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政府財政問題(さすが財務省!官製誤報はこうして繰り返される 「国民負担率2年連続減」の大ウソ、日本の「腐敗指数」は先進国で中の下 独立財政機関が必要!?、基礎的財政収支の黒字化 1年前倒しの謎 5年に1度の「年金財政検証」にも影響する) [経済政治動向]

今日は、政府財政問題(さすが財務省!官製誤報はこうして繰り返される 「国民負担率2年連続減」の大ウソ、日本の「腐敗指数」は先進国で中の下 独立財政機関が必要!?、基礎的財政収支の黒字化 1年前倒しの謎 5年に1度の「年金財政検証」にも影響する)を取上げよう。

先ずは、ジャーナリストの磯山 友幸氏が昨年3月2日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「さすが財務省!官製誤報はこうして繰り返される 「国民負担率2年連続減」の大ウソ」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/238117/030100071/
・『記者が「だまされる」いわく付きの発表  国会では「裁量労働制」を巡って政府が提出したデータの不備が、野党や大手メディアに追及され、安倍晋三首相は今国会に提出する働き方改革関連法案から裁量労働制を削除せざるを得ないところまで追い込まれている。議論する前提のデータがインチキでは真っ当な政策決定が行えないという野党の主張は当然である。 ところが、野党も大手メディアもまったく問題視しないデータ不備が存在する。日本はまだまだ税金も社会保険料も負担が軽いと主張するそのデータは、国民生活を直撃する「増税」を進めるための1つの論拠になっているのだから、裁量労働制に劣らない重要なデータと言える。にもかかわらず、毎年同じ「恣意的」とも言えるデータが発表され続けている。 国民負担率。国税と地方税の「税負担」や、年金掛け金・健康保険料といった「社会保障負担」が国民所得の何%を占めるかというデータである。 「国民負担率18年度42.5% 2年連続減、所得増映す」 2月24日付の日本経済新聞はこう報じていた。「負担率が前年度を下回るのは2年連続。景況感の回復で所得が増え、負担率を押し下げた」としている。 この記事は2月23日に財務省が発表した「2018年度(平成30年度)の国民負担率」を基に書かれた、いわゆる発表記事だ。財務省内にある記者クラブに詰めている若手記者が、財務官僚の説明をそのまま記事にしたのだろう。1年前に自分たちの新聞がどんな記事を書いたかチェックしなかったのだろうか。 「17年度の国民負担率、横ばい42.5%」これが日本経済新聞の2017年2月10日付(電子版)の記事だ。つまり2016年度も2017年度も42.5%だとしていたのだ。「横ばい」と書いていたはずなのに、なぜそれが「2年連続減」になるのか。 実は、この発表データは記者クラブの記者たちが何度も“だまされ”てきた、いわく付きの発表なのだ』、「いわく付きの発表」にも拘らず、「財務官僚の説明をそのまま記事に」するとは、お粗末極まる。
・『国民負担率を小さく見せようという「意図」  今年発表された年度推移のデータ一覧表を見ると、2016年度は42.8%、2017年度は42.7%、そして2018年度は42.5%となっている。この表をベースに記者は「2年連続減」と書いているのだが、ここに「罠」が仕掛けられている。 欄外に細かい文字でこう書かれている(年号を西暦に修正)。 「2016年度までは実績、2017年度は実績見込み、2018年度は見通しである」 2017年度も2018年度も確定的な数字ではない、と言っているわけだ。その財務省の「推計」を基に記事を書くので、辻褄が合わなくなっている。つまり、毎年「見通し」がおかしいのだ。 実績として確定した2016年度の国民負担率は6年連続で過去最高を更新した。2010年度は37.2%だったので、6年で5.6ポイントも上昇した。この国民負担率にそれぞれその年度の国民所得をかけて計算すると、何と33兆円も負担は増えているのだ。 ではかつて、日本経済新聞は2016年度の「見通し」をどう記事にしていたか。 「16年度の国民負担率、7年ぶり低下」である。財務省は、負担は軽くなるというデータを毎年のように示しながら、「実績」となると過去最高を続けているわけだ。記者はまんまと財務省の「印象操作」にはまっているのである。これは日本経済新聞だけの問題ではなく、朝日新聞ほかの大手メディアは概ね「引っかかって」いる。 今年の発表では2017年度は42.7%と、最高だった2016年度の42.8%に比べて0.1ポイント低下することになっている。2017年度は「実績見込み」だから大きくは狂わないだろうと多くの読者は思うに違いない。だが毎年、「実績」数字は、「実績見込み」を上回る結果になっている。昨年の発表で2016年度の「実績見込み」は42.5%だったが、蓋を開けてみると42.8%と0.3ポイントも上回っていたのだ。 過去何年にもわたって発表されてきた「見通し」や「実績見込み」は、決まって「実績」よりも小さく見積もられてきた。明らかに、予想ベースを過小に公表して、国民負担率を小さく見せようという「意図」が働いている。それを知ってか知らずか大手メディアは、財務省の意図通りに「見通し」ベースで記事を書き続けているのだ。 これこそ、霞が関による「情報操作」、「データ偽装」ではないか。本来、新聞が書くべきは、2016年度の国民負担率が42.8%と過去最高になった「事実」ではないのだろうか。役所の誘導に引っかかって、結果的に誤報を繰り返す、「官製誤報」が繰り返されている。野党も国民の給与が増えないと繰り返すならば、こうした増税論議の前提になる「データの不備」を追及すべきではないのか。 財務省の発表を見て経済データを見慣れた記者ならば、「実績見込み」も「見通し」もかなり前提が「緩い」ことに気がつくはずだ。2017年度実績見込みの前提になっている国民所得は「402兆9000億円」。2016年度は391兆7000億円なので、2.9%増える「見込み」になっている。さらに2018年度は414兆1000億円という「見通し」で、これは前年度比2.8%の増加である。高い経済成長を前提にして、国民所得が増えるので、その分、負担は減りますと言っているわけだ』、「「実績見込み」も「見通し」もかなり前提が「緩い」」ので、国民負担率の「実績」では大幅に上方修正され、負担が増えていた、というのは余りに見え透いた手口だ。きっと記者クラブのメンバーたちはそれを承知の上で「官製誤報」に協力しているのだろう。、
・『目白押しの増税プランが負担率を押し上げる  余談だが、実は、国民負担率が44.4%という過去最高を記録したことがある。2015年度だ。ところが政府がGDP(国内総生産)の計算方式を変更したため、国民所得が大きく増えることになった。これを受けて財務省は国民負担率の一覧表も過去に遡って修正した。2015年度は42.6%になったので、1.8ポイント分低く見えるようになった。 アベノミクスで景気回復に期待がかかる。GDPが徐々に増えていくことは間違いないだろう。だが、現実には国民負担率は過去最高を更新し続けるに違いない。 何せ、増税プランが目白押しなのだ。2019年度以降は所得増税と消費税率の10%への引き上げが決まっている。2018年度税制改正大綱では、給与所得控除の縮小によって年収850万円以上の給与所得者は増税となることが決まった。基礎控除が拡大されるため自営業やフリーランスは減税になるとしているが、トータルでは増税だ。さらに、出国税や森林環境税などの導入も決まった。 いくらアベノミクスで国民所得が増えても、それを上回るペースで税金が増えていけば、実際に使えるおカネ、可処分所得はマイナスになってしまう。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人観光客などが増え、消費が盛り上がると期待されているが、その「特需」の規模は不透明だ。増税によるマイナス効果を吸収できなければ、せっかく明るさが見え始めた日本経済に再び水がさされることになりかねない。 日本のGDPの過半は消費によって生み出されている。安倍首相は2012年末の第2次安倍内閣発足以降、「経済の好循環」を訴えている。アベノミクスによって円高が是正され企業収益が大幅に改善されたが、それを従業員に積極的に配分することで、冷え込んだままになっている消費に火をつけようというわけだ。安倍首相は繰り返し経済界に賃上げを求めており、今年は「3%の賃上げ」を働きかけている。消費に火がつけば、再び企業収益にプラスとなり、循環が始まるわけだ。 「経済の好循環」が回り始めるには、国民の可処分所得が増え、実際に消費にお金が回る必要がある。税負担や社会保険料負担を増やせば、国民の可処分所得はその分減ってしまうことになる。 それだけに増税議論には「正確なデータ」が不可欠なはずだ。「まだまだ日本の税金は安いですよ」「社会保障負担も増えてきましたが、大したことはありません」という印象操作をベースに議論をしていれば、実態を見誤ることになりかねない』、その通りだ。記者もクラブの悪しき伝統を脱却して、真の姿を記事にしてほしい。野党もトリックを追及すべきだ。

次に、東短リサーチ代表取締役社長の加藤 出氏が昨年4月19日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「日本の「腐敗指数」は先進国で中の下、独立財政機関が必要!?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/167319
・『今年2月に世界の「腐敗認識指数2017」(トランスペアレンシー・インターナショナル)が公表された。世界180の国と地域において、専門家とビジネスパーソンにアンケートを行い、「公的部門が腐敗していると感じている」と答えた人の割合を指数化したものである。ランキングが上位ほど清潔で、下がるほど腐敗度が高い。 清潔度1位はニュージーランドだったが、日本は20位だ(5年前は17位)。経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国では18位、主要7カ国(G7)では5位。つまり、世界全体では上位にいるが、先進国では真ん中よりやや下に位置している。日本の公的部門の清潔度は悪くはないが、国際的に称賛されるほどではないといえる。 ランキングの下位を見ると、中国77位、インド81位、ブラジル96位、ロシア135位、北朝鮮171位、ソマリア180位だ。下位の国々の国民は、日本の昨今の「森友・加計問題」を聞いたら、「何をそんなに騒いでいるのか」と不思議に感じるかもしれない。しかし、上位国の国民は不適切な動きが起きていると思うだろう。 ところで、清潔度上位ベスト6の中に、北欧の福祉国家が4カ国入っている。デンマーク2位、フィンランド同率3位、ノルウェー同率3位、スウェーデン6位だ。 それら4カ国の昨年の名目国内総生産(GDP)に対する一般政府の収入(主に税収)は平均で52%、支出は51%だ。日本の比率はそれぞれ33%と37%(国際通貨基金〈IMF〉推計)。つまり北欧4カ国は「大きな政府」であり、「高負担・高福祉」となっている。 4カ国の消費税率は24~25%と、日本よりはるかに高い。それにもかかわらず、国民は大きな不満を抱いていない。政府の清潔度が高く、税金は社会保障などに適切に使われていると、国民が政府を信頼しているからである。 そう考えると、今回の「森友問題」における財務省の公文書改ざんは悪影響を及ぼすと懸念される。「財務省がこのような不祥事を起こしては、2019年10月の消費税率引き上げは難しい」という声を、市場関係者から最近よく聞く。 増税は本来財務省のためのものではないが、信認が低下した役所の財政見通しを国民に説得性を持って伝えるのは確かに難しい』、新しい「腐敗認識指数2018」によれば、日本は18位と僅かに上がったようだが、先進国での地位は低いままだ。北欧4カ国は、「高負担・高福祉」で、「国民は大きな不満を抱いていない。政府の清潔度が高く、税金は社会保障などに適切に使われていると、国民が政府を信頼しているから」というのはその通りだ。
・『こうなってくると、長期的な対策として、OECDが強く推奨している独立財政機関の設置を日本でも真剣に検討する必要があるだろう。政府や政党からの影響を受けずに、中立的な立場で経済や財政の中長期的な見通しを作成する機関のことである。OECD加盟国の中ではすでに27カ国以上が導入している。G7で採用していないのは実は日本だけだ。 米国の独立財政機関である議会予算局(CBO)は、4月9日に新たな経済見通しを発表した。実質GDPの成長率は今年と来年こそ高めだが、18~28年の平均は1.9%だった。米政権の同期間の見通しは3.0%だ。CBOは政府に忖度していない。政府債務の累増に関しても政府に強い警鐘を鳴らしている。こうした姿勢により、CBOは市場でもリスペクトされている。 しかも、CBOに限らず多くの国で独立財政機関は30~75年前後の財政見通しを公表している。日本政府(内閣府)の見通しは10年弱と極めて近視眼的だ。将来世代のための建設的な財政再建議論を進めるには、たたき台となる中立的で信頼に足る長期の財政見通しが必要である』、説得力溢れた主張で、大賛成だ。独立財政機関が出来れば、第一の記事でみた財務省の小細工などもなくなり実態が開示されることになる。ただ、財務省は猛反対するので、よほど本腰を入れて改革する必要があるだろう。

第三に、慶應義塾大学 経済学部教授の土居 丈朗氏が2月4日付け東洋経済オンラインに寄稿した「基礎的財政収支の黒字化、1年前倒しの謎 5年に1度の「年金財政検証」にも影響する」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/263535
・『内閣府は1月30日、毎年恒例の「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)を公表した。 中長期試算は年に2回更新することになっているが、今回は2つの意味で重要である。1つは、2019年度政府予算案の閣議決定を受けて、今後の財政収支の見通しを確認すること。もう1つは、今年予定されている5年に1度の公的年金の財政検証で中長期試算がどう使われるかである』、なるほど。
・『異例の閣議決定やり直し  まず、今後の財政収支の見通しについて、2019年度政府予算案は、毎月勤労統計の不正の影響を受けて1月18日に閣議決定をやり直すという極めて異例の展開となった。一般会計の歳出総額は101兆4571億円と、当初予算としては過去最高額となった。「来年度予算案の『101兆円』はバラマキ予算か」で言及したとおり、消費増税対策や防衛費、公共事業費などの歳出増で歳出が膨張したことから、財政健全化目標の達成は遠のいたような印象を与えた。 毎年1~2月頃に公表される中長期試算の更新版は、次年度予算案の内容を踏まえて改訂される。次年度予算に盛り込まれた歳出改革は反映するが、翌々年度以降の歳出見通しには追加の歳出改革は織り込まないという試算の前提が踏襲されている。 したがって、2019年度予算案に盛り込まれた歳出改革が織り込まれていない2018年7月公表の試算と、今回の中長期試算(2019年1月試算)を比べれば、2019年度予算案に盛り込まれた歳出改革が財政収支の改善にどう影響したかを見極めることができる。 中長期試算の1つの重要な焦点となるのが、2025年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)がどうなるかという点だ。安倍内閣は、2025年度の国と地方を合わせたPBの黒字化を財政健全化目標として閣議決定している。PBは、税収等から政策的経費(基礎的財政収支対象経費)を差し引いた収支である。 2018年7月試算では、より高い経済成長率のシナリオである成長実現ケースで、2025年度のPBは2.4兆円の赤字だった。黒字化目標を達成するにはさらなる政策努力が求められるという試算結果だ。2019年1月試算の成長実現ケースで、2025年のPBは1.1兆円の赤字となった。2018年7月試算から収支が1.3兆円改善する結果だが、収支がなぜこれだけ改善したのだろうか』、放漫財政にしておきながら、改善するとは不思議だ。要因は何なんだろう。
・『収支の改善は、歳出側と歳入側の双方の要因が作用する。歳出が抑えられたり歳入が増えたりすれば、収支は改善する。内閣府の資料では、あいにくそのすべてが分解できる形で公表されていないが、公表されている部分から4つの要因に分解してみる。1つ目は国の一般会計歳出、2つ目は地方普通会計(地方財政を代表する会計)の歳出、3つ目は国と地方の税収総額、4つ目は残りの要因(すべてが公表されていないため前三者では説明できない部分)である。 まず、2019年度の国の一般会計歳出は、2018年7月試算では総額が99.0兆円だった。このうち国債費を除いた政策的経費(PB対象経費)は76.9兆円と見込んでいた。ところが、2019年度政府予算案では、歳出総額が101.5兆円、うち政策的経費が77.9兆円と、2018年7月試算より膨らんでいる。 2019年度予算案では、消費増税対策などで臨時的な歳出増が多いのも事実である。2019年1月試算では、臨時的な歳出増の部分は恒久的な歳出増とならない扱いにしている。2020年度までの臨時的な歳出増が終わると、2021年度以降は恒久的な制度や政策に基づく歳出だけになる。そこには、2019年度予算案に盛り込まれた歳出改革の効果までは含むが、2020年度以降は追加の歳出改革を行わない前提で試算されている』、「臨時的な歳出増の部分は恒久的な歳出増とならない扱いにしている」が、それでも「政策的経費」は1兆円膨らんだようだ。
・『大きい社会保障見直しの効果  そこで、2019年度予算案に盛り込まれた歳出改革の効果を、それを織り込んでいない2018年7月試算と、織り込んでいる2019年1月試算を比較してみると、その差異がわかる。 財政健全化目標の達成年次である2025年度において、成長実現ケースで、国の一般会計の政策的経費の試算結果はどうなっているか。2018年7月試算では88.7兆円と見込んでいたが、2019年1月試算では88.4兆円と、0.3兆円ほど減っている。これは2025年度における収支改善要因となる。とくに、2018年7月試算では、2025年度の社会保障関係費を41.2兆円と見込んでいたが、2019年1月試算では40.5兆円と、0.7兆円ほど減っている点が大きい。2019年度予算などで実施される社会保障の見直しの効果といえよう。 地方普通会計の歳出は、2025年度の政策的経費(PB対象経費)について、2018年7月試算では94.4兆円と見込んでいたが、2019年1月試算では93.4兆円と、1兆円ほど減っている。1つ目と2つ目の要因を合計すると、1.3兆円ほどの収支改善要因となっている。国からの補助金を財源に地方自治体が政策的経費を投じている部分があるから、本来は重複を除かなければならないが、筆者の独自の推計でそれを考慮しても、おおむね同規模の収支改善効果が生じているといえる』、「社会保障の見直し」や「地方普通会計の政策的経費」圧縮で「1.3兆円ほどの収支改善要因」といわれても、数字上のトリックではないかと疑いたくなる。
・『3つ目の要因が国と地方の税収総額だ。2025年度の税収総額(国の一般会計の税収等+地方普通会計の税収)が、2018年7月試算では137.0兆円と見込んでいたが、2019年1月試算では136.8兆円と、0.2兆円ほど減っている。2018年7月試算と2019年1月試算とでは、名目経済成長率はほとんど変わらない見通しとしていて、経済成長に伴う税の自然増収も同程度と見込んでいることから、経済見通しの更新に伴い自然増収が追加的に増えるという効果は、2019年1月試算では含まれていないとみられる。 2025年度のPBは、4つ目の残りの要因を含めると赤字が1.3兆円減る試算結果となって、今回の中長期試算では1.1兆円の赤字となった。今回の試算結果は、歳出抑制効果が主たる要因となって、2025年度のPBが改善する見通しになったと考えられる。これらが影響して、PB黒字化の年次が、2018年7月試算で2027年度だったのが、2019年1月試算では2026年と1年前倒しされる結果につながった。 2018年7月試算と2019年1月試算の歳出面での主たる差異は、2019年度予算案に盛り込まれた歳出改革の効果である。改革努力を毎年度積み重ねてゆくことで、2025年度の黒字化を実現していく必要がある。 努力すれば実現できる金額だが、道のりは険しい。2021年度以降、臨時的な歳出増を行わないことが前提となっているが、2020年の東京オリンピックに財政出動を求める政治的圧力が高まらないとも限らない。さらに、成長実現ケースでは、2020年代前半の名目成長率を3.4%程度と見込んでいるが、その成長率が実現しなければ、税収増は捕らぬ狸の皮算用となる』、「臨時的な歳出増を行わないことが前提」というのは、実現は難しそうだ。名目成長率も2018年実績0.7%からみると、3.4%とはどうみても高過ぎる。やはり、安部政権の大盤振る舞いの予算の影響を軽く見せるための「忖度」が大いに盛り込まれた架空の試算のようだ。
・『財政再建は早期の実行が効果的  今回の中長期試算から得られる1つの示唆は、歳出改革を早期に実施すれば、5年ほど経つと兆円単位の収支改善効果が出るということだ。経済成長を促すことは重要だが、財政再建には早期に歳出改革を実行することが効果的である。 そして、今回の中長期試算のもう1つの見どころは、成長実現ケースとは別に用意されたベースラインケースの試算内容である。それは、今年予定されている年金の財政検証を左右する。 5年に1度行われる年金の財政検証では、今後の経済前提の置き方が問われる。楽観的過ぎる経済前提を置けば、年金財政は一見安泰に見えるが、絵に描いた餅になってしまう。保守的な経済前提でも、年金給付がどうなるかを正直に国民に示す必要がある。 5年前の2014年の財政検証のときには、経済前提として内閣府の中長期試算が大いに参照された。当時の中長期試算では、より高い成長率のシナリオを「経済再生ケース」、より低い成長率のシナリオを「参考ケース」と呼んでいた。年金の財政検証では、経済再生ケースを前提とした推計をケースA~E、参考ケースを前提としたケースF~Hの計8通りの検証結果を公表した。 「年金の検証、またも安倍内閣の鬼門になるか」で詳述したように、ケースA~Eは楽観的な経済成長を前提に、所得代替率(注)が50%を割らずに100年後にも年金積立金が払底しない、いわゆる「100年安心」であるとの検証結果となった。ところが、ケースF~Hは成長率が低いことも影響し、所得代替率が50%を割る結果となった。 これを厚生労働省が正直に公表した点は良心を示したといえるが、低成長だと、年金改革を行わないと「100年安心」ではないことを示唆している』、低成長では「所得代替率が50%を割る」とは、やはり年金改革が必要なようだ。(注)所得代替率とは、厚生年金で、現役世代の平均的なボーナス込みの手取り賃金に対する新規裁定時の年金額の割合を、給付水準設定の基準としており、50%を上回ることが目標。
・『保守的な経済前提を使うとどうなるか  そして、今年の財政検証。前回を踏襲するなら、経済前提は中長期試算の2019年1月試算を参照することになろう。前回検証の経済再生ケースは、今回検証では前掲の成長実現ケースが対応する。前回の参考ケースは、今回はベンチマークケースである。 焦点はそのベンチマークケースの経済前提である。2018年7月試算のベンチマークケースでは、全要素生産性(TFP)上昇率(いわゆる技術進歩の進捗率)を1.0%と置いていた。1.0%は、前回の財政検証で使われた参考ケースと同じであり、1983年2月から2009年3月までの平均値である。TFP上昇率を高く仮定すると経済成長率も高く推計される。これを、2019年1月試算のベンチマークケースでは、0.8%に下方修正した。0.8%とは、2002年1月以降の平均値である。 直近の日本経済の状況を適切に反映し、保守的な経済前提を示したという意味でこの点は評価できる。今年の財政検証にこれをそのまま用いるとよい。ただ、経済成長率はその分低く推計されることになるから、年金の財政検証の結果はより厳しいものになる可能性がある。虚心坦懐に検証結果が国民に示されるのを待ちたい』、こうした試算が政治的にねじ曲げられることを防ぐためには、第二の記事にある「独立財政機関」がやはり必要なようだ。
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