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医療問題(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) [生活]

医療問題については、本年3月17日に取上げた。今日は、(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由)である。

先ずは、5月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した産業医・内科医の森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/322217
・『人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。 しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2018年)。もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。 本連載は、毎日の食事から、大病を患ったあとのリハビリまで、病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。著者は、産業医×内科医の森勇磨氏。「予防医学ch/医師監修」の管理人でもあり、動画は「わかりやすい説明で参考になる」「怖いけど面白い」と評判で、チャンネル登録者は27万人を超えています。初の単著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を出版し、感染症医・神戸大学教授の岩田健太郎氏が「安心して読める健康の教科書」と推薦文を寄せています』、興味深そうだ。
・『前立腺がんの意外な話  前立腺がんは日本で急増しており、男性のがんの罹患者数1位です。今後も増えていくことが予想されています。前立腺がんの主な症状は次のとおりです。 ・前立腺がんが膀胱(ぼうこう)や尿道を刺激してしまい「頻尿」になる ・おしっこの通り道である「尿道」をふさいでしまい、おしっこが出なくなる ・背骨の「腰椎(ようつい)」という場所に転移しやすく、転移が起こると強烈な腰の痛みを感じる 高齢の男性にとても多い病気である「前立腺肥大」と「前立腺がん」は症状だけでは区別できません。症状があっても「年のせい?」と様子を見てしまう人も多いです。 前立腺がんが急増している原因としては、食生活の欧米化もありますが、最も関連があるのが「PSA検査の普及」です』、「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。
・『PSA検査とは?  PSAとは前立腺で分泌されるタンパク質のことです。前立腺にがんができると、このPSAの数値が上昇するため、早期発見のスクリーニングとして測定されます。 このPSA検査が1990年代に急速に普及し、前立腺がんの診断数が急激に増加しました。つまり前立腺がんに「なる」数が増えたというより、「発見される」数が増えたというわけです。 一見よいことのように思えますが、そう単純ではありません。まず大前提として、アメリカ予防医学専門委員会は「PSA検査はメリット・デメリットを知ったうえで、個人の選択に委ねる」というはっきりしない姿勢をとっています(※1) 日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています(※2)。しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっているのです。PSA検査についてのエビデンスは、まだ決着がついていません。 41万人の男性を対象に行われたイギリスの研究(※3)や「PLCO試験」(※4)という研究ではPSA検査の有効性は証明できませんでした。 一方、「ERSPC試験」(※5)という18万人を対象としたヨーロッパの研究データでは、死亡率を下げたという結果も出ています。PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?』、「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。
・『がんを見つけないほうがよかった?  1つには、前立腺がんの「進行の遅さ」が関係しているといわれています。前立腺がんは早期の段階だと、手術などの治療をせず、PSAの数値を観察し続け、定期的に組織を採取するという選択肢があります(PSA監視療法)。 進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです。進行が遅いがゆえに、死ぬまで悪さをせずだらだら体で過ごすパターンもあります。 こうした「死因とは関係ないが解剖してみたらたまたま見つかったがん」のことを「ラテントがん」と呼びます。遺体の解剖をしたら80歳以上の遺体のなんと約60%にラテントがんが存在したという報告もあります(※6)。 となると「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません』、「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。
・『PSA値はがん以外でも上がる  またPSA値はがんだけでなく、「前立腺肥大」や「炎症」でも上がることがあります。精密検査をしても前立腺がんではなかった、という「空振り=偽陽性」のケースが比較的多いことも問題視されています。 現段階では明確に「PSA検査が有益だ」という決着がついていません。ただし、比較的最近導入された検査なので、今を後長期的な研究で効果が証明される可能性はあります。 またアメリカ予防医学専門委員会からは「PSA検査が少なくなってから、がんが転移してから見つかるケースが増えた」というネガティブな報告もあります。こういった事情からも日本泌尿器科学会は「PSA検査」を推奨しているのです。 現段階でのPSA検査の結論としては、次のようになります。 ①前立腺がんを「発見」するには確実に役に立つ検査 ②ただし寿命を延ばす影響があるかどうかは確定的な根拠はない ③比較的新しい検査なので、今後の研究で判断が変わるかも』、私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。
・『PSA検査を受けるべき人は?  PSA検査は「過渡期」の段階にあり、議論にはっきり決着がつくのはもう少し先になりそうです。現時点では、「メリットとデメリットを並べて比較して、自分で決める」しかありません。 例えば、「前立腺がんの家系なのでリスクが高いから、定期的に確認しておきたい!」という人はPSA検査を受けるほうがいいでしょう。一方で、「がんが見つかったら絶対に心を病んでしまう。有効性が証明されていないのも不安」という人は検査を受けないほうがいいかもしれません。 個人的には、家系に前立腺がんの人がいる場合は、がんのリスクが上がるのでPSAで確認したほうがいいと考えます。 今後もし「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています。(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)』、「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。

次に、5月27日付けAERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」を紹介しよう。なお、これは医療で取上げたが、教育の方が適切だったかも知れない。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600027.html?page=1
・『さまざまな領域で特別な才能を有する「ギフテッド」と呼ばれる若者たち。だがその能力の高さゆえに、周囲からねたまれたり、いじめにあったり、無視されたりするなど、生きづらい人生を送ることも多い。フォトグラファーの立花奈央子さん(40)もそんなギフテッドのひとりで、かつてつらい体験をしたという。彼女はどのような学生時代を過ごし、フォトグラファーとして活躍できるようになったのか。その軌跡を紹介する。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集>』、「ギフテッド」とは興味深そうだ。
・『「やっと光をあててくれた」  金髪の女性が歩いてきた。青い蛍光色のスタジャンを羽織り、スーツケースを引いている。「こんにちは」。明るい声で呼びかけられた。待ち合わせた人だと気づくのが遅れた私に、立花奈央子さん(40)は陽気に笑いかけてきた。 東京・新宿で写真スタジオを営むフォトグラファー。20代後半から、女装する男性を美しく撮ることをライフワークとし、これまで数々の写真展を開いたり、タレントのマネジメントをしたりしてきたという。他にもアイドルプロデュース、SNSブランディングなど、多彩な仕事を手がけている。 私が立花さんを知ったのは2022年春。立花さんが投稿サイト「nоte」に、「ADD(注意欠陥障害)を疑って調べたら、高IQ(ギフテッド)だった話」という文章を載せていたのを読んだ。「ギフテッド」とオープンにしている人は珍しい。インタビューを申し込んだ。 立花さんは「やっと光をあててくれて嬉しい」と言ってくれた。インタビューは2時間を超えた。生い立ちから、家族のこと、社会人になり心を病んだことなど、立花さんは質問の意図を的確に理解し、少々早い口調で、ざっくばらんに話してくれた』、「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。
・『一度読めばわかる教科書  立花さんは1982年、千葉市で生まれた。千葉市といっても沿岸の都市部ではなく、内陸部の田畑や牧場に囲まれた農村地帯。父は工務店を営み、母が店を手伝った。4人きょうだいの長女で、自宅には父の見習いの青年も住み込みで働いていた。幼児のころから読書とお絵かきが大好きな子どもだったという。) ただ、親や周りの評価は「変わった子」。目に入るものすべてに興味を示すからだ。例えば、活字を読んでいないと落ち着かず、ごはんを食べながら、食品のパッケージに書かれた栄養成分表示や、新聞を隅から隅まで読んでいたという。「全部目に入れてましたね。情報を吸収していないと気が済まない子でした」と立花さん。 小学校は、当時はまだ1クラス40人の大人数学級。立花さんは、授業は毎日、とても退屈に感じていたという。教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」。 授業中は、プリントの裏に落書きをして時間をつぶしていたという。鉛筆回しもよくやった。先生からは「態度が悪い」「もっと授業をちゃんと聞きなさい」と叱られたことを覚えている。学年が上がるごとに、退屈な授業や学校生活を、苦痛に感じるようになっていった。 勉強はしなくても、テストはいつも満点をとった。通知表は、体育以外はすべて「◎」。その代わり、同級生とは話が合わなかった。勉強していないのにできるからだろうか、いつの間にか嫌われていたという。 「無視されたり、工作でつくった作品を隠されたりしましたね。遠足の班分けは、いつも自分だけ最後まで残っていました。だんだん、自分が悪いことをしているからいじめられるのだと思うようになっていきました」 ただ、両親は学校に行くのは当たり前だという考えだったため、理由がなければ学校は休めない。「おなかが痛い」「頭が痛い」と言って学校を休むようになった。 中学ではさらに孤立した。同級生が話すアイドルや恋愛話にはまったく興味が湧かなかった。友達がいないと学校生活はつらいことばかりで、無理に話を合わせることもあった。だが、一人で「石に意識はあるのか」というテーマで漫画を描いたり、宇宙や時間についての専門書を読みふけったりすることのほうが楽しかったという。学校に行くよりも、母が買ってくれたパソコンで自身のサイトを立ち上げたり、当時はまっていた漫画「封神演義」のファンの集まりに行ったりするほうがよっぽど楽しかった。 小中学校ではどんな子どもでしたか。私が聞くと、立花さんはしばらく考えた。「みんなの『わからないこと』がわからず、浮いた存在でしたね。自分を否定されたくないからなんとか話を合わせようとはしていました。でも、心の中ではずっと生きづらさを抱えていました」) そんな息苦しさから解放されたいと、高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ』、「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧に進路指導をしていたら、よかったのだろうが、先生にも「ギフテッド」への理解がないなかでは、まともな指導は出来なかったのかも知れない。
・『心を削り続けた職場  最終学歴が中学の父は根っからの職人気質。また、4人きょうだいで、家計の苦しさから、父は娘を大学へ行かせようとは思っていなかったそうだ。「公務員になれ。自衛隊でもいい」。そんなことを父から言われていた立花さんは、言われるがまま高校3年で就職活動をし、東京都内の区役所に採用された。「自分のやりたいことよりも、相手が求めているものに合わせるような人間になっていました。自分が何をしたいのかは考えなくなっていた」という。 当時を、「泥の中にいるような感覚だった」と表現する立花さん。「他人とうまくいかないのは自分が悪いからだと思っていたんですよね。だから、いつのまにか自分のことを過小評価する人間になっていた」とも言った。 就職して一人暮らしを始めても、自分の居場所は見つけられなかった。 若手職員として、区のスポーツのイベント企画や高齢者福祉などを担当した。「公務員にあるべき服装を無理して考え、地味なスーツやブラウスを嫌々着ていましたよ」と笑う。 選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた。自分の好きなことをしても否定され、周りの視線や雰囲気に合わせ仕事をする日々が繰り返された。 1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した。「公務員としてこうあるべきという枠にきちっと入らなければと思えば思うほど、自分の心を削っていっていたのだと思います」。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。

第三に、この続きを、5月27日付けAERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600028.html?page=1
・『知能が高さゆえに周りから浮いてしまうことも多い「ギフテッド」。【前編】では、何事もできすぎるあまり小中学校ではいじめられ、勉強が嫌いになっていった立花奈央子さん(40)が社会人になるまでを紹介した。高卒で公務員になった立花さんは、いつしか精神を病み「うつ病」になっていた。そこで彼女が取った選択は、自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入ることだった。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集> 【前編】<「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難>より続く』、「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。
・『自ら望んで閉鎖病棟に3カ月間  躁状態の時は、ストレス解消や現実逃避のため、デパートで好きな服を大量に買った。しかし、家に帰ると、いつのまにか買い物をした記憶がなくなっている。 一方、気持ちが沈んでいる時は、「死にたい。トラックが突っ込んできてほしい」と願う。精神科に行った。「うつ病」「解離性遁走」と診断された。突然どこか遠くへ行ってしまい、気がつくと自分がなぜそこにいるのかわからないことが続いた。しまいには知らない場所で警察に保護されていた。 「このままではだめになる。徹底的に治さなければ」と、精神科病院の閉鎖病棟に自ら望んで入った。約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた。) まず、区役所をやめた。自分を偽り、親が望む人間になろうという思いも捨て、退院後に身を寄せていた実家も出た。渋谷駅のハチ公前で、ストリートアートをしていた人たちに話しかけた。自分も一緒に描いたり、路上ミュージシャンと友達になったり。どんどん周りに自分の好きな人たちが増えていった。すると、ライターや撮影、ヘアメイクなどの仕事がフリーでできるようになっていった』、「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。
・『ようやく解けた「本当の私」  実家の父から久しぶりに電話がかかってきたのは、2019年。36歳になっていた。1歳下の弟が、知能検査を受け、発達障害だと診断されたとのことだった。立花さん自身も、自分が発達障害やADD(注意欠陥障害)かもしれないと思っていたため、一度検査を受けてみることにした。 「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった。また、同検査の四つの指標のうち、ことばの理解力や推理力、思考力を示す「言語理解」はIQ130、目で見た情報から形を把握し推理する「知覚推理」はIQ128、情報を一時的に記憶する力の「ワーキングメモリー」がIQ131、作業の速度を測る「処理速度」がIQ130と、指標のすべてが平均を超える高い数値となっていた。 驚いた。臨床心理士からは「発達障害の可能性はほぼない。単に、知能が世の中の人より高いだけの健常者ですね」と言われた。立花さんはそれまで、自分の生きづらさは発達障害のせいだ、となんとなく思っていたが、それは間違っていたことがはっきりした。この時、初めて自分の特性が何なのかを知りたい、と思った。 結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした。 普通と違う私。他人に合わせ、ずっと生きづらさを抱えてきた私。子どものころから、本当の自分は何なのかと思ってきた疑問が、ようやく解けた気がした。「パズルのピースがはまるような感覚だった」という。 立花さんは言う。「私は、自分のことを『天才』とは思いません。ただIQが高いという個性があるのだということがわかりました。そのせいで、これまで息苦しさや孤独を抱えていたのだと理解できて本当に良かったです」。 そしてこう思った。きっと、同じような仲間がいるのではないか。自分の特性を理解してくれたり共感してくれたりする仲間ともっと話がしたい、と。もし、子どもの時から知っていたら? 「MENSA」という国際組織を知人が教えてくれた。IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した。 MENSAは、1946年にイギリスで創設された国際組織だ。世界100カ国以上に13万人以上の会員がいるとされる。日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった。「もっと早くに知能検査を受けておけばよかったという後悔はないか」と聞くと、立花さんは「後悔はない」とはっきり言った。過去のつらい時期があったからこそ、充実した今があると思っているから、と。 ただ、どうしても考えてしまうことは、あるという。「もし、子どものころに自分の特性を知り、それを理解した教育や子育てをしてもらっていたら、あんなつらい経験をせず、もっと様々なことを学べたのではないか」と。いま後悔していないと言えるのは、浮きこぼれていてもはい上がることができたからではないか。自分と同じように生きづらさを抱えたまま悩んでいる人が、今もきっといるはずだ』、「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。
・『ゴールデン街の会員制バーで  そんな思いを強くした立花さんが始めたのが、「サロン・ド・ギフテッド」だ。19年ごろから週1回、フォトグラファーの仕事のかたわら、東京・歌舞伎町の新宿ゴールデン街にあるバーで開いている。 22年12月中旬、私はそのバーを訪れた。毎週火曜日、オーナーから店を間借りした立花さんが、カウンターに立っている。 重い木製のドアを開けると、立花さんの「いらっしゃーい」という明るい声が聞こえてきた。カウンター席が6席だけのこぢんまりとした店。すでに5人の先客が、立花さんが出すビールやハイボールを飲みながら、会話を楽しんでいた。 サロンは、IQ130以上の条件がある会員制。特別に参加させてもらった私の隣に座っていたのは、この日初めて来たという東京大学に通う女性だった。理路整然とした話しっぷり。ただ子どものころは学校になじめず「つらかった」と吐露した。「だって、先生は私のこと全然理解してくれなかったから」と女性。今はギフテッドの子どもやその保護者を支援する団体に入って活動をしているという。 IQが150ありながら、会社の上司とコミュニケーションがうまくとれず退職したという男性もいた。話すスピードが速すぎて変人と思われないかという不安があり、自分のことを知らない人とは話をするのが怖くなったという。他にも、地下アイドルを「推す」中年男性や、マクドナルドで働く母親など、個性豊かな人たちが胸の内を語り合っていた。 立花さん自身にとっても、他人は他人、自分は自分と実感できる場所だという』、「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。
・『「ほっといてほしい」  さて、立花さんのトークを収録した朝日新聞ポッドキャストは、22年12月上旬に配信された。「同級生と話が合わない」「なじめたことは一度もない」「授業はクソつまらない」。そんな立花さんの率直な語りぶりが、多くのリスナーの好評を得た。 収録の終盤、司会者が立花さんに「自分の経験を踏まえ、どんな世の中になればいいと思うか」と聞いた。 「ほっといてほしいですね」 即答だった。立花さんが生きやすさを感じたタイミングは、高校生になって行動範囲が広がったり、社会人になって使えるお金が増えたりするなど、自分で選択できることが増えた時だったという。 「子どものころは大人の見守りは当然必要だと思いますけど、普通と違うからと枠にはめようとしたり、周りの子どもと比較したりするのは、やめてほしいですね。ましてや、ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」 立花さんのそんな言葉が、多くの人に届くといいと思った。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
タグ:「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧 「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、 「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。 (その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) 医療問題 「ギフテッド」とは興味深そうだ。 阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版) AERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」 「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。 私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。 「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。 「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。 「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。 『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』 森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」 ダイヤモンド・オンライン 「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。 AERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」 「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。 「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。 「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の 気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、 「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。 「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。 「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。 「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
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健康(その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?) [生活]

健康については、本年3月28日に取上げた。今日は、(その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?)である。

先ずは、5月12日付けPRESIDENT BOOKSが掲載した順天堂大学医学部教授の小林 弘幸氏による「人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/69396
・『2022年下半期(7月~12月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2022年7月28日) 自律神経研究の第一人者である小林弘幸・順天堂大学医学部教授は「免疫力を高めるためには、『自律神経』『血管・血液』『腸』のトライアングルが重要です」という。人体が「健康」という状態を作り出すために24時間365日途切れることなく果たしている、その驚くべき機能について、セブン‐イレブン限定書籍『自律神経を整える』から紹介する──。 ※本稿は、小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『細胞に必要な“栄養”と“酸素”を運ぶ「血液」  私たちが心身ともに健康でいるためには、いったい何が必要なのでしょうか。これについて少し考えてみましょう。 私たち人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です』、「人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です」、その通りだ。
・『血液は免疫細胞も運んでいる  私たちは栄養と酸素を、食事と呼吸によって体内に取り込み、さらに栄養は腸で、酸素は肺で吸収し、それらを血液にのせて各細胞に運んでいます。新型コロナウイルスなどの病原体やがん細胞を退治する「免疫細胞」を運んでくれるのも血液です。 細胞の隅々まで質のよいきれいな血液が流れれば、十分な栄養と酸素が届けられ、すべての臓器が適切かつ十分に働き、免疫力も高まります。 また、体内に溜まった不要な老廃物を体外に送り出すのも血液の働きです。細胞を常にきれいな状態に整え、栄養や酸素を取り入れやすくするためになくてはならない重要な役割を担っています。 それにより、肌や髪の毛、爪なども美しく、見た目の若々しさも維持できます』、確かに驚くほどよく出来た仕組みだ。
・『自律神経の乱れは血液の状態の悪化を招く  私たち人間は、血液がなければ生きていくことができません。そして、健康維持のためには、きれいな質のよい血液とスムーズな血流がとても重要です。 その重要な「血流」をコントロールしているのが自律神経です。 交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります。 とくに交感神経が過剰に優位になると、呼吸が浅くなって心拍数が上がり、血管が収縮して血流が滞ります。その結果、血液がドロドロになって血管がダメージを受け、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす血栓が生じやすくなっていきます』、「交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります」、「交感神経」と「副交感神経」の「バランス」は 生きていく上で、極めて重要なようだ。
・『体内にもさまざまな悪影響が  体にも、さまざまな不調が起こります。全身に栄養と酸素が行き届かないだけでなく、体内に不要な老廃物が溜まってしまうからです。 たとえば、臓器がダメージを受けてしまえば、免疫力や体力、脳の働きも低下して、頭痛などの不調が現れやすくなります。また、いざというときに体調が崩れる、ここぞというときにやる気が出ないなどといった心(=メンタル)の不調にもつながります。 加えて、代謝が落ちて太りやすくなったり、生活習慣病の発症リスクが高まったりします。 それだけではありません。がんやうつ病、年齢を重ねることで発症リスクが高まる認知症や骨粗鬆症こつそしょうしょう、フレイル(健康な状態と要介護状態との中間)やサルコペニア(筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態)なども、自律神経の乱れから生じていることが少なくないと私は考えています』、「自律神経の乱れ」がこんなにも広範な悪影響を及ぼすとは、初めて知った。
・『自律神経と血管・血液、腸は互いに影響し合う  さらにもう1つ、自律神経がコントロールしている重要なものがあります。それは「腸」です。 自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質(十分な栄養と酸素をのせ、老廃物を回収できているか)を左右しています。血管・血液は自律神経からは血流、腸からは質の影響を受けていることになります。 交感神経は日中、アクセル役として体を活発な状態に導いてくれますが、胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします』、「自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質・・・を左右しています」、なるほど。「胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします」、「翌朝の排便の準備をしてくれている」重要な役割だ。
・『免疫機能を左右する「トライアングル」  朝の排便が理想的なのは、夜中のうちに副交感神経の影響で腸が活発に働いて、翌朝の排便の準備をしてくれているからです。朝、自然とトイレに行きたくなるのは、夜の間に副交感神経がしっかりと働いてくれた証拠です。 つまり、自律神経のバランスが崩れて副交感神経の働きが衰えると、血流が悪くなると同時に、腸の機能も低下して便秘になったり、腸内環境が悪化したりして(腸内に有害な細菌が増えます)、さまざまな不調や病気の原因になるということです。 また、自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています』、「自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています」、なるほど。
・『自律神経が整うと免疫細胞のバランスも整う  人が病気になるのには、大きく分けて2つの原因があります。「血管系」のトラブルと、「免疫系」のトラブルです。この2つのトラブルは、どちらも自律神経の働きと大きく関わっています。 「血管系」のトラブル、自律神経の乱れから起こる血管・血液のダメージによる心身への影響については前述しました。ここでは「免疫系」のトラブルと自律神経の関係について説明しましょう。 私たちの体には、「免疫」という病気から体を守るシステムが備わっています。 新型コロナウイルスのようなウイルスや病原菌に感染することによって発症してしまう「感染症」から体を守ってくれるのが「免疫機能」で、コロナ禍でもっとも耳にした用語のひとつかもしれません。 同じ環境で同じように仕事をしていても、よく風邪を引く人と引きにくい人がいます。こうした相違こそ、「免疫力」の違いがもたらすものにほかなりません』、「免疫機能」の重要性については、コロナワクチンで十二分に知らされた。
・『自律神経が整うと免疫力が高まる  免疫力が高ければ、体内に侵入したウイルスや病原菌をしっかり排除できるため発症しませんが、免疫力が低いと、体内に入ったウイルスや病原菌を排除しきることができずに発症してしまうのです。  免疫機能は、外部から侵入してくる異物に対して働くだけでなく、体の中で生じる異物に対しても働きます。 体内の異物の代表ががんです。がんは、私たちの体をつくっている細胞が、遺伝子の突然変異によってがん化、増殖してしまう病気です。 がんというと特別な病気と思われがちですが、実は健康な人でも体の中では毎日何千個ものがん細胞が生まれています。そして、がんが発症するかしないかを決めているのは免疫力です。免疫力が高ければ体内にがん細胞が生まれても、それらをしっかりと排除することができます。 免疫力の低い人は風邪を引きやすいだけでなく、がんにもなりやすいということです。免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる。まずは、このことを覚えておいてください』、「免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる」、その通りだ。
・『免疫機能の中心を担う白血球  少々専門的になりますが、もう少し詳しく説明しましょう。 免疫機能の中心を担っているのは、血液中の「白血球」です。白血球はいくつかの「免疫細胞」で構成されますが、それは次の3つに大別されます。 1つが病原菌など比較的大きめの異物を処理する「顆粒かりゅう球」、もうひとつがウイルスなどの小さな異物を処理する「リンパ球」、そして感染に対する防御の開始に重要な役割を果たす「単球」です。 近年の研究で、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えることがわかってきました。 交感神経が働くと顆粒球が増えて病原菌に対する免疫力は高まりますが、過剰に優位な状態が続くと、体内に異物(病原菌)がいないときでも顆粒球が過剰反応して、健康維持に必要な「常在菌」を殺してしまうことがあります。 顆粒球は、自らが持つ「分解酵素」と「活性酸素」によって異物を処理します。ところが、増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまうのです』、「増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまう」、恐ろしい副作用だ。
・『日々のリカバリーが大切  一方、副交感神経が働くと、リンパ球が増えてウイルスに対する免疫力が高まります。しかし、過剰に優位になってリンパ球が増えすぎれば、異物(抗原)に敏感になりすぎて、アレルギーを起こしやすくなります。 つまり、免疫力は高ければ高いほどいいというわけではなく、高すぎることにも弊害があるのです。 交感神経と副交感神経のバランスが整うことによって、顆粒球とリンパ球がともに増え、免疫細胞のバランスがよくなることで、免疫機能が適度に効果的に働くというわけです。 もちろん、自律神経の乱れがすぐに免疫力の低下に反映されるわけではありません。一時的に交感神経優位の状態になったとしても、顆粒球がすぐに増えるわけではないのです。交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です』、「交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です」、ただ、「リカバリー」はどうすれば出来るのだろう。

次に、5月16日付けNewsweek日本版が掲載した作家・科学ジャーナリストの茜 灯里氏による「若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/akane/2023/05/post-57_3.php
・『<米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちが長いテロメアを持つ人たちの健康状態を調査したところ、毛髪などの若々しさが保たれていた反面、一般の高齢者に比べてがんになりやすいことが分かった。その理由をテロメアの発見史とともに解説する> 細胞核を持たない一部の生物(細菌や古細菌などの原核生物)以外の動物や植物は、真核生物と呼ばれます。染色体の両端に「老化のカウント装置」と考えられている「テロメア」と呼ばれる部分を持っています。 テロメアは、特徴的な繰り返し配列を持つDNAとタンパク質でできています。細胞が分裂するときは染色体の遺伝情報がコピーされますが、テロメアは重要な遺伝情報を確実にコピーできるようにする保護キャップの役割をしています。 また、細胞には分裂回数の限界があり、それを超えると細胞の増殖は止まります。これが、「細胞の老化」です。1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました。 けれど今回、米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは、実際に長いテロメアを持つ家系の人たちの病歴を調べて、「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を世界四大医学誌に数えられる「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(5月4日号)に発表しました。 長いテロメアは、私たちの健康にどのように影響するのでしょうか。テロメアの発見史とともに概観してみましょう』、「1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました」、しかし、「米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは・・・「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を」、「発表しました」、なるほど。
・『テロメアの長さとヒトの寿命  テロメアの染色体の末端保護機能は、1930年代に後のノーベル生理学・医学賞受賞者であるハーマン・J・マラー氏とバーバラ・マクリントック氏によって、提唱されました。 1970年代になって分子生物学が発展すると、細胞分裂の際にDNAをコピーするときはプライマーと呼ばれる核酸の断片が必要で、この部分はコピー後に除去されるため、コピーされたDNAはオリジナルよりも短くなることが分かりました。そのままでは染色体上の遺伝情報が段々と削られてしまいますが、それを保護する役割をしているのが重要な遺伝情報は持たずに切り離しても影響がない部分であるテロメアです。 さらに、ヒトの体細胞の分裂に回数制限があることは、1960年代にレイナード・ヘイフリック氏らによって発見されていたので、テロメアの長さが分裂回数を制限している可能性も示唆されました。) その後の研究で、テロメアの長さはヒトの老化や寿命にも関係している可能性があることが報告されています。 たとえば、東京都健康長寿医療センター研究所の研究チームは2011年に、思春期に白髪や骨粗鬆症など加齢症状を示す早老症(ウェルナー症候群)の患者の骨格筋組織や皮膚組織では、テロメアが短縮していたことを報告しています。慶応義塾大と英ニューカッスル大の国際研究チームは15年に、100歳以上の長寿者とその家族ら約1500人を分析し、長寿者はテロメアが長く、老化を促進させる炎症マーカーの値が低かったと発表しました。 もっとも、テロメアが長いことは良いことばかりではありません。 09年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・H・ブラックバーン氏は、テロメアの配列を同定し、テロメアを伸長する酵素「テロメラーゼ」を発見した業績で知られています。 ブラックバーン氏は、ノーベル賞を同時受賞した教え子のキャロル・Wグライダー氏とともに「通常、体細胞はテロメラーゼ活性がないため、テロメアが限界まで短縮すると細胞は増殖できなくなる。対して、がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」ことも発見しています。つまり、長いテロメアは異常細胞の排除を防ぐ役割を果たしているということです』、「がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」、なるほど。
・『速やかに排除すべき変異細胞の耐久性も向上  では、実際に長いテロメアを持つ人の健康状態はどのような特徴があるのでしょうか。その疑問を解決しようとしたのが、今回のジョンズ・ホプキンス大の研究です。 研究チームは、テロメアの長さを制御する遺伝子「POT1」が変異したため生まれつき長いテロメアを持つ人を探し、7歳から83歳までの5家族17人を見つけました。17人のうち13人のテロメアの長さを測定したところ、全員が一般の人よりも90%長いテロメアを持っていました。また、70代の6人は全員が白髪になるのが遅かったと話し、若々しさが長く保たれていることが確認されました。 けれど、彼らの健康状態を2年間、追跡調査したところ、17人中12人が甲状腺腫(甲状腺肥大)、子宮筋腫、黒色腫、リンパ腫、様々ながんなどの良性あるいは悪性腫瘍を経験し、これらの中で複数の病歴を持つ人もいました。また、そのうち4人は研究期間中に死亡し、リンパ腫、結腸がん、白血病、脳腫瘍を患っていました。 さらに参加者のうち12人の血液を調べたところ、8人(67%)で異常な造血幹細胞が増殖する「クローン性造血」の兆候がみられました。 クローン性造血は、血液のがんだけでなく、心血管疾患や脳血管疾患のリスクとなることが知られています。加齢によって頻度が高くなり、通常は70歳以上の10~20%で起こります。長いテロメアを持つ参加者たちで見られた割合は、一般の高齢者と比べてはるかに高い値でした。) また、研究チームは、長いテロメアを持つ参加者たちは、一般的なテロメア長を持つ人々よりもテロメアの短縮速度が遅いことも発見しました。 研究を主導したジョンズ・ホプキンス大医学部教授のメアリー・アルマニオス氏は「私たちの発見は、長いテロメアが老化から守るという考えに疑問を投げかけます。参加者たちは長いテロメアによって、加齢に伴って生じる突然変異を持つ細胞の耐久性も向上したようです」と説明します。 長いテロメアの効果で正常細胞の分裂回数の制限が増えれば、皮膚や毛髪は若々しさを長く保てます。しかし、本来ならば速やかに排除すべき変異細胞の耐久性も上げてしまうことで、変異は蓄積され、がんのリスクが高まった可能性があります。 試験管で細胞そのものを取り扱う実験では、テロメアの短縮が起きなければ細胞の寿命は尽きないことが示されています。1951年に今回の研究と同じジョンズ・ホプキンス大で女性患者のガン細胞から分離された「ヒーラ細胞」は、不老不死の細胞として現在でも世界各地で研究に使われています。テロメラーゼ活性化により、テロメアが細胞の分裂を止める引き金となる長さまでは短縮されないことが原因です。 対して、個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね』、「個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね」、「科学ジャーナリスト」の筆者が「生命の神秘を感じずにはいられませんね」、と締めたのには、若干の違和感を感じた。ひょっとして、筆者はクリスチャンなのだろうか。
タグ:「交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります」、「交感神経」と「副交感神経」の「バランス」は 生きていく上で、極めて重要なようだ。 確かに驚くほどよく出来た仕組みだ。 「人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です」、その通りだ。 小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社) 小林 弘幸氏による「人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術」 PRESIDENT BOOKS 「自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質・・・を左右しています」、なるほど。 「自律神経の乱れ」がこんなにも広範な悪影響を及ぼすとは、初めて知った。 健康 (その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?) 「胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします」、「翌朝の排便の準備をしてくれている」重要な役割だ。 「自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています」、なるほど。 「免疫機能」の重要性については、コロナワクチンで十二分に知らされた。 「免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる」、その通りだ。 「増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまう」、恐ろしい副作用だ。 「交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です」、ただ、「リカバリー」はどうすれば出来るのだろう。 Newsweek日本版 茜 灯里氏による「若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?」 「1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました」、しかし、「米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは・・・「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を」、「発表しました」、 、なるほど。 「がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」、なるほど。 「個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね」、 「科学ジャーナリスト」の筆者が「生命の神秘を感じずにはいられませんね」、と締めたのには、若干の違和感を感じた。ひょっとして、筆者はクリスチャンなのだろうか。
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認知症(その1)(安藤優子氏が語る認知症介護「最もつらい時期」 大好きな母がヘルパーをクビにし罵詈雑言…、天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く、「徘徊のつもりない」認知症の人から見える世界 当事者はゴールだけを見ているとは限らない) [生活]

今日は、認知症(その1)(安藤優子氏が語る認知症介護「最もつらい時期」 大好きな母がヘルパーをクビにし罵詈雑言…、天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く、「徘徊のつもりない」認知症の人から見える世界 当事者はゴールだけを見ているとは限らない)を取上げよう。

先ずは、本年4月4日付けダイヤモンド・オンライン「安藤優子氏が語る認知症介護「最もつらい時期」、大好きな母がヘルパーをクビにし罵詈雑言…」を紹介しよう。
https://dw.diamond.ne.jp/articles/-/29851
・『安藤優子氏激白「大好きだった母の壮絶介護16年」  『週刊ダイヤモンド』4月9日・16日合併号の第一特集は「後悔しない『認知症』」です。大好きな母が壊れていく・・・。ジャーナリストの安藤優子氏が経験した認知症介護の日々は、誰の身にも降りかかり得るものです。皆がかかるかもしれないのが認知症という脳の病。親、家族がなったとしても焦らずに済む情報、「こうしておけば・・・」と後悔せずに済む情報を網羅しています』、興味深そうだ。
・『「自分は至って普通」だと 受診を拒んだ母が壊れていった  「しっかり者で社交的だった母がなぜこうなってしまったのか」──。ジャーナリストの安藤優子氏が、多忙な日々の裏で、16年間にわたった実母の壮絶な認知症介護の日々を振り返る。 母の場合、実は「認知症」と明確に診断されたのはそれらしき症状が現れてから数年後、高齢者施設に入居してからでした。多くの認知症の方と同様だと思うのですが、母も「自分は至って普通」だと、病院にはかたくなに行こうとしませんでしたから。 そして専門医はどこにいるのか、どの診療科にかかればいいのか。適切な診断を受けるための情報も乏しい。受診を嫌がる認知症の親を医療につなげるのは、ごく普通の家族にとって非常にハードルが高いと感じました。幸い、母が入居した施設にクリニックが併設されていて、そこでやっと認知症の確定診断を得ることができたのです。 最初に母の様子がおかしくなったのは、70代前半の頃でした。ある日「ベランダから飛び降りてやる!」と叫んだのです。当時は年齢的に「まだ早いな」と思ったのですが、今にして思えばすでに老人性うつの症状が現れていたのでしょう。 それからしばらくして、母が玄関先で転倒してそのまま起き上がれず、一緒に暮らしていた父も助け起こすことができずに、一晩毛布だけ掛けて床に横たわって過ごすという事件が起こりました。 明朝、駆け付けた姉が万が一のために救急車を呼んだのですが、マンションの高層階に住んでいたため、はしご車が出動するなどの大騒ぎに。大正生まれの母にとって、たかが転倒で近所を騒がせたショックと羞恥心は耐え難く、その一件以来人が変わったようにふさぎ込むようになりました。 本格的に母に認知症の症状が現れるきっかけになったのが、父の死です。最初の異変から5年後のことでした。父ががんを患い入院してからというもの、目に見えて症状が進みましたね』、「最初に母の様子がおかしくなったのは、70代前半の頃でした。ある日「ベランダから飛び降りてやる!」と叫んだのです・・・今にして思えばすでに老人性うつの症状が現れていたのでしょう」、「父ががんを患い入院してからというもの、目に見えて症状が進みましたね」、「「自分は至って普通」だと 受診を拒んだ母が」次第に「壊れていった」、あり得る話だ。 
・『助けてもらうはずのヘルパーさんを母が次々にクビにし始めた・・・  当時、母はすでに要介護認定を受けていて、父は母の身の回りの一切合切を担っていました。父がいなくなれば誰かが面倒を見なければ母は生活できません。そこで私たちきょうだいが日替わりで在宅介護をし、昼間はヘルパーさんに助けてもらうことにしたのですが、なんと、困ったことに母がヘルパーさんを次々にクビにし始めたのです。 私は週5日の生放送番組を抱え、突発的な海外取材もある仕事。兄も姉も家庭があるのに、ヘルパーさんに頼れないとなれば、早晩行き詰まりますよね。 もちろん母本人の生活の質も大幅に下がります。介護の素人である私たちではお風呂に入れることもままなりませんから。でも、母は「知らない他人に裸を触らせることなどとんでもない」と断固拒否。 日本の介護制度は優秀ですが、制度があってもサービスを受ける本人が他人の存在を拒絶すれば、もう家族だけで背負うしかありません。心身共に最もつらい時期でしたね。 ある日私が行くと、焦げ付いた鍋の臭い、物が散乱する部屋、そして床を見るとペットの犬の排せつ物があらゆる所に転がっている、壮絶な状態でした。その光景を見て「犬もかわいそうだし、もう自宅で介護するのは限界だ」と、きょうだい3人で話し合い、施設に入居してもらうことにしたのです。 実際に施設に入ってもらうまでにも一悶着ありました。「家の水道が壊れたからしばらく住めなくなった」と母にうそをついて入居させたのですが、頭のいい人だからすぐに見抜かれましたね。面会に行けば「自宅があるのになぜそこに住んではいけないのか」「苦労して育ててきたのになぜこんな仕打ちをするのか」など、私たちきょうだいにありとあらゆる罵詈雑言を浴びせました。 罪悪感のあまり、一度は母を引き取ることも考えましたが、私の自宅に来ていたお手伝いさんにこう諭されたのです。 「優子さんが海外取材に 行っている間は誰が見るんですか? 一時の感情に任せてできないことは言わない方がいい」と』、「安藤」さんら子供たちにとってはさぞかしつらかっただろう。
・『後悔の芽を摘んでおくための「医療・介護・相続・保険」全対策  『週刊ダイヤモンド』4月9日・16日合併号の第一特集は「後悔しない『認知症』」です。 同じことを何度も聞いてくる。些細なことで怒りっぽくなった。よく物をなくして探し物をしている。ごみの分別ができていないようだ……・。離れて暮らす親や家族の様子がおかしい。認知症かもしれない。そのとき、何をどうすればいいのでしょうか。診断・医療、介護、相続、保険などさまざまな分野について、「こうしておけばよかった」と後悔しないための情報をお送りします。 認知症という病気には、困ったことに誤診がつきまといます。治せるはずの病気をみすみす放置することになりかねません。厄介な病気であることをまずは理解すること、そしてアルツハイマー型認知症だろうと決めつけずにきちんと診断を受けることが大切です。認知症専門の医療機関への調査結果リストも受診の参考にしてください。 認知症は、認知機能の低下によって生活に支障が出ている状態を指します。誰もがかかり得る脳の病気であり、その介護も誰もが直面する可能性があります。ところが、予備知識がないまま、引きずり込まれるように経験することになる家族がほとんどです。在宅介護サービス、高齢者向けの施設など、公的介護保険を賢く使うにはどこに注意すればいいのか。必須ポイントをきちんと押さえておきましょう。 認知症によって不幸を呼び込まないために、欠かせないのはお金に関わるリスクへの対処です。「認知症相続」に何の備えもなければ、残された家族が大損する事態に陥りかねません。もしものときの備えとして、生命保険なども選択肢となります。元気なうちに講じておくべき手立てとは何なのか。肝心なところをとらえておきましょう。 親、家族、あるいは自分もいずれ認知症にかかるかもしれません。なったとしても焦らずに済む情報、「こうしておけばよかった」と後悔せずに済む情報を網羅しました。問題や悩みを一人で抱え込まず、地域包括支援センターなど公的な相談窓口を活用することも大切です。家族や自分の将来のため、本特集をぜひご活用ください』、「認知症という病気には、困ったことに誤診がつきまといます。治せるはずの病気をみすみす放置することになりかねません」、「治せるはずの病気」というのには違和感がある。ただ、全体としては、やはり事前に備えておく必要がありそうだ。

次に、5月9日付け東洋経済オンライン「天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/586518
・『生と死、医療が抱える問題を静謐(せいひつ)なタッチで描いてきた著者の、新境地とも評されるミステリー。一見ユートピアのように映る高齢者たちの村には、不気味かつ衝撃的な真相が隠されていた(Qは聞き手の質問、Aは南氏の回答)。 Q:舞台は北海道、認知症の高齢者たちが住む村、という設定です。 A:今回はちょっとミステリアスな、ある意味ホラーな、異次元に連れていかれるような物語を書きたい、と思いました。それで、医療の現場で日々接しており、切実な問題と考えている認知症をテーマにしました。スタートは「まったく新しいミステリーを書く」という作家としての意欲でしたが、書いていくうちに、診察室で普段考えていることをぐいぐい、気持ちに任せて盛り込んでいった感じです。 Q:金銭的な負担感なしでそれぞれ快適な家に住まい、自由に暮らす生活ケア付きの村は、最初「悪くないかも」と思ってしまう。 A:北海道には以前住んだことがあって、本当に何もないし人もいない、「この先には何があるんだろう」というような場所が結構あるんです。交通の便が悪く外部と遮断しやすい、広大な村の敷地内は豊かな自然を生かしつつ整備されており落ち着いた暮らしを描けるなど、物語上求める条件が重なりました。そこへ39歳の主人公が偶然迷い込み、暮らすことになる』、充実した内容を予感させるなかなか面白そうな設定だ。
・『認知症についてもっと知ってもらいたい  Q:村の正体は後半暴かれていきますが、それとは別に、認知症に関する情報も多く記されていて、よりリアルに伝わってきました。 A:今、日本の65歳以上の人で認知症を発症している割合は15%超。それが3年後、2025年には20%、5人に1人になります。そこには軽度認知障害の人は勘定されておらず、残る4人の中に認知症前段階の人も含まれるわけで、もうひとごとじゃないのです。 まずは認知症について知ってもらいたい、と思いました。ひとくくりに皆が皆、終始目が離せない状態になるわけじゃない。本の中で解説しましたが、認知症にはアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型と種類があり、障害や症状は異なります。進行の程度によって生活がどう変わるかもそれぞれなんです。認知症と聞いただけで頭を抱えてしまうのではなく、まずは知って、冷静に対応していっていただきたいと思います。 Q:認知症解明に向けた米国の「脳バンク」構築の話が登場します。医師としてどう考えますか? A:脳のデータベースを作ることには賛同します。脳の疾患である認知症は、医学的な「答え合わせ」ができていない病気なんです。 肺や肝臓などは腫瘍ができたら組織を採取して、原発性がんなのか転移したものなのかなどを特定し、適切な治療方法を採れる。脳はそれができません。なのでどの認知症か特定が難しい。できることといえばMRIや血液検査。あとはどの程度引き算ができるか、記憶障害が起きているかなどを問診し、総合的に「アルツハイマー病らしい」などと診断します。それで死亡後に頭部を解剖させてもらうと実は違っていた、ということが起こる。正しく診断できなければ、有効な治療に結び付かない。日本ではそのための研究材料が圧倒的に不足している状況です。) Q:その原因は何なのでしょう? A:亡くなった後にまで痛い思いをさせなくても、という精神文化が日本にはありますよね。亡くなった体はもう物体、とは割り切れない。とくに脳は、抜かれて解剖されるなんて絶対嫌だと思う人が多い。でも、認知症の治療や医学の発展のためには、献体し脳を提供していただくのはとても意義のあること。ある登場人物が、彼の思想は別として、その必要性を力説する部分は、冷静に読んでいただければきっと響くものと思います』、「できることといえばMRIや血液検査。あとはどの程度引き算ができるか、記憶障害が起きているかなどを問診し、総合的に「アルツハイマー病らしい」などと診断します。それで死亡後に頭部を解剖させてもらうと実は違っていた、ということが起こる。正しく診断できなければ、有効な治療に結び付かない。日本ではそのための研究材料が圧倒的に不足している状況です」、「亡くなった体はもう物体、とは割り切れない。とくに脳は、抜かれて解剖されるなんて絶対嫌だと思う人が多い。でも、認知症の治療や医学の発展のためには、献体し脳を提供していただくのはとても意義のあること」、やはり日本人には「献体し脳を提供」するのは抵抗感があるようだ。
・『Q:主人公は元看護師。プロの目で老人たちの謎言動・謎行動の意味を理解し、いたわりのある接し方をする。勉強になりました。 A:介護する家族、介護される側、それぞれが苦悩しているわけですよね。認知症の当人が誰よりももどかしい感覚を抱え生きている。 認知症外来でよく見かけるのは、介護する子が親の変貌を受け止められず「違うでしょ」「覚えてないの?」と叱ってしまう光景。親は親で、優しかった子が怖い顔をして怒鳴るようになった、と悲しいわけで、それぞれ言い分がある。お互いを受け止めないし認めないから、怒ってけんかになり、そのうち手が出るようになったり。 認知症はある種、老化現象みたいなもので、多かれ少なかれ理解力も記憶力も衰える。家で叱られてばかりで、「安心していられるのが自分の家。ここじゃない、帰りたい」と言い出して徘徊するパターン。認知症の人にとってみれば、やむにやまれぬ行動なんです』、「介護する子が親の変貌を受け止められず「違うでしょ」「覚えてないの?」と叱ってしまう光景。親は親で、優しかった子が怖い顔をして怒鳴るようになった、と悲しいわけで、それぞれ言い分がある。お互いを受け止めないし認めないから、怒ってけんかになり、そのうち手が出るようになったり。 認知症はある種、老化現象みたいなもので、多かれ少なかれ理解力も記憶力も衰える。家で叱られてばかりで、「安心していられるのが自分の家。ここじゃない、帰りたい」と言い出して徘徊するパターン。認知症の人にとってみれば、やむにやまれぬ行動なんです」、私の母親も10年以上前に死んだが、僕が叱るので、怖がっていたのを思い出した。
・『共存し心地よく生きていける社会に  Q:親が認知症になったら、家族でどう看るかをまず考えてしまう傾向は、まだ根強いですよね。 A:施設へ預けることに罪悪感を持つ人がいますが、それまで大切にしてきた親を「早くどうにかなってくれ」と思うようになるのは悲しいじゃないですか。いとしい人を最後までいとしいと思って送る、そのための工夫の1つが施設入所です。家族はそこへ会いに行って一緒にランチしたり、散歩したり、楽しいところだけいい関係のまま、大変な介護の部分はプロの手に委ねる。そう意識を切り替えていくのが大事ですね。 愛情があるからこそ、プロのマンパワー、知恵、設備が総合的に整っている施設にお願いする。それがむしろ親孝行、という考え方です。 Q:介護で大事なのは、とにかく愛情をかけてあげること、と? A:一口に愛情というと難しいですね。もう、あるがままを認めるってことです。「ちゃんと覚えて」と言っても覚えられない能力の低下が起きている。それを受け止め、じゃあどうするか。自分が覚えておくのでもメモしてあげるのでもいい、工夫をしてほしい。できないことをいちいち責め立てていたら、介護する側も病んでしまいます。 本の中でいちばん思いを込めたのは、認知症の高齢者たちと主人公が一緒に料理するシーンです。いい「共存」の道を探っていきたい。認知症になったとしても心地よく生きていける社会にしたい。共存がこれからのキーワードになると思っていて、そういったところを作品の中で出すようにしました』、「「ちゃんと覚えて」と言っても覚えられない能力の低下が起きている。それを受け止め、じゃあどうするか。自分が覚えておくのでもメモしてあげるのでもいい、工夫をしてほしい。できないことをいちいち責め立てていたら、介護する側も病んでしまいます」、無駄と分かっていながら「責め立てて」しまったことを思い出す。当時、こういった本などに出合っていたらと思う。

第三に、5月3日付け東洋経済オンラインが掲載した理学療法士の川畑 智氏による「「徘徊のつもりない」認知症の人から見える世界 当事者はゴールだけを見ているとは限らない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/669371
・『「認知症は自分の家族にはまだ関係ない」と感じていても、ある日突然やってくることがあります。いきなり介護をすることになって戸惑わないために、事前に備えておくことが重要です。理学療法士の川畑智さんが認知症ケアの現場で経験したエピソードをまとめた『さようならがくるまえに認知症ケアの現場から』より、一部抜粋してお届けします』、興味深そうだ。
・『普通の人であり続けたいと願う  広く認知症のことを知ってもらうために、地方で講演を行うこともまた私の大切な仕事の一つである。 講演では、認知症はこういう症状が出てくるので、先回りして様子を見ていきましょうね、と認知症の症例や対策などについて一つずつ具体的に説明している。 医者ではない私がなぜ講演をしているのか、不思議に思われるかもしれない。たいていの医者は、医学的知見からアプローチしていくため、一般的な認知症の講演というのは、教科書通りの無機的な説明をして、認知症の大変さを強調するものがとても多い。私はそのように皆さんを過度に怖がらせたくはないので、認知症を正しく認知してもらうための講演を地道に行っているというわけだ。 そして近年、認知症について語るのは、認知症のことを研究しているプロよりも、認知症を患っている本人が直接話すことが一番良いのではないか、という風潮が広がってきた。 そうしてできたのが、認知症の方の本人ミーティングという考え方だ。「私たちを放置しないで。私たちを抜きにして、国の認知症対策を決めないで」という思いのもと、国の会議に認知症の方々が入っていくようになったのである。この本人ミーティングは、こんなことが大変だったとか、今こんな対策をしているよといったように、認知症の方同士が直接情報交換をする場にもなっている。 東京町田市にDAYSBLG!という団体がある。BLGは「Barriers Life Gathering」の略で、認知症の方々がボランティア活動などへ参加し、働くことを通して仲間と楽しい時間を過ごしたり、社会とのつながりをつくったりしていく、新しい形のデイサービスである。 私は本人ミーティングのような講演を目指すべく、DAYSBLG!代表の前田隆行さんに、若年性認知症の杉山さんという方にも講演会で話してもらえないだろうかとお願いすることにした。 「もちろん本人がOKしてくれれば全然構わないんだけど、やっぱり日によって浮き沈みがあるからなぁ。調子の波までは、さすがに私にも分からないんですよ」と、前田さんは淡々と話していた。 「本人の調子が良いときは本当に認知症の人なのかと疑われるほどスムーズに順序良く話してもらえるが、調子が悪いときは、話が変わったり、振出しに戻ったり。杉山さん頼むよ。任せたよ」なんて、笑いながら話している会話の内容は、認知症の人だからと区別も差別もしない素敵な関係の表れに感じた』、「認知症について語るのは、認知症のことを研究しているプロよりも、認知症を患っている本人が直接話すことが一番良いのではないか、という風潮が広がってきた。 そうしてできたのが、認知症の方の本人ミーティングという考え方だ。「私たちを放置しないで。私たちを抜きにして、国の認知症対策を決めないで」という思いのもと、国の会議に認知症の方々が入っていくようになったのである」、いいことだ。「「本人の調子が良いときは本当に認知症の人なのかと疑われるほどスムーズに順序良く話してもらえるが、調子が悪いときは、話が変わったり、振出しに戻ったり。杉山さん頼むよ。任せたよ」なんて、笑いながら話している会話の内容は、認知症の人だからと区別も差別もしない素敵な関係の表れに感じた」、なるほど。
・『徘徊しているつもりはまったくありません  結局、一番近くでサポートしている前田さんが補足しながら当日の講演をリードしてもらう形でお二人に熊本まで来てもらえることになった。 そうして迎えた講演会当日、ありがたいことに杉山さんの体調はとても良かった。杉山さんは、少し緊張した足取りで舞台の中央に立った。 「『認知症の人は徘徊するものだ』とよく言われます。だけど、私たちは徘徊しているつもりはまったくありません。ただわからなくなっているだけなんです。もしかしたら私も10分後には、どうしてここに立っているのかわからなくなっているかもしれません」という杉山さんの冒頭の言葉に、聴衆が一気に引き込まれていくのがわかった。) 認知症になると、巨大なミラーハウスに迷い込んだ感覚に陥り、外出中に急に道がわからなくなることがある。それがたとえ慣れ親しんだ場所であったとしても、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうのだ。 「今いる場所がわからなくなったとき、皆さんはどうしますか?おそらく、普通の健康な人であれば、歩いている人に聞くと答えるのではないでしょうか」と客席に問いかけると、確かにそうだなと多くの人が頷いていた』、「認知症になると、巨大なミラーハウスに迷い込んだ感覚に陥り、外出中に急に道がわからなくなることがある。それがたとえ慣れ親しんだ場所であったとしても、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうのだ」、私もまだ「認知症」ではない筈だが、これに近い経験をして、知っている筈の場所で、方向感をなくし、待ち合わせ時間に間に合わせるため、タクシーを拾ってなんとかなった。
・『認知症の人に声をかけられたら  「ここでちょっと想像してください」と、一呼吸置いて話し始めた杉山さんの声に、一層の力が入ったのがわかった。 「私のような若年性認知症の人間が、道端で見ず知らずの人に、『すみません。ここは一体どこですか?』と声をかけたとき、どんな反応が返ってくると思いますか。『急に変な人に声をかけられた』と思い、皆さんが足早に去って行く姿は想像に難くありません。皆さんが思っているほど、私たちは気軽に道を聞くことはできないのです。そもそも、聞ける世の中になっていないのです」と訴える杉山さんの言葉には、想像もしていなかった世界が広がっていた。そんな聴衆の気持ちを表すかのように、客席は重い静寂に包まれてしまった。 認知症の方は、恥ずかしいという気持ちが強く残っていて、道行く人に尋ねることができないケースが多い。また、認知症を患っている方が身近にいない人にとっては、認知症の方から急にここはどこ?と聞かれたら、不気味だと思うこともあるだろう。 杉山さんは、この静まりかえった状況に怯むことなく話し続けた。 「私は歩いている最中に道が分からなくなったとき、真っ先にコンビニに駆け込みます。店員さんに、『ここはどこですか?こっちに行きたいんだけど、どうすればいいですか?』と尋ねると、必ず教えてくれるのです。そう、私はただコンビニを探して歩いているだけなんです。それなのに、ボケて徘徊していると思われるのはちょっと悲しいですよね」と残念そうに語った。 これまで私は、認知症の方はてっきりゴールだけを見ている、つまり家を探して彷徨っているとばかり思っていた。しかし、目的地に向かうためのポイントを探している場合もあるということを知った。 徘徊とは「あてもなく歩きまわること」を意味する言葉であるが、杉山さんの話によると、認知症の方の徘徊の中には、ちゃんと目的を持って考えながら歩いていて、迷ったからといって誰にでも簡単に声はかけないケースもあるという。この視点は、私の頭からスッポリと抜け落ちていたものだった』、「徘徊とは「あてもなく歩きまわること」を意味する言葉であるが、杉山さんの話によると、認知症の方の徘徊の中には、ちゃんと目的を持って考えながら歩いていて、迷ったからといって誰にでも簡単に声はかけないケースもあるという」、私の体験もその通りだ。
・『コンビニ、ガソリンスタンド、交番を探す  「あと道に迷ったとき、ガソリンスタンドがあれば迷わず飛び込みます。ガソリンスタンドの店員さんも、しっかりと対応してくれますよ。ガソリンを入れない私にまで親切にしてくれるなんて最高ですよね」と、杉山さんの少しおどけた言い方に、それまで張り詰めていた会場の空気が一気に緩んだ。 「本当は交番がベストです。ただ交番は、お巡りさんがいないときが多いですよね。だから私は道に迷ったら、コンビニ、ガソリンスタンド、そして交番の順にそれらを探し求めて歩きます。なぜなら、私は普通の人であり続けたいから」という杉山さんの締めくくりの言葉に、客席からは大きな拍手が湧き起こった。 やはり経験に勝るものはなく、今回の講演を杉山さんにお願いして本当に良かった。いくら私が認知症について学んだとしても、認知症の方の気持ちすべてを理解することは不可能なのだ。 人間とは知らないものに対して恐怖心を抱きやすい生き物だ。 私は、杉山さんが講演会で話してくれた内容を、その後さまざまな場で伝えるようになった。そうやって、認知症の方の思いと我々が見ている世界のギャップを埋めることが、認知症に対する誤解を減らしていく近道となるだろう。 ▽本人ミーティング(認知症の本人が集い、本人同士が主になって、自らの体験や希望、必要としていることを語り合い、自分たちのこれからのよりよい暮らし、暮らしやすい地域のあり方を一緒に話し合う場です。「集って楽しい!」に加えて、本人だからこその気づきや意見を本人同士で語り合い、それらを地域に伝えていくための集まりです。 引用:厚生労働省』、私が迷った体験では、「交番」ではなく、パトロール中の警官に出会ったが、周辺の地理を私以上に知らず、全く役に立たなかった。ただ、私が迷った体験をよくよく考えると、「認知症」の初期段階との可能性も否定できず、ゾッとした。
タグ:私が迷った体験では、「交番」ではなく、パトロール中の警官に出会ったが、周辺の地理を私以上に知らず、全く役に立たなかった。ただ、私が迷った体験をよくよく考えると、「認知症」の初期段階との可能性も否定できず、ゾッとした。 「徘徊とは「あてもなく歩きまわること」を意味する言葉であるが、杉山さんの話によると、認知症の方の徘徊の中には、ちゃんと目的を持って考えながら歩いていて、迷ったからといって誰にでも簡単に声はかけないケースもあるという」、私の体験もその通りだ。 「認知症になると、巨大なミラーハウスに迷い込んだ感覚に陥り、外出中に急に道がわからなくなることがある。それがたとえ慣れ親しんだ場所であったとしても、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうのだ」、私もまだ「認知症」ではない筈だが、これに近い経験をして、知っている筈の場所で、方向感をなくし、待ち合わせ時間に間に合わせるため、タクシーを拾ってなんとかなった。 「私たちを放置しないで。私たちを抜きにして、国の認知症対策を決めないで」という思いのもと、国の会議に認知症の方々が入っていくようになったのである」、いいことだ。「「本人の調子が良いときは本当に認知症の人なのかと疑われるほどスムーズに順序良く話してもらえるが、調子が悪いときは、話が変わったり、振出しに戻ったり。杉山さん頼むよ。任せたよ」なんて、笑いながら話している会話の内容は、認知症の人だからと区別も差別もしない素敵な関係の表れに感じた」、なるほど。 「認知症について語るのは、認知症のことを研究しているプロよりも、認知症を患っている本人が直接話すことが一番良いのではないか、という風潮が広がってきた。 そうしてできたのが、認知症の方の本人ミーティングという考え方だ。 (その1)(安藤優子氏が語る認知症介護「最もつらい時期」 大好きな母がヘルパーをクビにし罵詈雑言…、天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く、「徘徊のつもりない」認知症の人から見える世界 当事者はゴールだけを見ているとは限らない) 認知症 『さようならがくるまえに認知症ケアの現場から』 川畑 智氏による「「徘徊のつもりない」認知症の人から見える世界 当事者はゴールだけを見ているとは限らない」 東洋経済オンライン 「「ちゃんと覚えて」と言っても覚えられない能力の低下が起きている。それを受け止め、じゃあどうするか。自分が覚えておくのでもメモしてあげるのでもいい、工夫をしてほしい。できないことをいちいち責め立てていたら、介護する側も病んでしまいます」、無駄と分かっていながら「責め立てて」しまったことを思い出す。当時、こういった本などに出合っていたらと思う。 家で叱られてばかりで、「安心していられるのが自分の家。ここじゃない、帰りたい」と言い出して徘徊するパターン。認知症の人にとってみれば、やむにやまれぬ行動なんです」、私の母親も10年以上前に死んだが、僕が叱るので、怖がっていたのを思い出した。 「介護する子が親の変貌を受け止められず「違うでしょ」「覚えてないの?」と叱ってしまう光景。親は親で、優しかった子が怖い顔をして怒鳴るようになった、と悲しいわけで、それぞれ言い分がある。お互いを受け止めないし認めないから、怒ってけんかになり、そのうち手が出るようになったり。 認知症はある種、老化現象みたいなもので、多かれ少なかれ理解力も記憶力も衰える。 「亡くなった体はもう物体、とは割り切れない。とくに脳は、抜かれて解剖されるなんて絶対嫌だと思う人が多い。でも、認知症の治療や医学の発展のためには、献体し脳を提供していただくのはとても意義のあること」、やはり日本人には「献体し脳を提供」するのは抵抗感があるようだ。 「できることといえばMRIや血液検査。あとはどの程度引き算ができるか、記憶障害が起きているかなどを問診し、総合的に「アルツハイマー病らしい」などと診断します。それで死亡後に頭部を解剖させてもらうと実は違っていた、ということが起こる。正しく診断できなければ、有効な治療に結び付かない。日本ではそのための研究材料が圧倒的に不足している状況です」、 充実した内容を予感させるなかなか面白そうな設定だ。 東洋経済オンライン「天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く」 「認知症という病気には、困ったことに誤診がつきまといます。治せるはずの病気をみすみす放置することになりかねません」、「治せるはずの病気」というのには違和感がある。ただ、全体としては、やはり事前に備えておく必要がありそうだ。 「安藤」さんら子供たちにとってはさぞかしつらかっただろう。 「最初に母の様子がおかしくなったのは、70代前半の頃でした。ある日「ベランダから飛び降りてやる!」と叫んだのです・・・今にして思えばすでに老人性うつの症状が現れていたのでしょう」、「父ががんを患い入院してからというもの、目に見えて症状が進みましたね」、「「自分は至って普通」だと 受診を拒んだ母が」次第に「壊れていった」、あり得る話だ。 ダイヤモンド・オンライン「安藤優子氏が語る認知症介護「最もつらい時期」、大好きな母がヘルパーをクビにし罵詈雑言…」
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健康(その23)(酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは… 酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!、【サプリメントを飲んでいる人は要注意!】サプリメントを飲むと死亡率があがる?、病気予防を目指すなら ウォーキングは1日何歩がいい? 高血圧は1日8000歩程度 糖尿病は1日9000歩程度で頭打ち、脳科学者が提言「低GI食は脳のベストパフォーマンスを引き出す」子どもの成績にも影響) [生活]

健康については、本年3月8日に取上げた。今日は、(その23)(酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは… 酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!、【サプリメントを飲んでいる人は要注意!】サプリメントを飲むと死亡率があがる?、病気予防を目指すなら ウォーキングは1日何歩がいい? 高血圧は1日8000歩程度 糖尿病は1日9000歩程度で頭打ち、脳科学者が提言「低GI食は脳のベストパフォーマンスを引き出す」子どもの成績にも影響)である。

先ずは、本年2月17日付け日経ビジネスオンライン「酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは… 酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!」を紹介しよう。
・『酒は「毒」なのか、「薬」なのか…。がんや生活習慣病、うつ病などのリスクを高めることが広く知られている一方で、昔から「百薬の長」ともいわれている。果たしてどちらなのか。そして、どうすれば健康的に飲めるのか。『酒好き医師が教える最高の飲み方(日経ビジネス人文庫)』の著者である葉石かおりさんと、監修者である肝臓専門医の浅部伸一さんに、都内某所で話を伺った(Qは聞き手の質問)』、「酒は「毒」か「薬」か?」、ハッキリしてほしいものだ。
・『医師としては「酒は毒」と言わざるを得ない。だがしかし…  Q:さまざまな調査の結果から、「酒は毒である」という話を聞きます。一方で、1日当たり日本酒なら1合程度、ビールなら中瓶1本という「適量」を守っていればそれほど心配ない、むしろカラダにいいという意見もあります(参考記事)。いったい、どちらが正しいのでしょうか?  浅部さん 医師の立場からは、「酒は基本的に毒」と言わざるを得ません。全国12地域、14万人を対象とした「多目的コホート研究」でも、「時々飲酒(週1回未満)している人」と比べて、「1日当たり日本酒換算で2合」あるいは「同、3合以上飲む人」のがんの発症リスクは、それぞれ1.4倍、1.6倍になります。こうした大きな集団での観察研究による報告は、科学的には「エビデンスレベル」が高いといえるのです。 葉石さん ただ一方で、適量を飲んでいればカラダにいいという「Jカーブ効果」もありますよね。飲酒量を横軸に、死亡率を縦軸にとると、グラフの形が「J」の字になるという、酒好きの間では有名な話です(参考記事)。 アルコール消費量と死亡リスクの関係(海外)海外の14の研究をまとめて解析した結果。適量を飲酒する人は死亡リスクが低い傾向が確認できる(出典:Holman CD,et al. Med J Aust. 1996;164:141-145. 書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』より) 浅部さん 確かに、適量の飲酒が死亡率を下げるという報告もあります。ただ、それらの研究は、どちらかというと細胞実験や少人数での研究結果が目立っていて、その多くが「健康に良い可能性はある」が、まだ「議論のある」段階。つまり、エビデンスレベルが「やや弱い」ことは否めないんです。しかも最新の研究では、少量の飲酒でも死亡リスクが上がるという報告が出ています。 葉石さん がーん。じゃあやっぱり「酒は毒」ですか…。それに、「適量」といっても、日本酒で1合、ビールで中瓶1本って、左党にとっては物足りないですよね…。 浅部さん 私も左党ですから、お気持ちは分かります。 葉石さん そうですよね、浅部さんもお酒がお好きですよね。ズバリ聞きますが、医師である浅部さんは、いつも「適量」で満足されているのでしょうか? 浅部さん そ、それはですね…。いつも「適量」とはいかないかもしれません(笑)』、「適量の飲酒が死亡率を下げるという報告」、「その多くが「健康に良い可能性はある」が、まだ「議論のある」段階。つまり、エビデンスレベルが「やや弱い」ことは否めない」、「最新の研究では、少量の飲酒でも死亡リスクが上がるという報告」、「「適量」といっても、日本酒で1合、ビールで中瓶1本って、左党にとっては物足りないですよね…」、その通りだ。
・『飲み方を変えたら体重3kg減、体脂肪5%減!  Q:適量とされている飲酒量は、1日当たりに換算すると物足りないかもしれませんが、1週間のうちに休肝日を設けたりすれば、もっと飲んでもいいのでしょうか。 葉石さん この本にあるように、多くの専門家、医師に取材して分かったのが、1日というより1週間での総量が大事ということでした。つまり1週間のなかでやりくりすればいいということ。 1日当たり日本酒1合というのは、純アルコール量で20gですが、週に換算すれば約150gなんです。休肝日を設ければ、多く飲んでもいい日を作れる。そういうやりくりをしていけば、健康で楽しく飲み続けることができることを学びました。 浅部さん そういったやりくりはとても大切ですね。もちろん、1日で約150g飲んで残り6日は休肝日、といった極端な飲み方はダメですが。 葉石さん 実は、書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』のもとになった連載「左党の一分」を通じて取材した医師はほとんどが自分も酒好きという方で、適量では物足りなさそうな私を見て、「それならこういう飲み方をしてみるといいよ」と教えてくださったんです。 取材を進めるうちに、会食が多い週は自宅での飲みをやめる、休肝日を増やす、朝晩は体重計に乗るというのが習慣化していきました。その結果、体重は3kg減り、体脂肪も5%減。オーバーしていた中性脂肪も基準値に収まりました。やっぱり、医師のアドバイスは間違いないと感じています。 Q:おお、効果てきめんですね。 葉石さん 朝の目覚めも良く、むくみもなくなり、以前よりもすこぶる体調も肌の調子もいい。運動も取り入れて、とても健康になりました。ダイエットは継続中です。 浅部さん 適量は絶対に守らなくてはいけないと思うと、お酒がおいしくなくなってしまいますよね。適量を「意識」するだけでもだいぶ飲み方が変わってきます。 葉石さん そうなんです。「たまにやらかしてしまってもいい」ぐらいの気持ちでいると、気が楽になって、休肝日も我慢できる。するとカラダの調子が良くなって、ますます健康的に飲もうという気になるんです。 浅部さん 私は、「ゼロリスクで生きる必要はない」と思っているんです。あらゆるリスクを排除して生きようとする“ゼロリスク主義者”には、飲酒は勧められないかもしれません。でも、お酒が好きなら、飲酒の健康リスクをとって、お酒を楽しみたいと思うでしょう。そんな人たちは「どの程度のリスクなら許容できるか」を考えながら飲むべきです。この本は、そのための判断材料になりますね』、「お酒が好きなら、飲酒の健康リスクをとって、お酒を楽しみたいと思うでしょう。そんな人たちは「どの程度のリスクなら許容できるか」を考えながら飲むべきです。この本は、そのための判断材料になりますね」、それは有難い。
・『お世話になりたくない「抗酒剤」の恐怖  Q:酒好きな方は、一方で自分が「アルコール依存症」になったらどうしよう、という恐怖も感じているのではないかと思います。 葉石さん 私も以前は、夕方5時を回ると夕飯の支度をしながらビールをカシュと開けたり、休日は昼からスパークリングワインを飲んだりしていましたが、もうそんなことはしなくなりました。特に、アルコール依存症について取材してからは、怖くなりましたね…(参考記事)。 浅部さん 依存症は精神病の一種なので、専門外来が必要になるんです。病棟の雰囲気も独特だったでしょう。 葉石さん 特に怖かったのが「抗酒剤」の話です。遺伝子によってお酒の強さが決まるのはよく知られていますが、お酒にやたら強い人でもこの抗酒剤を飲むと強制的にお酒に弱くなり、つまり「下戸」になってしまう。だから、アルコール依存症で入院している患者さんがこっそり抜け出してコンビニでお酒を買って飲んでも、抗酒剤のおかげで顔が真っ赤になってすぐバレるんだそうです。抗酒剤のお世話だけにはなりたくないと思いました…(参考記事)。 浅部さん 強制的にお酒に弱くなるということは、危険もあるんです。以前のお酒に強い自分のつもりで飲んだら、あっという間に急性アルコール中毒になります。実は、抗酒剤で死者も出ているんです。その人は、抗酒剤を飲んでいるのに「飲め飲め」と勧められてお酒を飲んで、急性アルコール中毒になったそうですが…。 葉石さん ますます怖くなりました…。 2013年の厚生労働省研究班の調査による推計。アルコール依存症者数は「ICD-10」の診断基準によるもの。ハイリスク群の多量飲酒者は、飲酒する日には純アルコール換算で60g以上飲酒している人。 Q:アルコール依存症の人は109万人、その予備群は980万人もいると推計されています。こうした話を聞くと、酒量を減らそうという気にもなるのでは。そのコツは? 葉石さん 私が取材で聞いたのは、まず自分の「飲酒量の見える化」です。記録をとって把握すること。そのうえで、少しずつ減らしていく。いきなり無理な目標設定をしても、リバウンドしてしまいますから。ダイエットと同じですね。 浅部さん アルコール依存症かどうかは、WHOが掲げるAUDIT(飲酒習慣スクリーニングテスト)や、久里浜医療センターのKAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)で確認することができます(参考)。心配な方は一度、チェックしてみるといいでしょう。また、アルコールの強さについては、遺伝子検査やアルコールパッチテストで調べてみることをお勧めします(参考)。自分では強い遺伝子型だと思っていても、実は中間タイプだった、ということもよくあるので』、「お酒にやたら強い人でもこの抗酒剤を飲むと強制的にお酒に弱くなり、つまり「下戸」になってしまう。だから、アルコール依存症で入院している患者さんがこっそり抜け出してコンビニでお酒を買って飲んでも、抗酒剤のおかげで顔が真っ赤になってすぐバレるんだそうです。抗酒剤のお世話だけにはなりたくないと思いました…」、「抗酒剤」については初めて知った。私も「世話になりたくない」ものだ。「アルコールの強さについては、遺伝子検査やアルコールパッチテストで調べてみることをお勧めします」、なるほど。
・『自分のタイプを知り、味わって楽しく飲もう!  葉石さん 実は、私も調べてみたら、自分は中間タイプだということが分かったんです。まさに、鍛えられてお酒に強くなったタイプだと(参考記事)。 浅部さん 中間タイプのほうが食道がんのリスクなどが高かったりします。遺伝子型について調べれば、飲み方も変わってくるでしょうね。 Q:どのようなリスクをとるかは個人の選択次第ですが、どうせならおいしいお酒を楽しく味わいたいものですよね。最後にこの記事を読んでいる方にアドバイスをお願いします。 葉石さん 「獺祭」でおなじみ、山口県の旭酒造の会長には、「酒は飲むものではなく、味わうもの」という名言があるんです。まさにこれですね。ただ飲んで酔っ払うのではなく、おいしい料理といい仲間とともに一生涯飲み続けるためにも、健康を害すことがない自分なりの飲み方を見つけていただきたいです。 浅部さん 私は、「その日の体調と相談しながら酒量を決めてください」ということですね。一律にこれくらいの量を飲むと考えるのではなく、体調がいまいちなら付き合いで1杯だけにするとか。それと、悪酔いや二日酔いを防ぐためには、お酒と一緒にたんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンなどをバランスよく含んだおつまみを食べる。つまり、お酒は料理と一緒に味わうもの、ですよ。 Q:確かに、今日はお2人とも、料理もお酒もしっかり味わっていますね。 東京・中央区の京橋もと(酛)にて 葉石さん このお店、お料理も日本酒も本当においしいでしょう。 浅部さん いや、素晴らしいですよ。おかわりいいですか。 Q:すでに本日の「適量」は超えてしまったような気もしますが…。 葉石さん 明日は休肝日にします(笑)』、「酒は飲むものではなく、味わうもの」、味わい深い言葉だ。「その日の体調と相談しながら酒量を決めてください」、「お酒と一緒にたんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンなどをバランスよく含んだおつまみを食べる。つまり、お酒は料理と一緒に味わうもの」、私も「酒」を「味わい」たい。

次に、3月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した公衆衛生学者の林 英恵氏による「【サプリメントを飲んでいる人は要注意!】サプリメントを飲むと死亡率があがる?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/318970
・『健康法を知っているだけでは健康にはなれません。本当に正しいとされている健康法を、きちんと行動に移し、毎日無理なく続けるためには技術が必要です。本連載の「健康になる技術」とは、健康でいるために必要なことを実践するスキルです。簡単に言うと、健康になるために「What(何)」を「How(どのように)」行ったら良いのか、自分の環境や特性(弱点・強み)に合わせて実践する技術のこと。本連載では、話題の著書『健康になる技術 大全』の著者、林英恵が「食事」「運動」「習慣」「ストレス」「睡眠」「感情」「認知」のテーマで、現在の最新のエビデンスに基づいた健康に関する情報を集め、最新の健康になるための技術をまとめていきます。何をしたら良いのかはもちろんのこと、健康のための習慣づくりに欠かせない考え方や、悪習慣を断ち切るためのコツ、健康習慣をスムーズに身につけるための感情との付き合い方などを、行動科学やヘルスコミュニケーションのエビデンスに基づいて、丁寧にご紹介していきます。今回は、「サプリメントは健康にいいのか? 悪いのか?」についてです。 *書籍『健康になる技術 大全』の「食事の章」はケンブリッジ大学疫学ユニット上級研究員 今村文昭博士による監修』、「現在の最新のエビデンスに基づいた健康に関する情報を集め、最新の健康になるための技術をまとめていきます」、「今回は、「サプリメントは健康にいいのか? 悪いのか?」についてです」、興味深そうだ。
・『健康のためにと思っているものが仇になる  薬局やコンビニエンスストア、スーパーマーケットでも最近はたくさん並べられているサプリメント。「サプリメント(supplement)」とは、その名の通り、食事で足りないものを「補う」という意味です。錠剤や粉状のもの、液体やエナジーバーなど色々な形状のものがあります。 世界では約1232億ドル(日本円にして約12兆円)(*1)以上で、日本でも約1兆3729億円の市場があります(2022年)(*2)。サプリメント産業は多少の増減はあるものの、アメリカでも日本でも拡大中で、今後もその傾向が見込まれています。 「筋肉増強」、「ダイエット」、「骨を強くする」、ひいては「病気の予防」、「アンチエイジング」まで、健康課題の手っ取り早い解決方法として、消費者にその効果を訴えかけます。健康のために何か行動をとるのは素晴らしいことですが、果たして、サプリメントをとることは良い方法なのでしょうか?』、「世界では約1232億ドル(日本円にして約12兆円)以上で、日本でも約1兆3729億円の市場」、かなり大きな市場だ。
・『「β(ベータ)カロテンのサプリメント服用」が死亡率を上げる?  栄養学やがんの研究者にとって、衝撃的な結果となった研究があります。それは1990年代に発表された、β(ベータ)カロテン(βカロチンとするところもあります)のサプリメントに関する臨床試験です(*3)。 βカロテンとは、緑黄色野菜に含まれる成分です。日本でもがんや心血管疾患の予防が期待できるとして、「飲む緑黄色野菜」と称し、サプリメントや健康飲料として様々な形で売り出されました。記憶にある人もいると思います。 βカロテンのサプリメントによる健康への効果を検証した研究のうちの1つを紹介します。この研究では、喫煙者などの特定のグループでβカロテンのサプリメントを服用すると、肺がんの発生率や死亡率が上がることがわかりました(*3)。一方で、がんをはじめとして、期待された重篤な疾患へのプラスの効果は見られませんでした。 その後、このような研究を含め、複数の研究のエビデンスを統合して分析する研究が行われました。結果、βカロテンのサプリメントを常用することで、逆に肺がんや胃がんのリスクを上げることが指摘されました(*4-8)。 健康に良かれと思って飲んでいるはずのサプリですが、効果がないだけではなく、かえってがんの発生率や死亡率を上げる可能性があるということで、当時大きなニュースとなりました。サプリメントについて語る上で欠かせない話となっています。 たとえ害はなかったとしても、健康にとってプラスの効果が見込めないのであれば、サプリメントを摂取する意味も薄れてしまいます。鉄分やビタミンDの欠乏が医師によって診断され、サプリメントのような形で処方されるようなケースは、指示にしたがってとるべきと思います。 「なんとなく健康によさそうだから」といった曖昧な理由や臆測で、任意にサプリメントをとることはお勧めしません。専門家の判断を仰がないでとるサプリメントに関して、長期的に健康に好ましい効果が見込めるものは、今のところないと考えましょう。 例えば鉄分の不足による貧血に対して鉄剤の効果は認められています(*9,10)。しかし一方で、鉄剤のサプリメントを常用している人ほど、死亡率が高いとアメリカから報告されています(*11)。概してサプリメントの研究となると、そういった二面性が伴って、解釈と結論を出すのがとても難しいのです。どの栄養のサプリメントもやはりプロの判断が必須と考えてください(例外については後述)』、「βカロテンのサプリメントを常用することで、逆に肺がんや胃がんのリスクを上げることが指摘」、「効果がないだけではなく、かえってがんの発生率や死亡率を上げる可能性があるということで、当時大きなニュースとなりました。サプリメントについて語る上で欠かせない話となっています」、「「なんとなく健康によさそうだから」といった曖昧な理由や臆測で、任意にサプリメントをとることはお勧めしません。専門家の判断を仰がないでとるサプリメントに関して、長期的に健康に好ましい効果が見込めるものは、今のところないと考えましょう」、なるほど。
・『足りないものをサプリメントで補えば何とかなるといえるほど、科学は単純ではない  サプリメントに注意が必要な理由があります。それは、サプリメントを摂取すること自体が、還元主義とよばれる、複雑な事象を一つのシンプルな要素に着目して結論づけることの影響を強く受けているためです。実際、成分的なことを基に「XXが足りないためにXXを補うと体に良い」という栄養分の理屈を応用したものがたくさんあります。 注意が必要なのは、体の中でのメカニズムとして特定の栄養分が良いこと(生化学的な考察や概念的なことで、エビデンスではありません)と、実際にサプリメントでそれを摂取した時に出る体の反応や健康・病気との関係(臨床医学や公衆衛生学的なエビデンス)は別のものだということです。 例を挙げてみましょう。「βカロテンは抗酸化物質としての働きを持つ。抗酸化物質は、“酸化ストレス”が原因となる肺がんが予防可能と考えられる。だから、βカロテンのサプリメントをとろう」という考え方はまさに生化学的な考察です。実際にそうした考えに基づいて、βカロテンやビタミンC、Eのサプリメントが売り出された歴史があります。 しかし前述したように、βカロテンのサプリメントで、がんの予防効果が出ないだけでなく、逆に死亡率を上げたりすることが示されました。生化学的な根拠を基に、「このサプリメントがXXに効く!」とうたっているサプリメントは本当に多いのですが、このような考察から、健康と病気の関係を考えるのは不適当です。 足りないものをサプリメントで補えば何とかなるといえるほど、科学は単純ではないのです。こういったことを知ってか知らずしてか、動物実験や絶句するような質の低い研究でも、あたかも万人に向けて伝えられるほど強いエビデンスがあるように伝えるのが、宣伝・ビジネスの技です。 サプリメントに限らず食事全体にいえることですが、生化学的な情報のみに頼らず、実際にそれを摂取したことによる病気と健康との関連がどうなっているかで判断しましょう』、「体の中でのメカニズムとして特定の栄養分が良いこと(生化学的な考察や概念的なことで、エビデンスではありません)と、実際にサプリメントでそれを摂取した時に出る体の反応や健康・病気との関係(臨床医学や公衆衛生学的なエビデンス)は別のものだということです」、「動物実験や絶句するような質の低い研究でも、あたかも万人に向けて伝えられるほど強いエビデンスがあるように伝えるのが、宣伝・ビジネスの技」、騙されないよう気をつけたいものだ。消費者を惑わすような悪質な広告は厳しく取り締まるべきだ。
・『飲んでも良いサプリメントはあるのか?  サプリメントのマイナスの側面について、整理してきました。一方で、サプリメントは、体の状態や人によってプラスに働くことも確かにあります。しかし、この判断は自分でできることではありません。サプリメントが必要な人というのは、医師や管理栄養士の助言によりサプリメントを摂取した方が良いといわれた人のみと考えてください。 例外として、妊娠前や妊娠初期の女性は、胎児の神経器官などの正常な発育への効果が認められているために、サプリメントを含めた葉酸を積極的に摂取することが求められています(*12,13)。厚生労働省も、これを推奨しています(*12)。 そのほかにも、何かの疾患を抱えている人や高齢者など特定の人にとっては有用なサプリメントも考えられます(*14)。例えば、ビタミンB12は高齢になると吸収する機能が落ちることが知られており、食事では得られない用量に関してサプリメントの処方によるビタミンB12の摂取で栄養状態を維持できることが報告されています(*15)。 そういう可能性もあるのですが、それでもまず、健康に不安がある場合や、サプリメントの摂取が必要かもしれないと感じる場合は、まず医師や管理栄養士に相談しましょう。そして、専門家の助言により、今服用しているサプリメントがある場合は、勝手にやめないようにしましょう。また、処方された薬がある上でサプリメントを服用したい人は、必ず医師に飲んでいるサプリメントについて話をするようにしましょう』、「健康に不安がある場合や、サプリメントの摂取が必要かもしれないと感じる場合は、まず医師や管理栄養士に相談しましょう。そして、専門家の助言により、今服用しているサプリメントがある場合は、勝手にやめないようにしましょう。また、処方された薬がある上でサプリメントを服用したい人は、必ず医師に飲んでいるサプリメントについて話をするようにしましょう」、その通りだ。

第三に、2月3日付け日経Goodayが掲載した医学ジャーナリストの大西淳子氏による「病気予防を目指すなら、ウォーキングは1日何歩がいい? 高血圧は1日8000歩程度、糖尿病は1日9000歩程度で頭打ち」を紹介しよう。
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/15/050800004/012700212/
・『ウォーキングや日常生活の中の歩行で慢性疾患の予防を目指す場合、1日の歩数は多いほど予防効果が得られること、高血圧と糖尿病の予防に関しては8000~9000歩が目安となることが、米国の研究(*1)で示されました』、興味深そうだ。
・『歩数が少ない人は死亡リスクが高い、では何歩なら大丈夫?  スマートウォッチなどのウェアラブル活動量計の利用者が増えています。しかし、毎日の歩数を計測し、健康増進に役立てようと考えても、目指すべき1日の歩数については確定的な情報はありません。 これまでに行われた研究では、「1日の歩数が少ない人は、死亡リスクや心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)の発症リスクが高い」ということが一貫して示されていました。しかし、そうした研究が用いていた方法には改善の余地がありました。たとえば、研究用の活動量計を貸し出した短期間の研究だったり、研究の参加者たちのもともとの(研究参加前の)運動習慣を考慮していなかったり、評価対象が死亡、糖尿病、心血管疾患などに限定されていたり、といった限界がありました。また、長期間かけて発症、進行する慢性疾患に対する運動の効果は検討されていませんでした。 そこで米Vanderbilt大学医療センターのHiral Master氏らは、市販のスマートウォッチを数年間装着している人たちの歩数と、その間の主要な慢性疾患の発症との関係を検討することにしました』、「米Vanderbilt大学医療センター」のものは本格的な実証研究のようだ。
・『6000人の4年間の歩行記録を基に病気との関係を分析  対象は、米国で行われた観察研究「All of Us Research Program(AoURP)」の参加者32万9070人の中から選びました。電子健康記録の研究利用を許可し、本人所有のスマートウォッチ(Fitbit)に6カ月以上にわたって記録されていたデータを提供した18歳以上の6042人(年齢の中央値は56.7歳、73%が女性、BMIの中央値は28.1)を分析対象にしました。 6042人を4年間(中央値)、約590万人-年(*2)追跡しました。参加者の1日あたりの歩数は7731.3歩(中央値)でした。さまざまな慢性疾患を対象として、1日の歩数が1000歩増加するごとの発症リスクの変化を調べたところ、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群などのリスクが有意に低下することが明らかになりました(表1)。 表1 歩数が増えることで発症リスクが低下する主な疾患 2型糖尿病は生活習慣や遺伝的な影響によって発症する糖尿病で、糖尿病患者の大部分を占める。(Nat Med. 2022 Nov;28(11):2301-2308.) *1 Master H, et al. Nat Med. 2022 Nov;28(11):2301-2308. *2 人-年:観察した人数とそれぞれの年数を掛け合わせたもの。10人を1年間、もう10人を2年間観察した場合は、30人-年となる。) そこで、主な慢性疾患6種類、すなわち、糖尿病(生活習慣や遺伝的な影響により発症する2型糖尿病)、高血圧、胃食道逆流症、うつ病、肥満(BMI〔体格指数〕が30以上、*3)、睡眠時無呼吸症候群の6疾患について詳しく調べることにしました。なお、対象とした集団では、これら6疾患の複数を保有する患者の割合は高くありませんでした。) 肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、うつ病の4疾患の発症リスクは、1日の歩数が増えると、ほぼ直線的に低下していました。例えば肥満リスクは、肥満発症の有無に関する情報が得られた人たちの1日あたりの歩数の中央値(8280歩)から1万歩に増えた場合には、31%低下することが明らかになりました。また、研究参加時点のBMIも考慮して分析すると、たとえばBMIが28だった人が歩数を1日6000歩前後から1万1000歩まで増やすと、肥満発症リスクは64%低下すると推定されました。 さらに、1日の歩数に基づいて参加者を4等分し、歩数が下位25%だった人と上位25%の人のこれら6疾患の発症リスクを比較しました(表2)。この結果、1日に6000歩程度しか歩かない人が、歩数を2倍弱まで増やせば、個々の疾患のリスクはおおよそ4分の1から2分の1程度低下することが示されました。 表2 1日の歩数が下位25%の人と比較した、上位25%の人の疾患発症リスク (Nat Med. 2022 Nov;28(11):2301-2308.) 一方で、糖尿病、高血圧という2疾患と1日の歩数の関係は非線形で、比例関係は見られませんでした。糖尿病はおおよそ1日9000歩、高血圧は1日8000歩までは、歩数が増加するにつれて発症リスクが低下しましたが、それ以上歩いてもリスク低下は見られなくなっていました。 今回のデータは、1日あたりの歩数は一般的な慢性疾患6疾患の発症リスクと関係し、肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、うつ病のリスクは歩数が増えるほど低くなること、糖尿病と高血圧については、リスク低下の最大の利益は1日8000~9000歩で得られることを示唆しています。 *3 BMI=体重(kg)÷身長(m)2 WHOの基準ではBMI30以上が肥満、日本肥満学会の基準では25以上が肥満。 (大西淳子氏の略歴はリンク先参照)』、「肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、うつ病の4疾患の発症リスクは、1日の歩数が増えると、ほぼ直線的に低下していました。例えば肥満リスクは、肥満発症の有無に関する情報が得られた人たちの1日あたりの歩数の中央値(8280歩)から1万歩に増えた場合には、31%低下することが明らかになりました。また、研究参加時点のBMIも考慮して分析すると、たとえばBMIが28だった人が歩数を1日6000歩前後から1万1000歩まで増やすと、肥満発症リスクは64%低下すると推定」、「1日の歩数に基づいて参加者を4等分し、歩数が下位25%だった人と上位25%の人のこれら6疾患の発症リスクを比較・・・1日に6000歩程度しか歩かない人が、歩数を2倍弱まで増やせば、個々の疾患のリスクはおおよそ4分の1から2分の1程度低下することが示されました」、「糖尿病、高血圧という2疾患と1日の歩数の関係は非線形で、比例関係は見られませんでした。糖尿病はおおよそ1日9000歩、高血圧は1日8000歩までは、歩数が増加するにつれて発症リスクが低下しましたが、それ以上歩いてもリスク低下は見られなくなっていました」、なるほど。 

第四に、3月20日付け日刊ゲンダイが掲載した脳科学者(工学博士)/分子生物学者/日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローの西剛志氏による「脳科学者が提言「低GI食は脳のベストパフォーマンスを引き出す」子どもの成績にも影響」を紹介しよう。
・『主食は「白」より「茶色」を選ぼう  Q:GI値は食品ごとに違うのですよね? 各食品のGI値を知らなければならないとすると、低GI食の実践は難しそうです。 低GI食か高GI食か。3つのポイントを覚えておけば、おおむね低GI食になります。ポイント1は、甘すぎるものに注意する。甘さはほとんどがブドウ糖によるもの。砂糖をそのまま使ったお菓子や甘い果物は、一般的にGI値が高いと考えてください。 ポイント2は、主食は「白」より「茶色」寄りのものを選ぶ。米、パン、うどん、パスタといった主食はほぼ糖質ですが、GI値は食べ物の色で異なり、白米より玄米、白い食パンより茶色のライ麦パン、うどんよりそばの方がGI値は低めです。色がついているものほど精製されておらず、食物繊維が多いため、血糖値の上昇が緩やかになるからです。 ポイント3は、食物繊維の量を意識する。主食の見分け方と同様で、食物繊維が多いものはGI値が低め。果物ではスイカやメロンより、グレープフルーツやリンゴ、お菓子ではケーキより高カカオのチョコレートの方が、GI値が低いのです。 Q:白米が大好き。集中力や記憶力は上げたいですが、好きなものも食べたい……。わがままな希望でしょうか。 A:そんなことは全くありません。高GI食でも低GI食に変える裏技があります。いくつか紹介しましょう。まずは、1度に食べる量を少なくする。白米のような高GI食は小分けにしてちょこちょこ食べると血糖スパイクが起こりにくい。次に、ベジファーストやミートファースト、フィッシュファーストを実践する。要は、野菜、肉、魚などを先に食べる。最後に白米を食べれば、血糖値の急上昇を抑制できます。 たとえばとんかつ定食。脳のパフォーマンスアップにおいては、とてもおすすめ。キャベツから食べ始め、とんかつや味噌汁に進み、最後にご飯を食べる。とんかつは油を使って調理しているので、油が腸壁に膜を作って糖分の吸収を遅らせる点もいい。 この「腸壁に膜を作る」も押さえておきたい裏技で、油と同様、乳製品も役立ちます。食パンにチーズをのせ、牛乳やヨーグルトと合わせれば食パン単体では高GI食でも、トータルでは低GI食になります。さらに、酸味も低GI食を実現させる裏技です。お酢やレモンですね。ラーメン、餃子、唐揚げなどには、ぜひこれらをかけてください。 Q:裏技を押さえていれば我慢不要。 A:まさにそうなのですが、一番大事なのは「無理をしない」。低GI食は脳のパフォーマンスアップにつながりますが、無理やりすれば脳にストレスがかかり、かえってパフォーマンスが下がります』、「ポイント1は、甘すぎるものに注意する」、「ポイント2は、主食は「白」より「茶色」寄りのものを選ぶ」、「ポイント3は、食物繊維の量を意識する」、「1度に食べる量を少なくする。白米のような高GI食は小分けにしてちょこちょこ食べると血糖スパイクが起こりにくい」、「ベジファーストやミートファースト、フィッシュファーストを実践する。要は、野菜、肉、魚などを先に食べる。最後に白米を食べれば、血糖値の急上昇を抑制できます」、「「腸壁に膜を作る」も押さえておきたい裏技で、油と同様、乳製品も役立ちます」、確かに効果がありそうだ。
・『朝食抜きは脳の発達を遅らせ感情的に  Q:受験合格を目指す子供の食を脳科学の視点からサポートする「受験フードマイスター養成講座」のカリキュラム「頭がよくなる食事」も担当されていますよね。 A:脳科学を生かした子育ての研究を行っていることもあり、全国の幼稚園・保育所で講演を行っています。その中で、「子供が言うことを聞かない」「キレやすい」「落ち着きがない」といった相談を受けることが非常に多いのです。 いま、朝食を食べないお子さんが増えていますよね。記憶や感情、行動の抑制など高度な精神活動をつかさどる脳の前頭前野は28歳までに成長するのですが、成長期に朝食を取らず脳のエネルギー源が不足すると、前頭前野の発達が遅れてしまう。すると感情が抑制しづらくなり、キレやすくなる。 低血糖で集中力が欠け、落ち着きがなくなる。「ウチの子供はADHD(注意欠陥多動性障害)なのでしょうか?」といった相談もよく受けるのですが、いろんな要因があるものの、低血糖も大いに関係しているでしょう。食を通して、子供たちの脳のパフォーマンスを上げられないか。そのためには親が正しい知識を持つことが不可欠です。養成講座では、エビデンスに基づいた具体的な食事法を紹介しています。食事は本来楽しいもの。正しい知識で、親子ともに幸せになって欲しいと考えています。(聞き手=和田真知子/日刊ゲンダイ))(西剛志氏の略歴はリンク先参照))』、「記憶や感情、行動の抑制など高度な精神活動をつかさどる脳の前頭前野は28歳までに成長するのですが、成長期に朝食を取らず脳のエネルギー源が不足すると、前頭前野の発達が遅れてしまう。すると感情が抑制しづらくなり、キレやすくなる。 低血糖で集中力が欠け、落ち着きがなくなる。「ウチの子供はADHD(注意欠陥多動性障害)なのでしょうか?」といった相談もよく受けるのですが、いろんな要因があるものの、低血糖も大いに関係しているでしょう」、「食を通して、子供たちの脳のパフォーマンスを上げられないか。そのためには親が正しい知識を持つことが不可欠です」、同感である。
タグ:『酒好き医師が教える最高の飲み方(日経ビジネス人文庫)』 日経ビジネスオンライン「酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは… 酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!」 健康 (その23)(酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは… 酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!、【サプリメントを飲んでいる人は要注意!】サプリメントを飲むと死亡率があがる?、病気予防を目指すなら ウォーキングは1日何歩がいい? 高血圧は1日8000歩程度 糖尿病は1日9000歩程度で頭打ち、脳科学者が提言「低GI食は脳のベストパフォーマンスを引き出す」子どもの成績にも影響) 「酒は「毒」か「薬」か?」、ハッキリしてほしいものだ。 「適量の飲酒が死亡率を下げるという報告」、「その多くが「健康に良い可能性はある」が、まだ「議論のある」段階。つまり、エビデンスレベルが「やや弱い」ことは否めない」、「最新の研究では、少量の飲酒でも死亡リスクが上がるという報告」、「「適量」といっても、日本酒で1合、ビールで中瓶1本って、左党にとっては物足りないですよね…」、その通りだ。 「お酒が好きなら、飲酒の健康リスクをとって、お酒を楽しみたいと思うでしょう。そんな人たちは「どの程度のリスクなら許容できるか」を考えながら飲むべきです。この本は、そのための判断材料になりますね」、それは有難い。 「抗酒剤」については初めて知った。私も「世話になりたくない」ものだ。「アルコールの強さについては、遺伝子検査やアルコールパッチテストで調べてみることをお勧めします」、なるほど。 「酒は飲むものではなく、味わうもの」、味わい深い言葉だ。「その日の体調と相談しながら酒量を決めてください」、「お酒と一緒にたんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンなどをバランスよく含んだおつまみを食べる。つまり、お酒は料理と一緒に味わうもの」、私も「酒」を「味わい」たい。 ダイヤモンド・オンライン 林 英恵氏による「【サプリメントを飲んでいる人は要注意!】サプリメントを飲むと死亡率があがる?」 「現在の最新のエビデンスに基づいた健康に関する情報を集め、最新の健康になるための技術をまとめていきます」、「今回は、「サプリメントは健康にいいのか? 悪いのか?」についてです」、興味深そうだ。 「世界では約1232億ドル(日本円にして約12兆円)以上で、日本でも約1兆3729億円の市場」、かなり大きな市場だ。 「βカロテンのサプリメントを常用することで、逆に肺がんや胃がんのリスクを上げることが指摘」、「効果がないだけではなく、かえってがんの発生率や死亡率を上げる可能性があるということで、当時大きなニュースとなりました。サプリメントについて語る上で欠かせない話となっています」、 「「なんとなく健康によさそうだから」といった曖昧な理由や臆測で、任意にサプリメントをとることはお勧めしません。専門家の判断を仰がないでとるサプリメントに関して、長期的に健康に好ましい効果が見込めるものは、今のところないと考えましょう」、なるほど。 「体の中でのメカニズムとして特定の栄養分が良いこと(生化学的な考察や概念的なことで、エビデンスではありません)と、実際にサプリメントでそれを摂取した時に出る体の反応や健康・病気との関係(臨床医学や公衆衛生学的なエビデンス)は別のものだということです」、 「動物実験や絶句するような質の低い研究でも、あたかも万人に向けて伝えられるほど強いエビデンスがあるように伝えるのが、宣伝・ビジネスの技」、騙されないよう気をつけたいものだ。消費者を惑わすような悪質な広告は厳しく取り締まるべきだ。 「健康に不安がある場合や、サプリメントの摂取が必要かもしれないと感じる場合は、まず医師や管理栄養士に相談しましょう。そして、専門家の助言により、今服用しているサプリメントがある場合は、勝手にやめないようにしましょう。また、処方された薬がある上でサプリメントを服用したい人は、必ず医師に飲んでいるサプリメントについて話をするようにしましょう」、その通りだ。 日経Gooday 大西淳子氏による「病気予防を目指すなら、ウォーキングは1日何歩がいい? 高血圧は1日8000歩程度、糖尿病は1日9000歩程度で頭打ち」 「米Vanderbilt大学医療センター」のものは本格的な実証研究のようだ。 「肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、うつ病の4疾患の発症リスクは、1日の歩数が増えると、ほぼ直線的に低下していました。例えば肥満リスクは、肥満発症の有無に関する情報が得られた人たちの1日あたりの歩数の中央値(8280歩)から1万歩に増えた場合には、31%低下することが明らかになりました。また、研究参加時点のBMIも考慮して分析すると、たとえばBMIが28だった人が歩数を1日6000歩前後から1万1000歩まで増やすと、肥満発症リスクは64%低下すると推定」、 「1日の歩数に基づいて参加者を4等分し、歩数が下位25%だった人と上位25%の人のこれら6疾患の発症リスクを比較・・・1日に6000歩程度しか歩かない人が、歩数を2倍弱まで増やせば、個々の疾患のリスクはおおよそ4分の1から2分の1程度低下することが示されました」、「糖尿病、高血圧という2疾患と1日の歩数の関係は非線形で、比例関係は見られませんでした。糖尿病はおおよそ1日9000歩、高血圧は1日8000歩までは、歩数が増加するにつれて発症リスクが低下しましたが、それ以上歩いてもリスク低下は見られなくなってい 日刊ゲンダイ 西剛志氏による「脳科学者が提言「低GI食は脳のベストパフォーマンスを引き出す」子どもの成績にも影響」 「ポイント1は、甘すぎるものに注意する」、「ポイント2は、主食は「白」より「茶色」寄りのものを選ぶ」、「ポイント3は、食物繊維の量を意識する」、「1度に食べる量を少なくする。白米のような高GI食は小分けにしてちょこちょこ食べると血糖スパイクが起こりにくい」、「ベジファーストやミートファースト、フィッシュファーストを実践する。要は、野菜、肉、魚などを先に食べる。最後に白米を食べれば、血糖値の急上昇を抑制できます」、「「腸壁に膜を作る」も押さえておきたい裏技で、油と同様、乳製品も役立ちます」、確かに効果があり 「記憶や感情、行動の抑制など高度な精神活動をつかさどる脳の前頭前野は28歳までに成長するのですが、成長期に朝食を取らず脳のエネルギー源が不足すると、前頭前野の発達が遅れてしまう。すると感情が抑制しづらくなり、キレやすくなる。 低血糖で集中力が欠け、落ち着きがなくなる。 「ウチの子供はADHD(注意欠陥多動性障害)なのでしょうか?」といった相談もよく受けるのですが、いろんな要因があるものの、低血糖も大いに関係しているでしょう」、「食を通して、子供たちの脳のパフォーマンスを上げられないか。そのためには親が正しい知識を持つことが不可欠です」、同感である。
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医療問題(その37)(執刀は研修医 ドナーは生きた女性…日本人男性患者(53)が目撃した“海外臓器移植ツーリズム”の恐怖「意識は戻りましたか?」「ついさっき死んだ」、《暴行動画流出》白衣の男が患者に蹴りを2発 さらに顔面にも…暴行看護師がはびこる「ふれあい沼津ホスピタル」の闇「犬のほうがよっぽどかわいい」と患者に暴言も、《深層スクープ》東京女子医大に“診療報酬の不正請求”疑惑!「ICU死亡事故で厚労省が“緊急調査”」 東京女子医大の闇#15) [生活]

医療問題については、昨年6月16日に取上げた。今日は、(その37)(執刀は研修医 ドナーは生きた女性…日本人男性患者(53)が目撃した“海外臓器移植ツーリズム”の恐怖「意識は戻りましたか?」「ついさっき死んだ」、《暴行動画流出》白衣の男が患者に蹴りを2発 さらに顔面にも…暴行看護師がはびこる「ふれあい沼津ホスピタル」の闇「犬のほうがよっぽどかわいい」と患者に暴言も、《深層スクープ》東京女子医大に“診療報酬の不正請求”疑惑!「ICU死亡事故で厚労省が“緊急調査”」 東京女子医大の闇#15)である。

先ずは、本年2月26日付け文春オンライン「執刀は研修医、ドナーは生きた女性…日本人男性患者(53)が目撃した“海外臓器移植ツーリズム”の恐怖「意識は戻りましたか?」「ついさっき死んだ」」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/60962
・『日本で初めて、臓器移植の斡旋の疑いで逮捕者が出ることになった、NPO法人「難民患者支援の会」をめぐる事件が医療業界を震撼させている。逮捕されたのは、「難病患者支援の会」理事の菊池仁達容疑者(62)。肝臓移植を希望する日本人男性をベラルーシへ渡航させ、無許可で移植手術を受けさせた疑いが持たれている。 都内にクリニックを持つ医師の紹介で腎臓の移植手術を受けるために小沢克年さん(53)がキルギスにたどり着いた時、そこで待っていたのも菊池容疑者だった――。(全4回の3回目/#1、#2、#4を読む) 小沢さんは2021年11月12日、医師に指定された口座に腎臓移植の手術費用2170万円を振り込み、12月1日に日本を出国した。 まず中央アジアのウズベキスタンに飛び、そこから移動してキルギスの国立病院で手術を受けるのだという。小沢さんの手術の手続きをした医師は、執刀外科医について「臓器移植の最高のドクターの1人です」と渡航前に説明している。また、小沢さんが受け取った資料にも、現地の医療体制を称賛する記載がある』、「指定された口座に腎臓移植の手術費用2170万円を振り込み」、かなり高いようだ。
・『「担当は『カタールの軍医』と名乗るエジプト人医師でした」  《経験豊富なインド人外科医(英国にて医学博士号取得)とトルコ人外科医(英国にて医学博士号取得)を中心にした移植チーム》 《私が信頼しているDr.Aに紹介状を出します。Dr.Aが現地移植チームと詳細を打合せします》 小沢さんはこうした記述を信じて渡航を決断したが、そんな“最高の移植チーム”は幻だったことが、現地に入りすぐに発覚する。小沢さんは憤りながら話す。 「執刀を担当するA医師本人が空港にピックアップにくると聞いていましたが、『OZAWA』と書いたプラカードを持っていたのが、見るからに少年の顔をしたヤツなんです。聞いてみると、現地医大に通う大学生でした。病院についても資料にあったインド人やトルコ人の医師はおらず、担当は『カタールの軍医』と名乗るエジプト人医師でした。ウズベキスタンでは検査などをすると言われたのですが、渡航前に言われていた国立病院ではなく、産婦人科メインの民間病院でした。しかも医療器具を運び込む時もエレベーターに蹴って無理に押し込むなど、滅茶苦茶でした」 手術の日程も、どんどん後ろに延びていく。 「手術日は当初12月10日と聞いていましたが、まず24日と後ろにずれこみました。エジプト人医師はクリスマスホリデーで帰国すると言っていましたし、術後のケアをちゃんとしてもらえるのか不安でした。結局、『安心だ』という医師の説明とは何もかも違っていたんです」) ウズベキスタンの時点で不信感を感じていたが、実際に手術を受けるキルギスに入国した小沢さんを待っていたのは、なんと「難病患者支援の会」の菊池容疑者だった。小沢さんは都内の医師が渡航手術の仲介をしてくれたと思っていたが、急なスケジュールで詳細を確認できていないこともあり、実際は「難病患者支援の会」の管轄であることに気づかなかったのだ。 「キルギスのホテルに到着して、翌朝の朝食会場に菊池がいたんです。菊池は『やっと会えたね、小沢さん!』と話しかけてきました。僕は驚きながら『あれ、菊池さんのところなんですか?』と聞くと、『ウチ以外できるわけないじゃん!』と彼は笑っていましたよ。『難病患者支援の会』にはいい印象がなかったので失敗したなぁと思いました」』、『難病患者支援の会』はいい加減なようだが、「手術費用2170万円」を既に支払ってしまったのであれば、やむを得ない。
・『「犬の餌にでもなってんじゃねえか?」  キルギスには小沢さん以外に、半年前から滞在して移植を待つ日本人患者が男女1人ずついた。別のホテルでは10人ほどのアラブ人も移植手術を待っていた。小沢さんは現地にいた日本人とともに、治療を受けながら手術を待つ日々を送ることになった。 「夕食は患者3人と菊池で毎日一緒に食べていました。菊池は高飛車で、飲むと饒舌になり、いつも患者に説教を始めるんです。『そんなでっかい身体だと治るもんも治らないよ。運動足りてないんじゃない?』と絡んでくるので、『ついこの間までグラウンドを走り回ってたんだ、俺は!』とキレてしまいました。菊池が酔っ払って『先月、別の団体で移植のためにパキスタンに渡った日本人2人が行方不明になった』と話したことがあります。『2人はどうなったんですか』と聞いたら、『今ごろ犬の餌にでもなってんじゃねえか?』と笑っていました。どういう心境だったんでしょう」 縁を切ったはずの「難病患者支援の会」のてのひらの中に意図せず入り込んでしまった小沢さんだが、すでにキルギスまで来ており引き返すこともできなかった。しかし、やはりこの手術ツアーが臓器売買である気配を感じたのも、到着から数日後だったという。 「いつものように外へみんなでご飯を食べに行くと、酔っ払った菊池が『今日心電図いったでしょ? そん時、待合室に女の人がいたでしょ?』と聞いてきました。そして『それが小沢さんのドナーだよ』と言われたんです」) 小沢さんは渡航前、仲介した都内にクリニックを持つ医師から「合法だ」と聞いていたため、死体からの移植だと思っていた。しかし生きている人からの移植となれば話は変わってくる。 「ホテルに帰って現地で世話をしてくれた難病患者支援の会の日本人の男性コーディネーターに確認すると、『モデルみたいな綺麗な人です』と言われて、全然話にならない。臓器売買みたいなことをしちゃったらサポートしてくれた仲間に顔向けできないと思い菊池に相談すると『大丈夫、ちゃんと死体からもらったように診断書は作るから安心して!』と言われ、唖然としました」 ウクライナで2017年、臓器売買で逮捕された50代のトルコ人ブローカーが、ウクライナ人の貧しいドナーをキルギスに連れてきて、菊池容疑者が『ドナー料』を払い紹介してもらう。ウクライナ人ドナーには、日本人名義の偽造パスポートが渡され、ドナーと患者は親族という建前で移植を行う。そんな流れを知ったのも後になってからのこと。難病患者支援の会のパンフレットでは「NPOとして現地ドナーとの接触は皆無であります」と否定しているが、裏ではブローカーと協力した売買が行われていたようなのだ。 小沢さんの心は揺れた。自分が臓器売買に関わるつもりはない。しかしすでに2000万円以上の大金を振り込み、息子も友人から「お父さん、募金詐欺師なの?」と不信感を向けられたことで引くに引けなくなっていた。そして何より、手術を受けなければ自分の余命がいくばくもないことが決断の邪魔をした。 それでも小沢さんは、最終的に手術を断念した。それは別の日本人患者の手術が、大失敗に終わったことがきっかけだった』、「死体からの移植だと思っていた。しかし生きている人からの移植となれば話は変わってくる」、「最終的に手術を断念した。それは別の日本人患者の手術が、大失敗に終わったことがきっかけ」、なるほど。
・『一緒に手術を待っていた2人が死亡、1人が意識不明に  「渡航から2週間ほどたった12月中旬、現地で半年待っていた50代の日本人女性と、アラブ人3人が第一陣で手術を受けることになったんです。その中の1人のアラブ人女性の夫に手術後にたまたま会うと『まだ妻の意識が戻らないんだ』と青ざめた顔をしていました。そして翌朝、『意識は戻りましたか?』と聞くと『ついさっき死んだ』と言われました……」 手術に失敗して命を失う。「次は自分の番」と感じ、小沢さんは言葉を失った。 「手術を受けた4人のうち、数日以内にアラブ人2人が死亡したんです。日本人女性もしばらく意識が戻らず、重苦しい空気が流れていました。その数日前にも日本人男性が部屋のトイレにうずくまっているのが見つかり、『うー』とうめきながらコーディネーターの腕に抱きかかえられて急死したばかりでしたから」 手術ミスの原因は、何だったのか。 「後にわかったミスの原因は、麻酔の過剰投与でした。そもそも、この病院は産婦人科などが専門で、腎臓手術の経験は全くなかったんです。日本人女性のオペに至っては、腎臓を移植しようとしたら、動脈の長さが足りず、太ももを20センチ切って動脈を取り、それで何とかつなげたというお粗末さ。担当した人はこともあろうか、研修医でした。小学生の図画工作じゃねえんだよと怒りがわいてきました」) 小沢さんの菊池容疑者らへの不信は募っていく。手術後には、難病患者支援の会のコーディネーターが「キルギスの現地警察が動き始めた。エジプト人医師との連絡もつかなくなった」と慌てだし、小沢さんら患者たち、難病患者支援の会のスタッフ一同は警察の目を逃れて一度ウズベキスタンに移動した。 そして年が明けた2022年1月、ついに小沢さんは移植を諦め、手術をした日本人女性らと共に帰国することを決めた。菊池容疑者は不安を募らせる患者たちをなだめようと、小沢さんには「日本人女性はあと2週間で良くなるから心配ない」と伝えていたが、現実は非情だった。 「女性は飛行機に乗る前から顔が土気色で歩くこともできませんでした。成田空港に着くと救急車で千葉の病院に運ばれ、結局、キルギスで移植した腎臓は摘出されることになりました。日本の医師は摘出後、『腎臓が溶けていた。あと1時間遅ければ死んでましたよ』と言ったそうです。そもそも女性は手術後に意識を取り戻したときも、『痛くて歩けない』と訴えていました。それに対して菊池は『本当に痛いの?』と信じず、『おしっこが出るようにするため』と無理矢理歩かせていたんです」』、「女性」は「成田空港に着くと救急車で千葉の病院に運ばれ、結局、キルギスで移植した腎臓は摘出されることになりました。日本の医師は摘出後、『腎臓が溶けていた。あと1時間遅ければ死んでましたよ』と言ったそうです」、悪質な手術詐欺だ。
・『「『生きられて5年』と言われた貴重な時間を浪費させられた…」  結局、キルギスへの“移植ツーリズム”では少なくとも日本人1人を含む3人が死亡したことになる。小沢さんは怒りに震えながらこう話す。 「『生きられて5年』と言われてから既に3年経ちました。その貴重な時間を悪質な業者に浪費させられたことに怒りが収まりません。募金だってラグビーの教え子や父兄だけでなく、『がんばれ小沢克年』『ラガーマン』と匿名でお金を振り込んでくれた人も含め、みんなの善意で集まったものなんです。だから絶対に金は取り返したいと思っています」 臓器移植の斡旋で逮捕されたのは国内で菊池容疑者が初めてだが、巨額のお金を仲介業者に払って手術のために海外へ渡航し、臓器売買に関わる患者は後を絶たない。自らの命の危険が迫る中で、グレーな方法に手を出さない確信がある人間などどれほどいるものだろう。こうした現状について小沢さんは今、何を思うのか。 「海外でのグレーな移植が横行しているのは事実ですが、国内では命が助からない患者が多くいるのも事実です。ドナーが増えてほしいとは思いますが、僕だって23歳の息子や20歳の娘たちが脳死状態になった時に、腹を開いてその臓器を『さあどうぞ』とできるかは自信がない。僕自身はそれを赤の他人に求めているというのに……。僕は自分が死んだら角膜でも肝臓でも何でも使ってくれと思うようになりましたが、それだって家族の同意がなければ認められない。だから本当にどうすればいいのかはわかりません」 小沢さんは現在は透析治療を続けつつ、次の一手を決めかねている。募金についてはひとまず、今後訴訟で取り返すための準備を進めているという。回復の道が見えない患者たちにとって、臓器移植は唯一の希望の灯といえるだろう。こうした患者らを食い物にしてきた菊池容疑者の犯行は、到底許されるものではない』、「募金についてはひとまず、今後訴訟で取り返すための準備を進めている」、既に海外での工作資金や謝礼などで支払われていて、取り戻すのは困難だろう。「回復の道が見えない患者たちにとって、臓器移植は唯一の希望の灯といえるだろう。こうした患者らを食い物にしてきた菊池容疑者の犯行は、到底許されるものではない」、確かに極めて悪質だ。

次に、3月1日付け文春オンライン「《暴行動画流出》白衣の男が患者に蹴りを2発、さらに顔面にも…暴行看護師がはびこる「ふれあい沼津ホスピタル」の闇「犬のほうがよっぽどかわいい」と患者に暴言も」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/61012
・『精神科病院の保護室という密室で、目を覆いたくなるような事件が起こっていた。 無抵抗の患者に白衣の男が近づいて蹴りを1発、続けてもう1発。壁際に追い詰めてさらに顔に1発――監視カメラが捉えたのは、男性看護師による患者への暴行の瞬間だ。看護師の表情はうかがえないが、暴力を振るわれた患者のおびえきった表情が痛ましい』、「精神科病院」ではこれまでも「患者」への「暴力」事件が起きていたが、今回のも悪質だ。
・『病院の謝罪会見では報道陣から事件の隠蔽を疑う声も  この監視カメラ映像は、静岡県沼津市にある「ふれあい沼津ホスピタル」で昨年9月に撮影されたものだ。問題の動画が病院の外部へと流出したのは昨年末。不祥事の発覚を受けた病院は、謝罪会見を開き、現在は県警による捜査や関係機関の調査が継続している状況だ。大手紙事件担当記者が言う。 「流出したのは、50代の准看護師Xによる40代の男性患者に対する2件の暴行動画でした。職員による患者への虐待はXのものだけではなく、40代の看護師Yが70代の男性患者を車椅子ごと転倒させてケガを負わせていた事実も、病院の会見で明らかになっています。本人たちは病院の聞き取りに対し、『食事を床に落として食べることが続き、暴行してしまった』(X)『患者が他の患者に危険な行為をしたのを止めるため』(Y)にやむなく手をあげてしまったと説明。両職員は10月末に自主退職したとのことです」 監視カメラの記録によると、患者への暴行があったのは9月。問題が公になったのはそれから約3カ月後の12月だった。この間に匿名の通報が行政に寄せられており、一部報道機関の取材も始まっていた。当事者である病院の対応は後手に回った。 「会見では報道陣から事件の隠蔽を疑う声も上がりました。病院の代理人弁護士は『事実関係の把握と職員の処分に時間がかかった』と説明し、病院の職員も『認識が甘かった』と謝罪しましたが、暴行を行った看護師らへの処分は10月にさっさと終えているので、納得した記者はいなかったのではないでしょうか。事件についての詳細を話すことにも消極的でしたし、不信感の残る会見でした」(民放事件担当記者)』、「暴行を行った看護師らへの処分は10月にさっさと終えている」が、「問題が公になったのは」、「12月」隠蔽体質は酷いようだ。
・『映像があるのに病院の説明はしどろもどろ  事実、謝罪会見では明かされなかった複数の疑惑がある。匿名を条件に取材に応じた「ふれあい沼津ホスピタル」の現役職員のAさんが明かす。 「おかしなことはたくさんあります。まずはYの暴行なのですが、記者会見で事務長が『机を押すなどの迷惑行為をする患者さんを制止するために、Yが机を押して倒し、それと同時に被害患者も車椅子ごとひっくり返り指に擦り傷を負った』と説明した後に、記者から『蹴りもあったのではないか』と問われると『蹴っていたかもしれない……』といった具合で、映像があるにもかかわらずしどろもどろになっていました。実際の映像には、はっきりと蹴るというか踏みつける様子が映っています』、「映像があるのに病院の説明はしどろもどろ」、ろくに準備もせずに臨んだためだろう。
・『Yの暴行は命にもかかわりかねないものだった  Yの過剰な暴力を記録した映像もあるという。 「Yは机を押したどころか、かなり強い力で投げ飛ばしており、机は患者さんの頭上を飛び越えるように飛んでいます。机は4人がけの四角い木製のもので成人男性でも一人で持つのはちょっとしんどいと感じるくらいの重さがあります。なので、一歩間違えれば命にもかかわりかねないとんでもない行為だったんです。しかも、車椅子で倒れた患者さんをYは乱暴にひきずって動かし、踏みつけるように蹴りをいれていました。『蹴ったかもしれない』なんてレベルではありません。病院幹部は、残された動画をしっかり確認しておきながら、きちんと説明していないんです。これは患者さんの家族に対しても同様で、会見では『被害届を出す意向がなかった』と家族の対応を明かしていますが、そもそも家族は詳しい暴行を知らされていなかった。単に手の傷を負ったとしか説明されていなかったようで、車椅子ごと転倒していたことも会見で初めて知ったくらいですから。こういう事情があるので病院上層部は隠蔽しようとしていたと確信しています」(Aさん) 穏当な表現で暴行の事実を覆い隠そうとしていたなら由々しき事態だ。Xに関するAさんの証言も重い』、「病院上層部が隠蔽しようとしていた」のは確かだろう。
・『表に出ていないだけで他にも数々の問題が  「病院上層部は、暴行は他にないと断言しましたが、彼の虐待行為は常習的でした。今回の被害者の他にも異常なほどXを恐れる患者さんが複数いるんです。50代の女性患者はXに腕を思い切り掴まれ暴力をふるわれた。『こんなの暴力じゃない、もっとひどいことをしてやろうか』などと言われたと訴えています。患者さんに対して『犬のほうがよっぽどかわいい』と暴言を吐くなど、振る舞いからして問題がありました」 看護職員のBさんは病院上層部の“隠蔽体質”を強く非難した。 「院長や看護部長らは会見で、Xの暴行が2件、Yの暴行が1件の計3件しか問題はなかったと話しています。表に出ていないだけで、Xが数々の問題を起こしていたことは多くの職員が知っています。XとYの2人だけじゃありません。例えば、患者さんが『バケツで殴られた』『何かで叩かれた』と訴えていたという記録が残っています。この患者さんの担当職員は女性で、別の職員が暴行をしていた証拠です。私自身は他の精神科病院での勤務の経験もありますが、ここまで職員の看護態様がひどい病院は他に知りません」』、「院長や看護部長らは会見で、Xの暴行が2件、Yの暴行が1件の計3件しか問題はなかったと話しています」、「表に出ていないだけで、Xが数々の問題を起こしていたことは多くの職員が知っています。XとYの2人だけじゃありません。例えば、患者さんが『バケツで殴られた』『何かで叩かれた』と訴えていたという記録が残っています。この患者さんの担当職員は女性」、「ここまで職員の看護態様がひどい病院は他に知りません」、なるほど。
・『全職員と患者へのアンケートを実施  病院は今回の事件を受け、全職員と患者をあわせた約480人を対象にしたアンケートを行った。Bさんによると、職員や患者の話から、XとYの他にも少なくない人数の職員の虐待行為を訴える声が集まっている可能性が高いという。 「明るみに出ていない問題が山積しているのに、病院上層部はその場しのぎで今回の問題を片付けようとしているのは明白です。平気で嘘もつく。例えば会見でYについて、問題発覚後に患者と関わらない看護部長付に異動させたと言っていましたが、外来で患者さんの相手を普通にしていましたよ。さらに、上層部は誰がXの暴行動画を流出させたのかという犯人捜しに躍起になっています。問題を矮小化しようとする上層部に愛想がつきたので、取材に応じることにしました。記者会見でもマスコミに指摘されていましたが、病院は間違いなく暴行、虐待を隠蔽しようとしていた。少なくとも現場の人間の多くはそう考えています」(Bさん)』、「病院は間違いなく暴行、虐待を隠蔽しようとしていた。少なくとも現場の人間の多くはそう考えています」、なるほど。
・『事件の背景に厳しい看護現場  別の職員Cさんはこうも話している。 「うちの病院は利益至上主義で、採用も抑えて職員の人数もギリギリなんです。まるで十分な人員がいるかのように対外的には振舞っていますが、実際はもっと少ない。多めにサバを読んでいるんです。患者に手を出したXやYの暴行は断じて許すことはできませんが、厳しい看護現場のある種の『被害者』であるとも言えるんです」 医療現場の過酷さはつとに知られ、精神科は患者への対応も難しく神経をすり減らす職場だ。人手の少なさ、膨大な仕事量は暴行・虐待の言いわけにはならないとCさんは重々分かっているが、あえて言う。 「Xの暴行は精神状態が特に悪い患者さんを隔離する保護室という密室で行われました。病院のルールでは保護室での対応は職員2人でやることになっている。しかし、実際に2人で看護をすることは人数の問題から不可能なんです。別の職員の目があればXもあんなことはできなかったでしょう。現場を全く理解していない加藤政利院長や石川洋二事務責任者、栗原えみ看護部長はしっかりと再発防止に向けて膿を出して欲しいです」 昨年末以降、「ふれあい沼津ホスピタル」は揺れに揺れている。患者家族に対して行われた説明会では、病院側の対応に一部家族が強く抗議して紛糾。院内の研修では現場職員と経営陣が激しく衝突したという。事件の全容解明に向け静岡県警の捜査も続く。 一連の職員からの告発について「ふれあい沼津ホスピタル」を取材したが、期限までになんら回答はなかった。 まさに内憂外患。病院自身が抱える病は、果たして治せるか。 文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい』、「ルールでは保護室での対応は職員2人でやることになっている。しかし、実際に2人で看護をすることは人数の問題から不可能なんです。別の職員の目があればXもあんなことはできなかったでしょう」、「院内の研修では現場職員と経営陣が激しく衝突したという。事件の全容解明に向け静岡県警の捜査も続く」、「静岡県警」は「病院」「経営陣」に忖度せずに、法的妥当性だけで判断してもらいたいものだ。

第三に、3月10日付け文春オンライン「《深層スクープ》東京女子医大に“診療報酬の不正請求”疑惑!「ICU死亡事故で厚労省が“緊急調査”」 東京女子医大の闇#15」を紹介しよう。
・『医療ミスで患者が死亡した、東京女子医科大学病院(東京・新宿区)のICUについて、「医師の勤務記録に不備がある」と、厚生労働省の立ち入り調査で指摘されたことが分かった。 “ICUの管理日誌に、医師が何時から勤務しているかの記載が抜けている”、“管理日誌がなかった日もある”など、定められた記録がなく、診療報酬の不正請求にあたる可能性が高いという。患者の命を守る“最後の砦”であるICUの杜撰な管理実態を追及する。 東京では珍しく氷点下まで冷え込んだ、1月30日の朝。女子医大病院・総合外来センターの正面玄関前に、地味なコート姿の男たちが次々と現れた。患者やその家族とは異なる、厳しい雰囲気を漂わせ、交わす言葉も少ない。5人ほど集まると、首に身分証をかけた病院職員が、正面玄関を避けるように裏手の通用門に彼らを誘導していく。すると、また同じような外見の5人が集まってきた。今度は女性の姿も混じっている。患者に対する配慮か、それとも取材を意識しているのか、分散して集合する手順だったらしい。 このようにして女子医大病院に入った約17人は、厚労省で医療機関の監査などを行う、関東信越厚生局の調査官だった。 去年12月、女子医大病院で発生した「ICUの死亡事故」(#10を読む)を、文春オンラインがスクープした1週間後、女子医大の岩本絹子理事長宛に、関東信越厚生局長から「個別指導」と「適時調査」を行う通告書が届いていたのである』、どういうことなのだろう。
・『「個別指導と適時調査が、同時に行われるのは異例」  個別指導とは、厚生局が指定した患者に関して、カルテや看護記録、処方箋、領収書などの記録を全て提出させて調べ、不備があったら指導を行う。今回は30人の患者が指定された。 一方、適時調査は、病院が施設基準として定められた“要件”を満たしているかを確認するものだ。 いずれも保険診療が適切に行われているか、厳しく調査するのが目的である。今回、厚生局の姿勢はこれまでとは明らかに違っていた、と女子医大関係者は話す。 「個別指導と適時調査が、同時に行われるのは異例です。過去20年間で記憶にありません。厚生局からの通知が届いたのが、文春オンラインでICU死亡事故が報道された1週間後ですから、当然、ICUが徹底的に厳しく調査されるだろうと予感しました」』、「厚生局からの通知が届いたのが、文春オンラインでICU死亡事故が報道された1週間後」、なるほど。
・『勤務記録がないICUの管理日誌  人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)などを使い、命の危機に瀕した患者を“24時間体制”で、集中治療医と看護師が治療や看護を行うのが、ICU(集中治療室)だ。新型コロナの重症患者を救い、多くの人がその存在を知るようになったが、高度な外科手術を受けた患者の管理などもICUの重要な役割であり、大学病院にとって「医療安全の砦」というべき重要な部門である。 去年8月時点で、女子医大病院のICUには10人の集中治療医が在籍し、ベッド数は全国トップクラスだったが、経営陣の不可解な懲戒処分を受けるなどして、同9月までに9人が退職に追い込まれた。 そして、その翌月、専門医不在のICUで、消化器外科医が60代の患者から胸水(胸膜腔に溜まった水)を抜く際、ミスをして死亡させる事故が起きたのである。(#14を読む) 女子医大病院を監督指導する立場にある関東信越厚生局としては、死亡事故が起きたICUについて厳しくチェックするのは必然だった。一体、どのような指導が行われたのか。担当の病院事務長が、2月10日の病院運営会議で教授たちにこう報告した。 「ICUの管理日誌に、誰が夜間に勤務しているのか、何時から勤務しているのか、という記載が抜けている、または日誌が無かった日もございました。ICUについては常時、医師が24時間いなくてはいけないという要件がありますが、(厚生局からは)ずっと医師がICUにいることが確認できない、という指摘がございました。最悪、要件を満たさないものに関しては、過去5年間調べて、(診療報酬の)返還という可能性もあります」(一部要約・抜粋)』、「ICUには10人の集中治療医が在籍」していたが、「経営陣の不可解な懲戒処分を受けるなどして、同9月までに9人が退職」、「専門医不在のICUで、消化器外科医が60代の患者から胸水(胸膜腔に溜まった水)を抜く際、ミスをして死亡させる事故が起きた」、「女子医大病院を監督指導する立場にある関東信越厚生局としては、死亡事故が起きたICUについて厳しくチェックするのは必然だった」、「ICUについては常時、医師が24時間いなくてはいけないという要件がありますが、(厚生局からは)ずっと医師がICUにいることが確認できない、という指摘がございました。最悪、要件を満たさないものに関しては、過去5年間調べて、(診療報酬の)返還という可能性もあります」、これは一大事だ。
・『診療報酬の不正請求になる可能性が高い  女子医大病院のICU管理日誌は、勤務時間帯ごとの医師の名前、入室患者数、病名などを、医師が入力したものをプリントアウトし、責任者の印を押して保存していたという。仮に、医師が24時間体制で勤務していなければ、診療報酬の不正請求になる可能性が高い。女子医大の関係者は、次のように証言した。 「厚生局の調査は、管理日誌と医師の出勤簿を突き合わせるなど徹底しているので、不備があれば、すぐに見抜かれてしまいます。まして、ICUの集中治療医10人中9人が退職したと報道されているわけですから、誰が考えても24時間体制を維持できるわけがありません。医療事務の感覚として無理だと判断しますので、“誰かの指示”を受けて診療報酬を請求したということです」 厚生局の調査によって“ICUに夜間勤務した医師の記録がない”、という杜撰な管理実態が明らかになったが、集中治療医の大半が辞めたのに、なぜICUの維持にこだわったのか? 考えられるのが、“高い診療報酬”である』、「集中治療医の大半が辞めたのに、なぜICUの維持にこだわったのか? 考えられるのが、“高い診療報酬”である」、酷い話だ。
・『一般病棟の入院管理料と比較すると約6倍の収益  去年9月以降、女子医大病院のICUは、「特定集中治療室管理料3」の診療報酬で請求されていた。これは、患者1日あたり、「96,970円」(*注1)になり、一般病棟の入院管理料「15,660円」と比較すると、約6倍の収益になる。 ただし、「管理料3」のICUは「専任の医師が常時、特定集中治療室内に勤務していること」という要件が定められており、実際に24時間体制で医師が勤務している“記録”が必要だ。 (*注1:特定集中治療室管理料3で、7日以内の期間の場合) 先に述べた通り、去年9月以降、女子医大のICUには、集中治療医が1人しかいなかった。そこで経営陣は、24時間体制のICUを維持する、苦肉の策を掲げたのである。 「外科手術などを行なった各診療科の医師が、ICUで患者の集中治療も行う」 「夜間のICUは、心臓血管外科の医師が責任者として担当する」 経営陣の方針によって、医師が24時間体制で勤務する「ICUの要件」は満たされた。ただし、大学病院においてICUが「医療安全の砦」とされるのは、高い専門性とスキルを兼ね備えた集中治療医の存在が前提条件だ。 ではなぜ、心臓血管外科の医師が夜間のICUを担当させられたのか。詳しい経緯を知る、元女子医大の医師が内情をこう明かす』、「ICU」は「一般病棟の入院管理料と比較すると約6倍の収益」、なので、「経営陣は、24時間体制のICUを維持する、苦肉の策を掲げた」、なるほど。
・『心臓血管外科のスタッフ「夜間責任者を引き受けられない」  「心臓血管外科に所属する友人の話によると、以前から心臓血管外科では手術した患者をフォローするため、夜間当直をICUに置いていました。それで集中治療医がいなくなった去年9月以降、ICUの夜間責任者を担当するように言われたそうです。 しかし、ICUには脳外科や消化器外科の患者もいますので、修羅場に慣れている心臓血管外科でも急変した時の対応は難しい。それで心臓血管外科のスタッフが『他の診療科の患者については、一切の責任を負わせない旨を文書でほしい』と病院長に要求したそうです」 そして、病院長から文書が渡されたが、要求した内容は反映されていなかった。 “問題が起きた場合は、当院全体で責任を負う。心臓血管外科や医師個人のみに責任を負わせることはしない”(医師の記憶に基づく病院長の文書要旨) この内容では、他の診療科の患者について、完全に免責されることにはならないため、心臓血管外科のスタッフは、改めてICUの夜間責任者は引き受けられないと病院長に伝えたが、聞き入れられなかった。 「その後、ICUの管理日誌に夜間の責任者として、心臓血管外科スタッフの名前が勝手に使われていたそうです。それを知った同科スタッフは、板橋(道朗)病院長に抗議の文書を送りつけ、改めてICUの夜間責任者は引き受けられない、と伝えたと聞きました。その後に、厚生局の調査が入ったのです」(同前) こうした経緯で、夜間のICUに医師が勤務していた記録がない、という状況が起きたという』、「病院長から文書が渡されたが、要求した内容は反映されていなかった。 “問題が起きた場合は、当院全体で責任を負う。心臓血管外科や医師個人のみに責任を負わせることはしない”(医師の記憶に基づく病院長の文書要旨) この内容では、他の診療科の患者について、完全に免責されることにはならないため、心臓血管外科のスタッフは、改めてICUの夜間責任者は引き受けられないと病院長に伝えたが、聞き入れられなかった」、「厚生局の調査が入ったのです」(同前) こうした経緯で、夜間のICUに医師が勤務していた記録がない、という状況が起きたという」、「責任問題」を「病院長」が明確にしないため、「心臓血管外科のスタッフは、改めてICUの夜間責任者は引き受けられないと病院長に伝えたが、聞き入れられなかった」、こんなトラブルが背景にあったとは、病院側の対応は本当にお粗末だ。
・『ICUでは、死亡事故以外にも問題が頻発。医師不足で対応できず。  さらに、別の関係者によると、9月以降のICUでは、死亡事故以外にも問題が頻発していた。集中治療医の不在をカバーするため、ICUの患者に異変が起きると、救命救急センターや麻酔科の医師が駆けつけることになっていたが、医師不足で対応できないケースがしばしば起きていたのだ。 こうした状況に対し、女子医大の40代医師は、医療安全体制の崩壊を引き起こしたのは、経営陣だと批判する。 「夜間のICUに専任の医師が不在なのに、『特定集中治療室管理料 3』を得ていたのなら、診療報酬の不正請求ですし、そもそも集中治療科の医師に、嫌がらせのようなこと(懲戒処分など)を繰り返して辞めさせたのは、現経営陣です。一貫性がなく、行き当たりばったりの経営が、現在の混乱した状況を引き起こしました」 振り返れば2001年に、女子医大病院で心臓手術を受けた、当時12歳の少女が死亡する事故が起きた。その遺族らが「診療報酬で不正請求をしているのではないか」として、厚労省に通報したという。その結果、カルテの改ざんや診療報酬の不正請求などが判明、女子医大病院は診療報酬の返還請求を受け、「特定機能病院」の承認を取り消された。 その後、2007年に再承認されたが、2014年にはICUで鎮静薬プロポフォールの過剰投与により、2歳男児を死亡させて、再び「特定機能病院」の承認は取り消しとなり、現在に至る』、「女子医大病院」「経営陣」の責任は重大だ。
・『現代の高度医療はICUと集中治療医がいてこそ成り立つ  特定機能病院とは、厚生労働大臣が承認した、高度医療の提供や開発などを担う医療機関を指す。診療報酬や補助金などで優遇され、医学部のある全国81の大学のうち、女子医大と新設校を除く全ての大学病院が、特定機能病院に承認されている。 女子医大の関係者によると、再び特定機能病院の承認を取るためには、医療安全体制の確立が絶対条件だと厚労省から示唆されていたという。 集中医療の最前線に立ってきた、帝京大学の福家伸夫名誉教授は、高度医療を行う大学病院のICUには、集中治療専門医の存在が必要不可欠と指摘する。 「ICUで管理する患者は生命の危機に瀕しているケースが多く、わずかな変化が致命的になるので、24時間体制で集中治療に専従する医師が必要です。人工呼吸器の管理技術も、集中治療専門医と非専門医では全然違います。現代の高度医療は、ICUと集中治療専門医がいてこそ成り立つ。女子医大病院が特定機能病院の再承認を目指すのであれば、診療体制を改善しICUを充実させる必要があります」 重大な医療事故を繰り返しながら、医療安全の要である、ICUの杜撰な実態が明らかになった女子医大病院。今後、厚労省から診療報酬の不正請求が認定された場合、岩本絹子理事長らの経営責任が問われることは必至だ』、「重大な医療事故を繰り返しながら、医療安全の要である、ICUの杜撰な実態が明らかになった女子医大病院」、「今後、厚労省から診療報酬の不正請求が認定された場合、岩本絹子理事長らの経営責任が問われることは必至だ」、今後の展開を注視したい。
タグ:(その37)(執刀は研修医 ドナーは生きた女性…日本人男性患者(53)が目撃した“海外臓器移植ツーリズム”の恐怖「意識は戻りましたか?」「ついさっき死んだ」、《暴行動画流出》白衣の男が患者に蹴りを2発 さらに顔面にも…暴行看護師がはびこる「ふれあい沼津ホスピタル」の闇「犬のほうがよっぽどかわいい」と患者に暴言も、《深層スクープ》東京女子医大に“診療報酬の不正請求”疑惑!「ICU死亡事故で厚労省が“緊急調査”」 東京女子医大の闇#15) 医療問題 文春オンライン「執刀は研修医、ドナーは生きた女性…日本人男性患者(53)が目撃した“海外臓器移植ツーリズム”の恐怖「意識は戻りましたか?」「ついさっき死んだ」」 「指定された口座に腎臓移植の手術費用2170万円を振り込み」、かなり高いようだ。 「死体からの移植だと思っていた。しかし生きている人からの移植となれば話は変わってくる」、「最終的に手術を断念した。それは別の日本人患者の手術が、大失敗に終わったことがきっかけ」、なるほど。 「女性」は「成田空港に着くと救急車で千葉の病院に運ばれ、結局、キルギスで移植した腎臓は摘出されることになりました。日本の医師は摘出後、『腎臓が溶けていた。あと1時間遅ければ死んでましたよ』と言ったそうです」、悪質な手術詐欺だ。 「募金についてはひとまず、今後訴訟で取り返すための準備を進めている」、既に海外での工作資金や謝礼などで支払われていて、取り戻すのは困難だろう。「回復の道が見えない患者たちにとって、臓器移植は唯一の希望の灯といえるだろう。こうした患者らを食い物にしてきた菊池容疑者の犯行は、到底許されるものではない」、確かに極めて悪質だ。 文春オンライン「《暴行動画流出》白衣の男が患者に蹴りを2発、さらに顔面にも…暴行看護師がはびこる「ふれあい沼津ホスピタル」の闇「犬のほうがよっぽどかわいい」と患者に暴言も」 「精神科病院」ではこれまでも「患者」への「暴力」事件が起きていたが、今回のも悪質だ。 「暴行を行った看護師らへの処分は10月にさっさと終えている」が、「問題が公になったのは」、「12月」隠蔽体質は酷いようだ。 「映像があるのに病院の説明はしどろもどろ」、ろくに準備もせずに臨んだためだろう。 「病院上層部が隠蔽しようとしていた」のは確かだろう。 「院長や看護部長らは会見で、Xの暴行が2件、Yの暴行が1件の計3件しか問題はなかったと話しています」、「表に出ていないだけで、Xが数々の問題を起こしていたことは多くの職員が知っています。XとYの2人だけじゃありません。例えば、患者さんが『バケツで殴られた』『何かで叩かれた』と訴えていたという記録が残っています。この患者さんの担当職員は女性」、「ここまで職員の看護態様がひどい病院は他に知りません」、なるほど。 「病院は間違いなく暴行、虐待を隠蔽しようとしていた。少なくとも現場の人間の多くはそう考えています」、なるほど。 「ルールでは保護室での対応は職員2人でやることになっている。しかし、実際に2人で看護をすることは人数の問題から不可能なんです。別の職員の目があればXもあんなことはできなかったでしょう」、「院内の研修では現場職員と経営陣が激しく衝突したという。事件の全容解明に向け静岡県警の捜査も続く」、「静岡県警」は「病院」「経営陣」に忖度せずに、法的妥当性だけで判断してもらいたいものだ。 文春オンライン「《深層スクープ》東京女子医大に“診療報酬の不正請求”疑惑!「ICU死亡事故で厚労省が“緊急調査”」 東京女子医大の闇#15」 どういうことなのだろう。 「厚生局からの通知が届いたのが、文春オンラインでICU死亡事故が報道された1週間後」、なるほど。 「ICUには10人の集中治療医が在籍」していたが、「経営陣の不可解な懲戒処分を受けるなどして、同9月までに9人が退職」、「専門医不在のICUで、消化器外科医が60代の患者から胸水(胸膜腔に溜まった水)を抜く際、ミスをして死亡させる事故が起きた」、「女子医大病院を監督指導する立場にある関東信越厚生局としては、死亡事故が起きたICUについて厳しくチェックするのは必然だった」、 「ICUについては常時、医師が24時間いなくてはいけないという要件がありますが、(厚生局からは)ずっと医師がICUにいることが確認できない、という指摘がございました。最悪、要件を満たさないものに関しては、過去5年間調べて、(診療報酬の)返還という可能性もあります」、これは一大事だ。 「集中治療医の大半が辞めたのに、なぜICUの維持にこだわったのか? 考えられるのが、“高い診療報酬”である」、酷い話だ。 「ICU」は「一般病棟の入院管理料と比較すると約6倍の収益」、なので、「経営陣は、24時間体制のICUを維持する、苦肉の策を掲げた」、なるほど。 「病院長から文書が渡されたが、要求した内容は反映されていなかった。 “問題が起きた場合は、当院全体で責任を負う。心臓血管外科や医師個人のみに責任を負わせることはしない”(医師の記憶に基づく病院長の文書要旨) この内容では、他の診療科の患者について、完全に免責されることにはならないため、心臓血管外科のスタッフは、改めてICUの夜間責任者は引き受けられないと病院長に伝えたが、聞き入れられなかった」、 「厚生局の調査が入ったのです」(同前) こうした経緯で、夜間のICUに医師が勤務していた記録がない、という状況が起きたという」、「責任問題」を「病院長」が明確にしないため、「心臓血管外科のスタッフは、改めてICUの夜間責任者は引き受けられないと病院長に伝えたが、聞き入れられなかった」、こんなトラブルが背景にあったとは、病院側の対応は本当にお粗末だ。 「女子医大病院」「経営陣」の責任は重大だ。 「重大な医療事故を繰り返しながら、医療安全の要である、ICUの杜撰な実態が明らかになった女子医大病院」、「今後、厚労省から診療報酬の不正請求が認定された場合、岩本絹子理事長らの経営責任が問われることは必至だ」、今後の展開を注視したい。
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子育て(その5)(「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴 親は子にかける言葉を選び、頼み聞くのがベスト、「日本の子どもが幸せそうじゃない」問題を直視せよ 自殺・不登校・いじめ過去最多、子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉 「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる) [生活]

子育てについては、2021年10月3日に取上げた。久しぶりの今日は、(その5)(「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴 親は子にかける言葉を選び、頼み聞くのがベスト、「日本の子どもが幸せそうじゃない」問題を直視せよ 自殺・不登校・いじめ過去最多、子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉 「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる)である。

先ずは、昨年5月5日付け東洋経済オンラインが掲載した思春期の子育てアドバイザーの道山 ケイ氏による「「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴 親は子にかける言葉を選び、頼み聞くのがベスト」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/584832
・『「最近親に反抗するようになって、言うことを聞かない」「友達とのケンカをきっかけに、長い間学校に行けなくなってしまった」「まったく勉強せず、部屋に引きこもって1日中ゲームをしている」 こんな悩みをお待ちの親御さんはいらっしゃいませんか? 原因は、子どもによって異なります。たまたま購入したゲームにハマってしまい、ゲーム依存になることもあるからです。ただ、「愛情不足」が原因で上記のトラブルが起きているという場合も多いようです。『ウチの子、最近、思春期みたいなんですが親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!』の著者、道山ケイ氏が解説します』、興味深そうだ。
・『子どもは「自分が親から愛されているか」に敏感  未成年の子どもは、1人で生きていけません。親の支援があってこそ、生活したり、自分のやりたいことをしたりすることができます。そのため、子どもは「自分が親から愛されているか」について、非常に敏感です。 「自分は親から愛されていない」と感じると、「愛情不足」と呼ばれる状態になります。すると、様々なトラブルに発展することが多いです。私がこれまでに1万組以上の親子の子育てをサポートしてわかった「愛情不足の子どもの特徴」を紹介します。それは、 ① 甘えの増加 ② わがままへの発展 ③気力の低下 の3つです。 ① 甘えの増加:親に甘える頻度が増える 「お母さん、冷蔵庫に入っている飲み物とって」 「週末に服買いにつれてって」 「お腹すいたからご飯作って」 子どもなら、誰でも親にするお願いです。1日1~2回くらいなら、まったく問題ないでしょう。ただ、親への要求が極端に増えてきたら、愛情不足になりかけているかもしれません。 ・今までは「飲み物とって」だけだったのが、「リモコンとって」「お菓子もとって」と言う。 ・先週買い物に連れてったばかりなのに「まだ足りない、もっと買いたい」「今週も来週も連れてって」と言う。 ・断ると、かんしゃくを起こしたり暴れたりする。 こういった場合、注意しましょう。なぜなら、子どもは親にお願いを聞いてもらうことで、無意識に愛情を確かめているからです。 前述したように、愛情不足とは「自分は親から愛されていないかも?」と不安になっている状態です。そのため、自分の要求を聞いてもらえるかを確かめるために、甘える頻度が増えています』、「今までは「飲み物とって」だけだったのが、「リモコンとって」「お菓子もとって」と言う」、僕だったら、「甘ったれるな」と叱り飛ばして、子供との溝を深めていたところだ。
・『わざと手のかかる行動を取る点にも注意  ② わがままへの発展:愛情を確かめるために、わざと手のかかる行動をする 甘える頻度が増えたとき、親ができる限り要求を聞いてあげれば、子どもはまた元の状態(愛情不足ではない状態)に戻ります。しかし、仕事や家事の忙しさから、なかなか聞いてあげられないと、さらに状況が悪化します。すると子どもは、理不尽な要求(わがまま)をするようになります。 親が仕事で忙しいのに「今日仕事休んで、買い物に連れてって」と言ったり、無理だとわかっているのに「50万円のゲーミングパソコンを買って」「ブランドのバッグ買って」と言ったりします。子どもの気質によっては、「買い物連れていけ」「バッグ買ってこい」などと言葉遣いが乱暴になることもあるでしょう。 この場合、さすがに子どもも「この要求を聞くのは難しい」とわかっています。ただ「こんなわがままを言う私でも、親は愛してくれるかな?」と試す感覚や、要求を聞いてもらえないイライラから言っているのです。家だけではなく、学校でもわざと先生に迷惑をかけているかもしれません。 ③ 気力の低下:朝起きられなくなったり、自分の未来に希望を持てなくなったりする 子どもの気質によっては、わがままではなく、気力が低下することもあります。「どれだけお願いしても、うちの親はどうせ聞いてくれない」「私は誰からも愛されていない」と感じるため、自分の未来に希望を持てなくなるからです。すると生きることに無気力になって、朝起きられなくなったり、学校に行けなくなったりします。 中学生の場合「高校はどこに行く?」と聞くと「知らん」「どうせ受からないから受験しない」と言うこともあるでしょう。自分の人生に投げやりになっていたら、注意が必要です。) 愛情不足が続くと、人間関係に悩みやすくなります。なぜなら、次の2つの二次障害が起こるからです。 (1)人を信じられなくなる(親からの愛情を感じられないと、親のことを信頼できなくなります。いちばん身近な自分の親でさえ信頼できないのに、学校の先生や友達などの他人を信じることは難しいでしょう。すると、深い人間関係を築くことも難しくなります。 (2)自分を信じられなくなる(親から愛されてないと感じると、自分は価値のない人間だと思ってしまいます。つまり、自分に自信を持てなくなるのです。すると、クラスメイトに話しかける勇気がなくなります。「どうせ無視される」「友達になってくれるわけがない」と無意識に思ってしまうからです。友達がなかなかできず、悩むこともあるでしょう。 ほとんどの子は、友達に会うために学校に行っています。友達関係がうまくいかなくなれば、学校も楽しくないと感じます。それがきっかけで、不登校になることもあるのです』、「ほとんどの子は、友達に会うために学校に行っています。友達関係がうまくいかなくなれば、学校も楽しくないと感じます。それがきっかけで、不登校になることもあるのです」、「愛情不足が続くと」「次の2つの二次障害が起こる」「1)人を信じられなくなる」、「(2)自分を信じられなくなる」、「愛情不足」にそんな副作用があるとは初めて知った。
・『親が悪いのでなく、たまたま上手く伝わらなかっただけ  子どもが愛情不足と聞くと、なんだか子育てに失敗したように感じるかもしれません。しかし、親だけが悪いわけではありません。そもそも学校で「愛情の伝え方」とか「子育ての仕方」なんて学ばないからです。つまり、最初から上手くいく方がまれで、多くの方が手探り状態で始めています。もし今、お子さんが愛情不足かもしれないと思っても、自分を責める必要はありません。 では、どうしたら、愛情不足は解消するのでしょうか? ここからは私の経験を交えてお伝えします。ポイントは「子どもが求める愛情を的確に伝えていく」ことです。たとえば、お子さんはゲームが大好きだとしましょう。おそらく食事中も、常にゲームのことで頭がいっぱいです。ここで親が「宿題は、終わったの?」「夕食が終わったら、勉強しなさい」と言ったら子どもはどう思うでしょうか? ほとんどの子は「そんな話聞きたくない」と感じます。親としては「勉強を頑張って、将来幸せになってほしい」という想いから声をかけていても、子どもにとっては「愛情」ではなく「おせっかい」なのです。 では、どんな言葉をかけたら、子どもは喜ぶのか。たとえば、「最近、どんなゲームやってるの?」と言ったらどうでしょう。自分の好きなことに興味を示してくれているので、嫌な気持ちにはなりません。 「今日、学校はどうだった?」「先週行けなかった買い物、今週だったら行けそうだけどどう?」。こんな言葉も、言われて嫌な気持ちにはならないでしょう。 年齢や現在の親子関係によって、子どもがよろこぶ言葉は変わります。上記の言葉をかければ、100%うまくいくとは言えません。ただ、勉強や宿題の話をするよりも、上手くいく可能性は高いです』、「最近、どんなゲームやってるの?」、「今日、学校はどうだった?」「先週行けなかった買い物、今週だったら行けそうだけどどう?」、会話の口火を切る言葉としてはよさそうだ。
・『子どもが自ら勉強するように変化した親の体験談  また、子どもの頼みをできる限り聞いてあげることも大切です。山本よしみさん(仮名)は、もともとお子さんが愛情不足でした。朝起きられず学校に行けなくなったり、親を階段から突き落とそうとしたりする状況です。「気力の低下」と「わがままへの発展」が一緒に起こっていて、「高校には行かない」と言っていました。 そこで、子どもの要求をできる限り聞くようにしたのです。たとえば、「マック買ってきて」と頼まれたら、できる限り買いに行きました。子どもが言われて嫌がる「勉強しなさい」という言葉もやめたそうです。かわりに、子どもと共通の話題を作るために、YouTubeで子どもが好きな音楽を聞くようにしました。すると、愛情不足がどんどん解消されていったのです。 3カ月前は「高校にはいかない」と言っていたのが「偏差値70の高校に行きたい」と言い、自ら勉強するようになりました。学校にも通えるようになって、親子関係も劇的に良くなったのです。このように、 <1>子どもが嫌がる言葉をやめるor減らす <2>子どもが言われてうれしい言葉をかける <3>子どもの頼みをできる限り聞く をすれば、愛情不足は解消され、子育ては楽になります。ただし、法律やルールに違反すること、他人に迷惑をかけること、人を傷つけることなどの要求は聞いてはいけません。善悪の区別がつけられない人間になってしまうからです。また、こういった要求の多くは本心ではなく、親を試すために言っています。そこで、「ゲーミングパソコンが欲しいんだね。ただ、50万円は買えないよ」という感じで伝えましょう。 このように、子どもに的確に愛情を伝えることが、子育ての悩みを軽減させることの一助となります。子育ては愛情の伝え方が大きな要素を占めると言ってもいいでしょう。これは、幼少期の子どもでも思春期の子どもでも同じです。ただし、的確に愛情を伝える方法はたくさんあり、効果的な方法は1人ひとり異なります。 男女でも違いがあります。男の子は、好きな食事を作ると、愛情を感じやすいです。女の子は、一緒に時間を過ごすと愛情を感じやすいことがわかっています』、「親を階段から突き落とそうとしたりする状況」、とは極めて深刻な状況だ。「「気力の低下」と「わがままへの発展」が一緒に起こっていて、「高校には行かない」と言っていました。 そこで、子どもの要求をできる限り聞くようにしたのです」、「子どもが嫌がる言葉をやめるor減らす」、「子どもが言われてうれしい言葉をかける」、「子どもの頼みをできる限り聞く」をすれば、愛情不足は解消され、子育ては楽になります。ただし、法律やルールに違反すること、他人に迷惑をかけること、人を傷つけることなどの要求は聞いてはいけません」、「こういった要求の多くは本心ではなく、親を試すために言っています。そこで、「ゲーミングパソコンが欲しいんだね。ただ、50万円は買えないよ」という感じで伝えましょう。 このように、子どもに的確に愛情を伝えることが、子育ての悩みを軽減させることの一助となります」、現実には上手く行くことばかりでなく、失敗例もある筈だ。

次に、3月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「日本の子どもが幸せそうじゃない」問題を直視せよ、自殺・不登校・いじめ過去最多」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/318667
・『「子どもが幸せじゃない日本」で育つとどんな思考になる  岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」の目玉のひとつ、「子ども予算倍増」が炎上している。何の予算を、いつまでに、何に対して「倍」に増やすのかがよくわからないとして野党から批判を浴びているのだ。 ただ、カネをいくらバラまこうとも少子化には歯止めがかからないだろう。日本人が子どもをつくりたくないと考える根本的な問題にまったく手がつけられていないからだ。 それは端的に言うと、「日本の子ども、まったく幸せそうじゃない」問題である。 3月1日、ツイッターで「過去最悪の512人」というワードがトレンド入りした。昨年、自殺した小中高校の児童・生徒が512人で過去最多になったというのだ。こういう話を聞くと脊髄反射で、「それはコロナが」と理屈を並べたくなる人たちもいるが、コロナ禍以前から日本は「子どもが生きる希望を失って自殺をする国」として知られていた。 ユニセフが20年に発表した「レポートカード16」では、日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中ワースト2位だった。また、日本では15~39歳の各年代の死因の第1位が「自殺」である。人身売買や戦争のない先進国では、子どもが亡くなるのは事故や病気が多いが、日本では自ら死を選ぶ子どもが多い。しかし、G7でこういう異常な国は日本だけだ。 自殺までいかなくとも「心」が殺されている子どもも多い。文部科学省によれば、令和3年度で全国の小中高校などを対象にした「いじめ認知件数」は61万5351件。前年度に比べて9万件以上増えていて、これまた過去最多となっている。また、病気などを除いて30日以上登校しなかった小中学生も21年度に24万人を超えて、こちらも過去最多だ。 さて、そこでちょっと想像していただきたい。このように子どもがいじめられたり、不登校になったり、自殺をしてしまったり…というようなことが日常的に起きている国で、成長した若い男女が結婚をした時、「子どもが欲しい」という発想になるだろうか。 なるわけがない。どんなに苦労をして育てても不幸になることが見えている。そんなわかりきった「無理ゲー」に挑みたくないという若者はかなりいるはずだ。 実際、それがうかがえるような調査もある』、「昨年、自殺した小中高校の児童・生徒が512人で過去最多になった」、「ユニセフが20年に発表した「レポートカード16」では、日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中ワースト2位だった。また、日本では15~39歳の各年代の死因の第1位が「自殺」である。人身売買や戦争のない先進国では、子どもが亡くなるのは事故や病気が多いが、日本では自ら死を選ぶ子どもが多い。しかし、G7でこういう異常な国は日本だけだ」、「令和3年度で全国の小中高校などを対象にした「いじめ認知件数」は61万5351件。前年度に比べて9万件以上増えていて、これまた過去最多」、「病気などを除いて30日以上登校しなかった小中学生も21年度に24万人を超えて、こちらも過去最多だ」、「このように子どもがいじめられたり、不登校になったり、自殺をしてしまったり…というようなことが日常的に起きている国で、成長した若い男女が結婚をした時、「子どもが欲しい」という発想になるだろうか。 なるわけがない。どんなに苦労をして育てても不幸になることが見えている。そんなわかりきった「無理ゲー」に挑みたくないという若者はかなりいるはずだ」、その通りだ。
・『お金の問題ではない?若い人が子どもはいらないと思う理由  BIGLOBE・・・が18~25歳の未婚男女500人に実施した「子育てに関するZ世代の意識調査」である。 それによれば、「子どもがほしくない」と回答したのは45.7%と半数近かった。ただ、それよりも注目すべきは、その理由として「お金の問題」と答えた人が17.7%にとどまったことだ。 つまり、政府が「産めよ増やせよ」と税金をバラまいたところで、少子化対策の効果としては限定的ということだ。 では、「お金の問題ではない」とする若い人たちは、なぜ子どもが欲しくないのか。 もっとも多いのは、「育てる自信がないから」(52.3%)である。これは言い換えれば、「子どもをつくっても幸せにする自信がない」ということでもある。先ほども触れたように、日本の子どもはちっとも幸せではないので当然、子どもを産んで育てることは「失敗」が見えている愚かな行為だととらえる人も出てくるのだ。 次いで多いのは、「子ども好きではない、苦手だから」(45.9%)、「自由がなくなる(自分の時間を制約されたくない)から」(36%)だった。これは完全に子どもを「お荷物」「厄介」扱いしている。このように考える人というのは、自身も親や周囲の大人から「お荷物」「厄介」だと思われていたケースが多いのではないか。「不幸な子ども」が大人になって、自分のような不幸な子どもをこれ以上、世に増やしたくないという思いで、「子ども嫌い」になっている可能性もある。 日本の少子化の背景に「日本の子どもが幸せではない」ということもかなり大きなウェイトを占めているかもしれないということを、この調査は示してくれている。 少子高齢化という問題は、かれこれ半世紀以上前からわかっていて警鐘が鳴らされてきた。政府も以前から少子化対策の予算を組んで、「子ども手当」のようなバラまきも行ってきた。しかし、まったく成果が出ていないのは、この問題の元凶が「カネ」だけではないからだ』、「少子高齢化という問題は、かれこれ半世紀以上前からわかっていて警鐘が鳴らされてきた。政府も以前から少子化対策の予算を組んで、「子ども手当」のようなバラまきも行ってきた。しかし、まったく成果が出ていないのは、この問題の元凶が「カネ」だけではないからだ」、その通りだ。
・『日本特有の“ハラスメント教育”が元凶?  では、なぜ日本の子どもは幸せそうじゃないのか。いろいろなご意見があるだろうが、個人的には、日本特有の“ハラスメント教育”が元凶だと考えている。 日本では「子どもを自由にのびのび、個性を尊重して育てる」ということを建前としてはよく言うが、本音ベースでは「そんな風に育てたらロクな大人にならないぞ」と言わんばかりに、自由も個性も否定しがちだ。 事実、物心ついた頃から家庭や学校で「ルールを守れ」ということを教え込み、「みんなのことを考えろ」と同調圧力を叩き込んでいる。そして、もし自分勝手な行動をしたり、集団の秩序を乱したりすると「痛み」でわからせるという大人もまだ存在している。殴ったり、蹴ったり、グラウンドを走らせたりという「折檻(せっかん)」が「愛のある体罰なのでセーフ」と奨励されてきた過去があるからだ。 そんな日本のハラスメント教育の象徴が、「制服」だ。 貧しい家庭でもありがたいとか、もっともらしい理由をつけているが、本質的なところでは、私服よりも没個性の制服の方が、親や教師という大人側が「管理がラク」というだけだ。制服は青春の象徴だ、みたいな話も大人のノスタルジーに過ぎず、「子どものため」を考えたルールではない。 また、授業以外でも徹底的に「個性」を殺して、集団への貢献を誓わせる。わかりやすいのが、運動会の集団体操や人間ピラミッドだ。あれに感動している保護者は、マスゲームで熱狂している北朝鮮の人民と自分たちが何も変わらないことに気づいていない。 世界的にも珍しい「ブラック部活」も同じだ。海外では、スポーツなどの課外活動は自分の意志でやりたい子どもだけが参加して、1年の中で活動する期間が決められている。日本のように、朝から晩まで週6日部活で、子どもが疲労でフラフラ…なんてバカな話は少ない。よく言われる「部活で苦しい経験をしたから今がある」という話も、大人たちが自分の受けたハラスメントを正当化しているだけだ。 しかも、ただスポーツをやるだけではなく、髪型がどうしたとか、声が小さいとか、礼儀作法やら精神論も叩き込まれる。これはあまり言われないが、軍隊的な集団教育だ』、「物心ついた頃から家庭や学校で「ルールを守れ」ということを教え込み、「みんなのことを考えろ」と同調圧力を叩き込んでいる。そして、もし自分勝手な行動をしたり、集団の秩序を乱したりすると「痛み」でわからせるという大人もまだ存在している」、「そんな日本のハラスメント教育の象徴が、「制服」だ。 貧しい家庭でもありがたいとか、もっともらしい理由をつけているが、本質的なところでは、私服よりも没個性の制服の方が、親や教師という大人側が「管理がラク」というだけだ」、「授業以外でも徹底的に「個性」を殺して、集団への貢献を誓わせる。わかりやすいのが、運動会の集団体操や人間ピラミッドだ。あれに感動している保護者は、マスゲームで熱狂している北朝鮮の人民と自分たちが何も変わらないことに気づいていない。 世界的にも珍しい「ブラック部活」も同じだ。海外では、スポーツなどの課外活動は自分の意志でやりたい子どもだけが参加して、1年の中で活動する期間が決められている。日本のように、朝から晩まで週6日部活で、子どもが疲労でフラフラ…なんてバカな話は少ない」、「しかも、ただスポーツをやるだけではなく、髪型がどうしたとか、声が小さいとか、礼儀作法やら精神論も叩き込まれる。これはあまり言われないが、軍隊的な集団教育だ」、その通りだ。
・『集団主義教育によって子どもたちが「日本人」になる  日本の部活が今のように、親や教師という大人が前のめりになって、体罰やシゴギで子どもが死んでいくようになったのは1960年代だ。 この時期に何があったのかというと、「集団主義教育」の復活だ。 戦前の子どものように規律正しい行動ができるようにしよう、ということで東大教授の宮坂哲文氏を中心として結成されたのが、「集団主義教育」の普及を目的とした「全国生活指導研究協議会」だ。これがあれよあれよと勢力を伸ばし、1963年には会員が2000人を突破した。 そしてこの年、GHQが軍隊っぽいとして禁止していた「気をつけ」と「休め」について、文部省によって設けられた集団行動指導の手引き指導委員会が「復活」を検討。その翌年には、「集団行動の統一スタイル」(読売新聞 1964年5月25日)として全国の小学校に普及する。 この時期から「部活」は「涙と根性」がつきものになって、ひねくれた子どもの性根を叩き直す教育的機能が期待されるようになる。つまり、血反吐を吐かせて、ボコボコに殴っても、勝利の喜びを経験させてやれば、自堕落な子どもたちにも、集団主義が身について立派な日本人になれるというわけだ。 こういう集団主義教育の極め付けが、「偏差値」だ。世界の大学は、高校の成績や論文などで総合評価式の審査を行っているが、日本はいまだに一斉学力テストなど、偏差値教育に固執している。そのため、子どもは幼い頃から、遊びの時間を削って、偏差値アップのための詰め込み教育を強いられる。成長するにつれ自由と個性をつぶされていくというのは、子どもにとってこれ以上の「ハラスメント」はない』、「東大教授の宮坂哲文氏を中心として結成されたのが、「集団主義教育」の普及を目的とした「全国生活指導研究協議会」だ。これがあれよあれよと勢力を伸ばし、1963年には会員が2000人を突破」、「GHQが軍隊っぽいとして禁止していた「気をつけ」と「休め」について、文部省によって設けられた集団行動指導の手引き指導委員会が「復活」を検討。その翌年には、「集団行動の統一スタイル」・・・として全国の小学校に普及する」、「集団主義教育」の出発点が理解できた。「世界の大学は、高校の成績や論文などで総合評価式の審査を行っているが、日本はいまだに一斉学力テストなど、偏差値教育に固執している。そのため、子どもは幼い頃から、遊びの時間を削って、偏差値アップのための詰め込み教育を強いられる。成長するにつれ自由と個性をつぶされていくというのは、子どもにとってこれ以上の「ハラスメント」はない」、「偏差値教育」も確かにハラスメント」だ。
・『日本では「自由に生きてはいけない」  さて、いろいろ並べたが、気になるのは、こういう日本独特のハラスメント教育を続けると、一体どういう人間に成長をするのかではないか。 その一端がわかるのが、平成30(2018)年度に実施された「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」だ。これは日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンという7カ国の満13歳から満29歳までの男女を対象に実施したインターネット調査である。 その中で、「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」という質問に対して、「そう思う」と回答をしたのは、日本以外の国では7~8割いた。しかし、日本だけは42.2%しかいなかった。つまり、日本の若者は「他人に迷惑がかからなくても自由に生きてはいけない」と考えているのだ。 なぜ日本の若者だけがこんなにも「自分を殺す」という傾向があるのかというのは、国民性などというふわっとした言葉では片付けられない。やはり幼い頃からのハラスメント教育によって、大人たちから「いいか、子どもだからって調子に乗るなよ。みんなと同じが一番だから、自由勝手に生きようなんて大それたことをするな」と繰り返し叩き込まれているからではないのか。 いずれにせよ、日本の子どもたちが学校や家庭で、かなり生きづらい環境にいるということは、自殺、いじめ、不登校の多さからも明らかだ。 父親にボコボコに殴られた子どもを保護した後、「やっぱりパパと一緒が幸せだよね」なんて感じで地獄に送り返して死に至らしめるような児童虐待の事件が多いことからもわかるように、日本では欧米と違って、「子どもの人権」は尊重されていない。日本は「親権」が強いので、まだ未成年者は「親の付属物」のような扱いなのだ。 まずは諸外国のように、子どもを一人の人間として扱って、子どもの幸せを実現する。そういう当たり前のことができずに、「子どもを増やせ」もへったくれもないではないか』、「なぜ日本の若者だけがこんなにも「自分を殺す」という傾向があるのかというのは」、「幼い頃からのハラスメント教育によって、大人たちから「いいか、子どもだからって調子に乗るなよ。みんなと同じが一番だから、自由勝手に生きようなんて大それたことをするな」と繰り返し叩き込まれているからではないのか」、同感である。さらに、日本でベンチャーの起業が少ないのも「ハラスメント教育」の副作用なのかも知れない。

第三に、3月10日付け東洋経済オンラインが掲載した解剖学者の養老 孟司氏、医学博士・立命館大学産業社会学部・大学院人間科学研究科教授の 宮口 幸治氏による対談「子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉 「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる」を紹介しよう。
・『医療少年院で少年の認知機能を向上させる取り組みを続けてきた宮口幸治氏が、解剖学者の養老孟司氏と、子どもの話の聞き方や、子どもを自分と向き合わせるための方法について語り合った。親がつい言ってしまう、NGの言葉についても取り上げる(本稿は、養老孟司『子どもが心配』の一部を再編集したものです)(Qは聞き手の質問)』、興味深そうだ。
・『つねに「子どもの目線」で接する  Q:子どもをよく観察して、問題行動の兆しがあったらそのことにきちんと気づくことはとても大切なのだと思いますが、子どもをどのように観察すればいいか、アドバイスをいただけますか? 宮口:子どもを観察するときはつねに子どもの目線に落として、何に困っているのかを見る、ということに尽きますね。〝子ども目線〟で何に困っているかを考えると、必要な支援が見えてきます。 Q:子どもの話を聞くときも〝子ども目線〟が必要ですか? 宮口:それもありますが、もっと大事なのは「子どもの話をちゃんと聞く」ことです。子どもに限らず誰が相手でも、みなさん、人の話ってあまり聞かないですよね。自分では聞いてあげているつもりでも、しょっちゅう口を挟むものです。特に子ども相手だと、話がなかなか進まなかったりするので、つい焦って、ろくすっぽ聞かずに遮ってしまいがちです。 そのうえ「ああ、そうだったの。でもあなたにも問題があるんじゃないの?」みたいなことを言ったら、一発アウトです。子どもは自分の話を否定されたことで、大人が思っている以上に傷つきます。最悪、非行の原因になることすら、ありうるのです。子どもにしてみれば、親や先生からコメントが欲しいわけではない。ただ話をちゃんと聞いて、自分のことを受け入れてもらいたい、それだけです。 ですから口を挟まないだけではなく、「ちゃんと聞いているよ」というサインは出さなくてはいけません。相槌を打ってあげたり、オウム返しにしてあげたり、「大変だったね。しんどかったね」と声をかけてあげたりするといいかと思います。 養老:心理学者の河合隼雄先生は「臨床心理士が患者さんの話を上手に引き出す秘訣は何ですか?」と問われると、「相槌の打ち方です」と答えていました。 宮口:深い、深いですね。相槌にもいろいろありますから、おざなりに相槌を打てば、「ああ、聞いてないな」とバレますよね。 養老:逆に相槌1つで、「あなたの話を聞いていますよ」「同意していますよ」「あなたを受け入れていますよ」というサインを送ることもできる。 宮口:そうなんです。子どもの目を見て、しっかり相槌を打ちながら、とにかく真摯に話を聞いてあげることが第一です。それで子どもが「お父さん、どう思う?」とか「先生、どうすればいいと思う?」などと相談を投げかけてきたら、そのとき初めて答えてあげればいいと思います。 子どもの話はまどろっこしく感じられるものなので、大人としてはどうしても口を挟みたくなるものです。難易度は高いとは思いますが、そこは子どもが自分の頭で一生懸命考えて話しているのだからと信頼して、つき合ってあげてほしいですね。子どもに「いま、どんな気持ち?」とダイレクトにたずねるのはお勧めしません』、「自分では聞いてあげているつもりでも、しょっちゅう口を挟むものです。特に子ども相手だと、話がなかなか進まなかったりするので、つい焦って、ろくすっぽ聞かずに遮ってしまいがちです。 そのうえ「ああ、そうだったの。でもあなたにも問題があるんじゃないの?」みたいなことを言ったら、一発アウトです。子どもは自分の話を否定されたことで、大人が思っている以上に傷つきます。最悪、非行の原因になることすら、ありうるのです」、「子どもの話はまどろっこしく感じられるものなので、大人としてはどうしても口を挟みたくなるものです。難易度は高いとは思いますが、そこは子どもが自分の頭で一生懸命考えて話しているのだからと信頼して、つき合ってあげてほしいですね」、なるほど。
・『感情のコントロールが下手な子を支援するには  Q:認知機能が弱い子どもは、感情をコントロールするのが難しくなりますね。親や教師はどのように支援すればよいでしょうか。 宮口:感情統制に問題のある子には、タイプが2つあります。1つは、自分の感情がコントロールできない。もう1つは、人の気持ちが理解できない。大人はまず、その子どもがどちらのタイプなのかを判断するところから始めるといいでしょう。 感情をコントロールすることを教えようと思った大人がやりがちなのは、「いま、どんな気持ち?」などと質問し、子ども自身に自分の気持ちを言わせることです。これは、やめたほうがいいですね。 逆の立場で考えると、よくわかります。事あるごとに「あなた、いま、どんな気持ちですか?」と聞かれたら、誰しも答えたくないですよね?失敗したり、間違ったことをしたりしたときなどはなおさら、自分の気持ちを言葉にするのはしんどいものです。そんなしんどいことを子どもにやらせても、ろくなことにはならない。 けれども、ほかの人を見て、「あの人はいま、どんな気持ちだと思う?」と尋ねると、意外と答えられるものです。ですから、まず「人の気持ちを言う」練習から始めるのがいいと思います。そこから「感情」というものに向き合うようになればいい。) この練習は、認知能力のレベルにかかわらず、感情のコントロールの苦手な人全般に応用できます。そもそも、感情のコントロールは大人にとっても容易なことではなく、賢い人のなかにも怒りっぽかったり、すぐに泣き出したり、機嫌が悪くなったりするなど、苦手な人はいくらでもいます』、「事あるごとに「あなた、いま、どんな気持ちですか?」と聞かれたら、誰しも答えたくないですよね?」、「けれども、ほかの人を見て、「あの人はいま、どんな気持ちだと思う?」と尋ねると、意外と答えられるものです。ですから、まず「人の気持ちを言う」練習から始めるのがいいと思います。そこから「感情」というものに向き合うようになればいい」、なるほど。
・『安楽死を幇助していた医者の「苦悩」  養老:私も若いころは感情のコントロールが苦手でした。人の感情がわからないこともありました。それではいけないと、大人になってから勉強したと言いますか、努めて相手の気持ちを考えるようにしたんです。 でもやりすぎたのか、逆に相手のことを過度に考えるようになってしまいました。それはそれで良くない。人間関係で一番重要と言ってもいい、相手とうまく距離を取ることができなかったのです。 私が臨床医になりそびれたのも、そこら辺に問題があったからかもしれません。本当は精神科に進みたかったんですが、患者さんと親しくなりすぎちゃう、なつかれちゃうところがあって、向いていないとあきらめました。 それに患者さんに感情移入しすぎると、死なれたときに大変につらい。苦しい。極端な話、自分が殺したような痛みすら覚えます。結局、解剖医になったので、私の診る人はすでに亡くなった方ばかり。そこからおつき合いが始まるわけで、相手が何も反応しない分、安心して向き合うことができたような気がします。 ところが、私は患者さんが自然死を迎えるだけでもつらいのに、世の中には安楽死の幇助をする医師もいます。私は長年、そうした医師はどんな気持ちで安楽死に向き合っているのか、疑問に思っていました。それでオランダで安楽死に取り組む医師の書いた本を読み、何度か対談もさせていただいたんです。でも10年後、オランダまで訪ねていったら、「もう安楽死の幇助はやっていない」と言っていました。 彼は自分が見送った患者さんのことを丁寧に記録するうちに、だんだんと記憶が重いものになり、耐えきれなくなったのでしょう。あくまでも「幇助」とはいえ、殺したことに対する罪悪感は拭えないですよ。 宮口:私は少年院で、殺人を犯した少年とも接していました。なかには「あいつが悪いんや。だから僕も刺したんや」と事の重大さをわかっていない少年もいましたが、でも軽度の知的障害とか境界域の子どもたちだったら、さすがにかなり反省しますね。) 宮口:さらに、子どもの精神面に関して言えば、少年院には妙にプライドが高い子とか、根拠なく自分に自信を持っている子、逆に極端に自分に自信のない子がよく見られます。これは適切な自己評価がなされていないことの裏返しとも言えます。そこを改善するにはやはり、「自分を知る」ことがポイントなのですが、それはとても難しいことです。 認知機能の弱い人だけではなく、大多数の人は本音を言えば、「素の自分なんか知りたくない。できれば目を背けていたい」のではないでしょうか。それはそうです、誰だって品行方正な人ばかりではないし、長所もあれば短所もある、人に知られたくないことだってあるでしょう。無意識的に自分から目を背け、そのために「自分のことを棚に上げて、人を悪く言う」ようなことも起こります。 でもそこに、「自分を知る」ヒントがあります。人のことをあれこれ評価するうちに、「あれ、自分はどうだろう。こんな人間かな」と気づいてくるのです。人のことを評価する力がつくにつれて、自然と自分自身のことを客観的に評価できるようになるのでしょう』、養老先生が「努めて相手の気持ちを考えるようにしたんです。 でもやりすぎたのか、逆に相手のことを過度に考えるようになってしまいました。それはそれで良くない。人間関係で一番重要と言ってもいい、相手とうまく距離を取ることができなかったのです。 私が臨床医になりそびれたのも、そこら辺に問題があったからかもしれません。本当は精神科に進みたかったんですが、患者さんと親しくなりすぎちゃう、なつかれちゃうところがあって、向いていないとあきらめました」、初めは「精神科に進みたかった」が、「患者さんと親しくなりすぎちゃう、なつかれちゃうところがあって、向いていないとあきらめました」、とは初めて知った。
・『相手の反応から「自分を知る」  また、自分が言ったこと、行ったことについて、相手がどんな反応を示すのかをフィードバックして、自分自身を知る、という方法もあります。たとえば相手から笑顔が返ってきたら「あ、好かれてるのかな」、逆にムッとして不機嫌なままだったら「嫌われたかな」と思う。そこから「自分には相手に好かれるこういうところがある。こういうところは嫌われる」と気づくようになります。 そうした〝フィードバック経験〟を重ねながら、相手との関係のなかで自分はどんな人間なのかがわかるようになります。無人島で一人暮らしをしていたら、自分がどういう人間なのかなんて、わかるわけありません。 ただ、「相手が笑っているのに、怒っていると思い込む」ようなことがあるなら、それはフィードバックが正しくできていないということ。認知機能の弱さが関連しています。自分を正しく知るためには、やはり認知機能が必要なのです。 少年院に来る子どものなかには、仲間のなかで下に見られて〝パシリ(使い走り)〟扱いされたり、いじめられたり、命じられて悪いことをやらされたりしていたために、たとえば「悪いことをすると、よくやったと悪友から褒められる」など、自己評価が歪められているケースが少なからず見られます。そうなってしまうと、自分を正しく知ることが非常に難しくなると言わざるをえません。) 宮口:では、どうすれば自分を正しく知る力を養うことができるのか。効果的なのはグループワークですね。数人のグループで互いを観察していると、だんだん自分がどんな人間であるかがわかってくる。そのプロセスを経験させることがポイントです。繰り返すうちに、自分のなかに「人を見て自分を知る」仕組みが構築されていくはずです』、「どうすれば自分を正しく知る力を養うことができるのか。効果的なのはグループワークですね。数人のグループで互いを観察していると、だんだん自分がどんな人間であるかがわかってくる。そのプロセスを経験させることがポイントです。繰り返すうちに、自分のなかに「人を見て自分を知る」仕組みが構築されていくはず」、なるほど。
・『明治以降「自分」という存在を考えるように  養老:たしかに自己評価というのは、非常に難しい。ロビンソン・クルーソーなら、自分はあってもなくてもいいけれど、社会では他人があるから自分もある。だから自己評価が必要になってくるのでしょう。 もっともこの間会った禅宗のお坊さんは、「仏教には、自分なんかありません」と言っていました。とはいえ「無我」というのは、「自分という実体はないけれど、関係のなかで認識できる」ことを意味しますから、「人を見て自分を知る」のは理にかなっていますね。 それにしても日本では、明治維新以後に急に自分という存在が表面に出てきた感があります。どうしてかな、と考えていて、これは一神教の世界の影響かもしれないと思い至りました。この世の終わりに神さまがすべての人を裁く「最後の審判」というのがあって、それゆえに生まれてから死ぬまでのすべての行動を背負っている「自分」が存在していなければならない。そうでないと、審判が受けられないからです。 生きている間はずっと、「自分とは何者であるか、何を考え、何をなすべきか」を考えざるをえないんですね。本当は、自分のことなんかあんまり考えないほうが、ハッピーでいられるような気もします。でも、宮口先生がおっしゃるように、罪を犯した場合は、つらくても自分と向き合わなければならない。 宮口:そうですね。罪を犯した、悪いことをした「自分」は、こういう悪いところのある人間なんだと向き合ってもらわなくてはいけないと思っています。そうしなければ、更生しようという動機付けが生まれません。 養老:旧来の日本の共同体では、共同体のメンバーがある程度自分をなくして世間のルールに従っていました。非行少年が反省をしづらいのも、日本人は「自分」という存在が中途半端にしか確立されていないからかもしれません』、「日本では、明治維新以後に急に自分という存在が表面に出てきた感があります。どうしてかな、と考えていて、これは一神教の世界の影響かもしれないと思い至りました。この世の終わりに神さまがすべての人を裁く「最後の審判」というのがあって、それゆえに生まれてから死ぬまでのすべての行動を背負っている「自分」が存在していなければならない。そうでないと、審判が受けられないからです」、「罪を犯した、悪いことをした「自分」は、こういう悪いところのある人間なんだと向き合ってもらわなくてはいけないと思っています。そうしなければ、更生しようという動機付けが生まれません」、「旧来の日本の共同体では、共同体のメンバーがある程度自分をなくして世間のルールに従っていました。非行少年が反省をしづらいのも、日本人は「自分」という存在が中途半端にしか確立されていないからかもしれません」、確かにその通りだ。
タグ:子育て (その5)(「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴 親は子にかける言葉を選び、頼み聞くのがベスト、「日本の子どもが幸せそうじゃない」問題を直視せよ 自殺・不登校・いじめ過去最多、子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉 「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる) 東洋経済オンライン 道山 ケイ氏による「「親の愛情不足」感じる子に見えがちな3つの特徴 親は子にかける言葉を選び、頼み聞くのがベスト」 『ウチの子、最近、思春期みたいなんですが親子でイライラせずに乗り切る方法、教えてください!』の著者、道山ケイ氏が解説 「今までは「飲み物とって」だけだったのが、「リモコンとって」「お菓子もとって」と言う」、僕だったら、「甘ったれるな」と叱り飛ばして、子供との溝を深めていたところだ。 「ほとんどの子は、友達に会うために学校に行っています。友達関係がうまくいかなくなれば、学校も楽しくないと感じます。それがきっかけで、不登校になることもあるのです」、「愛情不足が続くと」「次の2つの二次障害が起こる」「1)人を信じられなくなる」、「(2)自分を信じられなくなる」、「愛情不足」にそんな副作用があるとは初めて知った。 「最近、どんなゲームやってるの?」、「今日、学校はどうだった?」「先週行けなかった買い物、今週だったら行けそうだけどどう?」、会話の口火を切る言葉としてはよさそうだ。 「親を階段から突き落とそうとしたりする状況」、とは極めて深刻な状況だ。「「気力の低下」と「わがままへの発展」が一緒に起こっていて、「高校には行かない」と言っていました。 そこで、子どもの要求をできる限り聞くようにしたのです」、「子どもが嫌がる言葉をやめるor減らす」、「子どもが言われてうれしい言葉をかける」、「子どもの頼みをできる限り聞く」をすれば、愛情不足は解消され、子育ては楽になります。 ただし、法律やルールに違反すること、他人に迷惑をかけること、人を傷つけることなどの要求は聞いてはいけません」、「こういった要求の多くは本心ではなく、親を試すために言っています。そこで、「ゲーミングパソコンが欲しいんだね。ただ、50万円は買えないよ」という感じで伝えましょう。 このように、子どもに的確に愛情を伝えることが、子育ての悩みを軽減させることの一助となります」、現実には上手く行くことばかりでなく、失敗例もある筈だ。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「「日本の子どもが幸せそうじゃない」問題を直視せよ、自殺・不登校・いじめ過去最多」 「昨年、自殺した小中高校の児童・生徒が512人で過去最多になった」、「ユニセフが20年に発表した「レポートカード16」では、日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中ワースト2位だった。また、日本では15~39歳の各年代の死因の第1位が「自殺」である。人身売買や戦争のない先進国では、子どもが亡くなるのは事故や病気が多いが、日本では自ら死を選ぶ子どもが多い。しかし、G7でこういう異常な国は日本だけだ」、 「令和3年度で全国の小中高校などを対象にした「いじめ認知件数」は61万5351件。前年度に比べて9万件以上増えていて、これまた過去最多」、「病気などを除いて30日以上登校しなかった小中学生も21年度に24万人を超えて、こちらも過去最多だ」、「このように子どもがいじめられたり、不登校になったり、自殺をしてしまったり…というようなことが日常的に起きている国で、成長した若い男女が結婚をした時、「子どもが欲しい」という発想になるだろうか。 なるわけがない。 どんなに苦労をして育てても不幸になることが見えている。そんなわかりきった「無理ゲー」に挑みたくないという若者はかなりいるはずだ」、その通りだ。 「少子高齢化という問題は、かれこれ半世紀以上前からわかっていて警鐘が鳴らされてきた。政府も以前から少子化対策の予算を組んで、「子ども手当」のようなバラまきも行ってきた。しかし、まったく成果が出ていないのは、この問題の元凶が「カネ」だけではないからだ」、その通りだ。 「物心ついた頃から家庭や学校で「ルールを守れ」ということを教え込み、「みんなのことを考えろ」と同調圧力を叩き込んでいる。そして、もし自分勝手な行動をしたり、集団の秩序を乱したりすると「痛み」でわからせるという大人もまだ存在している」、「そんな日本のハラスメント教育の象徴が、「制服」だ。 貧しい家庭でもありがたいとか、もっともらしい理由をつけているが、本質的なところでは、私服よりも没個性の制服の方が、親や教師という大人側が「管理がラク」というだけだ」、「授業以外でも徹底的に「個性」を殺して、集団への貢献を誓わせる。わかりやすいのが、運動会の集団体操や人間ピラミッドだ。あれに感動している保護者は、マスゲームで熱狂している北朝鮮の人民と自分たちが何も変わらないことに気づいていない。 世界的にも珍しい「ブラック部活」も同じだ。海外では、スポーツなどの課外活動は自分の意志でやりたい子どもだけが参加して、1年の中で活動する期間が決められている。日本のように、朝から晩まで週6日部活で、子どもが疲労でフラフラ…なんてバカな話は少ない」、「しかも、ただスポーツをやるだけではなく、髪型がどうしたとか、声が小さいとか、礼儀作法やら精神論も叩き込まれる。これはあまり言われないが、軍隊的な集団教育だ」、その通りだ。 「東大教授の宮坂哲文氏を中心として結成されたのが、「集団主義教育」の普及を目的とした「全国生活指導研究協議会」だ。これがあれよあれよと勢力を伸ばし、1963年には会員が2000人を突破」、「GHQが軍隊っぽいとして禁止していた「気をつけ」と「休め」について、文部省によって設けられた集団行動指導の手引き指導委員会が「復活」を検討。その翌年には、「集団行動の統一スタイル」・・・として全国の小学校に普及する」、「集団主義教育」の出発点が理解できた。 「世界の大学は、高校の成績や論文などで総合評価式の審査を行っているが、日本はいまだに一斉学力テストなど、偏差値教育に固執している。そのため、子どもは幼い頃から、遊びの時間を削って、偏差値アップのための詰め込み教育を強いられる。成長するにつれ自由と個性をつぶされていくというのは、子どもにとってこれ以上の「ハラスメント」はない」、「偏差値教育」も確かにハラスメント」だ。 「なぜ日本の若者だけがこんなにも「自分を殺す」という傾向があるのかというのは」、「幼い頃からのハラスメント教育によって、大人たちから「いいか、子どもだからって調子に乗るなよ。みんなと同じが一番だから、自由勝手に生きようなんて大それたことをするな」と繰り返し叩き込まれているからではないのか」、同感である。さらに、日本でベンチャーの起業が少ないのも「ハラスメント教育」の副作用なのかも知れない。 養老 孟司氏 宮口 幸治氏による対談「子どもが否定されたと感じる「一発アウト」の言葉 「聞いてあげている」つもりでも口を挟んでいる」 養老孟司『子どもが心配』 「自分では聞いてあげているつもりでも、しょっちゅう口を挟むものです。特に子ども相手だと、話がなかなか進まなかったりするので、つい焦って、ろくすっぽ聞かずに遮ってしまいがちです。 そのうえ「ああ、そうだったの。でもあなたにも問題があるんじゃないの?」みたいなことを言ったら、一発アウトです。 子どもは自分の話を否定されたことで、大人が思っている以上に傷つきます。最悪、非行の原因になることすら、ありうるのです」、「子どもの話はまどろっこしく感じられるものなので、大人としてはどうしても口を挟みたくなるものです。難易度は高いとは思いますが、そこは子どもが自分の頭で一生懸命考えて話しているのだからと信頼して、つき合ってあげてほしいですね」、なるほど。 「事あるごとに「あなた、いま、どんな気持ちですか?」と聞かれたら、誰しも答えたくないですよね?」、「けれども、ほかの人を見て、「あの人はいま、どんな気持ちだと思う?」と尋ねると、意外と答えられるものです。ですから、まず「人の気持ちを言う」練習から始めるのがいいと思います。そこから「感情」というものに向き合うようになればいい」、なるほど。 養老先生が「努めて相手の気持ちを考えるようにしたんです。 でもやりすぎたのか、逆に相手のことを過度に考えるようになってしまいました。それはそれで良くない。人間関係で一番重要と言ってもいい、相手とうまく距離を取ることができなかったのです。 私が臨床医になりそびれたのも、そこら辺に問題があったからかもしれません。本当は精神科に進みたかったんですが、患者さんと親しくなりすぎちゃう、なつかれちゃうところがあって、向いていないとあきらめました」、 初めは「精神科に進みたかった」が、「患者さんと親しくなりすぎちゃう、なつかれちゃうところがあって、向いていないとあきらめました」、とは初めて知った。 「どうすれば自分を正しく知る力を養うことができるのか。効果的なのはグループワークですね。数人のグループで互いを観察していると、だんだん自分がどんな人間であるかがわかってくる。そのプロセスを経験させることがポイントです。繰り返すうちに、自分のなかに「人を見て自分を知る」仕組みが構築されていくはず」、なるほど。 「日本では、明治維新以後に急に自分という存在が表面に出てきた感があります。どうしてかな、と考えていて、これは一神教の世界の影響かもしれないと思い至りました。この世の終わりに神さまがすべての人を裁く「最後の審判」というのがあって、それゆえに生まれてから死ぬまでのすべての行動を背負っている「自分」が存在していなければならない。そうでないと、審判が受けられないからです」、 「罪を犯した、悪いことをした「自分」は、こういう悪いところのある人間なんだと向き合ってもらわなくてはいけないと思っています。そうしなければ、更生しようという動機付けが生まれません」、「旧来の日本の共同体では、共同体のメンバーがある程度自分をなくして世間のルールに従っていました。非行少年が反省をしづらいのも、日本人は「自分」という存在が中途半端にしか確立されていないからかもしれません」、確かにその通りだ。
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健康(その22)(睡眠薬がいらなくなった人も…「快眠できるストレッチ」は誰でも簡単!?、「お酒は少量であれば健康に良い」は間違い…最新研究で分かった"お酒と健康"のキビシイ関係 残念ながら飲酒に"適量"は存在しない、好物を我慢すると病気になる…医師・和田秀樹が「血圧・血糖値・コレステロール値を気にするな」というワケ 医師・栄養士の言葉を鵜呑みにしてはならない) [生活]

健康については、昨年2月20日に取り上げた。今日は、(その22)(睡眠薬がいらなくなった人も…「快眠できるストレッチ」は誰でも簡単!?、「お酒は少量であれば健康に良い」は間違い…最新研究で分かった"お酒と健康"のキビシイ関係 残念ながら飲酒に"適量"は存在しない、好物を我慢すると病気になる…医師・和田秀樹が「血圧・血糖値・コレステロール値を気にするな」というワケ 医師・栄養士の言葉を鵜呑みにしてはならない)である。

先ずは、本年2月18日付けダイヤモンド・オンラインがAERAdot.を転載した「睡眠薬がいらなくなった人も…「快眠できるストレッチ」は誰でも簡単!?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/317956
・『脳は長時間の活動が苦手で、16時間を超えると飲酒運転と同じくらい能力が低下するとされる。認知症などのリスクが高まるとも。脳を休ませる快眠には寝る前の簡単なストレッチが効果的だ。  「ストレッチと体操をごっちゃにしている人が多いです」と話すのは、中部大学・生命健康科学研究所の宮崎総一郎特任教授。ストレッチは筋肉をゆっくり伸ばすが、体操はしっかり動かす。眠れない人が寝る前に体操をすると、逆に眠れなくなる。朝のラジオ体操のように、体操は目覚めのためにするものという。 逆に、ストレッチは気持ちが沈静化するため眠くなる。宮崎さんは講演では聴衆が眠くならないように、ストレッチの実践をしないようにしているという』、「ストレッチは筋肉をゆっくり伸ばすが、体操はしっかり動かす。眠れない人が寝る前に体操をすると、逆に眠れなくなる。朝のラジオ体操のように、体操は目覚めのためにするものという。 逆に、ストレッチは気持ちが沈静化するため眠くなる」、私も「ストレッチと体操をごっちゃにしてい」たので、これでスッキリ整理できた。 
・『宮崎さんによると、快眠のため、寝る前の簡単なストレッチとして、数パターンある。ほとんどは1から20までゆっくり数えながら実践する。速く数えてやっても効果がない。できれば、「ひとーつ、ふたーつ」などと、息を長く吐きながら声に出してほしいという。 宮崎さんが教える快眠ストレッチを紹介しよう。 座ったまま、右腕を少し前に出して下げ、軽くひじを曲げ、右肩の外側を伸ばす(別掲1)。右肩の外側が伸びているのを感じながら20までゆっくり数える。次に、左側でも同様にする。 胸の前側を伸ばすストレッチは、両腕を後ろ側に回す(別掲2)。胸の前側が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。 次は、体の前で大木を抱えるように両腕を出し、背中を伸ばす(別掲3)。背中が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。 首を少し真横の左側に傾け、右手を頭の上にのせる(別掲4)。ゆっくり20まで数える。逆向きでも同様にする。 今度は、首を少し左前に傾け、右手を頭の上にのせる(別掲5)。首筋の後ろ右側が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。逆向きでも同様に。宮崎さんは「しっかり伸ばす」のを意識して実践してほしいという。) 最後は、椅子に座った状態で、両方の手のひらを体に当てたまま、ゆっくり動かす(別掲6)。まず、両手をそれぞれの太ももの上に置き、手を体に当てたまま、1から3までゆっくり数えながら、手を胸まで上げる。手は体に当てたまま、同じく1から3までゆっくり数えながら、手を太ももの上まで下ろしていく。宮崎さんは「呼吸が大事」と強調する』、「1から20までゆっくり数えながら実践する。速く数えてやっても効果がない。できれば、「ひとーつ、ふたーつ」などと、息を長く吐きながら声に出してほしい」、「呼吸が大事」、なるほど。
・『うまく眠れない、すっきり眠れないのは「寝返りを上手に打てないことが多い」と言うのは、柔道整復師の田中宏・睡眠整体協会会長。 田中さんは「いかに正しく寝返りを打てるかを一つの目標にするといい」と話し、三つのストレッチを紹介する。 あおむけに寝るのが基本で、枕は通常、後頭部をのせるが、首の後ろに置くのがいいという。 その際、後頭部が布団につかない人は、ストレートネックと呼ばれ、立ったときに前かがみの姿勢になっていることが多い。そういう人は、首の後ろに枕を当てて寝た状態で、両ひざを曲げて立て、お尻を浮かせると、後頭部が布団につく。ゆっくりとお尻を下ろしていき、足を伸ばす。 腰がそり返っている人は、寝たときに腰と布団との間に、かなりのすき間ができるという。そり腰を直して布団を密着させるため、片足のひざを曲げて立て、もう片方のひざも曲げて立てると、腰と布団がぴったりとつく。その後、片足ずつ、足を伸ばしていく。 最後は、寝返りを上手に打つため、寝た状態で両足のひざを折り曲げ、左右に倒す。左右に5回ずつくらいがいい。次に、上半身も左右に倒す。これにより、「寝返りが上手に打てるようになる」と田中さんは話す。 寝るのは、和室の畳の上に「せんべい布団」を1枚敷いたくらいがいいそうだ。ふかふかのベッドもいいが、体のゆがみを矯正しようと長期的に考えるなら、寝具は硬めがいいという。 諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、日常生活にさまざまなストレッチを取り入れている。眠れなかったときに行うストレッチもその一つ。) 鎌田さんはチェルノブイリやイラク、福島原発事故などの現地で医療支援をしてきた。時差がある海外は「帰ってきて、てんてこまいだった」と話し、眠るため、睡眠薬を使うようになったという。1種類で間に合わず、2種類になり、「まずいな」と思うようになった。 鎌田さんは支援活動の募金集めや、内科外来での診療、講演活動と多忙を極め、「交感神経が優位だった」と感じていた。 そこで鎌田さんは、食事や日光浴、速遅歩きといった運動など、生活習慣全般の改善に取り組んだ。その際に、いくつかのストレッチが効いた。「副交感神経を刺激した」とみている。 鎌田さんが快眠のために勧めるストレッチの一つが片鼻呼吸。一酸化窒素を体中に送り込み、血管を拡張させて自律神経のバランスを整えるという。右手の人さし指と中指で、左側の小鼻を押さえて鼻穴をふさぎ、右側の鼻穴だけで3秒間、息を吸い込む。次に、そのまま、右手の親指で右側の小鼻を押さえて鼻穴を両方ふさぎ、呼吸を3秒間、止める。 さらに、人さし指と中指だけを小鼻から離し、親指で小鼻の右側を押さえたまま、左の鼻穴だけで7秒間、息を吐き出す。吐き終わると、そのまま3秒かけて左側の鼻穴だけで息を吸い、また両鼻穴をふさいで3秒間、息を止める。今度は、右側の鼻穴だけで息を7秒間、吐き出す。 もう一つのお勧めは、股関節のストレッチ。寝る前に全身の疲れをとることが大事という。床にあぐらをかくように座り、両足の裏側を合わせる。両足を開いて、ひざを曲げ、足裏が合わさった状態で、ゆっくり両足を股へ近づけ、上体を倒して、できる範囲で前屈する。その姿勢を30秒間、保つようにする。 こうした効果もあり、鎌田さんは「睡眠薬がまったくいらなくなった」と話す。74歳のいま、医師の仕事や支援活動のほか、13本の連載や年間に何冊もの本の執筆、全国で講演活動もこなす。 多くの専門家が勧める快眠ストレッチ。自分に合ったものを見つけてみてはいかが。(本誌・浅井秀樹)』、「鎌田さんが快眠のために勧めるストレッチの一つが片鼻呼吸。一酸化窒素を体中に送り込み、血管を拡張させて自律神経のバランスを整えるという」、「もう一つのお勧めは、股関節のストレッチ。寝る前に全身の疲れをとることが大事という。床にあぐらをかくように座り、両足の裏側を合わせる。両足を開いて、ひざを曲げ、足裏が合わさった状態で、ゆっくり両足を股へ近づけ、上体を倒して、できる範囲で前屈する。その姿勢を30秒間、保つようにする。 こうした効果もあり、鎌田さんは「睡眠薬がまったくいらなくなった」と話す」、私も「睡眠薬」は使ってないが、「ストレッチ」が「快眠」に効くようなので、試してみたい。
・『宮崎総一郎(中部大学特任教授)の快眠ストレッチ  (1)右腕を前に出して下げ、ひじを軽く曲げ、右肩の外側が伸びているのを感じながら、20まで、ゆっくりと数える。左腕は力を抜いて垂らす。次に、左腕でも同様にする。 (2)両腕を後ろに回し、胸の前を伸ばして、20までゆっくり数える。 (3)両腕で大木を抱えるようにして、背筋を伸ばし、20までゆっくり数える。 (4)首を真横の左側に少し傾け、右手を頭の上にのせ、20までゆっくり数える。次に、右側でも同様にする。 (5)これは(4)の動きとも似ているが、首を左斜め前に少し傾け、右手を頭の上にのせ、20までゆっくり数える。このとき、首筋の右裏をしっかりと伸ばす。次に、逆方向でも同様にする。 (6)椅子に座った状態で、両方の手のひらを太ももの上にのせる。手のひらは体に当てたまま、ゆっくり1から3まで数えながら、胸まで上げていく。今度は胸に当てた手のひらを、体に当てたまま、ゆっくりと下げて、1から3まで数えながら、太ももの上まで戻す。一連の動きでは、首に気持ちを集中する』、この「快眠ストレッチ」は、図示されているので、あとでよく見てみたい。

次に、2月22日付けPRESIDENT Onlineが掲載した科学ジャーナリストの生田 哲氏による「「お酒は少量であれば健康に良い」は間違い…最新研究で分かった"お酒と健康"のキビシイ関係 残念ながら飲酒に"適量"は存在しない」を紹介しよう。ただし、脚注は省略した。
・『お酒と健康にはどんな関係があるのか。科学ジャーナリストの生田哲さんは「飲酒は健康のメリットになる作用もあるが、比較するとデメリットのほうが大きい。最新の研究では健康になる適量は存在しないとされている」という――。(第1回)※本稿は、生田哲『「健康神話」を科学的に検証する』(草思社)の一部を再編集したものです』、「「飲酒は健康のメリットになる作用もあるが、比較するとデメリットのほうが大きい。最新の研究では健康になる適量は存在しないとされている」、いささかガッカリする結論のようだ。
・『お酒の“ちゃんぽん飲み”は二日酔いと関係ない  人類と酒の付き合いは長い。古代からである。みなさんもアルコールを飲む機会があるに違いない。アルコールについて、さまざまな説が流れている。たとえば、アルコールは健康にいいとか、悪いとか、ビールをワインの先に飲むと二日酔いしないとか、二日酔いには迎え酒が効果的とか。そこで、アルコールに関するホントとウソを検証していくことにする。 【神話】 ワインとビールをちゃんぽんで飲むと悪酔いや二日酔いする 日本では、ワインとビールをちゃんぽんで飲むと悪酔いや二日酔いする、といわれる。「ちゃんぽん」とは、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎など、さまざまな種類のアルコールを飲むことを指す。悪酔いも二日酔いも、飲酒によって頭痛、吐き気、めまいなど、気分が悪くなるのは同じである。 細かいことをいえば、二日酔いは酒を飲んだ翌日の状態を指し、悪酔いは酒を飲んだ当日も含まれる。同じちゃんぽんでも、欧米ではより詳細に、ちゃんぽんにする酒類の順番まで気にしていて、ワインの前にビールを飲むと二日酔いしない、との言い伝えがある。 【科学的検証】 ウソである。 アルコール類を飲む順番は二日酔いに影響しないだけでなく、二日酔いの程度にも影響しないという明確な回答が、2019年、ドイツとイギリスの共同チームによって報告された(*1)』、「アルコール類を飲む順番は二日酔いに影響しないだけでなく、二日酔いの程度にも影響しない」、私はこれまで「アルコール類」を弱いものから強いものへと変えていたが、無駄だったようだ。
・『二日酔いの原因は完全には解明されていない  友人たちが久しぶりに集まってパーティが開かれた。最初にビール、次にワイン、そして焼酎またはウイスキーのオンザロック。杯を重ねるうちに、つい飲み過ぎてしまう。私たちの多くが経験することである。問題は、楽しかった夜の翌日である。頭がガンガンし、気分が悪く、汗が出る。寝床でもう二度と酒を飲まないと誓う。この嫌な二日酔いを防ぐ方法があれば、どんなに素晴らしいことか。 日本では、ワインとビールをちゃんぽんで飲むと悪酔いや二日酔いするといわれる。欧米ではより詳細に、「ワインよりビールを先に飲めば、二日酔いしない」などといわれてきた。欧米人もまた、二日酔いに悩まされてきたことがわかる。しかも歴史をたどれば、欧米の格言は中世からいわれているので、きっと真理が含まれている、と思う人は多い。だが、これが間違いであることがドイツのグループの研究によって明らかとなった。 古代から二日酔いはあったにちがいないが、今でもナゾが残っている。ナゾというのは、二日酔いはアルコール飲料の飲み過ぎによるのだが、その症状があらわれるのは、血中アルコール濃度がゼロになってからである。 二日酔いの主な症状は、頭痛、吐き気、疲労感である。その原因は、おそらく、脱水、代謝、免疫系の応答やホルモン系の混乱によると考えられる。二日酔いによって私たちの生産性は著しく低下する。週末ならベッドやソファで横になる。気分が悪く、外出することもなく、ネットフリックスやYouTubeを見て過ごす。平日ならたとえ出勤したとしても能率が落ちること、この上ない』、「古代から二日酔いはあったにちがいないが、今でもナゾが残っている。ナゾというのは、二日酔いはアルコール飲料の飲み過ぎによるのだが、その症状があらわれるのは、血中アルコール濃度がゼロになってからである。 二日酔いの主な症状は、頭痛、吐き気、疲労感である。その原因は、おそらく、脱水、代謝、免疫系の応答やホルモン系の混乱によると考えられる。二日酔いによって私たちの生産性は著しく低下する」、「その症状があらわれるのは、血中アルコール濃度がゼロになってから」、飲み続けていれば、「二日酔い」にはならないことになる筈だが、本当だろうか。
・『「ワインの前にビールを飲むと二日酔いしない」はウソ  当然、二日酔いを軽減する、あるいは防ぐ方法を模索する。だが、二日酔いへの有効な対策は存在しないので、どうしても言い伝えに頼ることになる。これが賢い選択となることもあるが、そうでない場合もある。ビールを先にワインを後に飲むと二日酔いが軽減される、という言い伝えの真偽を検証するために、ドイツで真面目に実験が行われた。被験者は19~40歳の健康な大人、90人。そして被験者をランダムに3グループに分けた(*1)。 グループ1は、まず、ビールを飲んだ。どこまで飲むかというと、呼気のアルコール濃度が0.05%に達するまで。次に、ワインを濃度が0.11%になるまで飲んだ。これだけ飲んで運転したら、アルコール規制の緩いアメリカでも酒酔い運転で捕まる。グループ2は、まず、ワインを濃度が0.05%に達するまで飲み、次に、ビールを濃度が0.11%になるまで飲んだ。そしてグループ3は、ワインまたはビールを濃度が0.11%に達するまで飲んだ。 1週間後、同じ実験をくり返した。ただし今回は、グループ1とグループ2のメンバーを交代した。だから、ワインやビールを飲む順番が最初のものと入れ替わった。グループ3ではワインを飲んだ人はビールを、ビールを飲んだ人はワインを提供された。どのグループも、性別、体格、飲酒習慣、二日酔いの頻度は似ている。 そして、被験者に症状(ノドの渇き、疲労感、頭痛、めまい、吐き気、胃痛、動悸どうき、食欲不振)を申告してもらい、「急性二日酔いスケール」という基準にしたがって二日酔いを評価した』、かなり大規模で本格的な「実験」だ。
・『二日酔いの症状と“ちゃんぽん飲み”は無関係  言い伝えによると、「ワインより、まず、ビールを飲むと、二日酔いになりにくい」。この格言の一般的な説明は、最初にワインを飲み、次にビールを飲むと、ビールに含まれる二酸化炭素によってワインのアルコールが迅速に吸収され、酔いと二日酔いが深刻化する、と。 だが、この研究で明らかになったのは、そういうことではない。ワインだけ飲むとか、ビールだけ飲むとか、あるいはビールとワインを飲む順番を変えるとかは、二日酔いの頻度や症状とはまったく関係がなかった。 驚くことはない。重い二日酔いであることを示す最もわかりやすい指標は、飲んだ翌朝にどう感じるか、または、飲んだ後におう吐したかである。アルコールはビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎など、どんな形式で摂取しようと、効率よく、迅速に体内に吸収されるから、ちゃんぽんで飲んだとか、ワインやビールだけ飲んだとかいうことで、二日酔いになりやすさに違いはない。 私がこの論文を読んで思ったことは、おそらく読者も同じように感じておられるだろうが、この研究は優先順位の上位にランクされるものなのか、という疑問である。おそらく、「遊び心」での研究だろう。それより大事なことは、アルコール飲料を飲む際に、どれを飲むかという選択や順番に関係なく、飲んだら運転しないこと、飲酒をストップするタイミングを誤らないことである』、「アルコールはビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎など、どんな形式で摂取しようと、効率よく、迅速に体内に吸収されるから、ちゃんぽんで飲んだとか、ワインやビールだけ飲んだとかいうことで、二日酔いになりやすさに違いはない」、なるほど。
・『「酒は百薬の長」は科学的には間違っている  【神話】少しの飲酒はまったく飲まないよりも健康にいい 「酒は百薬の長」といわれるように、昔から適度の飲酒が健康によいという考えがある。たとえば、カゼを引いたときに酒を温め、これに鶏卵を入れて飲む「卵酒」。「卵酒」の起源は不明だが、民間療法として江戸時代にはすでに利用されてきたようである。では、酒は健康にいいのか? 【科学的検証】 ウソである。 今でも、酒が健康によいという主張がテレビや新聞といった古いメディアだけでなく、インターネットといった新しいメディアでも喧伝されている。 巷では、赤ワインがスーパーフードと称する食品リストに掲載されているのを目にする。グレープの皮に含まれるレスベラトロールという物質が心臓の健康にいいと主張する。確かに、1杯の赤ワインが心臓の健康に効果的であるという考えを支持する多くの論文が発表されてきた。 それなら、心臓を守るために赤ワインを飲み始めようか? やめたほうがいい。もし、今、あなたが飲酒していないなら、よりよい健康を求めてわざわざ飲み始める必要はまったくない』、「卵酒」は私が小学生時代に同居していた祖母が、風邪を引いた時に作ってくれたのを思い出す。「もし、今、あなたが飲酒していないなら、よりよい健康を求めてわざわざ飲み始める必要はまったくない」、なるほど。
・『アルコールは飲めば飲むほど体に悪い  これまでは、飲酒に健康効果はなくとも、少しの飲酒なら害にはならないと思われてきた。たとえば、アメリカでは「よりよい健康を求めて酒を飲むべきではないが、適度な飲酒(女性は1日1杯、男性は1日2杯まで)なら害にならない、あるいは有益かもしれない」と主張されてきた。 これは、アメリカ人のためのダイエットのガイドラインに明記され、「アメリカ心臓協会」や「アメリカがん学会」といったアメリカを代表する権威ある学会も支持を表明してきたものである。これらの主張は正しいのか? 2018年、これらの主張を真っ向から否定する研究結果が『ランセット』という一流医学雑誌に発表された。 結論は、あまりにも明らかで、健康によいアルコール摂取量というものは存在しない、すなわち、アルコールは摂取量にかかわらず有害である、というもの(図表1)。 【図表1】飲酒による健康リスク飲酒による健康リスク(出所=『「健康神話」を科学的に検証する』p.95) 飲酒に健康効果があるとの主張を完全に否定し、飲酒は有害であると主張するものである。しかも、この論文の信頼性は極めて高い。その理由を次に述べる。この論文は、ワシントン大学医学部のエマニュエラ・ガキドウ教授のグループが中心になり、アルコールの世界への影響を調査した結果をまとめたものである』、「結論は、あまりにも明らかで、健康によいアルコール摂取量というものは存在しない、すなわち、アルコールは摂取量にかかわらず有害である」、つまらない結論だ。 
・『飲酒にもメリットはあるがデメリットのほうが大きい  この調査では、1990~2016年に発表された、195カ国からのデータが掲載された約600の治験論文を集めて分析を行った。このように複数の治験データを集めて分析することを「メタ分析」と呼んでいる。メタ分析の信頼性は高いため、発表された論文の信頼性も高く、評価の高い学術雑誌に掲載されることが多い。 この論文が掲載された『ランセット』は超一流医学雑誌である。この論文のポイントは、こうだ。適度な飲酒は心臓をごくわずかに保護するかもしれないが、この利益を相殺する、がんやその他の病気を引き起こすリスクを格段に高めることを発見したので、アルコールは摂取量に関係なく有害であること、加えて、政府機関に対しアルコール飲料の消費に関するガイドラインを改訂するように提案している。 この結論は、飲酒を適度に楽しんでいると考える人々(中程度の飲酒者)にとって驚きであり、彼らを落胆させるものである。 先に述べた通り、公衆衛生の専門家たちは長年にわたり、「適度な飲酒は害にならない、あるいは有益かもしれない」と主張してきたからである。この論文は、2016年に全世界の男性39%、女性25%が日常的に飲酒していたこと、アルコールが280万人に死をもたらしたこと、アルコールは早死の第7番目の原因であり、全男性の死の6.8%、全女性の死の2.2%はアルコールによるものであることを明らかにした』、「適度な飲酒は心臓をごくわずかに保護するかもしれないが、この利益を相殺する、がんやその他の病気を引き起こすリスクを格段に高めることを発見したので、アルコールは摂取量に関係なく有害である」、「2016年に全世界の男性39%、女性25%が日常的に飲酒していたこと、アルコールが280万人に死をもたらしたこと、アルコールは早死の第7番目の原因であり、全男性の死の6.8%、全女性の死の2.2%はアルコールによるものであることを明らかにした」、やはり飲酒に都合がいい考えは出てこないようだ。
・『1日2杯で7%、5杯で37%も健康リスクが高まる  加えて、飲酒量が増えるにしたがい、健康リスクは直線的に増加することから、飲酒量と健康リスクには因果関係が成り立つ。すなわち、飲酒が健康を損ねる原因となっている。では、飲酒はどれほど健康を損ねるのか? ノンドリンカー(まったく飲まない人)にくらべ、1日1杯飲む人はがんや糖尿病などアルコールに関連する23もの健康問題のリスクが0.5%高くなる。わずか0.5%。このレベルの飲酒量であればリスクの上昇は非常に小さい。この研究によれば、10万人当たり増加する死者はわずか4人である。たいしたことはない。 しかし、1日2杯飲む人はノンドリンカーにくらべ、健康リスクが7%も上昇する。そして1日5杯飲むと健康リスクは37%も上昇する。こうなるとたいしたことがある。これまでの研究で明らかになったことは、次の通りである。 (a)アルコールは健康にはマイナスである。だから、飲まないのがベスト。 (b)あなたが、今、飲酒していないなら、よりよい健康を求めて飲み始める必要はない。 (c)あなたがすでに飲酒しているなら、適量を超えて飲むべきではない。 健康を考えるなら、アルコールを飲まないのがベストであるが、付き合いもあることだし、まったく飲まないのは辛いというのであれば、適量を飲むようにしたい。適量というのは1日1杯である』、「まったく飲まないのは辛いというのであれば、適量を飲むようにしたい。適量というのは1日1杯である」、僅か「1日1杯」とは・・・。

第三に、2月26日付けPRESIDENT Onlineが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「好物を我慢すると病気になる…医師・和田秀樹が「血圧・血糖値・コレステロール値を気にするな」というワケ 医師・栄養士の言葉を鵜呑みにしてはならない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/66493
・『健康のためには好物も我慢すべきなのだろうか。精神科医の和田秀樹さんは「動脈硬化を恐れるあまり、好きなものを満足に食べない暮らしを続けていれば、男性ホルモンは減少し、免疫機能も低下する。それより好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せだ」という――。(第3回) ※本稿は、和田秀樹『いつまでもハツラツ脳の人』(日刊現代)の一部を再編集したものです』、「好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せだ」、嬉しくなるようなアドバイスをしてくれる「和田秀樹さん」は、このブログの常連だ。
・『健康のために「精のつく食べもの」を我慢する人  肉以外で男性ホルモンの補給に有効なのが、レバー、うなぎ、牡蠣、にんにく、納豆、オクラなどです。 どれも「精のつく食べもの」で、ネバネバ系も少なくありません。しかも美味で、愛好家の多い食品です。 ところが、これらの食品を我慢する人が少なくありません。 「医者に止められてコレステロールの含有量が高いのは避けている」 と、不本意な気持ちを抱えたまま、“ご馳走”を控えるケースが目立つのです。 同じように、血圧が高い人は、きまったように医師から「塩分控えめ」を忠告され、真面目な人は頑張って実行してしまいます。 血圧を測定するたびに、数値が下がっていることを医師に誉められると、それが励みになり、ますます塩分を摂取しなくなる傾向もあります。 私の知人のお父さんは頑固な性格も手伝って、頑なに医師のアドバイスを守っていました。塩分の量に過敏と思えるほど反応し、奥さんが時間をかけて作った煮魚のたれを洗って食べていたそうです。 奥さんの悲しげな表情が目に浮かびますが、それはさておき、そのような暮らしを続けていた結果、血圧はずっと抑えられていたそうです。 ですが、あるとき気分が悪くなり、ひどい頭痛で入院してしまいました。 検査をしてみても頭痛の原因は明らかにならなかったのですが、ひとつ判明したことがありました。 それは「低ナトリウム血症」。 医師の話では塩分の摂取不足が頭痛の原因であったかもしれない、ということでした。 お父さんは、病院の味噌汁が「おいしい」と喜んでいたそうですが、しっかりと塩味のある料理は久しぶりだったのでしょう』、「医師から「塩分控えめ」を忠告」され、それを忠実に実行した結果、「低ナトリウム血症」になってしまったとは笑うに笑えない話だ。
・『好きなものを我慢するのは「百害あって一理なし」  このエピソードを笑ってばかりはいられません。 たしかに「低ナトリウム血症」になってしまうほど塩分を摂らないのは極端なケースですが、これと似たような日常が病院の診察室では毎日のように見られます。 「コレステロールが高いからタマゴや肉は少し減らしましょう」「血糖値が高いですね。毎日スイーツ? 甘いものは1週間に1回、週末の楽しみにしましょう」 そんな医師や栄養士の言葉を鵜呑みにして、好きなもの、美味しいものを我慢するのは、ややオーバーですが「百害あって一理なし」。 お腹周りが気になっている人でも、ほとんどの場合は深刻な肥満ではありません。 にもかかわらず、好きな甘味を我慢していたらストレスをため込むだけです。 焼肉やうなぎが大好物なのに、血圧やコレステロールが高いからといって、「年に2、3回しか食べないようにしている。本当は毎月、食べたいのですが」と、浮かない顔をしている人は少なくないのです。 それで血圧や血糖値やコレステロールは正常になったとして、それが楽しい暮らしになるのでしょうか? 私なら絶対、断ります。 そもそも、医師が血圧、血糖値、コレステロールなどに注意を払う大半の理由は脳梗塞や心筋梗塞といった血管障害を予防するためです。 その最大の原因は動脈硬化ですが、血管は年をとればみんな硬くなります。にもかかわらず、「食の楽しみ」を奪ってまで食事指導が必要でしょうか?』、私も「コレステロール」が高いとして、食事療法を迫られているが、和田氏のアヂバイスに従って、もう止めたい。
・『好きな物を我慢すると免疫力は低下する  作家・幸田露伴は代表作『五重塔』で知られ、夏目漱石、森鴎外と並び称される明治時代の文豪ですが、食通としても有名でした。 味の好みにうるさく、舌に会わないものを供されると、「おれは、はきだめではない」と激怒したエピソードも伝わっています。 なんとも剣呑けんのんな老人のイメージですが、その露伴が次のように話したと伝わっています。 「食べ物というのは、うまいと思って食べれば栄養になる。まずいと思って食べれば決して滋養にはならない」 医者のアドバイスもときには無視して好物を腹いっぱい食べれば、栄養をもらった脳は必ず喜びます。 現在、がんで亡くなる人は日本国内で40万人近く。 一方、脳梗塞による死者数は約12万人。圧倒的にがんで亡くなる人が多いのです。 がんの発症にはさまざまな説がありますが、毎日、体内に発生するがん細胞を撃退する上で、免疫の力は欠かせません。 血圧やコレステロール値が下がっても、好きな物を我慢する生活を続けていたら、免疫力は間違いなく低下します。 検査の値はすべて正常。しかし、生気のない表情をしていてがんになってしまった……。 そんな悲惨な例が決して少なくないのです』、「現在、がんで亡くなる人は日本国内で40万人近く。 一方、脳梗塞による死者数は約12万人。圧倒的にがんで亡くなる人が多いのです。 がんの発症にはさまざまな説がありますが、毎日、体内に発生するがん細胞を撃退する上で、免疫の力は欠かせません。 血圧やコレステロール値が下がっても、好きな物を我慢する生活を続けていたら、免疫力は間違いなく低下します。 検査の値はすべて正常。しかし、生気のない表情をしていてがんになってしまった……。 そんな悲惨な例が決して少なくないのです」、確かにその通りだ。
・『「少し太り気味」でも気にしない  「わかっちゃいるけど、続かない」 中高年にとって、しばしばそう感じるものがあります、それが運動です。 真面目に運動を続けている人もたくさんいますが、ほとんどの人は「右肩上がり」で成長を続けるお腹周りを触りながら、「運動しなくては」と暗い顔になります。 がんなどの生活習慣病を予防し、動脈硬化を防ぐために運動は欠かせない。それはみんな十分わかっています。 にもかかわらず、続けられない、続けにくいのが運動かもしれません。 50代以降の年代ならば、少々の肥満は問題ありません。「少し太り気味かな」と感じても気にしない、が正解です。 BMI(ボディ・マス・インデックス)は22が標準とされていますが、世界中のさまざまな統計を見るかぎり、いちばん長生きするのは、この数字よりもやや高い25~30くらいです。 しかも元気で幸せそうに見えます。 対極なのが、いつも不機嫌そうで怒りっぽいタイプです。気に入らないことがあると、言葉を荒げることも多く、自然と人は寄り付かなくなってきます。 こういうタイプは「小太り」よりも「やせぎす」に多い、と私は感じています』、私は「運動」については、毎日8千歩歩いているので、大丈夫だ。
・『好物を思う存分食べたほうが男性ホルモンが増える  現在の日本の健康診断ではBMIが25~30になると、判で押されたように「肥満」のレッテルを貼られて食事指導を受けるようになります。 動脈硬化を防ぐための「食べる楽しみを抑えた」暮らしです。この指導と正反対にあるのが「食べる楽しみを優先した」暮らしです。 私は60歳を過ぎた「やや小太り」ですが、後者を選び、すでに実践しています。 ワイン好きの私は、赤ワインと白ワインを交互に飲み、それに合う食事を摂っています。 今日は赤ワインと肉料理、明日は白と魚といった具合です。 動脈硬化を恐れるあまり、好きなものを満足に食べない暮らしを続けていれば、自ずと男性ホルモンは減少していき、免疫機能は低下します。 それよりも好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞(注)活性を上げたほうが、よっぽど幸せです。 そういう暮らしを続ければ意欲が枯れることはなく、脳はヨボヨボになりません。 逆に「健康長寿脳」の持ち主となり、その元気ハツラツぶりは外見にも表れてきます』、「動脈硬化を恐れるあまり、好きなものを満足に食べない暮らしを続けていれば、自ずと男性ホルモンは減少していき、免疫機能は低下します。 それよりも好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せです」、その通りだ。
(注)NK細胞:免疫細胞の一つに、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)があります。病原菌やがん細胞を殺す力が極めて強く、がん治療にも採用されている細胞です(やさしいLPS)。
・『好きな食べ物で「好かれる外見」に  人の印象は「外見が9割」という見方がありますが、福沢諭吉も『学問のすすめ』の中で次のように述べています。 「顔色や表情を、いきいきと明るくすることは、人として大事なことである。 いつも苦虫を噛みつぶしたような顔をしていてはダメである。なぜなら人の表情は、家の門口と同じだからである。 多くの人と交際し、付き合うには、門口を清潔にして、相手が入りやすくすることが大切である。 ところが、人と広く交際したいのに、表情に気を使わず、偽君子の格言を信じて、渋い顔つきでいるのは、門口にガイコツをぶら下げ、玄関に棺桶を置いているようなものである。 これでは人は近づかなくなる」 さすがは福沢諭吉。ガイコツ、棺桶と刺激的な言葉が使われていますが、人の外見の大切さを見事に言い当てています。 それは単なる見てくれではなく、内面から滲み出てくる「外見」の重要性です。 人に好かれる、生き生きとした明るさは、「好きな食べ物」抜きには作れないことを再認識したいものです』、「さすがは福沢諭吉・・・人の外見の大切さを見事に言い当てています。 それは単なる見てくれではなく、内面から滲み出てくる「外見」の重要性です。 人に好かれる、生き生きとした明るさは、「好きな食べ物」抜きには作れないことを再認識したいものです」、同感である。
タグ:健康 (その22)(睡眠薬がいらなくなった人も…「快眠できるストレッチ」は誰でも簡単!?、「お酒は少量であれば健康に良い」は間違い…最新研究で分かった"お酒と健康"のキビシイ関係 残念ながら飲酒に"適量"は存在しない、好物を我慢すると病気になる…医師・和田秀樹が「血圧・血糖値・コレステロール値を気にするな」というワケ 医師・栄養士の言葉を鵜呑みにしてはならない) ダイヤモンド・オンライン AERAdot.を転載した「睡眠薬がいらなくなった人も…「快眠できるストレッチ」は誰でも簡単!?」 「ストレッチは筋肉をゆっくり伸ばすが、体操はしっかり動かす。眠れない人が寝る前に体操をすると、逆に眠れなくなる。朝のラジオ体操のように、体操は目覚めのためにするものという。 逆に、ストレッチは気持ちが沈静化するため眠くなる」、私も「ストレッチと体操をごっちゃにしてい」たので、これでスッキリ整理できた。 「1から20までゆっくり数えながら実践する。速く数えてやっても効果がない。できれば、「ひとーつ、ふたーつ」などと、息を長く吐きながら声に出してほしい」、「呼吸が大事」、なるほど。 「鎌田さんが快眠のために勧めるストレッチの一つが片鼻呼吸。一酸化窒素を体中に送り込み、血管を拡張させて自律神経のバランスを整えるという」、「もう一つのお勧めは、股関節のストレッチ。寝る前に全身の疲れをとることが大事という。床にあぐらをかくように座り、両足の裏側を合わせる。両足を開いて、ひざを曲げ、足裏が合わさった状態で、ゆっくり両足を股へ近づけ、上体を倒して、できる範囲で前屈する。 その姿勢を30秒間、保つようにする。 こうした効果もあり、鎌田さんは「睡眠薬がまったくいらなくなった」と話す」、私も「睡眠薬」は使ってないが、「ストレッチ」が「快眠」に効くようなので、試してみたい。 宮崎総一郎(中部大学特任教授)の快眠ストレッチ この「快眠ストレッチ」は、図示されているので、あとでよく見てみたい。 PRESIDENT ONLINE 生田 哲氏による「「お酒は少量であれば健康に良い」は間違い…最新研究で分かった"お酒と健康"のキビシイ関係 残念ながら飲酒に"適量"は存在しない」 生田哲『「健康神話」を科学的に検証する』(草思社) 「「飲酒は健康のメリットになる作用もあるが、比較するとデメリットのほうが大きい。最新の研究では健康になる適量は存在しないとされている」、いささかガッカリする結論のようだ。 「アルコール類を飲む順番は二日酔いに影響しないだけでなく、二日酔いの程度にも影響しない」、私はこれまで「アルコール類」を弱いものから強いものへと変えていたが、無駄だったようだ。 「古代から二日酔いはあったにちがいないが、今でもナゾが残っている。ナゾというのは、二日酔いはアルコール飲料の飲み過ぎによるのだが、その症状があらわれるのは、血中アルコール濃度がゼロになってからである。 二日酔いの主な症状は、頭痛、吐き気、疲労感である。その原因は、おそらく、脱水、代謝、免疫系の応答やホルモン系の混乱によると考えられる。二日酔いによって私たちの生産性は著しく低下する」、 「その症状があらわれるのは、血中アルコール濃度がゼロになってから」、飲み続けていれば、「二日酔い」にはならないことになる筈だが、本当だろうか。 かなり大規模で本格的な「実験」だ。 「アルコールはビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎など、どんな形式で摂取しようと、効率よく、迅速に体内に吸収されるから、ちゃんぽんで飲んだとか、ワインやビールだけ飲んだとかいうことで、二日酔いになりやすさに違いはない」、なるほど。 「卵酒」は私が小学生時代に同居していた祖母が、風邪を引いた時に作ってくれたのを思い出す。「もし、今、あなたが飲酒していないなら、よりよい健康を求めてわざわざ飲み始める必要はまったくない」、なるほど。 「結論は、あまりにも明らかで、健康によいアルコール摂取量というものは存在しない、すなわち、アルコールは摂取量にかかわらず有害である」、つまらない結論だ。 「適度な飲酒は心臓をごくわずかに保護するかもしれないが、この利益を相殺する、がんやその他の病気を引き起こすリスクを格段に高めることを発見したので、アルコールは摂取量に関係なく有害である」、「2016年に全世界の男性39%、女性25%が日常的に飲酒していたこと、アルコールが280万人に死をもたらしたこと、アルコールは早死の第7番目の原因であり、全男性の死の6.8%、全女性の死の2.2%はアルコールによるものであることを明らかにした」、やはり飲酒に都合がいい考えは出てこないようだ。 「まったく飲まないのは辛いというのであれば、適量を飲むようにしたい。適量というのは1日1杯である」、僅か「1日1杯」とは・・・。 和田 秀樹氏による「好物を我慢すると病気になる…医師・和田秀樹が「血圧・血糖値・コレステロール値を気にするな」というワケ 医師・栄養士の言葉を鵜呑みにしてはならない」 和田秀樹『いつまでもハツラツ脳の人』(日刊現代) 「好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せだ」、嬉しくなるようなアドバイスをしてくれる「和田秀樹さん」は、このブログの常連だ。 「医師から「塩分控えめ」を忠告」され、それを忠実に実行した結果、「低ナトリウム血症」になってしまったとは笑うに笑えない話だ。 私も「コレステロール」が高いとして、食事療法を迫られているが、和田氏のアヂバイスに従って、もう止めたい。 「現在、がんで亡くなる人は日本国内で40万人近く。 一方、脳梗塞による死者数は約12万人。圧倒的にがんで亡くなる人が多いのです。 がんの発症にはさまざまな説がありますが、毎日、体内に発生するがん細胞を撃退する上で、免疫の力は欠かせません。 血圧やコレステロール値が下がっても、好きな物を我慢する生活を続けていたら、免疫力は間違いなく低下します。 検査の値はすべて正常。しかし、生気のない表情をしていてがんになってしまった……。 そんな悲惨な例が決して少なくないのです」、確かにその通りだ。 私は「運動」については、毎日8千歩歩いているので、大丈夫だ。 「動脈硬化を恐れるあまり、好きなものを満足に食べない暮らしを続けていれば、自ずと男性ホルモンは減少していき、免疫機能は低下します。 それよりも好物を思う存分食べ、男性ホルモンの量を増やし、NK細胞活性を上げたほうが、よっぽど幸せです」、その通りだ。 (注)NK細胞:免疫細胞の一つに、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)があります。病原菌やがん細胞を殺す力が極めて強く、がん治療にも採用されている細胞です(やさしいLPS)。 「さすがは福沢諭吉・・・人の外見の大切さを見事に言い当てています。 それは単なる見てくれではなく、内面から滲み出てくる「外見」の重要性です。 人に好かれる、生き生きとした明るさは、「好きな食べ物」抜きには作れないことを再認識したいものです」、同感である。
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健康(その21)(がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの" 体内環境を がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする、検診結果が返ってきたら「GFR59以下」になっていないか必ず確認を、「ストレスのない生活」はむしろ寿命を縮める!? 高熱で身体をいじめるサウナはなぜ「健康的」か) [生活]

健康については、昨年4月26日に取上げた。今日は、(その21)(がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの" 体内環境を がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする、検診結果が返ってきたら「GFR59以下」になっていないか必ず確認を、「ストレスのない生活」はむしろ寿命を縮める!? 高熱で身体をいじめるサウナはなぜ「健康的」か)である。

先ずは、昨年4月27日付けPRESIDENT Onlineが掲載した:からすま和田クリニック院長・京都大学名誉教授・一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会代表理事の和田 洋巳氏による「がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの" 体内環境を、がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/56332
・『がんや生活習慣病を予防するにはどうすればいいのか。京都大学名誉教授の和田洋巳医師は「がん細胞は酸性の環境を好むため、体内環境を酸性に傾ける食品は控えたほうがよい。特に甘いチーズケーキなどの乳製品は最悪だ」という――。 ※本稿は、和田洋巳『がん劇的寛解』(角川新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『白米の代わりに玄米、パンは全粒粉パンを選ぶ  炭水化物は糖質と呼ばれるように、体内で糖(ブドウ糖)に変換された後、正常細胞のエネルギー源として使われます。ところが、がん細胞もまたブドウ糖をエネルギー源としており、正常細胞の約40倍にも上る数のブドウ糖輸送器を使って、とりわけ必要量を超えて変換されたブドウ糖を次々と取り込みます。 そこで、必要量を超える量の炭水化物を摂取しないこと、すなわち炭水化物の摂取量を控えめにすることが、まず重要になってきます。加えて、血糖値を急激に上昇させるような摂取の仕方をしない、という点にも留意が必要です。血糖値が急激に上昇している状態は、まさにブドウ糖が必要量を超えている状態そのものだからです。 したがって、炭水化物を摂取する場合は、体内で一気にブドウ糖に変化する白米、一般的な小麦粉を使用したパンや麺などをできるだけ避け、例えば白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス(食後血糖値の上昇度を示す指数)の低い食品を摂取するといいでしょう』、「炭水化物を摂取する場合は、体内で一気にブドウ糖に変化する白米、一般的な小麦粉を使用したパンや麺などをできるだけ避け、例えば白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス・・・の低い食品を摂取するといいでしょう」、なるほど。
・『適量は「1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度」  玄米には、中心部にある胚乳(白米部分にあたるデンプン質)のほか、その胚乳を包み込んでいる糠層(糊粉層、種皮、果皮)や胚芽が含まれています。同様に、全粒粉(小麦を丸ごと粉にしたもの)を使用した全粒粉パンには、胚乳(一般的な白い小麦粉に精製される部分)のほか、胚芽や表皮が含まれています。 炭水化物を玄米や全粒粉パンで摂取した場合は、米や小麦の胚乳部分だけを摂取した場合に比べて、体内における炭水化物から糖への変化は緩やかとなり、その結果、食後の血糖値の上昇も緩やかになるのです。しかも、玄米の糠層や胚芽には、ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維などの健康成分も豊富に含まれているのです。 ただし、玄米の影響指数(食品や飲料を100グラム摂取した場合の体内環境に与える酸負荷の程度。指数がプラスに傾けば傾くほど体内環境は酸性に傾き、マイナスに傾けば傾くほど体内環境はアルカリ性に傾く)はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切になってきます』、「炭水化物を玄米や全粒粉パンで摂取した場合は、米や小麦の胚乳部分だけを摂取した場合に比べて、体内における炭水化物から糖への変化は緩やかとなり、その結果、食後の血糖値の上昇も緩やかになるのです。しかも、玄米の糠層や胚芽には、ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維などの健康成分も豊富に含まれているのです」、「玄米の影響指数・・・はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切に」、なるほど。
・『塩分摂取は無塩に近い量が望ましい  同様に、がん細胞はナトリウム・プロトン交換器を駆使して塩分(ナトリウム)を取り込み、プロトン(水素イオン)を排出することで細胞外の微細環境を酸性化します。したがって、塩分の摂取を控えてがん細胞にナトリウムを与えないことが肝要になりますが、塩分もまた水分と同じようにヒトが生きていくためには不可欠の存在です。 では、現実的にはどれくらい摂取を控えればいいのでしょうか。 健康な人について言えば、厚生労働省が推奨している1日あたりの塩分摂取量は、男性で7.5グラム未満、女性で6.5グラム未満となっています。また、WHO(世界保健機関)が推奨している1日あたりの塩分摂取量は男女とも5グラム未満となっています。 しかし、玄米の影響指数(食品や飲料を100グラム摂取した場合の体内環境に与える酸負荷の程度。指数がプラスに傾けば傾くほど体内環境は酸性に傾き、マイナスに傾けば傾くほど体内環境はアルカリ性に傾く)はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切になってきます、と私は考えています』、「玄米の影響指数はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切になってきます」、なるほど。
・『たんぱく質は肉よりも大豆や納豆、青魚から  タンパク質もまたヒトが生きていくためには必要不可欠の栄養素ですが、体のアルカリ化という観点から言えば、タンパク質を牛肉や豚肉などの動物性のタンパク源から摂取することはなるべく控えます。代わりに、大豆や豆腐や納豆などの植物性のタンパク源からなるべく摂取することを心がけることが基本になってきます。 また、タンパク質を動物性のタンパク源から摂取する場合は、イワシやサンマ、サバやサケなどの青魚から摂取するのが理想的です。青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの、健康成分としての必須脂肪酸(ヒトの体内では合成できない脂肪酸)が豊富に含まれているほか、DHAやEPAそのものに体内の慢性炎症を鎮める作用があるからです』、「体のアルカリ化という観点から言えば、タンパク質を牛肉や豚肉などの動物性のタンパク源から摂取することはなるべく控えます。代わりに、大豆や豆腐や納豆などの植物性のタンパク源からなるべく摂取することを心がけることが基本」、「また、タンパク質を動物性のタンパク源から摂取する場合は、イワシやサンマ、サバやサケなどの青魚から摂取するのが理想的です。青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの、健康成分としての必須脂肪酸(ヒトの体内では合成できない脂肪酸)が豊富に含まれているほか、DHAやEPAそのものに体内の慢性炎症を鎮める作用があるからです」、「DHAやEPAそのものに体内の慢性炎症を鎮める作用がある」、とは初めて知った。
・『「卵」はがん治療にも強力な味方だが…  ただし、タンパク質がどれくらい身になるかという点で比較すると、植物性のタンパク源は動物性のタンパク源に大きく劣ります。したがって、血清アルブミン値が安全基準値の4を下回らない状態を維持するためには、完全栄養食品と言われる鶏卵を摂取するのも1つの方法となります。 鶏卵にはタンパク質だけではなく、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラル成分をはじめ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン成分、さらには脂質など、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています。 気をつけるべきは、鶏卵には1個につきおよそ200ミリグラムのコレステロールが含まれていることです。したがって、摂取量としては1日1個程度に留めておくことが妥当であると考えられます。 ちなみに、「生卵かけ玄米ご飯」はあまり推奨できません。玄米に含まれるビオチンという成分と卵白に含まれるアビジンという成分が消化管の中で化学反応を起こし、消化不良などを引き起こす懸念があるからです』、鶏卵にはタンパク質だけではなく、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラル成分をはじめ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン成分、さらには脂質など、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています。 気をつけるべきは、鶏卵には1個につきおよそ200ミリグラムのコレステロールが含まれていることです。したがって、摂取量としては1日1個程度に留めておくことが妥当鶏卵にはタンパク質だけではなく、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラル成分をはじめ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン成分、さらには脂質など、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています。 気をつけるべきは、鶏卵には1個につきおよそ200ミリグラムのコレステロールが含まれていることです。したがって、摂取量としては1日1個程度に留めておくことが妥当にはタンパク質だけではなく、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラル成分をはじめ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン成分、さらには脂質など、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています。 気をつけるべきは、鶏卵には1個につきおよそ200ミリグラムのコレステロールが含まれていることです。したがって、摂取量としては1日1個程度に留めておくことが妥当」、「鶏卵」は「食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています」と理想的なようだ。
・『野菜や果物は「生のまま丸ごと」がいい  しかし、炭水化物や塩分やタンパク質の摂取を頑張って控えめにしたとしても体内環境はがん細胞が好む酸性に傾いていきます。酸性に傾いた体内環境を中性に戻し、さらにアルカリ性にまで戻すためには、唯一のアルカリ化食品とも言える野菜や果物を多く摂取するのが最も有効です。 私のクリニックでは、とくに野菜の推奨摂取量は1日あたり400グラム程度としています。また、野菜や果物は加熱すると有効成分の一部が分解されてしまうため、多くの野菜や果物を「生のまま丸ごと食べる」ことも推奨しています。 しかし、毎日400グラムの野菜を摂取するのは容易ではありません。そこで、野菜や果物をジューサーやミキサーにかけ、ジュースにして摂取することを奨励しています。とくにオススメなのがニンジンをベースとしたジュース(ニンジンに果物などを加えてジューサーで搾ったもの)ですが、ジュースについては、毎朝、1日に必要な量を作って冷蔵庫に保管しておくと便利です。 また、野菜や果物にはビタミン類のほか、フィトケミカルなどの抗酸化物質も豊富に含まれています。フィトケミカルは野菜や果物の色素に含まれている成分で、その代表格にあたるポリフェノールにはがん発生の原因になる活性酸素を体内から除去するほか、同じくがん発生の原因になる悪玉コレステロールを減らす働きもあります』、「毎日400グラムの野菜を摂取するのは容易ではありません。そこで、野菜や果物をジューサーやミキサーにかけ、ジュースにして摂取することを奨励しています。とくにオススメなのがニンジンをベースとしたジュース(ニンジンに果物などを加えてジューサーで搾ったもの)ですが、ジュースについては、毎朝、1日に必要な量を作って冷蔵庫に保管しておくと便利です」、「ポリフェノールにはがん発生の原因になる活性酸素を体内から除去するほか、同じくがん発生の原因になる悪玉コレステロールを減らす働きもあります」、なるほど。
・『代謝の速いビタミン類は3食毎に補給する  中でも、緑黄色野菜や果物はビタミンの宝庫と言われています。 例えば、脂溶性のビタミンについて言えば、ビタミンAはニンジンのほか、カボチャ、モロヘイヤ、小松菜、トマトなどに豊富に含まれており、ビタミンEはカボチャ、モロヘイヤ、アーモンド、落花生などに豊富に含まれています。ただし、落花生(ピーナッツ)は体内環境を酸性に傾けてしまうため、避けるのが無難です。 水溶性のビタミンであるビタミンCは、パプリカ、菜の花、ブロッコリー、キウイ、イチゴ、オレンジ、グレープフルーツなどに多く含まれています。 しかも、ビタミンAとビタミンCとビタミンEには相互作用があり、これらを併せて摂取することで効果はさらに増していきます。そのため、相互作用を有するこの3種類のビタミンは「ACE(エース)」とも総称されています。ただし、ビタミン類はすぐに代謝されてしまうため、朝、昼、晩の3食のたびに補給し続けることが肝要となります』、「ビタミンAとビタミンCとビタミンEには相互作用があり、これらを併せて摂取することで効果はさらに増していきます。そのため、相互作用を有するこの3種類のビタミンは「ACE(エース)」とも総称」、「ビタミン類はすぐに代謝されてしまうため、朝、昼、晩の3食のたびに補給し続けることが肝要」、「3食のたびに補給し続ける」とは大変そうだ。
・『がん細胞を攻撃するキノコ類をたくさん食べるには  さらに、ハナビラタケ、干しシイタケ、シメジ、キクラゲ、エノキなど、キノコ類にはがん細胞を攻撃、殺傷する2次免疫(獲得免疫)を高めるβグルカンが大量に含まれています。とくにハナビラタケはその含有量が多いことで知られています。 ただし、キノコ類を毎日、大量に摂取することもまた容易ではありません。また、キノコ類に含まれるβグルカンを取り出すためには加熱も必要になります。 そこで、私のクリニックでは、すり潰したキノコ類に加熱した出汁を加えて作る「キノコペースト」の摂取を推奨しています。ペースト状にすることで、保存が可能になるほか、使用の選択肢も広がるからです。一例としては、玄米にキノコペーストを加えて炊く、といった使い方もオススメです』、「ハナビラタケ、干しシイタケ、シメジ、キクラゲ、エノキなど、キノコ類にはがん細胞を攻撃、殺傷する2次免疫(獲得免疫)を高めるβグルカンが大量に含まれています」、「キノコ類を毎日、大量に摂取することもまた容易ではありません。また、キノコ類に含まれるβグルカンを取り出すためには加熱も必要になります。 そこで、私のクリニックでは、すり潰したキノコ類に加熱した出汁を加えて作る「キノコペースト」の摂取を推奨しています。ペースト状にすることで、保存が可能になるほか、使用の選択肢も広がるからです。一例としては、玄米にキノコペーストを加えて炊く、といった使い方もオススメです」、「キノコペースト」とはいいアイデアだ。
・『「甘いケーキ」はがん細胞にとってもおいしい  牛乳、バター、チーズなどの乳製品には、がん細胞の活動活性を上げるIGF-1(インスリン様成長因子)が多く含まれています。よく「体にいい」と言われているヨーグルトもその意味では例外ではなく酸性化食品なのです。チーズやバター、とりわけチーズの酸性化力は強烈です。 したがって、乳製品の生クリームがたっぷりと載った甘いチーズケーキなどは、がん細胞にIGF-1とブドウ糖を与え、かつ、がん細胞周辺の微細環境をがんが好む酸性に傾けるという点で、「最悪の食品」と言っていいでしょう。 私のこれまでの臨床経験から見ても、とくにがんにかかった女性の患者さんの場合は、「甘い洋菓子」などの甘味品を多食していたという傾向が顕著に見られます。 したがって、私のクリニックでは、このような食歴を持つ患者さんに対しては乳製品や甘味品の「即時摂取中止」を指導しています。実際、多くの患者さんが乳製品や甘味品の即時摂取中止をはじめとする食生活の見直しによって劇的寛解を得ているのです』、「乳製品の生クリームがたっぷりと載った甘いチーズケーキなどは、がん細胞にIGF-1とブドウ糖を与え、かつ、がん細胞周辺の微細環境をがんが好む酸性に傾けるという点で、「最悪の食品」と言っていいでしょう」、「私のクリニックでは、このような食歴を持つ患者さんに対しては乳製品や甘味品の「即時摂取中止」を指導・・・食生活の見直しによって劇的寛解を得ている」、そんなに効果があるとは意外だ。
・『健康面でメリットしかない食品や飲料などない  ただし、乳製品、とくにヨーグルトなどには、腸内細菌叢、いわゆる腸内フローラを整える効果があります。そして、腸内細菌叢が乱れるとがんにかかりやすくなることが知られているのです。 それらの点を考慮した上で、私のクリニックでは玄米を玄米麹で発酵させた特製の甘酒を甘味品や調味料として推奨することもあります。発酵食品には腸内細菌叢を整え、2次免疫力を上昇させて、がん細胞の活動活性を抑止する働きもあるからです。 突き詰めて言えば、がんや生活習慣病に対してメリットしかない食品や飲料などこの世に存在しません。食品や飲料の持つメリットとデメリットを天秤にかけ、治療効果の上がる最適な組み合わせを選択していくことが肝要となるのです』、「がんや生活習慣病に対してメリットしかない食品や飲料などこの世に存在しません。食品や飲料の持つメリットとデメリットを天秤にかけ、治療効果の上がる最適な組み合わせを選択していくことが肝要」、その通りだ。
・『牛肉豚肉、ソーセージなどがもつ2つの発がん性物質  動物性のタンパク源、中でも牛肉や豚肉、ソーセージなどの加工肉は尿ペーハー、すなわちがん細胞周辺の微細環境をはじめとする体内環境を著しく酸性に傾けます。しかし、牛肉や豚肉や加工肉の弊害は酸性化だけではありません。 実は、動物性のタンパク質を豊富に含んだ牛肉や豚肉や加工肉などを焼いて調理する過程で2つの発がん性物質が生成されることがわかってきています。 1つはHCA(ヘテロサイクリックアミン)、もう1つはPAH(多環芳香族炭化水素)と呼ばれる物質です。このうち、HCAは肉類を焼いた際にできる黒いコゲに含まれており、PAHは炭などに落ちた肉類の油から立ち上る煙に含まれていますが、いずれも発がん性物質として知られている有害物質なのです』、「動物性のタンパク質を豊富に含んだ牛肉や豚肉や加工肉などを焼いて調理する過程で2つの発がん性物質が生成」、いわゆる焼け焦げだろう。
・『「がんをおとなしくさせる食事」はたくさんある  したがって、少なくとも前がん状態にある人やすでにがんを発症してしまった人がタンパク質を摂取する場合は、牛肉や豚肉や加工肉などの動物性タンパク源ではなく、大豆をはじめとする植物性タンパク源から摂取することが推奨されるのです。また、タンパク質の摂取不足を動物性タンパク源で補う場合は、抗炎症作用も持つDHAやEPAを豊富に含む青魚などから摂取するのが上策となります。 以上が「がんをおとなしくさせるための食事術」になりますが、これらの食事術に則った具体的な献立例やレシピ(朝、昼、晩の3食)については、そのための下ごしらえ(出汁の取り方、サラダドレッシング・ディップの作り方、キノコペーストの作り方、野菜・果物ジュースの作り方など)も含めて、私の過去の著書『がんを生き抜く最強ごはん』(毎日新聞出版、2019年)や『がんに負けないからだをつくる 和田屋のごはん』(WIKOM研究所、2018年)の中で詳しく紹介しています。 また、ここで紹介した食事術の詳細とがんに対して有効なメカニズムは最新刊『がん劇的寛解』(角川新書、2022年)で解説していますので、ぜひとも参考にしてみてください』、「牛肉や豚肉や加工肉などの動物性タンパク源ではなく、大豆をはじめとする植物性タンパク源から摂取することが推奨」、「タンパク質の摂取不足を動物性タンパク源で補う場合は、抗炎症作用も持つDHAやEPAを豊富に含む青魚などから摂取するのが上策」、「がんをおとなしくさせるための食事術」は、確かに効き目がありそうだ。

次に、本年1月5日付け日刊ゲンダイ「検診結果が返ってきたら「GFR59以下」になっていないか必ず確認を」を紹介しよう。
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278560
・『女優の檀れいさんが、腎臓とGFRについて話すCMがあります。昨年の秋ごろから放送されるようになり、目にした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 あのCMはNPO法人日本腎臓病協会と製薬会社のアストラゼネカ社が、腎臓病の克服に向けた取り組みの一環として制作したもの。CMの中で檀さんが「GFR値59以下の方は、お医者さんにご相談を」と話している通り、健康診断などの検査結果を受け取ったらGFR値を必ずチェックするようにしてください。 GFRは、糸球体で1分間で処理される血液量のことで、腎臓のいまの働き具合を示す重要な数値です。60以上が正常となり、数字が低いほど腎臓の機能が悪いことになります。この連載でも何度か話していますが、腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど非常に我慢強い部位。GFR値が59以下で多少働きが悪くなっていたとしても、自覚症状に乏しいのが特徴です』、「腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど非常に我慢強い部位。GFR値が59以下で多少働きが悪くなっていたとしても、自覚症状に乏しいのが特徴。そのため、「どこもつらくないから」と再検査を後回しにしがちですが、失われた腎臓機能は元に戻らないので、いま現在より下がらないよう注意をしていかなければなりません。早めに再検査を行い、自分の腎臓の状態を詳しく知るようにしてほしいと思っています」、「「腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど非常に我慢強い部位。GFR値が59以下で多少働きが悪くなっていたとしても、自覚症状に乏しいのが特徴。そのため、「どこもつらくないから」と再検査を後回しにしがちですが、失われた腎臓機能は元に戻らないので、いま現在より下がらないよう注意をしていかなければなりません」、大いに気を付けるべきだ。
・『 再検査をした結果「慢性腎臓病」だと診断された。では「慢性腎臓病」とはなにか。われわれ医師はCKD(chronic kidney disease)と呼んだりもしますが、GFRや尿タンパクの異常、腎臓の形の異常などの何らかの腎臓の異常が3カ月以上持続している場合と定義されます。GFR値と、尿タンパクの値によって診断します。 けれども、「慢性腎臓病」と診断された人は軽症な方から重症の方など多岐にわたります。 GFRが45以上59以下で尿タンパクが出ていない軽症の方は6~7割程度を占めるといわれています。つまり、慢性腎臓病の中でも「軽度」「中等度」「高度」と重症度を示すステージ(フェーズ)があるということなんですね。) 「慢性腎臓病になったら、すぐに人工透析?」 患者さんから多く受ける質問のひとつです。先ほど話したように、慢性腎臓病にはステージがあるので、どこに位置しているかによって治療方法は異なる。 人工透析は、ステージ5の重度に分類される患者さんが受ける治療となります。 とはいえ、自分のステージは軽度だからといって油断は禁物ですよ。腎臓は全身の多くの部位が正常に動くために指令を出している臓です。そのため、軽度であっても、健康な人と比較すると脳や心臓の病気を引き起こしたり、筋力が衰えやすいといわれています。慢性腎臓病は全身疾患とみなして治療を考えていくべきだと私は考えています』、「慢性腎臓病は全身疾患とみなして治療を考えていくべき」、その通りだ。

第三に、2月6日付けNewsweek日本版がPRESIDENT Onlineを転載した分子生物学者のニクラス・ブレンボー氏による「「ストレスのない生活」はむしろ寿命を縮める!? 高熱で身体をいじめるサウナはなぜ「健康的」か」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2023/02/post-100789_1.php
・『長生きをするにはどうすればいいのか。分子生物学者のニクラス・ブレンボー氏は「風が全く吹かない場所に生える樹木は自重でやがて倒れてしまう。人間も適度なストレス下で暮らしたほうがいい」という――。 ※本稿は、ニクラス・ブレンボー『寿命ハック』(新潮新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『放射能を浴びたマウスは、なぜ老化が早まるのか  わたしが暮らすコペンハーゲンで地下鉄に乗ると、抗酸化物質がたっぷり添加された新発売のスムージーの広告をよく見かける。「インフルエンサー」やネット上のマルチ商法が扱う怪しげなダイエット・サプリメントも同様だ。しかし、抗酸化物質とサプリメントのラブストーリーは想像以上に深刻な状況から始まった。 1950年代――最初の原子爆弾が日本に投下されて数年後――科学者たちは放射線が人体に及ぼす影響に関心を寄せていた。例のごとく、人間が苦しまずにすむようにマウスが苦しむことになった。実験を重ねた結果、致命的ではないが高レベルの放射線をマウスに浴びせると、老化が加速することがわかった。放射線を浴びたマウスは加齢性疾患を通常より早く発症し、死期も早まった。 放射線がマウスにとって害になるのは、一つにはそれが細胞の中でフリーラジカルと呼ばれるものを作り出すからだ。フリーラジカルは非常に反応しやすい分子で、他の分子に衝突すると、その分子を傷つける。言うなれば、陶器店にいる雄牛のようなものだ。どの動物も放射線にさらされると細胞内でこの雄牛が暴れまわる。科学者は雄牛がもたらす被害の総量を「酸化ストレス」と呼ぶ。つまり、放射線を浴びたマウスは「酸化ストレスが高い」のだ。 そこで登場するのが抗酸化物質(アンチオキシダント)である。抗(アンチ)はフリーラジカルに対抗するという意味で、抗酸化物質は陶器店の雄牛に打ち込む鎮静剤と見なすことができる。放射線の研究者たちは抗酸化物質を使えば、マウスを放射線の害から守ることができるのではないかと考えた。実験の結果、抗酸化物質は放射線を浴びた動物の寿命を延ばすという結論に至った』、「実験の結果、抗酸化物質は放射線を浴びた動物の寿命を延ばすという結論に至った」、なるほど。
・『抗酸化サプリは寿命を延ばすどころか縮める  もっとも、興味深いことに、フリーラジカルが生まれるのは放射線を浴びた細胞の中だけではない。実のところそれは正常な代謝の副産物であり、わたしたちの細胞は常に暴れまわる雄牛に翻弄されているのだ。それを知る科学者たちはこう考えた――フリーラジカルは放射線に誘発された老化の原因であるだけでなく、通常の老化の原因にもなっているのではないだろうか。 この説は「老化のフリーラジカル説」と呼ばれ、人間の代謝を一種のファウスト的契約と見なすものだ。つまり、人間は代謝によって生きているが、代謝はフリーラジカルを発生させるので、人間は確実に老化し、死んでいくのだ。 これは、「フリーラジカルは生体に損傷を与え、老人は若者よりも酸化ストレスのレベルが高く、過剰な酸化ストレスは加齢性疾患につながる」という事実と合致する。だが幸いなことに、この説は老化に対抗する簡単な方法も提供する。抗酸化物質を使って、暴れ牛をおとなしくさせればよいのだ。 このアイデアは、誕生して以来、臨床試験で徹底的に調べられてきた。 実際、数多くの研究が行われてきたので、今ではメタ分析を行うことができる。メタ分析とは、別々に行われたいくつもの研究のデータを統合して分析する大規模な研究のことだ。 研究者たちは68件の研究と23万人の被験者からなるメタ分析を行い、抗酸化物質のサプリメントが人間の寿命を延ばすかどうかを調べた。結論はこうだ。抗酸化作用のあるサプリメントを摂取する人は早く死ぬ。加齢性疾患を予防することもできない。抗酸化作用のあるサプリメントは、ある種のガンの発生を抑制するどころか、その増殖と転移を促進するらしい』、「抗酸化物質のサプリメントが人間の寿命を延ばすかどうかを調べた。結論はこうだ。抗酸化作用のあるサプリメントを摂取する人は早く死ぬ。加齢性疾患を予防することもできない。抗酸化作用のあるサプリメントは、ある種のガンの発生を抑制するどころか、その増殖と転移を促進するらしい」、なるほど。
・『温室で樹木を育てられるか  1991年秋、8人の科学者がアリゾナ州オラクルにある巨大で未来的な温室に閉じ籠もった。彼らは2年にわたってバイオスフィア2と呼ばれる温室をメインとする建物群の中で過ごすことになっていた。任務は食料、水、酸素、その他、生活に必要なものを自給自足することだ。 この壮大な実験の目的は、ゼロから完全な生態系を作り出せるかどうかを調べることだった。地球上では、幸運なことに人類はそのような生態系の一部になっていて、生きるために必要な物はすべて自然が提供してくれる。人類が自然を正しく扱えば、自然は今後も長く人類の面倒を見てくれるだろう。しかし、何人かが地球を離れて他の惑星に移住することになったら、その惑星でゼロから新しい生態系を築かなければならない。 ご存知の通り、地球の生態系において最も重要な要素の一つは樹木だ。酸素を供給してくれるだけでなく、無数の生物の棲みかであり、建築資材にもなる。そのため科学者たちは、木を新たな生態系の柱と見なし、バイオスフィア2の中に多くの木を植えた。木は長生きするので、数年くらいは何の問題もないだろう、と彼らは考えた』、「1991年秋、8人の科学者がアリゾナ州オラクルにある巨大で未来的な温室に閉じ籠もった。彼らは2年にわたってバイオスフィア2と呼ばれる温室をメインとする建物群の中で過ごすことになっていた」、面白い実験だ。
・『風のない場所で育った木は強くならずに枯れる  バイオスフィア2に植えられた木は良いスタートを切った。巨大な温室という恵まれた環境のおかげで急速に成長した。しかし、実験が終わらないうちに、その多くは枯れてしまった。何が足りなかったのだろう。世話や栄養が足りなかったわけではない。むしろ、その逆だった。欠けていたのは、ストレスだったのだ。具体的には風というストレスだ。 風は木にとって手ごわい敵の一つだが、実のところ、必要不可欠なものでもある。絶え間なく吹く風に耐えることで木はたくましく強く育っていく。風がない場所では木は弱くなり、やがて自らの重さを支えられなくなって倒れる。 フリーラジカルと抗酸化物質の話に戻ると、抗酸化作用のあるサプリメントを摂る人はなぜ早く死ぬのだろうか。その理由は、風が吹かないと木が枯れる理由と同じだ。つまり、ストレスが生物を強くしているのだ。 逆境が生物を強くするこの現象は「ホルミシス」と呼ばれる。人間の場合、最も身近な例は運動だ。走ることは健康に良いと誰もが思っているかもしれない。しかし、走っている間に何が起きているかを考えてみよう。心拍数や血圧が急上昇する。一歩走るごとに筋肉と骨は負荷を受けて緊張する。 また、運動にはエネルギーが必要なので、代謝が一気に上がり、フリーラジカルが多く生成される。そう、運動すると体は有害な分子を生成するのだ。しかし長い目で見れば、運動は人をより健康にする。なぜなら、それらの負荷があなたはもっと強くなる必要があるというメッセージとして働くからだ。 皮肉なことに、このプロセスを開始する「メッセンジャー」の一部はフリーラジカルだ。これが意味するのは、運動によって強く健康になるプロセスを抗酸化物質は妨げるということだ。フィットネス・インフルエンサーのセールストークとは裏腹に、抗酸化物質は運動の効果の一部を打ち消すのである』、「風は木にとって手ごわい敵の一つだが、実のところ、必要不可欠なものでもある。絶え間なく吹く風に耐えることで木はたくましく強く育っていく。風がない場所では木は弱くなり、やがて自らの重さを支えられなくなって倒れる」、「逆境が生物を強くするこの現象は「ホルミシス」と呼ばれる。人間の場合、最も身近な例は運動だ。走ることは健康に良いと誰もが思っているかもしれない。しかし、走っている間に何が起きているかを考えてみよう。心拍数や血圧が急上昇する。一歩走るごとに筋肉と骨は負荷を受けて緊張する。 また、運動にはエネルギーが必要なので、代謝が一気に上がり、フリーラジカルが多く生成される。そう、運動すると体は有害な分子を生成するのだ。しかし長い目で見れば、運動は人をより健康にする。なぜなら、それらの負荷があなたはもっと強くなる必要があるというメッセージとして働くからだ」、なるほど。
・『少量のヒ素を与えた線虫はむしろ長生きする  運動はホルミシスの最も知られる例だが、生物の世界にはホルミシスが溢れている。実際、ホルミシスは地球上の生物の物語の根幹をなしている。わたしたちの祖先の生活が苦難の連続だったのは確かだ。飢餓、苛酷な労働、毒物、素手での殴り合い、肉食動物からの命懸けの逃走など、生活には困難がつきものだった。だからこそ、人間にとって困難は必要不可欠なものになった。 自然界に溢れるホルミシスの最良の例の一つは、有毒な化学物質であるヒ素の研究からもたらされた。古来、ヒ素は「毒物の王」、あるいは「王の毒」と呼ばれてきた。なぜなら入手しやすく、無味無臭で、人を毒殺するのに使いやすいからだ。そのため世界各地で王の椅子を狙う王族やサイコパスがヒ素を利用してきた。 しかし近年、あろうことかヒ素は世界の多くの地域で飲料水を汚染するようになった。そのため研究者たちはヒ素が実験動物に及ぼす影響を調べ始めた。 線虫に大量に投与すると、ヒ素は評判通りの殺し屋になった。しかし少量の場合、線虫は通常より長生きした。それだけでなく、熱ストレスや他の毒物への耐性も強くなった。なぜだろう。もちろん、ホルミシスのおかげだ。ヒ素は毒だが、少量なら適度なストレス要因になって線虫の防衛能力を高めるのだ。 別の研究者たちは「酸化促進剤」を使って線虫の寿命を延ばすことに成功した。酸化促進剤は抗酸化物質とは逆に、酸化ストレスを強める。先程の比喩で言えば、陶器店に居座る雄牛に錠剤のカフェインを飲ませて臀部を激しく叩くようなものだ。この実験で酸化促進剤として使ったのは除草剤のパラコートだ。しかし、抗酸化物質も一緒に投与すると、ストレスは中和され、線虫の寿命は通常通りになった。 「毒物の王」であるヒ素や強力な除草剤が、どんな形であれ生物にとってプラスになるのは信じがたいかもしれないが、生物界ではそういうことがよく起きる』、「「毒物の王」であるヒ素や強力な除草剤が、どんな形であれ生物にとってプラスになるのは信じがたいかもしれないが、生物界ではそういうことがよく起きる」、なるほど。
・『放射性物質にさらされたマンション住人  人間にヒ素や除草剤やその他の有害物質を飲ませるというような臨床試験は、当然ながら行えない。しかし、人体でのホルミシス効果を示す実例がいくつかある。 その一つは1980年代に台湾で起きた。当時、台湾は好景気の只中にあり、首都の台北では前例のない規模で建設ラッシュが続いた。その熱気の中、一部のリサイクル鉄鋼に放射性物質のコバルト60が混入した。これらの鉄鋼は1700棟のマンション建設に使用されたが、それがわかったのは1990年代で、すでに手遅れの状況だった。 取り壊される前、これらの放射能マンションにはおよそ1万人が住んでおり、住民は毎日、通常のレベルをはるかに超える放射線にさらされていた。放射線はDNAを傷つけてガンを引き起こすため、ガンの増加が心配されが、住民の病歴を調べた医師たちは当惑した。マンションの住民は一般の台湾人に比べてほぼすべてのガンにおいて発症率が低かったのだ。 同じような現象は他の場所でも指摘されている。アメリカの造船所の労働者のうち、原子力潜水艦に携わる労働者は一般的な労働者より死亡率が低い。また、アメリカの一般市民のうち、自然発生する放射線量が通常より多い地域に住む人々は平均寿命より長く生きる。医師の中でも、電離放射線にさらされる放射線科の医師は他の科の医師より長生きし、ガンにかかるリスクも低い』、「台湾のマンション」で「リサイクル鉄鋼に放射性物質のコバルト60が混入・・・住民は毎日、通常のレベルをはるかに超える放射線にさらされていた。放射線はDNAを傷つけてガンを引き起こすため、ガンの増加が心配されが・・・マンションの住民は一般の台湾人に比べてほぼすべてのガンにおいて発症率が低かった」、「アメリカの造船所の労働者のうち、原子力潜水艦に携わる労働者は一般的な労働者より死亡率が低い。また、アメリカの一般市民のうち、自然発生する放射線量が通常より多い地域に住む人々は平均寿命より長く生きる。医師の中でも、電離放射線にさらされる放射線科の医師は他の科の医師より長生きし、ガンにかかるリスクも低い」、「ホルミシス」は確かに不思議な現象だ。
・『「ホルミシス」は内容と量が肝心  はっきり申し上げておくが、わたしは放射線を浴びたり毒を飲んだりすることを勧めているわけではない。そんなことをしたら、良い遺伝子を台無しにしてしまう。どのくらいのレベルならホルミシスになるかは不明だが、そのレベルを超えるとどうなるかはわかっている。苦痛と恐ろしい死である。ホルミシスは量が肝心なのだ。 ジョギングをして体に負荷をかけるのは、運動をまったくしないより健康的だ。だが、運動をしすぎることもあり、これは「オーバートレーニング」と呼ばれる。同様に、木は風に吹かれて強くなるが、風が強すぎると倒れたり、折れたりする。ストレス要因から恩恵を得られるのは、もたらすダメージが自己修復能力の限度を超えない場合に限られる。 また、有害なものやストレス要因のすべてにホルミシス効果があるわけではないことも忘れてはならない。頭を壁にぶつけても賢くはならないし、タバコを吸って肺機能を高めることもできない。人間にとってプラスになるストレス要因は、人間が耐えられるよう進化してきたものだけだ。 ▽高地に住む人々は長生きし病気にもかかりにくい(「寿命ハック」では、放射能汚染されたマンションに住むことの代案は何だろうか。一つは高い山に登ることだ。標高の高い場所は大気が薄く、強い紫外線や宇宙線にさらされる。わたしはきわめて平坦な国に暮らす色白の人間なので、標高5000メートルの高所で暮らせば、日焼けの効果を証明できるだろう。 驚くほどのことではないが、高地に住む人々は放射線や苛酷な環境にもかかわらず――あるいはそれらのせいで――海抜の低い地域に住む人々より長生きし、加齢に伴う病気にもかかりにくい。これはオーストラリア、スイス、ギリシア、それにカリフォルニアでも確認されている。 高地では酸素濃度が低く、それも健康を増進するストレス要因なのかもしれない。細胞は、放射線や低い酸素濃度といったストレスにさらされると、熱ショックタンパク質を合成する。その名の通り、このタンパク質は高熱との関連で発見されたが、後に、より一般的な細胞保護機能の一部であることが判明した。これは、先に見たようにホルミシスの効果が広範に及ぶことを示している。一つのストレス要因に対する反応は往々にして、他のストレス要因に対する耐久力(レジリエンス)も向上させるのだ。 熱ショックタンパク質は他のタンパク質を助ける"スーパーヒーロー・タンパク質"と見なすことができる。細胞が何らかのストレス要因によってダメージを受けると、タンパク質の多くは形が崩れる。すると熱ショックタンパク質が登場して、細胞のゴミにならないよう形状や機能の回復を助けるのだ』、「細胞は、放射線や低い酸素濃度といったストレスにさらされると、熱ショックタンパク質を合成する。その名の通り、このタンパク質は高熱との関連で発見されたが、後に、より一般的な細胞保護機能の一部であることが判明した。これは、先に見たようにホルミシスの効果が広範に及ぶことを示している。一つのストレス要因に対する反応は往々にして、他のストレス要因に対する耐久力(レジリエンス)も向上させるのだ」、よく出来た仕組みだ。分子生物学も謎の解明に役立ったようだ。
タグ:健康 (その21)(がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの" 体内環境を がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする、検診結果が返ってきたら「GFR59以下」になっていないか必ず確認を、「ストレスのない生活」はむしろ寿命を縮める!? 高熱で身体をいじめるサウナはなぜ「健康的」か) PRESIDENT ONLINE 和田 洋巳氏による「がんの進行を急速に早める…がん治療医がすぐさま摂取をやめさせる"ある食べもの" 体内環境を、がん細胞が好む「酸性」に傾けないようにする」 和田洋巳『がん劇的寛解』(角川新書) 「炭水化物を摂取する場合は、体内で一気にブドウ糖に変化する白米、一般的な小麦粉を使用したパンや麺などをできるだけ避け、例えば白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス・・・の低い食品を摂取するといいでしょう」、なるほど。 「炭水化物を玄米や全粒粉パンで摂取した場合は、米や小麦の胚乳部分だけを摂取した場合に比べて、体内における炭水化物から糖への変化は緩やかとなり、その結果、食後の血糖値の上昇も緩やかになるのです。しかも、玄米の糠層や胚芽には、ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維などの健康成分も豊富に含まれているのです」、 「玄米の影響指数・・・はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切に」、なるほど。 「玄米の影響指数はプラス12.5とされているため、玄米を摂取する場合は量を控えめ(1食につきご飯茶碗に軽く1杯程度)にするとともに、野菜や果物をより多く摂取してアルカリ化を図ることが大切になってきます」、なるほど。 「体のアルカリ化という観点から言えば、タンパク質を牛肉や豚肉などの動物性のタンパク源から摂取することはなるべく控えます。代わりに、大豆や豆腐や納豆などの植物性のタンパク源からなるべく摂取することを心がけることが基本」、 「また、タンパク質を動物性のタンパク源から摂取する場合は、イワシやサンマ、サバやサケなどの青魚から摂取するのが理想的です。青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの、健康成分としての必須脂肪酸(ヒトの体内では合成できない脂肪酸)が豊富に含まれているほか、DHAやEPAそのものに体内の慢性炎症を鎮める作用があるからです」、「DHAやEPAそのものに体内の慢性炎症を鎮める作用がある」、とは初めて知った。 「鶏卵」は「食物繊維以外の栄養素がほぼ含まれています」と理想的なようだ。 「毎日400グラムの野菜を摂取するのは容易ではありません。そこで、野菜や果物をジューサーやミキサーにかけ、ジュースにして摂取することを奨励しています。とくにオススメなのがニンジンをベースとしたジュース(ニンジンに果物などを加えてジューサーで搾ったもの)ですが、ジュースについては、毎朝、1日に必要な量を作って冷蔵庫に保管しておくと便利です」、「ポリフェノールにはがん発生の原因になる活性酸素を体内から除去するほか、同じくがん発生の原因になる悪玉コレステロールを減らす働きもあります」、なるほど。 「ビタミンAとビタミンCとビタミンEには相互作用があり、これらを併せて摂取することで効果はさらに増していきます。そのため、相互作用を有するこの3種類のビタミンは「ACE(エース)」とも総称」、「ビタミン類はすぐに代謝されてしまうため、朝、昼、晩の3食のたびに補給し続けることが肝要」、「3食のたびに補給し続ける」とは大変そうだ。 「ハナビラタケ、干しシイタケ、シメジ、キクラゲ、エノキなど、キノコ類にはがん細胞を攻撃、殺傷する2次免疫(獲得免疫)を高めるβグルカンが大量に含まれています」、「キノコ類を毎日、大量に摂取することもまた容易ではありません。また、キノコ類に含まれるβグルカンを取り出すためには加熱も必要になります。 そこで、私のクリニックでは、すり潰したキノコ類に加熱した出汁を加えて作る「キノコペースト」の摂取を推奨しています。ペースト状にすることで、保存が可能になるほか、使用の選択肢も広がるからです。一例としては、玄米にキノコペーストを加えて炊く、といった使い方もオススメです」、「キノコペースト」とはいいアイデアだ。 「乳製品の生クリームがたっぷりと載った甘いチーズケーキなどは、がん細胞にIGF-1とブドウ糖を与え、かつ、がん細胞周辺の微細環境をがんが好む酸性に傾けるという点で、「最悪の食品」と言っていいでしょう」、「私のクリニックでは、このような食歴を持つ患者さんに対しては乳製品や甘味品の「即時摂取中止」を指導・・・食生活の見直しによって劇的寛解を得ている」、そんなに効果があるとは意外だ。 「がんや生活習慣病に対してメリットしかない食品や飲料などこの世に存在しません。食品や飲料の持つメリットとデメリットを天秤にかけ、治療効果の上がる最適な組み合わせを選択していくことが肝要」、その通りだ。 「動物性のタンパク質を豊富に含んだ牛肉や豚肉や加工肉などを焼いて調理する過程で2つの発がん性物質が生成」、いわゆる焼け焦げだろう。 「牛肉や豚肉や加工肉などの動物性タンパク源ではなく、大豆をはじめとする植物性タンパク源から摂取することが推奨」、「タンパク質の摂取不足を動物性タンパク源で補う場合は、抗炎症作用も持つDHAやEPAを豊富に含む青魚などから摂取するのが上策」、「がんをおとなしくさせるための食事術」は、確かに効き目がありそうだ。 日刊ゲンダイ「検診結果が返ってきたら「GFR59以下」になっていないか必ず確認を」 「「腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど非常に我慢強い部位。GFR値が59以下で多少働きが悪くなっていたとしても、自覚症状に乏しいのが特徴。そのため、「どこもつらくないから」と再検査を後回しにしがちですが、失われた腎臓機能は元に戻らないので、いま現在より下がらないよう注意をしていかなければなりません」、大いに気を付けるべきだ。 「慢性腎臓病は全身疾患とみなして治療を考えていくべき」、その通りだ。 Newsweek日本版 ニクラス・ブレンボー氏による「「ストレスのない生活」はむしろ寿命を縮める!? 高熱で身体をいじめるサウナはなぜ「健康的」か」 ニクラス・ブレンボー『寿命ハック』(新潮新書) 「実験の結果、抗酸化物質は放射線を浴びた動物の寿命を延ばすという結論に至った」、なるほど。 「抗酸化物質のサプリメントが人間の寿命を延ばすかどうかを調べた。結論はこうだ。抗酸化作用のあるサプリメントを摂取する人は早く死ぬ。加齢性疾患を予防することもできない。抗酸化作用のあるサプリメントは、ある種のガンの発生を抑制するどころか、その増殖と転移を促進するらしい」、なるほど。 「1991年秋、8人の科学者がアリゾナ州オラクルにある巨大で未来的な温室に閉じ籠もった。彼らは2年にわたってバイオスフィア2と呼ばれる温室をメインとする建物群の中で過ごすことになっていた」、面白い実験だ。 「風は木にとって手ごわい敵の一つだが、実のところ、必要不可欠なものでもある。絶え間なく吹く風に耐えることで木はたくましく強く育っていく。風がない場所では木は弱くなり、やがて自らの重さを支えられなくなって倒れる」、「逆境が生物を強くするこの現象は「ホルミシス」と呼ばれる。人間の場合、最も身近な例は運動だ。走ることは健康に良いと誰もが思っているかもしれない。しかし、走っている間に何が起きているかを考えてみよう。心拍数や血圧が急上昇する。一歩走るごとに筋肉と骨は負荷を受けて緊張する。 また、運動にはエネルギーが必要なので、代謝が一気に上がり、フリーラジカルが多く生成される。そう、運動すると体は有害な分子を生成するのだ。しかし長い目で見れば、運動は人をより健康にする。なぜなら、それらの負荷があなたはもっと強くなる必要があるというメッセージとして働くからだ」、なるほど。 「「毒物の王」であるヒ素や強力な除草剤が、どんな形であれ生物にとってプラスになるのは信じがたいかもしれないが、生物界ではそういうことがよく起きる」、なるほど。 「台湾のマンション」で「リサイクル鉄鋼に放射性物質のコバルト60が混入・・・住民は毎日、通常のレベルをはるかに超える放射線にさらされていた。放射線はDNAを傷つけてガンを引き起こすため、ガンの増加が心配されが・・・マンションの住民は一般の台湾人に比べてほぼすべてのガンにおいて発症率が低かった」、 「アメリカの造船所の労働者のうち、原子力潜水艦に携わる労働者は一般的な労働者より死亡率が低い。また、アメリカの一般市民のうち、自然発生する放射線量が通常より多い地域に住む人々は平均寿命より長く生きる。医師の中でも、電離放射線にさらされる放射線科の医師は他の科の医師より長生きし、ガンにかかるリスクも低い」、「ホルミシス」は確かに不思議な現象だ。 「細胞は、放射線や低い酸素濃度といったストレスにさらされると、熱ショックタンパク質を合成する。その名の通り、このタンパク質は高熱との関連で発見されたが、後に、より一般的な細胞保護機能の一部であることが判明した。これは、先に見たようにホルミシスの効果が広範に及ぶことを示している。一つのストレス要因に対する反応は往々にして、他のストレス要因に対する耐久力(レジリエンス)も向上させるのだ」、よく出来た仕組みだ。分子生物学も謎の解明に役立ったようだ。
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ペット(その4)(「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」、犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減) [生活]

ペットについては、昨年8月21日に取上げた。今日は、(その4)(「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」、犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減)である。

先ずは、昨年11月26日付けNewsweek日本版がPRESIDENT Onlineから転載したドッグトレーナー・スタディ・ドッグ・スクール代表の鹿野正顕氏による「「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2022/11/post-100196_1.php
・『犬と接するときはどんなことに気を付けるべきか。ドッグトレーナーの鹿野正顕さんは「犬を擬人化してはいけない。あくまで動物であり、常に本能で動いている。人間側の一方的な思いや価値観で犬と接してはいけない」という――。※本稿は、鹿野正顕『犬にウケる飼い方』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです』、「あくまで動物であり、常に本能で動いている。人間側の一方的な思いや価値観で犬と接してはいけない」、冷静な見方で、興味深そうだ。
・『犬は本能を理性でコントロールできない  犬という動物を知るうえで、大前提として知っておきたいのは、五感の感覚が人間とはまったく違うこと。そして脳の働きも人間とはまるで違うということです。 これは当たり前のことなのですが、ともすれば、犬と家族同様に暮らしていくうちに、犬も人と同じようにものを見たり聞いたりし、人と同じような感情を持つように思い込んでしまう方もいます。 同じ空間で生活していても、犬は人間とは違う世界で生きています。 まず感覚受容器の構造が違うため、人と同じ環境にいても、目、耳、鼻から受け取る情報が人間とはまったく異なっているのです。 感覚受容器は、外部からの刺激を脳に伝えて行動を促す役割があります。 動物の行動には、それを促す何らかの刺激が必ず存在し、五感が敏感であるほど刺激を受けやすいということになります。 その行動を司(つかさど)るのが脳ですが、人の脳と、犬などの哺乳類の脳では大脳皮質(大脳の表面部分)のとくに前頭葉の働きが大きく違います。 前頭葉には、「思考・判断・情動のコントロール・行動の指令」という大事な役割がありますが、犬の前頭葉の働きは鈍く、簡単に言うと「犬は人のように本能を理性でコントロールすることが難しい」のです。 犬は哺乳動物のなかでも「頭がいい・かしこい動物」とされていますが、大脳皮質のうち前頭葉の占める割合は、人は30%、犬は7%、ネコは3%となっています。つまり、犬は人間のように何か考えに基づいて行動したり、意図的に行動をコントロールすることはほとんどできないのです』、「大脳皮質のうち前頭葉の占める割合は、人は30%、犬は7%、ネコは3%」、「犬の前頭葉の働きは鈍く、簡単に言うと「犬は人のように本能を理性でコントロールすることが難しい」のです」、やむを得ないことだ。
・『人にいやがらせをすることはない  そうした脳の働きをふまえて、犬の行動や認知能力を見ていくと、次のような特徴があることがわかってきます。 ●感情をコントロールすることが苦手(犬は、高ぶった気持ちを自分で落ち着かせたり、がまんするなど、情動・感情のコントロールが苦手です)』、数年前まで飼っていた秋田犬とサモエドのミックスの大型犬は、ドライブが大好きで、気配を察すると庭中を狂ったように走り回り、なだめるのに苦労した記憶がある。
・『●善悪の判断はしないし、人社会のルールも理解できない(人間のモラルや道徳観とは無縁なので、自分の行為の善悪の判断をしません。基本、人の都合にはおかまいなしです。人社会のルールをそのまま押し付けようとしても、守るべき理由を理解できません。 ●先のことを予測して考えることができない(これをやったらどうなるか、という先のことを考えることができません。たとえば、子ども用のぬいぐるみの腕を噛んで振り回したら、腕が取れてボロボロになる......といった行動の先の結果を予測することはしないし、できないのです。) ●短期記憶は10秒程度で消えることも(記憶には短期記憶と長期記憶がありますが、犬の短期記憶は30秒〜120秒程度とされ、10秒程度で消えてしまうこともあります。さっきやったばかりのこともすぐ忘れて、また同じことをやるということが起こります。 ●人にいやがらせをすることはない(飼い主に対してわざといやがらせをすることはありません。相手を困らせて喜ぶという発想も想像力も持たないし、犬にそういう概念はないのです。 人がいやがることかどうかの判断もできません。してほしくないところへ排泄するケースも、犬に「おしっこやうんちは汚い」という衛生観念はないので、「これで人を困らせてやれ」と意図することはあり得ないのです。したがって、叱られた腹いせでわざとおしっこをするようなことはありません』、「人にいやがらせをすることはない」のは確かだ。そんな犬がいたら気持ち悪い。
・『叱られても反省することはない  ●ほめことば/叱りことばだけかけても理解しない(「いい子だね」とか「いけない・ダメ」ということばだけを聞いて、自分はほめられたとか叱られたとかは理解できません。ことばだけではなく、ことばプラスいい結果(ごほうびがもらえる)、または悪い結果(リードを強く引かれるなど)と結び付くことで、自分の行為が肯定されたのか否定されたのかを覚えていきます。 ●叱られても反省はしません(「うちのワンちゃんは叱るとシュンとなって反省のポーズをします」という飼い主さんがいますが、犬は叱られても反省はしません。 なぜ悪いことなのかを理解しないし、やったことを後悔もしません。叱られておとなしくなるのは、飼い主さんが怖くて萎縮しているだけなのです。これはいくつかの実験でも明らかにされています。 叱られると目をそらしたりするのは、犬の目をじっと見て強い調子でしゃべる飼い主にケンカや闘いの前ぶれを感じ、目をそらすことで「自分は闘いモードではありません」という意志を示しているのです。 うなだれたり、体を縮めて"反省のポーズ"をしているように見えても、飼い主のふだんと違う態度に怯えて、「早くこの恐怖から抜け出したい、早くこのつらい時間が終わればいい」と思っているだけのことがほとんどです』、「叱られておとなしくなるのは、飼い主さんが怖くて萎縮しているだけなのです」、その通りだ。
・『食事の回数は適量を複数回に  これは摂食行動の話になりますが、犬を初めて飼ったとき、食べ物をいくらでも欲しがることに驚いた人もいるのではないでしょうか。 犬は食べ物をほとんど一気食いしてしまい、出されたものはいくらでも食べてしまう傾向があります。 これは犬が特別"食い意地が張っている"というわけではありません。犬は、人や他の動物ほど脳の満腹中枢が機能していないため、「満腹感を感じにくい」という特徴があるのです。そして一度にたくさん食べるよりも、食べる回数が増えるほうが犬はよろこぶのです。 そのため、しつけやトレーニングの際のごほうび(トリーツ)として、好きな食べ物を何度でも与えることが有効な方法になってきます。 ところが、しつけ教室などでたまにいらっしゃるのは、「食べ物で釣るなんて、浅ましくていやだ」という飼い主さんです。ごほうびに「おやつ」をあげてトレーニングすることを頑なに拒否する飼い主さんもいます。 それは「人間の物差し」でしか考えられない方なのです。) しょっちゅう食べてばかりいるとか、もらうだけ食べるのが"浅ましい"とか"意地汚い"と感じるのは人間だけです。動物にとって食べ物を見つければ口にするのは別に浅ましいことではないし、食べたばかりでも、もらったらまた食べるのは犬の本能なのです。 満腹中枢がほとんど機能していないということは、脳が「もう十分だ」という指令を出さないということ。だから犬は「もうけっこう」なんて遠慮はしないし、あげたらあげるだけ食べるのが普通なのです。 野生ではいつ食べ物にありつけるかわからないので、いまある食べ物を一気に丸呑みし、大量にお腹にため込もうとしていました。その名残で、犬はごはんをあげるとほとんど噛まずに呑み込むようにして食べます。 猫はごはんを少し残したり、数度に分けて食べることが多いのですが、犬は出されたものを一気に食べてしまいます。そのため、留守番させるときなど、器に食べ物を出しておくと一度で全部食べてしまうので、自動給餌(きゅうじ)器を利用したり、遊びながら食べ物が得られるおもちゃ(コングなど)を与えるなどの工夫が必要になります』、「「食べ物で釣るなんて、浅ましくていやだ」という飼い主さんです。ごほうびに「おやつ」をあげてトレーニングすることを頑なに拒否する飼い主さんもいます。 それは「人間の物差し」でしか考えられない方なのです」、私も当初はそう考えたが、途中で考え違いに気づいた。
・『動物を飼うことには向いていない人の特徴  ここまで述べたように、人間と犬は感覚や脳の働きが大きく異なります。 そこを理解せずに、犬をまるで同居人のように擬人化して、人の感覚や「人間の物差し」で行動を判断してしまうと、さまざまな誤解や人の勝手な思い込みを生んでしまいます。 大事なのは、人間側の一方的な思いや価値観だけで犬の行動を見ないことです。 こうしてほしいのに、なぜできないの? 何度も教えているのに、なぜ覚えないの? 犬と暮らしていれば、そのような不満が生じるのは当たり前なのです。 人間側の都合ばかり押し付けたい人は、はっきり言って動物を飼うことには向いていません。 犬はあくまで動物で、人と同じような考え方や行動はしません。 人間の価値観や常識(=人間の物差し)で犬の行動を見てしまうのもやはり間違っています。 あらためてその点を認識し、犬の特性を尊重する姿勢を持てば、しつけやトレーニングをする際にもよけいな悩みが減ってくると思います』、「犬はあくまで動物で、人と同じような考え方や行動はしません。 人間の価値観や常識・・・で犬の行動を見てしまうのもやはり間違っています」、その通りだ。
・『「犬は主人に対して忠誠心を持つ」は幻想  昔から犬は主人思いの動物とされて、「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」などと言われてきました。 しかし、ここにも人間の勝手な思い込みが入っている気がします。 ただ飼えばいいわけではなく、飼い主が本能的欲求を満たしてくれる(十分な食事、安心な寝床、一緒に遊んでスキンシップをしてくれるなど)ことがなければ恩は感じてくれません。 「動物なのだから、食べ物をあげていれば懐いて恩を感じるだろう」と思うかもしれませんが、それだけなら、よそでもっとたくさんごはんをくれる人を見つければ、そっちへ行ってしまいます。 同様に「犬は主人に対して忠誠心を持つ」というのも、ほとんどの場合、人間の思い込みです。これも親和性の高い飼い方をしない限り、ただの幻想と言っていいでしょう。 幸せホルモン(オキシトシン)に満たされるような、安心と幸せを感じる関係にあれば、親愛の情や絆を感じさせる行為がみられることはあります。 実際、「飼い主に危険が及ぶのを察知して知らせてくれた」とか、「か弱い子どもを懸命に守ろうとした」といった感動的なエピソードには事欠きません。 それを忠誠心と呼ぶのは自由ですが、犬は犬社会でも、仲間に危険を警告したり、犬同士で助け合う行動は普通にみられます。それを飼い主に対しても行っているだけだ、というドライな見方もできるのです。) 群れで生活する動物には、危機に瀕(ひん)している仲間を助けようという行為は珍しくありません。社会性のある動物は、群れを維持していかないと自分の生存も危ぶまれるからです。 たとえばゾウの集団では、子ゾウを協力して助けたり守ったりしますが、それは群れ・集団の維持のために仲間を守る行為なのです。 そうした行動は、ときに自己犠牲をともなう"利他的"な、見返りを求めない無償の行為に見えることもあります。しかしそこには「自分の生存にも関わる」という動物の本能がはたらいているはずなのです』、「犬は犬社会でも、仲間に危険を警告したり、犬同士で助け合う行動は普通にみられます。それを飼い主に対しても行っているだけだ、というドライな見方もできるのです」、なんだかつまらない。
・『忠犬ハチ公の真実  犬は人間が好きですが、"欲求の期待に応えてくれる存在"が好きなので、人に飼われても、不満やストレスばかり抱えるようだと何年飼っても恩義や忠誠心のようなものは抱きません。 ちなみに、有名な「忠犬ハチ公」の話がありますが、ハチは飼い主だった大学の先生を、亡くなった後もずっと駅で待ち続けていたわけではなく、好物の焼き鳥をくれる人を待っていたのが真実だそうです(諸説あり)。ハチの剝製は東京の国立科学博物館に現存していますが、解剖した際にハチの胃袋からは焼き鳥の串がいくつも出てきたそうです。(鹿野氏の略歴はリンク先参照)』、「ハチは飼い主だった大学の先生を、亡くなった後もずっと駅で待ち続けていたわけではなく、好物の焼き鳥をくれる人を待っていたのが真実だそうです」、「焼き鳥をくれる人」は「ハチ」が「主人」を「待ち続け」ていたからこそ、感心して「焼き鳥をあげた」と考えれば、もとの美談になるともいえる。

次に、本年1月8日付けデイリー新潮「犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/01081057/?all=1
・『ありとあらゆる健康情報が溢れる人生100年時代。体にいい食材は何か、どんな運動が効果的か、何時間眠ればいいのか、すなわち“長生き術”の正解はどこにあるのか。答えは意外なところにあるようで……。健康長寿の新常識、科学に基づいた「犬」の効用。 人生100年時代とは、果たしてどんな時代なのだろうか。 男性81.47歳、女性87.57歳。日本人の「平均寿命」は着実に延びている。一方、男性72.68歳、女性75.38歳。日常生活を自立的に過ごせる「健康寿命」は、平均寿命に比べると男性で8.79歳、女性だと12.19歳も短い。つまり私たちは、10年前後は介護などのお世話になりながら“生き続けなければならない”時代にいるのだ。 畢竟(ひっきょう)、どうせ長生きするのなら、できるだけ健康寿命を延ばして、ぎりぎりまで自立した生活を送りたいと願うのが我ら衆生の性(さが)である。 そして世には「健康法」が溢れることとなる。いろいろな方法を試してはいるけれど、やや食傷気味……。そんな方に向け、ちょっと“毛色の変わった健康情報”を紹介することにしよう』、“毛色の変わった健康情報”とは興味深そうだ。
・『“幸せ感の共鳴”  「人間は家族を最小単位とし、仲間や知り合いなどとコミュニティーを築き、その中で生きていく生き物です。しかし、核家族化や未婚化が進み、また伴侶に先立たれた『おひとりさま』が増えるなど、現代は個々人の分断が進んでいます。そんな時代だからこそ、人間の心身における健康にとって、犬の存在の重要度は増していると感じます」 こう語るのは、麻布大学獣医学部の茂木一孝教授(伴侶動物学)だ。 「一般に、ペットを飼うと癒やしの効果があるといわれていますが、こと犬に関して言えば、そうした曖昧なイメージにとどまらない“何か”があるのではないか。人間は単に“アイコン”や“ファッション”として犬を飼っているわけではない。人間と犬の共生の長い歴史には科学的なバックグラウンドがあるに違いない。そう考えて実験を行ったところ、実際に人間と犬の“幸せ感の共鳴”とでもいうべき現象が起きていることが分かったのです」』、「人間と犬の“幸せ感の共鳴”」とはどういうことだろう。
・『「愛情ホルモン」が3.5倍に  その実験結果は米国の科学誌「サイエンス」に掲載された。 具体的には飼い主と犬が会議室で30分間交流した後に、両者がよく見つめ合ったグループと、そうでもなかったグループの、交流前後の尿中の「オキシトシン」というホルモンの濃度を比較。すると、前者の飼い主は3.5倍に上昇したものの、後者では変化は見られなかった。 オキシトシンは別名「愛情ホルモン」、あるいは「絆形成ホルモン」とも呼ばれる。すなわち、犬と戯れることによって、飼い主に安心や信頼がもたらされ、「心の健康度」が上がったと考えられるのだ』、「飼い主と犬が」「よく見つめ合ったグループ」では、「尿中の「オキシトシン」」の「濃度」が「3.5倍に上昇した」、「犬と戯れることによって、飼い主に安心や信頼がもたらされ、「心の健康度」が上がったと考えられる」、すごい効果だ。
・『犬にできて猫にできないこと  「遺伝子的に犬に近いオオカミに関しても同様の実験を行いました。ちなみに、ごく小さい時から人の周りにおくことで、オオカミでもどうにか飼いならすことができます。さて、オオカミに関する実験結果はというと、犬の場合と違ってオキシトシン濃度に変化はなく、そもそもオオカミは飼い主とじゃれはしても、顔を見つめることはありませんでした。このことから分かるように、普段身近な存在であるため気が付きにくいのですが、犬は極めて特殊な動物なのです」(同) それは、犬と同じく私たちの身近にいる猫と比べても指摘できることだという。一般社団法人ペットフード協会の調査によると、2017年から猫の飼育数が犬を逆転し、犬は“劣勢”に立たされているという。しかし、 「ペットが、人間が指さした方向にしっかりと反応できるのは当たり前というイメージがあるかもしれません。ところが、実は同じペットでも、犬にはできても基本的に猫を含めた他の動物にこれはできません」(同) なるほど、犬は「単なる一ペット」ではなさそうだ』、「ペットが、人間が指さした方向にしっかりと反応できるのは当たり前というイメージがあるかもしれません。ところが、実は同じペットでも、犬にはできても基本的に猫を含めた他の動物にこれはできません」、犬だけ別格のようだ。
・『困ると人の顔を見る  さらに、他にもこんな実験報告があると茂木教授が紹介する。 「中にエサが入った箱を鼻でつつくと、箱が開いてエサが食べられるようにしておき、その後、鼻でつついても開かないように人間が細工をする。普通の動物は、細工を施(ほどこ)した後も、開くものだと信じ込んで壊れるくらいに延々と箱を足でひっかき回し続けたりするだけなのですが、犬は途中まで開けようと頑張ってダメだと分かると、まるで助けを求めるように近くにいる人間の顔を見る。これも犬にしかできない反応です」 このように、異種であるにもかかわらず「eye to eye」のコミュニケーションが取れる特別な関係の人間と犬。ゆえに、最古の家畜として、両者は“共生”することができてきたのだ』、「異種であるにもかかわらず「eye to eye」のコミュニケーションが取れる特別な関係の人間と犬。ゆえに、最古の家畜として、両者は“共生”することができてきたのだ」、猫や馬とは「「eye to eye」のコミュニケーションが取れ」ないとは初めて知った。
・『「犬」と「犬以外」を飼う意味は異なる  「そもそも、犬に触ることはできますが、猫は嫌がる場合が多い。したがって、犬を飼うのと猫を飼うのとでは、その意味は大きく異なると思います」 と、茂木教授が続ける。 「犬の場合、eyeコミュニケーションやボディーコミュニケーションができるパートナーとして飼う面が強く、猫を飼う行為は観賞目的の意味合いが強い。猫の場合は、動物園の動物を見て楽しむのに近いのではないでしょうか。その意味においては猫に限らず、『犬』と『犬以外』の動物を飼うことの意味は大きく異なるといえます。こうした特別な関係の人間と犬が接することで分泌されるオキシトシンには、リラックス効果や痛みの閾値(いきち)を下げる効果もある。やはり、犬を飼うことは人間の心の健康に極めて有効だといえます」 科学的な裏付けを伴った犬による心の面での「癒やし効果」。だが、それだけではない。体の健康、とりわけ高齢者の健康寿命の延伸にも犬は大いに貢献してくれているのだ』、「人間と犬が接することで分泌されるオキシトシンには、リラックス効果や痛みの閾値(いきち)を下げる効果もある。やはり、犬を飼うことは人間の心の健康に極めて有効だといえます」、なるほど。
・『「自立喪失」リスクが半減  「65歳以上の約6200人を対象に追跡調査を行ったところ、身体機能が衰えるフレイル(虚弱)が発生するリスクが、犬を飼った経験がない人と比べると、飼育している人で2割低減されることが分かりました。他方、猫の場合はリスクは変わらず、フレイルに対する予防効果は見られませんでした」 こう解説するのは、国立環境研究所主任研究員の谷口優氏だ。この研究結果が科学誌に掲載されたのは2019年。そして22年、人と動物の関係を研究する谷口氏らは新たな研究成果を発表した。 「フレイルの関連要因である要介護状態や死亡への影響を調査しました。1万人以上の高齢者を対象に2年間の追跡調査を行った結果、犬の飼育による新たな効果が浮き彫りとなったのです」 具体的には、次のような結果が出た。 「要介護と死亡をあわせて『自立喪失』と呼びますが、猫の飼育状況と自立喪失との間に明確な関連性はみられませんでした。ところが、犬を飼っている人とそうでない人を比べた場合、後者の自立喪失リスクを『1』とすると、前者の自立喪失リスクは『0.54』で、およそ半減。犬を飼っていることで自立喪失リスクが大きく低減されることが分かったのです」(同)』、「犬を飼っていることで自立喪失リスクが大きく低減される」、凄い明確な効果だ。
・『犬の散歩の効能  猫にはない、犬による大きな健康長寿効果。死亡も含めたリスクが下がるというのだから、犬の飼育は「新たな健康長寿法」と言って差し支えなかろう。 「さらに今回の調査の特徴は、犬を飼っている人の中でも運動習慣があるか否かを調べたことです。その結果、犬を飼っていても運動習慣がない人の自立喪失リスクは0.85と大きな差はないものの、犬を飼っていて運動習慣がある人のリスクは0.44と大きく下がっていた。つまり犬の散歩などの運動が、健康長寿に貢献しているということです」(同) たかが犬の散歩、されど犬の散歩。恐るべし犬の散歩――。谷口氏らの研究結果を補強するように、海外でも次のような調査結果が存在する。 例えば、スウェーデンの調査では、ひとり暮らしで犬を飼っている人は、ペットを飼っていない人と比べて心血管疾患で死亡するリスクが36%も低減。家族がいる世帯でも15%下がることが判明した。 また、チェコの調査では、犬を飼っている人と、他のペットを飼っている人を比較した場合、犬を飼っている人のほうが身体活動や食事に関するスコアが最適である割合が高いことが分かっている』、「スウェーデンの調査では、ひとり暮らしで犬を飼っている人は、ペットを飼っていない人と比べて心血管疾患で死亡するリスクが36%も低減。家族がいる世帯でも15%下がることが判明」、なるほど。
・『犬によって人間らしくなれる  再び茂木教授が説明する。 「どんな高齢の人でも、犬を飼っていれば大抵は外に散歩に連れていくことになります。運動効果はもちろん、外の空気を吸うことでリラックスできますし、また、散歩に連れていくという習慣を半ば強制されることによって、結果的にそれが規則正しい生活にもつながる。日々のリズムが整えば、食生活も乱れないという好循環が生み出されるのだと思います」 そして、犬によって私たちは「人間らしさ」まで取り戻すことができるという。 「先ほど説明したように、人と犬は異種でありながら例外的に共鳴することができます。だからこそ、私たちは犬に話しかける。ひとりで散歩するよりも、犬に話しかけながら散歩するほうが人間らしいですよね」(同)』、「散歩に連れていくという習慣を半ば強制されることによって、結果的にそれが規則正しい生活にもつながる。日々のリズムが整えば、食生活も乱れないという好循環が生み出されるのだと思います」 そして、犬によって私たちは「人間らしさ」まで取り戻すことができるという」、その通りだ。
・『人と人のコミュニティーも広げてくれる  さらに見過ごせないのが、“コミュニケーションの潤滑油”としての犬の役割だ。 「最近、人間の世界ではプライバシー意識が一段と強まっています。我が子、我が孫に関してですら、他人に軽々に話すことははばかられる状況です。対して、さすがに“我が犬”について話すのに気を使う必要はありません。犬の存在が話の接ぎ穂となるわけです」(茂木教授) 互いに犬オーナーであればもちろんのこと、そうでなくても犬は力を発揮する。 「公園で見ず知らずの高齢者がすれ違っても、いきなり話しかけるのはかなりハードルが高い。しかし、そこでどちらかが犬を連れていれば、もう一方が犬を飼っていないとしても、その犬の存在をきっかけに話しかけやすくなりますよね。犬は、人と共鳴できる疑似家族のような例外的動物である上に、人と人とのコミュニティーまで広げてくれるわけです」(同)』、私がよく行く公園にも、犬中心のサークルがあり、私も会うことを楽しみにしている。
・『高齢者が安心して犬を飼える仕組みを  たしかにフレイルは、体力の低下とともに社会とのつながりの欠如によっても促進されてしまう。やはり、犬は「抗フレイル」に大きく貢献してくれるといえそうだ。しかし、課題がないわけではない。 谷口氏が指摘する。「近年、外出自粛に伴い自宅で過ごす時間が増加したことから動物飼育への関心が高まっています。一方で、終生飼養の観点から、高齢者の犬猫飼育には消極的な意見も少なくありません。動物飼育は健康長寿に大きな効果が期待できることから、高齢者が安心して動物を飼育し続けるための仕組みを官民が連携して構築することを期待しています」 茂木教授が後を受ける。 「高齢者が犬を飼うのは体力的に大変かもしれません。しかし、高齢者には高齢者に合った犬がいます。例えば高齢犬を飼えば、若い犬に比べて運動量は少ないのでゆったりとした散歩ができる。その人、その世代に合った犬は必ず存在します」 無論、ただ飼えばいいというわけではない。 「自分にもしものことが起きた場合に犬をどうするかはしっかりと考えておかなければいけませんが、犬を飼うことで生活に張りができるのは間違いありません。例えば、今、増えている高齢者のおひとりさまにとって、犬は健康長寿を支えてくれる格好の存在といえるでしょう。70歳、80歳になって妻や夫を失い、新たな伴侶を探すのはなかなか難しい。そうであれば、犬を飼うことで新たなパートナーとするほうが、現実的な『老後対策』といえるのではないでしょうか」(同)』、私は飼っていた大型犬が死んだ時に、新たに飼うことも考えたが、先に自分の方が死ぬと、あとペットをどうするのかが問題となるので、飼うのは断念した。
・『目が合うと、犬も幸せホルモンを分泌  偉大なる犬による健康長寿効果。だが、昨今は「愛玩動物批判」が高まり、ペットを飼うという行為そのものが問題視される傾向もあるが……。 「太古の昔から、番犬や猟犬として基本的に犬は人間とともにありました。野良犬といっても、もとをただせばほとんどは人間が飼っていた犬です」 として、茂木教授がこう締めくくる。 「つまり、犬は常に人間の近くにいた。犬も人間を必要としてきたのです。先に紹介したオキシトシンに関する実験がそれを証明しています。なぜなら、見つめ合った結果、オキシトシン濃度が上がったのは人間だけではありませんでした。犬も上がった。犬も幸せホルモンを分泌していたのです。すなわち、犬も人間の近くにいることで幸福感を得ている。ですから、私に言わせれば、犬を飼うことに対する愛玩動物批判は……ナンセンスですね」 (茂木氏の略歴はリンク先参照)』、一旦は断念した飼うことを、大型犬でなく、中型犬にすれば飼い易いかと迷ったが、やはり自分が先に死んだあとのことを考慮して、最終的に断念した。 
タグ:「大脳皮質のうち前頭葉の占める割合は、人は30%、犬は7%、ネコは3%」、「犬の前頭葉の働きは鈍く、簡単に言うと「犬は人のように本能を理性でコントロールすることが難しい」のです」、やむを得ないことだ。 「人にいやがらせをすることはない」のは確かだ。そんな犬がいたら気持ち悪い。 数年前まで飼っていた秋田犬とサモエドのミックスの大型犬は、ドライブが大好きで、気配を察すると庭中を狂ったように走り回り、なだめるのに苦労した記憶がある。 「あくまで動物であり、常に本能で動いている。人間側の一方的な思いや価値観で犬と接してはいけない」、冷静な見方で、興味深そうだ。 (その4)(「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」、犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減) ペット 鹿野正顕『犬にウケる飼い方』(ワニブックスPLUS新書) 鹿野正顕氏による「「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」」 PRESIDENT ONLINE Newsweek日本版 「叱られておとなしくなるのは、飼い主さんが怖くて萎縮しているだけなのです」、その通りだ。 「「食べ物で釣るなんて、浅ましくていやだ」という飼い主さんです。ごほうびに「おやつ」をあげてトレーニングすることを頑なに拒否する飼い主さんもいます。 それは「人間の物差し」でしか考えられない方なのです」、私も当初はそう考えたが、途中で考え違いに気づいた。 「犬はあくまで動物で、人と同じような考え方や行動はしません。 人間の価値観や常識・・・で犬の行動を見てしまうのもやはり間違っています」、その通りだ。 「犬は犬社会でも、仲間に危険を警告したり、犬同士で助け合う行動は普通にみられます。それを飼い主に対しても行っているだけだ、というドライな見方もできるのです」、なんだかつまらない。 「ハチは飼い主だった大学の先生を、亡くなった後もずっと駅で待ち続けていたわけではなく、好物の焼き鳥をくれる人を待っていたのが真実だそうです」、「焼き鳥をくれる人」は「ハチ」が「主人」を「待ち続け」ていたからこそ、感心して「焼き鳥をあげた」と考えれば、もとの美談になるともいえる。 デイリー新潮「犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減」 “毛色の変わった健康情報”とは興味深そうだ。 「人間と犬の“幸せ感の共鳴”」とはどういうことだろう。 「飼い主と犬が」「よく見つめ合ったグループ」では、「尿中の「オキシトシン」」の「濃度」が「3.5倍に上昇した」、「犬と戯れることによって、飼い主に安心や信頼がもたらされ、「心の健康度」が上がったと考えられる」、すごい効果だ。 「ペットが、人間が指さした方向にしっかりと反応できるのは当たり前というイメージがあるかもしれません。ところが、実は同じペットでも、犬にはできても基本的に猫を含めた他の動物にこれはできません」、犬だけ別格のようだ。 「異種であるにもかかわらず「eye to eye」のコミュニケーションが取れる特別な関係の人間と犬。ゆえに、最古の家畜として、両者は“共生”することができてきたのだ」、猫や馬とは「「eye to eye」のコミュニケーションが取れ」ないとは初めて知った。 「人間と犬が接することで分泌されるオキシトシンには、リラックス効果や痛みの閾値(いきち)を下げる効果もある。やはり、犬を飼うことは人間の心の健康に極めて有効だといえます」、なるほど。 「犬を飼っていることで自立喪失リスクが大きく低減される」、凄い明確な効果だ。 ・『犬の散歩の効能  猫にはない、犬による大きな健康長寿効果。死亡も含めたリスクが下がるというのだから、犬の飼育は「新たな健康長寿法」と言って差し支えなかろう。 「さらに今回の調査の特徴は、犬を飼っている人の中でも運動習慣があるか否かを調べたことです。その結果、犬を飼っていても運動習慣がない人の自立喪失リスクは0.85と大きな差はないものの、犬を飼っていて運動習慣がある人のリスクは0.44と大きく下がっていた。 「スウェーデンの調査では、ひとり暮らしで犬を飼っている人は、ペットを飼っていない人と比べて心血管疾患で死亡するリスクが36%も低減。家族がいる世帯でも15%下がることが判明」、なるほど。 「散歩に連れていくという習慣を半ば強制されることによって、結果的にそれが規則正しい生活にもつながる。日々のリズムが整えば、食生活も乱れないという好循環が生み出されるのだと思います」 そして、犬によって私たちは「人間らしさ」まで取り戻すことができるという」、その通りだ。 私がよく行く公園にも、犬中心のサークルがあり、私も会うことを楽しみにしている。 私は飼っていた大型犬が死んだ時に、新たに飼うことも考えたが、先に自分の方が死ぬと、あとペットをどうするのかが問題となるので、飼うのは断念した。 一旦は断念した飼うことを、大型犬でなく、中型犬にすれば飼い易いかと迷ったが、やはり自分が先に死んだあとのことを考慮して、最終的に断念した。
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健康(その26)(「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい3大原因 悩ましい「夜中のトイレ」 原因を徹底解説!、尿漏れ 頻尿 男のチョイ漏れ… 誰もが悩む尿トラブル 単なる老化現象ではない! 人には言いづらい尿の悩み、「断食」がなぜビジネスパーソンに人気?痩せるだけではない驚きの効果) [生活]

昨日に続いて、今日は、健康(その26)(「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい3大原因 悩ましい「夜中のトイレ」 原因を徹底解説!、尿漏れ 頻尿 男のチョイ漏れ… 誰もが悩む尿トラブル 単なる老化現象ではない! 人には言いづらい尿の悩み、「断食」がなぜビジネスパーソンに人気?痩せるだけではない驚きの効果)を取上げよう。

先ずは、12月30日付け日経ビジネスオンラインが掲載したライターの田村知子氏による「「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい3大原因 悩ましい「夜中のトイレ」 原因を徹底解説!」を取上げよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00283/091500149/
・『加齢とともにトイレが近くなってきた――そう実感している人は多いだろう。日本泌尿器科学会によると、夜間に1回以上トイレに起きる「夜間頻尿」の人は、40代以上で約4500万人。実は、国民病とされる高血圧患者よりも多いのだ。トイレのために睡眠が妨げられることで、日中の体調不良に悩む人も多い。そこで新刊書籍『尿もれ、頻尿、前立腺の本』(日経BP)の内容を基に、夜間頻尿の解決策を探っていこう』、私の「夜間頻尿」は、4~5回と酷い状態が数年続いている。ただ、トイレに行ったらすぐ寝つけるのが救いだ。
・50歳を過ぎると約6割の人が「夜中に1回以上」トイレに起きている  「夜、寝ているときにトイレに行きたくなって目覚めてしまう」「1度トイレに起きると、その後なかなか寝つけない」「就寝中に何度もトイレに起きてしまうので、熟睡できない」など、「夜中のトイレ」に関する悩みは、多くの読者にとって身近な問題ではないだろうか。 夜、寝ている間に1回以上、排尿のために起きる症状を「夜間頻尿」と呼ぶ。わが国で行われた代表的な研究(*1)によると、40代では男女ともに約4割の人に夜間頻尿があり、50代では約6割、60代では約8割、70代以上になると約9割と、年齢を重ねるごとにその割合は増えてくる。 夜中のトイレが2回以上になる夜間頻尿に限っても、60代の男性で約4割/女性で約3割、70代の男性で約6割/女性で約5割、80歳以上の男性では約8割/女性では約7割という多さだ(図1)。 *1 本間之夫ほか. 排尿に関する疫学的研究.日本排尿機能学会誌. 2003;14:266-277. (図1 夜間頻尿の頻度 はリンク先参照)』、「夜中のトイレが2回以上になる夜間頻尿」が「70代の男性で約6割」ならやむえを得ないとあきらめる他ないようだ。
・『「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい大切なこと  50代の約6割、60代では約8割。これだけ多くの人に夜間頻尿が認められると、「夜中にトイレに起きるのは、ある程度の年齢になれば仕方がない」――。そんなふうに半ばあきらめてしまっている人もいるかもしれない。 夜間頻尿は確かに、加齢に伴う生理現象の1つといえる側面もある。しかし、桜十字病院泌尿器科医長(前・国立長寿医療研究センター副院長/同センター泌尿器外科部長)の吉田正貴さんは「夜間頻尿には加齢以外にもさまざまな原因が複雑に絡み合っていることが多く、原因が1つということはまずありません」と話す。「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に、原因を探り、適切な対策を取ることで、改善する可能性は十分にあるのだ。 近年、夜間頻尿に関する知見が蓄積され、夜間頻尿の症状に効果的な新しい薬が登場したことで、2020年に「夜間頻尿診療ガイドライン[第2版]」(日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会)が発行された。2009年の初版発行から11年ぶりの改訂だ。吉田さんは、この最新の診療ガイドラインの作成委員長を務めた。 ガイドラインの改訂に当たっては、泌尿器科の専門医だけでなく、一般の医師向けに診療の手順などを示した診療アルゴリズムが新たに作成されるなど、注目すべき点がいくつかある。その1つが、夜間頻尿の原因によっては、日常生活の中で実践できる具体的な行動療法(セルフケア)を重視している点だ。夜間頻尿に困っている人にとっては朗報といえるだろう(セルフケアについては第2回、第3回で詳しく紹介予定)。 こうした最新知見を上手に取り入れるためにも、まず知っておきたいのは、自分の夜間頻尿の原因だ。夜間頻尿の背景には、加齢だけでなく、前立腺肥大などの泌尿器系の病気や、不眠症など泌尿器以外の病気が影響している場合もある。自分の夜間頻尿の原因をどのように見分け、対策を取ればいいのか。吉田さんに詳しく解説していただくとともに、記事後半に掲載したセルフチェック表で、自分に当てはまる症状がないかを見ていこう』、私の場合は、「前立腺肥大」で通院していたが、状態が改善しないので、ついに医者から通院不要と言い渡された。
・『トイレに起きる回数よりも、「どれくらい困っているか」がポイント  前述したように、「夜間頻尿」は夜間の就寝中に1回以上、排尿のために起きなければいけない症状のことを言う。しかし実際には、夜中に1回トイレに起きるだけで治療を必要とするケースは少ないと、吉田さんは話す。 「最近は夜間頻尿という言葉が一般にも知られるようになり、『自分も夜中に1回はトイレに起きるから、何か問題があるのではないか』と心配して受診される人が増えました。そうした方には、それによって困っていることが特になければ、様子を見ましょうと伝えます。治療を考える目安は、トイレに起きる『回数』よりも、『どれくらい困っているか』に基づきます。『1回でもつらい』という人もいれば、『3回起きても特に問題はない』という人もいます。特にご本人が問題を感じていなければ、トイレに起きる回数が多くても、治療の対象にはなりません」(吉田さん) 就寝中に1回程度なら、まあ仕方ないと考える人も多いだろう。だがこれが2回、3回と回数が増えていき、寝不足になるなど困ることが出てくれば、何らかの対応が必要になってくる。シニア世代は特に、夜間にトイレに行くときに転倒して骨折し、寝たきりの状態につながるリスクもあると、吉田さんは指摘する。 「東北大学の研究チームの報告(*2)によれば、70歳以上の高齢者では、夜中のトイレが2回以上の人の死亡率は、1回以下の人に比べて約2倍高く、回数が増えるにつれて死亡率が高まることが分かっています」(吉田さん) シニア世代の夜間頻尿は転倒・骨折につながるリスクがある一方で、適切な対策を取れば改善する可能性が高い。また、夜間頻尿の原因によっては、セルフケアで症状が軽減する場合も多い。まずは夜間頻尿が起きている原因を考え、必要な対策を知っていこう』、「70歳以上の高齢者では、夜中のトイレが2回以上の人の死亡率は、1回以下の人に比べて約2倍高く、回数が増えるにつれて死亡率が高まる」、やはり気を付ける必要がありそうだ。
・『夜間頻尿の主な原因は「夜間多尿」「蓄尿障害」「睡眠障害」の3つ  夜間頻尿の原因は、主に3つに大別することができる。「夜間の尿の量が増える『夜間多尿』、膀胱にうまく尿がためられなくなる『蓄尿障害』、夜間によく眠れない『睡眠障害』。これらの3つの原因が重なり合って夜間頻尿を引き起こしていることが多いですね」(吉田さん) (図2 夜間頻尿の3大原因 はリンク先参照) 夜間頻尿の主な原因は、夜間多尿、蓄尿障害、睡眠障害の3つ。 これら3つの主要原因について、詳しく説明していこう』、興味深そうだ。
・『夜間多尿はホルモンの減少や水分の過剰摂取、運動不足などが影響  「夜間多尿」という言葉は耳慣れない人もいるだろう。「夜間頻尿」は夜間のトイレの頻度(回数)が基準となるが、夜間頻尿の原因の1つである「夜間多尿」は、「夜間に出る尿量が多い状態」を言う。具体的には、1日の総尿量の33%以上が就床中に出ている状態を夜間多尿と呼ぶ。つまり、本来なら昼間に出る分の尿が、夜に出てしまっているのだ。 夜間多尿は、シニア世代の夜間頻尿の原因の大部分を占めるという。なぜ、シニア世代で夜間の尿量が増えるのか。「1つには、抗利尿ホルモンと呼ばれるホルモンの減少が挙げられます。抗利尿ホルモンは通常、夜間に多く分泌されて、尿量を減らす役割を果たしています。ところがこのホルモンは、加齢とともに分泌量が少なくなるので、それに伴って、夜間に作られる尿の量が増えていくのです」(吉田さん) また、加齢や運動不足などによって下半身の筋肉が衰えたり、心臓や腎臓の機能が低下してきたりすることで血液を全身に送るポンプ機能が弱まり、血液の循環が悪くなることも、夜間の尿の量を増やす原因になる。 「血液の循環が悪くなると、下半身の血管から水分が漏れ出して、細胞の間質にたまって足がむくみます。水分がたまった状態のまま、夜になって睡眠のために横になると、重力の影響を受けなくなった水分が血管に戻ります。すると、増えた水分を減らすために尿が作られ、膀胱にたくさんたまるようになるので、尿意を感じトイレに起きやすくなります」(吉田さん)』、「加齢や運動不足などによって下半身の筋肉が衰えたり、心臓や腎臓の機能が低下してきたりすることで血液を全身に送るポンプ機能が弱まり、血液の循環が悪くなることも、夜間の尿の量を増やす原因に」、「加齢」要因ばかりはどうしようもない。
・『高血圧や糖尿病が原因で起こる夜間多尿も  このほかにも、高血圧や糖尿病といった生活習慣病や、その治療薬が夜間多尿を引き起こしていたり、脳梗塞や心筋梗塞の予防のために水分を必要以上に多く飲んでいることが夜間多尿につながっていることもある。 高血圧には、塩分をため込みやすいタイプとそうでないタイプがあり、日本人は前者が多い。私たちの体には、血液中の塩分(ナトリウム)の濃度を一定に保つ機能が備わっている。そのため、塩分を多くとった場合は、尿として体外に排出される。しかし、塩分をため込みやすいタイプの高血圧の人は、塩分を多くとると、昼間に作られる尿だけでは塩分を排出しきれない。すると、残った塩分を排出するために、夜間にも尿が作られることで、夜中にトイレに起きやすくなる。 糖尿病の場合は、血液中の糖が多くなるため、体は糖を尿として排出しようとする。すると、尿の量や回数が増えて脱水状態になりやすく、のどが渇いて水分を多く飲むことで、さらに尿の量が増えてしまう。 また、高血圧の治療によく使われる「カルシウム拮抗薬」という種類の薬や、糖尿病の「SGLT2阻害薬」という種類の薬も、夜間多尿を引き起こすことがある。 高血圧や糖尿病の持病があり、夜間頻尿・夜間多尿もある場合には、まずはかかりつけ医に相談してみるといいだろう』、私の場合は「高血圧や糖尿病」は幸い該当しない。
・『夜間多尿の原因  抗利尿ホルモンの減少(夜間に作られる尿の量が増えてしまう) 心臓のポンプ機能の低下(血液の循環が悪くなり、下半身にたまった水分(むくみ)が夜間に尿として出てくる) 高血圧や糖尿病、およびその治療薬の一部  水分のとりすぎ)』、私の場合はこれも該当しない。
・『前立腺肥大症や過活動膀胱の一症状として夜間頻尿が表れる  2つ目の「蓄尿障害」は、膀胱にうまく尿がためられなくなる現象のこと。「蓄尿障害」も、加齢によって誰にでも起こり得る現象だ。腎臓で作られた尿は、膀胱にいったんためられる。加齢によって膀胱の筋肉が衰え、しなやかさが失われると、膀胱はあまり広がらなくなってしまう。その結果、ためられる尿の量が少なくなり、尿意を感じやすくなるのだ。 中高年男性に多い前立腺肥大症でも、蓄尿障害が起こる。「男性の場合は40~50代頃から前立腺が肥大してきて、尿が出にくい、尿の回数が多い、トイレに行く前に尿が漏れてしまうといった症状が出てきます。そうした症状の1つとして、夜間頻尿を訴える人がいます」(吉田さん) 夜間頻尿だけでなく、我慢できないほどの強い尿意を感じることがあったり、昼間のトイレも近かったりする場合は、過活動膀胱が原因になっている可能性もある。過活動膀胱は、膀胱や排尿に関する筋肉の衰えなどが原因で、少量の尿がたまった状態でも膀胱が過度に収縮して尿意を感じてしまう病気だ。男女ともに40代頃から起こってきて、加齢とともに増えてくる』、私は「前立腺肥大症」だ。
・『加齢や睡眠の病気で眠りが浅く、尿意で目覚めたと勘違いする  夜間頻尿の3つ目の原因が、「睡眠障害」だ。年齢を重ねてくると誰でも、睡眠はある程度、浅くなったり、短くなったりする。日中の活動量が減ったり、睡眠に関するホルモンの分泌量が低下したりするためだ。睡眠が浅いために夜中に目が覚めて、「尿意を感じて目が覚めた」と勘違いしているケースも見受けられるという。 加齢以外にも「睡眠障害」を起こす病気はあり、それらが原因で夜中に何度も目が覚め、トイレに行くことで結果として「夜間頻尿」になってしまうこともある。 「例えば、いびきをかきながら呼吸が一時的に止まってしまう『睡眠時無呼吸症候群』、脚にむずむずするような不快な感覚が生じる『むずむず脚症候群』、睡眠中に足の指や足首、膝などが勝手に動いてしまう『周期性四肢運動障害』といった病気は、夜間頻尿のリスク因子に挙げられます。これらの病気が夜間頻尿を引き起こしている場合には、その病気の治療をすることで、夜間の眠りが改善されて、夜間頻尿もよくなることがあります」(吉田さん)』、かつては『睡眠時無呼吸症候群』だったようだが、現在は自然に治っているようだ。
・『あなたの夜間頻尿はどのタイプ? 該当する項目をチェック!  夜間頻尿にはさまざまな原因があることがお分かりいただけただろうか。 ではここで、自身の夜間頻尿の原因を推測できるセルフチェックを行ってみよう。該当する項目が多いほど、その原因が夜間頻尿を引き起こしている可能性が高いと考えられる。ただし、これはあくまで原因を探るためのセルフチェックなので、夜間頻尿で仕事や生活に支障があったり、夜間頻尿以外に排尿時の痛みや不快感がある、血尿が出るといった症状があれば、まず泌尿器科を受診してほしい。 ○「夜間多尿」が原因の場合に見られることが多い症状(昼間の1回分の尿の量と、夜間の1回分の尿の量を比べてみて、昼間と同じくらいの量かそれ以上の量が出ている 夕方になると足のすねやふくらはぎがむくむ。夜間に2~3回以上トイレに行くと、朝はむくみがほとんどとれている 1日に1.5リットル以上の水分をとっている(食事に含まれる水分は除く) ○「蓄尿障害」が原因の場合に見られることが多い症状(前立腺肥大症や過活動膀胱と診断されている 男性で「尿の出が悪い」「残尿感がある」「昼夜を問わずよくトイレに行きたくなる」「尿を漏らすことがある」といった尿トラブルがある 男女ともに「突然、我慢できないほどの強い尿意が起こる」ことが週1回以上ある ○「睡眠障害」が原因の場合に見られることが多い症状(「就寝中にいびきをかいて、呼吸が一時的に止まることがある」「夕方以降に脚にむずむずするような不快な感覚がある」「睡眠中に足の指や足首、膝などが勝手に動く」のいずれかの症状がある  眠ってから3時間以内にトイレに起きる  夜、トイレに起きたあと、1時間以上眠れない (監修:吉田正貴氏)) さて、どの原因の項目に多くチェックが入っただろうか。先述した通り、夜間頻尿は複数の要因が絡み合っていることが多く、いずれも複数のチェックが入った人も多いかもしれない。その場合は、それぞれの原因に対処していく必要がある。その際は、夜間多尿と、それ以外の原因に分けて考えることが大切になる。 「夜間多尿が原因の場合は、生活習慣を見直すセルフケアで、症状の改善が期待できます。蓄尿障害や睡眠障害、それ以外の病気の影響がある場合などは、その病気の治療に加えて、夜間頻尿の症状を軽減する食事や水分のとり方をすると効果的です」(吉田さん) 次回、第2回(困った夜間頻尿 解決のカギは「夕方の足のむくみ」解消!)は「夜間多尿」にフォーカスして、夜間の尿量をより詳しく調べるための方法や、「夕方の足上げ」など、診療ガイドラインでも推奨されているセルフケアの方法を紹介する。そして、第3回(夜間頻尿を減らす「薬」「睡眠」「水分・塩分」のポイント)では、夜間頻尿を引き起こすさまざまな病気や治療の影響のほか、夜間頻尿全般に効果的な食習慣について解説していく』、「第2回(困った夜間頻尿 解決のカギは「夕方の足のむくみ」解消!)は「夜間多尿」にフォーカスして、夜間の尿量をより詳しく調べるための方法や、「夕方の足上げ」など、診療ガイドラインでも推奨されているセルフケアの方法を紹介する」、「第3回(夜間頻尿を減らす「薬」「睡眠」「水分・塩分」のポイント)では、夜間頻尿を引き起こすさまざまな病気や治療の影響のほか、夜間頻尿全般に効果的な食習慣について解説」、いずれも興味深そうだ。

次に、12月30日付け日経ビジネスオンライン「尿漏れ、頻尿、男のチョイ漏れ… 誰もが悩む尿トラブル 単なる老化現象ではない! 人には言いづらい尿の悩み」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00283/090800146/
・『しょっちゅうトイレに行きたくなる、ふとしたはずみに漏らしてしまう、夜中にトイレのために起きる…。そんな尿の悩みを、実に多くの中高年が抱えています。尿の悩みは人に相談しづらく、「ある程度の年齢になれば仕方のない」と諦めている人も少なくないでしょう。そこで、新刊書籍『尿もれ、頻尿、前立腺の本』(日経BP)の内容を基にその解決策を探っていきましょう。今回は、特に悩んでいる人が多い「頻尿」「尿漏れ」について、日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟さんによる解説を紹介します』、興味深そうだ。
・『尿の悩みを「単なる老化現象」で片づけてはいけない  「頻繁にトイレに行きたくなる」「急に尿意を感じて、トイレに駆け込む」「ふとしたはずみに尿が漏れてしまう」「排尿後に尿がジワッと漏れてズボンにシミができることがある」「夜中にトイレのために目が覚めてしまう」 中高年になると、こうした「頻尿」や「尿漏れ」などの尿トラブルを経験する人が増えてきます。日本排尿機能学会が2002年に40歳以上の日本人を対象に実施した調査では、日中に8回以上トイレに行く人は2人に1人、夜中に1回以上トイレに行く人は3人に2人という結果になっています(*1)。 尿にまつわる不調やトラブルはそれほど身近である一方、人にはなかなか相談しづらく、受診もためらいがちです。「ある程度の年齢になれば仕方のないこと」とあきらめてしまっている人も少なくありません。 しかし、頻尿や尿漏れは加齢が原因の一つとなってはいるものの、単なる老化現象ではありません。頻尿や尿漏れはれっきとした病気であり、症状に合わせたセルフケアや治療を行うことで改善が期待できます。 頻尿や尿漏れを放置していると、徐々に悪化していきます。尿トラブルが気になって仕事に集中できなくなったり、外出を控えるようになったりと、QOL(Quality of Life:生活の質)の低下にもつながります。また、尿トラブルの中には、膀胱(ぼうこう)がんや前立腺がんなど、命に関わるような別の病気が隠れていることもあります。頻尿や尿漏れで悩んだり困ったりしているなら、怖い病気を見つけるためにも早めに対処することが重要です。 頻尿・尿漏れといってもさまざまなタイプがあるので、まずはその種類や特徴を知っておきましょう』、興味深そうだ。
・『尿トラブルの中でも特に多い「頻尿」  頻繁にトイレに行きたくなる「頻尿」や、ふとしたはずみに尿が漏れてしまう「尿漏れ(尿失禁)」は、いずれも膀胱に尿がうまくためられなくなることで起こることから、「蓄尿症状」と呼ばれます。 頻尿と尿漏れはそれぞれ別の病態ですが、同じ蓄尿症状であることからも密接な関わりがあり、原因が絡み合っていることが多いものです。実際、尿漏れがある人の多くに、頻尿も見られます。そのため、対策の中には共通するものもあります。 頻尿は、朝起きてから就寝までの排尿が8回以上、夜間の就寝後の排尿が1回以上と定義されています。先ほども紹介した日本排尿機能学会の調査によると、40代以上で昼間頻尿がある人は約3300万人、夜間頻尿がある人は約4500万人と推測されており、ほかの尿トラブルと比べても特に多いことが分かります』、私の場合、「夜間頻尿」だけでなく、「昼間頻尿」もある。
・『「頻尿」は男女とも多いトラブル  40歳以上の男女を対象にした日本排尿機能学会の調査の結果。昼間頻尿は日中に8回以上、夜間頻尿は夜中に1回以上、トイレに行く場合。そのほかの症状は週1回以上。(出典:日本排尿機能学会誌. 2003;14(2):266-277. を基に作成) ただ、排尿の回数には個人差があり、昼間に8回以上、夜間に1回以上トイレに行くことがあっても、本人が困ったり悩んだりしていなければ、基本的には心配は要りません。もちろん、困っていなければ病院に行く必要もないでしょう。 しかし実際には、昼間に10回以上、夜間に2回以上の排尿があると、日常生活に何らかの影響が出てくることが多いようです。一方、1日の排尿回数が8回以下でも、本人が困っていれば頻尿と考えます。 夜間頻尿は40代で約4割、50代で約6割、60代で約8割、70代以上で約9割と、加齢とともに増えていきます。還暦を迎えた私自身も、週に1~2回は夜中にトイレに起きるようになりました。とはいえ、夜間頻尿の原因は加齢だけではありません。 夜間頻尿の主な原因は3つあります。1つめは夜間の尿の量が増える「夜間多尿」、2つめは膀胱に尿がうまくためられなくなる「蓄尿障害」、3つめは眠りが浅いなどの「睡眠障害」です。頻尿が夜間だけの場合は、夜間多尿や睡眠障害が原因となっていることが多く、蓄尿症状としての頻尿とは性質が異なります(参考記事「『夜間頻尿は年のせい』とあきらめる前に知っておきたい3大原因」)。 夜間頻尿だけでなく昼間の頻尿もある場合は、男女ともに「過活動膀胱」の影響も考えられます。日本排尿機能学会の調査から推測すると、過活動膀胱の人は現在では1000万人以上いると見られます。過活動膀胱は膀胱に尿を十分にためられなくなる病気で、そのために急に強い尿意を感じたり(尿意切迫感)、トイレまで我慢できずに尿が漏れてしまったり(切迫性尿失禁)、頻尿の症状が出たりします。 男性の場合は40~50代になってくると前立腺が肥大してきますが、この前立腺肥大症により尿道が圧迫されて尿が出にくくなることで、頻尿や尿漏れなどの尿トラブルが起こってきます。前立腺肥大症の約半数の人は、過活動膀胱を合併しているといわれています。 頻尿の原因にはそのほか、膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染で膀胱の知覚神経が刺激される場合や、膀胱や尿道には問題がないのに、緊張や不安などから頻繁にトイレに行ってしまう心因性の場合があります』、私の場合、「前立腺肥大症の約半数の人は、過活動膀胱を合併しているといわれています」、多分、「過活動膀胱を合併」しているのだろう。
・『「尿漏れ」は女性に多く、男性特有の「チョイ漏れ」も  尿失禁(いわゆる「尿漏れ」)は、自分の意志とは関係なく、尿が漏れてしまう状態です。尿失禁で最も多いのは「機能性尿失禁」と呼ばれるもので、排尿の機能には問題がなく、脳の認知機能や身体の運動機能の問題によって起こります。機能性尿失禁は認知症や日常生活動作(Activities of Daily Living = ADL)の低下などで介護が必要な人に見られることがほとんどです。 一方、一般の人の尿漏れは、4つのタイプに分けられます。 尿漏れの4つのタイプ(○腹圧性尿失禁 … おなかに力が入ったときに、不意に起こる尿漏れ ○切迫性尿失禁 … 尿意が我慢できずに漏らしてしまう状態 ○混合性尿失禁 … 腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方がある状態 ○溢流(いつりゅう)性尿失禁 … 排尿障害によって、尿意とは関係なく、尿があふれ出てくる) 「腹圧性尿失禁」は、せきやくしゃみをしたり、笑ったり、重いものを持ち上げたりしておなかに力が入ったときに、不意に起こる尿漏れです。「切迫性尿失禁」は、尿意を我慢できずに漏らしてしまう状態です。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁が合併している場合は、「混合性尿失禁」と呼ばれます。 女性に多い「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」 これら3つのタイプの尿漏れは、閉経後の50代以上の女性に多く見られます。尿漏れに悩む女性が10人いた場合、腹圧性尿失禁が5人、混合性尿失禁が3人、切迫性尿失禁が2人の割合になるといわれています。つまり、尿漏れに悩む女性の8割は、腹圧性尿失禁があることになります。 腹圧性尿失禁は、40歳以上で肥満気味の女性や、2回以上の出産(産道となる膣を経て出産する経膣分娩)の経験がある場合によく見られます。主な原因は、妊娠・出産、女性ホルモンの減少などにより、膀胱や尿道を支える骨盤底筋群が緩むことと、尿道を締める尿道括約筋の機能が低下することが挙げられます。男性で腹圧性尿失禁が起きるのは、前立腺がんの手術後など限定的です。 切迫性尿失禁は、先ほども少し触れましたが、過活動膀胱の症状の一つです。我慢できないほどの強い尿意切迫感があり、実際に尿を漏らしてしまうと、切迫性尿失禁になります。切迫性尿失禁は男女ともに加齢に従って増えてくる傾向がありますが、女性の方が尿道が短いため、女性に多く見られます。過活動膀胱の有病率に男女差はほとんどないものの、切迫性尿失禁がある割合は、女性の方が高いといわれています。 「溢流性尿失禁」は、一般にはあまりないタイプで、高度な排尿障害をともなうことが多い尿漏れです。「溢流」とは、あふれ出てくる状態を表します。排尿がしづらいために、膀胱に尿がたまって残尿が多くなり、膀胱の容量を超えた尿があふれてきます。 溢流性尿失禁では、尿意がよく分からない、残尿感がある、おなかに力を入れていきまないと尿が出ない、尿に勢いがないといった症状があります。男性の場合は前立腺肥大症、女性の場合は骨盤内にある膀胱や子宮、直腸が垂れ下がる骨盤臓器脱と呼ばれる状態などにより、尿道や膀胱の出口が詰まって膀胱に尿がたまることが原因で起こります。そのほか、骨盤内にある臓器の手術で膀胱の神経が傷ついたり、糖尿病で末梢(まっしょう)神経がまひしたりすることでも、溢流性尿失禁が起こることがあります。 このほかに、男性特有の「排尿後尿滴下」という尿漏れもあります。これはいわゆる“チョイ漏れ”と呼ばれるもので、尿を出し切ったつもりでも、そのあとすぐに、下着の中でジワッと尿が漏れてくる現象です。40代以上になると起こりやすくなってきます。 排尿後尿滴下は、厳密には排尿症状である尿失禁ではなく、「排尿後症状」に分類されます。ただ、排尿後尿滴下に悩む男性は非常に多いため、尿漏れの一種として考えて差し支えないでしょう。 このように、頻尿や尿漏れにはさまざまなタイプと特徴があることがお分かりいただけたと思います。次回は、頻尿や尿漏れの原因になる過活動膀胱や、尿漏れに関わる骨盤底筋群や尿道括約筋について詳しく解説していきます。また、男性と女性の尿トラブルの特徴についても、次回以降にご紹介します』、「男性特有の「排尿後尿滴下」という尿漏れ」は、夏など薄い色のズボンを穿いていたので、目立ってきまり悪い思いをした。

第三に、本年1月1日付けダイヤモンド・オンライン「「断食」がなぜビジネスパーソンに人気?痩せるだけではない驚きの効果」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/314001
・『近年、体調を整える手段として注目を集めつつある「断食」。食を断つという言葉からダイエットに効果があることは想像に難くないが、他にも多くのメリットがあるという。忙しい社会人でも生活に取り入れることは難しくないという断食の効果や具体的な方法について、イシハラクリニック副院長の石原新菜氏に話を聞いた』、興味深そうだ。
・『過食気味な現代人が断食で得られる効果  「食事は3食」。このような固定観念に、とらわれてはいないだろうか。時間のない現代人の食生活は、高カロリー・高タンパク・高脂肪なメニューになりがちで、血液や腸内環境の悪化や免疫力・代謝の低下といった体の不調につながってしまうことが多い。 イシハラクリニック副院長の石原新菜氏によると、食事という行為にかかる体の負担は、一般人が想像するよりもはるかに重いのだという。 「例えば、ステーキを食べるという行為一つとっても、体内では多くの器官が働いています。口内で小さく分解された肉は、胃の中で胃酸に含まれるタンパク分解酵素によってドロドロに溶けていきます。さらに十二指腸で、胆汁やすい液によって細かく消化され、ようやく小腸のひだで吸収されて血液中に運ばれるのです」 また、肉を食べると体内から排出すべきアンモニアも発生するため、消化吸収に加えて排出まで行うべく、体内の各器官がフル稼働する。 「断食を行うと、消化時に負担のかかる体内の器官を休めてメンテナンスする時間を確保できます。断食中は、血液内に残存した余分な糖や脂肪をエネルギーとして使っていくため、断食によって血糖値や中性脂肪、コレステロールの値の低下が期待できます」 さらに、断食によってデトックス効果も期待できるそうだ。 「デトックスとは、毒素や便・尿、汗といった体に必要のないものを排出すること。消化吸収に血液を稼働させる必要がなくなるため、その分排せつに関わる臓器の血流が良くなります。すると、体内にたまっていた不要なものを体の外に出して、スッキリときれいにしてくれるのです」』、「ステーキを食べるという行為一つとっても、体内では多くの器官が働いています。口内で小さく分解された肉は、胃の中で胃酸に含まれるタンパク分解酵素によってドロドロに溶けていきます。さらに十二指腸で、胆汁やすい液によって細かく消化され、ようやく小腸のひだで吸収されて血液中に運ばれるのです」 また、肉を食べると体内から排出すべきアンモニアも発生するため、消化吸収に加えて排出まで行うべく、体内の各器官がフル稼働する。 「断食を行うと、消化時に負担のかかる体内の器官を休めてメンテナンスする時間を確保できます。断食中は、血液内に残存した余分な糖や脂肪をエネルギーとして使っていくため、断食によって血糖値や中性脂肪、コレステロールの値の低下が期待できます」 さらに、断食によってデトックス効果も期待できる」、「断食」の効果が理解できた。
・『オートファジーや長寿遺伝子 最も効果的な断食の時間とは  2016年、「オートファジー」の働きを解明した大隅良典・東京工業大学栄誉教授のノーベル生理学・医学賞受賞は、断食に注目が集まる大きな契機となった。 「オートファジーは、血液中の栄養素が少なくなると細胞中のタンパク質を一度壊して再活用するという働きです。オートファジーによって全身の細胞で若返りが起こるため、認知症の予防やパーキンソン病といった神経変性疾患と呼ばれる病気に対して効果があるとされています」 オートファジーは、食事による栄養の補給を断つことで働く。また“長寿遺伝子”が活性化するには30~40%摂取カロリーの減少が必要だ、と石原氏は語る。 「2000年にマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授が発見したサーチュイン遺伝子が、長寿遺伝子と呼ばれる遺伝子です。この遺伝子が活性化すると、老化を抑える効果が期待できるとされています」 断食には、細胞の若返りや長寿につながるなど多くのメリットがありそうだが、それでは、日常に断食を取り入れる場合、断食の時間はどのくらいの長さを目安とすれば良いのだろうか。 「男性のビジネスパーソンを想定すると、12時間以上空けられると良いでしょう。最も望ましいのは16時間近く空けることですが、仕事の付き合いなどで夜の食事を抜くのは難しいという人も多いと思います。そういう人には朝食を野菜ジュースなどに置き換えることを薦めています」 例えば、夜8時に食事を取り、朝は野菜ジュースを飲む、昼の12時にそばやうどんといった軽めの食事。そして、夜はまた普通の食事を取るという生活リズムが、最も継続しやすいのだそうだ。 「週に1度、朝食を野菜ジュースや具なしのみそ汁などに置き換えるだけでも、断食の効果は期待できます。もちろん、続けられる人は毎朝の食事を置き換えると、より効果が実感できると思いますよ」 そもそも人間の体は、空腹に対処する機能を備えているのだと石原氏は語る。 「人間の体には、血糖値を上げるホルモンが10種類以上存在しています。例えば、アドレナリン、ノルアドレナリン、甲状腺から出るサイロキシンなどが該当します。ところが、血糖値を下げるホルモンというのは、インスリン一つしかありません。つまり、人間の体は空腹に対応する方法を知っていますが、過食に対処する術をほとんど知らないのです」 食べ過ぎに適応していない人間にとって、1日3食の食事を取る必要が本当にあるのかどうか、体にかかる負担を考慮して食事内容や回数を見直す必要が出てきているのだ。 また、断食の効果を実感してより多くの時間をかけて体のメンテナンスを行いたいと感じた場合は、断食を体験できる宿泊施設でじっくり取り組むことも可能だ。 断食コース(7泊8日プラン) 「私が副施設長を務めているヒポクラティック・サナトリウムでは、普段の食事をニンジンとリンゴのジュースやショウガ湯などに置き換えて、数日間の断食体験を行っていただいています。普段から朝の食事を置き換えている人が、年に2回、1週間ほどの断食を行うために訪れる人が多いですね。1日1日をリセットするイメージで、体のメンテナンスを楽しみながら取り組んでいますよ」 コロナ禍においても、感染対策に配慮しながら運営していたヒポクラティック・サナトリウムは、来訪者が減ることはなかったのだという。石原氏は「テレワークの普及などで生活習慣病を気にする人が増えたのではないか」と話す』、「「人間の体には、血糖値を上げるホルモンが10種類以上存在しています。例えば、アドレナリン、ノルアドレナリン、甲状腺から出るサイロキシンなどが該当します。ところが、血糖値を下げるホルモンというのは、インスリン一つしかありません。つまり、人間の体は空腹に対応する方法を知っていますが、過食に対処する術をほとんど知らないのです」、イスラム諸国では、「断食」がカレンダー上で決まっており、「断食」には合理的な理由があるようだ。
・『断食を行う上で注意すべきこと  多くの効果を期待できる断食だが、実際に断食するに当たって注意を払うべきこともある。 注意すべきは、断食明けの回復食です。断食直後に、ラーメンやチャーハンといった重たいものを食べてしまうと、逆に体の不調を招きます。おなかがすいたからといって断食明けに消化の負担が重い食事を取れば、せっかく排出した不要なものを短時間で体に取り込んでしまうことになります」 また、断食中は血糖値が上がりにくく血圧も下がり気味になるため、もともと低血糖や貧血、冷え性の人は断食を取り入れない方がいいそうだ。 「本当に危険なのは、水断食です。食事を全く取らずに水やお茶しか飲まないと、とにかく苦しくて断食を継続する気力が続きませんし、筋肉の分解が進み過ぎて代謝が働かなくなってしまい、断食の効果が得られなくなる場合も多いです。絶対に行うべきではありません」 何の栄養も取らない極端な断食を敢行して、栄養失調で倒れてしまっては元も子もない。断食のコツは、空腹を感じたときでも、体が軽く頭がさえた最高のコンディションを維持できていると「楽しむ」ことなのだそうだ。 「『ずっと断食をしなければいけない』と、強迫観念のように断食に取り組む必要はありません。ある日友人と食事を楽しみ過ぎてしまったから他の日に断食を取り入れて整えてみよう、そういったバランスで楽しみながら取り組んでほしいです」 忙しく働くビジネスマンほど、普段一生懸命働いてくれる自身の体をいたわる「断食」の時間が必要なのかもしれない。(石原新菜氏の略歴はリンク先参照)』、「「本当に危険なのは、水断食です。食事を全く取らずに水やお茶しか飲まないと、とにかく苦しくて断食を継続する気力が続きませんし、筋肉の分解が進み過ぎて代謝が働かなくなってしまい、断食の効果が得られなくなる場合も多いです。絶対に行うべきではありません」、「断食のコツは、空腹を感じたときでも、体が軽く頭がさえた最高のコンディションを維持できていると「楽しむ」ことなのだそうだ」、なるほど。
タグ:私の場合はこれも該当しない。 私の場合は「高血圧や糖尿病」は幸い該当しない。 「加齢や運動不足などによって下半身の筋肉が衰えたり、心臓や腎臓の機能が低下してきたりすることで血液を全身に送るポンプ機能が弱まり、血液の循環が悪くなることも、夜間の尿の量を増やす原因に」、「加齢」要因ばかりはどうしようもない。 「70歳以上の高齢者では、夜中のトイレが2回以上の人の死亡率は、1回以下の人に比べて約2倍高く、回数が増えるにつれて死亡率が高まる」、やはり気を付ける必要がありそうだ。 私の場合は、「前立腺肥大」で通院していたが、状態が改善しないので、ついに医者から通院不要と言い渡された。 「夜中のトイレが2回以上になる夜間頻尿」が「70代の男性で約6割」ならやむえを得ないとあきらめる他ないようだ。 私の「夜間頻尿」は、4~5回と酷い状態が数年続いている。ただ、トイレに行ったらすぐ寝つけるのが救いだ。 『尿もれ、頻尿、前立腺の本』(日経BP) 田村知子氏による「「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい3大原因 悩ましい「夜中のトイレ」 原因を徹底解説!」 日経ビジネスオンライン 健康 (その26)(「夜間頻尿は年のせい」とあきらめる前に知っておきたい3大原因 悩ましい「夜中のトイレ」 原因を徹底解説!、尿漏れ 頻尿 男のチョイ漏れ… 誰もが悩む尿トラブル 単なる老化現象ではない! 人には言いづらい尿の悩み、「断食」がなぜビジネスパーソンに人気?痩せるだけではない驚きの効果) 私は「前立腺肥大症」だ。 かつては『睡眠時無呼吸症候群』だったようだが、現在は自然に治っているようだ。 「第2回(困った夜間頻尿 解決のカギは「夕方の足のむくみ」解消!)は「夜間多尿」にフォーカスして、夜間の尿量をより詳しく調べるための方法や、「夕方の足上げ」など、診療ガイドラインでも推奨されているセルフケアの方法を紹介する」、「第3回(夜間頻尿を減らす「薬」「睡眠」「水分・塩分」のポイント)では、夜間頻尿を引き起こすさまざまな病気や治療の影響のほか、夜間頻尿全般に効果的な食習慣について解説」、いずれも興味深そうだ。 日経ビジネスオンライン「尿漏れ、頻尿、男のチョイ漏れ… 誰もが悩む尿トラブル 単なる老化現象ではない! 人には言いづらい尿の悩み」 私の場合、「夜間頻尿」だけでなく、「昼間頻尿」もある。 私の場合、「前立腺肥大症の約半数の人は、過活動膀胱を合併しているといわれています」、多分、「過活動膀胱を合併」しているのだろう。 「男性特有の「排尿後尿滴下」という尿漏れ」は、夏など薄い色のズボンを穿いていたので、目立ってきまり悪い思いをした。 ダイヤモンド・オンライン「「断食」がなぜビジネスパーソンに人気?痩せるだけではない驚きの効果」 「ステーキを食べるという行為一つとっても、体内では多くの器官が働いています。口内で小さく分解された肉は、胃の中で胃酸に含まれるタンパク分解酵素によってドロドロに溶けていきます。さらに十二指腸で、胆汁やすい液によって細かく消化され、ようやく小腸のひだで吸収されて血液中に運ばれるのです」 また、肉を食べると体内から排出すべきアンモニアも発生するため、消化吸収に加えて排出まで行うべく、体内の各器官がフル稼働する。 「断食を行うと、消化時に負担のかかる体内の器官を休めてメンテナンスする時間を確保できます。断食中は、血液内に残存した余分な糖や脂肪をエネルギーとして使っていくため、断食によって血糖値や中性脂肪、コレステロールの値の低下が期待できます」 さらに、断食によってデトックス効果も期待できる」、「断食」の効果が理解できた。 「「人間の体には、血糖値を上げるホルモンが10種類以上存在しています。例えば、アドレナリン、ノルアドレナリン、甲状腺から出るサイロキシンなどが該当します。ところが、血糖値を下げるホルモンというのは、インスリン一つしかありません。つまり、人間の体は空腹に対応する方法を知っていますが、過食に対処する術をほとんど知らないのです」、イスラム諸国では、「断食」がカレンダー上で決まっており、「断食」には合理的な理由があるようだ。 「「本当に危険なのは、水断食です。食事を全く取らずに水やお茶しか飲まないと、とにかく苦しくて断食を継続する気力が続きませんし、筋肉の分解が進み過ぎて代謝が働かなくなってしまい、断食の効果が得られなくなる場合も多いです。絶対に行うべきではありません」、「断食のコツは、空腹を感じたときでも、体が軽く頭がさえた最高のコンディションを維持できていると「楽しむ」ことなのだそうだ」、なるほど。
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