「政府としては、万博を『予定通り開催する』という強い意思で臨んでおります。建設業界の皆様におかれましても、同じ想いの元で、ご協力をいただきたいと存じます」と記述されている。) ゼネコン各社はなぜ、海外パビリオンの工事を請け負いたがらないのか。それは資材高と労務費の高騰が影響している。 業界団体である日本建設業連合会(日建連)によると、2023年7月の鋼材や生コンクリートなどの建設資材の物価は2021年1月と比較して、26%上昇している。また建設業の現場で働く人の賃金(公共工事設計労務単価)は2020年度に比べて、足元では9%以上引き上げられている。 「九州などの地域で工場の建設ラッシュがあり、職人さんの人工(にんく・人件費のこと)が信じられないほど上がっている」(中堅ゼネコンのベテラン社員)。 現場監督者や職人などの人員不足も問題だ。「マンパワーが足りない。国内の建築工事は相当な数が積み上がっていて、いまは案件を絞って受注している。受注済みの工事を消化しないといけない状況で、ほかの工事をお願いされても断っている」(スーパーゼネコンの幹部)』、「「九州などの地域で工場の建設ラッシュがあり、職人さんの人工・・・が信じられないほど上がっている」、確かにタイミング的には最悪のようだ。
・『「協会にプロジェクトをまとめる力がない」  建設業では2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」により、ただでさえ人員確保が困難な状況だ。政府は、万博関連工事についてはこの残業規制の対象外とすることを検討していると報じられている。 だが、これについて準大手ゼネコンの首脳は、「あってはならないことだ。『万博工事だけ、無制限に働け』なんて指示することは、社内にも社外向けにも説明できない」と語るなど、ゼネコン業界全体から反発を食らっている。 そもそも海外パビリオン工事の問題がこじれている背景として、万博協会の姿勢を問題視するゼネコン関係者は多い。前出とは別のスーパーゼネコンの幹部は、「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る。) 大阪・関西万博では、ゼネコン業界が万博協会側に、再三にわたって積極的な関与を依頼してきた。例えば、3年前の2020年春には、日建連の関西支社幹部が万博協会に、タイプAの発注の仕方について業界の意向を伝えた。 発注側の外国政府と国内のゼネコン各社が直接交渉することに、多くの会員が心配していた。どこの国の言葉でやりとりするのか。工事に日本の約款が適用されるのか。スーパーゼネコンならば交渉能力があるが、それ以外のゼネコン(準大手や中堅ゼネコン)は政府が間に入ってくれないと、交渉をうまくまとめられない」(日建連の山本徳治事務総長)。 2022年8月には、日建連が会員の不安の声をとりまとめて、万博協会に伝達した。「外国政府のパビリオンは工期が厳しくなると危惧されるので、『万博協会の積極的な関与をお願いします』と依頼した。残業規制も始まるため、それを踏まえた工期の確保も要望した」(山本事務総長)』、「「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る」、「万博」はこれまでの実施例などのノウハウがある筈だが、一体、どうしたのだろう。
・『「1日も早く図面をほしい」  しかし、ゼネコン業界の意向を万博協会がまともに受け止めたのかどうかは疑わしく、今年7月に入ってからも、工事はほぼ進捗していなかった。「図面をもらってから着工まで資材の準備などに時間がかかるので、精度の高い設計図面を1日も早く出していただきたい」。同月に行われた日建連の定例会見で、宮本洋一会長は工事が遅延することへの懸念を率直に語った。 山本事務総長は、次のように指摘する。「(万博協会は)スケジュール管理ができていないことが明確だ。とくに、タイプAのスケジュール管理がうまくいっていない」。 この先、仮に工事契約が進んだとしても、建設工事が順調に進捗するとは限らない。 大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)は大阪湾の人工島であり、インフラ問題が工事の足かせとなるからだ。トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある。 夢洲では、電気、ガス、水道などのインフラ整備も進んでいるとは言いがたい。現在は、関係各社が発電設備を持ち込んで、仮設の電力設備で対応している。ゼネコン関係者の間では、「日本中の発電機がすべて、夢洲に集められている」といった冗談がささやかれているほどだ。大阪市は目下、夢洲内の工事を一括管理する事業調整会議を設置し、工程管理や運行ルートの調整を行っている』、「トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある」、「トラック」輸送のボトルネックが生じる懸念がある。
・『突貫工事で事故や品質問題が起きれば大問題  大阪・関西万博が計画通りに開催できるのか、待ったなしの状況と言えよう。工事の進捗が遅れ、突貫での工事となると、事故や品質問題などのトラブルが起きかねない。「しわ寄せがゼネコン業界に回ってくるのであれば、本当に勘弁してほしい」(スーパーゼネコンの幹部)。 万博協会はここにきて、タイプXへの切り替え提案のほかに、協会が代わりに工事を発注する建設代行や、外国語対応が可能な窓口の設置など、複数の支援策を打ち出した。参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻せるか。迅速な対応が求められる』、「協会」は、「参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻」す積極的な役割を果たすべきだ。

次に、11月28日付け日刊ゲンダイ「大阪万博で膨らむ国庫負担…新たに837億円判明で会場建設費と合わせて1600億円超のムダ遣い」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332602
・『「さらなる増額を認めるつもりはない」──。当初計画から約2倍に膨れ上がった大阪・関西万博の会場建設費をめぐり、岸田首相は国会でそう断言していた。ところが、27日の参院予算委員会で新たな国費負担が判明。物議を醸している。 実は、最大2350億円に上る会場建設費に、日本政府が出展する「日本館」の費用は含まれていない。会場建設費は国と大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担することになっているが、日本館は全て国費で賄われる』、「最大2350億円に上る会場建設費に、日本政府が出展する「日本館」の費用は含まれていない。会場建設費は国と大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担することになっているが、日本館は全て国費で賄われる」、なるほど。
・『日本パビリオンに最大360億円  予算委で立憲民主党の辻元議員が日本館の費用について追及すると、西村経産相は「(日本館にかかる)仕上げ、運営、解体の予算をプラスアルファで計上しなければならないと思っていますが、総額として360億円には抑えたい」と表明。会場建設費とは別に最大360億円の国費負担を明らかにした。 万博会場の目玉となる外周2キロの大屋根(リング)でさえ、費用は約350億円である。日本館の展示はさぞ立派かと思いきや、ウリは「日本古来の循環型経済」だ。 西村氏は予算委で「(日本は古来)例えば生ごみをリサイクルし、肥料やエネルギーとして利用してきた」などと説明。「循環型の日本文化も紹介しながら、最新のバイオマスのエネルギー技術やCO2のリサイクル技術などを紹介していく」と意義を強調したが、イマイチ目新しさに欠ける』、「西村氏は」、「「循環型の日本文化も紹介しながら、最新のバイオマスのエネルギー技術やCO2のリサイクル技術などを紹介していく」と意義を強調したが、イマイチ目新しさに欠ける」、なるほど。
・『税金を「お預かりしている」感覚が欠如  岸田氏は国費負担について「合理化の努力を続ける」と繰り返したものの、国費負担は「日本館建設のための費用」のほか、「途上国の出展支援のための費用」に240億円、「会場内の安全確保の万全を期するための費用」に199億円、「全国的な機運醸成」に38億円。しめて837億円に上る。もちろん、会場建設費の2350億円とは別の支出だ。 国費負担は会場建設費もあわせると、計1622億円に膨らむ。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。 「本来、政府は国民生活の向上のために所得を再分配し、市場の失敗を補填する役割を担っていますが、いまの政府・与党には国民の税金を『お預かりしている』という感覚が欠如しています。時代錯誤の万博に多額の国費を投入して、日本経済の成長にどれほどのインパクトがあるのか。国民が求めていないのに強引に進めるとは、権力乱用以外の何物でもありません。負担を強いられる国民からしてみれば、こんな乱暴な話はない。内閣支持率が落ちて当然です」 いくら立派なパビリオンを建てても、万博閉幕後は更地に戻る。政府のムダ遣いこそ、国民生活を脅かす要因だ』、「国民が求めていないのに強引に進めるとは、権力乱用以外の何物でもありません。負担を強いられる国民からしてみれば、こんな乱暴な話はない。内閣支持率が落ちて当然です」、その通りだ。

第三に、11月28日付け日刊ゲンダイ「維新馬場代表「万博は絶対やめない」の二枚舌 国会では“貴重な血税1円も無駄にしない”何度も発言」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332650
・『「万博は絶対にやめません。国としてのイベントなので、やめると日本が世界から信用を失ってしまう」 26日、お笑い芸人・千原ジュニア(49)がMCを務める「ABEMA的ニュースショー」に生出演し、こう断言していたのが、日本維新の会の馬場伸幸代表(58)だった。 番組では、会場建設費が当初見込みの1250億円から約1.9倍の2350億円に膨れ上がり、会場のシンボルとして設置される「木製の大屋根(リング)」の建築費350億円をめぐって批判の声が続出している「2025年大阪・関西万博」の是非がテーマとなった。 賛否を巡って様々な声が放送された後、馬場氏はこう言い放って「強行開催」を訴えていたわけだが、直後から、SNS上では《何が何でもやめない。一度始めたら止まらない無駄な公共事業の典型》《地方博とはいえ都市博を中止しても日本の信用は変わらなかった》《誰のカネだと思っているの。税金だよ。1円でも無駄にしてほしくない》などと異論の声が相次いだ』、「日本維新の会の馬場伸幸代表」は「万博は絶対にやめません。国としてのイベントなので、やめると日本が世界から信用を失ってしまう」と「断言していた」、「やめると日本が世界から信用を失ってしまう」はいささかオーバーだが、「馬場」氏がここまで入れ込んでいたとは驚きだ。
・『貴重な血税を1円の無駄もなく効率的に使用すべし、と言っていた馬場氏  《税金は1円でも無駄にしてほしくない》――。当然のことだが、実は馬場氏もかつて同じ思いを抱いていたようだ。 2014年2月18日の衆院本会議。馬場氏はこの年の4月から引き上げられる消費税増税に不安感を募らせているとし、こう言っていた。 「言うまでもなく、税金は、全国民が、額に汗し、身を削り、納めているものであります。したがって、国は、その貴重な血税を、1円の無駄もなく、かつ効率的に使用し、その税制は、できるだけ簡素に、かつ、出と入りがわかりやすいことが重要であります」 さらに2021年1月21日の衆院本会議では、国会に設置されている特別委員会について、「何のための特別委員会の制度なのでしょうか。多くの国民が家計のやりくりに苦労されているとき、特別委員長には委員会の開催状況にかかわらず1日6000円の手当が支払われ、委員長は、寝ていても月に約18万円を手にする上、専用の公用車や部屋、職員も用意されています。これを無駄と言わずして何と言うのでしょうか」とかみついていたのだ。 1日6000円の手当にも「無駄」と異を唱えていた馬場氏。自身の言葉通り、国民が額に汗をかき、身を削って納めている税金が投じられる万博の会場建設費がどんどん膨らんでいる今の現状には何も思わないのだろうか。 《維新は身を切る改革も結局はうそだった。ご都合主義と言うのか、いわゆる二枚舌》 《馬場氏は木製リングのリユースなんて言っていたが、自分のカネで何とかして》 ネット上は怒りと呆れる声が目立つ』、「維新」の馬脚がそろそろ現われてきたようだ。

第四に、11月30日付け東洋経済オンラインが掲載した『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員のレジス・アルノー氏による「参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/717946
・『2025年4月に開幕する大阪万博に暗雲が立ち込めている。11月半ばにはメキシコとエストニアが撤退したと日本政府が表明したほか、万博の建設費は膨らみ続け、建設費が当初に比べて最大500億円増えることが判明。パビリオンの建設をめぐっては参加国からも不満の声が噴出し始めている』、興味深そうだ。
・『ヨーロッパの倉庫より高い  1平方メートルあたり80万円――。これが大阪万博の「タイプX」パビリオンの現在の価格だと、あるプロジェクト関係者は言う。タイプXはパビリオン建設の業者を見つけられず、予算にも限りがある参加国へ万博主催者側が提案したものだ。建設は博覧会協会が代理で行う。 ところが、これが新たな紛争の火種となっている。1平方メートルあたり80万円というタイプXは、期間限定の建物にもかかわらず、ヨーロッパの基本的な倉庫よりも10倍も高いのだ。 ターナー&タウンゼントの建設価格表によれば、タイプXパビリオンの建設費は、リゾートホテルや高級車のショールームよりも高く、東京の総合病院の2倍もする。「主催者は参加希望国を助けるのではなく、金をむしり取ろうとしているのか?」とある万博関係者は話す。 2018年11月23日、大阪が2025年万博の開催を決めたとき、日本人は素朴にプロモーションのチャンスだと考えた。大阪万博を支援する企業は、世界的な評判が高まることを期待して熱狂的に参加した。 だが、実際には大阪は2つの下位候補(ロシアのエカテリンブルグとアゼルバイジャンのバクー)に勝っただけのことだった。この3都市の経済的な重みを考えれば、トヨタがスケートボードと自転車に勝ったようなものだ。 スマートフォンであらゆる発見がワンタッチでできる時代、ほとんどの大都市は万博にもう存在意義がないと考えている。経済的にも、万博における二酸化炭素排出量的にも、日本には主催する余裕などないのだ。万博は、大阪で初めて万博が開催された1970年に若かった人々にとっての「夢よもう一度」でしかない。 一方で、「最近の建築家は、社会や地球にとって持続可能で意味のあるものを作りたがっている」と日本の建築家ユニット、アトリエ・ワンの塚本由晴氏は語る』、「大阪が2025年万博の開催を決めたとき、日本人は素朴にプロモーションのチャンスだと考えた。大阪万博を支援する企業は、世界的な評判が高まることを期待して熱狂的に参加した。 だが、実際には大阪は2つの下位候補(ロシアのエカテリンブルグとアゼルバイジャンのバクー)に勝っただけのことだった」、対抗馬がそんな弱体だったとは初めて知った。「タイプXパビリオンの建設費は、リゾートホテルや高級車のショールームよりも高く、東京の総合病院の2倍もする」、そんなに法外に高値だとは驚かされた。
・『前進がなかった国際参加者会議  大阪万博は輝きを放つ機会ではなく、最悪の日本のショーケースと化し始めている。これは日本を世界に示す場であるが、最終的には好意よりも恨みを買う結果になるかもしれない。企業にとっては、イメージアップどころかイメージダウンに終わるかもしれない。 11月14日と15日の2日間、大阪で行われた国際参加者会議(IPM)の後、日本と参加国の当局は、物事が順調に進んでいると主張した。だが、海外のプロジェクト・マネジャーたちは不満と怒りをあらわにしている。「この2日間、IPMはわれわれの最も深刻な問題である請負業者の確保と経費の抑制に取り組まなかった」とある関係者は嘆く。 大阪万博はすでに、あるべき姿の影を潜めている。約56のパビリオンは当初すべて各国が直接担当する「タイプA」になるはずだったが、コストと時間の制約から、最大25のパビリオンは主催者が提供する「タイプX」となる。 「これらのパビリオンは、オリジナリティのショーケースであるべき万博の精神を裏切る空っぽの箱でしかない」とあるプロジェクトマネジャーは言う。) 海外の参加国は、日本の官僚主義の非効率さに唖然とする。「建設許可を取るのに3カ月も4カ月もかかる。迅速に進める方法がとにかく必要だ」と、プロジェクト管理会社SPIの創設者であるディートマー・カウシュティッツ氏は話す。 さらに別のプロジェクトマネジャーも、「建設が認可されるには4つの許可が必要だが、すべて日本語で当局からの助けは何もない。その過程で多くの国が迷子になった」と語る』、「11月14日と15日の2日間、大阪で行われた国際参加者会議(IPM)の後、日本と参加国の当局は、物事が順調に進んでいると主張した。だが、海外のプロジェクト・マネジャーたちは不満と怒りをあらわにしている。「この2日間、IPMはわれわれの最も深刻な問題である請負業者の確保と経費の抑制に取り組まなかった」とある関係者は嘆く・・・別のプロジェクトマネジャーも、「建設が認可されるには4つの許可が必要だが、すべて日本語で当局からの助けは何もない。その過程で多くの国が迷子になった」と語る」、なるほど。
・『「日本は例外に対応するのが苦手」 「日本人は計画が決まれば非常に正確で信頼できるが、例外的なケースに対応するのは苦手だ」と語るのは、建設プロジェクトマネジメントLC&PartnersのCEO兼創業パートナーで、現在いくつかのパビリオンプロジェクトに携わっているロレンツォ・キャンデルパーガー氏だ。 「問題は、万博が例外の集まりにすぎないということだ。どの国も独自の規制や手続きを持ち、何か新しいものを見せたいと考えている。万博にはオリジナリティがつきものだから、参加国は開催都市が自国のルールの例外を受け入れてくれることを期待している。しかし、日本はそれに消極的だ。とはいえ、建設が始まれば、日本がいかに超効率的であるかを示すことになるとは思う」) 参加国は日本の建設会社の消極的な姿勢にも驚いている。建設会社は大阪万博を受け入れ、自分たちの技術を世界にアピールするものだと思っていた。しかし、大手ゼネコンは万博を真剣に捉えていないように見える。 何十年も続くビジネスチャンスに満ちたシンプルな建物を日本のクライアントに提供できるのに、なぜ外国のクライアントのために一時的で難しい建物を作らないといけないのか、と考えているのだ』、「「問題は、万博が例外の集まりにすぎないということだ。どの国も独自の規制や手続きを持ち、何か新しいものを見せたいと考えている。万博にはオリジナリティがつきものだから、参加国は開催都市が自国のルールの例外を受け入れてくれることを期待している。しかし、日本はそれに消極的だ。とはいえ、建設が始まれば、日本がいかに超効率的であるかを示すことになるとは思う」、「参加国は日本の建設会社の消極的な姿勢にも驚いている。建設会社は大阪万博を受け入れ、自分たちの技術を世界にアピールするものだと思っていた。しかし、大手ゼネコンは万博を真剣に捉えていないように見える」、なるほど。
・『参加国側にも問題が?  海外勢の要望に応えるのは、参加国の傲慢さによってより難しくなっている、と日本のゼネコン幹部は言う。同氏は30以上のパビリオンの提案を断ったと言う。どこの担当者も真剣さがなかったという。 「3年前、私は彼らに期限を守るよう明確なスケジュールを提示したが、彼らは聞く耳を持たなかった。今はもう時間がない」。ゼネコン大林組、竹中工務店、清水建設は、タイプXパビリオンの調達支援にのみ参加する予定だという。 万博は在日外資系企業の間でも不評で、駐在員は本社の参加要請を拒否している。「世界的にコストが上がっているし、超円安だ。こんなものに用はない」とあるフランスの高級ブランドのトップは言う。 大阪万博はすでに、2005年に愛知で開催された「愛・地球博」との比較に苦しんでいる。愛知万博は「ローカル」な博覧会で、来場者の95%が日本人で、全体の53%が東海地方から訪れていた。それでも、主催者側は市民社会を巻き込むことに苦心し、日本人に万博へのコミットメントを感じさせた。) 「愛知万博は公園で開催され、テーマは環境だった。国家、企業、NGOが賛同した。今回は産業界が主導権を握っている。もちろん、産業界は重要だが、市民は蚊帳の外になってしまっている」とアトリエ・ワンの塚本氏も指摘する』、「「愛知万博は公園で開催され、テーマは環境だった。国家、企業、NGOが賛同した。今回は産業界が主導権を握っている・・・市民は蚊帳の外になってしまっている」、「市民は蚊帳の外になってしまっている」というのは確かに懸念材料だ。
・『経費が膨らんでいることへの「言い訳」  万博の主催者は状況を隠そうと必死だ。メキシコとエストニアが万博からの撤退したのが明らかになると、自見英子万博担当相は5カ国が参加したと反論した。デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイスランド、スウェーデンで、これらの国々は単独ではなく、共同で北欧パビリオンを出す予定だ。 経費が膨らんでいることに対して、韓国・梨泰院(イテウォン)の群衆圧死事故や、安倍元首相への攻撃を引き合いに出して、「安全保障」が追加費用の理由だと主張する政府も胡散臭い。 これらは万博とどう関係があるのだろうか?開幕500日前、費用はすでに2倍近くに膨れ上がり、日本の納税者全員に飛び火している。参加国や企業にとっては、これは逆宣伝になりかねない。 その他にも問題が山積している。参加者のためのホテルの部屋不足、万博のためのスタッフ不足、夢洲への輸送の難しさ……。外国人コンサルタントこうはっきり言う。「大阪万博は、妻に隈研吾の家を約束した夫が、口座に100万円しかないことに気づき、妻に言うのをためらっているようなものだ」。 ベテランのロビイストも同意見だ。「日本は戦争に負けるとわかっていながら真珠湾を爆撃した。勝つためではなく、ベストを尽くすためだった。今回も同様のことが起きている。止めるべきだとわかっていても、誰も中止の責任を取る勇気がない』、「「日本は戦争に負けるとわかっていながら真珠湾を爆撃した。勝つためではなく、ベストを尽くすためだった。今回も同様のことが起きている。止めるべきだとわかっていても、誰も中止の責任を取る勇気がない」、このまま無責任に実施に向け突っ込んでいくよりも、いまからでも中止を決断すべきだ。
タグ:東洋経済オンライン「大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻」 (その2)(大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻、大阪万博で膨らむ国庫負担…新たに837億円判明で会場建設費と合わせて1600億円超のムダ遣い、維新馬場代表「万博は絶対やめない」の二枚舌 国会では“貴重な血税1円も無駄にしない”何度も発言、参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない) 大阪万博 「万博協会」が「大阪府咲洲庁舎」で「建設への協力を呼びかけようと説明会を実施」、なるほど。 「会場には、100社を超える建設業者が詰めかけた」、しかし、「海外パビリオンに対するゼネコン関係者の見方は冷ややかだ。 「儲からないであろう仕事に、社員や職人をつっこむわけにはいかない」・・・「万博の海外パビリオン工事については、ゼネコンはどこもやりたがっていない」・・・中には、「万博の工事には手を出さない方がいい。やけど程度では済まない」・・・確かに「冷ややか」だ。 「「九州などの地域で工場の建設ラッシュがあり、職人さんの人工・・・が信じられないほど上がっている」、確かにタイミング的には最悪のようだ。 「「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る」、「万博」はこれまでの実施例などのノウハウがある筈だが、一体、どうしたのだろう。 「トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある」、「トラック」輸送のボトルネックが生じる懸念がある。 「協会」は、「参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻」す積極的な役割を果たすべきだ。 日刊ゲンダイ「大阪万博で膨らむ国庫負担…新たに837億円判明で会場建設費と合わせて1600億円超のムダ遣い」 「最大2350億円に上る会場建設費に、日本政府が出展する「日本館」の費用は含まれていない。会場建設費は国と大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担することになっているが、日本館は全て国費で賄われる」、なるほど。 「西村氏は」、「「循環型の日本文化も紹介しながら、最新のバイオマスのエネルギー技術やCO2のリサイクル技術などを紹介していく」と意義を強調したが、イマイチ目新しさに欠ける」、なるほど。 「国民が求めていないのに強引に進めるとは、権力乱用以外の何物でもありません。負担を強いられる国民からしてみれば、こんな乱暴な話はない。内閣支持率が落ちて当然です」、その通りだ。 日刊ゲンダイ「維新馬場代表「万博は絶対やめない」の二枚舌 国会では“貴重な血税1円も無駄にしない”何度も発言」 「日本維新の会の馬場伸幸代表」は「万博は絶対にやめません。国としてのイベントなので、やめると日本が世界から信用を失ってしまう」と「断言していた」、「やめると日本が世界から信用を失ってしまう」はいささかオーバーだが、「馬場」氏がここまで入れ込んでいたとは驚きだ。 「維新」の馬脚がそろそろ現われてきたようだ。 東洋経済オンライン レジス・アルノー氏による「参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない」 「大阪が2025年万博の開催を決めたとき、日本人は素朴にプロモーションのチャンスだと考えた。大阪万博を支援する企業は、世界的な評判が高まることを期待して熱狂的に参加した。 だが、実際には大阪は2つの下位候補(ロシアのエカテリンブルグとアゼルバイジャンのバクー)に勝っただけのことだった」、対抗馬がそんな弱体だったとは初めて知った。 「タイプXパビリオンの建設費は、リゾートホテルや高級車のショールームよりも高く、東京の総合病院の2倍もする」、そんなに法外に高値だとは驚かされた。 「11月14日と15日の2日間、大阪で行われた国際参加者会議(IPM)の後、日本と参加国の当局は、物事が順調に進んでいると主張した。だが、海外のプロジェクト・マネジャーたちは不満と怒りをあらわにしている。「この2日間、IPMはわれわれの最も深刻な問題である請負業者の確保と経費の抑制に取り組まなかった」とある関係者は嘆く・・・ 別のプロジェクトマネジャーも、「建設が認可されるには4つの許可が必要だが、すべて日本語で当局からの助けは何もない。その過程で多くの国が迷子になった」と語る」、なるほど。 「「問題は、万博が例外の集まりにすぎないということだ。どの国も独自の規制や手続きを持ち、何か新しいものを見せたいと考えている。万博にはオリジナリティがつきものだから、参加国は開催都市が自国のルールの例外を受け入れてくれることを期待している。しかし、日本はそれに消極的だ。とはいえ、建設が始まれば、日本がいかに超効率的であるかを示すことになるとは思う」、 「参加国は日本の建設会社の消極的な姿勢にも驚いている。建設会社は大阪万博を受け入れ、自分たちの技術を世界にアピールするものだと思っていた。しかし、大手ゼネコンは万博を真剣に捉えていないように見える」、なるほど。 「「愛知万博は公園で開催され、テーマは環境だった。国家、企業、NGOが賛同した。今回は産業界が主導権を握っている・・・市民は蚊帳の外になってしまっている」、「市民は蚊帳の外になってしまっている」というのは確かに懸念材料だ。 「「日本は戦争に負けるとわかっていながら真珠湾を爆撃した。勝つためではなく、ベストを尽くすためだった。今回も同様のことが起きている。止めるべきだとわかっていても、誰も中止の責任を取る勇気がない」、このまま無責任に実施に向け突っ込んでいくよりも、いまからでも中止を決断すべきだ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本の政治情勢(その68)(「与党議員が“カジノに連れて行け”と怒り出し 負けると借金まで…」 国会議員の“外遊バカンス”の実態とは? 「外務省のおもてなしルール」には“抜け穴”が、中国新聞スクープ! 河井元法相の大規模買収事件で検察が「安倍、菅、二階、甘利」各氏の資金提供うかがわせるメモ入手と報道、池田大作氏が死すとも自公関係は死せず 「腐れ縁」は今後も続く理由、自民5派閥裏金疑惑ついに実名が…萩生田氏の“舎弟”池田佳隆氏にパー券営業「900万円」のキックバック浮上) [国内政治]

日本の政治情勢については、本年8月19日に取上げた。今日は、(その68)(「与党議員が“カジノに連れて行け”と怒り出し 負けると借金まで…」 国会議員の“外遊バカンス”の実態とは? 「外務省のおもてなしルール」には“抜け穴”が、中国新聞スクープ! 河井元法相の大規模買収事件で検察が「安倍、菅、二階、甘利」各氏の資金提供うかがわせるメモ入手と報道、池田大作氏が死すとも自公関係は死せず 「腐れ縁」は今後も続く理由、自民5派閥裏金疑惑ついに実名が…萩生田氏の“舎弟”池田佳隆氏にパー券営業「900万円」のキックバック浮上)である。

先ずは、本年8月22日付けデイリー新潮「「与党議員が“カジノに連れて行け”と怒り出し、負けると借金まで…」 国会議員の“外遊バカンス”の実態とは? 「外務省のおもてなしルール」には“抜け穴”が」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/08221156/?all=1
・『「“カジノに連れて行け”と言いだし…」  国民からの非難が噴出した、自民党女性局長(21日に辞表を提出)の松川るい参院議員が今井絵理子参院議員らと出かけたフランスのパリ視察。今年1月、岸田文雄総理の長男・翔太郎氏が父の欧州・北米5カ国訪問に同行して観光名所を巡っていた問題も。なぜ“税金泥棒”が公然と認められているのか――その答えは2019年に策定された“抜け道”にあった。 もはや永田町の夏の風物詩ともいえる国会議員の海外視察。元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、外務省が議員らに対して行うアテンド、すなわち「便宜供与」の実態についてこう明かす。 「私が便宜供与をしたうち、国会議員で一人だけ例外的にとてもひどい人がいました。細川護熙政権の時のことで、当時の新生党所属のある議員が“モスクワにカジノがあるなんて聞いてなかった。そういう一番重要なことを外務省はどうして説明しないのか”と怒り始め、カジノに連れて行けと言い出したのです」 やむなく佐藤氏は、議員をご希望先へ連れて行ったが、 「その議員は賭けに負け続けまして、やがて“金が足りない”と言うわけです。さらに“大使館は貸し付けはしているのか”などと聞いてくる。あまりにうるさいので大使館の総括参事官に相談したところ“裏金がある。そこから3千ドル貸そう”ということになりました。その後、金は返ってきましたが、これは思い出の中でも一番ひどいものですね」 ▽“抜け穴”的な規定(むろんさすがにこれは前世紀の話であり、今回のフランス視察はここまで悪質なわけではない。が、しかし、それでもなお今回の“外遊という名のバカンス”への国民の反発が強いのはご存知の通りである。 「こうした件が容認されないのは感情論としても当然のことといえますが、実はそれ以上の問題が横たわっているんです」 そう語るのは、さる政府関係者である。 「2019年4月、当時外相だった河野太郎氏が、議員の外遊における“新ルール”を策定しました。それはあくまで外見上は、公と私を今後きっちり区別する、と厳格化をアピールする形になっています」 河野大臣名義で作成された政府の内部文書の中には、「公的用務で外国を訪問する場合でも、休日等に私的目的で地方や市内の観光地の視察を行う場合には、公用車の配車や館員による同行は、原則として実施できません」とある。これに従うならば、在外公館は、やって来た議員の私的行動には便宜を図らなくても構わない、ということになるが、あくまでもそれは建前。実は河野大臣時代に、新ルールと共に“抜け道”も設定されていたようなのだ。 「これにあわせて衆参両院の事務局あてに、外務省の官房総務課が作成した文書があります。実はそちらにこそ、現状の問題を解くカギが隠されている。『国会議員の公務による外国訪問に対する便宜供与に係るガイドライン』という、河野外相が策定したものと区別がつきにくい代物ですが、そこには公私混同を今後も認めるかのごとき“抜け穴”的な規定が連綿と記されているのです」』、「永田町の夏の風物詩ともいえる国会議員の海外視察」、国会がヒマなこともあって「海外視察」に行くようだ。しかし、その裏方をさせられる在外公館の職員は大変だ。
・『公務の間に挟まる私用はセーフ  例えば、政府関係者の話に基づくと、こんなくだりがあるそうだ。 〈(国会議員が)公的用務の合間に、市内視察・買物等を組み込む場合には〉 と前置きし、 〈公的用務の急な日程変更等に柔軟に対応できるようにするとの観点及び在外公館として便宜供与を円滑に遂行するとの観点からも、公用車を継続的に配車し、派遣員を含む館員が同行することは、常識的な範囲内であれば差し支えない〉 つまり、公務の間に私用が挟まっている形なら、諸般「円滑に」進めるために公用車を使い、在外公館員を使役していい、と宣(のたま)っているのである。議員の特権へのお墨付きが裏で与えられていたのだから、翔太郎氏が公用車で堂々、安心して買い物に興じたのも無理はないのだ。 念の入ったことに外務省は便宜供与の対象を七つのランク分けまでしているという。8月23日発売の「週刊新潮」では、便宜を受ける人間を七つのランクに分類している事実のほか、議員らに対する便宜供与の実態について詳報する』、「公務の間に私用が挟まっている形なら、諸般「円滑に」進めるために公用車を使い、在外公館員を使役していい、と宣・・・っている」、全く「国会議員」天国だ。

次に、9月8日付け日刊ゲンダイ「中国新聞スクープ! 河井元法相の大規模買収事件で検察が「安倍、菅、二階、甘利」各氏の資金提供うかがわせるメモ入手と報道」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/328802
・『ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題をめぐるジャニーズ事務所の初会見ニュースばかりが報じられる中、中国新聞(広島市)が大スクープを放った。 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、安倍晋三首相(2022年死去)や菅義偉官房長官(74)、二階俊博幹事長(84)、甘利明選対委員長(74)=いずれも肩書は当時=の資金提供をうかがわせるメモを検察当局が入手していたと報じたのだ。 8日付の「中国新聞デジタル」によると、検察は2020年1月に河井克行元法相(60・公職選挙法違反罪で実刑確定、服役中)の自宅を家宅捜索した際、安倍氏ら4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見。この金が広島県内の地方議員や後援会員に配られた買収原資だった可能性があるとみて捜査していたという』、「検察」は本件を起訴せずに済ませたようだ。
・『甘利氏は資金提供を認める  詳細は省くが、メモには「総理、すがっち、幹事長、甘利」などと書かれ、それぞれ提供されたとみられる金額が記してあったという。中国新聞の取材に対し、甘利氏は資金提供を認めたという。 記事がネットで報じられると、SNS上では早速、様々な意見が飛び交った。《やっぱり。検察は徹底的に捜査するべきだった。まだ事件は終わっていないな》 《このタイミングで?…。検察に供述を誘導されたと、カネをもらった県議や市議が言っているから当局の逆襲なのかな》 《菅さんと甘利さんは呼び捨て(笑)メモが本当だったとすればだけど》 ネット上でみられる通り、まだまだこの事件は終わっていない。ジャニー喜多川氏の性加害問題を「黙認」し、権力に忖度していたなどと批判の声が出ている新聞、テレビは今こそ、汚名返上のためにも中国新聞の大スクープを後追いし、故人の安倍氏はもちろん、名前を報じられた自民党議員を徹底追及するべきではないか』、結局、「後追いし」た「テレビ」がなかったのは残念だ。

第三に、11月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏による「池田大作氏が死すとも自公関係は死せず、「腐れ縁」は今後も続く理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/333056
・『公明党を創設し、政界に多大な影響力を誇っていた池田大作氏  「創価学会」名誉会長)が亡くなった。池田氏はこれまでどのように政治と関わってきたのか。また、自民党・公明党の関係性は、池田氏の死によってどう変わっていくのか。政治学者の視点から読み解いていく』、興味深そうだ。
・『故・池田大作氏への哀悼文を投稿した岸田首相が“炎上”  宗教団体「創価学会」の池田大作名誉会長が11月15日に死去した。岸田文雄首相は訃報を受け、池田氏に哀悼の意を表するツイートを「X(旧Twitter)」に投稿した。 「池田大作氏の御逝去の報に接し、深い悲しみにたえません。(中略)御遺族の方々および御関係の方々に対し衷心より哀悼の意を表します」というもので、「内閣総理大臣 岸田文雄」という署名も添えられていた。 その結果、ネット上ではこの投稿を疑問視する声が続出。いわゆる“炎上”状態となった。故・安倍晋三元首相の暗殺事件が起きて以降、政治と宗教の密接な関係に対して国民は非常にデリケートになっている。岸田首相の投稿はやや軽率だったのかもしれない。 一方で、国民の側も冷静さを保つことが必要だ。確かに日本国憲法では「政教分離」の原則の下、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」などと定められている。ただ、宗教団体が政治活動を行うこと自体は厳密には違法ではない。 国民は政治と宗教の接点を見いだしたとき、それだけを理由に過度なバッシングを行うべきではないといえる。事実上の「宗教弾圧」につながりかねないからだ。 その死をきっかけに、政治と宗教を巡る議論をさらに過熱させる池田氏は、これまでどのように政治と関わってきたのか。また、岸田首相が率いる自民党と、創価学会の支持を受ける公明党の関係性は、池田氏の死によってどう変わっていくのか。 歴史をひもときながら、政治学者としての見解を述べていきたい』、「歴史」的視点で見ることは重要だ。
・『「言論出版妨害事件」を起こすも「適切な宗教団体」に変化  創価学会は1930年に設立。池田氏は47年に入会し、60年に第3代会長に就任した。その後69年に、創価学会は政治との間で重大な問題を引き起こした。 政治学者・藤原弘達氏の著書『創価学会を斬る』の出版を中止するよう、公明党が田中角栄自民党幹事長(当時)に働きかけていたことが発覚したのだ。いわゆる「言論出版妨害事件」である。 共産党の機関紙『赤旗』による指摘をきっかけに、メディアはこぞって創価学会・公明党批判を展開。藤原氏に対して脅迫や嫌がらせがあったこと、公明党幹部が出版差し止めに向けて動いていたことなども明らかになった。 藤原氏以外にも、批判本の執筆を試みたため妨害を受けた著者が多数いた事実も発覚した。公明党からの働きかけを受けた田中角栄氏が、出版中止の要請を行っていたことも明るみに出た。 数々の事態の発覚を受け、創価学会と公明党・自民党の関係は「政教分離」に反すると批判された。 そして、池田氏は事件について謝罪。(1)創価学会幹部の議員兼職を廃止すること、(2)池田氏自身は政界に進出しないこと、(3)公明党の自立性を高めること、(4)創価学会は党の支持団体の立場に徹すること――などを約束した。 それから今日に至るまで、少なくとも表面的には、創価学会は政治への深い介入を行っていない。公明党の公式サイトにも「創価学会と公明党との関係は、あくまでも支持団体と支持を受ける政党という関係」だと明記されている。 創価学会と公明党の関係性について、今も根強い批判があることは承知の上だが、筆者はこれを「適切な宗教団体」に変化した好例だと捉えている。 というのも、例えば世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、高額な献金や霊感商法の問題が取り沙汰されて以降も真摯(しんし)な対応を怠り、組織を改革しようとする姿勢がなかった。そして今年、ついに政府の「解散命令」請求に至った。生き残るための変化をかたくなに拒んだ結果、“自滅”したといえる。 他方で、池田大作という宗教家はそうではなかった。上記4項目のように、創価学会および公明党が生き残っていくための「現実的な路線」を模索し、柔軟に方針を切り替えたのだ。こういった姿勢からは、池田氏のリアリスティックな一面がうかがえる』、「言論出版妨害事件」をきっかけに、「池田氏は事件について謝罪。(1)創価学会幹部の議員兼職を廃止すること、(2)池田氏自身は政界に進出しないこと、(3)公明党の自立性を高めること、(4)創価学会は党の支持団体の立場に徹すること――などを約束した。 それから今日に至るまで、少なくとも表面的には、創価学会は政治への深い介入を行っていない。公明党の公式サイトにも「創価学会と公明党との関係は、あくまでも支持団体と支持を受ける政党という関係」だと明記されている」、なるほど。
・『与する政治勢力を「くら替え」しながら「権力に近い位置」を死守  池田氏の「リアリズム」は、公明党の政治的立場、政策志向の変化を歴史的に振り返ると、より明確に見えてくる。 公明党は池田氏の発意によって64年に結党。当時は野党として自民党と対立関係にあったが、イデオロギーにこだわる社会党や共産党など他の野党とは異なり「中道主義」を志向してきた。 70年代前半、公明党は「反自民・全野党結集」の方針に従って「日米安保条約の即時破棄」を訴えた。そして自民党は議席を減らし、与野党の議席差が伯仲する「伯仲国会」が実現した。 ところが80年の総選挙で自民党が圧勝して「伯仲国会」が終わると、公明党は本格的に自民党・民社党との「自公民路線」にかじを切った。そしてこの頃、公明党は自衛隊についても「容認」へと方針転換した。 92年の湾岸戦争後には、PKO法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)を自公民3党による交渉で成立させた。 ただし、このまま自公の蜜月が続くかと思いきや、公明党は再びくら替えする。93年に自民党による一党支配体制が終幕すると、「非自民・非共産」の野党(8党派)からなる細川護熙(もりひろ)連立政権に参画したのだ。 その後は二大政党の一角を目指した「新進党」への合流を巡って分裂するなどの混乱を経て、98年に「公明党」として再結成。翌年以降は自公連立として活動し、今日に至っている。 連立政権を組んでからの公明党は、安全保障などの領域で自民党の政策を受け入れてきた(第104回)。一方で自民党は、公明党による「支持者への利益分配」の要求に応え、新型コロナウイルス禍の初期に「所得制限なしで国民1人当たり10万円の支給」を実現させた(第239回)。 要するに、公明党は結党以降、状況に応じて自由自在に立場を変えながら「権力に近い位置」を常に確保してきた。野党であった時期も、常に有利な政治勢力に与(くみ)してきた』、「公明党は結党以降、状況に応じて自由自在に立場を変えながら「権力に近い位置」を常に確保してきた。野党であった時期も、常に有利な政治勢力に与・・・してきた」、なるほど。
・『相次ぐ政策転換に支持者がついてきた理由はやはり…  他の政党ならば、こうした政策の大転換に支持者はついてこない。社会党(当時)の村山富市元首相が90年代中盤に「自衛隊は憲法違反」「非武装中立」の党是を大転換し、自衛隊を合憲と認めた結果、同党が劇的に衰退したことが代表例だ。 しかし公明党では、党の方針転換に支持者が従ってきた。その背景には「信仰」があることは想像に難くない。信仰のよりどころとなっていたのは、やはり池田氏の存在だろう。 表向きは前述した4項目の改革によって、創価学会は政治への深い介入を行わなくなった。現代表の山口那津男氏をはじめ、公明党の歴代トップはもちろん池田氏とは別の人物である。しかしその裏側で、池田氏が影響力を持ち続けていたのは自明である。 教団および政党を存続・成長させるためなら「手のひら返し」を辞さなかった池田氏は、まさしく「政治的リアリズムの巨人」だったといえる』、「教団および政党を存続・成長させるためなら「手のひら返し」を辞さなかった池田氏は、まさしく「政治的リアリズムの巨人」だった」、さすがだ。
・『池田氏の死によって自公関係はどう変わる?  では、そんな池田氏の死去によって、自公関係が今後どう変化するかを考えたい。 かねて本連載では、両党は別れられない「腐れ縁」だと指摘してきた(第332回)。詳しくは後述するが、その考えは基本的には変わらない。 今、公明党は苦境にある。昨年の参院選では、かつて800万票を誇った比例票が618万票まで落ち込んだ。今春の統一地方選では、都道府県議会選挙などで「候補者全員当選」の目標を果たせなかった。公明党が誇ってきた組織力が、明らかに弱体化している。 そして現在の自民党は、政策協議などを通じて日本維新の会や国民民主党との関係を深めつつある。自民党が連立政権から公明党を外して、維新・国民と連立を組むという「連立入れ替え論」もささやかれている。 というのも、衆院では単独で「圧倒的多数派」を形成する自民党だが、参院では総定数248議席のうち117議席しか占めていない。過半数を確保するために、今のところは公明党の27議席を必要としている。一方で、維新・国民も勢力を拡大しており、前者は20議席、後者は13議席を獲得済みだ。数字の上では、このどちらと(あるいは両方と)組んでも連立の組み替えが可能である』、「参院では総定数248議席のうち117議席しか占めていない。過半数を確保するために、今のところは公明党の27議席を必要としている。一方で、維新・国民も勢力を拡大しており、前者は20議席、後者は13議席を獲得済みだ。数字の上では、このどちらと(あるいは両方と)組んでも連立の組み替えが可能である」、なるほど。
・『池田氏が築き上げた「集票力」という武器は健在  こういった状況を受けて、自公連立政権の存続について不安や不信感を抱いている公明党支持者も一定数いるだろう。池田氏の死去に伴って不満を抑えきれなくなり、自公連立が不安定化するという見方もできなくはない。 しかし「選挙での協力態勢」となると、自民党にとって公明党が重要であることに変わりはないだろう。 自公連立は20年以上続いてきた。公明党はその間、支持母体である創価学会の集票力を武器に、さまざまな選挙区の自民党候補に「組織票」を提供するなど協力してきた。自民党が維新・国民と連立政権を組むならば、この組織票は失われてしまう。 特に維新は今年の統一地方選で躍進したが、全国政党化に向けては、まだ第一歩を踏み出したばかりだ(第329回)。統一地方選後の全国の首長選挙では苦戦が続いている。維新の組織力は、まだ全国的に確立されていないのが現実だ。 これでは、自民党が本気で「連立入れ替え」を検討するとは考えにくい。 現実的な話をすると、自公は政策のすり合わせを繰り返しながら関係を築いてきた。その積み重ねによって、両党に所属する政治家だけでなく、その支持者レベルでも結び付きが強まっている。 自公連立政権に影響を及ぼしてきた池田氏が亡くなったとはいえ、公明党(および創価学会)の支持者が小選挙区で各党の政策を見比べたときに、「自民党以外」を選ぶとは考えにくい。 だからこそ自公両党は、今後も政策や選挙態勢の面で、別れることができない「腐れ縁」として関係を続けていくと筆者は考える。 池田大作というカリスマは消えた。だが、そのリアリズムによって築き上げられた「集票力」という武器は政界に残り続けていくのだろう』、「維新の組織力は、まだ全国的に確立されていないのが現実だ。 これでは、自民党が本気で「連立入れ替え」を検討するとは考えにくい。 現実的な話をすると、自公は政策のすり合わせを繰り返しながら関係を築いてきた。その積み重ねによって、両党に所属する政治家だけでなく、その支持者レベルでも結び付きが強まっている・・・自公両党は、今後も政策や選挙態勢の面で、別れることができない「腐れ縁」として関係を続けていくと筆者は考える。 池田大作というカリスマは消えた。だが、そのリアリズムによって築き上げられた「集票力」という武器は政界に残り続けていくのだろう」、「腐れ縁」は想像以上に強いようだ。

第四に、11月30日付け日刊ゲンダイ「自民5派閥裏金疑惑ついに実名が…萩生田氏の“舎弟”池田佳隆氏にパー券営業「900万円」のキックバック浮上」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332725
・『やはり、裏金づくりをやっていたのか。 自民党5派閥の政治団体が、パーティー収入計約4000万円を政治資金収支報告書に記載していなかった裏金疑惑が、連日、国会で追及の的になっている。東京地検特捜部は不記載額が最も大きかった安倍派に照準を絞っているとみられ、既に派閥関係者を聴取したとされる。焦点は、裏金づくりが実際に行われていたか否かだ。 「浮かび上がっている手口は、パー券販売ノルマの超過分を国会議員が懐に入れるというものです。派閥に入金されたパー券売り上げのうち、ノルマを超えた分を議員側にキックバック。戻ってきた分を収支報告書に記載しなかった議員がいるとみられているのです」(政界関係者) 複数の安倍派関係者によると、販売ノルマは当選回数や立場によって分けられており、最高幹部は約750万円で、閣僚経験者は400万~500万円。ヒラの議員は50万~100万円だという。 ノルマを超えてパー券をさばけばさばくほど、議員側の“実入り”が増えるスキームだったとみられている』、「ノルマを超えてパー券をさばけばさばくほど、議員側の“実入り”が増えるスキームだった」、悪知恵が利いたインセンティブだ。
・『企業経営者の知り合い多数  この裏金づくりに手を染めていた恐れのある議員の実名が、ついに浮上した。30日発売の「週刊文春」によると、キックバックの恩恵にあずかっていた可能性があるのは、安倍派所属の池田佳隆元文科副大臣(57、愛知3区)だ。派内では“パー券営業部長”として知る人ぞ知る存在で、秘書に「俺個人のパーティーより、派閥のパー券を売ることを優先して」と命じていたほどだという。文教族で、文科相経験者でもある萩生田政調会長の“舎弟”のような存在だそうだ。 文春の調査によると、安倍派の収支報告書には、毎年数十社のパー券購入企業が記されており、うち3割以上が池田氏個人のパー券も購入していた企業だという。2020年には、池田氏が地元企業に1000万円以上も派閥のパー券を販売。シャカリキになって地元の支援企業にパー券を売りさばいていた構図が浮かぶ。 ところが、池田氏に課されたノルマは60万円程度。文春は、ノルマ超過分の900万円超が池田氏側にキックバックされた可能性を指摘している。特捜部は、池田氏がキックバックを受けたか否かに着目しているという。 もし、文春が指摘するように、年間数百万円ものキックバックを受け、裏金として処理していたとしたら大問題だ。日刊ゲンダイは池田事務所に問い合わせたが、締め切りまでに回答はなかった。 安倍派関係者が言う。 「池田さんは06年から1年間、多くの若手経営者が所属する『日本青年会議所』の会頭を務めていました。企業経営者の知り合いが多いから、大量にパー券をさばけたのかもしれません。しかし、1000万円も売るなんてハンパじゃないですよ。本人は萩生田さんと似た体育会系のノリだから“モーレツ営業”ができたのかもしれませんが、それにしても1000万円はスゴ過ぎる。安倍さん並みの集金力ですよ」 池田氏は、キチンと説明責任を果たすべきだ』、「池田氏に課されたノルマは60万円程度。文春は、ノルマ超過分の900万円超が池田氏側にキックバックされた可能性を指摘している。特捜部は、池田氏がキックバックを受けたか否かに着目しているという。 もし、文春が指摘するように、年間数百万円ものキックバックを受け、裏金として処理していたとしたら大問題だ」、「「池田さんは06年から1年間、多くの若手経営者が所属する『日本青年会議所』の会頭を務めていました。企業経営者の知り合いが多いから、大量にパー券をさばけたのかもしれません。しかし、1000万円も売るなんてハンパじゃないですよ。本人は萩生田さんと似た体育会系のノリだから“モーレツ営業”ができたのかもしれませんが、それにしても1000万円はスゴ過ぎる。安倍さん並みの集金力ですよ」、いずれにしろ、特捜部がどう処理するのかが、当面の注目点だ。
タグ:日本の政治情勢 (その68)(「与党議員が“カジノに連れて行け”と怒り出し 負けると借金まで…」 国会議員の“外遊バカンス”の実態とは? 「外務省のおもてなしルール」には“抜け穴”が、中国新聞スクープ! 河井元法相の大規模買収事件で検察が「安倍、菅、二階、甘利」各氏の資金提供うかがわせるメモ入手と報道、池田大作氏が死すとも自公関係は死せず 「腐れ縁」は今後も続く理由、自民5派閥裏金疑惑ついに実名が…萩生田氏の“舎弟”池田佳隆氏にパー券営業「900万円」のキックバック浮上) デイリー新潮「「与党議員が“カジノに連れて行け”と怒り出し、負けると借金まで…」 国会議員の“外遊バカンス”の実態とは? 「外務省のおもてなしルール」には“抜け穴”が」 「永田町の夏の風物詩ともいえる国会議員の海外視察」、国会がヒマなこともあって「海外視察」に行くようだ。しかし、その裏方をさせられる在外公館の職員は大変だ。 「公務の間に私用が挟まっている形なら、諸般「円滑に」進めるために公用車を使い、在外公館員を使役していい、と宣・・・っている」、全く「国会議員」天国だ。 日刊ゲンダイ「中国新聞スクープ! 河井元法相の大規模買収事件で検察が「安倍、菅、二階、甘利」各氏の資金提供うかがわせるメモ入手と報道」 「検察」は本件を起訴せずに済ませたようだ。 結局、「後追いし」た「テレビ」がなかったのは残念だ。 ダイヤモンド・オンライン 上久保誠人氏による「池田大作氏が死すとも自公関係は死せず、「腐れ縁」は今後も続く理由」 「歴史」的視点で見ることは重要だ。 「言論出版妨害事件」をきっかけに、「池田氏は事件について謝罪。(1)創価学会幹部の議員兼職を廃止すること、(2)池田氏自身は政界に進出しないこと、(3)公明党の自立性を高めること、(4)創価学会は党の支持団体の立場に徹すること――などを約束した。 それから今日に至るまで、少なくとも表面的には、創価学会は政治への深い介入を行っていない。 公明党の公式サイトにも「創価学会と公明党との関係は、あくまでも支持団体と支持を受ける政党という関係」だと明記されている」、なるほど。 ・『与する政治勢力を「くら替え」しながら「権力に近い位置」を死守  池田氏の「リアリズム」は、公明党の政治的立場、政策志向の変化を歴史的に振り返ると、より明確に見えてくる。 公明党は池田氏の発意によって64年に結党。当時は野党として自民党と対立関係にあったが、イデオロギーにこだわる社会党や共産党など他の野党とは異なり「中道主義」を志向してきた。 70年代前半、公明党は「反自民・全野党結集」の方針に従って「日米安保条約の即時破棄」を訴えた。そして自民党は議席を減らし、与野党の議席差が伯仲する「伯仲国会」が実現した。 ところが80年の総選挙で自民党が圧勝して「伯仲国会」が終わると、公明党は本格的に自民党・民社党との「自公民路線」にかじを切った。そしてこの頃、公明党は自衛隊についても「容認」へと方針転換した。 92年の湾岸戦争後には、PKO法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)を自公民3党による交渉で成立させた。 ただし、このまま自公の蜜月が続くかと思いきや、公明党は再びくら替えする。93年に自民党による一党支配体制が終幕すると、「非自民・非共産」の野党(8党派)からなる細川護熙(もりひろ)連立政権に参画したのだ。 その後は二大政党の一角を目指した「新進党」への合流を巡って分裂するなどの混乱を経て、98年に「公明党」として再結成。翌年以降は自公連立として活動し、今日に至っている。 連立政権を組んでからの公明党は、安全保障などの領域で自民党の政策を受け入れてきた(第104回)。 一方で自民党は、公明党による「支持者への利益分配」の要求に応え、新型コロナウイルス禍の初期に「所得制限なしで国民1人当たり10万円の支給」を実現させた(第239回)。 要するに、公明党は結党以降、状況に応じて自由自在に立場を変えながら「権力に近い位置」を常に確保してきた。野党であった時期も、常に有利な政治勢力に与(くみ)してきた』、「公明党は結党以降、状況に応じて自由自在に立場を変えながら「権力に近い位置」を常に確保してきた。野党であった時期も、常に有利な政治勢力に与・・・してきた」、なるほど。 「教団および政党を存続・成長させるためなら「手のひら返し」を辞さなかった池田氏は、まさしく「政治的リアリズムの巨人」だった」、さすがだ。 「参院では総定数248議席のうち117議席しか占めていない。過半数を確保するために、今のところは公明党の27議席を必要としている。一方で、維新・国民も勢力を拡大しており、前者は20議席、後者は13議席を獲得済みだ。数字の上では、このどちらと(あるいは両方と)組んでも連立の組み替えが可能である」、なるほど。 「維新の組織力は、まだ全国的に確立されていないのが現実だ。 これでは、自民党が本気で「連立入れ替え」を検討するとは考えにくい。 現実的な話をすると、自公は政策のすり合わせを繰り返しながら関係を築いてきた。その積み重ねによって、両党に所属する政治家だけでなく、その支持者レベルでも結び付きが強まっている・・・自公両党は、今後も政策や選挙態勢の面で、別れることができない「腐れ縁」として関係を続けていくと筆者は考える。 池田大作というカリスマは消えた。だが、そのリアリズムによって築き上げられた「集票力」という武器は政界に残り続けていくのだろう」、「腐れ縁」は想像以上に強いようだ。 日刊ゲンダイ「自民5派閥裏金疑惑ついに実名が…萩生田氏の“舎弟”池田佳隆氏にパー券営業「900万円」のキックバック浮上」 「ノルマを超えてパー券をさばけばさばくほど、議員側の“実入り”が増えるスキームだった」、悪知恵が利いたインセンティブだ。 「池田氏に課されたノルマは60万円程度。文春は、ノルマ超過分の900万円超が池田氏側にキックバックされた可能性を指摘している。特捜部は、池田氏がキックバックを受けたか否かに着目しているという。 もし、文春が指摘するように、年間数百万円ものキックバックを受け、裏金として処理していたとしたら大問題だ」、 「「池田さんは06年から1年間、多くの若手経営者が所属する『日本青年会議所』の会頭を務めていました。企業経営者の知り合いが多いから、大量にパー券をさばけたのかもしれません。しかし、1000万円も売るなんてハンパじゃないですよ。本人は萩生田さんと似た体育会系のノリだから“モーレツ営業”ができたのかもしれませんが、それにしても1000万円はスゴ過ぎる。安倍さん並みの集金力ですよ」、いずれにしろ、特捜部がどう処理するのかが、当面の注目点だ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

防衛問題(その22)(防衛大告発論3題:石原俊教授は防衛大告発論考どう読んだのか?「何人もの研究者が指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて 他国の将校クラスよりも心もとないという評価」、「コスプレ感覚のミリタリー好き」「リストカット」「適応障害で留年」…幹部自衛官を目指すには適性を欠く学生も多々いる集団生活の“地獄”、女子学生への公然セクハラ シャワー室の盗撮 頻発する窃盗事件…問題だらけの防衛大でそれでも私が4年間退校せずに全うすることができた理由【学生たちの証言】) [国内政治]

防衛問題については、本年7月18日に取上げた。今日は、(その22)(防衛大告発論3題:石原俊教授は防衛大告発論考どう読んだのか?「何人もの研究者が指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて 他国の将校クラスよりも心もとないという評価」、「コスプレ感覚のミリタリー好き」「リストカット」「適応障害で留年」…幹部自衛官を目指すには適性を欠く学生も多々いる集団生活の“地獄”、女子学生への公然セクハラ シャワー室の盗撮 頻発する窃盗事件…問題だらけの防衛大でそれでも私が4年間退校せずに全うすることができた理由【学生たちの証言】)である。

先ずは、本年8月11日付け集英社オンライン「大学問題のスペシャリスト・石原俊教授は防衛大告発論考どう読んだのか?「何人もの研究者が指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて、他国の将校クラスよりも心もとないという評価」を紹介しよう。
https://shueisha.online/culture/152530?page=1
・『2023年6月30日に防衛大学校の等松春夫教授が衝撃的な論考を発表した。防大、防衛省の構造に警鐘を鳴らすこの論考を有識者たちはどのように読んだのだろうか。『硫黄島』(中公新書)、『シリーズ 戦争と社会』(岩波書店)などの著書で知られ、「大学の自治」に詳しい明治学院大学の石原俊教授が綴る』、興味深そうだ。
・『防衛大論考-私はこう読んだ#5 【関連記事:防衛大現役教授が実名告発】 #1 自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件 #2 防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育 【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】 #1 望月衣塑子 #2 大木毅 #3 現役教官 4 石破茂 【元防大生の声】#1 上級生が気の利かない下級生を“ガイジ”と呼びすて… #2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」 #3 「叫びながら10回敬礼しろ。何もできないくせに上級生ぶるな」 【防大生たちの叫び】 #1 適性のない学生と同室で…集団生活の“地獄” #2 女子学生へのセクハラ、シャワー室の盗撮、窃盗事件…』、ずいぶん内容が濃いようだ。
・『一般の大学等とは大きく異なる「防衛大学校」という存在  筆者は防衛大学校と深い交流を持つ者ではなく、自衛隊や外国の軍隊を専門的な研究対象とする者でもない。そのため、本稿で述べる内容は徹頭徹尾、一般論にとどまることを、あらかじめ承知いただきたい。 防衛大学校(以下、防大)は、国際的にみれば各国の士官学校に比肩する教育機関であり、学校教育法第1条が定める「1条校」ではない。 この点で防大は、一般の大学等とは大きく異なる。 等松春夫教授による告発文書「危機に瀕する防衛大学校の教育」は、高等教育機関として特殊な組織である防大が、教育体制・事務体制から、教官人事・指導官人事、ガバナンスにいたるまで、重大な問題を長年にわたって放置してきた結果、学生の教育環境が危機的状況に陥っていると指摘する。  特に、学生舎(寮)における共同生活や、上級生から下級生への「指導」の慣習が、公私混同の命令や悪質な威圧の温床となり、ハラスメント、いじめ、賭博、詐欺などが蔓延する要因になってきたと告発している。 これまでも、防大生をめぐる不祥事が起こると事実関係が報道されることはあった。だが、そうした不祥事が頻発する構造的背景を、一般社会に向けて体系的かつ説得的に説明したのは、おそらく等松教授が初めてだろう。 等松教授の告発に対して、防大執行部は7月14日、久保文明学校長名による反論文書「本校教官の意見発表に対する防衛大学校長所感」を公表した【※】。 久保校長は防大改革を進めようとしており、反論文書は「学生間指導においても、上級生による強圧的な言動を排除してき」たとして、この1~2年の間に状況が劇的に改善したと主張している。 ただ、「上級生による強圧的な言動」はそれ以前の長きにわたり、幾度となく指摘されてきた問題だ。久保校長の退任後も含めて、これから十年単位で、防大が真に変化したかどうか、国民はウォッチしていく必要がある』、「これまでも、防大生をめぐる不祥事が起こると事実関係が報道されることはあった。だが、そうした不祥事が頻発する構造的背景を、一般社会に向けて体系的かつ説得的に説明したのは、おそらく等松教授が初めてだろう・・・等松教授の告発に対して、防大執行部は7月14日、久保文明学校長名による反論文書「本校教官の意見発表に対する防衛大学校長所感」を公表した。 久保校長は防大改革を進めようとしており、反論文書は「学生間指導においても、上級生による強圧的な言動を排除してき」たとして、この1~2年の間に状況が劇的に改善したと主張している。 ただ、「上級生による強圧的な言動」はそれ以前の長きにわたり、幾度となく指摘されてきた問題だ。久保校長の退任後も含めて、これから十年単位で、防大が真に変化したかどうか、国民はウォッチしていく必要がある」、なるほど。
・『「その任には堪えられない人々」が登用される現状  他方で、一般にはあまり知られていない点だが、防大は一般の大学等と同様、学校教育法に沿って文部科学省が定める「大学設置基準」に服しており、卒業時には大学改革支援・学位授与機構の審査を経て、学士の学位(学士号)が授与されている。 防大のカリキュラムは、いわゆる軍事教練にあたる「訓練課程」と、学術・科学分野を学ぶ「教育課程」に分かれている。 後者の「教育課程」には、防大特有の「防衛学」だけでなく、人文学・社会科学から、理工系の基礎科学・応用科学、そして外国語まで、一般の大学等と変わらぬバリエーションがそろっている。このように、防大が「大学設置基準」に沿った教育機関(かつ研究機関)と認定されているからこそ、防大の卒業生には、他の大多数の「大学校」(各種学校)と異なり、学士号が授与されているのだ。 ところが、等松教授の告発文書によれば、「防衛学」を担当する自衛官教官の多くが、文官教官のような教育能力や研究業績の厳格な審査を経ずに、教授や准教授に採用されており、「とてもその任には堪えられない人々」も少なくないという。 一方で、文官教官が雑誌や新聞に論考やコメントを発表する場合、原稿を事前に事務部門に提出しなければならず、学術的には素人の事務官が事実上の検閲を行うばかりか、原稿を書き換える事例さえあるという。 筆者は率直なところ、驚愕した』、「等松教授の告発文書によれば、「防衛学」を担当する自衛官教官の多くが、文官教官のような教育能力や研究業績の厳格な審査を経ずに、教授や准教授に採用されており、「とてもその任には堪えられない人々」も少なくないという。 一方で、文官教官が雑誌や新聞に論考やコメントを発表する場合、原稿を事前に事務部門に提出しなければならず、学術的には素人の事務官が事実上の検閲を行うばかりか、原稿を書き換える事例さえあるという」、なるほど。
・『防衛大論考-私はこう読んだ#5 「学問の自由」に反する事実上の検閲  こうした事実上の検閲は、一般の大学等ではとうてい考えられない。たしかに、昨今は大学等においても、学長や理事会などの経営陣によってガバナンスの「トップダウン」化が進められ、教員による「ボトムアップ」の意思決定・意見表明の場である教授会などの権限が削減されつつある。 とはいえ、たとえ「一族ワンマン経営」の理事会が支配するような小規模私立大学にあってさえ、教員の対外発信の内容を、学長や理事会ましてや事務部門が事前にチェックすることはありえない。 なぜならそれは、憲法23条が定める「学問の自由」に、根本的に反するからだ。 前述の久保校長の反論文書は、文官教官の対外発信時の事前届出制度が検閲を目的としておらず、また等松教授の告発文書に、防大執行部や事務官が一切、手を加えていないと強調している。 ただ留意すべきは、等松教授が世界的に認められた外交史の研究者であり、また幹部学校や統合幕僚学校、防衛研究所での教育歴も長く、自衛隊内で相当な権威をもつ文官教官であることだ。 他の研究者、特に中堅・若手を含むすべての文官教官が、対外発信時に防大執行部や事務官からの書き換え圧力を受けていないと明言できなければ、防大に検閲が存在しないということにはならない。 そもそも、重要な防衛機密事項の漏洩リスクがある場合を除き、研究者の対外発信内容について防大執行部や事務官が事前確認をおこない「意見を述べる」内部ルール自体が、憲法秩序に照らして著しく不適切である。 「学問の自由」が保障されていないこと、この一点のみをもってしても、防大は「大学設置基準」に沿った教育機関・研究機関の認定(学士号が授与される資格)を取り消されてもおかしくない状況にあるのだ』、「重要な防衛機密事項の漏洩リスクがある場合を除き、研究者の対外発信内容について防大執行部や事務官が事前確認をおこない「意見を述べる」内部ルール自体が、憲法秩序に照らして著しく不適切である。「学問の自由」が保障されていないこと、この一点のみをもってしても、防大は「大学設置基準」に沿った教育機関・研究機関の認定・・・を取り消されてもおかしくない状況にある」、なるほど。
・『防衛大論考-私はこう読んだ#5 他国に劣る幹部自衛官の知的・学術的水準  防大の4年と幹部候補生学校の1年、計5年の課程を修めた自衛官は、大多数が20歳代前半の若者ながら、ただちに尉官に任官し、国際基準では「将校」とみなされる。 つまり自衛隊は、一般の大学の学部4年間相当と、大学院修士課程2年間のうち1年間相当の高等教育を修めれば、いきなり将校クラスに任官するという、メリット・システム(閉鎖型任用制)を採用している。 これは、おおむね20代後半に係長、30代前半に課長補佐になる、霞が関のキャリア官僚の世界と比べてさえ、劇的といえるメリット・システムだ。もちろん、このシステム自体は、日本の旧軍や他国の軍隊を参照して設計されているので、驚くべき点はない。 ここで問題なのは、防大の(たった4年間の課程を担う)教育現場に、自衛隊の劇的なメリット・システムを支える責任と負荷が一身にかかっていることである。 しかしながら、防大受験者数は2010年代半ば以降、著しい減少傾向にあり、また中退者数、任官辞退者数、幹部候補生学校入校辞退者数などは、全体として増加傾向にある。自衛隊が優秀な幹部自衛官の確保・育成に苦労していることは、数字上からも事実といわざるをえない。 そして残念ながら、等松教授の告発文書にある「思考停止の中堅幹部が年々増えている」という評価は、筆者のもとに集まってくる情報とも符合している。 筆者自身、幾人もの幹部自衛官と長時間、腹を割って話したことはあり、職務において誠実で高潔な現役幹部自衛官が大勢いることは知っている。だが、筆者の研究仲間や知人で、外国軍将校と幹部自衛官の双方と日常的に交流の機会をもつ何人もの研究者が、異口同音に指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて他国の将校クラスよりも心もとないという評価だ。 北東アジアでは今後当分の間、朝鮮戦争以来の不安定な安全保障環境が続き、自衛隊は創設以来最大のプレゼンスを発揮することが求められる。防大の教育環境の抜本的な改善は、自衛隊・防衛省のみの問題にとどまらず、国家的・国民的な課題なのである』、「筆者の研究仲間や知人で、外国軍将校と幹部自衛官の双方と日常的に交流の機会をもつ何人もの研究者が、異口同音に指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて他国の将校クラスよりも心もとないという評価」、みっともないことだ。
・『防衛大論考-私はこう読んだ#5 防大教育問題の根本要因は…  このシリーズで先に大木毅氏や石破茂氏が、防大教育問題の根本要因は、日本国憲法下で自衛隊の存在意義が曖昧にされ、自衛隊のなかで民主主義体制を守るという防衛規範が育ってこなかったことにあると論じている。 シリーズ「防衛大論考ーー私はこう読んだ」#4で防衛省の問題点を指摘した石破茂氏 筆者も基本的には、両氏と大きく異ならない国家観・安全保障観をもつ者である。 北東アジアの安全保障環境の悪化もふまえるとき、日本の自由民主主義(リベラル・デモクラシー)体制を防衛する実力組織としての自衛隊の存立規範を、社会的・国民的規模で打ち立てることは、急務だと考えている。 したがって両氏が主張するように、自衛隊の存立規範に変化がなければ、防大の教育環境が改善されがたい部分があることは、筆者も否定しない。 しかしながら、防大の教育環境を改善することによって、自衛隊全体によい影響が波及する側面も、確実に存在するはずだ。 加えて、等松教授らが真摯に求めている、防大の教育・人事・事務体制やガバナンスの抜本的な改善は、自衛隊改革全般のなかでも、おそらく技術的に最も「手をつけやすい」部分のひとつではないだろうか。 防大執行部と防衛省当局は、各学術・科学分野の専門家である文官教官の意見、特に中堅・若手教官の意見を聴く「ボトムアップ」の回路を十分に確保し、教育環境とガバナンスの改善に取り組むべきである。 これまで教授しか参加を認められてこなかった防大教授会に、他の大多数の大学と同様、准教授や専任講師を参加させるのは、その初めの第一歩だろう。 最後に強調しておくが、防大と自衛隊そして国防の将来を憂う等松教授は、真の意味での「国士」である。 等松教授はもちろんのこと、実名告発にはいたらない中堅・若手の文官教官、そして心ある自衛官教官や事務官に対して、有形無形の圧力や恫喝が加えられるべきではない。 ましてや、等松教授に不当な懲戒が下されるようなことがあってはならない。 【※】久保校長はアメリカ政治研究で著名な政治学者であり、多数の著作をもつ。テレビにもときどき解説者などとして出演しているので、顔を見知っている読者もいるだろう。慶応義塾大学や東京大学の教授を経て、2021年4月から防大校長を務めている。 等松教授は近代日本をめぐる戦争と外交、戦前期日本の植民地をめぐる国際関係などを専門としており、日本語の著作としては『日本帝国と委任統治―南洋群島をめぐる国際政治 1914-1947』(名古屋大学出版会、2011年)が、筆者を含む研究者の間でよく知られている。玉川大学教授を経て、2009年から防大教授を務めている。 久保校長、等松教授、2人とも政治学者である。) 【関連記事:防衛大現役教授が実名告発】 #1 自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件 #2 防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育 【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】 #1 望月衣塑子:「教育者としての絶望」 #2 大木毅:「自衛隊が抱える病い」 #3 現役教官:「学生を変質させるカリキュラム」 #4 石破茂:「国防を真剣に考えると疎んじられる」 【元防大生の声】 #1 上級生が気の利かない下級生を“ガイジ”と呼びすて… #2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」 #3 「叫びながら10回敬礼しろ。何もできないくせに上級生ぶるな」 【防大生たちの叫び】 #1 適性のない学生と同室で…集団生活の“地獄” #2 女子学生へのセクハラ、シャワー室の盗撮、窃盗事件… ※「集英社オンライン」では、本記事や防衛大学校に関しての取材協力者や情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:shueisha.online@gmail.com Twitter:@shueisha_online 』、「防大の教育環境を改善することによって、自衛隊全体によい影響が波及する側面も、確実に存在するはずだ。 加えて、等松教授らが真摯に求めている、防大の教育・人事・事務体制やガバナンスの抜本的な改善は、自衛隊改革全般のなかでも、おそらく技術的に最も「手をつけやすい」部分のひとつではないだろうか。 防大執行部と防衛省当局は、各学術・科学分野の専門家である文官教官の意見、特に中堅・若手教官の意見を聴く「ボトムアップ」の回路を十分に確保し、教育環境とガバナンスの改善に取り組むべきである」、同感である。

次に、9月6日付け集英社オンライン「〈防衛大告発によせて〉「「コスプレ感覚のミリタリー好き」「リストカット」「適応障害で留年」…幹部自衛官を目指すには適性を欠く学生も多々いる集団生活の“地獄”」を紹介しよう。
https://shueisha.online/culture/155170
・『防衛大学校の等松春夫教授が発表した告発論考を受けて、防大のあり方について世間ではさまざまな議論を呼んでいる。現在の防大が抱える問題を現場の学生たちはどう考えているのか。集英社オンラインでは任官辞退者(卒業後、幹部候補生学校への配属の辞退者)と現役防大生への取材をおこなった。(前後編の前編)』、興味深そうだ。
・『防大生たちの叫び#1  【関連記事:防衛大現役教授が実名告発】 #1 自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件 #2 防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育 【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】 #1 望月衣塑子 #2 大木毅 #3 現役教官 #4 石破茂 #5 石原俊 【元防大生の声】 #1 上級生が気の利かない下級生を“ガイジ”と呼びすて… #2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」 #3 「叫びながら10回敬礼しろ。何もできないくせに上級生ぶるな」 【防大生たちの叫び】 #2 女子学生へのセクハラ、シャワー室の盗撮、窃盗事件…』、個々には説明がないので、項目だけを読んで見当をつけてほしい。
・『ミリタリー好きがコスプレ感覚で入学してくる現状  「等松先生のおっしゃることも、防大OBの方々のおっしゃることもわかるので、やり切れない思いです」 任官辞退者の本田さん(仮名/女性)【1】は、そう語る。任官辞退とは、幹部候補生学校への配属【2】を辞退して民間人にもどることを意味し、批判的な人々の間では、「任官拒否」とも呼ばれる。 これまで集英社オンラインで公開した記事に登場した退校者たちとは異なり、本田さんをはじめとした任官辞退者は防衛大学校を正式に卒業している。その彼女は、本メディアが報じた退校者たちの証言については「五分五分です」と評した。 「特定の学生を“ガイジ”呼ばわりしたり、吐くまで食べさせるようなおこない【3】は、言語道断です。厳しく処分するべきだと思いますが、入室要領や清掃に関する学生間指導などを、単純に『嫌がらせ』と断じてしまうことには違和感も覚えました」 集英社オンラインの記事をきっかけに、ネット上には防大を擁護する声と非難する声があふれた。中でも、(自称も含む)退校者やOBたちによる「学生間指導の闇」についての書き込みはとどまるところを知らない。 「退校者が書いているであろうサイトや書き込みを読みましたが、彼らの半分近くは、入学当初から幹部自衛官を目指すには適性を欠いていた方々なのではないか。そんな思いもあります」 本田さんによれば、近年の防大にはミリタリー系のアニメやドラマ、スパイものの漫画、ライトノベル小説などにハマって、まるでコスプレでもするような気分で入学してくる者や、被災地支援の側面にのみ注目して、軍人としての自衛官という立場に思いが至らないまま憧れだけを募らせた学生も少なくないという』、「近年の防大にはミリタリー系のアニメやドラマ、スパイものの漫画、ライトノベル小説などにハマって、まるでコスプレでもするような気分で入学してくる者や、被災地支援の側面にのみ注目して、軍人としての自衛官という立場に思いが至らないまま憧れだけを募らせた学生も少なくないという」、嘆かわしいことだ。
・『防大生たちの叫び#1 問題は適性のない学生を学校が退校させないこと  「等松先生が告発するずっと前から、学生舎の暮らしがどんなものかは散々ネット上で書かれています。それなのに、どうして(新入生たちは)わからないのか。私には、むしろそれがわかりません。『戦場の理不尽さに耐えるための、日常の理不尽だ』なんて言い方は非常識だし、おかしいと思いますが、それでも、私たちはただの学生じゃないんです。 特別職の公務員として学費を免除していただき、手当ももらい、実質的には軍人を目指している。学園ドラマの遊びじゃないってことぐらいは覚悟して入ってきてほしい」 「信じられないかもしれませんが……」と前置きし、本田さんは言う。 「私が籍を置いていた、つい最近までの防大の退校者のうち半数程度は、本当に単純な問題として、朝起きられない、夜眠れない、すぐ泣く。ミスを指摘されると、パニック発作を起こす。何度やり直させても、必要な物品を揃えられない。リストを作らせてチェックさせると、そのリスト自体に抜けがあるなど、そもそも閉鎖的な空間での共同生活に適性のない人たちなのではないでしょうか」 その上で、「本館」(防大執行部を意味する隠語)や指導官たちが「適性のない学生の存在を把握していながら、退校させないこと」こそが、最大の問題だと指摘した。 「私が勝手に決めつけているのではありません。実際、医官が適応障害の診断を下した学生だったり、手首を切ったり、痙攣を起こしたりする学生たちは一定数います。 もちろん、本館や指導官が問題を抱えた学生のケアをして、立ち直るための手助けをするのであれば、ぜひそうしていただきたいですが、現実は違います。学校は手をこまねいたまま上級生に丸投げし、すべての問題を学生間指導で解決するよう強いてくるのです」』、「「私が籍を置いていた、つい最近までの防大の退校者のうち半数程度は、本当に単純な問題として、朝起きられない、夜眠れない、すぐ泣く。ミスを指摘されると、パニック発作を起こす。何度やり直させても、必要な物品を揃えられない。リストを作らせてチェックさせると、そのリスト自体に抜けがあるなど、そもそも閉鎖的な空間での共同生活に適性のない人たちなのではないでしょうか・・・「本館」・・・や指導官たちが「適性のない学生の存在を把握していながら、退校させないこと」こそが、最大の問題だと指摘」、定員不足に悩む「本館」にすれば、不適格な人間でも抱えておきたいのだろう。
・『防大生たちの叫び#1 「地獄」の集団生活  たとえば、本田さんが2年生のとき、同室になった1年生のひとりは、本来同級生であるはずの女性だったという。 「彼女は『適応障害』と診断されて留年し、2度目の1学年でした。“上”が『復学プログラム』【4】を準備したということだったのですが、私たち2学年はともかく、4学年の部屋長たちさえ、直前まで事情を知らされていませんでした」 そして始まった同じ居室での集団生活は、文字通りの「地獄」だったという。 「彼女は朝起きられないので、当然、清掃はできません。清掃だけじゃなくて、ほとんどの服務ができないので、他の1学年や私たちがやるしかない。座っているだけで済む授業は受けられますが、すぐに疲れてしまうので(1学年が全員参加することになっている)遠泳訓練にも参加せず。『とにかく、なにがあっても彼女を叱るな』と指導官から厳命された部屋長は、対応に苦慮していました。 ほとんど何もできていないので、この1年が過ぎても彼女は2学年には上がれません。そんなこと、みんなわかっているのに、指導官も当局も何もせず、私たち(居室の)学生にすべての負担を押しつけるだけでした。 本当にその子のことを思い、その子を復学させたいなら、少なくとも同室になる最上級生たちには事前に説明の機会を設けて、復学プログラムと連動した居室におけるケアの計画を立てるとか、服務を満足におこなえないメンバーを抱えるという、その居室の負担への配慮があってもいいと思うのです」 たまりかねた上級生たち【5】が、指導官に抗議したこともあったそうだ。 「指導官から『我々だって苦労しているんだ』などと他人事のように言われ、部屋長は呆れていました。その指導官によれば、本館や指導官に対して『うちの娘をなんだと思っているんだ。適応障害に追い込んだ犯人を探し出せ』などとクレームの電話が何回もかかってきている、と。そういう状況なので、本人が『やめる』と口にするまで、学校側から『別の人生がある』とは言えないと。それじゃあ、監督責任を放棄しているとしか思えません」』、「本館や指導官に対して『うちの娘をなんだと思っているんだ。適応障害に追い込んだ犯人を探し出せ』などとクレームの電話が何回もかかってきている、と。そういう状況なので、本人が『やめる』と口にするまで、学校側から『別の人生がある』とは言えないと。それじゃあ、監督責任を放棄しているとしか思えません」、悪質な「クレーム」に腰が引けて「監督責任を放棄」している「学校側」の責任は重大だ。

第三に、9月6日付け集英社オンライン「女子学生への公然セクハラ、シャワー室の盗撮、頻発する窃盗事件…問題だらけの防衛大でそれでも私が4年間退校せずに全うすることができた理由【学生たちの証言】」を紹介しよう。
https://shueisha.online/culture/155360?page=4
・『現在、防衛大学校が置かれている状況には改善されるべき点が多々あるものの、任官辞退した防大の卒業生は、「防衛省・自衛隊を役立たずの組織、酷い組織だと即断してほしくない」と話した。彼女が防大で4年間を全うすることができた理由とは…。任官辞退者と現役防大生への取材からお伝えする。(前後編の後編)』、興味深そうだ。
・『防大生たちの叫び#2 【関連記事:防衛大現役教授が実名告発】 #1 自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件 #2 防衛大の時代錯誤なリーダーシップ・フォロワーシップ教育 【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】 #1 望月衣塑子 #2 大木毅 #3 現役教官 #4 石破茂 #5 石原俊 【元防大生の声】 #1 上級生が気の利かない下級生を“ガイジ”と呼びすて… #2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」 #3 「叫びながら10回敬礼しろ。何もできないくせに上級生ぶるな」』、見出しを見るだけで酷い様子がアリアリとする。
・【防大生たちの叫び】 #1 適性のない学生と同室で…集団生活の“地獄” 学生舎で頻発する窃盗事件 現役の防大生である立花さん(仮名/女性)【6】からも、前編で語ってくれた任官辞退者の本田さん(仮名/女性)と似通った証言が出た。 「心臓が弱いとのことで、しばしば全身痙攣を起こす学生がいました。突然倒れて、医務室に担ぎ込まれたりするのに、指導官は『仲間なんだから、十分注意して目を離すな』と言うばかり。 もしも居室で命を落とすような事態になったら、学校はいったいどう責任をとるつもりだったのでしょうか。心配だったので、夜間は交代でずっとその学生を見守っていました。そのせいで3か月以上、居室の全員が寝不足です【7】。 しばらくして、その学生は退校しましたが、どうしてもっと早く手を打ってくれなかったのか。結局、その子の両親のクレームが怖くて、私たちに押しつけようとしたんじゃないですか」 さらに深刻な問題があると、立花さんは証言した。入学希望者の減少に苦しむ防大が「見かけの退校者数を抑える」ために、不適格な学生への処罰を控え、放置しているというのだ。 「皆さんが思っている以上に、学生舎では窃盗が頻発しています。盗まれるのは現金やスマートフォンが多いですが、まず指導官に言われるのは『証拠がないんだから、仲間を泥棒扱いするな。警務隊を呼ぶ前に、居室の全員でよく話し合え』です。けれど、窃盗は手癖なので、話し合ったってなくなりません。 さっさと警務隊を呼んで、持ち物を検査すれば、たいてい一発で(犯人が)わかります。前の居室でも、その前の居室でも、だいたい特定の学生がいる部屋で窃盗が起きていますから。それで最終的に警務隊を呼んで犯人がわかっても、大した処罰を受けないんです」 そう言って、立花さんは現在進行形のトラブルを列挙した』、「「心臓が弱いとのことで、しばしば全身痙攣を起こす学生がいました。突然倒れて、医務室に担ぎ込まれたりするのに、指導官は『仲間なんだから、十分注意して目を離すな』と言うばかり。 もしも居室で命を落とすような事態になったら、学校はいったいどう責任をとるつもりだったのでしょうか。心配だったので、夜間は交代でずっとその学生を見守っていました。そのせいで3か月以上、居室の全員が寝不足です【7】。 しばらくして、その学生は退校しましたが、どうしてもっと早く手を打ってくれなかったのか。結局、その子の両親のクレームが怖くて、私たちに押しつけようとしたんじゃないですか・・・入学希望者の減少に苦しむ防大が「見かけの退校者数を抑える」ために、不適格な学生への処罰を控え、放置しているというのだ。 「皆さんが思っている以上に、学生舎では窃盗が頻発しています。盗まれるのは現金やスマートフォンが多いですが、まず指導官に言われるのは『証拠がないんだから、仲間を泥棒扱いするな。警務隊を呼ぶ前に、居室の全員でよく話し合え』です。けれど、窃盗は手癖なので、話し合ったってなくなりません。 さっさと警務隊を呼んで、持ち物を検査すれば、たいてい一発で(犯人が)わかります。前の居室でも、その前の居室でも、だいたい特定の学生がいる部屋で窃盗が起きていますから。それで最終的に警務隊を呼んで犯人がわかっても、大した処罰を受けないんです」、「指導官」らのやり方は本当に酷い。
・『防大生たちの叫び#2 酔った男子学生が嫌がる女子学生にセクハラ  「6月に第2大隊前の路上でおこなわれたバーベキューで、酔った男子学生が衆人環視のなかで、嫌がる女子学生の身体を無理やり触り続けるという事件がありました。最終的には、周囲の学生らに制止されましたが、指導官は警務隊に報告せず、学生の風紀委員が点呼の際に口頭注意したのみです。 また、4月に4大隊で起きた3階シャワー室の盗撮事件。これは警務隊が扱いましたが、隠しカメラを設置して女子学生の裸を撮影して、盗撮したデータを他の学生たちと回覧した主犯の学生ふたりは、中隊の学生長と副学生長でした。それなのに、彼らは反省部屋(服務室)に入れられただけで、いまだに在学しています。本来は、退学相当じゃないですか。もっと酷いものでは、67期(今春卒業した期)の女子学生に対する性的暴行事件もありました」 この証言を受けて、編集部は防大に事実確認をおこなった。まず、第2大隊前の路上でおこなわれたバーベキューにおける「性的暴行」について、防大はこう回答した。 〈現在、細部の調査を慎重に進めているところであり、判明した事実関係に基づき、厳正に対処致します〉 そして〈学生から報告を受けた指導官は、なぜ自ら対応するのではなく、加害行為の処理を中隊(学生)に委任したのでしょうか〉との編集部の問いかけに対しては、〈被害学生が警務隊に対する被害届の提出を希望しなかったことから警務隊には通報していません〉と回答した。 だが、「被害者が希望しなかったから、指導官は通報しなかった」という釈明は、まさに〈細部〉のごまかしそのものであると、立花さん(前出)は怒りを露わにした。 「時系列がまったく違います。まず指導官は、彼女(被害学生)の話をまともに聞こうともせず、中隊(学生)に任せました。これが発端です。その一方的なやり方にショックを受けた被害学生と、怒った4学年の部屋長たちはその後、自分たちで警務隊に通報しようとしたんです。ところが、通報の直前になって被害学生のフラッシュバックがさらに悪化しました。 彼女は心配してくれた部屋長たちを巻き込みたくなくて、警務隊への通報を諦めたのです」(立花さん) 女子学生専用のシャワー室での盗撮事件について、主犯とされる中隊学生長および副学生長に対して〈現在までにどのような処分がなされたのか〉という編集部の質問に対して、防大は次のように回答した。 〈現在、細部の調査を慎重に進めているところであり、判明した事実関係に基づき、厳正に対処致します〉 67期の女子学生に対する性的暴行事件については〈調査の結果、判明した事実関係に基づき、厳正に対処しました〉(防大)とのことだが、具体的にどう〈対処〉したのかは開示されなかった』、「指導官」の対応は全く酷いもので、「細部のごまかし」も目に余る。
・『防大生たちの叫び#2 防大は「惰性と同調圧力に満ちた場所」  任官辞退者の本田さん、現役学生の立花さんが口にしたのは――防大のガバナンスが「法治」ではなく「人治」に傾斜しているという――等松教授の告発に通ずる指摘である。 等松教授は学生間指導を「悪しきリーダーシップ」の産物と見ていたが、問題はさらに根深い。ふたりの証言からは、悪しきリーダーシップというより、防大執行部や事務官、指導官たちの無責任な人治のツケが、学生たち(学生間指導)に回されている実態がうかがえる。 苦労の絶えない学生舎生活をやり抜いた本田さんやその同期たちが、揃って幹部候補生学校に進むことを“辞退”した理由は、決して“軍隊”が怖くなったからでも、学費の免除が目的だったからでもない。防大の「人治」に翻弄され、疲れ果ててしまったからなのではないか。 「多くの指導官は、自分の任期交代まで平穏に過ごせればそれでいい、と考えているのでしょう。自分の監督不行届きということにされたくないために、学生をなだめ、次年度の中隊替え、卒業を待つ。それも仕方のないことだと思います。ひとりで対抗するには、あまりにも惰性と同調圧力に満ちた場所です。 私が、4年間あの場所にいて思ったのは『はたして、ここは何を育てたいのだろうか』ということでした。学業時間の確保とか一斉喫食や清掃が辛いといった、そういったことも問題なのかもしれませんが、『どのような学生』を育て、『どのような能力』を身につけさせたいのかの方針を明確にしないまま『学生間指導』などというものを要求するから、指導官も上級生も困惑するのだと思います。 今のカリキュラムのままでは、幹部候補生学校に進んだとき、知性や教養では一般大学からの入校者に劣り、戦技では部隊の曹士の皆さんに劣る、という、いかにも中途半端な卒業者が量産されるだけになってしまうのではないでしょうか」(本田さん)』、「等松教授は学生間指導を「悪しきリーダーシップ」の産物と見ていたが、問題はさらに根深い。ふたりの証言からは、悪しきリーダーシップというより、防大執行部や事務官、指導官たちの無責任な人治のツケが、学生たち(学生間指導)に回されている実態がうかがえる。 苦労の絶えない学生舎生活をやり抜いた本田さんやその同期たちが、揃って幹部候補生学校に進むことを“辞退”した理由は、決して“軍隊”が怖くなったからでも、学費の免除が目的だったからでもない。防大の「人治」に翻弄され、疲れ果ててしまったからなのではないか・・・今のカリキュラムのままでは、幹部候補生学校に進んだとき、知性や教養では一般大学からの入校者に劣り、戦技では部隊の曹士の皆さんに劣る、という、いかにも中途半端な卒業者が量産されるだけになってしまうのではないでしょうか」、「幹部」の「知性や教養では一般大学からの入校者に劣り、戦技では部隊の曹士の皆さんに劣る、という、いかにも中途半端な卒業者が量産されるだけ」、恐ろしいことだ。
・『防大生たちの叫び#2 「曹士の人柄や態度、実践に感銘を受けたから4年間を全うできた」  それでも、本田さんは最後に言った。 「世間、国民の皆さんには、防大の置かれた状況だけをみて、防衛省・自衛隊を役立たずの組織、酷い組織だと即断していただきたくはありません。等松先生の告発も、その後の専門家の論説や記事も、国防における防衛省・自衛隊の重要性を『ゆるぎない前提』として『改善するため』になされている議論でしょうから。 【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】で等松教授の論考について言及した石原俊教授(『改善』を目指す取材であるため、私も主として『問題』についてお話ししましたが、指導官として補職されてこられた方々には、毅然と、そしてフェアに学生を監督する素晴らしい幹部自衛官の方々も、たくさんおられました【8】。 私が防大で4年間を全うすることができたのは、毎年の訓練でお目にかかった部隊の皆さん、とくに曹士の人柄や態度、実践に感銘を受けたからです。尊敬すべき下士官の皆さんの前に、堂々と立てるほどの研鑽を積めなかった自分を恥じる気持ちもあります。 このような状況下にあっても真面目に頑張ってくれている方々や、私がお世話になった方々のためにも、さまざまな現状から目を背けず、本館の方々に一考していただくことを祈ります」 衷心より発せられた彼女の言葉は、はたして「本館」に届くだろうか』、(以下省略)、「本田さん」の「衷心より発せられた」「言葉は、はたして「本館」に届くことは殆ど考え難い。「防衛大」のあり方・組織などは抜本的な見直しが不可欠だ。
タグ:「指導官」の対応は全く酷いもので、「細部のごまかし」も目に余る。 』です。けれど、窃盗は手癖なので、話し合ったってなくなりません。 さっさと警務隊を呼んで、持ち物を検査すれば、たいてい一発で(犯人が)わかります。前の居室でも、その前の居室でも、だいたい特定の学生がいる部屋で窃盗が起きていますから。それで最終的に警務隊を呼んで犯人がわかっても、大した処罰を受けないんです」、「指導官」らのやり方は本当に酷い。 しばらくして、その学生は退校しましたが、どうしてもっと早く手を打ってくれなかったのか。結局、その子の両親のクレームが怖くて、私たちに押しつけようとしたんじゃないですか・・・入学希望者の減少に苦しむ防大が「見かけの退校者数を抑える」ために、不適格な学生への処罰を控え、放置しているというのだ。 「皆さんが思っている以上に、学生舎では窃盗が頻発しています。盗まれるのは現金やスマートフォンが多いですが、まず指導官に言われるのは『証拠がないんだから、仲間を泥棒扱いするな。警務隊を呼ぶ前に、居室の全員でよく話し合え 「「心臓が弱いとのことで、しばしば全身痙攣を起こす学生がいました。突然倒れて、医務室に担ぎ込まれたりするのに、指導官は『仲間なんだから、十分注意して目を離すな』と言うばかり。 もしも居室で命を落とすような事態になったら、学校はいったいどう責任をとるつもりだったのでしょうか。心配だったので、夜間は交代でずっとその学生を見守っていました。そのせいで3か月以上、居室の全員が寝不足です【7】。 「本田さん」の「衷心より発せられた」「言葉は、はたして「本館」に届くことは殆ど考え難い。「防衛大」のあり方・組織などは抜本的な見直しが不可欠だ。 今のカリキュラムのままでは、幹部候補生学校に進んだとき、知性や教養では一般大学からの入校者に劣り、戦技では部隊の曹士の皆さんに劣る、という、いかにも中途半端な卒業者が量産されるだけになってしまうのではないでしょうか」、「幹部」の「知性や教養では一般大学からの入校者に劣り、戦技では部隊の曹士の皆さんに劣る、という、いかにも中途半端な卒業者が量産されるだけ」、恐ろしいことだ。 「これまでも、防大生をめぐる不祥事が起こると事実関係が報道されることはあった。だが、そうした不祥事が頻発する構造的背景を、一般社会に向けて体系的かつ説得的に説明したのは、おそらく等松教授が初めてだろう・・・等松教授の告発に対して、防大執行部は7月14日、久保文明学校長名による反論文書「本校教官の意見発表に対する防衛大学校長所感」を公表した。 集英社オンライン「女子学生への公然セクハラ、シャワー室の盗撮、頻発する窃盗事件…問題だらけの防衛大でそれでも私が4年間退校せずに全うすることができた理由【学生たちの証言】」 「本館や指導官に対して『うちの娘をなんだと思っているんだ。適応障害に追い込んだ犯人を探し出せ』などとクレームの電話が何回もかかってきている、と。そういう状況なので、本人が『やめる』と口にするまで、学校側から『別の人生がある』とは言えないと。それじゃあ、監督責任を放棄しているとしか思えません」、悪質な「クレーム」に腰が引けて「監督責任を放棄」している「学校側」の責任は重大だ。 定員不足に悩む「本館」にすれば、不適格な人間でも抱えておきたいのだろう。 「「私が籍を置いていた、つい最近までの防大の退校者のうち半数程度は、本当に単純な問題として、朝起きられない、夜眠れない、すぐ泣く。ミスを指摘されると、パニック発作を起こす。何度やり直させても、必要な物品を揃えられない。リストを作らせてチェックさせると、そのリスト自体に抜けがあるなど、そもそも閉鎖的な空間での共同生活に適性のない人たちなのではないでしょうか・・・「本館」・・・や指導官たちが「適性のない学生の存在を把握していながら、退校させないこと」こそが、最大の問題だと指摘」、 「「私が籍を置いていた、つい最近までの防大の退校者のうち半数程度は、本当に単純な問題として、朝起きられない、夜眠れない、すぐ泣く。ミスを指摘されると、パニック発作を起こす。何度やり直させても、必要な物品を揃えられない。リストを作らせてチェックさせると、そのリスト自体に抜けがあるなど、そもそも閉鎖的な空間での共同生活に適性のない人たちなのではないでしょうか・・・「本館」・・・や指導官たちが「適性のない学生の存在を把握していながら、退校させないこと」こそが、最大の問題だと指摘」, 「近年の防大にはミリタリー系のアニメやドラマ、スパイものの漫画、ライトノベル小説などにハマって、まるでコスプレでもするような気分で入学してくる者や、被災地支援の側面にのみ注目して、軍人としての自衛官という立場に思いが至らないまま憧れだけを募らせた学生も少なくないという」、嘆かわしいことだ。 個々には説明がないので、項目だけを読んで見当をつけてほしい。 集英社オンライン「〈防衛大告発によせて〉「「コスプレ感覚のミリタリー好き」「リストカット」「適応障害で留年」…幹部自衛官を目指すには適性を欠く学生も多々いる集団生活の“地獄”」 「防大の教育環境を改善することによって、自衛隊全体によい影響が波及する側面も、確実に存在するはずだ。 加えて、等松教授らが真摯に求めている、防大の教育・人事・事務体制やガバナンスの抜本的な改善は、自衛隊改革全般のなかでも、おそらく技術的に最も「手をつけやすい」部分のひとつではないだろうか。 防大執行部と防衛省当局は、各学術・科学分野の専門家である文官教官の意見、特に中堅・若手教官の意見を聴く「ボトムアップ」の回路を十分に確保し、教育環境とガバナンスの改善に取り組むべきである」、同感である。 「筆者の研究仲間や知人で、外国軍将校と幹部自衛官の双方と日常的に交流の機会をもつ何人もの研究者が、異口同音に指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて他国の将校クラスよりも心もとないという評価」、みっともないことだ。 「重要な防衛機密事項の漏洩リスクがある場合を除き、研究者の対外発信内容について防大執行部や事務官が事前確認をおこない「意見を述べる」内部ルール自体が、憲法秩序に照らして著しく不適切である。「学問の自由」が保障されていないこと、この一点のみをもってしても、防大は「大学設置基準」に沿った教育機関・研究機関の認定・・・を取り消されてもおかしくない状況にある」、なるほど。 「等松教授の告発文書によれば、「防衛学」を担当する自衛官教官の多くが、文官教官のような教育能力や研究業績の厳格な審査を経ずに、教授や准教授に採用されており、「とてもその任には堪えられない人々」も少なくないという。 一方で、文官教官が雑誌や新聞に論考やコメントを発表する場合、原稿を事前に事務部門に提出しなければならず、学術的には素人の事務官が事実上の検閲を行うばかりか、原稿を書き換える事例さえあるという」、なるほど。 久保校長は防大改革を進めようとしており、反論文書は「学生間指導においても、上級生による強圧的な言動を排除してき」たとして、この1~2年の間に状況が劇的に改善したと主張している。 ただ、「上級生による強圧的な言動」はそれ以前の長きにわたり、幾度となく指摘されてきた問題だ。久保校長の退任後も含めて、これから十年単位で、防大が真に変化したかどうか、国民はウォッチしていく必要がある」、なるほど。 「等松教授は学生間指導を「悪しきリーダーシップ」の産物と見ていたが、問題はさらに根深い。ふたりの証言からは、悪しきリーダーシップというより、防大執行部や事務官、指導官たちの無責任な人治のツケが、学生たち(学生間指導)に回されている実態がうかがえる。 苦労の絶えない学生舎生活をやり抜いた本田さんやその同期たちが、揃って幹部候補生学校に進むことを“辞退”した理由は、決して“軍隊”が怖くなったからでも、学費の免除が目的だったからでもない。防大の「人治」に翻弄され、疲れ果ててしまったからなのではないか・・・ ずいぶん内容が濃いようだ。 集英社オンライン「大学問題のスペシャリスト・石原俊教授は防衛大告発論考どう読んだのか?「何人もの研究者が指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて、他国の将校クラスよりも心もとないという評価」 (その22)(防衛大告発論3題:石原俊教授は防衛大告発論考どう読んだのか?「何人もの研究者が指摘するのは、幹部自衛官の知的・学術的水準が相対的にみて 他国の将校クラスよりも心もとないという評価」、「コスプレ感覚のミリタリー好き」「リストカット」「適応障害で留年」…幹部自衛官を目指すには適性を欠く学生も多々いる集団生活の“地獄”、女子学生への公然セクハラ シャワー室の盗撮 頻発する窃盗事件…問題だらけの防衛大でそれでも私が4年間退校せずに全うすることができた理由【学生たちの証言】) 防衛問題
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

キシダノミクス(その11)(所得減税は「人気取り以上」に深刻 どんな観点からも正当化できない、アベノミクスの負のパズルにはまった 岸田政権はこのまま立ち枯れ?、岸田首相が「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている…その「黒幕」の正体、「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」自見英子万博担当相の壮絶パワハラを元部下が明かした「朝5時から電話、うつ病で退職…」、岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ) [国内政治]

キシダノミクスについては、本年11月2日に取上げたばかりだ。今日は、(その11)(所得減税は「人気取り以上」に深刻 どんな観点からも正当化できない、アベノミクスの負のパズルにはまった 岸田政権はこのまま立ち枯れ?、岸田首相が「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている…その「黒幕」の正体、「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」自見英子万博担当相の壮絶パワハラを元部下が明かした「朝5時から電話、うつ病で退職…」、岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ)である。政権崩壊が近づいてきたようなので、あえて短期間で取上げる次第である。

先ずは、本年11月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏による「所得減税は「人気取り以上」に深刻、どんな観点からも正当化できない」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/332001
・『減税の目的は何なのか? 総合経済対策、閣議決定  岸田文雄政権は11月2日、物価高対応などを掲げて所得税の「定額減税」や低所得世帯への給付を柱にした総合経済対策を閣議決定した。対策の規模は17兆円前半とされ、この財源として、13.1兆円の2023年度一般会計補正予算を編成するという。 だが問題だらけの対策であり、政府の政策構想力がここまで低下したかと、暗澹たる気持ちになる。とりわけ問題が大きいのは、岸田首相の指示で実施されることになった所得減税だ。第一に減税の目的が何なのかがはっきりしない。 首相は税収増を国民に還元するのが所得税減税の目的だと言っている。しかし、税収が見込みより増えたら納税者に返すというのは、そもそもおかしな発想だ。 選挙を意識した「人気取り政策」だとの批判が起きているのは当然だが、問題は人気取りだという以上に深刻だ』、「減税の目的が何なのかがはっきりしない・・・選挙を意識した「人気取り政策」だとの批判が起きているのは当然」、なるほど。
・『財政赤字増えるばかり 非課税世帯に「還元」はおかしい  税収が見込みより増えたからといって、それを納税者に返すのはなぜなのか。 この数年間、政府はコロナ対策などで大規模な補正予算を組み、追加の歳出の財源として巨額の国債を発行してきた。 もし、「税収が増えたら納税者に返す」ということを財政運営の基本方針にするのであれば、追加歳出が生じた時には、逆に新たに税収が必要になったら納税者に求めるということで、国債を発行するのではなく、臨時増税で賄わなくてはいけないはずだ。 不足した場合には国債を発行し、余った場合には納税者に返すというのでは整合的な政策になり得ない。そして、財政赤字は傾向的に増加する。 また、今回の対策では、減税だけでは非課税世帯に恩恵が及ばないため、所得税の非課税世帯にも給付で還元することになっている。しかし税金を納めていない人に税金を返すというのは、論理的にありえないことだ。 誤解のないように付言するが、私は非課税世帯に対する手当が不要だと言っているのではない。非課税世帯に対する給付を行なうのであれば、税収増の還元という目的はそもそもおかしいのではないかと言っているのだ。 つまり、「税収増還元というが、本当の目的は別のところにあるに違いない」と言っている』、「「税収が増えたら納税者に返す」ということを財政運営の基本方針にするのであれば、追加歳出が生じた時には、逆に新たに税収が必要になったら納税者に求めるということで、国債を発行するのではなく、臨時増税で賄わなくてはいけないはずだ。 不足した場合には国債を発行し、余った場合には納税者に返すというのでは整合的な政策になり得ない・・・非課税世帯に対する給付を行なうのであれば、税収増の還元という目的はそもそもおかしいのではないか」、確かに論理矛盾が目立つ。財政に強い筈の宏池会会長とは思えない悪手だ
・『物価高対策が目的ならまずやるべきは円安是正  今回の所得減税は、物価高騰に対する家計の負担増に対処するためのものなのか? 首相は急激な物価上昇から国民生活を守ることも目的だとしている。確かに、そのように理由付ければ、非課税者に還元することも説明がつくだろう。 しかし物価高騰に対応する必要があるのなら、まず物価高騰の原因に対処しなければならない。 本コラム「1970年代よりも低くなった日本人の購買力、日銀は長期金利引き上げで円安阻止を」(2023年10月19日付)で指摘したように、最近の物価高騰は主に円安によって生じている。だから、もし物価高騰への対処が必要なら、何より先に為替レートを円高に導かなければならない。 ところが、政府も日本銀行もそのような政策をとっていない。為替レートは水準が問題ではなく、変動率が問題だという立場だ。したがってここでも政府の政策は矛盾している』、「もし物価高騰への対処が必要なら、何より先に為替レートを円高に導かなければならない。 ところが、政府も日本銀行もそのような政策をとっていない」、その通りだ。
・『「人気取り」にもならない 政策構想能力の欠如  では、これは「人気取り」だけを目的にした政策なのか? 今回、岸田首相が所得減税を与党幹部に指示したのが、10月22日の衆参補選の直前だったことから、露骨な人気取り政策だという見方が多い。 しかし実際には、人気取りにもなっていないのではないだろうか。第一に、仮に人気取りが目的なのであれば、新型コロナ禍の時に行ったような直接的な現金給付を行うほうが効果があるだろう。 ここでも誤解のないように付言するが、私は現金給付が望ましいと言っているのではない。人気取りのためなら、そのほうが効率がよいという意味だ。 国民が減税による還元を実感するのは早くても来年6月になると考えられるので、当面の人気取りにはならない。しかも所得税納税者の多くは源泉徴収されているために、恩恵を感じにくいだろう。 それだけではない。所得減税はあまりにもおかしな政策であるために、支持する声は自民党の内部以外からは出ていない。むしろ内部からも批判の声が聞こえている。結局、多くの人から支持されない政策が人気取りとなるはずはない。 私は、人気取りのために税や歳出が用いられるのは望ましくないと考えている。しかし、政治家がそのようなことを行なうという事実は認めざるをえない。 その観点からしても効果の期待できない政策を取るのは、発案者の能力を疑わざるを得ない。冒頭で政府の政策構想能力に疑問を投げかけたのは、このためだ』、「所得減税を与党幹部に指示したのが、10月22日の衆参補選の直前だったことから、露骨な人気取り政策だという見方が多い。 しかし実際には、人気取りにもなっていないのではないだろうか。第一に、仮に人気取りが目的なのであれば、新型コロナ禍の時に行ったような直接的な現金給付を行うほうが効果があるだろう・・・人気取りが目的なのであれば、新型コロナ禍の時に行ったような直接的な現金給付を行うほうが効果があるだろ・・・国民が減税による還元を実感するのは早くても来年6月になると考えられるので、当面の人気取りにはならない。しかも所得税納税者の多くは源泉徴収されているために、恩恵を感じにくいだろう・・・効果の期待できない政策を取るのは、発案者の能力を疑わざるを得ない。冒頭で政府の政策構想能力に疑問を投げかけたのは、このためだ」、誠に手厳しいが筋の通った批判だ。
・『非課税世帯への給付は自治体に大変な事務負担  以上では、所得減税策が正当化されない政策であることを述べた。しかし仮に何らかの理由で所得税減税が正当化できるとしても、なおかつ問題がある。 それは事務負担の問題だ。所得税減税ではすべての国民が恩恵を受けることにはならないから、所得税非課税世帯に対する給付金が必要になる。問題は非課税世帯をどのように特定するかだ。 税務署は非課税世帯に対するデータを持っていないので、この特定には住民税のデータを持っている地方公共団体が行わざるを得ない。 原理的には、自治体のもつそのデータで2023年度の所得税の課税世帯か非課税世帯が判別できる。仮に地方公共団体が住民税のデータを元にして給付か否かを決め、給付金を銀行振り込みすることになると、大変な事務負担が生じる。20年の定額給付金の際には、銀行口座番号の違ったりして混乱した。今回も同じような問題が再び起きる可能性がある。 マイナンバーカードを使うことも考えられるが、すべての住民が保有しているわけではないので、それだけに頼ることはできない』、「問題は非課税世帯をどのように特定するかだ・・・この特定には住民税のデータを持っている地方公共団体が行わざるを得ない。 原理的には、自治体のもつそのデータで2023年度の所得税の課税世帯か非課税世帯が判別できる。仮に地方公共団体が住民税のデータを元にして給付か否かを決め、給付金を銀行振り込みすることになると、大変な事務負担が生じる。20年の定額給付金の際には、銀行口座番号の違ったりして混乱した。今回も同じような問題が再び起きる可能性がある」、その通りだ。
・『財政でやるべきことは山ほどある 防衛費や社会保障の安定財源確保  所得減税に対する最も大きな疑問は、政府が財政について行うべきことがほかに山ほどあるのに、なぜ今回、減税をするのかということだ。 本コラムでもこれまで何度も指摘したしたことだが、まず第一に首相が同様に重要政策としているはずの防衛費増額や子育て支援の予算に対する恒久的な財源の手当はされていない。 首相は防衛費増額に対して増税で基本的な財源を手当てする方針をかかげたために、「増税派」として批判されている。確かにそのような基本方針は立てたが、実際には増税は行なっていないし、実施の目途も曖昧にされている。いまされている財源の手当ては、事実上の赤字公債国増発を見えにくくしただけのことだ。 子育て支援以外の社会保障費の負担の問題も曖昧だ。今回考えられているのは1年限りの減税だから、社会保障負担のような長期的な問題には影響を与えないと考えられるかもしれない。 しかし社会保障負担の問題はいますぐにでも検討を始めなければならない重要な課題だ。とくに2024年は公的年金の財政検証の年になる。本来はこの問題についての検討が行われるべきだ。 しかし今年年末の与党の税制改正作業では所得減税具体化のための議論にかなりの時間がさかれるだろう。年金など社会保障費の負担の在り方についてまともな議論が行われるとは思えない。 巨額の政府債務を抱える財政をどう健全化し、高齢化や人口減少の課題に対応してしていくのか、日本の財政の長期的な方向づけなどの議論がおろそかになる懸念がある』、「2024年は公的年金の財政検証の年になる。本来はこの問題についての検討が行われるべきだ。 しかし今年年末の与党の税制改正作業では所得減税具体化のための議論にかなりの時間がさかれるだろう。年金など社会保障費の負担の在り方についてまともな議論が行われるとは思えない。巨額の政府債務を抱える財政をどう健全化し、高齢化や人口減少の課題に対応してしていくのか、日本の財政の長期的な方向づけなどの議論がおろそかになる懸念がある」、その通りだ。
・『所得税の不公平是正が急務 金融所得の総合課税化など  所得税制の見直しも重要な課題だ。政府の財政調査会は今年の6月にまとめた中期答申で、通勤手当などの非課税所得や退職金の税控除の見直しを求めた。いずれも重要な指摘だと思う。 日本の所得税には、これ以外にも課題がある。とくに大きな課題は、現在は分離課税になっている金融資産からの所得を総合課税化することだ。 また給与所得とフリーランサーの所得のアンバランスを是正する必要がある。給与所得の場合には、自動的に多額の給与所得控除が認められるが、フリーランサーの所得は雑所得になるため、そうした控除はない。これは組織に依存しない新しい働き方を実現していく上で大きな障害になっている。 政府はこうした問題をこそ検討しなければならない。所得税の減税などと言っている場合ではないことを明確に認識すべきだ』、「給与所得とフリーランサーの所得のアンバランスを是正する必要」は当然だが、「金融所得の総合課税化」は、抵抗も強く極めて困難な課題だ。「政府はこうした問題をこそ検討しなければならない。所得税の減税などと言っている場合ではないことを明確に認識すべきだ」、同感である。

次に、11月8日付け現代ビジネス「岸田首相が「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている…その「黒幕」の正体」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/118718
・『ついにメガネが曇って何も見えなくなったのか。国民の財産を守るのが政治家の仕事のはずが、岸田首相はまったく逆の手を打とうとしている。タチの悪いことに、本人はそのことに無自覚のようだ』、どういうことなのだろう。
・『1100兆円の博打  ついに政権維持の危険水域である「支持率20%台」に突入した岸田内閣。外交では存在感を発揮できず、物価の上昇に反比例するように人気は急降下。このままでは、早期の退陣は免れない。 追い込まれた岸田文雄首相は、政権浮揚の最後の「賭け」に出ようとしている。恐るべきことにその賭け金は、日本国民の現預金1100兆円。しかも、どうやらこのギャンブル、負ける可能性が濃厚なのだ―。 10月20日から召集された臨時国会。その所信表明演説で岸田首相は「経済!経済!経済!何よりも経済に重点を置く!」と、「経済」という言葉を連呼した。この演説の直前、岸田首相は側近らに、まるで何かに取りつかれたようにボソボソとつぶやいたという。 「知ってるだろ?俺は元銀行員だよ。最近の総理の中では一番経済に精通してるんだ。国民だってそれをわかってるだろ。だから、俺が説明すれば、みんな理解してくれるはずだ……」 これまでは「外交の岸田」を自負してきたはずなのに、突然「俺の強みは経済」と転向した岸田首相。ひょっとすると、岸田さんの頭の中は「彼ら」に乗っ取られてしまったのではないか―首相周辺からはこんな声が聞こえてくる』、「所信表明演説で岸田首相は「経済!経済!経済!何よりも経済に重点を置く!」と、「経済」という言葉を連呼した。この演説の直前、岸田首相は側近らに、まるで何かに取りつかれたようにボソボソとつぶやいたという。 「知ってるだろ?俺は元銀行員だよ。最近の総理の中では一番経済に精通してるんだ。国民だってそれをわかってるだろ。だから、俺が説明すれば、みんな理解してくれるはずだ……」 これまでは「外交の岸田」を自負してきたはずなのに、突然「俺の強みは経済」と転向した岸田首相」、なるほど。
・『「彼ら」とはだれか  所信表明演説から遡ること1ヵ月。国連総会に出席するため9月19・21日にかけて訪米していた岸田首相。タイトな日程を縫うようにして最終日に向かったのは、ニューヨークにある5つ星ホテル「ザ・ピエール・ア・タージ」だ。この日、同ホテルでは米財界の大物が集うニューヨーク経済クラブ主催のパーティーが開かれていた。 ここに、岸田首相はゲストスピーカーとして招かれたのだ。それも、同クラブの長い歴史の中で、日本人としてはじめて、だ。 「かつてはチャーチルやゴルバチョフら主要国のトップが演説をした名門クラブですが、日本の宰相は、吉田茂さんでも安倍晋三さんでも立つ機会がなかった。そこに岸田さんが呼ばれた。岸田さんは金融界の大御所たちを前に、お得意の英語で、今後の岸田政権の金融政策について披露したのです」(官邸関係者) 安倍さんでさえ立てなかった国際金融の中心の舞台に、自分が立っている―岸田首相の高揚感は筆舌に尽くしがたいものがあったのだろう。帰国後も「金融の世界では俺の名前が轟いているってことだな」と自信満々だったという。 実はこの場所に、岸田首相が心酔する「金融集団」がいたことは、日本人にはあまり知られていない。 「ブラックロック」。運用資産総額約1400兆円と世界最高を誇る米資産運用会社の幹部だ。この金融集団こそ、首相周辺が懸念を示した「彼ら」だ。 「ブラックロックは世界約30ヵ国に展開する巨大金融企業です。米バイデン政権の国家経済会議委員長と財務副長官が同社の元幹部であることからもわかるように、世界の経済・金融政策にも多大な影響力を持っています」(経済ジャーナリストの磯山友幸氏) 「ブラックロック」CEOであるラリー・フィンク氏は、いったい何者なのか。なぜ日本を食い物にしようとしているのかについては、『週刊現代』『「日本国民の現預金」が外資の食い物に…「迷走メガネ」岸田首相が打った「ヒドい博打」)』が詳述している。岸田首相の支持率と「見栄」のために、われわれの大切な資産が海外に流出する危機に瀕しているのだ』、「ニューヨークにある5つ星ホテル「ザ・ピエール・ア・タージ」だ。この日、同ホテルでは米財界の大物が集うニューヨーク経済クラブ主催のパーティーが開かれていた。 ここに、岸田首相はゲストスピーカーとして招かれたのだ。それも、同クラブの長い歴史の中で、日本人としてはじめて、だ。 「かつてはチャーチルやゴルバチョフら主要国のトップが演説をした名門クラブですが、日本の宰相は、吉田茂さんでも安倍晋三さんでも立つ機会がなかった。そこに岸田さんが呼ばれた。岸田さんは金融界の大御所たちを前に、お得意の英語で、今後の岸田政権の金融政策について披露したのです」(官邸関係者) 安倍さんでさえ立てなかった国際金融の中心の舞台に、自分が立っている―岸田首相の高揚感は筆舌に尽くしがたいものがあったのだろう。帰国後も「金融の世界では俺の名前が轟いているってことだな」と自信満々だったという。 実はこの場所に、岸田首相が心酔する「金融集団」がいたことは、日本人にはあまり知られていない。 「ブラックロック」。運用資産総額約1400兆円と世界最高を誇る米資産運用会社の幹部だ。この金融集団こそ、首相周辺が懸念を示した「彼ら」だ。 「ブラックロックは世界約30ヵ国に展開する巨大金融企業です。米バイデン政権の国家経済会議委員長と財務副長官が同社の元幹部であることからもわかるように、世界の経済・金融政策にも多大な影響力を持っています」、この程度の材料で「「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている」とは大げさ過ぎる。「ブラックロック」の「運用資産総額約1400兆円」とはいえ、そこへ預ける投資家はあくまで自己責任で投資しているだけである。「ブラックロック」の運用先に日本企業も入っているだろうが、それは世界での競合企業との比較に基づいた配分の筈だ。冷静に臨むべきだ。

第三に、11月15日付け文春オンライン「「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」自見英子万博担当相の壮絶パワハラを元部下が明かした「朝5時から電話、うつ病で退職…」」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/67018
・『会場建設費の増額で批判が高まる大阪万博。担当大臣として取り仕切っているのが自見英子氏(47)だ。その自見氏のパワハラ行為を、元官僚のA氏が「週刊文春」に証言した。 「私は自見さんからのパワハラが原因で、心身を病んでしまい、退職に至りました」(A氏)』、「私は自見さんからのパワハラが原因で、心身を病んでしまい、退職に至りました」とは深刻だ。
・『10分おきに執拗に問い合わせの電話  厚労行政に詳しい元内閣府官僚のA氏が自見氏からのパワハラを受けるようになったのは、2020年夏から秋ごろにかけてのこと。厚生労働大臣政務官だった自見氏は、A氏ら官僚に厳しい要求を繰り返したという。 「10分おきに執拗に問い合わせの電話をかけてきたり、『何で政務官の私の言うことが聞けないの?』と厳しい叱責を受けることもありました。携帯にも電話があり、早いときには朝5時、夜も午後10時以降にかかってくることが珍しくなかった。土日祝日も一切関係ありませんでした」(同前) 意に沿わない官僚に対しては、こう言い放ったという。 「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」』、「「10分おきに執拗に問い合わせの電話をかけてきたり、『何で政務官の私の言うことが聞けないの?』と厳しい叱責を受けることもありました。携帯にも電話があり、早いときには朝5時、夜も午後10時以降にかかってくることが珍しくなかった。土日祝日も一切関係ありませんでした」、全く典型的なハラスメントだ。
・『「うつ病」と診断され休職、最終的に退職へ…  A氏の脳裏からは四六時中、自見氏の声が離れなくなり、やがて心身に変調をきたして「うつ病」と診断された。休職を経て一時は復帰したものの、最終的には退職を余儀なくされたという。 A氏へのパワハラについて自見氏に尋ねると、事務所は「御指摘のような事実はありません」と回答した。 だがA氏は「週刊文春」に、パワハラ被害の経緯や内容を詳細に証言しており、うつ病の診断書や退職証明書といった書類も提供している。自見氏の今後の説明に注目が集まりそうだ。 11月15日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」ならびに16日(木)発売の「週刊文春」では、こうしたパワハラの詳細のほか、自見氏の元秘書が明かす事務所の実態、自見氏が取り仕切る万博をめぐる仕事ぶり、「日よけリング」建設費高騰の理由などについて詳報している』、「A氏は「週刊文春」に、パワハラ被害の経緯や内容を詳細に証言しており、うつ病の診断書や退職証明書といった書類も提供している。自見氏の今後の説明に注目が集まりそうだ」、岸田内閣で数少ない女性閣僚がこんなに酷い「パワハラ」をするとは、やれやれだ。

第四に、11月23日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/716885
・『岸田文雄首相が「絶体絶命の大ピンチ」(自民長老)を迎えている。「増税メガネ」に端を発した“メガネ騒動”の果ての減税への「国民総スカン」状態に、「超お粗末な理由」(閣僚経験者)での政務3役3連続辞任も重なり、内閣支持率下落が“底なし沼”になったからだ。 これに連動したような高市早苗経済安保相の「決起」を始めとする自民党内の反岸田勢力の胎動と、財務省や検察の政権からの離反、さらに創価学会の池田大作名誉会長の死去も絡み、「政権崩壊への“パンドラの箱”が開いた状況」(同)に。これを受け、週刊誌など多くのメディアが「首相の早期退陣」と「ポスト岸田候補の品定め」を競い合うなど、永田町はまさに「政権崩壊前夜」の様相となりつつある』、「永田町はまさに「政権崩壊前夜」の様相となりつつある」、予想以上に速い展開だ。
・『“底なし沼”の支持率下落  臨時国会が中盤を迎えた段階で各種メディアが実施した世論調査では、岸田内閣の支持率が2012年末の自民党政権復帰以来の「最低・最悪の数字」(アナリスト)となった。ほとんどの調査で内閣支持率は2割台まで落ち込み、不支持率は7割近くに達するありさまだ。 しかも、これに連動するように自民党支持率も下落傾向が際立ち、唯一の対面調査となる時事通信調査では内閣支持率21.3%―自民支持率19.1%にまで落ち込んだ。この数値は、故青木幹雄元自民党参院議員会長が唱えた「政権の寿命は1年以内」とする、いわゆる「青木の法則」に当てはまる。 岸田首相肝いりの超大型補正予算案の国会審議が始まった20日も、朝から首相官邸や自民党の幹部らの間では、与野党論戦そっちのけで週末の世論調査の話題ばかりに。時事通信だけでなく、朝日新聞25%、毎日新聞21%、読売新聞24%など大手紙の調査でも軒並み過去最低の支持率を記録したからだ。) これに対し、岸田首相は直前までアメリカ・サンフランシスコでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、習近平中国国家主席との日中首脳会談を実現するなど、岸田外交を内外にアピールすることでの態勢立て直しに躍起となった。しかし、結果的には「支持率下落の歯止めにはならなかった」(官邸筋)のが実態だ。 岸田首相周辺も「首相がこだわった『減税』が批判のキーワードになり、いくらあがいても逆風は収まらない」(官邸筋)とうなだれるばかり。こうした状況について、自民党中枢の1人の森山裕総務会長も21日の記者会見で、「非常に危機感を持って受け止めている」としたうえで「今は党を挙げて岸田首相をしっかり支え、信頼回復に全党で取り組んでいくことが大事だ」と厳しい表情で繰り返した』、「岸田首相は直前までアメリカ・サンフランシスコでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、習近平中国国家主席との日中首脳会談を実現するなど、岸田外交を内外にアピールすることでの態勢立て直しに躍起となった。しかし、結果的には「支持率下落の歯止めにはならなかった」、やはり外交では「態勢立て直しに」は限界があるようだ。
・『岸田首相への逆風が、自民党そのものへの逆風に  多くの世論調査をみると、岸田首相が「適材適所」を強調してきた政務3役で、職責に絡んだ辞任ドミノが起きたことについて、大多数が「首相の任命責任は重大」と受け止めている。さらに岸田首相が打ち出した所得減税や現金給付も「評価しない」が平均で6割以上にとなり、自民党内からも「1年限定での税金の還元という発想自体が『馬鹿にしている』と国民を怒らせた」との指摘が相次ぐ。 さらに「岸田首相への逆風が、自民党そのものへの逆風になりつつある」(麻生派若手)との不安も広がり、党有力幹部も「世論全体が『岸田さんを支持する』と言いにくい空気になっている」と天を仰ぐ。 そうした状況に追い打ちをかけたのが、自民党5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過少記載したとする告発状をうけての東京地検特捜部の捜査だ。各メディアは同特捜部が各派閥の担当者に任意の事情聴取を進めていると報じ、21日から始まった衆院予算委で泉健太立憲民主代表を先頭に「各派閥の収入の不記載は合計4000万円を超える」と指摘し、自民党総裁で岸田派会長でもある岸田首相に対して説明を求めた。) これに対し岸田首相は「岸田派の政治資金収支報告書の訂正」を認めるなど、防戦一方となり、野党側は「閣僚の中に収支報告の責任者となる派閥の事務総長や経験者がいる」として茂木派事務総長の新藤義孝経済再生担当相、安倍派の元事務総長の松野博一官房長官と西村康稔経済産業相に対して「会計担当者から相談を受けているかどうか」などをただしたが、新藤、松野、西村3氏は「政府にいる立場としてお答えは控える」の一点張りでかわした。 これに怒りを隠せない立憲民主は、22日午前の衆院予算委前の理事会で激しく抵抗、野党側が不記載の金額などを明示するよう要求したが、自民は拒否し、結局、岸田首相が委員会の冒頭に発言することで折り合った。これを受け岸田首相は各派で政治資金収支報告書の訂正をしていると強調した上で、「適切に説明を速やかに行ってもらうよう茂木敏充幹事長に指示した」と答弁したが、野党側はなお追及を続ける構えだ。 与党内には今回の検察当局の動きについて「早期の政権崩壊を見越して、検察が独自に動き出した。減税の原資は赤字国債だと主張した財務省も合わせて、明らかに政権離反の動きにみえる」(公明党幹部)との指摘も出ており、官邸サイドも深刻さを隠せない』、「与党内には今回の検察当局の動きについて「早期の政権崩壊を見越して、検察が独自に動き出した。減税の原資は赤字国債だと主張した財務省も合わせて、明らかに政権離反の動きにみえる」(公明党幹部)との指摘も出ており、官邸サイドも深刻さを隠せない」、「検察当局」に加えて、「財務省」も「政権離反の動き」とは深刻だ。
・『意気盛んな高市氏、菅・二階両氏もうごめく  そうした中、民放テレビ番組などで次期総裁選について「戦わせていただく」と明言している高市経済安保相は、15日に自らの勉強会の初会合を行って党内から批判された。しかし高市氏は19日に自身のX(旧ツイッター)を更新し、「現職閣僚が担務外の政策を同僚議員と一緒に勉強する事の何が悪いのか、意味が分からん」などと反論するなど意気盛んだ。 この高市氏の動きと連動するように、菅義偉前首相と二階俊博元幹事長も9日に森山総務会長を交えて密談。二階派関係者によるとこの席で二階氏は「手のひらをひっくり返す素振りを見せながら『徹底的にやるぞ』とうそぶいた」とされる。 さらに菅氏もこの席で首相批判を繰り返したうえで、各世論調査でポスト岸田候補の上位に並ぶ石破茂元幹事長、河野太郎行革担当相、小泉進次郎元環境相のいわゆる「小石河連合」との連携もほのめかしたといわれる。) こうした現状は「党内の岸田包囲網の広がり」(岸田派幹部)だが、その最中の池田大作氏の死去も岸田政権を揺さぶる要因となった。創価学会は18日、「池田氏が15日夜に新宿区の居宅で老衰のため亡くなった」と発表したが、この18日は創価学会の創立記念日でもあり、機関紙の聖教新聞はお祝いムードの報道があふれていただけに、SNSを中心に違和感を指摘する声が相次いだからだ。 これに対し、学会関係者は「創立記念日にわざわざ訃報を伝えることは学会側にメリットがなく、意図的に発表を3日待ったということはありえない」とし、学会の内部では池田氏の存在がすでに過去の人になっていることをにじませた』、「「戦わせていただく」と明言している高市経済安保相」、「二階氏は「手のひらをひっくり返す素振りを見せながら『徹底的にやるぞ』とうそぶいた」とされる。 さらに菅氏もこの席で首相批判を繰り返したうえで、各世論調査でポスト岸田候補の上位に並ぶ石破茂元幹事長、河野太郎行革担当相、小泉進次郎元環境相のいわゆる「小石河連合」との連携もほのめかしたといわれる」、「こうした現状は「党内の岸田包囲網の広がり」(岸田派幹部)だが、その最中の池田大作氏の死去も岸田政権を揺さぶる要因となった」、なるほど。
・『池田氏死去で「自公協力弱体化」も  ただ、池田氏の訃報を受けて岸田首相が19日夜、東京都新宿区の創価学会本部を自民党総裁として弔問し、原田稔会長や池田氏の長男、博正主任副会長と面会したことも、波紋を広げた。SNS上では憲法が定める政教分離と絡めて疑問視する意見が相次ぎ、松野官房長官が20日の記者会見で「個人としての弔意で問題はない」と釈明する事態となった。 こうした状況を予測したかのように、21日発売の週刊文春は「池田大作(創価学会名誉会長)“怪物”の正体」という特集記事を掲載。その中で「公明票への影響は『マイナス200万票』の衝撃」としたことも政権を揺さぶった。 そもそも、直近の国政選挙での公明党の得票は最盛期の約3割減ともなる600万票余まで落ち込んでいる。それがさらに200万票も減るとなれば「自公選挙協力の弱体化を露呈する」ことは明らかだ。特に、「平和を訴え続けた池田氏に共鳴した学会員たちが、自民党の保守・右傾化に愛想をつかして投票に行かなければ、首都圏などの自民党候補はバタバタと落選する」(自民選対)という事態を招きかねない。 こうした状況にもかかわらず、岸田首相自身は首脳外交に勤しみ、政権批判にもあえて笑顔を絶やさず「どうする文雄」どころか「とにかく明るい岸田」を演じ続け、この「ミスマッチ」がさらに岸田首相への国民的不信を増幅させるという悪循環に陥っている。 ここにきて永田町では、「解散権を奪われたかにみえる岸田首相が、やけくそでの『七夕選挙』を狙っている」との臆測も飛び交う。「まさに、年末以降の政局は、何でもありの出たとこ勝負」(自民長老)になりつつあるわけだが、「こうした自民内の闇試合が、さらに国民の政治不信をかき立てる」(同)ことだけは間違いなさそうだ』、「直近の国政選挙での公明党の得票は最盛期の約3割減ともなる600万票余まで落ち込んでいる。それがさらに200万票も減るとなれば「自公選挙協力の弱体化を露呈する」ことは明らかだ。特に、「平和を訴え続けた池田氏に共鳴した学会員たちが、自民党の保守・右傾化に愛想をつかして投票に行かなければ、首都圏などの自民党候補はバタバタと落選する」(自民選対)という事態を招きかねない・・・こうした状況にもかかわらず、岸田首相自身は首脳外交に勤しみ、政権批判にもあえて笑顔を絶やさず「どうする文雄」どころか「とにかく明るい岸田」を演じ続け、この「ミスマッチ」がさらに岸田首相への国民的不信を増幅させるという悪循環に陥っている。 ここにきて永田町では、「解散権を奪われたかにみえる岸田首相が、やけくそでの『七夕選挙』を狙っている」との臆測も飛び交う。「まさに、年末以降の政局は、何でもありの出たとこ勝負」(自民長老)になりつつあるわけだが、「こうした自民内の闇試合が、さらに国民の政治不信をかき立てる」(同)ことだけは間違いなさそうだ」、「「こうした自民内の闇試合が、さらに国民の政治不信をかき立てる」(同)ことだけは間違いなさそうだ」とは言い得て妙だ。
タグ:に基づいた配分の筈だ。冷静に臨むべきだ。 「ブラックロックは世界約30ヵ国に展開する巨大金融企業です。米バイデン政権の国家経済会議委員長と財務副長官が同社の元幹部であることからもわかるように、世界の経済・金融政策にも多大な影響力を持っています」、この程度の材料で「「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている」とは大げさ過ぎる。「ブラックロック」の「運用資産総額約1400兆円」とはいえ、そこへ預ける投資家はあくまで自己責任で投資しているだけである。「ブラックロック」の運用先に日本企業も入っているだろうが、それは世界での競合企業との比較 の金融政策について披露したのです」(官邸関係者) 安倍さんでさえ立てなかった国際金融の中心の舞台に、自分が立っている―岸田首相の高揚感は筆舌に尽くしがたいものがあったのだろう。帰国後も「金融の世界では俺の名前が轟いているってことだな」と自信満々だったという。 実はこの場所に、岸田首相が心酔する「金融集団」がいたことは、日本人にはあまり知られていない。 「ブラックロック」。運用資産総額約1400兆円と世界最高を誇る米資産運用会社の幹部だ。この金融集団こそ、首相周辺が懸念を示した「彼ら」だ。 「ニューヨークにある5つ星ホテル「ザ・ピエール・ア・タージ」だ。この日、同ホテルでは米財界の大物が集うニューヨーク経済クラブ主催のパーティーが開かれていた。 ここに、岸田首相はゲストスピーカーとして招かれたのだ。それも、同クラブの長い歴史の中で、日本人としてはじめて、だ。 「かつてはチャーチルやゴルバチョフら主要国のトップが演説をした名門クラブですが、日本の宰相は、吉田茂さんでも安倍晋三さんでも立つ機会がなかった。そこに岸田さんが呼ばれた。岸田さんは金融界の大御所たちを前に、お得意の英語で、今後の岸田政権 文春オンライン「「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」自見英子万博担当相の壮絶パワハラを元部下が明かした「朝5時から電話、うつ病で退職…」」 (同)ことだけは間違いなさそうだ」、「「こうした自民内の闇試合が、さらに国民の政治不信をかき立てる」(同)ことだけは間違いなさそうだ」とは言い得て妙だ。 こうした状況にもかかわらず、岸田首相自身は首脳外交に勤しみ、政権批判にもあえて笑顔を絶やさず「どうする文雄」どころか「とにかく明るい岸田」を演じ続け、この「ミスマッチ」がさらに岸田首相への国民的不信を増幅させるという悪循環に陥っている。 ここにきて永田町では、「解散権を奪われたかにみえる岸田首相が、やけくそでの『七夕選挙』を狙っている」との臆測も飛び交う。「まさに、年末以降の政局は、何でもありの出たとこ勝負」(自民長老)になりつつあるわけだが、「こうした自民内の闇試合が、さらに国民の政治不信をかき立てる」 「直近の国政選挙での公明党の得票は最盛期の約3割減ともなる600万票余まで落ち込んでいる。それがさらに200万票も減るとなれば「自公選挙協力の弱体化を露呈する」ことは明らかだ。特に、「平和を訴え続けた池田氏に共鳴した学会員たちが、自民党の保守・右傾化に愛想をつかして投票に行かなければ、首都圏などの自民党候補はバタバタと落選する」(自民選対)という事態を招きかねない・・・ 「こうした現状は「党内の岸田包囲網の広がり」(岸田派幹部)だが、その最中の池田大作氏の死去も岸田政権を揺さぶる要因となった」、なるほど。 「「戦わせていただく」と明言している高市経済安保相」、「二階氏は「手のひらをひっくり返す素振りを見せながら『徹底的にやるぞ』とうそぶいた」とされる。 さらに菅氏もこの席で首相批判を繰り返したうえで、各世論調査でポスト岸田候補の上位に並ぶ石破茂元幹事長、河野太郎行革担当相、小泉進次郎元環境相のいわゆる「小石河連合」との連携もほのめかしたといわれる」、 「与党内には今回の検察当局の動きについて「早期の政権崩壊を見越して、検察が独自に動き出した。減税の原資は赤字国債だと主張した財務省も合わせて、明らかに政権離反の動きにみえる」(公明党幹部)との指摘も出ており、官邸サイドも深刻さを隠せない」、「検察当局」に加えて、「財務省」も「政権離反の動き」とは深刻だ。 「岸田首相は直前までアメリカ・サンフランシスコでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、習近平中国国家主席との日中首脳会談を実現するなど、岸田外交を内外にアピールすることでの態勢立て直しに躍起となった。しかし、結果的には「支持率下落の歯止めにはならなかった」、やはり外交では「態勢立て直しに」は限界があるようだ。 「永田町はまさに「政権崩壊前夜」の様相となりつつある」、予想以上に速い展開だ。 泉 宏氏による「岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ」 東洋経済オンライン 「A氏は「週刊文春」に、パワハラ被害の経緯や内容を詳細に証言しており、うつ病の診断書や退職証明書といった書類も提供している。自見氏の今後の説明に注目が集まりそうだ」、岸田内閣で数少ない女性閣僚がこんなに酷い「パワハラ」をするとは、やれやれだ。 「「10分おきに執拗に問い合わせの電話をかけてきたり、『何で政務官の私の言うことが聞けないの?』と厳しい叱責を受けることもありました。携帯にも電話があり、早いときには朝5時、夜も午後10時以降にかかってくることが珍しくなかった。土日祝日も一切関係ありませんでした」、全く典型的なハラスメントだ。 「私は自見さんからのパワハラが原因で、心身を病んでしまい、退職に至りました」とは深刻だ。 「給与所得とフリーランサーの所得のアンバランスを是正する必要」は当然だが、「金融所得の総合課税化」は、抵抗も強く極めて困難な課題だ。「政府はこうした問題をこそ検討しなければならない。所得税の減税などと言っている場合ではないことを明確に認識すべきだ」、同感である。 「所信表明演説で岸田首相は「経済!経済!経済!何よりも経済に重点を置く!」と、「経済」という言葉を連呼した。この演説の直前、岸田首相は側近らに、まるで何かに取りつかれたようにボソボソとつぶやいたという。 「知ってるだろ?俺は元銀行員だよ。最近の総理の中では一番経済に精通してるんだ。国民だってそれをわかってるだろ。だから、俺が説明すれば、みんな理解してくれるはずだ……」 これまでは「外交の岸田」を自負してきたはずなのに、突然「俺の強みは経済」と転向した岸田首相」、なるほど。 どういうことなのだろう。 現代ビジネス「岸田首相が「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている…その「黒幕」の正体」 「2024年は公的年金の財政検証の年になる。本来はこの問題についての検討が行われるべきだ。 しかし今年年末の与党の税制改正作業では所得減税具体化のための議論にかなりの時間がさかれるだろう。年金など社会保障費の負担の在り方についてまともな議論が行われるとは思えない。巨額の政府債務を抱える財政をどう健全化し、高齢化や人口減少の課題に対応してしていくのか、日本の財政の長期的な方向づけなどの議論がおろそかになる懸念がある」、その通りだ。 「問題は非課税世帯をどのように特定するかだ・・・この特定には住民税のデータを持っている地方公共団体が行わざるを得ない。 原理的には、自治体のもつそのデータで2023年度の所得税の課税世帯か非課税世帯が判別できる。仮に地方公共団体が住民税のデータを元にして給付か否かを決め、給付金を銀行振り込みすることになると、大変な事務負担が生じる。20年の定額給付金の際には、銀行口座番号の違ったりして混乱した。今回も同じような問題が再び起きる可能性がある」、その通りだ。 国民が減税による還元を実感するのは早くても来年6月になると考えられるので、当面の人気取りにはならない。しかも所得税納税者の多くは源泉徴収されているために、恩恵を感じにくいだろう・・・効果の期待できない政策を取るのは、発案者の能力を疑わざるを得ない。冒頭で政府の政策構想能力に疑問を投げかけたのは、このためだ」、誠に手厳しいが筋の通った批判だ。 「所得減税を与党幹部に指示したのが、10月22日の衆参補選の直前だったことから、露骨な人気取り政策だという見方が多い。 しかし実際には、人気取りにもなっていないのではないだろうか。第一に、仮に人気取りが目的なのであれば、新型コロナ禍の時に行ったような直接的な現金給付を行うほうが効果があるだろう・・・人気取りが目的なのであれば、新型コロナ禍の時に行ったような直接的な現金給付を行うほうが効果があるだろ・・・ 「もし物価高騰への対処が必要なら、何より先に為替レートを円高に導かなければならない。 ところが、政府も日本銀行もそのような政策をとっていない」、その通りだ。 非課税世帯に対する給付を行なうのであれば、税収増の還元という目的はそもそもおかしいのではないか」、確かに論理矛盾が目立つ。財政に強い筈の宏池会会長とは思えない悪手だ 「「税収が増えたら納税者に返す」ということを財政運営の基本方針にするのであれば、追加歳出が生じた時には、逆に新たに税収が必要になったら納税者に求めるということで、国債を発行するのではなく、臨時増税で賄わなくてはいけないはずだ。 不足した場合には国債を発行し、余った場合には納税者に返すというのでは整合的な政策になり得ない・・・ 「減税の目的が何なのかがはっきりしない・・・選挙を意識した「人気取り政策」だとの批判が起きているのは当然」、なるほど。 野口悠紀雄氏による「所得減税は「人気取り以上」に深刻、どんな観点からも正当化できない」 ダイヤモンド・オンライン (その11)(所得減税は「人気取り以上」に深刻 どんな観点からも正当化できない、アベノミクスの負のパズルにはまった 岸田政権はこのまま立ち枯れ?、岸田首相が「国民の資産1100兆円」を「海外流出」させようとしている…その「黒幕」の正体、「言うこと聞かなければ飛ばすわよ!」自見英子万博担当相の壮絶パワハラを元部下が明かした「朝5時から電話、うつ病で退職…」、岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ) キシダノミクス
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

キシダノミクス(その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに) [国内政治]

キシダノミクスについては、10月17日に取上げた。今日は、(その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに)である。

先ずは、10月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家の山崎 元氏による「岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330773
・『岸田文雄首相が「増税メガネ」というあだ名で呼ばれているのを記事やSNSで見かける機会が増えてきた。岸田首相本人がまだ増税したわけではないのに、なぜ「増税」をあだ名にされるのか。そして、愛情やユーモアが一切感じられない冷たい印象を与える「メガネ」と、なぜ組み合わさったのか。「単なる悪意」とは片付けられない、実は考えてみる価値があるテーマなので、ぜひお付き合いいただきたい』、興味深そうだ。
・『「増税メガネ」で定着? あだ名の功罪  主にネット界隈でだが、岸田文雄首相のあだ名が「増税メガネ」で定着しそうだ。そして、ご本人はこのことを大変気にしているらしいと風の噂に聞く。 これをどう考えたらいいのか? なぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか? 岸田首相側に対策はあるのか? まず、あだ名があることについては少しだけポジティブな面がある。あだ名が付くほどの在任期間が経過したということだ。時代の近い首相歴任者では、菅義偉前首相や、麻生太郎元首相は、あだ名を付けやすい風貌をしていたように思うのだが、在任中に明確なあだ名が付かなかった。この点、岸田首相は、もう少し長持ちしているので、あだ名を付けてもらえた。 しかし、前々任の故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった。妙なところで、さすがだ。 この点、ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている。 今や、政治家であっても他人の容姿を論じること自体が問題視される可能性があるが、思い切って容姿を論じるなら、岸田首相は大きな欠点のない端整な顔立ちだ。背が高いし、太ってもいない。国際会議などでの写真映りは悪くない。顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ。 例えば、電車の中で、見知らぬ同士の2人の一方が他方に、いきなり「おい、そこのメガネ」と声を掛けたとしよう。かなり険悪な雰囲気になるだろう。声を掛けられた側は、人格を一切無視して雑に扱われたという気持ちになるからだ。 岸田首相が「メガネ」と呼ばれることに対して、自分は少なくとも愛されていないし、人間として雑に扱われていると感じて心が痛んでいるのだとすると、それは正常な反応だ』、「故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった」、「ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている・・・顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ」、なるほど。
・『まだ実行していないのになぜ「増税」が見透かされるか  しかも、「増税メガネ」というあだ名の特異な点は、岸田首相本人がまだ増税を行ったわけではないのに、「どうせ増税したいのだろう」と見透かして確信したかのように「増税」をあだ名にされていることだ。 これは、かなり悪意のこもったあだ名の付け方だともいえるが、まだやっていないことにこれだけ焦点を絞られるのはなぜかを考える価値がある。 話は、前々回の自由民主党の総裁選挙、前回の総裁選、そして岸田氏の首相就任直後にさかのぼる。 当時の安倍首相からの禅譲期待が外れて菅義偉氏に敗れた前々回の総裁選で、岸田氏はいわゆるアベノミクスに対して批判的だったし、財政再建を強調した。また、前回の総裁選では、安倍派の支持を得るためにリフレ政策に反する緊縮財政的な主張を封印したが、総裁の椅子を争った河野太郎、高市早苗の両氏と比較すると財政再建論寄りの印象は否めなかった。) また、小さいが独自の主張として特色を出そうとした「再分配」の重視にあって、「1億円の壁」問題を引きながら、手段として金融所得課税の強化を打ち出した。 金融所得課税の強化は、株式などへの投資の所得に対する増税なので、特に株式市場関係者に嫌われた。長く続く大きな下げにはならなかったが、岸田氏の首相就任後に株価が一時的に下落する「岸田ショック」と呼ばれる局面が出現した。 2018年のつみたてNISA(少額投資非課税制度)のスタートなどを期に増えた若い年齢層の投資家は、岸田首相が投資や株式市場に対して好意的でない印象を持った。彼らの何パーセントかを敵に回したことは、今回のあだ名に対しても影響力を持っているように思う。 また、金融所得課税強化は、それ自体が大いに疑問のある政策だし、「1億円の壁」の対象者はたいした人数でもないのだが、このアイデアは増税の実現を手柄と考える「増税マニア」たちの間に根強く存在したものだ。岸田氏はその代弁に利用された格好に見えた。 こうした一連の流れから、岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた。 一方、考えてみるに、これまで実際にやったことは、規模と自由度の両面で投資を税制面で大いに優遇する新NISAであったことを思うと、いささかかわいそうな面がある。しかも、画像をよく見ると彼のメガネはフレームの細いメガネとしての主張が強くないデザインのものではないか。 しかし、彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている』、「岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた・・・彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている」、なるほど。 
・防衛費、少子化対策 続けざまの財源議論が決定打  政権の樹立以来これまでの推移をたどると、「岸田首相は、増税を考えている」と多くの人が推測するような政策論議が二つあった。 一つには、防衛費の対国内総生産(GDP)比を2%に引き上げる方針を短期間に決めた一連の動きだ。) 率直に言って米国追従を前のめりでやり過ぎて、カードを早く切り過ぎたように見えたが、ウクライナで戦争が始まり、日本周辺でも地政学的な緊張が高まっているとして、防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた。 過去に消費税率引き上げを決める際に「社会保障の財源だ」という、よく考えるとほとんど意味のない議論に(お金に色は着いていないのだから)引っ掛かった記憶が国民にはあるので、「社会保障の財源」と来ると次の消費増税への前振りだなという連想が働くのだ』、「防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた」、これでは「増税メガネ」もやむを得ない。
・『岸田首相は首相でいたいだけの人  こうして、ここまでの流れを振り返ると、「増税」の方だけでなく「メガネ」の理由も見えてくる。 巷間よく言われるように、政治家には、首相になって何かをやりたい人と、首相になりたいだけの人、の2種類がいる。 岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。利用する側から見ると、代弁者として使いやすい人物だ。 あえて推測すると、岸田氏本人は増税したいと思っていないかもしれない。しかし、首相で居続けるためには、一つには米国に気に入られることが大事だし、もう一つには財務省を敵に回さないことが大事だと理解しているらしい。これは、そう間違っていない理解かもしれない。 故安倍氏の回顧録には、本気で政権を倒そうとすることもある財務省の恐ろしさが書かれている。岸田氏が、どんな思いであの本を読んだかは知るよしもないが、財務省を敵に回したくないという意識は強くあるのだろう。) 岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ。心から話しているように聞こえないので、表情にも注目がいかない。箱が音を発しているだけなので、「人間の顔」が国民には見えていない。「目力(めぢから)」などゼロだ。 言葉に力がないと、表情に注目する気にならず、やがて顔そのものが見えなくなって、メガネだけが残る。自然な論理ではないか。 つまり、メガネしか見えないので、岸田氏を「増税メガネ」と呼ぶことに多くの人が違和感を感じないのである』、「岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。・・・岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ」、「しゃべる空箱」とは言い得て妙だ。
・『「増税メガネ」を返上したいなら対策は簡単だ  岸田氏が「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ。 ここにきて、税収が予定よりも大幅に上振れしている。増税の必要性を演出するためにだろうと思われるが、財務省は税収を過小に推計していた。一方、普通に考えて、税収は名目GDPの伸び率と同等あるいはそれ以上に拡大するはずなのだ。しばしインフレが続くとするなら、財務省予算に対する現実の税収の上振れは半ば構造的だ。 財務省は上振れ分の「還元」を行うに当たって、一時的な給付金のような形でお茶を濁したいようだ。しかし、税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる。 財務省が本当に恐ろしいのかどうかは知らない。場合によっては、倒閣運動を仕掛けられることがあり得るのかもしれないが、そのときはそのときだ。国民が味方に付いている可能性もある。しかも、さらに景気が良くなって、税収がもっと上振れする可能性さえある。 この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない』、「「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ・・・税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる・・・この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない」、山崎氏の夢物語のようだが、仮に正夢になれば、面白い。

次に、10月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学教授の小黒一正氏による「上がり続ける日本の物価、政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/331403
・『政府債務(対GDP比)が約250%から350%に膨張したときの長期金利の上昇幅  政府債務(対GDP比)が約250%から350%に膨張したときの長期金利の上昇幅 *筆者推計 国内物価の上昇や円安が続く中、日本銀行は今年7月、イールドカーブ・コントロール(YCC)を修正した。事実上、長期金利の上限を0.5%から1%に変更する内容だ。 約3カ月が経過した今、長期金利は0.8%程度まで上昇し、上限の1%に近づきつつある。背景には、物価やドル円レート、米国の長期金利の影響が主にある。 まず物価の動向だが、今年9月の消費者物価指数(CPI)総合の前年同月比は+2.8%と、2%超で高止まりしている。 また、ドル円も再び円安が進んでいる。昨年の10月下旬に一時1ドル150円を突破した後、財務省の為替介入もあり、今年1月には1ドル130円を割る水準まで円安は是正された。だが、その後は米国の長期金利の上昇ショックなどを経て、今年の10月3日には、再びドル円レートが1ドル150円を突破した。円安の基調は依然衰えていない。) インフレ率2%超が続けば、長期金利が2%になっても不思議ではない。そして、未来永劫、日銀が長期金利を1%以下に抑制できるとは限らない。日銀の出口戦略で長期金利が何パーセントになる可能性があるのか、大まかにデータで分析する価値はあるだろう。 筆者が2000年1月から23年5月までの日銀等の月次データを用いて、日本の長期金利モデルで簡易推計したところ、(1)米国の長期金利が1%ポイント上昇すると、日本の長期金利が0.26%ポイント上昇する可能性や、(2)ドル円レートで20円の円安が進むと、日本の長期金利が0.14%ポイント上昇する可能性などが分かった。 また、(3)米国の長期金利が5%の前提で、日本の政府債務(対GDP比)が現在の約250%から350%に膨らむと、日本の長期金利が1.5%ポイントも上昇する可能性が確認できた。債務膨張が続けば、長期金利が2%を超えることは確実と思われる。 最近では、政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない』、「政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない」、正論で同感である。

第三に、11月2日付け文春オンライン「「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/66774
・『岸田文雄さんが年末に向けた解散総選挙を見込んで断行した内閣改造人事。赤絨毯の上には、今回辞任に追い込まれた法務副大臣・柿沢未途さんの姿もありました』、これは本当に締まらない話だ。
・『騒ぎを拡大させてしまった記者会見  辞任の理由は、今年4月の江東区長選挙で勝利した木村弥生さんに公職選挙法違反となる選挙期間中のネット広告配信を柿沢未途さんがお薦めしたことでした。違法やがな。しかもわざわざ自分から「木村選対に有料広告を提案したけど違法性の認識は無かった」と記者会見をし、騒ぎが拡大してしまいました。 木村弥生さんは自民党大物政治家・木村勉さんのご息女で、1年前まで京都府選出の衆議院議員(ただし比例復活)として公職選挙法を所管する総務省の大臣政務官を務めておられました。分かりづらい公職選挙法の中でも、珍しく分かりやすい形で「やってはいけません」という禁則をそのまんまやらかした木村弥生さんの蛮勇が許されるはずもなく、起訴され有罪となって失職する前に自ら江東区長辞任に追い込まれてしまいます。そのきっかけを作ったのが柿沢未途さんである以上、引責するのも仕方がないと言えます。何してんだよ。 もっとも、本来ならば公職選挙法違反は警視庁が担当するべきところ、わざわざ江東区庁舎や木村さんの自宅にまで家宅捜索に入ったのが東京地検特捜部であったことを考えれば、本来の狙いは木村さんではなくて柿沢さんなんじゃないのという推測が乱舞するのも当然の成り行きと言えます。 そんなのはまあみんな分かっておって、江東区と言えば俺たちの安倍晋三さんが立ち上げみんなの菅義偉さんが無観客での開催を強行した東京オリンピック開催地の地元・江東区と湾岸地域のあれこれで柿沢さんが何をしてきたのかを少しでも掴んでいれば、絶対に副大臣で入閣なんて話にはなりません。と申しますか、柿沢未途さんに副大臣なんて、誰が見てもマズいと思うんですけどね。 そもそも、麻布中高で先輩後輩の仲であることをテコに勇退された谷垣禎一さんのルートから自民党に入ってしまう柿沢未途さんは、東京15区での出馬のいきさつも含めて入党を拒否しなければならなかったのは自明でしょう。 「週刊現代」で、柿沢未途さんが東京15区で無所属なのに自民党推薦を得てしまい、東京都連会長である萩生田光一さんがブチ切れている一部始終を小川匡則さんが書いておられますが、これはすべて事実です』、「柿沢未途」氏は法務副大臣であるにも拘らず、「公職選挙法違反」となるアドバイスをしたなど、信じ難い不手際だ。
・『「増税メガネ」を気にして? 1年限りの減税を発動  また、「週刊文春」が文部科学省の政務官であった山田太郎さんの不倫報道を敢行したのを受けて、こっちはこっちで事実関係を認めて政務官を辞任してしまいました。どうなっているのだ岸田文雄政権、ということで、解散総選挙に向けての支持率アップのはずの内閣改造が身体検査の不全によってあっという間に支持率急落のトリガーとなってしまったのは非常に残念なことです。 《有村架純似の色白美女と》山田太郎文部科学政務官が国会開幕前夜に「ラブホ不倫」写真  山田氏は「約5年前に出会い、自然と男女の仲になりました」 そして、ネットではTikTokやYouTubeなどを中心に、生活苦などを理由にした岸田文雄さんに対する揶揄の総称とも言える『増税メガネ』が連日トレンド入り。うっかりそれが岸田さんの耳に届いてしまい、岸田官邸周辺からも「岸田さんが『増税クソメガネ』と酷評されていることを、非常に気にしている」と伝わってきていました。あーあ。そうかと思ったら、突然岸田さん特有のこだわりが発動し、なぜか4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動になってしまいました』、「4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動」、で『増税メガネ』を打ち消そうとするのは滑稽ですらある。
・『世界から「インフレを政策で抑え込めた珍しい国」と評価される  ただ、岸田さんが『増税ばら撒きメガネ』と揶揄されていることに怒っているのは単純に「別に岸田さんが決定して増税したものはなにひとつない」からであって、だいたいが社会保険料の一部引き上げや期限付きだった各種控除の廃止など岸田さんとは無関係にすでに決まっていたことばかりです。それに対して、実際にはガソリン代や電気代、小麦なども含めて、岸田政権は「とっくに6兆円以上、価格統制で国民にばら撒いている」というのが実際なんですよ。 ロシアによるウクライナ侵略や今回のパレスチナ・ガザ地区からのイスラエルへの攻撃とイスラエルの苛烈な反撃などの不安定イベントがある中で世界的な資源高になっています。岸田文雄さんや岸田官邸の嶋田隆さんらの主導によって、日本はトリガー条項ほかいろんな政策手段を出動させ、とりあえずガソリン価格、電力価格と小麦に絞って大規模な経済支援をした結果、世界でも「インフレを政策で抑え込めた珍しい国」と評価され、アメリカや欧州だけでなく発展途上国(グローバルサウス)などでも岸田政権を見習えっていう話が出ています。 物価高失業政策に失敗した22年経済悲惨指数ランキングでは、日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国になっています。ありがとう、岸田文雄』、「日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国」、デフレと紙一重の差でしかない。
・『上手くやってきたはずなのに…なぜ…  たぶん、23年度版ではその後物価統制に失敗したクウェートやアイルランドを抜いて、スイスに次いで日本の岸田政権は世界的に輝かしい物価統制に成功した国と扱われることになります。 なんせ、日本ではガソリン価格がリットル188円になって、2年前128円の五割増しになったと騒いでいるところですが、 イギリスでは315円(2.08USドル)、香港635円(4.20USドル)になったりしていて、日本は実は非産油国にもかかわらず世界的に安くエネルギー代金が据え置かれている国なのです。 この辺、コロナウイルスの騒動では、医療関係者や政策担当者、地方自治体もかなり頑張って感染症対策を進め日本はかなり成功してきたのに、なぜか反ワクチンや反マスク界隈から、対策に失敗してきたはずの海外を見習え、普通の生活に戻せと防御を下げる方向に政策誘導が進み、コロナウイルスだけでなくインフルエンザやRSウイルスまで蔓延させてしまい学級閉鎖が続発して子どもに健康被害が多発した例と似ています。野党も「トリガー条項ほか生活防衛面では岸田政権は上手くやっている」と評価することはまずありませんし、マスコミも「岸田は無能」という線で報じますから、上手くやって来たのに支持率が伸び悩むのも当然と言えます。 もっとも、そのような政策を実現できたのは、この価格統制のために空前の円安状況であるにもかかわらず累計6兆円を超える国富が突っ込まれ続けてきたからに他なりません。別の言い方をすれば、ガソリンを使うクルマ社会である地方経済は特に、すでに岸田文雄さんから『増税メガネ』どころかとんでもないプレゼントをもらい続けてきているわけですよ』、「ガソリン価格」は政府の膨大な補助金で低く据え置かれているだけで、自慢できる話ではない。
・『みんな“はけ口”を欲しがっている?  さらに、岸田政権下になってから雇用が順調で、大卒の内定者の割合は00年代以降過去最高、高卒・専門学校卒もおそらくは最高の内定率を記録すると見られています。物価高に伴う賃上げが追いついていない問題はあり、また、人口減少による人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです。労働人口が減少しているのに失業率が下がらない国はたくさんありますから。 岸田さんは政権運営単体で見れば「まあまあ上手くやっている」はずなのですが、アピールが下手過ぎてみんな生活苦のはけ口を『増税メガネ』にぶん投げていることになります。そして、労働世帯の生活苦の実際は増税(税金)よりも社会保険料の負担増であり、年金世帯の生活苦は物価高に比べてもらえる年金が少なくて生活を維持するにはどうにかして働かないといけないところに問題があります』、「人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです」、派遣など非正規雇用で吸収しちるだけだ。
・『問題のほとんどは「あの人」が残した“負の遺産”  シンプルに物価高は基本的に日本円が安いことで輸入物価が上がっていることが原因のひとつで、通貨安ドリブンだから金利上げようぜって話を岸田さんがリーダーシップを取らない限り解決しない面はあります。ただ、うっかり金利を上げると頑張って背伸びしてカネを借りて都内で新築マンションを買ったパワーカップルなどはせっかく実現したマイホームとバイバイすることになりかねませんし、金利が上がると証券で運用してきた俺たちのGPIFが痛むこともあるでしょうし、この辺はトレードオフと言いますか、何を捨て、何を取るかという政策にならざるを得ないのですよ。 このあたりは、ほとんどの経済現象が安倍晋三政権が長年に渡って積み重ねてきた「アベノミクス」の弊害の部分と言えます。要は、低金利で安い国に日本を誘導することで、とりあえず生活できるよう金融緩和をジャブジャブにやって、みんな仕事があって、何とかなってきたという話です。 そういう「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産を岸田さんがまとめて背負ってどうにかしなければならないことを考えれば、岸田さんはどうにかしてその「アベノミクス」を超える何かすごい政策テーマや経済政策をでっち上げて、国民にこれをやるからお前ら協力しろという話をしなければならなかったはずです。裏を返せば、別に増税してもいいから国民経済の安定や成長に繋がるこういう新しい試みをやりますよという風呂敷が広がっていれば、無理矢理1年限りの減税とかやらんでも一定の支持は得られたのではないかと思うんですよね』、「「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産」を安倍派に遠慮して、整理に踏み切れなかったことは、植田日銀総裁と並んで残念だ。
・『このままだとレーガンみたいな立ち位置になってしまうのでは  この「岸田さんは頑張ってるんだけど、何をしようとしているのかよく分からない」からテーマ性やメッセージ力不足と判断されて、酷評され、支持を失って迷走し、総合経済対策では最終的に減税までやろうとし、内閣改造と旧統一教会解散命令請求とセットで解散総選挙に打って出ようにもどうにもならなくなってしまった、というのが実際なのではないかと思います。 このままだと岸田さんは来年の総裁任期満了までずるずると政権を引っ張り、しかし選挙の顔としては選挙互助会自民党では無理と判断され総裁選再選に向けて出馬も禅譲・後継指名も出来ず退陣という流れになってしまいかねません。 外交では岸田さんはG7広島サミットが歴史的な大成功に終わり、最近の中国大使・垂秀夫さんから金杉憲治さんへのスイッチ、ガザ地区とイスラエルの問題では米欧とは一線を画した対応をきちんと取るなど優れた手腕を発揮しているのも事実です。大統領としては偉大にはなれなかったけど元大統領として外交面で存在感を示すレーガンみたいな立ち位置になってしまうのでしょうか。 個人的には、繰り返しになりますが「岸田政権が取り組んできて上手くやってきたことのアピール」と、「これから岸田政権がテーマとして全力で取り組み国民生活がこういう感じで良くなるようにしていきますよ」という話とをパッケージにしてきちんと打ち出し直すところからスタートなんじゃないかと、常々思っております。はい』、全体として「岸田政権」支持色が強過ぎる印象で、全く同意できない。
タグ:ダイヤモンド・オンライン (その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに) キシダノミクス 山崎 元氏による「岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか」 「故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった」、「ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている ・・・顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ」、なるほど。 「岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた・・・彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている」、なるほど。 「防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた」、これでは「増税メガネ」もやむを得ない。 「岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。・・・岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか 聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ」、「しゃべる空箱」とは言い得て妙だ。 「「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ・・・税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる・・・この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない」、山崎氏の夢物語のようだが、仮に正夢になれば、面白い。 小黒一正氏による「上がり続ける日本の物価、政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ」 「政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない」、正論で同感である。 文春オンライン「「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに」 これは本当に締まらない話だ。 「柿沢未途」氏は法務副大臣であるにも拘らず、「公職選挙法違反」となるアドバイスをしたなど、信じ難い不手際だ。 「4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動」、で『増税メガネ』を打ち消そうとするのは滑稽ですらある。 「日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国」、デフレと紙一重の差でしかない。 「ガソリン価格」は政府の膨大な補助金で低く据え置かれているだけで、自慢できる話ではない。 「人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです」、派遣など非正規雇用で吸収しちるだけだ。 「「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産」を安倍派に遠慮して、整理に踏み切れなかったことは、植田日銀総裁と並んで残念だ。 全体として「岸田政権」支持色が強過ぎる印象で、全く同意できない。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

大阪万博(その2)(大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻、大阪万博が失敗確定な「4つの理由」世界もあきれる“驚きの開催目的”とは?) [国内政治]

大阪万博については、2018年11月30日付けで取上げた。今日は、(その2)(大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻、大阪万博が失敗確定な「4つの理由」世界もあきれる“驚きの開催目的”とは?)である。

先ずは、本年9月5日付け東洋経済オンライン「大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/699259
・『「お盆休み前(の忙しいタイミング)なのに、無理矢理、説明会に参加させられた」。中堅ゼネコンの幹部はため息をつく。 この幹部の言う説明会とは、日本国際博覧会協会(万博協会)が建設業者向けに開いた会合のことだ。2025年4月に開催予定の「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)は、海外参加国のパビリオンの建設が大幅に遅れている。 この状況を受けて、運営主体の万博協会は8月7日、大阪府咲洲庁舎(大阪市住之江区)の2階にあるホールで、建設への協力を呼びかけようと説明会を実施した』、興味深そうだ。
・『「やけど程度では済まない」と吐き捨てる関係者も  会場には、100社を超える建設業者が詰めかけた。当日、万博協会は「参加国の準備状況やパビリオン建設に関する情報提供を行った」(中堅ゼネコンの幹部)という。 だが、海外パビリオンに対するゼネコン関係者の見方は冷ややかだ。 「儲からないであろう仕事に、社員や職人をつっこむわけにはいかない」(準大手ゼネコンの首脳)。「万博の海外パビリオン工事については、ゼネコンはどこもやりたがっていない」(ゼネコン各社と取引のある建設テックの社長)。 中には、「万博の工事には手を出さない方がいい。やけど程度では済まない」(中堅ゼネコンのベテラン社員)と吐き捨てる関係者もいる。ゼネコン業界では、海外パビリオンの工事について、もはや「総スカン」と言っても過言ではない状況なのだ。 各国の技術や文化を紹介する展示施設で、万博の華となる「海外パビリオン」については、工事の進捗遅れが深刻だ。 大阪・関西万博には、これまでに153の国と地域が参加を表明している。この中で、参加国が自ら費用を負担して自由に設計・建設するパビリオン「タイプA」について、「基本計画書」(設計図や工程表をまとめたもの)を大阪市に提出したのは韓国、チェコ、モナコなど4カ国しかない(9月4日現在)。ゼネコンとの工事契約締結後に大阪市から得る「仮設建築物許可」に至っては、本申請が一件もない。 パビリオンの建物本体の工事は2024年7月までに終え、2025年1月までに内装など展示関係の工事を完了することが目安とされていた。だが、このままでは、多くの海外パビリオンは、開催までに竣工が間に合わなくなる』、「パビリオンの建物本体の工事は2024年7月までに終え、2025年1月までに内装など展示関係の工事を完了することが目安とされていた」、やはり大変そうだ。
・『簡易パビリオン「タイプX」への関心も薄い  状況を打破すべく、万博協会は協会側が長方形の箱型の建物を建てて引き渡す簡易なパビリオン「タイプX」を参加国に提案。しかし、8月末の申請締め切りの時点で、タイプXに関心を示したのは5カ国だけだった。万博協会は「この後2週間をメドに、参加国などに再度、意向の確認をしていきたい」とする。 運営主体側の焦りは相当なものがある。8月3日には、経済産業省の大臣官房商務・サービス審議官から国土交通省へ、「海外パビリオン建設に関する建設業界への協力要請」を通達。そして、国交省から建設業界の主要団体に対して、8月3日と8月9日に協力要請の書簡を送っている。 8月9日の書簡には、「政府としては、万博を『予定通り開催する』という強い意思で臨んでおります。建設業界の皆様におかれましても、同じ想いの元で、ご協力をいただきたいと存じます」と記述されている。) ゼネコン各社はなぜ、海外パビリオンの工事を請け負いたがらないのか。それは資材高と労務費の高騰が影響している。 業界団体である日本建設業連合会(日建連)によると、2023年7月の鋼材や生コンクリートなどの建設資材の物価は2021年1月と比較して、26%上昇している。また建設業の現場で働く人の賃金(公共工事設計労務単価)は2020年度に比べて、足元では9%以上引き上げられている。 「九州などの地域で工場の建設ラッシュがあり、職人さんの人工(にんく・人件費のこと)が信じられないほど上がっている」(中堅ゼネコンのベテラン社員)。 現場監督者や職人などの人員不足も問題だ。「マンパワーが足りない。国内の建築工事は相当な数が積み上がっていて、いまは案件を絞って受注している。受注済みの工事を消化しないといけない状況で、ほかの工事をお願いされても断っている」(スーパーゼネコンの幹部)』、「マンパワーが足りない。国内の建築工事は相当な数が積み上がっていて、いまは案件を絞って受注している。受注済みの工事を消化しないといけない状況で、ほかの工事をお願いされても断っている」、なるほど。
・『「協会にプロジェクトをまとめる力がない」  建設業では2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」により、ただでさえ人員確保が困難な状況だ。政府は、万博関連工事についてはこの残業規制の対象外とすることを検討していると報じられている。 だが、これについて準大手ゼネコンの首脳は、「あってはならないことだ。『万博工事だけ、無制限に働け』なんて指示することは、社内にも社外向けにも説明できない」と語るなど、ゼネコン業界全体から反発を食らっている。 そもそも海外パビリオン工事の問題がこじれている背景として、万博協会の姿勢を問題視するゼネコン関係者は多い。前出とは別のスーパーゼネコンの幹部は、「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る。) 大阪・関西万博では、ゼネコン業界が万博協会側に、再三にわたって積極的な関与を依頼してきた。例えば、3年前の2020年春には、日建連の関西支社幹部が万博協会に、タイプAの発注の仕方について業界の意向を伝えた。 「発注側の外国政府と国内のゼネコン各社が直接交渉することに、多くの会員が心配していた。どこの国の言葉でやりとりするのか。工事に日本の約款が適用されるのか。スーパーゼネコンならば交渉能力があるが、それ以外のゼネコン(準大手や中堅ゼネコン)は政府が間に入ってくれないと、交渉をうまくまとめられない」(日建連の山本徳治事務総長)。 2022年8月には、日建連が会員の不安の声をとりまとめて、万博協会に伝達した。「外国政府のパビリオンは工期が厳しくなると危惧されるので、『万博協会の積極的な関与をお願いします』と依頼した。残業規制も始まるため、それを踏まえた工期の確保も要望した」(山本事務総長)』、「政府は、万博関連工事についてはこの残業規制の対象外とすることを検討していると報じられている。 だが、これについて準大手ゼネコンの首脳は、「あってはならないことだ。『万博工事だけ、無制限に働け』なんて指示することは、社内にも社外向けにも説明できない」と語るなど、ゼネコン業界全体から反発を食らっている」、業界の言い分の方に分がありそうだ。「スーパーゼネコンの幹部は、「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る」、「万博」は初回の大阪、その後の「愛知」など経験を積んでいるのに、「協会」は一体、何をやっているのだろう。
・『「1日も早く図面をほしい」  しかし、ゼネコン業界の意向を万博協会がまともに受け止めたのかどうかは疑わしく、今年7月に入ってからも、工事はほぼ進捗していなかった。「図面をもらってから着工まで資材の準備などに時間がかかるので、精度の高い設計図面を1日も早く出していただきたい」。同月に行われた日建連の定例会見で、宮本洋一会長は工事が遅延することへの懸念を率直に語った。 山本事務総長は、次のように指摘する。「(万博協会は)スケジュール管理ができていないことが明確だ。とくに、タイプAのスケジュール管理がうまくいっていない」。 この先、仮に工事契約が進んだとしても、建設工事が順調に進捗するとは限らない。) 大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)は大阪湾の人工島であり、インフラ問題が工事の足かせとなるからだ。トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある。 夢洲では、電気、ガス、水道などのインフラ整備も進んでいるとは言いがたい。現在は、関係各社が発電設備を持ち込んで、仮設の電力設備で対応している。ゼネコン関係者の間では、「日本中の発電機がすべて、夢洲に集められている」といった冗談がささやかれているほどだ。大阪市は目下、夢洲内の工事を一括管理する事業調整会議を設置し、工程管理や運行ルートの調整を行っている』、「「(万博協会は)スケジュール管理ができていないことが明確だ・・・大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)は大阪湾の人工島であり、インフラ問題が工事の足かせとなるからだ。トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある」、こんなボトルネックが予想されているのであれば、なおさら準備を急ぐ必要がある。
・『突貫工事で事故や品質問題が起きれば大問題  大阪・関西万博が計画通りに開催できるのか、待ったなしの状況と言えよう。工事の進捗が遅れ、突貫での工事となると、事故や品質問題などのトラブルが起きかねない。「しわ寄せがゼネコン業界に回ってくるのであれば、本当に勘弁してほしい」(スーパーゼネコンの幹部)。 万博協会はここにきて、タイプXへの切り替え提案のほかに、協会が代わりに工事を発注する建設代行や、外国語対応が可能な窓口の設置など、複数の支援策を打ち出した。参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻せるか。迅速な対応が求められる』、「万博協会はここにきて、タイプXへの切り替え提案のほかに、協会が代わりに工事を発注する建設代行や、外国語対応が可能な窓口の設置など、複数の支援策を打ち出した。参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻せるか。迅速な対応が求められる」、工事の安全が犠牲にならないようにしてほしいものだ。

次に、10月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したプリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役の秋山進氏による「大阪万博が失敗確定な「4つの理由」、世界もあきれる“驚きの開催目的”とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330304
・『鮮烈な記憶を残した1970年大阪万博  大阪万博を楽しみにしている。子どもの頃、1970年の大阪万博に「月の石」を見に行った。アメリカ館で、月探索計画「アポロ計画」によって月面から持ち帰られた実物が展示されていたのだ。しかし、超人気で3時間くらい待たなくては入れなかったのであきらめた。3回行ったのだが、ついに一度も入れなった。 しかし、アメリカ館だけでなく、他国のパビリオンが相当面白かった。記憶が定かでないのだが、タンザニアのパビリオンではアウストラロピテクスの骨が展示されていたのではなかったか。今から考えれば間違いなくレプリカだったろう。タンザニアもアウストラロピテクスもそのときまでよく知らなかったのだが、何かしら大変興奮したことを覚えている。すごいものを見たと思った。 海外の国のパビリオンだけでなく、民間のパビリオンも良かった。日本ガス協会のガス・パビリオンの展示は、「笑いの世界」がテーマだった。笑った口をかたどった建物の造形がユニークで、建物すべてのエネルギーをガスで賄うシステムが展示され、オーブン料理が食べられるレストランもあり、楽しくて、おいしくて感動した。未来がそこにあった気がした。 当時の万博は、国家の威信をかけたプロジェクトでもあり、他国から興味深いパビリオンが集結し、企業も展示に相当力を入れていた。岡本太郎の彫刻をはじめ、文化的な側面でも有名な建築家やアーティストが参画するなど話題が多かった。 こういう思い出を持つ者にとって、あの感動をもう一度味わえるのであれば、本当に素晴らしいことだと思うのだ。しかしながら、直近の情報では、かなり雲行きが怪しい。大阪がいくら「笛吹けど、誰も踊らない」状況にあるようだ。特にパビリオンで何かを展示する外国や企業の誘致に苦心しているらしく、参加に乗り気でない国や企業が多そうなのだ』、興味深そうだ。
・『一地方の地域おこしに、世界も企業も協力できない  そもそも、この手のお祭り(イベント)に、積極的に参加する理由は何か。 第一は、目的や大義への賛同であろう。そこで、大阪万博のHPを開いてみると、開催目的として次のように記載されている。 <「万博」には、人・モノを呼び寄せる求心力と発信力があります。この力を2020年東京オリンピック・パラリンピック後の大阪・関西、そして日本の成長を持続させる起爆剤にします。> ちょっとびっくりである。地域の成長の起爆剤だったのだ。これでは、大阪以外の人の共感は得られまい。別途、万博の理念として、<世界の人びとと、「いのちの賛歌」を歌い上げ、大阪・関西万博を「いのち輝く未来をデザイン」する場としたい>という記述はあるし、当然、それに関連する展示などもありそうだから、それらしい格好はつくだろう。しかし、もともとの目的があまりに直截的で、これではパビリオンを出そうかなと思った国の大使も「どっちらけ」だろう。 次の理由は、名誉である。この栄えあるイベントに出展できることを喜びと思えることである。オリンピックの制服やユニホームを提供できることで、それが名誉となり、企業の格が上がり、ブランド力も向上することを狙い、みなし公務員に贈賄をして有罪判決を受けた例がある。したがって、これと同様に、パビリオンを出すことにメリットを感じてくれる企業もあると思われる。 しかしながら、すでに一流企業として認識されている企業にとって、今の時代に万博にパビリオンを出すメリットはあまりない。日本に来た外国人にアピールできるといっても、基本的には日本人が多く集まるイベントなのだ。さらには、22年までドバイでど派手な万博が開催されていたので、万博については食傷気味といったところではないだろうか』、「開催目的・・・<「万博」には、人・モノを呼び寄せる求心力と発信力があります。この力を2020年東京オリンピック・パラリンピック後の大阪・関西、そして日本の成長を持続させる起爆剤にします。> ちょっとびっくりである。地域の成長の起爆剤だったのだ。これでは、大阪以外の人の共感は得られまい。別途、万博の理念として、<世界の人びとと、「いのちの賛歌」を歌い上げ、大阪・関西万博を「いのち輝く未来をデザイン」する場としたい>という記述はあるし、当然、それに関連する展示などもありそうだから、それらしい格好はつくだろう。しかし、もともとの目的があまりに直截的で、これではパビリオンを出そうかなと思った国の大使も「どっちらけ」だろう」、確かに目的が余りに大阪色、ローカル過ぎる。
・『経済的なメリットもなく、付き合う義理もない  第三の理由は、経済的メリットである。このイベントに出展し、新たな驚きを提供することで話題になり、国家や企業の価値が上がり、商品が売れるといった事態が期待できるのかどうか。 確かに万博は、各国のおいしい食べ物や興味深い未知の文化に触れることができる機会となるだろうから、そこへの集客から経済的なメリットを獲得することはできそうである。とはいえ、昨今は各国・各企業とも、すでに日々、SNSなどのインフルエンサーを通して、ターゲットごとにメッセージを伝達する努力をしている。不特定多数相手の万博にどれだけ期待できるのかはかなり未知数である。 第四の理由は「お付き合い」である。大阪で一丸となって、関西で一丸となって、あるいは日本全体で一丸となって……という機運が高まっているなら、それを無視することはかなり難しい。しかしながら、目的のところにあったように、このイベントの主役は大阪であり、ちょっと拡大して関西、そして取って付けたかのように日本の経済発展のためにやるイベントであると明記されている以上、まずは大阪が頑張れば良いのであって、その他の地域の人は良くて様子見である。 ただ、関西といっても決して一枚岩ではない。対関東・対東京ということでは団結することもあるかもしれないが、大阪の近隣県はそれぞれ、「うちは大阪とは違いますから」と一くくりにされることにむしろ抵抗する傾向さえある。大阪の中であっても、「うちはみなさんが思っている大阪とは違いますから」と思っているに違いないし、必ずしも万博を歓迎していない人だってたくさんいるだろう。 無理にお付き合いをしなくて良いのであれば、誰も積極的に参加しようとはしない。そこで、今回はテコ入れが行われ、経済産業事務次官経験者が担当となり、大阪を地盤としていない企業も、お付き合いでも良いから、何らかの支援をしてほしいという依頼を受けることになるだろう。それで、仕方なく参加する国や企業が出てくることはあっても、あくまでお付き合いだから、手間もお金もかけず、お茶を濁したような展示が増えるだけとなるだろう。全体として、「しょぼい」ことになってしまう可能性は高い』、「目的のところにあったように、このイベントの主役は大阪であり、ちょっと拡大して関西、そして取って付けたかのように日本の経済発展のためにやるイベントであると明記されている以上、まずは大阪が頑張れば良いのであって、その他の地域の人は良くて様子見である」、「今回はテコ入れが行われ、経済産業事務次官経験者が担当となり、大阪を地盤としていない企業も、お付き合いでも良いから、何らかの支援をしてほしいという依頼を受けることになるだろう。それで、仕方なく参加する国や企業が出てくることはあっても、あくまでお付き合いだから、手間もお金もかけず、お茶を濁したような展示が増えるだけとなるだろう。全体として、「しょぼい」ことになってしまう可能性は高い」、その通りだ。しかし、「今回はテコ入れが行われ、経済産業事務次官経験者が担当」というのには違和感がある。開催の決定では維新の会が自分の手柄のように誇っていたのだから、維新の会の責任も大きいと思われる。維新の会に泣きつかれた岸田首相の指示で、経産省が前面に押し出されたのだろう。
・『「撤退」の英断を誰が下すのか  では、このように、かなり追い込まれているように見える万博をどうすれば良いのか。 この地域イベントを国家イベントとして捉え直し、大義・名誉・経済的メリットのあるものに仕立て直し、「ちゃんとお付き合いしないとまずいな」と他国、企業に思わせるだけのリセットができれば良い。しかし、そんなことが今からできるだろうか。開催は25年なのだから、残念ながら間に合わず、無理であろう。 だとすれば、もはや中止しかない。これまで費やした手間暇お金、国際的な恥辱……いろいろあろうが、そもそも、この万博というフォーマット自体、サイバー空間で世界がつながる時代には「オワコン」だ。このようなものの開催にエネルギーを注いだことが無駄だったのである。 大がかりな建設工事が始まる前にやめてしまえば被害も最小限で済む。なお、ゼネコン関係者は万博を開催した方がもうかるのではないかと思う向きもあるかもしれないが、昨今の資材の高騰や人手不足が続く現状では、なかなか手出ししにくいと思われる。というのは、こうした公共的な事業の場合、当初の予算以上にコストがかかった分は持ち出しになってしまうことが多いからだ。 70年の万博プロデューサーで、当時通商産業省(現在の経済産業省)官僚だった堺屋太一氏は、25年の大阪万博を提唱する際に、民の文化を醸成してきた大阪が万博を契機に、大阪という都市を日本だけでなく世界でどう位置付けるかを考えた。「自主独立の文化をもう一度生み出し、大阪の誇りを取り戻すことは、日本にとって有益になる。今こそ発想を大転換し、再び日本の中心たる大阪を目指そう」と考えたようである。今回の万博にはこの思想が確実に踏襲されている。 そう考えること自体が悪いことだとは思わないが、それであれば大阪かつ民間だけで完結する内容にすべきだったし、そのための媒体は万博という「オワコン」の様式ではなく、別のものを選ぶべきであったのであろう。私は堺屋太一氏を心から尊敬しているが、かつての万博で優れた手腕を発揮した人物であっても、晩年のその視点は、時代や社会の変化を正確に捉えることができていなかったと思わざるを得ない。 と、ここまで厳しいことばかりを書いてきたが、それでも再びあの感動を味わいたいという気持ちは今でも変わらない。今から中止することはないのであろうから、事務局の方、関係者の方、一筋縄ではいかない難しい局面だが、どうか頑張って素晴らしい万博にしてほしい』、「この地域イベントを国家イベントとして捉え直し、大義・名誉・経済的メリットのあるものに仕立て直し、「ちゃんとお付き合いしないとまずいな」と他国、企業に思わせるだけのリセットができれば良い。しかし、そんなことが今からできるだろうか。開催は25年なのだから、残念ながら間に合わず、無理であろう。 だとすれば、もはや中止しかない。これまで費やした手間暇お金、国際的な恥辱……いろいろあろうが、そもそも、この万博というフォーマット自体、サイバー空間で世界がつながる時代には「オワコン」だ。このようなものの開催にエネルギーを注いだことが無駄だったのである・・・今から中止することはないのであろうから、事務局の方、関係者の方、一筋縄ではいかない難しい局面だが、どうか頑張って素晴らしい万博にしてほしい」、なるほど。
タグ:「パビリオンの建物本体の工事は2024年7月までに終え、2025年1月までに内装など展示関係の工事を完了することが目安とされていた」、やはり大変そうだ。 東洋経済オンライン「大阪万博「請け負えばやけどする」ゼネコンの本音 万博の華「海外パビリオン」の工事遅れが超深刻」 ーを注いだことが無駄だったのである・・・今から中止することはないのであろうから、事務局の方、関係者の方、一筋縄ではいかない難しい局面だが、どうか頑張って素晴らしい万博にしてほしい」、なるほど。 「この地域イベントを国家イベントとして捉え直し、大義・名誉・経済的メリットのあるものに仕立て直し、「ちゃんとお付き合いしないとまずいな」と他国、企業に思わせるだけのリセットができれば良い。しかし、そんなことが今からできるだろうか。開催は25年なのだから、残念ながら間に合わず、無理であろう。 だとすれば、もはや中止しかない。これまで費やした手間暇お金、国際的な恥辱……いろいろあろうが、そもそも、この万博というフォーマット自体、サイバー空間で世界がつながる時代には「オワコン」だ。このようなものの開催にエネルギ それで、仕方なく参加する国や企業が出てくることはあっても、あくまでお付き合いだから、手間もお金もかけず、お茶を濁したような展示が増えるだけとなるだろう。全体として、「しょぼい」ことになってしまう可能性は高い」、その通りだ。 「目的のところにあったように、このイベントの主役は大阪であり、ちょっと拡大して関西、そして取って付けたかのように日本の経済発展のためにやるイベントであると明記されている以上、まずは大阪が頑張れば良いのであって、その他の地域の人は良くて様子見である」、「今回はテコ入れが行われ、経済産業事務次官経験者が担当となり、大阪を地盤としていない企業も、お付き合いでも良いから、何らかの支援をしてほしいという依頼を受けることになるだろう。 。しかし、もともとの目的があまりに直截的で、これではパビリオンを出そうかなと思った国の大使も「どっちらけ」だろう」、確かに目的が余りに大阪色、ローカル過ぎる。 「開催目的・・・<「万博」には、人・モノを呼び寄せる求心力と発信力があります。この力を2020年東京オリンピック・パラリンピック後の大阪・関西、そして日本の成長を持続させる起爆剤にします。> ちょっとびっくりである。地域の成長の起爆剤だったのだ。これでは、大阪以外の人の共感は得られまい。別途、万博の理念として、<世界の人びとと、「いのちの賛歌」を歌い上げ、大阪・関西万博を「いのち輝く未来をデザイン」する場としたい>という記述はあるし、当然、それに関連する展示などもありそうだから、それらしい格好はつくだろう 秋山進氏による「大阪万博が失敗確定な「4つの理由」、世界もあきれる“驚きの開催目的”とは?」 ダイヤモンド・オンライン 「万博協会はここにきて、タイプXへの切り替え提案のほかに、協会が代わりに工事を発注する建設代行や、外国語対応が可能な窓口の設置など、複数の支援策を打ち出した。参加国とゼネコンの間を取り持って、工事の遅れを取り戻せるか。迅速な対応が求められる」、工事の安全が犠牲にならないようにしてほしいものだ。 「「(万博協会は)スケジュール管理ができていないことが明確だ・・・大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)は大阪湾の人工島であり、インフラ問題が工事の足かせとなるからだ。トラックなど車両での夢洲へのアクセスは、同じく人工島である舞洲(まいしま)とを結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)とを結ぶ「夢咲トンネル」の2ルートしかない。工事が進捗し、資材を運ぶ車両の運搬量が増えれば、大きな混乱を招く懸念がある」、こんなボトルネックが予想されているのであれば、なおさら準備を急ぐ必要がある。 「スーパーゼネコンの幹部は、「ここまで遅々として進まないのは、協会にプロジェクトをまとめる力がないことが大きな要因」と憤る」、「万博」は初回の大阪、その後の「愛知」など経験を積んでいるのに、「協会」は一体、何をやっているのだろう。 「政府は、万博関連工事についてはこの残業規制の対象外とすることを検討していると報じられている。 だが、これについて準大手ゼネコンの首脳は、「あってはならないことだ。『万博工事だけ、無制限に働け』なんて指示することは、社内にも社外向けにも説明できない」と語るなど、ゼネコン業界全体から反発を食らっている」、業界の言い分の方に分がありそうだ。 「マンパワーが足りない。国内の建築工事は相当な数が積み上がっていて、いまは案件を絞って受注している。受注済みの工事を消化しないといけない状況で、ほかの工事をお願いされても断っている」、なるほど。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本郵政(その19)(日本郵政 郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」、日本国民は気づいていない「郵便局長組織」のヤバすぎる実態…毎年40億円が吸い上げられていく、日本郵便へ移管開始「ネコポス」終了の前途多難 荷物移管量を当初計画より抑えた「慎重な船出」) [国内政治]

日本郵政については、本年3月26日に取上げた。今日は、(その19)(日本郵政 郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」、日本国民は気づいていない「郵便局長組織」のヤバすぎる実態…毎年40億円が吸い上げられていく、日本郵便へ移管開始「ネコポス」終了の前途多難 荷物移管量を当初計画より抑えた「慎重な船出」)である。

先ずは、5月11日付け日経新聞「日本郵政、郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」」を紹介しよう。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA110UZ0R10C23A5000000/
・『日本郵政の増田寛也社長は日本経済新聞のインタビューで、約2万4000カ所ある郵便局に関し2040年ごろをめどに「整理が必要になる」と述べた。郵便物や人口が減る中で、全国一律での提供が求められる郵便などの「ユニバーサルサービス」のあり方を模索する。 日本郵政は郵政民営化で07年に発足した。国内の郵便局はその際から250ほどしか減っていない。郵便物などの取扱数はインターネットの広がりなどで、ピーク時の01年度の267億通から22年度は185億通と3割減った。 日本郵便の業績も低迷する。連結営業利益はピークの19年3月期に比べ、22年3月期は19%減り、1482億円になった。 郵政民営化法は日本郵政に対し、郵便や金融について郵便局を窓口とし全国一律・同水準のユニバーサルサービスの提供を義務付けている。 地方を中心に郵便局の減少に慎重な政治圧力もあり、日本郵政は本格的な統廃合の可能性に言及してこなかった。 増田氏は抜本的な統廃合を検討する意向を示した。「銀座など都心では賃料などのコストがかなり高いところがある。地方だけでなく都心も整理しなければならない」と語った。 統廃合の時期は「40年が一つのタイミングになる」と述べ、30年代後半から本格検討が必要との認識を示した。「ユニバーサルサービスの水準は維持した上で、新たな形でサービス改善を実感してもらう」と強調した。 コンビニエンスストアのように郵便局での物販を強化したり、自動運転やドローンなどのデジタル化で物流業務の効率を高めたりすることを想定する。店舗や銀行が少ない地域で郵便局がなくなると反発が出る可能性もある。増田氏は「政府や自治体、地域代表の政治家が議論して考えていく必要がある」と提起した。 見直し表明の背景にあるのは日本郵政グループの収益構造のいびつさだ。日本郵政の22年3月期の連結経常利益9914億円の85%はゆうちょ銀行とかんぽ生命保険によるものだ。 金融2社は日本郵便に対し、預貯金や保険販売などの業務委託費を払うほか、郵便のネットワーク維持を名目とした「交付金」を負担している。22年3月期のこれらの支払いは8000億円を超えた。 日本郵政はかんぽ商品の不適切な販売の問題などを受け、増田氏のもとで再建中だ。これまでのところ大胆なコスト削減や、新たな成長の柱の確立はできていない。 海外では物流・郵政の民営化が着実に進む例もある。独ドイツポストは民営化を経て、2000年に株式を上場した。02年には世界的な物流大手のDHLインターナショナルを完全子会社化するなどM&A(合併・買収)をテコに成長している。 日本郵政も26年3月期までの中期経営計画に戦略的なIT(情報技術)に4300億円程度、不動産に5000億円程度を投資すると盛り込んだ。M&Aなどにも最大1兆円程度を投じる方針だ。増田氏は「成長に向けては自前主義ではない」と明言し、業種を超えた提携や出資に意欲を示す。 郵政民営化から10月で16年になる。ユニバーサルサービスの一つの固定電話がかつて事業の主体だったNTTはインターネットのネットワークなどに軸足を移してきた。郵政と同様に金融で稼ぐ収益を実業に回してきた各地の農協も統廃合が進む。競争環境の変化や、人口減少を見据えた改革が日本郵政にも必要になっている。 増田氏は聖域となっていた分野の改革に着手すると踏み込んだ。実現すれば大きな転換となる。中長期の課題となるだけに改革を着実に進めるしかけも重要になる』、「郵政民営化で07年に発足した。国内の郵便局はその際から250ほどしか減っていない。郵便物などの取扱数はインターネットの広がりなどで、ピーク時の01年度の267億通から22年度は185億通と3割減った。 日本郵便の業績も低迷する。連結営業利益はピークの19年3月期に比べ、22年3月期は19%減り、1482億円になった」、「郵政民営化法は日本郵政に対し、郵便や金融について郵便局を窓口とし全国一律・同水準のユニバーサルサービスの提供を義務付けている。 地方を中心に郵便局の減少に慎重な政治圧力もあり、日本郵政は本格的な統廃合の可能性に言及してこなかった」、「増田氏は抜本的な統廃合を検討する意向を示した・・・統廃合の時期は「40年が一つのタイミングになる」と述べ、30年代後半から本格検討が必要との認識を示した。「ユニバーサルサービスの水準は維持した上で、新たな形でサービス改善を実感してもらう」と強調した」、「見直し表明の背景にあるのは日本郵政グループの収益構造のいびつさだ。日本郵政の22年3月期の連結経常利益9914億円の85%はゆうちょ銀行とかんぽ生命保険によるものだ。 金融2社は日本郵便に対し、預貯金や保険販売などの業務委託費を払うほか、郵便のネットワーク維持を名目とした「交付金」を負担している。22年3月期のこれらの支払いは8000億円を超えた」、「日本郵政も26年3月期までの中期経営計画に戦略的なIT(情報技術)に4300億円程度、不動産に5000億円程度を投資すると盛り込んだ。M&Aなどにも最大1兆円程度を投じる方針だ。増田氏は「成長に向けては自前主義ではない」と明言し、業種を超えた提携や出資に意欲を示す」、「増田氏は聖域となっていた分野の改革に着手すると踏み込んだ。実現すれば大きな転換となる。中長期の課題となるだけに改革を着実に進めるしかけも重要になる」、郵政の改革への最大の抵抗勢力である特定郵便局の局長組織(次の記事)による政治家を巻き込んだ抵抗もあるため、増田氏の改革は難航せざるを得ないようだ。

次に、6月5日付け現代ビジネス「日本国民は気づいていない「郵便局長組織」のヤバすぎる実態…毎年40億円が吸い上げられていく」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/111188?imp=0
・『「全特」とも呼ばれる郵便局の裏組織・全国郵便局長会。各地方、地区の郵便局長会を土台とした郵便局長たちによる上意下達のピラミッド型組織だが、その実態は明らかになっていない。そのような組織の“闇”を暴き出した新刊『郵便局の裏組織』より、内部での異様なカネの流れを明らかにしていこう』、興味深そうだ。
・『マンション投資にまで乗り出した  広島駅から歩いて10分ほどの国の名勝「縮景園」。広島藩の初代藩主・浅野長晟が造らせた大名庭園を見下ろすように、地上13階建てのマンションは隣接している。 2016年築で、ワンルーム24戸と2LDK12戸の計36戸。賃料は30平米台のワンルームが7万〜9万円台。60平米弱の2LDKで14万〜15万円台が中心で、典型的な投資用1棟マンションだ。 所有しているのは、一般財団法人である中国地方郵便局長協会だ。所在地や役員は、任意団体である中国地方郵便局長会とほぼ同じで、法人格のない局長会に代わり、不動産保有や積立金運用などによる収益事業を行っている。いわゆる「サイフ」役の組織である。 マンションの登記簿謄本によると、中国地方郵便局長協会が山口銀行から、計7億円を年0.7%の金利で借りていた。2021年末時点では満室で、賃料収入は年間4837万円。借入利息や管理委託費、固定資産税で年1千万円超の出費があるものの、法人による不動産投資としては十分な利回りが見込めそうだ。 中国地方郵便局長協会がマンション経営に乗り出したのは、「10年後の収益事業に資する目的」だと内部文書に記されている。協会自体の目的は「郵便局の業務の円滑な運営及び会員相互の扶助に関する事業」によって「郵政事業の発展に寄与・地域貢献活動を推進」すると定款で定めている。 マンション投資が郵政事業にどう資するかは不明だが、超低金利環境が続くなか、局長向けの融資だけでは稼ぎにくくなったため、新たな収益源の開拓を「不動産投資」に見いだしたとみられる。) マンション投資に乗り出した事例は、ほかにもある。 九州郵便局長協会も、熊本市の中心部にある熊本大学病院のそばに、投資用マンション1棟を保有している。2001年築の6階建てで、九州郵便局長協会が2019年9月に無担保で購入したものだ。 1階には歯科クリニックが入居、40平米台の1LDKを中心に十数戸あり、2021年3月期には計1460万円の家賃収入があった。修繕費などの371万円を引いても1089万円の利益があり、不動産投資としては好調だ。 自社ビルでのテナント経営は、古くから続く。全国郵便局長会(全特)が財団法人を介して東京・六本木に全特ビルを所有するように、全国に12ある地方会のうち、少なくとも四つの地方会がそれぞれの拠点に自前のビルを建てて保有している。ビル内には郵便局を入居させるなどして、賃料収入を得ている。 中国地方郵便局長協会の場合、冒頭のマンションからもほど近い一等地に6階建ての自社ビル「中特会館」を持ち、1階に入居する郵便局も含めて、年4千万円超のテナント収入を得ていた。1970年竣工で電気系統機器の故障や漏水が続発したため、2023年に解体して「中特ビル(仮称)」を建て直す。新たなビルにも郵便局を置こうと画策しており、中長期の安定収益を見込んでいる。 局長組織の潤沢な投資マネー。元手となるのは、会員たちの身銭である』、「マンションの登記簿謄本によると、中国地方郵便局長協会が山口銀行から、計7億円を年0.7%の金利で借りていた。2021年末時点では満室で、賃料収入は年間4837万円。借入利息や管理委託費、固定資産税で年1千万円超の出費があるものの、法人による不動産投資としては十分な利回りが見込めそうだ」、ただ、借入金利が上がれば、「利回り」は急低下するリスクを抱えている。「1970年竣工で電気系統機器の故障や漏水が続発したため、2023年に解体して「中特ビル(仮称)」を建て直す。新たなビルにも郵便局を置こうと画策しており、中長期の安定収益を見込んでいる。 局長組織の潤沢な投資マネー。元手となるのは、会員たちの身銭である」、なるほど。
・『酷熱の河川敷でソフトボール  2019年9月7日、40度近い残暑が続いた東京・八王子の河川敷。青空にときおり打ち上がる白球を追いかけながら、ユニフォーム姿の男たちが歓声を上げていた。 都内16のソフトボールチームが全国大会への出場をかけて争うトーナメント戦。六つの野球グラウンドで、敗者復活や3位決定戦も含めて1日で22試合の熱戦が繰り広げられた。試合の参加者だけで200人規模。応援団や審判も入れると300人以上が週末の河川敷に集まり、汗を流した。ほぼ全員が局長である。 ソフトボール大会は、組織の結束力や個人の忠誠心を試す重要行事の一つ。多くの局長は、強制参加だ。県単位で予選を開き、本戦の地方大会で勝者を決める地方が多い。地方大会を勝ち抜くと全国大会に招かれ、大会前夜にはホテルのホールで大宴会を開く。 1990年から続く恒例行事で、最近は新型コロナの影響で中止されてきたが、2022年から徐々に再開し、秋には沖縄県で全国大会を催した(試合は雨に見舞われ、ジャンケン大会に代わった)。 2019年の東京地方会では、出場者はみな地区会の名前が入ったユニフォームを身にまとい、運営スタッフのTシャツも地方大会のためにデザインされたものだ。計6面の野球グラウンドにそれぞれ数人の審判員を配置し、バットやグローブといった備品もそろえる。 ソフトボール大会にかかる費用は、局長限定のお遊びだけに、さすがに日本郵便の経費をあてるわけにもいかず、会員から徴収するお金が元手になる。うっかり全国大会に勝ち抜くと、臨時の遠征費まで払わされる。こうして費用を積み上げていくと、会員の負担がいかに重たいかが浮かび上がる』、「ソフトボール大会は、組織の結束力や個人の忠誠心を試す重要行事の一つ。多くの局長は、強制参加だ。県単位で予選を開き、本戦の地方大会で勝者を決める地方が多い。地方大会を勝ち抜くと全国大会に招かれ、大会前夜にはホテルのホールで大宴会を開く。 1990年から続く恒例行事で、最近は新型コロナの影響で中止されてきたが、2022年から徐々に再開し、秋には沖縄県で全国大会を催した」、「ソフトボール大会にかかる費用は、局長限定のお遊びだけに、さすがに日本郵便の経費をあてるわけにもいかず、会員から徴収するお金が元手になる。うっかり全国大会に勝ち抜くと、臨時の遠征費まで払わされる。こうして費用を積み上げていくと、会員の負担がいかに重たいかが浮かび上がる』、「ソフトボール大会は、組織の結束力や個人の忠誠心を試す重要行事の一つ。多くの局長は、強制参加だ。県単位で予選を開き、本戦の地方大会で勝者を決める地方が多い。地方大会を勝ち抜くと全国大会に招かれ、大会前夜にはホテルのホールで大宴会を開く」、なるほど。
・『巨額の集金システム   局長1人が組織のために払わされる費用の総額は、ヒラの局長でも年20万円を優に超える。積立金や保険の支払いなどを足せば、金額はもっと大きい。臨時の出費も少なくなく、部会長や地区役員といった役職に就くと徴収額はさらに増える。局長の数で単純計算すれば、少なく見積もっても年40億円超が全国で安定的に吸い上げられるシステムになっている。 年収が額面ベースで800万円程度の40代の局長を事例に、局長会活動の費用負担を概算で示すと、下記の表のようになる。 局長が負担するお金はピラミッド組織の各階層から徴収される会費だけで、年20万円前後に上る。多くの局長は就任してまもなく、局長会主催の「新任局長研修」といった場で銀行口座の引き落とし伝票を書かされる。勝手がわからないうちに「そういうものだ」と思い込ませ、自動引き落としのシステムに局長の口座をはめ込んでおく。 任意団体である郵便局長会には法人格がないため、契約を交わしたり、不動産物件を保有したりするときには、一般財団法人の地方郵便局長協会が使われる。局長から集めた積立金を元手に、局長向けの融資で利息を稼ぎ、会館やマンションといった不動産事業によって賃料収入を得る。積立金は、局長の退職時や局舎の建設時などに払い出される。 局長協会が提供する団体共済も、各地の地方会、地区会でノルマ化されている例が多い。) 局長1人につき自動車と火災、生命共済などで1件ずつ加入させるのが鉄則で、地方会事務局が地区会ごとの達成率をまとめた「推進管理表」や「未加入者リスト」を作成。総務担当の局長会役員が部会長を通じて未加入の局長に圧力をかけて回る。新米の局長には、郵便局の提携保険を解約させてでも乗り換えさせる。財政難の協会ほどノルマや進捗管理が厳しくなる。 郵政退職者連盟は、地域ごとで異なる名前の地方組織があり、現役の局長も加入させられる。選挙で協力してもらうOBへの義理立てで、毎年恒例の総会や旅行、マージャンなどに付き合う。旅行や総会に一定数の局長を参加させ、積立金や臨時出費を請求されるケースもある。 全特の元幹部が役員を務める法人が扱う地方の名産品を、郵便局の物販サービスで扱わせたり、組織を通じて局長に買わせたりしている例もある。元全特会長の個人会社が扱う青森のリンゴジュース、元副会長が手がける北海道の夕張メロンあたりが典型だ。 局長会では「防災士」の資格取得も推進している。毎年一定数の局長が1人数万円をかけて資格を得ている。費用の一部を部会費などで補助する場合もあるが、多くが局長の負担であることに変わりはない。 さらに、全特が例年5月に開く総会に参加させられるときも、そのつど10万〜20万円の臨時出費が課せられる。 部会や地区会レベルでは、強制参加の懇親行事や飲み会が数多い。局長会の会員として組織のために負担する費用は、ことのほか重い』、「局長1人が組織のために払わされる費用の総額は、ヒラの局長でも年20万円を優に超える。積立金や保険の支払いなどを足せば、金額はもっと大きい。臨時の出費も少なくなく、部会長や地区役員といった役職に就くと徴収額はさらに増える。局長の数で単純計算すれば、少なく見積もっても年40億円超が全国で安定的に吸い上げられるシステムになっている。 年収が額面ベースで800万円程度の40代の局長を事例に、局長会活動の費用負担を概算で示すと、下記の表のようになる」、表によれば、年間24万円程度。「さらに、全特が例年5月に開く総会に参加させられるときも、そのつど10万〜20万円の臨時出費が課せられる。 部会や地区会レベルでは、強制参加の懇親行事や飲み会が数多い。局長会の会員として組織のために負担する費用は、ことのほか重い」、かなり重い負担のようだ。

第三に、9月30日付け東洋経済オンライン「日本郵便へ移管開始「ネコポス」終了の前途多難 荷物移管量を当初計画より抑えた「慎重な船出」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/704933
・『10月から、日本郵政グループとヤマトホールディングス(HD)の協業が本格的にスタートする。 カタログなどをポストに投函して送る「クロネコDM便」は2024年1月に終了し「クロネコゆうメール」に変わる。小型荷物を配達先のポストに投函する「ネコポス」も2023年10月から順次移管し、「クロネコゆうパケット」に変わる。ヤマトは集荷のみ行い、配達業務を日本郵便に委託する仕組みだ。 両社は熾烈なシェア争いを繰り広げてきたが、ヤマトの投函商品は仕分けなどが主力の「宅急便」と別の仕組みだった。バイクを軸に全国規模で小回りの利く態勢を整えることも難しく、日本郵便のような「精度の高さや安定性は、真似してもたどり着けなかった」(ヤマトHDの長尾裕社長)』、「両社は熾烈なシェア争いを繰り広げてきたが、ヤマトの投函商品は仕分けなどが主力の「宅急便」と別の仕組みだった。バイクを軸に全国規模で小回りの利く態勢を整えることも難しく、日本郵便のような「精度の高さや安定性は、真似してもたどり着けなかった」、なるほど。
・『クロネコメイト契約終了後の仕事は?  ヤマトは配達業務の移管にあたり、クロネコDM便の配達を担ってきた個人事業主・クロネコメイトの契約終了(最長で2024年度末)に向けた対応を進めている。約3万人が対象とされる。個別に数万円の謝礼金(就労期間などいくつか条件あり)を支払うほか、10月の早い段階で就職支援サイトを立ち上げ、メイト向けに紹介する。 複数メディアがメイトの契約終了について報じているが、6月の協業発表時にはすでに決まっていたことだ。長尾社長も会見で「次のキャリアをどう作っていくか、全力でサポートしていく」と説明していた。 ただし移管にあたり、難題を抱えているのも事実だ。ヤマトが再就職を支援しても、メイトが同じ条件の仕事を見つけるのは難しそうだ。 メイトは比較的小さなエリアで配達を担当している。配達には主に原動機付き自転車などを使い、徒歩で回るケースもある。一部ネコポスも併行して配達するメイトもいる。業務委託契約のため、隙間時間を活用して配達できるのも大きなメリットだ。) ヤマトは日本郵便の仕事もサイトを通じて紹介する方針だが、日本郵便でDM便を担うのは社員だ。正社員と期間雇用社員(時給制の契約社員)が配達している。日本郵便はヤマトとの協業に伴い、仕分け・配達要員を募集する方針だが「個人委託ではなく期間雇用社員の募集を行い、面接等で選考の上、採用する」と説明する。 日本郵便では業務委託で「自由な時間に好きなだけ働く」という条件は準備されていない。ヤマトはメイトに対し、丁寧な説明とともに、できるだけ希望に沿った仕事を紹介するサポートが求められる。 一方、10月からはネコポスの移管がスタートする。こちらも委託会社との調整が必要になる。ネコポスはヤマトのセールスドライバーを中心に配達しているが、EC事業者向けサービス「EAZY(イージー)」の配達を担う委託会社のドライバーも運んでいる。 ネコポスがなくなる分、委託会社には追加でイージーの配送を依頼するなど荷物量の調整が必要になる。ある下請け業者は「イージーを配送しながらネコポスも運んできたのに、なくなってしまうのは困る」と不満を口にする。委託会社と良好な関係を維持していくことも課題だろう』、「10月からはネコポスの移管がスタートする。こちらも委託会社との調整が必要になる。ネコポスはヤマトのセールスドライバーを中心に配達しているが、EC事業者向けサービス「EAZY(イージー)」の配達を担う委託会社のドライバーも運んでいる。 ネコポスがなくなる分、委託会社には追加でイージーの配送を依頼するなど荷物量の調整が必要になる。ある下請け業者は「イージーを配送しながらネコポスも運んできたのに、なくなってしまうのは困る」と不満を口にする。委託会社と良好な関係を維持していくことも課題だろう」、なるほど。
・『「スモールスタート」へ移管見直し  今後の焦点は日本郵便への移管を順調に進めることに尽きる。日本郵政の増田寛也社長は「配達までの日数など、品質を落とさないようにする。量が非常に増えるので、オペレーションをきちんと組めるよう、ヤマトのサポートを受けてやっていく」と語る。 ネコポスは当初、10月に総量20%の荷物から移管する計画だったが、「スモールスタートで確実に実施する観点からエリアを限定し、約13%の引き受けから始める」(日本郵便)と見直した。今後は段階的に引き受けを進め、2025年に完全移管する見通しだ。 日本郵便は社内に「ヤマト協業実行推進室」を設置し、ヤマトと定期的に打ち合わせをこなしてきた。本社と支社間でも毎週会議を開き、課題の洗い出しや進捗を確認している。物量の増加に合わせて、人材確保などネットワークの増強を進められるかが重要ポイントだ。 ヤマトも業務を委託するとはいえ、自社ブランドのサービスであることに変わりはない。移管でトラブルが発生すればイメージダウンにつながるおそれもある。サービス品質を保つために、日本郵便と密に連携していくことが欠かせない』、「ネコポスは当初、10月に総量20%の荷物から移管する計画だったが、「スモールスタートで確実に実施する観点からエリアを限定し、約13%の引き受けから始める」(日本郵便)と見直した。今後は段階的に引き受けを進め、2025年に完全移管する見通しだ」、「ヤマトも業務を委託するとはいえ、自社ブランドのサービスであることに変わりはない。移管でトラブルが発生すればイメージダウンにつながるおそれもある。サービス品質を保つために、日本郵便と密に連携していくことが欠かせない」、「移行」が円滑に進んでほしいものだ。 
タグ:「1970年竣工で電気系統機器の故障や漏水が続発したため、2023年に解体して「中特ビル(仮称)」を建て直す。新たなビルにも郵便局を置こうと画策しており、中長期の安定収益を見込んでいる。 局長組織の潤沢な投資マネー。元手となるのは、会員たちの身銭である」、なるほど。 「マンションの登記簿謄本によると、中国地方郵便局長協会が山口銀行から、計7億円を年0.7%の金利で借りていた。2021年末時点では満室で、賃料収入は年間4837万円。借入利息や管理委託費、固定資産税で年1千万円超の出費があるものの、法人による不動産投資としては十分な利回りが見込めそうだ」、ただ、借入金利が上がれば、「利回り」は急低下する。 「両社は熾烈なシェア争いを繰り広げてきたが、ヤマトの投函商品は仕分けなどが主力の「宅急便」と別の仕組みだった。バイクを軸に全国規模で小回りの利く態勢を整えることも難しく、日本郵便のような「精度の高さや安定性は、真似してもたどり着けなかった」、なるほど。 リスクを抱えている。 「ネコポスは当初、10月に総量20%の荷物から移管する計画だったが、「スモールスタートで確実に実施する観点からエリアを限定し、約13%の引き受けから始める」(日本郵便)と見直した。今後は段階的に引き受けを進め、2025年に完全移管する見通しだ」、「ヤマトも業務を委託するとはいえ、自社ブランドのサービスであることに変わりはない。移管でトラブルが発生すればイメージダウンにつながるおそれもある。 東洋経済オンライン「日本郵便へ移管開始「ネコポス」終了の前途多難 荷物移管量を当初計画より抑えた「慎重な船出」」 年収が額面ベースで800万円程度の40代の局長を事例に、局長会活動の費用負担を概算で示すと、下記の表のようになる」、表によれば、年間24万円程度。「さらに、全特が例年5月に開く総会に参加させられるときも、そのつど10万〜20万円の臨時出費が課せられる。 部会や地区会レベルでは、強制参加の懇親行事や飲み会が数多い。局長会の会員として組織のために負担する費用は、ことのほか重い」、かなり重い負担のようだ。 「10月からはネコポスの移管がスタートする。こちらも委託会社との調整が必要になる。ネコポスはヤマトのセールスドライバーを中心に配達しているが、EC事業者向けサービス「EAZY(イージー)」の配達を担う委託会社のドライバーも運んでいる。 ネコポスがなくなる分、委託会社には追加でイージーの配送を依頼するなど荷物量の調整が必要になる。ある下請け業者は「イージーを配送しながらネコポスも運んできたのに、なくなってしまうのは困る」と不満を口にする。委託会社と良好な関係を維持していくことも課題だろう」、なるほど。 「ソフトボール大会は、組織の結束力や個人の忠誠心を試す重要行事の一つ。多くの局長は、強制参加だ。県単位で予選を開き、本戦の地方大会で勝者を決める地方が多い。地方大会を勝ち抜くと全国大会に招かれ、大会前夜にはホテルのホールで大宴会を開く。 1990年から続く恒例行事で、最近は新型コロナの影響で中止されてきたが、2022年から徐々に再開し、秋には沖縄県で全国大会を催した」、 日経新聞「日本郵政、郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」」 「局長1人が組織のために払わされる費用の総額は、ヒラの局長でも年20万円を優に超える。積立金や保険の支払いなどを足せば、金額はもっと大きい。臨時の出費も少なくなく、部会長や地区役員といった役職に就くと徴収額はさらに増える。局長の数で単純計算すれば、少なく見積もっても年40億円超が全国で安定的に吸い上げられるシステムになっている。 サービス品質を保つために、日本郵便と密に連携していくことが欠かせない」、「移行」が円滑に進んでほしいものだ。 なるほど。 「ソフトボール大会にかかる費用は、局長限定のお遊びだけに、さすがに日本郵便の経費をあてるわけにもいかず、会員から徴収するお金が元手になる。うっかり全国大会に勝ち抜くと、臨時の遠征費まで払わされる。こうして費用を積み上げていくと、会員の負担がいかに重たいかが浮かび上がる』、「ソフトボール大会は、組織の結束力や個人の忠誠心を試す重要行事の一つ。多くの局長は、強制参加だ。県単位で予選を開き、本戦の地方大会で勝者を決める地方が多い。地方大会を勝ち抜くと全国大会に招かれ、大会前夜にはホテルのホールで大宴会を開く」、 新刊『郵便局の裏組織』 現代ビジネス「日本国民は気づいていない「郵便局長組織」のヤバすぎる実態…毎年40億円が吸い上げられていく」 「郵政民営化で07年に発足した。国内の郵便局はその際から250ほどしか減っていない。郵便物などの取扱数はインターネットの広がりなどで、ピーク時の01年度の267億通から22年度は185億通と3割減った。 日本郵便の業績も低迷する。連結営業利益はピークの19年3月期に比べ、22年3月期は19%減り、1482億円になった」、 だ抵抗もあるため、増田氏の改革は難航せざるを得ないようだ。 「日本郵政も26年3月期までの中期経営計画に戦略的なIT(情報技術)に4300億円程度、不動産に5000億円程度を投資すると盛り込んだ。M&Aなどにも最大1兆円程度を投じる方針だ。増田氏は「成長に向けては自前主義ではない」と明言し、業種を超えた提携や出資に意欲を示す」、「増田氏は聖域となっていた分野の改革に着手すると踏み込んだ。実現すれば大きな転換となる。中長期の課題となるだけに改革を着実に進めるしかけも重要になる」、郵政の改革への最大の抵抗勢力である特定郵便局の局長組織(次の記事)による政治家を巻き込ん 「ユニバーサルサービスの水準は維持した上で、新たな形でサービス改善を実感してもらう」と強調した」、「見直し表明の背景にあるのは日本郵政グループの収益構造のいびつさだ。日本郵政の22年3月期の連結経常利益9914億円の85%はゆうちょ銀行とかんぽ生命保険によるものだ。 金融2社は日本郵便に対し、預貯金や保険販売などの業務委託費を払うほか、郵便のネットワーク維持を名目とした「交付金」を負担している。22年3月期のこれらの支払いは8000億円を超えた」、 「郵政民営化法は日本郵政に対し、郵便や金融について郵便局を窓口とし全国一律・同水準のユニバーサルサービスの提供を義務付けている。 地方を中心に郵便局の減少に慎重な政治圧力もあり、日本郵政は本格的な統廃合の可能性に言及してこなかった」、「増田氏は抜本的な統廃合を検討する意向を示した・・・統廃合の時期は「40年が一つのタイミングになる」と述べ、30年代後半から本格検討が必要との認識を示した。 (その19)(日本郵政 郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」、日本国民は気づいていない「郵便局長組織」のヤバすぎる実態…毎年40億円が吸い上げられていく、日本郵便へ移管開始「ネコポス」終了の前途多難 荷物移管量を当初計画より抑えた「慎重な船出」) 日本郵政
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本の政治情勢(その68)(「エッフェル姉さん」松川るい氏 “議員の資質”が疑われる根本問題を元官僚が指摘<、歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない、杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先・・・札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定) [国内政治]

日本の政治情勢については、8月19日に取上げた。今日は、(その68)(「エッフェル姉さん」松川るい氏 “議員の資質”が疑われる根本問題を元官僚が指摘<、歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない、杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先・・・札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定)である。

先ずは、9月1日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「「エッフェル姉さん」松川るい氏、“議員の資質”が疑われる根本問題を元官僚が指摘」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328396
・『松川るい参院議員を団長とする自民党女性局によるフランス視察について、多くの国民からの批判が殺到している。一方で、「この程度はまだいい方だ」とか「ちゃんと成果はあったはずだ」といった擁護の声も少ないながらも聞こえてくる。本件について筆者は批判側であるが、怒りに任せた批判のための批判では、何が本当に問題なのかが分からなくなり、視察や調査などのための海外出張が一律に萎縮することになりかねないことが懸念される。そこで、自らの経験も踏まえながら、問題の本質を整理してみた』、興味深そうだ。
・『議員としての矜持が疑われる軽率な行動  本件は、エッフェル塔の前で、松川るい参院議員らがエッフェル塔のようなポーズを取った写真をSNSに掲載したことに端を発する。「これではまるで観光旅行ではないか」「自費での旅行ならいざ知らず、公費も原資となった視察出張で堂々と観光とは何事か」といった批判が一気に集まった。  その後、写真はSNSから削除されたが、国民の怒りは収まらず、それどころか謝罪なき、言い訳がましい釈明が国民の怒りに油を注ぐことになり、さらに、すっぱ抜かれた行程表により、全行程3泊5日のうち、実際の職務(研修という名目になっている)に充てられた時間はたった6時間で、シャンゼリゼ通りでの2時間のショッピングの時間も確保されていたことも明らかになり、収拾がつかない状況になっている。 この問題の本質は何か?  国会議員の出張であるにもかかわらず、さも観光に行ったかのような写真をSNSに掲載した軽率さが第一の問題である。 国会議員がSNSや自らの公式サイトなどに写真を掲載するとしても、国会での質疑の様子や、関係団体との懇談や要望を受けたときの様子、行事に参加した際の写真、海外であれば訪問先の行政機関の長や政治家と一緒に撮った写真である。国民・有権者に対して自らの熱心な仕事ぶりをアピールする絶好の機会なのだから当然であろう。 実際に撮影していたとしても、観光写真の類いは掲載しないのが当然である。議員としての矜持が疑われかねないし、実際、松川議員の地元選挙区では、それが疑われ始めているようだ。 仮にこれを民間企業に置き換えてみても、どんな事業を進めているのか、どんなクライアントと仕事をしているのか、提携先はどこなのかなどを知られることになりかねないので、仕事関連の写真のSNSへの掲載は厳に慎むのが今や当たり前である。無論、政治家同様に何かをアピールしたい場合は掲載することもあり得るが、それは話がまとまって公表可能となった段階の話である。  なお、この話を第一の問題として持ってきたのは、これが発端であるということに加えて、最低限認識されて当然のことだからである』、「観光写真の類いは掲載しないのが当然である。議員としての矜持が疑われかねないし、実際、松川議員の地元選挙区では、それが疑われ始めているようだ」、なるほど。
・『海外出張における観光はどこまで許されるか  第二の問題は、当初からの行程において、職務(研修)が半分以下、観光的日程が半分以上であったことである。 出張である以上、「観光する時間が少しでもあるのはまかりならん」とまではいえまい。せっかく行ったのだから、朝の時間を利用して宿舎から徒歩で行ける範囲内で名所・旧跡を見に行くとか、ちょっとした買い物をするとか、そうした隙間時間での観光的な行動まで禁止するのはやりすぎだろう。 要するに、出張は職務が中心なのだから、数時間も確保するような観光的な日程はそもそも入れてはいけないということだ。行程表に観光日程があるようでは、職務の時間があったとしても「職務は名目にすぎず、本当の目的は観光なのではないのか」と批判されても仕方があるまい。 繰り返すが、海外出張に行った際に、観光的な行動は一切してはいけないというのではなく、観光するのであれば、あくまでも時間があるときに付随的に行うものだということだ。 筆者が国家公務員として最後に海外出張に行ったのが、まさに今回問題になったフランスとベルギーであったが、フランスでは在日フランス大使館のご好意もあり、午前午後とみっちりヒアリングなどの日程を入れることができた。 また、ベルギーでの目的はEU本部でのヒアリングと日本の制度の紹介であったが、アポは午前中だったのでパリから早朝の特急でブリュッセルに向かい、午後、帰りの電車までの時間、多少ブリュッセル市内を見て回った。とはいえ、その半分は、昼食および裁判所見学による資料集めに費やしたのだが。 パリでも、調査終了後、隙間時間を見つけて近くの美術館を短時間、駆け足で訪れることもあったが、できる観光はその程度。また別の機会で、海外での国際会議に出席する幹部に随行した際は、会議開催中の隙間時間はほぼゼロで、宿舎のホテルの周辺を多少散歩する程度だった。松川議員がかつて在籍していた外務省でも、こうしたことは当たり前だと思う』、「出張は職務が中心なのだから、数時間も確保するような観光的な日程はそもそも入れてはいけないということだ。行程表に観光日程があるようでは、職務の時間があったとしても「職務は名目にすぎず、本当の目的は観光なのではないのか」と批判されても仕方があるまい」、その通りだ。
・『自民党女性局のフランス視察は明確な目的が設定されていたのか  筆者の考えに対し、「いやいや国費の出張なのだから、少しでも観光するなどあってはならない」と主張する方もおられるかもしれない。 言わんとすることは分からないでもない。だが、目的は職務の遂行であってその目的が達成されれば、その目的にかなうような日程が組まれていればよく、隙間時間や帰国便までの余裕時間も何もするなというのは、少々極端すぎるのではないか。 いずれにせよ、今回の自民党女性局のフランス視察は、職務の遂行という目的が達成されたのかを問題にする以前に、行程表から考えるに、そもそも目的が明確に設定されていたのか、ということである。 筆者は前述のフランス・ベルギー出張の結果を報告書として所属部局内で共有するとともに、外部専門誌(『国際商事法務』)や、当時所属していた総務省の外局である公害等調整委員会の広報誌にその概要を、一緒に出張した課長級の方との共著という形式で、連名で執筆・掲載したが、そこには、出張の目的と手段(ヒアリング先など)と得られた成果について記載してある。 これは筆者に限った話ではなく、国家公務員による調査などの海外出張であれば当然であるので、ぜひさまざまな報告書を参照していただきたいと思うが、今回の自民党女性局出張の場合はどうであろうか。 行程表に記載された観光的日程について、例えばショッピングが目的であれば、手段はシャンゼリゼ通りの店舗を訪れることであり、得られた成果はそこで購入したものということになる。この日程についてはどう報告書などに記載してあるのだろうか。 海外出張が必要であれば、国会議員、地方議員にかかわらず、大いに行っていただきたいと思う。目的と手段、そしてその関連性が明確な出張であれば、時間に余裕ができたときに、多少観光することまで禁止したり、抑制的になったりする必要はない。むしろ今回の件が引き金となって、海外出張全般について抑制的になったり、海外での行動が萎縮されてしまったりしたら、海外出張自体の意味や意義が減退してしまうことにもなりかねない。 今回の自民党女性局案件については、「あれでは観光旅行だ!」といきり立つばかりではなく、何が問題なのかを少々冷静に考えていただきたいものであるし、それが国会議員や国家公務員による海外出張に対する正しい理解や適正な評価につながっていくのではなかろうか』、「目的は職務の遂行であってその目的が達成されれば、その目的にかなうような日程が組まれていればよく、隙間時間や帰国便までの余裕時間も何もするなというのは、少々極端すぎるのではないか・・・今回の自民党女性局のフランス視察は、職務の遂行という目的が達成されたのかを問題にする以前に、行程表から考えるに、そもそも目的が明確に設定されていたのか、ということである」、いずれにせよ、「松川氏」は海外旅行が初めてのミーハーではなく、海外出張もやり馴れた外務省職員というキャリアウーマンだったに、今回のような初歩的なミスをしたとは信じ難い。

次に、9月16日付けPRESIDENT Onlineが掲載した徳島文理大学教授・評論家の八幡 和郎氏による「歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/73874
・『政治家にはどんな学歴が求められるのか。評論家の八幡和郎さんは「先進国の指導者の多くが輝かしい学歴の持ち主だが、近年の日本の総理大臣はそうではない。国内トップクラスの学歴と知力と専門知識、そして高度な国際経験を持つ人材が指導者でなければ、あらゆる分野で世界の最先端から遅れてしまうだろう」という――』、みっともない話だ。
・『最後の「東大卒・元官僚」は宮澤喜一氏  大統領や首相など国の指導者は、すべての職業の中でも、最高の知力、専門知識、職業経験を必要とする仕事のはずである。実際、米国はハーバード大学、英国はオックスフォード大学、フランスはフランス国立行政学院(ENA)の卒業生が多い。 日本でも、戦前の首相は帝国大学出身の官僚か職業軍人が原則だったし、戦後も昭和が終わるまでは官僚、弁護士、ジャーナリストなどが多かった。 ところが、平成になると地方政治家が多くなり、やがて世襲政治家の天下になった。最後の東京大学法学部出身で元官僚の宰相は、1991年に就任した宮澤喜一である(93年に退任)。 それ以降、上智大学出身の細川護熙以降の最終学歴は、成城大(羽田孜)、明治大(村山富市)、慶應大(橋本龍太郎)、早稲田大(小渕恵三)、早稲田大(森喜朗)、慶應大(小泉純一郎)、成蹊大(安倍晋三)、早稲田大(福田康夫)、学習院大(麻生太郎)、東京大工学部(鳩山由紀夫)、東京工業大(菅直人)、早稲田大(野田佳彦)、法政大(菅義偉)、早稲田大(岸田文雄)だ』、「最後の東京大学法学部出身で元官僚の宰相は、1991年に就任した宮澤喜一」、もうそんなに長いこと「東京大学法学部出身で元官僚の宰相」が出ていないとは、改めて驚かされた。
・『トップクラスの知力の持ち主とは言いがたい  学歴が一人ひとりの知的水準をそのまま表しているわけではないにしても、全般的に見たとき、諸外国の指導者のほとんどが、自国におけるトップクラスの学歴と知力、一般教養、専門知識を持っているのとは大違いだ。上記の総理大臣の学歴リストは、たとえば、一流企業総合職採用の出身校の分布より低レベルなのではないか。 上記のなかで、知力では東京大学工学部卒の鳩山由紀夫が群を抜いているのだろうが、器用な受験勉強的秀才で、一般教養を深めた風情でない。細川護熙は近衛家の伝統につながる公家的で特殊な教養人だ。安倍晋三は地頭の良さは間違いないが、本当にまじめに本を読んで勉強したのは、第1次政権で大失敗して下野してからという印象がある。 これから詳しく分析するように、戦前から戦後にかけての歴代首相が、旧制高校から帝国大学、陸軍士官学校・海軍兵学校から陸軍大学・海軍大学、さらに、ほとんどが海外留学・勤務の経験を持っていたのと比べ、劣化が激しいのである』、「上記の総理大臣の学歴リストは、たとえば、一流企業総合職採用の出身校の分布より低レベルなのではないか」、なるほど。
・『江戸時代は恐るべき低学歴社会だった  歴史的経緯を振り返ると、江戸時代の日本には高等教育機関は存在しなかったし、科挙もなかったので、恐るべき低学歴社会だった。藩校も低レベルの漢学を教えて中国語の読み書きはできるようになったが、あとは、少しばかりの歴史や論理的思考をつまみ食いしていただけだ。 庶民が学べる中等教育学校はなく、家庭教師か私塾くらいしか学ぶ方法はなかった。ようやく幕末になって学問ブームが起き、適塾(大阪)、咸宜園(豊後日田)、松下村塾(萩)などが現れ、さらに慶應義塾に至って高等教育機関らしくなった。幕府、各藩が競って洋学校も設立した。 明治になると、帝国大学(最初は東京だけ)のほか、外国人教官を呼んで留学準備や初歩的な学問を教える学校、軍の学校が設立されたが、体系的な学校制度となったのは、1890年前後からだ。連続テレビ小説「らんまん」で主人公が帝国大学に出入りし始めたのは1884年で、そのころは、外国人教官が留学帰りの日本人に置き換わりつつある時期だった』、「江戸時代は恐るべき低学歴社会だった」、確かにその通りなのだろう。
・『海外事情に精通していた明治時代の首相たち  明治時代の首相はいずれも維新の功労者であり、近代学校制度ができる前の人たちだが、伊藤博文をはじめ、海外留学や数カ月以上の長期視察で海外の事情をしっかり勉強した国際人ばかりだった。例外は、海外渡航経験ゼロの大隈重信だが、もともと長崎の英語学校出身だし、耳学問で世界に通じていた。 大正から終戦までは、首相は帝国大学出身の官僚か職業軍人ばかりとなり、私学出身者は慶應大学出身の犬養毅(ジャーナリスト。少し公務員経験もある)だけ、官僚経験がないのは、旧制一高から京都大学で学び、25歳で貴族院議員となった近衛文麿だけだ。そして、ほとんどが海外留学・勤務の経験者だった。 戦後は旧軍人が排除され、官僚出身者(幣原喜重郎、吉田茂、芦田均、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、福田赳夫、大平正芳、中曽根康弘)が主体になった。そのほか、東京大学出身の弁護士(片山哲、鳩山一郎)、早稲田大学出身のジャーナリストだった石橋湛山、高等小学校卒で工務店経営者だった田中角栄、それに、明治大学在学中から長期の洋行を繰り返し卒業直後の選挙で代議士となった三木武夫がいた』、「明治時代の首相は・・・伊藤博文をはじめ、海外留学や数カ月以上の長期視察で海外の事情をしっかり勉強した国際人ばかりだった」、なるほど。
・『総理候補になるだけでも高いハードルがあった  このころ総理大臣候補になるには、たとえ学歴や官僚経験がなくとも、官僚出身者が多い政界で、十分に政策論で対抗する能力が必須であり、外務大臣、大蔵大臣、通産大臣のうちふたつを経験することが総理の条件と言われたこともあった。 だが、大平正芳が現職のまま死去して、妥協の産物として水産講習所(現東京海洋大学)出身で重要閣僚経験がない鈴木善幸が総理になってから、学歴も重要ポストの経験も問われず、政治的な駆け引きと大衆人気だけで総理が決まるようになった。 古典的な官僚出身者である中曽根康弘の後は、はじめての県議出身だった竹下登、同じく宇野宗佑、議員秘書出身の海部俊樹が続き、宮沢喜一以降は先述の通りだ。親が政治と関わりがなかったのは、村山、菅直人、野田だけである(菅義偉の父は町会議員)』、「大平正芳が現職のまま死去して、妥協の産物として水産講習所(現東京海洋大学)出身で重要閣僚経験がない鈴木善幸が総理になってから、学歴も重要ポストの経験も問われず、政治的な駆け引きと大衆人気だけで総理が決まるようになった」、なるほど。
・『英国・フランスの指導者の「華麗なる学歴」  一方、海外ではどうだろうか。もっともエリート主義的なのは、英国とフランスだ。英国では、サッチャー以降の9人の首相のうち、7人が「THE世界大学ランキング」7年連続1位のオックスフォード大学卒で、例外は高校中退のメージャーとエディンバラ大学歴史学科のブラウンだけ。 フランスは、エリート官僚養成校であるENA(国立行政学院、現在は改組されてINSP)出身者が、ジスカールデスタンからマクロンまで6人の大統領のうち4人を占めている。例外はいずれも弁護士出身のミッテラン(ENA設立以前の世代)とサルコジ(ENAの登竜門であるパリ政治学院を終了できなかった)だけだ。 米国では、大学より大学院が問題だが、平成以降に就任した6人の大統領のうち4人(ブッシュ父子、クリントン、オバマ)が、エリート校であるハーバード大学、イェール大学や大学院に何らかの形で在籍していた。例外は、トップクラスのビジネス・スクールであるペンシルベニア大学ウォートン・スクール出身者のトランプと、中の下クラス(小室圭氏のフォーダム大学より下位に位置づけられる)であるシラキュース大学ロースクール出身のバイデンだ。 ドイツの場合、すべての大学が同じ基準で単位を与える仕組みなので、大学名からは学力・知力を判断できないが、コールとメルケルは博士、シュレーダーとショルツは弁護士である』、確かに「英国・フランスの指導者の「華麗なる学歴」は際立っている。
・『指導者の低学歴は日本の悪しき伝統  ゴルバチョフ以降のソ連・ロシアの指導者を見ると、ゴルバチョフは最難関であるモスクワ大学、プーチンとメドベージェフは名門レニングラード大学(現サンクトペテルブルク大学)の法学部。エリツィンはウラル工科大学の建築科、ミシュスチン首相もエンジニアだ。 中国の国家主席では、江沢民は上海交通大学、胡錦濤と習近平はいずれも清華大学出身のエンジニアである。首相も李鵬、朱鎔基、温家宝がエンジニアで、李克強は北京大学法学部、李強は農業エンジニアである。社会主義国ではエンジニアが経済運営の中心にあることの伝統を引き継いでいるといえる。 このようにまとめてみると、いかに日本の歴代総理の学歴が低レベルであるかが理解できるだろう。指導者の低学歴というのはこの国の悪しき伝統であり、政界に限った話ではない。 江戸時代の教育水準が高かったとかいう人がいるが、仮名(かな)というものがあるので低レベルながら読み書きができる人が多かっただけだ。武士は藩校で九九すら教えられなかったから、プロの官僚ないし軍人の役割は果たせず、勘定方とか兵法学者といった世襲の職人集団が担っていた』、「武士は藩校で九九すら教えられなかったから、プロの官僚ないし軍人の役割は果たせず、勘定方とか兵法学者といった世襲の職人集団が担っていた」、「藩校で九九すら教えられなかった」というのは初めて知った。
・『(日本人の留学熱、学習意欲はすっかり冷めている  戦前の旧制高校は一般教養を学ぶにはよかったが、帝国大学で初歩的な専門知識を得た後、官僚になってから仕事や海外勤務での見聞を通じて海外事情についての知識を補った。軍人も軍の大学で学部レベルの勉強はするが、その後、海外で武官として最新知識を得た。 戦後の官僚や企業幹部も、国内では大学院に進まず、大学院レベルの学びは海外留学に頼っている。経済産業省作成の資料によると、日米の時価総額上位100社の経営者のうち、日本では84%が学部卒で大学院修了は15%。米国は67%が院卒で、博士課程修了者も1割いる。 しかも、留学組が政界でも経済界でも優遇されているかといえばそうでもない。さらに、日本人の留学熱はすっかり冷めている。 明治初期は留学熱がすさまじかったのに、国内の教育体制が整備され、そこそこの勉強ができるようになると、それで満足してしまった』、「日米の時価総額上位100社の経営者のうち、日本では84%が学部卒で大学院修了は15%。米国は67%が院卒で、博士課程修了者も1割いる。 しかも、留学組が政界でも経済界でも優遇されているかといえばそうでもない。さらに、日本人の留学熱はすっかり冷めている・・・明治初期は留学熱がすさまじかったのに、国内の教育体制が整備され、そこそこの勉強ができるようになると、それで満足してしまった」、寂しい現状だ。
・『日本が世界の最先端から遅れてしまった理由  そしていま、同じことが起きつつある。私(1951年生まれ)たちの世代から今世紀初頭までは留学熱が高く、競って海外の有名大大学院へ行ったし、留学先は喜んで「新しい超大国」になった日本人を官民問わず受け入れてくれた。 しかし現在、米中対立で少し歯止めがかかってはいるが、欧米の名門大学では日本人が減り、中国人など他のアジア系の学生だらけになっている。こんな状態では、日本はあらゆる分野で世界の最先端から遅れてしまう。 もちろん、日本では本人の能力や職歴より、誰の子どもかのほうが総理大臣の道に進めるかどうかの決め手になるから、政治家の子どもの留学熱が高いのは歓迎したい。だが、これまでは、箔付けと語学を学ぶことが主目的となり、修士や博士になることはオマケ扱いだった。小泉純一郎、麻生太郎、安倍晋三などがそうだ』、「政治家の子どもの留学熱が高いのは歓迎したい。だが、これまでは、箔付けと語学を学ぶことが主目的となり、修士や博士になることはオマケ扱いだった。小泉純一郎、麻生太郎、安倍晋三などがそうだ」、なるほど。
・『総理大臣の低学歴化が影響しているのではないか  閣改造後の新閣僚では、河野太郎が日本でなく米ジョージタウン大学卒、上川陽子、西村康稔、伊藤信太郎、加藤鮎子が米国の大学院を修了している。総理候補と言われる茂木敏充、林芳正、小泉進次郎、玉木雄一郎なども同様だ。留学ブームだった世代が閣僚適齢期になった反映である。 「日本はもはや先進国ではない」と言われて久しいが、国の指導者である総理大臣の近年の低学歴化・海外経験の乏しさが影響しているように思えてならない。 「総理大臣はかつてのように東大卒を主にすべき」というわけでないが、激動の国際情勢や金融情勢についていくには、少なくとも国内トップクラスの学歴と知力と専門知識を持ち、さらには高度な国際経験を持つ政治家、あるいは、学歴はなくとも彼らと議論して負けない政治家が総理候補となるのが望ましいだろう』、「総理大臣の近年の低学歴化・海外経験の乏しさ」は確かに嘆かわしいが、どんなキャリアの政治家を選ぶか、首相にするかは、言うまでもなく、国民や一般政治家の選択の問題だ。

第三に、9月21日付け日刊ゲンダイ「杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先・・・札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/329410
・『20日、X(旧ツイッター)で「人権侵犯」がトレンド入りした。ジャニーズ事務所の性加害問題で世界中から日本の「人権」意識が問われているなか、法務省に差別発言が認定された自民党の杉田水脈議員(56)の今後が注目されている。 杉田氏は、7年前の2016年、国連の会議に参加したときのことについて、自身のブログで「国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「完全に品格に問題があります」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などとアイヌ民族を差別する投稿を行った。 これに対し、今年3月、アイヌの女性が札幌法務局に人権救済を求める申し立てをし、今月7日付で札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定した。 だが、当の本人は報道で明るみに出るまで、事実を公表しておらず、報道後もコメントを出していない。 一方、自身のXでは7日以降も"通常運転"。12日には「石ノ森章太郎 テレビヒーロー大全」の写真とともに、「石垣島から山口県を経由して東京の家に帰ってきたら、届いてました!! きゃー! 家にこもってずっと見ていたい…。そんな訳にはいきません。かと言って、移動の飛行機や新幹線のなかで読んでたら隣の人にギョッとされそうで怖い」とお気楽投稿。その後もヒーローに関する投稿や、15日には「阪神優勝!おめでとうございます。…中略…セールに行っている時間は無さそうですが、どこかでお祝いモードに浸りたいです♪」と盛り上がっていた。) また、今回の問題が北海道新聞に報じられた19日には、Xで「文京区で行われた『新しい教科書をつくる会 東京支部』主催の講演会へ。用意した席では足らず、追加した椅子も満杯になるくらい、多くの皆さんがお越しくださいました」と報告。これには《新しい歴史教科書からアイヌを削除するのはやめましょう》《政治家が教科書に介入するな。歴史学者に任せろ》などと批判の声も出ていたが、杉田議員には響いてなさそうだ。 国民の怒りは、人権侵犯が認められた議員を総務大臣政務官に任命していた岸田文雄首相(66)にも向いている。しかも、このタイミングで、ニューヨークの国連本部で開かれている国連総会の一般討論演説でロシアのウクライナ侵攻などに触れつつ「『人間の尊厳』が尊重される国際社会を」と訴えたことから、SNSはツッコミと批判で炎上中。 《杉田水脈議員を政務官にしたり、「政府に記録がない」と逃げたり。言行不一致も甚だしい》《差別発言を繰り返す杉田水脈を政務官に任命した癖に》 《国連まで出かけて人間の尊厳を唱える岸田には、法務省に人権侵害を指摘された杉田ま水脈についての見解を伺いたい》 《岸田首相、人間の尊厳を言うなら杉田水脈を最低限自民党から追放しろよ》 などと、責任を問う声で溢れている』、「法務省に差別発言が認定された」というのは一般の新聞にも出たのだろうか、記憶がはっきりしない。「《差別発言を繰り返す杉田水脈を政務官に任命した癖に》 《国連まで出かけて人間の尊厳を唱える岸田には、法務省に人権侵害を指摘された杉田ま水脈についての見解を伺いたい》」、その通りだ。
タグ:(その68)(「エッフェル姉さん」松川るい氏 “議員の資質”が疑われる根本問題を元官僚が指摘<、歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない、杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先・・・札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定) 室伏謙一氏による「「エッフェル姉さん」松川るい氏、“議員の資質”が疑われる根本問題を元官僚が指摘」 日本の政治情勢 ダイヤモンド・オンライン いずれにせよ、「松川氏」は海外旅行が初めてのミーハーではなく、海外出張もやり馴れた外務省職員というキャリアウーマンだったに、今回のような初歩的なミスをしたとは信じ難い。 「観光写真の類いは掲載しないのが当然である。議員としての矜持が疑われかねないし、実際、松川議員の地元選挙区では、それが疑われ始めているようだ」、なるほど。 「政治家の子どもの留学熱が高いのは歓迎したい。だが、これまでは、箔付けと語学を学ぶことが主目的となり、修士や博士になることはオマケ扱いだった。小泉純一郎、麻生太郎、安倍晋三などがそうだ」、なるほど。 日刊ゲンダイ「杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先・・・札幌法務局は「人権侵犯の事実があった」と認定」 「目的は職務の遂行であってその目的が達成されれば、その目的にかなうような日程が組まれていればよく、隙間時間や帰国便までの余裕時間も何もするなというのは、少々極端すぎるのではないか・・・今回の自民党女性局のフランス視察は、職務の遂行という目的が達成されたのかを問題にする以前に、行程表から考えるに、そもそも目的が明確に設定されていたのか、ということである」、 もうそんなに長いこと「東京大学法学部出身で元官僚の宰相」が出ていないとは、改めて驚かされた。 「江戸時代は恐るべき低学歴社会だった」、確かにその通りなのだろう。 八幡 和郎氏による「歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない」 「武士は藩校で九九すら教えられなかったから、プロの官僚ないし軍人の役割は果たせず、勘定方とか兵法学者といった世襲の職人集団が担っていた」、「藩校で九九すら教えられなかった」というのは初めて知った。 PRESIDENT ONLINE 「法務省に差別発言が認定された」というのは一般の新聞にも出たのだろうか、記憶がはっきりしない。「《差別発言を繰り返す杉田水脈を政務官に任命した癖に》 《国連まで出かけて人間の尊厳を唱える岸田には、法務省に人権侵害を指摘された杉田ま水脈についての見解を伺いたい》」、その通りだ。 「大平正芳が現職のまま死去して、妥協の産物として水産講習所(現東京海洋大学)出身で重要閣僚経験がない鈴木善幸が総理になってから、学歴も重要ポストの経験も問われず、政治的な駆け引きと大衆人気だけで総理が決まるようになった」、なるほど。 「日米の時価総額上位100社の経営者のうち、日本では84%が学部卒で大学院修了は15%。米国は67%が院卒で、博士課程修了者も1割いる。 しかも、留学組が政界でも経済界でも優遇されているかといえばそうでもない。さらに、日本人の留学熱はすっかり冷めている・・・明治初期は留学熱がすさまじかったのに、国内の教育体制が整備され、そこそこの勉強ができるようになると、それで満足してしまった」、寂しい現状だ。 「総理大臣の近年の低学歴化・海外経験の乏しさ」は確かに嘆かわしいが、どんなキャリアの政治家を選ぶか、首相にするかは、言うまでもなく、国民や一般政治家の選択の問題だ。 みっともない話だ。 「上記の総理大臣の学歴リストは、たとえば、一流企業総合職採用の出身校の分布より低レベルなのではないか」、なるほど。 確かに「英国・フランスの指導者の「華麗なる学歴」は際立っている。 「明治時代の首相は・・・伊藤博文をはじめ、海外留学や数カ月以上の長期視察で海外の事情をしっかり勉強した国際人ばかりだった」、なるほど。 「出張は職務が中心なのだから、数時間も確保するような観光的な日程はそもそも入れてはいけないということだ。行程表に観光日程があるようでは、職務の時間があったとしても「職務は名目にすぎず、本当の目的は観光なのではないのか」と批判されても仕方があるまい」、その通りだ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感