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米中経済戦争(その17)(知らぬ間に中国の国民抑圧に加担する 日米欧の民間企業、池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する、「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険 『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』 #3) [外交]

米中経済戦争については、昨年8月6日に取上げた。今日は、(その17)(知らぬ間に中国の国民抑圧に加担する 日米欧の民間企業、池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する、「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険 『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』 #3)である。

先ずは、昨年10月12日付け日経ビジネスオンラインが掲載した元アメリカ国家安全保障担当大統領補佐のH・R・マクマスター氏による「知らぬ間に中国の国民抑圧に加担する、日米欧の民間企業」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00373/100400002/
・『中国側と技術開発などで協業している日本や欧米の企業は数多いが、いつの間にか技術を転用され、中国共産党が国民を監視したり人民解放軍の能力を向上させたりするために利用されているケースがある。また、新技術の開発や投資でも、日米欧は中国に後れをとっている。対抗するためにはどのような政策が必要なのか。 トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、歴史的な対中政策の転換を主導したH・R・マクマスター氏の著作『戦場としての世界 自由世界を守るための闘い』から一部抜粋して紹介する。 ※本記事の内容は本書からの抜粋で著者個人の見解。タイトル、見出し、写真選定は編集部によるもの。写真はイメージ』、「歴史的な対中政策の転換を主導した」人物の著作とは興味深そうだ。
・『開かれた社会に付け入ろうとする中国共産党  中国共産党は、自分たちの中央集権型の国家主義的な経済システムには優位性が備わっていて、特に官、産、学、軍を巧みに調整する能力で並ぶものはないと自負している。そして、アメリカなどの分権的で自由市場を中心とする経済システムは中央から指令を下す中国の戦略、例えば「中国製造2025」の産業政策や「一帯一路」構想、軍民融合の政策に太刀打ちできないと見る。 これに対抗するため、アメリカをはじめとする自由市場型の経済システムを持つ国々は、中国からの侵略の手をはねのけつつ、分権的な構造と制約のない起業家精神の発露こそが競争上、優位にあることを示さなければならない。 ここで大きなカギを握るのは民間セクターである。新しい技術の開発と実用化の最前線にいる企業や学術機関にとって、中国に対する油断は禁物であり、彼らがルールを破ってでも、開かれた社会と自由市場型の経済に付け入ろうと企(たくら)んでいることを認識する必要がある。 競争上の優位性を維持するための最初のステップは、中国による我々の技術の窃盗を取り締まることである。海外からの対米投資の影響を国家安全保障上の観点から検証する作業を経て大がかりな改革が実現したものの、効果的な防御策を継続的に追加していくことが求められる。 具体的には、アメリカ企業に対して、中国に関連した法人から投資を受け入れたり、中国側から技術移転の要請があったり、また、自らが中国共産党の中核的な技術の開発や人民解放軍の近代化のプログラムに参加したりする場合には報告させることである。 中国は国家資本主義のモデルを広めることだけでなく、監視警察国家の完成を目指してアメリカ経済の開放性に乗じようとしている。それを防ぐ取り組みには改善の余地が大いにある。 法の支配と個人の権利を重視する国々では、多くの大学、研究機関、そして企業が承知の上で、あるいは知らないうちに中国側に加担し、中国共産党が国民を抑圧する技術を実際に使い、また、人民解放軍が自らの能力を引き上げることに手を貸している。これらは軍民両用の技術があるために生じている。 民間セクターは新たな協力先を探し、自由市場型の経済や代議制、法の支配を尊重する姿勢を共有できる相手と組むべきである。多くの企業が監視技術、人工知能(AI)、遺伝子工学などの分野で中国側と合弁や提携を進め、結果的に中国共産党が国内の治安対策に適した技術を開発することを助けている。他にも複数の企業が中国からの投資を受け入れ、中国共産党はそれらを糸口に必要な技術にアクセスしている。 多くの事例からもう一つ挙げれば、マサチューセッツ州に本社を置くある企業が提供した遺伝子抽出装置は、中国共産党が新疆でウイグル族の住民を追跡するのに役立った。また、グーグルは中国からハッカー攻撃を受け、中国共産党によって国民が情報にアクセスできないようにサービスを遮断されたが、同社はアメリカの国防総省とのAIでの協業は拒んだ。 中国の国民を抑圧するための取り組みだと分かった上で、あるいは、いつの日にか同じアメリカ市民に対して行使されかねない軍事能力を構築する計画だと分かった上で中国共産党に協力する企業は、罰せられなければならない』、「民間セクターは新たな協力先を探し、自由市場型の経済や代議制、法の支配を尊重する姿勢を共有できる相手と組むべきである。多くの企業が監視技術、人工知能(AI)、遺伝子工学などの分野で中国側と合弁や提携を進め、結果的に中国共産党が国内の治安対策に適した技術を開発することを助けている。他にも複数の企業が中国からの投資を受け入れ、中国共産党はそれらを糸口に必要な技術にアクセスしている」、「中国の国民を抑圧するための取り組みだと分かった上で、あるいは、いつの日にか同じアメリカ市民に対して行使されかねない軍事能力を構築する計画だと分かった上で中国共産党に協力する企業は、罰せられなければならない」、その通りだ。
・『新しい技術の採用で優位に立つ中国  アメリカ、ヨーロッパ、日本の資本市場での審査の厳格化も、企業が中国共産党の権威主義的な目標に向けた動きに加担することを制限する上で役立つだろう。国内での人権侵害や国際条約への違反行為に直接的に、あるいは間接的に関与している多くの中国企業がアメリカの証券取引所に上場している。これらの企業は、アメリカおよび他の西側諸国の投資家たちからの恩恵に与っている。 上場中国企業は全部で700社余り。このうちニューヨーク証券取引所に86社、ナスダック市場に62社が上場し、規制の緩い店頭市場では500を超す銘柄が取引されている。上場廃止の候補の1社がハイクビジョン(杭州海康威視数字技術)だ。ウイグル族の住民たちを特定し、行動を監視するための顔認証技術を持ち、同社が生産する監視カメラは新疆の強制収容所の壁に並んでいる。 同社は、親会社で国有の中国電子科技集団と共にアメリカの商務省のエンティティ・リスト(多くの人々が「ブラック・リスト」と呼ぶもの)に掲載されている。我々が持つ自由市場型の経済は世界の資本の大半を管理しているという意味では、中国の経済よりもはるかに大きな影響力がある。 しかし、防衛のための態勢はまだ不十分だ。自由で開かれた国々は、改革と投資を通じて装備面での競争力をテコ入れする必要がある。中国のほうが新しい技術の採用という点では明らかに優勢だ。上意下達型の意思決定システム、政府の補助金の存在、リスクを恐れない姿勢、アメリカやその他の民主主義の国々でよく見られるような規制や官僚制度の壁が比較的少ないこと、倫理的な障害がないこと(例えば遺伝子工学や自立型兵器の分野で)など、これらすべてが民生分野と人民解放軍の現場での技術の迅速な利用を促している。 アメリカもその他の国々も倫理面で妥協してはならないが、中国と比べた場合の弱点の多くは、実は自分で作り出したものだ。一例を示せば、アメリカの国家安全保障にかかわる機関には官僚的な硬直性という病状が長年、表れていた。国防関連の予算計上と装備の調達が遅くて柔軟性に欠ける点も長らく対策が検討されてきたが、効果のある見直しはほとんど実現していない。今度も改革を実現できなかった場合、代償はあまりに大きい。 装備の調達計画を複数年の継続予算に組み入れて予測可能性を持たせることができずにいることや、込み入ったままになっている装備調達の仕組み、そして防衛近代化策が先送りになっていることはもはや許容できないほどだ。 また、国防総省と取引を始めることは本当に難しく、それが最も革新的な中小企業にこの国の防衛能力への貢献を思いとどまらせ、ひいては新しい技術が日の目を見ずに終わる結果をもたらしている。何年も時間をかけて研究開発を進め、能力を一つずつ設計・検証していくやり方はもはや通用しない。 人民解放軍はこれまで続いたアメリカの軍事的優位を無効にするべく、新たな能力や対抗手段を開発している。つまり、国防総省と米軍は優雅に存在感を失っていくリスクに直面している。民間セクターと国家安全保障に関連した機関・産業との間の障壁を減らせば、この重要な分野での自由市場型のイノベーションの可能性を解き放てるだろう』、「民間セクターと国家安全保障に関連した機関・産業との間の障壁を減らせば、この重要な分野での自由市場型のイノベーションの可能性を解き放てるだろう」、「障壁を減ら」してもらいたいものだ。
・『先端技術分野での投資が重要になる  官僚的なやり方を合理化しても、中国の巨額の投資に対抗するにはまだ足りない。中国は新興の軍民両用の技術に投資して、データ主導の経済と軍事力を前進させている。アメリカが一段と能力を高め、攻撃的になる人民解放軍に対して格の違いを見せつけるほどの優位性を保つには、政府と民間セクターによるAIやロボット工学、拡張・仮想現実、材料工学といった技術分野への投資が重要となるだろう。 インド太平洋地域にまたがる多国間の防衛協力も焦点であり、将来をにらんだ防衛能力の共同開発にまで広げる必要がある。その最終的なゴールは、武力の行使によって目的を達成することは不可能だと中国共産党を納得させることである。宇宙やサイバー空間を防衛する能力の開発における多国間協力も、これらのせめぎ合いの対象となっている領域(ドメイン)への中国の侵略を食い止める効果が期待される。 また、台湾の防衛能力は中国を遠ざけておくのに十分なほど強固でなければならない。中国が台湾に対して抱く計画は多くの犠牲をもたらす戦争につながりかねず、戦火は東アジアの大部分に広がる可能性もある』、「アメリカが一段と能力を高め、攻撃的になる人民解放軍に対して格の違いを見せつけるほどの優位性を保つには、政府と民間セクターによるAIやロボット工学、拡張・仮想現実、材料工学といった技術分野への投資が重要となるだろう」、「台湾の防衛能力は中国を遠ざけておくのに十分なほど強固でなければならない」、その通りだ。
・『「法の支配」を民主主義国の弱みと捉える中国  我々の自由市場を劣後した経済システムだとみなす中国共産党は、アメリカやその他の民主主義の国々における法の支配という原理も我々の相対的な弱みだと位置づけている。中国共産党にとって法を至上なものとする考え方は受け入れがたい障害物であり、法の前ではすべての人々を平等に扱うという要件も、法の適用にあたっては主観を排して公平にあたるという基準も中国共産党は退ける。 しかし、ここでも中国が相手の弱みと捉えているものは、実際には自由で開かれた国々の優位性の基盤をなしており、我々はそれを中国共産党との競争に適用しなければならない。 例えば、中国のスパイ行為に対抗するために必要な情報を各国の国民や企業、政府に与えるのも法の支配であり、具体的には法的に適正な手続きの下で行われる捜査(その結果は公表される)である。 2019年になって、中国製の通信機器で構築されたインフラと、持続的なサイバー攻撃によるスパイ活動の組み合わせは、経済の安定や国家の安全保障に深刻な脅威となることが判明した。そこで、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、台湾はそろって中国の通信関連企業のファーウェイ(華為技術)を自らの通信網から排除し、他の国々も追随するようにと訴えた。 2020年2月になると、アメリカの司法省はファーウェイとその複数の子会社が謀議の上で企業秘密を盗み出し、不当な利益を得たとして起訴した。法執行機関による捜査は引き続き重要な役割を果たすだろう。ただし、中国共産党はあまりに多くの大学や研究機関、企業に浸透しており、中国の産業スパイの全容を暴くには、調査報道のジャーナリストたちを含めた総がかりの対応が求められる。 表現の自由、起業の自由、そして法の下での保護は互いに欠かせない関係にある。そして、これらが一体となって我々に競争上の優位性を与える。それは、中国の産業スパイやその他の中国からの経済的な攻勢に対抗する上で役立つばかりか、中国共産党の政策への批判を控えさせ、逆に支持させることを狙って仕掛けてくる影響力拡大のための活動を打ち負かす際にも有効だ』、「表現の自由、起業の自由、そして法の下での保護は互いに欠かせない関係にある。そして、これらが一体となって我々に競争上の優位性を与える。それは、中国の産業スパイやその他の中国からの経済的な攻勢に対抗する上で役立つばかりか、中国共産党の政策への批判を控えさせ、逆に支持させることを狙って仕掛けてくる影響力拡大のための活動を打ち負かす際にも有効だ」、その通りである。

次に、本年5月9日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの池上 彰氏による「池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/584132
・『今、アメリカと中国の関係がここ数十年で一番険悪になっているといわれています。米中対立はアメリカのトランプ前大統領の時代に激しくなりましたが、バイデン大統領に代わってからも一向に収まる気配がありません。 「2つの大国がもめてるだけ。自分には関係ないや」と思っている人がいるかもしれませんが、それは違います。世界は「米中新冷戦」の時代に入ったともいわれています。両国の厳しい対立は日本にも大きく関係してくるのです。 そもそもこんな事態になったのはなぜでしょうか。米中の対立で、日本はどうなるのか?『20歳の自分に教えたい現代史のきほん』(池上彰+「池上彰のニュースそうだったのか!!」スタッフ・著)より、一部を紹介します』、興味深そうだ。
・『台湾有事で米中戦争が勃発!?  2021年1月、中国側からこんな発言が飛び出しました。「台湾独立を目指す勢力に本気で告げる。(中略)台湾独立は戦争を意味する」。 極めて稀なことですが、中国国防省の呉謙報道官が「戦争」に言及しました。台湾は独立したほうがいいのではないかと言っている人も台湾の中にはいます。しかし、もしそんなことをやろうとしたら戦争になるぞと中国が脅したわけです。 中国と台湾が戦争になったら台湾を助けに駆けつけるのはアメリカです。 ①アメリカは台湾を守るために様々な武器を台湾に売ることができる。 ②台湾が軍事攻撃などを受けた場合、アメリカはそれに適切に対応する。 アメリカが1979年に制定した台湾関係法という法律に、こういった内容が盛り込まれています。これは条約ではありませんが、この法律ができたことでアメリカと台湾の関係は事実上の軍事同盟になったのです。 したがって、いざというときは、アメリカは国内の法律に基づいて台湾を助けようとします。そうなれば必然的に台湾をめぐってアメリカと中国が衝突することになり、米中間の戦争になりかねないということです。 2021年3月、アメリカ軍の司令官が「今後6年以内に中国が台湾を侵攻する恐れがある」と発言してニュースになりました。侵攻するとは、軍事攻撃を行うということ。もし中国が台湾に軍事攻撃を仕掛けたら、アメリカはどう動くでしょうか』、国交がないので、条約を結ぶことが出来ず、代わりに「台湾関係法という法律」で定めたようだ。
・『日本にある米軍基地から出動  アメリカ軍が台湾を応援するために出動するとなると、どこから出動すると思いますか?台湾に一番近い沖縄や佐世保、横須賀などの米軍基地から出動するはずです。 今、沖縄からアメリカ軍の船が台湾に向かって出動したとします。中国から見たとき、台湾を攻める上でアメリカの船は邪魔になるため、おそらくこれを攻撃するでしょう。もし沖縄から出港した直後にアメリカの船が中国から攻撃されたら、日本の自衛隊はどうしますか?黙って見ていますか? 別のシナリオも考えられます。沖縄からアメリカ軍が出動するということになれば、中国はその前に沖縄の基地にいるアメリカ軍を叩こうとするかもしれない。そのときは沖縄の基地にミサイルが飛んでくることもあり得ます。 この例からもわかるように、私たちは「これはアメリカと中国の台湾をめぐる対立だ」と何となく他人事のように思っているところがありますが、台湾で軍事衝突が起きたら日本も巻き込まれるのです。 そこで近年、日本や世界の国々である取り組みが進んでいます。それが中国包囲網の形成です。 まず、ファイブアイズというのがあります。文字通り「5つの目」のことで、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが機密情報を共有するために結んだ協定です。この5カ国がお互いに情報を交換しながらスパイ活動での連携を取り合っています。 もう1つが、最近よくニュースに出てくるクアッドです。 クアッド(quad)は英語で「4つの」を意味する言葉。日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国で中国に対抗していこうという枠組みです。ただ、4カ国のうちインドの立場は特殊です。 というのは、伝統的にインドは「非同盟主義」といって、特定の陣営に肩入れしない、いわば全方位外交をとってきたからです。中国は脅威ではあるけれども、できれば敵対したくないと考えています。 そこでアメリカは21年9月、イギリス、オーストラリアと3カ国でオーカスという枠組みを発足させました。それぞれの国(「Australia」「United Kingdom」「UnitedStates」)の頭文字を取ってオーカス(AUKUS)です。 日本は憲法上の制約から軍事面での協力には限度があり、インドは非同盟主義です。この点を考慮して、中国の動きを抑えるため3カ国で軍事同盟を作ったのです』、「ファイブアイズ」は「5カ国がお互いに情報を交換しながらスパイ活動での連携を取り合っています」、「クアッド」は「4カ国で中国に対抗していこうという枠組み」、「AUKUS」は「中国の動きを抑えるため3カ国で軍事同盟」、対中国では3つの枠組みが出来たようだ。
・『一連の動きに中国も反応し始めている  一連の動きに中国も反応し、早速新たな動きを見せ始めました。 アメリカが中国包囲網を作るというなら、その中国包囲網をさらに外側から包囲するような新たな包囲網を作ろうということで、反米ネットワーク作りに余念がありません。 ロシアとの関係を強化し、トルコやイラン、さらに中東のアラブ諸国の中でバイデン政権になってからアメリカとの関係がギクシャクしている国などを取り込んで、アメリカ包囲網を作ろうとしています。 世界を舞台にアメリカと中国がそれぞれ包囲網を作ろうと動いていて、地球レベルで今、それぞれが陣地の取り合いをしている。それが現在の状況です。そういうなかで日本はどう行動するのかが今まさに問われているのです』、「中国」は南太平洋諸島に王毅外相を派遣して安保条約を結ぼうとしたが、ギリギリになって米豪が巻き返したことで、不発に終わった。このように米中間の摩擦は極度に緊張しつぁ段階にあるようだ。

第三に、5月30日付け文春オンラインが掲載した国際ジャーナリストの山田敏弘氏による「「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険 『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』 #3」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/54499
・『中国への情報漏えいを恐れて、本格的な「ファーウェイ排除」を進めるのがアメリカだ。2018年から同盟国に対し、5G通信機器などでファーウェイ製品の排除を要請している。ところが、この問題に対して日本はいまだに明確な対策を打てていない。 危機意識の低いこの国はどうなってしまうのか? 国際ジャーナリストの山田敏弘氏による新刊『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/#1、#2を読む)』、興味深そうだ。
・『世界が進める「ファーウェイ排除」  ここまで見てきたアメリカとロシア・中国の争い。そしてそこに巻き込まれる欧州。もちろん日本も他人事ではない。世界規模の覇権争いが続く中で、日本はどういう立場を取るべきなのか。実は日本は非常に中途半端な姿勢を見せている。 その一例が、ファーウェイ排除である。アメリカは2018年成立の国防権限法により本格的にファーウェイ排除措置がとられるようになってから、同盟国に5G通信機器などでファーウェイ製品の排除を要請した。10年も前から米政府はファーウェイを安全保障のリスクだと結論づけて警戒しており、国防権限法の前から国防総省などは米軍基地での使用禁止措置などをとっていた。 オーストラリアはすぐに反応し、同年のうちに安全保障への脅威からファーウェイを禁止にする予定であると発表した。 では、日本はどう対応したのか。米政府のファーウェイ排除要請の直後、「読売新聞」など大手メディアは、日本政府もファーウェイなどの製品を政府調達から排除すると報じた。 ロイター通信や香港の「サウス・チャイナ・モーニングポスト」、オーストラリアの「シドニー・モーニング・ヘラルド」など海外のメディアでも大きく報じられている。この動きを受けて、中国商務省は日本政府に対して、「日中関係に悪影響を及ぼす可能性がある」と脅しもかけてきた。 こうした動きをみれば、多くの人が日本政府もファーウェイ製品を排除したと考えるだろう。 ところが、である』、「中国商務省は日本政府に対して、「日中関係に悪影響を及ぼす可能性がある」と脅しもかけてきた」、初めて知った。
・『自衛隊に中国系PCが支給される始末  先日、日本のサイバーセキュリティの司令塔である内閣サイバーセキュリティセンター(NISC=ニスク)の関係者に話を聞いたところ、「各省庁の調達時に、ある特定メーカーを名指しして排除はしていない」と言うのだ。さらに2020年12月に平井卓也デジタル改革担当相(当時)も記者会見で「我が国のこの申し合わせでは、特定の事業者とか機器を名指しで排除するような記載はしていません」と発言している。 防衛省関係者もこう話す。 「機会均等という観点で、調達にも特定の企業を排除するということはしないのが防衛省。さらに備品などもなるべく安く購入できるならそちらを選ぶこともあり、セキュリティがトッププライオリティになっていない現実がある」 さる自衛隊関係者も最近、「これだけ(スパイ疑惑が)言われているのに、職員に中国系のメーカーのノートパソコンが配られて唖然とした」と嘆いていた。 日本政府の危機意識は欧米に比べて圧倒的に低いのが現実なのだ。 あらためてファーウェイの日本語公式サイトをチェックしてみた(2022年3月22日閲覧)。すると、Q&Aの項目にこんな記述が掲載されていた。 Q:ファーウェイは日本の5Gネットワーク構築から排除されているのですか? A:日本政府が発表した調達ガイドラインは、特定の国や会社について詳細を述べたものではありません。 この記述を見ると日本からは、ファーウェイ製品が排除されていないとしか読めない。 ファーウェイについては、さらにこんな話もある。 中国には「国家情報法」という、個人も企業もスパイ組織に協力しなければいけない法律がある。実はこれが思いがけず、日本人にも影響を及ぼす問題が発生しているのだ』、「自衛隊に中国系PCが支給される始末」、「備品などもなるべく安く購入できるならそちらを選ぶこともあり、セキュリティがトッププライオリティになっていない現実がある」、とんでもないことだ。
・『「LINEのユーザーデータ」も中国にダダ漏れ  それが、2021年3月に「朝日新聞」の報道で発覚した、無料通信アプリLINEのサーバー問題である。通信アプリとして国内最大の8600万人のユーザーをもつLINEのユーザーデータが、中国の関連企業で閲覧可能になっていたと判明し、大きな騒ぎになった。実際に中国人4人がLINEの技術開発に関わる際にデータにアクセスできていたと、LINE側は認めている。 もともと韓国ネイバー社の下に作られたLINEだが、本国の韓国よりも日本で人気のアプリになった。 LINEの運営会社幹部は筆者にこう話す。 「LINEの開発部門を韓国側が担ってきた。日本の運営会社からは開発をコントロールしづらい環境にありました。その韓国側が中国法人に下請けさせ、そこで働く中国人たちが日本人のデータにアクセスできるようになっていたのが実態です」 言うまでもなく、中国の国家情報法によれば、こうした中国法人の扱うデータも政府が手に入れることが可能になる。 ただこの幹部はこれまで明らかになっていなかった事実をこう暴露する。 「LINEの開発部門はAIの開発も進めており、できる限りのデータを蓄積させたがっていたのです。そのために、LINEを使う大勢の日本人の写真や動画、ファイルといったデータを韓国に置いているサーバーに保存していました。今回、批判を浴びたことから、現在はすべて日本で保存するように変わりました。ですがそれよりも問題なのは、日本人のデータを保存していた韓国側のサーバーなどの機器が、中国のファーウェイ製だったことです」 ここまで見てきたように、ファーウェイへの疑惑を顧みると、この事実の重みがわかるだろう。我々、個人がファーウェイ製品を使わないと決めていても、世界がインターネットでつながっている現在、どこで情報が把握されているのかわからないのだ』、「LINE」は「サーバー」を「韓国」から「日本」に移したが、「サーバーなどの機器が、中国のファーウェイ製だった」、とはどこまでいっても安さ優先の企業のようだ。
タグ:米中経済戦争 (その17)(知らぬ間に中国の国民抑圧に加担する 日米欧の民間企業、池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する、「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険 『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』 #3) 日経ビジネスオンライン H・R・マクマスター氏による「知らぬ間に中国の国民抑圧に加担する、日米欧の民間企業」 「歴史的な対中政策の転換を主導した」人物の著作とは興味深そうだ。 「民間セクターは新たな協力先を探し、自由市場型の経済や代議制、法の支配を尊重する姿勢を共有できる相手と組むべきである。多くの企業が監視技術、人工知能(AI)、遺伝子工学などの分野で中国側と合弁や提携を進め、結果的に中国共産党が国内の治安対策に適した技術を開発することを助けている。他にも複数の企業が中国からの投資を受け入れ、中国共産党はそれらを糸口に必要な技術にアクセスしている」、「中国の国民を抑圧するための取り組みだと分かった上で、あるいは、いつの日にか同じアメリカ市民に対して行使されかねない軍事能力を構 「民間セクターと国家安全保障に関連した機関・産業との間の障壁を減らせば、この重要な分野での自由市場型のイノベーションの可能性を解き放てるだろう」、「障壁を減ら」してもらいたいものだ。 「アメリカが一段と能力を高め、攻撃的になる人民解放軍に対して格の違いを見せつけるほどの優位性を保つには、政府と民間セクターによるAIやロボット工学、拡張・仮想現実、材料工学といった技術分野への投資が重要となるだろう」、「台湾の防衛能力は中国を遠ざけておくのに十分なほど強固でなければならない」、その通りだ。 「表現の自由、起業の自由、そして法の下での保護は互いに欠かせない関係にある。そして、これらが一体となって我々に競争上の優位性を与える。それは、中国の産業スパイやその他の中国からの経済的な攻勢に対抗する上で役立つばかりか、中国共産党の政策への批判を控えさせ、逆に支持させることを狙って仕掛けてくる影響力拡大のための活動を打ち負かす際にも有効だ」、その通りである。 東洋経済オンライン 池上 彰氏による「池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する」 国交がないので、条約を結ぶことが出来ず、代わりに「台湾関係法という法律」で定めたようだ。 「ファイブアイズ」は「5カ国がお互いに情報を交換しながらスパイ活動での連携を取り合っています」、「クアッド」は「4カ国で中国に対抗していこうという枠組み」、「AUKUS」は「中国の動きを抑えるため3カ国で軍事同盟」、対中国では3つの枠組みが出来たようだ。 「中国」は南太平洋諸島に王毅外相を派遣して安保条約を結ぼうとしたが、ギリギリになって米豪が巻き返したことで、不発に終わった。このように米中間の摩擦は極度に緊張しつぁ段階にあるようだ。 文春オンライン 山田敏弘氏による「「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険 『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』 #3」 「中国商務省は日本政府に対して、「日中関係に悪影響を及ぼす可能性がある」と脅しもかけてきた」、初めて知った。 「自衛隊に中国系PCが支給される始末」、「備品などもなるべく安く購入できるならそちらを選ぶこともあり、セキュリティがトッププライオリティになっていない現実がある」、とんでもないことだ。 「LINE」は「サーバー」を「韓国」から「日本」に移したが、「サーバーなどの機器が、中国のファーウェイ製だった」、とはどこまでいっても安さ優先の企業のようだ。
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日韓関係(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感) [外交]

日韓関係については、昨年10月18日に取上げた。今日は、(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感)である。

先ずは、本年5月20日付け東洋経済オンラインが掲載したスタンフォード大学講師のダニエル・スナイダー 氏による「アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/590592
・『就任してから初めてアジアを訪問するアメリカのジョー・バイデン大統領は、日本と韓国と5日間かけてめぐる、検討課題満載の日程を組んでいる。 ロシアの侵略、中国の大国主義、北朝鮮のミサイルや核実験などに直面し、同盟関係の深化や抑止力の強化について多くの議論を交わす見込みだ。今回はまた、アメリカが経済的関与をないがしろにしているという印象に対処するための緩やかな新しい構想である、インド太平洋経済枠組みの発足も予定されている。 さらに、来訪の最後は、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの準同盟である「クワッド」の首脳が日本で行う首脳会談で締めくくられる予定だ』、確かに「検討課題満載の日程」のようだ。
・『「世界連合をまとめた」と主張できる  元ブッシュ大統領国家安全保障顧問で、ジョージタウン大学のマイケル・グリーン教授は、「大統領の訪問を成功させるための体制は整っている」と話す。 「ウクライナに対応しながら、インド太平洋に注力できる政権であることを、今回訪問することだけでも誇示することができる。そればかりか、ウクライナに侵攻したプーチンに対して、経済的、地政学的、外交的に実に前例のない結果をもたらした世界的連合をまとめ上げることができたのは、アメリカだけだったと主張することもできる」 しかし、バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、同氏が今回訪問するアメリカの2つの同盟国、日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復することだ。 韓国の政権が保守派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に移ったことで、関係の悪化に歯止めをかける機会は生まれている。尹大統領は日本との関係を優先させると公言しており、最初のうちは積極的な交流があった。より重要なことは、尹大統領が、バイデン政権が形成した世界と地域の枠組みに沿って、韓国を再配置しようと動いていることだ。 チャンスはあるとアメリカの高官らは考えているが、アメリカを含むすべての関係諸国がそれを生かすために十分な行動をとるかという疑問は残る。 サプライチェーンの回復力から北朝鮮の脅威まで、ほかの領域では多くの利益を共有しているにもかかわらず、韓国における戦争の歴史と日本の植民地支配の負の遺産という問題は、依然として難しい障壁となっている。日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えているのだ』、「バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、・・・日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復すること」、「日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えている」、これでは難しそうだ。
・『日韓関係の悪化はアメリカにもマイナス  日本と韓国が正常な関係を回復できないことは、インド太平洋においてアメリカがいる場で価値主導の意図を主張しようとするアメリカの努力を損なうものだ。 同盟国の2カ国が協力できないことで、「日米豪印戦略対話」をより広範な同盟に昇格させることであれ、日本の「自由で開かれたインド太平洋」の構想であれ、この戦略が損なわれてしまう。それによって、中国やロシアにアメリカとその同盟諸国の関係を悪化させるチャンスを与えかねない。 ロシアがウクライナに侵攻したことで、アメリカとヨーロッパが世界中の、特にアジアの同盟諸国を共通の大義に結集しようとしている中、こうした課題の緊急性が一層高まっている。もし、これが民主主義と権威主義の間の闘いであるならば、この日韓の目に見える隔たりは明らかな問題だ。 日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった。 ここ最近ではアメリカ、日本、韓国の3国間の協力関係の重要性を強調する発言や政府関係者の会合が相次ぐようになっている。しかし、いまだ韓国と日本は戦時中からの負の遺産を克服できておらず、そのことにアメリカ政府関係者は強いフラストレーションを感じており、愚痴を耳にすることもよくある。 バイデン政権には、オバマ政権での要職経験者が多く参画している。中には安倍政権および朴政権の初期に韓日関係の悪化が始まった際に、その関係改善に取り組んだ者もいる。 そして、当時繰り広げられた議論の一部が今また繰り返されている。政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正面から取り組んでいくことなくして成功は覚束ないというように考える関係者もいる』、「日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった」、(米国)「政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正面から取り組んでいくことなくして成功は覚束ないというように考える関係者もいる」、米国側の姿勢も一枚岩ではないようだ。
・『楽観的観測が持たれる状況に  今回、韓国に保守政権が誕生したこと、そして、日本では外務相にワシントン通の林芳正氏を擁する岸田文雄政権に政権運営が移行したということもあり、一部で多少なりの楽観的観測が持たれる状況を生んでいる。 北朝鮮でミサイル発射実験が活発化してきており、さらに核実験再開の準備が着々と進んでいるという状況、そしてウクライナ戦争という世界的に緊迫した情勢が組み合わさることで、日本と韓国が両国の関係を改善し、アメリカを含めた3国間の安全保障協力関係を緊密化していこうとする機運が醸成されることになっているように思われる。 だが、バイデン政権の幹部の中にはーーこれには以前に深く関与した経験を有する者も含まれるのだがーー関係正常化は係争となっている歴史問題についてアメリカの積極的関与、といってもこれは必ずしも仲介を意味するわけではないが、それがなくとも起こりうるものであり、まして和解となればなおさら起こりうるものであるとして、この案に反対する者もいる。 筆者が最近参加した日米関係に関するある非公開の会合で、バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」と述べている。 この幹部は、オフレコを条件に、日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆した。 「アメリカに可能なことのうちで最も重要なことを1つ挙げるとすれば、それは両国関係の本物の改善が実現するよう支援することである。これは高貴かつ重要な努力であり、われわれはこうした努力を払うことを避けて通るべきではない」この幹部は話す』、「バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」」、「日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆」、この「幹部」が「日韓関係」をここまで重視しているとは驚かされた。
・『アメリカが圧力をかけない理由  だがこれまでのところ、今回の歴訪においてバイデン大統領が取り組む予定の1つに加えようとする試みが目に見える形でなされている形跡はまったくない。 それどころか、強調されているのはアメリカが有する計画のうちの別の分野であって、日本と韓国がもしかしたら協力するかもしれないことである。例えば、サプライチェーン(供給網)の強靭さを高めることやインド太平洋におけるデジタルサービス枠組の合意といったこととなっている。 アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない。 日本の公式見解は、最初の一歩を進める責任は韓国にあるというものだ。日本政府は、韓国が植民地時代及び戦時期に強制労働をさせられた韓国人に補償するため、日本企業の資産を接収する旨の裁判所の判決の執行をたとえ中止させないとしても、遅らせるよう要求している。 日本の政府高官は韓国政府に対し、2015年の両国間合意を復活させることも望んでいる。その合意とは、日本側の資金により基金を創設し、第二次世界大戦中、旧日本軍によって性的奴隷状態に置かれた韓国女性の生存者に補償金を支払うというものだ。 以前の文在寅・前大統領が率いる革新系政権は事実上、この合意を破棄してしまった。結果として、両国による報復措置の連鎖が生じた。この措置には、日本側による韓国向け半導体素材の輸出規制強化が含まれる』、「アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない」、なるほど。
・『国内問題で大変な尹大統領  尹大統領率いる新政権はすでに、2015年の日韓合意がなお有効であるとの立場を表明している。そして現在、日本企業の資産の差し押さえを阻止する努力が行われていることは明らかだ。ただ、尹大統領は、韓国国民の声を考慮し、日本政府側からの明確な意思表示がないままで、こうした問題に深入りする姿勢は示していない。 同大統領は早くも、野党が多数を占める国会から提起されている重要課題に直面しており、世論調査における大統領の支持率は50%を切っている。この数字は新大統領としては異例の低さであり、6月1日に行われる地方選では大きな試練を迎えることになる。 アジア問題の専門家で、安倍元首相の伝記の著者でもあるトバイアス・ハリス氏は、尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」 日本政府はなお、文政権との苦い経験を引きずっている。「日本国民は、うまく騙されたと感じている」。この問題に詳しい人物で、バイデン政権に近いアメリカの元高官はこのように話す。そして、「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言している。 岸田首相は自民党内部から批判を受けている。首相は党内において、主に、外相時代の2015年に日韓合意の交渉に携わった自身の役目により「親韓派」とみなされてきたのだ。 4月末にドイツのオラフ・ショルツ首相が訪日した際、ベルリンにある「慰安婦」の被害者を記念する銅像の問題を、首相が異例ながら提起する決定を下した背景には、そうした事情があるのかもしれない』、「尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」」、「「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言」、「尹大統領」がそんなに苦しい立場にあるとは初めて知った。そうであれば、「岸田首相」からのアクションの方がカギになりそうだ。
・『アメリカからの「圧力」が必要か  「日本の右派は、日本にとって韓国は必要でないとすでに腹を決めている」とハリス氏は言う。「岸田首相が韓国との協力が重要だと考えているのであれば、それ相応の明確な説明をしなければならないだろう」。 ところで日本の政治指導者らはこれまで、韓国との関係改善というリスクを取るにあたり、特に戦時中の歴史的問題に対処する際にはしばしば、アメリカからの明白な圧力を必要としてきた。バイデン大統領は、この問題に関して個人的な経験を有している。自身が副大統領であった時代、当時の安倍首相と朴大統領との仲裁において主要な役割を果たしたのだ。 今回の訪韓の中で「日韓の歴史問題が再優先課題として議論されることを示唆するものはなにもない」とハリス氏。しかし、水面下で実際の行動が取られる可能性はあると、同氏は言う。「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」』、「バイデン大統領は、この問題(戦時中の歴史的問題)に関して個人的な経験を有している」、「水面下で実際の行動が取られる可能性はある」、「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」、「水面下」とはいえ、「歴史問題が大きな比重を占め」る「可能性」があるのだろうか。

次に、6月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したビジネスライターの羽田真代氏による「駐日韓国大使に“知日派”内定も、慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304175
・『韓国・尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代駐日大使に内定した尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は、知日派として知られる国際政治学者だ。尹錫悦政権では日韓関係の改善が期待されるが、中でも大きな課題である慰安婦問題と徴用工問題について、尹徳敏氏が語ったこととは……。 韓国・尹錫悦政権の駐日大使に内定している尹徳敏氏は“知日派”と言われる人物だ。就任前であるが、彼の発言がにわかに物議を醸している。尹徳敏氏とはどんな人物なのか、彼の経歴を踏まえつつ、問題の発言について見ていきたいと思う』、興味深そうだ。
・『専門は政治学。米国で修士号、日本で博士号を取得  まずは、彼の経歴についてざっくりと紹介しよう。尹徳敏氏は1959年12月生まれの62歳、ソウル出身だ。ソウル市内にある徐羅伐(ソラボル)高校、韓国外国語大学政治外交学科を卒業。その後は、米国のウィスコンシン大学で学んで政治学修士号を、慶応義塾大学で法学博士号を取得した。彼が“知日派”と言われる理由がこれだ。日本語も堪能だといわれている。 彼は、外交安保研究院安保統一研究部で教授を歴任し、国立外交院が開設された後も教授職として再任された。2013年5月から2017年7月まで、朴槿恵(パク・クネ)政権下で第2代国立外交院長を務めた経験もある。 国立外交院長退任後は、母校である韓国外国語大学LD(Language&Diplomacyの略。言語と外交、国際外交について学習する学科)学部の碩座教授(せきざ、正式に採用された教授ではなく、寄付金などで研究活動をするよう大学が指定した教授)として在任している。 尹錫烈氏の大統領選挙キャンプ政策諮問団で活動し、外交政策樹立に関与した。4月下旬に日本に派遣された「韓日政策協議代表団」の7人のメンバーのうちの1人でもある』、文字通りの「“知日派”」だ。
・『日韓関係悪化は日本のせい?  物議を醸した尹徳敏氏の発言は、5月26日に東京の帝国ホテルで開かれた国際交流会議「アジアの未来」の場で出たものだ。彼はこの会議にオンラインで出席し、約30分講演している。 慰安婦問題について話題になった際、彼は「責任のある日本側が、『カネですべての問題を解決した』というような発言をしたことから、世論が大きく悪化して状況が変わった」と、日韓関係悪化を日本のせいにした。謝罪と補償の両方が解決のためには必要なのに、日本側は補償金を払ったのだから問題は解決しただろう、という態度だというのだ。 さらに徴用工問題については、「強制徴用現金化問題に対し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が現金化は望まないとの発言をしたが、尹錫悦政府はどのように見ているか」という質問に対し、「ここ数年、さまざまな解決案が出てきたが、実行しなかっただけ」と、徴用工問題が解決に向かっているかのような発言もした。 確かに、韓国側で救済案がいくつか出ていたことはメディアでも報じられた。2019年にはこれが日本政府にも提示され、救済案を提示する南官杓(ナム・グァンピョ)元駐日大使の発言を遮って「韓国側の提案はまったく受け入れられるものではない、と以前に韓国側に伝えている。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼だ」と、怒りを露わにした河野太郎元外相の姿が話題になったほどだ。 解決案が出ていたというのは韓国内だけの話で、日本が納得できる案など一つもなかった。だから「実行しなかった」ではなく、正しくは「実行できなかった」のはずだ』、「国際交流会議「アジアの未来」の場で出た」、「尹徳敏氏の発言は」確かに極めて問題が多く、失望させるものだ。
・『“知日派”在日大使は、日韓関係向上に貢献するか  知日派と言われる人物であってもこの程度の認識だ。尹錫烈政権下で日韓問題を完全に解決することは、日本が再び妥協しない限り難しいだろう。 ただ、尹徳敏氏は朴槿恵政権時の国立外交院長だった人物だから、2015年の日韓慰安婦合意を否定できず、苦し紛れに日本に責任転嫁をして、韓国民からの批判を避けた可能性はある。就任前から国民に批判されていては、駐日大使の就任が危うくなるからだ。 彼の腹の内は彼本人にしか分からないが、それでも大使就任前からこのような発言をしているようでは、日本に良い影響をもたらす人物でないと思われる。 そういえば、知日派の駐日大使といわれていた人物の中に、現大使の姜昌一(カン・チャンイル)氏という人がいた。彼は2021年5月、正式に駐日大使に就任したが、韓国国会議員だった時の反日言動が影響して、就任から1年がたった今でも、日本の首相どころか外相にすら面会できていない。駐日大使史上、最も日韓関係向上に貢献しなかった大使と言えるだろう。 新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ。なぜなら、岸田首相や林外相は関係改善に前向きで、韓国側の要人と面会することに拒否感を示さないからだ』、「新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ」、喜ばしいことだ。
・『日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる  筆者は「日韓問題を解決させないことが、日韓の関係改善につながる」と考えている。 日本と韓国の間に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約/1965年締結)」しかなかった頃、徴用工問題・慰安婦問題・竹島問題など、実際にはさまざまな問題があったが、それなりに良好な関係を築いていた。 日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい。 韓国人にとっての問題解決とは、日本が韓国の要求に文句を言わずに応じることだ。だが、1965年の日韓請求権協定でも、2015年の日韓慰安婦合意でも彼らは満足しなかった。 朴槿恵元大統領が「被害者の立場、千年不変」と発言したことが日本でも話題になったが、その言葉が示す通り、大多数の韓国人は「日本は韓国に対して半永久的に補償・謝罪を繰り返さなければならない」と考える。 このような韓国人の主張がまかり通れば、日韓間の合意など何の効力も発揮しない。締結したところで無効にされるのなら、国際法などないに等しい。それならば、これ以上の要求は聞き流すべきだ。韓国側の言い分を聞き入れることは、すなわち日本が対等な関係を放棄したことになる』、「日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい」、これで「日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる」との逆説的主張が理解出来た。
・『尹徳敏氏が駐日大使に就任後、やるべきこと 尹徳敏氏が駐日大使に就任すれば、悪化した日韓問題を解決しようと慰安婦問題や徴用工問題を持ち出して日本に妥協を迫るだろうが、岸田政権はこれを受け入れないはずだ(と信じたい)。 尹徳敏氏が動きだすことによって、収まりつつある韓国人の反日感情に再び火がともる可能性がある。もしかすると、日本製品不買運動が再開するかもしれない。 それなら、互いに関与しない方がお互いのためだ。韓国人の中には日本旅行をしたい人がたくさんいる。6月以降の航空券が飛ぶように売れているのだ。不買運動が再開すれば、2019年の時のように、再び周囲に隠れて日本旅行しなければならなくなるだろう。 韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう』、「韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう」、その通りだ。

第三に、6月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した北送在日コリアン協会会長の李 泰炅氏による「在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304080
・『Apple TV+で独占配信されているオリジナルドラマ「Pachinko パチンコ」が、海外で大評判となっている。イ・ミンホ、ユン・ヨジョン、チョン・ウンチェといった韓国の実力派俳優のほか、南果歩、澤井杏奈(アンナ・サワイ)といった俳優も出演している。原作の同名小説は2017年の全米ベストセラーになったほか、バラク・オバマ元大統領も推薦した話題作で、著者は韓国系米国人、イ・ミンジン氏である。 1910~1989年まで、4世代の在日韓国人一家を描いたこの物語の中では、戦中・戦後の日本での在日コリアンの暮らしがいかに厳しく、日本人からの差別がどれほど激烈だったかが描かれる。しかし、在日コリアンとして日本で生まれた李泰炅(イ・テギョン)氏は、このドラマに違和感を覚えるし、もっと知ってほしい“差別”がある、と話す』、「もっと知ってほしい“差別”がある」とはどういうことだろう。
・『大ヒット小説&ドラマ「パチンコ」に対する世界の反応  「パチンコ」の主人公ソンジャは、当時、日本の植民地であった釜山の影島で1910年代に生まれ、歴史の荒波にのまれた後、日本に定着する。「パチンコ」は、朝鮮人という“二等国民”として、民族差別の中で孤独や苦難を乗り越えてきた彼女の生涯を骨子にした、小説およびドラマである。 1923年9月の関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった。この悲惨な物語に、米国だけでなく世界中が感動しているという。確かに、良心をひとかけらでも持っている者なら、植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう』、「関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった」、「植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう」、なるほど。
・『日本で暮らす在日コリアンの苦しさ  歴史的に日本は、地震、大雪、火山、津波など、数多くの自然災害に遭い、被害を受けてきた。それだけでなく、狭い平地に多くの人が住み、山が多く、耕作に適した農地が少なく、昔から必死で働かねば、生きることが難しい国であった。弱肉強食と適者生存の手本のような土地だといえるかもしれない。 もし、世界中に散らばった朝鮮民族の人々が集まって、移民生活の経験を語りあうとしたら、おそらく在日コリアンの生活が一番大変だったということになるだろう。土地が広く、人口密度が低いアメリカやロシアに比べ、いや中国に比べても、在日コリアンの生活は厳しかったし、差別もまた激しかったという。今でも日本で暮らす在日コリアンは、市民権を持たない特別永住者、外国人登録証を所有する脱北者、そして韓国国籍者として暮らしている(最悪の場合は無国籍で暮らす者もいるようだ)。彼らは、韓国および朝鮮国籍なので就職も難しく、社会生活では差別を受けている。それゆえに外国の同胞社会で、在日コリアンは民族という血を中心にし、一つになってこそ暮らせるのだ。彼らは自立意識が強く、さらに理念によって、北朝鮮系の「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)」と大韓民国系の「民団(在日本大韓民国民団)」に分かれている。 「パチンコ」は、植民地時代と敗戦後の日本を舞台にして、在日コリアン社会、アメリカへの移民、1980年代の日本社会などの背景を網羅した物語である。4世代にわたり、それぞれの人生で、差別や蔑視に対抗し、力強く生活を切り開いてゆく。日本という一種独特な社会と、韓国人に対する差別意識を、パチンコを通して、赤裸々につづる。100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ』、「100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ」、なるほど。
・『在日3世が「パチンコ」を見た感想は……  ただ、私の友人の在日3世は、ドラマの8話(シーズン1の最後)まで見て、物語の背景にある日本社会の演出には違った感想を持っていた。彼は1965年(昭和40年)に日本に生まれ、現在は韓国に住んでいるが、生まれた時には親がパチンコ店を3軒経営していた。ドラマでは日本のパチンコ店の多くは在日コリアンが経営していることになっているが、「1970~80年代当時、韓国系パチンコ店は全国の5%もなかったはずだ」と彼は話す。 その他にもツッコミどころは満載だが、特に「祖国に帰りたい」という望郷の心情を演出する部分に引っかかったという。「我々在日にとっては意味が違う。故郷(韓国)の家族、親戚には会いたいが、それは決して『帰りたい』という意味ではない」というのだ。 なぜ彼は望郷の念はあっても、「帰りたいとは思わないはず」というのか。その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だという。特に彼は、文(ムン)前政権のこの5年間を韓国で過ごしたから、たまらないはずである。 彼に限らず私の多くの在日コリアンの友人たちは、特別永住権を持っていることが前提ではあるが「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという』、「帰りたいとは思わないはず」、「その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だ」、「「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという」、現在は1人当たりGDPは韓国の方が上だが、自由さは日本の方が上なのかも知れない。
・『日朝共同の帰国事業で、大勢の在日コリアンが北朝鮮へ送られた  小説とドラマを合わせれば、世界各地の数千万人もの人々が「パチンコ」に感動し、在日コリアンへの差別について知ったことになるだろう。しかし実際には、日本に暮らした同胞だけが苦労したわけではない。ここからは、「北へ送還された在日コリアン」の、決して話すことができない心情について話したい。 北へ送還された在日コリアンとは、1959~1984年の間に朝鮮総連の口車に乗せられ、日本政府も後押しした帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアンのことだ。私もその一人で、1960年、7歳のときに帰国事業で北朝鮮に渡った。 在日コリアン1世である私の両親と在日コリアン2世の我々兄弟は、北へ送還されたその瞬間から、朝鮮民族が蹂躙(じゅうりん)されたという日本を懐かしがり、死ぬ前に一度でいいから母国である日本に行きたいと、それを一生の願いとして、胸に刻んで生きてきた。「パチンコ」の主人公ソンジャが、4世代にわたって差別されたという、がめつく険しい日本を、そのように懐かしがってきたのだ。 1960~80年代に日本でソンジャが体験したという、民族的差別と不平等は北朝鮮にもあった。加えて、北朝鮮金氏王朝の独裁と粛清、飢餓と死、出身成分(編注:北朝鮮独特の身分制度)による弾圧、移動の自由と生命権まで奪われ、まさに奴隷のような生活を送っていた「北へ送還された在日コリアン」の一生を想像してみてほしい。 日本で体験したという民族的差別より、もっと深刻な、死ぬほど劣悪な生活。生きても生きても終わりがない絶望、殺しても殺しても終わりがない粛清、国中どこへ行っても息の詰まる監視と独裁……こうした北朝鮮の暮らしをもし皆さんが経験したら、おそらく血の涙を流さずにはいられないだろう』、「帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアン」は確かに悲惨だ。
・『移動の自由もない、首領様の命令には絶対服従の北朝鮮生活  まさに「パチンコ」で描かれているように、他国である日本でも、在日コリアンは差別や蔑視に耐えながら力強く生き抜き、パチンコ業界で成功をつかむことができたし、小さな食堂も持つことができた。 しかし、韓民族の住む祖国だといわれ、誘拐されるように渡ってきた北朝鮮の地では、党が定めた場所で暮らさなければならず、首領様という王の命令には絶対服従であった。(北朝鮮国民ではなく)北へ送還された在日コリアンなので、航海漁船(外国に行くことができる漁船)に乗ることはできなかったし、党幹部にもなれず、志望する大学にも行けなかった。北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある。 日本は他国なので在日コリアンは差別され、いじめに遭ったというのならば、同じ韓民族であり同胞である北朝鮮で、なぜ差別と弾圧に苦しまねばならなかったのだろうか? 母国である日本と、故郷である韓国への自由な往来と移動は、夢見ることすらできなかった。故郷が懐かしく、自由と人権の願いを成就するために脱北しようとすれば、「反逆者」として粛清された。) ▽死ぬ前に、一度でもいいから日本に行きたい(北朝鮮は「祖国に早く来い、歓迎する」と言っていたのに、実際には、内臓をすべて溶かされ殻だけになったさなぎのように、人権はもちろん、身体と意識までも奪われた“植物状態”にさせられた。死にたいほどつらい弾圧を受けた北朝鮮で、我々は、腹いっぱいに食べることができ、差別すら自由意思に基づいている日本を「死ぬ前に一度でも行きたい」と夢に見て、本当に一生の願いとして胸に刻んで生きていたのだ。 私の母は亡くなる直前に、痩せこけて真っ白になった弱々しい手で、私の手を握ってこう言った。「テギョンよ! もしもの話だ。もし、未来に、外国に出て行くことができる機会が来たなら、必ず日本に行きなさい!」。今でも、虫の息で語った母の最期の言葉は、私の耳から決して離れることはなく、胸の中に永遠に刻み込まれている。「自由を勝ち取りなさい!」と』、「北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある」、その通りだ。
・『厳しい身分制度、在日コリアンに対する差別と蔑視  ドラマ「パチンコ」を見た人たちが、100年余りの在日コリアンの差別の歴史に涙を流したのだとすれば、北へ送還された在日コリアンが、日本でソンジャが受けた差別と蔑視の歴史に加えて、北朝鮮で味わわされた粛清、弾圧、奴隷の歴史を知ったなら、世界は血の涙を流すことになるだろう。 北朝鮮政府は、古代インドのカースト制度のような、金氏王朝式による成分制度によって、北へ送還された在日コリアンを公的に差別した。結果、志望する大学も、望む就職も、真の愛で成り立つ結婚も、党が関与した。一挙一動を監視される北朝鮮では、行動と意識まで統制される「操り人形」にならなければならなかった。北朝鮮の子どもは、皆、生まれてすぐ洗脳される。子どもたちは、世界はすべてそうなのだと信じ込み、「忠誠ロボット」となる。「苦痛だ」と一言でも話せば、少しは慰安を受ける自由がなければならないはずなのに、暗黒の北朝鮮では、そんな小さなうめき声も許されることはなく、反動的な言葉を言ったとして、政治犯収容所へ消えていった人々も多かった。) 北へ送還された在日コリアンは、「パチンコ」の主人公のソンジャ世代が民族的な差別と蔑視を受けた時期の日本が良かったと回想する。日本では、在日コリアンが差別された、蔑視されたと、安心して話せる。そんな自由が懐かしいのだ。 北へ送還された在日コリアンこそ、ソンジャの言う民族的な差別と蔑視に加えて、北朝鮮金氏王朝の弾圧、独裁、粛清、奴隷生活を合わせて受けた、まさに「虫けら人生」だ。在日コリアンの北への送還は、1959年12月14日から1985年3月25日まで、合計186回行われ、9万3340人を積み出した。あたかも昔の米国で黒人奴隷が売られたように、「地上の楽園」という偽りの文句で日本から北朝鮮へと誘拐されたのだ。 作家イ・ミンジンが、米国ではなくもし北朝鮮に移住していたら、小説「パチンコ」では、金氏王朝の独裁と窓のない監獄で、殺し、殺され、生き馬の目を抜く北朝鮮社会が描かれたのではなかろうか? 世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである』、「世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである」、「北朝鮮」への「帰還」を促した日本政府も罪作りなことをしたものだ。
タグ:(その16)(アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか、駐日韓国大使に“知日派”内定も 慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋、在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感) 日韓関係 東洋経済オンライン ダニエル・スナイダー 氏による「アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか」 確かに「検討課題満載の日程」のようだ。 「バイデン大統領の野心的なアジェンダに明確に含まれていない項目がある。それは、・・・日本と韓国の間に依然として横たわるギャップを修復すること」、「日韓両政府は膠着状態にある。両者とも、事態を打開するための次の一手は相手が取るべき、と考えている」、これでは難しそうだ。 「日韓関係の悪化が始まったのはトランプ政権時代のことだが、その当時はこの問題が関心を集めることはほとんどなかった。バイデン政権が登場し、各同盟関係を復活させ強化していくとの方針が打ち出されたことで状況が一変し、この問題が再び関心を集めることとなった」、(米国)「政府関係者の中には日本と韓国に、両国が連携するのは戦略的に非常に重要なことなのだということを思い返させることに焦点を置きたいと考えている者がいれば、地政学上のメリットで無理やり連携したとしても、関係悪化の根本的な原因である、戦時中の歴史的問題に真正 「バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」」、「日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆」、この「幹部」が「日韓関係」をここまで重視しているとは驚かされた。 「アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない」、なるほど。 「尹大統領が、岸田首相と比べて政治的に「自由が利かない」状態にあるとみており、次のように話す。 「もし岸田首相が政治家としての勇気を持っているのであれば、同氏側からの意思表示はより踏み込んだものとなり、政治的にもより実行可能なものとなるだろう」」、「「日本人は今、傍観者の立場を取っている」としながらも、「ボールは日本側のコートにある」と付言」、「尹大統領」がそんなに苦しい立場にあるとは初めて知った。そうであれば、「岸田首相」からのアクションの方がカギになりそうだ。 「バイデン大統領は、この問題(戦時中の歴史的問題)に関して個人的な経験を有している」、「水面下で実際の行動が取られる可能性はある」、「バイデン大統領が同席する中で、歴史問題が大きな比重を占めたとしても、私は驚かない」、「水面下」とはいえ、「歴史問題が大きな比重を占め」る「可能性」があるのだろうか。 ダイヤモンド・オンライン 羽田真代氏による「駐日韓国大使に“知日派”内定も、慰安婦・徴用工の「問題発言」で波紋」 「国際交流会議「アジアの未来」の場で出た」、「尹徳敏氏の発言は」確かに極めて問題が多く、失望させるものだ。 「新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ」、喜ばしいことだ。 「日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい」、これで「日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる」との逆説的主張が理解出来た。 「韓国の駐日大使は、慰安婦問題や徴用工問題を解決しろと騒がない方が、むしろ多くの韓国人にメリットをもたらすはずだ。尹徳敏氏が駐日大使に就任したら、日本に賠償や謝罪を要求するのではなく、韓国民の感情コントロールに尽力すべきだろう」、その通りだ。 李 泰炅氏による「在日韓国人差別を描いた国際的大ヒットドラマ「パチンコ」に、在日韓国人が抱く違和感」 「もっと知ってほしい“差別”がある」とはどういうことだろう。 「関東大震災での朝鮮人虐殺事件をはじめ、敗戦後の日本における在日コリアンに対するあらゆる差別と蔑視を受けながら生きたソンジャは、パチンコをなりわいとするしかなかった」、「植民地下で非常に過酷な生活を送るソンジャの姿に心を打たれずにはいられないだろう」、なるほど。 「100年もの歳月に連なる、悲惨な在日コリアンの人生に対して、世界中が涙を流しているのだ」、なるほど。 「帰りたいとは思わないはず」、「その理由はシンプルで、「韓国に比べて、今も日本の方が暮らしが豊かで自由だから」だ」、「「在日の多くは、日本に感謝しながら暮らしている。もちろん祖父、父親の時代にはキツイ差別もあったが、今では投票権以外は日本国民と同等の権利で暮らしていける」と話す。友人自身も80年代以降、日本人からの日常的な差別や、生活に不自由さを感じたことはないという」、現在は1人当たりGDPは韓国の方が上だが、自由さは日本の方が上なのかも知れない。 「帰国事業によって北朝鮮に移住した在日コリアン」は確かに悲惨だ。 「北へ送還された在日コリアンは、就職の自由もなく、望む大学には行けず、参政権もなく、あらゆる面で差別を受けなければならなかったし、監視と弾圧を受けなければならなかった。在日コリアンが、日本で就職や社会生活で受けた民族差別と、北朝鮮で受けた死ぬほどの弾圧とは、天と地の差がある」、その通りだ。 「世の中のすべてを死ぬほど我慢して耐えなければならない、どん詰まりの連続が、北朝鮮生活だ。北へ送還された在日コリアンにとっては、日本での差別と蔑視は、人生の中でほんの一瞬通り過ぎた夏の日の夕立のようなものだ。日本で差別を受けたけれど、抵抗する自由があったあの頃を、本当に幸せな時期だったと懐古するのである」、「北朝鮮」への「帰還」を促した日本政府も罪作りなことをしたものだ。
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日中関係(その6)(元中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く 日本は対中国でどう対応するべきか、「やっと人間の世界に戻った」と涙…中国で日本移住の人気が急上昇の事情、日本と中国「経済安全保障」の概念が台頭した事情 「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか) [外交]

日中関係については、2020年10月15日に取上げた。久しぶりの今日は、(その6)(元中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く 日本は対中国でどう対応するべきか、「やっと人間の世界に戻った」と涙…中国で日本移住の人気が急上昇の事情、日本と中国「経済安全保障」の概念が台頭した事情 「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか)である。

先ずは、本年2月21日付け日刊ゲンダイ「元中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く 日本は対中国でどう対応するべきか」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301465
・『今年2022年は日中国交正常化50周年。1972年9月29日、当時の田中角栄首相が北京で周恩来首相とともに「日中共同声明」に調印してから50年の記念すべき年なのだが、お祝いムードはなく、日中関係はいまや戦後最悪にまで冷え込んでいる。それは政治や外交の現場だけではない。日本国民の対中感情の悪化も極まり、世論調査では9割が中国に良い印象を持っていない。米中対立のエスカレートに伴い「台湾有事」も語られ、不穏な空気も漂う。現状を憂い、永続的な日中友好を願う元中国大使に話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは丹羽氏の回答)。 Q:開催中の北京冬季五輪では、欧米各国が外交的ボイコットをし、日本も政府関係者を派遣しませんでした。この状況を、どうご覧になっていますか? A:私自身、五輪にまったく関心がないわけではありませんが、政府関係者が欠席ということもあり、関係者以外はいつもと違う感じを持っておられる人が多く、国を挙げてという日本の元気がいまひとつという印象を受けます。 Q:日本の世論の9割が中国に対して良い印象を持っていない、ということですからね。 A:どうして中国に良い感情を持てないかというと、ひとつは中国をいまだ侮蔑しているからではないでしょうか。「シナシナチャンコロ」という言葉があるじゃないかというように。「シナ」という言葉は、司馬遷の「史記」などを読みますと、紀元前3世紀ごろにあった「秦(シン)」という王朝が「シナ」になっていったので、必ずしも侮辱する言葉ではないんです。しかし「チャンコロ」ってのは一体なんなんだ、と。お金のことを「チェン」って言ったんです。それがいつの間にか「チャン」に変わった。それに「コロ」が付いて「チャンコロ」。要するに、小さなお金がコロコロする連中、という意味で、「小さくて取るに足らない」という侮辱的な言葉になった。2つ目は最近の中国の政治的な尖閣への威圧的行動や一部の人権侵害報道にどこか嫌悪感や威圧感を抱くようになった人がいる気がします。しかし、中国はいまや世界第2位の経済大国だし、貿易では世界一の国となっています。時代も違うし、また報道だけで中国のことを軽蔑したり、怖がったりする必要はないでしょう。いろいろな意見を聞いて、現場を見て考えましょう』、「どうして中国に良い感情を持てないかというと」、「ひとつは中国をいまだ侮蔑している」人が高齢者には多いかも知れないが、全体ではそれほどでもないような気もする。
・『米中対立は茶番劇、乗っかってはいけない  Q:中国大使の時代に中国全土をほぼくまなく歩きまわったそうですが、新疆ウイグル自治区の人権問題については、どうお考えですか? A:私が新疆ウイグル自治区を訪れたのは、2010年か11年ごろです。今から10年ほど前ですね。中国政府から「ウイグルの人たちに会ってくれ。会って話を聞いてくれ」と言われました。そりゃあ行けば、良いことが多いですよ。中国語を話すウイグル族のトップの人が、非常に丁寧に我々をもてなしてくれました。新疆ウイグル自治区では、学校で中国語を教え、ウイグル族の言葉は教えないと怒る人がいますが、自治区の住民の半分は漢民族ですから、中国語を話せなければお金を稼ぐことも、中国人と話すこともできません。 Q:今年は「日中国交正常化50周年」です。しかし、日中関係は冷え切っています。 A:まずはっきりさせておきたいのは、米国は台湾問題で中国と茶番劇みたいなことをやっているということです。巷間言われているような「台湾有事」となって、台湾のために米国の軍隊が台湾に入っていったとしても、結果は見えている。米国は絶対に勝てません。米国は世界全体の軍事力で言えば、中国の3倍ぐらいの軍事力があります。しかし、対ロシアなど欧州、中東、アジアにも軍隊を展開しており、東南アジアや台湾海峡には、中国に勝るような軍事力を持っていない。戦闘機などの数を見れば、それは明確です。米国も中国には勝てないことが分かったうえで、ちょっかいをかけている。米国の威信のためです』、「台湾のために米国の軍隊が台湾に入っていったとしても、結果は見えている。米国は絶対に勝てません」、その通りだが、かといって日本も「台湾」を見捨てることは出来ないのではなかろうか。
・『中国はこの先も隣国、喧嘩しても仕方ない  Q:そうなると、日本は対中国でどのような対応をすべきでしょう? A:国家副主席・習近平(現国家主席)は私に「住所変更はできませんよ。これから何百年も、隣国としてお付き合いしていくのです」と言いました。喧嘩しても仕方ないでしょう、という意味です。たとえ米国が台湾有事で日本に協力を求めてきたとしても、日本は茶番劇だということを頭に入れて行動する必要があります。米国から「おい、ちゃんと台湾を支援してやってくれ」と言われても、真に受けて乗っかってはいけない。日本は独立国です。米国には、「いやいや、アメリカさん。それは分かりますけど、日本は中国と、今後も何百年と隣国として仲良くやっていくのだから、我々は簡単に応援できません。武器を持って戦うのはお互いやめてください」と言えばいい。隣国というのは往々にして仲の悪いものです。しかし、歴史的にずっと戦争ばかりやっていた日本と中国が、この50年は平和にやってきたのです。こんなところで武器を取ってはいけない。 Q:外務大臣ですら訪中しにくい、という今の日本の雰囲気はおかしいですよね? A:日本も中国も頭の良い外務大臣ですから、お互いに茶番劇だと分かっていると思います。この先の50年も平和にやっていくためには、日本も茶番劇をやればいいんです。「中国と喧嘩なんかしたくないよ。でもアメリカの顔も立てないといけないから、君たちもそうしてくれよ」と、お互いに話し合いで。大事なのは喧嘩や戦争ではなく外交です。できれば日中に韓国も入れて3カ国で話ができればいいのですがね』、「習近平(現国家主席)は私に「住所変更はできませんよ。これから何百年も、隣国としてお付き合いしていくのです」と言いました」、「住所変更はできません」とは言い得て妙だ。「この先の50年も平和にやっていくためには、日本も茶番劇をやればいいんです。「中国と喧嘩なんかしたくないよ。でもアメリカの顔も立てないといけないから、君たちもそうしてくれよ」と、お互いに話し合いで。大事なのは喧嘩や戦争ではなく外交です」、同感である。
・『日本は米国の言いなりになって軍事費を増やしている  Q:現状は、そうした平和な方向とは逆に進んでいるように見えます。 A:日本でいま一番の懸案材料は、米国の言いなりになって軍事費を増やしていることです。我々は武器を持てば持つほどに、武器を使いたくなるものです。良いおもちゃを持つと、それで遊びたくなる子供と一緒。これが戦争なんです。今の若い人が何と言っているか。「年寄りや大人は、あちこちに戦争の種みたいなものばっかり作るだけ作って、食い散らかしたまま逃げるのか」と怒っていますよ。若い人たちに、そう思われないような国にしなければいけません。 Q:日本国内で大きくなる「反中感情」については、丹羽さんが編集・解説された「現代語訳 暗黒日記」(外交評論家・清沢洌が太平洋戦争中に記した日記)で指摘されていらっしゃるように、戦争当時と似た空気感があります。「多数が同じ方向を向くのはあまりよろしくない」とも書かれていました。 A:日本はやはり少数民族で日本人ばかりですから、権限が不明確で、誰も責任を取らなくていいような言い方で物事が進められる。それは戦前も今も変わっていません。「きっと天皇はそういうつもりだよ」「総理はそういうつもりだよ」「社長はそのつもりだよ」で決まっていく。実際には、総理も社長も何も言っていない。言って失敗したら責任を取らなきゃいけませんからね。誰も決定をしないのに「そうだろう」って決めてしまうわけです。これでは日本は世界ののけ者になってしまう。SNSとかそういうものばかり信用して「スマホではこう書いてあった」「SNSではこう言っている」ではダメ。自分の目で確かめ、自分で考え、自分でこうするんだと決める。そうした姿勢にならないと、いつまでたっても日本は良くなりません。 Q:習近平国家主席が、今秋の党大会で異例の3期目に突入するといわれています。習主席については、どんな印象をお持ちですか? A:習近平は頭の良い男です。いろんなことを念頭に置いて、「これをやってくれ」と指示し、「こういう報酬を約束する」「やらないやつは罰だ」と信賞必罰を実行しています。日本のように「まあ仲良くやってよ」では、14億の民は統治できません。まずはお互いに信頼し合って、良いものは良い、悪いものは悪い、というのが、習近平の考え方だと思います。中国との付き合い方の肝もそこにある。人は自分のかがみ。あなたが人を信頼すれば、人もあなたを信頼する。平和に暮らしていくためには、自らまず平和への第一歩です』、「我々は武器を持てば持つほどに、武器を使いたくなるものです。良いおもちゃを持つと、それで遊びたくなる子供と一緒。これが戦争なんです」、その通りだ。「日本はやはり少数民族で日本人ばかりですから、権限が不明確で、誰も責任を取らなくていいような言い方で物事が進められる。それは戦前も今も変わっていません」、「誰も決定をしないのに「そうだろう」って決めてしまうわけです。これでは日本は世界ののけ者になってしまう。SNSとかそういうものばかり信用して「スマホではこう書いてあった」「SNSではこう言っている」ではダメ。自分の目で確かめ、自分で考え、自分でこうするんだと決める。そうした姿勢にならないと、いつまでたっても日本は良くなりません」、「中国との付き合い方の肝もそこにある。人は自分のかがみ。あなたが人を信頼すれば、人もあなたを信頼する。平和に暮らしていくためには、自らまず平和への第一歩です」、さすが丹羽氏の平和主義的主張、同感である。

次に、5月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した日中福祉プランニング代表の王 青氏による「「やっと人間の世界に戻った」と涙…中国で日本移住の人気が急上昇の事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/303937
・『新型コロナウイルス感染拡大の影響でロックダウンが開始されてから、2カ月が経過した中国・上海。厳しい制限下の生活に疲れ果て、将来に不安を抱える人が少なくないという。そうした市民の中で、「中国国外への移住」に対する関心が高まっている。中でも、「日本へ移住したい」という人が相次いでいるのだ。突如、移住先として日本人気が高まっている理由とは何か』、「突如、移住先として日本人気が高まっている」、とは驚かされた。
・『中国で「国外脱出」への関心高まる ロックダウン下の上海で移住希望者急増  この頃、中国ではネット上で「潤学」という言葉がはやりはじめ、注目を集めている。 中国語で「潤」は、漢字の通り「潤い、利益」などを意味する。ピンインの発音は「run」になるが、これが英語の「run」と同じなので、昨今は「海外へ脱出する、逃げ出す」という意味を持つようになった。冒頭の「潤学」はこの意味から派生した言葉で、「いつ、どの国へ、どんな手段で」など、海外移住を成功に導く知識とノウハウのことを指す。 中国では今、海外への移住を検討する人が急激に増えている。 中国最大の検索エンジン百度(バイドゥ)や最大手のメッセンジャーアプリ「ウィーチャット」では、3月下旬から、「移民」というキーワードの検索数が爆増したという。例えば、ウィーチャットでの検索数は、4月3日の1日だけで5000万以上となった。単純計算で全人口のうち、約30人に1人が「移民」に関心を持っていることとなる。特に4月3日は、政府がゼロコロナ政策の継続姿勢を明らかにしたこともあり、国民の間で“脱出”への関心が高まったようだ。 とりわけ移民への関心が高まっているのが、上海だ。日本でも報道されていた通り、上海では新型コロナウイルス感染拡大を背景に3月末からロックダウンが行われている。その期間は2カ月を超えた。 常住人口約2600万人を有する上海は、世界有数の国際ビジネス都市である。市政府の都市管理水準が中国国内で最も高いといわれており、異文化にも寛容的だ。ゆえに、国内外から多くの人材が集まり、上海は他の都市と比べものにならないくらい急激な成長を遂げてきた。 コロナ対策においても、当初は中国国内でも「優等生」の都市だった。そんな上海がまさかのロックダウン。筆者も何度か現地の惨状を記事にまとめたが、厳しい規制が敷かれる中、市民の忍耐力は限界にあるといえる。 今回のロックダウンで、上海というブランドは大きく傷ついた。現在の状況に疲れ果て、将来に不安に感じる上海市民が急増している。 筆者は日頃、公私ともに上海と密接な関係があるため、ほぼ毎晩遅くまで仕事先の関係者や友人たちから電話で「愚痴を聞く」生活が続いている。皆、口をそろえて、「こういうことが上海で起こっているのがどうしても信じられない。あり得ない」と言う。中には、「海外へ脱出したい」という人も多い。そして、筆者の周りでは、その行き先として「日本」を希望する人が増えている』、「4月3日は、政府がゼロコロナ政策の継続姿勢を明らかにしたこともあり、国民の間で“脱出”への関心が高まったようだ。 とりわけ移民への関心が高まっているのが、上海だ」、「今回のロックダウンで、上海というブランドは大きく傷ついた。現在の状況に疲れ果て、将来に不安に感じる上海市民が急増している。 筆者は日頃、公私ともに上海と密接な関係があるため、ほぼ毎晩遅くまで仕事先の関係者や友人たちから電話で「愚痴を聞く」生活が続いている。皆、口をそろえて、「こういうことが上海で起こっているのがどうしても信じられない。あり得ない」と言う。中には、「海外へ脱出したい」という人も多い。そして、筆者の周りでは、その行き先として「日本」を希望する人が増えている」、なるほど。
・『移住先として日本の人気が急増? その理由とは  筆者の仲の良い友人(40代女性)は2人の子持ちだが、「上の娘を日本に留学させたい」と言ってきたので筆者は驚いた。なぜなら、彼女も彼女の夫もアメリカ国籍の中国人。上海で大きなレストランを経営しており、子どもは将来、アメリカに留学させるのだろうとてっきり思っていたからだ。ところが、彼女は「アメリカは銃社会で怖いし、最近アジア系の人への差別や暴力事件も増えている。一方で、日本は安全で上海にも近い」と言う。 これまで中国人の中で人気の移住先は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなど英語圏の国に加えて、アジアではシンガポールやマレーシアなどだった。日本はもともと移民の国や英語圏ではないので、人気国リストの上位に入っていなかった。 しかし先日、東京で中国人向けの来日留学や各種ビザ取得のコンサル会社を経営する知人男性、張さん(仮名)から、筆者のもとに上機嫌で連絡があった。「最近、上海を中心に日本へ移住したいとの問い合わせ急増している。昨年に比べて10倍以上に増えた。対応に追われ、うれしい悲鳴だ」という。) なぜ、日本に移住したい人が増えているのか。 その背景について張さんは、最大の要因は中国の厳しいゼロコロナ政策にあるのではないか、と分析する。長らく続くロックダウンに我慢の限界が来たのだ。また、経済の減退を身近に感じるようになり、特に中間層は将来に不安を感じはじめている。 加えて、これまで人気の移住先上位に入っていた国々で、「中国人の移住に関するハードルが上がっている」ことも間接的な要因となっているようだ。 「例えば、シンガポールでは一部の『投資移民』の条件を変更。今年4月から、富裕層向けの移住の際に活用されてきたファミリーオフィスについて、最低投資額を1000万シンガポールドル(約9億円)に引き上げた。また、英語圏の国へ留学や移住支援を行う関係者からは、『イギリスは今年2月から移民の手続きをストップしてしまっている』『オーストラリアは、中国からの今年の移民申請枠はもう定員に達して終了した』という話も聞いている」(張さん) ただ、他国の受け入れの門戸が狭まったからといって、日本には簡単に来られるのだろうか。ビザ取得のサポートをする張さんは、日本でのビザ取得について以下のように説明する。 「現在、来日のビザは主に1.留学、2.経営・管理、3.高度な人材の3種類に分かれる。今回は問い合わせのほとんどが、2の経営・管理に当たる。つまり、会社を設立することだ。500万円以上の出資金や日本でのオフィス、住居の確保などの条件をそろえれば、ビザは簡単に取れる。 その後きちんとビジネスが成り立って、日本の納税や雇用規定などを順守すれば、ビザの更新ができ、将来的には永住権を得たり帰化したりもできる」 日本でのビジネスが成功するか否かという問題はあるが、資産が豊富な上海在住の中国人にとって来日ビザを取得すること自体は、それほど高いハードルではないといえる』。「これまで中国人の中で人気の移住先は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなど英語圏の国に加えて、アジアではシンガポールやマレーシアなどだった。日本はもともと移民の国や英語圏ではないので、人気国リストの上位に入っていなかった」、「最大の要因は中国の厳しいゼロコロナ政策にあるのではないか、と分析する。長らく続くロックダウンに我慢の限界が来たのだ。また、経済の減退を身近に感じるようになり、特に中間層は将来に不安を感じはじめている。 加えて、これまで人気の移住先上位に入っていた国々で、「中国人の移住に関するハードルが上がっている」ことも間接的な要因となっているようだ」、「今回は問い合わせのほとんどが、2の経営・管理に当たる。つまり、会社を設立することだ。500万円以上の出資金や日本でのオフィス、住居の確保などの条件をそろえれば、ビザは簡単に取れる。 その後きちんとビジネスが成り立って、日本の納税や雇用規定などを順守すれば、ビザの更新ができ、将来的には永住権を得たり帰化したりもできる」 日本でのビジネスが成功するか否かという問題はあるが、資産が豊富な上海在住の中国人にとって来日ビザを取得すること自体は、それほど高いハードルではないといえる」、なるほど。
・『日本に行きたがる中国のエリートたち  「日本にはどうやったら行けるのか」という問い合わせが急増しているのは、こうした専門の会社だけではなさそうだ。 都内で20年以上貿易会社を営む上海出身の友人夫婦は、上海の知り合いから「『経営・管理』のビザを申請したい」「手続きの手伝いをしてほしい」といった依頼が、今年に入って十数件はあったという。そして、そのうちの2組は先日、ロックダウン下の上海から無事に日本に到着したそうだ。 また、東京に住む30代の上海出身男性・馬さん(仮名)は、日本での日常生活や自身の体験などを中国向けに発信しているのだが、上海のロックダウン以降、フォロワーが急増したのだという。「日本に行きたい」「アドバイスが欲しい」といったメッセージが多数寄せられた。 馬さんは、「日本へ行きたい」人が増えていることについて、これまでとは違う傾向があると感じているという。 「これまでも日本を目指す人もいたが、今回は明らかに層が違う。高学歴、超お金持ち、そして教授や医師などのエリートが多くなったと感じ、実に驚いている。しかも、彼らはもうすでに移住の手続きを始めているのだ」(馬さん) 馬さんは、日本は中国と距離的に近いこと、同じアジアの国であり、文化や生活習慣も比較的似ていることなどが移住を希望する理由なのではないかとみている。治安が良いイメージもある。 また張さんと同じく、上海のロックダウンは中国人の心境に大きな変化を与えたとみる。 「ロックダウン中はずっと部屋から出られない。陽性になれば、家族全員がコンテナ隔離施設に送り込まれてしまう。その上、家の鍵を渡せと言われ、勝手に消毒されて家の中はビショビショ……。多くの人がこの現状に希望を失ったと思う」(馬さん) ただ移住に関しては、適している国は人それぞれという冷静な考え方を持っている。 「日本はいい国だと思うが、これまで僕からは今まで一度も移住先として日本を勧めることはしなかった。なぜなら、完璧な国は世界中どこにもないし、価値観は人はそれぞれ。どの国が自分に適しているのかは、本人にしか分からないからだ。何を大切にしたいか、どんな暮らしをしたいのかはよく考えてほしい」(馬さん)』、「上海のロックダウンは中国人の心境に大きな変化を与えたとみる」、しかし、「上海」を「脱出」して、「日本」に「移住」したいというのは、あくまで一時的な現象に過ぎず、やがて「脱出」熱も冷めるのではなかろうか。
・『ロックダウン下の上海から日本に“脱出”した人も「やっと人間の世界に戻った」  筆者は、前出の友人夫婦の紹介で、先日来日し都内のホテルで隔離期間を送っている40代の男性、汪さん(仮名)に、上海を脱出し日本の地に着いた経緯や心境を直接聞くことができた。 「成田空港に着いた途端、人間の世界に戻ったと思った!」と話す汪さん。 それもそのはず、ロックダウン下の上海の自宅から浦東空港までの移動中は、人影がほとんど見られなかったという。 「空港に入ってからも、白い防護服を着ているスタッフばかり、お店の扉も全て閉じていて……まるで幽霊の世界のようで寒けがした。機内に搭乗してもCA全員が防護服姿だった。 成田に着くと、働いているスタッフが普通の服を着ていて新鮮だった。自分は白い防護服を見慣れてしまったようだ。成田空港内外のお店では、久しぶりに買い物ができた」(汪さん) 日本で久々に感じた“日常”に安堵したという。同時に、これまでの苦労が走馬灯のように思い出され、思わず涙があふれた。汪さんは、「これからは上海に残った家族と日本で合流することに集中したい」と今後を見据えた。 彼の言葉を聞いて、筆者も一日も早く家族と日本で再会できる日が来るように祈った。一方で、日本社会に定着することにも別の苦難があるだろうとも思った。 長引くロックダウンは、上海に住む多くの人にとってこれからの暮らしを不安にさせる出来事だった。そうした中、少なからぬ人たちにとって、「日本への移住」が選択肢に入り始めたようだ。日本在住の中国人が100万人を超える日も、そう遠くないのかもしれない』、「日本社会に定着することにも別の苦難があるだろう」、特に「『経営・管理』のビザ」に見合った仕事がどれだけあるかは疑問だ。いずれにしろ、課題は多そうだ。

第三に、6月6日付け東洋経済オンラインが掲載した独立したグローバルなシンクタンクAPI地経学ブリーフィングによる「日本と中国「経済安全保障」の概念が台頭した事情 「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか」を紹介しよう。
・『米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。 独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。 日中国交正常化の歴史的な意義は、冷戦の枠組みの中で共産主義陣営の分断による国際秩序の再編にあるとみられることが多いが、この国交正常化は中国の改革開放を推し進める下地となり、その後の世界経済の構造にも大きく影響を与えるものでもあった。ここでは、国交正常化前から日中関係を形作ってきた「政経分離」の仕組みが2010年を境に変化し、経済安全保障の概念を導入せざるをえなくなった過程を明らかにしていく』、「政経分離」から「経済安全保障」とは興味深そうだ。
・『中国の経済発展における日本の役割  サンフランシスコ講和会議以降、日本は台湾を中国の代表として認めたが、当時の吉田内閣の反対を押し切って中国の招待を受けた緑風会の議員が日中民間貿易協定を結び、1950年代に4次にわたって更新された。しかし、国交回復前であり、CHINCOM(対中国輸出統制委員会)の制約や決済方法の複雑さなど、さまざまな障害を抱えたうえでの貿易であり、その経済的なインパクトは大きくなかった。 それが大きく転換するのが石橋湛山内閣、池田勇人内閣が対中貿易に前向きになり、中国も「友好貿易」を進める姿勢を強める中での、LT貿易の開始である。LTとは中国の中華人民共和国アジア・アフリカ団結委員会主席廖承志(Liao)と元通産大臣の高碕達之助(Takasaki)の間で結ばれた覚書に基づくものであり、国交回復前から「政経分離」の原則に基づいて貿易関係が築かれていったのである。 国交正常化後の日中経済関係は、それ以前からの関係に加え、鄧小平が1978年に来日し、日本の産業やインフラの整備状況を視察したことが、「改革開放」路線に大きな影響を与え、日本の産業発展モデルに対する関心が高まったことで大きく展開する。) この時期は中国が日本にキャッチアップする段階ではあったが、後の飛躍的な経済発展の基礎作りに日本が大きく貢献した時期でもある。文化大革命後の旺盛なインフラ需要や農業改革などへの支援、さらには賠償請求の問題を不問にした一方で、中国に対するODA(政府開発援助)として円借款を中心とする援助を行った。こうして、日中経済関係は、「政経分離」の原則を貫くことで、日本側にとっては、中国への進出によるビジネス上の利益と日中関係の安定化に寄与し、中国側にとっては技術指導などを通じた近代化の推進と経済発展を実現するものとして双方にメリットのあるものとなった』、「日中経済関係は、「政経分離」の原則を貫くことで、日本側にとっては、中国への進出によるビジネス上の利益と日中関係の安定化に寄与し、中国側にとっては技術指導などを通じた近代化の推進と経済発展を実現するものとして双方にメリットのあるものとなった」、なるほど。
・『天安門事件とWTO加盟  1989年6月の天安門事件は、中国の経済発展が民主化に向かっていくという楽観的な見通しを否定する衝撃的な事件であり、その経済発展を支えてきた西側諸国が中国と距離を置く出来事であった。天安門事件直後に開かれたG7アルシュサミットでは、武器禁輸や世界銀行の融資凍結などが合意され、日本も円借款を停止した。 しかし、近年公開された外交文書で、日本は当初から中国を孤立化させることに反対し、制裁に消極的であったことが明らかになっている。当時のアメリカのブッシュ(父)政権は日本が中国を擁護する立場を取ったことで日本が孤立化する恐れがあるとして、中国の孤立化に関する表現を緩和するよう働きかけた。なお、サミット直後に行った円借款凍結も1990年11月には解除している。 日本にとって、中国との関係を良好に保つこと、とりわけ国交正常化以前から進めてきた「政経分離」の原則を踏まえた経済関係の継続を優先した。日本が中国を擁護する立場を取ったのは、経済的な利益だけでなく、中国の孤立化による暴走を懸念したという側面もあるだろう。 中国が天安門事件による孤立化を避け、グローバルなサプライチェーンに組み込まれていく中で、飛躍的な経済発展を可能にしたのが2001年のWTO加盟であった。日本にとって、中国のWTO加盟は二国間貿易の枠組みから、多国間貿易の枠組みに転換することを意味し、東南アジア諸国に広がるサプライチェーンと中国を結び付けることで、さらに多角的な経済的結びつきの枠組みを作ることを目指していた。 中国もWTO加盟を跳躍台として「改革開放」を推し進め、「社会主義市場経済」を高度化していくことにコミットしていた。つまり、中国はWTO加盟を通じて一層市場経済に接近する姿勢を明らかにしたことで、日本を含む西側諸国に対して、中国も「西側の一員」のように振る舞うことを期待させた』、「中国が天安門事件による孤立化を避け、グローバルなサプライチェーンに組み込まれていく中で、飛躍的な経済発展を可能にしたのが2001年のWTO加盟であった」、「中国はWTO加盟を通じて一層市場経済に接近する姿勢を明らかにしたことで、日本を含む西側諸国に対して、中国も「西側の一員」のように振る舞うことを期待させた」、なるほど。
・『レアアース禁輸の衝撃  日本は一貫して中国との貿易を推進し、歴史認識問題や天安門事件のような民主化抑圧を含む、政治的な対立があった場合でも「政経分離」を原則として中国との経済関係を強化してきた。しかし、2005年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝を契機として激しくなった反日運動が燃え盛り、日中関係が急速に悪化した。そんな中で2010年の中国によるレアアース禁輸が発令された。 これまで「政経分離」を原則としてきたと認識していた日本にとって、尖閣諸島周辺海域における中国漁船と海上保安庁船舶の衝突で、漁船の船長を逮捕したことは、貿易と切り離された問題であるはずだった。しかし、中国は(名目上は環境問題であったが)日本の自動車産業にとって不可欠であり、その輸入の90%近くを中国に依存していたレアアースの輸出を止めたのである。 この事件を皮切りに、中国との貿易関係は政治と切り離されたものではなく、政治的目的のために貿易を「武器化」することが現実となることが認識されるようになった。中国のレアアース禁輸は日本がWTOに提訴し、勝訴したが、こうした貿易の「武器化」は日本だけでなく、台湾の果物やオーストラリアの農産物や鉄鉱石、石炭、ノルウェーのサーモン禁輸、リトアニア製部品を使ったEU製品の禁輸など、例を挙げればきりがないほど続いている。この事件から「政経分離」の原則は消滅し、経済安全保障が日中関係の焦点となっていく』、「2010年の中国によるレアアース禁輸」を「を皮切りに、中国との貿易関係は政治と切り離されたものではなく、政治的目的のために貿易を「武器化」することが現実となることが認識されるようになった」、「貿易の「武器化」は日本だけでなく、台湾の果物やオーストラリアの農産物や鉄鉱石、石炭、ノルウェーのサーモン禁輸、リトアニア製部品を使ったEU製品の禁輸など、例を挙げればきりがないほど続いている」、なるほど。
・『経済安全保障の時代  レアアース禁輸事件後も「政経分離」の原則が維持されるという希望をわずかに持っていた日本だが、その希望が断たれたのは、第一にトランプ政権のアメリカがファーウェイ製品をはじめとする中国製品を使うことのリスクを強調し、クリーンネットワークなどのイニシアチブで圧力をかけてきたことがある。日本は明示的に中国製品を排除したわけではないが、事実上中国製品を調達しないことで排除し、日本の通信ネットワークに「信頼できない」ベンダーからの製品やアプリケーションがないことを証明することで、アメリカとの関係を優先した対応を選んだ。 第二に、新型コロナによるパンデミックは、マスクや医療防護具、ワクチンなどの世界的な需要が急増したが、その供給が中国に過度に偏っていることで、中国は「マスク外交」や「ワクチン外交」を展開し、生命や健康にかかわる製品にまで経済的強制を仕掛けてくる可能性が高まり、実際、欧州や南米諸国に経済的強制を実施したことである。同時にマスクやワクチンを優先的に輸出して中国の好感度を上げるという戦略も展開した。 こうした中国による「エコノミック・ステイトクラフト(注)」の影響を軽減し、貿易を「武器化」することで政治的な圧力をかけられないようにするためにも、サプライチェーンの強靭化が求められるようになった』、「トランプ政権のアメリカがファーウェイ製品をはじめとする中国製品を使うことのリスクを強調し、クリーンネットワークなどのイニシアチブで圧力をかけてきたことがある。日本は明示的に中国製品を排除したわけではないが、事実上中国製品を調達しないことで排除し、日本の通信ネットワークに「信頼できない」ベンダーからの製品やアプリケーションがないことを証明することで、アメリカとの関係を優先した対応を選んだ」、確かに「トランプ政権」も「経済安全保障」的行動を採った。
(注)エコノミック・ステイトクラフト:経済安全保障。
・『WTOの機能不全が明らかに  第三に、トランプ政権期にアメリカが自由貿易に背を向け、WTOの上級委員の任命を拒むなど、WTOの機能不全が明らかになったことがある。2010年のレアアース禁輸はWTOで勝訴することで、少なくとも中国は自国からの禁輸といった措置は取らなくなったが、貿易を「武器化」しても、WTOを通じて歯止めをかけることができなくなった。そのため、国際法的な対処が難しくなり、自己防衛のための措置を取らざるをえなくなったのである。 こうした背景から、中国への警戒心を隠さない自民党の重鎮である甘利明が中心となって、「『経済安全保障戦略策定』に向けて」と題する提言書が2020年12月に出され、2021年5月にも経済安全保障戦略を「骨太の方針」に加えることを求める提言が出された。これらの提言を受けて、2021年に発足した岸田内閣では経済安全保障担当大臣を設け、若手の小林鷹之を大臣に据えて、経済安全保障推進法案の策定に注力し、2022年5月に同法案が国会で可決された。 しかし、こうした経済安全保障への傾斜が、対中経済関係を遮断する、いわゆるデカップリングに向かうわけではないという点には注意が必要である。日本はこの間も中国を含む多国間枠組みであるRCEPを批准し、中国との自由貿易を推進する立場も取っている。日本にとって、これからの対中経済関係は、一方では国交正常化以前から続く経済関係を維持し、自由貿易による双方の利益を追求しつつ、中国によるエコノミック・ステイトクラフトから自らを守るべく、基幹インフラや戦略的重要物資に関しては自律性を高めていくという措置を取る、という二階建ての対応をしていくことにならざるをえなくなるだろう。 (鈴木一人/東京大学公共政策大学院教授、アジア・パシフィック・イニシアティブ上席研究員)』、「日本にとって、これからの対中経済関係は、一方では国交正常化以前から続く経済関係を維持し、自由貿易による双方の利益を追求しつつ、中国によるエコノミック・ステイトクラフトから自らを守るべく、基幹インフラや戦略的重要物資に関しては自律性を高めていくという措置を取る、という二階建ての対応をしていくことにならざるをえなくなるだろう」、ずいぶん複雑な対応だが、その通りなのだろう。間違わずに、ちゃんと出来るのかは、いささか心もとない感じがするが・・・。 
タグ:「どうして中国に良い感情を持てないかというと」、「ひとつは中国をいまだ侮蔑している」人が高齢者には多いかも知れないが、全体ではそれほどでもないような気もする。 日刊ゲンダイ「元中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く 日本は対中国でどう対応するべきか」 (その6)(元中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く 日本は対中国でどう対応するべきか、「やっと人間の世界に戻った」と涙…中国で日本移住の人気が急上昇の事情、日本と中国「経済安全保障」の概念が台頭した事情 「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか) 日中関係 「台湾のために米国の軍隊が台湾に入っていったとしても、結果は見えている。米国は絶対に勝てません」、その通りだが、かといって日本も「台湾」を見捨てることは出来ないのではなかろうか。 「習近平(現国家主席)は私に「住所変更はできませんよ。これから何百年も、隣国としてお付き合いしていくのです」と言いました」、「住所変更はできません」とは言い得て妙だ。「この先の50年も平和にやっていくためには、日本も茶番劇をやればいいんです。「中国と喧嘩なんかしたくないよ。でもアメリカの顔も立てないといけないから、君たちもそうしてくれよ」と、お互いに話し合いで。大事なのは喧嘩や戦争ではなく外交です」、同感である。 「我々は武器を持てば持つほどに、武器を使いたくなるものです。良いおもちゃを持つと、それで遊びたくなる子供と一緒。これが戦争なんです」、その通りだ。「日本はやはり少数民族で日本人ばかりですから、権限が不明確で、誰も責任を取らなくていいような言い方で物事が進められる。それは戦前も今も変わっていません」、「誰も決定をしないのに「そうだろう」って決めてしまうわけです。これでは日本は世界ののけ者になってしまう。SNSとかそういうものばかり信用して「スマホではこう書いてあった」「SNSではこう言っている」ではダメ。自 ダイヤモンド・オンライン 王 青氏による「「やっと人間の世界に戻った」と涙…中国で日本移住の人気が急上昇の事情」 「突如、移住先として日本人気が高まっている」、とは驚かされた。 「4月3日は、政府がゼロコロナ政策の継続姿勢を明らかにしたこともあり、国民の間で“脱出”への関心が高まったようだ。 とりわけ移民への関心が高まっているのが、上海だ」、「今回のロックダウンで、上海というブランドは大きく傷ついた。現在の状況に疲れ果て、将来に不安に感じる上海市民が急増している。 筆者は日頃、公私ともに上海と密接な関係があるため、ほぼ毎晩遅くまで仕事先の関係者や友人たちから電話で「愚痴を聞く」生活が続いている。皆、口をそろえて、「こういうことが上海で起こっているのがどうしても信じられない。あり得 「これまで中国人の中で人気の移住先は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなど英語圏の国に加えて、アジアではシンガポールやマレーシアなどだった。日本はもともと移民の国や英語圏ではないので、人気国リストの上位に入っていなかった」、「最大の要因は中国の厳しいゼロコロナ政策にあるのではないか、と分析する。長らく続くロックダウンに我慢の限界が来たのだ。また、経済の減退を身近に感じるようになり、特に中間層は将来に不安を感じはじめている。 加えて、これまで人気の移住先上位に入っていた国々で、「中国人の移住に関す 「今回は問い合わせのほとんどが、2の経営・管理に当たる。つまり、会社を設立することだ。500万円以上の出資金や日本でのオフィス、住居の確保などの条件をそろえれば、ビザは簡単に取れる。 その後きちんとビジネスが成り立って、日本の納税や雇用規定などを順守すれば、ビザの更新ができ、将来的には永住権を得たり帰化したりもできる」 日本でのビジネスが成功するか否かという問題はあるが、資産が豊富な上海在住の中国人にとって来日ビザを取得すること自体は、それほど高いハードルではないといえる」、なるほど。 「上海のロックダウンは中国人の心境に大きな変化を与えたとみる」、しかし、「上海」を「脱出」して、「日本」に「移住」したいというのは、あくまで一時的な現象に過ぎず、やがて「脱出」熱も冷めるのではなかろうか。 「日本社会に定着することにも別の苦難があるだろう」、特に「『経営・管理』のビザ」に見合った仕事がどれだけあるかは疑問だ。いずれにしろ、課題は多そうだ。 東洋経済オンライン API地経学ブリーフィングによる「日本と中国「経済安全保障」の概念が台頭した事情 「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか」 「政経分離」から「経済安全保障」とは興味深そうだ。 「日中経済関係は、「政経分離」の原則を貫くことで、日本側にとっては、中国への進出によるビジネス上の利益と日中関係の安定化に寄与し、中国側にとっては技術指導などを通じた近代化の推進と経済発展を実現するものとして双方にメリットのあるものとなった」、なるほど。 「中国が天安門事件による孤立化を避け、グローバルなサプライチェーンに組み込まれていく中で、飛躍的な経済発展を可能にしたのが2001年のWTO加盟であった」、「中国はWTO加盟を通じて一層市場経済に接近する姿勢を明らかにしたことで、日本を含む西側諸国に対して、中国も「西側の一員」のように振る舞うことを期待させた」、なるほど。 「2010年の中国によるレアアース禁輸」を「を皮切りに、中国との貿易関係は政治と切り離されたものではなく、政治的目的のために貿易を「武器化」することが現実となることが認識されるようになった」、「貿易の「武器化」は日本だけでなく、台湾の果物やオーストラリアの農産物や鉄鉱石、石炭、ノルウェーのサーモン禁輸、リトアニア製部品を使ったEU製品の禁輸など、例を挙げればきりがないほど続いている」、なるほど。 「トランプ政権のアメリカがファーウェイ製品をはじめとする中国製品を使うことのリスクを強調し、クリーンネットワークなどのイニシアチブで圧力をかけてきたことがある。日本は明示的に中国製品を排除したわけではないが、事実上中国製品を調達しないことで排除し、日本の通信ネットワークに「信頼できない」ベンダーからの製品やアプリケーションがないことを証明することで、アメリカとの関係を優先した対応を選んだ」、確かに「トランプ政権」も「経済安全保障」的行動を採った。 (注)エコノミック・ステイトクラフト:経済安全保障。 「日本にとって、これからの対中経済関係は、一方では国交正常化以前から続く経済関係を維持し、自由貿易による双方の利益を追求しつつ、中国によるエコノミック・ステイトクラフトから自らを守るべく、基幹インフラや戦略的重要物資に関しては自律性を高めていくという措置を取る、という二階建ての対応をしていくことにならざるをえなくなるだろう」、ずいぶん複雑な対応だが、その通りなのだろう。間違わずに、ちゃんと出来るのかは、いささか心もとない感じがするが・・・。
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ミャンマー(その6)(ミャンマー軍政との関係見直し求める声高まる 会計検査機関や日本政府も対象に、防衛大学校は国軍士官候補生の「留学」受け入れ 日本は対ミャンマー外交 防衛協力の見直しを、上智大・根本敬教授に聞いたミャンマー情勢のいま ミャンマー「情勢打開」へ 日本が握る交渉のカギ) [外交]

ミャンマーについては、6月18日に取上げた。今日は、(その6)(ミャンマー軍政との関係見直し求める声高まる 会計検査機関や日本政府も対象に、防衛大学校は国軍士官候補生の「留学」受け入れ 日本は対ミャンマー外交 防衛協力の見直しを、上智大・根本敬教授に聞いたミャンマー情勢のいま ミャンマー「情勢打開」へ 日本が握る交渉のカギ)である。

先ずは、本年1月21日付けNewsweek日本版が掲載したインドネシア在住ジャーナリストの大塚智彦氏による「ミャンマー軍政との関係見直し求める声高まる 会計検査機関や日本政府も対象に」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/01/post-97907_1.php
・『<私たちとは関係のない遠い国の話だとは言えない関係がある> 軍政による強権支配、人権侵害が続くミャンマーで、反軍政の立場をとる国民や抵抗組織などから国際的な会計監査機関に対して軍との関係を見直すよう要求がでており、こうした要求は日本政府にも向けられていることが国際的な人権団体などの指摘で明らかになっている。 市民や反軍政抵抗組織の人々にとっては、ミャンマー軍との関係維持は軍政の「容認」「正当化」を意味する。軍や軍の関係する組織との関係を見直し、関係を断つことが軍政を孤化させせ国民を支持することに結び付くと、現地の反軍独立系メディア「ミャンマー・ナウ」は、19日国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW) 担当者の寄稿を掲載し伝えた。 人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(JFM)」は1月19日、東南アジア諸国連合最高会計検査機関(ASEANSAI)と最高会計検査機関国際組織(INTOSAI)、さらにノルウェーとスウェーデンの監査機関が、ミャンマーの会計検査機関を「ミャンマー代表」としていると指摘した。 ミャンマー会計検査機関は軍政支配下の組織であることから、JFEは軍政と関係が深い組織との関係見直しを求める声明を出したと見られる』、「ミャンマーの会計検査機関」は「軍政支配下の組織」であるとはいえ、小さな国ではやむを得ないのではなかろうか。
・『批判の目は日本にも  またこうした矛先は日本政府にも向けられている。 「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は2021年12月、日本の防衛大学がミャンマー軍士官候補生を留学生として受け入れていることを中止するよう求める声明を出している。 HRWによるとミャンマー軍から8人の士官候補生が防大に留学しており、このうち2人は2021年2月1日のクーデター発生後の留学であるという防衛省からの情報も伝えている。ミャンマーからの留学生受け入れは2015年から始まっているという。 防大はかねてからミャンマーの他に韓国やモンゴル、インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、マレーシアなどアジア各国を中心に士官候補生などを留学生として受け入れている。 こうした留学生が防大を卒業して帰国、各国の軍で昇進して活躍することで日本との軍事的友好関係に資するとして積極的に推進している経緯がある。 日本政府はクーデター発生直後に重大な懸念を表明し「暴力の停止」や「拘束されたアウン・サン・スー・チー最高顧問兼外相やウィン・ミン大統領らの即時釈放」を軍政に求めた。3月18日には同盟国との共同声明で軍による「非武装の民間人への武力行使」を非難した。 「ミャンマー・ナウ」は、こうした事実がある一方で、留学生をいまだに受け入れていることが「クーデターを非難する日本政府の姿勢と"矛盾"するだけでなく、人道に対する罪や人権侵害への軍の責任を問う国際社会の努力を損なっている」と伝えている』、「非難」声明を出したのであれば、「留学生」の「受け入れ」は停止すべきだった。ブレーキをかけるべきは外務省や首相官邸の筈だ。
・『日本政府の"矛盾"を指摘  こうした独立系メディアによる見解を「見当違いである」とみる向きもあるだろうが、ほぼ毎日軍と武装市民や少数民族の武装勢力の戦闘が行われているミャンマーは、武装市民などだけでなく、一般市民も軍により殺害されている過酷な状況にあり、日本によるミャンマー軍兵士の受け入れという事実は受け入れることが難しいという側面がある。 クーデター発生直後から日本は「民主政府と軍の双方に対話のパイプがある」として仲介・調停に乗り出し、日本の「特別な立場」を強調してきた。 だがここで言われる「軍とのパイプ」とは防大留学生ですでに帰国して軍の幹部あるいは中堅幹部として軍務についている軍人などであり、旧日本兵の遺骨収集活動などに名を連ねている民間人と軍政幹部の限定的な繋がりに過ぎない。 この民間人は日本外務省などと協力して軍政に働きかけて拘束されていた日本人ジャーナリストの解放交渉を進めた。 しかし軍政に抵抗を続ける市民にとって日本の姿勢は「もどかしい」として苛立ちが強まっているという』、「軍とのパイプ」が実態は細く頼りないもののようだ。本当は裏ルートではもっと強力な「パイプ」があるのを筆者が知らないだけではないのか。
・『国内各地で戦闘激化、犠牲者増加  2月1日のクーデター1周年を前に軍は国内治安安定を内外に示すためか、各地で攻勢を強めており、武装市民組織PDFや少数民族武装勢力との戦闘が激化、その影響で非武装・無抵抗の一般市民の犠牲も増加している。 PDFとの関係が疑われる市民らを後ろ手に縛り火を放って焼殺したり、斬首してその首を見せしめに晒すなど、軍による残虐な殺害、人権侵害も伝えられている。 1月になって北西部サガイン地方域やチン州では軍が増強されてPDFや少数民族武装勢力の「チンランド防衛隊(CDF)」との戦闘が激化しているほか、西部ラカイン州でも「アラカン軍(AA)」と軍が衝突している。 東部のカヤ州では州都ロイコウでの激しい戦闘で住民多数が避難を余儀なくされているというように、全土で戦闘が続き犠牲者が増えているのが現況だ。 タイ・バンコクに拠点を置くミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」は1月19日現在、クーデター後にミャンマー軍などの治安当局によって殺害された市民が1483人に上り、逮捕・起訴あるいは判決を受けた市民が8687人に達していることを明らかにしている。 「ミャンマー・ナウ」の報道は最後に「クーデター後、ミャンマー軍との軍事的関係を中止したニュージーランドやオーストラリア政府と同じように、日本はミャンマーとの軍事的関係を中断すべきである。さもないと日本はミャンマー軍の残虐行為に間接的に加担するリスクを負うことになるだろう」として日本に対して決断を求めている』、「1月19日現在、クーデター後にミャンマー軍などの治安当局によって殺害された市民が1483人」、市民を大規模に虐殺するなどとんでもないことだ。「日本はミャンマー軍の残虐行為に間接的に加担するリスクを負うことになるだろう」、やはり「日本はミャンマーとの軍事的関係を中断すべき」、同感である。

次に、1月28日付け東洋経済Plus「防衛大学校は国軍士官候補生の「留学」受け入れ 日本は対ミャンマー外交、防衛協力の見直しを」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29577
・『ミャンマーの軍事クーデターから間もなく1年になる。国軍は圧倒的な武力をよりどころに弾圧を強めているが、今も市民の抵抗は収まらず、誤算が生じている。経済や市民生活は悪化し、金融機能はマヒしている。 国際社会も事態打開に向けての有効な手だてを欠いている。国軍を支援するロシアや事態を静観する中国と、国軍を非難する米英仏に分かれ、国連安全保障理事会は機能不全に陥っている。米英などはミン・アウン・フライン国軍司令官ら国軍関係者や国軍系企業などを対象とした「標的制裁」を実施しているが、目立った成果は上がっていない。 東南アジア諸国連合(ASEAN)も対応が割れている。議長国であるカンボジアのフン・セン首相がミャンマーを訪問してミン・アウン・フライン国軍司令官と会談したが、軍事政権の追認につながるとしてマレーシアの外相が批判した。シンガポールのリー・シェンロン首相も軍事政権トップのASEAN関連会議への参加に反対の姿勢を示している』、キリンビールは、現地の合弁企業から国軍に資金が流れるとして、合弁を解消する旨、表明した。
・『鮮明さを欠く日本の対応  最大の経済援助国である日本の対応は玉虫色で鮮明さに欠ける。 外務省は昨年2月1日以降、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問ら関係者の即時解放や民主的な政治体制の早期回復、市民に対する暴力の即時停止などを求める外相談話を数度にわたって発表。主にASEAN諸国と連携して事態打開に向けて働きかけを続けてきた。他方経済制裁や標的制裁は、法整備がなされておらず、実施していない。この点では米英やEU(欧州連合)とは対応が異なる。 外相レベルでの対話は行われていないものの、在ミャンマーの日本大使館を通じた関与は続けているという。政府開発援助(ODA)についてクーデター後に新たに決定した案件はない反面、既存案件は現在も継続している。現地スタッフの安全確保などを理由に「既存案件の多くが事実上中断している」(外務省)というものの、新規ODAの打ち切りや既存案件縮小の判断はしていない。 防衛省はクーデターを非難する一方で、管轄下の防衛大学校はミャンマー国軍の士官候補生2名を「留学」目的でクーデター後も新たに受け入れている。オーストラリアやニュージーランドがクーデター後に防衛協力を打ち切ったのとは対照的だ。 衆参両院は軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復を求めることなどを骨子とした決議案を可決している。一部の国会議員は、民主派勢力が結成した国民統一政府(NUG)とのパイプを構築し、議員外交を通じて事態の打開を模索している。他方、日本政府は公式にはNUGとの対話窓口を設定していない。 民間レベルではミャンマー国軍との「太いパイプ」を自認する日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長(元郵政相)がクーデター後も数度にわたってミャンマーを訪問。クーデターについて「憲法にのっとった正当な行為だ」と擁護している。同協会の役員には、麻生太郎元財務相や福山哲郎・元官房副長官ら、与野党の大物政治家が名を連ねる。協会や渡邉氏の動きは誤ったシグナルになりかねない。 このように政官民によるさまざまな働きかけが続けられているが、矛盾点も多く、国内外の疑念を招きかねない。節目の今こそ、政府はこれまでの外交・防衛面での取り組みを総点検し、対応方針を再構築すべきだ。国軍が人権侵害をやめないのであれば、ODAの一部を打ち切るなど、明確なメッセージを出す時期に来ている』、「ODA」では「他方経済制裁や標的制裁は、法整備がなされておらず、実施していない。この点では米英やEU(欧州連合)とは対応が異なる」、何たる不作為!、早急に法改正すべきだ。「日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長」が「クーデター後も数度にわたってミャンマーを訪問。クーデターについて「憲法にのっとった正当な行為だ」と擁護」、とはとんでもないことだ。「国軍が人権侵害をやめないのであれば、ODAの一部を打ち切るなど、明確なメッセージを出す時期に来ている」、その通りだ。

第三に、1月31日付け東洋経済Plus「上智大・根本敬教授に聞いたミャンマー情勢のいま ミャンマー「情勢打開」へ、日本が握る交渉のカギ」を紹介しよう。
・『ミャンマーの軍事クーデターからまもなく1年。ミャンマーにどう向き合うのか。日本の姿勢も問われている。 ミャンマーの軍事クーデターからまもなく1年を迎える。現在も国軍や治安部隊による人権侵害はとどまるところを知らず、多くの市民が逮捕・拘留されたままだ。 この間、日本を含む国際社会は有効な手だてを講じてきたのか。ミャンマーの事情に詳しい上智大学の根本敬教授に聞いた』、興味深そうだ。
・『人権侵害はますますひどくなっている  Q:2021年2月1日に国軍がクーデターを起こしてから、まもなく1年を迎えます。ミャンマーの現状をどうとらえていますか(Qは聞き手の質問、Aは根本氏の回答)。 A:この1年、政治、経済、人権状況とも、まったく改善点が見られない。市民による抵抗が続く一方、国軍による人権侵害はますますひどくなっている。 国際社会も、事態打開に役割を果たせていない。新型コロナウイルス感染症への対応にしても、クーデター政権が無策のまま状況を放置した結果、多くの人が命を落とした。経済はひどい状態になり、新たに進出しようという外国企業もない。 Q:ミャンマーでは1988年に軍事クーデターがあり、民主化運動は封じ込められました。今回も国軍は弾圧を強めていますが、市民による抵抗運動が続いています。 国軍の弾圧により、たくさんの犠牲者が出ている点では共通している。当時と異なるのは、市民による抵抗の基盤ができており、抵抗運動が長期化していることだ。クーデター政権は圧倒的な武力を背景にミャンマーを実効支配しているが、市民の支持取り付けには失敗している。国軍の焦りは強い。 1988年の民主化運動に関わった、ある在日ミャンマー人が、大変わかりやすいたとえをしている。 1988年当時、市民は軍事政権時代の闇の中から光を求めて民主化運動を起こしたが、国軍のクーデターにより一瞬のうちに闇に引き戻されてしまった。一方、今回の抵抗運動の主役は2011年からの10年にわたって、民主化の時代に人生を送ってきた。つまり、光が照らした年月の長さにおいて当時と今回では大きく異なるのだ、と。 とりわけ青春時代に民主化の恩恵を受けてきたZ世代と呼ばれる若者にとって、国軍の支配する社会などはまったく容認できない。しかし、若者たちがこれほどまで抵抗を続けるとは、国軍は思いも寄らなかっただろう。(根本氏の略歴はリンク先参照)』、「青春時代に民主化の恩恵を受けてきたZ世代と呼ばれる若者にとって、国軍の支配する社会などはまったく容認できない。しかし、若者たちがこれほどまで抵抗を続けるとは、国軍は思いも寄らなかっただろう」、「Z世代」の若者などが頑張っている事情が理解できた。
・『カギを握る国際社会の働きかけ  Q:事態の打開策として何が必要でしょうか。 A:国軍が圧倒的な力を持つ以上、ミャンマー市民の力だけで民主主義を回復させることは困難だ。国際社会の働きかけが事態打開の鍵を握っている。 しかし、国連の安全保障理事会では中国、ロシアと米英仏が対立し、機能不全に陥っている。ロシアは前のめりでミャンマー国軍を支援し、中国は実質的に何もできていない。 アメリカは、国軍トップや国軍系企業に対象を絞った「標的制裁」を打ち出すのが精一杯。そうした中で東南アジア諸国連合(ASEAN)に過度な期待が集まっている。 ASEANは、ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官に、特使受け入れなど5つの合意事項を履行するように求めている。合意事項の中でも、暴力の即時停止は最も重要だ。しかし、ミン・アウン・フライン司令官は約束を守らず、ASEANの働きかけは功を奏していない。 インドネシアやマレーシア、シンガポールが軍事クーデターを厳しく非難する一方、タイやカンボジアなどは国軍に融和的でASEAN内の足並みがそろっていない。ミャンマーへの対応をめぐり、ASEAN内部には深刻な亀裂が生まれている。 Q:日本はいま、何ができるのでしょうか。 A:G7(主要7カ国)の一員である以上、法整備をしたうえで、国軍司令官などを対象に標的制裁に踏み切るべき。政府開発援助(ODA)の見直しも必要だ。 日本はODAの新規案件の供与を見合わせているが、既存案件については公式には中断を決めていない。既存案件の一部を中断し暴力の即時停止など、日本が提示する条件をミャンマー国軍が飲んだ場合に、再開する。このようなやり方で、譲歩を引き出す手だても講じるべきだ。その一方で、国際機関を通じての食料や医療など人道支援はしっかりやらないといけない。 もう1つの重要な取り組みとして、民主派勢力が樹立した国民統一政府(NUG)の承認に向けた動きを強めるべきだ。 欧州議会は2021年10月、NUGと連邦議会代表委員会(CRPH)をミャンマーの正式な代表として受け入れる決議を賛成多数で可決している。日本でも国会がNUGを正式に認めれば、日本政府が及び腰でも、クーデター政権を牽制し、民主派勢力を勇気づけることになる。 NUGはすでにアメリカやイギリス、オーストラリア、韓国などに代表事務所を設置しており、アメリカのシャーマン国務副長官は2021年8月にNUGの代表と会談している。 Q:防衛省傘下の防衛大学校がミャンマー国軍の士官候補生2名を「留学生」として軍事クーデター以後に新たに受け入れていたことが判明しています。オーストラリアやニュージーランドが、ミャンマー国軍との防衛協力を打ち切ったのとは対照的に、日本は国軍との緊密な関係を維持しています。 民政移管を進めたテイン・セイン政権やアウンサン・スーチー政権時であれば、シビリアンコントロールの研修目的という説明も成り立つ。しかし、G7の一員として、なぜこのタイミングで国軍関係者を受け入れるのか、まったく理解できない。国際社会において恥をさらす行為に等しく、即座にやめるべきだ』、「ASEAN」は「タイやカンボジアなどは国軍に融和的」なので、多くを期待できない。「日本」が不作為で政府として何もしていない現状は国際的にも恥ずかしい限りだ。ここは「日本」が「法整備をしたうえで、国軍司令官などを対象に標的制裁に踏み切るべき。ODAの見直しも必要だ。 日本はODAの新規案件の供与を見合わせているが、既存案件については公式には中断を決めていない。既存案件の一部を中断し暴力の即時停止など、日本が提示する条件をミャンマー国軍が飲んだ場合に、再開する。このようなやり方で、譲歩を引き出す手だても講じるべきだ」、同感である。第二でも触れた「日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長」に対しても、然るべき措置を取るべきだ。 
タグ:(その6)(ミャンマー軍政との関係見直し求める声高まる 会計検査機関や日本政府も対象に、防衛大学校は国軍士官候補生の「留学」受け入れ 日本は対ミャンマー外交 防衛協力の見直しを、上智大・根本敬教授に聞いたミャンマー情勢のいま ミャンマー「情勢打開」へ 日本が握る交渉のカギ) ミャンマー Newsweek日本版 大塚智彦氏による「ミャンマー軍政との関係見直し求める声高まる 会計検査機関や日本政府も対象に」 「ミャンマーの会計検査機関」は「軍政支配下の組織」であるとはいえ、小さな国ではやむを得ないのではなかろうか。 「非難」声明を出したのであれば、「留学生」の「受け入れ」は停止すべきだった。ブレーキをかけるべきは外務省や首相官邸の筈だ。 「軍とのパイプ」が実態は細く頼りないもののようだ。本当は裏ルートではもっと強力な「パイプ」があるのを筆者が知らないだけではないのか。 「1月19日現在、クーデター後にミャンマー軍などの治安当局によって殺害された市民が1483人」、市民を大規模に虐殺するなどとんでもないことだ。「日本はミャンマー軍の残虐行為に間接的に加担するリスクを負うことになるだろう」、やはり「日本はミャンマーとの軍事的関係を中断すべき」、同感である。 東洋経済Plus「防衛大学校は国軍士官候補生の「留学」受け入れ 日本は対ミャンマー外交、防衛協力の見直しを」 キリンビールは、現地の合弁企業から国軍に資金が流れるとして、合弁を解消する旨、表明した。 「ODA」では「他方経済制裁や標的制裁は、法整備がなされておらず、実施していない。この点では米英やEU(欧州連合)とは対応が異なる」、何たる不作為!、早急に法改正すべきだ。「日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長」が「クーデター後も数度にわたってミャンマーを訪問。クーデターについて「憲法にのっとった正当な行為だ」と擁護」、とはとんでもないことだ。「国軍が人権侵害をやめないのであれば、ODAの一部を打ち切るなど、明確なメッセージを出す時期に来ている」、その通りだ。 東洋経済Plus「上智大・根本敬教授に聞いたミャンマー情勢のいま ミャンマー「情勢打開」へ、日本が握る交渉のカギ」 「青春時代に民主化の恩恵を受けてきたZ世代と呼ばれる若者にとって、国軍の支配する社会などはまったく容認できない。しかし、若者たちがこれほどまで抵抗を続けるとは、国軍は思いも寄らなかっただろう」、「Z世代」の若者などが頑張っている事情が理解できた。 「ASEAN」は「タイやカンボジアなどは国軍に融和的」なので、多くを期待できない。「日本」が不作為で政府として何もしていない現状は国際的にも恥ずかしい限りだ。ここは「日本」が「法整備をしたうえで、国軍司令官などを対象に標的制裁に踏み切るべき。ODAの見直しも必要だ。 日本はODAの新規案件の供与を見合わせているが、既存案件については公式には中断を決めていない。既存案件の一部を中断し暴力の即時停止など、日本が提示する条件をミャンマー国軍が飲んだ場合に、再開する。このようなやり方で、譲歩を引き出す手だても講じ
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韓国(文在寅大統領)(その11)(反日を掲げていたのに…韓国の自治体が「戦犯」と呼んでいた日本企業を次々と誘致しているワケ、韓国・文大統領の失策で「国家自然消滅の危機」 元駐韓大使が解説、BTSが外交パスポートで渡米し国連総会に! 圧巻スピーチ&パフォーマンスの“原点) [外交]

韓国(文在寅大統領)については、9月8日に取上げた。今日は、(その11)(反日を掲げていたのに…韓国の自治体が「戦犯」と呼んでいた日本企業を次々と誘致しているワケ、韓国・文大統領の失策で「国家自然消滅の危機」 元駐韓大使が解説、BTSが外交パスポートで渡米し国連総会に! 圧巻スピーチ&パフォーマンスの“原点)である。

先ずは、10月14日付け文春オンラインが掲載した広告プランナー・コピーライターの佐々木 和義氏による「反日を掲げていたのに…韓国の自治体が「戦犯」と呼んでいた日本企業を次々と誘致しているワケ」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/49255
・『韓国の自治体が日本企業誘致に取り組んでいる。 2019年7月、日本の経済産業省が、半導体・ディスプレイの核心素材であるフォトレジスト、エッチングガス、フッ化ポリイミドの韓国向け輸出管理を強化すると発表した。政府はまた、翌8月7日、韓国をいわゆるホワイト国(輸出管理上での優遇措置対象国)リストから除外する政令も公布した。 日本と韓国の間では、いわゆる徴用工裁判や慰安婦合意破棄、レーダー照射など確執が続いていたが、そうした状況下でも韓国にとってはまさに青天の霹靂といえる発表だった』、私自身は「韓国向け輸出管理を強化」をやり過ぎと思う。
・『韓国全域に広がった「日本製品不買運動」  フォトレジストとエッチングガスは半導体製造に欠かせない素材で、日本企業が世界全体の供給量でそれぞれ、85%と70%を占めている。フッ化ポリイミドは韓国勢が強い有機ELディスプレイに使われている材料で、日本が世界の供給量の90%を占めている。経済産業省は日本以外からの調達が難しい3品目を選んだのだ。 韓国は、日本政府の輸出管理強化は、徴用工裁判で韓国の最高裁が日本企業に賠償金支払いを命じた前年10月の判決に対する報復だと主張。文在寅大統領が「ふたたび日本に負けない」と発言し、与党・共に民主党が主導権を握る自治体が反日の狼煙を上げ、韓国全域で日本製品不買運動が広がった。 なかでも最も強硬な反日姿勢を見せたのは、次期大統領の座を狙う李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事だった』、こんなことで「日本製品不買運動」が起こるとは日本にとっては割に合わない。
・『「脱日本技術独立」を宣言したが……  京畿道は人口1300万人を擁する韓国最大の自治体だ。道内の平澤市は、半導体工場があるサムスン電子の企業城下町として知られており、利川市にはSKハイニックスの半導体工場、坡州市にはLGディスプレイの企業団地、また、これらの工場に部品を納める企業の工場や事務所が集まっている。これらの工場は上記3品目のほか、多くを日本企業に依存しており、日本政府の輸出管理強化による影響を最も受ける地域である。 韓国は日本政府が、韓国をホワイト国から除外した(輸出管理のグループAからグループBに変更した)措置を輸出規制と批判するが、実際には、輸出が不許可となる例はほとんどない。輸出手続きは煩雑化するものの、兵器転用のおそれがない貨物の輸出や技術移転は従来通り、許可されるからだ。 しかし、知事が反日を掲げる京畿道は19年7月、すぐさま「脱日本技術独立」を宣言し、素材・部品・装備の研究開発を行う地元企業に5年間で2000億ウォン以上を支援する計画を立て、また、韓国の政府機関が2012年に作成した“戦犯企業リスト”に掲載されている日本企業273社の製品を公共機関が購入しないようにする「不買条例」を制定した。 そこから京畿道は、道内企業に20年7月までの1年間に300億ウォンを支援したものの、技術開発は一朝一夕でできるものではない。1年や2年で追いつくことなど極めて難しいし、韓国企業が追いつく頃には、日本はさらに先を進んでいることがほとんどだ』、「技術開発は一朝一夕でできるものではない。1年や2年で追いつくことなど極めて難しいし、韓国企業が追いつく頃には、日本はさらに先を進んでいることがほとんどだ」、まさに逃げ水のようだ。
・『代替品の獲得に失敗したワケ  そこで京畿道は、日本を除く国々の企業誘致にも邁進した。19年11月に米国に本社を置く世界最大の半導体装置企業・ラムリサーチ社の誘致に成功、20年6月には世界有数の半導体中古装置流通企業であるサープラスグローバル社を、21年5月には産業用ガスを製造するエアープロダクツ社を誘致するなど、21年5月までに、10社以上を誘致した。 しかし、結局その戦略もうまくはいかなかった。半導体の製造現場に詳しい、日本企業の韓国駐在員はこう語る。 「仮に地元企業や米国企業から代替品を調達できたとしても、それらを別の素材や部品と組み合わせると、期待通りの成果が得られないこともよくあります」 工業技術に100%はなく、コンマ数パーセントの誤差や不純物は避けられない。一つの素材や部品が、それ単体では何の問題もないように見えても、他のものと組み合わせたときに、その「コンマ数パーセントのズレ」によって予期せぬ不具合を引き起こすことは珍しくないのだ』、「一つの素材や部品が、それ単体では何の問題もないように見えても、他のものと組み合わせたときに、その「コンマ数パーセントのズレ」によって予期せぬ不具合を引き起こすことは珍しくないのだ」、なるほど。
・『「日本企業の誘致」という禁じ手  そうして5年計画で「脱日本」に邁進した京畿道だが、決定的な成果が得られないまま、世界的なコロナ・パンデミックの影響でテレワークが拡大し、また無人化のAIが増えるなど、半導体の需要が急増しはじめた。 サムスン電子は2020年8月に世界最大規模の半導体工場となる平澤2ラインの稼動を開始し、21年8月には半導体新工場の建設費2兆円を含む23兆円相当の投資計画を発表した。SKハイニックスも1兆円規模の設備投資を行う方針を明らかにするなど、即効性が求められるようになった。 高まる需要を前に、「国産化の推進」「日本からの輸入を抑制」「地域のグローバル企業を妨害しない」という3つの課題の解決策を模索した京畿道は、ある答えに辿り着いた。日本企業の誘致である。日本企業が韓国内で製造した製品は数字上、韓国製にカウントされ、また、“日本製”の素材や部品であれば「組み合わせの不具合」を心配することなく、そのまま使うことができる。 サムスン電子とSKハイニックスは、いずれも東芝との提携を通して半導体を製造する技術を得ており、日本から購入した素材や部品で、製品を作ってきた。そんな両社の増産は、日本企業からの輸入増加を意味している』、「サムスン電子とSKハイニックスは、いずれも東芝との提携を通して半導体を製造する技術を得ており」、これではしょうがない。
・『「戦犯企業」を次々と……  実際、昭和電工の子会社である昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)は、京畿道安山市に110億円を投資して新工場を建設した。2016年にSKマテリアルズと合弁でSK昭和電工を設立した同社は韓国内の生産能力を30%引き上げる計画で、10月に稼働を開始する予定である。ちなみに、昭和電工は韓国政府の「戦犯企業」リストに掲載されている。 京畿道に隣接する忠清南道も「戦犯企業」を誘致した。 2021年1月、忠清南道と同道唐津市は、ダイキン工業が韓国半導体製造装置メーカーのシーアンドジーハイテク社と合弁で唐津市松山に工場を新設する覚書(MOU)を締結した。ダイキン工業は、韓国半導体製造用ガス市場で約28%のシェアを持ち、半導体の製造過程で必要なエッチングガス(高純度フッ化水素)を日本や中国で生産して、サムスンやSKハイニックスなどに供給してきた。 4月には半導体材料メーカーの日産化学と子会社である韓国現地法人のNCKも、唐津市松山2産業団地に工場を新設する覚書(MOU)を忠清南道と締結した。NCKは2001年に日産化学が出資して京畿道平澤市に設立した子会社で、半導体やディスプレイの材料の研究や製造、販売を行っている。 ダイキン工業とNCKが工場を新設する唐津市は、SKハイニックスの工場とは100キロ近く離れているが、サムスン電子の企業城下町である平澤市とは川を挟んだ対岸に位置している。なお、ダイキン工業と日産化学も昭和電工と同様、「戦犯企業」リストに掲載されている』、「「戦犯企業」リストに掲載されている」ことで、どんな不利益があるのだろう。
・『日本企業にとってもメリットはある  日本企業を誘致する韓国の自治体は、地元の雇用を守り、国産化を推進したと主張できる。一方、これは日本企業にとってもメリットがある。韓国がホワイト国から除外されたことで輸出手続きが煩雑になっているが、その点、韓国工場で生産すると、手続きを簡素化できるし、韓国企業の要求に合わせて納入しやすくなるのだ。 また、サムスンをはじめ、日本政府のさらなる規制を危惧する韓国企業が、日本以外からの調達を本格的に進める可能性もある。その点、日本企業が韓国で生産すれば、日本企業に依存してきた韓国企業の第3国からの調達を防ぐことができる。 京畿道をはじめ、各自治体は整備した税制優遇、賃貸料の減免、法務、会計、人事労務、金融の無料相談などのインセンティブを訴求して、日本企業を誘致したい考えだ。 表では反日を掲げながら、裏では“戦犯企業”を誘致する李在明京畿道知事は、現在、次期大統領の最有力候補となっている』、「表では反日を掲げながら、裏では“戦犯企業”を誘致する」、いかにも「韓国」らしいやり方だ。

次に、12月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国・文大統領の失策で「国家自然消滅の危機」、元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/290534
・『未来への議論がない次期大統領選挙  文在寅政権になってから韓国の合計特殊出生率は急減している。このまま進めば、韓国の人口は最悪の場合、50年後には現在の60%ほどに低下するとの予測もある。 韓国にとって今が人口減を食い止める最後の機会のはずであるが、文政権は人口問題を回避する一方、国内政治的には分断を一層深化させ、経済的には韓国経済を支える財閥企業をたたき、労働組合に肩入れして経済の弱体化を進めている。 さらに、不動産政策に失敗し、若者の良質な雇用を奪って、若者に将来への夢を失わせ、晩婚化を進めている。外交的には米中間にあって本来の友好国である日米との関係を疎遠にし、中国や北朝鮮に歩み寄っている。 このような文在寅大統領の政策を進めていけば、韓国はいずれ自然消滅しかねない。 文大統領に人口減少を止める政策が期待できないとすれば、次期大統領に期待せざるを得ない。しかし、次期大統領選の主要な争点が、どちらがより多くの不正を働いているかに集中し、韓国の未来に関する議論がほとんど行われていない。 本来、次期大統領選挙の重要なテーマは、いかに人口減を食い止め、韓国社会を安定成長の軌道に戻すかであるべきであろう。次期大統領は、国民統合に向けた政策を取り戻す、経済成長を実現して若者の良質な雇用を増やしていく、不動産の高騰を抑制しつつ、バブル崩壊を防ぎながら国民の持ち家政策を進めていくという点に集中して国家運営をするべきである。 文政権がいかに国内の対立を助長し、若者の雇用を奪い、不動産政策で失敗することで、韓国を行き場のない国にしたか、そして、次期「大統領となってもこうした点の改善は難しいということについては、22日発売の新刊本「さまよえる韓国人」で書き下ろした。こうした状況を生んだ韓国社会の背景についても記述したのでご参照願いたい』、「韓国」のマスコミは、「本来、次期大統領選挙の重要なテーマは、いかに人口減を食い止め、韓国社会を安定成長の軌道に戻すかであるべき」か、「次期大統領は、国民統合に向けた政策を取り戻す、経済成長を実現して若者の良質な雇用を増やしていく、不動産の高騰を抑制しつつ、バブル崩壊を防ぎながら国民の持ち家政策を進めていくという点に集中して国家運営をするべき」、という角度から報じないのは何故なのだろう。
・『100年後の人口は6割減 最悪の場合は8割減  韓国統計庁が発表した「将来人口推計2020~2070」の付録に「100年推計統計表(2070~2120年)」が添付されている。これによると2020年末の人口が前年比で初めて減少に転じ、2万人減となった。 人口減少は今後も加速度的に進んでいく。韓国の人口は2020年末時点の5182万9000人から、2120年には3088万3000人減少して2094万6000人(59.5%減)になると予測している。 さらに2120年の生産年齢人口(15~64歳)の比率は48%(1005万8000人)で半分にも満たない。14歳以下の人口は8.9%で185万9000人だ。他方、65歳以上の高齢者人口は903万7000人で43.1%を占め、ほぼ生産年齢人口に匹敵する。まさに「高齢者国家」である。 ただ、これはまだいい方の予測である。最悪の想定では2120年の人口は1214万人(76.5%減)になるという。この予測では高齢者人口は生産年齢人口を上回っている。 これはもはや持続可能な社会とはいえないだろう。) 文大統領は政権の残り5カ月の最大の課題として、北朝鮮との「終戦宣言」を挙げている。しかし、それは自分の政権のレガシーを残したいからであり、あわよくば、それによって金大中元大統領に次ぐ韓国人2人目のノーベル平和賞受賞者となりたいからである。それは韓国の国益ではなく、文大統領の利益である。 韓国にとって、現在の最大の国益は、出生率を高めて人口減を食い止めることである。そのためには国民の生活水準を引き上げること、人々が結婚して子供を持とうという意欲をよみがえらせること、生活水準を引き上げて子供を持てる社会に再生することである。 しかし、文政権は国内的に政治闘争を繰り返し、北朝鮮との間で無駄な労力を費やしており、その結果、韓国が再生する最後の機会を失いつつある』、「文政権は国内的に政治闘争を繰り返し、北朝鮮との間で無駄な労力を費やしており、その結果、韓国が再生する最後の機会を失いつつある」、その通りだが、日本も似たようなものだ。
・『経済政策の失敗により出生率が急速に低下  文政権になってから韓国の合計特殊出生率は減少幅を拡大している。 2020年の合計特殊出生率0.84という数字は少子化が問題となっている日本の1.34(2020年)と比べても格段と低い。特に不動産価格の高いソウルは0.64%である。 少子化のペースは文政権になってから加速している。2018年に初めて0.98と1を下回ってからさらに減少を続けている。新型コロナによって結婚する人の数は10%減ったといわれており、この状況が続くとすれば、来年以降の合計特殊出生率は0.69、0.62、0.57と年々減少し、2025年は0.52になるとの予測もある。わずか8年で半減するという異常さであり、その発端を作ったのが文政権である。 合計特殊出生率が極端に低下した最大の理由は、文政権の経済政策の失敗によって若年層にしわ寄せが及んでいることにある』、「合計特殊出生率が極端に低下した最大の理由は、文政権の経済政策の失敗によって若年層にしわ寄せが及んでいることにある」、その通りだが、韓国内にはこの問題を問題視する意見はないのだろうか。
・『若者の良質な雇用の減少が出生率を低下させた  韓国の若者の雇用の現状は悲惨である。これを認めないのは文大統領とその周辺くらいであろう。文大統領は、財政支出で高齢者向けの短期アルバイトを増やすことで、見かけ上の失業率は低く抑え、その数字をもとに韓国経済の就業状況は良好であると発言している。 しかし、今年だけで非正規職が64万人増加するなど、雇用が改善したとは到底いえる状況ではない。 青年失業率は5.4%と昨年より3.5ポイント改善している。しかし、これは数字のトリックにすぎない。就業者の内訳を見ると、20~30代の30.1%(243万人)が非正規職であり、その比率は60代よりも高い。しかも若年層の勤務時間を2年前と比較すると、週36時間に満たない人が10.3万人増加する一方、36時間以上の人は13.9万人減少している。 この間、良質な製造業の雇用は減少している。それは反企業的な文政権の政策が原因であり、その代表例が、最低賃金の無計画な大幅引き上げ、規制改革と労働組合寄りの労働政策である。あまりにも労働組合の力が強くなり、不況時にも解雇できないこと、賃金の上昇幅が大きいことが良質な雇用減少の大きな要因である。 さらに、文大統領の政権与党は重大災害処罰法を制定した。これは労働災害を防止するためとしているが、あいまいな労働災害の線引きとともに企業に過重な責任を負わせるもので、事実上の操業時間減、コストアップにつながるものである。さらに労災事故発生時には、事業主や経営責任者が刑事処罰される内容も含まれている。これでは新しく製造業を始めようとする人々もちゅうちょするであろうし、企業の海外進出を助長するであろう』、よくぞここまで反企業的政策を展開したものだ。
・『非正規労働者の増加による晩婚化で出生率が低下  韓国の30代の人々の未婚比率は2010年が女性20.4%、男性37.9%であったが、2020年には女性33.6%、男性50.8%と大幅に増えている。それは初婚年齢の高まりを反映しており、2020年の初婚年齢は男性33.4歳、女性30.8歳と、20年前と比較して男性で3.9歳、女性で4.3歳高まっている。 晩婚化の原因については、適当な相手と巡り合う機会にめぐまれないことが33.8%と高い。 所得や持ち家などの経済的な基盤がしっかりしていない男性が、結婚相手を探すのは難しい。文政権は非正規職を正規職に格上げすることを公約して大統領になったが、逆に非正規職が増えているのが現実であり、それが結婚の障害となっている。 ちなみに、30代男性の正規職労働者の未婚率は44.3%であるのに対し、非正規職の場合には53.7%と半分以上が未婚である』、「30代男性の正規職労働者の未婚率は44.3%であるのに対し、非正規職の場合には53.7%と半分以上が未婚」、確かに「非正規」では結婚など夢物語だろう。
・『生活の質の低下に歯止めがかからない  文大統領は、韓国は国民1人当たりGDPで世界十大経済大国の仲間入りを果たしたというが、国民生活にはその実感は広がっていない。 グローバル統計サイト「Numbeo」によると、2021年の韓国の「生活の質」指数は130.02となり、評価対象国83カ国中42位となった。文政権1年目の2017年には67カ国中22位だったから、大きく悪化したことになる。 生活の質が低下した主な要因は、非正規労働者の増加に加えて、不動産価格の高騰が挙げられる。 ソウル市内の不動産価格は文政権の4年間で倍増した。文政権はこの間で20回以上、大々的に不動産対策を発表しておきながら、価格上昇を抑えることができなかった。その結果、若者がマンションを購入することは遠い夢になってしまった。韓国の男性が婚姻するときには家を用意しなければならない。家を持てないということは、恋愛、結婚、出産、育児を放棄することになる。 さらに、20~30代の調査では、「一生懸命働いても金持ちになれない」と答えた人が70.9%に上った。そして、69.5%は「希望する職場に就職する可能性は低い」、62.9%は「今後も若年層の雇用環境は悪化する」と答えている。 これでは晩婚化の解消や合計特殊出生率の改善にはつながらないだろう』、「20~30代」が先行きを悲観的にみているようだ。
・『何よりも優先すべきは出生率を引き上げる施策  韓国では、超高齢化社会の到来は避けることができない、それに向けた備えが必要だとの指摘が出ている。 中央日報によれば、慶煕(キョンヒ)大東西医学大学院のキム・ヨンソン老人学科教授は「超高齢化社会に必要な高齢者向け技術に投資する必要がある。(同技術は)新しい成長エンジンとして高付加価値と良質の雇用を創出し、経済成長に寄与するだろう」「(同技術の)受恵者は高齢者になるが、これを開発してサービスを提供する人は青年であるため、雇用の創出が期待される」と述べた。 こうした取り組みはたしかに効果的だろう。しかし、何よりも重要なことは出生率を上げる施策である。大統領が国内的な闘争、労働組合となれ合いの企業たたき、北朝鮮の実態を見ない無益な歩み寄りに埋没している時間はないはずである。大統領は韓国社会の現実を直視し、未来に向けた果敢な政策を打って出ることが求められている』、「文大統領」が破滅的な政策を展開しているのであれば、打つ手なしだ。

第三に、9月25日付け日刊ゲンダイ「BTSが外交パスポートで渡米し国連総会に! 圧巻スピーチ&パフォーマンスの“原点」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/295146
・『韓国の7人組グループBTSが今月20日にニューヨークの国連本部で行われた「第76回国連総会」に出席し、「持続可能な開発目標(SDGs)モーメント」の開会セッションでスピーチとパフォーマンスを行った。BTSが国連に登壇したのは18年9月、昨年9月に続いて3度目。大統領から文化特使に任命され、外交パスポートで渡米。リーダーのRM(27)は「ワクチン接種はファンに会うためのチケットのようなもの」とメンバー全員が接種済みであることを明かし「可能性と希望を信じれば新しい道を発見することができると信じている」と若者に向けてスピーチした。 国連の動画配信はBTSが登場すると5万アクセスから一気に100万アクセスに爆上がり。動画は今も再生回数を伸ばし「韓国最大の武器はBTS」といわれるほど。韓国エンタメプロデュースに携わるローバー美々氏がこう言う。 「文大統領は弁護士時代、光州事件の学生デモで逮捕された学生側の弁護人だったこともあり、若者に対する理解と、若者を取り込むのが非常にうまい人物。韓国は2000年くらいから国策でエンタメを打ち出し、コロナ対策と並行し、早々にCGを駆使できるライブ配信用の劇場を造るなど、エンタメにも注力してきました。BTSが今回あえて韓国語でスピーチしたことは韓国の世界的地位向上の手段。いわば国策の成功の証しとも言えます。アーティストとしてはデビュー当時アイドル激戦区の韓国では埋もれ、日本でブレークし“逆輸入”で韓国で火がついて注目を浴びました。彼らは日本のCDショップでストアイベントやチラシ配りをしていた頃と変わらず、アイドル意識の高い、100年に一度の逸材です」 音楽性について、音楽評論家の富澤一誠氏が「ヒップホップとアイドルという、今まで相反すると思われていたジャンルを融合させたグループです。反骨精神と高いメッセージ性のある音楽を提供していて、オピニオンリーダーとして発信し、アイドル好きの若者だけでなく大人も認めざるを得ない」と言うように、大人を超えてシルバー世代にも人気で、昭和の芸能界で青春時代を過ごした芸能人までもが魅了されている』、韓国の国連への売り込みの巧みさには頭が下がる。見事だ。「デビュー当時アイドル激戦区の韓国では埋もれ、日本でブレークし“逆輸入”で韓国で火がついて注目を浴びました」、初めて知った。
・『BTSを国際的スターに引き上げたリーダーRMの英語力  BTSファンで女優の水沢アキさんは語る。 「芸能界で青春時代を過ごすことがいかに不自由で、犠牲にすることがあるか身をもって知る私たちもリスペクトする、完璧なアイドル。彼らの努力に裏打ちされた歌とダンスは有名ですが、国連でのパフォーマンスはタイトな時間、限られた場所で、カメラに収まることに重きを置いてあれだけのクオリティーの高い動画に仕上げていました。国際的スターに引き上げた要因にリーダー・RMの英語力もあります。彼の英語は韓国なまりがなくネーティブなので、グラミー賞などでも引けを取りません。アメリカから世界に評価されたアーティストという意味では、BTSはビートルズに匹敵する存在。メッセージは常にポジティブで、スピーチでの『LOVE YOUR SELF』という言葉も日頃から発信している内容だから説得力がある。生い立ちについては一切明かさず、親が出てこない。純粋にステージを見て応援したいと思わせてくれるんです」 ビートルズに次ぐ世界的アーティストBTS。快進撃はまだまだ続きそうだ』、「メッセージは常にポジティブで、スピーチでの『LOVE YOUR SELF』という言葉も日頃から発信している内容だから説得力がある」、今後のさらなる活躍が楽しみだ。
タグ:韓国(文在寅大統領) (その11)(反日を掲げていたのに…韓国の自治体が「戦犯」と呼んでいた日本企業を次々と誘致しているワケ、韓国・文大統領の失策で「国家自然消滅の危機」 元駐韓大使が解説、BTSが外交パスポートで渡米し国連総会に! 圧巻スピーチ&パフォーマンスの“原点) 文春オンライン 佐々木 和義 「反日を掲げていたのに…韓国の自治体が「戦犯」と呼んでいた日本企業を次々と誘致しているワケ」 私自身は「韓国向け輸出管理を強化」をやり過ぎと思う。 こんなことで「日本製品不買運動」が起こるとは日本にとっては割に合わない。 「技術開発は一朝一夕でできるものではない。1年や2年で追いつくことなど極めて難しいし、韓国企業が追いつく頃には、日本はさらに先を進んでいることがほとんどだ」、まさに逃げ水のようだ。 「一つの素材や部品が、それ単体では何の問題もないように見えても、他のものと組み合わせたときに、その「コンマ数パーセントのズレ」によって予期せぬ不具合を引き起こすことは珍しくないのだ」、なるほど。 「サムスン電子とSKハイニックスは、いずれも東芝との提携を通して半導体を製造する技術を得ており」、これではしょうがない。 「「戦犯企業」リストに掲載されている」ことで、どんな不利益があるのだろう 「表では反日を掲げながら、裏では“戦犯企業”を誘致する」、いかにも「韓国」らしいやり方だ。 ダイヤモンド・オンライン 武藤正敏 「韓国・文大統領の失策で「国家自然消滅の危機」、元駐韓大使が解説」 「韓国」のマスコミは、「本来、次期大統領選挙の重要なテーマは、いかに人口減を食い止め、韓国社会を安定成長の軌道に戻すかであるべき」か、「次期大統領は、国民統合に向けた政策を取り戻す、経済成長を実現して若者の良質な雇用を増やしていく、不動産の高騰を抑制しつつ、バブル崩壊を防ぎながら国民の持ち家政策を進めていくという点に集中して国家運営をするべき」、という角度から報じないのは何故なのだろう。 「文政権は国内的に政治闘争を繰り返し、北朝鮮との間で無駄な労力を費やしており、その結果、韓国が再生する最後の機会を失いつつある」、その通りだが、日本も似たようなものだ。 「合計特殊出生率が極端に低下した最大の理由は、文政権の経済政策の失敗によって若年層にしわ寄せが及んでいることにある」、その通りだが、韓国内にはこの問題を問題視する意見はないのだろうか。 よくぞここまで反企業的政策を展開したものだ。 「30代男性の正規職労働者の未婚率は44.3%であるのに対し、非正規職の場合には53.7%と半分以上が未婚」、確かに「非正規」では結婚など夢物語だろう。 「20~30代」が先行きを悲観的にみているようだ。 「文大統領」が破滅的な政策を展開しているのであれば、打つ手なしだ。 日刊ゲンダイ 「BTSが外交パスポートで渡米し国連総会に! 圧巻スピーチ&パフォーマンスの“原点」 韓国の国連への売り込みの巧みさには頭が下がる。見事だ。「デビュー当時アイドル激戦区の韓国では埋もれ、日本でブレークし“逆輸入”で韓国で火がついて注目を浴びました」、初めて知った。 「メッセージは常にポジティブで、スピーチでの『LOVE YOUR SELF』という言葉も日頃から発信している内容だから説得力がある」、今後のさらなる活躍が楽しみだ。
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アフガニスタン問題(その2)(カブール救出作戦 日本はなぜ韓国にも“大負け”したのか アフガン人協力者らを置き去りに、風を読む:やっぱり奥大使は泣いている、中国がタリバンに見せる「友好姿勢」に透ける意図 中国のアフガン関与は日本にどんな意味があるか) [外交]

アフガニスタン問題については、9月4日に取上げた。今日は、(その2)(カブール救出作戦 日本はなぜ韓国にも“大負け”したのか アフガン人協力者らを置き去りに、風を読む:やっぱり奥大使は泣いている、中国がタリバンに見せる「友好姿勢」に透ける意図 中国のアフガン関与は日本にどんな意味があるか)である。

先ずは、9月9日付けデイリー新潮「カブール救出作戦、日本はなぜ韓国にも“大負け”したのか アフガン人協力者らを置き去りに」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09090558/?all=1
・『アフガンから怒りの声を上げるのは、現地で日本人の活動を支えながらも見捨てられたアフガン人たち。盟友を保護すべく「カブール救出作戦」で結果を出した韓国と比較すれば、我々とて日本政府の体たらくには憤りを覚える。いったい何が明暗を分けたのか。 〈日本、カブールの恥辱〉との見出しで〈アフガニスタン退避計画は失敗に終わった〉と報じたのは、8月28日付の韓国紙・中央日報だ。東亜日報など他の大手メディアも横並びで日本政府の対応を取り上げると共に、中国メディアまでもが〈韓国紙が日本を嘲笑〉と報じるなど、中韓がここぞとばかりに“日本叩き”に熱をあげている。 情けない話だが、かの国々が喧伝するように日本が大負けしたのは否めない事実だ。振り返れば、米国が今年4月にアフガンからの撤退を表明して以降、イスラム原理主義組織タリバンは攻勢を強め、米軍の後ろ盾を失ったアフガニスタン政府は壊滅状態に陥った。8月15日にはタリバンが首都カブールを掌握。以降、31日の米軍完全撤退に間に合わせるべく、タリバンの制圧下で唯一の脱出口となったカブール国際空港には、世界各国から航空機が殺到したのだった。その目的は残留する自国民と、協力者として通訳や警備業務などに従事したアフガン人とその家族の救出である。 実際、韓国政府はアフガン人協力者390人を3機の輸送機にわけて移送。25日にカブールを発ち、パキスタンを経由して無事に韓国まで送り届けている。冒頭の韓国紙は文在寅大統領が陣頭指揮を執った脱出劇を〈ミラクル作戦〉と呼び、〈カブールのミラクルが成し遂げられた〉と褒め称えた。 片や日本はといえば、韓国軍機がアフガンを飛び立った翌日の26日、ようやく自衛隊の輸送機がカブールに到着。現地で飲食店などを営みながら共同通信のカブール通信員を務めていた安井浩美さん(57)ただ一人を救出できたが、日本大使館や国際協力機構(JICA)の現地事務所に雇われて、日本人と共に汗を流してきたアフガン人協力者の退避希望者約500人は置き去りにされた。 タリバンは外国勢力に協力したアフガン人の身柄を次々に拘束し、場合によっては殺害しているともいわれており、彼らは命の危険に晒されている』、「〈日本、カブールの恥辱〉との見出しで〈アフガニスタン退避計画は失敗に終わった〉と報じたのは・・・韓国紙・中央日報だ。東亜日報など他の大手メディアも横並びで日本政府の対応を取り上げると共に、中国メディアまでもが〈韓国紙が日本を嘲笑〉と報じるなど、中韓がここぞとばかりに“日本叩き”に熱をあげている」、全く国辱ものの不手際だ。何度読んでも、腹が立つ。
・『全国紙の外報部記者曰く、「日本政府は、カブール市内に集まった脱出希望者をバスに乗せるところまではこぎ着けたのですが、折悪しく26日に空港周辺で米兵を含む140名もの死傷者が出た自爆テロが発生し、自衛隊機まで運ぶことができなかったのです。あと1日早ければという声もありますが、そもそも日本政府が自衛隊機の出動を決めたのは23日になってからでした。カブール陥落後、すぐ軍用機を出して救援活動に乗り出した欧米各国と比べれば、1週間ほど遅かったと思います」。 結論からいえば、日本政府の初動が遅れた理由は二つ。一つ目は現地事情に最も精通しているはずの外務省の対応にある。 「救出作戦の明暗を分けた背景には、日韓の“外交官格差”があると思います」 とは、元時事通信外信部長で拓殖大学海外事情研究所教授の名越健郎氏だ。 「韓国の報道によれば、カブールが陥落してから韓国の大使館員も国外へ一旦避難してはいますが、救出作戦を遂行するために4人が現地に戻り、大混乱の中でも、米軍が契約するバスを素早くチャーターして空港まで脱出希望者を送り届けることに成功しています。外交官の日頃の人脈や行動力、機転が成功につながったのだと思いますが、これに対して日本大使館の日本人職員12人は、カブール陥落2日後の17日、全員が英国軍の輸送機に便乗してドバイへと脱出してしまっているのです」 ちなみに日本大使館ご一行様が脱出時に頼ったイギリスは、米軍が撤退するギリギリのタイミングまで大使自らが残留し、ビザ発給業務などを続けたという。結果、取り残された人々がいるものの、英国は8千人超、ドイツは4千人超のアフガン人を退避させることに成功した』、「韓国の大使館員も・・・救出作戦を遂行するために4人が現地に戻り、大混乱の中でも、米軍が契約するバスを素早くチャーターして空港まで脱出希望者を送り届けることに成功」、他方「日本大使館の日本人職員12人は、カブール陥落2日後の17日、全員が英国軍の輸送機に便乗してドバイへと脱出」、「イギリスは、米軍が撤退するギリギリのタイミングまで大使自らが残留し、ビザ発給業務などを続けた」、「日本人職員」は本当に腰抜けだ。
・『頼りにならない国  一方、現場の“最高責任者”である岡田隆・アフガン大使の姿が、カブール空港で見られることはなかった。日本の名誉のため付言すれば、自衛隊の先遣隊が派遣された22日以降、一部の日本大使館員がカブールに戻って救援業務にあたったとの報道もある。とはいえ、刻一刻と治安状況が悪化するにもかかわらず、米軍やタリバンとの折衝などにおいて空白期間があったことは否めない。 名越氏はこうも指摘する。「日本政府は過去20年で約7700億円もの援助をアフガンに行い、欧米諸国と違って自衛隊を派遣してタリバンと戦ってはいません。日本人外交官が危害を加えられることは考えられない。現地に踏みとどまる気概はなかったのでしょうか」 時代や状況は異なれど、ナチスに迫害されたユダヤ人を救うために「命のビザ」を発給し続けた杉原千畝のような外交官はいなかったのか。 そして、もう一つの理由は法律上の限界である。当初は民間機をチャーターして救援に向かう計画だったが、想定よりカブール陥落が早く急遽自衛隊に要請が下った。本来の自衛隊は、騒乱の現場で邦人を保護して空港へ運び、日本まで退避させる訓練を積んでいるというが、現状ではその能力をフルに発揮できないというのだ。 防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏によれば、 「自衛隊法84条の4では、海外で邦人輸送できるのは〈安全に実施することができると認めるとき〉との要件が定められ、今回は米軍のコントロール下にあるカブール空港の中でしか活動できなかった。もともと自国民が危険に晒されているから自衛隊を派遣するのに、安全な場所でしか行動できないというのは矛盾しています。政治家はこのような現実を直視して法改正を検討すべきですが、今の菅首相や政権与党は喉元過ぎれば熱さを忘れる。そうした危機意識の欠如が、救出作戦が難航した理由だと思います」 米軍が完全にアフガンを去った今、日本政府は出国を希望する協力者の救出を求めてタリバンと交渉するとは明言しているが、タリバンは9月上旬にも新政府を樹立すると意気込む。いざという時に頼りにならない国だとの烙印を押されないよう、救出作戦を完遂する必要がある。残された時間は限りなく少ない』、「もともと自国民が危険に晒されているから自衛隊を派遣するのに、安全な場所でしか行動できないというのは矛盾しています。政治家はこのような現実を直視して法改正を検討すべきですが、今の菅首相や政権与党は喉元過ぎれば熱さを忘れる。そうした危機意識の欠如が、救出作戦が難航した理由」、「いざという時に頼りにならない国だとの烙印を押されないよう、救出作戦を完遂する必要」、その通りだ。

次に、9月14日付け産経新聞「風を読む」欄を紹介しよう。
https://www.sankei.com/article/20210914-YZY7SEGLMFO4DMOFXCHUPQ333M/
・『「9・11」から20年の歳月が流れた。だが、その後の国際情勢の激変に日本は対応できていない。いや、日本人そのものの劣化が進行したのではないか、とさえ感じる「事件」があった。 在アフガニスタン大使館での現地職員「置き去り事件」である。タリバンの攻勢で首都・カブールが陥落した8月15日の2日後、12人の日本人外交官は、英国軍機で逃げ出した。 米軍から「日本大使館を警護できない」と通告され、空港のパニック状況を考慮すれば情状酌量の余地はあるが、完全なミスである。恐怖政治でしられるタリバンとて今後の外交を考慮すれば、むやみに大使館員の身柄を拘束するとは考えにくい。英国大使は、ギリギリまで現地に残り、協力者にビザを出し続けた。第一、司令官たる岡田隆大使が、カブールに不在だったのは、更迭に値する。 外務省では、厳しい環境で勤務する外交官をケアするためローテーションを組んで年に何回か任地を離れて英気を養うことを認めている。この制度を利用して大使は、日本に帰国しており、慌てて現地に戻ろうとしたが、イスタンブールから先へは行けなかった。 大使館の情報収集力は、ゼロといっていい。米軍撤収の1カ月前には、「ごく近いうちにカブールは陥落する」との情報が出回っており、東京にいる私の耳にも入っていた。現地職員も早くから退避を進言していたとの報道もある。 外務省も何もしなかったわけではない。18日に民間機をチャーターして脱出させようとしたが、失敗。ここで即、自衛隊機の派遣を要請すればよかったのに、派遣が決まったのは、陥落から8日後で、間に合わなかった。 外務省出身の評論家、宮家邦彦氏は「『置き去りにして逃げる』などあり得ない」と本紙に寄稿した(9日付オピニオン面)が、政治も外交も結果がすべてである。 18年前、イラクで凶弾に倒れた奥克彦大使は、その3カ月前、バグダッドの国連事務所が爆破された跡地で、犠牲になった友人の血染めの名刺を見つけた。 「わが日本の友人よ、まっすぐ前に向かって行け!」「何を躊躇(ためら)っているんだ。やることがあるじゃないか」と感じた彼は、イラク復興に文字通り命を捧(ささ)げた。 今の外務省に「奥克彦」はいないのか。産経抄(8月30日付)の通り、やっぱり彼は泣いている』、産経新聞にしては、珍しい政府批判で、同感である。通常、このブログでは新聞記事は扱わないのを原則としているが、この記事はコンパクトにまとまっていたので、紹介した次第である。

第三に、9月27日付け東洋経済オンラインが掲載したAPI地経学ブリーフィング(山口信治/防衛研究所主任研究官)による「中国がタリバンに見せる「友好姿勢」に透ける意図 中国のアフガン関与は日本にどんな意味があるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/457773
・『米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。 コロナウイルス危機で先が見えない霧の中にいる今、独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく』、興味深そうだ。
・『中国にとってのアフガン問題  中国は、タリバンについてポジティブイメージを前面に出すような報道を繰り返している。8月15日のカブール陥落に合わせて「人民日報」の微博(ウェイボー)アカウントは、「60秒でわかるタリバン」という動画を投稿した。これはテロ活動についてまったく触れずに、タリバンを民族主義的勢力として紹介する内容で、国内で批判が相次ぎ、4時間余りで削除された。しかしその後も中国の対外宣伝メディアであるCGTNは、タリバンが秩序回復のために努力する姿を強調して報道している。 中国のタリバンに対する友好的な姿勢は、こうした宣伝にとどまらず、建設的な関係構築に向けて動いているように見える。9月8日、中国はアフガニスタンに対する人道支援として、ワクチンや食糧など2億元(約34億円)相当の提供を発表した。 さらに同日、中国は、欧米の主催するアフガニスタンに関する会議には出席せず、パキスタンやイラン、中央アジア諸国との間で周辺国によるアフガン問題外相会議を開催した。9月17日には上海協力機構(SCO)サミットとSCOとロシアを中心とする集団安全保障条約(CSTO)の合同サミットが開催されるなど、アフガニスタンをめぐる中国外交が活発となっている。 中国は、アメリカ軍撤退後のアフガニスタン情勢にどのように関わろうとしているのだろうか。この地域の秩序をリーダーとして牽引し、中国中心の秩序を作ろうとしているのだろうか。中国の対アフガニスタン政策の根底にあるロジックを探ってみたい。 中国の国内安全保障問題が、アフガニスタン問題に対する中国の中心的関心となっている。これは、アフガニスタンの安定は、新疆ウイグル自治区の安定と関わると中国が考えているためである。中国は、新疆ウイグル自治区の分離を目指す東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)などの分離独立勢力やテロリズムが外国勢力とつながるという警戒を、一貫して抱いてきた。とくにこれらと中央アジアやアフガニスタンのテロリズムとのつながりを警戒している。) アフガニスタンがこうしたテロリストや分離独立運動の温床となるのが、中国にとって最大の懸念である。中国は分離独立運動に対して過剰とも思えるほどの懸念を抱き、国内ではウイグル族やカザフ族に対する抑圧を強化している。アフガンが不安定化し、テロリストの活動が活発化することは、中国の恐怖を増大させるだろう。こうした意味で、アフガニスタンの安定は中国の国益につながる重要な問題である。 またアフガニスタンの国内が安定することで、その鉱物資源などの資源採掘や、一帯一路協力などの経済的協力が可能になるかもしれない。しばしば中国は鉱物資源を狙ってアフガン進出を強化するという予測がみられるが、事はそれほど単純ではない。 中国はアフガンにおける銅山採掘の契約を締結するなど、これまでもある程度の経済進出を試みてきたものの、安全への懸念やインフラの不備などから、プロジェクトはほとんど進んでこなかった。よって、中国にとってアフガンは、経済的利益は潜在的にあるものの、国内の安定なくして、それを得ることはできない、というのが実情である』、「中国は分離独立運動に対して過剰とも思えるほどの懸念を抱き・・・アフガンが不安定化し、テロリストの活動が活発化することは、中国の恐怖を増大させるだろう・・・経済的利益は潜在的にあるものの、国内の安定なくして、それを得ることはできない」、なるほど。
・『中国外交の試金石  アフガニスタンの安定に中国がどのように関与していくかが、中国がどのようにリーダーシップを発揮し、自国中心の秩序をどの程度積極的に構築していくかを図る試金石になる。中国は従来、リーダーシップを発揮して秩序を担うことには消極的だった。習近平政権までに、より積極的に国際秩序を主導することをうたうようになったが、あくまで理念的レベルにとどまっており、実際にリーダーシップを発揮することは少なかった。 中国は従来、国際秩序を支える原則として、国連憲章や平和五原則の主権平等、内政不干渉が重要との立場を取っており、これを外交の原則として掲げてきた。欧米が民主や人権をかざして他国の内政に介入することに中国は批判的立場を取り続け、中国は相手国の政治体制がどのように抑圧的な体制であろうとも、プラグマティックに外交を行うことができるとアピールしてきた。 アメリカ軍撤退とそれに続くカブール陥落の劇的な展開は、中国にはアメリカの失敗と衰退を象徴しているように映っているだろう。またアメリカの掲げてきた介入による民主主義国家建設は失敗し、人権を信奉するアメリカが多くのアフガニスタン住民を見捨てて逃げざるをえなかったことは、その大義の失敗を示していると中国は捉えている。その意味では、タリバンの勝利は中国にとって喜ぶべき展開なのかもしれない。) しかし従来、中国はアフガンの安定化を丸投げに近いかたちでアメリカにほぼ依存してきた。アメリカ軍が全面的に撤退し、力の空白が生まれたことで、アフガンの安定化という役割を誰が担うのかが大きな課題となっていることも事実だ。 これは中国外交の大きなトレンドとしての、他国への介入の必要性の増大と関わる。中国の台頭に伴って海外における利益が拡大し、それを守る必要が増大していること、そして過剰なまでの国内安全保障への不安感が高まっていることから、中国外交において以前よりも積極的に他国に関与したり、介入したりするインセンティブが高まりつつある。 中国では、従来の内政不干渉という建前を守りつつ、自国の影響力を他国に及ぼしていくために、「中国の特色ある建設的介入」(王毅外相)を行うべきという議論が行われている』、「中国の特色ある建設的介入」といっても、「アフガンの安定化という役割」、まで負うかどうかは不透明だ。
・『中国のアプローチと不安  では、中国はどのようにアフガニスタン問題に関わろうとしているのだろうか。現在のところ、中国にとっては、タリバンを中心とした政権が、外国におけるテロ活動を支援せず、原理主義的な立場を改めて穏健化したうえで、これを中心とした安定政権を築くことが最善となっている。経済協力や外交的承認を誘因にして、タリバンの穏健化を促すのが、中国が使える手段となるだろう。 中国がタリバンのポジティブイメージを宣伝しているのは、国内に向けてタリバン政権と友好的関係を作ることを説得するのと同時に、ある意味でタリバンに向けたメッセージであるともいえるかもしれない。 中国にとって重要なのは、多国間の協力であり、とくにパキスタン、ロシア、イラン、中央アジア諸国との協力を重視している。9月8日、パキスタンの主催で、中国、パキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、イランによる周辺諸国外相会議が開催された。また、9月17日にはSCOサミットとSCO-CSTOの合同サミットが開催され、その中でアフガニスタン問題が取り上げられている。 これに併せて、前日には中国、ロシア、パキスタン、イランによるアフガニスタン問題に関する非公式外相会談が開催された。これら会議では、アフガニスタン問題についてこれら周辺国が協力して対処することを確認し、タリバンに対して包括的政治枠組みを作り、穏健な政策を取ることを促すとともに、反テロ協力を進めることがうたわれた。中国がパキスタンなどとの協力の下で、アメリカ撤退後の地域秩序をうまく安定させることができれば、それは中国主導の地域秩序への第一歩となるかもしれない。 だが、中国の思い描くような展開とならない可能性は十分にある。タリバン政権が内政を安定化させることができるかどうか未知数であるし、タリバンが穏健化する保証はどこにもない。さらに、タリバンが末端組織を統制できるとも限らない。 タリバンの政権奪取に伴うテロ活動の活発化はすでに懸念されるところとなっている。王毅外相は、「アフガニスタンに拠点を置く国際テロ組織が周辺国に侵入しようとしている」と警告している』、「中国がパキスタンなどとの協力の下で、アメリカ撤退後の地域秩序をうまく安定させることができれば、それは中国主導の地域秩序への第一歩となるかもしれない。 だが・・・「タリバン政権が内政を安定化させることができるかどうか未知数」、「タリバンが穏健化する保証はどこにもない」、「タリバンが末端組織を統制できるとも限らない」、まだまだなんとも言えないようだ。
・『中国のタリバンに対する不安感と不信感  中国は再三にわたってタリバンに対して、過激派との関係を完全に断ち、これらに対して強硬な態度を保つよう要請している。このことが示すのは、中国のタリバンに対する不安感や不信感であるように見える。 実際に、7月から8月にかけてパキスタンの自爆テロで中国人が殺害される事件が起きるなど、地域全体の不安定化の傾向がみられる。王毅外相は、周辺国外相会議において、インテリジェンス協力や国境管理を強化し、アフガニスタンからテロ集団が流入することを共同で防ぐことを提案している。 問題は、仮にタリバンの穏健化というシナリオがうまくいかなかった場合、中国はどうするのかということである。自国内に過激派や分離独立勢力が侵入し、新疆の不安定をもたらす可能性が高まれば、中国がアフガン内政により介入する誘因が高まるかもしれない。 しかし、しばしば「帝国の墓場」と呼ばれるアフガンに過度に介入することは、ソ連やアメリカの二の舞いになる危険性もあるため、中国としては避けたいところであろう。中国にとってここでも重要となるのは、ロシアや中央アジア諸国との共同歩調ということになるだろう。 日本から見れば、中国のアフガニスタンへの関与の増大は、いい面と悪い面の入り交じったものである。中国がアフガニスタンの安定化に積極的に乗り出すならば、それは地域における中国の影響力増大につながるかもしれない。 しかし中国がそれまで地域秩序の維持にほとんど貢献してこなかったことを考えれば、地域の安定に責任を負うこと自体を否定すべきではないだろう。また中国の関心が海洋よりも西側の内陸に向けられることは、海洋で紛争を抱える国々にとって、圧力の軽減にもつながりうるかもしれない』、「中国の関心が海洋よりも西側の内陸に向けられることは・・・」、はいささか虫が良すぎるが、「中国が・・・地域の安定に責任を負うこと自体を否定すべきではないだろう」、その通りだ。実際には、どのように展開していくか、大いに注目される。 
タグ:「〈日本、カブールの恥辱〉との見出しで〈アフガニスタン退避計画は失敗に終わった〉と報じたのは・・・韓国紙・中央日報だ。東亜日報など他の大手メディアも横並びで日本政府の対応を取り上げると共に、中国メディアまでもが〈韓国紙が日本を嘲笑〉と報じるなど、中韓がここぞとばかりに“日本叩き”に熱をあげている」、全く国辱ものの不手際だ。何度読んでも、腹が立つ。 「カブール救出作戦、日本はなぜ韓国にも“大負け”したのか アフガン人協力者らを置き去りに」 デイリー新潮 アフガニスタン問題 (その2)(カブール救出作戦 日本はなぜ韓国にも“大負け”したのか アフガン人協力者らを置き去りに、風を読む:やっぱり奥大使は泣いている、中国がタリバンに見せる「友好姿勢」に透ける意図 中国のアフガン関与は日本にどんな意味があるか) 「韓国の大使館員も・・・救出作戦を遂行するために4人が現地に戻り、大混乱の中でも、米軍が契約するバスを素早くチャーターして空港まで脱出希望者を送り届けることに成功」、他方「日本大使館の日本人職員12人は、カブール陥落2日後の17日、全員が英国軍の輸送機に便乗してドバイへと脱出」、「イギリスは、米軍が撤退するギリギリのタイミングまで大使自らが残留し、ビザ発給業務などを続けた」、「日本人職員」は本当に腰抜けだ。 「もともと自国民が危険に晒されているから自衛隊を派遣するのに、安全な場所でしか行動できないというのは矛盾しています。政治家はこのような現実を直視して法改正を検討すべきですが、今の菅首相や政権与党は喉元過ぎれば熱さを忘れる。そうした危機意識の欠如が、救出作戦が難航した理由」、「いざという時に頼りにならない国だとの烙印を押されないよう、救出作戦を完遂する必要」、その通りだ。 産経新聞「風を読む」欄 「やっぱり奥大使は泣いている 論説委員長・乾正人」 産経新聞にしては、珍しい政府批判で、同感である。通常、このブログでは新聞記事は扱わないのを原則としているが、この記事はコンパクトにまとまっていたので、紹介した次第である。 東洋経済オンライン API地経学ブリーフィング 「中国がタリバンに見せる「友好姿勢」に透ける意図 中国のアフガン関与は日本にどんな意味があるか」 「中国は分離独立運動に対して過剰とも思えるほどの懸念を抱き・・・アフガンが不安定化し、テロリストの活動が活発化することは、中国の恐怖を増大させるだろう・・・経済的利益は潜在的にあるものの、国内の安定なくして、それを得ることはできない」、なるほど。 「中国の特色ある建設的介入」といっても、「アフガンの安定化という役割」、まで負うかどうかは不透明だ。 「中国がパキスタンなどとの協力の下で、アメリカ撤退後の地域秩序をうまく安定させることができれば、それは中国主導の地域秩序への第一歩となるかもしれない。 だが・・・「タリバン政権が内政を安定化させることができるかどうか未知数」、「タリバンが穏健化する保証はどこにもない」、「タリバンが末端組織を統制できるとも限らない」、まだまだなんとも言えないようだ。 「中国の関心が海洋よりも西側の内陸に向けられることは・・・」、はいささか虫が良すぎるが、「中国が・・・地域の安定に責任を負うこと自体を否定すべきではないだろう」、その通りだ。実際には、どのように展開していくか、大いに注目される。
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日韓関係(その15)(帰国に追い込まれた在韓日本公使“妄言"の真相 韓国メディアのどうしようもない反日体質と対韓外交の難しさ、韓国の次期大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策、韓国に残され韓国経済に貢献した日本資産の行方 「日本から補償はもう必要ない」韓国研究者の大胆な研究成果) [外交]

日韓関係については、7月25日に取上げた。今日は、(その15)(帰国に追い込まれた在韓日本公使“妄言"の真相 韓国メディアのどうしようもない反日体質と対韓外交の難しさ、韓国の次期大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策、韓国に残され韓国経済に貢献した日本資産の行方 「日本から補償はもう必要ない」韓国研究者の大胆な研究成果)である。

先ずは、8月15日付け東洋経済オンラインが掲載した産経新聞ソウル駐在客員論説委員・神田外語大学客員教授の黒田 勝弘氏による「帰国に追い込まれた在韓日本公使“妄言"の真相 韓国メディアのどうしようもない反日体質と対韓外交の難しさ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/448082
・『韓国メディアの“オフレコ破り”によって解任、帰国に追い込まれた在韓日本大使館・相馬弘尚公使の事件は、韓国メディアのどうしようもない反日体質と、日本の対韓外交の難しさを改めて印象付けている。 外交官の異動には通常、発令後1カ月近くの時間的余裕が保障されているが、相馬・前公使は発令からわずか10日後の2021年8月11日、追われるように帰国となった。 帰国に際し本人は「2次被害を避けるため」と電話口で苦笑していたが、内心、忸怩たるところがあっただろう。再起を期待したい』、新聞だけでは経緯がよく分からないので、興味深い。
・『「オフレコ」が通じない韓国メディア  相馬公使は韓国をよく知るいわゆる“コリア・スクール”のエリート外交官である。これまで韓国語を駆使して対韓情報発信に果敢に取り組んできた。歴代の日本大使館幹部のなかでは韓国メディアと最も積極的に接触してきた外交官だった。今回はそれが逆にアダとなった形で、韓国メディアの罠にはめられてしまった。今、この事件をめぐって在韓日本人たちの間の共通の懸念は「これで日本大使館の外交官たちが萎縮しなければいいが……」である。 事件のポイントは2点ある。1つは「妄言」として外交問題になり、解任の理由となった「文在寅大統領に対する性的な不適切発言」の問題であり、もう1つはその発言の場になった韓国の特定メデイアとのオフレコ(非公開)懇談の問題である。 事件としては前者が大騒ぎになり印象的だが、実態的には「これじゃ韓国は信頼できない!」という意味で、日韓関係的には後者のほうがより重要である。 問題になった韓国メディア「JTBC」との昼食懇談は2021年7月15日、メデイア側の要請で行われた。場所はメディア側が準備した大使館近くの洋食レストラン。相馬公使と面識のある先輩記者が、後輩の大統領官邸担当の女性記者を紹介する形だった。懇談の中身は主に日韓関係の現状についてで、時期的には文大統領の東京五輪開会式出席のための訪日問題が取りざたされているときだった。 伝えられている話を総合すると、相馬公使は懇談の際、韓国の対日外交を「独りよがり」「自己満足的」として不満を述べるにあたって「文大統領はマスターベーションをしている」という比喩を使った。この表現について相馬公使はその場で撤回し、JTBCの報道でも「(相馬公使は)“失礼した”と謝った」となっている。 報道は翌7月16日夕刻の番組だったが、その間、相馬公使には女性記者から問題の発言について確認の電話があった。そこで相馬公使は、懇談が非公開のオフレコだったことや、問題の表現についてはその場で撤回し謝ったことを指摘したうえで、かつ「韓国外交について語ったもので決して文大統領を名指ししたものではない」と釈明したという。 それにもかかわらずJTBCは報道に踏み切った。そのことについてJTBCは報道の際、まずキャスターが「公開懇談会の場ではなかったけれども、発言の内容が常識的ではないと判断し報道を決定しました」と説明した後、担当記者自ら「(相馬公使は)文大統領の歩みを評価する際、口に出せないような表現を使いました。駐在国の首脳に対する性的表現を相手国言論人の前で使うのは常識的でありません」と伝えている』、「“コリア・スクール”のエリート外交官・・・これまで韓国語を駆使して対韓情報発信に果敢に取り組んできた。歴代の日本大使館幹部のなかでは韓国メディアと最も積極的に接触してきた外交官」、完全に韓国側の罠にハメられたようだ。
・『信義、信頼、マナーなどお構いなし  オフレコの約束を破り、しかもその場で撤回・謝罪をうけながらもそれを無視し、暴露(報道)してしまったのだ。明らかに背信行為である。 JTBCはケーブル系有力テレビチャンネルの1つで、先年、朴槿恵大統領追い落としの暴露報道で名を挙げた。筆者も日ごろ、対韓歴史認識などをめぐって「妄言製造機・極右クロダ記者また妄言!」などと顔写真付きで報道してもらっているが、先ごろ“戦犯企業ミツビシ”叩きの企画番組もやっており反日報道にはことのほか熱心である。 今回も「単独(特ダネ)」と銘打っており、メディアとしての約束、信義、信頼、マナーなどお構いなしに一発当て込んでの暴露報道だった。対外的背信行為である暴露報道にJTBC内部でも当然、議論があったに違いない。マナー違反がわかっている担当の女性記者は、報道することに消極的だっただろう。だから報道は翌日にずれ込んでいる。しかしこのところ視聴率低下に悩むJTBC上層部は、「これはいける!」というビジネス判断で暴露に踏み切った――。 以上は筆者の想像だが、同じメディア界の人間としてこれはほぼ間違いだろう。 韓国メディアは日本叩きの反日ネタには何でも飛びつく。オフレコ破りだろうが背信行為だろうが関係ない。JTBCの報道をきっかけに全メディアが「相馬妄言」に飛びつき、日本政府に謝罪要求、相馬を処罰しろ、大統領の日本訪問反対などといつもの反日キャンペーンとなった。 韓国外交省は日本大使を呼びつけて抗議し、次期大統領選に向けて忙しい政界も「日本公使妄言糾弾」に熱を上げるなど、外交的大問題に仕立て上げてしまった。その結果、五輪訪日計画をめぐる事前の対日交渉がうまくいかず、訪日が難しくなっていた文大統領にとっては、「訪日中止」の責任を日本のせいにするいい口実となった。伝えられている話を総合すると、相馬公使は懇談の際、韓国の対日外交を「独りよがり」「自己満足的」として不満を述べるにあたって「文大統領はマスターベーションをしている」という比喩を使った。この表現について相馬公使はその場で撤回し、JTBCの報道でも「(相馬公使は)“失礼した”と謝った」となっている。 報道は翌7月16日夕刻の番組だったが、その間、相馬公使には女性記者から問題の発言について確認の電話があった。そこで相馬公使は、懇談が非公開のオフレコだったことや、問題の表現についてはその場で撤回し謝ったことを指摘したうえで、かつ「韓国外交について語ったもので決して文大統領を名指ししたものではない」と釈明したという。 それにもかかわらずJTBCは報道に踏み切った。そのことについてJTBCは報道の際、まずキャスターが「公開懇談会の場ではなかったけれども、発言の内容が常識的ではないと判断し報道を決定しました」と説明した後、担当記者自ら「(相馬公使は)文大統領の歩みを評価する際、口に出せないような表現を使いました。駐在国の首脳に対する性的表現を相手国言論人の前で使うのは常識的でありません」と伝えている』、「JTBCはケーブル系有力テレビチャンネルの1つで、先年、朴槿恵大統領追い落としの暴露報道で名を挙げた・・・反日報道にはことのほか熱心」、こんなところのインタビューには殊の外、慎重に対応すべきだが、韓国のことは知り尽くしていると自信過剰になっていたところを突かれるとは、お粗末だ。
・『信義、信頼、マナーなどお構いなし  オフレコの約束を破り、しかもその場で撤回・謝罪をうけながらもそれを無視し、暴露(報道)してしまったのだ。明らかに背信行為である。 JTBCはケーブル系有力テレビチャンネルの1つで、先年、朴槿恵大統領追い落としの暴露報道で名を挙げた。筆者も日ごろ、対韓歴史認識などをめぐって「妄言製造機・極右クロダ記者また妄言!」などと顔写真付きで報道してもらっているが、先ごろ“戦犯企業ミツビシ”叩きの企画番組もやっており反日報道にはことのほか熱心である。 今回も「単独(特ダネ)」と銘打っており、メディアとしての約束、信義、信頼、マナーなどお構いなしに一発当て込んでの暴露報道だった。対外的背信行為である暴露報道にJTBC内部でも当然、議論があったに違いない。マナー違反がわかっている担当の女性記者は、報道することに消極的だっただろう。だから報道は翌日にずれ込んでいる。しかしこのところ視聴率低下に悩むJTBC上層部は、「これはいける!」というビジネス判断で暴露に踏み切った――。 以上は筆者の想像だが、同じメディア界の人間としてこれはほぼ間違いだろう。 韓国メディアは日本叩きの反日ネタには何でも飛びつく。オフレコ破りだろうが背信行為だろうが関係ない。JTBCの報道をきっかけに全メディアが「相馬妄言」に飛びつき、日本政府に謝罪要求、相馬を処罰しろ、大統領の日本訪問反対などといつもの反日キャンペーンとなった。 韓国外交省は日本大使を呼びつけて抗議し、次期大統領選に向けて忙しい政界も「日本公使妄言糾弾」に熱を上げるなど、外交的大問題に仕立て上げてしまった。その結果、五輪訪日計画をめぐる事前の対日交渉がうまくいかず、訪日が難しくなっていた文大統領にとっては、「訪日中止」の責任を日本のせいにするいい口実となった。 今回、相馬公使にとっての不幸を一言でいえば「相手が悪かった」である。JTBCのメディアとしての傾向、体質についてはすでに触れた。 これとは別に、懇談の相手が女性記者だったことが事件につながったと思う。韓国社会は近年、男女差別や性的問題に極めて敏感である。公的人物や有名人のセクハラ問題が、非難や告発事件として毎日のようにメディアを賑わせている。メディアはそのことに鵜の目鷹の目、虎視眈々である』、「オフレコ破り」は日本でもよくある話で、それがあり得るとの前提で、取材を受けねばならない筈だ。
・『男女差別や性的問題に極めて敏感な韓国社会  したがって、今の韓国では「女性記者の前でマスターベーションという言葉」は、そこだけを抜き出していえば十分問題になりうる。今回、仮に担当の女性記者はその場でことさら羞恥心を感じず問題視しなかったとしても、帰社した後、周囲にそのことを語れば周りは間違いなく「セクハラじゃないか!」と騒ぐ。とくに相手が日本外交官だったということを聞けば。 日本大使館は報道があった後、7月17日の午前2時(!)過ぎに「相馬妄言事件」について大使名義の公式コメントを発表し「懇談中の発言とはいえ外交官として極めて不適切で大変遺憾であり、厳重に注意した」と頭を下げた。日本国内でも加藤勝信官房長官が記者会見で同様の見解を発表しているが、日本政府としては「コトが大統領がらみ」と「韓国世論への刺激」を考え、外交問題化を避けようと早期鎮火のため素早く頭を下げたというわけだ。 外交的にはこの措置はやむをえなかっただろう。これまでの経験からも、韓国社会はメディア主導(世論)で反日妄言キャンペーンが始まるとブレーキが利かなくなるからだ。しかも問題が「性的な不適切発言」とあっては勝ち目はない。 韓国における近年の日本外交官受難史をひもとけば、発言をめぐっては高野紀元大使(2003~2005年)の「竹島発言」問題が印象深い。日本の島根県が「竹島の日」を制定したことに反発、韓国で反日ムードが高まっていたときだった。 ソウル外信記者クラブの昼食会見で竹島問題を質問された際、「歴史的にも国際法的にも日本の固有の領土」という日本政府の公式見解を述べたところ、これが韓国メディアによって「日本大使がソウルのど真ん中で妄言!」と報じられ、日本大使館に連日、反日デモが押し掛ける騒ぎになった。日本の国を代表する日本大使が、公式の場で問われて日本の国家としての公式見解を語ることが「妄言」として排撃、非難される。 当時、この事件でおじけついた日本大使館は竹島問題での想定問答を作成し、できるだけ具体的には触れず「従来の立場に変わりはない」程度にとどめるようにしたと記憶する。ことなかれ主義で萎縮してしまったのだ。 今回、「マスターベーション」はまずかったとして、だからといって日本外交官が韓国相手の対外情報発信において萎縮したりいじけては元も子もない。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」である。相馬公使は日韓情報戦争で韓国メディアのテロに遭い、"戦死"したようなものである。駐韓日本外交官たちは、途中下車を余儀なくされた相馬公使の“弔い合戦”の気概が求められる』、「女性記者の前でマスターベーションという言葉」は韓国でなく、日本でも問題になる。問題があるマスコミを前に、軽率だった。筆者は「相馬公使」を必死にかばっている。確かに同情できる点もあるとはいえ、「韓国外交省は日本大使を呼びつけて抗議し・・・外交的大問題に仕立て上げてしまった」、深刻な外交問題を引き起こしてしまった以上、「相馬公使」の責任も重大で、更迭は当然だと思う。

次に、9月10日付けNewsweek日本版が掲載したニッセイ基礎研究所 准主任研究員の金 明中氏による「韓国の次期大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策」を紹介しよう。
・『<反日・親北の李在明氏、知日・親北の李洛淵氏、対日協力と対北強硬姿勢の尹錫悦氏> 来年3月に行われる韓国大統領選をめぐり、進歩(革新)系与党「共に民主党」と保守系最大野党「国民の力」が候補者を絞り出す予備選挙を始める等、11月上旬の候補選出に向けた争いが本格的に始まった。与野党の候補者の中でも最も注目されているのが与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン、以下、李洛淵氏)前代表と、同じ与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン、以下、李在明氏)京畿道知事、そして、野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル、以下、尹錫悦氏)前検察総長の3人である。 大統領選挙の雰囲気が熱くなると、特に対日政策と対北朝鮮政策が注目される。その理由は対日政策と対北朝鮮政策が選挙結果を大きく左右する要因になるからである。 例えば、朴正熙政権(大統領任期:1963年12月17日 - 1979年10月26日)、全斗煥政権(同 1980年8月27日 - 1988年2月24日)、盧泰愚政権(1988年2月25日 - 1993年2月25日)時代には北朝鮮に対する反共主義が「万能薬」のように使われた』、「対北朝鮮政策」が注目されるのは当然だが、「対日政策」も注目されるのは困ったことだ。
・『大統領選の行方を左右  しかしながら、金泳三(同1993年2月25日 - 1998年2月25日)政権時代の1995年10月の村山富市総理発言(「日韓合併条約は当時の国際関係等歴史的観点から法的に有効に締結したものだと認識している」)や江藤隆美総務庁長官発言(「日本は植民地時代に韓国に良いこともやった」)、1996年2月の池田行彦外務大臣の竹島(韓国名・独島)領有権主張(韓国政府が発表した竹島での接岸施設建設計画発表に対し「竹島は日本固有の領土」であると抗議、建設中止を求めた)以降、韓国国内で反日感情が高まると、金泳三政権は世論を意識して反日姿勢を強化する等、日韓関係は政権の維持や獲得において重要な手段として使われることになった。 さらに、初めて国民の選挙により政権交代が実現された金大中政権(同 1998年2月25日 - 2003年2月25日)以降は、北朝鮮に対する反共主義は弱まり、日本に対する反日主義が選挙により影響を及ぼすことになった。金大中政権、盧武鉉政権(同 2003年2月25日 - 2008年2月25日)が「太陽政策」など親北路線を強化したからだ。但し、北朝鮮に対する反共主義は過去に比べて影響力は弱まったものの、南北が分断されており、徴兵制度が残っている韓国においては相変わらず重要な選挙手段の一つとして使われている。 では、上述した3人の大統領候補者の対日・対北朝鮮政策はどうだろうか。まず、与党・共に民主党の李在明氏から見てみよう。人口約1300万人の京畿道知事である李在明氏は、マスコミにより過去のスキャンダルや失言が報じられている中でも、与党の次期大統領選挙候補レースで不動のトップを維持している。9月4日には韓国の中部、大田・忠南で与党「共に民主党」の候補を決める予備選が始まり、李在明氏は得票率54.8%で勝利し、順調な滑り出しを見せた。2位の李洛淵氏(27.4%)を大きく上回る数値だ。ちなみに、「共に民主党」は9月4日から10月10日まで全国11か所で順次、党員と、事前登録した国民による投票を行い、最終候補者を決定する』、「金大中政権・・・以降は、北朝鮮に対する反共主義は弱まり、日本に対する反日主義が選挙により影響を及ぼすことになった」、ますます困った成り行きだ。 
・『「問題は日本国民ではなく保守右翼」  李在明氏の対日政策は、過去に対日強硬派とも言われるほど強い発言が目立っており、今後もこの姿勢はある程度維持されると考えられる。彼は2018年3月1日の3.1節行事で「侵略国家がその責任で分断・占領されるのが歴史の法則であるが、代わりに朝鮮半島が分割・占領された」と述べながら分断の悲しさを強調した。そして、今年の7月2日に行われたオンライン記者会見では「私を反日的だと評価する人がいるが、私は日本を嫌ったり、日本国民に対して反感は持っていない。(中略)問題は日本の保守右翼政治集団である。(中略)日韓関係は同伴者的関係で、お互いに認めて行くことが正しい。その過程が屈辱的になってはならない。(中略)容赦は被害者がするものである。加害者がするのは容赦ではない。問題をすべて明らかにし、必要なものはお互いに受け入れて認めるべきである。そうすることで新しい未来、合理的関係が開かれると思う」と主張した。 対北朝鮮政策は、基本的に文政権の親北政策を維持しながら、場合によっては文政権とは差別化した政策を展開する可能性がある。上述の7月2日の記者関係では、今後の南北関係に対する質問に対して「侵略国家である日本が分断されなければならないのに、日本に侵略された被害国家である我々がなぜ分断されなければならないのか」と南北に分かれている現実を嘆きながら、「米中葛藤が朝鮮半島に及ぼす影響はとても大きいが、どちらかに巻き込まれず自主的立場から南北関係を解決すべきであり、そこから危機を乗り越えるのみならず、新しい機会を作ることができると思う」と答えるなど南北関係改善に期待感を表明した。 一方、8月22日に発表した「大転換時代に統一外交構想」では韓国と北朝鮮の絶対多数は朝鮮戦争以前の単一国家を経験していない世代であることを強調しながら、「今後は単一民族に基づいた必然的統一論理では国民の同意を得ることができない。(中略)統一外交政策も理念と体制を乗り越えて韓国と北朝鮮両方の成長と発展に役に立つ実用的方向への転換が必要だ」と強調した。一方、北朝鮮が間違った行動をした場合には明確に韓国政府の立場を伝える。そして北朝鮮の呼応がない状態で南北協力事業を一方的に進めないと主張する等、文政権とは差別化した対北朝鮮政策を実施する可能性を示唆した。 次は、与党「共に民主党」の李洛淵氏の対日政策と対北朝鮮政策を見てみよう。李洛淵氏の対日政策は、李在明氏より、そして現在の文政権より親日になる可能性が高い。李洛淵氏は、東亜日報(韓国の大手紙)の東京特派員を務めた経験もあり、韓国の政治圏内では「最高の知日派」として知られている。しかし支持率においてはライバルとなる李在明氏に抜かれている』、「最高の知日派」の「李洛淵氏」が「支持率においてはライバルとなる李在明氏に抜かれている」のは残念だ。
・『竹島の削除を要求  支持率を意識したのか、東京オリンピックの参加をめぐって世論が分かれていた今年の5月には自分のフェイスブックに、東京オリンピック・パラリンピックの公式ホームページに掲載されている日本の地図に、竹島(韓国名・独島)が表示されていることについて、「直ちに削除することを要求する」と書いた。また、東京オリンピック・パラリンピックのボイコットを含めて可能なすべての手段を使い、断固対応すると主張した。知日で親日派と言われている彼がここまで極端的な行動をしたことに対して、専門家らは日本に対する強硬な姿勢で支持基盤を拡大した李在明氏や文大統領を意識した可能性が高いと解釈している。 対北朝鮮政策について李洛淵氏は、文政権の政策を継承する立場を明らかにした。2020年10月21日に外国のマスコミ向けに開かれた記者会見で、「現政権の対北朝鮮政策について、部分的に補完することはあり得るが、大枠では継承することが正しいと信じる」と述べた。 最後に、尹錫悦氏は対日政策と対北朝鮮政策についてまだ明確に言及していないが、日本に対しては「対日協力路線」を、そして北朝鮮に対しては文政権の対北朝鮮政策を大きく修正した「強硬路線」を取る可能性が高い。尹錫悦氏は今年の8月に政策ブレーンとなる政策諮問団42人を公開しており、42人には昨年末まで文政権で北朝鮮の核問題を総括した李度勲(イ・ドフン)前外交部朝鮮半島平和交渉本部長らが含まれている。対日政策と対北朝鮮政策共に文政権の失敗を強調しながら、次々と具体的な代替案を発表すると予想される。) 最近、野党「国民の力」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)議員の支持率上昇が目立っているが、大きな変数がない限り、上述の3人のうち、一人が韓国の第20代大統領になる可能性が高いと考えられる。今後3人がどのような対日政策と対北朝鮮政策を発表するのか今後の3人の動きに注目したい。 (■韓国第20代大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策等」の表はリンク先参照)』、「尹錫悦氏は・・・日本に対しては「対日協力路線」を、そして北朝鮮に対しては文政権の対北朝鮮政策を大きく修正した「強硬路線」を取る可能性が高い」、「今後の3人の動きに注目したい」、さてどうなるのだろう。

第三に、10月15日付け東洋経済オンラインが掲載した産経新聞ソウル駐在客員論説委員・神田外語大学客員教授の黒田 勝弘氏による「韓国に残され韓国経済に貢献した日本資産の行方 「日本から補償はもう必要ない」韓国研究者の大胆な研究成果」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/461861
・『慰安婦や徴用工問題など、日韓関係をこじらせる問題は韓国でどのように研究されているのか。韓国では史実よりも感情的に連呼されている。では、韓国で日本の植民地時代とその後の事実を究明する研究はないのか。韓国在住40年、日本を代表する朝鮮半島ジャーナリストが発掘し、日本で翻訳出版された『帰属財産研究―韓国に埋もれた「日本資産」の真実』(李大根著、金光英実訳・黒田勝弘監訳、文藝春秋)から、そのポイントと現実的意義を紹介する。 最悪といわれる日韓関係がここまで悪化しているのは、慰安婦問題や徴用工問題など歴史にかかわる韓国側の執拗な要求、対日非難が背景にある。日本側は過去についてはすでに1965年の国交正常化の際「清算され解決済み」と主張しているのに対し、韓国側は「いや個人補償の権利はある」といって韓国内の日本企業の資産を差し押さえし、売却を強行しようとしている』、「韓国側の「いや個人補償の権利はある」」との主張は、本当に腹が立つ。
・『日本が朝鮮半島に残した資産は数千億ドル  実は歴史的に日本は敗戦後、朝鮮半島からの撤収に際して膨大な資産を彼の地に残しているのだ。これによって韓国経済は発展した。その実態を多くの資料を駆使し、実証的に分析・研究した本が、韓国で2015年に出版された李大根氏の著書『帰属財産研究』だ。 本書は、戦前の朝鮮半島における日本資産の形成過程と戦後のその行方を追求したものだが、われわれには「戦後の行方」のほうが興味深い。1945年の終戦当時、朝鮮半島には約100万人の日本人がおり、うち7割が民間人だった。すべての日本人が着の身着のまま、両手に下げ背負える荷物とわずかな現金だけを持って強制退去させられた。 財産は公私を問わず、企業・個人財産も含めすべて没収された。接収された日本人企業は約2400社。日本資産の総額は当時の金額で52億ドル、約700億円相当といわれる。現在の価値でいえば数千億ドルになるとの非公式試算もある。これらの日本資産は進駐米軍経由ですべて韓国に譲渡され、解放・独立後の韓国経済を支えた。 ところで、韓国との過去補償問題の背景にはいわゆる請求権問題がある。日本が撤収した後、アメリカ軍政を経て韓国は独立した。1950年代に入り国交正常化交渉が始まり、相手側に残した資産に対する「請求権」が問題になった。韓国側は日本の支配による人的・物的被害を日本に請求し、日本側は逆に韓国に残した資産を根拠に「むしろ日本側がもらうべきだ」などと主張して大もめした。 最後は日本側が経済協力資金5億ドルを提供し、請求権つまり補償問題は「完全かつ最終的に解決された」とされ、国交正常化が実現した。韓国内では「植民地支配の補償としては少なすぎる」と反発が強かったが、国交正常化と経済開発を急ぎたい当時の朴正熙政権は戒厳令などによって反対論を抑え、交渉妥結を決断したという経緯がある。 5億ドルは、正確に言えば相互の請求権による相殺金額では必ずしもない。請求権(補償)を言い出すと交渉がまとまらないため、お互い請求権を放棄するような形で「経済協力資金」として政治的・外交的に処理されたのだ。これで韓国側は補償問題の「完全かつ最終的な解決」に同意したが、その裏には膨大な日本資産が韓国に残されていたという事実があるのだ。その後、韓国政府はすでに2回、政府の責任で個人補償も実施している。したがって慰安婦問題や徴用工問題で個人補償が必要なら韓国政府が対応すれば済む話だが、そこを改めて日本を引き込むという外交問題にしているため、問題がこじれている』、「韓国政府はすでに2回、政府の責任で個人補償も実施」、「徴用工」問題も「韓国政府」の責任でやらないのは整合的でない。
・『「敵の財産」を生かし経済成長を遂げた韓国  朝鮮半島に残された日本資産は、まず戦勝国のアメリカ軍によって接収された。「帰属財産」というのはアメリカ軍が名付けた英語の「VESTEDPROPERTY」の訳である。歴史的にはこれが正式名称になる。 しかし韓国では「敵産」と称してきた。「敵の財産」という意味だ。対日戦勝国ではないにもかかわらず、戦勝国つまり連合国の一員になった気分でそう名付けたのだ。評価の分かれる言葉とも言えるが、そう表現することで日本資産を自分のものにする根拠にしたのである。 だから、日本資産は当初は「アメリカに帰属」し韓国のものではなかった。それが1948年、李承晩政権樹立で韓国政府が発足したのを機に韓国に移管、譲渡された。うち電気や鉄道、通信、金融機関など公的資産の多くは国公有化され、企業や商店など民間の資産の多くは民間に払い下げられた。 本書ではその経緯と実情が詳細に紹介されており、結果的にそうした「帰属財産」が韓国の経済発展の基礎になったというのだ。著者によると「歴史的事実を無視、軽視してきた韓国の既成の歴史認識に対する研究者としての疑問」が研究、執筆の動機だという。 現在の韓国企業の多くは「帰属財産」という名の日本資産を受け継ぐかたちで発展した。しかし表向き、韓国の経済界では日本人がよく皮肉る“日本隠し”が広範囲に行われているため「帰属財産」の痕跡を探ることは難しくなっている。時の経過でその事実を知る人も少ない。 一方で、例えば現在の韓国の財閥規模3位にある「SKグループ」はその痕跡がわかる珍しい企業だ。日本統治時代の日本の繊維会社「鮮京織物」を入手し、その名残である「鮮京(ソンキョン)」の頭文字を今も使っている。戦後は「鮮京合繊」として石油化学に手を広げ、やがて移動通信、半導体など先端系まで含む大企業グループになった。 また、学術書である本書にはこうした具体的な企業名が登場するわけでは必ずしもないが、少し調べるとわかるものもある。ビールや焼酎でお馴染みの大手飲料メーカー「ハイト眞露グループ」は自社の来歴として、日本統治時代の大日本麦酒(サッポロ・アサヒ)系の「朝鮮麦酒」を「帰属財産」として受け継いだと明記している。ライバルの「OBビール」もキリンがルーツである。 さらに、ソウル都心にある一流ホテル「朝鮮ホテル」は日本時代の総督府鉄道局経営の「朝鮮ホテル」がルーツで、当初はアメリカ軍が軍政司令部として接収。軍政終了で韓国側に譲渡され民間のホテルになったという経緯がある。また、同じ都心に位置するサムスン・グループの流通部門のシンボル「新世界百貨店」は日本時代の三越百貨店だ。ロッテ・ホテル向かいにあるソウル市庁舎別館は近年までアメリカ政府の文化センターだったが、元は三井物産京城支店でこれも「帰属財産」である。基幹産業の韓国電力はもちろん「帰属財産」が土台になっている。 紹介すればきりがない。とはいえ、「帰属財産」あるいは「敵産」を活用し、企業および経済をここまで発展させてきた韓国の努力は大いに評価されるべきだろう。日本人にとっては「もって瞑すべし」かもしれない。 ところで以上のようなことを現在、日韓の外交的懸案になっている徴用工補償問題に関連させればどうなるか。補償を要求され韓国で資産を差し押さえられている日本製鉄(旧・新日鉄)は、朝鮮半島にあった工場(多くは北朝鮮)などの資産を残している。しかも日韓国交正常化後、韓国で建設された浦項製鉄所(現在のPOSCO)には韓国政府が日本から受け取った経済協力資金(韓国的には請求権資金)が投入され、日本製鉄などが全面的に技術協力した。それなのに、ここに来て資産を差し押さえるというのだから、日本製鉄にとってはまったく腑に落ちない話だろう』、「現在の韓国企業の多くは「帰属財産」という名の日本資産を受け継ぐかたちで発展した。しかし表向き、韓国の経済界では日本人がよく皮肉る“日本隠し”が広範囲に行われているため「帰属財産」の痕跡を探ることは難しくなっている」、「日本資産の総額は当時の金額で52億ドル、約700億円相当といわれる。現在の価値でいえば数千億ドルになるとの非公式試算もある」、ここで例示されたものだけでも相当な額になる筈だ。「浦項製鉄所・・・・日本製鉄などが全面的に技術協力した。それなのに、ここに来て資産を差し押さえるというのだから、日本製鉄にとってはまったく腑に落ちない話だろう」、確かに踏んだり蹴ったりだ、
・『感情的に流される日本研究  「帰属財産」という名の日本資産について、戦後の日本は1952年の対日講和条約で国際的にその請求権を放棄したことになっている。したがって、日本では個人補償の要求の声はない。ところが韓国は1965年の日本との国交正常化条約で「完全かつ最終的に解決した」と約束したのに、「個人請求権は存在する」として改めて日本に補償要求をしているという構図になる。この理屈だと、韓国からの引き揚げ日本人も残してきた個人資産について個人補償を韓国に要求できるということになる。これは国際的約束を守るかどうかの違いである。 以上は李大根教授の著書に対する筆者(黒田)なりの読み方である。しかし経済史学者による学術書としての本書の核心は、日本の統治・支配が朝鮮半島にもたらした経済的効果を正当に評価していることであり、「侵略と収奪」一辺倒で教育されている韓国の公式歴史観に対する正面からの挑戦である。 その意味では、先に日本でもベストセラ―になった李栄薫編著『反日種族主義』(日本語版、文藝春秋刊)とも一脈通じるところがある。それどころか、著者は経歴的には李栄薫氏の先輩格にある。 ただ、こうした主張は「植民地近代化論」といわれ、「日本の歴史的罪」ばかりを主張する韓国の学術界やメディアに対して1980年代から「学問的良心」として奮闘を続けているが、いまだ大勢を変えるには至っていない。「帰属財産」をテーマにした今回の実証研]、究は、韓国に根強い観念的で一方的な反日歴史認識に改めて一石を投じるものだ』、「韓国」にも「日本の統治・支配が朝鮮半島にもたらした経済的効果を正当に評価していることであり、「侵略と収奪」一辺倒で教育されている韓国の公式歴史観に対する正面からの挑戦である」、こういう「学問的良心」として奮闘を続けている学者がいるとは嬉しいことだ。ただ、日本側から研究に援助などすると「韓国」内での立場を悪くしてしまうので、日本側としては静かに見守るしか出来ないのは、実に歯がゆい。
タグ:「韓国に残され韓国経済に貢献した日本資産の行方 「日本から補償はもう必要ない」韓国研究者の大胆な研究成果」 「韓国の次期大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策」 「対北朝鮮政策」が注目されるのは当然だが、「対日政策」も注目されるのは困ったことだ。 「最高の知日派」の「李洛淵氏」が「支持率においてはライバルとなる李在明氏に抜かれている」のは残念だ。 「金大中政権・・・以降は、北朝鮮に対する反共主義は弱まり、日本に対する反日主義が選挙により影響を及ぼすことになった」、ますます困った成り行きだ。 「尹錫悦氏は・・・日本に対しては「対日協力路線」を、そして北朝鮮に対しては文政権の対北朝鮮政策を大きく修正した「強硬路線」を取る可能性が高い」、「今後の3人の動きに注目したい」、さてどうなるのだろう。 金 明中 Newsweek日本版 「現在の韓国企業の多くは「帰属財産」という名の日本資産を受け継ぐかたちで発展した。しかし表向き、韓国の経済界では日本人がよく皮肉る“日本隠し”が広範囲に行われているため「帰属財産」の痕跡を探ることは難しくなっている」、「日本資産の総額は当時の金額で52億ドル、約700億円相当といわれる。現在の価値でいえば数千億ドルになるとの非公式試算もある」、ここで例示されたものだけでも相当な額になる筈だ。「浦項製鉄所・・・・日本製鉄などが全面的に技術協力した。それなのに、ここに来て資産を差し押さえるというのだから、日本 「韓国」にも「日本の統治・支配が朝鮮半島にもたらした経済的効果を正当に評価していることであり、「侵略と収奪」一辺倒で教育されている韓国の公式歴史観に対する正面からの挑戦である」、こういう「学問的良心」として奮闘を続けている学者がいるとは嬉しいことだ。ただ、日本側から研究に援助などすると「韓国」内での立場を悪くしてしまうので、日本側としては静かに見守るしか出来ないのは、実に歯がゆい。 「韓国側の「いや個人補償の権利はある」」との主張は、本当に腹が立つ。 「韓国政府はすでに2回、政府の責任で個人補償も実施」、「徴用工」問題も「韓国政府」の責任でやらないのは整合的でない。 日韓関係 (その15)(帰国に追い込まれた在韓日本公使“妄言"の真相 韓国メディアのどうしようもない反日体質と対韓外交の難しさ、韓国の次期大統領有力候補3人の対日政策と対北朝鮮政策、韓国に残され韓国経済に貢献した日本資産の行方 「日本から補償はもう必要ない」韓国研究者の大胆な研究成果) 東洋経済オンライン 黒田 勝弘 「帰国に追い込まれた在韓日本公使“妄言"の真相 韓国メディアのどうしようもない反日体質と対韓外交の難しさ」 新聞だけでは経緯がよく分からないので、興味深い。 「“コリア・スクール”のエリート外交官・・・これまで韓国語を駆使して対韓情報発信に果敢に取り組んできた。歴代の日本大使館幹部のなかでは韓国メディアと最も積極的に接触してきた外交官」、完全に韓国側の罠にハメられたようだ。 「JTBCはケーブル系有力テレビチャンネルの1つで、先年、朴槿恵大統領追い落としの暴露報道で名を挙げた・・・反日報道にはことのほか熱心」、こんなところのインタビューには殊の外、慎重に対応すべきだが、韓国のことは知り尽くしていると自信過剰になっていたところを突かれるとは、お粗末だ。 「オフレコ破り」は日本でもよくある話で、それがあり得るとの前提で、取材を受けねばならない筈だ。 「女性記者の前でマスターベーションという言葉」は韓国でなく、日本でも問題になる。問題があるマスコミを前に、軽率だった。筆者は「相馬公使」を必死にかばっている。確かに同情できる点もあるとはいえ、「韓国外交省は日本大使を呼びつけて抗議し・・・外交的大問題に仕立て上げてしまった」、深刻な外交問題を引き起こしてしまった以上、「相馬公使」の責任も重大で、更迭は当然だと思う。
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TPP問題(10)(「対中包囲網のはずが逆に乗っ取られる」中国がこのタイミングでTPP加盟を申請した狙い 日本は米国に早期復帰を求めるべき、中国のTPP加盟申請は本気 議長国日本の役割は「門前払い」か) [外交]

TPP問題については、2017年1月15日に取上げたままだった。中国、台湾の加盟申請を受けた今日は、(10)(「対中包囲網のはずが逆に乗っ取られる」中国がこのタイミングでTPP加盟を申請した狙い 日本は米国に早期復帰を求めるべき、中国のTPP加盟申請は本気 議長国日本の役割は「門前払い」か)である。

先ずは、9月27日付けPRESIDENT Onlineが掲載した法政大学大学院 教授の真壁 昭夫氏による「「対中包囲網のはずが逆に乗っ取られる」中国がこのタイミングでTPP加盟を申請した狙い 日本は米国に早期復帰を求めるべき」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/50292
・『中国、台湾が相次いで加盟を申請した背景は  9月16日、中国商務省は“環太平洋経済連携協定(TPP)”への加盟を、現在の事務国であるニュージーランドに正式に申請した。その背景には、中国が、日米豪印や欧州各国がインド太平洋地域での連携を強化する動きに揺さぶりをかける狙いがある。 一方、中国の加盟申請後の22日、台湾も加盟を正式に申請した。台湾は中国と対立している。両国の加盟申請によってTPP交渉は、中国・台湾の対立が持ち込まれ複雑化している。中国の申請によって、TPP加盟国の中に中国との関係を重視する国が増える可能性がある。それは、国際世論における台湾の発言力維持にマイナスだ。台湾はその展開への危機感を一段と強め、申請を急いだとみられる。 本来、米国のバイデン政権はTPPへの復帰を目指して、自由で公正な貿易、投資、競争に関する多国間連携の強化に取り組むべきだった。しかし、トランプ前政権の離脱以降、米国の対TPP姿勢がはっきりしない。中間選挙を控える中、バイデン政権が多国間の経済連携にエネルギーを振り向けることも難しい。 その状況下、本年のTPP議長国であるわが国は、是々非々の姿勢を明確に示してTPPの根本的な目的とルールを加盟国、米欧各国などと共有し、今後の交渉議論の環境を整えなければならない』、「中国」外交は実に巧みだ。
・『もともとは米国による”対中包囲網“だったが…  もともと、TPPの目的は米国を中心にした中国包囲網の形成にあった。時系列で米国の対中姿勢を確認すると、2013年に米オバマ政権(当時)の国家安全保障担当大統領補佐官だったスーザン・ライス氏が米中の“新しい大国関係”を機能させる考えを表明した。それが中国に南シナ海での軍事拠点の建設など対外進出を強化する口実を与えたと考える安全保障などの専門家は多い。その後、フィリピンやベトナムなどが領有権をめぐって中国と対立し始めた。 中国の対外進出に直面したオバマ政権は、対中包囲網の整備に動いた。その象徴がTPPだ。オバマ政権はTPP交渉をより重視し、関税の撤廃、知的財産の保護、国有企業に関する補助金政策などに関して加盟国間でルールを統一し、より効率的、かつ公正な経済面での多国間連携を目指した。政府調達に関する内外企業の差別を原則認めないこともTPPに含められた。 米国にとってTPPは、経済を中心に安全保障面からも対中包囲網を整備し、自国を基軸国家として経済のグローバル化を進め、そのベネフィットを得るための取り組みだったのだ』、「オバマ政権のスーザン・ライス氏が米中の“新しい大国関係”を機能させる考えを表明した。それが中国に南シナ海での軍事拠点の建設など対外進出を強化する口実を与えた」、「中国の対外進出に直面したオバマ政権は、対中包囲網の整備に動いた。その象徴がTPPだ」、「オバマ政権」の対中政策のブレは酷いものだったと改めて思い出した。
・『なぜこのタイミングでの申請だったのか  ところが、2017年1月に事態は一変した。トランプ前大統領がTPP離脱を表明した。それによって米国を基軸とする経済、安全保障面からの対中包囲網というTPPの性格は弱まった。その後、2020年11月に中国の習近平国家主席がTPP加盟を積極的に検討すると表明した。 TPPから離脱した米国は、日豪印との外交・安全保障の枠組みである“クアッド”を整備した。9月15日には、英豪と新しい安全保障の枠組みである“AUKUS(オーカス)”も創設した。 その直後に中国はTPP加盟を正式に申請することによって、安全保障面、外交、経済面で米国との関係を重視するアジア各国などに、自国の巨大な市場を開放する姿勢を示して揺さぶりをかけたい。マレーシアやシンガポールが中国の加盟申請を歓迎したのは、中国の影響力の大きさを示している。その上、9月22日には台湾がTPP加盟を正式に申請した。今、TPPは大きな変化の局面を迎えている』、「中国はTPP加盟を正式に申請することによって、安全保障面、外交、経済面で米国との関係を重視するアジア各国などに、自国の巨大な市場を開放する姿勢を示して揺さぶりをかけたい」、心難いばかりに巧みな外交だ。米国のお粗末な外交と好対照だ。
・『市場開放の姿勢を国際世論に印象付けたい  中国と台湾の対立は深まっている。イメージとしては、緊迫感が高まる台湾海峡のように、TPPは中国と台湾の対立激化の縮図と化している。 経済運営面から考えたTPPの意義は、多国間で競争などのルールを統一し、より効率的な生産要素の再配分を目指すことだ。しかし、中国が最も重視することは違う。それは、共産党政権の体制維持だ。そのために中国はTPP加盟申請によって国際世論を揺さぶりたい。 中国は思慮深く9月16日の申請タイミングを見定めたと考えられる。中国は簡単にTPP加盟が承認されるとは考えていないはずだ。それよりも、中国はTPP陣内に対中批判の考えを持つ国が増える前に申請を行い、切り崩しを図りたかった。 AUKUS創設の翌日である9月16日の申請は、中国が米国に対抗し、市場開放を進める姿勢を、より鮮明に国際世論に印象付けることに役立つだろう。また、その日は台湾の正式な申請前でもあった。米国の同盟国であるわが国の議長国としての任期も残り少ない。2022年には中国を歓迎したシンガポールがTPP議長国につく。国際世論に揺さぶりをかける、その上で2022年以降のTPP交渉環境を追い風にするために、9月16日はベストなタイミングとの判断が習政権にあったはずだ』、確かに「ベストなタイミング」での申請だ。
・『TPPが新たな中台対立の舞台に  その結果、台湾は中国に先を越された。蔡英文政権が対中関係を重視する国が増える展開への不安をいっそう強めたことは容易に想像できる。中国がTPP加盟国を揺さぶり、結果的に切り崩される国が増えれば、国際社会の中で台湾の立場は一段と不安定化する恐れがある。その展開を阻止するために、台湾は急いで申請作業を進めただろう。台湾には、半導体分野などで連携を強化するわが国が議長国であるうちに申請し、今後の加盟交渉を勢いづける狙いもある。 今後、中国は経済面での結びつきが強い国に働きかけ、台湾との交渉に慎重に臨む、あるいは避けるよう求めるだろう。それに台湾は反発するだろう。対立が激化する中国と台湾が国際世論への働きかけを強める結果、TPP加盟国が経済運営ルールの統一と遵守などに論点を集中して加盟交渉に臨むことは難しくなるだろう』、「台湾」が「中国に先を越された」のは、重大な手落ちだ。
・『議長国日本は是々非々の姿勢で臨むべき  中国と台湾の対立が持ち込まれた結果、TPPは複雑化した。複雑化するTPPの論点を経済・安全保障面からの対中包囲網の整備に再度集中させるには、米国のTPP復帰が必要だ。今後のTPPの展開には、米国の復帰の可能性が高まるか否かが決定的な影響をもたらすだろう。 そのために、わが国は議長国としての残り少ない任期を活かすべきだ。わが国は議長国として多様な利害を調整しておかなければならない。ポイントは、TPPの当初の目的に基づき、全加盟国が合意したルールを堅持しなければならないという是々非々の姿勢をわが国が明確に国際世論に示し、賛同を増やすことだ。それは、今後のTPP交渉が議論される大まかな道筋を示すことと言い換えてもよい。台湾はそうした展開を期待しているだろう。 今後、中国は産業補助金など共産党政権の体制維持に関わる項目に関して、例外事項をTPP加盟国に認めさせようとするだろう。コロナ禍によって経済が傷ついたアジアや南米の新興国にとっても、例外措置の導入は魅力的に映る可能性がある』、「わが国は議長国としての残り少ない任期を活かすべきだ。わが国は議長国として多様な利害を調整しておかなければならない。ポイントは、TPPの当初の目的に基づき、全加盟国が合意したルールを堅持しなければならないという是々非々の姿勢をわが国が明確に国際世論に示し、賛同を増やすことだ」、その通りだ。
・『米国の復帰を求め続けなければならない  ただし、TPP加盟交渉は全会一致でなければ正式に開始されない。オーストラリアやわが国の存在を考えると、中国の揺さぶりがすぐにうまくいくとは考えにくい。しかしながら、やや長めの目線で考えると、マレーシア、来年の議長国のシンガポールなどの歓迎姿勢によってTPPのルールや制度が変化、弱体化する恐れはある。 そうした展開を念頭に、わが国は中国が求めるだろう例外事項の設定を受け入れない姿勢を明確に国際世論に示す。その上で、既存の加盟国にとどまらず、世界経済のサプライチェーンと成長面で重要性が増すアジア新興国、米国、欧州各国などとTPPの意義を共有すべく連携を目指す。それはTPPの目的とルールの堅持と、それを尊重する加盟申請国との交渉進行を支える。 それに加えて、わが国はバイデン政権や米国の経済界にTPPの意義を伝え、復帰を求め続けなければならない。それが経済、安全保障面からの対中包囲網や加盟国の競争、雇用などのルール統一というTPP本来の目的の発揮と、中長期的なわが国経済の安定と実力の向上に欠かせない』、「わが国はバイデン政権や米国の経済界にTPPの意義を伝え、復帰を求め続けなければならない。それが経済、安全保障面からの対中包囲網や加盟国の競争、雇用などのルール統一というTPP本来の目的の発揮と、中長期的なわが国経済の安定と実力の向上に欠かせない」、その通りだ。

次に、9月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの山田厚史氏による「中国のTPP加盟申請は本気、議長国日本の役割は「門前払い」か」を紹介しよう。
・『中国、台湾が相次いでTPP加盟を申請  環太平洋経済連携協定(TPP)に中国が正式に加盟を申請した。 音頭とった米国が国内の風向きが変わって離脱。主役不在の間隙を突く中国の動きに議長国・日本はうろたえる。 中国の動きを見て台湾も加盟を申請し一段と対応は難しくなった。 「中国にTPPは無理だ」「米国を牽制する政治的アクションではないか」などと本気度を疑う見方が少なくないが、自ら主導してRCEP(地域的な包括的経済連携協定)とTPPを合体させ、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)へと発展させる大きな戦略があるという。 アジア太平洋を舞台に、自由貿易よりも中国封じ込めを狙った安全保障の枠組み作りが進む中で、地域の安定を考えればTPPで中国を「門前払い」をすることが得策なのかどうか。 国内に目を向ければ、自民党総裁選ではどの候補からも骨太なアジア太平洋戦略は聞こえてこない。米中の間で日本はどう針路を取るのか。新政権には待ったなしの課題のはずだ』、「自民党総裁選ではどの候補からも骨太なアジア太平洋戦略は聞こえてこない」、寂しい限りだ。
・『日本は「真剣に受け止めていない」 政府系の中国研究者が警告  中国が「TPP加盟申請」を発表する直前、日本政府に警鐘を鳴らす論文が発表されていた。 「中国のCPTPP参加意思表明の背景に関する考察」(9月11日)と題して、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)の政策レポートに載った40ページの論文だ。 「中国側の本気度とTPP枠組みを主導した日米の受け止め方には落差がある」と冒頭から問題を提起。「TPP枠組みの要求する内容は中国の体制と矛盾する項目が多いと考えられているため、実現の可能性が極めて低いアクションであるという予見があり、真剣に受け止めていない印象がある」と、政府のゆるい姿勢に疑問符を投げかけた。 RIETIは経産省の外郭団体、筆者は中国経済を専門とする渡辺真理子学習院大教授ら4人で、TPP参加へと動く中国の真意や問題点を分析している。 習近平主席が昨年11月、「TPP加盟を積極的に検討する」と表明したとき、政府もメディアも半信半疑だった。 「閉鎖的で統制だらけの中国がTPPに加入するのは難しい」「日米主導で進むアジアでの貿易や投資の枠組み作りに揺さぶりをかけているのだろう」という見方が支配的だった。 RIETI論文は、こうした見方を退け、「オバマ大統領がTPP12の締結に動き始めると、中国は独自のイニシアティブをスタートすると同時に、米国の動きに沿うような調整も行う、二面作戦に出ていた」と指摘。 TPPに対して入念な準備作業を進めてきた中国の取り組みを紹介している』、「TPPに対して入念な準備作業を進めてきた中国の取り組みを紹介」、初めからヘソを曲げていたと思っていたが、「二面作戦」で「入念な準備作業を進めてきた」とは初めて知った。
・『アジア太平洋の自由貿易圏作り 外圧テコに国内改革目指す 「独自のイニシアティブ」とは一帯一路構想だ。中央アジア・中東から欧州へと進む膨張政策である。 そしてもう一つの「米国の動きに沿うような調整」は、自由貿易・開放経済への対応だ。 中国が国内の市場開放に応ずるだけでは受け身になる。外に乗り出してアジア太平洋に自由貿易圏(FTAAP)を作り、共存共栄を図り中国が中核的役割を担う、という戦略だ。 周小川・前中国人民銀行総裁ら経済改革派がこの路線を進めてきた、という。国際ルールを受け入れ、外圧をテコにして旧態依然の国内制度を変革するという狙いもあるようだ。 中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟、国際ルールに沿う開放体制に取り組んできた。2010年代半には、WTO内のルール作りに参画するようになり、主要ポストに人材を送るようになった。今では「WTO改革」を主張する主要国である。 次に狙いを定めたのがRCEPだ。 ASEAN10カ国が2011年に提唱した地域の経済連携で、日本、韓国、中国が乗り出し「ASEAN+3」で協議が始まった。 中国の影響力が強まるのを警戒する日本はオーストラリア、ニュージーランド、インドを招き入れASEAN+6の枠組みに広げた。やがて人口で中国を抜くインドを加えて中国の力を薄めようとしたが、インドは経済自由化を一気に進めれば中国からの輸入や投資が急増することを恐れ途中で離脱。日本の思惑は空転した。 RCEPは昨年11月、最終合意にこぎつけ、15カ国が署名した。人口22億人超、GDPや貿易額で世界の3分の1を占める経済圏が来年1月に発効する。 ここにTPPを重ねればアジア太平洋に広がる巨大な共同市場が生まれる。 中国は、「米国の世界支配」は経済や軍事力だけでなく、国際機関や国境を越えたルール作りで発言権・指導力を持ち、米国に都合のいいルールを世界秩序にしていることにある、とみている。 論文は、TPP加入の狙いを「国際的なルールメイキングへの協力の強化、域外適用法制の整備による防衛体制の構築、という意図があり、2021年から25年にかけて、この動きを本格化しようという意図がうかがえる」(抜粋)と指摘している。 TPP加盟申請は「ちょっかいを出す」といったヤワなものではなく、パラダイムシフトを視野に置いた世界戦略というわけだ』、「TPP加盟申請は「ちょっかいを出す」といったヤワなものではなく、パラダイムシフトを視野に置いた世界戦略」、なるほど。これは手強そうだ。
・『中国が「抱える「3つの課題」 国有企業問題で指導部内に緊張関係  だが一方で、中国には「超えなければならない課題」が内在することは確かだ。 政府補助を受けている国有企業や労働慣行、電子商取引の3部門で「TPP基準をクリアできるか」という問題を抱えている。 中国の急成長を担ってきたのは民間企業だ。国有企業は雇用を吸収し、地域では欠かせない存在だが、非効率で、さまざまな政府支援によって支えられている。 TPPは国有企業への過剰な支援を禁止し、民間と対等な競争条件を求めている。 国有企業改革を巡っては、中国の指導部の中で「企業の公平性」を主張する改革派と、「国家の安定性」を重視する保守派の緊張関係が背後にある。「対等な競争条件」を急ぐと、政権内部の暗闘を招きかねない。 労働を巡る問題はさらに微妙だ。 TPPは、労働者が労働組合を選択できる自由を求めているが、中国では、労組の全てが中華全国総工会に加盟し統制を受けている。「労働組合の結成の自由」は共産党の指導体制とぶつかりかねない。「強制労働」が疑われる新疆ウイグル問題などの難題もある。 電子商取引では、中国はソフトウエアの鍵ともいえるソースコードの開示を求めたり、データの国外持ち出しなどを制限したりしている。TPPは当局による過剰な監視や統制を原則として認めていない。情報やデータは、国家の安全保障と絡むだけに問題は複雑だ』、「TPP基準」は多少弾力的にするべきだが、安易に緩めるべきではない。
・『「門前払い」が日本の役割? 排他性はTPPの価値を落とす  RCEPの場合は、共同経済圏を創るため、例えば日本ならコメのように、各国が抱える国内調整が難しい品目を対象に例外規定を設けているが、TPPはより高いレベルの自由化を求めている。 中国を排除するために「厳しい自由化基準」を盾にすることもできる。 西村康稔経済再生担当相は「中国がTPPの極めて高いレベルのルールを満たす用意があるのか、しっかり見極める必要がある」。梶山弘志経産相も「全てのルールの受け入れを用意できているか、見極めが必要」と語った。 不参加の米国に忖度し日本が門前払いの役割を演ずるつもりのようだが、遠く離れた英国には加盟を認め、近隣の中国を排除すればTPPは経済圏としていうより政治ブロックへと変質するだろう。 中国が加盟するRCEPがまもなく誕生する中で、米国も中国もいないTPPは無用の長物になる恐れがある。排他性は自由な貿易や投資の経済圏をやせ細らせるだけだろう』、「遠く離れた英国には加盟を認め、近隣の中国を排除すればTPPは経済圏としていうより政治ブロックへと変質するだろう」、確かに重要なポイントだ。
・『経済より安全保障重視の危うさ 分断の象徴「QUAD」「AUKUS」  経済連携の時代は終わったのだろうか。 始まりはEU統合だった。国境を越えるヒト・モノ・カネが経済に活気を与え、相互に依存しあう国と国との関係は戦争を回避する平和の土台であることが確認された。 その流れはアジアに及び、アジア共同体構想などが模索され、APEC(アジア太平洋経済協力)ができた。米国が加わり21カ国・地域の大所帯になって、アジア共同体はかすんだ。 そして経済的な同盟として米国中心のTPPと中国を軸とするRCEPがそれぞれ生まれた。この20年、こうした地域の経済連携を軸にアジアは投資が集まり成長した。 流れを変えたのが、米中対立だ。 ビジネスを軸とする地域連携より、安全保障を優先する同盟関係が前面に出た。時代は、統合から分断へと動いている。 米国はアフガニスタンから軍を引き、カネと力を中国との競争へと注ぐ。相互依存を前提としたサプライチェーン(物流網)が見直され、デカップリングと呼ばれる「切り離し」があちこちで起きている。 さらに、日本、インド、オーストラリアを束ねQUAD(日米豪印協力)を立ち上げた。海洋安全保障を掲げ、インド洋で合同海洋演習を行い自衛艦が参加した。 24日、ワシントンで行われたQUAD首脳会議にはバイデン大統領が呼び集めた対面形式の会合に4首脳がそろい、中国とは名指しはしなかったが、対中国に対する連携強化を印象付けた。 もう一つの対中安全保障の枠組みは、「AUKUS」だ。 米英豪による軍事面の協力関係で、米英はオーストラリアに原子力潜水艦の技術を供与し、核を配備して中国牽制に当たらせるという挑発的な構想が明らかにされた。 アングロサクソンの軍事同盟である』、なるほど。
・『薄っぺらい「中国脅威論」 米中双方をいさめる役割を  アジアは平和を前提とする経済連携から、一触即発の緊張をはらむ対中安全保障優先へと変わろうとしている。 そんな中でTPPも変質し、中国をブロックすることが日本に役目となろうとしている。アジア太平洋の経済的繁栄というTPPの大義はどこへ行ったのか。 「こういう時こそ、中国と腰を据えて向かい合い、TPP基準をクリアできる国内改革の後押しをする交渉が必要ではないか」。アジア・中国を見てきた経産省OBはいう。日本の国益は「平和な中で安定したビジネスを続けること」ではないのか。 対立を乗り越え、決裂を回避するのは、交渉相手と「人間としての信頼」が欠かせない。経済交渉でも外交でもそれは同じだ。信頼のパイプをどれだけ持っているか、その厚みが国家の安全保障でもある。 薄っぺらな中国脅威論は誰もが語るが、このままいけば日本は戦争に巻き込まれるかもしれない。世界は「経済連携」から「軍事ブロック」へと動いている。その危うさを感じてか、バイデン大統領や習近平主席も、電話首脳会談やファーウェイ問題の手打ちなど緊張緩和に動いている。 アジアでは来年1月にRCEPが動きだす。これからを遠望すれば、中国も米国も参加するアジア太平洋経済圏が望ましい。中国の加盟申請はチャンスだ。相互依存は平和の原点だ。バイデン大統領を説得して引き寄せる。忖度して「門前払い」が役割と心得るようではスケールが小さい。 日本は米中の間に入って、双方をいさめ説得する。それくらいの構想力のある政治家が現れてほしい。 自民党総裁選の後には総選挙がやってくる』、「中国も米国も参加するアジア太平洋経済圏が望ましい。中国の加盟申請はチャンスだ。相互依存は平和の原点だ。バイデン大統領を説得して引き寄せる。忖度して「門前払い」が役割と心得るようではスケールが小さい。 日本は米中の間に入って、双方をいさめ説得する。それくらいの構想力のある政治家が現れてほしい」、同感である。
タグ:TPP問題 (10)(「対中包囲網のはずが逆に乗っ取られる」中国がこのタイミングでTPP加盟を申請した狙い 日本は米国に早期復帰を求めるべき、中国のTPP加盟申請は本気 議長国日本の役割は「門前払い」か) PRESIDENT ONLINE 真壁 昭夫 「「対中包囲網のはずが逆に乗っ取られる」中国がこのタイミングでTPP加盟を申請した狙い 日本は米国に早期復帰を求めるべき」 「中国」外交は実に巧みだ。 「オバマ政権のスーザン・ライス氏が米中の“新しい大国関係”を機能させる考えを表明した。それが中国に南シナ海での軍事拠点の建設など対外進出を強化する口実を与えた」、「中国の対外進出に直面したオバマ政権は、対中包囲網の整備に動いた。その象徴がTPPだ」、「オバマ政権」の対中政策のブレは酷いものだったと改めて思い出した。 「中国はTPP加盟を正式に申請することによって、安全保障面、外交、経済面で米国との関係を重視するアジア各国などに、自国の巨大な市場を開放する姿勢を示して揺さぶりをかけたい」、心難いばかりに巧みな外交だ。米国のお粗末な外交と好対照だ。 確かに「ベストなタイミング」での申請だ。 「台湾」が「中国に先を越された」のは、重大な手落ちだ。 「わが国は議長国としての残り少ない任期を活かすべきだ。わが国は議長国として多様な利害を調整しておかなければならない。ポイントは、TPPの当初の目的に基づき、全加盟国が合意したルールを堅持しなければならないという是々非々の姿勢をわが国が明確に国際世論に示し、賛同を増やすことだ」、その通りだ。 「わが国はバイデン政権や米国の経済界にTPPの意義を伝え、復帰を求め続けなければならない。それが経済、安全保障面からの対中包囲網や加盟国の競争、雇用などのルール統一というTPP本来の目的の発揮と、中長期的なわが国経済の安定と実力の向上に欠かせない」、その通りだ。 ダイヤモンド・オンライン 山田厚史 「中国のTPP加盟申請は本気、議長国日本の役割は「門前払い」か」 「自民党総裁選ではどの候補からも骨太なアジア太平洋戦略は聞こえてこない」、寂しい限りだ。 「TPPに対して入念な準備作業を進めてきた中国の取り組みを紹介」、初めからヘソを曲げていたと思っていたが、「二面作戦」で「入念な準備作業を進めてきた」とは初めて知った。 「TPP加盟申請は「ちょっかいを出す」といったヤワなものではなく、パラダイムシフトを視野に置いた世界戦略」、なるほど。これは手強そうだ。 「TPP基準」は多少弾力的にするべきだが、安易に緩めるべきではない。 「遠く離れた英国には加盟を認め、近隣の中国を排除すればTPPは経済圏としていうより政治ブロックへと変質するだろう」、確かに重要なポイントだ。 「中国も米国も参加するアジア太平洋経済圏が望ましい。中国の加盟申請はチャンスだ。相互依存は平和の原点だ。バイデン大統領を説得して引き寄せる。忖度して「門前払い」が役割と心得るようではスケールが小さい。 日本は米中の間に入って、双方をいさめ説得する。それくらいの構想力のある政治家が現れてほしい」、同感である。
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日韓関係(その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説) [外交]

日韓関係については、1月27日に取上げた。今日は、(その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説)である。

先ずは、7月16日付けJBPressが掲載したジャーナリストの李 正宣氏による「韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述、批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66103
・『韓国政府が「衰退する日本、先進国格上げの韓国」という広報記事を制作・公開したが、その後に削除したことが分かった。この記事が、インターネット上のコミュニティを中心に急速に広がり、「外交的欠礼」という非難世論が起きた直後、削除したものとみられる』、真相はどうだったのだろう。
・『「外交メディアに報じられれば恥さらしに」  7月14日、韓国の20~30代の若い男性が主に利用するあるインターネットコミュニティに、「韓国政府のアツアツの反日・クッポン(盲目的な愛国主義)売り」という書き込みが掲載された。韓国政府の広報を担当する文化体育観光部の国民疎通室が運営する「韓国政府公式SNS」に日本を露骨に卑下する広報物を掲載したことを批判する内容だった。書き込みに対するコメントも韓国政府を非難する内容が圧倒的に多かった。 「外国メディアが報道すれば国の恥さらしになるだろうが」 「コロナワクチン接種は逆転されてしまったくせに、無理強いをしている」「外交的に問題になるとは思わないのか」「首脳会談したいと言ってなかったけ?」「ワーディングがまるで北朝鮮と同じだね」』、韓国世論が健全なのは救いだ。
・『「政府の公式メディアで特定国を蔑視・嘲笑するのは外交的欠礼にあたる」  この書き込みがインターネット上で大きな話題となると、翌日の15日、韓国メディアはこの記述に関して具体的な状況を次のように伝えた。 韓国政府は7月8日、培材大学校のカン・チョルグ日本学科教授の「素材部品・装備で世界的な技術強国への跳躍」という寄稿文を要約した4枚のカードニュース(イメージと簡略なテキストで構成された記事)を制作、政府公式ツイッターをはじめとするインターネット上に公開した。問題は2ページ目だが、「衰退する日本、先進国格上げの大韓民国」というタイトルで内容は次の通りである。 <日本~コロナ防疫の失敗と景気低迷で国力低下が持続。朝日新聞は「日本政府の無能さ」を指摘(輸出規制は自ら行う・・・愚かな政策の極み(7月4日)> <韓国~飛躍的に国力成長、国連貿易開発機構「韓国を発展途上国から先進国へ地位変更」> 韓国政府公式SNSに掲載されていた「衰退する日本(쇠퇴하는 일본)」と書かれた記事。現在は削除されている。 『朝鮮日報』など複数のメディアによると、問題の2ページはクレームが寄せられ現在は修正されている。あるインターネットコミュニティには請願を受け付けたという人の書き込みが上がっている。 「韓国の顔とも言える国民疎通室で特定国家を蔑視し、嘲弄する表現が使われたカードニュースを制作して配布した行為は、“外交的欠礼”に該当することで、決して望ましくない」 「むしろ韓国の品格が損なわれ、威信が地に落ちる恐れがある」) これに対し、カードニュース制作担当者は「寄稿文を伝える目的で制作したため、原文の内容を反映した」と「朝鮮日報」の取材に答えたという。 だが実際は、カン・チョルグ教授の寄稿文の中に「日本が衰退した」という直接的な表現はなかった。「韓国はコロナ状況の中でも飛躍的な経済成長を成し遂げた反面、日本はコロナ防疫失敗や景気低迷などの国力低下状態が続き、韓日間貿易の相互重要性が次第に衰退していくことがうかがえる」という内容が出ているが、これを要約したものと思われる』、「国民疎通室」が学問的で中立的な「カン・チョルグ教授の寄稿文」を都合良く脚色したとは大いにあり得る話だ。
・『自慢の「K防疫」が破たん寸前だが隣を見たら日本も苦戦、ならば・・・  現在、問題の2ページには、「衰退する日本」が削除され、「大韓民国の国力も2年前に比べ、大きく成長している」となっている。日本政府を批判した言葉をすべて削除し、「今は先進国対先進国、日本と対等な立場が可能だ」という言葉に変わっている。 修正後の記事。日本を批判する箇所は丸ごと消えている。 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はこれまで、自国民に「コロナ防疫成功」を積極的に広報し、政権の最高業績に掲げてきた。コロナ拡散の初期、米国や欧州など西欧諸国において、政府の統制に慣れない国民性のためにコロナが急速に広がっている状況を「防疫失敗」と大々的に報道することで、「文政権の防疫成功」を際立たせた。これにより韓国民の間には「防疫先進国」という誇りが生まれた。 しかし、「ゲームチェンジャー」となるコロナワクチンの登場で戦況は逆転した。 米国や英国では早期にワクチン接種が始まり、国民生活が日常を取り戻しつつある一方、「K防疫」を掲げてコロナの拡散防止だけに力を入れてきた韓国は、依然として、マスクをつけたままソーシャルディスタンスを保たなければいけない。韓国人の心からは、「防疫先進国」というプライドはいつの間にか消え、「防疫後進国」という恥辱感が押し寄せている状況だ。 それでも、幸いなことに、ライバル・日本の状況も決して韓国より良いと言える状況にはなかった。コロナワクチンの確保には成功したものの、アナログ式行政システムのために接種が円滑に行われておらず、日本の接種率は世界平均を大きく下回っている。しかも、東京オリンピックを控えながら、東京に4度目となる緊急事態宣言が出されている――。ライバルがこんなに混乱する姿を見せているのだから、文在寅政権としては、日本の暗い状況を自国の広報に積極活用しようと思ったのだろう。 だが、その思惑通りにはならなかった。政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きたのだ』、「政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きた」、極めて健全な反応なのに驚かされた。
・『韓国の政府公式SNS、つい最近も写真「編集」で物議  文化体育観光部は、6月13日にもG7首脳会談の記念写真を編集して掲載したことで、バッシングを受けた過去もある。G7首脳と招待国の首脳が一堂に会して撮った記念写真で、左端に写っている南アフリカ共和国大統領の部分をカットして、「これが大韓民国の地位」という文とともにSNSに掲載したのだ。 これに対してメディアや世論から「外交欠礼」という非難の声が上がった。左端の南ア大統領をカットすることで、文大統領がいかにも全体の中心にいるような構図にするような編集の意図が感じられたことと同時に、南ア大統領のすぐそばに立っていた菅首相を隅っこに押し込めようとする意図もあるとの指摘もでた。これに対して、当時、文化体育観光部は、単に「担当者のミス」と言い訳してみせた。 しかし、今回の広報物に対しては、失敗という事実すら認めてない。『韓経ドットコム』によると、文化体育観光部の担当者は、カードニュースを修正したことについて、「メッセージ伝達の効率性のため、随時内容を確認して修正しなければならない。最善と思われる地点を探して修正しただけだ」と答え、批判世論を意識したものではないと主張した。どうやら文在寅政権にとって日本は、どこよりも弱腰で、叩きやすい相手に見えているのだろう』、「写真「編集」」というみっともないことをしておきながら、「文化体育観光部」の居直りは酷いものだ。

次に、7月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由、元駐韓大使が解説」を紹介しよう』、興味深そうだ。
・『韓国選手団の住居棟に反日の英雄を連想させる横断幕  東京オリンピックを巡って日韓間で対立が鮮明化している。 7月14日、オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された。これは日本を打ち負かそうという、スポーツの国際大会にふさわしくない反日文句である。 韓国による東京オリンピックを否定し攻撃する姿勢が続いている。「共に民主党」の議員がオリンピックの競技場が放射能影響圏にあるという地図を公開し、「東京オリンピックをボイコットする」と言ったことが始まりである。) 福島原発処理水の放出に対しては、IAEAや米国に韓国側の懸念を伝え、放出を止めるよう協力を要請した。直近では大韓体育会が選手団に「福島産の食材は口にするな」と指導した。 東京オリンピックのホームページに掲載された聖火リレー地図に、竹島が日本領土と表記されていることの是正を求めた。次期大統領選の候補や与党議員が是正されない場合には東京オリンピックをボイコットするよう主張した。 文化体育観光部が「衰退する日本」というニュース形式の宣伝物を制作した。 日韓対立の原因の多くは、韓国側がオリンピック精神を理解しているのか、国際的儀礼をわきまえているのか、疑わせる内容のように思われる。日韓間が国民感情に左右されず普通の隣国であれば起きない問題であろう。日韓関係の未来を見据えた場合、こうした問題の起きない関係を築いていくことが課題であろう。 韓国側で問題をこじらせているのは一般国民より政府・与党あるいはそれに近い人々である。こうした指導的立場にある人々がもっと冷静になることを促したい』、「オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された」、ここまで馬鹿なことをするとは、韓国政府もいい加減にしてほしいものだ。
・『オリンピックで勝つのではなく日本に勝つのが目的なのか  冒頭で触れた横断幕には、「臣にはまだ5000万国民の応援と支持が残っております」という文言が書かれていた。 この言葉は日本の朝鮮出兵に勝利した李舜臣将軍が朝鮮第14代国王宣祖への報告書に「今臣戦船尚有十二(臣にはまだ船が12隻あります)」と書いた文面から取ったものである。 当時朝鮮軍は豊臣秀吉の軍に劣勢であったが、李将軍は12隻の戦船で日本に連勝して韓国を敗戦の危機から救った。これにあやかった言葉である。 李将軍は、秀吉の朝鮮出兵を打ち破った「反日の英雄」として韓国では神格化されている。 韓国は、今でも日本国内の聖火リレー地図から竹島が除去されないことに反発しており、こうした心情があえて李舜臣を選手村に掲げさせた理由であろう。 さらに、韓国はこれまでの国際大会で、日本より上位にいることにこだわり、対抗意識を燃やしてきた。今回の東京オリンピックのメダル獲得数で日本より下位に甘んじる場合には大韓体育会は国民の批判の矢面に立たされる危険性があった。そうしたことから李舜臣将軍を持ち出して韓国選手の尻をたたこうとしたのだろう』、日本は「韓国」をライバル視してないのに、「韓国」が一方的にライバル視しているのは困ったことだ。
・『横断幕は不適切として大韓体育会が撤去  この横断幕に対して15日の東京スポーツは「韓国選手団が選手村に『反日横断幕』不穏な“戦時メッセージ”掲げる」と題した記事を掲載した。 それを受け大韓体育会は「今回の大会は日本で開催されるだけに特別なメッセージを準備した」「国家の代表選手たちを盛り上げる応援フレーズを考えていたが、ある職員の提案であの横断幕を準備した」「韓国代表団を応援しようという純粋な意図を歪曲(わいきょく)するもので残念だ」とコメントした。 大韓体育会はこの横断幕を撤去した。IOC関係者が韓国選手団の事務室を訪問し、「横断幕の撤去を要請した」という。さらに文書を通じても「横断幕のフレーズは戦闘に参加する将軍を連想させるもので、オリンピック憲章第50条に違反する」と指摘したようである。 韓国側は横断幕の撤去に当たり、競技場内の旭日旗応援に対して強く異義を提示し、IOCは「旭日旗に対しても同じ条項を適用して判断することを約束した」という。 韓国側はそれでもIOCが日本に寄り添っているとの不満を抱いており、横断幕の代わりに「虎の形をした朝鮮半島」の絵が描かれた垂れ幕を出した。これは朝鮮半島出兵時に秀吉が加藤清正に命じた「虎狩り」に関連するものだとの指摘も出ている。これも「克日(日本に勝つの意味)」を連想させる。 韓国メディアは、日本の極右が激怒し、選手村に集まり旭日旗デモをしたと報じた。しかし、これは日本の極右だけが問題としているものでなく、多くの日本人が韓国の行動にあきれ返っているということである。この横断幕は日本人に大韓体育会による「反日行動」と映るだろう。そういうことも理解できない大韓体育会はオリンピック精神を正しく理解しているとは言い難い』、「韓国側は横断幕の撤去」を自主的にではなく、「IOC関係者が・・・「横断幕の撤去を要請」」したためだったようだ。
・『ゴルフ日本代表チームのユニフォームが旭日旗を連想させると問題提起  中央日報は、日本のゴルフ代表チームのユニフォームが「日の昇る国を表す斜めのラインが入っている」「日の丸の赤や白、それに海や桜といった日本の自然をイメージした青や白が採用された」と紹介している。それが旭日旗を連想させるという。 だが、筆者がユニフォームの写真を見る限り、何をもってそういう連想になるのか理解できない。「日本の軍国主義を象徴する旗の旭日旗は広がる太陽を形骸化したもの」だからというが、この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない。 そもそも、競技場は無観客であり、旭日旗で応援することは想定し難い。大韓体育会の面子を保つためとはいえ、意味のない問題提起をするものである』、「この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない」、やれやれだ。
・『福島産食材を問題視し国食材の弁当を支給  大韓体育会は、オリンピック選手村の食事に使われる福島県産などの食品を食べないよう、自国選手団を指導していることが判明した。放射性物質による汚染の危険があるという。自民党内からは「そこまでいちゃもんをつけるとは本当に不愉快だ」との声が出ている。 韓国は一昨年、「共に民主党」の議員らがオリンピックの競技会場を地図で示し、放射能の影響圏にあるとして放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている。 また、福島原発処理水の問題では「周辺国の安全と海洋環境の危険を招くだけでなく、日本に最も近い隣国である韓国との十分な協議も了解もなく行われた一方的な措置」だと非難し、IAEAや米国に懸念を伝えた。 しかし、IAEA、米国共に処理水の放出に理解を示し、また、韓国政府内の検討でも「処理水の影響はない」との結論が出ていたにもかかわらず、韓国政府がこれをあえて取り上げず、むしろその見解を否定したことも判明した。こうした韓国政府の対応は行き場がなくなり、むしろ感情的な対応になってきたようである。 今回大韓体育会はあらためて福島県産などの農水物を問題にした。しかし、それら農産物は放射性検査を経て、安全なものだけが出荷されており、大会組織委員会は、検査の数値を示して安全性を説明している。韓国側が求める韓国食材の選手村持ち込みを許可しなかったのは当然である。 ちなみに東日本大震災の直後、日中韓首脳会談出席のため訪日した李明博大統領は菅直人首相、温家宝首相(いずれも当時)と共に福島県を訪問、菅首相に続いて福島県産の農産物を試食した(筆者もこれに立ち会った)。大統領が事実を客観的に評価すれば問題はこじれないものである。今の韓国を見て大変残念な思いである。 大韓体育会は韓国産食材を持ち込めなかったことから、選手村の近くのホテルを借りて給食センターを設置し、韓国からキムチなど一部食材を持ち込んで弁当を用意し、選手村や選手らが調整を行う競技場や練習場に運ぶという。 韓国は過去のオリンピックでも栄養管理のためのセンターを設置していたが、今回は「放射性物質対策」も理由に掲げ、韓国から送った食材を使うという。農水省によると、韓国は福島を含む8県の水産物の禁輸を続けている。 今回のオリンピックは、日本にとっては「復興五輪」である。日本はコロナ下にもかかわらず、オリンピック関係者に精いっぱいのおもてなしをしようと最善を尽くす中、こうした行動は日本人の善意を傷つけるものであり、ますます韓国人嫌いを増やすことになりそうである』、「放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている」、いい加減にしてほしい。
・『韓国側は聖火リレー地図に表記された竹島の削除を要求  文化体育観光部と大韓体育会は東京オリンピックホームページ上の聖火リレー地図に竹島が表記されたのを削除するようにIOCに仲介を要請した。聖火リレーコースを紹介する地図には、島根県の上の方に虫眼鏡で探さなければわからないほど小さな点で竹島が表記されているが、これは日本の竹島領有権主張であり、是正を要求するというのである。 2018年の平昌オリンピックの時に韓国名独島(竹島)が表記された韓半島(朝鮮半島)旗の使用に対し日本政府が抗議し、IOCは「政治的事案をスポーツにつなげるのは不適切」だとして朝鮮半島旗に竹島を表記することを削除するよう勧告し、韓国側は「外交的紛争防止と五輪精神順守など」のために勧告を受け入れたことがある。 今回韓国側は「平昌での措置を今回も同一に適用すべき」で「大会組織委員会に竹島を削除すべきと勧告する」ように求めた。 しかし、今回の状況は平昌オリンピックの時とは明らかに異なる。 平昌オリンピックで使用した統一旗は開会式の入場行進に使うものであり、これを見るのは世界の人々だ。しかも、竹島が実体よりもはるかに拡大して表示されている。これでは竹島が韓国の領土だと世界の人々に宣伝する目的と受け止められても仕方がない。 一方、今回の地図は聖火リレーのコースを紹介するものであり、これを見る人の多くは日本人だろう。しかも竹島の大きさについても実体に即している。 こうした違いを踏まえてIOCは「どのような政治的意図もない」と韓国側に回答し、仲介の要求を拒否している。しかし、韓国側はいまだに地図からの竹島の削除を求めている。 ただ、この問題を巡っては韓国の一部政治家が大騒ぎしているものの、オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない。 韓国では竹島の問題は国民感情をたきつけるものであるが、地図上の竹島が虫眼鏡でなければわからないことから、あまり関心が高まらないのかもしれない』、「オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない」、国民が比較的冷静なのが救いだ。
・『文化体育観光部はホームページに「衰退する日本、先進国に格上げされた大韓民国」と掲載  文化体育観光部の国民疎通室は8日、「衰退する日本、先進国に格上げされた大韓民国」というタイトルの宣伝物をホームページに掲載した。これは培材大学日本学科のカン・チョルグ教授の寄稿文を要約したものである。 カン教授は「韓国はコロナの状況下でも飛躍的な経済成長を成し遂げたのに対し、日本はコロナ防疫失敗や景気低迷など国力低下状態が続き、韓日間貿易の相互重要性が次第に衰退していくことがうかがわれる」と主張した。 これに対し、韓国の一部ネットユーザーから「大韓民国の顔ともいえる国民疎通室で特定国家を蔑視し、嘲弄(ちょうろう)する表現が使われたニュースを制作して配布した行為は外交的欠礼に該当し、決して望ましくない」「むしろ大韓民国の品格が毀損(きそん)され、威信が地に落ちる恐れがある」と批判した。これを受け、同部では内容を修正したようである。 今回のオリンピックを巡る騒動は大韓体育会の監督官庁である文化体育観光部の姿勢と共通するものがあろう。日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である』、「日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である」、同感である。 
タグ:日韓関係 (その14)(韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述 批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声、韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由 元駐韓大使が解説) JBPRESS 李 正宣 「韓国政府SNSで「衰退する日本」の記述、批判受けてそっと削除 ネット上で「恥さらし」「首脳会談したいと言っていたのに」の声」 韓国世論が健全なのは救いだ 「国民疎通室」が学問的で中立的な「カン・チョルグ教授の寄稿文」を都合良く脚色したとは大いにあり得る話だ。 「政府の公式チャンネルに外国を卑下する広報物を掲載する行為は、その相手が日本であっても、多くの韓国国民の目には偏狭に映り、政府広報に対するバッシングが起きた」、極めて健全な反応なのに驚かされた。 「写真「編集」」というみっともないことをしておきながら、「文化体育観光部」の居直りは酷いものだ。 ダイヤモンド・オンライン 武藤正敏 「韓国が「オリンピック精神より反日活動」を重んじる理由、元駐韓大使が解説」を紹介しよう』 「オリンピック選手村の韓国選手団住居棟に、「反日の英雄」とされる李舜臣将軍の対日戦勝利を連想させる横断幕が貼り出された」、ここまで馬鹿なことをするとは、韓国政府もいい加減にしてほしいものだ。 日本は「韓国」をライバル視してないのに、「韓国」が一方的にライバル視しているのは困ったことだ。 「韓国側は横断幕の撤去」を自主的にではなく、「IOC関係者が・・・「横断幕の撤去を要請」」したためだったようだ。 「この韓国側の主張はあまりにも旭日旗のデザインを拡大解釈したものと言わざるを得ない」、やれやれだ。 「放射能オリンピックであると非難して以来、東京オリンピックに対しさまざまな言いがかりをつけてきている」、いい加減にしてほしい。 「オリンピックボイコットを求める青瓦台への国民請願の反響は大きくない」、国民が比較的冷静なのが救いだ。 「日本を批判し、韓国よりも下位に置きたい一部指導者の心情が出ているのではないか。韓国の一般市民の、日本を見る目の方がはるかに健全である」、同感である。
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ミャンマー(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) [外交]

ミャンマーについては、4月30日に取上げた。今日は、(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている)である。

先ずは、5月14日付けNewsweek日本版が日刊ベリタを転載した「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」を紹介しよう。ただし、出所を示す注記は省略
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96281.php
・『<対ミャンマーODAビジネスの「黒幕」が昨夜、ヤンゴンに飛んだ。ミャンマー国軍の司令官と会う予定だという。出国直後にジャーナリストの北角氏が解放されたのも偶然ではない可能性がある> クーデターの首謀者であるミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官と親密な関係にある、央日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった。独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)によると、渡邉氏は首都ネピドーで国軍司令官と会う予定という。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だが、同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。日本政府のいう「独自のパイプ」の一つと見られる渡邉氏は今回の会談で、混迷を深める同国情勢の中での日本との関係について協議するものとみられる。 目撃者によると、渡邉氏は同日午後11時、成田空港の全日空ヤンゴン直通便の出国カウンターで搭乗手続きをした。 渡邉会長とミャンマーとの関係については、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕的存在、自衛隊と国軍の将官級交流プログラム、国軍トップとの合弁事業を本サイトでで取り上げてきた。クーデター後、同氏は沈黙を続けてきたが、4月に発行された日本ミャンマー協会の会員向け協会情報誌「MYANMAR FOCUS」第35号では、国営メディアが発表したクーデター後の3月30日のミンアウンフライン国軍司令官の演説内容をそのまま掲載している。今回の訪問は、クーデター後はじめてとなる。 今回の訪問目的は明らかにされていないが、最近の同協会周辺では、いくつかの奇妙な出来事が観測されている』、「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。
・『前兆はあった?  第一に、協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除されたことである。これまで、同協会が政財界とのつながりを積極的にアピールしてきたことをふまえると、非常に不可解な行動であると言わざるを得ない。 第二に、渡邉会長が将官級交流などで協力関係が強い日本財団の笹川陽平会長が、13日のブログで「沈黙の外交」と題する一文を記していることである。笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた。ところがその選挙結果を不正として国軍がクーデターを起こしたため、同氏の対応が注目されたが、沈黙を守ってきた。このため、4月22日には在日ミャンマー人らが日本財団前で抗議デモを行っていた。 このブログで笹川氏は、「今回の事態が発生した2月1日以降も人命尊重に向け、懸命の説得工作を重ねた。にもかかわらず極めて残念な事態に発展したミャンマーの現状は、痛恨の極みであり、悶々とした日々を過ごしている」とだけしか記していない。 第三に、13日の渡邉氏の出国直後、ミャンマー国営テレビが、クーデターへの抗議デモなどを取材していて「虚偽のニュースを広めた」としてミャンマー当局に逮捕・起訴されていたフリージャーナリスト北角裕樹氏が解放されたという速報を流したことである。これまで日本の外務省とミャンマー当局の間で、水面下で北角氏の解放交渉が進められてきたが、このタイミングでの発表は、今回の渡邉氏のミャンマー訪問に対する国軍側のサインとしても読み取ることができる。国軍幹部らとの北角氏の解放の見返りとして、何らかの約束が取り交わされる可能性は否定できない。 国営テレビは解放の理由として、ミャンマーと日本との友好関係が考慮されたと伝えた。 北角氏解放の前日12日には、同じようにクーデターへの抗議デモを取材中に逮捕されたDVBの記者に禁固3年の実刑判決が言い渡されている。 一連の動きをふまえると、5月の連休明けに日本政府を含めたミャンマー関係者間で、ミャンマー情勢に関するシナリオが決定されたと見ても不思議ではないだろう。軍事クーデターに関する日本政府の対応は依然としてあいまいなままだが、日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる。このため、内外のミャンマー人は今後の協会と渡邉会長の動向に注目している』、「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ。

次に、その続報である6月4日付け日刊ベリタ「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」を紹介しよう。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202106041105215
・『「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」と、独立系メディア「ビルマ民主の声」(DVB)が5月29日報じた。会長の渡邉秀央氏は、ミンアウンフライン総司令官はじめ国軍との親密な関係で知られる。また息子で協会事務総長の渡邉祐介氏は、「日本は西側の体制変革政策に盲目的に同調するより、タッマドー(国軍)と米国その他の民主主義国の橋渡し役としての姿勢を示さなければならない」との見解を、The Diplomat誌に投稿した』、興味深そうだ。
・『モン州の経済特区予定地を視察か  渡邉会長は5月13日にミャンマーに向かい、DVBは首都ネピドーで国軍司令官と会う予定と報じた。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だったが、今回の続報で国軍トップであることが判明した。同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。
 DVBは周辺から得た情報として、渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談したと伝えている。会談の内容は明らかにされていないが、「秀央氏はミャンマーでティラワ経済特区プロジェクトの実現を支援した一人であり、クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問していた」と指摘、今回の訪問で「モン州内に計画されている経済特区予定地を数日以内に(視察に)行くと聞いている」という。 渡邉氏とミャンマーの関係については、以下のように紹介されている。 「民間団体である日本ミャンマー協会は、最高顧問に現在の副首相麻生太郎氏、日本政府の元官僚ら、そして日本の一流企業の執行役員らと結成された組織である。 日本政府の内閣一員であった元大臣秀央はミャンマー軍と長年の付き合いがあり、現在のクーデター軍リーダーと親子のような関係性をもっている。日本ミャンマー経済界においても名の知れ渡った人間でもある。 日本ミャンマー協会は1988年以降、ミャンマー軍人を日本の防衛大学で高度な軍教育を学ばせることをしてきた組織でもある」』、「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ。
・『「日本は西側諸国に与するな」と協会事務総長  DVBは、秀央氏のミャンマー訪問とおなじ時期に息子で協会事務総長の渡邉祐介氏がThe Diplomat誌の意見コーナーに寄せた文章も簡単に紹介した。 祐介氏の文章は「ミャンマーに関して日本は率先垂範しなければならない」と題され、欧米の対ミャンマー政策に与することなく、日本は国軍と米国などの民主主義国との橋渡し役を主張する。 氏は、「日本は数十年にわたる経済協力をテコに、いまやタッマドーと直接力を合わせて中国の地理経済的影響をくつがえすことができる」とし、さらにミャンマーへのロシアの影響力増加も警告する。また、「日本はミャンマー軍事政府を導いて、自由で開かれたインド・太平洋に貢献させる歴史的使命を達成しなければならず、たとえその行動が米国その他の民主主義的同盟国の行動と異なろうともたじろいではならない」とされる。 同誌特集ページに載ったこの記事は、ロイター通信も報じ、日本ミャンマー協会と渡邉会長のミャンマーとの関係についてくわしく説明されている。 日本ミャンマー協会は、渡邉祐介の父で政治家の渡邉秀央がミャンマーに日本の投資の波を呼び込むために支持者を結集した民間団体である。協会には元官僚や企業役員、日本の大企業が会員となっている。 元閣僚の渡邉秀央は長年、両国経済関係の東京の先鋒として、ミャンマーの巨大開発事業ティラワ経済特区を後押しし、ミンアウンフラインをふくむ国軍との緊密な関係を築き上げてきた。 ロイター電はクーデター後の日本政府の姿勢にも触れ、日本は主要な援助供与国としてミャンマーと長い結びつきがあるが、米英などの諸国と異なり、ミャンマー軍部にはっきりした制裁は科していないとしている。日本政府はミャンマーへの新規援助の交渉は停止したものの、現行の援助プロジェクトは停止していない。 ロイターは、ミャンマー国軍との急激な関係切断は中国の影響力のさらなる増強をまねく結果になるという、クーデター後の2月に日本政府高官がロイターに語った見解も紹介している』、「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ。
・『免許剥奪でも報道をつづける「ビルマ民主の声」  DVB(Democratic Voice of Burma)は非営利メディア団体で、軍事政権時代にノルウェーのオスロで登録し、活動の本拠地となっていたが、2011年以降の民主化の進展とともにミャンマー国内でも活動可能となった。今年2月1日の国軍クーデター後は、国民の民主化回復運動を積極的に伝えてきたが、軍(情報省)は3月8日付けでDVBの免許を剥奪、他の4メディアも免許剥奪された。現在、免許を剥奪されたメディア機関は8社に上り、80名以上の記者が不当に拘束・逮捕・訴訟されているが、各メディアは軍の監視の目をかいくぐり、拠点を移しながら報道をつづけている』、「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。

第三に、6月2日付けPRESIDENT Onlineが掲載した東京外国語大学教授の篠田 英朗氏による「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46504
・『ミャンマー国軍のクーデターを世界中が批判するなか、日本政府は正面からの批判を避け続けている。なぜなのか。東京外国語大学の篠田英朗教授は、ミャンマーの軍事政権に対するODA(政府開発援助)は日本が世界一多く、一度約5000億円の円借款債務を取り消したうえでさらに援助をしてきていると指摘。「過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる」という――』、事実上の債務免除までしたとは初めて知った。
・『情報封鎖のもとで続く市民への弾圧  ミャンマーの混乱は続いている。国軍が、インターネット回線の遮断を含めて市民の国外への情報発信を妨害しているため、以前ほどの情報は流れてこなくなった。それでもクーデターに反対する職場放棄などの不服従運動やデモはやんでいない。そして、国軍による拘留・拷問を含めた抑圧も続いている。 自由主義諸国による一連のミャンマー国軍非難の共同声明に対して、日本は参加を避け続けている。アメリカの同盟国で加わっていないのは、日本くらいだ。日本が参加したことがあるのは、各国の参謀長による共同声明くらいで、つまり防衛省管轄のときだ。つまり日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど。
・『自由主義諸国の協調に背を向ける外務省  なぜ日本の外務省は、唯一の同盟国・アメリカが「民主主義vs専制主義」の世界観で米中対立の時代を多国間主義で乗り切ろうとしている最中において、徹底して自由主義諸国の協調に背を向け、ミャンマー国軍に配慮し続けようとするのか。 「日本独自の外交を進める」といった抽象的な説明は、中身がなく、的を射ない。「国軍に忖度そんたくしないとミャンマーがいっそう中国寄りになる」といった話も流布させているが、自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない。 実質的な問題は、やはり政府開発援助(ODA)であろう。在日のミャンマーの人々や市民社会組織の方々は、国軍の利益につながっているODAの停止を求めている。だが外務省の反応は鈍い』、「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。
・『ODA打ち切りのインパクトは大きいが  巨額のODA案件の全てを打ち切る措置は、非常に大きなインパクトを、日本の企業などに与える。政府の役人のキャリアにも響くだろう。どうしても続けたい、と思う気持ちはわからないではない。だがただ祈り続けているだけでは、袋小路に陥っていくだけだ。 本稿では、あらためて日本のミャンマー向けODAの状況を概観するとともに、何を検討していくべきなのかについて、考察を加えることを試みてみたい』、興味深そうだ。
・『日本のミャンマー向けODAの概観  日本は、毎年1000億円以上のODAをミャンマーに提供し続けている。2019年の経済協力開発機構(OECD)のデータでいうと、日本の拠出金額は6億4690万ドルで、2位の世界銀行2億2080万ドル、3位のアメリカ1億4640万ドルに大きく差をつけて首位である(図表1。ただし統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている)。 ミャンマー向けODA拠出額上位10(2018~2019年度)出所=OECD資料を参考に筆者が作成 これだけを見ると、日本の外務省が国内メディアに説明していたように、日本のODA額は圧倒的であり、ミャンマー政府関係者に対する日本の影響力は他のドナーよりも大きいように見える(もっともODA額が大きくて影響力もあるため、日本は他のドナーよりもいっそう慎重に国軍に配慮をしなければならないという説明には説得力がないのだが)。 そこでもう少し日本のODAの内訳を見てみることにしよう。まず気づくのは、圧倒的な円借款の比率の高さである。2019年度を例にとれば、ODA総額の9割以上が円借款である(図表2、3)』、日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか。
・『実質5000億円の債務を取り消し  ミャンマーでまだ円借款の返還がなされていない事情を説明するためには、償還期限が来ていない、という技術論的な答えだけでは不十分である。償還期限が来ていないのは、それまで累積していた未返還の貸付金のうち1989億円を、新規貸し付けと抱き合わせで形式的に即時返還させたからである。さらに残りの債務についても、図表2にあるように、2012年には1149億円、2013年に1886億円分の債務の免除を行った。両者を合わせると、総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる。 1988年の国軍による苛烈な市民弾圧の後、ミャンマーは国際的に孤立した。しかし2010年代に入り、国軍は経済的苦境から逃れるため、民主化の兆しを見せることにした。ミャンマーに食い込みたい日本は、そこで回復する国際援助の潮流に乗るため、新規援助の障害となっていた累積債務を上記のスキームで解消させたのである。 国軍出身のテイン・セイン前大統領と、その後にミンアウンフライン国軍司令官と24回にわたって会談したという、日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長が暗躍していたとされるのは、そのときである(永井浩「利権がつなぐ日本とミャンマー『独自のパイプ』 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業」日刊ベリタ 2021年5月7日)』、「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。
・『大型事業の発注先は全て日本企業  日本の円借款が、日本企業のアジア進出の足掛かりとしての意味を持つものであったことは、よく知られている。ミャンマー向けの円借款も同じような意味を持たされている。公開されている10億円以上のミャンマー向けの大型案件の契約者は、全て日本企業である』、「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。
・『協会の公式サイトから役員一覧が消えた  なおこの点は前回の記事でもふれたのだが、その際に、私は、「日本ミャンマー協会の役員には、政・財・官界の大物がずらっと並ぶ。(中略)ODA契約企業リストにも登場する財閥系の企業名が目立つ」、と書いた(「日本政府が『ミャンマー軍の市民虐殺』に沈黙を続ける根本的理由」プレジデントオンライン2021年4月27日)。するとその後、日本ミャンマー協会のウェブサイトの役員一覧は空欄になってしまった。もっともちょうど同じときに、「Tansa」の渡辺周氏も記事で同一覧を取り上げていた。(「国軍所有地に年2億円支払い/日本政府系銀行「JBIC」の融資プロジェクト(1)」) 前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧 その後空欄になってしまった役員一覧その後空欄になってしまった役員一覧』、本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。
・『顕在化した投資リスクを認めたがらない人々  日本は、返済不能になったというので借金を取り消してあげた相手に、さらに追加的に巨額の借金を貸し出し続けているわけである。常識で考えれば、かなりリスクの高い行動だといわざるを得ない。他のドナーが日本のように貸付金中心の巨額のODAをミャンマーに投入していないのは、投資家の視点で、そのようにリスク計算しているからだともいる。 日本政府は、リスクを承知で、ミャンマーを「アジア最後のフロンティア」と見込んで大規模な円借款を投入し続けたはずであり、それは元大臣が会長を務める協会で政府とつながりながらODA事業に次々と参入した日本企業にとっても同じはずである。 こうした動きに関係した人々が、今年2月のクーデターによってリスクが顕在化したことを認めたくない心理を働かせ、ODAを停止せずに何とか危機が立ち去ってくれないか、と祈るような気持ちになるのも当然かもしれない。だがそれは、無責任な現実逃避以外の何ものでもない』、「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。
・『このまま円借款を続けていいのか  この機会に、これまでの日本のミャンマー向けODAのあり方について考え直して見るべきなのは、当然ではないかと思う。その際にポイントとなるのは、円借款の比率、連邦制に向けた少数民族地域向けの配慮。そしてもちろん国軍の蛮行を食い止めるための運用であろう。 第一に、円借款の比率が大きいことについては、すでに見た通りである。これがミャンマーの実情を見て適切だったかどうかは、大きな検討課題である。結果論でいえば、クーデター後の情勢において、円借款の形態がリスク対応には不都合な仕組みであることが日本外交の足かせになっている。 経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている。市民の不服従運動が拡大して経済活動が停滞し、銀行は引き出し制限をしている。食糧危機も訪れており、世界食糧計画(WFP)は、ミャンマー国内で数百万人が食糧不足に直面すると警告している。それにもかかわらず、必ず回収するといいながら延々と貸付金を流し続けることが、果たして本当に適切だろうか。 国軍報道官は、4月に当局が拘束したジャーナリストの北角祐樹氏を、『笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表の要請』で5月14日に解放した、と明言している。同時期、渡邊秀央会長がミンアウンフライン国軍司令官と極秘会談をしたとも報道された。その同じ5月14日、日本政府がヤンゴン市民への食糧援助を支援するため、WFPに400万ドルの寄付を行うと発表したことは、波紋を呼んだ。 市民への人道支援は良いことだが、「一回限り」「ヤンゴン向け」だけでは、直接ミャンマー当局にではなくWFPへの寄付とはいえ、国軍に配慮したように見えてしまう。日本政府は、国軍管轄下ではない地域のミャンマー市民も対象に含めた「緊急人道援助」を今後も継続的に行っていく道義的義務を負ったと考えるべきだろう』、「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、経済が理解できない「軍部」には危機感が薄いようだ。
・『「借金」の拡大を拒否していたアウンサンスーチー氏  さらに、800人以上の市民を虐殺し、4000人以上を不当に拘束し続けながら、悪いのは全てアウンサンスーチー氏だといった類いのうそを垂れ流している国軍が権力を握っている。この状況でなお、「ミンアウンフライン国軍司令官は、たとえ人殺しをしても日本への借金の返済だけは絶対に行う」と主張する準備のある人は、よほどのお人よしか、さもなくば単なるうそつきだろう。 もともと国家顧問としてのアウンサンスーチー氏は、「借金は嫌だ」という意思表明をし続けていた。NLD政権は、円借款以外の方法での援助を繰り返し要請していた。それに対して、国策として決定していることなので変更できない、とかたくなな態度をとり続けたのは、日本の側であった。 渡辺周氏は前出のTansaの記事の中で、アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った、と伝える。それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏(2012年の日本ミャンマー協会の発足時から副会長・理事長代行として運営に深く関与)は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論したという』、「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。
・『無責任を通り越して日本の国益に反する  このように民主化支援を名目にしながら、民主化の旗頭であったアウンサンスーチー氏の反対を押し切り、国軍との協議のうえで、巨額の債務の取り消しと引き続きの巨額の円借款を進めてきたのが、日本である。今、明白な民主化の破綻を目の前にして、「状況が変わったのはミャンマー側のせいだ。国軍が改心しないなら、市民が抵抗をやめればいいじゃないか」と言わんばかりの態度をとっているという印象を国際的に広めるのは、無責任を通り越して、日本の国益に反する。 とはいえ、今債務の帳消しをするわけにはいかない。人をだますことなど何とも思っていない国軍幹部にだまされ続けた後で、国軍の利益になる形で、ただ日本の納税者に全ての泥をかぶせて、また債務帳消しにするしかなくなったら、最悪である。 リスクを承知で民主化の後押しをする貸し付けをしたということ自体を責めるべきではないかもしれない。だがその言い訳は、今はもう通用しないのだ。 過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる。円借款であっても、リスクに迅速に対応する措置をとる政治判断の是非について真剣に検討すべきだ』、その通りだ。
・『連邦制と民主化の合体こそミャンマーが進むべき道  第二に、ミャンマーの真の民主化の定着を日本のODAが助けてきたのか、検証が必要だろう。 今回の騒乱の中で、昨年の選挙で当選した議員たちが国軍の迫害を逃れながらバーチャル空間に国民統一政府(NUG)を立ち上げた。そして本格的な連邦制を導入する新憲法の設置を目指すことを表明し、市民勢力や少数民族勢力から熱烈な歓迎を受けた。この流れの中で、数多くのビルマ人系の組織等から、ロヒンギャ迫害の際に沈黙していたことを悔いる声明などが相次いで出されたことも注目に値する。 ミャンマーの紛争の構造を考えれば、平和構築の道筋が、この方向性にあることは確かだ。NUGが掲げる連邦制のビジョンは、あらためて必要不可欠な平和構築の方向性を模索する決意表明であるといってよい。「連邦制」の目標が、「民主化」勢力によって掲げられていることの意味は大きい。「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない。
・『民主化勢力が描く正しい道筋を支援すべきだ  連邦制の考え方自体は建国時から存在していた。それが「ビルマ建国の父」として敬愛されたアウンサンの暗殺と、その後の国軍による権力掌握によって、立ち消えになってしまっただけなのだ。国軍支配下で、民主化が進んでいたはずの2010年代ですら、中央政府と少数民族勢力との間には不協和音が絶えなかった。NUGは、ミャンマーの未来にとって正しいビジョンを打ち出している。 日本のODAは、こうした正しい道筋を支援するものであるべきだ。ビルマ人が多数派の大都市を結ぶヤンゴン・マンダレー鉄道の建設、ヤンゴン都市圏浄水整備、日本企業が多数参加するヤンゴン郊外のティラワ経済特別区開発・関連インフラ整備などは「民主化と連邦制を合体させた平和構築」のビジョンから見れば、関連度が薄い。初等教育カリキュラム改善事業などについても、「国際的な援助の潮流に合わせて」「ミャンマー政府の主導で」行うことに邁進まいしんするあまり、少数民族地域の教育の底上げという課題を軽視するものになっていなかったかどうか、検証すべきだ』、冷徹な立場で「検証すべきだ」。
・『長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ  およそ「民主化支援」をうたうのであれば、クーデター後は国軍の利益になる行為を慎むのでなければ、一貫性がない。ただしそれが数千億円規模のODAの全面停止であるのかどうかは、影響をこうむる人々の数の多さを考えれば、悩ましいのは確かである。だが悩ましいからといって、「このことについてはなるべく表で議論しないようにする」、という態度をとるだけで「調整した」ことにするわけにはいかない。 悪いのが国軍である以上、欧米諸国が主導する「標的制裁」に参加し、国軍幹部および国軍系企業に対する狙いを定めた制裁を行うのが、正しい。現在、有志の国会議員が、日本として人権侵害を行った者に対して制裁を加えることを可能にする「日本版マグニツキー法」を制定しようとしている。実効性のある法律制定を目指すと同時に、ODAにも影響が及ぶことを、当然のこととして受け入れて準備をするべきだ。 国会議員らは、「外務省が最大の抵抗勢力」と公言している。「面倒な法律は作らないでほしい、少なくとも私が担当から外れた後にしてほしい」、という官僚機構の態度は、国益を危うくする。そうした怪しい態度のままでは、「ODAを続けるか全面中止か」「北風か太陽か」といった、袋小路が約束されている選択肢だけを迫られるので、逃げ回るしか手がなくなってしまう。 議論すべきは、ODAを全面中止にせずとも実施できる標的制裁の方法である。その研究こそが、長期的にはODAに携わる善良な人々を救っていく。 もちろん立法措置は、JICAの仕事でも、外務省の仕事でもない。不穏な抵抗勢力を排して長期的な国益の確保を見据えた政策を導入する責務を持つ政治家の仕事だ。政治的なリーダーシップが求められている』、「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
タグ:ミャンマー (その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) Newsweek日本版 日刊ベリタ 「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」 日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった 国軍司令官と会う予定 「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。 「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。 「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ 「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」 「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ 「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ 「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。 PRESIDENT ONLINE 篠田 英朗 「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」 事実上の債務免除までしたとは初めて知った。 日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど 「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。 日本のミャンマー向けODAの概観 日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか 「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。 「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。 本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。 「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。 「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、「軍部」には危機感が薄いようだ。 「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。 「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない 冷徹な立場で「検証すべきだ」 「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
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