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”右傾化”(その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!) [国内政治]

”右傾化”については、昨年4月14日に取上げた。今日は、(その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!)である。

先ずは、4月1日付けYahooニュースが掲載した作家/文筆家/評論家の古谷経衡氏による「「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20210401-00230370/
・『「日本会議」と神社本庁  著述家の菅野完氏の著書『日本会議の研究』(扶桑社)のベストセラーにより、一躍全国区となった草の根保守団体「日本会議」。同会は、日本各地に支部を持つ「日本最大規模」の保守団体で、関連組織に神道政治連盟国会議員懇談会(神政連)を持ち、自民党(安倍前首相や菅義偉現総理ら)を筆頭に保守系政治家や保守業界に多大な影響力を持つ、と「されて」きた。 その日本会議の主要構成メンバーである神社本庁(以下、本庁などと略)をめぐって、司法の裁きが下った。本庁の元職員をめぐる解雇問題で、元職員側が本庁による解雇は不当だとして本庁側を提訴。2021年3月18日、東京地裁は原告である元職員の訴えを全面的に認め、本庁側が完全敗訴したのだ。 報道によれば、本庁側は自身が被告となったこの裁判を、「今回の裁判は絶対に負けられない戦い」「(敗訴すれば)包括宗教団体としての組織維持ができなくなる。被告(*神社本庁のこと)は、伊勢神宮や皇室と密接な関係があって、いわば『日本の国体』の根幹を護っている最後の砦である。(中略)決して裁判所が日本の国体破壊につながることに手を貸す事態があってはならないと信じる次第である」(週刊文春2021年4月1日号、*括弧内筆者)と息巻いたが、結果は前述のとおり全面敗訴。 果たしてこの本庁による敗訴は、保守界隈に隠然たる影響力を持つと「されて」きた日本会議の勢力弱体化にもつながる分水嶺となるのだろうか』、「日本会議」は、森友学園の籠池氏がメンバーで、そのつながりで松井大阪府知事からも便宜を受けたようだったので、相当、大きな組織だと思っていた。
・『神社本庁の「国体の破壊につながる」はよくある抗弁  そもそも、日本会議の主要メンバーとはいえ、神社本庁が今回の裁判を「絶対に負けられない戦い」とか「(敗訴は)日本の国体破壊につながる」などと些か極端とも思える抗戦姿勢を宣言したのはなぜなのか。 筆者はこの問題に詳しい、雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大(おがわ かんだい)氏に話を聞くことにした。 小川)神社本庁に関わらず、この手の伝統宗教勢力が「国体の破壊」などと言って大仰な抗戦姿勢を宣言することはよくあることです。原告である元職員と被告である本庁に対して、裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更したようです。今回、本庁は完全敗訴したものの、結局は控訴するのではないか。 なぜなら控訴することによって控訴審に行き、そこでまた負けても上告審の可能性がある訳です。本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある。すると、本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好でしょう。「国体の破壊」というフレーズは、いわば”格好を付けている”様なものではないでしょうか。 なるほど、敗訴=国体の破壊とまで述べた本庁の抗戦姿勢は、特段珍しい抗戦姿勢では無いようである。本庁側が控訴するかどうかは定かではないが、今後の被告側(本庁)の動きには注目すべき点がありそうである』、「裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更」、「本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある・・・本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好」、勇ましいポーズをとってはいるが、実情は驚くべき無責任体制だ。
・『「日本会議」の政治的影響力は思う程、強力ではない~ネット全盛時代に封書・FAXの古典姿勢~    
では一方で、今回の本庁側の完全敗訴は日本会議の影響力にどのような変化をもたらすのであろうか。結論から言って、そもそも日本会議自体には、保守業界に対し、巷間言われているような強大な影響力というモノ自体が最初から存在していない―、と筆者は思料するのである。 冒頭で述べた菅野氏の『日本会議の研究』によって日本会議が第二次安倍内閣や自民党の保守系議員の黒幕になっている―、という説は実しやかに唱えられてきたのは事実である。しかし、筆者は永年保守業界にその居を構え、いまや保守業界と合体した所謂ネット右翼の動静をつぶさに観察してきたが、日本会議の影響力はまったく大きくない、というのが正直な実感である。よって『日本会議の研究』で描かれた日本会議像は、よく調べられているとはいえ、かなり日本会議の存在を極大化して捉えているきらいがある、と思うのである。 2009年に政権党が自民党(麻生内閣)から民主党(鳩山内閣)に交代し、菅直人内閣、野田佳彦内閣を経て2012年末に第二次安倍内閣率いる自公連立政権が再び政権党に返り咲く約4年弱、保守業界(論壇)はネット右翼勢力と一体となり、共通の敵―、つまり「アンチ民主党政権」のスローガンのもとで、あらゆる中小の団体や言論人やネット右翼勢力が横断的に連携して共同戦線を張った。巨視的にみればこの時こそ、保守業界や右派、ネット右翼にとって正しく「黄金時代」が訪れたのである。 この間、自民党はネット戦略に力を入れ、J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)が本格的に始動し、野党となった自民党を支えた機軸のひとつは間違いなくネット空間であった。この動きをけん引したのが、独自の政治団体をも保有するCS放送局『日本文化チャンネル桜』や、保守論壇誌である月刊『正論』(産経新聞社)、『WiLL』(WAC,その後、月刊”HANADA=飛鳥新社”に分裂)、『Voice』(PHP)などの保守系論壇媒体である。 特に日本文化チャンネル桜は2010年代中盤に『DHCチャンネル(株式会社DHCが運営するCS放送局)』にその権勢を譲るまで、この時期にあって保守論壇やネット右翼にインターネット動画という「新媒体」を通じて圧倒的な影響力を持った。 この時、日本会議の位置づけはどうであったのかというと、多くの保守論壇関係者やネット右翼は神社本庁を主軸メンバーとする日本会議を「近代化の遅れた旧い組織」と見做していた。時代は光ファイバーが各家庭に普及し、高速インターネットの爆発的普及によりテキストから「動画の時代」へと完全に移り変わっていった。数々の刑事事件を起こすことになる『在日特権を許さない市民の会(略称:在特会)』がネット動画や配信といった”新技術”を駆使して、加速度的に会員数を増やしていったのもこの時期である。 一方日本会議はというと、神社本庁を筆頭とする中小の所謂「宗教右派」の集合体であるとみなされ、草の根的全国組織を有するものの、その会員間の通信手段は21世紀が10年を過ぎた当時でも相変わらず、機関誌や封書、或いはFAXといった旧態依然としたツールしか持ちえず、保守界隈の多くやネット右翼からは「時代(インターネットという新ツール)に対応できない近代化の遅れた旧い組織」としてあまり見向きもされなかったのが、率直な観察であった。 当時、こういった保守業界の中枢に近いところに居た筆者は、「インターネットすら活用できない日本会議なぞ、所詮は高齢者の互助会であり、同業ではあるものの、ライバルになることなどあり得ない」とやや嘲笑気味に評価する保守業界の重鎮の言葉を恒常的に耳にしていた。 ただし、例えば前述『日本文化チャンネル桜』の中に、日本会議の影響がゼロだったのかと言えばそうではない。 冒頭に記した菅野氏の『日本会議の研究』に詳述されているが、宗教法人『生長の家』の事実上の始祖である谷口雅春(たにぐち まさはる)氏を熱心に信奉する一派(これを、”旧生長の家系統”とか、”谷口派”などと呼ぶ)が、同局のコーナー番組に出演していたりと、わずかながらに影響力を行使していた。 しかし2010年の段階で以て、かれらの量数は全国を俯瞰しても数千人という規模で、その中でもとりわけ目立った存在でも小都市の地方自治体議員(*地方議員が国会議員より下位である、と言っている訳ではない)クラスが関の山で、保守業界やネット右翼に多大な影響力を持っていたとは判決できない』、なるほど。
・『「日本会議」の影響力は10万~15万の小所帯~思うほどその影響力は小さい~  2013年に筆者が独自に調査したところ、保守業界と融合したネット右翼人口は日本全国で200万人を有するという結論に達した。この数字は、2020年の「愛知県知事リコール問題」の分析に際してのヤフーニュース個人の拙稿『リコール不正署名問題―立証された「ネット右翼2%説」』でも数次にわたって裏打ちされた数字であるが、日本会議の勢力のそれは一体どのくらいあるのか。 大前提的に、日本会議の構成メンバーは「約4万人程度」とされ、しかもこの「ネット右翼200万人」と部分的に重複する場合はあるが、完全に内包されている訳ではない。繰り返し述べているように、日本会議は神社本庁を筆頭とする「宗教右派」の集積体の性格を持つが、そのほとんどが著しく高齢化しており、比較的若い(と言っても、40代から60代)が主軸のネット右翼よりさらに年齢層的には上を行くと思われるので、200万人のネット右翼と日本会議の勢力は、完全に一致している訳ではない。 例えば、日本会議は2013年参議院全国比例で有村治子候補(自民)を推薦候補とし、2016年参議院全国比例では山谷えり子候補(自民)を推薦候補とした。この両者の得票をみてみる。 まず日本会議が推薦候補とした有村候補の2013年参院全国比例の諸候補の得票は次の通り。 全国比例の得票に於いて、有村候補(自民)は約191,000票を獲得して当選しているが、保守業界やネット右翼業界では著名な赤池候補(自民)、佐藤候補(自民)、中山候補(維新)はそれを遥かに上回る得票を得て当選している。端的に言えば、会員数約4万人に過ぎない日本会議の全ての会員が知人や友人を「勧誘」して投票行為を喚起しても、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、191,000対841,000で、その対比は1:4.4程度となる。 次に、2016年参院選挙全国比例の状況を見てみる。 この年の参議院選挙で日本会議は山谷えり子候補に推薦を出したが、山谷候補は約250,000票を獲得して当選するも、やはり保守業界やネット右翼業界では著名な青山候補(自民)、片山候補(自民)、宇都候補(自民)、山田候補(自民)に対比させれば、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、250,000対1,163,000で、その対比は2013年と同じように1:4.7程度となる。 要するに、日本会議は会員数4万人の小所帯ながら、頑張ってはいるものの非日本会議推薦候補に1/5程度劣後するのである。 当然、2013年の有村、2016年の山谷候補の得票は100%日本会議会員が投票したものでは無いので、このデータに含んでいない当時の「次世代の党=日本のこころ」を加味すると、この彼我格差は実質的にはさらに拡大しよう。そうすると、日本会議の「チカラ」というのは、おおよそ好意的に評価しても約10万~15万とみてよい。そもそも「4万人」しか居ない日本会議の国政選挙における影響力とは、この程度のものなのである。 よって筆者は、そもそも日本会議のチカラというのは、小なりと言え存在するが、保守界隈やネット右翼にそこまで強烈に訴求する量的勢力を確保していない、と判断する。 ではなぜ、第二次安倍政権や菅政権の閣僚の多くが日本会議の関連団体である「神政連」に参画しているかというと、衆院小選挙区・衆院比例ブロックや参院比例で、1000票、2000票の僅差で当落の明暗が分かれる状況も珍しくない中、1000票単位での政治力を持つ日本会議の「神政連」に参加しているのは小なりともメリットしかないからである。 それを言えば、「日韓議員連盟」には与野党問わず膨大な国会議員が参画しているが、そのメンバーに於いて必ずしも韓国に対し融和的な思想を持ちえない議員までも含まれているのが証左である。 日韓議員連盟には安倍前首相や麻生太郎氏も所属している事実がある。小選挙区や比例代表にあっては、たとえそれが1,000票足らずの加算であっても、とりあえず所属しておく価値を見出すのが当然である。日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない。そもそも、日本会議には政治に影響を与えるだけの強大な力などはなから存在していないのだ』、「日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない」、票のためには「神政連」に「こぞって参画している」、とはいかにも「政治家」らしい。
・『苦悩する全国各地の神社経営者たち  前出の小川氏は、今次神社本庁における全面敗訴判決と日本会議の影響の衰微如何について、次のように語った。 小川)今次の一審における神社本庁の全面敗訴について、日本会議全体にダメージ、衰微があるのかないのかと問われれば、正直なところ元来あまり関係が無いというところです。そもそも日本会議の枢機たる神社本庁が一審で敗訴したからと言って、神社本庁に所属する日本各地の神社の神主さんが、「日本の国体が損壊された」といって立ち上がって行動するという事はまずありえないでしょう。 現在、日本各地にある本庁に所属する神社は、そんな世俗の民事裁判の行方など正直言ってどうでもよく、自身の神社の経営で精いっぱいで、本庁の動向にかまっている余裕はないのです。お祭りをどうするか。檀家へのケア・サービスをどうするか。 各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない。特に昨年(2020年)から発生したコロナ禍で、神社への参拝客が減って、それに伴い当然のことお賽銭も激減する中、もっぱら自己防衛に終始しており、本庁が民事裁判で負けただの、或いは勝っただのという事案に関しては正直無関心で、構っている余裕すらないのでははないでしょうか。 小川氏の言う通り、日本会議の構成メンバーの筆頭に挙げられる神社本庁の政治力とは、辛辣に言えば所詮この程度にしか過ぎない。『日本会議の研究』により、日本会議や神社本庁が「政権を牛耳る秘密結社」のように吹聴されたが、はてさてその実態とは、経済不況で苦心する等身大の神主の声に他ならないのであった。 よって日本会議は今次の判決如何に関わらず、緩やかに衰微していく時代の趨勢に飲み込まれていくのであろう。神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない。(了)』、「各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない」、「神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない」、その通りなのだろう。

次に、4月24日付け日刊ゲンダイが掲載した作家の適菜収氏による「卑劣、無責任、盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288356
・『自称国際政治学者の三浦瑠麗が、大阪で3度目の緊急事態宣言が出されることについて「政治家としては、責任を逃れるためにやれるだけのことは全部やりましたよといったアリバイづくりが必要になってくるわけです」などと放言していた(4月20日)。 新型コロナウイルスについてこれまで散々デタラメな発言を垂れ流してきたのだから、人のことより自分の「アリバイづくり」に精を出したらどうか? 2020年5月14日には〈一刻も早く「通常運転」に復帰すべきであるにも関わらず、ダラダラと緊急事態宣言解除の判断を先延ばしにし、自粛の雰囲気を持続させて経済・社会を窒息させている〉〈本当は、コロナ自体は当初思ったよりも大きな脅威ではありませんでしたと宣言すべき〉などとツイート。意味不明。新型コロナは当初思っていたより大きな脅威だったから、対応が後手後手に回り、医療崩壊を招いたのである』、確かに「新型コロナウイルスについて」のこれまでの発言は、「デタラメ」だ。
・『全世帯に布マスク配布という安倍晋三と周辺一味による世紀の愚策を三浦は〈ありがたい〉と全力で礼賛。問題になっていた布マスク配布をめぐる不透明なカネの動きには一切触れず論点をずらすわけだ。 三浦は竹中平蔵らによる安倍の諮問機関「未来投資会議」入りし、その方針によるGoToキャンペーン強行を支持。 残念なことだが、世の中には悪党としか呼べない人間が存在する。三浦はとりかえしがつかない状況になった後にまったく逆のことを言い出した。 2021年1月5日には「第1波、第2波が収まってから、(国は)ほとんど医療体制の拡充を頑張ってきていない」「(療養するための)ホテルを借り上げていたものを元に戻してしまったりしている」「高をくくっていたんじゃないか」と発言。高をくくっていたのはどこのどいつなのか? 卑劣、無責任、盗っ人猛々しいとしか言いようがない。 TBSキャスターの金平茂紀は、シリアで誘拐されたジャーナリストの安田純平についてデマを流した三浦に対し、「三浦瑠麗氏が政治学者として食っていけるのが問題」「三浦瑠麗って人、テレビがよく使うらしいのですけども、政治学者のくせに、(発言が)全然事実に基づいていない」と批判していた。事実に基づかない話を垂れ流す人間のことを、一般にデマゴーグと言う』、「アベノマスク」を「〈ありがたい〉と全力で礼賛」、「未来投資会議」では、「GoToキャンペーン強行を支持」、こんないい加減な人物をもてはやすマスコミも問題だ。

第三に、昨年9/月25日付け日経ビジネスオンラインが掲載したコラムニストの小田嶋 隆氏による「出羽守に叱られろ!」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00087/
・『最初にネタをひとつ。 《TLがデワノカミ批判だらけなので、ライバルの神仏を告知しておきます。 1.出羽守(デワノカミ):「欧米では」を連発する外国かぶれ 2.奈良の大仏(ナラノダイブツ):「日本人なら」を連発する国粋主義者 3.救世観音(クセカンノン):「◯◯人のくせに」を連発する差別主義者》 これは、2018年の8月にツイッター上に投下した書き込みなのだが、こんな未消化なネタをわざわざ公開したのは、私自身が、この数年、いわゆる「出羽守」を嫌う日本人が増えたことをとみに実感しているからだ。 念のために「出羽守」についてざっと解説しておく。 「出羽守」は「でわのかみ」と読む。意味は、weblio辞書では 《-略- 海外(特に欧米)の習慣や事柄を引き合いにして、日本のことを貶すような言動を取りがちな人のこと。 -略-》 と説明されている。 「欧米では」「アメリカでは」「フィンランドでは」という、外国かぶれの面々が多用する「◯◯では」の部分の音を「デワの神」の言葉としてとらえた語呂合わせの造語である。 ちなみに「ウィキペディア(Wikipedia)」による「出羽守」の解説は、伝統的な解釈(←単なる「外国かぶれ」)から一歩踏み込んで、近年のネット保守用語としての「出羽守」のニュアンスを踏まえた内容になっている。 冒頭に「出羽守」の解説を持ってきたのは、この2日ほどの間に、またぞろネット民の出羽守攻撃欲求を喚起するニュースがいくつか届けられたからだ。 ひとつは、米TIME誌が選出する毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」に、日本から女子テニスの大坂なおみ選手と、実名を公表して性暴力被害と闘っているジャーナリストの伊藤詩織さんが選ばれたニュースだ。 暗い話題ばかりが続く中で、若い日本人女性の活躍が、海外の有力メディアによって評価されたことを伝えるこの記事は、率直に祝福して良いできごとだと思う。 ところが、わが国でのこの報道へのリアクションは、祝福一色ではない。 というよりも、ネット内で明らかにされている声を観察する限りでは、世間の反応は「賛否両論」に分断されている。あるいは、より実態に即した言い方をするなら「炎上」という言葉を使った方がふさわしいのかもしれない。それほど彼女たちの選出を喜ばない声が大量に投稿されている。 最もわかりやすい例は、選出を伝えるYahoo!ニュースの記事に付属しているコメント欄の書き込み群だろう。 ご覧のとおり、冒頭に並んでいるオーサー(Yahoo!ニュースの個人コーナーに寄稿している著者)によるいくつかの祝福のコメントに続く書き込みを読み進めると、非難や失望のコメントが何千という単位で流れていく』、「大坂なおみ選手」と「伊藤詩織さんが選ばれたニュース」を「喜ばない声が大量に投稿されている」、ネット右翼からみたら「非難や失望」は当然だろう。
・『無論、このYahoo!ニュースのコメント欄が、現時点でのわが国におけるニュートラルな世論を代表しているのかというと、そんなことはない。それどころか、「ヤフコメ」(Yahoo!ニュースのコメント欄の略称)は、「ネトウヨの巣窟」「排外主義的なネット保守論客の牙城」と見なされることの多いコンテンツだったりする。この半年ほど、Yahoo!ニュースの編集部が、ある程度の対策をとったことで少しずつ正常化しつつあるとはいえ、現状でも、多かれ少なかれ偏向していることは否定しがたい。 とはいえ、偏向した言論スペース内での限定的なリアクションではあっても、現実に否定的なコメントが何千件も寄せられている現状は、軽く見て良いことではない。 われわれは、この種のコメントが吹き溜まるニュースサイトが日本一のページビューを記録する社会で暮らしている。ヤフコメに寄せられる跳ね上がりの声は、現時点での平均的な世論ではないにせよ、うっかりすると近未来における最大の世論になるのかもしれない。私はわりと本気で心配している。 コメント群をざっと眺めてみて印象的なのは、否定的なコメントを発している人々のほとんどが、そもそもTIME誌の権威(あるいはTIME誌編集部の見識)自体に信頼を置いていない点だ。 このことに関連して、海外メディアからの評価に一喜一憂する日本人の態度を嘲笑するコメントも散見される。 個人的に、21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している。 振り返ってみるに、安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間だった。 低下の一途をたどっているのは、国内総生産(GDP)や実質賃金をはじめとする主要な経済指標だけではない。 スイスのビジネススクールIMDが公表している「2020年版世界競争力ランキング」では、過去最低の34位になっている。 このほか「報道の自由度ランキング」(180カ国・地域で66位)、「男女平等指数」(過去最低の121位)、「教育への公的支出ランキング」(38カ国中37位) などでも明らかな低迷を記録している』、「21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している」、「安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間」、ますます内向きになってきたようだ。
・『つまり、われわれは、連敗街道を歩んでいる。そういう次第なのである。 不思議なのは、バブル崩壊以降のいわゆる「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見えることだ。 これは、たしかなエビデンスがあって言っていることではない。私個人の「所感」ないしは「印象」を語っているにすぎない。 もちろん、違う感慨を持っている人もあることだろう。そこのところは認めても良い。 とはいえ、実際のところ、私の目に、令和の時代を生きているわれら21世紀の日本人が、1980年代~90年頃までの黄金期(「ジャパン・アズ・NO.1」なんて言われていたりしましたね)の日本人に比べて、より誇り高く自信にあふれているように見えているのだから仕方がない。 これ(つまり、われら令和の日本人が自国と自国民を高く評価し、前世紀に比べてより強い愛国心を持っているように見えること)は、良いことなのだろうか。 答えは簡単には出ないだろう。 「状況はどうあれ祖国に誇りを持つ方が良いに決まっている」と考える人もいるだろうし、逆に「いや、闇雲に自信を抱くより、自国の危機的な状況を正確に認識することの方が大切だ」という方向で考える人もあるはずだ。 ここでは、どちらが正しい解答であるのかについて、結論は出さずにおく。 その上で、私個人の印象を述べるなら、21世紀の日本人が、出羽守を一方的に嫌う方向に変化しつつあるのは、良くない傾向だと思っている。 高度成長とバブル景気で一時的にせよ世界経済の頂点に立った時代の日本人は、むしろ謙虚だった。 「ジャパン・アズ・NO.1」という海外からの声を、当時の日本人はあまり本気にしていなかった。 まだまだ諸外国に学ぶべきことがたくさんある、と、われわれはそういうふうに思い込んでいた。 あるいは「諸外国に学べ」というのは、昭和の日本人に特有な強迫観念の類で、その昭和の思い込みが、出羽守の跳梁跋扈を許していたということなのかもしれない。 しかし、とにもかくにも、その日本中に出羽守があふれていて、多くの日本人が出羽守のご託宣に唯々諾々と従っていたあの時代、うちの国は、前代未聞の成長を続けていたのである。 もっとも、コトの因果は、実のところ、はっきりしていない。 バブルに浮かれた日本人が過信に陥った結果、成長が止まってしまったということなのか、逆に、国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついているものなのか、いずれが真相であるのかは誰にもわからない。 TIME誌の「100人」のニュースが配信された同じ日、「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社の教科書を採択する学校の減少傾向を伝える記事が、いくつかの新聞に掲載された。 このニュースを受けて、産経新聞は 《教科書採択 自虐史観の復活が心配だ》というオピニオン記事を配信している。 「自虐史観」の対義語は、「自尊史観」だろうか。 国民一人ひとりが自尊感情を抱くことの是非はともかくとして、歴史的事実から目をそむけることがあってはならない。 出羽守の言葉は、時に耳に痛いものだし、こちらの自尊心を毀損することもある。 しかし、出羽守は、戦後の日本の復興を背後から支えた功労者でもあると私は思っている。 私たちはもう一度出羽守に叱られるべきなのではあるまいか』、「「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見える」、なるほど。「国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついている」、私にはこの解釈の方がピッタリくる。
タグ:yahooニュース 日刊ゲンダイ 日経ビジネスオンライン 適菜収 古谷経衡 ”右傾化” 小田嶋 隆 (その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!) 「「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~」 「日本会議」は、森友学園の籠池氏がメンバーで、そのつながりで松井大阪府知事からも便宜を受けたようだったので、相当、大きな組織だと思っていた。 「裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更」、「本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある・・・本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好」、勇ましいポーズをとってはいるが、実情は驚くべき無責任体制だ。 「日本会議」の影響力は10万~15万の小所帯~思うほどその影響力は小さい 「日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない」、票のためには「神政連」に「こぞって参画している」、とはいかにも「政治家」らしい 「各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない」、「神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない」、その通りなのだろう。 「卑劣、無責任、盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ」 確かに「新型コロナウイルスについて」のこれまでの発言は、「デタラメ」だ。 「アベノマスク」を「〈ありがたい〉と全力で礼賛」、「未来投資会議」では、「GoToキャンペーン強行を支持」、こんないい加減な人物をもてはやすマスコミも問題だ。 「出羽守に叱られろ!」 「大坂なおみ選手」と「伊藤詩織さんが選ばれたニュース」を「喜ばない声が大量に投稿されている」、ネット右翼からみたら「非難や失望」は当然だろう。 「21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している」、「安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間」、ますます内向きになってきたようだ。 「「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見える」、なるほど 「国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついている」、私にはこの解釈の方がピッタリくる。
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ミャンマー(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) [外交]

ミャンマーについては、4月30日に取上げた。今日は、(その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている)である。

先ずは、5月14日付けNewsweek日本版が日刊ベリタを転載した「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」を紹介しよう。ただし、出所を示す注記は省略
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96281.php
・『<対ミャンマーODAビジネスの「黒幕」が昨夜、ヤンゴンに飛んだ。ミャンマー国軍の司令官と会う予定だという。出国直後にジャーナリストの北角氏が解放されたのも偶然ではない可能性がある> クーデターの首謀者であるミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官と親密な関係にある、央日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった。独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)によると、渡邉氏は首都ネピドーで国軍司令官と会う予定という。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だが、同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。日本政府のいう「独自のパイプ」の一つと見られる渡邉氏は今回の会談で、混迷を深める同国情勢の中での日本との関係について協議するものとみられる。 目撃者によると、渡邉氏は同日午後11時、成田空港の全日空ヤンゴン直通便の出国カウンターで搭乗手続きをした。 渡邉会長とミャンマーとの関係については、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕的存在、自衛隊と国軍の将官級交流プログラム、国軍トップとの合弁事業を本サイトでで取り上げてきた。クーデター後、同氏は沈黙を続けてきたが、4月に発行された日本ミャンマー協会の会員向け協会情報誌「MYANMAR FOCUS」第35号では、国営メディアが発表したクーデター後の3月30日のミンアウンフライン国軍司令官の演説内容をそのまま掲載している。今回の訪問は、クーデター後はじめてとなる。 今回の訪問目的は明らかにされていないが、最近の同協会周辺では、いくつかの奇妙な出来事が観測されている』、「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。
・『前兆はあった?  第一に、協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除されたことである。これまで、同協会が政財界とのつながりを積極的にアピールしてきたことをふまえると、非常に不可解な行動であると言わざるを得ない。 第二に、渡邉会長が将官級交流などで協力関係が強い日本財団の笹川陽平会長が、13日のブログで「沈黙の外交」と題する一文を記していることである。笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた。ところがその選挙結果を不正として国軍がクーデターを起こしたため、同氏の対応が注目されたが、沈黙を守ってきた。このため、4月22日には在日ミャンマー人らが日本財団前で抗議デモを行っていた。 このブログで笹川氏は、「今回の事態が発生した2月1日以降も人命尊重に向け、懸命の説得工作を重ねた。にもかかわらず極めて残念な事態に発展したミャンマーの現状は、痛恨の極みであり、悶々とした日々を過ごしている」とだけしか記していない。 第三に、13日の渡邉氏の出国直後、ミャンマー国営テレビが、クーデターへの抗議デモなどを取材していて「虚偽のニュースを広めた」としてミャンマー当局に逮捕・起訴されていたフリージャーナリスト北角裕樹氏が解放されたという速報を流したことである。これまで日本の外務省とミャンマー当局の間で、水面下で北角氏の解放交渉が進められてきたが、このタイミングでの発表は、今回の渡邉氏のミャンマー訪問に対する国軍側のサインとしても読み取ることができる。国軍幹部らとの北角氏の解放の見返りとして、何らかの約束が取り交わされる可能性は否定できない。 国営テレビは解放の理由として、ミャンマーと日本との友好関係が考慮されたと伝えた。 北角氏解放の前日12日には、同じようにクーデターへの抗議デモを取材中に逮捕されたDVBの記者に禁固3年の実刑判決が言い渡されている。 一連の動きをふまえると、5月の連休明けに日本政府を含めたミャンマー関係者間で、ミャンマー情勢に関するシナリオが決定されたと見ても不思議ではないだろう。軍事クーデターに関する日本政府の対応は依然としてあいまいなままだが、日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる。このため、内外のミャンマー人は今後の協会と渡邉会長の動向に注目している』、「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ。

次に、その続報である6月4日付け日刊ベリタ「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」を紹介しよう。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202106041105215
・『「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」と、独立系メディア「ビルマ民主の声」(DVB)が5月29日報じた。会長の渡邉秀央氏は、ミンアウンフライン総司令官はじめ国軍との親密な関係で知られる。また息子で協会事務総長の渡邉祐介氏は、「日本は西側の体制変革政策に盲目的に同調するより、タッマドー(国軍)と米国その他の民主主義国の橋渡し役としての姿勢を示さなければならない」との見解を、The Diplomat誌に投稿した』、興味深そうだ。
・『モン州の経済特区予定地を視察か  渡邉会長は5月13日にミャンマーに向かい、DVBは首都ネピドーで国軍司令官と会う予定と報じた。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だったが、今回の続報で国軍トップであることが判明した。同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。
 DVBは周辺から得た情報として、渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談したと伝えている。会談の内容は明らかにされていないが、「秀央氏はミャンマーでティラワ経済特区プロジェクトの実現を支援した一人であり、クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問していた」と指摘、今回の訪問で「モン州内に計画されている経済特区予定地を数日以内に(視察に)行くと聞いている」という。 渡邉氏とミャンマーの関係については、以下のように紹介されている。 「民間団体である日本ミャンマー協会は、最高顧問に現在の副首相麻生太郎氏、日本政府の元官僚ら、そして日本の一流企業の執行役員らと結成された組織である。 日本政府の内閣一員であった元大臣秀央はミャンマー軍と長年の付き合いがあり、現在のクーデター軍リーダーと親子のような関係性をもっている。日本ミャンマー経済界においても名の知れ渡った人間でもある。 日本ミャンマー協会は1988年以降、ミャンマー軍人を日本の防衛大学で高度な軍教育を学ばせることをしてきた組織でもある」』、「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ。
・『「日本は西側諸国に与するな」と協会事務総長  DVBは、秀央氏のミャンマー訪問とおなじ時期に息子で協会事務総長の渡邉祐介氏がThe Diplomat誌の意見コーナーに寄せた文章も簡単に紹介した。 祐介氏の文章は「ミャンマーに関して日本は率先垂範しなければならない」と題され、欧米の対ミャンマー政策に与することなく、日本は国軍と米国などの民主主義国との橋渡し役を主張する。 氏は、「日本は数十年にわたる経済協力をテコに、いまやタッマドーと直接力を合わせて中国の地理経済的影響をくつがえすことができる」とし、さらにミャンマーへのロシアの影響力増加も警告する。また、「日本はミャンマー軍事政府を導いて、自由で開かれたインド・太平洋に貢献させる歴史的使命を達成しなければならず、たとえその行動が米国その他の民主主義的同盟国の行動と異なろうともたじろいではならない」とされる。 同誌特集ページに載ったこの記事は、ロイター通信も報じ、日本ミャンマー協会と渡邉会長のミャンマーとの関係についてくわしく説明されている。 日本ミャンマー協会は、渡邉祐介の父で政治家の渡邉秀央がミャンマーに日本の投資の波を呼び込むために支持者を結集した民間団体である。協会には元官僚や企業役員、日本の大企業が会員となっている。 元閣僚の渡邉秀央は長年、両国経済関係の東京の先鋒として、ミャンマーの巨大開発事業ティラワ経済特区を後押しし、ミンアウンフラインをふくむ国軍との緊密な関係を築き上げてきた。 ロイター電はクーデター後の日本政府の姿勢にも触れ、日本は主要な援助供与国としてミャンマーと長い結びつきがあるが、米英などの諸国と異なり、ミャンマー軍部にはっきりした制裁は科していないとしている。日本政府はミャンマーへの新規援助の交渉は停止したものの、現行の援助プロジェクトは停止していない。 ロイターは、ミャンマー国軍との急激な関係切断は中国の影響力のさらなる増強をまねく結果になるという、クーデター後の2月に日本政府高官がロイターに語った見解も紹介している』、「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ。
・『免許剥奪でも報道をつづける「ビルマ民主の声」  DVB(Democratic Voice of Burma)は非営利メディア団体で、軍事政権時代にノルウェーのオスロで登録し、活動の本拠地となっていたが、2011年以降の民主化の進展とともにミャンマー国内でも活動可能となった。今年2月1日の国軍クーデター後は、国民の民主化回復運動を積極的に伝えてきたが、軍(情報省)は3月8日付けでDVBの免許を剥奪、他の4メディアも免許剥奪された。現在、免許を剥奪されたメディア機関は8社に上り、80名以上の記者が不当に拘束・逮捕・訴訟されているが、各メディアは軍の監視の目をかいくぐり、拠点を移しながら報道をつづけている』、「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。

第三に、6月2日付けPRESIDENT Onlineが掲載した東京外国語大学教授の篠田 英朗氏による「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46504
・『ミャンマー国軍のクーデターを世界中が批判するなか、日本政府は正面からの批判を避け続けている。なぜなのか。東京外国語大学の篠田英朗教授は、ミャンマーの軍事政権に対するODA(政府開発援助)は日本が世界一多く、一度約5000億円の円借款債務を取り消したうえでさらに援助をしてきていると指摘。「過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる」という――』、事実上の債務免除までしたとは初めて知った。
・『情報封鎖のもとで続く市民への弾圧  ミャンマーの混乱は続いている。国軍が、インターネット回線の遮断を含めて市民の国外への情報発信を妨害しているため、以前ほどの情報は流れてこなくなった。それでもクーデターに反対する職場放棄などの不服従運動やデモはやんでいない。そして、国軍による拘留・拷問を含めた抑圧も続いている。 自由主義諸国による一連のミャンマー国軍非難の共同声明に対して、日本は参加を避け続けている。アメリカの同盟国で加わっていないのは、日本くらいだ。日本が参加したことがあるのは、各国の参謀長による共同声明くらいで、つまり防衛省管轄のときだ。つまり日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど。
・『自由主義諸国の協調に背を向ける外務省  なぜ日本の外務省は、唯一の同盟国・アメリカが「民主主義vs専制主義」の世界観で米中対立の時代を多国間主義で乗り切ろうとしている最中において、徹底して自由主義諸国の協調に背を向け、ミャンマー国軍に配慮し続けようとするのか。 「日本独自の外交を進める」といった抽象的な説明は、中身がなく、的を射ない。「国軍に忖度そんたくしないとミャンマーがいっそう中国寄りになる」といった話も流布させているが、自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない。 実質的な問題は、やはり政府開発援助(ODA)であろう。在日のミャンマーの人々や市民社会組織の方々は、国軍の利益につながっているODAの停止を求めている。だが外務省の反応は鈍い』、「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。
・『ODA打ち切りのインパクトは大きいが  巨額のODA案件の全てを打ち切る措置は、非常に大きなインパクトを、日本の企業などに与える。政府の役人のキャリアにも響くだろう。どうしても続けたい、と思う気持ちはわからないではない。だがただ祈り続けているだけでは、袋小路に陥っていくだけだ。 本稿では、あらためて日本のミャンマー向けODAの状況を概観するとともに、何を検討していくべきなのかについて、考察を加えることを試みてみたい』、興味深そうだ。
・『日本のミャンマー向けODAの概観  日本は、毎年1000億円以上のODAをミャンマーに提供し続けている。2019年の経済協力開発機構(OECD)のデータでいうと、日本の拠出金額は6億4690万ドルで、2位の世界銀行2億2080万ドル、3位のアメリカ1億4640万ドルに大きく差をつけて首位である(図表1。ただし統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている)。 ミャンマー向けODA拠出額上位10(2018~2019年度)出所=OECD資料を参考に筆者が作成 これだけを見ると、日本の外務省が国内メディアに説明していたように、日本のODA額は圧倒的であり、ミャンマー政府関係者に対する日本の影響力は他のドナーよりも大きいように見える(もっともODA額が大きくて影響力もあるため、日本は他のドナーよりもいっそう慎重に国軍に配慮をしなければならないという説明には説得力がないのだが)。 そこでもう少し日本のODAの内訳を見てみることにしよう。まず気づくのは、圧倒的な円借款の比率の高さである。2019年度を例にとれば、ODA総額の9割以上が円借款である(図表2、3)』、日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか。
・『実質5000億円の債務を取り消し  ミャンマーでまだ円借款の返還がなされていない事情を説明するためには、償還期限が来ていない、という技術論的な答えだけでは不十分である。償還期限が来ていないのは、それまで累積していた未返還の貸付金のうち1989億円を、新規貸し付けと抱き合わせで形式的に即時返還させたからである。さらに残りの債務についても、図表2にあるように、2012年には1149億円、2013年に1886億円分の債務の免除を行った。両者を合わせると、総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる。 1988年の国軍による苛烈な市民弾圧の後、ミャンマーは国際的に孤立した。しかし2010年代に入り、国軍は経済的苦境から逃れるため、民主化の兆しを見せることにした。ミャンマーに食い込みたい日本は、そこで回復する国際援助の潮流に乗るため、新規援助の障害となっていた累積債務を上記のスキームで解消させたのである。 国軍出身のテイン・セイン前大統領と、その後にミンアウンフライン国軍司令官と24回にわたって会談したという、日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長が暗躍していたとされるのは、そのときである(永井浩「利権がつなぐ日本とミャンマー『独自のパイプ』 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業」日刊ベリタ 2021年5月7日)』、「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。
・『大型事業の発注先は全て日本企業  日本の円借款が、日本企業のアジア進出の足掛かりとしての意味を持つものであったことは、よく知られている。ミャンマー向けの円借款も同じような意味を持たされている。公開されている10億円以上のミャンマー向けの大型案件の契約者は、全て日本企業である』、「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。
・『協会の公式サイトから役員一覧が消えた  なおこの点は前回の記事でもふれたのだが、その際に、私は、「日本ミャンマー協会の役員には、政・財・官界の大物がずらっと並ぶ。(中略)ODA契約企業リストにも登場する財閥系の企業名が目立つ」、と書いた(「日本政府が『ミャンマー軍の市民虐殺』に沈黙を続ける根本的理由」プレジデントオンライン2021年4月27日)。するとその後、日本ミャンマー協会のウェブサイトの役員一覧は空欄になってしまった。もっともちょうど同じときに、「Tansa」の渡辺周氏も記事で同一覧を取り上げていた。(「国軍所有地に年2億円支払い/日本政府系銀行「JBIC」の融資プロジェクト(1)」) 前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧前回の記事が出る前のミャンマー日本協会の役員一覧 その後空欄になってしまった役員一覧その後空欄になってしまった役員一覧』、本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。
・『顕在化した投資リスクを認めたがらない人々  日本は、返済不能になったというので借金を取り消してあげた相手に、さらに追加的に巨額の借金を貸し出し続けているわけである。常識で考えれば、かなりリスクの高い行動だといわざるを得ない。他のドナーが日本のように貸付金中心の巨額のODAをミャンマーに投入していないのは、投資家の視点で、そのようにリスク計算しているからだともいる。 日本政府は、リスクを承知で、ミャンマーを「アジア最後のフロンティア」と見込んで大規模な円借款を投入し続けたはずであり、それは元大臣が会長を務める協会で政府とつながりながらODA事業に次々と参入した日本企業にとっても同じはずである。 こうした動きに関係した人々が、今年2月のクーデターによってリスクが顕在化したことを認めたくない心理を働かせ、ODAを停止せずに何とか危機が立ち去ってくれないか、と祈るような気持ちになるのも当然かもしれない。だがそれは、無責任な現実逃避以外の何ものでもない』、「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。
・『このまま円借款を続けていいのか  この機会に、これまでの日本のミャンマー向けODAのあり方について考え直して見るべきなのは、当然ではないかと思う。その際にポイントとなるのは、円借款の比率、連邦制に向けた少数民族地域向けの配慮。そしてもちろん国軍の蛮行を食い止めるための運用であろう。 第一に、円借款の比率が大きいことについては、すでに見た通りである。これがミャンマーの実情を見て適切だったかどうかは、大きな検討課題である。結果論でいえば、クーデター後の情勢において、円借款の形態がリスク対応には不都合な仕組みであることが日本外交の足かせになっている。 経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている。市民の不服従運動が拡大して経済活動が停滞し、銀行は引き出し制限をしている。食糧危機も訪れており、世界食糧計画(WFP)は、ミャンマー国内で数百万人が食糧不足に直面すると警告している。それにもかかわらず、必ず回収するといいながら延々と貸付金を流し続けることが、果たして本当に適切だろうか。 国軍報道官は、4月に当局が拘束したジャーナリストの北角祐樹氏を、『笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表の要請』で5月14日に解放した、と明言している。同時期、渡邊秀央会長がミンアウンフライン国軍司令官と極秘会談をしたとも報道された。その同じ5月14日、日本政府がヤンゴン市民への食糧援助を支援するため、WFPに400万ドルの寄付を行うと発表したことは、波紋を呼んだ。 市民への人道支援は良いことだが、「一回限り」「ヤンゴン向け」だけでは、直接ミャンマー当局にではなくWFPへの寄付とはいえ、国軍に配慮したように見えてしまう。日本政府は、国軍管轄下ではない地域のミャンマー市民も対象に含めた「緊急人道援助」を今後も継続的に行っていく道義的義務を負ったと考えるべきだろう』、「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、経済が理解できない「軍部」には危機感が薄いようだ。
・『「借金」の拡大を拒否していたアウンサンスーチー氏  さらに、800人以上の市民を虐殺し、4000人以上を不当に拘束し続けながら、悪いのは全てアウンサンスーチー氏だといった類いのうそを垂れ流している国軍が権力を握っている。この状況でなお、「ミンアウンフライン国軍司令官は、たとえ人殺しをしても日本への借金の返済だけは絶対に行う」と主張する準備のある人は、よほどのお人よしか、さもなくば単なるうそつきだろう。 もともと国家顧問としてのアウンサンスーチー氏は、「借金は嫌だ」という意思表明をし続けていた。NLD政権は、円借款以外の方法での援助を繰り返し要請していた。それに対して、国策として決定していることなので変更できない、とかたくなな態度をとり続けたのは、日本の側であった。 渡辺周氏は前出のTansaの記事の中で、アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った、と伝える。それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏(2012年の日本ミャンマー協会の発足時から副会長・理事長代行として運営に深く関与)は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論したという』、「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。
・『無責任を通り越して日本の国益に反する  このように民主化支援を名目にしながら、民主化の旗頭であったアウンサンスーチー氏の反対を押し切り、国軍との協議のうえで、巨額の債務の取り消しと引き続きの巨額の円借款を進めてきたのが、日本である。今、明白な民主化の破綻を目の前にして、「状況が変わったのはミャンマー側のせいだ。国軍が改心しないなら、市民が抵抗をやめればいいじゃないか」と言わんばかりの態度をとっているという印象を国際的に広めるのは、無責任を通り越して、日本の国益に反する。 とはいえ、今債務の帳消しをするわけにはいかない。人をだますことなど何とも思っていない国軍幹部にだまされ続けた後で、国軍の利益になる形で、ただ日本の納税者に全ての泥をかぶせて、また債務帳消しにするしかなくなったら、最悪である。 リスクを承知で民主化の後押しをする貸し付けをしたということ自体を責めるべきではないかもしれない。だがその言い訳は、今はもう通用しないのだ。 過去はともかく、今後もなお、クーデターを起こして市民を虐殺している国軍の誠実を信じて資金を貸し付け続けるのは、不適切すぎる。円借款であっても、リスクに迅速に対応する措置をとる政治判断の是非について真剣に検討すべきだ』、その通りだ。
・『連邦制と民主化の合体こそミャンマーが進むべき道  第二に、ミャンマーの真の民主化の定着を日本のODAが助けてきたのか、検証が必要だろう。 今回の騒乱の中で、昨年の選挙で当選した議員たちが国軍の迫害を逃れながらバーチャル空間に国民統一政府(NUG)を立ち上げた。そして本格的な連邦制を導入する新憲法の設置を目指すことを表明し、市民勢力や少数民族勢力から熱烈な歓迎を受けた。この流れの中で、数多くのビルマ人系の組織等から、ロヒンギャ迫害の際に沈黙していたことを悔いる声明などが相次いで出されたことも注目に値する。 ミャンマーの紛争の構造を考えれば、平和構築の道筋が、この方向性にあることは確かだ。NUGが掲げる連邦制のビジョンは、あらためて必要不可欠な平和構築の方向性を模索する決意表明であるといってよい。「連邦制」の目標が、「民主化」勢力によって掲げられていることの意味は大きい。「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない。
・『民主化勢力が描く正しい道筋を支援すべきだ  連邦制の考え方自体は建国時から存在していた。それが「ビルマ建国の父」として敬愛されたアウンサンの暗殺と、その後の国軍による権力掌握によって、立ち消えになってしまっただけなのだ。国軍支配下で、民主化が進んでいたはずの2010年代ですら、中央政府と少数民族勢力との間には不協和音が絶えなかった。NUGは、ミャンマーの未来にとって正しいビジョンを打ち出している。 日本のODAは、こうした正しい道筋を支援するものであるべきだ。ビルマ人が多数派の大都市を結ぶヤンゴン・マンダレー鉄道の建設、ヤンゴン都市圏浄水整備、日本企業が多数参加するヤンゴン郊外のティラワ経済特別区開発・関連インフラ整備などは「民主化と連邦制を合体させた平和構築」のビジョンから見れば、関連度が薄い。初等教育カリキュラム改善事業などについても、「国際的な援助の潮流に合わせて」「ミャンマー政府の主導で」行うことに邁進まいしんするあまり、少数民族地域の教育の底上げという課題を軽視するものになっていなかったかどうか、検証すべきだ』、冷徹な立場で「検証すべきだ」。
・『長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ  およそ「民主化支援」をうたうのであれば、クーデター後は国軍の利益になる行為を慎むのでなければ、一貫性がない。ただしそれが数千億円規模のODAの全面停止であるのかどうかは、影響をこうむる人々の数の多さを考えれば、悩ましいのは確かである。だが悩ましいからといって、「このことについてはなるべく表で議論しないようにする」、という態度をとるだけで「調整した」ことにするわけにはいかない。 悪いのが国軍である以上、欧米諸国が主導する「標的制裁」に参加し、国軍幹部および国軍系企業に対する狙いを定めた制裁を行うのが、正しい。現在、有志の国会議員が、日本として人権侵害を行った者に対して制裁を加えることを可能にする「日本版マグニツキー法」を制定しようとしている。実効性のある法律制定を目指すと同時に、ODAにも影響が及ぶことを、当然のこととして受け入れて準備をするべきだ。 国会議員らは、「外務省が最大の抵抗勢力」と公言している。「面倒な法律は作らないでほしい、少なくとも私が担当から外れた後にしてほしい」、という官僚機構の態度は、国益を危うくする。そうした怪しい態度のままでは、「ODAを続けるか全面中止か」「北風か太陽か」といった、袋小路が約束されている選択肢だけを迫られるので、逃げ回るしか手がなくなってしまう。 議論すべきは、ODAを全面中止にせずとも実施できる標的制裁の方法である。その研究こそが、長期的にはODAに携わる善良な人々を救っていく。 もちろん立法措置は、JICAの仕事でも、外務省の仕事でもない。不穏な抵抗勢力を排して長期的な国益の確保を見据えた政策を導入する責務を持つ政治家の仕事だ。政治的なリーダーシップが求められている』、「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
タグ:ミャンマー PRESIDENT ONLINE Newsweek日本版 篠田 英朗 (その5)(日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か、「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道、5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている) 日刊ベリタ 「日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か」 日本ミャンマー協会の渡邉秀会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった 国軍司令官と会う予定 「渡邉会長」は日本側の有力な黒幕のようだ。 「日本ミャンマー協会」は一般社団法人とはいえ、両国の幅広い範囲の交流を図るという準公的な性格も持っていることから、「協会ホームぺージに載っていた役員や会員企業のリストが削除された」というのは余りに不自然だ。 「笹川氏は昨年11月のミャンマー総選挙で、日本政府が派遣した総選挙監視団の団長として同国を訪問し、「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」とインタビューに答えていた」、「笹川氏」の立場は極めて苦しいものとなったが、何故か聞き分けがいいようだ。「日本とミャンマーの両国民が知らないところで、事態は明らかに次のフェーズに移行しようとしているとみられる」、こうした不透明さは、国際的にも日本の恥だ 「「日本ミャンマー協会会長がクーデター軍リーダーと2回会談」 現地メディアが報道」 「渡邊氏はミャンマー滞在中の2週間に2度、ミンアウンフライン総司令官と会談」、ずいぶん親密なようだ。「クーデターが起きる数週間前にミャンマーを訪問」、「クーデター」についても事前に知らされていた可能性がある』、「渡辺秀央」氏は、ビルマ連邦社会主義共和国(現・ミャンマー)の軍事政権の首脳が1987に東京を訪れた際に、内閣官房副長官としてビルマの要人を迎えたときから渡辺と同国との縁が生まれる(Wikipedia)。筋金入りのミャンマー通のようだ 「日本は西側諸国に与するな」と主張する割には、「ミャンマー軍部」の暴力的な圧制は酷くなる一方だ 「ビルマ民主の声」には上手く立ち回ってほしいものだ。 「5000億円を踏み倒したミャンマー国軍に「配慮」し続ける日本の政官財トライアングル 日本のODAが市民を苦しめている」 事実上の債務免除までしたとは初めて知った。 日本の外務省は、一貫して、ミャンマー国軍を非難する国際的な共同声明への参加を拒み続けているわけである』、なるほど 「自由主義諸国の共同声明に参加したくらいで消滅してしまうような影響力であれば、多少の忖度をしたからといって、中国に対抗できるはずがない」、その通りだ。 日本のミャンマー向けODAの概観 日本の「ODA」はダントツの1位だが、「統計データを提供していない中国が、実際には日本を大きく上回っていると見られている」、やはりそうか 「総額約5000億円の債務を新規借り換え、および債務免除によって一度帳消しにした格好になる」、「回復する国際援助の潮流に乗るため」、ということであれば、「ミャンマー」側は有難さをそれほど感じなかった可能性がある。 「円借款」は納入企業などは全て予め決まったヒモ付きのようだ。 本来は開示すべきものを、「ウェブサイト」からこっそり削除するとは、余りの姑息さに驚かされた。 「現実逃避」は日本の政府・企業のお箱だ。 「経済的な観点から見て、今のミャンマーは危機に陥っている」、経済は破綻状態にあるのに、「軍部」には危機感が薄いようだ。 「アウンサンスーチー氏は2012年の債務取り消しの際にも「5000億円の帳消しはやめてください。現政権を応援することになります」と迫った」、「それに対して、当時の民主党政権で官房長官を務めていた仙谷由人氏」「は、「喜んで受ければいい話ではないでしょうか」と強く反論」、なんと民主党政権も1枚噛んでいたとは情けない。 「連邦制」と「民主化」の強固な合体こそが、ミャンマーが進むべき道である』、その通りなのかも知れない 冷徹な立場で「検証すべきだ」 「長期的国益を見据え「標的制裁」に参加せよ」、同感である。
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東京オリンピック(五輪)(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、6月1日に取上げた。開会も近づいた今日は、(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発)である。

先ずは、6月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの山田厚史氏による「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274080
・『東京五輪の開催まであと1カ月に迫るが、菅義偉首相は「開催する意義」を問われても、答えないままだ。 本当のことを言えないからだろう。「私の政治生命がかかっている。東京五輪で一発逆転を狙っています」と答えれば、世間は「なるほど」と思うだろう。 そうは言えないから、念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す。 首相周辺から聞こえてくるのは「五輪が始まれば、世の中の気分は変わる」という淡い願望。熱狂し「感動をありがとう」と支持率がV字回復することだってある、と期待を寄せているらしい。 「ニッポン、チャチャチャで世論は変わるか?」』、「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ。
・『「開催の意義」、語らず答えず 成功した「時間切れ作戦」  東京五輪は菅首相による社会実験だ。試されているのはわれわれ日本人の成熟度かもしれない。 閣僚経験のある自民党議員はこう語る。 「広島、長野、北海道の国政選挙3連敗で明らかなように、このまま総選挙に突入すれば大敗する恐れがある。五輪を中止すれば、コロナ対策の失敗を認めたことになる。開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」 コロナ禍が長引き生活不安などが鬱積する気分を、お祭りで発散させる。国民も気分が変わる刺激を求めている。開催してしまえば、ムードは一変する。日本人選手の活躍をメディアは汗と涙の物語で取り上げる。「ガンバレ、ニッポン」の渦が巻き起こる――そう思ってのことのようだ。 政府のコロナ対策分科会や医療関係者らからも五輪開催への疑問が出されているにもかかわらず、首相は語らない、訴えない、答えないダンマリ戦術で押し通した。 医療関係者が悲鳴を上げようと、新聞が「反対社説」を掲げようと、無視。国会で何を聞かれようと、決まり文句を繰り返し、論議をはぐらかした。耳と口を閉ざし、時間切れに持ち込む。その作戦は成功したようにみえる』、「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い。
・『G7で「世界への約束」に IOCとタッグ組む首相  英国・コーンウォールで開かれたG7サミットで首相は「難局を乗り越え日本から世界に発信したい」と東京五輪への決意を語った。開催は世界への約束となった。ここまで来れば、もう誰も止められない、と思っているに違いない。 次の段取りは、東京・大阪などの緊急事態宣言を解除し、開催を前提に観客などの規模を決めることだ。 分科会の尾身茂会長らによる「提言書」に待ったをかけていたのは、開催が動かない時点まで抑えるためだった。 提言は「参考にします」といんぎん無礼に処理し、来日するIOCのコーツ副会長らとの5者会談で、最終的な段取りを決める。あとはIOCと開催地・東京都に任せるということだろう。 首相とバッハIOC会長は「何がなんでも開催」で、ピタリと息を合わせてきた。バッハ会長は、4年に一度のお祭りが中止になったらIOCの収入が吹っ飛ぶ。全米に独占中継するNBC放送から放映権料が入らなくなったらIOCの屋台骨は揺らぐ。日本の事情などお構いなしだ。 IOCは「大会関係者が観戦できるように」と要求している。「五輪貴族」と呼ばれるIOC役員や王族、スポンサーなどの豪華接遇を大会の度に開催地に求めてきた。一般の外国人観客を受け入れない東京五輪の観戦は、特別扱いのサービスとなる。「五輪貴族用」の席を求めているという』、「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。
・『「観客を入れて」の開催は首相の指示だった?  菅首相も「観客を入れろ」と言っているようだ。 「無観客の覚悟を固めていたのに、いつの間にか有観客の方向で話が進み始めた。理由を組織委幹部に聞くと『総理が観客にこだわっている』。がっくりきた」という五輪組織委員会幹部の嘆きを、朝日新聞の五輪特集(6月4日「五輪 記者は考える」)は報じている。 首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である。 観客を入れる理由を「子どもたちに感動の機会を与えたい」「声援があったほうがアスリートは力を発揮できる」などと政府は言うが、子どもや選手をだしにしている。 首相が「観客」にこだわる理由は、別のところにあるようだ。 五輪開催で「世論の風向きを変える」。ならばお祭り騒ぎがいい。熱狂を誘うには、観客は必要だ。パブリックビューイングにこだわるのも「人が集まる」場面がほしい。日本選手が勝ったとき、喜ぶ観客の表情や集団観戦する人たちの熱狂ぶりをTVが伝えることが、望ましい――。 こうした官邸の意向の下で組織委員会などの事務方は疲労困憊(こんぱい)のようだ』、「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。
・『支持率回復狙う「政治の都合」 「相棒」とも“仲たがい”  政府の姿勢に専門家たちも気が付いた。 首相の記者会見の度に横に立たされ、助け舟を求められる分科会の尾身会長は、コロナ対策で首相の「相棒」だったが、五輪が近づくにつれ“亀裂”が深まった。 お祭りを盛り上げれば、人は外に出て、はしゃぎ、大声を上げる。人の流れは膨れ、感染防止と真逆の動きが始まる。感染症の専門家は、人流を抑えることが大事だと主張し、接触機会を減らし、大声を出さないようにと言ってきた。官邸のやり方に黙っていられなくなった。 五輪が終われば後はお構いなしのIOC。政治の都合でお祭りにしたい官邸。相棒のままでいたら、いいように使われるだけ、という危機感が専門家たちにも広がったようだ。 東京五輪を「普通なら(開催は)ない」と尾身会長は語った。感染を抑え、医療体制を守る専門家の立場なら「五輪開催はコロナ対策の障害になる」と中止を主張してもおかしくない。そこまで踏み込まないのが「相棒」の限界かもしれない。 しかし、専門家が「注文」をつけたことは、大きな意味を持つ。) 菅政権は専門家のアドバイスもろくに聞かず五輪を強行した、という事実を天下に知らしめることになる。身内の意見でも、首相の意に沿うものでなければ聞く耳を持たないという政治姿勢も改めて印象づけた。 だが、菅首相には“成功体験”がある。官房長官として安倍前首相を支えた7年だ。 安倍首相夫人のなじみである学校法人森友学園に国有地を格安で売却し、公文書改ざんを局長が指示し、担当職員が自殺に追い込まれた。責任者の処分や真相解明も不十分なままだ。 首相のじっこんの理事長が経営する学校法人に官邸官僚が「首相のご意向」をかざし文科省に獣医学部の新設を認めさせた加計学園問題。「桜を見る会」の前夜祭の費用を首相の後援会が負担した問題で、首相が国会でうその証言を100回以上繰り返し、第1秘書が政治資金規正法違反に問われた事件もあった。 だがどれも安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った。 事件が取り沙汰されているとき世論は沸騰するが、終われば潮が引くように下火になる。独善だろうとうそだろうと力で押し通す。世間はすぐ忘れる。選挙に勝ちさえすれば政権は安泰だ』、「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ。確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう。
・『「池江選手がメダルを取ったら日本中が熱狂して選挙に勝てる」?  東京五輪は、首相に冷ややかな世論を「上書き」する願ってもないチャンスだ。 月刊誌でコラム子が、官邸筋の話として「池江璃花子がメダルを取れば日本中が熱狂し、コロナなど忘れて総選挙で勝てる」と首相が漏らしたと書いている(「文藝春秋」7月号)。 本当に首相がそう言ったのかは、分からない。 だが、ゴルフのマスターズで勝った松山英樹、全米オープンで「日本人同士」のプレーオフを制した笹生優花、大リーグでは大谷翔平の活躍など「日本人の活躍」はメディアが大好きな話題だ。 「五輪で池江璃花子がメダルでも取れば」というのは分かりやすい話だが、こんな願望に寄りかかっているとしたら政権は危うい。 日本選手のメダルに期待するのは分かるが、東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会ではないだろうか。 感染まん延で練習もままならない選手が世界にたくさんいる。予選に出られず出場資格を失った選手もいる。規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる。観客は日本人ばかり、日本選手が声援を受け活躍する。とても公平な大会とは言い難い』、「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。
・『最悪の事態を考え準備するのが政治リーダーの責任だ  日本のメダルラッシュが起こる。ニッポン、チャチャチャ!開催してくれてありがとう。菅人気が盛り上がる――そんな展開はないとはいえないが、楽観シナリオにすがるのはまともな政治ではない。 現状は第4波が収束に向かう局面だが、西浦博京大教授は「高齢者へのワクチン接種が7月中に完了しても、8月には東京で緊急事態宣言を出さざるを得ない恐れがある」と警鐘を鳴らしている。 五輪開催中に第5波が襲来したら人々は五輪を楽しめるだろうか。大会によって生じた人流の増加で秋には感染爆発が起こるかもしれない。 遅くとも10月には総選挙もあるが、「五輪開催」が菅政権に都合よく働くとも限らない。それでも首相は「五輪の熱狂が政治状況を変える」に政治生命をかけた。 最悪の事態を考え、さまざまな処方箋を用意して国民に示すのが政治リーダーの責任だが、残念なことに、わが国の首相は自分に都合のいいシナリオを描き、当たるかどうかを実験しようとしている。 首相が期待するように、愛国気分が盛り上がり「五輪の力」が政府への不満を吹き飛ばすか。それとも感染を広げ、政権批判に油を注ぐか。 「コロナ禍の五輪」は世の中の空気をどれほど変えるのか。 やってみなければ分からない壮大な社会実験、この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない』、「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。

次に、6月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274194
・『40年後の日本の子どもたちは「東京五輪は日本を元気にした」と教えられる?  2060年の日本――。 ある小学校で、日本の近代史を学ぶ授業が開かれている。子どもたちに向けて、教師が誇らし気な顔でこんな説明をした。 「えー、前回勉強したように、2021年の日本は前年から続くコロナ禍よって経済が止められ、多くの国民は大変苦しい思いをしていました。しかし、そんな日本を元気にしたのは…そう、オリンピックですね。その理由はなんでかわかる?」 教師が子どもたちを見渡すと、1人の少女が手を挙げて、ハキハキとした口調でよどみなく答えた。 「はい!日本のアスリートたちによるメダルラッシュで、過去最多の金メダルを獲得するなど、スポーツの力によって国民を勇気づけたからです。また、大会前には感染拡大の恐れがあると言われていましたが、菅義偉総理がリーダーシップを発揮して『安心安全な五輪』を見事成功させるというレガシーをつくって、日本のすごさを世界中に見せつけたからです」 教師は満足そうにうなずくと、「そう、ここは日本人なら知っておかないといけない常識だからな。テストにも出るからしっかり覚えておくように」とつけ加えた。 未来の日本で、こんな北朝鮮みたいな「ナショナリズム丸出しの思想教育」をしているわけがないだろ…とあきれる方もいらっしゃるだろうが、最近の社会ムードに鑑みれば、そこまで荒唐無稽な話ではない』、幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。
・『手のひら返しでお祭り騒ぎするマスコミ… そうして「サクセスストーリー」だけが刷り込まれる。 TVプロデューサーのデーブ・スペクター氏が自身のツイッターで、皮肉たっぷりにつぶやいて話題になった。 「東京五輪が始まるまでにタレントやコメンテーターがコメント予習 イ)なんだかんだ言ってオリンピックっていいな! ロ)割り切ってスポーツとして見ましょう! ハ)やっぱり開催してよかった!」 *https://twitter.com/dave_spector/status/1404731084428898306より 実はこれはかなり鋭い指摘だ。 スポンサーなどで五輪に関わるマスコミには、「どうせやるなら盛り上がってくれないと困る」という大人の事情がある。開催すれば「安心安全」などどうでもよくて、手のひら返しでお祭り騒ぎを始めるだろう。テレビは朝から晩まで「日本のアスリートはスゴイ!」「感動をありがとう!」と世論を盛り上げていくのだ。 このような形になると、開催に至るまでの組織委員会のゴタゴタや、国民に犠牲を強いていたことなどネガティブな話は徐々に忘れられていく。そうして10年、20年と時が経過すれば、「五輪はコロナ禍の日本人を勇気づけた」という日本人好みの「サクセスストーリー」だけが語り継がれていく。そして気がつけば、それが「正史」として国民の頭に刷り込まれて、ゆくゆくは冒頭のように子どもたちにまで「ナショナリズム丸出しの思想教育」を施してしまうおそれがある。 そういう意味では、未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である。「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。
・『小学校低学年向けの指導案から見える東京五輪の「真実」  五輪を盛り上げるだけで、そんなことにはならないでしょ、と思う人もいるかもしれない。しかし、現実問題として、すでにわれわれはオリンピックで、子どもたちに「ナショナリズム」を押し付けている。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、全国の小中学校・高等学校向けに作成した「オリンピック教育」のための教材がある。その中で、小学校低学年向けの教師用指導案「東京1964大会のレガシー」という資料を見てみよう。 「東京1964大会が日本に残したものについて理解する」ことを狙いとしたこの授業では最後に10分間の「まとめ」が行われる。そこで、教師は「東京1964大会は日本の社会を元気にしたことを理解する」という方向性で持っていく。さらに、「指導上の留意点」には「東京2020大会も日本の社会を変えていくことを考えさせる」とある。 世界では子どもたちに何かを教える時には、多面的に物事を考えていく力を育むことを意識するのが一般的だ。だから、はじめに結論ありきではなく、各自が自分の頭で考えるように導き、ディスカッションなども活発だ。しかし、この教育はそうではない。 「五輪は日本を元気にするものであって、これからの日本には絶対に必要なものだ」という結論へと子どもたちを導いていく。たかがスポーツ大会が、国家に必要不可欠なものだと、幼い頭にたたき込ませるのだ。 これは「教育」ではなく「洗脳」である』、「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。
・『全ての元凶は1964年 世論誘導で「成功体験」に激変  世界には五輪にそこまで興味のない国もたくさんある。放映されていても見ない人もたくさんいる。にもかかわらず、なぜ日本だけに「オリンピック教」とでもいうべき薄気味悪い思想が育まれたのかというと、1964年の東京五輪が「元凶」だ。 ご存じの方も多いだろうが、この時の五輪も開催する前は批判的な声や反対する声もかなり多かった。当時、日本はまだ貧しくて、海外に見栄を張るようなことに金を費やすなら困っている人間に回すべきだという意見もあった。また、政府は「清潔なオリンピック」を掲げたが、五輪直前まで集団赤痢が相次いで発生しており、無理に背伸びして国際イベントなどを開いても、国民に得はないというムードもあったのだ。 だが、そんな「逆風」が開催した途端にガラリと変わった。テレビ、新聞、ラジオが朝から晩まで日本人選手の活躍を流して「やっぱオリンピックっていいな!」と繰り返し連呼しているうちに、本当にそのようなムードになったのだ。 それがうかがえる調査がある。1967年に日本放送協会放送世論調査所から刊行された「東京オリンピック」によれば、閉幕直後の64年11月に行った世論調査で、東京五輪が成功したか否かを質問したところ、東京ではなんと84.6%が「立派に行われた」と回答し、「大体は立派にいった」を合わせると、驚異の100%に達したのである。 つまり、開催前はかなりシラけていた国民も、マスコミの「いろいろあったけど、やっぱり開催した方がよかったね」という世論誘導にまんまと乗っかってしまったというわけだ。 このあまりにも極端すぎるサクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった。だから、開催前に指摘されていたネガティブな話はもちろん、開催後に噴出したさまざまな問題も、時が経てば歴史の闇に葬り去られた』、私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。
・『「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」という指摘、日本はスルー  闇に葬られている問題として代表的なものが、「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」への指摘だ。 1964年の東京五輪の後、世界ではじめて「国際スポーツ科学会議」が開催された。そこでは、世界中の研究者から「成功、成功、大成功」と日本人が浮かれていた東京五輪に対して次のような批判が相次いだ。  「“すべての人のスポーツ”というオリンピック憲章の精神が忘れられた選手強化」、「大衆から離れてゆく日本のアマ・スポーツ」、「スポーツのナショナリズム化」(読売新聞1964年10月6日) しかし、日本社会的には「東京五輪は大成功」なので、臭いものには蓋をするということでこのようなネガティブな側面が真剣に議論されることなく、スルーされていった。 68年に東京五輪で銅メダルを取ったマラソンの円谷幸吉が、メキシコ五輪の前にメダル獲得のプレッシャーに押し潰されて自ら命を絶ったことからもわかるように、日本のアマチュアスポーツの世界では「過度な選手強化」「スポーツのナショナリズム化」は現在まで放置され続けている。 メダル獲得がすべてでアスリートは「国を背負う」ので、メダルを有力視されている人がそこに届かないと、なぜか涙ながらに「すみません」と国民に謝罪をしなくてはいけない、という北朝鮮のような気持ちの悪いムードもある。 このような「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要なのだ』、「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。
・『戦後日本の発展は五輪開催によるものではなかった マスコミに勘違いさせられているだけ  「さっきから東京五輪を悪者にしているが、日本が東京五輪によって大きな発展を遂げたのは事実だろ、それを無視するのか」と食い下がる人もいるかもしれないが、残念ながらそれはまったく事実ではない。 「アジア初だった64年東京大会 高度成長の礎築く」(日本経済新聞2013年9月8日)のような報道をマスコミがいまだにするので勘違いをしている人も多いが、日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である。 今、中国のGDPが成長をしていることからもわかるように、ある程度の経済規模になった国のGDPは人口の大きさに比例する。 実際、主要先進国のGDPランキングの並びは、人口3億2000万人のアメリカ、人口1億2000万人の日本、そして8300万人のドイツという具合に、きれいに人口と比例している。戦後、日本の人口は右肩上りで増え続けて1967年には1億人を突破し、同じタイミングでGDPもドイツを抜いて世界2位になった。この人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ。 五輪が公共事業やインフラ整備の背中を押したのは事実だが、日本経済成長のエンジンだったわけではない。 むしろ、多くの五輪開催国が「五輪不況」に陥ったように、日本でも五輪を境に成長にブレーキがかかる。五輪開催の翌年度、戦後初の赤字国債が発行され、ここを起点にして日本の債務残高は先進国の中で最も高い水準となっていくのだ。 「五輪で日本が元気になった」というのが幻想以外の何物でもないことは、当時の日本人の多くも感じていた。先ほどの「東京オリンピック」によれば、閉幕から2カ月後に行った調査で、「五輪は景気を維持するのに大変役立ったと思いますか」という質問に対して、「そうだ」と回答したのが31.7%なのに対して、「そうではない」は59.2%だった。 「日本が元気になる」などと大それたものではないということは、庶民はよくわかっていたのだ。 このような歴史を振り返れば、マスコミの「東京五輪やっぱり最高!」という手のひら返しにかなり警戒すべきだということがわかっていただけだろう。冒頭のデーブ・スペクター氏は既に「五輪」が日本のイメージダウンになっていると指摘している。 <今も、海外メディアが五輪関連で報じるとしたらワクチンの遅れなどトラブルばかり。海外の人はみんなあきれている。1年延期になったために、しかも強引に開催することになったために、日本のイメージダウンになっている。あれ?日本はあんなに経済大国になって何でも一生懸命賢くやってきたのに、なんでワクチン接種が進まなくて病床が逼迫するのって。みんな驚いている。>(ニューズウィーク 6月9日) こんな調子で世界がシラけている中で、日本人が「見たか、これが日本の底力だ!」とか「日本人を勇気づけてくれました」と五輪でお祭り騒ぎになったらどうか。イメージダウンというより、もはや完全に「恥」ではないか。 果たして、日本人はマスコミによる「東京五輪やっぱり最高!」という世論誘導にのっかって、1964年の時と同じく、ここまで噴出した様々な問題を闇に葬ってしまうのか。それとも今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保つことができるのか。注目したい』、「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。

第三に、6月8日付け日刊ゲンダイ「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」を鍾愛しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290237
・『東京五輪開催を46日後に控えた7日、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が飛び込み自殺――というショッキングなニュースに衝撃が広がった。 7日午前9時20分ごろ、東京都品川区の都営地下鉄浅草線中延駅で、JOCの経理部長、森谷靖さん(52)が2番線ホームから線路に飛び込み、普通列車にはねられた。森谷さんは病院に搬送されたが、2時間後に死亡が確認された。森谷さんはスーツ姿で、遺書は見つかっていない』、悲惨な事件だが、何があったのだろう。
・『ネット上ではさまざまな憶測が  世論の多くが東京五輪の中止を求める一方、政府は強行開催に突き進んでいることから、ネット上ではさまざまな臆測が入り乱れている。 〈「経理部長」職ということは、既に帳簿が「紛失」したりとか、表に出せない事情や事態が山盛りあるのでは……?〉〈公にはできない秘密を隠し続けることが耐えられなかったのか〉 先月26日に行われた衆院文科委員会では、東京五輪組織委員会が広告代理店に委託している会場運営のディレクターの1日当たりの人件費が35万円と、あまりにも高額だという指摘が野党議員からあった。さらに今月5日には、会場準備を担当する組織委員会の現役職員がJNNの「報道特集」に出演。会場運営の業務委託を受けた広告代理店に、10~15%の「管理費」を支払うという不透明な金の流れを証言した。 そのため〈国会でも追及が始まった「不審なカネの流れ」と自殺との間に何らかの関連性があるのではと推察せざるを得ない〉〈先週末の報道特集で匿名で洗いざらい証言してたJOC職員ってひょっとすると……〉といった書き込みがあったが、組織委員会とJOCは全く別の組織で、自殺した経理部長とテレビで証言した現役職員は、職種も違えば立場も異なる』、なるほど。
・『とにかくマジメで優秀と評判だった  亡くなった森谷さんは、どのような人だったのか。 埼玉の名門進学校・県立浦和高を出て、法政大に進学した。卒業後は堤義明氏が実質オーナーを務めていた国土計画に就職しました。とにかくマジメで優秀と評判でしたから、こんな五輪のゴタゴタなどで、自ら命を落とすなんて考えられません」(五輪担当記者) 森谷さんは90年代前半、国土計画からJOCに出向。国土計画を辞職後、そのまま再雇用され、以来、経理を担当していた。 2007年以降、JOCの加盟団体である日本スケート連盟や全日本柔道連盟、日本ホッケー協会、日本体操協会、日本フェンシング協会など競技団体の不正受給が相次ぎ、その際、会計監査から呼び出されることもあったようだ。これを受け、JOCは、文科省から東京五輪に向け、さらなるガバナンス強化策を求められていた。 JOCの職員たちは森谷さんの自殺の原因について思い当たるようなフシはなく、ショックを受けているそうだ。遺書が出てくれば動機が判明する』、「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。

第四に、6月17日付け日刊ゲンダイ「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290672
・『「今の状況でやるというのは普通はない」――と、五輪開催に突っ走る菅政権を牽制していた、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長の“反乱”は結局、鎮圧されてしまったようだ。16日の分科会後に会見が行われ、どんな言葉が出てくるのか注目が集まったが、見せどころはゼロ。「やってる感」と「今さら感」が漂う会見に終わった。 「ウィーシュ」 会見開始の直前、こう小さく気合を入れた尾身会長。分科会が政府に提言した「科学とICTを用いた対策」の説明から始めたが、肝心の中身は、感染状況を把握するための下水調査など、どれも聞いたことのある対策ばかり。1年以上もコロナ対策の最前線にいるはずなのに、今さら「科学技術をフルに活用する時代になってきた」と熱弁を振るっていた。 変異株の登場を踏まえ、行動変容を改めて訴えたものの、「鼻にフィットしたマスクの着用」「大声を避ける」など、こちらも目新しさは皆無だった。 中身スカスカの「提言」をよそに、記者の質問はイベントの人数制限に集中。7、8月のイベントを「最大1万人」とする政府案を分科会が認めたからだ。 現行の基準では、緊急事態宣言や重点措置の対象地域には「5000人または定員の50%以内の小さい方」、解除後は「5000人または50%の大きい方」を適用することになっている。ところが尾身会長は、人数を増やす「1万人案」をアッサリ了承。あれほど「(五輪を)やるなら強い覚悟でやってもらう必要がある」と菅政権にクギを刺していたのに、観客を入れて五輪を開催したい政府に“敗北”した格好だ。 誰がどう見ても、政府案は五輪開催をにらんだ人数制限の緩和だが、尾身会長は会見で「五輪とは関係ないとの前提で了承した」の一点張り。五輪の観客数にも「1万人」を当てはめるかどうか聞かれても、「(五輪を開催した場合のリスクや対策をまとめた提言を)近日中に発表する」と繰り返すだけだった』、「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。
・『大会期間中の再宣言もあり得る  しかし、このまま政権の思惑通りに観客を入れて五輪を開催したら、感染拡大は避けられない。16日に開かれた厚労省のアドバイザリーボードで、国立感染症研究所や京大などの専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算した。 厄介なのは、インド株の症状が分かりづらいことだ。英国の研究によると、その症状は従来株で見られた「咳・発熱」「味覚・嗅覚の喪失」とは違い、「頭痛」「のどの痛み」「鼻水」がメインだという。季節の変わり目によくある、軽い風邪や体調不良とほとんど同じだ。 五輪に「1万人」もの観客を入れて感染爆発なんてことになったら、尾身会長はどう責任を取るのか』、「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
タグ:東京オリンピック 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 山田厚史 (五輪) (その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) 「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」 「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ 「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い 「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。 「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。 「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ 確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう 「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。 「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。 「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」 幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。 未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である 「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。 「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。 私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。 「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。 「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。 「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」 悲惨な事件だが、何があったのだろう 「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。 「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」 「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。 「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
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電力・ガス自由化(その1)(大寒波とLNG不足が直撃、電力逼迫の「異常事態」 市場価格は急騰 発電所トラブルが追い打ち、「電力自由化は失敗だった」節電要請が目前に迫るほど日本の電力網は弱っている 「こうなったら停電させたらいい」、「アマゾンに電力市場を乗っ取られる」国の"電力政策の失敗"がもたらす最悪のシナリオ 肝煎りの「新電力」は次々と破綻へ) [産業動向]

今日は、電力・ガス自由化(その1)(大寒波とLNG不足が直撃、電力逼迫の「異常事態」 市場価格は急騰 発電所トラブルが追い打ち、「電力自由化は失敗だった」節電要請が目前に迫るほど日本の電力網は弱っている 「こうなったら停電させたらいい」、「アマゾンに電力市場を乗っ取られる」国の"電力政策の失敗"がもたらす最悪のシナリオ 肝煎りの「新電力」は次々と破綻へ)を取上げよう。

先ずは、本年1月14日付け東洋経済オンライン「大寒波とLNG不足が直撃、電力逼迫の「異常事態」 市場価格は急騰、発電所トラブルが追い打ち」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403804
・『10年に1度とも言われる大寒波が襲来し、全国規模で電力の需給が逼迫している。 1月8日の平均気温(沖縄を除く)は2020年1月8日と比べて約8℃も低下。九州では1月7日に冬季として過去最大の電力需要を記録した。 3連休明けの1月12日も電力需給の逼迫は続き、関西電力エリアでは、午前8時台に電力供給に対する総需要の割合を示す電力の使用率が99%に達した。大手電力会社でつくる電気事業連合会や各電力会社は家庭や企業に節電を呼びかけているが、電力の需給は「綱渡りが続いている」(市場関係者)』、興味深そうだ。
・『厳しさ増す発電用LNGの調達  今回、電力需要は2020年12月下旬から急増した。余剰電力を売り買いする日本卸電力市場では取引価格が急騰。年が明けると需給はさらに逼迫し、1月12日午前8時台のスポット市場の取引価格は、1キロワット時当たり200円という史上最高値を記録した。これは需給逼迫以前の40倍近い水準だ。スポット価格はその後も高値更新を続けている。 逼迫の原因として、火力発電所の燃料であるLNG(液化天然ガス)の調達難が指摘されている。LNG火力発電所は日本全体の発電電力量の約4割を占め、電力需要の増減にスピーディーに対応できる強みがある。ところが、LNGはその性質上、長期にわたる備蓄ができないうえに、調達そのものが厳しくなっている。 あるエネルギー業界関係者は、LNGのスポット価格の高騰に驚きを隠さない。「新型コロナウイルスの感染拡大で需要が減っていた2020年4月当時の100万BTU(英国熱量単位)当たり4ドル弱だったものが、最近では約28ドルをつけている。これまで20ドルを大きく超えることはなかった」。 電力会社の輸入代理業務を担う三井物産も「新型コロナの影響でLNGの需要見通しが不透明だった中で、寒波によって電力需要が急増し、在庫繰りが難しくなった」(広報担当者)と説明している。 LNG需給がタイト化している要因について、中国や韓国の需要急増やオーストラリアのLNGプロジェクトでの設備トラブル、パナマ運河の渋滞なども挙がっている。 寒波とともに電力需給を逼迫させたのが、LNG火力と並ぶ主力電源である石炭火力発電所の設備トラブルだ。長崎県にある九州電力の最新鋭の石炭火力発電所(松浦発電所2号機、出力100万キロワット)は2020年12月29日にボイラーの付属設備で不具合が発生し、出力を50%に落として運転を続けざるをえない状況だ。 同じ長崎県にあるJ-POWERの石炭火力発電所(松島火力発電所2号機、50万キロワット)も石炭を細かく砕く装置の故障により、1月7日夜に運転を停止。補助燃料の重油で発電する異例の対応を決め、1月14日の運転再開を目指している』、「LNGはその性質上、長期にわたる備蓄ができない」、扱いがやっかいそうだ。
・『相次ぐトラブルや不具合  J-POWERではほかにも、神奈川県の磯子火力発電所2号機(60万キロワット)がコンベアトラブルにより、2020年10月20日に運転を停止。現在、同1号機(60万キロワット)および2号機とも出力を下げた状態での運転を続けている。また、徳島県の橘湾火力発電所1号機(105万キロワット)も2020年12月25日にタービンの損傷により計画外停止に直面。現在、復旧に向けて作業中だ。 関電のエリアでは、同社の原子力発電所4基が設備トラブルや定期検査で稼働を停止しているうえ、石油火力の御坊発電所3号機(60万キロワット)で1月4日の起動時に不具合が発生。LNG火力の姫路第二発電所既設6号機(60万キロワット)でもメインタービンの軸受け温度の上昇により、出力抑制を余儀なくされている。 他のLNG火力発電所でも、燃料であるLNGの確保状況をにらみつつ、低い出力での稼働を余儀なくされている発電所が少なくない。 東北電力は東新潟や仙台などの発電所で、出力を下げた制限運転を続けている。同社は「寒波が継続した場合に、LNGの在庫不足が起こらないように先々を見越しての対応であり、LNGの不足が生じている状況ではない」と説明するが、東京電力と中部電力が折半出資する最大手の発電会社・JERAなど多くの電力会社がLNG火力発電所の制限運転を続けている。 電力会社間での電力融通を取り仕切る電力広域的運営推進機関は1月3日以降、ほぼ毎日のように電力会社から他電力会社へ電力を送るよう指示を出している。特に厳しいのが西日本エリアで、東北電力や東京電力の送配電子会社などに対して、九電や関電、中国電力などに向けて融通の指示が出されている。 電気事業連合会は、日本ガス協会や石油連盟を通じ、都市ガス会社や石油会社に発電用燃料を供給するよう要請している。また、電力会社は海運会社に対し、LNG燃料輸送船の運航速度を上げ、LNG基地への到着を前倒しするよう求めている』、「トラブルや不具合」も一定程度を超すと需給に深刻な影響を与える。「電気事業連合会は、日本ガス協会や石油連盟を通じ、都市ガス会社や石油会社に発電用燃料を供給するよう要請」、ライバルに頭を下げざるを得ないというのは事態の深刻さを示しているようだ。
・『需給逼迫は長期化の可能性も  ただ、電力の需給逼迫は長期化する可能性が高く、「東日本大震災当時よりも厳しい」(市場関係者)との声も聞こえる。大震災当時は地震や津波による火力発電所の被害に加え、福島第一原子力発電所で重大事故が発生。東北や関東にある原発が軒並み稼働を停止した。 それに対し、「今回は、西日本を含めて全国規模での需要急増の継続に燃料の確保が追いつかない点に違いがある。政府は電力会社任せにせず、国民に向けて節電の必要性を広く周知すべきだ。LNG在庫が払底してからでは手遅れになる」(同関係者)という。 「今のような状況が数週間続くと、資金繰りに支障が出て経営が立ちゆかなくなる新電力も出てくる」(新電力幹部)という声もあがる。電力需給の逼迫は、さまざまな悪影響を各方面に及ぼす可能性がある』、「電力の需給逼迫は長期化する可能性が高く、「東日本大震災当時よりも厳しい」、冬場でもこんなに深刻化するようなら、夏場、しかもテレビ観戦が増える東京五輪を乗り切れるのだろうか。

次に、1月24日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの坂本 竜一郎氏による「「電力自由化は失敗だった」節電要請が目前に迫るほど日本の電力網は弱っている 「こうなったら停電させたらいい」」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/42629
・『日本の電力小売りの全面自由化から4月で5年。新規参入が相次ぎ、新電力の販売電力量は全体の約2割を占める規模まで拡大している。しかし、この冬の一連の電力不足が日本の電力網の脆弱性と新電力の経営難を浮き彫りにしている――』、「新電力の販売電力量は全体の約2割を占める規模まで拡大」、しかしその基盤は脆弱なようだ。
・『関電が大阪ガスに頭を下げてLNGの融通を要請  「節電という言葉は使うな」「停電が起きてもいいんですか」――。 まだおとそ気分の抜けきらない1月の3連休。経済産業省・資源エネルギー庁と電力の業界団体である電気事業連合会(電事連)の幹部たちが休日にもかかわらず電話越しにやりあっていた。 「10年に一度」と言われる寒波の襲来で全国的に気温が低下。北陸地方では豪雪のため、北陸自動車道では車が立ち往生するなど、厳しい寒さが続いた。原子力発電所への依存率が大手電力で最も高い関西電力では、年末から電力不足が懸念され、どうやって年末年始を乗り切るか、幹部たちが連日頭を抱えていた。 福井県にある高浜や美浜などの原発の再稼働が遅れ、それを補う液化天然ガス(LNG)を発電燃料とする火力発電所の燃料タンクが底を突いていたためだ。 「どんなに高い値段で買ってもいい。とにかくLNGをかき集めろ」。関電では社長以下の“指令”のもと、LNGの取り次ぎをする大手商社などに確保を要請した。しかし、すぐに調達できるLNGはない。あとのない関電は最後の手段として、家庭向け電力の販売でしのぎを削る商売敵の大阪ガスに頭を下げ、LNGの融通を要請した』、「関電」は何故「LNG」調達戦略を間違ったのだろう。
・『電事連は「国民への節電要請」を求めたが、経産省らは拒否  電力業界も、それまで手をこまぬいていたわけではない。大手電力会社間で余剰電力を融通しあっていたが、寒波は全国規模で広がったため、大手電力間での融通にも限界がきてしまった。 電力は需要と供給が一致しないと停電してしまう。需要に供給が追いつかない事態が続く中、電事連は「電力消費を極力抑えてもらうよう、広く国民や企業に訴えてもらいたい。場合によっては節電要請を求めたい」と所管の経済産業省や資源エネルギー庁に訴えた。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大で各家庭は巣ごもりしている。「暖房を切るなどの節電は、高齢者らが亡くなるリスクを高める」として、どちらも節電要請にはクビを縦に振らない。 それ以上に経産省やエネ庁が恐れていた理由が他にある。首相官邸だ。 「菅政権が最大の産業政策として掲げる脱・炭素(カーボン・ニュートラル)政策に水を差すことになる。新型コロナウイルス感染拡大で支持率が急落している中で『節電要請』となると、看板政策の脱・炭素政策も腰砕けになる」(経産省関係者)と電事連の申し入れをはねつけたのだ。ここで火力発電の燃料不足など思い起こさせたくない思惑というわけだ』、「新型コロナウイルス感染拡大で支持率が急落している中で『節電要請』となると、看板政策の脱・炭素政策も腰砕けになる」・・・と電事連の申し入れをはねつけた」、政府の主張は余りに政治的だ。
・『「電力自由化を進めれば停電が起きるのは、子供でもわかること」  さらに、政府が発する節電要請は10年前の東日本大震災などの非常時に出される類いのものだ。連休中で企業活動が止まり、電力消費量が減っているタイミングで出たとしたら、まさに電力供給の「危機的状態」を露呈することになる。 官邸を恐れる経産省は大手電力会社間の電力融通や、石油・ガス業界からのLNGなど燃料確保の自助努力を押しつけた。電力大手幹部はこう憤る。 「こうなったら停電させたらいい。電力改革と称して自由化を迫っていて、停電の懸念が出てくると、『業界で何とかしろ。電力会社は何をやっているんだ』と頭越しにどなりつけてくる。停電が相次ぐ米カリフォルニアなどで明らかになっているように、電力自由化にかじを切ることは、そういうリスクも抱えるということは子供でもわかるはずだ」 今、日本は世界最大のLNG輸入国だ。世界的にダブつき、長く価格が低迷しているLNGが、なぜ国内で不足しているのか。原発停止以降、石炭や石油より環境負荷が低いLNG火力へのシフトも進み、国内の発電総量の4割を占めるようになった。原発が止まって使用量が増えているにしても、LNGの調達難は即、電力危機につながるだけにその管理は徹底しているはずだ』、「LNG火力へのシフトも進み、国内の発電総量の4割を占めるようになった」、脱原発の頼もしい味方のようだ。
・『貯蔵期間が2カ月しかないLNGは、石炭や石油に比べて扱いづらい  大手証券アナリストは「これも電力自由化の功罪だ」と指摘する。 気化しやすいLNGは2カ月くらいしか貯蔵できない。このため、一般には2~3カ月先の注文を豪州や東南アジア、米国など産ガス国と交わす。しかし、市況低迷に伴いスポット(随時契約)で調達するほうが長期契約するよりも「この1年ほどは4分の1くらいで買えた」(大手電力幹部)ため、電力各社ともスポット調達に傾斜した。 さらに余分に調達した場合には、2カ月しか持たないLNGを「賞味期限」がきれる前に転売するしかない。現に余ったLNGを売却した九州電力は、昨年度約180億円もの売却損を計上するなど、「貯蔵が利く石炭や石油に比べて扱いづらい」(同大手電力幹部)。自由化でコスト削減に必死の中で、LNGの在庫をいかに抑えるかということは大きな経営課題となる。 そこを寒波が突いた。太陽光も豪雨や日照不足で頼りにならない。となればLNG火力に頼るしかない。だが、ぎりぎりに切り詰めていたLNGの在庫が払底する事態を招いたのだ。九州電力ではJパワーの石炭火力発電所に石油を流し込んで急きょ、発電する慌てようだった』、「気化しやすいLNGは2カ月くらいしか貯蔵できない」、「余分に調達した場合には、・・・LNGを「賞味期限」がきれる前に転売するしかない。現に余ったLNGを売却した九州電力は、昨年度約180億円もの売却損を計上」、難しいものだ。
・『自由化で進められた「発送電分離」で情報連携に弊害  電力会社の電力の需要予測を困難にした理由は他にもある。 自由化で電力会社は発送電分離を迫られた。自由化前のように、発電から配送電、小売りまで一社で一貫して手掛けていた体制では、小売り・営業部門から企業や家庭などの電力の消費動向がリアルタイムにあがり、それに応じて発電・送電部門が燃料調達や発電所の稼働を調整できた。 しかし、自由化後は発電、配送電、小売りがそれぞれ別会社になった。「各社間の情報連携がうまくいかず、供給責任をどこが担うのか、責任の押しつけ合いになってしまった面はある」(前出の大手電力幹部)という。 寒波はお隣の中国や韓国も襲った。さらに中国はいち早く経済が回復したためLNGの需要が伸びている。韓国も石炭火力からLNG火力への転換を進めている。また、東アジアの需要が急に跳ね上がったために米国から来るLNG船がパナマ運河で渋滞したり、豪州やマレーシアのLNGプラントが故障したりするなど「不運」も重なった』、「発電、配送電、小売りがそれぞれ別会社になった。「各社間の情報連携がうまくいかず」、今後は学習効果が働いて、「情報連携」を円滑化しようと努力する筈だ。
・『新電力の1月分電気料金が通常時の2倍以上になる恐れ  一連の全国的な電力需給の逼迫は自由化の目玉である新電力各社の経営も直撃している。自前の発電所を持たない新電力が「商材」となる電力を調達する卸売価格が高騰しているためだ。 今年に入り、1月分の電気料金が通常時の2倍以上になる恐れも出てきた。LNG不足で火力の発電量が減ったため、大手電力が卸市場に出すガス火力の電力も減るためだ。寒波の影響で需要が増加し、スポット価格が高騰した。 日本卸電力取引所(JEPX)の指標価格は1月中旬に一時1キロワット時あたり150円台と、12月上旬と比べて約25倍に上がった。一般的に家庭の電気料金は1キロワット時あたり20円台の場合が多い。新電力が販売する電力を全て市場調達に頼る場合、単純計算で電力を1キロワット時売るたびに100円超の赤字となる水準だ。 一部の新電力は市場価格を電気料金に直接反映する販売プランを採用している。ダイレクトパワー(東京・新宿)や自然電力(福岡市)によると、1月分の電気料金は通常時の2倍以上になる可能性があるという』、「市場価格を電気料金に直接反映する販売プランを採用している」「新電力」は市場から淘汰されてしまうだろう。
・『新電力Looopは複数の新電力と事業の譲り受けを協議  新電力の中では経営危機に直面する事業者も出てきている。新電力のLooop(東京・台東)は複数の新電力と事業の譲り受けに向けた協議を始めた。急騰する卸売価格をそのまま電力料金に反映すれば顧客離れは避けられない。 新電力事業の競争環境が厳しさを増す中、ある事業者は「ただでもいいから事業を引き取ってくれる先を探している」と打ち明ける。 事態を重く見た経済産業省は新電力を支援する対策を発表した。 事前の販売計画と実際の販売量にズレが生じた際に支払う「インバランス」料金について、新電力が電力供給を受けた大手電力会社などに支払う金額に上限を設ける。これは1月17日の電力供給分から適用した。 インバランス料金はJEPXと連動している。昨年12月前半は1キロワット時あたり4円台の時もあったが、1月以後は高いときで220円と新電力の経営を圧迫している。経済産業省はインバランス料金に1キロワット時あたり200円の上限価格を設けて影響を軽減する。 それでも「インバランス料金の見直しだけでは効果は限定的だ」(大手証券アナリスト)との声もあり、追加の対策が必要になる可能性もある』、「インバランス料金」での「上限価格」は、リスク管理の基本だが、これまでが設けてなかったとはお粗末極まりない。
・『今冬の電力不足が浮き彫りにした日本の電力網の脆弱性  日本の電力小売りの全面自由化からこの4月で5年を迎える。新規参入が相次ぎ、新電力の販売電力量は全体の約2割を占める規模まで拡大している。しかし、この冬の一連の電力不足が日本の電力網の脆弱ぜいじゃく性を浮き彫りにした。 不完全な電力自由化と、急速な再生エネルギーシフトで混乱に拍車をかける脱・炭素政策。「再エネは安定供給に難があることは誰でもわかる話。そこをどう埋めていくのか。再エネで跳ね上がる電気料金を誰が負担するのかも議論が進んでいない」(前出の大手電力幹部)。 東電福島第1原発の事故から10年が経つ。だが、菅政権は選挙を気にして原発について正面からの議論を避けている。新型コロナウイルス感染が止まらない中、菅政権はまた重い課題を一つ抱え込んだ』、「菅政権」が「原発について正面からの議論を避けている」のは困ったことだ。

第三に、6月11日付けPRESIDENT Online「「アマゾンに電力市場を乗っ取られる」国の"電力政策の失敗"がもたらす最悪のシナリオ 肝煎りの「新電力」は次々と破綻へ」を紹介しよう。
・『欧州に引きずられる形で脱炭素を菅政権が掲げたツケ  5月14日、梶山弘志経済産業相は閣議後の記者会見で「今夏の電力需給が全国的にここ数年で最も厳しくなる」と述べた。これを受けて、新電力各社の間からは「大手電力が巻き返しか」との声が相次いで漏れた。 経産省によると、電力の供給力の余裕度を示す予備率は北海道と沖縄を除くエリアで7月に3.7%、8月は3.8%を見込んでいる。安定供給には最低でも3%が必要なことを考えると、需給面でギリギリの水準となる。 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後には全国の原発が止まり、予備率がマイナスになったこともあるが、それを除けば今夏の予備率はここ数年で最も低い。さらに今年の冬は、夏以上に厳しくなる恐れもある。 こうした状況について、大手電力の中からは「年明けの時期にもかなり電力は逼迫ひっぱくした。その混乱を未然に防ぐ意味での大臣の表明かもしれないが、乗り切れるかどうか不安だ」との声が漏れる。その一方、「日本のエネルギーの現状をしっかり見極めないなかで欧州に引きずられる形で脱炭素を菅政権が掲げたツケが回ってきた」と冷めた見方もある』、「日本のエネルギーの現状をしっかり見極めないなかで欧州に引きずられる形で脱炭素を菅政権が掲げたツケが回ってきた」、言い得て妙だ。
・『特に懸念されるのが「LNG不足」の再来  今夏や次の冬の電力不足の原因は大手電力が火力発電所の休廃止が相次いで進み、電力の供給力が落ちているからだ。新電力の中では「電力の供給力を上げるためには『やはり原発が必要だ』という世論を誘導するためではないのか」といぶかしむ向きも多い。 実際、足元の卸電力市場の取引価格は再び上昇してきている。日本卸電力取引所(JEPX)で毎日取引するスポット価格(24時間平均)は5月の平均が1キロワット時7円前後で推移。20年5月の月間平均値である4円台に比べ6割ほど高い。 スポット価格は1月に寒波の襲来と発電燃料の不足で150円超まで急騰した。その後、2~3月は前年同期に近い水準に戻ったが、足元で再び上げ足を速めている。企業活動が回復してきたのと、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の在庫も減ってきているからだ。 特に懸念されるのがこの冬に問題になったLNG不足の再来だ。コロナ感染で大手電力はLNGの在庫を絞ってきた。そこに寒波が到来して電力の需要が急騰したために電力不足が生じたわけだが、もう一つ、LNGを巡っては不安材料が持ち上がってきた。東南アジアでのLNG需要の高まりだ』、「東南アジアでのLNG需要の高まり」はやむを得ない。
・『フィリピン、タイ、ベトナムがLNG輸入を拡大中  フィリピンでは同国電力大手のファーストジェンが来年の初輸入に向けて、6月に基幹設備の建設を開始した。同国唯一のマランパヤのガス田は27年にも枯渇すると推定され、発電量の2割を占める天然ガス火力発電が立ち行かなくなる可能性が高まっている。同国の電力需要は40年まで年5%以上増加する見通しだ。 タイやベトナムでもLNGの調達拡大が進む。タイは民間企業へのLNG輸入が20年に解禁された。これまで国営エネルギー会社のタイ石油公社(PTT)が独占してきたが、民間電力大手のガルフ・エナジー・デベロップメントや財閥Bグリム系の企業にもLNGの取引免許が与えられた。タイもフィリピンと同様、国産の天然ガスが枯渇傾向にある。このため、11年から始めたLNG輸入を37年に約320億立方メートルと18年の6倍超に増やす計画だ。 まだ輸入実績がないベトナムでも、国営石油最大手のペトロベトナムグループが南部のバリアブンタウ省で22年にもLNG基地を稼働させるなど、約10カ所で基地プロジェクトが進行中だ』、石炭火力より環境によいので、LNGシフトは当然だ。
・『新電力を経営破綻に追い込んだ「電力不足での料金高騰」  自国でのLNG枯渇に加え、脱炭素の世界的な流れも東南アジア各国がLNGの調達を急がせている。石炭火力に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量の低減につながる天然ガスの活用は重みを増している。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、20年の世界のLNG需要のうち東南アジアは5%程度だったが、30年には13%程度まで伸び、世界の需要を牽引するという。現在、世界需要の約2割を占める日本や、急速に調達を増やす中国にとっても無視できない存在になる。 LNG争奪戦の過熱でスポット価格がまた高騰するようだと、自前の電源を持たない新電力は、経営への打撃が再び深刻化する。通常、暖房不需要期となる5月は余ったLNGを消費する期間だが、「今年は電力余剰が少なく、余ったLNGを使ってつくる安値の電気の入札がかなり減っている」と経産省は警戒する。 新電力は今年に入り、3月に大手の一角を占めるF-Power(エフパワー)が経営破綻した。東京地裁に会社更生法適用を申請、負債総額は464億円(帝国データバンク)で今年最大の倒産案件となった。低料金を武器に18年4月には販売電力量で新電力首位に立ち、売り上げも1000億円を超えた。 しかし、急成長の半面、自前電源だけでは需要に追いつかず、電力卸市場からの調達を拡大していったのがあだとなった。調達できなかった電力分を大手電力に穴埋めしてもらったかわりに支払う200億円にも及ぶインバランス料金が発生。折からの電力不足による料金高騰で通常の10倍を超える支払いを迫られ、破綻に追い込まれた』、「電力卸市場からの調達」に依存している「新電力」の相次ぐ破綻は、やむを得ないだろう。
・『自前の電源を持たない新電力の破綻は止まらない  さらに、新電力ベンチャーのパネイルも5月に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。主力の電力小売事業で安値受注を続け、収益が悪化していた。AIを活用した電力管理システムの開発計画を打ち出し、大企業との提携にも乗り出していたが、実現できずに経営が行き詰まった。 16年の電力小売り全面自由化以降、大手電力以外の異業種から参入した新電力の事業者は約700社に増えた。新電力の販売電力量は全体の約2割まで占めるまでになった。自由化による電気料金引き下げを目指してきた政府だが、今夏や冬の電力が再び逼迫し、卸価格が高騰すれば自前の電源を持たない新電力の破綻は止まらないだろう。 経産省もインバランス料金の上限や分割支払いなどを導入して新電力の経営を支援しているが、「過去の安売り合戦で新電力各社の体力はかなり奪われている」(新電力幹部)との声は多く、予断を許さない。 大手電力の経営も厳しい。この年明けの電力不足への対応のために高騰したLNGの調達を余儀なくされたため、電力大手各社の前期の業績は大幅な減益となった。ライバルの大阪ガスからLNGの「おすそ分け」を受けた関西電力はようやく稼ぎ頭の原発の再稼働にこぎつけたが、多くの大手ではまだ多くが止まったままだ。 特にこれから迎える冬にかけて予備率が3%を切るともいわれている東電は、柏崎刈羽原発での相次ぐ不祥事で、原発再稼働に向けて動きづらい状況が続いている』、「東電」の「柏崎刈羽原発」問題でのお粗末さは、同社のやる気を疑いたくなるほどだ。
・『アマゾンのデータセンター7つで、消費電力は原発1基分  LNGの値上がりによる発電コストの上昇や原発の停止など利益がそがれる中、大手電力が再エネに充てる余裕はなくなってきている。その間隙を縫うように、再生エネルギーの分野では米アマゾン・ドット・コムは大手商社などと組んで、日本国内に独自の発電所を建設することを検討している。 アマゾンは日本にある自社のデータセンター向けに独自に発電所を建設する計画を進めている。太陽光や洋上風力で得た再生エネルギーをアマゾンのデータセンターに供給する。すでに複数の商社に発電所建設を持ち掛け、協議している。 アマゾンの計画ではこの独自発電所の最大発電能力は数十万キロワット。大型データセンターは1カ所で原子力発電所の10分の1にあたる10万キロワットの電力を消費する。アマゾンは国内に7カ所のデータセンターを持つが、すべて再生エネで賄うとすると、原発1基分に相当する規模になる。 東京電力など大手電力にとってみれば、有数の大口需要家であるアマゾン向けの電力供給契約は喉から手が出るほど欲しいところだ。しかし、今、大手電力にアマゾン専用の大規模の再生エネ発電所を建設する余裕はない。 アマゾンは水面下で東電などと交渉していたが、ガス火力や原発の再稼働を見込む中で、東電など大手電力の再エネへの取り組みは遅れている。「東電の煮え切らない態度にしびれを切らしたアマゾンが大手商社に持ち込んで入札となった」(大手投資銀行幹部)という。 仮に大手商社がアマゾンからの受注を獲得すれば、東電など大手電力の取引先はまた一つ減ることになる』、「東電の煮え切らない態度にしびれを切らしたアマゾンが大手商社に持ち込んで入札となった」、「アマゾン」との取引を逃したのは「東電」の身から出た錆だ。
・『洋上風力発電は規模に勝る欧州勢の草刈り場になる恐れ  ここにきてトヨタ自動車が取引先の部品メーカーに対して、再エネ活用による脱炭素の取り組みを要請するなど、大口需要家が再エネへのシフトを急いでいる。この受注合戦に乗り遅れるようだと、大手電力はいよいよ原発の再稼働に頼らざるを得なくなる。 政府はこの夏に中期の電源構成を決めるエネルギー基本計画を打ち出す予定だ。2030年の再生エネの比率を現在の18%(19年度)から30%台後半まで引き上げる見通しだが、自由化で期待した新電力は退潮の一途だ。 再エネで有望視される洋上風力発電も規模に勝る欧州勢の草刈り場になりそうだ。再エネを系統電力網に流す規制が不完全な状態にしたまま進めた自由化の中で、脱炭素政策を掲げたことで電力業界は混迷の度を深めている。 こうした状況下でアマゾンが日本の電力市場に進出すれば、インパクトは強烈だろう。東日本大震災以降、原発を含めたエネルギー問題を放置してきた政治の不作為のツケはあまりにも大きい』、ベースロード電源になり得る「洋上風力発電」はともかく、地熱発電が環境規制などの理由で殆ど実用化されてないのは残念だ。
タグ:東洋経済オンライン PRESIDENT ONLINE 電力・ガス自由化 (その1)(大寒波とLNG不足が直撃、電力逼迫の「異常事態」 市場価格は急騰 発電所トラブルが追い打ち、「電力自由化は失敗だった」節電要請が目前に迫るほど日本の電力網は弱っている 「こうなったら停電させたらいい」、「アマゾンに電力市場を乗っ取られる」国の"電力政策の失敗"がもたらす最悪のシナリオ 肝煎りの「新電力」は次々と破綻へ) 「大寒波とLNG不足が直撃、電力逼迫の「異常事態」 市場価格は急騰、発電所トラブルが追い打ち」 「LNGはその性質上、長期にわたる備蓄ができない」、扱いがやっかいそうだ。 「トラブルや不具合」も一定程度を超すと需給に深刻な影響を与える。「電気事業連合会は、日本ガス協会や石油連盟を通じ、都市ガス会社や石油会社に発電用燃料を供給するよう要請」、ライバルに頭を下げざるを得ないというのは事態の深刻さを示しているようだ。 「電力の需給逼迫は長期化する可能性が高く、「東日本大震災当時よりも厳しい」、冬場でもこんなに深刻化するようなら、夏場、しかもテレビ観戦が増える東京五輪を乗り切れるのだろうか。 坂本 竜一郎 「「電力自由化は失敗だった」節電要請が目前に迫るほど日本の電力網は弱っている 「こうなったら停電させたらいい」」 「新電力の販売電力量は全体の約2割を占める規模まで拡大」、しかしその基盤は脆弱なようだ。 「関電」は何故「LNG」調達戦略を間違ったのだろう。 「新型コロナウイルス感染拡大で支持率が急落している中で『節電要請』となると、看板政策の脱・炭素政策も腰砕けになる」・・・と電事連の申し入れをはねつけた」、政府の主張は余りに政治的だ。 「LNG火力へのシフトも進み、国内の発電総量の4割を占めるようになった」、脱原発の頼もしい味方のようだ 「気化しやすいLNGは2カ月くらいしか貯蔵できない」、「余分に調達した場合には、・・・LNGを「賞味期限」がきれる前に転売するしかない。現に余ったLNGを売却した九州電力は、昨年度約180億円もの売却損を計上」、難しいものだ。 「発電、配送電、小売りがそれぞれ別会社になった。「各社間の情報連携がうまくいかず」、今後は学習効果が働いて、「情報連携」を円滑化しようと努力する筈だ。 「市場価格を電気料金に直接反映する販売プランを採用している」「新電力」は市場から淘汰されてしまうだろう。 「インバランス料金」での「上限価格」は、リスク管理の基本だが、これまでが設けてなかったとはお粗末極まりない。 「菅政権」が「原発について正面からの議論を避けている」のは困ったことだ。 「「アマゾンに電力市場を乗っ取られる」国の"電力政策の失敗"がもたらす最悪のシナリオ 肝煎りの「新電力」は次々と破綻へ」 「日本のエネルギーの現状をしっかり見極めないなかで欧州に引きずられる形で脱炭素を菅政権が掲げたツケが回ってきた」、言い得て妙だ 「東南アジアでのLNG需要の高まり」はやむを得ない。 石炭火力より環境によいので、LNGシフトは当然だ。 「電力卸市場からの調達」に依存している「新電力」の相次ぐ破綻は、やむを得ないだろう。 「東電」の「柏崎刈羽原発」問題でのお粗末さは、同社のやる気を疑いたくなるほどだ。 「東電の煮え切らない態度にしびれを切らしたアマゾンが大手商社に持ち込んで入札となった」、「アマゾン」との取引を逃したのは「東電」の身から出た錆だ。 ベースロード電源になり得る「洋上風力発電」はともかく、地熱発電が環境規制などの理由で殆ど実用化されてないのは残念だ。
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教育(その25)(学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】、教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】、角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず) [社会]

教育については、4月17日に取上げた。今日は、(その25)(学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】、教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】、角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず)である。

先ずは、6月7日付けダイヤモンド・オンライン「学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273066
・『『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集は「教師大全 出世・カネ・絶望」です。文部科学省は教師の仕事の魅力を広めようと、Twitter(ツイッター)で「#教師のバトン」のハッシュタグを付けた発信をするように現場へ呼び掛けました。ところが教師たちは過酷な現場の惨状をどんどん投稿し、プロジェクトは大炎上。特集では、絶望を深める現場とともに、出世や人事、給与の面で教師の実態に迫り、彼らが抱える問題を多方面からえぐり出しました。このテーマの下、現役教師たちが内情を赤裸々に語る覆面座談会をお届けします。(Qは聞き手の質問)』、興味深そうだ。
・『A?Dまでランク付け その評価が給料に反映される  Q:2016年に教師の能力や業績を評価する人事評価制度の導入が義務化され、全国の自治体に広がりました。実際に現場ではどんな評価が行われていますか。 九州の公立学校教師A A?Dまでランク付けされて、その評価が給料に反映されます。上のお気に入りはいい評価になりやすいっていうのは、一般企業みたいな感じですよ。 首都圏の公立中学校教師B 昔、学校の職場は「座布団型」と呼ばれる組織で、校長と教頭以外はみんなフラットでお互いフォローし合うかたちになっていました。それを国がピラミッド組織にしようとする裏には、日教組(日本教職員組合。最大の教職員労働組合)つぶしの狙いがあったと知り合いの校長が言っていました。役職をたくさんつくって、D評価をくず扱いする。そうすれば組合の団結を崩せると。 評価は校長による一方的なもの。こんなに頑張っていますと文書を提出したところで、読む気がない。で、自分の言うことを聞く子分をA評価にする。それが給料に反映されるんだから、結局みんな校長のごますりになります。 一方でこちらが校長を評価することはない。校長を評価するのは、学内での仕事ぶりを知りもしない教育委員会。だから校長は自分に都合のいいピラミッド型、つまりはお気に入り組織をつくれるんです。 Q:A評価の顔触れは? 教師B うちの学校の場合、部活動を仕切る中体連(日本中学校体育連盟。中学生のスポーツ振興を図る財団法人)に関わる教師たちがA評価になっています。 Q:昔の組織を知らない若手教師の中には、民間企業と同じように評価システムがあった方が働きがいがあるという人もいるのでは? 教師B 若い教師はアピールしまくります。勤務時間を超えて何時間も居残って仕事したり、校長に言われれば何でもやる。部活動の顧問も断りません。 Q:どんな評価の内訳になっているんですか』、「自分の言うことを聞く子分をA評価にする。それが給料に反映されるんだから、結局みんな校長のごますりになります」、現場は「人事評価制度」により歪められているようだ。「日本中学校体育連盟・・・に関わる教師たちがA評価」、この組織がそんなに力を持っているのも不思議だ。
・『A評価とD評価は各20% その給料差は10%  教師B 教師のうち20%はA評価。20%がD評価。教師たちは自分がD評価になりたくないから誰かをD評価にしようとおとしめたりする。それに死ぬほど働くし、絶対に上に逆らわない。働き方改革どころじゃありません。 学校の労働問題に詳しい労働組合(労組)関係者D 一般的に公立学校教員の給与には年齢給があるので、成果報酬に徹した民間企業における職務や評価で報酬を決める仕組みとは違います。B先生のところではA評価とD評価で月給にどれくらい差がつくんですか。 教師B 10%ぐらい違ってくるみたい。D評価の削られた給料が高い評価の人の給料に回るので、財政的な痛手はなし。 労組関係者D 公立学校の場合、教師の労働条件は基本的に自治体の条例で決めます。だから自治体によって給料への反映の仕方は違います。 首都圏の私立学校教師C 力量形成は1年で成せるものではないということで長期的に評価したり、教育っていうのはみんなでやる営みであるからとチームワークでの評価を取り入れたり、よくよく考えている自治体もあります。 ※参考…ダイヤモンド編集部による東京都教育委員会へのヒアリングと「東京都教育職給料表」に基づく東京都の昇給モデル例は次の通り。 +職員の区分には「級」と「号級」がある。級は1級(講師など)、2級(教諭)、3級(主任)、4級(主幹・指導教諭)、5級(副校長)、6級(校長)に分かれる。40歳教諭(4年制大学をストレートに卒業して22歳で教員採用試験に合格したと仮定)の場合、40歳時点で77号級に相当し、月給は33万6800円。 +東京都では勤務の成績を5?1の5段階で評価(5が最高)。これを号級に換算すると、最上位は6号級(8700円分)昇給する。上位は5号級(7300円分)、中位は4号級(5900円分)、下位は3号級(4500円分)、最下位は昇給なし。査定は年に1回。懲戒処分はもちろん、病気などで半年以上休むと昇給なしとなるケースがある。 +最上位は教師全体のトップ10%以内、上位は最上位を除いたトップ30%以内に限定される。 Q:学校のピラミッド組織において、校長の力って強いんですか』、「A評価とD評価で月給にどれくらい差・・・ 10%ぐらい違ってくる」、この他に職務での差による違いはないのだろうか。
・『校長、中体連、教育委員会 この誰かに逆らうと「冷や飯」  教師B 校長権限は校内では絶大です。私、校長命令で机を事務室に移動させられ、「そこにいろ」と1年間干されました。他の先生から隔離するというパワーハラスメント。 他にも私の授業をちょっと見に来て、空き時間に校長室に呼ばれて「さっきの授業の話ね……」と授業の指導をするふり。「座ってろ」と言って校長本人は部屋を出ていってしまったりする。 空き時間がつぶされて仕事が終わらず、残業せざるを得なくなる。これ、校長たちの間でよく出回っている手口です。 Q:なんで目を付けられたんですか。 教師B 「部活動をやりません」って言ったことから全てが始まりました。「おまえは中体連に逆らうのか」と怒鳴られた。地域の運動活動に参加しているので「私は地元でやります」と返したら、校長の気に障った。 部活を断ると仕返しがやってきます。他の県で「部活はやりたくない」って言った結果、片道3時間のところに転勤させられたっていう例もあります。 中体連、校長が入る校長会、教育委員会の各組織が同じようなメンツで入れ替わったりするので、この誰かに逆らうと冷や飯を食わされる。異動までさせられちゃう。 Q:ルール的には部活動の強制はできないのでは? 労組関係者D 公立学校において、部活動を強制できないのではなく、“勤務時間外の”部活動は強制できない。現実には、部活ってほとんどが勤務時間外ですけどね。 現場にそれを拒否なんかできる雰囲気はない。民間企業で残業を拒否しづらいのと似たような感覚だと思います。残業分の給料が払われていないところが決定的に違うんですけどね。 私立学校の場合は、労働契約・就業規則でどのようになっているかによります。 教師C うちは部活動に不熱心な学校なので、部活動でどうこうはないですが、校長は権力を握る絶対的な存在。仕事外しは私もやられました。クラスや学年の担当を外されたり、生徒の保護者もいる席で説教を垂れられたり。 教師B 叱責は今ほとんどしませんね。言質を取られるから。やんわりと丁寧に権力を使っていじめてくる。 うちの学校は主任以上が全員、中体連の幹部です。自分たちの仲間を上に引っ張る構造で、上は体育会系ばかり。校長の中には漢字を書けないとか笑っちゃうような人もいます。 このエリアでは校長の3割が体育教科の出身。異様に多い。彼らは残業で部活動を何十時間やろうが、趣味なんで倒れたりしない。一方で体育じゃない教師は部活を強制されると過労で倒れてしまうんです。 教師A B先生のところも、C先生のところも、ものすごいパワハラですね。そこまでパワハラしてたら、うちは組合が動きますよ。 >>6月8日(火)公開の後編に続きます』、「部活はやりたくない」って言った結果、片道3時間のところに転勤させられたっていう例もあります」、「パワハラ」の最たるもので、組合に訴えれば、何とかなるかも知れない。「うちの学校は主任以上が全員、中体連の幹部です。自分たちの仲間を上に引っ張る構造で、上は体育会系ばかり。校長の中には漢字を書けないとか笑っちゃうような人もいます。 このエリアでは校長の3割が体育教科の出身。異様に多い」、信じられないような偏りだ。体育会系であれば、命令への服従など、上司には使い勝手がいいのだろう。

次に、この続き、6月8日付けダイヤモンド・オンライン「教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273298
・『『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集は、「教師大全 出世・カネ・絶望」です。絶望を深める過酷な現場とともに、出世や人事、給与の面で教師の実態に迫り、彼らが抱える問題を多方面からえぐり出しました。このテーマの下、現役教師たちが内情を赤裸々に語る覆面座談会の後編をお届けします。(Qは聞き手の質問)』、「後編」も期待できそうだ。
・『若い教師は「日教組に入るな」と親から言われている  Q:教師の労働組合(公立では教職員団体)には、長い歴史を持つ日教組、そこから分裂した全日本教職員組合(全教)、最近では私学教員ユニオンなど、いろいろな組合があります。しかし加入率はどんどん下がり、今や非加入が7割(公立学校教職員の加入状況)で「組合離れ」が起きています。A先生のエリアは組合がパワーを持っているんですか。 九州の公立学校教師A 組織率はとても低くなっていますけどね。 Q:どちらの組合? 教師A 日教組です。私はイデオロギーが入っていて選挙活動もバリバリやる。市、県、国などに議員を出すことを目指します。 でも、職場ではそういう話はできません。田舎で保守的な土地柄なので。若い教師からは「日教組に入るなと親から言われています」とか「組合って政治活動ばっかりしているんですよね」とか言われます。実際にパワハラに遭った人とかは加入してくれるんですが。 私自身も組合に助けてもらった経験があります。組合員は職場の小さな声を拾って組合上層部に上げていく活動を続けているし、歴史が長い分、培った知識は生きてはいます。 世の中に出回っている組合のネガティブな話を耳にした若い人たちが「組合って駄目なんだな」と思い込んで参加してくれないままだと、衰退していくよねと思ったりします。 Q:A先生自身や周囲は職場の労働環境改善にも取り組んでいるにしても、日教組に限らず年配の組合幹部にはイデオロギーの活動ばかりの人がいませんか。 首都圏の私立学校教師C 現場の中で感じるのは、失礼ながら先輩幹部たちの実務的な能力が弱いこと。労働協約(使用者と労働組合の間の取り決め)なんて結ばなくたって口約束で大丈夫だと言ってきたり、就業規則や法律系の知識がない。恐ろしいぐらいに。 介護のために短時間勤務できるはずなのに、組合員に対して、「いや~、就業規則にないから駄目ですね」と言って退職させちゃうなんてことが起きているんですよ。 平和だとか憲法だとかは大事でしょうが、実務の力がこれでは「何だよ、職場の労働問題も解決できないのに」と見られてしまう。同僚たちから信頼を得られない。 学校の労働問題に詳しい労働組合(労組)関係者D それはまっとうなお話なんじゃないですか。私は組合の人に言ったことがあるんです。平和だとか憲法問題で国家権力と闘っているけど、もっとわがままに自分や身近な仲間を守る闘いをすればいいじゃないかって。嫌みでなく、本心から。 あのときは私、誤解していました。大きい敵だから彼らは気楽に物が言えたんですよね。身近な敵と闘ったら、攻撃を食らってしまう。 首都圏の公立中学校教師B Dさんの言う通りなんですよ。私はアウトロータイプでつるむのが好きではなくて組合に入っていないんですが、私がパワハラに遭っているとき、組合の人は見て見ぬふりでした。日教組も頼りにならなくて、校長や管理職とつながって私に嫌がらせをする人もいました。 教師C 若い子たちは組合ってなんか怖いなと思っている一方で、頼れるものが欲しいとも思っています。「教職員組合はアカだ!」みたいに悪く宣伝する勢力もあるけど、そんなものを乗り越えられるぐらいに、職場で教師が生きるために必要な存在であると認識してもらえるか。そこが勝負どころだと私は思います』、「今や非加入が7割・・・で「組合離れ」が起きています」、「介護のために短時間勤務できるはずなのに、組合員に対して、「いや~、就業規則にないから駄目ですね」と言って退職させちゃうなんてことが起きているんですよ。 ・・・実務の力がこれでは「何だよ、職場の労働問題も解決できないのに」と見られてしまう」、「組合」は身近な問題にもっと力を入れるべきだろう。
・『非正規はへつらわないと正規になれない圧力  学校の労働問題に詳しい労組関係者E 若者の視線で言えば、非正規雇用の教員が増えており、組合がその受け皿にどれだけなっているのかというのも大事ではないですか。今の私立学校では、卒業後にストレートで専任(正規職員)になれる道は細くて、4割が非正規雇用。正規雇用というニンジンをぶら下げられながら働き、合理的な理由もなく雇い止めされて学校を転々としています。 教師C うちの組合は、ハラスメントがあってもすぐに辞めないように相談を受けたり、職能を身に付けて正規の登用試験に受かるようにサポートしたりしている。そうした経験を経た教師は、非正規の人たちに対する良いまなざしを持っていますから、一緒に非正規の問題に取り組んでくれる。そういう戦略でやっています。 教師B 若い非正規教師は、常にへつらっていないと正規になれないなっていう圧力を感じていると思います。校長の推薦があれば正規になりやすいですから。 教師C 教師のブラック問題の構造って、この座談会で出てきた昇給の査定だとか、非正規から正規になれるか否かとか、そういうところでしっぽ振り競争をするような構造が出来上がっている。特に非正規教師はしっぽを振らないとご飯を食えないから、いやが応でもなびいて、無理して働かざるを得ません。 労働組合はそれに対して力を発揮できているかというと、うまくできていない感じがします。 労組関係者E 正規だと年功処遇で安定しているけれど、非正規は同じ仕事をしているのに年収で200万円ぐらいしかもらえなかったりする。若い世代が切実なのはそういうところにあります。ここの受け皿になるのが労働組合を再生するきっかけにもなるんじゃないでしょうか』、「今の私立学校では、卒業後にストレートで専任(正規職員)になれる道は細くて、4割が非正規雇用。正規雇用というニンジンをぶら下げられながら働き、合理的な理由もなく雇い止めされて学校を転々としています」、「うちの組合は、ハラスメントがあってもすぐに辞めないように相談を受けたり、職能を身に付けて正規の登用試験に受かるようにサポートしたりしている」、「非正規」の「受け皿になるのが労働組合を再生するきっかけにもなるんじゃないでしょうか」、その通りだろう。
・『Q:労働問題を抱えながらも、お三方はなぜ教師を続けるのですか。 教師A 私はもともと子どもが好きで、子どもたちと一緒に楽しくやっていきたかったので。教師って業務の範囲が広いから、忙しいけれど楽しめる面もある。 教師B 私が就職した当時、教師は裁量労働制が一番進んだ労働形態でした。部活指導やデスクワークの残業も多くて、時には深夜まで働くこともあった。それでもテスト期間の午後とか夏休みとか、裁量労働で休めました。ところが今は、「勤務時間を守りましょう」となった。残業代も出ないのに。もっと給料が良くて首にならない仕事があるならそっちをやりますよ。 教師C 教師は社会的に意味のある仕事という認識があるのと、仕事としてやっぱり面白い。教え方を工夫すると子どもの反応が良いものも悪いものもいろいろ出てくることにすごく面白みを感じるんです。先輩たちがいろんなものを積み重ねて、実践や手法を編み出したのを学ぶのも楽しかった。 今、大変な中でも続けているのは、子どもたちは教師の鏡みたいなところがあると感じるから。大変でも自分で手を動かしてやっていくということを、教師がしっかりやらなくちゃいけないと考えています』、「テスト期間の午後とか夏休みとか、裁量労働で休めました。ところが今は、「勤務時間を守りましょう」となった」、現実には下記リンクのように、「夏休み」期間中も勤務し、「研修会」「講習会」『研究大会」などが、この時とばかり開かれるようだ。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1367648423

第三に、6月13日付けダイヤモンド・オンライン「角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273873
・『インターネットで学べる高校として日本一の生徒数を誇る角川ドワンゴ学園の「N高」が労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。ダイヤモンド編集部では『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集「教師大全 出世・カネ・絶望」で、教師1人で150人の生徒を担任するといったN高の過酷な労働の実態を報じていた』、いくらインターネットを活用するとしても、「教師1人で150人の生徒を担任」はやはり多過ぎるようだ。
・『残業代の支払いが不適切 労基法違反で是正勧告  「N高等学校(N高)」を運営する角川ドワンゴ学園が亀戸労働基準監督署(東京・江東区)から労働基準法違反に基づく是正勧告を受けていたことが分かった。N高教師に対する残業代の支払いが不適切だったことなどに対して、5月19日付で是正勧告が出されたもので、この教師らが加入する労働組合の私学教員ユニオンが6月11日に都内で会見を開いて明らかにした。 ダイヤモンド編集部では『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集「教師大全 出世・カネ・絶望」で、教師1人で150人の生徒を担任するといったN高の過酷な労働の実態を報じていた。 インターネット授業と通信制高校の制度を組み合わせた“ネットの高校”である角川ドワンゴ学園の「N高等学校(N高)」は2016年4月に開校した。ビジネス界の著名人、教育界の大物、革新的な取り組みで実績を持つメンツを幹部にそろえる人気校で、生徒数は1万7000人超(21年5月時点)と日本一だ。 N高には、高校卒業要件を満たすために年5日間スクーリング(通学)する以外は全てインターネットで完結する「ネットコース」、全国にあるキャンパスに通う「通学コース」などがある。 ネットコースを担当する教師は、スクーリングに対応しながら担任業務をこなす。担任業務は、チャットツールのSlack(スラック)や電子メール、電話などを使った生徒への対応やビデオ会議ツールのZoom(ズーム)を使った面談、保護者対応などだ。加えて「レポートを年に1万件以上採点している」(N高教師)という。 是正勧告が出された背景には、こうした業務に追われて長時間労働が続く過酷な労働実態があった』、「この教師らが加入する労働組合の私学教員ユニオン」が支援しているようだ。
・『当該教師は実質的な残業が約90時間 過労死ラインを超えていたと主張  是正勧告は複数項目におよび、その一つは残業代の支払いが不適切だった点にある。労基署に通報した教師の場合、20年10月における所定時間外労働24時間分に対する賃金支払いが、本来支払われるべき金額よりもはるかに少なかった。学校側は、年度内に振替休日を取得することを前提に支払っていたためと弁明しており、是正勧告を受けて改善するという。 また、スクーリング授業の際に休憩時間が取れていない点について勧告が出された。これに対しても学校側は運営方法を見直すとしている。 当該の教師は、20年10月における実質的な残業が過労死ラインを超える約90時間に及んだと主張している。担任として約150人の生徒を受け持った上に、スクーリング授業に追われ、授業の合間に休憩を取ることはほぼできなかったという。なおN高は固定残業手当(みなし残業代)を設けており、40時間分は固定残業の範囲となる。 教師側からは「きちんと(生徒の)相談に乗れるように担任数の減少を望んでいる」との声が挙がる。教師の受け持ち生徒数は150名(1・2年次を受け持つ場合)がほぼ標準になっていることについて、学校側は「適正な数である」と認識している。 「専門チームによるオンライン授業を取り入れているため、教員の授業担当の負荷は全日制高校とは異なる」とし、ICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化を図り、進路指導、部活動、事務作業、生徒指導等を行う専門・支援チームを設け、担任教員の負荷を減らす分業を進めているという』、「20年10月における実質的な残業が過労死ラインを超える約90時間に及んだと主張」、他の月はどうなのだろう。
・『Slackの通知音や着信音が幻聴で聞こえてきた  会見に出席した教師たちは「長時間労働、残業代不払いは教員業界全体に広がる普遍的な問題。特にN高は利益ばかりを追い求める中で、教員の労働問題だけでなく教育の質の劣化によって生徒、保護者も犠牲になっている」と訴えた。 このうちの一人は「給与はほぼ最低賃金。拠点で授業満足度1位になっても給与に反映されず、退職金もない」とし、今後の生活への不安をのぞかせた。 また、最近退職した教師は「業務過多で日に日に疲弊し、ピークで忙しかった時期には、休日にもSlackの通知音や着信音が幻聴で聞こえてきたり、エアコンの音が着信音に聞こえることがあった」と嘆いた。 学校側は「教員の過重労働や待遇改善を目指して、分業化やIT化、残業時間の削減を積極的に行っているという自負を持っている」としている。 是正勧告を機に、教師側と学校側の間にある隔たりを埋められるか。ICT活用と分業化で、働きやすい環境と教育の質の両方を高めたいという理想を共に目指せるか否か、その分岐点に立つ』、「N高は利益ばかりを追い求める中で、教員の労働問題だけでなく教育の質の劣化によって生徒、保護者も犠牲になっている」、「学校側は」強弁しているが、「是正勧告」が出るからには、よほど酷いのだろう。「教育の質の劣化」は今後の生徒募集に影響して来るのではなかろうか。
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不登校(その2)(「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…、急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応、有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援 修学支援センターに集まる志) [社会]

不登校については、2019年12月19日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を先ずは…、急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応、有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援 修学支援センターに集まる志)である。

先ずは、昨年12月16日付け東洋経済オンラインが転載した不登校新聞「「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393115
・『息子は覚えているでしょうか。 幼かったころ、誕生日会を開くとお友だちが押し寄せて超満員になるほどでした。 土曜日になれば、必ずと言っていいほどお友だちの家に泊まりたいと言い出し、実際に泊まってきてしまいました。それだけでなく、夏休みになれば、お友だちどうしでのキャンプ、プール、お祭り……。 あるときは、お友だちが自転車のカギをなくしたため、みんなで自転車を担いで帰って来たこともありました。あまりに帰りが遅くなったので、私は叱りながらも「お友だち思いだな」と感じていました。中学に入れば部活動が忙しく、休みもなく朝7時から家を出て行きました』、かつては、ずいぶんいい子だったようだ。
・『笑わなくなった息子  本当によく頑張っていたと思います。なのに急に中学2年生から学校へ行けなくなりました。外へ出られなくなり、お友だちにも会わなくなり、笑わなくもなりました。 原因もわからず慌てた私は、とにかく息子を変えようとがんばりました。だって学校へ行かずゲームばかりなんです。 朝、起きない息子を蹴とばしたり、叩いたり、下心から優しい言葉を使ってみたり。そんなことをしても息子は責められている気持ちになるばかりで意味のないことでした。 息子が頼ったのは、私の両親、息子にとっては祖父母でした。ある日、息子は祖父母に「家を出て暮らすにはどうしたらいいのか」「どれぐらいのお金が必要なのか」と聞いたそうです。 祖父母は息子の要望を聞いて、それに見合った職種を一つひとつ丁寧に説明してくれたそうです。 その後、息子は面接へ行き、働くようになって2年目になりました。祖父母はいつも、息子はとても素直な子で、おかしいのは母親の私だと言います。あんなにも怖くて厳格だった祖父は、優しいおじいちゃんになり、息子については「こんなにかわいくていい子はいない!」と言います。そういう眼で見ていたから、息子も祖父母を頼る気になり、変わるためのアドバイスを受けいれたのだろうと思います。(愛知県・平井雅美)』、「急に中学2年生から学校へ行けなくなりました」、この原因について、学校の担任の先生に尋ねたのだろうか。いきなり「祖父母」が登場してきたのには違和感がある。不登校になった原因が触れられてないので、「祖父母」のアドバイスが適切だったのかも判断し難い。

次に、本年5月5日付け現代ビジネスが掲載した『不登校新聞』編集長の石井 志昂氏による「急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82714?imp=0
・『「学校に行きたくない」という子どもが増えるというGW明け。とくにコロナ禍の不安定な状況にあって、学校生活だけでなく様々な側面で不安を抱え、精神的なストレスを感じている子どもが増えています。 もし、自分の子どもが「学校に行きたくない」と言ったら…。子どもはどういう気持ちなのか、そして保育者はどう対処すべきなのかーー『不登校新聞』編集長であり、不登校の問題に20年携わっている石井志昂さんに寄稿いただきました』、興味深そうだ。
・『増え続ける不登校の子どもたち  ある日突然、子どもが「学校へ行きたくない」と親に相談することは珍しくないようです。 雑誌『LEE』(集英社)の読者アンケートによれば、「子どもから学校へ行きたくないと言われたり、子どもが学校へ行かなくなったことがある」と答えた親は、回答者全体の55%いました(※『LEE』2019年11月号。2019年8月1日~8月9日にLEEweb会員LEEメンバー452人回答)。およそ半数の親は不登校や行き渋りに悩んだことがあるそうなんです。 国の調査によれば、2019年度、不登校の小中学生は約18万人(※文科省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。少子化で子どもの数が減るなか、不登校の子は7年連続で増え続け、2019年度の調査では過去最多を更新しました。 不登校の要因・背景のトップは「いじめを含む人間関係」で約半数を占めています(※文科省「不登校に関する実態調査」)。これに続くのが「勉強がわからない」が1/3、「生活リズムの乱れ」が1/3、「先生との関係」が1/4と続きます。これらの回答は複数回答で原因が重複している場合がほとんどです。 ちなみに「なんとなく」「怠けたいから」などの理由で自分の不登校を説明する人もいますが、よく話を聞けば「先生からのいじめ」や「親の期待」などの理由で不登校をしていました。「怠けたい」「遊びたい」が真の理由で不登校をした人は、私の20年間の不登校取材で一人もいませんででした』、「先生からのいじめ」が要因の1つにあるというのは、ありそうだが、腹立たしい。
・『不登校の子の心理状態と、親ができること  ほとんどの不登校の人は、学校などで深く悩み傷ついたため、学校と距離を取っています。不登校新聞が主催する講演で、この状態を心療内科医・明橋大二先生は「心がオーバーヒートした状態」だと表現しました。車のサーモスタットが発動してモーターのスイッチが切れるように体が動かなくなる、つまり安全装置が発動して急停止した状態だと言うのです。そんな子どもに対して、親や祖父母といった周囲の人は、どんなサポートができるのかを解説します。 多くの人は、不登校になった日からどんどん状態が悪くなり、子どもが社会から切り離されていくようなイメージを持つかもしれません。しかし、本人にとっては心身ともに傷ついた場から離れられたわけです。不登校になった瞬間から心に溜まったダメージの回復が始まります。 カゼと同じような状態を想像をしてほしいと思います。熱が上がって子どもが「苦しい」「学校を休みたい」と訴えた瞬間は悪い状態です。しかし、そこに至った経緯、たとえば裸で寝ころんでいたとか、そういう「カゼになりやすい状態」は回避されました。 さらに言えば、熱が上がっているのは、体がウイルスをやっつけてる証拠。しっかりと体を休めば回復していきます。むしろ無理をして「学校へ行きたい」「勉強しないと遅れる」と思う子に「今は休んで」と諭すほうが重要です。 不登校もまったく同じ構造で捉えられます。不登校になる前が一番きつい状態です。学校で苦しいことがあっても親や先生には言えず、それを溜め込んで、行けなくなりました。多くの親は、この瞬間から学校へ戻すことを考え、登校を促します。極力、休ませない方向で考えがてしまうのですが、それはカゼをひいた子を裸で外へ放り出すようなものです。 いま説明したことの反対の行動が「親ができることのベスト対応」です。休ませないことが子どもを追い詰めるのなら、休ませるのが最善の選択肢です。不登校への「処方箋」はただひとつ、休むことだけ、というのが20年間の取材で得た私の結論です』、一旦、「休ませる」とますます学校に行き難くなるのではと思ってしまうが、「休ませるのが最善の選択肢」とは驚かされた。
・『子どもの心が回復する地図  具体的に子どもがどんな段階をたどって心を回復させていくのかを説明します。以下の段階の途中、途中で学校へ行くこともあれば、再度、不登校になることもあります。どんな状態であれ、以下の段階を経ていけば確実に状況はよくなっていきます。 第一段階は「身体症状」です。頭痛や腹痛、どうしても朝、起きられないなど、心に溜まったストレスが具体的な身体症状として現れます。この際には無理をさせず、学校を休むことによって体の回復期が始まります。不登校になった直後は、極度な緊張から解放されたため、寝てばかりいるかもしれません。 この際は生活リズムを無理に立て直させようとせず、できるだけ、本人のペースを尊重してあげてください。学校の先生や友だちが訪問してくるかもしれませんが、かならず本人の意思を確認してください。「会いたい」と言ったら会わせるし、何も答えなかったらそれは「NO」の意思表示です。 学校の休み始めは、すぐに症状が治まらないかもしれませんが、あせらず休ませてください。症状が治まらないのは、体は休んでいても「心の中では登校している」からです。「学校へ行かなければ」と本人が強く思い込み、一秒でも学校へと念じているため、ストレスを感じて症状が出てしまいます。しかし、苦痛の原因と離れていれば状況はしだいに安定してきます。 第二段階は「感情の噴出」です。体が回復したところで「感情の噴出」という時期に入ります。ものすごく甘える、突如として怒りだす、泣きだすなど感情のコントロールができない状況になります。小学校高学年でも、まるで赤ちゃん返りしたように 甘えたり、フラッシュバックが起きたように泣いたりすることもあります。この時期、保護者はそばにいて、その気持ちに付き合うしかありません。とてもたいへんですが、本人の苦しんでいる気持ちに付き合うことで、子どもには愛情が伝わってしみこんでいき、心の傷が癒されていきます』、「感情の噴出」「段階」を、「保護者はそばにいて、その気持ちに付き合う」には、予め対処方法を理解しておく必要がありそうだ。
・『「回復のプロセス」で親が気をつけるべきこと  第三段階は「言語化」です。学校や自分の身に何が起きたのかを言語化する時期がきます。この際、何度も同じ話をしたり、ネガティブな話もしたりするので、聞いてるほうはまいってしまうかもしれません。しかし、本人はアドバイスがほしくて話しているのではなく、話すことで気持ちの整理をしています。保護者はひたすら話を聞いてあげてください。もっと踏み込んで言うと「聞いているふり」でも構いません。半分ぐらいの対応が「相手の言葉のオウム返し」でも構いません。 たとえば、子どもが「なんであんなことをしてしまっただろう」と言ったら、「なんでだろうね」と聞き返すだけ。「悔しかった」といったら「悔しかったんだよね」と返す。本当は、相手はこういうことを考えているのかなと確認したり、子どもの気持ちを想像するほうがよいです。よいのですが、ずっと傾聴していると疲れてしまうので、親もほどほどでよいのです。 言語化を終えると、ほぼ親の役割は終わります。心が回復されたからです。また「段階」と言ってますが、実際には各段階を行ったり来たりをしながら、しだいに最終段階へと向かっていきます。この「回復のプロセス」のなかで、保護者が気をつけたいことがいくつかあります。大前提として学校へ無理に戻そうとしないこと。焦って子どもを学校へ戻らせても、「不登校の問題」は終わりません。学校へ行くことが不登校のゴールでもありません。 また、大人が心配するのは学習面の遅れかもしれません。とくに受験を控えた場合は焦りがちです。しかし本人に勉強する体力も気力もないときに、何かさせようとしてもどうにもなりません。逆に言えば、本当にやる気が出たときには、学習面はいくらでも追いつくことができる、ということです。本人の意思が一番大事なのです』、「焦って子どもを学校へ戻らせても、「不登校の問題」は終わりません。学校へ行くことが不登校のゴールでもありません」、というのは確かに重要そうだ。
・『子どもは今という本番を生きている  ポーランド医師ヤヌシュ・コルチャックは「子どもには失敗する権利がある」と説いていました。遊びでも、勉強でも、進路でも、子どもはあらゆる局面で自分なりに必死に考えた結論で選択します。しかし、それは間違えることもあります。とくに幼児期は、食べちゃいけないものを食べようとしたり、熱いものを触ろうとしたりします。 親としての正解は、深刻な傷を負わない程度ならば、本人の意思を尊重して失敗も含めて学ぶことだと思います。親が不安だからと言って頭ごなしになんでも子どもの行動を禁止したら、子どもは委縮してしまいます。 不登校も同じではないでしょうか。学校へ行くことが正解であり、その道を選ばせようと親が腐心してしまいがちです。しかし、それは本当に正解でしょうか。また学校へ行かないことが失敗だとしても、親が無下に否定してもいいのでしょうか。子どもは自分で選んだ道ならば、反省してもそれを糧にできます。しかし、誰かが決めた道のりで失敗しても恨みや自己否定感しか培われません。 発達心理学者・浜田寿美男さんは、講演で現在の子育て観を下記のように批判しています。「いまの子育て観、教育観では『子どもは大人になるための準備の時代』であるかのように思われていますが、そもそも人生に準備の時代というものがあるでしょうか。子どもは『子どものいま』という本番を生きています」。 「子どもを大人にする」のが親や教師の目標だと感じている人は多いのではないでしょうか。しかし、浜田さんが指摘するように、子どもは、いまを生きているわけです。大事なのは、子どもがいま、幸せかどうかです。死にたいほど行きたくない学校へ行くことや、まったく手につかない宿題をするのは、あまりに「いま」が犠牲になっています。いまを大切にしてあげる視点が子育てや教育においても大事だと思えてなりません』、「いまを大切にしてあげる視点が子育てや教育においても大事」、というのは確かにその通りだが、「教育」には「いまを」多少我慢してでも、将来に備えるという重要な側面も忘れてはならないことも事実だ。要はアリとキリギリスのバランスの問題なのではなかろうか。

第三に、5月21日付け東洋経済オンラインが掲載した育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏による「有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援、修学支援センターに集まる志」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/427900
・『文部科学省が2019年10月に発した通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」によれば、2018年時点での不登校の中学生は全国で約12万人、高校生は約5万3000人。同じく1000人当たりの不登校生徒数は、中学生36.5人、高校生16.3人。その"受け皿"となることが多い通信制高校の在籍者数は、直近2年連続で過去最高を更新している。 中高一貫校の場合でも、中学生のうちはなんとか進級させてもらえるが、高校進学時に他校受験を勧められるケースも多い。高校生になると学校が定める出席日数規定に足りない場合、留年あるいは自主退学を勧告されることになる。特に私立では、「うちは私立です。うちの校風が合わなければよそへお行きください」という理屈がまかり通りやすい。 しかし、「生徒を集めるだけ集めておいて、うまく行かなくなったら『よそへお行きください』では無責任だろう」と、神奈川県の私立中学高等学校協会(以下、協会)が動いた。県下の私立中高で校長や教頭を経験したベテラン教師たちに呼びかけて、2020年6月、「神奈川私学修学支援センター(以下、センター)」を開所したのだ』、「生徒を集めるだけ集めておいて、うまく行かなくなったら『よそへお行きください』では無責任だろう」と「「神奈川私学修学支援センター」を開所した」、いい試みだ。
・『有名私立中高一貫校の生徒たちが集まる  神奈川県私立中学高等学校協会の加盟校に在籍しながら不登校状態になっている生徒が、在籍校の代わりに"通学"し、現場を引退したベテラン教師たちから個別指導を受けられる"教室"が、協会の建物内にできた。学習指導を受けられるだけでなく、ここでの学習が在籍校での出席日数に加算され、在籍校によって単位にも換算されるしくみだ。 センター利用希望者は、学校を通じて利用を申し込む。学校から連絡を受けると、センター長の安宅克己さん自らが学校に出向き、担任や管理職と面談する。センターのしくみを説明し、学校のカリキュラムや使用している教材に至るまで事細かに聞き取りを行い、受け入れの準備をする。 2020年度は20人の中学生がセンターを利用し、3人が在籍校に戻った。4人が外部受験をして中学とは違う高校へ進んだ。13人がセンターへの通所を継続している。2021年4月現在のセンター利用者は、中学生22人、高校生11人。有名私立中高一貫校の生徒が圧倒的に多い。 センター運営費用は協会が負担している。利用者が支払うお金は、映像授業視聴のための年間4000円と、アクティビティを行う場合の実費のみ。 2021年4月某日、センターを訪問した。始業時間の9時30分近くになっても生徒の数はまばらである。「誰が来て誰が来ないかは、毎日わかりません」と言いながら、安宅さんは慣れた様子で生徒たちを待つ。 来られる日、来られる時間に来てくれれば、いつでも歓迎する。朝1時間だけ勉強して帰るという生徒もいれば、お昼過ぎに来る生徒もいる。学校に通う日とセンターに通う日を曜日によって決めている生徒もいる。「学校に合わせるのではなく、子どもに合わせる」が基本スタンス。 一応時間割はある。中学生の履修内容は学校による違いが大きくないので、センターでの中学生の時間割はみな共通にしているが、高校生となると、学校のカリキュラムの差異が大きいので、1人ひとりにカスタマイズされた時間割を用意する。ただし、個別指導が基本なので、臨機応変に対応する』、「利用者が支払うお金は、映像授業視聴のための年間4000円と、アクティビティを行う場合の実費のみ」、というのは「在籍校」に授業料などを払っているので、二重の負担にならないようにするためなのだろう。
・『センターで学べば在籍校で単位認定も  高校生の教室では、ホワイトボードを使って古文の指導が行われていた。古文の歴史的背景も踏まえながら、古文を学ぶ際の要点を体系化して説明してくれる。中学生の教室では、数学の指導が行われていた。例題を解説し、問題を解いてみる。その間ずっと先生が手元を見ていてくれる。 錚々たる経歴をもつベテラン教師たちが、これだけ丁寧に個別指導をしてくれるのなら、わからないわけがない。実際、この日ある中学生が取り組んでいた数学の内容は、学校よりも先に進んでいるという。 センターでの学習状況は毎月1回、在籍校に報告される。その報告をもとに、各学校で評価をつけ、校長の権限で単位認定する。在籍校の定期試験についてもセンターと学校の間で柔軟に対応する。 「その学校に憧れて、大変な中学受験勉強をして入ってきてくれたんだから、何かの巡り合わせで不登校になってしまったとしても、焦らずにここで勉強を進めながら、できることなら在籍校に戻っていってほしい。ここで在籍校の卒業証書を 渡してやったっていいと思う。一度引き受けた生徒は、最後まで面倒を見る。それが神奈川私学だと言えるようにしていきたい」とは某校元校長。 この日、午後からは中学生を対象にした「アクティビティ」の時間があった。新学年が始まったばかりということもあり、親睦を深める意味でのゲーム大会を行った。参加者は3人だったが、そこに先生たちと大学生ボランティアと私が加わった。教員志望だという大学生ボランティアがうまく場を盛り上げる。 隣の教室(会議室)では、高校生たちが事務用のテーブルを卓球台に見立て、スマホをラケットにして、ピンポンに興じていた。中学生のゲーム大会が終わっても、まだピンポンが終わる気配がない。"放課後"のセンターが彼らの居場所になっていた。 大学生ボランティアが言う。「ここに来ている子どもたちは、コミュニケーション能力もあるし、学習意欲も高いし、『君が不登校って、うそでしょ!?』って子がほとんどです」。ある元校長は「ここの子はみんな真面目で意欲的です。逆に雑談がしづらくて困ってます」とおどける。 不登校になった理由はさまざまだ。「起立性調節障害」といって、朝どうしても起きられない生徒もいる。大人数の集団の中に身を置くこと自体に不安を感じる生徒もいる。たまたま担当教師やまわりの友達とそりが合わないというケースもあるが、その場合は、環境が変われば学校に復帰する可能性が高い』、「錚々たる経歴をもつベテラン教師たちが、これだけ丁寧に個別指導をしてくれるのなら、わからないわけがない。実際、この日ある中学生が取り組んでいた数学の内容は、学校よりも先に進んでいるという」、確かに恵まれた環境のようだ。
・『元校長が告白する懺悔の気持ち  また別の元校長は「ここに係わるようになってからというもの、懺悔の日々ですよ」と苦笑いする。管理職として、生徒やそのご家族にとって大変厳しい判断をしたことも一度や二度ではない。しかしここでの子どもたちの様子を見ていると、学校には通えていなくても、学校にいたい、学びたいと思っていることが直にわかる。学校のルールに生徒を合わせることが当たり前だと思っていた若かりし自分を悔いるのだという。 先の大学生ボランティアが付け加える。「私はここでお手伝いを経験することで、不登校に対するイメージが変わりました。たとえば若手教員の研修として、このセンターに数週間勤務してみるのもいいのではないかと思います。そうすれば、学校での生徒たちに対する態度も変わるのではないでしょうか」。 これはすばらしいアイデアだ。しかも、私立中高一貫校にいったん就職するとその学校の文化しか知らないでキャリアを重ねてしまうことがあるが、修学支援センターでは各私学から来たベテラン教師たちの指導を間近に見ることもできる。いろいろな意味で教員としての視野が広がることは間違いない。 センターを丸1日見学して最も印象的だったのは、安宅さんが非常にきめ細かに1人ひとりの生徒の状況を把握し、サポートしていることだ。 一般的な学校では、たとえば担任や教頭にいくら意欲があったとしても、不登校状態にある生徒1人ひとりにこれだけの手間暇をかけてかかわることは現実的に難しい。だからこそ、複数の学校のネットワークとして、セーフティーネットを提供することに大きな意味がある。 似たような取り組みは、福岡県と京都府にもある。福岡県私学協会の「学習支援センター」は高校生が対象で、現在、県内に4カ所もある。京都府私立中学高等学校連合会の「京都府私学修学支援相談センター」は、小学生から高校生までを対象としており、5教科について週1回の学習支援が受けられる。ちなみに、公立の教育支援センターは、全国の約6割の自治体に設置されており、文科省は設置の推進を呼びかけている』、「公立の教育支援センターは、全国の約6割の自治体に設置」、まだまだ少ないようだ。
・『希望者すべてを受け入れられないという課題  安宅さんは「現状のセンターのいちばんの課題は希望者全員を受け入れるキャパがないことです」と指摘する。受け入れられない子どもたちは、空きが出るのを自宅で待つしかない。それが切ない。また、センターが神奈川県東部にあるため、西湘エリア在住の生徒たちには通いづらい。「湘南エリアにもセンターをつくれると良いと思う」と安宅さん。 最後に、大事なポイントを押さえておきたいと思う。義務教育の中学校はもとより、高校であっても進級に必要な出席日数に対する法的な決まりはない。出席日数を根拠にして自主退学を迫られるケースがあるとすれば、その規定は学校が独自に決めたものである。そして、実際には学校に来られていない生徒でも、学校外で適切な学習指導が受けられていると校長が認めれば、学校として単位認定することはできる。 わが子が不登校になるかならないかにかかわらず、考えてみてほしい。「うちは私学ですから、うちの校風に合わないのならよそへお行きください」と言う学校と「いちど引き受けたからにはあらゆる手段を用いて最後まで面倒を見ます」と言う学校のどちらでわが子を育てたいか。そこにその人の教育観があぶり出されるはずだ』、その通りだ。「現状のセンターのいちばんの課題は希望者全員を受け入れるキャパがないことです」、個別指導がネックになっている以上、やむを得ないのかも知れないが、セーフティネットの役割を何とか果たしてもらいたいものだ。
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パソコン不調のため、更新が出来ない日が多かったが、明日からは更新を再開するのでご期待を!

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発達障害(その2)(精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること やってはいけないこと【5月病に効く記事】、対人トラブルを招く「大人の算数障害」 見分けるための4つの特徴とは) [生活]

発達障害については、昨年8月12日に取上げた。今日は、(その2)(精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること やってはいけないこと【5月病に効く記事】、対人トラブルを招く「大人の算数障害」 見分けるための4つの特徴とは)である。

先ずは、本年5月10日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した発達障害当事者・借金玉氏と精神科医の樺沢紫苑氏の対談「精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること、やってはいけないこと【5月病に効く記事】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/270177
・『『ストレスフリー超大全』の著者で精神科医の樺沢紫苑さんは、借金玉さんの著書『発達障害サバイバルガイド』について、「このリアリティ、具体性は当事者の経験あってのもの。精神科医や研究者には、絶対に書けません」と絶賛しています。 今回この二人の対談が実現。医師、当事者、それぞれの立場から、発達障害に悩む人たちに伝えたいことを語ってもらいました。(こちらは2020年12月13日の記事の再掲載です)』、興味深そうだ。
・『発達障害の「診断」にはほとんど意味がない  樺沢紫苑(以下、樺沢) 僕は精神科医なので、「発達障害かもしれないのですが、どうしたらいいですか?」という相談をたくさん受けます。以前は個別に対応していたんですが、借金玉さんのこの本を読んで、これからは「『発達障害サバイバルガイド』を読んで実行してください」と答えることにしました。 借金玉 ありがとうございます。最近は大人の発達障害の本もたくさん刊行されていて、当事者ながら「発達障害ブームか?」と思うくらいです。 樺沢 確かに発達障害は今ブームになっていて、僕ら医師の間では「メンタル・バブル」とも言われています。精神疾患にも流行があり、かつては、多重人格、アダルトチルドレン、新型うつなどにも注目が集まったことがありました。 発達障害は今、様々な本、メディアでも診断基準が紹介されたり、チェックシートのようなもので簡単に調べられたりするので、「自分も発達障害かもしれない。どうしよう?!」と不安になっている人が多いようです。ただし、情報が多くなっただけに混乱が生じていて、専門的な立場から見ると、実際にはそうした情報に踊らされた「自称発達障害」の人が増えているだけという印象です。 借金玉 本の序盤に書いているのですが、僕は当事者として発達障害の「診断」がどう出るかってほとんど意味がないと思うんです。それがわかったところで、「あたり前のことができない」という問題は相変わらず存在し続ける。今のところ、発達障害は「治る」ものではないですから。 樺沢 僕もまさしくそう思います。発達障害は根本的に治るものではありません。だから、医者が一生懸命診察して厳密に診断を下したところで、結局はこの借金玉さんの本に書かれているような“TO DO”(すべきこと)を実践し、症状を改善するのが一番幸せな道です。この本が何より素晴らしいのは、診断について一切書いていないことです。 医者が書く本は、「発達障害とは何か」から入り、症状について詳しく説明した後、肝心のTO DOの部分は非常に薄いものが多い。当事者にとっては、「どうすればいいのか」「自分には何ができるのか」が一番知りたくて買ったのに、期待外れに終わってしまう本がこれまでは多かったのではないでしょうか。 借金玉 診断について一切触れていないのは、素人だからこそできる「反則ワザ」かもしれませんね。この本には、一人の発達障害者としての僕が、少しでもまともな「生活」を送れるように試行錯誤して見つけたささやかな工夫を紹介しています。すべて自分ごと、実体験なので、医学的な裏付けがあることを調べて書いたわけではありません。とにかく「自分ができる具体的な改善を積み重ねていくしかない」というのが僕の当事者としての考えです。 借金玉(しゃっきんだま) 1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。最新刊は『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』』、「発達障害は今ブームになっていて、僕ら医師の間では「メンタル・バブル」とも言われています」、「ブーム」にまでなっているとは初めて知った。「発達障害は根本的に治るものではありません。だから、医者が一生懸命診察して厳密に診断を下したところで、結局はこの借金玉さんの本に書かれているような“TO DO”(すべきこと)を実践し、症状を改善するのが一番幸せな道です」、なるほど。「借金玉」氏は、「早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業・・・一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻」、こんなケースもあるとは驚かされた。
・『「もうダメだ死ぬしかない」は間違い  樺沢 あくまでも精神科の診断は「仮説」でしかありません。発達障害に限らず、精神疾患全部に言えることなんですが、症状から目ぼしいものをピックアップして診断基準にしているので、目の前の患者さんの「状態」を見て判断する以外に方法がない。 だから、例えば以前はASD(自閉スペクトラム症)と診断された人が、衝動性が強くなってくれば、ADHD(注意欠如・多動症)と診断が変わる可能性だってあるし、両方の症状が併存している人も少なくありません。また、二次障害として、うつ病などを併発する人もいます。 つまり、医者が下す診断にこだわる必要はなく「困っていることは何か」、それに「どう対応していくか」ということに注目する方が、症状は改善されやすくなるんです。でも、多くの人は診断の段階で止まってしまって、その後のTO DOまで行こうとしないんですよね。 借金玉 はい、僕も先生と全く同じ考えです。それに加えて、その症状が「どのレベルか」という視点も重要だと思います。 僕のところにも「自分が発達障害ではないか」という悩みが寄せられますが、ある時、会社で管理職を務めているという方から「自分は仕事のミスが多すぎて発達障害ではないかと落ち込んでいる」と相談されたことがあります。ご苦労されているのはわかるのですが、僕に言わせれば、同じ会社で10年以上働けて、管理職になれているという時点で本当に素晴らしい。社会生活をきちんと送れているわけで、まず問題はないんじゃないかと。 樺沢 そうそう。「発達障害」というラベルは、不安をあおるためではなく、悩んでいる状況を改善するために作られたわけですから。 でも、大抵の人は、自分が何に悩んでいるかわからないんですよね。僕の個人的な感覚ですけど、自分が困っている問題に必要な情報を調べて解決できる能力がある人って、世の中で1割以下じゃないかな。そもそも大半の人は、「自分が悩んでいること」を言語化できていない気がします。 借金玉 それ、よくわかります。発達障害というラベルを貼られると、全てを発達障害のせいにして思考が止まり、かえって自分の困り事に対する解像度が落ちてしまうんですよ。この気持ちは僕自身よくわかります。 「どうせ自分は障害者だから無理」「全部ダメだ。僕は動けない」、最悪の場合は「死ねばいいや」となる。でも、そういう人の相談にのって具体的な悩みを整理すると、真っ先にやるべきことは「コンビニに行って、遅れている光熱費の支払いをする」とかなんです。意外とひとつひとつの問題は小さいんですね。対処する範囲や事柄を明確にすると、死ぬほどのことではないとわかる。 別に発達障害じゃなくても、大事なものをすぐになくしてしまうとか、部屋が汚いとか、そういう生きづらさを抱えている人は世の中にたくさんいます。だからこの本は、読者が発達障害の人に限らず、多くの人が生活をよりラクに、快適に送るためのヒントとして読んでもらえたらと思っています。 精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること、やってはいけないこと【5月病に効く記事】 樺沢紫苑(かばさわ・しおん) 精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。 YouTube「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」)  』、「医者が下す診断にこだわる必要はなく「困っていることは何か」、それに「どう対応していくか」ということに注目する方が、症状は改善されやすくなるんです」、「発達障害というラベルを貼られると、全てを発達障害のせいにして思考が止まり、かえって自分の困り事に対する解像度が落ちてしまうんですよ。この気持ちは僕自身よくわかります。 「どうせ自分は障害者だから無理」「全部ダメだ。僕は動けない」、最悪の場合は「死ねばいいや」となる。でも、そういう人の相談にのって具体的な悩みを整理すると、真っ先にやるべきことは「コンビニに行って、遅れている光熱費の支払いをする」とかなんです。意外とひとつひとつの問題は小さいんですね。対処する範囲や事柄を明確にすると、死ぬほどのことではないとわかる」、確かにその通りなのだろう。 
・『「あたりまえ」がやれないあなたへ(みんながあたりまえにやれていることがうまくやれない。人生がまるでうまくいかない。僕は若い頃、漠然とそう感じていました。「まともな人」があたりまえとしてこなす日常的な物事は、どれもこれも僕にとってあまりに過酷なもののように思われました。 いつも部屋の中はめちゃくちゃでした。出かけようと思っても、アイロンのかかったシャツも清潔な靴下の一足もなく、かばんの中からは大事な書類がいつも消失しました。電気やガスはしばしば止まり、住民税の滞納金を何度も払いました。朝は起きられず、夜は眠れず、いつも何かに追い立てられているような焦燥感を感じていた気がします。 実際のところ、いつも何かに追い立てられていました。それは払い忘れたままずっとテーブルに放置された請求書や、クリーニングに出し忘れたスーツ、目を覚まして仕事に向かわなければいけない朝、税金や年金といった行政手続き、冷蔵庫の中で腐っていく食材、たまりにたまった洗濯物、そういったものでした。 かつて発達障害と診断されたとき、僕の生活におけるさまざまな問題が発生する理由について、深く納得できました。「なるほど、そういうことだったのか!」という感動を今でも覚えています。しかし、それがわかったところで「問題」は相変わらず存在し続けていました。今のところ、発達障害を「治す」のはあまり現実的ではありません。となれば、障害を抱えたまま人生をうまくやっていくためのノウハウをつくりだしていく以外に、結局のところ選べる道はないのです』、「障害を抱えたまま人生をうまくやっていくためのノウハウをつくりだしていく以外に、結局のところ選べる道はない」、なるほど。
・『サバイバルとは「よりラクな、より快適な、より優雅な」生活  本書は「サバイバルガイド」、生き延びるための本です。 しかし、木の皮をかじり泥水をすすり、塗炭の苦しみの中でかろうじて命をつなぐ状況を「サバイバル」と僕は呼びたくありません。サバイバルとはよりラクに、より快適に、より優雅に生きられる環境を自らつくり上げていくことであると、本書では定めています。 「食うや食わずで苦しんで書くより肉と肉汁のかかった芋を腹いっぱい食ったほうが、いいものが書けるに決まっているだろう」 チャールズ・ブコウスキーという作家がこんなことをいっていました(細かいところはうろ覚えですが、ニュアンスは合っているはずです)。本書のモットーは、この言葉に集約されます。 「きちんと生活をしよう」は「快適な生活をしよう」と同義でなければいけないと僕は思います。しかし、なぜか人は「不便で快適ではない生活」を志向してしまうところがあります。「自分はまともな生活ができていない」と感じている人ほど、まるで自分に快適な生活をする権利はないとでもいうようなある種の自罰性─贅沢は敵だ!─を持っているように僕は思えてならないのです。この本は、そういった方向を一切目指しません。ストイックさは、むしろ悪徳とさえ考えます。 人類が井戸を掘るのはなぜか。つまるところ、川まで水を汲みにいくのがめんどくさいからです。人類がカマドをつくるのはなぜか、ラクに炊事をしたいからですね。この「ラクに」というのは非常に重要な概念だといえます。具体的な工夫やノウハウで労力と時間を削減し、生活を快適にした分だけ、人類は発展してきたのです。僕らの人生も、同じです。 みんなでうまいこと生き延びて、幸せになりましょう。やっていきましょう』、「「ラクに」というのは非常に重要な概念」、その通りなのだろう。
・『「できない」のその先を書きました  障害を抱えて苦しんでる人に、何の具体性もなく「頑張れ」というのは、サバンナに放り出されたコアラに全力ダッシュでインパラを狩れって話ですよね。本書はそういう内容にならないよう心掛けました。意識の高い自己啓発書みたいに「インパラは首が弱点」とかは書いてないので安心してください。どの項目も必ず「あたりまえのことはできないのが前提」で、その先に何をすればいいかを書いています。さらに、本当に使ってもらえる本にするため、次の3つの工夫をしています。 【工夫①】「やる理由」が書いてある(僕も含め、発達障害傾向のある方は「とりあえずやって」といわれるのがとても苦手だと思います。僕自身、丸暗記がダメで、何事もメタ的に理解しないと、行動できません。それに、「とりあえずやって」のハックだけを読んで一度はわかった気になっても、自分で応用できません。やる理由、背景となる思想を知って、ぜひ自分なりに実践してみてください。) 【工夫②】「イラスト」でひと目でわかる(ハックの内容を感覚的につかめるよう、すべての項目にイラストをつけました。長い文章を読むのが苦手な方、お子さんと一緒に読む方にも少し助けになったらうれしいです。) 【工夫③】「具体的なグッズ」も紹介!(本の中に出てくる商品のうち、具体的に「これを買った方がいい」というものは、写真をつけて解説しています。さらに、巻末に「借金玉愛用品」として僕が使っているグッズ一覧と、商品名を全て掲載しました。「どれを買ったらいいかな」と悩んだときの参考にしてみてください。) 本書の主な内容(以下省略)』、なかなかよく出来た本のようだ。

次に、5月21日付けダイヤモンド・オンライン「対人トラブルを招く「大人の算数障害」、見分けるための4つの特徴とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/270685
・『他の勉強は普通にできるのに、計算や数学的な推論を行うのがめっきり苦手。そんな人はもしかしたら、現在国内で40~50人に1人程度の割合で存在するとされる「算数障害」なのかもしれない。発達障害心理学を専門とする筑波大学教授の熊谷恵子氏にその特徴と向き合い方について聞いた』、「算数障害」まであるとは初めて知った。これも「発達障害」の1つなのだろうか。
・『算数障害の人数は全国で推定約300万人か  学習障害を抱えている人は、全体的な知的水準は低くないにもかかわらず、特定のスキルを学んだり、遂行したりすることに著しい困難が生じることで知られている。算数障害もその一種だ。 脳機能の先天的な問題により、「計算する・推論する」能力が突出して低く、基本的な四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)を理解するのも困難だとされている。 2012年に行われた文部科学省の調査では、小中学生では2.3%ほど存在するとされる。基本的には生まれながらにしてその状態にあるので国民全体に拡大して推定すると、その数約300万人。義務教育課程で発見されるケースがほとんどだが、同じ学習障害であっても、文字の読み書きの正確性や流ちょう性に問題が生じる「読み書き障害」に比べ、自覚を持たないまま大人になる人は多いのではないか。 「算数が苦手な人」と「算数障害を抱えている人」の違いはどこにあるのだろうか。熊谷氏に、算数障害の特徴を挙げながら解説をしてもらった。 「算数障害には、数処理、数概念、計算、文章題いう4つの下位分類があり、障害を抱えているか否かを見極めるためには、それぞれの特徴を見ていく必要があります」 4つの下位分類の内、聞きなれないのが数処理と数概念だろう。 まず、数処理に障害を抱えている人の特徴とはどういうものか。 「数処理に問題がある場合、文字記号である数字と音声記号である数詞をうまく結びつけられず、例えば、『数字の“さんびゃくごじゅうよん”を書いて』と指示をしても『30054』と書いてしまったり、『1001』を『ひゃくいち』と読んだりといった例が見受けられます」 では数概念に障害を抱えている人の特徴とはどういうものか。 「数概念は順番を表す『序数性』が理解できないケースと、量に関わる『基数性』の理解に困難を示すケースに分けることができます。例えば、100ページの本を渡されて『53ページ目を開いて』と指示された場合、通常の人はまず全体の半分くらいに目星をつけて開くことが自然にできますが、『基数性』がわからない人は初めや終わりからページをめくっていき、番号を目でゆっくり追いながらでないと探り当てることができません。数の大まかな量が理解できないために、順番をたどっていくことに頼っているからです。また、序数性が理解できない場合には、18はだいたい20、289はだいたい300などと量的に大まかにはわかるのですが、279と297、11025と11250などはどっちらが先にでてくる数かの順番を間違ってしまうこともあります」』、確かに「『基数性』がわからない人」は大変で、周囲は何と要領が悪い馬鹿としか見ないだろう。
・『算数障害が原因で対人トラブルを抱える可能性も  熊谷氏によると、大人になるまで算数障害であることに気付かない人の多くは、数概念における「基数性」や、計算と文章題の理解に問題を抱えているケースがほとんどだという。 「『基数性』の理解が困難な人の場合、計算の操作自体は問題なくできるのですが、『3は1の3倍である』といった数の量的な性質が掴めません。例えば“30分”がどのくらいの時間なのかをイメージすることが難しいんです。このタイプは量に関わる把握が他の人と著しくズレたりするため、それが原因で対人トラブルを抱えるケースも見られます」 「また計算は、暗算と筆算に分けて考えます。通常の人は「1+4=5」といったレベルの簡単な数式であれば、かなり早い段階で数的事実として記憶してしまい、単純な加減算なら1秒程度で暗算することができます。しかし計算に障害を抱えている人は、数的事実が何歳になっても記憶に定着せず、どんな簡単な計算でも解くのに時間がかかってしまう。筆算の方では、機械的な計算の手続きがうまくこなせないために正答がでないことがあります。しかし、これらは電卓があれば日常生活に支障をきたすことがほとんどないため、算数障害として意識されにくいでしょう」 熊谷氏によると、文章題において、立式ができなくても、だいたいの答えが出せるタイプと、立式はできるが、答えがとんでもない数になっても気づかないというような2つのタイプがあるという。推論を苦手とする人において、間違え方にこのような傾向が見られる場合、算数障害を疑ってもいいかもしれない』、なるほど。
・『努力不足のレッテルで苦しむ人も多い  脳機能、特に認知能力のアンバランスに問題があるとされる算数障害。残念ながら算数には、様々な脳の部位が関係するため詳しい部位はわかっていない。社会における認知度も低いため、算数障害を抱えている人の中には、周囲から「できないのは勉強する努力が足りなかったからだ」と決めつけられて苦しむ者も多い。 「算数障害の問題は小学生の児童期には顕著になりますが、算数というのは、テストで『できるか、できないか』、『○か×か』という2択しかないために、それに×ばかりついてしまうこと、計算などができないことは自尊感情に強い影響を与えることが指摘されています。先天的な理由によって計算ができないのにもかかわらず、周囲か」をら努力不足のレッテルを貼られることで自信を失い、思春期や青年期には引きこもりや不登校などの『二次障害』に陥ってしまう危険性がある。それを防ぐためには、算数障害への世間的な理解が深まることに加え、当事者が算数障害であることを認識した上で、自分を決してダメな人間だと思わず、自分の得意な能力を生かしていくような発想に切り替えるしかありません。苦手なことを突き詰めすぎない。これが算数障害と向き合う上で大切なポイントなんです。また、最近では、障害のための合理的配慮がされる時代になってきました。それらもうまく活用するとよいと思います」 ここで説明した算数障害の特徴にピタリと当てはまる人は、苦手な計算の習得に躍起になるのではなく、得意なことでカバーしていく方向に思考をシフトしてみるといいかもしれない』、「算数障害」を抱えた故に不登校になった生徒もかなりいる筈だ。親や先生たちの理解が進み、つまはじきされないようになってほしいものだ。
タグ:発達障害 樺沢紫苑 ダイヤモンド・オンライン 借金玉 (その2)(精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること やってはいけないこと【5月病に効く記事】、対人トラブルを招く「大人の算数障害」 見分けるための4つの特徴とは) 「精神科医が語る「発達障害に医学的に効果があること、やってはいけないこと【5月病に効く記事】」 『ストレスフリー超大全』の著者で精神科医の樺沢紫苑 借金玉さんの著書『発達障害サバイバルガイド』 「発達障害は今ブームになっていて、僕ら医師の間では「メンタル・バブル」とも言われています」、「ブーム」にまでなっているとは初めて知った。 「発達障害は根本的に治るものではありません。だから、医者が一生懸命診察して厳密に診断を下したところで、結局はこの借金玉さんの本に書かれているような“TO DO”(すべきこと)を実践し、症状を改善するのが一番幸せな道です」、なるほど。 「借金玉」氏は、「早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業・・・一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻」、こんなケースもあるとは驚かされた 「医者が下す診断にこだわる必要はなく「困っていることは何か」、それに「どう対応していくか」ということに注目する方が、症状は改善されやすくなるんです」、 「発達障害というラベルを貼られると、全てを発達障害のせいにして思考が止まり、かえって自分の困り事に対する解像度が落ちてしまうんですよ。この気持ちは僕自身よくわかります。 「どうせ自分は障害者だから無理」「全部ダメだ。僕は動けない」、最悪の場合は「死ねばいいや」となる。でも、そういう人の相談にのって具体的な悩みを整理すると、真っ先にやるべきことは「コンビニに行って、遅れている光熱費の支払いをする」とかなんです。意外とひとつひとつの問題は小さいんですね。対処する範囲や事柄を明確にすると、死ぬほどのことではない 「障害を抱えたまま人生をうまくやっていくためのノウハウをつくりだしていく以外に、結局のところ選べる道はない」、なるほど 「「ラクに」というのは非常に重要な概念」、その通りなのだろう。 【工夫①】「やる理由」が書いてある 【工夫②】「イラスト」でひと目でわかる 【工夫③】「具体的なグッズ」も紹介! なかなかよく出来た本のようだ 「対人トラブルを招く「大人の算数障害」、見分けるための4つの特徴とは」 「算数障害」まであるとは初めて知った。これも「発達障害」の1つなのだろうか。 算数障害の人数は全国で推定約300万人か 脳機能の先天的な問題により、「計算する・推論する」能力が突出して低く、基本的な四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)を理解するのも困難 小中学生では2.3%ほど存在 確かに「『基数性』がわからない人」は大変で、周囲は何と要領が悪い馬鹿としか見ないだろう。 、文章題において、立式ができなくても、だいたいの答えが出せるタイプと、立式はできるが、答えがとんでもない数になっても気づかないというような2つのタイプがあるという。推論を苦手とする人において、間違え方にこのような傾向が見られる場合、算数障害を疑ってもいいかもしれない 「算数障害」を抱えた故に不登校になった生徒もかなりいる筈だ。親や先生たちの理解が進み、つまはじきされないようになってほしいものだ
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今日も更新を休むことになりそうなので、明日にご期待を!

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米国・韓国関係(米韓関係)(その1)(日本メディアは報じない…韓国・文在寅が「米韓首脳会談」で見せた「意外すぎる変化」、文大統領を自画自賛させた「バイデン外交」の周到 中国対抗の一環、韓国取り込みにあの手この手) [世界情勢]

今日は、米国・韓国関係(米韓関係)(その1)(日本メディアは報じない…韓国・文在寅が「米韓首脳会談」で見せた「意外すぎる変化」、文大統領を自画自賛させた「バイデン外交」の周到 中国対抗の一環、韓国取り込みにあの手この手)を紹介しよう。

先ずは、本年5月27日付け現代ビジネスが掲載した元駐韓国特命全権大使の武藤 正敏氏による「日本メディアは報じない…韓国・文在寅が「米韓首脳会談」で見せた「意外すぎる変化」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83519?imp=0
・『文在寅とバイデンの「落としどころ」  米韓首脳会談共同声明の最初の小題目に「同盟:新たなページを開く」という内容が入った。今後協力の幅を広げていくことに期待を示した形だ。 日米首脳会談の共同声明では「同盟:自由で開かれたインド太平洋を作る」とあった。まさに今回の米韓首脳会談は「米韓同盟の復元・拡大」をうたったものといえよう。 今回の米韓首脳会談は、対中戦略で韓国を中国から引き離し、日米韓協力の中に引きつけたい米国バイデン大統領と、米国バイデン大統領に北朝鮮金正恩総書記との首脳会談を行ってもらいたい文在寅大統領との駆け引きだった。 それでも、米韓双方にとって、同盟関係を再構築する上で成果のあった会談であった。文在寅氏は「最高の歴訪であり、最高の会談だった」と評価した。バイデン氏にとっても韓国と中国の関係に楔を打つための一歩となった。 韓国の元外務次官で駐日大使を務めた申ガク秀(シン・ガクス)氏は「日米韓協力で北朝鮮核問題の優先順位は従来よりも下がり、米国は対中政策の大きな枠組みの中で北朝鮮を扱おうとするだろう」と分析している。 「アメリカは北朝鮮に”よりソフト“に、韓国は中国に”よりタフ”に、お互いが譲歩したということだ」との元米政府高官の会談内容の総括もある。米韓共にその力点は異なっていたが、上手に対立点は避け、譲歩できるところを探り合った会談であった。 米国が最も韓国に求めたかったのはクアッドへの参加であったであろう。事前準備期間ではその点突っ込んで話し合われたと思われる。しかし、文在寅氏が中国への気遣いからこれに応じないことが明らかとなると無理に押すことはしなかった。 首脳会談後の共同記者会見で、ある記者が「中国が台湾に取る立場に対し、バイデン大統領は(韓国に)より強力な立場を取ることを要求していないのか」と問うと、バイデン大統領は文在寅大統領を見て「幸運を祈る(Good Luck)」といった。文在寅大統領が困ることをよく理解しているという意味だろう。 今回の会談に臨んだ米国側の配慮が良く出ている』、「上手に対立点は避け、譲歩できるところを探り合った会談」、トランプ時代とは大違いで、伝統的な米国外交に戻ったようだ。
・『目立った「バイデンのもてなし」  今回の首脳会談の焦点は、トランプ前大統領と文在寅氏の不仲によって形骸化していた米韓同盟の新たな再出発になるかどうかである。2018年の文在寅氏とトランプ大統領との会談では、トランプ氏は文大統領を隣に座らせておきながら、記者団の前で36分間も国内の政治問題について答弁し続けた。 しかし、文在寅氏によれば、バイデン氏は「皆が誠意をもって接してくれた。本当に待遇を受けているという感じだった」「会談の結果は期待以上だった」「米国が韓国の立場を理解し、反映するのに大いに力を注いだ」(文在寅氏)と礼節をもって接してくれたことに感謝した。 文在寅氏はもともと心情的に中国や北朝鮮に近い。経済的にみても韓国は中国との関係が深い。そのため、過度に中国に気を使う傾向にあった。 しかし、今回の会談を通じ文在寅氏はバイデン氏に好感を抱いたことだろう。韓国は米国や中国にコンプレックスを抱いている。 文在寅氏が中国を国賓訪問した時には、中国側主催の食事会は2回のみで、帰国後「ボッチ飯」であったとの批判を受けた。バイデン氏が丁重に文在寅氏をもてなしたということは、われわれ日本人が考える以上に重要なことである』、屈辱的な「2018年の文在寅氏とトランプ大統領との会談」とは、違って「礼節をもって接してくれたことに感謝した」ようだ。
・『北朝鮮への「温度差」  文在寅氏にとって重要だったことは、対北朝鮮で米国が韓国の立場に歩み寄ったと受け止められる内容だったことだろう。 共同声明では、「北朝鮮と外交を通じて緊張緩和のための現実的な措置を取る考えで一致した」と述べ、「2018年の(南北首脳による)板門店宣言と(米朝首脳による)シンガポール共同声明など南北・米朝の約束に基づく対話が朝鮮半島の完全な非核化に欠かせないことを再確認した」と記している。 青瓦台関係者は「米国は米朝合意だけではなく南北合意も尊重」「トランプ政権で進行した朝鮮半島平和プロセスの流れをバイデン政権も継続する」という意味だと評価している。 韓国はこの声明の内容をもとに、北朝鮮との交渉再開にめどをつけたい考えであり、この声明を踏まえ、文大統領は共同記者会見で「肯定的な反応に期待する」と北朝鮮側に秋波を送った。 しかし、同じ場所でバイデン大統領は金正恩総書記との首脳会談を行う条件を問われ「国務長官らが交渉をして、しっかりとした道筋がなければ会わない」と回答している。首脳間の温度差も浮き彫りになった形だ。 声明ではさらに「われわれはまた、われわれの対北朝鮮アプローチ法が完全に一致するよう調整していくことに合意した」と記している。もちろん今後北朝鮮との交渉を行っていく過程で、米韓の調整は必要であるが、この声明の内容は既に米韓では対北朝鮮アプローチに見解の相違があることを物語っているとする分析もある』、「首脳会談」ありきだった「トランプ」と違って、「国務長官らが交渉」を優先するオーソドックスなやり方をとる「バイデン」の下では「北朝鮮」問題は進展しないだろう。
・『韓国は中国の「拘束」から逃れられる…のか?  米韓首脳会談の共同声明には「中国」という言葉はなかった。その一方で「韓国と米国は、規範に基づいた国際秩序を阻害したり、不安定にしたり、脅かしたりするすべての行為に反対する」として、秩序を乱す主体を明示しないで迂回的に中国の行動を批判する形となった。 台湾問題は明示し、南シナ海の平和と安定も強調した。 米国は韓国の対中板挟み状態に配慮し、対中けん制の文面は抑えながらも、実質的に韓国の立場を米国に近づけることに成功した。これに対し、韓国は中国が台湾への干渉は内政干渉であり、容認できないと反発していることに関し、米韓と日米の共同声明の違いを説明し、中国の理解をうることに努めている。 鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は、「朝鮮半島問題を平和的方法で解決すべきという原則と、両岸関係の問題も平和的に解決すべきという原則は同じ性格」と述べるとともに「韓国政府は『一つの中国』の原則を確実に維持しながら、韓米同盟と韓中間の戦略的パートナーシップ間の調和を取りながら発展させていくという基本原則を持っている」とし、「中国も韓国政府の立場に対し理解してくれるものと期待している」と述べた。 また、外交部のチェ・ジョンゴン第一次官は「中国を露骨に名指ししなかった」点を強調、事態の鎮静化に乗り出した。しかし、「ルールに基づいた国際秩序を損ない……」「台湾海峡における平和と安定」など米国の対中戦略に歩調を合わせていることが明らかな表現がある。 特に、韓国が米韓共同文書で台湾に言及したのは初めてであり、「一つの中国」原則に触れるという意味合いを含んでいる』、「韓国」としても、「米国」側に精一杯すり寄る姿勢を示したかったのだろう。
・『米中対立と「安保問題」  韓国は「安保は米国、経済は中国」と言いながら、中国にすり寄ってきた。その後遺症が鮮明である。安全保障面の中韓関係には、台湾の問題のほかTHAADの正式配備問題がある。 現在までの4年間、在韓米軍のTHAADは臨時配備の状態が続いており、「三不合意(米国のMD)ミサイル防衛には参加しない、THAADの追加配備はしない、日米韓の軍事同盟は行わない)」の問題も残されている。 今回の首脳会談を通じ米国が韓国にミサイル技術を移転する見返りとして、その射程、重量などに対する制限指針を解除した。そのため韓国の軍事専門家も理論的には中国を攻撃するミサイルの開発も可能となり、この状態では北朝鮮の核ミサイル開発を防ぐTHAADの正式配備をためらう理由はないと指摘する。 また、三不合意もこれを機会に全面再修正すべきだとの指摘がなされている。韓国が中国の拘束から脱し、米韓首脳の共同声明に基づき米国に軸足を移すまでにはまだ、いくつものハードルがある。 今回の会談で米側はクアッドの問題で韓国を追求することはしなかった。韓国はそれでホッとしていることだろう。ただ、文在寅政権は何事も自分たちに都合のいいように解釈するネロナンブル(注)(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)の人たちだ。文在寅氏をホットさせてはいけない。問題があれば厳しく指摘すべきだ。この問題はいずれ出てくるだろう。 韓国は中国の圧迫を恐れ弁明に努めているが、これで中国は収まるのか。日本では台湾有事事態に備え「日米同盟の抑止力、対処力を絶えず強化していく」(菅総理国会答弁)ことにしているが、韓国にその覚悟はあるのか。 いずれ米中で立場を鮮明にしなければならない時が来るであろう』、「文在寅氏」があと1年の任期に「立場を鮮明に」するとは考え難い。
(注)ネロナンブル:韓国語でダブルスタンダード(Wikipedia)
・『ワクチン外交の行方  韓国は、クアッド本体への参加には慎重であるが、ワクチン、気候、先端技術などの作業部会参加を検討しているという事前の報道があった。米韓共同声明にはそのことに明示的には言及されていないが、実質は取ったということであろう。米韓共同声明では、半導体は3回、ワクチンは6回登場した。日米共同声明ではそれぞれ1回と3回であった。 首脳会談を契機に、サムスン、SKなど韓国大企業が計44兆ウォン(約4.3兆円)の大規模投資計画を発表したが、そのような実質的な協力成果を盛り込んだ形だ。 韓国国内が求めたワクチン供給の拡大やワクチンスワップでは米国の対応は文在寅氏にとって期待値以下であったかもしれない。青瓦台関係者は「米国側はワクチン支援を要請する国が多すぎる」と述べており、「特定国家とワクチンスワップを結ぶことは難しい」と理解したとしている。 また、「米国が韓国軍に対するワクチン支援を通じて55万人が接種できるワクチンを提供」するのも「ワクチン供給に関連した公平性と韓米同盟に対する配慮」の特別措置と考える、と評価した。 何よりも重要なことは、ワクチンの受託生産に合意するなどの成果である。 文在寅大統領は帰国後、内部会議で「訪米の成果を経済協力、ワクチン、韓米同盟や朝鮮半島平和プロセスなどの分野別に各部署から国民に詳しく知らせ、国民が体感できるように具体化してほしい」と訓示した。 兪英敏(ユ・ヨンミン)青瓦台秘書室長は、韓米首脳会談の後続措置関係首席秘書官会議において後続措置の点検と推進のために青瓦台タスクフォース(TF)を運営することにしたと報告した。 報告内容は、(1)半導体都バッテリーなど中核産業、ワクチンに対する「汎部署TF」を構成して米国との協力策模索、(2)グローバルワクチンパートナーシップの策定に向けた全部署と製薬会社が参加する専門家ワーキンググループの構成、(3)韓国側企業のコンソーシアム構成、原副資材の受給及び技術移転、コバックス(COVAX)との協力策などである。 韓国はファウェーの問題で米国から、米中どちらを取るのか態度を鮮明にするよう求められた時、政府は企業に対応を丸投げし、方針を示さなかった。今回財界人を同伴し、最先端分野に多額の投資を行うこととし、それを韓国政府もバックアップする体制を構築するというのは一定の前進である。 特に韓国にとって、経済的に中国の影響が大きくなりすぎており、これを分散させることは、中国リスクを軽減する上で必須である。また、財界にしてみれば、韓国内の各種規制が大きく米国に投資することにメリットは大きい。 ただ、中国にはすでに多額の投資をしており、こうした動きに中国が反発する場合には悩ましいところである。その場合企業に対応を任せるのではなく、韓国政府がしっかりバックアップをすることが重要である。首脳会談がそのスタートとなれば米韓同盟のすそ野は広がっていくだろう』、「文在寅大統領」が今後、「米韓関係」をどのように再構築してゆくのか注目したい。

次に、5月29日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学教授の薬師寺 克行氏による「文大統領を自画自賛させた「バイデン外交」の周到 中国対抗の一環、韓国取り込みにあの手この手」を紹介しよう。
・『同盟国間の首脳外交にはたいていの場合、失敗がない。 実際の会談でいくら気まずい空気が漂っても、あるいは首脳同士の肌が合わなかったり、深刻な意見の違いがあっても、記者会見になると互いににこやかな笑顔で握手し、「信頼関係が構築された」などと演出する。そして、さまざまな合意内容が列挙された共同声明などの文書が公表される。 もちろん対立点が記録されることはないし、一方の国の主張だけが色濃く反映されることもない。表向きはすべてがうまくいったように装われ、首脳は自国民に向けて会談の成果を強調できるように作られている』、「同盟国間の首脳外交にはたいていの場合、失敗がない」とは言い得て妙だ。
・『韓国大統領は会談成果を「自画自賛」  5月22日(日本時間)、ワシントンでのバイデン大統領と韓国の文在寅大統領との会談も「失敗のない」外交の一例だろう。文大統領は「最高の歴訪、最高の会談だった」などと自画自賛している。 韓国国内で新型コロナウイルスのワクチンの委託生産ができるようになったことや、韓国軍55万人へのワクチン提供を確約してもらったことなど、わかりやすい成果が強調されている。事あるごとに激しく大統領を批判する野党からも厳しい声は上がっていない。 もちろん、今回の首脳会談がそんな単純なものではないことは言うまでもない。 アメリカにとって韓国は付き合いやすい同盟国ではない。文大統領は核問題などを脇に置いてでも北朝鮮との関係改善を急ぎ、同時に中国との良好な関係を重視している。「日米同盟関係が外交の基軸」とうたって何でも言うことを聞いてくれる日本とは異なり、今一つ信用のおけない相手でもある。 だからといって中国との対立を強めるバイデン政権は、そんな韓国を放っておくつもりはなかったようだ。共同声明の文言や首脳会談に伴うイベントなどを詳細にみると、アメリカにも中国にもいい顔をしようとする韓国との同盟関係を修復し、自陣営にしっかりと取り込んでおこうというアメリカ側の戦略がはっきりと見えてくる。 それに対し、文在寅大統領はとにかくバイデン大統領と会談をしたかったようだ。最大の理由は、残り1年足らずとなった任期中に南北関係の改善を実現したいことにある。 北朝鮮に対する国連安保理事会の経済制裁が継続しているため、韓国は北朝鮮に援助をしたくても身動きがまったく取れない。何か成果を上げるにはアメリカの協力が不可欠で、同時に中国への経済的依存が高まっているため、中国との良好な関係も維持したい』、「文在寅大統領」の「八方美人的外交」は上手くいくのだろうか。
・『矛盾に満ちた文大統領の「願望」  ところが、アメリカは北朝鮮問題に完全な非核化を求めており、甘い対応をする気はない。また中国との間ではかつてないほど対立が激化している。そして韓国とアメリカは相互防衛条約を結ぶ、れっきとした同盟関係にある。 つまり、文大統領の願望は矛盾に満ちているのである。アメリカよりも中国や北朝鮮に比重を置く文大統領は、八方美人的外交を維持するためにアメリカの理解が不可欠である。だから直接の首脳会談を求めていたのだ。 となると首脳会談でバイデン大統領の方が優位に立てるわけで、それを生かして、アメリカはいろんなところに仕掛けを用意したようだ。 まず会談に先立って、アメリカ側は朝鮮戦争に従軍した退役軍人に名誉勲章を贈る行事を設定し、文大統領を同席させた。朝鮮戦争でアメリカは180万人の兵を出し、13万人が死亡している。そして94歳の元軍人は人海戦術を展開した中国軍を相手に激しい戦闘を生き残った人物だった。) このイベントに文大統領を同席させたのは、アメリカと韓国はともに戦い血を流した「血盟関係」であること、そして共通の敵は中国であったことを韓国側に想起させようという意図が浮かんでくる。文大統領がどう思うかはともかく、韓国の政府や国民に対する強烈なメッセージであることは間違いない。 朝鮮戦争は共同声明にも登場する。冒頭、いきなり「大韓民国とアメリカ合衆国との間の同盟は70年前の戦場で肩を寄せ合って一緒に戦い」と切り出している。さらに「韓国とアメリカは国内外で民主的規範、人権と法治の原則が支配する地域のビジョンを共有している」と続く。 間違っても韓国はバイデン大統領が「専制主義」と呼ぶ中国の仲間ではないのだということを念押しするとともに、韓国が過剰に中国に接近することをけん制している』、「会談に先立って、アメリカ側は朝鮮戦争に従軍した退役軍人に名誉勲章を贈る行事を設定し、文大統領を同席させた」、「アメリカと韓国はともに戦い血を流した「血盟関係」であること、そして共通の敵は中国であったことを韓国側に想起させようという意図」、「アメリカ」の演出は心憎いばかりだ。
・『「ミサイル指針」を終了させた背景  共同声明には、韓国がかねて要求していた「ミサイル指針」の終了も盛り込まれた。これは韓国側の得点のように見えるが、やはりそんな単純な話ではない。 ミサイル指針というのは、朴正煕政権時代の1979年、アメリカが韓国にミサイル技術を供与するときに設けられたものだ。韓国が開発する弾道ミサイルの射程距離や弾頭の重量を制限することが目的で、アメリカの意向を無視して韓国が勝手に能力の高いミサイルを開発できなくなった。 韓国側からすれば、自らの主権が制限されていることになり、これまで何度かこの制限が緩和されてきた。文大統領はこの問題に特に熱心に取り組み、在任中に2回も見直しを実現した。その結果、当初180キロだった射程距離は800キロに延び、500キログラムだった弾頭重量の制限もなくなった。そして今回の終了合意で射程距離の制限もなくなることになる。 800キロという射程距離には大きな意味がある。800キロの射程は韓国から発射するミサイルが北朝鮮全土をカバーすることができる。しかし、ソウルと北京は950キロあることから、北京には届かない。軍事的には絶妙の数字なのだ。 つまり、射程距離の制限撤廃は、韓国のミサイルが北朝鮮を超えて北京に届くことが可能になることを意味する。もちろん韓国が直ちに北京に届くミサイルを開発するわけではないだろう。しかし、中国にとっては穏やかな話ではない。 アメリカ軍のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)が2017年に韓国に配備されると、中国政府が中国人の韓国旅行をストップしたり、韓国製品の徹底した不買運動を展開するなど激しく反発したことは記憶に新しい。今回のミサイル指針の撤廃に対して中国は今のところ強い反発はしていない。しかし、中国と韓国の間にすき間風を吹かせる効果を持っていることは間違いない』、「ミサイル指針」の「終了」は日本に悪影響はないのだろうか。
・『北朝鮮問題にアメリカは「ゼロ回答」  一方、文大統領がこだわった北朝鮮問題について、アメリカは事実上のゼロ回答だった。首脳会談でどこまで話されたかは知る由もないが、国連安保理制裁の緩和や韓国が独自に実施する北朝鮮への支援の容認などは、共同声明でまったく触れられていない。そして、北朝鮮の完全な非核化や人権状況の改善など、これまでと変わらない方針が合意されている。 韓国側はバイデン大統領に対し、トランプ前大統領のようなトップダウンによる米朝首脳会談を期待していたようだが、バイデン大統領にそんな気はなさそうだ。かといってオバマ元大統領時代の「戦略的忍耐」という名のもと、何もしないというわけでもなさそうだ。一気に問題解決を図るのではなく、実務家同士の交渉を積み上げ、北朝鮮から譲歩を引き出していくボトムアップ方式で臨むようだ。 であれば文大統領の任期中に、北朝鮮問題の大きな進展は期待できない。つまり、文大統領の要求は受け入れられなかったに等しい。 結局、共同声明の全体を見ると、美辞麗句で装いながらも韓国を同盟国の一員として対中戦略に組み込もうというアメリカの戦略がしっかりと盛り込まれている。自らの主張を強引に受け入れさせることしか考えなかったトランプ政権の直線的外交とは対照的に、バイデン政権の外交ははるかに洗練されていると言えそうだ』、同感である。
タグ:東洋経済オンライン 現代ビジネス 薬師寺 克行 武藤 正敏 米国・韓国関係 (米韓関係) (その1)(日本メディアは報じない…韓国・文在寅が「米韓首脳会談」で見せた「意外すぎる変化」、文大統領を自画自賛させた「バイデン外交」の周到 中国対抗の一環、韓国取り込みにあの手この手) 「日本メディアは報じない…韓国・文在寅が「米韓首脳会談」で見せた「意外すぎる変化」」 「上手に対立点は避け、譲歩できるところを探り合った会談」、トランプ時代とは大違いで、伝統的な米国外交に戻ったようだ。 屈辱的な「2018年の文在寅氏とトランプ大統領との会談」とは、違って「礼節をもって接してくれたことに感謝した」ようだ 「首脳会談」ありきだった「トランプ」と違って、「国務長官らが交渉」を優先するオーソドックスなやり方をとる「バイデン」の下では「北朝鮮」問題は進展しないだろう。 「韓国」としても、「米国」側に精一杯すり寄る姿勢を示したかったのだろう。 「文在寅氏」があと1年の任期に「立場を鮮明に」するとは考え難い。 「文在寅大統領」が今後、「米韓関係」をどのように再構築してゆくのか注目したい。 「文大統領を自画自賛させた「バイデン外交」の周到 中国対抗の一環、韓国取り込みにあの手この手」 「同盟国間の首脳外交にはたいていの場合、失敗がない」とは言い得て妙だ。 「文在寅大統領」の「八方美人的外交」は上手くいくのだろうか。 「会談に先立って、アメリカ側は朝鮮戦争に従軍した退役軍人に名誉勲章を贈る行事を設定し、文大統領を同席させた」、「アメリカと韓国はともに戦い血を流した「血盟関係」であること、そして共通の敵は中国であったことを韓国側に想起させようという意図」、「アメリカ」の演出は心憎いばかりだ。 「ミサイル指針」の「終了」は日本に悪影響はないのだろうか。 自らの主張を強引に受け入れさせることしか考えなかったトランプ政権の直線的外交とは対照的に、バイデン政権の外交ははるかに洗練されていると言えそうだ』、同感である
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