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中国経済(その18)(中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」、中国経済「不動産バブル崩壊」でついに終焉へ…わが国の「失われた30年」よりもヒドい時代に突入する、「投資制限」発表前から投資家は「撤退済み」...「中国の自爆」が引き起こした 25年ぶり「外国投資」低水準) [世界経済]

中国経済については、本年7月12日に取上げた。今日は、(その18)(中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」、中国経済「不動産バブル崩壊」でついに終焉へ…わが国の「失われた30年」よりもヒドい時代に突入する、「投資制限」発表前から投資家は「撤退済み」...「中国の自爆」が引き起こした 25年ぶり「外国投資」低水準)である。

先ずは、8月8日付け現代ビジネスが掲載した『現代ビジネス』編集次長の近藤 大介氏による「中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114425?imp=0
・『恒大物業の再上場で分かったこと(先週8月3日、香港証券取引所は、ある会社の「復牌」(フーパイ)に注目が集まった。「復牌」とは、再上場のことだ。 その会社とは、2021年秋に経営破綻が取り沙汰された中国第2位の不動産大手、中国恒大集団(チャイナ・エバグランデ・グループ)の一角を担う恒大物業(HK06666)である。グループ内で、不動産の建設や、管理などを行う会社だ。 いわば恒大集団の復活を賭けた「復牌」だった。だが記念すべき初日は、何と47.39%も値を下げてしまった。初日から早くも、大暴落に見舞われたのだ。 香港や中国の株式専門家たちは、「134億元問題」(1人民元≒19.9円、以下同)を原因に挙げていた。これは恒大物業が、親会社の恒大集団に、担保として取られている資金だ。 恒大物業自体は、経営にさほどの遜色はない。昨年の売上高は、前年比約10%減ではあるものの、118億900万元。粗利益は27億1900万元で、純利益も14億7800万元出している。総請負建築面積は8億1900万㎡、管理面積は約5億㎡で、中国国内の約330万戸の物件管理を行っている。 それでも、年間の売上高を超える額の担保を親会社に取られているので、市場が恒大物産を信用していないというのが、香港や中国の株式専門家の見立てだった。たしかに134億元は、昨年の売上高の約1.1倍以上だ。 だが私は、先週の暴落を、もっと大きな枠組みで捉えるべきだと思っている。すなわち、市場から信用されていないのは、単に恒大物流や恒大集団という一不動産会社もしくはグループではなくて、中国の不動産業界全体だということだ。中国の大手不動産会社は、いずれも「爆弾」を抱えていると言われるからだ。 例えば、恒大集団と同じ広東省に本社があり、「最大のライバル会社」と言われた碧桂園集団(カントリー・ガーデン・グループ HK02007)。昨年の売上高は、3574億元にも上る。中国全土で500万戸以上の不動産を提供し、約30万人の従業員を抱えている。8月2日に発表されたばかりの「2023年版 フォーチュン・グローバル500」では、世界206位につけている巨大企業だ。 この中国を代表する不動産会社の一角が、先月18日から、上場している香港市場で、社債を暴落させている。7月21日には関連の5社が2割以上暴落し、臨時取引停止措置が取られた。その後、取引は再開されたが、7月31日に再び、関連3社が2割以上暴落し、取引停止となった。 同日には、同社のHPで、今年上半期は純利益がマイナスになりそうだとの見解を示していた。2007年に上場を果たして以降、昨年初めて赤字に転落したものの、さらなる業績悪化が見込まれるため、市場が悲観的になったのだ。 中国メディアの報道によれば、7月31日までに公表された上場している中国の不動産企業52社中、31社が、今年上半期でマイナスの純利益を計上している。実に全体の約6割だ。 昨年までは、習近平政権のゼロコロナ政策によって、不動産企業の赤字は当然視されていた。だが、ゼロコロナ政策を完全にやめた昨年12月以降も、不動産業界は引き続き、沈滞しているのである』、「中国第2位の不動産大手、中国恒大集団・・・の一角を担う恒大物業・・・である。グループ内で、不動産の建設や、管理などを行う会社だ。 いわば恒大集団の復活を賭けた「復牌」だった。だが記念すべき初日は、何と47.39%も値を下げてしまった。初日から早くも、大暴落に見舞われたのだ」、「香港や中国の株式専門家たちは、「134億元問題」・・・を原因に挙げていた。これは恒大物業が、親会社の恒大集団に、担保として取られている資金だ」、「年間の売上高を超える額の担保を親会社に取られているので、市場が恒大物産を信用していないというのが、香港や中国の株式専門家の見立てだった。たしかに134億元は、昨年の売上高の約1.1倍以上だ。 だが私は、先週の暴落を、もっと大きな枠組みで捉えるべきだと思っている。すなわち、市場から信用されていないのは、単に恒大物流や恒大集団という一不動産会社もしくはグループではなくて、中国の不動産業界全体だということだ。中国の大手不動産会社は、いずれも「爆弾」を抱えていると言われるからだ」、なるほど。
・『国家統計局発表「不動産10大データ」  中国の不動産の沈滞ぶりは、先月17日に国家統計局が発表した今年上半期の経済統計にも、如実に表れている。「不動産10大データ」は、以下の通りだ。 1)全国不動産開発投資は、前年同期比(以下同)で-7.9%。そのうち住宅投資は-7.3%。 2)不動産開発企業家屋施工面積は-6.6%。そのうち住宅施工面積は-6.9%。 3)家屋新着工面積は-24.3%。そのうち住宅新着工面積は-24.9%。 4)家屋竣工面積は+19.0%。そのうち住宅竣工面積は+18.5%。 5)商品家屋販売面積は-5.3%。そのうち住宅販売面積は-2.8%。 6)商品家屋販売額は+1.1%。そのうち住宅販売額は+3.7%。 7)6月末時点での販売中商品家屋面積+17.0%。そのうち販売中住宅面積+18.0%。 8)不動産開発企業調達資金-9.8%。そのうち国内の借り入れ-11.1%、外資の利用-49.1%、自己資金-23.4%、預金及び前受け金-0.9%、個人住宅ローン+2.7%。 9)6月の不動産開発景気指数94.06(100が最適)。 10)6月の70大中都市の新築商品住宅販売価格指数(前月比)は、上昇31都市、不変1都市、下降38都市。前年同月比では、上昇27都市、不変1都市、下降42都市。 これらのデータから、中国の不動産の惨憺たる現状が見えてくる。以下、簡単に解説しよう。 まず、1)の不動産開発投資や、2)の施工面積、3)の着工面積、5)の販売面積がマイナスなのは、主に3つの理由による。 第一に、不動産会社の開発資金が枯渇していること。第二に、不動産を建てても売れないこと。第三に、新たな住宅やオフィスを建設する前に、いまある在庫の山を売ってしまわないといけないからだ。 逆に、4)の竣工面積がプラスなのは、昨年までのゼロコロナ政策によって、昨年まで工事が滞っていたからだ。6)の販売額のプラスも同様である。 不動産によらず、中国政府が「経済統計がこんなに伸びています」と喧伝する時は、だいたいこのパターンである。例えば、「第2四半期(4月~6月)のGDPは6.3%も伸びた」と誇ったが、昨年の第2四半期に何をしていたか? 最大の経済都市上海では、丸2ヵ月にわたってロックダウン(都市封鎖)し、昨年第2四半期の経済成長率は-13.7%。他の大都市も、ゼロコロナ政策によって経済活動は大いに滞っていた。そんな「前年同期」と比べて、たったの6.3%しか成長していないことの方が、むしろ問題である。) 次に、7)の販売中の家屋や住宅が+17%~18%と「成長が際立っている」のは、それだけ物件が売れ残っているという証だ。北京や上海のショッピングモールなどを見ても、客で賑わっているのはレストラン街だけだ。 コロナ前にもそうした傾向は見られたが、少なくとも都市部の繁華街のオフィスビルは、ある程度、活況を呈していた。だがいまや、どこへ行っても「有租房」(空き部屋あります)のオンパレードだ。各都市が「丸ごと不景気」という感じなのだ。 8)の不動産開発企業の調達資金も、-9.8%と枯渇している。うち外資の利用が-49.1%と、マイナスが突出しているのは、中国経済の先行きを悲観視している外資系企業が、「脱中国」を図っている表れだ。 それは日本も例外ではない。日本にとって中国は、昨年も全貿易額の20.3%と最大の貿易相手国ではあったが、「これから中国に大型投資します」という日本企業には、あまりお目にかからない。 実際、中国税関総署の統計によれば、今年上半期の日中貿易は、前年同期比で-4.9%と、5%近く落ちている。日本にとって中国からの輸入は+2.1%だが、これは前述のように、中国が1年前にゼロコロナ政策を取っていた要員が大きい。逆に、日本から中国への輸出は-11/1%で、これは明らかに日本企業が「脱中国」を図りつつあることを示している。 9)の不動産開発景気指数は、中国で不動産販売元年とも言える2000年を基点として作った指数だ。100が最適レベルで、100~105が適正レベルである。105以上は、住宅バブルの危険レベル。逆に95以下ならば、不況やデフレを示す危険レベルだ。 不動産開発景気指数は、昨年9月に95を割って以降、何と一度も95に達していない。それどころか、先月発表した今年6月分は94.06と、過去1年で最低を記録してしまった。5月の94.55から、1ヵ月で0.49ポイントも下落しているのだ。下落幅は、過去1年で最大。この傾向が続けば、7月は94を切ってしまうことになり、いよいよ危険水域突入だ。 こうした傾向は、10)の70大中都市の新築商品住宅販売価格指数にも、如実に表れている。上昇している都市は、前月比で見ると31都市、前年同期比で見ても27都市と、いずれも過半数割れしている。 前年同期比では、大連95.8、秦皇島95.9、温州95.9……と、本来なら経済発展の「優等生都市」である沿岸部の3都市が、一年で4%以上も価格を下げている。これは深刻である。 このように、習近平政権の「大本営発表」を分析しても、中国の不動産は惨憺たる事態に陥っていることが分かる。統計に表れない「陰の部分」も勘案すれば、さらに深刻だということが推察できる』、「不動産10大データ」は詳しい解説を合わせてみないとよく分からない。
・『発端は胡錦濤政権の「4兆元問題」だが  一体なぜこんなことになってしまったのか? それには、いくつかの大きな要因が考えられる。 第一に、前任の胡錦濤政権の責任である。2008年秋にリーマン・ショック(アメリカ発の金融危機)が起こった時、当時の胡錦濤政権は、北京夏季オリンピック・パラリンピックを成功させたばかりでイケイケドンドンだった。そこで、同年11月に初めてワシントンで行われたG20(主要国・地域)首脳会議で、4兆元(当時のレートで約58兆円)もの緊急財政支出を宣言した。 そのことで世界経済は救われたし、「米中2大国時代」と言われるようにもなった。ところが、中国の地方政府に重い財政負担を強いることとなったのだ。 中国で予算法が改正されて、地方政府が地方債を発行できるようになるのは、習近平時代になった2014年のことだ。地方政府としては、地方債という「抜け道」もないまま、高速鉄道建設を始めとする多額の負担を押しつけられたのである。 それでも、胡錦涛政権は割合まともな経済政策を取っていたし、欧米との関係も良好だった。そのため、「4兆元問題」がすぐに問題化することもなかった。 そして、中国は2013年3月から、習近平政権にバトンタッチした。ところが習近平という指導者は、それまでの鄧小平、江沢民、胡錦涛という3代の指導者たちとは、明らかに「異質」だった。 1992年以降の中国は、「社会主義市場経済」というシステムで国を運営してきたが、習近平主席は、ゴリゴリの「社会主義絶対主義者」だったのだ。同様の存在だった初代の毛沢東主席を崇拝していた。 歴史に「もしも」はタブーと言われるが、もしも2013年に習近平政権のナンバー2となった李克強首相がトップに立っていたなら、「4兆元の副作用」について配慮した国家運営を行っただろう。李首相は胡錦涛氏の長年の「弟分」だったからだ。 だが習近平主席は、「社会主義」「共産党」「国有企業」「安全」「強軍」といったスローガンを前面に押し立てた国家運営を行った。その一方で「市場経済」は、すっかり後回しにされた。 それでも、2014年に地方政府が地方債を発行できるようになり、今年は過去最高の3.8兆元(約75兆円)もの「専項債」(後に利益を回収できる見込みのあるものに投資する地方債)の予算が計上されている。「4兆元の副作用」に苦しむ地方政府は、こうした資金をもとに、主にインフラ投資のため、「陰の銀行」とも言うべき「地方融資平台」(LGFT)を次々に作っていった。 経済が悪化するほど、国有銀行(中国の銀行はほとんどが国有)は国有企業に優先的に融資した。そのため、本来なら経済の主力であるはずの民営企業は、すっかり先細っていった。これを「国進民退」と呼ぶ。 そこで民営企業が頼ったのが、「地方融資平台」だった。だが、高い利子を払えず倒産した民営企業は数知れず。その結果、中国で「公表」されている昨年末時点での「地方融資平台」の債務残額は59兆元。邦貨にして約1170兆円! これはいわば、中国の地方が抱えている「隠れ債務」だ。 このような状況下にあっては、中国の31地域のうち少なからぬ地域が、すでに「破綻状態」にあると言える。それでも「破綻」とならないのは、そもそも社会主義の中国では土地は国家のものだし(憲法10条規定)、膨大な国有企業などの資産もあるからだ。 だがそんな中で、全国各地の不動産が、健全に発展していくのは困難だ。不動産の停滞は、もともとは「4兆元の副作用」とは言え、明らかにこの10年あまりの習近平政権の経済失政によるところが大きい』、「発端は胡錦濤政権の「4兆元問題」、習近平主席は、「社会主義」「共産党」「国有企業」「安全」「強軍」といったスローガンを前面に押し立てた国家運営を行った。その一方で「市場経済」は、すっかり後回しにされた」、「中国で「公表」されている昨年末時点での「地方融資平台」の債務残額は59兆元。邦貨にして約1170兆円! これはいわば、中国の地方が抱えている「隠れ債務」だ。 このような状況下にあっては、中国の31地域のうち少なからぬ地域が、すでに「破綻状態」にあると言える。それでも「破綻」とならないのは、そもそも社会主義の中国では土地は国家のものだし(憲法10条規定)、膨大な国有企業などの資産もあるからだ」、なるほど。
・『習近平政権の「恐るべき鈍感力」  習近平氏は、2012年11月に共産党総書記に就任するや、その翌月に「八項規定」(贅沢禁止令)を出して、いきなり不動産市場を暴落させた。 その後、2015年9月には、国有企業を「焼け太り」させるような「国有企業改革」を発表し、翌2016年からは「供給側構造改革」という「5つの緊縮政策」を打ち出した。不動産の在庫整理はこの緊縮政策のトップであり、不動産市場は冷めていった。 続いて、同年12月の中央経済工作会議で、「家は住むためのもので、投機するためのものではない」(房子是用来住的、不是用来炒的)と唱えた。そして翌2017年から、不動産の購入を厳格化した。頭金や住宅ローン規制などを強めて、「2軒目」を買いにくくしたのだ。 さらに、2020年8月に打ち出した「3つのレッドライン」が、不動産業界を「自壊」させる要因となった。負債の対資産比率70%以下、純負債の対資本比率100%以下、手元資金の対短期負債比率100%以上という「3つのレッドライン」に従って、不動産会社を4分類し、それぞれの債務規模を制限するという政策だ。その上、銀行側にも不動産会社や住宅ローンに対する融資制限をかけた。 習近平政権はこのような経済政策を、新型コロナウイルスが蔓延した年に行ったのだ。まさに「恐るべき鈍感力」と言える。 こうしたことが重なって、2021年秋、中国第2位の不動産会社だった恒大集団の破綻騒動となったのだ。もっとも恒大集団に関しては、習近平主席の「政敵」だった「共青団」(中国共産主義青年団)の最大の後ろ盾企業だったから潰しにかかったという有力な説もあるが。 そして「決定打」となったのが、繰り返し述べている丸3年に及んだゼロコロナ政策である。不動産を売る企業の側も、買う国民の側も、そしてロックダウンやPCR検査などに膨大な予算と労力をかけさせられた地方政府も、誰もがボロボロになった。不動産市場は、ゼロコロナ政策を解除して半年やそこらでは、「回復」できないのである。 そして、中国政府や官製メディアは、このところしきりに中国経済の「V字回復」を強調しているが、GDPの10%~15%を牽引すると言われる不動産が低迷している限り、中国経済の「V字回復」も望めない。 実際のところは、「L字型」ではないか。いわゆる「落ちてから回復せず横ばい状態」だ。だが、この話を旧知の中国人経済学者にしたら、苦笑しながら言った。 「本当は『I字型』かもしれないぞ。ゼロコロナ政策によって経済はズドンと落ちたが、また何か別な政策が始まるかもしれないからだ。徹底した『共同富裕』政策などだ。ともかくいまの中国は、いくらマンション価格や住宅ローン金利が多少下がったからといって、安心して新たに一軒買おうなどというマインドにはない。いまの中国人の心情を漢字一文字で表すなら、『棄』(捨てる、諦める)だ」』、「「決定打」となったのが、繰り返し述べている丸3年に及んだゼロコロナ政策である。不動産を売る企業の側も、買う国民の側も、そしてロックダウンやPCR検査などに膨大な予算と労力をかけさせられた地方政府も、誰もがボロボロになった。不動産市場は、ゼロコロナ政策を解除して半年やそこらでは、「回復」できないのである」、「いまの中国人の心情を漢字一文字で表すなら、『棄』・・・だ。なるほど。

次に、8月14日付け現代ビジネスが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁 昭夫氏による「中国経済「不動産バブル崩壊」でついに終焉へ…わが国の「失われた30年」よりもヒドい時代に突入する」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114635?imp=0
・『債務不履行の恐れも  ここへ来て中国経済はかなり厳しい状況に追い込まれている。 不動産市況の悪化は鮮明だ。不動産関連分野はGDPの3割程度を占めるとの試算もあり、経済に与える負の影響は大きい。 価格の下落、住宅販売の減少によってデベロッパーの経営体力は低下し、債務不履行の恐れも高まっている。 土地譲渡益の減少によって地方財政も悪化した。 地方政府がインフラ投資などの景気刺激策を発動することは難しくなった。 雇用、所得環境は悪化し中国の需要は減少した。7月の主要経済指標から確認できる。 輸入は前年同月比12.4%減少した。川上の物価動向を示す生産者物価(PPI)は同4.4%、消費者物価指数(CPI)も同0.3%下落した』、興味深そうだ。
・『日本のバブル崩壊後を想起させる  自動車、家電、家賃などの価格は下落し、デフレ圧力は高まっている。かつて、わが国が経験した、バブル崩壊後のデフレ不況への道を歩んでいるようだ。 また、海外経済の環境の悪化や半導体など先端分野での米中対立の影響もあり、7月の輸出は前年同月比14.5%減少した。 共産党政権は経済成長率の低下を食い止めるため、不良債権処理を本格化し規制緩和などを進めることが必要だろう。中国経済の本格的な回復にはまだ時間がかかる。 足許、中国の経済全体で債務の返済を優先し、支出を抑制する個人や企業が増えている。 思い起こされるのは1990年代のわが国の状況だ。バブル崩壊による資産価格の急落によってわが国経済全体でバランスシート調整が進んだ。 消費や投資を減らし債務圧縮に取り組む家計が増えた。1990年後半にわが国はデフレ経済に突入し、“失われた30年”と呼ばれる長期の停滞に陥ってしまったのだ』、確かに「日本のバブル崩壊後を想起させる」ようだ。
・『地方政府の財政も悪化  中国経済もそうした環境に向かいつつあるように見える。きっかけは、2020年8月に共産党政権が“3つのレッドライン”と呼ばれる不動産融資規制を実施したことだった。 多くの市場参加者は、共産党政権が不動産バブルの抑制に真剣に取り組み始めたと急速に危機感を高めた。 結果、不動産の投機熱は冷めた。 不動産デベロッパーは資金繰り確保のために資産の切り売りを急いだ。中国の不動産市況全体で“売るから下がる、下がるから売る”という負の連鎖は鮮明化。マンションなどの価格は下落し、不動産業界全体で資金繰りに行き詰まる企業は増えた。 8月8日、碧桂園(カントリー・ガーデン)はドル建て社債の利払いを実施しなかったと報じられた。 マンションなどの建設は減少し、土地の需要も落ち込んだ。地方政府の重要な財源になってきた土地利用権の譲渡益は減少した。 地方政府の財政は悪化し、一部では財政破綻が懸念されるケースも増えている。経済対策として道路、鉄道などのインフラ投資を大規模に実行することは難しくなった。 投資に依存した経済運営は限界を迎えつつあると考えられる』、「マンションなどの建設は減少し、土地の需要も落ち込んだ。地方政府の重要な財源になってきた土地利用権の譲渡益は減少した。 地方政府の財政は悪化し、一部では財政破綻が懸念されるケースも増えている。経済対策として道路、鉄道などのインフラ投資を大規模に実行することは難しくなった。 投資に依存した経済運営は限界を迎えつつあると考えられる」、その通りだ。
・『若年層の失業率が46.5%に  インフラ投資に用いられる基礎資材、建設機械などの需要も減少し、生産活動は停滞した。過剰生産応力は累積し、7月まで生産者物価指数は10ヶ月続けて下落した。 不動産や設備投資の減少などによって雇用、所得環境も悪化した。 アリババなどIT先端分野の企業に対する締め付け強化もあり若年層(16〜24歳)の失業率は46.5%に達したとの研究結果も報じられた。 個人消費の減少により7月の消費者物価指数も下落した。共産党政権は金融緩和を強化したが、目立った効果は出てい・・・・・ 習政権は景気の減速を食い止めるために財政支出を増やす考えも強調しているが、不動産分野や地方政府の債務問題が深刻であるため大規模な対策は打ち出しづらい。 消費者心理は悪化し、半導体、自動車部品など輸入も減少基調だ。 外需に関しても環境は厳しい。先端分野での米中対立、世界的なスマホやパソコンの出荷台数減少などによって、輸出減少は鮮明だ』、これでは打つ手はなさそうだ。
・『盛り返す展開は見えない  また、労働コストの上昇や政策に関する不透明感の高まりなどを背景に、中国から脱出する海外企業も増えた。短期間で直接投資が盛り返す展開は期待できない。 当面、債務の返済を急ぐ中国の家計、企業などは増えるだろう。需要減少は勢いづき持続的に物価が下落するというデフレ環境が鮮明になる恐れは高まっている。 若年層を中心とする雇用、所得環境の悪化懸念を背景に、共産党政権が本格的に不良債権処理を進めることも容易ではない。 1990年代にわが国が経験した、あるいはそれ以上に厳しい環境に中国は向かいつつあるとみられる。・・・・・ さらに関連記事『中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」』では、いま起きている“もう一つの異変”について詳報しています』、この「関連記事」は第一の記事そのおのだ。「中国から脱出する海外企業も増えた。短期間で直接投資が盛り返す展開は期待できない。 当面、債務の返済を急ぐ中国の家計、企業などは増えるだろう。需要減少は勢いづき持続的に物価が下落するというデフレ環境が鮮明になる恐れは高まっている」、「1990年代にわが国が経験した、あるいはそれ以上に厳しい環境に中国は向かいつつあるとみられる」、その通りだ。 
タグ:中国経済 (その18)(中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」、中国経済「不動産バブル崩壊」でついに終焉へ…わが国の「失われた30年」よりもヒドい時代に突入する、「投資制限」発表前から投資家は「撤退済み」...「中国の自爆」が引き起こした 25年ぶり「外国投資」低水準) 現代ビジネス 近藤 大介氏による「中国不動産市場“ゼロコロナ”撤廃後もズタボロで…中国経済の「V字回復」には程遠い「悲惨すぎる実情」」 「中国第2位の不動産大手、中国恒大集団・・・の一角を担う恒大物業・・・である。グループ内で、不動産の建設や、管理などを行う会社だ。 いわば恒大集団の復活を賭けた「復牌」だった。だが記念すべき初日は、何と47.39%も値を下げてしまった。初日から早くも、大暴落に見舞われたのだ」、 「香港や中国の株式専門家たちは、「134億元問題」・・・を原因に挙げていた。これは恒大物業が、親会社の恒大集団に、担保として取られている資金だ」、「年間の売上高を超える額の担保を親会社に取られているので、市場が恒大物産を信用していないというのが、香港や中国の株式専門家の見立てだった。たしかに134億元は、昨年の売上高の約1.1倍以上だ。 だが私は、先週の暴落を、もっと大きな枠組みで捉えるべきだと思っている。すなわち、市場から信用されていないのは、単に恒大物流や恒大集団という一不動産会社もしくはグループでは なくて、中国の不動産業界全体だということだ。中国の大手不動産会社は、いずれも「爆弾」を抱えていると言われるからだ」、なるほど。 「不動産10大データ」は詳しい解説を合わせてみないとよく分からない。 「発端は胡錦濤政権の「4兆元問題」、習近平主席は、「社会主義」「共産党」「国有企業」「安全」「強軍」といったスローガンを前面に押し立てた国家運営を行った。その一方で「市場経済」は、すっかり後回しにされた」、 「中国で「公表」されている昨年末時点での「地方融資平台」の債務残額は59兆元。邦貨にして約1170兆円! これはいわば、中国の地方が抱えている「隠れ債務」だ。 このような状況下にあっては、中国の31地域のうち少なからぬ地域が、すでに「破綻状態」にあると言える。それでも「破綻」とならないのは、そもそも社会主義の中国では土地は国家のものだし(憲法10条規定)、膨大な国有企業などの資産もあるからだ」、なるほど。 「「決定打」となったのが、繰り返し述べている丸3年に及んだゼロコロナ政策である。不動産を売る企業の側も、買う国民の側も、そしてロックダウンやPCR検査などに膨大な予算と労力をかけさせられた地方政府も、誰もがボロボロになった。不動産市場は、ゼロコロナ政策を解除して半年やそこらでは、「回復」できないのである」、「いまの中国人の心情を漢字一文字で表すなら、『棄』・・・だ。なるほど。 真壁 昭夫氏による「中国経済「不動産バブル崩壊」でついに終焉へ…わが国の「失われた30年」よりもヒドい時代に突入する」 確かに「日本のバブル崩壊後を想起させる」ようだ。 「マンションなどの建設は減少し、土地の需要も落ち込んだ。地方政府の重要な財源になってきた土地利用権の譲渡益は減少した。 地方政府の財政は悪化し、一部では財政破綻が懸念されるケースも増えている。経済対策として道路、鉄道などのインフラ投資を大規模に実行することは難しくなった。 投資に依存した経済運営は限界を迎えつつあると考えられる」、その通りだ。 これでは打つ手はなさそうだ。 この「関連記事」は第一の記事そのおのだ。「中国から脱出する海外企業も増えた。短期間で直接投資が盛り返す展開は期待できない。 当面、債務の返済を急ぐ中国の家計、企業などは増えるだろう。需要減少は勢いづき持続的に物価が下落するというデフレ環境が鮮明になる恐れは高まっている」、 「1990年代にわが国が経験した、あるいはそれ以上に厳しい環境に中国は向かいつつあるとみられる」、その通りだ。
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イーロン・マスク(その1)(イーロン・マスク 炎上連発も“詐欺師扱い”も上等な「鋼のメンタル」の秘密、ツイッター買収は間違いだった…私が「イーロン・マスクはすでに限界に来ている」と見放している理由 テスラをアップル並みに評価するのは間違い) [イノベーション]

今日は、イーロン・マスク(その1)(イーロン・マスク 炎上連発も“詐欺師扱い”も上等な「鋼のメンタル」の秘密、ツイッター買収は間違いだった…私が「イーロン・マスクはすでに限界に来ている」と見放している理由 テスラをアップル並みに評価するのは間違い)を取上げよう。

先ずは、本年2月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済・経営ジャーナリストの桑原晃弥氏による「イーロン・マスク、炎上連発も“詐欺師扱い”も上等な「鋼のメンタル」の秘密」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/316711
・『テスラやスペースXを経営する実業家イーロン・マスクは、2022年版『フォーブス』世界長者番付で、2位に大差をつけて1位に輝いた。今や誰もが知る世界一の実業家で、その言動は常に注目されている。特に日本で話題になったのは、Twitter買収騒動や「日本消滅」というワード。一度やると決めたら必ず成し遂げる行動力や、炎上・誹謗中傷を意に介さない鋼のメンタルから、彼の仕事術が見えてくる。桑原晃弥『イーロン・マスク流 「鋼のメンタル」と「すぐやる力」が身につく仕事術』(プレジデント社)を一部抜粋して解説する』、興味深そうだ。
・『失敗は次に進むためのステップ  「アイデアがあればすぐに実行する」ことの大切さは理解していても、いざ実行となると、なかなか踏み切ることができない理由の一つは「失敗への恐れ」があるからだ。 例えば、上司にアイデアを提案して、「やってみろ」と言われても、「失敗したらどうしよう」「失敗して責任を取らされるのは嫌だ」と思い悩むうちに、時間だけが過ぎていく、ということはよくあることだ。 一方、成功した起業家の多くは「アイデアがあればすぐに実行する」を苦もなくやってのけている。それを可能にしているのが生来の実験好きであり、「実験に失敗はつきものだ」という考え方だ。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは、こんなことを言っている。 「実験はイノベーションの鍵だ。予想通りの結果が出ることは滅多になく、多くを学べる」 「実験の回数を100回から1000回に増やせば、イノベーションの数も劇的に増える」 イノベーションには「実験」が欠かせない。そして、「実験」には「失敗」がつきものだ。挑戦して失敗すれば、誰だってがっかりするが、彼らはそれさえも次に進むためのステップだと考える。だからこそ前に進むことができるのだ』、「アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは・・・「イノベーションには「実験」が欠かせない。そして、「実験」には「失敗」がつきものだ。挑戦して失敗すれば、誰だってがっかりするが、彼らはそれさえも次に進むためのステップだと考える。だからこそ前に進むことができるのだ」、なるほど。
・『失敗を覚悟の上で挑戦する  べゾスは、アマゾンの創業にあたってこう考えていた。 「失敗を覚悟すると、心は軽くなるのです」 アマゾンの創業にあたり、ベゾスは成功確率を「30%」と考えていた。さらに自分の両親や友人たちに出資を依頼する際には、成功確率を「10%」と伝えていた。なぜなら、失っても生活に困らないお金だけを出資してほしい、と考えていたからだ。 ベゾスは、なぜそんな弱気なことを口にしたのか? 「絶対に成功するはずだ」と思い込むとリスクを軽んじる恐れがあるし、「絶対に失敗できない」となると、成功のために必要なリスク覚悟の挑戦ができなくなるからだ。 いわば、「失敗も覚悟」した上で、リスク承知の挑戦をしたことがアマゾンの成功につながったのだ。) しかし、「成功確率30%」のアマゾンと比べても、マスクが起業したスペースXはさらにリスクの高い事業だった。 実際、マスクの友人たちは、マスクが本気で宇宙ビジネスについて検討をし始めた時、ロケット爆発の映像を集めたビデオを見せて、お金の無駄遣いを阻止しようとしたくらいだ。 「イーロンのやっていることはおかしい。慈善事業だかなんだか知らないけどイカれてるね」 マスク自身も、火星に人類を送り込むプロジェクトは人をわくわくさせるものの、100%の損失を見込むものだと覚悟していた。こう話している。 「始めた当初、こう思っていました。『スペースXは確実に失敗する』」 もしかしたらどこかがスポンサーになってくれるかもしれないものの、短期間で利益が出るはずはないし、会社として大きな損失を被ることになるとも覚悟していた。それでもやらなければならない、というのがマスクの考えだった。 ▽日本でイノベーションが起こりにくい理由(当たり前の話だが、確実に儲かる事業なら誰だって喜んでお金を出すし、参画しようとする。反対に失敗の可能性が滅茶苦茶高い上に、大きな損失も出る事業にあえて参画する企業はほとんどない。 日本でイノベーションが起こりづらい理由の一つとしてしばしば指摘されているのが「無謬性の原則」だ。日本の大企業や官僚機構に見られる現象で、「あるプロジェクト(政策)を成功させる責任を負った組織や当事者は、そのプロジェクト(政策)が失敗した時のことを考えたり議論してはいけない」という大原則だ。これでは「この政策はうまくいかない」とわかったとしても、軌道修正もできなければ、やめることもできなくなってしまう。 こうした大原則が支配している企業や組織で、ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクが生まれるはずはない。マスクの強みについて、最初の妻がこんなことを言っている。) 「やると決めたら実行する人で、簡単には諦めない。それがイーロン・マスクの世界であって、その世界に暮らすのが私たちなの」 マスクが掲げるビジョンはあまりに壮大過ぎて理解しづらいところがあるし、はたしてマスクが生きているうちに達成できるかどうか、わからないものもある。にもかかわらず、マスクがそうしたビジョンを堂々と口にして、実現に向けて挑戦し続けることができるのは、「失敗は成功に欠かせないものとして失敗を引き受ける」ことができるから。そして、「失敗から学びながら進み続ける粘り強さ」を持っているからだ』、「マスクが掲げるビジョンはあまりに壮大過ぎて理解しづらいところがあるし、はたしてマスクが生きているうちに達成できるかどうか、わからないものもある。にもかかわらず、マスクがそうしたビジョンを堂々と口にして、実現に向けて挑戦し続けることができるのは、「失敗は成功に欠かせないものとして失敗を引き受ける」ことができるから。そして、「失敗から学びながら進み続ける粘り強さ」を持っているからだ」、なるほど。
・『ツイッターでたびたび炎上  今の時代、「鋼のメンタル」が求められるのは会社の経営だけではない。ごく普通の人でさえ、何かのきっかけで「炎上騒動」に巻き込まれ、「誹謗中傷」にさらされてしまう。 マスクといえば、最近日本でも大きな話題となったが、ツイッター社の買収の件だ。 2022年4月、マスクはツイッター社の買収を提案、一度は合意に達した。しかし同年7月、ツイッター側に「重大な違反」があり「虚偽かつ誤解を招く」発言があったため、買収を断念した(※編集部注 紆余曲折の末、最終的には22年10月に買収した)。 さて、マスクは、ツイッターのヘビーユーザーであり、フォロワー数は約8700万人もいる。これだけ人数がいると、発言一つにも気を遣いそうなものだが、マスクはしばしばツイッターで炎上騒ぎを起こす。それが、テスラの株価にも多大な影響を与えるのだ。炎上騒ぎのほとんどは、テスラやスペースXの広報が正式発表をする前に、マスクがツイッターで発信をして、平気でそれを取り消すといった行動を繰り返していることに端を発している。 そのことが「はたしてマスクにCEOを任せていいものか?」という株主からの懸念につながっている。が、そもそもテスラやスペースXという野心的な企業を経営できる人間がマスク以外にいるのかとなると、やはりいないだろう』、「そもそもテスラやスペースXという野心的な企業を経営できる人間がマスク以外にいるのかとなると、やはりいないだろう」、その通りだ。
・『「どう思われようと、俺の知ったこっちゃない」(それはともかく、マスクは自身の炎上や誹謗中傷に「心が折れる」ことはないのだろうか? Zip2を経営していた頃の話だ。新しいサイトの立ち上げについて、マスクが技術的な変更を社員の1人に指示したところ「それは無理だ」と反論されたことがある。 その時マスクはたったひと言、こう吐き捨てて部屋を出ていってしまった。 「どう思われようと、俺の知ったこっちゃない」 自分の要求に対して「ノー」と言う部下に対して、厳しい言葉を口にするのはスティーブ・ジョブズもジェフ・ベゾスも同じだ。しかしマスクの場合は「ノー」を受け付けないばかりか、部下が自分のことをどう思おうとどうでもいいという態度をはっきりと示すところにすごみがある。 今でこそマスクのことを「ペテン師」と揶揄する人は減ってきたが、2008年頃、スペースXもテスラも行き詰まっていた頃は、こんな言葉でマスクを揶揄する人たちがいた。 「全財産を失い破産寸前のペテン師」 「宇宙産業の大ぼら吹き」 確かに当初の計画に遅れが生じるのがマスクの常だけに、「詐欺師」「ペテン師」よばわりする人がいてもおかしくはない。しかし、こうした声のすべてを、「言ったことは必ず実行する」ことでねじ伏せてきたのもマスクである。 「世界一の投資家」とよばれるウォーレン・バフェットが大切にしているのが「内なる声に従う」だ。たいていの人は、自分では「こうしたい」と考えたとしても、周りの声や世の中の声に押されて、自分の考えを変えてしまう。「外の声」に耳を傾け過ぎ、「内なる声」を軽んじてしまうのだ。 しかしマスクは「どう思われようと、俺の知ったこっちゃない」発言からもわかるように、常に「内なる声」に耳を傾けることで成功を収めてきた。 バフェットを始めとする成功者も、「外の声」に逆らってでも「内なる声」に忠実に前に進むことで成果を手にしている。 アメリカがITバブルに沸いていた頃、IT関連への投資をしないバフェットは、「時代遅れのチンパンジー」と揶揄されたが、その後、バブルがはじけてIT関連の株は大幅に値を下げた。「内なる声」に従ったバフェットが正しかったことが証明されたのだ。) ▽炎上や誹謗中傷を恐れない(バフェットの例が示しているように、「外の声」に惑わされることなく「内なる声」を信じて進むには、誹謗中傷や揶揄する声に耳を貸さず、孤独に耐えながら前に進む勇気が欠かせない。 ただ、マスクが面白いのは「内なる声」を大事にしつつ、「いいところを聞くのは時間のムダで、悪いところを聞く方が役に立つ」と言い切るほど、「悪いところ」を歓迎する姿勢を持っていることである。 結局、心の底からやりたいと情熱を傾けるものがあれば、たとえ絶望や難局に見舞われようとも「ようし、問題さえ解決すれば前に進めるんだ」と進み続けること。 まずは自分が心の底から「やりたい」「やらなければ」と思えるものを見つけること。 これがマスク流「鋼のメンタル」仕事術だ』、「マスクが面白いのは「内なる声」を大事にしつつ、「いいところを聞くのは時間のムダで、悪いところを聞く方が役に立つ」と言い切るほど、「悪いところ」を歓迎する姿勢を持っていることである」、「マスク氏」が「「いいところを聞くのは時間のムダで、悪いところを聞く方が役に立つ」と言い切るほど、「悪いところ」を歓迎する姿勢を持っている」とはさすがだ。

次に、4月24日付けPRESIDENT Onlineが掲載したエコノミストのエミン・ユルマズ氏による「ツイッター買収は間違いだった…私が「イーロン・マスクはすでに限界に来ている」と見放している理由 テスラをアップル並みに評価するのは間違い」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/68589
・『イーロン・マスクの快進撃は今後も続くのだろうか。エコノミストのエミン・ユルマズさんは「株式市場でテスラはアップル並みに評価されているが、これは過大評価ではないか。イーロン・マスクの政治発言やハチャメチャな行動はビジネスの腰折れを招いている。チャイナリスクにも直面しており、経営者としてすでに限界に来ている」という――。(第2回) ※本稿は、エミン・ユルマズ『大インフレ時代!日本株が強い』(ビジネス社)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『アップルのスマホそのものが優れているわけではない  読者から、あるいは講演会の席で、こんな質問をいただくことがある。 「自分はアップルとテスラに注目しているが、あなたはこの両社をどう捉えているのか。正直な考えを開陳していただきたい」 両社はハードウェアをつくっている。ただアップルに関しては、たしかにハードウェアの部分もあるけれど、アップルの強みはいわゆるiOSだ。 アップルが開発および提供する、iPhone、iPad、Mac向けのオペレーティングシステム(組み込みプラットフォーム)が秀逸なのである。 アップルのプラットフォームであるアップストアは、2021年に17兆円の市場規模に達したアプリ売り上げのうちの6割を獲得している。 またアップルはプラットフォームの提供者としてアプリ売り上げの3割をとっている。 アップルのソフトウェア部門とハードウェア部門を別々に考えた場合、ハードのバリュエーションはかなり低いのだと思う。 iPhoneにしても、アップルのスマホそのものが優れているのではない。 これより優れているアンドロイドスマホは山ほどある。 皮肉な言い方をすると、私はいつもアップルのiOSを、アップルよりもっと機能の高いサムスンなどのスマホで使えたらブラボーではないかなと思っている。 しかし、それはできないし、ポイントはそこではない。 アップルは音楽から動画から仕事アプリまで自社のエコシステムでつくり上げており、セキュリティーもしっかりしている。そこに価値があるわけである。 それが評価されて、高価格でも売れてきた』、「アップルは音楽から動画から仕事アプリまで自社のエコシステムでつくり上げており、セキュリティーもしっかりしている。そこに価値があるわけである。 それが評価されて、高価格でも売れてきた」、なるほど。
・『「テスラは自動車会社ではない」は本当なのか  一方、テスラに関しては、本当に自動車の会社であれば、あのバリュエーションはあり得ないと思う。 テスラの株主は、「この会社は自動車会社ではなくてパソコン会社、IT企業なのだ。だから、あのバリュエーションでも正当化できるのだ」と擁護ようごする。 さらに、「優れた自動運転技術やバッテリー技術を持っている」と主張するのだけれど、実際には疑問点がいくつもある』、「疑問点」とはどんなものなのだろう。
・『CO2の「環境クレジット枠」で利益をあげてきた  たしかにテスラは近年、高利益を出しているけれど、これには大きなからくりが存在する。 EUの自動車メーカーが創設したCO2排出削減に取り組む制度「オープンプール」に乗る形で、EV専業のテスラはCO2排出基準を達成できない自動車メーカーに対し、自社が持つ環境クレジット枠を販売してきた。 この環境クレジットビジネスがテスラに巨大な利益をもたらしてきたのだ。 ここ数年間、環境クレジット売却益は、全期においてテスラの純利益を大幅に上回ってきた。 極論を言うならば、この環境クレジットビジネスがなければ、テスラはいまも“赤字企業”に甘んじていたはずなのだ。 ところが、これまでテスラの環境クレジット枠を購入して忸怩じくじたる思いをしてきた自動車メーカーも、今後は自前EVを次々と出してくる。 だから、テスラの収入源がガタ落ちとなる可能性が出てきたのである』、「環境クレジット売却益は、全期においてテスラの純利益を大幅に上回ってきた。 極論を言うならば、この環境クレジットビジネスがなければ、テスラはいまも“赤字企業”に甘んじていたはずなのだ。 ところが、これまでテスラの環境クレジット枠を購入して忸怩じくじたる思いをしてきた自動車メーカーも、今後は自前EVを次々と出してくる。 だから、テスラの収入源がガタ落ちとなる可能性が出てきた」、「環境クレジット売却益」で利益が押し上げられているというのは、初めて知った。
・『自動車会社としての「格」の低さを悪用している  次なるテスラに対する疑問は、なぜ自動運転車の開発で、テスラは他社に先んじているのかというものだ。 その答えは明確この上ない。テスラはレピュテーション・リスク、つまり企業に関するネガティブな情報が広がり、ブランド価値や信用が低下して被るリスクを恐れていないけれど、他社はそれを考えざるを得ないからだ。 仮に業界大手のベンツやトヨタが自動運転で事故を起こしたら、これまで積み上げてきた信用が致命的に棄損きそんされてしまう。 かたやテスラは新興EVメーカーに過ぎない。事故を起こしても飄々ひょうひょうとしていられる。 要は、自動車会社としての「格」の低さを悪用している』、「テスラは新興EVメーカーに過ぎない。事故を起こしても飄々ひょうひょうとしていられる。 要は、自動車会社としての「格」の低さを悪用している」、確かにその通りだ。
・『性能表示でイカサマのような対応をしてきた  私が悪質だと考えているのは、テスラがバッテリーパワーや走行距離などの性能表示でイカサマのような対応をしてきたところだ。 2023年に入って早々、韓国の公正取引委員会は、テスラが走行可能距離を誇大に広告していたと、課徴金納付を命じた。 EVのモデル3・ロングレンジについて、一度のフル充電で446キロ以上走行可能と謳うたっていたが、実際には冬場の走行距離は221キロと半分以下だった。 以上、テスラをあげつらってきたけれど、より本質的な疑問と弱点は同社経営者のイーロン・マスクに収斂しゅうれんされよう』、米国では「広告表示」には規制はないのだろうか。
・『民主党寄りの人たちはテスラにソッポを向く  2022年11月の米中間選挙におけるイーロン・マスクの共和党寄りの発言を聞いた私は、呆あきれ返った。 そもそもテスラのメインユーザーは、民主党寄りの人たちだ。 今回の選挙でよりクリアになったのは、若い人たちが圧倒的に民主党寄りだということだった。 もう1つ、テスラみたいなEVを買っている人たちは、都市に住む環境意識の高い人たちに他ならない。 翻ひるがえって、イーロン・マスクが秋波しゅうはを送る共和党寄りの人たちは、「地球温暖化は嘘だ」と叫ぶトランプ支持者である。 彼らは絶対にテスラには乗らない。GMやフォードのバカでかいピックアップトラックに好んで乗るような、田舎で暮らす人たちと相場が決まっている。 そこから考えると、今後、別のメーカーから、テスラのオルタナティブとなるEVが登場した際、民主党寄りの人たちはテスラにソッポを向くはずだ』、「テスラのメインユーザーは、民主党寄りの人たちだ」、にも拘らず、「米中間選挙におけるイーロン・マスクの共和党寄りの発言」、信じ難い動きだ。
・『テスラのビジネスに「2つの大きなリスク」  今後のテスラのビジネスには、先の私の考察を含めて、おそらく2つの大きなリスクを内包する。 1つはチャイナリスク。テスラの販売が米国以外では、中国市場にかなり依存していることだ。 もう1つは、経営者リスク。先に論じたとおり、経営者のイーロン・マスクの政治発言やハチャメチャな行動がビジネスの腰折れを招いており、その矛盾が次第に際立ち始めていることだ』、「チャイナリスク」、「経営者リスク」とも予断を許さない。
・『イーロン・マスクはすでに限界に来ている  イーロン・マスクはすでに限界に来ているのではないか。私はそう思う一人である。 ツイッター買収は、ビジネス判断を大きく間違えた。買う気がないのに買うと宣言してしまい、結局裁判沙汰になって、無理矢理、買わされてしまった。 メディアに適当なことを言っていたツケが回ったとしか思えない出来事であった。 同社に対するイーロン・マスクによるあからさまな株価操縦も疑われており、そろそろ経営者としての限界を迎えていると思われる。 もう1つ、米国と中国がこれだけ対立しているなか、イーロン・マスクの中国にべったりの姿勢は、今後かなりの修正を迫られるはずだ。 したがって、テスラという会社はいろいろな意味で、危ういところがあるのではないだろうか』、「イーロン・マスク」を持ち上げる記事が多いんかで、珍しく辛口の記事だ。「イーロン・マスクはすでに限界に来ているのではないか」、確かにそうした面も否定できないようだ。改めて厳しい目で見ていくたい。
タグ:イーロン・マスク (その1)(イーロン・マスク 炎上連発も“詐欺師扱い”も上等な「鋼のメンタル」の秘密、ツイッター買収は間違いだった…私が「イーロン・マスクはすでに限界に来ている」と見放している理由 テスラをアップル並みに評価するのは間違い) ダイヤモンド・オンライン 桑原晃弥氏による「イーロン・マスク、炎上連発も“詐欺師扱い”も上等な「鋼のメンタル」の秘密」 「アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは・・・「イノベーションには「実験」が欠かせない。そして、「実験」には「失敗」がつきものだ。挑戦して失敗すれば、誰だってがっかりするが、彼らはそれさえも次に進むためのステップだと考える。だからこそ前に進むことができるのだ」、なるほど。 「マスクが掲げるビジョンはあまりに壮大過ぎて理解しづらいところがあるし、はたしてマスクが生きているうちに達成できるかどうか、わからないものもある。にもかかわらず、マスクがそうしたビジョンを堂々と口にして、実現に向けて挑戦し続けることができるのは、「失敗は成功に欠かせないものとして失敗を引き受ける」ことができるから。そして、「失敗から学びながら進み続ける粘り強さ」を持っているからだ」、なるほど。 「そもそもテスラやスペースXという野心的な企業を経営できる人間がマスク以外にいるのかとなると、やはりいないだろう」、その通りだ。 「マスクが面白いのは「内なる声」を大事にしつつ、「いいところを聞くのは時間のムダで、悪いところを聞く方が役に立つ」と言い切るほど、「悪いところ」を歓迎する姿勢を持っていることである」、「マスク氏」が「「いいところを聞くのは時間のムダで、悪いところを聞く方が役に立つ」と言い切るほど、「悪いところ」を歓迎する姿勢を持っている」とはさすがだ。 PRESIDENT ONLINE エミン・ユルマズ氏による「ツイッター買収は間違いだった…私が「イーロン・マスクはすでに限界に来ている」と見放している理由 テスラをアップル並みに評価するのは間違い」 エミン・ユルマズ『大インフレ時代!日本株が強い』(ビジネス社) 「アップルは音楽から動画から仕事アプリまで自社のエコシステムでつくり上げており、セキュリティーもしっかりしている。そこに価値があるわけである。 それが評価されて、高価格でも売れてきた」、なるほど。 「疑問点」とはどんなものなのだろう。 「環境クレジット売却益は、全期においてテスラの純利益を大幅に上回ってきた。 極論を言うならば、この環境クレジットビジネスがなければ、テスラはいまも“赤字企業”に甘んじていたはずなのだ。 ところが、これまでテスラの環境クレジット枠を購入して忸怩じくじたる思いをしてきた自動車メーカーも、今後は自前EVを次々と出してくる。 だから、テスラの収入源がガタ落ちとなる可能性が出てきた」、「環境クレジット売却益」で利益が押し上げられているというのは、初めて知った。 「テスラは新興EVメーカーに過ぎない。事故を起こしても飄々ひょうひょうとしていられる。 要は、自動車会社としての「格」の低さを悪用している」、確かにその通りだ。 米国でも「広告表示」には規制がある筈だが・・・。 米国では「広告表示」には規制はないのだろうか。 「テスラのメインユーザーは、民主党寄りの人たちだ」、にも拘らず、「米中間選挙におけるイーロン・マスクの共和党寄りの発言」、信じ難い動きだ。 「チャイナリスク」、「経営者リスク」とも予断を許さない。
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人権(その9)(「10人に担がれ、精神科に強制入院させられた」高校生が都や母親らを提訴 13歳で同意なく精神科に強制入院、当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」、歌舞伎町タワー「ジェンダーレストイレ」抗議殺到でわずか4カ月で廃止…運営会社の見解は?) [国内政治]

人権についえは、昨年6月3日に取上げた。今日は、(その9)(「10人に担がれ、精神科に強制入院させられた」高校生が都や母親らを提訴 13歳で同意なく精神科に強制入院、当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」、歌舞伎町タワー「ジェンダーレストイレ」抗議殺到でわずか4カ月で廃止…運営会社の見解は?)である。

先ずは、本年1月17日付け弁護士ドットコムニュース「「10人に担がれ、精神科に強制入院させられた」高校生が都や母親らを提訴 13歳で同意なく精神科に強制入院」を紹介しよう。
https://www.bengo4.com/c_18/n_15529/
・『2018年2月、当時13歳だった男性が、本人の同意なく医療保護入院措置で強制入院させられたことは違憲・違法だなどとして、児相を設置する東京都や母親などを相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。提訴は1月17日付。 男性は登校のため家を出たところ、法令に基づく一時保護だとして、民間介護タクシーの車に押し込められ、入院させられたと主張している。被告は都のほかに、入院措置をおこなった都内の病院、男性を診断した指定医2人、および入院措置に同意した母親。被告らに対して計1億円の損害賠償を請求する。 原告側は、医師が強制入院後の診察で「本人に問題はない」「病院でできることが何もない」と診断していたことが、児相作成の指導経過記録票にも記載されているとし、入院する根拠のない「違法な強制入院」だったと主張している。 原告の火山優(18歳=仮名)さんは現役の高校生で、訴状などによれば、医療保護入院の前年に母親からの暴行で「要保護対象」として児童相談所により一時保護された経緯があった。 提訴後に開かれた会見で火山さんは、強制入院させられたことを強く批判するとともに、一時保護および医療保護入院の制度にも問題があると指摘。「誰もが当事者になるという意識を持って取り組まなければいけない問題」と話した』、「原告側は、医師が強制入院後の診察で「本人に問題はない」「病院でできることが何もない」と診断していたことが、児相作成の指導経過記録票にも記載されているとし、入院する根拠のない「違法な強制入院」だったと主張」、にも拘わらず、「入院措置をおこなった都内の病院、男性を診断した指定医2人」、とどうつながるのだろう、重大な矛盾だ。
・『10人ほどに担がれて強制入院  状などによると、​​父親と離婚した母親と2人で暮らしていた火山さんは2018年2月1日朝、普段と同じように中学校に登校するため家を出た直後、児相職員から紙を提示され、「一時保護します」と一言だけ告げられた。児相は同日、「医療受診が必要なため」との理由で一時保護決定をおこなっていた。 火山さんは後方から近づいてきた児相職員、民間業者のスタッフ及び警察官で構成された10人ほどの集団に囲まれ、背負っていたリュックを奪われ、まるでお祭りの神輿のように担ぎ上げられ、用意されていた民間介護タクシーに押し込まれたという。その際、火山さんの意思が確認されることはなかった。 精神科病院に連れて行かれたのち、天井に監視カメラや収音マイクが設置された閉鎖病棟の隔離室に入れられた。翌2月2日朝には隔離室から病室に移ったものの、以前として閉鎖病棟にいるままで、「公衆電話の使用は不可、児相職員以外との面会も不可」という状況だった。 数カ月間入院させられるのではないかとの強い危機感を持った火山さんは2月10日、同病院の窓から脱け出して祖母宅に向かった。祖母宅にいた父親が病院に連絡するとともに、児相からの連絡を受けて電話でやり取りした結果、同13日までの間は父親が火山さんを預かることを許可するとの意思表示がなされたという。 その後、父親のいる祖母宅での生活を条件に、2月13日付で一時保護も解除され、同21日には自宅へ帰ることも許可された』、たまたま、「同病院の窓から脱け出して祖母宅に向かった。祖母宅にいた父親が病院に連絡するとともに、児相からの連絡を受けて電話でやり取りした結果、同13日までの間は父親が火山さんを預かることを許可するとの意思表示がなされたという。 その後、父親のいる祖母宅での生活を条件に、2月13日付で一時保護も解除され、同21日には自宅へ帰ることも許可された」、という偶発的出来事がなければ、まだ入院させられていただろう。
・『「強制入院天国」と痛烈批判…「医療保護制度廃止して」  原告側は、火山さんのように「違法な強制入院されられたケース」は氷山の一角であるとして、「医療的な理由ではなく、家で手に負えない家族を厄介払いとして精神科病院に入院させる『社会的入院』は深刻な社会問題」だと訴える。 火山さんの代理人を務める倉持麟太郎弁護士は、人口100万人あたりの非自発的入院者数は、欧米では「約70人」であることに対し、日本では「約1000人」だと指摘。この現状を「強制入院天国」と表現し、医療保護入院制度を痛烈に批判する。 「この制度については1980年代から国際的にも『この制度を廃止せよ』と指摘を受けており、2022年にも国連障害者権利委員会から廃止の勧告がされています。 また、日本の医療保護入院制度をモデルにした韓国の保護入院制度は、同国の憲法裁判所で2016年に違憲判決が出され廃止しています。 ところが、2022年10月の臨時国会では、医療保護入院について家族が同意を拒絶した場合は市町村長が強制入院というさらに入院させやすくする法改正をしており、立法過程ではどうにもならないだろうと。戦後ずっと言われている問題ですので、司法に打って出ました。 もちろん、火山さんに対する措置は違法だと考えていますけれども、そこから一歩進んで、医療保護入院制度は違憲であるという判決をとって、ボールを立法や行政に投げ返すということを目指した訴訟です」(倉持弁護士) 請求額を1億円に設定したことについて、火山さんは、低額にすることによる請求の認諾を抑止することと、社会で広く問題意識を持ってもらうためのものだと説明。 「かかった経費以上の額が(判決によって)支払われた場合は、しかるべき団体への寄付もしくは児童福祉を中心とした社会福祉のために活用することを約束します」(火山さん) 火山さんは、「今この瞬間にも児相によって精神科病院に入院させられている子どもたちがいます」とし、一時保護制度における「児童の意見表明権」の確立と医療保護制度の廃止を訴えた。 今回の提訴を受け、都は「訴状がまだ届いていないのでコメントいたしかねます」と回答した。 (1月18日16時05分、都の回答を追記しました)』、「倉持麟太郎弁護士は、人口100万人あたりの非自発的入院者数は、欧米では「約70人」であることに対し、日本では「約1000人」だと指摘。この現状を「強制入院天国」と表現し、医療保護入院制度を痛烈に批判する」、確かに「非自発的入院者数」の日本の圧倒的多さは、「強制入院天国」を示しているようだ。「一時保護制度における「児童の意見表明権」の確立と医療保護制度の廃止」、は急務だ。

次に、7月10日付け日刊ゲンダイが掲載した一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣氏による「当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325631
・『自公与党に日本維新の会と国民民主党がスリ寄り、LGBTへの差別をなくす法制度は理解増進法という形で骨抜きにされ、理念が後退してしまった。全国5地裁で同性婚を認めない現行制度が違憲か合憲かが争われた訴訟では、4地裁が「違憲」「違憲状態」とし、法整備を国に迫った。世論調査でも7割超が同性婚に賛成しているのに、政治の動きは遅い。ゲイの当事者の立場から、問題を語ってもらった(Qは聞き手の質問、Aは松岡氏の回答)。 Q:理解増進法は成立優先で審議に時間をかけず、維新と国民民主の修正案を与党が丸のみ。内容が後退したという批判が上がっています。どう見ていますか。 A:大前提として、私たちは差別を禁止する法律を求めてきました。性的少数者に対する深刻な差別が社会に根強く残っているからです。例えば、トランスジェンダーであることを理由に就職で差別を受けたりとか、同性カップルが賃貸物件を借りられないといったことです。差別的取り扱いを禁止する法律を求めていたのですが、出発点から「理解増進」に骨抜きにされてしまったと言わざるを得ません。 Q:スタート時からつまずいていたわけですね。 A:とはいえ、保守派の声が大きい今の政治状況では、差別禁止法の実現は難しい。理解増進でも、ないよりはあった方がいいのかもしれない。そういう思いで国会の議論を見守っていたのですが、最終的に通ってしまった法律は、立て付け上は理解を広げるための法律になっていますが、理解を抑制するための条文が入ってしまった。そこに大きな懸念を持っています。 Q:「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」という文言ですね。少数派の権利を守る法律なのに、多数派の尊重になってしまっていると。 A:この文言が入ったことで、多数派の人が「不安だ」「安心できない」と言った場合に、自治体や企業、学校の現場が理解増進のために行っている取り組みがストップしてしまう恐れがある。理解を進めたくない人に、反対するための口実を与えてしまったのです。実際、自民党の古屋圭司衆院議員はブログに〈この法案はむしろ自治体による行き過ぎた条例を制限する抑止力が働くこと等強調したい〉と投稿し、西田昌司参院議員は動画で「国が指針を示すことで、地方や民間団体が過激な方向に走らないよう歯止めをかける。そのための道具としてLGBT法案が必要」と発言しています。自民党議員全員がこうした考えを持っているとは思いませんが、反対の口実に使われてしまう可能性は拭えません』、「「国が指針を示すことで、地方や民間団体が過激な方向に走らないよう歯止めをかける。そのための道具としてLGBT法案が必要」と発言しています。自民党議員全員がこうした考えを持っているとは思いませんが、反対の口実に使われてしまう可能性は拭えません」、その通りだ。
・『女子トイレ議論がトランス女性への偏見を助長  Q:反対派は「女性だと自称する男性が女子トイレや女湯に入ってくる」と繰り返し主張しました。 A:理解増進法はあくまでも「理解を広げましょう」という趣旨の理念法です。法律が、「女性だ」と自称する男性が女子トイレや女湯に入るための根拠になることはありません。こうした意見はトランスジェンダーの実態に沿っておらず、排除ありきの言説であることは明らかです。あたかも、トランス女性が加害者であったり、多数派を脅かすような存在として語られたことで、差別や偏見を助長する方向に向かってしまっていると思います。 Q:トランス女性への誤解を広げてしまった。 A:男女別施設利用に関するトランスジェンダー女性の実態は、自分が女性として周囲に認識されるかどうか慎重に考え抜き、結果的に自分の望むトイレを利用できないケースが多いのです。公衆浴場は身体的な特徴に基づいて男女分けがされており、性別適合手術を受けていない場合、女湯には入れません。それは当事者が一番よく分かっている。本来必要なのは性暴力をなくすことや防犯対策など安全な環境整備のはずが、法律に反対する人がトランスジェンダーを排除するために「男が女湯に入ってくる」と不安をあおることで、当事者の実態に沿わないデマを広げてしまったことは非常に残念です。当事者が「お風呂、トイレはどうしよう」と悩み苦しんでいる実態を考えてもらいたいと思います』、「理解増進法は成立優先で審議に時間をかけず、維新と国民民主の修正案を与党が丸のみ。内容が後退したという批判」、「私たちは差別を禁止する法律を求めてきました。性的少数者に対する深刻な差別が社会に根強く残っているからです。例えば、トランスジェンダーであることを理由に就職で差別を受けたりとか、同性カップルが賃貸物件を借りられないといったことです。差別的取り扱いを禁止する法律を求めていたのですが、出発点から「理解増進」に骨抜きにされてしまったと言わざるを得ません。 Q:スタート時からつまずいていたわけですね。 A:とはいえ、保守派の声が大きい今の政治状況では、差別禁止法の実現は難しい。理解増進でも、ないよりはあった方がいいのかもしれない。そういう思いで国会の議論を見守っていたのですが、最終的に通ってしまった法律は、立て付け上は理解を広げるための法律になっていますが、理解を抑制するための条文が入ってしまった。そこに大きな懸念を持っています」、こんな保守的な条項を「国民民主党」が推進したとは、残念だ。 
・『性の多様性を教えるべき教育現場への圧力  Q:法律には、学校などに教育や啓発活動の努力義務を課す条文として「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ教育」という文言も加わりました。 もちろん、周囲の協力はあった方がいいでしょう。しかし、家庭や地域、その他の関係者の反対があれば、学校現場での理解増進を阻害できてしまう。やはり、反対するための口実になりかねず、問題だと思います。 Q:LGBTに関する教育については、反対派から「過激な教育をするな」「子どもたちが混乱する」といった声が上がりました。しかし、教育しなければ性的少数派の子どもたちは悩みを抱えたままになってしまうのではないでしょうか。) トランスジェンダーの多くは中学生までに性別への違和感を自覚し、同性愛者や両性愛者に関しては思春期に自覚するケースが多いといわれています。子どもの頃に周囲との違いに気づき、「自分は気持ち悪い存在なんじゃないか」と苦しみ、それがイジメや自殺につながっていくことも考えられる。ですから、子どもの頃から「同性を好きになってもいい」「出生時に割り当てられた性別と異なる性別で生きたっていい」と性の多様性について、大人が教えるべき。それが生きやすさにつながると思います。 Q:松岡さんがゲイだと自覚したのは幼少期だったのでしょうか。 私が自覚したのは小学校高学年の頃です。でも、受け止めるまでには時間がかかった。「これは誰にも言ってはいけない」と感じ、周囲には面白おかしく“ゲイキャラ”のように振る舞い、笑いにしていました。「ホモは気持ち悪い」みたいなオチで笑いを取っていたので、チクチク心を痛めながら生きていました。大学進学で上京する際に友達に、進学後に母親にカミングアウトすると、皆、フラットに受け入れてくれた。ただ、当事者の中には、周囲にカミングアウトしたら「病気だ」「いつか治るよ」と言われたり、家から追い出されてしまった人もいる。やはり、理解を広げるためにも、教育は大事だと思います。 Q:反対派の言説は教育現場の萎縮にもつながりかねませんね。 A:自民党保守派の反対による教育現場の萎縮は以前もありました。1999年に男女共同参画社会基本法が施行された後の2000年代、「ジェンダーフリー」や「性教育」へのバックラッシュ(反動)が起きたのです。象徴的なのは、03年の東京都立「七生養護学校」を巡る騒動です。障害のある子どもたちへの性教育が行われていたのですが、それに対して複数の地方議員が「過激すぎる」と猛批判。騒動の余波は国政に及び、自民党が「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を発足。その座長が安倍元首相であり、事務局長は理解増進法に反対した山谷えり子参院議員でした。結果、教育現場が萎縮し、この20年で進むはずだった性教育が停滞したと言えます』、「A:自民党保守派の反対による教育現場の萎縮は以前もありました。1999年に男女共同参画社会基本法が施行された後の2000年代、「ジェンダーフリー」や「性教育」へのバックラッシュ(反動)が起きたのです。象徴的なのは、03年の東京都立「七生養護学校」を巡る騒動です。障害のある子どもたちへの性教育が行われていたのですが、それに対して複数の地方議員が「過激すぎる」と猛批判。騒動の余波は国政に及び、自民党が「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を発足。その座長が安倍元首相であり、事務局長は理解増進法に反対した山谷えり子参院議員でした。結果、教育現場が萎縮し、この20年で進むはずだった性教育が停滞したと言えます」、結局、自民党右派の「安倍元首相」、「山谷えり子参院議員」らが、「この20年で進むはずだった性教育が停滞」させたようだ。
・『社会が変化しても当事者に目を向けない岸田政権  Q:自民党保守派は昔から強硬に反対しているのですね。 A:世論調査では、同性婚への賛成が多数にのぼっています。その上、司法の場でも同性婚を認めない現行制度について、違憲判決が続いている。政府はいつまで差別をし続けるのか、いかに日本の政治が世論と乖離しているか、如実に表れているように感じています。 Q:法制化に向けた議論が本格化したのも、今年2月に首相秘書官からLGBTへの差別発言が飛び出し、批判を招いたことが原因でした。同性婚の法制化について、岸田首相は「社会が変わってしまう」と言っていましたが、いかに消極的なのかがよく分かります。 結局、当事者のことを見ていないということでしょう。当事者の困難や生きづらさに全く向き合っていない。内容はなんでもいいから建前のための法律をつくれ、ということだったのかもしれません。「社会が変わってしまう」は岸田首相の本音なのかもしれませんが、既に社会は変わっている。そこに全く目が向いていないのもおかしいですし、そもそも政治は社会の変化に応えるために存在しているのではないか。結局、LGBTの権利保障に反対する支援組織である右派団体の方にしか目が向いていないと思わざるを得ません』、「同性婚の法制化について、岸田首相は「社会が変わってしまう」と言っていましたが、いかに消極的なのかがよく分かります」、「岸田首相」は保守の安倍派への気遣いもあるのだろうが、自民党内のロベラル派出身とは思えない言動だ。「LGBTの権利保障に反対する支援組織である右派団体の方にしか目が向いていないと思わざるを得ません」、同感である。 
タグ:人権 (その9)(「10人に担がれ、精神科に強制入院させられた」高校生が都や母親らを提訴 13歳で同意なく精神科に強制入院、当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」、歌舞伎町タワー「ジェンダーレストイレ」抗議殺到でわずか4カ月で廃止…運営会社の見解は?) 弁護士ドットコムニュース「「10人に担がれ、精神科に強制入院させられた」高校生が都や母親らを提訴 13歳で同意なく精神科に強制入院」 「原告側は、医師が強制入院後の診察で「本人に問題はない」「病院でできることが何もない」と診断していたことが、児相作成の指導経過記録票にも記載されているとし、入院する根拠のない「違法な強制入院」だったと主張」、にも拘わらず、「入院措置をおこなった都内の病院、男性を診断した指定医2人」、とどうつながるのだろう、重大な矛盾だ。 たまたま、「同病院の窓から脱け出して祖母宅に向かった。祖母宅にいた父親が病院に連絡するとともに、児相からの連絡を受けて電話でやり取りした結果、同13日までの間は父親が火山さんを預かることを許可するとの意思表示がなされたという。 その後、父親のいる祖母宅での生活を条件に、2月13日付で一時保護も解除され、同21日には自宅へ帰ることも許可された」、という偶発的出来事がなければ、まだ入院させられていただろう。 「倉持麟太郎弁護士は、人口100万人あたりの非自発的入院者数は、欧米では「約70人」であることに対し、日本では「約1000人」だと指摘。この現状を「強制入院天国」と表現し、医療保護入院制度を痛烈に批判する」、確かに「非自発的入院者数」の日本の圧倒的多さは、「強制入院天国」を示しているようだ。「一時保護制度における「児童の意見表明権」の確立と医療保護制度の廃止」、は急務だ。 日刊ゲンダイ 松岡宗嗣氏による「当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」 「「国が指針を示すことで、地方や民間団体が過激な方向に走らないよう歯止めをかける。そのための道具としてLGBT法案が必要」と発言しています。自民党議員全員がこうした考えを持っているとは思いませんが、反対の口実に使われてしまう可能性は拭えません」、その通りだ。 「理解増進法は成立優先で審議に時間をかけず、維新と国民民主の修正案を与党が丸のみ。内容が後退したという批判」、「私たちは差別を禁止する法律を求めてきました。性的少数者に対する深刻な差別が社会に根強く残っているからです。例えば、トランスジェンダーであることを理由に就職で差別を受けたりとか、同性カップルが賃貸物件を借りられないといったことです。差別的取り扱いを禁止する法律を求めていたのですが、出発点から「理解増進」に骨抜きにされてしまったと言わざるを得ません。 Q:スタート時からつまずいていたわけですね。 A:とはいえ、保守派の声が大きい今の政治状況では、差別禁止法の実現は難しい。理解増進でも、ないよりはあった方がいいのかもしれない。そういう思いで国会の議論を見守っていたのですが、最終的に通ってしまった法律は、立て付け上は理解を広げるための法律になっていますが、理解を抑制するための条文が入ってしまった。そこに大きな懸念を持っています」、こんな保守的な条項を「国民民主党」が推進したとは、残念だ。 「A:自民党保守派の反対による教育現場の萎縮は以前もありました。1999年に男女共同参画社会基本法が施行された後の2000年代、「ジェンダーフリー」や「性教育」へのバックラッシュ(反動)が起きたのです。象徴的なのは、03年の東京都立「七生養護学校」を巡る騒動です。障害のある子どもたちへの性教育が行われていたのですが、それに対して複数の地方議員が「過激すぎる」と猛批判。騒動の余波は国政に及び、自民党が「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を発足。 その座長が安倍元首相であり、事務局長は理解増進法に反対した山谷えり子参院議員でした。結果、教育現場が萎縮し、この20年で進むはずだった性教育が停滞したと言えます」、結局、自民党右派の「安倍元首相」、「山谷えり子参院議員」らが、「この20年で進むはずだった性教育が停滞」させたようだ。 「同性婚の法制化について、岸田首相は「社会が変わってしまう」と言っていましたが、いかに消極的なのかがよく分かります」、「岸田首相」は保守の安倍派への気遣いもあるのだろうが、自民党内のロベラル派出身とは思えない言動だ。「LGBTの権利保障に反対する支援組織である右派団体の方にしか目が向いていないと思わざるを得ません」、同感である。
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マイナンバー制度(その6)(注目の人 直撃インタビュー 保団連会長が警鐘「保険証廃止を強行すれば閉院ラッシュ 地域医療は崩壊します」、だから躍起になってマイナンバーカードを作らせようとする…日本を"デジタル後進国"にした本当の原因 民間ではプラスチックのカードは姿を消しつつあるのに、厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算) [経済政策]

昨日に続いて、マイナンバー制度(その6)(注目の人 直撃インタビュー 保団連会長が警鐘「保険証廃止を強行すれば閉院ラッシュ 地域医療は崩壊します」、だから躍起になってマイナンバーカードを作らせようとする…日本を"デジタル後進国"にした本当の原因 民間ではプラスチックのカードは姿を消しつつあるのに、厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算”)を取上げよう。

先ずは、8月7日付け日刊ゲンダイ「注目の人 直撃インタビュー 保団連会長が警鐘「保険証廃止を強行すれば閉院ラッシュ、地域医療は崩壊します」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327001
・『住江憲勇(全国保険医団体連合会会長)  マイナンバーカードを巡って次から次へと起こるトラブルに岸田政権は右往左往。国民の不信は募る一方だ。とりわけ、健康保険証廃止への反発は強く、世論調査では来年秋の廃止について「反対」が7割を超える。にもかかわらず、政府はマイナ保険証への一本化方針にいまだに固執。このため全国の医療機関では大混乱が生じている。この間、医療現場の実態を調査し、問題点を明らかにしてきた保団連会長に思う存分、語ってもらった(Qは聞き手の質問、Aは保団連会長の回答)』、興味深そうだ。
・『マイナ保険証「必発3トラブル」は解決しない  Q:医療現場で何が起きていますか。 A:マイナ保険証を使うとまず、受け付け時点で混乱が生じる。オンライン資格確認がうまくいかず、患者が列をつくり、時間も手間もかかる。スタッフに対しクレームも出る。医療情報は古い上に、他人の情報かもしれないと考えると診療では怖くて使えない。マイナ保険証はほとんど活用されていないのが実態です。 Q:マイナ保険証の根本的な問題は何ですか。 A:避けられない、必発のトラブルが3つあります。公金口座や年金などでも発覚しているが、1つはマイナ保険証へのひも付けの誤りによる危険です。重大な医療事故につながりかねません。2つ目は、資格者全員に交付する保険証と違い、マイナ保険証や資格確認書は申請主義なので、どうしても申請漏れや遅れが生じ、保険資格情報の誤りが避けられないことです。3つ目は、オンラインにつきもののシステム障害の発生リスクは当然あります。 Q:実際に3つとも多発しています。 A:これだけの不具合が起きれば運用を全面停止し、万全の改善策を講じるのが常識です。富士通子会社の証明書交付サービスのトラブルの際はシステムを停止しました。ところが政府は、立ち止まることなく、走りながらの対応を続けている。次々生じるトラブルに対し、ほころびを縫うがごとく対策に追われるから、シッチャカメッチャカの状態に陥っている。 Q:受け付けで無保険扱いが続出し、10割請求が問題になった時、加藤厚労相は窓口負担を「3割」とするよう医療機関に求めました。 窓口でいったん3割とするが、後で正しい資格情報を確認する必要がある。それを担うのは社会保険診療報酬支払基金です。無資格扱いとなるトラブルは70万件以上起こるとの推計を発表しましたが、それくらいの規模で資格を確認する作業が毎月、発生するのです。当然、積み残しが起き、支払いの遅延や不能が起きるでしょう』、「オンライン資格確認がうまくいかず、患者が列をつくり、時間も手間もかかる。スタッフに対しクレームも出る。医療情報は古い上に、他人の情報かもしれないと考えると診療では怖くて使えない。マイナ保険証はほとんど活用されていないのが実態です」、「必発のトラブルが3つあります・・・1つはマイナ保険証へのひも付けの誤りによる危険です。重大な医療事故につながりかねません。2つ目は、資格者全員に交付する保険証と違い、マイナ保険証や資格確認書は申請主義なので、どうしても申請漏れや遅れが生じ、保険資格情報の誤りが避けられないことです。3つ目は、オンラインにつきもののシステム障害の発生リスクは当然あります」、なるほど。
・『終戦直後の支払い遅延時代に逆戻り  Q:医療機関の経営に影響も出る。 A:終戦直後、支払い遅延が常態化し、適切な医療提供が難しい事態に直面しました。そこで、1948年に支払基金が設立された経緯があります。このままでは終戦直後の支払い遅延の時代に戻りかねません。これまでは患者から保険証の提示がない場合、窓口では10割の負担を求め、後で資格が確認できれば、差額を返金し、そうでなければそのまま、という運用をしてきた。病院と患者の間でコンセンサスがあったのです。医療従事者と患者の信頼関係まで壊れかねない事態です。 Q:マイナ保険証の登録は6500万人で足踏み状態です。 A:マイナ保険証の普及を前提に、資格確認書の交付はごくわずかと想定し、申請に基づいて毎年交付としていました。ところが、人口の半分近くに送付となると、そうはいかない。毎年でなく、保険証に準じた期間にするとか、職権で全件交付という案も浮上しています。これでは、ほとんど保険証と変わりません。保険証を廃止する意味は薄らいでいる』、「これまでは患者から保険証の提示がない場合、窓口では10割の負担を求め、後で資格が確認できれば、差額を返金し、そうでなければそのまま、という運用をしてきた。病院と患者の間でコンセンサスがあったのです。医従事者と患者の信頼関係まで壊れかねない事態です」、「マイナ保険証の普及を前提に、資格確認書の交付はごくわずかと想定し、申請に基づいて毎年交付としていました。ところが、人口の半分近くに送付となると、そうはいかない。毎年でなく、保険証に準じた期間にするとか、職権で全件交付という案も浮上しています。これでは、ほとんど保険証と変わりません。保険証を廃止する意味は薄らいでいる」、その通りだ。
・『「問題の先送りではなく撤回に追い込むことが重要」  Q:保険証廃止についてはメディアの批判的報道も盛んですが、保団連は以前から警鐘を鳴らしていました。 A:今年4月からのオンライン資格確認義務化の進め方は極めて強引でした。昨年6月に義務化方針を閣議決定し、ろくな審議もせずに3カ月後には省令を発令した。昨年8月の厚労省の説明会で、保険局の水谷忠由医療介護連携政策課長は、義務化に応じない医療機関について「保険医療機関・薬局の指定の取り消し事由となり得る」と恫喝までした。こうして環境を整え、同10月に河野デジタル担当相が保険証の廃止を表明したのです。 Q:オンライン資格確認の義務化について、医療機関はどう受け止めましたか。 A:昨年10月のアンケートによると、セキュリティーへの懸念や経済的負担などの理由で15%が「対応できない」と答え、10%が閉院を検討すると回答しました。資格確認システムの導入という、医療とは無関係な理由から病院を閉じるのは、医療従事者にとって忸怩たる思いだと思います。 Q:4月からの義務化による閉院は起きたのですか。 A:全国の地方厚生局に提出された保険医療機関の廃止数を見ると、今年4月は約1100件に上っています。少なくとも昨年5月以降で最多となっています。4月からのオンライン義務化の影響も考えられます。 Q:閉院が相次ぐのは地域医療の維持を揺るがします。 A:全国には中山間地域があります。限界集落とならず、持ちこたえているケースはかろうじて医療機関が存在しています。例えば、高齢の先生が診療を続けてくれている。そうした地域で唯一の医療機関が閉院してしまったら、住民の医療はどうなるのか。地域医療への影響は今のところ、顕在化していません。しかし、政府が保険証の廃止方針を貫けば、判断を迷っている医療機関が閉院を決めかねない。閉院予定の医療機関はオンライン資格確認を導入せず、来年9月までは続けられるが、その後はない。来年秋に向けてさらなる閉院ラッシュが起きてもおかしくありません。 Q:自民党幹部から来秋の廃止について「延期論」が出ています。 A:与党からそういう声が出るほど事態は深刻だということでしょう。ただ、延期でガス抜きされないように注意が必要です。当面は延期でいいとしても、撤回に追い込むことが重要です。延期したところで問題が先送りされるだけです。この先、マイナ保険証の登録が飛躍的に伸びるとも思えず、数千万人がマイナ保険証を持たない状況は続きます。また、廃止時期を後ろ倒しにしても、先に挙げた3つの必発トラブルがなくなるわけではない。これまで同様、マイナ保険証に一本化するスキームの中で解決しようとすれば、延期した期間にトラブルが続くだけなのです。保険証を存続させれば、一気に解決する話です。 Q:マイナ保険証と健康保険証の併用については? A:かつては併用を主張していました。というのも、ITに強い医師もおり、進めることのメリットも一定分あるからです。だから、マイナ保険証に絶対反対とは言いません。ただ、トラブルがここまで起きている以上、あまりにも危険すぎて、マイナ保険証を使いたい人に「どうぞ使ってください」とも言えなくなった。それほど深刻な事態だと認識しています。 Q:来秋の保険証廃止について反対の世論は7割を超えていますが、政府は鈍感です。 A:例えば、河野デジタル担当相は自主返納について「微々たる数」だと切り捨てました。信頼されていない事態に向き合おうとしていない。保険証廃止を政府は譲らない構えですが、国民の運動に加え、メディアの報道もあり、廃止についての危機意識は共有できていると思います。 Q:「医療のデジタル化」と言えば聞こえはいい。 A:「医療のデジタル化のためには、多少のリスクやデメリットがあっても立ち止まらずに推し進めるべきだ」と言う人がいますが、軽い発言です。マイナ保険証では、機微に富む情報がずさんに扱われ、地域医療の崩壊にもつながりかねない。保険証廃止の撤回に向けて引き続き奮闘します』、「昨年10月のアンケートによると、セキュリティーへの懸念や経済的負担などの理由で15%が「対応できない」と答え、10%が閉院を検討すると回答しました。資格確認システムの導入という、医療とは無関係な理由から病院を閉じるのは、医療従事者にとって忸怩たる思いだと思います。 Q:4月からの義務化による閉院は起きたのですか。 A:全国の地方厚生局に提出された保険医療機関の廃止数を見ると、今年4月は約1100件に上っています。少なくとも昨年5月以降で最多となっています。4月からのオンライン義務化の影響も考えられます。予想以上に大きな影響だ。「マイナ保険証では、機微に富む情報がずさんに扱われ、地域医療の崩壊にもつながりかねない。保険証廃止の撤回に向けて引き続き奮闘します」、その通りだ。

次に、8月21日付け日刊ゲンダイが掲載した南山大大学院法務研究科教授の實原隆志氏による「マイナひも付けミス「初歩的トラブル続出に驚いた」…情報法の専門家が突きつける数々の課題」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327680
・『マイナンバーカードのひも付けトラブルをめぐる“狂騒”に終わりが見えない。政府は8日、マイナンバー情報総点検本部を開催。ひも付けミスに関してまとめた中間報告では、新たなミスが発覚した。岸田首相は11月末までに個別データの点検を進めるよう指示し、年内に沈静化を図ろうとしているが、「国民の不安」は一向に解消されない。マイナ制度に詳しい憲法・情報法の専門家は、相次ぐトラブルや政府の対応をどう見ているのか(Qは聞き手の質問、Aは専門家の回答)。 Q:中間報告では、マイナ保険証に誤って他人の情報が登録されていたケースが新たに1069件、公務員などの年金を運営する「共済組合」でもマイナンバーと年金情報のひも付けミスが118件確認されました。政府は今後、ひも付けに関するガイドライン作成や人手を介さないひも付け作業のデジタル化など、再発防止策に着手する予定です。 A:遅きに失したとはいえ、ガイドラインを作成しないよりはましですし、ひも付け作業のデジタル化に取り組む姿勢を示したことは評価できます。ただ、気になるのは、中間報告の中に〈国民の信頼回復に向けた対応〉として、〈カード取得の円滑化〉〈マイナ保険証の利用の促進〉が盛り込まれたことです。ひも付けトラブルが続出した原因の分析と再発防止が総点検に期待される役割のはずですが、マイナカードによる行政側のメリットを広報することが信頼回復につながるとは考えにくい。あくまでも中間報告なので、最終報告ではトラブル原因の分析・総括を期待したいですね。 Q:ひも付けトラブルが後を絶ちません。 A:そもそも、1つの番号や1枚のカードに個人情報をひも付けることによって、個人が想定していなかった機関に情報が共有されたり、情報を提供した意図とは違う文脈で使われたりする恐れがないように、いかに制度や運用をコントロールするかが、憲法や情報法の分野における問題意識でした。足元で起きているトラブルは他人の情報がひも付いてしまうという、従来から懸念されてきた問題とは別次元かつ想定外の問題です。少なくとも技術的には、間違いなくひも付けできるシステムが構築されている認識だったので、どのように個人情報のひも付けを規律するかという、法的な課題以前の初歩的なトラブルが相次いだことには正直、驚きを禁じ得ませんでした』、「法的な課題以前の初歩的なトラブルが相次いだことには正直、驚きを禁じ得ませんでした」、なるほど。
・『ドイツでは違憲主張のコミッショナーが監督しています  Q:先の国会では改正マイナンバー法などの関連法が成立し、利用拡大が進んでいます。 A:法改正をして活用分野を広げていくのは手続き上、問題ありません。もちろん、議論が十分かどうか、マイナ制度を監督する個人情報保護委員会(個情委)がまったく意見を出さないなど、法改正に至るプロセスの問題はあります。今回の改正で〈法律でマイナンバーの利用が認められている事務について、主務省令に規定することで情報連携を可能とする〉と定められたので、省令で情報連携が進んでしまう運用は今後も争点でしょう。 Q:そもそも個人情報の扱いが厳格ではない? (今年3月に最高裁はマイナ制度が合憲だとの判決を出しました。マイナ制度の運用は厳格であるとの判断ですが、個人的には決して厳格とは思いません。例えば、ヨーロッパに目を向けると、ドイツでは納税者番号が15~16年前から使われており、今後、日本の住基ネットのような仕組みが導入される予定です。異なる分野を管轄する行政機関の間で納税者番号を使って情報連携する仕組みが導入されているので、日本のマイナ制度のように、1つの番号にあらゆる情報がひも付く「フラット型」に近づいているとも言えます。ただ、ドイツの場合、納税者番号とどの個人情報がひも付くか、しっかり法律の中で定義されています。一方、日本はマイナンバーとどの個人情報をひも付けるかの定義がなく、ドイツに比べて規律の緩さが目立ちます。ドイツの運用方法が柔軟性に欠くとの批判はあり得ますが、番号制度に対する懸念を払拭する点では参考に値すると思います。) Q:ドイツでは番号に基づく個人情報のネットワーク化は受け入れられている?(ドイツには「連邦データ保護コミッショナー」とも呼ばれる独任制の組織があり、制度を監督しています。日本の個情委に似ていますが、制度への姿勢は異なります。コミッショナーは番号の活用を違憲だと主張しており、学術レベルでも意見が割れています。今後、違憲訴訟になると思います。ドイツでは「これは違憲だ」と主張している機関が制度を監督するので、制度運用に対する厳格さは担保されています。コミッショナーは批判するのが仕事という側面もあり、「違憲だ」との主張はある種、お決まりの反応ともドイツでは捉えられているほどです』、「ドイツの場合、納税者番号とどの個人情報がひも付くか、しっかり法律の中で定義されています。一方、日本はマイナンバーとどの個人情報をひも付けるかの定義がなく、ドイツに比べて規律の緩さが目立ちます。ドイツの運用方法が柔軟性に欠くとの批判はあり得ますが、番号制度に対する懸念を払拭する点では参考に値すると思います」、「ドイツでは「これは違憲だ」と主張している機関が制度を監督するので、制度運用に対する厳格さは担保されています」、なるほど。
・『制度支える個情委は欧州並みの働きを  Q:公金受取口座が別人のマイナンバーとひも付けられた問題を巡り、個情委は7月にデジタル庁に立ち入り検査しました。 立ち入り検査にまで踏み込んだのは評価できますが、問題の位置付けが個情委らしい。個情委は今回の問題について、マイナンバーやマイナカードを活用したサービスを利用する国民が不安を抱くキッカケになり得る事案の一部として位置付け、立ち入り検査をしている。つまり、立ち入り検査は、我々の個人情報を守るためではなく、マイナ制度やマイナカードの利用拡大を円滑に行うための調査として位置付けられているように見えます。そもそも個情委は、マイナ制度を運用するために立ち上げられた組織。立ち入り検査にしても、マイナ制度を浸透させるための環境整備との印象は拭えません。マイナ制度を支える前提でつくられた組織である以上、個情委としてマイナ制度を批判することは、自らの存在意義を侵食するという意識があるのではないか。その心理は、理解できなくもありませんが、ヨーロッパ並みの第三者機関として期待される役割を果たして欲しい。 Q:個情委の担当大臣は河野デジタル相です。どこまで踏み込んで検査できるでしょうか。 A:保険金の不正請求問題が明るみに出たビッグモーターと対比して考えると、組織の長から情報収集しないという選択肢は考えられません。マイナンバーのひも付けミスとは問題の質は異なりますが、社長以下、役員や現場スタッフ全体を調査するのが普通でしょう。そう考えると、たとえ形式上であっても、所管大臣が調査の対象になるのが当然ではないか。 Q:マイナ制度の運用に関して、個情委も厳しい姿勢を見せ始めた? A:個情委は従来、マイナンバーやマイナカードの利用範囲の拡大などについて、円滑な制度運用のための監督はしても、意見表明は行っていません。個情委には個人情報保護法上は行政機関に命令する権限がないとはいえ、そうした権限がないからこそ、政府に対してざっくばらんに意見を言えばいい。マイナカード利用拡大の懸念に対応して円滑な運用を目指すのは、個情委ではなくデジタル庁や総務省の仕事のはずです。 Q:政府は「国民の不安払拭」と繰り返しています。 A:政府が推し進めているのは、マイナカードの利便性を高める施策ではなく、カード取得は任意にもかかわらず持たない人が不利益を被るような施策です。政府が想定している「不安」は総点検の目的に照らせば、マイナンバーに他人の情報がひも付いている想定外の事態に対するもの。一方、多くの人が感じている不安は来秋に予定されている健康保険証廃止だと思います。ひも付けミスは原因分析や作業環境の改善を図ることによって解消されることを期待しますが、マイナカードを持たない人が不便な思いをする施策の軌道修正が図られない限り、「国民の不安」は払拭できないでしょう。今後、保険証廃止の時期について柔軟性が示されれば、不安払拭につながると思います』、「個情委は従来、マイナンバーやマイナカードの利用範囲の拡大などについて、円滑な制度運用のための監督はしても、意見表明は行っていません。個情委には個人情報保護法上は行政機関に命令する権限がないとはいえ、そうした権限がないからこそ、政府に対してざっくばらんに意見を言えばいい。マイナカード利用拡大の懸念に対応して円滑な運用を目指すのは、個情委ではなくデジタル庁や総務省の仕事のはずです」、「マイナカードを持たない人が不便な思いをする施策の軌道修正が図られない限り、「国民の不安」は払拭できないでしょう。今後、保険証廃止の時期について柔軟性が示されれば、不安払拭につながると思います」、なるほど。

第三に、8月18日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「だから躍起になってマイナンバーカードを作らせようとする…日本を"デジタル後進国"にした本当の原因 民間ではプラスチックのカードは姿を消しつつあるのに」を紹介しよう』、興味深そうだ。
https://president.jp/articles/-/72900?page=1
・『「我が国がデジタル後進国だったことにがく然」  健康保険証とマイナンバーカードを紐付けして「マイナ保険証」に一体化する政府の姿勢がぐらついている。来年秋に現行の健康保険証を廃止するという政府方針に、野党のみならず与党内からも批判の声が上がり、岸田文雄首相はいったん「廃止延期」に含みをもたせるような発言をした。ところが8月4日に開いた記者会見では、不安払拭に努力するとしたうえで、廃止の方針は当面維持する姿勢を示した。なぜ、そこまで健康保険証廃止にこだわるのか。政府のデジタル化が遅れているのは健康保険証のせいなのか。 「なぜデジタル化を急いで進めるのか」。会見で岸田首相自身がこう説明した。 「国民への給付金や各種の支援金における給付の遅れ、感染者情報をファクスで集計することなどによる保健所業務のひっ迫、感染者との接触確認アプリ導入やワクチン接種のシステムにおける混乱。欧米諸国や台湾、シンガポール、インドなどで円滑に進む行政サービスが、我が国では実現できないという現実に直面し、我が国がデジタル後進国だったことにがく然といたしました」』、「「なぜデジタル化を急いで進めるのか」。会見で岸田首相自身がこう説明・・・「国民への給付金や各種の支援金における給付の遅れ、感染者情報をファクスで集計することなどによる保健所業務のひっ迫、感染者との接触確認アプリ導入やワクチン接種のシステムにおける混乱。欧米諸国や台湾、シンガポール、インドなどで円滑に進む行政サービスが、我が国では実現できないという現実に直面し、我が国がデジタル後進国だったことにがく然といたしました」、気付くのが遅過ぎる。
・『なぜ保険証は廃止で免許証は継続なのか  コロナウイルス蔓延下で行政が後手後手に回ったのは間違いない。だが、保険証を廃止してマイナ保険証を普及させれば、こうした問題は解決するのだろうか。様々な個人情報をマイナンバーカードに紐付けて国が一元管理しなければ、そうした行政のデジタル化は進まないのか。 岸田首相はさらにこう語った。 「私たちのふだんの暮らしでは、免許証やパスポートが、身元確認の役目を果たします。では、顔が見えず、成りすましも簡単なオンラインの世界で、身元確認や本人確認をどうするのでしょうか。その役目を担うのが電子証明書を内蔵しているマイナンバーカードです。それゆえに、マイナンバーカードは『デジタル社会のパスポート』と呼ばれています」 ということは、成りすましを防ぐために保険証をマイナ保険証に切り替えようとしているということなのか。マイナンバーカードは「便利だ」から作った方がいい、というのがこれまでの説明ではなかったか。 本人確認というのなら、真っ先に運転免許証やパスポートと一体化すればいい。運転免許証は紐付ける方針だが、免許証は廃止されない方向だ。なぜ保険証は廃止で免許証は存続なのか、岸田首相の説明では分からない。国政選挙の投票所で本人確認に使えば、成りすましは防げる。その方が重要ではないか』、「なぜ保険証は廃止で免許証は存続なのか、岸田首相の説明では分からない」、なるほど。
・『いきなり紐付けようとしたから大混乱が起きている  そもそもマイナンバー、つまり個人番号は日本に在住している人はすでに全員に割り振られている。日本に在住する外国人も番号を持っている。デジタル化の前提である個人番号は全員に行き渡っているのだ。マイナンバーカードを作るかどうかは任意だが、番号は全員が持っているわけだ。 また、銀行口座を開設する際や既存の口座でもマイナンバーの届出が義務付けられている。つまり、マイナンバーと銀行口座は紐付けられている。税務申告でもマイナンバーを提出することになっていて、すでにかなりの個人情報はデジタルでつながっていると考えていい。ではなぜ、健康保険証の紐付けがうまくいかないのか。 問題は、いきなりマイナンバーカードと健康保険証を紐付けようとしたために、大混乱が生じていることだ。もともと健康保険の加入者からマイナンバーの提出を受けて、健康保険組合などがマイナンバーと保険証番号を並列して保有する作業を先行していれば、こんな混乱は起きなかったに違いない』、「もともと健康保険の加入者からマイナンバーの提出を受けて、健康保険組合などがマイナンバーと保険証番号を並列して保有する作業を先行していれば、こんな混乱は起きなかったに違いない」、なるほど。
・『霞が関は「普及率向上」に必死で、本来の目的を見失っている  では、なぜそんなに急いで保険証とカードを紐付ける必要があったのか。岸田首相は会見で「なぜ、マイナカードの早期普及が必要か」と自ら問いを掲げ、こう続けた。「それは、多様な公的サービスをデジタル処理するための公的基盤を欠いていたことが、コロナのときのデジタル敗戦の根本的な原因だったと、政府全体で認識したからです」としている。マイナンバーではなく、カードがないから行政サービスができない、というのだ。 今回の混乱について、岸田首相の側近のひとりは、「マイナンバーカードの普及が目的化してしまったことが、今の混乱につながってしまった」と唇をかむ。霞が関の官僚は「目標」が設定されるとその達成に邁進する傾向がある。美徳ではあるが、一方で本来の目的を履き違えることにつながりかねない。今、総務省やデジタル庁が必死になるのは、マイナンバーカードの「普及率」向上であって、本来の目的であるデジタル化による行政コストの削減ではない。 血税から個人に2万円分のポイントを配ってでもカードを作らせようとした愚策を見てもそれがわかる。クレジットカード会社が入会時にポイントを配るのはカードを作ってもらえばカード会社の利益になるからだ。政府はマイナカードを普及させることで、どうやって2万円を回収しようと考えているのか』、「政府はマイナカードを普及させることで、どうやって2万円を回収しようと考えているのか」、どう考えても合理的な説明は困難だ。
・『通院を「不便」にしてカード取得者を増やす狙い  マイナンバーカードの普及率が焦点であることは、官僚が原稿を用意したであろう岸田首相の会見発言にも表れている。「国民の皆様の御協力によって、8904万枚、普及率は70パーセントを超えています」と胸を張ったのだ。実際には死亡した人の取得枚数もカウントする一方で、人口は最新を使っていたという「粉飾まがい」も表面化した。何しろ普及率を高くすることが大事だからだ。 おそらく、保険証廃止は、マイナンバーカードを普及させるための「切り札」なのだろう。住民票がコンビニで取れるのは便利には違いないが、せいぜい年に何回かの話。市役所に行って取るのと大差ない。ところが病気になるたび、あるいは通院している人なら、月が変わるたびに提示しなければならない健康保険証が廃止されるとなれば、マイナンバーカードを作らざるを得なくなる。つまり、「便利だから」ではなく、「不便になるのは困るから」カードを作る人が出る。政府はそれを狙っているのだろう』、「健康保険証が廃止されるとなれば、マイナンバーカードを作らざるを得なくなる」、「「便利だから」ではなく、「不便になるのは困るから」カードを作る人が出る。政府はそれを狙っているのだろう」、なるほど。
・『2016年に登録した人のカードが有効期限を迎える  ではなぜ、2024年秋に廃止なのか。 実は、現在のマイナンバーカードには有効期限がある。カード発行から10回目の誕生日を過ぎると使えなくなる。カードが発行され始めたのは2016年1月なので、早ければ2025年1月以降、有効期限が来るカードが出始めるわけだ。更新手続きをしなければ無効になるので、当然、普及率に影響する。せっかく2万ポイントを配って普及率を上げたのに、期限が切れて失効する人が増えては、普及率は再び低下し、これまでの努力が水泡に帰す。だから、マイナンバーカードを「絶対に必要なもの」にしてしまおうということではないか。 そもそも、デジタル化の目的は何だったのだろうか。菅義偉氏が首相としてデジタル庁の設置を推し進めた時のキャッチフレーズは「縦割りを打破する」だった。 コロナ下の帰国に際してはワクチン接種証明などを事前に登録する「Visit Japan Web」が作られた。ひとつのアプリで全てが終わり、縦割り打破になるはずだった。ところが、羽田空港の「検疫」ではアプリに表示された「QRコード」を機械で読み取るのではなく、正常に登録されたことを示す「緑色」をずらっと並んだ係員が「目視」するというなかなかのデジタル後進国ぶりが繰り広げられていた。数が少ない機械を通すと長蛇の列になるのを避けるための「現場対応」だったのだろう。今は、接種証明が不要になって、「検疫」システムはアプリから削除された』、「せっかく2万ポイントを配って普及率を上げたのに、期限が切れて失効する人が増えては、普及率は再び低下し、これまでの努力が水泡に帰す。だから、マイナンバーカードを「絶対に必要なもの」にしてしまおうということではないか」、なるほど。
・『入国の手続きですら「ワンストップ」にはならなかった  「税関」では、デジタル申告よりも、機内で書いた手書きの申告書を渡す方が早く手続きを終えられる、という状態が今でも続いている。 帰国時の「入国審査」は独自のデジタル化が進み、パスポートを読み取り機に置いて顔認証するだけでゲートが開くようになった。便利になったが、結局、検疫(厚労省)、税関(国税庁)、入国審査(法務省)という縦割り対応は変わっていない。ひとつのQRコードで一度に全てが終わるというワンストップには結局ならなかったのだ。さらに最近は、農林水産省が所管する動物検疫や植物検疫も厳しくなった。もちろん空港自体は国土交通省だ。日本の役所の縦割りの縮図である国際空港の姿はデジタル化でも一向に変わっていない。 本来は行政の縦割りを打破し、手続きが効率化するはずだった国のデジタル化。それがいつの間にかカードを普及させないとデジタル化は進まないという不思議な話になっている。そうこうする間に、民間ではプラスチックのカードはどんどん姿を消しつつある』、「検疫(厚労省)、税関(国税庁)、入国審査(法務省)という縦割り対応は変わっていない。ひとつのQRコードで一度に全てが終わるというワンストップには結局ならなかったのだ」、「本来は行政の縦割りを打破し、手続きが効率化するはずだった国のデジタル化。それがいつの間にかカードを普及させないとデジタル化は進まないという不思議な話になっている。そうこうする間に、民間ではプラスチックのカードはどんどん姿を消しつつある」、同感である。

第四に、8月27日付け日刊ゲンダイ「厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算”」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/328149
・『集中企画・マイナ狂騒(42)  来秋に予定されている健康保険証の廃止をめぐり、厚労省は24日、廃止がコスト削減につながるとの試算を発表した。試算は社会保障審議会医療保険部会で示されたもので、保険証廃止によって「最大108億円のコスト減になる」との結果を示している。しかし、この試算は「こんなのアリ?」と首をかしげたくなるほど、酷いシロモノだ。 厚労省が出したのは〈保険証の廃止に伴う削減コスト(ごく粗い試算)〉。自営業者らが加入する国民健康保険、会社員とその家族などが加入する被用者保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度について、現行の保険証にかかるコストと、保険証廃止後のコストを比較した。 保険証廃止後は、マイナ保険証を持たない被保険者には「資格確認書」が、マイナ保険証の利用者にはマイナ非対応の医療機関で保険診療を受ける際に必要な「資格情報のお知らせ」が配られる。つまり、廃止後のコストとは、「資格確認書」の発行と、「お知らせ」の送付にかかる手間とカネだ。 試算によれば、マイナ保険証の利用登録率が現在の52%で推移した場合、保険証廃止に伴うコスト減は76億~82億円。利用登録が進んで65~70%に達した場合は、100億~108億円が削減される見込みだという。 しかし、25日の立憲民主党の国対ヒアリングでは、試算の“甘さ”を指摘する声が相次いだ。長妻昭政調会長は「(現行の保険証を)廃止すると、問い合わせや管理など、膨大なヒト・モノ・カネがかかるといわれているが、そのコストが(試算に)入っているのか」と疑問を呈した。 厚労省の担当者は「先生方からコスト試算を早く出すようにというご要請もあり、一定の仮定を置いた上で試算した」と説明。問題なのは、この「一定の仮定」だ。 厚労省は試算の前提として、「資格確認書」の印刷製本費を65円、マイナ保険証と一緒に携行して使う「資格情報のお知らせ」を10円と、異常に安く設定している』、「厚労省は試算の前提として、「資格確認書」の印刷製本費を65円、マイナ保険証と一緒に携行して使う「資格情報のお知らせ」を10円と、異常に安く設定している」、なるほど。
・『コスト削減額を大きく見せるためにムリな「仮定」を設定?  さすがに、長妻氏が「『お知らせ』が10円ということは単なる紙ペラ。本当に紙で配るのか」と問うと、厚労省は「資格確認書より簡易なものになる」と明言を避けた。一方、「『お知らせ』がカードになる可能性もある?」との問いには、「可能性はいろいろあると思います」と否定しなかった。 厚労省は、コスト削減額を大きく見せるために、ムリな「仮定」を設定している疑いが強い。 「お知らせ」はマイナ保険証と一緒に持ち歩くことが想定される。紙だと不便だから、カードのような形式がベターなのは言うまでもない。厚労省の試算が前提にしている「1枚10円」よりも割高になる可能性がある。 問題は単価だけじゃない。厚労省は「お知らせ」を被用者保険の加入者には配らないことを前提にしているのだ。 ヒアリングで山井和則衆院議員が「『お知らせ』が被用者保険の加入者には配られないのはなぜ」とただしたところ、厚労省は「送らない前提で試算したが、政策がそうなるわけではない」と釈明。被用者保険の加入者の大半がマイナ保険証に対応した医療機関に来院しているとして、「それを含めて考えなければいけない」と言い繕った。 「お知らせ」をもらえなければ、マイナ非対応の医療機関で保険医療が受けられない可能性がある。厚労省は「切り捨てるつもりはない」と強弁したが、試算の段階で被用者保険の加入者に「『お知らせ』を配らない」と仮定すること自体、おかしな話ではないか。 改めて山井衆院議員がこう言う。 「試算は他にも問題があります。現行の保険証の発行にかかるコストは235億円と推計されていますが、積算根拠は今のところ不明です。また、マイナ保険証と資格確認書の『ダブル持ち』が認められた要介護高齢者や障害者など『要配慮者』については、約200万人に役所窓口へ来てもらい、資格確認書を申請してもらう計算になります。そうした手間やコストを考えれば、現行の保険証を残しつつデジタル化を進めていく方がいい」 健康保険証を人質に取り、マイナ保険証を無理に普及させようとするから、いろんな綻びが出る。やはり、保険証廃止の撤回しかない』、「そうした手間やコストを考えれば、現行の保険証を残しつつデジタル化を進めていく方がいい」 健康保険証を人質に取り、マイナ保険証を無理に普及させようとするから、いろんな綻びが出る。やはり、保険証廃止の撤回しかない」、その通りだ。 
タグ:マイナンバー制度 (その6)(注目の人 直撃インタビュー 保団連会長が警鐘「保険証廃止を強行すれば閉院ラッシュ 地域医療は崩壊します」、だから躍起になってマイナンバーカードを作らせようとする…日本を"デジタル後進国"にした本当の原因 民間ではプラスチックのカードは姿を消しつつあるのに、厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算) 日刊ゲンダイ「注目の人 直撃インタビュー 保団連会長が警鐘「保険証廃止を強行すれば閉院ラッシュ、地域医療は崩壊します」」 「オンライン資格確認がうまくいかず、患者が列をつくり、時間も手間もかかる。スタッフに対しクレームも出る。医療情報は古い上に、他人の情報かもしれないと考えると診療では怖くて使えない。マイナ保険証はほとんど活用されていないのが実態です」、「必発のトラブルが3つあります・・・1つはマイナ保険証へのひも付けの誤りによる危険です。重大な医療事故につながりかねません。 2つ目は、資格者全員に交付する保険証と違い、マイナ保険証や資格確認書は申請主義なので、どうしても申請漏れや遅れが生じ、保険資格情報の誤りが避けられないことです。3つ目は、オンラインにつきもののシステム障害の発生リスクは当然あります」、なるほど。 「これまでは患者から保険証の提示がない場合、窓口では10割の負担を求め、後で資格が確認できれば、差額を返金し、そうでなければそのまま、という運用をしてきた。病院と患者の間でコンセンサスがあったのです。医従事者と患者の信頼関係まで壊れかねない事態です」、 「マイナ保険証の普及を前提に、資格確認書の交付はごくわずかと想定し、申請に基づいて毎年交付としていました。ところが、人口の半分近くに送付となると、そうはいかない。毎年でなく、保険証に準じた期間にするとか、職権で全件交付という案も浮上しています。これでは、ほとんど保険証と変わりません。保険証を廃止する意味は薄らいでいる」、その通りだ。 「昨年10月のアンケートによると、セキュリティーへの懸念や経済的負担などの理由で15%が「対応できない」と答え、10%が閉院を検討すると回答しました。資格確認システムの導入という、医療とは無関係な理由から病院を閉じるのは、医療従事者にとって忸怩たる思いだと思います。 Q:4月からの義務化による閉院は起きたのですか。 A:全国の地方厚生局に提出された保険医療機関の廃止数を見ると、今年4月は約1100件に上っています。少なくとも昨年5月以降で最多となっています。4月からのオンライン義務化の影響も考えられます。予想以上に大きな影響だ。「マイナ保険証では、機微に富む情報がずさんに扱われ、地域医療の崩壊にもつながりかねない。保険証廃止の撤回に向けて引き続き奮闘します」、その通りだ。 日刊ゲンダイ 實原隆志氏による「マイナひも付けミス「初歩的トラブル続出に驚いた」…情報法の専門家が突きつける数々の課題」 「法的な課題以前の初歩的なトラブルが相次いだことには正直、驚きを禁じ得ませんでした」、なるほど。 「ドイツの場合、納税者番号とどの個人情報がひも付くか、しっかり法律の中で定義されています。一方、日本はマイナンバーとどの個人情報をひも付けるかの定義がなく、ドイツに比べて規律の緩さが目立ちます。ドイツの運用方法が柔軟性に欠くとの批判はあり得ますが、番号制度に対する懸念を払拭する点では参考に値すると思います」、「ドイツでは「これは違憲だ」と主張している機関が制度を監督するので、制度運用に対する厳格さは担保されています」、なるほど。 「個情委は従来、マイナンバーやマイナカードの利用範囲の拡大などについて、円滑な制度運用のための監督はしても、意見表明は行っていません。個情委には個人情報保護法上は行政機関に命令する権限がないとはいえ、そうした権限がないからこそ、政府に対してざっくばらんに意見を言えばいい。マイナカード利用拡大の懸念に対応して円滑な運用を目指すのは、個情委ではなくデジタル庁や総務省の仕事のはずです」、 「マイナカードを持たない人が不便な思いをする施策の軌道修正が図られない限り、「国民の不安」は払拭できないでしょう。今後、保険証廃止の時期について柔軟性が示されれば、不安払拭につながると思います」、なるほど。 PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「だから躍起になってマイナンバーカードを作らせようとする…日本を"デジタル後進国"にした本当の原因 民間ではプラスチックのカードは姿を消しつつあるのに」 「「なぜデジタル化を急いで進めるのか」。会見で岸田首相自身がこう説明・・・「国民への給付金や各種の支援金における給付の遅れ、感染者情報をファクスで集計することなどによる保健所業務のひっ迫、感染者との接触確認アプリ導入やワクチン接種のシステムにおける混乱。 欧米諸国や台湾、シンガポール、インドなどで円滑に進む行政サービスが、我が国では実現できないという現実に直面し、我が国がデジタル後進国だったことにがく然といたしました」、気付くのが遅過ぎる。 「なぜ保険証は廃止で免許証は存続なのか、岸田首相の説明では分からない」、なるほど。 「もともと健康保険の加入者からマイナンバーの提出を受けて、健康保険組合などがマイナンバーと保険証番号を並列して保有する作業を先行していれば、こんな混乱は起きなかったに違いない」、なるほど。 「政府はマイナカードを普及させることで、どうやって2万円を回収しようと考えているのか」、どう考えても合理的な説明は困難だ。 「健康保険証が廃止されるとなれば、マイナンバーカードを作らざるを得なくなる」、「「便利だから」ではなく、「不便になるのは困るから」カードを作る人が出る。政府はそれを狙っているのだろう」、なるほど。 「せっかく2万ポイントを配って普及率を上げたのに、期限が切れて失効する人が増えては、普及率は再び低下し、これまでの努力が水泡に帰す。だから、マイナンバーカードを「絶対に必要なもの」にしてしまおうということではないか」、なるほど。 「検疫(厚労省)、税関(国税庁)、入国審査(法務省)という縦割り対応は変わっていない。ひとつのQRコードで一度に全てが終わるというワンストップには結局ならなかったのだ」、 「本来は行政の縦割りを打破し、手続きが効率化するはずだった国のデジタル化。それがいつの間にかカードを普及させないとデジタル化は進まないという不思議な話になっている。そうこうする間に、民間ではプラスチックのカードはどんどん姿を消しつつある」、同感である。 日刊ゲンダイ「厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算”」 「厚労省は試算の前提として、「資格確認書」の印刷製本費を65円、マイナ保険証と一緒に携行して使う「資格情報のお知らせ」を10円と、異常に安く設定している」、なるほど。 「そうした手間やコストを考えれば、現行の保険証を残しつつデジタル化を進めていく方がいい」 健康保険証を人質に取り、マイナ保険証を無理に普及させようとするから、いろんな綻びが出る。やはり、保険証廃止の撤回しかない」、その通りだ。
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マイナンバー制度(その5)(中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容、「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」) [経済政策]

マイナンバー制度については、本年6月15日に取上げた。今日は、(その5)(中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容、「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」)である。第一、第二の記事は驚きのスクープである。なお、明日もマイナンバー制度を取上げる予定である。

先ずは、7月26日付け現代ビジネスが掲載した年金ジャーナリストの岩瀬達哉氏による「中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112337?imp=0
・『官僚が嘘をついても驚かない時代になってしまった。だが、膨大な数の個人情報が中国に流出した大事件を、彼らは巧妙に隠蔽している。審議会の中で、外で、取材を重ねた筆者がすべてを明かそう』、興味深そうだ。
・『隠蔽され続ける不祥事  「改正マイナンバー法」が成立した6月2日以降も、マイナンバーカードをめぐるトラブルが、立て続けに公表されている。 健康保険証と一体化した「マイナ保険証」に、他人のマイナンバーが登録されていたり、マイナンバーと紐づけた公金受取口座が、他人や家族名義だったケース。 さらには他人の年金の記録が紐づけられ、個人情報が漏洩していたほか、別人の顔写真がカードに貼られていたなど、惨憺たる状況だ。 しかし法案成立後に、それまで隠していたトラブルを一気に公表するのは、霞が関でよく使われる手法である。 法律が成立したあととなれば、うるさく騒がれても痛くもかゆくもない。じっと頭を下げていれば、やり過ごせるというわけだ。 だが、このマイナンバーについて、今回以上に深刻な不祥事が起きているにもかかわらず、事の真相を厚生労働省は隠蔽し続けている。 厚生年金の受給者のマイナンバーや個人情報―そこには年収情報さえ含まれる―が大量に、しかも中国のネット上に流出した事案である』、「厚生年金の受給者のマイナンバーや個人情報―そこには年収情報さえ含まれる―が大量に、しかも中国のネット上に流出した事案」、これは大変なことだ。
・『国会での虚偽答弁の連発  わたしは、旧社会保険庁の杜撰な業務運営によって、5095万件もの年金記録が持ち主不明となった「年金記録問題」が発覚した2007年、社会保険庁を監視する「年金業務・社会保険庁監視等委員会」の委員に任命された。 その後、社保庁を解体し、あらたに日本年金機構を設立するにあたり、同設立委員会の委員に就任。引き続き'21年12月まで日本年金機構を「調査審議」する「社会保障審議会年金事業管理部会」の委員をつとめてきた。 日本年金機構が業務委託した事業者(SAY企画)から、厚生年金受給者のマイナンバーのほか、住所、電話番号などの個人情報、さらには所得情報までが中国のネット上に流出したのは、わたしが年金事業管理部会の委員在任中のことだ。 この流出問題を調査する「検証作業班」が、同管理部会の中に設置された際、わたしも4人の検証委員のひとりとして調査にあたってきた。 「検証作業班」での調査は約1年半におよび、その過程で判明したことは、機構と厚労省年金局が国権の最高機関である国会で、虚偽答弁を繰り返していたという驚くべき事実だった。 日本年金機構と年金局は、「虚構のストーリー」と「欺瞞の論理」で国会を欺き、国民を騙し続けていたのである。その犯罪的行為を、事実をもって集中連載で明らかにしていくことにする。 ただし、委員時代に課せられていた国家公務員法の守秘義務規定は遵守していることをあらかじめお断りしておく。 すべてのはじまりは、'17年12月31日の大晦日だった。 この日、日本年金機構の「法令等違反通報窓口」に2通のメールが届いた』、「日本年金機構と年金局は、「虚構のストーリー」と「欺瞞の論理」で国会を欺き、国民を騙し続けていたのである。その犯罪的行為を、事実をもって集中連載で明らかにしていくことにする」、なるほど。
・『メールの中身は、まさかの…  「最近中国のデータ入力業界では大騒ぎになっております。 『平成30年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書』の大量の個人情報が中国のネットで入力されています。普通の人でも自由に見られています。一画面に受給者氏名、生年月日、電話番号、個人番号(マイナンバー)、配偶者氏名、生年月日、個人番号、配偶者の年間所得の見積額等の情報が自由に見られます。 誰が担当しているかはわかりませんが、国民の大事な個人情報を流出し、自由に見られても良いものでしょうか? ネットからハードコピーを取りましたが、アップできませんでした。残念です。 対策が必要と思います。 宜しくお願い致します」 この23分後、通報者は「念のため、(アップできなかった)ハードコピーの情報を送りいたします(原文ママ)」と前書きしたのち、年金受給者の氏名、マイナンバーなど15項目にわたる個人情報を書き写した2通目のメールを送信している。 ここで通報者が言っている「平成30年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」というのは、年金の受給者が日本年金機構に提出した確定申告書類の一種である。 '17年に大幅な税制改正があったため、日本年金機構では翌年の厚生年金から所得税などを源泉徴収する「税額計算プログラム」を作り直す必要があった。そこで、厚生年金の受給者約3506万人のうち、課税が免除されている障害年金や遺族年金などの受給者を除いた約770万人にプログラムの作成に欠かせない「扶養親族等申告書」を送付し、指定のとおり記入したうえ返送するよう求めていた。 返送された「申告書」は、機構が業務委託契約を結んだSAY企画がプログラムへの入力をおこなうはずだった。ところがその業務を、中国のデータ処理会社に再委託していたのである(再委託の件数は、約501万件とされる)。 SAY企画による中国への再委託が発覚後、一連の処理に従事していた機構の梅林芳生・給付業務調整室長は、わたしに言った。 「1月4日の仕事はじめの日に、このメールのことを知って、たいへんな事態だというのですぐに動き出した」 そう、「通報メール」に記載されていたのは、すべて実在する年金受給者の正しい個人情報であった』、「厚生年金から所得税などを源泉徴収する「税額計算プログラム」を作り直す必要があった。そこで、厚生年金の受給者約3506万人のうち、課税が免除されている障害年金や遺族年金などの受給者を除いた約770万人にプログラムの作成に欠かせない「扶養親族等申告書」を送付し、指定のとおり記入したうえ返送するよう求めていた。 返送された「申告書」は、機構が業務委託契約を結んだSAY企画がプログラムへの入力をおこなうはずだった。ところがその業務を、中国のデータ処理会社に再委託していたのである(再委託の件数は、約501万件とされる)、なるほど。
・『特別監査の実施と事件の露呈  それを確認するや、このメールを印刷したペーパーには「取扱厳重注意」と「配付者限り」のスタンプが押され、日本年金機構の水島藤一郎理事長に報告されている。 その後の水島理事長と年金局の動きは、メールの隠蔽と都合のよい説明を作りだすための工作に費やされている。順を追って見ていくことにしよう。 '18年1月5日に水島理事長は、年金局と今後の対応策を協議。翌6日の土曜日には、抜き打ちでSAY企画への特別監査を実施した。 この時、SAY企画の切田精一社長は、契約に違反して中国大連市のデータ処理会社(大連信興信息技術有限公司)に「申告書」の入力作業を再委託していたと、あっさり認めている。 「申告書」の入力業務は個人情報を取り扱うため、機構では再委託を禁止している。にもかかわらず無断で、しかもよりによって中国への再委託をおこなっていたことに、水島理事長と年金局の幹部たちは震え上がったはずである。 特別監査から4日後の1月10日には、「機構の情報セキュリティー対策」を担当している日本IBMに依頼し、SAY企画へのさらなる立ち入り調査を実施。作業室やサーバー室などのシステム面を調べあげたのち、駆け足ながら2泊3日で中国の再委託先をも訪問させていた。 大晦日の「通報メール」から約3ヵ月後の、'18年3月20日、機構は謝罪会見を開き、SAY企画が「申告書」を中国に再委託するという不正を働いていたと公表した。 この謝罪内容を、政党機関紙の「しんぶん赤旗」が前日の19日にスクープし、NHKと共同通信も示し合わせたかのように報じたため、20日の朝から国会は混乱した。 「申告書」が中国に再委託されていたことを知って、年金受給者の個人情報が流出したのではないかと心配する国会議員の質問があいついだからだ』、「SAY企画の切田精一社長は、契約に違反して中国大連市のデータ処理会社(大連信興信息技術有限公司)に「申告書」の入力作業を再委託していたと、あっさり認めている。 「申告書」の入力業務は個人情報を取り扱うため、機構では再委託を禁止している。にもかかわらず無断で、しかもよりによって中国への再委託をおこなっていたことに、水島理事長と年金局の幹部たちは震え上がったはずである。 特別監査から4日後の1月10日には・・・日本IBMに依頼し、SAY企画へのさらなる立ち入り調査を実施。作業室やサーバー室などのシステム面を調べあげたのち、駆け足ながら2泊3日で中国の再委託先をも訪問させていた」、「大晦日の「通報メール」から約3ヵ月後の、'18年3月20日、機構は謝罪会見を開き、SAY企画が「申告書」を中国に再委託するという不正を働いていたと公表した」、なるほど。
・『なぜ氏名だけを切り出したのか  約10日間にわたった衆参両院での集中審議で、水島理事長は終始落ち着いた調子で答えている。 「中国の業者の監査をIBMとともに行っております。その結果でございますが、委託をしておりました内容は、いわゆる切り出しました氏名の入力でございました。加えまして、調査をいたしました結果、個人情報等の流出のおそれはないというふうに判断しております」(参議院予算委員会・3月20日) 厚労大臣官房の高橋俊之年金管理審議官もこう断言した。 「SAY企画は、入力業務の再委託を行っておりました。しかし委託した業務の中には、マイナンバーでございますとか住所でございますとか、さまざまな所得額でございますとか、そういうものは一切含んでいないものでございます」(衆議院総務委員会・3月22日) 彼らがこの日までに練り上げていたシナリオは、SAY企画が中国に再委託していたのは「申告書」そのものではなく、そこから切り出した「氏名とフリガナ」だけであり、年金受給者の個人情報もマイナンバーも流出していないというものだった。 ではなぜ、氏名だけを切り出したのか。 この質問を待っていた水島理事長は、滔々と述べている。 「SAY企画に確認をいたしましたところ、氏名の入力については、OCR(光学式文字読み取り装置)の読み取り精度が低いことから、これを補完するため再委託を実施したということであります。 そのため、入力作業に必要となる申告書の漢字氏名及び仮名氏名部分を、トリミングと言っておりますが、切り取った画像を再委託事業者に提供していたということでございます」(衆議院厚生労働委員会・3月28日) 「申告書」は先にも触れたように、「税額計算プログラム」を作成するための基礎資料である。 契約では、SAY企画が雇用したオペレーターが、記載された個人情報やマイナンバーを手打ちで入力し、プログラム化することになっていた。 ところがSAY企画は、オペレーターではなく、OCRを使って記載内容を読み取らせ、プログラムに流し込んでいた。 ただ、「氏名とフリガナ」だけがOCRで正確に読み取れなかったので、この部分だけを切り取って、中国に送り、向こうで入力させていたというのが、水島理事長の説明だ。 これが事実なら、個人情報は流出していないことになる。 しかし水島理事長の、この国会答弁は完全な虚偽である。なぜ筆者は、この答弁が完全な虚偽だと断言できるのか。その真相を、『 「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」』で明かそう』、「「氏名とフリガナ」だけがOCRで正確に読み取れなかったので、この部分だけを切り取って、中国に送り、向こうで入力させていたというのが、水島理事長の説明だ。 これが事実なら、個人情報は流出していないことになる。 しかし水島理事長の、この国会答弁は完全な虚偽である」、次に「「虚飾のストーリー」を見てみよう。

次に、7月26日付け現代ビジネスが掲載した年金ジャーナリストの岩瀬達哉氏による「「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112340?imp=0
・『手続き上の問題が続出するマイナンバーだが、個人情報が漏れさえしなければ…という向きもあった。ところがそれは淡い願望に過ぎなかった。前編記事『中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容』では、日本年金機構の委託業者から中国のネット上に個人情報が流出した経緯、それを隠そうとする日本年金機構や厚生労働省の対応の顛末を報じた。彼らが隠していることを、本記事でさらに浮き彫りにしよう』、興味深そうだ。
・『理事長のウソ  まさか、国会で堂々と嘘を述べるなど、誰も想像すらできない。個人情報の流出をなかったことにしたかった、機構と年金局のひねり出した「虚構のストーリー」が、この説明だった。 では、なぜ、水島(藤一郎日本年金機構)理事長の説明が虚偽と断言できるのか。 「税額計算プログラム」の作成プロセスを検証すれば、機構と年金局の「虚構のストーリー」を簡単に見抜くことができる。 「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の用紙。氏名やフリガナはもともと印字されている 上の写真の「申告書」には、あらかじめ機構が保有する前年の個人情報が一人ひとり印刷されている。当然、「氏名とフリガナ」も、大きなゴチック体で印刷されているのである。 受け取った年金受給者は、それら印刷内容に誤りや漏れがないかをチェックし、訂正や追加すべき事項があれば、指定の箇所に手書きで補正し、機構に送り返す。 たとえば生年月日が間違っていれば、二重線で消したのち、余白部分に正しい生年月日を記入するのだが、この余白の幅は、わずか5mm程度でしかない。 また、配偶者や扶養している親族に障害がある場合、「申告書」の裏面に設けられた「摘要欄」に必要事項を手書きで記入することになっている。 「記入の具体例」は、次のように記入するよう求めている。 「年金陽子は、身体障害者手帳(平成22年4月1日交付、2級)」 さらに別居している場合は、「年金陽子の住所は、東京都〇〇市△△ 〇丁目×番〇号」と記入するのである。 この「摘要欄」のスペースも「タテ2cm×ヨコ11cm」と限られていて、人によっては、びっしり手書き文字で埋まってしまう。 先の水島理事長の国会答弁は、ゴチック体の活字で大きくきれいに印刷された「氏名とフリガナ」のみが読み取れなかったとするものだ。ということは、わずか5mm程度の余白に訂正した数字や、「摘要欄」に「小さな手書き文字」で書き込まれたさまざまな個人情報は、OCRで正確に読み取れたことになる。 逆ならわかるが、ありえない話である。 百歩譲って、水島理事長が答弁したとおり、OCRでこれら手書きの文字が読み取れていたとしても、それだけではまだプログラムは作成できない。 プログラムの作成には、機構の「入力コード」を使い、厳格に定められた「入力位置」を守らなければならないからだ』、「個人情報の流出をなかったことにしたかった、機構と年金局のひねり出した「虚構のストーリー」が、この説明」、なるほど。
・『さらなる複雑な入力作業  上の図で示したように、平成30年の「申告書」の場合、プログラムの先頭には、まず「730」と入力することになっている。この数字は、「申告書」には記載されていないため、オペレーターによる手入力が必須となる。 ちなみに「7」は平成をあらわす入力コードで、「730」は平成30年の「申告書」であることを示している。 続けて「基礎年金番号」「年金コード」などの4項目の入力位置が設定されているが、この4項目は「入力不要項目」として、機構で処理することになっている。そのため、オペレーターは、空欄を意味するコンマを4つ打ち込むのである。 さらにこの4つの「入力不要項目」のあとに、「年金証書記号暗号番号」や「生年月日」などを入力するのだが、OCRで読み取っていたとしても、その数字をただ流し込めばいいというわけではない。 たとえば大正10年10月28日生まれの人は、機構の定めた「入力コード」に従い「3101028」と入力しなければならない。先頭の「3」は大正を示す「入力コード」で、昭和生まれは「5」、平成生まれは「7」を、それぞれの生年月日の先頭に配置するのが、プログラム作成のルールである。 このあとに続く、電話番号や申告書コードも「入力不要項目」として、コンマのみの入力となる。上の図で見ると、「申告書」の該当年である「730」(1)から10項目めに、はじめて配偶者のフリガナと漢字氏名を入力するのだが、前者は「半角文字」、後者は「全角文字」で打ち分けなければならない。 まして「摘要欄」に手書きで記入された住所と他の情報は、分離したうえ、住所は「住所欄」に、その他の情報は「扶養親族摘要欄」に別々に流し込まなければならない。 このような複雑な作業は、オペレーターが「申告書」の内容をひとつひとつ視認しながら入力しないことにはできないのである』、そんな高度な操作が「オペレーター」に出来るのだろうか。
・『「ソフトは廃棄された」  それでもなお、OCRでこの複雑な作業をこなしていたとするなら、少なくともOCRで読み込んだ数字を「入力コード」に転換するソフトや、入力不要項目をコンマに置き換えたり、その他の個人情報をプログラムの指定位置に正確に流し込める、複数のソフトが開発されていなければならない。 「税額計算プログラム」の担当部署である給付業務調整室の給付企画グループは、そんなソフトは確認していないと述べたあと、口を滑らしたことに気づいてか、慌ててこう弁解した。 「OCRで読み取らせていたとすれば、僕らが理解してないだけで、そういうプログラムを作ったんじゃないかと思います」 また、年金局の事業企画課の担当者は、SAY企画に特別監査で入った時には、すでにソフトは廃棄されていて、どのようなソフトだったかわからないと述べた。そして、下を向いたまま押し黙ってしまった。 存在しないソフトの確認などできない以上、苦し紛れに、こう語るしかなかったのだろう』、「年金局の事業企画課の担当者は、SAY企画に特別監査で入った時には、すでにソフトは廃棄されていて、どのようなソフトだったかわからないと述べた」、年金局も関与した証拠隠滅工作のようで、悪質極まる。
・『すべてのデータが流出  では、SAY企画は、何を中国に再委託していたのか。 「氏名とフリガナ」を切り出すソフトの存在すら示すことができないうえ、OCRで読み取ったとする多種多様な個人情報やマイナンバーを、プログラムの指定された位置に正確に流し込むことが不可能な以上、行きつく合理的結論はひとつしかない。 SAY企画は、「申告書」をスキャナーで画像データ化したのち、それをそっくりそのまま中国に丸投げしていたことになる。 この恐ろしい事実を隠蔽するため、「氏名とフリガナ」だけを切り出し、中国に送っていたという「虚構のストーリー」を捻り出していたわけだ。 国会での集中審議が一段落したあと、機構の理事長室を訪ねたわたしに、水島理事長はこう零していた。 「今回の件は、厚労省から機構に出向で来ているキャリアが悪い。彼らは、実務を知らないのでまともな判断ができない。機構のプロパー職員で、この業務の責任者であった福井隆昭(給付業務調整室長)の違反行為を、彼らは誰ひとりチェックできていない。 それをいいことに福井は、SAY企画の契約違反を承知で、業務開始のOKを出した。これは犯罪行為だ。福井には厳しく対応する。降格させる」 このあと、わたしは年金局の事業企画課に、福井室長へのヒアリングをセットするよう何度も要請したが実現しなかった。福井室長はまだ定年という年齢ではなかったが、'18年7月31日付で退職してしまったからだ』、「行きつく合理的結論はひとつしかない。 SAY企画は、「申告書」をスキャナーで画像データ化したのち、それをそっくりそのまま中国に丸投げしていたことになる。 この恐ろしい事実を隠蔽するため、「氏名とフリガナ」だけを切り出し、中国に送っていたという「虚構のストーリー」を捻り出していたわけだ」、「年金局の事業企画課に、福井室長へのヒアリングをセットするよう何度も要請したが実現しなかった。福井室長はまだ定年という年齢ではなかったが、'18年7月31日付で退職してしまったからだ」、ここまでやるかと驚くほど悪質な偽装工作だ。しかも、責任者を早期退職させるとは手は込んでいる。
・『果たすべき理事長の責務  先の理事長室での会話から約1週間後、水島理事長はわたしの携帯に電話をかけてきて、こう言った。 「昨日までは、まったく動けなかったが、今日は家で仮眠し、これから出かけるところだ。うしろから銃で撃たれてはたまらない。しかし冥土のみやげのつもりで頑張る」 いまにして思えば、国会で嘘をつき続けるという宣言であったのだろう。ある意味、気の毒な役回りを押し付けられていたわけだが、それを引き受けたということは、コンプライアンス意識を捨て去ったということでもある。 日本年金機構のトップの務めは、事案を正確に公表し、国民への注意喚起をはかり、制度への信頼性を高めるものでなければならない。 その義務を果たすことなく、年金官僚たちの保身と小心の手助けをしたことの罪は重い。まさに犯罪行為そのものだろう。 水島理事長は、このまま知らん顔を決め込み、頬かむりを続けるつもりなのか。 自宅を訪ね、何か言い分があれば伺うと伝えたものの、過去の虚偽答弁を繰り返すだけだった。(機構職員や年金局の官僚たちの役職は当時のままとした)』、「日本年金機構のトップの務めは、事案を正確に公表し、国民への注意喚起をはかり、制度への信頼性を高めるものでなければならない。 その義務を果たすことなく、年金官僚たちの保身と小心の手助けをしたことの罪は重い。まさに犯罪行為そのものだろう」、同感である。 
タグ:マイナンバー制度 (その5)(中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容、「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」) 現代ビジネス 岩瀬達哉氏による「中国にマイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容」 「厚生年金の受給者のマイナンバーや個人情報―そこには年収情報さえ含まれる―が大量に、しかも中国のネット上に流出した事案」、これは大変なことだ。 「日本年金機構と年金局は、「虚構のストーリー」と「欺瞞の論理」で国会を欺き、国民を騙し続けていたのである。その犯罪的行為を、事実をもって集中連載で明らかにしていくことにする」、なるほど。 「厚生年金から所得税などを源泉徴収する「税額計算プログラム」を作り直す必要があった。そこで、厚生年金の受給者約3506万人のうち、課税が免除されている障害年金や遺族年金などの受給者を除いた約770万人にプログラムの作成に欠かせない「扶養親族等申告書」を送付し、指定のとおり記入したうえ返送するよう求めていた。 返送された「申告書」は、機構が業務委託契約を結んだSAY企画がプログラムへの入力をおこなうはずだった。ところがその業務を、中国のデータ処理会社に再委託していたのである(再委託の件数は、約501万件とさ 「SAY企画の切田精一社長は、契約に違反して中国大連市のデータ処理会社(大連信興信息技術有限公司)に「申告書」の入力作業を再委託していたと、あっさり認めている。 「申告書」の入力業務は個人情報を取り扱うため、機構では再委託を禁止している。にもかかわらず無断で、しかもよりによって中国への再委託をおこなっていたことに、水島理事長と年金局の幹部たちは震え上がったはずである。 特別監査から4日後の1月10日には・・・日本IBMに依頼し、SAY企画へのさらなる立ち入り調査を実施。作業室やサーバー室などのシステム面を調べあげたのち、駆け足ながら2泊3日で中国の再委託先をも訪問させていた」、「大晦日の「通報メール」から約3ヵ月後の、'18年3月20日、機構は謝罪会見を開き、SAY企画が「申告書」を中国に再委託するという不正を働いていたと公表した」、なるほど。 「「氏名とフリガナ」だけがOCRで正確に読み取れなかったので、この部分だけを切り取って、中国に送り、向こうで入力させていたというのが、水島理事長の説明だ。 これが事実なら、個人情報は流出していないことになる。 しかし水島理事長の、この国会答弁は完全な虚偽である」、次に「「虚飾のストーリー」を見てみよう。 岩瀬達哉氏による「「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」」 「個人情報の流出をなかったことにしたかった、機構と年金局のひねり出した「虚構のストーリー」が、この説明」、なるほど。 そんな高度な操作が「オペレーター」に出来るのだろうか。 「年金局の事業企画課の担当者は、SAY企画に特別監査で入った時には、すでにソフトは廃棄されていて、どのようなソフトだったかわからないと述べた」、年金局も関与した証拠隠滅工作のようで、悪質極まる。 「行きつく合理的結論はひとつしかない。 SAY企画は、「申告書」をスキャナーで画像データ化したのち、それをそっくりそのまま中国に丸投げしていたことになる。 この恐ろしい事実を隠蔽するため、「氏名とフリガナ」だけを切り出し、中国に送っていたという「虚構のストーリー」を捻り出していたわけだ」、 「年金局の事業企画課に、福井室長へのヒアリングをセットするよう何度も要請したが実現しなかった。福井室長はまだ定年という年齢ではなかったが、'18年7月31日付で退職してしまったからだ」、ここまでやるかと驚くほど悪質な偽装工作だ。しかも、責任者を早期退職させるとは手は込んでいる。 「日本年金機構のトップの務めは、事案を正確に公表し、国民への注意喚起をはかり、制度への信頼性を高めるものでなければならない。 その義務を果たすことなく、年金官僚たちの保身と小心の手助けをしたことの罪は重い。まさに犯罪行為そのものだろう」、同感である。
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エネルギー(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ) [産業動向]

エネルギーについては、本年5月21日に取上げた。今日は、(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ)である。

先ずは、本年8月5日付け文春オンライン「特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/64865
・『8月4日、東京地検特捜部は、自民党の秋本真利外務大臣政務官(47)に風力発電会社「日本風力開発」から不透明な資金提供を受けていた疑いがあるとして、衆議院第一議員会館内にある秋本氏の事務所に家宅捜索に入った。同日、秋本氏は外務政務官を辞任した。 秋本氏を巡っては、これまで「週刊文春」が複数の疑惑を報じてきた。当時の「週刊文春」のスクープ速報を公開する。(初出:週刊文春 2023年3月9日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま) 秘書給与法違反の疑いが浮上している秋本真利・外務大臣政務官(47)が、国会での“想定質問”を、外務官僚である事務秘書官に作成させていた疑いが強いことが、「週刊文春」の取材でわかった。“想定質問”を添付した事務秘書官から秋本氏へのメールを入手した。自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声が上がりそうだ』、「自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声」、確かにやり過ぎだ。
・『「週刊文春」が入手した事務秘書官のメール  秋本氏は2012年に千葉9区から初当選し、現在、当選4回。昨年8月の内閣改造で、外務大臣政務官に就任した。再生可能エネルギー事業の推進に熱心で、河野太郎デジタル相の最側近としても知られている。 「週刊文春」2月2日発売号では、秋本氏の地元事務所が無許可で市街化調整区域内に建築され、違法状態にあった旨を報道。「週刊文春」2月9日発売号では、再生可能エネルギー企業関係者からの献金を巡って国会で虚偽答弁をした疑いを報じた(秋本氏は「法的には何ら問題ない」などとしている)。 さらに「週刊文春」2月16日発売号で報じたのが、秘書給与法違反疑惑だ。政策秘書・小林亞樹氏と私設秘書・C氏の個人会社が締結した業務委託契約書などを基に、本来は事務所が負担すべきC氏の給与を、小林氏の給与から支払わせていた疑いを指摘。秋本氏は「秘書給与法違反には当たらない」などとしている。この取材の過程で「週刊文春」は2月13日、秋本事務所に事実確認を求める質問状を送付し、同日夜までに一定の回答を得ていた。 「週刊文春」が入手したのは、外務省の若手官僚でもある事務秘書官のM氏が秋本政務官宛に送付したメールだ。送信日時は2月14日夕方5時44分。メールの件名は〈想定される問〉。以下のような文面が記されていた。 〈当方にご依頼いただいておりました想定される問を別添いたします。限定された省内関係者で想起したものとなります〉』、「事務秘書官のM氏」は有能でよくわきまえた人物のようだ。
・『国会答弁に備え“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑い  そして、〈別添〉されたワードファイルには、次のような文言が列挙されていた。 〈問 2021年5月に政策秘書として採用した小林亞樹氏の勤務実態如何。勤務実態のない政策秘書を雇用しているのではないか。〉 〈問 本来秋本事務所が負担すべき、C氏(編集部註・原文は本名)の給与を、小林氏に肩代わりさせていたのではないか。これは秘書給与法21条の3(寄付の要求)に違反するのではないか。〉 〈問〉の数は24問に及ぶ。秋本氏は2月2日、2月3日、2月9日、2月13日と毎週のように国会で自身の疑惑を追及されていた。それだけに、近く秘書給与法違反疑惑についても問われることを予期したのだろう。つまり、国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか』、「国会答弁に備え、24問もの“想定質問”を外務官僚に作らせていた疑いが強いのだ。実際、2月17日の国会では野党議員から“想定質問”通り、小林氏の勤務実態や秘書給与の肩代わり疑惑などを問う質問が出て、秋本氏は「C氏はB氏(小林氏)が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方」などとする答弁を繰り返した。 だが、秘書給与の疑惑は外務省の政策とは全く関係のない秋本氏の政務にかかわる問題だ。にもかかわらず、事務秘書官に“想定質問”を作成させることは適切なのか」、「秋本氏」の秘書使いは余りに酷い。
・『「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提」  元総務官僚で政策コンサルタントの室伏謙一氏はこう指摘する。 「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」 秘書官経験者も言う。 「森友問題のような行政が関わる疑惑なら別ですが、政務案件に事務秘書官はタッチしないものです」 外務省が省ぐるみで、秋本政務官のスキャンダル対応にあたったのは事実なのか。林芳正外相ならびに外務省にM氏が送付したメールについて見解を尋ねたところ、揃って以下のような回答があった』、「「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」」、その通りだ。
・『「外務省として一定程度の関与が発生することは自然なこと」  「御指摘の事実関係を当方で確認することはできませんが、一般論として申し上げれば、国会において秋本政務官が答弁する際は、外務大臣政務官としての身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省として一定程度の関与が発生することは自然なことだろうと理解しております。 なお、当然ながら、事務方の関与いかんに関わらず、答弁は最終的にはあくまでも秋本政務官自身が政治家としての責任においてされてきているものと承知しております」 一方、秋本事務所は事実確認に対し、次のように回答した。「政務に関わることについては、公務に支障がないよう極力事務所スタッフなどで対応しているところであり、国会答弁の準備は事務所スタッフなどが主体となって準備をしているところです。なお国会において答弁する際は、外務大臣政務官の身分において質問を受け、答弁を行うことになる以上、その準備に際して外務省の一定程度の関与が発生することはあります」 ロシアや北朝鮮の問題など、岸田政権において外交課題は山積している。とりわけ北朝鮮を巡っては、同国が2月8日に軍事パレードを開き、緊張が高まる中、2月18日に発射されたミサイルが日本の排他的経済水域内に落下。これを受け、秋本氏もNSC(国家安全保障会議)で岸田文雄首相らと協議をするなど、外務政務官として対応に追われる状況だった。そうした最中、本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる。こうした外務政務官としての秋本氏の振る舞いについてどのように説明するのか、岸田首相や林外相の対応が注目される。 3月1日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および3月2日(木)発売の「週刊文春」では、秘書給与法違反を巡るより詳しい“想定問答”の中身や、M氏との一問一答などについても報じている』、「本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる」、どうみてもやらせ過ぎだ。

次に、8月8日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/114447?imp=0
・『追及はどこまで広がるのか?:今月末には逮捕の見通し  洋上風力発電の開発地域を巡る入札ルールが国民負担の増大を懸念させる形に変更された問題に関連して、東京地検特捜部は先週金曜日(8月4日)、外務政務官の秋本真利・衆議院議員(自民党、千葉選出)の事務所や自宅の強制捜査に踏み切った。強制捜査を受けて、秋本議員は同日中に外務政務官を辞任するとともに、翌5日には自民党を離党した。 疑惑の核心とされているのは、秋田県沖の2カ所と千葉県沖の合計3カ所を対象にした、一連の入札の第一ラウンドで三菱商事が3カ所を総取りしたことを受けて、当時、すでに別の場所を対象にした第2ラウンドの入札が公示され、手続きが始まっていたにもかかわらず、秋本氏が国会での質疑を通じて入札ルールの見直しを迫り、この第2ラウンドから価格競争を働きにくくした問題の背景だ。 国民経済的には、明らかに電気代を高止まりさせかねない反消費者的な行為だったが、秋本氏は日本風力開発など再エネベンチャーが有利になるようルール変更を迫っていた。そして、当局はこの秋本氏の行動の裏に贈収賄罪にあたる行為があったと判断したというのである。筆者が取材したところ、早ければ、秋本議員は秋の臨時国会召集前の今月末にも正式に逮捕される見通しだ。 その一方で、秋本議員の役回りは国会質問などを通じて、この異例の入札ルールの変更の端緒を作ったことに過ぎない。実際の変更は、自民党の総理経験者や当時の閣僚の意向があって実現に漕ぎ着けたとされており、当局の追及の手がどこまで広がっていくのかが事件の焦点となっている。 洋上風力発電は、その名の通り、海上に大型風車を設置して行う発電だ。日本は国土が広くない島国で風力発電に適した陸地が限られる半面、海上には強い風が吹く地域も多い。 ところが、過去20年あまり、大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった』、「大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった」、その通りだ。
・『再エネベンチャーの動き  対照的に、北海など欧州北部では早くから開発・普及が進み、劇的な発電コストの引き下げ競争が進んでいた。中国もこうした動向に着目、近年では沿岸部の開発が猛烈な勢いで行われてきた。 そこで、日本はキャッチアップを目指し、「洋上風力発電利用促進法」を2018年に経済産業省と国土交通省が所管で制定。 今回焦点の洋上風力発電を巡る入札は、同法の「促進区域」で発電を行う開発業者の地位を巡るものだ。一般に、発電所は迷惑施設で、その建設には環境アセスメントで複雑かつ時間のかかる手続きが求められる。が、カーボンニュートラル(脱炭素)が世界共通の課題で再エネの普及が急務となっていることから、同法の促進地域の事業は国が手続きを代行するなどの形で迅速な事業開始を後押しする策になっている。 注目の第1ラウンドの入札結果が2021年暮れに明らかになった際、参入を目論んでいた大手電力会社や総合商社、エネルギー企業、再エネベンチャーなどの間に衝撃が走った。というのは、この業界ではそれまで伏兵と見られていた三菱商事が率いる企業連合が3地域すべてで2番札に1kWhあたり5円以上の大差をつける発電価格の低さや「地域貢献」での評価の高さを武器に3カ所すべてを総取りしたからだ。特に、発電価格の安さは、長年、固定価格買取制度(FIT)による政府支援漬けに慣れ切った再エネベンチャーにはとても対抗できないものだった。 実は、これでも、当時の欧州など海外の標準的価格に比べて1kWhあたり4~8.5円程度高かったのは事実だ。筆者は本コラムで2022年の1月から6月にかけて3回、一連の問題を執筆しているので、詳細はそちらを参照してほしいが、「カーボンニュートラル時代の国際競争力を支える発電価格として考えれば、まだまだコスト削減努力を期待したい水準だ」と論評した。 しかし、新聞やテレビの報道によると、秋本議員に2021年10月から今年6月までに約3000万円の資金提供を行ったとされ、すでに当局から任意で社長の塚脇正幸氏が事情聴取を受けたという日本風力開発(報道によると、塚脇氏の弁護人は、資金提供について、同氏と秋本氏が所属する馬主組合への資金提供であり、秋本氏個人への賄賂ではないと反論している)のほか、再エネ大手のレノバといった企業が当時、政治家や官僚の間を陳情に奔走したり、政府の審議会で自社の主張を展開したり、関係の深い学者を動員してルール見直しを迫ったりしたことは、幅広く知られている。 当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた』、「当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた」、なるほど。
・『結論ありきの茶番  ところが、秋本議員は2022年2月17日の衆議院予算委員会第七分科会で、当時の荻生田光一経済産業大臣に「今公示している二回目の公募から評価の仕方というのをちょっと見直していただきたい」「(落札した企業の洋上風力発電所の)運転開始時期が見えない」などと迫った。 そして、同大臣から「運転開始時期を明確にルールを決めて競争していただいた方が、それは評価もしやすくなると私も思います」という答弁を引き出し、価格がほとんど決め手にならない形への入札ルールの見直しの実現に繋げたのだ。もちろん、自民党内の議員連盟などの会合で、秋本氏の同僚議員や閣僚経験者らが騒いだことも、ルール見直しを勢い付かせた。 そして、最後に見直し案にお墨付きを与えたのは、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会」の下部組織「省エネルギー・新エネルギー分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 洋上風力促進ワーキンググループ」と、国土交通省の「交通政策審議会」の下部組織「港湾分科会 環境部会 洋上風力促進小委員会」の合同会議だ。委員からは、最後まで「(新たなルールは)法制定時や運用方針の閣議決定時に想定しておらず、矛盾する」「(事業開始の迅速性の)高い配点については配慮が必要」など、様々な反対意見が出た。が、両省の意向を受けた座長らが押し切った。合同審議会やその後の両省によるパブリックコメント募集は、政治家たちの強い意向を受け、結論ありきの茶番に過ぎなかったのだ。 ちなみに、前述のレノバについては、ルール見直しに向けて奔走した一人とされ、当時、取締役会長だった千本倖生氏(現名誉会長。KDDI副社長などを歴任)が、<政、官界に厚い人脈を持つことで知られ、今回も精力的にロビイングに歩く姿が目撃されていた>と、筆者は当時の本コラムに書いた。 実は、この時の取材段階では、千本氏がある総理経験者を訪ねている事実について質したところ、千本氏は「その方とは以前から懇意にしていただいており、その面談の目的は洋上風力発電の入札ルール見直しではない」と言い、陳情はしていないと否定していた。) いずれにせよ、後出しじゃんけんのような第2ランドからの入札ルールの見直しで、せっかく始まりかけた日本の洋上風力発電の価格競争は大きく阻害されかねない状況になっている。 すでに第2ラウンドの札入れは完了しており、結果の公表は今年の年末になる見通しだが、企業の経営コストの押し上げ、家計の負担を増すものとして看過できない見直しだった。 今回の秋本議員への強制捜査では、資金提供額がすでに報じられている約3000万円だけなのか。日本風力開発以外には、資金提供者はいないのか。秋本氏については、立憲民主党の源馬謙太郎衆議院議員が今年2月の衆議院予算委員会で、レノバ株の売買をしている事実を突き付けて詳細の説明を求めたものの、秋本氏は「国土交通大臣政務官の在任中に株式の取引は行っておりません。その上で、政府の役職にない一議員が株取引を行うことは適法でございます」と繰り返すばかりで、明確な回答を拒んだこともあり、なぜ、レノバ株に投資したのかの追及も欠かせない。 また、秋本氏と同様に、自民党の党内世論作りに動いた議員や閣僚、総理経験者に賄賂性のある資金提供を受けた者はいないのか、も大きな焦点になる。 本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである。国民が負担させられる金額は天文学的なものになるからだ。 しかし、その裏に贈収賄という犯罪があるというのならば、その追及も国民にとっては見逃せない関心事だ。その意味で、まずは捜査の行方をしっかりと見守りたい』、「本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである」、その通りだ。

第三に、8月23日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/115174?imp=0
・『補助がなければ「210円」だった  ガソリンの小売価格が1リットルあたり180円を突破した。このままでは1リットルあたり200円に到達する可能性も十分にある。政府は1年半にわたってガソリン代の補助を行ってきたが、9月末で終了の予定だ。このままガソリン価格の高騰を放置するのか、補助を再開するのか、あるいはガソリン税のトリガー条項を発動するのか岸田政権は厳しい選択を迫られている。(なお8月22日、期限の延長について検討に入ったと報じられている)。 2023年8月14日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル181.9円と、前週から1.6円上がり、2週連続で180円を超えた。このところガソリン価格が急上昇しているのは、1年半にわたって続けられてきた政府の補助が6月以降、段階的に削減されているからである。 政府は全世界的な資源価格の高騰やロシアのウクライナ侵攻によって、ガソリン価格が急上昇したことを受けて、ガソリン代の一部を補助する政策を2022年1月からスタートさせた。 おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している』、「おおよそ170円を目安に、この金額を超えた分について政府が石油元売り事業者に補助することでガソリン価格を抑制する。 国民にとっては、補助がなければガソリンがいくらだったのかが分かりにくいため、あまり効果を実感できていなかったかもしれない。 だが、ガソリン価格がピークを付けていた2022年の夏には、もし補助がなければ1リットルあたり210円を突破していたことを考えると、補助は結構な規模なものだったことが分かる。 実際、この施策には莫大な税金が注ぎ込まれており、2022年については約3兆円の予算が組まれた。政府としてはいつまでも補助は続けられないとして、2023年6月から段階的に補助を削減し、9月末に終了させることを決定している」、「政府」は「終了」を先送りするようだ。
・『円安が最大の誤算に  ガソリン価格を決める大きな要因である原油価格は今年に入って落ち着いており、政府としては補助を終了してもガソリン価格は跳ね上がらないとの判断だったが、最大の誤算となったのが円安である。 年明けには120円台まで戻していたドル円相場で、再び円安が進行し、とうとう145円を突破する状況となった。いくら原油価格が落ち着いても、日本の場合、原油はほぼ全量輸入なので円安になれば価格が上昇してしまう。 円安によってガソリン価格が上昇してきたことに補助の終了が重なったことから、ガソリン価格が跳ね上がる可能性が高くなってきた。 しかも主要産油国であるサウジアラビアが減産の方針を示していることから、原油価格が再び上昇に転じると予想する専門家も増えてきた。円安と原油価格の上昇が重なった場合、1リットルあたり200円を突破する可能性も見えてきたといってよいだろう。 今年の春闘ではこれまでにない賃上げが行われたが、定期昇給分が大きくベースアップ(ベア)が不十分であることに加え、全体の7割を占める中小企業の賃上げは進んでいないのが現実だ。 一方で物価は着実に上昇しており、賃金が物価に追い付く兆しは見えていない。ここでガソリン代が上昇すると、他に交通手段の選択肢がない地方を中心に、国民の生活はさらに苦しくなる。 政府はこれまで補助打ち切りの方針を変えていなかったが、8月22日に岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた。一方、消費者からはガソリン税の減税(トリガー条項の発動)を求める声も上がっている』、前述のように「岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた」、なるほど。
・『トリガー条項を発動させるとどうなるか  ガソリン価格の約4割は税金となっており、とりわけ揮発油税(いわゆるガソリン税)の割合が高い。ガソリン価格が1リットルあたり170円だった場合、ガソリン税は約54円にもなる。 だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている。なお、この条項を復活させれば、約25円分だけガソリン価格が安くなるので、補助を延長したことに近い効果が得られる。 だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない。 ガソリン代の補助であれ減税であれ、原資が税金という点では同じだが、経済ヘの影響という点では両者には違いが生じる』、「だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている」、「だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない」、なるほど。
・『トリガー条項の「副作用」  ガソリン代の補助は170円を目安に超過分を補助するという仕組みなので、170円以下になった場合には補助が行われない代わりに、170円を超えた分については、上限金額に達するまで170円近辺での価格が継続する。一方、トリガー条項は1リットルあたり160円が設定価格なので、ここを超えると機械的に25円安くなる。 消費者からすると価格抑制のパターンが変わることになるが、それほど大きな違いとはいえないだろう。 補助と減税の最大の違いは、地方経済への影響である。補助については全額政府予算から支出されるが、ガソリン税の一部は地方税収となっている。トリガー条項を発動して減税を行った場合、政府の税収だけでなく地方の税収も大幅に減る。 ガソリン代高騰の影響は地方経済に深刻な影響を及ぼしているが、トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない。政府は防衛費の増額を決めたばかりであり、子育て支援の予算も大幅に拡充する方針である。補助の延長や減税を行う場合、他の予算とのせめぎ合いになるのはほぼ確実だろう。 では補助や減税ではなく、ガソリン価格そのものを抑制する方策はないのだろうか。 ガソリン価格は基本的に原油価格に連動して決まる仕組みだが、原油価格は国際的な市場で決定されるため日本が影響力を行使することはほぼ不可能である。そうなると日本側で出来ることは為替のみということになる』、「トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない」、これでは非現実的だ。
・『円高に転換できない事情  日銀は4月に総裁が交代したが、今のところ植田新総裁はアベノミクスの中核的な政策である大規模緩和策を継続する方針を崩していない。前回の金融政策決定会合では政策の微修正が行われたものの、市場はアベノミクス継続と認識しており円安が進んでいる。 アベノミクス(大規模緩和策)は、日銀が大量のマネーを市場に供給し、意図的にインフレ(物価上昇)を発生させる政策なので、この政策を実施している限り、円安と物価上昇が発生しやすい。 大規模緩和策を終了し、日銀が金融引き締めに転じれば円高となる可能性が高く、ガソリン価格を抑制できる。だが日銀にとっては簡単に政策を転換できない事情がある。 自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている。実際、前回の政策微修正についても、世耕弘成参院幹事長が「植田和男総裁に目を光らせておかないといけない」と、穏やかではない口調で警戒感を示した。 日銀は日銀法で独立が担保されているものの、かつて安倍元首相が「日銀は政府の子会社」と発言したこともあり、自民党内には、日銀の政策は政府がコントロールすべきという声が大きい。こうした状況下では、日銀は簡単に政策変更に踏み切れないだろう。 政治的な駆け引きに加え、現実問題として金利の引き上げが難しいという事情もある。日本経済は10年にわたる大規模緩和策にどっぷりと浸かった状態となっており、ここで金利を上げてしまうと、企業の倒産や住宅ローンの破産者が急増するリスクがある。 このため日銀は当分の間、大規模緩和策を継続せざるを得ず、そうなると円安が進行するのでガソリン価格は上がりやすくなる。 もっとも、大規模緩和策を継続したまま、ガソリン価格高騰に対処する方法はひとつだけ残されている。それは日本経済の仕組みを変革し、コストが増大しても総供給量を維持できる体制にシフトすることである。だが、この政策を実現するまでには相当な時間がかかることに加え、企業の経営改革が必須となるため、多くの抵抗が予想される。 結局のところ、現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ』、「自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている」、「現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ」、「日銀」は自民党に忖度することなく、最適な金融政策に転換してゆくべきだ。 
タグ:(その12)(《特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い、秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」、「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ) エネルギー 文春オンライン「特捜部が家宅捜索》千葉市は「おそらくアウトでしょうね…」“河野太郎の最側近”秋本真利政務官の地元事務所に違法建築の疑い」 「自身のスキャンダルという政務について、事務方の官僚を使うことに疑問の声」、確かにやり過ぎだ。 「「官僚である事務秘書官は政務に関わらないのが大前提。まして外務省の所掌事務と関係の無い政治家個人の問題であるならば、外務官僚を巻きこむのではなく、政策秘書など事務所スタッフで対応するのが筋です」」、その通りだ。 「本来は外交政策に従事すべき立場の事務秘書官を、次々浮上する自らの疑惑への対処に携わらせている実態が明らかになったことになる」、どうみてもやらせ過ぎだ。 現代ビジネス 町田 徹氏による「秋本衆議院議員だけではない…自民党の総理経験者や閣僚の意向もあって起きた「洋上風力発電をめぐる汚職事件」」 「大手電力会社が既存の原子力や火力の発電所の活用に拘泥する一方で、風力発電所が建設しやすい地域への送電網の整備を新たなコスト負担だと嫌ってきたことなどが響いて、洋上風力発電の普及で大きな遅れをとってしまった」、その通りだ。 「当時の再エネベンチャー各社の主張は、「三菱商事の事業計画は実現性が乏しい」という名誉棄損のような意見もあれば、「(終わった)入札をやり直すべきだ」とか極端な議論が目立ち、「価格への評価が全体に占める配分が大き過ぎる。入札のやり方を見直してほしい」という主張も荒唐無稽なものと受け止められていた」、なるほど。 「本来ならば、秋本氏や当時の萩生田経産大臣が一致して、一部業者の利害に拘泥して、価格競争を歪めて国民負担をいたずらに増大させた問題こそ、もっと追及してほしいところである」、その通りだ。 加谷 珪一氏による「「ガソリン価格200円超え」は目前に…政府が「トリガー条項」発動を決められないワケ」 「政府」は「終了」を先送りするようだ。 前述のように「岸田首相が延長の検討を指示したことで、何らかの形で制度が延長される可能性が高まってきた」、なるほど。 「だがガソリン税の減税については、2010年に当時の民主党政権が、1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税のうち約半分を免除するというトリガー条項を法制化した。 このトリガー条項については当時、野党だった自民党が猛反発したことや、2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されている」、 「だが自民党は、民主党が作った政策であることや、当時、ガソリン税の減税に反対していたことなどから、トリガー条項の復活には消極的であり、今のところトリガー条項を復活させ、ガソリン税を減税しようという動きは見せていない」、なるほど。 「トリガー条項を発動すると、ガソリン代は安くなるものの、今度は地方経済に深刻な影響を及ぼしかねない。トリガー条項を発動する場合には、地方の税収不足を補填する仕組みも必要となる。 いずれにせよ、最大で年間3兆円となる莫大な予算が必要であり、財源の議論は避けられない」、これでは非現実的だ。 「自民党内部では、アベノミクスの継続を強く主張するグループの影響力が依然として大きく、日銀が政策転換しないようプレッシャーをかけている」、「現時点においては、ガソリン価格高騰を放置するのか、他の政策を犠牲にして財源を確保し、補助や減税を実施するのかの二択に近い状況だ」、「日銀」は自民党に忖度することなく、最適な金融政策に転換してゆくべきだ。
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暗号資産(仮想通貨)(その23)(価格固定のはずが-暗号資産ステーブルコインを暴落させた不安の増幅ブロックチェーンゆえの振幅の大きさ、米検察 経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金) [金融]

暗号資産(仮想通貨)については、昨年6月4日に取上げた。今日は、(その23)(価格固定のはずが-暗号資産ステーブルコインを暴落させた不安の増幅ブロックチェーンゆえの振幅の大きさ、米検察 経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金)である。

先ずは、昨年6月17日付け現代ビジネスが掲載した博士(経済学)で帝京大学経済学部教授の宿輪 純一氏による「価格固定のはずが-暗号資産ステーブルコインを暴落させた不安の増幅ブロックチェーンゆえの振幅の大きさ」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/96328?imp=0
・『株価より高い暗号資産の暴落率  一般的な暗号資産(仮想通貨)の価格が“乱高下”するのは、法定通貨ではなく単なる金融商品であることを考えれば、当たり前といえば当たり前である。暗号資産の代表銘柄、ビットコインは、最高値6万7000ドル超(2021年11月)まで行ったが、6月中旬、“3分の1”の2万2000ドルあたりまで暴落した。 ちなみに、IMFの注意にも関わらず、ビットコインを通貨としたエルサルバドルや中央アフリカはこの急落で「通貨危機」という皮肉な状況になっている。 第2位のイーサリアムもピークから5割下落している。ハイテク株が多いナスダックでも約2割の下落となっており、暗号資産の暴落幅はいかにも大きい。 今回の下落の主因は、株式市場と同じく、米国の中央銀行、連邦準備制度理事会(FRB)のハイペースな利上げである。今回FRBは高いインフレ率に基づいて判断している。そのため、FRBは経済成長率以上にハイペースで利上げを行っている。株式市場はFRBの利上げと先行きの利上げ継続ムードと合わせて不安定化した。 この不安定な暗号資産の市場が、もともとある金融システムに悪影響を与えるのではないかと懸念されている。しかしこれは、新しい金融商品が登場するときには通る道であり、仕方ないステップである。 奇しくも、6月3日、暗号資産の一種であり資産の裏付けなどで価格固定を謳った「ステーブルコイン(StableCoin)」を対象とする「改正資金決済法」が制定され、裏付け資産の国内保管義務が発生するなど、投資家保護の規制も巡らされてきている』、「IMFの注意にも関わらず、ビットコインを通貨としたエルサルバドルや中央アフリカはこの急落で「通貨危機」という皮肉な状況になっている」、@「IMFの「注意」を無視した自己責任だ。「暗号資産の一種であり資産の裏付けなどで価格固定を謳った「ステーブルコイン・・・」を対象とする「改正資金決済法」が制定され、裏付け資産の国内保管義務が発生するなど、投資家保護の規制も巡らされてきている」、なるほど。
・『ステーブルコインは価格が固定的なはずだが  変動する暗号資産に対して、ステーブルコインは価格が固定されている暗号資産である。例えば1ドル=1ステーブルコインと固定されている。 暗号資産を中心に取引する投資家は、変動する暗号資産の取引を一旦止めるときに、暗号資産取引の外に出すよりも、暗号資産取引の中で、固定的なステーブルな暗号資産に移すことがある。外の他の金融資産に移すのはいろいろと手間が掛かるためである。 般的な暗号資産の変動下落は当たり前であるが、ところが最近、価格が固定されているステーブルコインが大幅に暴落するという、暗号資産の仕組み全体を揺るす事件が発生している。 ステーブルコイン「テラ」(テラ:Terraはもともとは「兆」の意味)の取引量は、185億ドルある。ステーブルコインの取引量で、テザー、USDコインに続き第3位であった。それほどの取引量を誇っていた。 ステーブルコインには担保でその価値を保証する「担保型」と「無担保型」がある。今回の「テラ」はその無担保型にあたり、供給量をコントロールすることで価格を安定させる「アルゴリズム型」だった。 しかも、テラは、独自の貸借市場メカニズム「アンカープロトコル」を持ち、運営者はそのメカニズムで年20%の利回りを得ることが出来るとして、資金を集めていた』、「ステーブルコイン「テラ」・・・の取引量は、185億ドルある」、「ステーブルコインには担保でその価値を保証する「担保型」と「無担保型」がある。今回の「テラ」はその無担保型にあたり、供給量をコントロールすることで価格を安定させる「アルゴリズム型」だった。 しかも、テラは、独自の貸借市場メカニズム「アンカープロトコル」を持ち、運営者はそのメカニズムで年20%の利回りを得ることが出来るとして、資金を集めていた」、なるほど。
・『「テラ」暴落のメカニズム・疑心暗鬼  この20%の利回りというメカニズムは、現在の金融経済情勢で、通常の仕組みでは到底、維持可能とは考えられない。暗号資産の暴落が始まって、このメカニズムをもつテラからも、引き出しが相次ぎ、取り付け騒ぎのようになり、固定価格が耐えられなくなり、暴落したということである。 ステーブルコインであるにも関わらず、一般の暗号資産の暴落に連られ、安定的な価格を維持できなくなり、9割以上暴落した。その売られ方はさながら通貨危機の状況であった。 さらにマズいのは、相場としての取引というよりは、そのステーブルコイン自体の「仕組み」にまで疑念が及んでしまったことである。投資家は「なにか知らされていないリスクがあるのでは」という疑心暗鬼の状況になってしまった。この状態は、新しい金融商品にとって非常にまずい。特に暗号資産全体の評価にも影響を及ぼすことになった。 ブロックチェーン技術を使用した「デジタル金融資産」の範疇には、暗号資産に加えて「NFT」もある。NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことである。もっとわかりやすい言い方をすれば「デジタル権利書」のことである。筆者は今後、一般化・発展してくるものと考えている。 ところがその、NFTも今回の仮想通貨やステーブルコインの暴落の時期に合わせ、その平均価格が8000ドルから1000ドルまで大幅下落してしまった。つまりは「デジタル金融資産」全体が残念な状況となってしまっている』、「この20%の利回りというメカニズムは、現在の金融経済情勢で、通常の仕組みでは到底、維持可能とは考えられない。暗号資産の暴落が始まって、このメカニズムをもつテラからも、引き出しが相次ぎ、取り付け騒ぎのようになり、固定価格が耐えられなくなり、暴落したということである。 ステーブルコインであるにも関わらず、一般の暗号資産の暴落に連られ、安定的な価格を維持できなくなり、9割以上暴落した。その売られ方はさながら通貨危機の状況であった。 さらにマズいのは、相場としての取引というよりは、そのステーブルコイン自体の「仕組み」にまで疑念が及んでしまったことである。投資家は「なにか知らされていないリスクがあるのでは」という疑心暗鬼の状況になってしまった」、なるほど。
・『不安増幅-ブロックチェーン型プログラムの問題  昨今のデジタル金融商品は、ブロックチェーン技術をベースとしたものが主流であるが、そこで使われる技術がDAO(Decentralized Autonomous Organization)である。日本語訳すると「自律分散型組織」となる。 そもそもデジタルの世界は、発展したIT技術によって、中央集権的に情報を集め、早く確実に判断を下す仕組みとして普及した。 それに対して、DAOは中央管理者が介在せず、当事者だけで判断を下し実現する自立稼働するプログラムである。いわゆる分散型金融(DeFi:Decentralized Finance)であり、今までのデジタル化された中央集権型のシステムと比べると分散していることもあり、サーバー攻撃も相次ぐという問題も発生している。 最近ではDAOは導入が結構進んでいる。一言でいうと、シンプルでコストが安いシステムということもできるかと考えている。さまざまな取引システムにも取り入れられている。 ところが実はそのことが、最近の為替相場の動きのように、相場の波の振れが大きくなるという現象につながっている様である。管理者という冷静な第三者的な視点が存在せず、取引当事者の個別の判断だけで動くので、不安心理などに歯止めがかからない事態も起きやすいと考えられる。 安定した運用のためには、システム自体の役割、そして基本的な目的の確認が必要となる。すべての参加者が善人であるとは限らず、この分野でもガードレールが必要となる』、「管理者という冷静な第三者的な視点が存在せず、取引当事者の個別の判断だけで動くので、不安心理などに歯止めがかからない事態も起きやすいと考えられる。 安定した運用のためには、システム自体の役割、そして基本的な目的の確認が必要となる。すべての参加者が善人であるとは限らず、この分野でもガードレールが必要となる」、確かに「ガードレール」は安定化のためには必要なようだ。
・『今後の対処法として  筆者は、暗号資産よりも「デジタル権利書」としてのNFTに将来性があると考える。新たな金融市場を形成していくことになろう。 残念なことであるが、暗号資産の業界には、ハッキング(詐欺)の事件が多い。現在、暗号資産やNFTの取引をするのは、暗号資産交換業者である。現在、日本の登録業者は30社ある。 金融機関の決済を始めとしたネットワークは、各金融機関をつなぎ共有されたインフラとなっている。例えば、日本が世界に誇る「全銀システム」は、銀行、信用金庫、信用組合など、現在、937機関を繋いでいる、大きなデジタル化した組織となっている。その最終決済は日本銀行である。今後、仕組みとしてCBDC(Central Bank Digital Currency :中央銀行デジタル通貨)も検討されている。 ハッキング事件の対応として、暗号資産交換業者は“それぞれ”に堅固なシステムを構築した。その全体の状況は、その基本機能である「ブロックチェーン」のような個別の塊がいくつもあるような形状であり、一体化することはない。金融システムのような相互のネットワークを作り上げていくことが大事なことと考える。 新しい金融商品の業界が立ち上がっていくときに、大事なのが「業界の自主規制団体」である。現在、急ピッチで統合が進んでいる。現在では、暗号資産やNFTを決済手段とし、また取引の場となるであろうメタバースの業界は、「日本デジタル空間経済連合」と「メタバース・ジャパン」の2つの団体にまとまりつつある。これは極めて重要なことである。 今後、デジタル金融商品の世界は、犯罪への個々の守りを固め、横のネットワークを繋ぐ段階を迎える。特に社会全体に対するリテラシー(知識)教育を実施することが最も大事と考えている。そうすれば、市場が成熟する前の取引量が薄い市場においても、その暗号資産やNFTを始めとしたメタバースで使用され取引される商品の価格の不安定性への耐久力が付く。 そして、何よりも、詐欺をはじめとした犯罪の発生可能性を低下させるものと信じている。筆者も微力であるが、最大限協力していきたいと思っている』、「今後、デジタル金融商品の世界は、犯罪への個々の守りを固め、横のネットワークを繋ぐ段階を迎える。特に社会全体に対するリテラシー(知識)教育を実施することが最も大事と考えている。そうすれば、市場が成熟する前の取引量が薄い市場においても、その暗号資産やNFTを始めとしたメタバースで使用され取引される商品の価格の不安定性への耐久力が付く。 そして、何よりも、詐欺をはじめとした犯罪の発生可能性を低下させるものと信じている。筆者も微力であるが、最大限協力していきたいと思っている」、決済システムの第一人者の筆者の見解は、現実を踏まえたもので、同感である。

次に、本年3月29日付けNewsweek日本版がロイター記事を転載した「米検察、経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2023/03/ftx52.php#:~:text=%E7%B1%B3%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%BD%93%E5%B1%80%E3%81%AF28,%E3%81%8C%E6%8C%81%E3%81%9F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
・『米検察当局は28日、経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの創業者、サム・バンクマンフリード被告(31)を、中国当局者への贈賄罪で追起訴した。自身のヘッジファンド取引口座の凍結を解除するため、4000万ドル(約52億6,246万円)相当の暗号資産を不法に送金した疑いが持たれている。 バンクマンフリード被告はすでに、FTXの破綻に関連した13件で起訴されている。同被告の広報担当者はコメントを控えた。 同被告は30日、新たな起訴状に関する罪状認否を行う予定。関係筋によると、無罪を主張する方針だ。 起訴状によると、同被告は10億ドル以上の暗号資産を持つヘッジファンド「アラメダ」の口座凍結解除を中国政府当局に依頼するため、アラメダのメイン取引口座からプライベートウォレットに4000万ドルの暗号資産を支払うよう命じたとされる。 検察当局によると、アラメダの口座はある取引先に関する調査の一環で凍結されており、同被告が事前に中国当局者に凍結解除を働きかけたが、失敗に終わっていた。 また、同被告は2021年11月ごろ、賄賂を「完了」させるために数千万ドルの追加暗号資産の送金を許可したという。 ロイターは中国外務省にコメントを求めたが、業務時間外のため回答を得られていない。在ワシントンの中国大使館からも現時点でコメントを得られていない』、「同被告は10億ドル以上の暗号資産を持つヘッジファンド「アラメダ」の口座凍結解除を中国政府当局に依頼するため、アラメダのメイン取引口座からプライベートウォレットに4000万ドルの暗号資産を支払うよう命じたとされる」、全貌が見えないが、かなり危ない橋を渡ろうとしていたようだ。「暗号資産」の取引では、まだこうしたいかがわしい取引も少なくないようだ。
タグ:暗号資産(仮想通貨) (その23)(価格固定のはずが-暗号資産ステーブルコインを暴落させた不安の増幅ブロックチェーンゆえの振幅の大きさ、米検察 経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金) 現代ビジネス 宿輪 純一氏による「価格固定のはずが-暗号資産ステーブルコインを暴落させた不安の増幅ブロックチェーンゆえの振幅の大きさ」 「IMFの注意にも関わらず、ビットコインを通貨としたエルサルバドルや中央アフリカはこの急落で「通貨危機」という皮肉な状況になっている」、@「IMFの「注意」を無視した自己責任だ。「暗号資産の一種であり資産の裏付けなどで価格固定を謳った「ステーブルコイン・・・」を対象とする「改正資金決済法」が制定され、裏付け資産の国内保管義務が発生するなど、投資家保護の規制も巡らされてきている」、なるほど。 「ステーブルコイン「テラ」・・・の取引量は、185億ドルある」、「ステーブルコインには担保でその価値を保証する「担保型」と「無担保型」がある。今回の「テラ」はその無担保型にあたり、供給量をコントロールすることで価格を安定させる「アルゴリズム型」だった。 しかも、テラは、独自の貸借市場メカニズム「アンカープロトコル」を持ち、運営者はそのメカニズムで年20%の利回りを得ることが出来るとして、資金を集めていた」、なるほど。 「この20%の利回りというメカニズムは、現在の金融経済情勢で、通常の仕組みでは到底、維持可能とは考えられない。暗号資産の暴落が始まって、このメカニズムをもつテラからも、引き出しが相次ぎ、取り付け騒ぎのようになり、固定価格が耐えられなくなり、暴落したということである。 ステーブルコインであるにも関わらず、一般の暗号資産の暴落に連られ、安定的な価格を維持できなくなり、9割以上暴落した。その売られ方はさながら通貨危機の状況であった。 さらにマズいのは、相場としての取引というよりは、そのステーブルコイン自体の「仕組み」にまで疑念が及んでしまったことである。投資家は「なにか知らされていないリスクがあるのでは」という疑心暗鬼の状況になってしまった」、なるほど。 「管理者という冷静な第三者的な視点が存在せず、取引当事者の個別の判断だけで動くので、不安心理などに歯止めがかからない事態も起きやすいと考えられる。 安定した運用のためには、システム自体の役割、そして基本的な目的の確認が必要となる。すべての参加者が善人であるとは限らず、この分野でもガードレールが必要となる」、確かに「ガードレール」は安定化のためには必要なようだ。 「今後、デジタル金融商品の世界は、犯罪への個々の守りを固め、横のネットワークを繋ぐ段階を迎える。特に社会全体に対するリテラシー(知識)教育を実施することが最も大事と考えている。そうすれば、市場が成熟する前の取引量が薄い市場においても、その暗号資産やNFTを始めとしたメタバースで使用され取引される商品の価格の不安定性への耐久力が付く。 そして、何よりも、詐欺をはじめとした犯罪の発生可能性を低下させるものと信じている。筆者も微力であるが、最大限協力していきたいと思っている」、決済システムの第一人者の筆者の見解は、現実を踏まえたもので、同感である。 Newsweek日本版 ロイター 「米検察、経営破綻のFTX創業者を贈賄罪で追起訴 中国当局者へ約52億円を不法に送金」 「同被告は10億ドル以上の暗号資産を持つヘッジファンド「アラメダ」の口座凍結解除を中国政府当局に依頼するため、アラメダのメイン取引口座からプライベートウォレットに4000万ドルの暗号資産を支払うよう命じたとされる」、全貌が見えないが、かなり危ない橋を渡ろうとしていたようだ。「暗号資産」の取引では、まだこうしたいかがわしい取引も少なくないようだ。
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随筆(その5)(養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる、養老孟司が語る「じぶんの壁」…いまこそ 子どもと大人に伝えたい「深い話」 絵本『「じぶん」のはなし』) [人生]

随筆については、本年2月24日に取上げた。今日は、(その5)(養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる、養老孟司が語る「じぶんの壁」…いまこそ 子どもと大人に伝えたい「深い話」 絵本『「じぶん」のはなし』)である。

先ずは、先ずは、2021年12月30日付け日刊ゲンダイ「養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299062
・『社会が狭くなっている。息苦しく、剣呑で、逃げ場もない。そんな閉塞感のなか、コロナ後の生き方を模索するサラリーマンらに対して、解剖学者の養老孟司氏(84)は新著「ヒトの壁」(新潮新書)でこう喝破する。 《今は人間関係ばかり。相手の顔色をうかがいすぎていないか》 ベストセラー「バカの壁」で、話せばわかるなんて大嘘、耳を貸さない相手には通じないという壁の存在を示した。だからこそ、その壁を共通理解して、それを乗り越えようというメッセージでもあった。その刊行から約20年、壁は取り除かれるどころかますます高くなり、ヒトそのものがヒトの障壁となって立ちはだかっているというのである』、「壁は取り除かれるどころかますます高くなり、ヒトそのものがヒトの障壁となって立ちはだかっている」、確かにその通りだ。
・『評価を気にするのをやめる  「やはり世界は狭くなったのでしょう。地球全体に広がったグローバリゼーション、というと聞こえがいいんですけど、地球の広さが分かったというか、抜け道が無くなっちゃった。人によっては、無理して宇宙まで行ったりしてますけれども、たとえ月に住めるようになったとしても、東京の高層ビルとあんまり変わらないだろうって皆、わかっているんじゃないですか。また鬱陶しさが募るだけでしょうし、もう、いくところまでいくしかないかも知れない。ただ、個人のレベルではもうちょっと世界をもう少し広げる、広くすることができるんじゃないかと思う。そのためにも、他人や共同体の評価ばかり気にするのをやめる。そうすると、ヒトじゃないものに目がいくようになりますから、人生にその部分を増やし、それを楽しんでいくといいと思います」(Qは聞き手の質問、Aは養老氏の回答) Q:ネットで欲しい情報がすぐに入り、便利になった一方、SNSは悪口雑言で溢れ、名誉棄損どころか自殺者まで出ています。デジタル社会の反動も実社会に悪影響を与えているように見えます。 A:「ある考え方で社会をつくっていくと、どうしても特定の社会、ルールができてしまう。そうすると、非常に多くのヒトがそこから漏れ、外れてしまう。いまはアタマ、理屈の世の中ですけど、人間、理屈で生きているかというと、そうでもない。そう割り切れるものでもないんです。そこらへんのバランスが徹底的に崩れてしまった。感覚が伴っていないから、色々おかしなことになっている。最も割りを食っているのは、自然に近いものです。そんな社会の影響を受けないで、世の中に新しく入ってきた若い人たちも非常に戸惑うと思います。自分が全面的に持っていたもののほんの一部を突出させ、理性で生きなければならないのですから。感情で動いたら駄目だと。一番、世の中変わったのはその変じゃないですかね」』、「個人のレベルではもうちょっと世界をもう少し広げる、広くすることができるんじゃないかと思う。そのためにも、他人や共同体の評価ばかり気にするのをやめる。そうすると、ヒトじゃないものに目がいくようになりますから、人生にその部分を増やし、それを楽しんでいくといいと思います」、「人間、理屈で生きているかというと、そうでもない。そう割り切れるものでもないんです。そこらへんのバランスが徹底的に崩れてしまった。感覚が伴っていないから、色々おかしなことになっている。最も割りを食っているのは、自然に近いものです。そんな社会の影響を受けないで、世の中に新しく入ってきた若い人たちも非常に戸惑うと思います。自分が全面的に持っていたもののほんの一部を突出させ、理性で生きなければならないのですから。感情で動いたら駄目だと。一番、世の中変わったのはその変じゃないですかね」、「理性で生きなければならないのですから。感情で動いたら駄目だと」、なんとも生き難い世の中になったものだ。
・『社会の役に立たなくてもいい  Q:その結果が、対人偏向の歪な社会だと。 A:「ある種の考え方が煮詰まっちゃって、にっちもさっちもいかない。変なルールを正面にたてるからいけないんで。職場の女性との関わり方も、親切にすれば、セクハラ。厳しくすればパワハラだって。そういうことを言っているから、相手をするだけでも大変になってしまう。素直に接することができなくなってしまうのでしょう」 Q:ウイルスといい、人智を超える自然や世界を制御しようすること自体、たかがヒトという分際をわきまえていない、と。 A:「スマートシティの議論なんか聞くと、よく分かります。交通事故が起こったらどうする、誰が責任持つんだと、予め全部を考えようとする。ああすれば、こうなる。理屈の世界では可能ですけど、それを突き詰め、理性的に予測したからといって、自分たちに都合よく物事をアレンジすることなんてできませんわ。コンピューター、今の情報社会は、実際に生きているというプロセスを無視して、アタマだけでやろうとする。AかBか。いまやっているAIも、ヒトのつくるものですから、ヒトに似てくる。というより、ヒト自体がAI化してますね」 Q:凶悪事件だけでなく、電車のホームでも、いい歳をした人が肩をぶつけて罵ったり、怒ったりする姿がそここにあるのは、そんな社会に限界が来ているのでしょうか。 A:「ヒトが怒る脳科学的なプロセスは、恐れと酷似しているんです。不安で、にっちもさっちもいかなくなっているのは間違いないでしょうね。そうすると、じゃあ、どうするんだと聞いてくる。だから、それが駄目なんだっていうんです。人生は本来、不要不急なんです。社会、共同体からのモノサシでみると、不要不急だと駄目で、役に立たないといけないと思ってしまう。当たり前だけど、そんなことないよと言いたい。また今のヒトは空気を読めというけれど、実はそういうヒトこそ、きちんと考えてなくて、空気で動いているだけだったりする。一部のヒトはこうした方がいいんじゃないの、が、しなきゃ駄目になって、どんどん感情的になっていく。コロナ禍では自粛警察が現れましたね。もともと日本国民には戦時中といい、そういうのがありましたけど、不安で、考えも丸めて、絶対的に自分が正しいと思い込んでしまうのでしょう」』、「「ヒトが怒る脳科学的なプロセスは、恐れと酷似しているんです。不安で、にっちもさっちもいかなくなっているのは間違いないでしょうね。そうすると、じゃあ、どうするんだと聞いてくる。だから、それが駄目なんだっていうんです。人生は本来、不要不急なんです。社会、共同体からのモノサシでみると、不要不急だと駄目で、役に立たないといけないと思ってしまう。当たり前だけど、そんなことないよと言いたい。また今のヒトは空気を読めというけれど、実はそういうヒトこそ、きちんと考えてなくて、空気で動いているだけだったりする。一部のヒトはこうした方がいいんじゃないの、が、しなきゃ駄目になって、どんどん感情的になっていく。コロナ禍では自粛警察が現れましたね。もともと日本国民には戦時中といい、そういうのがありましたけど、不安で、考えも丸めて、絶対的に自分が正しいと思い込んでしまうのでしょう」、「人生は本来、不要不急なんです」、言い得て妙だ。
・『定年まであと3年のところで辞めたワケ  Q:そんな社会にどっぷり漬かるのではなく、自分で楽しみを見つけ、楽しむ。 A:「そうです。好きこそものの上手なれ、と言いますが、論語ではさらに、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず、となる。人生、楽しんで生きているかが大切なんです。日本の社会だと、楽しんでいるというと不真面目だと考えてしまう。そうではなくて、やっていること自体が、楽しいかどうか。そんなこと言ったら、サラリーマンなんか、ほとんど全員、会社辞めちゃうんじゃないかとも思いますが。楽しむことに恐怖心すら感じるかも知れませんね。実際のところ、行きたくて会社行っているサラリーマンがどれだけいるか。いないとすると、むしろそっちのほうがおかしいわけで。まあ、僕も若い頃、東大病院で先輩の顔を見ると皆、機嫌悪いんですよ。ああはなりたくないと思ったものですけど、なってましたね。だから辞めたんです」 Q:そうしたくても、なかなかできません。 A:「定年まで3年というときに教授会で辞めると発表したとき、よく不安になりませんねとの声がありました。僕は言ってやったんです、『あなたいつお亡くなりになりますか。不安じゃないですか』って。同じですよ。先が見える道と見えない道があって、見えない道にはよりリスクがあって当たり前。でも、それが生きるということだし、思わぬ発見が自分に対してあったり、おもしろいでしょう。あのときは空が青くてね。どれだけ自分のものでもないものを背負いこんでいたか知りました。背負い、引き受け、常にやらなきゃならないと思い、長いこと本当に一生懸命でしたから。もういくところまでいっちゃった。会社勤めも、楽しんだりする余裕もないくらい頑張っていたと、ゆくゆく気が付くと思いますよ」』、「先が見える道と見えない道があって、見えない道にはよりリスクがあって当たり前。でも、それが生きるということだし、思わぬ発見が自分に対してあったり、おもしろいでしょう・・・会社勤めも、楽しんだりする余裕もないくらい頑張っていたと、ゆくゆく気が付くと思いますよ」」、自分を振り返っても、現役時代は「楽しんだりする余裕もないくらい頑張っていた」のは確かだ。 

次に、6月19日付け現代ビジネスFRaUが掲載した編集者の横川 浩子氏による「養老孟司が語る「じぶんの壁」…いまこそ、子どもと大人に伝えたい「深い話」 絵本『「じぶん」のはなし』を紹介しよう。
・『人間は、ハエ1匹さえ創りだせない  虫をひたすら見ているだけで、さまざまな気付きがあると養老先生は言います。虫とはつまり、自然のこと。自然はまさにセンスオブワンダー、驚きに満ちた世界です。 「人間は、宇宙にロケットを飛ばせるようになっても、小さなハエ1匹さえ創り出せない」と養老さんは話します。自然の中で身体を使い、様々なことを感じれば、人の力の及ばない自然の偉大さを知り、想像力や他人に対しての優しさにも結び付くのではなかろうか、というわけです。 出前授業や保育園の理事長などで、長年にわたって子どもと関わる機会のあった養老先生は、80代半ばに達したいま、改めて、子どものことが心配になってきたそうです。身体を使って自然とかかわる機会がますます減ってきた子どもたちに、わたしたち大人ができることは何でしょうか? 2022年6月4日の『虫の日』に出版された、養老先生はじめての絵本『「じぶん」のはなし』には、「大人ができること」への気づきが散りばめられています。 絵本のストーリーは、分かりやすくシンプル。山に虫を探しにいく子どもたちのお話です。 ガイドはもちろん、養老先生です。  集合場所で子どもたちに「山にはどんな虫がいるんですか?」と聞かれた先生はこう答えます。 「なにがいるのか、わかっていたら おもしろくないよ。わからないから、いくんです」 どこへ行くにもネットで調べ、その結果を確かめるのが目的になりがちな昨今ですが、自然は答え合わせができません。そして驚きや感動は未知との遭遇から生まれるもの。私たち大人にとっても気付きの多い絵本です』、「どこへ行くにもネットで調べ、その結果を確かめるのが目的になりがちな昨今ですが、自然は答え合わせができません。そして驚きや感動は未知との遭遇から生まれるもの。私たち大人にとっても気付きの多い絵本です」、その通りだ。
・『養老先生が子どもだったとき  絵本には、電子顕微鏡をのぞきこみながらピンセットを動かす先生が描かれています。虫の標本を作っているところでしょうか。その足元には養老家で17年間ともに暮らし、2年前に永眠した愛猫「まる」が……。 まるの姿をできるだけ生前の様子に近づけたいと、絵を担当した横山寛多さんは何度も描き直してこの絵を完成させました。フンコロガシに夢中なのは子ども時代の孟司少年。作品中、2場面だけ登場しています。 この絵を見て養老先生は、自分が子どもだったころのことを話してくれました。 「小学校1年生の時のことです。あるとき家の前の路地に犬のフンが落ちていて、そこに虫が来ていました。しゃがんでそれを見ていると、家から出てきた母親に『何してるの』と訊かれたのです。 仕方がないから『イヌのフン』と答えたら、『フーン』と言って行ってしまいました。 そこから離れて1時間くらい経ったのですが、虫がどうなったか気になったので、また戻ってフンを見ていると、ちょうど母親が帰ってきました。母親は、私がずっとフンを見ていたのだと思い込んだようです。 子どものころから、小さな虫が元気よく動き回っているのを見ると、不思議で仕方がなかったんです。『何をしているのだろう』と思いました。いまでもそう思います。のろのろしている虫でも、ちょっと触ったりすると、だしぬけに元気よく動き出したりします。『えっ』と驚くんですが、そこが面白いんですね。 そうやって虫に関心を持っているうちに、どういう虫がどういう場所にいるのかわかってきます。名前も覚えるようになって、クワガタムシとかカミキリムシとか、グループの名前がわかるようになったんです。横山さんの絵を見ていると、その頃のことがひとりでに想い出されて、懐かしい気がします」』、「子どものころから、小さな虫が元気よく動き回っているのを見ると、不思議で仕方がなかったんです。『何をしているのだろう』と思いました。いまでもそう思います。のろのろしている虫でも、ちょっと触ったりすると、だしぬけに元気よく動き出したりします。『えっ』と驚くんですが、そこが面白いんですね。 そうやって虫に関心を持っているうちに、どういう虫がどういう場所にいるのかわかってきます。名前も覚えるようになって、クワガタムシとかカミキリムシとか、グループの名前がわかるようになったんです。横山さんの絵を見ていると、その頃のことがひとりでに想い出されて、懐かしい気がします」、本当に好奇心旺盛だったようだ。
・『鎌倉ゆかりの著者コンビ  作中の絵には実際に初夏の鎌倉で見られる虫たちが、細かく描きこまれています。風景も鎌倉の山がモデルです。 絵を担当した横山さんも養老先生と同じ鎌倉で生まれ育ち、虫とりが大好きです。また、横山さんは、養老先生が子どもたちと昆虫観察会を行うときに、助手として参加することもあります。親子以上に歳の離れたおふたりですが、山でも絵本でも息の合ったナイスコンビ! 絵本の見返しには、登場する虫や鳥などの名前も紹介していますので、あわせて読んでみてくださいね』、「絵を担当した横山さんも養老先生と同じ鎌倉で生まれ育ち、虫とりが大好きです。また、横山さんは、養老先生が子どもたちと昆虫観察会を行うときに、助手として参加することもあります。親子以上に歳の離れたおふたりですが、山でも絵本でも息の合ったナイスコンビ!」、偶然とはいえ、本当に「ナイスな」「コンビ」が生まれたものだ。
・『自分の頭で考える  さて、絵本で子どもたちと共に山に向かった養老先生。到着すると、ガイド役の先生も虫に夢中です。ときには朝から夜まで虫を見ていることもあると話す先生に、子どもたちからはこんな質問が。 「どうして先生は、そんなに虫が好きなんですか?」 先生は、きっぱりとこう答えました。 「好きなことに、理由は必要ありません。好きなことがあるだけで幸せになります」) お昼のお弁当を食べ終えると、今度は先生がみんなに問いかけます。 「みんなのからだが大きくなるための材料は、なんだと思う?」 うーん、と考えて、自分が食べたものかな? と答えた子どもたちに、そうだねと先生はうなずき、さらに続けました。 ――たんぼも じぶん。はたけも じぶん。 ――やまも じぶん。うみも じぶん。 「じぶん」は何からできているのでしょうか。先生が入れた、1本のメス。ここからみなさんは、どんなことを思い浮かべますか? 自然を感じることは、ぐるっとまわって自分自身を考えること。 絵本のページをめくりながら親子で一緒に「じぶん」を考えたら、本を閉じて、ぜひ外へ! 自然の中で五感を発揮すれば、子どもたちはみずから、生きる力を身につけていくでしょう。大人が子どもにできるのは、答えを与えることではなく、そこに至る機会や環境を用意することだけかもしれません』、我が家では一番小さな孫でも既に小学校6年生、まして重要な役割を果たすべき父親がモーレツ社員で、その役割は余り期待できそうもない。残念ながら、買って送るのは断念せざるを得ないようだ。
タグ:随筆 (その5)(養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる、養老孟司が語る「じぶんの壁」…いまこそ 子どもと大人に伝えたい「深い話」 絵本『「じぶん」のはなし』) 日刊ゲンダイ「養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる」 「ヒトの壁」(新潮新書) 「壁は取り除かれるどころかますます高くなり、ヒトそのものがヒトの障壁となって立ちはだかっている」、確かにその通りだ。 「個人のレベルではもうちょっと世界をもう少し広げる、広くすることができるんじゃないかと思う。そのためにも、他人や共同体の評価ばかり気にするのをやめる。そうすると、ヒトじゃないものに目がいくようになりますから、人生にその部分を増やし、それを楽しんでいくといいと思います」、 「人間、理屈で生きているかというと、そうでもない。そう割り切れるものでもないんです。そこらへんのバランスが徹底的に崩れてしまった。感覚が伴っていないから、色々おかしなことになっている。最も割りを食っているのは、自然に近いものです。そんな社会の影響を受けないで、世の中に新しく入ってきた若い人たちも非常に戸惑うと思います。自分が全面的に持っていたもののほんの一部を突出させ、理性で生きなければならないのですから。感情で動いたら駄目だと。一番、世の中変わったのはその変じゃないですかね」、「理性で生きなければならな いのですから。感情で動いたら駄目だと」、なんとも生き難い世の中になったものだ。 「「ヒトが怒る脳科学的なプロセスは、恐れと酷似しているんです。不安で、にっちもさっちもいかなくなっているのは間違いないでしょうね。そうすると、じゃあ、どうするんだと聞いてくる。だから、それが駄目なんだっていうんです。人生は本来、不要不急なんです。 社会、共同体からのモノサシでみると、不要不急だと駄目で、役に立たないといけないと思ってしまう。当たり前だけど、そんなことないよと言いたい。また今のヒトは空気を読めというけれど、実はそういうヒトこそ、きちんと考えてなくて、空気で動いているだけだったりする。一部のヒトはこうした方がいいんじゃないの、が、しなきゃ駄目になって、どんどん感情的になっていく。 コロナ禍では自粛警察が現れましたね。もともと日本国民には戦時中といい、そういうのがありましたけど、不安で、考えも丸めて、絶対的に自分が正しいと思い込んでしまうのでしょう」、「人生は本来、不要不急なんです」、言い得て妙だ。 「先が見える道と見えない道があって、見えない道にはよりリスクがあって当たり前。でも、それが生きるということだし、思わぬ発見が自分に対してあったり、おもしろいでしょう・・・会社勤めも、楽しんだりする余裕もないくらい頑張っていたと、ゆくゆく気が付くと思いますよ」」、自分を振り返っても、現役時代は「楽しんだりする余裕もないくらい頑張っていた」のは確かだ。 現代ビジネスFRaU 横川 浩子氏による「養老孟司が語る「じぶんの壁」…いまこそ、子どもと大人に伝えたい「深い話」 絵本『「じぶん」のはなし』 「どこへ行くにもネットで調べ、その結果を確かめるのが目的になりがちな昨今ですが、自然は答え合わせができません。そして驚きや感動は未知との遭遇から生まれるもの。私たち大人にとっても気付きの多い絵本です」、その通りだ。 「子どものころから、小さな虫が元気よく動き回っているのを見ると、不思議で仕方がなかったんです。『何をしているのだろう』と思いました。いまでもそう思います。のろのろしている虫でも、ちょっと触ったりすると、だしぬけに元気よく動き出したりします。『えっ』と驚くんですが、そこが面白いんですね。 そうやって虫に関心を持っているうちに、どういう虫がどういう場所にいるのかわかってきます。名前も覚えるようになって、クワガタムシとかカミキリムシとか、グループの名前がわかるようになったんです。横山さんの絵を見ていると、その頃のことがひとりでに想い出されて、懐かしい気がします」、本当に好奇心旺盛だったようだ。 「絵を担当した横山さんも養老先生と同じ鎌倉で生まれ育ち、虫とりが大好きです。また、横山さんは、養老先生が子どもたちと昆虫観察会を行うときに、助手として参加することもあります。親子以上に歳の離れたおふたりですが、山でも絵本でも息の合ったナイスコンビ!」、偶然とはいえ、本当に「ナイスな」「コンビ」が生まれたものだ。 我が家では一番小さな孫でも既に小学校6年生、まして重要な役割を果たすべき父親がモーレツ社員で、その役割は余り期待できそうもない。残念ながら、買って送るのは断念せざるを得ないようだ。
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今日は更新を休むので、明日にご期待を!

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リベラリズム(その2)(F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評、フランシス・フクヤマ「リベラリズムが侵食されている」 急激に広がる反リベラリズムと「寛容」が損なわれた世界) [政治]

リベラリズムについては、2022年2月1日に取上げた。今日は、(その2)(F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評、フランシス・フクヤマ「リベラリズムが侵食されている」 急激に広がる反リベラリズムと「寛容」が損なわれた世界)である。

先ずは、本年5/21東洋経済オンラインが掲載した早稲田大学 教授の柿沼 陽平氏による「F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評」を紹介しよう。
・『著者は米国屈指のリベラリスト系論客だ。1989年の論文「歴史の終わり?」で一躍名を馳(は)せて以来、『歴史の終わり』『政治の起源』『政治の衰退』『アイデンティティ』などの著書がある。 ソ連崩壊とその後の世界情勢を予言した前掲論文は、耳目を集めた。一方、共産主義勢力減退後の世界を過度に楽観視しているとか、彼の師サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』のほうが9.11後の世界に合致しているなどと批判されることもあった。 だが彼の著作をよく読むと、どれも決して極論に走っているわけではない。むしろ、行き過ぎたリベラリズムを批判しているほどだ。折しも21世紀初頭の米国では世界各地に民主と自由を広め、逆らえば武力攻撃も辞さない、いわゆるネオコンが台頭したが、著者はそれにも反対していた』、「彼の著作をよく読むと、どれも決して極論に走っているわけではない。むしろ、行き過ぎたリベラリズムを批判しているほどだ。折しも21世紀初頭の米国では世界各地に民主と自由を広め、逆らえば武力攻撃も辞さない、いわゆるネオコンが台頭したが、著者はそれにも反対していた」、なるほど。
・『リベラリズムの歴史  本書も、昨今左右から攻撃されやすいリベラリズムの歴史と背景を検討し、やはり極論を排しつつ議論を展開しているところに特徴がある。 さかのぼれば、ヨーロッパでは長きにわたる宗教戦争から脱却すべく、古典的リベラリズムが成立。精神の価値、良心、寛容さを皆が持ち、さらに個人の尊厳を尊重する社会を目指し始めた。20世紀に世界大戦が起こり、ナショナリズムとぶつかった結果、リベラリズムは狂っていったが、今一度真摯な吟味が必要だ。) もっとも、民主主義・自由主義・市場主義にはバラ色の側面だけでなく、むしろ人間にとって不可欠な気概・優越願望・誇り・名誉をめぐる闘争を助長する面もある。著者の支持するヘーゲル思想(精確にはコジェーヴの解釈を経た思想)はまさにこの点を重視している。 また冷戦以降の経済的なネオリベラリズムが個々人の経済的格差を是認し、資本主義に対する貧困層の怒りを生んだ。さらに個人の自律性(選択の自由)の過度な重視は、個人主義や普遍主義に対する批判的論調を先鋭化させ、本来リベラリズムの根幹にあった寛容さの概念が失われた。 加えて、人々が政治に参加することを民主主義というならば、ロシアのプーチン大統領もそれによって選ばれた政治家ではあるが、問題はロシアのそれが寛容さを欠く非リベラリズム的民主主義であることだ。テクノロジーの発展により言論の自由やプライバシーもおびやかされている』、「民主主義・自由主義・市場主義にはバラ色の側面だけでなく、むしろ人間にとって不可欠な気概・優越願望・誇り・名誉をめぐる闘争を助長する面もある・・・冷戦以降の経済的なネオリベラリズムが個々人の経済的格差を是認し、資本主義に対する貧困層の怒りを生んだ。さらに個人の自律性(選択の自由)の過度な重視は、個人主義や普遍主義に対する批判的論調を先鋭化させ、本来リベラリズムの根幹にあった寛容さの概念が失われた・・・人々が政治に参加することを民主主義というならば、ロシアのプーチン大統領もそれによって選ばれた政治家ではあるが、問題はロシアのそれが寛容さを欠く非リベラリズム的民主主義であることだ。テクノロジーの発展により言論の自由やプライバシーもおびやかされている」、なるほど。
・『最低限のナショナリズムが必要  それでもなおリベラリズムとそれに基づく民主主義は復権されねばならない。そのためにはナショナリズムが不可欠だ。ナショナリズムとリベラリズムは「国に尽くすよりは個人の自由」のごとく対立的に捉えられがちだが、実はそうではない。リベラリズムを維持するために、最低限のナショナリズムが必要なのだ。 著者はそう論ずるだけでなく、2020年10月以来、オンライン雑誌『American Purpose』を運営し、論陣を張っている。目的は、米国におけるトランプの台頭や英国のEU離脱、さらにはウクライナ戦争を視野に、寛容さに基づくリベラルデモクラシーを復権することにある。 著者は理論一辺倒に走ることなく、眼前に広がる社会問題の解決策を模索し、かつての楽観的側面は相当後退している。円熟期の著作として翫味(がんみ)したい』、「リベラリズムを維持するために、最低限のナショナリズムが必要なのだ」、何故なのだろう。「オンライン雑誌『American Purpose』を運営し、論陣を張っている。目的は、米国におけるトランプの台頭や英国のEU離脱、さらにはウクライナ戦争を視野に、寛容さに基づくリベラルデモクラシーを復権することにある。 著者は理論一辺倒に走ることなく、眼前に広がる社会問題の解決策を模索し、かつての楽観的側面は相当後退している。円熟期の著作として翫味したい」、今後の『American Purpose』などを通じた同氏の活動に期待したい。

次に、5月27日付けAERAdot「フランシス・フクヤマ「リベラリズムが侵食されている」 急激に広がる反リベラリズムと「寛容」が損なわれた世界」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/articles/-/194563?page=1
・『30年前、著書『歴史の終わり』で安定的な政治体制のあり方を論じた、政治学者のフランシス・フクヤマ氏。最新刊『リベラリズムへの不満』では、リベラリズムに批判的な声を分析している。フクヤマ氏が、世界に急激に広がる反リベラルについて語った。AERA 2023年5月29日号の記事を紹介する。  近著『リベラリズムへの不満』を執筆した動機は、今あらゆる国で「寛容」が損なわれているのを目の当たりにしたことです。多くの国でリベラリズムが左派からも右派からも攻撃されています。その中で重要なトレンドとなっているのが、ナショナリズムとポピュリズムの台頭です。この二つの要素は確立された宗教や文化にとっては大きな脅威になります。とりわけインドではナショナリズムが顕著です。 インドはガンジーとネールによって建国され、宗教的にも言語的にも多様性に富んだ国です。しかしながら現在のインド与党は宗教的に団結し、ヒンドゥー教のナショナリストの国に変えようとしています。これはまさに“formula for disaster”(最悪の事態になる公式)であって“formula for violence”(必ず暴力が起きる)の脅威となります。 ポピュリズムが広まった要因は、グローバリゼーションの結果、格差が拡大したことでしょう。多くの労働者階級の仕事が消えていく中で、エリート層はそんなことなど一向に気にかけていないように彼らは感じた。社会的・文化的な面で言えば、保守的な人たちにとってLGBTへの理解は容易には受け入れられないものです。経済成長もできず、社会的・文化的に従来とは異なる規範が拡大し続けていることが積もり積もって、それを打破してくれるかのようにふるまうポピュリストの急激な台頭を招いたのです。 その最たる象徴の一人であるドナルド・トランプは、熱狂的な支持を受けながらも、大統領選の結果を受け入れず、嘘のストーリーを流し続けるという形でアメリカの民主主義を大きく傷つけ、脅威となりました』、「ポピュリズムが広まった要因は、グローバリゼーションの結果、格差が拡大したことでしょう。多くの労働者階級の仕事が消えていく中で、エリート層はそんなことなど一向に気にかけていないように彼らは感じた。社会的・文化的な面で言えば、保守的な人たちにとってLGBTへの理解は容易には受け入れられないものです。経済成長もできず、社会的・文化的に従来とは異なる規範が拡大し続けていることが積もり積もって、それを打破してくれるかのようにふるまうポピュリストの急激な台頭を招いたのです」、なるほど。 
・『最大の政治的挑戦は  私が本の中で主張していることは、反リベラルの声の多くが、リベラリズムに対する歪んだ理解からきていることです。 その一つが、経済政策におけるいわゆるネオリベラリズム(新自由主義)です。80年代にレーガン大統領とサッチャー首相の下で拡大したイデオロギーで、自由競争を持ち込み、国家の役割は規制緩和や民営化によって縮小された。その結果、格差が生まれました。) もう一つは、左派の人々が「個々人は自分の望むことを自由に選択できるべきである」と信じてきた自律性が揺らいでいることです。例えば今、多くの若者は、リベラリズムとは親世代や祖父母の世代が信じている古臭い考え方であると考えています。上の世代が「表現の自由」として認めていることに対し、彼らは人種差別主義者や性差別主義者による差別的な発言(ヘイト)を黙らせるようにしたいと思っています。こうした二つの要素がリベラリズムを侵食し始めたと思います。 民主主義にとって、独裁主義の中国を相手にすることが、これから50年の最大の政治的チャレンジになるでしょう。グローバルパワーがこれだけの速さで大きくシフトすると、世界を不安定にするからです。習近平政権は中国史上初の3期目に入り独裁的な傾向をますます強めています。 習近平はこれまでずっとレーニン主義者だったと思います。権力を集中化させるレーニン主義の野心を着々と満たしていることは間違いありません。将来ある時点で、国際的にも国内的にも自分のやり方をソフトにしなければならないと判断する可能性はあります。ゼロコロナ政策では社会が不安定になるとわかった途端、すぐに舵を切った。アメリカとの緊張も、ある程度緩めたいと思っているでしょう』、「習近平政権は中国史上初の3期目に入り独裁的な傾向をますます強めています・・・ゼロコロナ政策では社会が不安定になるとわかった途端、すぐに舵を切った。アメリカとの緊張も、ある程度緩めたいと思っているでしょう」、なるほど。
・『タモリの「新しい戦前」  日本で著名なタレントのタモリという人が、テレビで「新しい戦前」と発言して話題になったと聞きました。今、ウクライナでは戦争状態にあります。このことはアジアでの戦争がどのようなものになりうるか、非常にビビッドな印象を人々に与えたと思います。それまで人々は中国が台湾に軍事侵攻する可能性をまともに考えていなかったでしょう。しかし今は、戦争がどのようなものになるかリアルに想像することができます。そういう意味でタモリ氏の発言は意味があります。もちろん、台湾侵攻が実際に起きるかどうかは全く別の問題です。 中国の台湾侵攻で、日本は直接戦争に行くことはできませんが、少なくともアメリカ支援という形で台湾への支援ができると思います。アメリカは、特に沖縄に米軍基地を置いていることで日本に依存しています。アメリカの航空機や船舶がこの基地を使えなければ、アメリカは台湾を支援することはできません。そのレベルまで日本が積極的にアメリカ支援を行わなければならないのかどうか。きわめて重要な決断の一つになるでしょう』、「アメリカは、特に沖縄に米軍基地を置いていることで日本に依存しています。アメリカの航空機や船舶がこの基地を使えなければ、アメリカは台湾を支援することはできません。そのレベルまで日本が積極的にアメリカ支援を行わなければならないのかどうか。きわめて重要な決断の一つになるでしょう」、その通りだ。
タグ:柿沼 陽平氏による「F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評」 東洋経済オンライン リベラリズム (その2)(F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評、フランシス・フクヤマ「リベラリズムが侵食されている」 急激に広がる反リベラリズムと「寛容」が損なわれた世界) 「彼の著作をよく読むと、どれも決して極論に走っているわけではない。むしろ、行き過ぎたリベラリズムを批判しているほどだ。折しも21世紀初頭の米国では世界各地に民主と自由を広め、逆らえば武力攻撃も辞さない、いわゆるネオコンが台頭したが、著者はそれにも反対していた」、なるほど。 「民主主義・自由主義・市場主義にはバラ色の側面だけでなく、むしろ人間にとって不可欠な気概・優越願望・誇り・名誉をめぐる闘争を助長する面もある・・・冷戦以降の経済的なネオリベラリズムが個々人の経済的格差を是認し、資本主義に対する貧困層の怒りを生んだ。 さらに個人の自律性(選択の自由)の過度な重視は、個人主義や普遍主義に対する批判的論調を先鋭化させ、本来リベラリズムの根幹にあった寛容さの概念が失われた・・・人々が政治に参加することを民主主義というならば、ロシアのプーチン大統領もそれによって選ばれた政治家ではあるが、問題はロシアのそれが寛容さを欠く非リベラリズム的民主主義であることだ。テクノロジーの発展により言論の自由やプライバシーもおびやかされている」、なるほど。 「リベラリズムを維持するために、最低限のナショナリズムが必要なのだ」、何故なのだろう。「オンライン雑誌『American Purpose』を運営し、論陣を張っている。目的は、米国におけるトランプの台頭や英国のEU離脱、さらにはウクライナ戦争を視野に、寛容さに基づくリベラルデモクラシーを復権することにある。 著者は理論一辺倒に走ることなく、眼前に広がる社会問題の解決策を模索し、かつての楽観的側面は相当後退している。円熟期の著作として翫味したい」、今後の『American Purpose』などを通じた同氏の活動に期待したい。 AERAdot「フランシス・フクヤマ「リベラリズムが侵食されている」 急激に広がる反リベラリズムと「寛容」が損なわれた世界」 「ポピュリズムが広まった要因は、グローバリゼーションの結果、格差が拡大したことでしょう。多くの労働者階級の仕事が消えていく中で、エリート層はそんなことなど一向に気にかけていないように彼らは感じた。社会的・文化的な面で言えば、保守的な人たちにとってLGBTへの理解は容易には受け入れられないものです。経済成長もできず、社会的・文化的に従来とは異なる規範が拡大し続けていることが積もり積もって、それを打破してくれるかのようにふるまうポピュリストの急激な台頭を招いたのです」、なるほど。 「習近平政権は中国史上初の3期目に入り独裁的な傾向をますます強めています・・・ゼロコロナ政策では社会が不安定になるとわかった途端、すぐに舵を切った。アメリカとの緊張も、ある程度緩めたいと思っているでしょう」、なるほど。 「アメリカは、特に沖縄に米軍基地を置いていることで日本に依存しています。アメリカの航空機や船舶がこの基地を使えなければ、アメリカは台湾を支援することはできません。そのレベルまで日本が積極的にアメリカ支援を行わなければならないのかどうか。きわめて重要な決断の一つになるでしょう」、その通りだ。
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