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暗号資産(仮想通貨)(その17)(ビットコイン暴落 投資家は「全てを失う覚悟を」(英規制当局)、ビットコイン爆騰 それはバブルの再来なのか イーロン・マスクの「支持表明」から再上昇、JPモルガン ビットコインでのヘッジを提案-ポートフォリオの1%、ビットコインはやはりバブルか?怪しい高騰の背景に「従来とは異なる事情」) [金融]

暗号資産(仮想通貨)については、昨年12月1日に取上げた。今日は、(その17)(ビットコイン暴落 投資家は「全てを失う覚悟を」(英規制当局)、ビットコイン爆騰 それはバブルの再来なのか イーロン・マスクの「支持表明」から再上昇、JPモルガン ビットコインでのヘッジを提案-ポートフォリオの1%、ビットコインはやはりバブルか?怪しい高騰の背景に「従来とは異なる事情」)である。

先ずは、本年1月12日付けNewsweek日本版が掲載した「ビットコイン暴落、投資家は「全てを失う覚悟を」(英規制当局)」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/01/post-95378_1.php
・『一部の事業者がリスクを軽視し、巨額の利益を謳って小口投資家をカモにしている、とも警告> ビットコインなどの暗号通貨(仮想通貨)に投資している人は、全てを失う覚悟をしておくべきだ――イギリスの金融規制当局は1月11日、こう警告した。 英金融行動監督機構(FCA)は、過去数カ月にわたって急騰していた暗号通貨の価格が、週末にかけて急落したことを受けて、11日に警告を発信。「暗号資産への投資、ないし暗号通貨関連の投資や融資は一般に、きわめて高いリスクを伴う」と声明で指摘。「消費者がこの種の金融商品に投資を行う場合には、全てを失う覚悟をしておくべきだ」と述べた。 しかしロンドン在住のアナリストは、ビットコインのファンダメンタルズ(基礎的条件)は依然として強く、機関投資家は今後も暗号通貨を保有し続けるだろうと考えている。 ロンドンにある外国為替・暗号資産調査会社「クオンタム・エコノミクス」のビットコイン・アナリスト、ジェイソン・ディーンは本誌に宛てたコメントで、「強気相場における調整局面は一般に健全なものと考えられている。トレーダーはここでポートフォリオのリバランスを行い、次の段階に備えることができる」と説明。「登山家が次のポイントを目指す前にひと休みするようなものだ」と述べた』、「調整局面」を「「登山家が次のポイントを目指す前にひと休みするようなものだ」、とは強気筋らしい見方だ。
・『FCA「換金できる保証なし」  さらに彼は、週末の価格急落は、小口投資家と機関投資家の相場観の違いによるものだと指摘した。 「手持ち資金の少ない個人投資家や、暗号資産について十分に理解していない投資家は、こういう状況になると売る傾向がある」と彼は説明。「だがこの価格下落を利用して、ビットコインの買い増しをする投資家もかなりの数にのぼるだろう」 英FCAは、暗号通貨には投資の原則が通用しない可能性があると指摘。「換金できるかどうかは市場の動向次第」であり、個人投資家が「暗号通貨を換金できる保証はない」と警告した。 JPモルガンは1月4日のリポートで、ビットコイン価格が14万6000ドルまで高騰する可能性があると予想していた。だが8日に4万1962.36ドルをつけて過去最高値を更新したビットコイン価格は、週末の取引では3万1045.70ドルへと約26%急落した。 バンク・オブ・アメリカは、ビットコインは「全てのバブルの母」の可能性があると警告。1990年代後半に始まったドットコム・バブルとその崩壊、約12年前の米住宅バブル崩壊やそれに続くサブプライムローン危機を引き合いに出し、警戒を呼び掛けた。) 英FCAは暗号通貨への規制や監督を強化しており、6日から暗号通貨を基に組成されるデリバティブ(金融派生商品)の個人向け販売を禁止。暗号通貨を扱う事業者はFCAへの登録を必須とし、登録していない事業者が投資を勧めれば「犯罪行為」になると警告している。 またFCAは、一部の事業者がリスクを軽視し、巨額の利益を謳って小口投資家をカモにしているとも警告した。 「高リスクで投機的な投資を行うにあたって、消費者は自分が何に投資をするのか、どのようなリスクがあるのか、規制当局によるどのような保護が適用されるのかをきちんと理解しておかなければならない」とFCAは述べ、「すぐに投資をとプレッシャーをかけられたり、話がうますぎたりする場合には用心すべきだ」と呼びかけた。 しかしクオンタム・エコノミクスのディーンは、市場の調整は健全なものだと主張。抜け目ない投資家がここで買い増しを行うことで、ビットコイン市場はさらに堅調になるだろうとの考えを示した。価格は下落したもののビットコインのファンダメンタルズは強いままで、「主に機関投資家からの需要があり、個人投資家もその後に続きつつある」と彼は指摘した』、「バンク・オブ・アメリカ」による「ビットコインは「全てのバブルの母」の可能性がある」との警告は出色だ。
・『供給量の約8割が流動性なし  ディーンはさらに、ビットコインは今や機関投資家の運用資産の一部になっているとも述べた。「聞くところによれば、多くの機関投資家はビットコインを恒久的に保有し続けるつもりだと言っている。暗号資産データ提供企業のグラスノードは最近の報告書で、ビットコイン資産全体の78%が『非流動的』だと指摘した。つまり価格にかかわらず、すぐに売買される可能性は低いということだ」 「テクニカル分析と投資家心理の両方に照らして、市場の調整局面入りはしばらく前から想定の範囲内だった」とディーンは述べ、「だが我々としては、調整局面はこれまでに比べて価格の下落幅が小さく、短期間で済む可能性が高いと考えている」とつけ加えた。 ディーンはまた、今回の価格下落を受けて、ビットコインを「単なる投機対象」で「通貨ではない」と結論づけるのは誤りだとも述べた。「ビットコインは支払い方法と支払いメカニズムがひとつになったものだ」と彼は指摘。「従来の通貨の定義には当てはまらない」前例のないものだから「規則もないし、評価する上での比較対象もない」と述べた』、「供給量の約8割が流動性なし」とは、まるで持ち合い株式のようだ。「ディーンの見方はやはり強気一辺倒なようだ。

次に、2月7日付け東洋経済プラス「ビットコイン爆騰、それはバブルの再来なのか イーロン・マスクの「支持表明」から再上昇」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26126
・『「デレマスの輿水幸子」の次に“推した”のはビットコインだった――。電気自動車メーカーのテスラCEOで世界的大富豪でもあるイーロン・マスク氏の発言がSNS上をざわつかせている。 アイドル育成ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」(デレマス)のキャラクター画像をマスク氏がツイートしたのは1月中旬のこと。ツイートをめぐってはその真意を探ろうと臆測が飛び交い、ゲームを制作しているバンダイナムコホールディングスの株価を上げた、との見方まで出た。 そのマスク氏が2月1日、音声版ツイッターといわれる「クラブハウス」でビットコインについて言及。「私はビットコインのサポーターだ」「ビットコインは金融界の人々からも受け入れられる直前にある」と述べた。この発言を受けて、ビットコイン価格は一時跳ね上がった』、日経新聞によればこの他にも「販売代金をビットコインで受け入れる」と言明したようだ。
・『金融界の投資マネーが主役に  暗号資産情報サイトの「コインマーケットキャップ」によると、ビットコイン価格は2021年1月8日に440万円台の史上最高値をつけた。その後は調整が入り300万台に下がったが、足元では再び400万円に迫っている。ビットコイン価格が初めて200万円を突破した2017年の相場は「仮想通貨バブル」と呼ばれる(2020年の資金決済法の改正で、法令上の呼称が「仮想通貨」から「暗号資産」になった)。価格上昇を牽引したのは日本や韓国の個人投資家だった。 暗号資産を簡単に言うと、ネット上でやりとりできる「財産的価値」。ドルや円などの法定通貨と交換できるが、暗号資産そのものに価値が保証されているわけではない。従って、需給で価格が上下に大きく動く。 急騰を呼んだ2017年当時との大きな違いは、マスク氏の発言にあるようにアメリカを中心とした金融界からの投資マネーが相場の主役になりつつあることだ。暗号資産情報サイトによると、直近のビットコインの取引に占めるドルの割合は全体の約7割を占める。 投資マネーの代表例が「グレイスケール」というアメリカのファンドだ。同ファンドを通じて機関投資家の資金が暗号資産に流入している。その額は2020年の1年間で57億ドル(6000億円)に上り、ビットコインで運用するファンドの運用資産残高は直近で230億ドル(2.4兆円)に達した。 また、海外の報道によれば、生命保険のマスミューチュアルなど伝統的な機関投資家もビットコインの保有に乗り出している。これらの機関投資家は、中長期のスパンで資金を投じていると考えられるため、容易には売りに回らず相場を下支えする保有者とみられている。 事業会社も動きつつある。データ分析を手がけるナスダック上場企業のマイクロストラテジーは、2020年に入ってからビットコインに2000万ドル(21億円)を投じた。過去に投資した分も合わせて2800億円分を所有している。同社CEOのマイケル・セイラー氏は、「株主に1000億ドルの利益を提供したければ、テスラのバランスシートをドルからビットコインに転換してみて」とツイッターでマスク氏に呼びかけた人物だ。 クジラと名付けられた大口投資家たち(これら大口投資家の動向は、ビットコインアドレス(口座番号のようなもの)からもわかる。顧客口座数でアメリカでトップクラスの暗号資産交換所「クラーケン」は、100ビットコイン(約4億円)以上を持つアドレスをその存在感の大きさから「クジラ」と定義。グループ内の調査組織でアドレス数とそのアドレスが保有しているビットコインの量を調べている。 データによると、2017年相場と比べてクジラの数は約1割少ない反面、そのビットコイン保有量は当時を上回っている。保有量は現在のビットコインの発行量の約6割を占める。2020年の1年間での保有量の増加幅は2%。わずか2%増とはいえ、「ビットコイン価格がこの間上がっているので投下している資金額は相当な額になるはず」と、クラーケン・ジャパンの代表である千野剛司氏は話す。 機関投資家を中心にビットコイン投資に動くのは、インフレ懸念の高まりが背景にある。新型コロナ感染拡大を受けてアメリカでも景気対策として巨額の金融緩和と財政出動を行った。その結果、ドル安が進み、金(ゴールド)などとともにインフレ回避に有効な資産としてビットコインに注目が集まった』、「ビットコインで運用するファンドの運用資産残高は直近で230億ドル(2.4兆円)に達した」、「ビットコイン」価格が金融資産価格とは無関係に動くため、代替投資(オールタナティブ投資)として、資産の一定量を投資することになったようだ。
・『一方、日本では以前のような過熱感がない。暗号資産の国内交換業大手・コインチェック社長の蓮尾聡氏によると、「取引量は2倍、3倍と増えているが、そこまでの盛り上がりはない」という。仮想通貨バブル崩壊後、200万円を超えたビットコイン価格が30万円台まで下がったことで憂き目をみた人も多かったため、慎重姿勢のようだ。だが、裏返すと「個人の買い余力はまだまだある」(蓮尾氏)。 では、今回は「かつてのバブル相場と違う」と言えるのか。蓮尾氏は、「ビットコインは根源的価値がはっきりせず、主に市場での需給で価格が決まるために(今がバブルかどうかは)わからない」と話す。ただ、440万円まで上がった後に調整に入ったので「まだ安心できる」と、市場が冷静さを保っていることに期待する。 国内交換業大手・ビットバンク社長の廣末紀之氏はさらなる価格上昇を見込む。着目するのがビットコインの「半減期」だ。これはビットコイン特有の仕組みで、一定期間(半減期)ごとにネット上で新規に供給されるビットコインの量が減っていくことを意味する。半減期を経るたびに希少性が高まり、市場価格は上がるという理屈が成り立つ。 「過去の半減期では17~18カ月、強気相場が続いた」(廣末氏)。2012年11月の半減期では暗号資産マニアが買いの主体となり、その後の17カ月でビットコイン価格が50倍になった。2016年7月の半減期ではその後の18カ月で価格が30倍になった。時期は仮想通貨バブルと重なる』、なるほど。
・『「上昇相場」はいつまで続くか  直近の半減期は2020年5月。廣末氏は過去よりも上昇率は下がるものの、「強気相場」は18カ月程度続くとみる。強気予想は既存の金融界の中にもある。報道によると、アメリカのシティバンクの幹部はビットコイン相場のチャート分析に基づき、2021年末までに価格が30万ドル(3150万円)を超える可能性があるとした。 ただ、金融当局は警鐘を鳴らす。イギリスの金融規制当局(金融行動監督機構)は、「暗号資産の価格の大幅な変動は、暗号資産の価値を評価する難しさと相まって、消費者を高いリスクにさらす」と指摘。「消費者が投資を行う場合にはすべてを失う覚悟をしておくべきだ」と警告している。暗号資産はその価値を信じる人たちの取引から価格が成立しているため、極論するならば、「気づいたら無価値になっていた」というリスクがあることには注意すべきだろう。 他方、情報に限らず金銭的な価値までネット上でやり取りする「価値のインターネット化」が進んでいくことを見越すと、ビットバンクの廣末氏は、アメリカにビットコインが集まりつつあることを懸念している。こうして集まったビットコインを基に新たな金融サービスも出てくるからだ。対する日本では暗号資産の交換業以外の事業がほぼ育っていない。それだけに、ドルベースのビットコイン取引拡大が今後も続くのかが、暗号資産価格や市場としての将来性を占う大きなカギとなりそうだ』、「ビットバンクの廣末氏は、アメリカにビットコインが集まりつつあることを懸念している」、どこに集まろうが、交換通貨が何になろうが、投資家にとってはどうでもいい筈である。投資の世界で国粋的になるのは間違っている。

第三に、2月26日付けBloomberg「JPモルガン、ビットコインでのヘッジを提案-ポートフォリオの1%」を紹介しよう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-25/QP3BJ1DWLU6Z01
・『ポートフォリオ多様化の手段としてビットコインの活用を提案するウォール街の企業に、JPモルガン・チェースが加わった。 ジョイス・チャン氏、エイミー・ホー氏らJPモルガンのストラテジストは24日付けのリポートで、「マルチアセットのポートフォリオでは全体的なリスク調整後リターンを効率的に上昇させるために、最大1%を仮想通貨に配分することは可能だろう」とした。 仮想通貨は比較的新しく値動きも激しいが、他資産との相関性があまりなく、良好なヘッジになり得る。元米連邦準備制度のスタッフで、現在はコーナーストーン・マクロで政策分析を率いるロベルト・ペルリ、ベンソン・ダラムの両氏はデジタル資産を一部加えることで株式ポートフォリオのボラティリティーは大抵抑えることができるとの結論に至った。 一方で、仮想通貨の有用性には限界もあるとJPモルガンのストラテジストは指摘した。 「仮想通貨は投資対象であり、調達通貨ではない」とし、「従って通貨でマクロイベントをヘッジしようと考えるなら、仮想通貨でなく円やドルなどの調達通貨を通じたヘッジを推奨する」と論じた』、あの「JPモルガン・チェース」が「ビットコインの活用を提案」したとは驚いた。やはり代替資産としての運用を推奨しているようだ。 

第四に、2月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ビットコインはやはりバブルか?怪しい高騰の背景に「従来とは異なる事情」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263884
・『いつの間にか再び高騰 ビットコインはバブルなのか  ビットコインの価格がいつのまにか高騰していることが、話題になっています。 2017年12月にビットコイン価格が1ビットコイン=200万円を超え、いわゆる「億り人」がたくさん誕生し、「ビットコインバブルだ」と話題になったことがありました。その後の相場はわずか3カ月で100万円を割り込み、1年後の2018年12月には40万円近辺まで暴落しました。 仮想通貨には、政府の発行する通貨のような裏付けがありません。その経済的実体がない仮想通貨が、投資先として人気になる状況自体を「バブルだ」と人々は感じ、高騰した価格があっという間に5分の1に暴落すると、「それは当然のことだ」と口にしたものです。 ただ興味深いことに、ビットコインの暴落はそれが底であり、その後相場は100万円近辺に戻り、安定の様子を見せていました。仮想通貨があくまで仮想的な存在であれば、暴落の時点で無価値になってしまってもおかしくはないはずですが、実際にはそうはならなかった。つまりビットコインには、一定の価値があったようです。 その価値が何なのかは後述するとして、先に最近のビットコイン相場の話をしておきます。日本のビットコイン大手取り扱い業者であるビットフライヤーのチャートを見ると、その後ビットコイン価格は反転して、2019年6月には一時100万円を超えます。そこからまた上下して、新型コロナ禍が始まる直前の2020年1月には、ちょうど100万円の水準に戻っています。 さて、コロナではビットコインは株価と同じような動きを見せます。パンデミック当初はビットコイン価格も一時急落しますが、その後価格は安定します。4月から10月までのチャートを見ると、ビットコイン価格は95万円から120万円の間でゆっくりと上昇していました。 そしてその後、2020年11月からビットコインは急騰を始めます。12月頭に200万円に到達したかと思ったら、2021年1月頭に390万円台まで上がります。そこから緩やかに価格が下がっていったので、「ああ、ここが頂点だったみたいだな」と感じていたところ、2月に再び急上昇を始めます。 2月22日には、614万円の市場最高値に到達したところで調整が入り、本稿を執筆している2月24日時点では、540万円前後で取引が行われている最中です。 なぜ、ビットコインは再びバブルのように高騰しているのでしょうか。 実は2017年の価格高騰の際、私はダイヤモンド・オンラインに「ビットコインバブルが『危険』とは言い切れない3つの根拠」という記事を寄稿しました。実体のない仮想通貨といわれるビットコインには、実はその価格が幻ではない理由があると主張したのです。 そして興味深いことに、今回の価格高騰はそれらの理由とはまた事情が違うのです。その一連のポイントをまとめてみたいと思います』、興味深そうだ。
・『実態のない仮想通貨に価値がないとはいえない3つの理由  政府の裏付けのない仮想通貨に、なぜ実体価値があるのか。以前私が指摘した1つ目の理由は、実需があることでした。日本で暮らしているとイメージがわきづらいかもしれませんが、世界には「政府が発行する紙幣は信用できない」と考える人が多いのです。実際多くの国で、自国通貨よりも米ドルの価値が高かったりします。 そのような国では、海外に隠し口座が持てるような一部の特権階級を除いて、一般の国民は米ドルのタンス預金で資産を貯め込みます。しかし、高額の米ドル紙幣を大量に隠し持つことには盗難リスクがある。そこで、ビットコインが資産として実需を持つことになったのです。つまり、新興国や途上国でビットコイン投資をしていた人たちには、実需が存在していたわけです。これが1つ目の理由です。 2つ目の理由は、そのような場合に数多ある他の仮想通貨よりも、より多くの人が売り買いするビットコインに信用が一極集中するということでした。この状況はいまだに変わっておらず、毎年新しい暗号通貨が登場しても、依然として世の中で圧倒的に売買されているのはビットコインなのです。 ちょうどこの本稿執筆の途中で、ビットコインの時価総額がほぼ100兆円になっていますが、世界の仮想通貨全体の時価総額が163兆円なので、ビットコインは全体の6割を超えています。ちなみに仮想通貨ランキングを見ると、2位のイーサリアムまでは人気があって時価総額がほぼ20兆円なのですが、3位以下の仮想通貨は取引規模がぱっとしないというのが実情です。つまり世の中の信用としては、ビットコインは別格なのです。 そして3番目の理由は、2017年当時のバブル価格でもまだ、ビットコインの時価総額は現実通貨と比べて1桁以上少なかったという根拠でした。仮に世界の中央銀行が発行量を決めるこれまでの通貨に対して、そのような恣意性が存在せず、市場の「神の手」で価値が決まる仮想通貨が未来の通貨の座を奪い取る日がやってくるとしたら、現在のビットコイン価格ですらまだそこに至る通過点かもしれない。これが私が3番目に指摘したことでした。 この3つの理由から、「必ずしもビットコインの価格高騰には経済的な裏付けがないわけではない」という話をしたのです。少なくとも、企業の株価が数十兆円から100兆円を超えているのと同じくらいには、ビットコインの価値を信用している一定数の人たちがいて、そのことでビットコインには高い流通価値があるのだ、という話をしたのです』、「ビットコインには高い流通価値がある」、その通りだ。
・『足もとのビットコイン急騰はこれまでとは事情が異なる  さて、この説明と比較すると、2020年の終盤から2021年初頭にかけてビットコインが急騰した理由は、少し背景が異なるようです。 今回の価格高騰の1つ目の特徴として、北米市場でビットコインが活発に買われているという事実があります。 それまでビットコインの中心だったアジア市場では、自国通貨への不信感が投資の根拠であったと述べましたが、なぜ北米大陸の投資家がビットコインに目を向けたのでしょうか。その理由として、コロナ禍での資産逃避が挙げられます。これが2つ目の特徴につながります。 コロナ禍で世界経済が停滞しているにもかかわらず、2020年4月以降、株価が堅調に上昇する現象が起きています。その理由は、主要国政府がコロナ危機と経済危機が重ならないように、金融緩和政策をとっているからです。そして投資家は、この金融緩和を「通貨の価値を下げている」と捉えます。) FRBがコロナ禍を受けてゼロ金利まで政策金利を下げたことは、市中にドル紙幣がばらまかれたことと同じだと投資家は考えます。一方でビットコインは、マイニングでその量が若干は増えていきますが、基本的には総量はルールで決まっています。ですから投資家から見れば、ドルと比較してビットコインは価値が棄損しない通貨だといえるのです。 そして3番目に、新規参入組が増えているという事実です。それも、これまでのビットコイン相場を支えた個人投資家ではなく、機関投資家が動き出している。そしてその参入規模が、この先増えていきそうな気配があるのです。 アメリカでビットコインに大口の投資をするといえば、これまでヘッジファンドが巨額の運用資産の中で少しだけ投資をしているくらいのイメージでした。ところが最近、それらのファンドの顧客でもある機関投資家が、ビットコインへの投資を代替的な投資先の1つとして容認し始めたといいます。 同様に、カナダの株式市場でビットコインの上場投資信託(ETF)の売買が始まりました。これまでよりもビットコインが金融商品として認知されることになり、ビットコインに投資する人の顔触れも大きく広がったのです。そして、直近のビットコイン高騰の最大要因として挙げられるのが、イーロン・マスク氏率いるテスラモータースが1500億円をビットコインに投資したと報じられたことでした。 このように、新しい事情で北米でのビットコインの需要が増えた一方で、ビットコインの供給、つまりもともとの総量は増えないという状況になっています。当然ながら価格が上がることになるというのが、現状に関する説明です』、明快な説明だ。
・『ビットコイン急落の兆候を見極めるポイントはあるのか  さて、私は先週「日経平均3万円超え、『攻め時』と『引き時』を真剣に考える」という記事を寄稿した際にも、「相場については未来予測が難しい」という話をしました。状況的にビットコインがなぜ高騰しているのかは、その記事で説明した状況と同じ要素が関係しているわけです。しかしこの先、ビットコイン価格がさらに上昇するのかというと、それは「わからない」としか言いようがありません。 ただ、今回の価格急騰のメカニズムを考えると、今後注目すべきポイントは「本当に機関投資家がこの先、次々とビットコイン投資に参入するのかどうか」が、相場の大きな鍵であることだけは間違いないようです。 【著者からのお知らせ】新型コロナが日本経済に与える影響についての最新の未来予測を、noteで公開しました。緊急事態宣言下の社会の先行きについて、不安な方も多いと思います。未来予測の専門家として、皆様の今後を考える参考にしていただきたいと思っています。ぜひご覧くださいhttps://note.com/suzukhei/n/n23c0679e03d2 』、「この先、ビットコイン価格がさらに上昇するのかというと、それは「わからない」としか言いようがありません」、正直で信頼に値する見方で、同感である。
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バブル(最近)(その6)(コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる、今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答、「バブル崩壊に今すぐ備えよ」ワクチン接種開始で高まる日本株リスク 日経平均3万円に喜んではいけない) [金融]

昨日の株式・為替相場’その10)に続いて、今日は、バブル(最近)(その6)(コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる、今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答、「バブル崩壊に今すぐ備えよ」ワクチン接種開始で高まる日本株リスク 日経平均3万円に喜んではいけない)を取上げよう。なお、このテーマを前回取上げたのは、2月7日である。

先ずは、2月12日付けNewsweek日本版が掲載した財務省出身で慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/obata/2021/02/2021_1.php
・『<投資家の期待値によって膨れ上がり、コロナ危機の現実と乖離したバブルは、各国政府の財政出動が尽きれば崩壊する> (本誌「コロナバブル いつ弾けるのか」特集より) 株価が上がっている。日経平均はバブル崩壊後の最高値を更新し、30年ぶりの高値となった。 2000年4月の日経平均構成銘柄の大幅な入れ替えにより、ずれが生じているから(概算では日経平均は2000円程度、2000年以前よりも低くなっていると言われている)、20世紀の基準では日経平均3万円を実質的には突破している。そして、まだその勢いが止まる気配はない。 この株価はバブルなのか、という問いの答えは、明らかにイエスで、問題は、いつ、どのように弾(はじ)けるか、という点に移っている。これは意外に難しく、バブルと分かっていてもすぐに弾けるのではなく、ある程度はバブルに乗っておかないと、ほかの投資家に利益を持っていかれてしまうから、バブルが続く限りは、プロの投資家ほどバブルに乗り続けるものなのだ。 リーマン・ショックが弾けた後、シティグループCEOのチャールズ・プリンス(当時)は、「音楽が鳴っているうちは、踊り続けなければならない」とその状況を描写した。 しかし、いま人々が不思議に思っているのは、経済は新型コロナウイルスの影響で大変なことになっているのに、なぜ株価が上がるのか。しかも、21世紀最高値を更新するのか、ということである。 これは、経済と株価が異なる動きをするのがおかしい、と思うのが間違っている。経済と株価は関係ない。経済がどうであろうと、株価は株価で勝手に上がるのである。 そんなばかな、と思うかもしれない。実際、エコノミストは、株価は経済を映す鏡とよく言う。株価は経済のファンダメンタルズで決まると、経済学やファイナンス理論の教科書に書いてある。そんなばかなことをいうおまえがばかだ、と言われそうだが、それは、その教科書が間違っているのである。 あるいは、現実の経済とは無関係な経済理論の世界の仮定について説明しているだけだ。あるいは、一昔前の遅れているファイナンス理論に基づき、行動ファイナンス理論を知らない人が書いた本なのだろう。 株価以上にバブルになっているものがある。それはビットコインだ。仮想通貨とか暗号資産などと呼ばれ、通貨であるかどうかは議論が分かれているが、資産であることは間違いがなく、異常な暴騰をしている。 しかし、人々は、ビットコインはバブルだと言うが、経済が悪いのにビットコインがバブルになっているのはおかしい、とは言わない。なぜなら、もちろんビットコインの値動きと経済の良し悪しは無関係だと誰もが分かっているからである。 そして、ビットコインと株は同類で、ビットコインと同様に株は経済とは無関係に動くのである。 株式とビットコインは、共に資産であり、投資対象である。一方、経済は日々の生活で、日々の稼ぎ、所得の世界である。だから、ビットコインと経済が別物なのと全く同様に、株式市場と経済は別物だ』、「この株価はバブルなのか、という問いの答えは、明らかにイエスで、問題は、いつ、どのように弾(はじ)けるか、という点に移っている」、その通りなのだろう。「株価は経済のファンダメンタルズで決まると、経済学やファイナンス理論の教科書に書いてある。そんなばかなことをいうおまえがばかだ、と言われそうだが、それは、その教科書が間違っているのである。 あるいは、現実の経済とは無関係な経済理論の世界の仮定について説明しているだけだ。あるいは、一昔前の遅れているファイナンス理論に基づき、行動ファイナンス理論を知らない人が書いた本なのだろう」、ここまで断言するとは、さすが「行動経済学」者らしい。
・『人間の欲望が市場を動かす  では、ビットコインや株が経済に連動しないのであれば、ビットコインや株を動かすのは何か。人間の欲望である。投資家の期待である。もっと上がるかも、という期待で投資家はビットコインや株を買う。買うから上がる。株価の上昇とは投資家たちの期待の実現、期待の自己実現なのである。 従って、株価が上がっているということは、投資家たちの欲望、奇麗に言えば、期待値が上昇していることを示している。株がもっと上がるかも、という投資家の期待はどこから来るのか。その期待を動かすものが、株価を動かすのである。 経済が良くなるから株価も上がるだろう、だから株を買っておこう、と大多数の投資家が思い、そして買えば、株価は上がる。このときは、確かに、経済の見通しと株価の動きは連動する。 しかし逆に言えば、経済が良くなるから、という以外の理由で、投資家の多数派が株価が上がると思えば、彼らは株を買い、そして株価は上がるのである。経済が良くなることが株価上昇の原因になることは、投資家の期待を動かす無数の要因の中の1つにすぎないのである。 では、今、なぜ株が上がっているのか。なぜ投資家たちは、株価が上がるのではないか、と期待しているのか。 その理由は金融緩和であり、財政出動である。そして、コロナがひどくなればなるほど、金融はさらに緩和され、財政はさらに大盤振る舞いをするから、むしろコロナが悪くなればなるほど、投資家の欲望は膨らみ、株を買いに殺到する。 アメリカでは、投資アプリ「ロビンフッド」を利用して、コロナ危機で初めて株を買い始めた個人投資家たちがいる。彼らは、ジョー・バイデン大統領が新たに配る1人2000ドルの給付金で株を買うだろうといわれている。 さらにコロナ危機は、格差を直撃する。アメリカで医療をきちんと受けられるのは富裕層で、彼らは、コロナショックでも資産は増えているし、コロナによる死も切実ではない。だから、株価が上がることで浮かれ、さらに投資を増やす。 実際、ロビンフッド投資家や、バブルに乗っている投資家たちが買っている株は、コロナで恩恵を受けている企業の株である。アップルであり、マイクロソフトであり、これらの企業は、利益が急増し、史上最高益を大幅に更新している』、「経済が良くなることが株価上昇の原因になることは、投資家の期待を動かす無数の要因の中の1つにすぎないのである。 では、今、なぜ株が上がっているのか・・・その理由は金融緩和であり、財政出動である。そして、コロナがひどくなればなるほど、金融はさらに緩和され、財政はさらに大盤振る舞いをするから、むしろコロナが悪くなればなるほど、投資家の欲望は膨らみ、株を買いに殺到する」、明快な説明だ。
・『間もなく尽きる財政出動  だから、株価が上がるという期待は自己実現し、さらに期待は膨らみ、資産も膨らんでいるから、欲望が膨らみ、さらに株へ買いが集まり、さらにバブルは膨らんでいるのである。 従って、問題は今がバブルかどうか、ということではなく、このコロナバブルがいつ弾けるのか、という点である。これは、2021年に弾ける。21年1月にバブルがさらに勢いを増して膨らんだからだ。 バブルが弾ける理由はただ一つで、膨らみ過ぎることによって弾けるのである。バブルが弾けるのを回避するには、バブルをしぼませるか、さらに膨らませるしかない。バブルの本質とは定常状態にないことなのだ。 前述したように、買うから上がる。上がるから買う。上がるという期待が、実際に買うことで実現し、それによりさらに期待が膨らむ。そして、これを羨む新しい買い手が参入し、さらに上がる。これがバブルである。 バブルが起こる原因は存在しない。あるいは、特に論理的な意味はないから、考える意味はない。しかし、バブルが膨らみ継続する理由は、論理的なので考察する価値がある。 では、今回のコロナバブルが膨らんでいる要因は何だろうか。前述したように、金融緩和による大量の流動性であり、財政出動である。現在の金融緩和と財政出動は、既に限界を超えている。限界を超えて出動し続ければ、財政は破綻する。金融緩和は効果がなくなるどころか、副作用しかなくなる。 従って、今後の金融緩和による流動性の追加はない。財政出動も間もなく尽きる。アメリカは、バイデン就任のハネムーン期間に出せるだけ出して、その後はない。日本は既にない。 バブルは安定した状態であり続けることはできない。膨らみ続けられなければ急激にしぼむか、あるいは破裂するだけだ。そして、昨年末から株価は異常な動きをし、テスラ株が暴騰し、その後は乱高下。ビットコインも全く同じだ。最後、急速に膨らむのは、まともな投資家が逃げ始め、バブルに狂った投資家しか残っていないから。売りも出ず、少数の買いで暴騰する。それが今だ』、「現在の金融緩和と財政出動は、既に限界を超えている。限界を超えて出動し続ければ、財政は破綻する。金融緩和は効果がなくなるどころか、副作用しかなくなる。 従って、今後の金融緩和による流動性の追加はない。財政出動も間もなく尽きる」、「最後、急速に膨らむのは、まともな投資家が逃げ始め、バブルに狂った投資家しか残っていないから。売りも出ず、少数の買いで暴騰する。それが今だ」、不吉だが、現実的な予想だ。
・『引き延ばされてきたバブル  実は、コロナバブルの前に既にバブルは崩壊寸前だった。2019年末は、上場前の新興企業のスキャンダルが続出してソフトバンクの株価が暴落し、米株価も乱高下をしていた。そこへコロナ危機が襲った。一時、バブル完全崩壊の様相を呈したが、なりふり構わぬ金融・財政のばらまきが行われ、コロナで傷んでいない人々にも金が配られた。ネット関連、ゲーム関連などの巨大企業は空前の利益を上げ、そこに資金が殺到し、コロナ危機前以上のバブルになった。 そして、実はこれもいつもの繰り返しだった。リーマン・ショックで世界の金融市場が崩壊寸前になったが、それを救うために、世界中の中央銀行が量的緩和を行い、金が世界にあふれ、バブルになった。この国債バブルは欧州危機で崩壊しかかったが、さらなる金融緩和が行われ、バブルは復活し、さらに蔓延した。それが株式にも回り、壮大なるバブルが2019年末に崩壊しかかっていた。 では、今度も金融財政の救済により、バブルはさらに膨らむのではないか、と思われるだろうが、今回は違う。なぜなら、金融は使い尽くしていたために、今回は財政出動、実弾の出動になったのだが、これで弾は尽きる。そうなると、次はもうどこにも弾は残っていない。ロビンフッド投資家まで巻き込んでしまえば、さらに株を買う人はもう残っていない。政府も個人投資家も尽きてしまえば、もう破綻しかないのだ。 だから2021年、バブルはついに崩壊する。そしてリーマン・ショックから先送りされ、何重もの雪だるまのように膨らみ続けたバブルのツケを、世界中で払うことになるのだ。(筆者の近著は『アフターバブル近代資本主義は延命できるか』〔東洋経済新報社刊〕』、「金融は使い尽くしていたために、今回は財政出動、実弾の出動になったのだが、これで弾は尽きる。そうなると、次はもうどこにも弾は残っていない・・・2021年、バブルはついに崩壊する。そしてリーマン・ショックから先送りされ、何重もの雪だるまのように膨らみ続けたバブルのツケを、世界中で払うことになるのだ」、今度こそ覚悟しなければならないようだ。

次に、2月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家の山崎 元氏による「今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263581
・『日経平均株価が3万円を超えた。現在の株価をバブルではないかと疑って、バブルをテーマにした取材や座談会のような企画も増えている。そこで本稿では、Q&A形式で現在の株価がバブルであるか否かについて整理してみたい。  今はバブルか否か? 株価を巡る6つの質問に回答  日経平均株価が3万円を超えて、株価が話題になる場面が増えてきた。テレビの街頭インタビューなどでは「この株高は、生活の実感に合わない」という声が紹介されることが多いが、あれはテレビ番組を作る側の人々(必ずしもテレビ局の社員とは限らない)がそう思っているからなのだろう。 現在の株価をバブルではないかと疑って、バブルをテーマにした取材や座談会のような企画も増えている。 そこで本稿では、座談会の「質問項目」と「答え」を想定するQ&A形式で現在の株価がバブルであるか否かについて整理してみたい。 質問の項目と、筆者ならこう答えるという内容を列挙する。筆者の答えが正解だと言いたいわけではない。読者ならどう答えるか、順を追って考えてみてほしい」、なるほど。
・【Q1】現在の株価  日経平均3万円台、ダウ工業株30種平均3万1000ドル台)を「バブル」と判断するか否か。結論と理由をお答えください。 【A】株価のバブルとは、「高過ぎて長期的に維持できない株価が形成された状態」のことでしょうが、日経平均3万円突破はその形成の域に入ったと考えています。 バブルは、信用(借金)の拡大が投資に回って、資産価格(株価)が上がることによって起こります。そして、現在は信用の供給主体が新型コロナウイルス対策に注力する政府と中央銀行であり、金融緩和を財政が後押しすることによって出回った資金が株式市場に集中して株価が上がっている。加えて、「コロナ対策で金融政策の転換が遅れるだろう」「市場や経済が不調に陥ったら政府・中銀が手を打つだろう」という期待がリスクを過小評価させています。 金融緩和と信用の拡大、そしてリスクの過小評価といった具合に、バブル形成の条件が定性的に満たされています。 加えて、益利回り(株価収益率〈PER〉の逆数)から判断して、絶対水準としての株価も「高過ぎ」のゾーンに入ってきたように思われます』、「金融緩和と信用の拡大、そしてリスクの過小評価といった具合に、バブル形成の条件が定性的に満たされています」、やはりそうか。
・【Q2】株価の「バブル」を判断する基準があれば、ご開示ください。 【A】将来、金融環境が正常化して、名目成長率と長期金利がほぼ均衡する状態を想定すると、益利回りが投資家のリスクプレミアムであると考えることができます。以下のような基準を目処として考えています。 +益利回り6%(PER16.7倍)=株価は高くも低くもない +益利回り5%(PER20倍)=株価は高値圏に入った +益利回り4%(PER25倍)=株価はバブルの域に入った。黄信号 +益利回り3%(PER33.3倍)=株価はバブルでそれ自体が危険な高値にある。赤信号 現在の東京証券取引所第1部の益利回りは概ね4%なので、「株価はバブルの域に入り始めた」と考えています』、「利回り4%」だと「株価はバブルの域に入った。黄信号」、程度とは意外だ。
・【Q3】今後(今年、来年)に想定される、株価と経済の展開について、「最もありそうだ」と思われる推移をお答えください。 【A】コロナ対策のポリシーミックスは内外共に当面変化しないと考えられ、加えて、世界の景気は回復傾向にあります。加えて「バブル」は、原理的にも経験的にも、発生したからといって直ちに崩壊するものではありません。 年内いっぱいくらい株価は上昇しやすく、来年になって経済の回復がはっきりして、政策的な潮目が変わる局面が見えてきた段階で株価が大幅に下落する局面を迎える、というくらいの展開が「ありそう」なものの一つとして思い浮かびます』、「「バブル」は、原理的にも経験的にも、発生したからといって直ちに崩壊するものではありません。 年内いっぱいくらい株価は上昇しやすく、来年になって経済の回復がはっきりして、政策的な潮目が変わる局面が見えてきた段階で株価が大幅に下落する局面を迎える」、なるほど。
・【Q4】今後、株価が大幅に下落する局面が発生するとしたら、どのような理由によるものでしょうか。株価にとっての「リスクファクター」があればご指摘ください。 【A】現在、政府による信用拡大に加えて、米国で低格付けの社債発行による信用拡大が目立っていることが少々心配です。当面好景気ですが、社債市場でデフォルトが起こって起債環境が冷え込むことになると、株式市場にもショックが及びそうです。これが、短期的なリスクファクターでしょう。 そして中期的なリスクファクターとして、米国の雇用が回復して金融政策が正常化に向かう段階で起こる金融政策の転換が株価に及ぼすショックが挙げられます。最後に、物価が上昇して金融引き締め政策を取らざるを得なくなる状況が将来やって来る可能性が長期的なリスクファクターでしょうか』、「リスクファクター」は「短期的」、「中期的」、「長期的」にもあり、要警戒だ。
・【Q5】現在の状況を踏まえて、日米それぞれの経済政策はどのようなものであるべきだとお考えでしょうか。 【A】当面の政策は、大まかには現在の金融緩和プラス財政支出でいいでしょう。財政赤字は当面拡大が適切であり、緊縮に向かわない方がいい。ただし、支出は公平かつ迅速であるべきでしょう。業界や利用者のメリットが偏る「Go Toキャンペーン」のようなものは筋が悪く、一律の給付金(将来の負担は高額納税者・富裕層が大きい)に賛成します。 株式市場については今後、「赤信号」に近付く局面があれば、信用取引の条件を厳しくするなど、市場内部要因での過熱防止策を行うべきでしょう。金融を引き締めて、デフレに逆戻りするような事態があってはいけません』、「「Go Toキャンペーン」のようなものは筋が悪く」、同感だ。
・【Q6】一般投資家に対するアドバイスを頂けたら有りがたく存じます(「株は全て売って現金化せよ」「米国株を買え」「内外のインデックスファンドを買え」、「出遅れ株がいい」…等々)。 大まかに言うと、株価が上がっても下がっても気にしない。そして、自分にとって適切なリスク資産の金額を、内外の株式のインデックスファンドのような広く分散投資が行われていて手数料コストが低い運用商品で、じっと持っているといい。 ただ、株価が赤信号水準に近付いてくることがあれば、「持ち株の1〜2割」くらいまで売却することを考えてもいいでしょう。投資家にできる調節は、その程度が限界です』、「投資家にできる調節は」「「持ち株の1〜2割」くらいまで売却することを考えてもいい」、かなり限界があるようだ。

第三に、2月21日付けPRESIDENT Onlineが掲載したフジマキ・ジャパン代表取締役の藤巻 健史氏による「「バブル崩壊に今すぐ備えよ」ワクチン接種開始で高まる日本株リスク 日経平均3万円に喜んではいけない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/43459
・『日経平均株価が3万円の大台に乗った。このまま株価は上がり続けるのか。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史氏は「ワクチン接種が開始され景気が良くなれば長期金利は上昇する。それは株価バブル崩壊の前触れだ」という――』、「長期金利は上昇」シナリオは大いにありそうだ。
・『「株を買いたいのなら、こわごわと買ってくださいね」  2月15日、日経平均が30年半ぶりに3万円台に乗せた。株価だけを見ると1985年から90年にかけて発生したバブル期の動きと似ている。今後に関して言えば日経平均は、今後もそれなりに上昇すると私は思っている。 ただ、私自身は今、日本株を保有していないし、今後とも買おうとも思わない。買いたい方には「いつでも飛び降りる体制で、こわごわと買ってくださいね」と忠告をしておきたい。 このコラムでは、なぜそういうコメントになるのか? を詳しく解説し、それでは私が今、どういうポートフォーリオを推奨しているのかも開陳したい』、興味深そうだ。
・『バブル期との相違  もし日本の財政がここまで悪くなく、また日銀がこれほどまでもメタボになっていなかったら私は「日銀の引き締めが近い。早く株式市場から撤退すべきだ」との忠告を、今、発していただろう。 今の相場はバブル期の末期の様相だ。当時は「日経平均は8万円まで行く」「10万円まで行く」とほぼ全員が強気だった。84年末に比べて89年末の株は約3.4倍、統計には表れなかったが、不動産価格の実態は、10倍程度にまで上昇していた。 その後、明確なる理由なく相場は突然崩れた。あえて契機を探し出そうとするならば、政府が「不動産から生じる損失(=減価償却の計上等による)を他の所得の利益と相殺することを禁止した(=損益通算の禁止)ことくらいしか見当たらない。しかし、それとて相場をあれほど崩すのには弱すぎる理由だ。「相場が上昇しすぎたから破裂した」と結論づけざるを得ない。 バブル期、消費者物価指数が低いままなのに、株価が上昇したのは今と同じだ。1986年から88年までの消費者物価指数の上昇率は全国総合(除く生鮮食品)で毎年0.5%に過ぎない。今の日銀の目標2%よりはるかに低かったのだ。それにもかかわらず、景気が過熱し狂乱経済と名付けられたほどの景気を生みだした』、「今の相場はバブル期の末期の様相だ」、なるほど。
・『不動産の代わりにビットコインが急騰  東京中をダンプカーが走り回り、タクシーは取り合いでつかまらない。ジュリアナ東京等のディスコのお立ち台ではミニスカートの女性たちが踊りまくり、バブル景気の象徴といわれた。 余談だが、私の部下の米国人男性が、男性は決して登らないお立ち台の上で踊りながら名刺をばらまいたせいで、翌日、銀行に、若い女性たちからひっきりなしに電話がかかり、彼が逃げ回っていたのを思い出す。彼の名誉のために付け加えると、今、彼は米国ナパ・バレーのワイン農園のオーナーで、慈善活動として、アフリカにいくつもの小学校を作る活動に精を出している。今や初老の紳士だ。 これらの狂乱振りは資産効果(土地や株の保有者が、含み益の増加でお金持ちになった気になり、消費を増やす。それを見て株価がさらに上昇するという好循環が働く)のせいだ。 今が当時と違うのは、不動産はそれほど上昇していない点、そして資産効果を相殺するコロナ禍による景気下押しがある点だろう。実需が過熱していないので、咄嗟に撤退できない不動産価格が上昇しないのは理解できるが、その代わりに当時はなかったビットコインの価格急騰が著しい。 またワクチン接種とともに、コロナ禍による景気下押し圧力が薄れてくるだろう。そうなるとますますバブル相場に似てくると思われる』、「ワクチン接種とともに、コロナ禍による景気下押し圧力が薄れてくる」、確かに警戒を要するリスク要因だ。
・『バブル後の日銀の反省  このバブル、そしてその崩壊の後、澄田智元日銀総裁は懺悔をしている。 「確かに87年ごろから東京の地価は2ケタの上昇率を示し、株価もかなり速いペースで上昇していました。それなのに金利引き上げを実行しなかったのは、後から考えると、認識が不十分だったと答えるしかありません。(中略)ただ、土地や株、それに書画や骨董といった資産の価格だけが急激に上昇している意味を早く見抜けなかったことについては、私がその責めを負わなければならないと思っています」(『<真説>バブル』日経BP社) この反省は、なにも澄田日銀総裁だけのものではなく、日銀内で共有され、2度と同じ間違いを犯してはならないとの教訓として残っているはずだ。 だからこそ、株価が、実体経済とかけ離れて急上昇している現在、普通なら「日銀の引き締めが近い。早く株式市場から撤退すべきだ」と忠告するところなのだ。特に私は、バブルの最中、日銀に「CPIのみに目を囚われて資産価格の急騰を見過ごすと取り返しのつかないことになる」と強く警告し、国内、海外にも「危ない」とさかんに発信をしていた。 その警戒心があったからこそ、JPモルガンは日本のバブル崩壊で全くダメージを受けず、(逆に利益を上げられた)日本で唯一の金融機関だったと思われるのだ。その成功体験からしても、普通なら私は再度、強い警告を発していたはずだ』、「藤巻」氏が「国内、海外にも「危ない」とさかんに発信をしていた」、とは大したものだ。
・『日銀は引き締めを行えない  「べき論」としては、以上述べてきたように、日銀は早急に引き締めを行うべきだろう。バブルの際に引き締めが遅れた失敗を2度と繰り返してはいけないのだ。再度同じ間違いを犯せば、バブル後の「失われた30年」が、今度は「失われた50年」となってしまう。そうなれば日本は間違いなく、世界の4流国への仲間入りだ。 そう考えると、日銀は「金融引きしめ」を行わないまでも、この歴史的な超金融緩和状況を中立程度に戻そうとするのは当然だろう。それは株価の暴落、もしくはかなりの大幅下落を意味することになる。 しかしながら、日銀が、今、引き締めが出来るかとなると、極めて疑問である。引き締めの手段としては、保有株ETFの売却、保有国債の売却(=過剰流動性の吸収)、政策金利の引き上げが考えられる。 しかしながら、株と国債のマーケットにおいて、日銀は、今やモンスターになってしまっている。どんな市場でもそうだが、モンスターだった買い手が、売りに回れば、間違いなく大暴落だ。中央銀行自身が大量保有しているものの値が下落すれば、彼らは債務超過になり、その発行する通貨は暴落、紙幣は紙くず同然となってしまう。当然、日本売りだ。 だからこそ、私が金融マンだった頃は、「中央銀行たるもの価格変動の激しいものに手を出してはいけない」が鉄則であり、それを世界中の中央銀行は守っていた。通貨の安定が中央銀行の基本のキだったからだ。 しかし異次元緩和で、日銀は株や国債を買いまくり、世界段トツのメタボになってしまった。もはや金融引き締めなど出来ない。私が、いつも「日銀にはもう出口がない」と言っている理由だ。 以上の理由から、日銀は、バブルの反省がありながら、引き締めを行いたくても出来ず、株価の上昇を、口を開けて傍観せざるを得ないのだ。 それが、私が当面は株価の上昇が続くだろうという理由である』、先行きの暴落が分かっているのに、なす術がないとは恐ろしいシナリオだ。
・『「株購入はこわごわとすべき」理由  ビジネススクールでも習ったし、また金融界でも常識だったことは「短期金利は中央銀行が、長期金利は市場が決める」だった。私の長きにわたるマーケットでの経験からしてもそうだ。世界の中央銀行も、いまだその認識のはずだ。 だから世界中で日銀以外に長期金利を「政策目標」として掲げている中央銀行はない。日銀自身も2016年11月まで「教えて!にちぎん」という一般国民向けのホームページに「中央銀行は長期金利を思いのままに動かせない」と書いてあった。なのに、長期国債の爆買いを始めたせいか、辻褄を合わせるために、突然「長期金利はコントロール出来る」と書き換えた。 確かに日銀のように爆買いを続ければ一時的には長期金利を低位に抑えることは出来るだろうが、それはのちにハイパーインフレを起こすと歴史が証明している。だから他の中央銀行は日銀のように市場のモンスターになるほどには長期債の爆買いをしていない。したがって、長期金利は相変わらず「市場が決める」のだ。 ならば、お金が、じゃぶじゃぶに出回っていう上に、ワクチン接種が開始され景気が良くなれば長期金利の上昇は、当然の理だ。さらに株価の上昇が継続しているのなら、世界の長期金利上昇はほぼ確実だろう。なにせ1980年に20%を超えた米国10年物金利が、今たったの1.2%でしかないのだ』、同感である。
・『わずかな長期金利の上昇が命取りになる  私自身はこの状態ならば、長期金利が史上最高まで上昇しても(=価格は暴落)驚かない。1980年の米国10年金利は20%を超え、日本国債は11%である。例え、そこまで上昇しないにしても、インフレ率が2%まで上昇するならば、最低でも長期金利は2%に上昇しなければ、おかしい。 その時、日銀は危機となる。日銀は保有国債の保有平均利回りが0.247%(2019年4月~2020年3月)と、他の中央銀行に比べても異常に低い。かつ異常な規模で保有している。少しでも長期金利が上昇すると莫大な評価損を抱えることになる。 債務超過の危機に直面するわけにはいかないと、長期債の爆買いで必死に長期金利の上昇を抑えこめば、他国との長期金利差拡大で円安が大きく進む。その結果、景気過熱で、腕力では長期金利が抑えられなくなる。国債市場は現物債市場だけではない、先物市場もあるからだ、 長期金利が上昇し、日銀が莫大な損失を抱えれば、円という通貨が終焉を迎える。日本売りの発生が予想される。すさまじいエネルギーだろう。こういう時に円資産を持っていればすべてを失う。だから「日本株を購入するなら、いつでも逃げるだけの用意をしながら、こわごわと買った方がいい」とアドバイスしている。 私には、ピークで逃げ切る自信がない。だから日本株には手を出さないのだ』、「長期金利が上昇」、「円という通貨が終焉」、「日本売りの発生」、という破局は瞬時に発生するだろう。私が異次元緩和導入時から警告していた破局が現実味を増してきたようだ。
・『それでは、今、何するべきか?  これだけ日本が世界最悪の財政赤字となり、日銀が中央銀行としての体ていをなさなくなったのだから、今は必死で資産を守るべきで、利益を考える時ではない。だからこそ、私は長年にわたって、ドル資産の購入と、いざとなると避難通貨となる暗号資産の購入をお勧めしてきたのだ。 ドルの購入にしても、これから長期金利の上昇(=価格の下落)が予想されるので、今は早めにドル建てで運用する投資信託である「ドル建てMMF」(マネー・マーケット・ファンド)など短期モノに切り替えることをお勧めする。それでも、まだ何か少しでも利益を上げたいと思われるなら、価格の下落で儲かる金融商品の購入が望ましい。 日本人や特に、日本の機関投資家は金融商品の価格が上昇しなければ儲からないと思っているが、それは違う。値段が動きさえすれば上昇しようと下落しようと、利益は上がるのだ。 生保などの機関投資家も「預かった資金すべてを、何かに投資しなくてはいけない」と思うから価格の下落相場に弱い。たとえば集まった資金の90%は現金等に置き、10%を証拠金として使い、国債先物を売ったり、プットオプションを買えばいいのだ。または金利スワップの固定金利の払いでもよい。それらの利益で、預かった資産全体に十分な配当が出来る。 為替も金利もこの数年間、ほとんど動かなかったがゆえに、ボラティティーが低く、プレミアム(オプション料)は安い。だからこそお買い得だともいえる。 そこまでのデリバテイブの知識がない方は、米国の債券ベアファンド(長期金利が上昇する=長期債の値段が下落する、と利益が上がる投信)、例えばDirexion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X等を買えばいい。日本の証券会社で買える。その基礎は『藤巻健史の資産運用大全』(幻冬舎新書)をお読み学習していただければ幸いだ。原理がわかっていない商品を購入するのは考えモノだからだ』、私もこれを機に、なけなしの資産のヘッジを検討することにしよう。
・『最後にお願い  ちなみに以上のアドバイスに沿って行動するか否かは、くれぐれも自己責任でお願いいします。プレジデントオンラインの原稿料ぽっちで(プレジデント社さん、すみません)皆さんの損の責任はとれません。「儲かっても、お歳暮の一つもくれず、損したら大声で非難」に私は慣らされていますので。 あくまでも「損すれば自己責任、儲かれば藤巻の貢献」の原則をお忘れになりませんよう。「信じれば救われるのか」、はたまた「信じれば足を掬われるのか」は、将来、判明するのです』、「損すれば自己責任、儲かれば藤巻の貢献」とは言い得て妙だ。
タグ:バブル ダイヤモンド・オンライン PRESIDENT ONLINE 小幡 績 藤巻 健史 Newsweek日本版 山崎 元 (最近) (その6)(コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる、今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答、「バブル崩壊に今すぐ備えよ」ワクチン接種開始で高まる日本株リスク 日経平均3万円に喜んではいけない) 「コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる」 投資家の期待値によって膨れ上がり、コロナ危機の現実と乖離したバブルは、各国政府の財政出動が尽きれば崩壊する 「この株価はバブルなのか、という問いの答えは、明らかにイエスで、問題は、いつ、どのように弾(はじ)けるか、という点に移っている」、その通りなのだろう 「株価は経済のファンダメンタルズで決まると、経済学やファイナンス理論の教科書に書いてある。そんなばかなことをいうおまえがばかだ、と言われそうだが、それは、その教科書が間違っているのである。 あるいは、現実の経済とは無関係な経済理論の世界の仮定について説明しているだけだ。あるいは、一昔前の遅れているファイナンス理論に基づき、行動ファイナンス理論を知らない人が書いた本なのだろう」、ここまで断言するとは、さすが「行動経済学」者らしい。 人間の欲望が市場を動かす 「経済が良くなることが株価上昇の原因になることは、投資家の期待を動かす無数の要因の中の1つにすぎないのである。 では、今、なぜ株が上がっているのか・・・その理由は金融緩和であり、財政出動である。そして、コロナがひどくなればなるほど、金融はさらに緩和され、財政はさらに大盤振る舞いをするから、むしろコロナが悪くなればなるほど、投資家の欲望は膨らみ、株を買いに殺到する」、明快な説明だ 間もなく尽きる財政出動 「現在の金融緩和と財政出動は、既に限界を超えている。限界を超えて出動し続ければ、財政は破綻する。金融緩和は効果がなくなるどころか、副作用しかなくなる。 従って、今後の金融緩和による流動性の追加はない。財政出動も間もなく尽きる」 「最後、急速に膨らむのは、まともな投資家が逃げ始め、バブルに狂った投資家しか残っていないから。売りも出ず、少数の買いで暴騰する。それが今だ」、不吉だが、現実的な予想だ 引き延ばされてきたバブル 「金融は使い尽くしていたために、今回は財政出動、実弾の出動になったのだが、これで弾は尽きる。そうなると、次はもうどこにも弾は残っていない・・・2021年、バブルはついに崩壊する。そしてリーマン・ショックから先送りされ、何重もの雪だるまのように膨らみ続けたバブルのツケを、世界中で払うことになるのだ」、今度こそ覚悟しなければならないようだ 「今はバブル?暴落のリスク要因は?山崎元が株価を巡る「6つの質問」に回答」 「「バブル崩壊に今すぐ備えよ」ワクチン接種開始で高まる日本株リスク 日経平均3万円に喜んではいけない」 長期金利は上昇」シナリオは大いにありそうだ 「株を買いたいのなら、こわごわと買ってくださいね」 バブル期との相違 「今の相場はバブル期の末期の様相だ」 不動産の代わりにビットコインが急騰 「ワクチン接種とともに、コロナ禍による景気下押し圧力が薄れてくる」、確かに警戒を要するリスク要因だ バブル後の日銀の反省 「藤巻」氏が「国内、海外にも「危ない」とさかんに発信をしていた」、とは大したものだ 日銀は引き締めを行えない 先行きの暴落が分かっているのに、なす術がないとは恐ろしいシナリオだ 「株購入はこわごわとすべき」理由 わずかな長期金利の上昇が命取りになる 「長期金利が上昇」、「円という通貨が終焉」、「日本売りの発生」、という破局は瞬時に発生するだろう。私が異次元緩和導入時から警告していた破局が現実味を増してきたようだ それでは、今、何するべきか? 私もこれを機に、なけなしの資産のヘッジを検討することにしよう 最後にお願い 「損すれば自己責任、儲かれば藤巻の貢献」とは言い得て妙だ
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株式・為替相場(その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由) [金融]

株式・為替相場については、昨年11月21日に取上げた。今日は、(その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由)である。

先ずは、本年1月5日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/400979
・『新型コロナウイルスの感染が止まらない。日本はいまや迷走して惨憺たるありさまである。だが世界でもそれは同様で、経済活動への制約が生じている。GDPも四半期ベースで見れば確かに回復しているものの、当初よりも回復ペースの遅い地域や分野もあり、バラ色ではない。 それにもかかわらず、株式市場は世界的に上昇を続けている。2020年の日経平均株価の終値もついに1989年以来の高値となったが、とりわけアメリカの株式市場は歴史的な急騰が続き、連日史上最高値を更新。ナスダックなどは2020年1年間で約43%も上昇した』、「小幡 績氏」の見解とは興味深そうだ。
・『株式市場と実体経済は「ほぼ無関係」である  この株式市場と実体経済の異常なギャップに、エコノミストの多くは警鐘を鳴らしており「明らかに株式市場はおかしい!バブルだ!」と指摘する。株式投資が好きな人は喜び勇んで「まだこれから間に合う銘柄は何か」と狂ったように物色する。 一方、株式投資をする余力のない人々はもうウンザリしている。さらに、株式市場に利害も関心もない多くの人々も「何かがおかしいよな」と思いつつも、実際に「何がおかしいのか」は、まったく見当もつかない。 しかし、私はすべての有識者や皆さんに、逆に問いたい。なぜ「なぜ株式市場と実体経済の間にギャップがあるのか」と問うのか?また、なぜギャップがあることを不思議に思うのか? ハッキリ言おう。有識者も皆さんも、根本から間違っている。なぜなら、株式市場と実体経済はほぼ無関係で、連動する理由はないからだ。 そもそもこの2つが連動すると考えている大前提が誤りなのであり、世の中のほとんどのエコノミスト、政策関係の有識者などは、これをわかっていない。なぜならいまだに1960年代の世界を引きずっているか、教科書の世界の中に閉じこもっているからだ。時間が止まっているか、死んでいるのである。 もはや、株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ。 では別の世界とは何か?要はおのおの生き物が違うのである。地球人と火星人ぐらい違う。 実体経済の市場においては、消費者と生産者がいる。資産市場には投資家とトレーダーがいる。前者の人々と後者の人々は別の生物であり、行動が一致する理由がない。それだけのことだ』、「株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ」、ここまで言い切るとはさすが「小幡 績氏」だ。
・『株式市場と実体経済が連動しない「小さな3つの理由」  この根本的な話をする前に、株式市場と実体経済が連動しない、他のいくつかの理由も説明しておこう。 第一に、現在株式市場で盛り上がっているのは、いわゆるGAFAMやそのほかのいわゆるネット関連、テクノロジー関連の新しい巨大企業と新興企業である。重厚長大産業の企業は、自動車以外はほとんど停滞しているといっても良い。伝統的なサービス業や小売・流通はコロナで沈んでいるし、航空、交通関連は言うまでもないだろう。 あくまで一部企業のバブルにより株式市場が膨張しており、これらの企業は将来の成長を期待した株価になっている。だから、足元の経済の動きとは連動しない。これが第一点目だ。いわゆる有識者が、今の乖離現象を説明するときに行う、最も一般的な説明である。 もうひとつ、より影響が大きいのは以下の話だ。すなわち、株式市場に上場しているのは大企業だけで、実体経済の景気を左右する大多数の中小企業が含まれていないからだ。大企業が儲かり、中小企業がそれに押されて潰れていけば、大企業の増益により盛り上がる株式市場と、中小企業の縮小、廃業で沈滞する実体経済の動きは乖離する。これが第二の理由だ。 さらに第三の理由は以下だ。21世紀に入って言われ続けてきた、資本と労働の間の分配率の変化である。 株式会社が利益を増大させ、それが資本家に配分され、労働者に配分されなければ、株式市場は盛り上がるが、実体経済の消費は縮小し、両者は乖離する。21世紀の特徴は、人的資本を蓄積した一部の著名経営者およびいわゆる勝ち組が、人的資本投資へのリターンとして多額の収益を得た。一方で、単純労働者の賃金はまったくと言っていいほど上がらず、配分が偏っているということである。 これが21世紀の格差社会であり、いわゆる資本家ではなく、起業家、経営者が富を独占している、という問題である。これが第三の理由で、資本家であれ、経営者であれ、株式市場関係者は富を蓄積し、それに無関係な人々は相対的に非常に貧しくなるということだ。よって株式市場が盛り上がろうと、実体経済はそれほど拡大しない。 しかし、これらの3つの説明は、論理的には正しいが、株式市場と実体経済の乖離をもたらす影響力としては、実は非常に小さい。もっと根本的で、すべてを押し流してしまうほどの強力な理由があるのだ。 それは、前述のとおり、株式市場と実体経済には別の生き物が住んでいて、それぞれの生き物はそれぞれの論理と思惑で行動するから、その結果としてのマクロ的な実体経済市場、株式市場全体はまったく異なった様相を呈するのである』、さすが行動経済学者らしい解釈だ。
・『景気が良くなることと経済成長は「別物」  どういうことか、説明しよう。実体経済市場は何によって動かされるか。支出である。人々や企業、そして政府などが支出をする。その支出の合計がGDPでありマクロ経済活動である。実際に支出された額の合計である。 したがって、人々の日々の経済活動の結果が集約されているのである。これについては、多くの人が理解している通りだが、2つ注意点がある。 第一に、短期的に消費が増えれば景気は良くなるが、景気は良くなれば必ず悪くなる。経済成長とは別物である。 第二に、好循環という言葉が多用されすぎている。経済はいったん回り始めれば自然と回り続けてそれが経済成長となると誤解されている。だが、それはまったくの誤りで、好循環と経済成長とは無関係で、消費を増やしお金をぐるぐる回せば、景気が良くなり、成長するのではない。短期的には景気は良くなるが、逆に投資にまわすお金はなくなり、長期的な成長性は失われ、むしろ経済成長率は低くなる。 高度成長期の「投資が投資を呼ぶ」という好循環と、消費刺激により経済をまわす、と人々(特に政治家)が考えていることはまったくの別物だ。もともと資本が不足しており、実物へ投資したくても金がなくて投資ができないときは、資金が供給されて設備投資が増えれば、生産が増えて、利益も増える。それにより、さらなる設備投資が可能になり、さらに生産力が上がる、という循環である。 これは、もともと需要はあるのに、資本不足で投資不足になっている場合のことである。現在のように、資本が余りまくっていて、よい実物投資機会があれば、いくらでも資金を融資したいと銀行が思っているような状況ではまったく当てはまらない。 無駄な投資を行って生産しても、それは売れず赤字が膨らむばかりだろう。あるいは、どこかの企業のように、社運をかけた投資をしても、世界的な競争には勝てる保証は全くなく、危機に陥るだけである。 一方、株式市場においては、この「お金をぐるぐる回すと好循環になる」という実物市場においては誤解でしかない論理が見事に成立しているのである。 つまり、株式を誰かが買う。買うから上がる。上がったからさらに上がると思う投資家が出てくる。彼らも買う。さらに上がる。上がったから売ると儲かる。儲かった金でさらに別の株を買う。すると、この別の株も上がる。このように、株は買いが続けば、上がり続けるのである。 そうすると、上がったところで売って儲けた人が出てくるだけでなく、売っていないのに「儲かる人」が出てくるのである。いや、むしろこちらのほうが大半である。 つまり、市場で成立する株価が以前より上がっている。前に買った人は買い値よりも市場価格のほうが高い。つまり、簿価よりも時価のほうが高い。含み益が生じているのである。 そして、時価が常に正しいと思い込めば、投資の教科書には(ファイナンス理論においても)、ついている市場価格は常に正しいと書いてあるから、この含み益は、実現利益と違いはなく、利益である。資産総額が増えるのである。よって、強気になってさらに投資をする。つまり株を買う。だから、株がさらに上がる。こういうメカニズムである。 なんとも不思議な世界だが、もしも「おかしい」と思った方がいれば、そう、あなたは正しい。このロジックにはトリックがある。それも2つある』、どんな「トリック」なのだろう。
・『「2つのトリック」とは?  ひとつは「市場価格は常に正しい」というものである。この前提は単純に間違いだ。 市場価格とは、理論的に正しい価格でも、現在の需給を反映した現実の市場ニーズの集計結果でもない。「たまたまついた値段」に過ぎないのである。誰かが間違って過大評価し、買いだ、と思って買いまくれば、価格は急騰する。一方、もし過大評価しても、実際に買わなければ株価は上がらない。ヤフーオークションの結果と同じなのである。 もうひとつは、株価が上がったから、さらに上がると思う投資家が出て来る、というところである。まるでねずみ講のようだが、実際、私はリーマンショック前に出版した著作「すべての経済はバブルに通じる」では、株式市場とはねずみ講であると冒頭で断言し、「この前書きだけがすばらしい」と当時アマゾンの読者レビューに書かれたものだ。 買えば上がり、上がれば買う、という連鎖が起きれば、ここで書いたような、株価上昇の循環が起こるが、これが起こることは保証されたわけではない。上がったら買うような、株価上昇に追随する投資家がいなければ、これは実現しないからである。これが実現するパターンはただひとつ。バブルである。バブルの時には、これが実現する。) そして、今は、まさにこの状況である。「コロナのワクチンがついに開発された!買いだ!ワクチンが出れば、小売流通などこれまでの負け組も回復する!」などと言って株が上がる。だが次の日には、経済指標が発表され、予想よりも悪く、失業者が高止まりだったりする。 その次の日には、新型コロナ感染者が急増し「ニューヨークやロンドンではロックダウン(都市封鎖)の可能性がある」などと報道される。すると、デジタル関連銘柄が上昇し、また経済対策期待が膨らみ、結局はオールドセクターも上昇する。そして、この上昇の流れに多くのトレーダーが追随する。 ここからわかることは、まず、今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている』、「今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている」、との診断には同感である。
・『株式市場とは「期待だけが重要」な世界  ここに、最重要な事実が現れる。「バブルは作られている」のである。それを作っているのは、追随買い、という投資行動であるが、この投資行動を生み出しているのは、「株価はまだ上がるはずだ」という期待である。つまり、期待が買いを生み、買いが上昇となり、この上昇が期待をさらに膨らませ、それがさらなる買いを膨らませる。すなわち、期待が株価を動かしているのであり、期待が自己実現しているのである。 株式市場とは、期待が自己実現する世界であり、真実はどうでもよい。期待だけが重要であり、実体経済においては、事実を変えることはできないから、期待と現実が乖離していることこそが、株価と実体経済が乖離している現象を生み出しているのである。 そして、最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻されるから、「株式市場と実体経済は、一致するはずだ」「連動するはずだ」と主張する人が出てくるだろう。実際、教科書の議論はそういうことだ。 では、教科書と現実(あるいは現実の側を主張する私)は何が違うのか。教科書は必ずしも間違っていない。しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する、ということであり、10年に1度だけ、正しくなる、というだけのことだ。 そして、その連動は、悲劇的でドラスティックなものであり、日々連動するわけではないのだ。ただ、それだけのことである。その10年に一度が今やってきていない、というだけのことなのだ』、「最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻される」、「しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する」、今回はどうなのだろうか。

次に、2月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263286
・『日経平均3万円超えで中高年はなぜ「嫌な予感」がするのか  経済人って、理屈抜きで悪い予感を感じるときがあるものです。私だけでなく、50代以降の結構多くの経営者やビジネスパーソンが、理屈ではなく予感として、日経平均株価が3万円を超えたことについて「嫌な気配」を背筋に感じています。 先に、断言しておきます。私は経済予測の専門家ですが、「株価に限っては未来予測が難しい」ということは常識です。後でお話しするように、株価については例外的に1つだけ高い確度で予測できることがあるのですが、それ以外の予測は難しいです。 たとえば、「今年の年末の日経平均はいくらになっているのか?」「今年、爆上げする銘柄は何か?」といった予測は、どのプロのアナリストが行っても大概外れます。現実に、プロのファンドマネジャーが運用する投資信託の6~7割は、パフォーマンスで平均株価に負けているという分析データもあります。 つまり「3万円を超え、これから日経平均がどうなるのか?」という予測は、まず当たらないというのがアナリスト界隈の常識です。一方で予測とは別に、予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう。その理由は、過去によく似た「強烈な体験」をしているからです。 前回、日経平均株価が終値で3万円を超えたのは1988年12月7日のことでした。1988年はバブル経済の真っ只中で、4月から10月までの約半年間、日経平均は2万7000円から2万8000円の間のボックス相場で膠着していました。今思い起こすと、あたかもそこから上に上がるのが怖かったかのようでした。そのトレンドが崩れたのが11月で、そこから株価の上昇が始まり、1988年12月に初めて3万円台に到達します。 そして翌1989年は、株価はもみ合いながらも、年間を通じて一貫して上昇し、1989年12月29日の大納会で、運命の3万8915円87銭という、史上最高値を記録します。この年のクリスマスイブは、バブル熱狂のピークの日曜日でした。都内の高級フレンチレストランは、1人3万円の特別ディナーコースしか注文できないにもかかわらず、本当に予約がとれない状況でした。しかもそこでは、高級ワインをボトルで追加注文するのが、お客としてのマナーだったと記憶しています』、「予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう」、私も同感だ。
・『「日経平均は5万円を超えて上がる」 株価暴落を予測した専門家はゼロ  今でもよく覚えていますが、この年末において1990年の株価が下落すると予測した経済アナリストは、ほぼ皆無でした。平均的なアナリストは、1990年の日経平均は4万5000円くらいを予測していて、強気のアナリストが「日経平均は5万円台に突入する」「いや、6万円台も十分にあり得る」と言っていました。ほとんどのアナリストが、1990年のバブル崩壊を予見できなかったのです。 現実には、1990年3月に大蔵省が「土地関連融資の抑制について」という、いわゆる総量規制を打ち出します。1986年に公定歩合(当時)が大きく引き下げられたことからバブルが始まったのですが、日銀はここで公定歩合を急速に引き上げます。1989年5月まで2.5%だった公定歩合は小刻みに上がり、1990年3月に5.25%、8月に6.0%と金利が急上昇します。そして、土地と株のバブル崩壊が始まります。 日経平均は1990年の2月下旬に急落の兆候を見せ、3月22日に3万円台をいったん割ります。その後、わずかな期待をかけて株価は何度か踏みとどまろうとしましたが、1990年8月2日を最後に3万円台からさよならし、その後30年続く日経平均の低迷時代に突入するのです。 私たち50代以上のビジネスパーソンが、「日経平均が3万円を突破した」というニュースを聞いて、理屈ではなく感覚的に寒気を感じてしまうのは、30年前にそういう「嫌な体験」をしているからです。訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです。 歴史を検証してみれば、バブルが起きたのは当時の記録的な低金利が理由で、バブルが崩壊したのはそれを急速に是正しようとしたからでした。今、コロナ禍にもかかわらず日経平均が上昇しているのも、アベノミクス以降、日銀のマイナス金利政策が継続しているからです。理屈でいえば、国の金融を司るトップレベルの人が突然「出口戦略を実行する」などと言い出さない限り、この状況は続くでしょう。 よって足もとに関しては、論理的には日経平均が3万円を突破したからといって、「まずいことが起きそうだ」と考える根拠はありません。普通に考えれば、今年後半にはワクチンが普及し、新型コロナ禍も収まって、平均株価は過去最高値の突破を視野に上昇しても、おかしくないはずです。理屈では、そうなるという話です』、「訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです」、その通りだ。
・『株式相場の大調整を招く「2つのかく乱要因」とは  ここで、話は冒頭に戻ります。株価に関しては未来予測が難しいです。アナリストが予想した通りに動くことがないのです。 では、もし今回も日経平均が順調に上昇する未来が訪れないとしたら、この先、どのようなかく乱要因があるのでしょうか。あり得そうなシナリオを、2つ提示してみたいと思います。 1つは、単純な市場心理です。仮に市場の参加者の多くがバブル崩壊の経験者で、共通の思考として過去のバブルの経験から過度に「3万円」というラインを警戒しているとすれば、何かのきっかけでそれが株価崩壊に転じる可能性は、十分にあります。なにしろ株価というものは、実体経済よりも「美人投票」に近く、皆がそう思う方向へと動くのだから。 私の個人的な予測では、この市場心理による危険水準ラインは3万円ではなく、むしろ過去最高値に近づく3万8000円台に入ったときに、明確化しそうです。 「経済実態を伴わないにもかかわらず、日経平均が過去最高値を突破」といったニュースが私たちの耳に入ったときに、市場に参加している投資家たちがどう感じるかが問題です。 仮に「これが引き時の合図だ」と考える人が一定数いて、そこで売りが始まった場合に、市場心理による株価下落が始まるシナリオはあり得るのではないかと、私は警戒します。 もう1つのシナリオは、アメリカの金利政策の変更です。グローバルな金利を見ると、日本だけでなくEUや英国も、2010年代から直近まで継続して超低金利政策をとっています。ところがアメリカだけは、2016年から2019年にかけて金利を引き上げにかかっていました。その政策が変化したきっかけがコロナ禍であり、2020年に緊急利下げを発表します。 これが、コロナ禍で急落したアメリカの株価が持ち直した直接のきっかけです。そして現時点で、アメリカの金融当局であるFRBは、コロナ禍から経済が回復し、完全雇用に近づくまでは、このゼロ金利政策を維持すると表明しています。市場の予想では、2023年くらいまで続くのではないかという期待がありますが、問題はその期待が裏切られた場合です。 本来、FRBから見れば、最初は「数カ月間の緊急事態対策」だったはずのゼロ金利が長期化する状況は、「やむを得ないとしてもよいことではない」と、本音では考えているはずです。仮に、ワクチンの効果でコロナ禍から経済が脱する状況が見えてきたとしたら、FRBが早期に金利を元のあるべき水準に戻そうとする可能性はあると思います。 そうなると、市場が思っていたよりも早くアメリカの量的緩和が終わり、ダブついていたはずのマネーが反転することになります。これが、日経平均の下落が起こり得るもう1つのシナリオです。 歴史を振り返ると、仮に1989年と同じことが起きるとすれば、日経平均はこの先、1年かけて着々と3万8915円に近づいていくかもしれません。そして、2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだということです』、「2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだ」、確かにその可能性には警戒しておく必要がありそうだ。
・『日経平均続伸の例外シナリオも やはり株価予測は難しい  さて、最後にもう1つ、別の要素について話しておきたいと思います。株価について、この先1年でどうなるかという予測は非常に難しいというのが今回の話の前提ですが、冒頭で述べたように、その理論には1つだけ例外があります。 それは、超長期に限って言えば、平均株価は経済の発展する方向へ動くということです。その観点で比べると、失われた20年を経験した日本経済と違って、アメリカ経済は過去30年間、長期的な発展を経験してきました。より正確に言うと、アメリカの大企業は国内経済以上にグローバル経済の発展の恩恵を受け、継続的に業績を拡大させてきました。 以前、日経平均が3万円を超えていた1988年から1989年までの時代、アメリカのダウ平均株価は2000ドル台でした。それが30年後の2021年には、ダウは3万ドル台。いつの間にか、名目数字で日経平均を超えています。 数十年単位の超長期で見た株価は、そのような実体経済が進む方向に合致します。日本の場合、1989年頃のバブル時代は、実は日本企業がアメリカを超えるのではないかというくらい、絶好調の時代でした。しかし、トヨタ自動車も日産自動車も、ソニーも日立製作所も東芝も、そこで成長は一時停滞してしまいます。 東芝と日産はさておき、近年のトヨタやソニーの決算の回復ぶりを見ると、すでにバブル経済の頃のピークを超え、その次のステージへと近づいている感があります。その意味では、今後日本を牽引する企業の株価が本格的に上がっていくのは、これからなのかもしれません。 怖い、怖いと思いながらも日経平均が上がっている背景には、金融緩和ばかりでなく、コロナ禍で収益構造を変えて善戦する企業の努力があるのだとしたら、投資家にとってはまだ「攻め時」であって、「引き時」はもっと先だと考えるべきなのかもしれません。 ただ、最後に率直な気持ちを述べると、私はやっぱり「投資は難しい」と思っています』、最後の部分は正直な述懐のようだ。

第三に、2月23日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない、重大な理由」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80470?imp=0
・『かつてのバブル相場での「モラルハザード」  先週月曜日(2月15日)。東京株式市場で日経平均株価が3万円の大台を回復した。これは、1990年8月以来、実に30年半ぶりという節目である。 新聞やテレビは、回復の原動力として様々な要因を報じた。曰く、去年の10~12月のGDP(国内総生産)が2期連続で大幅な伸びを記録した、企業収益が予想されたほど悪くなかった、米国を含めて海外株が堅調だといった具合だ。 中には、新型コロナワクチンの接種スタートを歓迎したと報じるところもあった。だが、これらはどれも決め手とは言えない。最大の要因が日銀を中心とした各国の金融緩和にあることは明らかだ。 少なくとも、現下の新型コロナウイルス感染症危機が完全に収束するまでは、日銀を始め各国・地域の金融緩和は続く見通しで、株価が上昇し易い環境も維持されるだろう。日経平均が1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)を更新する日が来てもおかしくはない。 しかし、“日銀相場”を手放しで歓迎することはできない。銀行や企業のモラルハザード(倫理の欠如)など、深刻な副作用を伴うからである。 振り返れば、1986年頃にスタートして1989年末に終わったとされる株式のバブル相場も、凄まじいモラルハザードを生みだした。 当時、筆者は、株の街・兜町にある東京証券取引所の記者クラブ「兜クラブ」詰めの新聞記者で、そのモラル崩壊の現場を目の当たりにした。 中でも壮絶だったのは、日経平均が最高値に向かう過程の株価形成だ。後に「証券不祥事」とか「損失補てん事件」と呼ばれるスキャンダルに発展したが、その構図はこうだ』、「町田」氏がバブル期に「「兜クラブ」詰めの新聞記者」だったとは初めて知った。異常事態をインサイダーとして観ていたようだ。
・『リスク感覚がマヒしていた  多くの大企業が株式や転換社債を発行したり、銀行から借り入れたりして巨額の資金を調達。「財テク」と称し、この資金を株式市場で運用することで多額の利益を稼ぎ出そうとした。財務部は花形部署のひとつだった。 運用を受注したのは、大手や準大手の証券会社だ。証券会社は資金運用を引き受ける際、密かに、文書もしくは口頭で、違法行為の「利回り保証」や違法行為スレスレの「損失補てん」契約を結んだ。契約の中には、担当者が名刺に「利回り保証年7%」などと書き込んだだけのものもあった。 こうした契約は、事前に顧客企業の了解を得なくても、証券会社の裁量で株式を売買できるファンド(通称「営業特金」)に資金を組み込むことを意味し、猛烈な回転売買を可能にした。証券会社にとっては、株式の委託売買手数料を好きなだけ獲得できる仕組みだった。 証券会社は、個別銘柄の経営実態を無視して相場を吊り上げた。営業特金は膨らみ続け、企業業績のかさあげに貢献した。「利回り保証」や「損失補てん」契約もあり、企業はリスク感覚が麻痺、実態は無謀な投資に過ぎないのに、割りの良い収益源を確保したと勘違いしていた。 一方、当時の大蔵省は、複数の証券会社の検査を通じて懸念を募らせていた。ひとたび相場が下落に転じたら、証券会社には保証や補てんをする体力がなかったからだ。 増資・起債で融資の顧客を、資金運用で預金の顧客を奪われた銀行からの苦情も無視できなかった。そして、大蔵省が「さすがに、目に余る」「いつまでも続くわけがない」と、本格的な規制に乗り出す腹を固め、狂乱の株式バブル相場は終焉を迎えることになったのだ。 株式相場は1990年の年明けから一転、先の見えない長期下落局面に突入した。経済実態を離れて大きく吊り上げられていたうえ、大企業と証券会社の癒着が露呈し、市場への信頼が根底から崩れてしまった』、金融引き締めに転じる時期が遅れただけでなく、引き締めの度合いも強烈過ぎた。
・『原動力は一貫して日銀の金融緩和  ほぼ10年が経って2000年代に入ると、ITバブルや郵政相場で多少持ち直しかけた時期もあったが、いずれも長続きはしなかった。リーマンショックの影響が長引き、日経平均は2009年3月にバブル崩壊後の最安値(7054円)を記録した。 さらに12年近い歳月が経過した先週月曜日。日経平均は安値から4.2倍以上に上昇し、30年半ぶりに3万円台を回復した。 ほぼ一貫して原動力になったのは、日銀の金融緩和だ。その第1弾は、白川方明前総裁時代の2010年12月に放たれた。株価の底割れを防いで経済の好循環を作り出し、デフレ経済を脱却するという名目で、株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)の購入が始まったのだ。当時の購入枠は4500億円だった。 ETF購入は、黒田東彦現総裁のもとで合計4回にわたって強化された。直近は昨年3月のことで、購入枠の上限が年間12兆円に膨れ上がった。背景には日経平均が1カ月あまりの間に3割以上も急落するコロナショックがあり、安倍前政権の過去最大級の経済対策に呼応する形で、黒田日銀も包括的な金融緩和策を打ち出したのだ。 日銀は、ETFの購入拡大に加え、積極的な国債買い入れ、ドル資金の潤沢な供給、新型コロナで苦境に陥った企業を支援するための特別オペなど様々な対応を講じている。 海外でも、トランプ前米政権が2兆ドル規模の経済対策を、FRB(米連邦準備理事会)が量的緩和を実行したほか、EU(欧州連合)やECB(欧州中央銀行)も続々とかつてない大規模な対策を実施した。 これらにより「世界的カネ余り現象」が起きた。経済の下支え期待が膨らみ、世界の市場が平静を取り戻す中、日経平均も半年足らずでコロナショック前の水準を回復した。 その後もほぼ一本調子の上昇を続けて、先週の大台回復が実現した。「資産バブル」と呼ばれ、株式に限らず、商品相場や暗号資産価格なども高値を付けている』、なるほど。
・『金融緩和は継続せざるをえない  数字を見ても、去年1年間の市中への資金供給の大きさは明白だ。資金供給の結果として、日銀の保有資産は昨年12月末に前年より23%増加、金額ベースで129兆円多い702兆円に膨張した。この増加額はデータが開示されている1998年以降で最大なのだ。なりふり構わぬコロナ対策の姿が伺える。 このうち、株式相場を押し上げる効果の高いETFは簿価ベースで1年前の25%増、金額ベースで7兆円増の35兆円(簿価ベース)となった。日銀に支えられて、東証1部の時価総額はコロナショックで急落した去年3月に比べて約130兆円も増加した。 こうした株式相場が上昇し易い環境は、今後も当分の間、維持される可能性が強い。というのは、コロナ危機が去り、経済が正常化するまで、日銀に限らず、各国は大規模な金融緩和を継続せざるを得ないからだ。 その一例が、米FRBだ。昨年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、コロナ対策に万全を期すため、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持するという方針を表明した。 また先週木曜日(2月18日)。黒田日銀総裁は菅総理と会談、「金融緩和を相当長く続ける必要があることを伝えた」と明かしている。 これらは、昨年のコロナショックのような混乱が再発すれば、日銀やFRBが迷うことなく再び大胆な金融緩和策を講じるとの意思表明に他ならない。 こうした状況では、相場が大きく下がるとは考えにくい。投資はあくまでも自己責任で、安易な投資を推奨する気は毛頭ないが、上昇し易い世界的なカネ余り状態が続くとみるのが自然だろう』、FRBでハト派だったイエレン氏が財務長官になったことも、緩和継続の可能性が高まったようだ。
・『上下する市場の機能が損なわれている  急激に強いインフレ懸念が台頭するとか、相場が過熱し過ぎるといった想定外の事態が起きない限り、環境が大きく変わることはなさそうだ。 とはいえ、金融緩和は決して良いこと尽くめではなく、多くの副作用が生じている。本来、市場は上がったり下がったりして、経済を映す鏡となるものだが、その機能は損なわれたままだ。 銀行への資金供給や企業の救済オペが、コロナ危機以前から破綻しかねない状態にあった銀行や企業の経営実態を覆い隠し、ゾンビ銀行やゾンビ企業の闇雲な延命策となっていることも深刻である。 日銀のETF保有残高は時価換算すると、45兆円を超えた模様だ。これは、日銀が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を抜いて、日本株の最大の株主になったことを意味している。「モノ言わぬ株主」である日銀が、緊張感のない経営を助長し、モラルハザードを加速していることも、コーポレートガバンスの観点から看過できない問題である』、国債の大量購入により国債市場は国債発行額の影響を受けなくなり、財政拡大へのブレーキが鈍り、これが近年の財政規律喪失につながっていることも無視できない。また、中央銀行資産のGDP比は、日本が米国やECBに比べダントツに多く、それだけ不健全として円が信認を失う危険性も高い。緩和で浮かれている段階ではなく、超緩和からの出口も内密にでも検討しておくべきだろう。
タグ:東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 小幡 績 町田 徹 株式・為替相場 (その10)(「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方、日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に、日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない 重大な理由) 「「今の株高は異常だ」と思う人の根本的な間違い 「コロナで不景気でも株価上昇」の正しい考え方」 株式市場と実体経済は「ほぼ無関係」である 「株式と実体経済が連動していたのは過去の話である。1980年代以降の日本、あるいは1990年代以降の欧米ではもはや連動しなくなり、21世紀においては地球上のどこでも連動しなくなったのだ。 なぜ株価と実体経済は連動しなくなったのか?理由は単純だ。財市場と資産市場は別の世界のものだからだ」、ここまで言い切るとはさすが「小幡 績氏」だ 株式市場と実体経済が連動しない「小さな3つの理由」 景気が良くなることと経済成長は「別物」 どんな「トリック」なのだろう 「2つのトリック」とは? 「今は明らかにバブルであるということだ。モーメンタムトレード、つまり「流れに乗る投資」が有効であり、多くの人が行っていることがバブルの証左であり、またバブルを実際に作っている。バブルをさらに膨らましている」、との診断には同感である 株式市場とは「期待だけが重要」な世界 「最後は、期待は裏切られ現実に引き戻される。それゆえ、期待によって生まれた株価は持続せず、結局は現実、すなわち、実体経済に引き戻される」、「しかし、それは10年に一度のバブル崩壊のときにだけ実現する」、今回はどうなのだろうか 「日経平均3万円超え、「攻め時」と「引き時」を真剣に」 日経平均3万円超えで中高年はなぜ「嫌な予感」がするのか 「予感として「これからひどいことが起きそうだ」と私のような中高年のビジネスパーソンは感じてしまう」、私も同感だ 「日経平均は5万円を超えて上がる」 株価暴落を予測した専門家はゼロ 「訓練された犬がベルの音を聴いてよだれを出すように、私たちの年代のビジネスパーソンは、パブロフの犬の条件反射のように、「日経平均3万円」と聞くと、これから長く寒い「冬の時代」がやってくるような気がして、心が縮こまってしまうのです」、その通りだ 株式相場の大調整を招く「2つのかく乱要因」とは 「2022年4月頃に最高値を更新するとすれば、その時期とFRBの政策変更時期が重なる危険性は、十分にあり得そうだ」、確かにその可能性には警戒しておく必要がありそうだ 日経平均続伸の例外シナリオも やはり株価予測は難しい 私はやっぱり「投資は難しい」と思っています』、最後の部分は正直な述懐のようだ 「日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない、重大な理由」 かつてのバブル相場での「モラルハザード」 「町田」氏がバブル期に「「兜クラブ」詰めの新聞記者」だったとは初めて知った。異常事態をインサイダーとして観ていたようだ リスク感覚がマヒしていた 金融引き締めに転じる時期が遅れただけでなく、引き締めの度合いも強烈過ぎた。 原動力は一貫して日銀の金融緩和 金融緩和は継続せざるをえない FRBでハト派だったイエレン氏が財務長官になったことも、緩和継続の可能性が高まったようだ。 上下する市場の機能が損なわれている 国債の大量購入により国債市場は国債発行額の影響を受けなくなり、財政拡大へのブレーキが鈍り、これが近年の財政規律喪失につながっていることも無視できない。また、中央銀行資産のGDP比は、日本が米国やECBに比べダントツに多く、それだけ不健全として円が信認を失う危険性も高い。緩和で浮かれている段階ではなく、超緩和からの出口も内密にでも検討しておくべきだろう
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資本市場(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) [金融]

資本市場については、2019年12月8日に取上げた。今日は、(その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く)である。

先ずは、本年2月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261895
・『突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは  新手のSNS「クラブハウス」(Clubhouse)の人気が周囲で突如過熱し始めたと感じたのが、私の場合は1月26日でした。使い始めたら、田村淳さんが藤田ニコルさんと会話していたり、箕輪康介さんの声が流れてきたり、与沢翼さんがいらっしゃったり、「いったいここは何なんだ?」という、まさにカオスな世界でした。 Clubhouseは「音声系SNS」と紹介されることが多いようですが、「誰でも配信できるラジオ」といったほうが実情に近いかもしれません。今のところClubhouseのアプリは、iOSでないと使えない(Androidでは使うことができない)という制約があります。何かを話したいと思った人がルーム(番組のことをClubhouseではこう呼びます)をつくって、スピーカー(ゲスト)を招いてルームを開始します。 ルームの設定が「Open」の場合は、主催者とスピーカーの会話を誰でも聞くことができます。私がアプリを使い始めた初日に田村淳さんと藤田ニコルさんの会話を聴くことができたのはそのような事情からで、ラジオ番組のようであり、友達同士の内輪の会話を盗み聞きするような感じでもあり、これは確かにちょっと不思議な体験です。 この1週間のリスナー体験でClubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性があることがわかりましたし、ビジネスでの利用を含めその将来性もいろいろと想像できるようになりました。一方、後で述べる理由からClubhouseは招待制であり、利用できない読者の方も多い状況です。 そこで本稿では、ITとビジネスに関心のある読者のために、Clubhouseの概容と潜在的な可能性について解説してみたいと思います。 Clubhouseは2020年にアメリカでサービスが開始されました。西海岸では5月頃に一度話題になり、音楽系のユーザーがコロナで自粛がちの日々に音楽を提供するような使い道の試行が続いていたようです。 その後も徐々にアメリカの利用者が拡大していく中で、つい先週、突然Clubhouseのユーザー数が拡大しました。そのタイミングは、日本だけではなく中国も同じだったといいます。その引き金になったのが、1月22日に報道された巨額の資金調達でしょう。 これはアプリ系のサービスがビジネスを拡大するときの定石でもあるのですが、小さく始めてサービス内容を微修正しながら、ユーザーの用途がはっきりしてきた段階でそれをアピールして資金を調達し、一気に大きくする段階に来たということです』、「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」、そんなに魅力的なのだろうか。
・『「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景  日本では1月24日頃から、「なんとなくClubhouseはすごいらしい」という話題が増え始めます。しかしClubhouseは招待制で、アプリをダウンロードしても誰か知り合いから招待してもらえないと参加できません。しかも当初の招待枠は利用者1人あたり2枠だけだったため、「Clubhouseに招待してほしい」というニーズが急速に高まりました。いわゆる「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです。 その後、メルカリで招待枠が4000円から1万円くらいで取引される事態となりますが、これはメルカリの規約に違反する出品ということで、今では取引できなくなっています。その間、ツイッターやLINEでClubhouseの招待枠を持っている人と欲しい人がどんどんつながって、利用者数が急増したのが先週の出来事でした。 そして、ツイッターやYouTubeなどで情報発信をするインフルエンサーがClubhouseを試し始めたことで、それ以外のインフルエンサーたちも一斉にClubhouseを試し始めます。これはFOMO(the Fear Of Missing Out)と言われる現象で、有名人ほど新しいブームに自分が乗り遅れることを恐れます。その結果として、なかなかレアな顔ぶれの音声情報配信が始まったのが冒頭のタイミングでした。 Clubhouseが面白い点は、リモートでありながら複数のスピーカーが会話をするのに遅延がほとんど感じられないというストレスのなさです。これはZoom会議と比較してみるとわかる違いです。 4人のスピーカーが話をしているルームにリスナーとして参加していると、Zoomでは会話の間に妙な間が空くのですが、Clubhouseはその間が感じられない。そのうえ、複数の人が同時に話してもClubhouseではちゃんとその音を拾ってくれます。つまり、4人がまるで同じラジオ放送のブースに入って話しているように聞こえるのです。 このあたりは、実は技術的にClubhouseが進んでいるポイントで、スピーカーの音声を拾ってデジタル処理したうえで合成し、リスナーには別のサーバー経由で戻したりしているらしいのですが、その説明はこれくらいにしておきます。 要するにClubhouseは、IT人材のレベルが高くて、さらに資金調達ができたため、日本の需要分もサーバーを増強できたということでしょう。ただ先週時点では、配信中にときどき音が途切れてつなぎ直すといった状況もありました。設備増強よりもユーザーが増加するスピードのほうが激しかったことが想像できます』、「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ。。
・『結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する  では、Clubhouseがこれまでのデジタルツールとどう違うのかを比較してみましょう。まず一番近いサービスであるラジオとの比較です。 そもそもラジオ局から出演を打診されなくても、そのような場で自ら情報配信ができるという点が新しい。しかし、それならばYouTubeも同じかというと、それよりも簡単です。なぜならClubhouseはYouTube配信と違って、出演者が1カ所に集まったり、動画編集をしたりといった手間がかかりません。 さらにラジオと違う点は、アーカイブが残らないこと。昔のラジオに近いと言ったほうがいいかもしれません。生配信の情報はリアルタイムで消えていって跡が残らないので、よりきわどいというか、公共メディアでは話せないような話題もClubhouseなら話すことができそうです。 ちなみに、録音したりメモをとったりするのは規約違反になっているので、たとえば「田村淳さんが何を話していたかは、記事で書いてはいけない」のがClubhouseのルールです。 一方で、ツイッターなどのSNSと同様に、管理者側が配信内容をチェックする体制になっています。ですから非合法なヘイトスピーチなどのルームを開いていると、突然アカウントが停止されるといったことがこれから起きると思われます。 もう1つラジオと違う点は、リスナーが何人くらいいて誰が聴いているのかが「見える化」されている点です。場合によっては主催者がそれに気づいて、リスナーをスピーカーに引き上げたりもできますし、リスナーが自分から挙手して「スピーカーとして話をさせてくれ」とアピールすることもできます。 そういうと逆に緊張してしまうといけませんが、実際はリスナーの99.9%はただ聴いていればよく、しかもいつでもルームから静かに退出することが可能です。 このようにラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができるという点は、SNSメディアとしての新しいポテンシャルを感じさせます』、「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ。
・『収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル  一方で収益モデルがどうなるかは、現在、Clubhouse側の意図はよくわかりません。これもアプリの新サービスを立ち上げるときの常套手段で、まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです。 また当然ですが、ルームに参加できる人は設定で制御できるようになっています。設定は3種類あって、1つは「Open」。これは要するに、誰でも自由に聴くことができるという設定で、今のところ著名人による多数の人向けの配信はこの設定になっています。 2つめが「Social」で、自分がフォローしている人だけが自由に入れます。3つめは「Closed」で、自分が選んだ人だけが入れる設定です。これらによって、Clubhouseはいろいろな使い方ができそうです』、「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど。
・『ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」  さて、このようなClubhouseの特徴を前提に考えると、今後Clubhouseはどのように発展していくと考えられるでしょうか。 1つはインフルエンサーや著名人、文化人などを中心に、簡単な情報発信の手段が1つ増えるということです。私の視点からいえば、アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点です。たとえば本連載のような記事について、本文には書き切れない情報があります。そのような場合に、追加でもう少し詳しく解説する目的でClubhouseを気軽に使う、という利用法はありそうです。 2つめに、オンラインサロン的な活用ができそうです。課金などの仕組みは後からつくられるか、ないしは別の方法でつくっておくとして、Clubhouseの仕組みを使うとごく一部の会員向けのルームをつくることが可能になります。私の場合、noteに「2021年のいつ頃に新型コロナが収束しそうか」といった未来予測レポートをアップしていますが、noteのように後に残るメディアだと、どうしても保守的な未来予測しか書けないという欠点があります。その点、Clubhouseならnoteとは違った話もできそうな気がします。 そして3つめに、これはClubhouse側が想定しているかどうかわからないのですが、企業の業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)にもClubhouseを活用することができそうです。 ClubhouseのCEOによれば、招待制はいずれなくして、早い時期に誰もが使えるSNSに変えていきたいという意向があるそうです。前述のようにClubhouseの利用には、特別な音声処理を行なったり、特別なサーバー経路を用いたりするなど、現状では利用者数を一定量よりも増やせない仕組み上の制約があるということでしょう。いずれClubhouseの設備が拡大増強されれば、もっと利用者を増やして安定運用できるようになるはずです。 その前提で考えれば、たとえばClubhouseを会社の組織内、たとえばグループでのリモート会議に活用することが考えられます。会議よりも簡単な数人での打ち合わせも同様です。ちょっと困ったことが起きて、急いで関係する人4人が集まって社内で相談する。新型コロナ以前であれば社内でそうやっていた業務が、Clubhouseならリモートで安全にできるようになります。 同じような使い方で業務改革と言えるインパクトがあるのは、たとえば3人以上の役員が集まって行う「ひそひそ話」でしょう。組織が大きければ大きいほど、役員はそう頻繁には集まることができない。スケジュールを調整するだけで時間がかかるというのが、これまでの状態でした。しかし5分で話せる緊急案件であれば、将来的にClubhouseを使うことで役員間の意思疎通が劇的に改善する可能性があります。これぞまさしく、業務のDX化というものです。 ちなみに、サンドイッチチェーンのサブウェイの創業者、フレッド・デルーカは、電子メールでの社内連絡が嫌いで、加盟店への一斉連絡には主にボイスメールを使っていました。理由は、電子メールだと怒鳴れないからです。その観点では、社員数10万人規模の大組織でも、Clubhouseを使えば毎朝社長が朝礼で話をすることも可能でしょう』、「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ。
・『企業のDX推進に与える影響は計り知れない?  実は、本稿を書いてみようと思った一番のきっかけは、Clubhouseの未来がどうなるかということよりも、DXにあります。記事の後半でお話ししたようにClubhouseのビジネス用途を考えるということは、すべての読者、すべてのビジネスパーソンにとってDXを考えるトレーニングになるということです。 私はよく「DXをどう行えばいいのか」という質問を投げかけられるのですが、経営者や管理職が考えるべきことは、実はこのように、新しいツールが登場して話題になるたびに一度使ってみて、それを業務に活用できないかを考えてみることだと思います。 その観点でいえば、LINEやTwitterの出現とは別の形で、今回のClubhouseも意外と経営者のツールとして使えるものになるかもしれません。トランプ前大統領が仕事にTwitterを多用したように、Clubhouseを多用する社長が出現してもおかしいとは思いません。 幸いにして、当初2枠だけだったClubhouseの招待枠は今週に入って増えています。まだ使ったことがない読者の皆さんは、周囲で招待枠を持っている人を探して招待してもらい、一度試してみてはどうでしょうか。 ただ、念のためにお話ししておくと、前述の役員3人のひそひそ話、現時点のサービスではClubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っているようなので、その点だけはお気をつけて――』、「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ。

次に、2月7日付け東洋経済オンラインが掲載した経済ジャーナリストの浦上 早苗氏による「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410282
・『「Clubhouseの日本のユーザー数は、2月4日時点で50万人程度だと試算している。初速の勢いがすごかった」 ソーシャル分析ツールを手がけるユーザーローカルの伊藤将雄社長は、アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」のユーザー数の伸びを独自に試算した。 1月23日に日本でもアプリがリリースされ、IT界隈のインフルエンサーがSNSで発信し始めたことで、26日以降ユーザーが急増。芸能人も流入し、1月末にユーザー数が10万人を突破したと伊藤社長は推定している。 Clubhouseは「音声版Twitter」と説明されることが多い。閉鎖空間で1対1で会話することも、ユーザーを限定し音声を公開することも可能だ。使い方によって電話にも、ラジオにも、双方向コニュニティーツールにもなる。音声はリアルタイムで流れ、保存はされない。 「テレワークの浸透やSNSの多様化で、目と手はふさがっているけど耳は空いているという人は多い。Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」と分析するのは、SNSや情報メディアの運営経験が豊富なITジャーナリストの岩崎綾さんだ』、「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ。
・『リリース1週間で20代の34%が認知  「耳を支配するアプリ」がなぜこれほど短期間に広がったのか。最もよく聞くのが、既存ユーザーに招待されないとアプリを使うことができず、ユーザーに最初に割り当てられる招待枠が2枠しかないことで、プレミアム感が出たという分析だ。 招待制、会員制というと日本発のSNS「mixi(ミクシィ)」を思い出す人も多いだろう。同サービスは2004年3月に 正式に始まり、9月16日にユーザー数が10万人、2005年4月3日に50万人を超えた。mixiの勢いもすごかったが、伊藤社長の試算では、mixiが1年かけて獲得した50万ユーザーを、Clubhouseはわずか10日余りでかっさらったことになる。 「コロナ禍で人と会えずコミュニケーションに対する需要が高かった」(岩崎さん)ことや、「Clubhouseに登録した人がFacebookやTwitterで紹介し、その周辺に広がる。既存のSNSに乗っかり、認知度を高めた」(伊藤社長)ことも、雪崩のようなブームを起こした。 メッセージアプリLINEの調査によると、1月30日時点のClubhouse認知度は2割弱。「知っている」と答えたのは20代の34%に対し40代は12%と、世代、業種によってばらつきはある。一方で、局地的に大ブームが起きているため、存在を知っていながら参加していない人の取り残され感は大きい。 Clubhouseは今のところアップルのアプリストアでしかダウンロードできないので、アンドロイドユーザーで、都内のIT企業で働く40代女性は疎外感を感じる日々という。 職場では皆やっているという前提でClubhouseの話題が出る。家庭の方針で『オレたちひょうきん族』を見られず、クラスの話題に入れなかった小学生時代を思い出す」と漏らす。都内の女子大学生は「友達でやっているのは40人くらい。Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」と話した』、「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた。
・『耳は空いていても「脳は支配できない」  Clubhouseの魅力について、さまざまな人から出てきたのが「有名人との距離が近い」という言葉だ。 映像のないClubhouseは複数が話せる「room」を立ち上げるハードルが低い。 リスナーは興味のあるroomに参加し、挙手ボタンを押して指名されれば会話に加わることができる。起業家や芸能人が複数で喋っているroomもあり、「ここだけの話」に触れられる期待もある。 ただし、リスナーが増えていくと著名人にとってはプライベートと仕事との線引きが難しくなるだろう。 岩崎さんは、「今後、roomを有料化する機能が出ると言われており、私はコンテンツの公開範囲や価格を決められる『note』の音声版をイメージしている。配信で収益をあげられるなら、芸能人やインフルエンサーにも会話を公開するメリットが出てくる」と予想する。 伊藤社長は「ITやクリエイター業界で、SNSは早く始めたほうが成功しやすいとの認識が共有されており、とにかくやってみようとの雰囲気になっているのでは」と分析した。 Clubhouseはこの勢いで短期間のうちに市民権を得るのか。岩崎さんは「過熱感はそろそろ薄れる」と見る。 招待枠は一時期メルカリに高値で出品されるほどだったが、1月26日朝アプリを使い始めた岩崎さんは、2月3日時点で招待枠が8つに増えた。頻繁にログインしてroomに入っていると増えると思われ、会員になることの特別感はすでにほとんどなくなっている。 ユーザーからは「ご無沙汰だった人と久々に話せた」「オンラインの人たちが集まって有意義な会話ができた」「仕事をしながら流し聞きできる」などポジティブな評価が多いが、毎日5~6時間ログインし、さまざまなroomに入っている岩崎さんは、「仕事をしながら聞いていると、いつの間にかClubhouseの音声が流れていることを忘れている。耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できないと感じた」と、スピーカーとリスナーの温度差を指摘した』、「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた。
・『DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反  ちなみにClubhouseは以下のような規約を定めている。 +18歳未満は利用できない。 +「本名」での登録が必要。通称がある人は追記できる。アカウント登録後、表示名を変更できるのは1度のみ。 +知的財産権などを侵害するコンテンツは配信できない。 +いやがらせ、差別、脅迫行為などの禁止。 そして、roomでのやり取りの記録は録音だけでなく書き起こし、メモも禁止。記録したければ全員に書面で了承を取る必要がある。Clubhouse側も、roomの稼働中にユーザーから違反行為の通報がない限り、会話を保存しないとしている。 記録を残さない、残させないのは、Clubhouseが「自由に発言できる環境」を優先しているからだろう。 ただし、Clubhouseの運営者がユーザーの規約違反をどの程度チェックし、対応しているかは明らかになっていない。 Clubhouseでは日本人ユーザーによる「DJがお勧めの音楽を配信する部屋」や「フォロワーを増やすための相互フォロー部屋」「Clubhouseでのroomの様子をYoutubeで配信する部屋」ができているが、いずれも規約違反だ。 1月末にはDonald Trump(ドナルド・トランプ)を名乗るアカウントが現れたが、日本人の悪ふざけだったようで、間もなく表示名が変更された(ただし前述したように、変更は1度限りだ)。 岩崎さんは「規約違反は招待した人が4、5代遡って全員アカウントを凍結されるとの話だが、それも確認した人はいない」という。 Clubhouseは2020年3月にアプリをリリースしたばかりのスタートアップで、今年1月に公表された資金調達の目的は、アンドロイドアプリの開発やサーバーの増強、サポート体制の確立のためとしている。 アカウントのなりすまし、名誉棄損に相当する発言、あるいは援助交際や違法薬物取引など犯罪行為をどうチェックし、どう対処するのか。アプリが日本語対応していない中で日本市場のサポート体制は今のところ期待できない』、「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう。
・『会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも  神奈川県座間市で2017年に起きた9人殺害事件。白石隆浩被告はTwitterで犯行相手を物色し、ダイレクトメッセージ(DM)で接触していた。被害者の1人の兄がDMのやりとりに気づきTwitterで情報提供を求めたことで、犯行が露見し逮捕に結びついた。 SNSを介して起きた痛ましい事件だったが、テキストベースで“痕跡”が残っていた故に、犯人も容易に特定できたわけだ。 Clubhouseはアカウントが電話番号と紐づけられ、その点は犯罪の抑止力になるだろうが、犯罪やトラブル、情報漏洩などが起きた場合、「記録を残してはいけない」という規約が調査を難航させる恐れがある。 日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない。ユーザーがいつログインして、どのroomに入っているかは記録しているかもしれないが、規約に書かれている通り音声が保存されていないなら、room内で起きた問題行為の立証のハードルは上がる」と懸念する。 Clubhouseは自由で親密なコミュニケーションを重視し、ユーザーの良心に信頼する制度設計になっているが、規約が機能しているかもわからず、一歩間違えれば「無法地帯」になりうる。 岩崎さんは「他のSNSで起きていることはClubhouseでも起きるだろうが、どうやって身を守るか、何か起きた後にどう処理するかは、現状では自己責任」と話した』、「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう。

第三に、2月10日付け東洋経済オンラインが掲載したconecuri 代表・ライターの高橋 龍征氏による「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410819
・『アメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が、日本国内で一気に盛り上がりをみせている。 完全招待制である「レア感」、すべてのroom(部屋)内での会話の記録・複製が利用規約で禁じられており「今、ここでしか聞けない」という特別感。それらが急激にブームになった理由のひとつだろう。 アメリカでは2020年4月にローンチされたが、日本でユーザーが急増したのは2021年1月末から。2月11日現在、iPhoneやiPadのみの対応で、アンドロイドのスマートフォンユーザーは蚊帳の外。にも関わらず、21時以降のピークタイムには、アプリの動作が不安定になるほどアクセスが集中している状況だ。 新型コロナウイルスで長引く外出自粛・会食NGの日々、多くの人が雑談に飢えていたタイミングだったこと、初期から芸能人・インフルエンサーが続々参入したこともアプリの拡大を後押しした。 1月中旬までは、利用者はスタートアップやベンチャーキャピタル関係者が多く、特定層による”身内感”があったが、1月25日に登録したメディアアーティストの落合陽一さんが流れを変えたとも言われる。 アーリーアダプターを中心に「Clubhouse気になる」「招待枠ください」などとSNSに投稿をする人も増えた。27日には元AKB48の小嶋陽菜さんが利用を開始し、芸能人にも一気に広がっていった』、確かに普及は急速だ。
・『約2週間、60回以上利用してわかったこと  筆者は1月24日に登録後、毎日のように友人らとClubhouse上で雑談を楽しんでいる。「(名前だけは知っている)◯◯さんがリスナーに入ってきたから、一緒に話そう」という流れから生まれる、思いがけない出会いもある。アプリを起動すれば、事前に約束しなくても誰かしらが雑談していて、まるでネット上に行きつけの店ができたような感覚だ。 ラジオのように聞くという使い方もできるが、一方通行ではないところも面白い。Clubhouseにコメントやリアクションをする機能はないが、「挙手」機能があり、そのroomを仕切るモデレーターが承認すると、リスナーもスピーカーとして会話に参加することができるのだ。 フリーランス編集者として働く筆者はここ1年以上、在宅で働いている。長引く外出自粛で人恋しい気持ちもあり、このところ平日朝9時から30分間だけroomを立ち上げて、始業前の目覚まし代わりにおしゃべりをしている。トークテーマは漫画やアイドル、好きなファミレスチェーンの推しメニューなど、もっぱら趣味と生活の話だ。 先日、「ハロー!プロジェクト愛を語ろう」という趣旨でアイドルファンの方々と楽しく話していたら、リスナー欄にある元有名メンバーを発見。なんとスピーカーとして、飛び入り参加してくれた。 別の日には「30代が家について語る【賃貸か持ち家か】」というroomを作って、最近マンションを買った友人と不動産情報について会話をしていたら、たまたまリスナーにいた建築士さんが中古物件を買う上での豆知識を披露してくれたこともあった。 このように、軽い気持ちで立ち上げたroomで予想外のことが起こるのも、Clubhouseの楽しさのひとつである』、確かにその道の専門家は案外、身近なところにいるものだ。
・『記録・録音は禁止だが……  カメラなし・音声のみで人と繋がれるため、リラックスして会話できるのもClubhouseの魅力だ。Zoom飲みなどで「顔を出すのも疲れる」と思っていた人にもうってつけだ。 このようにさまざまな利点があるClubhouseだが、じわじわリスクもわかってきた。roomは一般に公開・非公開などと選べるが、気を付けるべきは公開を選ぶ場合。 気心の知れた友人と話していたつもりでも、roomのリスナーにひとりでもフォロワーが多い人が入ってくると、その人のフォロワーに通知されるため、一気に観客が増える。少人数の会話を楽しんでいたつもりが、いきなりカンファレンスのような人数に膨れ上がることもある。オフレコだからと放言するのは危ない。発言には気遣いが必要だ。 うっかり仕事上の機密情報や個人情報について口を滑らせてしまうケースも散見される。 まだマナーとルールが定まらないClubhouse。利用者のリテラシー次第では大事故にもなりかねない。いったい何に気を付ければいいか。以下、初心者向けの注意事項をいくつか記しておきたい』、なるほど。
・『+本人が開示していない個人情報に触れない  社名、家族構成など、相手がインターネット上で開示していない個人情報に触れないことが重要だ。普段から密に連絡をとる間柄であれば、なんとなく相手の温度感や、開示している範囲、インターネットに対する警戒心がわかる。しかし、Clubhouseを介して久々に話す相手との会話だと、うっかり口が滑ることもあるだろう。相手のプロフィール設定を確認してから会話したほうが無難だ。 また、子どもの名前なども要注意。「そういえば◯◯ちゃん、何歳になったんだっけ?」など、悪気なく口を滑らせてしまうこともある。インターネットへの警戒レベルは人それぞれなので、不安があれば事前にお互いのNG事項を聞いておくのもよいかもしれない、+居住エリアがわかる話はしない  「○○ちゃんとは近所仲間で〜」など、具体的な地名が入らなくても、どちらかが最寄り駅を公開していれば居住エリアが推測できてしまう。また、油断しそうなところだと、近所の飲食店の話も気をつけたほうがよさそうだ、 +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難(2021年2月現在は実名登録が原則であるものの、クリエイターなど、本名非公開の人も多く登録している。仮にトーク相手とオフラインで親しい間柄であっても、本名や本名由来のあだ名で呼べば身バレしてしまう。うっかり呼ばない配慮が必要だ』、確かに一定の緊張感を失わずに接する方がよさそうだ。
・『まだまだある「リスク」  +知らない人から招待してもらうのは高リスク  招待を受けるためには、電話番号が必要だ。しかし、招待枠が欲しいからと言って、SNSで「枠が余っていたらください」と呼びかけて、知らない人から枠をもらうのは危険と言わざるをえない。なぜなら、相手が受け取った電話番号情報をどう使うかわからないからだ。まずは、信頼できる知人に声をかけたほうが安全だろう。 +会社員は「自社のルール」を逸脱しない  プロフィール欄に勤め先を明記して使う人も多いだけに、一般社員の利用について、対応に追われている企業もある。 ある企業で広報を担当しているAさんは「本来なら、社名を出してのメディア出演やトークイベントをするには事前申請と広報チェックが必要です。しかし、Clubhouseをオンライン飲み会感覚で使う社員も多いんです。仲間内の話といっても、関係者や取引先が聞いている可能性もある。他社ではすでに公開roomで企業秘密を口をすべらせてしまうケースもあったようで、弊社もガイドラインの作成に追われています」と苦労を語っていた。 Clubhouseは会話のログが残りにくく、海外では「犯罪・ヘイト・デマの温床になっている」という指摘もある。まだ情報が少なく、手探りで使っている人も多いと思われる。まずは慎重に、注意深く利用したほうがいいだろう』、企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう。
タグ:東洋経済オンライン 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン 資本市場 (その4)(「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由、中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も、「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く) 「「クラブハウス」は使えるのか?ビジネスで知っておかないとマズイ理由」 突如、日本で話題沸騰 新手のSNS「クラブハウス」とは 「Clubhouseには何か面白くてクセになるという中毒性がある」 「なんとなくすごいらしい」から注目度が急上昇した背景 「「枯渇マーケティング」から、このブームは始まったようです」、なかなか巧みなやり方だ 結局、ラジオとどう違うのか 「新しい点」を考察する 「ラジオやYouTubeの音声版のようなサービスでありながら、より簡単でより双方向に使うことができる」、確かに面白そうだ 収益モデルはどうなるのか ビジネスとしてのポテンシャル 「まずは無料で普及させて、その後に広告などのビジネスモデルを追加することになりそうです」、なるほど ビジネス用途で考えられる「3つの成長ケース」 「アーカイブが残らないということは1つの魅力的な点」、ただビジネスではこれがネックになる可能性もありそうだ 企業のDX推進に与える影響は計り知れない? 「Clubhouseの管理者も内容をチェックする権限を持っている」、確かに気を付ける必要がありそうだ 浦上 早苗 「中毒者が続出の「クラブハウス」に潜む大問題 ユーザーが爆発的に伸びる一方で懸念点も」 「Clubhouseは耳から入ってくる情報のプラットフォームで、人々の耳を支配しようとするアプリ」、言い得て妙だ リリース1週間で20代の34%が認知 「Clubhouseに登録するためにiPadを買った人もいる」、というのには驚かされた 耳は空いていても「脳は支配できない」 「過熱感はそろそろ薄れる」との見方があることで一安心した。「耳を支配できても、脳はそう簡単に支配できない」、昔、深夜のラジオ番組も確かに聞き流すことができた DJ部屋、相互フォロー部屋は規約違反 「日本市場のサポート体制は今のところ期待できない」、のはやむを得ないだろう 会話の記録は残らず、犯罪の立証ハードルにも 「日本に事業所を置いて運営するSNSは、プロバイダ責任制限法の規制を受けるため、情報発信者のIPアドレスの保存義務があり、何かのときには警察などから提出を求められるが、岩崎さんは「Clubhouseはその辺がわからない」、恐らく「プロバイダ責任制限法」の対象外だろう 高橋 龍征 「「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く」 約2週間、60回以上利用してわかったこと 記録・録音は禁止だが…… 本人が開示していない個人情報に触れない 居住エリアがわかる話はしない +基本的に相手のことは「表示名」で呼んだほうが無難 まだまだある「リスク」 知らない人から招待してもらうのは高リスク 会社員は「自社のルール」を逸脱しない 企業が活用するには、「ログが残りにくい」のはネックで、「ガイドラインの作成」には本格的な検討が必要だろう
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金融関連の詐欺的事件(その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは) [金融]

金融関連の詐欺的事件については、2019年12月17日に取上げた。今日は、(その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは)である。

先ずは、昨年11月26日付けNHKクローズアップ現代+「追跡!あなたを狙う“闇バイト”」を紹介しよう。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4488/index.html
・『全国で相次ぐ「持続化給付金」の不正受給や、詐欺、強盗・・・。今“手軽に稼げる”ことをうたう“闇バイト”に「つい手を出す」若者が急増している。取材班は若者たちや、闇バイトを斡旋する人物を追跡。すると、SNSを通じて簡単に“仕事”が紹介される“スピード感”が、コロナ禍で困窮する若者をひきつけていく実態が見えてきた。「金に困る若者は狙い目」と語り、若者たちを取り込んでいく“ネット犯罪の最前線”は、何を投げかけているのか? 出演者 高橋暁子さん (ITジャーナリスト) NHK記者 武田真一 (キャスター)』、興味深そうだ。
・『19歳 コロナ禍で仕事失い…“受け子”に  私たちはまず、犯罪と知りながら闇バイトに手を出し、逮捕された若者に話を聞くことにしました。 闇バイトをして逮捕された少年 「“高単価バイト担当になります”“おいくつで、どちらにお住まいでしょうか?”って。」 19歳の少年です。4月、新型コロナウイルスの影響で建設現場の仕事を失いました。大好きなバイクを買った際に借りた、15万円の返済のめどが突如、立たなくなりました。友人から闇バイトの存在を聞き、SNSで探したといいます。 少年「『闇バイトをやってみたら?』『もうやるしかないんちゃう、お金返されへんのやったら』って。“闇バイト”で調べて、特に何も怖いなとは思わず、わりと軽い気持ちで。面接とかなしで身分証を出して、やるかやらないかだけ言えば、あした、あさってからなので、むしろいいんじゃないかなって。」 紹介されたのは、高齢者からキャッシュカードをだまし取る“受け子”の闇バイトでした。報酬は30万円。十分に借金を返済できる額です。最初は疑ったものの、説明を聞くうちに引き受けることにしたといいます。 少年「(相手は)『全然大丈夫です、簡単です』って、『絶対捕まらない、リスクほぼゼロです』『捕まった人はいません』みたいな感じで連絡来るので。とにかく今、お金がないと追い込まれている状況だったんで、わかってても、みたいな。リスクは背負いたくないですけど、もうやるしかないかな、みたいな感じで。」 言われるがままに銀行員になりすまし、指定された家を目指した少年。ところが、玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得されました。その日のうちに少年は逮捕されました。 少年「相手もうすうす気付いている感じで、『交番行こうや』って感じで言われて、もう無理かなってなったんで。そのとき冷静に判断をしていたら、大丈夫だったのかもしれないですけど、冷静な判断ができていないんで簡単に信じ込んで…。そのまま捕まった感じですね。」』、「玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得」、未遂だったので、刑は軽くなるが、何ともお手軽な犯罪だ。「銀行員」らしい髪型にしたのだろうか。
・『“給付金不正受給” 大学生に忍び寄る誘い  今、SNSを通じて大学生が違法に金を稼ぐ犯罪に手を出し、逮捕される事件が相次いでいます 9月に都内で起きた強盗傷害事件。大学生らが消防機器の点検を装って住宅に押し入り、現金などを奪おうとしました。供述によると、きっかけはSNSでの募集でした。 さらに、新型コロナの感染拡大を受けて広がる、持続化給付金の不正受給。全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます。 取材からは、SNSを使ったことば巧みな勧誘が、学生に及んでいる実態が見えてきました。 不正受給に手を染めようとした、沖縄の大学生の男性です。突然、見ず知らずの相手からメッセージが届きました。 “学生でも最大で100万円もらえます。” 相手はそれと引き換えに、高額の手数料を要求してきました。当初、男性は警戒したといいます。 給付金不正受給に誘われた大学生「ちょっと怪しいのかなと思いましたし、やっぱり学生という身なので、これで通るのか、お金がもらえるのか疑問に思いました。」 男性は勧誘を無視していましたが、1か月後、再びSNSで申請書の記入例とメッセージが送られてきました。男性は、やり取りを重ねるうちに、犯罪なのではという疑念が薄れていったといいます。 大学生「質問しても『みんながやってるから大丈夫』とか、『税理士がついているので心配しなくていい』という形で。生活、引っ越しとかいろいろあったので、そのタイミングが重なって、やっぱりお金が必要だなと思って、そこで給付金をもらおうかなという形で。」 男性は相手を信用し、申告書にうその収入や職業などを書いて、申請に必要な手続きを済ませました。しかし、その後みずからの行為が犯罪に当たる可能性があると気付き、受給の一歩手前で、申請を取り下げることにしたのです。 大学生「対面も何もしていないので、このLINE上だけでことが進んで、結果的に詐欺になってしまうという形だったので。誰でも被害にあう確率はあると思う。」』、「持続化給付金の不正受給」では、確かに「全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます」。
・『「メッセージが消える」あるツールが犯罪に…  さらに、若者たちが犯罪に関わる敷居を下げる、“あるツール”の存在も浮かび上がってきました。岡山県内の少年院。闇バイトの経験がある少年たちが「使用した」と口々に語ったのはあるアプリの名でした。 19歳の少年「犯罪は全部『テレグラム』だった。」 17歳の少年「警察も『テレグラム』の存在は知っているけど、お手上げって感じでした。」 19歳の少年「こっちが送ったメッセージが消えるっていう仕組みがあって。」 ロシアで開発された通信アプリ「テレグラム」。プライバシーが守られる安全なコミュニケーションツールとして開発され、世界で4億人が使用しているといいます。 その機密性の高さから、香港の民主化運動では、デモに参加する若者たちの連絡手段として使われました。特殊詐欺に関わって逮捕された19歳のこの少年は、犯罪手口のやり取りに「テレグラム」を使っていました。 少年の元には「テレグラム」を通じて、詐欺や強盗に入る住所など、具体的な指示が伝えられていました。 このアプリには時間を設定しておけば、それまでのやり取りが自動で消去される機能がついています。消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません。 この少年は「テレグラム」でのやり取りは、警察に追跡されるおそれがほとんどないため、リスクを感じずに犯罪に加担したといいます。 19歳の少年「電話もできますし、普通に文章も送れる、みたいな。LINEと大差ないっちゃないですけど、“身内”は全員、電話もテレグラムで電話。メッセージ送ってくるのも、全部テレグラムで送ってくるみたいな形でした。無理なんです、警察は。だから全部かたい意味で、テレグラムで連絡を取り合おうってしてました。」』、「テレグラム」は「消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません」、犯罪集団にとっては格好のツールのようだ。
・『“スピード”“手軽さ”巧妙な手口とは?  実際、若者たちを闇バイトにどう引き込んでいくのか。その手口をさらに取材することにしました。 「高収入とか」 ツイッターで闇バイトと検索すると、募集は分刻みで投稿されていました。目を引く高級車や高級腕時計。札束の写真。中には、思わぬキーワードも。 「『鬼滅の刃』がついに上映開始ですね。」ハッシュタグには「鬼滅の刃」など、闇バイトとは無関係なことば。はやりの検索ワードをあえて載せることで、より多くの若者を闇バイトに導くねらいがあるとみられます。 「仕事に興味がある」とメッセージを送り、闇バイトをあっせんする人物にコンタクトを取ることにしました。 林雄大記者(NHK名古屋)「返信がすぐきましたね。『あしたからの勤務可能でございます。内容は“受け出し”になります。』、“テレグラム”を相手が指定してきました。」 私たちは、仕事の内容を聞き出すことにしました。 記者「さっきツイッターで連絡した者なんですけれど。」 (電話)闇バイトの指示役「よろしくお願いします。さっそくなんですけど、こういったお仕事のご経験とかってありますか?」 記者「いや、こういうの初めてで。」 指示役「全然、初めてでも特に問題ないんで。」 未経験だと知ると、相手は具体的な内容を話し始めました。 指示役「簡単に言いますと、スーツ着て銀行員を装っていただくんです。簡単に、ピンポン押して、お客様が出てきて、2分くらいで終わっちゃう作業なんですけど、こちらのほうで『キャッシュカードの確認に行く』ってお話してるんですね。お客さんっていくのは、信じているんで。本当に銀行員だって信じているんで、そういう人は残高とか暗証番号を全部言うんですね。そのままコンビニに行って(お金を)おろしてもらう。」 終始丁寧な口調。まるで、普通のアルバイト説明のような語り口で、話し続けます。 指示役「週に何回とか、どれくらい希望してますかね?」 記者「どれくらいやれるんですか?」 指示役「基本的には平日は週5、毎日埋まってますし、土曜日もやってるんですよ。今、場所とか決まって、あした10時に着けますかね?」 最初に連絡を取ってから、わずか4時間余り。翌日の仕事が伝えられました。それでも不安だと告げてみると…。 指示役「全然大丈夫です。何回も何回も教えますので、覚えるまでは。じゃあ、今すぐテレグラムで送るので、よろしくお願いします。」 電話を切って10分後。 記者「やりとりの台本が送られてきました。」 送られてきたのは詐欺の受け子のマニュアルでした。誰でも簡単にできるよう玄関先でのやり取りが分かりやすく書かれています。このスピード感と手軽さが若者の警戒心を解いているとみられます』、「スピード感と手軽さが若者の警戒心を解いている」、とは困ったことだ。
・『「抜け出せない」増殖する“組織”  さらに私たちは、若者を犯罪へといざなう人物たちの実態に迫ろうとしました。 記者「実は私、NHKの記者をしていまして、それで直接、話を聞けないかなと。」 (電話)「ちょっと無理ですね。」 記者「これまで(テレグラム)でやりとりをしていた、メッセージの内容が消されてしまいました。」 複数の相手に交渉を続けると、「T」と名乗る36歳の男が「テレグラム」でのやり取りを条件に、取材に応じました。 記者「何でSNSで募集するんですか?」 指示役『T』「1番、手っとり早いからじゃないですか。簡単だし、全国的にもできるし、身バレする心配も無いじゃないですか。労働者をとりあえず、今、集めているという段階ですかね。現場に出る人間というのは、数いればいるだけ、いいことはいいので。」 「T」によると、所属しているのは半グレや暴力団をトップとする、ピラミッド構造の組織。みずからは若者などの実行役を取りまとめる、指示役だといいます。実行役が奪った現金は、指示役を経由してトップに流れ、みずからの月収は手取りで200万円だといいます。 記者「逮捕された人って、どれくらいいるんですか?」 指示役『T』「現場に出る子たちが捕まるというのは、頻繁に情報として上がってきますけど、我々(指示役)の立ち位置で捕まったというのは、聞いたことないですね。」 記者「若い人たちというのは、使い捨てみたいになっているという一面がある?」 指示役『T』「『使い捨てみたいな感じ』というか、ぶっちゃけ正直、最初から『使い捨て』ですよ。」 一度、組織にとらわれると、若者たちが抜け出すのは困難であることも分かってきました。少年院で取材した19歳の少年。闇バイトでミスしたことがきっかけで、組織から抜け出せなくなった仲間を、目の当たりにしていました。 19歳の少年「けじめつけないとあかん。『お前はこれ(失敗を)やったから100万払えよ』って。でも100万払う能力がないってなったら、『俺がこれ(失敗の)面倒見てやるから』、例えば“かけ子”やったり、詐欺のリクルーターやったり、っていうのをやらされるパターン。もうずっと抜け出されへん。」 冒頭で紹介した、コロナ禍で仕事を失い、闇バイトに手を出して逮捕された少年です。実は1度だけ、指示役に闇バイトを辞めたいと告げたことがありました。しかし、みずから運転免許証の写真を渡していたことで、かなわなかったといいます。 闇バイトで逮捕された少年「やめたいんですけどって言ったら、『いや、もう無理やから』みたいな。身分証も持ってるから、勝手に連絡切るようなことしたら、『家まで行くで』って、脅しって感じで逃げられない。『1件だけ成功したら、やめていいから』って言われて、最悪でも絶対1回はやることになる。確実に、絶対捕まる。どれだけお金に困っていても、それだけには手を出さないでほしい。」 さらに、組織を抜け出せない若者たちが、次々と新たな若者を引き込んでいく実態も見えてきました。指示役「T」は、「若者を集めてきた者が、昇給する仕組みがある」と明かしました。 記者「応募する人を集めてきたら出世できる?」 指示役『T』「集めただけではダメなんですけど、実際、集めた方たちが定期的に出てくれて、ちゃんと仕事もしっかりこなすというのをある程度の期間やれば、昇給のほうはどんどんしていく形にはなっています。」 「T」によると、抜け出せなくなった若者は、捕まるリスクの少ない指示役に回ることを目指すといいます。新たな若者たちが勧誘され、組織はおのずと増殖を続けているといいます。 指示役『T』「完璧に1個の三角形じゃなくて、三角形が2個も3個もあるような感じですかね。請負業者みたいな形ですかね。」 記者「今、コロナで若い人たちがお金に困っていたりしますけど。」 指示役『T』「結構、狙い目ではあります。基本的に、お金に困っている子が多いんで。」 私たちは、「T」の行為を改めて問いただしました。 記者「受け子とか出し子とか、10代とかもいると思うが、その点は?」 指示役『T』「どう思っているかというと、正直、特に何も思っていないです。」 記者「だましたお金じゃないですか?」 指示役『T』「正直、最初は罪悪感がありますよ。ただ、こういう仕事していると、マヒしてきますよね。」 記者「やめるつもりはない?」 指示役『T』「表でまじめにやってる人と、裏でずっと生きている人の違いなんじゃないですか。自分でいうのもあれですけど、たぶん感情壊れているはずなんで、誰かをおとしめるという面に関しては、特に罪悪感とか持っていないので。」 通話を終えたその瞬間、テレグラムのやり取りはすべて消えました。 SNSに広がる闇バイトに簡単に引き込まれる若者たち。それは社会に何を投げかけているのでしょうか』、「指示役」クラスでも「月収は手取りで200万円」、とは儲かるようだ。
・・『手を出さない 身を守るために  武田:罪悪感もない、使い捨てとまで言い切る指示役のことばに、憤りを感じます。ほかにも若者たちを闇バイトに誘う、巧みな手口があるそうですね。 林雄大記者(NHK名古屋):そうなんです。私が感じたのは、とにかく徹底的に若者の警戒心を解こうとしてくるというところです。 例えば私が詐欺の指示役にコンタクトをとった際に、「犬が苦手だ」と伝えてみたんですが、相手はすぐに「犬がいる家には派遣しない」と答えました。終始、こちらが何を不安に思っているのかを探りながら、警戒心を解こうとしているように感じました。さらにこちらの境遇も周到に探ってきます。彼らはさまざまな犯罪を用意していて、「なぜ困っているのか?」とか、「いくら欲しいのか?」など、さまざまなことを探ってきて、場合によっては“たたき”と呼ばれるような、強盗のような仕事を勧められるようなこともありました。 武田:なぜ若者が引き込まれてしまうのか。ITジャーナリストの高橋さんが考えるキーワード、まずは「困ったときにすぐそばにいる」。そして若者は「顔が見えなくても信用」してしまう。こんなことがあるそうです。 さらに今、コロナで家にいる時間が長くなったことで、「SNSを見る時間が増えた」という人が3割に上っていることも影響しているということなんですが、どういうことなんでしょうか? ゲスト高橋暁子さん (ITジャーナリスト)高橋さん:若者は、ふだん使いなれているSNSで、どんなことも検索してしまうんです。また、スマホでお小遣い稼ぎをすることも当たり前ですので、このような、もうけ話に乗ることも抵抗がないのかなと思います。また若者世代は、ネットのみでの、会ったことのないお友達が多い世代なんです。ネットでやり取りをしたときに、親切だったり丁寧だったりすると、それだけで相手のことを信用してしまう傾向にあります。またこのような投稿を多数見ることによって、「エコーチェンバー現象化」して、それによってこのようなことが、当たり前だとか大丈夫と思い込んでしまう傾向にあると思います。 武田:「エコーチェンバー」というのは、自分たちだけの世界で完結してしまうというふうなことですね? 高橋さん:そうです。このようなものが当たり前、そういうものばかりが耳に入って、それが当たり前と感じてしまう傾向のことです。また、情報をSNSのみでとる若者が非常に多く、ニュースサイトなどを見ません。このようなことで逮捕されるというようなことが耳に入っていないので、警戒しない傾向にあることも拍車をかけているかと思います。 武田:そして、「考える間もない」とありますが、高橋さんも実際に経験されたそうですね? 高橋さん:このようなものに応募してみたんですけれども、返事がすぐに返ってきました。若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います。 武田:組織を抜け出せないようにするということもありました。これ極めて悪質だと思いましたけれども、どんな実態があるんでしょうか。 林記者:私がコンタクトをとった相手は一様に、まず運転免許証などの証明書と自分の顔を一緒に並べたものを撮影して、写真を提出するように求めてきました。闇バイトを拒んだ場合にはおどされて、その写真がネット上にばらまかれるケースもあるようです。丁寧な勧誘で引き込まれていくうちに、いつの間にか相手に弱みを握られて身動きが取れない状態になっているんです。 武田:さらにコロナ禍の影響で、こうした闇バイトに引き込まれる若者が、今後増えていくおそれがあるというんです。 中京大学の大内裕和教授によりますと、コロナ禍で親の失業などによって、学費を学生自身が急きょ支払うことになってしまったという相談が続いているそうです。学生にとって、短期間に数十万円の学費をアルバイトで賄うことは不可能に近い。このことが、闇バイトに結びつく一つの要因になっているという見方もあります。 この闇バイトが若者たちを引き込んでいる実態を見てきましたが、どうすれば防ぐことができるんでしょうか? 高橋さん:このような災害時は、不安感につけ込むような募集が非常に増える傾向にあります。弱っているときには手を出したくなるんですけれども、手を出しても収入は得られないですし、逮捕されて終わってしまいます。このようなときに、もし心が引かれても、必ず周囲の信頼できる大人に相談したり、また信頼できるニュースサイトや検索サービスなどでしっかり検索をして、このような闇バイトに手を出したらどうなるのかということをしっかり調べた上で、引っ掛からない対策をしっかりしていただけたらと思っています。 武田:もし、そのニュースサイトなどを検索すれば…。 高橋さん:事件になった、逮捕されたという情報が得られると思います。 武田:なんとか、その一歩手前で踏みとどまる。 高橋さん:踏みとどまってしっかり情報を得て、相談してその先に行かないということが大事ですね。 林記者:指示役への取材からは、詐欺で銀行員などのふりをさせるために、見た目にも普通の若者を引き込もうとしていることが感じられました。 闇バイトを巡っては、きのう(25日)もガス点検を装って川崎市の住宅に押し入ったとして、25歳の男が逮捕されるなど、若者が手を染めるケースがあとを絶ちません。そして、闇バイトに引き込まれる若者が増えれば増えるほど、さらに多くの高齢者などが、詐欺や強盗などの被害に遭うことになります。闇バイトへの入り口は、私たちのすぐそばにあります。しかしこれは犯罪ですので絶対に手を出してはいけません。 武田:とにかく、何か心引かれたら、一歩手前で踏みとどまってください』、「若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います」、闇組織にとっては好都合なようだ。当面、徹底した取り締まりの強化で、抑え込んでいく他ないのかも知れない。

次に、12月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京経済東京支社情報部の井出豪彦氏による「金融のプロもだまされた、「スゴ腕詐欺師」の正体」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258310
・『12月3日、ファクタリング会社(債権買い取り会社)に架空債権3億円を買い取らせた詐欺容疑で「INI」(東京都台東区)というイベント企画会社社長の色川渡容疑者(45)が警視庁捜査2課に逮捕される事件があった。ちょうど東京地検特捜部がドン・キホーテ前社長を金融商品取引法違反(取引推奨)容疑で逮捕したのと同じ日だったため、新聞紙面の扱いはやや割を食った感があるが、ファクタリング会社という金融のプロをだます、いわば「超プロ詐欺師」の存在が垣間見えたという意味で信用情報の業界は決してスルーできない重要な事件といえる。果たしてその手口とはどういうものだったのか』、「超プロ詐欺師」とは興味深そうだ。
・『金融のプロをだます超プロ詐欺師を逮捕  だまされたファクタリング会社は「H.I.F.」(東京都新宿区)という。2017年11月に「H.I.S. Impact Finance」の社名で設立され、今年2月に社名を変更した。 代表の東小薗光輝氏は、旅行大手HISの創業者、澤田秀雄会長兼社長が主宰する「澤田経営道場」の2期生で、澤田氏から才覚を認められ、オフィスをHISの本社がある西新宿の「住友不動産新宿オークタワー」内に置いて事業を開始した。18年3月と19年6月にHISなどから合計4億2500万円の出資を受け、同年7月からHISの金融事業の連結子会社となった。今年2月にはMBOで独立し、IPO(新規株式公開)を目指していた。MBO後もHISは約30%の出資比率をキープしていたようだ。 昨年6月の増資時には伊藤忠商事系の信用保証大手「イー・ギャランティ」(東証1部)と資本提携し、5000万円の払い込みを受けていたほか、「GMOあおぞらネット銀行」も株主に加わった。さかのぼって同年3月にH.I.F.は同行を所属銀行とする銀行代理業の許可を関東財務局から取得したほか、同年5月にはHISを含めた3社で金融業務に係る包括的業務提携に向けた覚書を締結していた。 さらに今年1月にはGMOあおぞらネット銀の親銀行である、あおぞら銀行と上限50億円の融資枠を契約し、機動的に債権を買い取れる資金力を備えたほか、3月には「帝国データバンク」とも企業与信管理分野で業務提携。帝国データはイー・ギャランティの大株主でもある。このように業界の専門家が集結し、ファクタリング事業を拡大する準備は万端かにみえた』、一流どころの役者は揃った感じだ。
・『被害額は十数億円で債務超過に陥る恐れ  ところが今回、色川容疑者の逮捕を報じた記事によれば、INIは19年以降、複数の有名企業に100件以上の債権があるように装ってH.I.F.への売却を繰り返し、約45億円を詐取したという。 色川容疑者はH.I.F.に売掛債権の売却話を持ち込む際、実在する大手企業への請求書などを偽造して取引があるかのように見せかけ、H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応。H.I.F.から詐取した金を支払いに充てる一方、H.I.F.に架空債権を売り続けるという、「ポンジ・スキーム」と呼ばれる詐欺に似た自転車操業の手口を行ってきた。 詐欺が発覚した時点で、詐取した約45億円のうち約30億円はH.I.F.に還流させていたが、差額の十数億円についてH.I.F.は回収不能となる見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大でINIの資金繰り悪化に拍車がかかりポンジ・スキームが行き詰まったとされる。イー・ギャランティが5000万円の出資金を全額特損計上すると発表したのは今年7月30日なので、そのタイミングではすでに詐欺被害を認識し、警察に相談していたのだろう。 H.I.F.の昨年9月期末の純資産は5億円余り。十数億円の損失を今年9月期決算で認識すればこれまで払い込まれた資本は全て溶け、債務超過に陥る可能性がある。同期中の増資は行われていない。IPO計画も仕切り直しだろう。 代表の東小薗氏は経済的に苦しい母子家庭で育ち、大学進学を断念し、陸上自衛隊を経てHISに入社した。「自分と同じような家庭環境の子供が、金銭的な理由で夢や目標を諦める事がないような世の中を作りたい」(ホームページより)との志をもって起業したという。実際、今年3月には母子・父子家庭30世帯に月額1万円を支給する「H.I.F.ベーシックインカム」という制度を作るなど理想社会の実現に向けて動きだしていた。 その理想とファクタリングがどう関係するのかと思われるかもしれないが、中小企業やその経営者家族が取引先の倒産で焦げ付き、奈落の底に落ちるような思いをさせたくないということだろう。ホームページには自社のサービスについて「顧客の請求業務を格安で代行することにより、請求業務にかかる人件費などコスト削減に寄与する他、売掛債権の保証を行うことで、債権回収リスクのない、安全な取引を実現いたします」との説明がある。 善意に満ちたこの若者を奈落の底に突き落とした詐欺師には怒りを禁じえないが、筆者のようにこの業界に長くいる身には既視感がある光景ともいえる。詐欺師は常に「志が高く(≒ナイーブで)、気前のいい」金融会社を物色しているのだ』、「H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応」、そんな不自然な細工は、せいぜい2,3回程度しか続かず、やがて発覚する筈だが・・・。
・『金融機関の新規開業時は詐欺師の標的になりやすい  石原慎太郎東京都知事(当時)が選挙公約に基づき「新銀行東京」を開業したのは05年だった。石原氏には、既存の銀行は「経営基盤が弱い中小企業へ貸し渋りを行っている」、「担保のないベンチャー企業は有望な技術があっても相手にしない」などの問題意識があり、その解決のために都が自ら1000億円を出資して新銀行を立ち上げた。 結果は悲惨だった。その1000億円を目がけて有象無象が群がり、あっという間に新銀行は資本不足に陥り08年には400億円の追加出資と大幅な事業縮小による再建計画の策定に追い込まれた。その年には元暴力団組員が新銀行東京の元行員らと共謀して、決算書の偽造で融資金を詐取したとして逮捕される事件も起きた。ちなみにその後、新銀行東京は東京都民銀行、八千代銀行との経営統合に合流し、現在は「きらぼし銀行」として生まれ変わっている。 この一件は重要な教訓を残した。 不謹慎なたとえかもしれないが、もしあなたが強盗ならば、もっとも「ハイリスクハイリターン」のミッションは銀行強盗であることは異論がないだろう。カネが大量にあるのは間違いないが、その分防御態勢も半端ない。 それと同じで、もしあなたが詐欺師ならば、金融機関をハメるのがもっとも「ハイリスクハイリターン」のミッションだ。金融機関はカネを出すのが仕事。特殊詐欺でこまごまとしたカネを集めるよりはるかに効率よく大金をゲットできる。 ただし、その分金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要がある。しかも経営者はたいがい「困っている人に金融サービスを提供する」というナイーブな理念を掲げていることもハメやすい理由だ。 INIの設立は15年2月。小社のデータベースでは16年1月の時点で、とあるファクタリング会社に買い取りを打診し否決されている。その後もあちこちのファクタリング会社を渡り歩きながらしのいできたようだが、昨年春ごろに転機が訪れる。事情通によれば、今年IR汚職の証人買収事件で起訴されたことでも注目された松浦大助氏率いる「新橋グループ」に出入りする人物がINIの資金調達の相談に乗り、別のやり手の金融フィクサーも経営に介入をしていたとされる。 「早く事業を軌道に乗せてIPOを実現したい、恵まれない家庭へのベーシックインカムも拡大したい」。東小薗氏のはやる気持ちを連中が逆手に取ったことは容易に想像がつく。このフィクサーは決算書の粉飾はお手の物。どうすれば金融機関の審査が通るのか知り尽くしている。しかも自分の手は汚さず、逮捕されるのは代表だけ。INIは他のファクタリング会社への申し込みに際し20億円程度の年商があるという決算書を出していたようだが、ほとんどのファクタリング会社が怪しいとみていた。 筆者は12月21日にINIの本社を訪問してみた。都営大江戸線とつくばエクスプレスの新御徒町駅出口の真上のビルの5階にまだ入居しているようだった。当然インターフォンに反応はなく、ハイリスクハイリターンの大仕事を終えた「空箱」だけが残っていた』、「金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要」、確かに「新規開業時」は審査が甘くなりがちだ。それにしても、「澤田秀雄」氏には直接の責任はないとはいえ、間接的には責任がありそうだ。どうするのだろう。

第三に、1月25日付け東洋経済オンライン「解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/406695
・『トラブルが後を絶たなかった「サブリース」にメスが入った。国土交通省は2020年12月、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」のうち、サブリースに関連する規制を先行して施行した(通称:サブリース新法)。サブリースに関する不当な勧誘や誇大広告の禁止、契約前の賃料減額などのリスク説明を義務づけた。 マンションやアパートなどに投資する場合、ほとんどのオーナーは購入後の管理を業者に任せている。1つは入居者からの家賃徴収を一任する「集金代行」だ。清掃・修繕の手配や入居者からのクレーム処理など付帯サービスが付く場合も多い。 もう1つが渦中の「サブリース」だ。業者がオーナーから部屋を借り上げ(マスターリース)、別の入居者に転貸する(サブリース)。万が一転貸先の入居者が決まらなくとも、業者が毎月家賃を支払うためオーナーの収入は安定する』、なるほど。
・『トラブルの多いサブリース  サブリースをめぐっては、業者とオーナーとの間でトラブルが相次いでいた。 「家賃を2000円ほど下げます」。都内に住む男性は5年前、業者から送られてきた手紙の内容を見て困惑した。 男性は東京・渋谷区内にマンション1戸を保有している。手紙の差出人は、男性のマンションを借り上げて別の入居者に転貸する「サブリース」を請け負っていた業者だった。いわく、周辺相場の下落を理由に、男性に支払う家賃を月約9万5000円から9万3000円へと引き下げるという。 「相場は本当に下がっているのか?」。周辺の似たようなマンションの募集家賃を調べても、自分より高い金額で貸している部屋はたくさんある。不審に思った男性は、業者とのサブリース契約の解約を申し出た。業者は抵抗したものの、契約書の不備を指摘し解約をもぎ取った。 一般的なサブリース手数料は家賃の1割が相場だが、業者は男性から月9万5000円で借り上げたのち、入居者に11万5000円で転貸していたことが判明した。家賃減額の根拠としていた周辺相場の下落についても、「業者は割安な部屋を意図的に抽出していただけで、そのような事実はなかった」と男性は憤る。 この男性のように、空室時にも業者が家賃を支払うと謳ったにもかかわらず、保証したはずの家賃を一方的に減額されたり、家賃そのものが支払われなかったりするトラブルが後を絶たない。全国の消費生活センターに寄せられたサブリースに関する相談件数は、年間450件を超えている。サブリース新法の制定にはこうした背景がある。 では、サブリース新法によって問題はすべて解決したのか。新法で規制されたのは、サブリース業者と契約を結ぶいわば「入口」の部分。だが、サブリースを解約しようとする「出口」でのトラブルは、積み残されたままだ。 とくに家賃収入が中心のアパートとは異なり、ローン返済途中でも頻繁に売却がなされるマンションにおいて、売却時にサブリースが解約できないことが問題となっている。 サブリース付きの物件は売却時の評価が低い。一般的に物件価格は年間の賃料を期待利回りで除した収益還元法で決まる。家賃が月10万円で期待利回りが5%なら、年間家賃収入120万円を5%で割った2400万円が目安となる。問題は、10万円で賃貸できる部屋をサブリース業者が9万円で借り上げている場合だ。オーナーの手取り家賃は9万円のため、収益還元法で割り戻した価格は2160万円と、家賃同様1割減になる。 サブリース付きの物件が割安になる背景には、金融機関のサブリースに対する評価が芳しくないこともある。業者は転貸先の入居者属性や家賃水準を開示しないため、部屋を反社会的勢力に貸し出されたり、突然家賃を減額されキャッシュフローが悪化し、収益還元法の前提が狂ったりするリスクがくすぶる。融資否決や減額要因になりかねず、物件の流動性(売りやすさ)に響く。こうした理由から、売却時にサブリースを解約しようとするオーナーは少なくない』、「新法で規制されたのは、サブリース業者と契約を結ぶいわば「入口」の部分。だが、サブリースを解約しようとする「出口」でのトラブルは、積み残されたままだ」、過度な期待は禁物のようだ。「サブリース付きの物件は売却時の評価が低い」、オーナーは「サブリース」のデメリットにも目を向けるべきだ。
・『解約を渋る業者たち  ところが、サブリースの解約は極めて難しいのが実態だ。「家賃保証の売り文句につられて契約したものの、後で後悔するオーナーは少なくない。再販業者も購入に慎重で、市場で売れ残っているのはサブリース付きの物件ばかりだ」と、都内で投資用マンションの売買を行う業者は打ち明ける。 ある業者のサブリース契約書には、解約条件として「6ヵ月前までに書面で解約を通告すること」を設けている。別の業者の契約書には「違約金として賃料の半年分を支払えばすぐに解約できる」とある。一見容易に解約ができそうだが、落とし穴が潜んでいる。「契約書に記載がなくとも、解約には『正当事由』が必要だ」(投資用マンションの販売業者)。 サブリースの解約を拒む業者は、2003年に下された最高裁判所の判例を盾にする。裁判の争点はサブリースの解約ではなく保証家賃減額だったが、最高裁が「サブリース業者は借地借家法で保護される」と認めたことで、正当事由が無い限りサブリース業者を追い出すことができなくなった。冒頭の男性のように、サブリースの解約をもぎとった例は少ない。 正当事由が認められるハードルは高く、単に「高く売りたいから」「業者の対応が気に入らないから」というだけでは認められない。別の投資用マンション販売業者の担当者は、サブリースを解約したいオーナーとともに「奇策」に出た。オーナーと担当者が夫婦役を演じ、「貸しているマンションに自分たちで住みたい」とサブリース業者に打診。さすがの業者も折れて解約に応じた』、「最高裁判所の判例」により「正当事由が無い限りサブリース業者を追い出すことができなくなった」、とは困ったことだ。
・『消費者庁も注意喚起  むろん、業者側にもおいそれと解約に応じられない事情がある。サブリース業者は転貸先の入居者から受け取る家賃と、オーナーに支払う家賃の差額が収入となるが、「それだけでは到底赤字だ」と業者は口をそろえる。彼らの本丸は清掃や原状回復工事の受注、礼金の受領といった入退去に付随する収入だ。サブリースを解約されると、転貸の利ざやのみならず周辺の収益機会まで丸ごと失うことになる。 「10年前ならすんなりと解約できた。業者がサブリースの解約を渋るようになったのは、この5年間くらい」と、前出の投資用マンション販売業者は語る。近年は不動産価格の上昇に伴い、含み益を実現するべく物件を売却するオーナーが増えている。売買によってオーナーが変われば、集金代行やサブリースを担う業者も変えられてしまうことが多い。サブリースの解約に抵抗する業者が出現した裏には、売買の増加によって管理物件が奪い合いとなっている実情がある。 サブリースの解約については消費者庁などが注意喚起を行うものの、サブリース新法の規制対象とはなっていない。国土交通省は「サブリースの解約に関するトラブルが発生していることは認識しているが、解約を認めるには借地借家法自体を変える必要がある」とし、現状では規制が難しいとする。 サブリース新法は契約前のリスク説明を業者に義務づけるものであり、サブリースそのものを禁じてはいない。規制が難しい現状、オーナー側も入居者管理の手間と空室リスクから解放されるメリットばかりに気を取られず、家賃の減額や売却時の評価が下がるデメリットにも目を向けたい』、「サブリース新法」でカバーされるのはごく一部、殆どの問題は残る以上、オーナーも安易に依存すべきではない。
タグ:ダイヤモンド・オンライン NHKクローズアップ現代+ 金融関連の詐欺的事件 井出豪彦 (その11)(追跡!あなたを狙う“闇バイト”、金融のプロもだまされた 「スゴ腕詐欺師」の正体、解約できない!マンション「サブリース」の罠 「サブリース新法」施行後も残された課題とは) 「追跡!あなたを狙う“闇バイト”」 「持続化給付金」の不正受給 SNSを通じて簡単に“仕事”が紹介される“スピード感”が、コロナ禍で困窮する若者をひきつけていく実態 19歳 コロナ禍で仕事失い…“受け子”に 「玄関口でだまそうとした相手に詐欺だと見抜かれ、自首するよう説得」、未遂だったので、刑は軽くなるが、何ともお手軽な犯罪だ。「銀行員」らしい髪型にしたのだろうか “給付金不正受給” 大学生に忍び寄る誘い 持続化給付金の不正受給」では、確かに「全国各地で大学生の逮捕が相次いでいます」 「メッセージが消える」あるツールが犯罪に 「テレグラム」は「消えたメッセージは復元できず、サーバーにも痕跡が残りません」、犯罪集団にとっては格好のツールのようだ “スピード”“手軽さ”巧妙な手口とは? 「スピード感と手軽さが若者の警戒心を解いている」、とは困ったことだ 「抜け出せない」増殖する“組織” 「指示役」クラスでも「月収は手取りで200万円」、とは儲かるようだ 手を出さない 身を守るために 「若者の好む「スピード感」でもあるんですが、これは同時に考えさせないことによって警戒させない、また人に相談させない。すぐに犯罪に加担させてしまうということにつなげているのだと思います」 闇組織にとっては好都合なようだ。当面、徹底した取り締まりの強化で、抑え込んでいく他ないのかも知れない 「金融のプロもだまされた、「スゴ腕詐欺師」の正体」 ファクタリング会社(債権買い取り会社)に架空債権3億円を買い取らせた詐欺容疑 「超プロ詐欺師」 金融のプロをだます超プロ詐欺師を逮捕 被害額は十数億円で債務超過に陥る恐れ 「H.I.F.がその大手企業(債務者)に債権回収のため連絡すると自らが債務者の社員になりすまして対応」、そんな不自然な細工は、せいぜい2,3回程度しか続かず、やがて発覚する筈だが・・・ 金融機関の新規開業時は詐欺師の標的になりやすい 「金融機関は審査もしっかりしており、平時ではなかなかうまくいかない。ところが抜け道がある。新規開業時だ。新規開業した銀行やノンバンクが顧客を創造しようとすれば、どうしても他社では借りられないゾーンにアプローチする必要」 「澤田秀雄」氏には直接の責任はないとはいえ、間接的には責任がありそうだ。どうするのだろう
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バブル(最近)(その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か) [金融]

バブル(最近)については、昨年11月22日に取上げた。今日は、(その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か)である。

先ずは、昨年12月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/257337
・『筆者は現在、株価が「バブル形成過程にある」と考えており、現在の株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。そして、このバブルが崩壊する局面では、「社債市場」のトラブルが原因になるだろうと見る。その理由を解説しよう』、どういうことだろう。
・『将来株価のバブル崩壊が起きたとき「示唆的だった」と振り返るべき記事  「日本経済新聞」12月13日朝刊の1面トップに『債務不履行 世界で倍増 今年223社 経済に潜在リスク』という記事が載った。同紙の電子版の読者は記事のPDFを保存しておくといいだろうし、紙の読者はいわゆる「写メ」でも撮っておくことをお勧めする。将来株価のバブル崩壊が起きたときに「示唆的だった」と振り返ることが目的だ。 筆者は、2週前の本連載の記事『2021年に株価バブルは破裂?山崎元が「まだ」の一票を投じる理由』に書いたとおり、「バブルは、まだ破裂しない(だろう)」と考えている。ただ、現在は「バブルの形成過程にある」とも考えている。そしてバブルが崩壊する局面では、特に米国の社債市場のトラブルが原因になるだろうと見ている。 詳しくはぜひ日経新聞の記事本文を見ていただきたいが、記事は、債務不履行を起こす企業数が世界的に増えていること、社債の(国債に対する利回りの)スプレッドが低下しているのもかかわらずデフォルト(債務不履行)率が上昇していること、支払い能力に懸念のある企業が増加していることなどを伝えている。 さて、昨今は何を語るにも「新型コロナウイルス」に触れないわけにはいかないが、社債のスプレッドが低下しているのは、信用リスクにまで介入するコロナ対策としての金融緩和政策の効果である。一方、エネルギーや消費財などの業種に偏りを持ちつつも、コロナによる実物経済の不調によって存亡の機に瀕する企業が増加していることが同時進行している。 そして今や、コロナ対策による株価バブルも進行中だ。コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている』、「コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている」、というのは確かだ。
・『社債型バブルとコロナバブル 株価バブル「2つの生成メカニズム」  現在、筆者が形成中だと思っている株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたものだ。 実は、今をさかのぼること約1年前のコロナ問題が顕在化する以前の段階で、米国では次の流れで株価が上昇していた。 (1)信用力が不十分な会社も含めて社債で資金を調達する (2)社債をパッージング(注)した証券化商品を金融機関が販売する (3)低金利環境下で運用難の金融機関が証券化商品を購入する (4)資金を調達した企業はこれを自社株買いに振り向けて株価を上昇させ、株主と経営者(ストックオプションを持っている)が富を得る  当時から、特に社債市場に対する懸念を指摘する向きがあったが、(2)(3)(4)の利害関係者にとって好都合なメカニズムなので、このバブル生成は継続するかに見えた。仮にこれを「社債型バブル」とでも名付けよう。 ところが、新型コロナの感染が世界的に広がり、特に米国に大きな影響を及ぼすに至ると状況は一変。社債の信用リスクが大きな懸念となって、形成中だったバブルはいったん崩壊し、次には金融的な危機の到来が心配され、株価は大きく下がった。 すると、リーマンショックから教訓を得た政府と中央銀行は、未曾有の規模の金融緩和とこれを後押しする効果を持つ財政的な対策を行った。この過程で、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が信用リスクのある社債も含めて社債を大規模に購入する政策に踏み切り、社債市場を下支えした。 そして、その後、(1)金融・財政政策が最悪期に対応した異次元の規模である一方で経済活動が再開されて実体経済が最悪期から回復したこと、さらに、(2)コロナの感染が続いていることにより金融・財政両面からの対策の継続が予想されることから、株価は日米ともに高値圏にある。現在は、(2)の効果が優勢であるように見えるが、このコロナ対策によるバブルを「コロナバブル」とでも名付けておこう。 そこで現状はどうなのかというと、「コロナバブル」の影響が圧倒的である一方、対国債利回りにおける社債の利回りのスプレッドが低下しているということは、「社債バブル」もまだ崩壊していない、という状況にある。また、英・米でワクチンの接種が始まったとはいえ、コロナ問題は現在も継続中だ』、「株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたもの」、「社債型バブル」、「コロナバブル」などが混在しているようだ。
(注)社債をパッージング:意味不明。様々なトランシュに分けるパッケージングの誤りかも。
・『コロナが消えると何が起こる? それが「今」だとすると危ない  では、将来コロナ問題の解消が見えてきた場合に、何が起こるだろうか。金融・財政的な政策の後退が起こると「コロナバブル」の継続が期待できなくなり、「社債バブル」的なメカニズムが維持されるかどうかが問題になる。 仮にそれが「今」だとすると、危ない。先の日経新聞の記事にあったように、社債のデフォルトや債務返済に不安のある企業の数が増えているのだから、社債市場に対する政策的な支えがなくなると「社債バブル」も崩壊する可能性が高い。もちろん、今すぐにはコロナ問題は片付かないのでこの心配は現実的ではない。 一方、前述のように「社債バブル」は、企業経営者にも金融機関にも運用機関にも好都合な仕組みになっている。社債市場が政策的に支えられていて、社債が発行しやすい状況が続くと、今後株価のバブルが大きく膨らむ可能性がある。これを株価の引き上げに使おうとする企業経営者の行動が、「コロナバブル+社債バブル」の形となり得るからだ。潜在的に進む社債バブルの動向は、今後生じるかもしれない株価バブルのスケールに大きな影響を与える要因になるだろう。 また、コロナ後の企業のバランスシートがどのような状態になっているかが、バブル崩壊時の株価の下落率に大きく影響するだろう。 前々回の拙稿のように、筆者は、株価のバブルは2021年に「まだ」崩壊しないと予想している(極めて頼りない予想であることをお断りしておく)。ただ、バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう』、「バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう」、なるほど。
・『バブルの発生・崩壊に対して投資家にできることは限られている  バブルの発生と崩壊のメカニズムに関心を向けると、投資家は「何かしなくてはいけない」という気持ちになりやすい。 しかし、バブルに乗ってもうけるべく追加で投資したり、あるいはあらかじめバブル崩壊を避けようとして投資額を減らしたり、という投資のタイミングをはかる行動を的確に行うことは簡単ではない。 多くの投資家にとって現実的な戦略は、自分にとって適切な大きさの投資リスクを長期的に保有し続けることだ。「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう。もちろん、こうした「長期投資」を効果的に行うためには、幅広い対象への「分散投資」を行ってリスクを低下させることと、手数料の低い運用商品を選ぶ「低コスト」の心がけが重要だ。合い言葉は、常に「長期、分散、低コスト」だ。 バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う』、「投資家にとって現実的な戦略は」「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう」、「バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う」、かくなる上は、「鈍感力」に期待することにしたい。

次に、本年2月4日付け日経ビジネスオンラインが掲載した独立系投資ファンドのさわかみ投信社長の澤上 篤人氏らによる対談「異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/020200154/?P=1
・『もはや、いつ大暴落が起こってもおかしくない──。コロナ禍が長引く中、高値更新が続く株式市場。しかし、空前の低金利や日銀の株式ETF(上場投資信託)買いを受けた“バブル相場”には、崩壊リスクも高まっている。もし、金融バブルがはじけたら、どう行動すべきなのか。『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』の著者であるさわかみ投信の澤上篤人会長と草刈貴弘最高投資責任者、それぞれに要諦を聞いていく。 金融バブルがはじけると、世界の債券市場や株式市場が収拾のつかない投げ売りの修羅場となる可能性があり、それを引き金に、あらゆる金融商品が崩れ落ちて瓦礫(がれき)の山と化す。それはやがてインフレを巻き起こす。財政赤字や債務問題を抱える各国政府や中央銀行に歯止めを利かせる余力は残っていない。結果、人々の生活はズタズタにされる──。 そんなバブル崩壊のシナリオに備えて、どうすればしっかりと身の回りを固められるのか。今回の記事では、澤上会長インタビューの第1回をお届けする。古今東西の歴史を振り返って「バブルの仕組み」を冷静に分析し、経済の本質を知り、自分の頭で考えることが肝要だと語り始めた。(Qの聞き手はクロスメディア編集部長 山崎良兵、経営メディア局編集委員 藤田宏之) Q:株価が上がり続け、バブル期超えという水準まで見えてきている状況の中、最新刊『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』はかなりショッキングなタイトルですが、どのような思いから執筆されたのでしょうか? 澤上篤人氏(以下、澤上氏):まず、申し上げておきたいのは、おどろおどろしい話で読者を脅かすような気持ちは全くありません。しかしながら長期投資を手掛けている立場から言うと「健全な経済」こそが大歓迎なのです。その視点で見ると、今はあまりにも異常な状態になっています。 ただ、こうした異常な状態が永久に続くことはないのもまた道理です。そして、今起こっている金融バブルが壊れた時が怖い。異常な状態が長く続けば続くほど、事態は深刻になります。できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります。 もはや、いつ崩れてもおかしくない状況なので、それに備える姿勢を投資家はもちろん一般の生活者にもお伝えしたいというのが、執筆のきっかけです。 Q:マグマがたまればたまるほど、その反動は深刻なものになると。 澤上氏:落差がどんどん大きくなります。実体経済はいつも変わらず、動き続けています。その傍らで、金融バブルが何十倍にも膨らんでいます。でも、中身がありませんから、崩れた後には何も残りません。そのことが、実体経済の一部に大きな悪影響をもたらすのです。社会や経済がガタガタになる部分も出てくる。だから、一刻も早くバブルから抜け出たほうがいいのです。 Q:バブルが崩れる時、どのようなシナリオ、崩れ方をするとお考えですか? 澤上氏:正直言って、全く分かりません。そもそも、今なぜここまで相場が上がっているかも分からないのですから。だから、崩れるきっかけも当然予想できない。 Q:リーマン・ショックの時は、投資銀行の破綻がきっかけとなりましたが…。 澤上氏:実は、2008年のリーマンショックの時は、それ以前に兆しはありました。例えば、2007年にフランスの商業銀行BNPパリバが新規契約をストップ。思えば、それが兆候でした。そして翌2008年9月に米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが破綻。それから2~3カ月くらいかけてだんだんと経済が悪化し、年末にかけて、一気に崩れたという印象です。 私は1971年のニクソン・ショックの頃から投資の世界に身を置いてきていますが、あのときは、米国の双子の赤字が問題になり、同時に日本の貿易収支の黒字も膨らみ、日本バッシングも始まっていました。それがどういう風に経済に現れるかな、と思っていたら、ニクソン大統領によるドルと金との交換停止、そして変動相場制への移行という発表となり、経済が大混乱に陥りました。今回は、そうした兆しさえ見えない。ある意味、「完璧なバブル」と言えるでしょう』、「今はあまりにも異常な状態になっています」、「できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります」、その通りだ。「ニクソン・ショック」は実体経済の歪みが顕在化したもので、「バブル崩壊」とは別物だ。
・『音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない  Q:今暴落したら、どれくらいのインパクトがあると予測しますか? 澤上氏:個別企業や個人への影響は、バランスシートで考えてみればいいでしょう。株を買いまくって売っていないのですから、資産勘定が異常に膨れ上がっている状態です。バブルが崩壊した時には、売ろうと思ってもなかなか売れません。だから、巨額の投資損失とともに負債勘定だけがまるまる残る。バブルで踊った全ての人に降りかかってくる悪夢です。バブル相場を利用してレバレッジを効かせて借金を増やしているような会社は、厳しい状況に追い込まれます。なんとなくはわかっていても、誰もブレーキをかけようとしない状況と、私には見えます。音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない、と。 Q:一方で実体がしっかりしている企業は大丈夫だということでしょうか。 澤上氏:内部留保をしっかり確保するなど財務体質がしっかりしていたり、消費者の生活に密着した事業を展開し、本業で日銭を稼いだりできるような企業にとっては、株価が若干下がること以外には影響はない、とも言えます。むしろ、株価的には追い風が吹くこともある。過去のバブルを見ていると、崩壊後でも生き残った投資マネーは、バブルとは関係なく健全な経営をしてきた普通の会社に流れます。どんなときでも行き先を探して動き続けるのがマネーの本質でもありますが、いわゆる見直し買いが起こるのです。 Q:相場英雄さんの新刊『Exit イグジット』でも、出口が見えない日本の金融政策の危うさを描いています。政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です。どうすればいいと思われますか? 澤上氏:経済というのは、もともと自助努力です。バブルがはじけようがはじけまいが、本来関係ない。だから、生活密着型の企業からは新しい動きが出てきます。 何が起ころうとも、人々の暮らしは続くのですから。私は若い人には、「大河小説を読もう」と勧めています。たいがい主人公とその家族が激動の歴史に巻き込まれる物語が多いのですが、同時に、その背景で一般庶民の生活は何も変わらずに営まれている姿も描かれています。そっちを見る感覚を忘れるな、と』、「政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です」、極めて危険な状態だ。
・『金利ゼロ、やはりこれはおかしい  Q:グローバリズムが進展してきたこれまでの歴史で、日本企業もスリム化、海外展開を積極的に進めてきています。その現状で、生活密着型の企業を見つけるのは大変なのでは? 澤上氏:真逆です。生活に身近な企業でも十分なのです。例えば、税引き前利益率が10%の会社で考えてみましょう。利益の4割を税金で支払い、残りの6割の半分を配当と内部留保にする。これを毎年続けていけば純資産は積み上がり投資価値は着実に高まる。実生活の速度に則した投資でも十分にリターンは出る。これが投資の本質なのです。 物価上昇率が3%くらいだとすれば5、6%の利回りで十分と考えるのが、元来、投資なのです。それが、1980年代くらいから大きく変わってしまいました。年金など機関投資家が運用実績という数字を追い回すようになった結果、いろいろおかしなことが普通になってしまいました。一例を挙げれば、金利ゼロ。これはやはりおかしい。金利というのは、経済活動のインセンティブです。冷静に考えれば、金利なしに経済が回るわけがありません。 Q:今の金融マーケットの状況を肯定して、それを新常態と位置づけるのはおかしいというわけですね。 澤上氏:はい。もう少し落ち着いた価値判断で行動できる人たちが出てきてもいいのだと思います。昔の資本家やバンカー(銀行家)のように。彼らが今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました。ところが、いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います。 次回は金融バブルが崩壊するリスクに備えて何をすべきなのか、実際に株価が大幅に下落したらどのような行動を取るべきなのかなどについて話を聞きます』、「昔の資本家やバンカー(銀行家)・・・が今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました」、「いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います」、その通りなのだろう。

第三に、 2月6日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で 慶應義塾大学大学院准教授の小幡 績氏による「いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か」の4頁目までを紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/410414
・『株価の乱高下が続いている。 ただし、2月にはいってからは、アメリカの株価は1月末の急落から回復基調にあり、ナスダックなどは再び史上最高値を更新した』。
・『「ロビンフッダーの反乱」が今後もたらすものとは?  この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら 確かに、下がる要因はすべて消え去った。理由は少なくとも4つある。第1に、「ロビンフッダーたちの反乱」は鎮圧された。第2に、この反乱によって、多くの空売りをするヘッジファンドは窮地に追い込まれ、もはや空売りをする力がなくなった。 第3に、同様に、アクティビスト(いわゆる物言う株主)のように、企業投資が悪い企業などについての空売りレポートで有名なシトロン・リサーチがこの種の空売りレポートはもうやらないと表明した。第4に、安いときに買い、割高になったら売るという、ごく普通の「ロングアンドショート戦略」をとる長期運用ファンドまでもが打撃を受けた。こうした戦略のファンドは縮小し、「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ。 なぜなのか、改めて説明しよう。 まず、ロビンフッドとロビンフッダーから。ロビンフッドとはご存じの通り、アメリカの新興系のネット証券会社である。手数料は無料であり、個人投資家、それも初心者を中心に口座をかき集めた。これらの個人投資家がロブンフッダーだが、彼らは、少額で投資ギャンブルを楽しむため、初めて株を買うのに、個別株オプションなどを中心に取引する。少額で一攫千金の可能性があるからだが、これはギャンブルゲームそのものだ。 新型コロナショックで、給付金がこの取引に回っているといわれているが、いずれにせよ、ロビンフッダーは急増し、ロビンフッドは収益も取引も急拡大させた。 ロビンフッダーたちは、業績の悪い企業の株式、いわば「くず株」のような株式に対する投資をしていた。その1つが、ゲームストップ株だったのである。業績は低迷、先行きの見通しも薄く、値下がり(低迷)を続けていたが、一連の買いで価格が上昇していた。これに目をつけたヘッジファンドが空売りをして、素人の火遊びを食い物にして儲けようとしていた』、「「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ」、どうしてなのだろう。
・『アメリカではよくある話、日本のライブドアブーム彷彿  この状況に対し、ロブンフッダーたちは、彼らがよく使うSNSを利用して、逆襲を呼びかけ、買いを集めて、空売りをしていたヘッジファンドを締め上げ(ショートスクイーズ)た。買い戻しを余儀なくさせ、ヘッジファンドなどに大きな損失を負わせた。この結果、ゲームストップ株は、急騰し、16倍前後にもなった。これを面白がってやっていたのがロビンフッダーたちである。 しかし、取引が急増したことにより、その取引注文を受けていた証券会社ロビンフッドは当局から、何十億ドルもの「供託金」を要求されることになる。これが払えないので、ロビンフッドは資金調達に奔走した。そうこうしているうちに、さらに取引が急増、株価も乱高下、供託金要求額も急増、同社はゲームストップ株などの取引を一時停止したのである。この結果、ヘッジファンドサイドが息を吹き返し、株価は失速。ロビンフッダーたちは、取引停止により損失を被り、ヘッジファンドサイドは破綻を免れたのである。 これに対しては、メディアは「ドナルド・トランプ前大統領による政治の分断に続いて市場も分断されている」「ウォールストリートと大衆投資家の対決だ」などと囃しているが、それは「nothing new」であり、いつも起きていることだ。 また、いまどきの日本の個人投資家たちは「日本では考えられない」などとコメントしているようだ。だが、彼らは経験不足すぎて知らないようだが、2000年代前半、日本で起きた「ライブドアブーム」とは、まさにまったく同じような現象だった。 ネット証券が発達し、1990年代末の金融危機からの経済危機で大混乱するなか、アメリカのネットバブルが日本にも波及した。その後、2001年の世界同時多発テロやエンロン事件などで株式市場全体が暴落するなか、若い個人投資家のネットトレーダーたちが株式に群がり、新興株を中心にネット株バブルを作り上げていた) 彼らは、「祭り」と称して、面白そうな株に群がった。「IPO(新規株式公開)バブル」「株式分割バブル」、そして「くず株バブル」などもあった。足利銀行株で大儲けをしたトレーダーが、東京タワーから一万円札をばら撒いたのは、この流れだった。 彼らのくず株取引は、もう破綻、上場廃止が決まっている銘柄、監理銘柄に群がり、最低になると1円で、その下はないから、1円でみんな買って、面白半分に2円にする投資家が出てくるのを待ち、2円になると、祭りが盛り上がって、それが12円ぐらいになることもあり、大騒ぎをしていたのである。 実はこのころ、ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が、想定外の値動きが続き、音を上げて「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼が入ったことがある』、「ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が」「「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼」、とは「小幡 績氏」の面目躍如だ。
・『個人投資家が「祭り」が好きなワケ  この辺は、拙著『ネット株の心理学』に詳しいが、要は、個人投資家は「祭り」が好きなのである。なぜか。「祭り」は儲かるからである。 では「祭り」とは何か。すなわち、人が集まることだ。何かの祝いごと、何かの決めごとで、1カ所に集まる。つまりは、バブルの発生源である。 個人投資家がバブルを作り、「機関投資家をやっつける、あるいは一時的に力を持つ」のはよくあることだ。1980年代末の日本株バブルもそうした状況に似ていた。厳密に言えばやっつけたわけではないが、日本の狂った状況に投資家、個人も企業も金融機関も巻き込まれた。「日本人はクレージーだ」と指をくわえてバブルをみていたのが、当時の外国人投資家である。 過去をさかのぼれば、18世紀の「南海泡沫バブル」も、「ミシシッピーバブル」も同じである。大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである。本当のプロなら「烏合の衆ほど恐ろしいものはない」とよく知っている。そして、現在が「烏合の衆の時代」であることは、賢明な現代人なら誰でも知っている。 したがって、今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである。普通の投資対象がバブルで上がりすぎて買うものがなくなり、くずに群がるぐらいしかない』、「大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである」、「今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである」、さすが「デイトレーダー経済学者」らしい。
・『「祭り」はいよいよ最後のステージに入った  なぜなら、まだ上がっていないものは、くずぐらいしか残っていないのである。だからバブル末期には、普段人気のないものがバブルになる。そういうものはもともと価格水準が低いから、上げ余地が大きく、激しいバブルになりやすい。まともな投資対象の株式では、それは日本株だろう。このところ世界で出遅れていた日本株が上がってきたのは、そういうことだ。宴、祭りは「最後のステージ」に入った。 一連のロビンフッド騒ぎが「バブルの断末魔の叫び」であることは、バブルの最終段階のアナウンスメントだが、ロビンフッドのおかげで、さらにバブル崩壊の条件はそろってしまった。それは、売り方をすべて壊滅させたことである。もう買い手しかない。売り手がすべてギブアップした。もう上がるしかない。 では、むしろこれからバブルは加速するのでは?と思われるだろう。 そのとおりだ。だからこそ、崩壊するのである。 ここから買うのは、狂った投資家、いや正確な言い方をすれば異常に強気の投資家しかない。売り手はいないから、出来高が少ないまま、ハイスピードで上がっていく。売る人がいない、ということは、この商いが成立するためには、誰かが売りに回らなくてはならない。それは誰か。今まで買ってきた人であり、今買っている人である。彼らが売れば、下がる。下がると、今買っている人である。バブルのピークとうすうす感じながら買った人が損失を抱えれば、パニックになって売る。 まさに、最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである。 ゲームストップ株の姿は、今後のアメリカ大型株と同じであり、数カ月後の運命なのである(本編はこれで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである」、今回の「ゲームストップ株」騒動は思いの他、深い意味があったようだ。
タグ:バブル 東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 小幡 績 山崎 元 (最近) (その5)(株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説、異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい、いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か) 「株価バブル崩壊の種は「社債市場」にある!恐怖シナリオを山崎元が解説」 バブルが崩壊する局面では、「社債市場」のトラブルが原因になるだろうと見る 将来株価のバブル崩壊が起きたとき「示唆的だった」と振り返るべき記事 「日本経済新聞」12月13日朝刊の1面トップに『債務不履行 世界で倍増 今年223社 経済に潜在リスク』 コロナが居座って、中央銀行による金融緩和が継続。その中で、財政的な後押しも加わることがより一層の金融緩和効果をもたらして、株価の上昇につながっている」、というのは確かだ 社債型バブルとコロナバブル 株価バブル「2つの生成メカニズム」 「株価バブルには2つの生成メカニズムが働いている。1つはコロナ前からのもので、もう1つはコロナと共に働き始めたもの」、「社債型バブル」、「コロナバブル」などが混在しているようだ コロナが消えると何が起こる? それが「今」だとすると危ない 「バブルが崩壊するときには、市場と経済にとって最も弱い箇所が「社債」になる公算が大きいように思う。 特に米国の社債市場で何が起きているのかについては今後、大いに注意すべきだろう バブルの発生・崩壊に対して投資家にできることは限られている 「投資家にとって現実的な戦略は」「上げるときも、下げるときも、市場に居続ける」と決め込むことだろう」 「バブルに対する理解と、バブルに左右されない「鈍感力」の両方を同時に持ち続けるのは簡単ではない。しかし長い目で見ると、この努力が報われる可能性は大きいように思う」、かくなる上は、「鈍感力」に期待することにしたい 澤上 篤 「異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい」 もはや、いつ大暴落が起こってもおかしくない 最新刊『金融バブル崩壊 危機はチャンスに変わる』 「健全な経済」こそが大歓迎なのです。その視点で見ると、今はあまりにも異常な状態になっています できるだけ早く崩れてくれたほうが、健全な経済、社会への回帰が早まります。 いつ崩れてもおかしくない状況なので、それに備える姿勢を投資家はもちろん一般の生活者にもお伝えしたいというのが、執筆のきっかけ バブルが崩れる時、どのようなシナリオ、崩れ方をするとお考えですか? 澤上氏:正直言って、全く分かりません 「ニクソン・ショック」は実体経済の歪みが顕在化したもので、「バブル崩壊」とは別物だ 音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない 政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です 昔の資本家やバンカー(銀行家)のように。彼らが今の大半の投資家と違うのは、身銭を切って投資していたことです。 だから、バランス感覚やリスク感覚がありました いつの時代からか自分の財産を投入するのではなく、運用専門の代理人(エージェント)が投資を担うようになった。預かっているだけのお金ですから、野放図で無責任な運用で平気なわけです。これが危険な状態に拍車をかけていると思います 「いよいよ「バブル崩壊の瞬間」が近づいてきた 個人投資家の「祭り」が意味するものとは何か」 「ロビンフッダーの反乱」が今後もたらすものとは? 「ロビンフッダーたちの反乱」は鎮圧された この反乱によって、多くの空売りをするヘッジファンドは窮地に追い込まれ、もはや空売りをする力がなくなった 第3に、同様に、アクティビスト(いわゆる物言う株主)のように、企業投資が悪い企業などについての空売りレポートで有名なシトロン・リサーチがこの種の空売りレポートはもうやらないと表明した 第4に、安いときに買い、割高になったら売るという、ごく普通の「ロングアンドショート戦略」をとる長期運用ファンドまでもが打撃を受けた。こうした戦略のファンドは縮小し、「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ ロビンフッダーたちは、業績の悪い企業の株式、いわば「くず株」のような株式に対する投資をしていた。その1つが、ゲームストップ株 「「ロング(買い持ち)オンリー」のファンドばかりになった。 売る主体がいなくなれば、株は下がらない。下がる懸念はまったくなくなったに等しい。ほとんどすべての投資家が買いに回ったのである。 しかし、それこそが、バブルの終わりを招く。今年、バブルが崩壊する可能性はますます高まったのだ」 アメリカではよくある話、日本のライブドアブーム彷彿 、ロビンフッドは資金調達に奔走した。そうこうしているうちに、さらに取引が急増、株価も乱高下、供託金要求額も急増、同社はゲームストップ株などの取引を一時停止 ヘッジファンドサイドが息を吹き返し、株価は失速 ロビンフッダーたちは、取引停止により損失を被り、ヘッジファンドサイドは破綻を免れた 「ウォールストリートと大衆投資家の対決だ」 「nothing new」 「ライブドアブーム」とは、まさにまったく同じような現象 若い個人投資家のネットトレーダーたちが株式に群がり、新興株を中心にネット株バブルを作り上げていた) 彼らは、「祭り」と称して、面白そうな株に群がった。「IPO(新規株式公開)バブル」「株式分割バブル」、そして「くず株バブル」などもあった 足利銀行株で大儲けをしたトレーダーが、東京タワーから一万円札をばら撒いた ドイツ銀行のロンドンのヘッジファンド部門が、想定外の値動きが続き、音を上げて「デイトレーダー経済学者」として有名だった私のところに、「日本の個人投資家は何を考えているのか教えてほしい」と依頼が入ったことがある 個人投資家が「祭り」が好きなワケ 大衆、いや烏合の衆の力は破壊力があり、馬鹿にしているインテリ、プロフェッショナルほど、これにやられるのである 「今起きていることは、ごく普通のことなのである。社会の分断でもなんでもない、バブル末期に起きる現象なのである」、さすが「デイトレーダー経済学者」らしい 「祭り」はいよいよ最後のステージに入った 「最後の最後にゲームストップ株を買ったロビンフッダーがパニックになっているように、インテリのお高くとまっている機関投資家たちが売り始める。含み損水準まで下がってくる。慌てて売る。このような「売りスパイラル」がすべての株、とりわけ上がりすぎていた、アメリカのハイテク株で起こるのである」 今回の「ゲームストップ株」騒動は思いの他、深い意味があったようだ
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個人債務問題(その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは) [金融]

個人債務問題については、昨年1月19日に取上げた。今日は、(その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは)である。

先ずは、昨年12月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したスタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタントの沖有人氏による「国が推進する「残価設定型」ローン、激変する住宅市場」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/257470
・『国土交通省は、「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にも民間の金融機関が参加するモデル事業を始めると発表した。これが実現すれば、住宅市場の未来は激変するだろう。その理由を解説する』、先ずは。「「残価設定型」のローン」とはどういうことなのかみていこう。
・『国策の「残価設定型」住宅ローン、その狙いは?  先日、「住宅に残価設定ローン、返済負担を軽減 官民で開発」という新聞記事があった。最初、「これは誤報だろう」と私は思った。 「残価設定型」住宅ローンは、借入額と将来の住宅価値の差額のみを返す仕組みだ。こうした残価設定型住宅ローンの普及に動き出すというような話は、銀行単体では到底できない。バブル経済時の不動産価格の高騰と貸出によって、銀行が破綻・再編された経緯があるからだ。 しかしこれが国策であれば、非常に大きな可能性を秘めている。ぜひに実現してもらいたいものでもあるし、これがあれば、住宅市場の未来は激変するだろう。 国土交通省は、「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にも民間の金融機関が参加するモデル事業を始めると発表した。これにより、資産性がある住宅は返済負担が小さくなるので、家計に優しく、その分、消費が活性する可能性が高い。ここが、国策の最大の狙い目になる。 問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある。 私が最初「誤報だ」と思ったのは、銀行が買い取ることが事実上、不可能だからだ。買い取ることは不動産会社しかできない。買い取りを不動産会社が行う残化設定型住宅ローンはすでに存在しているのである』、「問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある」、その通りだろう。
・『不動産会社による残化設定型住宅ローンはすでに存在していた  2019年11月に、新生銀行がこの残化設定型住宅ローンの取り扱いを始めている。内容はこうだ。 旭化成ホームズのヘーベルハウスの戸建に限定して、残価設定する(事例では、物件価格6500万円に対して、残価は1400万円[物件価格の23%相当])。そして満期時には旭化成グループが市場で売却するか、買い取る選択肢が示されている。この買い取り保証がなければ、こうした残価設定ローンはそもそも成り立たない。 35年後の売却価格がわからないと判断し、銀行は不動産の価値を無視して、「住宅ローンを完済可能か」を年収だけで審査していたのが実態である。だからこそ、残価は銀行が負えるものではないと私は思った訳だ。 この残価設定型住宅ローンは、実は比較対象がある。「フラット50」、つまり50年の長期で返済する住宅ローンだ。フラット50の金利1.82%に対して、この残価設定住宅ローンは1.5%。 これが安いかといわれれば、「それなら変動金利0.45%で借りるほうが、毎月の返済負担も変わらずに元本返済が進むのでいい」と私なら回答する。残念ながら、現状の商品設計では残価設定が低く、金利が高過ぎる』、我が家も「ヘーベルハウス」だが、定期的メンテナンスの料金はかなり高目だが、高品質を維持することで、「残価」も高目を維持できる体制が整っているようだ。
・『「国策」としての残化設定住宅ローンの意味合いは何か?  現状はこれしかないのだから、差別化された商品の金利設定ということもできるかもしれない。しかし、国策として残価設定型住宅ローンを普及させるならば、参入企業が増え、金利は下がることになる。そのことは、住宅金融公庫中心だった住宅ローン市場に、民間参入を促した後の「金利引き下げ競争」を見ても容易に想像がつく。 国策として残化設定住宅ローンを商品設計するにあたって、重要な論点は「期間の設定」になる。 35年ローンを住み替えせずに、一生住むものとして商品設計するなら、上記の既存商品と同じで、将来の価格変動リスクが残価の低さや金利の高さに現れてしまい、商品としての魅力を結果的に失ってしまう。 35年後にローンを組み直すという選択肢も、年齢的に現実的ではない。なぜなら、30歳で購入したとしても35年後は定年を迎えていて、年収が大幅に下がっているからだ。実際、全国の持家の取得平均年齢は37歳なので、72歳を想定せざるを得ない。収入がない人に多額の残価の負債を背負わせるのは老後の生活破綻者を増やすだけになるかもしれない』、やはり「定年」で完済としたいところだ。
・『残価設定の期間を短期にすれば魅力は100倍増に  35年後の買い取りや売却はどうなっているか、誰にも想像できないからこそ、低くしか残価設定できないので、貸す側・借りる側双方に意味がない。しかし、この期間を5年、10年と短期にするならば、話は違ってくる。 期間が短い分、リスクは軽減され、住宅ローンを組み直すことも現実性を帯びる。つまり、5年後10年後ごとに資産価値を再評価し続ければいいのだ。5000万円借りて、10年後に4000万円の残価を想定していても、10年後に4500万円の市場価値があれば、そのまた10年後は、3000万円ではなく3500万円を想定することで返済額が市場価値と連動して軽減することができる。 もっと短くして1年ごとにすると、住宅ローン商品自体が変貌する。1年後に買い取る相手を毎年決めるようになると、毎月の返済金額は市場価格をさらに反映したものになる。値下がりリスクが低いところでは、購入価格と変わらない1年後の買い取り価格になるところも出てくる。そうなると、返済金額はわずかでいいことになる。 この買い取り価格も、転売業者を対象にすると、転売利益を出すには現状価格の少なくとも1割以上低くなければならない。しかし、自宅を買う人が買い取ることにすれば、転売利益が必要ないので、市場価格で買うことになる。その際は、売り手と買い手がすでに決まっているのだから、仲介手数料は事務手数料並みの価格(例えば、双方から1%)でいいだろう。 つまり、残価を自宅購入者が支える市場を作ってしまえば、住宅ローンは商品設計の根本から変わってしまうことになる』、なるほど、理屈の上では面白い市場が出来そうだ。ただ、売る気がなく、住み続けるのを選択する借り手が多い場合は、現在のローンの方がいいということになるかも知れない。
・『国策の残価設定型住宅ローンは健全な市場形成につながる  私たちは、自宅の資産性においては、売却を伴うことで含み益が実現益になることを説いてきた。マンションの経年での価格変化を数値化し、それが一定の法則性に従って資産性が維持されることを発表したところ、本はベストセラーになり、自宅で稼ぐことができる人を数多く輩出している。資産性を語るなら、売却は大前提なのだ。 そこまでマンションを科学したにもかかわらず、そもそもの問題は、「資産性があるにもかかわらず、住宅ローンの完済を求められること」にある。資産性がある物件は単価が高く、値下がり幅が小さくても、返済額は非常に高額だった。値下がりしにくいからこそ、返済額が少なくなってしかるべきなのに、資産価値を一切見ない金融機関によって、ローン返済を強いられたのだ。 不動産の売買価格は「ローンの付きかた」で決定される。つまり、住宅ローンが潤沢に貸し出されるなら、不動産価格は値上がりしてきた。それがアベノミクスの金融緩和によってマンション価格が上がった最大の理由であった。売買価格においては、需給バランスの影響は軽微で、ローンの影響のほうが圧倒的に強く受けるものなのだ。 ということは、国策の残価設定型住宅ローンが生まれることで、資産性のある不動産はその市場性からさらに値上がりすることになるが、返済額はそれほど増えない。これは、資産をインフレさせて返済能力を高めているのであり、バブルではないため、健全な市場形成ということができる』、なるほど。
・『資産性がある不動産がより安価に手に入る時代へ  国策の残化設定型住宅ローンは、資産性がある不動産には適用されるが、資産性がない不動産には適用されることはないだろう。 この意味で、戸建よりマンションのほうが、地方より都市部のほうが、向いていることは明らかだ。価格変動幅が小さく安定しているので、計算しやすいためである。戸建や地方では、マンションより中古市場での取引量が少ないだけに、次の買い手を見つけるのが難しいという現実がある。つまり、こうした場合は施工会社(上記の新生銀行の場合は旭化成ホームズ)の買い取りという条件が必要になる。 事業者の買い取りを伴うようでは、ローン商品の魅力がないことは説明してきた。結局のところ、残化設定型住宅ローンは資産性がある不動産だけに適用される商品ということになるのだ。 こうなると、より都市部に住むことが住居費を下げるコツになり、人口減少している日本ではコンパクトシティ化を推進することにもなる。これも国策となる。国・不動産会社・銀行などそれぞれの思惑はあるだろうが、国策の残化設定型住宅ローンは、市場の資産価値を反映することでさまざまなメリットがある。今後の動向を大いに期待したいものだ』、「残化設定型住宅ローン」は、テクニカルには面白いが、現実にはそれほどニーズがあるとも思えない。ローン返済期間の30年の間にはライフスタイルの変化も大きい。

次に、12月19日付けダイヤモンド・オンラインが転載したAERAdot「ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020120700071.html?page=1
・『新型コロナウイルスの影響により、企業の減収やボーナスカットが相次いでいる。厚生労働省の調査によると実質賃金は7カ月連続で減少した。収入減は住居費を直撃している。AERA 2020年12月14日号の特集「住居喪失」から』、興味深そうだ。
・『「売るしかないのでしょうか?」  今年9月、マンションの売買の相談に専門家のもとを訪れた40代の夫婦はそう嘆いた。 夫婦は9年前、都心の6千万円の新築タワーマンションを、ほぼ満額分のペアローンを組んで購入した。 「最初の4年は問題なく返済できていました」 月額返済は約17万円だったが、当初は夫婦合わせた世帯実収入が月60万円以上あり、返済してもゆとりがあった。 だが、子どもの中学受験をきっかけに、バランスが崩れた。妻は一度退職し、専業主婦になって受験をサポートした。その後、派遣社員として仕事に復帰し、収入は回復していた。そこへコロナ禍が襲い、3月、雇い止めにあったのだ。想定外だった。 「まさかコロナでこんなことになるとは……」 300万円ほどあった貯金は、中学受験で使い果たしていた。子どもは高校生になったが、学費まわりで月に8万円もかかる。会社員の夫一人の収入では、住宅ローンはとても払えない。9年前に購入したタワマンを売るしかない、と考えたのだ』、「コロナ禍」の影響はともかくも、「中学受験」のサポートはる程度、事前に織り込めた筈だ。生活設計が甘かったと言わざるを得ない。
・『減収が危機に直結する  都心部の物件で買値よりも高値で売れる可能性があり、幸いにして6500万円で売れた。夫婦は持ち家は失ったものの、手元に数百万円の現金が残り、やや郊外の賃貸住宅に転居した。月々の家賃は12万円だ。 ペアローンとは、夫婦や親子など複数の債務者がそれぞれローン契約を行い、お互いに連帯保証人になる方法だ。収入を合算して住宅ローンを組むので、1人で組むより借入額を増やせる、というメリットがある。 だが、専門家からは、ペアローンのあまりに高いリスクを改めて注意喚起された。 「収入が減らないと想定したローンで、離職や雇用形態の変更など、ライフステージによる収入の変化は考慮されていない。組むべきでなかった」(専門家) 減収が、住居喪失の危機に直結する──。そんな事態が起こりつつある。 住宅金融支援機構のデータによると、自己資金なしでマンションを購入する割合は2014年度以降増加し、首都圏では全体の21%にものぼる。住宅ローン返済の余裕を測る「返済負担率」は30%を超えると余裕がなくなるとされるが、リーマン・ショック後の09年度には「返済負担率が30%を超える人」が全体に占める割合が全国で14.6%だったが、19年度は全体の13.1%、首都圏では17.5%だ。 つまり、収入減をきっかけに住宅ローンが破綻する恐れのある人が、10人に1人以上存在するということだ。 そしていま、新型コロナウイルスの影響により、収入減が相次いでいる。厚生労働省が11月25日に発表した毎月勤労統計調査によれば、9月の実質賃金は前年同月比1.1%減の26万9323円と、3月から7カ月連続で減少した。日本生命が10月に約2万5千人を対象に行ったインターネットによる調査では、約23%が給与が「減った」と答え、減少額は平均で約10万円にもなった。コロナ関連による解雇や雇い止めも、厚労省によれば、見込みも含め7万3千人に達した』、借入限度を使いきるのではなく、余裕を持たせて、借入は抑え目にすることが重要だ。
・『外国人客減が大打撃に  実際、住宅金融支援機構でのコロナに起因する返済期間延長やボーナス返済の見直しなどの承認件数は、3月から10月までの間に6531件にのぼった。収入の多寡にかかわらず、住宅ローンを支払えなくなるケースが続出しているのだ。 都内在住の男性(45)も、コロナ禍での収入減がたたり、住居喪失の危機に直面している。 「仕事が見つからなくて、このままだとマンションを売って安いアパートにでも引っ越すことになりかねません」 長年、外国人観光客向けのハイヤーの運転手をしていた。コロナ禍で訪日客が消え、仕事がなくなった。会社から別部署への異動を打診されたが、給与はそれまでの約35万円の半分になるといわれ、退職。月々の住宅ローンの支払いは約10万円で、10年ほど前に35年ローンで買った。 今は、失業給付とパートで働く妻の給与で何とか払っているが、失業給付は年内で切れる。一刻も早く仕事に就きたいと思い、同じハイヤーの職を探すが、求人はゼロだという。 「懸命に働いてきたのに。まさかという思いです」(男性) 収入減でも、家族の未来を守るために削りたくない費用もある。千葉県の会社員女性(42)の場合、それは保育園に通う子どもたちの習いごとだ。 5年前に一戸建てを3500万円で購入した。35年ローンは会社員の夫(43)が組み、月10万円近く支払っているが、夫の会社の業績悪化で給与は月5万円減った。夫は「心配ない」と言うが、会社の業績が回復する保証はない。毎月の支払いには不安しかない。住宅ローンと教育費のために、女性は「本や服、身のまわりのものをネットで売ろうと思っている」という。』、「ネットで売」ったところで、毎月の基本的な不足を賄うことは無理だろう。生活全般の見直しが必要なようだ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 沖有人 AERAdot 個人債務問題 (その3)(国が推進する「残価設定型」ローン 激変する住宅市場、ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは) 「国が推進する「残価設定型」ローン、激変する住宅市場」 「残価設定型」のローン 国策の「残価設定型」住宅ローン、その狙いは? 「残価設定型」住宅ローンは、借入額と将来の住宅価値の差額のみを返す仕組みだ 問題は、ローンが満期を迎えた際に、残価を返済していないことだ。つまり、まだ借入は残っているので、売却するか、住み続けるなら再度ローンを組む必要がある 不動産会社による残化設定型住宅ローンはすでに存在していた 「ヘーベルハウス」 定期的メンテナンスの料金はかなり高目だが、高品質を維持することで、「残価」も高目を維持できる体制が整っているようだ 「国策」としての残化設定住宅ローンの意味合いは何か? やはり「定年」で完済としたいところだ 残価設定の期間を短期にすれば魅力は100倍増に なるほど、理屈の上では面白い市場が出来そうだ。ただ、売る気がなく、住み続けるのを選択する借り手が多い場合は、現在のローンの方がいいということになるかも知れない 国策の残価設定型住宅ローンは健全な市場形成につながる 資産性がある不動産がより安価に手に入る時代へ 「残化設定型住宅ローン」は、テクニカルには面白いが、現実にはそれほどニーズがあるとも思えない。ローン返済期間の30年の間にはライフスタイルの変化も大きい 「ローン破綻で夢のタワマン失った もう他人事じゃない「収入減で住居喪失」の原因とは」 「売るしかないのでしょうか?」 「コロナ禍」の影響はともかくも、「中学受験」のサポートはる程度、事前に織り込めた筈だ。生活設計が甘かったと言わざるを得ない 減収が危機に直結する 借入限度を使いきるのではなく、余裕を持たせて、借入は抑え目にすることが重要だ 外国人客減が大打撃に 「ネットで売」ったところで、毎月の基本的な不足を賄うことは無理だろう。生活全般の見直しが必要なようだ
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金融業界(その7)(「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情、「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情) [金融]

金融業界については、昨年9月26日に取上げた。今日は、(その7)(「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情、「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情)である。

先ずは、昨年11月24日付け東洋経済オンライン「「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/390044
・『それは、ある地方銀行が記者クラブで決算発表をしている最中のことだった。 「日銀が地銀再編を支援する新しい制度を発表しましたが、どう受け止めていますか」 質疑に応じていた頭取にも初耳の話。当然、想定問答なども用意しておらず、しどろもどろになってしまったという。 同じ時刻、別の地銀では、経営企画部の電話がけたたましく鳴り響いていた。「どういうことですか」「詳しく聞かせて」。経営陣はもちろん、各部署からも問い合わせが相次いでいたのだ。 まさに蜂の巣をつついたような騒ぎになったのは、11月10日に日銀が突然、「地域金融強化のための特別当座預金制度」を発表したからだ』、「決算発表をしている」「ある地方銀行」「頭取」も、「発表」されたばかりの「新しい制度」について、一応勉強しておくべきだったし、質問して恥をかかせた記者も非常識だ。
・『経費削減や経営統合に取り組む地銀を優遇  この制度は、地銀と信用金庫を対象とし、経費削減や経営統合に取り組むことを条件として、日銀への当座預金に年0.1%の上乗せ金利をつけるというもの。2022年度までの時限措置として導入するとしている。 具体的な条件としては、経費を業務粗利益で割った経費率(OHR)の改善率が2019年度から2022年度までに4%以上になること、経費の改善額が同時期に6%以上になること、そして2023年3月末までに合併や連結子会社化といった経営統合を決定すること。これら3つのいずれかを満たした場合に対象となる。 ここ数年、地銀を苦しめてきたマイナス金利政策が、条件付きとはいえ一部修正されることに、地銀は色めき立ったのだ。こうした発表を受けて、ある地銀では、「削れる経費をすべて洗い出せ!」との大号令がかかったという。 地銀の反応はさまざまだ。「チャレンジしたい」「経営統合によって費用がかさんでおり、達成は可能。すぐ申請したい」と歓迎する声が上がる一方で、「かなりの経費をすでに削っており簡単ではない」「これまで再編に取り組んできた地銀が損をすることになり不公平」といった不満も聞かれる。とはいえ、どの銀行も「達成できるかどうかは別にして、取り組まない手はない」と前向きだ。 『週刊東洋経済』11月24日発売号は、「地銀最終局面」を特集。菅義偉首相によって追い込まれた「地銀の崖っぷち」を徹底取材した。「列島再編ルポ」をはじめ「再編大胆予測」、そして「激変する銀行員の現実」など地銀の今を余すところなく伝えている。 しかしこうした日銀の政策について、金融関係者の間では「禁じ手だ」と評判が悪い。 「日銀はミクロ経済には手を出さないというのが不文律。こんなことをしたら金融政策がおかしくなってしまう。執行部もそれがわかっているから、総裁会見がない通常会合で決めたのだろう」と日銀元幹部は指摘する』、「ミクロ経済には手を出さないという・・・不文律」を破ったのは確かに不自然で、「総裁会見がない通常会合で決めたのだろう」との指摘はその通りだろう。
・『それからわずか2日後の11月12日。今度は政府が、地銀や信金の経営統合や合併に対し、システム統合費用などの一部を補助する交付金制度を来年夏にも創設する方針が明らかになる。申請期限は2026年3月末までの5年間弱、最大で30億円程度となる見通しだ。 こうした政策がアメならば、政府はムチも用意する。2カ月前の9月中旬。金融庁の氷見野良三長官は地銀首脳とのオンライン会合で、公的資金による資本注入の要件を大幅に緩和した改正金融機能強化法の活用を検討してほしいと訴えた。 同法は経営責任や収益目標を求めなかったり、返済期限を設けなかったりと、銀行にとって使い勝手はよくなっている。だが、ひとたび公的資金が注入されれば、「再編を進めたい国の言うことを聞かなければならなくなる」(地銀幹部)ことは必至。経営の自主性が失われるのは目に見えている。 硬軟を巧みに使い分けながら、政府・日銀が一丸となって地銀を追い込む背景には、菅首相の存在があった。自民党総裁選挙前に「地銀は数が多すぎるのではないか」と発言、翌日に再編について「選択肢の1つ」と踏み込み、地銀に再編を迫ったのだ。 実は日銀も、この発言を受けて大手地銀に対し、「経費はどれくらい下げられますかね」とヒアリングを行っていた。「今振り返れば、準備していたのだろう」とこの地銀の幹部は振り返る。 前出の日銀元幹部も「政府はもちろん、日銀も前のめりになっているのは、明らかに菅首相への忖度。首相の本気さを感じ取り、歩調を合わせたのだろう」とみる』、「金融庁」「日銀」とも「菅首相への忖度」で「前のめりになっている」、とは困ったことだ。
・『しびれを切らす菅首相  菅首相がここまで踏み込むのは、地銀を取り巻く環境が劇的に変化し、存在意義さえ失いかけているにもかかわらず危機意識が薄いことに、いら立っていたからだ。 長引く超低金利政策で、貸出金利は大幅に低下。地域経済の縮小も相まって本業だけでは生きていけず、今後、赤字の地銀が増えるのは必至だ。そうしたタイミングで新型コロナウイルスが発生。感染拡大で企業業績の悪化は著しく、貸し倒れに備えた引当金など与信コストは増加傾向にある。おのずと地銀の健全性も劣化していく。 しかも、過去に注入された公的資金の優先株がすべて普通株に強制転換される「一斉転換」が2024年に迫っている地銀も少なくなく、返済できなければ実質的に国有化される危険性が高まっている。 にもかかわらず、地銀は変わろうとしない。第二地銀こそ減っているものの、第一地銀に関してはこの40年間、63~64行のまま。長きにわたって金融当局が再編を呼びかけてきたのにだ。こうした状況に菅首相がしびれを切らし、〝爆弾〟を投じたというわけだ。 かつて、これだけ明確に地銀の再編について言及した首相はいなかった。それだけに、インパクトはすさまじいものがある。追い込まれた地銀に残された時間は少ない』、「地銀の再編」など「首相」が言及するには、小さ過ぎる問題だ。もっと骨太な問題を取り上げるべきだろう。

次に、12月28日付け東洋経済オンライン「三菱UFJ、半沢新頭取が担う「コスト改革」の重責 慣例を破り常務からいきなり頭取に就任」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/399807
・『「金融機関は100年に1度と言われるような改革を進めなければならない時期にある。それに対応するため、世代交代、若返りを一段と進める」。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の亀澤宏規社長(59)は、頭取交代の狙いを会見でそう語った。 MUFGは2020年12月24日、三菱UFJ銀行の頭取交代を発表した。2021年4月付けで、三毛兼承頭取(64)に代わり、半沢淳一取締役常務執行役員(55)が就任する。三毛頭取はMUFGの会長に、平野信行MUFG会長(69)は三菱UFJ銀行の特別顧問になる。 今回のトップ人事は慣例を破る格好となった。三菱UFJ銀行の頭取は皆、副頭取から昇格する形で就任してきた。常務がいきなり頭取に就くのは、いわば“飛び級”だ。現在、副頭取や専務を務めている計13人を追い抜く大抜擢ということになる』、人事には保守的な「MUFG」としては、確かに驚きの人事だ。
・『注目すべき華々しい経歴  三毛氏はMUFG社長時代から「構造改革を成功させるには、チャレンジするカルチャーを作らなければいけない」と語ってきた。年功序列や減点主義が失敗を恐れる文化につながっているとして「若手の抜擢」を掲げ、人事制度改革に力を注いできた。今回のトップ人事もその流れをさらに進めるものだ。 頭取の交代が報じられた直後、人気ドラマの「半沢直樹」と苗字が同じということから、SNS上で話題になった。名前ばかりが注目を集める同氏だが、その華々しい経歴にも目を向けるべきだろう。 半沢氏は1988年に東京大学経済学部を卒業、三菱銀行に入行した。その後は経営企画部長などを務めてきた企画畑。持株会社の設立を主導し、「MUFGの礎を築いたとも言える」(亀澤社長)。名古屋営業本部長など営業部門での経験も持ち合わせている。 近年は崩れつつあるものの、三菱UFJのトップにはかつて「東大・京大出身、旧三菱銀行出身、企画畑」という“王道ルート”が存在していた。半沢氏はこの王道のすべてに当てはまる。 三毛氏も「激動の時代にあって大きな船のかじ取りを任せるにふさわしいリーダー」と評する半沢氏だが、待ち受けるのは茨の道だ。 半沢氏が率いる銀行部門は厳しい経営環境にさらされている。低金利が続き、利ザヤが縮小。預金を集めて貸し出すという従来のビジネスモデルでは立ち行かない。足元では、新型コロナウイルスの影響で、企業の資金繰り支援という大きな課題も抱える。コロナの影響が長引き倒産が増えてくれば、与信費用の拡大も覚悟しなければならない状況だ。 預金と貸し出しを中心とする商業銀行の将来について、MUFGの亀澤社長は「成長ドライバーになることは難しい」と見ている。その中で、半沢氏に求められるのは「損益分岐点を下げ、コスト構造を変える」(亀澤社長)こと。つまり、経費率を下げ、収益力を高めるということだ』、なるほど。
・『ライバルに見劣りする「経費率」  2020年3月期、MUFGは3メガバンク体制になって初めて三井住友フィナンシャルグループに純利益で首位を明け渡した。海外子会社の減損が主因であり、2021年3月期には再び逆転をする見込みだが、両行の“距離”は確実に近づいてきている。 その要因の1つが経費率にある。2020年3月期のMUFGの経費率は70.2%。対して三井住友の経費率は62.8%にとどまる。三井住友は、より少ないコストで収益を上げているのだ。 銀行部門に限れば、その差はさらに顕著だ。業務粗利益(本業の収益から費用を引いた額)は三菱UFJ銀行が1兆5462億円、三井住友銀行が1兆4120億円とほぼ同水準。しかし経費は、三井住友が8080億円なのに対し三菱UFJが1兆1509億円と3000億円以上も多い。経費率を見ると三井住友銀行は57.2%、三菱UFJ銀行は74.4%とその差は歴然としている。 この格差を生む要因の1つが店舗だ。MUFGは2020年5月に店舗削減の加速を発表。2024年3月までに2018年3月末の515店舗から約40%を削減し(従前は35%削減)、約300店舗まで削減する計画になっている。一方、三井住友は店舗削減で先を行く。旧住友銀行と旧さくら銀行の統合時に約750店あった支店を約430店にまで削減しているからだ』、「経費率」「格差」の解消は急務だ。
・『高コストの要因は語りきれない  半沢氏は12月24日の会見で経費率が高い要因を問われ、「語りきれない。残念ながら、いろんな要因がある」としつつ、「本部の要員が他のメガバンクより多く、海外での残高増加に伴って規制対応コストも高くなっている」と例を挙げた。 ある旧三菱銀行OBは「合併後の“分割統治”によって抜本的なリストラができなかったことが根本的な要因だ」と指摘する。行内の関係性を重視した結果、先延ばしにされてきた改革に手をつけるときがきたわけだ。 規模では圧倒的首位を誇るMUFG。コスト改革が進めば、利益でも他を圧倒することは間違いない。半沢新頭取はどこまで大胆にコスト改革のメスを入れられるか。金融業は異業種も交えた競争激化が必至なだけに、体質強化は避けて通れない。就任早々、その実行力が問われそうだ』、「高コストの要因は語りきれない」、店舗以外にも様々な「要因」があるということは、逆に絞りがいがありそうだということを意味するようだ。
タグ:東洋経済オンライン 金融業界 (その7)(「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情、「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情) 「「変わらない地銀」追い込む菅首相の強烈な爆弾 政府・日銀が一体で大再編を後押しする事情」 「決算発表をしている」「ある地方銀行」「頭取」も、「発表」されたばかりの「新しい制度」について、一応勉強しておくべきだったし、質問して恥をかかせた記者も非常識だ 経費削減や経営統合に取り組む地銀を優遇 日銀への当座預金に年0.1%の上乗せ金利をつける 2023年3月末までに合併や連結子会社化といった経営統合を決定すること。これら3つのいずれかを満たした場合に対象となる 「かなりの経費をすでに削っており簡単ではない」「これまで再編に取り組んできた地銀が損をすることになり不公平」といった不満も 金融関係者の間では「禁じ手だ」と評判が悪い。 「日銀はミクロ経済には手を出さないというのが不文律。こんなことをしたら金融政策がおかしくなってしまう 「総裁会見がない通常会合で決めたのだろう」との指摘はその通りだろう 「金融庁」「日銀」とも「菅首相への忖度」で「前のめりになっている」、とは困ったことだ しびれを切らす菅首相 「地銀の再編」など「首相」が言及するには、小さ過ぎる問題だ。もっと骨太な問題を取り上げるべきだろう 「三菱UFJ、半沢新頭取が担う「コスト改革」の重責 慣例を破り常務からいきなり頭取に就任」 2021年4月付けで、三毛兼承頭取(64)に代わり、半沢淳一取締役常務執行役員(55)が就任する 注目すべき華々しい経歴 経営企画部長などを務めてきた企画畑 「東大・京大出身、旧三菱銀行出身、企画畑」という“王道ルート”が存在していた。半沢氏はこの王道のすべてに当てはまる ライバルに見劣りする「経費率」 「経費率」「格差」の解消は急務だ 高コストの要因は語りきれない 店舗以外にも様々な「要因」があるということは、逆に絞りがいがありそうだということを意味するようだ
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金融規制・行政(その7)(【解説】 フィンセン文書 何が分かり何が問題なのか、メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか、海外の機関投資家が抱く改正外為法の「疑念」 フィデリティ投信の三瓶氏に総会問題を聞く) [金融]

金融規制・行政については、2019年12月22日に取上げた。今日は、(その7)(【解説】 フィンセン文書 何が分かり何が問題なのか、メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか、海外の機関投資家が抱く改正外為法の「疑念」 フィデリティ投信の三瓶氏に総会問題を聞く)である。

先ずは、2020年9月21日付けBBC NEWS「【解説】 フィンセン文書、何が分かり何が問題なのか」を紹介しよう。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54230488
・『世界の大手金融機関が、総額2兆ドルもの不正資金のマネーロンダリング(資金洗浄)を野放しにしていたことが、米当局から流出した「フィンセン(FinCEN)文書」で明らかになった。 フィンセン文書ではこのほか、ロシアの富豪が制裁を逃れて西側諸国と取引をするために金融機関を利用していた実態も分かっている。 過去5年間で流出したさまざまな文書が明かした秘密取引や資金洗浄、金融犯罪について解説する。 「フィンセン文書」とは(「フィンセン文書」は2500件以上のファイルから成る。大部分が2000~2017年に米金融当局に送られたもので、顧客の不審な動きなどを報告している。 こうした内容は、国際的な金融機関などが最も厳格に守り、秘密にしているものだ。 金融機関はこれらの文書で疑わしい取引を報告しているが、文書そのものが犯罪や過失を証明するものではない。 フィンセン文書はまずバズフィード・ニュースが入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に共有され、分析が始まった。この分析には世界88カ国108の報道機関が関わり、BBCの報道番組「パノラマ」も参加した。 何百人ものジャーナリストが難解で技術的な文書を読み解き、金融機関が世間に知られたくないだろう内容を明らかにした』、「2016年」に明らかになった「パナマ文書」などについては、もっと後ろで解説している。
・『フィンセンとは? SARとは?  ここで、フィンセン文書にまつわる2つの略語を紹介する。 まず「フィンセン」とは、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワークを意味する。米ドル建ての不審な取引については、アメリカ国外でのものであってもフィンセンへの報告が義務付けられている。 SAR(不審行為報告書)は、こうした不審な取引を記録した文書を指す。金融機関は顧客が不審な動きをしていた場合にSARを作成し、当局に報告する。 フィンセン文書に含まれる2657件の文書のうち、2121件がSARだった』、「SAR」は日本では疑わしい取引として金融機関に報告が義務付けられているものだ。本来は極秘扱いの「フィンセン文書」が「流出」したのはやはり問題だ。
・『なぜ問題なのか  犯罪行為から利益を得ようとした場合、最も重要なのはどこで資金を洗浄するかという選択だ。 資金洗浄とは、薬物取引や汚職などの犯罪行為で得た金銭を、犯罪とのつながりのない銀行口座に入れることで出所を特定させなくする行為を指す。 同様の手口は、ロシアの富豪が制裁をくぐり抜けて資金を西洋諸国に移す際にも使われている。 金融機関は本来、顧客の資金洗浄や違法取引を阻止する立場にある。 法律上、金融機関は顧客の身元を知っていなくてはならない。SARを当局に提出し、捜査中に不正な資金を取り上げるだけでは不十分で、犯罪行為の証拠を見つけた場合は、現金のやり取りを止めなくてはならない。 ICIJのファーガス・シール氏は、今回流出した文書は「金融機関が世界中で起きている不正資金の流れを把握していたことを明らかにした」と説明する。 また、取引されている金額の大きさも、特筆に価する点だという。フィンセン文書には合わせて2兆ドルもの取引が記録されているが、これまでに提出されたSARのほんの一部に過ぎない』、「2兆ドルもの取引」が「ほんの一部に過ぎない」、全体では天文学的数字になるのだろう。
・『フィンセン文書で明らかになったこと イギリスの香港上海銀行(HSBC)は、自分たちが詐欺に利用されているという指摘を米捜査当局から受けた後も、世界中で数百万ドルもの不正資金の取引を看過していた 米JPモルガン は、オフショア企業の所有者を把握しないまま、ロンドンの口座への10億ドル以上の送金を認めていた。後にこの企業の所有者が、米連邦捜査局(FBI)の「10大重要指名手配犯」の1人だと判明した ロシアのウラジミール・プーチン大統領の側近の1人は、制裁によって西洋諸国の金融サービスの利用を禁じられているが、英バークレイズ銀行のロンドンの口座を使ってこれを回避している証拠が出てきた。この口座の資金の一部は芸術作品の購買に使われていた フィンセンの情報部は、イギリスをキプロスなどと同様の「高リスク区域」に指定している。これは、イギリスに登記のある多くの企業がSARで報告されているからだという。フィンセン文書に名前の出てくるイギリス企業は3000社以上と、どの国よりも多い アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行は、対イラン制裁を破った地元企業への警告を受け取ったにも関わらず、対策しなかった ドイツ銀行は、組織犯罪やテロ組織、違法薬物の密売人などの資金洗浄の温床になっていた 英スタンダード・チャータード銀行は、10年以上にわたってテロ組織の資金源となっていた、ヨルダンのアラブ銀行への資金移動を認めていた』、「フィンセンの情報部は、イギリスをキプロスなどと同様の「高リスク区域」に指定している・・・フィンセン文書に名前の出てくるイギリス企業は3000社以上と、どの国よりも多い」、国際金融センターにはこうした闇の部分と切り離せない宿命なのかも知れない。 
・『フィンセン文書、何が特別なのか  ここ数年、金融情報の流出が相次いでいる。 +パラダイス文書(2017年):オフショア投資で重要な顧客を抱える法律事務所「アップルビー」などから流出。 世界の権力者や大富豪たちが人目に触れずに多額の資産をタックスヘイブン(租税回避地)に置いている実態が明らかになった  +パナマ文書(2016年)2016 Panama Papers :租税回避地として知られるパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した「パナマ文書」からは、各国首脳や著名人に関連した秘密裡に行われる資産運用の内容が明らかになった。 +HSBCの脱税ほう助疑惑(2015年):HSBCのプライベートバンキング部門が富裕顧客に巨額脱税を指南していたと示す口座情報が流出した +ルクスリークス(2014年): 国際会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)から流出した文書では、多くの多国籍企業がルクセンブルクの税務当局との取り決めの下で税制優遇措置を受けていた これに対しフィンセン文書は、いくつかの企業ではなく、多数の金融機関についての情報が含まれている点が特徴だ。 フィンセン文書にはさまざまな企業や個人が関わった疑わしい取引が記されており、なぜ金融機関がこうした疑惑を知りながら対処しなかったのかという疑問が浮上する。 FinCENは、今回の情報流出はアメリカの国家安全保障に関わる問題で、捜査妨害に当たるほか、報告書を提出した機関や個人の安全を危険にさらすものだと指摘した。 一方で先週には、反資金洗浄プログラムを刷新すると発表している。 イギリス政府も、詐欺や資金洗浄の取り締まりのために、企業の登記方法を改革する計画を明らかにしている』、これにより日本の企業や個人の違法取引、脱税などの摘発につながることを期待したい。

次に、11月6日付け東洋経済オンライン「メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/386512
・『日本の金融業界の大きな転換点となるのか。今、規制緩和の議論で「ファイアーウォール規制」が大きな注目を集めている。これは、同一グループ傘下の銀行と証券は、同意なしに顧客の情報を共有してはいけないという規制だ。 きっかけは2020年6月に自民党政務調査会の金融調査会がとりまとめた提言だった。そこで「外国法人顧客に関する情報の銀証間ファイアーウォール規制の対象からの除外等について」として取り上げられた。 さらに7月に閣議決定された政府の成長戦略フォローアップには、「国内顧客を含めたファイアーウォール規制の必要についても公正な競争環境に留意しつつ検討」と検討範囲を広げる形で記された。現在、金融庁の金融審議会で議論が続いている。 ファイアーウォール規制を緩和する議論が浮上した背景には、メガバンク各行からの「強い要望」(複数の証券会社幹部)があったとされる。なぜ規制緩和が必要なのか。ファイアーウォール規制の緩和もしくは撤廃で顧客にデメリットはないのか。メガバンク系証券の一角、三菱UFJ証券ホールディングスの荒木三郎社長を直撃した(Qは聞き手の質問、Aは荒木氏の回答)』、興味深そうだ。
・『金融を取り巻く環境は激変した  Q:銀行と証券のファイアーウォールの緩和や撤廃について、どのように考えていますか。 A:悲願だね。ファイアーウォールは、1993年に業態別子会社で銀行が証券に参入できるとなったときにつくられた規制だ。当時はアメリカもファイアーウォールが残っていて、それに倣った。銀行が証券業務をやるというので、独立系の証券会社から相当な抵抗があった。 当時の銀行は今の銀行とは違う。就職先としての人気も10位内に入っただろうし、時価総額も10位内に何行かが入っていた。我が世の春というか、とにかく銀行は、日本においては相当な重みをもって受け止められていた時代だよね。間接金融が非常に幅を利かせていた。 そこでは銀行の優越的地位の濫用とか、利益相反とか、そりゃ心配になるよね。(例えば)銀行が「うちの証券会社、使えよ」と圧力をかけるとか、いろんな弊害が考えられたから、厳しいファイアーウォール規制が敷かれた。 昔は人も山ほど企業に派遣したり、あるいは(株式の)持ち合いをしていたから、そういう意味での企業に対する力はあったと思う。ただ、もう4半世紀以上経っている。この間、金融を取り巻く環境は激変した。 今は持ち合いもだいぶ解消した。(融資先に)役員を出そうにも、「独立社外役員にならないから駄目だ」とか言って断られつつある。そういう意味での影響力は、昔に比べると相当程度減った。 Q:間接金融が中心と言われてきた日本の金融は変化し、銀行の影響力は低下している、と。 A:間接金融から直接金融への流れというのが、1990年代から比べると、今は相当程度進んでいる。エクイティ・ファイナンス、ハイブリッド・ファイナンス含め、あるいは社債など資金調達手段が多様化して、必ずしも銀行のローンに頼らなくてもなんとかやっていけますよ、と。しかも企業は金余りになっちゃった。これも大きな変化だ。 中小企業も(借金がない)非債法人がどんどん増えてきて、6割ぐらいが非債になったんじゃないかな。(銀行は)お金を借りてくれるところを探すのが大変。(お金を借りてくれる企業を)やっと見つけたと思ったら、(ほかの)銀行が群がるもんだから、(金利の)ダンピング競争になって、それで銀行はどんどん体力が低下しているわけです』、お手本にした「アメリカ」ではもうないこと、銀行の力の弱まり、顧客にとってもサービス低下になること、などから撤廃すべきだろう。
・『お客様は「今が当たり前」と思っている  Q:顧客の側に、銀行と証券の機能をパッケージで提供してほしいというニーズがあり、銀行グループとして規制緩和が必要だと声をあげているということでしょうか。 A:もちろんそういうことを望んでいる企業はあると思います。それが大きな声(ニーズ)になっているかという質問だとしたら、それはどうかな。 お客様はそういう規制緩和があるとも思ってないし、今が当たり前だと思っているから、「ぜひこうやってほしい」と声に出す機会もない。ちょうどいい機会だから、金融審で議論している中で、そういうお客様のニーズを調べることになると思うが、ぜひ調べていただきたい。 (銀行と証券が)一緒にやって、自由に提案できるようになったら、もっと提案の質が上がる。そうなったとき、「なんで昔こんなことだったんだろう」とお客様は思うだろう。現状でお客様がある程度満足しているのは、銀行は銀行、証券は証券だと思っているからだ。 Q:ファイアーウォールがなくなることで企業の側にはどのようなメリットがあるのですか。 A:企業が実際に事業戦略なり、財務戦略なりを考えるときには、銀行だけから話を聞けばいいというわけではない。すべてのことがつながっていて、M&Aのためにお金借りなきゃいけない、借りた後、パーマネント(ローン、長期貸し出し)をどうするのか、そういうシナリオがないと買収できない。) 買収して財務が悪くなったら、それをどうやってリカバリーするのか。中長期的な財務の建て直しとか、投資家への還元とか、合わせ技で考えないと、戦略が練れない。 そうしたときに証券からだけ話を聞く、銀行からだけ話を聞くのでは、はっきり言って全然話にならない。欧米では、初期段階から相手の経営陣とブレストを通じて、(金融機関が)相手の潜在的なニーズを探り当てようとしている。(企業側が)初めから「ここを買う」と決めているようなディールはない。 それ(ニーズ)に対してわれわれが提供できるもの、銀行あるいは証券、直接金融、間接金融から、どういう機能が提供できるのかというのを、ちゃんとご説明しないと、ストーリーが描けない。 その意味で今の規制は非常に時代遅れだし、企業にとって非常に非効率、かつそういう初期段階でのまともな提案がもらえない仕組みになっている。これは非常に日本経済にとって、由々しきことではないか。 アメリカの企業は銀証一体となって、トータルパッケージでやるから話が早い。だからM&A市場が1990年代よりも今のほうが何倍も大きくなっている。日本の金融市場でもそれをやっていかないと、どんどん国際競争から立ち遅れてしまう。それでいいんですかということだ』、その通りだ。
・『規制緩和は「十分」という意見も  Q:しかし、現状でも銀行と証券の営業員が一緒に営業できるようになっています。法人向けでは、拒絶されない限りは情報を共有できる「オプトアウト」も認められており、緩和は十分という意見もあります。 A:やっぱりルールはルールだから、厳格に運用しているわけです。 グループで営業やっていると、銀行と証券の人たちで集まって、いろんな相談をする。ただし、同意書がない企業の話になると、話し合いから抜けなきゃいけない。10社で協議しようとなったとき、数社で「同意書がありません」となったら、その話(顧客情報を共有する話)になった瞬間に「悪いけど、(同意書のない)証券は出ていけ」となる。これって、ものすごい面倒くさい。 しかも、それを記録化しないといけない。ちゃんとこういうふうにやりました、打ち合わせしました、誰それが参加していました、こういう話のときは誰それさんが何時何分に退出しました、とか。 そこまで記録を取らないと、あとで「お前ら、秘かにやっていたんじゃないか」と(当局から)嫌疑をかけられる。ファイアーウォールは金融検査の中で一番重い検査だから、資料を持っておかないと、何か嫌疑がかかったときのために、そういうアリバイづくりに、ものすごく労力をかけている。) コストもかかる。いつ(金融庁の検査が)来るかわからない。「そのときにどんな打ち合わせしたんですか」「ちゃんと中身がわかるんですか」「どういうことを話して、誰が参加していたか記録はありますか」と言われるんだから。 Q:費用や収益の面で、三菱UFJ証券やグループ全体にとってはメリットがあるわけですね。 A:(収益も)もちろん上がる。トータルで総合提案できるんだから。ファイナンスはこうします、M&Aはこんなサービスを提供できます、決済はこうします、為替はこうします、ヘッジします、余ったお金はこうやって運用しますなど、トータルパッケージでバーンと提案できるようになる。 ▽徹底的なルールの順守と厳罰化が必要(Q:銀証のファイアーウォールがなくなると、銀行による優越的地位の濫用や、利益相反が顕在化するのではないかと危惧する声もあります。顧客は本当に不利益を被る可能性がないのでしょうか。 A:考えられる不都合は、優越的地位の濫用と利益相反、あとは情報が漏洩するリスクが高まること、この3つかな。これらはまさに、もし解禁になったら、金融機関が本当に歯を食いしばって徹底的に順守しなきゃいけない。 自分からもう一度点検して、ルール決めて、それが履行されているかどうか、自己規律を最大限高めないといけない。今もやっているけど、もっとそこのところは厳格に運用するようにしなければいけない。あるいは全国銀行協会なり日本証券業協会の中で、そういう仕組みづくりをやるということだ。 あとは厳罰化だ。もしも優越的地位の濫用があったり、利益相反があったりすれば、(当局としては)業務停止命令出すぐらいの、そういった措置をやりますよ、ということにすればよい』、「もし解禁になったら、金融機関が本当に歯を食いしばって徹底的に順守しなきゃいけない」、「あとは厳罰化だ。もしも優越的地位の濫用があったり、利益相反があったりすれば、(当局としては)業務停止命令出すぐらいの、そういった措置をやりますよ、ということにすればよい」、同感である。

第三に、11月11日付け東洋経済オンライン「海外の機関投資家が抱く改正外為法の「疑念」 フィデリティ投信の三瓶氏に総会問題を聞く」を紹介しよう。
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%AE%E6%A9%9F%E9%96%A2%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6%E3%81%8C%E6%8A%B1%E3%81%8F%E6%94%B9%E6%AD%A3%E5%A4%96%E7%82%BA%E6%B3%95%E3%81%AE%EF%BD%A2%E7%96%91%E5%BF%B5%EF%BD%A3-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E6%8A%95%E4%BF%A1%E3%81%AE%E4%B8%89%E7%93%B6%E6%B0%8F%E3%81%AB%E7%B7%8F%E4%BC%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E8%81%9E%E3%81%8F/ar-BB1aTj9j
・『今年9月、上場企業の株主名簿管理人である信託銀行が、株主総会で数えるべき一部議決権を集計していなかったという前代未聞の事態が明らかになった。 問題発覚の直後こそ大きく報じられたものの、早々にトーンダウした。だが、今回の問題を単に信託銀行の事務処理ミスと片付けていいのか。 海外の機関投資家の事情に詳しいフィデリティ投信の三瓶裕喜ヘッド・オブ・エンゲージメントに聞いた(Qは聞き手の質問、Aは三瓶氏の回答)』、確かに不可解な出来事だった。どういう背景があったのだろうか。
・『Q:株主総会前日に配達された議決権行使書で、実際には届いているにもかかわらず、翌日扱いとして集計から外すことが20年以上続いていました。このことを聞いてどのように感じられましたか。 A:カウントミスではないだろうという印象を受ける。問題が発覚した事案は7月末の総会で繁忙期ではない。郵送した日を考えると、総会前日に届いたというのは理解できない。 Q:何らかの操作がされたということでしょうか。 A:それはわからないが、投資家からそうした疑念が出ている。ただし、カウントが洩れたことより、なぜ議決権行使が期限ギリギリになったのか、ということが問題だ。 Q:その疑念とは? A:発覚の契機となった(東芝に対して株主提案を行った)アクティビストファンドはプロフェッショナルであり、議決権行使のスケジュールを知っている。通常はギリギリの行使にはならない。ギリギリになったのは、待たされたからではないか、と。 アクティビストファンドが行っていた株主提案が、改正外為法(外国為替及び外国貿易法)の事前審査の対象になっていた。その審査結果がなかなか出なかったため、議決権行使を待たざるをえなかったのではないか、と多くの投資家が感じている』、「東芝に対して株主提案を行ったアクティビストファンド」への「審査結果がなかなか出なかったため、議決権行使を待たざるをえなかった」、とは初めて知った。恣意的な運用は避けるべきだ。
・『グレーな部分が濃いグレーになった  Q:―改正外為法にはもともと経済産業省によるアクティビストの締め出しが狙いではないか、という懸念の声がありました。 A:そうした懸念があったことは事実だが、アクティビストの締め出しではなく、国の安全保障等のためだと説明があって、全体の流れや事前届出の条件などが明確になったので安堵した。 ところが、一番グレーだと思われていたところが、もっと濃いグレーになった、と今回の件で特に海外投資家は感じている。 Q:つまり、議決権のカウントよりも改正外為法の不透明さについて憂慮されているのですね。 A:そうだ。まず事前届出の審査結果が公表されない。 どういうときに「○」で、どういうときに「×」なのかわからないので、恣意的な審査が可能になる。公表されているプロセスでは、国の安全等の観点から問題のない場合は5営業日以内に審査通過を通知するとなっているが、今回、5営業日で審査通過の通知はなかったようだ。 結果的にファンドは自ら株主提案した議案の議決権を行使しているので最終的にはOKが出たはずだ。ではなぜOKなのにそんなに時間がかかったのかがわからない。今後も恣意的に時間をかけるのではないか――。そのように海外投資家が受け取ったことが問題だ』、こんなに不透明なのではまるで中国と同じだ。「事前届出の審査結果」も当然公表すべきだ。「今後も恣意的に時間をかけるのではないか――。そのように海外投資家が受け取ったことが問題だ」、先進国として恥ずかしいことだ。
タグ:東洋経済オンライン BBC NEWS 金融規制・行政 パラダイス文書 (その7)(【解説】 フィンセン文書 何が分かり何が問題なのか、メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか、海外の機関投資家が抱く改正外為法の「疑念」 フィデリティ投信の三瓶氏に総会問題を聞く) 「【解説】 フィンセン文書、何が分かり何が問題なのか」 米当局から流出した「フィンセン(FinCEN)文書」 「フィンセン文書」は2500件以上のファイルから成る。大部分が2000~2017年に米金融当局に送られたもので、顧客の不審な動きなどを報告している フィンセンとは? SARとは? SAR(不審行為報告書) 「SAR」は日本では疑わしい取引として金融機関に報告が義務付けられているものだ。本来は極秘扱いの「フィンセン文書」が「流出」したのはやはり問題だ なぜ問題なのか 「2兆ドルもの取引」が「ほんの一部に過ぎない」、全体では天文学的数字になるのだろう フィンセン文書で明らかになったこと フィンセンの情報部は、イギリスをキプロスなどと同様の「高リスク区域」に指定している フィンセン文書に名前の出てくるイギリス企業は3000社以上と、どの国よりも多い フィンセン文書、何が特別なのか +パナマ文書 HSBCの脱税ほう助疑惑 ルクスリークス これにより日本の企業や個人の違法取引、脱税などの摘発につながることを期待したい 「メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか」 金融を取り巻く環境は激変した お手本にした「アメリカ」ではもうないこと、銀行の力の弱まり、顧客にとってもサービス低下になること、などから撤廃すべきだろう お客様は「今が当たり前」と思っている 規制緩和は「十分」という意見も もし解禁になったら、金融機関が本当に歯を食いしばって徹底的に順守しなきゃいけない あとは厳罰化だ。もしも優越的地位の濫用があったり、利益相反があったりすれば、(当局としては)業務停止命令出すぐらいの、そういった措置をやりますよ、ということにすればよい 「海外の機関投資家が抱く改正外為法の「疑念」 フィデリティ投信の三瓶氏に総会問題を聞く」 上場企業の株主名簿管理人である信託銀行が、株主総会で数えるべき一部議決権を集計していなかったという前代未聞の事態が明らかに 東芝に対して株主提案を行ったアクティビストファンド」への「審査結果がなかなか出なかったため、議決権行使を待たざるをえなかった」、とは初めて知った グレーな部分が濃いグレーになった こんなに不透明なのではまるで中国と同じだ。「事前届出の審査結果」も当然公表すべきだ。「今後も恣意的に時間をかけるのではないか――。そのように海外投資家が受け取ったことが問題だ」、先進国として恥ずかしいことだ
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暗号資産(仮想通貨)(その16)(ビットコイン 再び最高値圏 市場成熟でも決済利用遠く、機関投資家が買うビットコイン 3年ぶり最高値更新) [金融]

暗号資産(仮想通貨)については、6月27日に取上げた。今日は、(その16)(ビットコイン 再び最高値圏 市場成熟でも決済利用遠く、機関投資家が買うビットコイン 3年ぶり最高値更新)である。

先ずは、11月18日付けロイター「焦点:ビットコイン、再び最高値圏 市場成熟でも決済利用遠く」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/bitcoin-market-idJPKBN27Z0HF
・『代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が2017年に記録した過去最高値に迫りつつある。ビットコイン推進派の人々は、今回の上昇局面は、熱狂した個人投資家の関与が減っているので、かつてのような暴落が起きる公算は乏しいと期待している。しかし決済手段としてはまだほとんど使われず、金融市場全般に対する世界的な不透明感も広がっているため、ビットコインは安全な投資先とは到底言えない、とアナリストは警告する。 「以前の事態とは異なる要素がたくさんある」と語るのは仮想通貨メディア、ザ・ブロックの調査ディレクターのラリー・サーマク氏だ。「価格は着実に上がり、個人の参加はほとんど見られず、市場は流動性がずっと高まり、機関投資家にとってはるかに利用しやすくなっている。とはいえ、今のところ非常にリスクが大きい」という。 ビットコインBTC=BTSPの価格は18日に1万8000ドル台を突破し、17年12月以来の高水準を付け、年初来の上昇率はおよそ160%に達した。 この勢いは17年に匹敵する。当時は、個人投資家の買いが広がって一時2万ドル近くに跳ね上がった後、1カ月後には半値未満に落ち込んだが、現在は有効に機能するデリバティブ市場や、既存の大所の金融機関による保管サービスなど、インフラ環境は比べものにならないほど整っている。 例えば17年12月に始まったCMEグループCME.Oのビットコイン先物の取組残高は今週、初めて10億ドルを超えた。仮想通貨データ提供会社スキューによると、19年初め段階でほぼゼロだった主なビットコイン関連オプション市場の規模は、40億ドル強にまで拡大した。 一方、フィデリティ・インベストメンツや野村ホールディングスといった大手金融機関は、ビットコインその他仮想通貨について、機関投資家向けの保護預かりサービスを開始している。 仮想通貨データを扱うメサリのライアン・セルキス最高経営責任者(CEO)は「市場の成熟度という面では17年と今とでは全く比較にならない。当時はデリバティブとクレジット市場はほとんどなく、機関投資家向け保護預かりは存在しなかった」と話す。 この種のインフラ登場により、ヘッジファンドからファミリーオフィスに至るまでの機関投資家が、仮想通貨投資に向かいやすくなった。 ブロックチェーンのソフトウエアを手掛けるクリアマトリクスの市場情報責任者ティム・スワンソン氏は「3年前とは使い勝手が一変したため、仮想通貨市場に積極的に参入しようとする投資家の層が広がっている」と語る。機関投資家が市場に加われば、流動性はより分厚くなり、価格変動は小さくなると考えられる。 規制面では、仮想通貨は依然として対象となっていない部分が大半だが、反マネーロンダリングなどの分野で国際基準が導入されており、大口投資家に道を開いている。 また先月には、決済サービス大手ペイパル・ホールディングスPYPL.Oが仮想通貨取引のプラットフォームを開設すると発表。ライバルのスクエアは、全資産の1%をビットコインに投資したことを明らかにしている。 足元では、政府や中央銀行が新型コロナウイルスのパンデミック対策として大規模な財政・金融政策を打ち出し、市場のリスク志向が強まってビットコイン価格が支えられているという点も、17年との違いだ。推進派は、ビットコインの供給上限が2100万と決まっていることが、インフレを促進する政策に対するヘッジになると主張している。 仮想通貨ファンドのデジタル・アセット・キャピタル・マネジメントのリチャード・ガルビン氏は、こうした話を総合してみると、より原則に忠実な考え方をする投資家を含めて、ビットコインの価格設定に参加できる層は広がる余地があると指摘した。 もっともインフラが改善し、主流投資家に認知されるようになってもなお、ビットコインの値動きは安定していない。仮想通貨セクターは引き続き不透明で、従来の金融市場に比べれば規制が緩く、取引データは不ぞろいで、相場操縦への懸念がまん延しているからだ。 仮想通貨コンサルタントのコリン・プラット氏は「要するに、ビットコインはリスク性が高い市場で、リスク性が高い資産だということだ」と言い切った。 さらにこれだけビットコインの取引が活発となっても、本来目指したような使われ方をほとんどされていない。AJベルの投資ディレクター、ラス・モールド氏は「採掘と使用にかかるコストや、カードやスマートフォンによる非接触型電子決済が安心して使えるようになったことを踏まえると、ビットコインが『通貨』として幅広く利用されるという保証はない」と述べた』、「デリバティブ市場や、既存の大所の金融機関による保管サービスなど、インフラ環境」、は「比べものにならないほど整」い、「機関投資家が、仮想通貨投資に向かいやすくなった」、ようだが、「決済手段としてはまだほとんど使われず」、というのでは、「『通貨』として幅広く利用されるという保証はない」というのは確かなようだ。

次に、12月1日14:09付け日経新聞「機関投資家が買うビットコイン、3年ぶり最高値更新」を紹介しよう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66842990R01C20A2000000/
・『代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が1日、1万9800ドル台に乗せ、3年ぶりに過去最高を更新した。米国の機関投資家が株式や債券とは値動きが連動しない「代替資産」として保有する動きが加速しているうえ、決済手段としての利用に期待を込めた個人マネーも流入している。 市場から注目されている調査会社コインデスクのデータによれば、1日のビットコイン価格は一時1万9800ドルを超え、ビットコインバブル崩壊前の17年12月につけた最高値(1万9786ドル)を超えた。17年の最高値は仮想通貨交換業者によって若干ずれがあるが、おおむね1万9600ドル~1万9700ドル台に収まっていた。 ビットコイン相場を底上げしているのは、代替資産として資産構成に組み入れる機関投資家の買いだ。米JPモルガン・チェースは11月のリポートで「ビットコインに長期資金を振り向ける投資家が増えてきた」と分析した その代表例が米グレイスケール・インベストメンツが運営するファンドだ。年金基金や富裕層の資金を仮想通貨ファンドを通じて運用しており、11月上旬に発表した運用資産額は91億ドルに達した。投資責任者のマイケル・ソンネンシェイン氏は「金の上場投資信託(ETF)を上回るペースで資金が入ってきている」と指摘する。 ビットコインと金の共通項は希少性にある。ビットコイン発行枚数は世界で2100万枚と上限があり、「デジタルゴールド」とも呼ばれる。その希少性はインフレヘッジ手段として機能を発揮する。ヘッジファンドを運営するポール・チューダー・ジョーンズ氏は投資家向けの書簡でビットコインについて「70年代の金に似ている」と指摘する。 ビットコインが買われる背景のひとつは、各国政府の信用力が裏付けとなっている法定通貨への不信感だ。新型コロナウイルス対策で米国の財政悪化が目立つことへの懸念から、米ドルは主要通貨と比べた総合力指数が3月高値から1割下がった。そこで無国籍通貨であるビットコインに脚光が当たりやすくなった』、「ビットコイン相場を底上げしているのは、代替資産として資産構成に組み入れる機関投資家の買い」、「代替資産」とは株式や債券の伝統的な運用に頼らない資産(金やビットコイン)を指し、オルタナティブ資産ともいう。「個人」に代わって「機関投資家」が買い出したというのは心強い。
・『日本では機関投資家によるビットコインの資産組み入れは、ほとんど進んでいない。ある大手生命保険会社の運用責任者は「研究といいながら1、2年たってしまった。ファンド経由での運用などを早急に検討しなければいけないかもしれない」と話す。 個人マネーも流入している。パンテラ・キャピタルによれば、市場では米電子決済大手ペイパルとスクエアの2社の購入が目立つという。いずれもアプリ経由で個人がビットコインを購入できるサービスを提供しており、スクエアの20年7~9月期のビットコイン売上高は約16億3000万ドル(1700億円)と前年同期比で11倍に膨らんだ。ペイパルでは仮想通貨での決済も21年から可能になるため、こうした企業を通じた若年層の購入のハードルが下がったとみられる。 ビットコインは1日で価格が1割動くなど変動が激しい。ビットコインバブル崩壊時は最高値から価格は4分の1に急落した。ただ、少ない元手で数十倍の取引ができるレバレッジ取引が横行した17年と違って今回は現物買いが繰り広げられている。仮想通貨交換業を営むビットバンク(東京・品川)の長谷川友哉マーケットアナリストは「決済という実需に使える世界が21年以降広がってくる。今回の高値更新は通過点だろう」と話す』、「日本では機関投資家によるビットコインの資産組み入れは、ほとんど進んでいない」、またもやガラパゴス化するのだろうか。「ペイパルでは仮想通貨での決済も21年から可能になる」、としても、これが果たして「決済という実需に使える世界が21年以降広がってくる」、のにつながるかは本当のところはよく分からない。ただ、「機関投資家」の参入により価格の安定性が向上する可能性はありそうだ。
タグ:ロイター 日経新聞 (仮想通貨) 暗号資産 (その16)(ビットコイン 再び最高値圏 市場成熟でも決済利用遠く、機関投資家が買うビットコイン 3年ぶり最高値更新) 「焦点:ビットコイン、再び最高値圏 市場成熟でも決済利用遠く」 今回の上昇局面は、熱狂した個人投資家の関与が減っている 決済手段としてはまだほとんど使われず ビットコインは安全な投資先とは到底言えない、とアナリストは警告 市場は流動性がずっと高まり、機関投資家にとってはるかに利用しやすくなっている デリバティブ市場や、既存の大所の金融機関による保管サービスなど、インフラ環境 「比べものにならないほど整」い、 機関投資家が、仮想通貨投資に向かいやすくなった 『通貨』として幅広く利用されるという保証はない 「機関投資家が買うビットコイン、3年ぶり最高値更新」 ビットコイン相場を底上げしているのは、代替資産として資産構成に組み入れる機関投資家の買い 「代替資産」とは株式や債券の伝統的な運用に頼らない資産(金やビットコイン)を指し、オルタナティブ資産ともいう 「個人」に代わって「機関投資家」が買い出したというのは心強い 「日本では機関投資家によるビットコインの資産組み入れは、ほとんど進んでいない」、またもやガラパゴス化するのだろうか ペイパルでは仮想通貨での決済も21年から可能になる 「決済という実需に使える世界が21年以降広がってくる」、のにつながるかは本当のところはよく分からない 「機関投資家」の参入により価格の安定性が向上する可能性はありそうだ
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